JP2007009824A - 燃料噴射弁 - Google Patents

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Abstract

【課題】圧力制御室の燃料圧力を安定して制御できる燃料噴射弁を提供する。
【解決手段】燃料噴射弁1は、噴射を安定させるために圧力制御室40の圧力を安定して制御する必要があり、このために圧力制御室40の燃料流入側に設けられた入口オリフィス74下流端の燃料流れ特性を、少なくとも圧力制御室40の先端に設けられた出口オリフィス73の流出流れのベクトルと同軸的になるよう配置すると共に、出口オリフィス73を設けたオリフィスプレート7と別体である制御ピストン41に設けることにより、入口オリフィス74の下流端流れの乱れや渦の発生を抑制するのに十分に長く、一様な広がりを有するデフューザ29構造を設けることにより、十分に滑らかな圧力回復を実現し、燃料流れ特性を安定させ、安定した燃料噴射特性を得る。
【選択図】図1

Description

本発明は、電磁弁を駆動することにより燃料噴射を断続する燃料噴射弁に関し、例えば、高圧供給ポンプによって加圧し、コモンレール内に蓄圧した高圧燃料を、内燃機関の燃焼室に噴射するための電磁制御式燃料噴射弁に適用して好適なものである。
〔従来の技術〕
従来の燃料噴射弁としては、ディーゼルエンジンなどの蓄圧(コモンレール)式燃料噴射装置に用いられ、コモンレールから供給される高圧燃料をエンジンの燃焼室に噴射する図6に示すものがよく知られている。
この燃料噴射弁1は、噴射弁本体2の内部のシリンダ21に収容された制御ピストン41の反噴射側に圧力制御室40を設け、圧力制御室40と燃料低圧側とを電磁弁3で断続することにより燃料噴射時期を制御するものであり、また、オリフィスプレート7に圧力制御室40の燃料入口側および出口側にそれぞれ入口オリフィス74および出口オリフィス73を設け、出口オリフィス73の流路面積を入口オリフィス74の流路面積よりも大きくすることにより、電磁弁3の通電(オン)時、スプリング44により下方(閉弁方向)に付勢されるアーマチャ(可動子)5が吸引され開弁し、圧力制御室40の燃料圧力を低下させ、制御ピストン41とともにノズルニードル42をリフトさせ高圧燃料通路22から供給される燃料を噴射するものが知られている(特許文献1参照)。
上記の特許文献1で開示される燃料噴射弁1は、入口、出口の二段オリフィス74、73の中間圧力を利用して、噴射を制御しているため、噴射圧力の高圧化、噴射制御の高精度化に伴い、入口オリフィス74の流量の高精度・安定化が要望され、入口オリフィス74の下流端を直接圧力制御室40に接続させ、このために圧力制御室40を可能な限り大きな空間に確保して、入口オリフィス74の下流端への流れのエネルギを減衰させ、入口オリフィス74の流れを安定させている。そして、このために圧力制御室40に通じる入口オリフィス74のオリフィス径やオリフィス長さを自由に変更可能なように、オリフィスプレート7と別体とするのではなく、オリフィスプレート7と一体に設けることで、加工精度の向上を図り、少流量の要求オリフィス流量に対しても、適正かつ容易に流量を設定できることを特徴としている。
〔従来技術の不具合〕
しかしながら、入口オリフィスの下流端は直接大容量の圧力制御室に接続され、流れのエネルギを減衰させ、流れを安定させるように構成されているものの、大容量の空間を有する圧力制御室は、オリフィスプレートの中心軸上に、反噴射側に向かって、円錐台形状の空間を形成して、その先端に出口オリフィスを同軸的に形成する構成を備えている。
