JP2007003396A - レーダ信号処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】降雨時にも正しく風計測を行うことができるレーダ信号処理装置を得る。
【解決手段】受信信号からドップラスペクトルを算出するドップラスペクトル算出部1と、ドップラスペクトルのピークに基づいて複数のビーム方向のドップラ速度を算出するピーク検出部2と、複数のビーム方向のドップラ速度のそれぞれについて鉛直流成分の影響を取り除いた後の高度方向に対する不連続性の有無を判定する不連続性判定部10と、複数のビーム方向のドップラ速度を合成することにより風速ベクトルを算出する風速ベクトル算出部3とを備え、ピーク検出部2は、不連続性判定部10により不連続性がないと判定されるまで、新たなピーク検出に基づくドップラ速度を再算出する処理を繰り返し、風速ベクトル算出部3は、最終的に、不連続性のないドップラ速度に基づく風速ベクトルを算出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数方向にビームを走査して得られる受信信号から上空の風の流れを計測するレーダ信号処理装置に関する。
風向・風速の情報は、気象予報に必要な情報の一つである。風向・風速を計測する最も一般的な方法は、地上に風向・風速計を設置することであるが、その場合は、地上の風向・風速計では地表付近の風しか測定できない。気象予報をより正確にするためには、上空の風向・風速も知ることが必要であるが、従来は、ゾンデ等による観測でしか上空の風を計測することができなかった。ゾンデ観測では、ゾンデを上げた時刻のデータしか得ることができないため、観測の時間分解能が数時間以上と低いことが欠点であった。
それに対して、近年ウィンドプロファイラと呼ばれる大気レーダによって、上空の風向風速を計測する技術が利用され始めている。ウィンドプロファイラでは、1分〜数分毎に上空の風向・風速を計測することが可能となる。このような高い時間分解能を有することにより、上空の風情報は、気象予報の精度向上に有効となると期待されている(例えば、非特許文献1参照)。
ここで、大気レーダで大気を計測する原理を簡単に説明する。晴天時においては、レーダから送信された電波は、大気乱流による屈折率の粗密が散乱体となって反射される。反射された電波は、レーダで受信される。散乱体が上空の風とともに流れていると、受信された電波は、ドップラ効果によって周波数が変化する。この周波数の変化を一般のドップラレーダと同様に検出することにより、上空の風速を測定する。
ただし、ドップラレーダで直接計測される風速は、実際の風速の視線方向への射影成分のみとなる。そこで、レーダ上空のある一定領域の風速分布が一様であると仮定し、レーダの観測方向を複数方向に変えて測定を行うことにより、3次元の風速ベクトルの合成を行う。
晴天時は、大気乱流エコーが検出される。しかし、UHF帯以上の周波数帯においては、降雨のレーダ断面積が大気乱流のレーダ断面積に卓越するため、降雨時には降雨エコーが大気乱流エコーに卓越して受信される。降雨領域内に存在する降水粒子は、水平方向には風とともに流されるため、降雨エコーのドップラ速度を用いても、大気乱流を観測するときと同様に風速ベクトルの水平風成分を計測することができる。
ただし、粒径の成長した降水粒子は、例えば、雨滴として落下するため、鉛直方向成分には、雨滴の落下速度が計測される。落下速度が計測される点において、大気乱流エコーと降雨エコーは異なることになる。水平風を計測するという機能を考えれば、鉛直流成分の有無は、関係ないため、降雨エコーのドップラ速度を用いても、水平風を観測することはできる。
ただし、降雨エコーを観測する場合に、次のような問題が生じることがある。一般に、大気エコーは、微弱であるため、大気乱流エコーより卓越する地表面での反射エコーや鳥によるエコーなどのクラッタを誤って検出する可能性がある。そこで、現状の大気レーダでは、風が空間的に連続的に変化する特性があることを利用して、クラッタの誤検出を防ぐようにしている。
風の空間変化は、連続的であると見なせることから、空間的に連続的に変化することを仮定して、ドップラスペクトルのピーク検出を行う方法がよく使われる。すなわち、ドップラスペクトルに複数のピークが存在する場合、距離方向に連続性が得られるようなピークを採用することが行われる。
図8は、連続な距離分布となるようなスペクトルピークを検出する説明図である。この図では、あるビーム方向における、高度N〜高度N+3までのドップラスペクトルの観測例を模式的に示したものである。この図において、高度N〜N+2において、ドップラスペクトルが2つのピークを持っている。2つのピークのうち、ドップラ速度0に位置するピークは、地形エコーの消え残りで、他方が大気エコーである。
検出処理では、大気エコーのみを検出する必要があるが、最大値の検出を行うと、図8中の○印のドップラ速度を検出することになる。この場合、高度N+1において、地形エコーを誤って検出してしまう。ここで、ドップラ速度の高度分布の連続性が高くなるようにピーク検出を修正すると、高度N+1では、図8中の□印のピークが選択されるようになる。
一般に、風は、空間的に連続的に変化するため、ドップラスペクトルに不要成分が残留している場合にも、このように高度方向に連続性の高いピークを検出する手法により、正しい大気エコー検出、すなわち風計測を行うことが可能になる。
加藤他、気象庁におけるウィンドプロファイラ観測業務、天気、vol.50、no.12、pp.891-907、2003.
