JP2007001837A - 育苗箱全量施肥用樹脂被覆肥料組成物 - Google Patents
育苗箱全量施肥用樹脂被覆肥料組成物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2007001837A JP2007001837A JP2005186134A JP2005186134A JP2007001837A JP 2007001837 A JP2007001837 A JP 2007001837A JP 2005186134 A JP2005186134 A JP 2005186134A JP 2005186134 A JP2005186134 A JP 2005186134A JP 2007001837 A JP2007001837 A JP 2007001837A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fertilizer
- fertilizer composition
- resin
- layer
- water
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Cultivation Receptacles Or Flower-Pots, Or Pots For Seedlings (AREA)
- Fertilizers (AREA)
- Cultivation Of Plants (AREA)
Abstract
育苗箱にて樹脂被覆肥料からなる肥料層を設けた場合に、該肥料層自体の保水力が大きい、育苗箱全量施肥用の樹脂被覆肥料組成物を提供すること。
【解決手段】
樹脂被覆肥料からなる肥料組成物であって、見かけ体積50mlの該肥料組成物の粒数が1200〜2600の範囲であり、且つ、見かけ体積50mlの該肥料組成物に体積50mlの水を加えた際の全見かけ体積が82ml以下であることを特徴とする育苗箱全量施肥用の肥料組成物;並びに
底から順に、床土層、該肥料組成物からなる肥料層、種籾層及び覆土層を有することを特徴とするイネ苗育苗床。
【選択図】 なし
Description
通常の苗床は凡そ育苗箱の底から順に、苗を支持すると同時に育苗期に必要な水分を保持する床土層、種籾層、及び、覆土層で構成されている。種籾が発芽するまでの間は、覆土層側から水を供給することは好ましくない為、覆土前に床土層に十分な量の水分を保持させておき、この水分が種籾に供給されるようになっている。
近年では、肥料成分の初期溶出を樹脂被覆等によって抑制した緩効性被覆肥料を育苗箱に施用し、本田移植後に必要な量の肥料成分を該緩効性被覆肥料より供給して、本田での基肥や追肥の施用を省略する育苗箱全量施肥栽培が盛んに検討されている。しかしながら、育苗箱に本田移植後に必要な量の緩効性被覆肥料を施用しようとする場合には、該緩効性被覆肥料を主とする肥料層の分だけ、床土層を減らすことになる。しかしながら、通常床土層に対して、樹脂被覆肥料からなる肥料層は保水力が不十分である為、育苗過程において種籾が発芽するまでの間の水分管理が難しくなる。
この為、樹脂被覆肥料と保水材とを混合したもの(特許文献1を参照)や、樹脂被覆肥料をシート状の保水材中に保持させた育苗マット(特許文献2を参照)が提案されているが、保水材を用いる分だけ手間が増えたり、その分だけコストが上昇する場合があった。
[発明1]
樹脂被覆肥料からなる肥料組成物であって、
見かけ体積50mlの該肥料組成物の粒数が1200〜2600の範囲であり、且つ、
見かけ体積50mlの該肥料組成物に体積50mlの水を加えた際の全見かけ体積が82ml以下であることを特徴とする育苗箱全量施肥用の肥料組成物;
[発明2]
底から順に、床土層、請求項1に記載された肥料組成物からなる肥料層、種籾層及び覆土層を有することを特徴とするイネ苗育苗床;
である。
本肥料組成物は、育苗期間の溶出を抑制し、田植え後穂首分化期から幼穂形成期頃までの期間、即ち田植え後約20〜80日間程度の期間、窒素肥料の溶出を制御した肥料である。更に好ましくは、本発明の樹脂被覆肥料は上記の一定期間の間、窒素成分の溶出を抑制および制御した後、その後約150日までに、好ましくは100〜140日の間に、具体的には収穫期までに、全溶出量の95%の窒素成分を溶出する。
ワックスとしては、例えば、カーボワックス、ヘキストロウ、蔗糖エステル、脂肪酸エステルなどの合成ワックス、カルナウバワックス、ミツロウ、木ロウなどの天然ワックス、パラフィンワックス、ペトロラクタムなどの石油ワックス等が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリスチレンなどのポリオレフィン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリル酸、ポリメタアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステルなどのビニル重合物、ブタジエン重合物、イソプレン重合物、クロロプレン重合物、ブタジエン−スチレン共重合物、エチレン−プロピレン−ジエン共重合物、スチレン−イソプレン共重合物などのジエン系重合物、エチレン−プロピレン共重合物、ブテン−エチレン共重合物、ブテン−プロピレン共重合物、エチレン−酢酸ビニル共重合物、エチレン−アクリル酸共重合物、エチレン−メタアクリル酸共重合物、エチレン−メタアクリル酸エステル共重合物、エチレン−一酸化炭素共重合物、エチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素共重合物などのポリオレフィン共重合物、塩化ビニル−ビニルアセテート共重合物、塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合物などの塩化ビニル共重合物等が挙げられる。