JP2007012841A - 光導電層の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】放射線画像情報を静電潜像として記録する放射線撮像パネルを構成するBi12MO20(ただし、MはGe,Si,Ti中の少なくとも1種である。)焼結体の膜厚を簡易に制御可能な製造方法を提供すること。
【解決手段】酸化ビスマスと酸化チタんをエタノール中でボールミル混合を行う。仮焼成してBi12MO20の粉末を得る。その粉末を42MPaで一軸プレス成型を行い、Arフロー中でBi12MO20焼結体膜を製造し、これを研磨して、その厚みを30〜600μmとする。
【選択図】図2
【解決手段】酸化ビスマスと酸化チタんをエタノール中でボールミル混合を行う。仮焼成してBi12MO20の粉末を得る。その粉末を42MPaで一軸プレス成型を行い、Arフロー中でBi12MO20焼結体膜を製造し、これを研磨して、その厚みを30〜600μmとする。
【選択図】図2
Description
本発明は、X線などの放射線撮像装置に適用して好適な放射線撮像パネルに関し、詳しくは、放射線撮像パネルを構成する光導電層の製造方法に関するものである。
従来より、医療用X線撮影において、被験者の受ける被爆線量の減少、診断性能の向上等のために、X線に感応する光導電層を感光体として用い、この光導電層にX線により形成された静電潜像を、光或いは多数の電極で読み取って記録するX線撮像パネルが知られている。これらは、周知の撮影法であるTV撮像管による間接撮影法と比較して高解像度である点で優れている。
上述したX線撮像パネルは、この撮像パネル内に設けられた電荷生成層にX線を照射することによって、X線エネルギーに相当する電荷を生成し、生成した電荷を電気信号として読み出すようにしたものであって、上記光導電層は電荷生成層として機能する。
Bi12MO20は光導電性、誘電性を有しており、本出願人はBi12MO20の充填率が70%以上の光導電層を出願している(特願2004−086141号)。この光導電層は充填率が70%以上であるため緻密な層となり、発生電荷の捕集効果が高まるので感度を向上させることが可能となる。また、光導電層の充填率が高いためにX線吸収率が向上するので、膜厚を薄膜としても放射線撮像パネルの読取速度を向上させることが可能であり、暗電流が軽減されるものである。
光導電層の膜厚が厚すぎると、X線吸収量は飽和して増加しないにもかかわらず、発生した電荷の移動距離が長いために途中で失活して、収集電荷が減少することになる。従って、光導電層の膜厚は感度を向上させる重要なファクターであるが、焼結体で薄膜を作製しようとすると焼結時の収縮によって、割れが生じ易いという問題がある。
特許文献1には、(Y,Gd)2O3を母体とするシンチレータ材料において、焼結体を研磨する方法が、また特許文献2には特定な粒径の研磨砥粒でBi4Ge3O12結晶の面を研磨して、その研磨面の光透過率を調整するシンチレータの加工方法が、また、特許文献3にはBi層状化合物焼結体の研磨により、圧電素子用の焼結体薄板を作製することが記載されている。
特開2001−58881号
特開平7−140254号
特開2003−218666号
上記特許文献に記載されている焼結体はシンチレータ材料や圧電素子等に用いるものである上、研磨は焼結体の表面性を向上させるために行っているものであって、膜厚をコントロールするためのものではない。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、Bi12MO20焼結体からなる光導電層の膜厚を簡易に制御可能な製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明の光導電層の製造方法は、放射線画像情報を静電潜像として記録する放射線撮像パネルを構成するBi12MO20(ただし、MはGe,Si,Ti中の少なくとも1種である。以下、この記載は省略する。)焼結体からなる光導電層の製造方法であって、該光導電層を研磨によって膜厚を30〜600μmとすることを特徴とするものである。
前記膜厚は、200〜400μmであることがより好ましい。前記研磨は、湿式研磨、乾式研磨のいずれであってもよく、湿式研磨は水または希酸によるものであることが好ましい。
