JP2006516388A - ループス腎炎の治療用組成物および方法 - Google Patents

ループス腎炎の治療用組成物および方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、BFLP0169ポリヌクレオチドによってコードされた新規な単離BFLP0169ポリヌクレオチドおよびポリペプチドを提供する。BFLP0169ポリペプチドまたはBFLP1968ポリペプチド、ポリヌクレオチド、または抗体のいずれかの誘導体(融合誘導体を含む)、変種、変異体、またはフラグメントに免疫特異的に結合する抗体も提供される。本発明はさらに、BFLP1968ポリペプチド、ポリヌクレオチド、および抗体が、広範囲の病理的状態の検出および治療、ならびに他の用途に使用される方法を提供する。

Description

発明の詳細な説明
(技術分野)
本発明は、一般に、核酸およびポリペプチドに関し、かつより具体的には、ループス腎炎の検出および治療に有用であるとともに、これを治療するための治療薬の同定に有用なポリペプチドをコード化する核酸およびポリペプチドに関する。
(背景技術)
ループス腎炎は、患者の免疫系がその自己の器官を攻撃する「伝統的な」自己免疫疾患の一例である。ループス患者の45〜75%が最終的にある形態または他の形態の腎障害に罹患すると推定されている。ループスの重症度は、最小限の介入を必要とする軽症例から肺、腎、心臓、および脳などの重要臓器に必要不可欠な器官に重大な損傷が生じ、かつ最終的に致命的でありうる例までばらつきがある。ループスは圧倒的に女性の疾患であり、およその男女比は1:9である。北米においては、主に年齢20〜40歳の女性500人中1人が罹患すると推定されている。
ループスの既知の治療法はない。治療は、典型的には、該疾患を緩和させるという望みをもってその徴候を制御することに向けられる。最近、抗生物質のラパマイシンが疾患のマウスモデルにてループス腎炎の治療における有効な治療法であることが明らかにされている。
(発明の開示)
本発明は、部分的には、その発現がループス腎炎のマウスの腎組織にて増大するが、その遺伝子の発現レベルがラパマイシンによる治療に反応して著しく減少しない、BFLP0169と命名された遺伝子の発見に基づく。この発現プロフィールは、ループス腎炎の症状を改善するためにラパマイシンを投与すると、BFLP0169遺伝子の産物が該抗生物質と相互作用することを示す。ラパマイシンの非存在下では、遺伝子産物は自由にその病態を惹起し、その効果として該病態の惹起に必要とされる遺伝子の活性化を挙げることができる。ラパマイシンの存在下では、BFLP0169遺伝子は不活性であり、病態は縮小する。したがって、BFLP0169蛋白は、ラパマイシンのように、ループス腎炎の症状の治療に有用である薬剤を同定するための標的として有用である。
一の態様においては、本発明は、BFLP0169遺伝子産物をコード化するヌクレオチド配列の配列を含む単離された核酸分子を提供する。好ましい実施形態においては、ヌクレオチド配列は、配列番号1の配列、またはそのフラグメント、相同体、類似体、または誘導体を含む。核酸は、例えば、配列番号2のアミノ酸配列を含むポリペプチドと少なくとも70%、例えば、80%、85%、90%、95%、98%、または99%もしくはそれ以上同一であるポリペプチドをコード化する核酸配列を含みうる。核酸は、例えば、ゲノムDNAフラグメント、またはcDNA分子でありうる。
本発明には、本明細書で記載された1つもしくはそれ以上の核酸を含有するベクター、および本明細書で記載されたベクターまたは核酸を含有する細胞も含まれる。
本発明は、上記された核酸分子のいずれかを含むベクターで形質転換された宿主細胞にも関する。
別の態様においては、本発明は、BFLP0169核酸および医薬上許容される担体または希釈剤を含む医薬組成物を含む。
別の態様においては、本発明は、実質的に精製されたBFLP0169ポリペプチド、例えば、BFLP0169核酸のほか、そのフラグメント、相同体、類似体、および誘導体によってコード化されたBFLP0169ポリペプチドのいずれかを含む。本発明は、BFLP0169ポリペプチドおよび医薬上許容される担体または希釈剤を含む医薬組成物をも含む。
さらに別の態様においては、本発明は、BFLP0169ポリペプチドに特異的に結合する抗体を提供する。この抗体は、例えば、モノクローナルまたはポリクローナル抗体のほか、その相同体、類似体、および誘導体でありうる。本発明は、BFLP0169および医薬上許容される担体または希釈剤を含む医薬組成物をも含む。本発明は、上記された核酸分子のいずれかによってコード化されるポリペプチド上のエピトープに結合する単離抗体にも関する。
本発明は、1つもしくはそれ以上の容器において、BFLP0169核酸、BFLP0169ポリペプチド、および/またはBFLP0169ポリペプチドに対する抗体である1つもしくはそれ以上の化合物を含むキットをも含む。キットは好ましくは使用説明書が備えられている。必要に応じて、キットにおける化合物は、医薬上許容される担体とともに提供される。
本発明はさらに、BFLP0169核酸、例えば、BFLP0169核酸を含むベクターを含有する細胞を用意し、該核酸によってコード化されるBFLP0169ポリペプチドを発現するのに十分な条件下で細胞を培養することによってBFLP0169ポリペプチドを産生する方法を提供する。次いで、その発現されたBFLP0169ポリペプチドを細胞から回収する。該細胞は、ほとんど、またはまったく内因性BFLP0169ポリペプチドを産生しないことが好ましい。この細胞は、例えば、原核細胞または真核細胞でありうる。
本発明は、ポリペプチドまたは核酸に特異的に結合する化合物とサンプルを接触させることによってサンプル中のBFLP0169ポリペプチドまたは核酸を同定し、かつ存在する場合複合体形成を検出する方法にも関する。
本発明はさらに、BFLP0169ポリペプチドを化合物と接触させ、BFLP0169ポリペプチド活性が修飾されているかどうかを測定することによって、BFLP0169ポリペプチドの活性を修飾する化合物を同定する方法を提供する。
本発明は、BFLP0169ポリペプチドを化合物と接触させ、その化合物がBFLP0169ポリペプチドの活性を修飾し、BFLP0169ポリペプチドに結合し、またはBFLP0169ポリペプチドをコード化する核酸分子に結合するかどうかを測定することによって同定される、BFLP0169ポリペプチド活性を修飾する化合物にも関する。
別の態様においては、本発明は、対象におけるBFLP0169関連疾患の存在または素因を測定する方法を提供する。この方法は、対象から由来のサンプルを用意し、かつ対象サンプルにおけるBFLP0169のポリペプチドの量を測定することを含む。ついで、対象サンプル中のBFLP0169ポリペプチド量を対照サンプル中のBFLP0169ポリペプチドの量と比較する。対象蛋白サンプル中のBFLP0169ポリペプチド量の対照蛋白サンプル中のBFLP0169ポリペプチド量に対する変化は、対象が組織増殖関連状態を有することを示す。対照サンプルは、好ましくは、対応個体、すなわち、ほぼ同じ年齢、性、または一般状態の個体であるが、組織増殖関連状態を有する疑いが持たれていない個体から採取される。あるいは、対照サンプルは、対象が組織増殖関連疾患を有する疑いが持たれていない時点で対象から採取されうる。一部の実施形態においては、BFLP0169はBFLP0169抗体を用いて検出される。
別の態様においては、本発明は、対象におけるBFLP0169関連疾患の存在または素因を測定する方法を提供する。この方法は、核酸サンプル、例えば、対象からのRNAもしくはDNA、または両方を用意し、対象核酸サンプル中のBFLP0169核酸の量を測定することを含む。次いで、対象核酸サンプル中のBFLP0169核酸サンプルの量を対照サンプル中のBFLP0169の量と比較する。サンプル中のBFLP0169核酸の量の対照サンプル中のBFLP0169の量に対する変化は、対象が組織増殖関連疾患を有することを示す。
さらに別の態様では、本発明は、BFLP0169関連疾患を治療もしくは予防または遅延させる方法を提供する。この方法は、かかる治療もしくは予防または遅延が望ましい対象に対し、対象における組織増殖関連疾患を治療、予防、または遅延させるのに十分な量でBFLP0169核酸、BFLP0169ポリペプチド、またはBFLP0169抗体を投与することを含む。かかる疾患の例として、関節リウマチおよび多発性硬化症が挙げられる。
特に限定されない限り、本明細書で使用されるすべての技術および学術用語は当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書で記載されたものと同様または同等の方法および材料は本発明の実施または試験において使用されうるが、適切な方法および材料は以下に記載されている。本明細書で言及されたすべての刊行物、特許出願、特許、および他の文献は、出典明示により本明細書の一部とする。不一致の場合には、定義を含む本明細書が支配するであろう。また、材料、方法、および実施例はあくまでも例示であり、限定することを意図とするものではない。
本発明の他の特徴および利点は以下の詳細な記載および特許請求の範囲から明らかであろう。
(図面の簡単な記載)
図1は、ラパマイシン治療の前、中および後のNZBxNZWF1腎臓における、ならびに種々の対象マウス株および条件における、ヒトBFLP0169遺伝子のマウスオーソロガス遺伝子の遺伝子発現の相対的レベルを示すヒストグラムである。
(発明の詳細な記載)
本明細書で開示されたBFLP0169核酸配列は、ループス腎炎モデルのマウスの腎における遺伝子の発現が非疾患マウスからの腎における該遺伝子の発現と比べて変化していることに基づき同定された。より詳しくは、該遺伝子は若いマウスおよびループス腎炎の症状を示さないマウスにおいて比較的低いレベルで発現される。遺伝子発現は、ループス腎炎を有するマウスで上昇し、ラパマイシンまたは抗B7抗体で有効に治療されているマウスで低下する。腎機能が正常である場合に発現レベルが正常に戻る所見は、レベルの上昇が、疾患進行に関係があり、かつその診断標的であることを示す。発現レベルは種々の治療的介入の有効性を評価し、比較するためにも使用されうる。
したがって、BFLP0169核酸配列は対象におけるループス腎炎の存在を検出するのに有用である。対照サンプル中のレベルに対するBFLP0169転写産物またはポリペプチドのレベルに上昇は、対象におけるループス腎炎の存在を示す。BFLP0169核酸配列は、ループス腎炎に対する治療の有効性をモニタリングするためにも使用されうる。すなわち、病変治療のレベルに対するBFLP0169遺伝子の発現の低下は、治療が有効であることを示す。
BFLP0169配列は、加えて、対象におけるループス腎炎を治療または予防するための治療薬を同定するために使用されうる。例えば、BFLP0169ポリペプチドは、被験薬剤と接触されることができる。BFLP0169ポリペプチドの被験薬剤への結合は、被験薬剤がBFLP0169活性を修飾することを示す。BFLP0169結合薬剤はさらに、被験生物(例えば、NZB X NZWマウス)におけるループス症状を促進または抑制するように作用するかどうかを測定するために試験されうる。ループス症状の抑制は、薬剤がループス腎炎、またはループス腎炎と関係した症状を治療または予防するために有用であることを示す。追加の有用性が本明細書に開示されている。
ヒトBFLP0169核酸を含む5987ヌクレオチド配列が表1(配列番号1)に示されている。ヒト配列は、その発現がループス腎炎様症状とともにNZB X NZWマウスにおける増大するマウス遺伝子のヒトオーソログとして同定された。
表1に示された配列のヌクレオチド1−5259は、その配列が表2(配列番号2)に示されている1753アミノ酸のポリペプチドをコード化する。
Figure 2006516388
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本発明のBFLP0169様核酸およびポリペプチド(表1に示されているものを含む)は、本明細書では「BFLP0169」核酸およびポリペプチドと称される。
本発明によるBFLP0169核酸、およびコード化ポリペプチドは、さまざまな用途および状況において有用である。
BFLP0169は、表3に記載されたブラスト(BLAST)結果に示されているように他の蛋白との相同を示す。KIAA0169、IMAGE:3461492、および3598686、cDNA:FLJ21639はゲノムDNAに見出される部分的なリーディングフレーム(発現配列タグ(EST))からコード化された全蛋白である。BFLP0169はこれらの蛋白の相同体であるため、全オープンリーディングフレーム、または大きめのオープンリーディングフレーム(EST)の一部のいずれかによってもコード化される。
Figure 2006516388
表4は、表3で上述された蛋白に対するBFLP0169(配列番号2)のクラスタルW(ClustalW)アラインメントを示す。
Figure 2006516388
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配列番号2の残基1−14は、ここでは配列番号20と称される。アミノ酸1−6を含む配列番号21のフラグメントは、ここでは配列番号26と称される。
BFLP0169核酸
本発明の核酸は、BFLP0169ポリペプチドまたは蛋白をコード化するものを含む。本明細書で用いられる用語ポリペプチドと蛋白は交換可能である。
ある実施形態においては、BFLP0169核酸は成熟BFLP0169ポリペプチドをコード化する。本明細書で使用されているように、ここで記載されたポリペプチドまたは蛋白の「成熟」形態は、天然のポリペプチドもしくは前駆形態または前駆蛋白の生成物と関連している。天然ポリペプチド、前駆体、または前駆蛋白は、非限定実施例として、対応する遺伝子によってコード化された全長の遺伝子産物を含む。あるいは、これは、本明細書で記載されるオープンリーディングフレームによってコードされるポリペプチド、前駆体、または前駆蛋白として規定されうる。生成物の「成熟」形態は、この場合もやはり非限定実施例によって、遺伝子産物が生じる細胞内で生じうる1つもしくはそれ以上の天然加工工程の結果として生じる。ポリペプチドまたは蛋白の「成熟」形態をもたらすかかる加工工程の例としては、オープンリーディングフレームの開始コドンによってコードされるN末端メチオニン残基の切断、またはシグナルペプチドもしくはリーダー配列の蛋白分解切断が挙げられる。したがって、残基1〜Nを有し、ここで残基1がN末端メチオンニンである前駆体ポリペプチドまたは蛋白から生じる形態は、N末端メチオニンの除去後に残りのNにより残基2を有することになる。あるいは、残基1〜Nを有し、残基1から残基MまでのN末端シグナル配列が切断されている前駆ポリペプチドまたは蛋白から生じる成熟形態は、残基M+1〜残りの残基Nを有することになる。さらに本明細書で用いられているように、ポリペプチドまたは蛋白の「成熟」形態は、蛋白分解切断事象以外の翻訳後修飾の工程から生じうる。かかる追加の工程は、非限定実施例によって、グリコシル化、ミリスチル化、またはリン酸化を含む。一般に、成熟ポリペプチドまたは蛋白は、これらの工程の1つのみ、またはそのいずれかの組合せの操作に由来しうる。
本発明は、配列番号1の変異体もしくは変種の核酸、またはそのフラグメントを含み、その塩基のいずれかは配列番号1に示された対応する塩基から変化されうるが、依然としてそのBFLP0169様活性および生理的機能の少なくとも1つを維持する蛋白をコード化する(すなわち、血管形成、神経発生の調節)。本発明はさらに、そのフラグメント、誘導体、類似体、および相同体を含む配列番号1の核酸配列の相補体を含む。本発明はさらに、核酸または核酸フラグメント、またはその構造物が化学修飾を含むその相補体を含む。
本発明の一態様は、BFLP0169蛋白またはその生物学的に活性部分をコード化する単離された核酸分子に関する。BFLP0169コード核酸(例えば、BFLP0169mRNA)を同定するハイブリダイゼーションプローブとしての使用、およびBFLP0169核酸分子の増幅または突然変異のポリメラーゼ連鎖反応(PCR)プライマーとしての使用に十分な核酸フラグメントも含まれる。本明細書で用いられる「核酸分子」なる用語は、DNA分子(例えば、cDNAまたはゲノムDNA)、RNA分子(例えば、mRNA)、ヌクレオチド類似体を用いて生成されたDNAまたはRNAの類似体のほか、その誘導体、フラグメント、および相同体を含むことを目的としている。核酸分子は、一本鎖または二重鎖でありうるが、好ましくは二重鎖DNAである。
「プローブ」は、使用に応じて、好ましくは、少なくとも約10ヌクレオチド(nt)、100nt、または、例えば、約6000ntほどの間の可変長の核酸配列を指す。プローブは、同一、同様、または相補的な核酸配列の検出に使用される。長めの長さのプローブは通常、天然または組換え源から得られ、オリゴマーよりもきわめて特異的であり、はるかに緩徐にハイブリダイズする。プローブは一本鎖または二重鎖でありうるとともに、PCR、膜ベースハイブリダイゼーション技術、またはELISA様技術において特異性を有するように設計されている。
「単離された」核酸分子は、核酸の天然源に存在する他の核酸分子から分離されている核酸分子である。単離された核酸分子の例としては、ベクターに含まれる組換えDNA分子、異種宿主細胞に維持される組換えDNA分子、部分的または実質的に精製された核酸分子、および合成DNAまたはRNA分子が挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、「単離」核酸は、その核酸が由来する生物のゲノムDNAにおける核酸に自然に隣接する配列(すなわち、核酸の5’および3’末端に位置した配列)を含んでいない。例えば、種々の実施形態においては、単離されたBFLP0169核酸分子は、核酸が由来する細胞のゲノムDNAにおける核酸分子に自然に隣接するヌクレオチド配列の約50kb、25kb、5kb、4kb、3kb、2kb、1kb、0.5kb、または0.1kb未満を含有しうる。さらに、cDNA分子など「単離」核酸分子は、組換え技術によって製造された場合に実質的に他の細胞材料または培養培地を含有しえず、または化学的に合成された場合には化学的前駆体または他の化学物質を含有しえない。
