図1は呼吸保護システム100に搭載された空気調節装置10の立面図である。空気調節装置10はユーザの呼吸器への呼吸可能な空気の流れと圧力とを調節する。呼吸保護システム100は、空気調節装置10が空気源13と呼吸器15との間の空気流路に配置された気流回路を規定する。空気調節装置10は広範囲な入力圧力があるとすればユーザに対して均一な出力流を維持するとともに、概して呼吸器15へ所望の空気流を設定するために用いるノブ10aを含んでいる。空気流調節装置10は空気圧または空気流量計10bも含み、ユーザへの空気圧または流量の視覚表示器を提供し得る。ユーザに均一な気流を提供することに加えて、一実施形態では空気調節装置10は一体型両方向弁11(図2に示す)を有する。弁11は過剰量の出力空気流が副空気機器に送風されないようにするとともに、副空気機器から空気源13への、特にユーザの呼吸器15への空気の逆流を防止することができる。
図1の実施形態において、空気調節装置10は空気流を装置10内外へ向ける3つのポート(12、14、16)を有する。その3つのポートは吸気口12ならびに第1および第2の排気口14、16を含む。空気供給ライン12aの一端は空気調節装置10の吸気口12に取り付けられ、空気を空気源13から装置10へ提供する。呼吸器15がエアライン14aにより第1の排気口14に取り付けられているとともに、空気工具またはペイントスプレーヤなどの副空気機器17がエアライン16aにより第2の排気口16に取り付けられている。
空気供給ライン12aから供給された空気は空気調節装置10によって呼吸器15または副空気機器17のいずれかに送風される。空気流スプリッタ18は空気調節装置10内に配置されており、このスプリッタは吸気口12と、第1の排出口14と、第2の排出口16とを相互接続するエアラインマニホールドを規定している。空気供給ライン12aからの空気は吸気口12を通って空気調節装置10に入り、第1の通路19を通過してスプリッタ18の中心部20に達した後、呼吸器15または副空気機器17へ送風される。第2の通路22は中心部20と第1の排気口14との間に延びており、第3の通路24は中心部20と第2の排気口16との間に延びている。第2および第3の通路22および24は下流流路を規定し、空気スプリッタ18は空気流路を第1の下流流路22と第2の下流流路24とに分割する。第2の通路22を介する空気流はノブ10aの操作によりユーザ制御されるとともに流量計10bで監視し得る。
図2は図1の空気調節装置10の両方向弁11の断面図である。弁11は第3の通路24(この通路はエアライン16aを介して副空気機器17に接続された空気排気口16に通じている)内に位置している。弁11により所定量の空気が流れて空気供給ライン12aから副空気機器17へ第1の方向に下流へと通過する。弁11は所定流量を超える過剰量の空気が第1の方向28に空気供給ライン12aから副空気機器17へ通過しないようにする。例えば副空気機器17へのエアラインが切断されたり、あるいは機器が大量の空気を消費する場合には、弁11は空気流の増加を感知して第2の排気口16への空気流を中止する。このように副空気機器17への空気流は中止されるが、呼吸器15への適正な空気流は常に維持される。第2の排気口16が空気源13よりも高い圧力源に接続されている場合には、弁11は圧力差を感知して副空気機器17からの空気流路を閉鎖することにより、副空気機器17から呼吸器15内への上流方向汚染物質流(すなわち逆流)の可能性をなくす。
両方向弁11は可動空気流障壁を形成し、弁体34(図3、4および5に示す)を含む弁アセンブリ32と、Oリングまたはガスケット36と、弁ピストン38と、弁ばね40と、弁座42とにより構成されている。弁体34(弁体部34aおよび34bで形成される)は下流流路24内に配置されるとともに弁室44を規定している。弁体34は吸気口46と排気口48とを有し、吸気口46と排気口48との間に延びる弁室44を規定している。吸気口46はスプリッタの中心部20に隣接する通路24の第1の端50付近に位置し、弁体34の排気口48は通路24の排気口16付近の通路24の第2の端52に位置している。
