JP2007020664A - 防漏シート及び吸収性物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】おりもの等の少量の体液を吸収する目的で長時間着用しても、蒸れ感やべたつき感がない吸収性物品及びそれに用いられる防漏シートを提供すること。
【解決手段】本発明の防漏シートは、液の浸透が可能な浸透層と、液不透過性ないし液難透過性の防漏層とを有し、全体として透湿性を有する。防漏シートは多数の微細孔を有する多孔性フィルムからなり、浸透層における微細孔のサイズが、防漏層における微細孔のサイズよりも大きくなっている。或いは、浸透層における微細孔の孔数が、防漏層における微細孔の孔数よりも多くなっている。本発明の吸収性物品は、前記の防漏シートを備え、該防漏シートは、該防漏シートにおける前記浸透層が着用者の肌に向くように配されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、透湿性を有する防漏シートに関する。また本発明は、該防漏シートを備えた吸収性物品に関する。
パンティライナー(おりもの対策用シート)や脇パッド等の吸収性物品は、近年の女性の就業率の高まりや外出時間の長時間化等により、1枚の着用時間が半日程度と長くなっている。これらの物品では、長時間着用しても蒸れやべたつきが発生せず、長時間にわたりサラット感を持続することが重要な機能のひとつとなる。
例えば透孔を有する表面シートと通気性の裏面シートとの間に、液透過抵抗性かつ通気性の中間層シートが介在してなるパンティライナーが提案されている(特許文献1参照)。このパンティライナーによれば、体液吸収後にも優れた通気性を維持できるとされている。しかし、このパンティライナーにおいては、吸収された体液が、中間層シートを透過せず裏面シートに達しないように構成されているため、体液が水蒸気となって裏面シートから蒸発する速度が十分とはいえない。そのため、着用者の肌に直接体液が接することに起因するべたつき感は改善されても、吸収性物品全体が体温で温められることで発生する水蒸気に起因する蒸れ感は依然として発生し易く、長時間着用したときにサラット感が持続し難い。
特開平11−28222号公報
本発明の目的は、おりもの、汗、母乳等の少量の体液を吸収する目的で長時間着用しても、蒸れ感やべたつき感がなく、使用の最後までサラット感が持続し、快適に使用することができる吸収性物品を提供することにある。また本発明の目的は、かかる吸収性物品に好適に用いられる防漏シートを提供することにある。
本発明は、液の浸透が可能な浸透層と、液不透過性ないし液難透過性の防漏層とを有し、全体として透湿性を有する防漏シートを提供することにより、前記目的を達成したものである。
また本発明は、前記防漏シートを備え、該防漏シートは、該防漏シートにおける前記浸透層が着用者の肌側に向くように配されている吸収性物品を提供することにより、前記目的を達成したものである。
本発明の防漏シートは、(イ)湿気を外部に排出し、蒸れないこと、(ロ)水分を着衣側に染み出させないこと、という水分移動に関して相反する機能を両立している。本発明によれば、吸収性物品の防漏シートにおける着用者の肌に向く面側にある浸透層に水分がしみ込みやすくなっている結果、以下の2つの効果により、大きな湿気排出効果が得られる。
(a)水分を液体のまま防漏シートに浸透させる結果、シートの裏表の水分量に圧倒的な差が生じる。即ち、着用者の肌に向く面側の水分量が、下着に向く面側よりも圧倒的に多くなっている。その水分量の差が駆動力になり、浸透した水分を直接水蒸気として蒸散する効果が高くなる。
(b)防漏シート部分で水分の浸透と拡散が生じるため、体液の蒸発面積が大きくなり、一層速やかに水蒸気の外部放出が生じる。その結果、吸収性物品内部に水分がこもり難く、水蒸気に起因する蒸れ感が発生し難く、着用中ずっとサラット感が持続する。
特に、防漏シート上に、着用者の肌に当接する層よりも、防漏シートに対向する層の方が繊維密度が密である複数層の繊維集合体から形成された透液層を配した場合には、透液層に吸収された体液が速やかに防漏層近傍に移動するようになる。その結果、透液層の肌当接面に液が残らず、肌当接面におけるべたつきが発生しづらくなる。
これに対して従来の防漏シートには、後述するような様々な方法で、極微細な孔を開けたフィルムか、又は嵩高な分子構造を有し、適当に極性の高いセグメントを持ったポリマーからなる(無開孔の)フィルムの何れが主に用いられている。これらのフィルムは、水蒸気(気体)は通過させるが、体液(液体)は通過も浸透もさせない材料である。従って、水蒸気が外部に排出する仕組みは、専ら吸収性内部に発生する水蒸気の蒸気圧が、着衣側の水蒸気圧より高いこと、即ち防漏シートを挟んで身体側と下着側とでの水蒸気圧の差に由来するガス拡散に依存している。この場合、吸収性物品内部に吸収された体液は、直接水分排出に関与することはできない。即ち、まず体液が蒸発して十分水蒸気圧が高まらない限り、水分の外部排出がなされない。また従来の防漏シートは水分浸透性はなく、更に主成分である熱可塑性樹脂自身が疎水性であることから、水との接触性が低い。
