JP2007008973A - (メタ)アクリル系共重合物およびそれを含む分散剤 - Google Patents
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Abstract
コーティング剤中の顔料とりわけカーボンブラック、金属微粉末、金属化合物微粉末、金属コロイドのような種々の微粒子を均一に分散するのに有効な成分である(メタ)アクリル系共重合物、その共重合物を含んだ分散剤およびコーティング剤を提供する。
【構成】
(メタ)アクリル系共重合物は、窒素非含有の中性(メタ)アクリレート系単量体(A)の10〜85重量部と、アミノ基、アンモニウム基、またはアミド基を有する窒素含有(メタ)アクリル系単量体(B)の10〜60重量部と、カルボキシル基含有(メタ)アクリレート単量体(C)の10〜60重量部と、末端に(メタ)アクリロイル基を有するマクロモノマー(D)の5〜30重量部とが、共重合し、その平均分子量が2,000〜500,000である。分散剤は、前記の(メタ)アクリル系共重合物を含んでいる。コーティング剤は、分散剤が、含まれ、媒体中で微粒子を分散させている。
Description
炭素数2〜4のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類、より具体的には、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート;
アルキルモノアルキレングリコール(メタ)アクリレート類、アルキルポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート類、アルケニルモノアルキレングリコール(メタ)アクリレート類、アルケニルポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート類、より具体的にはメトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、n−ブトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、トリオキシエチレンノニルフェノール(メタ)アクリレートが挙げられる。
環流冷却器、温度計、撹拌機、および滴下槽を備えた容器に、キシレン50重量部を入れて、液温を100℃に保温した。窒素雰囲気下で、エチルアクリレート25重量部、マクロモノマーAA−6(メチルメタクリレートマクロモノマー、東亜合成化学工業(株)社製)5重量部、ライトエステルDQ−100(ジメチルアミノエチルメタクリレート4級化物 共栄社化学(株)社製)10重量部、メタクリル酸10重量部、ドデシルメルカプタン0.5重量部、アゾビスイソブチロニトリル1重量部の混合溶液を約3時間かけてキシレンに滴下した。滴下終了後、さらにアゾビスイソブチロニトリル0.5重量部を加え、100℃で2時間反応させ(メタ)アクリル系共重合物を合成し、分散剤としてこの(メタ)アクリル系共重合物含有溶液を得た。この共重合物の数平均分子量をゲルパーミェーションクロマトグラフィーで測定し、スチレンで換算したところ43,000であった。
アクリディックA−801(アクリルポリオール樹脂、不揮発成分50%、溶剤:トルエンおよび酢酸ブチル、水酸基価:50、大日本インキ化学工業(株)社製)の34gと、カーボンブラックであるFW−200(デグサ(株)社製)の4.5gと、シンナー(キシレン/酢酸ブチル=70/30)19.5gと、前記合成実施例1で得た(メタ)アクリル系共重合物をキシレン非含有換算値で1.35gと、直径1.5〜2.0mmのガラスビーズ200gとを、225mlのガラス瓶に加え、ペイントシェイカー(レッドデビル(株)社製)により1時間撹拌した。1時間後、さらにアクリディックA−801の71.6gを加えて、レッドダウンしてガラスビーズを濾別し、カーボンブラックFW−200が分散したコーティング剤の主剤を調製した。
また、FW−200に代えて同じくカーボンブラックであるBP−1300(キャボット(株)社製)を用いたこと以外は、同様にしてBP−1300が分散したコーティング剤の主剤を調製した。
キシレン70g、金属化合物微粉末である超微粒子ルチル型酸化チタン STR−60C(堺化学工業製)20g、前記合成実施例1で得た(メタ)アクリル系共重合物のキシレン溶液10g、および直径0.5〜1.0mmのガラスビーズ100gを225mlのガラス瓶に加え、ペイントシェイカー(レッドデビル(株)社製)により1時間撹拌した。ガラスビーズを濾別し、ルチル型酸化チタンが分散したコーティング剤の主剤を調製した。
