JP2007003114A - ヒートパイプ - Google Patents
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Abstract
【課題】 信頼性が高いヒートパイプを提供することである。
【解決手段】 本発明のヒートパイプは、作動流体の相変化を介して熱源からの熱を搬送する密閉型のヒートパイプ10であって、作動流体16と、液相の作動流体16Lが熱源22から受熱して沸騰するまたは蒸発する沸騰部26と気相の作動流体16Gが潜熱を奪われて凝縮する凝縮部24を含む密閉空間12を有するパイプ14と、パイプ14の内圧または内部温度の少なくとも一方が所定の値に達したときに、自立的にパイプ14内のガス20をパイプ14外に排出するガス排出手段18を有することを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】 本発明のヒートパイプは、作動流体の相変化を介して熱源からの熱を搬送する密閉型のヒートパイプ10であって、作動流体16と、液相の作動流体16Lが熱源22から受熱して沸騰するまたは蒸発する沸騰部26と気相の作動流体16Gが潜熱を奪われて凝縮する凝縮部24を含む密閉空間12を有するパイプ14と、パイプ14の内圧または内部温度の少なくとも一方が所定の値に達したときに、自立的にパイプ14内のガス20をパイプ14外に排出するガス排出手段18を有することを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、放熱器、熱輸送機器、均熱器、熱交換器などに利用されているヒートパイプ、特に、二相型のヒートパイプに関する。
作動流体の相変化によって熱を搬送する密閉型のヒートパイプにおいて、ヒートパイプ内に不凝縮ガスが発生して増加することによりヒートパイプの熱搬送性が低下するという問題が存在する。不凝縮ガスの増加を抑制するヒートパイプとして、特許文献1のものがある。これは、ヒートパイプ内の気体を排出するエアパージバルブとヒートパイプ内の内圧を検出する圧力センサを設け、該圧力センサが所定値の圧力を検知したときにエアパージバルブを開いて不凝縮ガスを外部に排出するものである。
特開平4−340090号公報
しかしながら、上述のヒートパイプは、圧力センサと、圧力センサの出力に基づいてエアパージバルブを開く制御機構と、真空ポンプなどの吸引機構が必要である。また、不凝縮ガスを確実に排出できるか否かは制御機構の信頼性に依存しており、そのため、ヒートパイプの信頼性は高いとは言い難い。さらに、ヒートパイプに初期作業流体を封入する作業は、封入前にヒートパイプ内を真空状態にすることにより不凝縮ガスを含む気体を抜く必要があり、これに多大な時間と労力を要する。
そこで、本発明は、不凝縮ガスを外部に排出できるとともに高い信頼性を有するとともに、ヒートパイプへの初期作動流体封入作業が容易に行えるヒートパイプを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係るヒートパイプは、
作動流体の相変化を介して熱源からの熱を搬送する密閉型のヒートパイプであって、
作動流体と、
液相の作動流体が熱源から受熱して沸騰するまたは蒸発する沸騰部と気相の作動流体が潜熱を奪われて凝縮する凝縮部を含む密閉空間を有するパイプと、
パイプの内圧または内部温度の少なくとも一方が所定の値に達したときに、自立的にパイプ内のガスをパイプ外に排出するガス排出手段を有することを特徴とする。
作動流体の相変化を介して熱源からの熱を搬送する密閉型のヒートパイプであって、
作動流体と、
液相の作動流体が熱源から受熱して沸騰するまたは蒸発する沸騰部と気相の作動流体が潜熱を奪われて凝縮する凝縮部を含む密閉空間を有するパイプと、
パイプの内圧または内部温度の少なくとも一方が所定の値に達したときに、自立的にパイプ内のガスをパイプ外に排出するガス排出手段を有することを特徴とする。
本発明によれば、ヒートパイプは、パイプの内圧または内部温度の少なくとも一方が所定の値に達したときにガス排出手段が自立的にパイプ内のガスをパイプ外に排出するため、パイプの内圧を検出するセンサ、その出力に基づいてガスをパイプ外に排出するために必要な制御装置等が不要であり、その結果、高い信頼性を有することができる。また、従来においてはヒートパイプへの初期作動流体封入の際にヒートパイプ内を真空状態にして不凝縮ガスを含む気体を抜く必要があったが、本発明よれば、該気体は稼働中に排出されるため、ヒートパイプ内を真空状態にする必要がなくなる。その結果、ヒートパイプへの初期作動流体封入作業が容易になる。
本発明に係るヒートパイプは、熱源からの熱を搬送する密閉型のヒートパイプに関するものである。以下、いくつかの実施形態のヒートパイプを説明する。
実施の形態1.
