JP2007022110A - 小型滑走艇 - Google Patents

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    • F01P3/20Cooling circuits not specific to a single part of engine or machine
    • F01P3/202Cooling circuits not specific to a single part of engine or machine for outboard marine engines
    • F01P3/205Flushing

Abstract

【課題】 エンジン冷却システムの洗浄時に洗浄水供給ラインの接続が容易であり、そのための接続部材が滑走性能に与える影響を回避することができる小型滑走艇を提供する。
【解決手段】 エンジンEを冷却する冷却システムに接続され且つ船体1のデッキ3の外面に開口した、冷却システムを洗浄するためのフラッシュ用配管39を備えており、フラッシュ用配管39の開口に、洗浄水供給源と接続するためのフラッシュキット40が配設されており、フラッシュキット40が配設されるデッキの外面に凹陥部44が形成されている。
【選択図】 図2

Description

本発明は小型滑走艇に関する。さらに詳しくは、エンジンの冷却システムおよびこの冷却システムを洗浄するための洗浄機構を備えた小型滑走艇に関する。
いわゆるジェット推進型の小型滑走艇は、レジャー用、スポーツ用、またはレスキュー用として近年多用されている。この小型滑走艇は、ハルおよびデッキによって囲まれた艇内の空間に、ウォータージェットポンプおよびこのウォータージェットポンプを駆動するエンジンを備えている。ウォータージェットポンプの作動により、ハルの底面に設けられた吸水口から吸い込んだ水を加圧および加速して後方へ噴射することにより船体の推進力を得ている。一般にこのような小型滑走艇は外部から取水してエンジン等を冷却する冷却システムを備えている(たとえば特許文献1参照)。
図10に示すように、この冷却システムは、ウォータージェットポンプのポンプケーシングに接続された取水管(冷却水管)61を通して、このウォータージェットポンプ内から加圧された水(海水、湖水等)の一部を冷却水として取り込む。取り込まれた冷却水は、エンジン62のシリンダーブロック63、シリンダーヘッド64、および、排気管路(排気マニホールド65、排気パイプ66、エクスパンションチャンバ67等)などへ供給されてこれらを冷却する。この小型滑走艇の場合、艇外から取り入れた冷却水はエンジン62や排気管路を冷却した後、一部が排水管68を通してウォータージェットポンプのポンプルームに排水され、他の部分がウォーターマフラー69を通して排気ダクト70から排気ガスとともに艇外へ排出される。
そして、この小型滑走艇では、艇を水上から引き上げた後に水冷経路(冷却水路ともいう)に残留した海水や湖水を効果的に排出するために、上記排水管68、排気ダクト70、冷却水管61とは別に第二排水管71が配設されている。この第二排水管71は、冷却水管61のうちのウォータージェットポンプとエンジン62との間の部分に接続されている。すなわち、冷却水管61のうち、エンジン62の排気マニホールド65に至る前の部分であって、この冷却水管61に設置されたフィルタ72の近くに接続されている。艇外からフィルタ72へのアクセスを容易にするために、このフィルタ72はエンジンルーム内の比較的高い位置に配置されている。したがって、フィルタ72とエンジン62との間の冷却水管61の部分は必然的に低くなる。この低くなっている冷却水管61の部分に溜まる水をも十分に抜き取るために第二排水管71は上記の位置に接続されている。そして、この第二排水管71の排水口71aはハルの後端面に開口している。
