以下、添付図面に従って、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明を適用した電子カメラ10を正面側から見た外観を示す斜視図である。
図1において、撮影レンズ12は、フォーカスレンズを含む複数の光学レンズから構成されている。
シャッタボタン401は、撮影準備指示や撮影開始指示を入力するための操作手段であり、半押し時にオンするスイッチ(S1スイッチ)と、全押し時にオンするスイッチ(S2スイッチ)とを有する二段ストローク式のスイッチで構成されている。
ストロボ装置60は、多色発光源62を有し、被写体に向けて複数色(例えば、赤色、緑色、青色、及び、青緑色)の光を同時に発光可能である。すなわち、ストロボ装置60は、複数波長の光を同時に発光可能な発光装置である。
このようなストロボ装置60の多色発光源62は、互いに異なる色で発光する複数の発光素子からなる。例えば、赤色、緑色、青色、及び、青緑色の発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)によって多色発光源が構成される。
このような多色発光源62を構成する発光素子は、特に発光ダイオードに限定されず、撮影時に被写体に照射すべき十分な発光量で発光可能であれば、電圧をかけると発光する有機物を用いた有機EL(Electroluminescence)素子、プラズマを用いて発光を行うプラズマ発光素子などによって多色発光源62を構成してもよい。
なお、多色発光源62を構成する複数の発光素子は互いに隣接して配置されているので、複数波長の光(例えば、赤色、緑色、青色、及び、青緑色の光)を同時に被写体に向けて発光したとき、人の目には一般にひとつの色として視認されることになる。また、各発光素子ごとに発光量を変えることにより、すなわち発光バランスを様々に変えることにより、人の目には様々な色の光が視認されることになる。
図2は、図1の電子カメラ10を背面側から見た外観を示す斜視図である。
図2において、液晶モニタ52は、カラー表示可能な液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)によって構成されている。
モード選択スイッチ402は、被写体を撮影して画像データをメモリカードなどの記録メディアに記録するための撮影モード、及び、記録メディアに記録されている画像データを液晶モニタ52に再生表示するための再生モードのうちいずれかのモードを選択するための操作手段である。
発光バランス切換スイッチ403は、予め決められた標準の発光バランスで発光(通常発光)を行うか、そのような通常発光とは発光バランスを変えて被写体に合った発光バランスで発光(バランス発光)を行うかを切り換えるための操作手段である。
メニュー/OKキー404は、液晶モニタ52にメニューを表示させる指示、及び、メニュー上で選択された内容の確定および実行などの指示を入力するための操作手段である。
十字キー405は、メニュー上での選択などのために、上下左右4方向の指示を入力する操作手段である。
図3(a)及び(b)は、ストロボ装置60の多色発光源の例を示す正面図である。
図3(a)に示される多色発光源62aは、赤(R)色で発光する赤色LED62R、緑(G)色で発光する緑色LED62G、青(B)色で発光する青色LED62B、及び、青緑(E:Emerald)色で発光する青緑色LED62Eを、ひとつずつ備えている。
図3(b)に示される多色発光源62bは、赤色LED62R、緑色LED62G、青色LED62B、及び、青緑色LED62Eを、それぞれ複数備えている。なお、赤色LED62R、緑色LED62G、青色LED62B、及び、青緑色LED62Eの数は、同数でなくてもよく、例えば各LED62R、62G、62B、62Eをフル発光させた時に白色光となるような割合で配設する。
図4は、図1の電子カメラ10の内部構成の具体例を示す要部ブロック図である。
カメラ10全体の動作は、所定のプログラムに従って中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)70によって統括制御される。
操作部40は、図1及び図2に示した、シャッタボタン401、モード選択スイッチ402、発光バランス切換スイッチ403、メニュー/OKキー404、十字キー405、その他の操作手段である。操作部40の各種の操作手段(401、402、403、404、405など)からの入力信号はCPU70に入力され、これらの信号に基づいてCPU70は電子カメラ10の各部を制御する。
撮影レンズ12は、フォーカスレンズを含む複数の光学レンズから構成されている。絞り14は、開口径の変化により撮影レンズ12の絞り値を変化させるものである。撮影レンズ12はレンズ駆動部42によって駆動され、絞り14は絞り駆動部44によって駆動されるようになっている。具体的には、フォーカスレンズが駆動されると合焦距離が変化し、絞り14が駆動されると絞り値が変化して露出の光量が変化する。
距離情報取得部41は、被写体と撮影レンズ12との間の距離(以下「被写体距離」という)を取得するものである。距離情報取得部41には、アクティブ式及びパッシブ式がある。アクティブ式としては、例えば、赤外光を被写体に向けて投射して反射光を受光し三角測量原理に従い距離を測定するものや、超音波の反射時間を計測して距離を測定するものがある。パッシブ式としては、例えば、オートフォーカスに基づいて距離を求めるものや、二つの被写体像を比較して三角測量原理で距離を求めるもの、二つの被写体像の位相差により測定するものがある。以下では、距離情報取得部41として、撮影レンズ12を用いたオートフォーカスに基づいて距離を求める場合を例に説明する。
