JP2006515507A - 単離した哺乳動物膜タンパク質遺伝子;関連試薬 - Google Patents

単離した哺乳動物膜タンパク質遺伝子;関連試薬 Download PDF

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Abstract

霊長類に由来する種々のリンパ球細胞タンパク質をコードする核酸、特異的抗体などのそれに関連する試薬、および精製されたタンパク質について記載する。該試薬および関連する診断キットを使用する方法もまた提供される。本発明は種々の哺乳動物シェーリング樹状細胞膜タンパク質(SDCMP)遺伝子の発見に一部基づいている。分布データにより広範な細胞分布が示され、そして構造データによりいくつかの機能が示唆され、そして具体的なSDCMP3およびSDCMP4態様により例示する。SDCMP3および4はレクチンのクラスおよびアシアロ糖タンパク質レセプター(ASGPR)に対する類似性を呈する。本発明は遺伝子生成物、例えば天然配列の変異体(変異タンパク質)、融合タンパク質、キメラ擬似物質、抗体、およびその他の構造または機能的アナログのアゴニストおよびアンタゴニストを包含する。

Description

本発明はリンパ球、例えば免疫系で機能する細胞で見出される遺伝子に関連する組成物を企図する。これらの遺伝子は哺乳動物免疫系の発達、分化および/または生理学の調節において機能する。とりわけ本出願は核酸、タンパク質、抗体およびそれらを用いる方法を提供する。
哺乳動物循環系の循環構成要素は、赤血球系および骨髄細胞系の赤血球細胞および白血球細胞などの種々の細胞型を含んでなる。例えばRapaport(1987)Introduction to Hematology(第2版)Lippincott(フィラデルフィア、ペンシルバニア州);Jandl(1987)Blood:Textbook of Hematology,Little,Brown and Co.(ボストン、マサチューセッツ州);およびPaul(1998年版)Fundamental Immunology(第4版)Raven Press(ニューヨーク州)を参照のこと。
樹状細胞(DC)は抗原プロセシングまたは提示細胞であり、そして身体の全組織において見出される。これらを:心臓、腎臓、消化管、および肺の間質樹状細胞;皮膚および粘膜のランゲルハンス細胞;胸腺髄質および2次リンパ系組織の指状嵌入細胞;並びに血液およびリンパ系樹状細胞などの種々のカテゴリーに分類することができる。これらの各区画の樹状細胞は、明らかに骨髄から生じるCD45+白血球であるが、成熟状態および微小環境に関係する差異を呈することもある。
これらの樹状細胞は抗原を効率的にプロセシングし、そして例えばT細胞に提示する。これらは2次リンパ系器官の傍皮質領域の未処置および記憶T細胞からの応答を刺激する。耐性の誘導における役割に関していくつか証拠がある。
1次および2次B細胞濾胞は免疫複合体として無傷の抗原を捕捉し、そして長時間保持する濾胞樹状細胞を含有する。これらの樹状細胞は抗原をB細胞に提示し、そして抗体の親和性成熟、免疫記憶の作製、および体液性免疫応答の維持に関与している可能性が高い。
単球は単核食細胞系に属し、そして循環中に存在する食細胞である。Roitt(編)Encyclopedia of Immunology ,Academic Press(サンディエゴ)参照。これらの細胞は骨髄に由来し、そして一度分化すると、骨髄区画には短時間しか留まらない。これらは次に循環に入り、そして比較的長時間、例えば数日間留まることができる。単球は漏出と称される過程により組織および体腔に入ることができ、そこでマクロファージ、および恐らく樹状細胞に分化する。炎症応答では、循環中の単球数が倍化する可能性があり、そして数が増加した単球の多くが炎症部位に漏出する。
抗原提示は、タンパク質様抗原が利用され、抗原提示細胞(APC)によりプロセシングされ、そして次に免疫応答を開始することが認識される細胞性事象を意味する。たいていの活性な抗原提示細胞は単球;樹状細胞;および特定のB細胞からの直接的な発達生成物であるマクロファージとして特徴付けられている。
マクロファージはたいていの組織において見出され、そして多様なタンパク質抗原および微生物の内部移行時に高度に活性である。これらは高度に発達したエンドサイトーシス活性を有し、そして免疫応答の開始時に重要な多くの生成物を分泌する。この理由で、単球により発現されるか、または単球活性化により誘導される多くの遺伝子が抗原摂取、プロセシング、提示、または得られた免疫応答の制御に重要である可能性が高いと考えられている。
しかしながら、樹状細胞および単球は、それが発現するタンパク質、並びにその活性化状態を含むその多くのその機能および作用のメカニズムの双方に関してあまり特徴付けされていない。とりわけ抗原プロセシングおよび提示を含む免疫応答の開始に関係する過程およびメカニズムは明らかになっていないままである。これらの細胞の構造的、生物学的および生理学的特性に関する知識の欠如によりその理解は限定されている。従って、抗原提示細胞の制御、発達または生理学が異常である医学的症状は管理し難いままになっている。
(配列番号の記載)
配列番号:1は霊長類SDCMP3 C−レクチンファミリー遺伝子ヌクレオチド配列である。
配列番号:2は霊長類SDCMP3 C−レクチンファミリー遺伝子ポリペプチド配列である。
配列番号:3はげっ歯類SDCMP3 C−レクチンファミリー遺伝子ヌクレオチド配列である。
配列番号:4はげっ歯類SDCMP3 C−レクチンファミリー遺伝子ポリペプチド配列である。
配列番号:5は霊長類SDCMP4 長C−レクチンファミリー遺伝子ヌクレオチド配列である。
配列番号:6は霊長類SDCMP4 長C−レクチンファミリー遺伝子ポリペプチド配列である。
配列番号:7は霊長類SDCMP4 短C−レクチンファミリー遺伝子ヌクレオチド配列である。
配列番号:8は霊長類SDCMP4 短C−レクチンファミリー遺伝子ポリペプチド配列である。
配列番号:9は全長ヒトSDCMP3ヌクレオチド配列である。
配列番号:10は全長ヒトSDCMP3ポリペプチド配列である。
(発明の要旨)
本発明は種々の哺乳動物シェーリング樹状細胞膜タンパク質(SDCMP)遺伝子の発見に一部基づいている。分布データにより広範な細胞分布が示され、そして構造データによりいくつかの機能が示唆され、そして具体的なSDCMP3およびSDCMP4態様により例示する。SDCMP3および4はレクチンのクラスおよびアシアロ糖タンパク質レセプター(ASGPR)に対する類似性を呈する。本発明は遺伝子生成物、例えば天然配列の変異体(変異タンパク質)、融合タンパク質、キメラ擬似物質、抗体、およびその他の構造または機能的アナログのアゴニストおよびアンタゴニストを包含する。これはまた本発明のタンパク質をコードする単離された遺伝子をも志向する。これらの異なるタンパク質または核酸組成物の種々の用途もまた提供される。
本発明は配列番号:2、4、6、8、または10を含んでなるポリペプチドに特異的に結合する単離された結合組成物を提供する。特定の態様では、結合組成物は抗体またはその抗体結合フラグメントである。典型的には、抗体結合フラグメントは:a)Fvフラグメント;b)Fabフラグメント;またはc)Fab2フラグメントであり、そして抗体はa)ポリクローナル抗体;b)モノクローナル抗体;またはc)ヒト化抗体である。
本発明はさらに、結合組成物を、抗原を含んでなるサンプルと接触させて、結合組成物:抗原複合体を形成することを含んでなる結合組成物を用いる方法を提供する。さらなる態様では:サンプルは体液などの生物学的サンプルであり;サンプルはヒトであり;抗原は細胞上にあり;抗原はさらに精製されている;または方法により抗原に空間的な位置もしくは配置が提供される。
結合組成物およびa)キット中の試薬の使用もしくは廃棄に関する教材;またはb)キットの結合組成物もしくはその他の試薬の隔離を提供する区画;を含んでなる検出キットもまた提供される。
本発明は結合組成物に特異的に結合する実質的に純粋な、または単離されたポリペプチドを包含する。ポリペプチドは配列番号:2、4、6、8または10を含んでなる。抗体:ポリペプチド複合体を形成するのに適当な条件下でポリペプチドを抗体と接触させることを含んでなるポリペプチドを使用する方法もまた提供される。別の態様はポリペプチドおよびa)キット中の試薬の使用もしくは廃棄のための教材;またはb)キットのポリペプチドもしくはその他の試薬を隔離を提供する区画を含んでなる検出キットである。
本発明は結合組成物に結合するポリペプチドをコードする単離された、または精製された核酸を提供する。さらなる態様では、核酸は配列番号:1、3、5、7または9を含んでなる。ストリンジェント条件下で結合組成物に結合するポリペプチドをコードする核酸にハイブリダイズする単離された、または精製された核酸もまた包含される。別の態様では、本発明はこの核酸を含んでなる発現ベクターおよび宿主細胞を提供する。典型的には宿主細胞は:a)哺乳動物細胞;b)細菌細胞;c)昆虫細胞;またはd)酵母細胞である。本発明はさらにポリペプチドの発現およびポリペプチドの精製に適当な条件下で宿主細胞を培養することを含んでなるポリペプチドを生成する方法を包含する。
本発明は細胞を配列番号:2、4、6、8または10のアゴニストまたはアンタゴニストと接触させる工程を含んでなる、樹状細胞生理学または機能を変調する方法を提供する。さらなる態様では、アンタゴニストは抗体である。別の態様では、接触は、細胞表面、MHC IクラスまたはMHC IIクラス抗原などの抗原との組み合わせである。
(詳細な説明)
各別個の出版物または特許出願が参照により全て本明細書に含まれることが具体的におよび個々に示されるのと同様に、本明細書で引用する全ての文献はこの参照により本明細書に含まれる。
I.概要
本発明は樹状細胞(DC)で発現される哺乳動物タンパク質をコードするDNA配列を提供する。樹状細胞の概説に関しては、Steinman(1991)Annual Review of Immunology 9:271−296;およびBanchereauおよびSchmitt(1994年版)Dendritic Cells in Fundamental and Clinical Immunology 、Plenum Press(ニューヨーク州)を参照のこと。これらのタンパク質は樹状細胞において見出され、そしてその発現においていくつかの特異性を呈するようであるので樹状細胞タンパク質と称される。
これらのタンパク質の特定のヒトの態様を以下で提供する。以下の記載は例示の目的で、ヒトDC遺伝子を志向するが、同様にその他の供給源または哺乳動物種からの構造的に関連する態様、例えば多型または個々の変種などの配列に適用できる。これらは例えば配列において相対的に少数の、例えば約5%未満、そして数では例えば20残基置換未満、典型的には15置換未満、好ましくは10置換未満、そしてさらに好ましくは4、3、2または1を含む5置換未満の変化を呈するタンパク質を含む。これらはまた、記載するような全長からトランケートされているもの、およびこれらの配列の実質的なセグメントを含有する融合タンパク質をも含む。
II.定義
「結合組成物」なる用語は、例えば抗体−抗原相互作用においてこれらのDCタンパク質に特異性を伴って結合する分子を意味する。その他の化合物、例えばタンパク質もまた各々のタンパク質に特異的に会合することができる。典型的には特異的会合は、共有結合性または非共有結合性のいずれかの天然の生理学的に適切なタンパク質−タンパク質相互作用におけるものであり、そしてキャリヤ化合物または二量化パートナーなどの多タンパク質複合体のメンバーを含むことができる。分子は重合体または化学的試薬でよい。機能的アナログは構造修飾を有するタンパク質でよいか、または完全に無関係の分子、例えば適当な相互作用決定基と相互作用する分子形状を有するものでよい。変種をタンパク質のアゴニストまたはアンタゴニストとして提供することができ、例えばGoodmanら(編)(1990)Goodman and Gilman’s:The Pharmacological Bases of Therapeutics(第8版)Pergamon Press(タリータウン、ニューヨーク州)を参照のこと。
本明細書で用いる「結合物質:DCタンパク質複合体」なる用語は結合物質およびDCタンパク質の複合体を意味する。結合物質の特異的結合は、結合物質が各々のDCタンパク質上の部位を認識する特異的結合部位を有することを意味する。例えば、DCタンパク質に対して上昇させ、そしてDCタンパク質上のエピトープを認識する抗体は特異的結合により抗体:DCタンパク質複合体を形成することができる。典型的には、結合物質:DCタンパク質複合体の形成により、その他のタンパク質および生物製剤の混合物中のそのDCタンパク質の測定が可能になる。「抗体:DCタンパク質複合体」なる用語は、結合物質が抗体である結合物質:DCタンパク質複合体を意味する。抗体はモノクローナル、ポリクローナルまたはFv、FabまたはFab2フラグメントを含む抗体の抗原結合フラグメントでもよい。
比較した場合、「相同な」核酸は有意な類似性を呈する。核酸の相同性のための標準は配列比較および/もしくは系統発生の関係による一般に技術分野で用いられる相同性に関する測定か、またはハイブリダイゼーション条件に基づく。ハイブリダイゼーション条件を以下にさらに詳細に記載する。
「単離された」核酸は元来の配列、例えば起源の種に由来するタンパク質およびフランキングゲノム配列を天然に随伴するその他の成分から実質的に分離されている核酸、例えばRNA、DNAまたは混合重合体である。用語はその天然発生環境から取り除かれている核酸配列を包含し、そして組換えまたはクローン化DNA単離体および化学合成されたアナログまたは異種の系により生物学的に合成されたアナログを含む。実質的に純粋な分子は分子の単離された形態を含む。単離された核酸は一般に分子の同種組成物であるが、いくつかの態様では、軽微な異種性を含有する。この異種性は典型的には、望ましい生物学的機能もしくは活性に重要ではない重合体末端または部分で見いだされる。
本明細書で用いる「SDCMP3タンパク質」なる用語は、タンパク質の局面で用いる場合、配列番号:2、4、もしくは10またはかかるタンパク質の重要なフラグメントで示されるようなアミノ酸配列を有するタンパク質を包含する。それは各々のSDCMP3タンパク質特異的結合成分と相互作用するポリペプチドを意味する。これらの結合成分、例えば抗体は典型的には、少なくとも約100μM、通常約30nMより良好に、好ましくは約10nMより良好に、そしてなお好ましくは約3nMより良好に、高度な親和性を伴ってSDCMP3タンパク質と結合する。同様に、SDCMP4なる用語の使用は配列番号:6または8に関して適用される。
本明細書で用いる「ポリペプチド」または「タンパク質」なる用語はタンパク質の重要なフラグメントまたはセグメントを含み、そして少なくとも約8個のアミノ酸、一般的には少なくとも10個のアミノ酸、さらに一般的には少なくとも12個のアミノ酸、しばしば少なくとも14個のアミノ酸、さらにしばしば少なくとも16個のアミノ酸、典型的には少なくとも18個のアミノ酸、さらに典型的には少なくとも20個のアミノ酸、通常的には少なくとも22個のアミノ酸、さらに通常的には少なくとも24個のアミノ酸、好ましくは少なくとも26個のアミノ酸、さらに好ましくは少なくとも28個のアミノ酸、そしてとりわけ好ましい態様では、少なくとも約30個またはそれ以上のアミノ酸、例えば35、40、45、50、60、70個等の一連のアミノ酸残基を包含する。
「組換え」核酸は典型的にはその構造により定義される。天然には互いに隣接しない2つのフラグメントの融合体を含んでなる配列を作製することにより作られた核酸でよいが、天然の生成物、例えば天然発生変異形態の生成物を排除することを意味する。
特定の形態は生成の方法により定義される。例えばある過程により作られた生成物のごときに関して、その過程は例えばヌクレオチド配列におけるヒトの介入、典型的には選択または生成に関与する組換え核酸技術の使用である。
従って、本発明は例えば合成オリゴヌクレオチド過程を用いて誘導される配列を含んでなる核酸、および細胞をこれらのタンパク質をコードする非天然発生ベクターで形質転換することにより作られる生成物を包含する。コドンを同一または保存アミノ酸をコードする冗長なコドンと置き換えるためにそのようなことはしばしば行われるが、典型的には、例えば制限酵素の配列認識部位を導入または除去する。また別に、望ましい機能の核酸セグメントを一緒に結合させて、通常利用できる天然形態では見いだされない望ましい機能の組み合わせを含んでなる単一の遺伝物質を作製することが行われる。制限酵素認識部位はしばしばかかる人的操作の標的であるが、設計によりその他の部位特異的標的、例えばプロモーター、DNA複製部位、制御配列、調節配列またはその他の有用な特徴、例えばプライマーセグメントを組み込むことができる。組換え、例えば融合ポリペプチドに関して類似の概念が意図される。具体的には遺伝子コード冗長性によりこれらの抗原のフラグメントの類似するポリペプチドをコードする合成核酸、および種々の異なる種変種に由来する配列の融合体が含まれる。
「溶解性」は、特定の条件下での分子の沈殿速度の測定であるスベドベリ単位で測定される沈殿により示される。沈殿速度の決定は分析用超遠心器で古典的に実施されたが、現在典型的には標準超遠心器で実施される。Freifelder(1982)Physical Biochemistry(第2版)Freeman and Co.,(サンフランシスコ、カリフォルニア州);およびCantorおよびSchimmel(1980)Biophysical Chemistry、1−3部、Freeman and Co.(サンフランシスコ、カリフォルニア州)を参照のこと。およその測定として、可溶性と推定されるポリペプチドを含有するサンプルを標準的なフルサイズ超遠心器で、約50Krpmで約10分間回転させ、そして可溶性分子を上澄に残す。可溶性粒子またはポリペプチドは典型的には約30S未満、さらに典型的には約15S未満、通常的には約10S未満、さらに通常的には約6S未満、そして特定の態様では、好ましくは約4S未満、そしてさらに好ましくは約3S未満である。ポリペプチドまたはフラグメントの溶解性は環境およびポリペプチドに依存する。温度、電解質環境、ポリペプチドの大きさおよび分子特性、並びに溶媒の性質などの多くのパラメーターがポリペプチド溶解性に影響する。典型的には、ポリペプチドを使用する温度は約4℃から約65℃の範囲である。通常使用時の温度は約18度以上、そしてさらに通常的には約22℃以上である。診断目的では、温度は通常ほぼ室温またはそれより温かいが、アッセイの成分の変性温度未満である。治療目的では、温度は通常体温であり、典型的にはヒトで約37℃であるが、特定の状況では温度はインサイチュウまたはインビトロよりも高くまたは低くてよい。
ポリペプチドの大きさおよび構造は一般に実質的に安定した生理学的に活性な状態であるべきであり、そして通常変性状態ではない。ポリペプチドは4次構造のその他のポリペプチドに随伴されて、例えば溶解性を付与するか、または天然の脂質二層相互作用に近似する様式で脂質もしくはデタージェントに随伴されてよい。
溶媒は通常、生物学的作用の保存に用いられる型の生物学的に適合するバッファーであり、そして通常生理学的溶媒に近似する。通常、溶媒は天然のpH、典型的には約5と10の間であり、そして好ましくは約7.5である。デタージェントを加える場合もあり、典型的には、タンパク質の構造または生理学的特性を有意に破壊することを避けるために、穏やかな非変性のもの、例えばCHS(コレステリルヘミサクシナート)またはCHAPS(3−([3−コルアミドプロピル]ジメチル−アンモニオ)−1−プロパンスルホネート)を、または十分に低いデタージェント濃度で加える。
「実質的に純粋な」とは典型的には例えばタンパク質の局面で、タンパク質がその他の夾雑するタンパク質、核酸または供給源生物に由来するその他の生物学的物質から単離されていることを意味する。純度、すなわち「単離」を標準的な方法により、典型的には重量により検定することができ、そして通常的には少なくとも約50%の純度、さらに通常的には少なくとも約60%の純度、一般的には少なくとも約70%の純度、さらに一般的には少なくとも約80%の純度、しばしば少なくとも約85%の純度、さらにしばしば少なくとも約90%の純度、好ましくは少なくとも約95%の純度、さらに好ましくは少なくとも約98%の純度、そして最も好ましい態様では、少なくとも99%の純度である。しばしば担体または賦形剤を加えるか、または処方は無菌であるかまたはバッファー成分を含んでなってよい。
