JP2007002428A - 煙突およびその据付工法 - Google Patents
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Abstract
【課題】狭隘な場所で煙突構成ブロックの置場や大型移動クレーン等の設置場所の確保が困難な場所で据付を行うに適した煙突を提供する。
【解決するための手段】煙突21の最下部となる第1の筒状ブロック22aの内側に少なくとも第2の筒状ブロック22bを収納して多重筒状ブロック36を構成する工程と、前記第1の筒状ブロック222aの下端部を据付場所に固定する工程と、前記第2の筒状ブロック22bを第1の筒状ブロック22aから引き上げる工程と、その第2の筒状ブロック22bの下端部と前記第1の筒状ブロック22aの上端部を連結する工程とを備えたことを特徴とする。
【選択図】 図10
【解決するための手段】煙突21の最下部となる第1の筒状ブロック22aの内側に少なくとも第2の筒状ブロック22bを収納して多重筒状ブロック36を構成する工程と、前記第1の筒状ブロック222aの下端部を据付場所に固定する工程と、前記第2の筒状ブロック22bを第1の筒状ブロック22aから引き上げる工程と、その第2の筒状ブロック22bの下端部と前記第1の筒状ブロック22aの上端部を連結する工程とを備えたことを特徴とする。
【選択図】 図10
Description
本発明は、例えばごみ焼却設備などに付設される煙突およびその据付工法に係り、特に狭隘な場所で煙突を構成するブロックの置場や大型移動クレーン等の設置場所の確保が困難な場所で据付を行うに適した煙突およびその据付工法に関する。
図12は従来の内塔煙突の斜視図、図13はその内塔煙突の下側ケーシングと上側ケーシングの接合状態を示す一部拡大断面図である。例えば内筒煙突1の高さHは航空法免除限界の59m程度、内筒煙突1の下部直径D1は1300mm程度、上部直径D2は1000mm程度、板厚tは9mm程度となっている。
この煙突1は、トレーラの輸送制限より長さ約10mの筒状ブロック2を製作して、後述するように第1ブロック2aから第6ブロック2fまで順次積み重ねて接合することにより、1本の内筒煙突1を構成している。各筒状ブロック2を接合する際、図13に示すように下側ケーシング3aと上側ケーシング3bは開先を取って突合せ溶接4をしている。図12において、符号5は最下部の第1ブロック2aに取り付けられている煙道接続ダクトである。なお、1つの筒状ブロック2の重さは約4トンである。
次に従来の煙突の据付工法を図14とともに説明する。
コンクリート製で四角筒状の外塔6を順次下部から、配筋・型枠・コンクリート工事を繰り返しながら製作する。この躯体工事の際、外塔6に沿って躯体工事用の内外部足場7も一緒に組立てる。同図(a)は外塔6の下部を製作している状態、同図(b)は外塔6の中間部を製作している状態、同図(c)は外塔6が完成した状態、をそれぞれ示している。
コンクリート製で四角筒状の外塔6を順次下部から、配筋・型枠・コンクリート工事を繰り返しながら製作する。この躯体工事の際、外塔6に沿って躯体工事用の内外部足場7も一緒に組立てる。同図(a)は外塔6の下部を製作している状態、同図(b)は外塔6の中間部を製作している状態、同図(c)は外塔6が完成した状態、をそれぞれ示している。
このようにして躯体工事が完了した後、同図(d)に示すように所定の場所に移動式クレーン8を設置し、その移動式クレーン8により内塔を構成する第1ブロック2aから順次吊り上げて、外塔6の上部開口部から外塔6の内側に取込む。
この際、ブロック2の周面から突出している前記煙道接続ダクト5、点検口、サンプリングノズルなどの突起物が外塔6や内部仮設足場7などと衝突しないように注意を払いながら外塔6の内側に取込む必要がある。
内塔煙突1は各筒状ブロック2毎に外塔6への取り込み、筒状ブロック2どうしの開先合わせ・溶接の作業を繰り返しながら、順次積み重ねる。同図(d)は最初の第1ブロック2aを取り込む状態、同図(e)は筒状ブロック2を途中まで積み重ねた状態、同図(f)は内筒煙突1を組み立てた状態、をそれぞれ示している。
内塔煙突1を組み立てた後、内部仮設足場7を解体しながら、内塔煙突1の高さ方向に沿って各段毎にメンテナンス用点検歩廊9を設置する。
図15は筒状ブロック取込用の移動クレーンの配置例を示す平面図、図16はその配置例を示す概略側面図である。図15において符号10は筒状ブロック2の吊り込み作業範囲、11は各筒状ブロック2a〜2fのブロック置場、12はブロック置場11の近くに設置され、各筒状ブロック2a〜2fを立ち起すためのラフタークレーンである。
