JP2007012866A - リアクトル用圧粉磁心 - Google Patents
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Abstract
【課題】 表面の温度上昇を発生する騒音のいずれもが、Fe−6.5%Si鋼板を用いたリアクトル磁心に比べて小さいリアクトル用圧粉磁心を提供する。
【解決手段】 磁路長に直交する複数のギャップを有するリアクトル用圧粉磁心において、磁路長の平均値をL(mm)、ギャップの幅の合計値をLg(mm)としたとき、次式:1×10-3≦Lg/L≦1×10-2の関係が成立しているリアクトル用圧粉磁心。
【選択図】 図1
【解決手段】 磁路長に直交する複数のギャップを有するリアクトル用圧粉磁心において、磁路長の平均値をL(mm)、ギャップの幅の合計値をLg(mm)としたとき、次式:1×10-3≦Lg/L≦1×10-2の関係が成立しているリアクトル用圧粉磁心。
【選択図】 図1
Description
本発明はリアクトルのコアに用いる圧粉磁心に関し、更に詳しくは、仕様が電力:500W〜10kW、スイッチング周波数:1〜30kHzの電源装置における電力変換回路に用いて好適なリアクトル用圧粉磁心に関する。
エアコン、太陽発電用コンディショナ、マイクロガスタービンなど、各種の電子機器における制御用電源には、スイッチング電源や電圧変換用コンバータが不可欠である。そして、これら電源装置における直流電圧の変換回路には、リアクトル磁心が組み込まれる。
これらの電源装置は、通常、電力が500W〜10kW、スイッチング周波数が1〜30kHzの仕様で運転されているが、このような比較的消費電力の高い電源装置においては、飽和磁束密度の低い材料のリアクトル磁心を用いると、交流を重畳したときに該当磁心が容易に飽和して高い変換効率が得られない。そのため、リアクトル磁心の材料としては、高い飽和磁束密度を有する磁性材料が用いられる。
これらの電源装置は、通常、電力が500W〜10kW、スイッチング周波数が1〜30kHzの仕様で運転されているが、このような比較的消費電力の高い電源装置においては、飽和磁束密度の低い材料のリアクトル磁心を用いると、交流を重畳したときに該当磁心が容易に飽和して高い変換効率が得られない。そのため、リアクトル磁心の材料としては、高い飽和磁束密度を有する磁性材料が用いられる。
具体的には、電源装置の使用周波数によって使い分けられるが、例えば、10kHz程度の高周波領域の場合、従来からけい素鋼板が使用されていて、このけい素鋼板を複数枚積層してブロック化することにより、リアクトル磁心が製作されていた。
また、リアクトル磁心の材料の損失が大きいと、通電時に当該磁心が発熱して温度上昇し、変換効率の低下を引き起こすとともに、変換回路に配置されている周辺部品の耐熱性を高めるための処置が必要となり、コスト増を招くことになる。そのため、用いる材料は、損失が少ない材料であることが好ましい。
また、リアクトル磁心の材料の損失が大きいと、通電時に当該磁心が発熱して温度上昇し、変換効率の低下を引き起こすとともに、変換回路に配置されている周辺部品の耐熱性を高めるための処置が必要となり、コスト増を招くことになる。そのため、用いる材料は、損失が少ない材料であることが好ましい。
更に、リアクトル磁心の製作に際しては、その磁路に直交して複数個のギャップを形成し、そのギャップに例えば樹脂製の絶縁材をスペーサとして介装することが行われている。これは、磁心を飽和させる電流値を大きくするための処置であって、この処置を講ずることにより、大電流を通電しても磁束密度の飽和が抑制されて、リアクトル磁心としての機能が確保されることになる。
