JP2006519398A - ファイバーをらせん状に案内するリング - Google Patents

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Abstract

【課題】平滑な円錐形のボビンに所定の直径の光ファイバーを巻きつける装置及び方法を提供する。
【解決手段】
らせん状に案内するリング104は外周面108、外側平面110、及び内側面112を備え、より小さな直径の後方端部及びより大きな直径の前方端部を有する円錐形の平滑なボビンに取付けることが可能である。リング104の外周面108には案内溝106が形成されている。また、リング104の内側面112は案内溝106に接続する案内用のらせん状経路114を備え、前記ボビンの後方端部102に取付けられる。これによって、所定の直径を有するファイバーがリングの溝に挿入され、らせん状に案内され巻き付けられる。

Description

本発明は、空対地又は地対地ミサイルといった光学的に誘導される飛行体に使用される光ファイバーに関する。より詳細には、本発明は平滑なボビンにそのような光ファイバーを巻きつけるための装置に関する。
光ファイバー・ディスペンサは、光ファイバーを”繰り出す”ディスペンサを備えた打ち上げ台といった発射装置と遠隔操作式ミサイル等の遠距離から操作される物体との間の交信に使用される。光ファイバーはボビンに巻き付けられ、ボビンの外表面には、通常、予め溝が形成されている。その溝は光ファイバーの第1の基層の巻き付けを案内するために使用される。先行技術のディスペンサに関する詳細な説明は、例として、LoStraccoによる米国特許第5,607,532号に記載されている。適切、円滑、そして、誤りなくファイバーの繰り出しを行なうために、その繰り出し工程中、残りのパック、すなわち、ボビンにまだ巻き付けられている光ファイバー束は、光ファイバーの各1巻き分が、繰り出されるまでに、決まった位置で、元々の若干張力が与えられた状態のままで留まるように、緩んではならない。繰り出しは大変速く、その速度は20 m/sec以上に達する。
光ファイバーは少なくとも異なる2種類の材料で製造される。すなわち、シリカが溶解された材料でできた光を案内する部分とエラストマー・コーティングである。光ファイバーをボビンに巻きつけている最中、パックの諸層の間と基層とボビンの間に接着剤が塗付される。これによって、繰り出し工程の前及びその工程中、パックの光ファイパーの個々の一巻き分が緩むことのないように固定される。巻き付け作業や巻き付けられた形状自体が横断面間での微小な曲げ、圧力、または引張力による光損失といった問題を発生する場合がある。
図1は、一般的な先行技術であるファイバー20が巻き付けられたボビン10を示している。簡単に示すために、部分的な最初のファイバー層だけが図示されている。通常、ボビンは、多少円錐状をした管状構造体である、前方端部24及び後方端部26を備え、予め溝が付けられた管22を含む。この管22は長手方向の軸に対しての傾斜角αが約1〜8°であるため後方端部の直径が前方端部の直径より若干小さくなっている。予め溝が形成された管の外表面にはファイバー20の第一の基層32の巻き付けを保持し、案内するためのらせん状の溝30が含まれる。溝はピッチP(隣り合う溝の中心間の距離)と深さDによって画成される。ピッチが決められると、ファイバー20が溝に適合するためにはファイバー20の直径は若干(数μm)小さくなければならない。したがって、一般的な予め溝が形成されているボビンは特定の直径のファイバーしか受入れることができない。
米国特許第5,607,532号明細書
予め溝が形成された管を使用する場合、その管に巻き付けることのできるファイバーは特定の寸法公差を持つものに限定されるため、予め溝が形成されていないボビンを提供することには明らかな利点がある。このような平滑なボビンは、ボビンに溝を形成するために必要な費用を削減できるだけでなく、より広い直径範囲のファイバーの巻き付けに使用することができる。
本発明によれば、外周面と実質的に平行な2側面を有し、平滑なボビンに取付け可能ならせん状に案内するリングを提供する。このリングは外周面に形成された案内溝と前記2側面のうち1側面に形成され、前記案内溝に接続する案内経路とで構成されている。これによって前記リングは前記平滑なボビンに所定の直径を有するファイバーの巻き付けを案内する作業を行なうことができる。
本発明によれば、平滑な面の周囲にらせん状の経路で所定の直径のファイバーを案内するためのシステムを提供する。このシステムは溝付きのらせん状リングとより小さな直径の後方端部及びより大きな直径の前方端部を有する円錐形のボビンとを備え、前記溝付きのらせん状リングは前記ボビンの後方端部に取付けられる。これによって、ファイバーは、前記平滑な面の周囲にらせん状に巻き付けられるために、リング後部から始まる溝に挿入され、前記リングと前記平滑な面によって案内されることが可能になる。
本発明によれば、平滑な円錐形の面にファイバーの巻き付けを案内する方法を提供する。この方法は、平滑な円錐形の表面に取付け可能ならせん状に案内するリングを設ける工程、前記平滑な円錐形の面の周囲にファイバーの巻き付けを案内するための前記らせん状に案内するリングと前記平滑な円錐形の表面を利用する工程で構成されている。
次に、添付された図面に基づき、本発明の実施例を説明する。
本発明は、任意の直径の光ファイバーを平滑なボビンに巻き付けるための装置及び方法に関するものである。この装置はボビンに取付け可能な、又はボビンと一体となった溝付きのらせん状リングを含み、そのリングはファイバーの巻き付けの最初の1巻きを案内するために使用される。最初の1回転の巻き付けの後、基層及びそれに続く層の巻き付けは溝の付いたボビンの表面を必要とせずに行なうことができる。本発明の装置の原理及び操作は図面及び付随する説明からより良く理解することができる。