核酸配列比較の局面で「実質的な類似性」は、比較する場合、セグメントまたはその相補鎖が最適に整列された場合に理想的であり、少なくとも約50%のヌクレオチド、一般的には少なくとも56%、さらに一般的には少なくとも59%、通常的には少なくとも62%、さらに通常的には少なくとも65%、しばしば少なくとも68%、さらにしばしば少なくとも71%、典型的には少なくとも74%、さらに典型的には少なくとも77%、通常的には少なくとも80%、さらに通常的には少なくとも85%、好ましくは少なくとも約90%、さらに好ましくは少なくとも約95から98%またはそれ以上、そして特定の態様では、約99%またはそれ以上のヌクレオチドの、適当なヌクレオチド挿入または欠失をを伴って同一である。また別に、典型的には配列番号:1、3または9に由来する配列を用いて、セグメントが選択的ハイブリダイゼーション条件下で鎖またはその相補体にハイブリダイズする場合に実質的な類似性が存在する。典型的には、選択的ハイブリダイゼーションは、少なくとも約30個の一連のヌクレオチドにわたって少なくとも約55%、好ましくは少なくとも約25個の一連のヌクレオチドにわたって少なくとも約65%、そして最も好ましくは約20個のヌクレオチドにわたって少なくとも約90%の類似性がある場合に生じる。Kanehisa(1984)Nucl.Acids Res.12:203−213を参照のこと。記載するように、類似性比較の長さはより長い連なりにわたっていてよく、そして特定の態様では、少なくとも約17個の一連のヌクレオチド、通常的には少なくとも約20個のヌクレオチド、さらに通常的には少なくとも約24個のヌクレオチド、典型的には少なくとも約28個のヌクレオチド、さらに典型的には少なくとも約40個のヌクレオチド、好ましくは少なくとも約50個のヌクレオチド、そしてさらに好ましくは少なくとも約75から100個またはそれ以上のヌクレオチドにわたっていてよい。SDCMP3に関する比較の測定はSDCMP4に関する比較測定には反映されない。
配列比較に関しては、典型的には1つの配列は参照配列として働き、それに被験配列を比較する。配列比較アルゴリズムを用いる場合、被験および参照配列をコンピューターにインプットし、必要な場合、部分配列の同調を指定し、そして配列アルゴリズムプログラムパラメーターを指定する。次いで配列比較アルゴリズムは参照配列に相対して、指定されたプログラムパラメーターに基づいて(複数の)被験配列の配列同一性パーセントを計算する。
例えばSmithおよびWaterman(1981)Adv.Appl.Math.2:482の局所相同性アルゴリズムにより、NeedlemanおよびWunsch(1970)J.Mol.Biol.48:443の相同性アラインメントアルゴリズムにより、PearsonおよびLipman(1988)Proc.Natl.Acad.Sci.USA85:2444の類似性の検索方法により、これらのアルゴリズムのコンピューターによる実行により(ウィスコンシン・ゲネティクス・ソフトウェア・パッケージ、Genetics Computer Group,575 Science Dr.(マジソン、ウィスコンシン州)のGAP、BESTFIT、FASTA、およびTFASTA)、または視覚的検査により(一般的にはAusubelら前出を参照 )比較のための配列の光学アラインメントを行うことができる。
有用なアルゴリズムの一例はPILEUPである。PILEUPは関係および配列同一性パーセントを示すためにプログレッシブ、ペアワイズアラインメントを用いて関連する配列の群からのマルチプル配列アラインメントを作製する。これはまたアラインメントを作製するために用いられるクラスタリング関係を示すツリーまたは樹状図をもプロットする。PILEUPはFengおよびDoolittle(1987)J.Mol.Evol.35:351−360のプログレッシブアラインメントの簡略化を,用いる。用いる方法はHigginsおよびSharp(1989)CABIOS 5:151−153により記載される方法に類似する。プログラムは300配列までを整列させることができ、その各々は最大5,000ヌクレオチドまたはアミノ酸長である。マルチプルアラインメント手順は2つの最も類似する配列のペアワイズアラインメントで始まり、2つの整列された配列のクラスタを生成する。次いでこのクラスタを次の最も関連する配列または整列させた配列のクラスタに整列させる。配列の2つのクラスタを2つの個々の配列のペアワイズアラインメントの単純な伸長により整列させる。一連のプログレッシブ、ペアワイズアラインメントにより最終アラインメントを達成する。配列比較の領域に関して具体的な配列およびそのアミノ酸またはヌクレオチドの同調を指定することにより、およびプログラムパラメーターを指定することによりプログラムを実行する。例えば参照配列をその他の被験配列と比較して、以下のパラメーター:デフォルト・ギャップ・ウェイト(3.00)、デフォルト・ギャップ・レングス・ウェイト(0.10)、および加重末端(weighted end)ギャップ;を用いて配列同一性関係のパーセントを決定することができる。
配列同一性および配列類似性のパーセントを決定するのに適しているアルゴリズムの別の実例はBLASTアルゴリズムであり、これはAltschulら(1990)J.Mol.Biol.215:403−410に記載されている。BLAST分析を行うためのソフトウェアはNational Center for Biotechnology Information(http:www.ncbi.nlm.nih.gov/)を通して公に入手可能である。このアルゴリズムは、データベース配列の同一の長さのワードと整列させた場合、いくつかの正値の閾値スコアTに合致するかまたはそれを満たす、クエリー配列の長さWのショートワードを同定することにより高スコアの配列対(HSP)を最初に同定することに関係する。Tは隣接ワードスコア閾値と称される(Altschulら、前出)。これらの最初の隣接ワードスコア閾値のヒットはそれらを含有するより長いHSPを見出すための検索を開始するための種子として働く。次いで累積アラインメントスコアが増加する限り、ワードヒットは各配列に沿って両方向で伸長する。各方向のワードヒットの伸長は:累積アラインメントスコアがその最大達成値からXの量だけ低下する場合;1つまたはそれ以上の負のスコアの残基アラインメントの蓄積のために累積スコアがゼロまたはそれ以下になる場合;またはいずれかの配列の終わりに到達した場合;に停止する。BLASTアルゴリズムパラメーターW、TおよびXはアラインメントの感受性および速度を決定する。BLASTプログラムはデフォルトとしてワード長(W)11、BLOSUM62スコアリングマトリックス(HenikoffおよびHenikoff(1989)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:10915参照)アラインメント(B)50、期待値(E)10、M=5、N=4および双方の鎖の比較を用いる。
配列同一性パーセントの計算に加えて、BLASTアルゴリズムはまた2つの配列間の類似性の統計分析をも実施する(KarlinおよびAltschul(1993)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:5873−5787参照)。BLASTアルゴリズムにより提供される類似性の測定は最小の合計確率(P(N))であり、これは2つのヌクレオチドまたはアミノ酸配列間の対合が偶然生じる確率の指標を提供している。例えば、参照核酸に対する被験核酸の比較における最小合計確率が約0.1未満、さらに好ましくは約0.01未満、そして最も好ましくは約0.001未満である場合、核酸は参照配列に類似すると考えられる。
2つのポリペプチドの核酸配列が実質的に同一であるさらなる指標は、以下に示すように、第1の核酸によりコードされるポリペプチドが第2の核酸によりコードされるポリペプチドと免疫学的に交差反応することである。従って、例えば2つのペプチドは保存置換によってのみ異なっているポリペプチドは典型的には実質的に第2のポリペプチドと同一である。この場合。2つの核酸配列が実質的に同一であるという別の指標は、以下で示すように、2つの分子がストリンジェント条件下で互いにハイブリダイズするということである。
ハイブリダイゼーションの局面で相同性または実質的な類似性に言及する場合、「ストリンジェント条件」は塩、温度、有機溶媒およびその他のパラメーター、典型的にはハイブリダイゼーション反応において調節されるパラメーターのストリンジェントな組み合わせ条件である。パラメーターの組み合わせはいずれかの単一のパラメーターの測定よりも重要である。例えばWetmurおよびDavidson(1968)J.Mol.Biol.31:349−370を参照のこと。ストリンジェント条件下で標的核酸と結合する核酸プローブは該標的核酸に特異的である。かかるプローブは典型的には11ヌクレオチド長以上であり、そしてストリンジェントハイブリダイゼーション条件下で標的に結合するのに、プローブの配列により特定される領域にわたって標的核酸と十分に同一であるかまたは相補的である。一般に、正のシグナルはバックグラウンドよりも少なくとも2倍、好ましくは少なくとも5倍、そしてさらに好ましくは少なくとも15、25またはバックグラウンドよりも50倍ものシグナルを呈する。
その他の哺乳動物の種、例えば霊長類またはげっ歯類に由来する対応物SDCMPタンパク質をクローン化し、そして近縁種の異種間ハイブリダイゼーションにより単離することができる。例えば以下を参照のこと。類似性は遠縁種間で比較的低く、そして従って比較的近縁種のハイブリダイゼーションが利用される。また別に、あまり種特異性を呈さない抗体調製物の調製は発現クローニング研究法において有用であろう。
「抗体に特異的に結合する」または「特異的に免疫反応する」なる語句はタンパク質またはペプチドに言及する場合、タンパク質およびその他の生物学的成分の異種集団の存在下でタンパク質の存在を決定する結合反応を意味する。従って、指定されたイムノアッセイ条件下では特定された抗体が特定のタンパク質に結合し、そしてサンプル中に存在する別のタンパク質とは有意に結合しない。かかる条件下での抗体への特異的結合は、特定のタンパク質のその特異性に関して選択される抗体を必要とし得る。例えば配列番号:2または10で表されるアミノ酸配列を有するヒトSDCMP3タンパク質免疫原に対して上昇させた抗体を選択して、そのSDCMPタンパク質と特異的に免疫反応するが、その他のタンパク質とは免疫反応しない抗体を得ることができる。これらの抗体は相同ヒトSDCMP3タンパク質に高度に類似するタンパク質を認識する。
III.核酸
これらのSDCMP遺伝子は樹状細胞で選択的に発現される。開示するように好ましい態様は、その他の種、例えば温血動物、例えば鳥類および哺乳動物から遺伝子を単離するための標準的な手順に有用である。交差ハイブリダイゼーションにより個体、株または種からの関連するタンパク質の単離が可能になる。多くの異なる研究法を利用して、本明細書で提供する情報に基づいて適当な核酸クローンがうまく単離される。サザンブロットハイブリダイゼーション研究により、適当なハイブリダイゼーション条件下でその他の種の相同遺伝子が同定されるはずである。
精製されたタンパク質または定義されたペプチドは、後記するように、標準的な方法により抗体を作製するのに有用である。合成ペプチドまたは精製されたタンパク質を免疫系に提示してポリクローナルおよびモノクローナル抗体を作製することができる。例えばColigan(1991)Current Protocols in Immunology ,Wiley/Greene(ニューヨーク州);並びにHarlowおよびLane(1989)Antibodies:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Press(ニューヨーク州)(これらは出展明示により本明細書の一部とする)を参照のこと。また別に、SDCMP抗原結合組成物は特異的結合試薬として有用である可能性があり、そして例えばSDCMPタンパク質の精製のためにその結合の特異性を利用することができる。
特異的結合組成物を各々のSDCMPタンパク質を発現する細胞系から作られた発現ライブラリーのスクリーニングに用いることができる。スクリーニングのための多くの方法、例えば表面に発現されたリガンドの標準的な染色を利用できるか、またはパニングによる。細胞内発現のスクリーニングを種々の染色または免疫蛍光手順により実施することもできる。結合組成物を用いて親和性精製するか、または抗原を発現する細胞を分類することができる。
配列分析によりこれらのSDCMPがレセプターのレクチン/アシアロ糖タンパク質スーパーファミリーのメンバーであることが示唆される。米国特許出願番号第60/053,080号(出展明示により本明細書の一部とする)もまた参照のこと。
ヒトSDCMP3の分析により、タンパク質がII型膜タンパク質であり、膜貫通セグメントは配列番号:2または10のほぼ22からt42残基までに及んでいることが示唆される。細胞質内のテールは配列番号:2または10の1から21残基のN末端にある。C型レクチン(CRD)ドメインは配列番号:10のほぼ79から219残基に相当する。CRDは配列番号:10の107、176、194および202位置の4つの保存システイン残基を特徴とする。加えて、CRDは配列番号:10の168−170に残基に相当するグルタミン酸−プロリン−アルパラギン配列を有し、これはマンノース、N−アセチルグルコサミン、およびその他の関連する糖のCa++依存性結合部位を予測する。
ヒトタンパク質は約18,500ダルトンの予測される分子量を有し、等電点は約6、そして電荷はpH7で約−2.6である。親水性分析によりほぼ1−22、42−63、94−106、および142−162から親水性配列の有意な連なりが示される。かかるセグメントはより抗原性である可能性が高い。マウスSDCMP3の類似の分析により、そのタンパク質もまたII型膜タンパク質であり、膜貫通セグメントはほぼSer20からthr40までに及んでいることが示唆される。次いで細胞質内のテールはほぼmet1からtrp19に及び;そしてC型レクチンドメインはほぼcys79から少なくともarg162に相当する。2つの推定されるN−グリコシル化部位はasn131−ser133およびasn183−ser185に相当する。コンピューターにより同定された、ヒトの特に抗原性である連なりはほぼmet1−ser18;tyr43−arg53;lys72−ser85;ser94−asn106;およびser135−arg162に及ぶ。例えばBeattieら(1992)Eur.J.Biochem.210:59−66を参照のこと。
ヒトSDCMP4の分析により、タンパク質はII型膜タンパク質であることが示唆される。2つの形態、長い形態(配列番号:5および6)および短い形態(配列番号:7および8)があり、この短い形態は長い形態の欠失に相当し、そしてこれは選択的スプライシング事象の結果であろう。配列の種々の変化はシークエンシングエラーを反映している可能性があるか、またはアレル変種であろう。
長い形態の予測される膜貫通セグメントはほぼleu45からmet67に及ぶ。タンパク質のアミノ近位部分は細胞質内である。コンピューターにより同定された、ヒトの特に抗原性である連なりはほぼmet1−arg44;trp70−thr113;およびasn139−cys220に及ぶ。注目される特徴は細胞質内ドメインへの内在化モチーフ(YTQL、14−17残基)である。CRDは長い形態のほぼcys120からmet247に伸び、そしてほぼcys74からmet201の短い形態を形成する。長い形態は約27.6kDの分子量を有し、そして短い形態は約22.5kDであると予測され、計算された等電点は約4.6であり、そして電荷はpH7で−7.8である。
SDCMP4タンパク質の細胞外ドメインは、その他のレクチンとの有意な配列相同性により示されるように、C型(Ca++依存性)レクチン炭水化物認識ドメイン(CRD)を含有する。II型膜貫通C型レクチンのプロトタイプは肝臓アシアロ糖タンパク質レセプター(ASGPR)である。
肝臓ASGPRのCRDはガラクトースとの結合特異性を展示する。加えて、ASGPRの細胞内ドメインは、リガンド内在化を可能にするチロシン基盤のモチーフを担持する。ASGPRまたはマクロファージ・マンノースレセプターとは異なって、SDCMP4のCRD配列はその糖特異性をそれほど強く示唆しない。かかる示唆の欠如はまたその他のC型レクチンの特徴でもあり、NK細胞のNGK2レセプターにより例示される。
双方の態様のSDCMP4の細胞内ドメインはYXXO型の内在化配列(YTQL)を展示し、ここでOは疎水性アミノ酸を示す。参照として、肝臓ASGPR−H1鎖の内在化モチーフはYQDLである。
特に、いくつかのII型膜貫通C型レクチン(例えばヒトNKG2およびDC−IR、マウスLy49およびNKRP1)は免疫レセプタースーパーファミリー(IRS)系のメンバーである。これらのレセプターのいくつかの形態は細胞内ITIMモチーフを介して阻止シグナルを分配する能力を有している。対照的に、その他の形態はITIMモチーフを欠如し、そしてそれ自体負のシグナルを伝達しない。かかる非阻止性IRSメンバーの特質は膜貫通領域における荷電したアミノ酸の存在である。また別に、トランケートされた形態は膜貫通アクセサリー分子と相互作用することができる。例えばLanierら(1998)Nature 391:703−707;および米国特許出願番号第60/069,639号(双方共に出展明示により本明細書の一部とする)を参照のこと。
SDCMP4はその細胞内ドメインでITIMモチーフを展示せず、また荷電した膜貫通残基をも展示しない。これに基づいて、SDCMP4がC型レクチンIRS遺伝子の新たなファミリーを定義することはあり得ないようである。むしろ、SDCMP4がリガンド内在化に関与する分子のASGPR系に関係すると示唆することができる。
細胞外ドメインの46アミノ酸膜近位挿入の存在により異なっている、2つの形態のSDCMP4が同定されている。この領域における挿入はまたマクロファージおよび樹状細胞(ETA10)ASGPRにおいて生じる。
最終的にSDCMP4の発現がRT−PCRにより骨髄細胞(樹状細胞、単球および顆粒球)において観察されている。SDCMP3とは対照的に、SDCMP4の発現はPMAおよびイオノマイシンによる活性化の後、DCで下方制御されない。
これらに近い配列はETA10配列である。例えばSuzukiら(1996)J.Immunol.156:128−135;およびSatoら(1992)J.Biochem.111:331−336を参照のこと。細胞外ドメインはC型(Ca++依存性)炭水化物認識ドメイン(CRD)を示す多くの特徴を展示する。ヒト形態のCRDはそのカルボキシル末端でトランケートされているようであるが、マウス相同体(1469D4)のCRDはトランケートされておらず、そしてレクチンをC型スーパーファミリーの新規メンバーとして明確に分類する。
C型膜貫通II型レクチンのプロトタイプは肝臓アシアロ糖タンパク質レセプター(ASGPR)である。ASGPRは細胞質内のチロシン基盤のリガンド内在化配列を担持しているが、それはヒトまたはマウスSDCMP3のいずれでも見出されない。ヒトSDCMP3をコードする遺伝子は例えばヒトNKレセプター複合体の染色体12p12−13上に位置する。特に、この領域はNKG2遺伝子およびCD94遺伝子を含み、これはC型膜貫通II型レクチンをコードし、そして免疫レセプタースーパーファミリー(IRS)系の実例を表す。従って、キラー細胞阻止レセプター(KIR)CD94−NKG2A/Bヘテロ二量体はNKG2配列の細胞内チロシン基盤のITIMモチーフにより負のシグナルを伝達する。しかしながら、NKG2のその他の形態はITIMモチーフを欠如し、そしてCD94で得られたヘテロ二量体は非阻止性である。
ヒトSDCMP3の細胞内ドメインはITIMモチーフを含有しない。しかしながら、その染色体局在およびIRS遺伝子DC−IRとのその有意な(36.2%)相同性に基づいて、IRS遺伝子の新規C型レクチンファミリーのメンバーであることが予測される。その他のIRS遺伝子の類似により、SDCMP3が阻止性(ITIM)または非阻止性機能のいずれかを伴ういくつかのメンバーを含んでなる遺伝子のファミリーを表す可能性が高い。
RT−PCRにより、霊長類SDCMP3発現は骨髄細胞に限定されており、樹状細胞(DC)、単球およびマクロファージにおいて観察される。CD1a由来のランゲルハンス型DCよりもむしろCD14由来のDCにおいて選択的に発現が認められる。最終的に、SDCMP3の発現はイオノマイシンを伴うPMAでの活性化により下方制御される。
ペプチドセグメントを用いて適当なオリゴヌクレオチドを設計および生成してライブラリーをスクリーニングし、類似の遺伝子、例えば同一または多型変種の存在を決定するか、またはDCを同定することもできる。遺伝子コードを用いてスクリーニングのためのプローブとして有用な適当なオリゴヌクレオチドを選択することができる。ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)技術との組み合わせで、合成オリゴヌクレオチドはライブラリーから望ましいクローンを選択するのに有用である。
相補鎖はプローブまたはプライマーとしても用いられる。同様なアミノ末端の同定に基づいて、例えば固定されたベクターもしくはポリA相補的PCR技術と、またはその他のペプチドの相補的DNAと連結されたその他のペプチドはとりわけ有用であるはずである。
