JP2007020578A - トリペプチジルアミノペプチダーゼ - Google Patents

トリペプチジルアミノペプチダーゼ Download PDF

Info

Publication number
JP2007020578A
JP2007020578A JP2006249535A JP2006249535A JP2007020578A JP 2007020578 A JP2007020578 A JP 2007020578A JP 2006249535 A JP2006249535 A JP 2006249535A JP 2006249535 A JP2006249535 A JP 2006249535A JP 2007020578 A JP2007020578 A JP 2007020578A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tpap
sequence
activity
amg
dna
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2006249535A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4571604B2 (ja
Inventor
Kaj Andre Holm
アンドレ ホルム,カイ
Grethe Rasmussen
ラスミューセン,グレッセ
Torben Halkier
ハルキエール,トルベン
Jan Lehmbeck
レフムベック,ジャン
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Novozymes AS
Original Assignee
Novozymes AS
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Novozymes AS filed Critical Novozymes AS
Publication of JP2007020578A publication Critical patent/JP2007020578A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4571604B2 publication Critical patent/JP4571604B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N9/00Enzymes; Proenzymes; Compositions thereof; Processes for preparing, activating, inhibiting, separating or purifying enzymes
    • C12N9/14Hydrolases (3)
    • C12N9/48Hydrolases (3) acting on peptide bonds (3.4)
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12PFERMENTATION OR ENZYME-USING PROCESSES TO SYNTHESISE A DESIRED CHEMICAL COMPOUND OR COMPOSITION OR TO SEPARATE OPTICAL ISOMERS FROM A RACEMIC MIXTURE
    • C12P21/00Preparation of peptides or proteins

Abstract

【課題】TPAPを伴わないAMGの新規な製造方法。
【解決手段】トリペプチジルアミノペプチダーゼ(TPAP)活性を実質的に伴わないAMGを製造する方法において、TPAPの活性が低下又は除去されているアスペルギルス(Aspergillus)の細胞を、AMGをコードするDNAにより形質転換し、そしてAMGを採取する、ことを含んでなる方法。
【選択図】なし

