JP2006522806A - 細胞死及び/又はアポトーシスを誘導するための、選択されたrnaモチーフ - Google Patents

細胞死及び/又はアポトーシスを誘導するための、選択されたrnaモチーフ Download PDF

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Abstract

【解決手段】本願は、増殖細胞にアポトーシス或いは細胞死を誘導するためのdsRNA及び/又はssRNAの使用を目的とする。具体的には、低分子量或いは高分子量のdsRNA及びssRNAが、増殖細胞にアポトーシス及び/又は細胞死を誘導すること、形質転換細胞或いは腫瘍細胞の増殖を阻止すること、サイトカインTNF-αの迅速な誘導を惹き起こすこと、及び/又はTh1応答を指向するIL-12産生を誘導することが示される。

Description

本発明は一般に、細胞死或いは細胞アポトーシスを誘導するため、特に形質転換細胞に細胞死或いは細胞アポトーシスを誘導するために用いる低分子量或いは高分子量の二本鎖RNA(「dsRNA」)及び一本鎖RNA(「ssRNA」)に関する。
高分子量DNAが細胞膜に結合することは、1970年代、1980年代に数人の研究者によって報告されている。以来、種々のポリヌクレオチド鎖が、生体反応修飾物質として広範に評価されてきた。その一例は、IFN産生の強力な誘導体であると共にマクロファージアクチベータでありNK活性の誘導体でもあるpolyI:polyCである(Talmadge et al. "Immunomodulatory effects in mice of polyinosinic-polycytidylic acid complexed with poly-L:-lysine and carboxymethylcellulose". Cancer Res. 45:1058, 1985)。また、安定性を改善するため、poly-L-リシン及びカルボキシメチルセルロースと複合化したpolyI:polyCを用いて数種類の臨床試験が行われた(Talmadge, J. et al., "Immunomodulatory Effects In Mice of Polyinosinic-polycytidylic Acid Complexed With Poly-L Lysine and Carboxymethylcellulose", Cancer Res. 45: 1058, 1985)。しかしながら、サイトカインTNF-αによる毒性副作用があるため、polyI:polyCは有用な治療剤とはなり得なかった。
短鎖干渉RNA(SiRNA)が相同RNAの配列特異的転写後遺伝子サイレンシングを誘導することが、21〜22ヌクレオチドのRNAを用いて示されている(Elbashir et al., "RNA interference is meiated by 21-22 nucleotide RNAs". Genes Dev. 2001 Jan 15;15(2):188-200)が、これは本明細書に記載するdsRNAの非配列特異的作用とは全く異なるものである。
また、特定のDNA構造にリンパ球を活性化させる潜在能力があることも報告されている。例えば、脾臓細胞上清中のヌクレオソームタンパク−DNA複合体は、B細胞増殖とイムノグロブリン分泌を惹き起こすことが報告された(Bell, et al., "Immunogenic DNA-related factors". J. Clin. Invest. 85:1487, 1990)。また、ネーキッドDNAは免疫作用を有することが報告されている。例えば、260〜800bpのpoly(dG);(dC)断片はB細胞の分裂を促進させることが報告された(Messina, et al., "The influence of DNA structure on the in vitro stimulation of murine lymphocytes by natural and synthetic polynucleotide antigens". Cell. Immunol. 147:148, 1993)。Pisetsky et al.の報告によると、不純物を含有しない哺乳動物DNAは検出可能な免疫作用を示さないが、特定の細菌から得たDNAはB細胞活性化及び免疫グロブリン分泌を誘導する(Pisetsky et al., "Stimulation of in vitro murine lymphocyte proliferation by bacterial DNA", j. Immunol. 147:1759; 1991)。更に、非メチル化シトシン−グアニン(CpG)ジヌクレオチドを含有する或る種のオリゴデオキシヌクレオチドがリンパ球を活性化させることがin vitro及びin vivoのデータで確認されている。
非コードRNAモチーフは、マイナス鎖(negative stranded)RNAウィルス又は或る種のDNAウィルスに感染した細胞から産生される。また、或る種のdsRNAは先天性免疫細胞によって認識され、Toll様受容体3に結合することが知られている(Alexopoulou et al., "Recognition of double-stranded RNA and activation of NF-kappAB by Toll-like receptor 3", Nature 413:732-738; 2001)。更に、これらdsRNAは、先天性免疫応答と適応免疫応答の両者に影響することが判明している(Wang et al., "Noncoding RNA danger motifs bridge innate and adaptive immunity and are potent adjuvants for vaccination", J. Clin. Invest. 110:1175-84; 2002)。
本願は、生細胞においてアポトーシス及び/又は細胞死を誘導するためのdsRNA及びssRNAの使用に関する。具体的には、低分子量或いは高分子量のdsRNA及びssRNAが、増殖細胞においてアポトーシス及び/又は細胞死を誘導すること、形質転換細胞或いは腫瘍細胞の増殖を阻止すること、プロ炎症性サイトカインTNF-αを迅速に誘導すること、更にIFN-γT細胞の誘導及びTh1免疫応答における調節剤であるIL-12(高分子量RNA)の産生を誘導することが示される。
本発明は、抗腫瘍治療や抗白血病治療において、形質転換された腫瘍細胞や白血病細胞の増殖を阻止するのに、又はサイトカインTNF-α及び/又はIL-12を迅速に誘導するために、実際に用いることができる。また、本発明は抗微生物治療にも実用性がある。この技術を用いると、細胞トランスフェクション試薬を必要としないためin vivoの各種用途に適合性を有し、また、固形癌や白血病の治療において、アンチセンス或いはsiRNAで必要とされるエピトープ特異性や遺伝子特異性を要しない。アンチセンス化合物は、in vitro及びin vivoのいずれにおいてもトランスフェクション試薬を必要とする上、一般に、殆どの細胞には到達できない。一方、低分子量RNA(一本鎖及び二本鎖)は細胞膜を容易に通過するため、トランスフェクション試薬は必要ない。
開示されたdsRNAの内の或るものは、生来の細胞(innate cells)においてプロ炎症性(TNF-α)反応又はプロアポトーシス反応、或いはそれら両者を誘導する。これらは、抗原の交差提示(cross presentation)を促進すると共に、特定の免疫エフェクタをTh1応答に特異的に向かうように促進する。アポトーシス性細胞は、抗原性材料を得るための優れた原材料であり、癌や感染性疾患におけるエフェクタ細胞(Th1或いはTc1)の誘導において重要である。
低分子量RNA鎖及び高分子量RNA鎖がどのようにして細胞においてアポトーシス及び/又は細胞死を誘導するかについては完全には解明されていない。RNAモチーフは、細胞膜上のToll様受容体によって認識されているかもしれないし、その後の細胞による細胞取り込みによって認識されているかもしれない。これは、遺伝子発現のネガティブレギュレーションを仲介し、非特異的遺伝子サイレンシングを惹き起こす。低分子量RNA(ssRNA及びdsRNA)については、細胞受容体を利用せずに直接細胞内に入ると考えられている。高分子量RNA鎖(ssRNA及びdsRNA)については、細胞受容体を介して細胞内に入るため、その二次構造がその機能にとって重要な、おそらく決定的な要素であろう。
本発明は、小さな即ち低分子量のssRNA或いはdsRNAが、急速に成長している形質転換細胞にTNF-αを誘導し迅速な細胞死を誘導することを示す。更に本発明は、急速成長下にある形質転換細胞において、大きな即ち高分子量のssRNA或いはdsRNAが、IFN−γT細胞及びTh1免疫応答の誘導の調節剤として知られているIL-12を誘導すると共に、低分子量ssRNAや低分子量dsRNAの場合よりも程度は少ないがTNF-αも誘導して、アポトーシスを誘導することを示す。更に、高分子量ssRNA或いはdsRNAは、アジュバントとして使用してT1免疫を増強させるために抗原と共に投与することができるため、WO03/078595及びPCT/US2003/030188に記載のように抗感染性疾患用途や抗癌用途において重要である。WO03/078595及びPCT/US2003/030188の全体を本明細書の一部を構成するものとしてここに援用する。一方、低分子量RNA(一本鎖或いは二本鎖)は、特定の場合においてのみアジュバントとして使用できる。