これらのDCタンパク質をコードする遺伝子の核酸操作のための技術、例えばポリペプチドをコードする核酸配列の発現ベクターへのサブクローニング、標識プローブ、DNAハイブリダイゼーション等は概してSambrookら(1989)Molecular Cloning:A Laboratory Manual(第2版)1−3巻、Cold Spring Harbor Laboratory 、Cold Spring Harbor Press(ニューヨーク州)(出展明示により本明細書の一部とし、以後「Sambrookら」と称する)に記載されている。またColiganら(1987および定期的な補冊)Current Protocols in Molecular Biology、Greene/Wiley(ニューヨーク、ニューヨーク州)(「Coliganら」として言及する)もまた参照のこと。
これらのDCタンパク質をコードするDNA配列を単離する種々の方法がある。例えば、本明細書に開示する配列と同一かまたは相補的な配列を有する標識オリゴヌクレオチドプローブを用いてDNAをゲノムまたはcDNAライブラリーから単離する。全長プローブを用いることができるか、または開示した配列とその他のタンパク質との比較および特異的プライマーの選択によりオリゴヌクレオチドヌクレオチドを作製することができる。かかるプローブを直接ハイブリダイゼーションアッセイに用いてDCタンパク質をコードするDNAを単離することができるか、またはDCタンパク質をコードするDNAの単離のために、増幅技術、例えばPCRで使用するためにプローブを設計することができる。
cDNAライブラリーを調製するために、DCタンパク質を発現する細胞からmRNAを単離する。mRNAからcDNAを調製し、そして組換えベクターにライゲートする。増殖、スクリーニングおよびクローニングのためにベクターを組換え宿主にトランスフェクトする。cDNAライブラリーを作製およびスクリーニングするための方法は公知である。GublerおよびHoffman(1983)Gene 25:263−269;Sambrookら;またはColiganらを参照のこと。
ゲノムライブラリーに関しては、DNAを組織から抽出し、そして機械的に剪断するかまたは酵素的に消化して約12−20kbのフラグメントを生じることができる。次いでフラグメントを勾配遠心により分離し、そしてバクテリオファージラムダベクターにクローン化する。これらのベクターおよびファージはSambrookら;またはColiganらに記載されるようにインビトロでパッケージングされる。BentonおよびDavis(1977)Science 196:180−182に記載されるようにプラークハイブリダイゼーションにより組換えファージを分析する。例えば概してGrunsteinら(1975)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 72:3961−3965に記載されるようコロニーハイブリダイゼーションを実施する。
cDNAライブラリーまたはゲノムライブラリーのいずれかで、本明細書に記載する核酸プローブとハイブリダイズするその能力により、例えばコロニーまたはプラークハイブリダイゼーション実験においてDCタンパク質をコードするDNAを同定することができる。当業者に周知の標準的な方法により対応するDNA領域を単離する。Sambrookらを参照のこと。
標的配列を増幅する種々の方法、例えばポリメラーゼ連鎖反応を用いてDCタンパク質をコードするDNAを調製することもできる。ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)技術を用いてかかる核酸配列をmRNAから、cDNAから、およびゲノムライブラリーまたはcDNAライブラリーから直接増幅する。DCタンパク質をコードする単離された配列をPCR増幅に関する鋳型として用いることもできる。
PCR技術では、増幅すべきDNA領域の2つの5’領域に相補的なオリゴヌクレオチドプライマーを合成する。次いで2つのプライマーを用いてポリメラーゼ連鎖反応を行う。Innisら(1990年版)PCR Protocols:A Guide to Methods and Applications、Academic Press(サンディエゴ、カリフォルニア州)。プライマーを選択して選択された全長DCタンパク質をコードする全領域を増幅するか、または望ましい小型のDNAセグメントを増幅することができる。とりわけ、提供される配列は例えば15−30ヌクレオチドのプライマーを提供し、これを用いて望ましいコード化配列またはそのフラグメントを増幅することができる。一度かかる領域がPCR増幅されると、それをシークエンシングし、そして標準的な技術を用いて得られた配列からオリゴヌクレオチドプローブを調製することができる。次いでこれらのプローブを用いて、その他の形態のDCタンパク質をコードするDNAを単離することができる。
BeaucageおよびCarruthers(1983)Tetrahedron Lett.22:1859−1862により最初に記載された固相ホスホラミダイト・トリエステル法に従って、またはNeedham−VanDevanterら(1984)Nucleic Acids Res.12:6159−6168に記載されるように自動合成器を用いて、プローブとして使用するためのオリゴヌクレオチドを化学的に合成する。例えば未変性のアクリルアミドゲル電気泳動により、またはPearsonおよびRegnier(1983)J.Chrom.255:137−149に記載されるようにアニオン交換HPLCによりオリゴヌクレオチドの精製を実施する。GrossmanおよびMoldave(1980年版)Methods in Enzymology 65:499−560、Academic Press(ニューヨーク)のMaxamおよびGlbertの化学的分解法を用いて合成オリゴヌクレオチドの配列を確認することができる。
本発明は前記したようにDCタンパク質をコードする単離されたDNAまたはフラグメントを提供する。加えて、本発明は適当な条件下、例えば高度なストリンジェンシーの下で本明細書に記載するDNA配列とハイブリダイズできる生物学的に活性なタンパク質またはポリペプチドをコードする単離されたまたは組換えDNAを提供する。該生物学的に活性なタンパク質またはポリペプチドは天然発生形態、または組換えタンパク質もしくはフラグメントでよく、そして配列番号:2、4、6、8または10に開示されるアミノ酸配列を有する。好ましい態様は、例えば霊長類に由来する全長天然単離体である。グリコシル化形態では、タンパク質はより大きなサイズを呈するべきである。さらに本発明は、各々のDCタンパク質に相同なタンパク質をコードする、単離されたもしくは組換えDNAまたはそのフラグメントの使用を包含する。これらのSDCMP3および4のフラグメントは、抗CD3抗体と組み合わせて、細胞、例えば樹状またはT細胞を同時刺激するのに有用であろう。活性化は抗原との組み合わせでよい。単離されたDNAは各々5’および3’側に各々の制御配列、例えばプロモーター、エンハンサー、ポリA付加シグナル等を有することができる。
本発明は正常な細胞における発現と比較して変化した様式で発現され得るDCポリヌクレオチド配列を包含し、従ってこれらの配列を志向する適当な治療用または診断用技術を設計することが可能である。このように、障害がDC核酸の発現に随伴される場合、翻訳レベルでDC発現と干渉する配列を用いることができる。この研究法は例えばMisquittaら(1999)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 96:1451−1456に記載されるように、例えば二本鎖RNA(dsRNA)の導入などのアンチセンス核酸を利用して遺伝学的に遺伝子機能に干渉し、そしてリボザイムを利用して特異的DC mRNAの翻訳を遮断する。かかる障害には発現制御ミスに随伴される障害が含まれる。
アンチセンス核酸は、特異的mRNA分子の少なくとも一部に相補的であるDNAまたはRNA分子、例えばオリゴデオキシリボヌクレオチドであり、Weintraub(1990)Scientific American 262:40−46を参照のこと。オリゴデオキシリボヌクレオチドは飽和可能な、配列依存的、並びに温度およびエネルギー依存的様式で細胞に侵入することができる。例えばJaroszewskiおよびCohen(1991)Advaced Drug Delivery Reviews 6:235−250;EricksonおよびIzant(編)Gene Regulation:Biology of Antisense RNA and DNA、Raven Press(ニューヨーク州)のAkhtarら(1992)「Pharmaceutical aspects of the biological stability and membrane transport characteristics of antisense oligonucleotides」133−145頁;並びにZhaoら(1994)Blood 84:3660−3666を参照のこと。
いくつかの免疫学的細胞、例えばリンパ球におけるオリゴデオキシリボヌクレオチドの取り込みは細胞活性化により制御されることが示されている。B細胞マイトジェンLPSで刺激した脾臓細胞はB細胞集団において劇的にオリゴデオキシリボヌクレオチドの取り込みを増強したが、T細胞マイトジェンCon Aで処理された脾臓細胞はB細胞ではなくT細胞によりオリゴデオキシリボヌクレオチドの取り込みが増強されることが示された。例えばKriegら(1991)Antisense Research and Development 1:161−171を参照のこと。
遺伝子のインビトロ翻訳を阻止するためのアンチセンス方法の使用は技術分野で公知である。例えばMarcus−Sakura(1988)Anal.Biochem 172:289−295;およびAkhtar(1995年版)Delivery Strategies for Antisense Oligonucleotide Therapeutics、CRC Press,Inc.を参照のこと。
リボザイムはDNA制限エンドヌクレアーゼに類似した様式でその他の一本鎖RNAを特異的に切断する能力を有するRNA分子である。これらのRNAをコードするヌクレオチド配列の修飾により、RNA分子における特異的ヌクレオチド配列を認識し、そしてそれを切断する分子を操作することが可能である。例えばCech(1988)J.Amer.Med.Assn.260:3030−3034を参照のこと。この研究法の主要な利点は、これらが配列特異的であるので、特定の配列を有するmRNAのみが不活性化されるという点である。
主にリボザイムの2つの基本型、テトラヒメナ型および「ハンマーヘッド」型がある。例えばHaseloff(1988)Nature 334:585−591を参照のこと。テトラヒメナ型リボザイムは4塩基長である配列を認識するが、「ハンマーヘッド」型リボザイムは11−18塩基長の塩基配列を認識する。認識配列が長いほど、配列が標的mRNA種で独占的に生じる可能性が大きくなる。結果的に、ハンマーヘッド型リボザイムは特異的mRNA種を不活性化するのにテトラヒメナ型リボザイムよりも好ましく、そして18塩基の認識配列が短い認識配列よりも好ましい。
IV.DC遺伝子生成物の作製
これらのDCタンパク質をコードするDNAまたはそのフラグメントを化学合成、cDNAライブラリーのスクリーニング、または多様な細胞系もしくは組織サンプルから調製したゲノムライブラリーのスクリーニングにより得ることができる。
例えばポリクローナルまたはモノクローナル抗体を作製するために用いることができる全長タンパク質またはフラグメントの合成のために;結合研究のために;修飾された分子の構築および発現のために;並びに構造/機能研究のために;これらのDNAを多様な宿主細胞において発現させることができる。これらのDCタンパク質またはそのフラグメントの各々を、適当な発現ベクターで形質転換された、またはトランスフェクトされた宿主細胞で発現させることができる。これらの分子を実質的に精製して、組換え宿主に由来するもの以外のタンパク質または細胞夾雑物を含まないようにでき、そして従って医薬的に許容される担体および/または希釈剤と組み合わせる場合、医薬用組成物でとりわけ有用である。抗原またはその部分をその他のタンパク質との融合体として発現させることができる。
発現ベクターは典型的には、適当な宿主細胞で認識される適当な遺伝的調節エレメントに通常動作可能なように連結された、望ましいDC遺伝子またはそのフラグメントを含有する自己複製性DNAまたはRNA構築物である。これらの調節エレメントは適当な宿主内で発現を生じさせることができる。発現を生じさせるのに必要な特的の型の調節エレメントは、最終的に使用する宿主細胞に依存する。一般的には、遺伝的調節エレメントは原核細胞プロモーター系または真核細胞プロモーター発現調節系を含むことができ、そして典型的には転写プロモーター、転写の開始を調節するオプショナルオペレーター、mRNA発現のレベルを上昇させる転写エンハンサー、適当なリボソーム結合部位をコードする配列、並びに転写および翻訳を終止させる配列を含むことができる。発現ベクターはまた通常、ベクターが宿主細胞から独立して複製することを可能にする複製起点を含有する。
本発明のベクターは種々のDCタンパク質またはそのフラグメントをコードし、典型的には例えば生物学的に活性なポリペプチドまたはタンパク質をコードするDNAを含有する。DNAはウイルスプロモーターの調節下でよく、そして選択マーカーをコードすることができる。本発明はさらに原核細胞または真核細胞宿主においてDCタンパク質をコードする真核細胞性cDNAを発現することができるかかる発現ベクターの使用を企図し、ここでベクターは宿主と適合し、そしてタンパク質をコードする真核細胞性cDNAを、ベクターを含有する宿主の成長により問題のcDNAが発現されるようにベクターに挿入する。通常、発現ベクターはその宿主細胞において安定して複製するように、または細胞あたりの望ましい遺伝子の全コピー数を大きく増加させるために増幅させるように設計される。発現ベクターが宿主細胞において複製することが必ずしも必要とはされない、例えば宿主細胞に認識される複製起点を含有しないベクターを用いて、種々の宿主においてタンパク質またはそのフラグメントの一過性発現を行わせることが可能である。組換えによりDC遺伝子またはそのフラグメントの宿主DNAへの組み込みを引き起こすベクターを使用すること、または内因性遺伝子の発現を調節するプロモーターを組み込むことも可能である。例えばTrecoら、国際公開公報第96/29411号を参照のこと。
本明細書で用いるベクターはプラスミド、ウイルス、バクテリオファージ、組み込み可能なDNAフラグメント、およびDNAフラグメントの宿主のゲノムへの組み込みを可能にするその他のベヒクルを含んでなる。発現ベクターは動作可能なように連結された遺伝子の発現を行わせる遺伝的調節エレメントを含有する特化されたベクターである。プラスミドは最も一般的に用いられるベクターの形態であるが、同等の機能を提供する全てのその他の形態のベクターが本明細書での使用に適している。例えばPouwelsら(1985および補冊)Clonig Vectors:A Laboratory Manual、Elsevier(ニューヨーク州);およびRodriguezら(1988年版)Vectors:A Survey of Molecular Cloning Vectors and Their Uses、Buttersworth(ボストン、マサチューセッツ州)を参照のこと。
適当な宿主細胞には原核生物、下等な真核生物、および高等な真核生物などがある。原核生物にはグラム陰性およびグラム陽性の双方の生物、例えば大腸菌(E.coli)および枯草菌(B.subtilis)などがある。下等な真核生物には酵母、例えば出芽酵母(S.cerevisiae)およびピチア(Pichia)、並びにタマホコリカビ属(Dictyostelium)などがある。高等な真核生物には動物細胞から確立された組織培養細胞系、非哺乳動物起源、例えば昆虫細胞および鳥類、並びに哺乳動物起源、例えばヒト、霊長類、およびげっ歯類の双方などがある。
原核生物宿主−ベクター系には多くの異なる種の多様なベクターなどがある。本明細書で用いる大腸菌(E.coli)およびそのベクターは一般的にその他の原核生物で用いられる同等のベクターを包括するように用いられる。DNAの増幅のための代表的なベクターはpBR322またはその誘導体である。DCタンパク質またはフラグメントを発現するために用いることができるベクターには、非限定例としてはlacプロモーター(pUCシリーズ)を含有するもののごときベクター;trpプロモーター(pBR322−trp);IPPプロモーター(pINシリーズ);ラムダpPまたはpRプロモーター(pOTS);またはハイブリッドプロモーター、例えばptac(pDR540)などがある。RodriguezおよびDenhardt(編)Vectors:A Survey of Molecular Cloning Vectors and Their Uses 10:205−236、Buttersworth(ボストン、マサチューセッツ州)のBrosiusら(1988)「Expression Vectors Employing Lambda−,trp−,lac−,and Ipp−derived Promoters」を参照のこと。
下等な真核生物、例えば酵母およびタマホコリカビ(Dictyostelium)を、ベクターを含有するDC遺伝子配列で形質転換することができる。本発明の目的のために、最も一般的な下等な真核生物宿主はパン酵母である出芽酵母(Saccharomyces.cerevisiae)である。これは一般的に下等な真核生物を代表するために用いられるが、多くのその他の株および種もまた利用可能である。酵母ベクターは典型的には複製起点(組み込み型を除く)、選択遺伝子、プロモーター、望ましいタンパク質またはそのフラグメントをコードするDNA、並びに翻訳終止、ポリアデニル化、並びに転写終止のために配列からなる。酵母のための適当な発現ベクターには3−ホスホグリセラートキナーゼおよび種々のその他の解糖系酵素遺伝子プロモーターのごとき構成プロモーター、またはアルコールデヒドロゲナーゼ2プロモーターまたはメタロチオネインプロモーターのごとき誘導プロモーターなどがある。適当なベクターには以下の型の誘導体が含まれる:自己複製低コピー数(例えばYRpシリーズ)、自己複製高コピー数(例えばYEpシリーズ);組み込み型(例えばYIpシリーズ)またはミニ染色体(例えばYCpシリーズ)。
高等真核生物組織培養細胞がDCタンパク質の発現のための好ましい宿主細胞である。原理的には、無脊椎動物起源でも、脊椎動物起源でも、たいていのいずれの高等真核生物組織培養細胞系を用いることもでき、例えば昆虫バキュロウイルス発現系などがある。しかしながら、同時翻訳および翻訳後の双方で適当なプロセシングを達成するために哺乳動物細胞が好ましい。かかる細胞の形質転換またはトランスフェクションおよび増殖は日常的である。有用な細胞系にはHeLa細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞系、ラット胎仔腎(BRK)細胞系、昆虫細胞系、鳥細胞系およびサル(COS)細胞系などがある。かかる細胞系のための発現ベクターは通常複製起点、プロモーター、翻訳開始部位、RNAスプライシング部位(例えばゲノムDNAを用いる場合)ポリアデニル化部位、および転写終止部位などがある。これらのベクターは選択遺伝子または増幅遺伝子を含有することもできる。適当な発現ベクターは、例えばアデノウイルス、SV40、パラボウイルス、ワクシニアウイルス、またはサイトメガロウイルスのごとき供給源に由来するプロモーターを担持するプラスミド、ウイルス、またはレトロウイルスでよい。適当な発現ベクターの代表例にはpCDNA1;pCD(Okayamaら(1985)Mol.Cell Biol.5:1136−1142参照);pMC1neoPoly−A(Thomasra(1987)Cell 51:503−512参照);およびバキュロウイルスベクター、例えばpAC373またはpAC610などがある。加えて、DC遺伝子の上流の非コード化配列またはDC遺伝子内のコーディングもしくは非コーディング配列を、そこにDCタンパク質を発現する新規DC転写ユニットを作製するための遺伝子標的化により変調することができる。例えば細胞において発現される遺伝子の発現を増加させるか、制御もしくは誘導のパターンを変化させるか、または遺伝子の発現を低減もしくは排除させることにより、DCタンパク質を変調する外来性配列の導入および標的化が例えばTrecoら(1998)国際公開公報第96/29411号にて、「Protein Production and Delivery」の標題で記載されている。
