JP2007013839A - 無線通信装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 無線通信装置に入力される妨害波信号を抑圧する回路の規模を縮小し、消費電力を低減する。また、無線通信装置の送信信号に起因する妨害波信号を抑圧する。
【解決手段】受信信号を高周波帯から低周波帯へ周波数変換し、I相の信号に変換する第1の周波数変換部21と、受信信号を高周波帯から低周波帯へ周波数変換し、Q相の信号に変換する第2の周波数変換部22と、I相及びQ相の信号のうち何れか1つの信号から、受信信号に含まれる不要信号成分を抽出する不要信号選択フィルタ101と、不要信号選択フィルタ101により抽出された不要信号成分の位相を逆相に反転する位相調整部120と、位相調整部120により反転された信号を低周波帯から高周波帯へ周波数変換し、キャンセル信号を生成するキャンセル信号生成部130と、キャンセル信号生成部130により生成されたキャンセル信号を受信信号に加算する結合部140とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、無線通信装置に関し、特に、ダイレクトコンバージョン方式の無線通信装置に関する。
一般に、無線信号を受信する無線通信装置は、受信したい信号(以下、「希望信号」という)以外に、不要信号として希望信号以外の信号(以下、「妨害波信号」という)もアンテナから受信する。妨害波信号の発信源からの距離、電波伝搬環境、発信源における出力レベルによっては、アンテナに入力される妨害波信号のレベルが希望信号のレベルよりも大きくなることがある。この場合には、受信信号を処理する受信系の回路を飽和させて利得を低下させたり、混変調を与えたりして、妨害波信号が希望信号の受信感度を劣化させる。また、無線通信装置の周囲に妨害波信号の発信源が複数存在する場合、複数の妨害波信号がアンテナへ同時に入力される。この場合には、これら複数の妨害波信号の相互変調により歪みが発生する。この歪み成分が希望信号の帯域内に発生すると、希望信号に対する雑音比が大きくなり、妨害波信号が希望信号の受信感度を劣化させる。
また、妨害波信号としては、無線通信装置自身が発生するものも存在する。無線通信装置が備える局部発振部の発振信号が受信系に漏れ込んだ場合、この漏れ込んだ発振信号が妨害波信号となる。また、無線通信装置が送受信を同時に行う場合、送信信号が受信系に回り込んで妨害波信号となる。ここで、送信信号の回り込みによる妨害波信号を、送信リーク信号という。一般に、送信信号は希望信号よりも大きな信号レベルであるため、送信リーク信号のレベルも大きくなる。その結果、送信リーク信号が歪みや飽和による利得圧縮を生じさせ、希望信号の受信感度を劣化させる。
以上のように、妨害波信号が、希望信号の受信感度特性に悪影響を及ぼす。そこで、妨害波信号を抑圧することにより、相互変調歪みと混変調歪みを改善するダイレクトコンバージョン方式の受信機が開示されている(特許文献1参照)。この受信機は、I相ベースバンド信号からI相フィルタがI相妨害波成分を抽出し、Q相ベースバンド信号からQ相フィルタがQ相妨害波成分を抽出する。そして、I相妨害波信号とQ相妨害波信号とを、それぞれI相RF変換部とQ相RF変換部とで再びRF帯域に周波数変換し、これら妨害波信号を合成部で合成して、遅延素子で位相を180度遅延させることにより逆相に反転させて、加算部でRF受信信号に加算して妨害波成分を減少させる。
特開2000−244356号公報
しかし、特許文献1に開示されている受信機では、遅延素子が高周波帯であるRF帯域の妨害波信号を遅延させるため、位相を正確に180度遅延させることが困難である。一方、特許文献1に開示されている受信機において、I相RF変換部とQ相RF変換部の前段にそれぞれ遅延素子を設けると、低周波であるI相妨害波信号とQ相妨害波信号をそれぞれ180度遅延させることができるため、より正確に180度遅延させることができると考えられる。しかし、それぞれの遅延素子が正確に遅延位相を合わせることは困難であるため、位相を遅延させたI相妨害波信号とQ相妨害波信号に位相差が生じ、合成部で合成する場合に、妨害波信号が反転した信号を生成できない。また、特許文献1に開示されている受信機では、I相フィルタ及びQ相フィルタとI相RF変換部及びQ相RF変換部のそれぞれ2つの回路要素が必要となる。したがって、受信機の回路規模が大きくなり製造コストが高くなるとともに、消費電力も増大する。
本発明の無線通信装置は、受信信号を受信する無線通信装置であって、前記受信信号を高周波帯から低周波帯へ周波数変換し、I相の信号に変換する第1の周波数変換部と、前記受信信号を高周波帯から低周波帯へ周波数変換し、Q相の信号に変換する第2の周波数変換部と、前記I相及びQ相の信号のうち何れか1つの信号から、前記受信信号に含まれる不要信号成分を抽出する不要信号選択フィルタと、前記不要信号選択フィルタにより抽出された前記不要信号成分の位相を逆相に反転する位相調整部と、前記位相調整部により反転された信号を前記低周波帯から前記高周波帯へ周波数変換し、キャンセル信号を生成するキャンセル信号生成部と、前記キャンセル信号生成部により生成された前記キャンセル信号を前記受信信号に加算する結合部とを備える。
この構成によれば、I相及びQ相の信号のうち何れか1つの信号から受信信号に含まれる不要信号成分を抽出するため、小規模の回路を付加するだけで妨害波信号の抑圧が可能となる。また、この構成によれば、位相調整部をキャンセル信号生成部の前段に設けることにより、低周波帯において容易に位相を調整することができる。
また、本発明の無線通信装置は、自装置から送信される送信信号の周波数に基づいて、前記不要信号成分の位相を逆相に反転させる位相調整信号を生成し、前記位相調整信号を前記位相調整部に出力する位相調整信号制御部を更に備える。
この構成によれば、送信リーク信号のように妨害波信号の周波数が予め分かって場合には、位相調整信号制御部を設けることにより、フィードバックループで処理するフィードバック信号の周波数に応じて、位相調整部の位相調整量を制御できる。
また、本発明の無線通信装置は、自装置から送信される送信信号の周波数と前記位相調整部を制御する位相調整信号を生成するための位相調整データとを関連付けて記憶する位相調整データ記憶部と、前記送信信号の周波数に基づいて前記位相調整データ記憶部から前記位相調整データを検索し、前記位相調整データに基づいて前記位相調整信号を生成する位相調整信号制御部とを更に備え、前記位相調整部は、前記位相調整信号に基づいて、前記不要信号選択フィルタにより抽出された前記不要信号成分の位相を逆相に反転する。
この構成によれば、送信リーク信号のように妨害波信号の周波数が予め分かって場合には、位相調整データ記憶部を設けることにより、フィードバックループで処理するフィードバック信号の周波数に応じて、位相調整部の位相調整信号を位相調整データ記憶部から検索できる。
また、本発明の無線通信装置は、自装置から送信される送信信号の周波数に基づいて、前記不要信号選択フィルタの周波数特性を制御するフィルタ制御信号を生成し、前記フィルタ制御信号を前記不要信号選択フィルタに出力するフィルタ制御部を更に備える。
この構成によれば、送信リーク信号のように妨害波信号の周波数が予め分かって場合には、フィルタ制御部を設けることにより、送信リーク信号に起因する不要信号の周波数に応じて、不要信号選択フィルタの周波数特性を制御できる。
また、本発明の無線通信装置は、自装置から送信される送信信号の周波数と前記不要信号選択フィルタの周波数特性を制御するフィルタ制御信号を生成するためのフィルタ制御データとを関連付けて記憶するフィルタ制御データ記憶部と、前記送信信号の周波数に基づいて前記フィルタ制御データ記憶部から前記フィルタ制御データを検索し、前記フィルタ制御データに基づいて前記フィルタ制御信号を生成するフィルタ制御部とを更に備え、前記不要信号選択フィルタは、前記フィルタ制御信号に基づいて、前記受信信号に含まれる不要信号成分を抽出する。
この構成によれば、送信リーク信号のように妨害波信号の周波数が予め分かって場合には、フィルタ制御データ記憶部を設けることにより、送信リーク信号に起因する不要信号の周波数に応じて、不要信号選択フィルタのフィルタ制御信号をフィルタ制御データ記憶部から検索できる。