本発明の核酸分子、例えば、配列番号1のヌクレオチド配列、またはその相補体を有する核酸分子は、標準の分子生物学技術および本明細書で提供される配列情報を用いて単離されうる。ハイブリダイゼーションプローブとして配列番号1の核酸配列の全部または一部を用いることにより、BFLP0169核酸配列は標準のハイブリダイゼーションおよびクローン技術(例えば、サムブルック(Sambrook)ら、編、分子クローニング:実験室マニュアル(MOLECULAR CLONING:A LABORATORY MANUAL)第2版、コールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー・プレス(Cold Spring Harbor Laboratory Press)、ニューヨーク州(NY)、コールド・スプリング・ハーバー、1989年、およびオーサベル(Ausubel)ら編、分子生物学における最新プロトコール(CURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY)、ジョーン ワイリー アンド サンズ(John Wiley & Sons)、ニューヨーク州(NY)、ニューヨーク、1993年に記載)。
本発明の核酸は、cDNA、mRNA、あるいは、ゲノムDNAを標準のPCR増幅法によるテンプレートおよび適切なオリゴヌクレオチドプライマーとして用いて増幅されうる。増幅された核酸は適切なベクターにクローン化され、DNA配列分析によって特徴付けられうる。さらに、BFLP0169ヌクレオチド配列に対応するオリゴヌクレオチドは、標準合成法、例えば、自動DNA合成装置を用いることによって調製されうる。
本明細書で用いられる「オリゴヌクレオチド」は、一連の結合ヌクレオチド残基を指し、そのオリゴヌクレオチドはPCR反応で使用される十分な数のヌクレオチド塩基を有する。短いオリゴヌクレオチド配列は、ゲノムまたはcDNA配列に基づき、またはこれによりデザインされうるとともに、特定の細胞または組織における同一、同様、もしくは相補的なDNAまたはRNAの存在を増幅、確認、または示すために使用される。オリゴヌクレオチドは、長さが約10nt、50nt、または100nt、好ましくは、長さが15nt〜30ntの核酸配列の部分を含む。一実施形態においては、長さが100nt未満の核酸分子を含むオリゴヌクレオチドはさらに少なくとも6つの配列番号1の隣接ヌクレオチド、またはその相補体を含む。オリゴヌクレオチドは化学的に合成され、プローブとして使用されうる。
別の実施形態においては、本発明の単離された核酸分子は、配列番号1に示されたヌクレオチド配列の相補体、またはこのヌクレオチド配列の一部である核酸分子を含む。配列番号1に示されているヌクレオチド配列に相補的である核酸分子は、配列番号1に示されているヌクレオチド配列とほとんど水素結合しえず、または誤対合することがなく、それによって安定した二本鎖を形成する配列番号1に示されているヌクレオチド配列に十分に相補的であるものである。
本明細書で用いられる「相補的」なる用語は、核酸分子のヌクレオチド単位間のワトソン・クリック(Watson−Crick)またはフーグステン(Hoogsteen)塩基対を指し、「結合」なる用語は、2つのポリペプチドもしくは化合物または関連ポリペプチドもしくは化合物またはその組合せ間の物理的または化学的相互作用を意味する。結合としては、イオン、非イオン、ファンデルワールス(Van der Waals)、疎水性相互作用等が挙げられる。物理的相互作用は直接または間接のいずれかでありうる。間接相互作用は、別のポリペプチドまたは化合物の作用を通じて、またはこれによりありうる。直接結合は、別のポリペプチドまたは化合物の作用を通じて、またはこれにより起こることはないが、その代わりに他の実質的な化学中間産物なしに起こる相互作用を指す。
さらに、本発明の核酸分子は、配列番号1の核酸配列の一部分、例えば、プローブもしくはプライマーとして使用されうるフラグメント、またはBFLP0169の生物活性部分をコード化するフラグメントのみを含んで成りうる。ここで提供されるフラグメントは、少なくとも6つの(隣接)核酸または少なくとも4つの(隣接)アミノ酸の配列と規定されるが、核酸の場合には特定のハイブリダイゼーションを、アミノ酸の場合にはエピトープの特定の認識をそれぞれ可能にするのに十分な長さであり、多くても一部分は全長未満の配列である。フラグメントは、選択の核酸またはアミノ酸配列の隣接部分由来でありうる。誘導体は、直接的に、または修飾もしくは部分的置換によって天然化合物から形成される核酸配列またはアミノ酸配列である。類似体は、天然化合物と同様であるが、同一ではない構造を有する核酸配列またはアミノ酸配列であるが、一部の成分または側鎖に関して異なる。類似体は、合成または異なる進化起源由来でありうるとともに、野生型と比べ同様または反対の代謝活性を有しうる。
誘導体および類似体は、以下で述べられるように、誘導体または類似体が修飾核酸またはアミノ酸を含有する場合は、全長または全長以外でありうる。本発明の核酸または蛋白の誘導体または類似体としては、種々の実施形態において、同一のサイズの、またはアラインメントが当技術分野で周知のコンピュータ相同プログラムによって行われている整列配列と比較した場合、またはそのコード核酸が、ストリンジェントな、中ストリンジェントな、または低ストリンジェントな条件下で前述の蛋白をコード化する配列の相補体をハイブリダイズする能力がある核酸またはアミノ酸配列に対し、少なくとも約70%、80%、85%、90%、95%、98%、またはさらに99%同一(好ましい同一性は80〜99%)の本発明の核酸または蛋白と実質的に相同である領域を含む分子が挙げられるが、これらに限定されない。模範的プログラムが、スミス(Smith)とウォーターマン(Waterman)のアルゴリズムを使用するデフォルト設定値を用いるギャップ(Gap)プログラム(ウィスコンシン(Wisconsin)配列分析パッケージ、UNIX用バージョン8、ジェネティクス コンピュータ グループ(Genetics Computer Group)、大学リサーチパーク(ウィスコンシン州(WI)、マディソン))である。
「相同核酸配列」もしくは「相同アミノ酸配列」、またはその変種は、上述されているように、ヌクレオチドレベルまたはアミノ酸レベルでの相同性によって特徴付けられる配列を指す。相同ヌクレオチド配列は、BFLP0169ポリペプチドのイソ型をコード化する配列をコード化する。イソ型は、例えば、RNAの選択的スプライシングの結果として同じ生物の異なる組織中で発現されうる。あるいは、イソ型は異なる遺伝子によってコードされうる。本発明においては、相同ヌクレオチド配列としては、哺乳動物を含むがこれに限定されないヒト以外の種のBFLP0169ポリペプチドをコード化するヌクレオチド配列を含み、したがって、例えば、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、および他の生物を含みうる。相同ヌクレオチド配列としては、天然の対立遺伝子変種および本明細書に記載されたヌクレオチド配列の突然変異も挙げられるが、これらに限定されない。しかし、相同ヌクレオチド配列は、ヒトBFLP0169蛋白をコード化するヌクレオチド配列を含む。相同核酸配列は、配列番号2における同類アミノ酸置換基(以下参照)、およびBFLP0169活性を有するポリペプチドをコード化する核酸配列を含む。BFLP0169蛋白の生物活性は以下に記載されている。相同アミノ酸配列は、ヒトBFLP0169ポリペプチドのアミノ酸配列をコード化することはない。
ヒトBFLP0169遺伝子のクローニングから決定されるヌクレオチド配列は、他の細胞型、例えば他の組織からのBFLP0169相同体、および他の哺乳動物からのBFLP0169相同体の同定および/またはクローニングにおける使用にデザインされたプローブおよびプライマーの生成を可能にする。プローブ/プライマーは通常、実質的に精製されたオリゴヌクレオチドを含む。オリゴヌクレオチドは通常、ストリンジェントな条件下で少なくとも約12、25、50、100、150、200、250、300、350、または400もしくはそれ以上の配列番号1の隣接センス鎖ヌクレオチド配列、または配列番号1のアンチセンス鎖ヌクレオチド配列、または配列番号1の天然変異体をハイブリダイズするヌクレオチド配列の領域を含む。
ヒトBFLP0169ヌクレオチド配列に基づくプローブは、同一または相同蛋白をコード化する転写またはゲノム配列を検出するために使用されうる。種々の実施形態においては、プローブはさらに、それらに付着したラベル群を含んで成り、例えば、ラベル群はラジオアイソトープ、蛍光化合物、酵素、または酵素補因子でありうる。かかるプローブは、対象からの細胞のサンプルにおけるBFLP0169コード核酸のレベルを測定することによって、例えば、BFLP0169mRNAレベルを検出し、またはゲノムBFLP0169遺伝子が突然変異または欠失されているかどうかを測定することによって、BFLP0169蛋白を誤発現する細胞または組織を同定するための診断試験キットの一環として使用されうる。
「BFLP0169の生物活性部分を有するポリペプチド」は、用量依存性の有無によって、特定の生物学的アッセイにおいて測定されるように、成熟形態を含めて、本発明のポリペプチドの活性と同様であるが、必ずしも同一ではない活性を示すポリペプチドを指す。「BFLP0169の生物活性部分」をコード化する核酸フラグメントは、BFLP0169生物活性(BFLP0169蛋白の生物活性が以下に記載されている)を有するポリペプチドをコード化する配列番号1の部分を単離し、BFLP0169蛋白のコード部分を(例えば、インビトロ組換え発現によって)発現させ、かつBFLP0169のコード部分の活性を評価することによって調製されうる。
本発明は、BFLP0169核酸配列の多型相およびBFLP0169配列における多型配列を検出する方法も提供する。多型相は、BFLP0169と関係したエクソンおよび/またはイントロンに対応するゲノム配列を含む。
本発明の多型対立遺伝子を有する個体は、当技術分野で公知であるさまざまな技法を用いてDNA、RNA、または蛋白レベルのいずれかで検出されうる。本発明の方法は通常、特徴付け前の多型を使用する。すなわち、部位に存在する多型相の遺伝子型位置選定および性質はすでに測定されている。この情報の有用性は、一連のプローブが既知の多型相の特異的同定のためにデザインされることを可能にする。
診断に使用されるゲノムDNAは、末梢血、尿、唾液、口腔サンプル、外科標本、および剖検材料に存在するものなど体の有核細胞から得られうる。DNAは、直接的に使用され、またはPCRもしくは変異分析前のリガーゼ連鎖反応(LCR)、鎖置換増幅法(SDA)、自律的配列複製法(3SR)など他のインビトロ増幅法の使用を通じてインビトロで酵素的に増幅されうる。
特異的DNA配列における多型の検出は、対立遺伝子特異的制限エンドヌクレアーゼ切断、固定化オリゴヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドアレイを含む対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドプローブによるハイブリダイゼーション、対立遺伝子特異的PCR、ミスマッチリペア検出(MRD)、MutS蛋白の結合、変性剤濃度勾配ゲル電気泳動(DGGE)、一本鎖配座多型検出、ミスマッチ塩基対でのRNAase切断、ヘテロ二本鎖DNAの化学または酵素切断、対立遺伝子特異的プライマー拡大に基づく方法、遺伝子ビット分析(GBA)、オリゴヌクレオチドライゲーションアッセイ(OLA)、対立遺伝子特異的ライゲーション連鎖反応(LCR)、gap−LCR、当技術分野で公知の標準方法を用いる放射性および/または蛍光DNA配列決定、およびペプチド核酸(PNA)アッセイを含むが、これらに限定されない種々の方法によって達成されうる。
BFLP0169の変種
本発明はさらに、遺伝コードの縮退による配列番号1に示されたヌクレオチド配列と異なる核酸分子を包含する。したがって、これらの核酸は、配列番号1で示されているヌクレオチド配列によってコード化されたもの、例えば、配列番号2のポリペプチドと同じBFLP0169蛋白をコード化する。別の実施形態においては、本発明の単離された核酸分子は、配列番号2に示されているアミノ酸配列を有する蛋白をコード化するヌクレオチド配列を有する。
配列番号1に示されているヒトBFLP0169ヌクレオチド配列に加えて、BFLP0169のアミノ酸配列の変化をもたらすDNA配列の多型性が集団(例えば、ヒト集団)内に存在しうることが当業者によって理解されるであろう。BFLP0169遺伝子におけるかかる遺伝子多型性が、天然対立遺伝子の変種による集団内の個体間に存在しうる。本明細書で用いられる「遺伝子」および「組換え遺伝子」は、BFLP0169蛋白、好ましくは哺乳動物BFLP0169蛋白をコード化するオープンリーディングフレームを含む核酸分子を指す。かかる天然対立遺伝子の変種は通常、BFLP0169遺伝子のヌクレオチドの1〜5%の差異を生じうる。ありとあらゆるかかるヌクレオチド変種、および結果として生じる天然対立遺伝子の差異の結果であり、BFLP0169の機能的活性を変化させることがないBFLP0169におけるアミノ酸の多型性は、本発明の範囲内にあることを意図とする。
さらに、他の種からのBFLP0169蛋白をコード化し、したがって、配列番号1のヒト配列と異なるヌクレオチド配列を有する核酸分子は、本発明の範囲内であることを意図とする。天然対立遺伝子の変種および本発明のBFLP0169cDNAの相同体に対応する核酸分子は、本明細書で開示されているヒトBFLP0169核酸との相同に基づき、ヒトcDNA、またはその一部分を、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下の標準のハイブリダイゼーション法によるハイブリダイゼーションプローブとして用いることにより単離されうる。例えば、可溶性ヒトBFLP0169cDNAは、ヒト膜結合BFLP0169とのその相同に基づき単離されうる。同様に、膜結合ヒトBFLP0169cDNAは、可溶性ヒトBFLP0169とのその相同に基づき単離されうる。
したがって、別の実施形態においては、本発明の単離された核酸分子は、少なくとも6個のヌクレオチドの長さであり、ストリンジェントな条件下で配列番号1のヌクレオチド配列を含む核酸分子にハイブリダイズする。別の実施形態においては、核酸は少なくとも10、25、50、100、250、500、または750個のヌクレオチドの長さである。別の実施形態においては、本発明の単離された核酸分子はコード領域にハイブリダイズする。本明細書で用いられる「ストリンジェントな条件下でハイブリダイズ」なる用語は、互いに少なくとも60%相同であるヌクレオチド配列が通常、互いにハイブリダイズされたままであるハイブリダイゼーションおよび洗浄の条件を記載することが意図されている。
相同体(すなわち、ヒト以外の種由来のBFLP0169蛋白をコード化する核酸)または他の関連配列(例えば、パラロガス)は、核酸ハイブリダイゼーションおよびクローニングのための当技術分野で公知の方法を用いるプローブとして特定のヒト配列の全部または一部による低ストリンジェントな、中ストリンジェントな、または高ストリンジェントなハイブリダイゼーションによって獲得されうる。
したがって、本発明は、低ストリンジェントな条件、より好ましくはストリンジェントな条件、最も好ましくはきわめてストリンジェントな条件下で、本明細書で記載されたポリヌクレオチドにハイブリダイズする能力があるポリヌクレオチドをも含む。ストリンジェントな条件の例が以下の表に示されている。すなわち、きわめてストリンジェントな条件は、少なくとも、例えば、条件A−Fと同様にストリンジェントであり、ストリンジェントな条件は、少なくとも、例えば、条件G−Lと同様にストリンジェントであり、かつ低ストリンジェントな条件は、少なくとも、例えば、条件M−Rと同様にストリンジェントである。
Figure 2006516388
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1:ハイブリッドの長さは、ハイブリッド形成ポリヌクレオチドのハイブリッド形成領域と考えられる長さである。ポリヌクレオチドを未知の配列の標的ポリヌクレオチドにハイブリダイズさせると、ハイブリッドの長さはハイブリッド形成ポリヌクレオチドの長さであると仮定される。既知の配列のポリヌクレオチドがハイブリダイズされると、ハイブリッド長さは、ポリヌクレオチドの配列を整列させ、最適な配列相補性の領域を同定することによって測定されうる。
:SSPE(1xSSPEは0.15M NaCl、10mM NaHPO、および1.25mM EDTA、pH7.4である)は、ハイブリダイゼーションおよび洗浄バッファーにおけるSSC(1xSSCは0.15M NaClおよび15mMクエン酸ナトリウム)の代わりに用いることができる;洗浄はハイブリダイゼーションの完了後15分間行われる。
TB−TR:50個未満の塩基対の長さが予想されるハイブリッドのハイブリダイゼーション温度は、ハイブリッドの融点(T)よりも5〜10℃低い必要があり、ここでTは以下の式によって測定される。18個未満の塩基対の長さのハイブリッドについては、T(℃)=2(A+T塩基の#)+4(G+C塩基の#)。18〜49個の塩基対の長さのハイブリッドについては、T(℃)=81.5+16.6(log10Na)+0.41(%G+C)−(600/N)であり、式中Nはハイブリッド中の塩基の数であり、Naは、ハイブリダイゼーションバッファー中のナトリウムイオンの濃度である(1xSSCのNa=0.165M)。
