JP2007016836A - コイルスプリングパッド - Google Patents
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Abstract
【課題】 簡易な構成でコイルばねへの取り付けを行うことができ、線間打音や塗装剥がれを防ぎ、更にコイルばねの特性のバラツキを抑制することが可能なコイルスプリングパッドを提供する。
【解決手段】 コイルばね1端面の座巻部のばね線に接する円筒形の大径部2aと、コイルばね1の座巻部のばね線内周側に接する円筒形の小径部2bと、大径部2aに対向する位置に設けられ、コイルばね1の座巻部のばね線に接する扇形のプロテクタ2cとを備え、かつ、プロテクタ2cは、大径部2aに対向する面2eがコイルばね1のばね線と接する構成とした。
【選択図】 図2
【解決手段】 コイルばね1端面の座巻部のばね線に接する円筒形の大径部2aと、コイルばね1の座巻部のばね線内周側に接する円筒形の小径部2bと、大径部2aに対向する位置に設けられ、コイルばね1の座巻部のばね線に接する扇形のプロテクタ2cとを備え、かつ、プロテクタ2cは、大径部2aに対向する面2eがコイルばね1のばね線と接する構成とした。
【選択図】 図2
Description
本発明は、コイルばねに設けるコイルスプリングパッドに関する。
従来、防振支持マウントまたは緩衝ストッパとして、図4に示すようなコイルばね101とゴム状弾性体102を組み合わせた緩衝装置を用いる例がある(例えば、特許文献1参照)。図4に示すように、ばね特性を変化させるようにコイルばね101にゴム状弾性体102が設けられている。ゴム状弾性体102は、コイル状で、かつ中心線0方向の厚さtが徐々に又は段階的に変化するように構成されており、全長にわたってコイルばね101に接着されている。
上述した緩衝装置を用いることで、荷重の入力に従ってコイルばね101が徐々に縮むと、ゴム状弾性体102の中心線0方向の厚さtが厚い部分から薄い部分にかけて、コイルばね101とゴム状弾性体102が徐々に接触していくため、バネ定数が変化し、入力荷重の大きさにあった適切な緩衝効果を得ることができるとしている。
また、コイルばねを自動車のボデー等に取り付ける場合、ボデー等へのコイルばねの振動の伝達を遮断するために、図5及び図6に示すように、コイルばね111にゴムなどの弾性体であるコイルスプリングパッド112を設けることも考えられる。コイルスプリングパッド112は、それぞれ円筒状である大径部112a及び小径部112bにより構成されている。大径部112aの外径はコイルばね111の外径とほぼ等しく、小径部112bの外径はコイルばね111の内径とほぼ等しく設定されており、大径部112a及び小径部112bによってコイルスプリングパッド112外周は段差を有する構成となっている。
大径部112aに対して凸状となった小径部112bをコイルばね111の座巻部に差し込むことで、コイルばね111にコイルスプリングパッド112を取り付けることができる。なお、コイルスプリングパッド112の内径は大径部112aから小径部112bにわたってほぼ同じ径であり滑らかに繋がっている。
例えば、コイルばね111を自動車のボデー等に取り付ける場合には、コイルばね111とボデー等との間にコイルスプリングパッド112を設けることで、ボデーへのコイルばね111の振動の伝達を抑制することが可能となる。
しかしながら、上述した構成では、組み付けのために搬送する際などに、コイルスプリングパッド112がコイルばね111から脱落しやすい、また、コイルばね111が圧縮されるとコイルばね111のすわりが不安定になるなどというおそれがあり、これらに対処するためには、図6に示すように、ツメ113を複数個設けてコイルばね111とコイルスプリングパッド112とを固定する必要があり、部材が増えて作業が煩雑になるという問題が考えられた。
さらに、座巻部のばね線と次の巻きのばね線とが線間接触を生じると、打音や塗装剥がれにより錆が発生するといったおそれがあるため、座巻部のばね線と次の巻きのばね線との線間接触を避けるため、ばね形状を急変させる必要があり、このようなばね形状の急変が、コイルばね111成形時の精度の悪化やばね特性の立ち上がり不足を招くという問題が考えられた。
このようなことから本発明は、簡易な構成でコイルばねへの取り付けを行うことができ、線間打音や塗装剥がれを防ぎ、更にコイルばねの特性のバラツキを抑制することが可能なコイルスプリングパッドを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するための本発明の請求項1に係るコイルスプリングパッドは、コイルばね端面の座巻部のばね線に接する円筒形の大径部と、前記コイルばねの座巻部のばね線内周側に接する円筒形の小径部と、前記大径部に対向する位置に設けられ、前記コイルばねの座巻部のばね線に接する扇形のプロテクタとを備え、かつ、前記プロテクタは、前記大径部と対向する面が前記コイルばねのばね線と接することを特徴とする。
