JP2007010954A - 光偏向器及びそれを用いた光偏向装置 - Google Patents

光偏向器及びそれを用いた光偏向装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 いずれも、構造が単純でコンパクトな、光偏向器及びそれを用いた光偏向装置を提供する。
【解決手段】 枠状の基部2と、この基部2の内側に所定の空隙Dを有して配置された偏向板1と、基部2及び偏向板1それぞれと連結し、可撓性を有する、少なくとも1つの連結体3,4,5,6とを有し、各連結体3,4,5,6の表面には、配線パターン7,9,11,13が形成されており、各配線パターン7,9,11,13に流す電流を制御することにより、偏向板1を所定の向きに偏向させる。
【選択図】 図4

Description

本発明は、レーザ光路切り替え用光スイッチ等に用いられる光偏向器及びそれを用いた光偏向装置に関するものである。
従来の光偏向器の一例として、特許文献1に記載されているトーションミラーがある。
このトーションミラーは、偏向板と、偏向板の外周近傍に配置され、かつ、偏向板を挟み互いに対向配置された一対の基部と、偏向板中心と一対の基部とを結ぶ直線上にあって、かつ、偏向板と一対の基部とをそれぞれ連結する一対の連結体とを有している光偏向器である。
そして、このトーションミラーは、バネ定数を小さい連結体を用いることによって、偏向板における大きな傾斜角を得ることができる。また、偏向板の必要サイズに対するトーションミラーの外形サイズの比率を小さくすることができるため、所定サイズの基板母材に、より多くのトーションミラーを形成できるので、面付け効率が良い。従って、低コスト化に有利である。
特開2003−279870号公報
しかしながら、主として、光偏向器であるトーションミラーと、偏向板を駆動するための駆動手段とを有する光偏向装置は、偏向板を偏向動作させるために、例えば、偏向板との間に静電吸引力を発生させるための電極構造体を、偏向板の裏面側に載置したり、トーションミラーをトーション振動させるための駆動体を別に準備することが必要である。従って、このような光偏向装置は、構造が複雑になり、その外形サイズも大きくなってしまう。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、いずれも、構造が単純でコンパクトな、光偏向器及びそれを用いた光偏向装置を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本願各発明は次の手段を有する。
1)枠状の基部(2)と、前記基部(2)の内側に、前記基部(2)と所定の空隙(D)を有して配置された偏向板(1)と、前記基部(2)及び前記偏向板(1)を連結する連結体(3,4,5,6)とを有する光偏向器(50)において、前記連結体(3,4,5,6)は可撓性を有し、前記基部(2)の一面に2つの端子部(8,10,12,14)が形成されており、前記連結体(3,4,5,6)における前記基部(2)の前記一面と連続する面に、前記2つの端子部(8,10,12,14)を繋ぎ、前記連結体(3,4,5,6)の外形に沿って形成され、前記偏向板(1)と前記連結体(3,4,5,6)との連結部近傍で折り返されてなる配線パターン(7,9,11,13)を有することを特徴とする光偏向器(50)である。
2)枠状の基部(2)と、前記基部(2)の内側に、前記基部(2)と所定の空隙(D)を有して配置された偏向板(1)と、前記基部(2)及び前記偏向板(1)を連結する、少なくとも1つの連結体(3,4,5,6)とを有すると共に、前記連結体(3,4,5,6)は可撓性を有し、前記基部(2)の一面に、前記連結体(3,4,5,6)の個数に対応して、各一対の端子部(8,10,12,14)が形成されており、前記連結体(3,4,5,6)における前記基部(2)の前記一面と連続する面に、前記一対の端子部(8,10,12,14)を繋ぎ、前記連結体(3,4,5,6)の外形に沿って形成され、前記偏向板(1)と前記連結体(3,4,5,6)との連結部近傍で折り返されてなる配線パターン(7,9,11,13)を有する光偏向器(50)と、前記各2つの端子部(8,10,12,14)を介して、前記各配線パターン(7,9,11,13)に独立して電流(I3、I4、I5、I6)を供給する電流供給部(A)と、前記電流供給部(A)から供給される前記電流(I3、I4、I5、I6)を制御する制御部(B)とを有し、前記連結体(3,4,5,6)は、前記配線パターン(7,9,11,13)への通電により撓んで、前記偏向板(1)を傾斜させると共に、前記制御部(B)は、その傾斜が所定の向きになるよう、前記各電流(I3、I4、I5、I6)を制御するよう構成したことを特徴とする光偏向装置(60)である。
