JP2006516245A - 口当たりの良いマイクロカプセル - Google Patents

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Abstract

少なくとも1種類の活性成分若しくは少なくとも1種類の成分、及び複数の微生物から形成された複数のマイクロカプセルを含み、前記マイクロカプセル内に封入され、受動的に保持される少なくとも1種類のフレーバー剤を有する製剤であって、前記フレーバー剤は前記微生物の天然の構成要素ではなく;前記マイクロカプセルは(a)少なくとも実質的に無傷の細胞壁及び(b)無傷の細胞膜を有し;前記少なくとも1種類の活性成分若しくは前記少なくとも1種類の成分が不快な味のするものであり、前記少なくとも1種類のフレーバー剤が、前記少なくとも1種類の活性成分若しくは前記少なくとも1種類の成分の不快な味を遮蔽、隠蔽若しくは中和して、前記製剤を経口投与された患者が、前記不快な味のする活性成分を味わうことを防止するか、又は該製剤がより口当たりの良いものになるように、前記不快の味のする少なくとも1種類の活性成分若しくは成分のフレーバーを軽減させる製剤。前記製剤の製造方法も開示する。

Description

本発明は、一般に、フレイバー(flavour)、におい、テクスチャー(texture)、色、温度及び/又は粘度のモジュレーションによって口当たりの良いものにされている、不快な味のする及び/又は不快なにおいのする成分又は活性成分(active ingredients(actives))を含有する微生物マイクロカプセル製剤に関する。
特許FR2179528、US4001480、EP0085805、GB2162147及びEP0242135は全て、例えば酵母又は細菌のような微生物の内側に活性成分を含めた小分子の封入方法/プロセス(methods/processes for the encapsulation)を記載している。
患者への活性成分の経口投与は、現在、薬物デリバリーの最も便利で、費用効果的な、好ましい形態を表している。ヒトの舌は、塩辛い、苦い、酸っぱい、甘い及びうまみ味を識別する味蕾を9000個以上含有する。口当たりの良くない製剤は患者が活性成分の服用をなおざりにする危険性を高めるので、該味蕾に接触する、経口投与される活性成分の主要な必要条件が、投与形は口当たりの良いものでなければならないことであることは、理解されるであろう。投与計画とのこのようなノンコンプライアンスは、治療中の状態からの患者の回復を遅延させるか又は妨げる可能性がある。
多くの有用で、有効な活性成分は、液体形中に溶解した場合に又はピル若しくは錠剤として投与された場合でさえ苦い味を有する。例えば、口中で溶解する、単独の塩酸シプロキサシン粒子は、該製品が患者によって不可避に拒絶されるような、苦い、不快な味を有する。不快な(例えば、苦い)味及び/又はにおい特徴を有するような化合物の場合には、投与形の供給が考慮すべき問題を表す。フレーバー・テクノロジーの改善によって、患者は今や、口当たりの良い味がする又は少なくとも耐えられるほどの味がする、経口投与される薬剤を期待し、要求する。このことは特に、溶液が最も頻繁に処方される小児及び高齢者に該当する。したがって、経口投与される活性成分の口当たりの良さは、製薬業界における重要な問題である。
経口投与される活性成分の口当たりの良さは、製剤の味及びにおいを含めた知覚によって、これより軽度には、製剤のテクスチャー、外観及び温度によって影響される。微生物マイクロカプセルの場合には、活性成分の封入後、マイクロカプセルは通常無傷又は実質的に無傷であるが、マイクロカプセルが経口投与され、カプセル封入された活性成分が不快な味がする製剤では、患者はマイクロカプセル内の活性成分の好ましくない、不快な味を感知するであろう。
本発明者は、カプセル封入されるフレーバー剤若しくはフレーバー剤の組み合わせの使用によって、活性成分若しくは成分の不快な味及び/又はにおい特徴が遮蔽、隠蔽又は中和される経口投与製剤を提供することを追求している、このような製剤は、所定投与量の定量的摂取を確実にするのを容易にすることによって、患者のノンコンプライアンスを減ずる。
本発明の第1態様によると、少なくとも1種類の活性成分若しくは少なくとも1種類の成分、及び複数の微生物から形成される複数のマイクロカプセルを含み、前記マイクロカプセル内に封入され、受動的に保持される少なくとも1種類のフレーバー剤を有する製剤であって、前記フレーバー剤が前記微生物の天然の構成要素ではなく、前記マイクロカプセルが(a)少なくとも実質的に無傷の細胞壁、及び(b)無傷の細胞膜を有し、前記少なくとも1種類の活性成分若しくは前記少なくとも1種類の成分が不快な味のするものであり、前記少なくとも1種類のフレーバー剤が、前記少なくとも1種類の活性成分若しくは前記少なくとも1種類の成分の不快な味を遮蔽、隠蔽若しくは中和して、前記製剤を経口投与される患者が前記不快な味のする活性成分を味わうことを防止するか、又は該製剤がより口当たりの良いものになるように、前記不快な味のする少なくとも1種類の活性成分若しくは成分のフレーバーを軽減させる製剤を提供する。
本明細書で用いる“活性成分(active)”なる用語は、経口投与されることができる、任意の薬物、又は治療的若しくは他の意味での活性剤、好ましくは薬剤化合物若しくは化学化合物を包含する意味である。本発明に関連して有用な活性成分の具体的なカテゴリー及び特定の例は、抗ウイルス剤、鎮痛剤、麻酔剤、食欲抑制薬、抗関節炎薬、抗うつ薬、抗糖尿病薬、抗炎症薬、駆虫薬、抗パーキンソン病薬、痒み止め薬、心血管作動薬、抗高血圧薬、ACE阻害剤、ホルモン、免疫抑制薬、筋肉弛緩薬、副交感神経遮断薬、精神刺激薬、抗結核薬、例えばデキストロメトルファン、臭化水素酸デキストロメトルファン、ノスカピン、クエン酸カルベタペンタン及び塩酸クロフェジアノールのような鎮咳薬;例えばマレイン酸クロルフェニラミン、酒石酸フェニンダミン、マレイン酸ピリラミン、コハク酸ドキシラミン及びクエン酸フェニルトロキサミンのようなヒスタミンH1受容体拮抗薬;例えばラニチジン、ファモチジン、シメチジン、ニザチジン及びロキサチジンのようなヒスタミンH2受容体拮抗薬;例えば塩酸フェニレフリン、塩酸フェニルプロパノールアミン、プソイドエフェドリン、塩酸エフェドリンのようなうっ血除去薬;例えばリン酸コデイン、硫酸コデイン及びモルヒネのような、種々なアルカロイド;例えば塩化カリウム及び炭酸カルシウム、酸化マグネシウム並びに他のアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩のようなミネラル・サプリメント;緩下剤、ビタミン類;制酸薬;例えばコレスチラミンのようなイオン交換樹脂;例えばゲムフィブロジルのような抗コレステロール血症性及び抗脂質性薬(anti-cholesterolemic and anti-lipidic agents);例えばN−アセチル−プロカインアミドのような抗不整脈薬;例えばアセトミノフェン、アスピリンのような解熱薬;非ステロイド系抗炎症性(NSAI)物質、さらに具体的には、例えばイブプロフェン、ケトプロフェン、フルルビプロフェン、ジクロフェナク、エトドラク及びナキソプレンのようなアリールカルボン酸誘導体;例えばピロキシカム、メロキシカム、NSAIフェナメート(fenamate)、インドール酸誘導体及びフェニルブタゾン誘導体のようなNSAIオキシカム誘導体;例えば塩酸フェニルプロパノールアミン又はカフェインのような食欲抑制薬;並びに例えばグアイフェネシンのような去痰薬を包含する。他の有用な活性薬剤は、冠動脈拡張薬、脳血管拡張薬(cerebral dilator)、末梢血管拡張薬、抗感染薬、向精神薬、抗躁病薬、興奮誘発剤、胃腸鎮静薬及びバンデージ(bandage)、抗下痢及び抗便秘製剤、抗狭心症薬、血管拡張薬、抗高血圧薬、血管収縮薬及び片頭痛治療、抗生物質、トランキライザー、抗精神病薬、抗腫瘍薬、抗凝血薬及び抗血栓薬、睡眠薬、鎮静薬、制吐剤、制嘔吐剤、抗痙攣薬、神経筋薬、高血糖薬及び低血糖薬、甲状腺製剤及び抗甲状腺製剤、利尿薬、鎮痙薬、子宮弛緩薬、栄養添加剤、肥満抑制薬、蛋白同化薬、赤血球造血薬、抗喘息薬、抗ヒスタミン薬又は抗コリン作動薬又はアヘン誘導体(例えば、コデイン、デキストロメトルファン、エチルモルヒネ、ノスカピン、フォルコジン)、咳抑制薬、口腔粘液溶解薬(例えば、アセチルシステイン、アンブロキソール、ブロムヘキシン、カルボシステイン、エルドステイン、レトステイン)、抗尿酸血症薬等を包含する。活性成分の他の例は、当業者に周知である。