Description

本発明はトリペプチジルアミノペプチダーゼ(TPAP)、TPAPをコードするDNA構成物、TPAPの生産方法およびTPAP活性が望ましくない細胞中でのTPAP生産の減少方法に関する。
トリペプチジルアミノペプチダーゼは、ペプチド、オリゴペプチドまたはタンパク質の非置換形のN末端から断片を開裂させることのできる酵素である。トリペプチジルアミノペプチダーゼは非特異的であるか、即ち非置換形のN末端から任意のトリペプチド配列を開裂させるか、または特異的であり、即ち特定の型のトリペプチド配列を開裂させることができる。
動物起源のトリペプチジルアミノペプチダーゼは以前に報告されている。例えば、Doebber 他 (1978), Endocrinology 103: 1794-1804はウシ下垂体から単離されたトリペプチジルアミノペプチダーゼを開示しており、それがウシ成長ホルモンのN末端からトリペプチドを開裂させることが示された。Mammalian Proteases, 第2巻,Exopeptidases (AP 1986, J.K. McDonaldおよびA.J. Barrett編)には、ウシ下垂体、妊娠中のブタ卵巣およびブタ脾臓からそれぞれ単離されたトリペプチジルアミノペプチダーゼが開示されている。
ストレプトマイセス・リビダンス(Streptomyces lividans)66から単離された細菌トリペプチジルアミノペプチダーゼがKrieger他, Febs Letters, 第352 巻, 第3号, 385-388 頁, 1994年により記載されている。Butler他, Applied and Environmental Microbi-ology, 1995 年8月, 3145-3150 頁は、前記ペプチダーゼをコードする遺伝子と推定アミノ酸配列を開示している。このペプチダーゼは7.5 〜8.5 に最適pHを有するセリンプロテアーゼとして特徴付けられる。
細菌により生産される生成物、例えば酵素または他のタンパク質の安定性は、特に生成物が生産される方法および/または生成物の起源もしくは細菌生産株の関数として異なり得る。細菌により生産される生成物の安定性が低いのは、例えば、熱、光または他の外部条件に対する耐性が低いためであるか、または生成物それ自体の組成による場合がある。この点について、ごく微量のプロテアーゼの存在でも前記生成物の安定性の相当な低下を招くことがある。しかしながら、変動する安定性の原因を正確に同定することはしばしば不可能である。
本発明者らは、驚くべきことに、様々な真菌種がTPAPを生産すること、そしてそれらの生物によって生産されるタンパク質生成物が該生成物の安定性の減少を引き起こす場合があることが判明した少量のTPAPを含み得ることを発見した。本発明者らは前記TPAPを単離しそして特徴づけることに成功した。TPAPがタンパク質生成物の非置換形のN末端からトリペプチドを非特異的に開裂せしめることができることを確立した。この非特異的開裂は、ある場合には望ましいが別の場合(例えばTPAPを含んで成るタンパク質生成物の安定性の減少を引き起こす時)には非常に望ましくないだろう。
従って、本発明の1つの目的は、ペプチドまたはタンパク質配列を開裂せしめるのに使うことができる実質的に純粋なトリペプチジルアミノペプチダーゼを提供することである。別の目的は、TPAPを本質的に含まないタンパク質生成物、特にTPAPの基質であってTPAPの存在下では減少した安定性を有する生成物の製造方法を提供することである。
まず一般的な観点では、本発明は真菌起源の単離されたTPAPに関する。特に、TPAPは真菌種アスペルギルス(Aspergillus )の株から得ることができる。別の観点では、本発明は、アミノ酸および/またはDNA配列情報によりおよび/または酵素タンパク質性質により同定されたTPAP、該TPAPをコードするDNA構成物、およびTPAPをコードするDNA配列にハイブリダイズすることができ、それによって与えられた宿主細胞のTPAP生産能力を無くすことができるような前記DNA配列の十分な部分に相補的であるヌクレオチド配列を含んで成るDNA構成物に関する。
更に重要な観点では、本発明はTPAP生産細胞からTPAP生産を減少させる方法であって、前記細胞中に存在し且つTPAPの発現に必要なDNA配列を、前記細胞からのTPAP生産の減少を引き起こすように変更または不活性化する方法に関する。
定義
本明細書中、用語「TPAP」は、ペプチドまたはタンパク質配列のN末端から、例えばプロホルモンまたはプロ酵素に見られる、延長されたタンパク質配列から、トリペプチドを開裂させるアミノペプチダーゼを指すのに使う。一般的に表現すると、TPAPはペプチドまたはタンパク質の非置換形N末端アミノ基からトリペプチドXYZを開裂させることができる。ここでX,Y,Zは任意のアミノ酸残基(即ち、Ala, Arg, Asn, Asp, Cys, Gln, Glu, Gly, His, Ile,Leu, Lys, Met, Phe, Pro, Ser, Thr, Trp, Tyr, Valから選ばれる)を表す。TPAP基質中、X,YおよびZの全部が異なっても同じでもよく、またはX,YおよびZのうちの2つが同じであってもよい。本発明のTPAPは開裂することのできるトリペプチドのアミノ酸配列に関して非特異的であると理解されるだろう。実施例7には、天然に存在するペプチドおよびタンパク質の開裂から得られるトリペプチド生成物の具体例が与えられる。
本発明のDNA構成物の一部を構成するDNA配列の起源について用いる時の「得られる」という語は、問題のDNA配列が関連生物の核酸(DNAまたはRNA)材料から単離できるか、またはそのような材料を元にして調製することができることを意味する。例えば、該DNA配列は既知の手順を使って生物から調製したゲノムライブラリーまたはcDNAライブラリーから単離することができ、またはそのような材料を基にして調製することができる。
同じように、本発明のTPAPに関連して使う時の「得られる」という語は、TPAPが問題の生物から回収することができるか、または前記生物から得られるDNA配列によりコードされそして前記DNA配列を発現する生物から回収することができることを指す。
発明の詳細な説明
本発明のTPAP
本発明に至る研究の途中で、2つの異なるTPAPが単離されそして特徴づけられた。1つはA.ニガー(A. niger)の株からでありもう1つはA.オリゼ(A. oryzae)の株からであった。この2つのTPAPはトリペプチジルアミノペプチダーゼの新規種類の典型例であると期待される。
よって、一観点では本発明は、
i)配列番号1,2および3に示される部分DNA配列のうちの少なくとも1つ、好ましくは2つ以上、または
ii)DSM 9570中に存在する成熟TPAPのN末端部分をコードする部分DNA配列、または
iii )配列番号1,2もしくは3に示されるDNA配列に基づいてまたは配列番号4〜14に示されるアミノ酸配列のいずれかに基づいて調製したオリゴヌクレオチドプローブにハイブリダイズし且つTPAPをコードするヌクレオチド配列
を含んで成るDNA構成物によりコードされるTPAPに関する。
ヌクレオチド配列iii )の具体的説明は、下記の「本発明のDNA構成物およびベクター」と題する項目に与えられる。
別の観点では、本発明は次の特徴のうちの1つまたは複数を有する実質的に純粋なTPAPに関する:
−基質Phe-Pro-Ala-pNA を開裂させる能力、
−約65 kDaの分子量(本質的にはLaemmli, U.K., 1970, "Cleavageof structural proteins during the assembly of the head ofbacteriophage T4", Nature, 227, p.680-685 により記載された通りに測定した)、
−4〜6の範囲のpI、
−約5.0 〜7.5 の範囲の最適pH、
−精製したA.ニガーTPAPまたは精製したA.オリゼTPAPと免疫学的に交差反応性であること、
−N末端配列
Ala-Xaa(1)-Asn-Xaa(2)-Ser-His-Cys-Asp-Ser-Ile-Ile-Thr-Pro-Xaa(3)-Cys-Leu-Lys-Xaa(4)-Leu-Tyr-Asn-Ile-Gly-Asp-Tyr-Gln-Ala-Asp-Xaa(5)-Xaa(6) (配列番号15)を含んで成ること、ここでXaa(1), Xaa(2), Xaa(3), Xaa(4), Xaa(5)およびXaa(6)のいずれか1つが同一または異なることができ、そして天然アミノ酸残基から選択することができる。好ましくは、Xaa(1)がLys またはGln であり、Xaa(2)がIle またはThr であり、Xaa(3)がPro またはHis であり、Xaa(4)がGlu またはGln であり、Xaa(5)がPro またはAla であり、そして/またはXaa(6)がLys またはAsn である。
免疫交差反応性を決定するのに使われる抗体は精製TPAPを使って調製することができる。より詳しくは、Axelsen 他, A Manual of Quantitative Immunoelectrophoresis, Blackwell ScientificPublications, 1973, 第23章、またはA. Johnstoneおよび R.Thorpe, Immunochemistry in Practice, Blackwell ScientificPublications, 1982(更に詳しくは27〜31頁)により記載された手順に従ってウサギ(または他の齧歯類)を免疫処置することにより、本発明の酵素に対する抗血清を惹起せしめることができる。
この抗血清から、例えば塩沈〔(NH4)2SO4〕に次いで透析とイオン交換クロマトグラフィー(例えば DEAE-SephadexTM上での)により精製免疫グロブリンを獲得することができる。タンパク質の免疫化学的特徴づけは、Outcherlony 二重免疫拡散分析法〔O. Ouchterlony, Handbook of Experimental Immunology (D.M. Weir編) 中,Blackwell Scientific Publications, 1967, 655-706〕、交差免疫電気泳動法(N. Axelsen他, 前掲, 第3&4章)、またはロケット免疫電気泳動法(N. Axelsen他, 前掲, 第2章)のいずれかにより行うことができる。
一態様では、本発明のTPAPは配列番号4〜9に示される部分アミノ酸配列のうちの少なくとも1つを含んで成りそして/または約5.0 〜5.5 の最適pHおよび/または約5.1 もしくは5.2 のpIを有する。
別の態様では、本発明のTPAPは配列番号10〜14に示される部分アミノ酸配列のうちの少なくとも1つを含んで成りそして/または約5.5 〜7.5 の範囲の最適pHおよび/または約4.5 のpIを有する。
配列番号1,2および3に示される配列のうちの少なくとも1つを含んで成るDNA配列によりコードされるTPAP、またはDSM 9570中に含まれるTPAP、または配列番号4〜9に示されるペプチドを含んで成るTPAPは、A.ニガー(A. niger)の株により生産されたタンパク質生成物から単離された(下記実施例1参照)。配列番号10〜14のペプチドを含んで成るTPAPはA.オリゼ(A. oryzae)の株から単離された(下記実施例2参照)。
現在のところ、本明細書中に定義されるトリペプチジルアミノペプチダーゼの一般的新規種類に属するTPAPは、動物または植物起源を含む任意の起源のものでよいが、好ましくは微生物、即ち細菌または真菌起源のものであると思われる。本発明者らの知る限りでは、本開示は真菌起源のTPAPについての最初の報告である。本発明のTPAPは天然のTPAP生産者である株から精製することができ、またはより便利なのは下記に更に説明するように組換えDNA技術によって相同もしくは非相同遺伝子産物として生産せしめることができる。
特に、本発明のTPAPはアスペルギルス(Aspergillus )の株、例えばA.オリゼ(A. oryzae)、A.ニガー(A. niger)、A.ジャポニカス(A. japonicus)、A.アクレータス(A. aculeatus)、A.ニデュランス(A. nidulans)もしくはA.フェティダス(A.foetidus)の株、またはトリコデルマ(Trichoderma )の株、例えばT.ビリデ(T. viride)、T.リーセイ(T. reesei)、T.ロンギブラキータム(T. longibrachiatum)もしくはT.ハージアナム(H. harzianum)、またはフザリウム(Fusarium)の種、例えばF.オキシスポラム(F. oxysporum)、F.グラミネールム(F. graminearumもしくはF.ソラニ(F. solani)、またはテルモマイセス(Thermomyces )の株、例えばT.ランギノサス(T. lanuginosus)もしくはT.インソレンス(T. insolens)の株から得ることができる。
本発明のTPAPは好ましくは単離された実質的に純粋な形で提供され、例えば少なくとも90%純粋であり、例えば少なくとも95%純粋である。
タンパク質生成物中のTPAPの存在は結果として前記生成物の安定性の減少を引き起こすために望ましくないと考えられる一方で、タンパク質生成物の限定された不安定化に本発明の精製TPAPを使用することは有利かもしれない。例えば、本発明の精製TPAPは、酵素がそれらの所望の効果を発揮した後で該酵素を失活させるのに使うことができ、よって「キラー酵素」として機能することができる。そのような失活は便利には熱失活により達成される(あるいはまた、精製により望ましくない酵素活性が取り除かれる)。好熱性酵素の不安定化へのTPAPの利用は特に有利であるかもしれない。
この利用の一例として、デンプンの液化に使われるAMG の失活を挙げることができる。デンプンの液化は現在、反応混合物を高温(80〜85℃)に加熱することにより行われている。この失活は、例えば、AMG がデキストリンをグルコースに加水分解してしまった後で好ましくはバッチ法でTPAPを添加することにより、達成することができる。次いで温度をわずか約66℃に短時間上げることによりAMGの熱失活が可能である。