一方、このような冷却システムを持つ小型滑走艇では、小石や藻などの異物が水冷経路に残留したり、海水の塩分が水冷経路の内壁面に付着する可能性がある。そこで、上記小型滑走艇では、艇外から上記第二排水管71を通して水冷経路に洗浄水を流すことによって水冷経路内の洗浄(以下、フラッシングともいう)を行うようにしている。すなわち、排水口71aから第二排水管71を通して水道水等の洗浄水を送り、水冷経路を通して排水管68や排気ダクト70から排水する。第二排水管71が洗浄水供給管となり、その排水口71aが洗浄水供給口となる。
特開2003−63497号公報
ところが、上記小型滑走艇では、第二排水管71の排水口71aがハルの後端面に位置し、そこから洗浄水供給配管に接続するための接続金具が外方へ突出している。したがって、艇をトレーラの荷台やリフトに搭載した状態では、この接続金具に対して洗浄水供給管を接続するためにアクセスするのが困難である。また、ハルの底面や側面は滑走面となるので、滑走性能への影響を防止する観点からは、ここに洗浄水供給口の部材を突設することは好ましくない。さらに、艇の外観形状を損なうような位置に取付けることも好ましくない。
一方、洗浄水供給口を船体の外面に設けることはせずに、ハッチカバーを開けるか、またはシートを取り外してバッテリのアクセス開口を開放してエンジンの水冷経路に形成された接続口に洗浄水供給ホースを直接接続してフラッシングすることも従来行われている。しかし、この場合、洗浄水供給ホースを水冷経路に接続している間中ハッチカバー等を開けた状態にしておかねばならない。そうすると、エンジンの騒音が周囲に拡がるので好ましくない。
本発明はかかる課題を解決するためになされたものであり、エンジンの冷却システムを洗浄水によって洗浄するに際してエンジンルームを開放する必要なく、しかも、冷却システムに洗浄水供給配管を接続するためのフラッシュキットを、ライダーの邪魔にならず、艇の外観形状を損なうこともなく艇の外面に配置することを可能にした小型滑走艇を提供することを目的としている。
本発明に係る小型滑走艇は、
デッキおよびハルを有する船体と、この船体内に収容されるエンジンと、船体外の水によってエンジンを冷却する冷却システムと、この冷却システムに一端が接続されて洗浄水を冷却システムに導く洗浄水供給ラインとを備えており、
洗浄水供給ラインの他端が、船体のデッキにおいて外方への開口部を有し、この開口部に、船体外の洗浄水供給源と接続するための接続部材が配設されている。
かかる構成により、冷却システムを洗浄するに際してエンジンルームを開放する必要がないので、エンジンの回転音に起因する騒音が抑制されることはもとより、洗浄水供給源と接続するための接続部材がハルに設けられていないので滑走性能に対する上記接続部材の影響を回避することができる。さらに、洗浄水を供給するために接続部材へアクセスすることが容易である。
上記開口を、デッキの外面に形成された凹陥部の底部に形成するのが好ましい。
デッキの外表面から凹陥した部分に接続部材を取り付けることになるので、デッキの外表面から接続部材が突出することがない。
上記開口を、デッキの外面に形成されたラインの屈曲部またはこの屈曲部に近接した位置に形成するのが好ましい。
たとえば、デッキの表面に前述の凹陥部を形成する場合にこのようなラインの屈曲部には形成し易いからであり、また、ラインの屈曲部であればそこに接続部材が存在していても目立たず、艇の外観形状に大きな影響を及ぼさないからである。
上記開口を、デッキの外形を形作るラインの屈曲部またはこの屈曲部に近接した位置に形成するのが、上記と同様の理由により好ましい。
デッキの中央部にライダーが跨いで乗るためのシートを取り付ける隆起部が形成されている騎乗型の小型滑走艇では、上記開口が形成される凹陥部がこの隆起部表面におけるシートの略直下に位置しているのが好ましい。
シート略直下であり、しかも凹陥部に接続部材が取り付けられるため、シートで隠されてライダーの身体との接触防止が効果的になされるからである。さらに、接続部材が目立ちにくい点も好ましい。
この騎乗型の小型滑走艇において、上記開口を、上記隆起部の側面であって、隆起部を横から見たときの隆起部の上端面がなすラインの屈曲部の略直下に形成するのが、上記と同様の理由により好ましい。
上記開口が形成される隆起部の側面が、船体の前方に向かって左側面であるのが好ましい。