“成分(ingredient)”なる用語は、ビタミン、栄養サプリメント及び栄養補給食品を包含するように意図される。
本明細書では、“フレーバー剤(flavouring)”なる用語は、一般に、製剤内に含有される活性成分若しくは成分の味又はにおいを改善する、又はいっそう良くする、又は隠蔽する、又は遮蔽するために用いられる任意の物質を意味する。
“不快な味のする(foul-tasting)”なる用語は、一般に、活性成分若しくは成分を投与される患者によって知覚される、活性成分若しくは成分の不快な味及び/又はにおいを意味する。不快な味(foul-taste)は、活性成分若しくは成分の苦い及び/又は塩辛い及び/又は酸っぱい特徴によると考えられる。
微生物マイクロカプセルは、多様な方法で、例えばマウスウォッシュ、練り歯磨き、溶液、懸濁液、ゲル、ペースト、粉末、エアロゾル、錠剤、チュアブル錠剤、カプセル、スプレー、トローチ、シロップ、チューインガム、飴玉(boiled sweet)、又は圧縮スイート(compressed sweet)として、患者に経口投与するために製剤化することができる。種々な製剤の使用は、当業者に周知である(Remington's Pharmaceutical Sciences and US Pharmacopoeia,1984,Mack Publishing Company,Easton,PA,USA;United States Pharmacopoeia,ISBN:1889788031)。例えば、錠剤の場合には、封入されたフレーバー剤を含有するマイクロカプセルは、不快な味がする活性成分ではなく、該マイクロカプセルが
口腔の唾液及び粘膜に接触するように、錠剤を被覆するために用いることができる。
微生物マイクロカプセル(酵母、真菌類、細菌、原生動物、及び他の単細胞生物、例えば、特許EP0553176に記載されているような、細胞壁構造を保有する微生物由来物質を包含する)からのフレーバー剤の放出は、細胞壁の物理的破壊又は細胞壁の化学的若しくは生物学的分解なしに、生じることができる。実際に、マイクロカプセルを例えば舌を被覆する膜のような生物学的膜上に置くと、フレーバー剤が活性をバーストさせて放出される。例えば舌とのマイクロカプセル接触に付随した、フレーバー活性のバーストは、患者が経験するフレーバーが、不快な味のする活性成分若しくは成分ではなくて、フレーバー剤の圧倒的な味であることを意味する。活性成分若しくは成分の不快な味は、該フレーバー剤によって希釈されるだけではなく、該フレーバー剤によって通常は完全に遮蔽、隠蔽又は中和される。例えば、酵母マイクロカプセルの場合には、酵母凝塊(例えば、平均直径30ミクロンの噴霧乾燥された凝集粒子)は、数百の細胞を含有することができ、これらの凝塊は、口中で唾液と接触すると、個々の細胞に及び2、3個の細胞の塊(multiples of two or three cells)にまで容易に分散して、より緩慢に反応する不快な味のする成分若しくは活性成分を凌駕して、迅速な接触及びフレーバー放出を可能にする。
好ましくは、フレーバー剤は親油性である、即ち、フレーバー剤は、カプセル封入に用いられる微生物の脂質膜内で溶解性であることが好ましい。
マイクロカプセルは、少なくとも1種類の活性成分若しくは少なくとも1種類の成分が該マイクロカプセル内に封入され、受動的に保持されるように製剤化することができる、この場合該少なくとも1種類の活性成分若しくは少なくとも1種類の成分は該微生物の天然の構成要素ではない。
マイクロカプセルに少なくとも1種類の付加的なフレーバー剤を加えて製剤化して、該製剤の不快な味をさらに遮蔽し、口当たりの良さをさらに改良することができる。例えば、ゼラチン、グリセリン又はグリセロールモノステアレート・カプセル中に製剤化した、マイクロカプセル(例えばオレンジオイルのような封入フレーバー剤を含有)の場合には、該カプセル殻のゲルマトリックス中に付加的なフレーバー剤を組み入れることができる。付加的なフレーバー剤も例えばオレンジオイルであることができる。付加的なフレーバーと組み合わせた封入フレーバーの使用は、“二重遮蔽”と呼ばれ、この方法は嚥下中及び反発あと味が生じる場合の嚥下後の味及び受容性を改良する。このような“二重遮蔽”は、例えば魚油又はニンニク油/粉末のような、強い味がする成分を含有する、広い範囲の製剤に適用可能であり、これによって脱臭プロセスの必要性を除去することができる。
フレーバー剤は、製剤を経口投与された患者が前記不快な味のする成分若しくは活性成分を味わうことを防止することができるか、又は該フレーバー剤は該成分若しくは活性成分に付随する不快な味を軽減する若しくは弱めて、投与された製剤をより口当たり良いものにすることができる。
活性成分の化学構造とその味との間には、しばしば、相関関係が存在する。低分子量の塩は塩辛い味がする傾向があり、高分子量の塩は苦い味がする傾向がある。例えばアルカロイドのような窒素含有化合物は、非常に苦い傾向がある。ヒドロキシル基を含有する有機化合物は、ヒドロキシル基の数が増えるにつれて、ますます甘くなる傾向がある。有機エステル、アルコール及びアルデヒドは、それらの好ましい味と、それらの揮発性によるクール感(cool sensation)で知られる。活性成分の不快な味の測定は、周知の標準方法で
行なわれ、例えば、The Merck Index,11th ed.,S.Budavari et al.eds.,Merck & Co.,Inc.,Rahway,N.J.(1989) and Remington's Pharmaceutical Sciences,18th ed.,A.Gennaro ed.,Mack Publishing Co.,Easton,Pa.(1990)のようなテキストに活性成分の記載と共にしばしば列挙される特徴である。
味の遮蔽に適用可能な、苦い及び/又は不快な味のする活性成分の例は、例えば、シメチジン、ラニチジン、ファモチジン、ニザチジン、エチニジン、ルピチジン、ニフェンチジン、ニペロチジン、ロキサチジン、スルホチジン、ツバチジン及びザルチジンのようなヒスタミンH−拮抗薬;例えばペニシリン、アンピシリン、クロラムフェニコール、エリスロマイシン、シプロフロキサシン、ノルフロキサシン、ロキシトロマイシン、クロキサシリン及びクラリトロマイシンのような抗生物質;例えばリン酸クロロキン及び硫酸キニンのような抗マラリア薬;例えば塩酸プソイドエフェドリンのようなうっ血除去剤;例えば塩酸メトクロプラミドのようなプロカイネティックス(prokinetics);例えばジフェンヒドラミン、テルフェナジン、フェノチアジン及びクロルフェニラミンのような抗ヒスタミン薬;例えばイブプロフェン、アセトアミノフェン、ナブメトン及びナプロシンのような非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs);例えば臭化水素酸デキストロメトルファンのような鎮咳薬である。苦い、不快な味がする他の薬物は、カフェイン、テオフィリン(喘息)、スピロノラクトン(アルドステロン拮抗薬)、グアイフェネシン(去痰薬)、プレドニゾロン(コルチコステロイド)、メタコリン(気管支チャレンジ薬(bronchial challenge drug))、ネオスチグミン(アセチルコリンエステラーゼ阻害剤)、エピネフリン(交感神経興奮剤)、アルブテロール(抗喘息薬、気管支拡張薬、抗高血圧薬)、クロルプロマジン(鎮静薬)、クロルジアゼポキシド(リブリウム−鎮静薬、睡眠薬、不安緩解薬及び筋肉弛緩薬)、アミトリプチリン(抗うつ薬)、バルビツレート、ジフェニルヒダントイン(抗痙攣薬)、モルヒネ(麻酔性鎮痛薬)、メペリジン(麻酔性鎮痛薬)、ロモチル(下痢止め薬)、リドカイン(局部麻酔薬)を包含する。上記活性成分は非限定的であり、不快な味がする他の活性成分は当業者に周知である。
フレーバー剤は1種類以上のフレーバーオイル(flavouring oil)であることができる。本発明のために、本発明に用いるフレーバーオイルは、完全エッセンシャルオイルと、該エッセンシャルオイルを構成するアロマ化学物質(aroma chemicals)の両方を意味する。エッセンシャルオイルは、主に、植物ソースからの揮発性物質である。エッセンシャルオイルを単離するために最も広範囲に用いられる方法は、植物の水蒸気蒸留であるが、乾留及び溶媒抽出も用いられる。エッセンシャルオイルは、摂取される物質に含まれることができる、安全な組成物として一般に認識されている。アロマ化学物質は、合成又は天然であることができ、エッセンシャルオイルに由来する化学物質、即ち、蒸留、圧搾(expression)又は抽出によって植物から放出され、それらが由来する植物のフレーバーを通常同伴する化学物質を意味する。
