JP2007009041A - 硬化性組成物及びその硬化物 - Google Patents

硬化性組成物及びその硬化物 Download PDF

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Abstract

【課題】実質的な硬化性低下を伴なうことなく、硬化物の非着色性を改善できる硬化性組成物を提供する
【解決手段】 SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個含有する有機化合物(A)、1分子中に少なくとも2個のSiH基を含有する化合物(B)、ヒドロシリル化触媒(C)含有する硬化性組成物に、特定の亜リン酸系化合物(D)を含有させる。

【選択図】 なし

Description

本発明は硬化性組成物及びその硬化物に関する。詳しくはその硬化物の非着色性が改善された、実質的な硬化性低下を伴わない硬化性組成物及びその硬化物に関する。
SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個含有する有機化合物、1分子中に少なくとも2個のSiH基を含有する化合物、およびヒドロシリル化触媒からなる硬化性組成物が種々提案されている(例えば特許文献1、特許文献2、特許文献3)。
ヒドロシリル化反応により硬化する硬化性組成物に亜リン酸系化合物を添加することは公知であり、亜リン酸系化合物のヒドロシリル化反応を阻害する特徴を利用して室温領域での作業時間を確保する方法が提案されている(例えば特許文献4、特許文献5、特許文献6)。しかし、亜リン酸系化合物の添加により室温領域での作業時間を確保できる一方で、加熱硬化時において反応性が低下し硬化時間が遅延(硬化性の低下)する傾向がある。
この硬化性の低下を抑制する方法として、SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を含有するポリシロキサン、SiH基を含有するポリ水素シロキサンおよびヒドロシリル化触媒からなる硬化性組成物に嵩高い基を有する亜リン酸系化合物を添加する技術が提案されている(例えば特許文献7、特許文献8、特許文献9)。
これら硬化性組成物を光学材料やコーティング材等に用いる場合、得られる硬化物には高い光線透過性が要求される。しかし、SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個含有する有機化合物、1分子中に少なくとも2個のSiH基を含有する化合物およびヒドロシリル化触媒からなる硬化性組成物は、詳細な原因はわかっていないが、硬化直後の硬化物が褐色系に着色している場合があるため、その着色性低減、すなわち硬化物の非着色性の改善が新たな重要な課題となってくる。
国際公開WO01−81475号パンフレット 特許2582524号公報 特開平05−295270号公報 米国特許第3,188,300号明細書 特開昭56−20051号公報 特開平7−238185号公報 特開平9−183906号公報 特表2001−508096号公報 特表2001−527111号公報
そこで、本発明は、硬化条件下における実質的な硬化性低下を伴うこともなく、硬化性組成物を硬化させる場合に起こる着色が改善された硬化物を与えうる硬化性組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討の結果、SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個含有する有機化合物、1分子中に少なくとも2個のSiH基を含有する化合物およびヒドロシリル化触媒からなる硬化性組成物に更に特定の亜リン酸系化合物を含有させると、驚いたことに、硬化条件下における硬化性低下が抑制され、硬化性が実質的に低下させることなく、得られる硬化物の着色を改善できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、
SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個含有する有機化合物(A)、1分子中に少なくとも2個のSiH基を含有する化合物(B)、ヒドロシリル化触媒(C)、および、一般式(VII)
Figure 2007009041
(式中R8は炭素数1〜5の一価有機基である。)で表される亜リン酸系化合物(D)を必須成分として含有することを特徴とする、硬化性組成物
(請求項1)であり、
(D)成分がビス[2,4−ビス(1,1−ジメチルエチル)−6−メチルフェニル]エチルエステル亜リン酸である、請求項1に記載の硬化性組成物(請求項2)であり、
(A)成分および/または(B)成分に下記式
Figure 2007009041
で表されるイソシアヌル酸骨格を含有する化合物を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の硬化性組成物(請求項3)であり、
請求項1〜3のいずれか一項に記載の硬化性組成物を硬化させてなる硬化物(請求項4)である。
本発明の硬化性組成物を用いれば、実質的な硬化性低下を伴うことなく、非着色性が改善された硬化物が得られる。
本発明に係る硬化性組成物は、SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個含有する有機化合物(A)、1分子中に少なくとも2個のSiH基を含有する化合物(B)、ヒドロシリル化触媒(C)、および、一般式(VII)で表される亜リン酸系化合物(D)を必須成分として含有することを特徴とする。
以下に本発明に係る硬化性組成物に含有される各成分につき説明する。
((A)成分)
本発明の(A)成分について説明する。
(A)成分はSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個含有する有機化合物であれば特に限定されない。有機化合物としてはポリシロキサン−有機ブロックコポリマーやポリシロキサン−有機グラフトコポリマーのようなシロキサン単位(Si−O−Si)を含むものではなく、構成元素としてC、H、N、O、S、ハロゲンのみを含むものであることが好ましい。シロキサン単位を含むものの場合は、ガス透過性やはじきの問題がある。
SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合の結合位置は特に限定されず、分子内のどこに存在してもよい。
(A)成分の有機化合物は、有機重合体系の化合物と有機単量体系化合物に分類できる。
有機重合体系化合物としては例えば、ポリエーテル系、ポリエステル系、ポリアリレート系、ポリカーボネート系、飽和炭化水素系、不飽和炭化水素系、ポリアクリル酸エステル系、ポリアミド系、フェノール−ホルムアルデヒド系(フェノール樹脂系)、ポリイミド系の化合物を用いることができる。
また有機単量体系化合物としては例えば、フェノール系、ビスフェノール系、ベンゼン、ナフタレン等の芳香族炭化水素系:直鎖系、脂環系等の脂肪族炭化水素系:複素環系の化合物およびこれらの混合物等が挙げられる。
(A)成分のSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合としては特に限定されないが、下記一般式(I)
Figure 2007009041
(式中R1は水素原子あるいはメチル基を表す。)で示される基が反応性の点から好適である。また、原料の入手の容易さからは、
Figure 2007009041
示される基が特に好ましい。
(A)成分のSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合としては、下記一般式(II)で表される部分構造を環内に有する脂環式の基が、硬化物の耐熱性が高いという点から好適である。
Figure 2007009041
(式中R2は水素原子あるいはメチル基を表す。それぞれのR2は異なっていても同一であっても良い。)また、原料の入手の容易さからは、下記式で表される部分構造を環内に有する脂環式の基が好適である。
Figure 2007009041
SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合は(A)成分の骨格部分に直接結合していてもよく、2価以上の置換基を介して共有結合していても良い。2価以上の置換基としては炭素数0〜10の置換基であれば特に限定されないが、構成元素としてC、H、N、O、S、およびハロゲンのみを含むものが好ましい。これらの置換基の例としては、
Figure 2007009041
Figure 2007009041
が挙げられる。また、これらの2価以上の置換基の2つ以上が共有結合によりつながって1つの2価以上の置換基を構成していてもよい。
以上のような骨格部分に共有結合する基の例としては、ビニル基、アリル基、メタリル基、アクリル基、メタクリル基、2−ヒドロキシ−3−(アリルオキシ)プロピル基、2−アリルフェニル基、3−アリルフェニル基、4−アリルフェニル基、2−(アリルオキシ)フェニル基、3−(アリルオキシ)フェニル基、4−(アリルオキシ)フェニル基、2−(アリルオキシ)エチル基、2、2−ビス(アリルオキシメチル)ブチル基、3−アリルオキシ−2、2−ビス(アリルオキシメチル)プロピル基、
Figure 2007009041
が挙げられる。
(A)成分の具体的な例としては、ジアリルフタレート、トリアリルトリメリテート、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、1,1,2,2−テトラアリロキシエタン、ジアリリデンペンタエリスリット、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、1,2,4−トリビニルシクロヘキサン、ジビニルベンゼン類(純度50〜100%のもの、好ましくは純度80〜100%のもの)、ジビニルビフェニル、1,3−ジイソプロペニルベンゼン、1,4−ジイソプロペニルベンゼン、およびそれらのオリゴマー、1,2−ポリブタジエン(1、2比率10〜100%のもの、好ましくは1、2比率50〜100%のもの)、ノボラックフェノールのアリルエーテル、アリル化ポリフェニレンオキサイド、
Figure 2007009041
Figure 2007009041
の他、従来公知のエポキシ樹脂のグルシジル基の一部あるいは全部をアリル基に置き換えたもの等が挙げられる。
(A)成分としては、上記のように骨格部分とアルケニル基とに分けて表現しがたい、低分子量化合物も用いることができる。これらの低分子量化合物の具体例としては、ブタジエン、イソプレン、オクタジエン、デカジエン等の脂肪族鎖状ポリエン化合物系、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、シクロオクタジエン、ジシクロペンタジエン、トリシクロペンタジエン、ノルボルナジエン等の脂肪族環状ポリエン化合物系、ビニルシクロペンテン、ビニルシクロヘキセン等の置換脂肪族環状オレフィン化合物系等が挙げられる。
(A)成分としては、耐熱性をより向上し得るという観点からは、SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を(A)成分1gあたり0.001mol以上含有するものが好ましく、1gあたり0.005mol以上含有するものがより好ましく、0.008mol以上含有するものがさらに好ましい。
