JP4482235B2 - 哺乳動物ランゲルハンス細胞抗原に対する抗体およびそれらの使用 - Google Patents

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Description

【0001】
(発明の分野)
本発明は、哺乳動物細胞(例えば、哺乳動物の免疫系の細胞)の生理、発生、および分化を制御する際に機能する組成物に関する。特に、本発明は、種々の細胞型(造血細胞、および特に樹状細胞(例えば、ランゲルハンス細胞)を含む)の細胞の生理、発生、分化、または機能を調節する抗体(例えば、アゴニストおよびアンタゴニスト)を提供する。
【0002】
(発明の背景)
樹状細胞(DC)は、特異的な免疫応答の開始に必要とされる抗原提示細胞である。例えば、BanchereauおよびSteinman(1998)Nature 392:242〜52を参照のこと。DCの1つの型は、非リンパ組織(例えば、表皮)に存在するランゲルハンス細胞(LC)(未成熟なDC細胞)によって例示され、そしてその主な機能は、抗原を捕捉することである。例えば、Steinmanら(1995)J.Exp.Med.182:283〜288を参照のこと。
【0003】
抗原捕捉は、主に、専門化された表面膜エンドサイトーシス(surface−membrane endocytic)構造を通じて、またはマクロピノサイトーシスを通じて達成され、それによりランゲルハンス細胞が大容量の流体中に存在する溶質を濃縮することを可能にする。例えば、Sallustoら(1995)J.Exp.Med.182:389〜400を参照のこと。エンドサイトーシス(endocytic)経路の専門化されたオルガネラにおける抗原のプロセシングと同時に、DC(例えば、ランゲルハンス細胞)は、二次的なリンパ組織に移動し、そして多数の表現型改変を受ける。これらの成熟事象は、最終的には、T細胞に対するDCの適切なMHC分子によって、プロセスされた抗原の非常に効率的な提示へと移る。
【0004】
特に、DCランゲルハンス細胞の成熟プロセスは、LCに特徴的である、接着レセプター(例えば、E−カドヘリン)の損失、およびバーベック顆粒(BG)の消失を含む。反対に、抗原提示機能の獲得の際に、同時刺激性レセプター(例えば、CD80分子およびCD86分子)は、T細胞が活性化することを可能にするようにDCにおいて上方制御される。DCの成熟事象は、それぞれ、病原体との接触後の前炎症性サイトカインに対する応答、および二次的リンパ組織におけるT細胞との接触に対する応答を模倣する、TNF−αおよびCD−40リガンドによって、インビトロで再構成され得る。例えば、Cauxら(1996)J.Exp.Med.184:695〜706を参照のこと。
【0005】
従って、DCの非常に専門化された機能および解剖学的に局在した機能は、多数の重要な分子の発現の密接な調節によって制御されることが明らかである。
【0006】
近年、培養系は、サイトカインの存在下で培養される場合に、多数のDCを得るために、利用可能になった。このような培養方法を使用して、DCは、CD34+造血前駆細胞(HPC)がTNF−αおよびGM−CSFと同時培養される場合に臍帯血に存在するHPCから(このような培養物は、CD34誘導DCといわれる)、または末梢血単球がGM−CSFおよびIL−4と同時培養される場合に末梢血単球から(このような培養物は、単球誘導DCといわれる)、インビトロでの研究のために得られ得る。例えば、Cauxら(1992)Nature 392:258〜261;Chapuisら(1997)Eur.J.Immunol.27:431〜441;Romaniら(1994)J.Invest.Dermatol.93:600〜609を参照のこと。
【0007】
これらの方法は、表現型的または機能的に異なるDC亜集団のインビトロ(例えば、Cauxら(1996)J.Exp.Med.184:695〜706を参照のこと)、またはエキソビボ(種々の器官から;例えば、Grouardら(1996)Nature 384:364〜367;O’Dohertyら(1994)Immunol.82:487〜493;Zhou(1995)J.Immunol.154:3821〜3835を参照のこと)のいずれかでの単離を可能にする。
【0008】
結果として、異なるDC亜集団と共に発現されかつ異なるDC亜集団と関連するマーカーを同定し得る新規な試薬を有することは、非常に有益である。これらのマーカーは、抗体(例えば、モノクローナルまたはポリクローナル)を使用して検出可能である。このようなマーカーは、例えば、細胞選別および機能的研究を容易にすることによって、未成熟DCの規定されたサブセットのモニタリング、特徴付け、および/または単離を可能にする。従って、DC成熟、抗原提示、ならびに他の分子、細胞、および組織とのDCの相互作用の機構に関与する分子のより良好な理解を可能にするツールについての必要性が、存在する。本発明は、DC成熟および機能に関与する有用な試薬および組成物を提供することによって、このような必要性を満たす。
【0009】
(発明の要旨)
本発明は、部分的に、樹状細胞(DC)およびランゲルハンス細胞(LC)上に見出される新規な細胞抗原を規定しかつ認識する抗体の発見に基づく。このモノクローナル抗体は、DCGM4と命名され、そしてそれが認識する抗原は、ランゲリン(Langerin)と命名されている。本発明は、この抗体およびその使用のための方法を包含する。さらに、本発明は、この抗体によって認識される抗原、およびこれらのタンパク質の改変体(例えば、天然配列、種および対立遺伝子改変体の変異(ムテイン))、融合タンパク質、化学模倣物、ならびに他の構造的アナログまたは機能的アナログに関する。これらの異なる抗体およびタンパク質組成物の種々の使用もまた、提供される。
【0010】
本発明は、哺乳動物のランゲリンに特異的に結合する抗体を提供する。好ましい実施態様では、この哺乳動物は、霊長類であるか;あるいはこの抗体は、モノクローナル抗体であるか、ランゲリンに対するDCGM4の結合を妨げるか、または、例えば、蛍光標識または酵素標識を用いて検出可能に標識される。
【0011】
本発明はまた、哺乳動物のランゲリンを検出する方法を提供し、この方法は、ランゲリンにDCGM4を結合させる工程を包含する。種々の実施態様では、抗体は、標識抗体であるか、または固体基材に固定され;ランゲリンは、細胞表面上に発現され;検出する工程は、ランゲリンを発現する、核酸を含む細胞の単離を可能にするか;または検出する工程は、ランゲリンの精製をさらに可能にする。本発明はまた、抗体を含む区画を備える、ランゲリンを検出するためのキットを包含する。好ましい実施態様において、このキットは、蛍光免疫アッセイキットである。
【0012】
本発明はさらに、細胞によって調節される免疫機能を調節する方法を提供し、この方法は、上記の細胞を、本明細書中に記載される抗体と接触させる工程を包含する。例えば、この調節は、DC細胞の成熟または機能をブロックし得る。
【0013】
DC細胞の集団を分析するための方法もまた、本明細書中に包含され、この方法は、ランゲリンの存在を測定する工程を包含する。代表的には、この測定する工程は、例えば、ランゲリンに対する抗体の結合を測定することによる、定量的な判定である。
【0014】
本発明はまた、実質的に純粋な哺乳動物のランゲリン抗原を提供する。ヒトランゲリンおよびマウスランゲリンは、詳細に記載される。ランゲリンは、例えば、哺乳動物のランゲリンに特異的に結合する抗体を使用して、例えば、免疫アフィニティーによって精製され得る。このようなものについて好ましい抗体は、DCGM4である。全長ランゲリンとともに、本発明は、上記のランゲリンの免疫学的エピトープを発現するか、または免疫応答(例えば、DC細胞(ランゲリン+細胞を含む)によって媒介される応答)を調節するフラグメントを提供する。
【0015】
本発明はさらに、ヒトランゲリンのゲノムDNAを提供する。
【0016】
(発明の詳細な説明)
本明細書中に記述される、全ての刊行物、特許出願、特許、および他の参考文献は、それらの全体(図、グラフ、および図面を含む)が参考として援用される。
【0017】
(概論)
本発明は、機能的に有意にDCに発現した分子に特徴的な特性を示す、哺乳動物のタンパク質を認識する抗体を提供する。抗体は、DCGM4と命名されるモノクローナル抗体によって、1つの実施態様において例示される。
【0018】
抗体DCGM4によって規定される(例えば、選択的に認識される)哺乳動物のタンパク質は、ランゲリンと命名される。天然のランゲリンタンパク質は、標的細胞における生物学的応答または生理学的応答を導く、種々の生理学的応答を媒介する。特に、ランゲルハンスDC細胞は、抗原提示(例えば、過敏反応においてハプテンの提示)を担う。DCGM4抗体は、DC成熟および抗原提示に影響する種々の免疫学的応答を調節する。
【0019】
ランゲリンは、40KDaのN−グリコシル化タンパク質である。DCGM4を用いたDC抽出物からの免疫沈降、続いてSDS−PAGEサンプル緩衝液を用いた溶出は、40〜42KDa分子量の均質なバンドを生じた。DTTが精製工程の全てにわたって除去される場合、このプロフィールは、ゲル上では修飾されず、このことは、ランゲリンが単鎖として、または非共有結合を有するホモダイマーとして細胞膜に存在することを示唆する。二次元分析は、この分子の分子量を確認し、そして5.2〜5.5のpIを示した。最終的に、ランゲリンは、糖タンパク質であり、そして糖類の構成成分のほとんどは、N−グリコシラーゼ処理によって除去された。
【0020】
ヒトランゲリンをコードする遺伝子は、ここで、クローニングされている。このヌクレオチド配列を、配列番号1に示す。この推定アミノ酸配列を、配列番号2に示す。この推定タンパク質は、カルシウム依存性糖類認識ドメインを有するII型膜レクチンである。マウス、ラットおよびニワトリのクップファーレセプターとのアミノ酸相同性が見出されており、そしてランゲリンが抗原捕捉に対するランゲリン細胞特異的レセプターとして機能するという支持を提供する。糖類認識ドメインモチーフEPNは、糖部分がおそらくマンノースおよびグルコースであることを支持する。
【0021】
当業者が他のタンパク質からランゲリンを区別することを可能にする特徴の同定は、以下に列挙される。
・DCGM4モノクローナル抗体に特異的に結合する
・N−グリコシル化形態のタンパク質(約40KD)(還元型または非還元型の両方で5.2〜5.5のpIを有し、かつ鎖間ジスルフィド結合を欠く)
・DC細胞のサブセットで発現される
・通常、ランゲルハンス細胞の細胞表面上に発現される。
・DCGM4との結合後に、ランゲリンは、エンドサイトーシス被覆小孔内に輸送され、そして細胞膜サンドイッチに加わり;続いて、ランゲリンは、バーベック顆粒と会合する。
【0022】
mAb DCGM4が精製された、DCGM4と命名された、クローン化に由来するハイブリドーマ細胞株の細胞が、American Type Culture Collection(ATCC)、10801 University Boulevard、Manassas VA、USAに1998年9月22日に、ATCC受託番号HB−12576の下に寄託された。
【0023】
本発明は、本明細書中に記載される特定の方法、組成物および抗体に限定されないことが理解されるべきである。なぜなら、このような方法、組成物および抗体は、当然、変動し得るからである。本明細書中で使用される用語は、特定の実施態様のみを記載する目的のためであると理解されるべきであり、そして添付の特許請求の範囲によってのみ限定される、本発明の範囲を限定すると意図されない。
【0024】
(II.抗体)
抗体は、種々の哺乳動物(例えば、霊長類)のランゲリンタンパク質およびそのフラグメントに対して、天然に存在するネイティブ形態およびそれらの組換え形態の両方(この差異は、活性ランゲリンに対する抗体は、ネイティブな高次構造のみに存在するエピトープを認識するようであることである)において、惹起され得る。変性した抗原の検出はまた、例えば、ウエスタン分析において有用である。抗イディオタイプ抗体もまた、意図される。これは、天然ランゲリンタンパク質または抗体のアゴニストまたはアンタゴニストとして有用である。
【0025】
所定のフラグメントまたはこのタンパク質全体(例えば、配列番号2に示されるアミノ酸配列を有するタンパク質)に対する抗体(結合フラグメントおよび単鎖バージョンを含む)は、動物の免疫によって惹起され得る。モノクローナル抗体は、所望の抗体を分泌する細胞から調製される。これらの抗体は、正常タンパク質または欠損タンパク質に対する結合についてスクリーニングされ得るか、あるいはアゴニスト活性またはアンタゴニスト活性についてスクリーニングされ得る。これらのモノクローナル抗体は、通常、少なくとも約1mM、より通常には、少なくとも約300μM、代表的には、少なくとも約100μMでより代表的には、少なくとも30μM、好ましくは少なくとも約10μM、およびより好ましくは、少なくとも約3μM以下のKDで結合する。
【0026】
DCGM4により例示される抗体(抗原結合フラグメントを含む)は、重要な診断的または治療的価値を有し得る。それらは、ランゲリンに結合する強力なアンタゴニストであり得、そして結合パートナーの相互作用を阻害し得るか、または生物学的応答を媒介する相互作用の能力を阻害し得る。それらはまた、非中和抗体として有用であり得、そして毒素または放射性核種に結合して、その結果、抗体が抗原に結合する場合に、抗原を(例えば、その表面上に)発現している細胞が殺傷され得る。さらに、この抗体は、直接的またはリンカーによって間接的にかのいずれかで、薬物または他の治療剤に結合体化され得、そして薬物標的化をもたらし得る。
【0027】
本発明の抗体はまた、診断適用に有用であり得る。捕捉抗体または非中和抗体として、それらは、免疫系の細胞(例えば、未成熟DC)上のランゲリン機能を阻害することなく、ランゲリンを結合し得る。中和抗体として、それらは、競合結合アッセイにおいて有用であり得る。それらはまた、ランゲリンタンパク質またはその結合パートナーを検出または定量する際に有用である。それらは、ウエスタンブロット分析ついての、またはランゲリンタンパク質の免疫沈降もしくは免疫精製についての試薬として使用され得る。それらはまた、例えば、免疫系の生理学的状態を決定するために、細胞集団を評価する際に有用である。
【0028】
抗原フラグメントは、免疫原として使用される融合ポリペプチドまたは共有結合したポリペプチドのように、他の物質、特にポリペプチドに連結され得る。この抗原は、以下に記載されるように(抗体(例えば、DCGM4)を使用する免疫アフィニティー法を含む)、精製され得る。抗原およびそのフラグメントは、種々のキャリア(例えば、キーホルリンペットヘモシアニン、ウシ血清アルブミン、破傷風トキソイドなど)に融合または共有結合され得る。例えば、Microbiology、Hoeber Medical Division、HarperおよびRow、1969;Landsteiner(1962)Specificity of Serological Reactions、Dover Publications、New York;ならびにWilliamsら(1967)Methods in Immunology and Immunochemistry、第1巻、Academic Press、New York(これらの各々が、ポリクローナル抗血清を調製する方法の記載について、参考として本明細書中に援用される)を参照のこと。代表的な方法は、抗原を用いる、動物の超免疫を含む。次いで、動物の血液は、反復免疫の直後に収集され、そしてγグロブリンが単離される。
【0029】
いくつかの例では、種々の哺乳動物宿主(例えば、マウス、げっ歯類、霊長類、ヒトなど)からモノクローナル抗体を調製することが所望される。このようなモノクローナル抗体を調製するための技術の記載は、例えば、Stitesら(編)Basic and Clinical Immunology(第4版)、Lange Medical Publications、Los Altos、CA、およびその中で引用される参考文献;HarlowおよびLane(1998)Antibodies:A Laboratory Manual、CSH Press;Goding(1986)Monoclonal Antibodies:Principles and Practice(第2版)Academic Press、New York;ならびに特に、KohlerおよびMilstein(1975)Nature 256:495〜497(これは、モノクローナル抗体を作製する1つの方法を議論している)中に見出され得る。これらの参考文献の各々は、本明細書中に参考として援用される。簡潔に要約すると、この方法は、動物に免疫原を注射することを包含する。次いで、動物は屠殺され、次いで、その脾臓から採取された細胞は、骨髄腫細胞と融合される。この結果は、インビトロで繁殖し得るハイブリッド細胞または「ハイブリドーマ」である。次いで、ハイブリドーマの集団は、個々のクローン(これらの各々は、免疫原に対する単一の抗体種を分泌する)を単離するためにスクリーニングされる。この様式では、得られた個々の抗体種は、免疫原物質に対して認識される特定の部位に応答して作製された免疫動物に由来する、不死化されかつクローン化された単一のB細胞の産物である。
【0030】
他の適切な技術は、抗原ポリペプチドへのリンパ球のインビトロでの曝露、あるいはファージまたは類似のベクターにおける抗体のライブラリーの選択を含む。Huseら(1989)「Generation of Large Combinatorial Library of the Immunoglobulin Repertoire in Phage Lambda」、Science 246:1275〜1281;およびWardら(1989)Nature 341:544〜546(これらの各々が、参考として本明細書によって本明細書中に援用される)を参照のこと。本発明のポリペプチドおよび抗体(キメラ抗体またはヒト化抗体を含む)は、改変してか、または改変せずに使用され得る。しばしば、これらのポリペプチドおよび抗体は、共有結合的または非共有結合的かのいずれかによって、検出可能なシグナルを提供する物質を連結することによって標識される。広範な種々の標識技術および結合体化技術が公知であり、そして科学文献および特許文献の両方において広範に報告されている。適切な標識には、放射性核種、酵素、基質、補因子、インヒビター、蛍光部分、化学発光部分、磁気粒子などが挙げられる。このような標識の使用を教示する特許には、米国特許第3,817,837号;同第3,850,752号;同第3,939,350号;同第3,996,345号;同第4,277,437号;同第4,275,149号;および同第4,366,241号が挙げられる。組換え免疫グロブリンが、産生され得るか(Cabilly、米国特許番号4,816,567を参照のこと);またはトランスジェニックマウスで作製され得る(Mendezら(1997)Nature Genetics 15:146〜156を参照のこと)。これらの特許は、参考として本明細書中に援用される。
【0031】
本発明の抗体はまた、タンパク質を単離する際のアフィニティークロマトグラフィーのために使用され得る。抗体が固体支持体(例えば、アガロース、Sephadexなどのような粒子)に結合されるカラムが、調製され得、ここで細胞溶解物がこのカラムに通され得、このカラムを洗浄し、引き続く漸増濃度の穏やかな界面活性剤により、この精製されたランゲリンタンパク質が放出される。あるいは、この抗体は、抗原を含む分画したサンプルを定量および同定するために使用され得る。標準的なタンパク質精製手順(例えば、クロマトフラフィー)は、ランゲリンが分離する画分を同定するために例えば、ELISAアッセイを用いて、ランゲリンタンパク質を富化および精製するために使用され得る。
【0032】
精製タンパク質は、配列決定される。この配列は、プライマーまたはプローブとして有用なオリゴヌクレオチド配列の選択を可能にする。あるいは、この配列は、さらなる抗体を作製するために、ポリペプチドセグメントの生成を可能にする。さらに、精製タンパク質は、免疫のために使用され得、これにより、ポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体の産生が可能になる。
【0033】
これらの抗体はまた、特定の発現産物について、発現ライブラリーをスクリーニングするために使用され得る。通常、このような手順において使用されるこれらの抗体は、抗体結合により抗原の存在の容易な検出を可能にする部分を用いて、標識される。このことは、抗原をコードする核酸(例えば、ベクター)を発現する細胞を、蛍光活性化細胞選別(FACS)分析による単離、および富化を可能にする。あるいは、本発明の抗体を使用するアフィニティー方法は、例えば、ベクターにコードされたランゲリンを発現している細胞を固定し、そして分離するために使用され得る。
【0034】
各々のランゲリンタンパク質に対して惹起された抗体は、抗イディオタイプ抗体を惹起するのにもまた有用である。これらは、それぞれの抗原の発現に関連する種々の免疫学的状態を検出または診断する際に有用である。