撮影レンズ12及び絞り14を介して固体撮像素子(CCD:Charge Coupled Devices)16の受光面に被写体像が結像される。
CCD16の受光面には、多数のフォトダイオード(受光素子)が二次元的に配列されている。各フォトダイオードには、フィルタ(例えば赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)のカラーフィルタ)を介して被写体の反射光が入射するようになっている。CCD16の受光面に結像された被写体像は、各フォトダイオードによって光の入射光量に応じた量の信号電荷に変換されて蓄積される。このようにして蓄積された信号電荷は、CCD駆動回路46から加えられるリードゲートパルスによって信号電荷に応じた電圧信号として順次読み出される。すなわち、CCD16からR、G、B各色別の画像信号が出力される。
なお、本実施形態では、撮像素子としてのCCD16が赤(R)、緑(G)、青(B)の各色別に信号電荷を蓄積する受光素子としてのフォトダイオードを有している場合を例に説明するが、本発明はこれに限るものではなく、例えば、R、G、Bに青緑(E)を加えた4色別に信号電荷を蓄積する受光素子を有する撮像素子を用いてもよい。
また、CCD16は、電子シャッタ機能を有しており、各フォトダイオードの電荷蓄積時間(シャッタスピード)を制御する。
CCD16から順次読み出されたR、G、B各色別の画像信号としての電圧信号は、相関二重サンプリング回路(CDS回路)18に加えられ、ここでR、G、B各色別の画像信号がサンプリングホールドされ、A/D変換器20に加えられる。A/D変換器20は、CDS回路18から順次加えられるアナログのR、G、B信号をデジタルのR、G、B信号に変換して出力する。尚、CCD駆動回路46、CDS回路18及びA/D変換器20は、タイミング発生回路22から加えられるタイミング信号によって同期して駆動されるようになっている。
A/D変換器20から出力されたR、G、B各色別の画像信号は、一旦メモリ24に格納され、その後、メモリ24に格納されたR、G、B各色別の画像信号は、デジタル信号処理回路26に加えられる。デジタル信号処理回路26は、同時化回路28、画像補正回路30、ガンマ補正回路32、YC信号作成回路34、及びメモリ36等から構成されている。
同時化回路28は、メモリ24から読み出された点順次のR、G、B各色別の画像信号を同時式に変換し、R、G、B各色別の画像信号を同時に画像補正回路30に出力する。
画像補正回路30は、R、G、B各色別の画像信号のデジタル値をそれぞれ増減するための乗算器30R、30G、30Bから構成されており、R、G、B各色別の画像信号は、それぞれ乗算器30R、30G、30Bに加えられる。乗算器30R、30G、30Bの他の入力には、CPU70から補正係数(ゲイン値)が加えられており、乗算器30R、30G、30Bはそれぞれ2入力を乗算し、この乗算によって補正された画像信号(R’、G’、B’信号)をガンマ補正回路32に出力する。
ガンマ補正回路32は、補正された画像信号(R’、G’、B’信号)が所望のガンマ特性となるように入出力特性を変更し、YC信号作成回路34に出力する。YC信号作成回路34は、ガンマ補正されたR、G、B各色別の画像信号から輝度信号Yとクロマ信号Cr、Cbとを作成する。これらの輝度信号Yとクロマ信号Cr、Cb(YC信号)は、メモリ24と同じメモリ空間のメモリ36に格納される。
ここで、メモリ36内のYC信号を読み出し、液晶モニタ52に出力することによりスルー画像や撮影された静止画等を液晶モニタ52に表示させることができる。
また、撮影後のYC信号は、圧縮/伸長回路54によって所定のフォーマットに圧縮されたのち、記録部56にてメモリカードなどの記録メディア58に記録される。
更に、再生モード時には記録メディア58に記録されている画像データが圧縮/伸長回路54によって伸長処理された後、液晶モニタ52に出力され、液晶モニタ52に再生画像が表示されるようになっている。
ここで、ストロボ装置60の発光制御について、その概要を説明する。
CPU70は、操作部40の発光バランス切換スイッチ403によって設定されている発光モード(通常発光であるか、バランス発光であるか)に従って、ストロボ装置60の発光を制御する。
CPU70は、具体的には、ストロボ装置60の多色発光源62を構成している各LED62R、62G、62B、62Eの発光量を各LED62R、62G、62B、62Eごとに制御することにより、発光バランスを制御する。このような発光バランス制御については後に詳述する。
次に、画像補正について、その概要を説明する。
メモリ24に一時格納されたR、G、B各色の画像信号から、1画面を複数のエリア(8×8)に分割した各分割エリアごとにR、G、B各色別の画像信号の色別の平均積算値を求める。これらの分割エリアごとのR、G、B各色別の画像信号の平均積算値は、積算回路48によって算出され、CPU70に与えられる。なお、積算回路48とCPU70との間には乗算器50R、50G、50Bが設けられており、乗算器50R、50G、50Bには、機器のバラツキを調整するための調整ゲイン値が加えられるようになっている。
CPU70は、通常発光時、積算回路48から与えられた分割エリアごとのR、G、B各色別の画像信号の平均積算値に基づいて、デジタル信号処理回路26の画像補正回路30に与えるR、G、B各色の補正係数(ゲイン値)を算出し、その補正係数をデジタル信号処理回路26の画像補正回路30に与える。