よって、入口オリフィスの下流端からの流れは圧力制御室の空間を反出口オリフィス側に勢いよく噴流し、向きを180度近く偏向させながら、恰も逆流するように出口オリフィスに流れ込むこととなる。逆流はしないが、少なくとも大きく偏向する流れによって、流体には乱れが生じ、また微小径の入口オリフィスから大容量の空間への流体の流出は、高圧の燃料であることから下流端の流れは乱流となって、圧力制御室の下流には随所にミクロ的な渦流を発生させ、場所によっては刻々と圧力が変動する不安定な流れを起こす場合がある。
つまり、静的、又は定常時には安定した流れを形成するも、動的、又は過渡時には場所と時刻において部分的な不安定な流れが生じることがあり、この不安定な流れ、即ちミクロ的な圧力変動の発生によって、この二段オリフィスの中間圧を利用して噴射を制御するため燃料の噴射特性が不安定になることがあった。
特開2003−166457号公報
燃料噴射弁は、噴射を安定させるために圧力制御室の圧力を安定して制御する必要がある。このため、圧力制御室の燃料流入側に設けられた入口オリフィス下流端の燃料流れ特性を安定させることが不可欠である。しかし、従来の入口オリフィス構造のように、入口オリフィス下流端の流れ方向が、さらに下流の流れとなる出口オリフィスの流れ方向、つまり流れベクトル同士を交差させるのでなく、流れベクトルが概ね一致する同軸的な燃料流れ特性を得ることができる入口オリフィスと出口オリフィスの配置ならびに構成が課題となる。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、圧力制御室の燃料圧力を安定して制御できる燃料噴射弁を提供することを目的とする。
〔請求項1の手段〕
ノズルとノズルニードルを備えた噴射弁本体と、噴射弁本体からの燃料噴射を断続する電磁弁とからなり、電磁弁は、電磁ソレノイドと付勢手段と電磁ソレノイドの磁力とにより駆動される可動子からなる開閉弁機構とを備えており、開閉弁機構は、ノズルニードルと連動する制御ピストンに背圧を付与する圧力制御室の燃料圧力を制御して、燃料の噴射量および噴射時期を制御する燃料噴射弁において、圧力制御室に設けられる出口オリフィスと入口オリフィスとを同軸的に配置することを特徴としている。
この構成によれば、入口オリフィスの下流端の流れは、偏向することなく同じ流れベクトルに沿って出口オリフィスに流れ込むので、圧力制御室においては乱流や渦の発生が起こり難く、滑らかな圧力回復が可能となって燃料流れ特性が安定し、安定した燃料噴射特性が得られる。
〔請求項2の手段〕
請求項1に記載の燃料噴射弁において、入口オリフィスを設ける部材と、出口オリフィスを設ける部材を別体とすることを特徴としている。
この構成によれば、従来のように比較的薄いオリフィスプレート部材に出口オリフィスと入口オリフィスを近接して設ける必要がなく、入口オリフィスを別体に出口オリフィスと離れた位置に配設できるので、入口オリフィス下流端の流路が大きくとれ、圧力回復がし易くなって、燃料流れ特性が安定し、安定した燃料噴射特性が得られる。
〔請求項3の手段〕
請求項2に記載の燃料噴射弁において、入口オリフィスを前記制御ピストンに設けることを特徴としている。
この構成によれば、新たに入口オリフィスを設ける部材を追加することなく、出口オリフィスを設ける部材と別体であり、しかも出口オリフィスと同軸的に設けられる制御ピストンに簡単に追加工ができるので、高精度と生産性を確保し、かつ組付性を損なうことなくして入口オリフィスを形成することができる。
〔請求項4の手段〕
請求項1ないし3のいずれか1に記載の燃料噴射弁において、入口オリフィスの下流端に流れの圧力回復を図るデフューザを備え、圧力制御室に設けられた出口オリフィスとデフューザとを同軸的に配置することを特徴としている。
この構成によれば、入口オリフィスの出口オリフィスとの同軸的配置に拘ることがなくなるので入口オリフィス自体の設定場所の自由度が大きくなって、コンパクト性の確保が容易になると共に、いかなる方向の入口オリフィスの下流端流れでもデフューザによって滑らかな圧力回復が可能な同軸的な流れとなって燃料流れ特性が安定し、安定した燃料噴射特性が得られる。