しかしながら、従来技術には次のような課題がある。降雨が存在する場合、雨滴の落下が始まる前後の高度において、ドップラ速度が急激に変化するため、高度方向の連続性の高いピークを検出することを行うと、降雨エコーの検出に失敗する可能性がある。図9は、降雨が存在する場合に観測される降雨エコーのドップラ速度の高度分布を表す模式図である。ここでは、方位角が東方向である東ビーム(ビームE)と、方位角が西方向である西ビーム(ビームW)を代表として表示している。また、天頂角は、通常10度程度に設定される。
降水粒子は、一般的に気温が摂氏0度よりも上空では氷晶であり、摂氏0度となる高度よりも下の高度において融解する。融解が始まると、雨滴同士の併合が急速に進み、雨滴粒径が成長する。雨滴粒径が大きくなると、落下速度が大きくなる。このため、融解の始まる摂氏0度高度付近において、急激に雨滴の落下速度が大きくなり、観測されるドップラ速度が不連続に変化する。
図9では、一点鎖線で示した摂氏0度高度の下で急にドップラ速度が変化している。ここでは、ドップラ速度は、遠ざかる方向を正として表示していることから、1点鎖線より下の高度で急激にドップラ速度が小さくなっている。このようなドップラ速度が観測されると、高度連続性を仮定したスペクトルピークの検出が正しく動作しなくなるという問題があった。このように、従来のレーダ信号処理装置では、降雨がある場合に、降雨エコーの検出に失敗し、データ取得率が低下する可能性があった。
本発明は上述のような課題を解決するためになされたもので、降雨時にも正しく風計測を行うことができるレーダ信号処理装置を得ることを目的とする。
本発明に係るレーダ信号処理装置は、複数方向にビームを走査して得られる受信信号から上空の風の流れを計測するレーダ信号処理装置であって、各ビーム方向、各高度において、受信信号からドップラスペクトルを算出するドップラスペクトル算出部と、それぞれのドップラスペクトルにおけるピークを検出し、ピークに基づいて複数のビーム方向のドップラ速度を算出するピーク検出部と、複数のビーム方向のドップラ速度のそれぞれについて鉛直流成分の影響を取り除いた後の高度方向に対する不連続性の有無を判定する不連続性判定部と、不連続性判定部で不連続性がないと判定された場合に、ピーク検出部で算出された複数のビーム方向のドップラ速度を合成することにより風速ベクトルを算出する風速ベクトル算出部とを備え、ピーク検出部は、不連続性判定部で不連続性があると判定された場合には、先に検出したピーク以外のピークを再検出し、再検出したピークに基づいて複数のビーム方向のドップラ速度を再算出する処理を繰り返し、不連続性判定部は、ピーク検出部により複数のビーム方向のドップラ速度が再算出された場合には、再算出された複数のビーム方向のドップラ速度のそれぞれについて鉛直流成分の影響を取り除いた後の高度方向に対する不連続性の有無を再判定する処理を繰り返すものである。
本発明によれば、鉛直流成分の不連続性を取り除いたドップラ速度を算出し、連続性のあるドップラ速度に基づいて風速ベクトルを算出することにより、降雨時にも正しく風計測を行うことができるレーダ信号処理装置を得ることができる。
以下、本発明のレーダ信号処理装置の好適な実施の形態につき図面を用いて説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1におけるレーダ信号処理装置の構成を表すブロック図である。このレーダ信号処理装置は、ドップラスペクトル算出部1、ピーク検出部2、風速ベクトル算出部3、および不連続性判定部10で構成される。さらに、不連続性判定部10は、鉛直流成分不連続検出部11、鉛直流成分減算部12、および減算後ドップラ速度不連続検出部13で構成される。
ドップラスペクトル算出部1は、受信信号からドップラスペクトルを算出する手段である。ピーク検出部2は、ドップラスペクトル算出部1で得られたドップラスペクトルからスペクトルピークを検出し、そのピークに対応するドップラ速度を算出する手段である。このピーク検出部2は、検出したピークに基づいて複数のビーム方向のドップラ速度および鉛直流成分のドップラ速度を算出する。
風速ベクトル算出部3は、ピーク検出部2で算出された複数のビーム方向観測でのドップラ速度を合成することにより、風速ベクトルを算出する手段である。
不連続性判定部10内の鉛直流成分不連続検出部11は、ピーク検出部2で算出された鉛直流成分のドップラ速度の高度方向に対する不連続性の有無を、第1の不連続性の有無として判定する。鉛直流成分減算部12は、ピーク検出部2で算出された各ビーム方向のドップラ速度から鉛直流成分を減算する手段である。
さらに、減算後ドップラ速度不連続検出部13は、鉛直流成分減算後のドップラ速度の高度分布において、速度が不連続に変化している高度を第2の不連続性として検出する手段である。
また、ピーク検出部2は、鉛直流成分不連続検出部11により第1の不連続性があると判定された場合には、新たなピークを検出することにより鉛直流成分のドップラ速度を再算出する。さらに、ピーク検出部2は、減算後ドップラ速度不連続検出部13により第2の不連続性があると判定された場合には、新たなピークを検出してビーム方向のドップラ速度を再算出する。
そして、第1の不連続性および第2の不連続性がなくなるまで、ピーク検出部2によるドップラ速度の算出処理と、不連続性判定部10による判定処理を繰り返すことにより、最終的に不連続性のないドップラ速度を得ることができる。このようにして得られたドップラ速度を用いて、風速ベクトル算出部3は、高精度の風速ベクトルを算出できる。
次に、具体的な動作について説明する。ドップラスペクトル算出部1は、レーダ装置の受信信号を入力する。この受信信号は、複数のビーム方向のものが含まれる。風速ベクトル算出を目的とするレーダを想定するため、通常、3つ以上の独立な方向(同一平面上にない3つ以上の方向)で観測した受信信号が含まれる。典型的なビーム方向としては、天頂方向、および天頂角10度で東、西、北、南の方位角を持つ方向の計5本のビーム方向により観測された受信信号が使われる。
受信信号は、レーダ装置の受信部により周波数変換の処理を受けたものであり、一般に、その帯域は、ビデオ信号帯域または中間周波信号帯域を持つものである。レーダで受信される反射波は、反射物の運動により生じるドップラ効果により、送信周波数からわずかに周波数偏移している。そのため、周波数変換後の受信信号の周波数もドップラ周波数分の偏移を受けている。
また、一般に、送信波は、パルス変調が施される。そのため、反射波が受信される時刻の相違、すなわち、送信と受信との時間差の相違により、複数距離の反射物に対して反射波が受信される。よって、受信信号も複数の距離に対して得られることになる。大気レーダでは、ほぼ真上を観測することから、距離が高度に対応することになる。
ドップラスペクトル算出部1は、各ビーム方向および距離で時系列データとして得られている受信信号に対して、フーリエ変換を施す。これにより、各ビーム毎、各距離(レンジビン)毎のドップラスペクトルを得ることができる。