一方で、CPU70は、通常発光とは発光バランスを切り換えるバランス発光時、ストロボ装置60の多色発光源62を構成している各LED62R、62G、62B、62Eの発光量に基づいて、デジタル信号処理回路26の画像補正回路30に与えるR、G、B各色の補正係数(ゲイン値)を算出し、その補正係数をデジタル信号処理回路26の画像補正回路30に与える。
なお、CPU70の制御による発光制御の態様及び画像補正制御の態様については各種あるので、以下では分けて説明する。
<第1実施形態>
図5は、本発明に係る第1実施形態の電子カメラ10aの機能的構成を示す要部ブロック図である。
図5において、第1実施形態の電子カメラ10aは、主として、撮像部116、補正部126、信号レベル測定部148、表示部152、記録部56、多色発光源62、信号レベル比算出部171、発光量比算出部172、発光バランス切換部173、及び、補正係数算出部174を含んで構成されている。
図5に示す第1実施形態の機能的構成の電子カメラ10aの構成要素と図4に示す基本構成の電子カメラ10の構成要素との対応関係について簡単に説明すると、撮像部116は主として図4のCCD16によって構成され、補正部126は主として図4のデジタル信号処理回路26によって構成され、信号レベル測定部148は主として図4の積算回路48によって構成され、表示部152は主として図4の液晶モニタ52によって構成され、信号レベル比算出部171、発光量比算出部172、発光バランス切換部173及び補正係数算出部174は主として図4のCPU70によって構成されている。
撮像部116の分光感度特性は、カラーフィルタ、フォトダイオード、フォトダイオードに蓄積された電荷を取り込む回路などの特性の差に因って決まる。具体的には、撮像部116の分光感度特性は、R、G、B各色別の感度で表される。詳細には、例えば、撮像部116への入射光量がR:G:B=1:1:1であるときのR、G、B各色別の信号レベルの比(R:G:B)で表される。
信号レベル測定部148は、R、G、B各色別の画像信号のレベル(信号レベル)を測定する。このような信号レベルとして、具体的には、例えば、R、G、B各色別の画像信号のピーク値や平均値などを用いる。本実施形態では、図4の積算回路48によって分割エリアごとに測定されたR、G、B各色別の平均積算値のピーク値を信号レベルとして用いている。
信号レベル比算出部171は、信号レベル測定部148によって測定されたR、G、B各色別の信号レベルに基づいて信号レベル比(R信号レベルとG信号レベルとB信号レベルの比)を算出する。このような信号レベル比は、外光の色配分比や、被写体の色配分比(すなわち被写体の反射光の色配分比)を示す値として用いられる。すなわち、信号レベル比算出部171は、外光の色配分比を算出する手段や、被写体の色配分比を算出する手段として、機能する。
発光量比算出部172は、信号レベル比算出部171によって算出された信号レベル比に基づいて、多色発光源62を構成しているLED62R、62G、62B、62Eの発光量比を算出する。具体的には、発光量比として、赤(R)LED62Rの発光量と緑(G)LED62Gの発光量と青(B)LED62Bの発光量と青緑(E)LED62Eの発光量との比を算出する。このようにしてLED62R、62G、62B、62Eの発光量比を算出することにより、多色発光源62の発光バランスを決める。
発光バランス切換部173は、発光量比算出部172によって算出された発光量比で多色発光源62のLED62R、62G、62B、62Eを発光させることにより、多色発光源62の発光バランスを切り換える。
このようにして多色発光源62の発光バランスを切り換える際、発光バランス切換部173は、撮像部116から出力されるR、G、B各色別の画像信号がそれぞれ飽和しない範囲内で多色発光源62の発光バランスを切り換える。
例えば、図6に示すように、信号レベル比がR:G:B=1:4:2であったとすると、最も信号レベルが高いG信号を基準(1倍)としてR信号のレベルを4倍にするとともにB信号のレベルを2倍とするように、多色発光源62を構成しているLED62R、62G、62B、62Eの発光量比を決定する。ここで、信号レベルが低い色(図6に示す例ではR)ほど強くなるように発光させる。
本発明の理解を容易にするために、R、G、Bの3色のLED62R、62G、62Bのみ発光させるものとし、特定の色のLED(例えば62R)の発光量をn倍にするとそのLEDの色(例えばR)と同じ色の画像信号(例えばR信号)のレベルがn倍になるものとする。そうすると、信号レベル比が図6に示すようにR:G:B=1:4:2であったときには、発光量比がR:G:B=4:1:2となるように、発光バランスを切り換える。
このような信号レベル比に基づく多色発光源62の発光バランスの切換は、図2の発光バランス切換スイッチ403がオン状態である場合のみ行う一方で、発光バランス切換スイッチ403がオフ状態である場合には、通常発光として、多色発光源62全体で白色発光を行うようにLED62R、62G、62B、62Eの発光量を設定する。例えば、R、G、Bの3色のLED62R、62G、62Bのみ発光させる場合、発光量の比をR:G:B=1:1:1とする。
なお、本発明の理解を容易にするため、R、G、Bの3色のLED62R、62G、62Bのみ発光させる場合について説明したが、実際には、色の再現性を向上させるため、緑(G)の波長と青(B)の波長の間の波長を有する青緑(E)のLED62Eも発光させることが、好ましい。