船体の左側はいわゆるポートサイドであり、一般的に桟橋や船着き場に停泊するときには船体の左側を桟橋等に付けるため、接続部材にアクセスし易いからである。
本発明によれば、エンジン冷却システムの水洗時に洗浄水供給源と接続するための接続部材が船体外部に取り付けられているので、エンジンルーム、シート、ハッチ等を開かずにエンジンを運転しながらエンジン冷却システムを水洗することができる。したがって、エンジンノイズを極力少なくすることができる。また、上記接続部材へのアクセスが容易である。さらに、この接続部材はハルに設置されていないのでその存在が滑走性能に与える影響を回避することができる。
以下、添付の図面を参照しながら本発明に係る小型滑走艇(以下、単に艇ともいう)の実施形態を説明する。
図1は本実施形態に係る小型滑走艇の側面図である。図2はこの小型滑走艇の推進機構であるウォータージェットポンプPを一部断面にして示した側面図である。図3はこの小型滑走艇の平面図である。図4はこの小型滑走艇の左側後方から見た斜視図である。
図1〜図4に示す小型滑走艇はライダーがシート7上に跨って乗る騎乗型の小型滑走艇であり、その船体1はハル2とこのハル2の上部を覆うデッキ3とから構成されている。ライダーが跨って乗るためにデッキ3のやや後部において中央部が上方に隆起しており、この隆起した部分(隆起部)4の上面にシート7が設置されている。隆起部4の両側の部分はライダーが足を預けるために低く且つほぼ平坦にされたデッキフロア5となっている。船体1の全周にわたってハル2とデッキ3とを接続するラインはガンネルラインGと称される。なお、図1中の符号Wは小型滑走艇の喫水線を表し、ガンネルラインGはこの喫水線Wより上方に位置する。図3に破線で示すように、船体1の上部におけるデッキ3の略中央位置にはデッキ開口部6が形成されている。このデッキ開口部6の上方にはハッチカバー16が開閉可能にして取り付けられている。
図2に示すように、デッキ開口部6の下方において、ハル2およびデッキ3により囲まれた空間がエンジンルーム8を形成している。エンジンルーム8内には小型滑走艇を駆動するためのエンジンEが搭載されている。このエンジンEは本実施形態においては直列2気筒の2サイクルエンジンであるが、これには限定されない。
エンジンEはそのクランクシャフト9が船体1の前後方向に沿うように配置されている。クランクシャフト9の出力端部はカップリング手段10を介してプロペラ軸11に接続されている。このプロペラ軸11は船体1の後部に配置されたウォータージェットポンプPのポンプ軸12に接続されている。したがって、クランクシャフト9の回転に連動してポンプ軸12が回転する。このポンプ軸12にはインペラ13が取り付けられており、このインペラ13の後方には静翼14が配置されている。また、インペラ13の外周にはこのインペラ13を覆うようにして筒状のポンプケーシング15が設けられている。
船体1の底部には吸水口17が設けられている。この吸水口17とポンプケーシング15との間は吸水通路18により接続されている。ポンプケーシング15にはさらに船体1の後部に設けられたポンプノズル19が接続されている。このポンプノズル19は後方へいくにしたがってノズル径が小さくなるように構成されており、後端には噴射口20が形成されている。
このような小型滑走艇は、ハル2底部の吸水口17から吸入した水をウォータージェットポンプPによって加圧および加速する。また、この水流は静翼14にて整流され、ポンプノズル19を通して噴射口20から後方へ吐出される。小型滑走艇は噴射口20から吐き出された水の反動によってその推進力を得る。
また、上述したエンジンEには、外部から取り入れた冷却水によりエンジンE等を直接冷却するオープンクーリング式の冷却システムが採用されている。ポンプケーシング15の上部所定位置には取水孔21が形成されている。この取水孔21からは、ウォータージェットポンプPにて加圧された水の一部が冷却水管22を通して艇内に冷却水として取り込まれ、エンジンE等を冷却する。このエンジンEの冷却システムの詳細については後述する。
