JP2007016180A - インキ組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】 空気中の酸素による硬化阻害を受け難く、表面硬化性の良好な紫外線硬化型インクジェットインキを提供すること。
【解決手段】(a) 空気硬化性を保有する不飽和ポリエステル樹脂組成物、(b) エチレン性不飽和単量体、(c) 顔料、(d) 光照射によりラジカルを発生する光開始剤を必須成分とすることを特徴とするインキ組成物、および該インキ組成物をインクジェット印刷用に調整した、インクジェットインキ組成物、および該インクジェットインキを用いてインクジェット方式により印刷することを特徴とする印刷方法に関するものである。
【選択図】なし
【解決手段】(a) 空気硬化性を保有する不飽和ポリエステル樹脂組成物、(b) エチレン性不飽和単量体、(c) 顔料、(d) 光照射によりラジカルを発生する光開始剤を必須成分とすることを特徴とするインキ組成物、および該インキ組成物をインクジェット印刷用に調整した、インクジェットインキ組成物、および該インクジェットインキを用いてインクジェット方式により印刷することを特徴とする印刷方法に関するものである。
【選択図】なし
Description
本発明は、空気中の酸素による硬化阻害を受け難いラジカル硬化型インクジェットインキ組成物、および該インクジェットインキ組成物を用いて印刷された印刷物に関するものである。
インクジェット記録方式はノズルと被記録材が非接触であるため、形状の複雑な被記録材の印刷に最適であり、近年、卵殻への品質保証期限印刷や、プラスチック成形品への印刷等、多くの産業分野で注目されている。
これらインクジェットインキは溶剤として水、または有機溶剤を用いるものが一般的であったが、近年、乾燥速度、密着性、耐磨耗性等の向上目的で、紫外線等の活性エネルギー線によりラジカル、かつ/または、カチオンを発生させ、インキを硬化乾燥させる方法が提案されている。
しかしながら、これらの硬化乾燥方法は、カチオン方式では硬化が遅く、一方、オリゴマーとアクリレートモノマーからなるインキ組成物を紫外線によりラジカルを発生させる光開始剤を用いて硬化させるラジカル硬化方法でも、表面の硬化が空気中の酸素により阻害され、結果的に完全硬化にかなりの時間を要したり、あるいは、表面乾燥性向上目的で表面硬化性に寄与するタイプの開始剤の添加量を増加させることにより、印刷表面の表面性や耐候性を著しく損なわせたり等の問題があった。
すなわち、現状では、硬化の速いアクリル系のラジカル硬化方法でも、表面硬化速度と、印刷表面の表面性、耐候性の双方を満足できるインキ組成物は得られていない。
ラジカル硬化系では、発生した活性なラジカルが空気中の酸素により活性を失い、硬化性が著しく低下するという、酸素による硬化阻害が起こることはよく知られている。特に塗料、インキ等の塗膜の場合、単位樹脂量に対して空気との接触面積の割合が大きく、硬化阻害は大きな問題となり、表面にフィルムを被せて酸素を遮断したり、パラフィンワックスを樹脂に溶解させ、酸素と樹脂との接触を出来る限り抑える等の工夫がなされている。モノマーとしてスチレンモノマーを用いる不飽和ポリエステル樹脂と比較してアクリルモノマーを用いる系では、酸素による硬化阻害が大きく、スチレンモノマーを用いた不飽和ポリエステル樹脂系の5〜10倍量のパラフィンワックスを添加しても、表面硬化性は不飽和ポリエステル樹脂系以上にはならない。
この様に空気中の酸素は、ラジカル硬化系では硬化を阻害することが知られているが、一方では、乾性油の様に、空気中の酸素により生成するハイドロパーオキサイドの分解によりラジカルを発生させ、表面を硬化させる空気硬化手法も知られており、実際に不飽和ポリエステル用途のひとつとである塗料用途では、不飽和ポリエステル樹脂骨格にハイドロパーオキサイドを生成し易いアリル基を導入して空気硬化性を付与させた不飽和ポリエステル系塗料を有機過酸化物とコバルトからなる所謂レドックス硬化系と呼ばれる硬化系で硬化させることは知られている。また、上記空気硬化性を付与させた不飽和ポリエステル樹脂と、光重合開始剤との組み合わせによる紫外線硬化型塗料に関しても知られている。しかし、該空気硬化性を付与させた不飽和ポリエステル樹脂と、光重合開始剤との組み合わせによる紫外線硬化型インキに関しては、これまで報告なされていない。
