JP2007001502A - タンデム用乗員保護装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ライダー(R)用の第1の部材(3)と、パッセンジャー(P)用の第2の部材(4)と、その第1の部材(3)と第2の部材(4)とを連結する連結ベルト(2)とで構成され、前記第1の部材(3)はその胸部(3a)近傍の両脇に第1の半環状部材(10a、10b、10c、10d)を備え、前記第2の部材(4)はその胸部近傍(4a)の両脇に第2の半環状部材(20a、20b)を備え、前記連結ベルト(2)は前記第1の半環状部材(10a、10b、10c、10d)と第2の半環状部材(20a、20b)とを着脱自在に連結している。
【選択図】図4
Description
ここで、特にパッセンジャーにとっては、不意な急加速が為された場合に、転落の可能性が更に高くなる。
特にコーナリング(旋回)時には、ライダーの左右への重心移動とパッセンジャーの重心移動とが同調することが必要であり、そして、ライダーとパッセンジャーの重心移動が同調することが操縦の安定性を高め、安全率の向上に直結することが良く知られている。
従来の一般量産車にはバックレストHの類の取り付けが造形的に困難であり、強いて設置するとコスト高であり、その上、見映えも良くない。したがって横方向からの脱落には特段の手段が設けられていない。
例えば、図12に示すジャケット3Aでは腹腰部3zの前側にパッセンジャーが後方から把持するためのアシストベルト20zが取り付けられている。図12の背後を示す図13では、背中Bkの肩部Sにアシストグリップ30zが取り付けられている。
特に、いわゆる「ツーリング」のように長距離を二輪車で移動する場合や、パッセンジャーが子供の場合には、(パッセンジャーが)寝込んでしまって後部座席から転落してしまう危険性が高い。
しかし、係るバックレストは走行中の空力特性の改善を主目的としており、上述した様な、パッセンジャーの(手による)把持力低下や、片手を離した場合、寝込んでしまった場合における危険の回避について、何等寄与するものではない。
本発明の実施に際しては、第1及び第2の半環状部材は連結ベルトの緊締用端部が取り付けられる程度の半環形状であればよいが、緊張に対して伸び剛性の高いものが好ましくかつ、連結ベルトのアンカレッジとしての充分な強度を有する必要がある。
ただし、連結ベルトの両端に設けられるアンカー部はアンカレッジの強度に応じて、連結ベルトにかかる引張りやねじりに対しては充分な強度を有することが必要である。
実施に際しては、当該ポケットは把手(36)を使用しない場合には蓋状の部材(「マジックテープ(登録商標)」を貼着した蓋35)で閉鎖されており、パッセンジャーが乗車する場合に、蓋状の部材(「マジックテープ(登録商標)」を貼着した蓋35)把手(36)を取り出す様に構成されているのが好ましい。
実施に際しては、着衣は引張りあるいは切り裂き強度のある素材を使用することが好適である。
(1) ライダー用の第1の部材とパッセンジャー用の第2の部材を連結ベルトで連結しているので、構造が簡単で且つ重量増加が少なく、且つ、ライダーの重心移動が制約されて操縦性が損なわれることがない。同様に、パッセンジャーの自由な姿勢が制約されない。
(2) また、パッセンジャーの(うたた寝等に起因する)大きな姿勢変更は、連結ベルトを介してライダーに伝達されるので、ライダーからパッセンジャーに注意を喚起できる。あるいは、減速や停車等により、事故を未然に防止して、安全を確保できる。
(3) 連結ベルトに長さを調節する手段を備えたタングと、バックルによる連結具を取り付ければ、緩みのない連結ができ、着脱が容易である。
(4) ライダー用の着衣(第1の部材)の両脇(胸部近傍の箇所)に半環状部材を備えれば、1人乗り走行でもタンデム乗り走行でも兼用できるので、突発的にオートバイのタンデム走行を行うことになっても、直ちに対応できる。
(5) ライダー用の着衣(第1の部材)の前方部分(例えば胸部)にポケット(35)を設け、該ポケット(35)にパッセンジャーが把持するための把手(36)を内蔵すれば、当該把手(35)或いは上述した連結ベルトを、忘れてしまうことや、紛失することを防止できる。