特定の例では、DCタンパク質は特定のアッセイにおいて生物学的応答を引き出すためにグリコシル化を必要としない。しかしながらしばしば、特定のまたは定義されたグリコシル化パターンを提供する系でDCポリペプチドを発現するのが望ましい。この場合、通常のパターンは発現系により天然に提供されるものである。しかしながら、例えば非グリコシル化形態のポリペプチドを、異種発現系に導入された適当なグリコシル化タンパク質に暴露することによりパターンを修飾することができる。例えばDC遺伝子を、哺乳動物またはその他のグリコシル化酵素をコードする1つまたはそれ以上の遺伝子と同時形質転換することができる。過剰のグリコシル化はDCタンパク質の生物学的作用に有害である可能性があり、そして当業者は最適な生物学的作用を付与するグリコシル化の程度を最適化するために日常的な試験を行うことができることはさらに理解される。
DCタンパク質またはそのフラグメントを操作して細胞膜に連結されたホスファチジルイノシトール(PI)にできるが、ホスファチジルイノシトール切断酵素、例えばホスファチジルイノシトール・ホスホリパーゼCで処理することにより膜から除去することができる。これにより抗原は生物学的に活性な形態で放出され、そしてタンパク質化学の標準的な手順による精製が可能になる。例えば、Low(1989)Biochem.Biophys.Acta 988:427−454;Tseら(1985)Science 230:1003−1008;Brunnerら(1991)J.Cell Biol.114:1275−1283;およびColiganら(編)(1996および定期的な補冊)Current Protocols in Protein Science、John Wiley and Sons(ニューヨーク、ニューヨーク州)を参照のこと。
今ではこれらのSDCMPタンパク質は特徴付けされており、慣用されるペプチドを合成する方法によりそのフラグメントまたは誘導体を調製することができる。これにはStewartおよびYoung(1984)Solid Phase Peptide Synthesis、Pierce Chemical Co.(ロックフォード、イリノイ州);BodanszkyおよびBodanszky(1984)The Practice of Peptide Synthesis、Springer−Verlag(ニューヨーク、ニューヨーク州);並びにBodanszky(1984)The Principles of Peptide Synthesis、Springer−Verlag(ニューヨーク、ニューヨーク州)に記載される方法などがある。Merrifield(1986)Science 232:341−347;およびDawsonら(1994)Science 266:776−779もまた参照のこと。例えばアジド法、酸塩化物法、酸無水物法、混合無水物法、活性エステル法(例えばp−ニトロフェニルエステル、N−ヒドロキシサクシンイミドエステル、シアノメチルエステル)、カルボジイミダゾール法、酸化−還元法、またはジシクロヘキシルカルボジイミド(DCCD)/付加法を用いることができる。固相および溶液相合成の双方を前記の方法に適用できる。
ペプチド分離の手段により、例えば抽出、沈殿、電気泳動および種々の形態のクロマトグラフィー等により、調製したタンパク質およびそのフラグメントを反応混合物から単離および精製することができる。本発明のDCタンパク質を望ましい用途に依存して種々の程度の純度で得ることができる。公知のタンパク質精製技術の使用により、または例えば免疫吸着親和性クロマトグラフィーにおける本明細書に記載する抗体もしくは結合パートナーの使用により精製を達成することができる。最初に抗体を固体支持体に連結させ、そして連結された抗体を適当な供給源細胞の可溶化されたライゼート、タンパク質を発現するその他の細胞のライゼート、またはDNA技術の結果としてタンパク質を生成する細胞のライゼートもしくは上澄と接触させることにより(以下を参照)この免疫吸着親和性クロマトグラフィーを実施する。
その他の細胞と比較して該タンパク質を高レベルで発現する細胞に関して多細胞系をスクリーニングすることができる。種々の細胞系、例えばマウス胸腺間質細胞系TA4をスクリーニングし、そして好ましい取扱適性に関して選択する。または適当な発現ベクターを用いて形質転換された細胞からの発現により、天然供給源から天然のDC細胞タンパク質を単離することができる。標準的な手順により発現されたタンパク質の精製を達成するか、または細胞ライゼートまたは上澄から高い効率で有効に精製するための技術的手段と組み合わせることができる。FLAGまたはHis6セグメントをかかる精製の特徴に用いることができる。
V.抗体
個体、多型、アレル、株、または種変異を含む種々のDCタンパク質およびそのフラグメントのに対してその天然発(全長)生形態およびその組換え形態で抗体を上昇させることができる。加えて、抗体をその活性形態で、またはその不活性形態でDCタンパク質に対して上昇させることができる。抗イディオタイプ抗体を用いることもできる。
a.抗体生成
多くの免疫原を用いてこれらのDCタンパク質と特異的に反応する抗体を生成することができる。組換えタンパク質はモノクローナルまたはポリクローナル抗体の生成のための好ましい免疫原である。天然発生タンパク質を純粋または不純な形態のいずれかで用いることができる。本明細書で記載するヒトDCタンパク質配列を用いて作った合成ペプチドをDCタンパク質に対する抗体の生成のための免疫原として用いることもできる。本明細書で記載するように組換えタンパク質を真核または原核細胞において発現させ、そして望む場合精製することができる。次いで抗体を生成することができる動物に生成物を注射する。タンパク質を測定するためのイムノアッセイで続いて使用するためにモノクローナルまたはポリクローナル抗体のいずれかを作製することができる。
ポリクローナル抗体を生成する方法は当業者に公知である。簡単には、免疫原、好ましくは精製されたタンパク質をアジュバントと混合し、そして動物を混合物で免疫する。被験血液を採取し、そして目的のDCタンパク質に対する反応性の力価を決定することにより、免疫原調製物に対する動物の免疫応答をモニター観察する。適当に高い力価の抗体が得られた場合、動物から血液を収集し、そして抗血清を調製する。望む場合、タンパク質に反応する抗体を富化させるために抗血清をさらに分画化することができる。例えばHarlowおよびLane参照のこと。
当業者に周知の種々の技術によりモノクローナル抗体を得ることができる。簡単には、望ましい抗原で免疫した動物に由来する脾臓細胞を、一般にはミエローマ細胞との融合により不死化する。例えばKohlerおよびMilstein(1976)Eur.J.Immunol.6:511−519(出展明示により本明細書の一部とする)を参照のこと。不死化の代替法にはエプスタイン・バール・ウイルス、オンコジーン、もしくはレトロウイルスでの形質転換、または技術分野で公知のその他の方法などがある。単一の不死化細胞から生じたコロニーを抗原に関して望ましい特異性および親和性の抗体の生成に関してスクリーニングし、そして脊椎動物宿主の腹腔への注射などの種々の技術によりかかる細胞により生成されるモノクローナル抗体の収量を増加させることができる。また別に、Huseら(1989)Science 246:1275−1281により概要が示される一般的なプロトコールに従って、ヒトB細胞からのDNAライブラリーをスクリーニングすることによりモノクローナル抗体またはその結合フラグメントをコードするDNA配列を単離することができる。
結合フラグメントおよび一本鎖のものなどの、これらのDCタンパク質の予め決定されたフラグメントに対する抗体を、フラグメントと前記したキャリヤタンパク質との抱合体で動物を免疫することにより上昇させることができる。望ましい抗体を分泌する細胞からモノクローナル抗体を調製する。これらの抗体を正常なまたは欠損DCタンパク質に対する結合に関してスクリーニングすることができるか、またはアゴニストもしくはアンタゴニスト活性に関してスクリーニングすることができる。これらのモノクローナル抗体は通常的には少なくとも約1mM、さらに通常的には少なくとも300μM、典型的には少なくとも約10μM、さらに典型的には少なくとも約30μM、好ましくは少なくとも約10μM、そしてさらに好ましくは少なくとも約3μMまたはそれよりも良好なKで結合する。
いくつかの例では、種々の哺乳動物宿主、例えばマウス、げっ歯類、霊長類、ヒト等からモノクローナル抗体を調製するのが望ましい。かかるモノクローナル抗体を調製するための技術の記載は、例えばStitesら(編)Basic and Clinical Immunology(第4版)Lange Medical Publications(ロスアルトス、カリフォルニア州)およびそこに引用された参照文献;HarlowおよびLane(1988)Antibodies:A Laboratory Manual、CSH Press;Goding(1986)Monoclonal Antibodies:Principles and Practice(第2版)、Academic Press(ニューヨーク、ニューヨーク州);並びにとりわけモノクローナル抗体の作製方法の1つについて論じているKohlerおよびMilstein(1975)Nature 256:495−497に見出すことができる。簡単に要約すると、この方法は動物を免疫原で注射して体液性免疫応答を開始させる。次いで動物を屠殺し、そしてその脾臓から細胞を採取し、次いでこれをミエローマ細胞と融合させる。結果はインビトロで複製できるハイブリッド細胞すなわち「ハイブリドーマ」である。ハイブリドーマの集団を次いでスクリーニングして個々のクローンを単離し、その各々は免疫原に対する単一の抗体種を分泌する。この様式で、得られた個々の抗体種は、免疫原性物質で認識される特異的部位に対する応答において作製される免疫動物からの、不死化およびクローン化された単一のB細胞の生成物である。
その他の適当な技術にはファージまたは類似のベクターにおける抗体のライブラリーの選択に関係する。Huseら(1989)「Generation of a Large Combinatorial Library of the Immunoglobulin Repertoire in Phage Lambda」Science 246:1275−1281;およびWardら、(1989)Nature 341:544−546を参照のこと。本発明のポリペプチドおよび抗体を、キメラまたはヒト化抗体などの修飾を施してまたは施さずに使用することができる。しばしばポリペプチドおよび抗体を共有結合的または非共有結合的のいずれかで検出可能なシグナルを提供する物質と結合させることにより標識する。多様な標識および抱合技術が公知であり、そして科学文献および特許文献の双方で広く報告されている。適当な標識には放射性核種、酵素、基質、コファクター、インヒビター、蛍光部分、化学発光部分、磁性粒子等がある。かかる標識の使用を教示する特許には、米国特許第3,817,837号;第3,850,752号;第3,939,350号;第3,996,345号;第4,277,437号;第4,275,149号および第4,366,241号などがある。また組換え免疫グロブリンを生成することもできる。Cabilly、米国特許第4,816,567号;およびQueenら(1989)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:10029−10033を参照のこと。
本発明の抗体を、各DCタンパク質を単離するときの親和性クロマトグラフィーに用いることもできる。抗体が固体支持体、例えば粒子、例えばアガロース、SEPHADEX等に連結されているカラムを調製することができ、この場合細胞ライゼートをカラムに通し、カラムを洗浄し、続いて穏やかな変性剤の濃度を増加させ、それにより精製されたDCタンパク質が放出される。
また抗体を用いて特定の発現生成物に関する発現ライブラリーをスクリーニングすることもできる。通常かかる手順で用いる抗体を、抗体結合により抗原の存在の検出を容易にすることができる部分で標識する。
SDCMPタンパク質に対する抗体を各々のタンパク質を発現する特定の細胞集団成分の分析または同定に用いることができる。DCタンパク質を発現する細胞の発現生成物を検定することにより、疾患、例えば免疫機能低下の症状、DC枯渇の症状、またはDCの過剰生成を診断することもまた可能である。
各DCに対して上昇させた抗体はまた抗イディオタイプ抗体を上昇させるのにも有用である。これらは各々の抗原の発現に関係する種々の免疫学的症状を検出または診断するのに有用である。
b.ヒト化
ヒト以外の供給源の使用はモノクローナル抗体の治療的効率を制限し得る。ネズミまたはその他のヒト以外の供給源に由来する抗体は免疫応答、エフェクター機能の補充の弱化、および血流からの急速なクリアランスを誘発し得る(Bacaら(1997)J.Biol.Chem.272:10678−10684)。これらの理由のために、ヒト化により治療用抗体を調製するのが望ましい(Carpenterら(2000)J.Immunol.165:6205;Heら(1998)J.Immunol.160:1029;Tangら(1999)J.Biol.Chem.274:27371−27378)。ヒト化抗体は、ヒト抗体フレームワークに移植された親マウス抗体の6個の相補性決定領域(CDR)に由来するアミノ酸配列を含有する。最適な結合を達成するために、通常CDRの立体配置の支持に関与する特定のフレームワークアミノ酸を変化させて、親マウス抗体で見出される対応するアミノ酸に戻すことにより、ヒト化抗体は微調整を必要とする。
ヒト化の代替はファージに展示されるヒト抗体ライブラリー(Vaughanら(1996)Nat.Biotechnol.14:309−314;Barbas(1995)Nature Med.1:837−839;de Haardら(1999)J.Biol.Chem.274:18218−18230;McCaffertyら(1990)Nature 348:552−554;Clacksonら(1991)Nature 352:624−628;Marksら(1991)J.Mol.Biol.222:581−597)またはトランスジェニックマウスに含まれるヒト抗体ライブラリー(Mendezら(1997)Nature Genet.15:146−156)の使用である。ファージディスプレイ技術を高い結合親和性を有する抗体のスクリーニングおよび選択に用いることができる(HoogenboomおよびChames(2000)Immunol.Today 21:371−377;Barbasら(2001)Phage Display:A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor(ニューヨーク);Kayら(1996)Phage Display of Peptides and Proteins:A Laboratory Manual、Academic Press(サンディエゴ、カリフォルニア州))。ファージディスプレイ方法の使用により、線状ファージの表面に展示されるような強固な結合性の一価の抗体を提供するDNA配列を提供することができる。このDNA配列を制御して、研究者は強固な結合性のヒト化二価抗体を構築することができる。ファージディスプレイライブラリーは、重鎖および軽鎖可変領域が単一の遺伝子でリンカーにより融合されている一本鎖抗体を含んでなることができるか、またはこれは同時発現された重鎖および軽鎖を含んでなることができる(de Bruinら(1999)Nat.Biotechnol.17:397−399)。
c.イムノアッセイ
種々のイムノアッセイ法により特定のタンパク質を測定することができる。免疫学的およびイムノアッセイ手順の概説は一般にSitesおよびTerr(編)(1991)Basic and Clinical Immunology(第7版)を参照のこと。さらにいくつかのいずれかの構成で本発明のイムノアッセイを実施することができ、これはMaggio(1980年版)Enzyme Immunoassay、CRC Press(ボカラートン、フロリダ州);Tijssen(1985)「Practice and Theory of Enzyme Immmunoassys」,Laboratory Techniquies in Biochemistry and Molecular Biology、Elsevier Science Publishers B.V.(アムステルダム);並びにHarlowおよびLane、Antibodies,A Laboratory Mannual前出(その各々を出展明示により本明細書の一部とする)で広く概説されている。またChan(編)(1987)Immunoassay:A Practical Guide、Academic Press(オーランド、フロリダ州);PriceおよびNewman(編)(1991)Principles and Practice of Immunoassays,Stockton Press(ニューヨーク州);およびNgo(1988年版)Non−isotopic Immunoassays,Plenum Press(ニューヨーク州) をも参照のこと。
これらのDCタンパク質の測定のためのイムノアッセイを当業者に公知の種々の方法により実施することができる。簡単には、タンパク質を測定するためのイムノアッセイは競合性または非競合性結合アッセイでよい。競合性結合アッセイでは、分析されるサンプルは固体表面に結合した捕捉物質上の特異的結合部位に関して標識された被分析物と競合する。好ましくは、捕捉物質は前記したように生成されたDCタンパク質と特異的に反応する抗体である。捕捉物質に結合した、標識された被分析物の濃度はサンプル中に存在する遊離の被分析物の量に反比例する。
競合結合イムノアッセイでは、サンプル中に存在するDCタンパク質は特異的結合物質、例えばDCタンパク質と特異的に反する抗体に対する結合に関して標識タンパク質と競合する。結合物質は固体表面に結合されていて、結合標識タンパク質を非結合標識タンパク質から分離することができる。また別に、液相で競合結合アッセイを行うことができ、そして結合標識タンパク質を非結合標識タンパク質から分離するために技術分野で公知のいずれかの種類の技術を用いることができる。分離後、結合標識タンパク質の量を決定する。サンプル中に存在するタンパク質の量は標識タンパク質結合の量に反比例する。
また別に、分離工程を必要としない同種イムノアッセイを実施することができる。これらのイムノアッセイでは、タンパク質上の標識は、タンパク質のその特異的結合物質に対する結合により変化する。この標識タンパク質における変化の結果、標識により放出されるシグナルの低下または上昇を招き、そしてイムノアッセイの終わりでの標識の測定により、タンパク質の検出または定量が可能になる。
これらのDCタンパク質を種々の非競合性イムノアッセイ法により定量的に決定することもできる。例えば、2サイト固相サンドイッチイムノアッセイを用いることができる。この型のアッセイでは、タンパク質の結合物質、例えば抗体は固体支持体に付着している。これもまた抗体でよく、そして異なる部位でタンパク質に結合する第2のタンパク質結合物質を標識する。タンパク質の双方の部位で結合を生じた後、非結合標識結合物質を除去し、そして固相に結合した標識結合物質の量を測定する。結合した標識結合物質の量はサンプル中のタンパク質量に直接比例する。
ウェスタンブロット分析を用いてサンプル中のDCタンパク質の存在を決定することができる。例えばタンパク質の含有が疑われる組織サンプルで電気泳動を実施する。タンパク質を分離するための電気泳動、およびタンパク質の適当な固体支持体、例えばニトロセルロースフィルターへの移動の後、固体支持体を変性タンパク質と反応する抗体と共にインキュベートする。この抗体を標識できるか、または別に1次抗体と結合する第2の標識抗体と共に続いてインキュベートすることによりそれを検出することができる。
前記したイムノアッセイ様式は標識アッセイ成分を用いる。標識は種々の形態でよい。技術分野で公知の方法に従って、標識をアッセイの望ましい成分に直接的または間接的に連結させることができる。多様な標識を用いることができる。いくつかの方法のうちのいずれによってでも成分を標識することができる。伝統的には、H、125I、35S、14Cまたは32Pを組み込んだ放射活性標識を用いる。非放射活性標識は標識タンパク質の特異的結合対のメンバーとして提供することができる標識抗体、フルオロフォア、化学発光剤、酵素、および抗体に結合するリガンドを含む。標識の選択は必要な感度、化合物との抱合の容易さ、安定性要件、および利用可能な装置に依存する。用いることができる種々の標識またはシグナル生成系の概説に関しては、米国特許第4,391,904号(出展明示により本明細書の一部とする)を参照のこと。
特定のタンパク質と反応する抗体を種々のイムノアッセイ法により測定することもできる。イムノアッセイ技術による抗体の測定に適用することができる免疫学的およびイムノアッセイ手順の概説に関しては、StitesおよびTerr(編)Basic and Clinical Immunology(第7版)前出;Maggio(編)Enzyme Immunoassay、前出;並びにHarlowおよびLane、Antibodies,A Laboratory Manual、前出を参照のこと。