(A)成分のSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合の数は、平均して1分子当たり少なくとも2個あればよいが、力学強度をより向上したい場合には2を越えることが好ましく、3個以上であることがより好ましい。(A)成分のSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合の数が1分子内当たり1個以下の場合は、(B)成分と反応してもグラフト構造となるのみで架橋構造とならない。
(A)成分としては反応性が良好であるという観点からは、1分子中にビニル基を1個以上含有していることが好ましく、1分子中にビニル基を2個以上含有していることがより好ましい。また貯蔵安定性が良好となりやすいという観点からは、1分子中にビニル基を6個以下含有していることが好ましく、1分子中にビニル基を4個以下含有していることがより好ましい。
(A)成分としては、力学的耐熱性が高いという観点および原料液の糸引き性が少なく成形性、取扱い性、塗布性が良好であるという観点からは、分子量が900未満のものが好ましく、700未満のものがより好ましく、500未満のものがさらに好ましい。
(A)成分としては、他の成分との均一な混合、および良好な作業性を得るためには、粘度としては23℃において1000ポイズ未満のものが好ましく、300ポイズ未満のものがより好ましく、30ポイズ未満のものがさらに好ましい。
(A)成分としては、着色特に黄変の抑制の観点からはフェノール性水酸基および/あるいはフェノール性水酸基の誘導体を有する化合物の含有量が少ないものが好ましく、フェノール性水酸基および/あるいはフェノール性水酸基の誘導体を有する化合物を含まないものが好ましい。本発明におけるフェノール性水酸基とはベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環等に例示される芳香族炭化水素核に直接結合した水酸基を示し、フェノール性水酸基の誘導体とは上述のフェノール性水酸基の水素原子をメチル基、エチル基等のアルキル基、ビニル基、アリル基等のアルケニル基、アセトキシ基等のアシル基等により置換された基を示す。
得られる硬化物の着色が少なく、耐光性が高いという観点からは、(A)成分としてはビニルシクロヘキセン、ジシクロペンタジエン、トリアリルイソシアヌレート、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンのジアリルエーテル、1,2,4−トリビニルシクロヘキサンが好ましく、トリアリルイソシアヌレート、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンのジアリルエーテル、1,2,4−トリビニルシクロヘキサンが特に好ましい。
(A)成分としてはその他の反応性基を有していてもよい。この場合の反応性基としては、エポキシ基、アミノ基、ラジカル重合性不飽和基、カルボキシル基、イソシアネート基、ヒドロキシル基、アルコキシシリル基等が挙げられる。これらの官能基を有している場合には得られる硬化性組成物の接着性が高くなりやすく、得られる硬化物の強度が高くなりやすい。接着性がより高くなりうるという点からは、これらの官能基のうちエポキシ基が好ましい。また、得られる硬化物の耐熱性が高くなりやすいという点においては、反応性基を平均して1分子中に1個以上有していることが好ましい。
特に(A)成分としては耐熱性・耐光性が高いという観点から下記式
Figure 2007009041
で表されるイソシアヌル環骨格を含有する化合物として一般式(III)で表されるトリアリルイソシアヌレート及びその誘導体が特に好ましい。
Figure 2007009041
(式中R3は炭素数1〜50の一価の有機基を表し、それぞれのR3は異なっていても同一であってもよい。)で表される化合物が好ましい。
上記一般式(III)のR3としては、得られる硬化物の耐熱性がより高くなりうるという観点からは、炭素数1〜20の一価の有機基であることが好ましく、炭素数1〜10の一価の有機基であることがより好ましく、炭素数1〜4の一価の有機基であることがさらに好ましい。これらの好ましいR3の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル基、ベンジル基、フェネチル基、ビニル基、アリル基、グリシジル基、
Figure 2007009041
等が挙げられる。
上記一般式(III)のR3としては、得られる硬化物の各種材料との接着性が良好になりうるという観点からは、3つのR3のうち少なくとも1つがエポキシ基を一つ以上含む炭素数1〜50の一価の有機基であることが好ましく、
Figure 2007009041
で表されるエポキシ基を1個以上含む炭素数1〜50の一価の有機基であることがより好ましい。これらの好ましいR3の例としては、グリシジル基、
Figure 2007009041
等が挙げられる。
上記一般式(III)のR3としては、得られる硬化物の化学的な熱安定性が良好になりうるという観点からは、2個以下の酸素原子を含みかつ構成元素としてC、H、Oのみを含む炭素数1〜50の一価の有機基であることが好ましく、炭素数1〜50の一価の炭化水素基であることがより好ましい。これらの好ましいR3の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル基、ベンジル基、フェネチル基、ビニル基、アリル基、グリシジル基、
Figure 2007009041
等が挙げられる。
上記一般式(III)のR3としては、反応性が良好になるという観点からは、3つのR3のうち少なくとも1つが
Figure 2007009041
で表される基を1個以上含む炭素数1〜50の一価の有機基であることが好ましく、下記一般式(IV)
Figure 2007009041
(式中R4は水素原子あるいはメチル基を表す。)で表される基を1個以上含む炭素数1〜50の一価の有機基であることがより好ましく、
3つのR3のうち少なくとも2つが下記一般式(V)
Figure 2007009041
(式中R5は直接結合あるいは炭素数1〜48の二価の有機基を表し、R6は水素原子あるいはメチル基を表す。)で表される有機化合物(複数のR5およびR6はそれぞれ異なっていても同一であってもよい。)であることがさらに好ましい。
上記一般式(V)のR5は、直接結合あるいは炭素数1〜48の二価の有機基であるが、得られる硬化物の耐熱性がより高くなりうるという観点からは、直接結合あるいは炭素数1〜20の二価の有機基であることが好ましく、直接結合あるいは炭素数1〜10の二価の有機基であることがより好ましく、直接結合あるいは炭素数1〜4の二価の有機基であることがさらに好ましい。これらの好ましいR5の例としては、
Figure 2007009041
等が挙げられる。
上記一般式(V)のR5としては、得られる硬化物の化学的な熱安定性が良好になりうるという観点からは、直接結合あるいは2つ以下の酸素原子を含みかつ構成元素としてC、H、Oのみを含む炭素数1〜48の二価の有機基であることが好ましく、直接結合あるいは炭素数1〜48の二価の炭化水素基であることがより好ましい。これらの好ましいR5の例としては、
Figure 2007009041
が挙げられる。
上記一般式(V)のR6は、水素原子あるいはメチル基であるが、反応性が良好であるという観点からは、水素原子が好ましい。
ただし、上記のような一般式(III)で表される有機化合物の好ましい例においても、SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個含有することは必要である。耐熱性をより向上し得るという観点からは、SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に3個以上含有する有機化合物であることがより好ましい。
以上のような一般式(III)で表される有機化合物の好ましい具体例としては、トリアリルイソシアヌレート、
Figure 2007009041
等が挙げられる。
硬化物の接着性向上のためには、(A)成分としてはジアリルモノグリシジルイソシアヌレートが好ましい。
硬化物の接着性向上と耐光性を両立させるためにはトリアリルイソシアヌレートとジアリルモノグリシジルイソシアヌレートの混合物であることが好ましい。該混合物はイソシアヌル環骨格を有するため耐熱性の点からも有効である。混合比は任意に設定出来るが、耐光性をより重視する場合はトリアリルイソシアヌレート/アリルモノグリシジルイソシアヌレート(モル比)=99/1〜51/49が好ましく、接着性や靭性をより重視する場合は1/99〜50/50が好ましい。
(A)成分は、単独又は2種以上のものを混合して用いることが可能である。
((B)成分)
次に、(B)成分について説明する。
本発明の(B)成分は、1分子中に少なくとも2個のSiH基を含有する化合物である。
(B)成分については1分子中に少なくとも2個のSiH基を含有する化合物であれば特に限定されず、例えば国際公開WO96/15194に記載される化合物で、1分子中に少なくとも2個のSiH基を有するもの等が使用できる。
これらのうち、入手性の面からは、1分子中に少なくとも2個のSiH基を有する鎖状及び/又は環状オルガノポリシロキサンが好ましく、(A)成分との相溶性が良いという観点からは、さらに、下記一般式(VI)
Figure 2007009041
(式中、R7は炭素数1〜6の有機基を表し、nは3〜10の数を表す。)で表される、1分子中に少なくとも2個のSiH基を有する環状オルガノポリシロキサンが好ましい。
一般式(VI)で表される化合物中の置換基R7は、C、H、Oから構成されるものであることが好ましく、炭化水素基であることがより好ましく、メチル基であることがさらに好ましい。
一般式(VI)で表される化合物としては、入手容易性の観点からは、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンであることが好ましい。
(B)成分の分子量は特に制約はなく任意のものが好適に使用できるが、硬化性組成物の流動性をより制御しやすいという観点からは低分子量のものが好ましく用いられる。この場合、好ましい分子量の下限は50であり、好ましい分子量の上限は100,000、より好ましくは10,000、さらに好ましくは1,000である。
(B)成分は単独又は2種以上のものを混合して用いることが可能である。
(A)成分と良好な相溶性を有するという観点、および(B)成分の揮発性が低くなり得られる組成物からのアウトガスの問題が生じ難いという観点からは、(B)成分は、SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に1個以上含有する有機化合物(α)と、1分子中に少なくとも2個のSiH基を有する鎖状及び/又は環状のポリオルガノシロキサン(β)を、ヒドロシリル化反応して得ることができる化合物であることが好ましい。
((α)成分)
ここで(α)成分は上記した(A)成分である、SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個含有する有機化合物と同じもの(α1)も用いることができる。(α1)成分を用いると得られる硬化物の架橋密度が高くなり力学強度が高い硬化物となりやすい。
その他、SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に1個含有する有機化合物(α2)も用いることができる。(α2)成分を用いると得られる硬化物が低弾性となりやすい。