本発明は、本明細書中に個別に列挙する特定のエッセンシャルオイルに限定される訳ではないが、幾つかの重要なエッセンシャルオイルは、ビターアーモンドオイル(Almond-Bitter oil)、アニスオイル、アニス・スター・ダーク・オイル(Anis Star Dark oil)、ガージュンバルサムオイル、ホワイト・ガージュンバルサム、バジルオイル、ベルガモットオイル、カンファーオイル、キャラウェーオイル、カッシャオイル、カナンガオイル(Cananga oil)、カモミルオイル、チェリーオイル、シナモンオイル、シトロネラオイル、クローブステムオイル、クローブリーフオイル、クローブバッドオイル、コニャックオイル、コリアンダーオイル、クベバオイル、ユーカリオイル、オイゲノールオイル、ジンジャーオイル、グレープフルーツオイル、ジャスミンオイル、ローレルオイル、ラベンダーオイル、レモンオイル、ライムオイル、メースオイル(Mace oil)、マンダリンオイル、マヨナラオイル(Mayonara oil)、メントールオイル、ハッカオイル、ナツメグオイル、オレンジオイル、パチョリオイル、ペパーミント・ヤキマ・オイル(Peppermint Yakima oil)、ペパーミントオイル、ローズオイル、セージオイル、ササフラスオイル、スペアミントオイル、タンジェリンオイル、タイムオイル、バイオレットオイル、ベチバーオイル又はウインターグリーンオイルを包含する。
アロマ化学物質は、非限定的に、アネトール、カルボン、シトロネラール及びカンファーを包含する。
フレーバー剤は1種類以上の天然エッセンス、例えば、コーヒー、ティ、カモミル、ココア、ジンジャー、グレープ、ヘーゼルナッツ又はグアバに由来するエッセンスであることができる。
フレーバー剤は1種類以上の天然抽出物であることができる。例えば、フレーバー剤は、アーモンド抽出物、アニス抽出物、キャラウェー抽出物、カルダモン抽出物、セロリーシード抽出物、カカオ抽出物(chocolate extract)、シナモン抽出物、クローブ抽出物、コリアンダー抽出物、ダークココア抽出物、グランド・マルニエル・エキストラクト(Grand Marnier Extract)、レモン抽出物、レモン・ライム抽出物、ライム抽出物、マンダリンミント抽出物、オレンジフラワー抽出物、オレンジ抽出物、パセリハーブ抽出物、ラム・エキストラクト(Rum extract)、タンジェリン抽出物、タラゴン抽出物、又はバニラ・エキストラクト・バーボン(Vanilla Extract Bourbon)であることができる。
フレーバー剤は1種類以上の人工フレーバー剤又は天然フレーバー剤であることができる。
獣医学的用途のためには、フレーバー剤は家畜及び例えばイヌ及びネコのような家庭内動物に魅力的であると考えられる、おいしそうなフレーバーであることができる。例えば、該フレーバー剤は、ビーフ、ローストビーフ、ポーク、ハム、チキン、フィッシュ、クラブ、ロブスター、シュリンプ又は帆立貝であることができる。
フレーバー剤は、例えばシナモン、クローブ、ジャラペノ・ペッパー(jalapeno pepper)、メース又はナツメグのようなスパイシー・フレーバーであることができる。
該フレーバー剤はナッティ・フレーバー(nutty flavour)であることができる。該フレーバー剤はアーモンド、バター・ペカン、カシュー、ココナッツ、イングリッシュ・ウォールナット・ブラック(English walnut-black)、ヘーゼルナッツ、落花生、ペカン、ピスタシオ、ウォールナット、及びウォールナット・ブラックであることができる。
或いは、該フレーバー剤は、製薬業界で広く用いられる1種類以上のフレーバー剤であることができる。典型的に、このような製薬用フレーバー剤は、長持ちする味プロフィルと、充分に特徴付けられた味遮蔽特性を有する。製薬用フレーバー剤は、アニス、リンゴ、アプリコット、バナナ、ブラックベリー、ブルーベリー、ブランデー、バター、バターラム(Butter Rum)、バタースコッチ(Butterscotch)、キャラメル、シャンパン、チェリー・ブラック(Cherry-Black)、マラスキノチェリー(Cherry-Maraschino)、チェリー・レッド(Cherry-Red)、チェリー・ワイルド(Cherry-Wild)、チェリー・アプリコット、チェリー・ハッカ、ココナッツ、コーヒー、コニャック、コーラ、クランベリー、クリームソーダ、クロフサスグリ(Currant-Black)、エッグノック、ウイキョウ、ジンジャーエール、ブドウ、グレープフルーツ、グレナディン、ヘーゼルナッツ、レモン、レモン・ライム、メープル、メープル・ウォールナット、ハッカ・オレンジ、パッションフルーツ、モモ、パイナップル、プラム、プルーン、ラズベリー、ルートビヤー、ラム、ラムとコーヒー(Rum & Coffee)、シェリー、スペアミント、タンジェリン、トゥッティフルッティ、又はバニラカスタードを包含する。
例えばアロマ化学物質、天然エッセンス、エッセンシャルオイル、天然抽出物、人工フレーバー、天然フレーバー及び製薬用フレーバーのようなフレーバー剤は、一般に、例えば、Blue Pacific Flavours & Fragrances,Inc.(1354 South Marion Court,City of Industry,California,USA 91745-2418,www.bluepacificflavors.com)から入手可能である。
該フレーバー剤は、甘味料であることができる。甘味料は、天然と合成の両方であることができる。本明細書では、“甘味料(sweetener)”なる用語は、伝統的に知られている又は今後知られる可能性がある、甘味物質を意味する。甘味物質の例は、スクラロース、α−グルコシルトランスフェラーゼ処理ステビア(alpha-glucosyltransferase-treated stevia)、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、アスパルテーム、アセスルファーメ・カリウム(acesulfame potassium)、N−アセチルグルコサミン、アラビノーズ、アリターム(alitame)、イソトレファロース、イソマルチトール、イソマルトオリゴ糖(イソマルトース、イソマルトトリオース、パノース等)、エリトリトール、オリゴ−N−アセチルグルコサミン、ガラクトース、ガラクトシルスクロース、ガラクトシルラクトース、ガラクトピラノシル(β1−3)ガラクトピラノシル(β1−4)グルコピラノース、ガラクトピラノシル(β1−3)グルコピラノース、ガラクトピラノシル(β1−6)ガラクトピラノシル(β1−4)グルコピラノース、ガラクトピラノシル(β1−6)グルコピラノース、グリシリザ抽出物(グリシリジン)、キシリトール、キシロース、キシロオリゴ糖(キシロトリオース、キシロビオース等)、グリセロール、グリチルリチン酸トリアンモニウム(triammonium glycyrrhizinate)、グリチルリチン酸トリカリウム (tripotassium glycyrrhizinate)、グリチルリチン酸トリナトリウム(trisodium glycyrrhizinate)、グリチルリチン酸ジアンモニウム (diammonium glycyrrhizinate)、グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルリチン酸ジナトリウム、クルクリン(curcurine)、グルコース、ゲンチオリゴ糖(ゲンチオビオース、ゲンチオトリオース、ゲンチオテトラオース等)、サッカリン、サッカリンナトリウム、シクラメート、スクロース、スタキオース(stachyose)、ステビア抽出物、ステビア粉末、ズルチン、ソルビトール、ソルボース、タウマチン、Theanderオリゴ糖、テンリョウチャ(tenryocha)抽出物、トレハルロース、トレハロース、モネリン(monellin)、ニゲロオリゴ糖(ニゲロース等)、ネオターム(neotame)、ネオトレハロース、パラチニット(palatinit)、パラチノース、パラチノース・オリゴ糖、パラチノース・シロップ、フコース、フルクトオリゴ糖(ケストース、ナイストース(nystose)等)、フルクトシルトランスフェラーゼ処理ステビア、フルクトフラノシルナイストース、ブラジル甘草(Brazilian licorice)抽出物、フルクトース、ポリデキストロース、マルチトール、マルトース、マルトシルβ−シクロデキストリン、マルトテトライトール(maltotetraitol)、マルトトリイトール、マルトオリゴ糖(マルトトリオース、テトラオース、ペンタオース、ヘキサオース、ヘプタオース等)、マンニトール、ミラクルフルーツ抽出物、メリビオース、ラカンカ(Momordica grosvenori)抽出物、ラクチトール、ラクツロース、ラクトース、ラフィノース、ラムノース、リボース、異性化コーンシロップ、還元イソマルトオリゴ糖、還元キシロオリゴ糖、還元ゲンチオオリゴ糖、還元麦芽糖シロップ、グルコースシロップ、水素化グルコースシロップ、酵素的に修飾された甘草(enzymatically modified licorice)、甘草加水分解物、共役糖(coupling sugar)、ダイズオリゴ糖、転化糖、グルコースシロップ、蜂蜜及び同様な甘味物質を包含する。
