JP2006519807A - 癌およびmapキナーゼ関連疾患の処置のためのイソキノリン誘導体の使用 - Google Patents

癌およびmapキナーゼ関連疾患の処置のためのイソキノリン誘導体の使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、式(I)
【化1】
Figure 2006519807

(式中、可変置換基は明細書に定義の通りである。)の化合物を、処置を必要とする患者に投与することによる、異常なMAPキナーゼシグナル伝達経路を特徴とする疾患の処置法である。本発明の方法は、特に、変異RAFキナーゼを有する癌、とりわけ黒色腫の治療に有用である。

Description

発明の詳細な説明
要約
本発明は、ある化合物がMAPキナーゼシグナル伝達経路において機能するセリン/スレオニンキナーゼであるRAFキナーゼを阻害するという発見、およびMAPキナーゼシグナル伝達経路における過剰なシグナル伝達により特徴付けられる疾患、例えば、ある種の癌のような増殖性疾患の処置のための該化合物の使用に関する。
背景技術
細胞は、種々のシグナル伝達経路を使用して、その細胞外環境の種々の状況から核と交信している。これらのシグナルの多くは、リン酸基の移動を介して種々の因子を活性化するタンパク質キナーゼにより伝達されている。適切なキナーゼ活性の阻害によるシグナル伝達の混乱は、bcr−ablキナーゼの阻害剤であり、そのメシル酸塩としてGLEEVEC(米国で)またはグリベック(GLIVEC)として販売されているイマチニブにより証明されているように、臨床的利点を有することがある。
MAPキナーゼシグナル伝達経路は、細胞外環境から細胞核に増殖するためのシグナルを送る増殖因子のための経路の一つとして当業者に既知である。増殖因子は細胞表面に位置する経膜レセプターを活性化し、それはカスケードを開始し、それによりRASが活性化し、RAFキナーゼを膜に集め、そこでそれが活性化し、次にMEKキナーゼを活性化し、それが続いてERKキナーゼを活性化する。活性化ERKキナーゼは核に移動でき、そこでそれは種々の遺伝子転写因子を活性化する。この経路における異常が遺伝子転写、細胞増殖を変え、アポトーシスを負に調節し、増殖性および血管形成シグナルを伝達することにより腫瘍原性(tumorogenicity)に関与し得る。RAFキナーゼの阻害がMAPキナーゼシグナル伝達経路を介したシグナル伝達を遮断することが示されている。
RAFキナーゼファミリーは、C−RAF(RAF−1としても既知)、B−RAFおよびA−RAFと名付けられた3種のメンバーを含むことが既知である。B−RAFキナーゼが、ヒト癌における数個の体細胞点変異の1個により広く活性化されていることが報告されており、試験した黒色腫細胞系の59%を含む。Davies, H. et al, Nature 417, 949-954 (2002)参照。驚くべきことに、本明細書に記載の方法において有用な化合物が、RAFキナーゼ、特にC−RAFキナーゼならびに野生型および変異B−RAFキナーゼ、特にV599E変異体B−RAFキナーゼの優れた阻害剤であることが判明した。
本発明の処置法に有用な化合物は、例えば、その全体を出典明示により本明細書に包含させるWO00/94495、米国公開出願2002−0010191およびWO01/58899において、血管内皮細胞増殖因子を阻害する能力のために、抗血管形成剤として記載されている。しかしながら、これらの刊行物は、イソキノリン化合物がRAFキナーゼ阻害特性を有することを示唆せず、同化合物がRAFキナーゼ阻害特性に関連する治療的利点を有するであろうことを示唆していない。
本化合物のRAFキナーゼ阻害特性により、それらは、異常なMAPキナーゼシグナル伝達経路により特徴付けられる増殖性疾患、特にRAFキナーゼの過剰発現またはRAFキナーゼの活性化変異体により特徴付けられる多くの癌、例えば、変異したB−RAFを有する黒色腫、とりわけ変異B−RAFがV599E変異体であるものの処置のための治療剤として有用である。本発明はまた、異常なMAPキナーゼシグナル伝達経路により特徴付けられる他の状態、特にB−RAFが変異したもの、例えば変異B−RAFを有する良性のほくろ(Nevi mole)の、該化合物での処置法も提供する。
発明の開示
本発明は、MAPキナーゼ経路を介した過剰なシグナル伝達により特徴付けられる疾患を有する患者の処置法であり、該患者に、有効なRAFキナーゼ阻害量の式(I)
Figure 2006519807
〔式中、
rは0から2であり;
nは0から2であり;
mは0から4であり;
A、B、D、EおよびTは互いに独立してNまたはCHである。ただし、A、B、D、EおよびTの3個を超えないが少なくとも1個がNであり;
Gは低級アルキレン、−CH−O−、−CH−S−、−CH−NH−、−SO−、オキサ(−O−)、チア(−S−)または−NR−であるか、またはアシルオキシ、オキソ、ハロゲンもしくはヒドロキシで置換された低級アルキレンであり;
Qは低級アルキル、とりわけメチルであり;
RはHまたは低級アルキルであり;
XはY、−N(R)−、オキサまたはチオ;好ましくは−NH−であり;
YはH、非置換または置換低級アルキル、アリール、ヘテロアリールまたは非置換または置換シクロアルキルであり;そして
Zはアミノ、モノ−またはジ−置換アミノ、ハロゲン、アルキル、置換アルキル、ヒドロキシ、エーテル化またはエステル化ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、エステル化カルボキシ、アルカノイル、カルバモイル、N−モノ−またはN,N−ジ−置換カルバモイル、アミジノ、グアニジノ、メルカプト、スルホ、フェニルチオ、フェニル−低級アルキルチオ、アルキルフェニルチオ、フェニルスルフィニル、フェニル−低級アルキルスルフィニル、アルキルフェニルスルフィニル、フェニルスルホニル、フェニル−低級アルカンスルホニルまたはアルキルフェニルスルホニル、2個以上のZが存在するとき(m2)、該置換基Zは同一または異なる。〕
の化合物またはそのN−オキシドもしくは薬学的に許容される塩を投与することを含む、方法に関する。
本発明はまたMAPキナーゼシグナル伝達経路を介した過剰なシグナル伝達を特徴とする疾患の処置用薬剤の製造のための式(I)の化合物の使用に関する。
該患者は、MAPキナーゼ経路を介した過剰なシグナル伝達を特徴とする疾患を有する哺乳類、一般にヒトである。これは、ウェスタン・ブロット分析または免疫組織化学のような方法による、経路のメンバーの活性化状態特異的抗体により測定できる。このような方法は当業者に既知である。
一般に、MAPキナーゼシグナル伝達経路を介した過剰なシグナル伝達を特徴とする疾患は、増殖性疾患、特に増加したRAFキナーゼ活性により特徴付けられる癌、例えば野生型B−またはC−RAFキナーゼを過剰発現する、または活性化変異体RAFキナーゼ、例えば変異体B−RAFキナーゼを発現するものである。変異RAFキナーゼが検出されている癌は、黒色腫、結腸直腸癌、卵巣癌、神経膠腫、腺癌、肉腫、乳癌および肝臓癌を含む。変異B−RAFキナーゼは、とりわけ多くの黒色腫において優勢である。
本発明によると、罹患組織サンプルを患者から、例えば、生検または切除術の結果として採り、試験して、同組織が変異体RAFキナーゼ、例えば変異体B−RAFキナーゼを産生するか、または、野生型RAFキナーゼ、例えば野生型B−またはC−RAFキナーゼを過剰発現するかを決定する。試験が、罹患組織において、変異体RAFキナーゼが産生されるか、または、RAFキナーゼが過剰発現していることを示唆するとき、該患者を、本明細書に記載のRAF阻害剤の有効なRAF阻害量を投与することにより処置する。
さらに、本発明によるものは、本明細書に記載の式(I)の化合物の、(a)患者からの黒色腫組織を試験し、該黒色腫組織が変異体RAFキナーゼを発現するかまたは野生型RAFキナーゼを過剰発現するかを決定し、そして(b)該黒色腫組織が野生型RAFキナーゼを過剰発現するかまたは活性化変異体B−RAFキナーゼを発現することが判明したとき、該患者を有効なRAFキナーゼ阻害量の式(I)の化合物で処置することを含む、黒色腫を処置するための薬剤の製造における使用である。
しかしながら、MAPキナーゼシグナル伝達経路を、カスケードにおける他のキナーゼが同経路における過剰なシグナル伝達の原因であるとき、RAFキナーゼ阻害化合物で下方制御することも可能である。故に、本発明は、さらに、RAFキナーゼの活性化変異または過剰発現以外が原因である、MAPキナーゼシグナル伝達経路における過剰なシグナル伝達により特徴付けられる疾患の処置法にも関する。
組織サンプルを、当業者に一般的に既知の方法により試験する。例えば、B−RAF変異は対立遺伝子特異的PCR、DHPLC、質量分析により検出し、そして野生型B−またはC−RAFの過剰発現は免疫組織化学、免疫蛍光検査、またはウェスタン・ブロット分析により検出する。B−RAF変異の検出に特に有用な方法は、実施例D1に記載のポリメラーゼ連鎖反応に基づいた方法である。類似の方法を使用して、カスケードにおける他のキナーゼが変異体であるかまたは過剰発現しているかを決定する。
stopt
本発明の特に重要な局面は黒色腫の処置法であり、(a)患者からの黒色腫組織を試験し、該黒色腫組織が変異体RAFキナーゼを発現するかまたは野生型RAFキナーゼを過剰発現するかを決定し、そして(b)該黒色腫組織が野生型RAFキナーゼを過剰発現するかまたは活性化変異体B−RAFキナーゼを発現することが判明したとき、該患者を有効なRAFキナーゼ阻害量の本明細書に記載のRAF阻害化合物で処置することを含む、方法に関する。
この態様の重要な局面は黒色腫の処置法であり、(a)患者からの黒色腫組織を試験し、該黒色腫組織がB−RAFキナーゼまたはC−RAFキナーゼ活性を過剰発現するかを決定し、そして(b)該黒色腫組織がB−RAFキナーゼまたはC−RAFキナーゼ活性を過剰発現することが判明したとき、該患者を有効なRAFキナーゼ阻害量の本明細書に記載のRAF阻害化合物で処置することを含む、方法である。
この態様の他の重要な局面は黒色腫の処置法であり、(a)患者からの黒色腫組織を試験し、該黒色腫組織が変異体B−RAFキナーゼを発現するかを決定し、そして(b)該黒色腫組織が変異体B−RAFキナーゼを発現することが判明したとき、該患者を有効なRAFキナーゼ阻害量の本明細書に記載のRAF阻害化合物で処置することを含む、方法である。
一般に、B−RAFキナーゼ変異は引用したDavies et alの文献に記載されているものの一つである。これらの変異を表1に要約する。
Figure 2006519807
故に、本発明は、特に活性化変異体B−RAFキナーゼにより特徴付けられる疾患の処置法であり、患者からの組織サンプルにおけるB−RAFキナーゼ遺伝子またはタンパク質の変異を検出し、該患者を有効なB−RAFキナーゼ阻害化合物、とりわけ本明細書に記載の化合物で処置することを含む、方法に関する。
本発明の重要な局面は、変異体B−RAFキナーゼが表1に記載の変異、とりわけV599E変異を示す症例を含む。
本発明の特に重要な局面は、疾患が黒色腫であり、かつ変異体B−RAFキナーゼが表1に記載の変異、とりわけV599E変異を示す症例を含む。
したがって、本発明は変異体B−RAFキナーゼにより特徴付けられる疾患の処置法であり、患者からの組織サンプルにおけるG1388A、G1388T、G1394C、G1394A、G1394T、G1403C、G1403A、G1753A、T1782G、G1783C、C1786G、T1787G、T1796AおよびTG1796−97ATからなる群から選択されるB−RAFキナーゼ遺伝子における変異、またはRAFキナーゼタンパク質における対応する変異を検出し、該患者を本明細書に記載の有効なB−RAFキナーゼ阻害化合物で処置することを含む、方法を含む。
本明細書における内容の範囲内で、式(I)の化合物を記載するためにここで使用する一般的用語は、特記しない限り、下記の意味を有する。
“低級”なる用語は、最大7個まで(7個を含む)、とりわけ最大4個まで(4個を含む)の炭素原子を含む基を意味し、該基は非分枝であるかまたは1箇所以上分枝している。
複数形での化合物、塩などの言及はすべて常に1個の化合物、1個の塩などを含むと理解すべきである。
(例えばn=1であり、そしてRが低級アルキルである式(I)の化合物(またはそのN−オキシド)において)存在し得る不斉炭素原子は、(R)、(S)または(R,S)立体配置、好ましくは(R)または(S)立体配置を有してよい。二重結合または環の置換基は、cis(=Z)またはtrans(=E)形であってよい。したがって、本化合物は異性体混合物の形であるか、純粋異性体の形、好ましくは、エナンチオマー的に純粋なジアステレオマーの形であってよい。
指数rは好ましくは0または1である。
指数nは好ましくは0または1、とりわけ0である。また2であってもよい。
指数mは好ましくは0、1または2、とりわけ0、または1である。
式(I)における環員A、B、D、EおよびTのうち、Nであるのは3個を超えてはならず、他はCHまたはCQである。好ましくは、環員A、B、DおよびEは各々CHまたはCQであり、そしてTはNである。
Gが2価基−CH−O−、−CH−S−または−CH−NH−であるとき、メチレン基はいずれの場合の環員A、B、D、EおよびTを有する環に結合し、一方ヘテロ原子(O、SまたはNH)は式(I)におけるイソキノリン環に結合する。
低級アルキレンGは分枝鎖であるか、好ましくは、非分枝鎖であってよく、特に、分枝、好ましくは、非分枝C−Cアルキレン、とりわけメチレン(−CH−)、エチレン(−CH−CH−)、トリメチレン(−CH−CH−CH−)またはテトラメチレン(−CH−CH−CH−CH−)である。Gは好ましくはメチレンである。低級アルキレンGは好ましくは非置換であるが、アシルオキシ、オキソ、ハロゲンまたはヒドロキシで置換されていてよい。
アシルオキシ−置換低級アルキレンG置換基におけるアシルは、好ましくはアリールカルボニルオキシ(ここで、アリールは下記で定義の通り、とりわけベンゾイルオキシまたは低級アルカノイルオキシ、より特にはベンゾイルオキシである)である;アシルオキシ−置換低級アルキレンはとりわけベンゾイルオキシ−置換メチレンである。