1000mMの塩化金酸水溶液10mlをビーカーにとり、アセトン90mlで希釈した後、前記合成実施例1で得た(メタ)アクリル系共重合物のキシレン溶液1gを溶解させた。ジメチルアミノエタノールを5ml加えて、鮮やかで濃厚な赤色の金コロイド溶液を得た。得られた金コロイド溶液を減圧下に加熱し、アセトンを除去した。アセトン量の減少に伴い、前記(メタ)アクリル系共重合物で保護された金コロイドが、析出・沈殿した。上澄みの水層をデカンテーションで除去し、更にイオン交換水で沈殿物を洗浄した後、完全に乾燥させて、中間体として金の固体ゾルを得た。得られた固体ゾルは、金属光沢を示した。濃度は、高分子量顔料分散剤1kgあたり、10molであった。得られた金の固体ゾルをトルエン10mlに加えて攪拌し、固体ゾルを完全に分散させて、濃厚で鮮やかな赤色の金コロイドのトルエン液(オルガノゾル)を得た。この金コロイド液は、3カ月以上貯蔵しても、色の変化や沈殿の生成がなく、極めて安定であった。その結果を表4に示す。
合成実施例1でのキシレンに滴下する混合溶液の組成を、2−エチルヘキシルメタクリレート20重量部、メトキシジエチレングリコールメタクリレート5重量部、マクロモノマーAB−6(ブチルアクリレートマクロモノマー、東亜合成化学工業(株)社製)5重量部、ライトエステルDQ−100(ジメチルアミノエチルメタクリレート4級化物 共栄社化学(株)社製)10重量部、アクリル酸10重量部、ドデシルメルカプタン1重量部、アゾビスイソブチロニトリル1重量部としたこと以外は、合成実施例1と同一にして(メタ)アクリル系共重合物を合成した。この共重合物の数平均分子量は21,000であった。
調製実施例1a〜1dで用いた(メタ)アクリル系共重合物に代えて、合成実施例2で得た(メタ)アクリル系共重合物を用いたこと以外は、調製実施例1a〜1dと同様にして、コーティング剤の主剤を調製した。また前記と同様にして物性の評価を行なった。その結果を表1〜4に示す。
合成実施例1でのキシレンに滴下する混合溶液の組成を、ブチルメタクリレート15重量部、マクロモノマーAA−6の5重量部、ライトエステルDQ−100の10重量部、ジメチルアミノエチルメタクリレート10重量部、アクリロイロキシエチルコハク酸10重量部、ドデシルメルカプタン2.5重量部、アゾビスイソブチロニトリル1重量部としたこと以外は、合成実施例1と同一にして(メタ)アクリル系共重合物を合成した。この共重合物の数平均分子量は14,000であった。
調製実施例1a〜1dで用いた(メタ)アクリル系共重合物に代えて、合成実施例3で得た(メタ)アクリル系共重合物を用いたこと以外は、調製実施例1a〜1dと同様にして、コーティング剤の主剤を調製した。また前記と同様にして物性の評価を行なった。その結果を表1〜4に示す。
合成実施例1でのキシレンに滴下する混合溶液の組成を、ブチルメタクリレート15重量部、マクロモノマーAA−6の5重量部、アクリロイルモルホリンの10重量部、ジメチルアミノエチルメタクリレート10重量部、アクリロイロキシエチルコハク酸10重量部、ドデシルメルカプタン2.5重量部、アゾビスイソブチロニトリル1重量部としたこと以外は、合成実施例1と同一にして(メタ)アクリル系共重合物を合成した。この共重合物の数平均分子量は14,000であった。
調製実施例1a〜1dで用いた(メタ)アクリル系共重合物に代えて、合成実施例4で得た(メタ)アクリル系共重合物を用いたこと以外は、調製実施例1a〜1dと同様にして、コーティング剤の主剤を調製した。また前記と同様にして物性の評価を行なった。その結果を表1〜4に示す。
合成実施例1でのキシレンに滴下する混合溶液の組成を、ブチルメタクリレート25重量部、ライトエステルDQ−100の10重量部、ジメチルアミノエチルメタクリレート7.5重量部、メタクリル酸7.5重量部、ドデシルメルカプタン2.5重量部、アゾビスイソブチロニトリル1重量部としたこと以外は、合成実施例1と同一にして(メタ)アクリル系共重合物を合成した。この共重合物の数平均分子量は18,000であった。
調製実施例1a〜1dで用いた(メタ)アクリル系共重合物に代えて、比較合成例1で得た(メタ)アクリル系共重合物を用いたこと以外は、調製実施例1a〜1dと同様にして、コーティング剤の主剤を調製した。また前記と同様にして物性の評価を行なった。その結果を表1〜4に示す。
合成実施例1でのキシレンに滴下する混合溶液の組成を、ラウリルメタクリレート46重量部、ジメチルアミノエチルメタクリレート2重量部、アクリル酸2重量部、ドデシルメルカプタン、0.5重量部、アゾビスイソブチロニトリル1重量部としたこと以外は、合成実施例1と同一にして(メタ)アクリル系共重合物を合成した。共重合物の数平均分子量は32,000であった。
調製実施例1a〜1dで用いた(メタ)アクリル系共重合物に代えて、比較合成例2で得た(メタ)アクリル系共重合物を用いたこと以外は、調製実施例1a〜1dと同様にして、コーティング剤の主剤を調製した。また前記と同様にして物性の評価を行なった。その結果を表1〜4に示す。
合成実施例1でのキシレンに滴下する混合溶液の組成を、ブチルメタクリレート7.5重量部、ジメチルアミノエチルメタクリレート35重量部、メタクリル酸7.5重量部、ドデシルメルカプタン0.5重量部、アゾビスイソブチロニトリル1重量部としたこと以外は、合成実施例1と同一にして(メタ)アクリル系共重合物を合成した。この共重合物の数平均分子量は24,000であった。
調製実施例1a〜1dで用いた(メタ)アクリル系共重合物に代えて、比較合成例3で得た(メタ)アクリル系共重合物を用いたこと以外は、調製実施例1a〜1dと同様にして、コーティング剤の主剤を調製した。また前記と同様にして物性の評価を行なった。その結果を表1〜4に示す。