また、本発明の無線通信装置は、前記キャンセル信号生成部に供給される局部発振信号の周波数が、前記不要信号成分の周波数に対して、第1の周波数変換部及び前記第2の周波数変換部に供給される局部発振信号の周波数と対称となるように制御する局部発振信号制御部を更に備える。
この構成によれば、送信リーク信号のように妨害波信号の周波数が予め分かって場合には、局部発振信号制御部を設けることにより、第1の周波数変換部及び前記第2の周波数変換部に供給される局部発振信号の周波数と対称となるように、キャンセル信号生成部に供給される局部発振信号を制御できる。
また、本発明の無線通信装置は、前記キャンセル信号生成部により生成された前記キャンセル信号から前記不要信号成分の周波数と実質的に同じ周波数の信号を選択し、前記選択された信号を前記結合部へ出力するキャンセル信号選択フィルタを更に備える。
この構成によれば、キャンセル信号以外の信号成分を減衰させ、キャンセル信号のみを結合部へ出力することができる。
また、本発明の無線通信装置は、前記位相調整部により反転された信号に含まれるイメージ成分を減衰させるイメージ成分減衰部を更に備える。
この構成によれば、位相シフトを調整することによって、キャンセル信号のイメージ信号成分が相殺され、イメージ信号成分を抑圧することができる。
また、本発明の無線通信装置は、前記I相またはQ相の信号のうち何れか1つの信号を前記低周波帯よりも低い周波数帯に周波数変換し、前記周波数変換された信号を前記不要信号選択フィルタに出力する第3の周波数変換部を更に備える。
この構成によれば、第3の周波数変換部を設けることにより、不要信号成分の周波数を更に低くすることができる。
本発明によれば、無線通信装置の受信系に入力される妨害波信号を抑圧する回路の規模が小さくなり、無線通信装置の消費電力を低減できる。また、本発明によれば、無線通信装置が送受信を同時に行い、送信信号が妨害波信号として受信系へ入力される場合に、送信信号に起因する妨害波信号を抑圧することができる。
以下の実施形態では、無線通信装置においてアンテナから受信した無線周波数信号をベースバンド周波数帯域に変換する受信系の構成を示す。なお、以下の実施形態において、同一の構成には同一の符号を付し、その説明は重複するので省略する。
(第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態に係る無線通信装置の一例を示すブロック図である。図1に示すように、第1の実施形態に係る無線通信装置は、低雑音増幅部10、ダウンミキサ(第1の周波数変換部)21、ダウンミキサ(第2の周波数変換部)22、90度位相部80、局部発振部70、低域通過フィルタ31,32、利得増幅部41,42、AD変換部51,52、不要信号選択フィルタ101、振幅調整部110、位相調整部120、キャンセル信号生成部130、結合部140を備える。
低雑音増幅部10には、アンテナ(図示せず)により受信された受信信号が入力される。低雑音増幅部10は、入力された受信信号を増幅する。通常、受信信号に含まれる希望信号は微弱であるため、低雑音増幅部10は受信系において復調できる程度にまで受信信号を増幅する。低雑音増幅部10は、この役割の一部または全部を担うものであり、受信系初段に位置することから、受信系全体の雑音特性を良くするために低い雑音指数が要求される。低雑音増幅部は2つ以上用いられてもよい。低雑音増幅部10の前段には、スイッチ、共用部、フィルタなどの回路が設けられてもよい。低雑音増幅部10の後段には、フィルタが設けられてもよい。低雑音増幅部10は、増幅された受信信号を結合部140を介してダウンミキサ21,22へ出力する。
ダウンミキサ21は、受信信号を高周波帯から低周波帯へ周波数変換し、I相の信号に変換する。ダウンミキサ22は、受信信号を高周波帯から低周波帯へ周波数変換し、Q相の信号に変換する。つまり、ダウンミキサ21,22は、無線周波数帯域の直交変調された受信信号をベースバンド信号に変換する。直交変調された信号は、90度位相差の直交する局部発振信号を用いて変調されたものである。ダウンミキサ21,22は、直交変調に用いられた90度位相差の2つの局部発振信号により受信信号を2つに分配した後、I相及びQ相の2つのベースバンド信号に周波数変換する。この場合、ダウンミキサ21,22は、無線周波数帯域の受信信号をより低い周波数に変換する。低い周波数に変換することで、不要信号の除去や復調などの受信処理が行いやすくなる。ダウンミキサ21,22には、位相が異なる局部発振信号が90度位相部80から入力される。
90度位相部80には、局部発振部70が生成する局部発振信号が入力される。90度位相部80は、入力された局部発振信号を、90度の位相差を有する2つの局部発振信号に変換する。生成された90度位相差の2つの局部発振信号は、受信信号をI相及びQ相の信号に分解するために、ダウンミキサ21,22に入力される。
局部発振部70は、無線通信装置内に設けられた信号発振部であり、ダウンミキサ21,22における周波数変換に用いられる局部発振信号を生成する。一般に、局部発振部70は、受信帯域内にある複数の無線通信チャネルの受信に対応するために局部発振信号の周波数が可変となるように構成され、基準信号源や位相比較器や分周器や電圧制御発振器などを用いた位相同期ループ(PLL)による周波数シンセサイザ構成とする場合が多い。
低域通過フィルタ31,32は、I相及びQ相のベースバンド信号の帯域外にある復調処理の妨げとなる不要信号や雑音(ノイズ)を、それぞれ除くフィルタである。低域通過フィルタ31,32は、ダウンミキサ21,22により変換された受信信号から不要信号成分を除去する。低域通過フィルタ31,32は、複数のフィルタによりそれぞれ構成されてもよい。ダウンミキサ21,22において希望信号と局部発振信号の周波数が異なる場合は、希望信号は中間周波数に変換され、低域通過フィルタ31,32は、この中間周波数を中心周波数とする帯域通過フィルタとなる。また、希望信号と局部発振信号の周波数が実質的に等しいダイレクトコンバージョン方式では、受信信号はベースバンド帯域に直接変換されるため、低域通過フィルタ31,32は、変換されたベースバンド変調信号を選択するフィルタとして構成される。
利得増幅部41,42は、I相及びQ相のベースバンド信号の振幅レベルをそれぞれ増幅するものであり、AD変換部51,52が処理可能な許容入力レベルの範囲となるように、ベースバンド信号の振幅レベルを調整する。利得増幅部41,42は、複数の利得増幅部により構成されてもよい。また、ダイレクトコンバージョン方式の場合、利得増幅部41,42は、直交復調器であるダウンミキサ21,22が出力する直流オフセット成分を除去する機能を有してもよい。
AD変換部51,52は、I相及びQ相のベースバンド信号をディジタル信号処理による復調処理が可能となるようにディジタル信号にそれぞれ変換する。AD変換部51,52の後段では、ディジタル信号処理プロセッサ(DSP)などを用いたディジタル信号処理装置(図示せず)が備えられる。
不要信号選択フィルタ101は、I相またはQ相の信号のうち何れか1つの信号から、受信信号に含まれる不要信号成分を抽出する。ここで、不要信号成分とは、妨害波信号の信号成分をいい、自装置から送信される送信信号が受信系にリークして生じた送信リーク信号の信号成分を含む。不要信号成分は、ダウンミキサ21,22によってベースバンド帯域に変換されないため、I相とQ相の両方の出力信号を処理する必要はなく、ダウンミキサ21,22の何れか一方の不要信号成分を抽出すればよい。
図1に示す不要信号選択フィルタ101は、ダウンミキサ21に接続されており、ダウンミキサ21によって周波数変換された受信信号のI相信号から不要信号成分を抽出する。例えば、送信リーク信号のように不要信号成分の周波数があらかじめ分かっている場合には、不要信号選択フィルタ101として、その不要信号成分の周波数を通過帯域とする帯域通過フィルタを用いればよい。また、例えばダイレクトコンバージョン方式では、不要信号成分はベースバンド帯域外に変換されるため、不要信号選択フィルタ101として、ベースバンド変調帯域以外の信号成分を選択する高域通過フィルタを利用してもよい。また、不要信号選択フィルタ101は、アクティブフィルタによって集積化されても良い。
