JP2006515696A - 移動式トレーラ追跡システム及び方法 - Google Patents

Abstract

【課題】 車両追跡システム、特に、移動式トレーラのフリートに関する位置及びトラクタ結合情報を維持する移動式トレーラのための追跡システムを提供する。
【解決手段】 複数の移動式トラクタ及びトレーラに対する位置追跡システムは、複数のトレーラの各々のための固有の電子的識別子を含む。複数のトラクタの各トラクタに対して、位置追跡システムは、トラクタの現在位置を判断するためのナビゲーションシステム、トラクタに結合したトレーラの電子的識別子を取得するための電子的識別子読取器、及びトラクタの現在位置とこのトラクタに結合したトレーラの電子的識別子とを遠隔システムに報告するための位置報告サブシステムを含む。更に、位置追跡システムは、複数の固定位置施設の各施設において、施設内に位置する１つ又はそれ以上のトレーラの電子的識別子を取得するための１つ又はそれ以上の電子的識別子読取器、及び施設内に位置する１つ又はそれ以上のトレーラの存在を遠隔システムに報告するためのトレーラ存在報告サブシステムを含む。

Description

本発明は、一般的に車両追跡システムに関し、より詳細には、移動式トレーラのフリートに関する位置及びトラクタ結合情報を維持する移動式トレーラのための追跡システムに関する。

トラクタ−トレーラによる貨物の輸送は、世界の商取引の重要な部分を占めている。（この関連では、「トラクタ」は、トレーラトラックのようなハイウエートラックの意味である。）トラクタ−トレーラのフリートの所有者の複雑で大規模な事業には、所有者が自分の車両のステータスと大体の位置とをできるだけ正確に追跡することが必要である。これは、特に、品物の集荷と配達の効率的な割当て、装置の稼働率の改善、効率的なメンテナンス計画、貨物のセキュリティの改善、アセット・ロスの低減、及び、修理又は救援の必要な車両に対する迅速な対応を容易にする。「全地球測位システム（ＧＰＳ）」の登場は、地理的な位置を今や数メートル以内で正確に特定し、車両の位置情報を正確に判断することができるので、これらの仕事を大幅に助けている。車両の現在位置を報告する方法と組み合わせて、ＧＰＳベースの追跡システムは、フリート所有者が特に数千の車両を追跡すべき時に必要な種類の集中追跡及び菅理を提供することができる。

ハイウエートラクタを連続して追跡する多くのシステムが存在する。トラクタの追跡システムは、例えば、Ｑｕａｌｃｏｍｍ製の「ＯｍｎｉＴＲＡＣＳ」システム、Ｏｒｂｃｏｍｍ社のＯｒｂｃｏｍｍデータメッセージングシステム、及びＭｏｔｉｅｎｔ／Ｎｏｒｃｏｍｍ車両追跡システムを含む。それらは、一般的に、ＧＰＳシステムと、衛星ベースのデータメッセージングシステム（及び、任意的に他のセンサ及び制御リレー）とを含む。トラクタの位置を含むメッセージは、衛星ベースシステムを通してトラクタと中央事務所との間で通信される。他のシステムは、通信とデータメッセージングのためにセルラーベースシステムを使用する。これらのシステムは、一般的に、都市エリア又は携帯電話カバレージを有するハイウエーに沿ったエリアだけで有効である。

一般的に、トラクタ追跡システムは、移動式トレーラを直接追跡するのに有用でも有効でもない。この理由は、トラクタ追跡システムにはトレーラを識別又はモニタする自動機構が何もなく、その代わり、オペレータがトレーラデータを手作業で入力する必要があるからである。その結果、報告中のトラクタからトレーラが切り離された状態では、トレーラ位置の視認性が失われる。更に、トラクタ追跡システムを単に移動式トレーラに直接設置することは実用的でない。この理由は、トレーラは一般的にトラクタに接続されている時だけ電力があるので、トラクタから独立してトラクタ追跡システム（ここではトレーラ追跡のために使用される）を作動させるために必要な電源がないからである。ＱｕａｌｃｏｍｍのＯｍｎｉＴｒａｃｓシステムで使用される衛星のような地上２２，５００マイルの軌道を回る衛星と通信するためには、かなりの量の電力を必要とする。

しかし、非拘束トレーラ追跡システムを提供するいくつかの会社も確かに存在する。（「非拘束」トレーラとは、トラクタの電源に接続していないか又は接続する必要がないトレーラである。）例えば、ＯｒｂｃｏｍｍのＬＥＯトレーラ追跡システムは、「低周回軌道（Ｌｏｗ−Ｅａｒｔｈ−Ｏｒｂｉｔ）」衛星に通信を依存している。ＬＥＯ衛星は地面により近いので（例えば、５００マイル）、従来の静止衛星と比べて、それほど複雑でなくより低出力のアンテナ及び発信機を用いてこれらの衛星と通信することができる。同様に、セルラーベースのモデムシステムは、従来の衛星ベースシステムよりも少ない電力しか使用せず、非拘束トレーラに使用することができるが、それらは、フルスケールのトラクタ追跡システムのカバレージには欠ける。例えば、ＱｕａｌｃｏｍｍのＴｒａｉｌｅｒＴｒａｃｓ製品は、非拘束トレーラ通信に関してセルラーベースシステムに依存している。

これらの種類の非拘束トレーラ追跡システムは、両方とも非拘束トレーラ通信に関してバッテリ電力に依存している。それらの電力要件は、相当なものである。例えば、ＯｒｂｃｏｍｍのＬＥＯ衛星と通信すると、約６ワットの割合で電力を消費するが、セルラーベースモデムの所要電力は、約６００ｍＷの割合に過ぎない。これらの電力レベルでは、バッテリが非常に早く消耗するので、そのようなシステムの有効性を制限する可能性がある。また、バッテリに課せられた大きな電力要求は、バッテリが度々点検されて頻繁に交換されることを必要とし、バッテリを特に故障しやすくする。これらの種類のシステムは、一般的にトラクタ自体とは通信しないので、基本的な「トラクタ接続」の判断以外には、特定のトラクタ識別及び結合情報をもたらすことができない。

すなわち、トラクタベース通信システムの大きな電力要件なしで移動式トレーラの自動追跡をもたらすことができるトレーラ追跡システムを提供することが望ましいと考えられる。

トラクタ−トレーラフリートの所有者に対する別の重要な課題は、トレーラヤードの在庫をモニタする機能である。トレーラが使用されていない時、それらは、一般にトレーラの列を有する大きな屋外施設である「トレーラヤード」に保菅される。大きな物流センターはまた、トレーラの積載中又は荷揚げ中に一時的な保菅のためのトレーラヤードを維持する場合がある。数百又は数千のトレーラさえも収容することができるトレーラヤードもいくつかある。トラクタ−トレーラフリートをモニタするのが重要であるのと同じ理由で、ヤードにおけるトレーラを追跡する効率的な手段は非常に重要である。一部のフリートオペレータは、バッテリ作動の非拘束トレーラ追跡システムに依存し、ヤードの既知の座標に基づいて特定のトレーラがヤードにあると推定されることを示すＧＰＳ位置データを提供することができる。代替的に、いくつかのシステムは、ＲＦＩＤ又は無線周波数ＩＤとして公知のトレーラの無線周波数タグ付けを提供する。

基本的ＲＦＩＤシステムは、（１）アンテナ又はコイル、（２）復号器を備えたトランシーバ、及び（３）特定情報で電子的にプログラムされたトランスポンダとも呼ばれるＲＦＩＤタグの３つの構成要素を有する。戦略的に配置されたアンテナを有するトランシーバは、ＲＦＩＤタグを作動させるための無線信号を発する。トランシーバは、タグからデータを読取り、タグにデータを書込み、又はその両方を行うことができる。アンテナは、タグとトランシーバの間のリンクであり、無線波と電気信号の間の変換を行う。多くの場合、アンテナは、トランシーバ及び復号器と共にパッケージ化され、読取器としても公知のインテロゲータになる。

ＲＦＩＤタグは、一般的に、アンテナ又は誘導コイル、メモリ、及び小型プロセッサを包含する。それらは、それらが電力を得る手段次第でアクティブ又はパッシブとして識別することができる。パッシブタグは、内蔵バッテリ電源なしで作動し、読取器によって伝達されたエネルギからその電力を得る。パッシブタグは、読取器からの無線波によって活性化され、固有の予め符号化された識別子を瞬時に読取器に送信して戻す。アクティブタグは、内蔵バッテリのような電源を利用し、従って読取器の電力要件を低減する。アクティブタグは、パッシブトランスポンダよりも大きな通信範囲とより良好なノイズ耐性とを提供することができる。アクティブタグはまた、より高い無線周波数で使用される時に、より高速のデータ伝送速度をもたらすことができる。

インテロゲータは、ユニットの電力出力及び使用する無線周波数により、１インチから２００フィート又はそれ以上に及ぶどの有効範囲でも無線波を発する。ＲＦＩＤタグがインテロゲーションゾーンを通過する時、それはＲＦ作動信号を検出し、それによってタグは、そのデータを送信する。インテロゲータは、データを受け取り、次にそのデータを復号化する。最後に、データは、処理のためにホストコンピュータに転送される。トレーラヤードの関連では、ＲＦＩＤタグは、トレーラ上に配置され、ヤード内のトレーラの在庫をモニタするために使用されている。しかし、ＲＦＩＤタグを装備したトレーラがトランシーバの送信及び受信範囲の外に出た状態で、トレーラの視認性が失われる。すなわち、トレーラヤード在庫菅理システムをトレーラ位置追跡システムと統合するトレーラ追跡システムを提供することが望ましいと考えられる。