同図に示すように吊り込み作業範囲10内に移動式クレーン8が設置され、その吊り込み作業範囲10内にブロック置場11が設けられ、吊り込み作業範囲10内で前述の外塔6の製作ならびに外塔6への各筒状ブロック2a〜2fの吊り込み作業が行なわれる。
分割して製作された各筒状ブロック2a〜2fはそれぞれ輸送トラック(図示せず)によってブロック置場11に輸送され、横倒しの状態で置かれる。各筒状ブロック2a〜2fを外塔6内に取込む作業は、各筒状ブロック2a〜2fを1ブロック毎にラフタークレーン12で立ち起し、それを移動式クレーン8で吊り上げて外塔6の所まで移動し、図16に示すようにさらに筒状ブロック2を外塔6以上の高さまで吊り上げて、筒状ブロック2を外塔6内に降ろす作業となる。
前述の筒状ブロック2の立ち起し、外塔6位置までの移動、外塔6内への取り込みの一連の作業を、筒状ブロック2の数だけ(本例では6回)繰り返すことにより、各筒状ブロック2a〜2fの取り込みが終了する。
なお煙突の据付工法に関しては、例えば下記のような特許文献を挙げることができる。
特開昭62−99572号公報
特開平10−88863号公報
前述した従来の煙突据付工法では、次のような問題点がある。
(1)煙突を個々に分割して納入されるため、その分割ブロック数分の輸送トラックが必要である。
(1)煙突を個々に分割して納入されるため、その分割ブロック数分の輸送トラックが必要である。
(2)分割ブロックを起すためのラフタークレーン、ならびに分割ブロックを移動したり、吊り込むための煙突に高さを超える(本例では80m程度の)ブームを有する大型の移動式クレーンが必要である。
(3)ラフタークレーンならびに移動式クレーンの作業範囲、個々の分割ブロックの置場などを考慮した広い作業エリアの確保が必要である(本例では作業直径が45m程度必要)。特に狭隘な敷地条件ではクレーンの設置箇所を確保するのが大変である。
(4)分割ブロックの立ち起し、外塔位置までの移動、外塔内への取り込みなどの作業を繰り返して行なう必要があり、そのために工事が長期間にわたる。
(5)点検歩廊は、筒状ブロックの取り込み時にその筒状ブロックに付設されている突起物との干渉が考えられるため、内塔煙突を完成した後に施工せねばならない。そのために点検歩廊の本設足場よりも不安定である仮設足場上での筒状ブロックの取り込み作業となる。
本発明の目的は、このような従来技術の欠点を解消し、狭隘な場所で煙突構成ブロックの置場や大型移動クレーン等の設置場所の確保が困難な場所で据付を行うに適した煙突ならびにその据付工法を提供することにある。
前記目的を達成するため本発明の第1の手段は、少なくとも第1の筒状ブロックの内側に第2の筒状ブロックが収納されて、その第2の筒状ブロックを第1の筒状ブロックから引き上げて、第2の筒状ブロックの下端部と第1の筒状ブロックの上端部を例えば後述の荷重支持部材などで連結したことを特徴とするものである。
本発明の第2の手段は前記第1の手段において、前記第1の筒状ブロックの上端部付近に第1の筒状ブロックの周方向に沿って多数の差し込み穴を形成し、第2の筒状ブロックを第1の筒状ブロックから引き上げた状態で、前記差し込み穴に荷重支持部材を挿入して、その荷重支持部材を第2の筒状ブロックと係合し、第2の筒状ブロックの荷重を荷重支持部材を介して第1の筒状ブロックで支持することを特徴とするものである。
本発明の第3の手段は前記第1の手段において、前記第1の筒状ブロックの上端部内側に内側引っ掛け部材が取り付けられ、前記第2の筒状ブロックの下端部外側に外側引っ掛け部材が取り付けられて、第2の筒状ブロックを第1の筒状ブロックから引き上げることにより、前記外側引っ掛け部材が内側引っ掛け部材と係合することを特徴とするものである。
本発明の第4の手段は前記第3の手段において、前記内側引っ掛け部材が第1の筒状ブロックの内側に連続して取り付けられ、前記外側引っ掛け部材が第2の筒状ブロックの外側に連続して取り付けられていることを特徴とするものである。
本発明の第5手段は前記第3または第4の手段において、前記第1の筒状ブロックの内側引っ掛け部材の下側に第1の筒状ブロックの周方向に沿って多数の差し込み穴を形成し、前記外側引っ掛け部材と内側引っ掛け部材が係合した状態で前記差し込み穴に荷重支持部材を挿入して、その荷重支持部材の上端部を前記第2の筒状ブロックの下端部および前記外側引っ掛け部材の下端部の少なくともいずれか一方に当接し、前記荷重支持部材の下端部を前記差し込み穴の下端開口縁に当接したことを特徴とするものである。