本発明による微生物マイクロカプセルの経口製剤におけるフレーバー剤使用量は、任意の望ましい(例えば、慣用的)レベルに固定することができる。典型的なフレーバー負荷は例えばペパーミントオイル0.5〜2重量%、レモンオイル0.5〜1重量%、ストロベリー・フレーバー(Ungurer)0.5〜1重量%、アニスオイル0.5〜2重量%でありうる。全てのフレーバーは、典型的に、4時間のインキュベーション中の最大可能な封入レベルにまでカプセル封入される。活性成分は、マルトデキストリンによって、標準20重量%フレーバー負荷にまで希釈することができる。
カプセル封入される活性成分が特に不快な味のする(例えば、極端に苦い)場合には、例えばアスパルテームのような甘味料の添加は、該味を部分的にのみ遮蔽又は隠蔽することができるにすぎない。該活性成分の該味をより完全に遮蔽又は隠蔽するためには、例えばグリチルリチン酸アンモニウムのような、さらなる脱苦味剤(debittering agent)を用いることができる。グリチルリチン酸アンモニウムは、さもなくば苦い味のする活性成分に対して、約1:50から約1:10までの重量比率で、最も好ましくは、約1:20のグリチルリチン酸アンモニウム対活性成分の重量比率で用いることができる。グリチルリチン酸アンモニウムは、グリチルリチン酸のアグリコンと、相互に連結した2つのグルクロン酸単位の糖部分とから成るトリテルペノイド・サポニンのモノアンモニウム塩である。この物質はスクロースよりも約50〜約100倍甘く、苦味の遮蔽に有用であることが知られている。
グリチルリチン酸アンモニウムの苦味遮蔽特性は、ポリビニルピロリドン(PVP)の使用によってさらに強化することができる−これらの化合物は、相互を増強して、望ましい苦味遮蔽特性を生じるように思われる。例えば、塩酸シプロフロキサシンのような、特に苦味のある活性成分は、1種類以上のフレーバー剤と共に、PVP(5〜30重量%)、グリチルリチン酸アンモニウム(0.01〜0.5重量%)を含有する微生物マイクロカプセルと共に製剤化することができる。或いは、フレーバー剤を含有するマイクロカプセルを用いて、例えば、不快な味のする活性成分をPVP及びグリチルリチン酸アンモニウムと共に含む錠剤を被覆することができる。
不快な味を遮蔽するのに最も適したフレーバー剤を見出すことは、しばしば、非常に経験的な事柄である。しかし、特定の味を遮蔽するのに最も適したフレーバーの種類に関する一般的なガイドラインは、当業者に周知である。例えば、塩辛い味は、シナモン、ラズベリー、オレンジ、メイプル及びバタースコッチ・フレーバーを用いて遮蔽することができ、苦い味は、ココア、チョコレート・ハッカ、ワイルドチェリー(wildcherry)、ウォールナット、及びラズベリー・フレーバーを用いて遮蔽することができ、酸っぱい味は、フルーツ、シトラス及びチェリー・フレーバーを用いて遮蔽することができる。
患者の年齢と、投与頻度も患者の味の嗜好にさらに影響すると考えられる。小児は一般に、甘い、フルーティな、及びキャンディ様の味を好むが、成人は、あまり甘くない、酸っぱくフルーティなフレーバーを好む。フレーバー剤は一般的に不必要であり、生後3〜6か月未満の幼児には薦められない。高齢者はハッカ風味ビヒクル又はワイン風味ビヒクルでさえも好む。例えば制酸剤のような、頻繁な投与を必要とする液体は、甘いフルーティな味では迅速に飽きられてしまうおそれがあるので、これらの液体はハッカ又は酸っぱいシトラス・フレーバーで製剤化することができる。
フレーバー剤で不快な味を遮蔽することによって、味覚を変えることは、微生物カプセル封入フレーバー剤を含有する口当たりの良い製剤の製造における主要な要素であるが、他の要素も同様に寄与する。においは味覚の強力な決定因であり、如何なる溶液のアロマ又は香りも好ましいものであるべきであり、フレーバーと相関すべきである。製品温度も味覚に影響する可能性があるので、液体製品を冷凍することは、一般に、不快な味を軽減することができる。製品テキスチャー(product texture)も、味覚及び患者の受容性に関係する。ザラザラした又は粉っぽい製剤は大抵の患者によって受け入れられ難い(制酸剤製造者がかれらの粉っぽくない、ザラザラしない製品を推進するために費やす多額の金によって実証されるように)。
製剤の患者受容性を決定するのに、色の役割も重要でありうる。透明な、水のような溶液は、不活性さ又は効力の無さが知覚されるためにあまり受け入れられないと考えられる。例えば暗紫色、濃紺、黒色及び褐色のような、しばしば毒に関連する暗色も拒絶されうる。より感じが良い、フルーティな色が一般に好まれるが、フレーバー及び香りと調和すべきである(例えば、イエロー−レモン、レッド−チェリー)。成分若しくは活性成分の不快な味の遮蔽が部分的にのみ可能である製剤では、フレーバー剤、着色剤及びにおいの特異的な選択は、製剤の投与を可能にするほど充分に長時間、患者の気を紛らわすことができる。例えば、特に苦い活性成分は、青色に着色された、ストロベリー風味の、ハッカ香料入り(mint-scented)製剤中で部分的に遮蔽されることができる。この理論は、脳がハッカ香りの青いストロベリーという矛盾を調和させている間に、不快な味のする成分若しくは活性成分が嚥下されてしまうということである。
如何なる経口投与製剤の製造においても、テクスチャーも考慮すべきである。粘度は患者の受容性(patient acceptance)に大きな役割を果たす−シロップの特徴的な粘度は、患者の受容性に有効な効果を及ぼすように思われる、ところが、低い粘度の溶液は“水で薄めた”と知覚され、高い粘度の溶液は好ましくないと知覚される可能性がある。懸濁液としての微生物マイクロカプセルの製剤では、製品が粉っぽくない若しくはザラザラしないほど、粒度が充分に小さいこと、及び粘度が、製品が粒子分散系を維持するほど粘性でありながら流動するほど流動性であるような粘度であることを保証することが重要である。
本発明の第2態様によると、少なくとも1種類の活性成分若しくは少なくとも1種類の成分、及び複数の微生物から形成され、(a)少なくとも実質的に無傷の細胞壁及び(b)無傷の細胞膜を有する複数のマイクロカプセルを含む製剤の製造における少なくとも1種類のフレーバー剤の使用であって、前記少なくとも1種類のフレーバー剤が前記マイクロカプセル内に封入され、受動的に保持されており、前記フレーバー剤が前記微生物の天然の構成要素ではなく、前記少なくとも1種類の活性成分若しくは前記少なくとも1種類の成分が不快な味のするものであり、前記少なくとも1種類のフレーバー剤が、前記少なくとも1種類の活性成分若しくは前記少なくとも1種類の成分の不快な味を遮蔽、隠蔽若しくは中和して、前記製剤を経口投与された患者が前記不快な味のする活性成分を味わうことを防止するか、又は該製剤がより口当たりの良いものになるように、前記不快な味のする少なくとも1種類の活性成分若しくは成分のフレーバーを軽減させる使用を提供する。