すなわち、拘束か非拘束かに関わらず、また、ハイウエーで輸送中かトレーラヤードに位置するかに関わらず、移動式トレーラのフリートを追跡することができるシステムに対する必要性が存在する。

本発明の一実施形態では、複数の移動式トラクタ及びトレーラに対する位置追跡システムは、複数のトレーラの各々のための固有の電子的識別子を含む。また、各トラクタに対して、位置追跡システムは、トラクタの現在位置を判断するためのナビゲーションシステムと、トラクタに結合したトレーラの電子的識別子を取得するための電子的識別子読取器とを含む。位置追跡システムは、各トラクタに対して、ナビゲーションシステムと電子的識別子読取器とに結合した位置報告サブシステムを更に含む。位置報告サブシステムは、トラクタの現在位置と、そのトラクタに結合したトレーラの電子的識別子とを遠隔システムに報告する。

更に、位置追跡システムは、複数の固定位置施設の各施設において、施設内に位置する１つ又はそれ以上のトレーラの電子的識別子を取得するための１つ又はそれ以上の電子的識別子読取器を含む。各施設はまた、施設の１つ又はそれ以上の電子的識別子読取器に結合した、施設内に位置する１つ又はそれ以上のトレーラの存在を遠隔システムに報告するためのトレーラ存在報告サブシステムを含む。

本発明の別の実施形態は、複数の移動式トラクタ、移動式トレーラ、及び固定位置ヤードと共に使用するための遠隔システムである。各トレーラは、そのトレーラが結合したトラクタによって読みとることができ、そのトレーラが位置する固定位置ヤードによっても読みとることができる固有の識別子を有する。更に、各トラクタは、そのトラクタの現在位置を判断するためのナビゲーションシステムを有する。遠隔システムは、トラクタの現在位置を特定する情報とその特定したトラクタに結合したトレーラの電子的識別子とを含むトラクタ情報を受信するための通信モジュールを含む。トラクタ情報は、トラクタ上の通信装置から受信される。更に、通信モジュールは、固定位置ヤード内に位置するトレーラの電子的識別子を含むヤード情報を受信し、これは、固定位置ヤードにおいて通信装置から受信される。更に、遠隔システムは、複数の移動式トラクタ及びトレーラの各々のサブセットの位置に関する情報を保存するためのデータベースを含む。

本発明の更に別の実施形態は、複数の移動式トラクタ、移動式トレーラ、及び固定位置ヤードに関する位置追跡システムに使用するための移動式トラクタ-トレーラデータベースを維持する方法である。複数の移動式トレーラの各トレーラは、トレーラが結合したトラクタによって読みとることができ、トレーラが位置する固定位置ヤードによっても読みとることができる固有の識別子を有する。更に、各トラクタは、そのトラクタの現在位置を判断するためのナビゲーションシステムを有する。本方法は、遠隔システムにおいて、トラクタ上の通信装置から、そのトラクタの現在位置を示し、かつそのトラクタに結合した第１のトレーラの電子的識別子を示す報告を受信する段階を含む。本方法は、更に、遠隔システムにおいて、固定位置施設の通信装置からその施設に存在する第２のトレーラの電子的識別子を示す報告を受信する段階を含む。

更に、本方法は、（１）第１のトレーラの電子的識別子の表示、（２）第１のトレーラがトラクタに結合していることの指示、（３）トラクタの現在位置を表す、第１のトレーラと関連した位置、（４）第２のトレーラの電子的識別子の表示、及び （５）施設に第２のトレーラが存在することの指示から成るグループから選択された少なくとも１つのエントリを移動式トラクタ-トレーラデータベースに保存する段階を含む。

一実施形態では、本発明は、一般的に移動式トレーラのフリートに関するトレーラ追跡システムである。トレーラの各々は、トレーラの固有の電子的識別子を提供するＲＦＩＤタグを含む。トレーラは、各々がＲＦＩＤタグ読取器を備えた移動式トラクタのフリート（例えば、トレーラトラック）によって輸送される。トレーラがトラクタに取り付けられ、従ってトレーラのＲＦＩＤタグがトラクタのＲＦＩＤタグ読取器から短距離の範囲にある時、トラクタは、トレーラの固有の電子的識別子を判断することができる。各トラクタは、そのトラクタの位置を判断するためにナビゲーションシステム、一般的にはＧＰＳシステムを更に含む。通信リンクを使用して、各トラクタ（固有のトラクタ識別子によって特定された）は、それが結合したトレーラ（もしあれば）の電子的識別子をその位置と共に本明細書で遠隔システムとも呼ぶ集中菅理事務所に報告を戻すことができる。通信リンクは無線であり、セルラーベース又は衛星ベースの技術を通して通信することができる。

移動式トレーラのフリートは、トレーラヤード（本明細書では、固定位置施設及び固定位置ヤードとも呼ぶ）に一時的又は長期間に関わらず保管される。各トレーラヤードでは、ヤードステーションの別のＲＦＩＤタグ読取器が、ヤードに「登録中」（すなわち、到着中）の各トレーラの固有の電子的識別子を検出する。一実施形態では、トレーラヤードは、ゲートに２つのＲＦＩＤタグ読取器、すなわち、到着タグ読取器及び出発タグ読取器を有する。到着タグは、到着するトラクタ−トレーラをモニタし、出発タグは、出発するトラクタ−トレーラをモニタする。小さなヤードでは、ＲＦＩＤタグ読取器は、ヤード全体を受け持つことができるが、ヤードが大きくなると、電子的識別子は、ゲートでのみ検出可能になる。すなわち、システムは、（１）トレーラがトラクタに結合されていると報告されていること、及び（２）トレーラが到着ＲＦＩＤタグ読取器によって検出されていることにより、トレーラがヤードにおいて登録中であることを知る。逆に、システムは、（１）トレーラが最近トラクタに結合されたと報告されていること、及び（２）トレーラが出発ＲＦＩＤタグ読取器で検出されていることにより、トレーラがヤードから登録抹消中であることを知る。遠隔システムのデータベースは、例えば、トレーラの位置、トレーラが結合された任意のトラクタ、及び任意のヤードに対してトレーラが登録されているか又は登録抹消されているかを各トレーラの電子的識別子の下で記憶する。

図１を参照すると、本発明の多くの機能を実施することができるコンピュータシステム１００（本明細書では「遠隔システム」と呼ぶことがある）が示されている。コンピュータシステムは、一般的に、コンピュータシステム１００が位置とステータスを追跡する大部分のトラクタ及びトレーラから遠隔に位置する集中菅理事務所に位置する。コンピュータシステム１００は、１つ又はそれ以上の中央処理ユニット（ＣＰＵ）１０２、メモリ１０４（高速ランダムアクセスメモリ、及びディスクストレージのような不揮発性メモリを含む）、任意的なユーザインタフェース１０６、トラクタ−トレーラ位置プロセッサ１０８、位置受信サブシステム１１０、及びトレーラ存在受信サブシステム１１２を含み、その全ては、１つ又はそれ以上のシステムバス１１４によって相互接続される。コンピュータシステム１００はまた、ネットワークインタフェース１３０を通じて遠隔通信ネットワーク１４０に接続される。通信ネットワーク１４０は、コンピュータシステムが地方の例えばトレーラヤードに位置する時は、「ローカルエリアネットワーク」を含むことができ、又は、コンピュータシステム１００が中央に位置する時は、「ワイドエリアネットワーク」又は「インターネット」を含むことができる。

メモリ１０４は、一般的に、オペレーティングシステム１２０、ファイルシステム１２２、及び移動式トレーラのデータベース１２４を記憶する。移動式トレーラのデータベース１２４はまた、トラクタ−トレーラデータベースとして編成することができ、両方の種類のデータベースは、トラクタ及びトレーラ情報を含むが別様に編成される。この２つの用語は、本明細書に説明する種類の情報を含むデータベースをそれが移動式トラクタ及び移動式トレーラに関する時に意味するように同義語として使用されることになる。トラクタ−トレーラ位置プロセッサ１０８、位置受信サブシステム１１０、及びトレーラ存在受信サブシステム１１２は、図１では別々の構成要素として示しているが、実際には単一の構成要素に組み合わせることができる。代替的に、それらは、メモリ内のモジュール（すなわち、実行可能ソフトウエア）として実施することができる。また、単一の遠隔システム１００を示しているが、実際には、本発明の移動式トレーラ追跡システムは、１つよりも多い遠隔システムを利用することができ、又は地理的に広がった分散遠隔システムを使用することもできる。

図２を参照すると、本発明の実施形態を実施するトラクタ−トレーラの例が示されている。トラクタ２０２は、アンテナ２０６に取り付けられた移動式ターミナルユニット２０４を含む。結合されたトレーラ２０８は、以下で更に詳細に説明するように、移動式ターミナルユニット２０４によって読み取られる電子的識別子ユニット２１０を含む。トレーラ２０８はまた、この例では、電子的貨物識別子２１４を含む貨物トレーラロード２１２を収容する。

電子的識別子ユニット２１０と同様に、電子的貨物識別子２１４は、移動式ターミナルユニット２０４によって読み取られる。しかし、アンテナ２０６によって読み取られる代わりに、電子的貨物識別子２１４は、結合トレーラ２０８の内側に取り付けられたアンテナである移動式ターミナルユニットの読取器拡張部２１６によって読み取られる。読取器拡張アンテナ２１６は、有線トラクタ−トレーラ接続２１８を通して移動式ターミナルユニットに再び接続される。有線接続は、一般的に、例えばトレーラのブレーキ及び表示灯をトラクタのライトにリンクさせるために、トラクタと結合トレーラの間で行われる。すなわち、この接続は、アンテナ２０６をトレーラ２０８の内部に実質的に延長し、アンテナ２０６及び電子的貨物識別子２１４からの信号が一般的にトレーラの壁を貫通しないと仮定すると、アンテナ２０６が他の方法では通常は読み取ることができないであろう貨物識別子２１４を読み取るための便利な方法を提供する。代替的に、アンテナリレー、超高周波信号、又はトレーラ２０８の壁を通してさえも移動式ターミナルユニット２０４によって貨物識別子２１４を読み取ることを可能にする他の任意の機構を本発明と共に使用することができる。