また(α1)成分と(α2)成分を併用すると、更に(A)成分との相溶性の制御が容易になるとともに低弾性で力学強度の優れた硬化物を得ることができる。
(α)成分としては耐熱性・耐光性が高いという観点から下記式
Figure 2007009041
で表されるイソシアヌル環骨格を含有する化合物を用いることが好ましい。
((α2)成分)
(α2)成分としては、SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に1個含有する有機化合物であれば特に限定されないが、(B)成分が(A)成分と相溶性がよくなるという点においては、化合物としてはポリシロキサン−有機ブロックコポリマーやポリシロキサン−有機グラフトコポリマーのようなシロキサン単位(Si−O−Si)を含むものではなく、構成元素としてC、H、N、O、S、およびハロゲンのみを含むものであることが好ましい。
(α2)成分のSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合の結合位置は特に限定されず、分子内のどこに存在してもよい。
(α2)成分の化合物は、重合体系の化合物と単量体系化合物に分類できる。
重合体系化合物としては例えば、ポリシロキサン系、ポリエーテル系、ポリエステル系、ポリアリレート系、ポリカーボネート系、飽和炭化水素系、不飽和炭化水素系、ポリアクリル酸エステル系、ポリアミド系、フェノール−ホルムアルデヒド系(フェノール樹脂系)、ポリイミド系の化合物を用いることができる。
また単量体系化合物としては例えば、フェノール系、ビスフェノール系、ベンゼン、ナフタレン等の芳香族炭化水素系:直鎖系、脂環系等の脂肪族炭化水素系:複素環系の化合物、シリコン系の化合物およびこれらの混合物等が挙げられる。
(α2)成分のSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合としては特に限定されないが、下記一般式(I)
Figure 2007009041
(式中R1は水素原子あるいはメチル基を表す。)で示される基が反応性の点から好適である。また、原料の入手の容易さからは、
Figure 2007009041
示される基が特に好ましい。
(α2)成分のSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合としては、下記一般式(II)で表される部分構造を環内に有する脂環式の基が、硬化物の耐熱性が高いという点から好適である。
Figure 2007009041
(式中R2は水素原子あるいはメチル基を表す。それぞれのR2は異なっていても同一であっても良い。)また、原料の入手の容易さからは、下記式で表される部分構造を環内に有する脂環式の基が好適である。
Figure 2007009041
SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合は(α2)成分の骨格部分に直接結合していてもよく、2価以上の置換基を介して共有結合していても良い。2価以上の置換基としては炭素数0〜10の置換基であれば特に限定されないが、(B)成分が(A)成分と相溶性がよくなりやすいという点においては、構成元素としてC、H、N、O、S、およびハロゲンのみを含むものが好ましい。これらの置換基の例としては、
Figure 2007009041
Figure 2007009041
が挙げられる。また、これらの2価以上の置換基の2つ以上が共有結合によりつながって1つの2価以上の置換基を構成していてもよい。
以上のような骨格部分に共有結合する基の例としては、ビニル基、アリル基、メタリル基、アクリル基、メタクリル基、2−ヒドロキシ−3−(アリルオキシ)プロピル基、2−アリルフェニル基、3−アリルフェニル基、4−アリルフェニル基、2−(アリルオキシ)フェニル基、3−(アリルオキシ)フェニル基、4−(アリルオキシ)フェニル基、2−(アリルオキシ)エチル基、2、2−ビス(アリルオキシメチル)ブチル基、3−アリルオキシ−2、2−ビス(アリルオキシメチル)プロピル基、
Figure 2007009041
が挙げられる。
(α2)成分の具体的な例としては、プロペン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ドデセン、1−ウンデセン、出光石油化学社製リニアレン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、2−メチル−1−ヘキセン、2,3,3−トリメチル−1−ブテン、2,4,4−トリメチル−1−ペンテン等のような鎖状脂肪族炭化水素系化合物類、シクロヘキセン、メチルシクロヘキセン、メチレンシクロヘキサン、ノルボルニレン、エチリデンシクロヘキサン、ビニルシクロヘキサン、カンフェン、カレン、αピネン、βピネン等のような環状脂肪族炭化水素系化合物類、スチレン、αメチルスチレン、インデン、フェニルアセチレン、4−エチニルトルエン、アリルベンゼン、4−フェニル−1−ブテン等のような芳香族炭化水素系化合物、アルキルアリルエーテル、アリルフェニルエーテル等のアリルエーテル類、グリセリンモノアリルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、4−ビニル−1,3−ジオキソラン−2−オン等の脂肪族系化合物類、1,2−ジメトキシ−4−アリルベンゼン、o−アリルフェノール等の芳香族系化合物類、モノアリルジベンジルイソシアヌレート、モノアリルジグリシジルイソシアヌレート等の置換イソシアヌレート類、ビニルトリメチルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリフェニルシラン等のシリコン化合物等が挙げられる。さらに、片末端アリル化ポリエチレンオキサイド、片末端アリル化ポリプロピレンオキサイド等のポリエーテル系樹脂、片末端アリル化ポリイソブチレン等の炭化水素系樹脂、片末端アリル化ポリブチルアクリレート、片末端アリル化ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂、等の片末端にビニル基を有するポリマーあるいはオリゴマー類等も挙げることができる。
構造は線状でも枝分かれ状でもよく、分子量は特に制約はなく種々のものを用いることができる。分子量分布も特に制限ないが、混合物の粘度が低くなり成形性が良好となりやすいという点においては、分子量分布が3以下であることが好ましく、2以下であることがより好ましく、1.5以下であることがさらに好ましい。
(α2)成分のガラス転位温度が存在する場合はこれについても特に限定はなく種々のものが用いられるが、得られる硬化物が強靭となりやすいという点においてはガラス点移転温度は100℃以下であることが好ましく、50℃以下であることがより好ましく、0℃以下であることがさらに好ましい。好ましい樹脂の例としてはポリブチルアクリレート樹脂等が挙げられる。逆に得られる硬化物の耐熱性が高くなるという点においては、ガラス転位温度は100℃以上であることが好ましく、120℃以上であることがより好ましく、150℃以上であることがさらに好ましく、170℃以上であることが最も好ましい。ガラス転位温度は動的粘弾性測定においてtanδが極大を示す温度として求めることができる。
(α2)成分としては、得られる硬化物の耐光性が高くなるという点においては、脂肪族炭化水素化合物であることが好ましい。この場合好ましい炭素数の下限は2であり、好ましい炭素数の上限は10である。
(α2)成分としては、得られる硬化物の耐熱性が高くなるという点においては、芳香族炭化水素化合物であることが好ましい。この場合好ましい炭素数の下限は7であり、好ましい炭素数の上限は10である。
(α2)成分としてはその他の反応性基を有していてもよい。この場合の反応性基としては、エポキシ基、アミノ基、ラジカル重合性不飽和基、カルボキシル基、イソシアネート基、ヒドロキシル基、アルコキシシリル基等が挙げられる。これらの官能基を有している場合には得られる硬化性組成物の接着性が高くなりやすく、得られる硬化物の強度が高くなりやすい。接着性がより高くなりうるという点からは、これらの官能基のうちエポキシ基が好ましい。また、得られる硬化物の耐熱性が高くなりやすいという点においては、反応性基を平均して1分子中に1個以上有していることが好ましい。このような(α2)成分としては具体的にはモノアリルジグリシジルイソシアヌレート、アリルグリシジルエーテル、アリロキシエチルメタクリレート、アリロキシエチルアクリレート、ビニルトリメトキシシラン等が挙げられる。
また取扱い性が良好であるという点からは、(α2)成分の分子量は500以下が好ましく、300以下が更により好ましい。
上記のような(α2)成分としては単一のものを用いてもよいし、複数のものを組み合わせて用いてもよい。
((β)成分)
(β)成分は、1分子中に少なくとも2個のSiH基を有する鎖状及び/又は環状のポリオルガノシロキサンである。
具体的には、例えば
Figure 2007009041
Figure 2007009041
が挙げられる。
ここで、(α)成分との相溶性が良くなりやすいという観点から、下記一般式(VI)
Figure 2007009041
(式中、R7は炭素数1〜6の有機基を表し、nは3〜10の数を表す。)で表される、1分子中に少なくとも3個のSiH基を有する環状ポリオルガノシロキサンが好ましい。
一般式(VI)で表される化合物中の置換基R7は、C、H、Oから構成されるものであることが好ましく、炭化水素基であることがより好ましく、メチル基であることがさらに好ましい。
入手容易性等から、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンであることが好ましい。
上記したような各種(β)成分は単独もしくは2種以上のものを混合して用いることが可能である。
((α)成分と(β)成分の反応)
次に、本発明の(B)成分として、(α)成分と(β)成分をヒドロシリル化反応して得ることができる化合物を用いる場合の、(α)成分と(β)成分とのヒドロシリル化反応に関して説明する。
尚、(α)成分と(β)成分をヒドロシリル化反応すると、本発明の(B)成分を含む複数の化合物の混合物が得られることがあるが、そこから(B)成分を分離することなく混合物のままで用いて本発明の硬化性組成物を作製することもできる。
(α)成分と(β)成分をヒドロシリル化反応させる場合の(α)成分と(β)成分の混合比率は、特に限定されないが、得られる(B)成分と(A)成分とのヒドロシリル化による硬化物の強度を考えた場合、(B)成分のSiH基が多い方が好ましいため、一般に混合する(α)成分中のSiH基との反応性を有する炭素−炭素二重結合の総数(X)と、混合する(β)成分中のSiH基の総数(Y)との比が、Y/X≧2であることが好ましく、Y/X≧3であることがより好ましい。また(B)成分の(A)成分との相溶性がよくなりやすいという点からは、10≧Y/Xであることが好ましく、5≧Y/Xであることがより好ましい。
