JP2006529052A - X線画像を曝射するための方法及び装置 - Google Patents

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Abstract

本発明は、X線画像の曝射の制御方法に関する。管電流、管電圧及び曝射持続時間の開始値がX線管(10)に設定される。曝射の開始に続いて、結果として得られる線量率がセンサ(30,31)により測定され、制御システム(100,200,300)に対して利用できるようにされる。X線画像に対して所定放射線量を達成するために、制御システムは次の変数であって、電流範囲内の管電流と、適用可能である場合のタイムスロット範囲内の曝射持続時間と、電圧範囲内の管電圧と、タイムスロット範囲内の曝射持続時間と、を連続して調節する。管電流の高速制御は、好適には、X線管の制御グリッドにおける対向電圧のパルス幅変調により可能である。

Description

本発明は、X線管とX線画像の曝射を制御するための制御システムとを有するX線源に関する。本発明は、更に、このような種類のX線源を有するX線システムと、X線画像の曝射を制御するための方法とに関する。
人間の身体及び人間の器官のX線による調査に対して、調査中の領域の最適画像を得るためにX線源のX線発生器において、多くの調節がなされる必要がある。これは、身体の種々の器官又は領域の密度自体が大きく異なり、人間の身長及び体重に依存して異なる人間においてさえ異なることによる。更に、できるだけ小さい放射線負荷を用いて、調査が患者に対して安全であることを確実にするために、特定のパラメータが特定の制限内のみにおいて調節又は変化されることが可能であることに基づいて、殆ど全ての国において、法的規制が可決されてきた。
特に、異なる方法で曝射された画像に影響を与え、互いに同期されなければならない、次の相互依存パラメータに対して注意を払う必要がある。例えば、X線管の線量率(即ち、本質的には、曝射電圧(kV))が、コントラストと反復される被検体のコントラスト範囲とを決定する。他方、線量率は画像の信号対雑音比を主に決定する一方、画像精細度を最適化するために、曝射持続時間(画像を生成するための時間)は、特に、動いている被検体の場合に、特定の最大値を上回ることはない。それらのパラメータを同期又は選択するために、表示される被検体の密度(X線吸収)、即ち、一般に、患者の質量が又、考慮されなければならない。最終的に、種々の法による規定又は指針が又、しばしば、曝射検出器に衝突する放射線量に適用される。
これに関連して、X線画像の曝射を自動的に調節する方法が独国特許第10122041A1明細書に記載されている。曝射持続時間、X線曝射の開始時における管電圧及び管電流に対して所定の開始値から開始して、得られる線量率(即ち、調査の被検体の吸収)がセンサにより測定される。測定値は、曝射持続時間を遵守して、最適な放射線量を有するX線画像を生成する定格の値と比較される。定格の値からの測定値の誤差に従って、曝射持続時間は、初期的に、ある時間帯において調節される、このような曝射時間の調節が不十分である場合、次の段階において、所定の限界内の管電圧を修正するようにする。この調節が又、不十分である場合、曝射時間は、所望の最適持続時間量又は所定の許容限界に到達されるまで、再度、変化される。上記の方法は、特に、動的X線画像(画像系列)を生成するとき、良好な結果に繋がる。しかしながら、多くの曝射状況においては、管電圧の調節を行う必要があり、画像品質の変化に繋がる。
このような背景に対して、本発明の目的は、曝射持続時間及び管電圧に関する所定の目的変数にできるだけ長く遵守し、できるだけ一定且つ高品質の画像が得られる、X線画像の自動曝射制御のための手段を提供することである。
このような目的は、請求項1に記載した特徴を有するX線源、請求項9に記載した特徴を有するX線システム及び請求項10に記載した特徴を有する方法により達成される。有利な実施形態については従属請求項に記載されている。
本発明に従ったX線源は、本質的に次の3つの構成要素を有する。
− X線を発生させるためのX線管。ここで、X線放射線のスペクトル及び強度は供給される管電圧及び管電流に依存する。X線管は、典型的には、管電圧により加速される、加熱フィラメントからの電子が衝突する陽極と共に備えられ、X線を発生する。それにより、電子の電流強度は管電流に相当する。
