JP2006527731A - Xa因子阻害剤としてのピロリジン−2−オン - Google Patents
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Abstract
本発明は、式(I):
[式中:
R1は:
(各々の環は、さらなるヘテロ原子Nを含有していてもよく;
Zは、任意の置換基ハロゲンであり;
alkは、アルキレンまたはアルケニレンであり;
Tは、S、OまたはNHである)
から選択される基であり;
R2は、水素、−C1−6アルキル、−C1−3アルキルCONRaRb、−C1−3アルキルCO2C1−4アルキル、−CO2C1−4アルキルまたは−C1−3アルキルCO2Hであり;
RaおよびRbは、独立して、水素、−C1−6アルキルであるか、あるいはそれらが結合しているN原子と一緒になって、−C1−4アルキルにより置換されていてもよい、付加的なO、NまたはSから選択されるヘテロ原子を含有していてもよい5、6または7員の非芳香族ヘテロサイクリック環を形成し、ここに、Sヘテロ原子は、Oにより置換されていてもよく、すなわち、S(O)nであり;
nは、0〜2であり;
Xは、ハロゲン、−C1−4アルキル、−C2−4アルケニル、−CN、−CF3、−NRaRb、−C0−4アルキルORe、−C(O)Rfおよび−C(O)NRaRbから選択される0〜2個の基により置換されていてもよい、フェニル、またはO、NまたはSから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有する5−または6員の芳香族ヘテロサイクリック基であり;
Reは、水素または−C1−6アルキルであり;
Rfは、−C1−6アルキルであり;
Yは、−C1−2アルキルNRcRd基により置換されている、フェニル、またはO、NまたはSから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有する5または6員の芳香族ヘテロサイクリック基であり;
RcおよびRdは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、ハロゲン、OHまたは−OC1−6アルキルにより置換されていてもよい4員のヘテロサイクリック環あるいはOH、−OC1−6アルキルまたは1〜2ハロゲンにより置換されている5または6員の非芳香族ヘテロサイクリック環を形成する:ただし、置換基は、ヘテロ原子に隣接する環炭素原子に結合しない]
で示される化合物またはその医薬上許容される誘導体に関する。また、式(I)で示される化合物の製造方法、式(I)で示される化合物を含有する医薬組成物および医薬、特に、Xa因子阻害剤が関与する臨床症状の改善に用いられる式(I)で示される化合物に関する。
[式中:
R1は:
(各々の環は、さらなるヘテロ原子Nを含有していてもよく;
Zは、任意の置換基ハロゲンであり;
alkは、アルキレンまたはアルケニレンであり;
Tは、S、OまたはNHである)
から選択される基であり;
R2は、水素、−C1−6アルキル、−C1−3アルキルCONRaRb、−C1−3アルキルCO2C1−4アルキル、−CO2C1−4アルキルまたは−C1−3アルキルCO2Hであり;
RaおよびRbは、独立して、水素、−C1−6アルキルであるか、あるいはそれらが結合しているN原子と一緒になって、−C1−4アルキルにより置換されていてもよい、付加的なO、NまたはSから選択されるヘテロ原子を含有していてもよい5、6または7員の非芳香族ヘテロサイクリック環を形成し、ここに、Sヘテロ原子は、Oにより置換されていてもよく、すなわち、S(O)nであり;
nは、0〜2であり;
Xは、ハロゲン、−C1−4アルキル、−C2−4アルケニル、−CN、−CF3、−NRaRb、−C0−4アルキルORe、−C(O)Rfおよび−C(O)NRaRbから選択される0〜2個の基により置換されていてもよい、フェニル、またはO、NまたはSから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有する5−または6員の芳香族ヘテロサイクリック基であり;
Reは、水素または−C1−6アルキルであり;
Rfは、−C1−6アルキルであり;
Yは、−C1−2アルキルNRcRd基により置換されている、フェニル、またはO、NまたはSから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有する5または6員の芳香族ヘテロサイクリック基であり;
RcおよびRdは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、ハロゲン、OHまたは−OC1−6アルキルにより置換されていてもよい4員のヘテロサイクリック環あるいはOH、−OC1−6アルキルまたは1〜2ハロゲンにより置換されている5または6員の非芳香族ヘテロサイクリック環を形成する:ただし、置換基は、ヘテロ原子に隣接する環炭素原子に結合しない]
で示される化合物またはその医薬上許容される誘導体に関する。また、式(I)で示される化合物の製造方法、式(I)で示される化合物を含有する医薬組成物および医薬、特に、Xa因子阻害剤が関与する臨床症状の改善に用いられる式(I)で示される化合物に関する。
Description
発明の分野
本発明は、新規な群の化学物質、それらの製造方法、それらを含有する医薬組成物、および医薬におけるそれらの使用、特に、Xa因子阻害剤を必要とする臨床症状の改善における使用に関する。
本発明は、新規な群の化学物質、それらの製造方法、それらを含有する医薬組成物、および医薬におけるそれらの使用、特に、Xa因子阻害剤を必要とする臨床症状の改善における使用に関する。
発明の背景
Xa因子は、トリプシン様セリンプロテアーゼ群の酵素の一員である。これは、凝固カスケードにおける主要な酵素である。Xa因子および第Va因子のカルシウムイオンおよびリン脂質との一対一の結合により、プロトロンビンはトロンビンに変換させられる。トロンビンは、可溶性血漿タンパク質であるフィブリノーゲンを不溶性フィブリンに変換させることによって、血液凝固のメカニズムにおいて中心的な役割を果たす。該不溶性フィブリンマトリックスは、初期の止血プラグを安定化させるために必要である。多くの有意な疾病状態は異常な止血に関連している。冠動脈脈管構造に関して、確立されたアテローム性動脈硬化性プラークの破裂による異常な血栓形成は急性心筋梗塞および不安定狭心症の主な原因である。閉塞性冠動脈血栓症の血栓溶解療法および経皮経管冠動脈形成術(PTCA)による治療は、共に、直ちに回復させなければならない患部血管の急性血栓性再閉鎖を伴うことが多い。静脈脈管構造に関しては、下肢または腹部に大手術を受けている患者は、高い割合で、患部下肢への血流の減少および肺塞栓症になり易い素因を生じ得る静脈脈管構造における血栓形成を被る。播種性血管内凝固症候群は、一般的には、敗血症性ショック、ある種のウイルス感染および癌の間に両血管系内で生じ、凝固因子の急速な消費、および脈管構造の至るところで生じて広範な臓器不全を誘発する生命を危うくする血栓の形成を引き起こす全身性凝固によって特徴付けられる。トロンビンは、フィブリンに富む血餅の形成におけるその直接的な役割以外に、脈管構造および血液内の多くの細胞成分に深刻な生体制御学的影響を与えることが報告された(Shuman, M.A., Ann. NY Acad. Sci., 405: 349 (1986))。
Xa因子は、トリプシン様セリンプロテアーゼ群の酵素の一員である。これは、凝固カスケードにおける主要な酵素である。Xa因子および第Va因子のカルシウムイオンおよびリン脂質との一対一の結合により、プロトロンビンはトロンビンに変換させられる。トロンビンは、可溶性血漿タンパク質であるフィブリノーゲンを不溶性フィブリンに変換させることによって、血液凝固のメカニズムにおいて中心的な役割を果たす。該不溶性フィブリンマトリックスは、初期の止血プラグを安定化させるために必要である。多くの有意な疾病状態は異常な止血に関連している。冠動脈脈管構造に関して、確立されたアテローム性動脈硬化性プラークの破裂による異常な血栓形成は急性心筋梗塞および不安定狭心症の主な原因である。閉塞性冠動脈血栓症の血栓溶解療法および経皮経管冠動脈形成術(PTCA)による治療は、共に、直ちに回復させなければならない患部血管の急性血栓性再閉鎖を伴うことが多い。静脈脈管構造に関しては、下肢または腹部に大手術を受けている患者は、高い割合で、患部下肢への血流の減少および肺塞栓症になり易い素因を生じ得る静脈脈管構造における血栓形成を被る。播種性血管内凝固症候群は、一般的には、敗血症性ショック、ある種のウイルス感染および癌の間に両血管系内で生じ、凝固因子の急速な消費、および脈管構造の至るところで生じて広範な臓器不全を誘発する生命を危うくする血栓の形成を引き起こす全身性凝固によって特徴付けられる。トロンビンは、フィブリンに富む血餅の形成におけるその直接的な役割以外に、脈管構造および血液内の多くの細胞成分に深刻な生体制御学的影響を与えることが報告された(Shuman, M.A., Ann. NY Acad. Sci., 405: 349 (1986))。
Xa因子阻害剤は、急性の血管疾患、例えば、急性冠動脈症候群(例えば、心筋梗塞および不安定狭心症の一次予防および二次予防、およびプロトロンビン続発性関連心筋梗塞または心不全)、血栓塞栓症、血栓溶解療法および経皮経管冠動脈形成術に不随する急性血管閉鎖、一過性脳虚血発作、肺塞栓症、深部静脈血栓、末梢動脈閉塞の治療、血管管腔狭小化(再狭窄)の予防、および心房細動に付随する血栓塞栓性現象(例えば、脳卒中)の予防において有用であり得る。また、Xa因子阻害剤は、遺伝学的に動脈血栓症または種々の血栓症にかかりやすい患者および血栓症になりやすい関連疾患(例えば、2型糖尿病)を患っている患者の血栓症および合併症の予防に有用でありうる。トロンビンは、肺線維芽細胞増殖に寄与することが報告されており、かくして、Xa因子阻害剤は、いくつかの肺線維性疾患の治療に有用である。また、Xa因子阻害剤は、凝固を抑制し、かくして、フィブリン沈着およびそれと同時に起こる転移の促進を防止しすることにより、腫瘍転移の治療にも有用でありうる。また、Xa因子阻害剤は、プロテアーゼ活性化受容体(PAR1および2)のFXa介在活性化を阻害することにより、抗炎症剤としても有用性を有しうる。また、Xa因子阻害剤は、血小板活性化を抑制することにより、抗アテローム性動脈硬化剤として有用性を有しうる。トロンビンは、神経突起退縮を誘発し得、かくして、Xa因子阻害剤は、パーキンソン病およびアルツハイマー病のような神経性疾患において有用であり得る。また、Xa因子阻害剤は、全血の調製、貯蔵、分別または使用に関連して、抗凝固剤として有用性を有しうる。それらは、また、血栓溶解剤と組み合わせて使用して低用量での血栓溶解剤の使用を可能にすることも報告されている。
発明の記載
本発明は、式(I):
[式中:
R1は:
(各々の環は、さらなるヘテロ原子Nを含有していてもよく;
Zは、任意の置換基ハロゲンであり;
alkは、アルキレンまたはアルケニレンであり;
Tは、S、OまたはNHである)
から選択される基であり;
R2は、水素、−C1−6アルキル、−C1−3アルキルCONRaRb、−C1−3アルキルCO2C1−4アルキル、−CO2C1−4アルキルまたは−C1−3アルキルCO2Hであり;
RaおよびRbは、独立して、水素、−C1−6アルキルであるか、あるいはそれらが結合しているN原子と一緒になって、−C1−4アルキルにより置換されていてもよい、付加的なO、NまたはSから選択されるヘテロ原子を含有していてもよい5、6または7員の非芳香族ヘテロサイクリック環を形成し、ここに、Sヘテロ原子は、Oにより置換されていてもよく、すなわち、S(O)nであり;
nは、0〜2であり;
Xは、ハロゲン、−C1−4アルキル、−C2−4アルケニル、−CN、−CF3、−NRaRb、−C0−4アルキルORe、−C(O)Rfおよび−C(O)NRaRbから選択される0〜2個の基により置換されていてもよい、フェニル、またはO、NまたはSから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有する5−または6員の芳香族ヘテロサイクリック基であり;
Reは、水素または−C1−6アルキルであり;
Rfは、−C1−6アルキルであり;
Yは、−C1−2アルキルNRcRd基により置換されている、フェニル、またはO、NまたはSから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有する5または6員の芳香族ヘテロサイクリック基であり;
RcおよびRdは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、ハロゲン、OHまたは−OC1−6アルキルにより置換されていてもよい4員のヘテロサイクリック環あるいはOH、−OC1−6アルキルまたは1〜2ハロゲンにより置換されている5または6員の非芳香族ヘテロサイクリック環を形成する:ただし、置換基は、ヘテロ原子に隣接する環炭素原子に結合しない]
で示される化合物および/またはその医薬上許容される誘導体を提供する。
本発明は、式(I):
R1は:
Zは、任意の置換基ハロゲンであり;
alkは、アルキレンまたはアルケニレンであり;
Tは、S、OまたはNHである)
から選択される基であり;
R2は、水素、−C1−6アルキル、−C1−3アルキルCONRaRb、−C1−3アルキルCO2C1−4アルキル、−CO2C1−4アルキルまたは−C1−3アルキルCO2Hであり;
RaおよびRbは、独立して、水素、−C1−6アルキルであるか、あるいはそれらが結合しているN原子と一緒になって、−C1−4アルキルにより置換されていてもよい、付加的なO、NまたはSから選択されるヘテロ原子を含有していてもよい5、6または7員の非芳香族ヘテロサイクリック環を形成し、ここに、Sヘテロ原子は、Oにより置換されていてもよく、すなわち、S(O)nであり;
nは、0〜2であり;
Xは、ハロゲン、−C1−4アルキル、−C2−4アルケニル、−CN、−CF3、−NRaRb、−C0−4アルキルORe、−C(O)Rfおよび−C(O)NRaRbから選択される0〜2個の基により置換されていてもよい、フェニル、またはO、NまたはSから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有する5−または6員の芳香族ヘテロサイクリック基であり;
Reは、水素または−C1−6アルキルであり;
Rfは、−C1−6アルキルであり;
Yは、−C1−2アルキルNRcRd基により置換されている、フェニル、またはO、NまたはSから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有する5または6員の芳香族ヘテロサイクリック基であり;
RcおよびRdは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、ハロゲン、OHまたは−OC1−6アルキルにより置換されていてもよい4員のヘテロサイクリック環あるいはOH、−OC1−6アルキルまたは1〜2ハロゲンにより置換されている5または6員の非芳香族ヘテロサイクリック環を形成する:ただし、置換基は、ヘテロ原子に隣接する環炭素原子に結合しない]
で示される化合物および/またはその医薬上許容される誘導体を提供する。
本発明のさらなる態様は:
−本発明の化合物を、医薬担体および/または賦形剤と一緒に含む医薬組成物:
−治療において用いるための本発明の化合物:
−Xa因子阻害剤により改善されやすい症状を患っている患者の治療用の医薬の製造における本発明の化合物の使用:
−Xa因子阻害剤により改善されやすい症状を患っている患者の治療方法であって、治療的に有効な量の本発明の化合物を投与することを含む方法:
である。
−本発明の化合物を、医薬担体および/または賦形剤と一緒に含む医薬組成物:
−治療において用いるための本発明の化合物:
−Xa因子阻害剤により改善されやすい症状を患っている患者の治療用の医薬の製造における本発明の化合物の使用:
−Xa因子阻害剤により改善されやすい症状を患っている患者の治療方法であって、治療的に有効な量の本発明の化合物を投与することを含む方法:
である。
本発明の一の態様において、R1は:
[各々の環はさらなるヘテロ原子Nを含有していてもよく;
Zは任意の置換基ハロゲンであり;
alkは、アルキレンまたはアルケニレンであり;
Tは、S、OまたはNHである]
から選択される基である。
Zは任意の置換基ハロゲンであり;
alkは、アルキレンまたはアルケニレンであり;
Tは、S、OまたはNHである]
から選択される基である。
本発明の一の態様において、TはS原子である。
本発明の一の態様において、R2は水素である。
本発明の一の態様において、RaおよびRbは、独立して、水素または−C1−6アルキルである。
本発明の一の態様において、R2は水素である。
本発明の一の態様において、RaおよびRbは、独立して、水素または−C1−6アルキルである。
本発明の一の態様において、Xは、ハロゲン、−C1−4アルキルまたは−NRaRbから選択される0〜2個の基により置換されていてもよい、フェニル、またはO、NまたはSから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有する5または6員の芳香族ヘテロサイクリック基である。他の態様において、Xは、ハロゲンにより置換されているフェニルである。他の態様において、Xは、フッ素により置換されているフェニルである。
本発明の一の態様において、Yは、−CH2NRcRd基により置換されている、O、NまたはSから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有する5または6員の芳香族ヘテロサイクリック基である。
他の態様において、Yは、−CH2NRcRd基により置換されている、O、NまたはSから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有する5員の芳香族ヘテロサイクリック基である。
他の態様において、Yは、−CH2NRcRd基により置換されているイミダゾールである。
他の態様において、Yは、−CH2NRcRd基により置換されているイミダゾールである。
本発明の一の態様において、RcおよびRdは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、ハロゲン、OHまたは−OC1−6アルキルにより置換されていてもよいアゼチジン、あるいは、ハロゲン、OHまたは−OC1−6アルキルから選択される置換基を有するピロリジン環を形成する。
本発明の別の態様において、RcおよびRdは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、ハロゲンまたは−OC1−6アルキルにより置換されていてもよいアゼチジン、あるいはハロゲンから選択される置換基を有するピロリジン環を形成する。
他の態様において、RcおよびRdは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、ハロゲンにより置換されていてもよいアゼチジン、あるいはハロゲンから選択される置換基を有するピロリジン環を形成する。
本発明の別の態様において、RcおよびRdは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、−OC1−6アルキルにより置換されていてもよいアゼチジン、あるいはハロゲンから選択される置換基を有するピロリジン環を形成する。
他の態様において、RcおよびRdは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、−OCH3により置換されていてもよいアゼチジン環、あるいはフッ素置換基を有するピロリジン環を形成する。
本発明が上記した種々の本発明の態様のすべての組み合わせを包含することは理解される。
式(I)で示される化合物は、キラル(不斉)中心を含有する。個々の立体異性体(エナンチオマーおよびジアステレオマー)およびそれらの混合物は、本発明の範囲内に含まれる。本発明の一の態様において、立体化学は、2−オキソピロリジン環の3位で(S)である(*)。
式(I)で示される化合物は、キラル(不斉)中心を含有する。個々の立体異性体(エナンチオマーおよびジアステレオマー)およびそれらの混合物は、本発明の範囲内に含まれる。本発明の一の態様において、立体化学は、2−オキソピロリジン環の3位で(S)である(*)。
本明細書で用いられる場合、「アルキル」なる用語は、直鎖および分枝鎖飽和炭化水素基を意味する。アルキル基の例としては、メチル(−CH3)、エチル(−C2H5)、プロピル(−C3H7)およびブチル(−C4H9)が挙げられる。
本明細書で用いられる場合、「アルキレン」なる用語は、直鎖および分枝鎖の飽和炭化水素リンカー基を意味する。アルキレン基の例としては、メチレン(−CH2−)、エチレン(−CH2CH2−)およびプロピレン(−CH2CH2CH2−)が挙げられる。
本明細書で用いられる場合、「アルキレン」なる用語は、直鎖および分枝鎖の飽和炭化水素リンカー基を意味する。アルキレン基の例としては、メチレン(−CH2−)、エチレン(−CH2CH2−)およびプロピレン(−CH2CH2CH2−)が挙げられる。
本明細書で用いられる場合、「アルケニレン」なる用語は、直鎖および分枝鎖の不飽和炭化水素リンカー基であって、不飽和が、二重結合としてのみ存在する基を意味する。アルケニレン基の例としては、エテニレン(−CH=CH−)およびプロペニレン(−CH2−CH=CH−)が挙げられる。
本明細書で用いられる場合、「ヘテロサイクリック基」なる用語は、窒素、硫黄および酸素原子から選択される1個以上のヘテロ原子を含有する、置換されていてもよい環を意味する。ヘテロサイクルは、芳香族または非芳香族であってもよく、すなわち、飽和、部分的または完全に不飽和であってもよい。5員の基の例としては、チエニル、フラニル、ピロリジニルチアゾリル、オキサゾリルおよびイミダゾリルが挙げられる。6員の基の例としては、ピリジル、ピペリジニル、ピリミジニルおよびモルホリニルが挙げられる。7員の基の例としては、ヘキサメチレンイミニルが挙げられる。ある種のヘテロサイクリック基、例えば、チエニル、フラニル、チアゾリル、オキサゾリル、ピリジルおよびピリミジニルは、分子の他の部にC−結合していてもよい。他のヘテロサイクリック基、例えばピロリジニル、イミダゾリル、ピペリジル、モルホリニルおよびヘキサメチレンイミニルは、分子の他の部分にC結合またはN結合していてもよい。
本明細書で用いられる場合、「ハロゲン」なる用語は、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素から選択される原子を意味する。
本明細書で用いられる場合、「医薬上許容される」なる用語は、医薬的使用に適した化合物を意味する。
本明細書で使用する場合、「医薬上許容される誘導体」なる用語は、レシピエントに投与されると式(I)で示される化合物またはその活性代謝物もしくは残基を(直接または間接的に)提供する能力を有する式(I)で示される化合物の医薬上許容される塩、溶媒和物、またはプロドラッグ、例えば、エステルまたはカルバメート、またはかかるプロドラッグの塩もしくは溶媒和物を意味する。好ましい医薬上許容される誘導体は、塩、溶媒和物、エステルおよびカルバメートである。特に好ましい医薬上許容される誘導体は、塩、溶媒和物およびエステルである。最も好ましい医薬上許容される誘導体は塩および溶媒和物である。
本明細書で使用する場合、「医薬上許容される誘導体」なる用語は、レシピエントに投与されると式(I)で示される化合物またはその活性代謝物もしくは残基を(直接または間接的に)提供する能力を有する式(I)で示される化合物の医薬上許容される塩、溶媒和物、またはプロドラッグ、例えば、エステルまたはカルバメート、またはかかるプロドラッグの塩もしくは溶媒和物を意味する。好ましい医薬上許容される誘導体は、塩、溶媒和物、エステルおよびカルバメートである。特に好ましい医薬上許容される誘導体は、塩、溶媒和物およびエステルである。最も好ましい医薬上許容される誘導体は塩および溶媒和物である。
本発明の適当な塩としては、有機および無機の酸および塩基で形成されるものが挙げられる。医薬上許容される酸付加塩としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸のような鉱酸;ならびにクエン酸、酒石酸、乳酸、ピルビン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、コハク酸、シュウ酸、ギ酸、フマル酸、マレイン酸、オキサロ酢酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸およびイセチオン酸のような有機酸から形成されるものが挙げられる。特に好ましい医薬上許容される塩としては、塩酸、トリフルオロ酢酸およびギ酸から形成される塩が挙げられる。
有機化学の分野における当業者は、多くの有機化合物がそれらを反応させるかまたはそれらを沈殿または結晶化させる溶媒と複合体を形成し得ることを理解するであろう。これらの複合体は、「溶媒和物」として知られている。例えば、水との複合体は、「水和物」として知られている。式(I)で示される化合物の溶媒和物は本発明の範囲内である。
医薬における使用に適当な式(I)で示される化合物の塩および溶媒和物は、対イオンまたは会合溶媒が医薬上許容されるものである。しかしながら、医薬上許容されない対イオンまたは会合溶媒を有する塩および溶媒和物は、例えば、式(I)で示される他の化合物ならびにそれらの医薬上許容される塩および溶媒和物の製造における中間体としての使用に関して、本発明の範囲内である。
本明細書で使用する場合、「プロドラッグ」なる用語は、体内で、例えば、血液中での加水分解により、医薬効果を及ぼすその活性形態に変換される化合物を意味する。医薬上許容されるプロドラッグは、T. Higuchi and V. Stella, Prodrugs as Novel Delivery Systems, Vol. 14 of the A.C.S. Symposium Series, Edward B. Roche. ed., Bioreversible Carriers in Drug Design, American Pharmaceutical Association and Pergamon Press, 1987、および D. Fleisher, S. Ramon and H. Barbra 「Improved oral drug delivery: solubility limitations overcome by the use of prodrugs」, Advanced Drug Delivery Reviews (1996) 19(2) 115-130に記載されている(各々、出典明示により本明細書の記載とする)。
プロドラッグは、該プロドラッグを患者に投与した場合に、構造式(I)で示される化合物をインビボで放出する、いずれもの共有結合した担体である。プロドラッグは、一般的には、修飾が、慣用的な操作またはインビボで開裂され、親化合物を生成するような方法で、官能基を修飾することにより調製される。プロドラッグは、例えば、ヒドロキシルまたはアミン基が、患者に投与さた場合に、開裂してヒドロキシルまたはアミン基を形成するいずれかの基に結合した本発明の化合物である。
エステルは、それ自体で活性であり得、および/または、ヒトの体内でのインビボ条件下で加水分解可能である。適当な医薬上許容されるインビボ加水分解性エステル基としては、ヒトの体内で容易に分解して親酸またはその塩を残すものが挙げられる。エステルは、カルボン酸(−COOH)基またはヒドロキシル(−OH)基のいずれかにおいて、対応するアルコール、酸、酸クロライド、無水物またはアミドとの反応を含む当該分野でよく知られた方法により形成することができる。好ましいエステルは、C1−6アルキルエステル、例えば、メチルエステル、エチルエステル等である。
本発明の好ましい化合物は以下のものを含む:
(1E)−N−(1−{4−[2−(1−アゼチジニルメチル)−1H−イミダゾール−1−イル]−2−フルオロフェニル}−2−オキソ−3−ピロリジニル)−2−(5−クロロ−2−チエニル)−1−プロペン−1−スルホンアミド;
N−(1−{4−[2−(1−アゼチジニルメチル)−1H−イミダゾール−1−イル]−2−フルオロフェニル}−2−オキソ−3−ピロリジニル)−2−(5−クロロ−2−チエニル)エタンスルホンアミド;
N−((3S)−1−{4−[2−(1−アゼチジニルメチル)−1H−イミダゾール−1−イル]−2−フルオロフェニル}−2−オキソ−3−ピロリジニル)−6−クロロ−1−ベンゾチオフェン−2−スルホンアミド;
(E)−2−(5−クロロ−2−チエニル)−N−[1−(2−フルオロ−4−{2−[(3−フルオロ−1−ピロリジニル)メチル]−1H−イミダゾール−1−イル}フェニル)−2−オキソ−3−ピロリジニル]エテンスルホンアミド;
(1E)−2−(5−クロロ−2−チエニル)−N−[1−(2−フルオロ−4−{2−[(3−フルオロ−1−ピロリジニル)メチル]−1H−イミダゾール−1−イル}フェニル)−2−オキソ−3−ピロリジニル]−1−プロペン−1−スルホンアミド;
6−クロロ−N−[1−(2−フルオロ−4−{2−[(3−フルオロ−1−ピロリジニル)メチル]−1H−イミダゾール−1−イル}フェニル)−2−オキソ−3−ピロリジニル]−1−ベンゾチオフェン−2−スルホンアミド;および
6−クロロ−N−{1−[2−フルオロ−4−(2−{[3−(メチルオキシ)−1−アゼチジニル]メチル}−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−2−オキソ−3−ピロリジニル}−1−ベンゾチオフェン−2−スルホンアミドホルメート。
(1E)−N−(1−{4−[2−(1−アゼチジニルメチル)−1H−イミダゾール−1−イル]−2−フルオロフェニル}−2−オキソ−3−ピロリジニル)−2−(5−クロロ−2−チエニル)−1−プロペン−1−スルホンアミド;
N−(1−{4−[2−(1−アゼチジニルメチル)−1H−イミダゾール−1−イル]−2−フルオロフェニル}−2−オキソ−3−ピロリジニル)−2−(5−クロロ−2−チエニル)エタンスルホンアミド;
N−((3S)−1−{4−[2−(1−アゼチジニルメチル)−1H−イミダゾール−1−イル]−2−フルオロフェニル}−2−オキソ−3−ピロリジニル)−6−クロロ−1−ベンゾチオフェン−2−スルホンアミド;
(E)−2−(5−クロロ−2−チエニル)−N−[1−(2−フルオロ−4−{2−[(3−フルオロ−1−ピロリジニル)メチル]−1H−イミダゾール−1−イル}フェニル)−2−オキソ−3−ピロリジニル]エテンスルホンアミド;
(1E)−2−(5−クロロ−2−チエニル)−N−[1−(2−フルオロ−4−{2−[(3−フルオロ−1−ピロリジニル)メチル]−1H−イミダゾール−1−イル}フェニル)−2−オキソ−3−ピロリジニル]−1−プロペン−1−スルホンアミド;
6−クロロ−N−[1−(2−フルオロ−4−{2−[(3−フルオロ−1−ピロリジニル)メチル]−1H−イミダゾール−1−イル}フェニル)−2−オキソ−3−ピロリジニル]−1−ベンゾチオフェン−2−スルホンアミド;および
6−クロロ−N−{1−[2−フルオロ−4−(2−{[3−(メチルオキシ)−1−アゼチジニル]メチル}−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−2−オキソ−3−ピロリジニル}−1−ベンゾチオフェン−2−スルホンアミドホルメート。
本発明の化合物は有利な性質を示すことができ、それらは、類似の公知化合物に比べて、より効果があるか、より高い選択性を示すか、副作用がほとんどないか、作用の持続時間がより長いか、好ましい経路により生物がより利用可能であるか、または、他のより望ましい性質を有し得る。
式(I)で示される化合物は、Xa因子阻害剤であり、Xa因子阻害剤の投与によって寛解され易い臨床症状の治療に有用である。かかる症状としては、急性の血管疾患、例えば、急性冠動脈症候群(例えば、心筋梗塞および不安定狭心症の一次予防および二次予防、およびプロトロンビン続発性関連心筋梗塞および心不全の治療)、血栓塞栓症、血栓溶解療法および経皮経管冠動脈形成術(PTCA)に付随する急性血管閉鎖、一過性脳虚血発作、肺塞栓症、深部静脈血栓、末梢動脈閉塞が挙げられ、また、血管管腔狭小化(再狭窄)の予防、および心房細動に付随する血栓塞栓性現象(例えば、脳卒中)の予防;遺伝学的に動脈血栓症または種々の血栓症にかかりやすい患者および血栓症になりやすい関連疾患(例えば、2型糖尿病)を患っている患者の血栓症および合併症の予防;肺線維症の治療;腫瘍転移の治療;炎症;アテローム性動脈硬化症;パーキンソン病およびアルツハイマー病のような神経性疾患;カサバッハ−メリット症候群;溶血尿毒症症候群;内皮機能不全;例えば、透析、血液濾過、バイパスおよび血液製剤貯蔵における体外血液のための抗凝固剤として;血栓形成のリスクを減少させる際のプロテーゼ、人工弁およびカテーテルのような侵入型デバイスのコーティングにおいても有用である。
したがって、本発明の一の態様は、Xa因子阻害剤を必要とする、医療において使用するための、特に、ヒトを含む哺乳動物における臨床症状の改善において使用するための式(I)で示される化合物および/またはその医薬上許容される誘導体を提供する。
他の態様において、本発明は、Xa因子阻害剤によって改善され易い症状に罹患している、ヒトを含む哺乳動物の治療および/または予防のための方法であって、式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される誘導体の有効量を該対象体に投与することを含む方法を提供する。
他の態様において、本発明は、Xa因子阻害剤によって改善され易い症状の治療用および/または予防用の薬物の製造のための式(I)で示される化合物および/またはその医薬上許容される誘導体の使用を提供する。
本発明の一の態様において、Xa因子阻害剤によって改善され易い症状は、急性冠動脈症候群(例えば、心筋梗塞および不安定狭心症の一次予防および二次予防、およびプロトロンビン続発性関連心筋梗塞および心不全の治療)、肺塞栓症、血栓溶解療法および経皮経管冠動脈形成術に付随する急性血管閉鎖、一過性虚血性発作、肺塞栓症、深部静脈血栓、末梢動脈閉塞症のような急性血管疾患の治療、血管管腔狭小化(再狭窄)の予防および心房細動に付随する血栓塞栓性現象(例えば、脳卒中)の予防から選択される。
他の態様において、Xa因子阻害剤によって改善され易い症状は、急性冠動脈症候群(例えば、心筋梗塞および不安定狭心症の一次予防および二次予防、およびプロトロンビン続発性関連心筋梗塞および心不全の治療)、肺塞栓症、深部静脈血栓の治療、および心房細動に付随する血栓塞栓性現象(例えば、脳卒中)の予防から選択される。
治療には、急性の治療または予防および確立された症状の軽減が挙げられることが理解されるであろう。
治療における使用のために、本発明の化合物をそのままの化学物質として投与することが可能である場合、該活性成分を医薬処方として与えるのが好ましい。
さらなる態様において、本発明は、少なくとも1種類の式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される誘導体、ならびに医薬上許容される担体および/または賦形剤を含む医薬組成物を提供する。該担体および/または賦形剤は、該製剤の他の成分と適合し、かつ、そのレシピエントに有害ではないという意味で「許容」されなければならない。
したがって、本発明は、さらに、少なくとも1種類の式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される誘導体、ならびに医薬上許容される担体および/または賦形剤を含む医薬処方を提供する。該担体および/または賦形剤は、該製剤の他の成分と適合し、かつ、そのレシピエントに有害ではないという意味で「許容」されなければならない。
別の態様において、本発明は、療法において使用するための、特に、Xa因子阻害剤によって改善され易い症状に罹患しているヒトまたは動物対象体の治療において使用するための、活性成分として少なくとも1種類の式(I)で示される化合物および/またはその医薬上許容される誘導体、ならびに医薬上許容される担体および/または賦形剤を含む医薬組成物を提供する。
さらに、本発明は、少なくとも1種類の式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される誘導体を医薬上許容される担体および/または賦形剤と一緒に混合することを含む、医薬組成物の製造方法を提供する。
本発明に従って使用するための化合物は、経口投与、頬側投与、非経口投与、局所投与、直腸投与もしくは経皮投与用に、または(口または鼻のいずれかによる)吸入もしくはインサフレーションによる投与に適した剤形で処方される。
経口投与については、医薬組成物は、例えば、結合剤(例えば、アルファ化トウモロコシデンプン、ポリビニルピロリドンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロース);充填剤(例えば、ラクトース、微結晶性セルロースまたはリン酸水素カルシウム);滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルクまたはシリカ);崩壊剤(例えば、ジャガイモデンプンまたはデンプングリコール酸ナトリウム);または湿潤剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)のような医薬上許容される賦形剤を用いて慣用手段により調製される錠剤またはカプセル剤の剤形を取り得る。錠剤は、当該技術分野にて周知の方法によりコーティングされ得る。経口投与用液体製剤は、例えば、液剤、シロップ剤または懸濁剤の剤形を取り得るか、またはそれらは、使用前に水または他の適当なビヒクルで復元するための乾燥製剤として提供され得る。かかる液体製剤は、好ましくは、懸濁化剤(例えば、ソルビトールシロップ、セルロース誘導体または硬化植物脂肪)、乳化剤(例えば、レシチンまたはアカシア)、非水性ビヒクル(例えば、扁桃油、油性エステル、エチルアルコールまたは精製植物油)、および保存剤(例えば、p−ヒドロキシ安息香酸メチルもしくはプロピル、またはソルビン酸)のような医薬上許容される添加剤を用いて慣用手段によって調製され得る。該製剤は、また、適宜、緩衝塩、フレーバー、着色料および甘味料を含有し得る。
経口投与用製剤は、活性化合物が制御/持続放出されるように適当に処方され得る。
頬側投与に関しては、当該組成物は、慣用手段で処方される錠剤またはロゼンジ剤の剤形を取り得る。
本発明の化合物は、注射による、例えば、ボーラス注射または持続注入による非経口投与のために処方され得る。注射用製剤は、保存剤を添加した、1回投与型剤形で、例えば、アンプルで、または複数回投与容器で提供され得る。当該組成物は、油性または水性ビヒクル中の懸濁剤、液剤または乳剤のような剤形を取り得、懸濁化剤、安定剤および/または分散剤のような処方剤を含有し得る。別法として、活性成分は、使用前に、適当なビヒクル、例えば、滅菌無パイロジェン水で復元するための散剤の剤形であり得る。
本発明の化合物は、インサフレーションおよび吸入による局所投与のために処方され得る。例えば、局所投与のための製剤の種類の例としては、吸入器またはインサフレーターにおいて使用するためのスプレー剤およびエアゾール剤が挙げられる。
外用散剤は、適当な散剤基剤、例えば、ラクトース、タルクまたはデンプンの助けをかりて形成される。スプレー組成物は、水性液剤もしくは懸濁剤として、または適当な噴射剤を使用して定量型吸入器のような加圧パックから送達されるエアゾール剤として処方され得る。
本発明の化合物は、また、例えば、慣用的な坐剤基剤(例えば、カカオ脂または他のグリセリド)を含有する、坐剤または停留浣腸剤のような直腸組成物中に処方され得る。
上記製剤に加えて、当該化合物は、また、デポー製剤として処方され得る。かかる長時間作用性製剤は、埋め込み(例えば、皮下、経皮または筋肉内)により、または筋肉注射により投与され得る。かくして、例えば、本発明の化合物は、適当な高分子物質または疎水性物質(例えば、許容される油中のエマルションとして)またはイオン交換樹脂を用いて、またはやや難溶性の誘導体として、例えば、やや難溶性の塩として処方され得る。
ヒト(体重約70kg)への投与のための本発明の化合物の提唱される投与量は、遊離塩基の重量として表して、1回投与量あたり活性成分0.1mg〜1g、例えば、1mg〜500mgである。該1回投与量は、例えば、1日1〜4回投与され得る。該投与量は投与経路によって異なるであろう。患者の年齢および体重ならびに治療しようとする症状の重篤度によって投与量をルーチン的に変動させる必要があることが理解されよう。該投与量は、投与経路によって異なるであろう。正確な投与量および投与経路は、最終的には、主治医または獣医の裁量による。
式(I)で示される化合物は、また、他の治療剤と組み合わせて使用され得る。かくして、本発明は、さらなる態様において、式(I)で示される化合物および/またはその医薬上許容される誘導体ならびに1種以上のさらなる治療剤を含む組合せを提供する。
式(I)で示される化合物および/またはその医薬上許容される誘導体が、第2の治療剤と組み合わせて使用される場合、各化合物の投与量は、当該化合物が単独で使用される場合のものとは異なってよい。適当な投与量は、当業者によって容易に認識されるであろう。本発明の化合物の、治療に使用するために必要な量は、治療される症状の性質、ならびに患者の年齢および状態によって異なるであろうし、最終的には、主治医または獣医の裁量による。本発明の化合物は、他の抗血栓剤(例えば、トロンビン阻害剤、トロンボキサン受容体アンタゴニスト、プロスタサイクリン模倣薬、ホスホジエステラーゼ阻害剤、フィブリノーゲンアンタゴニスト、血栓溶解剤、例えば、組織プラスミノーゲンアクチベーターおよびストレプトキナーゼ、非ステロイド抗炎症薬、例えば、アスピリン等)、抗高血圧剤(例えば、アンギオテンシン−変換酵素阻害剤、アンギオテンシン−II受容体アンタゴニスト、ACE/NEP阻害剤、β−遮断薬、カルシウムチャンネル遮断薬、PDE阻害剤、アルドステロン遮断薬)、抗−アテローム性動脈硬化/異常脂質血症(例えば、HMG−CoA還元酵素阻害剤)および抗不整脈剤と組み合わせて使用され得る。
上記組合せは、好都合には、医薬処方の剤形で使用するために提供され得、かくして、上記にて定義したような組合せおよび少なくとも1つの医薬上許容される担体および/または賦形剤を含む医薬処方は本発明のさらなる態様を構成する。かかる組合せの個々の成分は、慣用経路により別々のまたは組み合わせた医薬処方において連続的にまたは同時に投与され得る。
投与が逐次的である場合、まず、当該Xa因子阻害剤または第2の治療剤のいずれかを投与することができる。投与が同時である場合、該組合せは、同一または異なる医薬組成物にて投与され得る。
同一の製剤中にて配合される場合、2つの化合物は安定であり、互いにおよび他の処方成分と適合することが理解されよう。別々に処方される場合、それらは、好都合には、当該技術分野においてかかる化合物について知られているような方法で、好都合な処方物にて提供され得る。
式(I)で示される化合物および/またはその医薬上許容される誘導体は、以下に記載する方法により製造され得る。該方法は、本発明のさらなる態様を構成する。以下の記載において、基は、特記しない限り、式(I)で示される化合物について上記にて定義したとおりである。
本発明のさらなる態様により、式(I)で示される化合物の製造方法(A)であって、式(II)で示される化合物またはその酸付加塩を、式(III)で示される化合物(ここに、Vは適当な脱離基、例えばハロゲン化物、例えばクロライドである)と反応させることを含む方法を提供する。式(II)で示される化合物の遊離塩基を用いる場合、反応は、有利には、塩基、例えばピリジンの存在下、適当な溶媒中、例えばアセトニトリル(MeCN)中、適当には0℃〜室温で行われる。式(II)で示される化合物の酸付加塩を用いる場合、反応は、有利には、塩基、例えばN,N−ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)の存在下、適当な溶媒中、例えばMeCN、適当には、0〜室温で行われる。
X−Yが、式(III)で示される化合物に反応性である基を含有する場合、かかる基は、式(II)で示される化合物を式(III)で示される化合物と反応させる前に、当該分野でよく知られた方法を用いて保護し、式(II)で示される化合物と式(III)で示される化合物との反応が完了した後に、かかる保護基を標準的な条件下で除去して、式(I)で示される化合物を得ることができる。
式(III)で示される化合物は、公知の化合物であるか、あるいは、文献において公知の方法または当業者によく知られた方法により調製することができる。
式(III)で示される化合物は、公知の化合物であるか、あるいは、文献において公知の方法または当業者によく知られた方法により調製することができる。
式(II)で示される化合物は、式(IV):
[式中、P1は適当なアミン保護基、例えばBoc(t−ブチルオキシカルボニル)である]
で示される化合物から、標準的な条件下で保護基を除去することにより調製することができる。例えば、P1がBocである場合、保護基の除去は、酸性条件下、例えばTFA(トリフルオロ酢酸)を用いて、溶媒、例えばジクロロメタン(DCM)中、適当には室温にて行われる。
で示される化合物から、標準的な条件下で保護基を除去することにより調製することができる。例えば、P1がBocである場合、保護基の除去は、酸性条件下、例えばTFA(トリフルオロ酢酸)を用いて、溶媒、例えばジクロロメタン(DCM)中、適当には室温にて行われる。
式(IV)で示される化合物は、式(V)で示される化合物を式(VI):
[式中、C1およびC2は、適当なカップリング基、例えば環炭素原子に結合する場合、C1およびC2は、ボロネート[B(OH)2]、ハロゲン化物、例えばヨウダイド(I)、トリフルオロメタンスルホネート(OTf)またはスタンナン、例えばトリアルキルチンであってもよく、P1が上記と同意義である]
で示される化合物と金属触媒カップリングすることにより調製することができる。また、C2は、Yのヘテロ原子に直接結合する場合、水素でありうる。適当な金属触媒は、適当な共溶媒、例えば水を用いてもよい、適当には室温〜150℃の温度範囲で、リガンド、例えばトリフェニルホスフィンおよび塩基、例えば炭酸ナトリウムの存在下でのパラジウム(0)またはその塩である。例えば、C1がB(OH)2であり、C2が臭化物である場合、式(V)で示される化合物と式(VI)で示される化合物とのカップリングは、水性テトラヒドロフラン炭酸ナトリウム中、70〜80℃で、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)を用いて行われる。
で示される化合物と金属触媒カップリングすることにより調製することができる。また、C2は、Yのヘテロ原子に直接結合する場合、水素でありうる。適当な金属触媒は、適当な共溶媒、例えば水を用いてもよい、適当には室温〜150℃の温度範囲で、リガンド、例えばトリフェニルホスフィンおよび塩基、例えば炭酸ナトリウムの存在下でのパラジウム(0)またはその塩である。例えば、C1がB(OH)2であり、C2が臭化物である場合、式(V)で示される化合物と式(VI)で示される化合物とのカップリングは、水性テトラヒドロフラン炭酸ナトリウム中、70〜80℃で、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)を用いて行われる。
式(V)および(VI)で示される化合物におけるカップリング基C1およびC2ならびに金属触媒のある種の組合せが好ましいことが当業者により認識されるであろう。これらの例は、Smith, M.B. and March, J., Advanced Organic Chemistry、5th Edition 2001, John Wiley & Sons において見ることができる。さらにまた、当業者は、また、式(V)および(VI)で示される化合物におけるカップリング基C1およびC2が公知の方法を用いて相互変換され得ることは明らかだろう。
別法として、C2がYのヘテロ原子に直接結合した水素である場合、式(IV)で示される化合物は、式(VI)で示される化合物と式(V)で示される化合物(ここに、C1は、適当なカップリング基、例えばハロゲン化物、例えばヨウ化物であり、P1は、上記と同意義である)との金属触媒カップリングにより調製することができる。適当な金属触媒は、適当なリガンド、例えばトリ−o−トリルホスフィンまたは銅塩、例えばヨウ化銅(I)の存在下、適当なリガンド、例えば8−ヒドロキシキノリンまたはN,N’−ジメチルエチレン−1,2−ジアミンの存在下、溶媒、例えばDMSO、および塩基、例えばナトリウムtert−ブトキシドまたは炭酸カリウムの存在下、適当な共溶媒、例えばトリエチルアミンを用いて、適当には室温〜150℃における、パラジウム(0)またはその塩を含む。例えば、C1がヨウ化物である場合、式(V)で示される化合物と式(VI)で示される化合物とのカップリングは、ヨウ化銅(I)およびリガンド、例えば8−ヒドロキシキノリンまたはN,N’−ジメチルエチレン−1,2−ジアミンを用いて、塩基、例えば炭酸カリウムの存在下、適当な溶媒中、例えばジエチルスルホキシド(DMSO)の存在下、適当には高温で、例えば70〜150℃、例えば100〜130℃で行うことができる。
式(VI)で示される化合物は、化合物または文献において公知の方法または当業者によく知られた方法により調製することができる。
式(VI)で示される化合物は、化合物または文献において公知の方法または当業者によく知られた方法により調製することができる。
式(V)で示される化合物は、式(VII):
[式中、C1は上記と同意義であり、L1は適当な脱離基、例えばヒドロキシルである]で示される化合物から、環化により調製することができる。例えば、L1がヒドロキシル基である場合、閉環は、ミツノブ条件下で、例えば、(i)アリールまたはアルキルホスフィン、例えばトリ−n−ブチルホスフィン、および(ii)適当なアゾジカルボキシレート誘導体、例えば1,1’−(アゾジカルボニル)−ジピペリジンの混合物で、適当な溶媒、例えばTHF(テトラヒドロフラン)中、適当には0℃〜室温で処理することにより行うことができる。
式(VII)で示される化合物は、標準的な保護基により保護されていてもよい式(VII)で示される他の化合物を前駆体として用いて相互変換することにより調製することができることは明らかだろう。例えば、L1がOHである式(VII)で示される化合物は、L1に別の置換基、例えばハロゲン、S+MeRW−またはOSO2Rを有する式(VII)で示される化合物に、当該分野でよく知られた方法(例えば、Smith, M.B. and March, J., Advanced Organic Chemistry, 5th Edition 2001, John Wiley & Sonsを参照)により変換することができる。一般的に、Rは、アルキルまたはアラルキルであり、Wは、スルフェートまたはハロゲン化物、特にヨウ化物であるだろう。かかる場合において、閉環は、適当な溶媒、例えばMeCN中、塩基で処理することにより行うことができる。
L1がヒドロキシル基である式(VII)で示される化合物は、式(VIII)で示される化合物を式(IX):
[式中、P1は、上記と同意義の適当な保護基である]
で示される化合物と反応させることにより調製することができる。反応は、有利には、適当な活性化剤、例えばトリメチルアルミニウムを、適当な溶媒、例えばDCM中の式(IX)で示される化合物に、不活性雰囲気、例えば窒素雰囲気下、適当には室温にて加え、ついで、適合する溶媒、例えばDCM中の式(IX)で示される化合物を加えることにより行うことができる。
式(IX)で示される化合物は、公知の化合物であるか、あるいは文献において公知の方法または当業者によく知られた方法により調製することができる。
で示される化合物と反応させることにより調製することができる。反応は、有利には、適当な活性化剤、例えばトリメチルアルミニウムを、適当な溶媒、例えばDCM中の式(IX)で示される化合物に、不活性雰囲気、例えば窒素雰囲気下、適当には室温にて加え、ついで、適合する溶媒、例えばDCM中の式(IX)で示される化合物を加えることにより行うことができる。
式(IX)で示される化合物は、公知の化合物であるか、あるいは文献において公知の方法または当業者によく知られた方法により調製することができる。
式(VIII)で示される化合物は、HAが適当な酸、例えば塩酸である式(X)で示される化合物から、当業者によく知られた方法を用いて調製することができる。例えば、「Protective groups in organic synthesis」 by T.W. Greene and P.G.M. Wuts (John Wiley & sons 1991)または「Protectin Groups」 by P.J. Kocienski (Georg Thieme Verlag 1994)を参照のこと。
さらに、R2が水素以外の置換基である、式(I)で示される化合物の製造方法(B)であって、R2が水素である式(I)で示される化合物を、式(XI):
[式中、R2は、−C1−6アルキル、−C1−3アルキルCONRaRb、−C1−3アルキルCO2C1−4アルキルまたは−CO2C1−4アルキルであり、Tは、脱離基、例えばヒドロキシル基またはハロゲン化物、例えば臭化物から誘導されるものである]
で示される化合物と反応させ、ついで、任意に、アルキル保護基、例えばt−ブチルを、標準的な条件で除去して、R2がC1−3アルキルCO2Hである化合物を得ることを含む方法を提供する。Tがハロゲン化物である場合、反応は、適当な有機溶媒、例えばTHFまたはDMF中、塩基、例えばLiHMDS(リチウムヘキサメチルジシリルアミド)、炭酸カリウムまたは炭酸ナトリウムの存在下、−78℃〜+50℃の適当な温度範囲、例えば−78℃〜室温で行われる。Tがヒドロキシル基である場合、反応は、ミツノブ条件下(例えば、Hughes, David L. Progress in the Mitsunobu reaction. A review. Organic Preparations and Procedures International (1996), 28(2), 127-64を参照)で行われる。例えば、反応は、R2がHである式(I)で示される化合物を、ポリマー支持体に結合していてもよい、アリールまたはアルキルホスフィン、例えばトリフェニルホスフィンおよびアゾジカルボキシレート誘導体、例えば、ジ−tert−ブチルアゾジカルボキシレートで、適当な溶媒中、例えばTHF(テトラヒドロフラン)中処理し、ついで、TがOHである式(XI)で示される化合物を、所望により適当な溶媒中、例えばTHF中、適当には室温にて添加することにより行うことができる。
で示される化合物と反応させ、ついで、任意に、アルキル保護基、例えばt−ブチルを、標準的な条件で除去して、R2がC1−3アルキルCO2Hである化合物を得ることを含む方法を提供する。Tがハロゲン化物である場合、反応は、適当な有機溶媒、例えばTHFまたはDMF中、塩基、例えばLiHMDS(リチウムヘキサメチルジシリルアミド)、炭酸カリウムまたは炭酸ナトリウムの存在下、−78℃〜+50℃の適当な温度範囲、例えば−78℃〜室温で行われる。Tがヒドロキシル基である場合、反応は、ミツノブ条件下(例えば、Hughes, David L. Progress in the Mitsunobu reaction. A review. Organic Preparations and Procedures International (1996), 28(2), 127-64を参照)で行われる。例えば、反応は、R2がHである式(I)で示される化合物を、ポリマー支持体に結合していてもよい、アリールまたはアルキルホスフィン、例えばトリフェニルホスフィンおよびアゾジカルボキシレート誘導体、例えば、ジ−tert−ブチルアゾジカルボキシレートで、適当な溶媒中、例えばTHF(テトラヒドロフラン)中処理し、ついで、TがOHである式(XI)で示される化合物を、所望により適当な溶媒中、例えばTHF中、適当には室温にて添加することにより行うことができる。
X−Yが式(XI)で示される化合物に対して反応性である場合、かかる基は、当該分野でよく知られた方法を用いて、反応前に保護することができ、R2が水素である式(I)で示される化合物と、式(XI)で示される化合物との反応が完了した後に、かかる保護基を、標準的な条件下で除去して、R2が水素以外の置換基である式(I)で示される化合物を得ることができる。
式(XI)で示される化合物は、公知の化合物であるか、あるいは文献において公知の方法または当業者によく知られた方法により調製することができる。
さらに、水素以外の置換基R2は、当業者によく知られた方法により、種々の中間体の段階において誘導することができることは明らかだろう。
式(XI)で示される化合物は、公知の化合物であるか、あるいは文献において公知の方法または当業者によく知られた方法により調製することができる。
さらに、水素以外の置換基R2は、当業者によく知られた方法により、種々の中間体の段階において誘導することができることは明らかだろう。
式(I)で示される化合物またはその溶媒和物を、適当な中間体から、固相化学法により合成することができることは、当業者には明らかだろう。
当業者は、式(I)で示される化合物および/またはその溶媒和物の製造において、分子中の1個またはそれ以上の感受性基を保護して望ましくない副反応を防止することが必須および/または望ましいことを理解するであろう。本発明の使用に適当な保護基は、当業者によく知られており、慣用手段で使用され得る。例えば、「Protective groups in organic synthesis」by T.W. Greene and P.G.M. Wuts (John Wiley & sons 1991)または「Protecting Groups」by P.J. Kocienski(Georg Thieme Verlag 1994)を参照。適当なアミノ保護基の例としては、アシル型保護基(例えば、ホルミル、トリフルオロアセチル、アセチル)、芳香族ウレタン型保護基(例えば、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)および置換Cbz)、脂肪族ウレタン型保護基(例えば、9−フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)、t−ブチルオキシカルボニル(Boc)、イソプロピルオキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボニル)およびアルキルまたはアラルキル型保護基(例えば、ベンジル、トリチル、クロロトリチル)が挙げられる。適当なヒドロキシル保護基の例としては、例えば、トリメチルシリルまたはtert−ブチルジメチルシリルのようなアルキルシリル基;テトラヒドロピラニルまたはtert−ブチルのようなアルキルエーテル;またはアセテートのようなエステルが挙げられる。カルボン酸保護基の例としては、アラルキル基、例えばベンジルまたはアルキル基、例えばt−ブチルが挙げられる。
式(II)、(IV)および(V)で示されるある種の化合物を包含するがそれらに限定されない、上記方法で使用される種々の中間化合物は、本発明のさらなる態様を構成する。
ここで、如何なる場合も本発明の範囲を限定しようとするものではない以下の実施例により本発明をさらに例示する。
本明細書にて引用した特許および特許出願を包含するがこれらに限定されない全ての刊行物は、個々の刊行物が十分に開示されているかの如く具体的かつ個別的に出典明示により本明細書の一部とすることが明示されているかのように出典明示により本明細書の一部とする。
実施例
略号
THF テトラヒドロフラン
DCM ジクロロメタン
CBZ カルボベンジルオキシ
m マルチプレット
q カルテット
s シングレット
t トリプレット
d ダブレット
dd ダブルダブレット
略号
THF テトラヒドロフラン
DCM ジクロロメタン
CBZ カルボベンジルオキシ
m マルチプレット
q カルテット
s シングレット
t トリプレット
d ダブレット
dd ダブルダブレット
中間体1
1,1−ジメチルエチル((1S)−1−{[(2−フルオロ−4−ヨウドフェニル)アミノ]カルボニル}−3−ヒドロキシプロピル)−カルバメート
無水DCM(40ml)中の2−フルオロ−4−ヨウドアニリン(7.11g)の溶液を、N2雰囲気下0℃で、トリメチルアルミニウム(ヘプタン中2N;15ml)を滴下して処理した。混合物を、30分間撹拌し、ついで、無水DCM(35ml)中の1,1−ジメチルエチル[(3S)−2−オキソテトラヒドロ−3−フラニル]カルバメート(5.03g)の溶液を滴下した。反応を常温に加温し、18時間撹拌し、ついで、10%のクエン酸水溶液(10ml)でクエンチした。ついで、飽和酒石酸カリウムナトリウム水溶液(100ml)を撹拌しながら加え、ついで、有機および水層を分離した。有機層を、乾燥し(硫酸マグネシウムで)、減圧下で濃縮した。残渣を、Biotage(登録商標)クロマトグラフィー(シリカ、シクロヘキサン:酢酸エチル 3:2で溶出)を用いて精製して、灰白色固体を得、これは、出発物質および標題化合物の分離できない混合物(c.1:2)(5.55g)であった。
質量スペクトル:実測値:MH+439
無水DCM(40ml)中の2−フルオロ−4−ヨウドアニリン(7.11g)の溶液を、N2雰囲気下0℃で、トリメチルアルミニウム(ヘプタン中2N;15ml)を滴下して処理した。混合物を、30分間撹拌し、ついで、無水DCM(35ml)中の1,1−ジメチルエチル[(3S)−2−オキソテトラヒドロ−3−フラニル]カルバメート(5.03g)の溶液を滴下した。反応を常温に加温し、18時間撹拌し、ついで、10%のクエン酸水溶液(10ml)でクエンチした。ついで、飽和酒石酸カリウムナトリウム水溶液(100ml)を撹拌しながら加え、ついで、有機および水層を分離した。有機層を、乾燥し(硫酸マグネシウムで)、減圧下で濃縮した。残渣を、Biotage(登録商標)クロマトグラフィー(シリカ、シクロヘキサン:酢酸エチル 3:2で溶出)を用いて精製して、灰白色固体を得、これは、出発物質および標題化合物の分離できない混合物(c.1:2)(5.55g)であった。
質量スペクトル:実測値:MH+439
中間体2
1,1−ジメチルエチル[(3S)−1−(2−フルオロ−4−ヨウドフェニル)−2−オキソ−3−ピロリジニル]カルバメート
無水THF(100ml)中の粗中間体1(5.55g)およびトリ−n−ブチルホスフィン(3.49ml)の溶液に、N2雰囲気下0℃で、固体1,1’−(アゾジカルボニル)−ジピペリジン(3.53g)を加えた。溶液を常温に加温し、18時間撹拌した。ついで、混合物をシクロヘキサン(100ml)で希釈し、沈殿を濾過した。ついで、濾液を減圧下で濃縮し、残渣を、Biotage(登録商標)クロマトグラフィー(シリカ、シクロヘキサン:酢酸エチル 2:1で溶出)を用いて精製して、標題化合物(2.93g)を白色固体として得た。
質量スペクトル:実測値:MH+421
無水THF(100ml)中の粗中間体1(5.55g)およびトリ−n−ブチルホスフィン(3.49ml)の溶液に、N2雰囲気下0℃で、固体1,1’−(アゾジカルボニル)−ジピペリジン(3.53g)を加えた。溶液を常温に加温し、18時間撹拌した。ついで、混合物をシクロヘキサン(100ml)で希釈し、沈殿を濾過した。ついで、濾液を減圧下で濃縮し、残渣を、Biotage(登録商標)クロマトグラフィー(シリカ、シクロヘキサン:酢酸エチル 2:1で溶出)を用いて精製して、標題化合物(2.93g)を白色固体として得た。
質量スペクトル:実測値:MH+421
中間体3
1,1−ジメチルエチル(1−{4−[2−(1−アゼチジニルメチル)−1H−イミダゾール−1−イル]−2−フルオロフェニル}−2−オキソ−3−ピロリジニル)カルバメート
無水ジメチルスルホキシド(4.8ml)中の中間体2(2g)、中間体5(0.713g)無水炭酸カリウム(0.704g)、8−ヒドロキシキノリン(0.044g)の懸濁液を、窒素雰囲気下大気圧で撹拌した。ヨウ化銅(I)(0.044g)を加え、反応混合物を120℃に加熱し、22時間撹拌した。反応混合物を常温に冷却した。17%の水酸化アンモニウム水溶液を加え、混合物を1時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで抽出した。合した有機層を、17%の水酸化アンモニウム水溶液で洗浄し、乾燥し(硫酸マグネシウムで)、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、SPE(シリカ、DCM、ジエチルエーテル、酢酸エチルおよびメタノールで溶出)を用いて精製して、標題化合物(0.467g)をベージュ色の泡沫体様固体として得た。
質量スペクトル:実測値:MH+430
無水ジメチルスルホキシド(4.8ml)中の中間体2(2g)、中間体5(0.713g)無水炭酸カリウム(0.704g)、8−ヒドロキシキノリン(0.044g)の懸濁液を、窒素雰囲気下大気圧で撹拌した。ヨウ化銅(I)(0.044g)を加え、反応混合物を120℃に加熱し、22時間撹拌した。反応混合物を常温に冷却した。17%の水酸化アンモニウム水溶液を加え、混合物を1時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで抽出した。合した有機層を、17%の水酸化アンモニウム水溶液で洗浄し、乾燥し(硫酸マグネシウムで)、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、SPE(シリカ、DCM、ジエチルエーテル、酢酸エチルおよびメタノールで溶出)を用いて精製して、標題化合物(0.467g)をベージュ色の泡沫体様固体として得た。
質量スペクトル:実測値:MH+430
中間体4
3−アミノ−1−{4−[2−(1−アゼチジニルメチル)−1H−イミダゾール−1−イル]−2−フルオロフェニル}−2−ピロリジノン
中間体3(0.467g)を無水DCM(6ml)中に溶解し、トリフルオロ酢酸(6ml)を加えた。得られた混合物を、大気圧で3時間撹拌し、ついで、減圧下で濃縮した。残渣をDCMと共沸させ、ついで、SPE(シリカ、メタノール、メタノール:20%のアンモニア水溶液で溶出)を用いて精製して、標題化合物(0.292g)を淡桃色泡沫体として得た。
質量スペクトル:実測値:MH+330
中間体3(0.467g)を無水DCM(6ml)中に溶解し、トリフルオロ酢酸(6ml)を加えた。得られた混合物を、大気圧で3時間撹拌し、ついで、減圧下で濃縮した。残渣をDCMと共沸させ、ついで、SPE(シリカ、メタノール、メタノール:20%のアンモニア水溶液で溶出)を用いて精製して、標題化合物(0.292g)を淡桃色泡沫体として得た。
質量スペクトル:実測値:MH+330
中間体5
2−(1−アゼチジニルメチル)−1H−イミダゾール
無水テトラヒドロフラン(180ml)中の2−イミダゾールカルボキシアルデヒド(3.0g)およびアゼチジン塩酸塩(3.21g)の混合物に、ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(9.99g)、ついで、氷酢酸(1.72ml)を加えた。得られた混合物を室温にて22時間撹拌し、ついで、不溶性物質を濾過し、酢酸エチルで洗浄した。濾液を減圧下で濃縮し、残渣を、シリカSPE(DCM、メタノール、メタノール:20%のアンモニア水溶液で溶出)を用いて精製して、標題化合物(2.63g)をベージュの固体として得た。
ガスクロマトグラフィー質量スペクトル:実測値:MH+138
無水テトラヒドロフラン(180ml)中の2−イミダゾールカルボキシアルデヒド(3.0g)およびアゼチジン塩酸塩(3.21g)の混合物に、ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(9.99g)、ついで、氷酢酸(1.72ml)を加えた。得られた混合物を室温にて22時間撹拌し、ついで、不溶性物質を濾過し、酢酸エチルで洗浄した。濾液を減圧下で濃縮し、残渣を、シリカSPE(DCM、メタノール、メタノール:20%のアンモニア水溶液で溶出)を用いて精製して、標題化合物(2.63g)をベージュの固体として得た。
ガスクロマトグラフィー質量スペクトル:実測値:MH+138
中間体6
2−(2−ブロモエチル)−5−クロロチオフェン
無水THF(150ml)中の2−(5−クロロ−2−チエニル)−エタノール*(12.2g)およびトリフェニルホスフィン(21.4g)の溶液n、0℃で、三臭化炭素(27.5g)を加えた。反応物を5℃で15分間、ついで、室温にて2.5時間撹拌した。エーテルを加え、ついで、反応物を濾過し、濾液濃縮した。得られた残渣を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、シクロヘキサン:DCM 8:1で溶出)により精製して、標題化合物(15g)を油として得た。
1H NMR (CDCl3):δ3.27(2H,t),3.53(2H,t),6.66(1H,d),6.76(1H,d)
* Schick et al., J.Amer. Chem. Soc., 70, 1948, 1646
無水THF(150ml)中の2−(5−クロロ−2−チエニル)−エタノール*(12.2g)およびトリフェニルホスフィン(21.4g)の溶液n、0℃で、三臭化炭素(27.5g)を加えた。反応物を5℃で15分間、ついで、室温にて2.5時間撹拌した。エーテルを加え、ついで、反応物を濾過し、濾液濃縮した。得られた残渣を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、シクロヘキサン:DCM 8:1で溶出)により精製して、標題化合物(15g)を油として得た。
1H NMR (CDCl3):δ3.27(2H,t),3.53(2H,t),6.66(1H,d),6.76(1H,d)
* Schick et al., J.Amer. Chem. Soc., 70, 1948, 1646
中間体7
2−(5−クロロ−2−チエニル)エタンスルホニルクロライド
アセトン(125ml)中の中間体6(14g)の撹拌溶液に、亜硫酸ナトリウムの水溶液(125mlの水中10.5g)を加えた。反応物を18時間加熱還流し、ついで、濃縮して、桃色固体を得、これを減圧下50℃で18時間乾燥した。オキシ塩化リン(90ml)中に塩の懸濁液を、150℃で2.5時間加熱した。反応物を濃縮し、DCMおよび水を加えて残渣を得た。有機部を回収し、濃縮し、得られた油を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、石油エーテル:トルエン 7:3で溶出)により精製して、標題化合物(12.47g)を褐色油として得た。
1H NMR ,CDCl3:δ3.70(2H,m),3.22(2H,m),6.72(1H,d),6.79(1H,d)
アセトン(125ml)中の中間体6(14g)の撹拌溶液に、亜硫酸ナトリウムの水溶液(125mlの水中10.5g)を加えた。反応物を18時間加熱還流し、ついで、濃縮して、桃色固体を得、これを減圧下50℃で18時間乾燥した。オキシ塩化リン(90ml)中に塩の懸濁液を、150℃で2.5時間加熱した。反応物を濃縮し、DCMおよび水を加えて残渣を得た。有機部を回収し、濃縮し、得られた油を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、石油エーテル:トルエン 7:3で溶出)により精製して、標題化合物(12.47g)を褐色油として得た。
1H NMR ,CDCl3:δ3.70(2H,m),3.22(2H,m),6.72(1H,d),6.79(1H,d)
中間体8
2−(5−クロロ−2−チエニル)−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸エチル
THF(20ml)中のメタンスルホン酸エチル(4.97g)の溶液を、リチウムヘキサメチルジシリルアミドの溶液(42.0mlのTHF中の1M溶液および20mlのTHF)に、−78℃窒素雰囲気下で滴下し、溶液を30分間撹拌した。THF(70ml)中の2−アセチル−5−クロロチオフェン(6.75g)の溶液を15分にわたって加え、温度を−78℃に90分間維持した。反応を飽和塩化アンモニウム水溶液でクエンチし、混合物酢酸エチルで抽出した。合した有機フラクションを、ブラインで洗浄し、乾燥し(硫酸マグネシウムで)、減圧下で濃縮して、粗油を得、Biotage(登録商標)クロマトグラフィー(シリカ、エーテル−シクロヘキサン 1:3で溶出)により精製して、標題化合物(10.9g)を無色の油として得た。
1H NMR (CDCl3):δ6.79(1H,d),6.73(1H,d),4.26(2H,m),4.14(1H,s),3.32(1H,d),3.52(1H,d),1.8(3H,s),1.36(3H,t)
THF(20ml)中のメタンスルホン酸エチル(4.97g)の溶液を、リチウムヘキサメチルジシリルアミドの溶液(42.0mlのTHF中の1M溶液および20mlのTHF)に、−78℃窒素雰囲気下で滴下し、溶液を30分間撹拌した。THF(70ml)中の2−アセチル−5−クロロチオフェン(6.75g)の溶液を15分にわたって加え、温度を−78℃に90分間維持した。反応を飽和塩化アンモニウム水溶液でクエンチし、混合物酢酸エチルで抽出した。合した有機フラクションを、ブラインで洗浄し、乾燥し(硫酸マグネシウムで)、減圧下で濃縮して、粗油を得、Biotage(登録商標)クロマトグラフィー(シリカ、エーテル−シクロヘキサン 1:3で溶出)により精製して、標題化合物(10.9g)を無色の油として得た。
1H NMR (CDCl3):δ6.79(1H,d),6.73(1H,d),4.26(2H,m),4.14(1H,s),3.32(1H,d),3.52(1H,d),1.8(3H,s),1.36(3H,t)
中間体9
(1E)−2−(5−クロロ−2−チエニル)−1−プロペン−1−スルホン酸エチル
DCM(300ml)中の中間体8(10.9g)の溶液を、窒素雰囲気下で0℃に冷却し、これにメタンスルホン酸(15.0ml)を滴下した。90分間撹拌した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、ついで、水およびブラインを加えた。層を分離し、水層をDCMで逆抽出し、有機フラクションを合し、ブラインで洗浄し、乾燥し(硫酸マグネシウムで)、減圧下で濃縮した。粗混合物を、Biotage(登録商標)クロマトグラフィー(シリカ、クロロホルムおよびシクロヘキサン中15%のtert−ブチルメチルエーテルで溶出)を用いて精製して、標題化合物(2.9g)を白色結晶性固体として得た。
1H NMR (CDCl3):δ7.16(1H,d),6.92(1H,d),6.47(1H,d)4.26(2H,q),2.50(3H,d),1.42(3H,t)
DCM(300ml)中の中間体8(10.9g)の溶液を、窒素雰囲気下で0℃に冷却し、これにメタンスルホン酸(15.0ml)を滴下した。90分間撹拌した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、ついで、水およびブラインを加えた。層を分離し、水層をDCMで逆抽出し、有機フラクションを合し、ブラインで洗浄し、乾燥し(硫酸マグネシウムで)、減圧下で濃縮した。粗混合物を、Biotage(登録商標)クロマトグラフィー(シリカ、クロロホルムおよびシクロヘキサン中15%のtert−ブチルメチルエーテルで溶出)を用いて精製して、標題化合物(2.9g)を白色結晶性固体として得た。
1H NMR (CDCl3):δ7.16(1H,d),6.92(1H,d),6.47(1H,d)4.26(2H,q),2.50(3H,d),1.42(3H,t)
中間体10
(1E)−2−(5−クロロ−2−チエニル)−1−プロペン−1−スルホニルクロライド
テトラブチルアンモニウムヨウダイド(4.03g)を、アセトン(180ml)中の中間体9(2.9g)の溶液に、窒素雰囲気下で加え、溶液を17時間加熱還流した。溶液を冷却し、減圧下で濃縮して、黄褐色固体を得た。これをオキシ塩化リン(30ml)中で室温にて3.5時間撹拌し、ついで、減圧下で揮発性物質を除去し、残渣を2回トルエンと共沸させた。残渣を、Biotage(登録商標)クロマトグラフィー(シリカ、シクロヘキサンおよびシクロヘキサン:ジエチルエーテル 1:1で溶出)を用いて精製して、標題化合物(2.1g)を黄色結晶性固体として得た。
1H NMR (CDCl3):δ7.31(1H,d),6.99(1H,d),6.96(1H,q),2.64(3H,d)
テトラブチルアンモニウムヨウダイド(4.03g)を、アセトン(180ml)中の中間体9(2.9g)の溶液に、窒素雰囲気下で加え、溶液を17時間加熱還流した。溶液を冷却し、減圧下で濃縮して、黄褐色固体を得た。これをオキシ塩化リン(30ml)中で室温にて3.5時間撹拌し、ついで、減圧下で揮発性物質を除去し、残渣を2回トルエンと共沸させた。残渣を、Biotage(登録商標)クロマトグラフィー(シリカ、シクロヘキサンおよびシクロヘキサン:ジエチルエーテル 1:1で溶出)を用いて精製して、標題化合物(2.1g)を黄色結晶性固体として得た。
1H NMR (CDCl3):δ7.31(1H,d),6.99(1H,d),6.96(1H,q),2.64(3H,d)
中間体11
1,1−ジメチルエチル[1−(2−フルオロ−4−{2−[(3−フルオロ−1−ピロリジニル)メチル]−1H−イミダゾール−1−イル}フェニル)−2−オキソ−3−ピロリジニル]カルバメート,
中間体2および中間体13から、中間体3に記載の合成方法を用いて標題化合物を調製した。
質量スペクトル:実測値:MH+462
H.p.l.c. Rt2.19分
中間体2および中間体13から、中間体3に記載の合成方法を用いて標題化合物を調製した。
質量スペクトル:実測値:MH+462
H.p.l.c. Rt2.19分
中間体12
3−アミノ−1−(2−フルオロ−4−{2−[(3−フルオロ−1−ピロリジニル)メチル]−1H−イミダゾール−1−イル}フェニル)−2−ピロリジノン
中間体11から、メタノール中の塩化水素で処理することにより、中間体4に記載の合成方法を用いて標題化合物を調製した。
質量スペクトル:実測値:MH+362
中間体11から、メタノール中の塩化水素で処理することにより、中間体4に記載の合成方法を用いて標題化合物を調製した。
質量スペクトル:実測値:MH+362
中間体13
2−[(3−フルオロ−1−ピロリジニル)メチル]−1H−イミダゾール
2−イミダゾールカルボキシアルデヒドおよび3−フルオロピロリジン塩酸塩から、中間体5に記載の合成方法を用いて標題化合物を調製した。
Gasクロマトグラフィー質量スペクトル:実測値:MH+170
2−イミダゾールカルボキシアルデヒドおよび3−フルオロピロリジン塩酸塩から、中間体5に記載の合成方法を用いて標題化合物を調製した。
Gasクロマトグラフィー質量スペクトル:実測値:MH+170
中間体14
2−{[3−(メチルオキシ)−1−アゼチジニル]メチル}−1H−イミダゾール(GSK222768A)
2−イミダゾールカルボキシアルデヒドおよび3−メトキシアゼチジン塩酸塩から、中間体5に記載の合成方法を用いて標題化合物を調製した。
ガスクロマトグラフィー質量スペクトル:実測値:MH+168
2−イミダゾールカルボキシアルデヒドおよび3−メトキシアゼチジン塩酸塩から、中間体5に記載の合成方法を用いて標題化合物を調製した。
ガスクロマトグラフィー質量スペクトル:実測値:MH+168
中間体15
1,1−ジメチルエチル{1−[2−フルオロ−4−(2−{[3−(メチルオキシ)−1−アゼチジニル]メチル}−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−2−オキソ−3−ピロリジニル}カルバメート(GSK243789A)
中間体2および中間体14から、中間体3に記載の合成方法を用いて標題化合物を調製した。
質量スペクトル:実測値:MH+460
中間体2および中間体14から、中間体3に記載の合成方法を用いて標題化合物を調製した。
質量スペクトル:実測値:MH+460
中間体16
3−アミノ−1−[2−フルオロ−4−(2−{[3−(メチルオキシ)−1−アゼチジニル]メチル}−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−2−ピロリジノン(GSK243791A)
中間体15から、中間体4に記載の合成方法を用いて標題化合物を調製した。
質量スペクトル:実測値:MH+360
中間体15から、中間体4に記載の合成方法を用いて標題化合物を調製した。
質量スペクトル:実測値:MH+360
実施例1
(1E)−N−(1−{4−[2−(1−アゼチジニルメチル)−1H−イミダゾール−1−イル]−2−フルオロフェニル}−2−オキソ−3−ピロリジニル)−2−(5−クロロ−2−チエニル)−1−プロペン−1−スルホンアミドホルメート(すなわち、ギ酸(1E)−N−(1−{4−[2−(1−アゼチジニルメチル)−1H−イミダゾール−1−イル]−2−フルオロフェニル}−2−オキソ−3−ピロリジニル)−2−(5−クロロ−2−チエニル)−1−プロペン−1−スルホンアミド(1:1))
中間体4(0.046g)を、室温で無水アセトニトリル(1.5ml)中に溶解した。この溶液に、ピリジン(0.1ml)および中間体10(0.036g)を加えた。反応混合物を、室温にて18時間撹拌し、ついで、減圧下で濃縮した。得られた残渣を、質量指定分取h.p.l.c.により精製して、標題化合物(0.006g)をクリーム色の固体として得た。
質量スペクトル:実測値:MH+550
H.p.l.c. Rt2.47分
1H NMR (MeOD):δ2.18(2H,m),2.28(2H,m),2.49(3H,s),2.66(1H,m),3.76(4H,m),3.89(1H,m),4.07(2H,s),4.46(1H,t),6.98(1H,s),6.98(1H,d),7.11(1H,s),7.28(1H,d),7.37(1H,s),7.41(1H,d),7.57(1H,d),7.66(1H,t),8.41(1H,s)
中間体4(0.046g)を、室温で無水アセトニトリル(1.5ml)中に溶解した。この溶液に、ピリジン(0.1ml)および中間体10(0.036g)を加えた。反応混合物を、室温にて18時間撹拌し、ついで、減圧下で濃縮した。得られた残渣を、質量指定分取h.p.l.c.により精製して、標題化合物(0.006g)をクリーム色の固体として得た。
質量スペクトル:実測値:MH+550
H.p.l.c. Rt2.47分
1H NMR (MeOD):δ2.18(2H,m),2.28(2H,m),2.49(3H,s),2.66(1H,m),3.76(4H,m),3.89(1H,m),4.07(2H,s),4.46(1H,t),6.98(1H,s),6.98(1H,d),7.11(1H,s),7.28(1H,d),7.37(1H,s),7.41(1H,d),7.57(1H,d),7.66(1H,t),8.41(1H,s)
実施例2
N−(1−{4−[2−(1−アゼチジニルメチル)−1H−イミダゾール−1−イル]−2−フルオロフェニル}−2−オキソ−3−ピロリジニル)−2−(5−クロロ−2−チエニル)エタンスルホンアミドホルメート
中間体4および中間体7から、実施例1に記載の合成方法を用いて標題化合物を調製した。
質量スペクトル:実測値:MH+538
H.p.l.c. Rt2.43分
1H NMR (MeOD):δ2.19(2H,m),2.33(2H,m),2.66(1H,m),3.67−3.70(4H,m),3.79(1H,t),3.85−3.95(4H,m),4.18(2H,s),4.50(1H,t),6.78(2H,s),7.12(1H,s),7.39(1H,s),7.41(1H,d),7.56(1H,d),7.68(1H,t),8.38(1H,s)
中間体4および中間体7から、実施例1に記載の合成方法を用いて標題化合物を調製した。
質量スペクトル:実測値:MH+538
H.p.l.c. Rt2.43分
1H NMR (MeOD):δ2.19(2H,m),2.33(2H,m),2.66(1H,m),3.67−3.70(4H,m),3.79(1H,t),3.85−3.95(4H,m),4.18(2H,s),4.50(1H,t),6.78(2H,s),7.12(1H,s),7.39(1H,s),7.41(1H,d),7.56(1H,d),7.68(1H,t),8.38(1H,s)
実施例3
N−((3S)−1−{4−[2−(1−アゼチジニルメチル)−1H−イミダゾール−1−イル]−2−フルオロフェニル}−2−オキソ−3−ピロリジニル)−6−クロロ−1−ベンゾチオフェン−2−スルホンアミドホルメート
中間体4および6−クロロ−1−ベンゾチオフェン−2−スルホニルクロライドから、実施例1に記載の合成方法を用いて標題化合物を調製した。
質量スペクトル:実測値:MH+560
H.p.l.c. Rt2.53分
中間体4および6−クロロ−1−ベンゾチオフェン−2−スルホニルクロライドから、実施例1に記載の合成方法を用いて標題化合物を調製した。
質量スペクトル:実測値:MH+560
H.p.l.c. Rt2.53分
実施例4
(E)−2−(5−クロロ−2−チエニル)−N−[1−(2−フルオロ−4−{2−[(3−フルオロ−1−ピロリジニル)メチル]−1H−イミダゾール−1−イル}フェニル)−2−オキソ−3−ピロリジニル]エテンスルホンアミドホルメート
中間体12および(E)−2−(5−クロロ−2−チエニル)エテンスルホニルクロライドから、実施例1に記載の合成方法を用いて標題化合物を調製した。
質量スペクトル:実測値:MH+568
H.p.l.c. Rt2.57分
中間体12および(E)−2−(5−クロロ−2−チエニル)エテンスルホニルクロライドから、実施例1に記載の合成方法を用いて標題化合物を調製した。
質量スペクトル:実測値:MH+568
H.p.l.c. Rt2.57分
実施例5
(1E)−2−(5−クロロ−2−チエニル)−N−[1−(2−フルオロ−4−{2−[(3−フルオロ−1−ピロリジニル)メチル]−1H−イミダゾール−1−イル}フェニル)−2−オキソ−3−ピロリジニル]−1−プロペン−1−スルホンアミドホルメート
中間体12および中間体10から、実施例1に記載の合成方法を用いて標題化合物を調製した。
質量スペクトル:実測値:MH+582
H.p.l.c. Rt2.56分
中間体12および中間体10から、実施例1に記載の合成方法を用いて標題化合物を調製した。
質量スペクトル:実測値:MH+582
H.p.l.c. Rt2.56分
実施例6
6−クロロ−N−[1−(2−フルオロ−4−{2−[(3−フルオロ−1−ピロリジニル)メチル]−1H−イミダゾール−1−イル}フェニル)−2−オキソ−3−ピロリジニル]−1−ベンゾチオフェン−2−スルホンアミドホルメート
中間体12および6−クロロ−1−ベンゾチオフェン−2−スルホニルクロライドから、実施例1に記載の合成方法を用いて標題化合物を調製した。
質量スペクトル:実測値:MH+592
H.p.l.c. Rt2.64分
中間体12および6−クロロ−1−ベンゾチオフェン−2−スルホニルクロライドから、実施例1に記載の合成方法を用いて標題化合物を調製した。
質量スペクトル:実測値:MH+592
H.p.l.c. Rt2.64分
実施例7
6−クロロ−N−{1−[2−フルオロ−4−(2−{[3−(メチルオキシ)−1−アゼチジニル]メチル}−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−2−オキソ−3−ピロリジニル}−1−ベンゾチオフェン−2−スルホンアミドホルメート
中間体16および6−クロロ−1−ベンゾチオフェン−2−スルホニルクロライドから、実施例1に記載の合成方法を用いて標題化合物調製した。
質量スペクトル:実測値:MH+590
H.p.l.c. Rt2.58分
中間体16および6−クロロ−1−ベンゾチオフェン−2−スルホニルクロライドから、実施例1に記載の合成方法を用いて標題化合物調製した。
質量スペクトル:実測値:MH+590
H.p.l.c. Rt2.58分
Xa因子の阻害についてのインビトロアッセイ
本発明の化合物を、蛍光発生的基質としてRhodamine110、ビス−(CBZ−グリシリルグリシリル−L−アルギニンアミドを使用して蛍光発生性アッセイにおいてヒトXa因子を阻害する能力により測定したそれらのXa因子阻害活性について試験した。ジメチルスルホキシドで10mM原液から化合物を適当な濃度に希釈した。アッセイは、ヒトXa因子(最終濃度0.0003U.ml−1)を含有する、50mMのトリス−HCl、150mMのNaCl、5mMのCaCl2からなるバッファー(pH7.4)を使用して室温で行った。化合物および酵素を15分間プレインキュベートした後、該基質を添加した(最終濃度10μM)。3時間後にH−D−Phe−Pro−Arg−クロロメチルケトンを添加して反応を停止させた。LJL−Analyst蛍光光度計を使用して、485nm励起/535nm発光と共に蛍光をモニターした。ActivityBase(登録商標)およびXLfit(登録商標)を使用してデータを分析してIC50値を得た。