好ましくは、かかるハイブリッド形成ポリペプチドの各々は、ハイブリダイズされる本発明のポリヌクレオチドの長さの少なくとも25%(より好ましくは少なくとも50%、かつ最も好ましくは少なくとも75%)である長さを有し、かつハイブリダイズされる本発明のポリヌクレオチドと少なくとも60%の配列の同一性(より好ましくは、少なくとも75%の同一性、最も好ましくは、少なくとも90%または95%の同一性)を有し、ここで配列の同一性は、重複および同一性を最大限にすると同時に、配列ギャップを最小限にするように整列した場合にハイブリッド形成ポリヌクレオチドの配列を比較することによって測定される。
ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件の非限定的実施例は、6XSSC、50mM Tris−HCl(pH7.5)、1mM EDTA、0.02%PVP、0.02%Ficoll、0.02%BSA、および変性サケ精子DNA500mg/mlを含む高塩濃度バッファー中、65℃下でのハイブリダイゼーションである。このハイブリダイゼーションの後、0.2XSSC、0.01%BSA中、50℃下に1回もしくはそれ以上の洗浄を行う。ストリンジェントな条件下で配列番号1の配列にハイブリダイズする本発明の単離された核酸分子は、天然由来核酸分子に対応する。本明細書で用いられる「天然由来」核酸分子は、天然に存在する(例えば、天然蛋白をコード化する)ヌクレオチド配列を有するRNAまたはDNA分子を指す。
第2の実施形態においては、中程度のストリンジェントな条件下で、配列番号1のヌクレオチド、またはそのフラグメント、類似体、または誘導体を含む核酸分子にハイブリダイズ可能である核酸配列が提供される。中程度のストリンジェントなハイブリダイゼーション条件の非限定的実施例として、6XSSC、5Xデンハルト溶液、0.5%SDS、および100mg/ml変性サケ精子DNA中、55℃下でのハイブリダイゼーションの後、1XSSC、0.01%SDS中、37℃下に1回もしくはそれ以上の洗浄を行う。
第3の実施形態においては、低ストリンジェントな条件下で、配列番号1のヌクレオチド、またはそのフラグメント、類似体、または誘導体を含む核酸分子にハイブリダイズ可能である核酸配列が提供される。低ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件の非限定的実施例として、35%ホルムアミド、5XSSC、50mM Tris−HCl(pH7.5)、5mM EDTA、0.02%PVP、0.02%Ficoll、0.2%BSA、100mg/ml変性サケ精子DNA、10%(wt/vol)硫酸デキストラン中、40℃下でのハイブリダイゼーションの後、2XSSC、25mM Tris−HCl(pH7.4)、5mM EDTA、および0.1%SDS中、50℃下に1回もしくはそれ以上の洗浄を行う。
保存的変異
集団中に存在しうるBFLP0169配列の天然由来対立遺伝子の変種に加えて、当業者にはさらに、配列番号1のヌクレオチド配列への突然変異によって変化が導入され、それによって、BFLP0169蛋白の機能的能力を変化させることなく、コードBFLP0169蛋白のアミノ酸配列への変化をもたらしうることを明らかであろう。例えば、「非必須」アミノ酸残基でのアミノ酸置換をもたらすヌクレオチド置換は、配列番号1における配列においてなされうる。「非必須」アミノ酸残基は、生物活性を変化させることなくBFLP0169の野生型配列から変化されうる残基であるが、「必須」アミノ酸残基は、生物活性に必要とされる。例えば、本発明のBFLP0169蛋白間に保存されるアミノ酸残基を変更することにより、BFLP0169蛋白の活性が喪失しやすくなる。
本発明の別の態様は、活性に必須ではないアミノ残基の変化を含有するBFLP0169蛋白をコード化する核酸分子に関する。かかるBFLP0169蛋白は、アミノ酸配列において配列番号2と異なるが、生物活性を保持する。一実施形態においては、単離された核酸分子は、蛋白をコード化するヌクレオチド配列を含んで成り、ここで蛋白は、配列番号2のアミノ酸配列と少なくとも約75%相同のアミノ酸配列を含む。好ましくは、核酸によってコードされた蛋白は、配列番号2と少なくとも約80%相同であり、より好ましくは、配列番号2と少なくとも約90%、95%、98%、かつ最も好ましくは、少なくとも約99%相同である。
配列番号2の蛋白と相同のBFLP0169蛋白をコード化する単離された核酸分子は、1個もしくはそれ以上のアミノ酸置換、付加、または欠失がコード蛋白へ導入されるように、1個もしくはそれ以上のヌクレオチド置換、付加、または欠失を配列番号1のヌクレオチド配列へ導入することによって作り出される。
部位特異的変異誘発およびPCR仲介変異誘発など標準の技法によって、配列番号1のヌクレオチド配列へ突然変異を導入することができる。好ましくは、同類アミノ酸置換が、1個もしくはそれ以上の予測非必須アミノ酸残基でなされる。「同類アミノ酸置換」は、アミノ酸残基が同様の側鎖を有するアミノ酸残基と置換される。同様の側鎖を有するアミノ酸残基のファミリーが技術的に規定されている。これらのファミリーとしては、塩基側鎖を有するアミノ酸(例えば、リシン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖を有するアミノ酸(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸)、非荷電極性側鎖を有するアミノ酸(例えば、グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、トレオニン、チロシン、システイン)、非極性側鎖を有するアミノ酸(例えば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン)、ベータ分岐側鎖を有するアミノ酸(例えば、トレオニン、バリン、イソロイシン)、および芳香族側鎖を有するアミノ酸(例えば、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)が挙げられる。したがって、BFLP0169における予測非必須アミノ酸残基は、同じ側鎖ファミリーからの別のアミノ酸残基で置換される。あるいは、別の実施形態においては、飽和変異誘発によるなどBFLP0169コード配列の全部または一部に沿って無作為に突然変異を導入すうことができ、かつ結果として生じる変異体をBFLP0169生物活性についてスクリーニングし、活性を保持する変異体を同定することができる。配列番号1の変異誘発後、コード蛋白は技術上周知の組換え技術によって発現されうるとともに、蛋白の活性は測定されうる。
一実施形態においては、変異BFLP0169蛋白が、(1)蛋白、すなわち他のBFLP0169蛋白と相互作用する蛋白、他の細胞表面蛋白、またはその生物活性蛋白を形成する能力、(2)変異BFLP0169蛋白とBFLP0169受容体との間の複合体形成、(3)細胞内標的蛋白またはその生物活性蛋白(例えば、アビジン蛋白)に結合する変異BFLP0169蛋白の能力、(4)BFLP0169蛋白を結合する能力、または(5)抗BFLP0169蛋白抗体を特異的に結合する能力について評価されうる。
アンチセンスBFLP0169核酸
本発明の別の態様は、配列番号1のヌクレオチド配列、またはそのフラグメント、類似体、または誘導体を含む核酸分子にハイブリダイズ可能または相補的である単離アンチセンス核酸分子に関する。「アンチセンス」核酸は、蛋白をコード化する「センス」核酸に相補的、例えば、二重鎖cDNA分子のコード鎖に相補的またはmRNA配列に相補的であるヌクレオチド配列を含む。特定の態様においては、少なくとも約10、25、50、100、250、または500ヌクレオチド、または全BFLP0169コード鎖、またはその一部分のみに相補的である配列を含むアンチセンス核酸分子が提供される。配列番号2のBFLP0169蛋白のフラグメント、相同体、誘導体、および類似体をコード化する核酸分子、または配列番号1のBFLP0169核酸配列に相補的であるアンチセンス核酸が追加的に提供される。
一実施形態においては、アンチセンス核酸分子が、BFLP0169をコード化するヌクレオチド配列のコード鎖の「コード領域」に対してアンチセンスである。「コード領域」なる用語は、アミノ酸残基(例えば、ヒトBFLP0169の蛋白コード領域は配列番号2に対応する)へ翻訳されるコドンを含むヌクレオチド配列の領域を指す。別の実施形態においては、アンチセンス核酸分子は、BFLP0169をコード化するヌクレオチド配列のコード鎖の「非コード領域」に対してアンチセンスである。「非コード領域」なる用語は、アミノ酸へ翻訳されないコード領域に隣接する5’および3’配列を指す(すなわち、5’および3’非翻訳領域とも呼ばれる)。
本明細書で開示されているBFLP0169をコード化するコード鎖配列(例えば、配列番号1)を前提として、本発明のアンチセンス核酸は、ワトソン(Watson)とクリック(Crick)またはフーグステン(Hoogsteen)塩基対の法則に従ってデザインされうる。アンチセンス核酸分子は、BFLP0169mRNAの全コード領域に相補的でありうるが、より好ましくは、BFLP0169mRNAのコードまたは非コード領域の一部分のみに対してアンチセンスであるオリゴヌクレオチドである。例えば、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、BFLP0169mRNAの翻訳開始部位周囲の領域に相補的でありうる。アンチセンスオリゴヌクレオチドは、例えば、約5、10、15、20、25、30、35、40、45、または50個のヌクレオチドの長さでありうる。本発明のアンチセンス核酸は、化学合成または技術上周知の方法を用いる酵素ライゲーション反応を用いて構成されうる。例えば、アンチセンス核酸(例えば、アンチセンスオリゴヌクレオチド)は、分子の生物学的安定性を増大させ、またはアンチセンス核酸とセンス核酸との間に形成された二本鎖の物理的安定性を増大させるためにデザインされた天然由来ヌクレオチドまたはさまざまに修飾されたヌクレオチドを用いて化学的に合成されうるが、例えば、チオリン酸誘導体およびアクリジン置換ヌクレオチドが使用されうる。
アンチセンス核酸を生成するために使用されうる修飾ヌクレオチドの例としては、5−フルオロウラシル、5−ブロモウラシル、5−クロロウラシル、5−ヨードウラシル、ヒポキサンチン、キサンチン、4−アセチルシトシン、5−(カルボキシヒドロキシルメチル)ウラシル、5−カルボキシメチルアミノメチル−2−チオウリジン、5−カルボキシメチルアミノメチルウラシル、ジヒドロウラシル、ベータ−D−ガラクトシルクエオシン、イオシン、N6−イソペンテニルアデニン、1−メチルグアニン、1−メチルイオシン、2、2−diメチルグアニン、2−メチルアデニン、2−メチルグアニン、3−メチルシトシン、5−メチルシトシン、N6−アデニン、7−メチルグアニン、5−メチルアミノメチルウラシル、5−メトキシアミノメチル−2−チオウラシル、ベータ−D−マンノシルクエオシン、5’−メトキシカルボキシメチルウラシル、5−メトキシウラシル、2−メチルチオ−N6−イソペンテニルアデニン、ウラシル−5−オキシ酢酸(v)、ワイブトキソシン、疑似ウラシル、クエオシン、2−チオシトシン、5−メチル−2−チオウラシル、2−チオウラシル、4−チオウラシル、5−メチルウラシル、ウラシル−5−オキシ酢酸メチルエステル、ウラシル−5−オキシ酢酸(v)、5−メチル−2−チオウラシル、3−(3−アミノ−3−N−2−カルボキシプロピル)ウラシル、(acp3)w、および2、6−ジアミノプリンが挙げられる。あるいは、アンチセンス核酸は、核酸がアンチセンス方向でサブクローン化されている(すなわち、挿入核酸から転写されたRNAが、以下の小区分でさらに述べられる当該の標的核酸へのアンチセンス方向となる)発現ベクターを用いて生物学的に製造されうる。
本発明のアンチセンス核酸分子は通常、対象に投与され、またはそれらがBFLP0169蛋白をコード化する細胞mRNAおよび/またはゲノムDNAとハイブリダイズし、またはこれに結合し、それによって、例えば、転写および/または翻訳を抑制することによって、蛋白の発現を抑制するように、インサイチュー(in situ)生成される。ハイブリダイゼーションは、安定した二本鎖を形成する従来のヌクレオチド相補性によって、または、例えば、DNA二本鎖に結合するアンチセンス核酸分子の場合、二重らせんの主溝での特異的な相互作用により可能である。本発明のアンチセンス核酸分子の投与経路の例としてが、組織部位での直接注射が挙げられる。あるいは、アンチセンス核酸分子は選択細胞を標的にするように修飾され、次いで全身に投与される。例えば、全身投与のためには、それらが、例えば、アンチセンス核酸分子を細胞表面の受容体または抗原に結合するペプチドまたは抗体に結合することによって、選択細胞表面上の受容体または発現抗原に特異的に結合するように、アンチセンス分子を修飾することができる。アンチセンス核酸分子は、本明細書で記載されているベクターを用いて細胞に送達もされうる。アンチセンス分子の十分な細胞内濃度を達成するには、アンチセンス核酸分子が強いpol IIまたはpol IIIプロモーターの制御下に配置されるベクター構築が好ましい。
さらに別の実施形態においては、本発明のアンチセンス核酸分子は、a−アノマー核酸分子である。a−アノマー核酸分子は、通常のβユニットに反して、鎖が互いに対して平行に走る相補RNAと特異的な二重鎖ハイブリッドを形成する。アンチセンス核酸分子は、2’−o−メチルリボヌクレオチドをも含んで成りうる。
かかる修飾としては、非限定的実施例として、修飾塩基、およびその糖リン酸バックボーンが修飾または誘導体化されている核酸が挙げられる。これらの修飾は、少なくとも部分的には、それらが、例えば、対象における治療用途におけるアンチセンス結合核酸として使用されうるように、修飾核酸の化学的安定性を強化するために実施される。
BFLP0169リボザイムおよびPNA部分
さらに別の実施形態においては、本発明のアンチセンス核酸はリボザイムである。リボザイムは、それらが相補的領域を有するmRNAなど一本鎖核酸を切断する能力があるリボヌクレアーゼ活性を有する触媒RNA分子である。したがって、リボザイム(例えば、ハンマーヘッド型リボザイム)を用いて、BFLP0169mRNA転写を触媒的に切断し、それによってBFLP0169mRNAの翻訳を抑制することができる。BFLP0169コード核酸に対する特異性を有するリボザイムは、本明細書で開示されたBFLP0169DNAのヌクレオチド配列(すなわち、配列番号1)に基づきデザインされる。例えば、活性部位のヌクレオチド配列がBFLP0169コードmRNAにおいて切断されるヌクレオチド配列に相補的であるテトラヒメラL−19IVS RNAの誘導体が構成されうる。あるいは、BFLP0169mRNAを用いて、RNA分子のプールから特異的リボヌクレアーゼ活性を有する触媒RNAを選択することができる。
あるいは、BFLP0169遺伝子発現は、BFLP0169の調節領域(例えば、BFLP0169プロモーターおよび/またはエンハンサー)に相補的なヌクレオチド配列を標的とすることによって抑制され、標的細胞におけるBFLP0169遺伝子の転写を阻止する三重らせん構造を形成しうる。
種々の実施形態においては、BFLP0169の核酸は、塩基部分、糖部分、またはリン酸バックボーンで修飾され、例えば、分子の安定性、ハイブリダイゼーション、または溶解性を改善しうる。例えば、核酸のデオキシリボースリン酸バックボーンは修飾され、ペプチド核酸を生成しうる。本明細書で用いられる「ペプチド核酸」または「PNA」は、デオキシリボースリン酸バックボーンが擬似ペプチドバックボーンによって置換され、4個の天然核酸塩基のみが保持されている核酸擬態、例えば、DNA擬態を指す。PNAの中立バックボーンは、低いイオン強度の条件下でDNAおよびRNAへの特異的なハイブリダイゼーションを可能にすることが示されている。PNAオリゴマーの合成は、標準の固相ペプチド合成プロトコールを用いて実行されうる。
BFLP0169のPNAは、治療および診断用途に使用されうる。例えば、PNAは、例えば、転写または翻訳の停止を誘発し、複製を抑制することによって遺伝子発現の配列特異的調節のためのアンチセンスまたは抗原薬剤として使用されうる。BFLP0169のPNAは、例えば、遺伝子における単一塩基対の突然変異の分析において、例えば、PNA特異的PCRクランピングによっても使用され、他の酵素と組合わせて使用される場合には人工的な制限酵素として、例えば、S1ヌクレアーゼ、またはDNA配列およびハイブリダイゼーション用のプローブもしくはプライマーとしても使用されうる。
別の実施形態においては、BFLP0169のPNAは、例えば、親油性または他のヘルパー基をPNAに付着させることによって、PNA−DNAキメラの形成によって、またはリポソームもしくは技術上周知の薬物送達の他の方法によって、その安定性または細胞取込みを強化するように修飾されうる。例えば、PNAおよびDNAの有利な特性を結合しうるBFLP0169のPNA−DNAキメラが生成されうる。
オリゴヌクレオチドは、ペプチド(例えば、宿主細胞の受容体をインビボで標的にするための)など他の付加基、または細胞膜もしくは血管脳関門上の輸送を促進させる薬剤を含みうる。また、オリゴヌクレオチドは、ハイブリダイゼーション誘発切断剤もしくは挿入剤で修飾されうる。このために、オリゴヌクレオチドは、別の分子、例えば、ペプチド、ハイブリダイゼーション誘発架橋剤、輸送剤、ハイブリダイゼーション誘発切断剤等に共役されうる。
BFLP0169妨害核酸
本発明によって、BFLP0169遺伝子発現の特異的抑制を仲介する能力がある単離二重鎖核酸(DNAまたはRNA)も提供される。好ましい実施形態においては、二重鎖分子の一方もしくは両方の鎖がRNA分子である。好ましくは、各RNA鎖は、19−25個のヌクレオチドの長さ、詳しくは19−23個のヌクレオチドの長さ、より詳しくは20−22個のヌクレオチドを有し、BFLP0169標的特異的核酸修飾、特にRNA妨害および/またはDNAメチル化を仲介する能力がある。二重鎖BFLP0169分子は二重鎖であり、または5’および/または3’末端の一方または両方でオーバーハングを有しうる。例えば、分子は3’−オーバーハングを有しうる。3’−オーバーハングの長さは、例えば、1−6個のヌクレオチド、2−5個のヌクレオチド、3−4個のヌクレオチド、または2個のヌクレオチドでありうる。オーバーハングの長さは、各鎖で同一または異なりうる。一実施形態においては、dsRNAは、1、2、または3個のヌクレオチドオーバーハングが二重鎖RNAの両端で存在するようにペアとなっている2本鎖21ヌクレオチドから成る。