〔請求項5の手段〕
請求項1または2に記載の燃料噴射弁において、入口オリフィスを制御ピストンとは別体の部材に設け、制御ピストンの後端側と圧力制御室との間に配置することを特徴としている。
この構成によれば、部品点数は増えるものの、扱い難い細くて長い精密部品である制御ピストンに手を加えることなく、堅牢なオリフィスチップのみを製作し、組付けるので信頼性が確保できるとともに、種々の特性の燃料噴射弁に対してこのオリフィスチップのみの交換で所望の特性の確保が容易にできる汎用性があり、生産性が向上できる。また、燃料噴射特性として請求項1と同じ効果を有する。
この発明の最良の実施形態を、図に示す実施例1とともに説明する。
〔実施例1の構成〕
図1(a)は、本発明の実施例1における電磁制御式燃料噴射弁の全体構成断面図であり、同図(b)は、要部である圧力制御手段の拡大断面図である。
燃料噴射弁1は噴射弁本体2と、噴射弁本体2の後端に装着した電磁弁3と、先端に締結した燃料の噴射ノズル4とからなる。電磁弁3は、図示しないエンジン制御装置(ECU)からのワイヤーハーネスに接続されるコネクタCが設けられており、ECUから送出される制御信号により制御される。
噴射弁本体2は、棒状を呈し、軸心に貫通したシリンダ21が設けられるとともに、シリンダ21に並行して高圧燃料通路22、および低圧燃料通路(図示せず)が設けられた弁ボディ20を有する。弁ボディ20の後端には、円筒状の電磁弁設置室10が設けられ、電磁弁設置室10には電磁弁3が装着されてリテーニングナット24により固定されている。弁ボディ20の先端には、噴射ノズル4が、リテーニングナット25により噴射弁本体2と同芯に締結されている。弁ボディ20の上部には横方向に突出た高圧燃料を供給する筒状のインレット部26が設けられている。
電磁弁3は、電磁弁設置室10の上部に設置された電磁ソレノイド30、および電磁弁設置室10の下部に設置された開閉弁機構50からなる。開閉弁機構50は、可動子5と、可動子5を保持する可動子ホルダ6とを有する。可動子ホルダ6の下部(電磁弁設置室10の下端部)はやや小径のプレート室70となっており、略円盤状のオリフィスプレート7が収容されている。
開閉弁機構50の開閉弁動作とオリフィスプレート7の圧力調整動作を併せて、圧力制御手段と称する。
電磁ソレノイド30は、強磁性材製で上端が鍔状の円筒の外周に、複合磁性材を積層した磁気コアを配し、磁気コアの外周を強磁性材製外筒で包囲し、磁気コア内に電磁コイル35を配設した構造を有する。電磁ソレノイド30の下面は、可動子5を吸引する吸引面となっており、鍔状の円筒の下端面は、可動子5が衝突(当接)するストッパー面となっている。
可動子5は、平板部51およびシャフト部52とを有し、平板部51は、その上面が略平面であり、電磁ソレノイド30の下面に吸着される吸着面となっており、可動子室60に配されている。シャフト部52は円柱状を呈し、可動子ホルダ6の中心穴に摺動自在に嵌め込まれている。可動子ホルダ6は、電磁弁設置室10の内周に螺合され、締結軸力を生じ、オリフィスプレート7をプレート室70の端面に接合させている。
シャフト部52の下端面の中心には、円筒部および円錐部からなる弁体室77が設けられ、弁体室77には窒化珪素製のボール弁78が収容されている。ボール弁78は上面が球状であるが、下面はオリフィスプレート7の上面の出口オリフィス73を塞ぐシール平面状となっている。可動子5は、電磁ソレノイド30の軸心内に配されたスプリング36で下方(閉弁方向)に付勢され、電磁コイル35で生じた磁力により上方(開弁方向)に吸引されて上下に変位する。
オリフィスプレート7は、その外周端面の一部が切り欠いてある略円形の円盤であり、その下端面には、その中心に円錐形状の凹所が形成され、圧力制御室40を構成し、この中心の上面側に出口オリフィス73が形成されている。
