JP2007001830A - 不爆オゾンガス及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 高濃度オゾンガスを安全に取り扱えるようにするために、取り扱い容易でかつ低コスト品にし得る不爆オゾンガス及びその製造方法の提供。
【解決手段】 、純粋酸素中に10.0vol%以上のオゾンを含んで構成される高濃度オゾンガス中に窒素酸化物(NOx)を含む難分解爆発性を備えた不爆オゾンガス。
純粋酸素からオゾン製造装置1により生成した低濃度オゾンガスを冷却下で吸蔵装置2に吸蔵させ、その吸蔵装置2を昇温して高濃度オゾンガスを取り出し、その高濃度オゾンガスを貯蔵容器7に充填する際に窒素酸化物(NOx)を0.1vol%以上の割合で混入することで不爆オゾンガスを製造する。
【選択図】 図7
【解決手段】 、純粋酸素中に10.0vol%以上のオゾンを含んで構成される高濃度オゾンガス中に窒素酸化物(NOx)を含む難分解爆発性を備えた不爆オゾンガス。
純粋酸素からオゾン製造装置1により生成した低濃度オゾンガスを冷却下で吸蔵装置2に吸蔵させ、その吸蔵装置2を昇温して高濃度オゾンガスを取り出し、その高濃度オゾンガスを貯蔵容器7に充填する際に窒素酸化物(NOx)を0.1vol%以上の割合で混入することで不爆オゾンガスを製造する。
【選択図】 図7
Description
本発明はオゾンガスにある種のガスを混入して当該オゾンガスの自己分解爆発を抑制することができる分解爆発しにくいオゾンガス(以下単に「不爆オゾンガス」と定義する)及びその製造方法に関する。
高濃度オゾンガスは、高濃度オゾン水の製造、脱臭処理、滅菌処理、金属等の不動態化処理、半導体集積回路の製造工程等に用いられる。この高濃度オゾンガスは、自己分解性に富み、例えば大気圧下であれば、オゾン濃度が10vol%を越えると、所定の起爆エネルギーを与えれば自己分解爆発を引き起こすことが知られている(所謂爆発下限界は10vol%と言われている)。
そこで従来では、液体オゾン生成装置において、オゾンチャンバーを液体窒素で冷却して液体オゾンの温度上昇を防ぎ、爆発を防止するように構成したものが知られている(例えば特許文献1参照。)。
そこで従来では、液体オゾン生成装置において、オゾンチャンバーを液体窒素で冷却して液体オゾンの温度上昇を防ぎ、爆発を防止するように構成したものが知られている(例えば特許文献1参照。)。
しかしながら、オゾンチャンバーを液体窒素で冷却する如き低温冷却手段を採る従来のものでは、そのための複雑構造の設備を準備しなければならず、設備費が高価になる。
従って本発明は、このような不都合を解消するとともに、高濃度オゾンガスを安全に取り扱えるようにするために、取り扱い容易でかつ低コスト品にし得る不爆オゾンガス及びその製造方法を提供することを技術課題とする。
従って本発明は、このような不都合を解消するとともに、高濃度オゾンガスを安全に取り扱えるようにするために、取り扱い容易でかつ低コスト品にし得る不爆オゾンガス及びその製造方法を提供することを技術課題とする。
本発明はこのような課題を解決するべく鋭意研究の結果成されたものであって、本発明に係る請求項1の発明は、純粋酸素中に10.0vol%以上のオゾンを含んで構成される高濃度オゾンガス中に窒素酸化物(NOx)を含んでなり、難分解爆発性を備えた不爆オゾンガスとしたことを特徴とする。ここで、窒素酸化物(NOx)としては、NO、NO2、N2O、N2O3が該当するものである。
また、本発明に係る請求項2の発明は、前記請求項1記載の不爆オゾンガスに関して、高濃度オゾンガス中に0.1vol%以上の窒素酸化物を含んでなることを特徴とする。
更にまた、本発明に係る請求項3の発明は、純粋酸素からオゾン製造装置1により生成した低濃度オゾンガスを冷却下で吸蔵装置2に吸蔵させ、その吸蔵装置2を加熱して高濃度オゾンガスを取り出し、その高濃度オゾンガスを貯蔵容器7に充填する際に窒素酸化物(NOx)を0.1vol%以上の割合で混入することを特徴とする不爆オゾンガスの製造方法である。
以上述べる如く、本発明によれば高濃度オゾンガス中に支燃性ガスの一種である窒素酸化物(NOx)を適当少量混入するだけの簡単な手段を採ることで、常温・常圧下において分解爆発が起こり難い安定した性質を備える高濃度オゾンガスを提供することが可能である。
本発明によれば、上記のように分解爆発を抑制して爆発しにくいオゾンガス、即ち、不爆オゾンガスを提供することができる。これにより、高濃度オゾン水の製造、脱臭処理、滅菌処理、金属等の不動態化処理、半導体集積回路の製造工程等に用いられる高濃度オゾンガスを安全に取り扱うことができるという優れた効果を奏する。