振幅調整部110は、不要信号選択フィルタ101で選択された不要信号成分の振幅を増幅もしくは減衰させる。振幅調整部110は、結合部140において不要信号成分の振幅が妨害波信号の振幅レベルと実質的に同じになるように、不要信号成分の振幅を調整する。振幅調整部110は、増幅器や減衰器により構成される。調整量可変としたい場合には、振幅調整部110は、利得可変の増幅器や、利得一定の増幅器と利得可変の減衰器の組み合わせにより構成される。
位相調整部120は、不要信号選択フィルタ101により抽出された不要信号成分の位相を逆相に反転する。位相調整部120は、不要信号選択フィルタ101で選択された不要信号成分の位相を変化させる機能を有する。位相調整部120は、ダウンミキサ21、不要信号選択フィルタ101、振幅調整部110、及びキャンセル信号生成部130において生じる位相遅延量を考慮して、結合部140において不要信号成分が逆相となるように位相を調整する。また、位相調整部120における位相変化量が周波数によって異なる場合には、この周波数特性を考慮して、位相を調整する。位相調整部120は、位相変化特性を有するリアクタンス素子を含む受動素子により形成されたL型回路や、パイ型回路、位相反転増幅器、オールパスフィルタ、ディレイラインなどにより構成される。位相調整部120と振幅調整部110の接続順序は逆であってもよい。
キャンセル信号生成部130は、位相調整部120により反転された信号を低周波帯から高周波帯へ周波数変換し、キャンセル信号を生成する。キャンセル信号生成部130は、位相調整部120により反転された信号を、ダウンミキサ21が低周波数に変換する前の妨害波信号と実質的に同じ周波数に戻す。すなわち、キャンセル信号生成部130は、妨害波信号と逆相のキャンセル信号を生成する。キャンセル信号生成部130は、アップミキサなどにより構成される。
結合部140は、キャンセル信号生成部130により生成されたキャンセル信号を受信信号に加算する。結合部140は、低雑音増幅部10とダウンミキサ21,22の間に設けられ、希望信号と妨害波信号を含む受信信号に、キャンセル信号を加える。結合部140は、電界結合や磁界結合による方向性結合器、容量接続、ウイルキンソン型合成器、ハイブリッド型合成器などにより構成される。結合部140は、希望信号の通過損失が小さくなるように構成される。
以上のような第1の実施形態に係る無線通信装置は、不要信号成分を抽出して処理する負帰還ループを備える。ダウンミキサ21の出力から、不要信号選択フィルタ101、振幅調整部110、位相調整部120、及びキャンセル信号生成部130を通って結合部140に至る処理系を、以下、「フィードバックループ」と称する。また、フィードバックループの振幅調整部110、位相調整部120、及びキャンセル信号生成部130などに入力される信号を、以下、「フィードバック信号」と称する。
フィードバックループは、抑圧しようとする妨害波信号に起因する不要信号成分の位相を180度またはその奇数倍だけ遅延させて位相反転させた信号を、結合部140に帰還する。結合部140の前後における不要信号成分の信号レベルの比は、フィードバックループのループ利得をAとすると、理論的に1/(1+A)となる。ループ利得が十分高い場合には、抑圧比は1/Aと表され、例えばループ利得を10dBとした場合には、不要信号成分の信号レベルは約10dB抑圧されることとなる。このループ利得は、主として振幅調整部110によって調整され、ループ利得分の抑圧効果が期待できる。よって、等振幅逆位相のキャンセル信号によって抑圧するフィードフォワード構成とは異なり、厳密に利得制御を行うことなく妨害波信号の抑圧が可能である。このように、ループ利得は高くすることが望まれるが、フィードバックループに入力されるすべての信号成分に対して、帰還系が発振しないように留意する必要がある。このため、フィードバックループへの入力信号成分に対して、不要信号選択フィルタ101による周波数制限と、振幅調整部110による利得調整と、位相調整部120による位相調整とを行って、入力信号成分の帰還系の位相余裕と振幅余裕を十分に確保するように各回路の動作を設定する。
フィードバックループを構成する、不要信号選択フィルタ101、振幅調整部110、位相調整部120が処理する不要信号成分の周波数は、ダウンミキサ21によって低周波数に変換されるため、直接無線周波数帯域の信号を処理してキャンセル信号を生成する場合と比較して、回路特性に要求される精度が緩和される。また、低周波数で信号処理することにより、回路の消費電力が低減され、回路の集積化も可能となる。
次に、図2A,図2Bを用いて、第1の実施形態に係る無線通信装置の動作について例示して説明する。図2A,図2Bは、第1の実施形態に係る無線通信装置の各構成における信号の一例を示した図である。横軸は、周波数を表し、縦軸は、信号の信号電力を表す。
図2A(a)は、第1の実施形態に係る無線通信装置のアンテナに入力される受信信号の一例を示した図である。図2A(a)に示すように、信号200は、無線通信装置により受信を希望する希望信号であり、信号210は、希望信号とともにアンテナに入力される妨害波信号である。妨害波信号210の信号電力V2は希望信号200の信号電力V1と比較して大きく、受信系における歪みの要因となる。このため、第1の実施形態に係る無線通信装置は、妨害波信号210の信号電力を抑圧する。また、図2A(a)に示すように、局部発振部70により、正弦波の局部発振信号220が生成される。ダイレクトコンバージョン方式では、希望信号200と局部発振信号220の周波数の差分は、実質的に0であり、妨害波信号210と局部発振信号220の周波数の差分は、f1である。
図2A(b)は、第1の実施形態に係る無線通信装置のダウンミキサ21が出力する信号の一例を示した図である。ダウンミキサ21へ入力される各信号は局部発振信号220との差分に周波数変換される。この結果、希望信号200は希望信号成分201に、妨害波信号210は不要信号成分211にそれぞれ変換される。つまり、希望信号200と局部発振信号220の周波数の差分は実質的に0であるため、希望信号成分201の周波数は実質的に0となり、妨害波信号210と局部発振信号220の周波数の差分f1が、不要信号成分211の周波数f1となる。図2A(b)に示す点線は、不要信号選択フィルタ101の周波数特性である。不要信号選択フィルタ101は、不要信号成分211を抽出する帯域通過フィルタ特性を有する。不要信号選択フィルタ101は、不要信号成分211を通過させ、希望信号成分201を抑圧する高域通過フィルタ特性を有してもよい。
図2A(c)は、第1の実施形態に係る無線通信装置の振幅調整部110が出力する信号の一例を示した図である。信号212は、不要信号成分211が不要信号選択フィルタ101で選択され、振幅調整部110で増幅された信号である。振幅調整部110は、結合部140において信号212の振幅が妨害波信号210の信号電力V2と実質的に同じになるように、信号212の振幅を調整する。
図2B(d)は、第1の実施形態に係る無線通信装置の位相調整部120が出力する信号の一例を示した図である。信号213は、振幅調整部110により増幅された信号212が位相調整部120によって位相変化されたものを示している。位相調整部120は、入力された信号212の位相を180度またはその奇数倍だけ変化させるため、信号213は、信号212の逆相の信号となる。位相調整部120は、信号213を遅延させて位相を反転させ、信号212とは逆相の信号を生成する。
図2B(e)は、第1の実施形態に係る無線通信装置のキャンセル信号生成部130が出力する信号の一例を示した図である。信号214は、信号213をキャンセル信号生成部130によってアップコンバートして生成したキャンセル信号である。キャンセル信号生成部130は、局部発振部70からキャンセル信号生成部130に入力された局部発振信号220を利用して周波数変換する。この結果、信号213はキャンセル信号214に変換される。つまり、信号213の周波数f1がキャンセル信号214と局部発振信号220の周波数の差分f1となる。