ピーク検出部2は、ドップラスペクトルのピークを検出し、検出したピークに対応するドップラ速度を算出する。ドップラ速度の算出には、例えば、ピーク付近のスペクトル成分のモーメントを求めるモーメント法などがよく用いられる。さらに、ピーク検出部2は、複数のビーム方向のドップラ速度から鉛直流成分を算出する。
今、ドップラスペクトル算出部1に入力される受信信号に、ビームを天頂方向に向けた観測で得られたものが含まれるとすると、ピーク検出部2は、天頂ビームで観測されたドップラ速度を鉛直流成分としてそのまま出力すればよい。また、天頂方向の観測を行わない場合には、ピーク検出部2は、天頂ビーム以外のビームが3つ以上ある場合に、これら3つ以上のビームを用いて鉛直流成分の算出を行うことができる。
例えば、天頂角θで東、南、西、北の方位角でv、v、v、vのドップラ速度が得られる場合、鉛直流v’は、
’=(v+v+v+v)/(4cosθ)
により得られる。以下の説明においては、天頂ビームで観測されたドップラ速度が得られた場合について説明する。
さらに、鉛直流成分不連続検出部11は、鉛直流成分のドップラ速度の高度分布に対して不連続性の検出を行う。不連続性の検出方法は、基本的には従来技術と同様であり、隣接するレンジビンのドップラ速度の高度変化率が、あらかじめ設定した値を超える場合に、その高度で不連続が検出されたものとする。
ただし、強雨時には雨滴の落下が始まる高度において、ドップラ速度の不連続が生じる可能性がある。そこで、鉛直流成分不連続検出部11は、強雨による不連続が生じやすいと判断される場合に、不連続性の判定条件を緩和するようにする。
鉛直流成分不連続検出部11は、不連続性の判定条件を緩めた状態で不連続を検出した場合には、その高度において誤ったピーク検出が行われたと判断する。スペクトルピーク誤検出の原因としては、例えば、地形エコーや鳥エコーなどのクラッタを誤って検出することなどの例がある。
不連続が検出された場合には、鉛直流成分不連続検出部11は、不連続の発生した高度をピーク検出部2に伝える。そして、ピーク検出部2は、ピークの再検出処理を行う。具体的には、ピーク検出部2は、これまでに検出したピーク位置付近のドップラ速度領域にマスクをかけ、マスクのかかっていない範囲に存在するピークの再検出を行うようにする。
次に、不連続性の判定を緩める条件を説明する。まず、降水粒子は、気温摂氏0度となる高度において、判定条件を緩和する。気温摂氏0度の高度では、それより上空で氷晶であった降水粒子の融解が始まる。融解が始まると、降水粒子同士の併合が急速に進むようになり、粒径の増大とともに落下速度が増大する。よって、気温が摂氏0度の高度において、ドップラ速度が急激に変化し、高度分布の不連続が生じる要因となる。そこで、気温が摂氏0度になる高度の近傍において、不連続性の判定を緩める。
気温が摂氏0度になる高度は、例えば、気温測定部に相当するラジオゾンデ観測部で得られる気温の高度分布を用いることができる。より簡易な方法としては、地上気温と標準的な気温の減率を仮定して、摂氏0度高度を推定する方法がある。例えば、地上気温が20度、気温減率として1km上昇毎に摂氏6.5度の気温低下を仮定すると、約3.1kmの高度にて気温が摂氏0度になると推定される。
次に、信号の受信強度から降雨を推定することが考えられる。大気レーダが通常想定する反射波には、大気乱流による反射波と降雨による反射波とがある。降雨のレーダ断面積は、大気乱流のレーダ断面積よりも大きい。ドップラ速度の高度不連続が生じる場合は、強い降雨が存在する場合であるので、レーダ断面積も大きい。降雨のレーダ断面積の大きさの表現として、気象レーダではレーダ反射因子と呼ばれる量を用いることが多い。
例えば、マーシャルパルマー分布と呼ばれる粒径分布を持つ降雨の場合、降雨強度10mm/hの強雨に対応するレーダ反射因子は、39dBZとなる。そこで、このレーダ反射因子に対応する受信強度が得られている場合に、不連続性の判定を緩めるようにすることが考えられる。
また、雨滴の落下速度v[m/s]は、雨滴の粒径をD[m]とすると、
v=9.65 −10.3exp(−600D)
の関係が知られている。
例えば、大きな粒径と見なせる8mmの粒径を持つ雨滴の落下速度は、9.6m/sである。よって、最大で10m/s程度の負のドップラ速度が観測され得る。ドップラ速度の高度方向不連続がある場合に、不連続が検出された高度より下の高度において、最大で10m/s程度の負のドップラ速度が得られている場合は、その不連続が雨滴の落下開始によるものと見なすことができる。
鉛直流成分減算部12は、天頂方向以外のビーム方向で観測したドップラ速度から、天頂ビームの受信信号から得られたドップラ速度を減算することにより、鉛直流成分を取り除く。天頂ビームで得られたドップラ速度をv、天頂ビーム以外のビームの1つであるビームEで得られたドップラ速度をv、そしてビームEの天頂角をθとする。
このとき、ビームEに含まれる鉛直流成分は、vcosθである。したがって、vからvcosθを減算することにより、ビームEのドップラ速度から鉛直流成分を減算することができる。
図2は、鉛直流成分減算後のドップラ速度の高度分布を表す模式図である。鉛直流成分の減算により、例えば、先の図9に示したドップラ速度の高度分布であったものが、鉛直流成分を除去することにより、図2のようなドップラ速度分布になる。その結果、雨滴の落下開始によるドップラ速度の急激な変化が緩和され、高度方向の連続性を仮定することによる高精度なドップラ速度検出が、強雨時にも可能になる。
減算後ドップラ速度不連続検出部13は、鉛直流成分減算部12で得られた鉛直成分減算後のドップラ速度に対して、高度方向の不連続の検出を行う。不連続が検出された場合には、不連続が検出された高度について、ピーク検出部2にてドップラスペクトルのピーク検出をやり直す。具体的には、ピーク検出部2は、これまでに検出したピーク位置にマスクをかけ、マスクのかかっていない範囲に存在するピークの検出を行う。
ピーク検出部2によるピーク再検出を行った結果、減算後ドップラ速度不連続検出部13で不連続が検出されなくなれば、減算後ドップラ速度不連続検出部13が風速ベクトル算出部3に対して、不連続が検出されなくなったことを知らせる。これを受けて、風速ベクトル算出部3は、ピーク検出部2で得られた各ビーム、各高度のドップラ速度を用いて、風速ベクトルの算出を行う。風速ベクトルの算出方法については、従来と同様な方法、例えば、先の非特許文献1の式(2)による算出方法を用いればよい。
次に、上述した風速ベクトルの算出処理に関する一連の流れについて、フローチャートに基づいて説明する。図3は、本発明の実施の形態1における風速ベクトル算出処理のフローチャートである。
ステップS301において、ピーク検出部2は、ドップラスペクトル算出部1で得られたドップラスペクトルのうち、天頂ビームのドップラスペクトルについて、最大値を持つピークを検出する。さらに、ステップS302において、ピーク検出部2は、ピーク近傍のスペクトルの1次モーメントを計算することにより、そのピークの平均ドップラ速度を算出する。この平均ドップラ速度は、全高度に対して算出される。