Oリング36は弁体34内の吸気口46付近で半径方向に配置されている。弁体34の内壁37内に形成された環状座部または溝35はOリング36を正しい位置に保持する。弁座42は弁室44内でOリング36と弁体排気口48との間に半径方向に配置されている。弁座42は弁室44内へ延びる半径方向延在ばね座面54を含んでいる。しかし図6に見られるようにばね座面54は、弁11が開放された際の吸気口46から排気口48への空気流のための少なくとも1つの開口54aを含んでいる。ピストンガイド55はばね座面54から弁室44に向かって延びている。またピストンガイド55およびばね座面54は開口56を含み、ピストン38を動作用の正しい位置に保持するとともに位置合わせする。弁ピストン38は頭部58と本体60とを含んでいる。弁ピストン38は、頭部58がOリング36と弁座42との間に配置された状態で弁室44内に摺動可能に配置されている。ピストン頭部58はOリング36に面する前面62と、弁座42およびばね座面54に面する後面64とを有する。その前面62上ではピストン頭部58は時々Oリング36に係合するように位置合わせされた円錐面部65を有する。本体60は頭部58の後面64に取り付けられており、頭部58から弁体34の排気口48へ向かって後方に延びている。開口56はほぼ円筒状であり、その内部に弁ピストン58の本体60を軸方向に摺動可能に収容するようになっている。空気調節装置10内では第1の領域(領域A)が弁ピストン38の前方(頭部58の上流前面62側)に形成され、第2の領域(領域B)が弁ピストン38の後方(頭部58の下流後面64側)に形成されている。
弁ピストン38は弁室44内で第1の位置と、第2の位置と、第3の位置との間で移動可能である。図2に示す弁11は第1の位置、すなわち第1の閉成位置にある。弁ばね40はピストン頭部58の後面64とばね座面54との間に、ピストンガイド55と同軸配置されている。弁ばね40はピストン38を第1の位置に付勢する。本発明の代替実施形態において他の装置、例えば弾性部材などを用いて弁11を第1の位置に付勢してもよい。
図3は両方向弁11(または逆止弁)の拡大断面図であり、第1の位置すなわち近位閉成位置にある弁ピストン38を示している。弁ピストン38が第1の位置にあるとき、弁11は逆止弁モードで機能して空気が副空気機器17から呼吸器のユーザの空気源14aに進入しないようにする。空気を吸い込む場合、または領域Bの圧力が領域A内の空気調節装置10へ供給される空気圧より大きい場合、空気は副空気機器17から呼吸器15へ流れる。弁ばね40はピストン頭部58の前面62をOリング36に対して付勢して流体流シールを形成する。
第1の位置では、ピストン頭部58の前面62の円錐面部65がOリング36に当接して空気が弁体34の排気口48から吸気口46へ、特に副空気機器17からユーザの空気源14aへと上流に流れないようにする。弁ばね40は頭部58をOリング36に対して押し付ける所定の力を弁ピストン38に提供する。領域Bで圧力が増加した場合には、弁ピストン38をOリング36に向けて押し付ける上流方向の力が増加し、Oリング36はさらに圧縮されてピストン頭部58とOリング36との間に弁ばね40のみよりも強いシールを形成する。弁11は逆止弁として機能する場合、一実施形態では漏れ量が逆止弁の下流側で0.5インチH2Oの陰圧において15ml/分を超えないようになっている。さらにまたピストン頭部58は弁11が密閉されたときの漏れ量に寄与し得る空気抜き孔を一切含んでいない。
図4は両方向弁11の拡大断面図であり、第2の位置すなわち開成位置にある弁ピストン38を示している。第2の位置においてピストン頭部58は弁室44内でOリング36と弁座42との間で「浮遊」している。ピストン頭部58の外部と弁体34の内面37との間には環状間隙66があり、これによって空気はピストン頭部58の周囲に流れる。東部58を通過した下流空気流は頭部58の前面62の円錐面部65により促進される。このように空気は弁室44およびばね座面54内の開口を通って弁体34の吸気口46から排気口48へ、副空気機器17への供給エアライン16aへ下流に流れる。弁11が第2の位置にある場合、頭部58の前面62(上流側)への圧力および空気衝突により頭部58に働く下流方向の力は、ばね上昇力および頭部58の後面64(下流側)上の空気渦により生じる力によりピストンに働く力に等しい。