特異的タンパク質の測定に関して前記したものに類似する種々の異なるイムノアッセイ様式、分離技術および標識を用いることもできる。
VI.精製されたSDCMPタンパク質
霊長類、例えばヒトSDCMP3ヌクレオチドおよびアミノ酸配列を配列番号:1、2、9および10で提供し、げっ歯類、例えばマウスSDCMP3配列を配列番号:3および4で提供する。霊長類、例えばヒトSDCMP4ヌクレオチドおよびアミノ酸配列を配列番号:5、6、7および8で提供する。ペプチド配列によりかかるセグメントを認識する抗体を作製するためのペプチドの調製が可能になり、そしてかかる配列をコードするオリゴヌクレオチドの調製が可能になる。
標準的な精製方法が利用可能であり、そして精製の後に特異的抗体を使用することができる。
VII.物理学的変種
本発明はまた配列番号:2、4、6、8または10のアミノ酸配列と実質的なアミノ酸配列類似性を有するタンパク質またはペプチドを包含する。置換、例えば20またはそれ以下、好ましくは10またはそれ以下、およびさらに好ましくは5またはそれ以下の置換を呈する変種もまた可能である。置換が保存置換である場合、変種は対応する天然配列のタンパク質と免疫原性または抗原類似性または交差反応性を共有する。天然変種には個体、アレル、多型、株、または種変種などがある。
必要な場合、必要とされるギャップを導入することにより、残基対合を最適化することによりアミノ酸配列類似性、または配列同一性を決定する。これは保存置換を対合として考える場合に変化する。保存置換は典型的には以下のグループ内の置換を含む:グリシン、アラニン;バリン、イソロイシン、ロイシン;アスパラギン酸、グルタミン酸;アスパラギン、グルタミン;セリン、スレオニン;リジン、アルギニン;およびフェニルアラニン、チロシン。相同アミノ酸配列は各々のタンパク質配列における天然のアレルおよび種間変種を含む。典型的な相同タンパク質またはペプチドは適切なDCタンパク質のアミノ酸配列と50−100%類似性(ギャップを導入することができる場合)から75−100%類似性(保存置換が含まれる場合)を有する。同一性測定値は少なくとも約50%、一般的には少なくとも60%、さらに一般的には少なくとも65%、通常的には少なくとも70%、さらに通常的には少なくとも75%、好ましくは少なくとも80%、そしてさらに好ましくは少なくとも80%、そしてとりわけ好ましい態様では、少なくとも85%またはそれ以上である。Needlehamら(1970)J.Mol.Biol.48:443−453;Sankoffら(1983)Time Wraps,String Edits,and Macromolecules:The Theory and Practice of Sequence Comparison、第1章、Addison−Wesley(レディング、マサチューセッツ州);および米国国立衛生研究所の国立バイオテクノロジー情報センター(NCBI)からのソフトウェアパッケージ;およびウィスコンシン大学Genetics Computer Group(GCG)(マジソン、ウィスコンシン州)もまた参照のこと。
対応する哺乳動物DCタンパク質コードする核酸は典型的にはストリンジェント条件下で配列番号:1、3、5、7または9のコード化部分にハイブリダイズする。例えば各々のDCタンパク質をコードする核酸は、典型的にはストリンジェントハイブリダイゼーション条件下で配列番号:1、3、5、7または9の核酸にハイブリダイズし、例えばバックグラウンドの少なくとも2倍、好ましくは5倍、15倍または25倍のシグナルを提供するが、偽陽性ハイブリダイゼーションシグナルはわずかしか提供しない。一般に、ストリンジェント条件は、規定のイオン強度およびpHでハイブリダイズされる配列に関する熱融解温度(Tm)よりも約10℃低くなるように選択する。Tmは標的配列の50%が完全に対合するプローブに(規定のイオン強度およびpH下で)ハイブリダイズする温度である。典型的にはストリンジェント条件は洗浄液中の塩濃度が約pH7で約0.02モル濃度であり、そして温度が少なくとも約50℃である条件である。その他の因子、とりわけ塩基組成および相補鎖の大きさ、有機溶媒、例えばホルムアミドの存在、塩基誤対合の程度などは有意にハイブリダイゼーションのストリンジェンシーに影響し得る。好ましい態様には50% ホルムアミドおよび20−50mM NaCl中42℃で開示する配列に結合する核酸が含まれる。
単離されたDC遺伝子DNAをヌクレオチド置換、ヌクレオチド欠失、ヌクレオチド挿入およびヌクレオチドの連なりの反転により容易に修飾することができる。これらの修飾の結果、これらのDC抗原、その誘導体、または高度に類似した生理学を有するタンパク質、免疫原または抗原活性をコードする新規DNA配列に至る。
修飾された配列を用いて変異体抗原を生成するか、または発現を増強することができる。増強された発現は遺伝子増幅、転写の増加、翻訳の増加、およびその他のメカニズムに関与し得る。かかる変異体DCタンパク質誘導体は、各々のタンパク質またはそのフラグメントの予め決定された、または部位特異的変異を含む。「変異体DCタンパク質」は、それがなければ前記したDCタンパク質の相同性定義に入るポリペプチドを包含するが、欠失、置換または挿入のいずれによっても、天然に見出されるDCタンパク質のもとのは異なるアミノ酸配列を有する。とりわけ「部位特異的変異体DCタンパク質」は一般に、例えば配列番号:2または10の配列を有するタンパク質と有意な類似性を有するタンパク質を含む。一般に、変種は物理化学的および生物学的活性、例えば抗原性または免疫原性をこれらの配列と共有し、そして好ましい態様では、開示した配列のほとんどまたは全てを含有する。類似の概念はこれらの種々のDCタンパク質、とりわけ種々の温血動物、例えば霊長類および哺乳動物において見出されるものに適用される。
部位特異的変異部位は予め決定されているが、変異体は部位特異性である必要はない。アミノ酸挿入または欠失によりDCタンパク質変異誘発を行うことができる。置換、欠失、挿入、またはいずれかの組み合わせを、最終構築物に到達するように作製することができる。挿入にはアミノ−、カルボキシル−末端融合などがある。標的コドンで無作為変異誘発を行うことができ、そして発現された変異体を次いで望ましい活性に関してスクリーニングすることができる。公知の配列を有するDNAの予め決定された部位で置換変異体を作製する方法は、技術分野で公知であり、例えばM13プライマー変異誘発、またはポリメラーゼ連鎖反応(PCR)技術による。Sambrookら(1989)およびAusubelら(1987および補冊)もまた参照のこと。DNAにおける変異は通常読み枠から外にコーディング配列を置くべきではなく、そして好ましくは、ハイブリダイズして2次mRNA構造、例えばループまたはヘアピンを生成することができる相補領域を作製しない。
本発明はまたこれらのタンパク質に由来するセグメントを用いて組換えタンパク質、例えば異種性融合タンパク質を提供する。異種性融合タンパク質は同一の様式で天然に、正常ではなく、融合するタンパク質またはセグメントの融合体である。従って、免疫グロブリンと各々のDCポリペプチドとの融合生成物は典型的なペプチド連結で融合された配列を有する連続タンパク質分子であり、典型的には単一の翻訳生成物として作られ、そして各々の供給源ペプチドから誘導される特性を呈する。類似の概念を異種性核酸配列に適用する。
加えて、その他のタンパク質からの類似の機能的ドメインを組み合わせることから新しい構築物を作ることができる。例えば、ドメインまたはその他のセグメントを、典型的には関連するタンパク質、例えばレクチンまたはアシアロ糖タンパク質ファミリーとの異なる新しい融合ポリペプチドまたはフラグメントとの間で「交換する」ことができる。好ましくは無傷の構造ドメイン、例えば無傷のIg部分を用いる。例えばCunninghamら(1989)Science 243:1330−1336;およびO’Dowdら(1988)J.Biol.Chem.263:15985−15992を参照のこと。従って、特異性の新しい組み合わせを呈する新しいキメラポリペプチドはタンパク質結合特異性およびその他の機能性ドメインの機能的連結の結果である。アラニンスキャニング変異誘発を、好ましくは構造的に2次構造の外側にある残基に適用することができ、これにより一般的に3次構造を妨害するほとんどの重要な残基が回避される。
これらのDC抗原の「誘導体」はアミノ酸配列変異体、グリコシル化変種、およびその他の化学的部分との共有結合もしくは凝集抱合体を含む。技術分野で公知である手段により、これらのDCタンパク質アミノ酸側鎖で、またはN−もしくはC−末端での見出される基への機能性の連結により、共有結合誘導体を調製することができる。これらの誘導体には、非限定例としてはカルボキシル末端の、もしくはカルボキシル側鎖を含有する残基の脂肪族エステルまたはアミド、ヒドロキシル基含有残基のO−アシル誘導体、およびアミノ酸の末端アミノ酸またはアミノ基含有残基、例えばリジンもしくはアルギニンのN−アシル誘導体などがある。アシル基をC3からC18ノーマル・アルキルを含むアルキル部分の基から選択し、それによりアルカノイルアロイル種を形成する。キャリヤタンパク質への共有結合は免疫原性部分がハプテンである場合に重要であろう。
とりわけグリコシル化変化には、例えばその合成およびプロセシングの間の、または別のプロセシング工程におけるポリペプチドのグリコシル化パターンの修飾により作られたものなどがある。これを達成するためにとりわけ好ましい手段はポリペプチドを、かかるプロセシングを通常的に提供する細胞から誘導されたグリコシル化酵素、例えば哺乳動物グリコシル化酵素に暴露することによる。脱グリコシル化酵素もまた企図されている。その他の軽微な修飾を有する同一の1級アミノ酸配列のもの、リン酸化アミノ酸残基、例えばホスホチロシン、ホスホセリン、もしくはホスホスレオニン、またはその他の部分、リボシル基、もしくは架橋試薬などもまた包含される。また、置換を含んでなるタンパク質もまた包含され、これは、例えば配列番号:2または10のタンパク質を認識する抗体を生成する実質的な免疫原性を保持しているべきである。典型的にはこれらのタンパク質は、開示した配列から20残基置換未満、さらに典型的には10置換未満、好ましくは5置換未満、そしてさらに好ましくは3置換未満を含有する。また別に、構造領域で始まりそして終わるタンパク質は通常抗原性および交差免疫原性を保持する。
誘導体の主要な基はDCタンパク質またはそのフラグメントとその他のタンパク質またはポリペプチドとの共有結合性抱合体である。これらの誘導体を組換え培養、例えばN−またはC−末端融合で、または活性側鎖基を介する架橋タンパク質におけるその有用性に関して技術分野で公知の作用物質の使用により合成することができる架橋化剤を用いる。好ましいタンパク質誘導体化部位は遊離アミノ基、炭水化物部分、およびシステイン残基である。
これらのDCタンパク質とその他の相同性または異種性タンパク質との間の融合ポリペプチドもまた提供される。異種性ポリペプチドを異なる表面マーカー間で融合でき、結果的に例えばハイブリッドタンパク質に至る。同様に、誘導タンパク質の特性または活性の組み合わせを呈する異種性融合体を構築することができる。典型例はレポーターポリペプチド、例えばルシフェラーゼとタンパク質のセグメントまたはドメイン、例えばレセプター結合セグメントとの融合であり、そのために融合タンパク質の存在または配置を容易に決定できる。例えばDullら米国特許第4,859,609号を参照のこと。その他の遺伝子融合パートナーには細菌性β−ガラクトシダーゼ、trpE、プロテインA、β−ラクタマーゼ、アルファ・アミラーゼ、アルコールデヒドロゲナーゼ、および酵母アルファ接合因子などがある。例えばGodowskiら(1988)Science 241:812−816を参照のこと。
かかるポリペプチドはまたリン酸化、スルホン化、ビオチン化またはその他の部分、とりわけリン酸塩基に類似する分子形状を有するものの付加もしくは除去により化学的に修飾されているアミノ酸残基を有し得る。いくつかの態様では、修飾は有用な標識試薬であるかまたは精製標的、例えば親和性リガンドとして提供される。
本発明はまた、アミノ酸配列の変化またはグリコシル化以外のこれらのDCタンパク質の誘導体の使用をも企図する。かかる誘導体は化学的部分との共有結合性または凝集性会合に関与し得る。これらの誘導体は一般に3つのクラスに入る:(1)塩、(2)側鎖および末端残基共有結合性修飾、並びに(3)例えば細胞膜との吸収複合体。かかる共有結合性または凝集性誘導体は免疫原として、イムノアッセイにおける試薬として、または精製法、例えばリガンドもしくはその他の結合リガンドの親和性精製に有用である。例えば技術分野で公知である方法により、DCタンパク質抗原を共有結合により固体支持体、例えば臭化シアン活性化セファロースに固定することができるか、または抗DCタンパク質抗体のアッセイもしくは精製で使用するために、グルタルアルデヒド架橋を伴うかもしくは伴わずに、ポリオレフィン表面に吸収させることができる。希土類キレートに共有結合した、または診断アッセイで使用するための別の蛍光部分に抱合された検出可能な基、例えばクロラミンT手順による放射性ヨウ化でDCタンパク質を標識することもできる。これらのSDCMPタンパク質の精製を固定化抗体により行うことができる。
単離されたDCタンパク質遺伝子は対応するDCタンパク質の発現を欠く細胞、例えば対応するタンパク質を欠き、そして負のバックグラウンド活性を呈する種型または細胞のいずれかの形質転換を可能にする。形質転換された遺伝子の発現により、規定のまたは単一の種変種で抗原的に純粋な細胞系の単離が可能になる。この研究法によりこれらのDCタンパク質の生理学的影響のより鋭敏な検出および識別が可能になる。細胞内フラグメント、例えば細胞質または膜フラグメントを単離し、そして使用することができる。
VIII.結合物質:DCタンパク質複合体
規定の免疫原、例えば配列番号:2または10のアミノ酸配列からなる免疫原に対して作製された抗体に特異的に結合するか、または特異的に免疫反応するDCタンパク質をイムノアッセイで決定する。イムノアッセイは配列番号:2または10のタンパク質に対して上昇させたポリクローナル抗血清を用いる。この抗血清は近縁のファミリーのその他のメンバーに対する交差反応性が低くなるように選択され、そしてかかるいずれの交差反応性もイムノアッセイで使用する前に免疫吸収により除去される。
イムノアッセイで用いるための抗血清を生成するために、例えば配列番号:2または10のタンパク質を前記したように単離する。例えば組換えタンパク質を哺乳動物細胞系において生成することができる。マウスの同系交配株、例えばBALB/cを標準的なアジュバント、例えばフロイントのアジュバント、および標準的なマウス免疫プロトコールを用いて適当なタンパク質で免疫する(HarlowおよびLane前出参照)。また別に、本明細書に開示する配列に由来し、そしてキャリヤタンパク質に抱合させた合成ペプチドを免疫原として用いることができる。ポリクローナル抗血清を収集し、そしてイムノアッセイ、例えば固体支持体に固定させた免疫原を用いる固相イムノアッセイにおいて免疫原タンパク質に対して力価測定する。10またはそれ以上の力価を有するポリクローナル抗血清を選択し、そして競合結合イムノアッセイ、例えばHarlowおよびLane、前出(570−573頁)に記載されるものを用いてその他の関連するタンパク質に対するその交差反応性に関して試験する。好ましくは2つの異なる関連するタンパク質をこの決定において規定のDCタンパク質と併せて用いる。例えばレクチンタンパク質と共に、少なくとも2つのその他のファミリーのメンバーを用いて共有されるエピトープを吸収させる。SDCMP3ファミリーメンバーと併せて、ファミリーのその他の2つのメンバーを用いる。前記したように標準的な分子生物学およびタンパク質化学技術を用いてこれらのその他のファミリーのメンバーを組換えタンパク質として精製し、そして単離することができる。
競合結合様式のイムノアッセイを交差反応性決定に用いることができる。例えば配列番号:2または10のタンパク質を固体支持体に固定することができる。アッセイに加えたタンパク質は抗血清の固定された抗原に対する結合と競合する。前記のタンパク質の、抗血清の固定されたタンパク質に対する結合と競合する能力を配列番号:2のタンパク質と比較する。標準的な計算を用いて前記タンパク質に関する交差反応性のパーセントを計算する。前記で列挙した各タンパク質と10%未満の交差反応性を有するこれらの抗血清を選択し、そしてプールする。次いで前記で列挙したタンパク質との免疫吸収により、交差反応する抗体をプールした抗血清から除去する。
免疫吸収され、そしてプールされた抗血清を次いで前記した競合結合イムノアッセイで使用し、第2のタンパク質を免疫原タンパク質(例えば配列番号:2または10のSDCMP3タンパク質)と比較する。この比較を行うために、2つのタンパク質を各々広範な濃度で検定し、そして抗血清の固定されたタンパク質に対する結合を50%阻止するのに必要な各タンパク質の量を決定する。必要とされる第2のタンパク質の量が、必要とされる配列番号:2または10のタンパク質の量の2倍未満である場合、次いで第2のタンパク質は免疫原に対して作製された抗体に特異的に結合するといわれる。
DCタンパク質は2つまたはそれ以上の遺伝子を含んでなる相同タンパク質のファミリーである可能性が高いことは理解されている。特定の遺伝子生成物、例えばヒトIgファミリーメンバータンパク質に関して、本発明は本明細書にて開示したアミノ酸配列のみならず、アレル、多型、非アレル、または種変種であるその他のタンパク質をも包含する。「ヒトDCタンパク質」なる用語は、慣用される組換え技術、例えば一部位変異を用いる意図的な変異により、またはこれらのタンパク質をコードするDNAの短いセクションを切除する、すなわち遺伝子からのスプライシング変種により、または少数の新しいアミノ酸を置換もしくは付加することにより導入された非天然変異体を含むことも理解される。かかる軽微な変化は元来の分子の免疫同一性および/またはその生物学的活性を実質的に維持しなければならない。従って、これらの変化は指定された天然発生の各々のSDCMPタンパク質、例えば配列番号:6または8を呈するヒトSDCMP4と特異的に免疫反応するタンパク質を含む。軽微であると考えられる特定のタンパク質修飾には、総じて各タンパク質ファミリーに関して前記したように、類似の化学的特性を有するアミノ酸の保存置換などがある。タンパク質を配列番号:2または10のタンパク質と最適に整列させることにより、そして本明細書に記載する慣用されるイムノアッセイを用いて免疫同一性を決定することにより、本発明のタンパク質組成を決定することができる。
IX.用途
本発明は本明細書に別記するように、例えば発達異常に関する一般的な記載において、または以下の診断のためのキットの記載において、診断適用における用途が見出される試薬を提供する。
DC遺伝子、例えばDNAまたはRNAを法医学的アッセイにおける成分として使用することができる。例えば、提供されたヌクレオチド配列を、例えば32Pまたはビオチンを用いて標識し、そして標準的な制限フラグメント多型ブロットをプローブするために用いて、個体間の区別を助ける測定可能な特性を提供することができる。かかるプローブを公知の法医学的技術、例えば遺伝子指紋法で使用することができる。加えて、DC配列から作られたヌクレオチドプローブをインサイチュ・アッセイで用いて、染色体異常を検出することができる。
DCタンパク質また核酸を志向する抗体およびその他の結合物質を用いて対応するDCタンパク質分子を精製することができる。以下の実施例に記載するように、DCタンパク質の抗体精製は可能であり、そして尚且つ実施可能である。抗体およびその他の結合物質をまた診断様式で用いて、本明細書に記載する公知の技術を用いてDC成分が組織サンプルまたは細胞集団中に存在するかどうかを決定することもできる。結合物質をDCタンパク質に付着させる能力により発現制御ミスに随伴される障害を診断するための手段が提供される。抗体およびその他のDCタンパク質結合物質はまた組織学的マーカーまたは精製試薬としても有用であろう。以下の実施例で記載するように、これらのタンパク質の各々の発現は特定の組織型に限定される。プローブ、例えば各々のDCタンパク質に対する抗体または核酸を志向することにより、プローブを用いて組織および細胞型をインサイチューまたはインビトロで区別することが可能である。
加えて、精製された抗原を用いて、抗原に対して選択性を伴って結合するこれらの抗体の抗血清調製物を枯渇させることができる。従って、例えばマウスSDCMP3を用いて、マウスSDCMP3と交差反応できるヒトSDCMP4の成分に対して上昇させた抗血清を枯渇させることができる。また別に、SDCMP3を用いて、各々の抗原に対して親和性を有して結合する抗血清のこれらの成分を精製することができる。