開示されたRNA化合物のプロアポトーシス及び/又は細胞壊死細胞効果は、一次細胞(primary cells)よりも(多くの癌細胞や腫瘍細胞において見られる)増殖能の高い細胞、即ち急速に増殖する細胞に対して特異性が高い、しかもかなりの程度で特異性が高いと考えられる。ヒトにおける治療有効量(用量)については、本発明のRNA化合物は、ヒト患者に対し局所投与又は全身投与することができ、或いは溶液やエマルジョンとして腫瘍に直接注射することもできる。投与量は、1ng/kg〜999mg/kgとすることができる。ヒトに対する治療有効量は、1ng/kg〜10ng/kg、10ng/kg〜500ng/kg、500ng/kg〜999ng/kg、1μg/kg〜10μg/kg、10μg/kg〜100μg/kg、100μg/kg〜200μg/kg、200μg/mg〜500μg/mg、500μg/kg〜999μg/kg、1mg/kg〜10mg/kg、10mg/kg〜100mg/kg、100mg/kg〜200mg/kg、200mg/kg〜500mg/kgである。用途にもよるが、ヒトに対する最も好ましい用量は、1〜999μg/kgであり、更に好ましくは、1〜500μg/kg或いは1〜100μg/kgである。腫瘍(tumor mass)に直接注射する場合は、用量は1mg/kg〜500mg/kg或いは1mg/kg〜100mg/kgと考えられる。
本発明の各種実施形態を次に示す。
1)患者の形質転換細胞或いは非形質転換細胞にRNA鎖を投与することにより該細胞にアポトーシス或いは細胞死を誘導するための方法。
2)RNA鎖の平均サイズが1 kDa〜50 kDaである、パラグラフ1に記載の方法。
3)RNA鎖がdsRNAである、パラグラフ1に記載の方法。
4)RNA鎖がssRNAである、パラグラフ1に記載の方法。
5)dsRNAがpA:pUである、パラグラフ3に記載の方法。
6)dsRNAを、1〜999μg/kg、1〜500μg/kg、1〜100μg/kg、1〜50μg/kg、1〜25μg/kg、1〜10μg/kg及び1〜5μg/kgからなる群から選択される用量で投与する、パラグラフ5に記載の方法。
7)dsRNAを静脈内投与し、1〜999μg/kg、1〜500μg/kg、1〜100μg/kg、1〜50μg/kg、1〜25μg/kg、1〜10μg/kg及び1〜5μg/kgからなる群から選択される用量で投与する、パラグラフ6に記載の方法。
8)患者がヒトであり、細胞が形質転換細胞であり、dsRNAがpA:pUであり、dsRNAを癌細胞に直接注射する、パラグラフ1に記載の方法。
9)ssRNAがpAである、パラグラフ4に記載の方法。
10)患者がヒトであり、形質転換細胞が、T細胞白血病細胞、ヒト単球白血病細胞、ヒト腺癌細胞及びヒト肺繊維芽細胞からなる群から選択される、パラグラフ1に記載の方法。
11)ssRNA或いはdsRNAを細胞にin vivoで投与することにより細胞に細胞死或いはアポトーシスを誘導する方法であって、ssRNA或いはdsRNAの平均サイズが20 kDa未満である方法。
12)ssRNA或いはdsRNAの平均サイズが10 kDa未満である、パラグラフ11に記載の方法。
13)細胞が形質転換細胞である、パラグラフ12に記載の方法。
14)ssRNAがpAである、パラグラフ12に記載の方法。
15)dsRNAがpA:pUである、パラグラフ11に記載の方法。
16)細胞が癌細胞である、パラグラフ12に記載の方法。
17)RNA鎖は、増強したTNF-αサイトカイン産生を誘導する、パラグラフ1に記載の方法。
18)RNA鎖は、増強したTNF-αサイトカイン産生を誘導する、パラグラフ12に記載の方法。
19)細胞死を誘導するためのRNAの使用により、増強した免疫応答を細胞に誘導する、パラグラフ1に記載の方法。
20)RNAは、細胞にin vivoで投与され、投与形態は局所投与、全身投与及び直接注射からなる群から選択される、パラグラフ1に記載の方法。
21)ssRNA或いはdsRNAを細胞に投与することにより細胞にアポトーシスを誘導する方法であって、ssRNA或いはdsRNAのサイズが10 kDa未満である方法。
22)RNAがssRNAであり、pAである、パラグラフ21に記載の方法。
23)RNAがdsRNAであり、pA:pUである、パラグラフ21に記載の方法。
24)細胞が形質転換細胞である、パラグラフ21に記載の方法。
25)誘導されたアポトーシス性細胞が、同様な生細胞に対して向上したIL-12サイトカイン産生を誘導する、パラグラフ21に記載の方法。
26)Th1応答が指向される、パラグラフ21に記載の方法。
27)RNAは、dsRNAであり、その分子量は50 kDa超であり、向上したIL-12応答を誘導する、パラグラフ1に記載の方法。
28)形質転換細胞に細胞死或いはアポトーシスを誘導するための組成物であって、平均分子量1〜50 kDaのRNAを含有する組成物。
29)dsRNA或いはssRNAの平均分子量が20 kDa未満である、パラグラフ28に記載の組成物。
30)dsRNA或いはssRNAの平均分子量が10 kDa未満である、パラグラフ28に記載の組成物。
31)dsRNAがpA:pUである、パラグラフ28に記載の組成物。
32)dsRNAが、増強したTNF-αサイトカイン産生を誘導し、これにより形質転換細胞に対しT1免疫応答を誘導する、パラグラフ28に記載の組成物。
33)患者の形質転換細胞に細胞死或いはアポトーシスを誘導するための組成物であって、オリゴヌクレオチドを含み、該オリゴヌクレオチドが、アデニン、ウラシル、シトシン、グアニン及びイノシンからなる群から選択される少なくとも二塩基対から構成され、分子量1 kDa〜50 kDaである、組成物。
34)オリゴヌクレオチドがssRNAである、パラグラフ33に記載の組成物。
35)オリゴヌクレオチドがdsRNAである、パラグラフ33に記載の組成物。
36)ssRNAがpAである、パラグラフ33に記載の組成物。
37)オリゴヌクレオチドがpA:pUである、パラグラフ35に記載の組成物。
38)オリゴヌクレオチドの分子量が1 kDa〜10 kDaである、パラグラフ33に記載の組成物。
39)オリゴヌクレオチドの分子量が1 kDa〜5 kDaである、パラグラフ33に記載の組成物。
40)形質転換細胞に細胞死或いはアポトーシスを誘導するための医薬の製造のための組成物の使用であって、該組成物は、オリゴヌクレオチドを含み、該オリゴヌクレオチドが、アデニン、ウラシル、シトシン、グアニン及びイノシンからなる群から選択される少なくとも二塩基対から構成され、分子量1 kDa〜50 kDaである、使用。
41)オリゴヌクレオチドがssRNAである、パラグラフ40に記載の使用。
42)オリゴヌクレオチドがdsRNAである、パラグラフ40に記載の使用。
43)ssRNAがpAである、パラグラフ40に記載の使用。
44)オリゴヌクレオチドがpA:pUである、パラグラフ40に記載の使用。
45)オリゴヌクレオチドの分子量が1 kDa〜10 kDaである、パラグラフ40に記載の使用。
46)オリゴヌクレオチドの分子量が1 kDa〜5 kDaである、パラグラフ40に記載の使用。
47)形質転換細胞に細胞死或いはアポトーシスを誘導するための医薬の製造のための組成物の使用であって、該組成物が平均分子量1〜50 kDaのRNAを含む、使用。
48)dsRNA或いはssRNAの平均分子量が20 kDa未満である、パラグラフ47に記載の使用。
49)dsRNA或いはssRNAの平均分子量が10 kDa未満である、パラグラフ47に記載の使用。
50)dsRNAがpA:pUである、パラグラフ47に記載の使用。
51)dsRNAが、増強したTNF-αサイトカイン産生を誘導する、パラグラフ47に記載の使用。
52)増強したTNF-αサイトカイン産生が、形質転換細胞にT1免疫を誘導する、パラグラフ51に記載の使用。
定義:
本明細書で使用する次の用語及び文言の意味は下の通りとする。
「dsRNA」は、塩基としてアデニン、シトシン、ウラシル、グアニン及びイノシンを含み、全体が相補的であっても部分的に相補的であっても塩基が異なるヌクレオチド鎖が混合していてもよい二本鎖RNAセグメントを意味するものである;
「ssRNA」は、塩基としてアデニン、シトシン、ウラシル及びグアニンを含む一本鎖RNAセグメントを意味し、単一種類のヌクレオチドからなっていても異なるヌクレオチドが混在していてもよい;
「低分子量dsRNA又は低分子量ssRNA」は、約10 kDa以下(<10 kMW)のRNA鎖を意味する。好ましくは、本発明の低分子量ssRNA鎖及び低分子量dsRNA鎖は2〜40塩基対である;
「高分子量dsRNA又は高分子量ssRNA」は、約10 kDa以上、10 kDa〜50 kDa、更には50 kDa超(>50 kMW)のRNA鎖を意味する;
「全dsRNA」は、任意のあらゆる分子量或いはオリゴマー長のdsRNAを意味する;
「APC」は、抗原提示細胞を意味する;