また両方向弁11は空気流を許容しつつ、弁室44を通過する過剰な下方流をなくすように動作する。開成時に弁ばね40は弁ピストン38のピストン頭部58に対する力負荷を提供し、弁ばね40が圧縮されるにつれて増加する。ばね力は弁ピストン38の動きおよび弁ピストン38の頭部58の前面62への初期空気衝突による力および弁11の分解時の力に抵抗する。空気供給ライン12aからの空気流がゼロから指定流量に増加するにつれて、気流は弁ピストン38の下流側(領域B)に上昇力を生成する。空気流が指定流量へと増加するにつれて、ピストン38はOリング36と弁座42との間の第2の位置に移動する。一実施形態において指定流量は約16cfm〜約17.5cfmである。流量が所定の設定値に近づくにつれて、空気は弁ピストン38の周囲を流れて最終的には弁ピストン38の下流側(領域B)に真空を生成するため速度が増加する。弁ピストン38の中間下流側に(その後面64に隣接して)真空が生成されると、衝突力は上昇力と均衡しなくなり、弁ピストン38は第3の位置に移動して副空気機器へのさらなる気流の発生を防止する。
図5は両方向弁11の拡大断面図であり、第3の位置すなわち遠位閉成位置にある弁ピストン38を示している。第3の位置においてピストン頭部58の後面64は弁座42の半径方向肩部に当接している。空気供給ライン12aからの空気流が所定の設定値に近づくにつれて、空気は弁ピストン38の周囲を流れて弁ピストン38の下流側(領域B)に真空を生成するため速度が増加する。上流衝突力は下流上昇力と均衡しなくなり、弁ピストン38は弁座42に向かって移動して副空気機器17へのさらなる気流の発生を防止する。このようにして副空気機器17への過剰な気流が無くなる。副空気機器17への空気流を抑制することは、呼吸器15への適正な空気流が維持されるため有利である。一実施形態において第3の通路24または弁室44を通過する気流が弁ピストン38を第2の位置から第3の位置へ移動させる所定の設定値は17.5cfmより大きい。
弁ピストン38が第3の位置(図5)になってしまえば当然弁ピストン38を通過する空気流はない。弁ピストン38をその第3の位置から移動させるためには、領域Bの圧力とばね40の合力が領域Aの圧力による力に十分対抗するようになるまで領域Aの圧力を低下させなければならない。それが生じれば、ばね40が作用して弁ピストン38をその第1の位置(図3)に戻し逆流を制限する。そして領域Aの空気圧を増加させるにつれてばね40は圧縮されるとともに弁ピストン38はその第2の位置(図4)に移動し、空気は弁11を通過して副空気機器17へ達することができる。
図6は図4の6−6線に沿った両方向弁11の一部分の断面図である。開口56はピストンガイド55およびばね座面54によって規定されてピストン本体60を正しい位置に保持すると共に位置合わせする。ばね座面54と弁室44との間の1つまたは複数の開口54aにより、空気流は弁体34の吸気口46と排気口48との間を通過できる。
使用中、空気は本発明の呼吸保護回路によって作業者の呼吸器へ連続的に供給されるが、副空気機器へは要求に応じてのみ提供される。従って副空気機器への要求がない場合、両方向弁の弁ピストンは図3に示すような第1の位置を取ることになる。Oリングは第1の位置のシールとして採用されて、柔軟密閉部材(そのため金属対金属のシールよりも確実なシール)を提供するとともに交換可能な磨耗部材となる。本発明の呼吸保護回路を例えば塗装噴霧用途で用いると、Oリングに対する弁ピストンの場合23,000開閉周期/日もの数になる場合もある(8時間シフト中)。Oリングはこのようにピストン頭部の前面上の円錐部との組み合わせで、信頼性が高く、効率の良い安価な両方向弁用シール部品を提供する。
図1に示した呼吸保護回路100の実施形態において、スプリッタ18と、調節装置10と両方向弁11とは共通の筐体に配置されている。本発明の呼吸保護回路の代替実施形態において、両方向弁11はスプリッタ18および調節装置10とは別の空気保護回路の構成部材または筐体内に収容してもよい。さらに第2の排気口16は調節装置10から離れていてもよい。
図7および8は本発明の呼吸保護回路の代替実施形態の立面図である。図7において空気調節装置210はユーザの呼吸器215への呼吸可能な空気の流れと圧力とを調節する。この種類の呼吸保護回路200では、両方向弁211は空気調節装置210と共通の筐体には一体化されずに分離している。空気調節装置210は装置10と同様に広範囲な入力圧力があるとすればユーザに対して均一な出力流を維持し、そのために気流調節ダイヤル210aと流量計210bとを含んでいる。