本発明の請求項2に係るコイルスプリングパッドは、請求項1記載のコイルスプリングパッドにおいて、前記プロテクタの端部が、前記コイルばねのばね線端部と同位置に設けられることを特徴とする。
本発明の請求項3に係るコイルスプリングパッドは、請求項1又は請求項2記載のコイルスプリングパッドにおいて、前記プロテクタの前記ばね線と間隔を有する面が、傾斜を有することを特徴とする。
本発明の請求項4に係るコイルスプリングパッドは、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のコイルスプリングパッドが、前記コイルばねの上端部に装着されたことを特徴とする。
上述した本発明に係るコイルスプリングパッドによれば、プロテクタを設けたことにより、コイルばねの座巻部を拘束することが可能となるため、コイルばねとコイルスプリングパッドとを固定するための部材などを別途設ける必要がなくなり、組み付け作業を簡素化することができる。さらに、ばね線同士の接触を防ぐので、コイルばねが圧縮された場合であっても線間打音や塗装剥がれを防ぐことが可能となり、ばね線形状を急変させる必要がなくなって成形時のコイルばねの特性のバラツキを抑制することができ、また、入力荷重に応じて有効巻数を減少させバネ係数を変化させることも可能となる。
さらに加えて、コイルばねのばね線とプロテクタの始点を揃えれば、確実に線間接触を防止することができ、また、プロテクタが傾斜を有する形状とすれば、有効巻数の変化のタイミングを調整することができる。さらに、コイルスプリングパッドをコイルばね上部に取り付ければ、プロテクタに水や砂などが堆積せず、コイルばねの塗装剥がれなどをより抑制できる。
本発明を実施するための最良の形態については、後述する実施例によって説明するものとする。
本発明の一実施例を図1〜図3に基づいて説明する。図1に示すように、コイルばね1の上部にコイルスプリングパッド2が設けられている。コイルスプリングパッド2は、ゴムなどの弾性体によって円筒形に形成されたものであり、図2に示すように大径部2a、小径部2b及びプロテクタ2cにより構成されている。
大径部2aは外径がコイルばね2の外径とほぼ等しく、小径部2bは外径がコイルばね2の内径とほぼ等しく、それぞれほぼ一定の厚さを有する円筒形状となっている。さらにプロテクタ2cは外径がコイルばね2の外径とほぼ等しく、扇形状であり、厚さがコイルばね1端部側から徐々に厚くなるように傾斜して構成する。また、小径部2bは大径部2aとプロテクタ2cの間に設けられており、コイルばね1の座巻部に小径部2bの外周面が接するようにして、コイルばね1にコイルスプリングパッド2を取り付ける。このとき、プロテクタ2cの厚さが薄いほうの端部2dとコイルばね1の端部の位置をそろえておく。
また図3に示すように、コイルばね1の座巻部は大径部2a、小径部2b及びプロテクタ2cとそれぞれ接するものとし、かつ、プロテクタ2cは、コイルばね1に荷重が入力しない状態では、大径部2aと対向する面であるプロテクタ上面2eのみがコイルばね1と接しているものとする。すなわち、コイルばね1に荷重が入力しない状態で、プロテクタ2cはコイルばね1の二巻目のばね線との間に隙間dを有するものとし、この隙間dの幅はほぼ一定とする。なお、大径部2a及び小径部2bのばね線に接する面は、ばね線に沿うように断面が円弧状になっている。
以下、本実施例の作用について説明する。本実施例によれば、コイルスプリングパッド2が、コイルばね1の座巻部と次の巻きとの間にプロテクタ2cを有する構造としたため、コイルばね1の座巻部のばね線を拘束することが可能となり、またコイルばね1に荷重が入力され、コイルばね1が縮んだ場合であっても、ばね線はプロテクタ2cと接触することとなり、線間同士の接触を防止することができる。
さらに、ばね線とプロテクタ2cとが接触すると、コイルばね1の有効巻数が減少するためバネ定数を変化させることができる。また、プロテクタ2cの下面とばね線とが接触するような構成としたため、コイルスプリングパッド2に水や砂が堆積しにくいなどの作用を有する。