以下、本発明の吸収性物品を、その好ましい一実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。本発明の吸収性物品の一実施形態としてのパンティライナー1は、図1及び図2に示すように、複数層の繊維集合体から形成された透液層2と透湿性の防漏シート3とを備える。透液層2は、その底面22を防漏シート3に対向させて、接着剤(図示せず)を介して防漏シート3に接着されている。
図3には、防漏シート3の縦断面の構造が模式的に示されている。防漏シート3は、第1の面31及び第2の面32を有する。第1の面31は、着用者の肌に向く面である。第2の面32は、ショーツ等の下着に向く面である。
防漏シート3は、その全体として透湿性を有し且つ液不透過性ないし液難透過性のものである。防漏シート3は、以下の2つの要件(ア)及び(イ)を満たせば、液不透過性ないし液難透過性であるということができる。
(ア)JIS L 1092−1977(「繊維製品の防水性試験方法」記載B法(高水圧))に定める方法で測定した耐水圧が0.18kg/cm2以上であること。
(イ)生理用品自主基準に定める、以下の防水試験において、染み出しを生じないこと。
防漏シートの身体側面を上にしてろ紙の上に載せ、更に直径50mmの滲出確認用ろ紙(ADVANTEC製、No.2)2枚を防漏シートの上に重ねる。これにコンゴーレッド溶液(コンゴーレッド0.2gをイオン交換水に溶解し、全容を100mLに調整した液)1mLを、ろ紙のほぼ中央部にスポイト等を使用して静かに流下させたのち、1分間静置する。その部分に直径50mmで重さ200gの荷重をかけたとき、防漏シートを通して滲出確認用ろ紙に該溶液が滲出したか否かを確認する。
また、防漏シート3の透湿度(JIS Z0208)が2400g/m2・24h(1.0g/100cm2・hr)以上であれば、防漏シート3は実用上有効な透湿性を有するということができる。なお、吸収性物品内部の湿気を効果的に放出するには、防漏シート3の透湿度は3600g/m2・24h(1.5g/100cm2・hr)以上あることが更に好ましい。一方で透湿度を極端に高めると、前記防水試験で水の滲出を生じる可能性がある。この観点から、好ましい透湿度の範囲は2400〜9600g/m2・24h(1.0〜4.5g/100cm2・hr)、特に3600〜7200g/m2・24h(1.5〜3.0g/100cm2・hr)の範囲である。
図3及び図4に示す防漏シート3は、第1の面31を含む浸透層3aと、第2の面32を含む防漏層3bとを有する2層構造のものである。浸透層3aは着用者の肌側に向く層である。防漏層3bは下着側に向く層である。浸透層3aは液(水分)の浸透が可能な層である。一方、防漏層3bは、液(水分)の浸透性が極めて低く、液不透過性ないし液難透過性となっている。換言すれば、防漏層3bは、前記の液不透過性と透湿性の両方の要件を満たす層であり、浸透層3bは、前記の防水試験で水の滲出を生じると同時に高い透湿性を示す層である。なお、両層3a,3bは後述するように一体となって形成されているために、以下に述べる方法により液浸透性の相違を確かめることができる。
測定方法は、表面エネルギーの異なる(即ち浸透拡散性の異なる)各種着色液を用い、高い表面エネルギーの着色液から順に低い表面エネルギーの着色液をシート表面に滴下することにより、防漏シートの防水性を評価する方法である。低い表面エネルギーの着色液ほど防水性が高いと考えられる。前述した防水試験に用いたコンゴーレッド着色イオン交換水の代わりに、着色液として、和光純薬工業(株)製ぬれ張力試験用混合液(青色に着色済み)を用いる。
従来用いられている一般的な透湿防漏シートでは、裏表両面の液浸透性が変わらないため、着色が発生する液の表面エネルギーは裏表同一である。一方、本実施形態の防漏シートでは、浸透層3aの方が一層高い表面エネルギーの液で着色される。具体的には、従来用いられている一般の透湿防漏シートは、濡れ張力試験用混合液No.40(表面張力40.0mN/m)の液では裏表ともに着色しないが、No.31.0(同31.0mN/m)の液では裏表ともに着色する。実用上ここをひとつの目安とし、表面張力が40.0mN/mである着色された試験液(濡れ張力試験用混合液No.40)を滴下したときに、該試験液が防漏シート3に浸透して防漏シート3が着色された場合には、当該表面を含む層は浸透層3aであるということができる。一方、防漏シート3の表面に、表面張力が40.0mN/mである着色された試験液(濡れれ張力試験用混合液No.40)を滴下しても、防漏シート3が着色されない場合には、当該面を含む層は防漏層3bであるということができる。