− 調査中の現被検体(例えば、患者)において、X線源のアクティビティからもたらされるX線吸収を検出するための測定ユニット。その測定ユニットは、特に、X線放射線に関連して、調査中の被検体の背後に配置され、調査中の被検体を透過する放射線を測定する線量率センサ又は放射線量センサであることが可能である。それにより、測定ユニットは、調査中の被検体の実際のX線吸収に関する情報を与える。
− 管電流、管電圧及びX線管の曝射持続時間を制御するための、X線管及び測定ユニットに結合された制御システム。その制御システムは、次の段階を実行するために備えられる。
a)X線管の管電圧及び管電流に対する所定開始値を予め設定する段階。それらの所定開始値は、一般に、例えば、患者(子供/大人、体重等)、調査中の器官又は所望の画像品質により、特定の曝射状態に従ってユーザにより指定される。理想的には、最適なX線画像は、前記所定開始値と指定された曝射持続時間を用いて生成される。
b)X線曝射を開始し、調査中のX線照射によりもたらされるX線吸収を検出する段階であって、この検出はX線源の測定ユニットの支援により行われる、段階。
c)所定の電流範囲内にX線管の管電流を調節することにより調査中の被検体についての検出されたX線吸収の関数として画像の曝射を制御する段階であって、更に、電流範囲の2つの限界値の一に管電流が設定され、それ故、所定の曝射目標が管電流の更なる調節により達成されることができない場合、第2曝射パラメータが調節される、段階。
上記のX線源は、曝射持続時間及びユーザにより指定された管電流のパラメータを維持する有利点を有し、そのことは、先ず、管電流の調節による曝射の制御が試みられる点で、できるだけ長く一定である限界値の観測及び画像品質に対して特に重要である。技術的に指定された限界に達した場合にのみ、支援が第2曝射パラメータに対して求められる。
第2曝射パラメータはX線画像の曝射持続時間であることが可能である。この第2曝射パラメータは、それ故、管電流がその最小値又はその最大値に既に設定されている場合、曝射目標を達成するために所定のタイムスロットの範囲内で制御システムにより調節される。曝射持続時間がタイムスロットの上限又は加減に設定されるときでさえ、所定の曝射目標に適合できない場合、第3曝射パラメータが制御システムにより調節される一方、管電流及び曝射持続時間各々はそれらの限界値を取る。所定の曝射持続時間が高い優先順位を有する適用の例は、著しく狭いタイムスロット(極端な場合には、0幅の)によりこれに関連してカバーされることができる。
上記の第3曝射パラメータは、好適には、管電圧であり、その管電圧は、曝射目標を達成するために、所定電圧範囲内に制御システムにより調節される。管電圧が、結果的に達成される曝射目標を有しない電圧範囲の上限又は下限に設定される場合、第4曝射パラメータは、好適には、曝射目標を達成するために制御システムにより調節される。
上記の第4曝射パラメータは曝射持続時間であることが可能である。曝射持続時間は、それ故、好適には、制御システムの異なるステータス領域において2回調節される。第1回は、管電流の調節が不十分なときであり、第2回は、更に、所定のタイムスロットにおける曝射持続時間の第1調節と管電流の調節とが不十分であるときである。タイムスロットからの逸脱は、それにより、最適状態には及ばない曝射持続時間により画像品質の低下に繋がるが、最重要の曝射目標は確実にされる。曝射持続時間がタイムスロットの外側で調節されるとき、一般に、例えば、患者及び/又はX線装置に対する例外的に長い曝射持続時間に繋がるため、曝射持続時間の所定の許容限界を超えることはないことが保証されている。
管電流又は更なる曝射パラメータの調節により追い求める曝射目標は、好適には、所定の最適な放射線量(曝射持続時間に対する線量率の時間積分)を有する画像を得ることにある。
X線源の好適な実施形態に従って、X線管は制御グリッドを備え、その制御グリッドは陽極の前に配置され、その制御グリッドには、陽極に対する対向電圧を印加することができる。加熱フィラメントとから陽極に移動する電子による電流は、制御グリッドにおける対向電圧により強度を制御される又は完全に中断されることが可能である。この方法において管電流を制御する有利点は、マイクロ秒のオーダーの非常に速い反応時間が達成されるという事実にあるが、加熱電流の調節によっては、このように達成することはできない。制御グリッドを有するX線管は、それ故、管電流の調節が先ず第1になされる制御システムに対する特定の方法で適合される。制御グリッドの使用に関しては、独国特許第10136947A1号明細書に更に詳細に記載されていて、その文献の援用により本発明の説明の一部を代替する。
