JP2006515744A - Ii−Key/抗原性エピトープハイブリッドペプチドワクチン - Google Patents

Ii−Key/抗原性エピトープハイブリッドペプチドワクチン Download PDF

Info

Publication number
JP2006515744A
JP2006515744A JP2004541534A JP2004541534A JP2006515744A JP 2006515744 A JP2006515744 A JP 2006515744A JP 2004541534 A JP2004541534 A JP 2004541534A JP 2004541534 A JP2004541534 A JP 2004541534A JP 2006515744 A JP2006515744 A JP 2006515744A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mhc class
epitope
presented
amino acid
peptide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004541534A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006515744A5 (ja
Inventor
ハンフリーズ,ロバート・イー
スー,ミンツエン
Original Assignee
アンテイジエン・エクスプレス・インコーポレーテツド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from US10/245,871 external-priority patent/US20030235594A1/en
Priority claimed from US10/253,286 external-priority patent/US7179645B2/en
Application filed by アンテイジエン・エクスプレス・インコーポレーテツド filed Critical アンテイジエン・エクスプレス・インコーポレーテツド
Publication of JP2006515744A publication Critical patent/JP2006515744A/ja
Publication of JP2006515744A5 publication Critical patent/JP2006515744A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07HSUGARS; DERIVATIVES THEREOF; NUCLEOSIDES; NUCLEOTIDES; NUCLEIC ACIDS
    • C07H21/00Compounds containing two or more mononucleotide units having separate phosphate or polyphosphate groups linked by saccharide radicals of nucleoside groups, e.g. nucleic acids
    • C07H21/04Compounds containing two or more mononucleotide units having separate phosphate or polyphosphate groups linked by saccharide radicals of nucleoside groups, e.g. nucleic acids with deoxyribosyl as saccharide radical
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P31/00Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
    • A61P31/12Antivirals
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • C07K14/705Receptors; Cell surface antigens; Cell surface determinants
    • C07K14/70503Immunoglobulin superfamily
    • C07K14/70539MHC-molecules, e.g. HLA-molecules

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Gastroenterology & Hepatology (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Toxicology (AREA)
  • Cell Biology (AREA)
  • Virology (AREA)
  • Communicable Diseases (AREA)
  • Oncology (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)

Abstract

3要素を包含する抗原提示を高めるハイブリッドポリペプチドが開示される。第一の要素は、哺乳動物のIi−KeyペプチドLRMKLPKPPKPVSKMR(配列番号1)の4〜16残基より本質的になるN末端要素および抗原提示を高める活性を保持するそのN末端以外の欠失改変である。第二の要素は上述されたN末端要素を下述されるMHCクラスIIに提示されるエピトープに共有結合する化学構造である。該化学構造は、直鎖状の様式で配置される場合に同様に直鎖状の様式で配置される20アミノ酸の長さまで伸長するフレキシブルな鎖を形成する共有結合された原子群であり、該化学構造は:i)免疫学的に中性の化学構造、ii)MHCクラスIエピトープ若しくはその一部分、および/またはiii)抗体に認識される決定子若しくはその一部分より成る群から選択される。最後に、高める抗原提示を高めるハイブリッドポリペプチドは、MHCクラスII分子の抗原ペプチド結合部位に結合するポリペプチド若しくはペプチド模倣構造の形態の抗原性エピトープを含んでなるC末端要素を包含する。MHCクラスIIに提示されるエピトープを含有する目的のタンパク質若しくは目的のポリペプチドをコードする第一の発現可能な配列を含んでなる核酸分子もまた開示される。加えて、該核酸分子は抗原提示を高めるハイブリッドポリペプチドをコードする第二の発現可能な核酸配列を含んでなる。抗原提示を高めるハイブリッドポリペプチドは以下の要素、すなわちi)哺乳動物のIi−KeyペプチドLRMKLPKPPKPVSKMR(配列番号1)の4〜16残基から本質的になるN末端要素および抗原提示を高める活性を保持するそのN末端以外の欠失改変;ii)MHCクラスII分子の抗原性ペプチド結合部位に結合するポリペプチド若しくはペプチド模倣構造の形態のMHCクラスIIに提示されるエピトープを含んでなるC末端要素(該MHCクラスIIに提示されるエピトープは段階a)の目的のタンパク質中に含有される);ならびにiii)ハイブリッドのN末端およびC末端要素を結合する介在ペプチジル構造(該ペプチジル構造は約20アミノ酸若しくはそれ未満の長さを有する)を包含する。