防漏シート3はその全体が、多数の微細孔を有する多孔性フィルムからなる。この多孔性フィルムは、熱可塑性樹脂と、これと相溶性のない無機フィラーを含む樹脂組成物を溶融混練して押し出したシートを、所定の倍率に一軸又は二軸延伸して微細孔を開けたものである。従って、防漏シート3を構成する浸透層3a及び防漏層3bはいずれも、熱可塑性樹脂と、これと相溶性のない無機フィラーを含む樹脂組成物の溶融押出物を一軸又は二軸延伸して得られたものとなる。つまり、浸透層3a及び防漏層3bは多数の微細孔を有する熱可塑性樹脂の層からなる。
浸透層3a及び防漏層3bにおいては、それぞれの面で微細孔の開孔状態が異なっている。具体的には、
a)開孔サイズが、防漏層3bより浸透層3a側で大きい、及び/又は
b)微細開孔の量が、防漏層3bより浸透層3a側で多い。
まず、a)の具体的な例を示す。図3において、浸透層3aにおける微細孔のサイズは、液も水蒸気も浸透が可能な程度に大きくなっている。一方、防漏層3bにおける微細孔のサイズは、水蒸気の透過が可能で且つ液の浸透を妨げる程度に小さくなっている。その結果、着用者の肌側に向く面である第1の面31側の内部にまで、体液由来の水分が十分に浸透して濡れ広がる。従って、防漏シート3の内側と外側とで大きな水分量の差が生じ、その差が駆動力になり、更には液が防漏シート表面近傍で濡れ広がって蒸発面積が拡大する結果、パンティライナー内部にこもった水分が水蒸気として蒸散されやすくなる。特に、後述するように、透液層2の最下層(下層42)に水分が保持される場合には、防漏シート3からの水分の蒸散が一層促される。
浸透層3aにおける微細孔のサイズを、防漏層3bにおける微細孔のサイズよりも大きくするためには、浸透層3aにおける無機フィラーの粒径を、防漏層3bにおける無機フィラーの粒径よりも大きくすることが好ましい。具体的には、浸透層3aにおける無機フィラーの粒径は7〜80μm、特に12〜55μmであることが好ましく、防漏層3bにおける無機フィラーの粒径は0.8〜60μm、特に1〜25μmであることが好ましい。この粒径は、電子顕微鏡によって各表面を拡大観察し、表面から観察可能な粒子の直径を20点平均することによって測定される。
次に、b)の具体的な例を示す。図4において、浸透層3aにおける微細孔の量は、液も水蒸気も浸透が可能な程度に多くなっている。一方、防漏層3bにおける微細孔の量は、水蒸気の透過が可能で且つ液の浸透を妨げる程度に少なくなっている。その結果、a)と同様の水分の移動効果が得られ、パンティライナー内部にこもった水分が水蒸気として蒸散されやすくなる。
浸透層3aと防漏層3bとにおける微細孔の量を変えるには、浸透層3aにおける無機フィラーの量を、防漏層3bにおける無機フィラーの量よりも多くすることが好ましい。具体的には、浸透層3aにおける無機フィラーの配合量は、シート全体の重量に対して好ましくは45重量%以上、更に好ましくは55〜85重量%の範囲である。無機フィラーの過剰配合は、シートの押出成形性に影響を与えるので、生産可能な最も好ましい配合範囲は55〜75重量%である。一方、防漏層3bにおける無機フィラーの配合量は、好ましくはシート全体の重量に対して35重量%以上、更に好ましくは45〜65重量%の範囲である。
a)及びb)何れの場合も、防漏シートの好ましい製造形態は次の通りである。ベースの熱可塑性樹脂(例えばポリエチレン樹脂)の組成を共通とし、配合する無機フィラーの粒径若しくは配合量又はその両方を、所定の好ましい範囲に調整した2種類の混合物を用意する。これらの混合物それぞれを溶融混練して共押出(同一のダイスから2層でフィルム押し出し)するか、或いは何れか一方を押し出してフィルム成形した直後に、2層目を直接押し出し成形する。しかる後に所定の延伸倍率で延伸して多数の微細孔を生ぜしめる。
開孔状態(開孔径と開孔量)は、シートの延伸倍率でも変えることが可能である。例えば同一粒径の無機フィラーを同一配合量で配合したフィルムを、浸透層3aでは例えば4.5倍に、防漏層3bでは例えば2.3倍に延伸した後、各種の接着剤で両層を適宜張り合わせることも可能である。しかしながら前述した2つの方法の方が、2つの層が溶融接着して確実に密着していること、延伸操作が一度で済むことの両面で有利である。
前述のように、浸透層3aおよび防漏層3bでは微細孔の開孔状態が異なる。すなわち浸透層3aは、防漏層3bに比べて明らかに(イ)開孔のサイズが大きいか、(ロ)開孔の量が多いか、(ハ)その両方である。このような工夫がなされているか否かは、第1の面31及び第2の面32を電子顕微鏡(SEM)観察することで確認できる。従来用いられている一般の透湿防漏フィルムでは、電子顕微鏡で観察される開孔状態は裏表で同様である。