制御グリッドを有するX線管の制御に対して、制御システムは、好適には、加熱フィラメントを動作させるための加熱電流制御器と制御グリッドを動作させるためのグリッド制御器とを備える。加熱電流制御器は加熱電流のための基準値を設定し、その加熱電流は、好適には、X線曝射中、一定に保たれ、最大管電流を決定する。制御グリッドに対向電圧を印加することにより、所望の有効な管電流まで、制御された方式で、グリッド制御器は最大管電流を減少させることができる。
上記のグリッド制御器は、好適には、制御グリッドにおいてパルス化対向電圧のパルス幅を制御するように調整される。制御グリッドにおいてパルス化対向電圧を用いて、最大値と0との間のパルス化された管電流を発生することが可能であり、対向電圧のパルス幅又はその走査率は管電流の平均値を決定する。
本発明は、画像生成及び画像処理のための少なくとも1つの装置を有するX線システム及び上記の種類のX線源に更に関する。X線源を用いて、X線放射が発生され、X線放射は患者のような、調査中の被検体を透過するように放射され、次いで、画像生成及び画像処理のための装置により受けられ、X線画像に変換される。
更に、本発明は、X線画像の曝射制御のための方法に関し、次のような段階を有する。
a)X線管の管電圧及び管電流のための所定開始値を予め設定する段階。
b)X線曝射と調査中の被検体の結果としてのX線吸収の検出とを開始する段階。
c)管電流が電流範囲の限界値の一に設定されている場合、所定電流範囲内における管電流の調節及び第2曝射パラメータの調節により、調査中の被検体についての検出されるX線吸収の関数として画像の曝射を制御する段階。
上記の方法を用いて、X線源に関連する上記の有利点を達成することができる。それに加えて、その方法は、一般に、上記の情報に従ってX線源の制御システムにより任意に実行されることが可能である段階により更に構築されることが可能である。
本発明について、以下、添付図面に示されている実施形態の例について更に詳述するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
ディジタル及び非ディジタル医療用X線画像の画像品質は、次のような重要な曝射パラメータであって、管電圧U(kV)、管電流I(mA)及び装置オペレータにより決定される曝射持続時間の適切な予めの選択に著しく依存する。それ故、その予めの選択は、典型的には、全ての画像生成の問題、全ての患者及び全ての位置に対して適切で最適なパラメータが既知であることが必要条件である。治験実施においては、しかしながら、起こっている状態及び患者のX線透過は、3600より大きい係数に対応する範囲に対して変化し得る。同様に、装置オペレータの能力及び治験経験は、勿論、非常に異なる。典型的には、それ故、X線画像全ての10%乃至30%の範囲内のX線画像が、欠陥品質のために繰り返される必要がある。
この問題を克服するために、自動曝射制御が提案され、その自動曝射制御は、管電流I、管電圧U及び曝射持続時間tの最適な調節を確実にし、同時に、技術的にできるだけ長く不変である最大曝射持続時間と(調査対象依存性)X線電圧のユーザの恐らく意図された契約規定のままにする。このようにして、管電流と曝射持続時間(mAsec)とによる所定の積と所定の調査に対して最良の診断画像品質を得ることができる。この目的は、図1に示しているX線システムを用いて達成され、その図1は、独国特許第10122041A1明細書(米国特許出願公開第2002/0191741A1号明細書に対応する)に記載されているX線システムの展開を示している。
図1に示すように、X線システムの最も重要な構成要素は、患者Pを透過し、イメージインテンシファイア11に調査中の領域のレプリカを投射するX線を発生させるためのX線管である。このレプリカは、既知の方法で拡大され、光信号に変換され、それらの光信号は、次いで、レンズ及び絞り構成12、13によりフォーカシングされ、カメラ14により記録され、そして対応する電気信号に変換される。それらの信号は画像処理装置15に送られ、その画像処理装置は、一般にディジタルであり、放射線技師Rにより調査中の患者Pの領域の観測のためにモニタ16が接続されている。
X線管10は高電圧発生器20により電源供給される。高電圧のオン及びオフを切り換えるための遮断器21により、高電圧発生器20は変換器22に接続され、その変換器22は、高電圧発生器20に対する一般的な本線電圧の適切な入力電圧への変換のために機能し、それにより、曝射kV電圧値(即ち、X線管に存在する高電圧)を決定する。