インレット部26の内部には、高圧燃料流入路11が設けられ、高圧燃料通路22に連通し、高圧燃料通路22はノズルボディ48に設けられた傾斜する高圧燃料流路46を経由して袋穴部(燃料溜り)45Cと連通し、高圧燃料を供給すると共に、弁ボディ20の軸心を貫通するシリンダ21の後端部近傍に設けられた袋穴部27と交差して連通している。
また、図示しないアウトレット部にはプレート室70を経て図示しない低圧燃料通路に連通した流出路13が設けられており、燃料噴射弁1内の電磁弁設置室10やプレート室70の余剰燃料を外部に排出する排出流路を形成している。
弁ボディ20の中心には、シリンダ21が貫通している。シリンダ21は、制御ピストン41を収容している。制御ピストン41は、円筒形の上下動ピストンである。制御ピストン41の上端は円錐台形状等を有し、上端より所定の距離を隔てて袋穴部27と連通する位置にて制御ピストン41の軸方向と直角に貫通する所定の径を有する連通穴28が設けられている。そして、この連通穴28に直交するように、つまり制御ピストン41の略軸心に誘導孔29が制御ピストン41の上端より連通穴28を貫通することなく適度な距離を維持した深さまで加工され、残る適度な距離は微小な内径を有する入口オリフィス74が精密に加工され、連通穴28と連通する構造となっている。
そして、オリフィスプレート7に形成された圧力制御室40に適切な隙間(空間)を形成して配設され、制御ピストン41の軸心上で、入口オリフィス74と圧力制御室40と出口オリフィス73が略軸心を同じにして並ぶ同軸的な構成となっている。
制御ピストン41は、圧力制御室40の圧力に応じ、下方もしくは上方に押され、シリンダ21内を摺動して移動し、リフトを形成する。非通電時は、高圧燃料を供給する高圧燃料流入路11の燃料圧は袋穴部27に伝わり、これが連通穴28を経由して入口オリフィス74を伝わって、誘導孔29から誘導されて圧力制御室40に到り、圧力制御室40内が高圧燃料に満たされることにより制御ピストン41は下方に押圧され、閉弁する。
一方、制御ピストン41の下端は、噴射ノズル4内に収容されるノズルニードル42の上端部に当接している。また、弁ボディ20の下端面にスプリング44が介装され、ノズルニードル42を下方(閉弁)に付勢している。よって、非通電時は所定の開弁圧が保持されることとなる。
噴射ノズル4は大径部のノズルボディ48および小径部のノズル49を有する二段筒型形状であり、該ノズルボディ48とノズル49との段差部にリテーニングナット25を掛け、弁ボディ20の先端に締結されている。ノズルボディ48の中心に、ノズルニードル42を収容するニードル穴45が形成され、ノズルニードル42を摺動支持するニードル摺動部45Aと高圧燃料油の通路となるニードル燃料通路45Bとを構成する。また、ニードル燃料通路45Bの上流側のニードル穴45の中間位置には径大の大容積を有する袋穴部(燃料溜り)45Cが、傾斜する高圧燃料流路46と交差して設けられている。
また、ニードル燃料通路45Bの下流側にはニードル穴45の下端を塞ぐ、適度に薄肉のテーパ構造を有するノズル先端室49Aが構成され、ノズル先端室49Aには1個もしくは複数個適切な数の噴射孔43が適切な位置に設けられ、高圧燃料を噴霧する。
ノズルニードル42は、圧力制御室40の燃料圧およびスプリング44のバネ荷重による下方への付勢力と、噴射ノズル4内の燃料圧によりノズルニードル42に加わる上方への付勢力とのバランスで上下動し、噴射孔43を開閉する。すなわち、圧力制御室40が低圧になったとき、制御ピストン41とノズルニードル42とが上方に移動し、噴射孔43が開いて、高圧燃料通路22から噴射ノズル4に供給された高圧燃料が燃焼室に噴射される。