図1は、本実施の形態に係るヒートパイプの構成を概略的に示す図である。図において、符号10で示されるヒートパイプは、密閉空間12を有するパイプ14と、パイプ14内に封入された作動流体16と、パイプ14内の気体(ガス)を排出するガス排出装置18を有する。また、図1は、後述する不凝縮ガス20がパイプ14内に存在する状態を示している。
図1は、本実施の形態に係るヒートパイプの構成を概略的に示す図である。図において、符号10で示されるヒートパイプは、密閉空間12を有するパイプ14と、パイプ14内に封入された作動流体16と、パイプ14内の気体(ガス)を排出するガス排出装置18を有する。また、図1は、後述する不凝縮ガス20がパイプ14内に存在する状態を示している。
パイプ14は、作動流体16に対する熱伝達性に優れた材料、例えば、銅やアルミによって作製されている。また、パイプ14は、不凝縮ガス20が密閉空間12に蓄積されて内圧が上昇しても十分に耐えうる強度に設計されている(例えば、パイプ14の壁が内圧に耐えうる厚さに設計されている。)。
ヒートパイプ10は、熱源22から熱を奪う(熱源22を冷却する)ものであって、パイプ14の外面と熱源22が熱的に接続されている。熱源22は、例えば、半導体機器などであって、はんだ(図示せず)を介して、または、サーマルグリスなどの接触熱抵抗低減剤(図示せず)を介してパイプ14の外面に熱的に接続されている。なお、熱源22は、半導体機器などの形状を有する物体に限らず、例えば高熱な流体であってもよい。
また、ヒートパイプ10は、後述するように体積力を利用して作動流体16を移動させる構造であって、重力方向上側に作動流体16が凝縮する凝縮部(冷却空間)24を、その下方に作動流体16が沸騰する沸騰部(加熱空間)26を有する。沸騰部26内の作動流体16は、熱源22からパイプ14の壁面を介して熱供給されて(加熱されて)沸騰する。一方、凝縮部24内の作動流体16は、パイプ14の壁面を介して外気に潜熱を奪われて(冷却されて)凝縮する。
作動流体16は、熱源22から熱供給を受けて液相から気相に相変化可能(蒸発可能)であるとともに、外気に潜熱を奪われて気相から液相に相変化可能(凝縮可能)な流体である。ヒートパイプ10が稼働すると(熱源22から熱が供給され始めると)、液相の作動流体16Lは沸騰部26で沸騰して気相に相変化し、気相の作動流体16Gは凝縮部24で冷却されて液相に相変化する。
ガス排出装置18は、パイプ14内の不凝縮ガス20を排出するためのものである。ここで言う「不凝縮ガス」は、作動流体封入時にパイプ内に存在する空気、封入される作動流体中に溶存するガス(例えば、酸素など)、長時間のヒートパイプの使用の際に作動流体とパイプの壁の化学的反応によって発生するガス(例えば、水素)、または外部から接合部を介して侵入する空気などを指しており、ヒートパイプの内部状態では液相へ相変化することができない気相の流体を言う。したがって、初期にヒートパイプ内に混入している不凝縮ガスと、時間経過とともに増加する不凝縮ガスがある。
沸騰部26で発生した気相の作動流体16Gが凝縮部24へ移動し、潜熱を放出しつつ液相へ変化する。その際、図1に示すように、凝縮部24に不凝縮ガス20が存在すると、不凝縮ガス20が凝縮部24のパイプ14の壁面上に停滞し、気相の作動流体16Gと該壁面との接触を阻害する。したがって、不凝縮ガス20がパイプ14内に存在しない場合に比べて、ヒートパイプ10の伝熱特性が悪化し、また、パイプ14内の温度が高くなるとともに、それに対応してパイプ14の内圧も高くなる。
また、上述したように、時間経過とともに不凝縮ガス20が増加する場合、ヒートパイプ10の伝熱特性は悪化し続け、パイプ14内温度および圧力は高くなり続ける。それにより、耐圧(耐熱)設計されているパイプ14が破壊される可能性がある。また、上記パイプ14内温度の上昇に伴い、熱源22である例えば半導体機器の温度も上昇するため、半導体機器による所望の機能が得られないだけでなく、最悪の場合、半導体機器の破壊を引き起こす可能性がある。