「細胞死」は、アポトーシス以外による細胞の死を意味する;
「アポトーシス」は、プログラムされた細胞死を意味する;
「Th1応答」は、ヘルパーT1応答を意味する;
「pA:pU」は、RNA鎖或いはRNAセグメントがアデニンとウラシルからなり、RNA鎖或いはRNAセグメントが相補的であるdsRNAを意味し、部分的に相補的ではないRNA鎖或いはRNAセグメントを包含する;
「-mer」−オリゴマーを意味する略称である;
「HL-1培地」−2 mM L−グルタミン(インビトロジェン社(Invitrogen)、カリフォルニア州カールスバード、カタログ番号11875-085)、ぺニシリン−ストレプトマイシン(50ユニット/mL)(インビトロジェン社(Invitrogen)、カタログ番号15070-063)、1.0 mMピルビン酸ナトリウム(インビトロジェン社(Invitrogen)、カタログ番号11360-070)を含有し、0.05 mM 2−メルカプトエタノール(インビトロジェン社(Invitrogen)、カタログ番号21985-023)を添加したHL-1培地(バイオウィタッカー社(Bio Whittaker)、メリーランド州ウォーカーズビル、カタログ番号344017)である;
「<」は「〜未満」を意味する;
「>」は「〜より大きい」を意味する。
実施例1:高分子量合成RNAはヒト抗原提示細胞(APC)の実質的アポトーシスを誘導できた
ヒトAPC(THP-1細胞、アメリカ基準株保存機関(ATCC)、バージニア州マナサス)を、ATCC推奨の条件下で維持した:(a)培地:2 mM L−グルタミン(インビトロジェン社(Invitrogen)、カリフォルニア州カールスバード、カタログ番号11875-085)を含有するRPMI 1640培地に10 mM HEPES(インビトロジェン社(Invitrogen)、カタログ番号15630-080)、ペニシリン−ストレプトマイシン(50ユニット/mL)(インビトロジェン社(Invitrogen)、カタログ番号15070-063)、1.0 mMピルビン酸ナトリウム(インビトロジェン社(Invitrogen)、カタログ番号11360-070)を含有させ、0.05 mM 2−メルカプトエタノール(インビトロジェン社(Invitrogen)、カタログ番号21985-023)、ウシ胎児血清(FBS、10%)(インビトロジェン社(Invitrogen)、カタログ番号26170-019)を添加した培地;(b)連続培養:細胞培養フラスコ(コーニング社(Corning)、ニューヨーク州コーニング、カタログ番号430641)を用い、3日毎に新鮮培地と交換し、4ヶ月経過したところで新たに培養を開始;(c)温度:37℃(5%CO2)。
上述の培地にTHP-1細胞を懸濁させ、0.05μM ビタミンD3(カルビオケム社(CalBiochem)、カリフォルニア州サンディエゴ)を添加し分化させた。滅菌した48ウェル組織培養プレート(BDファルコン社(BD Falcon)、カタログ番号353078)に細胞濃度が0.4×106個/ウェル(即ち0.8×106個/mLを0.5mL)となるよう、直ちに細胞を添加し、3日間成熟させた。このとき、マイクロタイタープレートの各ウェルに接着している細胞を覆っている培地(各0.5mL)を、新鮮なFBS不含HL-1培地(各0.2mL)と交換した。エンドトキシン試験をパスし且つ分画操作(後述)を経た高分子量(>50 kDa)ポリアデニル酸−ポリウリジル酸(pA:pU、シグマ社(Sigma)、カタログ番号P1537、ロット番号022K4068)又はポリアデニル酸(pA、シグマ社(Sigma)、カタログ番号P9403、ロット番号022K4022)を培地の細胞に添加した(50μg/mL)。細胞を無菌状態で2、6、24時間の各時間インキュベートした(37℃/5%CO2)。これらの各時点において上清を回収し、後で分析に使用するまで冷凍した(−70℃)。滅菌した冷リン酸緩衝生理食塩水(PBS、シグマ社(Sigma)、カタログ番号D8537)を細胞にゆっくり加えた後、アポトーシスのインジケーターであるYo-Proで染色した(モレキュラープローブ社(Molecular Probes)、オレゴン州ユージーン、カタログ番号Y-3603、最終濃度0.15μM)。10分間インキュベートした後、細胞を一回洗浄し、2%FBS含有緩衝液に懸濁させ氷冷下で保存した。次いで、細胞のYo-Pro取込み量を適切な対照細胞と比較し分析するための適切なフィルターをFACS Caliburフローサイトメーター(BDバイオサイエンス社(BD Bioscience)、カリフォルニア州サンノゼ)に用いて細胞のアポトーシスを分析した。
得られた結果から、高分子量dsRNA画分pA:pU(>50 kDa)がヒト抗原提示細胞の実質的アポトーシスを誘導できたことが分かる。対照では、2、6、24時間の各時間において、アポトーシスはほとんど見られなかった。しかしながら、pA(>50 kDa)の場合には、2、6、24時間の各時間で顕著に高レベルのアポトーシスが見られ、またpA:pU(>50 kDa)と共にインキュベートした細胞においては劇的に高いアポトーシスの誘導が見られた。
実施例2:低分子量dsRNA画分は、形質転換されたヒト単球性細胞に対しアポトーシス及び細胞死を誘導する効果を示す
ヒトAPC(THP-1細胞、アメリカ基準株保存機関(ATCC)、バージニア州マナサス)をATCC推奨の条件下で維持した:培地:2 mM L−グルタミン(インビトロジェン社(Invitrogen)、カリフォルニア州カールスバード、カタログ番号11875-085)を含有するRPMI 1640培地に10 mM HEPES(インビトロジェン社(Invitrogen)、カタログ番号15630-080)、ペニシリン−ストレプトマイシン(50ユニット/mL)(インビトロジェン社(Invitrogen)、カタログ番号15070-063)、1.0 mMピルビン酸ナトリウム(インビトロジェン社(Invitrogen)、カタログ番号11360-070)を含有させ、0.05 mM 2−メルカプトエタノール(インビトロジェン社(Invitrogen)、カタログ番号21985-023)、ウシ胎児血清(FBS、10%)(インビトロジェン社(Invitrogen)、カタログ番号26170-019)を添加した培地;温度:37℃(5%CO2);連続培養:細胞培養フラスコ(コーニング社(Corning)、ニューヨーク州コーニング、カタログ番号430641)を用い、3日毎に新鮮培地と交換し、4ヶ月経過したところで新たに培養を開始。
上述の培地にTHP-1細胞を懸濁させ、0.05μM ビタミンD3(カルビオケム社(CalBiochem)、カリフォルニア州サンディエゴ)を添加し分化させた。滅菌した48ウェル組織培養プレート(BDファルコン社(BD Falcon)、カタログ番号353078)に細胞濃度が0.4×106個/ウェルとなるよう、直ちに細胞を添加し、3日間成熟させた。このとき、マイクロタイタープレートの各ウェルに接着している細胞を覆っている培地(各0.5mL)を、新鮮なFBS不含HL-1培地(各0.2mL)と交換した。エンドトキシン試験をパスし且つ分画操作を経た(後述)高分子量(>50 kDa)ポリアデニル酸−ポリウリジル酸(pA:pU、シグマ社(Sigma)、カタログ番号P1537、ロット番号022K4068)又はポリアデニル酸(pA、シグマ社(Sigma)、カタログ番号P9403、ロット番号022K4022)を培地の細胞に添加した(50mg/mL)。細胞を無菌状態で2、6、24時間の各時間インキュベートした(37℃/5%CO2)。これらの各時点において上清を回収し、後の分析において使用するまで冷凍した(−70℃)。滅菌した冷リン酸緩衝生理食塩水(PBS、シグマ社(Sigma)、カタログ番号D8537)を細胞にゆっくり加えた後、細胞死のインジケーターであるエチジウムブロミド(シグマ社(Sigma)、カタログ番号46067、最終濃度1.5μg/mL)及び/又はアポトーシスのインジケーターであるYo-Pro(モレキュラープローブ社(Molecular Probes)、オレゴン州ユージーン、カタログ番号Y-3603、最終濃度0.15μM)で染色した。10分間インキュベートした後、生細胞からアポトーシス細胞及び死細胞を識別するための適切なフィルターを用いた蛍光顕微鏡法と、適切なフィルターを備えた蛍光顕微鏡を用いて得た画像(図2に示す)と、Image Proソフトウェア(メディアサイバネティックス社(Media Cybernetics)、カリフォルニア州カールスバード)に基づく画像解析システムとを利用して細胞を分析した。
得られた結果から、低分子量RNA鎖(pA及びpA:pU、<10 kDa)が高分子量RNA鎖(pA及びpA:pU、>50 kDa)よりも著しく効果的に細胞死を誘導し、いずれも対照(含有無し)より効果的に細胞死を誘導したことが分かる。また結果から、低分子量ssRNA及びdsRNA(<10 kDa)は高分子量ssRNA及びdsRNA(>50 kDa)より細胞にアポトーシスを誘導するという点で優れており、対照と比較するとアポトーシスの誘導においてかなり優れていることが分かる。
