JP2007002985A - 密封装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 両側面に溝を有するシールリングの両側面に繰り返し圧力が作用する場合においても、長期使用可能な、耐久性に優れた密封装置を提供する。
【解決手段】 Xリング3は、摺動リング2及び環状溝14の溝底14aに対する締め代の和(a+b)が、溝3f,3gの径方向の溝幅cの大きさ以上となるように設けられ、環状隙間13に設けられた場合に溝3f,3gがふさがれた状態となる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、相対移動自在に設けられた二部材間の環状隙間を密封するための密封装置に関するものである。
従来では、この種の密封装置として、例えば、油圧・空圧シリンダのピストン部やロッド部用シールにおいては、ゴムやウレタンで構成されたリップパッキン、及び、樹脂シールとゴムシールとを組み合わせた、いわゆるスリッパシールが主として使用されている。
図8は、従来の密封装置100を示す概略断面図である。
密封装置100は、相手摺動面に摺動する摺動リング101と、摺動リング101を相手摺動面に付勢するゴムリング102とから構成されている。
摺動リング101においては、摺動材としてPTFE(四フッ化エチレン樹脂)を用いており、リップパッキンに比べて、耐圧性・摩擦摩耗特性の点で優れている。しかしながら、樹脂を摺動材とした場合には、相手摺動面への密着性が悪く、密封性能に劣るため、圧力保持が重要な(高いシール性が求められる)用途では、リップパッキンが使用されることになる。
図9は、従来の密封装置110を示す概略断面図である。
図9に示す密封装置110では、密封装置100に対して、密封性能の向上を図ることを目的として、ゴムリング102を断面略X字形状のXリング111に変更している。ゴムリング102をXリング111とすることにより、Xリング111の溝部分に圧力が導入されて、Xリング111に拡張力(摺動リング101との接触により生じる力)が働くため、摺動面圧を上昇させることができる。
なお、関連する従来例が開示された文献としては、特許文献1〜3がある。
実開昭62−128277号公報 実開平6−80060号公報 特開平11−280911号公報
図10は、2部材間の環状隙間に設けられた密封装置110の両側面に対して、それぞれ交互に油圧が作用した場合について示す概略断面図である。図11は、密封装置100に油圧Pが作用した場合について示す概略断面図である。図12は、疲労破損したXリング111を示す概略断面図である。
密封装置110では、密封装置100の場合よりも面圧勾配(摺動接触面の圧力分布)を高くすることができ、これにより、密封性能の向上を図ることが可能となる(図10,11参照)。
しかしながら、密封装置110においては、溝装着時に油圧Pが作用した場合に、U溝に変形が生じてしまう。
図10に示すように、密封装置110が装着された状態で二部材が往復動すると、密封装置110に対して圧力側H及び反圧力側(低圧側)Lから交互に油圧Pが作用する。このような場合、Xリング111の両側面の溝部112に応力が繰り返し作用してしまい、特に、Xリングの溝部(溝底)には、応力が繰り返し集中してしまうこととなり、図12に矢印Dで示すような疲労破損(疲労破壊、ここでは繰り返し圧力を受けることにより劣化を生じてしまうことをいう)が生じる可能性がある。
本発明は、上記したような事情に鑑みてなされたものであり、両側面に溝を有するシールリングの両側面に繰り返し圧力が作用する場合においても、長期使用可能な、耐久性に優れた密封装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明にあっては、
互いに同軸的に相対移動自在に組付けられる二部材のうち一方の部材に形成された環状溝に装着され、前記二部材のうち他方の部材と前記環状溝の溝底とのうち少なくともいずれか一方に対して締め代を有して設けられ、前記二部材間の環状隙間を密封するシールリングを有する密封装置であって、
前記シールリングの両側面に溝が設けられ、
前記他方の部材及び前記溝底に対する締め代の和が、前記溝の径方向の溝幅の大きさ以上となるように設けられ、前記二部材間に装着された場合に該溝がふさがれた状態となることを特徴とする。