熱硬化性樹脂としては、例えば、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ウレア・メラミン樹脂、尿素樹脂、シリコン樹脂等が挙げられる。
粒状肥料を上記被覆用の樹脂で被覆する際には、必要に応じてタルク、炭酸カルシウム、金属酸化物等の無機質粉末、耐候性改良剤、着色剤、結合剤、界面活性剤等を加えることもできる。
見かけ体積50mlの肥料組成物の粒数が1200未満である場合、表面張力により水を保持する為の肥料組成物の表面積が不十分となり、実用的な保水力が不足する。また、該粒数が2600より大きい場合は、水を保持することのできる粒子間空隙量が減少してしまい、実用的な保水量を得ることができない。
見かけ体積50mlの肥料組成物に50mlの水を加えた際の、全見かけ体積が82mlより大きい場合は、実際の粒子間空隙量に対して、水を保持可能な空間が少ないことを意味する。即ち、樹脂被覆肥料の表面の撥水力が強すぎる為に、粒子間の空隙が水を保持できないことを意味するものと推測される。
また、見かけ体積50mlの該肥料組成物に50mlの水を加えた際の、見かけ体積が82ml以上である場合は、肥料組成物における樹脂被覆肥料において、樹脂組成の異なる樹脂被覆肥料を適宜混合すること等で調整することができる。
尚、床土層及び覆土層に用いることのできる土としては、一般にイネ育苗用に用いられている培土、例えば洪積火山灰土壌等の天然培土の他に、バーミキュライト、ピートモス、椰子がら、パーライト、炭、ロックウール等も用いることができる。市販の培土としては例えば、くみあい黒粒培土(くみあい協友社製)、クレハ粒状培土D(呉羽化学社製)を用いることができる。
参考例1
粒状尿素(粒径2.0〜4.0mm)を、熱風発生機を付設した温度制御可能な転動型攪拌装置に仕込み、転動させながら、約70℃に加熱した。
次いで、ポリメリックMDI[NCO基:31%、住化バイエルウレタン(株)製、商品名:スミジュ−ル44V10]、分岐ポリエ−テル型ポリオ−ル[水酸基化372mgKOH/g 住化バイエルウレタン(株)製、商品名:スミフェンTM]及び2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノ−ル(重量比47:52:1)の混合物を、転動状態にある上記粒状肥料に分割して添加し、粒状尿素の重量に対して8.5重量%相当のポリウレタン樹脂被膜を該粒状肥料の表面に形成させ、ここに粒状尿素の重量に対して0.02%相当の界面活性剤[花王株式会社製、商品名:エマール10パウダー]と粒状尿素の重量に対して0.08%相当のクレイ[昭和鉱業株式会社製、商品名:特雪カットクレー]を添加し、樹脂被覆肥料(以下、樹脂被覆肥料Aと記す。)を製造した。
次いで、得られた樹脂被覆肥料Aを、異なる目開きの篩に通し、混合等を行うことにより、4種類の肥料組成物A1、A2、A3及びA4を調製した。
粒状尿素(粒径2.0〜4.0mm)を、熱風発生機を付設した温度制御可能な転動型攪拌装置に仕込み、転動させながら、約70℃に加熱した。
次いで、ポリメリックMDI[NCO基:31%、住化バイエルウレタン(株)製、商品名:スミジュ−ル44V10]、分岐ポリエ−テル型ポリオ−ル[水酸基化372mgKOH/g 住化バイエルウレタン(株)製、商品名:スミフェンTM]、ヒマシ油[豊国製油株式会社製、商品名:工業用1号ひまし油、水酸基価161mg/g、2.5g]及び2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノ−ル(重量比38.62:29.83:29.83:1.72)の混合物を、転動状態にある上記粒状肥料に分割して添加し、粒状尿素の重量に対して8.5重量%相当のポリウレタン樹脂被膜を該粒状肥料の表面に形成させた。上記混合物の分割添加の最後3回には同時に粒状尿素の重量に対して0.15%相当の酸化第二鉄[戸田工業株式会社製、商品名:120ED]を添加した。更に粒状尿素の重量に対して0.02%相当の界面活性剤[東邦化学株式会社製、商品名:ペグノールC−18]と粒状尿素の重量に対して0.08%相当のクレイ[昭和鉱業株式会社製、商品名:特雪カットクレー]を添加し、樹脂被覆肥料(以下、樹脂被覆肥料Bと記す。)を製造した。
次いで、得られた樹脂被覆肥料Bを、異なる目開きの篩に通し、混合する等を行うことにより、4種類の肥料組成物B1、B2及びB3を調製した。