高分子量RNA(>50 kDa)は細胞の受容体に結合することにより細胞内に入るのに対し、低分子量RNA(<10 kDa)は細胞内に入るのに受容体を必要としないことが理論上考えられる。更にまた、細胞の受容体による高分子量RNAの取込み量は、RNA鎖の2次構造に依存すると理論上考えられる。
実施例3:RNAモチーフの各画分に曝露した後のヒトAPCのサイトカインプロフィール
ヒトAPC(THP-1細胞、アメリカ基準株保存機関(ATCC)、バージニア州マナサス)をATCC推奨の条件下で維持した:培地:2 mM L−グルタミン(インビトロジェン社(Invitrogen)、カリフォルニア州カールスバード、カタログ番号11875-085)を含有するRPMI 1640培地に10 mM HEPES(インビトロジェン社(Invitrogen)、カタログ番号15630-080)、ペニシリン−ストレプトマイシン(50ユニット/mL)(インビトロジェン社(Invitrogen)、カタログ番号15070-063)、1.0 mMピルビン酸ナトリウム(インビトロジェン社(Invitrogen)、カタログ番号11360-070)を含有させ、0.05 mM 2−メルカプトエタノール(インビトロジェン社(Invitrogen)、カタログ番号21985-023)、ウシ胎児血清(FBS、10%)(インビトロジェン社(Invitrogen)、カタログ番号26170-019)を添加した培地;温度:37℃(5%CO2);連続培養:細胞培養フラスコ(コーニング社(Corning)、ニューヨーク州コーニング、カタログ番号430641)を用い、3日毎に新鮮培地と交換し、4ヶ月経過したところで新たに培養を開始。
上述の培地にTHP-1細胞を懸濁し、0.05μM ビタミンD3(カルビオケム社(CalBiochem)、カリフォルニア州サンディエゴ)を添加し分化させた。滅菌した48ウェル組織培養プレート(BDファルコン社(BD FALCON)、カタログ番号353078)に細胞濃度が0.4×106個/ウェルとなるよう、直ちに細胞を添加し、3日間成熟させた。このとき、マイクロタイタープレートの各ウェルに接着している細胞を覆っている培地(各0.5mL)を、新鮮なFBS不含HL-1培地(各0.2mL)と交換した。エンドトキシン試験をパスし且つ分画操作を経た(後述)高分子量(>50 kDa)ポリアデニル酸−ポリウリジル酸(pA:pU、シグマ社(Sigma)、カタログ番号P1537、ロット番号022K4068)又はポリアデニル酸(pA、シグマ社(Sigma)、カタログ番号P9403、ロット番号022K4022)と、エンドトキシン試験済み全ポリアデニル酸−ポリウリジル酸(pA:pU、シグマ社(Sigma)、カタログ番号P1537、ロット番号022K4068)又はポリアデニル酸(pA、シグマ社(Sigma)、カタログ番号P9403、ロット番号022K4022)とを培地の細胞に添加した(50mg/mL)。細胞を無菌状態で2、6、24時間の各時間インキュベートした(37℃/5%CO2)。これらの各時点において上清を回収し、サイトカインの分析を行うまで冷凍した(−70℃)。ヒトIL-12用ELISAアッセイ(バイオソースインターナショナル社(Biosourse International)、カリフォルニア州カマリロ、カタログ番号KHC0121)とヒトTNF-α用ELISAアッセイ(バイオソースインターナショナル社(Biosourse International)、カタログ番号KHC0311)を細胞上清中のサイトカイン濃度の測定に使用した(図3)。ELISAアッセイは製品取扱説明書に従って行った。
得られた結果から、低分子量ssRNAモチーフと低分子量dsRNA(<10 kDa、pA:pUとpA)モチーフはプロ炎症性サイトカインTNF-αを誘導できることが分かる(図3参照)。低分子量RNAモチーフのうち、dsRNA(<10 kDa pA:pU)はTNF-αの誘導においてssRNA(<10 kDa pA)よりやや優れていた。高分子量RNAモチーフ(>50 kDa pA:pUと>50 kDa pA)もまた、顕著にTNF-αを誘導でき対照と比較するとかなり優れていた。よって、低分子量RNAと高分子量RNAは細胞死とアポトーシスを誘導するだけでなく、プロ炎症性サイトカインTNF-αを誘導することができ、これにより細胞における免疫応答が促進される。これにより、細胞に細胞毒性作用を生じさせた後、より高い免疫応答に向かわせる。低分子量一本鎖RNA或いは二本鎖RNAで処理した後のプロ炎症性サイトカインTNF-αの産生とは対照的に、得られた結果から、高分子量(>50 kDa pA:pU)ではその他の処理や対照(含有無し)と比較して、IL-12産生を顕著に誘導できたことが分かる。これは、Th1応答が調節されたことを示している。
実施例4:本例は、合成RNAの使用に先立ち、該RNAの分画、精製、濃度測定をどのように行うかを示す
バルク合成RNA材料は標準的な有機合成法によって得るが、市販のものを用いることもできる。例えば、RNAモチーフポリアデニル酸−ポリウリジル酸(pA:pU、シグマ社(Sigma)、カタログ番号P1537、ロット番号22K4068)やポリアデニル酸(pA、シグマ社(Sigma)、カタログ番号P9403、ロット番号22K4022)はシグマ社(Sigma)から入手できる。実施例の多くで使用される画分は、20bp〜約100bpのサイズの合成RNAを含む。しかしながら、いかなるサイズのRNAをも使用でき、そのような使用は本発明の範囲内である。
合成RNA材料を一連の遠心分離にかけ、有孔率が規定されたフィルターを通して分画する。製品取扱説明書に従い、約20mgのpA:pUを遠心濾過用セントリプレップ(Centriprep) YM-50、50K MWCO(アミコン社(Amicon)、カタログ番号4323)に加え、1500×gで15分間遠心した。濾液(50 kMW未満)を回収し、YM-50を更に2回同様に回転させ、濾液(<50 kMW)と残分(>50 kMW)の両者を取得した。次いで、濾液(<50 kMW)をセントリプレップ(Centriprep) YM-10、10K MWCO(アミコン社(Amicon)、カタログ番号4304)に加え、3000×gで20分間(2回)遠心し、濾液(<10 kMW)と残分(>10 kMW)の両者を取得した。
バルク合成RNA材料の分画操作後、材料を滅菌エンドトキシンフリー生理食塩水(ダルベッコリン酸緩衝生理食塩水(PBS)、滅菌済み、エンドトキシン試験済み(シグマ社(Sigma)、カタログ番号D8537)等)に溶解させ、AffinitiPak Detoxi-Gelエンドトキシン除去ゲルカラム(ピアースケミカル社(Pierce Chemical)、カタログ番号20344)等のエンドトキシン除去カラムに別々に通し、流出物(effluent)を回収した。この流出物を、エンドトキシンレベル(リポ多糖(LPS)の濃度として測定)が10EU/mgより低くなるまでエンドトキシン除去カラムに通した。LPSの測定は、リムルス(Limulus)アッセイ(カブトガニの血球抽出物(Limulus Amebocyte Lysate ("LAL")を用いた発色アッセイ(chromogenic assay)(バイオウィタッカー社(Bio Whitakker)、Kinetic-QCL、カタログ番号50-650U)等)により行う。
エンドトキシン除去後、このモチーフをPBSで1:100に希釈し、モチーフの濃度がわかっているPBS(ダルベッコリン酸緩衝生理食塩水、シグマ社(Sigma)、カタログ番号D8537)溶液を基準として、260 nmにおける吸光度をベックマンDU-640分光光度計を用いて測定した。この結果、次の吸光係数(「ec」)が得られた:
a)pA:pU、(シグマ社(Sigma)、ロット番号22K4068):ec=0.0601;
b)pA、(シグマ社(Sigma)、ロット番号22K4022):ec=0.0575
次いで、このモチーフの生物活性について各実施例に示す測定を行った。
A.白血病細胞系
実施例5:低分子量dsRNA画分は、T細胞白血病細胞系に対しアポトーシス及び細胞死を誘導する効果を示す
ヒト急性T細胞性白血病細胞系(Jurkat)をアメリカ基準株保存機関(ATCC、バージニア州マナサス)から入手し、ATCC推奨の条件下で維持した:(a)培地:2 mM L−グルタミン(インビトロジェン社(Invitrogen)、カリフォルニア州カールスバード、カタログ番号11875-085)を含有するRPMI 1640培地に10 mM HEPES(インビトロジェン社(Invitrogen)、カタログ番号15630-080)、ペニシリン−ストレプトマイシン(50ユニット/mL)(インビトロジェン社(Invitrogen)、カタログ番号15070-063)、1.0 mM ピルビン酸ナトリウム(インビトロジェン社(Invitrogen)、カタログ番号11360-070)を含有させ、0.05 mM 2−メルカプトエタノール(インビトロジェン社(Invitrogen)、カタログ番号21985-023)、ウシ胎児血清(FBS、10%)(インビトロジェン社(Invitrogen)、カタログ番号26170-019)を添加した培地;(b)連続培養:細胞培養フラスコ(コーニング社(Corning)、ニューヨーク州コーニング、カタログ番号430641)を用い、3日毎に新鮮培地と交換し、4ヶ月経過したところで新たに培養を開始;(c)温度:37℃(5%CO2)。Jurkat細胞は、in vivoにおいてヒトT細胞白血病を模倣(mimic)する、トランスフェクションされていないヒト急性T細胞性白血病細胞系である。これとその他の白血病細胞系とを選択的に殺傷できることは臨床上有用と考えられる。