防漏シート3の形態が、前述したどの場合であっても、防漏シート3に含まれる無機フィラーとしては、例えば炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化亜鉛、タルク、ゼオライト、カーボン、シリカ、ケイ酸塩鉱物等が用いられる。特に、微細孔部分に必ず粒子表面が露出することから、親水性の高いフィラーである炭酸カルシウムを用いることが、浸透層3aにおける液の浸透性を一層高め得る点から好ましい。また炭酸カルシウムは安価な材料であることから、経済的にも有利である。一方、防漏シート3を構成する熱可塑性樹脂としては、例えばポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂が用いられる。浸透層3aに含まれる無機フィラーと、防漏層3bに含まれる無機フィラーとは、その種類が同じでもよく、或いは異なっていてもよい。浸透層3aを構成する熱可塑性樹脂と、防漏層3bを構成する熱可塑性樹脂とは、その種類が同じでもよく、或いは異なっていてもよい。
防漏シート3に十分な透湿性を付与するためには、熱可塑性樹脂の坪量と無機フィラーの配合量とを適度にバランスさせればよい。高い透湿度と、着衣固定用ズレ止め粘着剤を使用しても破れない強さを両立するためには、好ましい防漏シート3の坪量(熱可塑性樹脂と無機フィラーとの合計の坪量)は、18〜70g/m2であり、より好ましくは25〜60g/m2である。防漏シート3における浸透層3a及び防漏層3bそれぞれの坪量は、浸透層3aにおける液の浸透性、防漏層3bによる液透過の阻止、及び防漏シート3全体の透湿性等を考慮して決定される。浸透層3aの坪量(熱可塑性樹脂と無機フィラーとの合計の坪量)は、8〜30g/m2、特に10〜25g/m2であることが好ましい。一方、防漏層3bの坪量(熱可塑性樹脂と無機フィラーとの合計の坪量)は、10〜60g/m2、特に15〜50g/m2であることが好ましい。
図3及び図4に示す防漏シートの他に、図5に示す防漏シート3を用いることもできる。図5に示す防漏シート3は、浸透層3aが多数の微細孔を有する多孔性フィルムからなり、防漏層3bが撥水性の繊維集合体からなる。浸透層3aとしては、これまで説明してきた防漏シートにおける浸透層3aと同様の構成を有するものである。一方、防漏層3bとしては、例えば不織布やウエブが用いられる。液が浸透しにくい点から、防漏層3bとしては撥水性の不織布を用いることが好ましい。
撥水性の不織布としては、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布、スパンボンド−メルトブローン−スパンボンド(SMS)不織布、スパンボンド−メルトブローン−メルトブローン−スパンボンド(SMMS)不織布などが挙げられる。これらの不織布の坪量は、水蒸気の透過性及び液の浸透の阻止の観点から12〜60g/m2、特に16〜40g/m2であることが好ましい。
本実施形態の防漏シート3は、熱可塑性樹脂と、これと相溶性のない無機フィラーを含む浸透層用の樹脂組成物の溶融押出物を一軸又は二軸延伸して得られた多孔性シートと、撥水性の繊維集合体とを重ね合わせ、熱エンボス加工や、接着剤による接合、及びその併用等で両者を一体化することで得られる。
以上の特徴を有する各実施形態に係る防漏シート3を、従来の透湿防漏シートに代えて用いることによって、蒸れ感が一層低減しサラットした感触が長時間享受可能な吸収性物品を得ることができる。吸収性物品においては基本的に、防漏シート部分での水分蒸散が、湿度の放出に最も大きな障害となる。従って、防漏シート部分での水分蒸散が促進される各実施形態に係る防漏シート3は、吸収性物品の本体部分(例えば表面シートや吸収層)の工夫に関わらず、蒸れ感が一層低減しサラットした感触が長時間持続する。尤も、防漏シート直上の水分移動を工夫することは、より改善された湿度の放出を達成する為に好適である。以下にその最も効果的な実施形態を示す。
防漏シート3上に配された透液層2は、複数層の繊維集合体からなる。透液層2は、その肌に当接する層(以下「最上層」ともいう)よりもその防漏シート3に対向する層(以下「最下層」ともいう)の方が繊維密度が密であることが好ましい。ここでいう「繊維密度」とは、透液層2の各層における構成繊維の体積密度を意味する。各層において、層全体の体積に対する構成繊維の総体積の比率Pが大きいことを「繊維密度が密」という。その反対に該比率Pが小さいことを「繊維密度が疎」いう。本実施形態においては、透液層2は、最上層である上層41と、最下層である下層42との2層からなる。
繊維密度を密にするには、例えば、層における構成繊維の間隙を小さく設定すればよい。本実施形態においては、下層42における構成繊維の間隙を、上層41における構成繊維の間隙よりも小さく設定している。このように、上層41の繊維密度を疎にし、下層42の繊維密度を密に設定すると、下層42の方が上層41よりも毛管力が大きくなる。なお本実施形態においては、透液層2を、3層以上の繊維集合体から形成してもよい。3層以上の繊維集合体からなる透液層2においては、最上層から最下層に順に繊維密度が密になるように構成することができる。また、このような疎密関係を有していなくても、最上層の繊維密度(疎)<最下層の繊維密度(密)の関係を有し、且つ最上層に吸収された体液が最下層に移行することができれば、最上層と最下層との間の中間層(1層又は2層以上)の繊維密度の疎密関係に制限はない。特に好ましい形態は、最上層から最下層に順に繊維密度が密になるように構成することである。