Description

免疫系は、「外来」若しくは「異常な」構造の抗原としての認識により外来病原体、腫瘍細胞、自己免疫疾患誘発過程、アレルゲン、移植片に応答する。それらの抗原の大部分は、宿主の細胞若しくは病原体のいずれかにより合成されるタンパク質である。こうした抗原はペプチドフラグメントにプロセシング(タンパク質分解性に消化)され、抗原提示細胞の表面上のペプチド提示構造中で免疫系の応答するリンパ球に提示されるようになる。それらのペプチド提示構造は主要組織適合複合体(MHC)分子と呼ばれる。それらは、それらがマウスの近交系の間での移植片拒絶を制御するMHC遺伝子座の多形の対立遺伝子の産物として最初に認識されたためその名称を得た。
特定の1抗原に対する免疫応答は、MHC分子中のそれらの抗原のペプチドフラグメントを認識するTリンパ球により媒介される。抗原提示細胞(APC)内で、タンパク質分解性にプロセシングされた抗原のペプチドフラグメントは、主要組織適合複合体(MHC)分子の抗原性ペプチド結合部位に結合されるようになる。その後、これらのペプチド−MHC複合体は、応答するTリンパ球上のT細胞受容体により(該外来ペプチドおよび提示するMHC分子の隣接表面の双方の)認識のため細胞表面に輸送される。それらのTリンパ球は(免疫応答を支援若しくは抑制するための)免疫調節機能または(例えば細胞傷害性免疫応答により病原体若しくは腫瘍を取り除くための)エフェクター機能のいずれかを有し得る。抗原特異的認識事象は、保護的免疫応答若しくは自己免疫過程の場合は有害な免疫応答に至る免疫応答カスケードを開始する。
2種類のMHC分子がT細胞への抗原性ペプチドの免疫系の提示体(presenter)として機能する。MHCクラスI分子は、MHCクラスI分子の合成の時期ごろに、感染ウイルスのような小胞体で内因的に合成されたタンパク質からのペプチドを受領する。MHCクラスIに結合された抗原性ペプチドは細胞表面でCD8陽性の細胞傷害性Tリンパ球に提示され、それはその後活性化され、ウイルスを発現している細胞を直接殺し得る。対照的に、MHCクラスII分子は小胞体で合成され、それらの抗原性ペプチド結合部位はインバリアント鎖タンパク質(Ii)により阻害される。MHCクラスII分子およびIiタンパク質のこれらの複合体は、小胞体からゴルジ後(post−Golgi)区画に輸送され、そこでタンパク質分解によりIiが遊離され、かつ、特異的抗原性ペプチドがMHCクラスII分子に結合されるようになる(非特許文献1;非特許文献2;非特許文献3;非特許文献4;非特許文献5;非特許文献6;および非特許文献7)。
特許文献1および特許文献2は、Iiタンパク質が切断されて、MHCクラスII分子の抗原性ペプチド結合部位内の抗原性ペプチドの結合および固定化を調節するフラグメントを切断の間に遊離する機構を示した(非特許文献8;非特許文献9;および非特許文献10)。Iiタンパク質の1セグメント、Ii(77−92)が、抗原性ペプチドのN末端を保持する抗原性ペプチド結合部位の端部近くのその部位の外側のアロステリック部位で作用することが見出された。引用される特許はさらに、3種類の機構により免疫応答のこの初期の調節性の抗原性ペプチド認識事象を制御するための新規治療的化合物および方法を開示した。第一の機構において、抗原性ペプチドが該発明の化合物の作用により細胞表面のMHCクラスII分子から落とされる。
第二のものにおいて、それらの分子上の抗原性ペプチド結合部位の装填(charging)が、他の合成ペプチドの結合のための該発明の化合物で促進される。こうした挿入されたペプチド配列は抗原性エピトープ、若しくは非抗原性であるにもかかわらず抗原性ペプチド結合部位を強固に結合して封鎖する非抗原性ペプチド配列のいずれかであり得る。第三の機構は、それらの複合体からの抗原性ペプチドの会合/解離の速度、ならびに三分子のMHC分子/抗原性ペプチド/T細胞受容体複合体の成分の相互作用の性質、ならびにさらに応答するTリンパ球の分化および機能を調節する様式での補助的な細胞と細胞の相互作用分子とのその三分子複合体の相互作用を変えることを必要とする。
上に言及される機構の同定は治療的介入の新たな途を開く。これらの発見に基づく新たな方法および組成物はエピトープ特異的な治療の見込みを提供する。
R.Humphreys(1996)米国特許第5,559,028号明細書 Humphreysら(1999)米国特許第5,919,639号明細書 Blumら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:3975(1988) Riberdyら、Nature 360:474(1992) Daibataら、Mol.Immunol.31:255(1994) Xuら、Mol.Immunol.31:723(1994) Xuら、Antigen Processing and Presentation、Academic Press、ニューヨーク p277(1994) Kropshoferら、Science 270:1357(1995) Urbanら、J.Exp.Med.180:751(1994) Adamsら、Eur.J.Immunol.25:1693(1995) Adamsら、Arzneim.Forsch./Drug Research 47:1069(1997) Xuら、Arzneim.Forsch./Drug Research 印刷中(1999)
[発明の要約]
本発明は、一局面において、3要素を包含する抗原提示を高めるハイブリッドポリペプチドに関する。第一の要素は、哺乳動物のIi−KeyペプチドLRMKLPKPPKPVSKMR(配列番号1)のうちの4〜16残基、および抗原提示を高める活性を保持するそのN末端以外の欠失改変体より本質的になるN末端要素である。第二の要素は、上述されたN末端要素を下述されるMHCクラスIIに提示されるエピトープに共有結合する化学構造である。該化学構造は、直鎖状の様式で配置された場合に同じように直鎖状の様式で配置される20アミノ酸の長さまで伸長されるフレキシブルな鎖を形成する共有結合された原子群であり、該化学構造は:i)免疫学的に中性の化学構造、ii)MHCクラスIエピトープ若しくはその一部分、および/またはiii)抗体に認識される決定子若しくはその一部分よりなる群から選択される。最後に、高める抗原提示を高めるハイブリッドポリペプチドは、MHCクラスII分子の抗原性ペプチド結合部位に結合するポリペプチド若しくはペプチド模倣構造の形態の抗原性エピトープを含んでなるC末端要素を包含する。
別の局面において、本発明は、MHCクラスIIに提示されるエピトープを含有する目的のタンパク質若しくは目的のポリペプチドをコードする第一の発現可能な配列を含んでなる核酸分子に関する。加えて、該核酸分子は抗原提示を高めるハイブリッドポリペプチドをコードする第二の発現可能な核酸配列を含んでなる。該抗原提示を高めるハイブリッドポリペプチドは、以下の要素:i)哺乳動物のIi−KeyペプチドLRMKLPKPPKPVSKMR(配列番号1)のうちの4〜16残基および抗原提示を高める活性を保持するそのN末端以外の欠失改変体より本質的になるN末端要素;ii)MHCクラスII分子の抗原性ペプチド結合部位に結合するポリペプチド若しくはペプチド模倣構造の形態のMHCクラスIIに提示されるエピトープを含んでなるC末端要素(該MHCクラスIIに提示されるエピトープは段階a)の目的のタンパク質に含有される);ならびにiii)ハイブリッドのN末端とC末端要素を結合する介在ペプチジル構造(該ペプチジル構造は約20アミノ酸若しくはそれ未満の長さを有する)を包含する。
好ましい態様において、I−Keyペプチドの改変は、C末端からのアミノ酸の欠失;N末端伸長;およびアミノ酸置換を包含する。他の態様において、C末端要素はMHCクラスIに提示されるエピトープ若しくはその一部分をさらに含んでなり、該MHCクラスIに提示されるエピトープ若しくはその部分を構成するアミノ酸残基はMHCクラスIIに提示されるエピトープの構成残基である。
開示される態様はまた、C末端要素が抗体に認識される決定子若しくはその一部分をさらに含んでなる態様も包含する。抗体に認識される決定子若しくはその一部分を構成するアミノ酸残基は、好ましくはMHCクラスIIに提示されるエピトープの構成残基である。感染性病原体が炭疽菌、エボラ、HIVおよびインフルエンザよりなる群から選択される態様が開示される。開示される組成物に加え、使用方法もまた記述される。
[発明の詳細な記述]
本開示の発明の背景の節で論考されるとおり、米国特許出願第09/396,813号明細書(現米国特許第6,432,409号明細書)は免疫系の調節に関して有用なハイブリッドペプチド(本明細書で「’813増強ハイブリッドペプチド」と称される)を開示する。該開示は、適切な介在化学構造により哺乳動物のIi keyペプチドに共有結合されてハイブリッドポリペプチドを形成するMHCクラスII拘束性の抗原性エピトープが、前駆体の抗原性エピトープがそうであるよりも有意により高い効力を伴い抗原提示細胞によりTリンパ球に提示されるという発見に基づいていた。米国特許第6,432,409号明細書の開示は引用することにより本明細書に組み込まれる。
開示されたハイブリッドポリペプチドは、「MHCクラスII抗原提示を高めるハイブリッドポリペプチド」若しくはより単純に「増強ハイブリッド」と称された。本開示において、こうしたペプチドは「Ii−Key/抗原性エピトープハイブリッド」若しくは「ハイブリッドペプチド」ともまた称される。あるいは、機能的要素に基づく短い呼称をとりわけ例示の節で使用するかもしれない。例えば、Ii−Key/MHCクラスIIに提示される抗原性エピトープハイブリッド、Ii−Key/MHCクラスIIに提示される抗原性エピトープ/MHCクラスIに提示される抗原性エピトープハイブリッド、Ii−Key/MHCクラスIIに提示される抗原性エピトープ/抗体に認識される決定子(ARD)ハイブリッド。代替の専門用語の先行する列挙は包括的でないかもしれないが、しかし、こうした増強ハイブリッドへの言及は文脈において明らかであろう。
’813増強ハイブリッドは、哺乳動物のIi−Keyペプチド若しくは抗原提示を高める活性を保持するその改変より構成されるN末端を有する。提示されるべき特異的MHCクラスII抗原性エピトープがIi−Keyペプチドに共有(しかし間接的に)結合される。Ii−Keyペプチドと抗原性エピトープとの間は、他の2成分を共有結合する介在化学構造である。本介在化学構造は単純に「スペーサー」と称された。スペーサーの必要なパラメータは詳細に記述された。
本開示は、とりわけ、’813増強ハイブリッドに関して開示されたMHCクラスII抗原性エピトープに加えて抗原性エピトープ/決定子を含有する増強ハイブリッドペプチドを企図している。例えば本発明の増強ハイブリッドは複数のMHCクラスIIエピトープを含有しうる。複数のMHCクラスIIエピトープの包含はヒト集団のより大きな割合が免疫されることを可能にする。複数のエピトープは異なるアレルにより頻繁に提示されるからである。複数のMHCクラスIIエピトープに加え、本発明はまた、1種若しくはそれ以上のMHCクラスIエピトープおよび/または1種若しくはそれ以上のARD(抗体に認識される決定子)の包含も企図している。「エピトープ」および「決定子」という表現は当業者により同義語とみなされる。本明細書で使用されるところの「エピトープ/決定子」という表現の使用は、MHCクラスIIエピトープ、MHCクラスIエピトープおよびARDを包含することを意図している。
後に続く例示の節は、増強ハイブリッドペプチド中に組込み得る、実験で決定された若しくは予測されたMHCクラスIIエピトープ、MHCクラスIエピトープおよびARDの多数の特定の例を提供する。実験で決定されたエピトープは、ヒト疾患の動物モデルにおける前臨床試験にとって、アルゴリズムで予測されたエピトープより好ましい。部分的に、アルゴリズムで予測されたエピトープのかなりの割合が生物学的に機能的であることが見出されないからである。にもかかわらず、該「かなりの割合」は、こうしたエピトープが増強ハイブリッドの開発のための配列の供給源となるように十分に小さい。特定の疾患若しくは状態への集中の情況において、後に続く対応する例示の節で記述される化合物および使用方法に言及がなされる。
下で論考されるであろうとおり、MHCクラスII媒介性の免疫応答を高める若しくは増強するための’813増強ハイブリッドペプチドの使用は未利用の免疫貯蔵所(reservoir)を創製した。下でより詳細に論考されるであろうとおり、免疫系の細胞との’813増強ペプチドの相互作用は多数の応答性細胞型を大きく増幅した。増強ハイブリッドのMHCクラスIIエピトープ成分の形態のこれらの応答性細胞型の1サブセットに対する分子入力が提供された。しかしながら、多数のプライミングされかつ応答性の免疫細胞型が’813ペプチドにより刺激されたが、しかし、適切な分子の入力の供給(provision)は提供されなかった。MHCクラスIエピトープおよびARDの形態のこうした付加的な分子入力が本明細書に提供される。
より具体的には、’813ペプチドのクラスIIエピトープにより媒介されるTヘルパー細胞刺激の増強は、Ii−Key部分の影響により実質的に増強される(すなわち約250倍)。活性化されたT細胞のような免疫調節性の細胞型のクローン拡張は、免疫系による増幅効果を有する。上で論考されたとおり、これは従来技術で扱われていなかった余剰の免疫能力を創製し得る。
究極的には、ハイブリッドペプチド(本発明の増強ハイブリッドペプチド若しくは’813増強ハイブリッドペプチドのいずれか)の一要素であるMHCクラスIIに提示される抗原は、抗原提示細胞の表面上のMHCクラスII分子による提示によりその影響を発揮する。2種のとりわけ重要な分類の抗原提示細胞は樹状細胞およびマクロファージである。これらの抗原提示細胞は、それらのそれぞれの表面上に、抗原提示において機能する2つの型の特別な分子を有する。これら2つの型の分子がMHCクラスIおよびMHCクラスII分子である。抗原性ペプチド(例えばMHCクラスI若しくはMHCクラスIIエピトープ)は、T細胞上の抗原特異的受容体へのその後の提示のためにMHCクラスI若しくはMHCクラスII分子に非共有結合される。
理論により束縛されることを願わない一方、MHCクラスIおよび/若しくはMHCクラスIIエピトープを含有するペプチドは、最低2種の機構によりコグネイトの表示分子(すなわちMHCクラスI分子若しくはMHCクラスII分子)とともに抗原提示細胞の表面上で表示されうると考えられる。例えば、抗原提示細胞との接触後に、こうしたペプチドは抗原提示細胞によりインターナリゼーションされかつ古典的チャンネルによりプロセシングされうる。あるいは、こうしたペプチドのMHCクラスI若しくはMHCクラスIIに提示される抗原部分は、抗原提示細胞の表面上のMHCクラスI若しくはMHCクラスII分子に直接結合するかもしれない。従って、双方の場合において、該ペプチドのMHCクラスI若しくはMHCクラスIIに提示されるエピトープは、そのコグネイトのMHCクラスI若しくはMHCクラスII分子とともに抗原提示細胞の表面上に表示される。
こうしたMHCクラスIIに関連した表示が、T細胞の誘導およびこの誘導された集団のその後の拡張を包含する免疫媒介性の影響のカスケードを誘発する。この様式で刺激されたTヘルパー細胞は多様な方法で応答する。例えば、刺激されたTヘルパー細胞は、多様な活性化シグナルをB細胞に提供するサイトカインを遊離することにより機能する。B細胞は、例えば細胞表面と接触するタンパク質若しくはペプチド上に存在するARD要素を認識かつ特異的に結合し得る表面免疫グロブリンを産生する。該タンパク質若しくはペプチドがその後インターナリゼーションされ、そしてその後、存在するいかなるプロセシングされたMHCクラスI若しくはMHCクラスIIに提示されるエピトープもそれぞれMHCクラスI若しくはMHCクラスII分子とともにB細胞表面上に表示される。
先行する段落に提供されたARDを含有する分子の例はタンパク質若しくはペプチドであった。本発明に関して、ARDは増強ハイブリッドペプチドの一要素として提供される。前の例で真実であったとおり、増強ハイブリッドペプチドはB細胞によりインターナリゼーションされ、そして、増強ハイブリッドの一要素として存在するいかなるMHCクラスIIエピトープも、MHCクラスII分子とともにのB細胞の表面上での表示のためプロセシングされる。こうした提示はヘルパーT細胞集団をさらに刺激して、Bリンパ球の増殖およびARDに特異的な抗体を産生するプラズマ細胞への成熟をもたらす。
本発明の増強ハイブリッドポリペプチドは’813増強ハイブリッドがそうであったように3要素から構成される。該3要素は:1)哺乳動物のIi−KeyペプチドLRMKLPKPPKPVSKMR(配列番号1)のうちの4〜16残基および抗原提示を高める活性を保持するそのN末端以外の欠失改変体より本質的になるN末端要素;2)MHCクラスII分子の抗原性ペプチド結合部位に結合するポリペプチド若しくはペプチド模倣構造の形態のMHCクラスIIに提示されるエピトープを含んでなるC末端要素;ならびに3)ハイブリッドのN末端とC末端要素を共有結合する介在化学構造(該化学構造は、直鎖状の様式で配置された場合に同様に直鎖状の様式で配置される20アミノ酸の長さまで伸長するフレキシブルな鎖を形成する共有結合された原子群である)である。
本発明の増強ハイブリッドを’813増強ハイブリッドと識別する、包含される付加的なエピトープ(1個若しくは複数)または決定子(1個若しくは複数)は、好ましくはC末端要素若しくはリンカー要素内に位置する。加えて、エピトープ若しくは決定子はC末端要素およびリンカー要素にオーバーラップしてもよい。いくつかの状況においては、付加的なエピトープ若しくは決定子がリンカー要素とN末端のIi−Key部分との間にオーバーラップすることが可能であるかもしれない。
一般的に言って、MHCクラスIおよびMHCクラスIIエピトープは約8ないし約12アミノ酸残基から構成される。ARD要素は、典型的に、MHCクラスIおよびMHCクラスIIエピトープよりいくぶんより広い大きさ範囲を有する。ARDの一般に引用される大きさ範囲は約6から約16アミノ酸残基までである。ARDはそれらの三次元構造に基づいて認識される一方、MHCクラスIおよびMHCクラスIIエピトープはそれらの直鎖状の一次アミノ酸構造に基づいて認識される。
先行する段落にて概説された選択肢に対する特異性を提供するためには、本発明の増強ペプチドの構造をより詳細に論考することが必要である。リンカー配列はハイブリッドのN末端とC末端要素を共有結合する介在化学構造として記述されており、該化学構造は、直鎖状の様式で配置された場合に同様に直鎖状の様式で配置される20アミノ酸の長さまで伸長するフレキシブルな鎖を形成する共有結合された原子群である。従って、該リンカー配列がアミノ酸から構成されるかぎり(これは要件でない)、本発明の開示は、空間占有体(occupier)としてのそれらの必要とされる役割に加え、リンカーのアミノ酸残基に付加的な機能性を提供する。
明記されるリンカーの長さ(直鎖状の様式で配置される20アミノ酸まで)は、第二の完全なMHCクラスIIエピトープ、第一の完全なMHCクラスIエピトープ、またはこうした付加的なエピトープの第一の完全なARD若しくはセグメントを含有するのに十分に長い。加えて、こうした配列長さは、MHCクラスIエピトープ、MHCクラスIIエピトープおよびARDよりなる群から選択される複数のオーバーラップしないエピトープを収容し得る。
機能的なMHCクラスIエピトープ、MHCクラスIIエピトープおよびARDが、全部の表されたエピトープの完全な機能性を保持しつつオーバーラップする様式で配置されていてもよいことが当該技術分野で既知である。ハイブリッド内の各エピトープのそれぞれの機能はペプチドごとで一時点で共発現されない。こうしたペプチドはMHCクラスI若しくはMHCクラスII分子中に結合されかつ折り畳み構造で抗体により認識されなければならないからである。にもかかわらず、それぞれのプロセシングおよび/若しくは細胞表面のMHC分子への結合を伴う注入されたペプチドの集団を考えれば、いずれか1種のIi−Key増強ハイブリッド内のエピトープの全3分類が、免疫した動物内で有効な免疫原となり得る。
最小配列がいくつかの理由から好ましい。これらは、単純性および合成の費用、タンパク質分解のより少ない機会、消失若しくは吸着につながる代謝的変化のより少ない機会を包含する。従って、リンカー要素は、相互にオーバーラップする(すなわち、個々のアミノ酸残基が1種以上のエピトープの成分でありうる)複数のエピトープを含有してよい。同様に、MHCクラスIIに提示されるエピトープを包含するC末端要素は、オーバーラップする若しくはオーバーラップしない配置の付加的なエピトープ(MHCクラスI、MHCクラスII若しくはARD)もまた含有してよい。
本発明の増強ハイブリッドペプチドの多様な要素間の境界は、ある述べられた限界内でいくぶん自由裁量であることが示されている。多様な要素間の結合に広がるエピトープが本発明の範囲内に包含される。従って、例えば、エピトープの一部分が増強ハイブリッドペプチド要素若しくはドメイン(例えばリンカー領域)の1つ内に含有されることを1請求項が明記する場合は、これは、残存する部分が隣接する部分若しくはドメインの連続する部分で見出されることを必然的に意味する。部分的(すなわち非機能的エピトープは本発明に関連して有用でない)。
この領域の初期の研究は、哺乳動物のIi keyペプチドLRMKLPKPPKPVSKMR(配列番号1)、および改変された哺乳動物のIi−keyペプチドYRMKLPKPPKPVSKMR(配列番号2)が、それらのそれぞれの抗原性ペプチドを認識するTリンパ球ハイブリドーマへのある種のMHCクラスII拘束性の抗原性ペプチドの提示を変える能力を有することを示した(米国特許第5,559,028号明細書;米国特許第5,919,639号明細書(それらの開示は引用することにより本明細書に組み込まれる))。改変バージョンのIi−keyペプチドを用いた以前の実験は、活性の損失を伴わずに多様な改変をこのポリペプチドに対しなし得ることを示した。事実、改変はしばしば該ポリペプチドの抗原提示活性を高めた。
米国特許出願第09/396,813号明細書(現米国特許第6,432,409号明細書)の実験の節に詳述された結果は、抗原提示を高める活性を保持する全部の改変されたIi keyペプチドが、適切に組込まれる場合に本発明の増強ハイブリッド中で機能することができることを示す。Ii keyペプチドの改変は、C末端からの1個若しくはそれ以上のアミノ酸の欠失、N末端の保護、アミノ酸置換および環状ペプチドの導入を包含する。元の配列の最低4連続アミノ酸を保持するIi keyペプチドの欠失若しくはその置換されたバージョンは機能的活性を表す。多様な天然の若しくは非天然のアミノ酸をそれぞれの残基位置で置換してよい。置換されうる分子のいくつかの例は、ペプチド模倣構造、D−異性体アミノ酸、N−メチルアミノ酸、L−異性体アミノ酸、修飾L−異性体アミノ酸および環化誘導体である。加えて、医薬品化学の手順が、ハイブリッドのN末端セグメントの付加的な改変を得るための慣例の実験方法を使用して当業者により応用されてよい。こうした手順の例は、合理的ドラッグデザインの方法、X線回折データからの構造情報に基づく分子モデル化、核磁気共鳴データ、および他のコンピュータの使用方法、ならびにコンビナトリアル化学合成の生成物のスクリーニング、ならびに天然の産物の単離である。高活性を保持することが既知である改変バージョンのIi keyペプチドの例は、LRMK(配列番号3)、LRMKLPK(配列番号4)、LRMKLPKS(配列番号5)、LRMKLPKSAKP(配列番号6)およびLRMKLPKSAKPVSK(配列番号7)である。Ii−keyペプチドの他の改変および改変されたバージョンは、米国特許第5,919,639号明細書および米国特許第5,559,028号明細書に記述されている。活性を保持することが既知である改変バージョンのIi−keyペプチド(YRMKLPKPPKPVSKMR、配列番号2)は本明細書で「Ii−key相同体」と称される。本明細書で使用されるところのIi key相同体という用語はIi keyペプチドそれ自身を包括する。
こうしたIi−Keyペプチドは、いくつかの実験方法により、抗原性ペプチドのN末端を保持するMHCクラスII分子の抗原性ペプチド結合部位の端のアロステリック部位に結合することが示された。アロステリック部位への結合のその過程は、内因性に結合された抗原性ペプチドの遊離および細胞表面のMHCクラスII分子との交換を助長した。
Ii−Keyペプチドのペプチド相同体はマウス若しくはヒトMHCクラスII分子に作用して、結合された抗原性ペプチドの遊離および合成ペプチドとのそれらの置換を促進する(Adams S.Arneimittelforschung.1997 47:1069−1077;Xu M.Arneimittelforschung.1999 49:791−9)。単純なポリメチレンリンカー若しくはIiタンパク質の伸長された天然の配列のいずれかにより抗原性エピトープペプチドに結合されたIi−Keyペプチドのハイブリッド構築物は、抗原性ペプチドに対し500ないし2000倍の提示効力を有する(Humphreys RE.Vaccine.2000 18:2693−2697)。この特性は、本明細書で提示されるところの多様な疾患および状態の診断、処置のモニタリングおよび治療において大きな臨床的有用性を有する。Ii−Key/抗原性エピトープハイブリッド内のIi−Key部分のこの活性はin vitro若しくはin vivoのいずれでも見出される。この活性は細胞表面のMHCクラスII分子との相互作用に帰すことができる。Ii−Key化合物は生存若しくはパラホルムアルデヒド固定した抗原提示細胞のいずれともin vitroで活性であった(Adams S.Eur J Immunol.1995 25:1693−1702)からである。しかしながら、該化合物はin vivoで強力であるため、それらはまた、外因性抗原をプロセシングする経路により取り込まれかつゴルジ後の抗原装填区画でMHCクラスII分子に結合するかもしれない。
本発明の増強ハイブリッドのMHCクラスIエピトープ、MHCクラスIIエピトープおよびARDを上で論考した。本発明の増強ハイブリッドの生成での使用に選択されるこうしたエピトープ/決定子を使用のためさらに改変してもよい。すなわち、天然の若しくは改変された配列のポリペプチド、ペプチド模倣構造、およびまた天然でないすなわち修飾されたアミノ酸である化学構造も、本明細書に開示される増強ハイブリッドのエピトープ/決定子要素中に包含してよい。加えて、増強ハイブリッドの抗原性エピトープ/決定子要素に対して多様な化学修飾を行ってよい。例えば、改変が抗原性エピトープ/決定子の結合特異性を保存する、非天然のアミノ酸または他のバックボーン若しくは側鎖部分の全体としての若しくは部分的な付加。こうした化学構造は、天然のタンパク質配列由来であるいかなる抗原性ペプチドに対しても見かけの構造類似性を中程度有するか、ほとんど若しくはまったく有しないかもしれない。こうした改変はT細胞受容体による認識に関係しても若しくはしなくてもよい。改変は抗原性エピトープの認識を増大させる(例えば、T細胞受容体の以前は認識しないサブセットによる認識に至る)ことができる。
介在化学構造すなわちスペーサーを上で論考した。介在化学構造が1個若しくはそれ以上のエピトープ/決定子を含んでなる場合、定義された限界内の全体長さは、大きな程度まで、該エピトープ/決定子の正体(identity)により指図される。介在化学構造が抗原的に中性である場合には、米国特許出願第09/396,813号明細書(現米国特許第6,432,409号明細書)の教示が当てはまる。示されるとおり、該スペーサーは、好ましくは、直鎖状に配置された9アミノ酸のペプチジルバックボーンの長さ未満である。至適には、スペーサー長さは直鎖状に配置された4と6アミノ酸との間のペプチジルバックボーンの長さである。好ましくは、スペーサーは、増強ハイブリッドペプチドの他の別個の要素にいかなる空間的に別個の様式でも水素結合することが不可能である。
再度、抗原的に中性のスペーサー要素に関して、多様な化学基をアミノ酸の代わりにスペーサーセグメントに組込んでよい。例は米国特許第5,910,300号明細書(その内容は引用することにより本明細書に組み込まれる)に記述されている。好ましい一態様において、スペーサーは、ヘテロ原子により至適に中断されている脂肪族鎖、例えばC−Cアルキレン若しくは=N−(CH2−6−N=より構成される。あるいは、スペーサーは交替する単位、例えば、O、N若しくはSのようなヘテロ原子により場合によっては中断されている疎水性、親油性、脂肪族およびアリール脂肪族配列から構成されてもよい。スペーサーのこうした成分は、好ましくは以下の分類の化合物、すなわちステロール、アルキルアルコール、変動するアルキル官能基をもつポリグリセリド、アルキルフェノール、アルキルアミン、アミド、疎水酸性(hydroxyphobic)ポリオキシアルキレンなどから選ばれる。他の例は、疎水性ポリ無水物、ポリオルトエステル、ポリホスファゼン、ポリヒドロキシ酸、ポリカプロラクトン、ポリ乳酸、ポリグリコール酸ポリヒドロキシ酪酸である。スペーサーはまた、酸素原子により分離されるポリプロピレン、イソプロピレン、ブチレン、イソブチレン、ペンタメチレンなどのような反復する短い脂肪族鎖を含有してもよい。
スペーサー中で使用し得る付加的なペプチジル配列は、米国特許第5,856,456号明細書(その内容は引用することにより本明細書に組み込まれる)に記述されている。一態様において、スペーサーは切断にさらされるそれ内に組込まれた化学基を有する。制限なしに、こうした化学基は、プロテアーゼ;化学基若しくは触媒的モノクローナル抗体により触媒される切断のため設計しうる。プロテアーゼ感受性の化学基の場合、トリプシンの標的(陽イオン性側鎖をもつ2アミノ酸)、キモトリプシンの標的(疎水性側鎖をもつ)およびカテプシン感受性(B、D若しくはS)が好ましい。「トリプシンの標的」という用語は、トリプシンおよびトリプシン様酵素により認識されるアミノ酸の配列を記述するために本明細書で使用する。「キモトリプシンの標的」という用語は、キモトリプシンおよびキモトリプシン様酵素により認識されるアミノ酸の配列を記述するために本明細書で使用する。加えて、触媒的モノクローナル抗体の化学的標的および他の化学的に切断される基は、ペプチド合成、酵素触媒作用および一般に有機化学の当業者に公知であり、そして慣例の実験方法を使用してハイブリッド構造に設計かつ合成し得る。
本発明の全部の態様が介在化学構造すなわちスペーサーの免疫原性の中性を包含するわけではない。すなわち、本発明は、介在化学構造すなわちスペーサーが:1)MHCクラスIエピトープ若しくはその一部分;および2)抗体に認識される決定子若しくはその一部分よりなる群から選択される態様を包含する。とりわけ、本態様は、米国特許法の一部継続出願の規定が適用できない対応する国際特許出願の予期される出願に関して重要である。
本発明のハイブリッドは、特徴が完全にペプチドから特徴が実質的にペプチド以外まで変動する。いくつかの相同体は特徴が実質的に縮小されたペプチドもしくはペプチド以外であるという事実を考えれば、それらは好都合な特性、例えば細胞膜を通る浸透、溶解性、タンパク質分解に対する抵抗性、抱合(conjugation)による不活性化に対する抵抗性、経口の生物学的利用性およびin vivoのより長い半減期を有することがよりありそうであることができる。
酸性若しくは塩基性基が構造中に存在する場合のハイブリッド分子の製薬学的に許容できる塩もまた本発明の範囲内に包含される。「製薬学的に許容できる塩」という用語は、酢酸塩、アンモニウム塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、ホウ酸塩、臭化物、エデト酸カルシウム、カムシル酸塩、炭酸塩、塩化物/二塩酸塩、クエン酸塩、クラブラン酸塩、エデト酸塩、エジシル酸塩(edisylate)、エストレート、エシレート、フマル酸塩、ヘキシルレゾルシン酸塩、ヒドラバミン、ヒドロキシナフトン酸塩、ヨウ化物、イソチオネート、乳酸塩、ラクトビオネート、ラウリン酸塩、メシル酸塩、メチル臭化物、メチル硝酸塩、メチル硫酸塩、ムコ酸塩(mucate)、ナプシル酸塩、硝酸塩、N−メチルグルカミド、オレアステ、シュウ酸塩、パモ酸塩、パルミチン酸塩、パノ酸塩、パントテン酸塩、リン酸塩/二リン酸塩、ポリガラクツロン酸塩、サブアセテート、硫酸塩、酒石酸塩、トシル酸塩、トリエチオダイド、吉草酸塩などのような全部の許容できる塩を包含することを意図している。製薬学的に許容できる塩は、溶解性若しくは加水分解の特徴を改変するための投薬形態物として使用し得るか、または、徐放性若しくはプロドラッグ製剤で使用し得る。本発明の化合物の特定の官能性に依存して、本発明の化合物の製薬学的に許容できる塩は、ナトリウム、カリウム、アルミニウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、亜鉛のような陽イオンから、およびアンモニア、アルギニン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、リシン、N−メチルグルタミン、オルニチン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、N−ベンジルフェネチルアミン、ピペラジン、プロカイン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、およびテトラメチレンジアミン水酸化物などのような塩基から形成しうる。これらの塩は標準的手順により、例えば遊離酸を適する有機若しくは無機塩基と反応させることにより製造しうる。アミノのような塩基性基が存在する場合、および酸性の塩、例えば酢酸塩、臭化水素酸塩、塩酸塩、パモ酸塩などを投薬形態物として使用し得る。
また、酸(−COOH)若しくはアルコール基が存在する場合は、徐放性若しくはプロドラッグ製剤としての使用のため溶解性若しくは加水分解の特徴を改変するために、製薬学的に許容できるエステル、例えば酢酸エステル、リンゴ酸エステル、ピバロイルオキシメチルなど、および当該技術分野で既知のエステルを使用し得る。
本発明のハイブリッド分子若しくはそれらの成分はキラル中心を有するかもしれず、そして、それのためにラセミ化合物、ラセミ混合物および個々の鏡像異性体若しくはジアステレオマーとして存在することができ、全部のこうした異性体ならびにそれらの混合物が本発明に包含される。さらに、本発明のハイブリッド化合物の結晶形のいくつかは多形として存在するかもしれず、そしてそれ自体本発明に包含されることを意図している。加えて、本発明の化合物のいくつかは水若しくは一般的な有機溶媒と溶媒和物を形成しうる。こうした溶媒和物もまた本発明の範囲内に包含される。
本発明の増強ハイブリッドは、抗原性ペプチドの合成および選択のため開発された方法により合成かつ選択しうるペプチド若しくはペプチド模倣物または付加的な化学物質群から構成しうる。それらの方法および化合物は、以下の特許すなわち米国特許第4,708,871号明細書;米国特許第5,194,392号明細書;米国特許第5,270,170号明細書;米国特許第5,382,513号明細書;米国特許第5,539,084号明細書;米国特許第5,556,762号明細書;(1997)米国特許第5,595,915号明細書;米国特許第5,747,334号明細書;および米国特許第5,874,214号明細書(それらの内容は引用することにより本明細書に組み込まれる)に提示されている。
上に提示される開示は主として抗原提示を高めるハイブリッドペプチドに関する。別の局面において、本発明はこうした増強ペプチドをコードする核酸配列に関する。増強ハイブリッドペプチドの開示の範囲は、コードする核酸配列から組換えDNA技術を使用して製造される増強ハイブリッドペプチドが20種の天然に存在するアミノ酸の1種から製造されなければならないという事実に照らして対応する核酸配列の開示よりいくぶんより広いことが示される。はるかにより広範囲の置換は増強ハイブリッドペプチドが化学合成技術により製造される場合に利用可能である。
多様な送達系がin vitroおよびin vivoでの本発明の増強ハイブリッドの標的細胞への送達における使用に利用可能である。こうした送達系は例えばウイルスおよび非ウイルス系を包含する。適するウイルス系の例は、例えばアデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルス、レトロウイルスベクター、ワクシニア、単純疱疹ウイルス、HIV、マウスの微小ウイルス、B型肝炎ウイルスおよびインフルエンザウイルスを包含する。例えば複合体形成されないDNA、DNA−リポソーム複合体、DNA−タンパク質複合体およびDNA被覆した金粒子、サルモネラのような細菌ベクター、ならびに、VP22輸送タンパク質、Co−X−遺伝子およびレプリコンベクターを必要とするもののような他の技術を使用する非ウイルス送達系もまた使用してよい。
動物細胞中で目的の核酸配列を発現するための一選択肢はアデノウイルス系である。アデノウイルスは二本鎖DNAゲノムを有し、そして宿主細胞の分裂と独立に複製する。アデノウイルスベクターは、発現可能な構築物の細胞中への代替の導入方法に関して多様な利点を提供する。例えば、アデノウイルスベクターは広範囲のヒト組織に形質導入することが可能であり、そして高レベルの遺伝子発現を分裂および非分裂細胞で得ることができる。アデノウイルスベクターは、標的細胞分裂の間の免疫系の消失および希釈喪失による比較的短いトランスジーン(transgene)発現持続期間を特徴とする。静脈内、胆管内、腹腔内、小嚢内、頭蓋内および鞘内注入、ならびに標的器官若しくは組織の直接注入を包含するいくつかの投与経路を使用し得る。従って、解剖学的境界に基づくターゲッティングが達成可能であることが当該技術分野で認識される。
アデノウイルスゲノムは約15種のタンパク質をコードし、また、感染は細胞表面の受容体に結合する線維タンパク質を必要とする。この受容体相互作用は該ウイルスのインターナリゼーションをもたらす。感染した細胞の核にウイルスDNAが進入し、そして転写が細胞分裂の非存在下で開始される。発現および複製はE1AおよびE1B遺伝子の制御下にある(Horwitz,M.S.、Virology、2.sup.nd編、1990、pp.1723−1740中を参照されたい)。E1遺伝子の除去は該ウイルスを複製無能にする。
アデノウイルスの血清型2および5はベクター構築に広範囲に使用されている。Bettら(Proc.Nat.Acad.Sci.U.S.A.、1994、91:8802−8806)はE1およびE3アデノウイルス遺伝子の欠失を伴うアデノウイルスタイプ5ベクター系を使用した。293ヒト胚腎細胞株がE1タンパク質を発現するよう工作され、そして従ってE1欠損ウイルスゲノムをトランス補完(transcomplement)し得る。該ウイルスを293細胞培地から単離しかつ限界希釈プラークアッセイにより精製し得る(Graham,F.L.とPrevek,L.Methods in Molecular Biology:Gene Transfer and Expression Protocols、Humana Press 1991、pp.109−128中)。組換えウイルスを293細胞株培養物中で増殖させかつ感染した細胞を溶解することおよび塩化セシウム密度遠心分離による精製により単離し得る。組換えアデノウイルスの製造のための293細胞と関連する問題は、E1遺伝子の付加的な隣接領域によりそれらがウイルス粒子産生の間に複製能力のあるアデノウイルス(RCA)を生じさせるかもしれないことである。この材料は野性型アデノウイルスのみでありかつ複製能力のある組換えウイルスでないとは言え、それは所望のアデノウイルス材料の最後の収量に対する大きな影響を有しかつ増大された製造費用、製造運転についての品質管理の問題および臨床使用のためのバッチの許容性につながり得る。293細胞よりもより定義されたE1遺伝子の組込みを有する(すなわち隣接するウイルス配列を含有しない)PER.C6のような代替細胞株が開発されており、それらはRCAを生じさせる組換え事象を可能にせずかつ従って上のウイルス産生の問題を克服する可能性を有する。
アデノ随伴ウイルス(AAV)(Kotin,R.M.、Hum.Gene Ther.、1994、5:793−801)は非常に広範な宿主範囲の非分裂細胞のゲノム中に組込むことが可能な一本鎖DNAの非自律性パルボウイルスである。AAVはヒト疾患と関連することが示されておらず、そして免疫応答を導き出さない。AAVは2種の別個の生活環相を有する。野性型ウイルスは宿主細胞を感染させ、組込みかつ潜在性のまま留まることができる。アデノウイルスの存在下で該ウイルスの溶解期が誘導され(初期アデノウイルス遺伝子の発現に依存する)かつ活発なウイルス複製につながる。AAVゲノムは、逆方向末端反復(ITR)配列により隣接される2個のオープンリーディングフレーム(repおよびcapと呼ばれる)から構成される。rep領域はAAVの複製、ウイルスDNA転写、および宿主ゲノム組込みで使用されるエンドヌクレアーゼ機能を媒介する4種のタンパク質をコードする。rep遺伝子はウイルス複製に必要とされる唯一のAAV配列である。cap配列はウイルスキャプシドを形成する構造タンパク質をコードする。ITRはウイルスの複製起点を含有し、被包化シグナルを提供しかつウイルスDNA組込みに参画する。遺伝子治療のため開発された組換えの複製欠損ウイルスはrepおよびcap配列を欠く。複製欠損AAVは、AAV複製に必要な分離された要素を許容的な293細胞株中にコトランスフェクトすることにより生じさせ得る。米国特許第4,797,368号明細書は関連する開示を含有しかつこうした開示は引用することにより本明細書に組み込まれる。
レトロウイルスベクターは分裂細胞を感染させるために有用であり、そして宿主細胞膜およびウイルスタンパク質由来のエンベロープ中にパッケージングされている1個のRNAゲノムから構成される。レトロウイルス遺伝子発現は、その+鎖RNAゲノムが二本鎖DNA(その後宿主細胞のDNAに組込まれる)の合成を指図するための鋳型として使用される逆転写段階を必要とする。組込まれたプロウイルスは遺伝子発現のため宿主細胞の機械装置を使用することが可能である。
マウス白血病ウイルスは一般に使用されるレトロウイルス種である(Millerら、Methods Enzymol.、1993、217:581−599)。レトロウイルスベクターは、典型的にはgag、polおよびenv遺伝子の欠失により構築する。これらの配列の欠失は目的の核酸配列の挿入のための能力を提供しかつ該ウイルスの複製機能を排除する。抗生物質耐性をコードする遺伝子がしばしば選択の手段として包含される。例えばin vivo投与後の組織特異的発現を提供するためのプロモーターおよびエンハンサー機能もまた包含してよい。末端反復配列に含有されるプロモーターおよびエンハンサー機能を使用してもまたよい。
こうしたウイルス、および目的の外因性核酸配列を運搬するこうしたウイルスの改変はウイルスパッケージング細胞株中でのみ生じさせ得る。パッケージング細胞株は、欠失されたウイルス遺伝子(gag、polおよびenv)が組換えを予防するように異なる染色体上に存するような細胞中にそれらを安定に挿入することにより構築しうる。該パッケージング細胞株を使用して、組換えプロウイルスDNAを挿入することにより目的の核酸配列を含有する複製欠損レトロウイルスを生成することができる産生体(producer)細胞株を構築する。被包化配列および目的の遺伝子を含有するgag遺伝子の小さな一部分に隣接する末端反復配列を含有するプラスミドDNAを、標準的DNA移入および取り込み技術(電気穿孔法、カルシウム沈降法など)を使用してパッケージング細胞株にトランスフェクトする。このアプローチの変形が、複製能力のあるウイルスの産生の見込みを低下させるのに使用されている(Jolly,D.、Cancer Gene Therapy、1994、1、51−64)。ウイルスの宿主細胞範囲はエンベロープ遺伝子(env)により決定され、そして、異なる細胞特異性をもつenv遺伝子の置換を使用し得る。エンベロープタンパク質中への適切なリガンドの組込みもまたターゲッティングのために使用してよい。
組換えレトロウイルスベクターの投与はいかなる適する技術により達成してもよい。こうした技術は、例えば、患者の細胞のex vivo形質導入、組織中へのウイルスの直接注入、およびレトロウイルス産生体細胞の投与によりを包含する。ex vivoのアプローチは患者の細胞の単離および組織培養物中での維持を必要とする。この情況において、標的細胞に対するウイルス粒子の高い比を達成し得、そして従って形質導入効率を向上させ得る(例えば米国特許第5,399,346号明細書(その開示は引用することにより本明細書に組み込まれる)を参照されたい)。米国特許第4,650,764号明細書はレトロウイルス発現系の使用に関する開示を含有し、そしてこの引用される特許の開示は引用することにより本明細書に組み込まれる。
いくつかの場合にはin vivoのウイルスの直接導入が必要であるか若しくは好ましい。レトロウイルスは、分裂細胞(腫瘍細胞)のみを感染させるレトロウイルスの能力がとりわけ有利でありうる脳腫瘍を治療するのに使用されている。患者の脳腫瘍中へ直接のレトロウイルス産生体細胞株の投与もまた提案されている(例えばOldfieldら、Hum.Gene Ther.、1993、4:39−69を参照されたい)。こうした産生体細胞は数日の期間脳腫瘍内で生存することができ、そして周囲の脳腫瘍を形質導入することが可能なレトロウイルスを分泌することができる。
発現のためのポックスウイルスに基づく系が記述されている(Moss,B.とFlexner,C.、Annu.Rev.Immunol.、1987、5:305−324;Moss,B.、Virology、1990、pp.2079−2111中)。例えばワクシニアは感染した細胞の細胞質中で複製する大型のエンベロープDNAウイルスである。多くの異なる組織からの非分裂および分裂細胞を感染させ、また、組込まれないゲノムからの遺伝子発現が観察されている。組換えウイルスは、ワクシニア由来プラスミドにトランスジーンを挿入すること、および相同的組換えがウイルス産生に至るワクシニアに感染した細胞中にこのDNAをトランスフェクトすることにより製造し得る。大きな一欠点は、それが150ないし200種のウイルスにコードされるタンパク質に対する宿主免疫応答を導き出して反復投与を問題の多いものにすることである。
単純疱疹ウイルスは感染した細胞の核で複製する大型の二本鎖DNAウイルスである。このウイルスは外因性核酸配列とともにの使用に適応可能である(Kennedy,P.G.E.とSteiner,I.、Q.J.Med.、1993、86:697−702を参照されたい)。利点は、広範な宿主細胞範囲、分裂および非分裂細胞の感染を包含し、そして、外来DNAの大型配列を相同的組換えによりウイルスゲノムに挿入し得る。欠点は、ウイルス調製物を複製能力のあるウイルスを含まなくすることにおける困難および強力な免疫応答である。ウイルスのチミジンキナーゼ遺伝子の欠失は、低レベルのチミジンキナーゼを含む細胞中で該ウイルスを複製欠損にする。活発な細胞分裂を受けている細胞(例えば腫瘍細胞)は、複製を可能にするための十分なチミジンキナーゼ活性を有する。
HIV、マウスの微小ウイルス、B型肝炎ウイルスおよびインフルエンザウイルスを包含する多様な他のウイルスが遺伝子移入のためのベクターとして開示されている(Jolly,D.、Cancer Gene Therapy、1994、1:51−64を参照されたい)。非ウイルスDNA送達戦略もまた応用可能である。これらのDNA送達戦略は、複合体形成されないプラスミドDNA、DNA−脂質複合体、DNA−リポソーム複合体、DNA−タンパク質複合体、DNA被覆した金粒子およびDNA被覆したポリラクチドコグリコリド粒子に関する。精製された核酸を組織中に直接注入し得、そして、例えば再生する筋中でとりわけ有効な筋組織中での一過性遺伝子発現をもたらす(Wolffら、Science、1990、247;1465−1468)。Davisら(Hum.Gene Ther.、1993、4:733−740)は成熟筋(骨格筋が一般に好ましい)中へのDNAの直接注入について公表した。
金粒子上のプラスミドDNAは遺伝子銃を使用して細胞(例えば表皮若しくはメラノーマ)中に「発射」し得る。DNAを金粒子上に共沈殿させ、そしてその後噴射剤として電気スパーク若しくは加圧ガスを使用して発射する(Fynanら、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.、1993、90:11478−11482)。電気穿孔法もまた、マルチニードルアレイ(multi−needle array)およびパルス回転電場を使用する電気穿孔プローブを使用する充実性腫瘍中へのDNAの移入を可能にするのに使用されている(Nishiら、Cancer Res.、1996、56:1050−1055中)。腫瘍内注入処置を上回る有意の細胞トランスフェクション増強およびより良好な分布の特徴を伴う皮下腫瘍への高効率の遺伝子移入が特許請求されている。
脂質媒介性トランスフェクションがin vitroおよびin vivo双方のトランスフェクションに好ましい(Hortonら、J.Immunology、162:6378、1999)。脂質−DNA複合体は、DMRIE−C試薬のような商業的に入手可能な脂質を使用して注入の1ないし5分前にDNAおよび脂質を混合することにより形成される。
リポソームは、細胞進入を助長するために疎水性分子で親水性分子を取り囲むことにより作用する。リポソームは脂質から作成される単層若しくは多層球体である。脂質組成および製造方法がリポソームの構造に影響を及ぼす。他の分子を脂質膜中に取り込み得る。リポソームは陰イオン性若しくは陽イオン性であり得る。Nicolauら(Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A、1983、80:1068−1072)は、ラットに注入された陰イオン性リポソームからのインスリン発現に関する業績を公表した。陰イオン性リポソームは、別の方法で標的を定められない限り、主として肝の網内細胞を標的とする。分子がリポソームの表面に取り込まれてそれらの挙動を変え得る(例えば細胞選択的送達)(Wu,G.Y.とWu,C.H.、J.Biol.Chem.、1987、262:4429−4432)。
Flegnerら(Proc.Nat.Acad.Sci.U.S.A、1987、84:7413−7417)は、陽イオン性リポソームに関する業績を公表し、静電的相互作用による核酸のそれらの結合を立証しかつ細胞進入を示した。陽イオン性リポソームの静脈内注入は、器官への輸入血液供給中への注入に際して大部分の器官でのトランスジーン発現につながる。陽イオン性リポソームは肺上皮を標的とするエアゾルにより投与し得る(Brighamら、Am.J.Med.Sci.、1989、298:278−281)。陽イオン性リポソームトランスジーン送達を用いたin vivo研究が公表されている(例えば、Nabel,G.、Rev.Hum.Gene Ther.、1994、5:79−92;Hydeら、Nature、1993、362:250−255および;Conaryら、J.Clin.Invest.、1994、93:1834−1840を参照されたい)。
微粒子が貪食細胞へのDNAの送達のための系として研究されており、こうしたアプローチはPangaea Pharmaceuticalsにより報告されている。こうしたDNA微小被包化送達系は、ミクロスフェアを取り込むマクロファージのような貪食細胞のより効率的な形質導入を遂げるために使用されている。ミクロスフェアは、同一のエピトープを含有するこうしたペプチドおよびタンパク質配列に対する免疫応答を刺激し得る、発現される場合に細胞表面上のMHC分子を介するペプチド表示につながる潜在的に免疫原性のペプチドをコードするプラスミドDNAを被包化する。このアプローチは現在、抗腫瘍および病原体ワクチンの開発における潜在的役割に向けられているが、しかし他の可能な遺伝子治療の応用を有するかもしれない。
ウイルス様粒子(VLP)中への均一な自己集成が可能である天然のウイルスコートタンパク質もまた、送達のためにDNAをパッケージングするのに使用されている。ヒトポリオーマウイルスの主要な構造コートタンパク質(VP1)を組換えタンパク質として発現させ得、そして、VLP中への自己集成の間にプラスミドDNAをパッケージングすることが可能である。生じる粒子をその後使用して多様な細胞株に形質導入し得る。
DNAベクターの改良もまたなされており、そして非ウイルス送達系の多くに応用可能なことがありそうである。これらは、スーパーコイルのミニサークル(細菌の複製起点も抗生物質耐性遺伝子も有さず、そして従ってそれらが高レベルの生物学的封じ込めを表す際に潜在的により安全である)、エピソーム発現ベクター(プラスミドが核内でしかし染色体の外側で増幅し、そして従ってゲノム組込み事象を回避する複製するエピソーム発現系)、およびT7系(ベクターそれ自身がファージT7 RNAポリメラーゼを発現し、そして治療的遺伝子が第一のプロモーターにより生成されるポリメラーゼを使用して第二のT7プロモーターから駆動される、厳密に細胞質の発現ベクター)の使用を包含する。DNAベクター技術に対する他のより一般的な改良は、高レベル発現を遂げるためのcisに作用する要素、細胞周期あたり1回の複製を供給するためのアルフォイド反復DNA由来の配列、および核ターゲッティング配列の使用を包含する。
他の局面において、本発明は、Tリンパ球へのMHCクラスIIに提示される抗原性ペプチドの提示を高める方法に関する。米国特許第6,432,409号明細書にて論考されるとおり、MHCクラスII拘束性の抗原性エピトープは、上述された本発明の増強ハイブリッドのC末端に適切に組込まれる。産生された増強ハイブリッドをその後、生理学的条件下で、抗原提示細胞のMHCクラスII分子による抗原性エピトープの提示に応答性であるT細胞と接触されている若しくはその後接触されるMHCクラスIIを発現する抗原提示細胞に接触させる。この方法は、抗原性エピトープの上に列挙された記述に従う全部の抗原性エピトープを伴う使用に適する。in vitroでのこうした増強のアッセイ方法の例は、下の例示の節および本開示に列挙される米国特許に詳述されている。
一局面において、主題の発明は、治療若しくは診断の目的上、目的の抗原のMHCクラスIIに提示されるエピトープを含有するペプチドワクチンのCD4+免疫調節性T細胞を活性化する効力の向上方法に関する。ヒトにおける広範な疾患および状態が、CD4+免疫調節性T細胞を活性化するための本発明の化合物および方法の応用から利益を得ることができる。こうしたCD4+免疫調節性T細胞は、癌、感染性疾患、アレルギー、自己免疫、移植片拒絶および他の臨床過程における臨床目的の抗原に対する免疫応答を増強若しくは抑制のいずれかをし得る。
本明細書に提示されるところの多様な疾患および状態の処置若しくは改変における臨床目的の抗原は、抗原提示細胞の表面上の主要組織適合複合体(MHC)分子により提示される小ペプチドフラグメントとして免疫系のT細胞により認識される。MHCクラスI分子はこうした抗原性ペプチドをCD8+細胞傷害性若しくはキラーT細胞に提示する。身体の大部分の細胞は、細胞性タンパク質のレパートリーから引き出されかつ小胞体でのそれらの合成の時点でそれらの細胞のMHCクラスI分子中に結合されている(「自己の免疫学的調査」)、細胞表面のMHCクラスIに提示されるペプチドを発現する。ウイルス感染若しくは悪性形質転換後に、CD8+細胞傷害性T細胞がMHCクラスI分子中の新規すなわち「外来の」内因性に生じられたペプチドを認識しかつ該提示細胞を殺す。
MHCクラスII分子は、免疫応答の多様なエフェクター機構を増強若しくは抑制することによりその応答を調節するCD4+ T免疫調節細胞に抗原性ペプチドを提示する。こうしたエフェクター機構は、例えば、標的細胞の細胞傷害性T細胞殺傷、B細胞およびプラズマ細胞による抗体産生、ならびに樹状細胞活性化を包含する。それらは免疫応答におけるほとんど全部の機構を直接若しくは間接的に調節するため、CD4+ T免疫調節細胞は免疫応答オーケストラの指揮者と呼ばれている。MHCクラスII分子は、環境の抗原をインターナリゼーションしかつプロセシングするための特化された機構を有するマクロファージ、樹状細胞およびB細胞のような身体の細胞の1サブセットのみ上で発現される。小胞体での合成の時点で、MHCクラスII分子の抗原性ペプチド結合部位はIiタンパク質により満たされる。その複合体のゴルジ後の抗原装填区画への輸送後に、Iiタンパク質は、抗原をプロセシングする細胞によりインターナリゼーションかつプロセシングされた外来タンパク質からの抗原性ペプチドの共同の挿入を伴いプロテアーゼにより除去される(Cresswell P.Cell.1996 84:505−7;Hudson AW.Exp Cell Res.2002 272:1−7;Bryant PW.Adv Immunol.2002 80:71−114)。Iiタンパク質のIi−KeyセグメントがMHCクラスII分子上のアロステリック部位と相互作用して、Iiタンパク質の遊離の間の抗原性ペプチド結合部位の不安定性および選択された抗原性ペプチドの結合を誘導する。Ii−Keyセグメントの解離/破壊後に、抗原性ペプチドは、それらの分子の抗原性ペプチド結合部位の延長された発現のためにMHCクラスII分子中に強固に結合される。細胞表面への輸送後に、こうしたMHCクラスII−抗原ペプチド複合体はCD4+ T免疫調節細胞上の特化された受容体により認識される。それらの細胞の活性化は多様な方法で免疫応答を調節する。これらは後に個々の治療目的に関して考慮する。簡潔には、CD4+細胞のサブセットが、サイトカインおよび他の遺伝子の差次的誘導を特徴とするTh1、Th2、若しくはTh2経路に沿って活性化されうる。それらの調節性細胞は、抗原特異的様式で免疫応答を誘導若しくは抑制のいずれかをする。さらに、CD4+ T細胞はメモリーT細胞の持続する集団となるよう誘導され得る。
Iiタンパク質のIi−Keyセグメントが相互作用するアロステリック部位は、細胞表面で発現されるMHCクラスII分子中の環境に接近可能である。この事実は、Ii−Key/抗原性エピトープハイブリッドペプチドを液相で単純な様式で、例えば皮下に、静脈内に、鞘内に、腹腔内に、経粘膜でおよび気道へのエアゾルとして投与し得かつ膜を横切るまたはいずれかの特別の細胞内若しくは代謝的プロセシング若しくは修飾を受けることなく標的のMHCクラスII分子と接触し得るために、臨床上かなり価値がある。さらに、MHCクラスII分子のアロステリック部位は生存している若しくはパラホルムアルデヒド固定された抗原呈示細胞さえの表面上で発現されるという事実は、本明細書および以前に米国特許第5,559,028号明細書(1996)および米国特許第5,919,639号明細書(1999)の双方で提示されるとおり、Ii−KeyペプチドおよびIi−Key/抗原性エピトープハイブリッドペプチドの作用機序のin vitro研究を助長した。
単純な液相投与後のMHCクラスII分子と細胞表面で発現されたを接触させることの好ましい特性に加え、Ii−Key/抗原性エピトープハイブリッドペプチドはまた、マクロファージ若しくは樹状細胞のような抗原をプロセシングしかつ提示する細胞中にも取り込まれ得、そしてゴルジ後の抗原装填区画のそれらの横断の経過中にMHCクラスII分子に接触させ得る。抗原にMHCクラスII分子を接触させるこれら2種の非常に異なる経路のいずれかの選択的使用は、本明細書に記述されるところの多様な疾患および状態の処置の間に有用である。例えば、長期間にわたる低濃度での静脈内投与は免疫抑制を生じさせる様式でのエピトープ提示に好ましいことができ、例えば多発性硬化症若しくは慢性関節リウマチに関する抗原からのペプチドエピトープの場合に好ましい。または、他方、癌若しくは感染性疾患のいずれかの治療に関連する抗原に対するその後投与されるDNAワクチンに対する免疫応答を増強する場合には、補助的なサイトカイン若しくは他の刺激物質とともにDNAワクチンによりコードされるエピトープを組込むIi−Key/抗原性エピトープの投与がTh1媒介性の応答の発生を促進する。
Tリンパ球へのMHCクラスII拘束性の抗原性エピトープの提示を高める方法は疾患の診断および治療における広範な応用を見出す。診断的抗原性エピトープに対するT細胞応答は、とりわけ病因の感染性病原体に関する疾患の診断でしばしば測定される。こうした診断的抗原性エピトープを組込ませた本発明の増強ハイブリッドの使用はこれらのin vitro診断アッセイの感度を実質的に増大させることができる。感染性疾患および癌の場合、病原体若しくは癌特異的と同定される抗原性エピトープを本発明の増強ハイブリッドに中に組込み得、そしてその後、該ハイブリッドを使用して病原体若しくは癌特異的なMHCクラスIIに提示される抗原性エピトープに対するTh応答を開始させ得る。この応答はTヘルパー細胞の活性化および拡張につながり、それは順に、侵襲する生物体に対する有効なMHCクラスI拘束性の細胞傷害性Tリンパ球応答をプライミングするよう樹状細胞を活性化すなわち「許可」する。自己免疫疾患、アレルギーおよび移植片拒絶の場合、病原性の免疫応答を誘発する特異的抗原エピトープを同定し、そしてその後本発明の増強ハイブリッドに組込む。該ハイブリッドをその後、T細胞応答をダウンレギュレートすることができるTh2応答に至る様式でT細胞を刺激するのに使用する。この場合、サプレッサー細胞応答の刺激を使用して病原性の免疫応答をダウンレギュレートする。Tリンパ球の予め決められたサブセットを特異的に刺激する増強ハイブリッドの同定方法を下述する。疾患の治療におけるこうしたハイブリッドの付加的な方法および有用性を下で考慮する。
別の局面において、Ii−Key抗原性エピトープハイブリッドは、いずれかの所定のMHCクラスIIに提示されるエピトープで免疫し得るワクチン接種された集団の個体のMHCクラスIIアレルのレパートリーおよび従って反応を増大させる。Ii−Key/抗原性エピトープハイブリッド内に提示される抗原性エピトープの効力は、ペプチドとして提示される同一のエピトープのものよりはるかにより大きいため、その所定のエピトープに対する低応答体のMHCクラスIIアレルをもつ哺乳動物を高応答体のMHCクラスIIアレルをもつ哺乳動物に同等なレベルまで刺激してもよい。そのエピトープを認識する免疫調節性T細胞クローンの発生は、目的の、例えば悪性の若しくはウイルスに感染した細胞の抗原からの同一のエピトープの高められたその後の提示につながることができる。いずれか1エピトープに対する治療応答を促進するMHCクラスIIアレルのレパートリーのこの拡張は、いずれかの所定のエピトープで免疫することにより保護されている集団のより大きな部分につながる。従って、「ペプチドのかご(basket of peptides)」ワクチン、すなわち多様なエピトープをもつペプチドを含有するものは必要とされない。すなわち、Ii−Key/抗原性エピトープハイブリッドの使用を伴わずに、はるかにより多数の個々の抗原性エピトープペプチドがTヘルパーペプチドワクチンで使用されるに違いない。
別の局面において、Ii−Key/抗原性エピトープハイブリッドはDNAワクチンに対する応答を高める。病原体または腫瘍特異的若しくは腫瘍関連抗原のいずれかからの1種若しくはそれ以上の抗原のcDNA配列を含有するワクチンが臨床で試験されている。しかしながら、多くの例において、高レベルの保護抗体、若しくは長期間の免疫学的記憶、若しくは最大の細胞傷害性T細胞応答は見出されない。効力のこの欠如はこうした免疫感作に対する弱いヘルパーT細胞応答に帰されている。Tヘルパー細胞を、従って、cDNAワクチンでの免疫感作を最大にするように、適する時間的スケジュールでcDNAワクチン中のMHCクラスIIに提示されるエピトープに対するIi−Key/抗原性エピトープハイブリッドでプライミングし得る。
別の局面において、目的の抗原の配列全体にオーバーラップするペプチドのライブラリーの1メンバーのそれぞれへのIi−Keyリンカーの付加は、MHCクラスIIエピトープを拾い上げる感受性を増大させる。こうしたハイブリッド中のエピトープの提示の増大された効力を考えれば、弱く抗原性のエピトープ、および生物学的応答、例えばIgEにより媒介されるものの特定の経路の誘導において他の限界を伴うエピトープがより良好に認識されるかもしれない。さらに、所定の実験的抗原性エピトープに対する相同性、若しくは例えばHLPC分離およびタンデム質量分光写真術により部分的にのみ同定された配列を伴い合成したペプチドのコンビナトリアルライブラリーの場合には、こうしたペプチドのN末端でIi−Keyモチーフおよびリンカーを合成することによりこうしたライブラリー中のペプチドの効力を高め得る。こうしたペプチドの合成がCからN末端に進行するという事実は、連続的にava、その後K、その後M、その後R、その後L(逆でLRMK(配列番号8))を付加し得るか、若しくはAc−LRMK−ava(配列番号9)を1単位として末端に付加し得るかのいずれかであるため、好都合である。
別の局面において、Ii−Key/抗原性エピトープ技術を潜在的抗原性エピトープの発見、検証および使用で応用し得る。潜在的抗原性エピトープは、抗原性タンパク質からのペプチドでの哺乳動物の免疫感作に際して(しかし無傷の抗原タンパク質での遺伝的に同一の哺乳動物の免疫感作に際してでなく)認識されるエピトープであると経験的に定義されている。Sercarzらによる徹底的な実験的研究において、所定の系統のマウスに関して所定の抗原性タンパク質中の大部分の潜在的エピトープを発見するための手順が確立された。例えば6アミノ酸のオーバーラップする末端セグメントをもつそれぞれ長さ15アミノ酸のペプチドのライブラリーを目的の抗原性タンパク質、例えばニワトリ卵リゾチームの一次アミノ酸配列により創製した。所定の系統の1匹のマウスをリゾチームで免疫し、そしてリゾチームライブラリー中のペプチドのそれぞれに対する脾T細胞の増殖応答を試験した。増殖応答を刺激するペプチド中のエピトープを優性エピトープと命名した。その系統の追加のマウスをリゾチームペプチドのライブラリーのそれぞれのペプチドのそれぞれで免疫した場合に、優性エピトープの全部が単離されたペプチド中で免疫原性であることが見出されたが、しかし付加的なエピトープもまた発見された。これらの追加実験を潜在的エピトープと命名した。Sercarzらは、無傷のタンパク質内で提示される場合に潜在的エピトープが免疫原性でない一連の機構を示した。潜在的エピトープの臨床的価値は、部分的に、所定の個体がこうしたエピトープを免疫学上以前に認識していたことは非常にありそうになく、そして従ってそのエピトープに対し寛容化されていないという事実に存する。Ii−Keyハイブリッド内でのこうした潜在的エピトープの提示に際して、従って、用量、経路、スケジュールおよびアジュバントがその目的に対して設計されている場合には活発な免疫応答が発生し得る。癌の場合、および数種の感染性病原体の場合であっても、1種若しくはそれ以上のエピトープに対し寛容が発生し得、最終結果は宿主の有効な免疫応答が阻害されることである。潜在的エピトープはこうした治療目的上抗原性エピトープの新規レパートリーを提供する。同様に、アレルゲンからのこうしたエピトープは、IgEを促進するTh2応答がアレルゲンの優性エピトープに対し発生された間に治療的Th1応答を発生させるための標的を提供する。こうした場合は、優性エピトープを含有するIi−Key/抗原性エピトープハイブリッドは、病理学的アレルギー応答を悪化させるかもしれない。
別の局面において、Ii−Key/抗原性エピトープハイブリッドは、目的の抗原中のエピトープに対する応答に対する患者の臨床診断的若しくは治療的免疫感作において好ましい。すなわち、Ii−Key/抗原性エピトープハイブリッドで免疫することは、エピトープペプチドと対照的に、臨床上重要な結果を得るのに必要とされる用量が大きく低減されるため、好ましい。同時に、アレルゲン若しくはそれ以外のいずれかの場合の抗原に対する致死的なアナフィラキシー応答の見込みも低減される。
付加的なアッセイ系を使用して、単一のMHCクラスIIエピトープ以外の抗原性エピトープを本発明の増強ハイブリッド中に組込むことの影響を測定し得る。代替の読み上げ(readout)を伴うアッセイは、制限なしに、B細胞のからの免疫グロブリン産生の効率を測定すること、細胞傷害性T細胞生成の効率を測定すること、およびT細胞受容体若しくは別の生物学的に関連する分子について非近交系、近交系、コンジェニック、トランスジェニックである動物からの天然のT細胞の使用を包含する。
個体の免疫応答の調節方法は疾患若しくは状態を伴う個体の治療的処置での応用を見出す。高められた免疫応答が患者の処置において有益であると考えられる抗原性エピトープを最初に選択する。一態様において、抗原性エピトープが由来する分子は発病においてある役割を演じている。あるいは、抗原性エピトープは、病原体(pathogen)のような有害な病原体(agent)若しくは病原体に感染した細胞上で見出されるエピトープであるかもしれない。本明細書で使用されるところの「治療的処置」という用語は、疾患の兆候若しくは症状を軽減すること、または疾患に罹っていることが同定された若しくはそう考えられる個体での疾患の進行を停止させることを包含することを意図している。本明細書で使用されるところの「予防」という用語は、疾患の認識可能な兆候若しくは症状を経験することを開始していなくてもよい個体における疾患に対する根底にある原因若しくはそれに対する素因を作る関連する因子を軽減することを包含することを意図している。
疾患は、細菌、ウイルス、寄生虫、真菌、リケッチア、若しくは他の感染性病原体またはこうした病原体の組合せにより引き起こされるか若しくはそれらによる感染と関連する感染性疾患であってよい。治療は疾患の毒素若しくは疾患の毒素の受容体に対し向けてよい。エピトープ誘導のための好ましい毒素は、制限なしに、ブドウ球菌のエンテロトキシン、毒性ショック症候群トキシン、レトロウイルス抗原(例えばヒト免疫不全ウイルス由来の抗原)、連鎖球菌抗原、マイコプラスマ、ミコバクテリウムおよびヘルペスウイルスを包含する。高度に好ましい毒素は炭疽毒素(致死因子、浮腫因子および保護因子)、SEA、SEB、SE1−3、SEDおよびSEEである。
疾患若しくは状態は、自己免疫過程、例えば慢性関節リウマチ、多発性硬化症、紅斑性狼瘡、糖尿病、重症筋無力症、自己免疫甲状腺炎、強皮症、皮膚筋炎、天疱瘡および他の類似の過程であると考えてよい。本発明の化合物および方法の効果を評価するのに使用し得る自己免疫疾患のこうしたモデル系の例は、全身性エリテマトーデス、重症筋無力症、慢性関節リウマチ、インスリン依存性糖尿病および実験的アレルギー性脳脊髄炎である。これらの実験の実施手順は、Clarkら、(1994)米国特許第5,284,935号明細書(その内容は引用することにより本明細書に組み込まれる)に提示されている。
疾患若しくは状態は、アレルギー過程、例えば喘息、花粉症、アレルギー性鼻炎、局所皮膚炎、大腸炎、および特定のアレルゲンで若しくは定義されたアレルゲンを伴わず開始される若しくはそれらと関連する他のこうした過程であると考えてよい。こうしたアレルゲンの例は、植物、動物、細菌、寄生虫のアレルゲン、および接触感受性を引き起こす金属に基づくアレルゲンである。本発明での使用のための好ましいアレルゲンは、雑草、牧草、ラッカセイ、ダニ、ノミおよびネコ抗原である。
あるいは、疾患若しくは状態は、増殖性若しくは悪性過程、例えば癌、良性前立腺肥大、乾癬、腺腫、あるいは固有の起源の、あるいはウイルスまたは他の感染、刺激若しくは環境過程に応答しての他の細胞増殖であってよい。
本明細書で使用されるところの「哺乳動物」という用語は、ヒト種ならびに全部の他の哺乳動物種を包含することを意味している。本発明の化合物および方法は、全部の哺乳動物種の個体で発生する疾患および状態の処置に応用してよい。本明細書で使用されるところの「個体」という用語は、ヒト種を包含するいずれかの哺乳動物種の1種を指す。ヒト種の個体で発生しかつ例として本明細書で挙げられる疾患および状態は、同一の生物体若しくは病原性の過程によって引き起こされようと、関連する生物体若しくは病原性の過程によって引き起こされようと、未知の若しくは他の既知の生物体および/若しくは病原性の過程によって引き起こされようと、別の種で発生する匹敵する疾患若しくは状態を包含する。本明細書で使用されるところの「医師」という用語は、獣医師、または哺乳動物種の個体の診断および/若しくは処置に参画するいかなる個体もまた包含する。
本発明はまた、適する製薬学的製剤中の薬物、化合物のプロドラッグ、若しくは化合物の薬物代謝物としての化合物の投与も提供する。化合物「の投与」若しくは「を投与すること」という用語は、本発明の化合物を薬物、化合物のプロドラッグ、若しくは化合物の薬物代謝物として疾患の処置若しくは予防の必要な個体に提供することを意味することが理解される。上で示された疾患および状態の1種若しくはそれ以上の処置若しくは予防での使用のための主薬若しくは構成要素の(member)有効成分として本発明のハイブリッドポリペプチドの1種若しくはそれ以上を含有するこうした薬物は、局所、経口、全身および非経口投与のための慣習的ベヒクル中の多様な治療的投薬形態物で投与し得る。投与経路およびレジメンは治療されるべき疾患若しくは状態に依存して変動することができ、そして当業者により決定されるべきである。例えば、化合物は例えば錠剤、カプセル剤(それぞれ調時放出および徐放性製剤を包含する)、丸剤、散剤、顆粒剤、エリキシル剤、チンキ剤、溶液、懸濁剤、シロップならびに乳剤のような経口の投薬形態物で、若しくは注入により投与し得る。同様に、それらはまた静脈内(ボーラス若しくは注入法のいずれかにより)、腹腔内、皮下、閉塞を伴う若しくは伴わない局所、または筋肉内の剤形で投与してもよい。これらの形態の全部は製薬学的技術の当業者に公知である。
生成物の1日用量は成体あたり1日あたり0.001から1,000mgまでの範囲にわたって変動してよい。経口投与については、組成物は、好ましくは、処置の経過における患者の兆候および症状に従った投薬量の症候的調節のために0.001から1,000mgまで、好ましくは0.001、0.01、0.05、0.1、0.5、1.0、2.5、10.0、20.0、50.0、100.0ミリグラムの有効成分を含有する錠剤の形態で提供される。薬物の有効量は、通常、1日あたり約0.0001mg/kgから約50mg/kg体重までの投薬量レベルで供給される。該範囲は、より具体的には、1日あたり約0.0001mg/kgから7mg/kg体重までである。
有利には、本発明の適する製剤は単一の1日用量で投与してよいか、または、総1日投薬量を例えば1日2、3若しくは4回の分割用量で投与してよい。本発明の増強ハイブリッドポリペプチドを使用して、上に列挙された疾患若しくは状態の処置に有用な薬品若しくは薬剤を製造してよい。さらに、本発明の化合物は、適する鼻内ベヒクルの局所使用を介する経皮剤形で、若しくは当業者に公知の経皮皮膚貼付剤の形態を使用して経皮経路を介して投与し得る。経皮送達系の形態で投与されるために、投薬量の投与はもちろん、投薬レジメンを通じて間歇的よりはむしろ継続的であることができる。
疾患の処置および予防のため、本発明のハイブリッドポリペプチドは、局所投与のため採用された製薬学的に許容できる担体とともに有効成分を含んでなる製薬学的組成物で投与してよい。局所の製薬学的組成物は、例えば、皮膚への塗布に適合された溶液、クリーム、軟膏、ゲル、ローション、シャンプー若しくはエアゾル製剤の形態にあってよい。本発明の化合物を含有するこれらの局所製薬学的組成物は、通常、製薬学的に許容できるベヒクルとの混合状態の約0.005%ないし5重量%の有効成分を包含する。
例えば上に列挙された疾患および状態の処置および予防のため、本発明のハイブリッドポリペプチドをこうした疾患および状態の治療において有用であることが既知の他の剤と一緒に使用してよい。有効成分を同時に投与し得る1種以上の有効成分を用いる組合せ処置のためには、有効成分を同時に投与し得るか、若しくはそれらをずらされた時間で別個に投与し得る。
本発明の組成物を利用する投薬量レジメンは、例えば患者の型、種、齢、重量、性および医学的状態、治療されるべき状態の重症度、ならびに使用されるその特定の化合物を包含する多様な因子に従って選択する。通常の技能の医師は、疾患若しくは状態を予防する、それに対抗する若しくはその進行を停止させるのに必要とされる薬物の有効量を容易に決定かつ処方し得る。毒性を伴わないか若しくは許容できる毒性を伴うかのいずれかで有効性を生じる範囲を伴う薬物の濃度の達成における至適の精度は、標的部位への薬物の利用可能性のキネティクスに基づくレジメンを必要とする。この過程は、薬物の分布、平衡および排泄の考慮を必要とし、そして熟練した実務者の能力内にある。
本発明の方法において、本明細書に詳細に記述される化合物が有効成分となり得、そして、典型的には、意図された投与剤形、すなわち経口錠剤、カプセル剤、エリキシル剤、シロップ剤などに関して適して選択されかつ慣習的な製薬学的実務と矛盾しない適する製薬学的希釈剤、賦形剤若しくはカーダー(carder)(集合的に「カーダー物質」と本明細書で称される)との混合状態で投与される。例えば、錠剤若しくはカプセル剤の形態での経口投与のためには、有効薬物成分をエタノール、グリセロール、水などのような経口の非毒性の製薬学的に許容できる不活性担体と組合せ得る。さらに、所望の若しくは必要な場合は適する結合剤、滑沢剤、崩壊剤および着色剤もまた該混合物中に組込み得る。適する結合剤は、制限なしにデンプン、ゼラチン、ブドウ糖若しくはβ−乳糖のような天然の糖、トウモロコシ甘味料、アラビアゴム、トラガカント若しくはアルギン酸ナトリウムのような天然および合成のガム、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、蝋などを包含する。これらの投薬形態物で使用される滑沢剤は、制限なしにオレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウムなどを包含する。崩壊剤は、制限なしにデンプン、メチルセルロース、アガー、ベントナイト、キサンタンガムなどを包含する。
液体剤形は、合成および天然のガム例えばトラガカント、アラビアゴム、メチルセルロースなどのような適して香味を付けられた懸濁化剤若しくは分散助剤であってよい。使用してよい他の分散助剤はグリセリンなどである。非経口投与のためには、滅菌の懸濁剤および溶液が望ましい。静脈内投与が望ましい場合は、一般に適する保存剤を含有する等張の捕食(predation)を使用する。
有効薬物成分を含有する局所製剤は、例えばアルコール、アロエベラゲル、アラントイン、グリセリン、ビタミンA若しくはE油、鉱物油、PPG2ミリスチルプロピオネートなどのような当該技術分野で公知の多様な担体物質と混合して例えばアルコール溶液、局所洗浄剤、クレンジングクリーム、皮膚ゲル、皮膚ローションおよびクリーム若しくはゲル製剤のシャンプーを形成し得る。
本発明のハイブリッドポリペプチドはまた、小型単層小胞、大型単層小胞および多層小胞のようなリポソーム送達系の形態でも投与し得る。リポソームは、例えばコレステロール、ステアリルアミンおよび多様なホスファチジルコリンを包含する多様な化合物から形成し得る。
本発明のハイブリッドポリペプチド若しくはその製剤は、薬物の制御放出の達成において有用な一分類の生物分解性ポリマー、例えばポリ乳酸、ポリイプシロンカプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル、ポリアセタール、ポリジヒドロピラン、ポリシアノアクリレート、およびヒドロゲルの架橋若しくは両親媒性ブロックコポリマーに結合してよい。
本発明のハイブリッドポリペプチドおよびそれらの製剤は容易に入手可能な出発原料、試薬および慣習的合成手順を使用して製造し得る。これらの反応において、それら自身が当業者に既知であるがしかし本明細書でより詳細に挙げられない変異体を利用することもまた可能である。
個体のTリンパ球への抗原性エピトープのMHCクラスII提示を高めるため個体に本発明の増強ハイブリッドを直接投与することに対する一代替として、抗原提示細胞の一集団を個体から得そして本発明の増強ハイブリッドでex vivoで処理してよい。これらの細胞を、抗原提示細胞のMHCクラスII分子への増強ハイブリッドの結合に適切な条件下で該ハイブリッドで処理する。一旦処理すれば、抗原提示細胞を個体のTリンパ球との処理された細胞の物理的接触を促進する条件下で該個体に投与する。上述されたとおり、免疫応答に対する影響(増強若しくは抑制)は、T細胞のどのサブセットが増強ハイブリッドにより優先的に刺激されるかに依存することができる。免疫応答の増強は、例えば癌細胞若しくは感染性生物体のいずれかに対する細胞傷害性応答に対する好都合な影響を有するかもしれない。あるいは、Tサプレッサー細胞応答の増強は、特定の分子に対する免疫応答を抑制する効果を有するかもしれない。こうした抑制は、自己免疫疾患、例えば慢性関節リウマチ、多発性硬化症、重症筋無力症若しくは紅斑性狼瘡の病因の抗原からの抗原性エピトープを利用する場合に治療効果を有するかもしれない。本発明の化合物および方法を用いる患者からの細胞のex vivo処理のための方法および手順は、以下の特許(それらの内容は引用することにより本明細書に組み込まれる)、すなわちRosenberg(1998)米国特許第5,126,132号明細書;Chadaら、(1997)米国特許第5,693,522号明細書;Krieglerら、(1998)米国特許第5,849,586号明細書;Gruberら、(1999)米国特許第5,856,185号明細書;およびKrieglerら、(1999)米国特許第5,874,077号明細書から適応させてよい。
別の点に関して、本発明の化合物および方法をex vivo条件下で使用して、Celisら、(1998)米国特許第5,846,827号明細書(その内容は引用することにより本明細書に組み込まれる)に記述される化合物および方法を使用して細胞傷害性Tリンパ球の生成を促進させ得る。
上で論考されたところの本発明の増強ハイブリッド中の要素として有用なエピトープ/決定子の特定の例の非包括的論考を例示の節に提供する。また、こうした要素を含有する増強ハイブリッドの使用方法の論考も対応する例示の節に見出される。当業者は、わずかに慣例の実験の適用により、広範な疾患若しくは状態への応用のために実験で決定若しくは予測されたエピトープ/決定子を増強ハイブリッド中に組込み得る。
