JP2006518087A - 電気式ヒートトレース - Google Patents

Abstract

長い断熱された基層のヒートトレースは、断熱材の下でこれと熱的に接触し取り付けられた１個以上の細長い一定電力式電気ヒーターの手段によりなされる。金属のダクトが基層に取り付けられ、そしてここから離れて断熱材を通って外に伸びる。ヒーターは、基層からダクトを通って伸び、そして外部の接続箱内で電源に接続される。この装置により、一定電力式ヒーターの長さに沿って発生した熱は、ヒーターが基層の断熱材を通過するとき、導電性ダクトの本体を通って安全に放散させることができる。

Description

本発明は、電気ヒーターによる基層のヒートトレース用の装置及び方法に関する。

自己調整式ヒーター又は一定電力式ヒーターの手段により基層に熱を提供することが知られている。基層は適宜の要求された形状、例えば加熱用パッドとして使用され、或いは氷結防止が必要な道路、高速道路、航空機の滑走路又はヘリパッドの部分として使用される平面とすることができる。しかし、ヒートトレースする基層の大部分は筒状のもの、例えば所定温度以上に維持することが要求されるプロセス産業における例えば水、石油製品、又は食料品の輸送用のパイプである。長い配管のヒートトレースは、通常、線状又は巻き付けた形状のどちらかで配管に沿ってテープヒーターをトレースすることにより行われる。温度を周囲温度より高く維持するためにヒートトレースすることが必要な基層は、通常は断熱材で囲まれ、加熱用要素は断熱材の下で基層と接触する。

自己調整式ヒーターの手段により基層がヒートトレースされるときは、ヒーターの重要な特性、即ち、温度を実質的に一定に維持するために、その熱出力を自動的かつ局所的に調整する能力が、ヒーター自体の交差を許すだけでなく、環境が変化したときのヒーターの焼損を避けるための、これからの熱の放散に関するいかなる特別な予防措置の必要も回避する。従って、自己調整式のヒーターは、これを断熱された基層に沿って及び／又は基層に巻き付けて安全に取り付けることができ、かつ電源に直接接続できる接続箱に断熱材を通して通過させることができる。一方、一定電力式ヒーターは、自己調整能力を持たず、従ってこれを基層に取り付けたときは、単位長さ当たりの熱出力量を自動的に又は局所的に管理できないため、ヒーターが過熱され焼損することのないように確実に熱放散をするように特別に注意を払う必要がある。事実上、このことは、自己調整式ヒーターの場合と比較して、一定電力式ヒーターの環境を、設置を決めるときにより詳細に考慮しなければならないことを意味する。従って、一定電力式ヒーターの定格出力は維持すべき所要温度、加熱される基層、及びその周りに設けられら断熱材に従って選定される。しかし、これは、低出力ヒーター、即ち１メートル当たり約５ワット以下を供給するものを除いて、一定電力式ヒーターが、ヒートシンクとして作用する基層から離れるように向けられ、そして通常は断熱材を通ってこれから出たとき、必然的にヒーター自体の温度が許容し得ない高さに上昇しこれを破損させるであろうことを意味する。これを避けるために、基層の断熱材の中で一定電力式ヒーターと電力ケーブルとを接続することが普通であり、このため、断熱材から出て電源に向けられるのは電力ケーブルでありヒーターケーブルではない。しかし、一定電力加熱用ケーブルへのいわゆる「コールドリード」の接続は力に対して極めて敏感であり、従って加熱システムにおける最も弱い点となる。別の装置においては、２個以上の比較的低出力のヒーターの使用により極端な加熱を避けることができ、どのヒーターも過熱されることなく、かつその組合せが基層に所要の熱を提供することができる。しかし、これはより複雑な装置である。

上述の欠点を無くし、又は少なくも軽減する一定電力式電気ヒーターを使用して基層のヒートトレースをする装置及び方法を提供することが本発明の目的である。

本発明の一態様により、基層をヒートトレースするための装置であって、好ましくは細長い形のものでありそして例えば鉱物又はポリマーで断熱されたケーブルとして形成された一定電力式電気ヒーターであって、基層を加熱するためにこれと熱的に接触して取り付けられるに適している前記ヒーター、及び一定電力式ヒーターの電源への直接接続を許すためにヒーターの端末部分を囲みかつ基層から離れるように向けるように配列された伝熱性ダクトを備える前記ヒートトレース装置が提供される。

ヒートシンクとして作用する本発明の基層は、その最も広い態様においては断熱しないことができるが、通常は、断熱材の中に囲まれるであろう。後者の場合、伝熱性ダクトは、電気ヒーターの端末部分を囲みかつヒーターを基層から離れてその断熱材を通って外に出るように向けるように配列されるであろう。