本発明の光導電層の製造方法は、放射線画像情報を静電潜像として記録する放射線撮像パネルを構成するBi12MO20焼結体からなる光導電層の製造方法であって、研磨によって光導電層の膜厚を30〜600μmとするので、焼結体で薄膜を作製しようとする場合のような焼結時の収縮によって割れが生じるという問題がない。また、焼結によって薄膜を得ようとする場合に比べて、製造得率を向上させることができる。
本発明は、放射線画像情報を静電潜像として記録する放射線撮像パネルを構成するBi12MO20焼結体からなる光導電層の製造方法であって、光導電層を研磨によって膜厚を30〜600μmとすることを特徴とする。
Bi12MO20焼結体を製造する方法としては、第1にBi12MO20粉体をプレス機を用いて高圧力でプレスすることで膜化し、得られた膜を焼結させるプレス焼結法、第2にBi12MO20粉体をバインダーを用いて塗布してグリーンシート(バインダーを含んだ膜)を作製し、このグリーンシートを焼成して脱バインダー化及び粉末の焼結化を行う方法(以下、グリーンシート法)などの方法があげられる。
上記第1、第2に記載した製造方法に用いるBi12MO20粉体の調整方法としては、ビスマス塩と金属アルコキシドを酸性条件下で加水分解してBi12MO20前駆体液を得、得られたこのBi12MO20前駆体液を濃縮してゲル状とし、このゲル状Bi12MO20前駆体を焼成してBi12MO20粉体とする方法、酸化ビスマス(Bi2O3)とMO2(酸化ケイ素、酸化ゲルマニウム、酸化チタン)を混合し、例えば800℃で仮焼成することによる固相反応によりBi12MO20粉体を得る方法などがあげられる。
なお、グリーンシート法ではバインダーを用いるが、このバインダーは焼結によって完全に消失し、焼結後のBi12MO20焼結体には残存することはない。グリーンシート法で用いられるバインダーとしては、セルロースアセテート、ポリアルキルメタアクリレート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール等を好ましくあげることができる。
上記の方法で製造したBi12MO20焼結体を研磨する具体的方法としては、水または希酸等の液体と研磨材をBi12MO20焼結体表面に接触させる湿式研磨、あるいは空気等の気体と研磨材をBi12MO20焼結体表面に接触させる乾式研磨により行うことができる。乾式研磨の場合には、研磨材の材質、形状、大きさを調整することにより、所望の厚みになるまでBi12MO20焼結体を研磨する。この際、研磨はBi12MO20焼結体の片面からでも両面からでもよい。
希酸により研磨する場合には、15重量%以下の濃度のフッ酸、硫酸および塩酸あるいはこれらの組み合わせからなる群より選ばれる鉱酸などをBi12MO20焼結体表面に接触させて所望の厚みになるまでBi12MO20焼結体を研磨する。なお、希酸の存在下でさらに研磨を行うことにより、Bi12MO20焼結体表面の処理を行ってもよい。
研磨によって光導電層の層厚を30〜600μm、好ましくは200〜400μmとする。光導電層の層厚が30μmよりも薄い場合にはX線吸収率が低下し感度の向上は望めず、一方、600μmよりも厚い場合にはX線吸収量は飽和によってこれ以上増加しない上に、発生した電荷が電極に到達するまで長い距離を移動することになり、途中で失活して、捕集効率が低下してしまい、返って画像が劣化してしまうことになる。
放射線撮像パネルには、放射線を直接電荷に変換し電荷を蓄積する直接変換方式と、放射線を一度CsIなどのシンチレータで光に変換し、その光をa−Siフォトダイオードで電荷に変換し蓄積する間接変換方式があるが、本発明の製造方法により製造される光導電層は前者の直接変換方式に用いることができる。なお、放射線としてはX線の他、γ線、α線などについて使用することが可能である。
また、本発明の製造方法により製造される光導電層は、光の照射により電荷を発生する半導体材料を利用した放射線画像検出器により読み取る、いわゆる光読取方式にも、放射線の照射により発生した電荷を蓄積し、その蓄積した電荷を薄膜トランジスタ(thin film transistor:TFT)などの電気的スイッチを1画素ずつON・OFFすることにより読み取る方式(以下、TFT方式という)にも用いることができる。
まず、前者の光読取方式に用いられる放射線撮像パネルを例にとって説明する。図1は本発明の製造方法により製造される光導電層を有する放射線撮像パネルの一実施の形態を示す断面図を示すものである。
