JP2007022338A - 乗員保護装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】乗員の拘束量の最適化を図る。
【解決手段】シートベルト装置およびリフト機構6は、乗員をシートに拘束する。処理部8aは、車両の速度Vと、ブレーキ操作量とに基づいて、車両姿勢θを推定する。制御部8bは、シートベルト装置およびリフト機構6による拘束量を制御するとともに、推定された車両姿勢θに基づいて、シートベルト装置およびリフト機構6による拘束量を補正する。
【選択図】図1
【解決手段】シートベルト装置およびリフト機構6は、乗員をシートに拘束する。処理部8aは、車両の速度Vと、ブレーキ操作量とに基づいて、車両姿勢θを推定する。制御部8bは、シートベルト装置およびリフト機構6による拘束量を制御するとともに、推定された車両姿勢θに基づいて、シートベルト装置およびリフト機構6による拘束量を補正する。
【選択図】図1
Description
本発明は、シートに着座した乗員を保護する乗員保護装置に関する。
従来より、急制動時または衝突時に、シートに着座した乗員を拘束する装置が提案されている。例えば、特許文献1には、乗員の胸部をシートに拘束するシートベルト装置が開示されている。また、特許文献2には、乗員の大腿部近傍のシートクッション内に、滑り出し防止バーを上下可動に配置し、滑り出し防止バーを大腿部に向けて所定量だけ上方に移動させ、乗員の腰部をシートに拘束する装置が開示されている。
特公平07−47382号公報
特開2003−104109号公報
ところで、この類の乗員保護装置では、乗員のポジション変化の程度に応じて、適切な拘束量を与えることが望ましい。例えば、乗員のポジション変化が大きい場合にも拘わらず、その拘束量が小さい場合には、乗員が前方へ移動する虞がある。また、乗員のポジション変化が小さい場合にも拘わらず、その拘束量が大きい場合には、乗員の自由な動きが規制される虞がある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、乗員をシートに拘束する拘束量の最適化を図ることである。
かかる課題を解決するために、本発明は、車速検出手段と、ブレーキ操作量検出手段と、乗員拘束手段と、推定手段と、制御手段とを有する乗員保護装置を提供する。この乗員保護装置において、車速検出手段は、車両の速度を検出し、ブレーキ操作量検出手段は、ドライバーによるブレーキ操作量を検出する。乗員拘束手段は、乗員をシートに拘束する。推定手段は、車速検出手段によって検出された車両の速度と、ブレーキ操作量検出手段によって検出されたブレーキ操作量とに基づいて、車両姿勢を推定する。制御手段は、乗員拘束手段による拘束量を制御する。この場合、この制御手段は、推定手段によって推定された車両姿勢に基づいて、乗員拘束手段による拘束量を補正する。
本発明によれば、車両姿勢と乗員のポジション変化との間には高い相関があるとの観点から、推定した車両姿勢に応じて、乗員拘束手段の拘束量が補正される。この補正により、拘束量の最適化を図ることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態にかかる乗員保護装置の全体構成を示す模式図である。同図に示すように、車体のフロア上には、乗員Pが着座するシートが設けられており、このシートは、乗員の大腿部から腰部の下側までを支持するシートクッションSと、乗員の腰部から背中を支持するシートバック(図示せず)とで構成されている。乗員保護装置は、乗員Pをシートに拘束することにより、所謂、サブマリン現象の発生を抑制し、シートに着座した乗員Pを保護する装置である。
シートに着座した乗員Pは、シートベルト装置(シートベルト手段)によって拘束されている。シートベルト装置は、リトラクタ1と、ウエビング2と、インナーバックル3と、ショルダアンカ4とを主体に構成されている。リトラクタ1は車体のセンターピラー(図示せず)の下端部近傍に固定的に配置されており、このリトラクタ1の巻取軸(図示せず)には、ウエビング2の一方の端部が係止されている。また、ウエビング2の他方の端部は、センターピラーの上部に取り付けられたショルダアンカ4を経由して、フロア上のブラケットに固定的に取り付けられている。