不凝縮ガス20による伝熱特性の悪化や不凝縮ガス20の増加によるパイプ14や熱源22の破壊を防ぐために、ガス排出装置18は、不凝縮ガス20が停滞する位置に設けられている。図1においては、ヒートパイプ10の上方に設けられている。
次に、不凝縮ガス20を排出するガス排出装置18を、具体的に図2に示す。
図2に概略的に示されるガス排出装置18は、概略、パイプ14内外を連通する連通路40と、連通路40を開閉栓する栓体42と、栓体42を付勢して栓体42に連通路40を閉栓させるばね(栓体付勢手段)44を有する。
また、ガス排出装置18は、連通路40を介してパイプ14の密閉空間12に不純物が混入することを防止する防塵キャップ46と、栓体42の連通路40の開栓を助力するばね48とを有する。
連通路40は、不凝縮ガス20が蓄積される密閉空間12の部分と外部とを連絡する位置に設けられており、本実施の形態においては、パイプ14の上端に形成されている。また、連通路40は、パイプ14内部から外部に向かって径が拡大する、いわゆるテーパ形状に形成されている。
栓体42は、連通路40に挿入されて該連通路40を閉栓するものであって、テーパ形状の連通路40と係合可能なテーパ形状で形成されている。栓体42は、連通路40と協働してパイプ14の密閉空間12を形成するために、例えばゴムなどの弾性体で形成される。なお、栓体42は、連通路40と当接する部分が弾性体で形成された、例えばゴムで覆われた金属材料製であってもよい。
ばね44は、パイプ14の内周面から突出して連通路40の下方に設けられたばね台50に一端が固定され、他端が栓体42に固定された状態でパイプ14内に配置されている。ばね44は、栓体42による連通路40の閉栓を維持するために該栓体42をパイプ12内に向かって常に引っ張っている(連通路40の閉栓時、ばね44は自然長より長い状態である。)。
また、ばね44は、パイプ14内がパイプ14の耐圧から求まる安全限界内圧(安全に使用できる限界の内圧)に対応する所定の値、または熱源の許容温度から求まる所定の値の温度で軟化して伸びる形状記憶合金で作製されている。ばね44は、軟化して伸びたときに栓体42を押圧して連通路40が開栓するように形成されている。
防塵キャップ46は、連通路40を介してパイプ14の密閉空間12に不純物が混入することを防止するために連通路40を覆い被さるように設けられるが、後述するように連通路40から防塵キャップ46の内部空間52に流入した不凝縮ガス20を外部に排出させるための排出路54を有する。
この防塵キャップ46の内部空間52は、不凝縮ガス20と混入された作動流体16を、再びパイプ14内に戻す役割もする。栓体42が連通路40を開栓すると、不凝縮ガス20とともに気相の作動流体16が防塵キャップ46の内部空間52に流入する。内部空間52に流入した気相の作動流体16は、ここで潜熱を奪われて凝縮する。凝縮した作動流体(液相の作動流体)16は、再び、連通路40を介してパイプ14内に戻る。これにより、作動流体16がパイプ14外部に流出してパイプ14内の作動流体16の量が減少することが抑制される。
ばね48は、一端が防塵キャップ46に固定され、他端が栓体42に固定された状態で防塵キャップ46の内部空間52内に配置されている。形状記憶合金製のばね44が軟化して伸びたときに栓体42が連通路40から離れるように常に栓体42を引っ張っている(連通路40の閉栓時、ばね48は自然長より長い状態である。)。しかしながら、ばね48は、閉栓時におけるばね48の引張り力が、閉栓時におけるばね44の引張り力より小さくなるように形成されている。確認のために、ばね48は形状記憶合金製ではなく、例えば錆難いステンレス製である。
