JP2006516533A - アントラサイクリンおよびタキサンによる転移性乳癌の治療 - Google Patents

アントラサイクリンおよびタキサンによる転移性乳癌の治療 Download PDF

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Abstract

アントラサイクリン化学療法剤およびタキサン化学療法剤を患者に投与する転移性乳癌の改善された補助療法であって、細胞内ヒスタミン受容体におけるヒスタミン結合の有効なアンタゴニストであるジフェニル化合物を、化学療法剤の投与前に最初に投与する療法を提供する。

Description

本発明は、転移性乳癌の治療に関する。
主要な化学療法による治療の1つは、ヒトの悪性増殖(癌)の治療である。化学療法の目的は、患者へのダメージを最小限に抑えながら、クローン性腫瘍または悪性細胞を完全に壊滅させることである。しかしながら、ヒトの癌を管理するための化学療法アプローチの主たる限界の1つは、抗癌剤が一般的に正常細胞と腫瘍細胞とを識別できないことである。抗新生物薬は、ヒトに用いられる任意の種類の薬剤のなかでもっとも低い治療指数を有し、したがって著しく、潜在的に生命にかかわる毒性を生じる。一般的に用いられるある種の抗新生物薬は、特定の組織に対して特有かつ急性の毒性を有する。たとえば、ビンカアルカロイドは神経組織に著しい毒性を有し、アドリアマイシンは心臓組織に、ブレオマイシンは肺組織に特定の毒性を有する。一般に、抗新生物薬の主要な種類に属するほぼすべてのメンバーは、胃腸、表皮、および骨髄造血組織の正常細胞に対して相当な毒性を有する。
一般に、ヒトの癌の化学的管理における用量規制要因は、抗新生物薬が骨髄造血組織の多能性幹細胞に対して有する毒性である。この毒性は、ほとんどの抗癌剤が優先的に増殖細胞に対して機能するが、循環正常組織と循環腫瘍組織とを識別する顕著な能力を持たないという事実に起因する。
すべてマニトバ大学に譲渡され、その開示を参照により本明細書の一部とする米国特許第6288799号、米国特許第5859065号、米国特許第5708329号、米国特許第5747543号、および米国特許第5618846号には、正常細胞および悪性細胞において細胞内ヒスタミンの受容体への結合を阻害するのに充分な量の、正常細胞の増殖を阻害し、悪性細胞の増殖を促進する化合物、特に細胞内ヒスタミン受容体に選択的である有効なアンタゴニストを最初に投与する、癌のin vivo化学療法治療の改善された方法が記載されている。細胞内ヒスタミンの結合を阻害するのに充分な時間の後、化学療法剤を投与する。その化学療法剤から癌細胞に増強された毒性作用が得られ、正常細胞、特に骨髄および胃腸細胞に対する化学療法剤の任意の有害作用が著しく改善される。正常細胞の増殖を阻害し、悪性細胞の増殖を促進する有用な化合物の1つは、N,N−ジエチル−2−[4−(フェニルメチル)−フェノキシ]エタンアミンであり、本明細書ではDPPEと略記する。
発明の概要
驚くべきことに、第2相臨床試験において、特定の材料の組み合わせを用いて上述の特許に記載の手順に従って処置された転移性乳癌を有する患者が、補助化学療法に増強された反応を示すことがここに見出された。
本発明において、DPPEおよび関連化合物による前処置、それに続くドキソルビシン、エピルビシン、または他のアントラサイクリンと、タキソール(Taxol)(パクリタキセル)、タキソテール(Taxotere)(ドセタキセル)、または他のタキサンとの併用による処置は、DPPEによる前処置を行わない場合に比べて、増強された抗癌作用をもたらす。さらに、DPPEによる前処置は、DPPEによる前処置を行わない場合と比較したとき、生存率を高める。
したがって一態様において、本発明は、転移性乳癌を有するヒトの患者における化学治療の方法であって、
(a)少なくとも1種の次式のジフェニル化合物:
Figure 2006516533
(式中、XおよびYはそれぞれ、フッ素、塩素、または臭素であり、Zは、炭素原子1から3個のアルキレン基、または=C=Oであるか、あるいはフェニル基は結合して三環を形成し、oおよびpは、0または1であり、R1およびR2はそれぞれ、1から3個の炭素原子を含有するアルキル基であるか、あるいは共に結合して窒素原子を有する複素環を形成し、nは、1、2、または3である)、あるいは薬剤として許容されるその塩を前記患者に最初に投与すること、および
(b)細胞内ヒスタミンの結合を阻害するのに充分な時間の後、続いてアントラサイクリン化学療法剤およびタキサン治療剤を患者に投与することを含む方法を提供する。
本発明の適用において、ジフェニル化合物および化学療法剤は、一般に静脈内注入によって投与される。好ましい一手順では、化学療法剤の投与前、ジフェニル化合物の溶液を所望の時間をかけて患者に投与し、次いで化学療法剤の投与の間、ジフェニル化合物と併用して化学療法剤の溶液を投与する。所望であれば、化学療法剤投与の副作用を改善するために、所望の時間、化学療法剤の投与完了後にジフェニル化合物の溶液を投与する。