図３Ａを参照すると、本発明の一実施形態による移動式ターミナルユニット３０２の例が示されている。移動式ターミナルユニット３０２は、ナビゲーションシステムとも呼ばれるＧＰＳレシーバ３０４を含む。ＧＰＳレシーバ３０４は、十分に確立された当業者が公知の地理的座標及び／又は高度を判断するために衛星を使用する任意の種類の従来の「全地球測位システム」とすることができる。代替的に、セルラーベースシステムを含むＬｏｒａｎ−Ｃ及び他の地上の三角測量システムのような他の種類の位置標定システムを本発明と共に使用することができる。本発明は、いかなる特定の種類の位置標定システムに制限されることも意味せず、将来の種類の位置標定システムが本発明の範囲に入ることが勿論想定されている。ＧＰＳレシーバ３０４は、通信トランシーバ３１０と共有されるトランシーバアンテナ３１２を通じて作動するが、他の実施形態では、螺旋アンテナのようなＧＰＳレシーバによって専用に使用される独立アンテナを有することもできる。

移動式ターミナルユニット３０２はまた、インテロゲータアンテナ３１４を通じて作動する電子的識別子読取器３０８を含む。（本明細書では、電子的識別子読取器単独で又はインテロゲータアンテナと組み合わせてインテロゲータと呼ぶ。）一実施形態では、電子的識別子読取器とインテロゲータアンテナは、ＲＦＩＤトランシーバを構成する。以下に詳細に説明するように、トラクタ−トレーラ通信に対しては、トレーラの電子的識別子ユニットは短い伝送範囲に制限されるために、インテロゲータアンテナは、トラクタの後部にできるだけ近く取り付けられるべきである。すなわち、トレーラに近いトラクタ上に設置するために、インテロゲータアンテナ３１４を別にパッケージ化することが可能である。しかし、一般的には、ＧＰＳレシーバ３０４、プロセッサ３０６（例えば、プログラムド・マイクロコントローラ又はマイクロプロセッサ）、電子的識別子読取器３０８、通信トランシーバ３１０、トランシーバアンテナ３１２、及びインテロゲータアンテナ３１４は、一緒にパッケージ化され、トラクタ上に設けられるべき別々のパッケージの数を最小にし、従って、一体化した移動式ターミナルユニット３０２は、好ましくは、トラクタの後部の近くに取り付けられる。

電子的識別子読取器３０８によるインテロゲーションの頻度（すなわち、頻繁さ）は、以下で更に詳細に説明するように、トラクタに取り付けたトレーラの種類の関数である。一実施形態では、電子的識別子読取器３０８は、トラクタ（電子的識別子読取器３０８が取り付けられた）がトレーラに結合した時だけインテロゲーション信号の送信を可能にされる。トレーラに対するトラクタの結合の検出は、この実施形態では、トラクタからの電力及び信号ケーブルがトレーラに結合した時（トレーラのテールランプ及び信号灯に電力及び制御信号を供給するために）を検出する単純な開／閉回路検出器（図示しない）を使用することによって実施される。別の実施形態では、トラクタ対トレーラ結合検出機構は、トラクタのすぐ背後の空間をモニタするためにトレーラの高さでトラクタに取り付けられた短距離動作検出器である。これらの実施形態では、電子的識別子読取器３０８は、トレーラがトラクタに結合されたことを検出機構が検出する時に、インテロゲーション信号の送信だけを行う。更に別の実施形態では、電子的識別子読取器３０８は、トレーラがトラクタに結合されているか否かに関わらず、インテロゲーション信号を定期的に送信する。

電子的識別子読取器３０８及びＧＰＳレシーバ３０４は、両方ともプロセッサ３０６へのデータ入力をもたらす。データ入力は、プロセッサ３０６による更に別の処理を必要とする生データとすることができ、又は、トラクタの実際の地理的座標（ＧＰＳレシーバから）及び結合トレーラの電子的識別子（電子的識別子読取器から）とすることもできる。以下に詳細に説明するように、トレーラの電子的識別子ユニットはまた、冷凍トレーラの温度のような付加的なステータス情報を電子的識別子読取器３０８に提供することができる。ここでもまた、このデータは、実際の値とすることができ、又は更に別のアルゴリズミック処理を必要とする生データとすることもできる。プロセッサ３０６は、必要な信号及びデータ処理を行い、次に、トラクタに結合したトレーラ（もしあれば）の電子的識別子とトラクタの位置（及び、その結合により、トレーラの位置）とを含む、遠隔システム１００に返信されるデータメッセージの準備をする。移動式ターミナルユニット３０２は、それに付随する固有のトラクタ識別子を有し、これは、メッセージの発信トラクタを識別するためにデータメッセージに含まれる。

データメッセージは、次に、伝送用のデータを準備するためのＤ／Ａコンバータを含むことができ、トランシーバアンテナ３１２を通じて情報を伝送する通信トランシーバ３１０に送られる。プロセッサ３０６、通信トランシーバ３１０、及びトランシーバアンテナ３１２は、共同で又はこれらの構成要素のいずれか単独で、本明細書では位置報告サブシステム（又は、代替的に、通信装置）とも呼ばれる。すなわち、トラクタの現在位置とこのトラクタに結合したトレーラの電子的識別子とを遠隔システムに報告するのは、位置報告サブシステムである。この情報を取得するために、位置報告サブシステムは、上述のように、ＧＰＳレシーバ３０４と電子的識別子読取器３０８とに結合される。（本明細書で使用される場合、この種の「結合」は、直接の接続である必要はなく、１つ又はそれ以上の中間装置を通じて行うこともできる。）

トラクタの位置報告サブシステムは、イベント・ドリブンベース、又は定期的ベース、又はその両方で遠隔システム１００（図１）と通信することができる。トラクタの位置報告サブシステムに遠隔システムへの報告を促すことができるイベントの種類は、予定されているイベント（例えば、トラクタへの結合又はトレーラヤードでの登録）、及び予定されていないイベント（例えば、トレーラのドアの開き）の両方を含む。位置報告サブシステムが定期的ベースで報告する場合、それは、遠隔システムを１日に一度呼び出すことができ、例えば、トラクタ及びトラクタに結合したトレーラ（もしあれば）の位置を報告する。更に、遠隔システムは、位置報告サブシステムを通じて移動式ターミナルユニットと接触し、電子的識別子読取器３０８及びＧＰＳレシーバ３０４からの更新をいつでも要求することができる。一実施形態では、要求が移動式ターミナルユニットに記憶された承認された呼び出し識別子（例えば、遠隔システム）を有するシステムからであった場合、移動式ターミナルユニットは、要求されたポーリングに応答することになる。更に、一実施形態では、移動式ターミナルユニットは、移動式ターミナルユニットにトラクタ位置のような緊急情報を有する救難メッセージを送信させる、ドライバーが遠隔システムに接触するためのパニックボタンのような手動手段を含む。

移動式ターミナルユニット３０２は、トラクタのバッテリで作動する。一実施形態では、移動式ターミナルユニットは、エンジンが作動しなくても３０日まではこれらのバッテリで作動するように設計される。

図３Ｂを参照すると、本明細書で固有の電子的識別子又はタグとも呼ばれる本発明の一実施形態による電子的識別子ユニット３２２が示されている。（一実施形態では、電子的識別子ユニット３２２は、ＲＦＩＤトランスポンダであり、特にバッテリ（図示しない）を電源とするアクティブなトランスポンダである。）電子的識別子ユニットは、トレーラ上に取り付けられ、固有の電子的識別子フィールド３２６と、センサステータスフィールド３２８とを含むメモリ３２４を収容する。他の実施形態では、メモリ３２４は、付加的なフィールドを収容することができ、又は、例えば固有の電子的識別子フィールド３２６だけのような単に１つのフィールドを含むこともできる。メモリ３２４は、読取専用、「ｗｒｉｔｅ ｏｎｅ−ｒｅａｄ ｍａｎｙ」、又は読取／書込メモリとすることができる。電子的識別子ユニット３２２は、更に、プロセッサ３３０及び通信トランシーバ３３２を含む。通信トランシーバ３３２は、トランスポンダアンテナ３３４を通じて通信する。

当業技術で公知のように、ＲＦＩＤトランスポンダは、ＲＦＩＤインテロゲータからの「インテロゲーション」信号に応答して信号を送信する。ＲＦＩＤタグが、ＲＦＩＤインテロゲータからの信号を受信する範囲にある時は、ＲＦＩＤタグのプロセッサは、タグのメモリ３２４に記憶したデータを包含する適切な応答伝送をタグに送信させる。

電子的識別子ユニット３２２は、トレーラの電子的識別子を少なくとも２つの異なる種類のインテロゲータ（例えば、電子的識別子読取器）に送信する。これらは、トラクタ（通常のハイウエートラクタ又は以下に説明する「ヤード」トラクタに関わらず）のインテロゲータと、トレーラヤードのインテロゲータとを含む。しかし、各々に対して要求される送信距離は異なる。トラクタに関しては、トラクタのインテロゲータは、トレーラの電子的識別子ユニットに対して頻繁に、例えば、冷凍トレーラの場合は１５分ごとの頻度で問い合わせることになるので、低出力で短距離の送信が望ましい。一実施形態では、電子的識別子ユニット３２２は、内部バッテリ電源で作動するので、電子的識別子ユニットの信号出力が低くない限り、バッテリ電力は、頻繁なインテロゲーションにより急速に消耗する。すなわち、一実施形態では、トラクタの移動式ターミナルユニット３０２と電子的識別子ユニット３２２との間の最大距離は２フィートであり、電子的識別子ユニット３２２は、トレーラの上又は前壁上のいずれでもトレーラの最前部の近くに取り付けることを必要とする。