別の局面において、本発明は、合成Ii−Key/抗原性エピトープハイブリッドが関するように、古典的な外因性経路でのこうしたペプチドのプロセシングおよびMHCクラスII分子への結合の間に機能する一次配列モチーフを配列中に有する天然に存在するIi−Key/MHCクラスII抗原性エピトープの同定かつ活用方法に関する。
構成するこうしたIi−Keyモチーフの存在若しくは非存在の同定を考えれば、それが存在しなかった場合にこうしたモチーフを導入する、若しくはそれが存在した場合にこうしたモチーフを欠失させる様式でタンパク質のアミノ酸配列を改変し得る。こうした改変は、例えばIi−Keyモチーフ中の機能上許容できるアミノ酸を置換する様式での抗原性タンパク質をコードする遺伝子の操作により得られる。いくつかの例において、アミノ酸の欠失若しくは挿入は、例えば抗原性エピトープがタンパク質のN末端若しくはその近くに存在する場合に同一端を得ることができる。タンパク質の免疫原性を変えるためのこうした改変は好都合な臨床特性を有する。例えばワクチンのプロモーターは増大された効力を振る舞う(behave)ことができる。ある種の治療的タンパク質は低下された免疫原性を有し得る。
別の局面において、本発明は、生物学的に活性のMHCクラスIIに提示されるエピトープの選択方法、および抗原性タンパク質若しくはポリペプチド中のこうしたエピトープに対する免疫応答を変える方法に関する。具体的には、本開示は、実験で決定若しくはアルゴリズムで予測されるMHCクラスIIに提示される抗原性エピトープに先行する5アミノ酸のIi−Key免疫調節モチーフの存在若しくは非存在のタンパク質のアミノ酸配列中での同定方法を提供する。この免疫調節性Ii−Keyモチーフは、MHCクラスII分子の抗原性ペプチド結合部位中へのそれの後に続く抗原性エピトープの装填を高める。タンパク質内の抗原性エピトープの予測を考えれば、Ii−Keyモチーフにより先行されるそれらのエピトープのサブセットを同定することはワクチンペプチドの選択の効率を大きく向上させる。また、例えば選択されたMHCクラスIIに提示されるエピトープの前のIi−Keyモチーフを導入若しくは排除のいずれかをするようにタンパク質若しくはポリペプチドの配列を改変することにより、そのタンパク質に対する免疫学的応答を変え得る。
治療的タンパク質に対する有害な免疫学的応答がこうしたタンパク質の使用を制限する可能性がある。こうした有害な免疫学的応答は、MHCクラスIIに提示されるエピトープのいくつかの免疫原性を低下させること若しくは免疫抑制を誘導することのいずれかにより小さくし得る。いずれの場合についても、MHCクラスIIエピトープの前に適切に間隔を空けられたIi−Keyモチーフの位置での挿入若しくは変化(1個若しくは複数)が、MHCクラスIIエピトープそれ自身の変化を伴わずにその終点を達成し得る。治療的タンパク質の生物学的機能の喪失を伴わずにMHCクラスIIエピトープ内の残基を変えることは可能でないかもしれない。目的の治療的タンパク質の免疫原性および/若しくはそのタンパク質に対する免疫応答を変えるようにその中の配列の改変を設計することにおいて以下の手順に従う。
タンパク質若しくはそのフラグメントの配列はいくつかの方法の1つにより確立される。タンパク質若しくはそのフラグメントは実験でシークエンシングし得るか、または、配列は、該タンパク質をコードする遺伝子若しくは該タンパク質をコードするRNAから創製したcDNAいずれかの配列から推定し得る。その一次アミノ酸配列を考えれば、実験で決定若しくはアルゴリズムで予測されるMHCクラスIIエピトープが特定される。実験で決定されたエピトープは以前の研究から既知である。アルゴリズムで予測されるエピトープは、ProPred MHCクラスII結合ペプチド予測サーバー(Raghava GP.Nat Biotechnol.1999 17:555−61);Singh,H.Bioinformatics 2001 17:1236−7(http://www.imtech.res.in/raghava/propred/index.htmlを介してアクセス))のようないくつかの方法により見出される。代替の一プログラムはSYFPEITHIプログラムである(Rammensee H−G.Immunogenetics 1999 50:213−219(http://134.2.96.221/scripts/MHCServer.dll/Ep.htmlを介してアクセス))。これらのエピトープはまた、ヒト若しくはマウスのような実験動物の免疫系にMHCクラスIIアレルを提示することが既知であるか若しくは予測されるかのいずれかであるMHCクラスIIアレルに関しても特徴づけられている。従って、適切な提示するMHCクラスIIアレルに従って異なるセットの予測されたエピトープが得られる。いくつかのエピトープは複数のMHCクラスIIアレルにより提示され、そして従って好ましい。
本開示はIi−Key免疫調節モチーフの同定方法を提示する。とりわけ、タンパク質の配列中で、免疫調節性のIi−Keyモチーフは、Leu、Ile、Val、PheおよびMetを含んでなる群の最低2アミノ酸ならびにHis、LysおよびArgを含んでなる群の最低1個を含有する5個の連続するアミノ酸の1セグメントであり、ここでその連続5アミノ酸のセグメントがMHCクラスIIに提示されるエピトープのN末端残基から5ないし11アミノ酸だけ分離されている。
適切に間隔を空けられたIi−Keyモチーフの存在を伴うこうした抗原性エピトープのサブセットは、CD4+ T細胞免疫応答の効力を高めるためのワクチンペプチドにつながる。こうしたエピトープは優性すなわち生物学的に活性であることがよりありそうであると考えられる。こうしたエピトープをもつペプチドは、感染性疾患および癌に対するワクチン保護として、ならびにアレルギーに対する免疫抑制性ワクチンにとって好ましい。本発明の組成物および方法は:1)MHCクラスIIに提示されるエピトープを含んでなるC末端要素;2)Ii−keyモチーフを含んでなるN末端要素;および3)約4から約11アミノ酸残基までの配列を含んでなる介在要素を含有する天然に存在しないタンパク質若しくはポリペプチドに関する。天然に存在しないという用語の使用は、タンパク質若しくはポリペプチドが改変されることを必要とすることを意図している。一般に改変は組換えDNA技術により、そして、改変(1個若しくは複数)は上で定義されたところの要素2)若しくは3)内で起こる。「NおよびC末端」という呼称は、具体的に列挙される3部分のセグメント中のこれらの要素の関係のみを指すことを意味している。当業者は、こうした3部分のセグメントがタンパク質内に位置する場合に、付加的な残基はC末端要素からC末端方向で、およびN末端要素からN末端方向で伸長することができることがありそうであることを認識するであろう。上述されたところのタンパク質若しくはポリペプチドに加え、本出願はまた、こうしたタンパク質若しくはポリペプチドをコードする発現可能な核酸配列にも向けられる。
好ましい態様において、天然に存在しないタンパク質若しくはポリペプチドは、改変された形態の天然に存在するタンパク質若しくはポリペプチドである。治療的タンパク質はとりわけ重要な一分類を代表する。こうした改変されたタンパク質若しくはポリペプチドは、それらの改変されない天然に存在する対蹠物により誘導されるものと異なる免疫応答を刺激する。こうした生成物は、ホルモン、サイトカインのような治療的タンパク質、若しくは細胞表面受容体と相互作用する他の分子を包含する。Ii−Keyモチーフの改変はその機能を排除するように行い得るか、若しくは、Ii−Keyモチーフを導入するように推定の抗原性エピトープに対しN末端の部位を改変し得る。こうした改変は治療的タンパク質に対する有害な免疫応答を抑制する。こうした産物は治療的タンパク質およびそのフラグメント、ならびにそれらの発現につながる遺伝子構築物を包含する。
免疫原性を変えるように工作されるべき治療的タンパク質の生物学的機能を混乱させることが最もありそうにない改変は以下を包含する。配列、ならびにタンパク質の結晶学的構造から該タンパク質上に表層的に露出されることが既知かつ従って機能の喪失を伴わずに突然変異を許容することがよりありそうである個々のアミノ酸残基からさえ存在がスコア化される。三次元構造が決定されていない治療的タンパク質の場合には、抗原性エピトープから適切に間隔を空けられたIi−Keyボックスを工作するような突然変異の容認を予測することに多様な方法が適用される。タンパク質のN末端およびC末端からの距離を測定する。控えめに変性させる条件下で、N末端およびC末端抗原性エピトープをMHCクラスII分子により提示させ得る。タンパク質のN末端のエピトープは、部分的に、設計されるべきIi−Keyボックスがより遠いためにC末端のエピトープより好ましい。また、好ましくは比較的自由な配置でタンパク質の表面上にあることが予測される配列の変化がある配列中で許容されることがよりありそうである。こうしたセグメントは天然に存在する突然変異の比較的より高い頻度で相同なタンパク質中で同定し得る。部位特異的突然変異研究においてアミノ酸置換を許容することが示された残基を含有するセグメントを同定する。先行するおよび付加的な方法により、当業者は、機能の喪失を伴わずに抗原性エピトープのN末端からの適切なN末端の置換(displacement)でのIi−Keyボックスモチーフの創製をもたらす残基位置でのアミノ酸置換を許容することがよりありそうであるタンパク質のセグメントを予測することができる。以下のペプチド配列、すなわち等級の順序でMHCクラスIIに提示されることが既知のエピトープ、ヒトの間で若しくは実験目的の動物系統でのいずれかで最高頻度で存在するMHCクラスIIアレルによりMHCクラスII提示されることが予測されるエピトープ、が、Ii−Keyボックスの操作の標的とされる。これらの方法のいくつかは米国特許第5,679,527号明細書(1997)(その内容は引用することにより本明細書に組み込まれる)に提示されている。
上の部位特異的に工作された置換に加え、当業者は、付加的なコンビナトリアル分子生物学的方法を使用して残基位置のセット内に突然変異を生成させて、選択された既知の若しくは推定のいずれかの抗原性エピトープに対しN末端に4ないし8アミノ酸間隔を空けられたIi−Keyボックスモチーフを創製することができる。こうした方法は、生物学的活性の保持を伴う若しくは伴わない変えられた免疫原性についてスクリーニングされる複数の生成物の製造を包含してもよい。
目的のタンパク質中のそれぞれ実験で決定若しくはアルゴリズムで予測されたエピトープを、Leu、Ile、Val、PheおよびMetを含んでなる群の最低2アミノ酸ならびにHis、LysおよびArgを含んでなる群の最低1個を含有する5個の連続するアミノ酸の1セグメントのその一次配列中での存在について検査し、ここでその連続する5アミノ酸のセグメントはMHCクラスIIに提示されるエピトープのN末端残基から4ないし12アミノ酸だけ分離されている。これらの基準と一致する、全部の実験で若しくはアルゴリズムで予測されたエピトープのサブセットは、例えばペプチドワクチンの合成、好都合な治療効果のためのそれらのワクチンの化学修飾、動物での実験的研究および臨床試験を包含する開発研究に好ましい。本開示において、タンパク質若しくはペプチドの配列内のアミノ酸を同定するために国際純正応用化学連合(International Union of Pure and Applied Chemists)の標準的な一文字命名法を使用する。
Leu、Ile、Val、PheおよびMetを含んでなる群の最低2アミノ酸ならびにHis、LysおよびArgを含んでなる群の最低1個を含有する5個の連続するアミノ酸のセグメントの、MHCクラスIIに提示されるエピトープのN末端残基からの4ないし8アミノ酸の分離を伴う、実験で若しくはアルゴリズムで予測されたエピトープのセットがより好ましい。このセットは、Leu、Ile、Val、PheおよびMetを含んでなる群の最低2アミノ酸ならびにHis、LysおよびArgを含んでなる群の最低1個を含有する5個の連続するアミノ酸のセグメントの、MHCクラスIIに提示されるエピトープのN末端残基からの0ないし12アミノ酸の分離を伴う、実験で若しくはアルゴリズムで予測されたエピトープのセットの一サブセットを構成する。本方法における重要な一利用性は治療的若しくは診断的開発目標に向かって研究するための候補のエピトープ対象の数の低減である。実験で決定されたか若しくはアルゴリズムで予測されたかのいずれかのエピトープを提示する本開示の例示の表のそれぞれにおいて、MHCクラスIIに提示されるエピトープのN末端から4〜10アミノ酸だけ分離されているIi−Keyボックスの存在を、介在する残基位置の数とともに示す。これらの間で、分離する間隔の長さに従って好みが順位付けされ、4個若しくはそれ以上のアミノ酸のスペーサーの間でより短いものがより良好である。
合成のため選ばれるペプチドは、該タンパク質の天然の一次配列内で、MHCクラスIIに提示されるエピトープ、ならびにLeu、Ile、Val、PheおよびMetを含んでなる群の最低2アミノ酸ならびにHis、LysおよびArgを含んでなる群の最低1個を含有する5個の連続するアミノ酸のセグメント、0ないし12アミノ酸の介在セグメント、ならびに12ないし34アミノ酸の全長さを含んでなる抗原性エピトープを有する。Leu、Ile、Val、PheおよびMetを含んでなる群の最低2アミノ酸ならびにHis、LysおよびArgを含んでなる群の最低1個を含有する5個の連続するアミノ酸のセグメント、4ないし11アミノ酸の介在セグメント、ならびに15ないし25アミノ酸の全長さを含んでなる抗原性エピトープを包含する、該タンパク質の一次配列に従って合成された合成ペプチドがより好ましい。合成ペプチドの配列は通常哺乳動物タンパク質の天然の配列であることができるが、しかしまた、タンパク質は、有用な機能についての選択を伴いコンビナトリアルライブラリーを使用する方法により生成されるもののような非天然の配列であってもよい。さらに、タンパク質の配列は、非天然のアミノ酸の使用を包含する例えば1個若しくはそれ以上のアミノ酸の置換、挿入若しくは欠失を包含する天然のタンパク質の配列の改変を包含してよい。
Leu、Ile、Val、PheおよびMetを含んでなる群の最低2アミノ酸ならびにHis、LysおよびArgを含んでなる群の最低1個を含有する5個の連続するアミノ酸のセグメント、4ないし8アミノ酸の介在セグメント、ならびに12ないし34アミノ酸の全長さを含んでなる抗原性エピトープを包含する選択されたペプチドを改変して、好都合な生物学的および薬物動態特性を得ることができる。これらの薬品は:a)N末端のアセチル化、b)C末端のアミデート化;c)1アミノ酸の別の天然若しくは合成のアミノ酸での置換、d)L−アミノ酸のD−アミノ酸での置換、e)アミノ酸配列の反転および各残基位置でのD−アミノ酸の使用、f)タンパク質分解若しくは消失(不活性化)を制限するための改変、ならびにg)溶解性、輸送および半減期を改良するための改変よりなる群から選択される。好都合な治療特性のための治療的ペプチドの化学修飾方法は、例えば米国特許第5,679,527号明細書(その開示は引用することにより本明細書に組み込まれる)に提示されている。
こうした改変の設計方法は、抗原性エピトープのN末端から適切に間隔を空けられたIi−Keyボックスモチーフを創製するアミノ酸置換を機能の喪失を伴わずに許容することがよりありそうである治療的タンパク質のセグメントを同定するためにいくつかの特徴のそれぞれに従って順位付けされた、同定されたエピトープの一覧を用いて開始する。エピトープが順位付けされる特徴は制限なしに以下を包含する。配列、ならびにタンパク質の結晶学的構造から該タンパク質上に表層的に露出されることが既知かつ従って機能の喪失を伴わずに突然変異を許容することがよりありそうである個々のアミノ酸残基からさえ存在がスコア化される。三次元構造が決定されていない治療的タンパク質の場合には、抗原性エピトープから適切に間隔を空けられたIi−Keyボックスを工作するための突然変異の許容を予測することに多様な方法が適用される。タンパク質のN末端およびC末端からの距離を測定する。控えめに変性させる条件下で、N末端およびC末端抗原性エピトープがMHCクラスII分子により提示され得る。タンパク質のN末端のエピトープは、部分的に、設計されるべきIi−Keyボックスがより遠いためにC末端のエピトープより好ましい。好ましくは比較的自由な配置でタンパク質の表面上にあることが予測される配列モチーフ中の存在。相同なタンパク質中で、天然に存在する突然変異の比較的より高い頻度を有するセグメントを同定し得る。部位特異的突然変異研究においてアミノ酸置換を許容することが示された残基を含有するセグメントを同定する。先行するおよび付加的な方法により、当業者は、以下の等級付けスキーム、すなわち、MHCクラスIIに提示されることが既知のエピトープ、ヒトの間で若しくは実験目的の動物系統のいずれかで最高頻度で存在するMHCクラスIIアレルによりMHCクラスII提示されることが予測されるエピトープ、に従って高度に等級付けされる、機能の喪失を伴わずに抗原性エピトープのN末端からの適切なN末端の置換でIi−Keyボックスモチーフを創製する残基位置でのアミノ酸置換を許容することがよりありそうであるタンパク質のセグメントを予測することができる。これらの方法のいくつかは、米国特許第5,679,527号明細書(1997)(その開示は引用することにより本明細書に組み込まれる)に提示されている。
Ii−Keyボックス/スペーサーを同定するアルゴリズムを、該タンパク質のアミノ酸配列内で適用して、3つの範疇、すなわちa)抗原性エピトープに対しN末端の4ないし8アミノ酸だけ間隔を空けられたIi−Keyボックスモチーフの存在、b)1個若しくはそれ以上のアミノ酸が一次配列において群Leu、Ile、Val、Phe、Metの1メンバーと交換されかつ/または1個若しくはそれ以上のアミノ酸が群His、LysおよびArgの1メンバーと交換された場合は抗原性エピトープに対しN末端の4ないし8アミノ酸だけ間隔を空けられたIi−Keyボックスモチーフの存在、を同定する様式で、上の実験で決定若しくは予測されたMHCクラスIIに提示されるエピトープのそれぞれに対しN末端の領域を検査する。
上の部位特異的に工作された置換に加え、当業者は、付加的なコンビナトリアル分子生物学的方法を使用して残基位置のセット内に突然変異を生成させて、選択された既知の若しくは推定のいずれかの抗原性エピトープに対しN末端に4ないし8アミノ酸間隔を空けられたIi−Keyボックスモチーフを創製することができる。こうした方法は、生物学的活性の保持を伴う若しくは伴わない変えられた免疫原性についてスクリーニングされる複数の生成物の製造を包含してもよい。
Ii−Key抗原性エピトープハイブリッドの多くの用途を個々の抗原性タンパク質に関して記述し得る。こうした用途は変動する詳細の程度で実施例に提示されている。1実施例の情況で提示される概念は、にもかかわらず、適切な場合は、それらが各個々の実施例の情況で反復されない場合であっても全部の実施例の場合に当てはまる。一方、こうした特定の実施例は、こうしたIi−Key抗原性エピトープハイブリッドを目的の他のタンパク質に関して創製かつ使用し得る特定のタンパク質のIi−Key抗原性エピトープハイブリッドの設計および合成方法を十分に提示する。必要性が時に応じて生じるかもしれないからである。
別の局面において、本発明は、その後投与されるDNAワクチンに対する保護免疫応答を高めるための、若しくは弱毒化感染性病原体ワクチンに対するIi−Key/抗原性エピトープハイブリッドの使用に関する。こうしたアジュバントワクチン製剤はプレワクチン[PreVaccine]TMと称され得る。一例は、天然痘に対し保護するためのワクチン接種プロトコルでのIi−Key抗原性エピトープハイブリッドの使用である。天然痘ウイルスに対する保護での使用を、後に続く例示の節の対応する節で相対的により詳細に考慮する。本明細書に詳述される考慮はまた他の病原体に向けられる応用をモデル化するのにも役立つ。天然痘ワクチン接種の場合、Ii−Key抗原性エピトープハイブリッドを使用して、ワクシニアのB5Rウイルス遺伝子によりコードされるgp42細胞外エンベロープタンパク質の1種若しくはそれ以上のMHCクラスIIに提示されるエピトープに対するTh1応答を導き出す。そのようにワクチン接種された個体は、B5R遺伝子に対するcDNAワクチン、ワクシニア若しくは天然痘による攻撃に対する抗体力価ならびにアイソタイプおよび親和性の成熟、CTLおよび記憶応答に関してより迅速かつより高い効力のものである既往反応を有することができる。関連する一応用において、こうしたプレワクチン[PreVaccine]TMは、Ii−RGC遺伝子若しくはCITTAおよびIi−RGC遺伝子のいずれかを含有する組換えワクシニアウイルスでのワクチン接種前に使用し得る。Ii−RGC遺伝子を含有する組換えワクシニアウイルスは、樹状細胞のような専門的抗原提示細胞内の感染に際して、記述されたところのそれらの細胞におけるMHCクラスII拘束性のTヘルパー細胞応答につながることができる。Ii−RGC遺伝子およびCIITA遺伝子の双方を含有する組換えワクシニアウイルスの場合には、こうしたウイルスは、樹状細胞のようなMHCクラスII分子を通常発現しない細胞を感染させることに際して、Iiタンパク質を伴わないMHCクラスII分子を発現することができる。MHCクラスIIに提示されるエピトープの広範なレパートリーが従って表され、そしてそれらのエピトープに対する応答はプレワクチン[PreVaccine]TM中のMHCクラスIIエピトープに対する応答の以前の拡張によりさらに高められる。こうした使用は、適切な用量、ベヒクル、経路およびスケジュールでのIi−Key抗原性エピトープハイブリッドでの哺乳動物の以前の免疫感作によりさらに増強され得る。Ii−Key/抗原性エピトープハイブリッドは、従って、独立の保護ワクチンとして、若しくは他のウイルスおよび感染性病原体、例えば制限なしにHIV、炭疽菌(Bacillus anthracis)、エボラウイルスおよびマーブルグウイルスのためのワクチンとともに使用されるプレワクチン[PreVaccine]TMとしてのいずれかで使用し得る。
例示
Ii−Key/Ara h 1抗原性エピトープハイブリッド。
一局面において、本発明はラッカセイおよび他の可食性ナッツ類に対する若干のヒトの病理学的アレルギー応答の治療的調節に関する。こうした応答は潜在的に致死的な喘息若しくはアナフィラキシー反応を包含する。これらの病理学的応答を媒介するラッカセイおよび他のナッツ類中の主要なタンパクアレルゲンの同定およびシークエンシングにおいて十分な進歩がなされた。交差放射免疫電気泳動が生のラッカセイ中の16種のアレルゲン画分を同定し、また、ドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動は32本のタンパク質バンドを示した(Barnett D.J Allergy Clin Immunol.1983 72:61−68)。3種の主要なアレルゲンが同定された。64.5kDaのAra h 1は種子貯蔵タンパク質のビシリンファミリーの1メンバーである(Burks AW.J Allergy and Clin Immunol.1991 88:172−9)。17.5kDaのAra h 2は種子貯蔵タンパク質のコングルチンファミリーの1メンバーである(Burks AW.J Allergy and Clin Immunol.1992 90:962−9)。60kDaのAra h 3すなわちプレプログロブリンはグリシニン様の種子貯蔵タンパク質の1メンバーである(Rabjohn P.J Clin Invest.1999 103:535−42)。Ara h 1について、23種のIgEに認識されるエピトープがマッピングされ、4種が優性である。Ara h 2については10種のIgEに認識されるエピトープがマッピングされ、3種が優性である。Ara h 3については4種のIgEに認識されるエピトープがマッピングされ、1種が優性である。これら3種のアレルゲンのそれぞれについて、それぞれのcDNAが単離かつ発現された。推定されるタンパク質配列を下に提示する(表1.1、2.1および3.1)。
アレルギーを誘発するIgE抗体の発生はCD4+ T細胞の1サブセットにより調節され、それらの受容体はMHCクラスII分子により提示される抗原性ペプチドを認識する。CD4+ T細胞によるこうしたエピトープの認識は、応答するT細胞がIFN−γのような主にある種のサイトカインの合成を特徴とするTh1応答、若しくは応答するT細胞がIL−4およびIL−10のような主に他のサイトカインの合成を特徴とするTh2応答のいずれかにつながる可能性がある。アレルゲン誘発性の喘息を伴う患者において、Th2応答パターンは、攻撃アレルゲン(1種若しくは複数)の多くの異なる表面エピトープを認識するIgE分子の合成を高める。こうしたアレルゲンへのIgEの結合が、喘息の症状をもたらす生物学的メディエーターのカスケードを活性化する。本発明の化合物および方法は、臨床上望ましい影響を得るためのTh1若しくはTh2経路特異的様式での応答の改変に適用し得る。こうした改変を喘息の制御について具体的に説明し得る。
タンパク質抗原に対する喘息のアレルギー応答の動物研究において、MHCクラスII抗原性エピトープ内の1個若しくはそれ以上のアミノ酸の置換が、変えられたT細胞免疫応答を誘導する潜在的治療薬につながることが発見された。具体的には、こうした変えられた抗原性ペプチドは、喘息応答を促進する主としてTh2応答を主としてTh1応答に変えた(Janssen E.J Immunol.2000 164:1580−8;Janssen EM.J Immunol.2000 165:7207−14)。Th2からTh1パターンへのこうした免疫偏向(immunodeviation)は喘息応答を機能的に抑制する。しかしながら、攻撃アレルゲンのMHCクラスIIに提示されるエピトープ中の個々のアミノ酸の置換は、抗原性ペプチド結合部位中の抗原性ペプチドの結合の効力、ならびに該抗原性ペプチドに応答するT細胞受容体のレパートリーを変えることが期待される。患者のMHCクラスIIアレルに対する抗原性エピトープペプチドの親和性を、こうした構造の操作により低下させ得る。本発明の方法の重要な一利点は、抗原性エピトープの配列を変えることなくThサブセットの活性化のパターンをTh2経路からTh1経路に免疫偏向させる能力である。MHCクラスII分子は数種の抗原性ペプチドに対するアレル特異的な好みを示しかつ他の抗原性ペプチド(にもかかわらず他のMHCクラスIIアレルにより十分に提示されうる)に対し示さないため、Ii−Key/抗原性エピトープハイブリッドの潜在的に低下される効力の問題は存在しない。事実、Ii−Key/抗原性エピトープハイブリッド内のエピトープの提示の効力の増大を考えれば、より広範なMHCクラスIIアレルによる提示を期待し得る。配列を改変された抗原性エピトープペプチドを上回るIi−Key/抗原性エピトープハイブリッドの別の臨床上好ましい特徴は、免疫偏向を達成するのに必要とされる用量がはるかにより少なく(10ないし100の係数だけ)そして従って潜在的に致死的なアナフィラキシーは起こることがはるかにより少なくありそうであることである。
別の局面において、本発明はIi−Key/Ara h 1抗原性エピトープハイブリッドの設計に関する。こうしたIi−Key/Ara h 1抗原性エピトープハイブリッドは、ラッカセイおよび数種の付加的な可食性ナッツ類で見出されるナンキンマメ(Arachis hypogaea)1(Ara h 1)主要アレルゲンタンパク質のMHCクラスIIに提示されるエピトープに単純なフレキシブルリンカーにより結合されたIi−KeyモチーフLRMK(配列番号3)および許容できる改変を含んでなる。このアレルゲン(626アミノ酸)のアミノ酸配列を表1.1に提示する。Ara h 1の配列はGenBankエントリーgi/11683gi/アレルゲンAra h 1から採用した。このタンパク質配列内のMHCクラスIIに提示されるエピトープは、SinghのProPred MHCクラスII結合ペプチド予測サーバー(Raghava GP.Nat Biotechnol.1999 17:555−61);Singh,H.Bioinformatics 2001 17:1236−7(http://www.imtech.res.in/raghava/propred/index.htmlを介してアクセス))を用いて同定した。ProPredプログラムは多くの一般的なMHCクラスIIアレルによる提示について配列を評価する。代替の一プログラムはSYFPEITHIプログラムである(Rammensee H−G.Immunogenetics 1999 50:213−219(http://www.uni−tuebingen.de/uni/kxi/を介してアクセス))。最高のスコアをもつエピトープを、MHCクラスIIアレルの90%以上を包括する51種のHLA−DRアレルによるそれらの提示について同定した。ProPredプログラムを用いて予測された最高のスコアを出すエピトープは実験で抗原性であることがありそうである。表1.2に列挙されるペプチドはAra h 1についてのProPredプログラム解析において最高のスコアを出すエピトープを有する。表1.2の予測されるMHCクラスIIに提示されるAra h 1エピトープのいくつかを含有するIi−Key/Ara h 1ハイブリッドを表1.3に列挙する。予測されるMHCクラスIIに提示されるAra h 1エピトープとオーバーラップする、実験で定義されたIgEを結合するAra h 1エピトープを表1.4に列挙する。予測されたMHCクラスII Ara h 1エピトープおよび実験で決定されたIgEを結合するAra h 1 エピトープを含有するIi−Key/Ara h 1ハイブリッドを表1.5に列挙する。
Figure 2006515744
Figure 2006515744
Pos.は抗原性エピトープ中の第一のアミノ酸の一次配列中の残基位置である。配列は予測されるMHCクラスIIに提示されるエピトープのアミノ酸配列である。スコアは多くの一般的なHLA−DRアレルにより提示される相対的見込みについてのProPredプログラムにより報告されるスコアである。Ii−Keyは、Ii−Keyモチーフと抗原性エピトープの第一の残基との間に介在する残基位置の数である。
表1.2において、ペプチド:1.2.1、1.2.3、1.2.6、1.2.5および1.2.18は表1.4の実験で定義されたIgE結合エピトープとなんらかの程度オーバーラップする。ペプチド1.2.9、1.2.10、1.2.11、1.2.12は組換えの変異Ara h 1中の変えられたアミノ酸配列をもつペプチドである(Burks AW.Eur J Immunol.1997 245:334−9)。IgEエピトープはShinら(J Biol Chem.1998 273:13753−9)の研究でさらに定義された。
Figure 2006515744
Pos.は抗原性エピトープ中の第一のアミノ酸の一次配列中の残基位置である。配列は表1.2のMHCクラスIIエピトープを含有するハイブリッドペプチドのアミノ酸配列である。Ii−Keyは、Ii−Keyモチーフと抗原性エピトープの第一の残基との間に介在する残基位置の数である。
付加的なIi−Key/Ara h抗原性エピトープハイブリッドの活性を、スペーサーとしてa−アミノ吉草酸の1残基を用いて試験する。スペーサー構造の系統的変異を伴う一連のハイブリッドの以前の研究において、1個のava残基をもつハイブリッドはより複雑なスペーサー配列をもついかなるハイブリッドとも同程度活性であったからである。Ara hハイブリッドにおいて、Ii−Key−スペーサー(LRMK−ava)(配列番号9)配列をProPredで同定されたペプチドの第一のアミノ酸(このアミノ酸はMHCクラスII分子の抗原性ペプチド結合部位のポケット1に嵌ると考えられる)に結合した。
表1.3のペプチドは後に続くとおり特徴付けられる。ペプチド1.3.1はProPredで予測されたMHCクラスIIに提示されるエピトープペプチド1.2.2.を含有する。ペプチド1.3.2は2アミノ酸だけオーバーラップする、最初の2個のMHCクラスIIに提示されるエピトープ(ペプチド1.2.9;1.2.11)の混成物である。ペプチド1.3.3は最初の4個のMHCクラスIIに提示されるエピトープ(ペプチド1.2.11、1.2.9、1.2.10、1.2.12)の混成物である。ペプチド1.3.2および1.3.3は組換えの変異Ara h 1(Burks AW. Eur J Immunol.1997 245:334−9)中の変えられたアミノ酸配列をもつペプチドである。ペプチド1.3.4はProPredで予測されたMHCクラスIIに提示されるエピトープペプチド1.2.8を含有する。ペプチド1.3.5は6アミノ酸だけオーバーラップする、2個のMHCクラスIIに予測されるエピトープ(ペプチド1.2.7およびペプチド1.2.8)の混成物である。ペプチド1.3.6はProPredで予測されたMHCクラスIIに提示されるエピトープペプチド1.2.13を含有する。ペプチド1.3.7はProPredで予測されたMHCクラスIIに提示されるエピトープペプチド1.2.14を含有する。ペプチド1.3.8はそれぞれ3および4アミノ酸だけオーバーラップする、3個のMHCクラスIIに予測されるエピトープ(ペプチド1.2.14、ペプチド1.2.15およびペプチド1.2.16)の混成物である。
Figure 2006515744
Pos.は抗原性エピトープ中の第一のアミノ酸の一次配列中の残基位置である。配列は予測されたMHCクラスIIに提示されるエピトープのアミノ酸配列である。Ii−Keyは、Ii−Keyモチーフと抗原性エピトープの第一の残基との間に介在する残基位置の数である。
Figure 2006515744
Pos.は抗原性エピトープ中の第一のアミノ酸の一次配列中の残基位置である。配列は、表1.2の予測されたMHCクラスIIに提示されるエピトープおよび表1.4のIgE結合エピトープを含有する提案されたハイブリッドのアミノ酸配列である。Ii−Keyは、Ii−Keyモチーフと抗原性エピトープの第一の残基との間に介在する残基位置の数である。
表1.5のペプチドは後に続くとおり特徴付けられる。ペプチド1.5.1、1.5.6および1.5.10は実験で定義されたIgE結合エピトープの残基を包含する。ペプチド1.5.1、1.5.2、1.5.4、1.5.6、1.5.9および1.5.10はProPredで予測されたMHCクラスIIに提示されるエピトープの残基を有する。ペプチド1.5.2、1.5.3、1.5.4、1.5.5、1.5.6、1.5.7、1.5.8および1.5.10は、オーバーラップするIgE結合エピトープとMHCクラスIIに提示されるエピトープとの間でアミノ酸を共有する。ペプチド1.5.4、1.5.5、1.5.6、1.5.8、1.5.9および1.5.10は、オーバーラップするMHCクラスIIに提示されるエピトープ間でアミノ酸を共有する。
表1.5のペプチドは後に続くとおり特徴付けられる。ペプチド1.5.1は、2アミノ酸だけオーバーラップする、最高のProPred予測結合スコアをもつMHCクラスIIに提示されるエピトープ(ペプチド1.2.1)およびIgE結合エピトープ(ペプチド1.4.1)の混成物である。ペプチド1.5.2は、8アミノ酸だけオーバーラップする、MHCクラスIIに提示されるエピトープ、配列番号44およびIgE結合エピトープペプチド1.4.2の混成物である。ペプチド1.5.3は、8アミノ酸だけオーバーラップする、MHCクラスIIに提示されるエピトープペプチド1.2.6およびIgE結合エピトープペプチド1.4.3の混成物である。ペプチド1.5.4は、1アミノ酸だけオーバーラップする、MHCクラスIIに予測されるエピトープペプチド1.2.4およびIgE結合エピトープペプチド1.4.5を含有する。ペプチド1.5.5は、5アミノ酸だけオーバーラップする、MHCクラスIIに予測されるエピトープペプチド1.5およびIgE結合エピトープペプチド1.4.5を含有する。ペプチド1.5.6は、5アミノ酸だけオーバーラップする、2個のMHCクラスIIに予測されるエピトープペプチド1.2.4およびペプチド1.2.5の混成物である。加えて、IgE結合エピトープ(ペプチド1.4.5)との5アミノ酸のオーバーラップが存在する。ペプチド1.5.7は、9アミノ酸だけオーバーラップする、MHCクラスIIに予測されるエピトープペプチド1.2.17およびIgE結合エピトープペプチド1.4.4.を含有する。ペプチド1.5.8は、6アミノ酸だけオーバーラップする、MHCクラスIIに予測されるエピトープペプチド1.18およびIgE結合エピトープ1.4.4を含有する。ペプチド1.5.9はMHCクラスIIに予測されるエピトープペプチド1.2.19を含有する。ペプチド1.5.10は、3個のMHCクラスIIに予測されるエピトープペプチド1.2.17、1.2.18および1.2.19ならびにIgE結合エピトープペプチド3.1.5の混成物である。ペプチド1.5.5はそれぞれ5および3アミノ酸だけオーバーラップする、3個のMHCクラスIIに予測されるエピトープ(ペプチド1.2.17、1.2.18および1.2.19)の混成物である。加えて、IgE結合エピトープ(ペプチド1.4.4)との9アミノ酸のオーバーラップが存在する。
Ii−Key/Ara h 2ラッカセイ抗原性エピトープハイブリッド。
別の局面において、本発明はIi−Key/Ara h 2抗原性エピトープハイブリッドの設計に関する。Sampson、第WO 0052154号明細書、a series of Ara h 2 MHC Class II−presented epitopes(一連のAra h 2 MHCクラスIIに提示されるエピトープ)、Burks AW.(J Allergy Clin Immunol.1992 90:962−7)により実験で同定された。Ara h 2特異的T細胞株は、12名のアトピーおよび4名の非アトピーの個体の末梢血から樹立した。T細胞株の全部は優勢にCD4+ T細胞であった。これらのT細胞株のそれぞれの反応性を、オーバーラップするAra h 2ペプチドのライブラリーからの個々のペプチドに対して試験した。4種の免疫優性T細胞エピトープ、すなわちエピトープ1(アミノ酸18−28)、エピトープ2(アミノ酸45−55)、エピトープ3(アミノ酸95−108)およびエピトープ4(アミノ酸134−144)がAra h 2について同定された。エピトープ1、2および4はIgE抗体に認識されるエピトープとのオーバーラップ配列を有する一方、エピトープ3はIgE結合エピトープとオーバーラップしない。Bannonらは、こうした配列が非アナフィラキシー性のT細胞に向けられた免疫治療薬の開発のための可能性を提供することを示唆した(Bannon GA.Int Arch Allergy Immunol.2001 124:70−72)。表2.1中のAra h 2の配列はGenBank gi/15418705/アレルゲンII[ナンキンマメ(Arachis hypogaea)]から採用した。実験で定義されたMHCクラスIIに提示されるAra h 2エピトープを表2.2に列挙する。表2.2の実験で定義されたMHCクラスIIに提示されるAra h 2エピトープのいくつかを含有するIi−Key/Ara h 2ハイブリッドを表2.3に列挙する。Ara h 2の予測されたMHCクラスIIエピトープを表2.4に列挙する。表2.4の予測されたMHCクラスIIに提示されるAra h 2エピトープのいくつかを含有するIi−Key/Ara h 2ハイブリッドを表2.5に列挙する。表2.4からの予測されたMHCクラスIIに提示されるAra h 2エピトープとオーバーラップする実験で定義されたIgE結合Ara h 2エピトープを表2.6に列挙する。予測されたMHCクラスII Ara h 2エピトープおよびオーバーラップする実験で決定されたIgE結合Ara h 2エピトープを含有するハイブリッドを表2.7に列挙する。
Figure 2006515744
Pos.は抗原性エピトープ中の第一のアミノ酸の一次配列中の残基位置である。配列は実験で決定されたMHCクラスIIに提示されるエピトープのアミノ酸配列である。Ii−Keyは、Ii−Keyモチーフと抗原性エピトープの第一の残基との間に介在する残基位置の数である。
表2.2のペプチドは後に続くとおり特徴付けられる。ペプチド2.2.1、2.2.2、2.2.4および2.2.5はProPredで予測されるMHCクラスIIに提示される配列である。ペプチド2.2.1はIgE結合エピトープを含有する。ペプチド2.2.1および2.2.2はIgE結合エピトープおよびMHCクラスIIに提示されるエピトープのオーバーラップするアミノ酸を有する。Pos.はエピトープの第一のアミノ酸の一次アミノ酸配列中の残基番号である。実験で予測されたエピトープの多くはProPredアルゴリズムを用いてもまた、完全に若しくは部分的にのいずれかで予測される。
Figure 2006515744
Pos.は抗原性エピトープ中の第一のアミノ酸の一次配列中の残基位置である。配列は表2.2のMHCクラスIIエピトープを含有するハイブリッドペプチドのアミノ酸配列である。スコアは多くの一般的なHLA−DRアレルにより提示される相対的見込みについてのProPredプログラムにより報告されるスコアである。Ii−Keyは、Ii−Keyモチーフと抗原性エピトープの第一の残基との間に介在する残基位置の数である。
表2.3のペプチドは後に続くとおり特徴付けられる。ペプチド2.3.1は実験で定義されたIgE結合エピトープを含有する。ペプチド2.3.1および2.3.2は、オーバーラップするIgE結合エピトープとMHCクラスIIに提示されるエピトープとの間でアミノ酸を共有する。ペプチド2.3.2および2.3.3は、Burksら(Burks AW.Eur J Immunol.1997 245:334−9)の改変Ara h 1中に変えられたアミノ酸配列をもつペプチドである。Pos.はエピトープの第一のアミノ酸の一次アミノ酸配列中の残基番号である。
Figure 2006515744
Pos.は抗原性エピトープ中の第一のアミノ酸の一次配列中の残基位置である。配列は予測されたMHCクラスIIに提示されるエピトープのアミノ酸配列である。スコアは多くの一般的なHLA−DRアレルにより提示される相対的見込みについてのProPredプログラムにより報告されるスコアである。Ii−Keyは、Ii−Keyモチーフと抗原性エピトープの第一の残基との間に介在する残基位置の数である。
表2.4のペプチドは後に続くとおり特徴付けられる。ペプチド2.4.1、2.4.5、2.4.6、2.4.8および2.4.11はアレルギー性のIgE結合を低下させるように改変されたAra h 2中で保存されないペプチドである。ペプチド2.4.4中で、R54がAにより置換される。ペプチド2.4.7中ではP43およびQ46がそれぞれAにより置換される。ペプチド2.4.2、2.4.4、2.4.9、2.4.10および2.4.13は実験で定義されたT細胞エピトープである。ペプチド2.4.2、2.4.4、2.4.7、2.4.10および2.4.11はIgE結合エピトープのアミノ酸を有する。
Figure 2006515744
Pos.は抗原性エピトープ中の第一のアミノ酸の一次配列中の残基位置である。配列は表2.4のMHCクラスIIエピトープを含有するハイブリッドペプチドのアミノ酸配列である。Ii−Keyは、Ii−Keyモチーフと抗原性エピトープの第一の残基との間に介在する残基位置の数である。
表2.5のペプチドは後に続くとおり特徴付けられる。ペプチド2.5.1、2.5.2、2.5.3、2.5.4は改変Ara h 2中で保存されないペプチドである。ペプチド2.5.5および2.5.7は実験で定義されたCD4+ T細胞エピトープである。
別の局面において、本発明はIgEパターンからIgG若しくはIgGサブタイプパターンへのアレルギー患者の抗体応答の免疫偏向を提供する。アレルゲンに対するIgE抗体の合成の減少および/若しくはIgG抗体(IgE抗体の結合を阻害する)の合成は所望の治療効果を有する。この目的のため、アレルゲンのMHCクラスIIエピトープをIi−Key/MHCクラスIIエピトープ/IgEエピトープハイブリッドペプチド中のIgE結合ペプチド配列と結合する。そのように組合せた配列はアレルゲンの一次アミノ酸配列の異なるセグメントから採用してもよい。例えば、高ProPredスコアをもつMHCクラスIIエピトープをアレルゲン上のIgEに認識される部位からのペプチドと結合し得る。好ましくは、しかしながら、それら2種のそれぞれのMHCクラスIIに提示される部位およびIgEに認識される部位がアレルゲンの一次配列中でオーバーラップする。表2.4からのMHCクラスIIに提示されるAra h2の2個のエピトープおよび表2.6の実験で決定されたIgE結合エピトープを結合するこうしたハイブリッドを表2.7に提示する。
Figure 2006515744
Pos.は抗原性エピトープ中の第一のアミノ酸の一次配列中の残基位置である。配列は実験で決定されたIgE結合エピトープのアミノ酸配列である。Ii−Keyは、Ii−Keyモチーフと抗原性エピトープの第一の残基との間に介在する残基位置の数である。
Figure 2006515744
Pos.は抗原性エピトープ中の第一のアミノ酸の一次配列中の残基位置である。配列は表2.4のMHCクラスIIエピトープおよび表2.6のIgE結合エピトープを含有するハイブリッドペプチドのアミノ酸配列である。Ii−Keyは、Ii−Keyモチーフと抗原性エピトープの第一の残基との間に介在する残基位置の数である。
表2.7のペプチドは後に続くとおり特徴付けられる。ペプチド2.7.1は予測されかつ実験で定義されたMHCクラスIIエピトープペプチド7.2を含有し、これはIgE結合エピトープペプチド2.6.2および2.6.3と一致する。ペプチド2.7.2は予測されかつ実験で定義されたMHCクラスIIエピトープペプチド7.4を含有し、これはIgE結合エピトープペプチド2.6.4および2.6.5と一致する。ペプチド2.7.3は予測されたMHCクラスIIエピトープペプチド7.7を含有し、これはIgE結合エピトープペプチド2.6.4と一致する。ペプチド2.7.4はMHCクラスIIエピトープペプチド7.4および7.7、ならびにIgE結合エピトープペプチド2.6.4および2.6.5を含有する。ペプチド2.7.5はIgE結合エピトープペプチド2.6.4とオーバーラップするMHCクラスIIエピトープペプチド7.10を含有する。ペプチド2.7.6は、IgE結合エピトープペプチド2.6.1とオーバーラップするMHCクラスIIエピトープペプチド7.11を含有する。
Ii−Key/Ara h 3ラッカセイ抗原性エピトープハイブリッド。
別の局面において、本発明はIi−Key/Ara h 3抗原性エピトープハイブリッドの設計に関する。RabjohnらはラッカセイアレルゲンAra h3の分子クローニングおよびT細胞エピトープ解析を報告した(J Clin Invest.1999 103:535−42)。表3.1中のAra h 3の配列はGenBank gi/3703107/グリシンから採用した。Ara h 3の予測されるMHCクラスIIエピトープを表3.2に列挙する。表3.2のMHCクラスIIに提示されるエピトープのいくつかを含有するIi−Key/Ara h 3ハイブリッドを表3.3に列挙する。予測されたMHCクラスIIに提示されるAra h 3エピトープとオーバーラップする、実験で定義されたIgE結合Ara h 3エピトープを表3.4に列挙する。実験で定義されたIgE結合エピトープとオーバーラップする予測されたMHCクラスII Ara h 3エピトープを含有するハイブリッド表3.5。
Figure 2006515744
Figure 2006515744
Pos.は抗原性エピトープ中の第一のアミノ酸の一次配列中の残基位置である。配列は予測されたMHCクラスIIに提示されるエピトープのアミノ酸配列である。スコアは多くの一般的なHLA−DRアレルにより提示される相対的見込みについてのProPredプログラムにより報告されるスコアである。Ii−Keyは、Ii−Keyモチーフと抗原性エピトープの第一の残基との間に介在する残基位置の数である。
Figure 2006515744
Pos.は抗原性エピトープ中の第一のアミノ酸の一次配列中の残基位置である。配列は表3.2のMHCクラスIIエピトープを含有するハイブリッドペプチドのアミノ酸配列である。
ペプチド3.3.1はProPredで予測されたMHCクラスIIに提示されるエピトープペプチド3.2.2を含有する。ペプチド3.3.2はProPredで予測されたMHCクラスIIに提示されるエピトープペプチド3.2.1を含有する。ペプチド3.3.3は、7アミノ酸だけオーバーラップする、2個のProPredで予測されたMHCクラスIIに提示されるエピトープ(ペプチド3.2.1および3.2.2)の混成物である。ペプチド3.3.4はProPredで予測されたMHCクラスIIに提示されるエピトープペプチド3.2.3を含有する。ペプチド3.3.5はProPredで予測されたMHCクラスIIに提示されるエピトープペプチド3.3.6を含有する。ペプチド3.2.6はProPredで予測されたMHCクラスIIに提示されるエピトープペプチド3.2.8を含有する。ペプチド3.3.7は、7アミノ酸だけオーバーラップする、2個のProPredで予測されたMHCクラスIIに提示されるエピトープ(ペプチド3.2.9および3.2.8)の混成物である。ペプチド3.3.8はProPredで予測されたMHCクラスIIに提示されるエピトープペプチド3.2.7を含有する。ペプチド3.3.9はProPredで予測されたMHCクラスIIに提示されるエピトープペプチド3.2.10を含有する。ペプチド3.3.10はProPredで予測されたMHCクラスIIに提示されるエピトープペプチド3.2.11を含有する。ペプチド3.3.11はProPredで予測されたMHCクラスIIに提示されるエピトープペプチド3.2.11を含有する。ペプチド3.3.12はProPredで予測されたMHCクラスIIに提示されるエピトープペプチド3.2.13を含有する。ペプチド3.3.13は、7アミノ酸だけオーバーラップする、2個のProPredで予測されたMHCクラスIIに提示されるエピトープ(ペプチド3.2.12および3.2.13)を含有する。ペプチド3.3.14はProPredで予測されたMHCクラスIIに提示されるエピトープペプチド3.2.14を含有する。
Figure 2006515744
Pos.は抗原性エピトープ中の第一のアミノ酸の一次配列中の残基位置である。Ii−Keyは、Ii−Keyモチーフと抗原性エピトープの第一の残基との間に介在する残基位置の数である。
Figure 2006515744
Pos.は抗原性エピトープ中の第一のアミノ酸の一次配列中の残基位置である。配列は、表3.2のMHCクラスIIエピトープおよび表3.4のIgE結合エピトープを含有するハイブリッドペプチドのアミノ酸配列である。
表3.5のペプチドは後に続くとおり特徴付けられる。ペプチド3.5.1〜3.5.4はIgE結合エピトープとMHCクラスIIに提示されるエピトープとの間のアミノ酸を共有する。ペプチド3.5.1は、実験で定義されたIgE結合エピトープペプチド13.1と一致する、予測されたMHCクラスIIエピトープペプチド3.2.5を含有する。ペプチド3.5.2は、実験で定義されたIgE結合エピトープペプチド3.4.1と一致する、予測されたMHCクラスIIエピトープペプチド3.5.4を含有する。ペプチド3.4.3は、実験で定義されたIgE結合エピトープペプチド3.4.1と一致する、予測されたMHCクラスIIエピトープペプチド3.2.6を含有する。ペプチド3.4.4は、IgE結合エピトープペプチド3.4.1と一致する、3個のProPredで予測されたMHCクラスIIに提示されるエピトープ(ペプチド3.2.4、3.2.5および3.2.6)の混成物である。
Ii−Key/Fel d 1ネコ鱗屑抗原性エピトープハイブリッド。
別の局面において、本発明はIi−Key/Fel d 1抗原性エピトープハイブリッドの設計に関する。こうしたIi−Key/Fel d 1抗原性エピトープハイブリッドは、機能上許容できるリンカーによってネコ鱗屑のFl d 1主要アレルゲンタンパク質のMHCクラスIIに提示されるエピトープに結合されたIi−KeyモチーフLRMK(配列番号3)および改変を含んでなる。表4.1中のFel d 1の鎖1および2のアミノ酸配列はGenBank gi/1082945/鎖1およびgi/1082946/鎖2(Morgenstern JP.Proc Natl Acad Sci USA.1991 88:9640−4)から採用した。表4.2に列挙されるFel d 1(鎖1)のMHCクラスIIに提示されるエピトープは、ProPredプログラム解析で最高スコアをもつものを包含する。表4.3は表2の予測されたMHCクラスIIに提示されるエピトープのいくつかを含有するIi−Key/Fel d 1(鎖1)ハイブリッドを提示する。表4.4はネコ鱗屑アトピーのヒトでアレルギー応答を導き出すFel d 1(鎖1)のMHCクラスIIに提示されるペプチドを提示する(Haselden BM.J Exp Med.1999 189:1885−94)。表4.5は表4.4の実験で定義されたMHCクラスIIに提示されるエピトープのいくつかを含有するIi−Key/Fel d 1(鎖1)ハイブリッドを提示する。表4.6はFel d 1(鎖2)の予測されたMHCクラスIIに提示されるエピトープを提示する。表4.7は表4.6のMHCクラスIIに提示されるエピトープのいくつかを含有する設計されたIi−Key/Fel d 1(鎖2)ハイブリッドを提示する。表4.8はネコ鱗屑アトピーのヒトでアレルギー応答を導き出すFel d 1(鎖2)のMHCクラスIIに提示されるペプチドを提示する(Haselden BM.J Exp Med.1999 189:1885−94)。表4.9は表4.8のMHCクラスIIに提示されるエピトープのいくつかを含有する設計されたIi−Key/Fel d 1(鎖2)ハイブリッドを提示する。エピトープペプチドのいくつかは単独で診察室でのネコ鱗屑アレルゲン攻撃に対し低応答性を誘導し得る(Oldfield WL.J Immunol.2001 167:1734−9;Mazzarella G.Allergy 2000 61:6−9)ため、対応するハイブリッドは臨床検査若しくは治療の間にアナフィラキシーを誘発するのにより強力かつより少なく感受性であることができる。こうした分析および治療方法はLarche M.第WO99/34826号明細書および米国特許第6,120,769号明細書(2000)(引用することにより本明細書に組み込まれる)に提示されている。
喘息は、変動可能な気流閉塞、気管支過剰応答性および気道の炎症を特徴とする肺の複雑な炎症性疾患である。喘息における炎症は肥満細胞、リンパ球および好酸球による気道浸潤よりなる。Th2サイトカインパターンをもつCD4+細胞が喘息の病因において中枢的役割を演じているという蓄積している証拠が存在する。これらの細胞は、IL−4、IL−5およびIL−13のようなサイトカインの遊離により、アレルギー応答の主要なエフェクター細胞(肥満細胞および好酸球)の動員および活性化を調整する。アレルギー性の炎症もまた気道上皮の変化に関わっているが、とは言え炎症細胞およびとりわけT細胞が上皮と相互作用する機構は完全には解明されていない。
卵アルブミン誘発性喘息応答におけるマウスのスーパーアゴニストの(superagonistic)Th1−skewingペプチド336E−A(ISQAVHAAHAEINAAGR)(配列番号130)での処理は、Th1様サイトカインプロファイル、ならびに気道の好酸球増加ならびにOVA特異的IL−4およびIL−5産生の有意の減少をもたらした(Janssen E.J Immunol.2000 164:1580−8;Janssen EM.J Immunol.2000 165:7207−14)。これらの研究において、野性型配列(ISQAVHAAHAEINEAGR)(配列番号131)を、相同体中でそれぞれ全部のアラニン以外の残基位置での単一アラニン置換により改変した。
この研究の原理を拡大して、Peneらは、Fel d 1特異的な血清IgEおよびIgGレベルならびにin vitroのIL−4およびIFN−a産生に対する標準化Fel d 1ネコ抽出物を用いる気管支刺激試験に対する応答に対するFel d 1ペプチドでの免疫治療の効果を検査した(Pene J.J Allergy Clin Immunol.1998;102:571−8)。ネコに対しアレルギー性の患者が低用量、中用量若しくは高用量のFel d 1ペプチド若しくはプラセボの6回の週1回注入を受領した。免疫治療が終了して6週後に、処置後PD20努力呼気量/1secは処置群とプラセボ群との間で有意に異ならなかった。しかしながら、中および高用量群では、ベースラインと処置後の日との間に有意の改善が存在した。IL−4遊離は高用量処置群で有意に低下された一方、それは低若しくは中用量およびプラセボ処置群で変化しなかった。全群で、IFN−γ、IgEおよびIgGレベルは未変化のままであった。該研究者は、PD20FEVの改善とIL−4産生の減少との間に相関が存在しなかったと結論した。彼らは、ペプチド免疫治療がin vitroの末梢血単核細胞のFel d 1誘発性の応答をTh2様からTh0様の表現型に移動させることにより作用しうることを示唆した。下に提示されるIi−Key/抗原性エピトープハイブリッドは、これらの研究者の実験で試験されたMHCクラスIIエピトープのいくつかを包含し、そして、以前に提示された理由から、診断および治療の応用においてより大きな効力のものでありかつより広範囲の安全性を有することを予測し得る。
先行する研究の後にALLERVAX CATの調製物が続き、ネコ(Felis domesticus)ネコアレルゲンFel d1鎖Iからの複数のMHCクラスIIに提示されるエピトープの領域を含有する27アミノ酸の2種のペプチドを含有するペプチドワクチンが、FC1P1、LFLTGTPDEYVEQVAQY(配列番号132);FC1P2、EQVAQYKALPVVLENA(配列番号133);およびFC1P3、KALPVVLENARILKNCV(配列番号134)を生じた。
Fel d 1の鎖1および鎖2の推定されるアミノ酸配列を表4.1に提示する(>gi|1082945|pir||B56413主要アレルゲンFel dI鎖1、短い形態−ネコ;>gi|1082946|pir||C56413主要アレルゲンFel dI鎖2前駆体−ネコ)。Fel d 1(鎖1)の予測されたMHCクラスIIに提示されるエピトープを表4.3に列挙する。表4.2の予測されたMHCクラスIIに提示されるエピトープのいくつかを含有する設計されたIi−Key/Fel d 1(鎖1)ハイブリッドを表4.3に列挙する。実験で定義されたFel d 1鎖1のMHCクラスIIに提示されるエピトープを表4.4に列挙する。表4.4のMHCクラスIIに提示されるエピトープのいくつかを含有する設計されたIi−Key/Fel d 1(鎖1)ハイブリッドを表4.5に列挙する。Fel d 1(鎖2)の予測されたMHCクラスIIに提示されるエピトープを表4.6に列挙する。表4.6のMHCクラスIIに提示されるエピトープのいくつかを含有する設計されたIi−Key/Fel d(鎖2)ハイブリッドを表4.7に列挙する。実験で決定された/Fel d 1(鎖2)のMHCクラスIIに提示されるエピトープを表4.8に列挙する。表4.8のMHCクラスIIに提示されるエピトープのいくつかを含有する設計されたIi−Key/Fel d 1(鎖2)ハイブリッドを表4.9に列挙する。
Figure 2006515744
Figure 2006515744
Pos.は抗原性エピトープ中の第一のアミノ酸の一次配列中の残基位置である。配列は予測されたMHCクラスIIに提示されるエピトープのアミノ酸配列である。スコアは多くの一般的なHLA−DRアレルにより提示される相対的見込みについてのProPredプログラムにより報告されるスコアである。Ii−Keyは、Ii−Keyモチーフと抗原性エピトープの第一の残基との間に介在する残基位置の数である。
Figure 2006515744
Pos.は抗原性エピトープ中の第一のアミノ酸の一次配列中の残基位置である。Ii−Keyは、Ii−Keyモチーフと抗原性エピトープの第一の残基との間に介在する残基位置の数である。
Figure 2006515744
Pos.は抗原性エピトープ中の第一のアミノ酸の一次配列中の残基位置である。配列は、ネコ鱗屑に対するアレルギーをもつ患者において応答を導き出すことが見出されたある種のペプチドのアミノ酸配列である(Haselden BM.J Exp Med.1999 189:1885−94)。Ii−Keyは、Ii−Keyモチーフと抗原性エピトープの第一の残基との間に介在する残基位置の数である。ペプチド4.4.2はFC1P1からであり;ペプチド4.4.3はFC1P2からであり;ペプチド4.4.4はFC1P3からである(Haselden BM.J Exp Med.1999 189:1885−94)。
Figure 2006515744
Pos.は抗原性エピトープ中の第一のアミノ酸の一次配列中の残基位置である。Ii−Keyは、Ii−Keyモチーフと抗原性エピトープの第一の残基との間に介在する残基位置の数である。
Figure 2006515744
Pos.は抗原性エピトープ中の第一のアミノ酸の一次配列中の残基位置である。配列は予測されたMHCクラスIIに提示されるエピトープのアミノ酸配列である。スコアは多くの一般的なHLA−DRアレルにより提示される相対的見込みについてのProPredプログラムにより報告されるスコアである。Ii−Keyは、Ii−Keyモチーフと抗原性エピトープの第一の残基との間に介在する残基位置の数である。
Figure 2006515744
Pos.は抗原性エピトープ中の第一のアミノ酸の一次配列中の残基位置である。
Figure 2006515744
Pos.は抗原性エピトープ中の第一のアミノ酸の一次配列中の残基位置である。配列は実験で決定されたMHCクラスIIに提示されるエピトープのアミノ酸配列である。Ii−Keyは、Ii−Keyモチーフと抗原性エピトープの第一の残基との間に介在する残基位置の数である。
Figure 2006515744
Pos.は抗原性エピトープ中の第一のアミノ酸の一次配列中の残基位置である。
Ii−Key/Phl p 1花粉抗原性エピトープハイブリッド。
別の局面において、本発明はIi−Key/Phl p 1花粉抗原性エピトープハイブリッドの設計および使用に関する。Lafferらは主要アレルゲンPhl p IのcDNAをチモシー牧草(Phleum pratense)から得、そして、組換えタンパク質Phl p Iが8種の異なる牧草種から調製した群IアレルゲンへのIgE結合を阻害することを見出した(Laffer S.J Allergy Clin Immunol.1994 94:689−98)。Phl p 1(チモシー牧草(Phleum pratense)の主要花粉アレルゲン)のT細胞エピトープの研究において、Schenk S.らは、牧草の群Iアレルゲン内の交差反応性および非交差反応性T細胞エピトープの証拠を見出した(Schenk S.J Allergy Clin Immunol.1995 96:986−96)。多様な精製された組換えチモシー牧草花粉(チモシー(Phleum pratense))アレルゲン(Phl p 1、Phl p2、Phl p 5)の免疫学的特徴がこうした交差反応に関して特徴付けられた(Vrtala S.J Allergy Clin Immunol.1996 97:781−7)。多様な非アナフィラキシー性の合成ペプチドを、アレルギーワクチン接種のため主要牧草花粉アレルゲンPhl p 1の抗体に認識されるエピトープから得た(Focke M.FASEB J.2001 15:2042−4)。これらのエピトープのいくつかが表5.7のIi−Key/MHCクラスIIエピトープ/IgGエピトープハイブリッドに取り込まれている。関連する研究において、BlaherらはLol p 9(ライグラス(ホソムギ(Lolium perenne))花粉の主要アレルゲン)のMHCクラスIIに提示されるエピトープを同定した(Blaher B.J Allergy Clin Immunol.1996 98:124−32)。
表5.1中のPhl p Iアレルゲン[チモシー(Phleum pratense)]の配列はGenBank 473360、Phl p Iアレルゲンから採用した。Phl p 1の予測されたMHCクラスIIに提示されるエピトープを表5.2に列挙する。表5.2のMHCクラスIIに提示されるPhl p 1エピトープのいくつかを含有するIi−Key/Phl p 1ハイブリッドを表5.3に列挙する。Phl p 1の実験で定義されたMHCクラスIIに提示されるエピトープを表5.4に列挙する。表5.4の実験で定義されたMHCクラスIIに提示されるエピトープのいくつかを含有するIi−Key/Phl p 1ハイブリッドを表5.5に列挙する。MHCクラスIIに提示されるPhl p 1エピトープとオーバーラップする、Phl p 1の実験で定義されたIgE結合エピトープを表5.6に列挙する。実験で定義されたMHCクラスIIおよびIgE結合Php 1エピトープを包含するハイブリッドペプチドを表5.7に列挙する。
Figure 2006515744
Figure 2006515744
Pos.は抗原性エピトープ中の第一のアミノ酸の一次配列中の残基位置である。配列は予測されたMHCクラスIIに提示されるエピトープのアミノ酸配列である。スコアは多くの一般的なHLA−DRアレルにより提示される相対的見込みについてのProPredプログラムにより報告されるスコアである。Ii−Keyは、Ii−Keyモチーフと抗原性エピトープの第一の残基との間に介在する残基位置の数である。
Figure 2006515744
Pos.は抗原性エピトープ中の第一のアミノ酸の一次配列中の残基位置である。
Figure 2006515744
Pos.は抗原性エピトープ中の第一のアミノ酸の一次配列中の残基位置である。Ii−Keyは、Ii−Keyモチーフと抗原性エピトープの第一の残基との間に介在する残基位置の数である。
Phl p 1の実験で定義されたMHCクラスIIエピトープは、牧草の群Iアレルゲン、すなわちLol p 1(ライグラス、ホソムギ(Lolium perenne))、Sec c 1(ライムギ、secale cereale)内で交差反応する(Schenk S.J Allergy Clin Immunol.1995 96:986−96)。とりわけ、ペプチド5.4.1のエピトープはLol p 1(A97がS97により置換されている)と交差反応し、また、Sec c 1(I89がL89により置換されている)と交差反応する。ペプチド5.4.2のエピトープはLol p 1およびsec c 1(A124がD124により置換されている)と交差反応する。
Figure 2006515744
Pos.は抗原性エピトープ中の第一のアミノ酸の一次配列中の残基位置である。Ii−Keyは、Ii−Keyモチーフと抗原性エピトープの第一の残基との間に介在する残基位置の数である。
Figure 2006515744
Pos.は抗原性エピトープ中の第一のアミノ酸の一次配列中の残基位置である。Ii−Keyは、Ii−Keyモチーフと抗原性エピトープの第一の残基との間に介在する残基位置の数である。IgE結合エピトープを含有するペプチドはFockeらにより定義された(Focke M.FASEB J.2001 15:2042−4)。ペプチド5.6.3は、IgEエピトープを含有するペプチド(Focke M.FASEB J.2001 15:2042−4)とオーバーラップする、Phl p 1の実験で定義されたMHCクラスIIエピトープ(Schenk S. J Allergy Clin Immunol.1995 96:986−96)を包含する。
Figure 2006515744
Pos.は抗原性エピトープ中の第一のアミノ酸の一次配列中の残基位置である。Ii−Keyは、Ii−Keyモチーフと抗原性エピトープの第一の残基との間に介在する残基位置の数である。ペプチド5.7.1は、Phl p 1の実験で定義されたIgEエピトープ(Focke M.FASEB J.2001 15:2042−4)およびPhl p 1の実験で定義されたMHCクラスIIエピトープ(Schenk S.J Allergy Clin Immunol.1995 96:986−96)を包含する。
Ii−Key/Phl p 5aカバノキ花粉抗原性エピトープハイブリッド。
別の局面において、本発明はIi−Key/Phl p 5aカバノキ花粉抗原性エピトープハイブリッドの設計および使用に関する。主要カバノキ花粉アレルゲンBet v I上の複数のT細胞エピトープは特異的T細胞クローンおよびオーバーラップペプチドを使用して決定された(Ebner C.J Immunol.1993 150:1047−54)。Vrtalaらは、主要カバノキ花粉アレルゲンBet v 1が2フラグメントに分割され得、そのそれぞれが非アナフィラキシー性T細胞エピトープを含有しかつ抑制的免疫治療の候補であることを見出した(Vrtala S. Int Arch Allergy Immunol.1997 113:246−8;Vrtala S.J Clin Invest.1997 99:1673−81)。Friedl−Hajek R.らは、2例のカバノキ花粉アレルギーの個体由来かつBet v 1に特異的な、カバノキ主要アレルゲンBet v 1Five Bet v
1特異的T細胞クローン中の高度に有望なHLAアレル特異的T細胞エピトープを特徴付けした(Friedl−Hajek R.Clin Exp Allergy.1999 29:478−87)。これらのT細胞クローンの1種がアミノ酸残基21−33を含有するBet v 1ペプチド(BP21)と反応し、他の2種のT細胞クローンは残基37−45を含有する最小ペプチド(BP37)と反応した。BP37特異的T細胞クローンはHLA−DQA1*0301/DQB1*0603ヘテロ二量体により拘束された一方、BP21は高度に有望な様式で認識された。この配列を認識するT細胞クローンは、HLA−DPB1*0201、HLA−DQA1*0201/DQB1*0201ヘテロ二量体、若しくはHLA−DRB3*0101により拘束された。
表6.1中のPhl p 5aカバノキ花粉タンパク質の配列はGenBank 2851456(Bufe A.J Allergy Clin Immuno.1994 94:173−81)から採用した。Phl p 5aの予測されたMHCクラスIIに提示されるエピトープを表6.2に列挙する。Phl p 5aおよびPhl p 5bの実験で定義された交差反応するMHCクラスIIイソエピトープ(isoepitope)を表6.3に列挙する(Muller W.Clin Exp Allergy.1998 28:1538−48)。Phl p 5のMHCクラスIIに提示されるエピトープを含有する設計されたIi−Key/抗原性エピトープハイブリッドを表6.4に列挙する。
Figure 2006515744
Figure 2006515744
Pos.は抗原性エピトープ中の第一のアミノ酸の一次配列中の残基位置である。配列は予測されるMHCクラスIIに提示されるエピトープのアミノ酸配列である。スコアは多くの一般的なHLA−DRアレルにより提示される相対的見込みについてのProPredプログラムにより報告されるスコアである。Ii−Keyは、Ii−Keyモチーフと抗原性エピトープの第一の残基との間に介在する残基位置の数である。
Figure 2006515744
Pos.は抗原性エピトープ中の第一のアミノ酸の一次配列中の残基位置である。配列は実験で決定されたMHCクラスIIに提示されるエピトープのアミノ酸配列である。Ii−Keyは、Ii−Keyモチーフと抗原性エピトープの第一の残基との間に介在する残基位置の数である。ペプチド6.3.1はペプチドPhl p 5b(184−195;YKCIPSLEAAVK)(配列番号234)に対応し、また、ペプチド6.3.2はペプチドPhl p 5b(136−147;LQIIDKIDAAFK(配列番号235)に対応する(Muller W.Clin Exp Allergy.1998 28:1538−48)。
Figure 2006515744
Figure 2006515744
Pos.は抗原性エピトープ中の第一のアミノ酸の一次配列中の残基位置である。Ii−Keyは、Ii−Keyモチーフと抗原性エピトープの第一の残基との間に介在する残基位置の数である。
Ii−Key/ホスホリパーゼA−2ハチ毒抗原性エピトープハイブリッド。
別の局面において、本発明はIi−Key/ホスホリパーゼA−2ハチ毒抗原性エピトープハイブリッドの設計および使用に関する。Mullerらは、ハチ毒ホスホリパーゼA2のT細胞に認識されるペプチドでの免疫治療を用いて、ハチ毒に対しアレルギー性の患者において特異的T細胞アネルギーを成功裏に誘導した(Muller U.J Allergy Clin Immunol.1998 101:747−54)。ハチ刺創に対するIgE媒介性の全身アレルギー反応を伴う5例の患者をPLAの3種のT細胞エピトープペプチドの混合物で処置した。全BV免疫治療を受領するBVに対しアレルギー性の10例の患者が対照被験体としてはたらいた。100マイクログラムの維持用量までの増大する用量のペプチド混合物を2ヶ月以内に皮下に投与した。患者をその後PLAでおよび1週間後にハチ刺創で攻撃した。細胞性および体液性免疫応答をin vitroで測定した。ペプチド免疫治療によりアレルギー性の副作用は引き起こされず、また、全患者が全身性のアレルギー症状を伴わずにPLAでの攻撃を耐えた。2例の患者がハチ刺創攻撃後に軽度の全身性のアレルギー反応を発生した。ペプチド免疫治療後、末梢血単核細胞でのPLAおよびペプチドに対する特異的増殖応答は、成功裏に治療された患者で減少した。TH2およびTH1サイトカインの産生が阻害され、また、B細胞は特異的IgEおよびIgG4抗体を産生するそれらの能力に影響を及ぼされなかった。それらのレベルはアレルゲン攻撃後にIgG4に好都合に増大した。該研究者は、PLAの短いT細胞ペプチドを用いるBVアレルギーの免疫治療が、末梢T細胞においてエピトープ特異的なアネルギーを誘導し、また、成功裏に治療された患者において慣習的免疫治療のものに類似の様式で特異的アイソタイプ比を変化させると結論した。付加的なMHCクラスIIに提示される候補エピトープが同定されている(Texier C.J Immunol 2000 164:3177−84)。
表7.1中のハチ毒ホスホリパーゼA−2の配列はGenBank 129501アレルゲンApi m1から採用した(Kuchler K.Eur J Biochem.1989 184:249−54)。主要ハチ毒アレルゲン、ホスホリパーゼA−2の予測されたMHCクラスIIに提示されるエピトープを表7.2に列挙する。表7.3。主要ハチ毒アレルゲン、ホスホリパーゼA−2の実験で定義されたMHCクラスIIに提示されるエピトープを表7.3に列挙する。表1および2のMHCクラスIIに提示されるPHL A2エピトープ(オーバーラップしないおよびオーバーラップするエピトープ)のいくつかを含有するIi−Key/PHL A2ハイブリッドを表7.4に列挙する。
Figure 2006515744
Figure 2006515744
Pos.は抗原性エピトープ中の第一のアミノ酸の一次配列中の残基位置である。配列は予測されたMHCクラスIIに提示されるエピトープのアミノ酸配列である。スコアは多くの一般的なHLA−DRアレルにより提示される相対的見込みについてのProPredプログラムにより報告されるスコアである。Ii−Keyは、Ii−Keyモチーフと抗原性エピトープの第一の残基との間に介在する残基位置の数である。
表7.3。主要ハチ毒アレルゲンホスホリパーゼA−2の実験で定義されたMHCクラスIIに提示されるエピトープ。
Figure 2006515744
Pos.は抗原性エピトープ中の第一のアミノ酸の一次配列中の残基位置である。配列は実験で決定されたMHCクラスIIに提示されるエピトープのアミノ酸配列である。Ii−Keyは、Ii−Keyモチーフと抗原性エピトープの第一の残基との間に介在する残基位置の数である。上のエピトープはTexierらおよびCarballidoら(Texier C.J Immunol.2000 164:3177−84;Carballido J.J Immunol.1993 150:3582−91)により定義された。
Figure 2006515744
Pos.は抗原性エピトープ中の第一のアミノ酸の一次配列中の残基位置である。Ii−Keyは、Ii−Keyモチーフと抗原性エピトープの第一の残基との間に介在する残基位置の数である。
Bla g 5グルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)ゴキブリ抗原性エピトープハイブリッド。
別の局面において、本発明はIi−Key/Bla g 5グルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)ゴキブリ抗原性エピトープハイブリッドの設計および使用に関する。ゴキブリアレルゲンへの感作は喘息の発症と関連する。この抗原性タンパク質は、ゴキブリに対しアレルギー性である患者の70%において陽性の皮膚試験反応を誘発することが見出された。23kDaのアレルゲン、グルタチオンS−トランスフェラーゼ(EC 2.5.1.18;GST)をグルタチオンアフィニティークロマトグラフィーによりチャバネゴキブリ(Blattella germanica)から精製した(Arruda LK.J Biol Chem.1997 272:20907−12)。精製されたタンパク質および組換えタンパク質は高レベルのIgE抗体結合活性を有した。このGSTは、約3pgの組換えタンパク質を使用してゴキブリアレルギーの患者において陽性の即時皮膚試験を引き起こした。Bla g 1およびは複数のタンデムのアミノ酸リピートより構成される分子構造を有する。2個の連続するリピートは同一でないが、しかしBla g 1の塩基性分子ユニットを構成する二重鎖を形成する(Pomes A.Am J Respir Crit Care Med、2002 165:391−7)。2個のリピートの存在はIgE抗体結合に対する要件でなかった(Pomes A.Eur J Biochem.2002 269:3086−3092)。その事実は、抗原中の1個のリピートの単一の直鎖がIgE結合エピトープを発現することが見出され得るという見解を支持する。Bla g 2は最も強力なゴキブリアレルゲンの1種であり(60ないし80%のIgE応答の頻度)、そして酵素のアスパラギン酸プロテイナーゼファミリーに対する相同性を示す。酵素活性の変異的破壊はアレルゲン性を変えなかった(Pomes A.Am J Respir Crit Care Med、2002 165:391−7)。ゴキブリアレルゲンBla g 2、Bla g 4およびBla g 5、ならびにダニ群5アレルゲンの組換えタンパク質が細菌発現ベクター中で産生され、そして、ゴキブリアレルギーの患者における強い即時皮膚および血清IgE抗体応答を示した(Chapman MD.Int Arch Allergy Immunol.1997 113:102−4)。組換えアレルゲンのそれぞれは生物学的活性を保持し、そして、該研究者は、2ないし4種の組換えアレルゲンのカクテルを診断若しくは治療目的上使用し得ることを示唆した。優性の直鎖状IgE結合エピトープは報告されていないが、しかしそれらが決定されたようになる場合、Ii−Key/Bla g MHCクラスIIエピトープ/BLA g IgEに認識されるハイブリッドペプチドを設計かつ試験し得る。
表8.1中のゴキブリアレルゲンBLA g 5の配列はGenBank 6225491(Arruda LK.J Biol Chem.1997 272:20907−12)から採用した。ゴキブリアレルゲンBla g 5の予測されたMHCクラスIIエピトープを表8.2に提示する。Bla g 5の実験で定義されたMHCクラスIIエピトープ(Papouchado BG.Tissue Antigens.2000 55:303−11)を表8.3に提示する。
Figure 2006515744
Figure 2006515744
Pos.は抗原性エピトープ中の第一のアミノ酸の一次配列中の残基位置である。配列は予測されたMHCクラスIIに提示されるエピトープのアミノ酸配列である。スコアは多くの一般的なHLA−DRアレルにより提示される相対的見込みについてのProPredプログラムにより報告されるスコアである。Ii−Keyは、Ii−Keyモチーフと抗原性エピトープの第一の残基との間に介在する残基位置の数である。
Figure 2006515744
Pos.は抗原性エピトープ中の第一のアミノ酸の一次配列中の残基位置である。配列は実験で決定されたMHCクラスIIに提示されるエピトープのアミノ酸配列である。Ii−Keyは、Ii−Keyモチーフと抗原性エピトープの第一の残基との間に介在する残基位置の数である。
Ii−Key/CEA抗原性エピトープハイブリッド。
癌胎児性抗原(CEA)は、結腸、乳房および膵を包含する腫瘍中で発現される腫瘍関連抗原(TAA)である。タンパク質およびcDNAが治療的腫瘍ワクチンに使用されている。組換えワクシニア−CEAワクチンがヒト癌胎児性抗原エピトープに特異的な細胞傷害性T細胞を生成させるのに使用されている(Tsang KY.J Natl Cancer Inst.1995 87:982−90)。Ii−Keyハイブリッドを、いずれかの形態のDNAワクチンの前にこの腫瘍関連抗原に対するTヘルパー細胞応答を発生させるのに使用し得る。従って、こうした組換えワクシニア−CEA構築物の臨床的価値は、本開示に記述されるところの本発明の生成物および方法を用いて実質的に高め得る。Ii−Key/CEA抗原性エピトープハイブリッドを適用し得る付加的なCEAワクチン接種手順を下に提示する。