次に、ステップS303において、鉛直流成分不連続検出部11は、先のステップS302で得られた天頂ビームのドップラ速度の高度分布に対して、連続性の判定を行う。具体的には、鉛直流成分不連続検出部11は、ドップラ速度の高度変化率の大きい高度の検出を行う。
ここで、鉛直流成分不連続検出部11により不連続が検出された場合には、ピーク検出部2は、ステップS304において、不連続が検出された高度のドップラスペクトルからピーク検出を検出し直す。さらに、ステップS305において、鉛直流成分不連続検出部11は、検出し直したピークのドップラ速度をモーメント法により算出する。S303、S304、S305のステップで構成されるループは、天頂ビームのドップラ速度に高度不連続が検出されなくなるまで繰り返される。
なお、S303における不連続性の判定において、強雨によるドップラ速度不連続性が生じる可能性のある場合に、鉛直流成分不連続検出部11は、不連続性判定の条件を緩和するような処理を行う。判定を緩和する条件として次のものがある。
条件1)気温が摂氏0度となる高度である。
条件2)負のドップラ速度、すなわち、落下速度が観測されている。
条件3)強いエコー強度、例えば、39dBZ以上の降雨強度がある。
以上の条件を満たす場合に、鉛直流成分不連続検出部11は、不連続性の判定を緩和する。上空の気温計測値あるいは地上気温の情報が気温測定部により得られ、摂氏0度の高度を推定できる場合には、上記の条件1)〜3)全てを満たす場合に、不連続性の判定を緩和する。気温の情報が得られない場合は、条件2)と条件3)を満たす場合に、不連続性の判定を緩和するようにすればよい。
天頂ビームのドップラ速度算出が終わると、S306以降の処理に進む。S306からS313の反復処理では、天頂以外の各ビームについて、同様の処理を行うようになっている。その各ビームの処理について、以下に説明する。
まず、ステップS307において、ピーク検出部2は、処理対象中のビームについて、各高度のドップラスペクトルから最大のピークを検出する。さらに、ステップS308において、ピーク検出部2は、検出したピークの近傍のデータを使ったモーメント法により、そのピークの平均ドップラ速度を算出する。
次に、ステップS309において、鉛直流成分減算部12は、先のステップS308で算出されたドップラ速度から鉛直流成分を差し引く処理を行う。次に、ステップS310において、減算後ドップラ速度不連続検出部13は、鉛直流成分減算後のドップラ速度の高度分布に対して、不連続性の判定を行う。具体的には、減算後ドップラ速度不連続検出部13は、鉛直流減算後のドップラ速度の高度変化率の大きい高度を、不連続が検出された高度とする。
不連続性が検出された場合には、ピーク検出部2は、ステップS311において、ドップラスペクトルから別のピークを検出し直し、さらに、ステップS312において、検出し直したピークの近傍のドップラスペクトルデータを用いた平均ドップラ速度を算出する。ステップS309〜S312のループは、処理対象中のビームにおいて、鉛直流減算後のドップラ速度の高度不連続が検出されなくなるまで繰り返される。
以上のように、実施の形態1によれば、雨滴の落下開始によりドップラ速度が急激に変化することにより検出確率が低下する強雨時においても、不連続性を取り除いたドップラ速度を算出し、連続性のあるドップラ速度に基づいて風速ベクトルを算出することにより、クラッタ誤検出のない高精度な風速ベクトルを得ることができ、精度の高い風速ベクトルをデータ取得率の低下なく得ることが可能となる。
さらに、強雨による不連続が生じやすいと判断される場合には、不連続性の判定条件を緩和することにより、不連続の誤検出を防止することができる。
実施の形態2.
実施の形態1では、天頂ビームで得られたドップラ速度を鉛直流成分として、他のビームの鉛直流成分を減算するようにした形態について説明した。これに対して、本実施の形態2では、天頂ビームを用いない観測に適用できる形態について説明する。
図4は、本発明の実施の形態2におけるレーダ信号処理装置の構成を表すブロック図である。図4のレーダ信号処理装置の構成は、図1のレーダ信号処理装置の構成と比較すると、不連続性判定部10の構成が異なる。具体的には、本実施の形態2における不連続性判定部10は、鉛直流成分不連続検出部11、鉛直流成分減算部12、減算後ドップラ速度不連続検出部13の代わりに、ビーム間ドップラ速度差算出部14およびビーム間ドップラ速度差不連続検出部15を備えている。
ビーム間ドップラ速度差算出部14は、同じ天頂角で方位角の異なる2つのビーム間でのドップラ速度差を算出する。さらに、ビーム間ドップラ速度差不連続検出部15は、ビーム間ドップラ速度差算出部14で得られたビーム間ドップラ速度差について、高度方向の不連続性の検出を行う。
次に、動作を説明する。ドップラスペクトル算出部1は、各ビーム、各高度のドップラスペクトルを算出する。ピーク検出部2は、得られたドップラスペクトルのピークを検出し、そのピークの中心位置を算出することによりドップラ速度を算出する。これらの動作は、前述の実施の形態1と同じである。
次に、ビーム間ドップラ速度差算出部14は、同じ天頂角で異なる方位角のビーム方向で観測されたドップラ速度の差を計算する。ここでは、例えば、東南西北の順に、これら4方向を同じ天頂角θで観測することにより、受信信号を得るとする。まず初めに得られる東ビームと南ビームのドップラ速度差を、各高度毎に算出する。
レーダ装置上空の降雨分布が一様であると見なせれば、天頂角の等しい東ビームと南ビームとで同じ量の鉛直流成分が含まれることになる。すなわち、鉛直流がvであるとすると、東ビームおよび南ビームに含まれる鉛直流成分は、ともに天頂角θ方向への射影成分であるvcosθとなる。
これにより、東ビームと南ビームとのドップラ速度の差(ビーム間ドップラ速度差)を計算すると、両ビームに共通して含まれるvcosθが差し引かれることになり、鉛直流成分を含まない速度が得られることになる。
したがって、雨滴の落下速度が観測されることによる速度不連続性がドップラ速度に含まれていたとしても、ビーム間ドップラ速度差には、そのような不連続な速度成分が含まれないことになる。
次に、ビーム間ドップラ速度差不連続検出部15は、ビーム間ドップラ速度差算出部14で算出されたビーム間ドップラ速度差について、速度の高度不連続性の検出を行う。ビーム間ドップラ速度差には、降雨の落下開始による速度不連続が含まれないため、ここで不連続が検出された場合には、クラッタ成分の誤検出などの原因により、誤ったピーク検出が行われたと判断することができる。
ビーム間ドップラ速度差不連続検出部15は、不連続を検出した場合には、不連続を検出した高度をピーク検出部2に伝達する。そして、ピーク検出部2は、その高度のドップラスペクトルからピークの再検出を試みる。
ここで、東ビームと南ビームのドップラ速度差に不連続が生じているということから、不連続が東ビームで起きている可能性と、南ビームで起きている可能性とがある。ピーク検出部2は、東ビーム、南ビームそれぞれでピークの再検出を行う。
