JP2006515325A - 高濃縮された気体ホルムアルデヒドを製造するための方法 - Google Patents

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Abstract

水性ホルムアルデヒド溶液の一部を蒸発することによって、これらの溶液から、CHO:HOのモル比≧0.6を有する高濃縮された気体ホルムアルデヒドを製造するための方法において、水性ホルムアルデヒド溶液を蒸発温度Tで加熱し、かつ形成された気相を除去し、その際、蒸発温度Tは、T[℃]=T’min[℃][式中、T’min(c)=A+Bx(c/100)+Cx(c/100)+Dx(c/100)であり、かつA=+68.759、B=+124.77、C=−12.851であり、かつD=−10.095であり、その際、cは、蒸発中の水性ホルムアルデヒド溶液の実際のCHO含量の質量%であり、かつ20〜99質量%である]であることを特徴とする、高濃縮された気体ホルムアルデヒドを製造するための方法。

Description

本発明は高濃縮された気体ホルムアルデヒドを製造するための方法に関する。
ホルムアルデヒドは重要な工業化学品であり、かつ多くの工業製品および消費製品を製造するために使用される。現在のところ、50個を上廻る工業分野において、本質的に水性溶液の形またはホルムアルデヒドを含有する合成樹脂の形で、ホルムアルデヒドが使用されている。商業的入手可能な、水性ホルムアルデヒド溶液は、ホルムアルデヒドモノマー、メチレングリコールおよびポリオキシメチレングリコールオリゴマーの形で、20〜55質量%のホルムアルデヒド全濃度を有するものである。
水、モノマー(遊離)ホルムアルデヒド、メチレングリコールおよび種々の鎖長を有するポリオキシメチレングリコールオリゴマーは、水性溶液中で、熱力学的平衡の形で一緒に存在し、この場合、これらは、種々の大きさのポリオキシメチレングリコールの特定の分布によって特徴付けられる。したがって、用語「水性ホルムアルデヒド溶液」は、さらに、実際の遊離水ではなく、本質的にメチレングリコールの形でか、あるいは、ポリオキシメチレングリコールのOH−末端基に化学的に結合した水を含有するホルムアルデヒド溶液にも適用される。これは、特に、濃縮されたホルムアルデヒド溶液の場合である。したがってポリオキシメチレングリコールは、たとえば、2〜9個のオキシメチレン単位を有していてもよい。水性ホルムアルデヒド溶液の場合には、さらにジオキシメチレングリコール、トリオキシメチレングリコール、テトラオキシメチレングリコール、ペンタオキシメチレングリコール、ヘキサオキシメチレングリコール、ヘプタオキシメチレングリコール、オクタオキシメチレングリコールおよびノナオキシメチレングリコールが同時に存在していてもよい。その分布は濃度に依存する。すなわち、希釈されたホルムアルデヒド溶液中での分布の最大値は、短い鎖長の同族体である一方で、濃縮されたホルムアルデヒド溶液中には長い鎖長の同族体が存在する。長鎖の(高分子量の)ポリオキシメチレングリコールへの平衡移動は、水の除去によって、たとえばフィルム蒸発器中での単蒸留によって実施される。したがって、平衡は、水を排除しながらのメチレングリコールと低分子量ポリメチレングリコールとの分子間縮合によって、規定の割合で、高分子量ポリオキシメチレングリコールを生じることによって確立される。
気体のホルムアルデヒドの使用は多くの場合において有利である。気体の状態において、ホルムアルデヒドは主に、高反応性のモノマーの形で存在する。反応において妨げとなる水およびヒドロキシ化合物を本質的に含有しない気体混合物が反応に使用され、それというのも、これらは、たとえば副反応を導くか、あるいは選択率を減少させるか、あるいは、さらに、ルイス酸による触媒の場合には、触媒を不活性化させるためである。さらに、気相を含む多相反応として反応を実施することがしばしば有利である。したがって、高いホルムアルデヒド/HO比を有する気体ホルムアルデヒド/水混合物を製造するための方法が必要とされている。