図2B(f)は、第1の実施形態に係る無線通信装置の結合部140が結合する信号の一例を示した図である。妨害波信号210とキャンセル信号214が加算される。キャンセル信号214は、妨害波信号210の逆相の信号である。したがって、妨害波信号210は、キャンセル信号214により相殺される。
図2B(g)は、第1の実施形態に係る無線通信装置の結合部140が出力する信号の一例を示した図である。図2B(g)に示すように、妨害波信号210がキャンセル信号214により抑圧された結果、希望信号200のみが出力される。
上述の説明では、位相調整部120のみに位相変化特性がある例を示した。しかし、帰還ループを構成するダウンミキサ21、不要信号選択フィルタ101、振幅調整部110、及びキャンセル信号生成部130において不要信号成分に位相変化が生じる場合には、結合部140におけるキャンセル信号214の位相が妨害波信号210の位相の逆相となるように、位相調整部120の位相調整量を調整する。また、帰還ループを構成する要素において、振幅調整部110以外の構成により不要信号成分に振幅変化が生じる場合には、結合部140におけるキャンセル信号214の振幅が妨害波信号210の抑圧に十分となるように、振幅調整部110の振幅調整量を制御する。
また、上述の説明では、不要信号選択フィルタ101として、帯域通過特性のフィルタを用いた例を示した。これは、不要信号成分の周波数がある程度特定されている場合には有効な手段となる。帯域通過特性のフィルタを用いることにより、帯域通過フィルタによって後段の振幅調整部110や位相調整部120などに入力される信号の周波数が制限されるため、後段回路の特性最適化を図ることが容易となる。また、不要信号選択フィルタ101に高域通過特性のフィルタを用いると、複数の不要信号成分のキャンセル信号を生成することが可能な構成となる。
振幅調整部110及び位相調整部120は、ダウンミキサ21による周波数変換後の低周波数の信号を処理するので、無線周波数帯域の信号の振幅及び位相を直接操作する場合と比べて、精度の良い調整が容易となる。また、動作周波数が低くなることは、回路の低消費電力動作を可能とする。
上述の説明では、キャンセル信号生成部130には、直交復調器のための局部発振部70及び90度位相部80により生成される局部発振信号が入力される。90度位相部80は90度位相差を有する2つの局部発振信号を出力するが、キャンセル信号生成部130へ入力される局部発振信号にはどちらか一方のみを用いればよい。図1では、ダウンミキサ21に入力される局部発振信号がキャンセル信号生成部130へ入力される例を示した。しかし、ダウンミキサ22に入力される局部発振信号がキャンセル信号生成部130へ入力されてもよい。キャンセル信号生成部130に入力される局部発振信号の位相は、キャンセル信号生成部130の周波数変換に伴う位相変化量に大きく影響する。しかし、位相調整部120により結合部140におけるキャンセル信号の位相を調整可能とすれば、キャンセル信号生成部130に入力される局部発振部の位相を任意に設定でき、キャンセル信号生成部130への局部発振信号の配線遅延などに対する要求精度は緩和される。一方、位相調整部120による位相調整量に制限が生じる場合には、90度位相部80が出力する2つの局部発振信号の適切な方を選択してキャンセル信号生成部130に入力することによって、結合部140でのキャンセル信号の位相を所望の値に調整可能となるように設計することが容易となる。
また、位相調整部120は、キャンセル信号生成部130と90度位相部80の間に設けられてもよい。この場合、位相調整部120は、キャンセル信号生成部130に入力する局部発振信号の位相を調整し、キャンセル信号の位相調整を行う。つまり、位相調整部120は、キャンセル信号生成部130が有する3つの端子の何れに接続しても、キャンセル信号の位相を変化させることが可能である。したがって、キャンセル信号生成部130周辺の周波数関係を考慮した上で、要求される大きさと位相調整精度の点で最適な信号を処理するように、位相調整部120を設ければよい。
第1の実施形態によれば、ダイレクトコンバージョン方式の無線通信装置に対して、小規模の回路を付加するだけで妨害波信号の抑圧が可能となる。つまり、従来技術が備えるミキサやフィルタや合成器が削減されるので、妨害波信号を抑圧するための回路の規模は約半分となり、チップ製造コストを低減することができる。この結果、回路動作時の消費電力が低減される。
(第1の実施形態の変形例)
第1の実施形態では、低雑音増幅部10とダウンミキサ21,22の間に結合部140を設ける。しかし、結合部140を低雑音増幅部10の前段に設けて、低雑音増幅部10に入力される妨害波信号を抑圧してもよい。
また、フィードバックループに入力されるフィードバック信号の信号レベルを検出して、信号レベルが所定の値を超えない場合には、妨害波信号の抑圧は不要と判断し、フィードバックループを構成する回路を動作させないようにする構成を備えてもよい。これにより、消費電力を低減したり、フィードバックループから受信系入力信号への雑音成分の混入を防止したりすることができる。
また、送信リーク信号を抑圧する場合には、無線通信装置が送信信号を出力しない間はフィードバックループを構成する回路を動作させないようにする構成を備えてもよい。これにより、消費電力を低減することができる。
(第2の実施形態)
図3は、本発明の第2の実施形態に係る無線通信装置の一例を示したブロック図である。図3に示すように、第2の実施形態に係る無線通信装置は、位相調整信号制御部150、位相調整データ記憶部160を備える。その他の構成は、第1の実施形態と同様である。
位相調整信号制御部150には、送信リーク信号の周波数が図示しない無線通信装置を制御する制御部から入力される。位相調整信号制御部150は、送信リーク信号の周波数に基づいて、不要信号成分の位相を逆相に反転させる位相調整信号を生成し、位相調整信号を位相調整部120に出力する。すなわち、位相調整信号制御部150は、フィードバック信号の周波数を計算する。ダイレクトコンバージョン方式では、受信信号の周波数と局部発振部70が生成する局部発振信号の周波数は同一であるから、位相調整信号制御部150は、送信信号と局部発振信号の周波数からフィードバック信号の周波数を計算することができる。位相調整信号制御部150には、位相調整データ記憶部160から位相調整データが入力される。ここで、位相調整データとは、位相調整信号制御部150が位相調整部120を制御する位相調整信号(制御電圧)を生成するために必要なデータをいう。
位相調整データ記憶部160は、フィードバック信号の周波数と、フィードバック信号の位相を逆相に反転させる位相調整信号を生成するための位相調整データとを、関連付けて記憶する。すなわち、位相調整データ記憶部160は、フィードバック信号の周波数に対応する位相調整データを記憶する。位相調整データ記憶部160は、例えば各種メモリによって実装される。
位相調整データは、フィードバックループを構成するフィルタ101、振幅調整部110、キャンセル信号生成部130における位相変化量を考慮して、結合部140においてキャンセル信号が送信リーク信号の逆相となるように、フィードバック信号の周波数と関連付けられる。また、位相調整部120における位相変化量が周波数によって異なる場合には、この周波数特性を考慮して、位相調整データはフィードバック信号の周波数と関連付けられる。また、送信リーク信号の周波数によってダウンミキサ21での位相変化量が大きく変化する場合には、ダウンミキサ21での位相変化量を考慮して、位相調整データはフィードバック信号の周波数と関連付けられる。
位相調整データは、実験測定や回路シミュレーションなどにより予め取得され、位相調整データ記憶部160に格納される。すなわち、フィードバック信号の周波数と位相調整データの関係を、フィルタ101、振幅調整部110、キャンセル信号生成部130を含んだ処理系での実験測定や回路シミュレーションなどの手法によって予め評価しておき、フィードバック信号の周波数と位相調整データの関係を取得する。そして、フィードバック信号の周波数と位相調整データの関係を位相調整データ記憶部160に記憶させる。
