JP2006521792A - 細胞の未分化状態マーカーならびに幹細胞の分離および調製のための組成物および方法 - Google Patents
細胞の未分化状態マーカーならびに幹細胞の分離および調製のための組成物および方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2006521792A JP2006521792A JP2006502668A JP2006502668A JP2006521792A JP 2006521792 A JP2006521792 A JP 2006521792A JP 2006502668 A JP2006502668 A JP 2006502668A JP 2006502668 A JP2006502668 A JP 2006502668A JP 2006521792 A JP2006521792 A JP 2006521792A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polypeptide
- seq
- polynucleotide
- fragment
- amino acid
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07K—PEPTIDES
- C07K14/00—Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
- C07K14/435—Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
- C07K14/46—Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans from vertebrates
- C07K14/47—Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans from vertebrates from mammals
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12N—MICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
- C12N5/00—Undifferentiated human, animal or plant cells, e.g. cell lines; Tissues; Cultivation or maintenance thereof; Culture media therefor
- C12N5/06—Animal cells or tissues; Human cells or tissues
- C12N5/0602—Vertebrate cells
- C12N5/0607—Non-embryonic pluripotent stem cells, e.g. MASC
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12N—MICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
- C12N2510/00—Genetically modified cells
Landscapes
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Genetics & Genomics (AREA)
- Biomedical Technology (AREA)
- Zoology (AREA)
- Biochemistry (AREA)
- Biotechnology (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
- Wood Science & Technology (AREA)
- Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
- Developmental Biology & Embryology (AREA)
- Molecular Biology (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Biophysics (AREA)
- Cell Biology (AREA)
- Gastroenterology & Hepatology (AREA)
- Microbiology (AREA)
- Toxicology (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
- Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
- Peptides Or Proteins (AREA)
Abstract
Description
Niwa, H., Miyazaki, J., and Smith, A. G. (2000). Quantitative expression of Oct3/4 defines differentiation, dedifferentiation or self−renewal of ES cells. Nat.Genet.24, 372−376
(1)(a)配列番号1、3、5または29に記載の塩基配列またはそのフラグメント配列を有するポリヌクレオチド;
(b)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチドまたはそのフラグメントをコードするポリヌクレオチド;
(c)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列において、1以上のアミノ酸が、置換、付加および欠失からなる群より選択される1つの変異を有する改変体ポリペプチドまたはそのフラグメントであって、生物学的活性を有する改変体ポリペプチドをコードする、ポリヌクレオチド;
(d)配列番号1、3、5または29に記載の塩基配列のスプライス変異体もしくは対立遺伝子変異体またはそのフラグメントである、ポリヌクレオチド;
(e)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチドの種相同体またはそのフラグメントをコードする、ポリヌクレオチド;
(f)(a)〜(e)のいずれか1つのポリヌクレオチドにストリンジェント条件下でハイブリダイズし、かつ生物学的活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;または
(g)(a)〜(e)のいずれか1つのポリヌクレオチドまたはその相補配列に対する同一性が少なくとも70%である塩基配列からなり、かつ、生物学的活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、
を含む、
核酸分子。
(2) 少なくとも10の連続するヌクレオチド長を有する、項目1に記載の核酸分子。
(3) 配列番号1、3、5または29において、配列番号7もしくは9またはそれに対応するStm2の核酸配列の対応する配列と相違する配列を少なくとも1つの位置において有する、項目1に記載の核酸分子。
(4) 上記相違する配列を有する部分は、制限酵素で消化され得る、項目3に記載の核酸分子。
(5) 配列番号1、3、5または29に示される配列を含む、項目1に記載の核酸分子。
(6) (a)配列番号3に記載の塩基配列の1037位〜1607位もしくは244位〜1126位またはそれらに対応する位置の塩基配列、あるいはそのフラグメント配列を有するポリヌクレオチド;
(b)(a)のポリヌクレオチドにストリンジェント条件下でハイブリダイズし、かつ生物学的活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;または
(c)(a)〜(b)のいずれか1つのポリヌクレオチドまたはその相補配列に対する同一性が少なくとも70%である塩基配列からなり、かつ生物学的活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、
を含む、
核酸分子。
(7) 項目1に記載の核酸分子に対して特異的な因子。
(8) 配列番号7もしくは9に示される配列を有し、またはそれに対応するStm2遺伝子の核酸分子に対しては特異的な反応しない、項目7に記載の因子。
(9) 上記因子は、核酸分子、ポリペプチド、脂質、糖鎖、有機低分子およびそれらの複合分子からなる群より選択される、項目7に記載の因子。
(10) 上記因子は、少なくとも8の連続するヌクレオチド長を有する核酸分子である、項目7に記載の因子。
(11) 上記因子は、核酸分子であり、プライマーとして使用される、項目7に記載の因子。
(12) 上記因子は、プローブとして使用される、項目7に記載の因子。
(13) 上記因子は、標識されているかまたは標識され得る、項目7に記載の因子。
(14) 上記標識は、蛍光、リン光、化学発光、放射能、酵素基質反応および抗原抗体反応からなる群より選択される技法を利用する、項目13に記載の因子。
(15) (a)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列またはそのフラグメントからなる、ポリペプチド;
(b)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列またはそのフラグメントにおいて、1以上のアミノ酸が置換、付加および欠失からなる群より選択される1つの変異を有し、かつ、生物学的活性を有する、ポリペプチド;
(c)配列番号1、3、5または29に記載の塩基配列のスプライス変異体または対立遺伝子変異体によってコードされる、ポリペプチド;
(d)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列の種相同体である、ポリペプチド;または
(e)(a)〜(d)のいずれか1つのポリペプチドに対する同一性が少なくとも70%であるアミノ酸配列を有し、かつ、生物学的活性を有する、ポリペプチド、
を含む、
ポリペプチド。
(16) 少なくとも3の連続するアミノ酸配列を有する、項目15に記載のポリペプチド。
(17) 配列番号2、4、6または30において、配列番号8もしくは10またはそれに対応するStm2のアミノ酸配列の対応する配列と相違する配列を少なくとも1つの位置において有する、項目15に記載のポリペプチド。
(18) 上記相違する配列を有する部分は、制限酵素で消化され得る、項目17に記載のポリペプチド。
(19) (a)配列番号4に記載のアミノ酸配列の157位〜218位(ホメオドメイン)、261位〜301位(Wリッチ領域)もしくは399位〜455位(B2反復配列領域)またはそれに対応する位置のアミノ酸配列、またはそのフラグメントからなる、ポリペプチド;
(b)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列において、1以上のアミノ酸が置換、付加および欠失からなる群より選択される1つの変異を有し、かつ、生物学的活性を有する、ポリペプチド;または
(c)(a)〜(b)のいずれか1つのポリペプチドに対する同一性が少なくとも70%であるアミノ酸配列を有し、かつ、生物学的活性を有する、ポリペプチド、
を含む、
ポリペプチド。
(20) 項目15に記載の核酸分子に対して特異的に結合する、因子。
(21) 上記因子は、核酸分子、ポリペプチド、脂質、糖鎖、有機低分子およびそれらの複合分子からなる群より選択される、項目20に記載の因子。
(22) 上記因子は、抗体またはその誘導体である、項目20に記載の因子。
(23) 上記因子は、プローブとして使用される、項目20に記載の因子。
(24) 上記因子は、標識されているかまたは標識され得る、項目20に記載の因子。
(25) 上記標識は、蛍光、リン光、化学発光、放射能、酵素基質反応および抗原抗体反応からなる群より選択される技法を利用する、項目24に記載の因子。
(26) 項目1に記載の核酸分子を含む、発現カセット。
(27) 項目1に記載の核酸分子を含む、ベクター。
(28) 上記核酸分子に作動可能に連結された制御配列をさらに含む、項目27に記載のベクター。
(29) 上記制御配列は、上記核酸分子の発現を誘導する、項目28に記載のベクター。
(30) 選択マーカーをコードする配列をさらに含む、項目28に記載のベクター。
(31) 項目1に記載の核酸分子を含む、細胞。
(32) 項目1に記載の核酸分子が発現されるように含まれる、細胞。
(33) 項目1に記載の核酸分子が発現可能に含まれ、かつ、所望のゲノム配列を有する、細胞。
(34) 項目1に記載の核酸分子を含む、動物組織。
(35) 項目1に記載の核酸分子を含む、動物。
(36) 項目1に記載の核酸分子を含む細胞が濃縮された、組成物。
(37) Stm遺伝子のプロモーター部分の配列を含む、核酸分子。
(38) 項目37に記載の核酸分子を含む、ベクター。
(39) 選択マーカーをコードする配列をさらに含む、項目18に記載のベクター。
(40) 項目37に記載の核酸分子を含む、細胞。
(41) 項目37に記載の核酸分子を含む、動物組織。
(42) 項目37に記載の核酸分子を含む、動物。
(43) 項目37に記載の核酸分子を含む細胞が濃縮された、組成物。
(44) 細胞の未分化状態を判定するための組成物であって、上記組成物は、Stm遺伝子またはStm遺伝子産物に特異的に反応する因子を含む、組成物。
(45) 上記Stm遺伝子またはStm遺伝子産物は、
(A)(a)配列番号1、3、5または29に記載の塩基配列またはそのフラグメント配列を有するポリヌクレオチド;
(b)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチドまたはそのフラグメントをコードするポリヌクレオチド;
(c)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列において、1以上のアミノ酸が、置換、付加および欠失からなる群より選択される1つの変異を有する改変体ポリペプチドまたはそのフラグメントであって、生物学的活性を有する改変体ポリペプチドをコードする、ポリヌクレオチド;
(d)配列番号1、3、5または29に記載の塩基配列のスプライス変異体または対立遺伝子変異体またはそのフラグメントである、ポリヌクレオチド;
(e)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチドの種相同体またはそのフラグメントをコードする、ポリヌクレオチド;
(f)(a)〜(e)のいずれか1つのポリヌクレオチドにストリンジェント条件下でハイブリダイズし、かつ生物学的活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;または
(g)(a)〜(e)のいずれか1つのポリヌクレオチドまたはその相補配列に対する同一性が少なくとも70%である塩基配列からなり、かつ、生物学的活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、
を含む、
核酸分子;あるいは
(B)(a)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列またはそのフラグメントからなる、ポリペプチド;
(b)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列またはそのフラグメントにおいて、1以上のアミノ酸が置換、付加および欠失からなる群より選択される1つの変異を有し、かつ、生物学的活性を有する、ポリペプチド;
(c)配列番号1、3、5または29に記載の塩基配列のスプライス変異体または対立遺伝子変異体によってコードされる、ポリペプチド;
(d)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列の種相同体である、ポリペプチド;または
(e)(a)〜(d)のいずれか1つのポリペプチドに対する同一性が少なくとも70%であるアミノ酸配列を有し、かつ、生物学的活性を有する、ポリペプチド、
を含む、
ポリペプチド、である、項目44に記載の組成物。
(46) 上記細胞は、幹細胞である、項目44に記載の組成物。
(47) 上記細胞は、胚性幹細胞、多能性幹細胞、単能性幹細胞、および組織幹細胞を含む、項目44に記載の組成物。
(48) 上記細胞は、神経幹細胞、性腺幹細胞、造血幹細胞、表皮幹細胞および間充組織幹細胞からなる群より選択される組織幹細胞を含む、項目44に記載の組成物。
(49) 上記細胞は、遺伝子改変されたものかまたは遺伝子改変されていないものである、項目44に記載の組成物。
(50) 細胞の未分化状態を判定する方法であって、
(I)判定されるべき細胞を提供する工程;
(II)Stm遺伝子またはStm遺伝子産物に特異的に反応する因子を、上記細胞に接触させる工程;および
(III)上記因子と上記Stm遺伝子またはStm遺伝子産物との特異的反応を検出することによって、上記Stm遺伝子が上記細胞において発現しているかどうかを確認する工程、
を包含し、ここで、上記細胞における上記Stm遺伝子の発現は、細胞が未分化状態にあることを示す、方法。
(51) 上記未分化状態は、全能性を含む、項目50に記載の方法。
(52) 上記Stm遺伝子またはStm遺伝子産物は、
(A)(a)配列番号1、3、5または29に記載の塩基配列またはそのフラグメント配列を有するポリヌクレオチド;
(b)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチドまたはそのフラグメントをコードするポリヌクレオチド;