実施例1では、オリフィスプレート7とは別体の制御ピストン41の後端に連通穴28を経由する入口オリフィス74を略同軸的に構成し、円筒形の誘導孔29を設けることにより入口オリフィス74からの高圧燃料の噴流の圧力回復を促進し、流れの乱れを抑制する手段を採用している。しかし、これに限ることなく、図2(a)に示すように、流れ方向に十分な長さと一様な広がりを有するデフューザ29Aであっても構わないし、また同図(b)に示すような曲線的に広がるラッパ状デフューザ29Bであっても一向に構わない。顕著なデフューザ効果が得られ、圧力回復と乱流の抑制がより促進できるという特徴がある。
〔実施例1の作用〕
実施例1の燃料噴射弁1の作用を、図1を用いて説明する。
この燃料噴射弁1は、電磁ソレノイド30へ通電されると、可動子5は電磁力により吸引されて上方に移動し、そして、可動子5に連動してボール弁78は上位に変位し、出口オリフィス73が開放されて低圧燃料の流出路13に連通するため、圧力制御室40内の圧力は瞬時低圧となって、シリンダ21内の制御ピストン41に作用する圧力バランスが崩れ、制御ピストン41は上方へ移動し、これに伴いニードル穴45内のノズルニードル42は、袋穴部45Cの高圧燃料圧によって、上方へ移動し、噴射孔43を開放するとともに、袋穴部45Cからの高圧燃料が噴射孔43から噴霧する。このとき、出口オリフィス73のオリフィス径より径小の入口オリフィス74は高圧燃料を噴流させながら圧力制御室40の圧力回復を開始し、燃料噴射の噴射率プロフィールを決めるが、入口オリフィス74、圧力制御室40、および出口オリフィス73が略同軸的に配置されていることから噴流のベクトルに偏向が生じることもなく、渦流れもなく安定した圧力回復が実行される。
そして、電磁ソレノイド30の通電がオフされると、可動子5がスプリング36の付勢力で下方に移動し、ボール弁78が出口オリフィス73を塞ぎ、入口オリフィス74から高圧燃料圧が圧力制御室40に作用し、制御ピストン41は下方に移動し、同様にノズルニードル42も下方に移動し、噴射孔43を塞いで、燃料の噴射は終了する。噴射の終了時においても、上記の入口、出口オリフィス74、73間の構成は同様に安定した滑らかな噴霧の終了を実行する。
〔実施例1の効果〕
本実施例では、入口オリフィス74、圧力制御室40、および出口オリフィス73が同軸的に配置されて、入口オリフィス74の下流端の流れは、偏向することなく同じ流れベクトルに沿って出口オリフィス73に流れ込むので、圧力制御室40においては乱流や渦の発生が起こり難く、滑らかな圧力回復が可能となって燃料流れ特性が安定し、安定した燃料噴射特性が得られる。
〔実施例2の構成〕
図3は、本発明の実施例2における燃料噴射弁1の入口オリフィス74の構成断面図を示す。実施例2において、実施例1と異なるのは、実施例1がオリフィスプレート7とは別体の制御ピストン41の後端に連通穴28を経由して入口オリフィス74自体を略同軸的に構成し、円筒形の誘導孔29を設けることにより、入口オリフィス74からの高圧燃料の噴流の圧力回復を促進し、流れの乱れを抑制する構成を採用しているが、実施例2では、制御ピストン41の後端に、高圧燃料流入路11と交差し、高圧の燃料溜りを形成する袋穴部27Bを設け、この袋穴部27Bの側面から制御ピストン41の軸心に設けられた誘導孔(デフューザ)29Aの側壁にデフューザ29Aの軸心に向けて略垂直に入口オリフィス74を設けている点である。
主な相違点は、入口オリフィス74自体が出口オリフィス73と略同軸的に配置されているか、入口オリフィス74下流端のデフューザ29Aが出口オリフィス73と略同軸的に配置されているかの違いのみで、他の構成は実施例1と変わるところはない。図3に示す実施例2の様に、入口オリフィス74がデフューザ29Aに略垂直に交差する場合の入口オリフィス74からの噴流は、明らかに約90度の偏向を伴って軸方向の下流端に流れるため乱れや渦の発生が起こり易くはなる。しかし、別体である制御ピストン41に入口オリフィス74を設けることでデフューザ29Aの長さや広がりを好適なデフューザ特性として採用できるので、乱れや渦の抑制が可能となって圧力回復が滑らかに行われることができる。よって、このデフューザ29Aの同軸的な配置も、入口オリフィス74自体の同軸的な配置と略同じ効果と考えることができる。