一方、紫外線硬化型インキに関しては、特開2004−124077、特開2004−059857、特開2004−027211、特開2004−002528、特開2003−321629、特開2003−321628、特開2003−253155、特開2003−147233、特開2002−241654、特開2002−179967、特開2002−167537等、ウレタンアクリレートオリゴマーとアクリレートモノマーとの組み合わせによるラジカル硬化型樹脂組成物に顔料を分散させたものが報告されている。これらのインキ組成物は何れも酸素による硬化阻害を強く受けるため、内部硬化用と表面硬化用の複数の光開始剤をインキに添加しているが、硬化性、表面乾燥性は必ずしも充分なものではなく、硬化性、表面乾燥性の良好な紫外線硬化型インキの出現が望まれていた。
以上に述べたように、紫外線硬化型のインクジェットインキとしては、硬化速度の大きいラジカル硬化タイプで、空気中の酸素による硬化阻害を受け難いものの出現が望まれているのである。
特開2002−167537号公報
特開2002−179967号公報
特開2002−241654号公報
特開2003−147233号公報
特開2003−253155号公報
特開2003−321628号公報
特開2003−321629号公報
特開2004−002528号公報
特開2004−027211号公報
特開2004−059857号公報
特開2004−124077号公報
本発明の目的は、空気中の酸素による硬化阻害を受け難く、表面硬化性の良好な紫外線硬化型インクジェットインキを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、(a)空気硬化性を保有する不飽和ポリエステル樹脂組成物、(b)エチレン性不飽和単量体、(c)顔料、(d)光照射によりラジカルを発生する光開始剤を必須成分とすることを特徴とするインキ組成物を提供するに至った。
すなわち、本発明は、(a)空気硬化性を保有する不飽和ポリエステル樹脂組成物、(b)エチレン性不飽和単量体、(c)顔料、(d)光照射によりラジカルを発生する光開始剤を必須成分とすることを特徴とするインキ組成物、および該インキ組成物をインクジェット印刷用に調整した、インクジェットインキ組成物、および該インクジェットインキを用いてインクジェット方式により印刷することを特徴とする印刷方法に関するものである。
本発明者らは、この様な現状の打開策として、鋭意検討を行い、硬化性、表面乾燥性等の上記課題を克服すべく、(a)空気硬化性を保有する不飽和ポリエステル樹脂組成物、(b)エチレン性不飽和単量体、(d)の光照射によりラジカルを発生する光開始剤からなる樹脂組成物に、(c)の顔料を分散させることにより、アクリルモノマー系では克服が困難であった酸素による硬化阻害を受け難く、表面硬化性に優れる、新規な紫外線、かつ/または可視光硬化型インキ組成物を開発するに至った。
以下に本発明を更に詳細に説明する。
本発明インキ組成物の(a)成分の空気硬化性を保有する不飽和ポリエステル樹脂組成物とは、塗料用途で用いられるノンワックスタイプのポリエステルと呼称される樹脂骨格にアリルエーテル、ジシクロペンタジエン、テトラヒドロフタル酸誘導体等のアリル水素を含む不飽和ポリエステル樹脂であり、所定の硬化剤を添加し、塗膜としたときに表面乾燥性のあるものであれば、特に限定するものではない。
本発明インキ組成物の(a)成分の空気硬化性を保有する不飽和ポリエステル樹脂組成物とは、塗料用途で用いられるノンワックスタイプのポリエステルと呼称される樹脂骨格にアリルエーテル、ジシクロペンタジエン、テトラヒドロフタル酸誘導体等のアリル水素を含む不飽和ポリエステル樹脂であり、所定の硬化剤を添加し、塗膜としたときに表面乾燥性のあるものであれば、特に限定するものではない。
本発明インキ組成物の(a)成分の表面乾燥性を保有する不飽和ポリエステル樹脂組成物を具体的に説明すると、大日本インキ化学工業(株)製ポリライトCN−316、CN−325、CN−335、CN−360、CN−401、CN−423、CN−703、CN−711、CN−729、日本合成化学(株)製ゴーセラック223、400、500D、540、735、日本ユピカ(株)製ES5135、ES5162等を挙げることができる。
本発明インキ組成物の(a)成分の表面乾燥性を保有する不飽和ポリエステル樹脂組成物には、物性コントロールの目的で、軟質タイプの不飽和ポリエステルや、ウレタンアクリレートオリゴマーを併用することも可能である。
本発明インキ組成物の(b)成分のエチレン性不飽和単量体は、最終インキの粘度を使用可能な範囲に調製する目的で1種、または、複数種を併用して用いられる反応性希釈剤であり、酸素による硬化阻害を受け難いものが好ましく、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等のスチレン誘導体や、分子中にラジカル重合性(メタ)アクリロイル基を1個保有する単官能(メタ)アクリレート、分子中にラジカル重合性(メタ)アクリロイル基を複数個保有する多官能(メタ)アクリレート等が挙げられるが、粘度、反応性、酸素による硬化阻害の小ささ等の点より、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレートとスチレンが好ましく、スチレンが最も好ましい。また、アクリレートとメタアクリレートでは、アクリレートの方が好ましく、スチレンを含まない(メタ)アクリレート系では、多官能(メタ)アクリレートを用いた方が単官能(メタ)アクリレートのみを用いたものより表面硬化性が向上する。