(c)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列において、1以上のアミノ酸が、置換、付加および欠失からなる群より選択される1つの変異を有する改変体ポリペプチドであって、生物学的活性を有する改変体ポリペプチドをコードする、ポリヌクレオチド;
(d)配列番号1、3、5または29に記載の塩基配列のスプライス変異体または対立遺伝子変異体である、ポリヌクレオチド;
(e)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチドの種相同体をコードする、ポリヌクレオチド;
(f)(a)〜(e)のいずれか1つのポリヌクレオチドにストリンジェント条件下でハイブリダイズし、かつ生物学的活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;または
(g)(a)〜(e)のいずれか1つのポリヌクレオチドまたはその相補配列に対する同一性が少なくとも70%である塩基配列からなり、かつ、生物学的活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、
を含む、
核酸分子;あるいは
(B)(a)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列またはそのフラグメントからなる、ポリペプチド;
(b)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列において、1以上のアミノ酸が置換、付加および欠失からなる群より選択される1つの変異を有し、かつ、生物学的活性を有する、ポリペプチド;
(c)配列番号1、3、5または29に記載の塩基配列のスプライス変異体または対立遺伝子変異体によってコードされる、ポリペプチド;
(d)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列の種相同体である、ポリペプチド;または
(e)(a)〜(d)のいずれか1つのポリペプチドに対する同一性が少なくとも70%であるアミノ酸配列を有し、かつ、生物学的活性を有する、ポリペプチド、
を含む、
ポリペプチドを含む、項目50に記載の方法。
(53) さらに、他の幹細胞マーカーが発現しているかどうかを確認する工程を包含する、項目50に記載の方法。
(54) 上記他の幹細胞マーカーは、Oct3/4を含む、項目53に記載の方法。
(55) 上記Stm遺伝子は、Stm1遺伝子を含む、項目50に記載の方法。
(56) 上記Stm1遺伝子は、配列番号1、3、5または29に示される配列を含む、項目55に記載の方法。
(57) 未分化状態の細胞を調製する方法であって、
(I)未分化状態の細胞を含むかまたは含むと予測されるサンプルを提供する工程;
(II)Stm遺伝子またはStm遺伝子産物に特異的に反応する因子を、上記サンプルに接触させる工程;
(III)上記Stm遺伝子が上記サンプル中の細胞において発現しているかどうかを確認する工程;および
(IV)上記Stm遺伝子が発現している細胞を分離または濃縮する工程、
を包含する、方法。
(58) 上記未分化状態は、全能性を含む、項目57に記載の方法。
(59) 上記Stm遺伝子またはStm遺伝子産物は、
(A)(a)配列番号1、3、5または29に記載の塩基配列またはそのフラグメント配列を有するポリヌクレオチド;
(b)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチドまたはそのフラグメントをコードするポリヌクレオチド;
(c)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列において、1以上のアミノ酸が、置換、付加および欠失からなる群より選択される1つの変異を有する改変体ポリペプチドまたはそのフラグメントであって、生物学的活性を有する改変体ポリペプチドをコードする、ポリヌクレオチド;
(d)配列番号1、3、5または29に記載の塩基配列のスプライス変異体または対立遺伝子変異体またはそのフラグメントである、ポリヌクレオチド;
(e)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチドの種相同体またはそのフラグメントをコードする、ポリヌクレオチド;
(f)(a)〜(e)のいずれか1つのポリヌクレオチドにストリンジェント条件下でハイブリダイズし、かつ生物学的活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;または
(g)(a)〜(e)のいずれか1つのポリヌクレオチドまたはその相補配列に対する同一性が少なくとも70%である塩基配列からなり、かつ、生物学的活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、
を含む、
核酸分子;あるいは
(B)(a)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列またはそのフラグメントからなる、ポリペプチド;
(b)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列において、1以上のアミノ酸が置換、付加および欠失からなる群より選択される1つの変異を有し、かつ、生物学的活性を有する、ポリペプチド;
(c)配列番号1、3、5または29に記載の塩基配列のスプライス変異体または対立遺伝子変異体によってコードされる、ポリペプチド;
(d)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列の種相同体である、ポリペプチド;または
(e)(a)〜(d)のいずれか1つのポリペプチドに対する同一性が少なくとも70%であるアミノ酸配列を有し、かつ、生物学的活性を有する、ポリペプチド、
を含む、
ポリペプチドを含む、項目57に記載の方法。
(60) 未分化状態の細胞を調製する方法であって、
(I)細胞を提供する工程;および
(II)上記細胞中のStm遺伝子の発現を誘導する工程、
を包含する、方法。
(61) 上記未分化状態は、全能性を含む、項目60に記載の方法。
(62) 上記Stm遺伝子は、
(A)(a)配列番号1、3、5または29に記載の塩基配列またはそのフラグメント配列を有するポリヌクレオチド;
(b)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチドまたはそのフラグメントをコードするポリヌクレオチド;
(c)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列において、1以上のアミノ酸が、置換、付加および欠失からなる群より選択される1つの変異を有する改変体ポリペプチドまたはそのフラグメントであって、生物学的活性を有する改変体ポリペプチドをコードする、ポリヌクレオチド;
(d)配列番号1、3、5または29に記載の塩基配列のスプライス変異体または対立遺伝子変異体またはそのフラグメントである、ポリヌクレオチド;
(e)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチドの種相同体またはそのフラグメントをコードする、ポリヌクレオチド;
(f)(a)〜(e)のいずれか1つのポリヌクレオチドにストリンジェント条件下でハイブリダイズし、かつ生物学的活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;または
(g)(a)〜(e)のいずれか1つのポリヌクレオチドまたはその相補配列に対する同一性が少なくとも70%である塩基配列からなり、かつ、生物学的活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、
を含む、
核酸分子を含む、項目60に記載の方法。
(63) 未分化状態の細胞を分離および/または増殖および/または濃縮する方法であって、
(I)細胞を提供する工程;
(II)上記細胞にStm遺伝子またはStm遺伝子プロモーターを導入する工程;および
(III)上記Stm遺伝子またはStm遺伝子プロモーターを発現する細胞を選択する工程、
を包含する、方法。
(64) 上記未分化状態は、全能性である、項目63に記載の方法。
(65) 上記Stm遺伝子またはStm遺伝子プロモーターは、
(A)(a)配列番号1、3、5または29に記載の塩基配列またはそのフラグメント配列を有するポリヌクレオチド;
(b)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチドまたはそのフラグメントをコードするポリヌクレオチド;
(c)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列において、1以上のアミノ酸が、置換、付加および欠失からなる群より選択される1つの変異を有する改変体ポリペプチドまたはそのフラグメントであって、生物学的活性を有する改変体ポリペプチドをコードする、ポリヌクレオチド;
(d)配列番号1、3、5または29に記載の塩基配列のスプライス変異体または対立遺伝子変異体またはそのフラグメントである、ポリヌクレオチド;
(e)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチドの種相同体またはそのフラグメントをコードする、ポリヌクレオチド;
(f)(a)〜(e)のいずれか1つのポリヌクレオチドにストリンジェント条件下でハイブリダイズし、かつ生物学的活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;または
(g)(a)〜(e)のいずれか1つのポリヌクレオチドまたはその相補配列に対する同一性が少なくとも70%である塩基配列からなり、かつ、生物学的活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、
を含む、
核酸分子;あるいは
(B)Stm1遺伝子のプロモーター部分の配列を含む、項目39に記載の方法。
(66) 細胞の分化状態を判定するキットであって、
(a)Stm遺伝子またはStm遺伝子産物に特異的に反応する因子;および
(b)上記Stm遺伝子が上記細胞において発現しているかどうかを確認するための手段、
を備える、キット。
(67) 上記分化状態は、多能性である、項目66に記載の方法。
(68) 上記分化状態は、全能性である、項目66に記載の方法。
(69) 上記Stm遺伝子またはStm遺伝子産物は、
(A)(a)配列番号1、3、5または29に記載の塩基配列またはそのフラグメント配列を有するポリヌクレオチド;
(b)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチドまたはそのフラグメントをコードするポリヌクレオチド;
(c)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列において、1以上のアミノ酸が、置換、付加および欠失からなる群より選択される1つの変異を有する改変体ポリペプチドまたはそのフラグメントであって、生物学的活性を有する改変体ポリペプチドをコードする、ポリヌクレオチド;
(d)配列番号1、3、5または29に記載の塩基配列のスプライス変異体または対立遺伝子変異体またはそのフラグメントである、ポリヌクレオチド;
(e)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチドの種相同体またはそのフラグメントをコードする、ポリヌクレオチド;
(f)(a)〜(e)のいずれか1つのポリヌクレオチドにストリンジェント条件下でハイブリダイズし、かつ生物学的活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;または
(g)(a)〜(e)のいずれか1つのポリヌクレオチドまたはその相補配列に対する同一性が少なくとも70%である塩基配列からなり、かつ、生物学的活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、
を含む、
核酸分子;あるいは
(B)(a)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列またはそのフラグメントからなる、ポリペプチド;
(b)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列またはそのフラグメントにおいて、1以上のアミノ酸が置換、付加および欠失からなる群より選択される1つの変異を有し、かつ、生物学的活性を有する、ポリペプチド;
(c)配列番号1、3、5または29に記載の塩基配列のスプライス変異体または対立遺伝子変異体によってコードされる、ポリペプチド;
(d)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列の種相同体である、ポリペプチド;または
(e)(a)〜(d)のいずれか1つのポリペプチドに対する同一性が少なくとも70%であるアミノ酸配列を有し、かつ、生物学的活性を有する、ポリペプチド、
を含む、
ポリペプチドを含む、項目66に記載のキット。
(70) さらに、他の幹細胞マーカーが発現しているかどうかを確認する手段を備える、項目64に記載のキット。
(71) 上記他の幹細胞マーカーは、Oct3/4を含む、項目70に記載のキット。
(72) 上記Stm遺伝子は、Stm1遺伝子を含む、項目66に記載のキット。
(73) 未分化状態の細胞を調製するためのキットであって、
(I)Stm遺伝子またはStm遺伝子産物に特異的に反応する因子;
(II)上記Stm遺伝子が上記サンプル中の細胞において発現しているかどうかを確認する手段;および
(III)上記Stm遺伝子が発現している細胞を分離または濃縮する手段、
を備える、キット。
(74) 上記未分化状態は、全能性である、項目73に記載のキット。
(75) 上記Stm遺伝子またはStm遺伝子産物は、
(A)(a)配列番号1、3、5または29に記載の塩基配列またはそのフラグメント配列を有するポリヌクレオチド;
(b)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチドまたはそのフラグメントをコードするポリヌクレオチド;
(c)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列において、1以上のアミノ酸が、置換、付加および欠失からなる群より選択される1つの変異を有する改変体ポリペプチドまたはそのフラグメントであって、生物学的活性を有する改変体ポリペプチドをコードする、ポリヌクレオチド;
(d)配列番号1、3、5または29に記載の塩基配列のスプライス変異体または対立遺伝子変異体またはそのフラグメントである、ポリヌクレオチド;
(e)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチドの種相同体またはそのフラグメントをコードする、ポリヌクレオチド;
(f)(a)〜(e)のいずれか1つのポリヌクレオチドにストリンジェント条件下でハイブリダイズし、かつ生物学的活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;または
(g)(a)〜(e)のいずれか1つのポリヌクレオチドまたはその相補配列に対する同一性が少なくとも70%である塩基配列からなり、かつ、生物学的活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、
を含む、
核酸分子;あるいは
(B)(a)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列またはそのフラグメントからなる、ポリペプチド;
(b)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列またはそのフラグメントにおいて、1以上のアミノ酸が置換、付加および欠失からなる群より選択される1つの変異を有し、かつ、生物学的活性を有する、ポリペプチド;
(c)配列番号1、3、5または29に記載の塩基配列のスプライス変異体または対立遺伝子変異体によってコードされる、ポリペプチド;
(d)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列の種相同体である、ポリペプチド;または
(e)(a)〜(d)のいずれか1つのポリペプチドに対する同一性が少なくとも70%であるアミノ酸配列を有し、かつ、生物学的活性を有する、ポリペプチド、
を含む、
ポリペプチドを含む、項目73に記載のキット。
(76) 未分化状態の細胞を調製するキットであって、
(I)細胞中のStm遺伝子の発現を誘導する手段、
を備える、キット。
(77) 上記未分化状態は、全能性である、項目76に記載のキット。
(78) 上記Stm遺伝子は、
(A)(a)配列番号1、3、5または29に記載の塩基配列またはそのフラグメント配列を有するポリヌクレオチド;
(b)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチドまたはそのフラグメントをコードするポリヌクレオチド;
(c)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列において、1以上のアミノ酸が、置換、付加および欠失からなる群より選択される1つの変異を有する改変体ポリペプチドまたはそのフラグメントであって、生物学的活性を有する改変体ポリペプチドをコードする、ポリヌクレオチド;
(d)配列番号1、3、5または29に記載の塩基配列のスプライス変異体または対立遺伝子変異体またはそのフラグメントである、ポリヌクレオチド;
(e)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチドの種相同体またはそのフラグメントをコードする、ポリヌクレオチド;