(α)成分と(β)成分をヒドロシリル化反応させる場合において(α)成分として(α1)成分と(α2)成分を併用する場合も各成分の割合は特に限定されないが、 得られる(B)成分に含まれる(α2)成分と(β)成分のモル比をそれぞれ(X2)、(Y1)とした場合、架橋密度の低減による弾性率及び/又はガラス転移温度の低下効果の点から(X2/Y1)の好ましい下限は0.6、より好ましくは1.0、更に好ましくは1.4である。また硬化物の強度の点から(X2/Y1)は好ましい上限は2.5、より好ましくは2.1、更に好ましくは1.7である。得られる(B)成分に含まれる(α1)成分と(β)成分のモル比をそれぞれ(X1)、(Y1)、また(α1)成分中のSiH基との反応性を有する炭素−炭素二重結合の数の平均を(Z1)とすると、低粘度で取扱い性が良好である点から好ましい((Y1/X1)/Z1)の範囲は0.7以上1以下、より好ましい範囲は0.8以上1以下、更に好ましい範囲は0.9以上1以下である。(A)成分との相溶性が良好となる点から好ましい((Y1/X1)/Z1)上限は0.8、より好ましくは0.7、更に好ましくは0.6である。
(α)成分と(β)成分をヒドロシリル化反応させる場合には適当な触媒を用いてもよい。触媒としては、例えば次のようなものを用いることができる。白金の単体、アルミナ、シリカ、カーボンブラック等の担体に固体白金を担持させたもの、塩化白金酸、塩化白金酸とアルコール、アルデヒド、ケトン等との錯体、白金−オレフィン錯体(例えば、Pt(CH2=CH22(PPh32、Pt(CH2=CH22Cl2)、白金−ビニルシロキサン錯体(例えば、Pt(ViMe2SiOSiMe2Vi)n、Pt[(MeViSiO)4m)、白金−ホスフィン錯体(例えば、Pt(PPh34、Pt(PBu34)(式中、Meはメチル基、Buはブチル基、Viはビニル基、Phはフェニル基を表し、n、mは、整数を示す。)、ジカルボニルジクロロ白金、カールシュテト(Karstedt)触媒、また、アシュビー(Ashby)の米国特許第3159601号及び3159662号明細書中に記載された白金−炭化水素複合体、ならびにラモロー(Lamoreaux)の米国特許第3220972号明細書中に記載された白金アルコラート触媒が挙げられる。更に、モディック(Modic)の米国特許第3516946号明細書中に記載された塩化白金−オレフィン複合体も本発明において有用である。
また、白金化合物以外の触媒の例としては、RhCl(PPh)3、RhCl3、RhAl23、RuCl3、IrCl3、FeCl3、AlCl3、PdCl2・2H2O、NiCl2、TiCl4、等が挙げられる。
これらの中では、触媒活性の点から塩化白金酸、白金−オレフィン錯体、白金−ビニルシロキサン錯体等が好ましい。また、これらの触媒は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
触媒の添加量は特に限定されないが、十分な硬化性を有し、かつ硬化性組成物のコストを比較的低く抑えるため好ましい添加量の下限は、(β)成分のSiH基1モルに対して10-8モル、より好ましくは10-6モルであり、好ましい添加量の上限は(β)成分のSiH基1モルに対して10-1モル、より好ましくは10-2モルである。
また、上記触媒には助触媒を併用することが可能であり、例としてトリフェニルホスフィン等のリン系化合物、ジメチルマレエート等の1、2−ジエステル系化合物、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−ブチン、1−エチニル−1−シクロヘキサノール等のアセチレンアルコール系化合物、単体の硫黄等の硫黄系化合物等が挙げられる。助触媒の添加量は特に限定されないが、ヒドロシリル化触媒1モルに対しての好ましい添加量の下限は、10-2モル、より好ましくは10-1モルであり、好ましい添加量の上限は102モル、より好ましくは10モルである。
反応させる場合の(α)成分、(β)成分、触媒の混合方法としては、各種方法をとることができるが、(α)成分に触媒を混合したものを、(β)成分にを混合する方法が好ましい。(α)成分、(β)成分の混合物に触媒を混合する方法だと反応の制御が困難となる傾向がある。(β)成分と触媒を混合したものに(α)成分を混合する方法をとる場合は、触媒の存在下(β)成分が混入している水分と反応性を有するため、変質することがある。
(α)成分として(α1)成分と(α2)成分を併用する場合の(α)成分、(β)成分、触媒の混合の方法としては、各種方法をとることができるが、より簡便に(B)成分を得たい場合は(α2)成分に触媒を混合したものを(β)成分に混合し反応させた後に(α1)成分を添加混合し、反応させる方法が好ましい。より弾性率及び/又はガラス転移温度の低下効果の大きい(B)成分を得たい場合は、(α1)成分に触媒を混合したものを(β)成分に混合し反応させた後に未反応の(β)成分を一旦除去、続いて(α2)成分を添加混合し、反応させる方法が好ましい。
(α)成分として複数の(α1)成分を併用する場合の(α)成分、(β)成分、触媒の混合の方法としては、各種方法をとることができるが、より簡便に(B)成分を得たい場合は複数の(α1)成分に触媒を混合したものを(β)成分に混合し反応させる方法が好ましい。より力学的性質の優れた硬化物の得られる(B)成分を得たい場合は、より高官能な(α1)成分に触媒を混合したものを(β)成分に混合し反応させた後に未反応の(β)成分を一旦除去、続いてより低官能な(α1)成分を添加混合し、反応させる方法が好ましい。
反応温度としては種々設定できるが、この場合好ましい温度範囲の下限は30℃、より好ましくは50℃であり、好ましい温度範囲の上限は200℃、より好ましくは150℃である。反応温度が30℃より低いと十分に反応させるための反応時間が長くなる傾向があり、反応温度が200℃より高いと実用的でなくなる傾向がある。反応は一定の温度で行ってもよいが、必要に応じて多段階あるいは連続的に温度を変化させてもよい。また反応時間、反応時の圧力も必要に応じ種々設定できる。
ヒドロシリル化反応の際に溶媒を使用してもよい。当該溶媒としてはヒドロシリル化反応を阻害しない限り特に限定されるものではなく、具体的には、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン、1, 4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、クロロホルム、塩化メチレン、1, 2−ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒を好適に用いることができる。当該溶媒は単独で用いても良いし、2種類以上の混合溶媒として用いることもできる。溶媒としては、トルエン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、クロロホルムが好ましい。使用する溶媒量も適宜設定できる。
その他、反応性を制御する目的等のために種々の添加剤を用いてもよい。
(α)成分と(β)成分を反応させた後に、溶媒あるいは/および未反応の(α)成分あるいは/および(β)成分を除去することもできる。これらの揮発分を除去することにより、得られる(B)成分が揮発分を有さないため(A)成分との硬化の場合に揮発分の揮発によるボイド、クラックの問題が生じにくい。除去する方法としては例えば、減圧脱揮の他、活性炭、ケイ酸アルミニウム、シリカゲル等による処理等が挙げられる。減圧脱揮する場合には低温で処理することが好ましい。この場合の好ましい温度の上限は100℃であり、より好ましくは80℃である。100℃より高温で処理すると増粘等の変質を伴いやすい傾向がある。
以上のような(α)成分と(β)成分の反応物である(B)成分のうちで(α1)成分と(β)成分の反応物としては特に限定されないが、好ましい化合物としてジビニルベンゼンと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物、ビスフェノールAジアリルエーテルと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物、ビニルシクロヘキセンと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物、ジシクロペンタジエンと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物、トリアリルイソシアヌレートと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレートと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物等を挙げることができ、耐熱・耐光性が良好であることからイソシアヌル環骨格を有するトリアリルイソシアヌレートと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレートと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物がより好ましい。(α2)成分と(β)成分の反応物としては特に限定されないが、好ましい化合物としてアリルグリシジルエーテルと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物、αメチルスチレンと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物、モノアリルジグリシジルイソシアヌレートと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物等が挙げることができ、耐熱・耐光性が良好であることからイソシアヌル環骨格を有するモノアリルジグリシジルイソシアヌレートと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物がより好ましい。
(α)成分と(β)成分の反応物である(B)成分のうちで複数の(α1)成分と(β)成分の反応物としては特に限定されないが 好ましい化合物としては、少なくとも一つの(α1)成分として耐熱・耐光性が良好であることからイソシアヌル環骨格を有するトリアリルイソシアヌレート及びジアリルモノグリシジルイソシアヌレートからなる群より選ばれるいずれか一方を含有するものが好ましく、トリアリルイソシアヌレート及びジビニルベンゼンと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物、トリアリルイソシアヌレート及びビスフェノールAジアリルエーテルと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物、トリアリルイソシアヌレート及びビニルシクロヘキセンと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物、トリアリルイソシアヌレート及びジシクロペンタジエンと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレート及びジビニルベンゼンと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレート及びビスフェノールAジアリルエーテルと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレート及びビニルシクロヘキセンと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレート及びジシクロペンタジエンと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物、トリアリルイソシアヌレート及びジアリルモノグリシジルイソシアヌレートと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物等を挙げることができる。