このように構成することにより、二部材間に装着された状態では、シールリングの両側面が、常に、圧縮された状態となるので、リップパッキンの腰部の役割を果たすこととなる。これにより、二部材が相対移動する場合に、シールリングの挙動を安定させることができる。
また、圧力が作用した場合には、圧力側の溝に圧力が導入されることにより、該溝の部分に拡張力を発生させることができる。これにより、他方の部材に対するシールリングの面圧(摺動接触面に作用する圧力、接触圧力)を上昇させることができ、圧力側から反圧力側(低圧側)へ密封装置を通過してしまう油膜の量を減少させることができる。したがって、密封性能を向上させることが可能となる。
特に、二部材が相対的に往復動する場合、シールリングの反圧力側においては、常に、圧縮された状態にあるので、従来のように大きく変形してしまうようなことはなく、シリンダハウジング12に対するスリッパシール1の面圧を安定させることができ、より安定した密封性能を得ることが可能となる。そして、往復動時に圧力が繰り返し作用した場合であっても、シールリングの溝部分を起点とした応力集中による疲労破損をより効果的に抑制することができる。これにより、耐久性を向上させることができ、長寿命化が可能となる。
また、上記の構成において、
前記シールリングの外周面と内周面とのうち少なくともいずれか一方に、前記溝がふさがれた状態で該溝に圧力が作用した場合に、該溝内に圧力を導入可能とする凹部を備えるとよい。
また、上記の構成において、
前記シールリングは、
基部と、
前記基部から外径方向であって、かつ、軸方向両側に向かってそれぞれ延びる外径リッ
プ部と、
前記基部から内径方向であって、かつ、軸方向両側に向かってそれぞれ延びる内径リップ部と、
を備え、
前記外径リップ部と前記内径リップ部とのうち少なくともいずれかが締め代を有して設けられ、
前記溝は、軸方向一方側の外径リップ部と内径リップ部との間、及び、軸方向他方側の外径リップ部と内径リップ部との間にそれぞれ設けられ、
前記凹部は、前記外径リップ部間、及び、前記内径リップ部間にそれぞれ設けられるとよい。
また、上記の構成において、
前記溝の周方向の一部には、該溝の開口側から溝底側に向かって設けられ、該溝がふさがれた状態で該溝に圧力が作用した場合に、該溝内に圧力を導入可能な切り欠きを備えるとよい。
また、上記の構成において、
前記シールリングと前記他方の部材との間には、該シールリングに付勢され該他方の部材に摺動する摺動リングが設けられ、
前記シールリングは、前記摺動リングと前記環状溝の溝底とのうち少なくともいずれか一方に対して締め代を有して設けられるとよい。
なお、上記各構成は、可能な限り組み合わせて採用し得る。
本発明によれば、両側面に繰り返し圧力が作用する場合においても、長期使用可能な、耐久性に優れた密封装置を提供することが可能となる。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための最良の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状それらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものであり、この発明の範囲を以下の実施の形態に限定する趣旨のものではない。なお、以下に示す図において、断面を示す場合でも便宜上ハッチングを施していない場合もある。
本実施の形態に係る密封装置としてのスリッパシール1は、例えば、高圧の作動油によって駆動される各種の油圧シリンダや空圧シリンダのピストン部やロッド部やプランジャ部等に好適に適用されるものである。以下、スリッパシール1が、建設機械の油圧駆動用シリンダに取り付けられるロッドパッキンに適用された一実施の形態について説明する。
図7は、本実施の形態の油圧駆動用シリンダについて、その外観及び内部構造の一部を概略的に示す斜視図である。
油圧駆動用シリンダ(以下、油圧シリンダという)10は、概略、有底円筒形の軸孔を形成するシリンダ型外郭(以下、シリンダハウジングという)12と、シリンダハウジング12内を往復動するピストン15とを備える。ピストン15の一部としてシリンダハウジング12内に収容される部分は、円柱形状をなすロッド部18と、ロッド部18先端の外周に螺合装着されロッド部18よりもやや大きな外径を有して且つ、これも円柱形状をなすプランジャ部11とを形成する。