次に、ヒートパイプ10の動作について説明する。熱源22が発熱し始めると、ヒートパイプ10は駆動し始める。熱源22からの熱は、パイプ14を介して密閉空間12の沸騰部26に存在する液相の作動流体16Lに伝達される。熱が伝達された液相の作動流体16Lは沸騰する。次に、沸騰することにより発生した気相の作動流体16Gは、相の違いに係る比重差によって生じる浮力により密閉空間12の上部に向かって移動し、さらに密閉空間12の上部内の温度差に伴う圧力差により凝縮部26の壁面に移動する。
凝縮部24に移動した気相の作動流体16Gは潜熱を奪われて凝縮する。凝縮することにより発生した液相の作動流体16Lは、体積力によって凝縮部24から沸騰部26に還流する。ここで言う体積力は、重力である。
このような作動流体16の相変化と相変化による作動流体16の移動により、熱源22から発生した熱は、沸騰部26から凝縮部24に移動され、そこで外部に排出される。
ガス排出装置18の動作について説明する。ヒートパイプ駆動時において、不凝縮ガス20の存在によりパイプ14の内部温度が上昇すると、対応して内圧も上昇する。パイプ14の耐圧から求まる安全限界内圧(安全に使用できる限界の内圧)または熱源22の許容温度に対応する所定の値の温度にパイプ14の内部温度が達すると、形状記憶合金製のばね44が軟化して伸び始める。ばね44が伸びることにより栓体42が押圧されて連通路40が開栓すると、不凝縮ガス20が連通路40と防塵キャップ46の内部空間52と排出路54を介して外部に流出する。不凝縮ガス20が流出することにより、ヒートパイプ10の伝熱特性が向上し、パイプ14内温度が低下していくとともに対応してパイプ14の内圧が減少していく。内部温度が所定の値の温度以下になると、形状記憶合金ばね44が縮んで栓体42が連通路40を再び閉栓する。
確認のために、本実施の形態のヒートパイプ10は、閉栓する際のパイプ14の内部状態に係る作動流体16の飽和圧力が大気圧より高ければパイプ14内の不凝縮ガス20を完全に排出することができるが、大気圧より低ければパイプ14内に少量の不凝縮ガス20が残留する。つまり、本発明に係るヒートパイプは、ヒートパイプの熱抵抗、動作温度、および動作圧力の上限値が規定されたものであり、また、ヒートパイプ10の動作温度の範囲が広いという利点を有するものである。
具体的な動作温度範囲が広い利点を、例えば、作動流体が水であって、ガス排出装置が内部温度100度で連通路を閉栓するとともに105度で開栓する構造(形状記憶合金ばね)で、ヒートパイプの周囲圧力が大気圧である場合を一例に挙げて説明する。
ガス排出装置が105度で連通路を開栓するとき、内圧は1.2atmに達しており、大気圧との差(0.2atm)によって不凝縮ガスが外部に排出される。不凝縮ガスが排出されて内部温度が100度になると、ガス排出装置が連通路を閉栓する。理想的には外部からパイプ内への不凝縮ガスの混入はないが、現実的には閉栓の際、若干量の不凝縮ガスがパイプ内に混入する。若干量の不凝縮ガスがパイプ内に存在するが、更なる不凝縮ガスの蓄積がない限り、内部温度約100度でヒートパイプは熱搬送をし続ける。
ヒートパイプが駆動停止すると(熱源からの熱供給が止まると)、上述した不凝縮ガスの侵入量がパイプ内上部の水蒸気空間容積の10%であった場合、内圧は0.1atmまで低下する。この状態で再びヒートパイプが駆動すると(熱源からの熱供給が再び始まると)、0.1atmの飽和温度(水の場合45度)で液相の作動流体である水が沸騰する。そして、再びヒートパイプが駆動し始める。このことは、熱源から供給される熱量が変化してもヒートパイプが駆動することを意味する。言い換えると、ヒートパイプは広い動作温度範囲を有することになる。
本実施の形態によれば、自立的に不凝縮ガスを排出することができるガス排出装置を有するため、ヒートパイプは高い信頼性を有する。また、稼働中にパイプ14内の不凝縮ガスを排出することから、ヒートパイプ製造時に特殊な作動流体封入作業をする必要がなくなる。
以下、いくつかの異なる形態の本発明に係るヒートパイプのガス排出装置を挙げる。ガス排出装置以外のヒートパイプの構成要素は、上述の実施形態と同じであるため説明を省略する。
実施の形態2.