SDCMP4は肝性ASGPRと多くの特徴を共有し、II型膜貫通C型レクチンの最もよく知られた実例である。肝性ASGPRはガラクトース残基に関して結合特性を展示し、そしてその細胞内ドメインはリガンド内在化のためのチロシンモチーフを担持する。これらの特徴により、ガラクトース残基を発現する脱シアル化血漿糖タンパク質への結合が可能になり、そして続いてこれらのタンパク質の血漿からのクリアランスが提供される。
SDCMP4のリガンド特異性はそのCRD配列から完全に推定できるというわけではない。しかしながら、DC上でのSDCMP4の発現は、例えば微生物で見出される、潜在的に抗原性の成分がSDCMP4の天然リガンドを表すことができるという指標である。この局面で、DCおよびマクロファージにおいて見出される別のC型レクチンであるマンノースレセプターは、その細胞壁のマンノース部分を認識した後、例えば酵母粒子に結合し、そして内在化する能力を有する。
SDCMP4におけるチロシン基盤の内在化モチーフの存在は、分子がDCによるレセプター媒介のエンドサイトーシスにおいて役割を果たすということを予測している。SDCMP4はDCにおいて「抗原レセプター」として機能して、続いて細胞内プロセシング経路に送られるリガンドを内在化し、抗原提示および免疫応答の開始または促進に至る。
SDCMP4により媒介されるかかる内在化機能はこのレセプターを、抗原をDCに志向させるための、例えばT細胞への提示を増強させ、そして続いて特異的免疫の活性化のための可能性のある標的にする。従って、SDCMP4はワクチン接種プロトコールにおける抗原の分配のためのレセプターを提示し、それによりワクチン応答の開始のために抗原を適当な細胞に標的化させることができる。かかる試験計画の治療上の重要性はとりわけ癌免疫療法においてとりわけ適切であり、この場合腫瘍随伴抗原(TAA)はDCへの選択的分配のためにSDCMP4を特異的に認識する試薬に結合させることができる。
本発明はまた重要な治療的価値を呈し得る試薬をも提供する。DCタンパク質(天然発生または組換え)、そのフラグメント、およびそれに対する抗体は、DCタンパク質に対する結合親和性を有すると同定された化合物と一緒に、増殖異常、例えば癌性症状または変性症状などの生理学または発達異常に随伴される症状の処置に有用であろう。本明細書で提供する組成物を用いて、適当な治療的処置により異常増殖、再生、変性、およびアトロフィーを変調することができる。例えば、抗原提示細胞としてDCによる異常発現または異常シグナリングに随伴される疾患または障害はタンパク質のアゴニストまたはアンタゴニストの標的である。タンパク質は免疫学的応答、例えば抗原提示および得られたエフェクター機能に影響する造血細胞、例えばリンパ球の制御または発達において役割を果たす可能性が高い。
これらのSDCMPの相互作用を遮断することによりシグナリングを遮断できると考えられている。従って、例えばタンパク質に対するポリクローナルまたは選択されたモノクローナル抗体の使用は免疫応答、例えばMLRに影響し得る。また別に、可溶性細胞外フラグメントは対になるレセプターとの相互作用を遮断し、そして従ってかかる反応をも遮断し得る。MLRは免疫応答の開始または維持を診断するので、これらの試薬は免疫応答の開始および維持を変調するのに有用であるかもしれない。
その他の発達異常症状はノーザンブロット分析によりDCタンパク質mRNAを有することが示されている細胞型において知られている。Berkow(編)The Merck Manual of Diagnosis and Therapy、Merck and Co.(ラーウェイ、ニュージャージー州);およびThornらHarrison’s Principles of Internal Medicine、McGraw−Hill(ニューヨーク州)を参照のこと。例えば免疫系の、発達または機能異常は重大な医学的異常および症状を引き起こすが、これは本明細書で提供する組成物を用いる阻止または処置を受け入れることができる。
組換えDCタンパク質または抗体を精製し、そして次に患者に投与する。これらの試薬を治療用途で、例えば慣用される医薬上許容される担体または希釈剤、例えば免疫原性アジュバント中、生理学的に無害の安定剤および賦形剤と一緒に、さらに活性なまたは不活性な成分と組み合わせることができる。とりわけ、これらはワクチンの局面で有用であり、ここで抗原をこれらの治療用のアゴニストまたはアンタゴニストと組み合わせる。これらの組み合わせを滅菌濾過し、そして投与用バイアル中での凍結乾燥または安定化された水性調製物での保存による投与形態にすることができる。本発明はまた、補体結合でない形態を含む抗体またはその結合フラグメントの使用をも企図する。
抗体またはレセプターまたはそのフラグメントを用いる薬物スクリーニングにより、随伴される成分の単離を含む、これらのDCタンパク質に対する結合親和性を有する化合物を同定することができる。続く生物学的アッセイを利用して、化合物が固有の刺激活性を有しているか、そして従って、それがタンパク質の活性を遮断するという点でブロッカーまたはアンタゴニストであるかどうかを決定することができる。同様に、固有の刺激活性を有する化合物がタンパク質を介して細胞を活性化でき、そして従って、それが細胞を刺激するという点でアゴニストである。本発明はさらにタンパク質に対する抗体のアンタゴニストとしての治療的用途を企図する。
有効な治療に必要な試薬の量は、投与の手段、標的部位、患者の生理学的状態、および投与されているその他の医薬品などの多くの異なる因子に依存する。従って、治療用量を力価測定して安全性および有効性を最適化すべきである。典型的には、インビトロで用いる用量はこれらの試薬のインサイチュウ投与に有用な量の有用な手引きを提供し得る。特定の障害の処置のための有効量の動物試験によりヒト用量のさらに予測される指標が提供される。種々の論考が例えばGilmanら(編)(1990)Goodman and Gilman’s:The Pharmacological Bases of Therapeutics(第8版)Pergamon Press;および(1990)Remington’s Pharmaceutical Sciences(第17版)Mack Publishing Co.(イーストン、ペンシルバニア州)に記載されている。そこで、および以下に、例えば経口、静脈内、腹腔内、または筋肉内投与、経皮拡散等のための投与方法が論じられている。医薬的に許容される担体には、水、生理食塩水、バッファー、およびMerck Index、Merck and Co.(ラーウェイ、ニュージャージー州)に記載されるその他の化合物などがある。投与範囲は適当な担体と共に、通常1mM濃度より低く、典型的には約10μM濃度未満、通常的には約100nM未満、好ましくは約10pM(ピコモル濃度)未満、そして最も好ましくは1fM(フェムトモル濃度)未満の量であると予測される。徐放処方、または徐放装置がしばしば連続投与に利用される。
DCタンパク質、そのフラグメントおよびそれに対する抗体またはそのフラグメント、アンタゴニスト、並びにアゴニストを直接宿主に投与して処置することができるか、または化合物の大きさに依存して、その投与に先立って、キャリヤタンパク質、例えば卵白アルブミンまたは血清アルブミンにそれらを抱合させるのが望ましい場合もある。治療用処方を多くの慣用される投与形態で投与することができる。活性成分を単独で投与することが可能であるが、医薬用処方として存在するのが好ましい。処方は典型的には少なくとも1つの、前記で定義する活性成分を1つまたはそれ以上の許容されるその担体と一緒に含んでなる。各単体は、その他の成分と適合し、そして患者に有害ではないという意味で、医薬的または生理学的の双方で許容されるべきである。処方は経口、直腸、鼻、または非経口(皮下、筋肉内、静脈内および皮内など)投与に適したものを含む。処方は便宜的に投与単位で存在することができ、そして薬学の分野で公知のいずれかの方法により調製できる。例えばGilmanら(編)(1990)Goodman and Gilman’s:The Pharmacological Bases of Therapeutics(第8版)Pergamon Press;および(1990)Remington’s Pharmaceutical Sciences(第17版)Mack Publishing Co.(イーストン、ペンシルバニア州);Avisら(編)(1993)Pharmaceutical Dosage Forms:Parenteral Medications、Dekker(ニューヨーク州);Libermanら(編)(1990)Pharmaceutical Dosage Forms:Tablets、Dekker(ニューヨーク州);およびLibermanら(編)(1990)Pharmaceutical Dosage Forms:Disperse Systems、Dekker(ニューヨーク州)を参照のこと。本発明の治療をその他の化学療法または化学抗癌剤と組み合わせるかまたはそれを伴って用いることができる。
本発明のDCタンパク質の天然発生および組換え形態の双方はとりわけ、タンパク質に対する結合活性に関して化合物をスクリーニングすることができるキットおよびアッセイ方法において有用である。自動化アッセイのいくつかの方法が近年開発されており、そのために短時間に何万もの化合物をスクリーニングすることが可能になる。例えばFodorら(1991)Science 251:767−773、および複数の化合物の結合親和性の試験のための手段について記載している、化学的多様性ライブラリーに関するその他の文献を参照のこと。本発明により提供されるDCタンパク質の多量の精製された、例えば可溶性のものの利用可能性により、適当なアッセイの開発を大いに促進させることができる。
例えば、一度タンパク質を構造的に定義しておくと、しばしばアンタゴニストを見出すことができる。精製された表面タンパク質を用いる高度に自動化されたアッセイ方法の開発で、可能性のあるタンパク質アナログの試験が今や可能である。とりわけ、新しいアゴニストおよびアンタゴニストが本明細書で記載するスクリーニング技術を用いることにより見出される。とりわけ重要なものは、複数の近縁細胞表面抗原のための組み合わされた結合親和性を有することが解っている化合物、例えばDCタンパク質の種変種のアンタゴニストとして提供することができる化合物である。
本発明は、種々の薬物スクリーニング技術において組換えDCタンパク質を用いることにより化合物をスクリーニングするのにとりわけ有用である。特異的リガンドのスクリーニングにおいて組換えタンパク質を用いる利点には:(a)特異的供給源からのタンパク質の改善された再生可能な供給源;(b)アッセイにおける良好なシグナル対ノイズ比が得られる細胞あたりの、可能性のあるより多くの抗原;および(c)種変種特異性(理論的にはより大きな生物学的および疾患特異性が得られる)などがある。
薬物スクリーニングの1つの方法はDCタンパク質を発現する組換えDNA分子で安定して形質転換された真核または原核生物宿主細胞を利用する。いずれか別のものからの単離においてそのタンパク質を発現する細胞を単離することができる。生存したまたは固定された形態のいずれかのかかる細胞を標準的な表面タンパク質結合アッセイに用いることができる。細胞応答を検出するための鋭敏な方法について記載するParceらSciemce 246:243−247;およびOwickiら(1990)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:4007−4011もまた参照のこと。競合アッセイはとりわけ有用であり、この場合細胞(DCタンパク質の供給源)を、抗原に対して公知の結合親和性を有する抗体、例えば125I−抗体、および結合組成物に対するその結合親和性を測定する被験サンプルと接触させ、そして共にインキュベートする。結合した、および遊離の標識結合組成物を次いで分離して、タンパク質結合の程度を評価する。結合した被験化合物の量は公知の供給源に結合する標識抗体の量に反比例する。多くの技術を用いて遊離試薬から結合試薬を分離し、結合の程度を評価する。この分離工程は典型的には、フィルターへの付着に続く洗浄、プラスチックへの付着に続く洗浄、または細胞膜の遠心のごとき手順に関与する。生存細胞を用いて、これらのDCタンパク質媒介の機能、例えば抗原提示またはヘルパー機能に及ぼす薬物の影響に関してスクリーニングすることもできる。
別の方法は、DCタンパク質の供給源として、形質転換された真核または原核生物宿主細胞からの膜を利用する。これらの細胞は適当なタンパク質、例えば操作された膜結合形態の発現を志向するDNAベクターで安定して形質転換される。本質的には、膜を細胞から調製し、そして結合アッセイ、例えば前記した競合アッセイにおいて使用する。
さらに別の研究法は、形質転換された真核または原核生物宿主細胞からの可溶化され、未精製のまたは可溶化され、精製されたDCタンパク質を使用することである。これにより、特異性の増加、自動化のための能力、および薬物試験の高速大量処理の利点を有する「分子」結合アッセイが可能になる。
薬物スクリーニングのための別の技術は、各々のDCタンパク質に対して適当な結合親和性を有する化合物の高速大量処理スクリーニングを提供する研究法に関与し、そして詳細は1984年9月13日公開のGeysenの欧州特許出願第84/03564号に記載されている。まず最初に、多くの異なる小型ペプチド被験化合物を固体基質、例えばプラスチックピンまたは他の何らかの適当な表面上に合成し、Fodorら前出を参照のこと。次いで全てのピンを、可溶化し、未精製の、または可溶化し、精製したDCタンパク質と反応させ、そして洗浄する。次の工程は結合試薬、例えば抗体の検出に関与する。
どの部位が特異的なその他のタンパク質と相互作用するかを決定するための1つの手段は物理構造決定、例えばX線結晶学、または2次元NMR技術である。これらはどのアミノ酸残基が分子接触領域を形成するかに関する手引きを提供する。タンパク質構造決定の詳細な記載に関しては、例えばBlundellおよびJohnson(1976)Protein Crystallography、Academic Press(ニューヨーク州)を参照のこと。
X.キット
本発明はまた、DCタンパク質またはメッセージの存在を検出するための種々の診断キットおよび方法におけるこれらのDCタンパク質、そのフラグメント、ペプチド、およびその融合生成物の使用をも企図する。典型的にはキットは定義されたDCペプチドまたは遺伝子セグメント、または例えば抗体のいずれか1つを認識する試薬のいずれかを含有する区画を有する。
被験化合物の各々のDCタンパク質に対する結合親和性を決定するためのキットは典型的には被験化合物;標識化合物、例えばタンパク質に関して公知の結合親和性を有する抗体;DCタンパク質の供給源(天然発生または組換え);および遊離の標識化合物から結合したものを分離するための手段、例えばDCタンパク質を固定するための固相を含んでなる。一度化合物がスクリーニングされると、タンパク質に対して適当な結合親和性を有するものを、技術分野で公知の適当な生物学的アッセイにおいて評価して、それらがアゴニストまたはアンタゴニストとして作用してDC機能を制御するかどうかを決定することができる。組換えDCポリペプチドの利用性により、かかるアッセイを較正するためによく定義された標準もまた提供される。
例えばサンプル中のDCタンパク質の濃度を決定するための好ましいキットは、典型的には、DCタンパク質に関する公知の結合親和性を有する標識化合物、例えば抗体、DCタンパク質の供給源(天然発生または組換え);および遊離の標識化合物から結合したものを分離するための手段、例えばDCタンパク質を固定するための固相を含んでなる。試薬、および装置を含有する区画が通常提供される。
各々のDCまたはそのフラグメントに特異的な抗原結合フラグメントなどの抗体は、タンパク質および/またはそのフラグメントのレベル上昇の存在を検出するための診断適用に有用である。かかる診断アッセイはライゼート、生存細胞、固定細胞、免疫蛍光、細胞培養、体液を用いることができ、そしてさらに血清中の抗原の検出等に関与し得る。診断アッセイは同種性(遊離の試薬と抗原−DCタンパク質複合体との間に分離工程を含まない)または異種性(分離工程を含む)でよい。種々の市販のアッセイ、例えばラジオイムノアッセイ(RIA)、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、エンザイムイムノアッセイ(EIA)、酵素増幅イムノアッセイ技術(EMIT)、基質標識蛍光イムノアッセイ(SLFIA)等が存在する。例えば、標識され、そしてDCタンパク質または特定のそのフラグメントに対する抗体を認識する第2の抗体を使用することにより未標識抗体を用いることができる。類似のアッセイはまた文献でも広く論じられている。例えばHarlowおよびLane(1988)Antibodies:A Laboratory Manual、CSH Press(ニューヨーク州);Chan(1987年版)Immunoassay:A Practical Guide、Academic Press(オーランド、フロリダ州);PriceおよびNewman(1991年版)Principles and Practice of Immunoassay、Stockton Press、ニューヨーク州;並びにNgo(1988年版)Nonisotopic Immunoassay、Plenum Press、ニューヨーク州を参照のこと。とりわけ試薬は生物学的サンプルにおいて、サンプル中のDCの過剰または欠乏のいずれかを検出するためにDC集団を診断するのに有用であろう。アッセイは生検の組織学的分析、または血液もしくは組織サンプル中のDC数の評価を志向し得る。
抗イディオタイプ抗体は、種々の異常状態を診断できるような、DCタンパク質に対する抗体の存在を診断するための類似の用途を有し得る。例えばDCタンパク質の過剰生成は、とりわけ細胞増殖状態、例えば癌または分化異常において生理学的状態の異常を診断できる種々の免疫学的反応に至り得る。
しばしば、診断アッセイのための試薬が、アッセイの感度を最適にするためにキットで供給される。対象の発明に関しては、アッセイの特性に依存して、プロトコール、および標識、標識もしくは未標識抗体もしくはレセプターのいずれか、または標識DCタンパク質が提供される。これは通常その他の添加物、例えばバッファー、安定化剤、シグナル生成に必要な材料、例えば酵素の基質等と併せられている。好ましくは、キットはまた適切な使用および使用後の内容物の廃棄のための指示書をも含有する。典型的には、キットは各々の有用な試薬のための区画を有している。望ましくは、試薬は凍結乾燥粉末として提供され、その場合、アッセイを実施するための試薬の適当な濃度を提供する水性溶媒で試薬を再構成することができる。
薬物スクリーニングおよび診断アッセイの多くの前記した構成要素を修飾せずに用いることができるか、または種々の方法で修飾して用いることができる。例えば、直接的または間接的に検出可能なシグナルを提供する部分を共有結合または非共有結合することにより標識を達成することができる。これらのアッセイの多くで、タンパク質、被験化合物、DCタンパク質、またはそれに対する抗体を直接的または間接的のいずれかで標識することができる。直接標識に可能なものには、標識基:放射性標識、例えば125I、酵素(米国特許第3,645,090号)例えばペルオキシダーゼおよびアルカリ性ホスファターゼ、並びに蛍光強度、波長シフトまたは蛍光偏光における変化をモニター観察することができる蛍光標識(米国特許第3,940,475号)などがある。間接標識に可能なものには、1つの構成要素のビオチン化、続いて前記の標識基の1つに連結されたアビジンへの結合などがある。
また遊離のタンパク質から結合したもの、また別に遊離の被験化合物から結合したものを分離する非常に多くの方法もある。DCタンパク質を種々のマトリックスに固定し、続いて洗浄することができる。適当なマトリックスにはプラスチック、例えばELISAプレート、フィルターおよびビーズなどがある。DCタンパク質をマトリックスに固定する方法には、非限定例としてはプラスチックへの直接付着、捕捉抗体の使用、化学的連結、およびチオチン−アビジンなどがある。この研究法の最後の工程は、例えば有機溶媒、例えばポリエチレングリコールまたは塩例えば硫酸アンモニウムを利用するものを含むいくつかの方法のうちの1つによるタンパク質/抗体複合体の沈殿に関与する。その他の適当な分離技術には、非限定例としては、Rattleら(1984)Clin.Chem.30:1457−1461に記載されるフルオレセイン抗体磁化粒子法、および米国特許第4,659,678号に記載される二重抗体磁性粒子分離などがある。
タンパク質またはそのフラグメントを種々の標識に連結するための方法は文献に広く報告されており、そして本明細書で詳細に論じる必要はない。多くの技術が、カルボジイミドまたは活性エステルのいずれか使用を介して活性化されたカルボキシル基を使用するペプチド結合の形成、メルカプト基と活性化されたハロゲン、例えばクロロアセチル、または活性化されたオレフィン、例えばマレイミドとの反応による連結のためのチオエーテルの形成等に関与している。これらの適用では融合タンパク質もまた有用であろう。