発明の一般的な説明
本発明では、細胞内ヒスタミン受容体におけるヒスタミン結合の有効なアンタゴニストであるジフェニル化合物が用いられ、正常細胞の細胞内結合部位(HIC)で細胞内ヒスタミンの結合を阻害するのに充分な量で投与される。そのような化合物は、少なくとも約5、好ましくは少なくとも約5.5のpKiを示す。
本発明に有用である特定の有効な化合物は、次式のジフェニル化合物であり、
Figure 2006516533
式中、XおよびYはそれぞれ、フッ素、塩素、または臭素であり、Zは、炭素原子1から3個のアルキレン基、または=C=Oであり、oおよびpは、0または1であり、R1およびR2はそれぞれ、1から3個の炭素原子を含有するアルキル基であるか、あるいは共に結合して窒素原子を有する複素環を形成し、nは、1、2、または3である。このジフェニル化合物の薬剤として許容される塩を用いることもできる。
あるいは、ベンゼン環は、次式のように、結合して三環を形成することもできる。
Figure 2006516533
好ましい一実施形態において、次式の基は、
Figure 2006516533
ジエチルアミノ基であるが、ジメチルアミノなどの他のアルキルアミノ基を用いることもでき、他の好ましい実施形態では、モルホリノ基であるが、ピペラジノなどの他の複素環基を用いることもできる。Zがアルキレン基であるとき、oおよびpは通常0であり、nは2であることができる。特に好ましい一実施形態において、Zは−CH2−であり、nは2であり、oおよびpはそれぞれ0であり、次式は、
Figure 2006516533
ジエチルアミノ基である。この化合物、すなわちN,N−ジエチル−2−[4−(フェニルメチル)−フェノキシ]エタンアミンは、遊離塩基の形態、あるいはその塩酸塩または薬剤として許容される他の塩の形態であることができ、本明細書ではDPPEと略記する。ベンゼン環に結合しているメチレン基の他に、=C=Oなどの他の結合基を用いることができる。たとえばイミダゾール基など、ハロゲン原子の他に、ベンゼン環に他の置換基を提供することができる。
本発明に用いられるジフェニル化合物は、薬剤として許容される水性ビヒクルの溶液として静脈内注射するなど、通常の任意の様式で患者に投与される。ジフェニル化合物は、化学療法剤を投与する前に、ある時間をかけて患者に投与される。
本発明に用いられる化学療法剤は、アントラサイクリンとタキサンの組み合わせである。そのようなアントラサイクリンは、好ましくはドキソルビシンまたはエピルビシンであり、タキサンは、好ましくはタキソール(Bristol−Myers Squibbのパクリタキセルの商標)またはタキソテール(Aventis Pharmaのドセタキセルの商標)である。この化学療法剤の混合物は、従来の乳癌療法におけるそれらの薬剤の通常の投与様式に従って任意の様式、すなわち溶液の静脈内注入によって投与される。
正常細胞および悪性細胞において細胞内ヒスタミンの結合を阻害し、それによって実質的に正常細胞の増殖を停止し、悪性細胞の増殖を増進させるために、化学療法剤の投与に先立って患者にジフェニル化合物を投与することが必要とされる。
ジフェニル化合物の投与から化学療法剤の投与までの時間は、そのジフェニル化合物、投与方法、および患者の大きさによって決まる。一般に、ジフェニル化合物は、化学療法剤の投与前、約30から約90分間、好ましくは約60分間患者に投与される。
患者に投与されるジフェニル化合物の量は、改善される副作用によって決まるが、少なくとも正常細胞において細胞内ヒスタミンの結合を阻害するのに充分な量であるべきである。本発明の有益な効果を得るために必要とされる量は、用いられるジフェニル化合物、用いられる化学療法剤、および用いられるそのような薬剤の量によって決まる。
本発明は転移性乳癌を有する患者の正常細胞に対して増強された化学療法効果を得ることができ、同時に、従来の化学療法が疾病過程に関連しない正常細胞または組織の損傷をもたらすような多岐にわたる状況において、化学療法剤による損傷から正常細胞を保護する。
一般に、ヒトに用いられるジフェニル化合物の量は、そのジフェニル化合物が投与されるヒト1m2当たり約8から約320mgであり、胃腸および骨髄を保護するための最適用量はそれぞれ、約8mg/m2および240mg/m2である。この用量範囲にわたって、本発明は乳癌細胞に対して増強された化学療法効果を得ることができ、同時に、従来の化学療法が疾病過程に関連しない正常細胞または組織の損傷をもたらすような多岐にわたる状況において、化学療法剤による損傷から正常細胞を保護する。
本発明による転移性乳癌の治療において、ジフェニル化合物は、好ましくは化学療法剤の投与前、約30から約90分間かけて、および化学療法剤の投与時間中継続して、静脈内に投与される患者1kg当たり約3から約10mgの量で用いられる。本明細書に記載の特定の第2相臨床試験では、6mg/kgの塩酸塩形態のDPPEを用い、80分かけてその水溶液として静脈内に投与し、最後の20分はタキソールまたはタキソテールと併用して化学療法剤ドキソルビシンまたはエピルビシンの注入を伴い、その後、タキソールの注入を伴い180分間、またはタキソテールの注入を伴い60分間、DPPE2.5mg/kgの用量で水溶液を静脈内投与した。
DPPE/タキソテール処置の他の処方計画は、80分間のDPPE水溶液の静脈内投与であり、最後の20分はタキソテールの注入を伴い、その後、タキソテールのみを40分間注入する。
本発明で用いられる化学療法剤は、好ましくは、その化学療法剤の性質に従って患者1m2当たり約75から約225mg/m2の量で用いられる。化学療法剤は、ドキソルビシンまたはエピルビシンに関しては患者1m2当たり約50から約60mg、タキソールは約175から約225mg/m2、タキソテールは約75から約100mg/m2の量で投与することができる。本明細書に記載の特定の第2相臨床試験では、50mg/m2のドキソルビシン/エピルビシンと、175mg/m2のタキソールまたは75mg/m2のタキソテールとを用い、DPPE溶液注入の最後の20分をかけて投与し、さらにDPPE溶液2.5mg/kgの注入を伴い、タキソールを180分間、またはタキソテールを60分間かけて投与した。
転移性乳癌を有する患者は、通常、所定の間隔で数サイクルの化学療法を受ける。それぞれの患者のサイクル数は、一般に約5から約10サイクルであり、各サイクルの間は約21から約28日である。
本明細書に記載のとおり、第2相臨床試験は、転移性乳癌を有する患者に対して実施し、患者は、DPPE、その後、タキソールまたはタキソテールと併用してドキソルビシンまたはエピルビシンを投与された。この臨床試験から種々のデータを収集し、分析した。この臨床試験の詳細を実施例1に記載し、データの分析、およびDPPEを用いない研究との比較を実施例2に記載する。