ブラケット側のウエビング2の端部とショルダアンカ4との間には、タング(図示せず)がウエビング2の延在方向に沿って移動可能に取り付けられている。シートに着座した乗員Pが、ウエビング2をリトラクタ1から引き出しつつ、タングを自分の大腿の上を、例えば右側から左側に通して、フロアに取り付けられているインナーバックル3に嵌合する。これにより、ウエビング2は、リトラクタ1からショルダアンカ4、乗員(例えば、ドライバー)の右肩、乗員の左腰、タング、乗員の大腿を経由しブラケットに到達する。リトラクタ1の巻取軸は、ベルトアクチュエータ5(例えば、電動モータなど)によって、ウエビング2を巻取収納するように回転力が付与されており、これにより、ウエビング2は、所定の引込量(基準引込量)でリトラクタ1側に引き込まれている。それ故に、このシートベルト装置では、この引込量が、乗員を拘束する拘束量に対応する。
なお、このシートベルト装置には、ウエビング2の張力が所定値以上に上昇し、乗員に大きな負担がかかるのを防止するため、予め設定された最大値よりも引込量が大きくなることを制限した張力制限機能が設けられている。
また、シートクッションSには、シートに着座した乗員の大腿部と位置的に対応して、具体的には、シートクッションSの前方にリフト機構(リフト手段)6が設けられている。このリフト機構6は、車幅方向に延在したパイプ部材6aと、各々がパイプ部材6aの両端を支持する一対のリンク部材6bとで構成されており、着座した乗員の大腿部の押し上げ量(以下、「リフト量」という)Lを可変に設定する。個々のリンク部材6bは、略L字形状を有しており、リンク部材6bの屈曲角度を変更することで、パイプ部材6aの上下方向の移動量、すなわち、リフト量Lを調整することができる。リンク部材6bには、シートアクチュエータ(例えば、電動モータなど)7が取り付けられており、その屈曲角度は、シートアクチュエータ7の駆動量に応じて設定される。
リフト機構6は、パイプ部材6aが乗員の大腿部が前方へ移動することを規制することにより、乗員Pの腰部を拘束する。それ故に、リフト機構6は、本実施形態において、シートベルト装置と同様に、乗員をシートに拘束する拘束手段として機能する。リフト機構6によるリフト量Lは、ドライバーの運転操作の妨げとならないように、通常、所定の基準リフト量(基準押し上げ量)L0に設定されている。また、リフト機構6によるリフト量Lは、リンク部材6bの屈曲角度の最大値に応じて、予め設定された最大値より大きくなることが制限されている。それ故に、リフト機構6では、このリフト量Lが、乗員をシートに拘束する拘束量に対応する。
図2は、制御ユニット8を中心とする乗員拘束装置のブロック構成図である。制御ユニット8は、シートベルト装置によるウエビング2の引込量、およびリフト機構6によるリフト量Lを制御する機能を担っており、例えば、CPU、ROM、RAM、I/Oインターフェースを主体に構成されたマイクロコンピュータを用いることができる。制御ユニット8には、このような処理を行うために、各種センサからの検出信号が入力されている。ブレーキセンサ(ブレーキ操作量検出手段)9は、ドライバーによるブレーキ操作量を検出するセンサであり、例えば、ブレーキペダル10の踏込量を検出するセンサである。車速センサ(車速検出手段)11は、車両の速度(車速)Vを検出する。レーダ12は、衝突物への車両の接近状態(例えば、距離)を検出するセンサであり、ミリ波レーダまたはレーザレーダといった各種のセンサを用いることができる。バックルセンサ3aは、シートに着座した乗員がシートベルトを着用しているか否かを検出するセンサであり、タングとインナーバックル3との接触状態を検出するセンサなどを用いることができる。