【0035】
(III.精製されたランゲリンタンパク質)
ヒトランゲリンタンパク質は、標準的な生化学的精製技術を使用して、そして/または特定の分画手順において抗原の存在を決定するための抗体の使用によって、天然の供給源から単離され得る。精製されたタンパク質は、このようなセグメントを認識するためのさらなる抗体を生成するために、ペプチドの配列決定および調製の両方を可能にする。本明細書中で使用されるように、タンパク質の文脈で使用される場合、ランゲリンは、天然状態で、上記に列挙された特性を示すか、またはこのようなタンパク質(例えば、配列番号2に示されるアミノ酸配列またはそのサブ配列を有するタンパク質)の有意なフラグメントを示すタンパク質を含む。それはまた、類似の生物学的機能を示すか、またはランゲリンタンパク質特異的結合成分と相互作用する、哺乳動物(例えば、霊長類)由来のポリペプチドをいう。これらの結合成分(例えば、抗体)は、代表的には、高い親和性で(例えば、少なくとも約100nMで、通常約30nMよりもより良好に、好ましくは約10nMよりもより良好に、およびより好ましくは約3nMよりもより良好に)、ランゲリンタンパク質に結合する。1つのこのような好ましい結合成分は、抗体DCGM4である。
【0036】
精製されたタンパク質またはペプチドフラグメントは、以下に記載されるように、標準的な方法によって抗体を生成するために有用である。合成ペプチドまたは精製されたタンパク質は免疫系に提示され、特異的な結合組成物(例えば、モノクローナル抗体またはポリクローナル抗体)を生成し得る。例えば、Coligan(1991)Current Protocols in Immunology Wiley/Greene;ならびにHarlowおよびLane(1989)Antibodies: A Laboratory Manual Cold Spring Harbor Pressを参照のこと。
【0037】
用語ポリペプチドは、本明細書中で使用される場合、有意なフラグメントまたはセグメントを含み、そして、少なくとも約8アミノ酸、一般的には少なくとも10アミノ酸、より一般的には、少なくとも12アミノ酸、しばしば少なくとも14アミノ酸、よりしばしば、少なくとも16アミノ酸、代表的には少なくとも18アミノ酸、より代表的には、少なくとも20アミノ酸、通常少なくとも22アミノ酸、より通常には、少なくとも24アミノ酸、好ましくは少なくとも26アミノ酸、より好ましくは、少なくとも28アミノ酸、および、特に好ましい実施態様において、少なくとも約30以上のアミノ酸の、アミノ酸残基のストレッチを含む。好ましくは、そのフラグメントは、全長ランゲリンと共通した生物学特性を示す(例えば、エピトープの共有を含む免疫学的活性)。
【0038】
実質的に純粋なとは、ポリペプチドの文脈において、代表的には、タンパク質が他の夾雑タンパク質、核酸、およびもともとの供給源の生物に由来する他の生物学的物質を含まないことを意味する。純度は、標準的な方法によってアッセイされ得、そして通常少なくとも約40%純粋、より通常には少なくとも約50%純粋、一般的には少なくとも約60%純粋、より一般的には少なくとも約70%純粋、しばしば少なくとも約75%純粋、よりしばしば少なくとも約80%純粋、代表的には少なくとも約85%純粋、より代表的には少なくとも約90%純粋、好ましくは少なくとも約95%純粋、より好ましくは約98%純粋、および最も好ましい実施態様において、少なくとも99%純粋である。分析は、例えば、ゲル染色、分光光度法、または末端標識によって評価された重量パーセンテージまたはモル濃度パーセンテージであり得る。
【0039】
結合組成物または薬剤とは、例えば、リガンド−レセプター型様式で、抗体−抗原相互作用で、または化合物(例えば、ランゲリンタンパク質と特異的に結合するタンパク質(例えば、共有結合的または非共有結合的のいずれかの、天然の生理学的に関連するタンパク質−タンパク質相互作用において))で、ランゲリンタンパク質に特異的に結合する分子をいう。この分子は、ポリマーまたは化学試薬であり得る。これは、結合親和性と、結合特異性または結合選択性との両方を含む。機能的アナログは、構造的な修飾を有するタンパク質であり得るか、または全体として関連しない分子(例えば、適切な結合決定基と相互作用する分子形状を有する)であり得る。タンパク質は、レセプターのアゴニストまたはアンタゴニストとして役立ち得る。例えば、Goodmanら(編、1990)Goodman & Gilman’s:The Pharmacological Bases of Therapeutics(第8版)Pergamon Press,Tarrytown,N.Y.を参照のこと。
【0040】
抗体およびランゲリン抗原の両方の可溶性フラグメントは、本発明によって提供される。ポリペプチドまたはフラグメントの可溶性は、その環境およびポリペプチドに依存する。多くのパラメーター(温度、電解質環境、ポリペプチドのサイズおよび分子的特性、ならびに溶媒の性質を含む)が、ポリペプチドの可溶性に影響を与える。代表的には、ポリペプチドが使用される温度は、約4℃〜約65℃の範囲である。通常、使用の温度は約18℃よりも高く、そしてより通常には、約22℃よりも高い。診断目的のために、その温度は、通常、およその室温以上であるが、しかしアッセイにおける成分の変性温度よりも低い。治療目的のために、その温度は、通常、体温であり、代表的にはヒトについては37℃であるが、特定の状況下では、その温度はインサイチュまたはインビトロで上昇または低下され得る。
【0041】
電解質は、通常、インサイチュの生理学的条件を模倣するが、有利である場合、より高いイオン強度またはより低いイオン強度に改変され得る。実際のイオンは、例えば、生理学的内容物または分析的内容物において使用される標準的緩衝液に適合させるために改変され得る。
【0042】
ポリペプチドのサイズおよび構造は、一般的に、実質的に安定な状態にあり、そして通常、変性状態にはないのが当然である。ポリペプチドは、例えば、可溶性を付与するために、四次構造において他のポリペプチドと結合され得るか、または天然の脂質二重層相互作用を模倣する様式で、脂質または界面活性剤と結合され得る。
【0043】
溶媒は、通常、生物学的活性の保存のために使用される型の生物学的に適合可能な緩衝液であり、そして通常、生理学的な溶媒を模倣する。通常、その溶媒は、中性のpH、代表的には約5と10との間のpH、そして好ましくは約7.5のpHを有する。いくつかの場合では、界面活性剤(穏やかな非変性性のもの、例えば、CHSもしくはCHAPS、または抗原の構造的または生理学的特性の有意な破壊を避けるに十分な低濃度)が添加される。
【0044】
Svedberg単位で測定される沈降は、可溶性を反映し、この単位は、特定の条件下での分子の沈降速度の尺度である。沈降速度の決定は、古典的には、分析用超遠心分離において実行されたが、現在、代表的には標準的な超遠心分離において実行される。Freifelder(1982)Physical Biochemistry(第2版)、W.H.Freeman;およびCantorおよびSchimmel(1980)Biophysical Chemistry、第1部〜第3部、W.H.Freeman&Co.,San Franciscoを参照のこと;これらの各々は、それによって本明細書中に参考として援用される。大まかな決定として、推定の可溶性ポリペプチドを含むサンプルは、標準的なフルサイズの超遠心分離において、約10分間、約50k rpmにおいて遠心分離され、そして可溶性分子は、上清に残存する。可溶性粒子またはポリペプチドは、代表的には、約30S未満、より代表的には、約15S未満、通常約10S未満、より通常には約6S未満、および、特定の実施態様において、好ましくは約4S未満、およびより好ましくは、約3S未満である。
【0045】
規定された免疫原に対して産生された抗体と特異的に結合するか、または特異的に免疫反応性であるランゲリンタンパク質(例えば、本発明のランゲリンタンパク質からなる免疫原)は、代表的には、イムノアッセイにおいて決定される。このイムノアッセイは、代表的には、例えば、本発明のランゲリンに対して惹起されたポリクローナル抗血清を使用する。この抗血清は、他の潜在的なランゲリンファミリーメンバー(例えば、好ましくは、同じ種からのランゲリンタンパク質の対立遺伝子改変体)に対して、低い交差反応性を有するように選択され、そして任意のそのような交差反応性は、イムノアッセイにおける使用の前に、免疫吸着によって除去される。
【0046】
イムノアッセイにおける使用のために、抗血清を産生するために、本発明のランゲリンタンパク質は、本明細書中に記載されるように単離される。例えば、本明細書中に記載される方法を用いるランゲリン核酸配列の決定後に、組換えタンパク質が、哺乳動物細胞系統において産生され得る。適切な宿主(例えば、Balb/cのような近交系のマウスの株)は、選択されたタンパク質を用いて、代表的には、標準的なアジュバント(例えば、Freundアジュバント)および標準的なマウス免疫プロトコルを使用して免疫される(HarlowおよびLane、前出を参照のこと)。あるいは、ランゲリン核酸配列由来の合成ペプチドが、キャリアタンパク質に結合体化され得、そして引き続いて免疫原として使用され得る。ポリクローナル血清は収集され、そしてイムノアッセイ(例えば、固体支持体上に固定された免疫原を用いる固相イムノアッセイ)における免疫原タンパク質に対して力価測定される。104以上の力価を有するポリクローナル抗血清が選択され、そして、競合的結合イムノアッセイ(例えば、HarlowおよびLane、前出、570〜573頁において記載されるもの)を使用して、他のランゲリン変異体(例えば、ランゲリン対立遺伝子改変体)に対する交差反応性について試験される。好ましくは、少なくとも2つのランゲリン改変体が、この決定において使用される。これらのランゲリンファミリーメンバーは、本明細書中に記載される標準的な分子生物学的技術およびタンパク質化学技術を使用して、組換えタンパク質として産生され得、そして単離され得る。
【0047】
競合的結合様式におけるイムノアッセイは、交差反応性の決定のために使用され得る。例えば、本発明のランゲリンタンパク質は、固体支持体に固定化され得る。このアッセイに添加されるタンパク質は、固定化された抗原への抗血清の結合と競合する。固定化されたタンパク質への抗血清の結合と競合する上記のタンパク質の能力は、ランゲリンタンパク質に匹敵する。上記のタンパク質についての交差反応性パーセントが、標準的な計算を用いて算出される。上記に列挙されるタンパク質のそれぞれと10%より低い交差反応性を有する抗血清が選択され、そしてプールされる。次いで、交差反応性の抗体が、上記に列挙されたタンパク質を用いる免疫吸着によって、プールされた抗血清から除去される。
【0048】
次いで、免疫吸着され、そしてプールされた抗血清は、第2のランゲリンタンパク質を免疫原タンパク質(例えば、ランゲリン対立遺伝子改変体)と比較するために、上記のように競合的結合イムノアッセイにて使用される。この比較のために、2つのタンパク質は、それぞれ、広範な濃度でアッセイされ、そして固定化されたタンパク質に対する抗血清の結合を50%阻害するのに必要な各タンパク質の量が決定される。必要とされる第2のタンパク質の量が、必要とされる選択されたタンパク質(単数または複数)のタンパク量の2倍より少なければ、第2のタンパク質は、免疫源に対して生成された抗体に特異的に結合するといわれる。
【0049】
本発明のランゲリンタンパク質は、本明細書中で特徴付けられたタンパク質であるだけではなく、また、対立遺伝子改変体、非対立遺伝子改変体、または種改変体である他のランゲリンタンパク質であることが理解される。その用語は、通常の組換え技術を使用する意図的な変異(例えば、単一部位変異)によって、または、それぞれのタンパク質をコードするDNAの短い部分の切除によって、またはランゲリン配列への新規なアミノ酸の置換、もしくは新規なアミノ酸の付加によって導入された非天然の変異を含むこともまた、理解される。このようなマイナーな変化は、代表的には、もともとの分子の免疫同一性および/またはその生物学的活性を実質的に維持する。従って、これらの変化は、指定された天然に存在するランゲリンタンパク質と特異的に免疫反応性であるタンパク質を含む。改変されたタンパク質の生物学的特性は、適切な細胞株においてタンパク質を発現すること、および適切な効果(例えば、インビトロにおけるDC細胞上で)を測定することによって決定され得る。マイナーであると見なされる特定のタンパク質改変には、類似の化学的特性を有するアミノ酸の保存的置換が含まれる。タンパク質を、ランゲリンタンパク質と任意に整列することによって、そして免疫同一性を決定するために本明細書中に記載されるような従来のイムノアッセイを使用することによって、本発明のタンパク質組成物を決定し得る。
【0050】
(IV.物理的改変体)
本発明はまた、上記の天然の哺乳動物ランゲリンタンパク質または抗体と実質的なアミノ酸配列相同性を有するタンパク質またはペプチドを含む。その改変体は、種改変体および対立遺伝子改変体を含む。当業者は、改変体の以下の議論の多くが、ランゲリン抗原とそれを認識する抗体との両方の改変体に適用することを認識する。
【0051】
アミノ酸配列相同性、または配列同一性は、残基の一致を最適化することによって、必要な場合には、必要とされるギャップを導入することによって決定される。これは、一致するような保存的置換を考慮した場合に変化する。保存的置換は、代表的には、以下の基内での置換を含む:グリシン、アラニン;バリン、イソロイシン、ロイシン;アスパラギン酸、グルタミン酸;アスパラギン、グルタミン;セリン、スレオニン;リジン、アルギニン;およびフェニルアラニン、チロシン。相同アミノ酸配列は、代表的には、各それぞれのタンパク質配列における天然の対立遺伝子変動および種間の変動を含むことが意図される。代表的な相同タンパク質またはペプチドは、ランゲリンタンパク質のアミノ酸配列と、25〜100%相同性(ギャップが導入され得る場合)から50〜100%相同性(保存的置換が含まれる場合)までを有する。相同性の尺度は、少なくとも約35%、一般的に少なくとも40%、より一般的には、少なくとも45%、しばしば少なくとも50%、よりしばしば少なくとも55%、代表的には少なくとも60%、より代表的には少なくとも65%、通常少なくとも70%、より通常には少なくとも75%、好ましくは少なくとも80%、およびより好ましくは少なくとも80%、ならびに、特定の実施態様において、少なくとも85%以上である。Needlehamら(1970)J.Mol.Biol.48:443−453;Sankoffら(1983)Time Warps,String Edits,and Macromolecules:The Theory and Practice of Sequence Comparison、第1章、Addison−Wesley,Reading,MA;およびIntelliGenetics,Mountain View,CA;およびUniversity of Wisconsin Genetics Computer Group,Madison,WIからのソフトウェアパッケージもまた参照のこと;これらの各々は、本明細書中に参考として援用される。
【0052】
ランゲリンタンパク質をコードする以下に記載のように単離される、単離されたDNAは、ヌクレオチド置換、ヌクレオチド欠失、ヌクレオチド挿入、およびヌクレオチドストレッチの反転によって容易に改変され得る。これらの改変は、これらの抗原、それらの誘導体、または類似の生理学的活性、免疫学的活性、もしくは抗原性活性を有するタンパク質をコードする、新規なDNA配列を生じる。これらの改変された配列は、変異体抗原を産生するために、または発現を増強するために使用され得る。増強された発現は、遺伝子増幅、転写の増加、翻訳の増加、および他の機構を含み得る。このような変異体ランゲリンタンパク質誘導体は、それぞれのタンパク質またはそのフラグメントのあらかじめ決定された変異または部位特異的変異を含む。「変異体ランゲリンタンパク質」は、欠失、置換、または挿入を経由するにかかわらず、天然に見出されるようなランゲリンタンパク質のアミノ酸配列とは異なるアミノ酸配列を有する以外は、上記に示したようなヒトランゲリンタンパク質の相同性の定義内に収まるポリペプチドを含む。特に、「部位特異的変異体ランゲリンタンパク質」は、一般的に、本明細書中に記載される特性を有する天然のタンパク質と有意な相同性を有するか、そして/または、これらの配列と種々の生物学的活性(例えば、抗原性または免疫原性)を共有するタンパク質を含み、ならびに、好ましい実施態様において、例えば、単一置換の天然の形態のタンパク質を含む。同様のコンセプトは、異なるランゲリンタンパク質(特に、種々の哺乳動物(例えば、ヒトを含む霊長類)中に見出されるタンパク質)に適用する。以前に言及したように、記載は、一般的に、すべての哺乳動物ランゲリンタンパク質を含むことを意味することが強調される。
【0053】
部位特異的変異部位は、あらかじめ決定されるが、変異は部位特異的である必要はない。ランゲリンタンパク質変異誘発は、アミノ酸挿入または欠失を作製することによって行われ得る。置換、欠失、挿入、または任意の組み合わせは、最終構築物に到達するために生成され得る。挿入は、アミノ末端融合物またはカルボキシ末端融合物を含む。ランダム変異誘発が、標的コドンにおいて行われ、次いで、発現された変異体が、所望の活性についてスクリーニングされ得る。既知の配列を有するDNAにおいてあらかじめ決定された部位で置換変異を作製する方法は、当該分野において周知である(例えば、M13プライマー変異誘発またはポリメラーゼ連鎖反応(PCR)技術による)。Sambrookら(1989)およびAusubelら(1987および補遺)もまた参照のこと。
【0054】
DNAにおける変異は、通常、コード配列をリーディングフレーム外に配置するべきではなく、そして好ましくは、ハイブリダイズしてmRNAの二次構造(例えば、ループまたはヘアピン)を産生し得る相補性領域を生成しない。
【0055】
本発明はまた、組換えタンパク質(例えば、これらのタンパク質由来のセグメントを使用する異種融合タンパク質)を提供する。異種融合タンパク質は、同じ様式で、天然であるが通常ではなく融合する、タンパク質またはセグメントの融合である。従って、ランゲリンポリペプチドと免疫グロブリンとの融合産物は、典型的なペプチド結合で融合する配列を有する連続するタンパク質分子であり、代表的には、単一の翻訳産物として作製され、そして各々の供給源ペプチド由来の特性を示す。同様のコンセプトは、異種核酸配列に適用する。
【0056】
さらに、新規な構築物が、他のタンパク質由来の類似の機能的ドメインを組み合わせることから作製され得る。例えば、抗原結合セグメントまたは他のセグメントは、異なる新規の融合ポリペプチドまたはフラグメントの間で、「交換」され得る。例えば、Cunninghamら(1989)Science 243:1330−1336;およびO’Dowdら(1988)J.Biol.Chem.263:15985−15992を参照のこと、これらのそれぞれは、本明細書中に参考として援用される。従って、特異性の新規な組み合わせを示す新規なキメラポリペプチドは、生物学的に関連するドメインおよび他の機能的ドメインの機能的結合から生じる。
【0057】
BeaucageおよびCarruthers(1981)Tetra.Letts.22:1859−1862によって記載されるホスホルアミダイト法は、適切な合成DNAフラグメントを産生する。二本鎖フラグメントは、しばしば、相補鎖を合成することおよび適切な条件下で相補鎖を互いにアニーリングすることによって、または適切なプライマー配列を用いてDNAポリメラーゼを使用して相補鎖を付加することによって(例えば、PCR技術)のいずれかで得られる。
【0058】
(V.機能的改変体)
ランゲリンタンパク質によって媒介される生理学的応答のブロッキングは、その天然の結合パートナーに対する抗原の結合の阻害から(例えば、競合的阻害を通して)得られ得る。従って、本発明のインビトロアッセイは、しばしば、単離されたタンパク質、組換え膜結合ランゲリンタンパク質を発現する細胞由来の膜、結合セグメントを含む可溶性フラグメント、または固相基材に結合したフラグメントを使用する。これらのアッセイはまた、結合セグメントの変異および改変、またはタンパク質変異および改変(例えば、アナログ)のいずれかの効果の診断的決定を可能にする。特に、ランゲリンは、DCクローン上で発現されるが、抗原は、DC細胞成熟後に失われる。
【0059】
本発明はまた、競合的薬物スクリーニングアッセイの使用を意図する(例えば、抗原フラグメントまたは結合パートナーフラグメントに対する中和抗体が、タンパク質に対する結合についての試験化合物と競合する場合に)。この様式において、抗体は、タンパク質の1つ以上の抗原結合部位を共有し、そしてさもなくば結合パートナーと相互作用し得るタンパク質上の結合部位を占めるためにもまた使用され得る、任意のポリペプチドの存在を検出するために使用され得る。
【0060】