実施例
実施例1
本実施例は、転移性乳癌を有する患者に関する第2相臨床試験を記載する。
転移性乳癌を有する29例の患者を、DPPEとエピルビシン/タキソール(N=22)、DPPEとドキソルビシン/タキソール(N=6)、またはDPPEとエピルビシン/タキソテール(N=1)の組み合わせで処置した。DPPEは80分かけて6mg/kgの用量で投与し、最後の20分をかけて50mg/m2の用量で投与されるエピルビシンまたはドキソルビシン、および175mg/m2の用量のタキソール、または75mg/m2の用量のタキソテールと併用して投与し、さらにタキソールの場合は180分間、またはタキソテールの場合は60分間、2.5mg/kgの用量で投与した。この処置を21日の間隔で8から10サイクル繰り返した。
転移性乳癌を有する29例の患者は、以前にタキサンで処置されていないが、アントラサイクリンで処置された可能性があり、あるいは以前に補助化学療法またはタモキシフェンで処置された可能性がある。患者は表1に示す人口統計を有した。表は説明文の最後に示す。
得られた結果を表IIおよびIIIに要約する。それらの表からわかるように、23/29例の患者(79%)で大きな奏効が観察され、28/29例の患者(97%)でいくらかの改善が見られた。進行までの期間(TTP)の中央値は9カ月であり、全生存期間(OS)は26.5カ月であった。これらの値は、DPPEとドキソルビシンを用いる臨床試験(Proc.of ASCO 2001 Abstract 118)のTTP5.9カ月、およびOS23.6カ月に匹敵する。DPPE/エピルビシン/タキソールの処置を受けた患者(N=22)では、19/22例の患者(86%)で大きな奏効が観察され、全体的な改善は21/22例(96%)の患者で観察された。TTP中央値は8カ月であり、OSは30カ月であった。