RNA鎖は、好ましくは、3’−ヒドロキシル基を有する。5’−末端、好ましくは、リン酸、二リン酸、三リン酸、またはヒドロキシル基を含む。必要に応じて、3’−オーバーハングは劣化に対して安定化されうる。例えば、それらは、プリンヌクレオチド、特にアデノシンまたはグアノシンヌクレオチドから成るように選択されうる。あるいは、ピリミジンヌクレオチドは、修飾類似体で置換されうるが、例えば、ウリジン−2ヌクレオチド3’オーバーハングの2’−デオキシチミジンによる置換が許容され、RNA妨害の効率に影響を及ぼすことはない。RNA分子は少なくとも1つの修飾ヌクレオチド類似体を含有しうる。ヌクレオチド類似体は、標的特異的活性、例えば、RNAi仲介活性が実質的に影響されない位置に配置されうる。修飾ヌクレオチドは、好ましくは、二重鎖RNA分子の5’−端および/または3’−端での領域に存在する。一部の実施形態においては、オーバーハングは修飾ヌクレオチド類似体を組込むことによって安定化される。
ヌクレオチド類似体は、糖またはバックボーン修飾リボヌクレオチドを含みうる。他の適切なヌクレオチドは、天然由来核酸塩基の代わりに非天然由来の核酸塩基を含む。例えば、類似体は、5−位で修飾されたウリジンまたはシチジン、例えば、5−(2−アミノ)プロピルウリジン、5−ブロモウリジン、8位で修飾されたアデノシンおよびグアノシン、例えば、8−ブロモグアノシン、デアザヌクレオチド、例えば、7−デアザ−アデノシン、O−およびN−アルキル化ヌクレオチドを含みうるが、例えば、N−6メチルアデノシンが適切である。好ましい糖修飾リボヌクレオチドにおいては、2’OH基は、H、OR、R、ハロ、SH、SR、NH、NHR、NR、またはCNから選択される基によって置換され、ここでRは、C−Cアルキル、アルケニル、またはアルキニルであり、ハロはF、Cl、Br、またはIである。好ましい実施形態においては、バックボーン修飾リボヌクレオチドが隣接リボヌクレオチドにつながるリン酸エステル基として使用されるが、それらは修飾基、例えばホスホチオアート基によって置換される。注目すべきは、上記の修飾は結合されうる。
BFLP0169妨害RNA分子は、天然単離RNA分子であり、または合成RNA分子でありうる。好ましくは、BFLP0169妨害RNA分子は実質的に細胞抽出物、例えば、ショウジョウバエの胚に存在する混入物がない。さらに、BFLP0169妨害RNA分子は、好ましくは、実質的に非標的特異的混入物、特に非標的特異的RNA分子、例えば、細胞抽出物中に存在する混入物がない。
単離二重鎖BFLP0169妨害分子は、哺乳動物細胞、特にヒト細胞におけるBFLP0169標的特異的核酸修飾を仲介するために使用されうる。
本発明の二重鎖BFLP0169妨害分子の配列は、BFLP0169遺伝子発現および/またはDNAメチル化の標的特異的妨害をもたらすために核酸BFLP0169標的分子と十分に同一性のものである。好ましくは、配列は、RNA分子の二重鎖部分の所望の標的分子の少なくとも50%、詳しくは少なくとも70%の同一性を有する。より好ましくは、RNA分子の二重鎖部分において、同一性は少なくとも85%であり、最も好ましくは100%である。所定の核酸標的分子、例えば、配列番号1に示されている配列を有するBFLP0169mRNA標的分子とのBFLP0169二重鎖妨害RNA分子の同一性は、I=(n/L)x100の式を用いて測定されうるが、式中、Iはパーセントでの同一性であり、nはdsRNAおよび標的の二重鎖部分における同一のヌクレオチドの数であり、LはdsRNAおよび標的の二重鎖部分の配列重複の長さである。
あるいは、標的配列に対する二重鎖RNA分子の同一性は、3’オーバーハング、特に1−3個のヌクレオチドの長さを有するオーバーハングを含めて規定もされうる。この場合、配列の同一性は、標的配列に対して、好ましくは、少なくとも50%、より好ましくは、少なくとも70%、かつ最も好ましくは、少なくとも85%である。例えば、3’オーバーハングからのヌクレオチド、および二重鎖の5’および/または3’末端から2個までのヌクレオチドは、活性の大幅な喪失なしに修飾されうる。
二重鎖BFLP0169RNA分子は、各々が19−25個のヌクレオチド、例えば、19−23個のヌクレオチドの長さを有する2つのRNA鎖を合成する工程であって前記RNA鎖は二重鎖RNA分子を形成する能力があり、好ましくは、少なくとも1つの鎖は1−5個のヌクレオチドの3’−オーバーハングを有する工程と、(b)合成RNA鎖を、二重鎖RNA分子が形成される条件下で結合する工程とを含む方法によって調製されうる。二重鎖RNA分子は、標的特異的核酸修飾、特にRNA妨害および/またはDNAメチル化を仲介する能力がある。
RNA分子を合成する方法は技術上周知である。一本鎖RNAは、合成DNAテンプレートから、または組換え細菌から単離されたDNAプラスミドから酵素転写によっても調製されうる。通常、ファージRNAポリメラーゼは、T7、T3、またはSP6RNAポリメラーゼなどが使用される。
本発明の別の態様は、標的特異的核酸修飾が発生しうる条件下で本発明の二重鎖RNA分子と細胞または生物を接触させ、かつBFLP0169標的核酸に向けて二重鎖RNAによってもたらされる標的特異的核酸修飾を仲介することによって、BFLP0169特異的核酸修飾、特にRNA妨害および/またはDNAメチル化を仲介する方法に関する。
BFLP0169ポリペプチド
本発明のBFLP0169ポリペプチドは、その配列が配列番号2で示されているBFLP0169様蛋白を含む。本発明は、開示されたBFLP0169ポリペプチドの、または本明細書で開示されたBFLP0169ポリペプチド配列のフラグメントのいずれかの変異体もしくは変種も含む。
したがって、BFLP0169ポリペプチドは、いずれかの残基が配列番号2に示されている対応する残基から変化しうるが、そのBFLP0169様活性および生理的機能、またはその機能的フラグメントを維持する蛋白を依然としてコード化するポリペプチドを含む。一部の実施形態においては、20%までもしくはそれ以上の残基が変異体または変種蛋白において変化しうる。一部の実施形態においては、本発明によるBFLP0169ポリペプチドは成熟ポリペプチドである。
ラパマイシン結合ドメイン
ラパマイシン結合ドメイン含有BFLP0169ポリペプチド配列(例えば、配列番号2の全部または一部を含むポリペプチド)の領域を同定するために、BFLP0169ポリペプチド配列の全コード配列、またはフラグメントをそのラパマイシン結合能について試験する。小さな分子へのポリペプチドの結合を測定するための当技術分野で周知の技術を用いることができる。例えば、ラパマイシンは標識されうる(すなわち、非放射性標識または放射性標識(例えば、14C、32P、H、または125Iで)、とともにBFLP0169ポリペプチド配列の一部または全部を含有するポリペプチドと混合されうる。ポリペプチドは場合により、検出を促進する部分を含み、例えば、ポリペプチドは、BFLP0169配列および非BFLP0169ポリペプチド配列を含む融合ポリペプチドでありうる。
BFLP0169ポリペプチド配列を含有するポリペプチドに特異的な試薬(
例えば、融合ポリペプチドの場合にBFLP0169に特異的な抗体、または非
BFLP0169ポリペプチドに特異的なプローブ)が混合物に添加される。試薬に結合する複合体は単離され、かつラパマイシンの存在を示す標識の存在が測定される。
一般に、BFLP0169様機能を保存するBFLP0169様変種は、配列中の特定の位置での残基が他のアミノ酸によって置換されている変種を含み、さらに親蛋白の2つの残基間に追加の残基を挿入する可能性、および親配列から1つもしくはそれ以上の残基を削除する能力を含む。アミノ酸置換、挿入、または削除は、本発明によって包含される。好ましい環境下、置換は上記規定されているように同類置換である。
本発明の一態様は、単離BFLP0169蛋白、およびその生物活性部分、またはその誘導体、フラグメント、類似体、もしくは相同体に関する。フラグメントは、配列番号2の連続するストレッチ、または配列番号2のインタースパースト部分を含んで成りうる。抗BFLP0169抗体に対する免疫原としての使用に適切なポリペプチドフラグメントも提供される。一実施形態においては、天然BFLP0169蛋白が、標準の蛋白精製法を用いて適切な精製スキームによって細胞または組織源から単離されうる。別の実施形態においては、BFLP0169蛋白は組換えDNA法によって製造される。組換え発現の代わりに、BFLP0169蛋白またはポリペプチドは標準のペプチド合成法を用いて化学的に合成されうる。
「精製された」蛋白またはその生物活性部分は、実質的に、BFLP0169蛋白が由来する組織または組織源からの細胞物質または他の混入蛋白を含まず、または実質的に、化学的に合成された場合に化学前駆体または他の化学薬品を含まない。「実質的に細胞物質を含まない」なる言葉は、蛋白が、それが単離され、または組換え技術によって製造される細胞の細胞物質から分離されるBFLP0169蛋白の調製物を含む。一実施形態においては、「実質的に細胞物質を含まない」なる言葉は、非BFLP0169蛋白(本明細書では「混入蛋白」とも呼ぶ)の約30%未満(乾燥重量)、より好ましくは、非BFLP0169蛋白の約20%未満、さらにより好ましくは非BFLP0169蛋白の約10%未満、かつ最も好ましくは、非BFLP0169蛋白の約5%未満を有するBFLP0169蛋白の調製物を含む。BFLP0169蛋白またはその生物活性部分が組換え技術で製造されている場合、実質的に培養培地を含まないことも好ましく、すなわち、培養培地は、蛋白調製物の体積の約20%未満、より好ましくは、約10%未満、かつ最も好ましくは、約5%未満を示す。
「実質的に化学前駆体または他の化学薬品を含まない」なる言葉は、その蛋白が、蛋白の合成に関与する化学前駆体または他の化学薬品から分離されるBFLP0169蛋白の調製物を含む。一実施形態においては、「実質的に化学前駆体または他の化学薬品含まない」なる言葉は、化学前駆体または非BFLP0169化学薬品の約30%未満(乾燥重量)、より好ましくは、化学前駆体または非BFLP0169化学薬品の約20%未満、さらにより好ましくは、化学前駆体または非BFLP0169化学薬品の約10%未満、かつ最も好ましくは、化学前駆体または非BFLP0169化学薬品の約5%未満を有するBFLP0169蛋白の調製物を含む。
BFLP0169蛋白の生物活性部分は、BFLP0169蛋白のアミノ酸配列に十分に相同またはそれに由来するアミノ酸配列、例えば、全長BFLP0169蛋白よりも少ないアミノ酸を含み、かつBFLP0169蛋白の少なくとも1つの活性を示す配列番号2に示されたアミノ酸配列を含むペプチドを含む。通常、生物活性蛋白は、BFLP0169蛋白の少なくとも1つの活性を有するドメインまたはモチーフを含む。BFLP0169蛋白の生物活性部分は、例えば、10、25、50、100個、またはそれ以上のアミノ酸の長さであるポリペプチドでありうる。
本発明のBFLP0169蛋白の生物活性部分は、BFLP0169蛋白間に保存された上記同定されたドメインの少なくとも1つを含有しうる。さらに、蛋白の他の領域が削除されている他の生物活性部分は、組換え技術によって調製され、天然BFLP0169蛋白の1つもしくはそれ以上の機能的活性について評価されうる。
実施形態において、BFLP0169蛋白は、配列番号2に示されたアミノ酸配列を有する。他の実施形態においては、BFLP0169蛋白は、実質的に配列番号2と相同であり、かつ配列番号2の蛋白の機能的活性を保持するが、以下で詳細に述べられるように、天然対立遺伝子の変種または変異誘発によりアミノ酸配列が異なる。したがって、別の実施形態においては、BFLP0169蛋白は、配列番号2のアミノ酸配列と少なくとも約45%相同であり、配列番号2のBFLP0169蛋白の機能的活性を保持するアミノ酸配列を含む蛋白である。
2つもしくはそれ以上の配列間の相同性の測定
2つのアミノ酸配列または2つの核酸配列の相同率を測定するために、配列は最適な比較目的のために整列される(例えば、ギャップが、配列間の最適なアラインメントについて比較される配列のいずれかに導入されうる)。次いで、対応するアミノ酸位置またはヌクレオチド位置でのアミノ酸残基またはヌクレオチドが比較される。第1の配列の位置が、第2の配列における対応する位置と同じアミノ酸残基またはヌクレオチドによって占有されている場合、各分子はその位置で相同である(すなわち、本明細書で用いられるアミノ酸または核酸の「相同性」は、アミノ酸または核酸の「同一性」と同等である)。
核酸配列の相同性は、2つの配列間の同一性の程度として測定されうる。相同性は、GCGプログラムパッケージで提供されるGAPソフトウェアなど、技術上周知のコンピュータプログラムを用いて測定されうる。核酸配列の比較のための以下の設定、すなわちGAP作成ペナルティー5.0、およびGAP拡大ペナルティー0.3によるGCG GAPソフトウェアを用いることによって、上述の類似核酸配列のコード領域は、配列番号1において示されたDNA配列のCDS(コード)部分と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%の同一性の程度を示す。
「配列同一性」なる用語は、2つのポリヌクレオチドまたはポリペプチド配列が、残基残基を基本として比較の特定の領域にわたって同一である程度を指す。「配列同一性のパーセンテージ」なる用語は、比較の領域にわたって2つの最適に整列された配列を比較し、同一の核酸塩基(例えば、核酸の場合、A、T、C、G、U、またはI)が両方の配列で生じる位置の数を測定し、対応位置の数を得て、対応位置の数を比較の領域における位置の総数(すなわち、ウィンドウサイズ)で割り、結果に100を掛け、配列同一性のパーセンテージを得ることによって計算される。本明細書で用いられる「実質的に同一性」なる用語は、そのポリヌクレオチドが、比較領域にわたる基準配列と比べ、少なくとも80パーセントの同一性、好ましくは、少なくとも85パーセントの同一性、かつ多くの場合、90〜95パーセントの配列同一性、より一般的には、少なくとも99パーセント配列同一性であるポリヌクレオチド配列の特徴を示す。「正の残基のパーセンテージ」なる用語は、比較の領域にわたって2つの最適に整列された配列を比較し、上記規定されているように、同一および同類のアミノ酸置換が両方の配列で生じる位置の数を測定し、対応位置の数を得て、対応位置の数を比較の領域における位置の総数(すなわち、ウィンドウサイズ)で割り、結果に100を掛け、正の残基のパーセンテージを得ることによって計算される。
キメラおよび融合蛋白
本発明は、BFLP0169キメラまたは融合蛋白も提供する。本明細書で用いられるように、BFLP0169「キメラ蛋白」または「融合蛋白」は、非BFLP0169ポリペプチドに操作可能に結合されるBFLP0169ポリペプチドを含む。「BFLP0169ポリペプチド」は、BFLP0169に対応するアミノ酸配列を有するポリペプチドを指すが、「非BFLP0169ポリペプチド」は、BFLP0169蛋白と実質的に相同ではない蛋白、例えば、BFLP0169蛋白と異なり、かつ同一または異なる生物由来の蛋白に対応するアミノ酸配列を有するポリペプチドを指す。BFLP0169融合蛋白内では、BFLP0169ポリペプチドがBFLP0169蛋白の全部または部分に対応しうる。BFLP0169融合ポリペプチドの例は、配列番号2のアミノ酸21−230を含むポリペプチド(例えば、配列番号2のアミノ酸1−246またはアミノ酸21−246を含むポリペプチド)である。一実施形態においては、BFLP0169融合蛋白は、BFLP0169蛋白の少なくとも2つの生物活性部分を含む。別の実施形態においては、BFLP0169融合蛋白は、BFLP0169蛋白の少なくとも2つの生物活性部分を含む。融合蛋白内では、「操作可能に結合される」なる用語は、BFLP0169ポリペプチドおよび非BFLP0169ポリペプチドが互いにフレーム単位で融合されることを意図とするものである。非BFLP0169ポリペプチドは、BFLP0169ポリペプチドのN末端またはC末端に融合されうる。
例えば、一実施形態においては、BFLP0169融合蛋白は、第2の蛋白の細胞外ドメイン、すなわち、非BFLP0169蛋白、または第2の蛋白の膜貫通および細胞内ドメイン、すなわち、非BFLP0169蛋白のいずれかに操作可能に結合されるBFLP0169ポリペプチドを含む。かかる融合蛋白は、さらにBFLP0169活性を調節する化合物のスクリーニングアッセイにおいて利用されうる(かかるアッセイは以下で詳細に記載される)。
別の実施形態においては、融合蛋白はGST−BFLP0169融合蛋白であり、ここでBFLP0169配列はGST(すなわち、グルタチオンS−トランスフェラーゼ)配列のC末端に融合される。かかる融合蛋白は、組換えBFLP0169の精製を促進しうる。
別の実施形態においては、融合蛋白は、BFLP0169−免疫グロブリン融合蛋白であり、ここで1つもしくはそれ以上のドメインを含むBFLP0169配列は、免疫グロブリン蛋白ファミリーのメンバー由来の配列に融合される。
BFLP0169リガンド/BFLP0169相互作用の抑制は、増殖性障害と分化誘導性障害、例えば、癌、調節(例えば、促進または抑制)細胞生存、ならびに免疫調節障害、自己免疫、移植のほか、サイトカインおよびケモカインカスケード機構の変化による炎症の治療に使用されうる。さらに、本発明のBFLP0169−免疫グロブリン融合蛋白は、対象における抗−BFLP0169抗体を生成する免疫原として使用され、BFLP0169リガンドを精製し、かつスクリーニングアッセイにおいて、BFLP0169リガンドとのBFLP0169の相互作用を抑制する分子を同定しうる。