ところで、従来のけい素鋼板は、高透磁率でしかも電気抵抗効率も低いので、ギャップからの漏れ磁束に基づく渦電流の発生により損失が大きくなり、そのため磁心からの発熱量が増大し、当該リアクトル磁心の変換効率の低下と表面温度の上昇が引き起こされる。
またギャップ箇所では、電磁力が発生するので、リアクトル磁心に振動が誘発され、そのため無視できない騒音が発生している。
またギャップ箇所では、電磁力が発生するので、リアクトル磁心に振動が誘発され、そのため無視できない騒音が発生している。
また、このリアクトル磁心の場合、ギャップの加工や、その寸法精度に厳しい仕様が課せられるので、製造コストは上昇するという問題点がある。
一方、前記した電源装置の平滑用チョークコイルや昇圧用チョークコイルの磁心には圧粉磁心が多用されているが、この圧粉磁心は、所定組成の軟磁性粉末と絶縁材とを所定の割合で混合し、得られた混合物を所定の形状にプレス成形したのち所定の温度で磁気焼鈍して製造されている。
一方、前記した電源装置の平滑用チョークコイルや昇圧用チョークコイルの磁心には圧粉磁心が多用されているが、この圧粉磁心は、所定組成の軟磁性粉末と絶縁材とを所定の割合で混合し、得られた混合物を所定の形状にプレス成形したのち所定の温度で磁気焼鈍して製造されている。
このような圧粉磁心は高い磁束密度を示すとともに、軟磁性粉末の表面が絶縁材で被覆された構造になっているので電気抵抗率は高く、そのため、けい素鋼板の磁心に比べると渦電流が発生しずらく、損失も小さい。
このようなことから、最近、この圧粉磁心を、けい素鋼板を用いたリアクトル磁心に代えて、大電力用の電力変換リアクトルの磁心に適用する試みがなされている。
このようなことから、最近、この圧粉磁心を、けい素鋼板を用いたリアクトル磁心に代えて、大電力用の電力変換リアクトルの磁心に適用する試みがなされている。
例えば、次のような分割鉄心がリアクトル磁心として提案されている(特許文献1を参照)。
この分割鉄心は、鉄粉の圧粉成型体であって、鉄損(損失)が非常に小さいので、発熱が少ない磁心である。そして、この分割鉄心の特徴は、複数の鉄粉圧粉成型体をギャップを介して連結した構造になっていて、そのギャップの個数を、用いた鉄粉圧粉成型体の比抵抗との関係で特定したところにある。
特開2004−95935号公報
この分割鉄心は、鉄粉の圧粉成型体であって、鉄損(損失)が非常に小さいので、発熱が少ない磁心である。そして、この分割鉄心の特徴は、複数の鉄粉圧粉成型体をギャップを介して連結した構造になっていて、そのギャップの個数を、用いた鉄粉圧粉成型体の比抵抗との関係で特定したところにある。
この特許文献1の分割磁心の場合、鉄損(損失)との関係で鉄粉圧粉成型体間のギャップの個数を特定することにより、発熱の抑制が意図されているにすぎない。しかしながら、通常、ギャップを有するリアクトル磁心の場合、発熱による温度上昇と並んで、騒音発生も問題されていることを考えると、特許文献1の分割磁心は騒音問題を捨象しているという点で不充分であるといえる。
本発明は、リアクトルのコアとして使用することを前提とし、特許文献1の分割鉄心の上記した問題点に鑑みて開発された圧粉磁心であって、けい素鋼板を用いた従来のリアクトル磁心に比べて、表面の温度上昇が小さく、かつ、発生する騒音も小さくなるように設計されたリアクトル用圧粉磁心の提供を目的とする。
上記した目的を達成するために、本発明においては、
磁路長に直交する複数のギャップを有するリアクトル用圧粉磁心において、前記磁路長の平均値をL(mm)、前記ギャップの幅の合計値をLg(mm)としたとき、次式:
1×10-3≦Lg/L≦1×10-2の関係が成立していることを特徴とするリアクトル用圧粉磁心が提供される。
磁路長に直交する複数のギャップを有するリアクトル用圧粉磁心において、前記磁路長の平均値をL(mm)、前記ギャップの幅の合計値をLg(mm)としたとき、次式:
1×10-3≦Lg/L≦1×10-2の関係が成立していることを特徴とするリアクトル用圧粉磁心が提供される。
この圧粉磁心は、Lg/L値が1×10-3〜1×10-2の範囲内におさまるように設計されているので、ギャップからの漏れ磁束による電磁誘導に基づく発熱が小さくなるため表面温度の上昇は小さく、同時に騒音の発生も少ない。
本発明者らは、ギャップを有するリアクトル用の圧粉磁心における表面温度の上昇問題と騒音問題に関して次のような考察を行った。
まず、表面温度の上昇は、全体の磁路長を切断しているギャップからの漏れ磁束に基づく電磁誘導によって発生する渦電流が原因であると考えられる。そして、磁路長に対するギャップの切断幅が広くなればなるほど、発生する漏れ磁束は多くなり、したがって電磁誘導も大きくなって磁心の温度は上昇する。
まず、表面温度の上昇は、全体の磁路長を切断しているギャップからの漏れ磁束に基づく電磁誘導によって発生する渦電流が原因であると考えられる。そして、磁路長に対するギャップの切断幅が広くなればなるほど、発生する漏れ磁束は多くなり、したがって電磁誘導も大きくなって磁心の温度は上昇する。
したがって、表面温度の上昇を抑制するためには、磁路長に対するギャップの幅を狭くして、漏れ磁束の発生を抑制することが必要である。
また、騒音の原因はギャップで発生する電磁力によって誘発される振動である。発生する電磁力が強くなればなるほど振動も激しくなり、そのため発生する騒音も大きくなる。そして、磁路長に対するギャップの幅が狭くなるほど発生する電磁力も強くなり、逆にギャップ幅が広くなるほど発生する電磁力は弱くなる。
また、騒音の原因はギャップで発生する電磁力によって誘発される振動である。発生する電磁力が強くなればなるほど振動も激しくなり、そのため発生する騒音も大きくなる。そして、磁路長に対するギャップの幅が狭くなるほど発生する電磁力も強くなり、逆にギャップ幅が広くなるほど発生する電磁力は弱くなる。
したがって、騒音の発生を抑制するためには、磁路長に対するギャップ幅を広くして、発生する電磁力を弱くすることが必要である。
このよう、磁路長に対するギャップの幅は、磁心の表面温度の上昇と騒音を規制する因子である。しかしながら、このギャップ幅の広狭は、上記したように、表面温度の上昇の抑制と騒音発生の抑制という問題との関係ではトレードオフの関係にある。
このよう、磁路長に対するギャップの幅は、磁心の表面温度の上昇と騒音を規制する因子である。しかしながら、このギャップ幅の広狭は、上記したように、表面温度の上昇の抑制と騒音発生の抑制という問題との関係ではトレードオフの関係にある。
以上の考案を踏まえて本発明者は、従来から低騒音でしかも変換効率が高いとされているFe−6.5%Siから成る高けい素鋼板を用いたリアクトル磁心よりも表面温度の上昇が小さく、また騒音の発生が少ない圧粉磁心の開発研究に取り組んだ。
その結果、磁路長とそれを切断するギャップの幅との関係を後述するような関係に設定することにより、圧粉磁心の材質には無依存で、上記した従来のリアクトル磁心よりも表面温度の上昇が小さく、かつ騒音の発生が少なくなるとの事実を見出し、本発明のリアクトル用圧粉磁心を開発するに至った。
その結果、磁路長とそれを切断するギャップの幅との関係を後述するような関係に設定することにより、圧粉磁心の材質には無依存で、上記した従来のリアクトル磁心よりも表面温度の上昇が小さく、かつ騒音の発生が少なくなるとの事実を見出し、本発明のリアクトル用圧粉磁心を開発するに至った。
すなわち、本発明の圧粉磁心は、Fe−6.5%Si鋼板を用いた従来のリアクトル磁心に比べて、表面温度の上昇が小さく、かつ騒音の発生が少なくなるように設計されている。
本発明の圧粉磁心の一例を図1に示す。