その後、ビーム間ドップラ速度差算出部14およびビーム間ドップラ速度差不連続検出部15において、東ビームのみを修正した場合と、南ビームのみを修正した場合とのそれぞれの速度差に基づいて、修正後の不連続の度合いを比較する。
そして、より不連続が小さくなる修正を採用することにする。すなわち、東ビーム修正後の方が南ビーム修正後よりも不連続度が小さい場合は、東ビームの修正を採用する。逆に、南ビーム修正後の方が東ビーム修正後よりも不連続度が小さい場合は、南ビームの修正を採用する。
以上の処理は、全高度で不連続性が検出されなくなるまで繰り返される。以上の説明では、東ビームと南ビームの処理を例に説明したが、同様の処理を西ビームと北ビームの組合せで行えば、東、南、西、北の全ビームにおけるドップラ速度が計測される。
全ビームでのドップラ速度の算出が完了すれば、すなわち、ビーム間ドップラ速度差不連続検出部15において、不連続判定に用いる全てのビーム組合せにおいて不連続が検出されなくなれば、不連続が検出されなくなったことをビーム間ドップラ速度差不連続検出部15が風速ベクトル算出部3に伝える。これを受けて、風速ベクトル算出部3は、ピーク検出部2で得られた各ビーム、各高度のドップラ速度を用いて、各高度の風速ベクトルを算出する。
以上の手順のうち、一組のビーム組合せ(ビームAとビームBを組み合わせる)に対する風速ベクトル算出の手前までの処理を、フローチャートを用いて説明する。ここで、ビームAに対応して算出されるドップラ速度が第1のドップラ速度に相当し、ビームBに対応して算出されるドップラ速度が第2のドップラ速度に相当する。図5は、本発明の実施の形態2における風速ベクトル算出処理のフローチャートである。まず始めに、ドップラスペクトル算出部1は、ステップS501において、ビームAのドップラスペクトルを、ステップS502において、ビームBのドップラスペクトルを、各高度毎に算出する。
次に、ステップS503において、ピーク検出部2は、各高度において、ビームAのドップラスペクトルのピークを検出し、そのピーク位置、すなわちドップラ速度を、例えば、前述のモーメント法により算出する。同様に、ステップS504において、ピーク検出部2は、ビームBのドップラ速度を各高度で算出する。
次に、ステップS505において、ビーム間ドップラ速度差算出部14は、ステップS503およびS504で得られたビームAとビームBのドップラ速度の差を算出する。さらに、ステップS506において、ビーム間ドップラ速度差不連続検出部15は、ステップS505で算出されたビーム間ドップラ速度差に対して、不連続となる高度を検出する。
ここで、ビーム間ドップラ速度差不連続検出部15による不連続の検出は、例えば、高度方向のドップラ速度差の変化率が、あらかじめ設定した値よりも大きくなる点を検出するような処理として行われる。ステップS506において不連続が検出された場合は、ステップS507の条件分岐により、ステップS508以降の処理に進み、ビームAまたはビームBのピーク検出をやり直す。
ステップS508において、ピーク検出部2は、ビーム間ドップラ速度差の不連続が生じた高度において、ビームAのドップラスペクトルにおけるピーク検出をやり直す。具体的には、ピーク検出部2は、前回ピーク検出した速度付近のドップラスペクトルをマスクし、未検出のピークを検出するような処理を行う。
さらに、ピーク検出部2は、再検出したピークのドップラ速度を、例えば、モーメント法により算出する。これを、ビームAの仮修正ドップラ速度とする。同様にして、ステップS509において、ピーク検出部2は、ビームBのドップラ速度を算出し直し、ビームBの仮修正ドップラ速度を算出する。
次に、ステップS510において、ビーム間ドップラ速度差算出部14は、ビームAに対する仮修正を行った後のドップラ速度と、仮修正前のビームBのドップラ速度の差を算出するとともに、不連続度(ビーム間ドップラ速度差の変化率)を計算する。また、ステップS511において、ビーム間ドップラ速度差算出部14は、ビームBに対する仮修正を行った後のドップラ速度と、仮修正前のビームAのドップラ速度の差を算出するとともに、不連続度(ビーム間ドップラ速度差の変化率)を計算する。
次に、ステップS512において、ビーム間ドップラ速度差不連続検出部15は、ステップS510とステップS511で算出された不連続度を比較し、不連続度が小さい方の修正を採用する。そして、ステップS506に戻り、ビーム間ドップラ速度差不連続検出部15は、ステップS512で採用したビーム間ドップラ速度差に対して、不連続となる高度を再び検出する。
ステップS506からS512までの処理は、高度方向の不連続が全高度で検出されなくなるまで繰り返される。すなわち、ステップS507で高度方向の不連続が検出されなかったと判断された場合に、処理終了へと分岐する。
以上のように、実施の形態2によれば、天頂ビームによる観測を行わない場合にも、ドップラ速度差を算出することにより、雨滴落下開始によるドップラ速度の不連続変化の影響を受けることなく、精度の高い風速計測をデータ取得率の低下なく行うことが可能になる。
なお、以上の説明では、東ビームと南ビーム、および西ビームと北ビームを組み合わせた例を示したが、ビームの組合せ方法は、特に限定されるものではない。例えば、東ビームと西ビーム、北ビームと南ビームという組合せでも同じ処理が可能である。
また、以上の説明では、天頂ビームの観測を行わない場合の例を説明したが、天頂ビームの観測を行う場合は、次のような手順による風速ベクトル算出が考えられる。
まず、天頂ビーム以外のビームに対して、前述の図5のフローによる処理を行う。天頂ビーム以外のビームが3つ以上ある場合には、これら3つ以上のビームを用いて鉛直流の算出を行うことができる。例えば、天頂角θで東、南、西、北の方位角でv、v、v、vのドップラ速度が得られる場合、
’=(v+v+v+v)/(4cosθ)
により鉛直流成分が得られる。
この場合、東、南、西、北のビームによる照射領域全体での風の一様性を仮定することから、鉛直流精度が低下する可能性はあるものの、4つのビームで得られたデータの平均処理に相当する処理となるため、平均効果により大きな誤差は含まれないと考えられる。そこで、天頂ビームのドップラスペクトルからピーク検出を行う際に、高度方向の連続性の判定を、v’を基準に行うようにする。
すなわち、天頂ビームのドップラスペクトルにおけるピーク検出で得られるvと、天頂ビーム以外のビームのドップラ速度から算出されたv’の差を計算し、その差が大きくなる高度がある場合に、天頂ビームドップラスペクトルのピーク検出をやり直すようにする。
本手順によれば、天頂ビームによる観測を行う場合にも、連続性判定の基準を緩和することなく、高い精度で天頂ビームのドップラ速度、すなわち鉛直流を、データ取得率の低下なく行うことができる。連続性判定の基準を緩和する必要がないということで、例えば、基準緩和に用いる摂氏0度高度の情報が不要となるという効果がある。
実施の形態3.