本発明インキ組成物の(b)成分のエチレン性不飽和単量体のなかで、単官能単量体を具体的に説明すると、スチレン誘導体としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンが、単官能(メタ)アクリレートとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸−t−ブチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸−n−オクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸−2−ハイドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ハイドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸−β−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−シアノエチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸−2−ハイドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ハイドロキシプロピル、p−t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸フェニルカルビトール(メタ)アクリレート、ノニルフェニルカルビトール(メタ)アクリレート、ノニフェノキシプロピル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリカプロラクトン(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシエチルフタレート、(メタ)アクリロイルオキシサクシネート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレン第2級アルキルエーテル(メタ)アクリレート等が挙げられ、これらは単独で、又はスチレン誘導体等を含む2種以上の併用で用いられる。
本発明インキ組成物の(b)成分のエチレン性不飽和単量体のなかで、多官能単量体を具体的に説明すると、多官能(メタ)アクリレートとしては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,2−プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレートのようなアルカンジオールジ−(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコール(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等のポリオキシアルキレン−グリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、トリシクロデカンジメタノール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等のジ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール1モルに4モル以上のエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA1モルに2モルのエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン1モルに3モル以上のエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たトリオールのジまたはトリ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA1モルに4モル以上のエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート,ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート,ジペンタエリスリトールのポリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性リン酸(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性アルキルリン酸(メタ)アクリレート、エトキシ化2−メチル−1,3−プロパンジオールジアクリレート等が挙げられ、これらは単独、またはスチレン誘導体等を含む2種以上の併用で用いられる。