ヒドロキシ−置換低級アルキレンとしてのGは好ましくはヒドロキシメチレン(−CH(OH)−)である。
好ましいオキソ−置換低級アルキレンG置換基はカルボニル(−C(O)−)である。
ハロゲン−置換低級アルキレンG置換基は、モノハロ置換から過ハロ置換アルキレン、例えば、ジフルオロメチレンである。
低級アルキルはとりわけC−Cアルキル、例えばn−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−プロピル、イソプロピルまたは、とりわけ、メチルまたはエチルでもあり、または、低級アルキルとしてのYの場合、それはとりわけイソペンチルであり得る。
アリールは好ましくは6から14炭素原子を有する芳香族性基、例えば、フェニル、ビフェニル、ナフチル、フルオレニルまたはフェナントレニル、とりわけフェニルであり、該アリール基は非置換であるか、とりわけアミノ、モノ−またはジ−置換アミノ、ハロゲン、アルキル、置換アルキル、ヒドロキシ、エーテル化またはエステル化ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、エステル化カルボキシ、アルカノイル、カルバモイル、N−モノ−またはN,N−ジ−置換カルバモイル、アミジノ、グアニジノ、メルカプト、スルホ、フェニルチオ、フェニル−低級アルキルチオ、アルキルフェニルチオ、フェニルスルフィニル、フェニル−低級アルキルスルフィニル、アルキルフェニルスルフィニル、フェニルスルホニル、フェニル−低級アルカンスルホニル、アルキルフェニルスルホニル、低級アルケニル、例えばエテニル、フェニル、アリールアルキル、例えばベンジルまたは1−メチル−1−フェニル−エチル、低級アルキルチオ、例えばメチルチオ、低級アルキルシリル、例えばトリメチルシリル、低級アルカノイル、例えばアセチル、非置換または置換シクロアルキル、低級アルキルメルカプト、例えばメチルメルカプト(−S−CH)、ハロ−低級アルキルメルカプト、例えばトリフルオロメチルメルカプト(−S−CF)、低級アルカンスルホニル、ハロ−低級アルカンスルホニル、例えば、とりわけ、トリフルオロメタンスルホニル、ジヒドロキシボラ(−B(OH))、ヘテロシクリル、および環の隣接炭素原子に結合した低級アルキレンジオキシ、例えば、メチレンジオキシから選択される1個またはそれ以上の、好ましくは3個まで、とりわけ1個または2個の置換基で置換されているか、または、アリール環に縮合した5から7員環を形成するように隣接位置がアルキレンまたはアルケニレンで置換されている;アリールは、好ましくは、非置換であるか、または、上記の群から、とりわけハロゲン、とりわけフッ素または塩素;低級アルキル、とりわけメチル、エチル、プロピルまたはt−ブチル;ハロ−低級アルキル、とりわけトリフルオロメチル;ヒドロキシ;低級アルコキシ、とりわけメトキシまたはエトキシ;フェニル−低級アルコキシ;低級アルカノイル、例えばアセチル、フェニルオキシ、ハロ−低級アルキルオキシ、例えばトリフルオロメトキシまたは1,1,2,2−テトラフルオロエチルオキシ、低級アルコキシカルボニル、例えばエトキシカルボニル、低級アルキルメルカプト、例えばメチルメルカプト、ハロ−低級アルキルメルカプト、例えばトリフルオロメチルメルカプト、ヒドロキシ−低級アルキル、例えばヒドロキシメチル、低級アルカンスルホニル、例えばメタンスルホニル、ハロ−低級アルカンスルホニル、例えばトリフルオロメタンスルホニル、フェニルスルホニルから選択された1個または2個の同一または異なる置換基で;より特には非置換または置換低級アルキル、とりわけメチル、t−ブチルまたはトリフルオロメチルおよびハロゲン、とりわけフッ素または塩素から選択された1個または2個の同一または異なる置換基で置換されているフェニルである。
ヘテロアリールは、好ましくは、結合している環における不飽和ヘテロ環式基であり、好ましくは単または二または三環であり;ここで、少なくとも、式(I)の分子の基に結合している環において、対応するアリール基の1個またはそれ以上、好ましくは1個から4個、とりわけ1個または2個の炭素原子が、窒素、酸素および硫黄からなる群から選択されるヘテロ原子により置換され、結合している環は好ましくは4個から12個、とりわけ5個から7個の環原子を有し;ここで、ヘテロアリールは非置換であるか、アリールの置換基として上記の置換基からなる群から選択される1個またはそれ以上の解くに1個から3個の、同一または異なる置換基で置換されており;そして、とりわけイミダゾリル、チエニル、フリル、ピラニル、チアンスレニル、イソベンゾフラニル、ベンゾフラニル、クロメニル、2H−ピロリル、ピロリル、低級アルキル−置換イミダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、インドリジニル、イソインドリル、3H−インドリル、インドリル、インダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、プリニル、4H−キノリジニル、イソキノリル、キノリル、フタラジニル、ナフチリジニル、キノキサリル、キナゾリニル、シノリニル、プテリジニル、カルバゾリル、フェナンスリジニル、アクリジニル、ペリミジニル、フェナンスロリニルおよびフラザニルからなる群から選択されるヘテロアリール基であり、これらの環の各々は、少なくとも1個のヘテロ原子を有する環を介して、式(I)の分子の基に結合しており;ピリジルがとりわけ好ましい。
モノ−またはジ−置換アミノはとりわけ低級アルキル、例えばメチル;ヒドロキシ−低級アルキル、例えば2−ヒドロキシエチル;フェニル−低級アルキル;低級アルカノイル、例えばアセチル;ベンゾイル;フェニル基が非置換であるか、または、とりわけ、ニトロおよびアミノから、またはハロゲン、アミノ、N−低級アルキルアミノ、N,N−ジ−低級アルキルアミノ、ヒドロキシ、シアノ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、低級アルカノイルおよびカルバモイルから選択される1個またはそれ以上、好ましくは1個または2個の置換基で置換されている置換ベンゾイル;およびフェニル基が非置換であるか、または、とりわけ、ニトロおよびアミノから、またはハロゲン、アミノ、N−低級アルキルアミノ、N,N−ジ−低級アルキルアミノ、ヒドロキシ、シアノ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、低級アルカノイルおよびカルバモイルから選択される1個またはそれ以上、好ましくは1個または2個の置換基で置換されているフェニル−低級アルコキシカルボニルから選択される1個または2個の同一または異なる基で置換されているアミノであり;好ましくはN−低級アルキルアミノ、例えばN−メチルアミノ、ヒドロキシ−低級アルキルアミノ、例えば2−ヒドロキシエチルアミノ、フェニル−低級アルキルアミノ、例えばベンジルアミノ、N,N−ジ−低級アルキルアミノ、N−フェニル−低級アルキル−N−低級アルキルアミノ、N,N−ジ−低級アルキルフェニルアミノ、低級アルカノイルアミノ、例えばアセチルアミノであるか、またはベンゾイルアミノおよびフェニル−低級アルコキシカルボニルアミノ(ここで、フェニル基はいずれの場合も非置換であるか、または、とりわけ、ニトロまたはアミノで、またはハロゲン、アミノ、N−低級アルキルアミノ、N,N−ジ−低級アルキルアミノ、ヒドロキシ、シアノ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、低級アルカノイルでまたはカルバモイルで、または前記の基の群に変えてまたはそれに加えて、アミノカルボニルアミノで置換されている)から選択される置換基である。
ハロゲンはとりわけフッ素、塩素、臭素またはヨウ素、より特にはフッ素、塩素または臭素、特にフッ素および塩素である。
アルキルは好ましくは最大12個の炭素原子を有し、とりわけ低級アルキル、より特にはメチル、またはエチル、n−プロピル、イソプロピルまたはtert−ブチルである。
置換アルキルはとりわけ、1個またはそれ以上、とりわけ、3個までの、とりわけハロゲン、とりわけフッ素、例えばトリフルオロメチルまたはペルフルオロアルキル全般、およびまたアミノ、N−低級アルキルアミノ、N,N−ジ−低級アルキルアミノ、N−低級アルカノイルアミノ、ヒドロキシ、シアノ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニルおよびフェニル−低級アルコキシカルボニルからなる群から選択される置換基を含んでいてよい、低級アルキル、好ましくはメチルである。トリフルオロメチルが重要な置換アルキルである。
エーテル化ヒドロキシはとりわけC−C20アルキルオキシ、例えばn−デシルオキシ、低級アルコキシ(好ましい)、例えばメトキシ、エトキシ、イソプロピルオキシまたはn−ペンチルオキシ、フェニル−低級アルコキシ、例えばベンジルオキシ、またはフェニルオキシ、または、前記の基に変えてまたはそれに加えて、C−C20アルキルオキシ、例えばn−デシルオキシ、ハロ−低級アルコキシ、例えばトリフルオロメチルオキシまたは1,1,2,2−テトラフルオロエトキシである。
エステル化ヒドロキシはとりわけ低級アルカノイルオキシ、ベンゾイルオキシ、低級アルコキシカルボニルオキシ、例えばtert−ブトキシカルボニルオキシ、またはフェニル−低級アルコキシカルボニルオキシ、例えばベンジルオキシカルボニルオキシである。
エステル化カルボキシはとりわけ低級アルコキシカルボニル、例えばtert−ブトキシカルボニルまたはエトキシカルボニル、フェニル−低級アルコキシカルボニルまたはフェニルオキシカルボニルである。
アルカノイルはとりわけアルキル−カルボニル、より特には低級アルカノイル、例えばアセチルである。
N−モノ−またはN,N−ジ−置換カルバモイルは、とりわけ末端窒素を、1個または2個の置換基低級アルキル、フェニル−低級アルキルまたはヒドロキシ−低級アルキルで置換されている。
アルキルフェニルチオはとりわけ低級アルキルフェニルチオである。
アルキルフェニルスルフィニルはとりわけ低級アルキルフェニルスルフィニルである。
アルキルフェニルスルホニルはとりわけ低級アルキルフェニルスルホニルである。
ピリジルYは好ましくは3−または4−ピリジルである。
非置換または置換シクロアルキルは、好ましくは、非置換であるか、または、アリール、とりわけフェニルに関して定義したのと同様に置換されているC−Cシクロアルキルである。好ましいのはシクロヘキシル、またはシクロペンチルまたはシクロプロピルである。また4−低級アルキル−シクロヘキシル、例えば4−tert−ブチルシクロヘキシルも好ましい。
存在するとき、Zは好ましくはアミノ、ヒドロキシ−低級アルキルアミノ、例えば2−ヒドロキシエチルアミノ、低級アルカノイルアミノ、例えばアセチルアミノ、ニトロベンゾイルアミノ、例えば3−ニトロベンゾイルアミノ、アミノベンゾイルアミノ、例えば4−アミノベンゾイルアミノ、フェニル−低級アルコキシカルボニルアミノ、例えばベンジルオキシカルボニルアミノ、またはハロゲン、例えば臭素である;好ましくは1個のみの置換基が、とりわけ直前に記載の置換基、とりわけハロゲンが存在する(m=1)。Zが存在しない(m=0)式(I)の化合物(またはそのN−オキシド)が非常に特に好ましい。
ヘテロシクリルはとりわけ、窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される1個または2個のヘテロ原子を有する5または6員ヘテロ環であり、そのヘテロ環は不飽和または完全または部分飽和であってよく、および非置換であるか、または、とりわけ、低級アルキル、例えばメチルで置換されている;2−メチル−ピリミジン−4−イル、オキサゾール−5−イル、2−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イル、1H−ピラゾール−3−イルおよび1−メチル−ピラゾール−3−イルから選択される基が好ましい。
2個の隣接炭素原子に結合した低級アルキレンジオキシ、例えばメチレンジオキシで置換されているフェニルの形のアリールは、好ましくは3,4−メチレンジオキシフェニルである。
式(I)の化合物のN−オキシドは、好ましくは、イソキノリン環窒素または環員A、B、DおよびEを有する環の窒素が酸素原子を有するか、または、記載の窒素原子の1個以上が酸素原子を有する。
塩はとりわけ式(I)の化合物(またはそのN−オキシド)の薬学的に許容される塩である。
このような塩は、例えば、塩基性窒素を有する式(I)の化合物(またはそのN−オキシド)により、好ましくは有機または無機酸との酸付加塩として、とりわけ薬学的に許容される塩として形成される。適当な無機酸は、例えば、塩酸のようなハロゲン化水素酸、例えば;硫酸;またはリン酸である。適当な有機酸は、例えば、カルボン酸、ホスホン酸、スルホン酸またはスルファミン酸、例えば酢酸、プロピオン酸、オクタン酸、デカン酸、ドデカン酸、グリコール酸、乳酸、2−ヒドロキシ酪酸、グルコン酸、グルコースモノカルボン酸、フマル酸、コハク酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、グルカル酸、ガラクタル酸、アミノ酸、例えばグルタミン酸、アスパラギン酸、N−メチルグリシン、アセチルアミノ酢酸、N−アセチルアスパラギン、N−アセチルシステイン、ピルビン酸、アセト酢酸、ホスホセリン、2−または3−グリセロリン酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、メチルマレイン酸、シクロヘキサンカルボン酸、安息香酸、サリチル酸、1−または3−ヒドロキシナフチル−2−カルボン酸、3,4,5−トリメトキシ安息香酸、2−フェノキシ安息香酸、2−アセトキシ安息香酸、4−アミノサリチル酸、フタル酸、フェニル酢酸、グルクロン酸、ガラクツロン酸、メタン−またはエタン−スルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、エタン−1,2−ジスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、1,5−ナフタレンスルホン酸、N−シクロヘキシルスルファミン酸、N−メチル−、N−エチル−またはN−プロピル−スルファミン酸、または他の有機プロトン酸、例えばアスコルビン酸である。