この圧粉磁心は2個の馬蹄形磁心1A、1Bから成り、各磁心1A、1Bの端面1a、1bをギャップ2、2を介して対向させた構造になっている。そして、ギャップ2、2にはそれぞれ例えばポリフェニルサルファイドのような熱硬化性樹脂や、ポリアミド紙などから成る絶縁材が介装されたり、またはエアギャップ状態にされ、各馬蹄形磁心1A、1Bには巻線が施されて実施用に供される。
本発明の圧粉磁心の一例を図1に示す。
この圧粉磁心は2個の馬蹄形磁心1A、1Bから成り、各磁心1A、1Bの端面1a、1bをギャップ2、2を介して対向させた構造になっている。そして、ギャップ2、2にはそれぞれ例えばポリフェニルサルファイドのような熱硬化性樹脂や、ポリアミド紙などから成る絶縁材が介装されたり、またはエアギャップ状態にされ、各馬蹄形磁心1A、1Bには巻線が施されて実施用に供される。
本発明の圧粉磁心は、上記した構造において、平均磁路長(これをLとする)と2個のギャップのそれぞれの幅の合計値(これをLgとする)の間で、次式1×10-3≦Lg/L≦1×10-2で示される関係が成立している。
なお、ここでいう平均磁路長(L)とは、図1において、磁心の外周をLout、磁心の内周をLinとしたとき、
L=(Lout+Lin)/2
として算出される値のことをいい、各磁心1A、1Bにおけるそれぞれの端面1a、1bの中心点を通って周回する馬蹄形曲線の長さで近似させることもできる。
なお、ここでいう平均磁路長(L)とは、図1において、磁心の外周をLout、磁心の内周をLinとしたとき、
L=(Lout+Lin)/2
として算出される値のことをいい、各磁心1A、1Bにおけるそれぞれの端面1a、1bの中心点を通って周回する馬蹄形曲線の長さで近似させることもできる。
Lg/L値は、Fe−6.5%Si鋼板を用いた従来のリアクトル磁心の表面の温度上昇と発生騒音との関係で設定される。
仮にLg/L値が1×10-3より小さい値である場合、すなわち全体形状が比較的大型で、そしてギャップ2の幅が比較的狭い場合には、ギャップ2からの漏れ磁束が少なくなるので、比較的良好な変換効率が確保され、その圧粉磁心の表面の温度上昇は従来のリアクトル磁心に比べて大幅に小さくなる。しかし、騒音は従来のリアクトル磁心のそれに近似してくるので、温度上昇と騒音のいずれをも小さくするいう本発明の目的にそぐわなくなる。
仮にLg/L値が1×10-3より小さい値である場合、すなわち全体形状が比較的大型で、そしてギャップ2の幅が比較的狭い場合には、ギャップ2からの漏れ磁束が少なくなるので、比較的良好な変換効率が確保され、その圧粉磁心の表面の温度上昇は従来のリアクトル磁心に比べて大幅に小さくなる。しかし、騒音は従来のリアクトル磁心のそれに近似してくるので、温度上昇と騒音のいずれをも小さくするいう本発明の目的にそぐわなくなる。
また、Lg/L値が1×10-2より大きい値である場合、すなわち全体形状が比較的小型で、そしてギャップ2の幅が比較的広い場合には、ギャップからの漏れ磁束は多くなるので、発生する騒音は小さくなる。しかし、他方では、初透磁率が低くなりすぎ、変換効率も低下し、そして、表面温度上昇が進み、従来のリアクトル磁心のそれに近似してくる。
本発明の圧粉磁心は所定の軟磁性粉末と絶縁材とを所定の割合で混合し、得られた混合物を例えばプレス成形して所望形状の成形体にし、ついでその成形体を所定の温度で磁気焼鈍して製造される。
軟磁性粉末としては、格別限定されるものではないが、高磁束密度を示すものが好適である。例えば、Si含有量が8質量%以下のFe−Si系粉末が好適である。
軟磁性粉末としては、格別限定されるものではないが、高磁束密度を示すものが好適である。例えば、Si含有量が8質量%以下のFe−Si系粉末が好適である。
そして、このFe−Si系の組成においては、0.2〜8質量%の範囲内で例えばAl、Mn、Ni、Co、Ti、Sn、P、S、Cu、Zn、B、C、Nb、Zr、Mo、Vの1種または2種以上を積極的に添加してもよい。