本発明インキ組成物の(b)成分のエチレン性不飽和単量体は、最終インキの粘度を使用可能な範囲に調製する目的で最終インキ中に30〜97重量%の範囲で含まれることが好ましく、最終インキ中に60〜95重量%の範囲で含まれることが特に好ましい。含有量が30重量%未満だと、インキ粘度が高過ぎて印字が不可能であり、含有量が97重量%より大きくなると、ポリエステル濃度が低くなり、硬化が不十分となり塗膜の耐久性が著しく損なわれたり、空気硬化性が著しく低下したり等の問題が発生し易くなる。
本発明インキ組成物の(c)成分の顔料は、通常のインキ作製で使用する顔料を用いることができ、特に限定するものではない。
本発明インキ組成物の(c)成分の顔料は、分散剤を用いて事前に(b)成分の エチレン性不飽和単量体に平均粒径300nm以下まで分散させることにより、ミルベース化することが好ましい。分散が不十分であったり、平均粒径が300nmを超えたりすると、経時で顔料が沈降する危険性や、インキのスムーズな粒子化、良好な吐出方向安定性が得られ難くなり、好ましくない。以下最終インキ配合では、該ミルベースと、別途調製した(a)成分の空気硬化性を保有する不飽和ポリエステル樹脂組成物、(b)成分の
エチレン性不飽和単量体、 (d)成分のラジカルを発生する開始剤からなる樹脂組成物とを混合することにより、インキ中に顔料が分散した最終インキ配合とする。
エチレン性不飽和単量体、 (d)成分のラジカルを発生する開始剤からなる樹脂組成物とを混合することにより、インキ中に顔料が分散した最終インキ配合とする。
本発明インキ組成物の(c)成分の顔料を(b)成分のエチレン性不飽和単量体に分散させる際に用いる分散剤は、特に限定するものではないが、分散性、インキの貯蔵安定性等を考慮すると、塩基性の極性基を有する高分子分散剤が好ましい。
本発明インキ組成物の(c)成分の顔料を(b)成分のエチレン性不飽和単量体に分散させる際に用いる塩基性の極性基を有する高分子分散剤を具体的に説明すると、味の素ファインテクノ(株)製のアジスパーPB711、PB821、PB822、PB823、日本ルーブリゾール(株)製のソルスパーズ24000GR、32000、33000、39000、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製のEFKA−4006、−4009、−4010、−4015、−4046、−4050、−4060、楠本化成(株)製のディスパロンDA−100、−234、−325、−703−50、−705、−725等が挙げられ、これらのなかから顔料の種類により分散性、安定性を考慮し、最適なものを1種、または、複数種を併用して用いることができる。
本発明インキ組成物の(c)成分の顔料を(b)成分のエチレン性不飽和単量体に分散させる際に用いる分散剤の添加量は、顔料に対して1〜300wt%の範囲が好ましく、5〜200%の範囲が特に好ましい。使用量が1%未満では分散性、安定性が不十分となり、300%を超えると、インキ粘度が高くなったり、吐出性が著しく低下したり等の問題が起こり易くなる。
本発明インキ組成物(d)成分の光照射によりラジカルを発生する光開始剤とは、紫外線、かつ/または可視光の照射によりラジカルを発生する光開始剤であり、表面硬化性と内部硬化性のバランスを考慮して、ベンゾインイソブチルエーテル、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ベンジル、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド、6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシド、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オンおよび2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、イソフタルフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルスルフィド等のなかから、1種、または、複数種を併用して用いることができる。