本発明の第3態様によると、少なくとも1種類の活性成分若しくは少なくとも1種類の成分、及び複数の微生物から形成された複数のマイクロカプセルを含み、前記マイクロカプセル内に封入され、受動的に保持される少なくとも1種類のフレーバー剤を有する製剤であって、前記マイクロカプセルが(a)少なくとも実質的に無傷の細胞壁及び(b)無傷の細胞膜を有し、前記フレーバー剤が前記微生物の天然の構成要素ではなく、前記少なくとも1種類の活性成分若しくは前記少なくとも1種類の成分が不快な味のするものであり、前記少なくとも1種類のフレーバー剤が、前記少なくとも1種類の活性成分若しくは前記少なくとも1種類の成分の不快な味を遮蔽、隠蔽若しくは中和して、前記製剤を経口投与された患者が前記不快な味のする活性成分を味わうことを防止するか、又は該製剤がより口当たりの良いものになるように、前記不快な味のする少なくとも1種類の活性成分若しくは成分のフレーバーを軽減させる製剤の製造方法であって、
(i)前記少なくとも1種類のフレーバー剤が前記微生物の細胞壁中に、細胞壁を完全に溶解させることなく拡散することができ、それによって前記少なくとも1種類のフレーバー剤が細胞壁を横切る拡散によって前記微生物に吸収されて、前記微生物内に受動的に保持されるように、前記微生物を前記少なくとも1種類のフレーバー剤と接触させて、前記少なくとも1種類のフレーバー剤を含有する、複数のマイクロカプセルを製造する工程;
(ii)前記マイクロカプセルを前記少なくとも1種類の活性成分若しくは成分と共に製剤化する工程
を含む方法を提供する。
フレーバー剤は、特許FR2179528、US4001480、EP0085805、GB2162147及びEP0242135に記載されている方法のいずれかに従って、カプセル封入することができる。これらのカプセル封入方法は、非限定的であり、他の方法が当業者に知られることがありうる。
微生物は好ましくは真菌である。典型的な真菌類は、酵母、例えば、サッカロミセス・セレビジアエ(Saccharomyces cerevisiae)(醸造者の酵母、ベーカーの酵母)、クルイベロミセス・フラギリス(Kluyveromyces fragilis)(乳製品製造酵母)、サッカロミセス・バヤヌス(Saccharomyces bayanus)(ワイン酵母)及びカンジダ・ウチリス(Candida utilis)である。酵母は分類学上エンドミケス目から選択することができる。微生物は、糸状菌、例えばアスペルギルス・ニゲール(Aspergillus niger)であることができる。糸状菌の胞子、ミセル及び巨細胞形態を用いることができる。微生物はかび、例えばフザリウム・グラミニアリウム(Fusarium graminearium)であることができる。用いることができる、他の微生物は、細菌及び藻である。任意の比較的大きい原生動物も用いることができ−このような原生動物の例は、バクテリオデス・スクシノゲン(Bacteriodes succinogenes)、エチジニウム・エカウダツム(Etidinium ecaudatum)、エントジニウム・カウダツム(Entodinium caudatum)、オイジポロジニウム・ネグレクツム(Eudipolodinium neglectum)、オイジポロジニウム・マッギイ(Eudipolodinium maggii)、ジプロジニウム・デンタツム(Diplodinium dentatum)、及びポリプラストロン・マルチベシクラツム(Polyplastron multivesiculatum)を包含する。
フレーバー剤はカプセル封入プロセス中に液体形であるべきであり、カプセル封入が行なわれるために細胞膜内で溶解性であるべきである。フレーバー剤は、その標準状態で液体(オイルを包含する)であることができる、又はフレーバー剤は固体であることができ、この場合にはフレーバー剤は、液体溶解性である溶媒中で溶解又は微細分散するべきである。適当な溶媒は下記を包含する:
(a)C〜C12の範囲内の第1級アルコール、例えばノナノール及びデカノール(炭素原子数12を超える直鎖を含有する高級アルコールは、カプセル封入には大きすぎる);
(b)第2級及び第3級アルコール;
(c)グリコール、例えばジエチレングリコール;
(d)エステル−炭素直鎖が炭素数2より大きく12以下までである任意のエステル、例えば、エチルブチレート、トリアセチン;
(e)例えばキシレン及びアセトフェノンのような芳香族炭化水素;
(f)炭素数12を超える直鎖状枝を有さない、任意の芳香族親油性オイル;
(g)C〜C12カルボン酸。
固体フレーバー剤はカプセル封入することができるが、固体フレーバー剤は、上首尾にカプセル封入されるためには親油性であるべきであり、固体フレーバー剤は、80℃未満で溶融するか又は上記溶媒のいずれかに溶解性であるべきである。長時間にわたる80℃を超える温度は、細胞膜を修復不能に損傷すると考えられる。理想的には、このプロセスのためには、フレーバー剤は40〜65℃間で液体であるべきである、この理由は、これより高い温度はフレーバー剤を分解させうるからである。
複数のフレーバー剤、例えば、エッシェンシャルオイルの組み合わせを共カプセル封入する(co-encapsulated)ことができる。
フレーバー剤が例えばペパーミントオイルのようなオイルである場合には、固体の活性成分、成分又は付加的なフレーバー剤を該オイル中に溶解して、該オイルと共に共カプセル封入することができる。該オイルは、活性成分、成分又は付加的なフレーバー剤の溶剤として役立ち、得られるマイクロカプセルにフレーバーをも与える。カプセル封入のためのフレーバー剤の適合性は、本発明の方法の簡単なトライアルによって知ることができる。
メタノール、エタノール及びイソプロパノールは非常に低分子量の揮発性溶媒であり、これらはカプセル封入を容易にするために用いることができるが、それら自体は実際にはカプセル封入されない。物質をカプセル封入するために用いる場合に、フレーバー剤は例えばエタノール中に溶解性でなければならず、例えば3又は4部の水に加える場合に、活性成分は溶解状態で留まらなければならない。酵母を膨潤させ、それによって該膜を水和するために常に若干の水が存在しなければならない、さもないと、カプセル封入は行なわれないであろう。エタノールはこのプロセス中に蒸発し、酵母膜内で少なくとも部分的に溶解性でなければならないフレーバー剤はカプセル封入される。残留エタノールは、例えば噴霧乾燥のような、カプセル封入後の処理中に蒸発する。
フレーバー剤がカプセル封入されることができるか否かを予測するためには、幾つかの判断基準を考慮しなければならない。ベンゼン環又はナフタレン環を有するフレーバー剤は、カプセル封入に特に適するように思われる。0.5〜4.0のオクタノール/水(log P)分配係数を有する活性成分は、良好にカプセル封入される。分子量も考慮しなければならず、1000ダルトン未満の分子量を有するフレーバー剤は、一般に、カプセル封入されることができる。サイズも重要である、この理由は、C12より大きい直鎖炭化水素は、一般に、カプセル封入されず、直鎖C12伸長以上を含有する任意の分子は恐らくカプセル封入されず、長さでC12鎖と同様な剛構造を有する分子もカプセル封入されないからである。C12より大きい炭素数を有する分子は、構造がベンゼン環(例えば、フェノール系)又はナフタレン環等を含有する限り、カプセル封入されることができる。小さい分子直径を分子は、通常、最も効果的にカプセル封入されることができる。例えば、エタン、エタノール、プロパノールのような、炭素数1〜3の揮発性分子は、一般に、カプセル封入されないが、炭素原子数4以上の分子は一般にカプセル封入される。直鎖炭素原子に関して、カプセル封入のための最適範囲はC〜C12にある。これらの基準を超えた場合は、カプセル封入のためのフレーバー剤の適合性は、本発明の方法の簡単なトライアルによって知ることができる。
カプセル封入処理は、通常の周囲温度で行なうことができるが、好ましくは、カプセル封入を促進するために温度を上昇させる。適当な高温は35〜60℃の範囲内、例えば40〜50℃の範囲内でありうる。
カプセル封入処理は、好ましくは、微生物をフレーバー剤と共に液体媒質中で、特に水性媒質中で混合して、微生物をフレーバー剤と共に良好に分散させて、接触させることを含む。
カプセル封入処理は、最適のカプセル封入が達成されるまで、続けることができる。カプセル封入は、通常、厳しい環境(例えば、高いアルコール含量)中で酵母が増殖しない限り、微生物細胞内に含有されるフレーバー剤の1個以上の小球として、顕微鏡下で観察することができる、該厳しい環境の場合には、細胞壁が肥厚して、光学顕微鏡による直接の視覚化をいっそう困難にする。このような場合には、透過型電子顕微鏡(TEM)を要求することができる。カプセル封入処理は、カプセル封入の最適レベルが達成されるまでに数時間を要する可能性がある。