ここからは再び図に基づき説明する。図2は平滑な円錐形のボビン100の一実施態様を示している。このボビン100は、その後方端部102に、外周面108を窪めて形成され、傾斜した案内溝106を有する、ファイバー案内用の溝付きのらせん状をしたリング104を取付けている。溝106は外側平面110(ボビンからより離れた)から内側面112(ボビンにより近い)に通じている。この内側面112において溝106はピッチa”のらせん状経路114に滑らかに接続されている。リングの対称軸はボビン軸28と平行である。スロット106やらせん状経路114といったいくつかの部分は誇張して示されており、一定の尺度に応じて表示されているものではない。
リング104の外径Φは後方端部26の外径よりも1
mm以下大きく、最も典型的にはファイバーの直径の1倍から2倍まで大きい。したがって、典型的な直径250
μmの光ファイバーの場合、リングの外径がボビン上の最後の層にいたるまでファイバーの繰り出しに何ら支障をきたすことはない。典型的には、このようファイバーの繰り出し工程は最後の層(ボビンに一番近い層)まで到達しない。ファイバーの切断の原因となる場合があるからである。
図3には、リング104(a)の溝の付いた部分とB-B及びC-Cの二つの部分が詳細に示されている。溝106の主な機能はらせん状経路114にファイバーを案内することである。したがって、溝106はピッチ”a”と同じぐらいの幅、つまり、ファイバーの直径程度の幅を有し、また、深さはファイバーを受入れる程度である。例えば、直径250
μmのファイバーの場合、ピッチ”a”は約0.25 mmである。溝の傾斜角αの範囲は広くとることができ、好ましくは、50〜80°であり、最も好ましくは約70°である。また、断面B-Bの壁の厚さtは0.05〜0.2 mmの範囲でとることができ、好ましくは、0.1±0.05
mmである。
図4はファイバー152の基層の最初の何巻きかを案内するための平滑なボビン150に取付けられたらせん状ファイバー案内リング148の使用法を示したものである。まず、ファイバー152は予め決められたらせんの回転方向である時計回りに(左底部から右上部に)リングの溝(図示せず)に挿入される。156と表示された位置で、ファイバー152は溝を出てらせん状経路114に入り、ボビン150の円錐状の外周面に時計回りに案内される。円錐の形状により、ファイバーの最初の一巻きが案内リングの内側面(ボビン側)に押し付けられるようになる。基層はボビンの後方端部から前方端部、つまり、図4の左から右に巻き付けられる。ボビンの円錐の形状により、第2巻き目以降のファイバーも密着して最初の1巻きと同じ経路に従って巻かれる。したがって、リング104でファイバーの第1回転を案内することにより基層全体が形成される。基層の巻き付けが完成すると、基層は第二層のテンプレートとなり、次に、同じように第2層は第3層のテンプレートといったように続く。すなわち、各層はそのすぐ上の層のテンプレートとなる。
好ましい実施態様では、リング104は様々な接着技術を利用した接着といった任意の既知の方法によりボビンに取付け可能な別個のリングである。例えば、リングはボビンに接着してもよい。または、お互いに取付けるためにリングとボビンに対になるネジを設けてもよい。異なる直径のファイバーを巻き付けるために、異なるサイズのスロットのリングを同じボビンに使用することができる。この場合、1種類のボビンに異なるサイズのファイバーに対応するために異なる取付け可能なリングを使用することによりコストを著しく削減することができる。もう1つの好ましい実施態様では、リング104はボビンの一体になっている一部となっていること、つまり、ボビンと一体に作られていてもよい。リング104が別体の場合、温度等の要因によりボビンにリングを取付けできなかったり、応力がかかるような事態を避けるために、リング104がボビンと同じ材料、例えば、硬化樹脂、プラスチック、金属等で作られることが好ましい。基層の巻き付けの最中、個々の1巻きの間及び各巻きとボビンとの間に接着剤を塗付する。接着剤によりボビンに基層が固定される。基層が完成すると、基層は第二層の案内層としての役割を果たすことになる。第2層も同じ時計回りに、しかし図4において右から左へ、すなわち、ボビンの前方から後方に巻き付けられる。それ以降の層も同じ手順で巻き付けられる。つまり、第3層は第2層によって案内され左から右に、第4層は第3層によって案内され右から左にといった具合に巻き付けられる。
本明細書で言及されている全ての出版物、特許、及び特許出願はそれらを参照することにより、それらがそれぞれ参照文献することにより本明細書に具体的かつ個別に指定されている程度の範囲で、全体として本明細書に組み込まれている。さらに、本願におけるいずれの参照文献の引用又は同定は、それらが本発明の先行技術として利用可能であること認めることとしてみなされるものではない。
本発明は限られた数の実施態様に基づき説明されているが、本発明のたくさんの様式の利用、改良、応用が行なえることが理解されるであろう。特に、本発明は光ファイバーに関して説明されているが、平滑な案内面に巻き付けを行なう際、案内を必要とするファイバーのようないかなる構造体にも同じように応用が可能であると理解されるべきである。
典型的な先行技術で、予め溝が形成され、ファイバーが巻きつけられたボビンの断面図である 本発明に基づく溝付きのらせん状リングが平滑なボビンに取付けられた実施態様を示す図である。 本発明の溝付きのらせん状リングの詳細を示す図である。 平滑なボビンの周囲にファイバーの基層の最初の数巻きを案内するためのらせん状ファイバー案内リングの使用形態を示す図である。

