JP2007014589A - 靴底のヒール、及び、そのヒールを用いた靴 - Google Patents
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Abstract
紳士靴やハイヒール等の婦人靴の靴底ヒールであって、ヒールの外側の周面を変化に富んだ模様を付すことができ、且つ、高級感のある皮革のヒール外装とすることができる皮革を外装した靴底ヒールを提供する。
【解決手段】
肉厚の皮革の表面にプレス加工により立体的な凹凸模様を刻印し、更に、皮革の裏面をスライスして薄い外装皮革として、該外装皮革をヒール芯の外側周面に接着剤により貼り付けた靴底ヒールであって、肉厚の皮革は、厚さが4mm以上のベンズの皮革であり、スライスした外装皮革の肉厚は、2mm以下である靴底ヒール。
【選択図】図6
Description
請求項2の発明は、前記肉厚の皮革は、厚さが3mm以上のベンズの皮革であることを特徴とする請求項1に記載の靴底のヒールである。
請求項3の発明は、前記スライスした外装皮革の厚さは、可撓性を有するように2mm以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項2に記載の靴底のヒールである。
請求項4の発明は、前記スライスした外装皮革が、スライスによって凹模様の最深部が細孔を形成するようにした請求項3に記載の靴底のヒールである。
請求項5の発明は、肉厚の皮革の表面にプレス加工により立体的な凹凸模様を刻印し、皮革の裏面をスライスして平坦とし、且つ、薄い外装皮革として、該外装皮革をヒール芯の外側周面に接着剤により貼り付けたヒールを靴底の踵に用いた靴である。
また、靴のヒール等の過酷な使用条件下では、単なる印刷では摩耗によって表面がそぎ落とされ、艶もなくなり安ものに見えてしまうが、本発明のように本物の皮革を使用したヒールであると、経時変化によって、表面の色相も味わい深いものとなり高級感が薄れることがない。
図1は、本発明の外装皮革を貼付した靴底ヒール部1を、婦人靴の中ヒールとして適用した実施例の側面図で、図2は、その靴底のヒール部1の平面図である。
図1及び図2において、婦人靴の靴本体Aの本底Bの踵部分に本実施例のヒール部1が固着される。このヒール部1は、プラスチックのヒール芯2と、その外側の周面を覆うように貼り付けられる薄い外装皮革3と、地面と接するヒール芯2の底部に固着される薄い厚さ5mm程度の滑り止め兼クッションの底ゴム板4とから構成される。
本発明の特徴とするところは、ヒール芯2の外側周面に貼る外装片が従来と異なることであり、この外装片を外装皮革3としたものである。この外装皮革3は、原材料となるベンズ皮革31の表面にプレス加工により立体的な凹凸模様を付し、この皮革31表面に刻印した凹凸模様を生かしたもので、更に、プレスした皮革31の裏面をスライスして貼付加工が容易で剥がれないように薄くして、外装皮革3としてヒール芯2に貼ったものである。
(1)牛の革である硬い肉厚のベンズ革を、ほぼ一定の厚さ4.5mm(4.5〜5mm)にスライスして表面処理し、表面を綺麗に整えた皮革31とする。
なお、上記ベンズの皮革31の厚さは4.5mmであるが、後工程のプレス加工による立体的な凹凸模様を得られるように、また、スライスして皮革31’の裏面を平坦にする必要から、厚さが4mm以上の皮革(ベンズ等)であることが望ましい。
この場合、皮革31’に刻印転写された凹凸模様が元の平面に戻らないように型押しプレスしなければならないが、その加工条件は、前記の4.5mmのベンズ革31に対して、プレス機のプレス圧力200kg、加熱は型によって変わるが図3の格子編柄の型枠では65〜70℃で3秒間プレスする。
このスライスによる裏面加工により所謂バックスキンのようにザラザラの粗い面となりヒール芯2への接着剤による接着性が向上して剥離が少なくなる。また、外装皮革3の厚みは2mm以下程度にすることで、十分に可撓性を有していて曲げ易く、ヒール芯3に貼った後に剥離しにくいものとなる。
本実施例では、外装皮革3は格子編柄の凹凸模様であり、スライスによって凹模様の最深部の深さも1.6mm程度であるので、最深部もスライスされ細長い細孔32が形成され、あたかも、図3のような、実際に縦横の1cm巾の皮革テープで編んだ格子編柄のような外観を呈する。勿論、立体的な凹凸模様であっても、前記格子編柄のような細孔32がなくても、実際に肉眼で見える程度の凹凸の模様であればよい。