図3は、車両Cの挙動を説明する説明図である。ここで、図3を参照し、制御ユニット8による制御概念を説明する。車両Cが通常走行している状態において、車両前端の下向き方向のピッチングθは比較的に小さい値となり、また、乗員Pのポジション変化も小さい。しかしながら、例えば、障害物Oに衝突するといったように、この通常走行状態から急制動を行うと、車両Cは前傾姿勢(ピッチングθ1)となり、また、乗員Pのポジション変化も大きくなる。そして、車両が衝突物Oに衝突する場合には、車両Cは前傾姿勢のまま衝突物Oに衝突し、例えば、車両の後端が浮き上がり(ピッチングθ2)、また、乗員Pのポジション変化も大きくなる。このように、車両Cのピッチングθと、乗員Pのポジション変化との間には、高い相関関係が存在している。そこで、制御ユニット8は、車両のピッチングθから乗員Pのポジション変化を考慮することにより、シートベルト装置によるウエビング2の引込量、およびリフト機構6によるリフト量Lが最適となるような制御を行う。
再び図2を参照するに、制御ユニット8は、これを機能的に捉えた場合、処理部(推定手段)8aと、制御部(制御手段)8bとを有する。処理部8aは、ブレーキセンサ9、車速センサ11およびレーダ12からの検出信号に基づいて、車両姿勢、すなわち、車両のピッチングθを推定する。具体的には、処理部8aは、ブレーキペダル10の踏込量と車速Vとに基づいて、減速度を予測し、さらに、この予測された減速度に基づいて、車両姿勢(ピッチング)θ1を推定する。また、処理部8aは、ブレーキペダル10の踏込量と、車速Vと、衝突物Oへの接近状態とに基づいて、衝突物Oへ衝突する際の車両姿勢(ピッチングθ2)を推定する。
制御部8bは、処理部8aによって推定された車両のピッチングθ1,θ2に基づいて、リフト機構6(より正確には、シートアクチュエータ7)を制御することにより、パイプ部材6aのリフト量Lを補正する。また、制御部8bは、シートベルト装置(より正確には、ベルトアクチュエータ5)を制御することにより、ウエビング2の引込量を補正する。
以下、このような構成を有する乗員保護装置について、その具体的な動作を説明する。図4は、本実施形態にかかる乗員保護装置の動作手順を説明するフローチャートである。このフローチャートに示す処理は、所定間隔毎に呼び出され、制御ユニット8によって実行される。
まず、ステップ1において、各種センサ類からの検出信号が読み込まれる。このステップ10において読み込まれる検出信号としては、ブレーキペダル10の踏込量、車速V、衝突物への接近状態、および、シートベル着用の有無である。
ステップ2において、制御部8bは、バックルセンサ3aの検出結果に基づいて、シートベルトが装着されているか否かを判断する。このステップ2において肯定判定される場合、すなわち、シートベルトが装着されている場合には、ステップ3に進む。一方、ステップ2において否定判定される場合、すなわち、シートベルトが装着されていない場合には、ステップ3からステップ8までの処理をスキップして、本ルーチンを抜ける。
ステップ3において、処理部8aは、ブレーキセンサ9からの検出結果に基づいて、ブレーキペダル10が踏み込まれたか否かを判定する。このステップ3において肯定判定された場合、すなわち、ブレーキセンサ9によってブレーキペダル10の踏み込みが検出されている場合には、ステップ4に進む。一方、ステップ3において否定判定された場合、すなわち、ブレーキセンサ9によってブレーキペダル10の踏み込みが検出されていない場合には、ステップ4をスキップして、後述するステップ5に進む。
図5は、車速Vとピッチングθとの対応関係を示す説明図である。ステップ4において、処理部8aは、制動時の車両のピッチングθ1を算出する。具体的には、処理部8aは、ブレーキペダル10の踏込量と車速Vとに基づいて、車両の減速度を推定し、この推定された減速度に基づいて、車両のピッチングθ1を推定する。制御ユニット8には、減速度を考慮して車両のピッチングθ1が規定された、車速Vとブレーキペダル10の踏込量との対応関係を記述したマップまたはテーブルが、実験やシミュレーションを通じて予め用意されている。同図には、所定のブレーキペダル10の踏込量に関する、車速Vとピッチングθとの対応関係が示されており、両者の関係は、車速Vの増加に応じてピッチングθが比例的に増加する傾向となっている。このような対応関係は、種々のブレーキペダル10の踏込量に相当する分だけ用意されており、処理部8aは、ピッチングθ1の推定値を、ブレーキペダル10の踏込量と車速Vとから一義的に算出する。