また該光ラジカル重合開始剤に対し、トリメチルアミン、メチルジメタノールアミン、トリエタノールアミン、p−ジエチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、N,N−ジメチルベンジルアミン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等の増感剤を併用することもできる。
該光ラジカル重合開始剤と増感剤の添加量は最終インキ組成物総量に対して0.1〜20wt%,好ましくは,1〜10質量%の範囲で用いられる。添加量が0.1wt%未満では充分な光硬化性を得ることが出来ず、20wt%を超えると、インキの安定性が著しく低下する危険性がある。
本発明インキ組成物は、インクジェット用途で用いる場合、オンデマンド、コンティニュアス何れのタイプのインキにも調製可能であり、ヘッド性能に合致した性状に調製することができる。性状は、ヘッド毎に異なるが、一般的に、粘度を20mPas以下とすることが好ましく、15mPas以下とすることがより好ましい。
さらに、本発明インキ組成物は目的に応じて様々な添加剤を添加することができる。ただし、水系インキにおいて必須である防腐剤は、インキの組成上不要であり、保湿剤も高沸点のアクリルモノマーを少量添加することにより、代替可能である。
添加剤のひとつとして、(a)成分の空気硬化性を保有する不飽和ポリエステル樹脂組成物のアリル位に空気中の酸素を挿入させ、ハイドロパーオキサイドを生成させる触媒の役割と、生成したハイドロパーオキサイドを分解して活性なラジカルを発生させる還元剤の役割を持ち、表面乾燥性を向上させることのできる金属ドライヤーが挙げられ、Co2+、Ca2+の塩が好ましく、6%ナフテン酸Co溶液、8%オクチル酸Co溶液が特に好ましい。
金属ドライヤーはインキの表面硬化性には有効であるが、一方、インキの貯蔵安定性を著しく低下させることが知られており、安定性を考慮すると、出来るだけ少量にすることが好ましく、金属ドライヤー溶液の添加量は、インキ組成物に対して好ましくは3重量%以下、より好ましくは1重量%以下である。成分としての金属ドライヤー溶液の添加量が3重量%以上になると、インキの貯蔵安定性が著しく低下するとともに、インキがCo2+の紫色に着色し、本来の色と異なった色調となり、好ましくない。
本発明のインキ組成物は、光硬化型インキとして、硬化性、乾燥性に優れるもの であり、インクジェットインキ組成物として好適である。
以下本発明を実施例によって更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また文章中「部」とあるのは、重量部を示すもので「%」は特に断わりのない限り重量基準である。
ミルベースの作製1 青色顔料(東洋インキ製造(株)製:Lionol Blue FG7400G)20.0部、高分子分散剤(味の素ファインテクノ(株)製:アジスパーPB−711)12部、スチレンモノマー63.5部、ポリオキシエチレン第2級アルキルエーテルアクリレート(新中村化学工業(株)製:NKエステルA−SAL−9E)5.0部と、0.6−0.8mmジルコニアビーズを反応容器に仕込み、ペイントシェーカーで3時間振蕩し、ミルベース1を得た。
ミルベースの作製2 赤色顔料(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製:CINQUASIA Magenta RT−355−D)20.0部、高分子分散剤(味の素ファインテクノ(株)製:アジスパーPB−711)20部、スチレンモノマー88.0部、ポリオキシエチレン第2級アルキルエーテルアクリレート(新中村化学工業(株)製:A−SAL−9E)5.0部と、0.6−0.8mmジルコニアビーズを反応容器に仕込み、ペイントシェーカーで3時間振蕩し、ミルベース2を得た。
ミルベースの作製3 黄色顔料(クラリアントジャパン(株)製:PV Fast Yellow H2G)20.0部、高分子分散剤(味の素ファインテクノ(株)製:アジスパーPB−711)30部、スチレンモノマー95.8部、ポリオキシエチレン第2級アルキルエーテルアクリレート(新中村化学工業(株)製:A−SAL−9E)5.0部と、0.6−0.8mmジルコニアビーズを反応容器に仕込み、ペイントシェーカーで3時間振蕩し、ミルベース3を得た。
ミルベースの作製4 カーボンブラック(デグサジャパン(株)製:Color Black S−160)20.0部、高分子分散剤(味の素ファインテクノ(株)製:アジスパーPB−711)12部、スチレンモノマー95.8部、ポリオキシエチレン第2級アルキルエーテルアクリレート(新中村化学工業(株)製:A−SAL−9E)5.0部と、0.6−0.8mmジルコニアビーズを反応容器に仕込み、ペイントシェーカーで3時間振蕩し、ミルベース4を得た。