カルボキシまたはスルホのような負に荷電した基が存在するとき、塩基との塩、例えばアルカリ金属またはアルカリ土類金属塩、例えばナトリウム、カリウム、マグネシウムまたはカルシウム塩、またはアンモニアもしくは適当な有機アミン、例えば3級モノアミン、例えばトリエチルアミンまたはトリ(2−ヒドロキシエチル)アミンとのアンモニウム塩、またはヘテロ環塩基、例えばN−エチルピペリジンまたはN,N'−ジメチル−ピペラジンのような、例えば金属またはアンモニウム塩がまた形成できる。
塩基性基および酸性基が同じ分子内に存在するとき、式(I)の化合物(またはそのN−オキシド)は分子内塩も形成できる。
単離または精製目的で、薬学的に許容されない塩、例えば、ピクリン酸または過塩素酸を使用することも可能である。(所望により医薬組成物の形の)薬学的に許容される塩または遊離化合物のみが治療に使用でき、したがって、これらが好ましい。
遊離形の新規化合物および、例えば、新規化合物の精製またはその同定のために中間体として使用できる塩も含むその塩形の密接な関係の観点から、前記および後記で、遊離化合物に関する言及はまた適当であり、予期される限り、その対応する塩も含むと理解すべきである。
本発明はさらにRAFキナーゼの阻害法であり、RAFキナーゼと式(I)の化合物を接触させることを含む、方法に関する。好ましくは、RAFキナーゼはB−またはC−RAFキナーゼ、または変異体RAFキナーゼ、とりわけ変異体B−RAFキナーゼ、特にV599E変異体である。RAFキナーゼは単離されるか、または細胞環境中にある。
式(I)の化合物(またはそのN−オキシド)は、上記のような価値のある薬理学的特性を有する。
式(I)の化合物(またはそのN−オキシド)をそれ自体、または、1個またはそれ以上の他の治療剤と組み合わせて投与でき、固定された組み合わせを使用するか、または、本発明の化合物と1個またはそれ以上の他の治療剤を時間的に交互に投与するか、または、固定された組み合わせと1個またはそれ以上の他の治療剤の組み合わせ投与も可能である。特に、腫瘍処置のための式(I)の化合物(またはそのN−オキシド)の投与は、化学療法剤(1個またはそれ以上の化学療法剤、とりわけ細胞増殖抑制剤との、またはホルモンまたはホルモン様活性を有する化合物との組み合わせ)、放射線療法、免疫療法、外科的処置またはこれらの組み合わせと組み合わせて、同時にまたはそれに加えて、行うことができる。長期治療は、直前に記載のような他の治療法と組み合わせたアジュバント療法であるため、同様に可能である。腫瘍緩解後の患者の状態を維持するための処置、または、例えば、危険な状態にある患者の場合における予防的化学療法も可能である。
本発明の化合物を組み合わせることができる治療剤として、特に1個またはそれ以上の抗増殖性、細胞増殖抑制性または細胞毒性化合物、例えばポリアミン生合成の阻害剤、異なるタンパク質キナーゼの、とりわけタンパク質キナーゼCの、またはチロシンタンパク質キナーゼの、例えば、表皮成長因子レセプタータンパク質チロシンキナーゼの阻害剤、増殖因子の、例えば、血管内皮細胞増殖因子の阻害剤、サイトカイン、負の増殖調節剤、例えばTGF−βまたはIFN−β、アロマターゼ阻害剤、ホルモンまたはホルモン・アナログ、および慣用の細胞増殖抑制剤を考慮する。
本発明の化合物は、ヒトの(予防的および、好ましくは、治療的)処置のみを意図するものではなく、また、他の温血動物、例えば、商品として有用な動物、例えば齧歯類、例えば、マウス、ウサギまたはラット、またはモルモットの処置も意図する。
一般に、本発明は、RAFキナーゼ活性の阻害における、式(I)の化合物(またはそのN−オキシド)の使用にも関する。
式(I)の化合物(またはそのN−オキシド)は、例えば、元の“宿主”として例えば温血動物、特に、ヒトから得て、マウスに移植した腫瘍を、このような化合物の添加後の増殖の減少に関して試験でき、したがって、当該化合物に対するそれらの感受性を試験でき、故に、基の宿主における腫瘍疾患の可能性のある治療法のよりよい確認および決定を可能にするための、診断目的で使用できる。
下記に記載の好ましい式(I)の化合物のグループにおいて、例えば、より一般的な定義を、より具体的なまたはとりわけ、好ましいとして示す定義で置き換えるために、上記の一般的定義由来の置換基の定義を便宜的に使用できる;いずれの場合も、好ましいとして上記のまたは実施例の方法で記載のものが優先である。
rが0から2、好ましくは0であり;
nが0または1であり;
mが1または、とりわけ、0であり;
A、B、DおよびEが各々CHであり、そしてTがNであるか、またはA、DおよびEが各々CHであり、そしてBおよびTがNであるか、またはA、B、EおよびTがCHであり、そしてDがNであるか、またはA、T、DおよびEがCHであり、そしてBがNである;特にA、B、DおよびEが各々CHであり、そしてTがNであるか、またはA、DおよびEが各々CHであり、そしてBおよびTがNであり;
Gが低級アルキレン、とりわけメチレンまたはエチレン(−CH−CH−)、−CH−NH−、−CH−O−、ヒドロキシメチレンまたはベンゾイルオキシ−メチレンであり;
Qが、Aに、DにまたはAとDに結合したメチルであり;
RがHまたは低級アルキル、とりわけHまたはメチルであり;
Xが−NR−、オキサまたはチア、特に−NH−であり;
Yが、アミノ;低級アルカノイルアミノ、とりわけアセチルアミノ;ハロゲン、とりわけフッ素、塩素または臭素;非置換または置換低級アルキル、とりわけメチル、エチル、プロピル、t−ブチルまたはハロ−低級アルキル、とりわけトリフルオロメチル;ヒドロキシ;低級アルコキシ、とりわけメトキシまたはエトキシ;フェニル−低級アルコキシ、とりわけベンジルオキシ;シアノ、低級アルケニル、例えばエテニル、C−C12アルコキシ、とりわけn−デシルオキシ、低級アルコキシカルボニル、例えばtert−ブトキシカルボニル、カルバモイル、低級アルキルカルバモイル、例えばN−メチル−またはN−tert−ブチル−カルバモイル、低級アルカノイル、例えばアセチル、フェニルオキシ、ハロ−低級アルキルオキシ、例えばトリフルオロメトキシまたは1,1,2,2−テトラフルオロエチルオキシ、低級アルコキシカルボニル、例えばエトキシカルボニル、低級アルキルメルカプト、例えばメチルメルカプト、ハロ−低級アルキルメルカプト、例えばトリフルオロメチルメルカプト、ヒドロキシ−低級アルキル、例えばヒドロキシメチルまたは1−ヒドロキシメチル、低級アルカンスルホニル、例えばメタンスルホニル、ハロ−低級アルカンスルホニル、例えばトリフルオロメタンスルホニル、フェニルスルホニルおよび2個の隣接炭素原子に結合した低級アルキレンジオキシ、例えばメチレンジオキシからなる群から選択される1個または2個の同一または異なる置換基で置換されている、または、フェニル環に縮合した5から7員環を形成するように2個の隣接位置がアルキレンまたはアルケニレンで置換されているフェニル、とりわけハロゲン、例えば塩素または臭素、非置換低級アルキル、例えばメチル、およびハロ−置換低級アルキル、例えばトリフルオロメチルからなる群から選択される1個または2個の置換基で置換されているフェニルであり、Yは、とりわけフェニルまたは、とりわけハロゲン、とりわけフルオロまたはクロロ、および/または非置換もしくは置換低級アルキルである1個または2個の同一または異なる置換基で置換されているフェニルであり;
Zがアミノ;N−低級アルキルアミノ、例えばN−メチルアミノ;ヒドロキシ−低級アルキルアミノ、例えば2−ヒドロキシエチルアミノ;フェニル−低級アルキルアミノ、例えばベンジルアミノ;N,N−ジ−低級アルキルアミノ;N−フェニル−低級アルキル−N−低級アルキルアミノ;N,N−ジ−低級アルキルフェニルアミノ;低級アルカノイルアミノ、例えばアセチルアミノ;またはベンゾイルアミノおよびフェニル−低級アルコキシカルボニルアミノ(いずれの場合にもフェニル基は非置換であるか、または、とりわけ、ニトロまたはアミノで、またはハロゲン、アミノ、N−低級アルキルアミノ、N,N−ジ−低級アルキルアミノ、ヒドロキシ、シアノ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、低級アルカノイルでまたはカルバモイルで置換されている)からなる群から選択される置換基であるか;またはZはハロゲン、とりわけ臭素;より特にはアミノ、アセチルアミノ、ニトロベンゾイルアミノ、アミノベンゾイルアミノ、2−ヒドロキシエチルアミノ、ベンジルオキシカルボニルアミノまたは臭素である、
式(I)の化合物またはその塩もしくはN−オキシドが好ましい。
rが0であり;
nが0であり;
mが0であり;
B、D、EおよびTがCHでああり、そしてAがN(3−ピリジル)であるか、またはとりわけA、B、DおよびEが各々CHであり、そしてTがN(4−ピリジル)であり;
Gが低級アルキレン、とりわけメチレンであり;
Xが−NR−、とりわけ−NH−であり;
Yが、非置換であるか、またはハロゲン、とりわけフッ素、または、より特には、塩素または臭素;低級アルキル、とりわけメチル;およびハロ−低級アルキル、とりわけトリフルオロメチルからなる群から選択される1個または2個の同一または異なる置換基で置換されているフェニル;とりわけ4−クロロフェニル、2−、3−または4−メチルフェニル、4−クロロ−5−トリフルオロメチルフェニル、3−ブロモ−5−トリフルオロメチルフェニル、またはより特には3,5−ジメチルフェニル;または4−メチル−3−ヨードフェニル、3,4−ビス(トリフルオロメチル)フェニルまたは3−ブロモ−4−エチル−フェニルである、
式(I)の化合物またはその塩が特に好ましい。
rが0であり;
nは0から2であり;
mが0であり;
A、B、DおよびEが各々CHであり、そしてTがNであり;
Gがメチレンであり;
RがHであり;
Xが−NR−、とりわけ−NH−であり;そして
Yが、非置換であるか、またはハロゲン、とりわけフッ素または塩素で、または低級アルキル、例えばメチルまたはトリフルオロメチル、低級アルコキシ、とりわけメトキシで置換されているフェニル、例えば4−クロロフェニル、4−メトキシフェニルまたは4−トリフルオロメトキシフェニル;ナフチル;非置換であるか、または低級アルキル、とりわけtert−ブチルで置換されているシクロヘキシル、例えば4−tert−ブチル−シクロヘキシル;非置換であるか、またはハロゲン、とりわけフッ素で置換されているインドリル、とりわけ6−フルオロインドール−3−イル;または低級アルキル、とりわけイソペンチルである、
式(I)の化合物、または、塩形成基が存在するときその塩が特に好ましい。
特に、
rが0であり;
nが0であり;
mが0であり;
B、D、EおよびTがCHである、AがNであるか、またはA、B、DおよびEが各々CHであり、そしてTがNであり;
Gが低級アルキレンであり;
Xが−NH−であり;
Yが、非置換であるか、またはハロゲンおよび低級アルキルからなる群から選択される1個または2個の同一または異なる置換基で置換されているフェニルである、
式(I)の化合物も好ましい。
rが0であり;
nは0から2であり;
mが0であり;
A、B、DおよびEが各々CHであり、そしてTがNであり;
Gがメチレンであり;
RがHであり;
Xが−NRであり;そして
Yが、非置換であるか、または、ハロゲン、低級アルキル、低級アルコキシまたはシクロヘキシル(非置換であるか、または低級アルキルで置換されている)で置換されているフェニルである、
式(I)の化合物も好ましい。
特に、とりわけ有用な化合物は、
rが0であり;
nが0であり;
mが0であり;
A、B、DおよびEが各々CHであり、そしてTがNであり;
Gがメチレンであり;
Xが−NH−であり;そして
Yが非置換であるか、または、ハロゲンおよび低級アルキルからなる群から選択される1個または2個の同一または異なる置換基で置換されているフェニルであるものを含む。特に好ましいのは、Yが、4位をt−ブチルで置換されているフェニルであるまたはトリフルオロメチルである、このような化合物を含む。
本発明の方法は、それ自体他の化合物について既知の方法で、特に、
a)式II
Figure 2006519807
(式中、r、m、A、B、D、E、T、G、QおよびZは式(I)の化合物について上記で定義の通りであり、そしてLは、親核性(nucleofugal)脱離基である。)
の化合物と、式III
Figure 2006519807
(式中、n、R、XおよびYは式(I)の化合物について上記で定義の通りである。)
の化合物を反応させ、反応に参加しない式IIおよび式IIIの化合物の官能基は、必要であれば、保護された形であり、そして、存在するすべての保護基を除去し、ここで、方法a)に記載の出発化合物はまた塩形成基が存在し、塩形での反応が可能であるとき、塩の形であってもよく;
そして、所望により、得られた式(I)の化合物、またはそのN−オキシドを異なる式(I)の化合物またはそのN−オキシドに変換し、遊離の式(I)の化合物、またはそのN−オキシドを塩に変換し、得られた式(I)の化合物またはそのN−オキシドの塩を遊離化合物または異なる塩に変換し、および/または式(I)の化合物またはそのN−オキシドの異性体の混合物を個々の異性体に分離することにより製造できる。
変法の詳細な記載:
下記の製造法のより詳細な記載において、r、n、m、A、B、D、E、G、Q、R、X、YおよびZは、特記しない限り、式(I)の化合物について定義の通りである。
方法a)
式IIの化合物において、親核性脱離基Lはとりわけハロゲン、より特には臭素、ヨウ素または、非常に特には塩素である。
式IIの化合物と式IIIの化合物の反応は、適当な不活性極性溶媒、とりわけアルコール、例えば低級アルカノール、例えばメタノール、プロパノール、または、とりわけ、エタノールまたはn−ブタノール中で行うか、または特に反応物の一方が液体系であるとき、溶媒の添加なしに融解して行う。反応は高温で、好ましくは約60℃から還流温度、例えば還流条件下に、または約90から約110℃の温度で行う。式IIIの化合物はまた塩の形で、例えばハロゲン化水素のような強酸との酸付加塩の形で、例えば塩酸塩の形で使用でき、または対応する酸、例えば塩酸を、適当な溶媒、例えばエーテル、例えばジオキサンに添加できる。