100ml容のメスシリンダー(IWAKI社製)に、上記の参考製造例で得られた肥料組成物の各々を、振動を与えながら、上端部が50mlの標線に接するまで充填した。この見かけ体積50mlの肥料組成物における粒数を計数した。結果を表1に記す。
100ml容のメスシリンダー(IWAKI社製)に、上記の参考製造例で得られた肥料組成物の各々を、振動を与えながら、上端部が50mlの標線に接するまで充填した。次に、この見かけ体積50mlの肥料組成物に、50mlの水を静かに注ぎ込んだ後、水面位置の目盛りを読み取り、全見かけ体積を求めた。結果を表1に記す。
底部が網目状である樹脂製容器に、上記の肥料組成物を厚さが約1cmになるように敷き詰めて、この時点での肥料組成物の重量を測定した。次に、該樹脂製容器をゆっくりと水に浸し、肥料組成物が十分に濡らした後、静かに水より引き上げて、水を含んだ肥料組成物の入った樹脂製容器を24時間、室温条件下に放置した。その後、該樹脂製容器の重量を測定した。また、肥料組成物を入れていない樹脂製容器について、同様に行って、24時間後の該樹脂製容器の重量を測定し、樹脂製容器自体が保持していた水の量を求めた。
この結果より、乾燥状態の肥料組成物1gあたりが、24時間後に保持していた水の量を計算した。結果を表2に記す。
Claims (2)
- 樹脂被覆肥料からなる肥料組成物であって、
見かけ体積50mlの該肥料組成物の粒数が1200〜2600の範囲であり、且つ、
見かけ体積50mlの該肥料組成物に体積50mlの水を加えた際の全見かけ体積が82ml以下であることを特徴とする育苗箱全量施肥用の肥料組成物。 - 底から順に、床土層、請求項1に記載された肥料組成物からなる肥料層、種籾層、及び覆土層を有することを特徴とするイネ苗育苗床。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005186134A JP2007001837A (ja) | 2005-06-27 | 2005-06-27 | 育苗箱全量施肥用樹脂被覆肥料組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005186134A JP2007001837A (ja) | 2005-06-27 | 2005-06-27 | 育苗箱全量施肥用樹脂被覆肥料組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007001837A true JP2007001837A (ja) | 2007-01-11 |
Family
ID=37687772
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005186134A Pending JP2007001837A (ja) | 2005-06-27 | 2005-06-27 | 育苗箱全量施肥用樹脂被覆肥料組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2007001837A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008239350A (ja) * | 2007-03-23 | 2008-10-09 | Sumitomo Chemical Co Ltd | 粒状肥料組成物、並びに、施肥方法 |
JP2008247653A (ja) * | 2007-03-29 | 2008-10-16 | Sumitomo Chemical Co Ltd | 粒状肥料組成物の製造方法、並びに、粒状肥料組成物 |
CN105850615A (zh) * | 2015-01-19 | 2016-08-17 | 宁海县农业技术推广总站 | 一种水稻种植方法 |
CN111348942A (zh) * | 2020-02-20 | 2020-06-30 | 安徽农业大学 | 一种水稻用靶向匹配氮素需求的混合肥及应用 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH07236352A (ja) * | 1994-02-28 | 1995-09-12 | Chisso Asahi Hiryo Kk | 苗床の構造及び苗の育成方法 |
JP2000185991A (ja) * | 1998-12-24 | 2000-07-04 | Asahi Chem Ind Co Ltd | 被覆粒状肥料及びその製造方法 |
-
2005
- 2005-06-27 JP JP2005186134A patent/JP2007001837A/ja active Pending
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH07236352A (ja) * | 1994-02-28 | 1995-09-12 | Chisso Asahi Hiryo Kk | 苗床の構造及び苗の育成方法 |