本発明の第6手段は、煙突の最下部となる第1の筒状ブロックの内側に少なくとも第2の筒状ブロックを収納して多重筒状ブロックを構成する工程と、
前記第1の筒状ブロックの下端部を据付場所に固定する工程と、
前記第2の筒状ブロックを第1の筒状ブロックから引き上げる工程と、
その第2の筒状ブロックの下端部と前記第1の筒状ブロックの上端部を連結する工程とを備えたことを特徴とするものである。
前記第1の筒状ブロックの下端部を据付場所に固定する工程と、
前記第2の筒状ブロックを第1の筒状ブロックから引き上げる工程と、
その第2の筒状ブロックの下端部と前記第1の筒状ブロックの上端部を連結する工程とを備えたことを特徴とするものである。
本発明の第7手段は前記第6の手段において、前記第1の筒状ブロックの上端部付近に第1の筒状ブロックの周方向に沿って多数の差し込み穴を形成し、前記第2の筒状ブロックを第1の筒状ブロックから引き上げてから、前記差し込み穴に荷重支持部材を挿入して、その荷重支持部材を第2の筒状ブロックと係合して、第2の筒状ブロックの荷重を前記荷重支持部材を介して第1の筒状ブロックで支持することを特徴とするものである。
本発明は前述のような構成になっており、煙突高さより高いブームを有する大型移動式クレーンの設置が不必要である。このことで、狭隘な場所での煙突の組立てが可能であり、又、クレーン稼動範囲の面積を他の作業などに有効利用することが可能である。
径の異なる複数の筒状ブロックを内側に収納した状態で納入することが可能となり、そのために輸送トラック,現場内の置場の縮小が図れる。
次に本発明の実施形態を図と共に説明する。図1は実施形態に係る煙突の斜視図、図2は隣接する筒状ブロックの上側ケーシングと下側ケーシングの接合状態を説明するための一部正面図、図3は図2A−A線上の断面図である。
本発明に係る煙突21は、複数の鋼製筒状ブロック22(本実施例では第1〜第6ブロック22a〜22f)を接合して構成されている。本実施例では煙突21の高さHは航空法免除限界の59m程度、煙突21の下部直径D1は1300mm程度、上部直径D2は1000mm程度、板厚tは9mm程度となっている。
複数の筒状ブロック22a〜22fの径は、図3に示すように下側の筒状ブロック22(例えば第1ブロック22a)のケーシング23b内にそのすぐ上側の筒状ブロック22(例えば第2ブロック22b)のケーシング23aが差し込み可能なように、下側筒状ブロック22から上側筒状ブロック22に行くに従って順次小さい径となっている。
本実施形態において最下部となる第1ブロック22aの径をd1、第2ブロック22bの径をd2、第3ブロック22cの径をd3、第4ブロック22dの径をd4、第5ブロック22eの径をd5、最上部となる第6ブロック22fの径をd6とした場合、前記各径の関係はd1>d2>d3>d4>d5>d6となっている。
図4は、煙突の最下部となる第1ブロック22aの断面図である。同図に示すように第1ブロック22aの下端には、煙突固定用の外フランジ24が溶接25(図11参照)によって固定されている。第1ブロック22aの上端内周面には、平鋼からなる内側引掛け部材26aが周方向に連続して溶接固定されている。その内側引掛け部材26aよりも若干下側のケーシング23aの部分には、周方向に沿って多数の縦長状の差し込み穴27aが形成されている。
図5は、最下部の第1ブロック22aと最上部の第6ブロック22fを除く筒状ブロック22b〜22eの断面図である。ただし、筒状ブロック22b〜22eは前述のようにそれぞれ径は異なっているが、そのうちの1つを図示している。
同図に示すように各筒状ブロック22b〜22eの下端外周面には、平鋼からなる外側引掛け部材28b〜28eが周方向に連続して溶接固定されている。各筒状ブロック22b〜22eの上端内周面には、平鋼からなる内側引掛け部材26b〜26eが周方向に連続して溶接固定されている。その内側引掛け部材26b〜26eよりも若干下側のケーシング23b〜23eの部分には、周方向に沿って多数の縦長状の差し込み穴27b〜27eが形成されている。
図6は、最上部となる第6ブロック22fの断面図である。同図に示すように第6ブロック22fの下端外周面には、平鋼からなる外側引掛け部材28fが周方向に連続して溶接固定されている。