(f)(a)〜(e)のいずれか1つのポリヌクレオチドにストリンジェント条件下でハイブリダイズし、かつ生物学的活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;または
(g)(a)〜(e)のいずれか1つのポリヌクレオチドまたはその相補配列に対する同一性が少なくとも70%である塩基配列からなり、かつ、生物学的活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、
を含む、
核酸分子を含む、項目74に記載のキット。
(79) 未分化状態の細胞を調製するキットであって、
(I)制御配列に作動可能に連結されたStm遺伝子を含むベクター、
を備える、キット。
(80) 上記未分化状態は、全能性である、項目79に記載のキット。
(81) 上記Stm遺伝子は、
(A)(a)配列番号1、3、5または29に記載の塩基配列またはそのフラグメント配列を有するポリヌクレオチド;
(b)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチドまたはそのフラグメントをコードするポリヌクレオチド;
(c)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列において、1以上のアミノ酸が、置換、付加および欠失からなる群より選択される1つの変異を有する改変体ポリペプチドまたはそのフラグメントであって、生物学的活性を有する改変体ポリペプチドをコードする、ポリヌクレオチド;
(d)配列番号1、3、5または29に記載の塩基配列のスプライス変異体または対立遺伝子変異体またはそのフラグメントである、ポリヌクレオチド;
(e)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチドの種相同体またはそのフラグメントをコードする、ポリヌクレオチド;
(f)(a)〜(e)のいずれか1つのポリヌクレオチドにストリンジェント条件下でハイブリダイズし、かつ生物学的活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;または
(g)(a)〜(e)のいずれか1つのポリヌクレオチドまたはその相補配列に対する同一性が少なくとも70%である塩基配列からなり、かつ、生物学的活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、
を含む、
核酸分子を含む、項目79に記載のキット。
(82) 未分化状態の細胞を分離および/または増殖および/または濃縮するキットであって、
(I)Stm遺伝子またはStm遺伝子プロモーター;
(II)細胞に該Stm遺伝子またはStm遺伝子プロモーターを導入する手段;および
(III)該Stm遺伝子またはStm遺伝子プロモーターを発現する細胞を選択する手段、
を包含する、キット。
(83) 前記未分化状態は、全能性である、項目82に記載のキット。
(84) 前記Stm遺伝子またはStm遺伝子プロモーターは、
(A)(a)配列番号1、3、5または29に記載の塩基配列またはそのフラグメント配列を有するポリヌクレオチド;
(b)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチドまたはそのフラグメントをコードするポリヌクレオチド;
(c)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列において、1以上のアミノ酸が、置換、付加および欠失からなる群より選択される1つの変異を有する改変体ポリペプチドまたはそのフラグメントであって、生物学的活性を有する改変体ポリペプチドをコードする、ポリヌクレオチド;
(d)配列番号1、3、5または29に記載の塩基配列のスプライス変異体または対立遺伝子変異体またはそのフラグメントである、ポリヌクレオチド;
(e)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチドの種相同体またはそのフラグメントをコードする、ポリヌクレオチド;
(f)(a)〜(e)のいずれか1つのポリヌクレオチドにストリンジェント条件下でハイブリダイズし、かつ生物学的活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;または
(g)(a)〜(e)のいずれか1つのポリヌクレオチドまたはその相補配列に対する同一性が少なくとも70%である塩基配列からなり、かつ、生物学的活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、
を含む、
核酸分子;あるいは
(B)Stm1遺伝子のプロモーター部分の配列を含む、項目82に記載のキット。
以下に本明細書において特に使用される用語の定義を列挙する。
(A)(a)配列番号1、3、5、7、9または29に記載の塩基配列またはそのフラグメント配列を有するポリヌクレオチド;
(b)配列番号2、4、6、8、10または30に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチドまたはそのフラグメントをコードするポリヌクレオチド;
(c)配列番号2、4、6、8、10または30に記載のアミノ酸配列において、1以上のアミノ酸が、置換、付加および欠失からなる群より選択される1つの変異を有する改変体ポリペプチドまたはそのフラグメントであって、生物学的活性を有する改変体ポリペプチドをコードする、ポリヌクレオチド;
(d)配列番号1、3、5、7、9または29に記載の塩基配列のスプライス変異体または対立遺伝子変異体またはそのフラグメントである、ポリヌクレオチド;
(e)配列番号2、4、6、8、10または30に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチドの種相同体またはそのフラグメントをコードする、ポリヌクレオチド;
(f)(a)〜(e)のいずれか1つのポリヌクレオチドにストリンジェント条件下でハイブリダイズし、かつ生物学的活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;または
(g)(a)〜(e)のいずれか1つのポリヌクレオチドまたはその相補配列に対する同一性が少なくとも70%である塩基配列からなり、かつ、生物学的活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、
を含む、
核酸分子;あるいは
(B)(a)配列番号2、4、6、8、10または30に記載のアミノ酸配列またはそのフラグメントからなる、ポリペプチド;
(b)配列番号2、4、6、8、10または30に記載のアミノ酸配列またはそのフラグメントにおいて、1以上のアミノ酸が置換、付加および欠失からなる群より選択される1つの変異を有し、かつ、生物学的活性を有する、ポリペプチド;
(c)配列番号1、3、5、7、9または29に記載の塩基配列のスプライス変異体または対立遺伝子変異体によってコードされる、ポリペプチド;
(d)配列番号2、4、6、8、10または30に記載のアミノ酸配列の種相同体である、ポリペプチド;または
(e)(a)〜(d)のいずれか1つのポリペプチドに対する同一性が少なくとも70%であるアミノ酸配列を有し、かつ、生物学的活性を有する、ポリペプチド、
を含む、
ポリペプチドをコードする核酸分子が挙げられるがそれらに限定されない。
(A) (a)配列番号1、3、5または29に記載の塩基配列またはそのフラグメント配列を有するポリヌクレオチド;
(b)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチドまたはそのフラグメントをコードするポリヌクレオチド;
(c)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列において、1以上のアミノ酸が、置換、付加および欠失からなる群より選択される1つの変異を有する改変体ポリペプチドまたはそのフラグメントであって、生物学的活性を有する改変体ポリペプチドをコードする、ポリヌクレオチド;
(d)配列番号1、3、5または29に記載の塩基配列のスプライス変異体または対立遺伝子変異体またはそのフラグメントである、ポリヌクレオチド;
(e)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチドの種相同体またはそのフラグメントをコードする、ポリヌクレオチド;
(f)(a)〜(e)のいずれか1つのポリヌクレオチドにストリンジェント条件下でハイブリダイズし、かつ生物学的活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;または
(g)(a)〜(e)のいずれか1つのポリヌクレオチドまたはその相補配列に対する同一性が少なくとも70%である塩基配列からなり、かつ、生物学的活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、
を含む、
核酸分子;あるいは
(B)(a)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列またはそのフラグメントからなる、ポリペプチド;
(b)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列またはそのフラグメントにおいて、1以上のアミノ酸が置換、付加および欠失からなる群より選択される1つの変異を有し、かつ、生物学的活性を有する、ポリペプチド;
(c)配列番号1、3、5または29に記載の塩基配列のスプライス変異体または対立遺伝子変異体によってコードされる、ポリペプチド;
(d)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列の種相同体である、ポリペプチド;または
(e)(a)〜(d)のいずれか1つのポリペプチドに対する同一性が少なくとも70%であるアミノ酸配列を有し、かつ、生物学的活性を有する、ポリペプチド、
を含む、
ポリペプチドをコードする核酸分子が挙げられるがそれらに限定されない。
上記のような改変を設計する際に、アミノ酸の疎水性指数が考慮され得る。タンパク質における相互作用的な生物学的機能を与える際の疎水性アミノ酸指数の重要性は、一般に当該分野で認められている(Kyte.JおよびDoolittle,R.F.,J.Mol.Biol.157(1):105−132,1982)。アミノ酸の疎水的性質は、生成したタンパク質の二次構造に寄与し、次いでそのタンパク質と他の分子(例えば、酵素、基質、レセプター、DNA、抗体、抗原など)との相互作用を規定する。各アミノ酸は、それらの疎水性および電荷の性質に基づく疎水性指数を割り当てられる。それらは:イソロイシン(+4.5);バリン(+4.2);ロイシン(+3.8);フェニルアラニン(+2.8);システイン/シスチン(+2.5);メチオニン(+1.9);アラニン(+1.8);グリシン(−0.4);スレオニン(−0.7);セリン(−0.8);トリプトファン(−0.9);チロシン(−1.3);プロリン(−1.6);ヒスチジン(−3.2);グルタミン酸(−3.5);グルタミン(−3.5);アスパラギン酸(−3.5);アスパラギン(−3.5);リジン(−3.9);およびアルギニン(−4.5)である。
本発明のポリペプチドをコードするDNAを組み込んだ組換え体ベクターを保有する微生物、動物細胞などに由来する形質転換体を、通常の培養方法に従って培養し、本発明のポリペプチドを生成蓄積させ、本発明の培養物より本発明のポリペプチドを採取することにより、本発明のポリペプチドを製造することができる。
本発明ポリペプチドのアミノ酸の欠失、置換もしくは付加は、周知技術である部位特異的変異誘発法により実施することができる。かかる1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加は、Molecular Cloning,A Laboratory Manual,Second Edition,Cold Spring Harbor Laboratory Press(1989);Current Protocols in Molecular Biology,Supplement 1〜38,John Wiley & Sons(1987−1997);Nucleic Acids Research,10,6487(1982);Proc.Natl.Acad.Sci.,USA,79,6409(1982);Gene,34,315(1985);Nucleic Acids Research,13,4431(1985);Proc.Natl.Acad.Sci USA,82,488(1985);Proc.Natl.Acad.Sci.,USA,81,5662(1984);Science,224,1431(1984);PCT WO85/00817(1985);Nature,316,601(1985)等に記載の方法に準じて調製することができる。
本発明のポリペプチドを認識する抗体の作製もまた当該分野において周知である。例えば、ポリクローナル抗体の作製は、取得したポリペプチドの全長または部分断片精製標品、あるいは本発明のタンパク質の一部のアミノ酸配列を有するペプチドを抗原として用い、動物に投与することにより行うことができる。
本発明の抗体は、抗体の合成のために当該分野で公知の任意の方法によって、化学合成によって、または、好ましくは、組換え発現技術によって産生され得る。
本明細書において「スクリーニング」とは、目的とするある特定の性質をもつ生物または物質などの標的を、特定の操作/評価方法で多数を含む集団の中から選抜することをいう。スクリーニングのために、本発明の因子(例えば、抗体)、ポリペプチドまたは核酸分子を使用することができる。
本発明の特定の実施形態において、抗体またはその機能的誘導体をコードする配列を含む核酸は、本発明のポリペプチドの異常な発現および/または活性に関連した疾患または障害を処置、阻害または予防するために、遺伝子治療の目的で投与される。遺伝子治療とは、発現されたか、または発現可能な核酸の、被験体への投与により行われる治療をいう。本発明のこの実施形態において、核酸は、それらのコードされたタンパク質を産生し、そのタンパク質は治療効果を媒介する。
本発明の化合物または薬学的組成物は、好ましくは、ヒトでの使用の前にインビトロで、そして次いでインビボで、所望の治療活性または予防活性について試験される。例えば、化合物または薬学的組成物の、治療有用性または予防有用性を証明するためのインビトロアッセイとしては、細胞株または患者組織サンプルに対する化合物の効果が挙げられる。細胞株および/または組織サンプルに対する化合物または組成物の効果は、当業者に公知である技術(細胞溶解アッセイが挙げられるがこれらに限定されない)を利用して決定され得る。本発明に従って、特定の化合物の投与が示されるか否かを決定するために用いられ得るインビトロアッセイとしては、インビトロ細胞培養アッセイが挙げられ、このアッセイでは、患者組織サンプルが培養物において増殖し、そして化合物に曝されるか、そうでなければ化合物が投与され、そして、組織サンプルに対するそのような化合物の効果が観察される。
本発明は、被験体への有効量の本発明の化合物または薬学的組成物の投与による処置、阻害および予防の方法を提供する。好ましい局面において、化合物は実質的に精製されたものであり得る(例えば、その効果を制限するかまたは望ましくない副作用を生じる物質が実質的に存在しない状態が挙げられる)。被験体は好ましくは、ウシ、ブタ、ウマ、ニワトリ、ネコ、イヌなどの動物が挙げられるがそれらに限定されない動物であり、そして好ましくは哺乳動物であり、そして最も好ましくはヒトである。
本明細書において「再プログラム化」とは、細胞(たとえば、体細胞)に作用して、その細胞を未分化状にさせ、多能性を増加または獲得させることをいう。従って、再プログラム化の活性は、ある因子を、分化した細胞(たとえば、体細胞)に、測定すべき量を一定時間(例えば、数時間など)暴露させた後に、多能性を測定し、暴露前のその細胞の多能性と比較して、有意な差異が見出されるかどうかを判定することによって測定される。再プログラム化のレベルは、種々存在し、再プログラム化された細胞の多能性のレベルに対応する。したがって、全能性の幹細胞由来の再プログラム化因子を用いる場合には、再プログラム化は全能性に対応することがあり得る。したがって、再プログラム化状態は、本明細書において、未分化状態とほぼ1:1の関係にある。
初期胚由来の胚性幹(ES)細胞、胚性幹細胞と始原生殖細胞由来の生殖性幹(EG)細胞のmRNAを比較し両細胞で高発現する遺伝子を同定した。本新規遺伝子のcDNAの塩基配列を決定した。また、マウスゲノムでの遺伝子の構造を決定した。サザンハイブリダイゼーション解析の結果から、マウスには4個の相同遺伝子があることが推測された。そのうち、cDNAの塩基配列を用いたデータベースの検索から少なくとも1つの相同遺伝子の塩基配列が明らかになっている。また、ヒトデーターベース検索の結果から、同様に4個の相同遺伝子の存在が推測された。
以下に本発明の最良の形態を説明する。以下に提供される実施形態は、本発明のよりよい理解のために提供されるものであり、本発明の範囲は以下の記載に限定されるべきでないことが理解される。従って、当業者は、本明細書中の記載を参酌して、本発明の範囲内で適宜改変を行うことができることは明らかである。
従って、1つの局面において、本発明は、Stm遺伝子に関する。そのようなStm遺伝子は、
(a)配列番号1、3、5または29に記載の塩基配列またはそのフラグメント配列を有するポリヌクレオチド;
(b)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチドまたはそのフラグメントをコードするポリヌクレオチド;