気体ホルムアルデヒドは、実験室規模で、パラホルムアルデヒドの加熱によって製造することができる。しかしながら、パラホルムアルデヒドの使用は、固体を取り扱うための精巧な装置を必要とする。したがって、パラホルムアルデヒドは工業的規模において使用されない。
ホルムアルデヒドのヘミアセタールの製造および引き続いてのヘミアセタールのアルコールおよび無水ホルムアルデヒドへの分離もまた知られている。このような方法は、たとえば、DE−A4137846で記載されている。ホルムアルデヒドが、水性ホルマリン溶液からのヘミアセタールとして抽出される、抽出工程が必要とされる。得られたヘミアセタールを乾燥させ、その後に熱的にホルムアルデヒドおよびアルコールに分離し、その際、アルコールを分離除去し、かつ抽出工程に返送する。この方法は複雑である。さらにアルコールは、他の材料として工程中に導入される。これは高価な方法であり、ホルムアルデヒドのアルコールでのコンタミネーションを招きうる。
不均一触媒によるメタンの酸化脱水素も同様に、DE−A19910145で記載されているように、反応生成物としてのホルムアルデヒド/水混合物を生じる。多量の新鮮な水を供給ガス流に添加することで、触媒の不活性化を回避するが、しかしながらこの方法は、高いホルムアルデヒド/水比を有する気体混合物の製造における問題を解決するものではない。
ホルムアルデヒドおよび水素を形成するメタノールの非酸化脱水素が、最近になって集中的に試験されており、たとえばDE−A19810087およびDE−A19822598に記載されている。この方法は、水性ホルムアルデヒド溶液を形成するための、メタノールの酸化脱水素の古典的方法とは異なるものである。気体メタノールは、エーロゾルの形で存在する触媒上で脱水素される。反応は吸熱的であり、かつ高い変換率を達成するために高い温度で実施しなければならず、それというのも、その熱力学的制限のためである。しかしながら、メタノールの高いまたは完全な変換は、方法を経済的にするため、かつホルムアルデドおよび未反応メタノールからのヘミアセタールおよびアセタールの形成を回避するために必要不可欠である。高い操作温度は、高い資本投資および高いエネルギーコストを招く。
アセタール中で結合したアルコールは、ホルムアルデヒドの後続の反応において妨げとなりうる。生成物ガスからのエーロゾル触媒の分離はさらに複雑である。しかしながら、エーロゾル触媒が、ホルムアルデヒドの後続反応を触媒する触媒を不活性化する場合には、この分離を完全にしなければならない。最終的に、メタノールの一部分が、メタノールの非酸化脱水素の高い温度で、COおよび水素に分解される。
したがって、メタノールの酸化脱水素の古典的方法を実施することは好ましい。この方法は、それ自体はすでに知られているが、技術的に完成されたものであり、かつ継続的に改善がなされている。これはホルムアルデヒドを>90%の選択率で形成するものである。
気体のホルムアルデヒドは、メタノールの古典的酸化脱水素で得られた水性ホルムアルデヒド溶液から単離することができる。液相は、前記に示した、種々の鎖長を有するポリオキシメチレングリコールの分布を有する一方で、ホルムアルデヒドは、メチレングリコールCH(OH)および遊離ホルムアルデヒドCHOを有する気相中に存在する。たとえば、30質量%の水性ホルムアルデヒド溶液を107℃またはそれ以上の温度で加熱し、CHOとして算定されたホルムアルデヒド含量25〜35質量%を有する気体ホルムアルデヒド/水混合物を取り出すことができる。これは、CHOと水とのモル比(CHO:HO)0.2〜0.32に相当する。
しかしながら、水性ホルムアルデヒド溶液の蒸発は、高濃縮ホルムアルデヒド溶液の場合には、固体の沈殿を招く。たとえば、CHO含量 70質量%を有するホルムアルデヒド溶液が丸底フラスコ中に存在し、かつ周囲圧で蒸発を試みる場合には、一定量の液体の蒸発の後に固体が沈殿する。