第1〜第6ブロック22a〜22に外フランジ24や内側引掛け部材26、外側引掛け部材28を取り付けることにより、第1〜第6ブロック22a〜22の真円度が確保されるとともに補強効果がある。
第1〜第6ブロック22a〜22の各径は前述のような関係になっており、煙突21を組み立てる前の状態では、最も径の大きい第1ブロック22aの内側に第2ブロック22bが、その内側に第3ブロック22c、第4ブロック22d、第5ブロック22e、第6ブロック22fの順に挿入、配置されている。
そして第6ブロック22fから順に引き上げて、煙突21を組み立てる工法を採用しており、そのために図7に示すように、内側にある筒状ブロック22のケーシング23aに固定されている外側引掛け部材28の外径d(out)は、その外側にある筒状ブロック22のケーシング23bに固定されている内側引掛け部材26の内径d(in)よりも大きく設計されており〔d(out)>d(in)〕、引き上げ時に外側引掛け部材28が内側引掛け部材26に引っ掛かる(係合する)ようになっている。
また同図に示すように、外側引掛け部材28の引き上げ方向の長さL1は、外側にある筒状ブロック22の内側引掛け部材26の下端から差し込み穴27の上端までの長さL2とほぼ同寸に設計されており〔L1≒L2〕、引き上げによって外側引掛け部材28が内側引掛け部材26と当接したとき、図3に示すように外側引掛け部材28の下端と差し込み穴27の上端縁とがほぼ一致するようになっている。
このように内側にある筒状ブロック22を引き上げて、外側引掛け部材28の下端と差し込み穴27の上端開口縁とをほぼ一致させた状態で、外側にある筒状ブロック22の差し込み穴27から荷重支持部材29を差し込む。
荷重支持部材29は図8に示すように平面形状がほぼT字型をしており、長方形の当接部30と、その当接部30の側面の略中央位置に一体に設けられた縦長の荷重支持部31とから構成されている。
図3に示すように内側の筒状ブロック22を引き上げた状態で、前記差し込み穴27から荷重支持部材29の荷重支持部31を差し込むと、当接部30がケーシング23bの外周面に当接するとともに、荷重支持部31の上端部が外側引掛け部材28ならびにケーシング23aの下端部に、また荷重支持部31の下端部が前記差し込み穴27の下端開口縁32に、それぞれ当接する。
図3に示すように、荷重支持部31の上端部が外側引掛け部材28ならびにケーシング23aの下端部と確実に当接するように、荷重支持部31の下端部ならびに前記差し込み穴27の下端開口縁32には、内側に向けて若干高くなった傾斜面が設けられている。
この状態で当接部30の周囲をケーシング23bに溶接33する。また、内側引掛け部材26とケーシング23aの間に隙間があると、その隙間に平板などの詰め部材34を挿入して、内側引掛け部材26とケーシング23aの間に溶接35を施す。このようにして上側(内側)の筒状ブロック22の荷重を下側(外側)の筒状ブロック22で受け止める。
次にこの煙突の据付工法について、図9ならびに図10を用いて説明する。前述のように最も径の大きい第1ブロック22aの内側に第2ブロック22bを、その内側に第3ブロック22c、第4ブロック22d、第5ブロック22e、第6ブロック22fの順に収納して、図9(a)または図10(a)に示すように伸縮性の多重筒状ブロック36を構成する。
この多重筒状ブロック36には、それの輸送時に内側の第2〜第6ブロック22b〜22fがずれたり脱落したりしないように防止手段(図示せず)が施されている。また第1ブロック22aには、煙道接続ダクト37が付設されている。なお、図10では図面を簡略化するため、煙道接続ダクト37の図示を省略している。さらに同図では、多重筒状ブロック36の伸縮状態を明確に表すために、外塔43の手前側の側壁の図示を省略している。
図9(a)に示すように、多重筒状ブロック36を移動式クレーン38で煙突据付位置に輸送する。移動式クレーン38は、従来のように筒状ブロックを煙突の高さ以上に吊り上げる必要はないので、従来よりも小型の移動式クレーン38でよい。
多重筒状ブロック36を煙突据付位置に移送すると、多数のアンカーボルト39で第1ブロック22aのケーシング23をコンクリート基礎部40上に固定する。図11はこの固定構造の一部を示す図で、コンクリート基礎部40に埋設固定された多数のアンカーボルト39が前記ケーシング23に溶接固定された外フランジ24のボルト孔を貫通し、ワッシャー41とボルト42によって締め付けられている。