この格子編柄の場合には、実際の縦横の1cm巾の皮革テープで編んだ格子編柄では裏面の凹凸の刻印も深く激しいので、これをヒール芯2に剥離しないように貼り付けるのは困難であるが、本実施例の場合には裏面33が粗いバックスキン状態であり、全体としてほぼ平坦であるので、ヒール芯2に剥離しないように強固に貼り付ける加工が容易である。このことは、他の模様についても同様で、外装皮革3の表面に大きな凹凸模様が刻印されていても、スライスされて薄く可撓性を有しており、外装皮革3の裏面33はバックスキン状のザラザラした粗面で、合成ゴム系の接着剤とよく馴染み、且つ、全体としてほぼ平坦であるので、ヒール芯2にABS等のプラス面にも強固に接着して、剥離しないように貼り付ける加工が容易であり、このことは、本発明の特徴の一つでもある。
このように表面模様を生かしたままで、裏面33をスライスして薄くすることで、外装皮革3は、柔らかく曲げやすくなり、且つ、皮革31’の裏面33を平坦にすることで、ヒール芯2の外から見える側周面に接着剤で貼り付けても剥離することが少なくなる。
特に、婦人靴のヒール部分は、高さも巾もある場合が多く、目立つものであることから、本発明のヒールを用いた靴は、普通の靴と比べてファンション性を高くすることができ、皮革を使用することから高級感も得られやすい。また、靴のヒール等は、戸外での使用や、土砂や水に接触し、体重の圧力も加わるという過酷な使用条件では、ヒール外装が単なる印刷では経時による摩耗等によって表面がそぎ落とされ艶もなく安ものに見えてしまうが、本発明のように本物の皮革を使用したヒールであると、かえって、経時変化によって皮革表面の色相も味わい深いものとなり高級感が薄れることがない。
また、本発明でいう靴底ヒールとは、紳士靴やハイヒール等の婦人靴の靴底ヒールであるが、これと同等のサンダル等の履き物のヒールに適用しても良いことは勿論であり、これらの履き物のヒールを含めた意味である。
1…ヒール部
2…ヒール芯
3…外装皮革、31、31’…皮革、32…細孔、
33…外装皮革のザラザラした裏面、
4…底ゴム板、
6…プレス機、61…型枠、62…プレス台
Claims (5)
- 肉厚の皮革の表面にプレス加工により立体的な凹凸模様を刻印し、皮革の裏面をスライスして平坦とし、且つ、薄い外装皮革として、該外装皮革をヒール芯の外側周面に接着剤により貼り付けたことを特徴とする靴底のヒール。
- 前記肉厚の皮革は、厚さが3mm以上のベンズの皮革であることを特徴とする請求項1に記載の靴底のヒール。
- 前記スライスした外装皮革の厚さは、可撓性を有するように2mm以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項2に記載の靴底のヒール。
- 前記スライスした外装皮革が、スライスによって凹模様の最深部が細孔を形成するようにした請求項3に記載の靴底のヒール。
- 肉厚の皮革の表面にプレス加工により立体的な凹凸模様を刻印し、皮革の裏面をスライスして平坦とし、且つ、薄い外装皮革として、該外装皮革をヒール芯の外側周面に接着剤により貼り付けたヒールを靴底の踵に用いた靴。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005199922A JP2007014589A (ja) | 2005-07-08 | 2005-07-08 | 靴底のヒール、及び、そのヒールを用いた靴 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005199922A JP2007014589A (ja) | 2005-07-08 | 2005-07-08 | 靴底のヒール、及び、そのヒールを用いた靴 |
Publications (1)
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JP2007014589A true JP2007014589A (ja) | 2007-01-25 |
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ID=37752254
Family Applications (1)
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JP2005199922A Ceased JP2007014589A (ja) | 2005-07-08 | 2005-07-08 | 靴底のヒール、及び、そのヒールを用いた靴 |
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Cited By (2)
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2005
- 2005-07-08 JP JP2005199922A patent/JP2007014589A/ja not_active Ceased
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