シリンダハウジング12には、その内周面を外部と連通させる油孔16,17が設けられており、これら油孔16,17を介し高圧の作動油がシリンダハウジング12外部からシリンダハウジング12内部へ送出入される。また、油孔16に連通するシリンダハウジング12の内部空間Xと、油孔17に連通するシリンダハウジング12の内部空間Y(シリンダハウジング12の内周面とロッド部18の外周面との間隙)とは、プランジャ部11によって仕切られている。
すなわち、油孔16及び油孔17を介して送入出される作動油の油圧を適宜調整することにより、ピストン15本体が矢印Z方向に往復動し、且つその挙動が自在に制御される。
プランジャ部11の外周面には矩形の断面形状を有する環状溝が周回形成されており、各環状溝には、それぞれウエアリング19,スリッパシール1,及びコンタミシール20が装着されている。ウエアリング19は、ピストン15の偏心を抑制する等、もっぱら軸受けとしての機能を有する。コンタミシール20は、例えば作動油に混入した金属粉等がプランジャ部11の外周面とシリンダハウジング12の内周面との間隙に侵入するのを防止する。
そして、スリッパシール1は、内部空間X及び内部空間Y間における作動油の伝搬を規制し、両空間X,Yの相互間における密封状態を保持する機能を有する。以下、本実施の形態のスリッパシール1について詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態のスリッパシール1を二部材間の環状隙間13に設ける場合について説明するための概略断面図である。図2は、本実施の形態のスリッパシール1を示す概略断面図である。図3(a)は、図2のB矢視図、同図(b)は、図2のC矢視図である。
図1に示すように、スリッパシール1は、プランジャ部(軸部材)11の外周面に設けられた環状溝14内に装着されて、プランジャ部11外周面と、プランジャ部11が挿通されるシリンダハウジング12の内周面12aとの間の環状隙間13をシールするものである。ここで、プランジャ部11は本発明に係る二部材のうち一方の部材を構成し、シリンダハウジング12は二部材のうち他方の部材を構成している。
スリッパシール1は、摺動リング2と、シールリング(付勢リング)としてのXリング3と、を備えている。
摺動リング2は、ハウジング12の内周面12aと摺動するもので、断面形状が略矩形状に形成され、耐摩耗性・低摩擦係数(摺動発熱低減)を目的として樹脂部材により構成されている。摺動リング2は、例えば、PTFE(四フッ化エチレン樹脂)等により構成されるとよい。
Xリング3は、摺動リング2と環状溝14の溝底14aとの間に設けられ、摺動リング2をシリンダハウジング12側に付勢して摺動リング2に緊迫力(シリンダハウジング12との接触により生じる力、シリンダハウジング12を締め付ける力)を付与するもので、断面形状が略X字形状に形成され、ゴム状弾性体により構成されている。バックリング3は、例えば、NBR(ニトリルゴム),UR(ポリウレタン)等により構成されるとよい。
以下に、本実施の形態のXリング3について説明する。
Xリング3は、基部3aと、基部3aから摺動リング2方向(外径方向)であって、かつ、環状溝14の両側壁14b,14c方向にそれぞれ延びる外径リップ部3b,3cと、基部3aから溝底14a方向(内径方向)であって、かつ、環状溝14の両側壁14b,14c方向にそれぞれ延びる内径リップ部3d,3eと、を備えることにより、断面略X字形状に構成されるものである。
また、基部3aから各リップ部3b〜3eが延びることにより、各リップ部3b〜3eの間には、それぞれ溝(窪み)が形成される。すなわち、Xリング3の側面(端面、径方向に延びる径方向面)においては、側壁14b側に開口するように外径リップ部3bと内径リップ部3dとの間に溝3fが形成され、側壁14c側に開口するように外径リップ部3cと内径リップ部3eとの間に溝3gが形成されている。また、Xリング3の周面においては、摺動リング2に開口するように外径リップ部3b,3c間に凹部3hが形成され、溝底14aに開口するように内径リップ部3d,3e間に凹部3iが形成されている。
ここで、溝3f,3gの形状は特に限定されるものではないが、本実施の形態においては、図1,2に示すように断面略U字形状としているため、溝3f,3gを、以下、U溝3f,3gという。U溝3f,3gは、Xリング3の両側面に対称的に設けられるとよい。