次に図9(b)〜(d)に示すように、コンクリート製で四角筒状の外塔43を順次下部から、配筋・型枠・コンクリート工事を繰り返しながら製作する。この躯体工事の際、外塔43に沿って躯体工事用の仮設内外部足場44も一緒に組立てる。同図(b)は外塔43の下部を製作している状態、同図(c)は外塔43の中間部を製作している状態、同図(d)は外塔43が完成した状態、をそれぞれ示している。
このようにして外塔43が完成した後、内部足場43を解体しながら図9(e)に示すようにメンテナンス用操作歩廊45を組み付ける。各操作歩廊45の略中央部には、筒状ブロック22を引き上げる際にそれが挿通する開口部46が設けられている。そして最上段の操作歩廊45に、複数のウインチもしくはジャッキからなる引き上げ装置47をセッティングする。
図10(a)に示すように、煙突の最上段となる第6ブロック22fの上端開口部には、平面形状が+状あるいは=状の内部ステー48が架設される。なお、図10では図面を簡略化するため、最上段以外の操作歩廊45の図示は省略している。
次に図10(b)に示すように、各引き上げ装置47からそれぞれ第1のワイヤー49を吊り下げ、それを前記内部ステー48に引っ掛けて、各引き上げ装置47を駆動する。これにより最初第6ブロック22fが引き上げられ、第6ブロック22fの高さ分だけ引き上げられたところで、第6ブロック22fの外側引っ掛け部材28が第5ブロック22eの内側引っ掛け部材26と係合する。
引き続いて第6ブロック22fを引き上げることにより、芋づる式に第5ブロック22e、第4ブロック22dも順次引き上げられ、図10(b)の状態になる。本実施形態では図10(d)に示すように煙突の上端部が最上段の操作歩廊45よりも上方に突出させるため、第1のワイヤー49で第6ブロック22fを吊ったまま、その外周面に複数の吊り下げラグ50を周方向に沿って仮設する。
そして第1のワイヤー49とは別の第2のワイヤー51を各引き上げ装置47から吊り下げ、それを前記吊り下げラグ50に引っ掛ける〔図10(c)参照〕。この状態で吊替え作業により第1のワイヤー49を取り除き、その後各引き上げ装置47を駆動して、第2〜第6ブロック22b〜22fを更に引き上げると、図10(d)に示すように煙突の上端部(第6ブロック22fの上端部)が最上段の操作歩廊45よりも上方に突出する。
第2〜第6ブロック22b〜22fを完全に引き上げた状態で、第1〜第5ブロック22a〜22eの差し込み穴27から図3に示すように荷重支持部材29を差し込み、溶接33して、荷重支持部材29を介して下側の筒状ブロック22で上側の筒状ブロック22の荷重を受ける。
その後、各第1〜第6ブロック22a〜22fの各接合部を周方向に沿って溶接35し、内部ステー48、第2のワイヤー51、引き上げ装置47などを取り外す。このようにして据付られた煙突29の所定の位置に図9(g)に示すようにサンプリングノズルや点検口などの付属品52を取り付ける。
本実施形態では第2〜第6ブロック22b〜22fを完全に引き上げた状態で、荷重支持部材29を差し込んだが、筒状ブロック22の引き上げ途中で荷重支持部材29の差し込みが可能な状態になったときに、随時、荷重支持部材29を差し込んで溶接固定することも可能である。
本実施形態では煙突を6つの筒状ブロックに分割したが、本発明はこれに限定されるものではなく、煙突の高さなどに応じて任意の数に分割することができる。
本実施形態では外塔の内側に煙突を組み付けた例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、外塔のない煙突にも適用可能である。この場合は、所定の高さで引き上げ装置をセッティングするための足場を仮設する必要がある。
本実施形態ではごみ焼却設備に付設する煙突を例にとって説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、他のプラントに付設する煙突にも適用可能である。
21:煙突、22:筒状ブロック、22a:第1ブロック、22b:第2ブロック、22c:第3ブロック、22d:第4ブロック、22e:第5ブロック、22f:第6ブロック、23a:内側ケーシング、23b:外側ケーシング、24:外フランジ、25:溶接、26:内側引っ掛け部材、27:差し込み穴、28:外側引っ掛け部材、29:荷重支持部材、30:当接部、31:荷重支持部、32:下端開口縁、33:溶接、34:詰め部材、35:溶接、36:多重筒状ブロック、37:煙道接続ダクト、38:移動式クレーン、39:アンカーボルト、40:コンクリート基礎部、41:ワッシャー、42:ナット、43:外塔、44:駆体工事用内外部足場、45:メンテナンス用操作歩廊、46:開口部、47:引き上げ装置、48:内部ステー、49:第1のワイヤ、50:吊り下げラグ、51:第2のワイヤ、52:付属品。