硬化物の耐熱性・耐光性・接着性の点からトリアリルイソシアヌレート及びジアリルモノグリシジルイソシアヌレートと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物がより好ましいものとして挙げることができる。
(α)成分と(β)成分の反応物である(B)成分のうちで(α1)成分、(α2)成分及び(β)成分の反応物としては特に限定されないが 好ましい化合物としては、ジビニルベンゼン及び1−ヘキセンと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物、ジビニルベンゼン及びαメチルスチレンと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物、ジビニルベンゼン及びアリルグリシジルエーテルと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物、ビスフェノールAジアリルエーテル及び1−ヘキセンと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物、ビスフェノールAジアリルエーテル及びαメチルスチレンと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物、ビスフェノールAジアリルエーテル及びアリルグリシジルエーテルと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物、ビニルシクロヘキセン及び1−ヘキセンと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物、ビニルシクロヘキセン及びαメチルスチレンと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物、ビニルシクロヘキセン及びアリルグリシジルエーテルと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物、ジシクロペンタジエン及び1−ヘキセンと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物、ジシクロペンタジエン及びαメチルスチレンと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物、ジシクロペンタジエン及びアリルグリシジルエーテルと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物、トリアリルイソシアヌレート及び1−ヘキセンと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物、トリアリルイソシアヌレート及びαメチルスチレンと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物、トリアリルイソシアヌレート及びアリルグリシジルエーテルと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレート及び1−ヘキセンと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレート及びαメチルスチレンと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレート及びアリルグリシジルエーテルと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物、等の化合物を挙げることができる。
耐熱性・耐光性の点からはイソシアヌル環骨格を含有するトリアリルイソシアヌレート及びアリルグリシジルエーテルと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレート及びアリルグリシジルエーテルと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物が好ましい。
(B)成分は単独もしくは2種以上のものを混合して用いることが可能である。
((A)成分と(B)成分の混合比)
(A)成分と(B)成分の混合比率は、硬化物に必要な強度が失わない限り特に限定されないが、(B)成分中のSiH基の数(Y’)の(A)成分中の炭素−炭素二重結合の数(X’)に対する比(Y’/X’)において、好ましい範囲の下限は0.3、より好ましくは0.5、さらに好ましくは0.7であり、好ましい範囲の上限は3、より好ましくは2、さらに好ましくは1.5である。好ましい範囲からはずれた場合には十分な強度が得られなかったり、熱劣化しやすくなる場合がある。
また、硬化物の耐熱性・耐光性が良好になる点からは、(A)成分又は(B)成分の少なくともいずれか一方に下記式
Figure 2007009041
で表されるイソシアヌル環骨格を含有する化合物を含むことが好ましい。(A)成分及び(B)成分中の上記イソシアヌル環骨格を含有する化合物の含有量は30重量%以上が好ましく、50重量%以上がより好ましく、70重量%以上がさらにより好ましい。
((C)成分)
次に(C)成分であるヒドロシリル化触媒について説明する。
ヒドロシリル化触媒としては、ヒドロシリル化反応の触媒活性があれば特に限定されないが、例えば、白金の単体、アルミナ、シリカ、カーボンブラック等の担体に固体白金を担持させたもの、塩化白金酸、塩化白金酸とアルコール、アルデヒド、ケトン等との錯体、白金−オレフィン錯体(例えば、Pt(CH2=CH22(PPh32、Pt(CH2=CH22Cl2)、白金−ビニルシロキサン錯体(例えば、Pt(ViMe2SiOSiMe2Vi)n、Pt[(MeViSiO)4m)、白金−ホスフィン錯体(例えば、Pt(PPh34、Pt(PBu34)(式中、Meはメチル基、Buはブチル基、Viはビニル基、Phはフェニル基を表し、n、mは、整数を示す。)、ジカルボニルジクロロ白金、カールシュテト(Karstedt)触媒、また、アシュビー(Ashby)の米国特許第3159601号および3159662号明細書中に記載された白金−炭化水素複合体、ならびにラモロー(Lamoreaux)の米国特許第3220972号明細書中に記載された白金アルコラート触媒が挙げられる。さらに、モディック(Modic)の米国特許第3516946号明細書中に記載された塩化白金−オレフィン複合体も本発明において有用である。
また、白金化合物以外の触媒の例としては、RhCl(PPh)3、RhCl3、RhAl23、RuCl3、IrCl3、FeCl3、AlCl3、PdCl2・2H2O、NiCl2、TiCl4、等が挙げられる。
これらの中では、触媒活性の点から塩化白金酸、白金−オレフィン錯体、白金−ビニルシロキサン錯体等が好ましい。また、これらの触媒は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
触媒の添加量は特に限定されないが、十分な硬化性を有し、かつ硬化性組成物のコストを比較的低く抑えるため好ましい添加量の下限は、(B)成分のSiH基1モルに対して10-8モル、より好ましくは10-6モルであり、好ましい添加量の上限は(β)成分のSiH基1モルに対して10-1モル、より好ましくは10-2モルである。
また、上記触媒には助触媒を併用することが可能であり、例としてトリフェニルホスフィン等のリン系化合物、ジメチルマレエート等の1、2−ジエステル系化合物、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−ブチン等のアセチレンアルコール系化合物、単体の硫黄等の硫黄系化合物等が挙げられる。助触媒の添加量は特に限定されないが、ヒドロシリル化触媒1モルに対しての好ましい添加量の下限は、10-2モル、より好ましくは10-1モルであり、好ましい添加量の上限は102モル、より好ましくは10モルである。
尚、(B)成分の製造時にヒドロシリル化触媒を用い、このヒドロシリル化触媒を除去することなく用いる場合は、(B)成分中に残存するヒドロシリル化触媒も本発明の(C)成分に含まれる。
((D)成分)
次に(D)成分である亜リン酸系化合物について説明する。
(D)成分は一般式(VII)
Figure 2007009041
(式中R8は炭素数1〜5の一価有機基である。)で表される亜リン酸系化合物であり、この(D)成分の添加により実質的な硬化性低下を伴なうことなく、その硬化物の非着色性が改善できる。
このような(D)成分としては特に限定されないが、入手性の点からR8がエチル基であるビス[2,4−ビス(1,1−ジメチルエチル)−6−メチルフェニル]エチルエステル亜リン酸が好ましい。
(D)成分の添加量は特に限定されないが、硬化性組成物中に含まれる亜リン酸系化合物のP原子の数(P1)と硬化性組成物中に含まれるヒドロシリル化触媒として用いられた金属原子の数(M1)の比(P1/M1)の上限は5が好ましく、4がより好ましく、3が更により好ましい。(P1/M1)が3を超えると実質的な硬化性の低下が起こる場合がある。(P1/M1)の下限は0.2が好ましく、0.4がより好ましい。(P1/M1)が0.2未満であると非着色性の改善効果が十分でない傾向がある。
本発明における「実質的な硬化性低下を伴なうことなく」とは(D)成分の添加による硬化時間の遅延が実用上差し支えなければ特に限定する必要はないが、(D)成分を添加した本発明の硬化性組成物の100〜130℃における硬化時間(T1)と(D)成分を添加しない場合の同一温度における硬化時間(T2)の比(T1/T2)が1.3以下であることが好ましい。硬化時間の測定は種々の方法で可能であるが、温度制御された熱板上に一滴の硬化性組成物を滴下し、スパチュラでかき混ぜ続けたときに流動性がなくなるまでの時間を測定することにより硬化時間の測定が可能である。
本発明における「硬化物の非着色性の改善」のレベルは、実用上の着色の低減が認められれば特に限定する必要がないが、その評価方法としては硬化物の外観目視による着色程度の比較、硬化物板の光線透過率の比較、硬化物板の黄色度の比較等が例示でき、これらの方法によって非着色性の改善効果は確認できる。
(添加剤)
(硬化遅延剤)
本発明の組成物の保存安定性を改良する目的、あるいは硬化過程でのヒドロシリル化反応の反応性を調整する目的で、硬化遅延剤を使用することができる。硬化遅延剤としては、脂肪族不飽和結合を含有する化合物、有機リン化合物、有機イオウ化合物、窒素含有化合物、スズ系化合物、有機過酸化物等が挙げられ、これらを併用してもかまわない。
脂肪族不飽和結合を含有する化合物としては、3−ヒドロキシ−3−メチル−1−ブチン、3−ヒドロキシ−3−フェニル−1−ブチン、1−エチニル−1−シクロヘキサノール等のプロパギルアルコール類、エン−イン化合物類、ジメチルマレート等のマレイン酸エステル類等が例示される。有機リン化合物としては、トリオルガノフォスフィン類、ジオルガノフォスフィン類、オルガノフォスフォン類、トリオルガノフォスファイト類等が例示される。有機イオウ化合物としては、オルガノメルカプタン類、ジオルガノスルフィド類、硫化水素、ベンゾチアゾール、チアゾール、ベンゾチアゾールジサルファイド等が例示される。スズ系化合物としては、ハロゲン化第一スズ2水和物、カルボン酸第一スズ等が例示される。有機過酸化物としては、ジ−t−ブチルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、過安息香酸t−ブチル等が例示される。