また、U溝3f,3gの周方向の一部においては、図1〜3に示すように、溝の開口部の両側から溝底側に向かって切り欠き3jが設けられている。
さらに、Xリング3において、各リップ部3b〜3eは、環状溝14に設けられた場合に、摺動リング2及び溝底14aに対してそれぞれ締め代を有するように設けられている。
そして、本実施の形態の特徴として、摺動リング2の内周面及び環状溝14の溝底14aに対するXリング3の締め代の和が、U溝3f,3gの径方向の幅(溝幅)よりも大きくなるように設定されている。
すなわち、Xリング3は、図1に示すように、摺動リング2に対する締め代をa、溝底14aに対する締め代をb、U溝3f(3g)の溝幅をc、とした場合に、
(a+b)−c>0 ・・・(式1)
という関係が成り立つように設けられている。
次に、このように構成されたXリング3が、環状溝14に装着されて二部材間の環状隙間13に設けられた場合について説明する。
図4は、本発明の実施の形態のスリッパシール1を二部材間の環状隙間13に設けた状態を説明するための概略断面図であり、無圧時の状態を示す図である。
上述したように構成されたXリング3が二部材間の環状隙間13に装着された場合、上記式1の関係が成立するように設けられることにより、U溝3f(3g)が締め代a,bの分、押しつぶされてしまうこととなる。そして、U溝3f(3g)は、図4に示すように、溝内で溝を構成していた両壁(図2において、U溝3fを例にとると、3f1,3f2に相当)が接触(圧接)して、溝がふさがれた状態、いわゆる「つぶし」が発生した状態となる。
ここで、Xリング3においては、外径リップ部3b,3c間、及び、内径リップ部3d,3e間にそれぞれ、凹部3h,3iが設けられているので、Xリング3が二部材間の環状隙間13に設けられた場合(無圧時)、径方向においてU溝3f,3gが設けられていない領域(図1のAの領域、以下、「凹部3h,3i間の径方向の部分」と称す)においては、押しつぶされることはなく、いわゆる「つぶし」が発生しない状態となっている。
すなわち、凹部3h,3iは、Xリング3が二部材間の環状隙間13に設けられた場合(無圧時)、凹部3h,3i間のリング本体の径方向の長さが、Xリング3が設けられる部分(領域、溝幅)、すなわち、摺動リング2内周面と環状溝14の溝底14aとの間の長さ以下となるように設定されている。
次に、Xリング3が装着されたプランジャ部11に、油圧Pが作用した場合について説明する。
図5は、本発明の実施の形態のスリッパシール1を二部材間の環状隙間13に設けた状態を説明するための概略断面図であり、図において上方から下方に向けてスリッパシール1に油圧Pが作用した状態を示している。
スリッパシール1に油圧Pが作用した場合、Xリング3の圧力側Hの側面に油圧Pが作用し、圧力側HのU溝3f部分に設けられた切り欠き3jに油圧Pが導入されることとなる。これにより、U溝3fは、図5に示すように、ふさがれた状態から開いた状態となり、U溝3f内にも油圧Pが導入されるようになる。
また、Xリング3において、Xリング3が二部材間の環状隙間13に設けられた場合(無圧時)には、凹部3h,3i間の径方向の部分は、「つぶし」が発生しない状態となっている。したがって、油圧Pが作用した場合には、凹部3h,3i間の径方向の部分が変形することにより、圧力側HのU溝3f内に油圧Pが導入されるようになる。
このようにしてU溝3f内に導入された油圧Pの作用により、Xリング3のU溝3f部分には拡張力が発生することとなる。
これにより、シリンダハウジング12に対するスリッパシール1の面圧勾配を大きくする(面圧を上昇させる)ことができ、圧力側Hから反圧力側(低圧側)Lへスリッパシール1を通過してしまう油膜の量を減少させることができる。したがって、密封性能を向上させることが可能となる。
また、スリッパシール1が前記二部材間の環状隙間13に設けられた状態では、Xリング3のU溝部分は「つぶし」が発生した状態となることにより、常に圧縮された状態となっている。これにより、該U溝部分は、リップパッキンの腰部の役割を果たすこととなる。すなわち、「つぶし」を発生させたU溝部分を設けることにより、スリッパシール1の挙動を安定させることができる。
したがって、Xリング3に油圧Pが作用した場合であっても、Xリング3の反圧力側LのU溝部分の変形を抑えることができるので、シリンダハウジング12に対するスリッパシール1の面圧を安定させることができ、より安定した密封性能を得ることが可能となる。