図1には、X線管10の制御グリッドにおける対向電圧を制御するためのユニット23を更に示している。X線管10の陽極の加熱フィラメントからの電子の流れ、即ち、管電流は、好適には、ここで存在するパルス化された対向電圧により動的に制御される。
曝射パラメータは、上記の構成要素を用いて、次のように支配され及び/又は調節される。曝射持続時間t(画像を生成するための時間)と患者が放射される放射線量とが。第1制御信号を用いて遮断器21の適切な動作により調節される。X線管10の線量率は、変換器22の動作により、それ故、第2制御信号を用いる曝射kV電圧により調節される。更に、X線管10の加熱電流は第3制御信号を用いて調節され、その第3制御信号は、高電圧発生器20の対応する入力において存在する。それらの3つの制御信号は多変数制御器100を用いて生成され、その多変数制御器100は、複数のバスラインB2乃至B8を介してりマイクロプロセッサユニット200により制御される。
X線システムは、グリッド制御器300を更に備え、そのグリッド制御器300の出力は制御グリッドの制御ユニット23に結合されている。グリッド制御器300の出力信号は、制御グリッドにおいて対向電圧のパルス幅を制御し、それにより、X線管10において有効な管電流を制御する。
患者P及び他の画像に影響を及ぼす物体のX線吸収により決定される、カメラ14の領域に衝突する放射線量又は線量率の形で多変数制御器100に対する制御変数を生成するために、放射線分配器30はカメラ14において配置され、その放射線分配器を用いて、一部のビームがX線放射から抽出され、放射線量又は線量率信号の生成のための対応するセンサ31(光センサ)に方向付けられる。光センサ31は較正器32に接続され、その較正器32を用いて、この放射線量又は線量率に対して正規化された電圧が生成される。この電圧は分配器33において存在し、その分配器33を用いて、放射線量(例えば、0.66μGy)又は線量率(例えば、66μGy/sec)の定格の値を設定することができる。このために、分配器は第1バスB1を介してマイクロプロセッサユニット200に接続される。除算器33の出力信号は多変数制御器100に存在する。
多変数制御器100は放射線量調整器110(Amplimat)を有し、その放射線量調整器110自体は既知であり、その放射線量調整器110に除算器33の出力信号は送信され、そしてその放射線量調整器110はその信号のための積分器及び比較器を備えている。放射線量調整器は回路遮断器21のための第1制御信号を生成し、除算器33による定格の放射線量値の集合と光センサ31において測定された放射線量との関数として画像を生成するための曝射時間を調整する。
更に、例えば、約4乃至4000msecの範囲内に対する定格時間選択器120が備えられ、それは又、除算器33の出力信号を受信し、そして最大曝射時間(例えば、50msec)の曝射タイムスロットの上限Tmaxのための定格の値を設定するために第2バスB2を介してマイクロプロセッサユニット200により動作されることができる。
定格時間選択器120は、選択された最大曝射時間Tmaxから、最小曝射時間(例えば、10msec)又は曝射タイムスロットの加減Tminに対する定格値が生成される、例えば、参照番号1と10と(1と0.1との間の係数を有する減衰器として実現される)の間の、タイムスロット係数を生成するためのユニット140に第2出力を介して、及び第1線量率調整器130に第1出力を介して接続されている。その係数は、第3バスB3とマイクロプロセッサユニット200により入力される、最小曝射時間Tminに従って決定される。ユニット140の出力は第2線量率調整器135の入力に存在する。
第1線量率調整器130は、本質的に、約5kHzのオーダーの平均速度を有するPDI制御器を有し、正の補正のみに対して、即ち、X線管に対する曝射kV電圧における上り制御(増加)のみに対して機能する。第2線量率調整器135は、本質的に、約10kHzのオーダーの高速度を有するPDI制御器を有し、負の補正のみに対して、即ち、曝射kV電圧における下り制御(減少)のみに対して役割を果たす。
2つの線量率調整器130、135の出力はリミッタ150に適用され、そのリミッタは、第4バスB4を介してマイクロプロセッサユニット200により動作され、最大限として、曝射kV電圧が線量率調整器により増減される(例えば、開始値に関して、それぞれ、+25kV又は+15kVだけ、又は−15kV又は−10kVだけ)ことが可能である限界値を設定するための役割を果たす。