合成実施例1でのキシレンに滴下する混合溶液の組成を、ブチルメタクリレート7.5重量部、ジメチルアミノエチルメタクリレート7.5重量部、メタクリル酸35重量部、ドデシルメルカプタン0.5重量部、アゾビスイソブチロニトリル1重量部としたこと以外は、合成実施例1と同一にして(メタ)アクリル系共重合物を合成した。共重合物の数平均分子量は24000であった。
調製実施例1a〜1dで用いた(メタ)アクリル系共重合物に代えて、比較合成例4で得た(メタ)アクリル系共重合物を用いたこと以外は、調製実施例1a〜1dと同様にして、コーティング剤の主剤を調製した。また前記と同様にして物性の評価を行なった。その結果を表1〜4に示す。
合成実施例1での(メタ)アクリル系共重合物に代えて、Disperbyk 160(カチオン性ポリウレタン系重合物、ビックケミー(株)社製)を用いたこと以外は、合成実施例1と同一にして(メタ)アクリル系共重合物を合成した。
調製実施例1a〜1dで用いた(メタ)アクリル系共重合物に代えて、比較合成例5で得た(メタ)アクリル系共重合物を用いたこと以外は、調製実施例1a〜1dと同様にして、コーティング剤の主剤を調製した。また前記と同様にして物性の評価を行なった。その結果を表1〜4に示す。
合成実施例1での(メタ)アクリル系共重合物に代えて、Anti−tera U(長鎖ポリアミノアミドと高分子量酸エステルとの塩、ビックケミー(株)社製)を用いたこと以外は、合成実施例1と同一にして(メタ)アクリル系共重合物を合成した。
調製実施例1a〜1dで用いた(メタ)アクリル系共重合物に代えて、比較合成例6で得た(メタ)アクリル系共重合物を用いたこと以外は、調製実施例1a〜1dと同様にして、コーティング剤の主剤を調製した。また前記と同様にして物性の評価を行なった。その結果を表1〜4に示す。
なお、調製実施例1での(メタ)アクリル系共重合物を用いなかったこと以外は、調製実施例1a〜1dと同様にして、ブランク試料を調製した。また前記と同様にして物性の評価を行なった。その結果を表1〜4に示す。
Claims (7)
- 窒素非含有の中性(メタ)アクリレート系単量体(A)の10〜85重量部と、アミノ基、アンモニウム基、またはアミド基を有する窒素含有(メタ)アクリル系単量体(B)の10〜60重量部と、カルボキシル基含有(メタ)アクリレート単量体(C)の10〜60重量部と、末端に(メタ)アクリロイル基を有するマクロモノマー(D)の5〜30重量部とが、共重合し、その平均分子量が2,000〜500,000であることを特徴とする(メタ)アクリル系共重合物。
- 前記中性(メタ)アクリレート系単量体(A)が、炭素数1〜18のアルキル基を含有するアルキル(メタ)アクリレート類;炭素数2〜18のアルケニル基を含有するアルケニル(メタ)アクリレート類;炭素数2〜4のヒドロキシアルキル基を含有するヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類;炭素数1〜18のアルキル基を含有した、アルキルモノアルキレングリコール(メタ)アクリレート類、アルキルポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート類;炭素数2〜18のアルケニル基を含有した、アルケニルモノアルキレングリコール(メタ)アクリレート類、アルケニルポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート類から選ばれる少なくとも一種であり、
前記窒素含有(メタ)アクリル系単量体(B)が、(メタ)アクリルアミド類、下記化学式〔I〕
前記カルボキシル基含有(メタ)アクリレート単量体(C)が、(メタ)アクリル酸類、(メタ)アクリロイロキシ基含有コハク酸類、(メタ)アクリロイロキシ基含有フタル酸類、末端に(メタ)アクリロイロキシ基を含有する炭素数2〜20の脂肪酸類から選ばれる少なくとも一種であり、
前記マクロモノマー(D)が、ポリアルキル(メタ)アクリレートマクロモノマー、ポリアルケニル(メタ)アクリレートマクロモノマー、ポリエステルマクロモノマー、ポリスチレンマクロモノマーより選ばれた少なくとも一種であることを特徴とする請求項1に記載の(メタ)アクリル系共重合物。 - 前記窒素含有(メタ)アクリル系単量体(B)が、環状アミド基を含有する前記(メタ)アクリルアミド類であることを特徴とする請求項2に記載の(メタ)アクリル系共重合物。
- 前記数平均分子量が4,000〜100,000であることを特徴とする請求項1に記載の(メタ)アクリル系共重合物。
- 請求項1に記載の(メタ)アクリル系共重合物を含んでいることを特徴とする分散剤。
- 請求項5に記載の分散剤が、含まれ、媒体中で微粒子を分散させていることを特徴とするコーティング剤。
- 微粒子が、顔料、金属微粉末、金属化合物微粉末、および/または金属コロイドであることを特徴とする請求項6に記載のコーティング剤。
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