本実施の形態のヒートパイプのガス排出装置において、上述の実施の形態と異なる点は、栓体を付勢する手段が異なる点である。
本実施の形態のヒートパイプのガス排出装置において、上述の実施の形態と異なる点は、栓体を付勢する手段が異なる点である。
図3に概略的に示すように、符号118で示される本実施の形態のヒートパイプのガス排出装置は、パイプ114の内部空間12と外部とを連通する連通路140をバイメタル160によって付勢される栓体142によって開閉栓する(図では、開栓状態が示されている。)。バイメタル160は、両端が防塵キャップ146に固定され、中央部に栓体142が取り付けられている。バイメタル160が平板状であるとき(湾曲していないとき)、取り付けられている栓体142が連通路140を閉栓している。バイメタル160はパイプ114の内部温度が所定の値の温度に達したときに湾曲するように設計されている(例えば材料や形状などが決定されている)。バイメタル160が湾曲することによって栓体142が連通路140から離れて該連通路140が開栓される。これにより、パイプ114の内部温度が所定の値の温度に達したときに不凝縮ガスが外部に排出される。
また、図において、バイメタル160は、防塵キャップ146の内部空間152に配置されているが、パイプ114内に配置してもよい。さらに、バイメタル160は、両端で支持されるのではなく、片持ちで支持されてもよい。加えて、開栓の速度を向上させるために、バイメタルを座屈させて開栓するように、またはバイメタルと栓体の間に座屈部材を配置して該座屈部材がバイメタルから力を受けて座屈することにより開栓するように、ガス排出装置を構成してもよい。ここでいう座屈とは、弾性変形における形状変化の一種であり、例えば、応力が作用している部材が、ある応力値に達すると急に大きく湾曲するような現象を言う。なお、確認のために、ここで言う座屈とは、作用する応力が解除されると元の形状に戻る弾性変形における座屈を言い、作用する応力が解除されても形状が元に戻らない塑性変形における座屈を言うわけではない。
実施の形態3.
本実施の形態のヒートパイプのガス排出装置においても、上述の実施の形態と異なる点は、栓体を付勢する手段が異なる点である。
本実施の形態のヒートパイプのガス排出装置においても、上述の実施の形態と異なる点は、栓体を付勢する手段が異なる点である。
図4に概略的に示すように、符号218で示される本実施の形態のヒートパイプのガス排出装置は、パイプ214の内部空間212と外部とを連通する連通路240をベローズ262によって付勢される栓体242によって開閉栓する(図では、開栓状態が示されている。)。パイプ214内に配置されたベローズ262が栓体242をパイプ214内側に引っ張ることにより、該栓体242が連通路240を閉栓している。ベローズ262内には、パイプ114の内部温度が所定の値の温度に達したときに気相に変化する液体の作動流体264が封入されており、作動流体264に十分量の熱が供給されて液相から気相に変化することによってベローズ262が栓体242を押圧し、該栓体242が連通路240から離れて該連通項240が開栓される。これにより、パイプ114の内部温度が所定の値の温度に達したときに不凝縮ガスが外部に排出される。
実施の形態4.
本実施の形態のヒートパイプのガス排出装置は、上述の実施の形態のように連通路を開閉栓する栓体と該栓体を付勢する栓体付勢手段から構成されておらず、連通路を開閉栓する栓自体がパイプの内部温度に基づいて開閉栓する。
本実施の形態のヒートパイプのガス排出装置は、上述の実施の形態のように連通路を開閉栓する栓体と該栓体を付勢する栓体付勢手段から構成されておらず、連通路を開閉栓する栓自体がパイプの内部温度に基づいて開閉栓する。
図5に概略的に示すように、符号318で示される本実施の形態のヒートパイプのガス排出装置は、栓機構(栓手段)366がパイプ314の内部温度が所定の値の温度に達したときに熱膨張することにより連通路340を開栓する(図では、開栓状態が示されている。)。具体的には、栓機構366は、線膨張係数が異なる栓体368と栓体支持体370から構成されている。栓体支持体370は、連通路340が完全に閉栓状態になるように栓体368を支持している(すなわち、栓体支持体370と栓体368の間に間隙がない状態で栓体を支持している。)。パイプ314の内部温度が所定の値の温度に達すると、栓機構366の栓体368と栓体支持体370は十分量の熱を伝達されて異なる線膨張係数で熱膨張し、それにより、栓体368と栓体支持体370の間に間隙が生じる。この生じた間隙により、連通路340が開栓状態になり、不凝縮ガスが外部に排出される。
実施の形態5.