実施例2
本実施例は、転移性乳癌を有する患者における補助化学療法の使用に関する公表された文献を要約する。
転移性乳癌を有する患者にエピルビシンと、タキソールまたはタキソテールとの組み合わせを投与した5件の研究が公表されている。これらの研究を表IVに要約する。これらの刊行物に記載されている結果を、実施例1、並びに表IIおよびIIIに記載の結果と比較することができる。そのような比較を表Vに示す。表Vにおいて、B1は表IIに要約したデータであり、B2は表IIIに要約したデータである。表II、III、およびVに記載のデータをプールすることができ、そのようなプーリングを表VIに示す。表VIにおいて、Brandesは実施例1に示した第2相試験を指し、他の研究は表IVに要約した研究を指す。
これらのデータからわかるように、DPPEによる前処理は、DPPE処置を受けていない患者に比べてTTPを改善しないが、DPPEを受けた患者の全生存期間は有意に向上した。この点に関して、DPPE試験(実施例1)のOS中央値は、生存データが報告されたエピルビシン/タキソテールおよびエピルビシン/タキソールの4件の研究のプールしたOS中央値に比べて33%長かった。
表IVからVIに示したデータからわかるように、実施例1の第2相試験では、エピルビシンおよびタキソールは共に最少用量を用いた。この点に関して、エピルビシンの用量(50mg/m2)は、5件の比較研究で用いられた平均用量(96mg/m2)の48%であった。
DPPEを用いる試験(実施例1)では、低用量のエピルビシンおよびタキソール/タキソテールであるにもかかわらず、90mg/m2でエピルビシンを用いた公表された研究の全奏効率の平均より、全奏効率が高かった(79%対65%)。
5件の比較研究で用いられた高用量のエピルビシン(75から130mg/m2)で報告された毒性に比べて、DPPE/エピルビシン/タキソールまたはタキソテールによる処方計画を受けた29例の患者で観察された毒性は、著しく低いと考えられる。
サンプルサイズ(N=29)が小さいにもかかわらず、実施例1で報告された第2相試験の結果は上述の臨床試験の結果と一致し、DPPE前処置の付加は、TTPを著しく増大することなく生存優位性を提供すると考えられる。