カプセル封入後に、例えばエタノール、メタノール及びプロパノールのような残留低分子量溶媒は、カプセル封入プロセス後に例えば噴霧乾燥のようなプロセスによって除去することができる。水も噴霧乾燥又は凍結乾燥によって除去することができる。水は、マイクロカプセル懸濁液を乾燥器に入れることによる蒸発によっても除去することができる。
カプセル封入の前に、前処理ブリーチング(pre-treatment bleaching)工程を行なうことができる。例えば、該処理は室温において1時間まで行なうことができ、この場合、0.2M水酸化ナトリウム/1%w/v過酸化水素を含み、9〜10のpH値を有するアルカリ性ブリーチ溶液の溶液で微生物を処理する。該混合物に消泡剤として、ケイ酸ナトリウムを加えることができる。この結果としての微生物は、一般に、乳白色の色であり、細胞壁はいっそう多孔質になりうる。例えば、ブリーチ済み酵母の場合には、乾燥時の細胞は、水中でそれらの重量の2〜3倍を吸収することができる未処理酵母細胞に比べて、水中でそれらの重量の5〜10倍を吸収することができる。ブリーチ済み酵母のこの水吸収能力上昇は、カプセル封入が通常多量の液体中で行なわれ、それによって粘度上昇に関連した問題が回避されることを意味する。
カプセル封入プロセス前に、場合によってはカプセル封入プロセス中に、カプセル封入の効率を改良するために、微生物を高温で、及び/又は酵素で、及び/又は例えばマグネシウム塩のような化学物質で処理することができる。例えばペプシン、トリプシン、キモトリプシン、キチナーゼ及びβ−グルカナーゼのような酵素は、微生物細胞壁を弱化させるのに役立つ。マグネシウム塩は微生物の透過性を強化する。次に、微生物を、カプセル封入すべきフレーバー剤と混合して、最適のカプセル封入が達成されるまで(該マイクロカプセルの光学又は電子顕微鏡分析で測定して)、インキュベートすることができる。
フレーバー剤のカプセル封入後で、製剤の製造前に、結果として得られたマイクロカプセルのコンディショニング処理(conditioning treatment)を行なって、該マイクロカプセルに残留する何らかの微生物味、色及びにおいを除去することができる。このコンディショニング処理は、例えば乾燥器若しくは加熱室のような乾燥環境下で室温において数週間若しくは数か月間、又は40℃までの高温において数時間/数日間マイクロカプセルをインキュベートすることを含むことができる。
酵母の場合には、カプセル封入プロセスは、自然二重壁カプセル内への活性成分の蓄積を生じる。酵母細胞壁は一般に80〜90%多糖であり、圧倒的に多い、例えば1,3−β−グルカンのようなグルカンと、さらに、細胞に剛性及び構造的サポートを加える長鎖炭水化物ポリマーを含む。タンパク質(例えばマンノタンパク質)、脂質及びポリホスフェートは、無機イオンと共に、細胞壁を強固にするマトリックス(cell wall cementing matrix)を構成する。内膜は典型的な脂質二層である。酵母細胞壁は、多くの食品等級カプセルと異なって、不溶性であるので、マイクロカプセルは湿式でも、乾式でも処理することができる。酵母マイクロカプセルを噴霧乾燥する場合に、非常に多くの酵母細胞を含む凝集粒子から成る自由流動性粉末が製造される。乾燥条件に依存して、乾燥粒度は10〜300ミクロンの範囲になりうる。大きい粒子に対しては、流動床が必要である。生成物は、プレス成形又は回転乾燥によって製造される、ケーキ、サスペンジョンとしても調製することができる。粒度又は混合粒度は、放出速度を制御するために有用である。
カプセル封入後にマイクロカプセルを洗浄して、カプセル封入されない残留物質を除去し、遠心分離、凍結乾燥又は噴霧乾燥によって単離することができる。
本発明の製剤及び同製剤の製造方法を例としてのみ示す下記実施例から、本発明がさらに明らかになると思われる。
実験
下記実施例は、経口投与のための活性成分及びフレーバー剤からの種々な製剤並びにこのような製剤の製造に用いられる方法を詳述する。
実施例1
サッカロミセス・セレビジアエ62Fは、Williams Bio-Energy,Pekin Illinoisから供給された。噴霧乾燥した酵母を水で予備洗浄して、残留媒質成分を除去して、結果としての洗浄済み酵母を水中に33%w/vの最終濃度まで懸濁させた。酵母の乾量の50%に相当する最終濃度まで、ペパーミントオイルを加えた。この混合物をウォータージャッケト付き容器内でテフロン被覆パドルを用いて45℃において6時間撹拌した。封入されたペパーミントオイルを含有する酵母細胞を遠心分離、2000xgによって回収して、水で2回洗浄して、残留未封入フレーバーを除去した。洗浄したペパーミントオイル含有酵母マイクロカプセルを水で35%乾燥固体までに希釈して、噴霧乾燥した。この結果として得られた粉末は、30ミクロンの平均粒度を有し、それぞれが、それぞれペパーミントオイルを含有する約150〜250酵母細胞を含有した。酵母封入ペパーミントオイルは、封入されない遊離ペパーミントオイルに比べて、ペパーミントオイルの口中での知覚を4〜5の倍率で強化することが判明した。製薬業界で通常用いるレベルでのフレーバーオイルを硫酸クロロキンに加えると、苦味ある抗マラリア薬、硫酸クロロキンは舌上に置かれたときに容易に感知されることができた。等量(equivalent weight)の酵母封入フレーバーを用いた場合には、硫酸クロロキンはもはや知覚されなかった。
実施例2
Overseal Ltd.から入手したトルラ酵母(カンジダ・ウチリス(Candida utilis))を水で洗浄して、遊離の溶解性栄養物及び異物を除去した。結果としての洗浄済み酵母を水で、30%乾燥固体の最終濃度に調節して、回転スターラーを380rpmで用いて撹拌した。この懸濁液に、Ungurerストロベリー・フレーバー(液体製剤)を、酵母細胞の乾量の約50%乾量で加えた。絶えず撹拌しながら、混合物をウォータージャケット付き密閉容器内で55℃において3時間インキュベートした。この時間後に、酵母細胞を遠心分離によって回収し、凍結乾燥した。口中に入れたときに、この乾燥粉末(20mg)は、同等な遊離フレーバーによって感知されるフレーバーの3〜4倍の、強烈なストロベリーフレーバーを生じた。該フレーバーは、15重量%までで粉末中に混合した苦味あるうっ血除去剤化合物、塩酸プソイドエフェドリン(Pseudoephedrine HCl)を遮蔽することができた。
実施例3
噴霧乾燥した(400g)醸造者酵母(サッカロミセス・セレビジアエNCYC1335)を、飽和アセスルフェイム(acesulfame)K500mlと飽和スクラロース500mlとの混合物中に懸濁させた。この混合物を30℃において1時間インキュベートして、凍結乾燥によって乾燥させた。得られた生成物を100ミクロンの粒度にまで穏やかに粉砕した。この生成物は強烈な甘味効果を生じて、この効果は、苦味あるプロカイネティック化合物(prokinetic compound)であるメトクロプラミドのフレーバーに勝つことができた。該甘味料の全てがカプセル封入されているのではなく、一部は該カプセルの表面上に存在することを、顕微鏡検査によって確認した。
実施例7に記載する方法を用いてブリーチしてあるWilliams Bioenergy酵母62Fを用いて、同じプロセスを行なった。この場合には、ブリーチ済み酵母が多量の水を吸収することができるので、アセスルフェイムK1000ml及びスクラロース1000mlを用いた。細胞壁はより効果的に開かれ、より大きい空間がスクラロースで充填されるのを可能にする。上記と同様に、乾燥後に、生成物はカプセル封入甘味料と未カプセル封入甘味料との混合物を含有した。
実施例4
特に小児によるフレーバー知覚は、しばしば、製品の色に基づく期待によって生じるので、ライムオイルの酵母への封入中に、食品等級の緑色染料を混合物に0.1%w/vで加えた。この場合に、噴霧乾燥したWilliams Bio-Energy酵母62F500gを含有する水1リットルに、ライムオイル(R.C.Treate)250mlを加えた。この混合物を50℃において4時間撹拌した。水で洗浄し、噴霧乾燥を用いて乾燥したときに、生成物はライムオイル24%を含有し、色が緑色であった。
実施例5