位相調整信号制御部150は、フィードバック信号の周波数を算出し、フィードバック信号の周波数に対応する位相調整データを、位相調整データ記憶部160から検索する。そして、位相調整信号制御部150は、検索された位相調整データに基づいて、位相調整信号を生成し、位相調整部120へ出力する。そして、位相調整部120は、位相調整信号制御部150から入力された位相調整信号に基づいて、不要信号選択フィルタ101により抽出された不要信号成分の位相を逆相に反転する。
第2の実施形態に係る無線通信装置によれば、送信リーク信号のように妨害波信号の周波数が予め分かって場合には、位相調整信号制御部150及び位相調整データ記憶部160を設けることにより、フィードバックループで処理するフィードバック信号の周波数に応じて、位相調整部120の位相調整量を制御できる。この結果、より効果的に妨害波信号を抑圧することが可能となる。また、フィードバック信号の周波数によって位相変化が異なる場合でも、送信リーク信号を抑圧することが可能となる。
(第2の実施形態の変形例)
第2の実施形態に係る無線通信装置では、位相調整信号制御部150は、フィードバック信号の周波数を計算する。しかし、位相調整信号制御部150は、無線通信装置が送信する送信信号の周波数と無線通信装置が受信する受信信号の周波数との差(以下、「送受信信号の周波数差」という)を算出し、算出された送受信信号の周波数差に基づいて位相調整信号を生成してもよい。
図4は、第2の実施形態の変形例に係る無線通信装置の位相調整信号制御部150の一例を示したブロック図である。図4に示すように、位相調整信号制御部150は、周波数差算出部151、位相調整データ検索部152、位相調整信号生成部153を備える。
周波数差算出部151には、自装置である無線通信装置が送信する送信信号の周波数と、無線通信装置が受信する受信信号の周波数とが、入力される。周波数差算出部151は、送受信信号の周波数差を算出する。そして、周波数差算出部151は、算出された送受信信号の周波数差を位相調整データ検索部152へ出力する。
位相調整データ検索部152は、入力された送受信信号の周波数差に対応する位相調整データを、位相調整データ記憶部160から検索する。
ここで、位相調整データ記憶部160は、送受信信号の周波数差と位相調整データを関連付けて記憶する。例えば図5に示すような制御情報テーブルが、位相調整データ記憶部160に格納される。図5に示すように、送受信信号の周波数差が、位相調整データと関連付けられている。図5に示すように、位相調整データとして、10ビットのデジタルデータが格納される。位相調整データは、実験測定や回路シミュレーションなどにより予め取得される。
位相調整データ検索部152は、検索された位相調整データを位相調整信号生成部153へ出力する。位相調整信号生成部153は、入力された位相調整データに基づいて、位相調整信号を位相調整部120へ出力する。そして、位相調整部120は、入力された位相調整信号に基づいて、不要信号選択フィルタ101により抽出された不要信号成分の位相を逆相に反転する。
なお、位相調整データ記憶部160に格納される位相調整データとしては、様々なデータが許容される。例えば図6に示すように、位相調整データは、係数1及び係数2のような複数のデータの組み合わせであってもよい。データの組み合わせにより、位相調整データのデータ量を削減できる。例えば図6に示すように、係数1及び係数2の合計6ビットにより、位相調整データが表される。図6に示すような複数のデータにより位相調整データが構成されている場合、位相調整信号生成部153は、入力された複数のデータに基づいて演算を行い、位相調整信号を生成する。
また、第2の実施形態に係る無線通信装置では、位相調整データ記憶部160に格納されている位相調整データを検索することにより、位相調整信号制御部150が位相調整信号を生成する。しかし、位相調整信号制御部150が、位相調整データを用いずに、送信リーク信号の周波数に基づいて演算を行い、不要信号成分の位相を逆相に反転させる位相調整信号を生成し、位相調整信号を位相調整部120に出力してもよい。この場合、位相調整データ記憶部160に格納されている位相調整データを検索する必要はないため、無線通信装置は位相調整データ記憶部160を設けなくてもよい。
また、位相調整データ記憶部160は、フィードバック信号の振幅レベルの情報に基づいて、振幅調整部110やキャンセル信号生成部130の入力信号レベルに対する位相量の変化(AM−PM特性)を格納してもよい。
(第3の実施形態)
図7は、本発明の第3の実施形態に係る無線通信装置の一例を示したブロック図である。図7に示すように、第3の実施形態に係る無線通信装置は、フィルタ制御部154、フィルタ制御データ記憶部161を備える。その他の構成は、第1の実施形態と同様である。
図7に示す不要信号選択フィルタ101は、選択周波数が可変の帯域通過フィルタであり、フィルタ制御信号によって通過帯域の周波数が変化するという周波数特性を有する。
フィルタ制御部154には、送信リーク信号の周波数が入力される。フィルタ制御部154は、送信リーク信号の周波数に基づいて、不要信号選択フィルタ101の周波数特性を制御するフィルタ制御信号を生成し、フィルタ制御信号を不要信号選択フィルタ101に出力する。すなわち、フィルタ制御部154は、送信リーク信号に起因する不要信号の周波数を計算する。ダイレクトコンバージョン方式では、受信信号の周波数と局部発振部70が生成する局部発振信号の周波数は同一であるから、フィルタ制御部154は、送信信号と局部発振信号の周波数に基づいて、送信リーク信号に起因する不要信号の周波数を計算することができる。フィルタ制御部154には、フィルタ制御データ記憶部160からフィルタ制御データが入力される。ここで、フィルタ制御データとは、フィルタ制御部154が、不要信号選択フィルタ101の周波数特性を制御するフィルタ制御信号(制御電圧)を生成するために必要なデータをいう。
フィルタ制御データ記憶部161は、自装置である無線通信装置から送信される送信信号の周波数と、不要信号選択フィルタ101の周波数特性を制御するフィルタ制御信号を生成するためのフィルタ制御データとを、関連付けて記憶する。すなわち、フィルタ制御データ記憶部161は、送信リーク信号に起因する不要信号の周波数に対応するフィルタ制御データを記憶する。フィルタ制御データ記憶部161は、例えば各種メモリによって実装される。
フィルタ制御データは、実験測定や回路シミュレーションなどにより予め取得され、フィルタ制御データ記憶部161に格納される。すなわち、送信リーク信号に起因する不要信号の周波数とフィルタ制御データの関係を、フィルタ101を含んだ処理系での実験測定や回路シミュレーションなどの手法によって予め評価しておき、送信リーク信号に起因する不要信号の周波数とフィルタ制御データとの関係を取得する。そして、送信リーク信号に起因する不要信号の周波数とフィルタ制御データとの関係をフィルタ制御データ記憶部161に記憶させる。
フィルタ制御部154は、送信リーク信号に起因する不要信号の周波数を算出し、送信リーク信号に起因する不要信号の周波数に対応するフィルタ制御データを、フィルタ制御データ記憶部161から検索する。そして、フィルタ制御部154は、検索されたフィルタ制御データに基づいて、フィルタ制御信号を生成し、不要信号選択フィルタ101へ出力する。そして、不要信号選択フィルタ101は、フィルタ制御部154から入力されたフィルタ制御信号に基づいて、受信信号に含まれる不要信号成分を抽出する。
第3の実施形態に係る無線通信装置によれば、送信リーク信号のように妨害波信号の周波数が予め分かって場合には、フィルタ制御部154及びフィルタ制御データ記憶部161を設けることにより、送信リーク信号に起因する不要信号の周波数に応じて、不要信号選択フィルタの周波数特性を制御できる。この結果、より効果的に妨害波信号を抑圧することが可能となる。
(第3の実施形態の変形例)
第3の実施形態に係る無線通信装置では、フィルタ制御部154は、送信リーク信号に起因する不要信号の周波数を計算する。しかし、フィルタ制御部154は、送受信信号の周波数差を算出し、算出された送受信信号の周波数差に基づいてフィルタ制御信号を生成してもよい。