本発明のBFLP0169キメラまたは融合蛋白は、標準の組換えDNA技術によって製造されうる。例えば、異なるポリペプチド配列をコード化するDNAフラグメントは、従来の技法に従い、例えば、ライゲーション、制限酵素消化のための平滑(blunt)末端またはジグザグ(stagger)末端を使用することによってフレーム単位でいっしょにライゲートし、適切な末端、必要に応じて付着端の穴埋め、望ましくない結合を回避するアルカリホスファターゼ処置、および酵素ライゲーションを提供する。別の実施形態においては、融合遺伝子は、自動DNA合成装置を含む従来の技法によって合成されうる。あるいは、その後にアニーリングされ、再増幅されてキメラ遺伝子配列を生成しうる2つの連続的遺伝子フラグメント間に相補的オーバーハングが生じるアンカープライマーを用いて遺伝子フラグメントのPCR増幅が実施されうる。さらに、すでに融合部分(例えば、GSTポリペプチド)をコード化する多くの発現ベクターが市販されている。BFLP0169コード核酸が、融合部分がBFLP0169蛋白にフレーム単位で結合されるように、かかる発現ベクターにクローン化されうる。
必要に応じて、BFLP0169蛋白コード配列のフラグメントのライブラリーを用いて、BFLP0169蛋白の変種のスクリーニングおよびその後の選択のために変化に富んだ集団のBFLP0169フラグメントを生成することができる。
BFLP0169抗体
本発明にはBFLP0169蛋白に対する抗体、またはBFLP0169蛋白のフラグメントも含まれる。本明細書で用いられる「抗体」なる用語は、免疫グロブリン分子、および免疫グロブリン(Ig)分子、すなわち、抗原に特異的に結合する(免疫反応する)抗原結合部位を含有する分子の免疫活性部分を指す。かかる抗体としては、ポリクローナル、モノクローナル、キメラ、一本鎖、Fab、Fab’、およびF(ab’)2フラグメント、およびFab発現ライブラリーが挙げられるが、これらに限定されない。一般に、ヒトから得られる抗体分子は、クラスIgG、IgM、IgA、IgE、およびIgDのいずれかに関係するが、これらは分子中に存在する重鎖の性質によって互いに異なる。一部のクラスは、IgG、IgGなどのサブクラスも有する。さらに、ヒトにおいては、軽鎖はカッパ鎖またはラムダ鎖でありうる。本明細書での抗体への言及は、かかるクラス、サブクラス、およびヒト抗体種の型すべてへの言及を含む。
本発明の単離BFLP0169関連蛋白は、抗原、もしくはその部分またはフラグメントとしての機能を果たすことが意図されうるが、さらに、ポリクローナルおよびモノクローナル抗体の調製用の標準の技法を用いて、抗原に特異的に結合する抗体を生成する免疫原として使用されうる。全長蛋白を使用することができ、あるいは、本発明は、免疫原用としての抗原の抗原ペプチドフラグメントを提供する。抗原ペプチドフラグメントは、配列番号2に示されているアミノ酸配列など全長蛋白のアミノ酸配列の少なくとも6個のアミノ酸残基を含んで成り、かつペプチドに対する抗体が全長蛋白またはエピトープを含有するフラグメントを有する特異的な免疫複合体を形成するようにそのエピトープを包含する。好ましくは、抗原ペプチドは、少なくとも10個のアミノ酸残基、または少なくとも15個のアミノ酸残基、または少なくとも20個のアミノ酸残基、または少なくとも30個のアミノ酸残基を含む。抗原ペプチドによって包囲される好ましいエピトープは、その表面上に位置する蛋白の領域であり、一般的にこれらは親水性領域である。
本発明の一部の実施形態においては、抗原ペプチドによって包囲された少なくとも1つのエピトープは、蛋白の表面上に位置するBFLP0169関連蛋白の領域、例えば、親水性領域である。ヒトBFLP0169関連蛋白配列の疎水性分析は、BFLP0169関連蛋白の領域が特に親水性であり、したがって、抗体生成を標的にするために有用な表面残基をコードしやすいことを示す。抗体生成を標的にするための手段としては、親水性および疎水性の領域を示すハイドロパシープロットが、例えば、フーリエ変換の有無にかかわらず、Kyte DoolittleまたはHopp Woods法を含む技術上公知の方法によって生成されうる。KyteとDoolitleプロットがBFLP0169蛋白について生成されたが、これは以下の表5に示されている。
Figure 2006516388
本発明のBFLP0169蛋白、またはそのフラグメントをコード化する新規な核酸は、さらに診断用途において有用でありうるが、ここでは核酸または蛋白の存在または量が評価される。これらの材料は、治療法または診断法における使用の本発明の新規な物質に免疫特異的に結合する抗体の生成において有用である。開示されたBFLP0169蛋白は複数の親水性領域を有し、その各々が免疫原として使用されうる。一実施形態においては、検討されたBFLP0169エピトープは、約アミノ酸20〜90である。別の実施形態においては、BFLP0169エピトープは、約アミノ酸100〜130である。さらなる実施形態においては、BFLP0169エピトープは、約アミノ酸140〜220、約アミノ酸240〜250、約アミノ酸280〜290、約アミノ酸330〜340、約アミノ酸370〜380、約アミノ酸400〜410、約アミノ酸450〜520、約アミノ酸530〜540、約アミノ酸640〜650、約アミノ酸720〜730、約アミノ酸800〜820、約アミノ酸850〜855、約アミノ酸900〜910、約アミノ酸920〜930、約アミノ酸940〜950、約アミノ酸970〜990、約アミノ酸1000〜1030、約アミノ酸1060〜1080、約アミノ酸1100〜1110、約アミノ酸1170〜1180、約アミノ酸1190〜1210、約アミノ酸1250〜1280、約アミノ酸1310〜1320、約アミノ酸1350〜1370、約アミノ酸1400〜1420、約アミノ酸1430〜1440、約アミノ酸1500〜1560、約アミノ酸1600〜1610、約アミノ酸1650〜1690、約アミノ酸1700〜1710、および約アミノ酸1720〜1730である。
抗原蛋白、またはその誘導体、フラグメント、類似体、または相同体内の1つもしくはそれ以上のドメインに特異的である抗体も本発明では提供される。
本発明の蛋白、またはその誘導体、フラグメント、類似体、相同体、またはオーソログは、これらの蛋白成分に特異的に結合する抗体の生成における免疫原として利用されうる。
技術内で周知の種々の方法が、本発明の蛋白に対する、もしくはその誘導体、フラグメント、類似体、相同体、またはオーソログに対するポリクローナルまたはモノクローナル抗体の製造のために使用されうる。本明細書で用いられる「モノクローナル抗体」(MAb)または「モノクローナル抗体組成物」なる用語は、独自の軽鎖遺伝子産物および独自の重鎖遺伝子産物から成る抗体分子の唯一の分子種を含有する抗体分子の集団を指す。
本発明の蛋白抗原に対する抗体はさらに、ヒト化抗体またはヒト抗体を含んで成りうる。抗体のヒト化形態としては、主にヒト免疫グロブリンの配列から成り、かつ非ヒト免疫グロブリン由来の最小限の配列を含有するキメラ免疫グロブリン、免疫グロブリン鎖、またはそのフラグメント(Fv、Fab、Fab’、F(ab’)、または抗体の他の抗原−結合sub配列など)が挙げられる。
抗体はヒト抗体、例えば、軽鎖および重鎖の両方の実質的にすべての配列が、CDRを含めて、ヒト遺伝子から生じる抗体分子でもありうる。ヒトモノクローナル抗体は、trioma法、すなわちヒトB細胞ハイブリドーマ法およびEBVハイブリドーマ法によって調製されうる。
ヒト抗体は、ファージディスプレイライブラリーを用いて、またはヒト免疫グロブリン遺伝子座をトランスジェニック動物、例えば、内因性免疫グロブリン遺伝子が部分的または完全に不活性化されているマウスに導入することによっても製造されうる。ヒト抗体はさらに、抗原によるチャレンジに反応して動物の内因性抗体ではなく完全にヒト抗体を製造するために修飾されているヒト以外のトランスジェニック動物を用いて製造されうる。
本発明は、本発明の抗原蛋白に特異的な一本鎖抗体も提供する。また、各方法が、Fab発現ライブラリーの構成に適合され、蛋白、もしくはその誘導体、フラグメント、類似体、または相同体に対する所望の特異性を有するモノクローナルFabフラグメントの迅速かつ有効な同定を可能にする。蛋白抗原に対するイディオタイプを含有する抗体フラグメントが、(i)抗体分子のペプシン消化によって製造されるF(ab’)2フラグメント、(ii)F(ab’)2フラグメントのジスルフィドブリッジを削減することによって生成されるFabフラグメント、(iii)パパインおよび還元剤による抗体分子の処理によって生成されるFabフラグメント、および(iv)Fフラグメントを含むが、これらに限定されない技術上周知の方法によって製造されうる。
本発明によって二重特異性抗体も提供される。二重特異性抗体はモノクローナル抗体、好ましくは、少なくとも2種類の抗原に対する結合特異性を有するヒトまたはヒト化抗体である。結合特異性の1つは、本発明の抗原蛋白に対するものである。第2の結合標的は他の抗原であり、有利であるのは、細胞表面蛋白、もしくは受容体または受容体サブユニットである。
必要に応じて、所望の結合特異性(抗体−抗原結合部位)を有する抗体可変ドメインは、免疫グロブリン不変ドメイン配列に融合されうる。融合は、ヒンジ領域、CH2領域、およびCH3領域の少なくとも一部を含む、免疫グロブリン重鎖ドメインとによるのが好ましい。融合の少なくとも1つに存在する軽鎖結合に必要な部位を含有する第1の重鎖不変領域(CH1)を有することが好ましい。
二重特異性抗体は、全長抗体または抗体フラグメント(例えば、F(ab’)二重特異性抗体)として提供されうる。
本発明の範囲内には、2つより多くの結合価を有する抗体(三重特異性抗体など)もある。
模範的な二重特異性抗体は、2種類のエピトープに結合し、少なくともその1つは本発明の蛋白抗原に由来する。
本発明は、2つの共有結合抗体を含む、ヘテロ共役抗体をも含む。
本発明の抗体は修飾され、その機能を変化(例えば、増強または減少)させることができる。例えば、システイン残基はFc領域へ導入され、それによってこの領域における鎖間ジスルフィド結合形成を可能にしうる。本発明は、化学治療薬、毒素(例えば、細菌、真菌、植物、もしくは動物源、またはそのフラグメントの酵素活性毒素)、または放射性同位体(すなわち、放射性複合体)など細胞毒性剤に結合される抗体を含む免疫複合体をも含む。
使用されうる酵素活性毒素およびそのフラグメントとしては、ジフテリアA鎖、ジフテリア毒素の非結合活性フラグメント、毒素A鎖(緑膿菌由来)、リシンA鎖、アブリンA鎖、モデシンA鎖(modeccin A chain)、アルファ−サルシン、シナアブラギリ(Aleurites fordii)蛋白、ジアンチン蛋白、ヨウシュヤマゴボウ(Phytolaca americana)蛋白(PAPI、PAPII、およびPAP−S)、ニガウリ阻害剤、クルシン、クロチン、サパオナリアオフィシネイル(sapaonaria officinalis)阻害剤、ゲロニン、ミトゲリン、レストリクトシン、フェノマイシン、エノマイシン、およびトリコテセンが挙げられる。種々の放射性核種が放射性結合抗体の製造のために利用可能である。例としては、212Bi、131I、131In、90Y、および186Reが挙げられる。
抗体は、腫瘍前標的における利用のために「受容体」(ステレプトアビジンなど)に結合されうるが、ここで抗体受容体複合体は患者に投与された後、非結合複合体の循環から除去剤を用いて除去され、次いで順に細胞毒性剤に結合される「リガンド」(例えば、アビジン)が投与される。
BFLP0169組換え発現ベクターおよび宿主細胞
本発明の別の態様は、ベクター、好ましくは、BFLP0169蛋白、もしくはその誘導体、フラグメント、類似体、または相同体をコード化する核酸を含有する発現ベクターに関する。本明細書で用いられるように、「ベクター」なる用語は、それが結合されている別の核酸を輸送する能力がある核酸分子を指す。ベクターの1つの種類は「プラスミド」であり、これは追加のDNA部分がライゲートされうる円形二重鎖DNAループを指す。別の種類のベクターはウイルスベクターであり、ここでは追加のDNA部分がウイルスベクターへライゲートされうる。一部のベクターは、それらが導入される宿主細胞における自己複製が可能である(例えば、複製の細菌起源を有するベクターおよびエピソーム哺乳動物ベクター)。他のベクター(例えば、非エピソーム哺乳動物ベクター)は、宿主細胞への導入と同時に宿主細胞のゲノムへ組込まれ、それによってそれらが組込まれた宿主ゲノム配列といっしょに複製される。さらに、一部のベクターは、それらが操作可能に結合される遺伝子の発現を方向付ける能力がある。かかるベクターは本明細書では「発現ベクター」と呼ばれる。「プラスミド」および「ベクター」は、プラスミドは最も一般的に使用されるベクターの形態であるため交換可能に使用されうる。しかし、本発明は、同等の機能を果たすウイルスベクター(例えば、複製欠損レトロウイルス、アデノウイルス、およびアデノ関連性ウイルス)など発現ベクターの他の形態を含むことが意図されている。
組換え発現ベクター内には、「操作可能に結合される」は、当該ヌクレオチド配列が、ヌクレオチド配列の発現を(例えば、ベクターが宿主細胞へ導入される場合にインビトロ転写/翻訳系において)可能にする形で調節配列に結合されることを意味することが意図されている。「調節配列」なる用語は、プロモーター、エンハンサー、および他の発現制御要素(例えば、ポリアデニル化シグナル)を含むことが意図されている。調節配列は、多くの種類の宿主細胞におけるヌクレオチド配列の構成的発現を方向付け、かつ特定の宿主細胞においてのみヌクレオチド配列(例えば、細胞特異的調節細胞)の発現を方向付けるものを含む。本発明の発現ベクターは、宿主細胞へ導入され、それによって、本明細書で記載されている核酸によってコードされる融合蛋白またはペプチド(例えば、BFLP0169蛋白、BFLP0169蛋白の変異形態、融合蛋白等)を含む蛋白またはペプチドを生成しうる。
本発明の組換え発現ベクターは、原核または真核細胞におけるBFLP0169蛋白の発現のためにデザインされうる。例えば、BFLP0169蛋白は、大腸菌(Escherichia.coli)など細菌細胞、昆虫細胞(バキュロウイルス発現ベクターを使用)酵母細胞、または哺乳動物細胞において発現されうる。あるいは、組換え発現ベクターは、インビトロで、例えば、T7プロモーター調節配列およびT7ポリメラーゼを用いて転写および翻訳されうる。
さらに別の実施形態においては、本発明の核酸は哺乳動物発現ベクターを用いて哺乳動物細胞において発現される。哺乳動物の発現ベクターの例としては、pCDM8およびpMT2PCが挙げられる。哺乳動物細胞で使用されると、発現ベクターの制御機能は多くの場合、ウイルス調節要素によって提供される。例えば、一般的に使用されるプロモーターは、ポリオーマ、アデノウイルス2、サイトメガロウイルス、およびシミアンウイルス40由来である。原核細胞および真核細胞の他の適切な発現系。
別の実施形態においては、組換え哺乳動物発現ベクターは、特定の細胞型において優先的に核酸の発現を方向付ける能力がある(例えば、組織特異的調節要素が核酸を発現するために使用される)。組織特異的調節要素は技術上周知である。適切な組織特異的プロモーターの非限定実施齢としては、アルブミンプロモーター(肝特異的)、リンパ系特異的プロモーター、特にT細胞受容体および免疫グロブリンのプロモーター、ニューロン特異的プロモーター(例えば、ニューロフィラメントプロモーター)、膵特異的プロモーター、および乳腺特異的プロモーター(例えば、乳漿プロモーター)が挙げられる。発生学的に調節されるプロモーター、例えば、マウスホメオボックスプロモーター(murine hox promoters)およびα−フェトプロテインプロモーターも包含される。
本発明はさらに、アンチセンス方向で発現ベクターへクローン化された本発明のDNA分子を含む組換え発現ベクターを提供する。すなわち、DNA分子は、BFLP0169mRNAに対してアンチセンスであるRNA分子の発現(DNA分子の転写によって)を可能にする形で調節配列に操作可能に結合される。さまざまな細胞型のアンチセンスRNA分子、例えばウイルスプロモーターおよび/またはエンハンサーの連続的発現を方向付けるアンセンス方向でクローン化された核酸へ操作可能に結合された調節配列が選択され、またはアンチセンスRNAの構成的、組織特異的、または細胞型特異的発現を方向付ける調整配列が選択されうる。アンチセンス発現ベクターは、アンチセンス核酸が高効率の調節領域の制御下に製造される組換えプラスミド、ファージミド(phagemi)、または弱毒化ウイルスの形でありうるが、その活性は、ベクターが導入される細胞型によって測定されうる。
本発明の別の態様は、本発明の組換え発現ベクターが導入されている宿主細胞に関する。「宿主細胞」および「組換え宿主細胞」なる用語は、本明細書で交換可能に使用される。かかる用語は、特定の対象の細胞だけではなく、かかる細胞の子孫または潜在的子孫も指すことが理解される。一部の修飾が突然変異または環境的影響のいずれかにより後続世代で起こりうるため、かかる子孫は、実際には、親細胞と同一ではありえず、依然として本明細書で用いられる用語の範囲内に含まれている。
宿主細胞は、原核または真核細胞でありうる。例えば、BFLP0169蛋白は、大腸菌(E.coli)など細菌細胞、昆虫細胞、酵母または哺乳動物細胞(ヒト、チャイニーズハムスター卵巣由来細胞(CHO)またはCOS細胞など)において発現しうる。他の適切な宿主細胞は当業者に周知である。
選択可能なマーカー(例えば、抗生物質に対する耐性)をコード化する遺伝子は、一般に当該遺伝子といっしょに宿主細胞へ導入される。種々の選択可能なマーカーとしては、G418、ハイグロマイシン、およびメトトレキセートなどの薬物に対する耐性を与えるものが挙げられる。選択可能なマーカーをコード化する核酸が、BFLP0169をコード化するものと同じベクターで宿主細胞へ導入され、または別個のベクターで導入されうる。導入された核酸で安定して形質転換された細胞は、薬物選択によって同定されうる(例えば、選択可能マーカー遺伝子は組込まれた細胞は生存するが、他の細胞は死ぬ)。