シート7の前方には操舵用のハンドル23が設けられている。このハンドル23は、図示しないケーブルによって、ポンプノズル19の後方のステアリングノズル24と接続されている。このハンドル23を左右に操作することにより、ステアリングノズル24は左右に揺動される。したがって、ウォータージェットポンプPが推力を発生させている間にハンドル23を操作することにより、ポンプノズル19を通して外部へ吐き出される水の方向を変えることができ、それにより小型滑走艇の向きを変えることができる。
図5および図6は図1に示す小型滑走艇が備えるエンジンEの冷却システムの構成を示す斜視図であり、図7はそのブロック図である。図5および図6に示すように、エンジンEに接続された排気マニホールド26は、排気パイプ27およびエキスパンションチャンバ28を介して、船体1の前部に配設された円筒状のウォーターマフラ29に接続されている。ウォーターマフラ29には排気ダクト30が接続され、この排気ダクト30を通して艇尾において艇外に連通している。これら、排気マニホールド26、排気パイプ27、エキスパンションチャンバ28、ウォーターマフラ29、排気ダクト30は、本実施形態に係る小型滑走艇の排気管路31を構成する。そして、エンジンEからの排気はこの排気管路31を通して艇外へと排出される。
ウオータージェットポンプPのポンプケーシング15から排気マニホールド26まで冷却水管22が延設されている。冷却水管22はウォータージェットポンプP内で加圧された水の一部を冷却水としてエンジンEへ導く。
図7に示すように、冷却水管22は、ウォータージェットポンプPと排気マニホールド26に形成されたウォータージャケット26aとを連通しており、ウォータージェットポンプPによって加圧された冷却水をこのウォータージャケット26aまで導く(すなわち、排気マニホールド26内の冷却水通路へ導く)。この排気マニホールド26のウォータージャケット26aは排気パイプ27に形成されたウォータージャケット27aに連通している。したがって、冷却水管22を通して排気マニホールド26に取り込まれた冷却水は排気パイプ27のウォータージャケット27aへ供給される。また、排気パイプ27のウォータージャケット27aはエキスパンションチャンバ28に形成されたウォータージャケット28aに連通しているので、排気パイプ27に取り込まれた冷却水はエキスパンションチャンバ28のウォータージャケット28aへ供給される。さらに、冷却水はこのウォータージャケット28aからウォーターマフラ29内の排気へ供給され、排気とともに排気口35から艇外に排出される。
一方、前述した排気マニホールド26に形成されたウォータージャケット26aは、シリンダーブロック32のウォータージャケット32aに連通しており、このシリンダーブロック32のウォータージャケット32aは、シリンダーヘッド33のウォータージャケット33aに連通している。したがって、排気マニホールド26のウォータージャケット26aに供給されてきた冷却水の一部はシリンダーブロック32およびシリンダーヘッド33を冷却すべく分流される。
そして、シリンダーヘッド33のウォータージャケット33aの上部には排気パイプ27のウォータージャケット28aに連通するための連通管34が接続されている。この連通管34には後述する水洗(フラッシュともいう)用配管39が接続されている。シリンダーヘッド33に送られてきた冷却水はシリンダーヘッド33を通過したあと排気パイプ27に至り、排気マニホールド26から直接排気パイプ27に至った冷却水と合流してエキスパンションチャンバ28に至る。そして、ウォーターマフラ29内の排気へ供給され、排気ダクト30を通って排気とともに排気口35から艇外に排出される。
また、エキスパンションチャンバ28のウォータージャケット28aからは、水温センサ36に連通する検出管37が接続されており、水温センサ36からは排水のための排水管38がウォータージェットポンプPに接続されている。これにより、エンジンEを冷却した後の冷却水の一部がエキスパンションチャンバ28のウォータージャケット28aから水温センサ36に送られてその水温が計測される。その検出結果に基づいてエンジンの回転が制御される。