ミルベースの作製5 酸化チタン(テイカ(株)製:JR−805)50.0部、高分子分散剤(味の素ファインテクノ(株)製:アジスパーPB−711)5.0部、スチレンモノマー39.5部、ポリオキシエチレン第2級アルキルエーテルアクリレート(新中村化学工業(株)製:A−SAL−9E)5.0部と、0.6−0.8mmジルコニアビーズを反応容器に仕込み、ペイントシェーカーで3時間振蕩し、ミルベース5を得た。
実施例1 青色インキの調整 空気硬化性を保有する不飽和ポリエステル樹脂(大日本インキ化学工業(株)製:ポリライトCN−325)24.0部、軟質タイプ不飽和ポリエステル樹脂(大日本インキ化学工業(株)製:ポリライトFG−208)6.0部、スチレンモノマー99.0部、6%ナフテン酸コバルト溶液(日本化学産業(株)製:6%ナフテン酸コバルト)0.1部を混合した不飽和ポリエステル樹脂組成物に、ビスアシルフォスフィンオキサイド系光開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製:Irgacure819)1.5部、ベンジルジメチルケタール系光開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製:Irgacure651)1.5部を溶解したものに、ミルベース1を18.0部加えて粘度4.2mPasの青色インキ組成物を調製した。
実施例2 赤色インキの調整 空気硬化性を保有する不飽和ポリエステル樹脂(大日本インキ化学工業(株)製:ポリライトCN−325)24.0部、軟質タイプ不飽和ポリエステル樹脂(大日本インキ化学工業(株)製:ポリライトFG−208)6.0部、スチレンモノマー99.0部、6%ナフテン酸コバルト溶液(日本化学産業(株)製:6%ナフテン酸コバルト)0.1部を混合した不飽和ポリエステル樹脂組成物に、ビスアシルフォスフィンオキサイド系光開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製:Irgacure819)1.7部、ベンジルジメチルケタール系光開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製:Irgacure651)1.7部を溶解したものに、ミルベース2を34.0部加えて粘度3.9mPasの赤色インキ組成物を調製した。
実施例3 黄色インキの調整 空気硬化性を保有する不飽和ポリエステル樹脂(大日本インキ化学工業(株)製:ポリライトCN−325)24.0部、軟質タイプ不飽和ポリエステル樹脂(大日本インキ化学工業(株)製:ポリライトFG−208)6.0部、スチレンモノマー99.0部、6%ナフテン酸コバルト溶液(日本化学産業(株)製:6%ナフテン酸コバルト)0.1部を混合した不飽和ポリエステル樹脂組成物に、ビスアシルフォスフィンオキサイド系光開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製:Irgacure819)1.7部、ベンジルジメチルケタール系光開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製:Irgacure651)1.7部、α−ヒドロキシケトン系光開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製:Darocur1173)1.7部を溶解したものに、ミルベース3を32.0部加えて粘度4.7mPasの黄色インキ組成物を調製した。
実施例4 黒色インキの調整 空気硬化性を保有する不飽和ポリエステル樹脂(大日本インキ化学工業(株)製:ポリライトCN−325)24.0部、軟質タイプ不飽和ポリエステル樹脂(大日本インキ化学工業(株)製:ポリライトFG−208)6.0部、スチレンモノマー99.0部、6%ナフテン酸コバルト溶液(日本化学産業(株)製:6%ナフテン酸コバルト)0.1部を混合した不飽和ポリエステル樹脂組成物に、ビスアシルフォスフィンオキサイド系光開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製:Irgacure819)1.7部、ベンジルジメチルケタール系光開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製:Irgacure651)1.7部を溶解したものに、ミルベース4を34.0部加えて粘度4.3mPasの黒色インキ組成物を調製した。