本発明によれば、配線パターン7,9,11,13に、独立して、所定の電流I3、I4、I5、I6を流すことにより、偏向板1を所定の向きに傾斜させることができるので、いずれも、構造が単純でコンパクトな、光偏向器及びそれを用いた光偏向装置が得られるという効果を奏する。
本発明の実施の形態を、好ましい実施例により図1〜図13を用いて説明する。
図1は、本発明の光偏向装置の実施例を説明するための構成図である。
図2及び図3は、本発明の光偏向器の実施例を説明するための上面図及び断面図である。
図4〜図6は、本発明の光偏向器の実施例において、偏向板を傾斜させるための方法を説明するための上面図及び断面図である。
図7は、実施例の光偏向器を製造する第1工程を説明するための模式的断面図である。
図8は、実施例の光偏向器を製造する第2工程を説明するための模式的断面図である。
図9は、実施例の光偏向器を製造する第3工程を説明するための模式的断面図である。
図10は、実施例の光偏向器を製造する第4工程を説明するための模式的断面図である。
図11は、実施例の光偏向器を製造する第5工程を説明するための模式的断面図である。
図12は、実施例の光偏向器を製造する第6工程を説明するための模式的断面図である。
図13は、実施例の光偏向器を製造する第7工程を説明するための模式的断面図である。
まず、本実施例の光偏向装置60の構成を、図1を用いて説明する。
図1に示すように、本実施例の光偏向装置60は、光偏向器50と、電流供給部Aと、電流制御部Bとを有する。
光偏向器1は、詳細は後述するが、偏向板1と、基部2と、偏向板1及び基部2それぞれと連結し、一面にそれぞれ配線パターン7,9,11,13が形成されてなり、可撓性を有する、4つの連結体3,4,5,6とを有する。
次に、本実施例の光偏向装置60における偏向板1の偏向方法について説明する。
図1に示すように、電流供給部Aから出力された電流Ioは電流制御部Bに入力される。入力された電流Ioは、電流制御部Bにより、上述の配線パターン7,9,11,13のうち、所定の配線パターンに、独立して、出力される。出力される電流I3〜I6の値を、電流制御部Bで制御することによって、偏向板1を所定の向きに、所定の偏向角度で、偏向させることができる。偏向板1の詳細な偏向方法については、後述する。
次に、図2及び図3を用いて、本実施例の光偏向器50の構造について、説明する。図2(a)は、本実施例の光偏向器50の上面図であり、図2(b)は、図2(a)中の中心線x1−x2、及び中心線y1−y2における本実施例の光偏向器50の断面図である。
図2(a)に示すように、本実施例の光偏向器50は、レーザ光路を反射させて偏向させるための偏向板1と、上述した光偏向装置に固定するための基部2と、偏向板1及び基部2それぞれと連結される第1の連結体3,第2の連結体4,第3の連結体5,及び第4の連結体6とを有している。
偏向板1は、例えば、直径が約2mm、厚さが約5μmである円板形状を有し、その表面は、レーザ光を効率よく反射するために、鏡面になっている。そして、この偏向板1を囲むように、例えば、外径が約4mm、幅が約0.5mm、厚さが約200μmであるリング状の基部2が配置されている。偏向板1と基部2との間隙Dは、約0.5mmである。
偏向板1と基部2とは、周方向に交互に突出する突出部を有するS字形状の第1乃至第4の連結体3〜6により連結されている。
第1の連結体3と第3の連結体5とは、偏向板1の中心点Oを通り、偏向板1の表面に沿う中心線x1−x2上に位置し、偏向板1の中心点Oに対して、それぞれ点対称の位置に配置されている。
そして、第1の連結体3と基部2と連結部20a,第1の連結体3と偏向板1と連結部20b,第3の連結体5と基部2と連結部22a,及び第3の連結体5と偏向板1と連結部22bは、上述の中心線x1−x2上に位置している。