これらの硬化遅延剤のうち、遅延活性が良好で原料入手性がよいという観点からは、ベンゾチアゾール、チアゾール、ジメチルマレート、3−ヒドロキシ−3−メチル−1−ブチン、1−エチニル−1−シクロヘキサノールが好ましい。
硬化遅延剤の添加量は種々設定できるが、使用するヒドロシリル化触媒1molに対する好ましい添加量の下限は10-1モル、より好ましくは1モルであり、好ましい添加量の上限は103モル、より好ましくは50モルである。
また、これらの硬化遅延剤は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
(接着性改良剤)
本発明の組成物には、接着性改良剤を添加することもできる。接着性改良剤としては一般に用いられている接着剤の他、例えば種々のカップリング剤、エポキシ化合物、フェノール樹脂、クマロン−インデン樹脂、ロジンエステル樹脂、テルペン−フェノール樹脂、α−メチルスチレン−ビニルトルエン共重合体、ポリエチルメチルスチレン、芳香族ポリイソシアネート等を挙げることができる。
カップリング剤としては例えばシランカップリング剤が挙げられる。シランカップリング剤としては、分子中に有機基と反応性のある官能基と加水分解性のケイ素基を各々少なくとも1個有する化合物であれば特に限定されない。有機基と反応性のある基としては、取扱い性の点からエポキシ基、メタクリル基、アクリル基、イソシアネート基、イソシアヌレート基、ビニル基、カルバメート基から選ばれる少なくとも1個の官能基が好ましく、硬化性及び接着性の点から、エポキシ基、メタクリル基、アクリル基が特に好ましい。加水分解性のケイ素基としては取扱い性の点からアルコキシシリル基が好ましく、反応性の点からメトキシシリル基、エトキシシリル基が特に好ましい。
好ましいシランカップリング剤としては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン等のエポキシ官能基を有するアルコキシシラン類:3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシメチルトリメトキシシラン、メタクリロキシメチルトリエトキシシラン、アクリロキシメチルトリメトキシシラン、アクリロキシメチルトリエトキシシラン等のメタクリル基あるいはアクリル基を有するアルコキシシラン類が例示できる。
シランカップリング剤の添加量としては種々設定できるが、(A)成分及び(B)成分の合計量100重量部に対しての好ましい添加量の下限は0.1重量部、より好ましくは0.5重量部であり、好ましい添加量の上限は50重量部、より好ましくは25重量部である。添加量が少ないと接着性改良効果が表れず、添加量が多いと硬化物物性に悪影響を及ぼす場合がある。
エポキシ化合物としては、例えば、ノボラックフェノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、2,2’−ビス(4−グリシジルオキシシクロヘキシル)プロパン、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカーボキシレート、ビニルシクロヘキセンジオキサイド、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−5,5−スピロ−(3,4−エポキシシクロヘキサン)−1,3−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート、1,2−シクロプロパンジカルボン酸ビスグリシジルエステル、トリグリシジルイソシアヌレート、モノアリルジグリシジルイソシアヌレート、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレート等を挙げることができる。
エポキシ化合物の添加量としては種々設定できるが、(A)成分及び(B)成分の合計量100重量部に対しての好ましい添加量の下限は1重量部、より好ましくは3重量部であり、好ましい添加量の上限は50重量部、より好ましくは25重量部である。添加量が少ないと接着性改良効果が表れず、添加量が多いと硬化物物性に悪影響を及ぼす場合がある。
また、これらのカップリング剤、シランカップリング剤、エポキシ化合物等は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
また、本発明においてはカップリング剤やエポキシ化合物の効果を高めるために、さらにシラノール縮合触媒を用いることができ、接着性の向上および/あるいは安定化が可能である。
このようなシラノール縮合触媒としては特に限定されないが、ほう素系化合物あるいは/およびアルミニウム系化合物あるいは/およびチタン系化合物が好ましい。
本発明に用いられるほう素系化合物としては、ほう酸トリ−2−エチルヘキシル、ほう酸ノルマルトリオクタデシル、ほう酸トリノルマルオクチル、ほう酸トリフェニル、トリメチレンボレート、トリス(トリメチルシリル)ボレート、ほう酸トリノルマルブチル、ほう酸トリ−sec−ブチル、ほう酸トリ−tert−ブチル、ほう酸トリイソプロピル、ほう酸トリノルマルプロピル、ほう酸トリアリル、ほう酸トリエチル、ほう酸トリメチル、ほう素メトキシエトキサイド等のほう酸エステル類が例示できる。
これらほう酸エステル類は1種類のみを用いてもよく、2種類以上を混合して用いても良い。混合は事前に行なっても良く、また硬化物作成時に混合しても良い。
これらほう酸エステル類のうち、容易に入手でき工業的実用性が高いという点からは、ほう酸トリメチル、ほう酸トリエチル、ほう酸トリノルマルブチルが好ましく、なかでもほう酸トリメチルがより好ましい。
硬化時の揮発性を抑制できるという点からは、ほう酸ノルマルトリオクタデシル、ほう酸トリノルマルオクチル、ほう酸トリフェニル、トリメチレンボレート、トリス(トリメチルシリル)ボレート、ほう酸トリノルマルブチル、ほう酸トリ−sec−ブチル、ほう酸トリ−tert−ブチル、ほう酸トリイソプロピル、ほう酸トリノルマルプロピル、ほう酸トリアリル、ほう素メトキシエトキサイドが好ましく、なかでもほう酸ノルマルトリオクタデシル、ほう酸トリ−tert−ブチル、ほう酸トリフェニル、ほう酸トリノルマルブチルがより好ましい。
揮発性の抑制、および作業性がよいという点からは、ほう酸トリノルマルブチル、ほう酸トリイソプロピル、ほう酸トリノルマルプロピルが好ましく、なかでもほう酸トリノルマルブチルがより好ましい。
高温下での着色性が低いという点からは、ほう酸トリメチル、ほう酸トリエチルが好ましく、なかでもほう酸トリメチルがより好ましい。
本発明に用いられるアルミニウム系化合物としては、アルミニウムトリイソプロポキシド、sec−ブトキシアルミニウムジイソフロポキシド、アルミニウムトリsec−ブトキシド等のアルミニウムアルコキシド類:、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロポキシド、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルミキレートM(川研ファインケミカル製、アルキルアセトアセテートアルミニウムジイソプロポキシド)、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、アルミニウムモノアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)等のアルミニウムキレート類等が例示でき、取扱い性の点からアルミニウムキレート類がより好ましい。
本発明で用いられるチタン系化合物としては、テトライソプロポキシチタン、テトラブトキシチタン等のテトラアルコキシチタン類:チタンテトラアセチルアセトナート等のチタンキレート類:オキシ酢酸やエチレングリコール等の残基を有する一般的なチタネートカップリング剤が例示できる。
シラノール縮合触媒を用いる場合の使用量は種々設定できるが、カップリング剤あるいは及びエポキシ化合物100重量部に対して好ましい添加量の下限は0.1重量部、より好ましくは1重量部であり、好ましい添加量の上限は50重量部、より好ましくは30重量部である。添加量が少ないと接着性改良効果が表れず、添加量が多いと硬化物物性に悪影響を及ぼす場合がある。
また、これらのシラノール縮合触媒は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
また、本発明においては接着性改良効果をさらに高めるために、さらにシラノール源化合物を用いることができ、接着性の向上および/あるいは安定化が可能である。このようなシラノール源としては、例えばトリフェニルシラノール、ジフェニルジヒドロキシシラン等のシラノール化合物、ジフェニルジメトキシシラン、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン等のアルコキシシラン類等を挙げることができる。
シラノール源化合物を用いる場合の使用量は種々設定できるが、カップリング剤あるいは及びエポキシ化合物100重量部に対しての好ましい添加量の下限は0.1重量部、より好ましくは1重量部であり、好ましい添加量の上限は50重量部、より好ましくは30重量部である。添加量が少ないと接着性改良効果が表れず、添加量が多いと硬化物物性に悪影響を及ぼす場合がある。
また、これらのシラノール源化合物は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
本発明においてはカップリング剤やエポキシ化合物の効果を高めるために、カルボン酸類あるいは/および酸無水物類を用いることができ、接着性の向上および/あるいは安定化が可能である。このようなカルボン酸類、酸無水物類としては特に限定されないが、
Figure 2007009041
2−エチルヘキサン酸、シクロヘキサンカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、メチルシクロヘキサンジカルボン酸、テトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、メチルハイミック酸、ノルボルネンジカルボン酸、水素化メチルナジック酸、マレイン酸、アセチレンジカルボン酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、桂皮酸、フタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレンカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸、およびそれらの単独あるいは複合酸無水物が挙げられる。
これらのカルボン酸類あるいは/および酸無水物類のうち、ヒドロシリル化反応性を有し硬化物からの染み出しの可能性が少なく得られる硬化物の物性を損ない難いという点においては、SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を含有するものが好ましい。好ましいカルボン酸類あるいは/および酸無水物類としては、例えば、
Figure 2007009041
テトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸およびそれらの単独あるいは複合酸無水物等が挙げられる。