電子的識別子ユニット３２２が一般的に送信する先の他の種類のインテロゲータは、トレーラヤードのゲートに位置するものである。ゲートと到着又は出発するトラクタ−トレーラとの間の距離は、一般的に大きく２フィートを超えることになるので、より高出力の送信信号が必要である。一実施形態では、電子的識別子ユニット３２２は、約２００フィートまで返信伝送信号を送信することができる高出力送信モードを有する。電子的識別子ユニットは、トレーラがトレーラヤードに入退場する時だけの非常に限られた頻度で出力するので、この種のパワーを出力することができる。

インテロゲータからの照会に対して応答を送信するための適切な返信出力レベルを判断するために、電子的識別子ユニットのプロセッサ３３０は照会を解析する。一実施形態では、照会がトレーラヤード又はトラクタから電子的識別子読取器によって送信されたかにより、それぞれ返信レベルが高くなければならないか（すなわち、２００フィートまで）又は低くなければならないか（すなわち、２フィートまで）を示すデータビットを照会は包含することになる。他の実施形態では、照会は、中間範囲の伝送レベルのような付加的な返信レベルを指定することができる。これは、電子的識別子読取器が計量ステーション又は休憩停車場、又はトレーラが適度に近くを通ることを期待することができる他の種類の停車ポイントの位置に取り付けられている場合には有用であろう。

代替的に、電子的識別子ユニットは、異なるインテロゲータから異なる周波数でもたらされた照会をモニタすることができる。この方式の下では、電子的識別子ユニットは、特定の周波数で識別された照会に対して、その周波数に対応する予め指定した出力レベルの返信を使用して応答することになる。また、異なる出力レベルで返信信号を送信する機能を有する単一の電子的識別子ユニット３２２を説明したが、異なる送信機能を有する別々の電子的識別子ユニットを異なる種類のインテロゲータに対して利用することもできる。

メモリ３２４の固有の電子的識別子フィールド３２６は、特定のトレーラを一意的に識別する電子的識別子を含む。この固有の電子的識別子は、読取専用メモリに記憶される場合は、電子的識別子ユニット３２２の製造業者により設定することができ、又は、例えばフラッシュメモリに記憶される場合は、任意の当事者によって書込又は再書込することができる。書込／読取メモリの使用は、例えば複数の運送会社にリースされたトレーラに関するようなダイナミックに変化するトレーラ識別システムに対してより大きな柔軟性を提供する。また、この種のメモリの使用は、特定の行程でトレーラによって搬送される貨物の種類、貨物の量、貨物の状態などを固有の電子的識別子フィールド３２６又はメモリ３２４の他のフィールドにダイナミックに書き込むことを可能にする。更に、固有の電子的識別子フィールド３２６の一部は、トレーラの種類、すなわち、通常貨物トレーラか、冷凍トレーラか、又は家畜用トレーラか否かなどを識別することができる。

これらの値を固有の電子的識別子フィールド３２６にダイナミックに書き込むために、フリートの所有者は、例えば、トレーラに積載されている貨物の種類を記録するために、トレーラヤードの積載ドックでメモリ更新ステーションを使用することができる。また、一実施形態では、トラクタの移動式ターミナルユニット３０２は、固有の電子的識別子フィールド３２６及び／又はメモリ３２４内の他のフィールドが更新値で上書きされることを指定する書込み指令を照会と共に又はその直後に送信することができる。このようにして、トレーラ識別子は、新しい配送ルート、新しいリース、新しい貨物、新しい日付などを反映させるために単一又は複数のトレーラの識別子を更新するのに有用な、移動式ターミナルユニットに対して遠隔システムから出される指令を通してダイナミックに更新することができる。

任意的なセンサステータスフィールド３２８は、トレーラ本体（図示しない）に取り付けられたセンサにより電子的識別子ユニット３２２に供給された情報を包含する。利用することができる種類のセンサは、例えば、（ｉ）トレーラのドアがロックされているか、（ｉｉ）トレーラのドアが開いているか、（ｉｉｉ）貨物があるか、（ｉｖ）どのような種類の貨物があるか、（ｖ）貨物の重量、（ｖｉ）トレーラのためのバッテリ電力の残量、及び（ｖｉｉ）トレーラが冷凍車の場合のトレーラの現在の温度を判断するためのセンサを含む。これらが単なる例であるのは勿論であり、トレーラステータス情報をもたらすのに使用することができる他の任意の種類のセンサは本発明の範囲内であると考えられる。

これらのセンサのカテゴリの各々に対して、異なる位置のステータスを検出するために複数のセンサを使用することができ、例えば、冷凍トレーラの温度をトレーラ全体に亘って様々な位置で示すセンサを有することは有用であろう。一実施形態では、これらのセンサは、電子的識別子ユニット３２２に配線で直接接続されているが、他の実施形態では、いくつか又は全てのセンサが無線で接続され、電子的識別子読取器３２２に付随する無線レシーバに送信する。トレーラ追跡システムがセンサステータス情報を利用する場合、センサステータスフィールド３２８を含むメモリ３２４の部分は、センサによって検出されたダイナミックに変化するステータス情報をメモリ内でダイナミックに更新することができるように、読取／書込でなければならない。ステータス情報の更新は、変更が起こった時に発生するように、すなわち、イベント・ドリブンシステムとして設定することができるか、又はプロセッサ３３０が定期的にセンサをポーリングすることができるかのいずれかである。

冷凍トレーラは、一般的に、内部のトレーラ温度を制御するために冷凍装置に接続されたサーモスタットの一部である温度センサを含む。そのようなトレーラはまた、多くの場合、照明か又はトレーラの１つ又は複数のドアが開放されたままの時に警告を発する他の機器と結合させることができるドアセンサを含む。これらのセンサは、トレーラのドアが開いている時及びトレーラ内の温度が閾値レベルを超えた時に、一つにはトレーラの温度を制御し、一つには警告を発することによって貨物の損傷を回避するのを助ける。一実施形態では、冷凍トレーラに設けられた電子的識別子ユニット３２２は、「温度ビット」（トレーラ内の温度が閾値レベルを超えているか否かを示す）及び「ドアロックビット」（トレーラのドアが閉じているか否かを示す）とすることができる、少なくとも１つのトレーラサーモスタットのセンサステータス情報及びトレーラドアの開／閉ステータスを記憶する。

更に、冷凍トレーラは、好ましくは、内部温度が確実に適切な範囲に入るように、非冷凍トレーラよりも頻繁に移動式ターミナルユニット３０２から問い合わせをされることになる。連続結合した非冷凍トレーラは、日に一度又は二度問い合わせされるであろうが、冷凍トレーラは、１５分毎といった頻繁さで問い合わせされる場合がある。上述のように、これは、バッテリに実質的な枯渇をもたらし、センサを作動させるほど多くの電力を残さない。従って、一実施形態では、冷凍トレーラで使用されるセンサは、その電力を冷凍自体を提供する同じ電源から引き出すことになる。家畜用トレーラのような他の種類のトレーラはまた、より頻繁なインテロゲーションを必要とする場合がある。一般的に、トラクタの移動式ターミナルユニット内に一般的にプログラムされる各種のトレーラが問い合わせされるべき頻度を示すトレーラの種類の階層が存在する。

しかし、冷凍トレーラの場合でさえも、電子的識別子ユニット３２２の電力は、一般的に他の種類のトレーラの場合と同じ電源、すなわち、一実施形態では内部バッテリから依然として供給されることになる。上述のように、トラクタの移動式ターミナルユニットとトレーラの電子的識別子ユニットが非常に近いという要件は、バッテリに対する電力要件を低く保つ。更に、一実施形態では、電子的識別子ユニットはまた、公知のパワーマネージメント技術を使用して電力の枯渇を非常に低いレベルまで低減させる。また、トレーラがトラクタに結合されると、トレーラの電子的識別子ユニット３２２は、そのバッテリをトラクタのバッテリから充電することができる。一実施形態では、電子的識別子ユニット３２２は、最低５年の間交換せずに、充電なしで９０日間内部バッテリで作動するように設計される。更に、別の実施形態では、太陽電池が内部バッテリの充電を補充する。

電子的識別子ユニット３２２は、内部バッテリで作動するアクティブＲＦＩＤトランスポンダとして説明したが、別の実施形態では、パッシブＲＦＩＤトランスポンダとすることもできるであろう。上述のように、パッシブトランスポンダは、照会自体の誘導により発生した電力を使用して照会に応答を送信する。これは、トラクタ−トレーラ結合に対して容易に利用することができるが、例えば固定位置施設で潜在的に必要な種類の返信距離をもたらさない。しかし、パッシブ電子的識別子ユニット３２２は、インテロゲータが十分に近い場合又はインテロゲータのエネルギレベル（従って、誘導フィールド）が十分に高い場合は、依然として照会に対して十分に応答を送信することができる。これは、例えば、トレーラヤードに入退場する全てのトラクタ−トレーラをステーションゲートに十分に近づくようにルーティングし、ゲートにおけるインテロゲータにトレーラから識別データを失敗なく読み取らせることによって可能であろう。