この放射線撮像パネル30は、後述する記録用の放射線L1に対して透過性を有する第1の導電層31、この導電層31を透過した放射線L1の照射を受けることにより導電性を呈する記録用放射線導電層32、導電層31に帯電される電荷(潜像極性電荷;例えば負電荷)に対しては略絶縁体として作用し、かつ、電荷と逆極性の電荷(輸送極性電荷;上述の例においては正電荷)に対しては略導電体として作用する電荷輸送層33、後述する読取用の読取光L2の照射を受けることにより導電性を呈する読取用光導電層34、読取光L2に対して透過性を有する第2の導電層35を、この順に積層してなるものである。
ここで、導電層31および35としては、例えば、透明ガラス板上に導電性物質を一様に塗布したもの(ネサ皮膜等)が適当である。電荷輸送層33としては、導電層31に帯電される負電荷の移動度と、その逆極性となる正電荷の移動度の差が大きい程良く、ポリN−ビニルカルバゾール(PVK)、N,N'−ジフェニル−N,N'−ビス(3−メチルフェニル)−〔1,1'−ビフェニル〕−4,4'−ジアミン(TPD)やディスコティック液晶等の有機系化合物、或いはTPDのポリマー(ポリカーボネート、ポリスチレン、PVK)分散物,Clを10〜200ppmドープしたa−Se等の半導体物質が適当である。特に、有機系化合物(PVK,TPD、ディスコティック液晶等)は光不感性を有するため好ましく、また、誘電率が一般に小さいため電荷輸送層33と読取用光導電層34の容量が小さくなり読み取り時の信号取り出し効率を大きくすることができる。
読取用光導電層34には、a−Se,Se−Te,Se−As−Te,無金属フタロシアニン,金属フタロシアニン,MgPc( Magnesium phtalocyanine),VoPc(phaseII of Vanadyl phthalocyanine),CuPc(Cupper phtalocyanine)等のうち少なくとも1つを主成分とする光導電性物質が好適である。
記録用放射線導電層32には、本発明の製造方法により製造される光導電層を使用する。すなわち、本発明の製造方法により製造される光導電層は記録用放射線導電層である。
続いて、静電潜像を読み取るために光を用いる方式について簡単に説明する。図2は放射線撮像パネル30を用いた記録読取システム(静電潜像記録装置と静電潜像読取装置を一体にしたもの)の概略構成図を示すものである。この記録読取システムは、放射線撮像パネル30、記録用照射手段90、電源50、電流検出手段70、読取用露光手段92並びに接続手段S1、S2とからなり、静電潜像記録装置部分は放射線撮像パネル30、電源50、記録用照射手段90、接続手段S1とからなり、静電潜像読取装置部分は放射線撮像パネル30、電流検出手段70、接続手段S2とからなる。
放射線撮像パネル30の導電層31は接続手段S1を介して電源50の負極に接続されるとともに、接続手段S2の一端にも接続されている。接続手段S2の他端の一方は電流検出手段70に接続され、放射線撮像パネル30の導電層35、電源50の正極並びに接続手段S2の他端の他方は接地されている。電流検出手段70はオペアンプからなる検出アンプ70aと帰還抵抗70b とからなり、いわゆる電流電圧変換回路を構成している。
導電層31の上面には被写体29が配設されており、被写体29は放射線L1に対して透過性を有する部分29aと透過性を有しない遮断部(遮光部)29bが存在する。記録用照射手段90は放射線L1を被写体29に一様に曝射するものであり、読取用露光手段92は赤外線レーザ光やLED、EL等の読取光L2を図2中の矢印方向へ走査露光するものであり、読取光L2は細径に収束されたビーム形状をしていることが望ましい。
以下、上記構成の記録読取システムにおける静電潜像記録過程について電荷モデル(図3)を参照しながら説明する。図2において接続手段S2を開放状態(接地、電流検出手段70の何れにも接続させない)にして、接続手段S1をオンし導電層31と導電層35との間に電源50による直流電圧Edを印加し、電源50から負の電荷を導電層31に、正の電荷を導電層35に帯電させる(図3(A)参照)。これにより、放射線撮像パネル10には導電層31と35との間に平行な電場が形成される。
次に記録用照射手段90から放射線L1を被写体29に向けて一様に曝射する。放射線L1は被写体29の透過部29aを透過し、さらに導電層31をも透過する。放射線導電層32はこの透過した放射線L1を受け導電性を呈するようになる。これは放射線L1の線量に応じて可変の抵抗値を示す可変抵抗器として作用することで理解され、抵抗値は放射線L1によって電子(負電荷)とホール(正電荷)の電荷対が生じることに依存し、被写体29を透過した放射線L1の線量が少なければ大きな抵抗値を示すものである(図3(B)参照)。なお、放射線L1によって生成される負電荷(−)および正電荷(+)を、図面上では−または+を○で囲んで表している。