カルボン酸類あるいは/および酸無水物類を用いる場合の使用量は種々設定できるが、カップリング剤あるいは/およびエポキシ化合物100重量部に対しての好ましい添加量の下限は0.1重量部、より好ましくは1重量部であり、好ましい添加量の上限は50重量部、より好ましくは10重量部である。添加量が少ないと接着性改良効果が表れず、添加量が多いと硬化物物性に悪影響を及ぼす場合がある。
また、これらのカルボン酸類あるいは/および酸無水物類は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
(熱可塑性樹脂)
本発明の硬化性組成物には特性を改質する等の目的で、種々の熱可塑性樹脂を添加することも可能である。熱可塑性樹脂としては種々のものを用いることができるが、例えば、メチルメタクリレートの単独重合体あるいはメチルメタクリレートと他モノマーとのランダム、ブロック、あるいはグラフト重合体等のポリメチルメタクリレート系樹脂(例えば日立化成社製オプトレッツ等)、ブチルアクリレートの単独重合体あるいはブチルアクリレートと他モノマーとのランダム、ブロック、あるいはグラフト重合体等のポリブチルアクリレート系樹脂等に代表されるアクリル系樹脂、ビスフェノールA、3,3,5−トリメチルシクロヘキシリデンビスフェノール等をモノマー構造として含有するポリカーボネート樹脂等のポリカーボネート系樹脂(例えば帝人社製APEC等)、ノルボルネン誘導体、ビニルモノマー等を単独あるいは共重合した樹脂、ノルボルネン誘導体を開環メタセシス重合させた樹脂、あるいはその水素添加物等のシクロオレフィン系樹脂(例えば、三井化学社製APEL、日本ゼオン社製ZEONOR、ZEONEX、JSR社製ARTON等)、エチレンとマレイミドの共重合体等のオレフィン−マレイミド系樹脂(例えば東ソー社製TI−PAS等)、ビスフェノールA、ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン等のビスフェノール類やジエチレングリコール等のジオール類とテレフタル酸、イソフタル酸、等のフタル酸類や脂肪族ジカルボン酸類を重縮合させたポリエステル等のポリエステル系樹脂(例えば鐘紡社製O−PET等)、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等の他、天然ゴム、EPDMといったゴム状樹脂が例示されるがこれに限定されるものではない。
熱可塑性樹脂としては、分子中にSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合あるいは/およびSiH基を有していてもよい。得られる硬化物がより強靭となりやすいという点においては、分子中にSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合あるいは/およびSiH基を平均して1分子中に1個以上有していることが好ましい。
熱可塑性樹脂としてはその他の架橋性基を有していてもよい。この場合の架橋性基としては、エポキシ基、アミノ基、ラジカル重合性不飽和基、カルボキシル基、イソシアネート基、ヒドロキシル基、アルコキシシリル基等が挙げられる。得られる硬化物の耐熱性が高くなりやすいという点においては、架橋性基を平均して1分子中に1個以上有していることが好ましい。
熱可塑製樹脂の分子量としては、特に限定はないが、(A)成分や(B)成分との相溶性が良好となりやすいという点においては、数平均分子量が10000以下であることが好ましく、5000以下であることがより好ましい。逆に、得られる硬化物が強靭となりやすいという点においては、数平均分子量が10000以上であることが好ましく、100000以上であることがより好ましい。分子量分布についても特に限定はないが、混合物の粘度が低くなり成形性が良好となりやすいという点においては、分子量分布が3以下であることが好ましく、2以下であることがより好ましく、1.5以下であることがさらに好ましい。
熱可塑性樹脂の配合量としては特に限定はないが、好ましい使用量の下限は硬化性組成物全体の5重量%、より好ましくは10重量%であり、好ましい使用量の上限は硬化性組成物中の50重量%、より好ましくは30重量%である。添加量が少ないと得られる硬化物が脆くなりやすいし、多いと耐熱性(高温での弾性率)が低くなりやすい。
熱可塑性樹脂としては単一のものを用いてもよいし、複数のものを組み合わせて用いてもよい。
熱可塑性樹脂は(A)成分あるいは/および(B)成分に溶かして均一な状態として混合してもよいし、粉砕して粒子状態で混合してもよいし、溶媒に溶かして混合する等して分散状態としてもよい。得られる硬化物がより透明になりやすいという点においては、(A)成分あるいは/および(B)成分に溶かして均一な状態として混合することが好ましい。この場合も、熱可塑性樹脂を(A)成分あるいは/および(B)成分に直接溶解させてもよいし、溶媒等を用いて均一に混合してもよいし、その後溶媒を除いて均一な分散状態あるいは/および混合状態としてもよい。
熱可塑性樹脂を分散させて用いる場合は、平均粒子径は種々設定できるが、好ましい平均粒子径の下限は10nmであり、好ましい平均粒子径の上限は10μmである。粒子系の分布はあってもよく、単一分散であっても複数のピーク粒径を持っていてもよいが、硬化性組成物の粘度が低く成形性が良好となりやすいという観点からは粒子径の変動係数が10%以下であることが好ましい。
(充填材)
本発明の硬化性組成物には必要に応じて充填材を添加してもよい。
充填材としては各種のものが用いられるが、例えば、石英、ヒュームシリカ、沈降性シリカ、無水ケイ酸、溶融シリカ、結晶性シリカ、超微粉無定型シリカ等のシリカ系充填材、窒化ケイ素、銀粉、アルミナ、水酸化アルミニウム、酸化チタン、ガラス繊維、炭素繊維、マイカ、カーボンブラック、グラファイト、ケイソウ土、白土、クレー、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、無機バルーン等の無機充填材をはじめとして、エポキシ系等の従来の封止材の充填材として一般に使用あるいは/および提案されている充填材等を挙げることができる。充填材の配合量としては特に限定はないが、線膨張係数の低減の観点からは、(A)成分および(B)成分の合計量100重量部に対して10重量部以上が好ましく、30重量部以上がより好ましい。
(老化防止剤)
本発明で得られる硬化性組成物には老化防止剤を添加してもよい。老化防止剤としては、ヒンダートフェノール系等一般に用いられている老化防止剤の他、クエン酸やリン酸、硫黄系老化防止剤等が挙げられる。
ヒンダートフェノール系老化防止剤としては、チバスペシャリティーケミカルズ社から入手できるイルガノックス1010をはじめとして、各種のものが用いられる。
硫黄系老化防止剤としては、メルカプタン類、メルカプタンの塩類、スルフィドカルボン酸エステル類や、ヒンダードフェノール系スルフィド類を含むスルフィド類、ポリスルフィド類、ジチオカルボン酸塩類、チオウレア類、チオホスフェイト類、スルホニウム化合物、チオアルデヒド類、チオケトン類、メルカプタール類、メルカプトール類、モノチオ酸類、ポリチオ酸類、チオアミド類、スルホキシド類等が挙げられる。
また、これらの老化防止剤は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
老化防止材の配合量としては特に限定はないが、耐熱性の観点から(A)成分および(B)成分の合計量100重量部に対して好ましい下限は0.1重量部、より好ましくは1重量部である。好ましい上限は10重量部、より好ましくは5重量部である。
(ラジカル禁止剤)
本発明で得られる硬化性組成物にはラジカル禁止剤を添加してもよい。ラジカル禁止剤としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−3−メチルフェノール(BHT)、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、テトラキス(メチレン−3(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)メタン等のフェノール系ラジカル禁止剤や、フェニル−β−ナフチルアミン、α−ナフチルアミン、N,N’−第二ブチル−p−フェニレンジアミン、フェノチアジン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン等のアミン系ラジカル禁止剤等が挙げられる。
また、これらのラジカル禁止剤は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
ラジカル禁止剤の配合量としては特に限定はないが、貯蔵安定性の観点から(A)成分および(B)成分の合計量100重量部に対して好ましい下限は0.1重量部、より好ましくは1重量部である。好ましい上限は10重量部、より好ましくは5重量部である。
(紫外線吸収剤)
本発明で得られる硬化性組成物には紫外線吸収剤を添加してもよい。紫外線吸収剤としては、例えば2(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン)セバケート等が挙げられる。
また、これらの紫外線吸収剤は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
紫外線吸収剤の配合量としては特に限定はないが、耐光性性の観点から(A)成分および(B)成分の合計量100重量部に対して好ましい下限は0.1重量部、より好ましくは1重量部である。好ましい上限は10重量部、より好ましくは5重量部である。
(その他添加剤)
本発明の硬化性組成物には、その他、着色剤、離型剤、難燃剤、難燃助剤、界面活性剤、消泡剤、乳化剤、レベリング剤、はじき防止剤、アンチモン−ビスマス等のイオントラップ剤、チクソ性付与剤、粘着性付与剤、保存安定改良剤、オゾン劣化防止剤、光安定剤、増粘剤、可塑剤、反応性希釈剤、酸化防止剤、熱安定化剤、導電性付与剤、帯電防止剤、放射線遮断剤、核剤、リン系過酸化物分解剤、滑剤、顔料、金属不活性化剤、熱伝導性付与剤、物性調整剤等を本発明の目的および効果を損なわない範囲において添加することができる。
(溶剤)
本発明で得られる硬化性組成物は溶剤に溶解して用いることも可能である。使用できる溶剤は特に限定されるものではなく、具体的に例示すれば、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、クロロホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒を好適に用いることができる。
溶媒としては、トルエン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、クロロホルムが好ましい。
使用する溶媒量は適宜設定できるが、用いる硬化性組成物1gに対しての好ましい使用量の下限は0.1mLであり、好ましい使用量の上限は10mLである。使用量が少ないと、低粘度化等の溶媒を用いることの効果が得られにくく、また、使用量が多いと、材料に溶剤が残留して熱クラック等の問題となり易く、またコスト的にも不利になり工業的利用価値が低下する。
これらの、溶媒は単独で使用してもよく、2種類以上の混合溶媒として用いることもできる。
(硬化性組成物の調整方法および硬化方法)