本発明の化合物を、蛍光発生的基質としてRhodamine110、ビス−(CBZ−グリシリルグリシリル−L−アルギニンアミドを使用して蛍光発生性アッセイにおいてヒトXa因子を阻害する能力により測定したそれらのXa因子阻害活性について試験した。ジメチルスルホキシドで10mM原液から化合物を適当な濃度に希釈した。アッセイは、ヒトXa因子(最終濃度0.0003U.ml−1)を含有する、50mMのトリス−HCl、150mMのNaCl、5mMのCaCl2からなるバッファー(pH7.4)を使用して室温で行った。化合物および酵素を15分間プレインキュベートした後、該基質を添加した(最終濃度10μM)。3時間後にH−D−Phe−Pro−Arg−クロロメチルケトンを添加して反応を停止させた。LJL−Analyst蛍光光度計を使用して、485nm励起/535nm発光と共に蛍光をモニターした。ActivityBase(登録商標)およびXLfit(登録商標)を使用してデータを分析してIC50値を得た。
Ki値の算出:
Ki=IC50/(1+[基質]/Km)
上記アッセイについてのKi値は、IC50値を1.6で割ることにより得ることができる。
Ki=IC50/(1+[基質]/Km)
上記アッセイについてのKi値は、IC50値を1.6で割ることにより得ることができる。
すべての合成実施例化合物を、上記したインビトロアッセイにより試験し、Xa因子阻害活性を示した。好ましくは、化合物は、1μM(実施例1、2、3、4、5、6、7)未満のKi値を有する。より好ましくは、化合物は、100nM(実施例1、2、3、4、5、6、7)未満のKi値を有する。最も好ましくは、化合物は、10nM(実施例1、2、5、6、7)未満のKi値を有する。
プロトロンビン時間(PT)の測定方法
本発明の化合物のプロトロンビン時間は、下記アッセイを用いて測定することができる。
血液をクエン酸ナトリウム溶液中に回収して(9:1の割合)、最終濃度0.38%のクエン酸塩を得る。クエン酸処理した血液試料を4℃にて1200×gで20分間遠心分離して血漿を得、使用まで−20℃で貯蔵する。PT分析は、4人の別個のドナー(2人の男性および2人の女性)からプールした血漿を用いて行う。
本発明の化合物のプロトロンビン時間は、下記アッセイを用いて測定することができる。
血液をクエン酸ナトリウム溶液中に回収して(9:1の割合)、最終濃度0.38%のクエン酸塩を得る。クエン酸処理した血液試料を4℃にて1200×gで20分間遠心分離して血漿を得、使用まで−20℃で貯蔵する。PT分析は、4人の別個のドナー(2人の男性および2人の女性)からプールした血漿を用いて行う。
PT試験は、BCS凝固測定装置(BCS Coagulation Analyzer)(Dade Behring)を用いて行う。アッセイに関して、0.03〜100μMの濃度の50μlの血漿含有試験化合物(結晶中1%のDMSOを含有する100μMの貯蔵液から調製した)を、100μlのトロンボプラスチンCプラス(Thromboplastin C Plus)(Dade Behring)と合する。試薬を添加して、405nmでの吸光度を測定し、血餅形成までの時間を測定する(ヒトの血漿に関する正常範囲は10.6〜12.4秒)。
一般的な精製および分析方法
LC/MS法
Supelcosil LCABZ+PLUSカラム(3μm、3.3cm×4.6mmID)にて、水中の0.1%HCO2Hおよび0.01Mの酢酸アンモニウム(溶媒A)、および水中の95%のアセトニトリルおよび0.05%のHCO2H(溶媒B)を用いて、流速3ml/分で、0−0.7分:0%のB;0.7−4.2分:0→100%B;4.2−5.3分:100%のB;5.3−5.5分:100→0%のBの勾配溶離(系1)を使用して溶離して分析HPLCを行った。Fisons VG Platform質量分析計にてエレクトロスプレー陽イオン化法[ES+veでMH+およびM(NH4)+分子イオンを得る]またはエレクトロスプレー陰イオン化法[ES−veで(M−H)−分子イオンを得る]を用いて質量スペクトル(MS)を記録した。
LC/MS法
Supelcosil LCABZ+PLUSカラム(3μm、3.3cm×4.6mmID)にて、水中の0.1%HCO2Hおよび0.01Mの酢酸アンモニウム(溶媒A)、および水中の95%のアセトニトリルおよび0.05%のHCO2H(溶媒B)を用いて、流速3ml/分で、0−0.7分:0%のB;0.7−4.2分:0→100%B;4.2−5.3分:100%のB;5.3−5.5分:100→0%のBの勾配溶離(系1)を使用して溶離して分析HPLCを行った。Fisons VG Platform質量分析計にてエレクトロスプレー陽イオン化法[ES+veでMH+およびM(NH4)+分子イオンを得る]またはエレクトロスプレー陰イオン化法[ES−veで(M−H)−分子イオンを得る]を用いて質量スペクトル(MS)を記録した。
外部標準としてテトラメチルシランを使用し、Bruker DPX 400MHz分光計を使用して1H NMR スペクトルを記録した。
Biotage(登録商標)クロマトグラフィーは、Dyax Corporationにより販売されている装置(Flash 40iまたはFlash 150iのいずれか)、およびKPSilでプレパックされたカートリッジを使用して行われる精製を意味する。
質量指定オートプレップは、水中の0.1%HCO2Hおよび95%MeCN、5%水(0.5%HCO2H)を用いて、流速8ml・分−1で、0−1.0分:5%B;1.0−8.0分:5→30%B;8.0−8.9分:30%B;8.9−9.0分:30→95%B;9.0−9.9分:95%B;9.9−10分:95→0%Bの勾配溶離条件(系2)を使用して、HPLCABZ+5μmカラム(5cm×10mmi.d.)にて高速液体クロマトグラフィーにより物質を精製する方法を意味する。目的の質量の検出時にVG Platform Mass SpectrometerによりGilson202−フラクションコレクターを始動させた。
SPE(固相抽出法)は、International Sorbent Technology Ltd.により販売されているカートリッジを意味する。
GC/MS方法
分析GCMSを、CTC Combipalインジェクタを備えたMicromass GCTで、5%のフェニルメチルシロキサンカラム(30m×0.25mm×0.25um)を用いて行った。80℃〜320℃、50℃/分の温度傾斜を用い(操作時間10分)、ヘリウムガス流1.5ml/分(スプリットインジェクション 1:100)およびコリジョンガスとしてメタンを用いた。
分析GCMSを、CTC Combipalインジェクタを備えたMicromass GCTで、5%のフェニルメチルシロキサンカラム(30m×0.25mm×0.25um)を用いて行った。80℃〜320℃、50℃/分の温度傾斜を用い(操作時間10分)、ヘリウムガス流1.5ml/分(スプリットインジェクション 1:100)およびコリジョンガスとしてメタンを用いた。
Claims (11)
- 式(I):
R1は:
Zは、任意の置換基ハロゲンであり;
alkは、アルキレンまたはアルケニレンであり;
Tは、S、OまたはNHである)
から選択される基であり;
R2は、水素、−C1−6アルキル、−C1−3アルキルCONRaRb、−C1−3アルキルCO2C1−4アルキル、−CO2C1−4アルキルまたは−C1−3アルキルCO2Hであり;
RaおよびRbは、独立して、水素、−C1−6アルキルであるか、あるいはそれらが結合しているN原子と一緒になって、−C1−4アルキルにより置換されていてもよい、付加的なO、NまたはSから選択されるヘテロ原子を含有していてもよい5、6または7員の非芳香族ヘテロサイクリック環を形成し、ここに、Sヘテロ原子は、Oにより置換されていてもよく、すなわち、S(O)nであってもよく;
nは、0〜2であり;
Xは、ハロゲン、−C1−4アルキル、−C2−4アルケニル、−CN、−CF3、−NRaRb、−C0−4アルキルORe、−C(O)Rfおよび−C(O)NRaRbから選択される0〜2個の基により置換されていてもよい、フェニル、またはO、NまたはSから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有する5−または6員の芳香族ヘテロサイクリック基であり;
Reは、水素または−C1−6アルキルであり;
Rfは、−C1−6アルキルであり;
Yは、−C1−2アルキルNRcRd基により置換されている、フェニル、またはO、NまたはSから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有する5または6員の芳香族ヘテロサイクリック基であり;
RcおよびRdは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、ハロゲン、OHまたは−OC1−6アルキルにより置換されていてもよい4員のヘテロサイクリック環あるいはOH、−OC1−6アルキルまたは1〜2ハロゲンにより置換されている5または6員の非芳香族ヘテロサイクリック環を形成する:ただし、置換基は、ヘテロ原子に隣接する環炭素原子に結合しない]
で示される化合物またはその医薬上許容される誘導体。 - R2が水素である、請求項1または請求項2記載の化合物またはその医薬上許容される誘導体。
- Xが、ハロゲン、−C1−4アルキルまたは−NRaRbから選択される0〜2個の基により置換されていてもよい、フェニル、またはO、NまたはSから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有する、5または6員の芳香族ヘテロサイクリック基である請求項1〜3いずれか1項記載の化合物またはその医薬上許容される誘導体。
- Yが、−CH2NRcRd基により置換されている、O、NまたはSから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有する5または6員の芳香族ヘテロサイクリック基である、請求項1〜4いずれか1項記載の化合物またはその医薬上許容される誘導体。
- (1E)−N−(1−{4−[2−(1−アゼチジニルメチル)−1H−イミダゾール−1−イル]−2−フルオロフェニル}−2−オキソ−3−ピロリジニル)−2−(5−クロロ−2−チエニル)−1−プロペン−1−スルホンアミド;
N−(1−{4−[2−(1−アゼチジニルメチル)−1H−イミダゾール−1−イル]−2−フルオロフェニル}−2−オキソ−3−ピロリジニル)−2−(5−クロロ−2−チエニル)エタンスルホンアミド;
N−((3S)−1−{4−[2−(1−アゼチジニルメチル)−1H−イミダゾール−1−イル]−2−フルオロフェニル}−2−オキソ−3−ピロリジニル)−6−クロロ−1−ベンゾチオフェン−2−スルホンアミド;
(E)−2−(5−クロロ−2−チエニル)−N−[1−(2−フルオロ−4−{2−[(3−フルオロ−1−ピロリジニル)メチル]−1H−イミダゾール−1−イル}フェニル)−2−オキソ−3−ピロリジニル]エテンスルホンアミド;
(1E)−2−(5−クロロ−2−チエニル)−N−[1−(2−フルオロ−4−{2−[(3−フルオロ−1−ピロリジニル)メチル]−1H−イミダゾール−1−イル}フェニル)−2−オキソ−3−ピロリジニル]−1−プロペン−1−スルホンアミド;
6−クロロ−N−[1−(2−フルオロ−4−{2−[(3−フルオロ−1−ピロリジニル)メチル]−1H−イミダゾール−1−イル}フェニル)−2−オキソ−3−ピロリジニル]−1−ベンゾチオフェン−2−スルホンアミド;
6−クロロ−N−{1−[2−フルオロ−4−(2−{[3−(メチルオキシ)−1−アゼチジニル]メチル}−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−2−オキソ−3−ピロリジニル}−1−ベンゾチオフェン−2−スルホンアミドホルメート;
から選択される請求項1記載の化合物またはその医薬上許容される誘導体。 - 治療において用いるための、請求項1〜6いずれか1項記載の化合物たはその医薬上許容される誘導体。
- 請求項1〜6いずれか1項記載の化合物および/またはその医薬上許容される誘導体を、少なくとも1個の医薬担体および/または賦形剤と一緒に含む医薬組成物。
- Xa因子阻害剤により改善されやすい症状を患っている患者の治療用の医薬の製造における、請求項1〜6いずれか1項記載の化合物またはその医薬上許容される誘導体の使用。
- Xa因子阻害剤により改善されやすい症状を患っている患者の治療方法方法であって、治療的に有効な量の請求項1〜6いずれか1項記載の化合物および/またはその医薬上許容される誘導体を投与することを含む方法。
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