基層の断熱材の外側における電源への電気接続は、例えばポリマー材料又は金属で作られた接続箱内で行うことができ便利である。

かかる装置により、例えば基層断熱材の内部の基層において一定電力式ヒーターへのコールドリード接続を行う必要がなく、かつ逆に、ヒーターを、ここから、例えば断熱材の外部に置かれた接続箱に案内し、これにより、例えば電力ケーブルへの端子ブロックを介してヒーターを電源に直接接続することができる。基層のヒートシンクから離れた位置におけるヒーターの温度上昇を、囲んでいる伝熱性ダクトにより提供される熱放散の手段により安全レベルに管理することができる。ヒーターからダクトへの熱の伝導は、これらの間の良好な熱的接触により強化することができる。

伝熱性ダクト、及び／又は接続箱に、これから離れて伸びている追加面を設け、かつ必須ではないが特に一定電力式ヒーターからの熱放散を更に強化するために伝熱性ダクトが基層の断熱材を通過することが有利である。

この装置は２個以上の長い一定電力式ヒーターを備え、各ヒーターは伝熱性ダクト内に囲まれかつダクト内を通って断熱された基層から離れるように向けられ、ヒーターは１個以上のスペーサーブラケットによりダクト内で確保されかつ互いに間隔を空けられる。スペーサーブラケットは、金属、セラミック、又は高伝熱性ポリマー材料で作ることができる。

本発明の更なる態様により、基層をヒートトレースする方法であって、一定電力式電気ヒーターが基層を加熱するために基層と熱的接触状態で取り付けられ、伝熱性ダクトが基層から離れて伸びるように基層に取り付けられ、更にヒーターの一方の端末がダクトを通るように向けられそして基層から離れて電力供給源に接続される方法が提供される。

基層は、断熱材の下でこれに取り付けられたヒーターと熱的に絶縁され、そしてヒーターは、ダクトが断熱材を通過して出たとき、ダクト内で基層から離れるように案内される。

本発明のヒートトレース方法は、前記その態様の一つによる装置を使用することが好ましい。

用語「一定電力式ヒーター」は、ゾーンヒーターのような導電体が１個又は多数個の直列式ヒーター又は並列式ヒーターを含むと理解すべきである。

各が本発明によるヒートトレースの装置及び方法が、付属図面を参照し例示の方法により説明されるであろう。

図１を参照すれば、細長い円筒状のパイプ２は、周囲温度より高いある特定の温度に維持することが必要な液体を輸送する。パイプ２は、例えばロックウール又はガラス繊維となし得る断熱層４内に完全に囲まれる。一定電力式電気加熱用ケーブル６が、パイプ２の外面に沿って引かれ、その定格電力は、パイプ２を、断熱層４を含んだその環境を考慮して一定の所要温度に維持するように選定される。

全体として長方形の金属ダクト８は、短い距離をパイプ２に沿って伸びかつストラップ１１により確保された３側面型のベース部分１０を持つ。ダクト８の直立部分１２がベース部分１０から離れるように伸び、そしてパイプ断熱材４を通過して外に出る。直立部分１２は、断熱材４より先で、これに支持されるポリマー製の接続箱１４内で終わる。接続箱１４の表面の一つに大面積の金属板１６が溶接される。

ダクト８の直立部分１２は、挟み止め式のカバー１５により閉鎖された３面型の胴部１３を含んだ２個の部品で設けられる。このカバーはヒーター６が定位置に置かれた後で定位置に固定される。

ヒーター６のヒートトレースが線の端末に達し電力源に接続することが必要になると、その端部１８が接続箱１４内に出てくるように、ヒーターが、図示のようにベース部分１０内に向けられ、次いでダクト８の直立部分１２を通過する。図示されないが、ヒーターケーブルの端末１８は、これに一定電力の入力が供給されるように、接続箱１４内で電源に接続される。

図１の装置では、ヒーター６は、その長さの大部分がパイプ２と熱的に接触し、その長さに沿って一定レベルでその要求される加熱を提供する。ケーブル６がパイプ２から離れて断熱層４を通過して接続箱１４内に伸びるとき、電源からのケーブル６の加熱も生ずるであろうことが認められるであろう。パイプ２により提供されるヒートシンクがない場合、伝熱性のダクト８を設けることによりケーブルのこの部分から熱を潜在的に放散させるように作用し、そしてケーブルのこの部分の過熱の、従って焼損の可能性を避けるようにすることができ、一方では、接続箱１４内における電源への直接接続を許す。