ステータス情報を提供するセンサをトレーラが備えているか否かに関わらず、一実施形態では、インテロゲータが照会の中でそれを要求した場合は、電子的識別子ユニット３２２は、ステータス情報を単に提供する。換言すれば、照会は、電子的識別子ユニット３２２がセンサステータス情報をそれが利用可能か否かに関わらず送信すべきかどうかを指定する１つ又はそれ以上のビットのデータを有することになる。別の実施形態では、照会が電子的識別子ユニットを識別する（恐らく、ユニットの部類により）データビットを包含しない限り、電子的識別子ユニット３２２は、インテロゲータからの照会に全く応答しない。この方式は、極めて近いトレーラの電子的識別子ユニット間の混線を回避する方法として使用することができる。

図４を参照すると、固定位置施設４００、すなわちトレーラヤードが示されている。固定位置施設は、１つ又はそれ以上の電子的識別子読取器を含むヤードステーションとも呼ばれるヤードプロセッサ４０２と、電子的識別子読取器（個々には示さない）に結合したトレーラ存在報告サブシステムとを含む。ヤードプロセッサ４０２は、一般的に固定位置施設４００の入口／出口ゲート又はその近くに位置するであろう。ヤードプロセッサの電子的識別子読取器は、トラクタ上の電子的識別子読取器と正に同じように機能する。一実施形態では、ヤードプロセッサによって出された照会は、上述の通り、より高い返信出力レベルを指定する。別の実施形態では、ＲＦＩＤは、インテロゲータへのある一定の固定距離（例えば、８から２０フィートの範囲内）までの送信に適する唯一の伝送出力レベルを有する。

いくつかの実施形態では、電子的識別子読取器は、動作検出器がヤードプロセッサ４０２の近くの動作を検出した時はいつでも、照会を出すことができる。任意的に、より小さな車両がヤードプロセッサのそばを通る時に出される照会を低減するために、動作は、トラクタに関連する高さに設定することができる。他の実施形態では、ヤードプロセッサは、ヤード入口（ヤード到着点又はゲート、又は進入点又はゲートとも呼ばれる）又はヤード出口（ヤード出発点又はゲート、又は退出点又はゲートとも呼ばれる）近くの道路の地面の中又は下又は上のセンサの上を車両が通過する時はいつでも、照会を出すことができる。

ヤード入口に位置するヤードプロセッサ４０２の識別子読取器がトレーラの電子的識別子を読み取る時、トレーラ存在報告サブシステム（通信装置とも呼ばれる）は、集中菅理事務所又は遠隔システムに対して、それが施設に存在するトレーラを検出したことを報告する。更に、固定位置施設のネットワークにおける複数の固定位置施設を区別するために、各ヤードプロセッサ４０２は、それが通信の一部としてそれ自身を識別するために使用するヤード識別子の値を有する。トレーラと固定位置施設との識別子を使用して、遠隔システムは、ヤード内のトレーラの存在を記録する。通信は、一実施形態では、一般的にインターネット又は他の公共型ネットワークのような有線ＷＡＮ（ワイドエリアネットワーク）上で行われる。別の実施形態では、ＷＡＮは専用であり、トラクタ−トレーラフリートの所有者、又は本明細書に説明するトレーラ追跡機能性の提供者によって運用される。更に別の実施形態では、ヤードプロセッサは、有線又は無線の電話ネットワークを使用してトレーラ情報を遠隔システムに送信する。

トレーラ４０４及び４０８が固定位置施設４００で外される時、それらは、ヤードプロセッサのインテロゲータがトレーラの電子的識別子ユニット４０６及び４１０をそれぞれ読み取るのに十分なほど近く、ヤードプロセッサ４０２のそばを通過する。ヤードプロセッサ４０２はまた、施設に記憶されたトレーラ４０４及び４０８の電子的識別子ユニット４０６及び４１０を、それらのヤードプロセッサに対する近接性によるが、連続して検出することも可能であろう。しかし、施設にトレーラが存在するか否かを判断するためにトレーラをヤードプロセッサ４０２のインテロゲータの範囲内に保つことは不要である。

次に、トレーラがヤードプロセッサ４０２によってヤードの入口又は出口で検出された時に、トレーラがヤード内で登録中か又は登録抹消中かをシステムがどのように判断するかに関する問題を説明する。明らかに、ヤード内に十分に離れた別々の入口と出口があり、各入口のヤードプロセッサ４０２がどの出口のトレーラも検出することができず、またその逆も同じである場合、混乱する可能性は最小か又は存在しない。しかし、（Ａ）入口と出口が共用されているか又は互いに非常に近い場合、又は（Ｂ）ヤードプロセッサ４０２の検出範囲が入口と出口の両方でトレーラを検出するほど十分である場合、ヤードに登録中（すなわち、入場中）のトレーラと、登録解除中（すなわち、退場中）のトレーラとをシステムが確実に区別することができるために、他の機構を使用する必要がある。好ましい実施形態で使用される機構は、遠隔システム１００（図１）の移動式トレーラデータベース１２４内の履歴情報を使用する。

例えば、トレーラが「移動中」であり、従ってヤードの外であった場合、一般的に、トレーラがどのトラクタに接続しているか、及び最近の様々な時点のその位置を示すデータベース１２４内の１つ又はそれ以上の記録６００（図６）があることになる。トレーラがヤードに入ると、ヤード入口のヤードプロセッサは、遠隔システム１００にトレーラのＩＤの検出を報告する。遠隔コンピュータシステム１０００は、報告されたトレーラＩＤの最も最近の記録に関してそのデータベース１２４を検索することにより、それらの記録から、トレーラがこれまでヤードの外で「移動中」であり、従ってそのヤードに登録中であると判断する。

次に、ヤードで既に登録されたトレーラがヤードを離れる準備を行っている時は、トレーラがヤードから登録抹消中であることを遠隔システム１００に通知する２つのイベントが発生する。第１に、トレーラがトラクタに繋がれる（すなわち、結合される）時、好ましい実施形態では、トラクタは、その位置を報告し、トラクタに繋がれたトレーラを識別する通信を遠隔システム１００に送る。この情報は、データベース１２４に入力される。しかし、２つが繋がれた時のトラクタトレーラの報告は、任意的であり（役にはたつが）、本発明の実施を成功させるのに必要ではない。トレーラがヤードの出口でヤードプロセッサに到達すると、ヤードプロセッサは、遠隔システム１００にヤード出口にトレーラが存在することを報告する。このヤード出口が入口と出口の両方を兼ねていたとしても、コンピュータシステム１００は、トレーラのトレーラＩＤに関連する記録に関してそのデータベース１２４を検索することにより、このトレーラがヤードから登録抹消中であると判断する。この検索から、コンピュータシステム１００は、（Ａ）トレーラが以前このヤードに登録されたこと、及び（Ｂ）トレーラがヤードに登録された時以来、それがヤードの外で「移動中」であると報告されていないと判断する。この情報は、トレーラがヤードから登録抹消中であるとコンピュータシステムが判断するのに十分である。

トラクタにトレーラを繋ぐことが、遠隔システム１００に同時に報告される（例えば、トラクタの移動式ターミナルユニット２０４により）実施形態では、遠隔システム１００はまた、そのデータベース１２４内にそのイベントを報告する記録６００を発見する。この記録を発見することは、ヤード出口のトレーラがヤードを退出中であり、ヤードから登録抹消中であることの更なる確認を提供する。

すなわち、別々のヤード到着及び出発ゲートとヤードプロセッサとを有することは、遠隔システムのトレーラ登録及び登録抹消の論理回路を単純にするが、ゲートに１つ又はそれ以上のヤードプロセッサを備えた組み合わせた到着及び出発ゲートを有することは、どのトレーラが登録中でどのトレーラがヤードから登録抹消中であるかをシステムが間違いなく判断することを妨げることはない。

図４Ａは、ヤードプロセッサ４０２のブロック図である。一実施形態では、ヤードプロセッサ４０２の各部分は、図３Ａの移動式ターミナルユニット３０２と類似である。特に、ヤードプロセッサ４０２は、プロセッサ３０６（例えば、プログラムド・マイクロコントローラ又はマイクロプロセッサ）、電子的識別子読取器３０８、通信トランシーバ４２４、及びトランシーバアンテナ３１２を含む。ヤードプロセッサの通信トランシーバ４２４は、ワイドエリアネットワークのような通信ネットワーク１４０を通じて遠隔システムとメッセージを交換するように構成される。最後に、ヤードプロセッサ４０２は、好ましくは、ヤードプロセッサ４０２が位置するヤードを識別するヤードＩＤ４２２を含み、ヤードプロセッサ４０２が位置するヤードの位置が既知の固定した位置であるために、好ましくはＧＰＳレシーバを含まない。ヤードプロセッサ４０２から遠隔システムに送られるメッセージは、好ましくは、遠隔システムに報告が提出されているヤードを識別するためのヤードＩＤ４２２を含む。

同じく図４に示されているのは、移動式ターミナルユニット４１４を備えたヤードトラクタ４１２である。ヤードトラクタは、荷積み、荷揚げ、及び固定位置施設４００におけるトレーラの編成のようなヤード作業を実施するために使用される。ヤードトラクタは、ハイウエートラクタよりも実用的な傾向があり、農業目的で使用される種類のトラクタと類似するであろう。

図４Ｂを参照すると、ヤードトラクタの移動式ターミナルユニット４１４は、ハイウエートラクタの移動式ターミナルユニットと類似であるが、本発明の一実施形態によるとＧＰＳレシーバを有していない。これは、トレーラがヤード内にあることが既知であり、その詳細な地理的座標が不要だからである。その代わり、移動式ターミナルユニット４１４は、ヤードＩＤ４２２を有する。しかし、他の実施形態では、トレーラ編成の目的で実際の座標は重要であることがあり、ヤードトラクタの移動式ターミナルユニットは、ナビゲーション（例えば、ＧＰＳ）システムを含む。代替的に、固定位置施設がヤード周辺の戦略的な場所に配置された十分なインテロゲータを有する場合、公知の三角測量技術を通してトレーラの位置を判断することが可能である。