さらに、ランゲリンタンパク質および高親和性結合部位を含むその抗原の可溶性フラグメントに対する中和抗体を使用して、細胞または組織(例えば、異常な生理または所望でない生理を経験している、細胞あるいは組織)における抗原機能を阻害し得る。ランゲリン抗原および抗体の、「誘導体」は、アミノ酸配列変異体、グリコシル化改変体、および他の化学部分との共有結合体または凝集結合体を含む。共有結合性誘導体は、当該分野で周知の手段によって、ランゲリンアミノ酸側鎖中か、あるいはN末端またはC末端に見出される基に対する官能基の連結によって調製され得る。これらの誘導体は、以下を含むが、これらに限定されない:カルボキシル末端またはカルボキシル側鎖を含有する残基の脂肪族エステルまたはアミド、ヒドロキシル基含有残基のO−アシル誘導体、およびアミノ末端アミノ酸またはアミノ基含有残基(例えば、リジンまたはアルギニン)のN−アシル誘導体。アシル基は、C3〜C18の通常のアルキルを含むアルキル部分の基から選択され、それによってアルカノイルアロイル種を形成する。キャリアタンパク質への共有結合は、免疫原性部分がハプテンである場合に重要であり得る。
【0061】
特に、グリコシル化改変としては、例えば、ポリペプチドの合成およびプロセシングの間、またはさらなるプロセシング工程において、ポリペプチドのグリコシル化パターンを修飾することによって作製されるものが挙げられる。このことを達成するための特に好ましい手段は、このようなプロセシングを正常に提供する細胞由来のグリコシル化酵素(例えば、哺乳動物グリコシル化酵素)に対して、ポリペプチドを曝露することによる。脱グリコシル化酵素もまた、意図される。他の微小な改変(リン酸化アミノ酸残基(例えば、ホスホチロシン、ホスホセリンまたはホスホスレオニン)を含む)を有する同じ一次アミノ酸配列のバージョンもまた、含まれる。
【0062】
誘導体の主なグループは、ランゲリンタンパク質またはそのフラグメントの、他のタンパク質またはポリペプチドとの共有結合体である。これらの誘導体は、N末端融合体またはC末端融合体のように組換え培養物において、または反応性側鎖を介するタンパク質の架橋においてその有用性が当該分野で公知である薬剤の使用によって、合成され得る。架橋剤による好ましい抗原誘導体化部位は、遊離アミノ基、糖部分、およびシステイン残基である。
【0063】
ランゲリンタンパク質と他の同種タンパク質または異種タンパク質との間の融合ポリペプチドもまた、提供される。同種のポリペプチドは、異なる表面マーカー間の融合体であり得、例えば、レセプター結合特異性を示すハイブリッドタンパク質を生じる。同様に、異種融合体が構築され得、これは、その誘導体タンパク質の特性または活性を組み合わせて示す。代表的な例は、レセプターポリペプチド(例えば、ルシフェラーゼ)の、抗原のアミノ酸のセグメントまたはドメイン(例えば、結合セグメント)との融合体であり、その結果、その融合抗原の存在または位置が、容易に決定され得る。例えば、Dullら、米国特許第4,859,609号(本明細書中に参考として本明細書によって援用される)を参照のこと。他の遺伝子融合パートナーとしては、細菌性β−ガラクトシダーゼ、trpD、プロテインA、β−ラクタマーゼ、αアミラーゼ、アルコールデヒドロゲナーゼおよび酵母α接合因子が挙げられる。例えば、Godowskiら(1988)Science 241:812−816を参照のこと。
【0064】
BeaucageおよびCarruthers(1981)Tertra.Letts.22:1859−1862によって記載されるホスホラミダイト法は、適切な合成DNAフラグメントを生成する。二本鎖フラグメントは、しばしば、相補鎖を合成し、そして適切な条件下で相補鎖を共にアニーリングすることによって得られるか、またはDNAポリメラーゼを用いて適切なプライマー配列を相補鎖に付加することによって得られるかのいずれかである。
【0065】
このようなポリペプチドはまた、リン酸化、スルホン化、ビオチン化、または他の部分(特に、リン酸基と類似の分子形状を有する部分)の付加もしくは除去によって化学的改変されているアミノ酸残基を有し得る。いくつかの実施態様において、この改変は、有用な標識試薬であるか、または精製標的(例えば、親和性リガンド)として作用する。
【0066】
融合タンパク質は、代表的には、組換え核酸方法か、または合成ペプチド方法のいずれかによって作製される。核酸の操作および発現のための技術は、一般的に、例えば、Sambroolら(1989)Molecular Cloning:A Laboratory Manual(Cur..編)、第1〜3版、Cold Spring Harbor Laboratory(これは、参考として本明細書中に援用される)に記載される。ポリペプチド合成のための技術は、Merrifield(1963)J.Amer.Chem.Soc.85:2149−2156;Merrifield(1986)Science 232:341−347;およびAthertonら(1989)Solid Phase Peptide Synthesis:A Practical Approach、IRL Press、Oxford;およびDawsonら(1994)Science 266:776−779(これらの各々は、参考として本明細書中に援用される)に記載される。
【0067】
本発明はまた、ランゲリンタンパク質の、アミノ酸配列における改変またはグリコシル化以外の誘導体の使用を意図する。このような誘導体は、化学部分との共有結合または凝集結合を含み得る。これらの誘導体は、一般的に、以下の3つのクラスに分類される:(1)塩、(2)側鎖および末端残基の共有結合的改変、および(3)吸着複合体(例えば、細胞膜との)。このような共有結合誘導体または凝集誘導体は、免疫原として、イムノアッセイの試薬として、あるいは抗原または他の結合タンパク質のアフィニティー精製のためのような精製方法において、有用である。例えば、ランゲリン抗原は、抗ランゲリンタンパク質抗体または他の結合パートナーのアッセイまたは精製における使用のために、当該分野で周知の方法によって、共有結合によって固体支持体(例えば、臭化シアン活性化Sepharose)に固定化され得るか、あるいはグルタルアルデヒド架橋を用いて、または用いずに、ポリオレフィン表面上に吸着され得る。ランゲリン抗原はまた、検出可能な基で標識され得、例えば、クロラミンT手順によって放射ヨウ素標識されるか、希土類キレート剤に共有結合されるか、または診断アッセイにおける使用のための別の蛍光部分に結合体化される。ランゲリンタンパク質の精製は、固定化された抗体または結合パートナーによってもたらされ得る。
【0068】
本発明の可溶化されたランゲリン抗原またはフラグメントは、このタンパク質またはそのフラグメントに特異的な抗血清または抗体の産生のための免疫原として使用され得る。この精製された抗原は、このタンパク質を含む種々の形態の不純調製物での免疫によって調製された、モノクローナル抗体または結合フラグメントをスクリーニングするために使用され得る。詳細には、天然の抗体の抗原結合フラグメントは、しばしば、その抗体自体と等価である。精製されたランゲリンタンパク質はまた、このタンパク質またはこの抗原を含む細胞フラグメント(これらの両方は、異常なまたは特定の、生理学的状態あるいは疾患状態の診断に有用であり得る)の上昇レベルの存在に応答して産生された任意の抗体を検出するための試薬として使用され得る。さらに、抗原フラグメントはまた、すぐ以下に記載されるように、本発明のさらなる抗体を産生するための免疫原として作用し得る。例えば、本発明は、表1に記載される特性を有するタンパク質またはそのフラグメント由来のアミノ酸配列に対して惹起される抗体を意図する。詳細には、本発明は、脂質二重層の外側に存在すると予測される特定のフラグメント(例えば、細胞外ドメイン構造または細胞内ドメイン構造)に対する結合親和性を有するか、またはそれらのフラグメントに対して惹起される抗体を意図する。
【0069】
本発明はまた、構造、発現および機能において、差示性および類似性の両方を示す関連する抗原の群を単離するための手段を提供する。この抗原の多くの生理学的効果の解明は、一般的に、異なる種の改変体の単離および特徴付けによって格段に加速される。詳細には、本発明は、異なる種において、さらなる相同な遺伝的実体の同定のための有用なプローブを提供する。
【0070】
単離された遺伝子は、対応するランゲリンタンパク質の発現を欠失する細胞(例えば、対応する抗原を欠失し、そしてネガティブなバックグラウンドの生物学的活性を示すはずである、種型または細胞のいずれか)の形質転換を可能にする。形質転換された遺伝子の発現は、規定された種改変体または単一の種改変体を有する、抗原性的に純粋な細胞株の単離を可能にする。このアプローチは、ランゲリンタンパク質の生理学的効果のより高感度の検出および区別を可能にする。細胞成分フラグメント(例えば、細胞質体または膜のフラグメント)もまた、単離および使用され得る。
【0071】
このタンパク質によって提供される種々の生理学的機能または分化機能をもたらす重要な構造エレメントの分析は、近代の分子生物学の標準的な技術(特に、関連するクラスのメンバーの比較における)を使用して可能である。例えば、Cunninghamら(1989)Science 243:1339−1336に記載されるホモログスキャニング変異誘発技術;ならびにO’Dowdら(1988)J.Biol.Cem.263:15985−15992;およびLechleiterら(1990)EMBO J.9:4381−4390に使用されるアプローチ(これらの各々は、参考として本明細書中に援用される)を参照のこと。
【0072】
詳細には、機能的ドメインまたはセグメントは、種改変体または関連するタンパク質の間で置換されて、どの構造的特徴が、結合パートナーの親和性および特異性の両方、ならびにシグナル伝達に重要であるかを決定し得る。一連の異なる改変体は、結合パートナーの異なる種改変体との相互作用の組合せられた特性を示す分子についてスクリーニングするために有用である。
【0073】
抗原の内部移行(internalization)は、特定の状況下で生じ得、そして細胞内成分と相互作用に関与するタンパク質の「細胞外」セグメントとの間の相互作用が生じ得る。ランゲリンの他の細胞内成分との相互作用の特異的なセグメントは、変異誘発または直接的な生化学的手段(例えば、架橋法またはアフィニティー法)によって同定され得る。結晶学的方法または他の物理学的方法による構造的分析もまた適用可能である。生物学的機能の機構のさらなる研究は、アフィニティー法または遺伝的手段(例えば、変異体の相補分析)によって単離可能であり得る、関連する成分の研究を含む。
【0074】
ランゲリンの発現および制御のさらなる研究は続行する。抗原に関連する制御エレメントは、差示的な発生パターン、組織特異的パターン、または他の発現パターンを示し得る。上流または下流の遺伝子領域(例えば、制御エレメント)は、関心深い。
【0075】
抗原の構造研究は、新規な改変体、特に結合パートナーに対するアゴニストまたはアンタゴニストの特性を示すアナログの設計を導く。これは、先に記載したスクリーニング法と組合わせて、所望の活性のスペクトルを示す改変体を単離し得る。
【0076】
他の細胞型における発現は、しばしば、特定の抗原においてグリコシル化の差異を生じる。種々の種改変体は、アミノ酸配列以外の構造的差異に基づく異なる機能を示し得る。差示的な改変は、差示的な機能を担い得、そしてこれらの効果の解明は、現在可能となる。
【0077】
従って、本発明は、抗原結合パートナー相互作用に関連する重要な試薬を提供する。前述の記載は、ヒトランゲリンタンパク質に対して主に焦点が当てられたが、当業者は、本発明が他の密接に関連する抗原(例えば、他の霊長類種の改変体または対立遺伝子改変体)、ならびにそのファミリーの改変体および他のメンバーを包含することを直ちに認識する。
【0078】
(VI.核酸)
本明細書中に開示される天然のランゲリンタンパク質の特性は、タンパク質の精製を可能にする。これは、このようなタンパク質をコードする核酸を単離するための手段を提供し、そしてその配列の決定は、ランゲリンファミリーの他のメンバーに対する操作を提供する。このようなヌクレオチド配列および関連する試薬は、ランゲリンタンパク質を発現させるために有用であるDNAクローンの構築(例えば、別の天然の供給源(このファミリーの他のメンバーを含む)から相同遺伝子の単離)において有用である。代表的に、この配列は、ヒトからの他の遺伝子(例えば、対立遺伝子改変体あるいは選択的スプライシングされたアイソフォーム)の単離に有用である。
【0079】
例えば、DCGM4のような特異的結合組成物は、ランゲリンタンパク質を発現する細胞株から作製された発現ライブラリーのスクリーニングに使用され得る。このスクリーニングは、表面に発現されたタンパク質の標準的な染色であり得るか、またはパニングによる。細胞内発現のスクリーニングはまた、種々の染色手順または免疫蛍光手順によって行われ得る。この結合組成物は、ランゲリンタンパク質を発現する細胞のアフィニティー精製または選別に使用され得る。
【0080】
本発明は、生物学的に活性なランゲリンタンパク質またはランゲリンポリペプチドをコードする、単離されたDNAまたはフラグメントの使用を意図する。ヒトランゲリンをコードするヌクレオチド配列は、配列番号1に示される。さらに、本発明は、生物学的に活性なランゲリンタンパク質またはランゲリンポリペプチドをコードし、そしてそのDNA配列に適切な条件下でハイブリダイズし得る、単離されたDNAまたは組換えDNAを包含する。この生物学的に活性なランゲリンタンパク質またはランゲリンポリペプチドは、全長の抗原であり得るか、またはそのフラグメントであり得る。さらに、本発明は、ランゲリンタンパク質に相同なタンパク質をコードするか、またはランゲリンタンパク質をコードするcDNAを使用して単離された、単離されたDNAまたは組換えDNA、あるいはそのフラグメントのプローブとしての使用を包含する。この単離されたDNAは、それぞれ、5’隣接および3’隣接する調節配列(例えば、プロモーター、エンハンサー、ポリA付加シグナルなど)を有し得る。
【0081】
「単離された」核酸は、天然でネイティブ配列に付随する他の成分(例えば、リボソーム、ポリメラーゼ)、およびその元来の種由来の隣接するゲノム配列から、実質的に分離されている核酸(例えば、RNA、DNA、または混合ポリマー)である。用語「単離された」核酸は、その天然に存在する環境から取り出された核酸配列を包含し、そしてそれはまた、組換えまたはクローン化DNA単離物、および化学合成されたアナログまたは異種系によって生物学的に合成されたアナログを含む。実質的に純粋な分子は、その分子の単離された形態を含む。あるいは、精製された種は、組換え発現系由来の宿主成分から分離され得る。
【0082】
単離された核酸は、一般に、分子の同質な組成物であるが、いくつかの実施態様において、わずかな異質性を含む。この異質性は、代表的には、ポリマー末端または所望の生物学的機能または活性に重要ではない部分で見出される。
【0083】
「組換え」核酸は、その産生方法またはその構造のいずれかによって定義される。その産生方法(例えば、あるプロセスによって作製される産物)に関して、このプロセスは、例えば、そのヌクレオチド配列におけるヒトの介入(代表的には、選択または産生)を含む、組換え核酸技術の使用である。あるいは、それは、天然で互いに近接していない2つのフラグメントの融合体を含む配列を生成することによって作製される核酸であり得るが、天然の産物(例えば、天然に存在する変異体)を排除することが意味される。従って、例えば、任意の合成オリゴヌクレオチドプロセスを使用して誘導される配列を含む核酸が含まれるように、任意の天然に存在しないベクターで細胞を形質転換することによって作製される産物が含まれる。このようなことは、しばしば、コドンを同じアミノ酸または保存的アミノ酸をコードする縮重コドンで置換するためになされ、それに伴い、代表的に配列認識部位を導入または除外する。あるいは、合成オリゴヌクレオチドを使用して、所望の機能の核酸セグメントを共に連結し、通常入手可能な天然の形態で見出されない機能の所望の組み合わせを含む、単一の遺伝的実体を生成する。制限酵素認識部位は、頻繁には、このような人工操作の標的であるが、他の部異特異的標的(例えば、プロモーター、DNA複製部位、調節配列、制御配列、または他の有用な特徴)を、設計して組み込み得る。同様の概念が、組換えポリペプチド(例えば、融合ポリペプチド)について意図される。遺伝コード縮重による、これらの抗原のフラグメントに類似のポリペプチドをコードする合成核酸、および種々の異なる種改変体由来の配列の融合体をコードする合成核酸が、特に含まれる。
【0084】
核酸の状況において有意な「フラグメント」とは、少なくとも約17ヌクレオチド、一般的には、少なくとも20ヌクレオチド、より一般的には、少なくとも23ヌクレオチド、通常には、少なくとも26ヌクレオチド、より通常には、少なくとも29ヌクレオチド、頻繁には、少なくとも32ヌクレオチド、より頻繁には、少なくとも35ヌクレオチド、代表的には、少なくとも38ヌクレオチド、より代表的には、少なくとも41ヌクレオチド、通常は、少なくとも44ヌクレオチド、より通常は、少なくとも47ヌクレオチド、好ましくは、少なくとも50ヌクレオチド、より好ましくは、少なくとも53ヌクレオチド、そして特に好ましい実施態様において、少なくとも56以上のヌクレオチドである連続するセグメントである。
【0085】
ランゲリンタンパク質をコードするDNAは、関連タンパク質または相同なタンパク質をコードする遺伝子、mRNAおよびcDNA種、ならびに相同なタンパク質をコードするDNAを同定するために特に有用である。他の哺乳動物(例えば、霊長類)においてホモログが存在するはずである。種々のランゲリンタンパク質は、相同であるべきであり、そして本明細書中に包含される。しかし、その抗原に対するより遠い進化的関係を有するタンパク質でさえ、これらの配列が十分に相同である場合には、これらの配列を使用して適切な条件下で容易に単離される。霊長類ランゲリンタンパク質は、特に関心深い。
【0086】
本発明はさらに、本明細書中に示される単離されたDNAに同一または高度に相同なDNA配列を有する、組換えDNA分子およびフラグメントを包含する。詳細には、この配列は、しばしば、転写、翻訳およびDNA複製を制御するDNAセグメントに作動可能に連結される。あるいは、そのゲノム配列(例えば、イントロンを含む)から誘導される組換えクローンは、トランスジェニック研究(例えば、トランスジェニック細胞および器官)、ならびに遺伝子治療に有用である。例えば、Goodnow(1992)「Transgenic Animals」in Roitt(編)Encyclopedia OfImmunology Academic Press,San Diego、1502−1504頁;Travis(1992)Science 256:1392−1394;Kuhnら(1991)Science 254:707−710;Capecchi(1989)Science 244:1288;Robertson(編、1987)Teratocarcinomas and Embryonic Stem Cells:A Practical Approach IRL Press,Oxford;Rosenberg(1992)J.Clinical Oncology 10:180−199;ならびにCournoyerおよびCaskey(1993)Ann.Rev.Immunol.11:297−329(これらの各々は、参考として本明細書中に援用される)を参照のこと。
【0087】
相同な核酸配列は、比較される場合、有意な類似性を示す。核酸における相同性についての標準は、配列比較による当該分野で一般的に使用される相同性の基準か、ハイブリダイゼーション条件に基づく基準のいずれかである。ハイブリダイゼーション条件は、以下により詳細に記載される。
【0088】
核酸配列比較の状況における実質的相同性は、そのセグメントまたはそれらの相補鎖のいずれかが、比較される場合に、最適に整列化された場合に、適切なヌクレオチドの挿入または欠失を含んで、少なくとも約50%のヌクレオチド、一般的には、少なくとも56%、より一般的には、59%、通常には、少なくとも62%、より通常には、少なくとも65%、頻繁には、少なくとも68%、より頻繁には、少なくとも71%、代表的には、少なくとも74%、より代表的には、少なくとも77%、通常は、少なくとも80%、より通常は、少なくとも約85%、好ましくは、少なくとも約90%、より好ましくは、少なくとも約95〜98%以上、そして特定の実施態様において、約99%以上程度のヌクレオチドにおいて同一であることを意味する。あるいは、実質的相同性は、そのセグメントが選択的ハイブリダイゼーション条件下で、鎖またはその相補体に対して、代表的には記載されるような配列を使用して、ハイブリダイズする場合に、存在する。代表的には、選択的ハイブリダイゼーションは、少なくとも約14ヌクレオチドのストレッチに対して、少なくとも55%相同性、好ましくは少なくとも約65%、より好ましくは少なくとも約75%、そして最も好ましくは少なくとも約90%の相同性が存在する場合に、生じる。Kanehisa(1984)Nuc.Acids Res.12:203〜213(これは、本明細書中に参考として援用される)を参照のこと。相同性比較の長さは、記載したように、より長いストレッチにわたってであり得、そして特定の実施態様においては、少なくとも約17ヌクレオチド、通常少なくとも約20ヌクレオチド、より通常には少なくとも24ヌクレオチド、代表的には少なくとも約28ヌクレオチド、より代表的には少なくとも約40ヌクレオチド、好ましくは少なくとも約50ヌクレオチド、そしてより好ましくは少なくとも約75〜100以上のヌクレオチドのストレッチにわたる。