曝射kV開始電圧の定格値はマイクロプロセッサユニット200及び第5バスB5により調節可能である。人間を調査するとき、この定格値は、一般に、調査中の器官の器官kV電圧(例えば、70kV)である。このために、第5バスB5は、信号混合器160に電力供給され、その信号混合器は第1リミッタ150の出力に接続され、線量率調整器により生成された電圧値と設定された開始値の合計により曝射kV電圧を生成するための役割を果たす。
更に、第2リミッタ170が、信号混合器160による合計により到達される曝射kV電圧のために備えられ、その第2リミッタを用いて、例えば、55kV乃至125kVの範囲内の電圧の許可された全体としての範囲はマイクロプロセッサユニット200及び第6バスB6により設定される。第2リミッタ170はその出力において第2制御信号を生成し、その第2制御信号は、高電圧発生器20により対応する曝射kV電圧値が発生されるような方式で、一般の本線電圧Wが変換されることが可能であるように、変換器22に最終的に供給される。
多変数制御器100は、選択画像強化フォーマットの関数として管電流係数を生成するためのユニット180を更に有し、所望の電流係数は、第7バスB7を介してマイクロプロセッサユニット200により入力され、そして、例えば、1乃至2.5の間にある。
最終的に、ユニット180の出力は、基準値(例えば、200mA)の関数として加熱電流のための定格値を生成するためにユニット190に接続され、その基準値は、マイクロプロセッサユニット200及び第8バスB8により設定され、ユニット180により決定される管電流係数を有することができる。第3制御信号を生成するユニット190の出力は、高電圧発生器20に供給され、決定された加熱電流の定格値が生成されるような方式でそれを制御する。
グリッド制御器300は第1ブロック310を備え、その第1ブロックは、定格時間選択器120から信号のフォームで測定された電流の線量率を受信する。更に、第1ブロック310は、所定のタイムスロットの最小値Tmin及び最大値Tmax並びに曝射持続時間の最適値t(典型的には、タイムスロットの中央点)に関する情報を受信する。
4つの領域を有する優先順位調整器320において、管電流の調節により、例えば、PDI制御器を用いて、線量率の高速調整がなされる。優先順位調整器320は、それ故、第1線量率調整器130又は第2線量率調整器135が動作しているか否かについて考慮する。出力側においては、調整器320はパルス幅制御モジュール330を制御し、その出力は又、制御グリッドにおける対向電圧についての上記のパルス幅の活性化を行う。パルス幅制御モジュール330は、バスB9を介してマイクロプロセッサユニット200から必要なパラメータを受信する。そのパルス幅制御モジュール330は、限界位置に到達したかどうかについて、調整器320に更に知らせる。
図1に示しているX線システムの動作について、下で更に説明する。X線システムに基づく制御方法は、従って、BV/TV、ディジタル瞬間イメージング技術(DSI)、ディジタル平面検出器、メモリフォイル(PCRシステム)又は従来の薄膜又はフォイルシステムのような記録媒体と同等に実行されることが可能である。その方法は、X線曝射の開始の約1msec以内に直接起こる、自動制御による所望の曝射持続時間に対する及び可能な最も正確な器官kV値に対する用途特有の要求を同等に満たすことができる。曝射品質(放射線量)は、全ての動的曝射状態において、即ち、X線系列を発生するとき、3%以下だけ変動する。管電流の一定のkV値を用いる場合、管電流及び/又は曝射持続時間のみにより線量率調整が行われる。これは、サブトラクション血管造影について特に重要であり、そのサブトラクション血管造影においては、減算される画像における同等の表示を達成するために、同一の管電圧を有する必要がある。上記の特性は、高速アナログ調整器により確実にされる高動作速度を用いる高次優先順位調整概念と100より小さい範囲の管電流Iの非常に速い制御により、図1に示すようなX線システムを用いて達成される。