補正係数算出部174は、発光量比算出部172によって算出された発光量比に基づいて、R、G、B各色別の画像信号に乗算されるR、G、B各色別の補正係数を算出する。
補正部126は、補正係数算出部174によって算出されたR、G、B各色別の補正係数をR、G、B各色別の画像信号に乗算することにより、撮像部116から出力された画像信号を補正する。
補正部126によって補正された画像信号は、表示部152に表示されるともに、記録部56によって所定の記録メディアに記録される。
図7はプリ発光(被写体の本撮影前の発光)及び本発光(被写体の本撮影時の発光)を行う場合の電子カメラ10aの動作の流れを示すタイミングチャートである。
シャッタボタン401の半押し(すなわち撮影準備指示の入力)によりS1スイッチがオンとなったとき、多色発光源62をプリ発光させるとともに、撮像部116から画像信号を取り込んで、信号レベル比算出、発光量比算出、及び、補正係数算出を行う。
また、シャッタボタン401の全押し(すなわち撮影開始指示の入力)によりS2スイッチがオンとなったとき、多色発光源62を本発光させるとともに、撮像部116から画像信号を取り込んで、その画像信号を補正し、補正された画像信号の記録や再生表示を行う。
図7のタイミングチャートに示す動作により、例えば、プリ発光時は標準の発光バランス(例えばR:G:B=1:1:1)で多色発光源62を発光させて被写体の色配分比を測定して、通常発光時における被写体の反射光の色配分比を予測し、R、G、B各色別の画像信号が飽和しない範囲内で多色発光源62のLED62R、62G、62B、62Eを個別に制御して、被写体の色配分が低い色ほど強く発光させる。
図8は発光を行わない場合の本電子カメラ10aの動作の流れを示すタイミングチャートである。図7のタイムチャートと異なる点は、プリ発光及び本発光を行わないことである。
図8のタイミングチャートに示す動作により、例えば、外光の色配分比を測定して、R、G、B各色別の画像信号が飽和しない範囲内で多色発光源62のLED62R、62G、62B、62Eを個別に制御して、外光の色配分が低い色ほど強く発光させる。
図9は、第1実施形態の電子カメラ10aにおける制御処理の一例の流れの概略を示すフローチャートである。
なお、以下では、本発明の理解を容易にするために、多色発光源62のLED62R、62G、62B、62EのうちでR、G、Bの3色のLED62R、62G、62Bのみ発光させる場合を例に説明する。
まず、被写体の本撮影前に、ストロボ60の多色発光源62を構成するR、G、B各色のLED62R、62G、62Bを、標準の発光量比(R:G:B=1:1:1)でプリ発光させる(S102)。
次に、プリ発光時に撮像部116から出力されるR、G、B各色別の画像信号のレベル(信号レベル)を測定して(S104)、信号レベル比を求め(S106)、その信号レベル比に基づいて、被写体の本撮影時のLED62R、62G、62Bの発光量比を算出する(S108)。
そして、R信号、G信号及びB信号のうちで最も信号レベルが高い画像信号を除く他の画像信号(すなわち相対的に信号レベルが低い画像信号)の信号レベルを上げるように、かつ、各色別の信号レベルを飽和させない範囲内で(すなわち各色別の信号レベルが最大値に達しない範囲内で)、全体的に信号レベルが低い色ほど強く発光するような発光量比を算出する。
例えば、プリ発光時に測定されたRの信号レベルが60/256、Gの信号レベルが240/256、Bの信号レベルが120/256であったものする。そうすると、信号レベル比は略R:G:B=1:4:2なので、発光量比はR:G:B=4:1:2とする。
このようにして算出された発光量比でR、G、B各色のLED62R、62G、62Bを本発光させて、撮像部116により被写体を撮像(撮影)する(S112)。
そして、撮像部116から出力されたR、G、B各色別の画像信号を取得し(S114)、デジタル信号処理を施す(S116)。
このデジタル信号処理(S116)において、R、G、B各色別の画像信号に対して、前述の発光量比に対応する補正係数が乗じられる(S118)。
例えば、発光量比を前述のようにR:G:B=4:1:2とした場合には、R、G、B各色別の画像信号にそれぞれ乗じる補正係数はR:G:B=1/4:1:1/2となる。
なお、一般に、発光量と画像信号のレベルの対応関係は線形ではないので、各色別の画像信号に補正係数を乗じる前にγ補正を行う。
このようにして発光量比に対応する補正係数が乗算されたR、G、B各色別の画像信号は、メモリカードなどの記録メディアに記録されるとともに(S122)、表示部152に再生表示される(S124)。
<第2実施形態>
図10は、本発明に係る第2実施形態の電子カメラ10bの機能的構成を示す要部ブロック図である。
図10において、第2実施形態の電子カメラ10bは、主として、撮像部116、補正部126、信号レベル測定部148、表示部152、記録部56、多色発光源62、信号レベル比算出部171、発光量比算出部172、発光バランス切換部173、及び、補正係数算出部174を含んで構成されている。
なお、図10において、図5に示す第1実施形態の電子カメラ10aの構成要素と同じ構成要素には同じ符号を付してある。
第2実施形態における記録部56は、撮像部116から出力されたR、G、B各色別の画像信号(「RAWデータ」ともいう)を、多色発光源62の各LED62R、62G、62B、62Eの発光量比(又は発光量)を示す発光量情報と関連付けて所定の記録メディアに記録する。