【0089】
ストリンジェントな条件は、このハイブリダイゼーションの状況において相同性をいう際は、塩、温度、有機溶媒、および他のパラメーター(代表的には、ハイブリダイゼーション反応において制御されるもの)のストリンジェントな混合した条件である。ストリンジェントな温度条件は、通常は、約30℃を超える、より通常は約37℃を超え、代表的には約45℃を超え、より代表的には約55℃を超え、好ましくは約65℃を超え、そしてより好ましくは約70℃を超える、温度を含む。ストリンジェントな塩条件は、普通は約1000mM未満、通常は約500mM未満、より通常は約400mM未満、代表的には約300mM未満、好ましくは約200mM未満、そしてより好ましくは約150mM未満である。しかし、パラメーターの組み合わせは、どの単一パラメーターの基準よりも大いに重要である。例えば、WetmurおよびDavison(1968)J.Mol.Biol.31:349〜370;Walker(1988編)New Nucleic Acid Techniques、Humana Press、Clifton、N.J.;Ross(1998編)Nucleic Acid Hybridization;Wiley、New Yorkを参照のこと;または例えば、インターネット上の最近のハイブリダイゼーションプロトコル「A Selection of Molecular Biology Protocols−−A List of sites with protocols」Griffin(1996)、Analytical Biochemistry、239:120〜122を参照のこと。
【0090】
(VII.ランゲリンタンパク質の作製;模倣物)
ランゲリンは、タンパク質生化学の標準的方法を使用して、天然の供給源から単離され得る。DCGM4抗体が使用されて、精製プロセスまたは種々のイムノアフィニティー法を追跡し得る。単離されたタンパク質は、誘導体化または修飾についての開始材料として使用され得る。このタンパク質は、ネイティブ形態または変性形態で使用され得る。
【0091】
このランゲリンタンパク質またはそのフラグメントをコードするDNAは、化学合成、cDNAライブラリーのスクリーニング、または広範な種々の細胞株または組織サンプルから調製されたゲノムライブラリーのスクリーニングによって、入手され得る。特に、DCGM4抗体が、このタンパク質抗原をコードする核酸を発現クローニングするために使用され得る。
【0092】
このDNAは、広範な種々の宿主細胞において、全長タンパク質またはフラグメントの合成のために発現され得る。この全長タンパク質またはフラグメントは、例えば、次に、ポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体を産生するため;結合研究のため;改変した分子の構築および精度のため;そして構造/機能研究のために、使用され得る。各抗原またはそのフラグメントは、適切な発現ベクターを用いて形質転換またはトランスフェクトされる宿主細胞において発現され得る。これらの分子は、その組換え宿主に由来するもの以外の、タンパク質または細胞性莢雑物を含まないように実質的に精製され得、従って、薬学的に受容可能なキャリア、緩衝剤、および/または希釈剤と組み合わされる場合に、薬学的組成物において特に有用である。抗原またはその部分は、他のタンパク質との融合物として発現され得る。
【0093】
発現ベクターは、代表的には、所望の抗原遺伝子またはそのフラグメントを含む、自己複製するDNA構築物またはRNA構築物であり、この遺伝子またはそのフラグメントは、通常は、適切な宿主細胞において認識される適切な遺伝子制御エレメントに作動可能に連結されている。これらの制御エレメントは、適切な宿主内で発現をもたらし得る。発現をもたらすために必要な制御エレメントの特定の型は、使用される最終的な宿主に依存する。一般的に、この遺伝子制御エレメントは、原核生物プロモーター系または真核生物プロモーター発現制御系を含み得、そして代表的には、転写プロモーター、転写の開始を制御するための必要に応じたオペレーター、mRNA発現のレベルを上昇させるための転写エンハンサー、適切なリボソーム結合部位をコードする配列、および転写および翻訳を終結させる配列を含む。発現ベクターはまた、通常は、そのベクターがその宿主細胞から独立して複製することを可能にする複製起点を含む。
【0094】
本発明のベクターは、ランゲリンタンパク質またはそのフラグメントをコードするDNAを含み、好ましくは生物学的に活性なポリペプチドをコードする。配列番号1に示される配列は、ランゲリンタンパク質を調製するために有利に使用され得る。このDNAは、ウイルス性プロモーターの制御下にあり得、そして選択マーカーをコードし得る。本発明はさらに、原核生物宿主または真核生物宿主においてランゲリンタンパク質をコードする真核生物DNAを発現し得るこのような発現ベクターの使用を意図する。この宿主中で、このベクターはこの宿主に適合性であり、そして抗原をコードする真核生物cDNAがこのベクター中に挿入され、その結果、このベクターを含む宿主の増殖により、問題のcDNAが発現される。通常、発現ベクターは、その宿主細胞における安定な複製または増幅のために、1細胞あたりの望ましい遺伝子の総コピー数を大いに増加させるように設計される。発現ベクターが宿主細胞において複製することは、常に必要というわけではなく、例えば、種々の宿主において、その宿主細胞により認識される複製起点を含まないベクターを使用して、抗原またはそのフラグメントの一過性発現をもたらすことが可能である。組換えにより宿主DNAにランゲリン遺伝子またはそのフラグメントの組込みを引き起こすベクターを使用すること、あるいは内因性遺伝子の発現を制御するプロモーターを組込むこともまた可能である(例えば、このような技術を記載するWO96/29411(すべての図および図面を含み、参考として本明細書中に援用される)を参照のこと)。
【0095】
ベクターは、本明細書中で使用される場合、プラスミド、ウイルス、バクテリオファージ、組込み可能なDNAフラグメント、宿主のゲノムへのDNAフラグメントの組み込みを可能にする他のビヒクルを含む。発現ベクターは、作動可能に連結された遺伝子の発現をもたらす遺伝子制御エレメントを含む、専門のベクターである。プラスミドが、もっとも一般的に使用される形態のベクターであるが、等価な機能を提供し、かつ当該分野で公知であるか、または公知になるすべての他の形態のベクターが、本明細書中での使用に適切である。例えば、Pouwelsら(1985および補遺)Cloning Vectors:A Laboratory Manual、Elsevier,N.Y.;およびRodriquezら(1988編)Vectors:A Survey of Molecular Cloning Vectors and Their Uses、Buttersworth、Boston、MA(これらは参考として本明細書中に援用される)を参照のこと。
【0096】
形質転換された細胞は、代表的には組換えDNA技術を使用して構築された、ランゲリン核酸配列を含むベクターを用いて形質転換またはトランスフェクトされた細胞(好ましくは哺乳動物)を含む。形質転換された宿主細胞は、通常は、抗原またはそのフラグメントを発現するが、そのDNAをクローニング、増幅、および操作する目的のためには、そのタンパク質を発現する必要はない。本発明はさらに、形質転換された細胞を栄養培地中で培養し、それによりその培養物中にそのタンパク質を蓄積させることを可能にすることを意図する。このタンパク質は、その培養物または培養培地のいずれかから、回収され得る。
【0097】
本発明の目的のために、DNA配列は、それらが互いに機能的に関連する場合には、作動可能に連結される。例えば、プレ配列または分泌リーダーについてのDNAが、ポリペプチドがプレタンパク質として発現されるか、あるいはそのポリペプチドを細胞膜へと指向させるか、またはそのポリペプチドの分泌に関与する場合に、そのポリペプチドに作動可能に連結される。プロモーターは、それがポリペプチドの転写を制御する場合に、コード配列に作動可能に連結され;リボソーム結合部位は、それが翻訳を可能にするように配置される場合に、コード配列に作動可能に連結される。通常は、作動可能に連結される、とは、連続しかつ読み取り枠があっていることを意味するが、しかし、特定の遺伝子エレメント(例えば、リプレッサー遺伝子)は、連続的に連結されていないが、なお次には発現を制御する、オペレーター配列に結合する。
【0098】
適切な宿主細胞は、原核生物、下等真核生物、および高等真核生物を含む。原核生物は、グラム陰性生物およびグラム陽性生物の両方(例えば、E.coliおよびB.subtilis)を含む。下等真核生物は、酵母(例えば、S.cerevisiaeおよびPichia)、ならびにDictyostelium属の種を含む。高等真核生物は、動物細胞(非哺乳動物起源(例えば、昆虫細胞および鳥類)ならびに哺乳動物起源(例えば、ヒト、霊長類、および齧歯類)の両方)由来の樹立された組織培養細胞株を含む。
【0099】
原核生物宿主−ベクター系は、多くの異なる種のための広範な種々のベクターを含む。本明細書中で使用される場合、E.coliおよびそのベクターが、他の原核生物において使用される等価なベクターを含むように一般的に使用される。DNAを増幅するための代表的なベクターは、pBR322またはその誘導体の多くである。ランゲリンタンパク質またはそのフラグメントを発現するために使用され得るベクターとしては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:lacプロモーターを含むベクター(pUCシリーズ);trpプロモーターを含むベクター(pBR322−trp);Ippプロモーターを含むベクター(pINシリーズ);λ−pPまたはλ−pRプロモーターを含むベクター(pOTS);あるいはptacのようなハイブリッドプロモーターを含むベクター(pDR540)。Brosiusら(1988)「Expression Vectors Employing Lambda−,trp−,lac−,and Ipp−derived Promoters」RodriguezおよびDenhardt(編)Vectors:A Survey of Molecular Cloning Vectors and Their Uses、Buttersworth、Boston、第10章、205〜236頁(これは本明細書中で参考として援用される)を参照のこと。
【0100】
下等真核生物(例えば、酵母およびDictyostelium)は、ランゲリンタンパク質をコードするベクターを用いて形質転換され得る。本発明の目的のために、最も一般的な下等真核生物宿主は、パン酵母であるSaccharomyces cerevisiaeである。これは、一般的に下等真核生物を表すために使用されるが、他の多くの株および種もまた利用可能である。酵母ベクターは、代表的には、複製起点(組込み型以外)、選択遺伝子、プロモーター、所望のタンパク質またはそのフラグメントをコードするDNA、ならびに翻訳終結のための配列、ポリアデニル化のための配列、および転写終止のための配列からなる。酵母の適切な発現ベクターは、構成的プロモーター(例えば、3−ホスホグリセリン酸キナーゼプロモーターおよび他の種々の解糖系酵素遺伝子プロモーター)または誘導性プロモーター(例えば、アルコールデヒドロゲナーゼ2プロモーターまたはメタロチオネイン(metallothionine)プロモーター)を含む。適切なベクターは、以下の型の誘導体を含む:自己複製低コピー数型(例えば、YpRシリーズ);自己複製高コピー数型(例えば、YEpシリーズ);組込み型(例えば、YIpシリーズ)、またはミニ染色体型(例えば、YCpシリーズ)。
【0101】
高等真核生物組織培養細胞は、機能的に活性なランゲリンタンパク質の発現に好ましい宿主細胞である。原則的に、どの高等真核生物培養細胞株も(例えば、昆虫バキュロウイルス発現系)無脊椎動物供給源由来であろうと、または脊椎動物供給源由来であろうと、利用可能である。しかし、哺乳動物細胞は、翻訳と同時、および翻訳後の両方の、プロセシングという点で、好ましい。このような細胞の形質転換またはトランスフェクション、および増殖は、慣用的手順となっている。有用な細胞株の例としては、HeLa細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞株、ベビーラット腎臓(BRK)細胞株、昆虫細胞株、鳥類細胞株、およびサル(COS)細胞株が挙げられる。このような細胞株のための発現ベクターは通常、複製起点、プロモーター、翻訳開始部位、RNAスプライス部位(ゲノムDNAを使用する場合)、ポリアデニル化部位、および転写終結部位を含む。これらのベクターはまた、通常、選択遺伝子または増幅遺伝子を含む。適切な発現ベクターは、プラスミド、ウイルス、または例えば、アデノウイルス、SV40、パルボウイルス、ワクシニアウイルス、またはサイトメガロウイルスのような供給源由来の、レトロウイルス保有ベクターであり得る。適切な発現ベクターの代表的な例は、pCDNA1;pCD(Okayamaら(1985)Mol.Cell Biol.5:1136〜1142を参照のこと);pMC1neo Poly−A)Thomasら(1987)Cell 51:503〜512を参照のこと);およびpAC373またはpAC610のようなバキュロウイルスベクターを含む。
【0102】
特定の、または規定されたグリコシル化パターンを提供する系において、ランゲリンタンパク質ポリペプチドを発現することが、しばしば望ましい。この場合、通常のパターンは、この発現系により自然に提供されるパターンである。しかし、このパターンは、このポリペプチド(例えば、非グリコシル化形態)を、異種発現系に導入された適切なグリコシル化タンパク質に曝露することによって修飾され得る。例えば、このランゲリンタンパク質遺伝子は、哺乳動物グリコシル化酵素または他のグリコシル化酵素をコードする、1つ以上の遺伝子を用いて同時系質転換され得る。このアプローチを使用して、特定の哺乳動物グリコシル化パターンが、原核生物細胞または他の細胞において、達成可能であるかまたは近似される。
【0103】
このランゲリンタンパク質またはそのフラグメントは、細胞膜にホスファチジルイノシトール(PI)結合するように操作され得るが、ホスファチジルイノシトール切断酵素)例えば、ホスファチジルイノシトールホスホリパーゼC)での処理により、膜から除去され得る。これは、生物学的に活性な形態の抗原を放出し、そしてタンパク質化学の標準的手順による精製が可能である。例えば、Low(1989)Biochem.Biophys.Acta 988:427〜454;Tseら(1985)Science 230:1003〜1008;およびBrunnerら(1991)J.Cell Biol.114:1275〜1283を参照のこと。
【0104】
ランゲリンのフラグメントまたは誘導体は、ペプチドを合成するための従来のプロセスにより調製され得る。固相合成および溶液相合成が、ともに上述のプロセスに適用可能である。これらはには、以下に記載されるようなプロセスが挙げられる:Bodanszky(1993)Principles of Peptide Synthesis;Springer−Verlag;Bodanszky(1994)The Practice of Peptide Synthesis;Springer−Verlag;Jones(1992)Amino Acid and Peptide Synthesis;Oxford University Press;Atherton and Sheppard(1989)Solid Phase Peptide Synthesis:A Practical Approach;IRS Press New York;StewartおよびYoung(1984)Solid Phase Peptide Synthesis、Pierce Chemical Co.Rockford、IL;ならびに化学的連結、例えば、Dawsonら(1994)Science 266:776〜779(ペプチド結合により長い合成ペプチドを連結する方法);(これらは各々、本明細書中で参考として援用される)。例えば、アジドプロセス、酸無水物プロセス、酸無水物プロセス、混合無水物プロセス、活性エステルプロセス(例えば、p−ニトロフェニルエステル、N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、またはシアノメチルエステル)、カルボジイミダゾールプロセス、酸化−還元プロセス、またはジシクロヘキシルカルボジイミド(DCCD)/付加的プロセスが、使用され得る。固相合成および溶液相合成が、ともに上述のプロセスに適用可能である。
【0105】
ランゲリンタンパク質、フラグメント、または誘導体は、ペプチド合成において代表的に使用されるような上述のプロセスに従って、一般的には、アミノ酸をその末端アミノ酸に1つずつ連続して縮合させることを含むいわゆる段階的プロセス、またはペプチドフラグメントをその末端アミノ酸にカップリングさせることのいずれかにより、適切に調製される。このカップリング反応において使用されていないアミノ基は、代表的には、不正確な位置での結合を阻止するように保護される。
【0106】
固相合成が採用される場合、そのC末端アミノ酸は、そのカルボキシル基を介して、不溶性キャリアまたは支持体に結合される。この不溶性キャリアは、それが反応性カルボキシル基への結合能を有する限り、特には制限されない。このような不溶性キャリアの例は、ハロメチル樹脂(例えば、クロロメチル樹脂またはブロモメチル樹脂)、ヒドロキシメチル樹脂、フェノール樹脂、tert−アルキルオキシカルボニル−ヒドラジド樹脂などが挙げられる。
【0107】
アミノ基が保護されたアミノ酸は、その活性化したカルボキシル基と、以前に形成されたペプチドまたは鎖の反応性アミノ基との縮合を介して、連続して結合され、このペプチドが段々と合成される。完全な配列を合成した後、このペプチドは、不溶性キャリアから分離されて、ペプチドを生成する。この固相合成アプローチは、Merrifieldら(1963)、J.Am.Chem.Soc.85:2149〜2156(これは、本明細書中で参考として援用される)により一般的に記載される。
【0108】
調製されたタンパク質およびそのフラグメントは、ペプチド分離の手段、例えば、抽出、沈殿、電気泳動および種々の形態のクロマトグラフィーなどによって、反応混合物から単離および精製され得る。本発明のランゲリンは、その所望の用途に依存して、種々の程度の純度で得られ得る。精製は、本明細書中に開示されたタンパク質精製技術の使用、または免疫吸着アフィニティークロマトグラフィーにおいて記載される本明細書中の抗体の使用によって、達成され得る。この免疫吸着アフィニティークロマトグラフィーは、まず抗体を固相支持体に連結し、次いでこの連結された抗体を、適切な供給源細胞の可溶化した溶解物、このタンパク質を発現する他の細胞の溶解物、またはDNA技術の結果としてランゲリンタンパク質を生成する細胞の溶解物もしくは上清と接触させることによって、実行される。以下を参照のこと。
【0109】
(VIII.有用性)
本発明は、本明細書中の他の場所に記載されるような診断適用において、例えば、生理学的異常または発生学的異常についての一般的記載においてか、または以下のキットの説明において用途を見出す。この抗原は、診断法において、種々の細胞型(例えば、ランゲルハンス細胞)を単離するため、または生物学的サンプルの種々の種供給源を決定するための法医学方法の両方のために、有用である。本発明は、有意な治療的価値を有する試薬を提供する。ランゲリン(天然に存在するか、または組換え)、そのフラグメント、ムテイン、および抗体は、ランゲリンまたは抗体への結合親和性を有すると同定された化合物を伴って、そのリガンドまたは結合薬剤のランゲリンの異常な発現を示す状態の
処置において、用途を見出す。このような異常は、代表的に、免疫学的障害により表される。さらに、本発明は、そのリガンドまたは結合薬剤への応答の異常な発現または異常な誘発と関連する種々の疾患または障害において、治療的価値を提供する。このランゲリンリガンドまたは結合薬剤は、DCの成熟発生に関与すると推測される。ランゲリンはまた、治療的に関連する免疫応答を惹起するために、樹状細胞へ抗原を標的化するためのレセプターとして使用され得る。
【0110】