図8は、第3の実施形態の変形例に係る無線通信装置のフィルタ制御部154の一例を示したブロック図である。図8に示すように、フィルタ制御部154は、周波数差算出部151、位相調整データ検索部152、位相調整信号生成部153を備える。
周波数差算出部151には、自装置である無線通信装置が送信する送信信号の周波数と、無線通信装置が受信する受信信号の周波数とが、入力される。周波数差算出部155は、送受信信号の周波数の差を算出する。そして、周波数差算出部155は、算出された送受信信号の周波数差をフィルタ制御データ検索部156へ出力する。
フィルタ制御データ検索部156は、入力された送受信信号の周波数差に対応するフィルタ制御データを、フィルタ制御データ記憶部161から検索する。
ここで、フィルタ制御データ記憶部161は、送受信信号の周波数差と位相調整データとを関連付けて記憶する。例えば図9に示すような制御情報テーブルが、フィルタ制御データ記憶部161に格納される。図9に示すように、送受信信号の周波数差が、位相調整データと関連付けられている。図9に示すように、フィルタ制御データとして、10ビットのデジタルデータが格納される。フィルタ制御データは、実験測定や回路シミュレーションなどにより予め取得される。
フィルタ制御データ検索部156は、検索されたフィルタ制御データをフィルタ制御信号生成部157へ出力する。フィルタ制御信号生成部157は、入力されたフィルタ制御データに基づいて、フィルタ制御信号を不要信号選択フィルタ101へ出力する。そして、不要信号選択フィルタ101は、入力されたフィルタ制御信号に基づいて、受信信号に含まれる不要信号成分を抽出する。
なお、フィルタ制御データ記憶部161に格納されるフィルタ制御データとしては、様々なデータが許容される。例えば図10に示すように、フィルタ制御データは、係数3及び係数4のような複数のデータの組み合わせであってもよい。データの組み合わせにより、フィルタ制御データのデータ量を削減できる。例えば図10に示すように、係数3及び係数4の合計6ビットにより、フィルタ制御データが表される。図10に示すような複数のデータによりフィルタ制御データが構成されている場合、フィルタ制御信号生成部157は、入力された複数のデータに基づいて演算を行い、フィルタ制御信号を生成する。
また、第3の実施形態に係る無線通信装置では、フィルタ制御データ記憶部161に格納されているフィルタ制御データを検索することにより、フィルタ制御部154がフィルタ制御信号を生成する。しかし、フィルタ制御部154が、フィルタ制御データを用いずに、送信リーク信号の周波数に基づいて演算を行い、不要信号選択フィルタ101の周波数特性を制御するフィルタ制御信号を生成し、フィルタ制御信号を不要信号選択フィルタ101に出力してもよい。この場合、フィルタ制御データ記憶部161に格納されているフィルタ制御データを検索する必要はないため、無線通信装置はフィルタ制御データ記憶部161を設けなくてもよい。
なお、第3の実施形態に係る無線通信装置では、不要信号選択フィルタ101は帯域通過フィルタである。しかし、不要信号選択フィルタ101は高域通過フィルタであってもよい。この場合、フィルタ制御部154は、高域通過フィルタである不要信号選択フィルタ101の周波数特性を制御して、フィードバックループで処理する信号を選択させる。
(第4の実施形態)
図11は、本発明の第4の実施形態に係る無線通信装置の一例を示したブロック図である。図11に示すように、第4の実施形態に係る無線通信装置は、局部発振部75、局部発振信号制御部158を備える。その他の構成は、第1の実施形態と同様である。
局部発振部75は、キャンセル信号生成部130に局部発振信号を供給する。局部発振信号制御部158は、局部発振部75の局部発振信号の周波数が不要信号成分の周波数に対して局部発振部70の局部発振信号の周波数と対称となるように、局部発振部75を制御する。
次に、図12A,図12Bを用いて、第4の実施形態に係る無線通信装置の動作について例示して説明する。図12A,図12Bは、第4の実施形態に係る無線通信装置の各構成部における信号の一例を示した図である。横軸は、周波数を表し、縦軸は、信号の信号電力を表す。
図12A(a)は、第4の実施形態に係る無線通信装置のアンテナに入力される受信信号の一例を示した図である。図12A(a)に示すように、信号700は、無線通信装置により受信を希望する希望信号であり、信号710は、希望信号とともにアンテナに入力される妨害波信号である。妨害波信号710の信号電力V4は希望信号700の信号電力V3と比較して大きく、受信系における歪みの要因となる。このため、第4の実施形態に係る無線通信装置は、妨害波信号710の信号電力を抑圧する。また、図12A(a)に示すように、局部発振部70により、正弦波の局部発振信号720が生成される。ダイレクトコンバージョン方式では、希望信号700と局部発振信号720の周波数の差分は、実質的に0であり、妨害波信号710と局部発振信号720の周波数の差分は、f2である。
図12A(b)は、第4の実施形態に係る無線通信装置のダウンミキサ21が出力する信号の一例を示した図である。ダウンミキサ21へ入力される各信号は局部発振信号720との差分に周波数変換される。この結果、希望信号700は希望信号成分701に、妨害波信号710は不要信号成分711にそれぞれ変換される。つまり、希望信号700と局部発振信号720の周波数の差分は実質的に0であるため、希望信号成分701の周波数は実質的に0となり、妨害波信号710と局部発振信号720の周波数の差分f2が不要信号成分711の周波数f2となる。図12A(b)に示す点線は、不要信号選択フィルタ101の周波数特性である。不要信号選択フィルタ101は、不要信号成分711を抽出する帯域通過フィルタ特性を有する。不要信号選択フィルタ101は、不要信号成分711を通過させ、希望信号成分701を抑圧する高域通過フィルタ特性を有してもよい。
図12A(c)は、第4の実施形態に係る無線通信装置の振幅調整部110が出力する信号の一例を示した図である。信号712は、不要信号成分711が不要信号選択フィルタ101で選択され、振幅調整部110で増幅された信号である。振幅調整部110は、結合部140において信号712の振幅が妨害波信号710の信号電力V4と実質的に同じになるように、信号712の振幅を調整する。
図12B(d)は、第4の実施形態に係る無線通信装置の位相調整部120が出力する信号の一例を示した図である。信号713は、振幅調整部110により増幅された信号712が位相調整部120によって位相変化されたものを示している。位相調整部120は、入力された信号712の位相を180度またはその奇数倍だけ変化させるため、信号713は、信号712の逆相の信号となる。位相調整部120は、信号713を遅延させて位相を反転させ、信号712とは逆相の信号を生成する。
図12B(e)は、第4の実施形態に係る無線通信装置のキャンセル信号生成部130が出力する信号の一例を示した図である。信号714は、信号713をキャンセル信号生成部130によってアップコンバートして生成したキャンセル信号である。キャンセル信号生成部130は、局部発振部75からキャンセル信号生成部130に入力された局部発振信号721を利用して周波数変換する。局部発振信号721の周波数は、信号714の周波数に対して局部発振部70の局部発振信号720の周波数と対称である。よって、この対象性により、局部発振信号720を利用した周波数変換と同様、信号713はキャンセル信号714に変換される。つまり、信号713の周波数f2がキャンセル信号714と局部発振信号721の周波数の差分f2となる。
図12B(f)は、第4の実施形態に係る無線通信装置の結合部140が結合する信号の一例を示した図である。妨害波信号710とキャンセル信号714が加算される。キャンセル信号714は、妨害波信号710の逆相の信号である。したがって、妨害波信号710は、キャンセル信号714により相殺される。
図12B(g)は、第4の実施形態に係る無線通信装置の結合部140が出力する信号の一例を示した図である。図12B(g)に示すように、妨害波信号710がキャンセル信号713により抑圧された結果、希望信号700のみが出力される。