(c)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列またはそのフラグメントにおいて、1以上のアミノ酸が、置換、付加および欠失からなる群より選択される1つの変異を有する改変体ポリペプチドであって、生物学的活性を有する改変体ポリペプチドをコードする、ポリヌクレオチド;
(d)配列番号1、3、5または29に記載の塩基配列のスプライス変異体または対立遺伝子変異体またはそのフラグメントである、ポリヌクレオチド;
(e)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチドの種相同体またはそのフラグメントをコードする、ポリヌクレオチド;
(f)(a)〜(e)のいずれか1つのポリヌクレオチドにストリンジェント条件下でハイブリダイズし、かつ生物学的活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;または
(g)(a)〜(e)のいずれか1つのポリヌクレオチドまたはその相補配列に対する同一性が少なくとも70%である塩基配列からなり、かつ、生物学的活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、
を含む、
核酸分子であり得る。
(a)配列番号3に記載の塩基配列の1037位〜1607位もしくは244位〜1126位またはそれらに対応する位置の塩基配列、あるいはそのフラグメント配列を有するポリヌクレオチド;
(b)(a)のポリヌクレオチドにストリンジェント条件下でハイブリダイズし、かつ生物学的活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;または
(c)(a)〜(b)のいずれか1つのポリヌクレオチドまたはその相補配列に対する同一性が少なくとも70%である塩基配列からなり、かつ生物学的活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、
を含み得る。
別の局面において、本発明は、Stm遺伝子産物(本明細書においてStmポリペプチドともいう)に関する。
(a)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列またはそのフラグメントからなる、ポリペプチド;
(b)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列またはそのフラグメントにおいて、1以上のアミノ酸が置換、付加および欠失からなる群より選択される1つの変異を有し、かつ、生物学的活性を有する、ポリペプチド;
(c)配列番号1、3、5または29に記載の塩基配列のスプライス変異体または対立遺伝子変異体によってコードされる、ポリペプチド;
(d)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列の種相同体である、ポリペプチド;または
(e)(a)〜(d)のいずれか1つのポリペプチドに対する同一性が少なくとも70%であるアミノ酸配列を有し、かつ、生物学的活性を有する、ポリペプチド、
を含む、ポリペプチドであり得る。
(a)配列番号4に記載のアミノ酸配列の157位〜218位(ホメオドメイン)、261位〜301位(Wリッチ領域)もしくは399位〜455位(B2反復配列領域)またはそれに対応する位置のアミノ酸配列、またはそのフラグメントからなる、ポリペプチド;
(b)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列において、1以上のアミノ酸が置換、付加および欠失からなる群より選択される1つの変異を有し、かつ、生物学的活性を有する、ポリペプチド;または
(c)(a)〜(b)のいずれか1つのポリペプチドに対する同一性が少なくとも70%であるアミノ酸配列を有し、かつ、生物学的活性を有する、ポリペプチド、
を含む、ポリペプチドであり得る。
特徴的ドメイン cDNAポジション
ホメオドメイン cDNAポジション; 469bp−654bp
Wリッチ領域 cDNAポジション; 781bp−903bp
B2反復配列領域 cDNAポジション; 1195bp−1365bp
オクタマー結合配列 cDNAポジション; 1789bp−1796bp (ACTAGCAT)
によってコードされる領域ならびにそれらに対応する遺伝子(例えば、配列番号1または5、あるいは配列番号7または9に示される配列によってコードされる遺伝子)の対応する位置のものがあるがそれらに限定されない。上記領域は、ポリペプチド配列では、配列番号4に記載のアミノ酸配列の157位〜218位(ホメオドメイン)、261位〜301位(Wリッチ領域)もしくは399位〜455位(B2反復配列領域)またはそれに対応する位置のアミノ酸配列、またはそのフラグメントからなる、ポリペプチド、あるいはそれらに対応するポリペプチド(例えば、配列番号2または6、あるいは配列番号8または10に示される配列によってコードされる遺伝子)の対応する位置のものがあるがそれらに限定されない。
1つの局面において、本発明は、Stm遺伝子をコードする核酸分子に対して特異的に相互作用する因子を含む、組成物を提供する。したがって、本発明は、本明細書に記載される任意のStm遺伝子をコードする核酸分子またはその改変体もしくはフラグメントに対して特異的な因子を提供する。ここで、診断、予防、処置または予後上有効な量は、当該分野において周知の技法を用いて当業者が種々のパラメータを参酌しながら決定することができ、そのような量を決定するためには、例えば、使用目的、対象疾患(種類、重篤度など)、患者の年齢、体重、性別、既往歴、細胞の形態または種類などを考慮して、当業者が容易に決定することができる。本発明では、Stm1遺伝子の発現が、未分化状態(特に、多能性、より特定すると全能性)に対応していることが明らかになったことによって、そのような状態、性質を同定するために効率よく使用される。特に、従来のOct3/4よりも多能性、全能性に対する親和性が高く、その検出効率は格段に上がるものと考えられる。このような効果は従来知られておらず、したがって、本発明の因子は、従来技術により提供されるものより優れた効果または性質の異なる効果を示す。
別の局面において、本発明は、本発明のポリペプチドに対して特異的に結合する因子およびそれを含む組成物に関する。そのような因子としては、例えば、ポリペプチド(例えば、抗体、単鎖抗体など)、ポリヌクレオチド、糖鎖、脂質、およびそれらの複合分子が挙げられるがそれらに限定されない。このような因子は、本発明のポリペプチドに特異的に結合するものであれば、どのようなものでもよいことが理解され得る。より好ましくは、本発明の因子は、抗体またはその誘導体(例えば、単鎖抗体など)である。従って、本発明の因子は、プローブおよび/またはインヒビターとして使用することができる。 好ましい実施形態において、本発明の因子は、標識されているかまたは標識と結合し得るものであることが有利であり得る。そのように標識がされている場合、本発明の因子によって測定することができる種々の状態を直接および/または容易に測定することができる。そのような標識は、識別可能に標識される限り、どのような標識でもよく、例えば、蛍光、リン光、化学発光、放射能、酵素基質反応および抗原抗体反応などの技法が挙げられるがそれらに限定されない。あるいは、その因子が抗体などの免疫反応を利用して相互作用する場合、ビオチン−ストレプトアビジンのような免疫反応においてよく利用される系を用いてもよい。
別の局面において、本発明は、本発明の核酸分子を含む発現カセットおよびベクターに関する。本発明の発現カセットおよびベクターは、好ましくは、本発明の核酸分子に作動可能に連結された制御配列をさらに含む。このように制御配列を含むことによって、本発明の核酸分子の発現の制御が容易になる。そのような制御配列としては、例えば、プロモーター配列、エンハンサー配列、ターミネーター配列、イントロン配列などが挙げられるがそれらに限定されない。好ましくは、そのような制御配列は、本発明の核酸分子の発現を誘導することができる。
別の局面において、本発明は、Stm遺伝子をコードする核酸配列(例えば、本発明の核酸分子)を含む細胞に関する。本発明の核酸分子を細胞に導入する方法は、当該分野において周知であり、本明細書において上記節において詳述されている。あるいは、そのような細胞は、細胞を含むサンプル中において、その核酸分子を含む細胞をスクリーニングすることによって、同定することができる。本発明の核酸分子を含む細胞は、好ましくは、未分化状態であり得る。本発明の核酸分子が発現している細胞は、通常未分化状態である。したがって、そのような核酸分子が制御可能に発現されるように導入された細胞は、その未分化状態を制御することができる。あるいは、そのような細胞を用いて、本発明の核酸分子を大量に生産することができる。そのような生産方法は、当該分野において周知であり、本明細書において記載された文献に記載されている。
別の局面において、本発明は、Stm遺伝子をコードする核酸配列を含む組織に関する。そのような核酸配列は、制御配列に作動可能に連結されることが好ましい。そのような組織は、動物組織であってもよく、他の生物(例えば、植物など)の組織であってもよい。あるいは、そのような組織を用いて、本発明の核酸分子を大量に生産することができる。そのような生産方法は、当該分野において周知であり、本明細書において記載された文献に記載されている。
別の局面において、本発明は、Stm遺伝子をコードする核酸配列を含む生物(例えば、動物など)に関する。そのような核酸配列は、制御配列に作動可能に連結されることが好ましい。そのような生物は、動物であってもよく、他の生物(例えば、植物など)であってもよい。あるいは、そのような生物を用いて、本発明の核酸分子を大量に生産することができる。そのような生産方法は、当該分野において周知であり、本明細書において記載された文献に記載されている。Stm遺伝子が分化細胞に特異的な遺伝子の発現を抑制するとすれば、ある方向への分化誘導を抑制する可能性がある。つまり、分化の方向を決定づける働きがあり再生医療への応用の可能性が考えられる。
別の局面において、本発明は、Stm1遺伝子をコードする核酸分子のような本発明の核酸分子を含む細胞が濃縮された、組成物に関する。このような細胞は、Stm遺伝子が発現される場合、通常、未分化状態を有することから、そのような細胞が濃縮された組成物は、通常より多くの未分化状態の細胞(例えば、多能性幹細胞、胚性幹細胞など)を含むといえる。そのような核酸分子を含む細胞を濃縮する方法は、当該分野において周知であり、例えば、免疫表現型分類を利用する方法(例えば、抗体でコーティングされた磁気ビーズを用いる磁気分離、パニング、フローサイトメトリーなど)が挙げられるがそれらに限定されない。
別の局面において、本発明は、Stm遺伝子のプロモーター部分(本明細書においてStm遺伝子プロモーターともいう)の核酸配列を含むベクターに関する。本発明のベクターにおいて、好ましくは、Stm遺伝子のプロモーター部分の核酸配列には、外来遺伝子(例えば、マーカー遺伝子など)が作動可能に連結されている。このような構造を含むベクターで細胞を形質転換することによって、その細胞の未分化状態が、上記外来遺伝子の発現として観察することができるようになる。したがって、マーカー遺伝子として蛍光物質をコードする遺伝子(例えば、緑色蛍光遺伝子など)を用いることにより、未分化状態の細胞を容易に観察することができるようになる。そのような外来遺伝子は、好ましくは、その細胞にとって無害であることが好ましい。より好ましくは、移植が意図される場合、その移植の宿主にとって無害であることが有利であり得る。
別の局面において、本発明は、Stm遺伝子プロモーターを含む細胞に関する。本発明のStm遺伝子プロモーターをコードする核酸配列を細胞に導入する方法は、当該分野において周知であり、本明細書において上記節において詳述されている。あるいは、そのような細胞は、細胞を含むサンプル中において、Stm遺伝子プロモーターを含む細胞をスクリーニングすることによって、同定することができる。外来遺伝子(例えば、マーカー遺伝子など)がStm遺伝子のプロモーター部分の核酸配列に作動可能に連結されている場合、そのような外来遺伝子の発現を観察することによって、その細胞の未分化状態を判定することができる。
別の局面において、本発明は、Stm遺伝子プロモーターをコードする核酸配列を含む組織に関する。そのような核酸分子は、外来遺伝子(例えば、マーカー遺伝子など)に作動可能に連結されることが好ましい。そのような組織は、動物組織であってもよく、他の生物(例えば、植物など)の組織であってもよい。
別の局面において、本発明は、Stm遺伝子プロモーターをコードする核酸配列を含む生物(例えば、動物など)に関する。そのような核酸分子は、制御配列に作動可能に連結されることが好ましい。そのような生物は、動物であってもよく、他の生物(例えば、植物など)であってもよい。Stm遺伝子が分化細胞に特異的な遺伝子の発現を抑制するとすれば、ある方向への分化誘導を抑制する可能性がある。つまり、分化の方向を決定づける働きがあり再生医療への応用の可能性が考えられる。
別の局面において、本発明は、Stm1遺伝子をコードする核酸配列を含む細胞が濃縮された、組成物に関する。このような細胞は、Stmプロモーターが発現を誘導する遺伝子が発現される場合、通常、未分化状態を有することから、そのような細胞が濃縮された組成物は、通常より多くの未分化状態の細胞(例えば、多能性幹細胞、胚性幹細胞など)を含むといえる。そのような核酸分子を含む細胞を濃縮する方法は、当該分野において周知であり、例えば、免疫表現型分類を利用する方法(例えば、抗体でコーティングされた磁気ビーズを用いる磁気分離、パニング、フローサイトメトリーなど)が挙げられるがそれらに限定されない。
別の局面において、本発明は、細胞の未分化状態を判定するための組成物に関する。この組成物は、Stm遺伝子またはStm遺伝子産物に特異的に反応する因子を含む。このような因子は、Stm遺伝子に特異的に相互作用する因子(例えば、相補配列を有する核酸分子、転写因子のようなポリペプチドなど)、あるいは、Stm遺伝子産物に対する抗体、単鎖抗体などが挙げられるがそれらに限定されない。ここで使用されるStm遺伝子またはStm遺伝子産物は、本明細書において上述したような配列を有する核酸分子またはポリペプチドであり得るがそれらに限定されない。当業者は、このような核酸分子およびポリペプチドを、当該分野において周知の技術を用いて改変することができる。そのような改変は、目的とする用途によって当業者が適宜変更することができる。
別の局面において、本発明は、細胞の未分化状態を判定する方法を提供する。この方法は、(I)判定されるべき細胞を提供する工程;(II)Stm遺伝子またはStm遺伝子産物に特異的に反応する因子を、該細胞に接触させる工程;および(III)該Stm遺伝子が該細胞において発現しているかどうかを確認する工程、を包含する。ここで提供される細胞は、判定が所望される細胞であれば、どのような細胞であってもよい。そのような細胞は、どのような状態でも提供され得るが、好ましくは、アッセイに適切な形態で提供され得る。そのようなアッセイに適切な形態としては、例えば、適切な培地または緩衝液中での提供などが挙げられるがそれに限定されない。Stm遺伝子またはStm遺伝子産物に特異的に反応する因子は、Stm遺伝子またはStm遺伝子産物に反応することができる限り、どのような形態でもよい。そのようなStm遺伝子またはStm遺伝子産物は、判定を目的とする細胞の生物種と同一種由来のものであることが好ましい。同一種由来であれば、ほぼ1:1の関係でStm遺伝子またはStm遺伝子産物の有無を判定することができるからである。ただし、上記因子に関するStm遺伝子またはStm遺伝子産物の由来種は、Stm遺伝子またはStm遺伝子産物の判定をすることができる限り、判定を目的とするStm遺伝子またはStm遺伝子産物の由来種と異なっていてもよい。種間で交叉反応することが頻繁に発生するからである。上記Stm遺伝子またはStm遺伝子産物は、本明細書に記載されるような核酸分子またはポリペプチドであってもよいが、それに限定されない。当業者は、このような核酸分子およびポリペプチドを、当該分野において周知の技術を用いて改変することができる。そのような改変は、目的とする用途によって当業者が適宜変更することができる。
別の局面において、本発明は、未分化状態の細胞を調製する方法に関する。この調製方法は、(I)未分化状態の細胞を含むかまたは含むと予測されるサンプルを提供する工程;(II)Stm遺伝子またはStm遺伝子産物に特異的に反応する因子を、該サンプルに接触させる工程;(III)該因子と該Stm遺伝子またはStm遺伝子産物との特異的反応を検出することによって、該Stm遺伝子が該サンプル中の細胞において発現しているかどうかを決定する工程;および(IV)該Stm遺伝子が発現している細胞を分離または濃縮する工程、を包含する。上述のサンプルは、未分化状態の細胞を含むかまたは含むと予測されるものであれば、どのようなものでもよい。ここで用いられる細胞はどのような細胞であってもよいが、好ましくは、哺乳動物(例えば、単孔類、有袋類、貧歯類、皮翼類、翼手類、食肉類、食虫類、長鼻類、奇蹄類、偶蹄類、管歯類、有鱗類、海牛類、クジラ目、霊長類、齧歯類、ウサギ目)の細胞であり、より好ましくは、ヒトの細胞であり得る。サンプルの調製工程は当該分野において周知の技術を使用することができる。そのような技術は、本明細書において記載された文献にも詳述されており、例えば、細胞を動物から取り出し、その後、適切な培地または緩衝液中に入れることなどが挙げられるがそれらに限定されない。サンプルと、本発明の因子とを接触させる工程は、当該分野において周知の技術を用いることができる。そのような方法としては、例えば、サンプル中に、本発明の因子を含む溶液を加えることなどが挙げられるがそれらに限定されない。本発明の因子とStm遺伝子またはStm遺伝子産物との特異的反応の検出は、当該分野において周知の技術を用いて行うことができる。検出の簡便のため、その因子は標識されていることが好ましい。そのような標識は、どのような標識でもよく、例えば、蛍光標識、化学発光標識、放射能標識などが挙げられるがそれらに限定されない。あるいは、その因子が抗体などの免疫反応を利用して相互作用する場合、ビオチン−ストレプトアビジンのような免疫反応においてよく利用される系を用いてもよい。遺伝子の発現は、そのような特異的反応の有無と相関付けることができる。例えば、発現の程度が既知である細胞の発現レベルと、特異的反応の強度とを相関付けて標準曲線を作成し、このような標準曲線を利用することによって特異的反応から遺伝子発現を定性的または定量的に判定することができる。