培養中の原核または真核宿主細胞など、本発明の宿主細胞は、BFLP0169蛋白を製造(すなわち、発現)するために使用されうる。したがって、本発明はさらに、本発明の宿主細胞を用いてBFLP0169蛋白を製造するための方法を提供する。一実施形態においては、この方法は、BFLP0169蛋白が製造されるように適切な培地で(BFLP0169蛋白をコード化する組換え発現ベクターが導入されている)本発明の宿主細胞を培養する工程を含む。別の実施形態においては、この方法はさらに、BFLP0169蛋白を培地または宿主細胞から単離する工程を含む。
トランスジェニックBFLP0169動物
本発明の宿主細胞は、ヒト以外のトランスジェニック動物を製造するためにも使用されうる。例えば、一実施形態においては、本発明の宿主細胞は、BFLP0169蛋白コード配列が導入されている受精卵母細胞または胚幹細胞である。次いで、かかる宿主細胞を用いて、内因性BFLP0169配列が変化されているゲノムまたは相同組換え動物へ外因性BFLP0169配列が導入されているヒト以外のトランスジェニック動物を作出するために使用されうる。かかる動物は、BFLP0169蛋白の機能および/または活性を研究し、かつBFLP0169蛋白活性のモジュレータを同定および/または評価するために有用である。本明細書で用いられる「トランスジェニック動物」は、ヒト以外の動物、好ましくは、哺乳動物であり、より好ましくは、1つもしくはそれ以上の動物の細胞がトランス遺伝子を含む、ラットまたはマウスなどの齧歯類である。トランスジェニック動物の他の例は、ヒト以外の霊長類、ヒツジ、イヌ、ウシ、ヤギ、ニワトリ、両生類等を含む。トランス遺伝子は、トランスジェニック動物がそこから発生する細胞のゲノムへ組込まれており、かつ成熟動物のゲノムに残存し、それによってコード遺伝子産物の発現を1つもしくはそれ以上の細胞型またはトランスジェニック動物の細胞に方向付ける外因性DNAである。本明細書で用いられる「相同組換え動物」はヒト以外の動物、好ましくは哺乳動物であり、より好ましくは、内因性BFLP0169遺伝子が動物の細胞、例えば、動物の発生前の動物の胚細胞へ導入された内因性遺伝子と外因性DNA分子との間の相同組換えによって変化しているマウスである。
本発明のトランスジェニック動物は、BFLP0169コード核酸を受精卵細胞の雄性前核へ(例えば、マイクロインジェクション、レトロウイルス感染によって)導入し、卵細胞を偽妊娠雌性里親動物において発生させることによって作製されうる。配列番号1を含む配列は、トランス遺伝子としてヒト以外の動物のゲノムへ導入されうる。あるいは、マウスBFLP0169遺伝子など、ヒトBFLP0169遺伝子のヒト以外の相同体は、ヒトBFLP0169cDNAへのハイブリダイゼーションに基づき単離され(詳細は上記)、トランス遺伝子として使用されうる。イントロン配列およびポリアデニル化シグナルは、トランス遺伝子の発現の効率を増大させるトランス遺伝子にも含まれうる。組織特異的調節配列は、操作性にBFLP0169トランス遺伝子に結合され、BFLP0169蛋白の発現を特定の細胞に方向付けられうる。胚操作およびマイクロインジェクションによってトランスジェニック動物、特にマウスなどの動物を生成するための方法は、技術上慣用となった。同様の方法は、他のトランスジェニック動物の製造に使用されている。トランスジェニック創始動物は、動物の組織または細胞におけるBFLP0169mRNAのそのゲノムおよび/または発現におけるBFLP0169トランス遺伝子の存在に基づき同定されうる。次いで、トランスジェニック創始動物を用いて、トランス遺伝子を有する追加の動物を繁殖させることができる。その上、トランス遺伝子を有するBFLP0169蛋白を有するトランスジェニック動物を他のトランス遺伝子を有するトランスジェニック動物にさらに繁殖させられうる。
相同組換え動物を作出するために、その中に欠失、付加、または置換が導入されており、それによってBFLP0169遺伝子を変化させる、例えば、機能的に支障をきたす、少なくとも一部分のBFLP0169遺伝子を含有するベクターが調製される。BFLP0169遺伝子はヒト遺伝子(例えば、配列番号1のDNA)でありうるが、より好ましくは、ヒトBFLP0169遺伝子のヒト以外の相同体である。例えば、配列番号1のヒトBFLP0169遺伝子のマウス相同体を用いて、マウスゲノムにおける内因性BFLP0169遺伝子を変化させるために適切な相同組換えベクターを構成することができる。一実施形態においては、ベクターは、相同組換えと同時に、内因性BFLP0169遺伝子が機能的に支障をきたすようにデザインされる(すなわち、もはや機能的蛋白をコードしなくなり、これは「ノックアウト」ベクターとも呼ばれる)。
あるいは、ベクターは、相同組換えと同時に、内因性BFLP0169遺伝子が突然変異し、または変化するが、依然として機能的蛋白をコード化するようにデザインされうる(例えば、上流の調節領域を変化させ、それによって内因性BFLP0169蛋白の発現を変化させることができる)。相同組換えベクターにおいては、BFLP0169遺伝子の変化部分は、BFLP0169遺伝子の追加核酸によってその5’および3’末端でフランキングされ、ベクターによって行われる外因性BFLP0169遺伝子と胚幹細胞における内因性BFLP0169遺伝子との間で相同組換えを生じさせる。追加のフランキングBFLP0169核酸は、内因性遺伝子による有効な相同組換えのために十分な長さである。通常、数キロベースのフランキングDNA(5’および3’末端の両方での)がベクターには含まれる。次いで、ベクターは、胚幹細胞系へ導入され(例えば、エレクトロポレーションによって)、導入BFLP0169遺伝子が内因性BFLP0169遺伝子で相同組換えした細胞が選択される。
次いで、選択された細胞は、動物(例えば、マウス)の胚盤胞へ注入され、凝集キメラを形成する。次いで、キメラ胚は適切な偽妊娠雌性里親動物へ移植され、胚は出産に導かれる。その生殖細胞において相同組換えDNAを宿す子孫を用いて、動物の全細胞がトランス遺伝子の生殖細胞系伝達によって相同組換えDNAを含有する動物を繁殖させることができる。
別の実施形態においては、トランス遺伝子の調節発現を可能にする選択系を含有するヒト以外のトランスジェニック動物を製造することができる。かかる系の一例が、バクテリオファージP1のcre/loxPリコンビナーゼ系である。cre/loxPリコンビナーゼ系の説明のために。リコンビナーゼ系の別の例は、サッカロマイセンス・セレヴィシエ(Saccharomyces cerevisiae)のFLPリコンビナーゼ系である。cre/loxPリコンビナーゼ系は、トランス遺伝子の発現を調節するために使用される場合は、Creリコンビナーゼと選択蛋白の両方をコード化するトランス遺伝子を含有する動物が必要である。かかる動物は、「二重」トランスジェニック動物の構成により、例えば、一方は選択蛋白をコード化するトランス遺伝子を含有し、他方はリコンビナーゼをコード化するトランス遺伝子を含有する2つのトランスジェニック動物を交配することによって提供されうる。
本明細書で記載されているヒト以外のトランスジェニック動物のクローンは、従来の方法によっても製造されうる。手短に言えば、トランスジェニック動物からの細胞(例えば、体細胞)を単離し、増殖サイクルを脱出してG期へ入るように誘発することができる。次いで、静止細胞を、例えば、電気パルスの使用により、静止細胞が単離される同じ種の動物からの除核卵母細胞に融合することができる。次いで、再構成卵母細胞は、それが桑実胚または未分化胚芽細胞に発達するように培養され、次いで偽妊娠雌性里親動物に移される。この雌性里親動物の子孫は、細胞(例えば、体細胞)が単離される動物のクローンとなる。
BFLP0169核酸を検出し、ループス腎炎診断する方法
BFLP0169核酸および/またはポリペプチドを検出する試薬を用いて、サンプル中のBFLP0169RNAおよび/または蛋白配列のレベルを検出することができる。BFLP0169RNAのレベル上昇はループス腎炎を有する動物で確認されるため、BFLP0169RNAおよび/またはBFLP0169ポリペプチドの増強レベルの検出は、対象におけるループスの存在または素因を示す。また、未治療ループスと比べ治療ループス対象におけるBFLP0169RNAのレベル低下は、非ループス状態への復帰を示す。したがって、ループス治療の効果は、治療集団からのサンプル中のBFLP0169RNAまたは蛋白レベルを、罹患しているが未治療のサンプル(または短期間治療された個体からのサンプル)と比較することによってモニタリングされうる。
BFLP0169RNAのレベルは、そのループス状態が未知である対象からの被験細胞集団におけるレベルを、そのループス状態が既知である基準細胞集団におけるレベルと比較することによって評価されうる。したがって、被験細胞集団は通常、BFLP0169遺伝子を発現する能力がある少なくとも1つの細胞を含むことになる。「発現する能力がある」によって、遺伝子が細胞中に完全な形で存在し、発現されうることが意味される。次いで、BFLP0169配列の発現が、存在する場合には、検出され、かつ、好ましくは、技術上周知の方法を用いて測定される。例えば、本明細書で開示されたBFLP0169配列を用いて、例えば、ノーザンブロットハイブリダイゼーション分析またはBFLP0169特異的核酸配列を特異的に、かつ、好ましくは、量的に増幅する方法でBFLP0169RNA配列を検出するためのプローブを構成することができる。あるいは、配列を用いて、例えば、逆転写ベースのポリメラーゼ連鎖反応など増幅ベースの検出方法でBFLP0169配列を特異的に増幅するためのプライマーを構成することができる。
BFLP0169発現は蛋白レベルで、すなわち、BFLP0169ポリペプチドのレベルを測定することによっても測定されうる。かかる方法は技術上公知であり、例えば、遺伝子によってコードされる蛋白に対する抗体に基づく免疫アッセイを含む。
細胞の被験および対照集団の発現は、核酸配列の発現を比較するための技術上認知された方法を用いて比較されうる。被験細胞集団中の遺伝子発現プロフィールの基準細胞集団との比較が、測定されたパラメータの存在、または程度を示すかどうかは、基準細胞集団の組成に依存する。例えば、基準細胞集団が無ループス対象からの細胞から成る場合は、被験細胞集団および基準細胞集団における同様の遺伝子発現レベルは、被験細胞集団が無ループス対象由来であることを示す。反対に、基準細胞集団が罹患対象からの細胞で構成されている場合は、被験細胞集団と基準細胞集団との間の同様の遺伝子発現プロフィールが、被験細胞集団はループスを有する対象由来であることを示す。
種々の実施形態においては、被験細胞集団におけるBFLP0169配列は、その発現レベルが、基準細胞集団におけるBFLP0169転写のレベルに対して2.0、1.5、または1.0倍の因数内で変動する場合は、基準細胞集団におけるADIPO配列の発現レベルと発現レベルが同等であるとみなされる。種々の実施形態においては、被験細胞集団におけるBFLP0169配列は、その発現レベルが、基準細胞集団における対応するBFLP0169配列の発現レベルから1.0、1.5、2.0倍、もしくはそれ以上だけ基準細胞集団から変動する場合は、発現のレベルが変化しているとみなしうる。
必要に応じて、被験細胞集団と基準細胞集団との間で違った形で発現される配列の比較は、その発現が測定されるパラメータまたは状態と無関係である対照核酸に対して行われうる。被験および基準核酸における対照核酸の発現レベルを用いて、比較集団におけるシグナルレベルを標準化することができる。適切な対照核酸は当業者によって容易に測定されうる。
一部の実施形態においては、被験細胞集団は、多数の基準細胞集団と比較される。多数の基準集団の各々は既知のパラメータが異なりうる。したがって、被験細胞集団が、ループスを有することが既知の対象からの第1の基準細胞集団、およびループスを有さないことが既知の第2の基準集団と比較されうる。
曝露される被験細胞集団は、任意の数の細胞、すなわち、1個もしくはそれ以上の細胞でありうるとともに、インビトロ、インビボ、またはエクスビボで提供されうる。
好ましくは、基準細胞集団における細胞は、被験細胞とできる限り類似の組織型、例えば腎組織由来である。一部の実施形態においては、対照細胞は被験細胞と同じ対象由来である。他の実施形態においては、基準細胞集団は多数の対象からの複数の細胞由来である。例えば、基準細胞集団は、以前に試験された細胞からの発現パターンのデータベースでありうる。
対象は好ましくは哺乳動物である。哺乳動物は、例えば、ヒト、ヒト以外の霊長動物、マウス、ウサギ、イヌ、ネコ、ウマ、またはウシでありうる。
医薬組成物
本発明のBFLP0169核酸分子、BFLP0169蛋白、および抗BFLP0169抗体(本明細書では「活性化合物」とも呼ばれる)、およびその誘導体、フラグメント、類似体、および相同体を投与に適切な医薬組成物へ組込むことができる。かかる組成物は通常、核酸分子、蛋白、または抗体、および医薬上許容される担体を含む。本明細書で用いられる「医薬上許容される担体」は、薬剤の投与と適合性の溶媒、分散溶剤、コーティング剤、抗菌および抗真菌剤、等張性および吸収遅延剤などのいずれかおよびすべてを含むことが意図されている。適切な担体は、レミントン薬剤学(Remington’s Pharmaceutical Sciences)の最新版に記載されているが、これは当分野における標準の基準教科書であり、本明細書で参照によって援用されている。かかる担体または希釈剤の好ましい例としては、水、食塩水、リンゲル溶液、デキストローズ溶液、および5%ヒト血清アルブミンが挙げられるが、これらに限定されない。リポソーム、および不揮発性油などの非水性賦形剤も使用されうる。医薬活性物質用のかかる溶剤および薬剤の使用は技術上周知である。従来の溶剤または薬剤が活性化合物と不適合である場合を除き、組成物中でのその使用が検討される。補助活性化合物も組成物へ組込まれうる。
本発明の医薬組成物は、その所望の投与経路と適合性に調製される。投与経路の例としては、非経口、例えば、静脈内、皮内、皮下、経口(例えば、吸入)経皮(すなわち、局所)、経粘膜、および直腸投与が挙げられる。
注射使用に適切な医薬組成物としては、滅菌水溶液(水溶性)または分散液、および滅菌注射剤または分散剤の即時調製用の滅菌粉剤が挙げられる。
本明細書で用いられる投与単位形式は、治療される対象の単位投与量として適した物理的に個別的な単位を指し、各単位は、必要な医薬担体と関連して所望の治療効果をもたらすように計算された所定量の活性化合物を含有する。本発明の投与単位形式の明細事項は、活性化合物の独自の特性と達成される特定の治療効果、および個別の治療用のかかる活性化合物を化合する技術上固有の制限に直接依存することによって決定される。
持続放出製剤が調製されうる。持続放出製剤の適切な例としては、そのマトリックスが成形された物品、例えば、フィルム、またはマイクロカプセルの形である抗体を含有する固体の疎水性ポリマーの半透性マトリックスが挙げられる。持続放出マトリックスの例としては、ポリエステル、ヒドロゲル(例えば、ポリ(2−ヒドロキシエチル−メタクリレート)、またはポリ(ビニルアルコール))、ポリラクチド、L−グルタミン酸およびγエチル−L−グルタミン酸塩のコポリマー、非分解性エチレン−ビニル酢酸塩、分解性乳酸−グリコール酸コポリマー、例えば、LUPRON DEPOT(商標)(乳酸−グリコール酸コポリマーおよび酢酸ロイプロリドから成る注射用ミクロスフィア)、およびポリ−D−(−)−3−ヒドロキシ酪酸が挙げられる。エチレン−ビニル酢酸塩および乳酸−グリコール酸などのポリマーは100日間を超える分子の放出を可能にするが、一部のヒドロゲルは短期間、蛋白を放出する。
医薬組成物は、投与用の説明書といっしょに容器、パック、またはディスペンサーに含まれうる。
スクリーニングおよび検出方法
本発明の単離された核酸分子を用いて、BFLP0169蛋白を発現し(例えば、遺伝子療法用途における宿主細胞の組換え発現ベクターによって)、BFLP0169mRNA(例えば、生体サンプル中)、またはBFLP0169遺伝子における遺伝子病変を検出し、以下で詳細に述べられるように、BFLP0169活性を調節することができる。また、BFLP0169蛋白を用いて、BFLP0169蛋白活性または発現を調節し、BFLP0169蛋白の不十分または過剰な産生、またはBFLP0169野生型蛋白と比べ減少した、または異常な活性を有するBFLP0169蛋白形態の産生によって特徴付けられる疾患を治療することができる。また、本発明の抗BFLP0169抗体を用いて、BFLP0169蛋白を検出および単離し、BFLP0169活性を調節することができる。例えば、BFLP0169活性としては、T細胞またはNK細胞成長および分化、抗体産生、および腫瘍成長が挙げられる。
本発明は、本明細書で記載されたスクリーニングアッセイによって同定された新規な薬剤、および上述された治療のためのその使用に関する。
スクリーニングアッセイ
本発明は、BFLP0169蛋白に結合し、または、例えば、BFLP0169蛋白発現またはBFLP0169蛋白活性に対する刺激または抑制効果を有するモジュレーター、すなわち、候補または被験化合物または薬剤(例えば、ペプチド、ペプチド模倣薬、小分子、または他の薬物)を同定するための方法(本明細書では「スクリーニングアッセイ」とも呼ばれる)を提供する。本発明は、本明細書で記載されたスクリーニングアッセイにおいて同定される化合物も含む。
一実施形態においては、スクリーニングアッセイは、自己免疫疾患を治療するための治療薬を同定するために使用される。自己免疫疾患は、例えば、ループス腎炎を含むループスでありうる。
一実施形態においては、本発明は、BFLP0169蛋白もしくはそのポリペプチドまたは生物活性部分の膜結合形態に結合、またはこれを調節する候補または被験化合物をスクリーニングするためのアッセイを提供する。本発明の被験化合物は、生物ライブラリー、空間的にアドレス可能な平行固相または液相ライブラリー、デコンボルーションを必要とする合成ライブラリー法、「1ビード1化合物」ライブラリー法、および親和性クロマトグラフィー選択を用いる合成ライブラリー法を含む、技術上周知のコンビナトリアルライブラリーにおける多数の方法のいずれかを用いて獲得されうる。生物ライブラリー法はペプチドライブラリーに限定されているが、他の4つの方法はペプチド、非ペプチドオリゴマー、または化合物の小分子ライブラリーに適用可能である。