本発明の別の診断の態様は各々のDCタンパク質の配列から取られたオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチド配列の使用に関与する。これらの配列をプローブとして用いて異常な症状、例えば癌または免疫の障害を有することが疑われる患者からのサンプルにおけるメッセージのレベルを検出することができる。RNAおよびDNA双方のヌクレオチド配列の調製、配列の標識、および配列の好ましい大きさについて、文献中に十分に記載および議論されている。標準的にはオリゴヌクレオチドプローブは少なくとも14ヌクレオチド、通常的には少なくとも約18ヌクレオチドを有するべきであり、そしてポリヌクレオチドプローブは数キロ塩基まででよい。種々の標識、最も一般的には放射性核種、とりわけ32Pを用いることができる。しかしながら、その他の技術を用いることができ、例えばポリヌクレオチドへの導入のためにビオチン修飾ヌクレオチドを使用することができる。次いでビオチンをアビジンまたは抗体への結合のための部位として提供され、これを多様な標識、例えば放射性核種、フルオロフォア、酵素等で標識することができる。また別に、DNA二本鎖、RNA二本鎖、DNA−RNAハイブリッド二本鎖、またはDNA−タンパク質二本鎖などの特定の二本鎖を認識できる抗体を用いることができる。今度は抗体を標識でき、そして二本鎖が表面に結合しているアッセイを実施して、表面での二本鎖の形成時に、二本鎖に結合する抗体の存在を検出することができる。いずれかの慣用される技術、例えば核酸ハイブリダイゼーション、プラスおよびマイナススクリーニング、組換えプロービング、ハイブリッドリリース翻訳法(HRT)、およびハイブリッド阻害翻訳法(HART)において新規のアンチセンスRNAに対するプローブを使用することができる。これはまた増幅技術、例えばポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を含む。
その他のマーカーの定性的または定量的存在に関して試験する診断キットもまた企図される。診断または予後診断はマーカーとして使用した複数の適用の組み合わせに依存し得る。従って、キットはマーカーの組み合わせに関して試験することができる。例えばVialletら(1989)Progress in Growth Factor Res.1:89−97を参照のこと。
XI.結合パートナー単離
特異的相互作用の結合パートナーのメンバーの1つを単離する、対となるパートナーを単離するための方法が存在する。Gearingら(1989)EMBO J.8:3667−3676を参照のこと。例えば、そのレセプターに対する結合を干渉せずにDC表面タンパク質を標識するための手段を決定することができる。例えば、親和性標識をリガンドのアミノまたはカルボキシルのいずれかの末端に融合させることができる。例えば細胞ソーティング、またはかかる結合成分を発現する亜集団を検出するためのその他のスクリーニングにより、DCタンパク質に対する特異的結合に関して発現ライブラリーをスクリーニングすることができる。例えばHoら(1993)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:11267−11271を参照のこと。また別に、パニング法を用いることができる。例えばSeedおよびAruffo(1987)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84:3365−3369を参照のこと。利用可能なDCタンパク質配列を有する適当な構築物を作製する2ハイブリッド選択系を適用することもできる。例えばFieldsおよびSong(1989)Nature 340:245−246を参照のこと。
標識とのタンパク質架橋技術を適用してDCタンパク質の結合パートナーを単離することができる。これにより、適当なDCタンパク質と特異的に相互作用するタンパク質の同定が可能になる。
広範な本発明は以下の実施例を参照して最もよく理解されるが、この実施例は本発明を特定の態様に限定することを意図するものではない。
I.一般的な方法
以下の多くの標準的な方法は例えばManiatisら(1982)Molecular Cloning,A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Laboratory、Cold Spring Harbor Press(ニューヨーク州);Sambrookら(1989)Molecular Cloning:A Laboratory Manual(第2版)1−3巻、CSH Press(ニューヨーク州);Ausubelら、Biology、Greene Publishing Associates(ブルックリン、ニューヨーク州);またはAusubelら(1987および補冊)Current Protocols in Molecular Biology、Wiley/Greene(ニューヨーク州);Innisら(編)(1990)PCR Protocols:A Guide to Methods and Applications、Academic Press(ニューヨーク州)に記載または参照される。
タンパク質精製のための方法には硫酸アンモニウム沈殿、カラムクロマトグラフィー、電気泳動、遠心、結晶化などがある。例えばAusubelら(1987および定期的な補冊);Deutscher(1990)「Guide to Protein Purification」Methods in Enzymology、182巻およびこのシリーズのその他の巻;Coliganら(1996および定期的な補冊)Current Protocols in Protein Science、Wiley/Greene(ニューヨーク州);およびタンパク質精製の生成物の使用に関する製造者の文献、例えばPharmacia(ピスカタウェイ、ニュージャージー州)またはBio−Rad(リッチモンド、カリフォルニア州)を参照のこと。組換え技術との組み合わせにより、適当なセグメント、例えばFLAG配列またはプロテアーゼ除去可能な配列を介して融合できる等価物への融合が可能になる。例えばHochuli(1989)Chemische Industrie 12:69−70;Setlow(編)Genetic Engineering,Principle and Methods、12:87−98のHochuli(1990)「Purification of Recombinant Proteins with Metal Chelate Absorbent」、Plenum Press(ニューヨーク州);およびCroweら(1992)QIA express:The High Level Expression and Protein Purification System、QUIAGEN,Inc.(チャッワース、カリフォルニア州)を参照のこと。
免疫学的機能を決定するための方法が例えばHertzenbergら(1996年版)Weir’s Handbook of Experimental Immunology、1−4巻、Blackwell Science;Coliganら(1992および定期的な補冊)Current Protocols in Immunology Wiley/Greene(ニューヨーク州);およびMethods in Enzymology、70、73、74、84、92、93、108、116、121、132、150、162および163に記載されている。例えばPaul(編)(1993)Fundamental Immunology(第3版)Raven Press、ニューヨーク州にも記載されている。樹状細胞のとりわけ有用な機能は、例えばSteinman(1991)Annual Review of Immunology 9:271−296;およびBanchereauおよびSchmitt(1994年版)Dendritic Cell in Fundamental and Clinical Immunology 、Plenum Press(ニューヨーク州)に記載されている。
FACS分析はMelamedら(1990)Flow Cytometry and Sorting、Wiley−Liss,Inc.(ニューヨーク、ニューヨーク州);Shapiro(1988)Practical Flow Cytometry、Liss、(ニューヨーク、ニューヨーク州)およびRobinsonら、(1993)Handbook of Flow Cytometry Methods、Wiley−Liss(ニューヨーク州)に記載されている。
II.樹状細胞の作製
ヒトCD34+細胞を以下のようにして得た。例えばBauchereauおよびSchmitt、Dendritic Cells in Fundamental and Clinical Immunology、Plenum Press(ニューヨーク州)のCauxら(1995)1−5頁を参照のこと。末梢または臍帯血細胞、しばしば選択したCD34+を、10(容量/容量)% 熱不活性化ウシ胎仔血清(FBS;Flow Laboratories、イルビン、カリフォルニア州)、10mM HEPES、2mM L−グルタミン、5x10−5M 2−メルカプトエタノール、ペニシリン(100μg/ml)を補充したエンドトキシン不含RPMI1640培地(GIBCO、グランドアイランド、ニューヨーク州)中幹細胞因子(SCF)、GM−CSF、およびTNF−αの存在下で培養した。これは完全培地と称される。
増殖のためにCD34+細胞を25から75cmフラスコ(Corning、ニューヨーク州)に2x10セル/mlで播種した。5および10日にこれらの培養物を新鮮GM−CSFおよびTNF−αを含有する培地を用いて分割することにより(細胞濃度:1−3x10セル/ml)最適条件を維持した。特定の場合では約6日にCD1a発現に関して細胞をFACSソートした。
特定の状況では、細胞を培養の12日後に通常通りに収集し、最終的に付着細胞を5mM EDTA溶液を用いて回収した。別の状況では、CD1a+細胞を5x10セル/mlで完全培地に再懸濁することにより活性化し、そして適当な時間(例えば1または6時間)、1μg/ml フォルボール12−ミリステート13−アセテート(PMA、Sigma)および100ng/ml イオノマイシン(Calbiochem、ラジョーラ、カリフォルニア州)で活性化した。これらの細胞をさらに6日間増殖させ、そしてcDNAライブラリー調製のためにRNAを単離した。
III.RNA単離およびライブラリー構築
例えばChirgwinら(1978)Biochem.18:5294−5299に記載されるようにグアニジン・チオシアナート/CsClグラジエント手順を用いて全RNAを単離する。
また別に、OLIGOTEX mRNA単離キット(QIAGEN)を用いてポリ(A)+RNAを単離する。cDNA合成およびプラスミドクローニングのために例えばSUPERSCRIPTプラスミド系(Gibco BRL、ゲイサーズバーグ、メリーランド州)を用いて二本鎖cDNAを作製する。得られた二本鎖cDNAを一定方向に、例えばpSport1にクローン化し、そしてエレクトロポレーションによりELECTROMAX DH10BTM細胞(Gibco BRL、ゲイサーズバーグ、メリーランド州)にトランスフェクトする。
IV.シークエンシング
無作為に採取したクローンから、または未活性化細胞を用いるサブトラクティブ・ハイブリダイゼーションの後、単離したDNAを標準的な技術を用いてヌクレオチド配列分析に供した。Taq ジデオキシターミネーターサイクル・シークエンシングキット(Applied Biosystems、フォスターシティー、カリフォルニア州)を用いることができる。標識されたDNAフラグメントを適当に自動化されたシークエンサーのDNAシークエンシングゲルを用いて分離する。また別に、例えばManiatisら(1982)Molecular Cloning,A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Laboratory、Cold Spring Harbor Press;Sambrookら(1989)Molecular Cloning:A Laboratory Manual(第2版)1−3巻、CSH Press(ニューヨーク州);Ausubelら、Biology、Greene Publishing Associates(ブルックリン、ニューヨーク州);またはAusubelら(1987および補冊)Current Protocols in Molecular Biology、Wiley/Greene(ニューヨーク州);に記載されるように単離されたクローンをシークエンシングする。例えばMaxamおよびGilbertシークエンシング技術を用いて化学的シークエンシング方法を利用することもできる。
V.組換えDC遺伝子構築物
例えばFastTrack mRNAキット(Invitrogen、サンディエゴ、カリフォルニア州)を用いて適当な細胞集団からポリ(A)+RNAを単離する。サンプルを、例えばホルムアルデヒド含有1% アガロースゲルで電気泳動し、そしてGeneScreen膜(NEN Research Products、ボストン、マサチューセッツ州)に移す。例えばNaHPO(pH7.2)、7% SDS、1mM EDTA、および1% BSA(フラクションV)中65℃で、32P−dCTP標識DC遺伝子cDNAと10cpm/mlでハイブリダイゼーションを実施する。ハイブリダイゼーションの後、フィルターを50℃で0.2xSSC、0.1% SDS中、例えば30分間3回洗浄し、そしてフィルムに24時間暴露する。陽性のシグナルは典型的にはバックグラウンドの2倍、好ましくは5から25倍である。
組換え遺伝子構築物を用いてメッセージを検出するためのプローブを作製することができる。インサートを切除し、そして前記した検出に用いることができる。異種間ハイブリダイゼーションのための種々の標準的な方法および洗浄法は技術分野で公知である。例えばSambrookらおよびAusubelを参照のこと。
VI.大腸菌(E.coli)におけるDC遺伝子タンパク質の発現
PCRを用いてオープン・リーディグ・フレームを含んでなる構築物を、好ましくは適切なプロモーター、選択、および制御配列を動作可能なように伴って作る。得られた発現プラスミドを適当な、例えばTopp5、大腸菌(E.coli)株(Stratagene、ラジョーラ、カリフォルニア州)に形質転換する。アンピシリン抵抗性(50μg/ml)形質転換体をLuriaブロス(Gibco)中37℃で、550nmでの光学密度が0.7になるまで成長させる。組換えタンパク質を0.4mM イソプロピル−βD−チオガラクト−ピラノシド(Sigma、セントルイス、ミズーリ州)で誘導し、そして20℃でさらに18時間、細胞のインキュベーションを続ける。1リットル培養物からの細胞を遠心により収集し、そして氷冷30% スクロース、50mM Tris HCl(pH8.0)、1mM エチレンジアミン四酢酸200mlに再懸濁する。氷上で10分間の後、氷冷水を全量2リットルまで加える。氷上で20分間の後、遠心により細胞を除去し、そして5μM Millipak60(Millipore Corp.、ベドフォード、マサチューセッツ州)濾過により上澄を清澄化する。
標準的な精製方法、例えば種々のイオン交換クロマトグラフィー法により組換えタンパク質を精製する。以下に記載する抗体を用いて免疫親和性方法を用いることもできる。エピトープタグを発現構築物に操作して入れた場合、親和性方法を用いることができる。
類似の方法を用いて発現構築物および真核細胞の細胞を調製する。前記したように真核細胞性プロモーターおよび発現ベクターを生成することができる。
VII.ヒトDC遺伝子のマッピング
DNA単離、制限酵素消化、アガロースゲル電気泳動、サザンブロット移動およびハイブリダイゼーションを標準的な技術に従って実施する。Jenkinsら(1982)J.Virol.43:26−36を参照のこと。Hybond−Nナイロン膜(Amersham)を用いてブロットを調製することができる。プローブを32P−dCTPで標識し;例えば0.1xSSC、0.1% SDS、65℃の最終ストリンジェンシーまで洗浄を行う。
また別に、BIOS Laboratories(ニューヘブン、コネチカット州)マウス体細胞ハイブリッドパネルをPCR法に組み合わせることができる。Fanら(1996)Immunogenetics 44:97−103参照。
PCRプライマーでの放射線ハイブリッドマッピングにより決定されるように、ヒトSDCMP3遺伝子は染色体12p12−13(ヒトNKレセプター複合体)に局在する。
VIII.個々の変化の分析
分配データから、豊富な容易に利用できる細胞型を個体からのサンプリングに選択する。PCR技術を用いて、個体の大きな集団をこの遺伝子に関して分析する。cDNAまたはその他のPCR法を用いて様々な個体、例えばマウス異系交配株の対応する遺伝子をシークエンシングし、そしてその配列を比較する。これにより人種またはその他の集団間の相違の程度、およびどの残基が機能に劇的な影響を及ぼさずに修飾できる可能性が高いかを決定することの双方が示される。
IX.抗体の調製
組換えDCタンパク質を、前記で示したように大腸菌(E.coli)における発現により作製し、そして生物学的活性に関して試験する。また別に天然のタンパク質供給源を、提供された精製法と共に用いることができる。抗体試薬を免疫精製において用いることができるか、または分離方法を追跡することができる。ポリクローナル血清生成、またはモノクローナル抗体生成のいずれかのための適当な哺乳動物の免疫に活性または変性タンパク質を用いることができる。
X.対応物DC遺伝子の単離
これらの遺伝子をコードするヒトcDNAクローンをプローブとして、またはPCRプライマーを設計するか、種々霊長類種、例えばチンパンジーの対応物を見出すために用いる。その他のものを別の動物、例えば家畜またはペット動物種から同定することができる。
XI.細胞集団を分析するための試薬の使用
サンプル中に存在する樹状細胞のレベルの検出は異常な疾患状態の診断に重要である。例えば組織またはリンパ系の樹状細胞の数の増加はDC過形成、または組織もしくは移植片拒絶の存在を示す可能性がある。低DC集団は例えば細菌またはウイルス感染に対する異常反応を示すことができ、これはDC応答を正常化するために適当な処置を必要とし得る。
細胞混合物、例えばPBMC、付着細胞等に存在するDC数を決定するのに、細胞表面DCタンパク質に特異的な、標識された結合物質を用いるFACS分析(例えば、Melamedら(1990)Flow Cytometry and Sorting、Wiley−Liss,Inc.(ニューヨーク、ニューヨーク州);Shapiro(1988)Practical Flow Cytometry、Liss(ニューヨーク、ニューヨーク州);およびRobinsonら(1993)Handbook of Flow Cytometry Methods 、Wiley−Liss(ニューヨーク、ニューヨーク州)を参照のこと)を用いる。DCの浸潤を分析するための、新鮮な、または固定したいずれかの組織サンプルの組織学的分析にも結合物質を用いる。細胞破壊アッセイ、または細胞が生存性を保持する特定のアッセイのいずれかにおいて、多様な細胞集団を評価することもできる。また別に組織または細胞固定方法を用いることができる。
例えばMurphyら(1993)J.Immunol.Methods 162:211−223に記載されるように半定量性PCRを用いてDC転写のレベルを定量する。ゲノムDNAが検出されないようにプライマーまたはその他の方法を設計する。
XII.免疫選択性結合調製物の調製
前記したようにポリクローナル抗体血清を調製する。その他のアシアロ糖タンパク質レセプターを用いてそれらに特異的に結合する成分を枯渇させ、望まれるSDCMP3またはSDCMP4に結合する成分を残す。かかる枯渇させた血清を固体基質に連結させることができ、そして例えば不純な供給源から抗原を免疫選択するのに用いることができる。免疫選択された抗原を標準的なタンパク質精製手順、例えば硫酸アンモニウム沈殿、イオン交換、またはその他のクロマトグラフィー方法、HPLC等によるさらなる精製に供することができる。特異的血清を用いて精製、例えばどの分画が望ましいタンパク質を区分化するかの決定を続けることができる。
XIII.発現分布
GM−CSFおよびTNF−α中12日間培養し、PMA、イオノマイシンで1から6時間活性化したCD34+前駆体;TF1(初期骨髄細胞系);並びにPMAおよびイオノマイシンで活性化したU937(骨髄単球細胞系)から調製したDCで霊長類SDCMP3の分布を検出した。単球および単球由来の樹状細胞における、並びに扁桃腺由来のCD11c+樹状細胞における発現をも検出した。非活性化ジャーカット、CHA、MRD5、JY細胞系、扁桃腺由来の形質細胞腫CD11c−樹状細胞(活性化または非活性化)、Bリンパ球、Tリンパ球、または顆粒球(活性化または非活性化)ではシグナルは検出されなかった。これらのデータにより、明らかにヒトSDCMP3が骨髄性樹状細胞における介入の標的として、または感染性疾患および癌における可能性のある診断として同定される。