本実施の形態3では、ドップラ速度に対する連続性、および鉛直流成分を減算した後のドップラ速度差成分の連続性の両方を判定基準とするようなレーダ信号処理装置について説明する。図6は、本発明の実施の形態3におけるレーダ信号処理装置の構成を表すブロック図である。図6のレーダ信号処理装置の構成は、図4のレーダ信号処理装置の構成と比較すると、不連続性判定部10に、新たにドップラ速度不連続検出部16を備えている点が異なる。
次に、動作を説明する。ドップラスペクトル算出部1は、各ビーム、各高度のドップラスペクトルを算出する。ピーク検出部2は、得られたドップラスペクトルのピークを検出し、そのピークの中心位置を算出することによりドップラ速度を算出する。これらの動作は、前述の実施の形態1または実施の形態2と同じである。
次に、ドップラ速度不連続検出部16は、ピーク検出部2で得られたドップラ速度に対して、ドップラ速度の高度不連続の有無を調べる。このドップラ速度不連続検出部16による動作は、従来のレーダ信号処理装置と同じ動作である。ここで、不連続な高度が検出された場合、その不連続が雨滴の落下開始に起因するものか、あるいはスペクトルピークの誤検出によるものか、この段階では判断できない。
そこで、ドップラ速度不連続検出部16は、不連続が検出されたビームおよび高度をビーム間ドップラ速度差不連続検出部15へと出力する。一方、ビーム間ドップラ速度差算出部14は、ピーク検出部2から各ビームおよび各高度のドップラ速度を入力し、同じ天頂角を持つビーム間、例えば、東ビームと南ビームのドップラ速度差、すなわちビーム間ドップラ速度差を算出する。算出されたビーム間ドップラ速度差は、ビーム間ドップラ速度差不連続検出部15へと入力される。
ビーム間ドップラ速度差不連続検出部15は、ドップラ速度不連続検出部16において、不連続が検出された高度において、ビーム間ドップラ速度差の高度不連続性の検出を試みる。ビーム間ドップラ速度差に不連続性が検出された場合には、ドップラ速度不連続検出部16で検出された高度不連続が、誤検出に起因するものと判定し、そのビームおよび高度をピーク検出部2へ出力する。
これを受けて、ピーク検出部2は、前回検出したピークとは別のピークをドップラスペクトルから検出し直す。逆に、ビーム間ドップラ速度差に不連続が検出されなかった場合は、ドップラ速度不連続検出部16で検出された不連続が雨滴落下開始に起因するものであったと見なす。
以上の処理を、全ビーム、全高度において、ドップラ速度の高度不連続およびビーム間ドップラ速度差の高度不連続が検出されなくなるまで反復する。
風速ベクトル算出部3は、ドップラ速度不連続検出部16で不連続が検出されなかったことがドップラ速度不連続検出部16から通知されるか、または、ビーム間ドップラ速度差不連続検出部15で不連続が検出されなかったことがビーム間ドップラ速度差不連続検出部15から通知されると、ピーク検出部2で算出された各ビームおよび各高度のドップラ速度を入力し、風速ベクトルの算出を行う。
以上の手順のうち、一組のビーム組合せ(ビームAとビームBを組み合わせる)に対する風速ベクトル算出の手前までの処理を、フローチャートを用いて説明する。図7は、本発明の実施の形態3における風速ベクトル算出処理のフローチャートである。まず始めに、ドップラスペクトル算出部1は、ステップS701において、ビームAのドップラスペクトルを、ステップS702において、ビームBのドップラスペクトルを、各高度毎に算出する。
次に、ステップS703において、ピーク検出部2は、各高度において、ビームAのドップラスペクトルのピークを検出し、そのピーク位置、すなわちドップラ速度を、例えば、前述のモーメント法により算出する。同様に、ステップS704において、ピーク検出部2は、ビームBのドップラ速度を各高度で算出する。
次に、ステップS705において、ビーム間ドップラ速度差算出部14は、ステップS703およびS704で得られたビームAとビームBとのドップラ速度の差を算出する。さらに、ステップS706において、ビーム間ドップラ速度差不連続検出部15は、ステップS703で算出されたビームAのドップラ速度について、高度方向の不連続を検出する。
また、ステップS707において、ビーム間ドップラ速度差不連続検出部15は、ステップS704で算出されたビームBのドップラ速度について、高度方向の不連続を検出する。
ステップS706またはS707で不連続が検出された場合は、ステップS708の条件分岐により、その不連続が雨滴落下開始によるものか、あるいは誤検出によるものかを判定するために、ステップS709以降の処理へと分岐する。逆に、ステップS706とS707のいずれでも不連続が検出されなかった場合は、終了へと分岐する。
ステップS709からステップS713の処理は、ビームAまたはビームBのドップラ速度で検出された高度方向の不連続点の全てについて、同じ処理を行うループを構成している。まず、S710において、ビーム間ドップラ速度差不連続検出部15は、ビームAまたはビームBのドップラ速度に不連続が生じた高度において、ビームAとビームBのドップラ速度の差、すなわちビーム間ドップラ速度差が不連続かどうかを確認する。
ここで、ドップラ速度差にも不連続が確認された場合は、不連続が検出されたビーム、高度において、ドップラスペクトルのピークの再検出を実行する。ステップS706およびS707で検出された全不連続に対して処理が完了すれば、ステップS706に戻って処理を繰り返す。
以上のように、実施の形態3によれば、ドップラ速度の高度連続性と、ドップラ速度差成分の高度連続性の両方を満足するようにして、ドップラ速度の不連続性の検出を行うようにするので、検出率の低下なく精度の高いドップラ速度算出を行うことが可能となる。その結果として、高い精度の風速ベクトルを、データ取得率を落とすことなく算出することが可能となる。