Claims (7)
- 少なくとも第1の筒状ブロックの内側に第2の筒状ブロックが収納されて、その第2の筒状ブロックを第1の筒状ブロックから引き上げて、第2の筒状ブロックの下端部と第1の筒状ブロックの上端部を連結したことを特徴とする煙突。
- 請求項1記載の煙突において、前記第1の筒状ブロックの上端部付近に第1の筒状ブロックの周方向に沿って多数の差し込み穴を形成し、第2の筒状ブロックを第1の筒状ブロックから引き上げた状態で、前記差し込み穴に荷重支持部材を挿入して、その荷重支持部材を第2の筒状ブロックと係合し、第2の筒状ブロックの荷重を荷重支持部材を介して第1の筒状ブロックで支持することを特徴とする煙突。
- 請求項1記載の煙突において、前記第1の筒状ブロックの上端部内側に内側引っ掛け部材が取り付けられ、前記第2の筒状ブロックの下端部外側に外側引っ掛け部材が取り付けられて、第2の筒状ブロックを第1の筒状ブロックから引き上げることにより、前記外側引っ掛け部材が内側引っ掛け部材と係合することを特徴とする煙突。
- 請求項3記載の煙突において、前記内側引っ掛け部材が第1の筒状ブロックの内側に連続して取り付けられ、前記外側引っ掛け部材が第2の筒状ブロックの外側に連続して取り付けられていることを特徴とする煙突。
- 請求項3または4記載の煙突において、前記第1の筒状ブロックの内側引っ掛け部材の下側に第1の筒状ブロックの周方向に沿って多数の差し込み穴を形成し、前記外側引っ掛け部材と内側引っ掛け部材が係合した状態で前記差し込み穴に荷重支持部材を挿入して、その荷重支持部材の上端部を前記第2の筒状ブロックの下端部および前記外側引っ掛け部材の下端部の少なくともいずれか一方に当接し、前記荷重支持部材の下端部を前記差し込み穴の下端開口縁に当接したことを特徴とする煙突。
- 煙突の最下部となる第1の筒状ブロックの内側に少なくとも第2の筒状ブロックを収納して多重筒状ブロックを構成する工程と、
前記第1の筒状ブロックの下端部を据付場所に固定する工程と、
前記第2の筒状ブロックを第1の筒状ブロックから引き上げる工程と、
その第2の筒状ブロックの下端部と前記第1の筒状ブロックの上端部を連結する工程と
を備えたことを特徴とする煙突の据付工法。 - 請求項6記載の煙突の据付工法において、前記第1の筒状ブロックの上端部付近に第1の筒状ブロックの周方向に沿って多数の差し込み穴を形成し、
前記第2の筒状ブロックを第1の筒状ブロックから引き上げてから、前記差し込み穴に荷重支持部材を挿入して、その荷重支持部材を第2の筒状ブロックと係合して、第2の筒状ブロックの荷重を前記荷重支持部材を介して第1の筒状ブロックで支持することを特徴とする煙突の据付工法。
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JP2005180593A Pending JP2007002428A (ja) | 2005-06-21 | 2005-06-21 | 煙突およびその据付工法 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2007002428A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020165257A (ja) * | 2019-03-29 | 2020-10-08 | 日鉄建材株式会社 | 排水パイプ及び排水パイプを用いた液状化対策工法 |
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2005
- 2005-06-21 JP JP2005180593A patent/JP2007002428A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020165257A (ja) * | 2019-03-29 | 2020-10-08 | 日鉄建材株式会社 | 排水パイプ及び排水パイプを用いた液状化対策工法 |
JP7406307B2 (ja) | 2019-03-29 | 2023-12-27 | 日鉄建材株式会社 | 排水パイプ及び排水パイプを用いた液状化対策工法 |
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