管電流の高速制御は、それにより、2つの段階であって、第1には、加熱電流の調整により、第2には、グリッド制御されたX線管10におけるグリッド電圧の調整により、行われる。画像の曝射が開始する前に、陰極加熱電流が設定され、その陰極加熱電流は曝射の持続時間を通して一定レベルに維持される。管電流の平均値は、曝射中、パルス幅偏重により所望の方法で非常に速く(<100μsec)調節されることができる。このことについては、数値例を参照して下で更に説明することにする。グリッド制御器300は、管電流の範囲の一部のみを調節することができるようになっている。典型的には、1:10(又は10%乃至100%)の範囲は、この点に関しては十分に適切であり、その範囲は、例えば、33mA乃至330mAの範囲内の管電流に相当する。最小値10mAは、グリッド制御器300における絶対限界として実施される必要がある。最大値330mAは加熱フィラメント制御(加熱電流)により決定される。X線曝射の開始時に、グリッド制御器300は、管電流100mAが結果として得られるような制御グリッド23における対向電圧のパルス幅を設定する。グリッド制御器300は、次いで、前記最大値330mAまでの(+)3.3の係数を有する制御マージンと、前記最小値33mAまでの(−)3の係数を有する制御マージンと、を有する。曝射の開始及び線量率誤差信号の存在に続いて、グリッド制御器300は、100μsecより短い範囲内で、必要な線量率が、X線照射される被検体を参照して、設定されるような方法で管電流を調節する。
上記の管電流の高速制御は、高次制御概念で、曝射持続時間t及び管電圧Uの制御と結合され、そのような制御は、図2を参照して下で更に詳しく説明するように、多変数制御器100において行われる。図2は、曝射持続時間t(水平方向軸)と水等化値W(垂直方向軸)により表される被検体密度(X線吸収)との間の関係を示し、吸収を増加させる被検体密度についての更なる画像に影響を与える要素が下の説明に対して追加されるのである。図中に示されている実線は、被検体密度Wの関数として、制御システムにより設定された曝射持続時間tの特性を示し、曝射持続時間t、管電流I及び管電圧Uは、所定の放射線量が各々のX線画像に対して得られるような方法で設定される。下で考慮される数値例においては、画像当たりの放射線量は、例えば、0.66μGyとし、X線源の線量率を13.2μGy/sec乃至26.4μGy/secの範囲内とする。更に、好適には、曝射持続時間tは、最小曝射持続時間Tmin=10msecと最大曝射持続時間Tmax=50msecとの間のタイムスロットの範囲内にある。
X線曝射の開始時に、曝射時間tに対するt=25msec、管電流Iに対するI及び管電圧Uに対するUが設定される。これは、図2において示している点VIに相当し、予測される被検体密度Wが又、仮定される必要がある。曝射の開始に続いて、制御システムは、高速で線量率信号のレベルを調査する。反応は、調査の結果に依存し、次のようである。
1)測定される線量率が、所望の画像の放射線量が現曝射パラメータを用いて達成されない(即ち、実際の被検体密度は予測と異なる)場合、先ず、管電流Iがグリッド制御器300により増減される(図2の領域V)。所望の線量率が達成されるとすぐ、その線量率がX線画像を完成させるために用いられる。曝射持続時間は、それ故、上記のように、t=t=25msecである。
2)最大管電流Imaxの設定にも拘らず、所望の線量率が達成されない場合、次の段階は、曝射持続時間を所定の最大値Tmaxまで領域VIにおいて増加させるようにする。対応する方法においては、最小値として設定される管電流Iminが尚も所望の線量率を生成しない場合、曝射持続時間tは最小値Tminに領域IIIにおいて減少される。タイムスロット[Tmin,Tmax]の範囲内の曝射持続時間tへの調節が、図1の多変数制御器100において行われる。所定の曝射時間tへの適合が高い優先順位を有する場合、このような曝射時間tへの調節は省略されることが可能である。形式的には、この場合は、本例との関連において、Tmin=Tmaxによりカバーされることが可能である。逆に、器官kVの値が高い優先順位を有する場合、曝射持続時間についての上記のような調節が行われなければならない。
3)図2の領域II及びVIIそれぞれにおいては、管電流I及び曝射持続時間tは、それらの下限Imin、Tmin及び上限Imax、Tmaxそれぞれである。必要な線量率がこの状態において尚も達成されない場合、電圧範囲[Umin,Umax]において開始値Uから開始して、管電圧Uは多変数制御器100により増減される。
4)達成される所望の線量率を有することなく、管電圧Uの設定がその下限Umin又は上限である場合、曝射持続時間の更なる調節が行われる。図2の領域Iにおいては、その曝射持続時間は加減Tminより短くなり、領域VIIIにおいては、上限Tmaxより長くなる。このような短くなる又は長くなる場合、所定の線量率が曝射持続時間の更なる調節を必要とする場合でさえ、曝射持続時間tについての所定の絶対限界は遵守される。
上記の制御方法を用いる場合、それにより、X線曝射の開始時に、どのパラメータがどの順序で調節されるべきかに関して判定がなされる。管電流は、調査中の被検体のコントラストスケーリング定数を不変に維持する必要があるため、調節されるべきパラメータは、常に、管電流Iである。管電流Iの高速調節は、制御グリッドにおいてパルス幅変調により実現される。次の段階は、タイムスロットの範囲内の曝射持続時間tの(任意の)調節と、続く、電圧範囲内の電圧Uの調節である。調査中の被検体のX線密度が、尚も、大き過ぎる又は小さ過ぎる場合、曝射自足時間tは、所望の放射量が達成されるまで調整されることが可能である。このようにして、極端に動的な曝射状態においてさえ、曝射量±3%の安定性が確実にされる。達成可能な画像品質により、本技術は、サブトラクション血管造影に対して、特に適切である。
本発明に従ったX線源を有するX線システムの模式図である。 被検体密度の関数として曝射持続時間を示す図である。

Claims (10)

  1. X線を発生させるためのX線管であって、そのX線管のスペクトル及び強度は管電圧及び管電流に依存する、X線管;
    前記X線管のアクティビティからもたらされるX線吸収を検出するための測定ユニット;及び
    前記管電流と、前記管電圧と、前記X線管の曝射持続時間とを制御するために、前記X線管と前記測定ユニットとに結合された制御システムであって、次の段階であって、
    a)前記X線管の前記管電流及び前記間電圧のための所定の開始値を予め設定する段階と、
    b)X線曝射を開始し、その結果としてのX線吸収を検出する段階と、
    c)所定電流範囲内に前記管電流を調節することにより及び前記管電流が電流範囲の2つの限界値の一に設定されている場合に第2曝射パラメータを調節することにより、画像の曝射を制御する段階と、
    を有する制御システム;
    を有することを特徴とするX線源。
  2. 請求項1に記載のX線源であって、前記第2曝射パラメータは前記曝射持続時間であって、その曝射持続時間は所定時間スロット範囲内に調節され、前記曝射持続時間が前記タイムスロットの限界の一に設定されている場合に、第3曝射パラメータが調節される、ことを特徴とするX線源。
  3. 請求項2に記載のX線源であって、前記第3曝射パラメータは前記管電圧であって、その管電流は所定電圧範囲内に調節され、前記間電圧が前記電圧範囲の限界の一に設定されている場合に、第4曝射パラメータが調節される、ことを特徴とするX線源。
  4. 請求項3に記載のX線源であって、前記第4曝射パラメータは前記曝射持続時間である、ことを特徴とするX線源。
  5. 請求項1に記載のX線源であって、前記画像の曝射は、所定の放射線量が達成されるような方法で制御される、ことを特徴とするX線源。
  6. 請求項1に記載のX線源であって、前記X線管は陽極の前に制御グリッドを備え、その陽極に対して、前記管電流を制御するために対向電圧を印加することができる、ことを特徴とするX線源。
  7. 請求項6に記載のX線源であって、前記制御システムは、前記X線管の加熱電流を設定するための加熱電流制御器と、前記制御グリッドを活性化するためのグリッド制御器とを備えている、ことを特徴とするX線源。
  8. 請求項7に記載のX線源であって、前記グリッド制御器は前記制御グリッドにおいてパルス化対向電圧のパルス幅を制御するように構成されている、ことを特徴とするX線源。
  9. 画像生成及び画像処理のための少なくとも1つの装置と、請求項1に記載のX線源とを有することを特徴とするX線システム。
  10. X線画像の曝射制御のための方法であって:
    a)前記X線管の前記管電流及び前記間電圧のための所定の開始値を予め設定する段階;
    b)X線曝射を開始し、その結果としてのX線吸収を検出する段階;及び
    c)所定電流範囲内に前記管電流を調節することにより及び前記管電流が電流範囲の2つの限界値の一に設定されている場合に第2曝射パラメータを調節することにより、画像の曝射を制御する段階;
    を有することを特徴とする方法。
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