なお、以上の実施の形態の説明では、電波を送受信する大気レーダへの適用を想定したものとなっているが、本発明のレーダ信号処理装置は、電波に限らず、レーザあるいは音波を送受信するレーダ、すなわちレーザレーダやソーダにも適用可能なものである。
本発明の実施の形態1におけるレーダ信号処理装置の構成を表すブロック図である。 鉛直流成分除去後のドップラ速度の高度分布を表す模式図である。 本発明の実施の形態1における風速ベクトル算出処理のフローチャートである。す模式図である。 本発明の実施の形態2におけるレーダ信号処理装置の構成を表すブロック図である。 本発明の実施の形態2における風速ベクトル算出処理のフローチャートである。 本発明の実施の形態3におけるレーダ信号処理装置の構成を表すブロック図である。 本発明の実施の形態3における風速ベクトル算出処理のフローチャートである。 連続な距離分布となるようなスペクトルピークを検出する説明図である。 降雨が存在する場合に観測される降雨エコーのドップラ速度の高度分布を表
符号の説明
1 ドップラスペクトル算出部、2 ピーク検出部、3 風速ベクトル算出部、10 不連続性判定部、11 鉛直流成分不連続検出部、12 鉛直流成分減算部、13 減算後ドップラ速度不連続検出部、14 ビーム間ドップラ速度差算出部、15 ビーム間ドップラ速度差不連続検出部、16 ドップラ速度不連続検出部。

Claims (9)

  1. 複数方向にビームを走査して得られる受信信号から上空の風の流れを計測するレーダ信号処理装置であって、
    各ビーム方向、各高度において、受信信号からドップラスペクトルを算出するドップラスペクトル算出部と、
    それぞれの前記ドップラスペクトルにおけるピークを検出し、前記ピークに基づいて複数のビーム方向のドップラ速度を算出するピーク検出部と、
    前記複数のビーム方向のドップラ速度のそれぞれについて鉛直流成分の影響を取り除いた後の高度方向に対する不連続性の有無を判定する不連続性判定部と、
    前記不連続性判定部で前記不連続性がないと判定された場合に、前記ピーク検出部で算出された複数のビーム方向のドップラ速度を合成することにより風速ベクトルを算出する風速ベクトル算出部と
    を備え、
    前記ピーク検出部は、前記不連続性判定部で前記不連続性があると判定された場合には、先に検出したピーク以外のピークを再検出し、再検出した前記ピークに基づいて複数のビーム方向のドップラ速度を再算出する処理を繰り返し、
    前記不連続性判定部は、前記ピーク検出部により前記複数のビーム方向のドップラ速度が再算出された場合には、再算出された前記複数のビーム方向のドップラ速度のそれぞれについて鉛直流成分の影響を取り除いた後の高度方向に対する不連続性の有無を再判定する処理を繰り返す
    ことを特徴とするレーダ信号処理装置。
  2. 請求項1に記載のレーダ信号処理装置において、
    前記ピーク検出部は、鉛直流成分のドップラ速度をさらに算出し、
    前記不連続性判定部は、
    前記ピーク検出部で算出された前記鉛直流成分のドップラ速度の高度方向に対する第1の不連続性の有無を判定する鉛直流成分不連続検出部と、
    前記鉛直流成分不連続検出部で前記第1の不連続性がないと判定された場合に、前記ピーク検出部で算出された各ビーム方向のドップラ速度について前記鉛直流成分のビーム方向射影成分を減算することにより減算後ドップラ速度を算出する鉛直流成分減算部と、
    前記減算後ドップラ速度の高度方向に対する第2の不連続性の有無を判定する減算後ドップラ速度不連続検出部と
    を備え、
    前記ピーク検出部は、前記鉛直流成分不連続検出部により前記第1の不連続性があると判定された場合には、新たなピークを検出することにより鉛直流成分のドップラ速度を再算出し、前記減算後ドップラ速度不連続検出部により前記第2の不連続性があると判定された場合には、新たなピークを検出してビーム方向のドップラ速度を再算出し、
    前記鉛直流成分不連続検出部は、前記ピーク検出部により前記鉛直流成分のドップラ速度が再算出された場合には、再算出された前記鉛直流成分のドップラ速度の高度方向に対する第1の不連続性の有無を再判定する処理を繰り返し、
    前記鉛直流成分減算部は、前記ピーク検出部により前記ビーム方向のドップラ速度が再算出された場合には、再算出された前記ビーム方向のドップラ速度について再算出された前記鉛直流成分のビーム方向射影成分を減算することにより減算後ドップラ速度を再算出する処理を繰り返し、
    前記減算後ドップラ速度不連続検出部は、前記鉛直流成分減算部により前記減算後ドップラ速度が再算出された場合には、再算出された前記減算後ドップラ速度の高度方向に対する前記第2の不連続性の有無を再判定する処理を繰り返し、
    前記風速ベクトル算出部は、前記減算後ドップラ速度不連続検出部で前記第2の不連続性がないと判定された場合に、前記ピーク検出部で算出された複数のビーム方向のドップラ速度を合成することにより風速ベクトルを算出する
    ことを特徴とするレーダ信号処理装置。
  3. 請求項1に記載のレーダ信号処理装置において、
    前記ピーク検出部は、天頂方向を観測したビームのドップラ速度をそのまま前記鉛直流成分として抽出することを特徴とするレーダ信号処理装置。
  4. 請求項2または3に記載のレーダ信号処理装置において、
    気温の高度分布を測定する気温測定部をさらに備え、
    前記鉛直流成分不連続検出部は、前記気温測定部による測定結果に基づいて、気温が摂氏0度となる高度付近において、前記第1の不連続性の有無を判定する判定条件を緩和する
    ことを特徴とするレーダ信号処理装置。
  5. 請求項4に記載のレーダ信号処理装置において、
    前記鉛直流成分不連続検出部は、ドップラ速度が落下方向のドップラ速度である場合において、前記第1の不連続性の有無を判定する判定条件を緩和する