DCサブセットの評価:CD34+前駆体をGM−CSFおよびTNF−αと共に6日間培養し、そしてCD1a+およびCD14+集団にFACSソートした。ソートしたサブセットをさらに6日間GM−CSFおよびTNF−α中で培養し、そしてPMAおよびイオノマイシンで1時間または6時間活性化した。CD14由来DCでは発現が検出されたがCD1a由来DCでは発現が検出されず、そしてPI活性化により発現は下方制御された。PMAおよびイオノマイシンで活性化された単球ではシグナルはさらに少ししか検出されず;そしてPBLでは、非活性化およびPMA、イオノマイシン活性化の双方で非常に弱いシグナルが検出された。PMA、イオノマイシンで活性化された種々の細胞:T細胞、顆粒球、またはB細胞ではシグナルが検出されなかった。
発現に関してマクロファージを評価し、そしてPMA、イオノマイシンで活性化した単球;およびPBL(非活性化またはPMA、イオノマイシンで活性化)ではシグナルが検出された。
SDCMP3発現は以下の細胞型でRT−PCRにより検出されなかった:ランゲルハンス細胞、末梢血および扁桃腺CD11c+またはCD11c−陰性DC(PMAおよびイオノマイシン活性化を伴うかもしくは伴わない、またはIL−3および抗CD40)、B細胞(PMAおよびイオノマイシン活性化を伴うかもしくは伴わない、または抗CD40mAB)、T細胞(PMAおよびイオノマイシン活性化を伴うかもしくは伴わない、または抗CD3および抗CD28mAB)。
cDNA配列データベースにおける配列発現により、DC;活性化単球;および精巣腫瘍からのライブラリーにおいて配列を検出した。
SDCMP3のネズミ相同体(1469D4)はそのCRDにマンノース認識モチーフ(EPN)を含む。加えて、マウスレクチンは糖結合タンパク質に特徴的なコンセンサスWND配列を有する。従って、1469D4はマンノースを結合する能力を有すると予測できる。微生物の細胞壁はマンノースに富むので、抗原提示細胞(DC)がレクチンを用いて微生物抗原を捕捉し、そして続いて細胞外酵素活性により分解することが可能である。
類縁型で存在するその他のC型レクチンに類似して、SDCMP3のマンノース結合形態がヒト細胞から同定されることを予測することができる。樹状細胞におけるかかるマンノース結合活性は、感染性疾患の処置における潜在的利益に関して標的を上方制御することを示す。SDCMP3の別の可能な機能はDCおよびリガンドを発現するその他の細胞型、例えばT細胞との間の付着分子として提供される、従って免疫応答を変調することである。
SDCMP3の配列相同性および染色体局在は、それがIRS遺伝子の新規C型レクチンのメンバーであることを強く示唆している。SDCMP3の配列はバイオインフォーマティクスおよびPCR技術によりファミリーのその他のメンバーを同定するのに有用であろう。その他のIRS分子に類似して、SDCMP3はシグナリングレセプター複合体の細胞表面に結びつくと予測される。DCおよび単球細胞におけるその限定的な発現に基づいて、SDCMP3はDC活性を変調する治療的介入の選択的標的を提示する。実証された阻止(ITIM)または活性化(ITAM)IRSシグナリング経路との関連性に依存して、SDCMP3の動員は免疫応答を抑制するかまたは促進する。
加えて、SDCMP3の限局的な発現は、樹状細胞および単球/マクロファージシリーズの細胞への選択的薬物分配の可能性を示唆している。
マウスSDCMP3の分布を種々の供給源に由来するcDNAライブラリーからのサザンブロットにより評価した。1次増幅したcDNAライブラリーからのDNA(5μg)を適当な制限酵素で消化して、インサートを放出させ、1% アガロースゲルに流し、そしてナイロン膜(Schleicher and Schuell、キーン、ニューハンプシャー州)に移した。
マウスmRNA単離のためのサンプルには:静止マウス線維芽細胞L細胞系(C200);Braf:ER(エストロゲンレセプターへのBraf融合)トランスフェクト細胞、対照(C201);T細胞、TH1極性化(脾臓由来のMel14輝(bright)、CD4+細胞、IFN−γおよび抗IL−4で7日間極性化;T200);T細胞、TH2極性化(脾臓由来のMel14輝(bright)、CD4+細胞、IL−4および抗IFN−γで7日間極性化;T201);T細胞、高度にTH1極性化(Openshawら(1995)J.Exp.Med.182:1357−1367参照;抗CD3で2、6、16時間プールで活性化;T202);T細胞高度にTH2極性化(Openshawら(1995)J.Exp.Med.182:1357−1367参照;抗CD3で2、6、16時間プールで活性化;T203);CD44−CD25+プレT細胞、胸腺から分類(T204);TH1 T細胞クローンD1.1、抗原で最後の刺激の後3週間静止(T205);TH1 T細胞クローンD1.1、10μg/ml ConAで15時間刺激した(T206);TH2 T細胞クローンCDC35、抗原で最後の刺激の後3週間静止(T207);TH2 T細胞クローンCDC35、10μg/ml ConAで15時間刺激した(T208);脾臓由来のMel14+未処置T細胞、静止(T209);Mel14+T細胞、IFN−γ/IL−12/抗IL−4で、6、12、24時間プールでTh1に極性化(T210);Mel14+T細胞、IL−4/抗IFN−γで、6、13、24時間プールでTh2に極性化(T211);非刺激成熟B細胞白血球細胞系A20(B200);非刺激B細胞系CH12(B201);脾臓由来の非刺激巨大B細胞(B202);全脾臓由来のB細胞、LPS活性化(B203);脾臓由来のメトリザミド富化樹状細胞、静止(D200);骨髄由来の樹状細胞、静止(D201);LPSで4時間活性化した単球細胞系RAW264.7(M200);GMおよびM−CSFで誘導した骨髄マクロファージ(M201);マクロファージ細胞系J774、静止(M202);0.5、1、3、6、12時間プールでのマクロファージ細胞系J774+LPS+抗IL−10(M203);0.5、1、3、5、12時間プールでのマクロファージ細胞系J774+LPS+抗IL−10(M204);エアロゾルで誘発したマウス肺組織、Th2プライマー、エアロゾルOVA誘発7、14、23時間プール(Garlisiら(1995)Clinical Immunology and Immunopathology 75:75−83;X206);ニッポストロングルス(Nippostrongulus)感染した肺組織(Coffmanら(1989)Science 245:308−310;X200);全成人肺、正常(O200);全肺、rag−1(Schwarzら(1993)Immunodeficiency 4:249−252;O205);IL−10 K.O.脾臓(Kuhnら(1991)Cell 75:263−274;X201);全成人脾臓、正常(O201);全脾臓、rag−1(O207);IL−10 K.O.パイエルパッチ(O202);全パイエルパッチ、正常(O210);IL−10 K.O.腸間膜リンパ節(X203);全腸間膜リンパ節、正常(O211);IL−10 K.O.結腸(X203);全結腸、正常(O212);NODマウス膵臓(Makinoら(1980)Jikken Dobutus 29:1−13;X205);全胸腺、rag−1(O208);全腎臓、rag−1(O209);全心臓、rag−1(O202);全脳、rag−1(O203);全精巣、rag−1(O204);全肝臓、rag−1(O206);ラット正常関節組織(O300);およびラット関節炎関節組織(X300)などがある。
強力な陽性シグナルを検出した:骨髄由来の樹状細胞、静止(D201);およびGMおよびM−CSFで誘導した骨髄マクロファージ(M201)。全胸腺、rag−1(O208);および全脾臓、rag−1(O207)で低シグナルが検出された。IL−10 K.O.腸間膜リンパ節(X203);全成人肺、正常(O200);および全肺、rag−1(Schwarzら(1993)Immunodeficiency 4:249−252;O205)において辛うじて検出可能なシグナルを検出した。その他は検出可能なシグナルが得られなかった。高いシグナルは、マーカーが樹状細胞および/またはマクロファージ集団もしくはサブ集団を区別または特徴付けするのに有用であろうということを示唆している。
PCRによるSDCMP4分布:GM−CSFおよびTNF−α処理した樹状細胞、PMAおよびイオノマイシンで活性化した単球、PMAおよびイオノマイシンで活性化した顆粒球、およびPBLで陽性シグナル;TF1、ジャーカット、MRC5、JY、U937、CHA細胞系、活性化T細胞、または活性化B細胞では検出可能なシグナルが見出されない。SDCMP4は非活性化またはPMAおよびイオノマイシンで活性化のいずれかのDC(GM−CSFおよびTNF−α中12日間培養したCD34+前駆体由来)で検出される。単球、顆粒球およびPBL(非活性化またはPMAおよびイオノマイシンで活性化の双方)でもシグナルが検出される。
配列データベースにより、1次樹状細胞(高頻度);骨髄(1);好酸球(1);胎盤除去(1);およびT細胞リンパ腫(2)においてSDCMP4配列が示される。
SDCMP3およびSDCMP4遺伝子はヒト単球ASGPRのネズミの対応物(M−ASGPR)とかなりの相同性を展示する。相同性は、ネズミ単球ASGPRにガラクトースおよびN−アセチルガラクトサミン(GalNAc)に関する特異性を付与する炭水化物認識ドメインにおいて有意である。Satoら(1992)J.Biochem.111:331−336。加えて、ネズミ単球ASGPRはその細胞質ドメインでYENL内在化シグナルを有している。CRD配列の樹状図はマウスおよびヒトSDCMP3の、SDCMP4よりもSDCMP2との近縁関係を示唆する。これらのCRDは肝臓ASGPRのCRDに対するよりも互いにさらに近縁であるようである。
ネズミM−ASGPRはガラクトシル化糖タンパク質のエンドサイトーシスのためのレセプターとして機能し(Ozakiら(1992)J.BIol.Chem.267:9229−9235)、そして殺腫瘍マクロファージによる悪性細胞の認識を可能にする(Kawakamiら(1994)Jpn.J.Cancer Res.85:744−749)。この局面で、ネズミM−ASGPRはマウス担持OV2944−HM−1転移性卵巣腫瘍細胞の肺転移性結節内で発現されることが見出された(Imaiら、(1995)Immunol.86:591−598)。目的のヒトM−ASGPRはTn抗原に関して著明な特異性を実証し(Suzukiら(1996)J,Immunol.156:128−135)、これはセリンまたはスレオニン連結末端GalNAcのクラスタを担持し、そしてヒト癌腫に随伴される(Springer(1989)Mol.Immunol.26:1−5;およびOrntoftら(1990)Int.J.Cancer 45:666−672)。
配列相同性に基づいて、SDCMPがガラクトシル化糖タンパク質に関するエンドサイトーシス・レセプターとしても機能することを予測することができる。加えて、別のC型膜貫通エンドサイートシス・レクチンであるマンノースレセプターを介するリガンド内在化の結果、MHCクラスII経路を介するDCによる高度に効率的な抗原提示に至る。Cellaら(1997)Current Opinion Immunol.9:10−16。類似して、SDCMPが抗原提示経路への内在化リガンドの経路選択において類似の役割を果たすことが可能である。
従って、SDCMP4は、免疫基盤のアジュバント治療においてT細胞に対する提示を増強するために抗原をDCに負荷するための高効率の可能性のある標的になり得る。これは抗原のガラクトシル化形態、または抗原に連結された抗SDCMP4mABのいずれかと共に、インビトロでDCをパルシングすることによる研究法である。提示のインビトロ効率を抗原特異的T細胞の活性化により検定することができる。これはかかる研究法の固有の治療の展望のために、腫瘍随伴抗原(TAA)の提示に集中している。とりわけ興味深いのは、悪性メラノーマに随伴されるTAAである。
加えて、ヒトM−ASGPRのTn抗原に関する特異性により、この癌腫TAAがSDCMP4を標的化するのに適した候補になる。
最近示されているように、外因性の抗原をMHCクラスI経路でプロセシングし、そして提示することができる。PorgadorおよびGilboa(1995)J.Exp.Med.182:255−260;並びにPagliaら(1996)J.Exp.Med.183:317−322を参照のこと。特化されたレセプターはDCにおいてかかる機能を実施する可能性が高い。
DCのこれらのレセプターを標的化してTAA特異的細胞毒性T細胞(CTL)の生成を助けることができ、CTLは腫瘍拒絶の誘導に関わっているようであるので、治療的である可能性が非常に高い。
XV.結合対応物の単離
DCタンパク質を、その結合の特異性を利用して、用いる抗体に非常に類似して、特異的結合物質として使用することができる。結合試薬は前記したように、例えば蛍光もしくはそれ以外のもので標識されるか、またはパニング法の基質として固定される。
DCタンパク質を用いて結合を呈する細胞系に関してスクリーニングする。標準的な染色技術を用いて細胞内もしくは表面に発現されたリガンドを検出もしくは分類するか、または形質転換された細胞を発現する表面をパニングによりスクリーニングする。細胞内発現のスクリーニングを種々の染色または免疫蛍光手順により実施する。McMahanら(1991)EMBO J.10:2821−2832もまた参照のこと。
例えば0日に、2チャンバー・パーマノックススライドをPBS中10ng/ml フィブロネクチン、チャンバーあたり1mlで、室温で30分間プレコートする。PBSで漱ぐ。次いでCOS細胞を成長培地1.5ml中チャンバーあたり2−3x10セルでプレートする。37℃で一晩インキュベートする。
1日に各サンプルに関して、血清不含DME中66mg/ml DEAEデキストラン、66mM クロロキンおよびDNA 4mgの溶液0.5mlを調製する。各セットに関して、例えば1および1/200希釈のヒトレセプターFLAG cDNAの陽性対照、および陰性対照を調製する。細胞を血清不含DMEで漱ぐ。DNA溶液を加え、そして37℃で5時間インキュベートする。培地を除去し、そしてDME中10% DMSO 0.5mlを2.5分間で加える。DMEで除去および1回洗浄する。成長培地1.5mlを加えそして一晩インキュベートする。
2日に培地を交換する。3または4日に細胞を固定し、そして染色する。ハンクス平衡塩類溶液(HBSS)で細胞を2回すすぎ、そして4% パラホルムアルデヒド(PFA)/グルコース中5分間で固定する。HBSSで3回洗浄する。全液体を除去した後、スライドを−80℃で保存することができる。各チャンバーに関して、0.5ml インキュベーションを以下のように実施する。32ml/mlの1M NaNを含むHBSS/サポニン(0.1%)を20分間で加える。次いで細胞をHBSS/サポニンで1回洗浄する。タンパク質またはタンパク質/抗体複合体を細胞に加え、そして30分間インキュベートする。細胞をHBSS/サポニンで2回洗浄する。適当な場合、第1の抗体を30分間加える。第2の抗体、例えばベクター抗マウス抗体を1/200希釈で加え、そして30分間インキュベートする。ELISA溶液、例えばベクターElite ABC西洋ワサビペルオキシダーゼ溶液を調製し、そして30分間プレインキュベートする。例えばHBSS/サポニン 2.5mlあたり溶液A(アビジン)1滴および溶液B(ビオチン)1滴を用いる。細胞をHBSS/サポニンで2回洗浄する。ABC HRP溶液を加え、そして30分間インキュベートする。細胞をHBSSで2回洗浄し、第2の洗浄は2分間で、これは細胞を封鎖する。次いでベクター・ジアミノ安息香酸(DAB)を5から10分間で加える。ガラス蒸留水5mlあたりバッファー 2滴+DAB 4滴+H 2滴を用いる。チャンバーを注意深く取り外し、そしてスライドを水で漱ぐ。数分間空気乾燥し、次いでクリスタル・マウント 1滴およびカバースリップを加える。85−90℃で5分間ベークする。
また別に、その他の単球タンパク質特異的結合試薬を用いてレセプターを発現する細胞を親和性精製するか、または分類する。例えばSambrookらまたはAusubelらを参照のこと。
別の試験計画はパニングによる膜結合レセプターに関するスクリーニングである。レセプターcDNAを前記のように構築する。リガンドを固定し、そして発現する細胞を固定するのに用いることができる。例えば単球タンパク質融合構築物のFLAG配列を認識する適当な抗体を用いることにより、または第1の抗体に対して上昇させた抗体を用いることにより固定を達成することができる。選択および増幅の反復サイクルにより、適当なクローンの富化およびリガンド発現クローンの最終的な単離に至る。
ファージ発現ライブラリーを単球タンパク質によりスクリーニングすることができる。適当な標識技術、例えば抗FLAG抗体により適当なクローンの特異的標識が可能になる。
当業者には明らかであるように、本発明の多くの修飾および変更を、その精神および範囲から逸脱することなく行うことができる。本明細書に記載した特定の態様はほんの一例として提供するものであり、そして本発明は請求項が権利を有する等価物の全範囲を伴う添付の請求の範囲の項目によってのみ限定されるものである。
【配列表】
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Claims (21)

  1. 配列番号:2、4、6、8または10を含んでなるポリペプチドに特異的に結合する単離された結合化合物。
  2. 結合化合物が抗体またはその抗体結合フラグメントである請求項1に記載の結合化合物。
  3. 抗体結合フラグメントが:
    a)Fフラグメント;
    b)Fabフラグメント;または
    c)Fab2フラグメント;
    である請求項2に記載の結合化合物。
  4. 抗体が:
    a)ポリクローナル抗体;
    b)モノクローナル抗体;または
    c)ヒト化抗体;
    である請求項2に記載の結合化合物。
  5. 結合化合物を抗原を含んでなるサンプルと接触させて結合組成物:抗原複合体を形成することを含んでなる請求項1に記載の結合化合物を使用するための方法。
  6. a)サンプルが体液を含むの生物学的サンプルである;
    b)サンプルがヒトである;
    c)抗原が細胞上にある;
    d)抗原がさらに精製されている;または
    e)方法により該抗原の空間的配置もしくは分布が提供される;
    請求項4に記載の方法。
  7. 請求項1に記載の結合組成物、および:
    a)該キット中の試薬の使用もしくは廃棄に関する教材;または
    b)該キットの結合組成物もしくはその他の試薬の隔離を提供する区画;
    を含んでなる検出キット。
  8. 請求項1に記載の結合化合物に特異的に結合する実質的に純粋なまたは単離されたポリペプチド。
  9. ポリペプチドが配列番号:2、4、6、8または10を含んでなる請求項8に記載のポリペプチド。
  10. 抗体:ポリペプチド複合体を形成するのに適当な条件下で該ポリペプチドを抗体と接触させることを含んでなる請求項8に記載のポリペプチドを使用するための方法。
  11. 請求項8に記載の該ポリペプチド、および:
    a)該キット中の試薬の使用もしくは廃棄に関する教材;または
    b)該キットのポリペプチドもしくはその他の試薬の隔離を提供する区画;
    を含んでなる検出キット。
  12. 請求項8に記載のポリペプチドをコードする単離されたまたは精製された核酸。
  13. 配列番号:1、3、5、7または9を含んでなる請求項12に記載の核酸。
  14. ストリンジェント条件下で請求項12に記載の核酸にハイブリダイズする単離されたまたは精製された核酸。
  15. 請求項12に記載の核酸を含んでなる発現ベクター。
  16. 請求項15に記載の発現ベクターを含んでなる宿主細胞。
  17. 宿主が:
    a)哺乳動物細胞;
    b)細菌細胞;
    c)昆虫細胞;または
    d)酵母細胞;
    である請求項16に記載の宿主細胞。
  18. 請求項16に記載の宿主細胞をポリペプチドの発現およびポリペプチドの精製に適した条件下で培養することを含んでなるポリペプチドを生成するための方法。
  19. 細胞を配列番号:2、4、6、8または10のアゴニストまたはアンタゴニストと接触させる工程を含んでなる樹状細胞の生理学または機能を変調するための方法。
  20. アンタゴニストが抗体である請求項19に記載の方法。
  21. 接触が細胞表面、MHC Iクラス、またはMHC IIクラス抗原などの抗原との組み合わせである請求項19に記載の方法。
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