組換えランゲリン、ムテイン、あるいはそれらに対するアゴニスト抗体またはアンタゴニスト抗体、あるいは抗体が精製され得、次いで、患者に投与され得る。これらの試薬は、さらなる活性な成分と、例えば、従来の薬学的に受容可能なキャリアまたは希釈剤において、生理学的に無害の安定剤および賦形剤とともに、治療的用途のために組み合わされ得る。これらの組み合わせ物は、滅菌され得(例えば、濾過済み)、そして凍結乾燥により投薬バイアル中で投薬形態に、または、安定化された水性調製物中の貯蔵物に、配置される。本発明はまた補体結合ではない抗体またはその結合フラグメントの使用を意図する。
【0111】
ランゲリンまたはそのフラグメントを使用してランゲリン抗原への結合親和性を有する結合パートナーまたは化合物についてスクリーニングすること(結合した化合物の単離を含む)が、実施され得る。次いで、続く生物学的アッセイが、推定リガンドまたは結合薬剤が競合結合を提供し得、これが内因性刺激活性を阻止し得るか否かを決定するために利用され得る。ランゲリンフラグメントは、それがリガンドまたは結合薬剤の活性を阻止するという点で、ブロッカーまたはアンタゴニストとして使用され得る。本発明はさらに、アンタゴニストとして、ランゲリンに対する抗体の治療的用途を意図する。このアプローチは、他のランゲリンタンパク質の種改変体およびそのファミリーの他のメンバーを用いて特に有用である。
【0112】
有効な治療に必要な試薬の量は、投与の手段、標的部位、試薬の生理学的持続期間、薬理学的持続期間、患者の身体的状態、および他に投与された医薬を含む、多くの異なる因子に依存する。従って、処置投薬量は、安全性および有効性を最適化するために滴定されるべきである。代表的には、インビトロで用いられる投薬量は、これらの試薬のインサイチュ投与のために有用な量の有用なガイダンスを提供し得る。特定の障害の処置のための有効用量の動物試験は、ヒト投薬量のさらなる予測的指標を提供する。試薬の実際の投与量、処方、または組成物(免疫学的障害を調節する)は、生物の大きさおよび健常さを含む多くの因子に依存する。しかし、当業者は、臨床投与量を決定するために方法および技術を記載する教示を用い得る。例えば、以下を参照のこと:Spilker(1984)Guide to Clinical Studies and Developing Protocols,Raven Press Books、Ltd.,New York,esp、7〜13頁、54〜60頁;Spiker(1991)Guide to Clinical Trials、Raven Press,Ltd.,New York、Esp.pp.101;CraigおよびStitzel(1986編)Modern Pharmacology、第2版、Little、BrownおよびCo.,Boston,特に第127〜33頁;Speight(1987編)Avery’s Drug Treatment:Principles and Practice of Clinical Pharmacology and Therepeutics、第3版、WilliamsおよびWilkins、Baltimore、特に第50〜56頁;Tallaridaら(1988)Principles of General Pharmacology,Springer−Verlag、New York、特に第18〜20頁;Gilmanら(編)Goodman and Gilman’s:The Pharmacological Bases of Therapeutics、最新編、Pergamon Press;Remington’s Pharmacoceutical Sciences、最新編、Mack Publishing Co.,Easton,Penn.;およびRichら(1998)Clinical Immunology;Principles and Practice Vols I&II、Mosby,St.Louis,Mo.,(これら各々は、全ての図および図面を含むその全体が参考として本明細書において援用されている)。投与の方法は、その文献中および以下に考察されており、そして、例えば、以下である:経口投与、静脈内投与、腹腔内投与、または筋肉内投与、経皮拡散など。薬学的に受容可能なキャリアは、水、生理食塩水、緩衝液、および他の化合物(例えば、Merck Index,Merck & Co.,Rahway,New Jerseyに記載される)を含む。おそらく、推定リガンドもしくは結合因子とその結合パートナーとの間の高い親和性結合、またはターンオーバー数により、これらの試薬の低投与量が最初、有効であると予期される。従って、投与量範囲は、適切なキャリアとともに、通常、1mM未満の濃度、代表的には、約10μM未満の濃度、通常、約100nM未満、好ましくは、約10pM(ピコモル)未満、そして最も好ましくは約1fM(フェトモル)未満の量であることが、予期される。徐放性処方物または徐放性装置が、持続投与のためにしばしば利用される。
【0113】
ランゲリン(ランゲリン)抗原を保有することが示される細胞型、例えば、DC細胞および扁桃の上皮細胞において、他の異常な発生状態が既知である。Brew(編)The Merck Manual of Diagnosis and Therapy Merck & Co.,Rahway,N.J.;およびThornら、Harrison‘s Principles of Internal Medicine McGraw−Hill,N.Y.を参照のこと。これらの問題は、本明細書において提供される組成物を用いて予防または処置するのに容易であり得る。
【0114】
ランゲリン、そのフラグメント、ならびに抗体またはそのフラグメント、アンタゴニストおよびアゴニストは、処置されるべき宿主に直接投与され得るか、または、それらの投与の前に、化合物のサイズに依存して、キャリアタンパク質(例えば、オボアルブミンまたは血清アルブミン)にそれらを結合体化することが所望され得る。治療用処方物は、多くの従来の投与処方物中で投与され得る。活性成分は単独で投与され得るが、それは薬学的処方物として存在することが好ましい。処方物は、上記で規定される、少なくとも1つの活性成分を、その受容可能な1つ以上のキャリアとともに、含む。それぞれのキャリアは、他の成分と適合するという意味で、薬学的におよび生理学的にの両方で受容可能であり、かつ患者に無害でなければならない。処方物は、経口投与、直腸投与、経鼻投与、または非経口投与(皮下投与、筋肉内投与、静脈内投与、および皮内投与を含む)に適切な処方物を含む。この処方物は、単位投与量形態で便利に示され得、そして薬物の当該分野で周知の方法により調製され得る。例えば、Gilmanら(1990編)Goodman and Gilman’s:The Pharmacological Bases of Therapeutics、第8版、Pergamon Press;およびRemington’s Pharmaceutical Science、現行版、Mack Publishing Co.,Easton、Penn.;Avisら(1993編)Pharmaceutical Dosage Forms:Parenteral Medications Dekker、NY;Liebermanら(1990編)Pharmaceutical Dosage Forms:Tablets Dekker、NY;ならびにLiebermanら(1990編)Pharmaceutical Dosage Forms:Disperse Systems Dekker,NY.を参照のこと。本発明の治療は、他の治療剤と組み合わせられ得るかまたは一緒に用いられ得る。
【0115】
本発明のランゲリン特異的抗体およびランゲリンタンパク質の天然に存在する形態および組換え形態の両方は、結合活性について化合物をスクリーニングし得る、キットおよびアッセイ方法において特に有用である。短時間で何万もの化合物をスクリーニングすることを可能にするために、いくつかの自動アッセイの方法が近年開発されてきている。例えば、Fodorら(1991)Science 251:767〜773を参照のこと。これは、参考として本明細書において援用されており、そして固体基板上で合成される複数の規定のポリマーによる結合親和性の試験のための手段を記載している。適切なアッセイの開発は、本発明により提供される大量の精製された可溶性のランゲリンタンパク質が利用可能であることにより大きく促進され得る。
【0116】
本発明は、任意の種々の薬物スクリーニング技術において、組換え抗原を用いることによる化合物スクリーニングのために特に有用である。特定のリガンドまたは結合剤のスクリーニングにおいて組換えタンパク質を用いることの利点としては、以下が挙げられる:(a)特定の供給源から抗原の再生可能な供給源への改善;(b)アッセイにおいてより良好なシグナル対ノイズ比を与える、1細胞あたりの抗原分子の潜在的により多数の抗原;および(c)種改変体特異性(理論的には、より大きい生物学的特異性および疾患特異性を与える)。精製したタンパク質は、多数のアッセイ、代表的にはインビトロアッセイ(生物学的に関連する応答を評価する)において試験され得る。例えば、Coligan Current Protocols in Immunology;Hoodら、Immunology Benjamin/Cummings;Paul(1996編)Fundamental Immunology 第3版、Raven Press、NY;およびMethods in Enzymology Academic Pressを参照のこと。これはまた、例えば、相互作用する細胞からの、ランゲリンに結合するリガンドのスクリーニングにおいて有用である。
【0117】
薬物スクリーニングの1つの方法は、ランゲリン抗原を発現する組換えDNA分子で安定に形質転換されている真核生物宿主細胞または原核生物宿主細胞を利用する。他の機能的に等価の抗原からの単離において、抗原を発現する細胞は、単離され得る。このような細胞は、生存可能な形態または固定形態のいずれかで、標準的なタンパク質−タンパク質結合アッセイに用いられ得る。例えば、以下を参照のこと:Parceら(1989)Science 246:243〜247;およびOwickiら(1990)Proc.Nat’l Acad.Sci.USA 87:4007〜4011;これらは、本明細書において参考として援用され、そして細胞性応答を検出するための感度の良い方法を記載する。競合アッセイは、特に有用である、ここで細胞(ランゲリンタンパク質の供給源)は、標識した結合パートナーまたはリガンドへの公知の結合親和性を有する抗体(例えば、125I−抗体)、および結合組成物への結合親和性が測定される試験サンプルと接触され、そしてともにインキュベートされる。次いで、結合した標識結合組成物および遊離の標識結合組成物は、抗原結合の程度を評価するために分離される。結合した試験化合物の量は、既知の供給源への、標識したレセプター結合の量に反比例する。多くの技術が、遊離の抗原からの結合を分離し、結合の程度を評価するために用いられ得る。この分離工程は、代表的に、フィルターへの接着後の洗浄、プラスチックへの接着後の洗浄、または細胞膜の遠心分離ののような手順を含む。ランゲリンタンパク質媒介性機能(例えば、第二メッセンジャーレベル(すなわち、Ca++);細胞増殖;イノシトールリン酸プール変化;など)への薬物の効果についてスクリーニングするために、生存可能な細胞がまた用いられ得る。いくつかの検出方法(例えば、近接感受性検出システム(proximity sensitive detection system))により分離工程の排除が可能になる。Ca++レベルを検出するために、カルシウム感受性色素が有用である。これには蛍光定量計(fluorimeter)または蛍光細胞ソーティング装置をともなう。
【0118】
別の方法は、ランゲリンタンパク質の供給源として、形質転換した真核生物宿主細胞または原核生物宿主細胞由来の膜を利用する。これらの細胞は、膜会合ランゲリンタンパク質(例えば、操作された膜結合形態)の発現を指向するDNAベクターで安定に形質転換される。本質的に、この膜は、細胞から調製され、そしてレセプター/リガンド型結合結合アッセイ(例えば、上記の競合アッセイ)において用いられる。
【0119】
なお別のアプローチは、形質転換された真核生物宿主細胞または原核生物宿主細胞由来の、可溶化された未精製のランゲリンタンパク質または可溶化された精製ランゲリンタンパク質を用いることである。これは、特異性の増大した利点、自動化能力の利点、および高い薬物試験処理能力の利点を有する「分子」結合アッセイを可能にする。
【0120】
薬物スクリーニングのための別の技術は、ランゲリンに対して適切な結合親和性を有する化合物の高処理能力スクリーニングを提供するアプローチを含む、そしてその詳細は、1984年9月13日公開のGeysenの欧州特許出願84/03564(参考として本明細書に援用される)に記載されている。第一に、多数の異なる小ペプチド試験化合物は、固体基板(例えば、プラスチックピン)または他のいくつかの適切な表面上で合成される(Fodorら(1991)を参照のこと)。次いで、すべてのピンが可溶化した未精製のランゲリン結合組成物、または可溶化した精製ランゲリン結合組成物と反応され、そして洗浄される。次の工程は、結合した結合組成物を検出する工程を含む。
【0121】
合理的な薬物設計はまた、ランゲリンタンパク質および他のエフェクターまたはアナログの分子形状の構造的研究に基づき得る。エフェクターは、抗原結合に応答して他の機能を媒介する他のタンパク質、または抗原(例えば、ランゲリンリガンド)と通常、相互作用する他のタンパク質であってもよい。どの部位が特定の他のタンパク質と相互作用するかを決定する手段の1つは、物理的構造決定(例えば、X線結晶学または2次元NMR法)である。それらは、どのアミノ酸残基が分子接触領域を形成するかに関するガイダンスを提供する。タンパク質構造決定の詳細な説明については、例えば、BlundellおよびJohnson(1976)Protein Crystallography、Academic Press、New York(参考として、本明細書において援用される)を参照のこと。
【0122】
精製したランゲリンタンパク質は、前述の薬物スクリーニング技術における使用のためにプレート上に直接被膜され得る。しかし、これらのリガンドに対する非中和抗体は、固相上のそれぞれのリガンドを固定する捕獲抗体として用いられ得る。
【0123】
(IX.キットおよび定量化/検出)
本発明のランゲリン分子の天然に存在する形態および組換え形態は、特にキットおよびアッセイ方法において有用である。例えば、これらの方法は、これらのタンパク質についての結合活性(例えば、リガンドまたは結合因子)についてスクリーニングするために適用される。1年に何万もの化合物をスクリーニングするために、いくつかの自動アッセイの方法が近年開発されてきている。例えば、BIOMEK自動化ワークステーション、Beckman Instruments、Palo Alto、California、およびFodorら(1991)Science 251:767〜773(本明細書において参考として援用される)を参照のこと。後者は、固体基板上で合成される複数の規定のポリマーによる因子の結合親和性の試験のための手段を記載している。リガンドもしくは結合因子またはアゴニスト/アンタゴニスト相同体タンパク質についてスクリーニングするための適切なアッセイの開発は、本発明により提供されるような活性状態の、大量の精製された可溶性のランゲリンが利用可能であることにより大きく促進され得る。
【0124】
精製したランゲリンは、前述のリガンドまたは結合因子スクリーニング技術における使用のためにプレート上に直接被膜され得る。しかし、これらのタンパク質に対する非中和抗体は、固相上のそれぞれのランゲリンタンパク質を固定する捕獲抗体(例えば、診断的使用において有用)として用いられ得る。
【0125】
本発明はまた、ランゲリンタンパク質またはそのリガンドもしくは結合因子の存在を検出するための種々の診断キットおよび方法における、ランゲリン、そのフラグメント、ペプチドおよびそれらの融合産物の使用を意図する。あるいは、またはさらに、ランゲリン分子の対する抗体が、このキットおよび方法に組み込まれ得る。代表的には、このキットは、ランゲリンのタンパク質、フラグメント、ペプチドもしくは遺伝子セグメント、またはそれらの1方または他方を認識する試薬のいずれかを含む仕切りを有する。代表的には、認識試薬は、タンパク質またはそのフラグメントの場合、レセプターまたは抗体であり、遺伝子セグメントの場合は、通常、ハイブリダイゼーションプローブである。
【0126】
サンプル中のランゲリンの濃度を決定するために好ましいキットは、代表的に、標識した化合物(例えば、ランゲリンに対する結合親和性が既知のリガンド、結合因子、または抗体)、陽性コントロールとしてのランゲリン(天然に存在するかまたは組換えのランゲリン)の供給源、および遊離の標識した化合物から結合した標識化合物を分離するための手段(例えば、試験サンプル注のランゲリンを固定するための固相)を含む。試薬および指示書を含む仕切りが通常提供される。
【0127】
本発明はまた、結合組成物の存在を検出するための種々の診断キットおよび方法における、ランゲリン、そのフラグメント、ペプチドそれらの融合産物および結合組織物の使用を意図する。代表的には、このキットは、規定されたランゲリンペプチドもしくは遺伝子セグメント、またはそれらの1方または他方(例えば、抗原フラグメントまたは抗体)を認識する試薬のいずれかを含む仕切りを有する。例えば、Chen(編)(1987)Immunoassay:A Practical Guide Academic Press,Orlando、FL;PriceおよびNewman(編)(1991)Principles and Practice of Immunoassay Stockton Press,New York;ならびにNgo(編)(1988)Noisotopic Immunoassay Plenum Press、NYを参照のこと。
【0128】
試験化合物のランゲリンタンパク質に対する結合親和性を決定するためのキットは、代表的に、以下を含む:試験化合物;標識化合物(例えば、抗原に対する結合親和性が既知の抗体);ランゲリンタンパク質(天然に存在するかまたは組換え)の供給源;および抗原固定のための固相のような、遊離の標識化合物から結合した標識化合物を分離するための手段。一旦、化合物がスクリーニングされれば、抗原に対する適切な結合親和性を有する化合物は、当業者に周知のように、適切な生物学的アッセイにおいて評価され、それが天然の抗原に対して類似の生物学的活性を示すか否かが決定され得る。組換えランゲリンタンパク質ポリペプチドのアベイラビリティーはまた、このようなアッセイを較正するための規定の標準物を十分に提供し得る。
【0129】
サンプル中のランゲリンタンパク質の濃度を決定するための方法の1つは、代表的に以下の工程を含む:(1)ランゲリンタンパク質供給源に結合する膜からなるサンプルから膜を調製する工程;(2)膜を洗浄し、そしてそれを緩衝液中で懸濁する工程;(3)適切な界面活性剤が添加された培養培地において膜をインキュベートすることにより抗原を可溶化する工程;(4)可溶化抗原の界面活性剤濃度を調節する工程;(5)放射線標識した抗体と接触させ、そしてこの希釈液をインキュベートし、複合体を形成する工程;(6)ポリエチレンイミン処理フィルターを通す濾過によるような複合体を回収する工程;および(7)回収した複合体の放射活性を測定する工程。
【0130】
ランゲリンタンパク質またはフラグメントに特異的な抗原結合フラグメントを含む抗体は、ランゲリンタンパク質および/またはそのフラグメントのレベル増加の存在を検出するための診断適用において有用である。このような診断アッセイは、溶解物、生細胞、固定細胞、免疫蛍光検査、細胞培養物、組織サンプル、体液を使用し得、そしてさらに、血清におけるタンパク質に関連する抗原の検出などを含み得る。診断アッセイは、同種(遊離の試薬とタンパク質−タンパク質複合体との間の分離工程なし)であっても、または異種(分離工程あり)であってもよい。ラジオイムノアッセイ(RIA)、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、酵素免疫アッセイ(EIA)、酵素増加イムノアッセイ技術(EMIT)、基質標識蛍光イムノアッセイ(SLFIA)などのような種々の商業的アッセイが存在する。例えば、標識され、そしてランゲリンタンパク質またはその特定のフラグメントに対する抗体を認識する第2の抗体を用いることにより非標識抗体が、使用され得る。類似のアッセイは、また文献において広く考察されている。例えば、HarlowおよびLane(1988)Antibodies:A Laboratory Manual,CSHおよびColigan(1991編)および定期的補遺、Current Protocols In Immunology Greene/Wiley、New Yorkを参照のこと。
【0131】
抗イディオタイプ抗体は、ランゲリンタンパク質に対する抗体の存在を診断するための類似の用途を有し得、それ自体、種々の異常状態を診断し得る。例えば、ランゲリンタンパク質の過剰産生は、ランゲルハンス細胞に関連する異常な生理学的状態(例えば、アトピー性皮膚炎、好酸球性肉芽腫、組織球増殖症、全身性硬化症、およびランゲルハンス細胞肉芽腫症)を診断し得る、種々の免疫学的反応の生成を生じ得る。また、例えば、Richら(1998)Clinical Immunology:Principles and Practice 第I巻および第II巻、Mosby,St.Louis,Moを参照のこと。