ステップ4に続くステップ5において、処理部8aは、車両Cが衝突物Oに衝突するか否かを判定する。車両Cと衝突物Oとの衝突判断は、レーダ12からの検出結果である衝突物Oへの接近状態に基づいて、衝突物Oへの衝突が回避不可能なレベルまで接近しているか否かによって行うことができる。このステップ5において肯定判定された場合、すなわち、車両Cが衝突物Oと衝突する場合には、ステップ6に進む。一方、ステップ5において否定判定された場合、すなわち、車両Cと衝突物Oとの衝突がない場合には、ステップ6をスキップして、後述するステップ7に進む。
ステップ6において、処理部8aは、車両Cが衝突物Oへ衝突する際のピッチングθ2を算出する。具体的には、処理部8aは、ブレーキペダル10の踏込量と、車速Vとに基づいて、車両のピッチングθ2を推定する。制御ユニット8には、衝突時の車両のピッチングθ2が規定された、車速Vとブレーキペダル10の踏込量との対応関係を記述したマップまたはテーブルが、実験やシミュレーションを通じて予め用意されている。衝突時のピッチングθ2は、図5に示す制動時のピッチングθ1と同様、車速Vの増加に応じてピッチングθが比例的に増加する傾向となっている。このような対応関係は、種々のブレーキペダル10の踏込量に相当する分だけ用意されており、処理部8aは、ピッチングθ2の推定値を、ブレーキペダル10の踏込量と車速Vとから一義的に算出する。なお、ブレーキペダル10が踏み込まれないまま衝突物に衝突する場合には、ピッチングθ2の値が大きくなることが予想されるので、その推定値は、最大と算出される。
ステップ7において、制御部8bは、パイプ部材6aのリフト量L、および、ウエビング2の引込量の補正値を算出する。この補正量の算出には、車両のピッチングθ1、或いは、ピッチングθ2が参照される。具体的には、このステップ7の処理を行う前提として、ピッチングθ1或いはピッチングθ2のみが算出されている場合には、算出されている値が参照され、また、ピッチングθ1,θ2ともに算出されている場合には、衝突時のピッチングθ2が参照される。
まず、リフト量Lの補正値は、車両のピッチングθ(θ1またはθ2)に基づいて算出される。そのため、リフト量Lの補正値と車両のピッチングθとの適切な対応関係を定めたマップ或いはテーブルが、予め実験やシミュレーションを通じて作成されており、これが制御ユニット8に格納されている(図5参照)。同図に示すように、リフト量Lは、通常、基準リフト量L0に設定されており、例えば、車両前端の下向き方向のピッチングθが所定の増加幅だけ増加する程、ステップ的にリフト量Lが大きくなるように補正される。例えば、リフト量Lは、基準リフト量L0に、ピッチングθの大きさに応じた補正量(0,ΔL1,ΔL2,ΔL3)を加算した値に補正されるといった如くである。また、特段図示しないものの、ウエビング2の引込量の補正値についても、車両のピッチングθ(θ1またはθ2)に基づいて、マップやテーブルを参照することにより、一義的に算出される。この引込量は、図5に示すリフト量Lと同様に、通常、基準引込量に設定されており、例えば、車両前端の下向き方向のピッチングθが所定の増加幅だけ増加する程、ステップ的に引込量が大きくなるように補正される。例えば、引込量は、基準引込量に、ピッチングθの大きさに応じた補正量を加算した値となるといった如くである。なお、車両のピッチングθ2が最大と算出されている場合、すなわち、衝突物Oへの衝突前にブレーキ操作が行われていないと判断した場合には、リフト量Lおよび引込量は、その最大値となるように補正値が算出される。
ステップ8において、制御部8bは、算出されたリフト量Lの補正値に応じた制御信号をシートアクチュエータ7に出力するとともに、算出された引込量の補正値に応じた制御信号をベルトアクチュエータ5に出力し、各々のアクチュエータ5,7を制御する。これにより、パイプ部材6aのリフト量Lが基準リフト量L0から補正され、また、ウエビング2の引込量が基準引込量から補正される。
図6は、リフト量Lを固定した状態でのリフト機構6による乗員Pの拘束作用を説明する説明図であり、図7は、上述した実施形態に示すように、リフト量Lを可変とした状態でのリフト機構6による乗員Pの拘束作用を説明する説明図である。図6(a)は、通常走行状態におけるリフト機構6と乗員Pとの関係を示し、図6(b)は、例えば、衝突物へ衝突する場合(車両にピッチングθ2が生じる場合)におけるリフト機構6と乗員Pとの関係を示す。また、図7(a)は、通常走行状態におけるリフト機構6と乗員Pとの関係を示し、図7(b)は、例えば、衝突物Oへ衝突する場合(車両にピッチングθ2が生じる場合)におけるリフト機構6と乗員Pとの関係を示す。