[実施例]
実施例1〜15、比較例1〜16
・ 圧粉磁心の製造
表1で示した組成で、粒径10〜150μm(平均:60μm)の軟磁性粉末100質量部に対し、シリコーン樹脂(絶縁材)0.8質量部を混合し、軟磁性粉末の表面をシリコーン樹脂で被覆した。ついで、この混合物にステアリン酸亜鉛(潤滑剤)を0.5質量部添加したのち、圧力1960MPaでプレス成形し、サイズが異なる各種の馬蹄形成形体を成形した。そして最後に、Ar雰囲気下において、温度750℃で1時間の磁気焼鈍を行って、馬蹄形の圧粉磁心とした。
[実施例]
実施例1〜15、比較例1〜16
・ 圧粉磁心の製造
表1で示した組成で、粒径10〜150μm(平均:60μm)の軟磁性粉末100質量部に対し、シリコーン樹脂(絶縁材)0.8質量部を混合し、軟磁性粉末の表面をシリコーン樹脂で被覆した。ついで、この混合物にステアリン酸亜鉛(潤滑剤)を0.5質量部添加したのち、圧力1960MPaでプレス成形し、サイズが異なる各種の馬蹄形成形体を成形した。そして最後に、Ar雰囲気下において、温度750℃で1時間の磁気焼鈍を行って、馬蹄形の圧粉磁心とした。
同種類の圧粉磁心を平均の磁路長(L)が227mmとなるように組み合わせて図1で示したようなリアクトル用の圧粉磁心を組み立てた。このとき、ギャップ2の幅を表1で示したように変化させた。
比較のために、Fe−6.5%Si鋼板(厚み0.1mm)を積層して、平均の磁路長(L)が227mmで、ギャップの幅が表1で示した値になっている従来型のリアクトル磁心を組み立てた。
比較のために、Fe−6.5%Si鋼板(厚み0.1mm)を積層して、平均の磁路長(L)が227mmで、ギャップの幅が表1で示した値になっている従来型のリアクトル磁心を組み立てた。
なお、比較例4〜比較例6、比較例14〜比較例16に関しては、平均磁路長は変えることはなく、ギャップの個数を表1で示したように変化させた。
・ 特性の測定
各磁心に60ターンの巻線を施し、LCRメータにて0〜8000A/mまで直流磁界を印加し、初透磁率(μo)と磁界8000A/mにおける透磁率(μ8000)を測定した。
・ 特性の測定
各磁心に60ターンの巻線を施し、LCRメータにて0〜8000A/mまで直流磁界を印加し、初透磁率(μo)と磁界8000A/mにおける透磁率(μ8000)を測定した。
また、各磁心をゴムひもで吊り下げ、室温(25℃)において20A、60〜10kHzで作動させ、磁心から130mm離れた位置における騒音を精密騒音計で測定し、同時に表面温度をサーモグラフで測定した。
以上の結果を一括して表1に示した。
以上の結果を一括して表1に示した。
表1から次のことが明らかである。
・ 実施例の圧粉磁心とFe−6.5%鋼板を用いたリアクトル磁心を対比すると、ギャップの数、ギャップの幅が同じ値である場合には、圧粉磁心の方が騒音の発生が少なく、かつ表面温度は低くなっている。
これは、圧粉磁心の方が初透磁率(μo)が低いので高磁界で充分な透磁率を得るために必要なギャップを狭くすることができるため、ギャップからの漏れ磁束による電磁誘導が起こりにくいからである。
・ 実施例の圧粉磁心とFe−6.5%鋼板を用いたリアクトル磁心を対比すると、ギャップの数、ギャップの幅が同じ値である場合には、圧粉磁心の方が騒音の発生が少なく、かつ表面温度は低くなっている。
これは、圧粉磁心の方が初透磁率(μo)が低いので高磁界で充分な透磁率を得るために必要なギャップを狭くすることができるため、ギャップからの漏れ磁束による電磁誘導が起こりにくいからである。
また、圧粉磁心の場合、直流磁界8000A/mを印加したときの透磁率(μ8000)はFe−6.5%鋼板を用いたリアクトル磁心に比べて大きくなっており、大電流を通電しても飽和しにくい磁心になっている。