式IIおよび/または式IIIの化合物中の1個またはそれ以上の官能基、例えばカルボキシ、ヒドロキシ、アミノまたはメルカプトが保護形で存在するか、反応に参加すべきでないために保護された形で存在すべきであるとき、該保護基は、ペプチド合成において、また、セファロスポリンおよびペニシリン、ならびに核酸誘導体および糖の合成において一般的に使用される基である。該保護基は前駆体にすでに存在していてよく、望ましくない副次反応、例えばアシル化、エーテル化、エステル化、酸化、加溶媒分解などに対して当該官能基を保護するためである。その反応を避けるべき、出発物質における官能基、とりわけカルボキシ、アミノ、ヒドロキシおよびメルカプト基のための保護基は、ペプチド化合物、セファロスポリン、ペニシリンまたは核酸誘導体および糖の合成において通常使用される保護基(慣用の保護基)を含む。保護基は前駆体にすでに存在してよく、当該官能基を望ましくない副次反応、例えばアシル化、エーテル化、エステル化、酸化、加溶媒分解などに対して当該反応基を保護するためである。ある場合、保護基は反応の選択的な、例えば立体選択的な進行をもたらし得る。容易に除去でき、すなわち、望ましくない副次反応なしに、例えば、加溶媒分解により、還元により、光分解により、または、酵素的に、例えば、生理学的条件に準じた条件下で除去でき、最終産物に存在しないのが保護基の特徴である。当業者は、どの保護基が前記および後記の反応に適しているか知っており、または容易に見つけることができる。
保護基による官能基の保護、保護基自体、およびその除去のための反応は、例えば、J. F. W. McOmie, “Protective Groups in Organic Chemistry”, Plenum Press, London and New York 1973, Th. W. Greene, “Protective Groups in Organic Synthesis”, Wiley, New York 1981, “The Peptides”;Volume 3 (E. Gross and J. Meienhofer, eds.), Academic Press, London and New York 1981, “Methoden der organischen Chemie”, Houben Weyl, 4th edition, Volume 15/I, Georg Thieme Verlag, Stuttgart 1974, H.-D. Jakubke and H. Jescheit, “Aminosaeuren, Peptide, Proteine”, Verlag Chemie, Weinheim, Deerfield Beach and Basle 1982, およびJochen Lehmann, “Chemie der Kohlenhydrate: Monosaccharide und Derivate”, Georg Thieme Verlag, Stuttgart 1974のような標準参考書に記載されている。
実施例に記載の保護基を好ましくは導入し、必要であれば、記載の方法に準じて除去する。
付加的工程
所望により行う付加的工程において、反応に参加しない出発化合物における官能基は保護されていないまたは保護された形で、例えば、方法a)の下に上記の保護基の1個またはそれ以上で保護されている。このような保護基のすべてまたはいくつかを次いで方法a)の下に記載の方法の1個で除去する。
塩形成基を有する式(I)の化合物(またはそのN−オキシド)の塩は、それ自体既知の方法で製造できる。例えば、式(I)の化合物またはそのN−オキシドの酸付加塩は、例えば、酸または適当なアニオン交換試薬での処理により得ることができる。2個の酸分子を有する塩(例えば式(I)の化合物の(またはそのN−オキシドの)ジハライド)を式(I)の化合物(またはそのN−オキシド)あたり1個の酸分子を有する塩(例えばモノハライド)に変換することも可能である;これは、例えば、融解状態に加熱することにより、または、例えば、固体形を高真空下で高温、例えば130から170℃に加熱することにより、式(I)の化合物の(またはそのN−オキシドの)分子あたり1個の酸の分子が放出することにより、達成できる。
塩は、遊離化合物に、慣用法で、例えば適当な塩基性試薬で、例えばアルカリ金属炭酸塩、炭酸水素塩または水酸化物、例えば炭酸カリウムまたは水酸化ナトリウムで処理することにより変換できる。
立体異性体混合物、例えばジアステレオマーの混合物を、それ自体既知の方法で、適当な分離法の手段により対応する異性体に分離できる。例えば、ジアステレオマー混合物を個々のジアステレオマーに、分画結晶化、クロマトグラフィー、溶媒分配などにより分離できる。該分離は、出発物質の一つの段階または式(I)の化合物それ自体の場合のいずれかで行うことができる。エナンチオマーは、ジアステレオマー塩の形成により、例えばエナンチオマー的に純粋なキラル酸との塩の形成により、またはクロマトグラフ的方法により、例えばキラルリガンドのクロマトグラフ担体物質上のクロマトグラフィー、例えばHPLCにより分離できる。
式(I)の化合物は、対応するN−オキシドに変換できる。反応は適当な酸化剤、好ましくは過酸化物、例えばm−クロロ過安息香酸で、適当な溶媒、例えばハロゲン化炭化水素、例えばクロロホルムまたは塩化メチレン中、または低級アルカンカルボン酸、例えば酢酸中、好ましくは0℃から反応混合物の沸点の温度、とりわけほぼ室温で行う。
Zが低級アルカノイルアミノである式(I)の化合物(またはそのN−オキシド)を、例えば無機酸、とりわけ塩酸(HCl)での、水溶液(さらなる溶媒の添加も可能である)中での、好ましくは高温、例えば還流下での加水分解により、対応するアミノ化合物(Z=アミノ)に加水分解できる。
Zが低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルキルおよびフェニル−低級アルキルから選択される1個または2個の同一または異なる置換基で置換されているアミノである式(I)の化合物(またはそのN−オキシド)を、例えば、低級アルキルハライド、ヒドロキシ−低級アルキルハライド(必要であればヒドロキシ−保護されている(方法a)参照))、またはフェニル−低級アルキルハライドとの、方法a)の下に記載のものに準じた反応条件下での反応により、アミノ基が対応して置換されている化合物に変換できる。アミノ基Zでの2−ヒドロキシ−低級アルキル置換基の挿入のために、エポキシド(例えばエチレンオキシド)から出発した添加も可能である。該添加は、とりわけ水溶液中および/または極性溶媒、例えば、アルコール、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノールまたはエチレングリコール、エーテル、例えばジオキサン、アミド、例えばジメチルホルムアミド、またはフェノール、例えばフェノールの存在下、または、無水条件下、非極性溶媒、例えばベンゼンおよびトルエン中、またはベンゼン/水エマルジョン中、所望により酸性または塩基性触媒の、例えばアルカリ溶液、例えば水酸化ナトリウム溶液の存在下、またはヒドラジンに浸した固相触媒、例えば酸化アルミニウムの存在下、エーテル、例えばジエチルエーテル中、一般に約0℃から当該反応混合物の沸点までの温度、好ましくは20℃から還流温度で、適当であれば加圧下、例えばボンベ管中で(それにより沸点も超えてよい)、および/または不活性ガス、例えば窒素またはアルゴンの存在下に行う。アミノ基Zの低級アルカンアルデヒド、フェニル−低級アルカンアルデヒドまたはヒドロキシ−低級アルカンアルデヒド(必要であればヒドロキシ−保護されている)での還元的アルキル化も可能である。該還元的アルキル化は、好ましくは炭素、または重金属触媒、例えばラネイニッケルのような支持体に結合した、好ましくは触媒、とりわけ貴金属触媒、例えばプラチナまたは、とりわけ、パラジウムの存在下、常圧または0.1から10メガパスカル(MPa)の加圧下の水素化と共に、または錯体ハイドライド、ボロンハイドライド、とりわけアルカリ金属シアノボロハイドライド、例えばナトリウムシアノボロハイドライドの手段による、適当な酸、好ましくは相対的に弱い酸、例えば低級アルカンカルボン酸または、とりわけ、スルホン酸、例えばp−トルエンスルホン酸中;慣用の溶媒、例えばアルコール、例えばメタノールまたはエタノール、またはエーテル、例えば環状エーテル、例えばテトラヒドロフラン中、水の存在下または非存在下の還元と共に行う。
式(I)の化合物(またはそのN−オキシド)において、アミノ基Zを、アシル化により、低級アルカノイル、ベンゾイル、置換ベンゾイルでまたはフェニル−低級アルコキシカルボニル(ここで、フェニル基は非置換または置換されている)で置換されているアミノ基に変換できる。対応する酸は遊離カルボキシ基を含むか、その反応性誘導体の形、例えば誘導体化活性化エステルまたは反応性無水物の形、また反応性環状アミドの形である。反応性酸誘導体もインサイチュで形成できる。活性化エステルは、とりわけエステル化すべき基の結合炭素原子が不飽和であるエステル、例えばビニルエステルタイプ、例えばビニルエステル(例えば、対応するエステルの酢酸ビニルによるエステル交換により得ることができる;活性化ビニルエステル法)、カルバモイルエステル(例えば、対応する酸をイソキサゾリウム試薬で処理することにより得ることができる;1,2−オキサゾリウムまたはWoodward法)、または1−低級アルコキシビニルエステル(例えば、対応する酸を低級アルコキシアセチレンで処理することにより得ることができる;エトキシアセチレン法)、またはアミジノタイプのエステル、例えばN,N'−ジ置換アミジノエステル(例えば、対応する酸を適当なN,N'−ジ置換カルボジイミド、例えばN,N'−ジシクロヘキシルカルボジイミドまたは、とりわけ、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N'−エチルカルボジイミドで処理することにより得ることができる;カルボジイミド法)またはN,N−ジ置換アミジノエステル(例えば、対応する酸をN,N−ジ置換シアナミドで処理することにより得ることができる;シアナミド法)、求電子置換基で適切に置換された適当なアリールエステル、とりわけフェニルエステル(例えば、対応する酸を適当に置換されたフェノール、例えば4−ニトロフェノール、4−メチルスルホニルフェノール、2,4,5−トリクロロフェノール、2,3,4,5,6−ペンタクロロフェノールまたは4−フェニルジアゾフェノールで、縮合剤、例えばN,N'−ジシクロヘキシルカルボジイミドの存在下に処理することにより得ることができる;活性化アリールエステル法)、シアノメチルエステル(例えば、対応する酸を、クロロアセトニトリルで、塩基の存在下に処理することにより得ることができる;シアノメチルエステル法)、チオエステル、とりわけ非置換または置換された、例えばニトロ−置換された、フェニルチオエステル(例えば、対応する酸を、非置換または置換された、例えばニトロ−置換された、チオフェノールで処理することにより、とりわけ無水物またはカルボジイミド法により得ることができる;活性化チオールエステル法)、または、とりわけ、アミノまたはアミドエステル(例えば、対応する酸を、N−ヒドロキシアミノまたはN−ヒドロキシアミド化合物、例えばN−ヒドロキシスクシンイミド、N−ヒドロキシピペリジン、N−ヒドロキシフタルイミド、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸イミド、1−ヒドロキシベンゾトリアゾールまたは3−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−1,2,3−ベンズトリアジン−4−オンで処理することにより、例えば無水物またはカルボジイミド法により得ることができる;活性化N−ヒドロキシエステル法)である。
分子内エステル、例えばγ−ラクトンも使用できる。酸の無水物は対称であるか、好ましくは、これらの酸無水物の混合物、例えば無機酸、例えば酸ハライド、とりわけ酸クロライド(例えば、対応する酸を塩化チオニル、五塩化リン、ホスゲンまたは塩化オキサリルで処理することにより得ることができる;酸クロライド法)、アジド(例えば、対応する酸エステルから対応するヒドラジドを介し、その含窒素酸での処理により得ることができる;アジド法)との無水物、炭酸セミエステル、例えば炭酸低級アルキルセミエステル(とりわけクロロホルム酸メチルエステル)(例えば、対応する酸をクロロホルム酸低級アルキルエステルでまたは1−低級アルコキシカルボニル−2−低級アルコキシ−1,2−ジヒドロキノリンで処理することにより得ることができる;混合O−アルキル炭酸無水物法)との無水物、または二ハロゲン化、とりわけ二塩素化、リン酸(例えば、対応する酸をオキシ塩化リンで処理することにより得ることができる;オキシ塩化リン法)との無水物、他のリン酸誘導体(例えばフェニルN−フェニルホスホロアミドクロリデートで、または、またはアルキルリン酸アミドをスルホン酸無水物および/またはラセミ化−減少添加剤、例えばN−ヒドロキシベンゾトリアゾールの存在下、またはシアノホスホン酸ジエチルエステルの存在下反応させることにより得られるもの)とのまたは亜リン酸誘導体との無水物、または有機酸との無水物、例えば、有機カルボン酸(例えば、対応する酸を非置換または置換低級アルカン−またはフェニル−低級アルカン−カルボン酸ハライド、例えばフェニル酢酸、ピバリン酸またはトリフルオロ酢酸クロライドで処理することにより得ることができる;混合カルボン酸無水物法)または有機スルホン酸(例えば、対応する酸の塩、例えばアルカリ金属塩を適当な有機スルホン酸ハライド、例えば低級アルカン−またはアリール−、例えばメタン−またはp−トルエン−スルホン酸クロライドで処理することにより得ることができる;混合スルホン酸無水物法)との無水物、ならびに、対称無水物(例えば、対応する酸を、カルボジイミドまたは1−ジエチルアミノプロピンの存在下に縮合することにより得ることができる;対称性無水物法)であってよい。