例えば、ドライバーがブレーキ操作を行ったとしても、それが通常走行状態とみなせる範囲内では、車両に生じるピッチングθの大きさは小さい。このケースでは、図6(a)または図7(a)に示すように、乗員Pに前方への慣性力が作用したとしても、リフト機構6によって乗員Pの大腿部の移動が規制されるため、乗員Pの腰部がシートに拘束され、これにより、乗員Pが前方に移動するといった事態が抑制される。しかしながら、図6(b)に示すように、車両前端の下向き方向に大きなピッチングθ2が生じた場合には、そのピッチングθ2によってリフト機構6にも傾きが生じる。そのため、リフト機構6が乗員Pの大腿部の移動を規制しきれなくなるため、乗員Pの腰部の拘束量が弱くなり、これにより、乗員Pが前方に移動する虞がある。この点、本実施形態によれば、例えば、衝突物Oへの衝突といった場合には、車両前端の下向き方向のピッチングθ2に応じて、リフト機構6のパイプ部材6aのリフト量が補正される。この補正により、リフト機構6によって大腿部の移動が規制され、これにより、乗員Pの腰部が拘束されるので、乗員Pが前方へ移動するといった事態の発生を抑制することができる。
また、リフト機構6のリフト量Lの補正とともに、衝突物Oへの衝突といった場合には、車両前端の下向き方向のピッチングθ2に応じて、ウエビング2の引込量も補正される。この補正により、ウエビング2によって乗員Pの上半身の移動が規制され、これにより、乗員Pの胸部が拘束されるので、乗員Pが前方へ移動するといった事態の発生をより効果的に抑制することができる。
このように本実施形態によれば、乗員をシートに拘束する乗員拘束手段として、シートベルト装置およびリフト機構6が備えられている。制御ユニット8を構成する処理部8aは、車速センサ11によって検出された車速Vと、ブレーキセンサ9によって検出されたブレーキペダル10の踏込量とに基づいて、車両のピッチングθを推定する。また、制御ユニット8を構成する制御部8bは、乗員拘束手段による拘束量、すなわち、ウエビング2の引込量およびパイプ部材6aのリフト量Lを制御する。この場合、制御部8bは、処理部8aによって推定された車両のピッチングθに基づいて、引込量およびリフト量Lを補正する。かかる構成により、例えば、急制動といった場合には、車両前端の下向き方向のピッチングθ1に応じて、リフト機構6のパイプ部材6aのリフト量Lが補正される。この補正により、乗員をシートに拘束する拘束量が適正化されるため、乗員Pの腰部が拘束され、乗員Pの前方への移動を抑制することができる。また、リフト機構6のリフト量Lの補正とともに、急制動といった場合には、車両前端の下向き方向のピッチングθ1に応じて、ウエビング2の引込量も補正される。この補正により、乗員をシートに拘束する拘束量が適正化されるため、乗員Pの胸部が拘束され、乗員Pの前方への移動をより効果的に抑制することができる。
さらに、本実施形態によれば、乗員保護装置は、衝突物Oへの車両Cの接近状態を検出するレーダ12をさらに有している。この場合、処理部8aは、車速センサ11によって検出された車速Vと、ブレーキセンサ9によって検出されたブレーキペダル10の踏込量と、レーダ12によって検出された衝突物Cへの接近状態とに基づいて、衝突物Cへ衝突する際の車両Cのピッチングθ2を推定する。そして、制御部8bは、処理部8aによって推定された車両Cのピッチングθ2に基づいて、車両Cが衝突部へ衝突するよりも前に、引込量およびリフト量Lを補正している。かかる構成により、衝突時には、それよりもタイミング的に前にリフト量Lが補正され、かつ、乗員をシートに拘束する拘束量が適正化されるため、リフト機構6によって乗員Pの腰部が拘束され、乗員Pが前方へ移動するといった事態の発生を抑制することができる。また、ウエビング2の引込量を補正することにより、乗員をシートに拘束する拘束量が適正化される。これにより、乗員Pの胸部を中心とする上半身が拘束され、乗員Pの前方への移動をより効果的に抑制することができる。