本実施の形態のヒートパイプのガス排出装置は、上述の実施の形態がパイプの内部温度に基づいて不凝縮ガスを外部に排出するのに対し、パイプの内圧に基づいて不凝縮ガスを排出する。
本実施の形態のヒートパイプのガス排出装置は、上述の実施の形態がパイプの内部温度に基づいて不凝縮ガスを外部に排出するのに対し、パイプの内圧に基づいて不凝縮ガスを排出する。
図6に概略的に示すように、符号418で示される本実施の形態のヒートパイプのガス排出装置は、パイプ414の内圧が所定の値の圧力(例えば、パイプ414の耐圧から求まる安全限界内圧または熱源22の許容温度に対応する内圧)に達したときに連通路440を開栓する(図では、開栓状態が示されている。)。具体的には、栓体442はばね472によって内圧に対抗する所定の付勢力で付勢されて連通路440を閉栓している。ばね472は、所定の付勢力が所定の値の圧力が内部から栓体442を押圧する力より小さくなるように構成されている。これにより、パイプ414の内圧が所定の値の圧力に達したとき、内圧による栓体442に対する押圧力が所定の付勢力を勝り、栓体442が連通路440から離れて該連通路440が開栓される。これにより、パイプ414の内圧が所定の値に達したときに不凝縮ガスが外部に排出される。
実施の形態6.
本実施の形態のヒートパイプのガス排出装置は、実施の形態5と異なる形態でパイプの内圧に基づいて不凝縮ガスを排出する。
本実施の形態のヒートパイプのガス排出装置は、実施の形態5と異なる形態でパイプの内圧に基づいて不凝縮ガスを排出する。
図7に概略的に示すように、符号518で示される本実施の形態のヒートパイプのガス排出装置は、パイプ514の内圧が所定の値(例えば、パイプ514の耐圧から求まる安全限界内圧または熱源22の許容温度に対応する内圧)に達したときに不凝縮ガスを外部に排出する。具体的には、連通路540が少なくとも1つの毛細管形状の通路で構成されている。連通路540の毛細管形状は、パイプ514の内圧が所定の値に達したときに、該連通路540内の液相の作動流体(毛細管力によって連通路540内に保持されている液相の作動流体)が不凝縮ガスに押し出されるような形状(例えば、径の大きさなど)に設計されている。これにより、パイプ514の内圧が所定の値に達したとき、不凝縮ガスが外部に放出される。本実施の形態のヒートパイプは、上述の他の実施形態とは異なり、可動部分が存在しないため信頼性が高い。
以上、いくつかの実施の形態を挙げて、自立的に不凝縮ガスを排出できるヒートパイプを説明したが本発明はこれに限定するわけでない。例えば、一つのヒートパイプに上述の複数のガス排出装置を取り付けてもよい。例えば、実施の形態1〜4のようにパイプの内部温度に基づいて不凝縮ガスを排出するガス排出装置のいずれか1つと、実施の形態5、6のようにパイプの内圧に基づいて不凝縮ガスを排出する装置のいずれか1つを、1つのパイプに設けてヒートパイプを構成してもよい。
また、上述の実施形態のヒートパイプにおいては、作動流体の移動は体積力によって行われるが、例えば、遠心力や毛細管力などであってもよい。したがって、作動流体の移動方向は、重力方向に限られることはない。例えば、作動流体の移動方向が水平方向になるようにパイプを配置し、パイプ内の内周面にウィック(毛細管作用を有する材料)を設けると、気相の作動流体は気体の特性として高温側(沸騰部)から低温側(凝縮部)に移動し、液相の作動流体はウィックにより凝縮部から沸騰部に還流する。なお、作動流体を移動させる力は、これら以外に、電気流体力学力、電気浸透力、化学浸透力、気泡ポンプによる駆動力などがある。また、ヒートパイプの構成として、上述の実施形態においては沸騰部と凝縮部を伴うパイプからなる密閉容器を説明したが、特にこの構成に限定するものではなく、例えばループパイプ形状でもよく、また作動流体通流路に熱交換器や凝縮現象を伴わない冷却器などが設けられていてもよい。
さらに、上述の実施形態のヒートパイプにおいては、熱源を冷却するために熱源から熱を奪い外部に排出する構成であるが、本発明はこれに限定しない。例えば、ヒートパイプは熱源の熱を他の物体に伝達してよい。
さらにまた、ヒートパイプの熱搬送力を向上させるために、作動流体に溶解しない、例えばアルミや銅の粉末を該作動流体に混入させてもよい。