また、第2実施形態における補正係数算出部174は、記録メディアに記録されている補正前のR、G、B各色別の画像信号に対して乗じる補正係数を、この画像信号と関連付けられて記録メディアに記録されていた発光量情報に基づいて算出する。
図11は、第2実施形態の電子カメラ10bにおけるプリ発光時及び本発光時の制御処理の一例についてその処理の流れの概略を示すフローチャートである。
なお、以下では、R、G、Bの3色のLED62R、62G、62Bのみ発光させる場合を例に説明する。
まず、被写体の本撮影前に、ストロボ60の多色発光源62を、標準の発光量比(R:G:B=1:1:1)でプリ発光させる(S202)。
次に、プリ発光時に撮像部116から出力されるR、G、B各色別の画像信号のレベル(信号レベル)を測定して(S204)、信号レベル比を求め(S206)、その信号レベル比に基づいて、被写体の本撮影時のLED62R、62G、62Bの発光量比を算出する(S208)。
次に、算出された発光量比でR、G、B各色のLED62R、62G、62Bを本発光させて、撮像部116により被写体を撮像(撮影)し(S212)、撮像部116から出力されたR、G、B各色別の画像信号を取得する(S214)。
第2実施形態においては、R、G、B各色別の画像信号(RAWデータ)とR、G、Bの発光量比とを互いに関連付けて、所定の記録メディアに記録する(S216)。
図12は、第2実施形態の電子カメラ10bにおける画像再生時の制御処理の一例の流れの概略を示すフローチャートである。
まず、記録メディアから、R、G、B各色別の画像信号(RAWデータ)と、このRAWデータに関連付けられた発光量比とを取得し(S222)、RAWデータに対して、発光量比に基づくデジタル信号処理を施す(S224)。
このデジタル信号処理(S224)において、R、G、B各色別の画像信号に対して、前述の発光量比に対応する補正係数が乗じられる(S224)。
なお、一般に、発光量と画像信号のレベルの対応関係は線形ではないので、各色別の画像信号に補正係数を乗じる前にγ補正を行う。
このようにして発光量比に対応する補正係数が乗算されたR、G、B各色別の画像信号は、表示部152に再生表示される(S228)。
<第3実施形態>
図13は、本発明に係る第3実施形態の電子カメラ10cの機能的構成を示すブロック図である。
図13において、第3実施形態の電子カメラ10cは、主として、メモリ24、撮像部116、補正部126、信号レベル測定部148、表示部152、記録部56、多色発光源62、発光バランス切換部173、補正係数算出部174、及び、発光量比取得部175を含んで構成されている。なお、図13において、図5に示す第1実施形態の電子カメラ10aの構成要素と同じ構成要素には同じ符号を付してある。
図13に示す第3実施形態の機能的構成の電子カメラ10cの構成要素と図4に示す基本構成の電子カメラ10の構成要素との対応関係について簡単に説明すると、撮像部116は主として図4のCCD16によって構成され、補正部126は主として図4のデジタル信号処理回路26によって構成され、信号レベル測定部148は主として図4の積算回路48によって構成され、表示部152は主として図4の液晶モニタ52によって構成され、発光バランス切換部173、補正係数算出部174及び発光量比取得部175は、主として図4のCPU70によって構成されている。
第3実施形態おけるメモリ24には、撮像部116の分光感度特性に合わせた発光量比を示す発光量情報が予め記憶されている。
また、第3実施形態おける発光量比取得部175は、メモリ24から発光量比を示す発光量情報を取得する。
また、第3実施形態における発光バランス切換部173は、発光量比取得部175によって取得された発光量比で多色発光源62のLED62R、62G、62B、62Eを発光させることにより、多色発光源62の発光バランスを切り換える。
このようにして多色発光源62の発光バランスを切り換える際、発光バランス切換部173は、撮像部116から出力されるR、G、B各色別の画像信号がそれぞれ飽和しない範囲内で多色発光源62の発光バランスを切り換える。
図14は、第3実施形態の電子カメラ10cにおける制御処理の一例の流れの概略を示すフローチャートである。
なお、以下では、R、G、Bの3色のLED62R、62G、62Bのみ発光させる場合を例に説明する。
まず、R、G、B各色別のLED62R、62G、62Bの発光量比をメモリ24から取得する(S308)。
ここで、発光量比は、撮像部116の分光感度特性に基づいて決められる係数である。
詳細には、撮像部116は、その撮像部116を構成するカラーフィルタやフォトダイオード、あるいはフォトダイオードに蓄積された電荷に対応する電圧を取り出す回路の違いにより、一般に、その撮像部116ごとに異なる分光感度特性を有している。すなわち、撮像部116から得られるR、G、B各色別の画像信号のレベル比(信号レベル比)は、撮像部116の分光感度特性に因って異なってくる。そこで、撮像部116の分光感度特性に基づいてR、G、B各色別のLED62R、62G、62Bの発光量比を予め決めておき、メモリ24に予め記憶しておく。
例えば、ある撮像部116の分光感度特性が、R:G:B=0.7:1:0.7であるものとする。すなわち、緑(G)の光に対する感度を「1」としたとき、赤(R)の光に対する感度、及び、青(B)の光に対する感度が、ともに「0.7」であるものとする。このような場合、R、G、B各色別のLED62R、62G、62Bの発光量比は、分光感度比の逆数と略同一のR:G:B=1.4:1:1.4として、メモリ24に記憶しておく。