この小型滑走艇には前述した水冷却システムを洗浄するためのフラッシュ用配管39が設けられている。一般的に、使用後は艇を水上から引き上げて水冷却システムの冷却水路に洗浄水(一般的には上水道水等の清水)を送り込み、排気管路等を通して排水することにより洗浄する(フラッシングともいう)。このフラッシュ用の配管39の一端は、冷却水路の一部を構成する上記連通管34に接続されている。フラッシュ用配管39の他端はデッキ3の左側面の所定部位に接続され、この他端が給水口39aとして開口されている。給水口39aには洗浄水を供給する洗浄水供給管53(図9(b)参照)に接続するための給水用接続部材40(フラッシュキットとも言う)が取り付けられている。具体的には、このフラッシュキット40はデッキ3の中央の隆起部4の左側面であって、シート7の直ぐ下の位置に設置されている(図1、図2および図4参照)。上記フラッシュ用配管39は金属製等の硬いパイプであってもよく、軟質の合成樹脂等からなる可撓性チューブであってもよい。
図1および図2に示すように、隆起部4上のシート7が設置される部分およびその前後の上端面を横から見たときの形状は、操舵用ハンドル23の取り付け位置から後方に向けてやや急角度で下方に傾斜している第一斜面41、シート7の前部付近から後方に向けて緩やかな角度で上方に傾斜している第二斜面42、および、シート7の後端から後方に向けてやや急角度で下方に傾斜して船尾に至る第三斜面43が連続したものである。シート7もこの隆起部4の第一および第二の斜面41、42の傾斜にほぼ沿った形状を呈している。すなわち、シート7の下面を横から見ると、その前部が前方に向けてやや急角度で上方に傾斜した第一下面7aを形成し、後部が後方に向けて緩やかな角度で上方に傾斜した第二下面7bを形成している。また、隆起部4の側面には上記第一傾斜面41に近接してほぼ平行な第一ライン25a、および、上記第二斜面42に近接してほぼ平行な第二ライン25bが形成されている。このような形状を採用することにより、艇全体の側面形状が流麗に仕上げられている。
そして、上記フラッシュキット40は、デッキの左側面のうち第一斜面41と第二斜面42との交点、シート7の第一下面7aと第二下面7bとの交点、および、上記第一ライン25aと第二ライン25bとの交点、のそれぞれに近接した部位、すなわち、横から見たときの一連の斜面やラインの屈曲部のところに配置されている。この位置は、横から見たときのシート7の下面を示すラインについても屈曲部に対応する。したがって、船体1の外観デザイン上、フラッシュキット40の存在が目立たず、艇の上端面の流麗なラインが活かされている。また、このような一連の斜面の屈曲部には後述の凹陥部44を形成しやすい。
図3および図4に示すように、隆起部4の左側面のうちフラッシュキット40が設けられている部分は表面よりわずかに凹陥している。フラッシュキット40はこの凹陥部44の底面からわずかに突出しているだけである。その上、シート7の幅はシート7が載置される隆起部4の上面の幅より若干広く形成されている。したがって、凹陥部44からわずかに突出したフラッシュキット40がライダーの足に接触することがない。また艇の上から見ても前後から見てもフラッシュキット40が目立たない。この凹陥部44の深さはとくに限定しないが、凹陥部44の底面から外方へ突出するフラッシュキット40の高さとほぼ同一か、または、それ以上の寸法にするのが好ましい(図8参照)。
なお、このフラッシュキット40の配置は隆起部4の左側面に限定されることはなく、右側面でもよく、左右の両側面に配置してもよい。左右の両側面に配置する場合には、連通管34に接続された一本のフラッシュ用配管39をいわばY字状またはT字状を呈するように途中から分岐させ、分岐したフラッシュ用配管39の二本の枝管を左右のフラッシュキット40それぞれに接続すればよい。しかし、船体1にとって左側はいわゆるポートサイドであり、船体1を桟橋や船着き場に停泊させるときには船体1の左側を桟橋や船着き場に付けるのが一般的なルールである。したがって、フラッシュキット40を船体1の右側に設けるよりは左側に設けておく方が、船体1を桟橋や船着き場に停止させた状態で水上へ持ち上げる設備のある場所では洗浄水供給設備へのアクセスが容易となるので好ましい。