上述の説明では、局部発振部75が別途設けられる。しかし、局部発振信号制御部158は、キャンセル信号生成部130に供給される局部発振信号の周波数が、不要信号成分の周波数に対して、ダウンミキサ21に供給される局部発振信号の周波数と対称となるように制御すればよい。よって、局部発振部75を設けずに、局部発振信号制御部158が、局部発振部70の局部発振信号を制御して、キャンセル信号生成部130へ局部発振信号を供給してもよい。
第4の実施形態に係る無線通信装置によれば、送信リーク信号のように妨害波信号の周波数が予め分かって場合には、局部発振信号制御部158を設けることにより、ダウンミキサ21に供給される局部発振信号の周波数と対称となるように、キャンセル信号生成部130に供給される局部発振信号を制御できる。この結果、ダウンミキサ21に供給される局部発振信号の周波数がキャンセル信号生成部130に供給される局部発振信号の周波数と異なることにより、ダイレクトコンバージョン方式における直流オフセットを抑圧することができる。
(第5の実施形態)
図13は、本発明の第5の実施形態に係る無線通信装置の一例を示したブロック図である。図13に示すように、第5の実施形態に係る無線通信装置は、キャンセル信号選択フィルタ105を備える。その他の構成は、第1の実施形態と同様である。
キャンセル信号選択フィルタ105は、キャンセル信号生成部130により生成されたキャンセル信号から不要信号成分の周波数と実質的に同じ周波数の信号を選択し、選択された信号を結合部140へ出力する。キャンセル信号選択フィルタ105は、キャンセル信号生成部130が出力する信号のうち、妨害波信号と異なる周波数成分を減衰させる。
結合部140に入力される信号には、妨害波信号と同じ周波数のキャンセル信号の他に、局部発振部70による局部発振信号や、局部発振信号の周波数に対してキャンセル信号の周波数と対称となる周波数を有するイメージ信号成分が含まれる場合がある。これらの信号は結合部140において受信信号に加算される。したがって、妨害波信号と相殺するキャンセル信号以外の信号成分は不要な信号成分となる。よって、キャンセル信号選択フィルタ105は、キャンセル信号以外の信号成分を減衰させ、キャンセル信号のみを結合部140へ出力する。
なお、キャンセル信号生成部130をダブルバランス型とすると、局部発振部70の局部発振信号の漏洩信号成分を除去することが可能である。
第5の実施形態に係る無線通信装置によれば、キャンセル信号以外の信号成分を減衰させ、キャンセル信号のみを結合部140へ出力することができる。
(第6の実施形態)
図14は、本発明の第6の実施形態に係る無線通信装置の一例を示したブロック図である。図14に示すように、第6の実施形態に係る無線通信装置は、90度位相部135、ミキサ131,132、合成部136を備える。90度位相部135、ミキサ131,132、合成部136は、イメージ抑圧型ミキサを構成する。その他の構成は、第1の実施形態と同様である。
90度位相部135は、振幅調整部110及び位相調整部120で振幅及び位相が調整されたフィードバック信号を、90度位相差を有する2つの信号に分配する。つまり、90度位相部135は、キャンセル信号を90度位相差を有する2つの信号に分配する。
ミキサ131,132には、90度位相差を有する信号が局部発振部70からそれぞれ入力される。ミキサ131,132は、局部発振部70から入力された局部発振信号を用いて、90度位相部135から入力された2つの信号の周波数を、妨害波信号と実質的に同じ周波数に変換する。
合成部136は、ミキサ131,132が出力する信号を加算合成して、結合部140へ出力する。
図14に示すように、イメージ抑圧型ミキサを構成するミキサ131,132は、局部発振信号として、90度位相差を有する2つの信号を用いる。このため、局部発振部70及び90度位相部80が出力する局部発振信号をそのまま利用できるため、局部発振部や90度位相部を別途設ける必要はない。
なお、ミキサ131,132に同相の局部発振信号が入力され、ミキサ131,132が出力する2つの信号の一方の位相を90度シフトするイメージ抑圧型ミキサもある。
第6の実施形態に係る無線通信装置によれば、90度位相部135における位相シフトを調整することによって、合成部136においてキャンセル信号のイメージ信号成分が相殺され、イメージ信号成分を抑圧することができる。
また、イメージ抑圧型ミキサの動作は、送信信号と受信信号の周波数に依存しないため、その差分の周波数、すなわち、フィードバック信号の周波数が90度位相部135の動作可能範囲であれば、イメージ抑圧の効果が得られる。
(第7の実施形態)
図15は、本発明の第7の実施形態に係る無線通信装置の一例を示したブロック図である。図15に示すように、第7の実施形態に係る無線通信装置は、基準発振部71、ダウンミキサ25、周波数変換部170を備える。その他の構成は、第1の実施形態と同様である。
基準発振部71は、局部発振部70が局部発振信号を生成する際に基準とする発振信号を出力する。一般に、基準発振部71は、水晶振動子を共振器として用いた高安定な発振器によって構成され、数十MHz程度の信号を出力する。多くの場合において、局部発振部70は、位相同期ループ(PLL)によって安定で周波数可変な発振信号を出力する周波数シンセサイザとして構成される。PLLでは、比較対象として、発振周波数の安定した信号が必要であり、この発振源として基準発振部71が用いられる。
ダウンミキサ25は、ダウンミキサ21と不要信号選択フィルタ101の間に設けられる。ダウンミキサ25には、基準発振部71から発振信号が入力される。ダウンミキサ25は、基準発振部71の発振信号を用いて、ダウンミキサ21で周波数変換されたI相の信号を、更に低い周波数に周波数変換して、不要信号選択フィルタ101に出力する。ダウンミキサ25は、フィードバックループの動作周波数を更に基準発振部71の周波数、低減することができる。例えば、ダウンミキサ25により、フィードバック信号の周波数が数十MHz程度低減される。基準発振部71の周波数による動作周波数の低減量が十分でない場合には、基準発振部71の出力信号を逓倍する回路を設けて、逓倍された信号をダウンミキサ25に入力してもよい。
周波数変換部170には、基準発振部71から発振信号が入力され、90度位相部80から局部発振信号が入力される。周波数変換部170は、基準発振部71と90度位相部80から入力された信号から、キャンセル信号生成部130が用いる局部発振信号を生成する。
図15に示すように、妨害波信号は局部発振部70と基準発振部71が出力する信号によって2段階にダウンコンバートされ、キャンセル信号生成部130に入力される。したがって、キャンセル信号生成部130において、妨害波信号と実質的に同じ周波数に変換するためには、局部発振部70の周波数に基準発振部71の周波数を加えた周波数を有する局部発振信号を用いてアップコンバートする必要がある。周波数変換部170は、この局部発振信号を生成するものであり、局部発振部70と基準発振部71の出力信号を混合して、和の周波数成分をキャンセル信号生成部130の局部発振信号として出力する。周波数変換部170は、例えば、ミキサ回路によって実装される。
第7の実施形態に係る無線通信装置によれば、ダウンミキサ25を設けることにより、フィードバック信号の周波数を更に低くすることができる。
ダイレクトコンバージョン方式において送信リーク信号を抑圧する場合、送受信信号の周波数差がフィードバックループで処理されるフィードバック信号の周波数となる。送受信信号の周波数差が大きい場合には、フィードバック信号の周波数が高くなり、フィードバックループを構成する不要信号選択フィルタ101、振幅調整部110、位相調整部120、キャンセル信号生成部130の動作周波数が高くなることから、必要な性能が得にくくなったり、消費電力が高くなったりする。また、動作周波数が数百MHz程度に高くなる場合、不要信号選択フィルタ101のアクティブ化が困難となる。このため、フィードバック信号の周波数を低くする必要がある。ダウンミキサ25を設けることにより、フィードバックループにおける動作周波数を低減することができ、これらの課題を解決できる。つまり、第7の実施形態に係る無線通信装置によれば、フィードバックループの初段にダウンミキサを設けることによって、フィードバックループにおける動作周波数を低減して、フィードバックループ内の回路特性が得やすくなり、消費電力の低減や集積化を実現できる。