本実施形態では、このようなメモリ24に予め記憶された発光量比をそのメモリ24から取得し(S308)、この発光量比に基づいて本発光を行う(S312)。
なお、本発光(S312)より後のステップ(S114、S116、S118、S122、S124)は、図9を用いて説明した第1実施形態における同じ符号の各ステップと略同一であり、既に説明したので、その説明を省略する。
<第4実施形態>
図15は、本発明に係る第4実施形態の電子カメラ10dの機能的構成を示す要部ブロック図である。
図15において、第4実施形態の電子カメラ10dは、主として、距離情報取得部41、撮像部116、補正部126、信号レベル測定部148、表示部152、記録部56、多色発光源62、信号レベル比算出部171、発光量算出部1724、発光バランス切換部173、及び、補正係数算出部174を含んで構成されている。なお、図15において、図5に示す第1実施形態の電子カメラ10aの構成要素と同じ構成要素には同じ符号を付してある。
図15において、発光量算出部1724は、図4の説明において既に説明した距離情報取得部41によって取得された被写体距離に基づいて、多色発光源62を構成する各LED62R、62B、62G、62Eごとの発光量を算出する。具体的には、発光量算出部1724は、被写体との距離が遠いほど強く発光させるように発光量を算出する。
また、発光量算出部1724は、多色発光源62がプリ発光したときには、信号レベル比算出部171によって算出されたRGB各色の画像信号の信号レベル比にも基づいて、各LED62R、62B、62G、62Eごとの発光量を算出する。
第4実施形態における発光バランス切換部173は、発光量算出部1724によって算出された各LED62R、62B、62G、62Eごとの発光量でこれらのLED62R、62G、62B、62Eを発光させる。
第4実施形態における補正係数算出部174は、発光量算出部1724によって算出された各LED62R、62B、62G、62Eごとの発光量に基づいて、R、G、B各色別の画像信号に乗算されるR、G、B各色別の補正係数を算出する。
図16は、被写体距離を示す距離情報の取得を行う際の本電子カメラ10dの動作の流れを示すタイミングチャートである。
シャッタボタン401の半押し(すなわち撮影準備指示の入力)によりS1スイッチがオンとなったとき、AF(オートフォーカス)制御を行い、図4の撮影レンズ12を用いたオートフォーカスに基づいて被写体距離を取得する。
このようにして取得された被写体距離に基づいて、被写体との距離が遠いほど強く発光させるようにして、多色発光源62を構成する各LED62R、62B、62G、62Eごとの発光量が算出される。
なお、多色発光源62をプリ発光させたときには、RGB各色の画像信号の信号レベル比にも基づいて、各LED62R、62B、62G、62Eごとの発光量が算出される。
シャッタボタン401の全押し(すなわち撮影開始指示の入力)によりS2スイッチがオンとなったとき、算出された各LED62R、62B、62G、62Eごとの発光量でこれらのLED62R、62G、62B、62Eを発光させる。そして、撮像部116から画像信号が取り込まれ、各LED62R、62B、62G、62Eごとの発光量に基づいて算出された補正係数により画像信号が補正されて、その補正された画像信号の記録や再生表示が行われる。
以上、多色発光源62を有するストロボ装置60を内蔵した電子カメラ10を例に本発明を説明したが、以下では、多色発光源62を備え、この多色発光源62の発光バランスを切り換えるようにしたストロボ装置について、説明する。
図17は、ストロボ装置600の外観図である。
図17において、ストロボ装置600は、下面にホットシュー622が設けられたストロボ本体部620と、このストロボ本体部620の上部に配設されたストロボ発光部630とから構成されている。
ストロボ本体部620の前面には、被写界の色配分比を検出するためのフォトセンサ624(赤フィルタ付きのフォトセンサ624R、緑フィルタ付きのフォトセンサ624G、青フィルタ付きのフォトセンサ624B、及び、青緑フィルタ付きのフォトセンサ624E)が設けられ、側面にはストロボ光の発光バランス(発光量比)をマニュアルで設定するマニュアルモードと発光バランスを自動的に設定するオートモードとを切り換える切換スイッチ626と、マニュアルモード時にストロボ光の発光バランスを設定する発光バランス設定ボリューム628とが設けられている。
また、図17上で、632はストロボ発光部630の発光窓部に設けられているフレネルレンズであり、634はストロボ調光用の受光センサである。
図18は上記ストロボ装置600の背面図である。このストロボ装置600の背面には、発光バランス記憶スイッチ621(621-1〜621-3) と、表示ランプL1〜L3と、発光バランス読出スイッチ623とが設けられている。発光バランス記憶スイッチ621は、いずれかのスイッチが操作されると、そのスイッチ操作時にフォトセンサ624によって検出された被写界の色配分比に適した発光バランス(発光量比)が算出されてその発光バランス(発光量比)がストロボ装置600内の不揮発性メモリ(EEPROM)625(図19参照)に記憶される。尚、この実施の形態では、発光バランス記憶スイッチ621-1〜621-3により3種類の発光バランスを記憶させることができる。