また、第2の連結体4と第4の連結体6とは、偏向板1の中心点Oを通り、偏向板1の表面に沿う中心線y1−y2上に位置し、偏向板1の中心点Oに対して、それぞれ点対称の位置に配置されている。
そして、第2の連結体4と基部2と連結部21a,第2の連結体4と偏向板1と連結部21b,第4の連結体6と基部2と連結部23a,及び第4の連結体6と偏向板1と連結部23bは、上述の中心線y1−y2上に位置している。
次に、図3を用いて、第1乃至第4の連結体3〜6、及びその近傍部について、説明する。図3は、図2中の第1乃至第4の連結体3〜6、及びその近傍部を拡大した上面図である。
図3に示すように、第1の連結体3の表面には、第1の連結体3が延在する方向に沿って、2つの端部を有する第1の配線パターン7が形成されており、連結部20a近傍の基部2の表面には、この第1の配線パターン7に通電するための一対の第1の接続部8が形成されている。
同様に、第2の連結体4の表面には、第2の連結体4が延在する方向に沿って、2つの端部を有する第2の配線パターン9が形成されており、連結部21a近傍の基部2の表面には、この第2の配線パターン9に通電するための一対の第2の接続部10が形成されている。
同様に、第3の連結体5の表面には、第3の連結体5が延在する方向に沿って、2つの端部を有する第3の配線パターン11が形成されており、連結部22a近傍の基部2の表面には、この第3の配線パターン11に通電するための一対の第3の接続部12が形成されている。
同様に、第4の連結体6の表面には、第4の連結体6が延在する方向に沿って、2つの端部を有する第4の配線パターン13が形成されており、連結部23a近傍の基部2の表面には、この第4の配線パターン13に通電するための一対の第4の接続部14が形成されている。
また、第1乃至第4の連結体3〜6の各幅は、約100μmであり、各厚さは約5μmである。また、第1乃至第4の配線パターン7,9,11,13の各パターン幅は約20μmであり、各厚さは約0.2μmである。一対の第1乃至第4の接続部8,10,12,14の各外形は、一辺が約250μmの正方形であり、各厚さは約0.2μmである。
基部2は、光偏向装置60の図示しない光偏向器保持部材などに固定されるので、十分な機械的強度が得られるように厚みが厚く、また、基部2以外の偏向板1、及び第1乃至第4の連結体3〜6は、変形可能であり、変形しやすくするために、基部2に対して厚みが薄くなっている。
偏向板1,基部2,及び第1乃至第4の連結体3〜6は、例えば、シリコン(Si)からなり、各配線パターン7,9,11,13及び各一対の接続パッド8,10,12,14は、例えば、アルミニウム(Al)からなる。
次に、上述した光偏向器50を用いた光偏向装置60について、図1、及び図4〜図6を用いて説明する。図4(a)は、本実施例の光偏向器50の上面図であり、図4(b)は、図4(a)中の中心線x1−x2、及び中心線y1−y2における本実施例の光偏向器50の断面図である。図4(c)は、第1の配線パターン7、または、第2の配線パターン9のいずれか一方に通電したときの光偏向器50の状態を表す断面図である。
また、図5(a)は、本実施例の光偏向器50の上面図であり、図5(b)は、図5(a)中の中心線x1−x2、及び中心線y1−y2における本実施例の光偏向器50の断面図である。図5(c)は、第3の配線パターン11、または、第4の配線パターン13のいずれか一方に通電したときの光偏向器50の状態を表す断面図である。
そして、図6は、第1乃至第4の配線パターン7,9,11,13のうちの2つの配線パターンの両方に通電したときの光偏向器50の状態を表す上面図である。
本発明の光偏向装置60は、図1を用いて上述したように、光偏向器50と、電流供給部Aと、電流制御部Bとを有する。電流供給部Aと、上述した第1乃至第4の接続部8,10,12,14とは、それぞれ電気的に接続されている。
また、電流制御部Bは、信号Sにより、電流供給部Aから出力される各電流I3〜I6を独立して制御する。そして、第1乃至第4の接続部8,10,12,14を介して、上述の第1乃至第4の配線パターン7,9,11,13のうち、所定の配線パターンに、所定の電流が、電流供給部Aから独立に出力される。詳細は後述するが、これにより、偏向板1を所定の向きに傾斜させることができる。