別の例は、低カロリービールのようなビールの醗酵に使われるAMGの失活である。通常のビール醗酵法では、殺菌によってAMGを失活させる。TPAPの添加は使用AMG の耐熱性を減少させ、かくして殺菌温度を低くすることができる。この処理により、感覚刺激性質を改善することができる。
更に、本発明の精製TPAPは、トリペプチド配列の特異的開裂が望ましい多数の目的に有用であろう。例えば、或るタンパク質またはペプチドは、N末端アミノ酸残基の上に、それが存在すると使う予定のタンパク質にとって望ましくない多数の追加のアミノ酸残基を含んで成る前駆体の形で合成される。これは例えば、前駆体タンパク質として保護された形で合成される場合があるタンパク質またはペプチドのプロセシング目的であることができる。
本発明のDNA構成物およびベクター
更に別の観点によれば、本発明は、TPAPをコードするDNA構成物であって、
i)配列番号1,2および3に示される部分DNA配列のうちの少なくとも1つ、好ましくは2つ以上、または
ii)DSM 9570中に存在する、TPAPのN末端部分をコードする部分DNA配列、または
iii )配列番号1,2もしくは3に示されるDNA配列のいずれかに基づいてまたは配列番号4〜14に示されるアミノ酸配列のいずれかに基づいて調製したオリゴヌクレオチドプローブにハイブリダイズするヌクレオチド配列、または
iv)上記i),ii)またはiii )のDNA/ヌクレオチド配列に相補的なヌクレオチド配列
を含んで成るDNA構成物に関する。
本発明のDNA構成物は、TPAPの組換え生産のため(DNA/ヌクレオチド配列i)〜iii ))またはTPAP生産が望ましくない細胞のTPAP生産能力を減少させるため(ヌクレオチド配列iv))に使うことができる。
ヌクレオチド配列iii )は、例えば、配列番号1〜14に示される部分DNA配列もしくは部分アミノ酸配列またはDSM 9570の部分TPAPコードDNA配列のいずれかに基づいて、例えば本明細書中に記載の手順を使って、TPAPを生産することが知られているかまたは生産すると期待される別のもしくは関連の(例えば同じ)生物から単離することができ、あるいは、例えば、前記DNAもしくはアミノ酸配列のいずれかに基づいて、該DNA配列によりコードされるTPAPの別のアミノ酸配列を生じないがTPAPの生産に使うつもりの宿主生物のコドン用法に該当するようなヌクレオチド置換の導入により、または異なるアミノ酸配列を生じ、従って生来のTPAPとは異なる性質を有するがTPAP活性はそのままであるTPAP変異体をもたらすかもしれない、異なるタンパク質構造をおそらく生じるであろうヌクレオチド置換の導入により、作製することができる。それ以外の可能な変更(修飾)の例は、配列中への1もしくは複数のヌクレオチドの挿入、配列のいずれかの末端への1もしくは複数のヌクレオチドの付加、または配列のいずれかの末端のもしくは配列内の1もしくは複数のヌクレオチドの削除である。
配列番号1〜3に示されるDNA配列およびDSM 9570のDNA配列は、全TPAPをコードするDNA配列の中に包含されそしてそれの単離に使うことができる部分配列であると理解されるだろう。これは当業界で既知の方法により容易に達成することができる。本発明によれば、ヌクレオチド配列iii )は前記の完全DNA配列を包含する。
上記に述べたハイブリダイゼーションとは、ヌクレオチド配列iii )が、下記の「材料と方法」の項目で詳述するような或る特定の条件下で、TPAPをコードするDNA配列と同じプローブに(またはTPAPをコードする前記DNA配列に)ハイブリダイズすることを指す。通常、ヌクレオチド配列iii )は配列番号1,2もしくは3に示されるDNA配列またはTPAPをコードするDSM 9570のDNA配列に高度に相同であり(本明細書中に開示される部分DNA配列に相当するヌクレオチド配列iii )の部分を比較した時)、例えば前記DNA配列に少なくとも65%、例えば少なくとも70%相同であり、例えば前記配列のいずれかまたは全部に少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%さえも相同である。
従って、本発明のTPAPは、前記DNA配列によりコードされるアミノ酸と少なくとも65%、例えば少なくとも70%相同であり(問題のDNA配列によりコードされる部分に相当するTPAPアミノ酸配列の部分同士の比較に基づいて評価すると)、例えば少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%さえも相同である。
ヌクレオチド配列iii )はDNA配列であってもRNA配列であってもよい。
本発明のDNA構成物のDNA配列i)〜iii )は公知の方法により調製してもよい。例えば、該配列を含むだろうと予想される生物から(例えば上述の細胞から)cDNAまたはゲノムライブラリーを確立し、そして常用手順により陽性クローンについてスクリーニングすることにより、関連DNA配列を単離することができる。そのような手順の例は、標準技術(Sambrook他, Molecular Cloning:A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor, New York 1989参照)に従った適当なオリゴヌクレオチドプローブへのハイブリダイゼーション、および/または関連活性を発現するクローンについての選択、および/または関連酵素に対して惹起させた抗体と反応性であるタンパク質を生産するクローンについての選択である。
cDNAまたはゲノムライブラリーから1つのDNA配列を単離する好ましい方法は、縮重オリゴヌクレオチドプローブを使ったポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用いるものである。例えば、PCRProtocols 1993, Bruce A. White編、およびThe polymerase chainreaction, 1994, Kary B. Mullis編の中に記載された技術を使ってPCRを実施することができる。
あるいは、DNA配列i)およびii)は単にDSM 9570から単離することができる。
更に、本発明のDNA構成物のDNA配列、例えばDNA/ヌクレオチド配列i),ii)またはiii )に相補的であるヌクレオチド配列iv)は、確立された技術により、例えばNarang, SA, 1983,Tetrahedron 39:3およびItakura 他, 1984, Annu. Rev. Biochem.53:323により開示された原理に基づいて、合成することができる。
本発明のDNA構成物は、合成、ゲノムまたはcDNA起源の断片(該断片は全組換えDNA分子の様々な部分に相当する)を標準技術に従って(適宜)連結することにより調製された、ゲノムと合成の混成、合成とcDNAの混成、またはゲノムとcDNAの混成起源のものであることができる。
DNA配列i),ii)またはiii )の好ましい利用は組換えTPAPの調製における利用であり、一方DNA配列iv)の好ましい利用はTPAPに感受性であるタンパク質生成物の生産に使われる細胞のTPAP生産能力の減少のための利用である。
DNA配列iv)は完全TPAPコード配列に相補的であってもよいが、通常は前記配列の部分のみに相補的であることで十分である。機能的な形で発現させる時、DNA配列iv)はTPAPをコードするDNAへのハイブリダイゼーションと前記mRNAの転写の減少または阻止を考慮に入れてTPAPをコードするDNA配列の十分な長さに相補的でなければならない。典型的には、DNA配列iv)が少なくとも17ヌクレオチド、例えば少なくとも300 ヌクレオチドのDNA断片を含んで成ることが十分である。
本発明のDNA構成物を担持するベクター、好ましくは組換え発現ベクターは、組換えDNA操作に上手くかけることができる任意のベクターであり、発現ベクターの選択はしばしばそれを導入しようとする宿主細胞によるだろう。ベクターは自己複製ベクター、即ちその複製が染色体複製から独立している細胞外存在物として存在するベクター、例えばプラスミドまたはバクテリオファージであることができる。あるいは、ベクターは宿主細胞に導入されると宿主細胞のゲノムに組み込まれ、そしてそれが組み込まれた染色体と一緒に複製されるものであってもよい。
DNA構成物またはベクター中、DNA配列は適当なプロモーター配列に作用可能に連結される。プロモーターは特定の宿主細胞において転写活性を示す任意のDNA配列であることができ、宿主細胞と相同または非相同のいずれかのタンパク質をコードする遺伝子から誘導することができる。プロモーターは細胞外および細胞内タンパク質、例えばアミラーゼ、グルコアミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼ、セルラーゼおよび解糖酵素、をコードする遺伝子から誘導することができる。
本発明のDNA構成物の転写を指令するのに適当なプロモーターの例は、A.オリゼTAKAアミラーゼ、リゾムーコル・ミーヘイ(Rhizomucor miehei)アスパラギン酸プロテイナーゼ、A.ニガーグルコアミラーゼ、A.ニガー中性α−アミラーゼ、A.ニガー酸安定性α−アミラーゼ、およびリゾムーコル・ミーヘイリパーゼの遺伝子に由来するプロモーターである。解糖酵素遺伝子由来のプロモーターの例はTPI, ADHおよびPGK である。プロモーターは相同プロモーター、即ち使用する宿主株にとって生来である遺伝子であってもよい。
プロモーター配列と所望の遺伝子とのまたは特定のシグナルペプチドもしくはプレ領域との連結を容易にする特定の制限部位を導入する目的でプロモーター配列にリンカーを提供してもよい。
本発明のDNA構成物および/または発現ベクターは、TPAPをコードするDNA配列に作用可能に連結された適当なターミネーターおよび/またはポリアデニル化配列を更に含んでもよい。ターミネーターとポリアデニル化配列は、プロモーターと同じ源に由来してもよい。構成物中にエンハンサー配列を挿入してもよい。
DNA構成物および/またはベクターは、問題の宿主細胞中で該ベクターを複製できるようにするDNA配列を更に含んでもよい。そのような配列の例は、プラスミドpUC19, pACYC177, pUB110,pE194, pAMB1およびpIJ702の複製開始点である。
DNA構成物および/またはベクターは選択マーカーを含んでもよい。選択マーカーの例としては、amdSまたはargB, trpCもしくはpyrGが挙げられる(最後の3つのマーカーは例えばA.ニデュランスまたはA.ニガー由来である)。
本発明のDNA構成物を作製するのに使う手順は上述したDNA配列をプロモーター、ターミネーターおよび他の要素のそれぞれと連結せしめることを含んで成り、複製に必要な情報を含む適当なベクター中にそれを挿入する手順は当業者に周知である(例えばSambrook他, 前掲,を参照のこと)。
本発明のTPAPを生産する細胞および方法
一態様では、上記に限定したような本発明のDNA構成物または発現ベクターのいずれかを含んで成る本発明の細胞が、本発明のTPAPの組換え生産における宿主細胞として使われる。この場合、DNA構成物または発現ベクターは上述のTPAPをコードするDNA配列i)〜iii )またはDSM 9570の挿入断片のいずれかを含んで成る。便利には該DNA構成物を宿主染色体中に組み込むことにより、該DNA構成物によって細胞を形質転換せしめることができるが、該DNA構成物は染色体外存在物として存在してもよい。しかしながら、一般に、該DNA配列が多分細胞中に安定に維持されるだろうから組み込みの方が有利であると考えられる。宿主の染色体中へのDNA構成物の組み込みは、常法に従って、例えば相同組換えにより、行うことができる。あるいは、異なる型の宿主細胞に関連して後述するような発現ベクターを使って細胞を形質転換せしめてもよい。
本発明の細胞は高等生物、例えば哺乳類または昆虫の細胞であることができるが、好ましくは微生物細胞、例えば細菌または真菌(酵母を含む)細胞である。
適当な細菌の例はグラム陽性菌、例えばバシラス・サチリス(Bacillus subtilis)、バシラス・リヘニフォルミス(Bacillus licheniformis)、バシラス・レンタス(Bacillus lentus)、バシラス・ブレビス(Bacillus brevis)、バシラス・ステアロサーモフィラス(Bacillus stearothermophilus)、バシラス・アルカロフィラス(Bacillus alkalophilus)、バシラス・アミロリクファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)、バシラス・コアギュランス(Bacillus coagulans)、バシラス・サーキュランス(Bacillus circulans)、バシラス・ロータス(Bacillus lautus)、バシラス・スリンジェンシス(Bacillus thuringiensis)またはストレプトマイセス・リビダンス(Streptomyces lividans)もしくはストレプトマイセス・ムリナス(Streptomyces murinus)、あるいはグラム陰性菌、例えばE.コリ(E. coli)である。細菌の形質転換は、例えば、プロトプラスト形質転換によってまたはコンピテント細胞を使うことによってそれ自体既知の方法で行うことができる。
酵母生物は好ましくはサッカロミセス(Saccharomyces )またはシゾサッカロミセス(Schizosaccharomyces )の種、例えばサッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)から選択することができる。糸状菌は有利にはアスペルギルス(Aspergillus )種、例えばA.オリゼ(A. oryzae)、A.ニデュランス(A. nidulans)、A.フェティダス(A. foetidus)、A.アクレータス(A. aculeatus)、A.ジャポニカス(A. japonicus)もしくはA.ニガー(A. niger)、トリコデルマ(Trichoderma )種、例えばT.リーセイ(T. reesei)、T.ロンギブラキータム(T. longibrachiatum)もしくはT.ハージアナム(T. harzianum)、またはフザリウム種(Fusarium)、例えばF.オキシスポルム(F. oxysporum)、F.グラミネールム(F. graminearum)もしくはF.ソラニ(F. solani)に属するだろう。真菌細胞は、プロトプラスト形成およびプロトプラストの形質転換に続き細胞壁の再生を含む方法により形質転換せしめることができる。