ヤードトラクタ４１２の移動式ターミナルユニット４１４は、プロセッサ３０６（例えば、プログラムド・マイクロコントローラ又はマイクロプロセッサ）、移動式ターミナルユニット４１４に結合したトレーラの電子的識別子を取得するための電子的識別子読取器３０８、及びヤード作業のためのヤードトラクタ４１２へのトレーラの取付けを報告する通信トランシーバを含む。一実施形態では、移動式ターミナルユニット４１４は、例えば衛星又はセルラーリンクを使用して、遠隔システムと直接通信するためのアンテナ４２８を使用する。別の実施形態では、ヤードプロセッサ４０２又はヤードの局所的な別のシステムは、ヤード内のトレーラ及びヤードトラクタに関する情報を菅理し、この実施形態では、移動式ターミナルユニット４１４は、アンテナ４２８を使用してヤードプロセッサ４０２又は他のローカルシステムと通信し、ヤードにおけるヤードトラクタ及びトレーラに関する情報をプロセッサ又はシステムに提供する。

図１に示す遠隔システム１００、すなわち集中菅理事務所では、移動式トレーラのデータベース１２４は、各トレーラに関するダイナミックなリアルタイムデータを記憶する。例えば、データベースは、トレーラのフリートのサブセットの各トレーラに対して、トレーラの現在位置、固定位置施設内のトレーラの存在、トレーラが結合した全てのトラクタ、及び／又は結合したトラクタの現在位置を示すことができる。（本明細書で使用される場合、あるものの「サブセット」は、事物の一部又は事物全体とすることができる。）この情報を編集するために、位置受信サブシステムは、トラクタの位置報告サブシステムから信号（例えば、データメッセージ）を受信する。同様に、トレーラ存在受信サブシステムは、固定位置施設のトレーラ存在報告サブシステム（例えば、ヤードプロセッサ）から信号を受信する。次に、トラクタ−トレーラ位置プロセッサは、送信中のトラクタの現在位置、そのトラクタに結合したトレーラの電子的識別子、及び固定位置施設内に位置するトレーラの存在を判断するためにこれらの受信信号を処理する。送信して処理することができる他の任意的な情報は、トレーラ上のセンサからのステータス情報を含む。

遠隔システム１００の機能性の別の説明としては、遠隔システムにおいて、通信モジュールは、トラクタ及びヤード情報を受信するということである。トラクタ情報は、トラクタ上の通信装置から受信されるトラクタの現在位置を識別する情報と識別されたトラクタに結合したトレーラの電子的識別子とを含む。ヤード情報は、固定位置ヤードの通信装置から受信される固定位置施設内に位置するトレーラの電子的識別子を含む。データベース１２４は、遠隔システムにおいて、移動式トラクタ及びトレーラのフリートの各トラクタ及びトレーラの位置に関する情報を記憶する。

本発明の一実施形態により、移動式トレーラのデータベース１２４（移動式トラクタ−トレーラデータベースとも呼ばれる）を維持する方法の一例が、図５に示されている。遠隔システムは、第１のトラクタの現在位置と第１のトラクタ（５０２）に結合した第１のトレーラの電子的識別子とを示す報告を第１のトラクタ上の通信装置から受信する。遠隔システムはまた、施設（５０４）に存在する第２のトレーラの電子的識別子を示す報告を固定位置施設の通信装置から受信する。次に、遠隔システムは、以下のもの（５０６）、すなわち、第１のトレーラの電子的識別子の表示（５０８）、第１のトレーラが第１のトラクタに結合されているという指示（５１０）、第１のトラクタの現在位置を表す、第１のトレーラに関連した位置（５１２）、第２のトレーラの電子的識別子の表示（５１４）、及び／又は第２のトレーラが施設に存在するという指示（５１６）のうちの少なくとも１つを移動式トラクタ−トレーラデータベースに記憶する。記憶された特定の情報、及び記憶されたデータベースの記録間の関連は、データベースが編成される方法に依存する。

例示的な移動式トレーラデータベースからの記録が図６に示されている。図６の左側に示すように、一連の「トレーラＩＤ１．．．Ｎ」の記録がデータベースに記憶される。右側は、例示的な移動式トレーラデータベース記録６００である。図示のように、記録は、上述の各トレーラの直接の固有電子的識別子か又は少なくともその値から導出されたトレーラＩＤ６０２の下に記憶（分類）される。このデータベースは，移動式トレーラデータベースのように厳格に編成される必要がなく、トラクタ及びトレーラの両方に対する別々の記録を含むことができるが、両方の種類のデータベースは正確に同じ情報を含むと考えられるので、厳密にはこれは形式的な問題である（すなわち、移動式トレーラデータベースでは、各トラクタに関する情報は、そのトラクタが結合したトレーラに関する記録に見出すことができる）。

例示的な記録６００はまた、ヤードＩＤ６０４を含む。各ヤード（すなわち、固定位置施設）はまた、データベースがどのヤードに特定のトレーラが位置するかを区別することができるように、識別子を有するべきである。この識別子は、一般的に、特定のヤードのヤードプロセッサに関連する。ヤードＩＤ６０４は、各ヤードに付随する実際の数値（又は、英数字の値）とすることができ、又は特定ヤードの地理的な説明（例えば、「オハイオ州デイトントレーラヤード」）に変換することもできる。ヤードＩＤの下で編成されたサブエントリは、ヤードプロセッサによって与えられるそのヤードで特定のトレーラが登録された時間（６０６）、及びトレーラが去った場合はトレーラが登録抹消された時間（６０８）である。

更に、記録６００は、結合トラクタＩＤ６１０を含む。このエントリは、トレーラがヤードに保管されていない場合に、それが現在どのトラクタに結合されているかを示す。任意的に、サブエントリは、トレーラがトラクタに結合された時間（６１２）、及びそれがトラクタに結合した時のトレーラの位置（６１４）を示す。結合トラクタに関する結合位置の情報は、トタクタのＧＰＳシステムからの地理座標で呈示することができ、又は、都市又は更に特定トレーラヤードのような概略の地理的区域に変換することもできる。イベント・ドリブン報告システムでは、トラクタの位置報告サブシステムは、それがトレーラの固有電子的識別子を最初に検出した時に遠隔システムに報告することになるので、結合の時間（６１２）と位置（６１４）は、両方とも比較的正確であるべきである（勿論、定期報告のみのシステムには、これは該当しないであろう）。代替実施形態では、記録６００はまた、利用可能な場合は、切り離し時間（図示しない）を含むことができる。これは、トラクタが、その位置報告サブシステムを通じて、トラクタの電子的識別子読取器がトレーラの電子的識別子をもはや取得してないと遠隔システムに報告する時間であると考えられる。

次に、記録６００は、トレーラの最後に既知の位置（６１６）を含む。この値は、一般的に、２つのソースの一方、すなわち、結合したトラクタのナビゲーション（ＧＰＳ）システム、又は、もし該当する場合は、トレーラが現在登録されているトレーラヤードのヤードプロセッサのいずれかによって提供される。トラクタの位置報告サブシステム又はトレーラヤードのトレーラ存在報告サブシステムによる報告の頻度次第で、最後に既知の位置は、非常に最近である可能性（すなわち、結合したトラクタからのイベント・ドリブン報告を促す最近の結合の場合）があり、又は、最大で１日又はそれ以上古い可能性（すなわち、トラクタによる定期報告の場合、又は１日よりも前にヤードを去ったトレーラの場合）があるであろう。

サブエントリとして、記録はまた、任意的に、トレーラの進行方向及び速度（６１８）を含むことができる。一実施形態では、これは、最後の入手可能な位置（以下に説明するように、他の履歴の記録から入手可能である）を現在位置、並びに２つの位置の判断の間に経過した時間と比較することによって計算することができるであろう。報告が比較的頻繁に提供される場合、このエントリは、特定のトレーラが向かっている方向と速さの程度に関する一般的な指示を提供することができる。より長い周期の定期的報告の場合は、このエントリは、行程の１日全体の平均速度と行程の非常に概略の方向とだけを示すことができる。

移動式トレーラデータベース記録６００に収容された情報がどれだけ最近のものであるかを判断するために、記録は、好ましくは、トレーラに関する最後の報告が提供された時間の表示を記憶する（６２０）。すなわち、遠隔システムは、それがトラクタの位置報告サブシステムか又は固定位置施設のトレーラ存在報告サブシステムから通信を受け取った最後の時間を記録し、また、その報告が実際のイベントの時か、又は定期的なベースか、又はポーリングに応答して行われたかも記録することができる。これは、位置報告及びトレーラ存在報告サブシステムによって提供された情報の精度（最新さ）を確かめるのに役立つ。このエントリはまた、ビューアーが例えば方向／速度エントリ６１８の正確さを判断するのを助ける。

ステータス情報エントリ６２２は、上述のように、任意的なトレーラセンサからの情報を含む。例えば、このフィールドは、ドアのステータス（例えば、閉じているか及び／又はロックされているか）、存在する任意の貨物の電子的識別子、貨物の温度などに関する情報を含むことができる。単一フィールドとして示されているが、ステータスデータの各種類は、記録内の別々のエントリとすることもできる。特定の種類のトレーラは、冷凍トレーラに対する貨物温度及びトレーラドアステータスのような特定の種類のステータス情報６２２を要求することになる。ステータス情報は比較的迅速に変わる可能性があるので、最後の報告のエントリの時間６２０は、１つ又は複数のステータスデータエントリがどれだけ正確であるかを評価する上で特に有用であろう。