次に、T細胞白血病系を48ウェルプレートのFBS含有培地に細胞濃度が0.4×106個/ウェル(即ち約80%コンフルーエンス)となるように加え、3〜4日間成熟させた。翌日、培地を新鮮なFBS不含HL-1培地(各0.2mL)と交換した。次いで、エンドトキシン試験をパスし且つ分画操作を経たdsRNA(pA:pU)(実施例4に記載済み)を、細胞に10、30、100μg/mLの濃度で6時間パルシングした後、培地を新鮮なHL-1培地と交換し、無菌状態で一晩インキュベートした(37℃/5%CO2)。次いで、冷リン酸緩衝生理食塩水(PBS、シグマ社(Sigma)、カタログ番号D8537)を細胞にゆっくり加え再懸濁させ、アポトーシスのインジケーターであるYo-Pro(モレキュラープローブ社(Molecular Probes)、オレゴン州ユージーン、カタログ番号Y-3603、最終濃度0.15μM)と細胞死のインジケーターであるエチジウムブロミド(シグマ社(Sigma)、カタログ番号46067、最終濃度1.5μg/mL)で染色した。10分間インキュベートした後、細胞を一回洗浄し、2%FBS含有緩衝液に懸濁させ氷冷下で保存した。次いで、細胞のYo-Proとエチジウムブロミド取込み量を適切な対照細胞と比較し分析するための適切なフィルターをFACS Caliburフローサイトメーター(BDバイオサイエンス社(BD Bioscience)、カリフォルニア州サンノゼ)に用いて細胞のアポトーシスと細胞死を分析した。
図5に示す結果から、低分子量pA:pU(即ち、10kD或いは約40塩基対以下のpA:pUの混合物)は、ヒトT細胞白血病細胞系に対する実質的なアポトーシスと細胞死の誘導という点で、高分子量pA:pU、塩基対長が広範囲に亘るオリゴヌクレオチド(数塩基〜数千塩基)を含有する全pA:pU及び各種対照より顕著に優れていたことが分かる。特に、高濃度のLMW(30μg/mLと100μg/mL)は細胞死とアポトーシスの誘導という点において、低濃度のLMW pA:pU(10μg/mL)より優れていた。
実施例6:低分子量dsRNA画分は、ヒトTリンパ球に対しアポトーシスと細胞死とを誘導する効果を示す
ヒトTリンパ球細胞系(ATL-2)をアメリカ基準株保存機関(ATCC、バージニア州マナサス)から入手し、ATCC推奨の条件下で維持した:(a)培地:2 mM L−グルタミン(インビトロジェン社(Invitrogen)、カリフォルニア州カールスバード、カタログ番号11875-085)を含有するRPMI 1640培地に10 mM HEPES(インビトロジェン社(Invitrogen)、カタログ番号15630-080)、ペニシリン−ストレプトマイシン(50ユニット/mL)(インビトロジェン社(Invitrogen)、カタログ番号15070-063)、1.0 mMピルビン酸ナトリウム(インビトロジェン社(Invitrogen)、カタログ番号11360-070)を含有させ、0.05 mM 2−メルカプトエタノール(インビトロジェン社(Invitrogen)、カタログ番号21985-023)、ウシ胎児血清(FBS、10%)(インビトロジェン社(Invitrogen)、カタログ番号26170-019)を添加した培地;(b)連続培養:細胞培養フラスコ(コーニング社(Corning)、ニューヨーク州コーニング、カタログ番号430641)を用い、3日毎に新鮮培地と交換し、4ヶ月経過したところで新たに培養を開始;(c)温度:37℃(5%CO2)。ATL-2細胞は、トランスフェクションされていないヒトT細胞白血病細胞系であり、in vivoにおいてヒトT細胞白血病を模倣する。これとその他の白血病細胞系とを選択的に殺傷できることは臨床上有用と考えられる。次に、Tリンパ球細胞系を48ウェルプレートのFBS含有培地に細胞濃度が約0.4×106個/ウェル、即ち80%コンフルーエンスとなるように加え、3〜4日間成熟させた。翌日、上に概要を述べたように培地をFCS不含HL-1培地(約0.2mL/ウェル)と交換した(但し、FBSは含まず)。
次いで、エンドトキシン試験をパスし且つ分画操作を経たdsRNA(pA:pU)(実施例4参照)を、細胞に10、30、100μg/mLの各濃度で6時間パルシングした後、培地を新鮮なHL-1培地と交換し、無菌状態で一晩インキュベートした(37℃/5%CO2)。次いで、冷リン酸緩衝生理食塩水(PBS、シグマ社(Sigma)、カタログ番号D8537)を細胞にゆっくり加え再懸濁させ、アポトーシスのインジケーターであるYo-Pro(モレキュラープローブ社(Molecular Probes)、オレゴン州ユージーン、カタログ番号Y-3603、最終濃度0.15μM)と細胞死のインジケーターであるエチジウムブロミド(シグマ社(Sigma)、カタログ番号46067、最終濃度1.5μg/mL)で染色した。10分間インキュベートした後、細胞を一回洗浄し、2%FBS含有緩衝液に再懸濁させ氷冷下で保存した。次いで、細胞のYo-Proとエチジウムブロミド取込み量を適切な対照細胞と比較し分析するための適切なフィルターをFACS Caliburフローサイトメーター(BDバイオサイエンス社(BD Bioscience)、カリフォルニア州サンノゼ)に用いて細胞のアポトーシスを分析した。
図6に示す結果から、低分子量pA:pU(即ち、10kD以下のpA:pUの混合物)はヒトTリンパ球細胞系に対して高分子量pA:pU、全pA:pU及び各種対照のいずれよりもアポトーシスと細胞死とを顕著に誘導できたことが分かる。LMWpA:pUのうち高濃度の100μg/mLでは、Tリンパ球細胞系の細胞死とアポトーシスの誘導において、低濃度のpA:pUより顕著に優れていた。
実施例7:低分子量dsRNA画分は、ヒトT細胞リンパ芽球に対しアポトーシスと細胞死とを誘導する効果を示す
ヒトT細胞リンパ芽球白血病細胞(CEM)をアメリカ基準株保存機関(ATCC、バージニア州マナサス)から入手し、ATCC推奨の条件下で維持した:(a)培地:2 mM L−グルタミン(インビトロジェン社(Invitrogen)、カリフォルニア州カールスバード、カタログ番号11875-085)を含有するRPMI 1640培地に10 mM HEPES(インビトロジェン社(Invitrogen)、カタログ番号15630-080)、ペニシリン−ストレプトマイシン(50ユニット/mL)(インビトロジェン社(Invitrogen)、カタログ番号15070-063)、1.0 mMピルビン酸ナトリウム(インビトロジェン社(Invitrogen)、カタログ番号11360-070)を含有させ、0.05 mM 2−メルカプトエタノール(インビトロジェン社(Invitrogen)、カタログ番号21985-023)、ウシ胎児血清(FBS、10%)(インビトロジェン社(Invitrogen)、カタログ番号26170-019)を添加した培地;(b)連続培養:細胞培養フラスコ(コーニング社(Corning)、ニューヨーク州コーニング、カタログ番号430641)を用い、3日毎に新鮮培地と交換し、4ヶ月経過したところで新たに培養を開始;(c)温度:37℃(5%CO2)。CEM細胞は、in vivoにおいてヒトT細胞白血病を模倣するトランスフェクションされていないヒトT細胞リンパ芽球白血病細胞系である。これとその他の白血病とを選択的に殺傷できることは臨床上有用と考えられる。
次に、ヒトT細胞リンパ芽球白血病細胞を48ウェルプレートのFBS含有培地に細胞濃度が0.4×106個/ウェル(即ち約80%コンフルーエンス)となるように加え、3〜4日間成熟させた。翌日、培地をFCS不含HL-1培地(0.2mL/ウェル)と交換した。次いで、エンドトキシン試験をパスし且つ分画操作を経たdsRNA(pA:pU)(実施例4参照)を、細胞に10μg/mL、30μg/mL、100μg/mLの濃度で6時間パルシングした後、培地を新鮮なHL-1培地と交換し、無菌状態で一晩インキュベートした(37℃/5%CO2)。次いで、冷リン酸緩衝生理食塩水(PBS、シグマ社(Sigma)、カタログ番号D8537)を細胞にゆっくり加え再懸濁させ、アポトーシスのインジケーターであるYo-Pro(モレキュラープローブ社(Molecular Probes)、オレゴン州ユージーン、カタログ番号Y-3603、最終濃度0.15μM)と細胞死のインジケーターであるエチジウムブロミド(シグマ社(Sigma)、カタログ番号46067、最終濃度1.5μg/mL)で染色した。10分間インキュベートした後、細胞を一回洗浄し、2%FBS含有緩衝液に再懸濁させ氷冷下で保存した。次いで、細胞のYo-Proとエチジウムブロミド取込み量を適切な対照細胞と比較し分析するための適切なフィルターをFACS Caliburフローサイトメーター(BDバイオサイエンス社(BD BIOSCIENCE)、カリフォルニア州サンノゼ)に用いて細胞のアポトーシスと細胞死を分析した。
図7に示す結果から、低分子量pA:pUは、特に高濃度の100μg/mLにおいて、各種対照或いは高分子量pA:pU、全pA:pUよりも、ヒトT細胞リンパ芽球白血病細胞系に対して顕著なレベルの細胞死とアポトーシスを誘導できたことが分かる。