別の観点では、本発明はTPAPの生産方法であって、
i)TPAPの発現を可能にする条件下で上記に定義した本発明の細胞を適当な培地中で培養し、そしてii)培養物からTPAPを回収することを含んで成る方法に関する。
細胞を培養するのに使う培地は、問題の宿主細胞を増殖させるのに適する任意の常用培地であることができる。適当な培地は販売業者から入手可能でありまたは発表された作製法〔例えばアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)のカタログ中の〕に従って調製することもできる。培地中のタンパク質の存在はTPAP生産の増加をもたらし得ると思われる。
TPAPは、必要ならば細胞の破壊後に、遠心分離または濾過により細胞と培地を分離し、上清または濾液中のタンパク様成分を塩、例えば硫酸アンモニウムを使って沈澱させ、次いで様々なクロマトグラフィー、例えばイオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィーなどにより精製することを含む常法により、培地から回収することができる。
TPAP活性の除去または削減
微生物が生産したタンパク質生成物の中の不安定化因子としてのTPAPの同定は、多数の様々なタンパク質生成物の生産にとって重大な結果となり得る。例えば、本発明者らにより立証されたように、たとえ少量であってもTPAPがタンパク質生成物中に存在していると、前記生成物の耐熱性を減少させてしまうことがある。従って本発明により、減少されたTPAP生産能力を有する生産株を作製することが可能である。
TPAP生産細胞からのTPAP生産の減少は、便利には、前記細胞から減少したTPAP生産をもたらすような、前記細胞中に存在し且つTPAPの発現に必要であるDNA配列の変更または不活性化により達成することができる。
変更すべきDNA配列は、例えば、TPAPをコードするDNA配列もしくはTPAP活性を表すのに不可欠なそれの部分であることができ、またはTPAPをコードするDNA配列からのTPAPの発現に必要な調節配列であることができる。
一例として、調節配列はプロモーター配列またはそれの機能性部分、即ちTPAPを発現させるのに十分である部分であることができる。
該DNA配列の変更または不活性化は、TPAP生産細胞を突然変異誘発にかけ、そしてTPAP生産能力が削減された細胞について選択することにより行うことができる。特異的またはランダムのいずれでもよい突然変異誘発は、例えば、適当な物理的もしくは化学的変異誘発剤の使用により、適当なオリゴヌクレオチドの使用により、またはDNAをPCR生成突然変異誘発にかけることにより、実施することができる。更に、突然変異誘発はそれらの変異誘発剤の任意の組合せにより実施してもよい。
当該目的に適する物理的または化学的変異誘発剤の例としては、紫外線(UV)照射、ヒドロキシルアミン、N−メチル−N′−ニトロ−N−ニトロソグアニジン(MNNG)、O−メチルヒドロキシルアミン、亜硝酸、エチルメタンスルホネート(EMS)、亜硫酸水素ナトリウム、蟻酸およびヌクレオチド類似体が挙げられる。
そのような剤を使う時、突然変異誘発は典型的には、変異が起こるのに適当な条件下で、変異させようとする細胞を特定の変異誘発剤の存在下でインキュベーションし、そして減少したTPAP生産を有する変異細胞について選択することにより行われる。
変更または不活性化がTPAPコード配列またはそれの転写もしくは翻訳に必要な調節要素における1または複数のヌクレオチドの挿入、置換または除去によって行われる時、例えば終止コドンの導入、開始コドンの除去または転写解読枠の変更をもたらすようにヌクレオチドを挿入または除去することができる。TPAPコード配列またはそれの調節要素の変更または不活性化は、当業者に既知の方法に従った部位特異的突然変異誘発またはPCR生成突然変異誘発により達成することもできる。理論上は生体内で、すなわち変更しようとするTPAP遺伝子を有する細胞上で直接変更を行うことができるけれども、下記に例示するように試験管内で変更を行う方が目下のところ好ましい。
問題の宿主細胞のTPAP生産を不活性化または削減する便利な方法の一例は、遺伝子置換または遺伝子中断の原理に基づく。例えば、遺伝子中断法は、破壊しようと所望する内因性遺伝子または遺伝子断片に相当するDNA配列の使用を伴う。前記DNA配列を欠陥遺伝子に試験管内変異せしめ、次いで宿主細胞中に形質転換せしめる。相同組換えにより、前記欠陥遺伝子は内因性遺伝子または遺伝子断片と入れ替わる。欠陥遺伝子または遺伝子断片は、TPAP遺伝子が変更または破壊されている形質転換体の選択に使うことができるマーカーをコードすることが望ましいかもしれない。
あるいは、DNA配列の変更または不活性化は、TPAPコード配列に相補的なヌクレオチド配列、例えば上記のヌクレオチド配列iv)を使って、確立されたアンチセンス技術により行うこともできる。より詳しくは、TPAPコード配列に相補的であり従って細胞中で生産されたTPAP mRNA にハイブリダイズすることができるヌクレオチド配列を、該ヌクレオチド配列がTPAP mRNA にハイブリダイズし、かくして前記mRNAから翻訳されるTPAPの量を減少させるかまたはそのような翻訳を除去することが可能であるような条件下で該ヌクレオチド配列が細胞中で転写されるようにして細胞に導入することにより、TPAP生産細胞からのTPAP生産を削減または除去することができる。
そうして作製されたTPAP欠損変異体は、非相同タンパク質の発現に特に有用である。本明細書中での「非相同タンパク質」という語は、宿主細胞にとって生来でないタンパク質、生来の配列を変えるような変更を施した生来のタンパク質、または組換えDNA技術による宿主細胞の操作の結果としてその発現が量的に変更されている生来のタンパク質を意味する。
本発明に従って変更しようとするTPAP生産細胞が該細胞にとって相同または非相同のいずれかの所望のタンパク質生成物の生産に適当な株であることが好ましい。例えば、真菌アスペルギルス属、トリコデルマ属およびフザリウム属の細胞が好ましい生産細胞の例である。よって本発明に従って変更することができる細胞は、好ましくは、アスペルギルス(Aspergillus )種の細胞、特にA.ニガー(A. niger)、A.オリゼ(A. oryzae)、A.ジャポニカス(A. japonicus)、A.フェティダス(A. foetidus)もしくはA.ニデュランス(A. nidulans)の細胞、またはトリコデルマ(Trichoderma )種、例えばT.リーセイ(T. reesei)、T.ロンギブラキータム(T. longibrachiatum)もしくはT.ハージアナム(T. harzianum)の細胞、またはフザリウム(Fusarium)種、例えばF.オキシスポルム(F. oxysporum)、F.グラミネールム(F. graminearum)もしくはF.ソラニ(F. solani)の細胞である。
本発明の特定態様では、変更しようとする細胞は、AMG のような酵素の生産に使われているA.ニガー(A. niger)またはA.オリゼ(A. oryzae)の細胞である。
更なる観点では、本発明はTPAP活性を本質的に含まない生成物を調製する方法であって、該生成物をコードするDNA配列を用いて減少したTPAP生産能力を有するかまたは全くTPAP生産能力を持たない上述の宿主細胞を形質転換せしめ、形質転換された細胞を該生成物の発現に適当な条件下で培養し、そして培養物から該生成物を回収することを含んで成る方法に関する。
別の観点では、本発明はTPAP活性を本質的に含まない生成物を調製する方法であって、前記生成物はTPAP発現細胞中に存在するDNA配列によりコードされ、前記細胞中に存在し且つTPAPの発現に必要であるDNA配列を上述したように変更または不活性化し、続いて該生成物の発現に適当な条件下で該細胞を培養し、そして培養物から該生成物を回収することを含んで成る方法に関する。
更に別の観点では、本発明は該生成物も生産するTPAP生産細胞の醗酵によりTPAPを本質的に含まない生成物を調製する方法であって、醗酵の最中にまたは醗酵が完了した後に醗酵ブロスにTPAP活性を阻害することのできる阻害剤の有効量を添加し、該醗酵ブロスから着目の生成物を回収し、そして回収された生成物を所望により更なる精製にかけることを含んで成る方法に関する。この方法については下記実施例において更に説明する。
更にまた別の観点では、本発明はTPAP活性を本質的に含まない生成物を調製する方法であって、前記生成物はTPAP発現細胞中に存在するDNA配列によりコードされ、前記生成物をコードするTPAP発現細胞を前記生成物の発現を許容する条件下で培養し、得られた培養ブロスを、TPAP活性を実質的に減少させるようなpHと温度の組合せ処理にかけ、そして前記培養ブロスから前記生成物を回収することを含んで成る方法に関する。あるいは、培養ブロスから回収した酵素調製物にpHと温度の組合せ処理をかけることができる。
pHと温度の組合せ処理は所望によりTPAP阻害剤での処理と併用して使うこともできる。
本発明のこの観点によれば、TPAP活性の少なくとも60%、例えば該活性の少なくとも75%、より好ましくは該活性の少なくとも85%、更により好ましくは該活性の少なくとも95%、最も好ましくはTPAP活性の本質上少なくとも99%を除去することが可能である。この方法を使ってTPAP活性の完全な除去が得られるだろうと期待される。
pHと温度の組合せ処理は、好ましくは6.5 〜7 の範囲のpHと25〜40℃の範囲の温度で、所望の効果を得るのに十分な時間に渡り実施される。典型的には所望の効果を得るのに0.5 〜1 時間が十分である。
培養方法と着目の生成物の精製方法は当業者に既知の方法により、例えば上述したような方法により、実施することができる。
本質的にTPAPを含まない生成物を調製する本発明の方法は、真核タンパク質、特に真菌タンパク質、例えば酵素の生産において特に重要である。酵素生成物は、例えば、デンプン分解酵素、脂質分解酵素、タンパク質分解酵素、セルロース分解酵素、酸化還元酵素または植物細胞壁分解酵素から選択することができる。そのような酵素の例としては、AMG 、アミラーゼ、リパーゼ、クチナーゼ、エステラーゼ、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、プロテアーゼ、ペルオキシダーゼ、ラッカーゼ、フェノールオキシダーゼ、カタラーゼ、グルコースオキシダーゼ、フィターゼ、リアーゼ、ペクチナーゼ、グルコシダーゼ、マンノシダーゼ、イソメラーゼ、インベルターゼ、トランスフェラーゼ、リボヌクレアーゼ、ガラクトシダーゼ、トランスグルタミナーゼおよびキチナーゼが挙げられる。TPAP欠損細胞は医薬上重要な異種(非相同)タンパク質、例えばホルモン、増殖因子、受容体などを発現させるために利用することもできる。
「真核タンパク質」という語は生来のタンパク質だけでなく、アミノ酸置換、削除、付加、または活性、耐熱性、pH耐性などを増強するために行われ得る他の修飾によって変更されているそれらのタンパク質(例えば酵素)も包含する。
更なる観点では、本発明は本発明の方法により生産されるTPAP活性を本質的に含まないタンパク質生成物に関する。
実施例1:A.ニガーTPAPの精製および特徴づけ
材料と方法
Phe-Pro-Ala-pNA 基質(Bachem, スイス国から入手可能)
プロテアーゼ阻害剤
Ala-Ala-Phe-クロロメチルケトン
ベンジルオキシカルボニル−Ala-Pro-Phe-クロロメチルケトン
ベンジルオキシカルボニル−Gly-Gly-Phe-クロロメチルケトン。
TPAPの精製
市販のA.ニガーAMG製剤(Novo Nordisk A/S, デンマークから入手可能)からTPAPを精製した。伝導率が1.5 mS/cm 未満になるまで、300 mLのAMG製品の試料を希釈しそして3 kDa カットオフ膜が取り付けられたFiltron(商標)濃縮装置中で4℃にて濃縮することを繰り返した。他の全ての精製段階は周囲温度で実施した。
NaCl勾配を使ったカチオン交換クロマトグラフィー
濃縮物(600 mL)をpH 4.0に調整し、濾過した後、20 mM 酢酸ナトリウム, pH 4.0で平衡化した200 mL(2.6 ×37cm)のS−セファロースカラムに適用した。10 mL/分の流速を使った。10カラム容積での0から0.2 Mへの直線NaCl勾配によりTPAPを溶出させた。ペプチダーゼ活性の最大部分を含む1つのプールを作った。10 kDaのカットオフを有するDiaflo膜が取り付けられたAmiconセルにおいて20mM酢酸ナトリウム, pH 5.5に緩衝液を交換した。
アニオン交換クロマトグラフィー
S−セファロースカラムからのプールを、20 mM 酢酸ナトリウム,pH 5.5で平衡化したHiLoad Q−セファロースHPカラム(50 mL, 2.6×10cm)上で更に精製した。15カラム容積での0から0.5 Mへの直線NaCl勾配によりTPAPを溶出させた。タンパク質を8.0 mL/分の流速で適用しそして5.0 mL/分の流速で溶出させた。TPAPの最大部分を含むプールを作った。上記と同様にしてAmiconセルにおいて20mM酢酸ナトリウム, pH 4.0に緩衝液を交換した。
pH勾配を使ったカチオン交換クロマトグラフィー
HiLoad Q−セファロースHPカラムからのプールを、20 mM 酢酸ナトリウム, pH 4.0で平衡化したMono Sカラム(5/5 )上で最終精製した。20 mM 酢酸ナトリウム, pH 4.0と20 mM 酢酸ナトリウム, pH6.0 を使って30カラム容積でpH 4.0からpH 6.0への勾配を適用した。流速は1.0 mL/分であった。TPAPの2つのイソ酵素がそれぞれpH5.1 と5.2 において溶出した。
AMGの精製
AMG G1は、Q-セファロースを使ったアニオン交換クロマトグラフィーにより市販のAMG 製剤(Novo Nordisk A/S)から精製した。50 mLカラムを20 mM 酢酸ナトリウム, pH 5.5で平衡化し、8カラム容積での0から0.6 M NaClへの直線NaCl勾配を使ってG1形を溶出させた。流速は8.0 mL/分であった。