適当な環状アミドは、とりわけ芳香族性性質の5員ジアザ環を有するアミド、例えば、イミダゾールを有するアミド、例えばイミダゾール(例えば、対応する酸をN,N'−カルボニルジイミダゾールで処理することにより得ることができる;イミダゾール法)、またはピラゾール、例えば3,5−ジメチルピラゾール(例えば、酸ヒドラジドを介して、アセチルアセトンでの処理により得ることができる;ピラゾリド法)とのアミドである。記載のように、アシル化剤として使用するカルボン酸の誘導体はインサイチュでも形成できる。例えば、N,N'−ジ置換アミジノエステルは、インサイチュで、式(I)の出発物質の混合物と、アシル化剤として使用する酸を、適当な適当なN,N'−ジ置換カルボジイミド、例えばN,N'−ジシクロヘキシルカルボジイミドまたは、とりわけ、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N'−エチルカルボジイミドの存在下に反応させることにより、インサイチュで形成できる。さらに、アシル化剤として使用する酸のアミノまたはアミドエステルは、アシル化する式(I)の出発物質の存在下、対応する酸と、アミノ出発物質を、N,N'−ジ置換カルボジイミド、例えばN,N'−ジシクロヘキシルカルボジイミド、およびN−ヒドロキシアミンまたはN−ヒドロキシアミド、例えばN−ヒドロキシスクシンイミドの存在下、所望により、適当な塩基、例えば4−ジメチルアミノピリジンの存在下に反応させることにより形成できる。その上、活性化も、N,N,N',N'−テトラアルキルウロニウム化合物、例えばO−ベンズトリアゾール−1−イル−N,N,N',N'−テトラ−メチル−ウロニウムヘキサフルオロホスフェート、O−(1,2−ジヒドロ−2−オキソ−1−ピリジル)−N,N,N',N'−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン−(1,5,5))またはO−(3,4−ジヒドロ−4−オキソ−1,2,3−ベンズトリアゾリン−3−イル)−N,N,N',N'−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレートとの反応により達成できる。
最後に、カルボン酸のリン酸無水物は、アルキルリン酸アミド、例えばヘキサメチルリン酸トリアミドを、スルホン酸無水物、例えば4−トルエンスルホン酸無水物の存在下、塩、例えばテトラフルオロボレート、例えばナトリウムテトラフルオロボレートと、またはヘキサメチルリン酸トリアミドの異なる誘導体、例えばベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオリドと、好ましくはラセミ化−減少添加剤、例えばN−ヒドロキシベンゾトリアゾールの存在下に反応させることにより、インサイチュで製造できる。所望により、有機塩基、好ましくは3級アミン、例えばトリ−低級アルキルアミン、とりわけエチルジイソプロピルアミンまたは、より特には、トリエチルアミン、および/またはヘテロ環式塩基、例えば4−ジメチルアミノピリジンまたは、好ましくは、N−メチルモルホリンまたはピリジンを添加する。縮合は、好ましくは不活性、非プロトン性、好ましくは無水溶媒または溶媒混合物中、例えばカルボン酸アミド、例えばホルムアミドまたはジメチルホルムアミド、ハロゲン化炭化水素、例えば塩化メチレン、炭素テトラクロライドまたはクロロベンゼン、ケトン、例えばアセトン、環状エーテル、例えばテトラヒドロフランまたはジオキサン、エステル、例えば酢酸エチル、またはニトリル、例えばアセトニトリル中、またはそれらの混合物中、適当であれば低温または高温で、例えば約−40℃から約+100℃、好ましくは約−10℃から約+70℃の温度で、アリールスルホニルエステルを使用するときはまた約+100℃から+200℃の温度で、とりわけ10から30℃の温度で、および、適当であれば、不活性ガス雰囲気、例えば窒素またはアルゴン雰囲気下、行う。水性、例えばアルコール性、溶媒、例えばエタノール、または芳香族性溶媒、例えばベンゼンまたはトルエンも可能である。
式(I)の化合物中のニトロ基Zは、例えば金属または選択的水素化により;例えばマグネシウム/硫酸アンモニウムの水/アルコール混合物、例えばメタノール/水中の溶液との、高温、例えば30から60℃での反応により(Synth. Commun. 25(2), 4025-4028 (1995)参照);亜鉛/ボロハイドライドの酸アミド、例えばジメチルホルムアミド溶液との、室温より低い温度、例えば約0℃での反応により;、例えば水/塩化メチレン混合物中、高温、例えば25から35℃での1,1'−ジオクチル−4,4'−ビピリジニウムジブロミド/四チオン酸ナトリウム/炭酸カリウムの水/ハロゲン化炭化水素混合物により(Tetrahedron Lett. 34(46), 7445 7446 (1993)参照);アルコール、例えばメタノール/水中、0から40℃の好ましい温度でのクロライド形のAmberlyte IRA-400イオン交換体上の水素化ホウ素ナトリウムにより(Synthetic Commun. 19(5/6), 805-811 (1989));ハロゲン化炭化水素/アルコール混合物、例えば塩化メチレン/メタノール中、10から35℃の好ましい温度でのカリウムボロハイドライドにより(Synthetic Commun. 19(17), 3047-3050 (1989)参照);ジオキサン中、水素化ホウ素ナトリウムにより;テトラヒドロフラン中、ボランにより;Pd/Cの存在下、アルコール中、0から35℃の好ましい温度およびギ酸アンモニウムの存在下、水素化により(Tetrahedron Lett. 25(32), 3415-3418 (1989));エーテル、例えばテトラヒドロフラン中、四塩化チタン/水素化リチウムアルミニウムまたは四塩化チタン/マグネシウムにより(Bull. Chem. Soc. Belg. 97(1), 51-53 (1988)参照);または高温、好ましくは還流下の塩化鉄アンモニウム/水により(Synth. Commun. 22, 3189-3195 (1992))、アミノ基に還元できる。
Gがアシルオキシ−置換低級アルキルであり、他の基が式(I)について定義の通りである式(I)の化合物において、アシル基を加水分解により除去し、Gがヒドロキシ−置換低級アルキレンである対応する式(I)の化合物を産生できる。該加水分解は、好ましくは慣用の条件下、例えば酸または塩基、例えば、HClまたはNaOHの存在下、水溶液または適当な溶媒または溶媒混合物中で行う。
Gがアシルオキシ−置換低級アルキルである式(I)の化合物から、Gが低級アルキレンである式(I)の化合物を製造することも可能である。この場合の反応は、慣用の溶媒または溶媒混合物中の、好ましくは触媒的水素化(適当な触媒の存在下の水素)により行う。
一般法条件
本明細書に記載のすべての方法は、それ自体既知の、好ましくは具体的に記載の条件下、溶媒または希釈剤(好ましくは使用する試薬に不活性であり、そのための溶媒である)の非存在下、または、通常存在下、触媒、縮合剤または中和剤、例えばイオン交換体、例えばH形の、例えばカチオン交換体の非存在下または存在下、反応の性質および/または試薬に依存して、低温、常温または高温で、例えば約−100℃から約190℃、好ましくは約−80℃から約150℃、例えば−80℃から−60℃、室温、−20℃から40℃または使用する溶媒の還流温度で、常圧または密封容器中、適当であれば加圧下、および/または不活性雰囲気下、例えばアルゴンまたは窒素雰囲気下に行う。
すべての出発物質および中間体化合物において、塩形成基が存在するとき、塩が存在できる。塩はまたこのような化合物の反応中にも、反応がそれにより妨害されない限り、存在できる。
反応の全段階中、形成される異性体混合物を個々の異性体に、例えば、ジアステレオマーまたはエナンチオマーに、または、異性体の任意の所望の混合物に、例えば、ラセミ体またはジアステレオマー混合物に、例えば、“付加的工程”の下に記載の方法に準じて分離できる。
ある場合、例えば水素化の場合、個々の異性体を容易に得るために、立体選択的反応を達成することが可能である。
特定の反応に適当な溶媒は、方法の記載において別の指示がない限り、例えば、水、エステル、例えば低級アルキル低級アルカノエート、例えばジ酢酸エチル、エーテル、例えば脂肪族エーテル、例えばジエチルエーテル、または環状エーテル、例えばテトラヒドロフラン、液体芳香族性炭化水素、例えばベンゼンまたはトルエン、アルコール、例えばメタノール、エタノールまたは1−または2−プロパノール、ニトリル、例えばアセトニトリル、ハロゲン化炭化水素、例えば塩化メチレン、酸アミド、例えばジメチルホルムアミド、塩基、例えばヘテロ環式窒素塩基、例えばピリジン、カルボン酸、例えば低級アルカンカルボン酸、例えば酢酸、カルボン酸無水物、例えば低級アルカン酸無水物、例えば酢酸無水物、環状、直鎖状または分枝鎖状炭化水素、例えばシクロヘキサン、ヘキサンまたはイソペンタン、またはこれらの溶媒の混合物、例えば水溶液から選択できる。このような溶媒混合物はまた、例えばクロマトグラフィーまたは分配による後処理に使用できる。
本発明はまた任意の段階で中間体として得られる化合物を出発物質として使用して残りの工程を行うか、または、任意の段階で工程を中断するか、または、出発物質を反応条件下で製造するか、または、反応性誘導体もしくは塩の形で使用するか、または、本発明の方法により得られる化合物を、該方法の条件下で製造し、さらにインサイチュで処理する形のものにも関する。上記で好ましいと、特に、とりわけ好ましいと、より特に好ましいおよび/または非常に特に好ましいと定義の化合物をもたらす出発物質を使用することが好ましい。
式(I)の化合物(またはそのN−オキシド)の製造は、好ましくは実施例に記載の工程および段階に準じて行う。
その塩を含む式(I)の化合物(またはそのN−オキシド)はまた水和物の形で得ることができ、または、それらの結晶は、例えば、結晶化に使用した溶媒を含み得る(溶媒和物の形の存在)。
医薬組成物、方法および使用
本発明はまた活性成分として式(I)の化合物(またはそのN−オキシド)を含み、とりわけ最初に記載の疾患の処置に使用できる医薬組成物にも関する。温血動物、とりわけヒトに経腸、例えば経鼻、バッカル、直腸、または、とりわけ、経口、および非経腸、例えば静脈内、筋肉内または皮下投与するための組成物が特に好ましい。該組成物は活性成分をそのまま、または、好ましくは、薬学的に許容される担体と共に含む。活性成分の投与量は処置すべき疾患および種、その年齢、体重、個々の状態、個々の薬物動態データおよび投与の形態に依存する。
本発明は、ヒトまたは動物を予防的に、または、とりわけ、治療的に処置するための方法に使用するための医薬組成物、その製造法(とりわけ腫瘍処置用組成物の形への)および上記疾患、とりわけ腫瘍疾患、より特には上記のものを処置する方法にも関する。
本発明はまた、式(I)の化合物(またはそのN−オキシド)を活性要素(活性成分)として含む、医薬組成物の製造法および式(I)の化合物(またはそのN−オキシド)のそのための使用にも関する。
異常なMAPキナーゼシグナル伝達経路、とりわけ腫瘍疾患、最も特には黒色腫を有する温血動物または特にヒトもしくは商品として有用な哺乳類に投与するのに適した、式(I)の化合物(またはそのN−オキシド)、または塩形成基が存在するときその薬学的に許容される塩を、RAFキナーゼ、特に変異体RAFキナーゼの阻害に有効な量、少なくとも1個の薬学的に許容される担体と共に含む、医薬組成物が好ましい。
活性成分として新規式(I)の化合物(またはそのN−オキシド)またはその薬学的に許容される塩を、記載の疾患に対する予防的またはとりわけ治療的有効量で含む、このような処置を必要とする、とりわけこのような疾患を有する、温血動物、とりわけヒトまたは商品として有用な哺乳類の腫瘍疾患および他の増殖性疾患の予防的、とりわけ治療的処置用医薬組成物も好ましい。
医薬組成物は約1%から約95%活性成分を含み、1回投与形である投与形は好ましくは約20%から約90%活性成分を含み、1回投与形ではない投与形は好ましくは約5%から約20%活性成分を含む。単位投与形は、例えば、糖衣錠、錠剤、アンプル、バイアル、坐薬またはカプセルである。他の投与形は、例えば、軟膏、クリーム、泥膏、フォーム、チンキ、口紅型、ドロップ、スプレー、分散剤などである。例は、約0.05gから約1.0gの活性成分を含む、カプセルである。
本発明の医薬組成物は、それ自体既知の方法で、例えば、慣用の混合、造粒、糖衣、溶解または凍結乾燥工程の手段により製造する。
活性成分の溶液を好ましくは使用し、それに加えて、懸濁液または分散剤、とりわけ等張性水溶液、分散剤または懸濁液も使用し、これは、例えば、活性物質を単独でまたは担体、例えばマンニトールを含む凍結乾燥組成物の場合、使用前に調製できる。該医薬組成物は滅菌されていてよく、および/または、賦形剤、例えば防腐剤、安定化剤、湿潤剤および/または乳化剤、可溶化剤、浸透圧調整用塩および/または緩衝剤を含んでいてよく、それ自体既知の方法で、例えば慣用の溶解または凍結乾燥工程の手段により製造できる。記載の溶液または懸濁液は増粘性物質、たとえばナトリウムカルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、デキストラン、ポリビニルピロリドンまたはゼラチン、または可溶化剤、例えばTween 80[ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート;ICI Americas, Inc, USAの商標]を含んでよい。