本硬化性組成物の調製方法は特に限定されず、種々の方法で調製可能である。各種成分を硬化直前に混合調製しても良く、全成分を予め混合調製した一液状態で低温で貯蔵しておいても良い。一液状態で貯蔵する場合は、貯蔵安定性確保の点から0℃以下で貯蔵することが好ましく、−18℃以下がより好ましい。また2〜3種類になるように一部成分を予め混合して貯蔵しておき、硬化直前にそれぞれの所定量を混合して調製しても良い。(A)成分であるSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個含有する有機化合物と(B)成分である1分子中に少なくとも2個のSiH基を含有する化合物を別々貯蔵しておく方法が貯蔵中の品質低下が少なく好ましい。
各種成分の混合順序についても特に限定されないが、(C)成分と(B)成分の混合液は水分と反応し増粘しやすい状態となる傾向があることから(C)成分は(A)成分と混合するなどして(B)成分と分けて貯蔵することが好ましい。(D)成分は(C)成分のヒドロシリル化反応の触媒活性を低下させる可能性があり、また(B)成分中に(B)成分の製造時の用いた少量の(C)成分を含む場合は(B)成分の貯蔵安定性を向上させる可能性があるため、(D)成分は(B)成分と攪拌混合して貯蔵し、硬化前に(A)成分及び(C)成分の混合液と攪拌混合し硬化させる方法好ましい。
また、反応条件の制御や置換基の反応性の差の利用により組成物中の官能基の一部のみを反応(Bステージ化)させてから成形等の処理を行いさらに硬化させる方法をとることもできる。これらの方法によれば成形時の粘度調整が容易となる。
(硬化物)
次に本発明の硬化物は、上記硬化性組成物を硬化させて得られるものである。硬化させる方法としては、単に混合するだけで反応させることもできるし、加熱して反応させることもできる。反応が速く、一般に耐熱性の高い材料が得られやすいという観点から加熱して反応させる方法が好ましい。
硬化温度としては種々設定できるが、好ましい温度の下限は30℃、より好ましくは100℃である。好ましい温度の上限は300℃、より好ましくは200℃である。反応温度が低いと十分に反応させるための反応時間が長くなり、反応温度が高いと成形加工が困難となりやすい。
硬化は一定の温度で行ってもよいが、必要に応じて多段階あるいは連続的に温度を変化させてもよい。一定の温度で行うより多段階的あるいは連続的に温度を上昇させながら反応させた方が歪の少ない硬化物が得られやすいという点において好ましい。
(用途)
本発明の硬化性組成物あるいは硬化物は種々の用途に用いることができる。
例えば光学材料、電子材料の他、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂が使用される一般の用途が挙げられ、例えば、接着剤、塗料、コーティング剤、成形材料(シート、フィルム、FRP等を含む)、絶縁材料(プリント基板、電線被覆等を含む)、封止剤の他、他樹脂等への添加剤等が挙げられる。
以下に、本発明の実施例および比較例を示すが、本発明は以下によって限定されるものではない。
(分析方法)
下記合成例及び比較合成例における分析は以下のようにして測定した。
(GPC)
約1重量%のトルエン溶液を調製し、WATERS社製LC MODULE1を使用、トルエン溶媒で流量1ml/min、カラム温度40℃、接続カラムは昭和電工社製カラム4本(KF806L/KF804L/KF8025/KF802)を用いてRI検出器で測定した。
(粘度)
東機産業株式会社製「TV−20形粘度計・コーンプレートタイプ」を用い23.0℃での粘度を測定した。
(評価方法)
下記実施例及び比較例における評価は以下の方法で行なった。
(120℃硬化時間)
120±2℃に温度制御した熱板上に一滴の硬化性組成物を滴下し、スパチュラでかき混ぜ続けたときに流動性がなくなるまでの時間を測定することにより硬化時間を測定した。
(硬化物の非着色性)
100mm×100mmのフッ素系離剤型剤を塗布したガラス板2枚と厚さ3mmのシリコーンゴムを用いて作製したセルに流し込み、60℃/6時間、70℃/1時間、80℃/1時間、120℃/1時間、150℃/1時間オーブン中で加熱を行なった。得られた約80mm×70mm×3mmの硬化物を室温まで放冷後、ガラスセルから注意深く取出し、硬化物を2枚のガラス板にはさみさらに180℃で30分加熱した。この硬化物から10mm×30mmの試験片を切り出し、硬化物の外観を目視観察し、着色状態を評価した。評価基準は、無色透明を○、ほんのわずかに褐色を帯びた透明を△、薄く褐色を帯びた透明を×、褐色透明を××とした。
(合成例)
2Lオートクレーブにトルエン720g、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン240gを入れ、気相部を窒素で置換した後、ジャケット温50℃で加熱、攪拌した。アリルグリシジルエーテル171g、トルエン171g及び白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)0.039gの混合液を60分かけて滴下した。滴下終了後にジャケット温を60℃に上げて40分反応、1H−NMRでアリル基の反応率が95%以上であることを確認した。ジャケット温を105℃に上げてトリアリルイソシアヌレート83g、トルエン83g及び白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)0.039gの混合液を60分かけて滴下した。滴下終了から5.5時間後に1H−NMRでアリル基の反応率が95%以上であることを確認し、冷却により反応を終了した。反応液をガスクロマトグラフで測定すると1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンは99%以上反応していた。トルエンを減圧留去し、無色透明の液体を得た。これを「部分反応物B」とした。
「部分反応物B」の粘度は2.0Pa・s、1H−NMRの測定より、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンのSiH基の一部がアリルグリシジルエーテル及びトリアリルイソシアヌレートのアリル基と反応したものであり、3.8mmol/gのSiH基を含有していることがわかった。「部分反応物B」のGPC測定をすると多峰性のクロマトグラムが得られ、下記構造式
Figure 2007009041
を有する1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンとアリルグリシジルエーテルの反応物群「部分反応物B−1」と、下記構造式
Figure 2007009041
を有する1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンとアリルグリシジルエーテルとトリアリルイソシアヌレートが反応した化合物群「部分反応物B−2」の混合物であることがわかった。尚、本生成物中にはPt金属を5ppm含有していた。
(実施例1〜5、比較例1〜9)
表1に示す配合量で(A)成分としてトリアリルイソシアヌレート及びジアリルモノグリシジルイソシアヌレート、(B)成分として合成例1で製造した1分子中に少なくとも2個のSiH基を含有する化合物((C)成分としてヒドロシリル化触媒をPt金属として5ppm含む)、(C)成分である白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)、(D)成分として亜リン酸系化合物、その他にペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](IRGNOX 1010 チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製)、1−エチニル−1−シクロヘキサノール、ほう酸トリメチル、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを攪拌混合し、硬化性組成物を調製した。
硬化性組成物中に含まれる亜リン酸系化合物のP原子の数(P1)と硬化性組成物中に含まれるヒドロシリル化触媒として用いられた金属原子の数(M1)の比(P1/M1)を算出した。この硬化性組成物の120℃硬化時間を測定した。亜リン酸系化合物を添加した硬化性組成物の120℃における硬化時間(T1)と亜リン酸系化合物を添加しない場合の同一温度における硬化時間(T2)の比(T1/T2)を示した。また硬化物を作製し、硬化物の外観を観察、非着色性を評価した。結果を表1に示す。
Figure 2007009041
尚、(D)成分として用いた亜リン酸系化合物は、
P−1:下記構造式を有するビス[2,4−ビス(1,1−ジメチルエチル)−6−メチルフェニル]エチルエステル亜リン酸、商品名「IRGFOS 38」分子量514(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製)
Figure 2007009041
P−2:下記構造式を有する「IRGFOS 168」分子量647(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製)
Figure 2007009041
P−3:下記構造式を有する商品名「IRGFOS P−EPQ」分子量991(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製)
Figure 2007009041
P−4:下記構造式を有する商品名「アデカ スタブ HP−10」分子量583(旭電化工業株式会社製)
Figure 2007009041
P−5:下記構造式を有する商品名「IRGFOS 12」分子量1463(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製)
Figure 2007009041
である。
上記表1の結果から本発明の(D)成分を用いた場合は実質的な硬化性低下を伴なうことなく、硬化物の着色を改善できる硬化性組成物が得られる。その他の亜リン酸系化合物では硬化性の維持と硬化物の着色改善の両立が困難である。
本発明の硬化性組成物を用いれば、実質的な硬化性低下を伴なうことなく、非着色性が改善された硬化物が得られる。

Claims (4)

  1. SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個含有する有機化合物(A)、1分子中に少なくとも2個のSiH基を含有する化合物(B)、ヒドロシリル化触媒(C)、および、一般式(VII)
    Figure 2007009041
    (式中R8は炭素数1〜5の一価有機基である。)で表される亜リン酸系化合物(D)を必須成分として含有することを特徴とする、硬化性組成物。
  2. (D)成分がビス[2,4−ビス(1,1−ジメチルエチル)−6−メチルフェニル]エチルエステル亜リン酸である、請求項1に記載の硬化性組成物。
  3. (A)成分および/または(B)成分に下記式
    Figure 2007009041
    で表されるイソシアヌル環骨格を含有する化合物を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の硬化性組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の硬化性組成物を硬化させてなる硬化物。
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