実施例8:低分子量dsRNA画分は、ヒト単球性白血病細胞に対しアポトーシスと細胞死とを誘導する効果を示す
ヒト単球性白血病細胞(THP-1)をアメリカ基準株保存機関(ATCC、バージニア州マナサス)から入手し、ATCC推奨の条件下で維持した:(a)培地:2 mM L−グルタミン(インビトロジェン社(Invitrogen)、カリフォルニア州カールスバード、カタログ番号11875-085)を含有するRPMI 1640培地に10 mM HEPES(インビトロジェン社(Invitrogen)、カタログ番号15630-080)、ペニシリン−ストレプトマイシン(50ユニット/mL)(インビトロジェン社(Invitrogen)、カタログ番号15070-063)、1.0 mMピルビン酸ナトリウム(インビトロジェン社(Invitrogen)、カタログ番号11360-070)を含有させ、0.05 mM 2−メルカプトエタノール(インビトロジェン社(Invitrogen)、カタログ番号21985-023)、ウシ胎児血清(FBS、10%)(インビトロジェン社(Invitrogen)、カタログ番号26170-019)を添加した培地;(b)連続培養:細胞培養フラスコ(コーニング社(Corning)、ニューヨーク州コーニング、カタログ番号430641)を用い、3日毎に新鮮培地と交換し、4ヶ月経過したところで新たに培養を開始;(c)温度:37℃(5%CO2)。THP-1細胞は、in vivoにおいてヒト単球性白血病を模倣するトランスフェクションされていないヒト単球性白血病細胞系である。これとその他の白血病細胞系とを選択的に殺傷できることは臨床上有用と考えられる。
次に、ヒト単球性白血病細胞を48ウェルプレートのFBS含有培地に細胞濃度が0.4×106個/ウェル(即ち約80%コンフルーエンス)となるように加え、3〜4日間成熟させた。翌日、培地をFBS不含HL-1培地(0.2mL/ウェル)と交換した。
次いで、エンドトキシン試験をパスし且つ分画操作を経たdsRNA(pA:pU)(実施例4参照)を、細胞に10、30、100μg/mLの濃度で6時間パルシングした後、培地を新鮮なHL-1培地と交換し、無菌状態で一晩インキュベートした(37℃/5%CO2)。次いで、冷リン酸緩衝生理食塩水(PBS、シグマ社(Sigma)、カタログ番号D8537)を細胞にゆっくり加え再懸濁させ、アポトーシスのインジケーターであるYo-Pro(モレキュラープローブ社(Molecular Probes)、オレゴン州ユージーン、カタログ番号Y-3603、最終濃度0.15μM)と細胞死のインジケーターであるエチジウムブロミド(シグマ社(Sigma)、カタログ番号46067、最終濃度1.5μg/mL)で染色した。10分間インキュベートした後、細胞を一回洗浄し、2%FBS含有緩衝液に再懸濁させ氷冷下で保存した。次いで、細胞のYo-Proとエチジウムブロミド取込み量を適切な対照細胞と比較し分析するための適切なフィルターをFACS Caliburフローサイトメーター(BDバイオサイエンス社(BD BIOSCIENCE)、カリフォルニア州サンノゼ)に用いて細胞のアポトーシスと細胞死を分析した。
図8に示す結果から、低分子量pA:pUは、特に100μg/mLの濃度において、ヒト単球性白血病細胞系に対し実質的なアポトーシスと細胞死とを誘導するという点で、各種対照或いは高分子量pA:pU、全pA:pUのいずれよりも顕著に優れていたことが分かる。
B.非白血病細胞系
実施例9:低分子量dsRNA画分及び高分子量dsRNA画分は、対照よりも高い率でヒト腺癌細胞株に細胞死或いはアポトーシスを誘導することができなかった
ヒト子宮頸部腺癌細胞系(HeLa)をアメリカ基準株保存機関(ATCC、バージニア州マナサス)から入手し、ATCC推奨の条件下で維持した:(a)培地:2 mM L−グルタミン(インビトロジェン社(Invitrogen)、カリフォルニア州カールスバード、カタログ番号11875-085)を含有するRPMI 1640培地に10 mM HEPES(インビトロジェン社(Invitrogen)、カタログ番号15630-080)、ペニシリン−ストレプトマイシン(50ユニット/mL)(インビトロジェン社(Invitrogen)、カタログ番号15070-063)、1.0 mMピルビン酸ナトリウム(インビトロジェン社(Invitrogen)、カタログ番号11360-070)を含有させ、0.05 mM 2−メルカプトエタノール(インビトロジェン社(Invitrogen)、カタログ番号21985-023)、ウシ胎児血清(FBS、10%)(インビトロジェン社(Invitrogen)、カタログ番号26170-019)を添加した培地;(b)連続培養:細胞培養フラスコ(コーニング社(Corning)、ニューヨーク州コーニング、カタログ番号430641)を用い、3日毎に新鮮培地と交換し、4ヶ月経過したところで新たに培養を開始;(c)温度:37℃(5%CO2)。HeLa細胞は、in vivoにおいて腺癌を模倣するトランスフェクションされていないヒト子宮頸部腺癌細胞系である。これとその他の腺癌細胞系とを選択的に殺傷できることは臨床上有用と考えられる。
次に、ヒト子宮頸部腺癌細胞系を48ウェルプレートのFBS含有培地に細胞濃度が0.4×106個/ウェル(即ち約80%コンフルーエンス)となるように加え、3〜4日間成熟させた。翌日、培地をFBS不含HL-1培地(0.2mL/ウェル)と交換した。次いで、エンドトキシン試験をパスし且つ分画操作を経たdsRNA(pA:pU)(実施例4参照)を、細胞に10〜100μg/mLの濃度で6時間パルシングした後、培地を新鮮なHL-1培地と交換し、無菌状態で一晩インキュベートした(37℃/5%CO2)。次いで、冷リン酸緩衝生理食塩水(PBS、シグマ社(Sigma)、カタログ番号D8537)を細胞にゆっくり加え再懸濁させ、アポトーシスのインジケーターであるYo-Pro(モレキュラープローブ社(Molecular Probes)、オレゴン州ユージーン、カタログ番号Y-3603、最終濃度0.15μM)と細胞死のインジケーターであるエチジウムブロミド(シグマ社(Sigma)、カタログ番号46067、最終濃度1.5μg/mL)で染色した。10分間インキュベートした後、細胞を一回洗浄し、2%FBS含有緩衝液に再懸濁させ氷冷下で保存した。次いで、細胞のYo-Proとエチジウムブロミド取込み量を適切な対照細胞と比較し分析するための適切なフィルターをFACS Caliburフローサイトメーター(BDバイオサイエンス社(BD BIOSCIENCE)、カリフォルニア州サンノゼ)に用いて細胞のアポトーシスと細胞死を分析した。
図9に示す結果から、ヒト子宮頸部腺癌細胞に対しアポトーシスと細胞死を誘導するという点において、高分子量pA:pUと各種対照と同様、低分子量pA:pUは有利でなかったことが分かる。
実施例10:低分子量pA:pU(100μg/mL)はヒト肺繊維芽細胞に対し実質的なアポトーシスと細胞死とを誘導するという点で、高分子量pA:pU、全pA:pU、各種対照より顕著に優れていた
ヒト肺繊維芽細胞(「WI38」)をアメリカ基準株保存機関(ATCC、バージニア州マナサス)から入手し、ATCC推奨の条件下で維持した:(a)培地:2 mM L−グルタミン(インビトロジェン社(Invitrogen)、カリフォルニア州カールスバード、カタログ番号11875-085)を含有するRPMI 1640培地に10 mM HEPES(インビトロジェン社(Invitrogen)、カタログ番号15630-080)、ペニシリン−ストレプトマイシン(50ユニット/mL)(インビトロジェン社(Invitrogen)、カタログ番号15070-063)、1.0 mMピルビン酸ナトリウム(インビトロジェン社(Invitrogen)、カタログ番号11360-070)を含有させ、0.05 mM 2−メルカプトエタノール(インビトロジェン社(Invitrogen)、カタログ番号21985-023)、ウシ胎児血清(FBS、10%)(インビトロジェン社(Invitrogen)、カタログ番号26170-019)を添加した培地;(b)連続培養:細胞培養フラスコ(コーニング社(Corning)、ニューヨーク州コーニング、カタログ番号430641)を用い、2〜3日毎に新鮮培地と交換し、50日間経過したところで新たに培養を開始;(c)温度:37℃(5%CO2)。WI−38は、肺癌腫を模倣するヒト肺繊維芽細胞系である。
次に、ヒト肺繊維芽細胞を48ウェルプレートのFBS含有培地に細胞濃度が0.4×106個/ウェル(即ち約80%コンフルーエンス)となるように加え、3〜4日間成熟させた。翌日、培地をFCS不含HL-1培地(0.2mL/ウェル)と交換した。次いで、エンドトキシン試験をパスし且つ分画操作を経たdsRNA(pA:pU)(実施例4参照)を、細胞に10〜100μg/mLの濃度で6時間パルシングした後、培地を新鮮なHL-1培地と交換し、無菌状態で一晩インキュベートした(37℃/5%CO2)。次いで、冷リン酸緩衝生理食塩水(PBS、シグマ社(Sigma)、カタログ番号D8537)を細胞にゆっくり加え再懸濁させ、アポトーシスのインジケーターであるYo-Pro(モレキュラープローブ社(Molecular Probes)、オレゴン州ユージーン、カタログ番号Y-3603、最終濃度0.15μM)と細胞死のインジケーターであるエチジウムブロミド(シグマ社(Sigma)、カタログ番号46067、最終濃度1.5μg/mL)で染色した。10分間インキュベートした後、細胞を一回洗浄し、2%FBS含有緩衝液に再懸濁させ氷冷下で保存した。次いで、細胞のYo-Proとエチジウムブロミド取込み量を適切な対照細胞と比較し分析するための適切なフィルターをFACS Caliburフローサイトメーター(BDバイオサイエンス社(BD BIOSCIENCE)、カリフォルニア州サンノゼ)に用いて細胞のアポトーシスと細胞死を分析した。