【0132】
しばしば、診断アッセイのための試薬が、このアッセイの感受性を最適化するためにキットに供給される。本発明のために、アッセイ、プロトコールおよび標識の特徴に依存して、標識した抗体もしくは未標識の抗体、または標識したランゲリンタンパク質のいずれかが提供される。これは、通常、他の添加剤、例えば、緩衝剤、安定化剤、シグナル産生に必要な材料(例えば、酵素のための基質など)と組み合わされる。好ましくは、このキットは、適切な使用および使用後の含量の廃棄のための指示書を含む。代表的には、このキットは、それぞれの有用な試薬のための仕切りを有する。望ましくは、この試薬は、凍結乾燥粉末として提供される。ここでこの試薬は、水性媒体で再構成(溶解)され得、アッセイを実施するのに適切な濃度の試薬を提供する。
【0133】
薬物スクリーニングおよび診断アッセイの多数の前述の構成要素は、改変なしに用いられ得るか、または種々の方法で改変され得る。例えば、標識は、検出シグナルを直接かまたは間接的に提供する部分を共有結合または非共有結合により達成され得る。これらのアッセイにおいて、抗原、試験化合物、ランゲリンタンパク質、またはそれらに対する抗体は、直接または間接的のいずれかで標識され得る。直接標識するための可能性としては、以下の標識群が挙げられる:放射標識(例えば、125I)、ペルオキシダーゼおよびアルカリホスファターゼのような酵素(米国特許番号3,645,090号)、ならびに蛍光強度、波長偏向、または蛍光分極をモニタリングし得る蛍光標識(米国特許番号3,940,475号)。両方の特許は、参考として本明細書に援用される。間接的標識のための可能性としては、1つの構成要素のビオチン化、その後の上記の標識群の1つに結合したアビジンへの結合が挙げられる。
【0134】
遊離の抗原から結合した抗原を分離する多くの方法、あるいは遊離の試験化合物から結合した試験化合物を分離する多くの方法もまた存在する。ランゲリンタンパク質は、種々のマトリクス上に固定化され得、次いで洗浄され得る。適切なマトリクスとしては、プラスチック、例えば、ELISAプレート、フィルター、およびビーズが挙げられる。ランゲリンタンパク質をマトリクスに固定化する方法としては、プラスチックへの直接的な接着、捕捉抗体の使用、化学的カップリング、およびビオチン−アビジンが挙げられるが、これらに限定されない。このアプローチにおける最終工程は、例えば、有機溶媒(例えば、ポリエチレングリコール)または硫酸アンモニウムのような塩を利用する方法を含む、任意のいくつかの方法によるタンパク質−タンパク質複合体の沈殿を包含する。他の適切な分離技術としては、フルオレセイン抗体磁化(magnetizable)粒子方法(Rattleら(1984)Clin.Chem.30:1457−1461に記載される)、および二重抗体磁気粒子分離(米国特許第4,659,678号に記載される)(これらの各々は、本明細書において参考として援用される)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0135】
タンパク質またはそれらのフラグメントを種々の標識に連結するための方法は、文献において広範に報告されており、本明細書で詳細な議論を必要としない。多くの技術は、ペプチド結合を形成するためのカルボジイミドまたは活性なエステルのいずれかの使用を通じて活性化したカルボキシル基の使用、連結のためにメルカプト基と、活性化ハロゲン(例えば、クロロアセチル)または活性化オレフィン(例えば、マレイミド)との反応によるチオエーテルの形成などを包含する。融合タンパク質はまた、これらの適用における使用を見出す。
【0136】
本発明の別の診断的局面は、ランゲリンタンパク質の配列から得られたオリゴヌクレオチド配列またはポリヌクレオチド配列の使用を含む。これらの配列は、異常な状態(例えば、免疫学的障害)を有すると疑われる患者由来のサンプルにおける抗原メッセージのレベルを検出するためのプローブとして使用され得る。RNAヌクレオチド配列およびDNAヌクレオチド配列の両方の調製、これらの配列の標識化、ならびにこれらの配列の好ましいサイズは、文献に十分に記載および議論されている。通常、オリゴヌクレオチドプローブは、少なくとも約14ヌクレオチド、通常少なくとも約18ヌクレオチドを有するべきであり、そしてポリヌクレオチドプローブは、数キロベースまでであり得る。種々の標識(最も通常は放射性核種、特に32P)が、使用され得る。しかし、他の技術(例えば、ポリヌクレオチドへの導入のためにビオチン改変ヌクレオチドを使用する)もまた、使用され得る。次いで、ビオチンは、アビジンまたは抗体(これは、広範な種々の標識(例えば、放射性核種、蛍光剤(fluorescer)、酵素など)を用いて標識され得る)への結合のための部位として作用する。
【0137】
あるいは、特定の二重鎖(DNA二重鎖、RNA二重鎖、DNA−RNAハイブリッド二重鎖、またはDNA−タンパク質二重鎖を含む)を認識し得る抗体が、使用され得る。同様に、抗体が標識され得、そして二重鎖が表面に結合されて、アッセイが実施され、その結果、表面上の二重鎖の形成に際して、この二重鎖に結合される抗体の存在が、検出され得る。新規なアンチセンスRNAに対するプローブの使用は、従来の任意の技術(例えば、核酸ハイブリダイゼーション、プラスおよびマイナスのスクリーニング、組換えプロービング、ハイブリッド放出翻訳(hybrid released translation)(HRT)、ならびにハイブリッド停止翻訳(hybrid arrested translation)(HART))において実施され得る。これはまた、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)のような増幅技術を含む。
【0138】
他のマーカーの定性的存在または定量的存在についても試験する診断キットもまた、意図される。診断または予後は、マーカーとして使用される複数の指標の組合せに依存し得る。従って、キットは、マーカーの組合せについて試験し得る。例えば、Vialletら(1989)Progress in Growth Factor Res.1:89−97を参照のこと。
【0139】
(X.ランゲリン特異的結合パートナーの単離)
本明細書におけるランゲリンタンパク質の説明は、上記のように、ランゲリンリガンドまたはランゲリン結合因子を同定するための手段を提供する。このようなリガンドまたは結合因子は、かなり高親和性で、特異的に(例えば、選択的に)ランゲリンまたはそのフラグメントに結合するべきである。代表的なリガンドまたは結合因子の結合定数は、少なくとも約30mM、例えば、一般に少なくとも約3mM、より一般には少なくとも約300μM、代表的には少なくとも約30μM、3μM、300nM、30nMなどである。リガンドまたは結合因子のいずれかを検出するためのランゲリンの標識化を可能にする種々の構築物が利用可能にされる。例えば、ランゲリンの直接標識化、二次標識化についてのマーカー(例えば、FLAGまたは他のエピトープタグなど)への融合は、結合因子またはリガンドの検出を可能にする。これは、生化学的精製、または発現クローニングアプローチにおける標識化もしくは選択のためのアフィニティー方法として組織学的であり得る。利用可能なランゲリン配列を用いて適切な構築物を作製するツーハイブリッド選択系もまた、適用され得る。例えば、FieldsおよびSong(1989)Nature 340:245−246を参照のこと。
【0140】
ランゲリンタンパク質は、例えば、発現の発生特異性および細胞型特異性を示す他の細胞マーカーに対する構造および機能におけるその類似性に基づいて、リガンドと相互作用するべきである。リガンドを単離するための方法は、スクリーニングプログラムのために精製ランゲリンを作製する能力によって利用可能にされる。本明細書中に提供されるランゲリン配列を用いた可溶性構築物または他の構築物は、ランゲリン特異的リガンドのスクリーニングまたは単離を可能にする。
【0141】
一般に、ランゲリンの説明は、ランゲリンならびに/またはランゲリン試薬およびランゲリン組成物に関する個々の特定の実施態様に対して、類似して適用可能である。
【0142】
さらなる推敲なく、当業者は、前述の説明を使用してその最大の程度まで本発明を利用し得ると考えられる。以下の実施例は、本発明を作製および使用するように例示の目的のために単に示されており、本発明者らが本発明者らの発明とみなす範囲を制限することを意図もしないし、解釈されるべきでもない。以下で他に示されない限り、部は、重量部であり、分子量は重量平均分子量であり、温度はセ氏温度であり、そして圧力は大気圧またはその近傍である。
【0143】
(実施例)
(一般的方法)
いくつかの標準的方法は、例えば、Maniatisら(1982)Molecular Cloning,A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor Press;Sambrookら(1989)Molecular Cloning:A Laboratory Manual(第2版),第1〜3巻,CSH Press,NY;Ausubelら、Biology,Greene Publishing Associates,Brooklyn,NY;またはAusubelら(1987および補遺)Current Protocols in Molecular Biology,Greene/Wiley,New York;Innisら(編、1990)PCR Protocols:A Guide to Methods and Applications,Academic Press,N.Y.に記載されるかまたは参照され;これらの全ては、各々、本明細書において参考として援用される。タンパク質精製のための方法としては、硫酸アンモニウム沈殿、カラムクロマトグラフィー、電気泳動、遠心分離、結晶化などのような方法が挙げられる。例えば、Ausubelら(1987および定期的な補遺);Deutscher(1990)「Guide to Protein Purification」,Methods in Enzymology 第182巻,ならびにこのシリーズの他の巻;Coliganら(1995および補遺)Current Protocols in Protein Science,John Wiley and Sons,New York,NY;Matsudaira(編、1993)A Practical Guide to Protein and Peptide Purification for Microsequencing,Academic Press,San Diego,CA;ならびにタンパク質精製産物の使用に際しての製造業者の文献(例えば、Pharmacia,Piscataway,NJ、またはBio−Rad,Richmond,CA)を参照のこと。組換え技術との組合せは、適切なセグメントへの(例えば、FLAG配列またはプロテアーゼ除去可能配列を介して融合され得る等価物への)融合を可能にする。例えば、Hochuli(1989)Chemische Industrie 12:69−70;Hochuli(1990)「Purification of Recombinant Proteins with Metal Chelate Absorbent」、Setlow(編)Genetic Engineering,Principle and Methods 12:87−98,Plenum Press,N.Y.;およびCroweら(1992)OIAexpress:The High Level Expression & Protein Purification System,QUIAGEN,Inc.,Chatsworth,CAを参照のこと:これらは、本明細書において参考として援用される。
【0144】
FACS分析は、以下に記載される:Melamedら(1990)Flow Cytometry and Sorting,Wiley−Liss,Inc.,New York,NY;Shapiro(1988)Practical Flow Cytometry Liss,New York,NY;およびRobinsonら(1993)Handbook of Flow Cytometry Methods,Wiley−Liss,New York,NY。
【0145】
(実施例1)
(樹状細胞クローン)
(臍帯血CD34+HPCの収集および精製)
臍帯血サンプルを、ヒトサンプルについて標準の学会(institutional)指針に従って得た。CD34抗原を保有する細胞を、抗CD34mAb(Immu−133.3,Immunotech,Marseille,France)およびヤギ抗マウスIgGコートマイクロビーズ(Miltenyi Biotec)を使用して、Mininacs分離カラム(Miltenyi Biotec,Bergish Gladbach,Germany)を用いるポジティブ選択によって単核画分から単離した。全ての実験において、単離した細胞は、抗CD34mAbを用いて染色することによって判断されるように、80〜99% CD34+であった。
【0146】
(造血因子)
組換えヒト(rh)GM−CSF(比活性:2×106U/mg;Schering−Plough Research Institute,Kenilworth,NJ)を、100ng/ml(200U/ml)で使用し;rhTNF−α(比活性:2×107U/mg;Genzyme,Boston,MA)を、2.5ng/ml(50U/ml)で使用し;rhSCF(比活性:4×105U/mg;R&D,Abington,UK)を、25ng/mlで使用し;rhIL−4(比活性:107U/mg;Schering−Plough Research Institute)を、5ng/mlで使用し;そしてrhTGF−β1(R&D)を、1ng/mlで使用した。
【0147】
(CD34+HPCからの樹状細胞生成)
CD34+HPCの培養物を、10%熱非働化ウシ胎仔血清(FBS;Flow Laboratories,Irvine,UK)、10mM Hepes、2mM L−グルタミン、5×10-5M 2−メルカプトエタノールおよびゲンタマイシン(80μg/ml)を補充したRPMI 1640(Gibco BRL,Gaithersburg,MD)からなる無エンドトキシン培地(完全培地といわれる)中、GM−CSF、SCFおよびTNF−αの存在下で、Cauxら(1992)Nature 392:258−261に記載されるとおりに樹立した。
【0148】
CD34+細胞を、2×104細胞/mlで25〜75cm2培養フラスコ(Corning,New York;NY)中に接種した。最適条件を、新鮮なGM−CSFおよびTNF−αを含む培地で4日目に培養物を分割することによって維持した。いくつかの実験において、TNF−αを、7日目に、TGF−βによって置換した。他の実験において、DCを、ヒトCD40リガンド(L)遺伝子(C.van Kooten博士によって樹立された細胞株(van Kootenら(1994)Eur J Immunol 24:787−92))で安定にトランスフェクトしたマウスLtk-線維芽細胞L細胞を用いて9日目または12日目に活性化した。簡潔には、105の照射CD40L L細胞(7,500ラド)を、GM−CSFの存在下で、5 105のCD34由来のDCとともに接種した。
【0149】
(表皮細胞の単離)
表皮細胞懸濁物を、乳房の再建形成外科(reconstructive plastic surgery)を受けた患者の正常皮膚から得た。皮膚を、角膜切開刀セット(keratome set)で切断し、そして皮膚−表皮スライスを、Ca2+およびMg2+を含まないHankの平衡塩溶液中で、0.05%トリプシン(Sigma)を用いて4℃にて18時間処理した(Seromed,Biochrom KG,Berlin,FRG)。表皮を、微小鉗子を用いて皮膚から分離した。表皮シート細胞懸濁物を、引き続く組織転置(dislocation)および滅菌ガーゼ(gaze)による濾過によって得た。ランゲルハンス細胞の濃縮を、Lymphoprep(Nycomed Pharma,Oslo,Norway)上の密度勾配遠心分離によって得た。
【0150】
(実施例2)
(抗体およびフローサイトメトリー)
単一細胞染色のために、細胞を、以下のmAbを使用して標識した:抗E−カドヘリン(SHE 79.7;Takara,Shiga,Japan)、抗−MHCクラスII(HLA−DR)(Becton Dickinson)、および抗Lag。この全ては、FITC結合体化ヤギ抗マウスイムノグロブリン(Dako,Glostrup,Denmark)によって現れた。二重染色のために、細胞を、フィコエリトリン(PE)結合体化ヤギ抗マウスイムノグロブリン(Dako)によって現れるmAb DCGM4で標識し、そして5%マウス血清中での飽和後、FITC結合体化抗CD1a(Ortho,Raritan,NJ)で標識した。ネガティブコントロールを、無関連のマウスmAbを用いて実施した。蛍光を、FACSCANフローサイトメーター(Becton Dickinson)を用いて決定した。細胞質内の表現型分類(intracytoplasmic phenotyping)のために、細胞を、同じ手順を使用して、PBS、0.3%サポニン(Sigma)および5%BSA中で染色した。
【0151】
(実施例3)
(生化学)
タンパク質を、150mM NaCl、5mM EDTA、1% Triton X100およびプロテアーゼインヒビター(完全Mini、Boeringer Mannheim)を含有する50mM Tris−HCl(pH8)緩衝液の、100μl/107細胞の凍結ペレットへの添加によってTGF−βを補充した、CD34由来のDCから抽出した。4℃にて1時間後、サンプルを遠心分離して細胞細片を除去した。次いで、上清を、Dynabeads M−450ヒツジ抗マウス磁気ビーズ(Dynal,Oslo,Norway)に共有結合したDCGM4とともに4℃で1時間インキュベートした。ビーズを、Dynal磁気粒子濃縮機の使用によって抽出緩衝液で洗浄し、そして50μl SDS−PAGEサンプル緩衝液の存在下で煮沸するか、または100μlの、0.5M グリシン、0.15M NaCl(pH2.3)中で4分間再懸濁した。次いで、上清を、3.5μlの飽和Tris溶液で中和した。SDS−PAGE分析を、10〜15%勾配ゲル(Pharmacia Biotech)においてPhastSystemを用いて実施し、そしてゲルをクーマーシーR250で染色した。2−D分析を、Immobiline DryStrip pH3〜10を有するMultiphor IIフラットベッドシステムおよび2次元のためのExcelgel SDS 8〜18%(Pharmacia Biotech)上で実施し、そしてゲルを銀染色した。Dynabeadsに連結したIgGから溶出したタンパク質の透析サンプルを、N−グリコシダーゼF(Boehringer−Mannheim)を用いて37℃で一晩消化した。元々のサンプルの5マイクロリットルまたは消化したサンプルの10マイクロリットルを、ニトロセルロース上に置き、そしてDIGグリカン検出キット(Boehringer−Mannheim)を用いて処理した。
【0152】
(実施例4)
(ランゲリンの精製)
DCGM4発現細胞を、大規模タンパク質抽出のために使用する。このタンパク質を穏やかに可溶化し、そして得られたランゲリンを、タンパク質精製の標準的な方法を使用して精製する。クロマトグラフィー方法を使用し、そしてイムノアフィニティー技術を適用し得る。ランゲリンタンパク質に、引き続きSDS PAGEおよび/またはイムノアッセイを行う。診断方法を使用して、このタンパク質が実質的に純粋であることを確認する。
【0153】
精製したタンパク質を、タンパク質の微小配列決定のために使用する。例えば、Matsudaira(編、1993)A Practical Guide to Protein and Peptide Purification for Microsequencing,Academic Press,San Diego,CAを参照のこと。配列データを使用して配列データベース(例えば、GENBANK)を検索し、ランゲリンをコードする天然遺伝子を見出す。あるいは、この配列データは、例えば、縮重PCRプライマーなどを使用してランゲリンをコードする核酸を単離するために有用である。
【0154】
タンパク質はまた、さらなる抗体を惹起するために使用される。このような抗体は、ポリクローナルであってもよいし、モノクローナルであってもよい。このタンパク質を使用して、力価および親和性をアッセイおよび測定し得る。免疫の標準的方法は、上記のように利用可能である。
【0155】
(実施例5)
(インターナリゼーションアッセイ)