放射線導電層32中に生じた正電荷は放射線導電層32中を導電層31に向かって高速に移動し、導電層31と放射線導電層32との界面で導電層31に帯電している負電荷と電荷再結合して消滅する(図3(C),(D)を参照)。一方、放射線導電層32中に生じた負電荷は放射線導電層32中を電荷輸送層33に向かって移動する。電荷輸送層33は導電層31に帯電した電荷と同じ極性の電荷(本例では負電荷)に対して絶縁体として作用するものであるから、放射線導電層32中を移動してきた負電荷は放射線導電層32と電荷輸送層33との界面で停止し、この界面に蓄積されることになる(図3(C),(D)を参照)。蓄積される電荷量は放射線導電層32中に生じる負電荷の量、即ち、放射線L1の被写体29を透過した線量によって定まるものである。
一方、放射線L1は被写体29の遮光部29bを透過しないから、放射線撮像パネル30の遮光部29bの下部にあたる部分は何ら変化を生じない( 図3(B)〜(D)を参照)。このようにして、被写体29に放射線L1を曝射することにより、被写体像に応じた電荷を放射線導電層32と電荷輸送層33との界面に蓄積することができるようになる。なお、この蓄積せしめられた電荷による被写体像を静電潜像という。
次に静電潜像読取過程について電荷モデル(図4)を参照しつつ説明する。接続手段S1を開放し電源供給を停止すると共に、S2を一旦接地側に接続し、静電潜像が記録された放射線撮像パネル30の導電層31および35を同電位に帯電させて電荷の再配列を行った後に(図4(A)参照)、接続手段S2を電流検出手段70側に接続する。
読取用露光手段92により読取光L2を放射線撮像パネル30の導電層35側に走査露光すると、読取光L2は導電層35を透過し、この透過した読取光L2が照射された光導電層34は走査露光に応じて導電性を呈するようになる。これは上記放射線導電層32が放射線L1の照射を受けて正負の電荷対が生じることにより導電性を呈するのと同様に、読取光L2の照射を受けて正負の電荷対が生じることに依存するものである(図4(B)参照)。なお、記録過程と同様に、読取光L2によって生成される負電荷(−)および正電荷(+)を、図面上では−または+を○で囲んで表している。
電荷輸送層33は正電荷に対しては導電体として作用するものであるから、光導電層34に生じた正電荷は蓄積電荷に引きつけられるように電荷輸送層33の中を急速に移動し、放射線導電層32と電荷輸送層33との界面で蓄積電荷と電荷再結合をし消滅する(図4(C)参照)。一方、光導電層34に生じた負電荷は導電層35の正電荷と電荷再結合をし消滅する(図4(C)参照)。光導電層34は読取光L2により十分な光量でもって走査露光されており、放射線導電層32と電荷輸送層33との界面に蓄積されている蓄積電荷、即ち静電潜像が全て電荷再結合により消滅せしめられる。このように、放射線撮像パネル30に蓄積されていた電荷が消滅するということは、放射線撮像パネル30に電荷の移動による電流Iが流れたことを意味するものであり、この状態は放射線撮像パネル30を電流量が蓄積電荷量に依存する電流源で表した図4(D)のような等価回路でもって示すことができる。
このように、読取光L2を走査露光しながら、放射線撮像パネル30から流れ出す電流を検出することにより、走査露光された各部(画素に対応する)の蓄積電荷量を順次読み取ることができ、これにより静電潜像を読み取ることができる。なお、本放射線検出部動作については特開2000-105297号等に記載されている。
次に、後者のTFT方式の放射線撮像パネルについて説明する。この放射線撮像パネルは、図5に示すように放射線検出部100とアクティブマトリックスアレイ基板(以下AMA基板)200が接合された構造となっている。図6に示すように放射線検出部100は大きく分けて放射線入射側から順に、バイアス電圧印加用の共通電極103と、検出対象の放射線に感応して電子−正孔対であるキャリアを生成する光導電層104と、キャリア収集用の検出電極107とが積層形成された構成となっている。共通電極の上層には放射線検出部支持体102を有していてもよい。