なお、乗員Pの拘束量をいかなるピッチングθにおいて確保するためには、予めリフト量Lおよび引込量をある程度大きな値に固定的に設定しておくことも考えられるが、かかる構成では、乗員Pの動作、特に、ドライバーの操作を妨げる虞がある。この点、本実施形態によれば、急制動時、或いは、衝突時といったケースにおいて、車両のピッチングθに応じてリフト機構6によるリフト量またはウエビング2の引込量が補正されるので、このような不都合を解消できる。
本実施形態によれば、制御部8bは、ブレーキセンサ9によって検出されたブレーキペダル10の踏込量と、レーダ12によって検出された衝突物への接近状態とに基づいて、衝突物への衝突前にブレーキ操作が行われていないと判断した場合、すなわち、車両のピッチングθ2が最大と算出されている場合には、リフト機構6のリフト量Lおよびウエビング2の引込量が、予め設定された最大値に補正される。ブレーキ操作が行われずに衝突物Oへ衝突する場合には、車両のピッチングθ2が大きくなる傾向にある。そのため、リフト量および引込量を最大値に補正することで、乗員を効果的に拘束することができ、乗員Pの前方への移動を抑制することができる。
本実施形態によれば、制御部8bは、車両前端の下向き方向のピッチングθの大きさに応じて、リフト機構6によるリフト量Lが基準リフト量L0よりも上向き方向に大きくなるように、リフト量Lを補正している。これにより、車両のピッチングθの増加、すなわち、乗員Pのポジション変化の増加に応じてリフト量Lが増加されるので、乗員Pの腰部を適切に拘束することが可能となる。
また、本実施形態によれば、制御部8bは、車両前端の下向き方向のピッチングθの大きさに応じて、シートベルト装置によるウエビング2の引込量が基準引込量よりも大きくなるように、引込量を補正している。これにより、車両のピッチングθの増加、すなわち、乗員Pのポジション変化の増加に応じて引込量が増加されるので、乗員Pの胸部を適切に拘束することが可能となる。
なお、本実施形態では、ピッチングθの大きさに応じて、リフト量Lおよび引込量がステップ的に大きくなるように補正量を決定しているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図8に示すように、ピッチングθの増加とともに、リフト量Lおよび引込量が線形的に大きくなるように補正量を決定するといったように、その補正は種々の手法で行うことができる。
また、本実施形態では、ドライバーの着座する運転席を対象として説明を行ったが、助手席、後部座席といった全てのシート、或いは、乗員が着座しているシートを対象として、同様の処理を行ってもよい。また、ベルトアクチュエータ5、シートアクチュエータ7としては、電動モータといった電動式のアクチュエータのみならず、瞬時に拘束量が変化できるように、火薬式等のアクチュエータを単独で、或いは併用して用いてもよい。
1 リトラクタ
2 ウエビング
3 インナーバックル
3a バックルセンサ
4 ショルダアンカ
5 ベルトアクチュエータ
6 リフト機構
6a パイプ部材
6b リンク部材
7 シートアクチュエータ
8 制御ユニット
9 ブレーキセンサ
10 ブレーキペダル
11 車速センサ
12 レーダ
2 ウエビング
3 インナーバックル
3a バックルセンサ
4 ショルダアンカ
5 ベルトアクチュエータ
6 リフト機構
6a パイプ部材
6b リンク部材
7 シートアクチュエータ
8 制御ユニット
9 ブレーキセンサ
10 ブレーキペダル
11 車速センサ
12 レーダ
Claims (8)
- 車両の速度を検出する車速検出手段と、
ドライバーによるブレーキ操作量を検出するブレーキ操作量検出手段と、
乗員をシートに拘束する乗員拘束手段と、
前記車速検出手段によって検出された車両の速度と、前記ブレーキ操作量検出手段によって検出されたブレーキ操作量とに基づいて、車両姿勢を推定する推定手段と、
前記乗員拘束手段による拘束量を制御する制御手段とを有し、
前記制御手段は、前記推定手段によって推定された車両姿勢に基づいて、前記乗員拘束手段による拘束量を補正することを特徴とする乗員保護装置。 - 衝突物への接近状態を検出する衝突物検出手段をさらに有し、