別の局面において、本発明は、未分化状態の細胞を調製する別の方法を提供する。この方法は、(I)細胞を提供する工程;および(II)該細胞中のStm遺伝子の発現を誘導する工程を包含する。ここで用いられる細胞はどのような細胞であってもよいが、好ましくは、哺乳動物(例えば、単孔類、有袋類、貧歯類、皮翼類、翼手類、食肉類、食虫類、長鼻類、奇蹄類、偶蹄類、管歯類、有鱗類、海牛類、クジラ目、霊長類、齧歯類、ウサギ目)に由来する細胞であり、より好ましくは、ヒトに由来する細胞であり得る。細胞中に遺伝子を導入する方法は、当該分野において周知であり、目的の遺伝子(たとえば、Stm遺伝子など)を導入することができる技術であればどのような技術を用いてもよい。そのような技術としては、例えば、例えば、トランスフェクション、形質導入、形質転換など(例えば、リン酸カルシウム法、リポソーム法、DEAEデキストラン法、エレクトロポレーション法、パーティクルガン(遺伝子銃)を用いる方法など)が挙げられるがそれらに限定されない。Stm遺伝子は、好ましくは、ベクターを用いて細胞中に導入される。そのようなベクターは、どのようなものを用いてもよいが、好ましくは、pGEMやpBluescript KS+/などを用いることができる。
別の局面において、本発明は、未分化状態の細胞を分離および/または増殖および/または濃縮する方法を提供する。この方法は、(I)細胞を提供する工程;(II)該細胞にStm遺伝子またはStm遺伝子プロモーターを導入する工程;および(III)該Stm遺伝子またはStm遺伝子プロモーターを発現する細胞を選択する工程を包含する。ここで用いられる細胞はどのような細胞であってもよいが、好ましくは、哺乳動物(例えば、単孔類、有袋類、貧歯類、皮翼類、翼手類、食肉類、食虫類、長鼻類、奇蹄類、偶蹄類、管歯類、有鱗類、海牛類、クジラ目、霊長類、齧歯類、ウサギ目)に由来する細胞であり、より好ましくは、ヒトに由来する細胞であり得る。細胞中に遺伝子を導入する方法は、当該分野において周知であり、目的の遺伝子(たとえば、Stm遺伝子)を導入することができる技術であればどのような技術を用いてもよい。そのような技術としては、例えば、例えば、トランスフェクション、形質導入、形質転換など(例えば、リン酸カルシウム法、リポソーム法、DEAEデキストラン法、エレクトロポレーション法、パーティクルガン(遺伝子銃)を用いる方法など)が挙げられるがそれらに限定されない。Stm遺伝子は、好ましくは、ベクターを用いて細胞中に導入される。そのようなベクターは、どのようなものを用いてもよいが、好ましくは、pGEMやpBluescript KS+/などを用いることができる。
別の局面において、本発明は、細胞の分化状態を判定するキットを提供する。このキットは、(a)Stm遺伝子またはStm遺伝子産物に特異的に反応する因子;および(b)該Stm遺伝子が該細胞において発現しているかどうかを確認するための手段を備える。Stm遺伝子またはStm遺伝子産物に特異的に反応する因子としては、本明細書において記載されるような因子であれば、どのようなものでも使用することができ、そのような因子としては、例えば、抗体、核酸分子などが挙げられるがそれらに限定されない。したがって、このような因子は、Stm遺伝子またはStm遺伝子産物に特異的に相互作用する因子(例えば、相補配列を有する核酸分子、転写因子のようなポリペプチドなど)、あるいは、Stm遺伝子産物に対する抗体、単鎖抗体などが挙げられるがそれらに限定されない。遺伝子発現の確認手段は、当該分野において周知の技術を用いて実施することができる。そのような確認手段としては、例えば、ドットブロット分析、ノーザンブロット分析のような遺伝子産物としてのmRNAの分析、ウェスタンブロット分析、ELISAなどの遺伝子産物としてのポリペプチドの分析など挙げられるがそれに限定されない。そのような分析には、例えば、マイクロタイタープレート、マイクロアレイなどを用いることができる。
別の局面において、本発明は、未分化状態の細胞を調製するためのキットを提供する。このキットは、(I)Stm遺伝子またはStm遺伝子産物に特異的に反応する因子;(II)該Stm遺伝子が該サンプル中の細胞において発現しているかどうかを確認する手段;および(III)該Stm遺伝子が発現している細胞を分離または濃縮する手段、を備える。
別の局面において、本発明は、未分化状態の細胞を調製するキットを提供する。このキットは、(I)細胞中のStm遺伝子の発現を誘導する手段、を備える。このようなStm遺伝子の発現誘導手段は、当該分野において周知の技術を用いることができる。本明細書において記載されるように、本発明のポリペプチドを利用した抗体およびセルソーティングは本明細書の記載に基づいて実施することができる。したがって、この場合は、キットという形態で実施されてもよいが、抗体の販売もしくは抗体と至適バッファーキットという形態で実施することもできる。表面抗原であればビーズに抗体をつけて精製することが可能であるが、Stm1は核局在であるので、その点に留意すれば実施することは容易である。ここで使用される、Stm遺伝子もまた、本明細書に記載されるような核酸分子またはポリペプチドであってもよいが、それに限定されない。当業者は、このような核酸分子およびポリペプチドを、当該分野において周知の技術を用いて改変することができる。そのような改変は、目的とする用途によって当業者が適宜変更することができる。
本実施例では、Stm遺伝子の同定を行った。
汎用プロトコール(Alwine et.al.,1977.Proc.Natl.Acad.Sci.,74:5350)をもとにノーザンブロットハイブリダイゼーション解析を行った。胚性幹細胞、EG細胞およびE12.5日齢のマウス胎児から抽出したtotal RNA 10μgを水に溶かして1%ホルムアルデヒド変性ゲルで電気泳動を行った後Hybond−N+ membrane(Amersham Biosciences)に一晩ブロットした。ブロットしたメンブレンは42℃でプレハイブリダイゼーションを2時間、特異的なプローブでのハイブリダイゼーションを一晩行った後、65℃で2×SSC/0.1% SDSで2回、0.1×SSC/0.1% SDSで1回洗った。プローブは、Stm1 cDNAの全長に対してMegaprimer DNA labeling system(Amersham Biosciences)を用いて[α−32P]dCTP(Amersham Biosciences)RI標識した。
RT−PCRによるStm1、Oct3/4、G3pdh遺伝子の発現解析を目的に、Oligo−dT primerを使用しcDNA合成を行った。DNaseI でRNAサンプルを処理した後、RT反応はSuperscript II RT(GIBCO BRL)を用いて製品のプロトコールに従って行った。PCR増幅はtotal RNA 1 μgを用いて行った。用いたプライマーセットを以下に記載する。
R1: 5’−GTTCTAAGTCCTAGGTTTGC−3’(配列番号12);
F2: 5’−GAATTCTGGGAACGCCTCAT−3’(配列番号13)および
R2: 5’−CCAGATGTTGCGTAAGTCTC−3’(配列番号14);
Oct4RT/1: 5’−GGCGTTCTCTTTGGAAAGGTGTTC−3’(配列番号15)および
Oct−4RT/2: 5’−CTCGAACCACATCCTTCTCT−3’(配列番号16);
G3PDH−5: 5’−TGAAGGTCGGTGTCAACGGATTTGGC−3’(配列番号17)および
G3PDH−3: 5’−CATGTAGGCCATGAGGTCCACCAC−3’(配列番号18)。
Stm1遺伝子の細胞内発現を見る目的で、Stm1遺伝子にmycタグをつけたmyc−Stm1コンストラクトを作製した。Stm1のcDNAは以下のプライマーセットを用いて得られた産物をpGEM−T Easy vector system (Promega)でTAクローニングしたものを用いた。
Stm−r: 5’−TCCCCCGGGTCATATTTCACCTGGTGGAG−3’(配列番号20)。
pCMV−myc−Stm1を遺伝子導入した胚性幹細胞を、4% PFAで固定し標準的な培養細胞の免疫染色法(Willingham,M.C.et.al., 1985.An Atlas of Immunofluorescence in Cultured Cell,Academic Press, Orlando, FL, pp.1−13.)に従い免疫染色を行った。ブロッキングは0.1% Triton X/PBS/2% skim milkを用い室温で一時間、洗いは0.1% TritonX/PBSを用い室温で5分を4回行った。一次抗体はc−mycモノクローナル抗体200 μg/ml (CLONTECH)を1/100希釈したものを、二次抗体はFITC標識goat 抗−mouse IgG (H+L)(ZYMED LABORATORIES, INC)を1/200希釈したものを使用した。二次抗体の反応後はrhodamine phalloidin(Molecular Probe),DAPI(SIGMA)の順に染色を行いシグナルを検出した。
Stm遺伝子はES(Embryonic Stem)細胞およびEG(Embryonic Germ)細胞のmRNAのサブトラクションにより胚性幹細胞およびEG細胞に発現するが12.5日齢胚に発現が見られない遺伝子として本発明者らによって同定された(図1B)。Stmは約2.1 kbの遺伝子でホメオドメイン、B2リピート配列、Wリッチ領域により特徴づけられる(図1A)。成体各組織から回収したtotal RNAを用いたRT−PCR解析の結果、どの組織からも発現が検出されず、その発現は未分化細胞(ES細胞およびEG細胞)に対して非常に高い特性をもっていた(図1C)。Stmにmycタグをつけたコンストラクトを胚性幹細胞に強制発現させ、その局在を抗myc抗体により検出してみると、核への局在が明らかであった(図1D)。この事実はStmがホメオボックスをもつ転写因子として機能する可能性を示唆している。より詳細な発現パターンを未分化細胞が存在する初期胚および生殖巣でRT−PCR法により解析した(図2)。発現はホメオドメインを挟むプライマー、F2−R2により検出した (図2A)。E6.5−E18.5の着床直後から誕生直前までの胚において解析した結果、未分化細胞が存在するE7.5日齢胚まで発現が見られたが、その後急激に消失した(図2A)。これは、E7.5以降急速に全能性が失われることと関係しているようである。発生が進んだE8.5日齢以降の胚でもわずかながら発現が見られたがこれはわずかに含まれる生殖細胞での発現を反映したものであることが以降の実験から示された。Stmの発現パターンはOct3/4の発現パターンとは異なるようであることがわかった。特に未受精卵ではStmは発現しないことから、より密接に多能性、全能性に本発明のStm1遺伝子の発現が相関していることが明らかになった。着床前胚では、桑実胚および胚盤胞でStmおよびOct3/4共に発現が見られたが、未受精卵ではOct3/4のみが検出されStmは見られなかった(図2B)。このことは、Stmの発現が受精後の核の活性化によるzygoticな発現に起因することを示している。次に、生殖細胞での発現を見るためにE12.5日齢胚の雌雄生殖巣を解析した。その結果、StmもOct3/4も同様に発現していた。この発現が生殖細胞からのものであることを示すために、生殖巣から始原生殖細胞を精製した。生殖細胞の精製度は生殖細胞に特異的な表面抗原への抗体SSEA−1を用いて行った。300個以上の細胞を解析した結果95%以上の細胞がSSEA−1陽性であった (図2C;赤く発色)。これらの始原生殖細胞でのStm発現をみると、Oct3/4同様に陽性であった(図2C右;DAPIによる発色)。
次に、Stm1の全長アミノ酸配列を用いてウサギポリクローナル抗Stm1遺伝子産物の抗体を作製した。この抗体量を用いることによって、RNA量に対応した細胞内のStm1タンパク質を検出することができた(図2E)。
次に、STM1タンパク質は、未分化細胞の核内に局在することが示された(図2G下欄)。
汎用プロトコール(Sambrook and Russell, 1989,Molecular cloning: A Laboratory manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, New York, USA)に従いゲノムDNAの抽出を行った。抽出bufferで細胞を懸濁した後、RNaseAで37℃一時間処理、ProteinaseKで37℃一晩処理を行った。その後フェノール抽出を2回かけてエタノール沈澱によりDNAを回収した。
汎用プロトコール(Southern et.al., J.Mol.Biol., 98: 503−517)に従いサザンブロットハイブリダイゼーションを行った。まず胚性幹細胞から抽出したゲノム20 μgを水に溶かして1% アガロースゲルで電気泳動を行った後、Hybond−N+ membraneに一晩ブロットした。ブロットしたメンブレンは42℃でプレハイブリダイゼーションを2時間、ハイブリダイゼーションを一晩行った。メンブレンは65℃の2×SSC/0.1% SDSで2回、0.1×SSC/0.1% SDSで1回洗った。プローブは、
exon2F: 5’−CCTCTCCTCGCCCTTCCT−3’(配列番号21)および
exon2R: 5’−CTGCTTATAGCTCAGGTTCAG−3’(配列番号22)
プライマーセットによりゲノムDNAのPCR増幅によりえられたフラグメントを用いた。Megaprimer DNA labeling system (Amersham Biosciences)を用い[α−32P] dCTP (Amersham Biosciences) によりRI標識されたDNAをプローブとして用いた。
Stmのホメオボックス領域をプローブとしてマウスゲノムに対するサザンブロットハイブリダイゼーション解析を行うと4つのエクソンからなるStm1遺伝子とイントロンレスのStm2遺伝子が同定された(図3A,B)。Stm1遺伝子はマウス第6番染色体上に、Stm2遺伝子は7番染色体上に位置しそれぞれ異なる遺伝子座にマップされた。Stm2遺伝子は、正確には7E3にマッピングされた(図3E)。Stm1およびStm2の存在は、Ex3F−R2およびInt3F−R2プライマーを用いたゲノムPCR解析によっても再確認された(図3C)。データベースのコンピューター解析により第12番染色体およびX染色体上にホメオドメインへの部分的相同領域を認めた。Stm1およびStm2からの遺伝子発現を区別する目的で、Stm1およびStm2のゲノム上のcNDA領域の配列を比較した。その結果、95%以上の塩基配列が一致していたが、異なる部分を認識する制限酵素でStmのRT−PCR産物を消化することでその由来を決定した。F4−R4のプライマーセットで転写産物の5プライム側を増幅した。BsaMI酵素で消化するとStm1の産物は消化され183bpおよび414bpになるのに対してStm2の産物は消化されない。実際、RT−PCR産物の全てが消化されており、Stm1の産物のみが発現していることが示された(図3D)。同様に、F3−R3のプライマーセットにより増幅された3プライム側の転写産物をNlaIII酵素で消化すると、検出されるDNAフラグメントはStm1のみに由来するものであった(図3D)。第12染色体の産物も同様に解析を試みたが、発現は認められなかった。これらの結果から、Stm1およびStm2は酷似する配列のRNAをコードするが、実際に転写されるのはStm1からのみであり、Stm2はStm1の擬遺伝子であると結論つけられた。図1および2で検出された転写産物を同様の制限酵素で解析した結果、転写は全てStm1由来であることを確認している。
亜種関係にあるMus musuculus domesticus(汎用実験マウス)およびM.m.molossinus (実験動物化野性マウス)由来の胚性幹細胞からゲノムDNAを抽出し、前出のF1およびR1プライマーでPCR増幅を行った。産物をpGEM−T Easy vector systemでTAクローニングし、M13 forwardおよびM13 reverseプライマーを用いたシークエンス反応により両方向からのDNA塩基配列を決定した。シークエンスはキャピラリーシークエンサーCEQ 2000XL DNA Analysis System (BECKMAN COULTER) を用いて行った。塩基配列データを亜種間で比較し、由来を区別できる塩基配列を決定した。また、F1およびR1プライマーを用いてえられたRT−PCR産物を制限酵素SnaBIで切断し、SnaBI認識部位の塩基配列の違による感受性の違いから産物の由来を決定した。
Stm1の擬遺伝子Stm2がゲノム上に存在することを、ゲノムDNAを鋳型に
Ex3F: 5’−GTGGTTGAAGACTAGCAATGG−3’(配列番号23)、
Int3F: 5’−CTATGGCTGTTGGGTATGGA−3’(配列番号24)およびR2