TGF−βを補充したCD34由来のDCを、上記で詳説されるとおりに生成し、そして、インターナリゼーションを、Cellaら(1997)J.Exp.Med.185:1743−51に記載されるとおりに実施した。1アリコートの細胞を、RPMI、0.1%グルタルアルデヒドを用いて5分間、室温で固定し、そして別のアリコートを固定することなく使用した。両方のサンプルを、氷上で40分間、mAb DCGM4またはmAb DCGM1を用いて染色し、そして氷上で1時間、ビオチン標識F(ab’)2ヤギ抗マウスIgG(Jackson ImmunoResearch Laboratories,PA)とともにインキュベートした。次いで、細胞を、種々の時間の間、37℃の水浴中に置き、氷上で冷却し、そしてPE結合体化ストレプトアビジン(Becton Dickinson)を用いて染色した。洗浄後、細胞を、FACSによって分析した。インターナリゼーションの測定を、4℃で保存したコントロールサンプルと比較した細胞表面メジアン蛍光強度(MFI)の減少割合によって与える。固定細胞において観察されたMFIの減少割合を、37℃での抗体の解離速度(off−rate)の尺度とした。log10のプロットの線形回帰分析(メジアン蛍光の割合)対時間を実施し、そして膜結合複合体の摂取速度(k)および半減期(t1/2)を、k(%/分)=−2.303m×100、およびt1/2(分)=log2/mの関係を使用して、得られた直線の傾き(m)から算出した(Leslie,EJI 1980)。ここでは、マクロファージのマンノースレセプターを認識するこのmAb DCGM1は、出願人によって生成され、そしてレセプター媒介エンドサイトーシスについてのポジティブコントロールとして使用した。
【0156】
(実施例6)
(DCGM4モノクローナル抗体の生成および特徴付け)
BALB/cマウス(Iffa Credo,Les Oncins,France)を、フロイントアジュバント(Sigma Chemical Co.,St.Louis,MO)を用いて、CD34由来のDC(106細胞)の3回の腹腔内注射によって免疫した。最終注射の3日後、脾細胞を、ポリエチレングリコール−1000(Sigma)を使用してマウス骨髄腫細胞株SP2と融合した。ハイブリッド細胞を、96ウェルFalcon組織培養プレート(Falcon,Lincoln Park,NJ)中に置き、そしてストレプトマイシン(100μg/ml)、ペニシリン(100U/ml)、グルタミン(2mM)、10%ウマ血清(Life Technologies)、1%培養培地添加物(CRTS,Lyon,France)、10-5M アザセリン(Sigma)および5×10-5Mヒポキサンチンを補充したDMEM F12(Life Technologies,Gaithersburg,MD)を与えた。上清を、CD34由来のDCおよび3つの無関連の細胞型(すなわち、末梢血多核細胞、PHAで活性化したTリンパ球、および骨髄細胞株KG1(ATCC;Rockville,MD))との反応性についてスクリーニングした。選択したハイブリドーマを、限界希釈によってクローン化し、そして腹水を、BALB/cマウスにおいて生成した。MAb DCGM4を、DEAE A50(Pharmacia Biotech,Uppsala,Sweden)でのアニオン交換クロマトグラフィーによって精製し、そして標準的手順を使用して、フルオレセインおよびビオチンと結合した。Igアイソタイプを、マウスハイブリドーマサブタイプ分類(subtyping)キット(Boehringer−Mannheim,Mannheim,Germany)を使用してELISAによって決定した。
【0157】
(実施例7)
(免疫組織学)
アセトン固定化凍結切断(aceton−fixed cryocut)組織切片または細胞サイトスピン(cytospin)調製物の顕微鏡スライドを、mAbとともに60分間、そして続いてビオチン化ヒツジ抗マウスIg(The Binding Site,Birmingham,UK)とともに30分間インキュベートした。アルカリホスファターゼ(Biosource,CA,USA)に結合したストレプトアビジンとの30分のインキュベーション後、酵素活性を、Fast Red基質(Dako)を使用して発現(develop)させた。マウスIgG1抗体DCGM4およびIgG2b抗CD1a(Immunotech)を用いる二重染色を、ヒツジ抗マウスIgG1(The Binding Site)、続いてマウス抗アルカリホスファターゼ−アルカリホスファターゼ複合体(Dako)(APAAP technique)、およびビオチン化ヒツジ抗マウスIgG2b(The Binding Site)、続いてExtrAvidin−ペルオキシダーゼ(Sigma)によって示した。ヤギ抗sIgD−ビオチンおよびDCGM4−ビオチン(Lagを用いる二重染色について)の結合を、ExtrAvidin−ペルオキシダーゼによって直接的に示した。アルカリホスファターゼ活性およびペルオキシダーゼ活性は、Fast Blue基質(Sigma)および3−アミノ−エチルカルバゾール(Sigma)を使用してそれぞれ実証された。
【0158】
(実施例8)
(電子顕微鏡観察)
ランゲルハンス細胞を富化した上皮細胞懸濁物を、コントロールのマウスIgG1(Sigma)、抗CD1a(DM]C1 mAb;REF)、またはDCGM4とともに1時間4℃でインキュベートした。洗浄後、細胞を、5nMのコロイド金粒子と結合体化したヤギ抗マウスIgG(GAM−nM)(Amersham、住所、France)とともに30分間4℃でインキュベートした。細胞を、直ぐに18時間、カコジル酸緩衝液中の2%グルタルアルデヒドで固定し、続いて少なくとも24時間スクロースを有するカコジル酸緩衝液中で洗浄したか、または固定前に37℃もしくは室温に暖めた。サンプルを、スクロースを有するカコジル酸緩衝液中の1%オスミウムとともに1時間後固定し、脱水し、そしてエポキシ樹脂中に包埋した。超薄片を酢酸ウラニルおよびクエン酸鉛で後染色し、そしてJEOL 1200 EX電子顕微鏡(CMEABG、Universite’ de Lyon、Lyon、France)上で検査した。細胞表面抗原密度の定量的な評価を、Lafferty、ら(1981)J.Histochem Cytochem 29:49−56)に従って行った。細胞膜に沿って結合した金顆粒の数を計数し、そしてその細胞の総合的な周囲をミニモップ(minimop)形態測定分析機(Zeiss)を装着した顕微鏡写真上で測定した。結果を100μmの細胞膜あたりの金顆粒の数として表す。各群の細胞につき、少なくとも20〜30細胞片から計数を得た。次いで、平均および標準偏差を決定した。
【0159】
(実施例9)
(共焦点顕微鏡観察)
細胞間免疫蛍光染色を、Winzler、ら(1997)J.Exp.Med.185:317−28によって以前に記載されるように行った。ポリリジンコーティングし、そして15分間4%パラホルムアルデヒドで固定したカバースリップ上の細胞を、10mMグリシン中で洗浄し、次いで0.5%サポニン、0.2%BSAで30分間透過化した。カバースリップを30分間室温で、透過化培地中で最終濃度5μg/mlの、抗LAMP−1(Pharmingen、San Diego、CA)、抗HLA−DR(Becton Dickinson)または抗Lag(Kashishara、ら J Invest Dermatol 87:602−607)とともにインキュベートした。3回の洗浄後、細胞を、二次標識抗体(テキサスレッドと結合体化したロバ抗マウス(Vector Laboratories、Burlingame、CA))とともに30分間インキュベートし、洗浄し、そして30分間マウス免疫前血清とともにインキュベートし、再び洗浄し、2%パラホルムアルデヒドとともに後固定し、そして最後に30分間フルオレセインと結合体化したmAb DCGM4(FITC)とともにインキュベートした。洗浄後、カバースリップをフルオロマウント(fluoromount)(Southern Biotechnology Associates Inc.、Birmingham、AL)を備えたガラススライドにはめた。共焦点顕微鏡観察を、アルゴン/クリプトンイオンレーザと接続し、かつ蛍光フィルターおよび検出器を備えたConfocal Laser Scanning Microscope TCS 4D(Leica Lasertechnik GmbH,Heidelberg、Germany)を用いて行い、FITCおよびテキサスレッドマーカーを同時記録することを可能とした(Rovere、ら(1998)Proc.Nat.Acad.Sci.USA 95:1067−1072)。
【0160】
(実施例10:ランゲリンに対して反応性のモノクローナル抗体DCGM4の選択)
854のハイブリドーマからの上清を、GM−CSFおよびTNF−αにおいて12日間培養した、CD34+HPCから得たDCに対する反応性についてスクリーニングした。並行して、その上清を、3つの無関連の細胞型(すなわち、末梢血多核細胞、PHAで活性化されたTリンパ球および骨髄細胞株KG1)に対する反応性についてアッセイした。1つのハイブリドーマ(DCGM4と命名される)からの上清がDCのマイナーなサブセットとのみ反応し、そしてディファレンシャルスクリーニングの他の細胞型とは反応しないことが見出された。
【0161】
このハイブリドーマを、限界希釈することによってクローニングした。この抗体を、腹水中で産生させ、そして続いてDEAEクロマトグラフィーを使用して精製した。MAb DCGM4は、ELISAによって決定したところ、IgG1/κアイソタイプであると見出された。DCサブセットに対して制限された、観察された反応性が、特に興味深いようであったことから、mAb DCGM4をさらなる研究のために選択した。最後に、初期の実験がLCが陽性に染色されたことを示すことから、本発明者らは、mAb DCGM4によって認識される抗原をランゲリンと名づけた。
【0162】
(実施例11:ランゲリンは、ランゲルハンス型未熟樹状細胞において選択的に発現する)
GM−CSFおよびTNF−αの組みあわせとともに12日間培養したCD34+HPCは、CD1a+ DCへと分化した(Caux、ら(1996)J Exp Med 184:695−706)。そのような培養の間のランゲリンの発現を、調査した。ランゲリンは、臍帯血CD34+ HPCに由来するCD1a+樹状細胞のサブセットによって発現する。GM−CSFおよびTNF−αにおけるCD34+ HPCの培養の間のCD1aおよびランゲリン発現の反応速度論を、種々の時点で決定し、細胞を回収し、そして抗CD1a−FITCならびにDCGM4および抗マウスIgG−PEを用いて二重標識した。結果は、5つの実験の代表である。
【0163】
染色は、0日目にも6日目にも検出されなかった。このことは、CD34+ HPCおよびそのすぐの子孫がランゲリンを発現しないことを示す。この抗原は、CD1a+細胞の小さなサブセット上に7日目に現れた。7日目と12日目との間に、ランゲリンの発現は最大に達し、15〜35%のCD1a+細胞が染まった。培養物におけるランゲリン発現細胞の樹状性の性質を、DCGM4+ FACS選別した細胞のサイトスピン調製によって確認した。
【0164】
Caux、ら(1996)J.Exp Med 184:695−706は、さらに、CD34+ HPCが異なる前駆体サブセットに由来する独立した2つの経路に沿って分化することを示した。このサブセットは、培養の間の初期(5日目〜7日目)にCD1aおよびCD14の相互に排他的な発現によって同定される。そのような前駆体を、FACS選別によって、6日目に分離し、そしてGM−CSFおよびTNF−αでさらに6日にわたり培養した場合、ランゲリンは、ほとんど、CD14由来のDC(16%)に比して、CD1a由来のDC(40%)上で発現していることが見出された。CD1a由来のDCは、ランゲルハンス細胞と関連する特徴を表すことが示されており、これには、バーベック顆粒球の存在が含まれる。
【0165】
次に、ランゲリンのインサイチュ分布を、種々のヒト組織の免疫組織学的分析によって試験した。ランゲリンは、LC様DCによって選択的に発現される。ランゲリン発現の免疫組織学的分析を皮膚、扁桃および肺の切片において行った。上皮内では、ランゲリンはLCにおいてのみ見出され、これはまた、抗Lag抗体および抗CD1a抗体でも染色される。皮膚では、mAb DCGM4またはmAb DCGM4および抗Lag抗体もしくは抗CD1aでの染色は、LCによって陽性のランゲリン発現を示した。扁桃では、ランゲリン陽性の細胞は、上皮内に見出された(例えば、小胞性外套B細胞)。数個の細胞が、ときおり、T細胞領域において染色されたが、胚中心のランゲリン+細胞においては全く観察されなかった。この細胞はまた、肺上皮において顕著に存在する。肺では、mAb DCGM4およびヘマトキシリンでの対比染色は、気管支上皮においてのみLC様のランゲリン+細胞を示した。ランゲリン+ DCは、樹状性形態を示した。コントロールAbにおいては染色されなかった。これらの結果は、5つの実験の代表である。
【0166】
CD34由来のDCとは対照的に、mAb DCGM4は、GM−CSFおよびIL−4の組合せとともに6日間培養した末梢血単球から得られたDCとは反応しなかった。従って、このことは、さらに、ランゲリン発現の制限を確認する。同様に、ランゲリンは、末梢血から単離した、エキソビボで精製したDCからも、扁桃から単離した生殖中心DCにおいても、いずれにおいても検出されなかった。
【0167】
最後に、mAb CCGM4を、異なる造血由来細胞型のパネルに対する反応性について分析した。ランゲリンは、エキソビボで単離したTリンパ球、Bリンパ球、単球、または顆粒球においても、骨髄系細胞株(HL60、KG1、U937、THP1)においてもリンパ系細胞株(Jurkat、JY、PREALP)においても見出されなかった。
【0168】
まとめると、上記のデータは、ランゲリン発現が、未熟なDC区画に制限されており、そしてDC成熟において次第に欠失することを示唆する。
【0169】
(実施例12:ランゲリン発現は、TGF−βによって上方制御され、そしてCD40活性化の後に減少する)
mAb DCGM4がLC様未熟DCと選択的に発現することが見出されたことから、DC成熟に影響を与える因子がランゲリンの発現レベルに影響を与えるか否かを試験した。
【0170】
インビトロおよびインビボでの研究は、TGF−βが、LC発生における必須の役割を果たすことが示された。従って、インビトロ由来のDCによる、TGF−βのランゲリン発現に対する効果を評価した。
【0171】
評価を行うために、臍帯血CD34+HPCを、7日目〜12日目にTGF−βの非存在または存在下で、GM−CSFおよびTNF−α中で12日間培養した。続いて、このDCを、2日間、CD40LでトランスフェクトしたL細胞とともに培養した。細胞を、0.1%サポニンを用いた前処理なしの、またはその後の染色のために、FITC結合体化した抗マウスIgによって明らかとなったmAbを用いて処理した。この結果は、5を超える実験の代表である。
【0172】
CD34由来のDCに、TGF−βを培養の最後の3日間(9日目〜12日目)補充した。これによって、ランゲリン発現の強力な上方制御がもたらされた。ランゲリン+細胞の割合を増すことに加えて、TGF−βは、1細胞あたりの表面膜分枝の平均数を増加させた(TGF−βなしで33×103の代わりに93×103)。TGF−βの効果は、ランゲリンマーカー(例えば、バーベック顆粒球関連抗原Lag)を通常欠いている、CD12由来のDCサブセット上で主に発揮された。ランゲリン発現は、形質膜に限定されないが、これはまた、膜透過性の後に細胞間で検出される。細胞間のランゲリンのレベルはまた、TGF−βによって顕著に増強した。TGF−βはまた、LCマーカーLagおよびE−カドヘリンの発現を増加させたが、Lagは、細胞表面上では検出されなかったこともまた見出された。
【0173】
DC成熟を誘導することが知られるサイトカインであるTNF−αを培養の最後の3日間除去することによって、TGF−βの存在または非存在にかかわりなく、ランゲリン発現が上方制御された。この結果に一致して、ランゲリン表面膜発現における強力な減少は、CD40L(同時刺激分子の上方制御を含むDCの成熟を惹起するシグナル)での活性化の後にHLA−DRの増加を伴うことが見い出された。まとめると、これらの結果は、LC表現型を誘導するTGF−βは、ランゲリン発現を上方制御するが、DC成熟を惹起するシグナルは、ランゲリン発現を減少させることを確認する。
【0174】
(実施例13:細胞間ランゲリンおよびLagは、未熟DCに同時局在化するが、活性化の際に解離する)
ランゲルハンス細胞の独特の特徴は、細胞質間のバーベック顆粒球(BG)の存在である。ランゲリンがランゲルハンス型DCにおいて選択的に発現することが見出されたことから、Lag抗原とのランゲリンの関係をさらに試験した。従って、TGF−βを補充し、そして高い比率の、電子顕微鏡観察によって検出されるBG+細胞を含むCD34由来のDCを、二連蛍光染色および共焦点顕微鏡観察によって分析した。CD34由来のDCにTGF−βを、培養の7日目〜9日目に補充した。二重色共焦点レーザー走査顕微鏡観察を9日目およびCD40Lの活性化後のその2日後に実施した。ランゲリン陽性およびLag陽性のベシクルは、9日目に未熟DCを同時局在化したことが見出された。CD40L活性化後、ランゲリン+Lag-染色が、核付近に観察された。同時局在化は、ランゲリンとHLA−DRまたはLAMP−1との間で、CD40L活性化に拘らず検出された。ランゲリンおよびLagは、顕著な細胞間同時局在化を示すことが見出された。しかし、驚くべきことに、2つのマーカーの局在化は、CD40Lでの活性化の際に分離した。従って、ランゲリンは、核の非常に近傍ではLagの日存在下で見出されるが、2つのマーカーの同時局在化された発現は、表面膜の直ぐ下に残っていたのみであったことが見出された。
【0175】
これらの結果は、ランゲリンが、Lagとは異なり、そしてランゲリンが、DC活性化の間の細胞の深い区画に向けて経路が採られることを示す。最後に、ランゲリンは、CD40架橋による活性化に拘らず、リソソームマーカーのLAMP−1とも、HLA−DRとも同時局在化はしていないことが見出された。
【0176】
(実施例14:ランゲリンは、エンドサイトーシス構造およびバーベック顆粒球と関連する)
ランゲリンは、細胞表面において発現される(膜透過性の非存在下におけるFACSによって検出されるように)ことから、電子顕微鏡観察を、上皮細胞懸濁物において行って、その正確な分布を分析した。ランゲルハンス細胞は、そのような懸濁物において、折り畳まれた核、ケラチン繊維の欠如、デスモソームおよびメラノソームの欠如、および特徴的なBGの存在によって容易に認識可能である。
【0177】
上皮細胞懸濁物を、上記のように入手した。mAbは、5nm金標識したヤギ抗マウス IgG1によって明らかになった。CD1aは、細胞表面において均一の分配されているが、ランゲリンは、しばしば、膜厚領域に会合している。細胞膜サンドイッチ構造およびコーティングされたピットを、DCGM4を用いて、4℃で染色することで可視化した。37℃でのインキュベーションの際、細胞膜金粒子染色含有ベシクルおよびバーベック顆粒が見られた。DCGM4染色および金粒子は、BGの内腔側に現れた。これらの結果は、異なる皮膚サンプルにおける3つの実験の代表である。
【0178】
DCGM4および5nmの金粒子での4℃での染色は、ランゲリンが、LCにおいて細胞表面と明らかに会合しているが、CD1aより低密度で(161.5±97.1対1589.1±418.8金粒子/100μm膜)あったことが確認された。単一の金粒子に加えて、自然なクラスター化が、その抗体を超遠心分離したにもかかわらずDCGM4を用いて観察された。イソ型適合コントロール8マウスIgGlは、LCには結合しなかった(1.3±3.4顆粒/100μm)。DCGM4の標識は、上皮細胞懸濁物に存在するケラチノサイトでもメラノサイトでも観察されなかった。
【0179】
CD1aのやや均一な分布と比較すると、ランゲリンは、細胞表面でランダムに分布されていなかったが、しばしば、膜肥厚の特定の領域と関連した。さらに、DCGM4は、典型的なエンドサイトーシス被覆小窩を、細胞膜で4℃にて誘導した。被覆小窩の数は、抗CD1aまたはコントロールマウスIgG1を用いる染色と比較して、DCGM4によって有意に増大(平均3.6倍)した。特に、DCGM4染色の間に誘導した被覆小窩は、金粒子を含んでいた。さらに、細胞を固定の前に暖めさせた場合、DCGM4染色が、37℃にて2分後に、すでに被覆小胞の内側で観察された。これらのデータは、ランゲリンが、レセプター媒介エンドサイトーシスの初期の工程の構造特性と関連することを実証する。
【0180】
4℃にてDCGM4で染色することはまた、細胞表面での細胞膜サンドイッチ(sandwiching)構造の形成を生じた。一貫して、4℃でのDCGM4の後に、金標識化BGは、細胞膜に密接して見られ、そして細胞を37℃にて2分間暖めた場合、細胞質の内側に見出された。このBGを、それらの中心線条(central striated)ラメラまたはそれらの球(blub)において標識した。
【0181】
まとめると、これらの結果は、ランゲリンがエンドサイトーシス構造と関係し、そしてまた、細胞膜からバーベック顆粒に接近し得ることを示す。