接続箱１４からの熱の放散は、この箱に確保される大きい金属板１６により強化される。しかし、接続箱１４内においるヒーター６からの熱の放散が不十分である場合は、接続箱１４に対してポリマー材料の代わりに金属を使用し得ることも考えられる。後者の場合、接続箱１４の追加の板１６が共に熱を放出するであろう。

ヒーター６がダクト８を通過する際のヒーター６からの熱の放散を更に強化するために、ダクトの直立部分１２に、１個又はそれ以上の横方向に伸びる好ましくは金属の熱伝導体、フィン２０を、特にダクトの部分１２がパイプの断熱層４を通過する領域に設けることができる。しかし、パイプ２の断熱材の外側のどこにでも、ダクト８上にフィン２０を設けることができる。

図１に示されるように、パイプ２の加熱は、１個の一定電力式ヒーター６の手段により行われる。しかし、複数のヒーターを要求しそしてダクト８を経て接続箱１４に向けるように要求することを考えることもできる。複数のヒーター６がダクト８を通過す場合に、これらヒーター間の接触を避けるため、ヒーター６を確保するように１個又はそれ以上のスペーサーブラケット２２を直立部分１２及びそのベース部分１０（図示せず）に取り付けることができる。図１に示されるように、各ヒーター６はブラケット２２のそれぞれの凹所内に押し込まれ適合され、そしてそれぞれの開口を通して接続箱１４内に出るようにすることができる。

スペーサーブラケット２２は、例えば金属又は耐熱性ポリマーで作ることができる。

別の装置においては、１個又はそれ以上のヒーター６を保持するために、ダクト８を、その全長にわたって凹ませることができる。

図２は、３本の加熱用ケーブル６が内部に確保されたダクト８の直立部分１２を通る断面を示す。

図３は、クランプ用スペーサーブラケット装置の変更例であり、これにおいては、ヒーター６をより確実に保持するために、ブラケット２２の前面を横切り、そしてこれにネジ２６の手段により確保された押付け板２４が設けられる。

基層に取り付けられたヒートトレース用の一装置を図式的に示す。 図１の装置のクランプ用スペーサーの平面図を図式的に示す。 図１の装置のクランプ用スペーサーの変更例を示す。

Claims (14)

1. 基層をヒートトレースするための装置であって、基層を加熱するために基層と熱的に接触して取り付けるに適した細長い一定電力式電気ヒーター、及びヒーターを囲みかつこれへの電力供給のためにヒーターを電気接続させるためにこれを基層から離れるように方向付けるように配列された伝熱性ダクトを備えた前記装置。
2. 基層が断熱材内に囲まれかつヒーターが断熱材の下で基層に取り付けられるように配列され、ダクトがヒーターを囲みかつこれを基層から離れて断熱材を通って外に出るように方向付けるように配列された請求項１による装置。
3. 電気接続が接続箱内でなされる請求項１又は２による装置。
4. 伝熱性ダクトが基層に把持され、これから離れて断熱材を通って伸び、そして断熱材の外側で接続箱に確保される請求項３による装置。
5. 接続箱がポリマー材料で作られる請求項３又は請求項４による装置。
6. 接続箱が、伝熱性の、好ましくは金属で形成される請求項３又は請求項４による装置。
7. 好ましくは少なくもダクトが基層の断熱材を通過する領域において、伝熱性ダクトが、これから伸びる１個又はそれ以上の伝熱面を有する先行請求項のいずれかによる装置。
8. 接続箱が伝熱板と熱的に接触して取り付けられ、これにより接続箱からの熱の伝達を助ける請求項３から７のいずれかによる装置。
9. 前記長い一定電力式ヒーターを２個以上備え、前記ヒーターの各が伝熱性ダクトに囲まれかつこれを通って方向付けされ、ヒーターが１個又はそれ以上のスペーサーブラケットによりダクト内で互いに間隔を空けられて確保される先行請求項のいずれかによる装置。
10. 各スペーサーブラケットが、金属、セラミック、又は耐熱性が高く熱伝導の高いポリマー材料で作られる請求項９による装置。
11. 基層を加熱するために基層と熱的に接触させて長い一定電力式電気ヒーターを取り付け、伝熱性ダクトを基層から離れて伸びるように基層に取り付け、ヒーターをダクトを通して基層から離れるように方向付け、そしてヒーターを電力供給源に接続することを含む基層をヒートトレースする方法。
12. ヒーターが、ダクトを通して接続箱に案内され、そこで電力供給の接続がなされる請求項１１による方法。
13. ２個以上の一定電力式電気ヒーターが基層に適用され、そしてここから伝熱性ダクトを通って案内される請求項１１又は１２による方法。
14. 請求項１ないし１０のいずれかによる装置を使用して基層をヒートトレースする方法。

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