の3種類のプライマーを組み合わせてPCRを行い確認した。
F3: 5’−CTTTGAACTAGCTCTGCAGA−3’(配列番号25)および
R3: 5’−TGAACTTATTGCATATCTGAG−3’(配列番号26);
F4: 5’−CAGGGCTATCTGGTGAACG−3’(配列番号27)および
R4: 5’−GAGCACCCGACTGCTCTTC−3’(配列番号28);
のプライマーセットを用いてPCR増幅した。
体細胞核が再プログラム化され未分化細胞と同様に振る舞うことが可能であることが、体細胞および胚性幹細胞の細胞融合および体細胞核の除核未受精卵への核移植実験により明らかになっている。前者はクローン細胞を、後者はクローン個体を作製するために有効な方法であることが経験的に明らかになっているが、再プログラム化の機構は全くわかっていない。未分化細胞に特異的なStm1遺伝子は、少なくとも以下の2つの応用が考えられる。1)体細胞核の未分化細胞核への再プログラム化マーカー、2)Oct3/4遺伝子との比較による再プログラム化機構の解明。1)に迫る目的で細胞融合および核移植の実験を行った。
細胞融合実験において、体細胞核からおよび胚性幹細胞核からのStm1転写産物を区別する目的で、胚性幹細胞または体細胞をMus musculus molossinus由来のものを用いた。Molossinus由来の胚性幹細胞は当研究室で新たに樹立した。Molossinusゲノムは汎用されるマウス系統 M.m.domesticusに対して塩基配列の多型に富むため、molossinusおよびdomesticusの融合細胞を用いることで転写産物の由来を決定できる。融合細胞作製の方法を図4Aに示した。Molossinus由来の胚性幹細胞を用いた融合細胞がMxR,molossinus由来の体細胞を用いた融合細胞がH×Jである。Stm1は体細胞である胸腺細胞での発現が認められない、一方胚性幹細胞では発現している。M×RおよびH×Jの融合細胞クローン全てにおいてStm1が発現していることがわかる(図4B)。Stm1遺伝子が胚性幹細胞核および再プログラム化体細胞核両者から発現していることを確認する目的で、F1−R1プライマーセットを用いたRT−PCR産物をSnaBI制限酵素で消化した。Molossinus由来の転写産物はSnaBI消化に感受性があり、570 bpのバンドが230bpおよび340bpの2本のバンドになる。これに対して、domesticus転写産物はSnaBIによって消化されず570 bpのバンドとして残る。M×R及びH×J融合細胞ではSnaBIによって消化されたバンドおよび消化されないバンドの両方が検出された。このことから胚性幹細胞核および再プログラム化体細胞核の両方からStm1が転写されていることが示された(図4C)。Stm1遺伝子は体細胞核の再プログラム化マーカー遺伝子として応用可能である。
Stm1が体細胞核移植での再プログラム化マーカー遺伝子として応用可能か否かを確かめる目的で、(B6×CBA)F1マウス(domesticus)の未受精卵から核を除き、JF1マウス(molossinus)卵丘細胞(体細胞)核を移植した(図4D)。得られたクローン胚盤胞でのStm1の発現を観察した。卵丘細胞では発現していなかったStm1がクローン胚盤胞では発現していた(図4E)。また、核移植胚盤胞で体細胞由来のStm1が発現していることも示された。Stm1転写産物の由来は、SnaBI消化に対する感受性の違いから確認した。クローン胚盤胞ではmolossinus由来のStm1が発現していた。体細胞および胚性幹細胞の細胞融合および体細胞核移植の実験からStm1が再プログラム化マーカー遺伝子として有用であることが示された。
胚性幹細胞と並んで組織幹細胞が再生医療への応用から注目を集めている。組織幹細胞は組織の新陳代謝に伴う新たな細胞を供給するための源となる細胞であり、各組織に存在すると考えられているがその樹立方法および精製のための方法は確立されていない。組織幹細胞の精製における壁の一つが特異的マーカーである。Oct3/4を発現する組織幹細胞として報告されているのは、骨髄の間質組織幹細胞、MAPCのみである。多能性をもつ幹細胞としてMAPCに加えて脳性幹細胞(NS; Neuroshere)がある。しかし、NSでのOct3/4の発現はまだ報告されていない。MAPC様細胞およびNSでのStm1の発現を調べたところ、Oct3/4が発現していないにもかかわらずStm1の発現が見られた(図5)。このプライマーセットでは、産物のサイズからStm1のゲノムおよびRNAが検出できることから、RNAを検出したことは明らかである。このことはStm1の発現制御がOct3/4と独立したものである可能性と、Oct3/4の上流に位置しOct3/4が発現される以前の初期未分化細胞を同定するためのマーカー遺伝子になり得ることを示唆している。また、Stm1の相同遺伝子は霊長類であるカニクイザルおよびヒトにも存在する。カニクイザル胚性幹細胞およびヒトEC細胞においてもStm1の発現を確認している。これらの事実は、Stm1の再生医療への応用の可能性を示唆している。
本実施例では、Stm1の再生医療応用への展開として、Stm1を用いた幹細胞の分離を行った。
Stm1遺伝子は、ホメオドメイン、B2反復配列およびWリッチ領域によって特徴づけられる。これらの塩基配列にポイントミューテーション(例えば、配列番号3(マウスStm1遺伝子)の500位(TをAにした)、800位(AをTにした)、1200位(TをAにした))を入れることでコードするアミノ酸配列を変更し、それぞれのミューテーションをもとに領域のもつ機能を検索した。領域を部分的に(例えば、500位〜550位、800位〜850位、および1200位〜1250位)ノックアウトすることで、それぞれの機能を検討した。
コンディショナルノックアウトの実験により初期胚および生殖細胞といった特定の未分化組織細胞での機能を解析する。STM1タンパク質の機能の多くは不明であるが、STM1またはStm1により制御される下流遺伝子の発現調節より細胞を未分化な状態へと変化させる(すなわち、若返らせる)作用があることが実証される。
次に、Stm1のプロモーター配列を同定した。転写開始点上流2300bp(−2300bp)から5’側を短く削った長さの異なる5’上流領域に、ルシフェラーゼ遺伝子をつなげた構築物数種を作製し(図8Aを参照)、ルシフェラーゼアッセイを行った。ルシフェラーゼアッセイは、ルシフェラーゼの発光の強度を測定することによって評価した。その結果、転写開始点から−332bpから−153bpの間に転写を正に制御するエレメントがあることが判明した。
配列番号1および2:ヒトStm1核酸およびアミノ酸配列
配列番号3および4:マウスStm1核酸およびアミノ酸配列
配列番号5および6:カニクイサルStm1核酸およびアミノ酸配列
配列番号7および8:ヒトStm2核酸およびアミノ酸配列
配列番号9および10:マウスStm2核酸およびアミノ酸配列
配列番号11:F1プライマー
配列番号12:R1プライマー
配列番号13:F2プライマー
配列番号14:R2プライマー
配列番号15:Oct3RT/1プライマー
配列番号16:Oct4RT/2プライマー
配列番号17:G3PDH−5プライマー
配列番号18:G3PDH−3プライマー
配列番号19:Stm−fプライマー
配列番号20:Stm−rプライマー
配列番号21:exon2Fプライマー
配列番号22:exon2Rプライマー
配列番号23:Ex3Fプライマー
配列番号24:Int3Fプライマー
配列番号25:F3プライマー
配列番号26:R3プライマー
配列番号27:F4プライマー
配列番号28:R4プライマー
配列番号29および30:ラットStm1核酸およびアミノ酸配列
配列番号31:ヒトStm1核酸配列のプロモーター領域の配列
配列番号32:マウスStm1核酸配列のプロモーター領域の配列
配列番号33:カニクイサルStm1核酸配列のプロモーター領域の配列
配列番号34:マウスStm1核酸配列の5’上流−2300までの配列
Claims (84)
- (a)配列番号1、3、5または29に記載の塩基配列またはそのフラグメント配列を有するポリヌクレオチド;
(b)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチドまたはそのフラグメントをコードするポリヌクレオチド;
(c)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列において、1以上のアミノ酸が、置換、付加および欠失からなる群より選択される1つの変異を有する改変体ポリペプチドまたはそのフラグメントであって、生物学的活性を有する改変体ポリペプチドをコードする、ポリヌクレオチド;
(d)配列番号1、3、5または29に記載の塩基配列のスプライス変異体もしくは対立遺伝子変異体またはそのフラグメントである、ポリヌクレオチド;
(e)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチドの種相同体またはそのフラグメントをコードする、ポリヌクレオチド;
(f)(a)〜(e)のいずれか1つのポリヌクレオチドにストリンジェント条件下でハイブリダイズし、かつ生物学的活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;または
(g)(a)〜(e)のいずれか1つのポリヌクレオチドまたはその相補配列に対する同一性が少なくとも70%である塩基配列からなり、かつ、生物学的活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、
を含む、
核酸分子。 - 少なくとも10の連続するヌクレオチド長を有する、請求項1に記載の核酸分子。
- 配列番号1、3、5または29において、配列番号7もしくは9またはそれに対応するStm2の核酸配列の対応する配列と相違する配列を少なくとも1つの位置において有する、請求項1に記載の核酸分子。
- 前記相違する配列を有する部分は、制限酵素で消化され得る、請求項3に記載の核酸分子。
- 配列番号1、3、5または29に示される配列を含む、請求項1に記載の核酸分子。
- (a)配列番号3に記載の塩基配列の1037位〜1607位もしくは244位〜1126位またはそれらに対応する位置の塩基配列、あるいはそのフラグメント配列を有するポリヌクレオチド;
(b)(a)のポリヌクレオチドにストリンジェント条件下でハイブリダイズし、かつ生物学的活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;または
(c)(a)〜(b)のいずれか1つのポリヌクレオチドまたはその相補配列に対する同一性が少なくとも70%である塩基配列からなり、かつ生物学的活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、
を含む、
核酸分子。 - 請求項1に記載の核酸分子に対して特異的な因子。
- 配列番号7もしくは9に示される配列を有し、またはそれに対応するStm2遺伝子の核酸分子に対しては特異的な反応しない、請求項7に記載の因子。
- 前記因子は、核酸分子、ポリペプチド、脂質、糖鎖、有機低分子およびそれらの複合分子からなる群より選択される、請求項7に記載の因子。
- 前記因子は、少なくとも8の連続するヌクレオチド長を有する核酸分子である、請求項7に記載の因子。
- 前記因子は、核酸分子であり、プライマーとして使用される、請求項7に記載の因子。
- 前記因子は、プローブとして使用される、請求項7に記載の因子。
- 前記因子は、標識されているかまたは標識され得る、請求項7に記載の因子。
- 前記標識は、蛍光、リン光、化学発光、放射能、酵素基質反応および抗原抗体反応からなる群より選択される技法を利用する、請求項13に記載の因子。
- (a)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列またはそのフラグメントからなる、ポリペプチド;
(b)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列において、1以上のアミノ酸が置換、付加および欠失からなる群より選択される1つの変異を有し、かつ、生物学的活性を有する、ポリペプチド;
(c)配列番号1、3、5または29に記載の塩基配列のスプライス変異体または対立遺伝子変異体によってコードされる、ポリペプチド;
(d)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列の種相同体である、ポリペプチド;または
(e)(a)〜(d)のいずれか1つのポリペプチドに対する同一性が少なくとも70%であるアミノ酸配列を有し、かつ、生物学的活性を有する、ポリペプチド、
を含む、
ポリペプチド。 - 少なくとも3の連続するアミノ酸配列を有する、請求項15に記載のポリペプチド。
- 配列番号2、4、6または30において、配列番号8もしくは10またはそれに対応するStm2のアミノ酸配列の対応する配列と相違する配列を少なくとも1つの位置において有する、請求項15に記載のポリペプチド。
- 前記相違する配列を有する部分は、制限酵素で消化され得る、請求項17に記載のポリペプチド。
- (a)配列番号4に記載のアミノ酸配列の157位〜218位(ホメオドメイン)、261位〜301位(Wリッチ領域)もしくは399位〜455位(B2反復配列領域)またはそれに対応する位置のアミノ酸配列、またはそのフラグメントからなる、ポリペプチド;
(b)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列において、1以上のアミノ酸が置換、付加および欠失からなる群より選択される1つの変異を有し、かつ、生物学的活性を有する、ポリペプチド;または
(c)(a)〜(b)のいずれか1つのポリペプチドに対する同一性が少なくとも70%であるアミノ酸配列を有し、かつ、生物学的活性を有する、ポリペプチド、
を含む、
ポリペプチド。 - 請求項15に記載の核酸分子に対して特異的に結合する、因子。
- 前記因子は、核酸分子、ポリペプチド、脂質、糖鎖、有機低分子およびそれらの複合分子からなる群より選択される、請求項20に記載の因子。
- 前記因子は、抗体またはその誘導体である、請求項20に記載の因子。
- 前記因子は、プローブとして使用される、請求項20に記載の因子。
- 前記因子は、標識されているかまたは標識され得る、請求項20に記載の因子。
- 前記標識は、蛍光、リン光、化学発光、放射能、酵素基質反応および抗原抗体反応からなる群より選択される技法を利用する、請求項24に記載の因子。
- 請求項1に記載の核酸分子を含む、発現カセット。
- 請求項1に記載の核酸分子を含む、ベクター。
- 前記核酸分子に作動可能に連結された制御配列をさらに含む、請求項27に記載のベクター。
- 前記制御配列は、前記核酸分子の発現を誘導する、請求項28に記載のベクター。
- 選択マーカーをコードする配列をさらに含む、請求項28に記載のベクター。
- 請求項1に記載の核酸分子を含む、細胞。
- 請求項1に記載の核酸分子が発現されるように含まれる、細胞。
- 請求項1に記載の核酸分子が発現可能に含まれ、かつ、所望のゲノム配列を有する、細胞。
- 請求項1に記載の核酸分子を含む、動物組織。
- 請求項1に記載の核酸分子を含む、動物。
- 請求項1に記載の核酸分子を含む細胞が濃縮された、組成物。
- Stm遺伝子のプロモーター部分の配列を含む、核酸分子。
- 請求項37に記載の核酸分子を含む、ベクター。
- 選択マーカーをコードする配列をさらに含む、請求項18に記載のベクター。
- 請求項37に記載の核酸分子を含む、細胞。
- 請求項37に記載の核酸分子を含む、動物組織。
- 請求項37に記載の核酸分子を含む、動物。
- 請求項37に記載の核酸分子を含む細胞が濃縮された、組成物。
- 細胞の未分化状態を判定するための組成物であって、該組成物は、Stm遺伝子またはStm遺伝子産物に特異的に反応する因子を含む、組成物。
- 前記Stm遺伝子またはStm遺伝子産物は、
(A)(a)配列番号1、3、5または29に記載の塩基配列またはそのフラグメント配列を有するポリヌクレオチド;
(b)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチドまたはそのフラグメントをコードするポリヌクレオチド;
(c)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列において、1以上のアミノ酸が、置換、付加および欠失からなる群より選択される1つの変異を有する改変体ポリペプチドまたはそのフラグメントであって、生物学的活性を有する改変体ポリペプチドをコードする、ポリヌクレオチド;
(d)配列番号1、3、5または29に記載の塩基配列のスプライス変異体または対立遺伝子変異体またはそのフラグメントである、ポリヌクレオチド;
(e)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチドの種相同体またはそのフラグメントをコードする、ポリヌクレオチド;
(f)(a)〜(e)のいずれか1つのポリヌクレオチドにストリンジェント条件下でハイブリダイズし、かつ生物学的活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;または
(g)(a)〜(e)のいずれか1つのポリヌクレオチドまたはその相補配列に対する同一性が少なくとも70%である塩基配列からなり、かつ、生物学的活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、
を含む、
核酸分子;あるいは
(B)(a)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列またはそのフラグメントからなる、ポリペプチド;