本発明に係る無線通信装置は、無線通信装置の受信系に入力される妨害波信号を抑圧する回路の規模が小さくなり、無線通信装置の消費電力を低減できるという効果を有し、無線通信装置が送受信を同時に行い、送信信号が妨害波信号として受信系へ入力される場合に、送信信号に起因する妨害波信号を抑圧することができるという効果を有し、特に、ダイレクトコンバージョン方式の無線通信装置などとして有用である。
第1の実施形態に係る無線通信装置の一例を示すブロック図 (a)第1の実施形態に係る無線通信装置のアンテナに入力される受信信号の一例を示した図 (b)第1の実施形態に係る無線通信装置のダウンミキサ21が出力する信号の一例を示した図 (c)第1の実施形態に係る無線通信装置の振幅調整部110が出力する信号の一例を示した図 (d)第1の実施形態に係る無線通信装置の位相調整部120が出力する信号の一例を示した図 (e)第1の実施形態に係る無線通信装置のキャンセル信号生成部130が出力する信号の一例を示した図 (f)第1の実施形態に係る無線通信装置の結合部140が結合する信号の一例を示した図 (g)第1の実施形態に係る無線通信装置の結合部140が出力する信号の一例を示した図 第2の実施形態に係る無線通信装置の一例を示したブロック図 第2の実施形態の変形例に係る無線通信装置の位相調整信号制御部の一例を示したブロック図 第2の実施形態の変形例に係る無線通信装置の位相調整データ記憶部に格納される制御情報テーブルの一例を示した図 第2の実施形態の変形例に係る無線通信装置の位相調整データ記憶部に格納される制御情報テーブルの他の例を示した図 第3の実施形態に係る無線通信装置の一例を示したブロック図 第3の実施形態の変形例に係る無線通信装置のフィルタ制御部の一例を示したブロック図 第3の実施形態の変形例に係る無線通信装置の位相調整データ記憶部に格納される制御情報テーブルの一例を示した図 第3の実施形態の変形例に係る無線通信装置の位相調整データ記憶部に格納される制御情報テーブルの他の例を示した図 第4の実施形態に係る無線通信装置の一例を示したブロック図 (a)第4の実施形態に係る無線通信装置のアンテナに入力される受信信号の一例を示した図 (b)第4の実施形態に係る無線通信装置のダウンミキサ21が出力する信号の一例を示した図 (c)第4の実施形態に係る無線通信装置の振幅調整部110が出力する信号の一例を示した図 (d)第4の実施形態に係る無線通信装置の位相調整部120が出力する信号の一例を示した図 (e)第4の実施形態に係る無線通信装置のキャンセル信号生成部130が出力する信号の一例を示した図 (f)第4の実施形態に係る無線通信装置の結合部140が結合する信号の一例を示した図 (g)第4の実施形態に係る無線通信装置の結合部140が出力する信号の一例を示した図 第5の実施形態に係る無線通信装置の一例を示したブロック図 第6の実施形態に係る無線通信装置の一例を示したブロック図 第7の実施形態に係る無線通信装置の一例を示したブロック図
符号の説明
10 低雑音増幅部
21,22 ダウンミキサ
31,32 低域通過フィルタ
41,42 利得増幅部
51,52 AD変換部
70,75 局部発振部
71 基準発振部
80,135 90度位相部
101 不要信号選択フィルタ
105 キャンセル信号選択フィルタ
110 振幅調節部
120 位相調整部
130 キャンセル信号生成部
131,132 ミキサ
136 合成部
140 結合部
150 位相調整信号制御部
151,155 周波数差算出部
152 位相調整データ検索部
153 位相調整信号生成部
154 フィルタ制御部
156 フィルタ制御データ検索部
157 フィルタ制御信号生成部
158 局部発振信号制御部
160 位相調整データ記憶部
161 フィルタ制御データ記憶部

Claims (9)

  1. 受信信号を受信する無線通信装置であって、
    前記受信信号を高周波帯から低周波帯へ周波数変換し、I相の信号に変換する第1の周波数変換部と、
    前記受信信号を高周波帯から低周波帯へ周波数変換し、Q相の信号に変換する第2の周波数変換部と、
    前記I相及びQ相の信号のうち何れか1つの信号から、前記受信信号に含まれる不要信号成分を抽出する不要信号選択フィルタと、
    前記不要信号選択フィルタにより抽出された前記不要信号成分の位相を逆相に反転する位相調整部と、
    前記位相調整部により反転された信号を前記低周波帯から前記高周波帯へ周波数変換し、キャンセル信号を生成するキャンセル信号生成部と、
    前記キャンセル信号生成部により生成された前記キャンセル信号を前記受信信号に加算する結合部と、
    を備えた無線通信装置。
  2. 自装置から送信される送信信号の周波数に基づいて、前記不要信号成分の位相を逆相に反転させる位相調整信号を生成し、前記位相調整信号を前記位相調整部に出力する位相調整信号制御部を更に備えた請求項1に記載の無線通信装置。
  3. 自装置から送信される送信信号の周波数と前記位相調整部を制御する位相調整信号を生成するための位相調整データとを関連付けて記憶する位相調整データ記憶部と、
    前記送信信号の周波数に基づいて前記位相調整データ記憶部から前記位相調整データを検索し、前記位相調整データに基づいて前記位相調整信号を生成する位相調整信号制御部と、
    を更に備え、
    前記位相調整部は、前記位相調整信号に基づいて、前記不要信号選択フィルタにより抽出された前記不要信号成分の位相を逆相に反転する請求項1または2に記載の無線通信装置。
  4. 自装置から送信される送信信号の周波数に基づいて、前記不要信号選択フィルタの周波数特性を制御するフィルタ制御信号を生成し、前記フィルタ制御信号を前記不要信号選択フィルタに出力するフィルタ制御部を更に備えた請求項1乃至3の何れかに記載の無線通信装置。
  5. 自装置から送信される送信信号の周波数と前記不要信号選択フィルタの周波数特性を制御するフィルタ制御信号を生成するためのフィルタ制御データとを関連付けて記憶するフィルタ制御データ記憶部と、
    前記送信信号の周波数に基づいて前記フィルタ制御データ記憶部から前記フィルタ制御データを検索し、前記フィルタ制御データに基づいて前記フィルタ制御信号を生成するフィルタ制御部と、
    を更に備え、
    前記不要信号選択フィルタは、前記フィルタ制御信号に基づいて、前記受信信号に含まれる不要信号成分を抽出する請求項1乃至4の何れかに記載の無線通信装置。
  6. 前記キャンセル信号生成部に供給される局部発振信号の周波数が、前記不要信号成分の周波数に対して、第1の周波数変換部及び前記第2の周波数変換部に供給される局部発振信号の周波数と対称となるように制御する局部発振信号制御部を更に備えた請求項1乃至5の何れかに記載の無線通信装置。
  7. 前記キャンセル信号生成部により生成された前記キャンセル信号から、前記不要信号成分の周波数と実質的に同じ周波数の信号を選択し、前記選択された信号を前記結合部へ出力するキャンセル信号選択フィルタを更に備えた請求項1乃至6の何れかに記載の無線通信装置。
  8. 前記位相調整部により反転された信号に含まれるイメージ成分を減衰させるイメージ成分減衰部を更に備えた請求項1乃至7の何れかに記載の無線通信装置。
  9. 前記I相またはQ相の信号のうち何れか1つの信号を、前記低周波帯よりも低い周波数帯に周波数変換し、前記周波数変換された信号を前記不要信号選択フィルタに出力する第3の周波数変換部を更に備えた請求項1乃至8の何れかに記載の無線通信装置。
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WO2010124533A1 (zh) * 2009-04-30 2010-11-04 华为技术有限公司 一种通信设备

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