AMG trunc は、AMG G1のTPAP処理後に20 mM 酢酸ナトリウム, pH4.3 で平衡化したMono Qカラム上で精製した。30カラム容積での0から1.0 Mへの直線NaCl勾配を溶出に使った。流速は1.0 mL/分であった。
不安定化アッセイ
精製したAMG G1のアリコートを、0.1 M酢酸ナトリウム, pH 4.3中のTPAPと緩衝液の様々な混合物と共に37℃で数週間に渡りインキュベートした。最終容量は10 AGU/ml のAMG G1の濃度を有する1または2mlであった。インキュベーション混合物の100 μlを取り、0.1 M 酢酸ナトリウム, pH 4.3を使って2 AGU/mlに希釈した。希釈した試料に65℃で30分の熱処理を行った。
試料を周囲温度に冷却した後、色素形成基質p−ニトロフェニル−α−D−グリコピラノシド(pNPG)(Merck, Art. 6792)を使ってマイクロタイタープレート中で未処理の試料と熱処理した試料の活性を測定した。0.1 M 酢酸ナトリウム, pH 4.3中の3 mM pNPG 50μlを試料25μlと共に周囲温度で30分間インキュベートした。75μlの0.1 M 四ホウ酸ナトリウムの添加により反応を停止させた。UV-maxキネティックマイクロプレートリーダー中で405 nmの吸光度を測定した。熱処理後に保持された活性の割合(%)としてT30を計算した。全ての測定は二重反復測定にて行った。
TPAPアッセイ
このアッセイは、0.1 M 酢酸ナトリウム緩衝液, pH 4.3中の0.2mM Phe-Pro-Ala-pNAの基質濃度を使って、マイクロタイタープレートリーダー中または分光光度計中のいずれかで実施した。Phe-Pro-Ala-pNA の5 mM原液をDMSO中に作製し、それを使用前に希釈した。UV-maxキネティックマイクロプレートリーダー中または分光光度計中のいずれかで405 nmで反応を4分間追跡し、開裂の初速度を計算した。
TPAPの阻害
4μg のTPAPを含むアリコートを様々なプロテアーゼ阻害剤:1mM Ala-Ala-Phe−クロロメチルケトン、1 mMベンジルオキシカルボニル-Ala-Pro-Phe−クロロメチルケトンおよび1 mMベンジルオキシカルボニル-Gly-Gly-Phe−クロロメチルケトンと共にインキュベートした。30分間のインキュベーション後、残余活性を測定した。
濾過後の醗酵ブロスの貯蔵安定性
培養ブロスを遠心分離し、0.22μm のフィルターを通して滅菌濾過した。該ブロスをソルビン酸ナトリウムと安息香酸ナトリウムに関して0.1 %にし、そしてpHを4.3 に調整した。2mlのアリコートを200 μlの10 mM Ala-Ala-Phe-クロロメチルケトンか200 μlの0.1 M 酢酸ナトリウム, pH 4.3のいずれかに添加した。試料を採取し、2 AGU/mlに希釈した後、上記と同様にしてT30を測定した。
AMG 活性(AGU) の測定
AMG活性はK.A. Holm, 1980, Anal. Chem. Acta, 117, pp.359-362により記載された通りに測定した。簡単に言えば、この方法はα−D−グルコースの形成下でのAMGによるマルトースの加水分解に基づく。短時間の連続した透析作業の後、グルコースデヒドロゲナーゼ(GlucDH)反応(pH 7.6で実施)によりグルコースの濃度を測定した。Auto-Analyzer 自動化法の標準条件は次の通りである:
基質:マルトース 28 mM
インキュベーション緩衝液:0.1 M 酢酸塩, pH 4.3
インキュベーション温度:37℃
インキュベーション時間:5分
この方法の酵素使用範囲は0.5 〜4 AGU/mlである。
結果
表1に示す精製スキームに従って市販のAMG製剤(Novo Nordi-sk A/S)からTPAPが均質まで精製された。最後のカチオン交換カラムからの溶出曲線は、それぞれpI 5.1と5.2 を有する2種類のTPAPイソ酵素(TPAP−IとTPAP−II)の存在を明らかにした。SDS-PAGEとN末端配列分析により判断すると両イソ型タンパク質とも純粋であったが、酵素の比活性は異なっていた(表1参照)。TPAP−IIはTPAP−Iよりも20%高い比活性を有していた。
TPAPの2つのイソ型タンパク質間の小さなpI差は、醗酵ブロス中でのまたは精製中の1個もしくは数個のAsn もしくはGln 残基の脱アミドにより説明することができる。
Figure 2007020578
最適pH
TPAPの最適pHは上述のTPAPアッセイと同様な手順を使って決定した。pHを調節するのに0.1 M酢酸塩緩衝液を使った。得られた最適pH曲線を図1に示す。5.0 〜5.5 の範囲のpHにおいてTPAPが最適に機能することがわかる。
TPAPの最適温度の決定
上述のTPAPアッセイを使って0.1 M酢酸ナトリウム緩衝液中でTPAPの温度/活性関係を測定した。下表からわかるように、TPAPは45〜55℃の温度範囲に最大活性を有する。
Figure 2007020578
質量分析
A.ニガーから精製したTPAPのマトリックス補助レーザー脱着イオン化飛行時間型(Matrix assisted laser desorption ionisationtime-of-flight)質量分析法は幅広いシグナルを与え、これはTPAPがグリコシル化されていることを暗示する。平均質量は54.5 kDaであると測定された。
実施例2:A.オリゼTPAPの精製および特徴付け
材料と方法
精製のための出発材料として、大豆含有培地中でpH 5で醗酵させたA.オリゼ IFO 4177 醗酵液の上清を使った。醗酵後、培養ブロスを遠心して細胞の大部分を除去した。
精製
約4Lの上清をSeitz EKS プレート上で微生物濾過した。EKS 濾液を3 K カットオフのFiltron カセット(Minisette )上で最少量に限外濾過した。限外濾液=240 mL。限外濾液170 mLを固体の硫酸アンモニウム(AMS) を使って沈澱させ、約90%のAMS 飽和を与えた。少なくとも30分間攪拌した後、AMS 沈澱をSorvall RC3B遠心機中での遠心により回収した(4500 rpm, 15分, 室温)。このAMS 沈澱に100 mLの脱イオン水を加えてタンパク質を溶かし、1%(w/v) のFGV120活性炭を加えて色を取り除いた。約1時間攪拌した後、Seitz EK1 プレート上で懸濁液を濾過して活性炭(および色)を除去した。EK1 濾液を(1)100 mM H3PO4, 10 mMグルタル酸ジメチル,2 mM CaCl2, pH 5および(2)脱イオン水に対して透析した。EK1 濾過後、透析物(260 mL)をアリコートに分けて凍結保存した。
上記透析物の120 mLアリコートを解凍し、20 mM CH3COOH/NaOH, pH 5.0中で平衡化した1.4 LのG25 セファデックスカラムに適用した。色素と強酸性タンパク質を除去するために、G25 からの濾液を同緩衝液(CH3COOH/NaOH, pH 5.0)中で平衡化した40 mLのQ-セファロース FF カラムに適用した。カラムを洗浄した後、結合したタンパク質を直線NaCl勾配(0→200 mM)により溶出させた。カラムからの画分をTPAP活性について分析した。TPAP活性の大部分は素通り部分に検出され(70%)、一方タンパク質の大部分はカラムに結合していた。
Q-セファロースカラムからの素通り部分を、20 mM CH3COOH/NaOH, pH 5.0中で平衡化した50 mLのS−セファロース HP カラムに適用した。カラムを洗浄した後、結合したタンパク質を直線NaCl勾配(0→200 mM)により溶出させた。カラムからの画分をTPAP活性について分析した。TPAP活性の大部分は再び素通り部分に検出された(75%)。TPAP活性の残りはNaCl勾配の開始時に見られた。素通り部分+画分1〜11をプールし、それを50 mM H3BO3, 5 mM グルタル酸ジメチル, 1 mM CaCl2, pH 6.0に対して透析した。
透析したプールをpH 7.0に調整した後、50 mM H3BO3, 5 mM グルタル酸ジメチル, 1 mM CaCl2, pH 7.0に平衡化した23 mLのSOURCE Qカラムに該酵素を適用した。カラムを洗浄した後、結合したタンパク質を直線NaCl勾配(0→500 mM)により溶出させた。カラムからの画分をTPAP活性について分析した。全TPAP活性が素通り部分に検出された(95%)。この理由は、タンパク質がカラム上に過負荷であったからに違いない。素通り部分を20 mM CH3COOH/NaOH, pH 4.0に対して透析した。
透析した酵素を20 mM CH3COOH/NaOH, pH 4.0中で平衡化した50 mLのS−セファロースHPカラムに適用した。カラムを洗浄した後、結合したタンパク質をNaCl勾配(0→200 mM)により溶出させた。カラムからの画分をTPAP活性について分析した。TPAP活性は100 mM
NaClのところで溶出した。TPAP活性をプールし、20 mM CH3COOH/NaOH, pH 4.0に対して透析した。S−セファロースカラムが与えることができたものよりも良好な分離を与えるために、同緩衝液(20mM CH3COOH/NaOH, pH 4.0 )中で平衡化した8 mLのSOURCE Sカラムに透析したプールを適用した。カラムを洗浄した後、結合したタンパク質をNaCl勾配(0→200 mM)により溶出させた。カラムからの画分をTPAP活性について分析した。TPAP活性は60 mM NaClのところで溶出した。TPAP活性をプールし、そして20 mM CH3COOH/NaOH, pH5.5 に対して透析した。
透析した酵素を20 mM CH3COOH/NaOH, pH 5.5中で平衡化した23 mLのSOURCE Qカラムに適用した。カラムを洗浄した後、結合したタンパク質をNaCl勾配(0→200 mM)により溶出させた。TPAP活性は30mM NaCl のところで溶出した。カラムからの画分をSDS-PAGEにより分析しそしてTPAP活性について分析した。SDS-PAGEゲルは、TPAP活性を含有する画分が2本の主バンド:65 kDaバンド(TPAP)と30 kDaバンドを含むことを示した。TPAPバンドは広がっていたが、30 kDaバンドはシャープであった。これは、TPAPがグリコシル化されており、30 kDaバンドがグリコシル化されてないことを示唆する。
TPAP含有画分を限外濾過により1mlに濃縮し、20 mM Tris−酢酸塩, 100 mM NaCl, pH 5.5 中で平衡化した150 mLのSephacryl S-100カラムに適用した。1.0 mL/分の流速で2つのバンドが分離した。TPAP活性を含む画分をA.オリゼTPAPとしてプールした。
質量分析
A.オリゼから精製したTPAPのマトリックス補助レーザー脱着イオン化飛行時間型(Matrix assisted laser desorption ionisationtime-of-flight)質量分析法は幅広のシグナルを与え、これはTPAPがグリコシル化されていることを示す。平均質量は55.0 kDaであるとわかった。
A.オリゼTPAPのpHプロフィール
色素形成基質Phe-Pro-Ala-pNA を使って、A.オリゼTPAPの活性のpH依存性を調べた。50μlの酵素に指摘のpHのBritton-Robinson緩衝液 150μlを添加した後、0.2 mMの最終基質濃度で50μlのPhe-Pro-Ala-pNA と共にインキュベーションした。UV-maxキネティックマイクロタイタープレートリーダー中でアッセイを行い、405 nmで3.5 分間反応を追跡した。比活性(RA)を下の表3に与える。
Figure 2007020578
実施例3
A.ニガーTPAPのペプチド配列
完全なA.ニガーTPAPのI形とII形(実施例1)並びにTPAP−I形から誘導したペプチドのN末端アミノ酸配列決定は、製造業者の指示に従ってApplied Biosystems 473A シークエンサー中で実施した。
完全なTPAP−I形とII形のN末端アミノ酸配列を30残基に渡り決定した。2つの配列は同一であり次のものであることがわかった:
Ala-Gln-Asn-Thr-Ser-His-Cys-Asp-Ser-Ile-Ile-Thr-Pro-His-Cys-Leu-Lys-Gln-Leu-Tyr-Asn-Ile-Gly-Asp-Tyr-Gln-Ala-Asp-Pro-Lys-
この配列は他のタンパク質に対して全く相同性を示さなかった。
変性、還元およびS−カルボキシメチル化の後、アクロモバクター(Achromobacter )からのリジル特異的プロテアーゼを使ったタンパク質分解的開裂により、TPAP-I形からペプチドを誘導した。得られたペプチドを逆相HPLCを使って分画・再精製した。マトリックス補助レーザー脱着イオン化飛行時間型(Matrix assisted laserdesorption ionisation time-of-flight)質量分析法を使って、製造業者の推奨に従ってVG Analytical TofSpec を使ってペプチドの純度と質量を評価した。次の7つのペプチドを配列決定した。
ペプチド1
Ala-Gln-Asn-Thr-Ser-His-Cys-Asp-Ser-Ile-Ile-Thr-Pro-His-Cys-Leu-Lys
質量分析とアミノ酸配列分析により示されるようにAsn3がグリコシル化されている。ペプチド1は完全TPAPのアミノ酸残基1〜17と同一であり、従って配列番号4に示される配列のアミノ酸残基1〜17と同一である。
ペプチド2
Gln-Leu-Tyr-Asn-Ile-Gly-Asp-Tyr-Gln-Ala-Asp-Pro-Lys
ペプチド2は完全TPAPの(従って配列番号4に示されるアミノ酸配列の)アミノ酸残基18〜30と同一である。ペプチド2は質量分析とアミノ酸配列分析により明らかなように次の2つの形態で回収される。N末端にGln 残基を有する1つの形態とこのGln 残基がピログルタミン酸残基に変換されているもう1つの形態。
ペプチド3