上述したような繊維密度の疎密関係を形成するには、後述するように繊維集合体の繊度を変える(最上層を細く、最下層を太く)、最上層と最下層で熱融着性繊維の比率を変える(最下層の方が熱融着量が多い)、上層と下層で繊維の捲縮度を変える(下層の方が捲縮が多く、繊維集合が疎)、繊維集合体を下層側から熱プレスする(最下層を集中的に押しつぶす)といった方法を用いることができる。このうちの最後の方法のように、繊維密度が層間で明確に異なるのではなく、最上層から最下層に向けて連続的に(或いは段階的に)繊維密度が高まるような疎密関係も好ましく選択可能である。
繊維密度は、該当する繊維集合体各層の坪量(m2あたりの重量)を測定し、更に各層の厚みを測定し、それらの比(坪量/厚み)で計算できる。厚みは、布地の圧縮試験(初期厚み)の考え方〔「風合い評価の標準化と解析(第2版)」、川端季雄著、社団法人 日本繊維機械学会 風合い計量と規格化研究委員会発行(昭和55年7月10日発行)〕を準用し、0.5g/cm2荷重下の厚みを代表値とした。測定にはカトーテック製KES−FB3圧縮試験機を用いた。各層に凹凸構造がある場合も同様の測定を行い、最大厚みを代表値に用いる。
各層が密着しており、剥離で厚みが変わってしまう場合は、以下のようにして各層の厚みを測定した。
(1)前述のように、全体の厚みを前記圧縮試験機で測定する。
(2)この厚みになるように繊維集合体を保持しながら、断面を拡大観察し、各層の厚みを計測する。各層の厚みは、断面厚みが最大となるポイントで計測する。
(3)以上の測定を20箇所で行って、その平均値を代表値に用いた。
透液層2は、図1及び図2に示すように、その全層に亘って、体液を局所集中させるための多数の凹部52を有していることが好ましい。詳述すると、透液層2においては、上層41と下層42とは積層されて所定パターンの多数の接合部43で部分的に接合されている。接合部43は、平面視円形でそれぞれ不連続に形成され、千鳥格子状のパターンで配されている。接合部43は、圧密化されており、透液層2における他の部位に比して厚みが小さく且つ密度が大きくなっている。接合部43は、例えば熱エンボス、超音波エンボス、接着剤による接着等の各種接合手段によって形成される。接合部43の形状は、円形の他、楕円形、三角形、矩形又はこれらの組み合わせ等であってもよい。また接合部43を、連続した形状、例えば直線や曲線等の線状、格子状等に形成してもよい。
上層41は、下層42と接合している接合部43以外の部分が凸状に突出しており、それにより多数の凸部51が透液層2の上層41側に形成されている。各凸部51の内部は、上層41を構成する繊維で満たされている。凸部51の形状は、主として、上層41の形態及び接合部43のパターンにより決まる。そして、凸部51間が凹部52となっている。凹部52の底部には接合部43が位置している。透液層2全体として見ると、底面(防漏シート3に対向する面)22が平坦状で、上面(肌当接面)21に多数の凹凸が形成された凹凸構造となっている。
このように透液層2の全層に亘って多数の凹部52が形成されることによって、透液層2の全層(本実施形態においては2層)が一体化すると共に、凹部52に向けて体液が集中することになる。その結果、体液は、透液層2の面方向に移行し難くなり、凹部52の深さ方向に沿って移行するようになる。つまり、体液が、最上層(上層41)から最下層(下層42)に向かう方向性が生じる。また、透液層2が凹凸構造となっているので、着用者の肌と透液層2の上面(肌当接面)21とが密着し難くなる。その結果、通気性が向上する。
更に、透液層2は、最上層(上層41)よりも最下層(下層42)の方が親水性が高くなるように構成されることが好ましい。このように構成すると、最上層(上層41)から最下層(下層42)への毛管力勾配が更に向上する。なお透液層2が3層以上の繊維集合体からなる場合において、最上層と最下層との間の中間層(1層又は2層以上)についての親水性の大小関係は、透液層2が3層以上の繊維集合体からなる場合における中間層についての繊維密度の疎密関係と同様である。
なお、このように凹凸構造を持つときは、前述したように凸部51で最大厚みを測定し、この最大厚みで凹部52も含めた全体の繊維密度を代表させる(見かけ密度を用いる)。
透液層2の各層の構成繊維を親水化処理する方法としては、当該技術分野において常用されている方法を適宜用いることができる。例えば、レーヨンやパルプ繊維等の親水繊維を所定の割合で混合して不織布を得ることで、繊維集合体全体の親水性を高めることが可能である。より一般的な方法は、構成繊維として代表的に用いる熱可塑性繊維を、ウェブ形成前に予め親水化しておくことである。