本明細書で用いられる「小分子」は、約5kD未満の分子量、最も好ましくは、約4kD未満を有する組成物を指すことが意味されている。小分子は、例えば、ラパマイシン、核酸、ペプチド、ポリペプチド、ペプチド模倣薬、糖質、脂質、もしくは他の有機または無機分子でありうる。化学および/または、真菌、細菌、または藻抽出物などの生物混合物のライブラリーが技術上周知であり、本発明のアッセイのいずれかでスクリーニングされうる。化合物のライブラリーは、溶液中、またはビード上、チップ上、細菌、胞子、プラスミド、またはファージ上で存在しうる。
一実施形態においては、アッセイは細胞ベースのアッセイであり、BFLP0169蛋白、またはその生物活性部分の膜結合形態を発現する細胞が、細胞表面で被験化合物と接触し、BFLP0169蛋白に結合する被験化合物の能力が測定される。例えば、細胞は、哺乳動物起源または酵母細胞でありうる。BFLP0169蛋白に結合する被験化合物の能力の測定は、例えば、BFLP0169蛋白またはその生物活性部分への被験化合物の結合が、複合体中の標識化合物を検出することによって測定されうるように、被験化合物をラジオアイソトープまたは酵素ラベルと結合することによって達成されうる。例えば、被験化合物は、125I、35S、14C、またはHで、直接または間接に、かつ放射能放出の直接計測またはシンチレーション計測によって検出されるラジオアイソトープで標識されうる。あるいは、被験化合物は、例えば、適切な基質の生成物への変換の測定によって検出される、ホースラディシュペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、またはルシフェラーゼ、および酵素ラベルで酵素標識されうる。一実施形態においては、アッセイは、BFLP0169蛋白、またはその生物活性部分の膜結合形態を発現する細胞を、細胞表面で、BFLP0169に結合する既知の化合物と接触させ、アッセイ混合物を形成し、アッセイ混合物を被験化合物と接触させるとともに、被験化合物のBFLP0169蛋白との相互作用の能力を測定する工程を含んで成り、ここで被験化合物のBFLP0169蛋白と相互作用する能力を測定する工程は、既知の化合物と比べBFLP0169蛋白またはその生物活性部分に選択的に結合する被験化合物の能力を測定する工程を含む。
別の実施形態においては、アッセイは、BFLP0169蛋白、またはその生物活性部分の膜結合形態を発現する細胞を、細胞表面で被験化合物と接触させるとともに、BFLP0169蛋白、またはその生物活性部分の活性を調節(例えば、刺激または抑制)する被験化合物の能力を測定する工程を含む接触細胞ベースのアッセイである。BFLP0169蛋白、またはその生物活性部分の活性を調節する被験化合物の能力を測定する工程は、例えば、BFLP0169蛋白のBFLP0169標的分子に結合、またはこれと相互作用する能力を測定することによって達成されうる。本明細書で用いられる「標的分子」は、BFLP0169が結合し、または事実上、相互作用する分子、例えば、BFLP0169相互作用蛋白を発現する細胞の表面上の分子、第2の細胞の表面上の分子、細胞外環境における分子、細胞膜の内面と関係した分子、または細胞質分子である。BFLP0169標的分子は、非BFLP0169分子もしくはBFLP0169蛋白または本発明のポリペプチドでありる。一実施形態においては、BFLP0169標的分子は、細胞膜を通じて、かつ細胞内への細胞外シグナル(例えば、膜結合BFLP0169分子への化合物の結合によって生成されるシグナル)の形質導入を促進するシグナル形質導入経路の成分である。例えば、標的は、BFLP0169と下流シグナル分子の結合を促進する触媒活性または蛋白を有する第2の細胞内蛋白でありうる。
BFLP0169蛋白のBFLP0169標的分子との結合または相互作用の能力を測定する工程は、直接結合を測定するための上述された方法の1つによって達成されうる。一実施形態においては、BFLP0169蛋白のBFLP0169標的分子との結合または相互作用の能力を測定する工程は、標的分子の活性を測定することによって達成されうる。例えば、標的分子の活性は、標的の細胞の第2のメッセンジャー(すなわち、細胞内Ca2+、ジアシルグリセロール、IP等)の誘導を検出し、標的、適切な基質の触媒/酵素活性を検出することによって、レポーター遺伝子(検出可能なマーカー、例えば、ルシフェラーゼをコード化する核酸に操作可能に結合されるBFLP0169反応性調節要素を含む)を検出することによって、または細胞反応、例えば、細胞生存、細胞分化、または細胞増殖を検出することによって測定されうる。
さらに別の実施形態においては、本発明のアッセイは、BFLP0169蛋白またはその生物活性部分を被験化合物と接触させ、被験化合物のBFLP0169蛋白またはその生物活性部分に結合する能力を測定する工程を含む無細胞アッセイである。被験化合物のBFLP0169蛋白への結合は、上述されているように直接的または間接的に測定されうる。かかる1つの実施形態においては、アッセイは、BFLP0169蛋白またはその生物活性部分を、BFLP0169に結合する既知の化合物と接触させてアッセイ混合物を形成し、アッセイ混合物を被験化合物と接触させ、かつ被験化合物のBFLP0169蛋白と相互作用する能力を測定する工程を含んで成り、ここで被験化合物のBFLP0169蛋白と相互作用する能力を測定する工程は、既知の化合物と比べBFLP0169またはその生物活性部分に選択的に結合する被験化合物の能力を測定する工程を含む。
さらに別の実施形態においては、アッセイは、BFLP0169蛋白、またはその生物活性部分を被験化合物と接触させ、かつ被験化合物のBFLP0169蛋白またはその生物活性部分を調節(例えば、刺激または抑制)する能力を測定する工程を含む無細胞アッセイである。被験化合物のBFLP0169の活性を調節する能力を測定する工程は、例えば、BFLP0169蛋白のBFLP0169標的分子へ結合する能力を、直接結合を測定するための上述された方法の1つによって測定することによって達成されうる。別の実施形態においては、被験化合物のBFLP0169蛋白の活性を調節する能力を測定する工程は、BFLP0169蛋白のさらにBFLP0169標的分子を調節する能力を測定することによって達成されうる。例えば、適切な基質上の標的分子の触媒/酵素活性は、上述されているように測定されうる。
さらに別の実施形態においては、無細胞アッセイは、BFLP0169蛋白またはその生物活性部分を、BFLP0169に結合する既知の化合物と接触させてアッセイ混合物を形成し、アッセイ混合物を被験化合物と接触させ、かつ被験化合物のBFLP0169蛋白と相互作用する能力を測定する工程を含んで成り、ここで被験化合物のBFLP0169蛋白と相互作用する能力を測定する工程は、BFLP0169標的分子の活性に選択的に結合またはBFLP0169標的分子の活性を修飾するBFLP0169蛋白の能力を測定する工程を含む。
本発明の無細胞アッセイは、BFLP0169蛋白の可溶性形態または膜結合形態の両方との使用に適している。BFLP0169蛋白の膜結合形態を含む無細胞アッセイの場合、BFLP0169蛋白の膜結合形態は溶液中で維持されるように可溶化剤を利用することが望ましい場合もある。かかる可溶化剤の例としては、n−オクチルグルコシド、n−ドデシルグルコシド、n−ドデシルマルトサイド、オクタノイル−N−メチルグルカミド、デカノイル−N−メチルグルカミド、トリトン(Triton)(登録商標)X−100、トリトン(Triton)(登録商標)X−114、テシット(Thesit)(登録商標)、イソトリデシポリ(Isotridecypoly)(エチレングリコールエーテル)、N−ドデシル−−N、N−ジメチル−3−アンモニオ−1−スルホン酸プロパン、3−(3−コラミドプロピル)ジメチルアミニオル−1−スルホン酸プロパン(CHAPS)、または3−(3−コラミドプロピル)ジメチルアミニオル−2−ヒドロキシ−1−スルホン酸プロパン(CHAPSO)などの非イオン洗剤が挙げられる。
本発明の上記アッセイ法の2つ以上の実施形態においては、BFLP0169蛋白またはその標的分子のいずれかを固定し、蛋白の一方または両方の非複合形態から複合体の分離を促進するとともに、アッセイの自動化を提供することが望ましい場合もある。BFLP0169蛋白への被験化合物の結合、または候補化合物の存在または非存在下にBFLP0169蛋白の標的分子との相互作用は、反応物質を封じ込めるために適切な容器中で達成されうる。かかる容器の例としては、マイクロタイタープレート、試験管、および微量遠心分離用チューブが挙げられる。一実施形態においては、蛋白の一方または両方がマトリックスに結合されることを可能にするドメインを追加する融合蛋白が提供されうる。例えば、GST−BFLP0169融合蛋白またはGST標的融合蛋白は、グルタチオンセファロースビーズ(シグマ ケミカル(Sigma Chemical)、ミズーリ州(MO)、セントルイス)またはグルタチオン誘導体化マイクロタイタープレート上で吸着され、次いで被験化合物と結合され、または被験化合物および非吸着標的蛋白またはBFLP0169蛋白のいずれか、および混合物が、複合体形成に対して導電性の条件(例えば、塩分およびphについて生理的条件)下にインキュベートされる。インキュベーション後、ビーズまたはマイクロタイタープレートウェルは洗浄され、非結合成分、ビーズの場合に固定されたマトリックス、例えば、上述されているように、直接的または間接的に測定された複合体を除去する。あるいは、複合体はマトリックスから分離され、BFLP0169蛋白結合または活性のレベルが標準の技法を用いて測定される。
マトリックス上に蛋白を固定するための他の技法も本発明のスクリーニングアッセイにおいて用いることができる。例えば、BFLP0169蛋白またはその標的分子のいずれかは、ビオチンとストレプトアビジンの結合を利用して固定化されうる。ビオチン化BFLP0169蛋白または標的分子は、ビオチン−NHS(N−ヒドロキシ−スクシンイミド)から当技術の範囲内で公知の技法(例えば、ビオチン化キット、ピアス ケミカルズ(Pierce Chemicals)、イリノイ州(Ill.)ロックフォード)を用いて調製され、ストレプトアビジン被覆96穴プレート(ピアス ケミカルズ(Pierce Chemicals))のウェルに固定化されうる。あるいは、BFLP0169蛋白または標的分子と反応性であるが、BFLP0169蛋白のその標的分子への結合を妨げることがない抗体をプレートのウェルに誘導体化し、非結合標的またはBFLP0169蛋白を抗体結合によってウェルに捕捉されうる。かかる複合体を検出するための方法としては、GST固定化複合体について上述されたものに加えて、BFLP0169蛋白または標的分子と反応性の抗体を用いる複合体の免疫検出、およびBFLP0169蛋白または標的分子と関連した酵素の検出に依拠する酵素結合アッセイが挙げられる。
別の実施形態においては、BFLP0169蛋白発現のモジュレーターが、細胞が候補の化合物と接触し、細胞中のBFLP0169mRNAまたは蛋白の発現が測定される方法で同定される。候補の化合物の存在下のBFLP0169mRNAまたは蛋白の発現レベルは、候補の化合物の非存在下のBFLP0169mRNAまたは蛋白の発現レベルと比較される。次いで、候補の化合物は、この比較に基づきBFLP0169mRNAまたは蛋白発現のモジュレーターとして同定されうる。例えば、BFLP0169mRNAまたは蛋白の発現が、候補の化合物の存在下にその非存在下よりも大きい(すなわち、統計的に有意に大きい)場合、候補の化合物はBFLP0169mRNAまたは蛋白発現の刺激剤として同定される。あるいは、BFLP0169mRNAまたは蛋白の発現が、候補の化合物の存在下にその非存在下よりも小さい(すなわち、統計的に有意に小さい)場合、候補の化合物はBFLP0169mRNAまたは蛋白発現の阻害剤として同定される。BFLP0169mRNAまたは蛋白の細胞中の発現レベルは、BFLP0169mRNAまたは蛋白を検出するための本明細書で記載された方法によって測定されうる。
さらに本発明の別の態様においては、BFLP0169蛋白は、ツー(two)ハイブリッドアッセイまたはスリー(three)ハイブリッドアッセイにおける「ベイト(bait)蛋白」として使用され、BFLP0169(「BFLP0169結合蛋白」または「BFLP0169−bp」)に結合、またはこれと相互作用し、BFLP0169活性を調節する他の蛋白を同定することができる。かかるBFLP0169結合蛋白は、例えば、BFLP0169経路の上流または下流の要素としてBFLP0169蛋白によってシグナルの伝搬にも関与しやすい。
ツーハイブリッド系は、分離可能なDNA結合および活性化ドメインから成る最大転写ファクターのモジュール性質に基づく。手短に言えば、このアッセイでは、2種類のDNA構成が利用される。一方の構成では、BFLP0169をコード化する遺伝子が既知の転写ファクター(例えば、GAL−4)のDNA結合ドメインをコード化する遺伝子に融合される。他方の構成では、未同定蛋白(「プレイ(prey)」または「サンプル」)をコード化するDNA配列のライブラリーからのDNA配列が、既知の転写ファクターの活性化ドメインをコード化する遺伝子に融合される。「ベイト」および「プレイ」蛋白がインビボで相互作用し、BFLP0169依存複合体を形成する能力がある場合は、DNA結合および転写ファクターの活性化ドメインは近接近に至らされる。この接近は、転写ファクターに対して反応性の転写調節部位に操作可能に結合されるレポーター遺伝子(例えば、LacZ)の転写を可能にする。レポーター遺伝子の発現は検出され、機能的転写ファクターを含有する細胞コロニーは単離され、BFLP0169と相互作用する蛋白をコード化するクローン化遺伝子を得るために使用されうる。
本発明はさらに、前述のスクリーニングアッセイによって同定される新規な薬剤、および本明細書で記載された治療のためのその使用に関する。
本発明を以下の非限定実施例で説明する。
実施例1
無疾患、ループス腎炎刺激疾患、およびラパマイシン治療疾患マウスにおけるマウスBFLP0169配列の発現パターン
マウスBFLP0169配列の発現を当該分野にて認識されているNZB X NZWマウスモデルでループス腎炎様症状を発現したマウスにおいて検査した(例えば、Drakeら、Genetic analysis of the NZB contribution to lupus-like autoimmune disease in (NZB x NZW)F1 mice,. Proc Natl Acad Sci U S A 91:4062-66, 1994;Finckら、Interleukin 6 promotes murine lupus in NZB/NZW F1 mice, J. Clin. Invest 94:585-91, 1994;Guglielmottiら、Bindarit prlongs survival and reduces renal damage of NSB/W lupus mice. Clin. Exp. Rheumatol. 16:149, 1998;Yangら、Dietary conjugated linoleic acid protects against end stage disease of systemic lupus erythematosus in the NZB/W F1 mouse, Immunopharmacol. Immunotoxicol. 22:433-49, 2000を参照のこと)。疾患マウスにおける発現を年齢の異なる非疾患マウス、およびそのループス腎炎様症状がラパマイシンまたは抗B7抗体による治療後に減少したマウスにおける配列の発現と比較した。
マウスは、6〜8週齢でジャクソンラボラトリーズ(Jackson Laboratories)から得て、現場で老化した。データは、マウスの腎から得て指示時点で採取した。すなわち、C57BL/6雌マウスについては8、および32週、F1(NZBxNZW)雌マウスについては12、25、および42週、ラパマイシンによる治療マウスについては42および55週、B7.1およびB7.2に対する抗体による治療マウスについては52週。各群にはマウス3匹が含まれた。
ラパマイシン治療マウスには、29週齢で開始して8週間、週3回、5mg/kgラパマイシンが皮下注射された。対照マウスは、同じスケジュールで賦形剤(メチルセルロース)が注射された。治療効果は、タンパク尿および腎組織の標準化によって測定された(データは示さず)。遺伝子発現分析を犠死させたマウスで治療コースの最後(36週齢、データ示さず)、および42週(治療後6週)と55週(治療後20週)で行った。
抗−B7による治療マウスには、29週齢で開始して2週間、毎週3回腹膜内注射によって抗−B7.1(1G10F9モノクローナル)200μgおよび抗−B7.2(GL1モノクローナル)200μgが投与された。遺伝子発現分析を治療後21週で行った。
RNA単離およびオリゴヌクレオチドアレイへのハイブリダイゼーション
雌雄両マウスからの腎を収集し、RNA単離用にスナップ凍結した。各腎の半分を使用した。左腎の縦断面および右腎の横断面を各個別動物用に使用した。
スナップ凍結マウス腎組織をRLTバッファー+2ME中に懸濁したホモジナイザーを用いて30〜45秒間、均質化した。キアゲン(Qiagen)Midiキットを用いて、メーカーのプロトコールに従い全RNAを調製した。RNAをDEPC処理H2O中に懸濁し、OD280によって定量化した。
全RNA5μgからスーパースクリプトキット(BRL)を用いてcDNAを合成した。フェノール:クロロホルム:イソアミル(25:24:1)を用いて、ファージ(Phage)ロックゲル管でファージロックプロトコールに従いcDNAを精製した。上清を収集し、EtOHを用いて清掃した。サンプルをDEPC処理H2O中に懸濁した。