また、詳細は後述するが、出力される電流I3〜I6の値を、電流制御部Bで制御することによって、偏向板1を所定の向きに、所定の偏向角度で、偏向させることも可能である。
以下に、第1乃至第4の配線パターン7,9,11,13のうち、いずれか1つの配線パターンのみに通電する場合と、いずれか2つの配線パターンの両方に通電する場合の2種類の方法について説明する。
まず、第1乃至第4の配線パターン7,9,11,13のうち、いずれか1つの配線パターンのみ、例えば、第1の配線パターン7のみに通電する場合について、説明する。
光偏向装置60の電源供給部Aから、一対の第1の接続部8を介して、第1の配線パターン7のみに電流I3を流す。この電流により、ジュール熱が発生して第1の配線パターン7が加熱されるため、第1の連結体3の表面側と裏面側とで温度差が生じる。また、アルミニウムからなる第1の配線パターン7の熱膨張係数は、シリコンからなる第1の連結体3の熱膨張係数に比べて大きいため、これらの効果により、第1の連結体3の表面側が伸びるので、図4(b)に示すように、矢印Baの方向に伸びようとする。そうすると、図4(c)に示すように、第1の連結体3は、基部2との連結部20aを支点にして、下面側に円弧状に変形する。その結果、偏向板1は第2の連結体4及び第4の連結体6に支持されているので、偏向板1の中心軸Zは、矢印Caの方向に傾く。なお、図4中の中心軸Zは、偏向板1の中心点Oを通り、偏向板1の表面に対して直交する中心線である。
図4(c)中の偏向角度θaは、第1の配線パターン7に流す電流値によって、所定の値にすることができる。ここで、偏向角度θaとは、偏向する前の中心軸Zと、偏向した後の中心軸Zとの差の角度をいう。
即ち、第1の配線パターン7に流す電流値が大きくなるほど、第1の連結体3の表面側と裏面側とに生じる温度差が大きくなるため、第1の連結体3が下面側に円弧状に変形する変形量が大きくなる。その結果、偏向角度θaは大きくなる。
また、電流供給部Aにパルス電源を用いた場合には、on電流時間の比率を大きくすることにより、偏向角度θaを大きくすることができる。
第2の配線パターン9のみに通電する場合について、第1の配線パターン7のみに通電する場合と同様に説明することができる。
即ち、一対の第2の接続部10を介して、第2の配線パターン9のみに通電すると、図4(c)に示すように、偏向板1の中心軸Zは、矢印Cbの方向に傾く。
そして、第2の配線パターン9に流す電流値が大きくなるほど、偏向角度θbは大きくなる。
同様に、電流供給部Aにパルス電源を用いた場合には、on電流時間の比率を大きくすることにより、偏向角度θbを大きくすることができる。
また、一対の第3の接続部12を介して、第3の配線パターン11のみに通電すると、図5(c)に示すように、偏向板1の中心軸Zは、矢印Ccの方向に傾く。
そして、第3の配線パターン11に流す電流値が大きくなるほど、偏向角度θcは大きくなる。
同様に、電流供給部Aにパルス電源を用いた場合には、on電流時間の比率を大きくすることにより、偏向角度θcを大きくすることができる。
また、一対の第4の接続部14を介して、第4の配線パターン13のみに通電すると、図5(c)に示すように、偏向板1の中心軸Zは、矢印Cdの方向に傾く。
そして、第4の配線パターン13に流す電流値が大きくなるほど、偏向角度θdは大きくなる。
同様に、電流供給部Aにパルス電源を用いた場合には、on電流時間の比率を大きくすることにより、偏向角度θdを大きくすることができる。
以上の説明から、第1乃至第4の配線パターン7,9,11,13のうち、いずれか1つの配線パターンのみに通電させることにより、偏向板1の中心軸Zを、通電される配線パターン7,9,11,13に対応した矢印Ca,Cb,Cc,Cdの4方向に傾かせることができる。
次に、第1乃至第4の配線パターン7,9,11,13のうち、いずれか2つの配線パターンの両方、例えば、第1の配線パターン7、及び第2の配線パターン9の両方に通電する場合について、説明する。
上述したように、第1の配線パターン7のみに電流を流すと、偏向板1の中心軸Zは、図6中の矢印Caの方向に傾き、第2の配線パターン9のみに電流を流すと、偏向板1の中心軸Zは、図6中の矢印Cbの方向に傾く。