Reisfeldらは、ヒトCEAに対する経口DNAワクチンがCEAトランスジェニックマウスにおけるルイス肺癌の増殖および播種を予防したことを示した(Niethammer AG.Vaccine 2001 20:421−9)。ヒトCEAをコードするDNAワクチンは、CEAについてトランスジェニックのC57BL/6Jマウスにおいて、CEAで安定に形質導入したルイス肺癌により発現されるこの抗原に対する末梢T細胞寛容を破壊した。該ワクチンをネズミチフス菌(Salmonella typhimurium)(SL7207)の弱毒化株とともに経口胃管栄養により送達し、そして抗体−IL2融合タンパク質で追加免疫した。CTLおよび抗原提示樹状細胞の双方がそれらのそれぞれの活性化マーカー、CD2、CD25、CD28ならびにCD48およびCD80の決定的な増大により示されるとおり活性化された。
Stevensonらは、目的の腫瘍抗原(ここではCEA)と一緒の破傷風トキソイドのMHCクラスIIエピトープを包含するDNA融合ワクチンが、規定されたペプチドに対する細胞傷害性T細胞応答を誘導したことを示した。CEA配列への破傷風トキシンのフラグメントCの融合は、試験されたB細胞腫瘍に対する抗体およびCD4+ T細胞応答を促進した。「普遍的」ヘルパーエピトープを含有する破傷風トキソイドの第一ドメインのみ、次いでCEAの2種の既知のCTLに認識されるエピトープを使用して、彼らは、工作された構築物により誘発されるべき各CTLに認識されるペプチドに対する強いCTL応答を見出した。
Ii−Key/抗原性エピトープハイブリッドを用いる診断アッセイを使用して、以下の研究から示されるとおり、CEA陽性腫瘍を伴う患者において治療をモニターしかつ転帰を予測し得る。2件のCEAに基づくワクチンの臨床試験からのPMBCをそのCEAペプチドおよびインフルエンザ(Flu)対照ペプチドに対するT細胞応答について分析した(Arlen P.Cancer Immunol Immunother.2000 49:517−29)。第一の試験はアジュバント中のCEAペプチド(PPPと呼称される)の3回の月1回のワクチン接種よりなった。第二の試験は、アビポックス−CEA組換え体(AAAと呼称される)の3回の月1回のワクチン接種を受領するコホート、若しくは、組換えワクシニア−CEAを用いる一次ワクチン接種、次いでアビポックス−CEAを用いる2回の月1回のワクチン接種(VAAと呼称される)を受領するコホートよりなった。PPPワクチン接種を受領する患者ではCEA特異的T細胞応答があったとしてもほとんど見られなかった一方、ポックスウイルスCEA組み換え体を受領する患者の大多数はCEA特異的T細胞応答の増大を示しかつFlu特異的応答の増大を示さなかった。CEA特異的IgG応答が組換えCEAポックスウイルスワクチン接種後の患者で発生した。CEAペプチドに対するT細胞応答は、組換えポックスウイルスワクチンでの免疫感作後にペプチドワクチンと比較して有意に増大した(p=0.028)。明らかに、ポックスウイルス組換え体に基づくワクチンは、腫瘍抗原特異的T細胞応答の開始において、ペプチドワクチンがそうであるよりもより強力である。それらの活性はIi−Key/CEA抗原性エピトープハイブリッドでの前ワクチン接種によりさらに高めることができる。
CEAのような腫瘍抗原の場合、Ii−Key/MHCクラスIIに提示される抗原性エピトープハイブリッドは、例えば樹状細胞の許可(licensing)により、CEAのMHCクラスIエピトープに対する免疫応答の発生を強めるTヘルパー細胞応答を創製する。MHCクラスIエピトープによるこうしたCTL活性化は、Ii−Key MHCクラスIIに提示されるハイブリッドにこうしたMHCクラスIエピトープを組込むことによってもまた生成させ得る。CEAの数種のMHCクラスIエピトープが実験で決定された(Kawashima I.Hum Immunol.1998 59:1−14;Nukaya I.Int J Cancer.1999 80:92−7;表5)。こうしたペプチドは多様な技術により発見された。目的の抗原のcDNAのネステッド欠失はタンパク質産物につながり、該抗原を認識するCD8+細胞株の刺激についてそれらをアッセイし得る。個々のエピトープを認識する多様な細胞株を考えれば、T細胞エピトープの局在化は、ネステッド欠失cDNA構築物に対する各T細胞クローンの反応を分析することにより一次配列内で近似し得る。その後、生物学的に活性の標的領域全体のオーバーラップするペプチドのライブラリーをアッセイして、個々の決定子を正確に定義し得る。免疫精製されたMHCクラスI分子へのこうしたペプチドの結合は、例えばMHC分子への放射標識標準ペプチドの結合の阻害によってもまたアッセイし得る(Kawashima I.Hum Immunol.1998 59:1−14)。MHCクラスI分子を免疫精製しかつマイクロタイタープレートに結合し得、それにアッセイの多様な成分を、適切な洗浄を伴い連続的に添加する。あるいは、MHCクラスI分子は、例えば培養されたリンパ芽球状細胞株のミクロソーム膜調製物から精製なしに洗剤で可溶化し得、そして複合体をゲル濾過カラムで分離し得、結合された放射活性ペプチドを未結合の遊離ペプチドからタンパク質複合体中で分離する。Kawashimaの研究において、当初の研究はHLA−A2.1分子で実施された。活発な抗腫瘍CTL応答を誘導した高度に反応性のペプチド9.5.2もまたA2スーパータイプ(A2.2、A2.3、A2.6およびA6802)の他の一般的なHLAアレルに強固に結合し、従って広範なかつ人種的にバイアスのかかっていない集団の適用範囲の提供での潜在能力を示した。CTL株を使用して、HLA−A24およびCEAを発現する腫瘍細胞を溶解したCTL株を導き出したペプチド9.5.4および9.5.6を同定した。該CTL株による腫瘍細胞に対する細胞傷害性は、それがペプチドでパルスしたコールドの標的細胞ならびにMHCクラスIおよびCD3分子に対するモノクローナル抗体により阻害されたため、抗原特異的であった。類似の方法を使用して、本開示のIi−Key/MHCクラスIIエピトープ/MHCクラスIエピトープハイブリッドにより誘導される生物学的応答を特徴付け得る。
あるいは、こうしたペプチドはMHCクラスIおよびクラスIIのT細胞に認識されるエピトープの予測についてのアルゴリズムを用いて同定される(Lu J.Cancer Res.2000 60:5223−7)。インターネット上で入手可能であるこれらのコンピュータに基づく予測アルゴリズム(Parker KC.J Immunol.1992 149:3580−7;Rammensee HG.Immunogenetics.1995 41:178−228)を使用して、癌胎児性抗原(CEA)に対するHLA−B7拘束性CTLエピトープを同定した。3種の候補ペプチドのうち、CEA9(632)(IPQQHTQVL)(配列番号281)が、抗原提示細胞として樹状細胞を使用した場合にHLA−B7+の正常血液ドナーからのリンパ球で一次CTL応答を誘発した。これらのCTLは、HLA−B7を発現しかつCEAを産生した腫瘍細胞の殺傷において効率的であった。
上皮細胞接着分子のMHCクラスIエピトープHer−2/neuおよび結腸直腸癌を伴う患者における癌胎児性抗原に対する天然のT細胞応答を反映する細胞株を使用してそれぞれの抗原エピトープが同定された(Nagorsen D.Cancer Res.2000 60:4850−4)。上皮細胞接着分子(Ep−CAM)の抗原her−2/neuおよびCEAは抗原特異的ワクチン接種に基づく癌治療での潜在的標的であった。該研究者は、これらの抗原に対する天然の特異的T細胞応答が結腸直腸癌を伴う患者で既に存在するかどうかを試験した。IFN−γ ELISPOTアッセイを使用して、未刺激の末梢血単核細胞中の循環するTAA反応性T細胞をex vivoで直接検出した。彼らは、22例の患者のうち7例が抗原ペプチドに応答してIFN−γを特異的に分泌するT細胞を有したがしかし8例の健康な被験体のいずれも有しなかったことを決定した(n=4、Ep−CAM;n=5、her−2/neu;n=6、CEA)。T細胞応答は転移性疾患(DukesのステージCおよびD)を伴う患者でのみ発生した。この研究の結果は、腫瘍抗原に対する天然のT細胞応答は、リンパ節若しくは遠隔転移の関与を伴う結腸直腸癌患者のおよそ半分で発生するがしかし腸管に限定された疾患を伴う結腸直腸癌患者で発生しないことを示す。MHCクラスIIエピトープを含有するIi−Key/抗原性エピトープハイブリッドを使用して、局在化されたおよび転移性の疾患を伴う患者に彼らの腫瘍に対してワクチン接種し得る。
CEAのアミノ酸配列は、11386171癌胎児性抗原関連細胞接着分子5;癌胎児性抗原[ヒト(Homo sapiens)]としてGenBankから得た(表1)。ヒト癌胎児性抗原(CEA)の一次配列をcDNA配列から推定した(Oikawa S.Biochem Biophys Res Commun.1987 142:511−8)。癌胎児性抗原(CEA)は複数の免疫グロブリン様ドメインを含有する(Oikawa S.Biochem Biophys Res Commun.1987 144:634−42)。CEAの予測されるMHCクラスIIに提示されるエピトープを表9.2に列挙する。表9.2中のCEAのMHCクラスIIに提示されるエピトープのいくつかを含有する設計されたIi−Key/CEAハイブリッドを表9.3に列挙する。予測されたMHCクラスIに提示されるCEAエピトープを表9.4に列挙する。CEAの実験で定義されたMHCクラスIエピトープを表9.5に列挙する。Ii−Key/MHCクラスII/MHCクラスI CEAハイブリッドを表9.6に列挙する。
Figure 2006515744
Figure 2006515744
Pos.は抗原性エピトープ中の第一のアミノ酸の一次配列中の残基位置である。配列は予測されたMHCクラスIIに提示されるエピトープのアミノ酸配列である。スコアは多くの一般的なHLA−DRアレルにより提示される相対的見込みについてのProPredプログラムにより報告されるスコアである。Ii−Keyは、Ii−Keyモチーフと抗原性エピトープの第一の残基との間に介在する残基位置の数である。
Figure 2006515744
Pos.は抗原性エピトープ中の第一のアミノ酸の一次配列中の残基位置である。配列は表9.2のMHCクラスIIエピトープを含有するハイブリッドペプチドのアミノ酸配列である。CEAは7個の細胞外ドメインを含有し、それらは相互に著しく相同である。この事実は、この表中の位置178、356および534で開始する反復される同一のエピトープを説明する(Oikawa S.Biochem Biophys Res Commun.187 144:634−42)。
Figure 2006515744
Pos.は抗原性エピトープ中の第一のアミノ酸の一次配列中の残基位置である。配列は予測されたMHCクラスIに提示されるエピトープのアミノ酸配列である。スコアはこの下位配列を含有するペプチドの解離のT1/2である(Tsang KY.J Natl Cancer Inst.1995 87:982−90)。ペプチド9.3.1はHLA−A3により提示される。ペプチド9.3.2および9.3.2はHLA−A24により提示される。ペプチド9.3.4および9.3.5はHLA−A2.1により提示される。この表のMHCクラスIに提示されるエピトープは(http://bimas.dcrt.nih.gov/molbio/hla_bind/)のオンラインプログラムの使用を用いて予測した。
Figure 2006515744
Pos.は抗原性エピトープ中の第一のアミノ酸の一次配列中の残基位置である。配列は実験で定義されたMHCクラスIに提示されるエピトープのアミノ酸配列である。ペプチド9.5.1、9.5.2、9.5.3はHLA−A2.1により提示され、また、9.5.6はHLA−A3により提示される(Kawashima I.Hum Immunol.1998 59:1−14)。ペプチド9.5.4および9.5.5はHLA−A24により提示される(Nukaya I.Int J Cancer.1999 80:92−7)。ペプチド9.5.2はHLA−A2.1により提示され、そして、それおよびLLTFWNPPV(配列番号308)は野性型配列LLTFWNPPT(配列番号309)に関して工作されたCEAエピトープである。
Figure 2006515744
Ii−Key/MHCクラスII/MHCクラスI CEAハイブリッド。MHCクラスIIエピトープの配列位置が示される:II:第一のエピトープアミノ酸のおよびMHCクラスIの残基位置が示される:I:第一のエピトープアミノ酸の残基位置。
Ii−Key/Ca−125癌抗原性エピトープハイブリッド。
卵巣癌抗原CA−125は免疫治療ワクチン接種で使用される。一例において、乳癌抗原CA15.3、癌胎児性抗原(CEA)および卵巣癌抗原CA125を包含する自原性および同種異系乳癌細胞および腫瘍関連抗原の混合ワクチンでのワクチン接種は乳癌患者において免疫および臨床応答をもたらした(Jiang XP.Cancer Biother Radiopharm.2000 15:495−505)。該ワクチンは、ワクチン接種前に比較してAUTOC、CA15.3、CEAおよびCA125に対するワクチン接種後のリンパ球増殖応答の有意の増大を誘導したが、しかしALLOCはしなかった(それぞれp<0.05、p<0.01、p<0.05、p<0.01およびp>0.05、対応のあるt検定)。
GenBankに列挙されるところのCA125卵巣癌抗原ムチン16[ヒト(Homo sa...)[gi:14971110]のアミノ酸配列を表10.1に提示する。CA125、卵巣癌抗原の予測されたMHCクラスIIに提示されるエピトープを表10.2に列挙する。表10.2のMHCクラスIIに提示されるエピトープのいくつかを含有するIi−Key/CA 125ハイブリッドを表10.3に列挙する。CA 125の予測されたMHCクラスIに提示されるエピトープを表10.4に列挙する。Ii−Key/MHC IIエピトープ/MHC Iエピトープハイブリッドを表10.5に列挙する。
Figure 2006515744
Figure 2006515744
Pos.は抗原性エピトープ中の第一のアミノ酸の一次配列中の残基位置である。配列は予測されたMHCクラスIIに提示されるエピトープのアミノ酸配列である。スコアは多くの一般的なHLA−DRアレルにより提示される相対的見込みについてのProPredプログラムにより報告されるスコアである。Ii−Keyは、Ii−Keyモチーフと抗原性エピトープの第一の残基との間に介在する残基位置の数である。CA 125/MUC 16はN末端領域の9個の部分的に保存されたタンデムリピート(それぞれ156アミノ酸)を特徴とするため、類似の予測されたエピトープは異なる開始位置(例えば開始位置1017、1173、860若しくは897、1208、若しくは1184、872、1028)を有する。
Figure 2006515744
Pos.は抗原性エピトープ中の第一のアミノ酸の一次配列中の残基位置である。配列は表10.2のMHCクラスIIエピトープを含有するハイブリッドペプチドのアミノ酸配列である。
Figure 2006515744
Pos.は抗原性エピトープ中の第一のアミノ酸の一次配列中の残基位置である。配列は予測されたHLA−A2.1に提示されるエピトープのアミノ酸配列である。スコアはこの下位配列を含有するペプチドの解離のT1/2である(Tsuang KY.J Natl Cancer Inst.1995 87:982−90)。この表のMHCクラスIに提示されるエピトープは(http://bimas.dcrt.nih.gov/molbio/hla_bind/)のオンラインプログラムの使用を用いて予測した。
Figure 2006515744
Ii−Key/MHCクラスII/MHCクラスI CEAハイブリッド。MHCクラスIIエピトープの配列位置が示される:II:第一のエピトープのアミノ酸およびMHCクラスIエピトープの残基位置が示される:I:第一のエピトープのアミノ酸の残基位置。ペプチド10.5.1では、MHCクラスIIの予測されるおよびMHCクラスIの予測されるエピトープが正確にオーバーラップする。ペプチド10.5.2では、残基位置392で開始するMHCクラスの予測されるエピトープが、残基位置394、238、82、550で開始する(かつ反復される)MHCクラスIの予測されるエピトープの配列とオーバーラップする。
Ii−Key/PSA抗原性エピトープハイブリッド。
PSAのコーディング配列内のT細胞特異的エピトープの同定は、確立した前立腺癌を治療するための試みにおいてPSAを標的とする多様なワクチン戦略の開発に至った(Kaufman HL.Expert Opin Biol Ther.2002 2:395−408)。これらの戦略は、HLA拘束性PSAペプチド、PSAでパルスした樹状細胞、PSAを発現する組換えウイルス、ならびに多様なサイトカインおよび細胞相互作用分子との組合せを包含した。これらの方法の多くは本開示の生成物および方法の使用により高められる。
PSA−組換えポックスワクチン構築物は免疫原性であり、そして、PSA免疫感作による免疫系の刺激後に広がるエピトープ若しくは決定子による前立腺腫瘍細胞株上の表面抗原の刺激に対する抗体応答を誘導する(Cavacini LA.Clin Cancer Res.2002 8:368−73)。前立腺細胞表面抗原に対する抗体応答において広がる決定子が、組換えポックスベクターによりコードされる前立腺特異的抗原で免疫したヒトで観察された。LNCAP(PSA陽性)およびPC−3(PSA陰性)前立腺癌細胞株上で発現される細胞表面抗原に対する血清IgG応答を、ワクシニア若しくは鶏痘ポックスで発現されるPSA(それぞれv−PSA若しくはf−PSA)を受領する進行した疾患を伴う個体で分析した。3回目の免疫感作前に収集したv−PSAのフェーズI試験における全7例の患者からの血清は双方の前立腺腫瘍細胞株と反応した。v−PSAおよびf−PSAのフェーズII試験での個体(n=12)の大多数が前立腺腫瘍細胞株上の細胞表面抗原に対する持続性の抗体応答を発生した。これらの応答の大きさおよびキネティクスは免疫感作スケジュールに依存した。
Whitesideらは、前立腺癌を伴う患者におけるPSAに基づくワクチン後のζ鎖発現の回復および自発的IL−10産生の変化を示した(Meidenbauer N.Br J Cancer.2002 86:168−78)。前立腺癌を伴う患者の循環するTリンパ球が低い若しくは非存在のζ鎖発現を包含する機能的欠陥を有することが報告されている機構を決定するために、組換えヒト前立腺特異的抗原およびGM−CSFで処置した10例の患者ならびにPSAおよび油乳剤を受領する8例の他者を評価した。治療前に、患者は、正常ドナーよりも、循環するCD3+細胞での有意により低いζ鎖発現ならびにζ鎖陰性のCD3+およびCD4+細胞のより高い比率を有した。患者の末梢血単核細胞は正常対照のものよりも多くのIL−10をex vivoで自発的に産生した。ワクチン接種後、ζ鎖発現の回復が双方の臨床試験の患者の50%で観察された。また、末梢血単核細胞による自発的IL−10分泌は、PSAおよびGM−CSFで処置した患者で免疫治療後に減少した。こうした治療は本開示の生成物および方法により大きく強めることができる。
Mannらは、PSA単独、マンノース受容体を標的としたPSA(マンノシル化PSA(PSA−m))若しくはPSAを抗PSA抗体(AR47.47)と組み合わせることによりFc受容体を標的としたPSAへの曝露後の高められたCD4+およびCD8+ T細胞応答を示した(Berlyn KA.Clin Immunol.2001 101:276−83)。PSAおよびPSA−mはMHCクラスII提示に好都合である経路により主としてプロセシングされる一方、PSA/抗PSA免疫複合体は単球由来樹状細胞中のクラスIおよびクラスII双方の経路によりプロセシングされる。
Gilboaらは、PSAのRNAでトランスフェクトした自己の樹状細胞が転移性前立腺腫瘍に対するCTL応答を刺激することを示した(Heiser A.J Clin Invest.2002 109:409−17)。前立腺特異的抗原(PSA)をコードするmRNAでトランスフェクトした自己の樹状細胞はin vitroで強力なT細胞媒介性の抗腫瘍免疫応答を刺激する。フェーズI試験は、転移性前立腺癌を伴う患者においてPSAに対するT細胞応答を誘導することの安全性、実行可能性および有効性についてこの戦略を評価した。13例の被験体において、増加する用量のPSA mRNAでトランスフェクトした樹状細胞を、自己免疫を包含する用量を制限する毒性若しくは悪影響の証拠を伴わずに投与した。PSA特異的T細胞応答の誘導が一貫して全患者で検出され、該ワクチンのin vivoでの生物活性を示唆した。ワクチン接種はさらに、7例の被験体のうち6例での血清PSAレベルの対数傾斜の有意の減少を伴った。
Schlomらは、HLA−A2アレルへの高められた結合およびペプチド−MHC複合体の高められた安定性を示したPSA−3 CTLエピトープのPSA−3A(「A」はアゴニスト)と呼称されるアゴニストエピトープを特徴付けした(Terasawa H.Clin Cancer Res.2002 8:41−53)。PSA−3若しくはPSA−3Aいずれかのペプチドで生成されるT細胞株は、PSA−3ペプチドでパルスした標的よりもPSA−3Aペプチドでパルスしたそれらの標的のより高レベルの溶解を示した。PSA−3Aペプチドでパルスした樹状細胞で刺激したT細胞(樹状細胞)は、PSA−3ペプチドでパルスした樹状細胞が産生したよりもより高レベルのIFN−γを産生した。全PSA遺伝子内のアゴニストアミノ酸変化を含有する組換えワクシニアウイルスに感染した樹状細胞(rV−PSA−3Aと呼称される)は、T細胞によるIFN−γ産生の増強においてrV−PSAベクターに感染した樹状細胞よりもより有効であった。最後に、PSA−3Aアゴニストは、HLA−A2.1/K(b)トランスジェニックマウスを使用するin vivoモデルにおいてPSA−3ペプチドと比較してより高レベルのT細胞の活性化を誘導することが示された。これらの研究は、従って、前立腺癌のためのペプチドおよびベクターに媒介される免疫治療プロトコル双方におけるPSA−3Aアゴニストエピトープの潜在的使用を示した。こうした結果を、本開示の生成物および方法を用いて改善し得る。
6×His(配列番号357)残基を組込む組換えPSAタンパク質を、抗原の単離ならびにプロセシングおよび提示のためのAPCへの送達を可能にする磁性ビーズ結合のため合成した(Turner MJ.Immunol Meth.1998 256:107−19)。一定の5’プライマーならびに736bp、610bp、505bpおよび394bpで開始する5種の個別の3’プライマーを使用してPSAの3’欠損を増幅することにより、PSA欠失構築物を生成させた。組換えPSAタンパク質は261、231、189、154および117アミノ酸をコードした。系統(Line)1/PSA/IL−2腫瘍で攻撃したBALB/cマウスから単離したThy−1+腫瘍浸潤型リンパ球(TLL)をT細胞融合パートナーBWZ.36に融合することにより、PSA特異的なクラスIおよびII拘束性T細胞ハイブリドーマを生成した。MHCクラスI(PSA 188−197)およびクラスII(PSA 238−253)T細胞エピトープが同定された。
GenBank 45021731カリクレイン3から得られるところの前立腺特異的抗原(PSA)のアミノ酸配列を表11.1に提示する。この抗原に対するcDNAワクチンが入手可能である(Kim JJ.Oncogene.1998 17:3125−35)。PSAの予測されたMHCクラスIIに提示されるエピトープを表11.2に列挙する。PSAの実験で定義されたMHCクラスIIに提示されるエピトープを表11.3に列挙する。表11.2および表11.3のMHCクラスIIに提示されるエピトープのいくつかを含有するIi−Key/PSAハイブリッドを表11.4に列挙する。PSAの予測されたMHCクラスIに提示されるエピトープを表11.5に列挙する。PSAの実験で定義されたMHCクラスIに提示されるエピトープを表11.6に列挙する。Ii−Key/PSAのMHC IIに提示されるエピトープ/PSAのMHC Iに提示されるエピトープのハイブリッドを表11.7に列挙する。
Figure 2006515744
Figure 2006515744
Pos.は抗原性エピトープ中の第一のアミノ酸の一次配列中の残基位置である。配列は予測されたMHCクラスIIに提示されるエピトープのアミノ酸配列である。スコアは多くの一般的なHLA−DRアレルにより提示される相対的見込みについてのProPredプログラムにより報告されるスコアである。Ii−Keyは、Ii−Keyモチーフと抗原性エピトープの第一の残基との間に介在する残基位置の数である。
Figure 2006515744
Pos.は抗原性エピトープ中の第一のアミノ酸の一次配列中の残基位置である。配列は実験で定義されたMHCクラスIIに提示されるエピトープのアミノ酸配列である。Ii−Keyは、Ii−Keyモチーフと抗原性エピトープの第一の残基との間に介在する残基位置の数である。ペプチド11.3.1は実験で定義した(Turner MJ.J Immunol Meth.2001 256:107−19)。
Figure 2006515744
Pos.は抗原性エピトープ中の第一のアミノ酸の一次配列中の残基位置である。配列は表11.2および11.3のMHCクラスIIエピトープを含有するハイブリッドペプチドのアミノ酸配列である。ペプチド11.4.8は、それぞれ残基位置59、67、72および74で開始するいくつかのMHCクラスIIに提示されるエピトープを含有する。
Figure 2006515744
Pos.は抗原性エピトープ中の第一のアミノ酸の一次配列中の残基位置である。配列は予測されたMHCクラスIに提示されるエピトープのアミノ酸配列である。MHCクラスIに提示されるエピトープは、(http://bimas.dcrt.nih.gov/molbio/hla_bind/)のオンラインプログラムの使用を用いて予測した。スコアはこの下位配列を含有するペプチドの解離のT1/2である(Tsang KY.J Natl Cancer Inst.1995 87:982−90)。ペプチド11.5.1、11.5.2、11.5.3および1.5.6はHLA−B*2705により至適に提示される。ペプチド11.5.4はHLA−B*5102により最良に提示され、また、ペプチド11.5.5はHLA−A*0201により最良に提示される。
Figure 2006515744
Pos.は抗原性エピトープ中の第一のアミノ酸の一次配列中の残基位置である。配列は実験で定義されたMHCクラスIに提示されるエピトープのアミノ酸配列である。
Figure 2006515744
Pos.は抗原性エピトープ中の第一のアミノ酸の一次配列中の残基位置である。配列は、表11.2のMHCクラスIIエピトープおよび表11.5のMHCクラスIエピトープを含有するハイブリッドペプチドのアミノ酸配列である。実施例のそれぞれにおいて、予測されたMHCクラスIIおよびMHCクラスIペプチドの配列は正確にオーバーラップする。予測されたMHCクラスIIエピトープ中の第一のアミノ酸の残基位置が報告されている。
Ii−Key/メラノサイトタンパク質Pmel 17抗原性ペプチドハイブリッド。
メラノーマは治療的ペプチドおよびDNAワクチンの開発における先導的な標的である。数種の特異的腫瘍関連抗原が同定されており、メラノーマの治療におけるペプチド若しくはDNAワクチンでマウスをワクチン接種することの有効性が証明され、そして診察室での匹敵するワクチンの使用がときに有望な結果を有しているからである。メラノーマワクチン接種におけるIi−Key/メラノーマ抗原性エピトープのハイブリッドの使用をメラノサイトタンパク質Pmel17、gp100、チロシナーゼおよびチロシナーゼ−s関連タンパク質に関するそれぞれの実施例で考慮する。
Storkusらは、gp 100/pmel17およびチロシナーゼのメラノサイト関連抗原の数種のMHCクラスIIに提示されるエピトープを同定しかつこれらのペプチドに対する多様なメラノーマ患者からの腫瘍反応性ヒトCD4+ T細胞の応答を試験した(Kierstead LS.Br J Cancer.2001 85:1738−45)。2種の既知のおよび3種の新規のCD4+ T細胞エピトープがIFN−γ ELISPOTアッセイを使用して見出された。しばしば、現在は疾患を伴わないHLA−DR4+メラノーマ患者からの新たに単離されたPBMCは、これらのペプチドを認識する上昇されたTh1型CD4+ T細胞を示す。これらのエピトープを組込むIi−Key/抗原性エピトープのハイブリッドを本開示に提示する。
腫瘍の免疫治療における一問題は、宿主が腫瘍の自己タンパク質に対し寛容化され得るという事実である。ヒトPmel17/gp100のDNAワクチンでのC57BL/6マウスの皮内免疫感作はin vivoでT細胞媒介性のB16メラノーマ保護を誘導するが、しかしマウスDNAはしない(Wagner SN.J Invest Dermatol.2000 115:1082−7)。自己抗原Pmel17/gp100に対する非応答性のこの状態は、自己の形態の該分子をコードするプラスミドDNA構築物での免疫感作により破壊された。Pmel17/gp100のDNAの受領するマウスはM3メラノーマに対する抗原特異的細胞傷害性Tリンパ球応答を装備した。さらに、免疫したマウス中で増殖するM3腫瘍はこのメラノーマ関連抗原の発現を喪失した一方、対照ベクターで処理した動物で出現するM3メラノーマはなおPmel17/gp100陽性であった。適切な免疫感作スキームおよびアジュバントを伴うIi−Key/抗原性エピトープハイブリッドは、Th1若しくはTh2の応答パターンを優先的に誘導してそれにより寛容を破壊し得る。
メラノサイトタンパク質Pmel 17のアミノ酸配列は、NCBI、>gi|1125063|gb|AAB00386.1|メラノサイトタンパク質Pmel 17[ヒト(Homo sapiens)]=>gi|639590|gb|AAC60634.1|gp100[ヒト(Homo sapiens)]で得た。
Figure 2006515744
Figure 2006515744
Pos.は抗原性エピトープ中の第一のアミノ酸の一次配列中の残基位置である。配列は予測されたMHCクラスIIに提示されるエピトープのアミノ酸配列である。スコアは多くの一般的なHLA−DRアレルにより提示される相対的見込みについてのProPredプログラムにより報告されるスコアである。Ii−Keyは、Ii−Keyモチーフと抗原性エピトープの第一の残基との間に介在する残基位置の数である。
Figure 2006515744
Pos.は抗原性エピトープ中の第一のアミノ酸の一次配列中の残基位置である。配列は実験で定義されたMHCクラスIIに提示されるエピトープのアミノ酸配列である。スコアは多くの一般的なHLA−DRアレルにより提示される相対的見込みについてのProPredプログラムにより報告されるスコアである。Ii−Keyは、Ii−Keyモチーフと抗原性エピトープの第一の残基との間に介在する残基位置の数である。DR*0401はペプチド12.3.1(Storkus W.Forum(Genova).2000 10:256−70)およびペプチド12.3.2(Kierstead L.Brit J Cancer.2001 85:1738−45)を最良に提示した。この表の残りのペプチドはKobayashi H.(Cancer Res.2001 61:7577−84)により同定された。
Figure 2006515744
Pos.は抗原性エピトープ中の第一のアミノ酸の一次配列中の残基位置である。配列は表1.2のMHCクラスIIエピトープを含有するハイブリッドペプチドのアミノ酸配列である。
Figure 2006515744
Pos.は抗原性エピトープ中の第一のアミノ酸の一次配列中の残基位置である。配列は予測されたMHCクラスIに提示されるエピトープのアミノ酸配列である。MHCクラスIに提示されるエピトープは、(http://bimas.dcrt.nih.gov/molbio/hla_bind/)のオンラインプログラムの使用を用いて予測した。スコアはこの下位配列を含有するペプチドの解離のT1/2である(Tsuang KY.J Natl Cancer Inst.1995 87:982−90)。ペプチド12.5.1、12.5.3および12.5.5はHLA−A*0201により提示される。ペプチド12.5.2はHLA−B*5101により提示される。ペプチド12.5.4はHLA−A*24により提示される。ペプチド12.5.6および12.5.7はHLA−A3により提示される。
Figure 2006515744
Pos.は抗原性エピトープ中の第一のアミノ酸の一次配列中の残基位置である。配列は予測されたMHCクラスIに提示されるエピトープのアミノ酸配列である。ペプチド12.6.1はHLA−A2により提示される(Slingluff C.Clin Cancer Res.2001 7:3012−24)。ペプチド12.6.2はHLA−A3により提示される(Yamshchikov G.Int J Cancer.2001 92:703−11)。ペプチド12.6.3、12.6.5、12.6.6および12.6.7はHLA−A*02012により提示される(Kawakami Y.Proc Natl Acad Sci USA 1998)。ペプチド12.6.8および12.6.9はHLA−A*0201により提示される(Tsai V.J Immunol.1997 158:1796−802)。ペプチド12.6.10はHLA−Cw8により提示される(Castelli C.J Immunol.1999 162:1739−48)。ペプチド12.6.11はHLA−A3およびHLA−A11により提示される。
Figure 2006515744
Pos.は抗原性エピトープ中の第一のアミノ酸の一次配列中の残基位置であり、MHCクラスIIはI:として示され、また、MHCクラスIIはII:として示される。配列は表1.2のMHCクラスIIエピトープを含有するハイブリッドペプチドのアミノ酸配列である。ペプチド12.7.3、12.7.4および12.7.5は既に提案されている(Kabayashi H.Cancer Res.2001 61:7577−84)。ペプチド12.7.6−MHCクラスIおよびIIに提示されるgp 100エピトープの双方のアミノ酸配列は実験で定義されかつ一致する。
Ii−Key/チロシナーゼ関連タンパク質2抗原性エピトープハイブリッド。
GenBank gi|731026|sp|P40126|TYR2_HUMAN(ヒト)ドーパクロームトートメラーゼ前駆体(DT)(DCT)(ドーパクロームδ−イソメラーゼ)(チロシナーゼ関連タンパク質2)(TRP−2)(TRP2)に示されるところのチロシナーゼ関連タンパク質2のアミノ酸配列を表13.1に提示する。TRP−2の予測されたMHCクラスIIに提示されるエピトープを表13.2に列挙する。表13.2のMHCクラスIIに提示されるエピトープのいくつかを含有する設計されたIi−Key/TRP−2抗原性エピトープハイブリッドを表13.3に列挙する。TRP−2の予測されたMHCクラスIに提示されるエピトープを表13.4に列挙する。実験で定義されたMHCクラスIに提示されるTRP−2エピトープを表13.5に列挙する。表13.2、13.3、13.4および13.5のMHCクラスIおよびIIに提示されるエピトープのいくつかを含有する設計されたIi−Key/TRP−2ハイブリッドを表13.6に列挙する。
Figure 2006515744
Figure 2006515744
Pos.は抗原性エピトープ中の第一のアミノ酸の一次配列中の残基位置である。配列は予測されたMHCクラスIIに提示されるエピトープのアミノ酸配列である。スコアは多くの一般的なHLA−DRアレルにより提示される相対的見込みについてのProPredプログラムにより報告されるスコアである。Ii−Keyは、Ii−Keyモチーフと抗原性エピトープの第一の残基との間に介在する残基位置の数である。
Figure 2006515744
Pos.は抗原性エピトープ中の第一のアミノ酸の一次配列中の残基位置である。配列は表13.2のMHCクラスIIエピトープを含有するハイブリッドペプチドのアミノ酸配列である。
Figure 2006515744
Pos.は抗原性エピトープ中の第一のアミノ酸の一次配列中の残基位置である。配列は予測されたMHCクラスIIに提示されるエピトープのアミノ酸配列である。表9.4のMHCクラスIに提示されるエピトープは、(http://bimas.dcrt.nih.gov/molbio/hla_bind/)のオンラインプログラムの使用を用いて予測した。スコアはこの下位配列を含有するペプチドの解離のT1/2である(Tsang KY.J Natl Cancer Inst.1995 87:982−90)。ペプチド13.4.1、13.4.2、13.4.3、13.4.4および13.4.5はHLA−B*2705により提示される。ペプチド13.4.6、13.4.7、13.4.9および13.4.10はHLA−A*0201により提示される。ペプチド13.4.8はHLA−B*5102により提示される。ペプチド13.4.11はHLA−A*0205により提示される。ペプチド13.4.12はHLA−B5101およびHLA−B*5102により提示される。ペプチド13.4.13はHLA−B7により提示される。ペプチド13.4.14はCw*0401により提示される。ペプチド13.4.15はHLA−B*2702により提示される。ペプチド13.4.16はHLA−A24により提示される。ペプチド13.4.17はHLA−B62により提示される。
Figure 2006515744
Pos.は抗原性エピトープ中の第一のアミノ酸の一次配列中の残基位置である。配列は実験で定義されたMHCクラスIに提示されるエピトープのアミノ酸配列である。ペプチド13.5.1はHLA−A2により提示される(Parkhurst MR.Cancer Res.1998 58:4895−901)。ペプチド13.5.2および13.5.3はHLA−A2.1により提示される(Noppen C.Int J Cancer.2000 87:241−6)。ペプチド13.5.4はHLA−A2.1により提示される(Harada M.Cancer Res.2001 61:1089−94)。
Figure 2006515744
Pos.は抗原性エピトープ中の第一のアミノ酸の一次配列中の残基位置である。配列は表13.2のMHCクラスIIエピトープおよび表13.4のMHCクラスIエピトープを含有するハイブリッドペプチドのアミノ酸配列である。
Ii−Key/メラノーマチロシナーゼ抗原性エピトープハイブリッド。
チロシナーゼはメラノーマを伴う患者の免疫治療の標的抗原として多くの利点を有する。それが高程度の細胞の均一性を伴いほぼ全部のメラノーマ試料で発現され、また、正常組織中でのその分布がメラノサイトに限定されるからである。数種のMHCクラスIに提示されるエピトープが同定かつ臨床で使用され、また、MHCクラスIIに提示されるエピトープが発見された。ペプチドワクチン、DNAワクチンおよびペプチド調製物(腫瘍細胞ライセート)を装填する樹状細胞の同定および使用における現在の従来技術の以下の要約は、これらの手順の改良に対する本開示の生成物および方法の価値を具体的に説明するために部分的に提示する。
RosenbergらはHLA−A2.1に提示される拘束性メラノーマチロシナーゼエピトープ(チロシナーゼ8−17;CLLWSFQTSA)(配列番号480)を同定した(Riley JP.J Immunother.2001 24:212−20)。この研究では、中間の結合親和性をもつ標準ペプチドのものに対するアルゴリズムで予測された一連のペプチドのHLA−A2.1への比較結合を測定した。標準ペプチドのものの80%以内の結合親和性をもつ12種のペプチドが、転移性メラノーマを伴う3例のHLA−A2.1+患者からの末梢血単核細胞(PBMC)をin vitroで刺激した。23例のHLA−A2.1+患者からのPBMCをチロシナーゼ:8−17でin vitroで刺激した。11種のバルクT細胞培養物は特異的ペプチド認識を示し、そしてこれらのうち6種はHLA−A2.1+チロシナーゼ+のメラノーマ細胞もまた認識した。このエピトープをIi−Key/MHCクラスIIに提示されるエピトープ/MHCクラスIに提示されるエピトープのハイブリッドに組込み得る。
Weberらは、切除されたメラノーマを伴う患者が、フロイントの不完全アジュバントともに乳化したgp100(209−217)(210M)(IMDQVPSFV)(配列番号481)およびチロシナーゼ(368−376)(370D)(YMDGTMSQV)(配列番号482)に対する免疫応答を装備したことを見出した(Lee P.J Clin Oncol.2001 19:3836−47)。患者は毒性および免疫応答を評価するためにIL−12(30ng/kg)を伴う若しくは伴わないペプチド/IFAを受領した。免疫感作を2週ごとに8週間、その後4週ごとに12週間、およびその後8週間後に1回投与した。40例の患者のうち34例がgp100ペプチドに対する陽性の皮膚試験応答を発生したが、しかしチロシナーゼペプチドに応答した者はなかった。ペプチドでパルスした抗原提示細胞の存在下でのエフェクター細胞による酵素免疫測定法(ELISA)におけるγ−インターフェロンの遊離、若しくは抗原特異的四量体フローサイトメトリーアッセイにより、免疫応答を測定した。38例の患者のうち33例が、四量体アッセイにより42例の患者のうち37例が示したように、ワクチン接種後のELISAにより免疫応答を示した。48例の患者のうち24例が20か月の経過観察の中央値を伴い再発し、また、この高リスク群の10例の患者が死亡した。
Slingluffらは、メラノーマ患者の排出リンパ節および末梢血中の多様なHLA−Aアレルに拘束される数種のペプチドのペプチドワクチンの免疫原性を評価した。ワクチン試験が主としてHLA−A2を伴う者に制限されかつ免疫応答が一致せずに検出されたからである(Yamshchikov GV.Int J Cancer.2001 92:703−11)。彼らは、ステージIVのメラノーマ患者にGM−CSFおよびモンタニド(Montanide)ISA−51アジュバントを含む乳剤中でgp100ならびにHLA−A1(DAEKSDICTDEY)(配列番号483)、HLA−A2(YLEPGPVTA(配列番号484)およびYMDGTMSQV(配列番号485))ならびにHLA−A3(ALLAVGATK)(配列番号486)により拘束されるチロシナーゼペプチドの混合物をワクチン接種した。ワクチン接種ペプチドに対するCTL応答は5/5例の患者(100%)のワクチン部位から排出するリンパ節(センチネル免疫節、SIN)で2/5例の患者(40%)のPBLで見出された。HLA−A1および−A3ならびにHLA−A2拘束性ペプチドにより拘束されるペプチドYMDGTMSQV(配列番号485)が免疫原性であった。
メラノーマ関連抗原に対する細胞傷害性Tリンパ球を、複数の免疫優性エピトープおよび補助刺激分子を発現する組換えワクシニアウイルスベクターによりin vivoで誘導した(Oertli D.Hum Gene Ther.2002 13:569−75)。患者は、全身性顆粒球−マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)処置の情況で、3種の免疫優性HLA−A*0201拘束性エピトープMelan−A(27−35)、gp100(280−288)およびチロシナーゼ(1−9)をコードするソラレン−UV処理されかつ複製能力を欠く組換えワクシニアウイルスを2種の補助刺激分子B7.1およびB7.2と一緒に受領した。その後の追加免疫は対応する合成ノナペプチドおよびGM−CSFを使用した。組換えベクターの注入12日以内に、工作されたエピトープに特異的な細胞傷害性T細胞応答が3例の患者のうち3例で検出された。ワクチン接種処置の間、10,000倍の末梢CD8+ T細胞を超える抗原特異的CTLの頻度を観察し得た。
2例のステージIVメラノーマ患者をHLA−A2若しくはHLA−A24拘束性チロシナーゼペプチドでワクチン接種し、そしてGM−CSFは長期の再発の非存在を有した(Scheibenbogen C.Int J Cancer.2002 99:403−8)。患者はワクチン接種前3年間にそれぞれ9および12例の再発(大部分が皮下)を経験した一方、彼らはワクチン接種後2年以上の間再発の非存在を経験した。該ワクチンペプチドに対するT細胞応答は、IFN−γ ELISPOTアッセイを使用して双方の患者の末梢血中で見出された。
Muleらは、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)の追加が、in vivoでのB16メラノーマのD5亜系統の確立した転移の免疫プライミングおよび拒絶のための腫瘍ライセートでパルスした樹状細胞およびペプチドでパルスした樹状細胞の双方の免疫感作の有効性を強めたことを見出した(Shimizu K.Cancer Res.2001 61:2618−24)。インターロイキン2は、自己免疫色素脱失の非存在下で、治癒率および全体生存により測定されるとおり、KLHにより提供される増強をさらに強めた。樹状細胞免疫感作に追加されたKLHは腫瘍特異的T細胞のIFN−γ産生を顕著に高める。類似のレベルのIFN−γに曝露されたD5メラノーマはMHCクラスI分子の実質的発現をもたらす。KLHおよびマウスチロシナーゼ関連タンパク質−2ペプチドでパルスした樹状細胞での免疫感作はB16メラノーマ転移の高められた退縮をもたらし;該効果は、チロシナーゼ関連タンパク質−2ペプチドでパルスした樹状細胞単独が完全に無効である設定で最も著しい。
B16メラノーマに対する腫瘍細胞に基づくワクチンの治療的有効性は、自己反応性T細胞応答を制御する2種の免疫調節機構、すなわち細胞傷害性Tリンパ球関連抗原(CTLA)−4経路若しくはCD25+調節性T細胞のいずれかの破壊を必要とする。CTLA−4封鎖およびCD25+ T細胞の枯渇の組合せが最大の腫瘍拒絶をもたらす(Sutmuller RP.J Exp Med.2001 194:823−32)。抗腫瘍治療の有効性は、自己免疫皮膚色素脱失の程度、ならびに末梢で検出されるチロシナーゼ関連タンパク質2(180−188)特異的CTLの頻度と相関する。さらに、腫瘍拒絶はCD8+ T細胞サブセットに依存する。メラノーマ抗原に対するCTL応答は治療的抗腫瘍応答の重要な一成分であり、また、これらのCTLの反応性は免疫調節機構の妨害により増強し得る。CTLA−4封鎖およびCD25+ T細胞の枯渇の効果における相乗作用は、CD25+ T細胞およびCTLA−4シグナル伝達が自己反応性T細胞免疫の抑制のための2つの代替経路を表すことを示す。双方の調節機構を用いての同時の介入は、従って治療的抗腫瘍免疫の誘導の有望な概念である。
GenBank 4507753|ref|NP_000363.1|チロシナーゼ(眼皮膚白皮症IA);チロシナーゼ[ヒト(Homo sapiens)]に示されるところのチロシナーゼのアミノ酸配列を表14.1に列挙する。チロシナーゼの予測されたMHCクラスIIに提示されるエピトープを表14.2に列挙する。チロシナーゼの実験で定義されたMHCクラスIIに提示されるエピトープを表14.3に列挙する。表14.2および14.3のMHCクラスIIに提示されるエピトープのいくつかを含有する設計されたIi−Key/チロシナーゼハイブリッドを表14.4に列挙する。チロシナーゼの予測されたMHCクラスIに提示されるエピトープを表14.5に列挙する。チロシナーゼのMHCクラスIに提示されるエピトープ(位置240、368、146)の実験的同定をgp100の例で記述する。チロシナーゼの実験で定義されたMHCクラスIに提示されるエピトープを表14.6に列挙する。表14.2、14.3、14.4および14.5のMHCクラスIおよびMHCクラスIIに提示されるエピトープのいくつかを含有する設計されたIi−Key/チロシナーゼハイブリッドを表14.7に列挙する。
Figure 2006515744
Figure 2006515744
Pos.は抗原性エピトープ中の第一のアミノ酸の一次配列中の残基位置である。配列は予測されたMHCクラスIIに提示されるエピトープのアミノ酸配列である。スコアは多くの一般的なHLA−DRアレルにより提示される相対的見込みについてのProPredプログラムにより報告されるスコアである。Ii−Keyは、Ii−Keyモチーフと抗原性エピトープの第一の残基との間に介在する残基位置の数である。
Figure 2006515744
Pos.は抗原性エピトープ中の第一のアミノ酸の一次配列中の残基位置である。配列は実験で定義されたMHCクラスIIに提示されるエピトープのアミノ酸配列である。Ii−Keyは、Ii−Keyモチーフと抗原性エピトープの第一の残基との間に介在する残基位置の数である。ペプチド14.3.1はHLA−DR*0401により提示される(Storkus W.Forum(Genova).2000 10:256−270)。ペプチド14.3.2および14.3.3はHLA−DR*0401により提示される(Kierstead L.Brit J Cancer.2001 85:1738−45)。ペプチド14.3.2はN−グリコシル化部位を含有する。
Figure 2006515744
Pos.は抗原性エピトープ中の第一のアミノ酸の一次配列中の残基位置である。配列は表1.2のMHCクラスIIエピトープを含有するハイブリッドペプチドのアミノ酸配列である。
Figure 2006515744
Pos.は抗原性エピトープ中の第一のアミノ酸の一次配列中の残基位置である。配列は予測されたMHCクラスIIに提示されるエピトープのアミノ酸配列である。表9.4のMHCクラスIに提示されるエピトープは、(http://bimas.dcrt.nih.gov/molbio/hla_bind/)のオンラインプログラムの使用を用いて予測した。スコアはこの下位配列を含有するペプチドの解離のT1/2である(Tsang KY.J Natl Cancer Inst.1995 87:982−90)。ペプチド14.4.1はHLA−A1により提示される。ペプチド14.5.2、14.5.3および14.5.4はHLA*A0201により提示される。
Figure 2006515744
Pos.は抗原性エピトープ中の第一のアミノ酸の一次配列中の残基位置である。配列は実験で定義されたMHCクラスIIに提示されるエピトープのアミノ酸配列である。ペプチド14.6.1はHLA−A1により提示される(Yamshchikov G.Int J Cancer.2001 92:703−11)。ペプチド14.6.2はHLA−A2により提示される(Yamshchikov G.Int J Cancer.2001 92:703−11)。ペプチド14.6.3はHLA−A1により提示される(Kawakami Y.J Immunol.1998 161:6985−92)。
Figure 2006515744
Pos.は抗原性エピトープ中の第一のアミノ酸の一次配列中の残基位置である。配列は表14.2のMHCクラスIIエピトープを含有するハイブリッドペプチドのアミノ酸配列である。ペプチド14.7.5はチロシナーゼのMHCクラスIおよびIIに提示されるエピトープの双方のアミノ酸配列を包含し、それらは実験で定義されかつ一致する。
Ii−Key/メラノーマ抗原MART−1抗原性エピトープハイブリッド。
Rosenbergらは、メラノーマ関連抗原MART−1およびgp100由来のエピトープを提示する自己の樹状細胞で転移性メラノーマ患者を免疫した(Panelli MC.J Immunother.2000 23:487−98)。DCは、白血球搬出法により得た末梢血単球のインターロイキン−4(1,000U/mL)および顆粒球−マクロファージコロニー刺激因子(1,000U/mL)中での5ないし7日インキュベーションにより生成させた。投与前に、DCをHLA−A*0201関連メラノーマエピトープMART−1(27−35)およびgp−100−209−2Mで別個にパルスした。DCを3週間隔で4回投与した。第一の患者コホート(n=3)を6×10DCで、また、第二のコホート(n=5)は2×10DCで処置した(いずれの場合も、DCの半分はMART−1(27−35)でパルスしそして他の半分をgp−100−209−2Mでパルスした)。自然増加(accrual)下の最後のコホート(n=2)では2×10DCをインターロイキン−2(8時間ごとに720,000IU/kg)とともに投与した。in vitro培養後のDCの回収は元の末梢血単球の3%から35%まで(平均15%)の範囲にわたった。DCの投与は用量のいずれでも症状を引き起こさず、また、インターロイキン−2の同時投与はインターロイキン−2単独について期待されたもの以外の毒性を引き起こさなかった。処置の前および後の患者の細胞傷害性Tリンパ球の反応性のモニタリングは、試験した5例の患者のうち1例のみで細胞傷害性Tリンパ球の反応性の増強を示した。応答について評価した7例の患者のうち、1例が肺および皮膚転移の退縮を伴う一過性の部分奏功を有した。
Ioannidesらは、自己MART−1特異的CTLによる転移性メラノーマ細胞の低下された認識がTAP欠損と相関したことを示した(Murray JL.J Immunother.2000 23:28−35)。T細胞受容体発現と関係したクラスI発現は、ペプチド提示およびCD8+細胞傷害性Tリンパ球(CTL)の誘導に決定的に重要である。MHCクラスIに結合したペプチドの提示は輸送体関連タンパク質(TAP)発現および機能に依存する。メラノーマを伴う患者からの腫瘍浸潤リンパ球を単離し、インターロイキン−2の存在下でin vitroで拡張し、そしてHLA−A2陽性、MART−1陽性自己腫瘍細胞、HLA−A2陽性、MART−1陽性メラノーマ細胞株(Mel−501)およびHLA−A2陰性メラノーマ細胞に対する細胞傷害性について試験した。有意の殺傷が双方のA2陽性細胞株(それぞれ63%および65%)に対して発生したが、しかしA2陰性株(18%)若しくはA2陽性自己腫瘍(1.5%)に対して発生しなかった。これらのCTLは、MART−1ペプチドF119、27−35、およびgp100ペプチドF125、280−288を優先的に認識して、自己腫瘍若しくは主要組織適合複合体クラスIが「空の」T2細胞をいずれかのペプチドでパルスした場合に溶解の30%ないし60%の増強をもたらした。自己腫瘍認識の欠損をAg提示の欠損と関係づけうるかどうかを取り扱うために、ポリメラーゼ連鎖反応、サザンブロッティング、ならびに配列特異的プライマーおよびプローブを使用する走査デンシトメトリーによるTAP1およびTAP2転写物の存在についてのスクリーニング。自己腫瘍中でのTAP1およびTAP2双方の発現レベルは最小限であったがそれでもなおインターフェロン−γによりそれぞれ7ないし18倍アップレギュレートされた。この増大にもかかわらず細胞傷害性の同様の増大は起こらなかった。要約すれば、TAP提示の欠損は免疫学的監視からの腫瘍の回避にとって、およびワクチン試験の妨害に関して機能的意義を有しうる。
Slingluffらは、末端の改変が免疫原性MART−1(27−35)ペプチドのタンパク質分解性の分解を阻害することを示した(Brinckerhoff LH.Int J Cancer 1999 Oct 29;83(3):326−34)。新鮮正常ヒト血漿(NHP)中での免疫原性ペプチドMART−1(27−35)の安定性を試験して、免疫原性の喪失を伴わずに酵素的破壊に対し保護する改変を同定した。MART−1(27−35)ペプチド(AAGIGILTV)(配列番号530)および改変体を血漿中で変動される時間間隔の間インキュベートし、そしてMART−1(27−35)反応性のCTLに対しエピトープを再構成するそれらの能力について評価した。CTLの反応性の喪失は免疫反応性ペプチドの喪失を知らせた。標的細胞にパルスする前に1マイクロMのMART−1(27−35)ペプチドを血漿中でインキュベートした場合、CTLの反応性は3時間以内に喪失され、そしてこのペプチドの計算された半減期は22秒であった。この分解はペプチダーゼにより媒介された。MART−1(27−35)の安定性は、C末端アミド化および/若しくはN末端アセチル化(ペプチドキャッピング)、またはC末端のポリエチレングリコール修飾(ペギル化(PEGylation))により顕著に延長された。これらの改変ペプチドはCTLにより認識された。
Romeroらは、CpGが腫瘍抗原由来ペプチドに対する特異的CTL誘導のための効率的なアジュバントであることを示した(Miconnet I.J Immunol.2002 168:1212−8)。キメラMHCクラスI分子についてトランスジェニックのマウスを、単独の若しくはIFAに乳化したCpGオリゴヌクレオチドの存在下でMART−1/Melan−A(26−35)のペプチド類似物で免疫した。CTL応答をリンパ球の四量体染色によりex vivoでモニターした。血液、脾およびリンパ節において、CpG ODN単独と混合したペプチドはIFAに乳化したペプチドに比較してより強い全身性CTL応答を導き出すことが可能であった。さらに、IFAと組合せのCpG ODNは、ex vivoで四量体+CD8+ T細胞の頻度に関してCTL応答をさらに高めた。CpG ODNの存在下でペプチド類似物に対しin vivoで誘導されたCTLは機能性である。それらはメラノーマ細胞をin vitroで認識かつ殺すことが可能であったためである。
Mitchellらは、シグナル配列の合成挿入がメラノーマ抗原MART−1からのペプチドのMHCクラスI提示を高めることを示した(Minev BR.Eur J Immunol.2000 30:2115−24)。ヒトメラノーマ抗原MART−1からのエピトープのN末端(しかしC末端でない)での合成シグナル配列の付加は、TAP欠損およびTAP発現双方の細胞でのその提示を高めた。天然のシグナル配列の疎水性部分を置換するエピトープから構成されるペプチド構築物もまた非常に有効であった。興味深いことに、同一のエピトープを含有する人工的シグナル配列が、その提示を高めるための最も効率的な構築物であった。これらのペプチド構築物は、TAP欠損T2細胞、TAPを発現するメラノーマ細胞およびヒト樹状細胞の細胞質中に負荷された場合にエピトープ提示を助長した。
Zajacらは、HLA−A201にターゲッティングされたすなわち完全なMART−1/Melan−A抗原を発現する複製しない組換えワクシニアの免疫原性を示した(Schutz A.Cancer Gene Ther.2001 8:655−61)。第一の組換えウイルスは、小胞体(ER)ターゲッティングシグナルとHLA−A201に結合するMART−1/Melan−A 27−35ペプチドとの間の融合生成物をコードするミニジーン(minigene)を発現した。第二のウイルス構築物は完全なMART−1/Melan−Aタンパク質をコードした。いずれかのウイルス構築物に感染させたHLA−A201細胞のMART−1/Melan−A 27−35特異的な細胞傷害性Tリンパ球(CTL)を生成および刺激する能力を比較的に特徴付けした。得られた結果は、ワクシニアウイルスにコードされるERミニジーンの非常に強い抗原性シグナルを生成させる能力を確認した。細胞傷害性アッセイにおいて、活性化された特異的CTLクローンを用いての大量の双方の組換えウイルスに感染させた標的細胞の認識は類似の溶解活性をもたらした。カルシウム移動、TCRのダウンレギュレーション、IFN−γ遊離およびT細胞増殖アッセイに関して、ターゲッティングされたエピトープは10ないし1000倍より強い応答を導き出した。注目すべきことに、四量体検出により測定されるところのin vitroでのナイーブなHLA−A2末梢血単核細胞からCTLを生成させるそれらのそれぞれの能力における2処方間の免疫原性の差異はより小さかった(2ないし3倍)。完全な抗原を発現する組換えベクターは特異的応答を生成させるそれらの能力を示し、そしてこうしたワクチンは提示のより広範な潜在能力を利用するとみられる。しかしながら、HLA−A201拘束性のMART−1/Melan−A免疫優性エピトープについて示されたとおり、ERにターゲッティングされたミニジーンを発現する複製しないワクシニアウイルスは、有意により免疫原性のエピトープワクチン製剤を代表するようである。Ii−RGCでさらに高められる。
Faloらはヒト皮膚樹状細胞の直接トランスフェクションおよび活性化を示した(Larregina AT.Gene Ther.2001 8:608−17)。遺伝子銃を使用して、内在する皮膚樹状細胞中でトランスジェニック抗原を発現するという特定の目的を伴いヒト皮膚器官培養物をトランスフェクトした。ヒト皮膚に送達される金粒子は、高ヘリウム送達圧を使用する場合でさえ主として表皮中で観察される。基底表皮中に内在するランゲルハンス細胞をトランスフェクトし得、そして、遺伝子銃送達は皮膚樹状細胞の活性化および移動を刺激するのに十分である。トランスフェクトされた皮膚から移動した樹状細胞のRT−PCR分析はトランスジェニックmRNAを示し、皮膚樹状細胞の直接トランスフェクションを示す。トランスフェクトした表皮ランゲルハンス細胞は、トランスジェニックメラノーマ抗原MART−1由来のペプチドをMART−1特異的CTLに効率的に提示し得る。
Muleらは、腫瘍ライセートでパルスしたDCの投与が非毒性かつ腫瘍抗原に対する免疫学的応答を誘発することが可能であることを示した(Chang AE.Clin Cancer Res.2002 8:1021−32)。ステージIVの充実性悪性病変を伴う14例の患者を3種のワクチンについて2週ごとに10、10および10樹状細胞をi.d.で受領したコホートで処置した。各ワクチンは、自己腫瘍ライセートでパルスした半分のDCおよびキーホールリンペットヘモシアニン(KLH)を含む他の半分の混合物から構成された。CD4+およびCD8+ T細胞の局所蓄積がワクチン接種部位で見出された。ワクチンにより誘発されたKLHに対するPBMCの有意の増殖応答が存在した。6例の患者のうち5例で、該ワクチンはELISPOTアッセイにおいてKLHに対するPBMCによる増大されたIFN−γ産生をもたらした。同一のアッセイを使用して、7例の患者のPBMCのうち3例が、自己腫瘍ライセートに応答した増大したIFN−γ産生を表した。メラノーマを伴う1例の患者は、ワクチン接種後にMART−1およびgp100反応性のCD8(+)T細胞の増大された頻度を有することもまた観察された。遅延型過敏性試験により、9例のうち8例および10例の患者のうち4例がそれぞれKLHおよび自己腫瘍に対する反応性を示した。Ii−Key/抗原性エピトープハイブリッドは、この免疫プライミング(immunopriming)技術の効率を向上させることができる。
Kourilskyらは、アポトーシス性の組換えカナリヤポックスウイルスに感染させた樹状細胞中で発現される腫瘍抗原の樹状細胞による交差提示を示した(Motta I.J Immunol.2001 167:1795−802)。メラノーマ関連Ag、Melan−A/MART−1(MART−1)をコードする組換えカナリヤポックスウイルス(ALVAC)を、樹状細胞(DC)に基づくアプローチを使用して癌免疫治療で試験した。ALVAC MART−1に感染したDCは、該ウイルスベクターによりコードされる抗原を発現、プロセシングかつ提示する。ALVACによる感染の一貫した一特徴はアポトーシスの誘導、およびALVAC MART−1に感染したDCとともに未感染のDCを共培養した場合のAgの交差提示であった。未感染のDCによるアポトーシス性ウイルスに感染したDCの取り込み、および未感染のDCにおける腫瘍抗原のその後の発現は、フローサイトメトリー分析、画像サイトメトリーおよび共焦点顕微鏡検査により確認された。機能的活性をMART−1特異的な細胞傷害性T細胞クローンの刺激によりin vitroでモニターした。ALVACに感染したDC単独と比較して、Ag提示の高められた効率が、T細胞クローンによるIFN−γ産生の2ないし3倍の増大により示された。ALVAC MART−1に感染したおよび未感染のDCの共培養は、HLAクラスI/エピトープ四量体結合、IFN−γ ELISPOTアッセイおよび細胞傷害性試験により評価されるとおり、MART−1特異的なT細胞免疫応答を誘導することが可能である。
1082589|pir||A55253メラノーマ抗原MART−1−ヒトとしてGenBankに示されるところのメラノーマ抗原MART−1のアミノ酸配列を表15.1に提示する。MART−1/Melan−Aの予測されたMHCクラスIIに提示されるエピトープを表15.2に列挙する。MART−1/Melan−Aの実験で定義されたMHCクラスIIに提示されるエピトープを表15.3に列挙する。表15.2および15.3のMHCクラスIIに提示されるエピトープのいくつかを含有する設計されたIi−Key/MART−1/Melan−1ハイブリッドを表15.4に列挙する。MART−1/Melan−Aの予測されたMHCクラスIに提示されるエピトープを表15.5に列挙する。MART−1/Melan−Aの実験で定義されたMHCクラスIに提示されるエピトープを表15.6に列挙する。表15.2、15.3、15.5および15.6のMHCクラスIおよびクラスIIに提示されるエピトープのいくつかを含有する設計されたIi−Key/MART−1ハイブリッドを表15.7に列挙する。
Figure 2006515744
Pos.は抗原性エピトープ中の第一のアミノ酸の一次配列中の残基位置である。配列は予測されたMHCクラスIIに提示されるエピトープのアミノ酸配列である。スコアは多くの一般的なHLA−DRアレルにより提示される相対的見込みについてのProPredプログラムにより報告されるスコアである。Ii−Keyは、Ii−Keyモチーフと抗原性エピトープの第一の残基との間に介在する残基位置の数である。
Figure 2006515744
Pos.は抗原性エピトープ中の第一のアミノ酸の一次配列中の残基位置である。配列は予測されたMHCクラスIIに提示されるエピトープのアミノ酸配列である。Ii−Keyは、Ii−Keyモチーフと抗原性エピトープの第一の残基との間に介在する残基位置の数である。ペプチド15.3.1はHLA−DR4により提示される(Zarour H.Proc Natl Acad Sci USA.2000 97:400−5)。
Figure 2006515744
Pos.は抗原性エピトープ中の第一のアミノ酸の一次配列中の残基位置である。配列は表15.2のMHCクラスIIエピトープを含有するハイブリッドペプチドのアミノ酸配列である。
Figure 2006515744
Pos.は抗原性エピトープ中の第一のアミノ酸の一次配列中の残基位置である。配列は表1.2のMHCクラスIIエピトープを含有するハイブリッドペプチドのアミノ酸配列である。表9.4のMHCクラスIに提示されるエピトープは、(http://bimas.dcrt.nih.gov/molbio/hla_bind/)のオンラインプログラムの使用を用いて予測した。スコアはこの下位配列を含有するペプチドの解離のT1/2である(Tsang KY.J Natl Cancer Inst.1995 87:982−90)。ペプチド15.5.1はHLA−A*0201、HLA−A3およびHLA−A31により提示される。ペプチド15.5.2はHLA−A*0201により提示される。ペプチド15.5.3および15.5.4はHLA−B40により提示される。
Figure 2006515744
Pos.は抗原性エピトープ中の第一のアミノ酸の一次配列中の残基位置である。配列は実験で定義されたMHCクラスIIに提示されるエピトープのアミノ酸配列である。ペプチド15.6.1はHLA−A*0201により提示される(Kawakami,Y.J Exp Med.1994 180:347−52)。ペプチド15.6.2はHLA−A*0201により提示される(Castelli C.J Exp Med.1995 181:63−8)。ペプチド15.6.3はHLA−B*4501により提示される(Schneider J.Intl J Cancer.1998 75:451−8)。
Figure 2006515744
Pos.は抗原性エピトープ中の第一のアミノ酸の一次配列中の残基位置である。配列は表15.2のMHCクラスIIに提示されるエピトープおよび表15.6のMHCクラスIに提示されるエピトープを含有するハイブリッドペプチドのアミノ酸配列である。
Ii−Key/Her−2 neu抗原性エピトープハイブリッド。
数種の癌細胞上で過剰発現される表皮増殖因子受容体に対し向けられる免疫治療はそれらの腫瘍の増殖を制御し得る。HER−2/neuは浸潤性乳癌を伴う患者の30%までで腫瘍上で過剰発現され、そしてその過剰発現は不良な臨床転帰を伴う。Carrらは、1995年から1999年までのレトロスペクティブな連続的シリーズ(series)において、HER−2/neu遺伝子が90例の患者のうち40例(43%)の浸潤性乳癌で増幅されたことを示した(Carr JA.Arch Surg.2000 135:1469−7420)。初期治療後、HER−2/neu増幅を伴う患者は、その遺伝子を増幅しない乳癌を伴う患者が有した(40か月)よりも短い疾患を伴わない間隔の中央値(22か月;p=.003)を有した。疾患は72例(72%)の患者で再発し、18例(25%)は局所で再発した。HER−2/neu遺伝子増幅は、腫瘍グレード、エストロゲン/プロゲステロン受容体の状態およびリンパ節の状態に関係なく早期の再発についての高リスクにさらされている乳癌患者の1サブセットの独立した予後の指標である。早期ステージのリンパ節陰性および節陽性双方の疾患、ならびに転移性疾患を伴う女性において、HER−2/neuの過剰発現はより悪い生存を伴う。HER−2/neuを過剰発現する腫瘍を伴う女性は、ホルモン療法若しくは化学療法のいずれかでの補助療法にもかかわらずより少なく好都合の転帰を有する。Naples GUN試験におけるHER−2/neu陰性の早期ステージ患者の間でタモキシフェンは全体生存に有益であった。しかしながら、HER−2/neu遺伝子増幅を伴う患者の間では、タモキシフェンは生存を改善しなかった(De Placido S.Br J Cancer.1990 62:643−6)。HER−2/neuの過剰発現はタモキシフェン不成功の独立した予測因子である。HER−2/neuの過剰発現は腫瘍細胞に対し選択的でありそして悪性形質転換の経過の初期に観察される。より重要なことに、原発性および転移性病変におけるHER−2/neu過剰発現(32%)の細胞学的特徴はほぼ同一である(Masood S.Ann Clin Lab Sci.2000 30:259−65)。微小転移巣は一次治療後の再発の主要な供給源でありかつHER−2/neuが転移巣で過剰発現されるため、HER−2/neuは、抗腫瘍応答の局所での強化および微小転移巣の根絶の双方のための、早期疾患を伴う患者の免疫治療の優れた標的である。同様に、HER−2/neuを初期治療後に再発した患者において他の主要な処置レジメンとともに標的とすべきである。
HER−2/neuを標的することへの多くのアプローチのうち、臨床上最も進んだアプローチはトラスツズマブ(ハーセプチン[Herceptin](R))(上皮増殖因子(EGF)のHER−2/neu受容体の細胞外ドメインに結合する、FDAに承認されたヒト化モノクローナル抗体)を用いる受動免疫治療である。このモノクローナル抗体は単一薬剤としておよび古典的化学療法と組合せでの双方で指示される。Slamonらは、HER−2/neuを過剰発現した転移性乳癌を伴う496例の女性においてドキソルビシンおよびシクロホスファミド(AC)若しくはパクリタキセルと併用したハーセプチン[Herceptin](R)を評価した(Vogel CL.J Clin Oncol.2002 20:719−26;Slamon DJ.N Engl J Med.2001 344:783−92)。ハーセプチン[Herceptin](R)を受領する患者は、化学療法単独(パクリタキセル若しくはACのいずれか)に無作為化された患者に比較して、疾患の進行までの有意により長い時間(7.4か月対4.6か月;p<0.0001)、より高い客観的奏功(50%対32%;p<0.001)、より長い奏功期間(中央値9.1対6.1;p<0.001)、より高い1年生存率(78%対67%;p=0.008)、より長い生存(生存の中央値25.1か月対20.3か月;p=0.046)および死亡のリスクの20%低下を有した。
臨床試験は代替のトラスツズマブ投与レジメンおよび併用療法に進行するかもしれない一方、トラスツズマブの作用機序が有意に増大された有効性につながらないことができることを示唆し得る。とりわけ、トラスツズマブはHER−2/neu EGF受容体を遮断しかつ抗体依存性の細胞の細胞傷害性を誘導する(Sliwkowski MX.Semin Oncol.1999 4 Suppl 12:60−70)。ADCCはT若しくはBリンパ球の抗原特異的記憶につながらず、また、それは抗原特異的な細胞障害性Tリンパ球の増殖も誘導しない。
HER−2/neuはまた、能動的な特異的免疫応答を誘導するためのいくつかのワクチン試験の標的でもある。NCI PDQにおいて、3件の現在の臨床試験が、HER−2/neuタンパク質、抗原でパルスした樹状細胞、リポソーム被包化HER−2/neu MHCペプチドエピトープおよびDNAワクチンを使用している(http://www.cancer.gov/cancer_information/doc.aspx?viewid=F2AFAEA4−64BD−4E44−B421−56026E252389)。理論的根拠はもちろん:(1)抗原特異的CD8およびCD4リンパ球;(2)メモリーB細胞を伴うHER−2/neuに対する自己抗体;および(3)メモリーヘルパーT細胞を誘導することにより治療の有効性および投与の臨床的容易さを高めることである。
細胞に基づくワクチン、DNAワクチンおよび遺伝子治療のアプローチに比較して、ペプチドワクチン接種はいくつかの理由から好ましい。とりわけ、ペプチドワクチンは:(1)容易に構築かつ製造される;(2)化学的に安定である;(3)偶発的病原体(agent)および他の病原体(pathogen)を含まない;ならびに(4)発癌の潜在性を欠く。最近まで、大部分のグループは、低強度のCD8+細胞傷害性T細胞応答を誘発したMHCクラスIペプチドワクチンの使用に焦点をあてていた。Shikuらは、マウスH−2K拘束性の腫瘍抗原に相同である新規ヒトHer−2/neu2由来ペプチドが卵巣癌患者および健康な個体においてHLA−A24拘束性の細胞傷害性Tリンパ球を誘導することを同定した(Okugawa T.Eur J Immunol.2000 30:3338−46;Ikuta Y.Int J Cancer.2000 87:553−8;Nagata Y.J Immunol.1997 159:1336−43)。加えて、彼らは、疎水性化した多糖を短縮したHer−2/neuタンパク質複合体を組込む単球由来樹状細胞によるMHCクラスI結合ペプチドの提示を示した(Ikuta Y.Blood.2002 99:3717−24;Araki H.Br J Haematol.2001 114:681−9)。
ペプチドワクチンはMHCクラスIに提示されるペプチドを認識するCTL細胞による応答を高めるが、しかし、MHCクラスIIに提示されるペプチドでTヘルパー細胞を免疫することによってもまた増強し得る。HER−2/neu由来のMHCクラスIIに提示されるペプチドはヒト乳房、結腸直腸および膵の腺癌により発現され、また、in vitroで誘導された特異的CD4 T細胞クローンにより認識される(Perez S.Cancer Immunol Immunother.2002 50:615−24;Sotiriadou R.Br J Cancer.2001 85:1527−34)。Murrayらは、Her−2/neu(777−789)ペプチドが、IFN−γを分泌するように転移性乳癌を伴う患者からの末梢血単核細胞を誘導したことを示した(Murray JL.Semin Oncol.2000 27 Suppl:71−5)。このグループはまた、Her−2/neu(369−377)が、健康なドナーからの末梢血単核細胞での強いCTL応答(Anderson BW.Clin Cancer Res.2000 6:4192−200;Anderson BW.Cancer Immunol Immunother.2000 49:459−68)、ならびに乳癌患者および健康なドナーからの末梢血単核細胞からのCXCケモカインIP−10の分泌(Lee TV.J Imterferon Cytokine Res.2000 20:391−401)を誘導したことも示した。しかしながら、そのMHCクラスIペプチドを用いた臨床試験において、3/9例の患者のみがワクチン接種後に基礎より上であったリンパ球増殖応答を有した(Murray JL.Semin Oncol.2000 27 Suppl:71−5)。増大されたCTL増殖およびIFN−aレベルはただ1例のワクチン接種患者の末梢血単核細胞の刺激した培養物でみられた。5例の患者のうち3例で、IFN−aおよびCTL活性がIL−12添加により有意に増大し、弱い抗原提示が弱いCTL誘導につながり、それは炎症前サイトカインでin vitroで部分的に復帰されることを示した。しかしながら、MHCクラスIペプチド免疫感作はヘルパーCD4 T細胞応答を誘導しない。この理由から、MHCクラスIIに提示されるCD4 Tヘルパー細胞を刺激するエピトープのみ、若しくはMHCクラスIIに提示されるCD4+ Tヘルパー細胞を刺激するエピトープがMHCクラスIに提示されるCD8 T細胞傷害性細胞を刺激するエピトープを覆っているペプチドのいずれかを含むペプチドワクチンが探究されている。
健康なドナーおよび卵巣癌患者からの末梢血単核細胞はHer−2/neuペプチドに応答する(Fisk B.Anticancer Res.1997 17:45−53)。主要ヒトMHCクラスII分子のアンカーを含有するHer−2/neuからのペプチド配列は卵巣癌患者でよりも健康なドナーにおいてより高頻度で増殖およびサイトカイン応答を誘導した。配列:396−406、474−487、777−789および884−899の4種のHer−2/neuペプチドは、3種の他の別個のHER−2ペプチド449−464、975−987および1086−1098より多数の健康なドナーの増殖を刺激した。25例の卵巣癌患者の応答のパターンは健康なドナーのものと異なった。6か月にわたって全4種のHer−2/neuペプチドに対する安定な応答を示した1例の卵巣癌患者の末梢血単核細胞のペプチドでの刺激によりT細胞株を発生させた。各T細胞株はIFN−γおよびIL−10の分泌が異なった。これらの結果は、(a)Her−2/neuペプチドが健康なドナーおよび卵巣癌患者の双方においてT細胞の拡張を刺激し得ること、ならびに(b)異なるペプチドは異なるサイトカイン分泌パターンを誘導することを示す。(J Interferon Cytokine Res.2002 May;22(5):583−92)。
Ioannidesらは、乳癌を伴う患者からの腋窩リンパ節がHER−2/neuペプチドに応答することを示した(Kuerer HM.J Interferon Cytokine Res.2002 22:583−92)。浸潤性乳癌のための外科手術を受ける7例の女性のリンパ節からの新たに単離したリンパ球を50μgm/mlのHER−2/neuペプチドおよび対照抗原で刺激した。IFN−γ、IL−4およびIL−10のレベルをHER−2/neuペプチドでのプライミングおよび再刺激時に測定した。患者の腋窩リンパ節から単離したリンパ球はHER−2/neuペプチドに応答した(増殖および特異的サイトカイン産生)。HER−2/neuペプチドに対する増殖応答は原発性腫瘍におけるHER−2/neuの過剰発現を伴うおよび伴わない患者のリンパ節でみられた。若干の患者においては、転移巣を伴うリンパ節からのリンパ球におけるHER−2/neuペプチドに対する増殖応答が、同一患者からの転移巣を伴わないリンパ節からのリンパ球における応答に比較して非存在であったか若しくは低下された(p<0.05)。HER−2/neuペプチドは乳癌患者から単離した節リンパ球におけるサイトカイン応答の主としてTヘルパータイプ1(Th1)パターンを誘導した。Th1特異的サイトカイン産生パターンは、HER−2/neuペプチドでのプライミングおよび再刺激で維持されかつIL−12補助刺激で増幅された。これらの結果は、HER−2/neuペプチドが、浸潤性乳癌を伴う女性からの排出リンパ節中のT細胞を活性化し得ることを示す。
HLA−A2に提示されるHer−2/neuペプチドで免疫した患者は、MHCクラスIIに提示されるエピトープでの同時ワクチン接種の非存在下で低レベルかつ短命のCTL応答のみを発生した(Ward RL.Hum Immunol.1999 60:510−5)。Her−2/neuを過剰発現する癌を伴う6例のHLA−A2患者が、100μgのGM−CSFと混合した500μgのHer−2/neu(369−377)ペプチドよりなるワクチン製剤での6回の月1回のワクチン接種を受領した。患者はステージIII若しくはIVいずれかの乳房若しくは卵巣癌を有した。Her−2/neu(369−377)ペプチドに対する免疫応答をIFN−γの酵素結合免疫吸着スポットアッセイを使用して検査した。HER−2/neu MHCクラスIエピトープはHER−2/neuペプチド特異的なIFN−γ産生CD8+ T細胞を誘導したとは言え、応答の大きさは小さくならびに短命であり、このエピトープに対する確実かつ持続する免疫にCD4+ T細胞ヘルプが必要とされることを示した。
Disisらは、Her−2/neu CD8 T細胞免疫を生成させるHER−2/neuヘルパーペプチドワクチンで乳癌患者を免疫した(Knutson KL.J Clin Invest.2001 107:477−84)。HER−2/neuを過剰発現する癌を伴う19例のHLA−A2患者がHer−2/neu(369−384)、Her−2/neu(688−703)およびHer−2/neu(971−984)よりなるワクチン製剤を受領した。これらの配列内にはHLA−A2結合モチーフ、Her−2/neu(369−377)、Her−2/neu(689−697)およびHer−2/neu(971−979)を含有する。ワクチン接種後、HLA−A2ペプチドに対する平均のペプチド特異的T細胞前駆体頻度が患者の大多数で増大した。加えて、ペプチド特異的T細胞は腫瘍を溶解することが可能であった。該応答は長命でありかつ若干の患者においては最終の免疫感作後1年以上検出された。これらの結果は、覆っているMHCクラスIエピトープを含有するHer−2/neu MHCクラスIIエピトープが持続するHer−2/neu特異的なIFN−γ産生CD8 T細胞を誘導することを示す。