Thr-Ser-Pro-Glu-Gln-Ala-Val-Ser-Phe-Ser-Ser-Gly-Gly-Phe-Ser-Asp-Leu-Trp-Pro-Arg-Pro-Ser-Tyr-Gln-His-(配列番号5)
ペプチド4
Phe-Ser-Gly-Leu-Phe-Asn-Ala-Ser-Gly-Arg-Ala-Phe-Pro-Asp-Val-Ser-Ala-Gln-Gly-Val-Asn-Tyr-Ala-Val-Tyr-Asp-Lys (配列番号6)
質量分析とアミノ酸配列分析により示されるようにAsn6がグリコシル化されている。
ペプチド5
Ile-Gly-Phe-Ala-Ser-Tyr-Leu-Gln-Glu-Tyr-Ala-Arg-Tyr-Ala-Asx-Leu-Glu-Arg-Phe-Glu-Gln-His-Leu-(配列番号7)
Asx15 はAsp 残基かAsn 残基か識別できなかった。
ペプチド6
Xaa-Leu-Asx-Leu-Gln-Tyr-Ile-Leu-Gly-Val-Ser-Ala-Pro-Val-Pro-Ile-Thr-Glu-Tyr-Ser-Thr-Gly-Gly-Arg-Gly-Glu-Leu-Val-Pro-(配列番号8)
Asx3はAsp 残基かAsn 残基か識別できなかった。Xaa1は未同定であった。
ペプチド7
Gly-Ala-Leu-Asx-Asp-Ile-Val-Asn-Gly-Thr-Ser-Val-Gly-Gln-Asp-Gly-Arg-Asn-Arg-Phe-Gly-Gly-Thr-Pro-Asn-Gly-Ser-(配列番号9)
Asx4はAsp 残基かAsn 残基か識別できなかった。Asn25 はN−グリコシル化の共通配列中に見つかるけれどもそれはグリコシル化されないことに注意。
A.オリゼTPAPのペプチド配列
完全なTPAPの並びにTPAPから誘導したペプチドのN末端アミノ酸配列決定は、製造業者の指示に従ってApplied Biosystems 473A タンパク質シークエンサー中で実施した。
完全なTPAPのN末端アミノ酸配列は、標準手順を使ったSDS-PAGEとPVDF膜上への電気ブロッティング後に決定した。次の23残基のアミノ酸配列が判明した:
Ala-Lys-Xaa-Ile-Ser-His-Yaa-Asp-Ser-Ile-Ile-Thr-Pro-Pro-Yaa-Leu-Lys-Glu-Leu-Tyr-Asn-Ile-Gly-(配列番号14)
この配列はA.ニガーからのTPAPのN末端アミノ酸配列と明らかに相同である。この相同性に基づくと、Xaa は多分グリコシル化されたAsn 残基であり、Yaa は多分Cys 残基を表すだろう。
変性、還元およびS−カルボキシメチル化の後、アクロモバクター(Achromobacter )由来のリジル特異的プロテアーゼを使ったタンパク質分解的開裂により、ペプチドを誘導した。生成したペプチドを逆相HPLCを使って分画・再精製した。マトリックス補助レーザー脱着イオン化飛行時間型(matrix assisted laser desorptionionisation time-of-flight )質量分析法を使って、製造業者の推奨に従ってVG Analytical TofSpec を使ってペプチドの純度と質量を評価した。次の4つのペプチドを配列決定した。
ペプチド8
Glu-Leu-Tyr-Asn-Ile-Gly-Asp-Tyr-Gln-Ala-Asp-Ala-Asn-Ser-Gly-Ser-Lys (配列番号10)
このペプチドは完全なTPAPのN末端配列分析により決定された最後の6アミノ酸残基と重複し、従ってN末端配列を34残基に延長する。
ペプチド9
Thr-Thr-Pro-Glu-Arg-Gly-Thr-Tyr-Phe-Ser-Ser-Gly-Gly-Phe-Ser-Asn-Tyr-Trp-Pro-Arg-Pro-Glu-Trp-Gln-Asn-Gln-Ala-Val-Ala-Ser-Tyr-Leu-(配列番号11)
このペプチドはA.ニガーTPAPからのペプチド3と相同である。
ペプチド10
Gly-Thr-Leu-Gly-Glu-Phe-Asp-Gly-Thr-Ser-Ala-Ser-Ala-Pro-Ala-Phe-Ser-Ala-Val-Ile-Ala-Leu-Leu-Asn-Asp-Ala-Arg-Leu-Arg-Ala-Gly-Lys-Pro-Thr-Leu-Gly-Phe-Leu-Asn-Pro-Trp-Leu-Tyr-Lys (配列番号12)
ペプチド11
Thr-Gly-Arg-Gln-Gly-Leu-Gln-Asn-Ile-Thr-Leu-Gly-Ala-Ser-Ile-Gly-Xaa-Thr-Gly-Arg-Ala-Arg-Phe-Gly-Gly-Ala-Pro-Asn-Gly-Gly-Pro-Val-Val-Pro-Tyr-Ala-Ser-(配列番号13)
Xaa は未同定の残基を表す。
実施例4
A.ニガーTPAPのI形とII形のアミノ酸組成を決定した。TPAPのI形とII形の凍結乾燥アリコートの複製物を、0.1 %フェノールを含む6 N HCl 中で110 ℃で16時間、真空中で加水分解した。トリプトファンは3Mメタンスルホン酸中での加水分解後に決定した。加水分解後、製造業者の指示に従って操作したApplied Biosystems420Aアミノ酸分析システムを使ってアミノ酸組成を決定した。その結果は、表4に示す通り、TPAPI形とII形が実験誤差内で同じアミノ酸組成を有することを示した。
Figure 2007020578
実施例5
A.ニガーTPAPI形とII形の単糖組成を決定した。TPAPのI形とII形の凍結乾燥したアリコートの複製物を、2 M TFA 中で100 ℃で1時間、2時間および4時間真空中で加水分解した。加水分解後、16 mM NaOHを使って溶出させるCarboPacTM PA1カラム上での高性能イオン交換クロマトグラフィーにより、単糖組成を分析した。単糖類はパルス電流測定検出法によって検出した。2 M TFA 中での単糖類の安定性と放出が異なるため、1時間加水分解後のガラクトースの量、2時間加水分解後のマンノースの量および4時間加水分解後のグルコサミンの量を決定した。得られた結果は、下表に示すように、TPAPI形とII形のマンノース含量にごくわずかな相違があることを示す。
Figure 2007020578
実施例6:A.ニガーTPAPによる開裂
配合物中のものに等しいTPAP/AMG比において精製済のAMGとTPAP(実施例1の材料と方法の項目に記載した通りに得られたもの)を使って、AMG G1形を不安定にするA.ニガーTPAPの能力を調べた。不安定化された調製物のアミノ酸配列分析は、AMG の触媒領域のN末端部の修飾を明らかにした。最初の3つのアミノ酸残基を含んで成るトリペプチド(Ala-Thr-Leu)が該ペプチダーゼにより開裂されており、このことは該酵素がトリペプチジルアミノペプチダーゼであることを示す。
AMGの開裂並びに色素形成基質Phe-Pro-Ala-pNAの開裂に基づいたトリペプチジルアミノペプチダーゼとしての分類は、別の色素形成基質スクシニル−Ala-Ala-Ala-pNA に対して活性が無いことによって更に裏付けられた。この基質では、N末端の遊離アミノ基がスクシニル化されており、従って該基質がTPAPによる開裂を受けにくくなっている。アミノ酸配列分析により先端が切り取られたAMG (AMGtrunc) と完全なAMGとの混合物として検出されたことから、AMG バッチのTPAP開裂は3週間の貯蔵後も完全でなかった。
様々な温度で種々の量のTPAPにより得られるAMG G1の不安定化を調べた。3〜10μg/mlの範囲のTPAP量がAMG の有意な不安定化を与え、幾つかの醗酵物において測定されたものと同様なTPAP/AMG比も与えた。不安定化作用は37℃で最も顕著であったが、25℃でも27日間の貯蔵後に耐熱性に対する明らかな影響が観察された。4℃での貯蔵はAMG の耐熱性に全く影響を与えなかった。
実施例7
様々な生来のタンパク質とペプチド基質を使ってA.ニガーTPAPの特異性を調べた。それらの基質を使って、TPAPが開裂部位のN末端側のアミノ酸残基に関して高度に非特異的であることがわかった。TPAPはPro 残基やCM-Cys残基の後であっても開裂させることができる。しかしながら、開裂部位のC末端側のPro 残基はTPAPによる開裂を完全に阻害する。生来のタンパク質をTPAP処理にかけることから得られた特定の開裂生成物としては、トリペプチド配列IPE, YVD,WRQ, KGA, LPS, ANL, NGT, LMQ, YFE, GPG, GGG, ADG, RST, SVE,KKP, EGV, NTG, AGD, RHN, LKT, VEK, KPE, GVN, TGA, GDR, HNL,HSQ, GTF, TSD, YSK, YLD, SRR, AQD, FVQ, WLM およびATL が挙げられる。
実施例8:A.ニガーTPAP活性の阻害
プロテアーゼ阻害剤であるAla-Ala-Phe-クロロメチルケトン(CMK)(AAF-CMK) によるTPAPの阻害を上記条件下で試験した。AAF-CMK は完全にTPAPを阻害することがわかった。
醗酵ブロスへのAAF-CMK の添加はTPAP活性を完全に阻害することができる。TPAP活性の存在下と非存在下で5種類のAMG バッチの耐熱性を調べた。TPAPが阻害された時、37℃で2週間の貯蔵後に5つのAMG バッチ全ての耐熱性が変わらなかった。阻害剤を添加しない対応試料は全て明らかに不安定化された。
実施例9
AMG を生産するA.ニガー株の培養から得られた10mlの培養ブロスの一部を水酸化ナトリウムでpH 6.5かpH 7.0のいずれかに調整した。試料をそれぞれ25℃, 40℃および50℃で1時間インキュベートし、次いで酢酸を使ってpH 4.3に調整した。処理した試料の貯蔵安定性を測定した。この試料回収工程(高温でのpH処理に基づく)がTPAP活性の効率的除去をもたらすことがわかった(表6)。pH 6.5/40℃での1時間の培養ブロスの処理はTPAP活性を5%に減少させ、40℃での2週間の貯蔵後も変わらない耐熱性を有する非常に安定な生成物を与えた。
Figure 2007020578
表中の全ての数字は%である。TPAPとAMG それぞれについて示した値は指摘の時点における比活性である。
実施例10
PCRクローニング
A.ニガーTPAPのN末端アミノ酸配列(その配列は配列番号3に示される)から、4つのPCRプライマーをデザインした(表7)。A.ニガーの株からのゲノムDNAを4つのPCR反応において鋳型として使った。予想サイズ65 bp のPCR断片を精製し、プラスミド pCRTMII(Invitrogen Corporation)中にクローニングした。3つのクローンについての挿入断片の配列分析は、それらのうちの2つがプライマーに相当する領域中に縮重配列を含み、間の配列がN末端アミノ酸配列に対して不変であることを示した。
トリペプチジルアミノペプチダーゼをコードする大きなDNA断片をクローニングするために、不変配列に相当するプライマー#6010(GCACTGTCTGAAGCAGCTGTACAACATCGGTG)を作製した。2つの別のペプチド配列から3つのPCRプライマーをデザインした(表7)。鋳型としてA.ニガーのゲノムDNAを使って3つのPCR反応(#6010/#5988, #6010/#5989および#6010/#5990)を実施した。それらの反応は2種類のアニーリング温度42℃と45℃で実施した。
反応#6010/#5989 (約80 bp の1断片)と#6010/#5990 (約120 bp, 500 bpおよび950 bpの3断片)は、前記2つの異なる温度でアガロースゲル上に同じバンドパターンを示した。反応#6010/#5988 では42℃で約120 bpの断片が見られたが、45℃では約950 bpの断片が見られた。この950 bp断片は正当なものであることがわかり、それをpCR II AT ベクターに挿入した。この950 bp断片を含むE.コリ株を、ブタペスト条約の規定の下に1994年12月5日にthe DeutscheSammlung von Microorganismen und Zellkulturen GmbH,Mascheroder Weg 1b, D-38124 Braunschweig, Germany にDSM 9670として寄託した。
Figure 2007020578
前記950 bp断片を両端から配列決定した。この断片がTPAPのN末端部分をコードしていることがわかった。N末端部分の部分配列を配列番号2に示し、他方の末端からの配列決定より得られた部分配列を配列番号3に示す。908 bpにより構成されることがわかった完全な「950 塩基断片」の配列を配列番号1に示す。
サザン分析
以前に記載された通りに(Yelton他, 1984, Proc. Natl. Acad.Sci. USA 81: 1470-1474)、A.ニガーの株およびA.オリゼ IFO4177株からゲノムDNAを単離した。ゲノムDNAを適当な制限酵素で消化し、0.7 %アガロースゲル上で分画し、そして製造業者により記載された通りに ImmobilonTM-Nにブロッティングした。この膜を、Feinberg他, 1983, Anal. Biochem. 132:6により記載された方法に従ったランダムプライミングにより、α-32P dATP (NewEngland)で標識された950 bp TPAP 遺伝子配列の存在について探査した。
次いでこの膜をハイブリダイゼーション溶液〔5×SSC(0.15 M NaCl, 0.015 Mクエン酸三ナトリウム),10×デンハーツ液(0.2 %Ficoll, 0.2 %ポリビニルピロリドン, 0.2 %ウシ血清アルブミン), 10 mM EDTA, 1%SDS,150μg/mLポリA,50μg/lL酵母RNA〕中で65℃にて2時間インキュベーションした。次に、放射性標識プローブを添加し、穏やかに攪拌しながら65℃で一晩インキュベーションした。2×SSC,1%SDS中で30℃にて15分間膜を2回洗浄した。最後に、膜を乾燥し、プラスチックラップで覆い、−70℃でX線フィルム(Fuji-RX )にさらした。その結果は、両株がTPAPをコードする唯一の遺伝子を含むことを示した。
図1は、アスペルギルス・ニガー由来のトリペプチジルアミノペプチダーゼのpHと活性の関係を示すグラフである。