前記推定手段は、前記車速検出手段によって検出された車両の速度と、前記ブレーキ操作量検出手段によって検出されたブレーキ操作量と、前記衝突物検出手段によって検出された衝突物への接近状態とに基づいて、前記衝突物へ衝突する際の車両姿勢を推定し、
前記制御手段は、前記推定手段によって推定された車両姿勢に基づいて、車両が前記衝突物へ衝突するタイミングよりも前に、前記乗員拘束手段による拘束量を補正することを特徴とする請求項1に記載された乗員保護装置。 - 前記制御手段は、前記ブレーキ操作量検出手段によって検出されたブレーキ操作量と、前記衝突物検出手段によって検出された衝突物への接近状態とに基づいて、前記衝突物への衝突前にブレーキ操作が行われていないと判断した場合には、前記乗員拘束手段による拘束量を、予め設定された最大値に補正することを特徴とする請求項2に記載された乗員保護装置。
- 前記乗員拘束手段は、乗員が着座するシートクッション内において乗員の大腿部と位置的に対応して設けられ、着座した乗員の大腿部の押し上げ量を可変に設定するリフト手段であり、
前記制御手段は、前記推定手段によって推定された車両姿勢に基づいて、前記リフト手段による大腿部の押し上げ量を補正することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載された乗員保護装置。 - 前記制御手段は、車両前端の下向き方向のピッチングの大きさに応じて、前記リフト手段による大腿部の押し上げ量が基準押し上げ量よりも上向き方向に大きくなるように、前記押し上げ量を補正することを特徴とする請求項4に記載された乗員保護装置。
- 前記乗員拘束手段は、ウエビングの引込量を可変に設定するシートベルト手段であり、
前記制御手段は、前記推定手段によって推定された車両姿勢に基づいて、前記シートベルト手段によるウエビングの引込量を補正することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載された乗員保護装置。 - 前記制御手段は、車両前端の下向き方向のピッチングの大きさに応じて、前記シートベルト手段によるウエビングの引込量が基準引込量よりも大きくなるように、前記引込量を補正することを特徴とする請求項6に記載された乗員保護装置。
- 車両の速度を検出し、ドライバーによるブレーキ操作量を検出し、検出された車両の速度と、検出されたブレーキ操作量とに基づいて、車両姿勢を推定し、当該推定された車両姿勢に応じて、乗員をシートに拘束する拘束量を補正することを特徴とする乗員保護装置。
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JP2005207786A Pending JP2007022338A (ja) | 2005-07-15 | 2005-07-15 | 乗員保護装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2007022338A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012224308A (ja) * | 2011-04-22 | 2012-11-15 | Nhk Spring Co Ltd | 乗員保護装置 |
JP2016101867A (ja) * | 2014-11-28 | 2016-06-02 | 三菱自動車工業株式会社 | 荷物保持装置 |
-
2005
- 2005-07-15 JP JP2005207786A patent/JP2007022338A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012224308A (ja) * | 2011-04-22 | 2012-11-15 | Nhk Spring Co Ltd | 乗員保護装置 |
JP2016101867A (ja) * | 2014-11-28 | 2016-06-02 | 三菱自動車工業株式会社 | 荷物保持装置 |
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