従って、第1の配線パターン7及び第2の配線パターン9の両方に電流I3,I4を流すと、偏向板1の中心軸Zは、矢印Caと矢印Cbとのベクトルの和となる方向である矢印Cabの方向に傾く。
そして、第1の配線パターン7に流す電流の値I3と、第2の配線パターン9に流す電流の値I4との比率により、偏向板1の中心軸Zが傾く方向である、矢印Cabの方向を、矢印Caと矢印Cbの間の範囲において、任意に調整することができる。即ち、電流値I3を小さくして、電流比率I3/(I3+I4)を0に近づけると、矢印Cabは、矢印Cbの方向に近づく。また、電流値I4を小さくして、電流比率I3/(I3+I4)を1に近づけると、矢印Cabは、矢印Caの方向に近づく。
このようにして、電流比率I3/(I3+I4)によって、偏向板1の中心軸Zを、矢印Caと矢印Cbの間の範囲において、任意の方向に偏向させることができる。
また、第2の配線パターン9、及び第3の配線パターン11の両方に通電する場合について、第1の配線パターン7、及び第2の配線パターン9の両方に通電する場合と同様に説明することができる。
即ち、第2の配線パターン9及び第3の配線パターン11の両方に電流I4,I5を流すと、偏向板1の中心軸Zは、矢印Cbと矢印Ccとのベクトルの和となる方向である矢印Cbcの方向に傾く。
そして、第2の配線パターン9に流す電流の値I4と、第3の配線パターン11に流す電流の値I5との比率I4/(I4+I5)により、偏向板1の中心軸Zが傾く方向である、矢印Cbcの方向を、矢印Cbと矢印Ccの間の範囲において、任意に調整することができる。
また、第3の配線パターン11及び第4の配線パターン13の両方に電流I5,I6を流すと、偏向板1の中心軸Zは、矢印Ccと矢印Cdとのベクトルの和となる方向である矢印Ccdの方向に傾く。
そして、第3の配線パターン11に流す電流の値I5と、第4の配線パターン13に流す電流の値I6との比率I5/(I5+I6)により、偏向板1の中心軸Zが傾く方向である、矢印Ccdの方向を、矢印Ccと矢印Cdの間の範囲において、任意に調整することができる。
また、第4の配線パターン13及び第1の配線パターン7の両方に電流I6,I3を流すと、偏向板1の中心軸Zは、矢印Cdと矢印Caとのベクトルの和となる方向である矢印Cdaの方向に傾く。
そして、第4の配線パターン13に流す電流の値I6と、第1の配線パターン7に流す電流の値I3との比率I6/(I6+I3)により、偏向板1の中心軸Zが傾く方向である、矢印Cdaの方向を、矢印Cdと矢印Caの間の範囲において、任意に調整することができる。
以上の説明から、第1乃至第4の接続部8,10,12,14を介して、第1乃至第4の配線パターンのうち、所定の配線パターンに、所定の値の電流を流すことにより、偏向板1を所定の方向に、所定の偏向角度で、傾斜されることが可能である。
このように、上述した方法を用いて偏向板1を所定の方向に傾斜させ、この偏向板1にレーザビームを照射して反射させて、レーザビームの光路を所定の方向に偏向させる光偏向装置60を作製することができる。
次に、上述した本実施例の光偏向器50の製造方法の一例について、図7〜図13を用いて説明する。以下に説明する光偏向器50の製造方法は、(第1工程)〜(第7工程)により構成されている。なお、この製造方法では、1枚のウエハから複数の光偏向器を作製することができるが、説明をわかりやすくするために、第1工程から、1素子の構造として、説明することとする。
(第1工程)[図7参照]
Si(シリコン)上層31と、SiO(二酸化シリコン)層32と、Si下層33とからなる、(100)面SOI(シリコンオンインシュレータ)ウエハ34の両面側に、真空成膜により、SiO膜35,36を成膜する。真空成膜とは、例えば、スパッタ法やCVD(Chemical Vapor Deposition)法や蒸着法などによる成膜を意味する。
Si上層31,SiO(二酸化シリコン)層32,及びSi下層33のそれぞれの厚さは、5μm,1μm,及び200μmであり、SiO膜35,36のそれぞれの厚さは、1μmである。
なお、各厚さは、本実施例に限定されるものではない。
また、本実施例において、上述のウエハ34から複数作製される光偏向器50の1素子の外径寸法は、約4mmである。
(第2工程)[図8参照]