家庭内動物(例えば、イヌ及びネコ)に関しては、フレーバーは同様でありうるとしても、デリバリー形式は異なることができる。例えば寄生虫駆除薬ジクロロフェンのような不快な味のする活性成分をより口当たりの良いものにするために、酵母に封入されたビーフ・フレーバーを該不快な味のする活性成分に加えた。この場合に、本質的にビーフ・フレーバーを有する酵母、Quest International Ltd.から供給される醸造者酵母を選択した。この酵母を32%w/vの最終濃度に水中に分散させて、この液体フレーバーを酵母の50%乾量に加えた。この混合物を、40℃において8時間撹拌しながら、インキュベートした。ビーフ・フレーバーを含有する酵母細胞を遠心分離によって回収し、水で洗浄し、噴霧乾燥によって乾燥させた。この酵母カプセルはフレーバーオイル約15%を含有した。製品が口中に長時間留まらず、咀嚼が殆ど行なわれないイヌに対しては、不快な味のする物質の錠剤上の、酵母封入された強ビーフ風味生成物の薄い被膜(thin coating of the yeast encapsulated intensely beefy flavoured product)が効果的であった。摂取の前により大きく咀嚼行動が行なわれるネコに対しては、酵母封入された強ビーフフレーバーを20%以下の不快な味のする化合物と混合したが、この場合もやはり効果的であった。
実施例6
サッカロミセス・セレビジアエNCYC1603をMYGP寒天スロープ(それぞれ0.3%(w/v)のマルト抽出物と酵母抽出物、0.5%の細菌ペプトン、2%(w/v)のグルコース;2%(w/v)の寒天)上に維持した。酵母のループ(loop of yeast)を無菌下でMYGPブロス(broth)(寒天を含まない以外は上記と同じ培地)10mlに移して、30℃において一晩インキュベートした。該ブロスを無菌下で、5リットル作用量のMYGPブロスを含有する発酵槽に移した。該発酵槽を30℃において3日間インキュベートして、MSE Mistral 3000i遠心分離機(2000xg)を用いる遠心分離によって回収した。回収した酵母を水で洗浄して、過剰な培地を除去して、ジャケット付きガラス容器中で33%w/vの最終固体含量まで、温度42℃で水中に懸濁させた。テフロン・パドル付き上部撹拌装置、Stuart Scientific SS10によって、約300rpmで酵母を撹拌した。ペパーミントオイル(125g)及びスペアミントオイル(125g)を加えて、この懸濁液を6時間連続撹拌した。Mistral 3i遠心分離機を用いる、20分間の遠心分離、2000xgによって細胞を回収した。封入されたペパーミントオイル及びスペアミントオイルを含有するペレット化酵母細胞を水で2回洗浄して、細胞を約35%固体まで水中に再懸濁させた。次に、Niro Mobile Minor噴霧乾燥器を用いて、該物質を噴霧乾燥した。ペパーミントオイル及びスペアミントオイル濃度は、それぞれ、15%及び17%であることが判明した。
Dextromorphan、苦味ある鎮咳剤化合物を含有する、予備成形した錠剤の表面上に該乾燥細胞を塗布した。該表面層が口及び唾液と一緒に接触すると、強烈なフレーバーが放出されて、苦味が感知されることなく、錠剤の迅速な嚥下が非常に促進された。表面被膜上の酵母カプセルの一部は口腔内で遊離分散して、味遮蔽効果を高めた。非常に強度なフレーバー放出は、唾液産生を促進し、該活性成分含有錠剤の嚥下を容易にした。
実施例7
DCL Ltd.から供給された、商業的に入手可能なベーカーのドライイースト(300g)(サッカロミセス・セレビジアエ)を、ケイ酸ナトリウム40g/Lを含有する水酸化ナトリウム0.2M水溶液1リットル中に懸濁させた。濃度が1%w/vに達するまで、過酸化水素を加えて、結果として得られた懸濁液を次に室温において1時間穏やかに撹拌した。次に、酵母を遠心分離によって取り出し、水で洗浄して、過剰なブリーチング剤を除去して、噴霧乾燥によって乾燥させた。得られた酵母は、白色〜乳白色の色であり、懸濁液として、クリーミーなテクスチャーを有した。酵母臭は完全に除去された。噴霧乾燥した物質は、今後のカプセル封入プロセスに備えて、室温において乾燥状態で貯蔵した。
乾燥前の該懸濁液の一部を、水で20%固体に調節した。ブリーチし、脱臭した酵母の粘度は大きすぎて、未ブリーチ酵母と同様な濃度を用いた場合に、所望のエマルジョン特性
を得ることができなかった。ブリーチし、脱臭した酵母の懸濁液を、ドライイースト重量の約50%までの液体キャラメル・フレーバーの存在下で、回転スターラーを350rpmで40℃において5時間用いて、撹拌した。次に、液体キャラメル・フレーバーオイルを含有する酵母細胞を遠心分離によって取り出し、水で洗浄し、噴霧乾燥によって乾燥させた。乾燥生成物は26%の液体キャラメルオイルを含有した。
乾燥カプセルに苦味ある活性成分(マレイン酸クロロフェニラミン−抗ヒスタミン薬)の結晶性製剤を、該フレーバーが該苦味ある活性成分より過剰であることを確実にしながら、混合した。最良の結果を得るためには、フレーバー含有酵母カプセルは、苦味ある活性成分に対して3:1以上の比率で存在した。酵母封入フレーバーと、苦味ある活性成分との混合物を、製薬業界で知られた標準方法を用いて、錠剤に成形した。
実施例8
サッカロミセス・バヤヌス(ワイン酵母)を水中に、35%w/vの最終乾燥固体濃度に懸濁させた。カフェインをペパーミントオイル中に10%w/vまで溶解して、350rpmで撹拌しながら、ドライイーストの濃度の50%の最終濃度まで、酵母と42℃において8時間混合した。この適用に関して、ペパーミント又は他のフレーバーオイルキャリヤー中で30%を超える溶解度の苦味ある活性成分の溶液を用いないように、注意しなければならない。苦味ある化合物の濃度が大きい場合には、不快な味のする物質を遮蔽する該フレーバーオイルの能力を超えて、苦味も強化される危険性が存在する。封入されたペパーミントオイル/カフェインを含有する酵母細胞を遠心分離によって回収し、細胞を水で2回洗浄した。該細胞は28重量%のペパーミントオイル及び3.2%のカフェインを含有した。ペパーミントオイル及びカフェインを含有する酵母を錠剤に製剤化した後に、生成物は口当たりの良いものにされていた。
実施例9
ホエー上で培養したクルイベロミセス・ラクチス(Kluyveromyces lactis)(商業的に入手可能な酵母)を33%w/vの最終乾燥固体濃度にまで水中に懸濁させた。酵母懸濁液を、メントールの存在下で、350rpmで回転スターラーを用いて、60℃において3時間撹拌した、メントールは予め溶融したものであり、ドライイースト重量の約50%まで加えた。次に、メントール含有酵母細胞を遠心分離によって取り出し、温水で洗浄して、噴霧乾燥によって乾燥させた。乾燥生成物は28%のメントール結晶を含有した。舌上に置くと、強烈なクーリング/メントール・フレーバーが感知された。苦味ある化合物、例えばCiprofloxacin HCl(抗菌剤)を該混合物に、強烈なクーリング/メントール・フレーバーに勝らないように、20%のレベルまで加えることができた。
実施例10
サッカロミセス・セレビジアエNCYC1338(非凝集性酵母)を35%乾燥固体の最終濃度まで水中に懸濁させた。この懸濁液に、5倍濃縮ライムオイル(five times concentrated lime oil)を酵母の乾量の50%まで加えて、混合物を回転スターラーを300rpmで用いて撹拌した。この混合物を、酸化の可能性を軽減するために窒素スパージ(nitrogen sparge)の存在下で、60℃において2時間撹拌した。細胞を遠心分離によって、2000xgで回収して、残留ライムオイルを水による洗浄によって除去した。濃縮ペレットのアリコートを、アセスルフェイムK(甘味料)の飽和溶液(約30%w/v)中に再懸濁させ、回転スターラー中で穏やかに撹拌しながら(100rpm)、該甘味料が酵母細胞中に拡散するまで、30分間インキュベートした。この調製物を次に噴霧乾燥によって乾燥させると、ライムオイル28重量%及びアセスルフェイムK300gを含有する酵母細胞による粉末を生じた。顕微鏡検査時に、全ての甘味料が細胞に侵入しているとは限らず、該粉末が、細胞質中にライムオイルを含有する酵母カプセル、細胞壁マトリックス中の甘味料及び遊離甘味料を包含することが注目された。
ライムオイルを含有する酵母マイクロカプセルの懸濁液の第2アリコートを噴霧乾燥によって乾燥させ、アセスルフェイムKの飽和溶液中に再懸濁させた。インキュベートし、乾燥させた後に、酵母細胞壁マトリックス内に捕捉された物質の相対的濃度は、酵母懸濁液を甘味料溶液と混合した場合よりも大きかった。