(6) ライダー用の第1の部材(着衣)を縦帯体と横帯体とで形成すれば、形状が簡単であり、着脱が容易である。
(7) パッセンジャー用の着衣を縦帯体と横帯体とで形成すれば、形状が簡単であり、着脱が容易となる。
図4において、本発明の自動二輪車の乗員安全を保護するタンデム用乗員保護装置1は、ライダーRが装着するライダー用の着衣である第1の部材3と、パッセンジャーが装着するパッセンジャー用の着衣である第2の部材4と、第1の部材3と第2の部材4とを連結する連結ベルト2とにより、全体が構成されている。
ここで、第1の半環状部材10a〜10dが片方の側に4つ、合計で8つ設けられているのは、二輪車の車種、ライダーとパッセンジャーの体格或いは体格差、その他の要素に対応して、運転に最も適した位置を選択するためである。
第2の半環状部材20a、20bが片方の側に2つ、合計で4つ設けられている理由も、二輪車の車種、ライダーとパッセンジャーの体格或いは体格差、その他の要素に対応して、タンデム走行に最も適した位置を選択するためである。
長さ調整が可能な手段は一般のシートベルトに使用されている一般的な手段である。
図4においては、ライダー用の着衣である第1の部材3と、パッセンジャー用の着衣である第2の部材4と、連結ベルト2のみが、実線で示されており、バイクBc、ライダーR、パッセンジャーPは一点鎖線或いは点線で示されている。例えば、パッセンジャー用の着衣である第2の部材4は、パッセンジャーPの袖と一部が重なってしまうが、第2の部材4における当該重なってしまう部分も実線で示されている。
但し、連結ベルト2の一部及び第1の半環状部材10bは、第1の部材3(ライダー用の着衣)の袖の部分に重なっているため、図4では点線で示してある。
また、後席にまたがるパッセンジャーPが着用している第2の部材4は、パッセンジャーPの胸部近傍に相当する位置に、第2の半環状部材20a、20bが取り付けられている。
そして第1の半環状部材10bと第2の半環状部材20aとを連結ベルト2のアンカー7a、7aがそれぞれを係止し、連結具6で連結ベルト2を緩みなく緊締している。
なお、連結ベルト2のアンカー7a、7aは例えば図示されない第1の半環状部材10a、10bあるいは10dと、第2の半環状部材20bとに係止されていてもよい。
例えば、パッセンジャーPが寝てしまったときであれば、パッセンジャーPが何れかの方向に傾いたりすれば、ライダーRはパッセンジャーPに対して正しい姿勢に戻るように注意をし、パッセンジャーPから反応がなければ、運転上危険が無い態様で、ライダーRがパッセンジャーPを起こせば良い。
或いは、ライダーR及びパッセンジャーPの双方が、図2で示す第2の部材4を着用し、図3で示す連結ベルト2で連結されても良い。
さらに、図4で示すのとは逆に、パッセンジャーPが図1で示す第1の部材3を着用し、ライダーRが図2で示す第2の部材4を着用して、図3で示す連結ベルト2で連結されても良い。
図5は、ライダー用の着衣の前側を示している。襟と袖のないベスト式の着衣33の胸部近傍の位置には、第1の半環状部材10c〜10fが片側に2行2列で合計4個取り付けられている。
第1の半環状部材10c〜10fの腹部33bへの取り付け要領は前記図1で示すライダー用(パッセンジャーが着用する場合がある)の第1の部材と同様である。また、第1の半環状部材10c〜10fが複数個設けられている理由も、図1、図2と同様に、車種、ライダーとパッセンジャーの体格或いは体格差、その他の要素に対応して、タンデム走行に最も適した位置を選択するためである。
図示はされていないが、把手36を構成する2本の帯体には長さを調節する手段が設けられている。
図6で示す着衣は、図2で示した第2の部材4に類似している。以下においては、図6の着衣が図2の部材4とは異なる部分を主体的に説明する。
縦帯体25a、25bは、左右の肩部24a、24bを頂点として前側に左右の前側部25、25が前下部で近づくような斜めに垂下して、ライダー或いはパッセンジャーの胸部に相当する位置34aまで延びている。また縦帯体25a、25bは、左右の肩部14a、14bを頂点として後側に左右の後側部26、26が後下部で広がるように垂下して、ライダー或いはパッセンジャーの胸部に相当する位置34aの反対側の背中まで延びている。