フォトリソ法を用いて、ウエハ34の下面側のSiO膜36の一部を、CHF(トリフルオロメタン)ガスを用いた反応性イオンエッチングにより除去して、SiO膜36のパターン形成を行う。
(第3工程)[図9参照]
SiO層32及びSiO膜35,36で覆われていない範囲に対応するSi下層33をエッチング除去する。
このエッチング除去方法は、ドライエッチングやウェットエッチング、あるいは、これらを組み合わせた方法を用いることができる。ウェットエッチング液としては、例えば、テトラメチルアンモニアオキシド(TMAH)水溶液を用いることができる。
また、一般的に、ドライエッチングを用いた場合、エッチング後のSi下層33の断面形状は、図9に示すように、略長方形になり、また、ウェットエッチングを用いた場合、Si下層33の結晶方位によるが、エッチング後のSi下層33の断面形状は、略台形状になる。エッチング後のSi下層33の断面形状は、いずれの形状であっても、製造上、及び、構造上、問題はない。
そして、エッチング後のSi下層33は、図2に示した基部2となる。
(第4工程)[図10参照]
SiO膜35の表面に、金属膜を真空成膜する。第4工程では、金属膜の材料として、アルミニウム(Al)を用いた。
次に、フォトリソ法を用いて、例えば、塩酸(HCl)水溶液により、この金属膜の一部をエッチング除去して、図2及び図3に示した第1乃至第4の配線パターン7,9,11,13、及び一対の第1乃至第4の接続部8,10,12,14を形成する。
なお、金属膜の材料として、アルミニウム(Al),銅(Cu),ニッケルクロム(NiCr),金(Au)などを用いることができる。上述したように、偏向板の傾斜角を大きくするためには、大きな電流を流せばよいが、偏向板の傾斜角を大きく他の方法として、比抵抗の大きい材料を配線パターンに用いる方法と、配線パターンの断面積を小さくする方法がある。
前者の方法において、比抵抗の大きいニッケルクロムを用いることは有効である。
また、後者の方法において、緻密で薄い膜を形成することが可能なアルミニウム,銅,金を用いることは有効である。
(第5工程)[図11参照]
第1乃至第4の配線パターン7,9,11,13、及び一対の第1乃至第4の接続部8,10,12,14をエッチングマスクとして、CHFガスを用いた反応性イオンエッチングにより、露出している領域におけるSiO層32及びSiO膜35,36を除去する。
(第6工程)[図12参照]
フォトリソ法により、後述する偏向板1、及び第1乃至第4の連結体3〜6を形成するためのレジスト37を所定の領域にパターン形成する。
(第7工程)[図13参照]
SF(六フッ化イオウ)ガスを用いた反応性イオンエッチングにより、レジスト37で保護されていない領域におけるSi上層31を、エッチング除去することにより、図2に示した偏向板1、及び第1乃至第4の連結体3〜6を得る。
その後、レジスト37を除去する。
上述した工程により、図2及び図3に示した光偏向器50を得る。
本発明の実施例は、上述した構成及び手順に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において変形例としてもよいのは言うまでもない。
例えば、本実施例の光偏向器に対する変形例を図14に示す。図14は、本実施例の光偏向器に対する変形例を表す模式的断面図である。
図14に示すように、本変形例の光偏向器100は、偏向板61,基部62,第1乃至第4の連結体63,64,65,66を有している。なお、実施例と同様に、第1乃至第4の連結体63,64,65,66の各表面には、それぞれ配線パターン(図示せず)が形成されており、また、第1乃至第4の連結体63,64,65,66の各近傍の基部62の表面には、それぞれ一対の接続部(図示せず)が形成されている。
偏向板の形状は、実施例で示したような円盤形状に限定されるものではなく、図14に示すように、例えば、正方形であってよく、また、長方形や多角形であってもよい。
基部の形状は、実施例で示したようなリング状に限定されるものではなく、同じく、図14に示すように、枠状の四角形や多角形であってもよい。
また、本発明の光偏向器は、上述した実施例及び変形例の偏向板と基部とを組み合わせ、それぞれを第1乃至第4の連結体により連結した構造であってもよい。