光導電層104は本発明の製造方法により製造されるBi12MO20からなる光導電層である。共通電極103や検出電極107は、例えばITO(インジウム錫酸化物)や、AuあるいはPtなどの導電材料からなる。バイアス電圧の極性に応じて、正孔注入阻止層、電子注入阻止層が共通電極103や検出電極107に付設されていてもよい。
AMA基板200の各部の構成について簡単に説明する。AMA基板200は図7に示すように、画素相当分の放射線検出部105の各々に対して電荷蓄積容量であるコンデンサ210とスイッチング素子としてTFT220とが各1個ずつ設けられている。支持体102においては、必要画素に応じて縦1000〜3000×横1000〜3000程度のマトリックス構成で画素相当分の放射線検出部105が2次元配列されており、また、AMA基板200においても、画素数と同じ数のコンデンサ210およびTFT220が、同様のマトリックス構成で2次元配列されている。光導電層で発生した電荷はコンデンサ210に蓄積され、光読取方式に対応して静電潜像となる。TFT方式においては、放射線で発生した静電潜像は電荷蓄積容量に保持される。
AMA基板200におけるコンデンサ210およびTFT220の具体的構成は、図6に示す通りである。すなわち、AMA基板支持体230は絶縁体であり、その表面に形成されたコンデンサ210の接地側電極210aとTFT220のゲート電極220aの上に絶縁膜240を介してコンデンサ210の接続側電極210bとTFT220のソース電極220bおよびドレイン電極220cが積層形成されているのに加え、最表面側が保護用の絶縁膜250で覆われた状態となっている。また接続側電極210bとソース電極220bはひとつに繋がっており同時形成されている。コンデンサ210の容量絶縁膜およびTFT220のゲート絶縁膜の両方を構成している絶縁膜240としては、例えば、プラズマSiN膜が用いられる。このAMA基板200は、液晶表示用基板の作製に用いられるような薄膜形成技術や微細加工技術を用いて製造される。
続いて放射線検出部100とAMA基板200の接合について説明する。検出電極107とコンデンサ210の接続側電極210bを位置合わせした状態で、両基板100、200を銀粒子などの導電性粒子を含み厚み方向のみに導電性を有する異方導電性フィルム(ACF)を間にして加熱・加圧接着して貼り合わせることで、両基板100、200が機械的に合体されると同時に、検出電極107と接続側電極210bが介在導体部140によって電気的に接続される。
さらに、AMA基板200には、読み出し駆動回路260とゲート駆動回路270とが設けられている。読み出し駆動回路260は、図7に示すように、列が同一のTFT220のドレイン電極を結ぶ縦(Y)方向の読み出し配線(読み出しアドレス線)280に接続されており、ゲート駆動回路270は行が同一のTFT220のゲート電極を結ぶ横(X)方向の読み出し線(ゲートアドレス線)290に接続されている。なお、図示しないが、読み出し駆動回路260内では、1本の読み出し配線280に対してプリアンプ(電荷−電圧変換器)が1個それぞれ接続されている。このように、AMA基板200には、読み出し駆動回路260とゲート駆動回路270とが接続されている。ただし、AMA基板200内に読み出し駆動回路260とゲート駆動回路270とを一体成型し、集積化を図ったものも用いられる。
なお、上述の放射線検出器100とAMA基板200とを接合合体させた放射線撮像装置による放射線検出動作については例えば特開平11-287862号などに記載されている。
以下に本発明の製造方法により製造される光導電層の実施例を示す。
以下に本発明の製造方法により製造される光導電層の実施例を示す。
(実施例1)
6N酸化ビスマス(Bi2O3)粉末(高純度化学研究所製)と4N酸化チタン(TiO2)粉末(高純度化学研究所製)をBi:Ti= 12:1(モル比)となるように配合し、酸化ジルコニウムボールを用いてエタノール中でボールミル混合を行った。その後、回収、乾燥し、800℃,8時間の仮焼成処理を行ってBi12TiO20粉末を合成した。このBi12TiO20粉体を42MPaで一軸プレス成形を行い、この成形体を820℃で2時間、Arフロー条件で焼結させBi12TiO20焼結体を得た。得られたBi12TiO20焼結体の膜厚は710μmであった。得られたBi12TiO20焼結体を蒸留水により、Refine Tec社製研磨シート♯1000、♯1500、♯2000の順で研磨を行って膜厚を552μm厚とした。