図10に示す結果から、低分子量pA:pUは、100μg/mLの濃度でヒト肺繊維芽細胞に対しアポトーシスと細胞死とを誘導するという点において、高分子量pA:pU、全pA:pU、各種対照より顕著に優れていたことが分かる。
実施例11:高分子量、低分子量のdsRNA、ssRNAはいずれも、ヒト乳癌細胞に細胞死或いはアポトーシスを誘導するという点において、対照より優れていなかった
ヒト乳癌細胞系(SKBR-3)をアメリカ基準株保存機関(ATCC、バージニア州マナサス)から入手し、ATCC推奨の条件下で維持した:(a)培地:2 mM L−グルタミン(インビトロジェン社(Invitrogen)、カリフォルニア州カールスバード、カタログ番号11875-085)を含有するRPMI 1640培地に10 mM HEPES(インビトロジェン社(Invitrogen)、カタログ番号15630-080)、ペニシリン−ストレプトマイシン(50ユニット/mL)(インビトロジェン社(Invitrogen)、カタログ番号15070-063)、1.0 mMピルビン酸ナトリウム(インビトロジェン社(Invitrogen)、カタログ番号11360-070)を含有させ、0.05 mM 2−メルカプトエタノール(インビトロジェン社(Invitrogen)、カタログ番号21985-023)、ウシ胎児血清(FBS、10%)(インビトロジェン社(Invitrogen)、カタログ番号26170-019)を添加した培地;(b)連続培養:細胞培養フラスコ(コーニング社(Corning)、ニューヨーク州コーニング、カタログ番号430641)を用い、3日毎に新鮮培地と交換し、4ヶ月経過したところで新たに培養を開始;(c)温度:37℃(5%CO2)。
次に、ヒト乳癌細胞系を48ウェルプレートのFBS含有培地に細胞濃度が0.4×106個/ウェル(即ち約80%コンフルーエンス)となるように加え、3〜4日間成熟させた。翌日、培地をFCS不含HL-1培地(0.2mL/ウェル)と交換した。次いで、エンドトキシン試験をパスし且つ分画操作を経たdsRNA(pA:pU)(実施例4参照)を、細胞に10〜100μg/mLの濃度で6時間パルシングした後、培地を新鮮なHL-1培地と交換し、無菌状態で一晩インキュベートした(37℃/5%CO2)。次いで、冷リン酸緩衝生理食塩水(PBS、シグマ社(Sigma)、カタログ番号D8537)を細胞にゆっくり加え再懸濁させ、アポトーシスのインジケーターであるYo-Pro(モレキュラープローブ社(Molecular Probes)、オレゴン州ユージーン、カタログ番号Y-3603、最終濃度0.15μM)と細胞死のインジケーターであるエチジウムブロミド(シグマ社(Sigma)、カタログ番号46067、最終濃度1.5μg/mL)で染色した。10分間インキュベートした後、細胞を一回洗浄し、2%FBS含有緩衝液に再懸濁させ氷冷下で保存した。次いで、細胞のYo-Proとエチジウムブロミド取込み量を適切な対照細胞と比較し分析するための適切なフィルターをFACS Caliburフローサイトメーター(BDバイオサイエンス社(BD BIOSCIENCE)、カリフォルニア州サンノゼ)に用いて細胞のアポトーシスと細胞死を分析した。
図11に示す結果から、各種対照と同様、低分子量pA:pU、高分子量pA:pU、全pA:pUはいずれも、乳癌細胞に細胞死を誘導できなかったことが分かる。
実施例12:高分子量dsRNAや対照と同様、低分子量dsRNA、高分子量dsRNAはいずれもヒトPBMCにおける細胞死或いはアポトーシスを誘導できなかった
Histopaque密度勾配培地(Histopaque density gradient medium)(シグマ社(Sigma)、カタログ番号1077-1)を室温にし、数回転倒混和して完全に混合させた。Histopaque(3mL)を15mL遠沈管に加えた。ヒトのドナー(ドナー1、2)から採取したヒト血液サンプル5〜6mLをHistopaqueに慎重に積層させ、次いで400×gで20℃で30分間遠心した。滅菌ピペットを用いて、Histopaqueと血漿ができるだけ混ざらないように白色のリンパ球層を取った。
次いで、このリンパ球層を新しい15mL遠沈管に移し、3倍量のPBSをリンパ球に加えた。リンパ球を再懸濁させ、遠沈管を1500 RPMで20℃で10分間遠心した。次いで、上清をデカントしリンパ球をピペットで穏やかに再懸濁した。遠沈管は、再度1200 RPMで20℃で10分間遠心した。次いで、上清をデカントしリンパ球をHL-1培地に穏やかに再懸濁させた。もう一度、遠沈管を1000 RPMで20℃で10分間遠心し、HL-1培地に再懸濁させた。
次いで、リンパ球数をカウントし48ウェルプレートのHL-1培地に細胞濃度が4×105個/ウェルとなるよう加えた。分画・精製したRNAモチーフ(pA:pU)(実施例4参照)を最終濃度10、30、100μg/mLで、またLPS(E.coli 055:B5)を100ng/mLで細胞に添加し、一晩インキュベートした(37℃、5%CO2)。
次いで細胞を再懸濁し、次のようにエチジウムブロミド及び/又はYo-Proで染色した:滅菌した冷リン酸緩衝生理食塩水(PBS、シグマ社(Sigma)、カタログ番号D8537)(100μL)を細胞に加えた後、細胞死のインジケーターであるエチジウムブロミド(シグマ社(Sigma)、カタログ番号46067、最終濃度1.5μg/mL)及び/又はアポトーシスのインジケーターであるYo-Pro(モレキュラープローブ社(Molecular Probes)、オレゴン州ユージーン、カタログ番号Y-3603、最終濃度0.15μM)で染色した。細胞を氷冷下で10分間インキュベート後、2%FBS含有PBSに再懸濁させ、続いて細胞のYo-Proとエチジウムブロミド取込み量を適切な対照(LPS(100ng/mL)、含有無し(HL-1培地のみ))と比較し分析するための適切なフィルターをFACS Caliburフローサイトメーター(BDバイオサイエンス社(BD BIOSCIENCE)、カリフォルニア州サンノゼ)に用いて細胞のアポトーシス及び/又は細胞死を分析した。更に、アポトーシス細胞と死細胞とを区別するための適切なフィルターを用いた蛍光顕微鏡法と、Image Proソフトウェア(メディアサイバネティックス社(media Cybernetics、カリフォルニア州カールスバード)を用いた画像解析システムによって得た画像とによって細胞を分析した。
図12A〜12Bの結果から、低分子量dsRNA、高分子量dsRNAはいずれも高分子量dsRNA或いは対照と同様に、ヒトPBMCに細胞死或いはアポトーシスを誘導することができなかったことが分かる。
実施例13:低分子量dsRNA画分とオリゴマー長が既知のdsRNAは、単球性白血病細胞に対し細胞死を誘導する効果を示す
ヒト単球性白血病細胞(THP-1)をアメリカ基準系保存機関(ATCC、バージニア州マナサス)から入手し、ATCC推奨の条件下で維持した:(a)培地:2 mM L−グルタミン(インビトロジェン社(Invitrogen)、カリフォルニア州カールスバード、カタログ番号11875-085)を含有するRPMI 1640培地に10 mM HEPES(インビトロジェン社(Invitrogen)、カタログ番号15630-080)、ペニシリン−ストレプトマイシン(50ユニット/mL)(インビトロジェン社(Invitrogen)、カタログ番号15070-063)、1.0 mMピルビン酸ナトリウム(インビトロジェン社(Invitrogen)、カタログ番号11360-070)を含有させ、0.05 mM 2−メルカプトエタノール(インビトロジェン社(Invitrogen)、カタログ番号21985-023)、ウシ胎児血清(FBS、10%)(インビトロジェン社(Invitrogen)、カタログ番号26170-019)を添加した培地;(b)連続培養:細胞培養フラスコ(コーニング社(Corning)、ニューヨーク州コーニング、カタログ番号430641)を用い、3日毎に新鮮培地と交換し、4ヶ月経過したところで新たに培養を開始;(c)温度:37℃(5%CO2)。THP-1細胞は、in vivoにおいてヒト単球性白血病を模倣するトランスフェクションされていないヒト単球性白血病細胞系である。これとその他の白血病細胞系とを選択的に殺傷できることは臨床上有用と考えられる。
次に、ヒト単球性白血病細胞を48ウェルプレートのFBS含有培地に細胞濃度が0.4×106個/ウェル(即ち約80%コンフルーエンス)となるように加え、3〜4日間成熟させた。翌日、培地をFBS不含HL-1培地(0.2mL/ウェル)と交換した。