Disisらは、顆粒球−マクロファージコロニー刺激因子と混合したHER−2/neuタンパク質の潜在的Tヘルパーエピトープ由来のペプチドから構成されかつ皮内に投与されるワクチンで、HER−2/neuを過剰発現する乳房、卵巣若しくは非小細胞肺癌を伴う64例の患者を免疫した(Disis ML.J Clin Oncol.2002 20:2624−32)。9種の異なるエピトープを使用した。すなわち、her−2/neuの細胞内ドメイン由来の3種(p776−790、p927−941およびp1166−1180)、her−2/neuの細胞外ドメイン由来の3種(p42−56、p98−114およびp328−345)、ならびにそれらの天然の配列中にHLA−A2結合モチーフを包含するヘルパーエピトープを伴う3種(p369−384、p688−703およびp971−984)。患者の92パーセントがHER−2/neuペプチドに対する、および68%がHER−2/neuタンパク質ドメインに対するT細胞免疫を発生させた。エピトープの広がり(spreading)は患者の84%で観察され、そしてHER−2/neuタンパク質特異的T細胞免疫の生成と相関した(P=.03)。1年経過観察時に、HER−2/neuタンパク質に対する免疫が患者の38%で持続していた。とりわけ、肝、消化管および皮膚を包含する基礎レベルのher−2/neuタンパク質を発現することが既知の器官において、いずれかの検出された自己免疫毒性を発生した患者はいなかった。Ii−Keyハイブリッド分子中の本研究で使用したMHCクラスIIエピトープの組込みは、より低いかつ少ない投与、より大きなエピトープの広がり、腫瘍に対するより高親和性T細胞の誘導、エピトープおよびher−2/neuタンパク質に対するより持続性の免疫応答、ならびにより大きな臨床的有効性を伴うより迅速な抗her−2/neu免疫応答につながるかもしれない。
癌患者の腫瘍浸潤物および末梢血中で腫瘍反応性のCTLを見出すことは、いかなる抗腫瘍免疫応答も疾患の広がりを制御しないという疑問を提起する(Anderson BW.Clin Cancer Res.2000 6:4192−200)。その場合、ペプチドワクチンによるこの応答の増幅が疾患の進行の間に有用であるかどうかを尋ねるかもしれない。危険にさらされている健康なドナーならびに疾患を伴わない患者における腫瘍反応性CTLの誘導が、腫瘍を早期に認識するCTLは疾患が進行する場合にのみ拡張するCTLよりもそれらの進行の阻止においてより有効であるという仮説に基づいて提案された。10名の健康なドナーにおける細胞溶解性のT細胞活性のプライミングを、免疫原としてHer−2/neu(369−377)ペプチドおよび抗原提示細胞として自己末梢血単核細胞由来の樹状細胞を用いて試験した。彼らのうち2名が、Her−2/neu(369−377)ペプチド特異的CTL活性の誘導により自己の樹状細胞上に提示されたHer−2/neu(369−377)ペプチドとプライミング時に応答した。3名の他の応答体が2回の付加的な再刺激後に同定された。プライミング時の細胞溶解活性の誘導は、腫瘍壊死因子−αおよびIL−12により応答体において高められたが、しかし非応答体においては高められなかった。
決定子の広がりおよびTh1応答がHer−2/neuペプチドでのin vitro刺激により誘導された(Anderson BW.Cancer Immunol Immunother 2000 49:459−68)。Her−2/neu(776−789)に対する応答の誘導は他のHer−2/neuペプチドに対する反応性を誘導した。Her−2/neu(776−789)は、進行性疾患を伴う卵巣癌患者およびHLA−DR11を共有した健康なドナーの双方においてHer−2/neu(884−899)に対する応答を拡大した。この応答は主として増大されたIFN−γ分泌および増殖を特徴とするが、しかし、該患者とHLA−DR14およびHLA−DQ5のみを共有した別のドナーで起こらなかった。エピトープの広がりは、Iiのリバース遺伝子構築物を用いるIi−Key/抗原性エピトープハイブリッド免疫感作、すなわちHer−2/neu遺伝子免疫感作の協調した使用によってもまた高めることができる。
Hessらは、Her−2/neuからのMHCクラスII結合ペプチドおよびCLIPのN末端隣接領域のキメラ構築物がラットモデル系においてHer−2/neu陽性腫瘍に対する強力な抗腫瘍活性を導き出したことを見出した(Hess AD.Clin Immunol 2001 101:67−76)。有効な抗腫瘍免疫の誘導は、照射された腫瘍細胞上での、若しくはHer−2/neuからのHer−2/neu MHCクラスI拘束性ペプチドと協力してのキメラペプチドの提示を必要とした。養子移入研究は保護的抗腫瘍免疫のためのCD4 Tヘルパー細胞に対する必要性を示した。エピトープのみのペプチドでの免疫感作は、RT−PCR(定性的および定量的)ならびに限界希釈アッセイにより分析されるタイプ1(IL−2、IFN−γ)およびタイプ2(IL−4、IL−10)双方のサイトカイン産生細胞のin vitroでの未改変ペプチドに対する弱い免疫応答を引き起こした。比較上、キメラ構築物での免疫感作は主としてタイプ1のサイトカイン産生細胞で親エピトープに対する強力な免疫応答を導き出した。
促進されたHer−2/neu分解はCTLによる卵巣腫瘍認識を高めた(Castilleja A.Mol Cell Biochem.2001 217:21−33)。それらの研究において、Her−2/neu分解は、Her−2/neuを構成的に過剰発現した卵巣腫瘍株SKOV3.A2において、細胞表面からのHer−2/neuをダウンモジュレート(down−modulate)しかつそのポリユビキチニル化および分解を促進したゲルダナマイシンの添加により高められた。SKOV.A2からの免疫優性の細胞傷害性Tリンパ球(CTL)エピトープHer−2/neu(369−377)の提示はLLnLのようなプロテオソーム阻害剤により阻害された。追加実験は、GAの存在下で新たに合成されたHer−2/neuがCTLにより認識されるエピトープの主供給源であったことを示した。20時間GA処理したSKOV3.A2細胞は、対照の未処理のSKOV3.A2細胞に比較して末梢血単核細胞中の多数のHer−2/neu CTLエピトープに向けられたCTL活性のより良好な誘導体であり、それにより免疫原性を促進した。同様に、ゲルダナマイシンおよび類似の機構により作用する他の化合物は、Iiタンパク質の非存在下でのERにおけるMHCクラスIIエピトープの結合を高めることが期待される。
Wardらは、ファージに表示されるErbB−2遺伝子フラグメントライブラリーおよび合成ペプチドを使用して抗Her−2/neuモノクローナル抗体の一団をエピトープマッピングした(Yip YL.Cancer Immunol Immunother.2002 50:569−87;Yip YL.J Immunol.2001 166:5271−8)。3種のモノクローナル抗体、N12、N28およびL87のエピトープをそれぞれHer−2/neuのHer−2/neu(C531−A586)、Her−2/neu(T216−C235)およびHer−2/neu(C220−C235)に成功裏に配置した。N12は腫瘍細胞増殖を阻害した一方、N28はHer−2/neuを過剰発現する乳癌細胞株の1サブセットの増殖を刺激したことが見出された。N12により認識されるペプチド領域Her−2/neu(C531−A586)を、マウスで阻害性免疫応答を選択的に誘導するための免疫原として使用した。GST融合ペプチドGST−Her−2/neu(C531−A586)で免疫したマウスは、天然のHer−2/neu、ペプチドHer−2/neu(531−586)、Her−2/neu(533−548)、Her−2/neu(545−5560)およびHer−2/neu(571−586)の3種の15アミノ酸のペプチドを認識した。より重要なことに、マウス血清から精製した免疫グロブリンは腫瘍細胞増殖の85%までを阻害することが可能であった。この研究は、Ii−Key/Her−2/neu NHCクラスIIに提示される抗原性エピトープ/抗体に認識される決定子のハイブリッドの構築における潜在的な抗体に認識される決定子のいくつかの使用を支持する。抗体に認識される決定子を表16.8に提示しかつそれらのエピトープを含有するハイブリッドを表16.9に提示する。抗体に認識される決定子を含有するこうしたハイブリッドが好ましいことができHer−2/neuを過剰発現する腫瘍の受動および能動双方の免疫治療の開発に使用し得る。
実験で同定されたMHCクラスIIに提示されるエピトープ(上)を考えれば、こうしたエピトープを診断的若しくは治療的免疫応答の刺激のためのIi−Key/Her−2/neu抗原性エピトープハイブリッド内で合成し得る。
ヒトHer−2/neuタンパク質[ヒト(Homo sapiens)]のアミノ酸配列(gi|19575768|)はGenBankから得た(表16.1)。癌免疫治療のためのペプチドの選択における重要な一考慮は、Her−2/neuと増殖因子受容体(EGF−r)のサブクラスIファミリーの別のメンバーとの間の高程度の配列の相同性である(Lustgarten J.Hum Immunol.1997 52:109−18)。Her−2/neuと異なり、EGF−rは身体中で広範に発現される。Her−2/neuとマウス若しくはヒトEGF−rとの間で同一のペプチド配列は2つの理由から選択しなかった。第一に、こうした配列に対するT細胞寛容は、こうしたエピトープに対する特異性をもつレパートリー高親和性T細胞から排除されていたかもしれないことがありそうである。第二に、EGF−rペプチドを発現する正常細胞にCTLの標的を定めることは望ましくないことができる。Her−2/neuタンパク質の予測されたMHCクラスIIに提示されるエピトープを表16.2に提示する。ヒトHer−2/neuタンパク質の実験で決定されたMHCクラスII拘束性エピトープを表16.3に列挙する。表2および3のMHCクラスIIに提示されるエピトープのいくつかを使用して設計されたIi−Key/Her−2/neuハイブリッドを表16.4に列挙する。Her−2/neuタンパク質の予測されたMHCクラスIに提示されるエピトープを表16.5に列挙する。Her−2/neuタンパク質の実験で決定されたMHCクラスIに提示されるエピトープを表16.6に列挙する。設計されるIi−key/MHCクラスIIエピトープ/MHCクラスIエピトープハイブリッドを表16.7に列挙する。Her−2/neu上の抗体に認識される決定子を表16.8に列挙する。表16.8の抗体に認識される決定子ならびに表2および3のMHCHクラスIIに提示されるエピトープのいくつかを使用して設計されたIi−Key/Her−2/neuハイブリッドを表16.9に提示する。
Figure 2006515744
Figure 2006515744
Pos.は抗原性エピトープ中の第一のアミノ酸の一次配列中の残基位置である。配列は予測されたMHCクラスIIに提示されるエピトープのアミノ酸配列である。スコアは複数の一般的なHLA−DRアレルでの高得点を得る選択についてのProPredプログラムにより報告されるスコアである。Ii−Keyは、Ii−Keyモチーフと抗原性エピトープの第一の残基との間に介在する残基位置の数である。
Figure 2006515744
Pos.は該ペプチド中の第一のアミノ酸の一次配列中の残基位置である。配列は実験で決定されたMHCクラスIIに提示されるエピトープのアミノ酸配列である。Ii−Keyは、Ii−Keyモチーフと抗原性エピトープの第一の残基との間に介在する残基位置の数である。ペプチド16.3.1はPerez S.ら(Cancer Immunol Immunother.2002 50:615−24)により報告された。ペプチド16.3.2はSotiriadou R.ら(Br J Cancer.2001 85:1527−34)により報告された。ペプチド16.3.3はFisk B.ら(Anticancer Res.1997 17:45−53)により報告された。ペプチド16.3.8〜16.3.16はDisisら(Disis ML.J Clin Oncol 2002 20:2624−32)によるフェーズI臨床試験で報告されたものである。ペプチド16.3.9は予測されたHLA−DRB1−0101に提示されるモチーフLRIVRTGTQL(配列番号585)を含有し、また、ペプチド16.3.16はDRB1−0101に提示されるモチーフLVSEFSRMA(配列番号586)を含有し;双方は免疫した患者からのリンパ球を刺激した。Disisらにより研究されたシリーズ(series)の付加的なペプチドは、付加的なHLA−DBアレルについて試験される場合にMHCクラスIIに提示されるモチーフを含有しかつスコア化のための指標を低下させることが見出されるかもしれない。こうしたエピトープはIi−Key/Her−2抗原性エピトープハイブリッドに組込まれることにかけられる。
Figure 2006515744
Pos.は抗原性エピトープ中の第一のアミノ酸の一次配列中の残基位置である。配列は表16.2および16.3のMHCクラスIIエピトープを含有するハイブリッドペプチドのアミノ酸配列である。
Figure 2006515744
Pos.は抗原性エピトープ中の第一のアミノ酸の一次配列中の残基位置である。配列は予測されたMHCクラスIに提示されるエピトープのアミノ酸配列である。クラスIに提示されるエピトープは、(http://bimas.dcrt.nih.gov/molbio/hla_bind/)のオンラインプログラムの使用を用いて予測した。スコアはこの下位配列を含有するペプチドの解離のT1/2である(Tsang KY.J Natl Cancer Inst.1995 87:982−90)。
Figure 2006515744
Pos.は抗原性エピトープ中の第一のアミノ酸の一次配列中の残基位置である。配列は実験で定義されたMHCクラスIに提示されるエピトープのアミノ酸配列である。ペプチド16.6.1はHLA−A2.1により提示される(Kono K.Int J Cancer.1998 78:202−8)。ペプチド16.6.2は、Rongcun Y.ら(J Immunol.1999 163:1037−44)により確認されたとおり、HLA−A2.1により提示される(Kono K.Int J Cancer.1998 78:202−8)。それはHLA−A2.1およびヒトCD8を発現する二重トランスジェニックマウスにおいて免疫原性であることもまた示された(Lustgarten J.Hum Immunol.1997 52:109−18)。ペプチド16.6.3はHLA−A2.1により提示される(Kono,K.Int J Cancer.1998 78:202−8;Rongcun Y.J Immunol.1999 163:1037−44)。それはLustgarten J.らの研究(Hum Immunol.1997 52:109−18)で非免疫原性であった。ペプチド16.6.4、16.6.5および16.6.6はHLA−A2.1により提示される(Rongcun Y.J Immunol.1999 163:1037−44)。ペプチド16.6.7はHLA−A2により提示され(Peoples G.Proc Natl Acad Sci U S A.1995 92:432−6)、そしてLustgarten,J.らの研究(Hum Immunol.1997 52:109−18)で非免疫原性である。ペプチド16.6.8はHLA−A2により提示される(Tanaka Y.Int J Cancer.2001 94:540−4)。ペプチド16.6.9はHLA−A2.1により提示される(Lustgarten J.Hum Immunol.1997 52:109−18)。ペプチド16.6.10はHLA−A3により提示される(Kawashima I.Cancer Res.1999 59:431−5)。
Figure 2006515744
Pos.は抗原性エピトープ中の第一のアミノ酸の一次配列中の残基位置であり、MHCクラスIIはI:として示され、そしてMHCクラスIIはII:として示される。配列は表1.2のMHCクラスIIエピトープを含有するハイブリッドペプチドのアミノ酸配列である。
Figure 2006515744
これらのペプチドは、Her−2/neu(C220−235)配列を含有するGST融合タンパク質で免疫したマウスの血清と反応することが報告されている(Yip YL.Cancer Immunol Immunother.2002 50:569−87;Yip YL.J Immunol.2001 166:5271−8)。
Figure 2006515744
Pos.はMHCクラスIIに提示されるエピトープ中の第一のアミノ酸の一次配列中の残基位置であり、また、セミコロンの後は抗体に認識されるエピトープを含有することが報告されたペプチド中の第一の残基である。配列はハイブリッドペプチドのアミノ酸配列である。
Ii−Key/炭疽菌MHCクラスII抗原性エピトープハイブリッド。
Ii−Key/抗原性エピトープハイブリッドは炭疽菌および他の生物テロ病原体に対するワクチンとして応用し得る。炭疽菌に対する独立したワクチン若しくはマルチワクチン(multivaccine)プロトコルの成分としてのIi−Key/抗原性エピトープハイブリッドの応用を十分に理解するために、炭疽菌(bacillus anthracis)の生物学および病因論の復習が有用である。同様に、炭疽菌に対する現在利用可能なワクチンを本開示の生成物および方法により提供される改良に照らして考慮する。とりわけ、Ii−Key/抗原性エピトープハイブリッド技術は、既存のワクチンを可能にしかつ炭疽菌感染に対するかなりの程度の保護を独立に提供する、高められた抗原特異的Tヘルパー細胞応答を提供する。Ii−Key/炭疽菌エピトープペプチドワクチンは、軍隊および文民双方の集団による使用のための安全性および有効性を提供する。
炭疽は、大型のグラム陽性の非運動型細菌杆状体の細菌、炭疽菌(Bacillus anthracis)の胞子により引き起こされる感染性疾患である。ヒトの炭疽疾患は3種の主要な形態、すなわち皮膚、吸入および胃腸を有する。治療されない場合、全部の形態の炭疽は敗血症および死につながり得る。皮膚炭疽の早期の処置は通常治癒的である。胃腸炭疽を伴う患者は25%ないし75%の報告された症例死亡を有する。吸入炭疽の症例死亡率は90%ないし100%である。細菌が一旦、炭疽毒素を分泌するのに十分に密に増殖すれば、抗生物質は無効であるため、抗生物質での全部の形態の炭疽の早期の処置が不可欠である(Leppla SH.Nature Medicine.2001 7:659−660)。吸入炭疽は二相を有する。曝露後1ないし5日以内に発生する第一相の間、患者は流感様の症状(咳、倦怠感、疲労および軽度の発熱)を有する。後に続く相は、重症の呼吸困難、胸部痛および発熱の突然の発生を包含する。1日以内に敗血症ショックおよび死亡が起こることがありそうであることができる。吸入炭疽の場合、抗生物質治療は、曝露直後に投与される場合を除き制限された利益のものである。
炭疽菌(B.anthracis)により産生される主要な毒性因子、炭疽毒素は3種のタンパク質よりなる。PAはヒト細胞に結合し、そしてLF(優勢な毒性因子)が細胞質に進入するチャンネルを形成する(Leppla SH.Nature Medicine.2001 7:659−660)。LFはマイトジェン活性化タンパク質キナーゼ(MEK)を切断するメタロプロテイナーゼであり、細胞死および敗血症ショックに似た臨床像をもたらす。LF−PA63結合、オリゴマー化、七量体形成およびLNの細胞質輸送を誘発するのは、PA63(細胞の結合およびPAのフリン触媒作用後に利用可能にされるPA上の一領域)へのLFの結合である(Leppla SH.Bacterial protein toxins(Fehrenbach F.ら編)111−112 Gustav Fischer、ニューヨーク、1988)。
炭疽の致死的毒素は2種のタンパク質すなわち保護因子(PA;MW 83kDa)および致死因子(LF;MW 87kDa)を含んでなる。PAの結晶構造が単量体および七量体で決定された(Liddington R.J Appl Microbiol.1999 87:282−290)。それは既知の三次元構造の他の細菌毒素への類似性をもたず、そして他のグラム陽性細菌からの相同な毒素を包含する新たな一構造分類を定義する。膜挿入は、実質的なpHに誘導されるコンホメーション変化を受けてそれにより14本鎖のβ−バレルを創製する水溶解性の七量体を必要とする。Collierのグループによる最近の研究は膜挿入のこのモデルに裏付けを与える(Benson EL.Biochemistry.1998 37:3941−8)。致死因子は炭疽の致死的毒素の触媒成分である。それは細胞に結合したPA七量体の表面に結合しそしてエンドサイトーシスおよびエンドソームの酸性化後に細胞質に転位する。
Liddingtonらは炭疽の致死因子の結晶構造を決定した(Pannifer AD.Nature 2001 414:229−33)。致死因子(LF)は、マイトジェン活性化タンパク質キナーゼキナーゼ(MAPKK)ファミリーのメンバーをアミノ末端近くで切断して1種若しくはそれ以上のシグナル伝達経路の阻害に至る、高度に特異的なプロテアーゼである。LFおよびMAPKK−2のN末端とのその複合体の結晶構造が決定された。LFは4ドメインを含んでなる。すなわち、ドメインIは炭疽毒素の膜転位成分すなわち保護因子(PA)を結合し;ドメインII、IIIおよびIVは一緒になって、切断前にMAPKK−2の16残基のN末端の尾を保持する長く深い溝を創製する。ドメインIIはバチルス セレウス(Bacillus cereus)からのADPリボシル化毒素に似ているが、しかし活性部位が変異されておりかつ基質認識を増強するのに動員される。ドメインIIはドメインII中に挿入されそしてドメインIIの構造的要素の反復する複製から生じるようである。ドメインIVは亜鉛メタロプロテイナーゼファミリーにわずかに関連しており、そして触媒中心を含有し;それはまたドメインIにも似ている。該構造は、従って、遺伝子の複製、突然変異および融合の過程により高くかつ異常な特異性をもつ酵素に進化したタンパク質を示す。
炭疽の致死的毒素がマクロファージを殺すのにプロテアソーム活性が必要とされる(Tang G.Infect Immun.1999 67:3055−60)。保護因子(PA)および致死因子(LF)よりなる炭疽の致死的毒素(LeTx)は初代マウスマクロファージおよびマクロファージ様細胞株を迅速に殺す。LFはPAにより標的細胞の細胞質中に転位され、そこでそれはマイトジェン活性化タンパク質キナーゼキナーゼ1(MEK1)およびおそらく他のタンパク質を切断する。アセチル−Leu−Leu−ノルロイシナールすなわちMG132およびラクタシスチンのようなプロテアソーム阻害剤はLeTxの細胞傷害性を効率的に阻害する一方、他のプロテアーゼ阻害剤は阻害しない。多様なデータは、プロテアソームが細胞の細胞質中でLFにより開始される毒性の過程を媒介することを示す。この過程はおそらく、マクロファージの恒常性に不可欠である同定されていない分子の分解を必要とする。さらに、このプロテアソーム依存性の過程はLeTx中毒の初期段階であるが、しかしそれはMEK1若しくは他の推定の基質のLFによる切断の下流にある。
Lepplaらは哺乳動物細胞中へのエンドサイトーシス性の取り込みの間の炭疽毒素の保護因子のオリゴマー化および致死因子の結合を見出した(Singh Y.Infect Immun.1999 67:1853−9)。炭疽毒素の保護因子(PA)タンパク質は細胞の受容体に結合し、そして細胞表面のフリンにより切断されて63kDaのフラグメント(PA63)を生じさせる。受容体に結合したPA63は七量体にオリゴマー化し、そして毒素の触媒的部分すなわち致死因子(LF)および浮腫因子(EF)をエンドソームから細胞質に転位させるよう作用する。LF転位におけるPAオリゴマー化の不可欠の役割が、残基313−314で切断されるPAタンパク質で示された。毒素タンパク質の構造、ならびにタンパク質分解の活性化、LF結合およびインターナリゼーションのキネティクスは、各PA63サブユニットにLF分子をインターナリゼーションさせる様式で均衡を保たれている。
Lepplaらは該毒素を阻害することにより可能な治療に向ける3つの利点を同定した(Chaudry GJ.Trends Microbiol.2002 10:58−62)。細胞表面の毒素受容体の同定は結合の競合体および受容体のおとりの設計につながる可能性がある。致死因子プロテアーゼの結晶構造の決定は、治療薬としてプロテアーゼ阻害剤を開発するための進行中の試みを助長することができる。最後に、炭疽の致死的毒素に対するある種の近交系マウスの感受性がキネシン様タンパク質Kif1C中の突然変異と関連した。これは炭疽毒素がどのように動物を殺すかを説明するのに役立つ可能性のある発見であった。
炭疽菌(Bacillus anthracis)により遊離されるPAおよびLFの病理学的影響に対しヒトを保護するための多様なワクチン戦略が開発された。それらのワクチンの増強におけるIi−Key(MHCクラスIIおよびIi−Key/MHCクラスIIエピトープ/ARDハイブリッドの有用性を認識するために、炭疽菌感染に対するワクチン接種およびその処置の現在の状態を概観することが有用である。
選ばれた公務員およびメディアの地方放送局の従業員への手紙に含有された炭疽菌胞子に何千もの人々が潜在的に曝露された2001年後半の生物テロ攻撃の間、30,000以上の個人が予防的抗生物質治療(原則的にシプロフロキサシンおよびドキシサイクリン)を60日間受領した。炭疽菌胞子は動物の肺中に60日以上の間持続し得るため、これらの潜在的に曝露された個体はその後、別の40日の1クールの抗生物質、および最初の抗生物質レジメンの完了に際して吸収型炭疽ワクチン(Anthrax Vaccine Adsorbed)を用いる治療的ワクチン接種を提供された。しかしながら、炭疽菌胞子への曝露後の有効な抗生物質治療には狭い時間窓のみが存在するため、大スケールで抗生物質を使用することは現実的な選択肢でない。炭疽菌および炭疽毒素に対する予防的および治療的ワクチン接種は、従って炭疽菌生物テロ事象の場合の最も有望な形態の集団介入である。
潜在的に好ましい生物テロ兵器としてのその出現前は、炭疽菌感染は、動物、および動物若しくは動物製品の直接かつ広範囲の取扱いを伴う職業をもつヒトに制限されていた。現在の炭疽菌ワクチン、吸収型炭疽ワクチン(Anthrax Vaccine Adsorbed)の承認は、動物皮革を処理した米国の工場労働者を伴う1950年代のPhilip S.Brachmanにより実施された臨床試験に基づいた。このワクチンの利用可能性の前、ヒト炭疽症例の年平均数はこれらの工場の従業員100人あたり1.2であった。Brachmanの研究は炭疽菌ワクチン接種の有効性に関する証拠を提供した。すなわち、(a)26例の患者が試験の間に炭疽を発症した(5例の吸入および21例の皮膚);(b)5例の吸入炭疽症例のうち、2例の患者がプラセボを受領し、また、3例は観察群にあった;(c)吸入炭疽を伴う5例の患者のうち4例が死亡した;(d)皮膚炭疽の21症例のうち、15例の個体がプラセボを受領し、3例が観察群にあり、そして2例の個体は部分的に免疫され、そして1例の個体は完全に免疫された;(e)著者は、完全にワクチン接種した個体について92.5%というワクチンの有効性レベルを計算した(Brachman PS.American Journal of Public Health.1962 52:432−440)。
1966年、CDCは、Brachmanの試験で使用されたワクチンの改変であったワクチンの臨床試験を開始した。双方のワクチンは保護因子(PA)により誘導される免疫に基づいたとは言え、それらの製造方法が異なった。IND試験はミシガン州公衆衛生局(the Michigan Department of Public Health)(MDPH)により製造された3ロットの材料を使用した。生物製剤基準部門(the Division of Biologics Standards)に提出されたデータは、7,000名の試験参加者に投与された16,000用量の炭疽ワクチンを用いたCDCの経験を記述した。軽度の局所反応は3ないし36%の間、中程度の反応は1ないし3%の間、そして重症の局所反応は1%未満の範囲にわたった。全身反応は5年の期間にわたって4症例で報告され;これらの反応は一過性の発熱、寒気、悪心および全身の身体の痛みを包含した。該ワクチンは、炭疽菌(B.anthracis)胞子で汚染されているかもしれない動物製品と接触するかもしれない個体、高い危険にさらされている個体(獣医師を包含する)、および彼らを胞子と接触させるかもしれない診断もしくは研究活動に従事する者向けに1970年に承認された。
1985年、公衆衛生総局法(the Public Health Service Act)のもとでの諮問委員会の再評価(Advisory Panel Review)は、MDPHにより製造された炭疽菌ワクチンを、安全、有効かつ不当表示がされていないカテゴリーI製品と呼称した(連邦官報 1985年 50:51002)。Brachmanの試験からの有効性データおよびCDCの試験からの安全性のデータがこれらの知見の基礎であった。1988年5月、国防総省(the Department of Defense)(DOD)は米軍軍人の予防ワクチン接種を承認した。2001年12月には、以前に炭疽菌胞子に曝露された(フロリダ州、ニューヨーク州およびワシントンDCでの生物テロ行為の結果として)個人、ならびに予防的抗生物質治療を受けていた者でもまた治療的ワクチン接種が開始された。
BioPort(炭疽菌ワクチン製造におけるMDPHの継承者)により製造される現在のAVAワクチンは、炭疽疾患を引き起こさない炭疽菌(B.anthracis)の株由来である。それは全細菌を含有しない、細胞を含まない濾液である。ワクチン接種プロトコルは、0.5ml s.c.の初回投与、次いで2および4週、ならびに6、12および18か月での0.5ml s.c.の追加免疫投与を包含し、その後年1回の追加免疫を伴う。製造方法は困難であり、高価であり、時間がかかり、スケールが制限され、そして多くの生物製剤の法的規制を負わされている。非毒素産生性かつ被包化されていない組換え炭疽菌(B.anthracis)胞子ワクチンおよび致死因子DNAワクチンの開発が最近開始された(Cohen S.Infect Immun.2000 68:4549−58;Price BM.Infect Immun.2002 69:4509−15)。また、PAタンパク質に基づく3種の新しい炭疽ワクチンも研究されている(Friedlander AM.JAMA 1999 282:2104−6;Thomas LJ.4th International Conference on Anthrax.Abstracts Book.2001年6月10〜13日、米国メリーランド州アナポリス;Turnbull PCB.Curr Opin Infect Dis.2001 13:11)。生物学的製造の製品であれば、工程および管理は単純なペプチドについてよりはるかにより複雑でありかつ規制の問題を伴い進められる。
炭疽ワクチン専門家委員会(the Anthrax Vaccine Expert Committee)(AVEC)は、ワクチン有害事象報告システム(the Vaccine Adverse Event Reporting System)(VAERS)に報告された有害事象を精査した(Sever JL.Pharmacoepidemiol Drug Saf.2002 11:189−202;Geier DA.Clin Exp Rheumatol.2002 20:217−20)。ほぼ半数の報告が局所の注入部位の副作用を示し、これらの1/3以上は中程度ないし大きな程度の炎症を伴った。6事象が重大な副作用としての資格を有し、そして全部がワクチン接種のある種の結果であると判断された。報告の3/4は全身性の副作用(最も一般的:流感様症状、倦怠感、発疹、関節痛、頭痛)に言及したが、しかし6件の個別の医学上重要な事象のみがひょっとすると若しくは十中八九ワクチンによると判断された(脊椎関節症の悪化(2)、アナフィラキシー様反応、関節炎(2)、器質化肺炎を伴う閉塞性細気管支炎)。彼らは、局所炎症の若干の症例が遠位感覚異常を伴ったため、AVECは、尺骨神経に対する圧迫性傷害を回避するために三頭筋の代わりに下部三角筋上へのAVAの皮下注入を与えることを推奨すると結論した。
Ii−Key/LF(MHCクラスIIエピトープ)ハイブリッドは強いTh1免疫応答を誘導することができ、それは順にCTL活性、マクロファージ媒介性の細菌溶解、およびB細胞媒介性の抗体産生を増強することができる。生じる免疫応答は、高められたマクロファージ活性化を介して細菌の破壊を媒介することができる。加えて、該ハイブリッドは増強されたB細胞活性化を提供することができ、それは、LFへの同時の若しくはその後の曝露の設定においてLFのPAへの結合を阻害する抗体の産生を急がせかつ高めてそれにより炭疽毒素のインターナリゼーションを予防することができる。
Ii−Key/LF(MHC IIエピトープ)ハイブリッドペプチドワクチンを用いる予防的ワクチン接種はメモリーTヘルパー細胞を誘導することができ、メモリーTヘルパー細胞は、炭疽菌(B.anthracis)へのその後の曝露に際してマクロファージをより強力かつより迅速に活性化してそれにより細菌の効率的な溶解および消失をもたらすことができる。Ii−Key/LF(MHC IIエピトープ)ハイブリッドペプチドワクチンでのプライミングは特異的Tヘルパー細胞の拡張された集団につながることができ、その集団は、LFワクチンを用いるワクチン接種若しくは炭疽菌(B.anthracis)への曝露に際して抗体産生のためB細胞をより迅速かつ効率的に活性化することができる。以前にワクチン接種された若しくは該疾患に以前に曝露された患者におけるIi−Key/LF(MHCクラスIIエピトープ)ハイブリッドペプチドワクチンでの追加免疫は、マクロファージおよびB細胞の効率的な活性化を伴う確実かつ迅速な既往反応を創製することができる。Ii−Key/LF(MHC IIエピトープ)ハイブリッドでの以前のワクチン接種は、古典的な炭疽ワクチンへの曝露若しくは感染それ自身に際しての炭疽毒素の中和において決定的に重要である、Tヘルパー細胞のより迅速な刺激および増強されたかつより迅速な抗体産生を提供するB細胞の活性化をもたらすことができる。
別の局面において、Ii−Key/炭疽菌MHCクラスIIエピトープ/炭疽菌ARDハイブリッドを使用して、有効な阻害抗体を導き出すワクチンを創製し得る。LF上のPA結合部位からのARDよりなる複合ペプチド構築物はIi−Key/抗原性エピトープハイブリッドへの共有結合を伴い設計する。いくつかの例において、MHCクラスIIエピトープおよびARDの配列がオーバーラップする。これらの二重ハイブリッド構築物[Ii−Key/LF(MHC IIエピトープ)/LF1−255(ARD)]はTヘルパー細胞およびB細胞の同時の抗原特異的活性化を介してLF1−255に対する抗体の確実な産生を誘発する。該二重ハイブリッド構築物は、最も重要な領域すなわちLFのPA63結合部位での免疫応答に集中しかつそれを拡大する。ワクチン接種後に産生される抗体はPA63へのLFの結合および炭疽毒素のインターナリゼーションを破壊してそれにより該疾患の毒性を回避する。炭疽菌および炭疽毒素に対する保護のためのこれらのIi−Key/抗原性エピトープハイブリッドを用いる免疫感作手順の開発の過程の方法は以下を包含する。1.最も有効な二重ハイブリッド(1種若しくは複数)(最も強力なCD4+ T細胞免疫を誘導しかつPA63へのLD1−255の結合および細胞中へのLF1−255の進入を封鎖することに関して)を、細菌の増殖および致死的毒素の毒性の阻害を評価するための動物感染モデルでin vivoで試験する。2.免疫感作製剤(アジュバントを伴う若しくは伴わない多様な用量)、免疫感作の経路(s.c.若しくはi.v.)、および免疫感作スケジュール(追加免疫を伴う若しくは伴わない)を動物モデルで評価する。ヒト試験での応用に向けて、用量、投薬量スケジュール、製剤、サイトカインアジュバント、ならびに基礎的な局所および全身毒性をマウス保護モデルで評価する。3.Thメモリー細胞の活性化を、ペプチド、組換えタンパク質若しくはcDNAのLFワクチンでの二次攻撃に対するCD4+細胞応答の効力について、免疫したマウス群で3、6、9および12か月に試験する。4.最も強力なヒトHLA−DR拘束性LFエピトープをヒト臨床応用のため決定する。ある種のHLA−DRアレルの最も強力なエピトープを、Rammenseeプログラムを使用して予測する。LF MHCクラスIIエピトープ aa576−591がHLA−DR1およびHLA−DR4双方により提示されるとみられる限りは、他の汎DRアレル結合エピトープを同定するための試みがなされる。予測されたIi−Key/LF(HLA−DRエピトープ)構築物をex vivoでヒトPBMC刺激および再刺激試験で活性について試験する。Th1およびTh2応答(CD4およびIFN−γ若しくはCD4およびIL−4についての二重染色)を評価する。5.構造Ii−Key/LF(HLA−DR)/LF1−255(ARD)の二重ハイブリッドを、最も活性のIi−Key/LF(HLA−DRエピトープ)および最も活性の抗体決定子(ARD)を使用して合成する。これらを動物毒物学および薬物動態試験で試験する。6.二重ハイブリッドを用いて、志願者での臨床in vivo免疫感作およびex vivoPBMC再刺激試験を実施してTh1およびTh2応答を評価する。数種の最も有望な二重ハイブリッドを、CD4+ T細胞活性化(CD4およびIFN−γ若しくはIL−4についてのPBMCの二重染色)ならびに阻害抗体の誘導を評価するその後の臨床試験で評価する。誘導される抗体のex vivo試験を実施して、PA63へのLF1−255の結合および細胞中へのLF1−255の進入の阻害を評価する。至適のハイブリッド(1種若しくは複数)を、より多数の個体を伴う臨床試験で炭疽ワクチンとしてさらに開発する。適切な有効性のエンドポイントおよび免疫学的代理物を、適切な規制当局との徹底的な討論に基づき選択する。
Ii−Keyハイブリッド炭疽ワクチンは大きな利点を有する。(1)安全性。Ii−Keyハイブリッドワクチンは完全長のLF若しくはPAタンパク質と対照的に小型のペプチドであるため、正常の宿主分子と交差反応性でありうるタンパク質(1種若しくは複数)の無関係の領域に対する望ましくない免疫応答を誘導してそれにより自己免疫媒介性の毒性をもたらすより小さな危険が存在する。ペプチドワクチンは逆の効果を有さず、そして従って大きな軍隊および文民集団に安全に使用し得る;(2)有効性。今日まで、MHCクラスIIエピトープに基づくワクチンは主として低い結合効率により確実な抗原特異的免疫応答を誘導していない。Ii−Keyハイブリッド技術は、同時のIL−12投与の情況でのみ通常みられる強い抗原特異的免疫応答が観察されるようなMHCクラスIIエピトープの装填効率を高める。(3)正確な標的設定。とは言え現在のワクチンは高力価のポリクローナル抗体を誘導しうる。しかしながらこれらの抗体は決定的に重要な標的すなわちPAのLF結合部位に常に対するわけではない。Ii−Key二重ハイブリッドIi−Key/LF(MHC IIエピトープ/LF1−255(ARD)は、PAのLF結合部位に特異的かつ正確に標的を定めた抗体の産生をもたらしてそれにより免疫系によりもつことがもたらされる資源を効率的に利用することができる。(4)二重作用−Ii−Key二重ハイブリッドは、マクロファージを活性化させて細胞媒介性の細菌溶解および消失を遂げることができるTヘルパーメモリー細胞、ならびに炭疽毒素の毒性を回避することができるPA63結合部位に対する強い抗体を誘導することができる。密な細菌増殖の設定においてさえ、LF上のPA結合部位に対する抗体は炭疽毒素の毒性効果から保護することができる。(5)プラットフォーム技術−炭疽菌の系で有効であることが一旦示されれば、このアプローチは他のカテゴリーA(すなわちボツリヌス、ペストおよび天然痘)、カテゴリーBならびにカテゴリーCの生物テロの脅威での使用に容易に適合可能である。
Ii−Key/LF(MHC IIエピトープ)ハイブリッドは、炭疽菌(B.anthracis)の増殖を阻害するための主要防御線を形成するLF特異的CD4+ T細胞活性化を誘導するために設計される。その場合、最も強力なIi−Key/LF(MHC IIエピトープ)ハイブリッドをLF上のPA63結合部位の推定のARDに結合して、構造Ii−Key/LF(MHC IIエピトープ)LF1−255(ARD)の二重ハイブリッドを形成する。ARDは、突然変異/結合アッセイによりPAへの結合のためのLF上の部位の公表されたマッピングから選ぶ(Lacy DB.J Biol. Chem.2002 277:3005−10)。ARDへのIi−Key/LF(MHCクラスIIエピトープ)ハイブリッドの結合は、共有結合されたARDに対する抗体の誘導のための強いCD4+ T細胞ヘルプを提供することができる(Golvano J.Eur J Immunol.1990 20:2363−6。これらの抗体はLF上のPA結合部位の表面に結合しかつPA63へのLFの結合を阻害することができる。正確に標的を定めた結合部位に対する高力価抗体の誘導は炭疽菌(B.anthracis)のLFの毒性を阻止する別の防御線を創製するが、とは言え細菌の感染は進行し得る。SYFPEITHIプログラムで予測されるMHCクラスIIに提示されるLFエピトープは、H−2Eモチーフのコンセンサス配列に完全に一致する3種のエピトープ、すなわちLF(91−106;HISLEALSDKKKIK)(配列番号634)LF(249−264;EQEINLSLEELKDQR)(配列番号635);LF(305−320;DDIIHSLSQEEKELL)(配列番号636)を同定する。T細胞活性化研究での全部のハイブリッドの活性をIi−Keyに結合されていないエピトープと比較することができる。T細胞活性化は二色染色(Th1について抗CD4および抗IFN−・、ならびにTh2について抗CD4および抗IL−4)により測定する。AKR若しくはCH3マウス(H−2K)を変動する用量(0.8、4および20nmol)のIi−Key/LF(MHC IIエピトープ)ハイブリッドで免疫する(1群あたり3匹のマウス)。Berzofskyら(Berzofsky,J.A.J Clin Invest.1991 88:876−84)により使用された20nmolという濃度は至適のT細胞増殖を誘導した。はるかにより低濃度のハイブリッドが同一若しくはより高レベルのT細胞応答を誘導することができる。第一の実験において、アジュバント乳液は等容量の1mg/mlのヒト結核菌(Mycobacterium tuberculosis)を含有するCFAおよびPBSに溶解したハイブリッドペプチドよりなる。マウスを尾の基部の左側でs.c.免疫する。フロイントの不完全アジュバント(IFA)中の同一量のハイブリッドペプチドを9日後に尾の基部の右側に注入する。ハイブリッドは、ハイブリッドの有効性におけるCFAに対する要件を試験するために同一のスケジュールに従って生理的食塩水中で静脈内に注入する。Ii−KeyハイブリッドはAPCの細胞表面上のMHCクラスII分子と直接相互作用してそれにより古典的なMHCクラスIIエピトープのプロセシングを迂回しかつアジュバントを不必要にすることができることに注目すべきである。第二の注入の4日後に、免疫したマウスの脾、膝窩、鼠頚部および傍大動脈節からのリンパ球の活性化をCD4およびIFN−γ若しくはIL−4のいずれかについての確立した二色染色により測定する(Varga SM.J Immunol.2001 166:1554−61)。
Ii−Key/LF(MHC IIエピトープ)/LF1−255(ARD)二重ハイブリッドはPAへのLFの結合を阻害する抗体を産生することができる。PAへのLFの結合および細胞中へのLFのその後の進入は炭疽菌(B.anthracis)感染の主要な毒性に不可欠である。PAへのLFの結合を阻害することは、従って炭疽菌(B.anthracis)の毒性を制御するための有効な一方法である。Lacyらは突然変異/結合アッセイによりLF 1−255の表面上のPA結合部位を同定した。これらの部位からの9個のオーバーラップするARDをIi−Key/MHCクラスII抗原性エピトープ/ARDハイブリッド中に合成する。担体若しくはMHCクラスIIエピトープのいずれかへの結合がこれらの短いペプチドに対する抗体を誘導するために必要とされる(Golvano J.Eur J Immunol.1990 20:2363−6)。LFは結晶化され、そしてその機能的ドメインが定義されている(Pannifer AD.Nature 2001 414:229−33;Lacy DB.J Biol Chem.2002 277:3005−10)。LF突然変異およびPA/LF結合実験により、LacyらはLF上のPA63結合部位をマッピングした。2位置すなわちaa182−188およびaa223−236に群生した突然変異はPA63へのLFの結合を大きく消失させる。これら2集団はその露出された結合部位でLFの表面上に位置するため(Lacy DB.J Biol Chem.2002 277:3005−10)、それらは論理上、PA63へのLFの結合を阻害するための抗体を開発するための良好な標的である。
別の局面において、本開示はPA若しくはLFのDNAワクチンに対する免疫応答を強めることに関する。本開示のIi−Key/炭疽菌抗原性エピトープハイブリッドは、炭疽菌にコードされるタンパク質のDNAワクチンの前もって投与される前ワクチンとして応用し得る。こうしたワクチンのいくつかの例が後に続く。
GallowayらはLF(10−254)若しくはPA(175−764)または双方をコードするプラスミドでの免疫感作による炭疽菌の致死的毒素攻撃に対する保護を開発した(Price BM.Infect Immun.2001 69:4509−15)。いずれかの若しくは双方のプラスミドで被覆した金粒子を2週間間隔で3回マウスに遺伝子銃注入した。PAおよびLF双方の抗体力価はいずれかの遺伝子単独で免疫したマウスからの力価より5倍より高かった。いずれかの若しくは双方のプラスミドで免疫した全マウスは致死的用量のPA+LFでのi.v.攻撃を生き延びた。
Guらもまた匹敵するPAのDNAワクチンを研究した(GU ML.Vaccine 1999 17:340−4)。PAのDNAで免疫したマウスからの血清の100倍希釈は細胞傷害性濃度のPAに対しin vitroで細胞を保護した。PAのDNAワクチンで3回免疫した8匹のマウスのうち7匹が、炭疽菌の保護因子および致死因子の組合せでの致死的攻撃に対し保護された。PAのDNAワクチンでのこうした免疫感作の増強は組換え保護因子での後の追加免疫によりさらに強められるかもしれない。こうしたタンパク質抗原はPAに対する抗体産生をさらに高めることができる。Ii−KeyハイブリッドがDNAワクチンから発現される抗原に対するMHCクラスII拘束性の応答を強めるとは言え、MHCクラスIIエピトープのインターナリゼーションおよびプロセシングのためにB細胞に結合してそれらのB細胞をプラズマ細胞および可溶性免疫グロブリン産生に進むよう活性化するのに細胞外で利用可能な十分なPAタンパク質がおそらく存在しないからである。
DNAおよびタンパク質ワクチンの増強におけるIi−Key/炭疽菌抗原性エピトープハイブリッドの有効性は、多様な地理的起源の炭疽菌(Bacillus anthracis)単離物による胞子攻撃に対してモルモット、ウサギおよびアカゲザルで試験し得る(Fellows PF.Vaccine 2001 19:3241−7)。
別の局面において、Ii−Key/炭疽菌MHCクラスIIエピトープ/炭疽菌ARDハイブリッドを使用して、細胞中へのLFのインターナリゼーションに必要とされるPAとのLFの相互作用を阻害する抗体を導き出し得る。こうした保護的阻害効果をもつ抗体の創製および使用の例が後に続く。
Georgiouらは、組換え抗体フラグメントによる炭疽毒素に対する保護が抗原の親和性と相関することを見出した(Maynard JA.Nat Biotechnol.2002 20:597−601)。炭疽菌(Bacillus anthracis)により産生される三部からなる毒素は炭疽の病因における重要な決定子である。彼らは、63nMと0.25nMとの間の平衡解離定数(K(d))で毒素の保護因子サブユニットに結合する、一本鎖可変フラグメント(scFv)およびヒト定常κドメインに融合させたscFv(scAb)を包含する毒素中和抗体の一団を工作した。該抗体の一団全体は高い血清、熱的および変性剤に対する安定性を示した。in vitroで、ホロトキシンの作用からのマクロファージの攻撃後の保護がscFvバリアントのKと相関した。抗体構築物の親和性、血清半減期および保護の間の強い相関もまた毒素攻撃のラットモデルで観察された。高親和性の毒素中和抗体は、感染した個体において炭疽毒素の症状を緩和するため、および感染に対する中期予防のため治療上価値があり得る。
別の局面において、本開示は細胞中へのインターナリゼーションのためLFを結合するPAのセグメントに対する保護抗体を生成させるためのIi−Key/炭疽菌MHCクラスIIエピトープ/ARDハイブリッドに関する。Varugheseらは、突然変異誘発およびLFの存在下での毒性についての精製されたタンパク質の試験により、PAのドメイン4の溶媒に露出されたループ中の2個のこうした潜在的部位(aa 679ないし693および704ないし723)を同定した(Varughese M.Infect Immun.1999 67:1860−5)。突然変異をこれらのループ中で設計し、そしてPCRの間に発生する誤りにより導入した。大きなループ(aa 704ないし723)内の置換はPAの活性に対する影響を有しなかった。28種の変異体タンパク質の間の比較は、大きなループ(aa 704ないし722)が受容体結合に関与しない一方、小さなループ(aa 679ないし693)中およびその近くの残基が受容体相互作用に関係することを示した。ペプチドは、その小さなループにより、Ii−Key/LF MHCクラスIIエピトープ/LF ARDハイブリッド中の組込みの良好な候補である。
細胞中に他のタンパク質を引き込むか若しくはMAPキナーゼキナーゼを不活性化するその毒性の活性のいずれかのために炭疽菌の致死因子を使用し得る(Duesbery NS.Science 1998 280:734−7;Liu S.Cancer Res.2000 60:6061−7;Liu S、J Biol Chem.2001 276:17976−84)。
本開示のハイブリッドはミョウバンに吸着された、後で投与される炭疽菌トキソイドワクチンに対する応用を高めることができる(Pittman PR.Vaccine 2002 20:1412−20)。これを投与するIM経路は安全であり、また、2用量を4週間隔で投与する場合に、2週間隔で投与される3用量の認可された初期投与スケジュールに比較して、匹敵するピーク抗PA IgG抗体レベルを有する。
本開示のIi−Key/抗原性エピトープハイブリッドは吸入炭疽のウサギモデルでアッセイし得る(Pitt ML.Vaccine 2001 19:4768−73)。ワクチンに誘導される免疫の血清学的相関が吸入炭疽のウサギモデルで同定された。動物に、ヒト用量からリン酸緩衝生理的食塩水中256倍希釈までの範囲にわたる変動する用量の吸着型炭疽菌ワクチン(Anthrax Vaccine Adsorbed)を第0および4週に筋肉内に接種する。第6および10週に、定量的抗PA IgG ELISAおよび毒素中和抗体アッセイの双方を使用してPAに対する抗体レベルを測定した。ウサギを第10週に致死用量の炭疽菌(Bacillus anthracis)胞子でエアゾル攻撃した。未希釈および4倍希釈のワクチンを受領した全部のウサギは生き残った一方、より高い希釈のワクチン(16倍、64倍および256倍)を受領するものはそれらの群で死亡を有した。結果は、第6および10週双方でのPAに対する抗体レベルが生存の有意の(P<0.0001)予測因子であったことを示した。加えて、非侵襲的鼻免疫感作を使用して炭疽菌に対してワクチン接種し得る(Gaur R.Vaccine 2002 20:2836−9)。マウスに、精製したPAを第0、15および28日に鼻内で、皮下に若しくは皮膚を通して接種した。PAでの鼻内および皮下免疫感作は高いIgG ELISA力価をもたらした。IgAの高力価は鼻内で免疫したマウスでのみ観察された。細胞傷害性アッセイにおいて、これらの血清はJ774A.1細胞を致死的毒素攻撃から保護した。
表17.1は炭疽毒素の致死因子の推定されるアミノ酸配列(GenBank gi|16974824;Pannifer AD.Nature 2001 414:229−233.(2001))を提示する。表17.2は炭疽毒素の致死因子の予測されたMHCクラスIIに提示されるエピトープを提示する。表17.3は炭疽毒素の致死因子の予測されたMHCクラスIに提示されるエピトープを提示する。炭疽菌の致死因子について設計されたIi−Key/MHCクラスIIエピトープハイブリッドを表17.4に提示する。表17.5は炭疽菌の致死因子について設計されたIi−Key/MHCクラスIIエピトープ/ARDハイブリッドを提示する。表17.6は炭疽菌の保護因子の推定されるアミノ酸配列(GenBank gi:9280533;Cohen,S.Infect Immun.2000 68:4549−4558)を提示する。表17.7は炭疽菌の保護因子の予測されたMHCクラスIIに提示されるエピトープを提示する。表17.8は炭疽菌の保護因子の予測されたMHCクラスIに提示されるエピトープを提示する。炭疽菌の保護因子について設計されたIi−Key/MHCクラスIIエピトープハイブリッドを表17.9に提示する。表17.10は設計されたIi−Key/炭疽菌の保護因子のMHCクラスIIエピトープ/炭疽菌の保護因子のARDのハイブリッドを提示する。
Figure 2006515744
Figure 2006515744
Pos.は明記された配列の予測されたMHCクラスIIに提示されるエピトープの第一のアミノ酸である。スコアは検査した所定のHLA−DRB*__01アレルの第一のものについてのProPredプログラムにより計算されるスコアである。第二の列挙されるアレルは、正確に同一のエピトープについて、若しくはオーバーラップするエピトープについて(第一のアミノ酸位置がカッコ内に示される)である。
Figure 2006515744
Pos.は列挙される配列のエピトープの第一のアミノ酸である。スコアはHLA−A2についてSPEYETHEIプログラムで計算される。
Figure 2006515744
これらのハイブリッドは表17.3の予測されたMHCクラスIIエピトープについてのいくつかを組込む。
Figure 2006515744
Pos.はハイブリッド中に組込まれるLF配列の最初のおよび最後のアミノ酸である。予測されたMHCクラスIIエピトープの第一のアミノ酸はII:の後に列挙する。個々のエピトープを提示することが高スコアを伴い予測されたMHCクラスIIアレルは以下のとおりである:170:HLA−DRB*1301。191:HLA−DRB*0401。203:HLA−DRB*0401。215:HLA−DRB*0101。230:HLA−DRB*0101。239:HLA−DRB*0801。__01アレルのみをPropred予測プログラムで評価した。これらのペプチドは、D182、D187、Y223、H229、L235およびY236でのアラニン置換に際しての活性の喪失により示されるところのPAへの結合のための相互作用部位を含有するLF(182−236)のセグメントから選んだ(Lacy DB.J Biol Chem.2002 277:3005−10)。これらのハイブリッド中で、介在配列は、ARD構造に潜在的に寄与するLFの天然の配列により供給される。これらのハイブリッドのいずれかを用いる生物学的活性の同定に際して、エピトープを含有するペプチド配列の系統的欠失/伸長を用いて付加的なハイブリッドを試験することができる。
Figure 2006515744
Figure 2006515744
Pos.は予測されたエピトープの第一のアミノ酸である。アレルはエピトープの提示についての高スコアを伴うHLA−DRB*__01アレルである。第二のアレルが列挙される場合、それは正確に同一の配列、若しくは覆う(overlaying)配列(第一のアミノ酸残基位置がカッコ内に示される)のいずれかを予測する。スコアは所定のエピトープおよびアレルについてのProPredプログラムでの予測スコアである。
Figure 2006515744
Pos.は列挙される配列のエピトープの第一のアミノ酸である。スコアはHLA−A2についてSYFPEITHIプログラムで計算される。
Figure 2006515744
Figure 2006515744
Pos.はハイブリッドに組込まれるPA配列の最初のおよび最後のアミノ酸である。予測されたMHCクラスIIエピトープの最初のアミノ酸はII:の後に列挙する。個々のエピトープを提示することが高スコアを伴い予測されたMHCクラスIIアレルは以下である:173:HLA−DRB0401、0701、1501。221 HLA−DRB0301。223:HLA−DRB1101。225:HLA−DRB0301、801、1101、1301。664:HLA−DRB0101、0301。690:HLA−DRB0401、1101。696:HLA−DRB0301。**01アレルのみをProPred予測プログラムでスコア化した。ハイブリッド17.10.2、.3および.5において、介在配列はARD構造に潜在的に寄与するPAの天然の配列により供給される。これらのハイブリッドのいずれかを用いての生物学的活性の同定に際して、エピトープを含有するペプチド配列の系統的欠失/伸長を用いて付加的なハイブリッドを試験することができる。ペプチド17.10.1および17.10.2は、K197、R200、P205、I207、I210およびK214でのアラニン置換でLF結合に対し感受性であることがCollierらにより示された領域PA(197−222)から選んだ(Cunningham K.Proc Natl Acad Sci U S A 2002 99:7049−53)。ペプチド17.10.4および17.10.5はPAへの結合のための相互作用部位を含有することがLepplaらにより示されたPA(679−693)のより小さなループから選んだ(Varughese M.Infect Immun.1999 67:1860−5)。これらのハイブリッドのいずれかでの生物学的活性の同定に際して、エピトープを含有するペプチド配列の系統的欠失/伸長を用いて付加的なハイブリッドを試験することができる。付加的なIi−Key/PA MHCクラスIIエピトープ/ARDハイブリッドは、PA中和抗体と結合するファージディスプレイ分析により生じられるペプチドを用いて構築し得る。これらのペプチドにおいて、MHCクラスIIエピトープは、最良の実験で決定されたMHCクラスIIに提示されるエピトープから選ぶことができる。例を、単一のMHCクラスIIに提示されるエピトープのみを使用するこうした構築物について表17.11に提示する。
Figure 2006515744
Posは、一例のみが示されるMHCクラスIIに提示されるエピトープの第一のアミノ酸である。実験で決定された最良のエピトープが好ましい。そのエピトープの後に続く配列は、PA結合抗体と相互作用するファージの選択およびシークエンシングによりCollierらにより発見されたARD配列である。それらの抗体のいくつかはLFのインターナリゼーションを阻害する。
Ii−Key/天然痘B5Rタンパク質抗原性エピトープハイブリッド。
Ii−Key/天然痘抗原性エピトープワクチンは、単独で若しくは他のワクチン接種方法と組合せのいずれかで使用される場合に天然痘に対し確実なかつ比較的安全な保護を提供する。ワクシニアウイルスのようなある種の他のワクチンの効力および安全性は、Ii−Key/天然痘抗原性エピトープワクチンを用いる1回若しくはそれ以上の免疫感作により先行される場合に実質的に高められる。大集団の保護は、単独でIi−Key/天然痘抗原性エピトープハイブリッドワクチンの使用で、または、好ましくはMHCクラスIIエピトープがMHCクラスIに提示される(細胞傷害性Tリンパ球を誘導する)エピトープおよび/若しくは抗体に認識される(ウイルスを中和する)エピトープと結合されるかもしくはそれらと配列がオーバーラップするこうしたワクチンで達成し得る。Ii−Key/天然痘抗原性エピトープワクチンでの免疫感作は事前のワクシニア免疫感作を伴わない天然痘ウイルスに感染した個体についての臨床での見込みもまた改善する。Ii−Key/抗原性エピトープハイブリッドワクチンは、ワクシニアウイルスまたは天然痘若しくはワクシニアウイルスタンパク質のDNAのいずれかを含む予防的ワクチンを受領する人の保護的応答を高めることができる。天然痘への曝露もしくは潜在的曝露に際して即座に個体に投与されるワクシニアウイルスワクチン(「輪状接種方式」)の有効性は、保護的応答の速度および効力に関して促進することができる。天然痘感染の生物学および臨床経過を、本開示の生成物および方法により天然痘の予防にもたらされる実質的利益を理解するために概説する。
大痘瘡(Variola major)すなわち天然痘ウイルスは、ワクシニア(天然痘ワクチン)、サルポックスウイルス、および血清学的に交差反応する数種の他の動物ポックスウイルスを包含するポックスウイルス科(Poxvididae)、チョルドポックスウイルス亜科(Chordopoxvirinae)およびオルトポックスウイルス属に属する(Breman JG.N Engl J Med.2002 346:1300−8;Moss B.Fields BN.Fields Virology.1996:2637−71中;Fenner F.Fields BN.Virology.1996:2673−83中)。ポックスウイルスは、既知の、130ないし375kbの1本の直鎖状二本鎖DNA分子を含有しかつ細胞質中で複製する最大のウイルスのひとつである。
5パターンの天然痘感染が存在する。大痘瘡(Variola major)(通常の天然痘)は根絶以前の時代の症例の90%の原因であり、そしてワクチン接種されていない患者で30%(15%ないし45%)の全体症例死亡率を伴う。扁平型すなわち悪性の天然痘および出血性天然痘は、典型的には欠陥のある免疫系を伴う患者で発生し、そして症例死亡率はそれぞれ97%および96%である。小児における天然痘は、乳児での症例死亡率が40%を超えることを除き成人における天然痘に全般として同様である。小痘瘡(Variola minor)は米国および英国における大発生で優勢であった最も軽度の形態であり、1%未満の症例死亡率を伴う(Fenner F.Bull WHO.1988 1−68、121−208;Henderson DA.JAMA.1999 281:2127−39)。
天然痘ウイルスは気道を通って進入し、リンパ節に迅速に進んで14日にわたって網内系で増殖する。口腔咽頭部の粘膜ならびに真皮の毛細血管上皮(皮膚損傷に至る)が感染したようになる。口腔咽頭部および皮膚の病変は豊富なウイルス粒子を含有し;ウイルスは尿および結膜分泌物中にもまた存在する。細胞傷害性T細胞およびB細胞が生じて感染を制限し;中和抗体が感染の第一週に出現するが、しかし感染が重症の場合は遅れる(Fenner F.Fields BN.Virology.1996:2673−831996中;Roberts JA.Br J Exp Pathol.1962 43:451−61;Bedson HS.J Pathol Bacteriol.1963 85:1−20;Buller RM.Microbiol.Rev.1991 55:80−122;Zaucha GM.Lab Invest.2001 81:1581−600;Sarkar JK.Bull World Health Organ.1973 48:517−22)。潜伏期間は7ないし17日(平均10ないし12)である。2ないし3日間持続する前駆期は、重症の頭痛、背部痛および発熱を特徴とし、全部突然開始する(Dixon CW.Smallpox.ロンドン、1962)。舌、口および口腔咽頭部の粘膜疹が1日だけ発疹に先行する。発疹は小型の帯赤色の斑として開始し、それは2ないし3mmの直径をもつ丘疹となる。丘疹は2ないし5mmの直径をもつ小胞となる。4ないし6mm直径の膿疱が発疹の4ないし7日後に発生する。末梢分布を伴う天然痘の病変は一般には(水痘の病変と対照的に)全部そろって同一の発症段階にある。掌および足底上の病変が最長に持続する。天然痘による死亡は、免疫複合体を伴う毒血症ならびに体液およびタンパク質喪失に二次的な低血圧に帰される。
天然痘は、最も一般的には密接な顔と顔の接触を伴う者の間での液滴の吸入により主として人から人に伝播される(Fenner F.Bull WHO.1988 1−68、121−208)。風媒および媒介物(洗濯物、寝わら)伝播が起こる(Dixon CW.Smallpox.ロンドン、1962)。患者は発疹発生の直前の発熱の時から感染性である。二次的攻撃率は37%から70%超までの範囲にわたり(Rao AR.Indian J Med Res.1968 56:1826−54;Arnt N.Am J Epidemiol.1972 94:363−70;Heiner GG.Am J Epidemiol.1971 94:316−26)、1原発症例が3.6ないし6人の他者を感染させる(Gani R.Nature.2001 414:748−51)。ユーゴスラビアおよびドイツにおける1970年代の大発生においては指標症例あたり11ないし38の感染性接触が存在した(Fenner F.Bull WHO.1988 1−68、121−208)。従って、低集団免疫を伴う集団において、伝播は防禦手段が確立する前に大発生症例を迅速に創製する。感染性は全部の病変が痂皮を形成しかつ痂皮が剥がれ落ちるまで持続する。
天然痘を伴う患者は支持的に(すなわち十分な水分摂取(口腔咽頭部の粘膜疹のため困難である)、疼痛および発熱の軽減、皮膚病変を清浄に保ち細菌の重複感染を予防すること)治療する。抗ウイルス薬は天然痘向けに米国FDAにより承認されていないとは言え、多くの化合物が治療活性についてスクリーニングされている。シドフィビル(ビスタイド[Vistide](R)、CMV網膜炎向けに承認されている)は天然痘を包含するオルトポックスウイルスに対する活性を示す(CIDRAP/IDSA.2002)。
天然痘ワクチン接種は「種痘」すなわち感染した患者からの感染性物質の未感染の個体への投与でAD1000年に中国で開始した。Edward Jennerは牛痘が天然痘に対し保護したことを1700年代後期に発見した。遺伝子的に牛痘と別個のワクシニアウイルスがワクチンとして牛痘に取って代わった(CIDRAP/IDSA.2002)。保護は一次ワクチン接種後5〜10年間もたらされ;中和抗体は2投与のワクチンを受領する個体の75%で10年まで、そして3投与をワクチン接種された者で30年まで検出される(Henderson DA.JAMA.1999:281:2127−39)。1967年に本格的に開始された集中的な世界的キャンペーン後に、天然痘根絶が1980年に宣言された。天然の貯蔵所を伴わず、天然痘はそれ以来実験室でのみ存在している。WHOは2か所の寄託所、すなわち疾病対策予防センター(The Center for Disease Control and Prevention)(ジョージア州アトランタ)およびロシア・ノボシビルスクの国家ウイルス学生命工学研究センター(the State Research Center of Virology and Biotchnology)(ベクター研究所(Vektor Insitute))を認可した。不適切に入手可能な天然痘ウイルスはテロリストの武器となり得る。1970年代早期(慣例のワクチン接種が米国で中断された)より前にワクチン接種された1億5,700万の個体の20%未満が今日保護されておりかつ1億1,900万人のアメリカ人はワクチン接種を受けたことがないため、天然痘に対するワクチン接種の必要性および問題は最も慎重に考慮されている。
生物兵器民間防禦に関する作業部会(the Working Group on Civilian Biodefense)は、都市若しくは地域を活動不能にするのに十分な数の疾患および死亡を引き起こし得る多数の公知の生物体を同定した。生物学的兵器として使用される天然痘はおそらくその伝播の容易さ、ワクチン接種を受けていない人の間での30%若しくはそれ以上の症例死亡率、および特異的治療の非存在により、市民集団に対する最も重大な脅威である。天然痘は全部の感染性疾患のうち最も恐ろしいものとして長い間恐れられてきたとは言え、荒廃に対するその可能性は今日いかなる以前の時点よりもはるかにより大きい。全米中での慣例のワクチン接種は25年前に終了した。現在高度に感受性の移動できる集団において、天然痘はこの国および世界中で広範かつ迅速に広まるとみられる(Henderson DA JAMA.1999 281:2127−39;Fenner F.Bull WHO.1988 1−68、121−208)。
1970年代以来の米国のワクシニアワクチン、ドライバックス(Dryvax)はWyethにより製造されている凍結乾燥した生存ワクシニアウイルス製剤である。該ワクチンは再構成された製品の液滴を含有する分岐した針で投与され;上腕の皮膚をおよそ15回突いて血液の滴を生じる創傷を創製する。保護的応答を導き出すためには「ジェンナー膿疱」が誘発されなければならない。生物テロの脅威に照らして現在の供給を拡大するための試みにおいて、最近の臨床試験は、1、5、10および100倍の希釈でのドライバックス(Dryvax)の保護効果を試験した(Frey SE.N Engl J Med.2002 346:1265−75;Frey SE.N Engl J Med.2002 346:1275−80)。大きな(major)応答は、未希釈の生成物で95%で、10倍希釈したワクチンで70%で、および100倍希釈したワクチンで15%で観察された。ワクチン接種の1か月後に、ジェンナー膿疱を発生しなかった24例の患者のうち1例に比較して、大きな反応を伴った36例の被験体のうち34例が抗体応答を発生した(Frey SE.N Engl J Med.2002 346:1275−80)。活発な細胞傷害性T細胞およびIFN−a応答は、大きな反応を伴った被験体の94%およびジェンナー膿疱を発生しなかった24例の患者のうちわずか1例で発生した。
慣例のワクチン接種は、ワクチンからの合併症の危険が流行性の天然痘の脅威より重要であったために1979年に中断された(Fenner F.Bull WHO.1988 1−68、121−208)。10州の研究は、100万の一次ワクチン接種あたり脳炎、進行性痘疹、痘疹性湿疹(eczema vaccinatum)、汎発性痘疹および多形性紅斑を包含する1254件の合併症が存在したことを示した(Lane JM.J Infect Dis.1970 122:303−9)。全国調査は、症例死亡率が100万の一次ワクチン接種あたり1であったことを示した(Lane JM.N Engl J Med.1969 281:1201−8)。個体のある種の群、すなわち免疫不全を引き起こす状態(すなわちHIV感染、白血病、リンパ腫、汎発性悪性病変、無ガンマグロブリン血症、臓器移植レシピエント、またはアルキル化剤、代謝拮抗薬、放射線照射若しくは大用量のコルチコステロイドを用いる治療)を伴う者、湿疹を伴う人、免疫不全であるか若しくは湿疹の病歴を有する家庭接触を伴う人、および妊婦はワクチン接種されることが禁忌とされる。
1967年から1979年までの米国でのワクシニアワクチン接種に関連した観察された罹病率および死亡率に基づき、1ないし65歳の米国一般大衆における集団天然痘予防ワクチン接種キャンペーンは、約4,600例の重大な有害事象および285例の死亡をもたらした可能性があった(高リスクの人および彼らの直接接触を除外する)(Kemper AR.Eff Clin Pract.2002 5:84−6)。事実、皆がドライバックス(Dryvax)ワクチンを受領することを命令することは、約400人の人々に死をおよび多くの他者に重大に衰弱させる副作用を宣告したとみられる(Grand Rapids Press April 10、2002)。従って、CDCは「輪状接種方式」すなわち封じ込め戦略を推奨した。このアプローチにおいて、以下の個体、すなわち、放出に直接曝露された人;感染した患者との顔と顔若しくは家庭接触を伴うまたは密接な近位(2m以内)にある人;感染した患者の評価、治療若しくは輸送に直接関与した人員;試料の処理に関与した実験室の人員;および感染性物質との接触を有することがありそうな他者が、天然痘ウイルスの実際の若しくは潜在的放出後にワクチンを受領する(CDC Interim Smallpox Response Plan CDC Nov 2001;Vaccinia ACIP Morb Mortal Wkly Rep.2001 50:1−25)。
特定地域別接種方式に比較して、輪状接種方式は明らかに以下の理由から至適でない。(1)予防的志願者ワクチン接種は兵器としての天然痘の価値を排除し、有効な抑止力としてはたらく。(2)輪状接種方式は、広まった免疫を伴う集団における小さな限局的大発生の根絶にのみ有効である。ほとんど非免疫の移動可能な集団において、複数の同時曝露後の疫病防禦は大いに異なる攻撃である。(3)輪状接種方式は、ワクチン接種が有効でありうる3日の曝露後期間内の感染した個体の迅速な同定およびワクチン接種を必要とする。人は、天然痘が臨床上明らかになる前数日間に感染性であるかもしれず、従って、例えば4日の期間以内の感染したテロリストへの曝露の症例の同定は物流上不可能である。(4)CDCは各感染した人が2ないし3名の他者のみを感染させるであろうと想定しているが、しかしながら、約38名の二次感染が観察されている。(5)緊急事態において数百万のワクチン用量を投与することの物流上の複雑さは気力を失わせるものであり、かつ、2001年6月にジョンズ・ホプキンス大学(Johns Hopkins University)により実施された暗黒の冬(Dark Winter)シミュレーション演習で観察されたところの医療および公衆衛生業務のパニックおよび崩壊を誘発することがありそうである(Bicknell WJ.N Engl J Med.2002 346:1323−25;Henderson DA.JAMA.1999 281:2127−39;Millar JD.Public Health Policy Advisory Board.2000;Fenner F.Bull WHO.1988:1−68、121−208;O’Toole T.Johns Hopkins Center for Civilian Biodefense Strategies.2001)。対照的に、曝露前のワクチン接種は大発生の間のワクチン接種の物流上の困難を課さずかつより少なく高価である。加えて、曝露前のワクチン接種は免疫無防備状態の人の間での感染の危険を低下させる(Rosenthal SR.Emerg Infect Dis.2001 7:920−6)。
全部の人において天然痘に対する長期間持続する免疫を安全かつ迅速に導き出すことが可能な改良されたワクチンが明らかに必要とされる。特定地域別接種方式戦略で使用されようと輪状接種方式戦略で使用されようと、ドライバックス(Dryvax)に関してより大きな安全性および有効性が必要とされる。単独で若しくはDNAワクチンと組合せで使用されるIi−Key/抗原性エピトープハイブリッドは、ドライバックス(Dryvax)に関して以下の好ましい特徴、すなわち(1)有意に低下された、死亡および衰弱させる副作用を包含する合併症率、(2)保護抗体およびウイルス特異的細胞傷害性T細胞のより迅速な誘導(3)より単純なワクチン接種方法、(4)一次ワクチン接種後のより長い保護期間、ならびに(5)免疫無防備状態の個体におけるおよび妊娠中の使用を包含するより広範な標的集団、を有することができる。
大集団の保護への好ましい一アプローチは、曝露された若しくは潜在的に曝露された個体の集団サブセットにおけるワクシニア若しくは類似のウイルスワクチンによる輪状接種方式の概念に従って従われる、本開示のIi−Key/天然痘抗原性エピトープハイブリッドでの1回若しくはそれ以上の免疫感作の投与である。しかしながら、加えて、免疫された輪(immunized ring)の中にいなかった個体が天然痘に罹る場合、CD4 Tヘルパー細胞クローン、CD8 細胞傷害性Tリンパ球クローン、および場合によってはB細胞免疫グロブリン産生クローンの以前の拡張および記憶により大きな保護が与えられる。こうした応答は、該ハイブリッドで免疫されない個体で真実であろうよりも、天然痘ウイルスによる同一のおよび他のエピトープの提示に対する臨床上保護的な応答枠の発生のためのより迅速な時間枠を創製する。免疫するIi−Key/天然痘抗原性エピトープハイブリッドにおける応答以外のウイルスエピトープに対する応答の誘導過程は、エピトープ拡大と称される。
ワクチン接種は一般に、天然痘ウイルスに対する最良の防禦であるとみなされているとは言え、承認されたワクチンおよび開発中のいくつかは至適に安全でも強力でもない。Ii−Key/天然痘MHCクラスIIエピトープハイブリッドワクチンは、単独で、若しくは全ウイルス調製物、DNAおよびRNAワクチン、不活性化全ウイルスならびにウイルス様粒子を包含する他のアプローチと一緒にのいずれでも使用し得る。本開示で示されるIi−Key/抗原性エピトープハイブリッドワクチンは、希釈調製物で典型的に観察される主要反応率を向上させかつ低下された合併症率を見込むために希釈全ウイルス調製物例えばドライバックス(Dryvax)とともに使用し得る(Frey SE.N Engl J Med 2002 346:1265−75;Frey SE.N Engl J Med 2002 346:1275−80)。加えて、Ii−Key/天然痘MHCクラスIIエピトープハイブリッドワクチンは、開発された弱毒化ウイルス株(Ankara MVAおよびJapanese株LC16m8)の有効性を強めるためにそれらともに使用し得る(Rosenthal SR.Emerg Infect Dis 2001 7:920−6;Henderson DA JAMA.1999:281:2127−39)。Ii−Key/天然痘MHCクラスIIエピトープハイブリッドワクチンは、ウイルスの病原性若しくは感染性に決定的に重要である遺伝子産物、例えばB5Rおよび他者を標的とするDNAおよびRNAワクチンとともに使用し得る(Phillpotts RJ.Acta Virol 2000 44:151−6;Mathew EC.J Gen Virol 2001 82:1199−213)。
Ii−Key/天然痘抗原性エピトープハイブリッドは天然痘に対する強力かつ安全なワクチンを提供する。好ましい一例は、Ii−Key LRMK(配列番号3)モチーフおよび天然痘B5R遺伝子産物gp42のMHCクラスIIエピトープを含有するIi−Key/抗原性エピトープハイブリッドを使用する。こうした構築物は、結合された若しくはオーバーラップするMHCクラスIエピトープ(1個若しくは複数)および/または抗体に決定されるエピトープ(1個若しくは複数)でさらに高めることができる。Th応答をMHCクラスIIエピトープに対し200倍超高めることにより、Th1細胞が動員されて免疫学的記憶を伴う強力なCTLおよび体液性応答を導き出す。ハイブリッドへのMHCクラスIエピトープの付加は細胞傷害性Tリンパ球応答の抗原性エピトープ特異的な増強を与える。抗体に認識されるエピトープのハイブリッドへの付加は、抗体に決定される応答の抗原性エピトープ特異的な増強を与える。
天然痘のgp42はいくつかの理由から選択される。(1)遺伝子B5Rは、感染の経過を通じて発現されかつ細胞外ウイルスのエンベロープの一部を形成する42kDの糖タンパク質をコードする。(2)gp42は、細胞外ウイルスの粒子形成(envelopment)および脱出(egress)ならびにウイルスの毒性に必要とされる。(3)gp42特異的IgG中和抗体はヒトにおけるオルソポックス感染に対する保護と相関する(Phillpotts RJ.Acta Virol 2000 44:151−6;Englestad M.Virology.194:627−37;Mathew EC.J Gen Virol 2001 82:1199−213)。天然痘ウイルスによりコード若しくは誘導される付加的なタンパク質の生物学的機能およびワクチン潜在性を同定するための慣例の実験の経過において、Ii−Key/天然痘抗原性エピトープハイブリッドの設計、合成および使用のための付加的な候補を標的とすることができる。本開示の方法は、不必要な実験を伴わずに付加的なIi−Key/天然痘抗原性エピトープハイブリッドワクチンの開発に応用し得る。A33R、A34R、A36RおよびA56Rのような他の細胞外エンベロープタンパク質を使用してIi−Key/抗原性エピトープハイブリッドを製造し得る。
上のワクチンの方法に加え、Ii−Key/天然痘抗原性エピトープハイブリッドを使用してB5R gp42をコードするDNAワクチンに対する応答を高め得る。こうしたDNAワクチンはまた、同一のプラスミド若しくは送達構築物中にIiリバース遺伝子構築物を組込むことによってもさらに高め得る。Iiタンパク質発現の抑制は内因性gp42エピトープの提示を見込む。B5RのDNAワクチン接種の情況において、標的を定められたIiが抑制された抗原提示細胞は、新規のおそらく潜在的B5Rエピトープの増大されたレパートリーを提示することができる。
本発明はIi−Key/天然痘B5Rタンパク質抗原性エピトープハイブリッドの設計に部分的に関する。天然痘ウイルスの遺伝子は主としてロシアの研究者により同定かつシークエンシングされた(Shchelkunov SN.FEBS Lett.1993 319:80−83;Shchelkunov SN.Virus Res.1994 34:207−236;Shchelkunov SN.Virus Genes 1995:9:231−245;Shchelkunov SN.Virus Res.1996 40:169−183)。天然痘ウイルスB5Rタンパク質の配列(g510228)を表18.1に提示する。B5Rタンパク質の予測されたMHCクラスIIに提示されるエピトープを表18.2に提示する。表18.3は表18.2のMHCクラスIIに提示されるエピトープのいくつかを含有するIi−Key/天然痘B5Rタンパク質エピトープハイブリッドを列挙する。天然痘B5Rタンパク質の予測されたMHCクラスIに提示されるエピトープを表18.4に提示する。表18.5はIi−Key/MHCクラスIIに提示される/MHCクラスIに提示されるB5Rハイブリッドを列挙する。