Claims (13)

  1. トリペプチジルアミノペプチダーゼ(TPAP)活性を実質的に伴わないAMGを製造する方法において、TPAPの活性が低下又は除去されているアスペルギルス(Aspergillus)の細胞を、AMGをコードするDNAにより形質転換し、そしてAMGを採取する、ことを含んでなる方法。
  2. 前記TPAP活性が、前記細胞内に存在する、TPAPの発現のために必要なDNA配列を修飾することにより低下又は除去されている、請求項1に記載の方法。
  3. 前記DNA配列が、TPAP又はTPAP活性の発生のために必要なその部分をコードする、請求項2に記載の方法。
  4. 前記DNA配列が、TPAPをコードするDNA配列からのTPAPの発現のために必要な制御配列である、請求項2に記載の方法。
  5. 前記DNA配列が、プロモーター配列又はその機能的部分である、請求項4に記載の方法。
  6. 前記DNA配列の修飾が、TPAP生産細胞を変異誘発にかけそしてTPAP生産能力が低下又は除去されている細胞を選択することにより得られる、請求項2〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記変異誘発が、ランダム変異誘発又は部位特定変異誘発である、請求項6に記載の方法。
  8. 前記修飾が欠失である、請求項2〜5にいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記TPAP活性が、前記アスペルギルスの細胞へのヌクレオチド配列の導入により低下又は除去されており、当該ヌクレオチド配列が、TPAPコード配列に対して十分に相補的でありそしてそのために細胞内で生産されたTPAP mRNAにハイブリダイズすることが出来、これにより当該ヌクレオチド配列が当該TPAP mRNAにハイブリダイズし、そしてそのために当該mRNAから翻訳されるTPAPの量が減少しまたは当該翻訳が除去される、請求項1に記載の方法。
  10. 発酵中又は発酵が完了した後に発酵液にTPAP活性を阻害することが出来るのに有効な量の阻害剤を添加することにより前記TPAP活性が低下又は除去され、そして所望により採取されたAMGを更に精製する、請求項1に記載の方法。
  11. 発酵液又は当該発酵液から分離されたTPAP及びAMGを含む酵素調製物を、TPAP活性を低下させるのに十分な時間にわたり、pH及び温度処理にかける、請求項1に記載の方法。
  12. 前記TPAP低下処理を6.5〜7のpH及び25〜40℃の温度で行う、請求項11に記載の方法。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法により製造される、TPAP活性を実質的に伴わないAMG。
JP2006249535A 1994-11-08 2006-09-14 トリペプチジルアミノペプチダーゼ Expired - Fee Related JP4571604B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
DK128894 1994-11-08
DK147094 1994-12-22