発光バランス読出スイッチ623は、発光バランス記憶スイッチ621-1〜621-3のスイッチ操作に基づいて記憶された発光バランスを読み出すためのスイッチであり、ワンプッシュするごとに発光バランス記憶スイッチ621-1〜621-3のスイッチ操作に基づいて記憶された発光バランスを順次選択して読み出す。表示ランプL1〜L3は発光バランス記憶スイッチ621-1〜621-3に対応して設けられており、現在選択されている発光バランスに対応する光量で表示ランプが点灯する。
なお、ストロボ発光部630には、図3(a)に示す多色発光源62a又は図3(b)に示す多色発光源62bが形成されている。
図19は上記ストロボ装置600の内部構成例を示すブロック図である。
このストロボ装置600は、前述した発光バランス記憶スイッチ621、発光バランス読出スイッチ623、色配分比を検出するためのフォトセンサ624、EEPROM625、切換スイッチ626、発光バランス設定ボリューム628、ストロボ調光用の受光センサ634、及びLED群62(多色発光源)の他に、電池640、電圧アップコンバータ642、大容量のコンデンサ644、オペアンプ63R、63G、63B、63E、システムコントローラ652、調光回路654、及び温度センサ656が設けられている。
システムコントローラ652は、ストロボ装置600を統括制御するもので、電圧アップコンバータ642を制御し、電池640の電圧(例えば6V)を10V程度に昇圧させ、この昇圧させた電圧によりコンデンサ644を充電させる。尚、コンデンサ644は、例えば2〜5秒程度の長い時間で充電されるとともに、1/60秒(約16m秒)以上、LED群62に電流を継続供給できるものとする。
このコンデンサ644に蓄積された電気エネルギーは、オペアンプ63R、63G、63B、63Eを介してR、G、B、EのLED62R、62G、62B、62Eに供給されるが、システムコントローラ652は上記オペアンプ63R、63G、63B、63Eを制御し、R、G、B、EのLED62R、62G、62B、62Eの発光時間、発光量を制御する。
システムコントローラ652は、図示しないカメラからホットシュー622(図17参照)を介してシャッターレリーズに同期した発光信号を入力し、また、シリアル通信でガイドナンバーなどの全体のストロボ発光量を決定するための情報を取り込んでいる。また、システムコントローラ652は、切換スイッチ626がマニュアル側に切り換えられていると、発光バランス設定ボリューム628で設定した発光バランスとなるようにストロボ光の発光バランスを制御したり、切換スイッチ626がオート側に切り換えられていると、色配分比検出用のフォトセンサ624によって検出した被写界の色配分比に適した発光量比となるようにストロボ光の発光バランス(発光量比)を制御する。尚、色配分比検出用のセンサはこの実施の形態に限定されず、種々のものが使用できる。また、この実施の形態では、光の赤(R)、緑(G)、青(B)、青緑(E)成分の強度の比に基づいて色配分比を検出するようにしているが、光のR、G、B成分の強度の比、あるいは、光のR、B成分の強度の比に基づいて、色配分比を検出するようにしてもよい。
更に、システムコントローラ652は、発光バランス記憶スイッチ621が操作されると、そのスイッチ操作時に色配分比検出用のフォトセンサ624が検出した被写界の色配分比に基づいて、この色配分比に適した発光バランス(発光量比)を算出して、この発光バランスをEEPROM625に記憶させ、一方、発光バランス読出スイッチ623が操作されると、EEPROM625に記憶された発光バランス(発光量比)を読み出し、この読み出した発光バランスとなるようにストロボ光の発光バランスを制御する。これにより、例えば、式場のスポットライト、天井の照明、スタジオ照明などの色配分比に適した発光バランスを発光バランス記憶スイッチ621を操作してEEPROM625に登録し、撮影前に発光バランス読出スイッチ623を操作してEEPROM625に登録された所望の発光バランスを読み出し、その読み出した発光バランスのストロボ光を発光させることができる。
尚、LEDは周囲温度によって光量が変動するため、LED群62の周囲温度を検出する温度センサ656が設けられており、システムコントローラ652は、この温度センサ656によって検出されたLED群62の周囲温度に基づいてその周囲温度にかかわらず所要の発光量が得られるようにLED群62への電流制御を行っている。
次に、上記システムコントローラ652の動作を図20に示すタイミングチャートを参照しながら説明する。
まず、システムコントローラ652は、ストロボ撮影を行うためのストロボオン信号(図20(A))により充電を開始させる信号を電圧アップコンバータ642に出力し、コンデンサ644の充電を開始させ、コンデンサ644の充電が完了すると、電圧アップコンバータ642による充電動作を停止させる(図20(B)、(C))。
その後、シャッタボタンが半押しされると、スタンバイ状態となり(図20(D))、ガイドナンバーなどの全体のストロボ発光量を決定するための情報を取り込む。また、切換スイッチ626がオートモードに切り換えられている場合には、色配分比検出用のフォトセンサ624から被写界の色配分比を読み取り、切換スイッチ626がマニュアルモードに切り換えられている場合には、マニュアルで設定された発光バランスを読み取り、更に発光バランス読出スイッチ623が操作されている場合には、EEPROM625から発光バランスを読み取る(図20(E))。
システムコントローラ652は、前記取り込んだ情報に基づいてストロボ発光量を決定し、そのストロボ発光量を得るための発光量調整用の基準値を調光回路654に出力し、また、被写界の色配分比に基づいてその色配分比に適した発光バランスの光が発光されるように、R、G、BのLED62R、62G、62B、62Eの発光量の比を決定し、この比に対応するR、G、B発光レベルを設定する(図20(F))。