そして、第1乃至第4の連結体のそれぞれの位置は、実施例に限定されるものではない。
偏向板及び基部とそれぞれ連結する連結体の数(本実施例における連結体の数は、4である)は、本実施例に限定されるものではなく、3つ以上であれば、同様の効果が得られる。
また、偏向板を一方向のみに偏向させる光偏向器、及びそれ用いた光偏向装置であれば、連結体の数は1つでよい。
そして、偏向板を、2方向、あるいは、所定の範囲内にのみ偏向させる光偏向器、及びそれ用いた光偏向装置であれば、連結体の数は1つでよい。
本実施例では、偏向板,基部,及び連結体の構成材料をシリコンとしたが、これに限定されるものではなく、例えば、ポリイミドなどの有機材料を用いてもよい。
本発明の光偏向装置の実施例を説明するための構成図である。 本発明の光偏向器の実施例を説明するための上面図及び断面図である。 本発明の光偏向器の実施例を説明するための上面図及び断面図である。 本発明の光偏向器の実施例において、偏向板を傾斜させるための方法を説明するための上面図及び断面図である。 本発明の光偏向器の実施例において、偏向板を傾斜させるための方法を説明するための上面図及び断面図である。 本発明の光偏向器の実施例において、偏向板を傾斜させるための方法を説明するための上面図及び断面図である。 実施例の光偏向器を製造する第1工程を説明するための模式的断面図である。 実施例の光偏向器を製造する第2工程を説明するための模式的断面図である。 実施例の光偏向器を製造する第3工程を説明するための模式的断面図である。 実施例の光偏向器を製造する第4工程を説明するための模式的断面図である。 実施例の光偏向器を製造する第5工程を説明するための模式的断面図である。 実施例の光偏向器を製造する第6工程を説明するための模式的断面図である。 実施例の光偏向器を製造する第7工程を説明するための模式的断面図である。 実施例の光偏向器の変形例を説明するための模式的断面図である。
符号の説明
1 偏向板 、 2 基部 、 3,4,5,6 連結体 、 7,9,11,13 配線パターン 、 8,10,12,14 接続部 、 20a,20b,21a,21b,22a,22b,23a,23b 連結部 、 31 Si上層 、 32 SiO層 、 33 Si下層 、 34 SOIウエハ 、 35,36 SiO膜 、 37 レジスト 、 50 光偏向器 、 60 光偏向装置 、 A 電流供給部 、 B 電流制御部 、 Ba,Bb,Bc,Bd,Ca,Cb,Cc,Cd,Cab,Cbc,Ccd,Cda 矢印 、 Io,I3,I4,I5,I6 電流(値) 、 O 中心点 、 Z 中心軸 、 θa,θb,θc,θd 偏向角度

Claims (2)

  1. 枠状の基部と、
    前記基部の内側に、前記基部と所定の空隙を有して配置された偏向板と、
    前記基部及び前記偏向板を連結する連結体とを有する光偏向器において、
    前記連結体は可撓性を有し、
    前記基部の一面に2つの端子部が形成されており、
    前記連結体における前記基部の前記一面と連続する面に、前記2つの端子部を繋ぎ、前記連結体の外形に沿って形成され、前記偏向板と前記連結体との連結部近傍で折り返されてなる配線パターンを有することを特徴とする光偏向器。
  2. 枠状の基部と、前記基部の内側に、前記基部と所定の空隙を有して配置された偏向板と、前記基部及び前記偏向板を連結する、少なくとも1つの連結体とを有すると共に、前記連結体は可撓性を有し、前記基部の一面に、前記連結体の個数に対応して、各一対の端子部が形成されており、前記連結体における前記基部の前記一面と連続する面に、前記一対の端子部を繋ぎ、前記連結体の外形に沿って形成され、前記偏向板と前記連結体との連結部近傍で折り返されてなる配線パターンを有する光偏向器と、
    前記各2つの端子部を介して、前記各配線パターンに独立して電流を供給する電流供給部と、
    前記電流供給部から供給される前記各電流を制御する制御部とを有し、
    前記連結体は、前記配線パターンへの通電により撓んで、前記偏向板を傾斜させると共に、前記制御部は、その傾斜が所定の向きになるよう、前記各電流を制御するよう構成したことを特徴とする光偏向装置。
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