なお、切り欠き3jについては、特に限定されるものではないが、U溝3f(3g)の周上に等間隔に設けられることが好ましく、また、切り欠き3jの周方向の長さなどの寸法関係は、油圧Pが導入されることにより好適にU溝3f(3g)がふさがれた状態から開いた状態となるよう、締め代a,bや溝幅cや油圧Pの大きさなどに基づいて適宜設定されるとよい。また、例えば、Xリング3に作用する油圧Pがより高圧であり、その油圧
Pの作用によりU溝3f(3g)がふさがれた状態から開いた状態となるような場合であれば、切り欠き3jを設ける必要はない。
また、凹部3h,3iは、Xリング3が二部材間の環状隙間13に設けられた場合(無圧時)に、凹部3h,3i間の径方向の部分が「つぶし」が発生しない状態、すなわち、摺動リング2内周面と環状溝14の溝底14aとの間の長さ以下となり、油圧Pが作用した場合には、摺動リング2内周面と環状溝14の溝底14aとの間の長さよりも大きくなって、シリンダハウジング12に対してスリッパシール1に面圧が発生するように適宜設定されるとよい。
次に、Xリング3が装着されたプランジャ部11が、シリンダハウジング12内を往復動する場合について説明する。
図6は、スリッパシール1が装着されたプランジャ部11が、シリンダハウジング12内を往復動する場合について説明する図であり、同図(a)は往動時(図において上方から下方に向けて油圧Pが作用し、プランジャ部11がシリンダハウジング12に対して下方に移動する場合)、同図(b)は復動時(図において下方から上方に向けて油圧Pが作用し、プランジャ部11がシリンダハウジング12に対して上方に移動する場合)について示している。
図6に示すように、往動時には、圧力側HのU溝3f部分に設けられた切り欠き3jに油圧Pが導入されることにより、U溝3fは、ふさがれた状態から開いた状態となり、U溝3f内に油圧Pが導入されるようになる。一方、Xリング3の反圧力側Lには、常に圧縮の力が作用しているためリップパッキンの腰部の役割を果たすこととなり、油圧Pが作用した場合であっても、従来のように大きく変形することはない。
また、復動時においても、圧力側HのU溝3g部分に設けられた切り欠き3jに油圧Pが導入されることにより、U溝3gは、ふさがれた状態から開いた状態となり、U溝3g内に油圧Pが導入されるようになる。一方、Xリング3の反圧力側Lには、常に圧縮の力が作用しているためリップパッキンの腰部の役割を果たすこととなり、油圧Pが作用した場合であっても、従来のように大きく変形することはない。
このように、圧力側HのU溝(3f,3g)内に導入された油圧Pの作用により、Xリング3の圧力側HのU溝(3f,3g)部分には拡張力が発生することとなる。これにより、プランジャ部11の往復動時において、シリンダハウジング12に対するスリッパシール1の面圧を上昇させることができ、圧力側Hから反圧力側Lへスリッパシール1を通過してしまう油膜の量を減少させることができる。したがって、密封性能を向上させることが可能となる。
また、Xリング3の反圧力側LのU溝(3g,3f)部分は、油圧Pが作用しても、従来のように大きく変形してしまうようなことはないので、シリンダハウジング12に対するスリッパシール1の面圧を安定させることができ、より安定した密封性能を得ることが可能となる。
したがって、往復動時に油圧Pが繰り返し作用した場合であっても、従来懸念されていた、ゴム状弾性体により構成されるXリング3のU溝(3f,3g)部分を起点とした応力集中による疲労破損をより効果的に抑制することができる。これにより、スリッパシール1の耐久性を向上させることができ、長寿命化が可能となる。
なお、本実施の形態においては、スリッパシール1は、二部材のうち一方の部材として
プランジャ部11に形成された環状溝14に装着されるものとしたが、シリンダハウジング12側に設けられた環状溝に装着されて、プランジャ部(軸部材)の外周面に摺動するものであってもよい。
また、スリッパシール1は、相対往復動するプランジャ部11とシリンダハウジング12との環状隙間13に設けられた場合について説明したが、本発明に係る二部材は、同軸的に相対移動自在に設けられるものであればよく、相対回転するものであってもよい。