アンチセンスcRNAの合成およびビオチン標識のためのインビトロT7ポリメラーゼ駆動転写反応。キアゲン(Qiagen)RNeasyスピンカラム精製を用いてcRNAを精製した。ジーンチップ(GeneChip)ハイブリダイゼーション混合液はフラグメント化cRNA 15μgm、アセチル化BSA 0.5mg/ml、ニシン精子DNA 0.1mg/mlを1X MESバッファー中に全容積2000μlでメーカーの説明書のとおり含んでいた。反応混合液を16時間、45℃下、アフィメトリックス(Affymetrix)Mul 1KsubAおよびMul 1KsubBオリゴヌクレオチドアレイにハイブリダイズした。ハイブリダイゼーション混合液を除去し、アレイを洗浄し、ジーンチップ(GeneChip)Fluidcs Station400を用いて、ストレプトアビジンR−フィコエルトリン(モレキュラー プローブス(Molecular Probes))で染色し、ヒューレットパッカード(Hewlett Packard)ジーンアレイ(GeneArray)スキャナーでメーカーの説明書に従い走査した。蛍光データを収集し、マイクロアレイ(MicroArray)スイート(Suite)ソフトウェアを用いて遺伝子特異的差平均に変換した。
オリゴヌクレオチドアレイデータの分析
クローン化細菌およびバクテリオファージ配列由来の遺伝子フラグメントから成る11員標準曲線を各ハイブリダイゼーション混合液へ、約3.3〜1000百万分の1(ppm)のRNA頻度を示す0.5pM〜150pMの範囲の濃度でスパイクした。ビオチニル化標準曲線フラグメントをT7−ポリメラーゼ駆動IVT反応によってプラスミドベースのテンプレートから合成した。スパイクしたビオチニル化RNAフラグメントは、チップ感度を評価する内部標準、および個別遺伝子からの測定蛍光差平均をヒル(Hill)らによって記載されたppmでのRNA頻度へ変換する標準として役立つ。
各マウス腎からの遺伝子発現頻度を測定し、発現データを統計的分析にかけた。所定のマウス群の個別測定値から測定された頻度値を平均化した。その頻度が12週齢と32週齢でのC57B16腎間で大きく異なった遺伝子を、疾患過程によるものではなく、正常な加齢過程の結果としての変化として分類した。
識別修飾子aa002653_s_atによってアフィメトリックス(Affymetrix)Murine11Kチップ上で確認されたオリゴヌクレオチド配列の若(無疾患)、老(疾患)、および有効に治療された老(無疾患)F1(NZBxNZW)マウスおよびC57BL6対照マウスにおける発現頻度が示されている。この配列は未知のマウス遺伝子を示す。
結果は図1に示されている。示されているのは、指示マウスからの腎における遺伝子発現レベルを示すヒストグラムである。BFLP0169の発現レベルは、12週齢のC57BL/6腎と32週齢の腎との間で有意に変動することはなく、発現レベルが非疾患マウスの腎における年齢とともに増大しないことを示す。(NXBxNZW)F1腎においては、遺伝子は疾患発症前(12週齢)に正常レベルで発現する。マウスの加齢と疾患の進行とともに、25週、36週(36週のデータは示さず)、および42週で発現レベルの上昇が確認される。55週齢までに、このマウスは腎不全により死亡した。29週齢で開始する8週間のラパマイシンで治療したマウスは、55週齢を過ぎて依然として健常である。有効な療法(ラパマイシン療法または抗−B7療法のいずれか)を受けたマウスの腎は、正常レベルのBFLP0169を発現し、これらの正常レベルは、ラパマイシン療法の停止後20週、および抗−B7療法の停止後15週の無症候性腎において持続する。腎機能が正常である場合に発現レベルが正常に戻る所見は、上昇レベルが、疾患の進行と関係があり、その診断に役立つことを示す。これらの遺伝子の機能を遮断することにより、疾患の進行が抑制または遅延されうる。発現レベルは、種々の治療的介入の有効性を評価し、比較するためにも使用されうる。
実施例2 表2に示されたヒトBFLP0169ポリペプチド配列の変種
表2に示されたBFLP0169アミノ酸配列から1個のアミノ酸の変化するポリペプチド配列を以下に示す。示された配列について、表2に示されたBFLP0169配列の78位にあるLがVで置換されており、それを太字で示す。
Figure 2006516388
実施例3 表2に示されたヒトBFLP0169ポリペプチド配列の変種
表2に示されたBFLP0169アミノ酸配列から1個のアミノ酸の変化するポリペプチド配列を以下に示す。示された配列について、表2に示されたBFLP0169配列の198位にあるLがIで置換されており、それを太字で示す。
Figure 2006516388
実施例4 表2に示されたヒトBFLP0169ポリペプチド配列の変種
表2に示されたBFLP0169アミノ酸配列から1個のアミノ酸の変化するポリペプチド配列を以下に示す。示された配列について、表2に示されたBFLP0169配列の267位にあるRがKで置換されており、それを太字で示す。
Figure 2006516388
実施例5 表2に示されたヒトBFLP0169ポリペプチド配列の変種
表2に示されたBFLP0169アミノ酸配列から1個のアミノ酸の変化するポリペプチド配列を以下に示す。示された配列について、表2に示されたBFLP0169配列の355位にあるQがNで置換されており、それを太字で示す。
Figure 2006516388
実施例6 表2に示されたヒトBFLP0169ポリペプチド配列の変種
表2に示されたBFLP0169アミノ酸配列から1個のアミノ酸の変化するポリペプチド配列を以下に示す。示された配列について、表2に示されたBFLP0169配列の446位にあるHがRで置換されており、それを太字で示す。
Figure 2006516388
実施例7 表2に示されたヒトBFLP0169ポリペプチド配列の変種
表2に示されたBFLP0169アミノ酸配列から1個のアミノ酸の変化するポリペプチド配列を以下に示す。示された配列について、表2に示されたBFLP0169配列の553位にあるLがIで置換されており、それを太字で示す。
Figure 2006516388
実施例8 表2に示されたヒトBFLP0169ポリペプチド配列の変種
表2に示されたBFLP0169アミノ酸配列から1個のアミノ酸の変化するポリペプチド配列を以下に示す。示された配列について、表2に示されたBFLP0169配列の634位にあるWがFで置換されており、それを太字で示す。
Figure 2006516388
実施例9 表2に示されたヒトBFLP0169ポリペプチド配列の変種
表2に示されたBFLP0169アミノ酸配列から1個のアミノ酸の変化するポリペプチド配列を以下に示す。示された配列について、表2に示されたBFLP0169配列の749位にあるNがDで置換されており、それを太字で示す。
Figure 2006516388
実施例10 表2に示されたヒトBFLP0169ポリペプチド配列の変種
表2に示されたBFLP0169アミノ酸配列から1個のアミノ酸の変化するポリペプチド配列を以下に示す。示された配列について、表2に示されたBFLP0169配列の838位にあるVがMで置換されており、それを太字で示す。
Figure 2006516388
実施例11 表2に示されたヒトBFLP0169ポリペプチド配列の変種
表2に示されたBFLP0169アミノ酸配列から1個のアミノ酸の変化するポリペプチド配列を以下に示す。示された配列について、表2に示されたBFLP0169配列の958位にあるGがTで置換されており、それを太字で示す。
Figure 2006516388
実施例12 表2に示されたヒトBFLP0169ポリペプチド配列の変種
表2に示されたBFLP0169アミノ酸配列から1個のアミノ酸の変化するポリペプチド配列を以下に示す。示された配列について、表2に示されたBFLP0169配列の1084位にあるKがRで置換されており、それを太字で示す。
Figure 2006516388
実施例13 表2に示されたヒトBFLP0169ポリペプチド配列の変種
表2に示されたBFLP0169アミノ酸配列から1個のアミノ酸の変化するポリペプチド配列を以下に示す。示された配列について、表2に示されたBFLP0169配列の1152位にあるAがSで置換されており、それを太字で示す。
Figure 2006516388
実施例14 表2に示されたヒトBFLP0169ポリペプチド配列の変種
表2に示されたBFLP0169アミノ酸配列から1個のアミノ酸の変化するポリペプチド配列を以下に示す。示された配列について、表2に示されたBFLP0169配列の1247位にあるIがVで置換されており、それを太字で示す。
Figure 2006516388
実施例15 表2に示されたヒトBFLP0169ポリペプチド配列の変種
表2に示されたBFLP0169アミノ酸配列から1個のアミノ酸の変化するポリペプチド配列を以下に示す。示された配列について、表2に示されたBFLP0169配列の1331位にあるKがRで置換されており、それを太字で示す。
Figure 2006516388
実施例16 表2に示されたヒトBFLP0169ポリペプチド配列の変種
表2に示されたBFLP0169アミノ酸配列から1個のアミノ酸の変化するポリペプチド配列を以下に示す。示された配列について、表2に示されたBFLP0169配列の1449位にあるCがYで置換されており、それを太字で示す。
Figure 2006516388
実施例17 表2に示されたヒトBFLP0169ポリペプチド配列の変種
表2に示されたBFLP0169アミノ酸配列から1個のアミノ酸の変化するポリペプチド配列を以下に示す。示された配列について、表2に示されたBFLP0169配列の1542位にあるDがQで置換されており、それを太字で示す。
Figure 2006516388
実施例18 表2に示されたヒトBFLP0169ポリペプチド配列の変種
表2に示されたBFLP0169アミノ酸配列から1個のアミノ酸の変化するポリペプチド配列を以下に示す。示された配列について、表2に示されたBFLP0169配列の1706位にあるFがHで置換されており、それを太字で示す。
Figure 2006516388
本発明はこの詳細な記載と関連して記載されているが、この上記した記載は発明の範囲を説明するものであり、その範囲を限定するものではない。その範囲は添付した特許請求の範囲により特定されるものである。他の態様、利点および修飾も添付した特許請求の範囲の範囲内にある。
(原文に記載なし)

Claims (53)

  1. 配列番号2のアミノ酸配列と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含むポリペプチドをコード化する単離された核酸分子。
  2. ラパマイシンと結合するポリペプチドをコード化する、請求項1記載の単離された核酸分子。
  3. 配列番号2のアミノ酸配列と少なくとも98%同一であるポリペプチドをコード化する、請求項1記載の単離された核酸分子。
  4. 配列番号1のヌクレオチド1−1811を含む核酸分子に相補的な核酸配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする、請求項1記載の核酸分子。
  5. 配列番号2のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコード化する、請求項1記載の単離された核酸分子。
  6. 配列番号1のヌクレオチド1−1811を含む、請求項1記載の単離された核酸分子。
  7. 請求項1に記載の核酸分子を含むベクター。
  8. 請求項7に記載のベクターを含む細胞。
  9. 配列番号2のアミノ酸配列と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む実質的に精製されたポリペプチド。
  10. ラパマイシンと結合する、請求項9記載のポリペプチド。
  11. ポリペプチドのアミノ酸配列が配列番号2のアミノ酸配列と少なくとも98%同一である、請求項9記載のポリペプチド。
  12. ポリペプチドのアミノ酸配列が配列番号2のアミノ酸配列と少なくとも99%同一である、請求項9記載のポリペプチド。
  13. ポリペプチドのアミノ酸配列が配列番号2のアミノ酸配列を含む、請求項9記載のポリペプチド。
  14. ポリペプチドのアミノ酸配列が配列番号2のアミノ酸配列から成る、請求項9記載のポリペプチド。
  15. 非BFLP0169ポリペプチドに操作可能に結合された請求項9に記載のポリペプチドを含む融合ポリペプチド。
  16. 非BFLP0169ポリペプチドが、免疫グロブリン分子またはFLAGエピトープのFc領域、HISタグ、およびMYCタグより成る群から選択される少なくとも1つのメンバーを含む、請求項9記載の融合ポリペプチド。
  17. 配列番号2のアミノ酸配列のラパマイシン結合ドメインを含むポリペプチド。
  18. 配列番号2の少なくとも5個の連続するアミノ酸を含む長さが少なくとも1740のアミノ酸のポリペプチド;ただし、該ポリペプチドは配列番号26以外のアミノ酸配列を含む。
  19. ラパマイシン結合ドメインを含む、請求項18記載のポリペプチド。
  20. 配列番号20の少なくとも5個の連続するアミノ酸を含むポリペプチド。
  21. ラパマイシン結合ドメインを含む、請求項20記載のポリペプチド。
  22. 少なくとも50個のアミノ酸の長さである、請求項20記載のポリペプチド。
  23. 少なくとも100個のアミノ酸の長さである、請求項20記載のポリペプチド。
  24. 少なくとも220個のアミノ酸の長さである、請求項20記載のポリペプチド。
  25. 請求項17に記載のポリペプチドおよび医薬上許容される担体を含む医薬組成物。
  26. 非BFLP0169ポリペプチドに操作可能に結合されたBFLP0169ポリペプチドのラパマイシン結合ドメインを含む融合ポリペプチド。
  27. 非BFLP0169ポリペプチドが、免疫グロブリン分子またはFLAGエピトープのFc領域、HISタグ、およびMYCタグより成る群から選択される少なくとも1つのメンバーを含む、請求項26記載の融合ポリペプチド。
  28. 請求項26に記載の融合ポリペプチドおよび医薬上許容される担体を含む医薬組成物。
  29. 請求項9に記載のポリペプチドに選択的に結合する抗体。
  30. BFLP0169ポリペプチドのラパマイシンとの結合を阻害する、請求項29記載の抗体。
  31. ポリクローナル抗体である、請求項29記載の抗体。
  32. モノクローナル抗体である、請求項29記載の抗体。
  33. マウスモノクローナル抗体、およびヒト化モノクローナル抗体より成る群から選択される、請求項32記載のモノクローナル抗体。
  34. BFLP0169ポリペプチドの産生方法であって、請求項1の核酸分子によってコード化されるBFLP0169ポリペプチドの発現を可能にする条件下で請求項1に記載の核酸分子を含む細胞を培養する工程を含む方法。
  35. 生体サンプル中のBFLP0169核酸分子の存在を検出する方法であって、
    前記サンプルをBFLP0169核酸に特異的に結合する核酸プローブと接触させる工程、および
    結合プローブを同定し、あるならば、それによって該サンプル中のBFLP0169核酸分子の存在を検出する工程、を含む方法。
  36. サンプル中のBFLP0169ポリペプチドの存在を検出する方法であって、
    ポリペプチドと化合物との間で複合体の形成を可能にする条件下で、該サンプルを該ポリペプチドに選択的に結合する化合物と接触させる工程、および
    該複合体を検出し、あるならば、それによって該サンプル中の該ポリペプチドを同定する工程、を含む方法。
  37. 化合物がラパマイシンである、請求項36記載の方法。
  38. 化合物が抗BFLP0169抗体である、請求項36記載の方法。
  39. a)対象からのサンプル中のBFLP0169核酸分子の量を測定する工程、および
    b)工程における核酸の量をループス腎炎でない対象からの対照サンプル中に存在する核酸の量と比較する工程を含む、対象におけるループス腎炎の存在または素因を測定する方法であって、
    対照サンプルにおける核酸のレベルと比較した場合に、工程(a)におけるBFLP0169核酸のレベルの上昇が、該対象におけるループス腎炎の存在または素因を示すところの方法。
  40. 対象がヒトである、請求項39記載の方法。
  41. a)対象からのサンプル中のBFLP0169ポリペプチドの量を測定する工程、および
    b)該ポリペプチドの量をループス腎炎でない対象からの対照サンプル中に存在する核酸の量と比較する工程を含む、対象におけるループス腎炎の存在または素因を測定する方法であって、
    対照サンプルにおけるポリペプチドのレベルと比較した場合に、該BFLP0169ポリペプチドのレベルの上昇が、該対象におけるループス腎炎の存在または素因を示すところの方法。
  42. 対象がヒトである、請求項41記載の方法。
  43. 被験化合物をBFLP0169ポリペプチドと接触させる工程と、
    該被験化合物が前記BFLP0169ポリペプチドに結合するかどうかを測定する工程とを含む、自己免疫疾患を治療するための治療薬をスクリーニングする方法であって、
    該被験化合物と該ポリペプチドとの結合が被験化合物が自己免疫疾患の治療薬であることを示すところの方法。
  44. 免疫疾患が自己免疫疾患である、請求項43記載の方法。
  45. 自己免疫疾患がループスである、請求項44記載の方法。
  46. 自己免疫疾患がループス腎炎である、請求項44記載の方法。
  47. BFLP0169が無細胞抽出液で提供される、請求項43記載の方法。
  48. BFLP1069が細胞で提供される、請求項43記載の方法。
  49. 対象におけるループス腎炎を治療する方法であって、該対象におけるBFLP0169ポリペプチドの活性を阻害する治療上有効量の薬剤を該対象に投与することを含む、方法。
  50. 対象がヒトである、請求項49記載の方法。
  51. 薬剤が抗BFLP0169抗体である、請求項49記載の方法。
  52. 対象におけるBFLP0169ポリペプチドの活性を阻害する薬剤と、医薬上許容される担体とを含む医薬組成物。
  53. 薬剤が抗BFLP0169抗体である、請求項52記載の医薬組成物。

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