(b)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列またはそのフラグメントにおいて、1以上のアミノ酸が置換、付加および欠失からなる群より選択される1つの変異を有し、かつ、生物学的活性を有する、ポリペプチド、;
(c)配列番号1、3、5または29に記載の塩基配列のスプライス変異体または対立遺伝子変異体によってコードされる、ポリペプチド;
(d)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列の種相同体である、ポリペプチド;または
(e)(a)〜(d)のいずれか1つのポリペプチドに対する同一性が少なくとも70%であるアミノ酸配列を有し、かつ、生物学的活性を有する、ポリペプチド、
を含む、
ポリペプチド、である、請求項44に記載の組成物。 - 前記細胞は、幹細胞である、請求項44に記載の組成物。
- 前記細胞は、胚性幹細胞、多能性幹細胞、単能性幹細胞、および組織幹細胞を含む、請求項44に記載の組成物。
- 前記細胞は、神経幹細胞、性腺幹細胞、造血幹細胞、表皮幹細胞および間充組織幹細胞からなる群より選択される組織幹細胞を含む、請求項44に記載の組成物。
- 前記細胞は、遺伝子改変されたものかまたは遺伝子改変されていないものである、請求項44に記載の組成物。
- 細胞の未分化状態を判定する方法であって、
(I)判定されるべき細胞を提供する工程;
(II)Stm遺伝子またはStm遺伝子産物に特異的に反応する因子を、該細胞に接触させる工程;および
(III)該因子と該Stm遺伝子またはStm遺伝子産物との特異的反応を検出することによって、該Stm遺伝子が該細胞において発現しているかどうかを確認する工程、
を包含し、ここで、該細胞における該Stm遺伝子の発現は、細胞が未分化状態にあることを示す、方法。 - 前記未分化状態は、全能性を含む、請求項50に記載の方法。
- 前記Stm遺伝子またはStm遺伝子産物は、
(A)(a)配列番号1、3、5または29に記載の塩基配列またはそのフラグメント配列を有するポリヌクレオチド;
(b)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチドまたはそのフラグメントをコードするポリヌクレオチド;
(c)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列において、1以上のアミノ酸が、置換、付加および欠失からなる群より選択される1つの変異を有する改変体ポリペプチドまたはそのフラグメントであって、生物学的活性を有する改変体ポリペプチドをコードする、ポリヌクレオチド;
(d)配列番号1、3、5または29に記載の塩基配列のスプライス変異体または対立遺伝子変異体またはそのフラグメントである、ポリヌクレオチド;
(e)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチドの種相同体またはそのフラグメントをコードする、ポリヌクレオチド;
(f)(a)〜(e)のいずれか1つのポリヌクレオチドにストリンジェント条件下でハイブリダイズし、かつ生物学的活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;または
(g)(a)〜(e)のいずれか1つのポリヌクレオチドまたはその相補配列に対する同一性が少なくとも70%である塩基配列からなり、かつ、生物学的活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、
を含む、
核酸分子;あるいは
(B)(a)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列またはそのフラグメントからなる、ポリペプチド;
(b)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列またはそのフラグメントにおいて、1以上のアミノ酸が置換、付加および欠失からなる群より選択される1つの変異を有し、かつ、生物学的活性を有する、ポリペプチド;
(c)配列番号1、3、5または29に記載の塩基配列のスプライス変異体または対立遺伝子変異体によってコードされる、ポリペプチド;
(d)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列の種相同体である、ポリペプチド;または
(e)(a)〜(d)のいずれか1つのポリペプチドに対する同一性が少なくとも70%であるアミノ酸配列を有し、かつ、生物学的活性を有する、ポリペプチド、
を含む、
ポリペプチドを含む、請求項50に記載の方法。 - さらに、他の幹細胞マーカーが発現しているかどうかを確認する工程を包含する、請求項50に記載の方法。
- 前記他の幹細胞マーカーは、Oct3/4を含む、請求項53に記載の方法。
- 前記Stm遺伝子は、Stm1遺伝子を含む、請求項50に記載の方法。
- 前記Stm1遺伝子は、配列番号1、3、5または29に示される配列を含む、請求項55に記載の方法。
- 未分化状態の細胞を調製する方法であって、
(I)未分化状態の細胞を含むかまたは含むと予測されるサンプルを提供する工程;
(II)Stm遺伝子またはStm遺伝子産物に特異的に反応する因子を、該サンプルに接触させる工程;
(III)該Stm遺伝子が該サンプル中の細胞において発現しているかどうかを確認する工程;および
(IV)該Stm遺伝子が発現している細胞を分離または濃縮する工程、
を包含する、方法。 - 前記未分化状態は、全能性を含む、請求項57に記載の方法。
- 前記Stm遺伝子またはStm遺伝子産物は、
(A)(a)配列番号1、3、5または29に記載の塩基配列またはそのフラグメント配列を有するポリヌクレオチド;
(b)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチドまたはそのフラグメントをコードするポリヌクレオチド;
(c)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列において、1以上のアミノ酸が、置換、付加および欠失からなる群より選択される1つの変異を有する改変体ポリペプチドまたはそのフラグメントであって、生物学的活性を有する改変体ポリペプチドをコードする、ポリヌクレオチド;
(d)配列番号1、3、5または29に記載の塩基配列のスプライス変異体または対立遺伝子変異体またはそのフラグメントである、ポリヌクレオチド;
(e)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチドの種相同体またはそのフラグメントをコードする、ポリヌクレオチド;
(f)(a)〜(e)のいずれか1つのポリヌクレオチドにストリンジェント条件下でハイブリダイズし、かつ生物学的活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;または
(g)(a)〜(e)のいずれか1つのポリヌクレオチドまたはその相補配列に対する同一性が少なくとも70%である塩基配列からなり、かつ、生物学的活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、
を含む、
核酸分子;あるいは
(B)(a)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列またはそのフラグメントからなる、ポリペプチド;
(b)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列またはそのフラグメントにおいて、1以上のアミノ酸が置換、付加および欠失からなる群より選択される1つの変異を有し、かつ、生物学的活性を有する、ポリペプチド;
(c)配列番号1、3、5または29に記載の塩基配列のスプライス変異体または対立遺伝子変異体によってコードされる、ポリペプチド;
(d)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列の種相同体である、ポリペプチド;または
(e)(a)〜(d)のいずれか1つのポリペプチドに対する同一性が少なくとも70%であるアミノ酸配列を有し、かつ、生物学的活性を有する、ポリペプチド、
を含む、
ポリペプチドを含む、請求項57に記載の方法。 - 未分化状態の細胞を調製する方法であって、
(I)細胞を提供する工程;および
(II)該細胞中のStm遺伝子の発現を誘導する工程、
を包含する、方法。 - 前記未分化状態は、全能性を含む、請求項60に記載の方法。
- 前記Stm遺伝子は、
(A)(a)配列番号1、3、5または29に記載の塩基配列またはそのフラグメント配列を有するポリヌクレオチド;
(b)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチドまたはそのフラグメントをコードするポリヌクレオチド;
(c)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列において、1以上のアミノ酸が、置換、付加および欠失からなる群より選択される1つの変異を有する改変体ポリペプチドであって、生物学的活性を有する改変体ポリペプチドをコードする、ポリヌクレオチド;
(d)配列番号1、3、5または29に記載の塩基配列のスプライス変異体または対立遺伝子変異体またはそのフラグメントである、ポリヌクレオチド;
(e)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチドの種相同体またはそのフラグメントをコードする、ポリヌクレオチド;
(f)(a)〜(e)のいずれか1つのポリヌクレオチドにストリンジェント条件下でハイブリダイズし、かつ生物学的活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;または
(g)(a)〜(e)のいずれか1つのポリヌクレオチドまたはその相補配列に対する同一性が少なくとも70%である塩基配列からなり、かつ、生物学的活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、
を含む、
核酸分子を含む、請求項60に記載の方法。 - 未分化状態の細胞を分離および/または増殖および/または濃縮する方法であって、
(I)細胞を提供する工程;
(II)該細胞にStm遺伝子またはStm遺伝子プロモーターを導入する工程;および
(III)該Stm遺伝子またはStm遺伝子プロモーターを発現する細胞を選択する工程、
を包含する、方法。 - 前記未分化状態は、全能性である、請求項63に記載の方法。
- 前記Stm遺伝子またはStm遺伝子プロモーターは、
(A)(a)配列番号1、3、5または29に記載の塩基配列またはそのフラグメント配列を有するポリヌクレオチド;
(b)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチドまたはそのフラグメントをコードするポリヌクレオチド;
(c)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列において、1以上のアミノ酸が、置換、付加および欠失からなる群より選択される1つの変異を有する改変体ポリペプチドまたはそのフラグメントであって、生物学的活性を有する改変体ポリペプチドをコードする、ポリヌクレオチド;
(d)配列番号1、3、5または29に記載の塩基配列のスプライス変異体または対立遺伝子変異体またはそのフラグメントである、ポリヌクレオチド;
(e)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチドの種相同体またはそのフラグメントをコードする、ポリヌクレオチド;
(f)(a)〜(e)のいずれか1つのポリヌクレオチドにストリンジェント条件下でハイブリダイズし、かつ生物学的活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;または
(g)(a)〜(e)のいずれか1つのポリヌクレオチドまたはその相補配列に対する同一性が少なくとも70%である塩基配列からなり、かつ、生物学的活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、
を含む、
核酸分子;あるいは
(B)Stm1遺伝子のプロモーター部分の配列を含む、請求項63に記載の方法。 - 細胞の分化状態を判定するキットであって、
(a)Stm遺伝子またはStm遺伝子産物に特異的に反応する因子;および
(b)該Stm遺伝子が該細胞において発現しているかどうかを確認するための手段、
を備える、キット。 - 前記分化状態は、多能性である、請求項66に記載の方法。
- 前記分化状態は、全能性である、請求項66に記載の方法。
- 前記Stm遺伝子またはStm遺伝子産物は、
(A)(a)配列番号1、3、5または29に記載の塩基配列またはそのフラグメント配列を有するポリヌクレオチド;
(b)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチドまたはそのフラグメントをコードするポリヌクレオチド;
(c)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列において、1以上のアミノ酸が、置換、付加および欠失からなる群より選択される1つの変異を有する改変体ポリペプチドまたはそのフラグメントであって、生物学的活性を有する改変体ポリペプチドをコードする、ポリヌクレオチド;
(d)配列番号1、3、5または29に記載の塩基配列のスプライス変異体または対立遺伝子変異体またはそのフラグメントである、ポリヌクレオチド;
(e)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチドの種相同体またはそのフラグメントをコードする、ポリヌクレオチド;
(f)(a)〜(e)のいずれか1つのポリヌクレオチドにストリンジェント条件下でハイブリダイズし、かつ生物学的活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;または
(g)(a)〜(e)のいずれか1つのポリヌクレオチドまたはその相補配列に対する同一性が少なくとも70%である塩基配列からなり、かつ、生物学的活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、
を含む、
核酸分子;あるいは
(B)(a)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列またはそのフラグメントからなる、ポリペプチド;
(b)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列またはそのフラグメントにおいて、1以上のアミノ酸が置換、付加および欠失からなる群より選択される1つの変異を有し、かつ、生物学的活性を有する、ポリペプチド;
(c)配列番号1、3、5または29に記載の塩基配列のスプライス変異体または対立遺伝子変異体によってコードされる、ポリペプチド;
(d)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列の種相同体である、ポリペプチド;または
(e)(a)〜(d)のいずれか1つのポリペプチドに対する同一性が少なくとも70%であるアミノ酸配列を有し、かつ、生物学的活性を有する、ポリペプチド、
を含む、
ポリペプチドを含む、請求項66に記載のキット。 - さらに、他の幹細胞マーカーが発現しているかどうかを確認する手段を備える、請求項64に記載のキット。
- 前記他の幹細胞マーカーは、Oct3/4を含む、請求項70に記載のキット。
- 前記Stm遺伝子は、Stm1遺伝子を含む、請求項66に記載のキット。
- 未分化状態の細胞を調製するためのキットであって、
(I)Stm遺伝子またはStm遺伝子産物に特異的に反応する因子;
(II)該Stm遺伝子が該サンプル中の細胞において発現しているかどうかを確認する手段;および
(III)該Stm遺伝子が発現している細胞を分離または濃縮する手段、
を備える、キット。 - 前記未分化状態は、全能性である、請求項73に記載のキット。
- 前記Stm遺伝子またはStm遺伝子産物は、
(A)(a)配列番号1、3、5または29に記載の塩基配列またはそのフラグメント配列を有するポリヌクレオチド;
(b)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチドまたはそのフラグメントをコードするポリヌクレオチド;
(c)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列において、1以上のアミノ酸が、置換、付加および欠失からなる群より選択される1つの変異を有する改変体ポリペプチドまたはそのフラグメントであって、生物学的活性を有する改変体ポリペプチドをコードする、ポリヌクレオチド;
(d)配列番号1、3、5または29に記載の塩基配列のスプライス変異体または対立遺伝子変異体またはそのフラグメントである、ポリヌクレオチド;
(e)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチドの種相同体またはそのフラグメントをコードする、ポリヌクレオチド;
(f)(a)〜(e)のいずれか1つのポリヌクレオチドにストリンジェント条件下でハイブリダイズし、かつ生物学的活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;または
(g)(a)〜(e)のいずれか1つのポリヌクレオチドまたはその相補配列に対する同一性が少なくとも70%である塩基配列からなり、かつ、生物学的活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、