Claims (12)

  1. 外周面及び2側面を備え、平滑なボビンに取付け可能ならせん状に案内するリングにおいて、
    a. 前記外周面に形成された案内溝と;
    b. 前記側面のうち1側面に形成され、前記案内溝に接続する案内用のらせん状経路とを備え;
    前記リングが前記1側面において前記平滑なボビンに取付けられ、前記平滑なボビンに所定の直径のファイバーの巻き付けを案内するために機能する、リング。
  2. 前記ファイバーが所定の直径の光ファイバーである、請求項1に記載のリング。
  3. 前記溝が前記光ファイバーの前記直径と同等の幅と深さを有する、請求項2に記載のリング。
  4. 平滑な面の周囲にらせん状の経路で所定の直径のファイバーを案内するためのシステムにおいて、

    a. 溝付きのらせん状リングと;

    b. より小さな直径の後方端部及びより大きな直径の前方端部を有し、前記溝付きのらせん状リングが前記後方端部に取付けられた円錐形のボビンとを備え;
    ファイバーが前記リング後方端部で始まる前記溝に挿入され、前記リングと前記平滑な面により案内され、前記平滑な面の周囲にらせん状の巻き付けを形成する、システム。
  5. 前記リングが前記ボビンと一体になっている、請求項4に記載のシステム。
  6. 前記ファイバーが光ファイバーである、請求項4に記載のシステム。
  7. 前記リングが前記ボビンに取付け可能な別個のリングである、請求項4に記載のシステム。
  8. 前記溝が前記ファイバーの直径と同等な幅及び深さを有する、請求項4に記載のシステム。
  9. 平滑な円錐形の面の周囲にファイバーの巻き付けを案内するための方法において、

    a. 前記平滑な円錐形の面に取付け可能ならせん状に案内するリングを設け;

    b. 平滑な円錐形の側面の周囲にファイバーの巻き付けを案内するために前記らせん状に案内するリング及び平滑な円錐形の面を利用する;
    工程を有する、方法。
  10. らせん状に案内するリングを設ける前記工程が円錐形の平滑な面と一体になっているリングを設けることを含む、請求項9に記載の方法。
  11. らせん状に案内するリングを設ける前記工程が円錐形の平滑な面に取付け可能な別個のリングを設けることを含む、請求項9に記載の方法。
  12. 円錐形の平滑な表面がボビンの外表面であり、前記ファイバーが光ファイバーである、請求項9に記載の方法。
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