加えて、熱源が流体でなく、例えば半導体機器などの物体である場合、パイプに開口を形成し、熱源が直接作動流体に接触するように、言い換えると熱源が開口から作動流体が流出しないように該開口を閉鎖してもよい。
これについて、図8を用いて説明する。図において、符号610で示されるヒートパイプは、パイプ614が開口674を有し、熱源622が開口674を閉鎖している以外を除いて図1に示すヒートパイプと同一の構成である。パイプ614の開口674を完全に閉鎖するために、パイプ614と熱源622の間にはシール部材(図示せず)が配置されている。それにより、作動流体616と熱源622が直接接触し、作動流体616と熱源622間の熱伝達性が、直接接触していない場合(例えば、上述のように熱源がパイプの外面にサーマルグリスなどの接触熱抵抗低減剤を介して当接されている場合)に比べて高くなる。また、熱源622を取り外し可能にパイプ614の開口674を封鎖する蓋として機能するように構成すれば、熱源とパイプを当接させる場合に必要であった熱源とパイプの間に塗布されるサーマルグリスが不要になる。なお、本実施の形態でも、熱源である半導体電子機器を取り外すことができることから、該機器の寿命による交換等のメンテナンスを容易に行うことができる。
パイプに開口を形成して熱源で該開口を閉鎖することが可能になる理由は、上述したように、本発明に係るヒートパイプは、稼働中に不凝縮ガスをガス排出装置によって排出することが可能であるためである。したがって、熱源である半導体機器などの使用中に、シール部から不凝縮ガスがパイプ内に流入しても問題はない。
10 ヒートパイプ、 12 密閉空間、 14 パイプ、 16 作動流体、 16G 気相の作動流体、 16L 液相の作動流体、 18 ガス排出手段、 20 ガス(不凝縮ガス)、 22 熱源、 24 凝縮部、 26 沸騰部
Claims (6)
- 作動流体の相変化を介して熱源からの熱を搬送する密閉型のヒートパイプであって、
作動流体と、
液相の作動流体が熱源から受熱して沸騰するまたは蒸発する沸騰部と気相の作動流体が潜熱を奪われて凝縮する凝縮部を含む密閉空間を有するパイプと、
パイプの内圧または内部温度の少なくとも一方が所定の値に達したときに、自立的にパイプ内のガスをパイプ外に排出するガス排出手段を有することを特徴とするヒートパイプ。 - ガス排出手段は、
パイプ内外を連通する連通路と、
連通路を開閉する栓体と、
栓体を付勢して該栓体に連通路を閉栓させる栓体付勢手段を有し、
栓体付勢手段が熱変形することにより、栓体が連通路を開栓することを特徴とする請求項1に記載のヒートパイプ。 - ガス排出手段は、
パイプ内外を連通する連通路と、
連通路を開閉する栓手段を有し、
連通路を閉栓している栓手段が熱変形することにより連通路を開栓することを特徴とする請求項1に記載のヒートパイプ。 - ガス排出手段は、
パイプ内外を連通する連通路と、
連通路を開閉する栓体と、
パイプの内圧に対抗して栓体を所定の付勢力で付勢することにより該栓体に連通路を閉栓させる栓体付勢手段を有し、
パイプの内圧が所定の値を越えたとき、栓体が連通路を開栓することを特徴とする請求項1に記載のヒートパイプ。 - ガス排出手段が、パイプ内外を連通する毛細管状の連通路であることを特徴とする請求項1に記載のヒートパイプ。
- 熱源が物体であって、
パイプが開口を有し、
熱源が開口を閉鎖するようにパイプに取り付けられることにより、熱源と作動流体が接触していることを特徴とする請求項1〜5に記載のヒートパイプ。
Priority Applications (1)
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JP2005184565A JP2007003114A (ja) | 2005-06-24 | 2005-06-24 | ヒートパイプ |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
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- 2005-06-24 JP JP2005184565A patent/JP2007003114A/ja active Pending
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