Figure 2006515744
Figure 2006515744
Pos.は抗原性エピトープ中の第一のアミノ酸の一次配列中の残基位置である。配列は予測されたMHCクラスIIに提示されるエピトープのアミノ酸配列である。所定の配列が複数のHLA−DRアレルにより提示されることが予測される場合、各配列の第一の残基位置を示す。スコアは、列挙される第一のHLA−DRアレルにより提示される相対的見込みについてのProPredプログラムにより報告されるスコアである。それぞれのアレルは各場合でHLA−DRB*_ _01アレルである。Ii−Keyは、Ii−Keyモチーフと抗原性エピトープの第一の残基との間に介在する残基位置の数である。
Figure 2006515744
Pos.は抗原性エピトープ中の第一のアミノ酸の一次配列中の残基位置である。緊密にオーバーラップする予測の場合、第一の残基位置が各予測されたエピトープについて示される。配列は、表18.2のMHCクラスIIエピトープを含有するハイブリッドペプチドのアミノ酸配列である。
Figure 2006515744
Pos.はHLA−A201について予測された抗原性エピトープ中の第一のアミノ酸の一次配列中の残基位置である(Parker K C.J.Immunol.152:163−175)。配列は予測されたMHCクラスIに提示されるエピトープのアミノ酸配列である。スコアはこの下位配列を含有するペプチドの解離のT1/2である(Tsang KY.J Natl Cancer Inst.1995 87:982−90)。この表のMHCクラスIに提示されるエピトープは、(http://bimas.dcrt.nih.gov/molbio/hla_bind/)のオンラインプログラムの使用を用いて予測した。
Figure 2006515744
Pos.はMHCクラスIIに提示される抗原性エピトープ(II:)若しくはMHCクラスIに提示される抗原性エピトープ(I:)のいずれか中の第一のアミノ酸の一次配列中の残基位置である。配列は、表18.2のMHCクラスIIに提示されるエピトープおよび表18.5のMHCクラスIに提示されるエピトープを含有するハイブリッドペプチドのアミノ酸配列である。
Ii−Key/エボラウイルス抗原性エピトープハイブリッド。
既知の最も毒性の感染性病原体のひとつである、マーブルグおよびエボラウイルスを包含するフィロウイルスは、ある種の株の極端な病原性および保護的ワクチン若しくは有効な抗ウイルス薬の非存在により生物学的安全性レベル4に分類される(Willson JA.Cell Mol Life Sci.2001 58:1826−41)。エボラウイルスは出血性の発熱を引き起こし、1976年以来散発性の集団で認識されているヒトおよびヒト以外の霊長類における重篤なほとんど致死的な疾患である。エボラウイルスの天然の貯蔵所はアフリカに土着の動物である(Peters CJ.J Infect Dis.1999 179(Suppl 1):ix−xvi)。エボラ−Reston株は米国で輸入されたカニクイザルから単離された。アフリカ以外の諸国でのエボラウイルスに対する大衆の懸念は、国際的商取引、ジェット機による旅行および生物テロによる該ウイルスの蔓延の潜在性から生じる。
ヒトにおけるエボラウイルス感染の集団は感染した動物に接触する最初の患者に依存するようである。指標症例患者が感染した後、(1)感染した人の血液および/若しくは分泌物、ならびに(2)感染した分泌物で汚染されている針およびシリンジのような物体との直接感染により、伝播がヒトの間で起こる。全部のエボラウイルスは、研究条件下では煙霧中で伝播され得る。
エボラウイルスに感染したようになって数日以内に、大部分の患者は高熱、頭痛、筋肉痛、腹痛、疲労感および下痢を有する。若干の患者は咽頭痛、しゃっくり、発疹、眼の充血、ならびに吐血および下痢を有する。エボラウイルスに感染したようになって1週間以内に、大部分の患者は胸部痛、ショックおよび死亡を有する一方、若干は失明および出血を経験する(Gear HS.Reviews of Infectious Diseases.1989 11(suppl 4):5777−5782)。なぜ若干の患者がエボラ出血熱から回復するかは理解されていないが、とは言え回復する者は該ウイルスに対する有意の免疫応答を発生する。
エボラ出血熱を伴う患者の処置は支持的であり、主として患者の体液および電解質の均衡を取ること、酸素飽和および血圧を維持すること、ならびに付随する感染症を治療することに存する(CDC.Management of patients with suspected viral hemorrhagic fever.Morbidity and Mortality Weekly Report.1988 37(suppl 3):1−16)。
エボラウイルスは一連の破壊的な出血性発熱の大発生を引き起こし、最初のものは1976年にザイールのヤンブクで報告され、そこでは318人がエボラ出血熱に罹り、88%が死亡した。疾患は病院および診察室における密接な人的接触ならびに汚染された針およびシリンジにより広まった。また1976年に、スーダン(ンザラおよびマリディ)において284人がエボラ出血熱に罹り、53%が死亡し、そして該疾患は主として病院における密接な人的接触により広まった(Bowen ETW.Lancet 1977 1:571−3)。1979年に、スーダンで34例の患者および65%の死亡を伴う再発性の大発生が存在した(Baron RC.Bull WHO 1983 62:997−1003)。1994年にはガボンの44人(ミンケベ、マココウ、および熱帯雨林内深部の金採掘の一時的集落)がエボラ出血熱を発症し、63%が死亡した。この大発生は当初黄熱病であると考えられたが、しかしながら1995年にそれはエボラ出血熱であると同定された(Georges AJ.J Infect Dis.1999 179 Suppl 1:S65−75)。1995年に、コンゴ民主共和国(以前はザイール)のキクウィトで315人がエボラ出血熱に罹り、81%が死亡した(Le Geuenno B. Lancet.1995 345:1271−4)。この大発生は、都市に隣接する森林で働いていた指標症例患者まで遡って調べられ;該大発生は家族および病院により広まった。1996年にガボンのマイボウトで37人がエボラ出血熱を発症し、57%が死亡した。森林で19人により食された死亡した感染したチンパンジーがこの大発生を開始した。同一年に、ガボンのブーで60例の患者がエボラ−Zaireに感染し、75%が死亡した。指標症例患者は森林の一時的集落に居住していた猟師であり;死亡した感染したチンパンジーが近くで見出された。最後に、2000年および2001年にウガンダ(グル、マシンディおよびムバララ)で425人がエボラ出血熱に罹り、53%が死亡した。感染に関連する3つの最も重要な危険因子は:エボラ出血熱症例患者の葬儀に参列すること、家族中の症例患者と接触すること、ならびに、十分な個人的保護手段および実施を使用することなくエボラ症例患者に医療を提供することであった(CDC:SPB:Disease Information Fact Sheets:Ebola:Case Table 2001)。
エボラウイルスの天然の貯蔵所は決定されておらず、また、ヒトからヒトへの蔓延が報告されているため、ワクチンは感染の拡大の最良の制限方法であるとみられる(Nabel GL.Trans Am Clin Climatol Assoc.2001 112:79−84)。コンゴ民主共和国のキクウィトでの1995年のエボラ感染から回復した患者の血清から組換えファージディスプレイ吸着技術を使用して単離された抗体はエボラの感染性を中和した(Maruyama T.J Virol.1999 73:6024−30)。死につつある患者は免疫学的に強力な応答を装備しないという事実と結びつけられたこの知見は、予防的ワクチンが有効であろうという希望を提供する。こうしたワクチンは利用可能でない一方、エボラウイルスタンパク質NP(多いほうのヌクレオキャプシドタンパク質)、VP35(リンタンパク質)、VP40(膜会合型マトリックスタンパク質)、GP(膜貫通糖タンパク質)、sGP(分泌型糖タンパク質)、VP30(リボヌクレオタンパク質会合型−少ないほう)およびVP24(膜会合型タンパク質−少ないほう)をコードするDNAおよびRNAレプリコンワクチンを包含する数種のワクチンのアプローチが開発中である(第WO 99/32147号明細書;第WO 00/00617号明細書;Wilson JA.Virology.2001 286:384−90;Pushko P.Vaccine.2000 19:142−53;およびVanderzanden L.Virology.1998 246:134−44)。
NIAIDは、エボラの糖タンパク質および核タンパク質の遺伝子をコードするアデノウイルスワクチンを用いる臨床試験を2年以内に開始することを計画している。このワクチンはヒト以外の霊長類の研究で保護的免疫を誘導する(Sullivan NJ、Nature 2000 408:605−9;Cheary M、Dutch Firm to Develop Ebola Vaccine with US、ロイター電 2002年5月16日)。エボラの遺伝物質の非存在により複製しないがしかし内および外膜上に含有されるタンパク質を有しているエボラ様粒子を用いて別のワクチンが開発されている(UASAMRIID、Bavari S、J Exp Med.2002 195:1−11)。エボラの糖タンパク質および核タンパク質を発現するVEEの弱毒株由来のRNAレプリコン粒子、エボラの糖タンパク質を発現する組換えワクシニアウイルス、リピドAおよび不活性化エボラウイルスを含有するリポソーム、ならびに濃縮された不活性化全エボラビリオン調製物を包含する、エボラウイルスでの致死的攻撃からマウスおよびモルモットを保護した多様なワクチン戦略が、ヒト以外の霊長類で試験された(Geisbert TW.Emerg Infect Dis.2002 8:503−7;Pushko P.J Virol.2001 75:11677−85;およびPushko P.Vaccine.2000 19:142−53)。不幸なことに、これらのアプローチのいずれも、致死的なエボラウイルスの攻撃からのヒト以外の霊長類の保護において不成功であった。
エボラウイルスの核タンパク質をコードするベネズエラウマ脳炎(VEE)ウイルスレプリコンをマウスにワクチン接種することは、11アミノ酸のエボラウイルスのNP(43−53)に対する抗体およびMHCクラスI拘束性の細胞傷害性T細胞双方を誘導した。ポリクローナル抗体の受動的移入はマウスをエボラウイルスでの致死的攻撃から保護しなかったが;しかしながら、エボラウイルスのNP特異的CTLの養子移入はエボラウイルスの致死的攻撃からマウスを保護した(Wilson JA.J Virol.2001 75:2660−4)。エボラの糖タンパク質の5種の独特のエピトープに対し保護的組換え抗体が同定されており、該エピトープのうち1種がヒトにとって病原性であることが既知の全部の株の間で保存されている(Wilson JA.Science.2000 287:1664−6)。それらのモノクローナル抗体のいくつかはまた、エボラウイルスでの致死的攻撃2日後のマウスへの投与に際して治療上有効であった。これらのデータは、抗体および細胞媒介性の応答の双方がエボラウイルスに対する保護に重要であり、そして従って抗体およびCTL応答双方を促進するよう設計されたワクチン戦略が好ましいという見解を支持する。
ワクチンはエボラウイルスに対する最良の防禦であると一般に考えられるとはいえ、開発中のワクチンは至適に保護的であることが示されていない。DNAワクチンの場合、プラスミド中に存在しようと、ウイルス粒子中に存在しようと、別の製剤中に存在しようと、これらの開発の問題のいくつかは:1)製剤の送達ベクター(裸のDNAとしてのcDNA、またはプラスミド若しくは細菌ベクター中、または脂質若しくは他のトランスフェクトする担体とともに、または金粒子上若しくはPLG粒子中)、2)投与経路(皮膚、粘膜(GI若しくは気道)、または筋)3)1種若しくは複数のエボラ遺伝子およびそれらの遺伝子のプロモーターの選択、4)本開示のサイトカイン若しくは生成物のための遺伝子若しくはタンパク質アジュバント、5)用量、投薬量スケジュール、ならびに他の薬物動態および薬動力学的考慮を包含する。
本実施例はエボラウイルスのVP24に対する強力かつ比較的安全なワクチンの設計を提示する。エボラのVP24の推定されるアミノ酸配列はGenBank g16751326からである(Leroy EM.J Gen Virol 2002 83:67−73)。このタンパク質の系統は、ガボンでの1996年の大発生の間に死亡した、生き延びたおよび無症候性に感染した個体に存在するものであった。GP、NP、VP24およびVP40遺伝子の配列は比較試験および系統発生的特徴付けで得られた。
実験で決定されるMHCクラスIIエピトープはIi−Key/抗原性エピトープハイブリッドの構築へのより消耗する経路であるとは言え、そうしたものはアルゴリズムで予測されるエピトープを用いて作成し得る。複数のHLA−DRアレルにより提示されることが予測されるこうしたエピトープを表2に提示する。Ii−Key LRMK(配列番号3)モチーフおよびVP24の単一の若しくは有意にオーバーラップするMHCクラスIIエピトープを含有するIi−Key/エボラMHCクラスII抗原性エピトープハイブリッドを表3に提示する。こうしたハイブリッドはMHCクラスIに提示されるエピトープの融合を用いて構築し得る。再度、実験で決定されるMHCクラスIに提示されるエピトープの非存在下で、アルゴリズムで予測されるエピトープが同定された(表4)。こうしたエピトープは、好ましくは最高の程度のMHCクラスIIおよびMHCクラスI配列のオーバーラップが得られる場合に、Ii−Key/MHCクラスII抗原性エピトープハイブリッドに融合し得る。こうした生成物の例を表5に提示する。実験で決定される抗体に認識される決定子が実験で若しくは予測により同定されている場合、Ii−Key/MHCクラスIIに提示される抗原性エピトープおよびこうした抗体に認識されるエピトープから構成される付加的なハイブリッドを、過度の実験を伴わずに本明細書に提示される方法により設計し得る。さらに、VP24からのエピトープから構成されるIi−Key/抗原性エピトープハイブリッドの設計および試験に適用される方法は、GP、NP、sGP、VP24、VP30、VP35およびVP40のような他のエボラウイルスタンパク質からのエピトープをもつ類似のワクチンハイブリッドにもまた適用し得る。これらのハイブリッドの実験的検証は慣例の方法によるマウスのワクチン接種試験で達成し得る(Wilson JA.J Virology.2001 286:384−90)。こうしたマウスの試験における付加的な目的のひとつは、Ii−Key/抗原性エピトープハイブリッド中のMHCクラスIIに提示されるエピトープの提示が低応答体アレルによる提示につながることができ、本発明の背景で論考されたとおり該提示を有望なエピトープに機能的に転化するという概念の試験である。Wilson JAらの研究において、VP24での免疫感作はBALB/cモデルにおいて強力な免疫応答を刺激することが可能であったとは言え、VP24はC57BL/6系統において保護的効果を誘導しなかった(Wilson JA.J Virol.2001 75:2660−4)。従って、MHCクラスIIに提示されるVP24エピトープでのマウスのBALB/cおよびC57BL/6双方の系統の免疫感作は、ELISAにおける該エピトープに対する抗体力価、二色FACS分析におけるCD4+/IFNγ+細胞の誘導、およびELISPOTアッセイにおけるCD4+/IFNγ+細胞の誘導により測定されるところの比較可能な免疫応答を生じることができる。さらに、C57BL/6マウスはVEEに対する致死的な攻撃に対し保護されることがができる。
エボラウイルスの膜会合型タンパク質VP24の配列(GenBank #g16751326;Leroy EM.J Gen Virol 2002 83:67−73)を表1に提示する。予測されたMHCクラスIIに提示されるエピトープを表2に提示する。Ii−Key/エボラウイルスVP24のMHCクラスIIエピトープハイブリッドを表3に提示する。予測されたエボラウイルスVP24のMHCクラスIに提示されるエピトープを表4に提示する。Ii−Key/エボラVP 24のMHCクラスIIに予測されるエピトープ/エボラVP 24 MHCクラスIに予測されるエピトープハイブリッドを表5に提示する。
Figure 2006515744
Figure 2006515744
本表のエピトープは以下の手順により選んだ。エボラVP24の配列(GenBank g16751326)を、ProPredプログラムを用いるHLA−DRエピトープスクリーニングにかけた。各アレルの4個の最高の得点を出すエピトープを同定した。そのセットの間で、最初の14種の独特のエピトープをそれらの最初の発生のHLA−DRアレルとともにここに報告した。ここで報告される多くのエピトープは、事実、数種のアレルの配列アルゴリズムによりスコア化した。Pos.は該エピトープの第一のアミノ酸のアミノ酸残基位置である。スコアはProPredプログラムにより計算されたスコアである。Ii−Keyは、該エピトープの第一のアミノ酸と、N末端で群LIVFM(配列番号790)の最低2個のアミノ酸および群HKRの最低1個のアミノ酸を含有する5アミノ酸のモチーフとの間に介在するアミノ酸残基の数である。
Figure 2006515744
Figure 2006515744
これらのHLA*A201エピトープはコンピュータ支援アルゴリズムでスコア化した(Parker K C.J.Immunol.152:163−175)。
Figure 2006515744
Ii−Key/ミエリン塩基性タンパク質MHCクラスIIに提示されるエピトープハイブリッド。
別の局面において、多発性硬化症におけるミエリン塩基性タンパク質および関節炎におけるコラーゲンのような自己抗原に特異的なサプレッサーT免疫調節細胞の誘導が、これらのヒトの自己免疫疾患の制御のための十分に検討されたかつ有望な戦略である。経口若しくは呼吸器経路によりミエリン塩基性タンパク質若しくはコラーゲンからのペプチドを投与することは、これらのタンパク質に対する抗体を減少させ、細胞性免疫応答を抑制し、そして動物モデルでの実験的アレルギー性脳炎若しくはコラーゲン関節炎の発症を遅らせるか若しくは阻害する。加えて、抗MBP抗体に結合しかつ中和するある種のhMBPペプチドが診察室で試験されている。鞘内に投与されたMBP75−85ペプチドは抗ミエリン塩基性タンパク質抗体を中和し;このペプチドの静脈内投与は、能動的な免疫寛容誘導機構により遊離および結合型の抗ミエリン塩基性タンパク質レベルの低下された力価をもたらした。61ないし106のMBP配列内の10アミノ酸から25アミノ酸までの範囲にわたる多様なペプチドがこの活性を示した。こうしたペプチド、およびIi−Key/抗原性エピトープハイブリッドを用いる新規治療に適応させ得るそれらの使用方法は、米国特許第5,858,364号明細書:HL WeinerとDA Hafler、1999年1月12日−Pharmaceutical dosage form for treatment of multiple sclerosis(多発性硬化症の処置のための製薬学的投薬形態物);および米国特許第5,571,499号明細書:DA HaflerとHL Weiner、1996年11月5日−Treatment of autoimmune disease by aerosol administration of autoantigens(自己抗原のエアゾル投与による自己免疫疾患の処置)、および米国特許第6,258,781号明細書:KG WarrenとI Catz、2001年7月10日−Peptide specificity of anti−myelin basic protein and the administration of myelin basic protein peptides to multiple sclerosis patients(抗ミエリン塩基性タンパク質のペプチド特異性および多発性硬化症患者へのミエリン塩基性タンパク質ペプチドの投与)(それらの開示は引用することにより本明細書に組み込まれる)に記述されている。これらの結果は、こうした治療効果の効力、安全性、記憶およびThサブセットの好みを増大させるためのIi−Key/抗原性エピトープハイブリッド中へのこうしたエピトープの組込みに関して下に詳細に考慮している。
炎症および神経膠症を伴う中枢神経系の脱髄性の見かけ上自己免疫性疾患、多発性硬化症(MS)はミエリンタンパク質に向けられたTリンパ球および自己抗体を示す。多発性硬化症の免疫抑制療法は数種のミエリンタンパク質からのペプチドエピトープを用いて開発し得る。Ii−Key/抗原性エピトープハイブリッドに組込まれたこうしたエピトープを、実験的アレルギー性脳炎(多発性硬化症の動物モデル)で試験し得る。これらのタンパク質は、ミエリン塩基性タンパク質(MBP)、プロテオリピドタンパク質(PLP)、ミエリン乏突起膠細胞糖タンパク質(MOG)およびミエリン関連乏突起膠細胞塩基性タンパク質(MOBP)を包含する(Zamvill SS.Nature.1986 324:258−60;Kono DH.J Exp Med.1988 168:213−27;Madsen LS.Nat Genet.1999 23:343−7;Tuohy VK.J Immunol.1989 142:1523−7;Greer JM.J Immunol.1992 149:783−8;Mendel I.Eur J Immunol.1995 25:1951−9)。特定の治療的目的のMHCクラスIIに提示されるエピトープをここで要約し、そしてその後、前臨床動物モデルおよび開発の双方におけるそれらの使用方法ならびにこうした研究に基づく臨床治療の使用方法を部分的に考慮するためにIi−Key/抗原性エピトープハイブリッドでのそれらの使用を支持する実験データを詳細に吟味する。MBP85−99はヒトにおいて免疫優性であり、また、この領域中のいくつかのエピトープはマウスでEAEを誘発する(MBP87−98、MBP91−104およびMBP84−102)。PLP139−151およびPLP178−191はマウスの脳炎誘発性エピトープであり;全タンパク質を使用してマウスを免疫する場合、リンパ節細胞はこれらのエピトープの双方に応答し、それらが等位優性であることを示す。MOGからのいくつかの予測されたT細胞エピトープ(1−21、35−55、67−87、104−117および202−218)の脳炎誘発性の潜在性をマウスで試験し;MOG35−55のみが特異的T細胞応答およびEAEを誘発した。このエピトープはMOG40−55に対する特異的T細胞応答を刺激し、そしてMOG40−55に対し反応性のT細胞株は同系マウスへの移入に際して脳炎誘発性であった。MOBP37−60はマウスで脳炎誘発性である。MSを伴う患者からの抹消血リンパ球はMOBP、とりわけMOBP21−39に対する増殖応答を装備する。MBP(7−50、83−106および142−168)、MOG(1−25、32−58および63−97)ならびにPLP(30−60、84−116および139−155)由来の複数の脳炎誘発性エピトープをコードするDNAプラスミドの使用は、PLP139−151により誘発されるEAEを発症することからマウスを保護することが示された。
上述されたところのMBP、PLP、MOGおよびMOBPからの自己抗原ペプチド由来のMHCクラスIIに提示されるエピトープを含んでなるIi−Key/抗原性エピトープハイブリッドは免疫薬理学的治療薬として多くの好ましい特徴を有することができる。MSの処置におけるこうしたIi−Key/抗原性エピトープハイブリッドの有用な効果は、ペプチドとして使用されようと、DNAワクチンとして使用されようと、以下、すなわち(1)より迅速かつ強力な免疫抑制応答、(2)免疫抑制応答および後の攻撃のための記憶のより長い持続期間、(3)自己免疫の分子内若しくは分子間の拡大の結果としての新反応性(neo−reactivity)の低下された発生率、(4)そうでなければ低応答性アレル上のエピトープのより強力な提示の結果としての応答のより大きな幅、ならびに(5)疾患の発症に対するより大きな保護、または臨床症状発現の遅延若しくは逆転を包含する。
Warren、Catzらは、ヒトミエリン塩基性タンパク質(hMBP)ペプチドに基づく寛容の誘導がMSの有効な抗原特異的免疫治療であるかもしれないことを示した(Warren KG.J Neurol Sci.1995 133:85−94;Warren KG.J Neurol Sci.1997 148:67−78;Warren KG.J Neurol Sci.1997 152:31−8)。ミエリン塩基性タンパク質(MBP)に対する寛容は、MBP特異的T細胞およびB細胞に対し免疫優性であるhMBPペプチドP85VVHFFKNIVTP96(配列番号822)を使用する慢性進行性疾患を伴うMS患者におけるフェーズI臨床試験で検査した。寛容の誘導はCSF中のMBP特異的自己抗体の力価によりモニターした。静脈内注入はMBPに対する寛容を誘導したが、しかし鞘内若しくは皮下注入はしなかった。応答の4種のキネティックパターンが41例の患者で観察された(Warren KG.Mult Scler.2000 6:300−11)。すなわち、群A(15例の患者)は正常範囲への持続性の抗MBP抑制を具体的に説明し;群B(10例の患者)はより短い期間の正常範囲への有意の抗MBP抑制を具体的に説明し;群C(8例の患者)は初回注入後に有意のCSFの抗MBP抑制を示したがしかしその後の注入後の自己抗体力価を抑制する能力を喪失し;そして群D(8例の患者)は有意のCSFの抗MBP抑制を示すことに失敗した。対照群において、抗MBP抗体は2年の期間にわたって持続的に上昇されたまま留まった。寛容の持続期間は患者のMHCクラスIIハプロタイプに依存し;寛容は疾患に関連したHLA−DR2を伴う全患者で長期間持続した。神経学的若しくは全身の副作用は、ペプチド投与経路に関係なく観察されなかった。
LessらはSJLマウスで活性のミエリンプロテオリピドタンパク質の数種の脳炎誘発性の決定子を同定した(Tuohy VK.J Immunol.1989 142:1523−7;Greer JM.J Immunol.1992 149:783−8)。中枢神経系のミエリンの主要タンパク質構成要素、PLPでの免疫感作はSJL/J(H−2s)マウスで急性の形態のEAEを誘導する。PLP139−154(HCLGKWLGHPDKFVGI)(配列番号823)での免疫感作は20匹のマウスのうち3匹で重症の臨床的および組織学的EAEを誘発した。加えて、PLP(178−191)もまたこれらのマウスでEAEを誘発した。PLP 178−191若しくは139−151のいずれかでのリンパ節細胞の刺激により選択される2種のCD4+のペプチド特異的なI−A(s)拘束性T細胞株はそれぞれナイーブな同系マウスで脳炎誘発性であった。
Ben−NunらはpMOGからの数種のペプチドを試験し、ミエリン乏突起膠細胞糖タンパク質ペプチドがH−2bマウスで典型的な慢性の実験的自己免疫性脳脊髄炎を誘発することを見出した(Mendel I.Eur J Immunol.1995 25:1951−9;Kaye JF.J Neuroimmunol.2000 102:189−98)。このグループはまた、複数の潜在的に病原性の抗ミエリンT細胞の反応性が人工的な「多抗原(multiantigen)/多エピトープ」タンパク質の寛容原性投与により阻害され得るという仮説も試験した(Zhong MC.J Clin Invest.2002 110:81−90)。ミエリン塩基性タンパク質(MBP)、プロテオリピドタンパク質(PLP)およびミエリン乏突起膠細胞糖タンパク質(MOG)の選択された疾患関連エピトープをコードするように合成遺伝子を構築した。hmTAPの全身投与はPLPエピトープに対する自己反応性により開始される実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)を抑制かつ治療したのみならず、しかしまたMBP、PLPおよびMOGの脳炎誘発性エピトープに対し反応性の多特異性株のT細胞により移入される複合性EAEも阻止した。加えて、Oldstoneらは、重篤な臨床経過を伴うマウスで実験的アレルギー性脳脊髄炎を誘発したMOBP37−60エピトープを同定した(Holz A.J Immunol.2000 164:1103−9)。また、再発/軽減する多発性硬化症を伴う患者からのPBLはヒトMOBP(とりわけアミノ酸21−39で)に対する増殖応答を装備する。
抗ミエリン抗体はMSを伴わない若干の患者で見出し得る(Warren KG.Eur Neurol.1999 42:95−104)。Wucherpfenning、Catz、Warrenらは、11例の死後症例の中枢神経系の病変からMBP自己抗体をアフィニティー精製した(Wucherpfenning KW.J Clin Invest.1997 100:1114−22)。MBP(83−97)ペプチドは全症例で免疫優性であった。それがMBPへの自己抗体結合を95%超阻害したからである。自己抗体結合に寄与する残基は、T細胞エピトープのMHC/T細胞受容体接触残基もまた含有した10アミノ酸のセグメント(V86−T95)に位置した。エピトープ中心において、同一残基が抗体結合およびT細胞認識に重要であった。
MBP82−98エピトープを含んでなるIi−Keyハイブリッドは、抗MBP抑制応答の持続期間を増大させ、持続性の抗MBP抑制応答を発生させる患者の比率を増大させ、抗MBP抑制応答の大きさを増大させ、そして臨床上有効な抗MBP抑制応答を誘導するのに必要とされる投与の回数および頻度を減少させることができる。Ii−Keyハイブリッドでのエピトープ装填はエピトープ単独よりはるかにより大きいため、Ii−Key/MBP(85−96)ハイブリッドはHLA DRアレルのより大きなレパートリーへの結合を助長してそれにより処置に応答する患者の比率を増大させることができる。Ii−Key/MBP(MBP85−96)ハイブリッドはまた、MBP85−96エピトープに対する細胞媒介性の抑制性の免疫応答もまた誘発することができる。単独でまたはMHCクラスI若しくはB細胞抗体に認識される決定子(MHCクラスIIエピトープにタンデムで直線状に配置された若しくはそれ内に埋め込まれた)と組合せのいずれかのこのおよび/若しくは他のMHCクラスIIエピトープを含んでなるIi−Keyハイブリッドはまた、多発性硬化症を伴う患者のための臨床上重要な治療薬を提供するMBPに対する高められた免疫抑制応答も誘導することができる。
選択された前臨床試験は、MSの処置における至適のエピトープ構造およびIi−Key/抗原性エピトープハイブリッドの使用方法の決定において有用である機構および特定の構造(化学的)データを示す。Krogsgaard M、Wucherpfenning KW、Fugger Lらは、ファージディスプレイ技術を使用して、MBP 85−99と複合体形成したHLA−DR2分子で免疫したHLA−DR2トランスジェニックマウスからのHLA−DR2ペプチド特異的抗体を選択した(Krogsgaard M.J Exp Med.2000 191:1395−412)。MK16で選択された抗体はDR2およびMBPの複合体のみを認識し、また、抗原提示細胞(APC)が組換えMBPで刺激されていた場合は細胞内および細胞外HLA−DR2−MBPペプチド複合体を認識した。MK16抗体は、ヒトMBP特異的T細胞受容体を発現した2種のトランスフェクタントによるインターロイキン2分泌を阻害した。MK16結合に対する構造的要件の分析は、MBP 85−96の2種の主要なHLA−DR2アンカー残基ならびに該ペプチドのCOOH末端部分、とりわけ残基Val−96、Pro−98およびArg−99が結合に重要であったことを示した。これらの結果に基づき、該抗体を使用して、HLA−DR2−MBPペプチド複合体がMS病変中で提示されたかどうかを決定した。抗体は、MS病変、とりわけ小膠細胞/マクロファージ、しかしまたいくつかの症例では肥大性星状細胞中のAPCを染色した。APCの染色はHLA−DR2ハプロタイプを伴うMS症例中でのみ観察され、しかし、他のハプロタイプを伴う症例で観察されなかった。これらの結果は、MS病変中のHLA−DR2分子がミエリン由来の自己ペプチドを提示することを示し、また、星状細胞よりはむしろ小膠細胞/マクロファージがこれらの病変で優勢なAPCであることを示す。
Fuggerらは、トランスジェニックマウス中で、HLA−DR2分子により提示されるMS関連自己抗原のT細胞認識に関与する3種のヒト成分、すなわちDRA*0101/DRB1*1501(HLA−DR2)すなわち欧州人の子孫の個体で見出されるMHCクラスIIの候補のMS感受性遺伝子;HLA−DR2に結合された免疫優性のミエリン塩基性タンパク質(MBP)の4102ペプチドに特異的なMS患者由来のT細胞クローンからのT細胞受容体(TCR);およびヒトCD4補助受容体を発現した(Madsen LS.Nat Genet.1999 23:258−9)。MBP 84−102ペプチドのアミノ酸配列はヒトおよびマウス双方のMBPで同一である。アジュバントおよび百日咳毒素と一緒のMBPペプチドの投与後に、トランスジェニックマウスは、MSでみられるものに似た臨床症状発現および疾患経過に至った、限局性のCNS炎症および脱髄を発症した。自発性疾患はマウスの4%で観察された。DR2およびTCRの二重トランスジェニックマウスをRag2(組換え活性化遺伝子2について)欠損マウスに2回戻し交雑した場合、自発性疾患の発生率は増大し、HLA−DR2に結合されたMBPペプチドに特異的なT細胞が疾患の発症に十分かつ必要であることを示した。この研究は、HLA−DR2が、T細胞にMBP自己ペプチドを提示することによりMSに似た誘発性および自発性双方の疾患を媒介し得るという証拠を提供する。
多発性硬化症に対する感受性はヒト組織適合白血球抗原(HLA)−DR2(DRB1*1501)ハプロタイプと関連する。Wileyらは、HLA−DR2の構造がヒトMBP特異的T細胞に対し免疫優性であったヒトミエリン塩基性タンパク質(MBP)からの結合型ペプチドを用いて決定されたことを決定した(Smith KJ.J Exp Med.1998 188:1511−20;Gauthier L.Proc Natl Acad Sci U S A.1998 95:11828−33)。T細胞受容体認識に重要であるMBPペプチドの残基は、結晶構造中の突出した、溶媒に露出された残基である。HLA−DR2ペプチド結合部位の特徴的な特徴はMBPペプチドのフェニルアラニンを収容する大きなおおむね疎水性のP4ポケットである。この芳香族側鎖に必要な空間は多形のDRβの71位置のアラニンにより創製される。これらの特徴は、他の自己免疫疾患と関連するDR分子と別個のHLA−DR2のP4ポケットを作成する。
Ii−Key/抗原性エピトープハイブリッドの結合部位の向きは、hMBP/DR2複合体とのTCRの結合の分析から提案し得る。TCRおよびMHC/ペプチド複合体による三元の複合体の形成の特異性の構造的基礎を、異なるDR2サブタイプにより拘束されるミエリン塩基性タンパク質(MBP)特異的T細胞クローンについて検査した(Wucherpfenning KW.Proc Natl Acad Sci U S A.1995 92:8896−900)。この系の保存された特徴は、発生されるべきDR2/ペプチド複合体上のTCRの位置決めのためのモデルを可能にした。すなわち(i)免疫優性のMBPペプチドを提示したDR2サブタイプはDRβ鎖のいくつかの多形の位置でのみ異なった。(ii)DRβ鎖のらせん部分上の多形の残基(位置DRβ67)のTCR認識はMHC拘束の決定において重要であった。(iii)TCRの可変領域(V)α3.1遺伝子セグメントがT細胞クローンの全部により使用された。TCRVβの使用はより多様であったがしかしMHC拘束すなわち多形のDRβ鎖と相関した。(iv)保存されたTCRα鎖しかし異なるTCRβ鎖を伴う2種のクローンは異なるMHC拘束しかし類似のペプチド特異性を有した。これらのT細胞クローン間のMHC拘束の差異は、多形のDRβ鎖残基(DRβ67−71)の1クラスターの認識によるようであった。MBP(85−99)特異的なTCRは、従ってTCRβ鎖が多形のDRβ鎖らせんを接触した一方で保存されたTCRα鎖が多形でないDRα鎖を接触したようなDR2/ペプチド複合体上に位置しているようであった。
表20.1はヒトミエリン塩基性タンパク質の推定されるアミノ酸配列(GenBank gi:17378805)を提示する。表20.2はSYFPEITHIプログラムを用いて予測されたヒトミエリン塩基性タンパク質のMHCクラスIIに提示されるエピトープを提示する。表20.3はhMBPのMHCクラスIIに提示されるエピトープを含有することが実験で同定された配列を提示する(Pette M.Proc Natl Acad Sci USA.1998 87:7968)。表20.4は表20.2のエピトープを組込むハイブリッドを提示する。表20.5は表20.3のペプチドからのエピトープを組込むIi−Key/抗原性エピトープハイブリッドを提示する。表20.6はヒトプロテオリピドタンパク質1の推定されるアミノ酸配列(GenBank gi 19923104)を提示する。表20.7はSYFPEITHIプログラムを用いて予測されたプロテオリピドタンパク質1のMHCクラスIIに提示されるエピトープを提示する。表20.8はプロテオリピドタンパク質1のMHCクラスIIに提示されるエピトープを含有することが実験で同定された配列を提示する。表20.9は表20.7のエピトープを組込むハイブリッドを提示する。表20.10は表20.8のペプチド内のエピトープを組込むIi−Key/抗原性エピトープハイブリッドを提示する。表20.11はヒトミエリン乏突起膠細胞糖タンパク質前駆体の推定されるアミノ酸配列(GenBank gi:2497312)を提示する。表20.12はSYFPEITHIプログラムを用いて予測された乏突起膠細胞糖タンパク質前駆体のMHCクラスIIに提示されるエピトープを提示する。表20.13は乏突起膠細胞糖タンパク質前駆体のMHCクラスIIに提示されるエピトープを含有することが実験で同定された配列を提示する。表20.14は表20.12のエピトープを組込むハイブリッドを提示する。表20.15は表20.13のペプチド内のエピトープを組込むIi−Key/抗原性エピトープハイブリッドを提示する。
Figure 2006515744
Figure 2006515744
Pos.は明記される配列の予測されたMHCクラスIIに提示されるエピトープの第一のアミノ酸である。スコアは検査した所定のHLA−DRB*__01アレルの第一のものについてのSYFPEITHIプログラムにより計算されたスコアである。第二の列挙されるアレルは、正確に同一のエピトープ若しくは第一のアミノ酸位置がカッコ内に示されるオーバーラップするエピトープについてである。
Figure 2006515744
Pos.はMHCクラスIIに提示されるエピトープを含有することが報告されたhMBPのセグメントの最初のおよび最後のアミノ酸である。配列はhMBPのMHCクラスIIに提示されるエピトープを含有することがPetteらにより同定されたペプチドである(Pette M.Proc Natl.Acad Sci USA.1998 87:7968)。ペプチドMBP85−99、MBP85−96およびMBP83−97もまた他者により特徴付けられている(Krogsgaard M,J Experi Med.2000 191:1395−412;Gauthier L.Proc.Natl Acad Sci USA.1998 95:11828−33)。提示するアレルはそれぞれのセグメント中のエピトープを提示することが報告されているMHCクラスIIアレルを包含する。配列は該セグメントの配列である。予測されたエピトープは、ProPredアルゴリズムを使用してそれぞれのMHCクラスIIアレルにより提示されることが予測されたエピトープの第一のアミノ酸である。HMBP(91−98;FIRLFSRDA)(配列番号842)はHLA−DRB*0101、1101および1301により提示される。hMBP(92−99;IRLFSRDAP)(配列番号843)はHLA−DRB*1301および1501により提示される。hMBP(120−128;IQWDSAATA)(配列番号844)はHLA−DRB*03により提示される。hMBP(133−141;VMASQKRPS)(配列番号845)はHLA−DRB*0101および1301により提示される。hMBP(148−157;LATASTMDH)(配列番号846)はHLA−DRB*0401および1101により提示される。hMBP(162−170)はHLA−DRB*0801により提示される。
Figure 2006515744
Figure 2006515744
CNSミエリンの別の主要成分、プロテオリピドタンパク質(PLP)はSJL/Jマウスにおいて急性の形態のEAEを誘発する(Tuohy VK.J.Immunol.1989 142:1523−7;Greer JM.J Immunol.1992 149:783−8)。主たるMHCクラスIIに提示されるエピトープは139−154 HCLGKWLGHPDKFVGI(配列番号856)およびある種のセリン置換相同体で見出された。相同なヒト配列の配列を表20.2に提示する。PLPの第二のペプチド、マウス178−191(ヒト相同体配列:FNT 181 WTTCDSIAFP S)(配列番号857)もまたSJL/J(h−2s)マウスにおいて脳炎誘発性であることが同定された(Greer JM.J Immunol.192 149:783−8)。
Figure 2006515744
Figure 2006515744
Pos.は明記された配列の予測されたMHCクラスIIに提示されるエピトープの第一のアミノ酸である。スコアは検査した所定のHLA−DRB*__01アレルの第一のものについてProPredプログラムにより計算されたスコアである。第二の列挙されるアレルは、正確に同一のエピトープ若しくは第一のアミノ酸位置がカッコ内で示されるオーバーラップするエピトープについてである)。
Figure 2006515744
位置152からの1連の4個若しくはそれ以上のオーバーラップする配列(FVGITYALTVVWLLVFAC)(配列番号870)がアレルHLA−DRB 01、03、04、07、08、11、13、15により提示される。Ii−KeyモチーフLGKWL(配列番号871)はF152からの5アミノ酸により分離されている。
Figure 2006515744
Figure 2006515744
ミエリンの第三のタンパク質、ヒトミエリン乏突起膠細胞糖タンパク質(MOG)もまたマウスにおいて脳炎誘発性であることが示された(Mendel I.Eur J Immunol.1995 25:1951−9;Kaye JF.J Neuroimmunol.2000 102:189−98)。
Figure 2006515744
Figure 2006515744
Pos.は明記された配列の予測されたMHCクラスIIに提示されるエピトープの第一のアミノ酸である。スコアは検査した所定のHLA−DRB*__01アレルの第一のものについてProPredプログラムにより計算されたスコアである。第二の列挙されるアレルは、正確に同一のエピトープ若しくは第一のアミノ酸位置がカッコ内に示されるオーバーラップするエピトープについてである)。
Figure 2006515744
Figure 2006515744
Figure 2006515744
ペプチド20.14.1はアレルHLA−DRB 01、03、04、07、11、13および15により提示される3種のオーバーラップするMHCクラスIIに提示されるエピトープを含有する。ペプチド20.14.2はアレルHLA_DRB01、08および11により提示される2種のオーバーラップするMHCクラスIIに提示されるエピトープを含有する。
MHCクラスII抗原性エピトープのN末端から適切に配置されたIi−Keyモチーフを含有するペプチド配列の同定および使用。
別の局面において、本発明は、抗原性タンパク質中の好ましい一組の生物学的に活性のMHCクラスIIに提示されるエピトープの選択方法に関する。具体的には、本開示は、実験で決定された若しくはアルゴリズムで予測されたMHCクラスIIに提示される抗原性エピトープに先行する5アミノ酸のIi−Key免疫調節モチーフの存在若しくは非存在下のタンパク質のアミノ酸配列中での同定方法を提供する。この免疫調節性Ii−Keyモチーフは、MHCクラスII分子の抗原性ペプチド結合部位中への結合された抗原性エピトープの装填を高める。あるタンパク質内の抗原性エピトープの予測を考えれば、Ii−Keyモチーフにより先行されるそれらのエピトープのサブセットを同定することはワクチンペプチド選択の効率を大きく改善する。また、選択されたMHCクラスIIに提示されるエピトープの前のIi−Keyモチーフを導入若しくは排除のいずれかをするようにタンパク質の配列を改変することにより、そのタンパク質に対する免疫学的応答を変えることができる。
本開示はIi−Key免疫調節モチーフの同定方法を提示する。具体的には、あるタンパク質の配列中で、免疫調節性のIi−KeyモチーフはLeu、Ile、Val、PheおよびMetを含んでなる群の最低2アミノ酸ならびにHis、LysおよびArgを含んでなる群の最低1個を含有する5個の連続するアミノ酸の1セグメントであり、ここでその連続する5アミノ酸のセグメントはMHCクラスIIに提示されるエピトープのN末端残基からの5ないし11アミノ酸により分離される。適切に間隔を空けられたIi−Keyモチーフの存在を伴うこうした抗原性エピトープのサブセットは、CD4+ T細胞免疫応答の効力を高めることにおいてこうしたIi−Keyモチーフにより先行されないエピトープよりもより強力である。こうしたエピトープはまた優性若しくは生物学的に活性であることもよりありそうである。こうしたエピトープをもつペプチドは、感染性疾患および癌に対し保護するためのワクチンとして、ならびにアレルギー、自己免疫疾患および移植片拒絶に対する免疫抑制ワクチンとして好ましい。
別の局面において、本発明は、治療的タンパク質に対する免疫応答を変える様式で改変されている配列をもつ治療的タンパク質に関する。こうしたタンパク質は、ホルモン、サイトカイン若しくは細胞表面受容体と相互作用する他の分子および酵素のような治療的タンパク質を包含する。Ii−Keyモチーフの改変はその機能を排除するように行い得るか、若しくはこうしたIi−Keyモチーフはこうしたモチーフが欠けている場合に推定の抗原性エピトープの前に導入し得る。こうした改変は該治療的タンパク質に対する不利な免疫応答を抑制し得る。こうした生成物は治療的タンパク質およびそのフラグメント、ならびにそれらの発現に至る遺伝子構築物を包含する。
本発明は、潜在的抗原性エピトープの前に適切に間隔を空けられた天然に存在するIi−KeyモチーフがMHCクラスII結合モチーフの1サブセットにおける生物学的活性を選択するという発見に基づく。MHCクラスII分子への放射標識した光架橋する抗原性ペプチドの結合は、カテプシンB(しかしカテプシンDでない)の存在下でのMHCクラスII αおよびβ鎖からのIiタンパク質の切断および遊離の間により効率的である(Daibata M.Mol Immunol.1994 31:255−260)。Iiタンパク質中の推定の切断部位の変異体は、MHCクラスII αおよびβ鎖でなお免疫沈殿されるアビジン標識Iiフラグメントの最終的な切断および遊離におけるR78−K86領域中の残基の役割を確認した(Xu M.Mol Immunol.1994 31:723−731)。この「最終的な切断」領域の生化学的機構を、陽イオン性側鎖を伴い、陰イオン性側鎖を伴わずかつ4個の間隔を空けられたプロリンを伴う6残基を含有する合成のIi−L87−Kを用いて試験した。このIi−Keyペプチドはin vitroで抗原性ペプチドの結合若しくは遊離を促進した(Adams S.Eur J Immunol.1995 25:1693−1702)。マウスTハイブリドーマへの抗原性ペプチド提示において160種の相同体(Adams S.Arzneimittel−Forschung.1997 47:1069−1077)およびペプチド結合/遊離アッセイにおいて精製したHLA−DR1(Xu M.Arzneimittel−Forschung.1999 49:791−9)を用いて、構造活性関係を特徴付けした。Iiタンパク質のIi−KeyセグメントhIi(77−92)は、抗原性ペプチドを結合する谷(trough)の一端に隣接するアロステリック部位で作用することにより、MHCクラスII分子への合成ペプチドの結合を促進する。さらに、このIi−Keyセグメントを単純なポリメチレンリンカーにより抗原性ペプチドに結合することにより、Tハイブリドーマへのエピトープの提示の効力が抗原性エピトープのみに関して500倍高められた(Humphreys RE.Vaccine.2000 18:2693−7)。従って、匹敵する天然に存在する適切に間隔を空けられたIi−Keyモチーフは、その前にそれらが適切に間隔を空けられた間隔で存在する抗原性エピトープのサブセットの選択を促進することを期待し得る。LRMKモチーフから伸長するIiタンパク質の天然の配列若しくは5−アミノペンタン酸のいずれかのリンカーを含有する合成ハイブリッドは比較的活性であったため、特定の側鎖相互作用がリンカーと抗原結合部位のαへリックスとの間に必要とされなかった。従って、スペーサー領域を形成する特定のアミノ酸が関連があるようには思われない。天然に存在するIi−Key−スペーサーモチーフがin vivoで潜在的MHCクラスIIエピトープの選択を調節しているという仮説を、定義されたMHCクラスIIに提示されるエピトープのN末端(活性仮説)若しくはC末端(重要でない仮説)の双方からの包括的Ii−Keyモチーフの存在および間隔について試験した。
抗原性タンパク質中のIi−KeyモチーフはMHCクラスII分子のペプチド結合部位中への緊密に続くMHCクラスIIに提示される抗原性エピトープの挿入を触媒するように作用する。そのエピトープを免疫原性にするのは潜在的MHCクラスII結合ペプチドの前の適切に間隔を空けられたIi−Keyモチーフである。この発見から、抗原提示におけるそれらの優勢な役割についてコンセンサスモチーフにより同定されるエピトープのサブセットの新規選択方法が生じる。こうしたエピトープは予防的および治療的ワクチンで活用し得る。治療的タンパク質はまた、免疫原性を高めるか若しくは抑制するかのいずれのためにも改変し得る。
抗原性タンパク質のアミノ酸配列内のIi−Keyモチーフの以下の同定方法をデータセットの検査の前に設計しかつ変更なしに試験した。Ii−Keyボックスは、群L、I、V、FおよびMの最低2残基ならびに群H、KおよびRの最低1残基を含有する5個の連続する残基位置であると定義した。これは2つの概念に基づく最も単純なモデルであった。
本発明の方法の設計における第一の決定的に重要な概念はIi−Keyの「コアセグメント」を定義するモチーフの発見であった。ヒトIiタンパク質の天然の配列中で、コアモチーフは、系統的な一連のハイブリッド中の最良のIi−Keyペプチドの少なくとも最大の半分の活性のこのペプチドによる保持を示す以前の実験的研究に基づきL77RMK(配列番号3)であると定義した(Adams S.Arzneimittel−Forschung.1997 47:1069−77;Humphreys RE.Vaccine 2000 18:2693−7)。4アミノ酸のコアモチーフは、各残基位置での12種のアミノ酸置換をもつ84種の相同体の分析により研究された7アミノ酸(LRMKLPK)(配列番号4)の以前に定義されたセグメント内に含有される(Adams S.Arzneimittel−Forschung.1997 47:1069−77;Xu M.Arzneimittel−Forschung.1999 49:791−9)。それらの研究において、生物学的活性は正確に交替する疎水性/陽イオン性側鎖を必要としないことが発見されたが、但し、最低2個の疎水性および1個の陽イオン性残基が4若しくは5残基のセグメント内に存在した。この理由から、本発明におけるIi−Keyモチーフの構造の定義において、5アミノ酸の伸長内のいかなる配列中でもの2個の疎水性側鎖および最低1個の陽イオン性側鎖の存在が、MHCクラスII分子中への抗原性エピトープの装填におけるIi−Keyの機能に十分であると考えられた。
本発明の方法の設計における第二の決定的に重要な概念は、タンパク質の局所的に折り畳まれるセグメントの構造の支配における1セット中でのL、I、V、FおよびMならびに別のそれぞれのセット中でのH、KおよびRの機能的同等性の発見であった。この同等性は、タンパク質全体(Vazquez S.Proc Natl Acad Sci USA.1993 90:9100−4)若しくはαへリックスの周囲の幾何学的に定義された位置(Torgerson S.J Biol Chem.1991 266:5521−24;Vazquez S.J Biol Chem.1992 267:7406−10;Rennell D.J Biol Chem.1992 267:17748−52)のいずれかのあるパターン中のアミノ酸の群の系統的調査で発見された。
MHCクラスIIに提示されるエピトープのN末端から適切に間隔を空けられた天然に存在するIi−Keyモチーフの上の同定方法は、以下の分析により検証した。Rammenseeら(Rammensee HG.Immunogenetics.1995 41:178−228)によりMHCクラスIIに提示されるペプチドを予測するモチーフの彼らの分析において報告された抗原性エピトープの全36種を、相同なエピトープ(例えば異なるMHCクラスIIアレルについて)を除外して分析した。抗原性エピトープに関して上流および下流のこれらの報告されたタンパク質のそれぞれの配列はGenBank(http://ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi?db=Protein)から得た。群L、I、V、FおよびMの最低2残基ならびに群H、KおよびRの最低1残基を含有する5個の連続する残基位置を含有するIi−Keyボックスの定義を考え、その場合、抗原性タンパク質内の既知のMHCクラスIIに提示されるエピトープのN末端若しくはC末端からのこうしたボックスの距離を決定した。こうしたエピトープのN末端(しかしC末端でない)からのこうしたIi−Keyボックスの有意の最小の間隔が予期された。生物学的影響はN末端にあると予期されかつC末端でされなかったからである。C末端でのこうしたボックスの生物学的影響の予測された欠如(および従ってC末端からの間隔)は統計学的解析のための有用なヌル仮説であった。Rammenseeが報告した抗原性エピトープからN末端の方向に漸進的に伸長する5個の連続する残基のセグメントをIi−Keyボックスの存在について試験した。Ii−KeyボックスとRammenseeが報告した抗原性エピトープとの間の介在する残基位置の最小の数を伴うボックスを、介在する残基位置の数に関してスコア化した(表1)。鏡像様式の類似の分析を、Rammenseeが報告した抗原性エピトープのC末端から遠位にスコア化した。第一のIi−Keyボックスまでの最小の介在する残基位置を抗原性エピトープのC末端からスコア化した(表21.1)。
MHCクラスII拘束性の抗原性エピトープに対するT細胞の応答は、そのエピトープが、Ii−Key配列(アセチル−Leu−Arg−Met−Lys(配列番号3)[Ac−LRMK−]のような)(配列番号3)をスペーサー、5−アミノペンタン酸によりMHCクラスIIに提示されるエピトープのN末端に結合する合成ハイブリッドペプチド中でT細胞に提示される場合に大きく高められる。相同な天然に存在するIi−Key/スペーサー/エピトープモチーフが抗原性タンパク質のプロセシングの間に抗原性エピトープを選択するかどうかを試験するために、1つの原型のパターンの頻度をそれらの実験で決定されたMHCクラスIIエピトープについての配置に関して一連のタンパク質で試験した。非経験的なN末端分布(p<0.025)が、原型のIi−Key/スペーサーパターン(群Leu、Ile、Val、PheおよびMet[LIVFM](配列番号790)の最低2残基ならびに群Arg、HisおよびLys[RHK]の最低1個を含有する5アミノ酸セグメント)、ならびに4ないし8残基のスペーサー長さについて見出された。この配置はC末端からのモチーフ(重要でない仮説)の経験的配置に比較して有意であった。この観察結果は、抗原性タンパク質中の予測された「MHCクラスIIコンセンサスモチーフ」の組の間でのいくつかのエピトープのみの生物学的活性を説明するのに役立つ。それはまた、ある種の抗原に対する免疫応答の調節方法にもつながる。
Figure 2006515744
検査により、Ii−Keyボックスの存在およびエピトープのN末端からの配置についてのパターンはC末端側でのものと非常に異なり、そして、C末端側のパターンはモンテカルロモデル(データセット中の存在の頻度での残基型の無作為割当て)により生成されることが期待されたものと異ならない。これらの観察結果を定量的統計学的分析にかけた。観察された差異がスペーサー長さの多様なグループ分けについて無作為事象として起こっていたとみられる確率を表21.2に示す。
Figure 2006515744
陽性のIi−Keyボックスの定義ならびにスペーサーの長さおよび特徴の変動を提案し得る。しかしながら、第一種の統計学的過誤を回避するためにこうした代替の検定を新たなデータセットで実施しなければならない。こうした過誤はわれわれの本研究で起こらなかった。スコア化したモチーフを、現在のデータセットの検査の前に正確かつ完全に定義したためである。われわれは、このデータセットにより良好に一致するとみられる代替のIi−Keyボックスおよびスペーサーのパターンの示唆を控える。
Ii−Keyモチーフが抗原性に活性のMHCクラスIIエピトープのN末端側に適切に間隔を空けられて見出されるという事実は、こうしたIi−Keyモチーフが抗原提示細胞のゴルジ後抗原装填区画中でMHCクラスII分子に結合されたようになるペプチドの選択において活性であるという見解を支持する。同様に、Ii−Key/MHCクラスII抗原性エピトープハイブリッドペプチドがフロイントの不完全アジュバント中での免疫感作後に良好に提示されるという事実は、こうしたペプチドのIi−Keyモチーフがゴルジ後抗原性ペプチド装填区画中に装填するためのそれらのペプチドのエピトープの選択において活性であることを示す。
好都合な特徴を高めるために治療的タンパク質中に変化を導入し得る。インスリン、エリスロポエチンおよびβ−インターフェロンで観察されたとおり、抗体を中和することにより明示されるところの免疫応答が該タンパク質に対し発生したため、多くの治療的タンパク質の使用が制限される。若干の患者における免疫学的応答が治療的使用を制限する治療的タンパク質を考えれば、免疫応答を発生した患者でのこうした応答を予防する若しくは該応答を和らげるのに本発明を使用してよい。該方法は以下の段階を包含する。一次アミノ酸配列を検査する。一次アミノ酸配列内でMHCクラスII拘束性エピトープのモチーフを定義する。抗原性モチーフの第一の残基に対しN末端にIi−Keyボックス−スペーサーモチーフを創製する様式で数個のアミノ酸で変えるのに適するエピトープを選ぶ。組換え分子遺伝学的方法若しくはペプチド合成法によりタンパク質を合成する。例えば親治療的タンパク質での攻撃に際しての抗体の低下により該タンパク質に対する抑制する免疫応答の誘導について合成バリアントを試験する。
臨床上適切な抗原中の選択されたMHCクラスIIに提示されるエピトープに対し上流のIi−Keyモチーフは新規治療的ワクチンにつながるかもしれない。おそらく、Ii−Keyスペーサーモチーフを工作することはあるタンパク質内の抗原性エピトープの免疫原性を変え得る。とりわけ大部分のN末端抗原性エピトープについて、1個若しくは数個の変えられた残基の導入が耐えられるとみられる(Rennell D.J Biol Chem.1992 267:17748−52)。こうした操作は寛容の誘導の影響を受けやすい治療的タンパク質の形態を生成させ得る。
この分析方法は、in vivo免疫抑制応答が宿主に対し有害である目的の付加的な抗原性若しくは治療的タンパク質に拡大し得る。例えば、HIV逆転写酵素中の抗原性エピトープの検査は、抗原性エピトープがそこで、おそらく寛容の確立における優位を確立する生物学的効力を支配するこうした上流のIi−Key様セグメントを有するかもしれないことを示す。HIV逆転写酵素中の保存された普遍的ThエピトープはIi−Key−スペーサーモチーフにより先行される。多様なHIV−1単離物の間で高度に保存されかつ少なくとも4種のHLA−DR分子により提示されたHIV−1逆転写酵素エピトープが、その酵素の配列全体の20アミノ酸ペプチドの系統的調査においてVan der Burgらにより発見された(van der Burg.J Immunol.1999 162:152−160)。このペプチドおよび上流の15アミノ酸は以下:
Figure 2006515744
である。
可能なMHCクラスIIに提示されるエピトープに一本下線を付け、また、推定のIi−Keyモチーフに二重下線を付ける。本実施例は、MHCクラスIIに提示されるエピトープの前に適切に間隔を空けられたIi−Keyモチーフの存在がそのエピトープの提示をどのように高め得るかを具体的に説明する。さらに、Ii−Keyモチーフの存在は、高度に効率的な免疫抑制応答の発生の原因であるかもしれない。
Ii−Key/MHCクラスIIエピトープハイブリッドでの免疫感作によるMHCクラスIエピトープに対する抗体、Tヘルパー細胞およびCTL応答の増強。
実質的により大きな免疫応答が、抗原性エピトープペプチド単独中よりもIi−Key抗原性エピトープハイブリッド中に提示されるエピトープで免疫したマウスで見出された。該免疫応答は、個々の抗原性エピトープに対する抗体の力価、エピトープ特異的CD4+/IFN−γ+細胞およびELISPOTアッセイにおけるエピトープ特異的IFN−γ遊離により測定した。
ハトチトクロームCおよびHIV gp160からの2種の異なる抗原性エピトープをこれらの比較研究で使用した。PGCC(95−104)エピトープは、Ii−Key/抗原性エピトープハイブリッドペプチド(Ac−LRMK−ava−IAYLKQATAK−NH;「Ii−Key/PGCC」;配列番号900)若しくは抗原性エピトープペプチド(Ac−IAYLKQATAK−NH;(「PGCC」);配列番号901)中で提示させた。HIV gp160(843−855)エピトープは:1)2個のava残基を伴うIi−Key/抗原性エピトープハイブリッドペプチド(Ac−LRMK−avaava−AYRAIRHIPR−NH;「Ii−Key/2ava/gp160(843−855)」;配列番号902);2)1個のava残基を伴うIi−Key/抗原性エピトープハイブリッドペプチド(Ac−LRMK−ava−AYRAIRHIPR−NH;「Ii−Key/1ava/gp160(843−855)」;配列番号903);3)1個のava残基を伴うIi−Key/抗原性エピトープハイブリッドペプチド(Ac−LRMK−ava−YRAIRHIPR−NH;アラニン−843がエピトープとIi−Keyとの間の間隔のより正確な測定のため欠失されている;「Ii−Key/1ava/gp160(844−855)」;配列番号904);4)「ava」を伴わないIi−Key/抗原性エピトープペプチド(Ac−LRMK−AYRAIRHIPR−NH;「gp160(843−855)」);配列番号905)中に提示させた。「ava」はδ−アミノ吉草酸であり、5−アミノペンタン酸である。その最大の直鎖状長さはペプチジル配列中の2.5アミノ酸のバックボーン原子の長さに近い。従って、2個のavaリンカーは約5アミノ酸により抗原性エピトープからIi−Keyモチーフを架橋する。5アミノ酸は、P1部位中に横たわる残基から抗原性ペプチドを結合する谷中に横たわるペプチドのN末端で露出された端までのその谷を占有する伸長された抗原性ペプチドのアミノ酸の数である。
上で示された実験ペプチドでの免疫感作後の抗体応答についてのELISAアッセイを後に続くとおり実施した。0.1M炭酸緩衝液、pH9.5中の2μg/ウェルの被覆ペプチドの溶液50マイクロリットル(μl)を4℃での一夜インキュベーションのため96ウェルNuncイムノプレート(#442404)の各ウェルに添加した。吸引後、3%ウシ胎児血清を含有するリン酸緩衝生理的食塩水溶液(アッセイ希釈剤)250μlを各ウェルにRTで2時間添加した。アッセイ希釈剤で3回洗浄した後、アッセイ希釈剤中3倍の連続希釈で20倍希釈したマウス血清50μlを各ウェルにRTで2時間添加した。アッセイ希釈剤で3回洗浄した後、50μlの1μg/mlのビオチニル化ヤギ抗マウスIgG1若しくはIgG2aを各ウェルに添加しかつRTで1時間インキュベートした。アッセイ希釈剤で3回洗浄した後、50μlのストレプトアビジン−ワサビペルオキシダーゼ複合物(1000倍)を各ウェルに添加しかつRTで30分間インキュベートした。アッセイ希釈剤で3回洗浄した後、100μlのテトラメチルベンジジン/H溶液(Pharmingen 264KK)を各ウェルに室温で暗所中15分間添加した。反応を各ウェル中で100μlの1N HSOで停止し、そして吸光度を450nmで直ちに読み取った。
PGCCエピトープに対する有意により大きい抗体力価が、CFA(表22.1)若しくはIFA(表22.2)のいずれか中のPGCC(95−104)ペプチド単独でよりもIi−Key/PGCC(95−104)で免疫することにより誘導された。C3H/HeJマウス(H−2)を、等容量のフロイントの完全アジュバント(CFA)で乳化した10nモルのペプチド(50μl)で尾の基部で皮下に免疫した。第14日に、マウスを、等容量のフロイントの不完全アジュバント(IFA)で乳化した10nモルのペプチド(50μl)で尾の基部で皮下に追加免疫した。第28日に、マウスをハンクス液(HBSS)に溶解した40nモルのペプチドで静脈内に追加免疫した。第33日にマウスを殺し、そして血清サンプルをPGCC(95−104)エピトープペプチドに対する抗体力価についてアッセイした。
Figure 2006515744
IFAを伴いワクチン接種するために、C3H/HeJマウス(H−2)を等量のIFAで乳化した10nモルのペプチド(50μl)で尾の基部で皮下に免疫した。第14日に、マウスを等容量のIFAで乳化した10nモルのペプチド(50μl)で再度尾の基部で皮下に追加免疫した。第28日に、マウスをハンクス液(HBSS)に溶解した40nモルのペプチドで静脈内に追加免疫した。第33日にマウスを殺し、そして血清サンプルをPGCC(95−104)エピトープペプチドに対する抗体力価についてアッセイした。
Figure 2006515744
HIV gp160(843−855)エピトープに対する有意により大きい抗体力価が、HIV gp160(843−855)ペプチドでよりもIi−Key/HIV gp160(843−855)ハイブリッド(双方は生理的食塩水溶液中で投与した)での免疫感作から生じた(表3)。B10.A(5R)マウス(H−2k/b)を50μlのリン酸緩衝生理的食塩水溶液中の20nモルのペプチドで第1および2日にそれぞれ右および左後肢に筋肉内に免疫した。第14日に、マウスを200μlのハンクス液中の40nモルのペプチドで後肢に筋肉内に筋肉内に追加免疫した。第30日に、マウスをハンクス液(HBSS)に溶解した40nモルのペプチドで静脈内に追加免疫した。第35日にマウスを殺し、そして血清サンプルをHIV gp160(843−855)ペプチドに対する抗体力価についてアッセイした。
Figure 2006515744
上の結果は、Ii−Key/抗原性エピトープハイブリッド中での抗原性エピトープの提示が、CFAが最初の免疫感作のベヒクルであるかIFAがベヒクルであるかに関係なく抗体応答の誘導を大きく高めることを示す。IFAはbayol油から構成され、またCFAは熱殺菌したヒト結核菌(mycobacterium tuberculosis)を添加したIFAから構成される。表1および2の実験において、IFAが第二の免疫感作すなわち皮下追加免疫注入のためのベヒクルであり、また、HBSSが第三の免疫感作すなわち静脈内追加免疫注入のためのベヒクルであった。CFAおよびIFAは専門的な抗原提示細胞によるペプチドの食作用を媒介するため、それらの使用はゴルジ後の抗原装填区画中のエピトープペプチドの装填につながる。従って、Ii−Key/抗原性エピトープハイブリッドは、MHCクラスII分子への装填のための2つの機構(すなわち、例えばパラホルムアルデヒドで固定した細胞上の細胞表面のMHCクラスII分子で(Adams S.Eur J.Immunol 1995 25:1693−1702)、およびインターナリゼーション後のゴルジ後抗原装填区画中で)からの利益を有する。
CD4/IFN−γ Th−1ヘルパーT細胞の頻度は、gp160(843−855)ペプチドでの免疫感作に比較してIi−Key/gp160(843−855)ハイブリッドでの免疫感作後に大きく増大した(表4)。Ii−Key/エピトープハイブリッドエピトープペプチドのはるかにより大きな免疫原性のための機構を試験するため、B10(A) 5Rマウスを、CFA中の10nモルのgp160(843−855)ペプチド若しくはIi−Key/gp160(843−855)のいずれかで尾の基部の右側で皮下で免疫した。第10日に、マウスを生理的食塩水中の40nモルのハイブリッドペプチド若しくはエピトープペプチドで静脈内注入により追加免疫した。第26日にマウスを殺し、そして脾細胞を得た。1×10脾単核細胞を10単位の組換えIL−2および示されたペプチド(10μg/ml)の存在下で一夜刺激した。インキュベーションの最後の3時間の間に2μMのモネンシン(Golgi−stop、Pharmingen)を培養物に添加し、そしてその後細胞を細胞表面マーカーおよび細胞内IFN−γ双方について染色した。抗原特異的Th1ヘルパー細胞応答を定量するためのFACSアッセイを後に続くとおり実施した。細胞は100μlの染色緩衝液(マグネシウム若しくはカルシウムを含まないダルベッコのリン酸緩衝生理的食塩水溶液)中10細胞あたり1μgのフルオレセインブロッキング試薬(FC/block、Pharmingen)とともにインキュベートした。それらの細胞を100μlあたり10細胞でラット抗マウスCD3若しくはCD4いずれかのモノクローナル抗体で4℃で30分間染色した。洗浄した後、細胞を再懸濁し、4%パラホルムアルデヒドで固定し、そして0.5%サポニンで4℃で20分間浸透化した。0.5%サポニンを含む染色緩衝液に細胞を懸濁し、そして適切な抗サイトカイン若しくはアイソタイプ対照抗体(IFN−γ、XMG1.2、Pharmingen、若しくはIFN−γアイソタイプ対照、R3−34、Pharmingen)で染色した。細胞を暗所中4℃で30分間インキュベートし、洗浄しかつフローサイトメトリー分析のため染色緩衝液中0.5%サポニン中0.3%ホルムアルデヒドで10分間固定した。フローサイトメトリー分析は後に続くとおり実施した。最初に、CD3細胞を、Tゲート集団としてのCD3 FITCに対する側方散乱の二色ドットプロットを使用してゲートした。CD3細胞をその後CD4発現について分析してCD3/CD4 Tヘルパー細胞集団の標的を定めた。この特定の細胞集団内で、二色ドットプロットを使用して、フルオレセイン標識抗体で染色されたCD3/CD4細胞に対するフィコエリトリン(PE)標識抗体により染色された細胞内インターフェロン−γサイトカインを分析した。
CD4/IFN−γ細胞の増大は抗原特異的Th−1ヘルパーT細胞の刺激および拡張と矛盾しない。Th−1ヘルパーT細胞の亜集団はIFN−γの優勢な産生を特徴とする一方、ヘルパーT細胞のTh−2亜集団はIL−4およびIL−10の優先的な産生を特徴とする。T細胞受容体と反応する抗CD3抗体は休止期ならびにCD4およびCD8亜集団双方の全T細胞を測定する。(ナイーブなマウスに比較して)CD4+/IFNγ抗原特異的亜集団の約1.0%から約2.0%までの増大は多様な抗原でのマウスの免疫感作に関する他者の研究と矛盾しない(Caraher EM.J Immunol Methods 2000 244:29;O’Hagan D.J Virol 2001 75:9037;Karulin AY.J Immunol.2002 168:545−53;Targoni OS.J Immunol.2001 166:4757−64;Hesse MD.J Immunol.2001 167:1353−61;Heeger PS.J Immunol.2000 165:1278−84;Helms T.J Immunol.2000 164:3723−32;Yip HC.J Immunol.1999 162:3942−9)。
Figure 2006515744
IFN−γサイトカイン応答についてのELISPOTアッセイを、Ii−Key−ava−gp160(843−855)若しくはgp160(843−855)での免疫感作に対する脾Tリンパ球サブセット応答をより正確に滴定するために実施した。アッセイは後に続くとおり実施した。サイトカイン特異的捕捉抗体の溶液(リン酸緩衝生理的食塩水溶液、pH7.2中6μg/mlで100μl)を4℃での一夜インキュベーションのため96ウェルImmunospotプレート(M200)の各ウェルに添加した。吸引後、10%ウシ胎児血清および1%ペニシリン−ストレプトマイシン−グルタミンを含有するリン酸緩衝生理的食塩水溶液200μl(マウス培地)を各ウェルにRTで2時間添加した。リン酸緩衝生理的食塩水溶液中1%Tween−20(洗浄緩衝液I)で4回洗浄した後、10細胞/ウェルの免疫したマウスの脾からの単一細胞懸濁液100μlをマウス培地中5μg/ウェルのペプチドエピトープ100μlで再刺激し、そして37℃、5%COで20〜40時間インキュベートした。リン酸緩衝生理的食塩水溶液(洗浄緩衝液II)で2回および洗浄緩衝液Iで4回洗浄した後、10%ウシ胎児血清を含む1×リン酸緩衝生理的食塩水(希釈緩衝液)中の2μg/mlのビオチニル化抗マウスIFN−γ 100μlを各ウェルにRTで2時間添加した。洗浄緩衝液Iで5回洗浄した後、希釈緩衝液中のストレプトアビジン−ワサビペルオキシダーゼ複合物(500倍)100ilを各ウェルにRTで1時間添加した。洗浄緩衝液Iで4回および洗浄緩衝液IIで2回洗浄した後に100μlの3−アミノ−9−エチルカルバゾール/H基質(Pharmingen 551951)を添加し、そして暗所中RTで30〜60分間インキュベートしたした。200μlの脱イオン水で3回洗浄することにより反応を停止した。ELISPOTデータ解析はImmunospot 1.7eソフトウェア(Cellular Limited Technology)を使用することにより実施した。四重のウェルのディジタル化画像を、対照細胞(ナイーブな脾細胞)および実験細胞(免疫したマウスの脾細胞)の細胞の比較に基づき色密度がバックグラウンドを超えるスポットの存在について分析した。スポットの大きさおよび円形性についての付加的な計数パラメータを適用して、非特異的抗体結合により引き起こされるスペックルをゲートした(gate out)。各スポットはIFN−γを分泌する単一の細胞を表す。
IFN−γ/Th−1応答は、Ii−key/HIV gp160(843−855)ハイブリッドおよびHIV gp160(843−855)ペプチド(双方とも生理的食塩水溶液中で投与された)での免疫感作からHIV gp160(843−855)エピトープに対し導き出された(表5)。C3H/HeJ(H−2)マウスを、等容量のフロイントの不完全アジュバント(IFA)で乳化した40nモルのペプチド(50μl)で尾の基部で皮下で免疫した。第13日に、マウスを等量のフロイントの不完全アジュバント(IFA)で乳化した40nモルのペプチド(50μl)で尾の基部で皮下で追加免疫した。第31日に、マウスを100μlのハンクス液(HBSS)に溶解した40nモルのペプチドで静脈内に追加免疫した。第35日にマウスを殺し、そして脾からの単一細胞懸濁液をHIV gp160(843−855)ペプチドに対するIFN−γ応答についてアッセイした。
Figure 2006515744
数は三重のウェル中のスポットの平均の数(および標準偏差)であり、また、大きさはmmでの平均のスポット大きさ(および標準偏差)である。Ii−Key/gp160(844−855)は1個のavaスペーサーを有する(Ii−key−ava−gp160(844−855))。
表22.4および22.5のデータは、Ii−Key/抗原性エピトープハイブリッドは匹敵する抗原性ペプチドよりも有意により強力な免疫原であるという表1−3のデータから生じられる見解を支持する。さらに、Ii−Key/抗原性エピトープハイブリッド中の抗原性エピトープは、アジュバントを含まないPBS中での皮下免疫感作後に良好に提示される。この事実は、多様な他のアジュバント、例えばCFA若しくはIFAでさえも禁忌とされるか若しくは好ましくないかのいずれかであるヒトにおけるワクチンとしてのこれらのペプチドの有効な使用に向かせる。
Ii−Key/抗原性エピトープハイブリッドペプチドのcDNA配列をミニジーン(minigene)DNAワクチンとしての送達のため構築し得る。こうした構築物は、それぞれIi−Key/抗原性エピトープをコードする1個若しくは数個の反復遺伝子構築物から構成されるミニジーン、またはそれ自体ミニジーン構築物の抗原性エピトープが由来したタンパク質の発現をコードするDNAワクチン中への1個若しくはそれ以上の挿入物のいずれかである。標準的分子生物学技術を使用してこうしたミニジーン構築物を生成する(Leifert JA.Hum Gene Ther.2001 12:1881−92;Liu WJ.Virology.2000 273:374−82)。
こうしたミニジーンをコードするDNA構築物は、1)LRMKのような生物学的に活性のIi−Keyペプチド、若しくは米国特許第5,919,639号明細書で教示されるところのIi−Keyペプチドの生物学的に活性の相同体、2)ala−ala−ala、またはava若しくはala−ala−alaの他の生物学的に許容できる機能的同等物から構成されるスペーサー、および3)抗原性エピトープのコドンを含有する。
本開示は、5−アミノペンタン酸である1個のδ−アミノ吉草酸から構成されるスペーサーが2種のこうした残基から構成されるスペーサー若しくは全くないスペーサーに好ましいことを示す。Ii−Key/抗原性エピトープペプチド中の1個のδ−アミノ吉草酸残基の直線状の長さが約2.5アミノ酸のバックボーンに沿った直線状の長さに近いため、ミニジーンのDNA構築物中のスペーサー同等物の長さは好ましくは2、3若しくは4アミノ酸であるが、しかしそのスペーサーの長さは1から11アミノ酸まで伸長し得る。ミニジーンのスペーサー同等物セグメント中のコドンは機能上許容できるアミノ酸をコードし得るが、しかし、好ましいものはアラニン、グリシンおよびセリンのような小さな側鎖のアミノ酸を包含する群から選ばれる。
本開示に提示される他の実施例でのとおり、Ii−Key/抗原性エピトープハイブリッドの抗原性エピトープセグメントのアミノ酸は、1種のMHCクラスIIに提示される抗原性エピトープのみ、または以下a)第二のMHCクラスIIに提示されるエピトープ、b)MHCクラスIに提示されるエピトープ、およびc)抗体に認識されるエピトープの1種若しくはそれ以上をコードする結合された若しくはオーバーラップする配列(1種若しくは複数)を含むこうしたエピトープをコードするアミノ酸配列から構成されてよい。
Ii−Key/クラスIIエピトープハイブリッドでの免疫感作は抗原特異的Tヘルパー細胞応答を増強することによりMHCクラスIエピトープ活性に対するCTL応答を高める。MHCクラスIIエピトープ提示の向上された効力はMHCクラスIエピトープの活性に対する応答を増強する。マウスをCTLエピトープとのIi−Key/MHCクラスIIハイブリッドの混合物、若しくはMHCクラスIIエピトープ+CTLエピトープ、若しくはCTLエピトープ単独で免疫した。ELISPOTアッセイは、CTLエピトープを伴うIi−Key/MHCクラスIIハイブリッドでマウスを免疫することが高められたCTL活性を生じさせたことを示した(表22.6)。C3D2F1/Jマウスを:1)IFA中の40nモルのIi−key/HIVヘルパーTエピトープGP120(91−100)]および20nモルのHIV CTLエピトープ(p18)、2)IFA中の40nモルのHIVヘルパーTエピトープGP120(91−100)および20nモルのHIV CTLエピトープ(p18)、3)IFA中の20nモルのHIV CTLエピトープ(p18)の混合物、若しくは4)免疫原なしのいずれかで尾の基部で皮下に免疫した。第14日に、マウスに尾の基部で上述されたと同一の免疫原で追加免疫した。第32日にマウスをもう1回皮下で追加免疫した。個々のマウスの脾からの単一細胞懸濁液を、CTLエピトープp18(5ig/ウェル)、非特異的エピトープ(5ig/ウェル)および培地単独を含有する培養物(10細胞/ウェル)中での最後の追加免疫5日後にex vivoで攻撃した。表22.6は6ないし9個のウェルの1群あたり3匹のマウスから平均したデータから計算した平均のスポット値およびSDを表す。
Figure 2006515744
従って、Ii−Key/MHCクラスIIヘルパーエピトープ+CTLエピトープで免疫したマウスは、CTLエピトープ単独若しくはMHCクラスIIエピトープ+CTLエピトープで免疫したマウスよりもはるかにより大きい抗原特異的CTL応答を表した。Ii−Key/MHCクラスIIハイブリッドおよびCTLエピトープ、若しくはCTLエピトープが内在するMHCクラスII配列の共有結合もまた高められたCTL応答を提供することができる。加えて、Ii−Key/MHCクラスIIハイブリッドのCTL配列から構成されるミニジーンおよびDNAワクチンもまた高められたCTL反応を誘導することができる。