最後に、図６に「トレーラＩＤの古い記録１」（６３０）として示すように、記録６００は、この特定のトレーラの最後の（より古い）記録に対する履歴記録ポインタ６２４を含む。トレーラＩＤの古い記録１自体は、次に最も古い（次に最後の）記録、すなわち、「トレーラＩＤの古い記録２」（６３２）を指す。現在の記録が履歴記録になる前の時間の長さは、記録内の任意のエントリが変わる毎から、毎日又は毎週のような何らかの予め指定された記録期間までのいずれかの時間まで及ぶことができる。明らかに、この履歴記録がより頻繁に作り出されるほど、各トレーラに対して記憶される情報が多くなり、データベースのサイズが大きくなる。別の実施形態では、移動式トレーラデータベース記録６００の各エントリは、各エントリに関するより古い履歴値を直接に含み、履歴値に対する現在値の直接比較を可能にする。異なる一実施形態では、履歴データは、現在の記録（エントリのいくつか又は全てに対する）及びリンクした履歴記録の両方に記憶される。

リンクした履歴記録リストの代わりに、現在の移動式トレーラデータベース記録６００に記憶された情報のサブセットを、ログファイル内の履歴データとして維持することができる。例えば、トレーラフリート内の各トレーラに対して、ログファイルは、トレーラに関する履歴位置情報とこのトレーラが結合されていたトラクタのリストと示す情報記録を含むことができる。ログファイルはまた、トラクタフリートの各トラクタに対して、トラクタに関する履歴位置情報とこのトラクタに過去に結合したことのあるトレーラの電子的識別子のリストとを示す情報記録を含むことができる。また、ログファイルは、固定位置施設のネットワークにおける各固定位置施設に対して、施設内に存在するとして過去に報告された１つ又はそれ以上のトレーラのリストを示す情報記録を含んでもよい。これらは、入手可能と考えられる異なる種類の履歴記録及びデータの単なる例であり、リンクしたリストのフォーマット又はログファイルとして維持されるか、トレーラ、トラクタ、又は固定位置施設によって編成されるかに関わらず、他の多くの種類の履歴記録は、全て本発明の範囲であると考えられる。

移動式トレーラデータベースのリンクした記録又はログファイルを使用して、ユーザは、トレーラの完全な履歴の詳細報告を要求することができるであろう。トレーラに関する履歴報告は、トレーラの一生の所在、様々な積載貨物、結合したことがあるトラクタ、保存されたことがあるトレーラヤード、そのセンサの機能性などのような情報を含むことができると考えられる。同様に、特定のトラクタがどのトレーラに結合されたことがあるか、及び特定のヤードにどのトレーラが存在したことがあるかのようなトラクタ及びトレーラヤードに関する同様な報告は、この情報も移動式トレーラデータベースから入手可能であるから、ユーザはこれを要求することができるであろう。報告は、特定の日付、トレーラの種類、特定の種類の貨物を運送したことがあるトレーラなどのような様々な制限パラメータを使用して生成することができると考えられる。移動式トレーラデータベースから調整した報告を生成する機能は、データベースで利用可能なデータの種類と量によってのみ制限される。

代替の実施形態
本発明のいくつかの実施形態は、ナビゲーションのために全地球測位システムを使用し、トレーラ識別のためにＲＦＩＤインテロゲータ／タグシステムを使用するものとして説明したが、同じ機能を達成する他の任意のシステムも本発明に同じく適用可能と考えられる。すなわち、例えば、トラクタとトレーラの配置を判断するのにセルラー又は他の種類の無線三角測量を使用するシステムは、本発明の範囲に入るであろう。同様に、本発明は、運転者が遠隔ステーションに返信するために地理的な情報をトラクタの移動式ターミナルユニットに手作業で供給することができるシステムを包含すると考えられる。本発明の関連においては、ナビゲーションシステムに必要なことは、単に、何らかの種類の定期的な地理的位置報告を提供することができることである。

同様に、本発明のいくつかの実施形態に関して説明したＲＦＩＤインテロゲータ及びタグシステムは、識別機能を提供することができる他の種類の通信装置で置換することができるであろう。すなわち、例えば、赤外線ＬＥＤ検出器及び送信機をインテロゲータ及びタグの照会及び識別機能に関して使用することができると考えられる。又は、ロングレンジバーコード走査システムは、トレーラに取付けたバーコードを走査することができるであろう。主な要件は、任意の代替システムのどの態様がトレーラに関連するにしても、それを内部バッテリから切り離して作動することができるようにその電力要件が低いということである。そうでなければ、システムは、照会及び応答によるか、又は定期的なブロードキャストメッセージによるか、又は走査システムによるかに関わらず、識別する特徴をトレーラから読み取ることができることだけが必要であるが、それを複数の場所から行うことができなければならない。

本発明のいくつかの態様はまた、コンピュータ可読記憶媒体に組み込まれたコンピュータプログラム機構を含むコンピュータプログラム製品として実施することができる。例えば、コンピュータプログラム製品は、移動式トレーラのデータベース含むことができ、図１に示す位置受信サブシステム、トレーラ存在受信サブシステム、及びトラクタ−トレーラ配置プロセッサの機能性を含むことができるであろう。これらのプログラムモジュールは、ＣＤ−ＲＯＭ、磁気ディスク記憶製品、又は他の任意のコンピュータ可読データ又はプログラム記憶製品上に記憶することができる。コンピュータプログラム製品におけるソフトウエアモジュールはまた、インターネットを通じて、又はそうでなければ搬送波上のコンピュータデータ信号（ソフトウエアが組み込まれた）の伝送により、電気的に配信することができる。

本発明を少数の特定の実施形態に関して説明したが、この説明は、本発明を例示するものであり、本発明を制限するように解釈されないものとする。特許請求の範囲によって規定される本発明の真の精神及び範囲から逸脱することなく、当業者は、様々な修正を想起することができる。

本発明の一実施形態を実施することができる汎用コンピュータのブロック図である。 本発明の一実施形態により、トラクタ上の移動式ターミナルユニット及びアンテナと、トレーラ上の電子的識別子ユニット、貨物識別子、及び読取器拡張部とで構成されたトラクタ-トレーラの概略図である。 図２の移動式ターミナルユニットの構成要素のいくつかを示すブロック図である。 図２の電子的識別子ユニットの構成要素のいくつかを示すブロック図である。 本発明の実施形態に基づいてヤードプロセッサ、いくつかのトレーラ、及びヤードトラクタを含む固定位置施設、すなわちトレーラヤードの概略図である。 図４のヤードプロセッサの構成要素のいくつかを示すブロック図である。 図４の移動式ターミナルユニットの構成要素のいくつかを示すブロック図である。 本発明の一実施形態による移動式トレーラデータベースのメンテナンスを明らかにする流れ図である。 移動式トレーラデータベースのトレーラの記録の例示的実施形態を示す図である。

符号の説明

４００ 固定位置施設
４０２ ヤードプロセッサ
４０４、４０８ トレーラ
４０６、４１０ 電子的識別子ユニット
４１２ ヤードトラクタ
４１４ 移動式ターミナルユニット

Claims (22)