油状成分として植物油、合成油または半合成油を含む油中の懸濁液は、注射目的で慣用である。特に記載し得るのは、とりわけ酸部分として、8個から22個、とりわけ12個から22個の炭素原子を含む長鎖脂肪酸、例えばラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸または対応する不飽和酸、例えばオレイン酸、エライジン酸、エルカ酸、ブラッシジン酸またはリノレイン酸を、所望により、抗酸化剤、例えばビタミンE、β−カロテンまたは3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシトルエンと共に含む、液体脂肪酸エステルである。これらの脂肪酸エステルのアルコール部分は、最大6個の炭素原子を含み、モノ−またはポリ−ハイドリック(hydric)、例えばモノ−、ジ−またはトリ−ハイドリック、アルコール、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールまたはペンタノールまたはそれらの異性体であるが、また、特にとりわけグリコールおよびグリセロールである。特記し得る脂肪酸エステルの例は、したがって:エチルオレエート、イソプロピルミリステート、イソプロピルパルミテート、“Labrafil M 2375”(Gattefosse, Parisのポリオキシエチレングリセロールトリオレエート)、“Labrafil M 1944 CS”(杏仁油のアルコール分解により製造し、グリセリドおよびポリエチレングリコールエステルから成る不飽和ポリグリコール化グリセリド;Gattefosse, France)、“Labrasol”(TCMのアルコール分解により製造し、グリセリドおよびポリエチレングリコールエステルから成る飽和ポリグリコール化グリセリド;Gattefosse, France)および/または“Miglyol 812”(Huels AG, GermanyのCからC12の鎖長を有する飽和脂肪酸のトリグリセリド)であるが、また、とりわけ植物油、例えば綿実油、アーモンド油、オリーブ油、ヒマシ油、ゴマ油、ダイズ油および、より特には、ピーナッツ油である。
注射用組成物の製造は、慣用の方法で、滅菌条件下に行い、またその例えばアンプルまたはバイアルへの注入およびその容器の密封にも当てはまる。
経口投与用医薬組成物は、例えば、活性成分と1個またはそれ以上の固体担体を合わせ、適当であれば、得られた混合物を造粒し、該混合物または顆粒を、望むとき、必要に応じてさらなる賦形剤を添加し、錠剤または糖衣錠コアに加工することにより得ることができる。
適当な担体は、とりわけ充填剤、例えば糖、例えばラクトース、サッカロース、マンニトールまたはソルビトール、セルロース製剤および/またはリン酸カルシウム、例えば三リン酸カルシウムまたはリン酸水素カルシウム、また結合剤、例えばデンプン、例えばトウモロコシ、小麦、コメまたはジャガイモデンプン、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロースおよび/またはポリビニルピロリドン、および/または、所望により、崩壊剤、例えば上記のデンプン、またカルボキシメチルデンプン、架橋ポリビニルピロリドン、アルギン酸またはその塩、例えばアルギン酸ナトリウムである。さらなる賦形剤はとりわけ流動調節剤および滑剤、例えばケイ酸、タルク、ステアリン酸またはその塩、例えばステアリン酸マグネシウムもしくはカルシウム、および/またはポリエチレングリコール、またはその誘導体である。
糖衣錠は、適当な、所望により腸溶性のコーティングを施してよく、それは、とりわけアラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコールおよび/または二酸化チタンを含む濃縮糖溶液、または、適当な有機溶媒または溶媒混合物中のコーティング溶液、または、腸溶性コーティングの調製のために、適当なセルロース製剤、例えば酢酸フタル酸セルロースまたはヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートの溶液を使用する。着色剤または色素を、例えば、同定目的で、または、活性成分の異なる投与量を示すために錠剤または糖衣錠コーティングに添加してよい。
経口投与用医薬組成物はまた硬ゼラチンカプセルおよび、ゼラチンおよび可塑剤、例えばグリセロールまたはソルビトールから成る軟密封カプセルでもある。硬ゼラチンカプセルは、例えば充填剤、例えばトウモロコシデンプン、結合剤および/または流動促進剤、例えばタルクまたはステアリン酸マグネシウム、および所望により安定化剤と混合された、顆粒の形の活性成分を含み得る。軟カプセルにおいて、活性成分は好ましくは適当な液体賦形剤、例えば脂肪油、パラフィン油または液体ポリエチレングリコールまたはエチレングリコールもしくはプロピレングリコールの脂肪酸エステルに溶解または懸濁し、同様に安定化剤および界面活性剤、例えばポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルタイプのものを添加することが可能である。
適当な直腸投与可能医薬組成物は、例えば、活性成分と坐薬基剤の組み合わせから成る坐薬である。適当な坐薬基剤は、例えば、天然または合成トリグリセリド、パラフィン炭化水素、ポリエチレングリコールまたは高級アルカノールである。
非経腸投与に関して、とりわけ水溶性形、例えば、水溶性塩の形の活性成分の水性溶液、または、増粘性物質、例えばナトリウムカルボキシメチルセルロース、ソルビトールおよび/またはデキストラン、および、所望により、安定化剤を含む、水性注射懸濁剤の形がある。活性成分は、所望により、賦形剤と共に、また、凍結乾燥物の形であり、適当な溶媒の添加により非経腸投与の前に溶液にしてよい。
例えば、非経腸投与に使用する溶液はまた輸液として使用できる。
好ましい防腐剤は、例えば、抗酸化剤、例えばアスコルビン酸、または殺菌剤、例えばソルビン酸または安息香酸である。
本発明はとりわけ異常なMAPキナーゼシグナル伝達経路を特徴とする病理学的状態、とりわけRAFキナーゼの阻害に応答する疾患、とりわけ対応する腫瘍疾患の処置過程または方法に関する。式(I)の化合物(またはそのN−オキシド)はそのままでまたは医薬組成物の形で、好ましくは記載の疾患に対して有効な量で、このような処置を必要とする温血動物、例えばヒトに予防的にまたは治療的に投与でき、該化合物はとりわけ医薬組成物の形で投与する。体重約70kgの場合、約0.1gから約5g、好ましくは約0.5gから約2gの本発明の化合物を投与する。
それぞれの特定の場合に使用すべき好ましい投与量、組成物および医薬製剤(薬剤)は上記である。
出発物質
使用する出発物質および選択する反応条件は、好ましくは、好ましいと記載した化合物を得るものである。
式IIおよびIIIの出発物質は既知であり、それ自体既知の方法で製造できるか、または、商品として入手可能である;特に、それらは実施例に記載の方法に準じて製造できる。
出発物質の製造において、反応に参加すべきでないすべての官能基は、必要であれば保護された形であってよい。好ましい保護基、それらの挿入およびそれらの除去は、方法a)の下にまたは実施例に記載されている。当該出発物質および中間体の代わりに、塩形成基が存在し、当該反応がまた塩を使用して可能であるとき、塩を反応させることも可能である。したがって、出発物質に関する前記および後記の言及は、また、予期され、可能であるとき、塩も包含することを意図する。
Gが−CH−O−、−CH−S−、−CH−NH−、オキサ、チアまたは−NR−であり、他の記号が式(I)に関して記載の通りである式IIの化合物は、例えば、式IV
Figure 2006519807
〔式中、Lは、親核性脱離基、とりわけハロ、例えばブロモであり、mおよびZならびに波線で示される結合は式(I)の化合物について上記で定義の通りである(とりわけm=0、すなわちZは存在しない−Lがブロモである対応する式IVの化合物はSPECS & BIOSPECS, Rijskwijk, Hollandから市販されている)。〕
の化合物と、式V
Figure 2006519807
(式中、Gが−CH−O−、−CH−S−または−CH−NH−であるか、またはオキサ、チアもしくは−NR−であり、そしてA、B、D、E、T、Qおよびrが式(I)の化合物について定義の通りである。)
の化合物を、好ましくは式IIの化合物と式IIIの化合物の反応に関して方法a)で記載したものに準じた条件下で反応させることにより、またはPdのパラジウム錯体触媒、例えば、キレート化ビス(ホスフィン)(例えば、J. Org. Chem. 61, 7240-7241 (1996)参照)などとのテトラキス(トリフェニルホスフィニル)パラジウム錯体、パラジウム(0)−P(o−トリル)錯体、パラジウム(0)錯体と、好ましくはアルカリ金属炭酸塩、例えばKCOの存在下、適当な溶媒、例えばトルエン中のPdと、高温で、好ましくは還流下に反応させることにより製造できる。次いで、式II
Figure 2006519807
(式中、mおよびZならびに波線で示される結合、A、B、D、E、T、Qおよびrは式(I)の化合物について上記で定義の通りであり、そしてGが−CH−O−、−CH−S−または−CH−NH−、またはオキサ、チアまたは−NR−である。〕
の化合物を得る。
対応する式IIの化合物を、そこから、式IIで定義した通りの親核性基Lを、対応する酸無水物、例えばL=Clの挿入のためにホスホリルクロライド(POCl)を、または、式XIIの化合物の式IIの化合物への変換に関して下記に記載の異なる試薬を使用して挿入することにより製造できる。
式IVおよびVの出発物質は既知であり、それ自体既知の方法で製造でき、または市販されている。
Gがメチレンであり、他の記号が式(I)の化合物について上記で定義の通りである式IIの化合物は、例えば、式VI
Figure 2006519807
(式中、Zおよびmは式(I)の化合物について上記で定義の通りである。)
の化合物と、アルカリ金属シアン化物、とりわけシアン化カリウムを、高温で、例えば100℃から200℃で反応させ(Org. Synthesis, Coll. Vol. 3, 174参照)、式VII
Figure 2006519807
(式中、記号は式VIの化合物について定義の通りである。)
のシアノメチル安息香酸を産生する;式VIIの化合物を、次いで、例えば適当なジ−低級アルキルホルムアミドジ−低級アルキルアセチル、例えばジメチルホルムアミドジメチルアセチルを、適当な溶媒、例えばハロ−低級アルカン、例えばジクロロメタン中の式VIIの化合物に添加し、該混合物を、好ましくは0から60℃の温度、例えばほぼ室温で攪拌して反応を完了させることにより、低級アルキルエステルに変換する。
式VIII
Figure 2006519807
(式中、Alkは低級アルキル、とりわけメチルであり、そして他の記号は式VIについて定義の通りである。)
である対応する低級アルキルエステルを得る。
該エステルを、次いで、適当な溶媒、例えばエーテル、例えばテトラヒドロフラン、またはエステル、例えばプロピオン酸エチル、またはこれらの混合物中で、式IX
Figure 2006519807
(式中、A、B、D、E、Qおよびrは式(I)の化合物について上記で定義の通りである)
のアルデヒドと、アルコール、例えばメタノール、および対応するアルコラート、例えばアルカリ金属メタノラート、例えばナトリウムメタノラートの存在下、好ましくは0℃から還流温度、好ましくは約5℃から30℃の温度で反応させ、式X
Figure 2006519807
(式中、基A、B、D、E、QおよびZおよび指数rおよびmは式(I)の化合物について上記で定義の通りである)
の化合物を得る;その化合物を、(式VIIIの低級アルキルエステルの製造に準じた条件下)式XI
Figure 2006519807
(式中、Alkは低級アルキル、とりわけメチルであり、そして他の記号は式Xについて定義の通りである。)
の対応する低級アルキルエステルに変換する。
続いて、適当な触媒、とりわけフレームワーク触媒、例えばラネイコバルトまたは、とりわけ、ラネイニッケルの存在下、適当な溶媒、例えばエーテル、例えばテトラヒドロフラン、またはアルコール、例えばメタノール、またはこれらの混合物中、10℃から80℃の好ましい温度で、0.5から100バールの圧力、とりわけほぼ常圧で水素化し、式XII
Figure 2006519807
(式中、基A、B、D、E、QおよびZおよび指数rおよびmは式(I)の化合物について上記で定義の通りである。)
のイソキノリン化合物を得る。
式XIIの化合物を、次いで、対応する式IIの化合物またはその塩に、溶媒なしでまたは適当な溶媒、例えばアセトニトリル中、対応する酸、例えばハロゲン化水素酸、例えば塩酸の非存在下、または好ましくは存在下、40℃から還流温度の好ましい温度で、好ましくは約40℃から60℃で、親核性脱離基の挿入に適した試薬、例えばホスホリルハライドまたは五ハロゲン化リン、とりわけホスホリルクロライド(POCl)または五塩化リンの手段により変換する。
類似の方法で、式IXに類似しているが、−CHO−基の場所が対応する低級アルカンアルデヒド基に代わっている化合物を使用して、メチリデン基(式X、XI)またはメチレン基(式XII)の場所が対応する低級アルキリデンまたは低級アルキレン基に代わっている式XからXIIに類似した化合物を経由し、Gが低級アルキレンである対応する式IIの化合物を製造することが可能である。
他の出発物質は既知であり、それ自体既知の方法で製造でき、または、市販されているか、または、特に、実施例に記載の方法に準じた方法で製造できる。
下記の実施例は、本発明を、その範囲を限定することなく説明するために提供する。
合成実施例
実施例S1:1−(3,5−ジメチルアニリノ)−4−[(ピリジン−4−イル)−メチル]−イソキノリン(=N−(3,5−ジメチル−フェニル)−[4−(ピリジン−4−イル−メチル)−イソキノリン−1−イル]−アミン)
除湿しながら、100mg(0.825mmol)の3,5−ジメチル−アニリンを、4mlのエタノールに溶解し、196μl(0.784mmol)のHCl(ジオキサン中4N)を添加する。さらに200mg(0.785mmol)の1−クロロ−4−[(ピリジン−4−イル)−メチル]−イソキノリンを添加後、混合物を8時間、90℃で加熱する。次に蒸発により濃縮する;残渣を4mlの水、1mlの飽和アンモニア溶液および20mlのCHClに取り込み、有機相を分取し、NaSO(無水)で乾燥させ、再び蒸発により乾燥させる。カラムクロマトグラフィー(SiO;酢酸エチル/ヘキサン3:1)および酢酸エチル/ヘキサンからの結晶化により、表題化合物を得る:m.p. 156−158℃;FAB−MS:(M+H)+=340;分析計算値(C2321・0.1HO) C 80.95%、H 6.26%、N 12.31%;実測値C 80.9%、H 6.2%、N 12.4%。
出発物質は下記の通り製造する:
S1a)2−シアノメチル−安息香酸メチルエステル
穏やかに加熱しながら、175g(1.08mol)の2−シアノメチル−安息香酸(製造に関しては:Org. Synthesis, Coll, Vol. 3, 174参照)を1.7リットルのCHCl;242ml(≒90%、1.6mol)のジメチルホルムアミドジメチルアセタールを室温で滴下し、攪拌を38時間続けて反応を完了させる。反応混合物を2回、1.2リットルの飽和NaHCO溶液および塩水で洗浄する。水性相を2回分のCHClを使用して抽出し、有機相を乾燥(NaSO)させ、蒸発により濃縮する。カラムクロマトグラフィー(SiO;酢酸エチル/ヘキサン1:4、酢酸エチル/ヘキサン/CHClに溶解して適用)により表題化合物を得る:m.p. 49−50℃ 分析計算値(C10NO) C 68.56%、H 5.18%、N 8.00%;実測値C 68.5%、H 5.1%、N 7.9%。
S1b)2−[(1−シアノ−2−(ピリジン−4−イル)−ビニル]−安息香酸
脱気しながら、127.7ml(1.35mol)のピリジン−4−カルボアルデヒド(Fluka, Buchs, Switzerland)を、215.6g(1.23mol)の2−シアノメチル−安息香酸メチルエステルの1.8リットルのTHF溶液に添加する。混合物を8−9℃に冷却し、297ml(1.6mol)のメタノール中のナトリウムメタノラートの5.4M溶液を20分にわたり滴下し、混合物を1.5時間、10から15℃で攪拌する。次いで、混合物のpHを、約350mlの4N HClを使用して6.0に調節し、1時間、5℃で攪拌する。表題化合物が晶出し、吸引しながら濾取し、THF/水 2:1およびTHFで徹底的に洗浄する:m.p. 218−219℃;FAB−MS:(M+H)+=251;;分析計算値(C1510) C 71.99%、H 4.03%、N 11.19%;実測値C 71.9%、H 4.1%、N 11.1%。
S1c)2−[(1−シアノ−2−(ピリジン−4−イル)−ビニル]−安息香酸メチルエステル
除湿しながら、211g(0.843mol)の2−[(1−シアノ−2−(ピリジン−4−イル)−ビニル]−安息香酸を3.3リットルのCHClに懸濁する;169ml(≒90%、1.1mol)のジメチルホルムアミドジメチルアセタール(Fluka, Buchs, Switzerland)を室温で添加し、22時間攪拌を行い、反応を完了させる。反応混合物を濾過し、残渣をCHClで徹底的に洗浄し、廃棄する。濾液の蒸発により濃縮、クロマトグラフィー(SiO;酢酸エチル)および酢酸エチル/ヘキサンからの結晶化により、表題化合物を得る:m.p. 102−104℃;FAB−MS:(M+H)+=265;分析計算値(C1612) C 72.72%、H 4.58%、N 10.60%;実測値C 72.7%、H 4.8%、N 10.5%。
S1d)4−(ピリジン−4−イル−メチル)−2H−イソキノリン−1−オン
5×40gのラネイニッケル(間隔を空けて添加)、163g(617mmol)の2−[(1−シアノ−2−(ピリジン−4−イル)−ビニル)−安息香酸メチルエステルを、3リットルのTHF中、40℃で90時間水素化する。反応混合物を濾過し、濾液を蒸発により濃縮し、アセトニトリル/酢酸エチルから結晶化させる(→表題化合物)。さらなる生産物を、母液からクロマトグラフィー(SiO;酢酸エチル→アセトン)により得ることができる:m.p. 189−190℃;FAB−MS:(M+H)+=237;分析計算値(C1512O ・ 0.05 HO) C 75.96%、H 5.14%、N 11.81%;実測値C 75.8%、H 5.2%、N 11.9%。
S1e)1−クロロ−4−(ピリジン−4−イルメチル)−イソキノリン
脱気しながら、32.7g(139mmol)の4−(ピリジン−4−イル−メチル)−2H−イソキノリン−1−オンを、560mlのアセトニトリル中のスラリーとし、69.2ml(277mmol)の4N HClのジオキサン溶液および31.7ml(346mmol)のPOClを添加する。混合物を22時間、50℃で攪拌し、氷浴で冷却し、128.6gのNaHCOの1.64リットルの水溶液を30分にわたり添加する。添加中、最初に透明溶液が形成し、次いで表題化合物が沈殿し、15分後、濾取してよく、水およびエーテルで徹底的に洗浄し、高真空下、60℃で乾燥させる:m.p. 119−120℃;FAB−MS:(M+H)+=255。
実施例S2:1−(3−クロロベンジルアミノ)−4−[(ピリジン−4−イル)−メチル]−イソキノリン
除湿しながら、1.6ml(13.1mmol)の3−クロロベンジルアミンおよび800mg(3.14mmol)の1−クロロ−4−(ピリジン−4−イルメチル)−イソキノリン(実施例1e)を、2時間、150℃で攪拌する。混合物を酢酸エチルに懸濁し、1mlの濃アンモニア溶液を添加し、水および塩水で洗浄し、有機相を乾燥(NaSO)させ、蒸発により濃縮する。カラムクロマトグラフィー(SiO;酢酸エチル)により表題化合物を得る:m.p. 141−142℃;FAB−MS:(M+H)+=360;分析計算値(C2218Cl) C 73.43%、H 5.04%、N 11.68%、Cl 9.85%;実測値C 73.2%、H 5.1%、N 11.6%、Cl 9.9%。
実施例S3:1−(4−t−ブチルアニリノ)−4−[(ピリジン−4−イル)−メチル]−イソキノリン
除湿しながら、27.5ml(172.7mmol)の4−t−ブチル−アニリンおよび7.0g(27.5mmol)の1−クロロ−4−(ピリジン−4−イルメチル)−イソキノリン(実施例1e)を3時間、80℃で窒素ブランケット下に攪拌する。次いで、混合物を冷却し、5%(w/v)NaHCO(水性)と酢酸エチルに分配する。酢酸エチル相をMgSOで乾燥し、蒸発する。フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、50%(v/v)酢酸エチル/ヘキサン)、続くドライアイス/イソプロピルアルコール浴中のヘキサンからの再結晶により、8.6gの明黄色粉末を得る、m.p. 157−159℃;分析計算値C 81.71%、H 6.86%、N 11.43%、%;実測値C 81.88%、H 6.85%、N 11.43%。
生物学的実施例
ヒトの配列である活性B−Raf、C−Raf、およびV599E B−Rafタンパク質を、バキュロウイルス発現系を使用して、昆虫細胞から精製する。Raf阻害を、IκB−αで被覆し、Superblockで遮断した、96−ウェルマイクロタイタープレートで試験する。IκB−αのセリン36でのリン酸化を、ホスホ−IκB−α特異的抗体(Cell Signaling #9246)、抗マウスIgGアルカリホスファターゼ結合二次抗体(Pierce # 31320)、およびアルカリホスファターゼ基質であるATTOPHOS(Promega, #S101)を使用して検出する。
下記の化合物の各々が、野生型C−RAFを、0.01から3.5マイクロモル/リットルのIC50でおよび/または野生型B−RAFを、0.03から3.7マイクロモル/リットルのIC50で、および/または変異体B−RAF(V599E)を、0.01から3.4マイクロモル/リットルのIC50で阻害する。
Figure 2006519807
Figure 2006519807
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Figure 2006519807
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実施例D1
ヒトB−Raf遺伝子におけるT1796A変異の検出
検出プライマー:GATTTTGGTCTAGCTACAGA
二次プライマー:GACTTTCTAGTAACTCAGCAG
ゲノムDNAを、黒色腫細胞系のヒト細胞から、GENELUTE哺乳類ゲノムDNAキット(Sigma cat # G1N 350)を使用して単離する。PCR反応をPCR機(MJ Research, Model PTC100)上で、総量50μL中、RocheのPCR Coreキット(cat # 1578 553)を使用して行う。PCR反応混合物は5μLの10X反応緩衝液、1μLの10mM dNTP、100−1000ngの鋳型DNA、0.5μL Taqポリメラーゼ(2.5−5単位)、1μLの各プライマーの31μMストックを含む。
PCR条件は下記の通りである:
Figure 2006519807
増幅後、8μLのPCR反応混合物を2μLの核酸サンプルローディングバッファー[BioRad cat #161-0767]と混合する。10μLのサンプルを、0.3μg/mlのエチジウムブロミド[Pierce cat #17898]を含む1.5%アガロース[GIBCO-BRL cat # 15510-027]ゲル上に負荷する。分子量標準[Invitrogen cat # 10380-012からの100bp DNAラダー]を隣のレーンに負荷する。DNAを、TAE緩衝液(0.04M Tris−アセテート、0.01M EDTA。0.02M氷酢酸pH8.4)[Roche cat #1666690]中の電気泳動により分離する。電気泳動条件は120ボルトで30−40分である。分離後、ゲルをUV光にさらし、写真をAlphaImager2000ドキュメンテーションシステムで撮る。
一般に、ゲル中に2個のバンドが検出される。速く移動するバンドは100bpマーカーの先を流れ、プライマーを表す。T1796A変異体特異的PCR増幅由来のDNAは、予測されるサイズが152bpであり、100bp標準と200bp標準の間を予測されるように移動する。PCR増幅産物を配列決定により確認する。PCR増幅産物の存在は、T1796A変異が鋳型DNAに存在することを証明する。PCR増幅産物が存在しないことは、その変異がその組織サンプルにないことの証拠である。
他のB−RAF変異を、下記の表に変異について示すような検出プライマーと二次プライマーを使用して、この方法で検出する:
Figure 2006519807
Figure 2006519807
本実施例は、本発明の詳細な記載を意図し、限定のためではない。

【配列表】
Figure 2006519807
Figure 2006519807
Figure 2006519807
Figure 2006519807

Claims (22)

  1. MAPキナーゼシグナル伝達経路を介した過剰なシグナル伝達を特徴とする疾患を有する患者の処置法であり、該患者に有効なRAFキナーゼ阻害量の式(I)
    Figure 2006519807
    〔式中、
    rは0から2であり;
    nは0から2であり;
    mは0から4であり;
    A、B、D、EおよびTは互いに独立してNまたはCHである。ただし、A、B、D、EおよびTの3個を超えないが少なくとも1個がNであり;
    Gは低級アルキレン、−CH−O−、−CH−S−、−CH−NH−、−SO−、オキサ(−O−)、チア(−S−)または−NR−であるか、またはアシルオキシ、オキソ、ハロゲンもしくはヒドロキシで置換された低級アルキレンであり;
    Qは低級アルキル、とりわけメチルであり;
    RはHまたは低級アルキルであり;
    XはY、−N(R)−、オキサまたはチオ;好ましくは−NH−であり;
    YはH、非置換または置換低級アルキル、アリール、ヘテロアリールまたは非置換または置換シクロアルキルであり;そして
    Zはアミノ、モノ−またはジ−置換アミノ、ハロゲン、アルキル、置換アルキル、ヒドロキシ、エーテル化またはエステル化ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、エステル化カルボキシ、アルカノイル、カルバモイル、N−モノ−またはN,N−ジ−置換カルバモイル、アミジノ、グアニジノ、メルカプト、スルホ、フェニルチオ、フェニル−低級アルキルチオ、アルキルフェニルチオ、フェニルスルフィニル、フェニル−低級アルキルスルフィニル、アルキルフェニルスルフィニル、フェニルスルホニル、フェニル−低級アルカンスルホニルまたはアルキルフェニルスルホニルであり、かつ、2個以上のZが存在するとき(m2)、該置換基Zは同一または異なる。〕
    の化合物またはそのN−オキシドもしくは薬学的に許容される塩を投与することを含む、方法。
  2. 式(I)
    Figure 2006519807
    〔式中、
    rは0から2であり;
    nは0から2であり;
    mは0から4であり;
    A、B、D、EおよびTは互いに独立してNまたはCHである。ただし、A、B、D、EおよびTの3個を超えないが少なくとも1個がNであり;
    Gは低級アルキレン、−CH−O−、−CH−S−、−CH−NH−、−SO−、オキサ(−O−)、チア(−S−)または−NR−であるか、またはアシルオキシ、オキソ、ハロゲンもしくはヒドロキシで置換された低級アルキレンであり;
    Qは低級アルキル、とりわけメチルであり;
    RはHまたは低級アルキルであり;
    XはY、−N(R)−、オキサまたはチオ;好ましくは−NH−であり;
    YはH、非置換または置換低級アルキル、アリール、ヘテロアリールまたは非置換または置換シクロアルキルであり;そして
    Zはアミノ、モノ−またはジ−置換アミノ、ハロゲン、アルキル、置換アルキル、ヒドロキシ、エーテル化またはエステル化ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、エステル化カルボキシ、アルカノイル、カルバモイル、N−モノ−またはN,N−ジ−置換カルバモイル、アミジノ、グアニジノ、メルカプト、スルホ、フェニルチオ、フェニル−低級アルキルチオ、アルキルフェニルチオ、フェニルスルフィニル、フェニル−低級アルキルスルフィニル、アルキルフェニルスルフィニル、フェニルスルホニル、フェニル−低級アルカンスルホニルまたはアルキルフェニルスルホニルであり、かつ、2個以上のZが存在するとき(m2)、置換基Zは同一または異なる。〕
    の化合物、またはそのN−オキシドもしくは薬学的に許容される塩の、MAPキナーゼシグナル伝達経路を介した過剰なシグナル伝達を特徴とする疾患の処置用薬剤の製造における使用。