Claims (59)

  1. 以下の要素:
    a)哺乳動物のIi−KeyペプチドLRMKLPKPPKPVSKMR(配列番号1)のうちの4〜16残基、および抗原提示を高める活性を保持するそのN末端以外の欠失改変体より本質的になるN末端要素;
    b)直鎖状の様式で配置された場合に同じように直鎖状の様式で配置される20アミノ酸の長さまで伸長されるフレキシブルな鎖を形成する共有結合された原子群であり、
    i)MHCクラスIエピトープ若しくはその一部分;および/または
    ii)抗体に認識される決定子若しくはその一部分
    よりなる群から選択される、要素c)のMHCクラスIIに提示されるエピトープに段階a)のN末端要素を共有結合する化学構造;ならびに
    c)MHCクラスII分子の抗原性ペプチド結合部位に結合するポリペプチド若しくはペプチド模倣構造の形態の抗原性エピトープを含んでなるC末端要素
    を含んでなる、抗原提示を高めるハイブリッドポリペプチド。
  2. 要素a)の改変が:
    a)C末端からのアミノ酸の欠失;
    b)N末端の保護;
    c)N末端伸長;および
    d)アミノ酸置換
    よりなる群から選択される、請求項1に記載の抗原提示を高めるハイブリッドポリペプチド。
  3. アミノ酸置換が1アミノ酸残基のペプチド模倣構造の置換を包含する、請求項2に記載の抗原提示を高めるハイブリッドポリペプチド。
  4. 要素a)に対するアミノ酸置換が、野性型の哺乳動物Ii−Key配列(配列番号1)中に見出される1アミノ酸からアミノ酸残基アスパラギン酸若しくはグルタミン酸への置換を除外する、請求項2に記載の抗原提示を高めるハイブリッドポリペプチド。
  5. 要素a)中のアミノ酸置換が、野性型アミノ酸残基の代わりにD−異性体アミノ酸の導入することを包含する、請求項2に記載の抗原提示を高めるハイブリッドポリペプチド。
  6. 要素a)中のアミノ酸置換が、野性型アミノ酸残基の代わりにN−メチルアミノ酸の導入することを包含する、請求項2に記載の抗原提示を高めるハイブリッドポリペプチド。
  7. 要素a)中のアミノ酸置換が、L−異性体アミノ酸若しくは修飾L−異性体アミノ酸の導入を包含する、請求項2に記載の抗原提示を高めるハイブリッドポリペプチド。
  8. 要素a)中の修飾L−異性体アミノ酸が:N−メチルロイシン;L−シトルリン;L−ホモアルギニン;L−オルニチン;L−ヒドロキシプロリン、p−クロロフェニルアラニン;p−フルオロフェニルアラニン;p−ニトロフェニルアラニン;α−アミノ−4−フェニル酪酸;β−チエニルアラニン;d−ブロモチロシン;ジヨードチロシン;β−1−ナフチルアラニン;β−2−ナフチルアラニン;1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3−カルボン酸;および1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−7−ヒドロキシ−3−カルボン酸よりなる群から選択される、請求項7に記載の抗原提示を高めるハイブリッドポリペプチド。
  9. 要素b)の介在化学構造が、MHCクラスIに提示されるエピトープ若しくはその一部分を含んでなる、請求項1に記載の抗原提示を高めるハイブリッドポリペプチド。
  10. C末端要素が:
    i)MHCクラスIに提示されるエピトープ若しくはその一部分、および/または
    ii)抗体に認識される決定子若しくはその一部分
    よりなる群から選択されるペプチジル要素をさらに含んでなる、請求項1に記載の抗原提示を高めるハイブリッドポリペプチド。
  11. C末端要素が、MHCクラスIに提示されるエピトープ若しくはその一部分(該MHCクラスIに提示されるエピトープ若しくはその部分を構成するアミノ酸残基はMHCクラスIIに提示されるエピトープの構成残基である)をさらに含んでなる、請求項1に記載の抗原提示を高めるハイブリッドポリペプチド。
  12. C末端要素が、抗体に認識される決定子若しくはその一部分(該抗体に認識される決定子若しくはその一部分を構成するアミノ酸残基はMHCクラスIIに提示されるエピトープの構成残基である)をさらに含んでなる、請求項1に記載の抗原提示を高めるハイブリッドポリペプチド。
  13. 1種若しくはそれ以上のMHCクラスIIに提示されるエピトープ、1種若しくはそれ以上のMHCクラスIに提示されるエピトープ、および1種若しくはそれ以上の抗体に認識される決定子を含有する、請求項1に記載の抗原提示を高めるハイブリッドポリペプチド。
  14. 以下の要素:
    a)哺乳動物のIi−KeyペプチドLRMKLPKPPKPVSKMR(配列番号1)のうちの4〜16残基、および抗原提示を高める活性を保持するそのN末端以外の欠失改変体より本質的になるN末端要素;
    b)直鎖状の様式で配置された場合に同じように直鎖状の様式で配置される20アミノ酸の長さまで伸長されるフレキシブルな鎖を形成する共有結合された原子群であり、
    i)免疫学的に中性の化学構造;
    ii)MHCクラスIエピトープ若しくはその一部分;および/または
    iii)抗体に認識される決定子若しくはその一部分
    よりなる群から選択される、要素c)のMHCクラスIIに提示されるエピトープに段階a)のN末端要素を共有結合する化学構造;ならびに
    c)MHCクラスII分子の抗原性ペプチド結合部位に結合するポリペプチド若しくはペプチド模倣構造の形態の抗原性エピトープ
    を含んでなる、抗原提示を高めるハイブリッドポリペプチドをコードする単離された核酸配列。
  15. C末端要素が:
    i)MHCクラスIに提示されるエピトープ若しくはその一部分、および/または
    ii)抗体に認識される決定子若しくはその一部分
    よりなる群から選択されるペプチジル要素をさらに含んでなる、請求項14に記載の抗原提示を高めるハイブリッドポリペプチド。
  16. 要素a)の改変が:
    a)C末端からのアミノ酸の欠失;
    b)N末端伸長;および
    c)アミノ酸置換
    よりなる群から選択される、請求項14に記載の単離された核酸。
  17. 要素a)に対するアミノ酸置換が、野性型の哺乳動物Ii−Key配列(配列番号1)中に見出される1アミノ酸からのアミノ酸残基アスパラギン酸若しくはグルタミン酸への置換を除外する、請求項16に記載の単離された核酸。
  18. C末端要素が、MHCクラスIに提示されるエピトープ若しくはその一部分(該MHCクラスIに提示されるエピトープ若しくはその部分を構成するアミノ酸残基はMHCクラスIIに提示されるエピトープの構成残基である)をさらに含んでなる、請求項14に記載の単離された核酸。
  19. C末端要素が、抗体に認識される決定子若しくはその一部分(該抗体に認識される決定子若しくはその一部分を構成するアミノ酸残基はMHCクラスIIに提示されるエピトープの構成残基である)をさらに含んでなる、請求項14に記載の単離された核酸。
  20. a)i)哺乳動物のIi−KeyペプチドLRMKLPKPPKPVSKMR(配列番号1)のうちの4〜16残基、および抗原提示を高める活性を保持するそのN末端以外の欠失改変体より本質的になるN末端要素;
    ii)MHCクラスII分子の抗原性ペプチド結合部位に結合するポリペプチド若しくはペプチド模倣構造の形態のMHCクラスIIに提示されるエピトープを含んでなるC末端要素;ならびに
    iii)直鎖状の様式で配置された場合に同じように直鎖状の様式で配置される20アミノ酸の長さまで伸長されるフレキシブルな鎖を形成する共有結合された原子群であり、
    1)免疫学的に中性の化学構造;
    2)MHCクラスIエピトープ若しくはその一部分;および/または
    3)抗体に認識される決定子若しくはその一部分
    よりなる群から選択される、ハイブリッドのN末端およびC末端要素を共有結合する介在化学構造
    を含んでなる抗原提示を高めるハイブリッドポリペプチドを提供すること;ならびに
    b)段階a)の抗原提示を高めるハイブリッドポリペプチドを生理学的条件下で以下の成分:
    i)段階a)ii)の抗原性エピトープをTリンパ球に提示することが可能であるMHCクラスII分子を発現する抗原提示細胞;および
    ii)段階b)i)の抗原提示細胞により発現されるMHCクラスII分子により提示される場合に要素a)ii)のMHCクラスIIに提示されるエピトープに対し応答性であるTリンパ球
    と接触させてそれによりTリンパ球へのMHCクラスIIに提示される抗原性ペプチドの提示を高めること
    を含んでなる、Tリンパ球へのMHCクラスIIに提示される抗原性ペプチドの提示を高める方法。
  21. 段階b)の細胞がドナー個体により提供され、かつ、段階b)の操作の後に該細胞がex vivo治療プロトコルでドナー個体に再注入される、請求項20に記載の方法。
  22. C末端要素が、MHCクラスIに提示されるエピトープ若しくはその一部分をさらに含んでなり、かつ、段階b)のインキュベーション混合物が、MHCクラスIに提示されるエピトープに対し応答性のTリンパ球をさらに含んでなる、請求項20に記載の方法。
  23. MHCクラスIに提示されるエピトープ若しくはその部分を含んでなるアミノ酸残基がMHCクラスIIに提示されるエピトープの構成残基である、請求項22に記載の方法。
  24. C末端要素が、抗体に認識される決定子若しくはその一部分をさらに含んでなり、かつ、段階b)のインキュベーション混合物が、抗体に認識される決定子を認識する免疫グロブリン受容体を発現するBリンパ球をさらに含んでなる、請求項20に記載の方法。
  25. 抗体に認識される決定子若しくはその一部分を含んでなるアミノ酸残基がMHCクラスIIに提示されるエピトープの構成残基である、請求項24に記載の方法。
  26. 段階c)のTリンパ球が、Tリンパ球の調節セットに帰されるサイトカイン放出パターンを有する、請求項20に記載の方法。
  27. Tリンパ球の調節セットがTH1セットである、請求項26に記載の方法。
  28. Tリンパ球の調節セットがTH2セットである、請求項26に記載の方法。
  29. a)i)哺乳動物のIi−KeyペプチドLRMKLPKPPKPVSKMR(配列番号1)のうちの4〜16残基、および抗原提示を高める活性を保持するそのN末端以外の欠失改変体より本質的になるN末端要素;
    ii)MHCクラスII分子の抗原性ペプチド結合部位に結合するポリペプチド若しくはペプチド模倣構造の形態のMHCクラスIIに提示されるエピトープを含んでなるC末端要素;ならびに
    iii)直鎖状の様式で配置された場合に同じように直鎖状の様式で配置される20アミノ酸の長さまで伸長されるフレキシブルな鎖を形成する共有結合された原子群であり、
    1)免疫学的に中性の化学構造;
    2)MHCクラスIエピトープ若しくはその一部分;および/または
    3)抗体に認識される決定子若しくはその一部分
    よりなる群から選択される、ハイブリッドのN末端およびC末端要素を共有結合する介在化学構造
    を含んでなる抗原提示を高めるハイブリッドポリペプチドを提供すること;ならびに
    b)段階a)の抗原提示を高めるハイブリッドポリペプチドを、免疫応答を刺激するのに有効な量で患者に投与すること
    を含んでなる、哺乳動物を免疫してそれによる病理学的状態と関連する1種若しくはそれ以上のエピトープ/決定子に対する免疫学的感受性の増大方法。
  30. 抗原提示を高めるハイブリッドポリペプチドのC末端要素がMHCクラスIに提示されるエピトープ若しくはその一部分をさらに含んでなる、請求項29に記載の方法。
  31. MHCクラスIに提示されるエピトープ若しくはその部分を構成するアミノ酸残基がMHCクラスIIに提示されるエピトープの構成残基である、請求項30に記載の方法。
  32. 抗原提示を高めるハイブリッドポリペプチドのC末端要素が、抗体に認識される決定子若しくはその一部分をさらに含んでなる、請求項29に記載の方法。
  33. 抗体に認識される決定子若しくはその一部分を構成するアミノ酸残基がMHCクラスIIに提示されるエピトープの構成残基である、請求項32に記載の方法。
  34. a)i)哺乳動物のIi−KeyペプチドLRMKLPKPPKPVSKMR(配列番号1)のうちの4〜16残基、および抗原提示を高める活性を保持するそのN末端以外の欠失改変体より本質的になるN末端要素;
    ii)MHCクラスII分子の抗原性ペプチド結合部位に結合するポリペプチド若しくはペプチド模倣構造の形態のMHCクラスIIに提示されるエピトープを含んでなるC末端要素;ならびに
    iii)20アミノ酸までの長さを有する、ハイブリッドのN末端とC末端要素を結合する介在ペプチジルセグメント(該介在化学構造は
    1)免疫学的に中性の化学構造;
    2)MHCクラスIエピトープ若しくはその一部分;および/または
    3)抗体に認識される決定子若しくはその一部分
    よりなる群から選択される
    を含んでなる、抗原提示を高めるハイブリッドポリペプチドをコードする発現可能な核酸配列を提供すること;ならびに
    b)段階a)の発現可能な核酸配列を、免疫応答を刺激するのに有効な量で患者に投与すること
    を含んでなる、哺乳動物を免疫して、それにより病理学的状態と関連する1種若しくはそれ以上のエピトープ/決定子に対する免疫学的感受性を増大させる方法。
  35. 抗原提示を高めるハイブリッドポリペプチドのC末端要素がMHCクラスIに提示されるエピトープ若しくはその一部分をさらに含んでなる、請求項34に記載の方法。
  36. MHCクラスIに提示されるエピトープ若しくはその部分を構成するアミノ酸残基がMHCクラスIIに提示されるエピトープの構成残基である、請求項35に記載の方法。
  37. 抗原提示を高めるハイブリッドポリペプチドのC末端要素が、抗体に認識される決定子若しくはその一部分をさらに含んでなる、請求項34に記載の方法。
  38. 抗体に認識される決定子若しくはその一部分を構成するアミノ酸残基がMHCクラスIIに提示されるエピトープの構成残基である、請求項37に記載の方法。
  39. 以下の要素:
    a)哺乳動物のIi−KeyペプチドLRMKLPKPPKPVSKMR(配列番号1)のうちの4〜16残基、および抗原提示を高める活性を保持するそのN末端以外の欠失改変体より本質的になるN末端要素;
    b)直鎖状の様式で配置された場合に同じように直鎖状の様式で配置される20アミノ酸の長さまで伸長されるフレキシブルな鎖を形成する共有結合された原子群であり、
    i)免疫学的に中性の化学構造;
    ii)MHCクラスIエピトープ若しくはその一部分;および/または
    iii)抗体に認識される決定子若しくはその一部分
    よりなる群から選択される、要素c)のMHCクラスIIに提示されるエピトープに段階a)のN末端要素を共有結合する化学構造;ならびに
    c)MHCクラスII分子の抗原性ペプチド結合部位に結合するポリペプチド若しくはペプチド模倣構造の形態の抗原性エピトープを含んでなり、
    i)MHCクラスIに提示されるエピトープ若しくはその一部分、および/または
    ii)抗体に認識される決定子若しくはその一部分
    よりなる群から選択されるペプチジル要素をさらに含んでなるC末端要素
    を含んでなる、抗原提示を高めるハイブリッドポリペプチド。
  40. a)MHCクラスIIに提示されるエピトープを含んでなるC末端要素;
    b)Ii−Keyモチーフを含んでなるN末端要素;および
    c)約4ないし約11アミノ酸残基からの配列を含んでなる介在要素
    を含んでなり;
    組換えDNA技術による改変が要素b)およびc)内で生じている、組換えDNA技術により改変された天然に存在しないタンパク質若しくはポリペプチド。
  41. Ii−Keyモチーフが、LIVFM(配列番号790)よりなる群から選択される最低2アミノ酸、およびHKRよりなる群から選択される最低1個を含有する5個の連続するアミノ酸残基のセグメントを含んでなる、請求項40に記載のタンパク質若しくはポリペプチド。
  42. MHCクラスIIに提示されるエピトープが治療上重要なタンパク質中の分子的特徴である、請求項40に記載の方法。
  43. a)MHCクラスIIに提示されるエピトープを含んでなるC末端要素;
    b)LIVFM(配列番号790)よりなる群から選択される最低2アミノ酸およびHKRよりなる群から選択される最低1個を含有する5個の連続するアミノ酸残基のセグメントを含んでなるIi−Keyモチーフを含んでなるN末端要素;ならびに
    c)約4ないし約11アミノ酸残基からの配列を含んでなる介在要素
    を含んでなる、天然に存在しないタンパク質若しくはポリペプチドをコードする発現可能な核酸配列。
  44. a)目的のMHCクラスIIに提示されるエピトープのN末端残基から4〜11アミノ酸上流に位置するIi−Keyモチーフをコードする、目的のMHCクラスIIに提示されるエピトープをコードする核酸配列を提供すること;ならびに
    b)ロイシン、イソロイシン、バリン、フェニルアラニンおよびメチオニンよりなる群から選択される最低2アミノ酸、ならびにヒスチジン、リシンおよびアルギニンよりなる群から選択される最低1アミノ酸を含んでなる5個の連続するアミノ酸のセグメントを含んでなる原型のIi−Key調節モチーフとのIi−Keyモチーフの一致性を低下させるようにIi−Keyモチーフを改変すること
    を含んでなる、目的のMHCクラスIIに提示されるエピトープに向けられる免疫応答の抑制方法。
  45. a)目的のMHCクラスIIに提示されるエピトープのN末端残基から4〜11アミノ酸上流に位置するIi−Keyモチーフを欠く、目的のMHCクラスIIに提示されるエピトープをコードする核酸配列を提供すること;および
    b)MHCクラスIIに提示されるエピトープから適切に間隔を空けてIi−Keyモチーフを導入するように核酸配列を改変すること
    を含んでなる、目的のMHCクラスIIに提示されるエピトープに向けられる免疫応答を高める方法。
  46. a)MHCクラスIIに提示されるエピトープを含有する目的のタンパク質若しくは目的のポリペプチドをコードする第一の発現可能な配列;ならびに
    b)i)哺乳動物のIi−KeyペプチドLRMKLPKPPKPVSKMR(配列番号1)のうちの4〜16残基、および抗原提示を高める活性を保持するそのN末端以外の欠失改変体より本質的になるN末端要素;
    ii)段階a)の目的のタンパク質中に含有される、MHCクラスII分子の抗原性ペプチド結合部位に結合するポリペプチド若しくはペプチド模倣構造の形態のMHCクラスIIに提示されるエピトープを含んでなるC末端要素;ならびに
    iii)約20アミノ酸若しくはそれ未満の長さを有する、ハイブリッドのN末端とC末端要素を結合する介在ペプチジル構造
    を含んでなる、抗原提示を高めるハイブリッドポリペプチドをコードする第二の発現可能な核酸配列
    を含んでなる、単離された核酸分子。
  47. 要素a)の改変が:
    a)C末端からのアミノ酸の欠失;
    b)N末端伸長;および
    c)アミノ酸置換
    よりなる群から選択される、請求項46に記載の単離された核酸。
  48. 要素a)に対するアミノ酸置換が、野性型の哺乳動物Ii−Key配列(配列番号1)中に見出される1アミノ酸からのアミノ酸残基アスパラギン酸若しくはグルタミン酸へ置換を除外する、請求項46に記載の単離された核酸。
  49. C末端要素がMHCクラスIに提示されるエピトープ若しくはその一部分をさらに含んでなり、該MHCクラスIに提示されるエピトープ若しくはその部分を構成するアミノ酸残基がMHCクラスIIに提示されるエピトープの構成残基である、請求項46に記載の単離された核酸。
  50. C末端要素が抗体に認識される決定子若しくはその一部分をさらに含んでなり、該抗体に認識される決定子若しくはその一部分を構成するアミノ酸残基がMHCクラスIIに提示されるエピトープの構成残基である、請求項46に記載の単離された核酸。
  51. 目的のタンパク質若しくはポリペプチドが感染性病原体によりコードされるタンパク質若しくはポリペプチドに対応する、請求項46に記載の単離された核酸配列。
  52. 感染性病原体が、炭疽菌、エボラ、HIVおよびインフルエンザよりなる群から選択される、請求項51に記載の単離された核酸配列。
  53. 感染性病原体がワクシニアウイルスである、請求項46に記載の単離された核酸配列。
  54. 目的のタンパク質がgp42である、請求項46に記載の単離された核酸配列。
  55. a)i)感染性病原体によりコードされるタンパク質に対応する目的のタンパク質をコードする第一の発現可能な配列;
    ii)1)哺乳動物のIi−KeyペプチドLRMKLPKPPKPVSKMR(配列番号1)のうちの4〜16残基、および抗原提示を高める活性を保持するそのN末端以外の欠失改変体より本質的になるN末端要素;
    2)MHCクラスII分子の抗原性ペプチド結合部位に結合するポリペプチド若しくはペプチド模倣構造の形態のMHCクラスIIに提示されるエピトープを含んでなるC末端要素(該MHCクラスIIに提示されるエピトープは段階a)の目的のタンパク質に含有される);ならびに
    3)約20アミノ酸若しくはそれ未満の長さを有する、ハイブリッドのN末端およびC末端要素を結合する介在ペプチジル構造
    を含んでなる抗原提示を高めるハイブリッドポリペプチドをコードする第二の発現可能な核酸配列
    を含んでなる核酸分子を提供すること;ならびに
    b)段階a)の核酸分子を、免疫応答を刺激するのに十分な量で患者に投与すること
    を含んでなる、哺乳動物を免疫してそれにより予め決められたエピトープ若しくは決定子に対する免疫学的感受性を変える方法。
  56. a)感染性病原体によりコードされるタンパク質に対応する目的のタンパク質をコードする第一の発現可能な配列を含んでなる第一の核酸配列を提供すること;
    b)i)哺乳動物のIi−KeyペプチドLRMKLPKPPKPVSKMR(配列番号1)のうちの4〜16残基、および抗原提示を高める活性を保持するそのN末端以外の欠失改変体より本質的になるN末端要素;
    ii)MHCクラスII分子の抗原性ペプチド結合部位に結合するポリペプチド若しくはペプチド模倣構造の形態のMHCクラスIIに提示されるエピトープを含んでなるC末端要素(該MHCクラスIIに提示されるエピトープは段階a)の目的のタンパク質に含有される);ならびに
    iii)約20アミノ酸若しくはそれ未満の長さを有する、ハイブリッドのN末端とC末端要素を結合する介在ペプチジル構造
    を含んでなる抗原提示を高めるハイブリッドポリペプチドをコードする第二の発現可能な配列を含んでなる第二の核酸配列を提供すること;ならびに
    c)段階b)の核酸配列を、免疫応答を刺激するのに十分な量で患者に投与すること;ならびに
    d)段階c)の投与に応答してのT細胞拡張後に、段階a)の第一の核酸配列を、免疫応答を刺激するのに十分な量で患者に投与すること
    を含んでなる、哺乳動物を免疫してそれにより予め決められたエピトープ若しくは決定子に対する免疫学的感受性を変える方法。
  57. a)目的のワクチン病原体のゲノムを準備すること;
    b)i)哺乳動物のIi−KeyペプチドLRMKLPKPPKPVSKMR(配列番号1)のうちの4〜16残基、および抗原提示を高める活性を保持するそのN末端以外の欠失改変体より本質的になるN末端要素;
    ii)MHCクラスII分子の抗原性ペプチド結合部に結合するポリペプチド若しくはペプチド模倣構造の形態のMHCクラスIIに提示されるエピトープを含んでなるC末端要素(該MHCクラスIIに提示されるエピトープは段階a)のゲノムによりコードされる);ならびに
    iii)約20アミノ酸若しくはそれ未満の長さを有する、ハイブリッドのN末端とC末端要素を結合する介在ペプチジル構造
    を含んでなる、抗原提示を高めるハイブリッドポリペプチドをコードする発現可能な核酸配列を段階a)のゲノムに組込むこと;
    c)段階b)の核酸配列を、免疫応答を刺激するのに十分な量で患者に投与すること;ならびに
    d)段階c)の投与に応答してのT細胞拡張後に、段階a)の第一の核酸配列を、免疫応答を刺激するのに十分な量で患者に投与すること
    を含んでなる、哺乳動物を免疫してそれにより予め決められたエピトープ若しくは決定子に対する免疫学的感受性を変える方法。
  58. a)MHCクラスII陽性細胞を提供すること;ならびに
    b)i)目的のウイルス特異的抗原性エピトープをコードする発現可能な核酸配列;および
    ii)mRNA分子とハイブリダイズしてそれにより該mRNA分子の翻訳を阻害する能力を有する、ヒトIiタンパク質をコードするmRNA分子に対し相補的であるRNA分子をコードする発現可能なリバース遺伝子構築物
    を含んでなる組換えウイルスを段階a)の細胞に導入すること
    を含んでなる、Iiタンパク質発現が抑制されているMHCクラスII分子陽性細胞の表面上での目的のウイルス特異的な抗原性エピトープの表示方法。
  59. 組換えウイルスがワクシニアウイルスである、請求項58に記載の方法。
JP2004541534A 2002-09-17 2003-09-12 Ii−Key/抗原性エピトープハイブリッドペプチドワクチン Pending JP2006515744A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US10/245,871 US20030235594A1 (en) 1999-09-14 2002-09-17 Ii-Key/antigenic epitope hybrid peptide vaccines
US10/253,286 US7179645B2 (en) 2002-09-24 2002-09-24 Ii-Key/antigenic epitope hybrid peptide vaccines
PCT/US2003/028574 WO2004030616A2 (en) 2002-09-17 2003-09-12 Ii-KEY/ANTIGENIC EPITOPE HYBRID PEPTIDE VACCINES