フラッシュ用配管39の一端は連通管34にT字管継手やY字管継手等を用いて接続されている。この連通管34はシリンダーヘッド33と排気パイプ27とを連通しているためにエンジンEの上端に位置する。したがって、フラッシュ用配管39は冷却水路のうちの高い位置に接続されていることになる。このため、フラッシュキット40の給水口39a(図7および図9)から洗浄水を供給した場合、連通管34からシリンダーヘッド33およびシリンダーブロック32への方向、並びに、連通管34から排気パイプ27およびウォーターマフラ29への方向に洗浄水がまんべんなく行き渡る。その結果、冷却システムの洗浄を効果的に行うことができる。フラッシュ用配管39の冷却システムへの接続位置はこの連通管34に限定されることはないが、冷却システムの冷却水路のうちできるだけ高い位置であるのが好ましい。なお、フラッシングは、ウォーターマフラ29内に溜まる洗浄水を排気圧で艇外に排出するためにエンジンEを回転させながら行う。
図8および図9には、フラッシュ用配管39の給水口39aに取り付けられたフラッシュキット40を示している。図8および図9(a)は使用していない状態のフラッシュキット40を示しており、図9(b)は使用中のフラッシュキット40を示している。前述したデッキの左側面の凹陥部44にフラッシュキット40の取付孔45が形成されており、この取付孔45にグロメット(はと目金)46が嵌着されている。このグロメット46を貫通するようにフラッシュキット40の一部である接続管47が取り付けられている。接続管47の両端外周面には雌ネジ48a、48bが形成されている。
この接続管47の船体内側部分に形成された雌ねじ48aにはフラッシュ用配管39が螺着され、このフラッシュ用配管の外周から固定バンド51によって緊縛されている。フラッシュ用配管39が軟質のチューブ等であればとくに雌ねじ48aを必要とはしない。フラッシュキット40の不使用時には、接続管47の船体外側部分に形成された雌ねじ48bにはガスケット49を装着した上でキャップ50が取り付けられることにより、給水口39aが閉止されている(図9(a))。着脱可能なこのキャップ50によってフラッシュ用配管39が開閉される。したがって、小型滑走艇を運転しているとき、すなわちフラッシュキット40の不使用時には冷却水がフラッシュキット40まで充満しているが漏れ出すことはない。
図9(b)に示すように、フラッシュキット40の使用時には、雌ねじ48bから上記キャップ50とガスケット49とを取り外し、中央が開口したユニオンナット52によって洗浄水供給管53を接続管47に接続する。具体的には、洗浄水供給管53の端部の外周に拡径部53aが形成されており、この拡径部53aが、接続管47の内周側に形成された拡径部47aに挿入される。その上で、ユニオンナット52を接続管47の雌ねじ48aに締め込めば、ユニオンナット52の開口周縁が洗浄水供給管53の拡径部53aの先端を、接続管47の拡径部47aの奧端の段差部47bに押しつけることになる。その結果、フラッシュキット40と洗浄水供給配管53との間がシールされ、両者40、53が接続される。
フラッシュキットは以上説明した構成に限定されることはなく、着脱容易で好適な管継手であればいかなるものをも採用することができる。
フラッシュキット40の設置位置はとくに図1および図2に示す第一斜面41と第二斜面42との交点近傍の位置に限定されない。デッキ3上であればよく、外観上目立たない位置や、ライダーが船体1に通常にアクセスし、通常に運転する際に身体と接触することが回避されるような位置が好ましい。たとえば、デッキの外観に現れたラインの屈曲部等(この屈曲部に近接した位置も含む)であって、デッキの外表面から凹陥している部分が好ましく、また、凹陥部を目立たなく形成することができる部分が好ましい。たとえばデッキ3の後部であって、図3および図4に示すシート7の後端の直ぐ下の部分に形成された、シート7の取付ボルトを着脱するための凹所(図中に符号Tで示す三角部)等、シート7の下方に位置することによってシートによって上からほぼ覆われることにより目立たず、外観形状を損なわない位置であり、しかも、凹陥部が形成し易い位置であれば好ましい。