6N酸化ビスマス(Bi2O3)粉末(高純度化学研究所製)と4N酸化チタン(TiO2)粉末(高純度化学研究所製)をBi:Ti= 12:1(モル比)となるように配合し、酸化ジルコニウムボールを用いてエタノール中でボールミル混合を行った。その後、回収、乾燥し、800℃,8時間の仮焼成処理を行ってBi12TiO20粉末を合成した。このBi12TiO20粉体を42MPaで一軸プレス成形を行い、この成形体を820℃で2時間、Arフロー条件で焼結させBi12TiO20焼結体を得た。得られたBi12TiO20焼結体の膜厚は710μmであった。得られたBi12TiO20焼結体を蒸留水により、Refine Tec社製研磨シート♯1000、♯1500、♯2000の順で研磨を行って膜厚を552μm厚とした。
(実施例2)
実施例1において、同様の方法でさらに研磨を行って膜厚を290μm厚とした。
実施例1において、同様の方法でさらに研磨を行って膜厚を290μm厚とした。
(実施例3)
実施例1において、同様の方法でさらに研磨を行って膜厚を151μm厚とした。
実施例1において、同様の方法でさらに研磨を行って膜厚を151μm厚とした。
(比較例1)
実施例1と同様にBi12TiO20粉体を42MPaで一軸プレス成形を行い、この成形体を820℃で2時間、Arフロー条件で焼結させBi12TiO20焼結体を得た。得られたBi12TiO20焼結体の膜厚は300μmであったが、割れが生じた。
実施例1と同様にBi12TiO20粉体を42MPaで一軸プレス成形を行い、この成形体を820℃で2時間、Arフロー条件で焼結させBi12TiO20焼結体を得た。得られたBi12TiO20焼結体の膜厚は300μmであったが、割れが生じた。
(比較例2)
実施例1において、研磨前の膜厚710μmのBi12TiO20焼結体を比較例2の焼結体とした。
実施例1において、研磨前の膜厚710μmのBi12TiO20焼結体を比較例2の焼結体とした。
実施例1〜3および比較例2で完成させた焼結体を導電性ペーストドータイト(藤倉化成製)を用いてITO基板に接合し、上部電極は、60nmの厚みでAuをスパッタして光導電層を備えた放射線撮像パネルの検出部を完成させた。X線光電流信号は、電圧80kVの条件で20mAのX線を0.1秒間、試料に照射し、2.5V/μmの電圧を印加した条件で生じたパルス状の光電流を電流増幅器で電圧に変換し、デジタルオシロスコープで測定した。電荷収集量は得られた電流−時間カーブよりX線照射時間の範囲において積分し発生電荷量として測定した。結果を表1に示す。発生電荷量は、比較例2の電荷収集量を1とした相対値で示した。
表1から明らかなように、研磨によって膜厚を調整した実施例1〜3は研磨をしない比較例2に比べて発生電荷量が1.3〜1.5倍高かった。一方、焼結体で薄膜を得ようとした比較例1では焼結時に割れが生じた。
以上のように、本発明の光導電層の製造方法は、研磨によって光導電層の膜厚を30〜600μmとするので、焼結体で薄膜を作製しようとする場合のような焼結時の収縮によって割れが生じるという問題がない。また、焼結によって薄膜を得ようとする場合に比べて、製造得率を向上させることができる。そして、本発明の製造方法によって製造された光導電層は、発生電荷の移動距離が短く収集電荷を良好なものとすることができる。
30 放射線撮像パネル
31 導電層
32 記録用放射線導電層
33 電荷輸送層
34 読取用光導電層
35 導電層
70 電流検出手段
31 導電層
32 記録用放射線導電層
33 電荷輸送層
34 読取用光導電層
35 導電層
70 電流検出手段
Claims (5)
- 放射線画像情報を静電潜像として記録する放射線撮像パネルを構成するBi12MO20(ただし、MはGe,Si,Ti中の少なくとも1種である。)焼結体からなる光導電層の製造方法であって、該光導電層を研磨によって膜厚を30〜600μmとすることを特徴とする光導電層の製造方法。
- 前記膜厚が200〜400μmであることを特徴とする請求項1記載の光導電層の製造方法。
- 前記研磨が湿式研磨であることを特徴とする請求項1または2記載の光導電層の製造方法。
- 前記湿式研磨が水または希酸によるものであることを特徴とする請求項3記載の光導電層の製造方法。
- 前記研磨が乾式研磨であることを特徴とする請求項1または2記載の光導電層の製造方法。
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