具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン、又はこれらの複合繊維を作製し、これを所定の長さにカットしてステープルを形成する前の段階で、複合繊維に各種親水化処理剤を塗工する。親水化処理剤としては、αオレフィンスルホン酸塩に代表される各種アルキルスルホン酸塩、アクリル酸塩、アクリル酸塩/アクリルアミド共重合物、エステルアミド、エステルアミドの塩、ポリエチレングリコール及びその誘導物、水溶性ポリエステル樹脂、各種シリコーン誘導物、各種糖類誘導物、並びにこれらの混合物等、当業者公知の親水化処理剤を用いることができる。
このとき、上下層間での体液の液移動を促すために、上層よりも下層の親水性を高めると一層効果的である。例えば、(イ)下層に一層多くの量の親水化処理剤を塗工する、(ロ)下層の親水化処理剤の親水度を高める、(ハ)下層の親水化処理剤の親水耐久性を高める等、各層の親水化処理の程度を変えることが可能である。具体的には、各層の親水化処理に、体液への溶解性の低い親水化処理剤を用いるか、又は親水化処理剤を繊維表面に固定することにより行い、最上層から最下層へ向かって親水性が高くなるように親水化処理剤を選択し、最上層から最下層に至るまでの体液の性質を変化させずに最下層へ導く方法が挙げられる。
また、透液層2の親水化処理の別の方法として、体液の表面張力を低下させて体液の最下層(下層42)への移行を促進するために、最上層(上層41)における親水化処理剤として液への溶解性が高いものを用い、親水化処理剤を体液に溶け込ませ、体液の表面張力が下がり易くなるようにする方法が挙げられる。
透液層2は、その底面22が平坦状となっている。ここでいう「平坦状」とは、巨視的に視て平面状であることを意味し、底面22に若干の凹凸がある場合や底面22が若干、波状となっている場合も含む。透液層2の底面22を平坦状にする方法としては、例えば、カレンダー処理(即ち、表面の平滑な加圧ロールの間に透液層の繊維集合体を通過させて平坦に押しつぶす方法)が挙げられる。
カレンダー処理は、例えば、表面が平坦な金属ロールと、表面が平坦なゴムロールを同一周速で接触させ、その間に透液層の繊維集合体を通すことで行われる。このとき、透液層の最下層側に金属ロールを対向させることで、透液層の底面の平坦性を高めることができる。また、金属ロールを適宜加熱することで、透液層の底面の平坦性を更に高めることができる。このとき、熱可塑繊維の設計と金属ロール温度との関係によって、透液層2の疎密構造を制御することも可能である。
具体的には、透液層全体に、芯がポリエチレンテレフタレート(PET)、鞘がポリエチレン(PE、融点110℃)の芯鞘繊維を用い、金属ロールの表面温度を110℃以上とする。このようにすると、最下層の芯鞘繊維が熱融着して繊維密度が密になり、上層に行くにしたがって連続的に熱融着が弱まって繊維密度が疎になる。また、透液層の最下層に上記芯鞘繊維を多量に配合し、上層には、より高融点の芯鞘繊維(例えば、芯がPET,鞘が124℃程度と高い融点のPE等)を用い、表面温度が110℃近傍の金属ロールを用いると、繊維密度の疎密の差がより強まる。このように、カレンダー処理は、透液層の底面の平坦性を高める他、透液層の疎密構造の形成にも寄与することができる。
防漏シート3からの水分の蒸散を促進するには、水分の一時保持層となる最下層(下層42)は、できるだけ防漏シート3の近傍に集中していることが好ましい。即ち、最下層(下層42)は、薄い方が好ましい。同じく防漏シート3からの水分の蒸散を促進するには、蒸発面積が広い方が好ましい。即ち、体液ができるだけ最下層で濡れ広がる方が好ましい。一方、肌に体液が付着することに起因する濡れた感じや蒸れた感じがしないようにするためには、透液層2における肌に当接する面側の体液の濡れ広がりは小さい方が好ましい。即ち、体液は、最上層では濡れ広がらず、一方最下層では十分に濡れ広がり、全体として最下層における防漏シート3近傍に集中的に存在することが望ましい。この観点から、透液層2全体の厚み(t0)に対する最下層(下層42)の厚み(t1)の比率(t1/t0)は、好ましくは5%〜40%、更に好ましくは7%〜30%である。
最も理想的な実施形態は、透液層における肌に当接する面における体液の濡れ広がりが多数の凹部によって阻止され、且つ最下層の体液の濡れ広がりが凹部に影響されない形態である。このためには透液層の繊維密度の大小関係が、「最上層<<凹部≦最下層」であることが最も好ましい。この観点から、前記厚みの比率(t1/t0)は、上層側の厚みが60%〜85%、凹部の厚みが5〜40%、最下層の厚みが上記の如く5〜40%で、凹部と最下層の厚みがほぼ同じであることが実施可能な形態として好ましい。これらの厚みは、前述したように、前記圧縮試験と拡大観察とを併用することで測定できる。
透液層2の構成繊維は、吸収された体液を、最下層(下層42)に移行、集中させ、更に防漏シート3に伝搬させて速やかに蒸散させるために、繊維自身で液保持性を実質的に有していない繊維を主体としていることが好ましい。そのような繊維としては、例えば、疎水性繊維、化学処理パルプが挙げられる。特に好ましい繊維としては、本来的に疎水性で且つ熱融着性である熱可塑性繊維を、親水化処理剤で親水化した繊維が挙げられる。