第2の着衣34の素材材質や第2の半環状部材20a、20bは図2の実施形態とおなじである。
上記着衣34のパッセンジャーPによる使用方法は、前記図2のパッセンジャーPの着衣(第2の部材)4の使用方法と実質的に同じである。
四輪車や貨物自動車等に比較して寸法が小さい二輪車にあっては、特に夜間走行時には、他の車両(例えば四輪車)から視認し易いことは、事故防止に効果的である。そのため、ライダー或いはパッセンジャーの着衣が発光すれば、特に夜間走行時における他の車両からの視認性が極めて良好となり、安全性の向上に大いに寄与する。
発光部分或いは蛍光部分28Fは、係る理由に基いて設けられており、LED或いはその他の発光手段で構成するか、或いは、発光性塗料を塗布して形成されている。
明確には図示されていないが、係る発光部分或いは蛍光部分28Fは、図6の実施形態のみならず、前記図1〜図5及び後記の各実施形態においても設けることが出来る。
図7で示す着衣43は図5で示した第1の部材33に類似しており、以下においては、図5の部材33とは異なる部分を主体的に説明する。
第1の半環状部材10a〜10dの腹部43aへの取り付け要領は前記図5で示すライダー用(パッセンジャーが着用する場合がある)の第1の部材と同様である。また、第1の半環状部材10a〜10dが複数個設けられている理由も、図1、図2と同様である。
ポケット48は、安全確保のための蛍光テープが取り付け可能になっている。
本着衣43の使用方法は、前記のライダー用着衣と同様である。特に転倒による脊椎損傷に対する保護手段を有する構成を特徴にしている。
図10及びそのB−B断面の図11で示す着衣53は図7で示した着衣43に類似しているので、以下において、図7の着衣43との相違点を主体に説明する。
前胸腹部53aには、上部から下部にかけてナイロン地の2本の縦帯状体54、54が平行に取り付けられている。図10のB−B側断面を示す図11も参照して、縦帯状体54のほぼ中央部に空隙55aを設けた半環状のグリップ部55が形成されている。
縦帯状体54は着衣53に強く縫付けされており、符合54aはグリップ部55の強い縫付け部を示している。換言すれば、グリップ55は、縦帯状体54、54を着衣53に縫い付けていない領域によって構成されている。
なお、縦帯状体54に、蛍光色あるいは蛍光剤を塗布しても良い。
P・・・・パッセンジャー(後席乗員)
1・・・・タンデム用乗員保護装置
3・・・・ライダー用の(第1)の部材
3a・・・上記ライダー用部材の腹部
4・・・・パッセンジャー用の(第2)の部材
4a・・・上記パッセンジャー用部材の腹部
6・・・・連結具
6a・・・・タング
6b・・・・バックル
10a、10b、10c、10d・・・第1(ライダー用)の半環状部材
14a、14b・・・肩部
20a、20b・・・第2(パッセンジャー用)の半環状部材
Claims (5)
- 二輪車の乗員の安全を保護するタンデム用乗員保護装置において、ライダー用の第1の部材と、パッセンジャー用の第2の部材と、その第1の部材と第2の部材とを連結する連結ベルトとを有し、前記第1の部材はその胸部近傍の両脇に第1の半環状部材を備え、前記第2の部材はその胸部近傍の両脇に第2の半環状部材を備え、前記連結ベルトは前記第1の半環状部材と第2の半環状部材とを着脱自在に連結していることを特徴とするタンデム用乗員保護装置。
- 前記連結ベルトは、その連結ベルトの長さを調節する手段を備えたタングと、バックルとで構成される連結具を備えている請求項1のタンデム用乗員保護装置。
- 胸部近傍の両脇に半環状部材を備えていることを特徴とするタンデム用乗員保護装置。
- ライダーの前方に、パッセンジャーが把持するための把手を内蔵するポケットを設けていることを特徴とするタンデム用乗員保護装置。
- 左右それぞれの肩部を頂点として垂下し胸部の前側に延びる前側部と、肩部を頂点として垂下し背部側に延びる後側部とがそれぞれ連続な帯体に形成され、その一方の帯体と他方の帯体とで肩掛け部が形成され、その肩掛け部の前側の端部と後側の端部とを水平方向に結ぶ横帯体で環状に連結していることを特徴とするタンデム用乗員保護装置。
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