本発明の好ましい実施の形態について添付図面を参照しながら以下に説明する。図1は、本発明に係る不爆オゾンガスを含むオゾンガスに対するオゾン爆発試験装置の概要構成図である。この装置は、爆発試験用容器11、オゾンボンベ12、酸素ボンベ13、NOxボンベ14、真空ポンプ15、オゾン分解処理装置16、起爆エネルギー供給装置17、測定用のオシロスコープ18及び制御・記録用のパソコン19を備えて、予め真空引きされた爆発試験用容器11内へオゾンボンベ12から高濃度オゾンを、NOxボンベ14から適当濃度のNOXを、最後に酸素ボンベ13から純粋酸素をそれぞれ導入して当該爆発試験用容器11内に所要濃度の混合ガスを充填し、起爆エネルギー供給装置17により制御された放電エネルギーを爆発試験用容器11内の放電電極に供給することにより放電起爆するように構成されている。
上記オゾン爆発試験装置により室温下において爆発試験用容器11内にオゾンを封入した後、放電エネルギーを与えた場合におけるオゾン爆発の濃度・圧力依存性について調査したところ、その結果は図2に示される通りであった。なお、同図において縦軸は全圧(Total pressure [torr])、横軸はオゾン濃度(Ozone
concentration [vol%])をそれぞれ示し,また、黒塗り菱マークは爆発を起こした状態(Explosion)、白抜き四角マークは爆発を起こさなかった状態(No explosion)をそれぞれ示している。
concentration [vol%])をそれぞれ示し,また、黒塗り菱マークは爆発を起こした状態(Explosion)、白抜き四角マークは爆発を起こさなかった状態(No explosion)をそれぞれ示している。
図2の結果から明らかなように、オゾン濃度が10vol%以下の場合には、全圧が大気圧以上になっても爆発を起こすことはない。このことから、オゾンの爆発下限界が10〜11vol%にあること、そして自己分解反応であるオゾンの分解爆発反応には爆発上限界が存在しないことが示唆される。そして圧力が低くなると爆発しにくくなる。つまり、圧力の低下とともに爆発下限界は高濃度側にシフトする。例えば大気圧(760Torr)ではオゾン濃度10〜11vol%以上で爆発するのに対して、減圧し50Torr程度とするとオゾン濃度を20vol%以上に高めなければ爆発しない。また、オゾンの爆発下限圧力(最も爆発しやすい濃度条件でどのくらいの圧力で爆発するか)という観点では8〜10Torrにあると推定される。
次に、種々のオゾン濃度、圧力におけるオゾン爆発に対する最小起爆エネルギーとして上記オゾン爆発試験装置により評価したが、その結果は図3に示される通りであった。なお、同図において縦軸は最小起爆エネルギー(Minimum
Ignition Energy [mJ])、横軸はオゾン濃度(Ozone concentration [vol%])をそれぞれ示している。この図3によれば、一定圧力下においてオゾンガス濃度が低くなるほど爆発に至る最小起爆エネルギーが大きくなることが分かる。
Ignition Energy [mJ])、横軸はオゾン濃度(Ozone concentration [vol%])をそれぞれ示している。この図3によれば、一定圧力下においてオゾンガス濃度が低くなるほど爆発に至る最小起爆エネルギーが大きくなることが分かる。
一方、所定のオゾン濃度・圧力下でオゾンガス中に二酸化窒素(NO2)を混入した場合のオゾン爆発に対する起爆エネルギーとして上記オゾン爆発試験装置により評価したが、その結果は図4に示される通りであった。なお、同図において縦軸は起爆エネルギー(Trigger
energy [mJ])、横軸はオゾンガス中の二酸化窒素(NO2)濃度(NO2 concentration [vol%])をそれぞれ示している。この図4によれば、全圧200Torr、オゾン濃度25vol%のオゾンガスに対して二酸化窒素(NO2)を1.0vol%以上混入することにより最小起爆エネルギーが上昇し爆発し難くなることが分かる。3vol%以上の添加では、3Jという極めて強い起爆エネルギーを与えても爆発しない結果が示されている。
energy [mJ])、横軸はオゾンガス中の二酸化窒素(NO2)濃度(NO2 concentration [vol%])をそれぞれ示している。この図4によれば、全圧200Torr、オゾン濃度25vol%のオゾンガスに対して二酸化窒素(NO2)を1.0vol%以上混入することにより最小起爆エネルギーが上昇し爆発し難くなることが分かる。3vol%以上の添加では、3Jという極めて強い起爆エネルギーを与えても爆発しない結果が示されている。
また、種々のオゾン濃度・圧力下でオゾンガス中に二酸化窒素(NO2)を混入し、所定起爆エネルギー(12〜16mJ)を付与した場合における爆発と不爆の態様を上記オゾン爆発試験装置により評価したが、その結果は図5に示される通りであった。この図5によれば、300Torrでの二酸化窒素(NO2)不混入(No impurities)の純粋オゾンの爆発下限界は12〜13vol%と見積もられるが、二酸化窒素(NO2)を0.1vol%混入させると、爆発下限界が14〜15vol%にシフトし、オゾンが爆発し難くなることを示している。
次に、種々のオゾン濃度・圧力下でオゾンガス中に一酸化窒素(NO)を混入し、所定起爆エネルギー(12〜16mJ)を付与した場合の爆発と不爆の態様を上記オゾン爆発試験装置により評価したが、その結果は図6に示される通りであった。この図6によれば、二酸化窒素(NO2)と同様に、一酸化窒素(NO)を0.1vol%混入させると、オゾンの爆発下限界が3vol%程度高濃度側にシフトし爆発し難くなることを示している。
以上述べた評価結果から明らかなように、本発明によれば高濃度オゾンガス中に支燃性ガスの一種である窒素酸化物(NOx)を適当少量混入するだけの簡単な手段を採用することで、分解爆発が起こり難い安定した性質を備える高濃度オゾンガスを提供することができる。なお、上述の評価試験では高濃度オゾンガス中に二酸化窒素(NO2)と一酸化窒素(NO)を混入した場合について例示したが、本発明はこれに限るものではなく、広く酸化窒素(NOx)を混入することにより本発明の目的を達成することができる。
図7は本発明に係る不爆オゾンガスの製造方法を実施する装置の概要構成図である。即ち、この装置は、放電型オゾン発生器で実現されるオゾン製造装置1、オゾン吸蔵槽3及びこれを熱交換的に取囲むドライアイスバス4により形成される吸蔵装置2、酸素ボンベ5、真空ポンプ6、オゾン貯蔵容器7、酸化窒素ボンベ8、オゾン分解処理装置9並びに各バルブV1〜V7の各要素部材を備える。
上記装置を用いての不爆オゾンガスの製造は以下のようにして行われる。即ち、酸素ボンベ5より抽出した純粋酸素からオゾン製造装置1により生成した低濃度オゾンガスをドライアイスによる冷却下で吸蔵装置2に吸蔵させ、その吸蔵装置2をドライアイス除去の下で昇温して高濃度オゾンガスを取り出し、その高濃度オゾンガスをオゾン貯蔵容器7に充填する際に酸化窒素ボンベ8中の窒素酸化物(NOx)を所定の割合で混入することにより、不爆オゾンガスを簡単に製造することができる。
上記方法にて製造後オゾン貯蔵容器7に充填してなる不爆オゾンガスは、窒素酸化物(NOx)を適当少量混入させているので、前述した通り、分解爆発が起こり難い安定した性質を備え、しかも低コスト製品であることは言うまでも無い。
1…オゾン製造装置、2…吸蔵装置、7…オゾン貯蔵容器。
Claims (3)
- 純粋酸素中に10.0vol%以上のオゾンを含んで構成される高濃度オゾンガス中に窒素酸化物(NOx)を含んでなり、難分解爆発性を備えることを特徴とする不爆オゾンガス。
- 高濃度オゾンガス中に0.1vol%以上の窒素酸化物を含んでなる請求項1記載の不爆オゾンガス。
- 純粋酸素からオゾン製造装置(1)により生成した低濃度オゾンガスを冷却下で吸蔵装置(2)に吸蔵させ、その吸蔵装置(2)を加熱して高濃度オゾンガスを取り出し、その高濃度オゾンガスを貯蔵容器(7)に充填する際に窒素酸化物(NOx)を0.1vol%以上の割合で混入することを特徴とする不爆オゾンガスの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005185846A JP2007001830A (ja) | 2005-06-27 | 2005-06-27 | 不爆オゾンガス及びその製造方法 |
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JP2005185846A Pending JP2007001830A (ja) | 2005-06-27 | 2005-06-27 | 不爆オゾンガス及びその製造方法 |
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