本発明の実施の形態のスリッパシールを二部材間の環状隙間に設ける場合について説明するための概略断面図である。 本実施の形態のスリッパシールを示す概略断面図である。 図3(a)は、図2のB矢視図、同図(b)は、図2のC矢視図である。 本実施の形態のスリッパシールを二部材間の環状隙間に設けた状態を説明するための概略断面図であり、無圧時の状態を示す図である。 本実施の形態のスリッパシールを二部材間の環状隙間に設けた状態を説明するための概略断面図である。 本実施の形態のスリッパシールが装着されたプランジャ部が、シリンダハウジング内を往復動する場合について説明する図である。 本実施の形態の油圧駆動用シリンダについて、その外観及び内部構造の一部を概略的に示す斜視図である。 従来の密封装置を示す概略断面図である。 従来の密封装置を示す概略断面図である。 従来の密封装置の両側面に対して、それぞれ交互に油圧が作用した場合について示す概略断面図である。 従来の密封装置に油圧Pが作用した場合について示す概略断面図である。 疲労破損した従来のXリングを示す概略断面図である。
符号の説明
1 スリッパシール
2 摺動リング
3 Xリング
3a 基部
3b,3c 外径リップ部
3d,3e 内径リップ部
3f,3g 溝
3h,3i 凹部
3j 切り欠き
10 油圧シリンダ
11 プランジャ部
12 シリンダハウジング
13 環状隙間
14 環状溝
14a 溝底
14b,14c 両側壁
15 ピストン
16,17 油孔
18 ロッド部
H 圧力側
L 反圧力側

Claims (5)

  1. 互いに同軸的に相対移動自在に組付けられる二部材のうち一方の部材に形成された環状溝に装着され、前記二部材のうち他方の部材と前記環状溝の溝底とのうち少なくともいずれか一方に対して締め代を有して設けられ、前記二部材間の環状隙間を密封するシールリングを有する密封装置であって、
    前記シールリングの両側面に溝が設けられ、
    前記他方の部材及び前記溝底に対する締め代の和が、前記溝の径方向の溝幅の大きさ以上となるように設けられ、前記二部材間に装着された場合に該溝がふさがれた状態となることを特徴とする密封装置。
  2. 前記シールリングの外周面と内周面とのうち少なくともいずれか一方に、前記溝がふさがれた状態で該溝に圧力が作用した場合に、該溝内に圧力を導入可能とする凹部を備えることを特徴とする請求項1に記載の密封装置。
  3. 前記シールリングは、
    基部と、
    前記基部から外径方向であって、かつ、軸方向両側に向かってそれぞれ延びる外径リップ部と、
    前記基部から内径方向であって、かつ、軸方向両側に向かってそれぞれ延びる内径リップ部と、
    を備え、
    前記外径リップ部と前記内径リップ部とのうち少なくともいずれかが締め代を有して設けられ、
    前記溝は、軸方向一方側の外径リップ部と内径リップ部との間、及び、軸方向他方側の外径リップ部と内径リップ部との間にそれぞれ設けられ、
    前記凹部は、前記外径リップ部間、及び、前記内径リップ部間にそれぞれ設けられることを特徴とする請求項2に記載の密封装置。
  4. 前記溝の周方向の一部には、該溝の開口側から溝底側に向かって設けられ、該溝がふさがれた状態で該溝に圧力が作用した場合に、該溝内に圧力を導入可能な切り欠きを備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の密封装置。
  5. 前記シールリングと前記他方の部材との間には、該シールリングに付勢され該他方の部材に摺動する摺動リングが設けられ、
    前記シールリングは、前記摺動リングと前記環状溝の溝底とのうち少なくともいずれか一方に対して締め代を有して設けられることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の密封装置。
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JP2005186977A Withdrawn JP2007002985A (ja) 2005-06-27 2005-06-27 密封装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013155766A (ja) * 2012-01-27 2013-08-15 Mitsubishi Cable Ind Ltd ベーンシール

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