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8514967A Division JPH10508475A (ja) 1994-11-08 1995-11-08 トリペプチジルアミノペプチダーゼ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007020578A true JP2007020578A (ja) 2007-02-01
JP4571604B2 JP4571604B2 (ja) 2010-10-27

Family

ID=26065527

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8514967A Ceased JPH10508475A (ja) 1994-11-08 1995-11-08 トリペプチジルアミノペプチダーゼ
JP2006249535A Expired - Fee Related JP4571604B2 (ja) 1994-11-08 2006-09-14 トリペプチジルアミノペプチダーゼ

Family Applications Before (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8514967A Ceased JPH10508475A (ja) 1994-11-08 1995-11-08 トリペプチジルアミノペプチダーゼ

Country Status (12)

Country Link
US (2) US5821104A (ja)
EP (1) EP0804558B1 (ja)
JP (2) JPH10508475A (ja)
KR (2) KR100545010B1 (ja)
CN (2) CN1164868A (ja)
AT (1) ATE384787T1 (ja)
AU (1) AU3802595A (ja)
CA (1) CA2204257C (ja)
DE (1) DE69535696T2 (ja)
DK (1) DK0804558T3 (ja)
ES (1) ES2301163T3 (ja)
WO (1) WO1996014404A1 (ja)

Families Citing this family (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1996038549A1 (en) * 1995-05-31 1996-12-05 Gist-Brocades B.V. Production of aminopeptidases from aspergillus niger
DK0981631T3 (da) * 1997-05-16 2007-08-06 Novozymes Inc Polypeptider, som har aminopeptidase-aktivitet, og nukleinsyrer, som koder for samme
AU3537399A (en) * 1998-04-28 1999-11-16 Idemitsu Kosan Co. Ltd Mold capable of degrading dioxin, degradation of dioxin with the use of the same, method for producing composts capable of degrading dioxin and method for growing plants
CA2438680A1 (en) * 2001-02-23 2002-09-06 Dsm Ip Assets B.V. Genes encoding proteolytic enzymes from aspargilli
US7439067B2 (en) * 2002-05-20 2008-10-21 Battelle Memorial Institute Isolated polynucleotides and methods of promoting a morphology in a fungus
AU2003236689A1 (en) 2002-06-04 2003-12-19 Dsm Ip Assets B.V. Protein hydrolysate rich in tripeptides
JP4565807B2 (ja) * 2003-01-22 2010-10-20 旭化成ファーマ株式会社 糖化タンパク質測定用プロテアーゼ
PL2410048T3 (pl) 2005-01-24 2017-02-28 Dsm Ip Assets B.V. Sposób otrzymywania związku będącego przedmiotem zainteresowania w komórce grzyba nitkowatego
CN101142231A (zh) 2005-03-16 2008-03-12 诺维信公司 在丝状真菌中重组表达防卫素
BRPI0713795B1 (pt) 2006-06-29 2018-03-20 Dsm Ip Assets B.V. Método de otimização de uma sequência de nucleotídeos codificadora que codifica uma sequência de aminoácidos predeterminada
EP2665812B1 (en) 2011-01-20 2016-09-14 Novozymes A/S Expression of plant peroxidases in filamentous fungi
US9849195B2 (en) 2011-03-31 2017-12-26 University Of Iowa Research Foundation Methods and compositions for treating brain diseases
EP2800809B1 (en) 2012-01-05 2018-03-07 Glykos Finland Oy Protease deficient filamentous fungal cells and methods of use thereof
EP2852610B1 (en) 2012-05-23 2018-07-11 Glykos Finland Oy Production of fucosylated glycoproteins
DK3019602T3 (en) 2013-07-10 2018-11-12 Glykos Finland Oy MULTIPLE PROTEASE-DEFECTED FILAMENTARY FUNGAL CELLS AND PROCEDURES FOR USE THEREOF
CA2954974A1 (en) 2014-07-21 2016-01-28 Glykos Finland Oy Production of glycoproteins with mammalian-like n-glycans in filamentous fungi
EP3209773B1 (en) 2014-10-24 2020-03-18 DuPont Nutrition Biosciences ApS Proline tolerant tripeptidyl peptidases and uses thereof
MX2018009216A (es) * 2016-02-25 2018-11-09 Dupont Nutrition Biosci Aps Metodo para producir un hidrolizado de proteina empleando una tripeptidil peptidasa de aspergillus fumigatus.
US10934662B2 (en) * 2016-04-13 2021-03-02 Sanko Tekstil Isletmeleri San. Ve Tic. A.S. Process for the production of a dyed fabric using enzyme aggregates
US20220281999A1 (en) * 2019-07-18 2022-09-08 National University Corporation Tokai National Higher Education And Research System Separated peptide

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6128389A (ja) * 1980-03-24 1986-02-08 フアイザ−・インコ−ポレ−テツド ラクタ−ゼ調製物の精製方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
NL9000241A (nl) * 1990-01-31 1991-08-16 Probicom Res Bv Tripeptidase.
US5294542A (en) * 1991-03-19 1994-03-15 Omnigene, Inc. Residual protease-III
US5221714A (en) * 1991-04-04 1993-06-22 The Goodyear Tire & Rubber Company Blend of rubber latices containing a hydrogenated rubber latex
US5616485A (en) * 1993-12-23 1997-04-01 Cangene Corporation Streptomyces proteases and improved streptomyces strains for expression of peptides and polypeptides

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6128389A (ja) * 1980-03-24 1986-02-08 フアイザ−・インコ−ポレ−テツド ラクタ−ゼ調製物の精製方法

Also Published As

Publication number Publication date
ATE384787T1 (de) 2008-02-15
CA2204257A1 (en) 1996-05-17
DE69535696T2 (de) 2009-02-05
KR20040023615A (ko) 2004-03-18
JP4571604B2 (ja) 2010-10-27
KR970707277A (ko) 1997-12-01
CA2204257C (en) 2009-01-06
EP0804558A2 (en) 1997-11-05
WO1996014404A1 (en) 1996-05-17
DE69535696D1 (de) 2008-03-13
EP0804558B1 (en) 2008-01-23
DK0804558T3 (da) 2008-05-26
KR100545010B1 (ko) 2006-01-24
US5989889A (en) 1999-11-23
ES2301163T3 (es) 2008-06-16
CN1164868A (zh) 1997-11-12
US5821104A (en) 1998-10-13
JPH10508475A (ja) 1998-08-25
CN1611601A (zh) 2005-05-04
AU3802595A (en) 1996-05-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4571604B2 (ja) トリペプチジルアミノペプチダーゼ
US7244605B2 (en) Polypeptides having beta-glucosidase activity and polynucleotides encoding same
JP4550587B2 (ja) 熱安定性α−アミラーゼ
KR100556071B1 (ko) 신호 펩티드 활성을 갖는 폴리펩티드 및 그것을 코드화하는 핵산
Verhaert et al. Molecular cloning and analysis of the gene encoding the thermostable penicillin G acylase from Alcaligenes faecalis
CA2158357C (en) Purification and molecular cloning of eg iii cellulase
JP5059412B2 (ja) アリシクロバシラスsp.のポリペプチド
US7910348B2 (en) Polypeptides of Alicyclobacillus sp. having glutamic peptidase activity
JP2001517094A (ja) アスペルギルスオリザからのプロリル−ジペプチジル−ペプチダーゼのクローニング
Page et al. Effect of signal peptide alterations and replacement on export of xylanase A in Streptomyces lividans
Morales et al. Purification and characterization of a xylanase and an arabinofuranosidase from Bacillus polymyxa
US5705379A (en) Nucleotide sequences encoding a thermostable alkaline protease
US6184028B1 (en) Polypeptides having pectin acetylesterase activity and nucleic acids encoding same
US6518047B1 (en) Enzyme or cell preparation with inulinase activity
JP2005034156A (ja) 菌類からのα−1,4−グルカンリアーゼ、その精製、遺伝子クローニングおよび微生物での発現
Wakarchuk The molecular cloning and characterization of a Beta-glucosidase gene from an Agrobacterium
JP2004261141A (ja) カテプシンc様酵素及びその製造法

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080520

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20080819

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20080822

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081119

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091215

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20100311

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20100316

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100615

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100713

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100812

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130820

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees