JP2006523308A - 疎水性相互作用クロマトグラフィー用リガンドの製造法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)用のマルチモードリガンドの製造方法であって、チオール、アミン及びカルボニル基を含む環状骨格を準備する段階と、窒素を、試薬で誘導体化して第一の相互作用を導入する段階と、得られた誘導体をアミノ分解することによってカルボニルに隣接して第二の相互作用を導入する段階とを含み、第一の相互作用及び第二の相互作用の少なくとも一方が疎水性基を含み、前記相互作用がいずれも荷電基、即ちイオン交換リガンドを含まない方法である。本発明は、ベースマトリックスに固定化されたこうしたマルチモードリガンドを含む分離媒体も包含する。

Description

本発明は、疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)など、標的とリガンドの疎水性相互作用に基づく分離のためのリガンド及び媒体の製造法に関する。本発明は、こうしたリガンドを含む分離媒体、並びにタンパク質及びペプチドなどの分子を単離するための、その使用も包含する。
クロマトグラフィーという用語は、密接に関連した一群の分離法を包含する。他の大半の理化学的分離法と区別されるクロマトグラフィーの特徴は、非混和性の2つの相を接触させ、一方の相を固定相とし、他方を移動相とすることである。移動相に導入された試料混合物は、移動相によって系内を運搬される際に固定相と移動相の間で何度も一連の相互作用(分配)を受ける。相互作用は試料中の成分の理化学的性質の差異を利用する。こうした差異が、固定相を収容したカラム内を移動する移動相の影響下での各成分の移動速度を支配する。分離された成分は、固定相との相互作用の低いものから高いものへと順次流出する。妨害の最も少ない成分が最初に溶出し、最も強く保持された物質が最後に溶出する。分離は、試料成分がカラムから溶出する際に、ある成分の流出速度が隣接する溶質のゾーンと重ならないように十分に遅くなった場合に達成される。
タンパク質の分離用に高い関心が寄せられたクロマトグラフィーの1種は、表面疎水性の差に基づく疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)である。タンパク質及びペプチドは、通常、ドメインの疎水性アミノ酸を分子表面から遠くに隔離しているが、それでも通常、固定相に付加した疎水性リガンドと相互作用し得るのに十分な疎水基が露出している。HICの有利な点は、溶出条件が温和なことである。これにより生物活性が保存される。利用できるHIC媒体の1種は、Phenyl Sepharose(登録商標)(Amersham Biosciences(スウェーデン、ウプサラ))など、芳香族相互作用モードに基づくものである。こうした芳香族誘導体化媒体は、例えば、ルイス酸触媒下、アガロースベースマトリックスへのフェニルグリシジルエーテルの固定化によって製造することができる。
利用できるHIC媒体の別の種類は、Butyl Sepharose(登録商標)(Amersham Biosciences(スウェーデン、ウプサラ))など、脂肪族相互作用モードに基づくものである。こうした脂肪族リガンドも、例えば、上記と同様な方法で、但し今回は脂肪族グリシジルエーテルを使用して製造することができる。
疎水性相互作用を利用するが、通常のHICよりはるかに疎水性のベースマトリックスを使用することが多い、別の特殊なクロマトグラフィー法は、逆相クロマトグラフィー(RPC)である。RPCでは、ベースマトリックスは、通常のHICにおけるより耐流れ性も有する。従って、分離時の流速を高くすることができる。RPCにおける溶出は、有機溶媒を使用して行われる。RPC媒体は市販もされている。例えば、Source(登録商標)media(Amersham Biosciences(スウェーデン、ウプサラ))である。
組換えDNA技術の発展と共に、タンパク質は高い関心を引きつけるようになり、その結果、その効率的な精製方法の必要性が高くなった。現在に至るまで、イオン交換は最も普及しているタンパク質精製用クロマトグラフィー法である。タンパク質は固体相との複数の相互作用の可能性がある複合分子であるが、タンパク質の疎水性と他の相互作用の両方を同時に利用できる一般の分離媒体は無い。したがって、かかる1以上の追加の相互作用モードを提供する基を追加したHIC媒体の分野が必要である。その結果、HIC及びRPCで使用するための、こうしたマルチモード媒体を製造する効率的な方法も必要である。
最後に、Feist and Danna (”Sulfhydryl cellulose: A New Medium for Chromatography of Mercurated Polynucleotides”. Patricia L. Feist and Kathleen J. Danna, Biochemistry, 20(15), p. 4243−4246)は、スルフヒドリルセルロースの製造法を開示している。この方法は、アミノエチルセルロースをN−アセチルホモシステインチオラクトンと混ぜる方法を含む。活性スルフヒドリル基の濃度は、スルフヒドリルセルロースをEllman’s試薬と反応させることによって測定する。
国際公開第88/07414号パンフレット(Prometic Biosciences Inc) Feist and Danna ("Sulfhydryl cellulose: A New Medium for Chromatography of Mercurated Polynucleotides". Patricia L. Feist and Kathleen J. Danna, Biochemistry, 20(15), p. 4243−4246) Karger et al., An Introduction into Separation Science, John Wiley & Sons (1973) page 42 S Hjerten: Biochim Biophys Acta 79(2), 393−398 (1964) "Styrene based polymer supports developed by suspension polymerization" (R Arshady: Chimica e L’Industria 70(9), 70−75 (1988)) Immobilized Affinity Ligand Techniques, Hermanson et al, Greg T. Hermanson, A. Krishna Mallia and Paul K. Smith, Academic Press, INC, 1992
本発明の1つの目的は、疎水性相互作用クロマトグラフィー用のリガンドの製造法を提供することである。この方法は、単純で堅調な2工程の合成法である。具体的な目的は、各リガンドに複数の官能基の導入を可能にする方法を提供することである。
本発明の他の目的は、明確に定義されたリガンドを形成する、上記の方法を提供することである。
本発明の別の目的は、所望の置換度で固体坦体上に固定することができる、上記の方法を提供することである。
本発明の以上の目的は、上記請求項のいずれか1以上によって達成できる。本発明のその他の目的、利点及び実施形態は、以下の詳細な説明から明らかであろう。
第一の態様において、本発明は、疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)用の、1以上のマルチモードリガンドの製造方法であって、
(a)一般式(I)で定義される1以上の骨格を準備する段階と、
Figure 2006523308
式中、A、B及びXは互いに独立に炭素原子又はヘテロ原子、例えば酸素、硫黄、窒素及び/又はシリカであり、mは0〜4の整数、例えば1〜3、好ましくは1又は2であり、官能基Nは窒素であって、いずれかのXを置換或いはA、B及びXのいずれかに結合している。
(b)骨格の窒素を、残基Rに結合した反応性基Zを含む試薬で誘導体化して第一の相互作用を導入する段階と、
(c)得られた誘導体をアミノ分解することによってカルボニルとチオールの間で環構造を開環し、カルボニルに隣接して第二の相互作用を導入する段階とを含み、
第一の相互作用及び第二の相互作用の少なくとも一方が疎水性基を含み、前記相互作用がいずれもイオン交換リガンドを含まない方法である。
これに関して、イオン交換リガンドは、クロマトグラフィーで使用される条件下で荷電した化学種に変換される基も含む。したがって、本方法に従って製造されるリガンドでは、前記第一及び第二の相互作用を介する標的化合物とのイオン相互作用は不可能である。前記第一及び第二の相互作用は、同一の標的分子と相互作用し得る基であることも知られている。
定義
「分離媒体」という用語は、本明細書では、例えばクロマトグラフィーカラムの充填材として有用な材料、具体的には、ベースマトリックスに1以上のリガンドが結合したものからなる材料に用いる。ベースマトリックスは担体として作用し、リガンドはクロマトグラフィーで目標物質と相互作用する官能基を与える。
「スペーサー」という用語は、ベースマトリックスからリガンドを離隔するための化学物質に用いる。
「リガンド」という用語は、本明細書では、目標物質に結合し得る化学物質をいう。かかる目標物質は、クロマトグラフィーでの単離又は除去が望まれる化合物でもよいし、或いは分析の目標物質でもよい。
「イオン交換リガンド」という用語は、クロマトグラフィーの吸着相において荷電している基を意味する。
「混成モードのアニオン交換リガンド」及び「マルチモードリガンド」という用語は、結合すべき物質と相互作用する2以上の異なる(ただし、協働的な)部位を与え得るリガンドをいう。これらの部位の一方は、リガンドと目標物質との疎水性相互作用を与える。第二の部位は、通例、電子受容体−供与体相互作用及び/或いは疎水性及び/又は親水性相互作用を与える。電子供与体−受容体相互作用としては、水素結合、π−π、電荷移動、双極子−双極子、誘発双極子などの相互作用が挙げられる。
「電子供与体−受容体相互作用」は、非共有電子対を有する電気陰性原子が供与体として作用し、この供与体の電子対の受容体として作用する電子不足原子に結合することを意味する(例えば、Karger et al., An Introduction into Separation Science, John Wiley & Sons(1973)42頁参照)。典型的な受容体原子/基は、金属イオン、シアノ、ニトロの窒素などの電子不足原子又は基であり、ヒドロキシ及びカルボキシの−OH、アミド及びアミンの−NH−、チオールのHS−などの、電気陰性原子と結合した水素も挙げられる。
したがって、本方法は多数の利点を提供する3官能性骨格の使用に基づく。これにより、異なる相互作用を順次選択的に導入すること、並びにいくつかの追加の相互作用の導入と同時に最後の工程においてチオール基を再生して固体坦体上にさらに固定化することが可能になる。チオール基は高い求核性を有するので、この基を介してのマルチモードリガンドの固定化は、容易に制御且つ分析できるレベルの置換を可能にする均質な媒体を保証する。これらの特定の特徴により、さもなければ官能基を保護及び脱保護する多数の工程を経由して製造されたであろうマルチモードHIC媒体を、より短く、はるかに効率的且つ経済的に製造することが可能になる。
最も有利な実施形態では、式(I)のA、B及びXは炭素原子であり、mは1である。しかしながら当業者が容易に理解している通り、mはもう1つの選択肢として、リガンドの所望の大きさに応じて、5〜500などの4より大きい整数、例えば10〜250又はさらに具体的には50〜100であってもよい。さらに、Nは、分離媒体において通常使用されるようなリンカーを介して環構造に結合されてもよい。このリンカーは、例えば、炭素原子1〜10個など、炭素原子1〜20個の線状、枝分れ、環状の飽和、不飽和又は芳香族炭化水素基を含むことができる。
特定の実施形態では、式(I)の骨格はホモシステインチオラクトンである。当業者がよく理解している通り、ホモシステインチオラクトンは光学的に純粋な形又はラセミ化合物の形で使用することができる。ホモシステインチオラクトンは、例えばAldrichが市販している。カタログNo.H1,580−2及びCAS No.6038−19−3である。
特定の実施形態では、第一の相互作用を提供するために段階(b)で使用される試薬は、一般式(II)で定義される。
−Z−R− (II)
式中、Zは骨格の窒素と反応し得る基である。またRは第一の相互作用を提供する基であり、好ましくは炭素原子数約1〜20、例えば1〜10の線状、枝分れ、環状の飽和、不飽和又は芳香族炭化水素基である。
さらに具体的には、Z基はどんな求電子基を含んでもよく、C=C;C−Yによって例示することができる。式中、Yは、例えばBr、I、Clなどのハロゲン又はメシラート若しくはトシラート基を表す。或いはWC=O若しくはWSOなどの酸若しくは活性酸によって例示することができる。式中、Wは、例えばハロゲン原子、N−ヒドロスクシンイミド、ペンタフルオロフェノール、p−ニトロフェノール又はイソプロピルクロロフォーメートから形成される。
したがって、R基は第一の相互作用を提供する。一実施形態では、Rは芳香族若しくは脂肪族基などの疎水性基を提供する。代替の実施形態では、第二の相互作用が1以上の疎水性基を提供する場合には、Rは、電子受容体−供与体相互作用、水素結合など、標的化合物との追加の相互作用を提供する、使用される吸着条件下で荷電していない任意の他の基を提供する。例えば、Rはヒドロキシ基、ハロゲン、アルコキシ若しくはアリールオキシ及び対応するチオ類似体、並びに/又はアミノ基を保持してもよい。エーテル酸素、チオエーテル硫黄などのある種の用途については、1以上の位置でヘテロ原子が炭素鎖に割り込んでもよい。アミド及びケトンなどのカルボニル基、並びに加水分解に対して同等の安定性を有する他の基もあり得る。最終の分離媒体が、疎水性相互作用クロマトグラフィーで機能し得る全体的に疎水性の全間隔枠を示す限り、Rは事実上どんな基を含んでいてもよい。当業者には自明であろうが、本方法は結合して官能性を有する2以上の部分からなるR基を使用してもよい。したがって、特定の実施形態では、Rは第一の相互作用を可能にする2つの官能基L及びLを提供する。
本発明の一実施形態では、段階(b)はアルキル化、アシル化又はスルホニル化である。有利な実施形態では、段階(b)はアシル化又はスルホニル化、アルキル化とアシル化の組合せ、或いはアルキル化とスルホニル化の組合せを含む。したがって、この段階において2種類の異なる相互作用を導入することができる。
第二の相互作用を提供するために、アミノ分解による開環である上記段階(c)を、第二の相互作用、即ち標的化合物と相互作用し得る1以上の官能基を保持する任意の好適なアミンを添加することによって行う。したがって、段階(b)では、2つの部分、即ち1つはアミン部分及び所望の相互作用を可能にする1以上の官能基を提供するもう1つの部分からなる試薬を添加する。前記相互作用の1以上が疎水性相互作用を提供すること、並びに使用される吸着条件下でこれらはいずれも荷電基ではないことを条件として、第二の相互作用は第一の相互作用に関して上述したものの任意の1つであってもよい。
特的の実施形態では、添加されるアミンは、一般式(II)で定義される。
Figure 2006523308
式中、L及びLは同一又は異なってもよい官能基を含む。
有利な実施形態では、本発明は、段階(c)から得られる生成物のチオールを、反応性基を含むベースマトリックスと反応させる段階(d)も含む。したがって、この実施形態の生成物は、複数のマルチモードリガンドが好適なベースマトリックスに固定化されたHIC用分離媒体である。
段階(d)のベースマトリックスは一般にビーズ状又は一体形状である。ベースマトリックスは、例えばゲル状、好ましくは多孔質ゲル又は多孔質ビーズとすることができる。別の実施形態では、ベースマトリックスは、例えば膜、フィルター、1以上のチップ、面、毛管であってもよい。
本方法の第一の実施形態では、段階(d)のベースマトリックスは天然高分子から作製される。天然高分子の好適な多孔質高分子ビーズは、逆懸濁ゲル化(inverse suspension gelation)(S Hjerten: Biochim Biophys Acta 79(2), 393−398 (1964))又は回転円板法(spinning disk technique)(例えば国際公開第88/07414号パンフレット(Prometic Biosciences Inc)参照)などの常法に従って当業者が容易に行うことができるか、或いはAmersham Biosciences AB(スウェーデン、ウプサラ)などのメーカーから得られる。こうした有用な天然高分子ビーズの商品名の例を挙げると、例えばSepharose(登録商標)又はSephadex(登録商標)として知られている種類がある。
塩濃度を低下させることによって溶出を行う通常のHICに特に好適な有利な実施形態では、ベースマトリックスはアガロースである。特定の実施形態では、リガンドを置換レベル約10〜50、例えば約20μモル/mlベースマトリックスまで粒状ベースマトリックスに固定化してHIC媒体を得る。
本方法の第二の実施形態では、段階(d)のベースマトリックスは、スチレン若しくはスチレン誘導体、ジビニルベンゼン、アクリルアミド、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ビニルエステル、ビニルアミドなどの合成高分子、好ましくは架橋合成高分子から作製される。こうした高分子は、常法に従って容易に製造される。例えば、”Styrene based polymer supports developed by suspension polymerization” (R Arshady: Chimica e L’Industria 70(9), 70−75 (1988))を参照されたい。或いは、Source(登録商標)(Amersham Biosciences AB(スウェーデン、ウプサラ))などの市販の製品を本発明に従って表面変性してもよい。
逆相クロマトグラフィー(RPC)に特に好適な有利な実施形態では、ベースマトリックスは、ジビニルベンゼン及び/又はスチレンなどの高度に疎水性の材料から作製される。特定の実施形態では、リガンドを置換レベル約10〜200、例えば約20〜100、例えば約40μモル/mlベースマトリックスまで粒状ベースマトリックスに固定化してRPC媒体を得る。
一実施形態では、ベースマトリックスの反応性基はアリル基、即ち炭素−炭素二重結合である。したがって、一実施形態では、チオール基はベースマトリックスのアリル基と結合する。
一実施形態では、既にアリル基を有する市販のベースマトリックスが使用される。
別の実施形態では、アリル基は、周知の方法に従って形成される。したがって、一実施形態では、本方法は、ベースマトリックスをアリル化して反応性基を得る段階も含む。本方法は、例えば臭素化によってベースマトリックスの反応性基を活性化する段階も含むことができる。具体的な例として、リガンドのチオール基は、アリルグリシジルエーテル(AGE)のアリル基を介してベースマトリックスと結合する。(固定化技術の一般概要については、例えば、Immobilized Affinity Ligand Techniques, Hermanson et al, Greg T. Hermanson, A. Krishna Mallia and Paul K. Smith, Academic Press, INC, 1992を参照されたい。)
特定の実施形態では、本方法の段階(a)及び(b)は早くから行われ、既誘導体化骨格(ready−derivatised scaffold)が得られている。したがって、本発明は、骨格の誘導体化が早くから、即ち各々段階(c)及び段階(d)のアミノ分解及びベースマトリックスへの固定化とは別に、行われている方法も包含する。
第二の態様では、本発明は、複数のマルチモードリガンドを含む疎水性相互作用クロマトグラフィー用分離媒体の製造におけるホモシステインチオラクトンの使用である。本態様に好適な詳細は、例えば本方法に関して上述した通りである。
第三の態様では、本発明は、複数のマルチモードリガンドを含む疎水性相互作用クロマトグラフィー用分離媒体を製造するためのキットである。このキットは、ホモシステインチオラクトン、1以上の誘導体化剤及び1以上のアミンを別々の区画に備え、さらにこれを使用するための説明書を備えている。別の実施形態では、本キットは、既に誘導体化されたホモシステインチオラクトン及び1以上のアミンを別々の区画に備え、さらにこれを使用するための説明書を備えている。
第四の実施形態では、本発明は、疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)において、両方とも1つの標的分子と相互作用することができる1以上の疎水性基と1以上の別の基を含むという点でマルチモードのリガンドである。相互作用する基に関する詳細は、例えば本方法に関して上述した通りである。特定の実施形態では、本リガンドは、本発明による上記の方法を用いて製造された。
第五の態様では、本発明は、ベースマトリックスに固定化された複数のリガンドを含む分離媒体に関する。この場合、各リガンドは1以上の疎水性基と1以上の別の基を含み、疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)において両方とも1つの標的分子と相互作用することができる。ベースマトリックス並びにその上へのリガンドの固定化に関する詳細は、例えば本方法に関して上述した通りである。特定の実施形態では、本リガンドは、本発明による上記の方法を用いて製造された。
本発明による分離媒体は、上述の通り、通常の疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)においても、或いは逆相クロマトグラフィー(RPC)として知られる特定の種類の疎水性相互作用クロマトグラフィーにおいても好適に使用することができる。本分離媒体の大きな利点は、標的と相互作用することができる複数の官能性基を含んでいることである。これはHICの分野では新規な特徴である。こうした複数の官能性基を設けることによって、改良された吸着が実現し、第一及び第二の相互作用のいずれか或いは両方を選択することによって、その性質を所望通りに選択することができる。
したがって、本方法はマルチモードHIC媒体の適切な製造を可能にするものであり、これは我々の知る限りでは今まで提案されたことがない。さらに、本方法の普遍性は、マルチモードHIC媒体のライブラリー作成への容易なアクセスを提供する。これらのライブラリーは、特定のクロマトグラフィー特性で選別する可能性をもたらす。本発明はこうしたライブラリーも包含する。
最後に、本発明は、本発明による媒体を充填したクロマトグラフィーカラムも包含する。カラムは、大規模生産用又はラボスケール、或いは分析目的に好適なものなど、どんな材料及び大きさのものでもよい。特定の実施形態では、本発明によるカラムは、ルアーアダプター、チューブコネクター及びドームナットを備えている。生体分子単離用のキット使用法を記載している説明書と共に、別々の区画にクロマトグラフィーカラム、本明細書に記載のマルチモードリガンドを含む分離媒体及び場合によっては液体を備えたキットも包含される。
さらに、本発明は、目標物質を液体から分離する方法にも関する。この方法は、ベースマトリックスに固定化された複数のリガンドを含む分離媒体を提供する段階であって、各リガンドが1以上の疎水性基と1以上の別の基を含み、疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)において両方とも1つの標的分子と相互作用することができる段階と、前記媒体を液体と接触させて目標物質をリガンドへ吸着させる段階とを含む。有利な実施形態では、本方法は、標的化合物を分離媒体から脱着させる液体を添加することによって、目標物質を分離媒体から溶出させる段階も含む。目標物質は、例えば、タンパク質、ペプチド、抗体、ウイルス、DNA若しくはRNAなどの核酸、プラスミドなどの生体分子である。上述した目標物質分離用のHICやRPCなどのクロマトグラフィーの一般原理は当分野で周知であり、当業者は本方法を使用するために必要なパラメータを容易に取り入れることができる。
図1は、本発明に従い且つホモシステインチオラクトンを骨格として使用して、マルチモードHIC/RPC媒体の多様なライブラリーをいかにして製造することができるかをスキーム1によって示した図である。マルチモードHICリガンドは、2つの合成工程で効率的に製造される。ここでは、初めに骨格のベンゾイル化によってHIC相互作用が導入される。次いで、任意の適切なアミンによって環構造を開環することによって、追加の相互作用を好都合に導入することができる。こうして得られたマルチモードHICリガンドはすべてチオール基を含み、その後これを使用して、通常の条件下で活性化されたベースマトリックスにリガンドを固定化することができる。
図2は、以下に述べる先行技術の分離媒体Phenyl Sepharose(登録商標)6FF(Amersham Biosciences(スウェーデン、ウプサラ))を用いた、4種のタンパク質(ミオグロビン(1)、リボヌクレアーゼA(2)、α−ラクトアルブミン(3)及びα−キモトリプシン(4))の比較溶出プロファイルを示す図である。
図3は、以下に述べる本発明によるゲル2を用いた、4種のタンパク質(図2で定義したもの)の溶出プロファイルを示す図である。
図4は、以下に述べる本発明によるゲル4bを用いた、4種のタンパク質(図2で定義したもの)の溶出プロファイルを示す図である。
図5は、以下に述べる本発明によるゲル7を用いた、4種のタンパク質(図2で定義したもの)の溶出プロファイルを示す図である。
図6は、以下に述べる本発明によるゲル9を用いた、4種のタンパク質(図2で定義したもの)の溶出プロファイルを示す図である。
図7は、以下に述べる先行技術の分離媒体Phenyl Sepharose(登録商標)HP(Amersham Biosciences(スウェーデン、ウプサラ))を用いた、4種のタンパク質(図2で定義したもの)の比較溶出プロファイルを示す図である。
図8は、以下に述べる本発明によるゲル11を用いた、4種のタンパク質(図2で定義したもの)の溶出プロファイルを示す図である。
さらに具体的には、図2から8は、先行技術の分離媒体(high sub Phenyl Sepharose(登録商標)6 Fast Flow及びPhenyl Sepharose(登録商標)High Performance,Amersham Biosciences(スウェーデン、ウプサラ))(上記)、並びに本発明に従って製造されたマルチモードHIC媒体(下記)を用いた、4種のタンパク質(リボヌクレアーゼ、ミオグロビン、α−キモトリプシン及びα−ラクトアルブミン)の溶出プロファイルを比較した図を示す。試料を同一条件でカラムに通液し、何れの場合も塩濃度を低下させるリニアグラジエントを用いて溶出を行った。通常のフェニル誘導HIC媒体を用いて得られた溶出プロファイルは2つのピークしか示さないが、チオラクトン骨格から本発明に従って製造されたマルチモードリガンドのいくつかは、4種のタンパク質の各々に相当するピークが明瞭に分離されている。
図9は、異なるマルチモード媒体、即ちゲル1、2、4、5、8、10を用いて得られた溶出プロファイルの差を示す。この一連の媒体では、芳香族置換基によって最初に第一の疎水性相互作用を導入し(スキーム1も参照)、次いでこの中間体を、各々並行してジエチレングリコールアミン(ゲル10)、フルフリルアミン(ゲル8)、3−(アミノエチル)ピリジン(ゲル5)、チオフェン−2−メチルアミン(ゲル4a)、ブチルアミン(ゲル2a)、ベンジルアミン(ゲル1)と反応させることによって他の相互作用を得た。デオキシコルチコステロンを同一条件下ですべてのカラムに通液し、何れの場合も有機溶媒の量を上昇させるリニアグラジエントを用いて溶出を行った。デオキシコルチコステロンの溶出において観察された差は、明らかにRPCモードにおける第二の相互作用の影響を強調している。
以下の実施例は、例示を目的としたものにすぎず、特許請求の範囲によって規定される本発明の範囲を限定するものではない。本明細書のいずれかの箇所で引用した文献の記載内容は援用によって本明細書の内容の一部をなす。
D,L−ホモシステインチオラクトンを用いて新しい媒体を生成させる一般的手順
Figure 2006523308
一般的手順
段階1
DL−ホモシステインチオラクトンIaとdi−イソプロピルアミン(DIPEA)のジクロロメタン(DCM)溶液Aを0℃に冷却した。塩化アシル又はスルホニルクロリド又は酸無水物又は活性酸をDCM中に含有する溶液Bを0℃に冷却し、これを0〜5℃に保持した溶液Aに滴下した。この混合物を室温で一晩かき混ぜた。減圧下で溶媒を除去した。必要に応じて、得られた生成物を酢酸エチルに溶解し、クエン酸溶液(10重量%の水溶液)及び炭酸カリウム溶液(10重量%の水溶液)で洗浄してもよい。有機相を水洗した後硫酸ナトリウムで乾燥し、次いで溶媒を蒸発させた。
段階2
得られた生成物をテトラヒドロフラン(THF)に溶解し、10分間窒素を吹き込んで脱気した。この溶液にTHFに溶かしたアミンを室温で加えた。反応混合物をさらに17時間かき混ぜた。減圧下で溶媒を蒸発させた後、酢酸エチル及びクエン酸溶液(10重量%の水溶液)を混合した。有機相を水洗した後硫酸ナトリウムで乾燥し、次いで溶媒を蒸発させた。
必要な場合には、段階3の前に生成物をHPLCによって精製する。
段階3
周知の手段を用いて得られた臭素化Sepharose(登録商標)6 Fast Flowを、段階2で得られた生成物のアルカリ性溶液と混合し、一晩50℃に温めた。反応後、ゲル(1容量)をろ過し、水(15容量×2回)、エタノール(15容量×2回)、0.2M酢酸(15容量×2回)及び水(15容量×2回)で洗浄した。ゲル上のリガンド濃度は、硫黄の元素分析によって測定した。
リガンドの構造及び濃度は以下の表1に要約して示した。
実施例1〜10
異なる基R、R及びRを用いた本発明による分離媒体の生成
以下の実施例は、骨格としてD,L−ホモシステインチオラクトンIa及び既に説明した化学反応(上記のスキーム1参照)を用いている。ホモシステインチオラクトンIaを、塩化アシル、スルホニルクロリド、酸無水物又は活性酸と反応させることによってアミド又はスルホンアミドを形成した後、アミンを用いてチオラクトン環の開環を行う。得られた化合物を、さらに活性化したSepharose(登録商標)6 Fast Flow又は活性化したSepharose(登録商標)High Performanceに結合させる。
表1において、アリル濃度が66μモル/mlのSepharose(登録商標)6 Fast Flowを用いたゲルの結果をa)で示し、一方アリル濃度が31μモル/mlの結果をb)で示した。アリル濃度が115μモル/mlのSepharose(登録商標)High Performanceを用いたゲルの結果はc)で示した。
実施例1
段階1:11.5g(75.0ミリモル)のDL−ホモシステインチオラクトン塩酸塩を、120mlのDCM及び16.1ml(150.0ミリモル)のDIPEAに溶解した。この溶液に、DCM30mlに溶かした8.7ml(75.0ミリモル)の塩化ベンゾイルを、段階1に従って室温でゆっくり加えた。減圧下で溶媒を除去し、酢酸エチル(300ml)を加えた。有機相を、クエン酸溶液(10重量%の水溶液)及び炭酸カリウム溶液(10重量%の水溶液)で洗浄した(100ml×2回)。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥した後溶媒を蒸発させ、13.8gの白色粉末を回収した。収率:83%。
段階2:段階1で得られた220mg(0.98ミリモル)の生成物を7mlのTHFに溶解した。これを脱気した溶液(10分間窒素吹き込み)に、0.533ml(4.9ミリモル)のベンジルアミンを加え、この混合物を室温で16時間かき混ぜた。溶媒を除去し、この粗材料に酢酸エチル(10ml)を加えた。クエン酸溶液(10重量%の水溶液)(5ml×2回)を用いて過剰のアミンを抽出した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥した後溶媒を減圧下で除去した。白色固体を回収した。純度はLC−MSによって求めた(>90%)。
段階3:段階2からの生成物をTHF5mlに溶解した。このリガンド溶液に、1mlの水と2mlの50%NaOHをさらに加えた。
濃度65μモル/mlゲルのアリル化Sepharose(登録商標)6 Fast Flow 6mlを、臭素を用いて活性化しこのリガンドに加えた。反応混合物を50℃で一晩振盪した。次いでこのゲル1を、THF、ジメチルホルムアミド(DMF)、エタノール、水、0.2M酢酸で洗浄した。
乾燥ゲルの元素分析:S%:1.38
(リガンドの計算濃度:29.1μモル/ml)。
実施例2a
段階1:実施例1−段階1に記載のものと同じ手順。
段階2:段階1で得られた220mg(0.98ミリモル)の生成物を7mlのTHFに溶解した。これを脱気した溶液(10分間窒素吹き込み)に、0.482ml(4.9ミリモル)のn−ブチルアミンを加え、この混合物を室温で16時間かき混ぜた。溶媒を除去し、この粗材料に酢酸エチル(10ml)を加えた。クエン酸溶液(10重量%の水溶液)(5ml×2回)を用いて過剰のアミンを抽出した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥した後溶媒を減圧下で除去した。白色固体を回収した。純度はLC−MSによって求めた(>90%)。
段階3:段階2からの生成物をTHF5mlに溶解した。このリガンド溶液に、1mlの水と2mlの50%NaOHをさらに加えた。
濃度65μモル/mlゲルのアリル化Sepharose(登録商標)6 Fast Flow 6mlを、臭素を用いて活性化しこのリガンドに加えた。反応混合物を50℃で一晩振盪した。次いでこのゲル2aを、THF、ジメチルホルムアミド(DMF)、エタノール、水、0.2M酢酸で洗浄した。
乾燥ゲルの元素分析:S%:2.4
(リガンドの計算濃度:53.7μモル/ml)。
実施例2b
段階1:実施例1−段階1に記載のものと同じ手順。
段階2:段階1で得られた82.3mg(0.37ミリモル)の生成物を5mlのTHFに溶解した。これを脱気した溶液(10分間窒素吹き込み)に、0.184ml(1.86ミリモル)のn−ブチルアミンを加え、この混合物を室温で16時間かき混ぜた。溶媒を除去し、この粗材料に酢酸エチル(10ml)を加えた。クエン酸溶液(10重量%の水溶液)(5ml×2回)を用いて過剰のアミンを抽出した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥した後溶媒を減圧下で除去した。白色固体を回収した。純度はLC−MSによって求めた(>90%)。
段階3:段階2からの生成物をTHF5mlに溶解した。このリガンド溶液に、1mlの水と2mlの50%NaOHをさらに加えた。
濃度31μモル/mlゲルのアリル化Sepharose(登録商標)6 Fast Flow 6mlを、臭素を用いて活性化しこのリガンドに加えた。反応混合物を50℃で一晩振盪した。次いでこのゲル2bを、THF、ジメチルホルムアミド(DMF)、エタノール、水、0.2M酢酸で洗浄した。
乾燥ゲルの元素分析:S%:1.47
(リガンドの計算濃度:24.8μモル/ml)。
実施例3
段階1:実施例1−段階1に記載のものと同じ手順。
段階2:段階1で得られた220mg(0.98ミリモル)の生成物を7mlのTHFに溶解した。これを脱気した溶液(10分間窒素吹き込み)に、0.646ml(4.9ミリモル)のn−ヘキシルアミンを加え、この混合物を室温で16時間かき混ぜた。溶媒を除去し、この粗材料に酢酸エチル(10ml)を加えた。クエン酸溶液(10重量%の水溶液)(5ml×2回)を用いて過剰のアミンを抽出した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥した後溶媒を減圧下で除去した。白色固体を回収した。純度はLC−MSによって求めた(>90%)。
段階3:段階2からの生成物をTHF5mlに溶解した。このリガンド溶液に、1mlの水と2mlの50%NaOHをさらに加えた。
濃度65μモル/mlゲルのアリル化Sepharose 6 Fast Flow 6mlを、臭素を用いて活性化しこのリガンドに加えた。反応混合物を50℃で一晩振盪した。次いでこのゲル3を、THF、ジメチルホルムアミド(DMF)、エタノール、水、0.2M酢酸で洗浄した。
乾燥ゲルの元素分析:S%:1.77
(リガンドの計算濃度:41.2μモル/ml)。
実施例4a
段階1:実施例1−段階1に記載のものと同じ手順。
段階2:段階1で得られた220mg(0.98ミリモル)の生成物を7mlのTHFに溶解した。これを脱気した溶液(10分間窒素吹き込み)に、0.500ml(4.9ミリモル)の2−アミノメチルチオフェンを加え、この混合物を室温で16時間かき混ぜた。溶媒を除去し、この粗材料に酢酸エチル(10ml)を加えた。クエン酸溶液(10重量%の水溶液)(5ml×2回)を用いて過剰のアミンを抽出した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥した後溶媒を減圧下で除去した。白色固体を回収した。純度はLC−MSによって求めた(>90%)。
段階3:段階2からの生成物をTHF5mlに溶解した。このリガンド溶液に、1mlの水と2mlの50%NaOHをさらに加えた。
濃度65μモル/mlゲルのアリル化Sepharose(登録商標)6 Fast Flow 6mlを、臭素を用いて活性化しこのリガンドに加えた。反応混合物を50℃で一晩振盪した。次いでこのゲル4aを、THF、ジメチルホルムアミド(DMF)、エタノール、水、0.2M酢酸で洗浄した。
乾燥ゲルの元素分析:S%:4.4
(リガンドの計算濃度:57.0μモル/ml)。
実施例4b
段階1:実施例1−段階1に記載のものと同じ手順。
段階2:段階1で得られた82.3mg(0.37ミリモル)の生成物を5mlのTHFに溶解した。これを脱気した溶液(10分間窒素吹き込み)に、0.191ml(1.86ミリモル)の2−アミノメチルチオフェンを加え、この混合物を室温で16時間かき混ぜた。溶媒を除去し、この粗材料に酢酸エチル(10ml)を加えた。クエン酸溶液(10重量%の水溶液)(5ml×2回)を用いて過剰のアミンを抽出した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥した後溶媒を減圧下で除去した。白色固体を回収した。純度はLC−MSによって求めた(>90%)。
段階3:段階2からの生成物をTHF5mlに溶解した。このリガンド溶液に、1mlの水と2mlの50%NaOHをさらに加えた。
濃度31μモル/mlゲルのアリル化Sepharose(登録商標)6 Fast Flow 6mlを、臭素を用いて活性化しこのリガンドに加えた。反応混合物を50℃で一晩振盪した。次いでこのゲル4bを、THF、ジメチルホルムアミド(DMF)、エタノール、水、0.2M酢酸で洗浄した。
乾燥ゲルの元素分析:S%:1.87
(リガンドの計算濃度:18.3μモル/ml)。
実施例5
段階1:実施例1−段階1に記載のものと同じ手順。
段階2:段階1で得られた220mg(0.98ミリモル)の生成物を7mlのTHFに溶解した。これを脱気した溶液(10分間窒素吹き込み)に、0.496ml(4.9ミリモル)の3−(アミノメチル)ピリジンを加え、この混合物を室温で16時間かき混ぜた。溶媒を除去し、この粗材料に酢酸エチル(10ml)を加えた。10%クエン酸溶液(5ml×2回)を用いて過剰のアミンを抽出した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥した後溶媒を減圧下で除去した。白色固体を回収した。純度はLC−MSによって求めた(>90%)。
段階3:段階2からの生成物をTHF5mlに溶解した。このリガンド溶液に、1mlの水と2mlの50%NaOHをさらに加えた。
濃度65μモル/mlゲルのアリル化Sepharose(登録商標)6 Fast Flow 6mlを、臭素を用いて活性化しこのリガンドに加えた。反応混合物を50℃で一晩振盪した。次いでこのゲル5を、THF、ジメチルホルムアミド(DMF)、エタノール、水、0.2M酢酸で洗浄した。
乾燥ゲルの元素分析:S%:2.1
(リガンドの計算濃度:61.6μモル/ml)。
実施例6
段階1:実施例1−段階1に記載のものと同じ手順。
段階2:段階1で得られた220mg(0.98ミリモル)の生成物を7mlのTHFに溶解した。これを脱気した溶液(10分間窒素吹き込み)に、0.541ml(4.9ミリモル)の1−メチルピペラジンを加え、この混合物を室温で16時間かき混ぜた。溶媒を除去し、逆相HPLC(水/アセトニトリル)によってこの粗材料を精製した。白色固体を回収した。純度はLC−MSによって求めた(>90%)。
段階3:段階2からの生成物をTHF5mlに溶解した。このリガンド溶液に、1mlの水と2mlの50%NaOHをさらに加えた。
濃度65μモル/mlゲルのアリル化Sepharose(登録商標)6 Fast Flow 6mlを、臭素を用いて活性化しこのリガンドに加えた。反応混合物を50℃で一晩振盪した。次いでこのゲル6を、THF、ジメチルホルムアミド(DMF)、エタノール、水、0.2M酢酸で洗浄した。
乾燥ゲルの元素分析:S%:2.2
(リガンドの計算濃度:46.1μモル/ml)。
実施例7
段階1:実施例1−段階1に記載のものと同じ手順。
段階2:段階1で得られた220mg(0.98ミリモル)の生成物を7mlのTHFに溶解した。これを脱気した溶液(10分間窒素吹き込み)に、0.591g(4.9ミリモル)のトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩酸塩と3.76mlのDIPEAを加え、この混合物を室温で16時間かき混ぜた。溶媒を除去し、逆相HPLC(水/アセトニトリル)によってこの粗材料を精製した。無色の油状固体を回収した。純度はLC−MSによって求めた(>90%)。
段階3:段階2からの生成物をTHF5mlに溶解した。このリガンド溶液に、1mlの水と2mlの50%NaOHをさらに加えた。
濃度65μモル/mlゲルのアリル化Sepharose(登録商標)6 Fast Flow 6mlを、臭素を用いて活性化しこのリガンドに加えた。反応混合物を50℃で一晩振盪した。次いでこのゲル7を、THF、ジメチルホルムアミド(DMF)、エタノール、水、0.2M酢酸で洗浄した。
乾燥ゲルの元素分析:S%:1.30
(リガンドの計算濃度:21.9μモル/ml)。
実施例8
段階1:実施例1−段階1に記載のものと同じ手順。
段階2:段階1で得られた220mg(0.98ミリモル)の生成物を7mlのTHFに溶解した。これを脱気した溶液(10分間窒素吹き込み)に、0.431ml(4.9ミリモル)のフルフリルアミンを加え、この混合物を室温で16時間かき混ぜた。溶媒を除去し、逆相HPLC(水/アセトニトリル)によってこの粗材料を精製した。白色固体を回収した。純度はLC−MSによって求めた(>90%)。
段階3:段階2からの生成物をTHF5mlに溶解した。このリガンド溶液に、1mlの水と2mlの50%NaOHをさらに加えた。
濃度65μモル/mlゲルのアリル化Sepharose(登録商標)6 Fast Flow 6mlを、臭素を用いて活性化しこのリガンドに加えた。反応混合物を50℃で一晩振盪した。次いでこのゲル8を、THF、ジメチルホルムアミド(DMF)、エタノール、水、0.2M酢酸で洗浄した。
乾燥ゲルの元素分析:S%:2.65
(リガンドの計算濃度:55.3μモル/ml)。
実施例9
段階1:実施例1−段階1に記載のものと同じ手順。
段階2:段階1で得られた220mg(0.98ミリモル)の生成物を7mlのTHFに溶解した。これを脱気した溶液(10分間窒素吹き込み)に、0.817g(4.9ミリモル)のGLY−GLYアミド塩酸塩と4.76mlのDIPEAを加え、この混合物を室温で16時間かき混ぜた。溶媒を除去し、逆相HPLC(水/アセトニトリル)によってこの粗材料を精製した。白色固体を回収した。純度はLC−MSによって求めた(>90%)。
段階3:段階2からの生成物をTHF5mlに溶解した。このリガンド溶液に、1mlの水と2mlの50%NaOHをさらに加えた。
濃度65μモル/mlゲルのアリル化Sepharose(登録商標)6 Fast Flow 6mlを、臭素を用いて活性化しこのリガンドに加えた。反応混合物を50℃で一晩振盪した。次いでこのゲル9を、THF、ジメチルホルムアミド(DMF)、エタノール、水、0.2M酢酸で洗浄した。
乾燥ゲルの元素分析:S%:0.97
(リガンドの計算濃度:17.1μモル/ml)。
実施例10
段階1:実施例1−段階1に記載のものと同じ手順。
段階2:段階1で得られた220mg(0.98ミリモル)の生成物を7mlのTHFに溶解した。これを脱気した溶液(10分間窒素吹き込み)に、0.489ml(4.9ミリモル)の(2アミノエトキシ)エタノールを加え、この混合物を室温で16時間かき混ぜた。溶媒を除去し、逆相HPLC(水/アセトニトリル)によってこの粗材料を精製した。白色固体を回収した。純度はLC−MSによって求めた(>90%)。
段階3:段階2からの生成物をTHF5mlに溶解した。このリガンド溶液に、1mlの水と2mlの50%NaOHをさらに加えた。
濃度65μモル/mlゲルのアリル化Sepharose(登録商標)6 Fast Flow 6mlを、臭素を用いて活性化しこのリガンドに加えた。反応混合物を50℃で一晩振盪した。次いでこのゲル10を、THF、ジメチルホルムアミド(DMF)、エタノール、水、0.2M酢酸で洗浄した。
乾燥ゲルの元素分析:S%:1.96
(リガンドの計算濃度:42.8μモル/ml)。
実施例11
段階1:10.0g(65.0ミリモル)のDL−ホモシステインチオラクトン塩酸塩を、120mlのDCM及び23.9ml(136ミリモル)のDIPEAに溶解した。この溶液に、DCM30mlに溶かした7.7ml(65.0ミリモル)のバレリルクロリドを、段階1に従って室温でゆっくり加えた。減圧下で溶媒を除去し、酢酸エチル(400ml)を加えた。有機相を、クエン酸溶液(10重量%の水溶液)及び炭酸カリウム溶液(10重量%の水溶液)で洗浄した(100ml×2回)。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥した後溶媒を蒸発させ、8.86gの白色粉末を回収した。収率:68%。
段階2:段階1で得られた2.0g(9.9ミリモル)の生成物を30mlの乾燥DMFに溶解した。これを脱気した溶液(10分間窒素吹き込み)に、3.0g(24.8ミリモル)のトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンを加え、この混合物を90℃で4時間かき混ぜた。溶媒を除去し、EtOAc/MeOH:9/1から始めてフラッシュクロマトグラフィーを行い、2.7gの白色固体を得た。収率:84%。
段階3:段階2からの生成物78.2mgを、2.5mlの水と2.5mlの50%NaOHに溶解し、この溶液を室温で1時間かき混ぜた。
濃度115μモル/mlゲルのアリル化Sepharose(登録商標)High Performance 6mlを、臭素を用いて活性化しこのリガンド溶液に加えた。反応混合物を50℃で一晩振盪した。次いでこのゲル11を、水、エタノール、0.2M酢酸及び水で順次洗浄した。
乾燥ゲルの元素分析によりS百分率を得た。リガンドの計算濃度をμモル/mlで求めた。
Figure 2006523308
Figure 2006523308
PRC試験用基準実験方法
クロマトグラフィー系
すべての実験は、ソフトウェアUnicorn 3.1を備えたAKTA(登録商標)Explorer 100クロマトグラフィー系(Amersham Biosciences AB)を使用して室温で行った。
試験1:デオキシコルチコステロン
注入体積:10μl(5mMデオキシコルチコステロンのメタノール溶液)
流速:1.0ml/分
溶出液A:10mMリン酸アンモニウムのMQ Milli−Q水溶液、pH7
溶出液B:アセトニトリル
溶出:リニアグラジエント(0〜80%B)
グラジエント条件:カラム平衡=10カラム体積(CV)、グラジエント体積=20CV及び80%Bを用いてカラムを洗浄(グラジエント後)=2CV
検出波長:205、236,及び280nm
試験2:ペプチドの分離
4つの異なるpH値、pH2、3、7及び12で4種のアンギオテンシン誘導体の混合物を分離することによってクロマトグラフィー評価を行った。
アンギオテンシン−I Asp−Arg−Val−Tyr−Ile−His−Pro−Phe−His−Leu (Sigma A9650)
アンギオテンシン−III Arg−Val−Tyr−Ile−His−Pro−Phe(ICN 191237)
Ile7−アンギオテンシン−III Arg−Val−Tyr−Ile−His−Pro−Ile(Sigma A0911)
Val4アンギオテンシン−III Arg−Val−Tyr−Val−His−Pro−Phe(Sigma A6277)
注入体積:10μl(Milli−Q水で製造した試料混合物中、各ペプチド0.125mg/ml)
流速:1.0ml/分
溶出液A:0.1%TFAのMQ Milli−Q水溶液(pH2)、10mMリン酸カリウム(pH3及び7)
溶出液B:アセトニトリル
溶出:リニアグラジエント(3〜100%B)
グラジエント条件:カラム平衡=5カラム体積(CV)、グラジエント体積=10CV及び100%Bを用いてカラムを洗浄(グラジエント後)=2CV
検出波長:215nm
この場合のカラム体積は2.49mlである(この方法は鋼製カラムST4.5/150用に開発された)。
HIC試験用基準実験方法