・ Fe−6.5%鋼板を用いたリアクトル磁心において発生騒音の最底値は45dBであるが、圧粉磁心の場合、Lg/L値を1×10-3以上となるように設計することにより、発生騒音を45dB以下にすることができる。
・ Fe−6.5%鋼板を用いたリアクトル磁心において発生騒音の最底値は45dBであるが、圧粉磁心の場合、Lg/L値を1×10-3以上となるように設計することにより、発生騒音を45dB以下にすることができる。
また、いずれの圧粉磁心の表面温度も、Lg/L値とは無関係にFe−6.5%鋼板を用いたリアクトル磁心に比べて低温になっている。
このようなことから、表面温度の上昇が抑制され、かつ騒音発生が少ない圧粉磁心を製造する場合には、Lg/L値が1×10-3以上になるように設計すべきであることがわかる。
このようなことから、表面温度の上昇が抑制され、かつ騒音発生が少ない圧粉磁心を製造する場合には、Lg/L値が1×10-3以上になるように設計すべきであることがわかる。
しかしながら、実際問題として、初透磁率(μo)は低くなり、例えばμoがより低くなると実施用に耐えることができないので、最低でも60のμo値を確保するためには、Lg/L値を1×10-2以下にすることが必要である。このようなことから、Lg/L値は1×10-3〜1×10-2の範囲内におさめることが必要になる。
本発明の圧粉磁心は、低損失でしかも変換効率の高いFe−6.5%Si鋼板を用いたリアクトル磁心に比べて、表面温度の上昇が小さく、同時に騒音の発生が少ない。しかも高磁界を印加した場合、ギャップ幅が狭くても高い透磁率を保つことができ、従来のリアクトル磁心に比べて大電流を通電しても飽和しにくい磁心になっている。
したがって、本発明の圧粉磁心は、高電力用電源装置における電力変換用リアクトルの磁心として充分に使用可能である。
したがって、本発明の圧粉磁心は、高電力用電源装置における電力変換用リアクトルの磁心として充分に使用可能である。
1A、1B 馬蹄形の磁心
1a、1b 磁心1A、1Bの端面
2 ギャップ
1a、1b 磁心1A、1Bの端面
2 ギャップ
Claims (2)
- 磁路長に直交する複数のギャップを有するリアクトル用圧粉磁心において、前記磁路長の平均値をL(mm)、前記ギャップの幅の合計値をLg(mm)としたとき、次式:
1×10-3≦Lg/L≦1×10-2の関係が成立していることを特徴とするリアクトル用圧粉磁心。 - 初透磁率をμo、直流磁界8000A/m印加時の透磁率をμ8000としたとき、μo≧60、μ8000≧45を同時に満たしている請求項1のリアクトル用圧粉磁心。
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WO2011077694A1 (ja) | 2009-12-25 | 2011-06-30 | 株式会社タムラ製作所 | リアクトル及びその製造方法 |
CN111177907A (zh) * | 2019-12-21 | 2020-05-19 | 国网浙江省电力有限公司杭州供电公司 | 电抗器寿命自动评估方法及装置 |
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EP3252786A1 (en) | 2009-12-25 | 2017-12-06 | Tamura Corporation | Reactor |
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CN111177907B (zh) * | 2019-12-21 | 2023-07-14 | 国网浙江省电力有限公司杭州供电公司 | 电抗器寿命自动评估方法及装置 |
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