  3. rが0から2であり;
    nが0または1であり;
    mが0または1であり;
    A、B、DおよびEが各々CHであり、そしてTがNであるか、またはA、DおよびEが各々CHであり、そしてBおよびTがNであるか、またはA、B、EおよびTがCHであり、そしてDがNであるか、またはA、T、DおよびEがCHであり、そしてBがNである;特に、A、B、DおよびEが各々CHであり、そしてTがNであるか、またはA、DおよびEが各々CHであり、そしてBおよびTがNであり;
    Gが低級アルキレン、−CH−NH−、−CH−O−、ヒドロキシメチレンまたはベンゾイルオキシ−メチレンであり;
    Qがメチルであり;
    RがHまたは低級アルキルであり;
    Xが−NR−、オキサまたはチアであり;
    Yが非置換であるか、またはアミノ;低級アルカノイルアミノ;ハロゲン;非置換または置換低級アルキル;ヒドロキシ;低級アルコキシ;フェニル−低級アルコキシ;シアノ、低級アルケニル、C−C12アルコキシ、低級アルコキシカルボニル、カルバモイル、低級アルキルカルバモイル、低級アルカノイル、フェニルオキシ、ハロ−低級アルキルオキシ、低級アルコキシカルボニル、低級アルキルメルカプト、ハロ−低級アルキルメルカプト、ヒドロキシ−低級アルキル、低級アルカンスルホニル、ハロ−低級アルカンスルホニル、フェニルスルホニルおよび2個の隣接炭素原子に結合している低級アルキレンジオキシからなる群から選択される1個または2個の同一または異なる置換基で置換されているか、または、フェニル環に縮合した5から7員環を形成するように隣接位置がアルキレンまたはアルケニレンで置換されているフェニルであり;
    Zがアミノ;N−低級アルキルアミノ;ヒドロキシ−低級アルキルアミノ;フェニル−低級アルキルアミノ;N,N−ジ−低級アルキルアミノ;N−フェニル−低級アルキル−N−低級アルキルアミノ;N,N−ジ−低級アルキルフェニルアミノ;低級アルカノイルアミノ;ベンゾイルアミノおよびフェニル−低級アルコキシカルボニルアミノであり、いずれの場合にもフェニル基は非置換またはニトロ、アミノ、ハロゲン、アミノ、N−低級アルキルアミノ、N,N−ジ−低級アルキルアミノ、ヒドロキシ、シアノ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、低級アルカノイル、カルバモイル、2−ヒドロキシエチルアミノ、ベンジルオキシカルボニルアミノまたは臭素で置換されている、
    請求項1に記載の方法または請求項2に記載の使用。
  4. rが0であり;
    nが0であり;
    mが0であり;
    B、D、EおよびTがCHである、AがNであるか、またはA、B、DおよびEが各々CHであり、そしてTがNであり;
    Gが低級アルキレンであり;
    Xが−NH−であり;
    Yが非置換であるか、またはハロゲンおよび低級アルキルからなる群から選択される1個または2個の同一または異なる置換基で置換されているフェニルである、
    請求項1に記載の方法または請求項2に記載の使用。
  5. rが0であり;
    nは0から2であり;
    mが0であり;
    A、B、DおよびEが各々CHであり、そしてTがNであり;
    Gがメチレンであり;
    RがHであり;
    Xが−NRであり;そして
    Yが、非置換であるか、または、ハロゲン、低級アルキル、低級アルコキシまたはシクロヘキシル(非置換であるか、または低級アルキルで置換されている)で置換されているフェニルである、
    請求項1に記載の方法または請求項2に記載の使用。
  6. rが0であり;
    nが0であり;
    mが0であり;
    A、B、DおよびEが各々CHであり、そしてTがNであり;
    Gがメチレンであり;
    Xが−NH−であり;そして
    Yが非置換であるか、または、ハロゲンおよび低級アルキルからなる群から選択される1個または2個の同一または異なる置換基で置換されているフェニルである、
    請求項1に記載の方法または請求項2に記載の使用。
  7. Yが、4位をt−ブチルで置換されているフェニルである、請求項6記載の方法または使用。
  8. Yが、4位をトリフルオロメチルで置換されているフェニルである、請求項6記載の方法または使用。
  9. MAPキナーゼシグナル伝達経路を介した過剰なシグナル伝達を特徴とする疾患が癌である、請求項1に記載の方法または請求項2に記載の使用。
  10. 癌が黒色腫、結腸直腸癌、卵巣癌、神経膠腫、腺癌、肉腫、乳癌および肝臓癌である、請求項9記載の方法または使用。
  11. 癌が黒色腫である、請求項10記載の方法または使用。
  12. 患者における黒色腫を処置する方法であり、(a)患者からの黒色腫組織を試験し、該黒色腫組織が変異体RAFキナーゼを発現するかまたは野生型RAFキナーゼを過剰発現するかを決定し、そして(b)該黒色腫組織が野生型RAFキナーゼを過剰発現するかまたは活性化変異体B−RAFキナーゼを発現することが判明したとき、患者を有効なRAFキナーゼ阻害量の式(I)
    Figure 2006519807
    〔式中、
    rは0から2であり;
    nは0から2であり;
    mは0から4であり;
    A、B、D、EおよびTは互いに独立してNまたはCHである。ただし、A、B、D、EおよびTの3個を超えないが少なくとも1個がNであり;
    Gは低級アルキレン、−CH−O−、−CH−S−、−CH−NH−、−SO−、オキサ(−O−)、チア(−S−)または−NR−であるか、またはアシルオキシ、オキソ、ハロゲンもしくはヒドロキシで置換された低級アルキレンであり;
    Qは低級アルキル、とりわけメチルであり;
    RはHまたは低級アルキルであり;
    XはY、−N(R)−、オキサまたはチオ;好ましくは−NH−であり;
    YはH、非置換または置換低級アルキル、アリール、ヘテロアリールまたは非置換または置換シクロアルキルであり;そして
    Zはアミノ、モノ−またはジ−置換アミノ、ハロゲン、アルキル、置換アルキル、ヒドロキシ、エーテル化またはエステル化ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、エステル化カルボキシ、アルカノイル、カルバモイル、N−モノ−またはN,N−ジ−置換カルバモイル、アミジノ、グアニジノ、メルカプト、スルホ、フェニルチオ、フェニル−低級アルキルチオ、アルキルフェニルチオ、フェニルスルフィニル、フェニル−低級アルキルスルフィニル、アルキルフェニルスルフィニル、フェニルスルホニル、フェニル−低級アルカンスルホニルまたはアルキルフェニルスルホニルであり、2個以上のZが存在するとき(m2)、該置換基Zは同一または異なる。〕
    の化合物またはそのN−オキシドもしくは薬学的に許容される塩で処置することを含む、方法。
  13. 式(I)
    Figure 2006519807
    〔式中、
    rは0から2であり;
    nは0から2であり;
    mは0から4であり;
    A、B、D、EおよびTは互いに独立してNまたはCHである。ただし、A、B、D、EおよびTの3個を超えないが少なくとも1個がNであり;
    Gは低級アルキレン、−CH−O−、−CH−S−、−CH−NH−、−SO−、オキサ(−O−)、チア(−S−)または−NR−であるか、またはアシルオキシ、オキソ、ハロゲンもしくはヒドロキシで置換された低級アルキレンであり;
    Qは低級アルキル、とりわけメチルであり;
    RはHまたは低級アルキルであり;
    XはY、−N(R)−、オキサまたはチオ;好ましくは−NH−であり;
    YはH、非置換または置換低級アルキル、アリール、ヘテロアリールまたは非置換または置換シクロアルキルであり;そして
    Zはアミノ、モノ−またはジ−置換アミノ、ハロゲン、アルキル、置換アルキル、ヒドロキシ、エーテル化またはエステル化ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、エステル化カルボキシ、アルカノイル、カルバモイル、N−モノ−またはN,N−ジ−置換カルバモイル、アミジノ、グアニジノ、メルカプト、スルホ、フェニルチオ、フェニル−低級アルキルチオ、アルキルフェニルチオ、フェニルスルフィニル、フェニル−低級アルキルスルフィニル、アルキルフェニルスルフィニル、フェニルスルホニル、フェニル−低級アルカンスルホニルまたはアルキルフェニルスルホニル、2個以上のZが存在するとき(m2)、該置換基Zは同一または異なる。〕
    またはそのN−オキシドもしくは薬学的に許容される塩の、(a)患者からの黒色腫組織を試験し、該黒色腫組織が変異体RAFキナーゼを発現するかまたは野生型RAFキナーゼを過剰発現するかを決定し、そして(b)該黒色腫組織が野生型RAFキナーゼを過剰発現するかまたは活性化変異体B−RAFキナーゼを発現することが判明したとき、該患者を有効なRAFキナーゼ阻害量の式(I)の化合物で処置することを含む、黒色腫を処置するための薬剤の製造における使用。
  14. rが0から2であり;
    nが0または1であり;
    mが0または1であり;
    A、B、DおよびEが各々CHであり、そしてTがNであるか、またはA、DおよびEが各々CHであり、そしてBおよびTがNであるか、またはA、B、EおよびTがCHであり、そしてDがNであるか、またはA、T、DおよびEがCHであり、そしてBがNである;特にA、B、DおよびEが各々CHであり、そしてTがNであるか、またはA、DおよびEが各々CHであり、そしてBおよびTがNであり;
    Gが低級アルキレン、−CH−NH−、−CH−O−、ヒドロキシメチレンまたはベンゾイルオキシ−メチレンであり;
    Qがメチルであり;
    RがHまたは低級アルキルであり;
    Xが−NR−、オキサまたはチアであり;
    Yが、非置換であるかアミノ;低級アルカノイルアミノ;ハロゲン;非置換または置換低級アルキル;ヒドロキシ;低級アルコキシ;フェニル−低級アルコキシ;シアノ、低級アルケニル、C−C12アルコキシ、低級アルコキシカルボニル、カルバモイル、低級アルキルカルバモイル、低級アルカノイル、フェニルオキシ、ハロ−低級アルキルオキシ、低級アルコキシカルボニル、低級アルキルメルカプト、ハロ−低級アルキルメルカプト、ヒドロキシ−低級アルキル、2個の隣接炭素原子に結合している低級アルカンスルホニル、ハロ−低級アルカンスルホニル、フェニルスルホニルおよび低級アルキレンジオキシからなる群から選択される1個または2個の同一または異なる置換基で置換されているか、または、フェニル環に縮合した5から7員環を形成するように隣接位置がアルキレンまたはアルケニレンで置換されているフェニルであり;
    Zがアミノ;N−低級アルキルアミノ;ヒドロキシ−低級アルキルアミノ;フェニル−低級アルキルアミノ;N,N−ジ−低級アルキルアミノ;N−フェニル−低級アルキル−N−低級アルキルアミノ;N,N−ジ−低級アルキルフェニルアミノ;低級アルカノイルアミノ;ベンゾイルアミノおよびフェニル−低級アルコキシカルボニルアミノ、いずれの場合にもフェニル基は非置換またはニトロ、アミノ、ハロゲン、アミノ、N−低級アルキルアミノ、N,N−ジ−低級アルキルアミノ、ヒドロキシ、シアノ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、低級アルカノイル、カルバモイル、2−ヒドロキシエチルアミノ、ベンジルオキシカルボニルアミノまたは臭素で置換されている、
    請求項12記載の方法または請求項13記載の使用。
  15. rが0であり;
    nが0であり;
    mが0であり;
    B、D、EおよびTがCHである、AがNであるか、またはA、B、DおよびEが各々CHであり、そしてTがNであり;
    Gが低級アルキレンであり;
    Xが−NH−であり;
    Yが、非置換であるか、またはハロゲンおよび低級アルキルからなる群から選択される1個または2個の同一または異なる置換基で置換されているフェニルである、
    請求項12記載の方法または請求項13記載の使用。
  16. rが0であり;
    nは0から2であり;
    mが0であり;
    A、B、DおよびEが各々CHであり、そしてTがNであり;
    Gがメチレンであり;
    RがHであり;
    Xが−NRであり;そして
    Yが、非置換であるか、または、ハロゲン、低級アルキル、低級アルコキシまたはシクロヘキシル(非置換であるか、または低級アルキルで置換されている)で置換されているフェニルである、
    請求項12記載の方法または請求項13記載の使用。
  17. rが0であり;
    nが0であり;
    mが0であり;
    A、B、DおよびEが各々CHであり、そしてTがNであり;
    Gがメチレンであり;
    Xが−NH−であり;そして
    Yが非置換であるか、または、ハロゲンおよび低級アルキルからなる群から選択される1個または2個の同一または異なる置換基で置換されているフェニルである、
    請求項12記載の方法または請求項13記載の使用。
  18. Yが、4位をt−ブチルで置換されているフェニルである、請求項17記載の方法または使用。
  19. 黒色腫が変異体RAFキナーゼを発現する、請求項12記載の方法または請求項13記載の使用。
  20. 変異体RAFキナーゼが、G1388A、G1388T、G1394C、G1394A、G1394T、G1403C、G1403A、G1753A、T1782G、G1783C、C1786G、T1787G、T1796AおよびTG1796−97ATからなる群から選択されるB−RAFキナーゼ遺伝子における変異に対応する、請求項19記載の方法または使用。
  21. 黒色腫が変異体RAFキナーゼを発現する、請求項18記載の方法または使用。
  22. 変異体RAFキナーゼがV599E変異である、請求項21記載の方法または使用。

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