また、制御ピストン41に設ける袋穴部27Bが十分大容量可能である場合には、図4(a)に示すようにV字形の袋穴部27Bを設けることにより、このV字形の一方側面から制御ピストン41の軸心に設けられたデフューザ29Aの側壁(始端壁)にデフューザ29Aの軸心に向けて入口オリフィス74を設ければ、入口オリフィス74からの噴流は、このV字形の設定角度に応じ、例えば約45度程度の偏向を伴う下流端流れとすることが可能であり、乱れや渦の発生が起こり難くなる。また、入口オリフィス74は、1個に限らず互いに対向する位置に2個設けても構わない。入口オリフィス74を2個設けるときは、入口オリフィス74からの噴流は互いに衝突してエネルギを減衰させ、また発生した渦を互いに潰しあうので不安定な圧力変動が解消でき、圧力回復が滑らかに実施できる特徴をもつ。
実施例2の他の変形例として、図4(b)がある。図4(b)は、同図(a)と異なって袋穴部27BがV字形構造でなく、段差構造を採用している。これにより段差部の段差側壁に略垂直な入口オリフィス74の設定が可能となり、入口オリフィス74とその下流端の誘導孔29は同軸に、しかも出口オリフィス73と圧力制御室40、および制御ピストン41との軸心に一致はしないが方向を同じとする同軸的な配置を構成でき、入口オリフィス74の下流端流れは滑らかな圧力回復を実現することが可能となる。また、入口オリフィス74は、1個に限らず互いに対向する位置に2個設けても構わない。入口オリフィス74を2個設けるときは、各誘導孔29からの下流端流れが圧力制御室40においてバランスを図り、圧力回復をより安定させるという特徴を持つ。
〔実施例2の効果〕
入口オリフィス74と入口オリフィス74の下流端流れの圧力回復を図るデフューザ29Aとを軸心を合わせて連結する必要がないので、入口オリフィス74自体の設定場所の自由度が大きくなって、コンパクト性の確保が容易になると共に、入口オリフィス74の下流端流れが多少の偏向を伴う場合でも十分な長さと一様な広がりを有する好適なデフューザ29Aによって、滑らかな圧力回復ができ、同軸的な下流端流れを形成して燃料流れ特性が安定し、安定した燃料噴射特性が得られる。
〔実施例3の構成〕
図5は、本発明の実施例3における燃料噴射弁1の入口オリフィス74の構成断面図を示す。実施例3において、実施例1と異なるのは、実施例1がオリフィスプレート7とは別体の制御ピストン41の後端に連通穴28を経由して入口オリフィス74自体を略同軸的に構成し、円筒形の誘導孔29を設け、入口オリフィス74からの高圧燃料の噴流の圧力回復を促進し、流れの乱れを抑制する構成を採用しているが、実施例3では、入口オリフィス74を制御ピストン41とは別体の部材であるオリフィスチップ41Aに設け、制御ピストン41の後端側と圧力制御室40との間に配置する点である。オリフィスチップ41Aには実施例1で採用した制御ピストン41の後端部と同様な構成の入口オリフィス74が設けられており、適度な全長を有し、その制御ピストン41との当接側の端面は球状の接合面を有すると共に、その球状接合面41Bに貫通する1ないし2個の圧力導通孔41Cが圧力制御室側に開口して設けられていて、高圧燃料の袋穴部27に内包されるように配置されている。
主な相違点は、入口オリフィス74が制御ピストン41と一体か、別体部材かの違いであって、入口オリフィス74と誘導孔29、および他の構成は実施例1と変わるところはない。よって、オリフィスチップ41Aは燃料噴射弁1のシリンダ21とは適度な隙間で摺動可能な移動ができ、またその摺動面からの燃料油のリークはなく、時に圧力制御室40の背圧が低圧に変わっても、その圧力は圧力導通孔41Cを通して瞬時に制御ピストン41の後端部に作用する構成となっている。よって、入口オリフィス74は別体であるオリフィスチップ41Aに設けられる点を除いて他の構成は実施例1と全く同様であるので、燃料噴射特性として実施例1と同じ効果を有する。