前述した親水化処理剤のうち、体液への溶解性が低いもの又は繊維表面に固定されてものを用いた場合には、最下層に至った体液の性質変化が少なく、平面拡散の抑制により防漏層との接触機会が増え、蒸散の効率が高くなる。また、体液への溶解性が高い親水処理剤を用いた場合には、最下層において体液を適度に拡散させて蒸散の効率を高めることができる。更に、最下層にアセテートトウのような本来的に親水性であり吸収性が低く、長手方向に繊維配向した繊維層を配すると、選択的に長手方向への拡散を起こすことができる。
透液層2には、その一部に親水性で液保持性の繊維が配合されていてもよい。しかし、十分な毛管力を確保するためには、透液層2全体に対する、液保持性を実質的に有していない繊維の比率を、70重量%以上とすることが好ましい。親水性で液保持性の繊維としては、パルプ、レーヨン、その他各種天然繊維の他、吸水性樹脂繊維(即ちアクリル酸、アクリル酸塩重合体架橋物からなる繊維)等が挙げられる。これらの繊維は、特に最下層に集中的に配合することが、体液の集中的な移行を促す意味で効果的であるが、その場合も最下層への配合量は、体液を保持・貯留せず速やかに蒸散する観点より(最下層全体の繊維量に対する比率として)10重量%以内が好ましく、5重量%以内が更に好ましい。これらの繊維を含まず、別の工夫で体液の移行を促すことも好適に用いられる。
透液層全体の坪量は、液漏れせず一時保持できる観点及びヨレ防止の観点より、好ましくは50〜150g/m2、より好ましくは60〜100g/m2である。上層41の坪量は、体液を過度に広げず、よれにくく、柔らかい感触を維持する観点から、好ましくは25〜80g/m2である。下層42の坪量は、薄くても十分な毛管力を発現する観点から好ましくは25〜70g/cm2である。また、上層41の構成繊維の繊度は、毛管力があまり大きくなく(低液保持性)、且つ高感触(ざらつかず滑らか)であるために、好ましくは2.2〜6.0dtexである。下層42の構成繊維の繊度は、毛管力が十分高い観点から、上層41よりも繊度が小さいことが好ましい。更に好ましくは4.0dtex以下、現実に入手可能でより好ましい範囲では1.8〜4.0dtexである。
透液層2の底面22は、防漏シート3の上面(透液層2に対向する面)31に接着剤(図示せず)により接着されている。透液層2と防漏シート3との当接面に全面的に接着剤が塗工されていると、透液層2から防漏シート3へ水分が移行し難くなるので、接着剤は部分的に塗工されていることが好ましい。
透液層2と防漏シート3とは、接着剤が塗工されていない領域において密着していることが好ましい。透液層2と防漏シート3とは、接着剤が薄く塗工され、透液層2の底面22及び防漏シート3の上面31が平坦状であれば、通常密着する。
接着剤の塗工方法としては、例えば、通常(140〜200μm)より細い線径(60〜120μm)のホットメルト接着剤を、スパイラルパターンで、少なくとも凹部52のパターン密度よりも細かい密度で塗工する方法が挙げられる。このような塗工方法によれば、透液層2と防漏シート3との密着性が向上する。ホットメルト接着剤の塗工パターンとしては、スパイラルパターン以外にも、例えば、ドットパターン、Ω状パターン、線状パターンが挙げられる。これらのパターンは、ホットメルト接着剤のスパイラルスプレー塗工、スロットスプレー塗工、コントロールウィーブ塗工、グラビア塗工等で形成可能である。特に、コントロールの容易さ、防漏シート3へのダメージの小ささ等の観点から、スパイラルスプレー塗工やコントロールウィーブ塗工が好適に用いられる。ホットメルト接着剤の塗工量は、好ましくは2〜15g/m2、より好ましくは3〜10g/m2である。
本実施形態のパンティライナー1は、図1及び図2に示すように、複数層の繊維集合体からなる透液層2と、透湿性の防漏シート3と、これらを接着する接着剤(図示せず)のみからなることが特に好ましいが、これに制限されない。ここでいう「のみ」とは、吸収された水分が一時的に保持されても吸収性物品に永続的には保持されず、水蒸気となって速やかに外部に排出されるという本発明の効果を阻害するような、高い液保持性を有する吸収体等を具備していないという意味である。従って、本発明の効果を阻害しないような部材が設けられている形態は除外されておらず、例えば、着衣に固定するための粘着剤(通常、防漏シート3における第2の面32側に設けられる)等を具備していてもよい。