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006515744A true JP2006515744A (ja) 2006-06-08
JP2006515744A5 JP2006515744A5 (ja) 2007-10-18

Family

ID=32072825

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004541534A Pending JP2006515744A (ja) 2002-09-17 2003-09-12 Ii−Key/抗原性エピトープハイブリッドペプチドワクチン

Country Status (5)

Country Link
EP (1) EP1556072B1 (ja)
JP (1) JP2006515744A (ja)
AU (1) AU2003294220A1 (ja)
CA (1) CA2499123A1 (ja)
WO (1) WO2004030616A2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015533837A (ja) * 2012-10-30 2015-11-26 モナッシュ ユニバーシティ 新規免疫療法用分子およびその使用
JP2016533341A (ja) * 2013-09-25 2016-10-27 アラヴァックス ピーティーワイ リミテッド 新規免疫療法組成物およびその使用
JP2024069322A (ja) * 2015-04-24 2024-05-21 イマティクス バイオテクノロジーズ ゲーエムベーハー Nsclcをはじめとする肺がんおよびその他のがんに対する免疫療法において使用するための新規ペプチドおよびペプチド組み合わせ
JP2024147612A (ja) * 2015-03-27 2024-10-16 イマティクス バイオテクノロジーズ ゲーエムベーハー 様々な腫瘍に対する免疫療法で使用される新規ペプチドおよびペプチドの組み合わせ

Families Citing this family (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7601351B1 (en) 2002-06-26 2009-10-13 Human Genome Sciences, Inc. Antibodies against protective antigen
KR20100092031A (ko) * 2004-06-17 2010-08-19 맨카인드 코포레이션 에피토프 유사체
US7691396B2 (en) 2005-06-15 2010-04-06 The Ohio State University Research Foundation Chimeric peptides comprising HER-2 B-cell epitopes and measles virus fusion protein T-cell epitopes
US20080095798A1 (en) * 2006-10-18 2008-04-24 Robert Humphreys Ii-key enhanced vaccine potency
GB0706070D0 (en) * 2007-03-28 2007-05-09 Scancell Ltd Nucleic acids
US20100234283A1 (en) 2009-02-04 2010-09-16 The Ohio State University Research Foundation Immunogenic epitopes, peptidomimetics, and anti-peptide antibodies, and methods of their use
JP2012050440A (ja) * 2011-09-16 2012-03-15 Chiba Univ ヒトTh1/Th2分化誘導の評価方法
SG11201808710UA (en) * 2016-04-19 2018-11-29 Imcyse Sa Novel immunogenic cd1d binding peptides
CN108129558B (zh) * 2017-12-21 2021-10-12 中国医学科学院北京协和医院 一种桦树花粉主要致敏蛋白Bet v 8的提取和分离纯化方法及应用
US20230000908A1 (en) * 2019-09-11 2023-01-05 Ohio State Innovation Foundation Engineered cells and uses thereof
WO2023240295A2 (en) * 2022-06-10 2023-12-14 Ayass Bioscience Llc Food allergen processing and desensitization by aptamers

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001021193A1 (en) * 1999-09-14 2001-03-29 Antigen Express, Inc. Hybrid peptides modulate the immune response

Family Cites Families (22)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
NZ207394A (en) 1983-03-08 1987-03-06 Commw Serum Lab Commission Detecting or determining sequence of amino acids
US4708871A (en) 1983-03-08 1987-11-24 Commonwealth Serum Laboratories Commission Antigenically active amino acid sequences
US4650764A (en) 1983-04-12 1987-03-17 Wisconsin Alumni Research Foundation Helper cell
EP0190205B1 (en) 1984-07-24 1992-10-21 Coselco Mimotopes Pty. Ltd. Method for determining mimotopes
US4797368A (en) 1985-03-15 1989-01-10 The United States Of America As Represented By The Department Of Health And Human Services Adeno-associated virus as eukaryotic expression vector
US6133029A (en) 1988-03-21 2000-10-17 Chiron Corporation Replication defective viral vectors for infecting human cells
US5194425A (en) 1988-06-23 1993-03-16 Anergen, Inc. Mhc-mediated toxic conjugates useful in ameliorating autoimmunity
US5539084A (en) 1989-02-17 1996-07-23 Coselco Mimotopes Pty. Ltd. Method for the use and synthesis of peptides
US5399346A (en) 1989-06-14 1995-03-21 The United States Of America As Represented By The Department Of Health And Human Services Gene therapy
US5126132A (en) 1989-08-21 1992-06-30 The United States Of America As Represented By The Department Of Health And Human Services Tumor infiltrating lymphocytes as a treatment modality for human cancer
ATE199398T1 (de) 1989-10-24 2001-03-15 Chiron Corp Sekretion vom mit gamma-interferon signalpeptid gebundenen humänen protein
US5747334A (en) 1990-02-15 1998-05-05 The University Of North Carolina At Chapel Hill Random peptide library
EP0558671B1 (en) 1990-11-21 1999-01-27 Iterex Pharmaceuticals Ltd. Partnership Synthesis of equimolar multiple oligomer mixtures, especially of oligopeptide mixtures
US5270170A (en) 1991-10-16 1993-12-14 Affymax Technologies N.V. Peptide library and screening method
ATE152915T1 (de) 1991-11-29 1997-05-15 Viagene Inc Immuntherapeutische vektorkonstrukte gegen krebs
US5679527A (en) 1992-03-25 1997-10-21 Antigen Express, Inc. Modification of polypeptide structure
WO1994012520A1 (en) 1992-11-20 1994-06-09 Enzon, Inc. Linker for linked fusion polypeptides
US5559028A (en) * 1993-05-19 1996-09-24 Antigen Express, Inc. Methods of enhancing or antigen presentation to T cells inhibiting
SG49113A1 (en) 1993-08-06 1998-05-18 Cytel Corp Methods for ex vivo therapy using peptide-loaded antigen presenting cells for the activation of ctl
US5874214A (en) 1995-04-25 1999-02-23 Irori Remotely programmable matrices with memories
WO1997016474A1 (en) 1995-11-01 1997-05-09 Bracco Research S.A. Targeted magnetically labeled molecular marker systems for the nmr imaging
AU3307497A (en) 1996-06-26 1998-01-14 Antigen Express, Inc. Immunotherapy by modulation of antigen presentation

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001021193A1 (en) * 1999-09-14 2001-03-29 Antigen Express, Inc. Hybrid peptides modulate the immune response

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015533837A (ja) * 2012-10-30 2015-11-26 モナッシュ ユニバーシティ 新規免疫療法用分子およびその使用
JP2018184447A (ja) * 2012-10-30 2018-11-22 アラヴァックス ピーティーワイ リミテッド 新規免疫療法用分子およびその使用
US11096994B2 (en) 2012-10-30 2021-08-24 Aravax Pty Ltd Immunotherapeutic molecules and uses thereof
JP2021185162A (ja) * 2012-10-30 2021-12-09 アラヴァックス ピーティーワイ リミテッド 新規免疫療法用分子およびその使用
US11980658B2 (en) 2012-10-30 2024-05-14 Aravax Pty Ltd Immunotherapeutic molecules and uses thereof
JP2016533341A (ja) * 2013-09-25 2016-10-27 アラヴァックス ピーティーワイ リミテッド 新規免疫療法組成物およびその使用
US11266737B2 (en) 2013-09-25 2022-03-08 Aravax Pty Ltd Immunotherapeutic composition and uses thereof
US11986522B2 (en) 2013-09-25 2024-05-21 Ara Vax Pty Ltd Immunotherapeutic composition and uses thereof
JP2024147612A (ja) * 2015-03-27 2024-10-16 イマティクス バイオテクノロジーズ ゲーエムベーハー 様々な腫瘍に対する免疫療法で使用される新規ペプチドおよびペプチドの組み合わせ
JP2024069322A (ja) * 2015-04-24 2024-05-21 イマティクス バイオテクノロジーズ ゲーエムベーハー Nsclcをはじめとする肺がんおよびその他のがんに対する免疫療法において使用するための新規ペプチドおよびペプチド組み合わせ

Also Published As

Publication number Publication date
CA2499123A1 (en) 2004-04-15
WO2004030616A3 (en) 2004-10-07
AU2003294220A8 (en) 2004-04-23
AU2003294220A1 (en) 2004-04-23
EP1556072B1 (en) 2010-05-19
WO2004030616A2 (en) 2004-04-15
EP1556072A4 (en) 2005-12-21
EP1556072A2 (en) 2005-07-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7179645B2 (en) Ii-Key/antigenic epitope hybrid peptide vaccines
US8815249B2 (en) Ii-key/antigenic epitope hybrid peptide vaccines
US20030235594A1 (en) Ii-Key/antigenic epitope hybrid peptide vaccines
TWI837869B (zh) 新抗原及其使用方法
EP1556072B1 (en) Ii-KEY/ANTIGENIC EPITOPE HYBRID PEPTIDE VACCINES
US9861661B2 (en) Elimination of immune responses to viral vectors
US11760782B2 (en) Peptides and methods for the treatment of diabetes
US12116412B2 (en) Induction and enhancement of antitumor immunity involving virus vectors expressing multiple epitopes of tumor associated antigens and immune checkpoint inhibitors or proteins
EP3074051A1 (en) Mers-cov vaccine
Bronte et al. Effective genetic vaccination with a widely shared endogenous retroviral tumor antigen requires CD40 stimulation during tumor rejection phase
CN101146550A (zh) 用于预防或治疗目的的激发、增强和维持对i类mhc-限制性表位的免疫应答的方法
US20040223977A1 (en) Fusion peptide HIV vaccines
CN108607094A (zh) 由基因工程化的人造抗原提呈细胞的分泌小体所构建的t细胞疫苗及其制备方法和应用
HUT77484A (hu) Peptidek és ezeket tartalmazó gyógyszerkészítmények
WO2024077601A1 (en) Peptide vaccines against glioma and uses thereof
WO2022174156A1 (en) Prophylactic broad spectrum vaccine for sars-cov-2
WO2023004307A1 (en) T cell epitopes and related compositions useful in the prevention and treatment of respiratory syncytial virus infection
Paterson Rational approaches to immune regulation
HK1187836A (en) Elimination of immune responses to viral vectors

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060908

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070831

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20090113

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20090113

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091201

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20100301

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20100308

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100727