発明の概要
本開示を要約すると、本発明は、アントラサイクリンとタキサンの組み合わせを用いて、転移性乳癌を治療する改善された方法を提供する。本発明の範囲内で変更が可能である。
Figure 2006516533
Figure 2006516533
Figure 2006516533
Figure 2006516533
Figure 2006516533
Figure 2006516533

Claims (17)

  1. 転移性乳癌を有するヒトの患者における化学治療の方法であって、
    (a)少なくとも1種の次式のジフェニル化合物:
    Figure 2006516533
    (式中、XおよびYはそれぞれ、フッ素、塩素、または臭素であり、Zは、炭素原子1から3個のアルキレン基、または=C=Oであるか、あるいはフェニル基は結合して三環を形成し、oおよびpは、0または1であり、R1およびR2はそれぞれ、1から3個の炭素原子を含有するアルキル基であるか、あるいは共に結合して窒素原子を有する複素環を形成し、nは、1、2、または3である)、あるいは薬剤として許容されるその塩を前記患者に最初に投与すること、および
    (b)細胞内ヒスタミンの結合を阻害するのに充分な時間の後、続いてアントラサイクリン化学療法剤およびタキサン化学療法剤を患者に投与することを含む方法。
  2. 次式の基が、
    Figure 2006516533
    ジエチルアミノ基、ジメチルアミノ基、モルホリノ基、またはピペラジノ基である請求項1に記載の方法。
  3. 次式の基が、
    Figure 2006516533
    ジエチルアミノ基であり、Zは−CH2−であり、nは2であり、oおよびpはそれぞれ0である請求項1に記載の方法。
  4. ジフェニル化合物が、塩酸塩の形態である請求項3に記載の方法。
  5. 前記アントラサイクリン化学療法剤が、ドキソルビシンまたはエピルビシンである請求項1に記載の方法。
  6. 乳癌に特異的な前記アントラサイクリン化学療法剤が、ドキソルビシンまたはエピルビシンである請求項4に記載の方法。
  7. 前記タキサン化学療法剤が、タキソールまたはタキソテールである請求項1、4、5、または6に記載の方法。
  8. 前記ジフェニル化合物を、前記化学療法剤の前記投与の約30から約90分前に患者に投与する請求項1に記載の方法。
  9. 前記時間が、約60分である請求項8に記載の方法。
  10. 前記ジフェニル化合物を、その溶液の静脈内注入によって、前記化学療法剤の投与前、最大約90分の時間をかけて投与し、前記化学療法剤の投与中維持する請求項7に記載の方法。
  11. 前記ジフェニル化合物を、前記化学療法剤の投与前、約60分間投与し、前記化学療法剤の約20分の静脈内注入中維持する請求項10に記載の方法。
  12. 前記ジフェニル化合物を、前記患者1kg当たり約0.1から約75mgの量で投与する請求項8に記載の方法。
  13. 前記量が、患者1kg当たり約3から約10mgである請求項9に記載の方法。
  14. 前記ジフェニル化合物を、患者1kg当たり約3から約10mgの量で投与する請求項10に記載の方法。
  15. 前記ジフェニル化合物を、約6mg/kgの量で投与する請求項11に記載の方法。
  16. 前記化学療法剤を、患者1m2当たり約10から約250mgの総量で投与する請求項12に記載の方法。
  17. 前記アントラサイクリン化学療法剤を、患者1m2当たり約50mgの量で投与し、タキサン化学療法剤を、タキソール175mg/m2またはタキソテール75mg/m2の量で投与する請求項15に記載の方法。

JP2004533120A 2002-09-04 2003-09-03 アントラサイクリンおよびタキサンによる転移性乳癌の治療 Withdrawn JP2006516533A (ja)

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