Amersham Biosciences AB製の5/5HRカラムに充填したゲル1〜2mlを1ml/分で運転する。本方法では、2M(NHSO+0.1Mリン酸Kの緩衝液A(pH7)及び0.1Mリン酸Kの別の緩衝液B(pH7)を使用する。ミオグロビン0.5mg/ml、リボヌクレアーゼA(2mg/ml)、α−キモトリプシノゲンA(0.8mg/ml)及びα−ラクトアルブミン(0.5mg/ml)の4種のタンパク質を緩衝液Aに混ぜてカラムに通液する。次いでカラムを2mlの緩衝液Aで運転し、次いでA100%からB100%へ変化する20mlのグラジエント溶出を適用した。
基準ゲルPhenyl Sepharose(登録商標)6 Fast Flowのクロマトグラムを図2に、基準ゲルPhenyl Sepharose(登録商標)High Performanceのクロマトグラムを図7に示した。
Sepharose(登録商標)6 Fast Flowベースマトリックスを用いて作製したゲル2b、4b、7及び9のクロマトグラムを、各々図3、4、5及び6に示した。これら4つのゲルは上記のHIC試験条件下で作用し、異なる溶出プロファイルを示す。
Sepharose(登録商標)High Performanceベースマトリックスを用いて作製したゲル11のクロマトグラムを、図8に示した。このゲルは上記のHIC試験条件下で作用する。
クロマトグラムの符号:
1:ミオグロビン
2:リボヌクレアーゼA
3:α−ラクトアルブミン
4:α−キモトリプシン
本発明に従い且つホモシステインチオラクトンを骨格として使用して、マルチモードHIC/RPC媒体の多様なライブラリーをいかにして製造することができるかをスキーム1によって示した図である。 以下に述べる先行技術の分離媒体Phenyl Sepharose(登録商標)6FF(Amersham Biosciences(スウェーデン、ウプサラ))を用いた、4種のタンパク質(ミオグロビン(1)、リボヌクレアーゼA(2)、α−ラクトアルブミン(3)及びα−キモトリプシン(4))の比較溶出プロファイルを示す図である。 以下に述べる本発明によるゲル2を用いた、4種のタンパク質(図2で定義したもの)の溶出プロファイルを示す図である。 以下に述べる本発明によるゲル4bを用いた、4種のタンパク質(図2で定義したもの)の溶出プロファイルを示す図である。 以下に述べる本発明によるゲル7を用いた、4種のタンパク質(図2で定義したもの)の溶出プロファイルを示す図である。 以下に述べる本発明によるゲル9を用いた、4種のタンパク質(図2で定義したもの)の溶出プロファイルを示す図である。 以下に述べる先行技術の分離媒体Phenyl Sepharose(登録商標)HP(Amersham Biosciences(スウェーデン、ウプサラ))を用いた、4種のタンパク質(図2で定義したもの)の比較溶出プロファイルを示す図である。 以下に述べる本発明によるゲル11を用いた、4種のタンパク質(図2で定義したもの)の溶出プロファイルを示す図である。 異なるマルチモード媒体を用いて得られた溶出プロファイルの差を示し、且つRPCモードにおいて第二の相互作用の影響を示す図である。

Claims (17)

  1. 疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)用の1以上のマルチモードリガンドの製造方法であって、
    (a)一般式(I)で定義される1以上の骨格を準備する段階と、
    Figure 2006523308
    (式中、A、B及びXは互いに独立に炭素原子又はヘテロ原子、例えば酸素、硫黄、窒素及び/又はシリカであり、mは0〜4の整数、例えば1〜3、好ましくは1又は2であり、官能基Nは窒素であって、いずれかのXを置換或いはA、B及びXのいずれかに結合している。)
    (b)骨格の窒素を、残基Rに結合した反応性基Zを含む試薬で誘導体化して第一の相互作用を導入する段階と、
    (c)得られた誘導体をアミノ分解することによってカルボニルとチオールの間で環構造を開環し、カルボニルに隣接して第二の相互作用を導入する段階とを含み、
    第一の相互作用及び第二の相互作用の少なくとも一方が疎水性基を含み、前記相互作用がいずれもイオン交換リガンドを含まない方法。
  2. 式(I)において、A、B及びXが炭素原子であり、mが1である、請求項1記載の方法。
  3. 式(I)において、骨格がホモシステインチオラクトンである、請求項2記載の方法。
  4. 段階(b)で使用される試薬が一般式(II)で定義される、請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の方法。
    −Z−R− (II)
    式中、Zは骨格の窒素と反応し得る基であり、Rが線状、枝分れ、環状の飽和、不飽和又は芳香族炭化水素基である。
  5. 段階(b)がアルキル化、アシル化又はスルホニル化である、請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の方法。
  6. 段階(b)が、アシル化又はスルホニル化、アルキル化とアシル化の組合せ、或いはアルキル化とスルホニル化の組合せを含む、請求項5記載の方法。
  7. 段階(c)から得られる生成物のチオールを、反応性基を含むベースマトリックスと反応させる段階(d)も含む、請求項1乃至請求項6のいずれか1項記載の方法。
  8. 誘導体化骨格のチオール基がベースマトリックスのアリル基と結合する、請求項7記載の方法。
  9. ベースマトリックスがアガロースなどの多糖類から作製され、分離媒体がHIC媒体である、請求項7又は請求項8記載の方法。
  10. ベースマトリックスがジビニルベンゼン又はスチレンなどの合成高分子から作製され、分離媒体がRPC媒体である、請求項7又は請求項8記載の方法。
  11. 複数のマルチモードリガンドを含み、各リガンドが標的分子と疎水性相互作用し得る1以上の基と、同一の標的分子と相互作用し得る1以上の別の基とを含む、疎水性相互作用クロマトグラフィー用分離媒体の製造における、ホモシステインチオラクトンの使用。
  12. 標的分子と疎水性相互作用し得る1以上の基と、同一の標的分子と相互作用し得る1以上の別の基とを含む、疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)用マルチモードリガンド。
  13. 請求項1乃至請求項10のいずれか1項記載の方法で製造された、請求項12記載のリガンド。
  14. ベースマトリックスに固定化された複数のリガンドを含み、各リガンドが標的分子と疎水性相互作用し得る1以上の基と、同一の標的分子と相互作用し得る1以上の別の基とを含む、疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)用分離媒体。
  15. 請求項1乃至請求項10のいずれか1項記載の方法で製造された、請求項14記載の分離媒体。
  16. 請求項14又は請求項15において定義された分離媒体を充填した、疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)用クロマトグラフィーカラム。
  17. 請求項14又は請求項15において定義された分離媒体を提供する段階と、前記媒体を液体と接触させて目標物質をリガンドへ吸着させる段階とを含む、液体から目標物質を分離する方法。
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