空気供給ライン212aを介して空気源213から供給された空気は空気調節装置210によって呼吸器215または副空気機器217のいずれかに送風される。空気流スプリッタ218は空気調節装置210内に配置されており、このスプリッタは吸気口212と、第1の排出口214と、第2の排出口216とを相互接続するエアラインマニホールドを規定している。空気供給ライン212aからの空気は吸気口212を通って空気調節装置210に入り、第1の通路219を通過してスプリッタ218の中心部220へ達した後、エアライン214aを介して呼吸器215へまたはエアライン216aを介して副空気機器217へ送風される。第2の通路222は中心部220と第1の排気口214との間に延びており、第3の通路224は中心部220と第2の排気口216との間に延びている。第2および第3の通路222および224は両方とも下流流路を規定し、空気スプリッタ218は空気流路を第1の下流流路222と第2の下流流路224とに分割する。
図7において呼吸保護回路200は副空気機器217上に載置されるかまたは副空気機器217と共通の筐体内に配置された両方向弁211を含んでいる。副空気機器217はエアライン216aにより空気調節装置210の第2の排気口216に流体結合している。両方向弁211は第2の排気口216とは反対側のエアライン216aの一端に配置されている。副空気機器217はその後両方向弁アセンブリ211に流体結合されている。呼吸保護回路200内の両方向弁211は図1〜6の弁11に関する説明と同様に機能して、弁211を通過する過剰な下流空気流を防止するとともに、副空気機器217からユーザの呼吸器215への上流空気流を防止する。
図8において呼吸保護回路300は空気調節装置310を有して示されている。この種類の空気呼吸保護回路では、空気調節装置310はユーザの呼吸器への呼吸可能な空気の流れと圧力とを調節する。両方向弁311はエアライン316a内に、空気調節装置310および空気副機器317と離れて配置されている。空気調節装置310は装置10と同様に広範囲な入力圧力があるとすればユーザに対して均一な出力流を維持し、そのために気流調節ダイヤル310aと流量計310bとを含んでいる。
空気源313に接続された空気供給ライン312aから供給された空気は、空気調節装置310によって呼吸器315(エアライン314aを介して)または副空気機器317のいずれかに送風される。空気流スプリッタ318は空気調節装置310内に配置されており、このスプリッタは吸気口312と、第1の排出口314と、第2の排出口316とを相互接続するエアラインマニホールドを規定している。空気供給ライン312aからの空気は吸気口312を通って空気調節装置310に入り、第1の通路319を通過してスプリッタ318の中心部320へ達した後、呼吸器315または副空気機器317へ送風される。第2の通路322は中心部320と第1の排気口314との間に延びており、第3の通路324は中心部320と第2の排気口316との間に延びている。第2および第3の通路322および324は両方とも下流流路を規定し、空気流スプリッタ318は空気流路を第1の下流流路322と第2の下流流路324とに分割する。
図8において呼吸保護回路300は空気調節装置310と副空気機器317と間のエアライン326内に配置された両方向弁311を含んでいる。副空気機器317はエアライン326aにより空気調節装置310の第2の排気口316に流体結合している。図8に示す実施形態において両方向弁311は、副空気機器317を空気調節装置310に接続するエアライン326内に配置されている。このようにエアライン326の部分326aは排気口316と弁311の吸気口346とを接続し、エアライン326の部分326bは弁311の排気口348を副空気機器317に接続している。呼吸保護回路300内の両方向弁311は図1〜6の弁に関する説明と同様に機能して、弁311を通過する過剰な下流空気流を防止するとともに、副空気機器317からユーザの呼吸器315への上流空気流を防止する。
他の代替実施形態においてスプリッタは空気調節装置から分離され(すなわちこれらは共通の筐体にはない)、スプリッタと空気調節装置とをエアラインを介して互いに結合または接続し得る。この例ではスプリッタと両方向弁とは共通の筐体内にあり、エアラインを介して互いに結合または接続されている。このような配置を例証する呼吸保護回路400が図9に概略的に示されている。