1. 複数のトレーラの各々に対する固有の電子的識別子と、
   複数のトラクタの各トラクタに対する、
   該トラクタの現在位置を判断するためのナビゲーションシステムと、
   該トラクタに結合した前記複数のトレーラのうちの１つのトレーラの前記電子的識別子を取得するための電子的識別子読取器と、
   前記トラクタの現在位置と該トラクタに結合した前記トレーラの前記電子的識別子とを遠隔システムに報告するための、前記ナビゲーションシステムと前記電子的識別子読取器とに結合した位置報告サブシステムと、
   複数の固定位置施設の各施設における、
   該施設内に位置する前記複数のトレーラの１つ又はそれ以上のトレーラの前記電子的識別子を取得するための１つ又はそれ以上の電子的識別子読取器と、
   該施設内に位置する該１つ又はそれ以上のトレーラの存在を前記遠隔システムに報告するための、該施設の該１つ又はそれ以上の電子的識別子読取器に結合したトレーラ存在報告サブシステムと、
   を含むことを特徴とする、複数の移動式トラクタ及びトレーラのための位置追跡システム。
2. 前記複数のトレーラのサブセットの各トレーラは、各トレーラの前記固有の電子的識別子と通信する複数のセンサを含み、
   各トレーラの前記固有の電子的識別子は、前記複数のセンサのサブセットから得られるステータス情報を更に含む、
   ことを特徴とする請求項１に記載の位置追跡システム。
3. 前記複数のトラクタの各トラクタに対して、前記電子的識別子読取器はまた、前記トラクタに結合した前記複数のトレーラのサブセットのトレーラの前記ステータス情報を取得するためにも使用され、
   更に、前記位置報告サブシステムはまた、前記トラクタに結合した前記トレーラの前記ステータス情報を前記遠隔システムに報告するためにも使用される、
   ことを特徴とする請求項２に記載の位置追跡システム。
4. 前記センサは、ドアロックセンサ、ドア開放センサ、貨物存在センサ、冷凍庫温度センサ、貨物種類センサ、貨物重量センサ、及びバッテリ電力センサの組から選択された少なくとも１つのセンサを含むことを特徴とする請求項２に記載の位置追跡システム。
5. 前記遠隔システムは、前記複数のトラクタの前記位置報告サブシステムから及び前記複数の固定位置施設の前記トレーラ存在報告サブシステムからの報告を受信するように構成され、
   前記複数の移動式トラクタ及びトレーラに関する前記受信した報告に関連する情報を保存するためのデータベース、
   を更に含むことを特徴とする請求項１に記載の位置追跡システム。
6. 前記複数の固定位置施設の各施設は、１つ又はそれ以上の出口エリアを有し、
   更に、各施設における前記１つ又はそれ以上の電子的識別子読取器のサブセットは、前記１つ又はそれ以上の出口エリアのサブセットの近くに位置する、
   ことを特徴とする請求項５に記載の位置追跡システム。
7. 前記データベースは、更に、トラクタの位置報告サブシステムを通して該トラクタにより報告されるように、トレーラが最近該トラクタに結合されたということに基づき、かつ、施設の前記１つ又はそれ以上の電子的識別子読取器により検出され、前記トレーラ存在報告サブシステムにより報告されるように、該トレーラが出口エリアの近くであるとして報告されていることに基づき、該トレーラが該施設から出る時を指示することを特徴とする請求項６に記載の位置追跡システム。
8. 前記複数の固定位置施設の各施設は、１つ又はそれ以上の入口エリアを有し、
   更に、各施設における前記１つ又はそれ以上の電子的識別子読取器のサブセットは、前記１つ又はそれ以上の入口エリアのサブセットの近くに位置する、
   ことを特徴とする請求項５に記載の位置追跡システム。
9. 前記入口エリアの少なくとも１つは、入口／出口エリアであり、
   更に、前記入口／出口エリアの近くの前記１つ又はそれ以上の電子的識別子読取器は、少なくとも２つの電子的識別子読取器を含み、該少なくとも２つの電子的識別子読取器の１つは、前記施設を出るトレーラの電子的識別子を取得するために利用され、該少なくとも２つの電子的読取器の別のものは、該施設に到着するトレーラの電子的識別子を取得するために利用される、
   ことを特徴とする請求項８に記載の位置追跡システム。
10. 前記施設を出るトレーラの電子的識別子を取得するために利用される前記入口／出口エリアの近くの前記電子的識別子読取器は、該施設に到着するトレーラの電子的識別子を取得するために利用される前記入口／出口エリアの近くの前記電子的識別子読取器とは異なる方向の電子的識別子を取得するように配置されることを特徴とする請求項９に記載の位置追跡システム。
11. 前記遠隔システムにおいて、
    前記複数のトレーラの前記位置報告サブシステムから信号を受信するための、該遠隔システムに結合した位置受信サブシステムと、
    前記複数の固定位置施設の前記トレーラ存在報告サブシステムから信号を受信するための、該遠隔システムに結合したトレーラ存在受信サブシステムと、
    前記複数のトラクタの前記位置報告サブシステムからの前記受信信号を処理して該複数のトラクタの現在位置を判断し、かつ該複数のトラクタに結合した前記トレーラの前記電子的識別子を判断するための、前記位置受信サブシステムと前記トレーラ存在受信サブシステムとに結合したトラクタ−トレーラ位置プロセッサと、
    を更に含み、
    前記トラクタ−トレーラ位置プロセッサはまた、前記複数の固定位置施設の前記トレーラ存在報告サブシステムからの前記受信信号を処理して該複数の固定位置施設内に位置する１つ又はそれ以上のトレーラの存在を判断するためのものであり、
    前記複数の移動式トレーラのサブセット内の各トレーラに対して、該トレーラの現在位置、施設における該トレーラの存在、結合したトラクタ、及び該結合したトラクタの現在位置から成るグループから選択された少なくとも１つのエントリを示す移動式トレーラのデータベース、
    更に含むことを特徴とする請求項１に記載の位置追跡システム。
12. 前記遠隔システムの前記データベースは、
    Ａ）前記複数のトラクタの各トラクタに対して、該トラクタに関する履歴位置情報を示す複数の情報記録、
    Ｂ）前記複数のトラクタの各トラクタに対して、該トラクタに過去に結合したトレーラの電子的識別子のリストを示す複数の情報記録、
    Ｃ）前記複数のトレーラの各トレーラに対して、該トレーラに関する履歴位置情報を示す複数の情報記録、
    Ｄ）前記複数のトレーラの各トレーラに対して、該トレーラが過去に結合したことがあるトラクタのリストを示す複数の情報記録、及び
    Ｅ）前記複数の固定位置施設の各施設に対して、該施設内に存在しているとして過去に報告された１つ又はそれ以上のトレーラのリストを示す複数の情報記録、
    から成るグループから選択された少なくとも１つの記録を包含するログファイルを更に含むことを特徴とする請求項５に記載の位置追跡システム。
13. 前記トラクタ−トレーラ位置プロセッサは、トラクタに関する前記履歴位置情報を使用して、該トラクタに対する行程の速度及び方向の少なくとも一方を判断することを特徴とする請求項１２に記載の位置追跡システム。
14. 前記複数の固定位置施設の各施設において、１つ又はそれ以上のヤードトラクタを更に含み、
    各ヤードトラクタは、該ヤードトラクタに取付けられた前記複数の移動式トレーラのうちの１つのトレーラの電子的識別子を取得するための電子的識別子読取器を有し、
    各ヤードトラクタは、前記トレーラの該ヤードトレーラへのヤード作業のための取付けを前記トレーラ存在報告サブシステムに報告するための、該ヤードトラクタの電子的識別子読取器に結合したヤード作業報告サブシステムを更に有する、
    ことを特徴とする請求項１に記載の位置追跡システム。
15. 前記複数のトレーラの前記固有の電子的識別子は、ＲＦＩＤトランスポンダを含み、
    前記複数のトラクタと前記複数の固定位置施設との前記電子的識別子読取器は、ＲＦＩＤトランシーバを含む、
    ことを特徴とする請求項１に記載の位置追跡システム。
16. トラクタの現在位置を判断するためのナビゲーションシステムを各トラクタが有する複数の移動式トラクタ、
    トレーラが結合したトラクタにより識別可能であり、該トレーラが位置する固定位置ヤードによっても識別可能である固有の識別子を各トレーラが有する複数の移動式トレーラ、及び
    複数の固定位置ヤード、
    と共に使用するための位置追跡システムに使用する遠隔システムであって、
    トラクタの現在位置を識別する情報と該識別されたトラクタに結合したトレーラの電子的識別子とを含む、該トラクタ上の通信装置から受信されるトラクタ情報と、
    固定位置ヤード内に位置するトレーラの電子的識別子を含む、該固定位置ヤードの通信装置から受信されるヤード情報と、
    前記複数の移動式トラクタ及びトレーラの各々のサブセットの位置に関する情報を保存するためのデータベースと、
    を受信するための通信モジュール、
    を含むことを特徴とするシステム。
17. トラクタの現在位置を判断するためのナビゲーションシステムを各トラクタが有する複数の移動式トラクタ、
    トレーラが結合したトラクタにより識別可能であり、該トレーラが位置する固定位置ヤードによっても識別可能である固有の識別子を各トレーラが有する複数の移動式トレーラ、及び
    複数の固定位置ヤード、
    のための位置追跡システムに使用する移動式トラクタ−トレーラデータベースを維持する方法であって、
    トラクタの現在位置を示し、かつ該トラクタに結合した第１のトレーラの電子的識別子を示す、該トラクタ上の通信装置からの報告を遠隔システムにおいて受信する段階と、
    固定位置施設に存在する第２のトレーラの電子的識別子を示す、該施設の通信装置からの報告を前記遠隔システムにおいて受信する段階と、
    移動式トラクタ−トレーラデータベースに、
    前記第１のトレーラの前記電子的識別子の表示、
    前記第１のトレーラが前記トラクタに結合されているという指示、
    前記トラクタの現在位置を表す、前記第１のトレーラに関連する位置、
    前記第２のトレーラの前記電子的識別子の表示、及び
    前記第２のトレーラが前記施設に存在するという指示、
    から成るグループから選択された少なくとも１つのエントリを保存する段階と、
    を含むことを特徴とする方法。
18. 前記第１のトレーラが何時前記トラクタに結合したかの指示を、該トラクタがその通信装置を通じて該トラクタに結合した該第１のトレーラの前記電子的識別子を前記遠隔システムに報告する時間に基づいて前記移動式トラクタ−トレーラデータベースに保存する段階を更に含むことを特徴とする請求項１７に記載の方法。
19. 前記第１のトレーラが前記トラクタに結合した時のその位置を、該トラクタの前記通信装置によって前記遠隔システムに報告されるように、前記移動式トラクタ−トレーラデータベースに保存する段階を更に含むことを特徴とする請求項１８に記載の方法。
20. 前記第２のトレーラが前記施設の前記通信装置によって該施設に存在するとして報告されていることに基づき、かつ第２のトラクタによりその通信装置を通じて報告されるように、該第２のトレーラが該第２のトラクタに最近結合されたということに基づいて、該第２のトレーラが何時該施設を出るかの指示を前記移動式トラクタ−トレーラデータベースに保存する段階を更に含むことを特徴とする請求項１７に記載の方法。
21. 第２のトラクタによりその通信装置を通じて報告されるように、前記第２のトレーラが該第２のトラクタに結合していることに基づき、かつ該第２のトレーラが前記施設の前記通信手段によって該施設に存在するとして報告されていることに基づいて、該第２のトレーラが何時該施設に到着するかの指示を前記移動式トラクタ−トレーラデータベースに保存する段階を更に含むことを特徴とする請求項１７に記載の方法。
22. 前記トラクタの電子的識別子読取器が前記第１のトレーラの前記電子的識別子をもはや取得していないことを、該トラクタがその通信装置を通じて何時前記遠隔システムに報告するかに基づいて、該第１のトレーラが何時該トラクタから切り離されるかの指示を前記移動式トラクタ−トレーラデータベースに保存する段階を更に含むことを特徴とする請求項１７に記載の方法。

Images