を含む、
核酸分子;あるいは
(B)(a)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列またはそのフラグメントからなる、ポリペプチド;
(b)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列またはそのフラグメントにおいて、1以上のアミノ酸が置換、付加および欠失からなる群より選択される1つの変異を有し、かつ、生物学的活性を有する、ポリペプチド;
(c)配列番号1、3、5または29に記載の塩基配列のスプライス変異体または対立遺伝子変異体によってコードされる、ポリペプチド;
(d)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列の種相同体である、ポリペプチド;または
(e)(a)〜(d)のいずれか1つのポリペプチドに対する同一性が少なくとも70%であるアミノ酸配列を有し、かつ、生物学的活性を有する、ポリペプチド、
を含む、
ポリペプチドを含む、請求項73に記載のキット。 - 未分化状態の細胞を調製するキットであって、
(I)細胞中のStm遺伝子の発現を誘導する手段、
を備える、キット。 - 前記未分化状態は、全能性である、請求項76に記載のキット。
- 前記Stm遺伝子は、
(A)(a)配列番号1、3、5または29に記載の塩基配列またはそのフラグメント配列を有するポリヌクレオチド;
(b)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチドまたはそのフラグメントをコードするポリヌクレオチド;
(c)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列において、1以上のアミノ酸が、置換、付加および欠失からなる群より選択される1つの変異を有する改変体ポリペプチドまたはそのフラグメントであって、生物学的活性を有する改変体ポリペプチドをコードする、ポリヌクレオチド;
(d)配列番号1、3、5または29に記載の塩基配列のスプライス変異体または対立遺伝子変異体またはそのフラグメントである、ポリヌクレオチド;
(e)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチドの種相同体またはそのフラグメントをコードする、ポリヌクレオチド;
(f)(a)〜(e)のいずれか1つのポリヌクレオチドにストリンジェント条件下でハイブリダイズし、かつ生物学的活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;または
(g)(a)〜(e)のいずれか1つのポリヌクレオチドまたはその相補配列に対する同一性が少なくとも70%である塩基配列からなり、かつ、生物学的活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、
を含む、
核酸分子を含む、請求項76に記載のキット。 - 未分化状態の細胞を調製するキットであって、
(I)制御配列に作動可能に連結されたStm遺伝子を含むベクター、
を備える、キット。 - 前記未分化状態は、全能性である、請求項79に記載のキット。
- 前記Stm遺伝子は、
(A)(a)配列番号1、3、5または29に記載の塩基配列またはそのフラグメント配列を有するポリヌクレオチド;
(b)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチドまたはそのフラグメントをコードするポリヌクレオチド;
(c)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列において、1以上のアミノ酸が、置換、付加および欠失からなる群より選択される1つの変異を有する改変体ポリペプチドまたはそのフラグメントであって、生物学的活性を有する改変体ポリペプチドをコードする、ポリヌクレオチド;
(d)配列番号1、3、5または29に記載の塩基配列のスプライス変異体または対立遺伝子変異体またはそのフラグメントである、ポリヌクレオチド;
(e)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチドの種相同体またはそのフラグメントをコードする、ポリヌクレオチド;
(f)(a)〜(e)のいずれか1つのポリヌクレオチドにストリンジェント条件下でハイブリダイズし、かつ生物学的活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;または
(g)(a)〜(e)のいずれか1つのポリヌクレオチドまたはその相補配列に対する同一性が少なくとも70%である塩基配列からなり、かつ、生物学的活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、
を含む、
核酸分子を含む、請求項79に記載のキット。 - 未分化状態の細胞を分離および/または増殖および/または濃縮するキットであって、
(I)Stm遺伝子またはStm遺伝子プロモーター;
(II)細胞に該Stm遺伝子またはStm遺伝子プロモーターを導入する手段;および
(III)該Stm遺伝子またはStm遺伝子プロモーターを発現する細胞を選択する手段、
を包含する、キット。 - 前記未分化状態は、全能性である、請求項82に記載のキット。
- 前記Stm遺伝子またはStm遺伝子プロモーターは、
(A)(a)配列番号1、3、5または29に記載の塩基配列またはそのフラグメント配列を有するポリヌクレオチド;
(b)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチドまたはそのフラグメントをコードするポリヌクレオチド;
(c)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列において、1以上のアミノ酸が、置換、付加および欠失からなる群より選択される1つの変異を有する改変体ポリペプチドまたはそのフラグメントであって、生物学的活性を有する改変体ポリペプチドをコードする、ポリヌクレオチド;
(d)配列番号1、3、5または29に記載の塩基配列のスプライス変異体または対立遺伝子変異体またはそのフラグメントである、ポリヌクレオチド;
(e)配列番号2、4、6または30に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチドの種相同体またはそのフラグメントをコードする、ポリヌクレオチド;
(f)(a)〜(e)のいずれか1つのポリヌクレオチドにストリンジェント条件下でハイブリダイズし、かつ生物学的活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;または
(g)(a)〜(e)のいずれか1つのポリヌクレオチドまたはその相補配列に対する同一性が少なくとも70%である塩基配列からなり、かつ、生物学的活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、
を含む、
核酸分子;あるいは
(B)Stm1遺伝子のプロモーター部分の配列を含む、請求項82に記載のキット。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003035836 | 2003-02-13 | ||
JP2003330796 | 2003-09-22 | ||
PCT/JP2004/001520 WO2004072226A2 (en) | 2003-02-13 | 2004-02-12 | Marker for undifferentiated state of cell and composition and method for separation and preparation of stem cells |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006521792A true JP2006521792A (ja) | 2006-09-28 |
Family
ID=32871181
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006502668A Pending JP2006521792A (ja) | 2003-02-13 | 2004-02-12 | 細胞の未分化状態マーカーならびに幹細胞の分離および調製のための組成物および方法 |
Country Status (3)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US20060288431A1 (ja) |
JP (1) | JP2006521792A (ja) |
WO (1) | WO2004072226A2 (ja) |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9969980B2 (en) * | 2001-09-21 | 2018-05-15 | Garnet Biotherapeutics | Cell populations which co-express CD49c and CD90 |
US9969977B2 (en) * | 2002-09-20 | 2018-05-15 | Garnet Biotherapeutics | Cell populations which co-express CD49c and CD90 |
WO2006025802A1 (en) * | 2004-09-03 | 2006-03-09 | Agency For Science, Technology And Research | Method for maintaining pluripotency of stem/progenitor cells |
US8192988B2 (en) | 2004-10-22 | 2012-06-05 | University Of Central Florida Research Foundation, Inc. | Methods for increasing potency of adult mesenchymal stem cells |
AU2008266885A1 (en) * | 2007-06-15 | 2008-12-24 | Garnet Biotherapeutics Inc. | Treatment of diseases and disorders using self-renewing colony forming cells cultured and expanded in vitro |
WO2015107888A1 (ja) * | 2014-01-14 | 2015-07-23 | 国立大学法人鹿児島大学 | 幹細胞における腫瘍化原因細胞の新たな標識法と治療法 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2002097090A1 (en) * | 2001-05-31 | 2002-12-05 | Sumitomo Pharmaceuticals Co., Ltd. | Genes with es cell-specific expression |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB0202149D0 (en) * | 2002-01-30 | 2002-03-20 | Univ Edinburgh | Pluripotency determining factors and uses thereof |
-
2004
- 2004-02-12 JP JP2006502668A patent/JP2006521792A/ja active Pending
- 2004-02-12 US US10/545,368 patent/US20060288431A1/en not_active Abandoned
- 2004-02-12 WO PCT/JP2004/001520 patent/WO2004072226A2/en active Application Filing
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2002097090A1 (en) * | 2001-05-31 | 2002-12-05 | Sumitomo Pharmaceuticals Co., Ltd. | Genes with es cell-specific expression |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
WO2004072226A3 (en) | 2006-01-19 |
WO2004072226A2 (en) | 2004-08-26 |
US20060288431A1 (en) | 2006-12-21 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP1280898B1 (fr) | Cellules es modifiees et gene specifique de cellules es | |
EP1811023A1 (en) | Gene expressed specifically in es cells and utilization of the same | |
CA2678901C (en) | Methods for modulating embryonic stem cell differentiation | |
JP2005095027A (ja) | 細胞の未分化状態マーカープロモーターおよびその利用 | |
JPWO2005003342A1 (ja) | メチル化を利用したトランスジェニック生物を作製する方法およびシステム | |
EP2143791B1 (en) | Chicken embryonic stem cell and method for evaluation thereof | |
KR20220058531A (ko) | 미성숙 난모세포의 유도 방법 및 성숙 난모세포의 제작 방법 | |
JP2006521792A (ja) | 細胞の未分化状態マーカーならびに幹細胞の分離および調製のための組成物および方法 | |
JP2006042663A (ja) | Es細胞の識別マーカー | |
AU737409B2 (en) | Neuronal stem cell gene | |
EP1354951B1 (en) | Method of examining ability to control nerve cell plasticity | |
JP2006519026A (ja) | 標的物質の細胞導入効率を上昇させるための組成物および方法 | |
CA2356155A1 (en) | Cell lineage markers | |
US7884193B2 (en) | Antibodies for identification of murine fragilis extracellular domain and methods for identifying pluripotent cells | |
JP4704666B2 (ja) | 遺伝子 | |
JP2009045004A (ja) | クロマチン制御因子による幹細胞未分化制御方法 | |
JP4118579B2 (ja) | Ecat5ノックアウト細胞 | |
JP4995654B2 (ja) | クロマチンタンパク質又はその変異体による幹細胞未分化制御方法。 | |
AU2002219407A1 (en) | Genes | |
JP2003171316A (ja) | 細胞分化促進因子kklfをコードする核酸含有脂肪蓄積促進剤 | |
JP2003164296A (ja) | プロモーター及びその用途 | |
Bolce | The role of growth factors in tissue-specific gene expression during embryogenesis of Xenopus laevis | |
JP2004229649A (ja) | 新規タンパク質及びそれをコードするdna | |
JPH08154685A (ja) | ウシおよびマウスのSry関連DNAおよびそれらの利用方法 | |
JP2005532808A (ja) | 遺伝子 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060526 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20070209 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070327 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20070327 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070607 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20071120 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20071120 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20080822 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20091201 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20100420 |