呼吸保護回路400は空気調節装置410と、両方向弁411と、空気源413と、呼吸器415と、副空気機器417と空気スプリッタ418とを含んでいる。図9に仮想的に図示するように、共通筐体425はスプリッタ418と両方向弁411とを収容している。空気スプリッタ418は第1の通路419と、第2の通路422と、第3の通路424とを含んでいる。中心部420は空気スプリッタ418の3つの通路を相互接続する。空気源413は空気供給ライン412aにより第1の通路419の吸気口412に流体結合されている。吸気供給ライン412aからの空気は空気スプリッタ418に入り第1の通路419を通過してスプリッタ418の中心部420へ達した後、空気調節装置410または副空気機器417へ送風される。第2の通路は中心部420と第1の排気口414との間に延びており、第3の通路424は中心部420と第2の排気口416との間に延びている。第2および第3の通路422および424は下流流路を規定し、空気スプリッタ418は空気流路を第1の下流流路422と第2の下流流路424とに分割する。
空気調節装置410はエアライン426によりまたは直接接続により空気スプリッタ418の第1の排気口414に流体結合されている。呼吸器415はエアライン414aにより空気調節装置410の排気口に流体結合されている。両方向弁411の吸気口446はエアライン427によりまたは直接接続により空気スプリッタ418の第2の排気口416に流体結合されている。最後に空気副機器417がエアラインまたは直接接続により両方向弁411の排気口448に流体結合されている。
呼吸保護回路400内の両方向弁411は図1〜6に関する上述説明と同様に機能して、弁411を通過する過剰な下流空気流を防止するとともに、副空気機器417からユーザの呼吸器415への上流空気流を防止する。空気調節装置410は装置10と同様に広範囲な入力圧力があるとすればユーザに対して均一な出力流を維持し、そのために気流調節ダイヤルと流量計とを含み得る。
本発明の呼吸保護システムは呼吸器および副空気機器を空気供給ラインに接続する空気調節装置を介する空気流を調節する。空気は供給空気圧で空気供給ラインから空気調節装置へ供給される。可動空気流障壁、例えば両方向弁は空気供給ラインと副空気機器との間に配置されている。空気流障壁にかかる上流力が空気流障壁にかかる下流力と同等以上である場合、空気は空気供給ラインから副空気機器へ流される。気流が第1および第2の力間の所定の力差に達することはない。供給空気圧および下流力により規定される上流力は部分的に副空気機器空気圧により規定される。上流力が下流力より小さい場合、空気が副空気機器から呼吸器に向かって上流に流れないようになっている。
呼吸保護回路では、空気流調節装置は空気源と呼吸器との間の空気流路に配置されている。呼吸保護回路は空気流調節装置の上流の空気流路内に配置されている空気流スプリッタを含んでいる。スプリッタは空気流路を第1および第2の下流流路に分割し、その第1の下流流路は呼吸器に通じている。呼吸保護回路は第2の下流流路内に配置された両方向弁をさらに含んでおり、弁は吸気口から排気口への過剰な空気流を防止するとともに排気口から吸気口への逆流を防止することによって弁の吸気口から弁の排気口への空気流を調節する。
両方向弁は、空気源からの空気用の吸気口と、呼吸器に接続された第1の排気口と、副空気機器に接続された第2の排気口とを備えた呼吸保護回路用である。空気スプリッタは吸気口と、第1の排気口と、第2の排気口とを相互接続する。1つの供給源からの供給空気は呼吸器と付属工具の両方に提供される。弁は呼吸器のユーザが呼吸器への適正な気流を常に維持するように空気源から空気機器への空気流量を抑制する。例えば副空気機器のエアラインが切断された場合、または大量の空気を消費する機器が装置に接続された場合には、弁は気流の増加を感知して副空気機器へと排気口を通過する気流を中止する。さらにまた弁は副空気機器から上流の呼吸器の空気源への空気の逆流を防止する。第2の排気口(空気機器)が吸気口よりも高い圧力に接続されている場合には弁は閉じ、あるいは第1の排気口(呼吸器)への空気流が第2の排気口(副機器)への空気流よりも高い場合には弁は閉じる。このように弁は副空気機器から呼吸器への逆流を不能にすることにより、汚染物質が副空気機器から呼吸器のユーザの空気源内へ流れる可能性をなくす。
好適な実施形態を参照して本発明を説明したが、当業者には本発明の要旨と範囲とから逸脱することなく形状および細部に変更を加え得ることは理解できよう。例えば両方向弁は単に調節装置と共に使用することのみに限定されない。本発明は他のタイプの気体の送風および気流を管理するために用いてもよい。