    ことを特徴とするレーダ信号処理装置。
  6. 請求項4に記載のレーダ信号処理装置において、
    前記鉛直流成分不連続検出部は、前記ドップラスペクトル算出部から受信信号強度を取得し、前記受信信号強度が所定値以上の強度で受信されている場合には、前記第1の不連続性の有無を判定する判定条件を緩和する
    ことを特徴とするレーダ信号処理装置。
  7. 請求項1に記載のレーダ信号処理装置において、
    前記不連続性判定部は、
    前記ピーク検出部で算出された前記複数のビーム方向のドップラ速度の中から、天頂角が同じで方位角の異なるビームに対応する第1のドップラ速度および第2のドップラ速度を選択し、同じ高度毎に前記第1のドップラ速度と前記第2のドップラ速度とのドップラ速度差を算出するビーム間ドップラ速度差算出部と、
    算出された前記ドップラ速度差について、高度方向に対する不連続性の有無を判定するビーム間ドップラ速度差不連続検出部と
    を備え、
    前記ピーク検出部は、前記ビーム間ドップラ速度差不連続検出部により前記不連続性があると判定された場合には、新たなピークを検出し、前記ピークに基づいて天頂角が同じで方位角の異なるビーム方向の第1のドップラ速度および第2のドップラ速度を再算出し、
    前記ビーム間ドップラ速度差算出部は、前記ピーク検出部により前記第1のドップラ速度および前記第2のドップラ速度が再算出された場合には、再算出された前記第1のドップラ速度および前記第2のドップラ速度に基づいてドップラ速度差を再算出する処理を繰り返し、
    前記ビーム間ドップラ速度差不連続検出部は、前記ビーム間ドップラ速度差算出部により前記ドップラ速度差が再算出された場合には、再算出された前記ドップラ速度差について、高度方向に対する不連続性の有無を再判定する処理を繰り返し、
    前記風速ベクトル算出部は、前記ビーム間ドップラ速度差不連続検出部で前記不連続性がないと判定された場合に、前記ピーク検出部で算出された複数のビーム方向のドップラ速度を合成することにより風速ベクトルを算出する
    ことを特徴とするレーダ信号処理装置。
  8. 請求項1に記載のレーダ信号処理装置において、
    前記不連続性判定部は、
    前記ピーク検出部で算出された前記複数のビーム方向のドップラ速度の高度方向に対する第1の不連続性の有無を判定するドップラ速度不連続性判定部と、
    前記ピーク検出部で算出された前記複数のビーム方向のドップラ速度の中から、天頂角が同じで方位角の異なるビームに対応する第1のドップラ速度および第2のドップラ速度を選択し、同じ高度毎に前記第1のドップラ速度と前記第2のドップラ速度とのドップラ速度差を算出するビーム間ドップラ速度差算出部と、
    前記ドップラ速度不連続性判定部により前記第1の不連続性があると判定された場合に、前記ビーム間ドップラ速度差算出部で算出された前記ドップラ速度差について、前記第1の不連続性に対応する高度における第2の不連続性の有無を判定するビーム間ドップラ速度差不連続検出部と
    を備え、
    前記ピーク検出部は、前記ビーム間ドップラ速度差不連続検出部により前記第2の不連続性があると判定された場合には、新たなピークを検出し、前記ピークに基づいて天頂角が同じで方位角の異なるビーム方向の第1のドップラ速度および第2のドップラ速度を再算出し、
    前記ドップラ速度不連続性判定部は、前記ピーク検出部で再算出された前記第1のドップラ速度および前記第2のドップラ速度の高度方向に対する第1の不連続性の有無を再判定し、
    前記ビーム間ドップラ速度差算出部は、前記ピーク検出部により前記第1のドップラ速度および前記第2のドップラ速度が再算出された場合には、再算出された前記第1のドップラ速度および第2のドップラ速度に基づいてドップラ速度差を再算出する処理を繰り返し、
    前記ビーム間ドップラ速度差不連続検出部は、前記ビーム間ドップラ速度差算出部により前記ドップラ速度差が再算出され、かつ前記ドップラ速度不連続性判定部により前記第1の不連続性があると再判定された場合には、前記ビーム間ドップラ速度差算出部で算出された前記ドップラ速度差について、前記第1の不連続性に対応する高度における第2の不連続性の有無を再判定する処理を繰り返し、
    前記風速ベクトル算出部は、前記ドップラ速度不連続検出部で前記第1の不連続性がないと判定された場合、または前記ドップラ速度不連続検出部で前記第1の不連続性があると判定されたが前記ビーム間ドップラ速度差不連続検出部で前記第2の不連続性がないと判定された場合に、前記ピーク検出部で算出された複数のビーム方向のドップラ速度を合成することにより風速ベクトルを算出する
    ことを特徴とするレーダ信号処理装置。
  9. 請求項7または8に記載のレーダ信号処理装置において、
    前記ビーム間ドップラ速度差算出部は、前記ピーク検出部で再算出された前記第1のドップラ速度および前記第2のドップラ速度に基づいて、再算出後の第1のドップラ速度と再算出前の第2のドップラ速度とのドップラ速度差を算出するとともに、再算出前の第1のドップラ速度と再算出後の第2のドップラ速度とのドップラ速度差を再算出し、
    前記ビーム間ドップラ速度差不連続検出部は、再算出された2つのドップラ速度差について高度方向に対する不連続性の有無を再判定し、不連続度の小さいドップラ速度差を採用して不連続性の有無の再判定を行う
    ことを特徴とするレーダ信号処理装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101869675B1 (ko) * 2015-08-17 2018-06-20 다이오세이시가부시끼가이샤 흡수성 물품

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