〔実施例3の効果〕
制御ピストン41と別体のオリフィスチップ41Aに入口オリフィス74を設けるので、部品点数は増えるものの、扱い難い細くて長い精密部品である制御ピストン41に手を加えることなく、堅牢なオリフィスチップ41Aのみを製作し、組付けるので信頼性が確保できるとともに、種々の特性の燃料噴射弁1に対してこのオリフィスチップ41Aのみの交換で所望の特性の確保が容易にできる汎用性があり、生産性が向上できる。また、燃料噴射特性として実施例1と同じ効果を有する。
(a)は燃料噴射弁の構成断面図であり、(b)は要部である圧力制御手段の拡大断面図である(実施例1)。 (a)は図1要部の変形例の拡大断面図であり、(b)は他の変形例の拡大断面図である(実施例1)。 (a)は燃料噴射弁の構成断面図であり、(b)は要部である圧力制御手段の拡大断面図である(実施例2)。 (a)は図3要部の変形例の拡大断面図であり、(b)は他の変形例の拡大断面図である(実施例2)。 (a)は燃料噴射弁の構成断面図であり、(b)は要部である圧力制御手段の拡大断面図である(実施例3)。 (a)は燃料噴射弁の構成断面図であり、(b)は要部であるオリフィスプレートの拡大断面図である(従来例)。
符号の説明
1 燃料噴射弁
2 噴射弁本体
3 電磁弁
4 噴射ノズル
5 可動子(アーマチャ)
6 可動子ホルダ(アーマチャホルダ)
7 オリフィスプレート(出口オリフィスを設ける部材)
11 高圧燃料流入路
13 流出路
27、27B 袋穴部
28 連通穴
29、29A、29B 誘導孔(デフューザ)
30 電磁ソレノイド
36、44 スプリング(付勢手段)
40 圧力制御室
41 制御ピストン(入口オリフィスを設ける部材)
41A オリフィスチップ(制御ピストンとは別体の部材)
41B 球状接合面
41C 圧力導通孔
42 ノズルニードル
45 ニードル穴
48 ノズルボディ
49 ノズル
50 開閉弁機構
60 可動子室(アーマチャ室)
70 プレート室
73 出口オリフィス
74 入口オリフィス

Claims (5)

  1. ノズルとノズルニードルを備えた噴射弁本体と、
    前記噴射弁本体からの燃料噴射を断続する電磁弁とからなり、
    該電磁弁は、電磁ソレノイドと付勢手段と前記電磁ソレノイドの磁力とにより駆動される可動子からなる開閉弁機構とを備えており、
    該開閉弁機構は、前記ノズルニードルと連動する制御ピストンに背圧を付与する圧力制御室の燃料圧力を制御して、
    燃料の噴射量および噴射時期を制御する燃料噴射弁において、
    前記圧力制御室に設けられる出口オリフィスと入口オリフィスとを同軸的に配置することを特徴とする燃料噴射弁。
  2. 請求項1に記載の燃料噴射弁において、
    前記入口オリフィスを設ける部材と、前記出口オリフィスを設ける部材を別体とすることを特徴とする燃料噴射弁。
  3. 請求項2に記載の燃料噴射弁において、
    前記入口オリフィスを前記制御ピストンに設けることを特徴とする燃料噴射弁。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1に記載の燃料噴射弁において、
    前記入口オリフィスの下流端に流れの圧力回復を図るデフューザを備え、前記圧力制御室に設けられた前記出口オリフィスと前記デフューザとを同軸的に配置することを特徴とする燃料噴射弁。
  5. 請求項1または2に記載の燃料噴射弁において、
    前記入口オリフィスを前記制御ピストンとは別体の部材に設け、前記制御ピストンの後端側と前記圧力制御室との間に配置することを特徴とする燃料噴射弁。
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