実施例5 白色インキの調整 空気硬化性を保有する不飽和ポリエステル樹脂(大日本インキ化学工業(株)製:ポリライトCN−325)24.0部、軟質タイプ不飽和ポリエステル樹脂(大日本インキ化学工業(株)製:ポリライトFG−208)6.0部、スチレンモノマー99.0部、6%ナフテン酸コバルト溶液(日本化学産業(株)製:6%ナフテン酸コバルト)0.1部を混合した不飽和ポリエステル樹脂組成物に、ビスアシルフォスフィンオキサイド系光開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製:Irgacure819)1.7部、ベンジルジメチルケタール系光開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製:Irgacure651)1.7部を溶解したものに、ミルベース5を34.0部加えて粘度3.9mPasの白色インキ組成物を調製した。
比較例1 空気硬化性を保有する不飽和ポリエステル樹脂(大日本インキ化学工業(株)製:ポリライトCN−325)24.0部の替わりに軟質タイプ不飽和ポリエステル樹脂(大日本インキ化学工業(株)製:ポリライトFG−208)24.0部を用いる他は実施例1と同様にして、粘度4.4mPasの青色インキ組成物を調製した。
比較例2 空気硬化性を保有する不飽和ポリエステル樹脂(大日本インキ化学工業(株)製:ポリライトCN−325)24.0部の替わりに軟質タイプ不飽和ポリエステル樹脂(大日本インキ化学工業(株)製:ポリライトFG−208)24.0部を用いる他は実施例2と同様にして、粘度4.1mPasの赤色インキ組成物を調製した。
比較例3 空気硬化性を保有する不飽和ポリエステル樹脂(大日本インキ化学工業(株)製:ポリライトCN−325)24.0部の替わりに軟質タイプ不飽和ポリエステル樹脂(大日本インキ化学工業(株)製:ポリライトFG−208)24.0部を用いる他は実施例3と同様にして、粘度4.6mPasの黄色インキ組成物を調製した。
比較例4 空気硬化性を保有する不飽和ポリエステル樹脂(大日本インキ化学工業(株)製:ポリライトCN−325)24.0部の替わりに軟質タイプ不飽和ポリエステル樹脂(大日本インキ化学工業(株)製:ポリライトFG−208)24.0部を用いる他は実施例4と同様にして、粘度4.7mPasの黒色インキ組成物を調製した。
比較例5 空気硬化性を保有する不飽和ポリエステル樹脂(大日本インキ化学工業(株)製:ポリライトCN−325)24.0部の替わりに軟質タイプ不飽和ポリエステル樹脂(大日本インキ化学工業(株)製:ポリライトFG−208)24.0部を用いる他は実施例5と同様にして、粘度4.0mPasの白色インキ組成物を調製した。
実施例1、2、3、4、5、比較例1、2、3、4、5のインキをガラス板上に60μmの厚さで塗布し、UV照射装置により160W/cmのメタルハライドランプ、0.45J/cm2の条件で紫外線を照射し、塗膜の表面硬化性、乾燥性をチェックした。
Claims (6)
- (a)空気硬化性を保有する不飽和ポリエステル樹脂組成物、(b) エチレン性不飽和単量体、(c) 顔料、(d)光照射によりラジカルを発生する光開始剤を必須成分とすることを特徴とするインキ組成物。
- (a)成分の空気硬化性を保有する不飽和ポリエステル樹脂組成物、(b)成分のエチレン性不飽和単量体、(d)成分のラジカルを発生する光開始剤からなる不飽和ポリエステル樹脂組成物に、(c)成分の顔料が分散していることを特徴とする請求項1記載のインキ組成物。
- (e)成分の光照射によりラジカルを発生する開始剤が、紫外線、かつ/または、可視光の照射によりラジカルを発生する光開始剤であることを特徴とする、請求項1〜2に記載のインキ組成物。
- 請求項1〜3に記載のインキ組成物をインクジェット印刷用に調整したインクジェットインキ。
- 請求項4記載のインクジェットインキを用いてインクジェット方式により印刷することを特徴とする各種成形品への印刷方法。
- 請求項5記載の印刷方法で印刷された成形品。
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JP2009161641A (ja) * | 2007-12-28 | 2009-07-23 | Sumitomo Chemical Co Ltd | インクジェットプリント用インク、表示用カラーフィルタおよび表示装置 |
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-
2005
- 2005-07-11 JP JP2005201067A patent/JP2007016180A/ja active Pending
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