【0182】
(実施例15)
(ランゲリンは、DCにおいて急速な内部移行を媒介する)
エンドサイトーシスにおけるランゲリンの役割をさらに試験するために、本発明者らは、リガンドとしてDCGM4を内部移行するその能力を分析した。
【0183】
TGF−βを補充したCD34由来DCを、4℃にてmAbで標識し、次いでF(ab’)2ビオチン化二次抗体で標識した。細胞を、37℃にて示した時間インキュベートし、そして内部移行は、PE−結合体化ストレプトアビジンを用いるFACS分析によって決定した細胞表面結合抗体の減少として測定した。mAb DCGM4を、37℃にて急速に内部移行させた。これは、抗マンノースレセプターmAb(陽性コントロール)と類似の動態を有していた。固定した細胞において、細胞表面蛍光の減少は、検出されなかった。結果を、4℃で保ったコントロールサンプルと比較した平均蛍光強度(MFI)の減少の割合として分析した。
【0184】
この抗体が、4℃ではなく、37℃にて、DCにより非常に急速に内部移行されたことを見出した。表面膜結合DCGM4の約75%は、37℃にて1分以内で、すでに内部移行された。これは、レセプター媒介エンドサイトーシスについての陽性コントロールとした用いた抗マンノースレセプターmAb DCGM1動態と類似の動態を伴った。代表的な実験において、細胞膜でのDCGM4の半減期(t1/2)を、37℃にて4.5分であると算出した。これは、k=15.3%/分の内部移行速度を有する。細胞表面からのmAb DCGM4の急速な消失は、抗体解離が原因ではない。なぜならば、蛍光の減少は、37℃にてインキュベートしたグルタルアルデヒド固定化DCにおいて観察されなかったからである。最終的に、ランゲリンは、マンノース型レセプター特異性を表示しなかった。なぜならば、DCGM4は、37℃にてDextran−FITCの取り込み阻害することに失敗し、そして抗体の結合を、4℃にてマンナンによって、阻害しなかったからである。
【0185】
これらの結果は、上記の電子顕微鏡観察分析と一致しており、そしてランゲリンが、DCによる、急速なエンドサイトーシスプロセスに関与することを実証する。
【0186】
(実施例16)
(細胞表面ランゲリンの誘発(triggering)は、バーベック顆粒形成を生じる)
細胞表面ランゲリンの誘発は、電子顕微鏡観察により可視化した場合、CMSの形成および金標識化BGの検出を生じたので、BG形成におけるランゲリン細胞表面の潜在的な役割を、さらに調査した。上皮細胞懸濁液を、上記のように得た。細胞を、4℃にて過剰のmAb DCGM4または抗CD1とインキュベートし、そして電子顕微鏡観察のために直ちにプロセスするか、または固定化の前に5分間室温に置いた。DCGM4とインキュベートしたLCは、核周囲の領域においてバーベック顆粒の著しい蓄積を示した。この効果は、4℃で主に観察された。なぜならば引き続いて暖めることは、空胞形成を生じるからである。抗CD1a mAbでの処理は、細胞を4℃に保ったか、または室温まで上げたかにかかわらず、LC細胞質において有意な変化を引き起こすことに失敗した。
【0187】
この処置は、LC細胞質における高密度に充填したBGのかなりの増加を生じた。これは、ゴルジ体の周りの核周囲領域における著しい沈着を伴った。このBGは、それらの代表的な棒の形をした(rod−shaped)部分に加えて、細長い、丸い、または不規則な形をした幅広い部分を表した。さらに、DCGM4処理したLCの細胞質は、多数の丸いまたは細長い小胞で満たされた。
【0188】
LCを室温まで温めた(5分)後に、過剰のDCGM4とインキュベートした場合、融合の増加を、単一の短い棒の形をしたBG成分と大きな小胞成分との間で観察した。さらに、種々の大きさおよび形の多数の小胞が、LC細胞質のかなりの体積を占有した。
【0189】
DCGM4と対照的に、過剰の抗CD1a mAbとの上皮細胞懸濁液のインキュベーションは、いくつかの小胞の形成のみを導いたが、LC細胞質における他の有意な変化を導かなかった。特に、たとえ細胞を、固定の前に暖めさせても、核周囲のBGの沈着は観察されなかった。同様に、コントロールマウスIgG1または抗EカドヘリンmAbとのインキュベーションは、BG顆粒を改変しなかった。
【0190】
まとめると、これらのデータは、細胞表面ランゲリンが、BG形成に能動的に関与して、それらの核周囲の沈着を生じることを実証する。
【0191】
(実施例17)
(ランゲリンは、40kDaのNグリコシル化タンパク質である)
DC抽出物からのDCGM4での免疫沈降、そして引き続くSDS−PAGEサンプル緩衝液での溶出は、40〜42kDaの分子量の均質のバンドを得た。非還元条件下および還元条件下での免疫精製ランゲリンのSDS−PAGE分析を実行した。DTTが精製工程の初めから除かれる場合、このプロファイルは、ゲル上で改変されない。このことは、ランゲリンが、単鎖としてか、または非共有結合を有するホモ二量体として細胞膜に存在することを示唆する。
【0192】
免疫精製ランゲリンの二次元分析を行い、分子の分子量を確立し、そしてランゲリンが5.2〜5.5のpIを有することを示した。最終的に、(1)非グリコシル化コントロールとしてE.coli由来のクレアチナーゼ、(2)陽性グリコシル化コントロールとしてトランスフェリン、(3)N−グリコシダーゼ、(4)ランゲリン、および(5)N−グリコシダーゼ処理したランゲリンを用いるランゲリンのドット−ブロット分析は、ランゲリンが糖タンパク質であり、そしてほとんどの糖質成分が、N−グリコシダーゼ処理によって取り除かれたことを実証した。
【0193】
(実施例18)
(ランゲリンをコードする核酸の単離)
精製タンパク質(特に、ここではタンパク質の存在を認識する抗体)をコードする遺伝子を単離するために、多数の方法が利用可能である。一つの方法は、タンパク質の精製のための方法を決定すること、次いでペプチド配列を決定することである。所定の十分な配列情報、および縮重オリゴヌクレオチドの使用、PCRまたはハイブリダイゼーション技術は、ランゲリンタンパク質をコードする遺伝子の単離を可能にする。
【0194】
別の代替法は、ランゲリンタンパク質に対するさらなる抗体を作製することである。これは、DCGM4抗体を用いるイムノアフィニティー法によって単離され得る。上記を参照のこと。これらの抗体は、SeedおよびAruffo(1987)Proc.Nat’l Acad.Sci.USA 84:3365−3369により記載されるような「パニング」技術において適用可能である。ファージ発現技術もまた、ランゲリン発現について富化された適切なDC細胞またはT細胞の部分集団に由来するcDNAライブラリーをスクリーニングするために適用可能である。抗体認識を用いるグリコシル化の妨害は、一般に、ファージ選択系においては問題が少ない。哺乳動物発現ライブラリーにける細胞選別技術もまた、適用可能である。
【0195】
発現ライブラリーをスクリーニングするための別の方法は、抗体を使用して、ライブラリーの連続的な部分集団をスクリーニングすることである。以下に、特異的な標識組成物(例えば、抗体)によって染色したスライド上の細胞の小集団を使用してスクリーニングする一つの方法を提供する。
【0196】
例えば、0日目に、2−チャンバペルマノックス(permanox)スライドを、チャンバあたり1mlのフィブロネクチン(PBS中10ng/ml)で30分間、室温にてプレコートする。1度PBSですすぐ。次いで、COS細胞を、1.5mlの増殖培地中でチャンバあたり2〜3×105細胞にてプレートする。37℃で一晩インキュベートする。
【0197】
1日目に各サンプルについて、無血清DME中、66μg/ml DEAEーデキストラン、66μM クロロキン、および4μgDNAの0.5mlの溶液を調製する。各組みについて、例えば、1および1/200の希釈のヒトIL−10−FLAG cDNA構築物の陽性コントロールを調製し、そして陰性モックを調製する。細胞を無血清DMEですすぐ。DNA溶液を添加し、そして37℃にて5時間インキュベートする。培地を取り除き、そしてDME中の0.5ml 10% DMSOを2.5分間添加する。これを取り除き、そしてDMEで1度洗浄する。1.5mlの増殖培地を添加し、そして一晩インキュベートする。
【0198】
2日目に、培地を交換する。3または4日目に、この細胞を固定し、そして染色する。細胞を、Hank’s Buffered Saline Solution(HBSS)で2度すすぎ、そして4%パラホルムアルデヒド(PFA)/グルコース中で5分間固定する。HBSSで3度洗浄する。スライドを全ての液体の除去後に−80℃で保存してもよい。各チャンバについて、0.5mlのインキュベーションを以下のように行う。HBSS/サポニン(0.1%)を32μl/mlの1M NaN3と共に20分間、添加する。次いで、細胞をHBSS/サポニンで1度洗浄する。可溶性抗体(例えば、DCGM4)を、細胞に添加し、そして30分間インキュベートする。細胞をHBSS/サポニンで2度洗浄する。二次抗体(例えば、Vector抗マウス抗体)を、1/200希釈で添加し、そして30分間インキュベートする。ELISA溶液(例えば、Vector Elite ABC 西洋ワサビペルオキシダーゼ溶液)を調製し、そして30分間プレインキュベートする。例えば、2.5ml HBSS/サポニンあたり1滴の溶液A(アビジン)、および1滴の溶液B(ビオチン)、用いる。細胞を、HBSS/サポニンで2度洗浄する。ABC HRP溶液を添加し、そして30分間インキュベートする。細胞を、HBSSで2度洗浄する(2回目の洗浄を2分間する(これにより細胞を密閉する))。次いで、Vectorジアミノ安息香酸(DAB)を5〜10分間添加する。5mlのグラス蒸留水あたり、2滴の緩衝液、および4滴のDAB、ならびに2滴のH22を用いる。慎重にチャンバーを取り出し、そしてスライドを水ですすぐ。数分間風乾し、次いで、1滴のCrystal Mount添加し、そしてカバーガラスをする。5分間、85〜90℃で焼く。
【0199】
あるいは、ランゲリンタンパク質を用いて、リガンドを発現する細胞を、アフィニティー精製するか、または分類する。例えば、Sambrookら、(前出)またはAusubelら、(前出)(これらの両方は本明細書で参考として援用される)を参照のこと。
【0200】
(実施例19)
(ヒトゲノムランゲリン)
ゲノム配列(配列番号3)およびヒトランゲリンのエキソン−イントロン構成(organization)は、今や決定された。このゲノム配列は、5つのイントロンで隔てられた6つのエキソンとして、ランゲリンcDNA配列(配列番号1)を含む。エキソン1〜6のヌクレオチド配列を、それぞれ、配列番号4〜9に提供する。この10,663ヌクレオチドゲノム配列は、エキソン1および6の5’および3’末端に、それぞれ3251ヌクレオチドおよび1808ヌクレオチドを含み、そしてヒトランゲリンプロモーターの配列を含むと予測される。
【0201】
エキソン1(配列番号4)は、配列番号3の3252〜3371位に対応する。エキソン2(配列番号5)は、配列番号3の3467〜3583位に対応する。エキソン3(配列番号6)は、配列番号3の5051〜5425位に対応する。エキソン4(配列番号7)は、配列番号3の6020〜6171位に対応する。エキソン5(配列番号8)は、配列番号3の7252〜7370位に対応する。エキソン6(配列番号9)は、配列番号3の7871〜8855位に対応する。
【0202】
ヒトランゲリンは、328アミノ酸II型膜貫通Ca++依存性レクチンである。6つのエキソンのアミノ酸翻訳は、エキソン1が、分子内ドメインのNH2−末端部分(24アミノ酸)をコードし、一方、膜近位部分の分子内ドメイン(19アミノ酸)および膜貫通ドメイン全体(20アミノ酸)の両方は、エキソン2によりコードされることを示す。エキソン3は、細胞外ドメイン(125アミノ酸)の膜近位非糖質認識部分全体をコードする。細胞外糖質認識部位(CRD)は、エキソン4(51アミノ酸)、エキソン5(39アミノ酸)、およびエキソン6の初め(50アミノ酸)(後の方は、分子のCOOH−部分を終結させる)によって、共同でコードされる。特に、ランゲリンのCRDは、他のII型膜貫通レクチン(Kuppfer細胞レセプター、ラット肝細胞レクチン(hepatic lectin)、およびCD23低アフィニティーIgEレセプターを含む)の3つのエキソン構造を、類似の位置でイントロンにより妨げられるコード配列と共有する。
【0203】
ゲノムランゲリン配列の有効性は、ヒトランゲリンのプロモーターエレメントの同定を、ここで可能にする。このエレメントは、エキソン1の48位でATG開始コドンの5’側の500〜600ヌクレオチド内に位置されると予想される。類推によって、ラットKuppfer細胞レセプター(ヒトランゲリンに相同)において、転写開始部位は、ATG翻訳開始コドンから51塩基上流に位置される。2つのヌクレオチド配列が、転写の開始点に対して5’側に同定された。これらは、遺伝子発現の調節のための候補である。一方は、ヌクレオチド−151〜−98および−97〜−44に由来する54塩基タンデムリピート配列であり、そして他方は、開始部位に対して5’側に380塩基で4回反復されるヘプタヌクレオチド配列(GAGGCAG)である。
【0204】
ヒトランゲリンは、ランゲルハンス細胞において特異的に発現される抗原の捕捉およびプロセシングに特定化された、未成熟な樹状細胞のサブタイプである。従って、ランゲリンプロモーターエレメントの制御下での、ランゲルハンス細胞における選択的発現を標的化するための、選り抜きの抗原をコードするDNA配列を構築することが可能である。
【0205】
ヒトランゲリン配列は、マウスホモログランゲリンゲノム配列の同定を可能にする。この情報は、ランゲリン遺伝子におけるマウス欠損の構築の鍵となり、ランゲリンの機能およびバーベック顆粒(ランゲリンのエンゲージメントにより誘導されるランゲルハンス細胞の固有のエンドサイトーシスの細胞小器官)の機能をさらに探索する。
【0206】
ヒトランゲリン配列はまた、未知の病因の免疫学的障害に罹患した患者におけるランゲリン遺伝子において、起こり得る変異の配列決定を可能にする。
【0207】
(実施例20)
(ヒトランゲリンの染色体マッピング)
染色体局在を、Stanford G3 Radiation Hybridパネル(Research Genetics,Inc.,Huntsville,AL)を用いて、放射性ハイブリット(RH)マッピング(D.R.Coxら、Science,1990,250:245−250)によって行った。簡単には、PCR反応によりランゲリンcDNAを増幅するために用いられる2つのオリゴヌクレオチド(U863およびL1180)は、それらがヒトゲノムDNAの伸長もまた増幅させるように選択された。PCR反応を、ヒトゲノムを網羅する83クローンのStanford G3パネル上でU863/L1180を用いて実行した。RHMAP統計プログラム(RHMAP)を用いてマッピングするために、Stanford Human Genome Center RHserver(LIENHYPERTEXTE mailto:rhserver@paxil.stanford.edu rhserver@paxil.stanford.edu)にPCRデータをかけた。
【0208】
RH Serverからの結果は、マーカーSHGC−58922(LODスコア:8.67)およびSHGC−12714(LODスコア:7.74)に最も近い一致を示した。両マーカーを、第2染色体上に位置づける。これらを、GDB遺伝子座D2S292
【0209】
【数1】
Figure 0004482235
に連鎖させる。D2S292遺伝子座付近の遺伝子マッピングは、以下:
【0210】
【数2】
Figure 0004482235
この結果は、ヒトランゲリンの遺伝子を、D2S292遺伝子座の近傍の染色体の2p13に局在化させる。
【0211】
ヒトランゲリンの局在は、染色体の2p13領域と潜在的に関連する免疫学的遺伝的障害を調査することを可能にする。
【0212】
(実施例21)
(マウスランゲリンの同定)
ヒトランゲリンのヌクレオチド配列を使用して、NCBIデータベースにおいて検索を行った。これは、ヒト配列にかなりの相同性を示す2つのマウスEST(AA764540およびAA423304)を同定することを可能にした。次いで、これらのESTを使用して、以下のマウス肺cDNAライブラリーでのRACE−PCRを用いて、配列を伸張した:5’の末端端を決定したのを除いて、コード領域全体。次いで、マウスコスミドクローンを配列決定することによりこの配列を完成させる9つのヌクレオチドを、同定した。1756ヌクレオチドのコンティグを得た。これを配列番号10に示す。
【0213】
978ヌクレオチドのオープンリーディングフレーム(配列番号10のコンティグの266〜1243位)を同定した。これは、326アミノ酸の予想したII型膜貫通Ca++依存性レクチン(配列番号11)をコードする。マウスアミノ酸配列は、ヒトランゲリンとかなりの相同性(66.6%)を示す(表1に示すアライメント)。これは、この分子の鍵となる構造特性(すなわち、潜在的シグナル伝達部位としての細胞質内のプロリンリッチモチーフ、ならびにヒトランゲリンに見出され、かつマンノース結合特異性を示す、EPNモチーフを有する細胞外糖質−認識ドメイン(CRD))の保存を伴う。これらのデータは、上記で同定したマウス分子が、ヒトランゲリンのホモログであることを示す。
【0214】
マウスランゲリンタンパク質を、哺乳動物細胞(マウスCOP5線維芽細胞)において首尾良く発現した。これを、モノクローナル抗体(mAb)を産生するためのマウスの免疫化に用いた。マウスランゲリンタンパク質を認識する多くのmAbを、ヒトランゲリンにおいて交叉反応性を示す、これらのmAbの7つを単離した。交叉反応性mAbにより認識されるエピトープを、短縮形態の組換えヒトランゲリンタンパク質を用いて細胞質内ドメインに対してすべてマッピングした。これは、ヒトおよびマウスのランゲリンの細胞質内尾部(最初の30残基)において著しく高い保存性と一致する(表1を参照のこと)。
【0215】
【表1】
Figure 0004482235
マウスランゲリンをコードする配列の利用性は、種々の組織におけるランゲリンの発現パターンを決定するための研究(RT−PCR、ノーザン、インサイチュハイブリダイゼーション)の実行を可能にする。さらに、現在の配列を伸張して、ランゲリン遺伝子においてマウス欠損を構築するためにゲノムDNAを同定し得る。このような動物は、免疫応答の調節におけるランゲリンの役割をさらに理解するために非常に価値があるはずである。マウスランゲリンに対するMAbは、マウス組織におけるタンパク質の発現を研究するために有用である。また、mAbを、インビボでの樹状細胞系に対するランゲリンの誘発(triggering)の影響を分析するために、マウスに注射し得る。これらの研究は、防御抗腫瘍免疫を誘導する目的で、樹状細胞の細胞表面ランゲリンを介して、インビボで樹状細胞に抗原(すなわち、腫瘍抗原)を標的化する努力を完了させるために重要である。標的化実験を、例えば、腫瘍抗原が化学的に結合したマウスランゲリンに対するmAbを、マウスに注射する(腫瘍でのチャレンジの後の前に)ことにより、行い得る。
【0216】
本発明の多くの改変および変更は、本発明の精神および範囲を逸脱することなく、当業者に理解されるようになされ得る。本明細書中に記載される特定の実施態様は、例示のみを提供し、そして本発明は、特許請求の範囲に権利がある全ての範囲の等価物と共に、添付の特許請求の範囲の用語によってのみ限定される。
【配列表】
Figure 0004482235
Figure 0004482235
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Figure 0004482235
Figure 0004482235
Figure 0004482235

Claims (12)

  1. 配列番号2に示されるアミノ酸配列を含む哺乳動物タンパク質に特異的に結合する、単離された抗体。
  2. ATCC登録番号HB−12576を有するハイブリドーマによって製造される、請求項1に記載の抗体。
  3. ATCC登録番号HB−12576を有する、ハイブリドーマ。
  4. 細胞集団を分析するための方法であって、請求項1に記載の抗体を用いてランゲリン(配列番号2)の存在を検出または測定する工程を包含する、方法。
  5. 配列番号2に示されるアミノ酸配列を含む、実質的に純粋な哺乳動物タンパク質。
  6. 配列番号11に示されるアミノ酸配列を含む、タンパク質。
  7. 配列番号2に示されるタンパク質をコードする、核酸。
  8. 配列番号1に示されるコード領域を含む、請求項7に記載の核酸。
  9. 配列番号11に示されるタンパク質をコードする、核酸。
  10. 配列番号10に示されるコード領域を含む、請求項9に記載の核酸。
  11. 配列番号3に示される核
  12. 配列番号4〜9のいずれか1つを含む、核酸。
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