前述したラインの屈曲部とは、艇の側面図、正面図、平面図における外形を示す線の屈曲部に限らず、デッキ3の表面とハッチカバー16やシート7等の可動部品との境界線の屈曲部、デッキ3の表面に施されたラインの屈曲部をも含んでいる。
また、ハッチカバー16の下方やシート7の下方の船体1内のスペースに工具が収納されていることが多いので、この工具を使用してフラッシュキット40に洗浄水供給配管53を着脱するような場合では、第一斜面41と第二斜面42との交点近傍の位置にフラッシュキット40を設置すれば工具に近いので便利である。
以上の実施形態では騎乗型の小型滑走艇を例にとって説明したが、本発明は騎乗型に限定されない。たとえば、立ち乗り式小型滑走艇、すなわち、シートが設置されておらず、操舵ハンドルより後方のデッキ中央部にはライダーが立って乗る平坦なフロアデッキ(スタンディングデッキ)が形成され、フロアデッキの左右両側には上方に隆起したデッキフィンが形成された小型滑走艇にも適用することができる。
本発明は、エンジン冷却システムを洗浄する際に洗浄水供給源と接続するための接続部材へのアクセスを容易にし、さらに、この接続部材の存在が滑走性能に与える影響を回避するために小型滑走艇に適用することができる。
本実施形態に係る小型滑走艇の側面図である。 図1の小型滑走艇の推進機構であるウォータージェットポンプを一部断面にして示した側面図である。 図1の小型滑走艇の平面図である。 図1の小型滑走艇をその左側後方から見た斜視図である。 図1の小型滑走艇におけるエンジンの冷却システムの一例を示す平面図である。 図5の冷却システムを示す斜視図である。 図5の冷却システムを示すブロック図である。 図1のVIII−VIII線断面図であり、冷却システムにおけるフラッシュキットの一例を示す一部断面平面図である。 図9(a)は図8の不使用状態のフラッシュキットを示す断面図であり、図9(b)は使用状態のフラッシュキットを示す断面図である。 従来の小型滑走艇における冷却システムの一例を示す概念図である。
符号の説明
1・・・船体
2・・・ハル
3・・・デッキ
4・・・隆起部
7・・・シート
25a、25b・・・(デッキ表面の)ライン
39・・・フラッシュ用配管
40・・・フラッシュキット
41・・・第一斜面
42・・・第二斜面
43・・・第三斜面
44・・・凹陥部
45・・・取付孔
46・・・グロメット
53・・・洗浄水供給管
E・・・エンジン

Claims (7)

  1. デッキおよびハルを有する船体と、
    該船体内に収容されるエンジンと、
    船体外の水によって該エンジンを冷却する冷却システムと、
    該冷却システムに一端が接続されて洗浄水を冷却システムに導く洗浄水供給ラインとを備えており、
    該洗浄水供給ラインの他端が、船体のデッキにおいて外方への開口部を有し、該開口部に、船体外の洗浄水供給源と接続するための接続部材が配設されている小型滑走艇。
  2. 上記開口が、デッキの外面に形成された凹陥部の底部に形成されている請求項1記載の小型滑走艇。
  3. 上記開口が、デッキの外面に形成されたラインの屈曲部または該屈曲部に近接した位置に形成されている請求項1記載の小型滑走艇。
  4. 上記開口が、デッキの外形を形作るラインの屈曲部または該屈曲部に近接した位置に形成されている請求項1記載の小型滑走艇。
  5. デッキの中央部に、ライダーが跨いで乗るためのシートを取り付ける隆起部が形成されており、上記開口が、該隆起部表面におけるシートの略直下に形成されている請求項2記載の小型滑走艇。
  6. 上記開口が、上記隆起部の側面であって、隆起部を横から見たときの隆起部の上端面がなすラインの屈曲部の略直下に形成されている請求項5記載の小型滑走艇。
  7. 上記隆起部の側面が、船体の前方に向かって左側面である請求項6記載の小型滑走艇。
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