JP2000185991A (ja) * | 1998-12-24 | 2000-07-04 | Asahi Chem Ind Co Ltd | 被覆粒状肥料及びその製造方法 |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008239350A (ja) * | 2007-03-23 | 2008-10-09 | Sumitomo Chemical Co Ltd | 粒状肥料組成物、並びに、施肥方法 |
JP2008247653A (ja) * | 2007-03-29 | 2008-10-16 | Sumitomo Chemical Co Ltd | 粒状肥料組成物の製造方法、並びに、粒状肥料組成物 |
CN105850615A (zh) * | 2015-01-19 | 2016-08-17 | 宁海县农业技术推广总站 | 一种水稻种植方法 |
CN105850615B (zh) * | 2015-01-19 | 2018-12-18 | 宁海县农业技术推广总站 | 一种水稻种植方法 |
CN111348942A (zh) * | 2020-02-20 | 2020-06-30 | 安徽农业大学 | 一种水稻用靶向匹配氮素需求的混合肥及应用 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6532697B2 (en) | Production of sod using a soil-less sand based root zone medium | |
US5301466A (en) | Production of sod using a soil-less sand based root zone medium | |
US20040049980A1 (en) | Cohesive polymer plug for use in plant production | |
JP4573924B2 (ja) | 団粒構造ゼオライト、その製造方法および育苗培土 | |
GB2085701A (en) | Growth substrate bed | |
EP1680954A1 (en) | Nursery bed for transplantation | |
JP3969810B2 (ja) | 肥料培地 | |
JP6444854B2 (ja) | 水稲用の軽量粒状培土 | |
CA1210954A (en) | Product and method of making a seed coating for increased yield | |
JP2007001837A (ja) | 育苗箱全量施肥用樹脂被覆肥料組成物 | |
JP2012006769A (ja) | 肥料組成物 | |
JPWO2007007676A1 (ja) | 植物の栽培方法 | |
KR20180038749A (ko) | 복토용 입상형 상토와 모판용 입상형 상토의 제조방법 | |
JP3609222B2 (ja) | 時限溶出型被覆粒状肥料、これを有効成分とする配合肥料およびこの配合肥料を用いた栽培方法 | |
JPH10257820A (ja) | 育苗培土および育苗方法 | |
JP5774862B2 (ja) | 土付き苗用の培土 | |
JP4864466B2 (ja) | 移植用苗床 | |
JP2009234811A (ja) | 肥料組成物 | |
JPS6158439B2 (ja) | ||
JP2000139207A (ja) | 粒状培地及びこれを用いた混合培地 | |
JP2006187273A (ja) | 粒状肥料入り育苗培地 | |
JP4651257B2 (ja) | 粒状ケイ酸質肥料 | |
JP2009000101A (ja) | 水稲育苗箱における粒状肥料施用方法 | |
JP4602260B2 (ja) | 地被植物が植生する植生構造への施肥方法 | |
JP2002291332A (ja) | 培地、粒状培地、粒状培地の製造方法、および作物の栽培方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD05 | Notification of revocation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7425 Effective date: 20080131 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20080421 |
|
RD05 | Notification of revocation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7425 Effective date: 20080514 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20110906 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20120110 |