次いで、エンドトキシン試験済み全dsRNAとエンドトキシン試験をパスし且つ分画操作を経た低分子量(<10 kMW)dsRNA(pA:pU)(実施例4参照)(100μg/mL)で細胞をパルシングした。パルシングにはアデニル酸(シグマ社(Sigma)、カタログ番号A−1752)或いはウリジル酸(シグマ社(Sigma)、カタログ番号U−1752)の滅菌PBS溶液(50、100、200、400μg/mL)或いはアニーリングにより5-mer、10-mer、20-merのヌクレオチド(オリゴマー)長としたPolyA:polyU(アンビオン社(Ambion)、テキサス州オースティン)の滅菌PBS溶液(50、100、200、400μg/mLを用いた。更に、LPS(200ng/mL)のみとHL-1培地のみを対照に用いた。サンプルを一晩無菌状態でインキュベートした(37℃/5%CO2)。次いで、冷リン酸緩衝生理食塩水(PBS、シグマ社(Sigma)、カタログ番号D8537)を細胞にゆっくり加え再懸濁させ、アポトーシスのインジケーターであるYo-Pro(モレキュラープローブ社(Molecular Probes)、オレゴン州ユージーン、カタログ番号Y-3603、最終濃度0.15μM)と細胞死のインジケーターであるエチジウムブロミド(シグマ社(Sigma)、カタログ番号46067、最終濃度1.5μg/mL)で染色した。10分間インキュベートした後、細胞を一回洗浄し、2%FBS含有緩衝液に再懸濁させ氷冷下で保存した。次いで、細胞のYo-Proとエチジウムブロミド取込み量を適切な対照細胞と比較し分析するための適切なフィルターをFACS Caliburフローサイトメーター(BDバイオサイエンス社(BD BIOSCIENCE)、カリフォルニア州サンノゼ)に用いて細胞のアポトーシスを分析した。
図13に示す結果から、低分子量(<10k)pA:pU(100μg/mL)は既に示したように、実質的壊死性細胞死を誘導できたことが分かる。また、10-mer或いは20-merのpA:pU、アデニル酸、ウリジル酸及び各種対照に比べて、5-merのpA:pUのうち200μgの濃度では、わずかではあるが壊死性細胞死を誘導する量が多く、400μgの濃度では明らかな違いを示した。このことから更に、モノアデニル酸とモノウリジル酸が示す壊死作用は単なるバックグラウンドであり、最初のpA:pUオリゴマーのフォーマットが重要であることが分かる。更に、低分子量(<10 kMW)pA:pU画分が壊死作用を示すのは、壊死作用を有する10-mer長未満のオリゴマーを有するためであろう。
図1は、高分子量合成RNAの、抗原提示細胞(APC)にアポトーシスを誘導する効果を示す。 図2は、低分子量RNAと高分子量RNAの、形質転換されたヒト単球性細胞に細胞死を誘導する効果を示す。 図3は、ヒト抗原提示細胞におけるサイトカインTNF-αとIL-12の発現プロフィールを示す。 図4は、分画操作を経た低分子量RNAと高分子量RNAの効果の差異を示す表である。 図5は、各濃度の低分子量pA:pUがヒトT細胞白血病細胞系に対して実質的にアポトーシス及び細胞死を誘導するという点で、高分子量pA:pU、全pA:pU、各種対照より顕著に優れていたこと示す。 図6は、低分子量pA:pUがヒトTリンパ球細胞系に対して高分子量pA:pU、全pA:pU及び各種対照のいずれよりもアポトーシスと細胞死とを顕著に誘導できたことを示す。 図7は、低分子量pA:pUが、特に高濃度の100μg/mLにおいて、ヒトT細胞リンパ芽球白血病細胞に対し顕著なレベルの細胞死とアポトーシスを誘導できたことを示す。 図8は、低分子量pA:pUが、特に100μg/mLの濃度において、ヒト単球性白血病細胞系に対し実質的なアポトーシスと細胞死とを誘導するという点で、各種対照或いは高分子量pA:pUのいずれよりも顕著に優れていたことを示す。 図9は、低分子量pA:pUがヒト子宮頸部腺癌細胞に対しアポトーシス及び細胞死を誘導することができたことを示す。 図10は、低分子量pA:pUがヒト肺繊維芽細胞に対し実質的なアポトーシスと細胞死とを誘導するという点において、高分子量pA:pU、全pA:pU、各種対照より顕著に優れていたことを示す。 図11は、低分子量pA:pUと高分子量pA:pUのいずれも乳癌細胞に細胞死を誘導できなかったことを示す。 図12Aは、低分子量dsRNAと高分子量dsRNAのいずれもヒトPBMCに細胞死もアポトーシスも誘導できなかったことを示す。 図12Bは、低分子量dsRNAと高分子量dsRNAのいずれもヒトPBMCに細胞死もアポトーシスも誘導できなかったことを示す。 図13は、単球性白血病細胞に対し細胞死誘導効果を示す低分子量dsRNA画分とオリゴマー長が既知のpA:pUについて示す。

Claims (37)

  1. 患者の形質転換細胞或いは非形質転換細胞にRNA鎖を投与することにより該細胞にアポトーシス或いは細胞死を誘導する方法。
  2. RNA鎖の平均サイズが1 kDa〜50 kDaである、請求項1に記載の方法。
  3. RNA鎖がdsRNAである、請求項1に記載の方法。
  4. RNA鎖がssRNAである、請求項1に記載の方法。
  5. dsRNAがpA:pUである、請求項3に記載の方法。
  6. dsRNAを、1〜999μg/kgの用量で静脈内投与する、請求項5に記載の方法。
  7. 患者に投与するdsRNAの濃度が1〜500μg/kgである、請求項3に記載の方法。
  8. 患者がヒトであり、細胞が癌細胞であり、dsRNAがpA:pUであり、dsRNAを癌細胞に直接注射する、請求項1に記載の方法。
  9. ssRNAがpAである、請求項4に記載の方法。
  10. 形質転換細胞が、T細胞白血病細胞、ヒト単球白血病細胞、ヒト腺癌細胞、及びヒト肺繊維芽細胞からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  11. ssRNA或いはdsRNAを細胞に投与することにより細胞に細胞死或いはアポトーシスを誘導する方法であって、ssRNA或いはdsRNAの平均サイズが20 kDa未満である方法。
  12. ssRNA或いはdsRNAの平均サイズが10 kDa未満である、請求項11に記載の方法。
  13. 細胞が形質転換細胞である、請求項12に記載の方法。
  14. ssRNAがpAである、請求項12に記載の方法。
  15. dsRNAがpA:pUである、請求項11に記載の方法。
  16. 細胞が癌細胞である、請求項12に記載の方法。
  17. RNA鎖が、増強したTNF-αサイトカイン産生を誘導し、これにより前記細胞にT1免疫応答を導く、請求項1に記載の方法。
  18. RNA鎖が、増強したTNF-αサイトカイン産生を誘導し、これにより前記細胞にT1免疫応答を導く、請求項12に記載の方法。
  19. 細胞死を誘導するためのRNAの使用により、増強した免疫応答を細胞に誘導する、請求項1に記載の方法。
  20. 局所投与、全身投与、及び直接注射からなる群から選択される投与形態により、RNAを細胞にin vivoで投与する、請求項1に記載の方法。
  21. ssRNA或いはdsRNAを細胞に投与することにより細胞にアポトーシスを誘導する方法であって、ssRNA或いはdsRNAのサイズが10 kDa未満である方法。
  22. RNAがssRNAであり、pAである、請求項21に記載の方法。
  23. RNAがdsRNAであり、pA:pUである、請求項21に記載の方法。
  24. 細胞が形質転換細胞である、請求項21に記載の方法。
  25. 誘導されたアポトーシス性細胞が、増強したIL-12サイトカイン産生を誘導する、請求項21に記載の方法。
  26. Th1応答が誘導される、請求項21に記載の方法。
  27. RNAがdsRNAであり、その分子量が50 kDaより大であり、増強したIL-12応答を誘導する、請求項1に記載の方法。
  28. 患者の形質転換細胞に細胞死或いはアポトーシスを誘導するための組成物であって、平均分子量1〜50 kDaのdsRNAを含有する組成物。
  29. dsRNAの平均分子量が20 kDa未満である、請求項28に記載の組成物。
  30. dsRNAの平均分子量が10 kDa未満である、請求項28に記載の組成物。
  31. dsRNAがpA:pUである、請求項28に記載の組成物。
  32. dsRNAが、増強したTNF-αサイトカイン産生を誘導する、請求項28に記載の組成物。
  33. 形質転換細胞に細胞死或いはアポトーシスを誘導するための組成物であって、オリゴヌクレオチドを含み、該オリゴヌクレオチドが、アデニン、ウラシル、シトシン、グアニン、及びイノシンからなる群から選択される少なくとも二塩基対から構成され、分子量が1 kDa〜50 kDaである、組成物。
  34. オリゴヌクレオチドがssRNAである、請求項33に記載の組成物。
  35. オリゴヌクレオチドがdsRNAである、請求項33に記載の組成物。
  36. ssRNAがpAである、請求項33に記載の組成物。
  37. オリゴヌクレオチドがpA:pUである、請求項35に記載の組成物。
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