次に、シャッタボタンが全押しされてシャッタが開くと、そのシャッタ開に同期した発光信号を入力し、前記設定したR、G、B発光レベルを示す制御信号をそれぞれオペアンプ63R、63G、63B、63Eの正入力に出力する。一方、オペアンプ63R、63G、63B、63Eの負入力には、各LED62R、62G、62B、62Eに流れる電流値に対応した信号が加えられており、オペアンプ63R、63G、63B、63Eは、前記設定したR、G、B、E発光レベルに対応した定電流が各LED62R、62G、62B、62Eに流れるように制御する。
これにより、LED群62からは、全体として被写界の色配分比に適した発光バランスでストロボ光が発光される(図20(G))。
LED群62からストロボ光が発光されると、調光回路654は、ストロボ調光用の受光センサ634を介して発光量を検知する。そして、この検知した発光量が発光量調整用の基準値と一致すると、発光を停止させるために発光停止信号をシステムコントローラ652に出力する。システムコントローラ652は、調光回路654から発光停止信号を入力すると、LED群62の発光を停止させる制御信号をオペアンプ63R、63G、63B、63Eに出力する。これにより、LED群62に流れる電流が遮断され、LED群62の発光が停止する。
図21は、電子カメラ10に着脱可能な外付け用のストロボ装置60の他の例の外観を示す斜視図である。
図21に示すストロボ装置6000は、接続部64に配置された図22に示す通信接点65を介して電子カメラから入力された指示に従って、R、G、B、E各色別のLEDからなる多色発光源62が発光するようになっている。
互いに異なる色で発光する複数の発光素子(例えばLED)を含む多色発光源62を備えた、電子カメラの本体に外付け可能な発光装置について整理すると、以下のような発光装置が挙げられる。
第1に、多色発光源62の各発光素子ごとに発光量を制御することにより多色発光源62の発光バランスを切り換える発光バランス切換手段であって、電子カメラのCCDで被写体を撮像して得られたR、G、B各色別の画像信号が飽和しない範囲内で、電子カメラのCCDやその周辺回路の分光感度特性に基づいて感度が低い色ほど強く発光させる発光バランス切換手段を備えた発光装置がある。
第2に、被写体の本撮影前に、フォトセンサで被写体を撮像して得られるR、G、B各色別の画像信号に基づいて外光の色配分比を算出する算出手段と、多色発光源62の各発光素子ごとに発光量を制御することにより多色発光源62の発光バランスを切り換える発光バランス切換手段であって、被写体の本撮影時に、前記算出手段によって算出された色配分比が低い色ほど強く発光させる発光バランス切換手段を備えた発光装置がある。
第3に、被写体の本撮影前に、電子カメラのCCDで被写体を撮像して得られたR、G、B各色別の画像信号に基づいて被写体の色配分比を算出する算出手段と、多色発光源62の各発光素子ごとに発光量を制御することにより多色発光源62の発光バランスを切り換える発光バランス切換手段であって、被写体の本撮影時に、算出手段の算出結果に基づいて被写体の色配分比が低い色ほど強く発光させる発光バランス切換手段を備えた発光装置がある。
第4に、被写体距離を示す距離情報を取得する距離情報取得手段と、多色発光源62の各発光素子ごとに発光量を制御することにより多色発光源62の発光バランスを切り換える発光バランス切換手段であって、前記距離情報取得手段によって取得された被写体距離を示す距離情報に基づいて被写体との距離が遠いほど強く発光させる発光バランス切換手段を備えた発光装置がある。
なお、多色発光源62が赤(R)、緑(G)、青(B)、青緑(E)の4色の発光素子からなる場合を例に説明したが、本発明は、多色発光源62が赤、緑、青、青緑の4色からなる場合に特に限定されるものではない。多色発光源62が、3色(例えば、赤、緑、青)の発光素子からなる場合であってもよく、赤、緑、青、青緑とは異なる組み合わせの4色の発光素子であってもよく、5色以上の発光素子からなる場合であってもよい。
なお、本発明に係る撮影装置の一例として、電子カメラを説明したが、本発明に係る撮影装置は、被写体を撮影する各種の撮影装置を含む。例えば、カメラ付き携帯装置、固定的に設置される監視カメラ、車両などの移動体に搭載されるカメラなど、あらゆる撮影装置を含む。
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は、本明細書において説明した構成及び数値、図面などによっては限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の設計変更や改良を行ってよいのはもちろんである。
12…撮影レンズ、14…絞り、16…CCD(撮像部)、26…デジタル信号処理部(補正部)、24、36…メモリ、40…操作部、41…距離情報取得部、48…積算回路(信号レベル測定部)、52…液晶モニタ(表示部)、54…圧縮/伸長回路、56…記録部、58…記録メディア(記録媒体)、60、600…ストロボ装置、62…多色発光源(LED群)、62R、62G、62B、62E…LED、70…CPU、116…撮像部、126…補正部、148…信号レベル測定部、152…表示部、171…信号レベル算出部、172…発光量比算出部、173…発光バランス切換部、174…補正係数算出部、175…発光量比取得部、401…シャッタボタン、403…発光バランス切換スイッチ