これらの生成物の両方が、苦味ある活性成分(Norflaxacinー抗菌剤)と共に製剤化した場合に、強烈なフレーバー及び強い甘味効果をデリバリーして、それによって該活性成分の不快な味を遮蔽した。
実施例11
該プロセスに用いる酵母が、例えば栄養補給用途において“オーガニック(Organic)”として登録する必要があると考えられる場合には、Bioreal酵母(Agrano GmbH)を用いることができる。Bioreal酵母のサンプルを35%の最終乾燥固体濃度まで水中に懸濁させ、エッセンシャル・オレンジオイルを酵母の乾量の45%に等しい最終濃度まで加えた。この混合物を、48℃において6時間撹拌しながら、インキュベートした。洗浄し、噴霧乾燥した後に、酵母細胞は26%のオレンジオイルを含有した。カプセル封入されたフレーバーは、同等な遊離オイルのフレーバーの4〜5倍の、強烈なオレンジフレーバーを生じた。酵母封入されたオレンジオイルは、20%まで添加したクロキサシリン・ナトリウム−苦味ある抗菌性化合物を遮蔽することができた。
実施例12
サッカロミセス・セレビジアエ(62F)は、William Bioenergyから噴霧乾燥粉末として入手した、この酵母は色が明色であり、コーンシロップをベースとした培養培地を選択したために、酵母フレーバーを殆ど有さなかった。乾燥粉末を水で洗浄して、過剰な培地成分を除去した、噴霧乾燥粉末の乾量の約65%である、得られた酵母をジャケット付きガラス容器中で温度42℃において35%w/vの最終固体含量まで、水中に懸濁させた。酵母を、テフロン・パドル付き上部撹拌装置、Stuart Scientific SS10によって、約300rpmで撹拌した。ペパーミントオイル中に溶解したイブプロフェン(10%w/v)を、洗浄した酵母の乾量の約1/2まで混合物に加えて、該混合物を6時間、連続撹拌した。次に、ペパーミント及びイブプロフェンを含有する酵母細胞を遠心分離によって取り出し、温水で洗浄し、噴霧乾燥によって乾燥させた。得られた酵母カプセルは36重量%のペパーミントオイル及び3.7重量%のイブプロフェンを含有した。得られた粉末は口当たり良くされ、イブプロフェンの苦味は感知されなかった。

Claims (13)

  1. 少なくとも1種類の活性成分若しくは少なくとも1種類の成分、及び複数の微生物から形成される複数のマイクロカプセルを含み、前記マイクロカプセル内に封入され、受動的に保持される少なくとも1種類のフレーバー剤を有する製剤であって、前記フレーバー剤が前記微生物の天然の構成要素ではなく;前記マイクロカプセルが
    (a)少なくとも実質的に無傷の細胞壁、及び
    (b)完全な細胞膜
    を有し;前記少なくとも1種類の活性成分若しくは前記少なくとも1種類の成分が不快な味のするものであり;前記少なくとも1種類のフレーバー剤が、前記少なくとも1種類の活性成分若しくは前記少なくとも1種類の成分の不快な味を遮蔽、隠蔽若しくは中和して、前記製剤を経口投与された患者が前記不快な味のする活性成分を味わうことを防止するか、又は該製剤がより口当たりの良いものになるように、前記不快な味のする少なくとも1種類の活性成分若しくは成分のフレーバーを軽減させる製剤。
  2. 前記少なくとも1種類の活性成分若しくは前記少なくとも1種類の成分が前記マイクロカプセル内に封入され、受動的に保持されており、前記少なくとも1種類の活性成分若しくは前記少なくとも1種類の成分が前記微生物の天然の構成要素ではない、請求項1に記載の製剤。
  3. 前記製剤がさらに、少なくとも1種類の付加的なフレーバー剤を含む、請求項1又は2のいずれかに記載の製剤。
  4. 前記少なくとも1種類のフレーバー剤又は前記少なくとも1種類の付加的なフレーバー剤が、エッセンシャルオイル、アロマ化学物質、天然エッセンス、天然抽出物、甘味料、人工フレーバー剤、天然フレーバー剤、製薬用フレーバー剤、又はネーチャー・アイデンティカル・フレーバー剤から成る群から選択される、請求項1〜3のいずれかに記載の製剤。
  5. 前記少なくとも1種類のフレーバー剤又は前記少なくとも1種類の付加的なフレーバー剤がさらに、グリチルリチン酸アンモニウム及び/又はポリビニルピロリドンを含む、請求項1〜4のいずれかに記載の製剤。
  6. マウスウォッシュ、練り歯磨き、溶液、懸濁液、ゲル、ペースト、粉末、エアロゾル、錠剤、チュアブル錠剤、カプセル、スプレー、トローチ、リンクタス剤、シロップ、チューインガム、飴玉、又は圧縮スイートから成る群から選択される、請求項1〜5のいずれかに記載の製剤。
  7. 少なくとも1種類の活性成分若しくは少なくとも1種類の成分、及び複数の微生物から形成され、
    (a)少なくとも実質的に無傷の細胞壁、及び
    (b)無傷の細胞膜
    を有する、複数のマイクロカプセルを含む製剤の製造における、少なくとも1種類のフレーバー剤の使用であって、前記少なくとも1種類のフレーバー剤が前記マイクロカプセル内に封入され、受動的に保持されており、前記フレーバー剤が前記微生物の天然の構成要素ではなく、前記少なくとも1種類の活性成分若しくは前記少なくとも1種類の成分が不快な味のするものであり、前記少なくとも1種類のフレーバー剤が、前記少なくとも1種類の活性成分若しくは前記少なくとも1種類の成分の不快な味を遮蔽、隠蔽若しくは中和して、前記製剤を経口投与された患者が前記不快な味のする活性成分を味わうことを防止するか、又は該製剤がより口当たりの良いものになるように、前記不快な味のする少なくとも1種類の活性成分若しくは成分のフレーバーを軽減させる使用。
  8. 少なくとも1種類の活性成分若しくは少なくとも1種類の成分、及び複数の微生物から形成された複数のマイクロカプセルを含み、前記マイクロカプセル内に封入され、受動的に保持される少なくとも1種類のフレーバー剤を有する製剤であって、前記マイクロカプセルが
    (a)少なくとも実質的に無傷の細胞壁、及び
    (b)無傷の細胞膜
    を有し、前記フレーバー剤が前記微生物の天然の構成要素ではなく、前記少なくとも1種類の活性成分若しくは前記少なくとも1種類の成分が不快な味のするものであり、前記少なくとも1種類のフレーバー剤が、前記少なくとも1種類の活性成分若しくは前記少なくとも1種類の成分の不快な味を遮蔽、隠蔽若しくは中和して、前記製剤を経口投与された患者が前記不快な味のする活性成分を味わうことを防止するか、又は該製剤がより口当たりの良いものになるように、前記不快な味のする少なくとも1種類の活性成分若しくは成分のフレーバーを軽減させる製剤の製造方法であって、
    (i)前記少なくとも1種類のフレーバー剤が前記微生物の細胞壁中に、細胞壁を完全に溶解させることなく拡散することができ、それによって前記少なくとも1種類のフレーバー剤が細胞壁を横切る拡散によって前記微生物に吸収されて、前記微生物内に受動的に保持されるように、前記微生物を前記少なくとも1種類のフレーバー剤と接触させて、前記少なくとも1種類のフレーバー剤を含有する、複数のマイクロカプセルを製造する工程;
    (ii)前記マイクロカプセルを前記少なくとも1種類の活性成分若しくは成分と共に製剤化する工程
    を含む方法。
  9. 前記微生物をさらに少なくとも1種類の活性成分若しくは少なくとも1種類の成分と接触させる、請求項8に記載の製剤の製造方法であって、前記少なくとも1種類の活性成分若しくは少なくとも1種類の成分が不快な味のするものであって、前記微生物の天然の構成要素ではなく、前記少なくとも1種類の活性成分若しくは少なくとも1種類の成分が前記マイクロカプセル内に封入され、受動的に保持される方法。
  10. 前記製剤がさらに、少なくとも1種類の付加的なフレーバー剤を含む、請求項8又は9のいずれかに記載の製剤製造方法。
  11. 前記少なくとも1種類のフレーバー剤又は前記少なくとも1種類の付加的なフレーバー剤がさらに、グリチルリチン酸アンモニウム及び/又はポリビニルピロリドンを含む、請求項8〜10のいずれかに記載の製剤製造方法。
  12. 前記微生物が、真菌、細菌、藻及び原生動物から成る群から選択される、請求項1〜6のいずれかに記載の製剤、又は請求項8〜11のいずれかに記載の製剤製造方法。
  13. 前記微生物が、分類学上エンドミケス目から選択される酵母である、請求項1〜6のいずれかに記載の製剤、又は請求項8〜11のいずれかに記載の製剤製造方法。
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