本実施形態のパンティライナー1は、複数層の透液層2と透湿性の防漏シート3とからなり、透液層2の底面22が防漏シート3に接着されており、透液層2の肌に当接する層41が防漏層に対向する層42よりも繊維密度が密であるので、透液層2に吸収された体液は、速やかに防漏シート3の近傍に移動し、透液層2の肌当接面(上面)21に残らず、肌当接面21におけるべたつきが発生しづらい。また、防漏シート3においては、その透液層2に対向する第1の面31側の水分量が非常に多く(湿度が高く)、下着に向く第2の面32側の水分量が少ない(その湿度は低く、外気における湿度とほぼ同じ)という、防漏シート3の内側と外側との湿度差(平衡蒸気圧の差)が駆動力になって、パンティライナー1の内部にこもった水分を水蒸気として蒸散する効果が高くなる。その結果、パンティライナー1の内部に水分がこもり難く、水蒸気に起因する蒸れ感が発生し難く、着用中ずっとサラット感が持続する。
また、透液層2の全層に亘って体液を局所集中させるための多数の凹部52を有しているので、透液層2の全層が厚み方向に一体化すると共に、凹部52に向けて体液が集中することになる。従って、体液は、透液層2の面方向には移行し難くなり、凹部52の深さ方向に沿って移行するようになる。その結果、体液には上層41から下層42に向かう方向性が生じるので、透液層2における体液の移行性が向上している。それに加えて、透液層2は、その肌に当接する層41よりもその防漏シート3に対向する層42の方が親水性が高くなっているので、透液層2における体液の移行性が一層向上している。
更に、透液層2は、その底面22が平坦状であり、その底面22が防漏シート3に密着しているので、透液層2から防漏シート3への水分の移行性が向上している。しかも、防漏シート3は、着用者の肌に向く面31側の親水性が高められているので、透液層2の下層42に一時保持された水分が防漏シート3となじみ易く、防漏シート3からの水分の蒸散が促される。
本発明の吸収性物品及び防漏シートは、前記の実施形態に制限されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々変形可能である。例えば、本発明の吸収性物品及び防漏シートは、先に説明したパンティライナーの他に、脇パッド、母乳パッド、軽失禁パッド、生理用ナプキン、おむつ等にも適用することができる。また透液層には、体液を局所集中させるための多数の凹部を設けなくてもよい。
また透液層の構造は前記実施形態に限られず、例えば透液層として単層構造のものを用いることができる。
図1(a)は、本発明の一実施形態としてのパンティライナーを示す斜視図であり、図1(b)は部分拡大縦断面図である。 図2は、図1に示すパンティライナーを示す部分縦切断斜視図である。 図3は、図1に示すパンティライナーにおける防漏シート3の縦断面の構造を示す模式図である。 図4は、図1に示すパンティライナーにおける別の防漏シート3の縦断面の構造を示す模式図である。 図5は、図1に示すパンティライナーにおける更に別の防漏シート3の縦断面の構造を示す模式図である。
符号の説明
1 パンティライナー(吸収性物品)
2 透液層
21 上面(肌当接面)
22 底面
3 防漏シート
3a 浸透層
3b 防漏層
31 第1の面
32 第2の面
41 上層(肌に当接する層)
42 下層(防漏層に対向する層)
51 凸部
52 凹部

Claims (7)

  1. 液の浸透が可能な浸透層と、液不透過性ないし液難透過性の防漏層とを有し、全体として透湿性を有する防漏シート。
  2. 前記防漏シートが多数の微細孔を有する多孔性フィルムからなり、前記浸透層における微細孔のサイズが、前記防漏層における微細孔のサイズよりも大きくなっている請求項1記載の防漏シート。
  3. 前記防漏シートが多数の微細孔を有する多孔性フィルムからなり、前記浸透層における微細孔の孔数が、前記防漏層における微細孔の孔数よりも多くなっている請求項1又は2記載の防漏シート。
  4. 前記浸透層及び前記防漏層がいずれも、熱可塑性樹脂と、これと相溶性のない無機フィラーを含む樹脂組成物の溶融押出物を一軸又は二軸延伸して得られたものであり、
    前記浸透層の形成に用いられる前記樹脂組成物中の前記無機フィラーの粒径又は配合量が、前記防漏層の形成に用いられる前記樹脂組成物中の前記無機フィラーの粒径又は配合量よりも大きくなっているか又は多くなっている請求項1ないし3の何れかに記載の防漏シート。
  5. 前記浸透層が多数の微細孔を有する多孔性フィルムからなり、前記防漏層が撥水性の繊維集合体からなる請求項1記載の防漏シート。
  6. 請求項1ないし5の何れかに記載の防漏シートを備え、該防漏シートは、該防漏シートにおける前記浸透層が着用者の肌側に向くように配されている吸収性物品。
  7. 前記吸収性物品が、少なくとも複数層の繊維集合体から形成された透液層と、前記防漏シートとからなり、
    前記透液層は、その底面を前記防漏シートに対向させて、接着剤を介して該防漏シートに接着されており、
    複数層の前記透液層は、その肌に当接する層よりもその前記防漏シートに対向する層の方が繊維密度が密である請求項6記載の吸収性物品。
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