したがって、本実施例によれば、コイルばね1の線間接触による打音の防止、また、塗装膜へのダメージ防止に伴って錆の発生を抑制することができる。また、コイルばね1のバネ定数の非線形化により、入力荷重に応じてバネ定数を変化させることが可能となり、例えば入力荷重が小さいときは荷重をやわらかく受け止め、入力荷重が大きいときは荷重を硬く受け止めるなどといった制御を行うことが可能となる。
さらに、プロテクタ2cによりコイルばね1を拘束することで、コイルばね1のすわりが安定するため、コイルばね1とコイルスプリングパッド2を固定するためにツメなどを設ける必要がなくなり、また、コイルばね1組み付け搬送時の脱落防止にも繋がるため、部材の低減及び作業の簡素化が可能となる。さらに、コイルスプリングパッド2の、ばね線と接触する面をばね線の形状に沿うような形状とすることで、コイルばね1に対する拘束力がより得られる。
さらに加えて、本実施例を自動車に適用すれば、コイルばね1のバネ定数非線形化によりスタビライザ等への入力が低減され、スタビライザ等の負担を軽減することができる。また、ストロークを規制するストッパへの入力が軽減されるため、乗り心地向上にも繋がる。
なお、上述した本実施例においてコイルばね1の上部にコイルスプリングパッド2を取り付ける例を示したが、コイルばね1上部に限らず、コイルばね1下部に取り付けてもよく、さらに、プロテクタ2cは一ヶ所ではなく、複数ヶ所設ける構成としてもよい。また、プロテクタ2cの傾きは図示したものに限らない。また、更なる防塵性向上には、コイルスプリングパッド2にグリス溜めを設け、グリスで防塵するような構成としてもよい。
本発明は、自動車等においてコイルばねに設けるコイルスプリングパッドに利用可能である。
1 コイルばね
2 コイルスプリングパッド
2a 大径部
2b 小径部
2c プロテクタ
2d プロテクタ端部
2e プロテクタ上面
2 コイルスプリングパッド
2a 大径部
2b 小径部
2c プロテクタ
2d プロテクタ端部
2e プロテクタ上面
Claims (4)
- コイルばね端面の座巻部のばね線に接する円筒形の大径部と、前記コイルばねの座巻部のばね線内周側に接する円筒形の小径部と、前記大径部に対向する位置に設けられ、前記コイルばねの座巻部のばね線に接する扇形のプロテクタとを備え、かつ、前記プロテクタは、前記大径部と対向する面が前記コイルばねのばね線と接することを特徴とするコイルスプリングパッド。
- 前記プロテクタの端部が、前記コイルばねのばね線端部と同位置に設けられることを特徴とする請求項1記載のコイルスプリングパッド。
- 前記プロテクタの前記ばね線と間隔を有する面が、傾斜を有することを特徴とする請求項1又は請求項2記載のコイルスプリングパッド。
- 前記コイルばねの上端部に装着されたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のコイルスプリングパッド。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005197221A JP2007016836A (ja) | 2005-07-06 | 2005-07-06 | コイルスプリングパッド |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005197221A JP2007016836A (ja) | 2005-07-06 | 2005-07-06 | コイルスプリングパッド |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2007016836A true JP2007016836A (ja) | 2007-01-25 |
Family
ID=37754173
Family Applications (1)
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JP2005197221A Pending JP2007016836A (ja) | 2005-07-06 | 2005-07-06 | コイルスプリングパッド |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2007016836A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009279402A (ja) * | 2008-05-19 | 2009-12-03 | Z-Coil Ltd | 靴底 |
-
2005
- 2005-07-06 JP JP2005197221A patent/JP2007016836A/ja active Pending
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