本発明の課題は、CHO:HO比≧0.6を有する、高濃縮された気体ホルムアルデヒドを製造するための経済的な方法を提供することである。
本発明の課題は、水性ホルムアルデヒド溶液から、これらの溶液の一部分を蒸発させることによって、CHO:HOモル比≧0.6を有する、高濃縮された気体ホルムアルデヒド溶液を製造するための方法によって解決され、その際、水性ホルムアルデヒド溶液は、蒸発温度Tで加熱され、かつ形成された気相を取り出し、その際、蒸発温度Tは以下の式;
Figure 2006515325
その際、cは、蒸発中の水性ホルムアルデヒド溶液の実際のCHO−含量を質量%で示したものであって、かつ、20〜99質量%である]によって示される。
好ましくは、50〜99質量%、好ましくは70〜95質量%、特に好ましくは70|〜90質量%のCHO−含量を有する水性ホルムアルデヒド溶液を出発材料として使用する。
水性ホルムアルデヒド溶液のCHO含量は、遊離のモノマーの形、メチレングリコールまたはポリオキシメチレングリコールの形で、CHOとして算定されたホルムアルデヒドの含量である。
蒸発温度は、蒸発工程中の圧力の選択によって調整される。これは、全蒸発工程中で生じる蒸発温度T(p)が、出発材料である水性ホルムアルデヒド溶液を部分的にかまたは完全に蒸発させる温度であって、かつ、これにより得られた高濃縮された気体ホルムアルデヒドが、前記式で定義された限界値を上廻るように維持される程度に選択される。これの限界値は、濃度に依存し、その際、T(c)は、蒸発工程の任意の箇所における水性ホルムアルデヒド溶液の、実際のホルムアルデヒド濃度における限界値に依存して与えられる。前記式に示したように、温度の限界値は、ホルムアルデヒドの濃度と一緒に増加する。したがって、水性ホルムアルデヒド溶液の段階的な濃縮中において圧力を増加させることは、温度の限界値が超過するのを回避するのに必要であってもよい。
一般に、部分蒸発中の圧力は、0.1〜50バール、好ましくは0.5〜17バールの範囲である。
水性ホルムアルデヒド溶液の蒸発は、部分的または完全に、連続的にかまたは不連続的に実施することができる。
蒸発を完全におこなうことで得られた気相は、全体で、液相として蒸発の開始時に存在するCHO含量と同様の含量を有する。驚くべきことに、部分蒸発のみであっても、CHOとして算定された気相のホルムアルデヒド濃度は、液相中の含量と同様であるかまたはこれを上廻る。したがって、この系は、広い濃度範囲に亘って共沸混合物と同様の挙動を示す。これは、蒸発工程において、溶液中に存在するポリオキシメチレングリコールの脱重合によって、連続的に形成される付加的なホルムアルデヒドモノマーに帰するものであって、その一方で水は、相対的に短鎖のポリオキシメチレングリコールの縮合によって連続的に放出され、長鎖のポリオキシメチレングリコールを形成する。
このようにして、ホルムアルデヒドと水とのモル比(CHO:HO)≧0.6である気体ホルムアルデヒド/水混合物が得られた。この比は、好ましくは≧1.4、特に好ましくは≧1.6である。
水性ホルムアルデヒド溶液の蒸発は、酸性または塩基性触媒の存在下で実施することができ、この場合、これらは、前記に示された脱重合反応および縮合反応を触媒するものである。しかしながら、コスト上の理由から、さらに熱交換体表面への堆積を回避するために、触媒の添加は少量に抑えられる。触媒は、懸濁床または固体床の様式で、均一または不均一の形で実施することができる。
蒸発は、市販の装置中で実施することができる。適しているのは、たとえば、攪拌容器であり、これは、たとえば、ジャケットまたはコイル管(内側または外側)によって加熱することができる。特に適しているのは、熱交換性能を備えた装置、たとえば管巣熱交換器、プレート式熱交換器またはコイル型熱交換器である。これらは、並流、対流またはクロス流で運転することができる。加熱は、任意の媒体で、たとえば凝縮蒸気を用いて実施するか、あるいは、単相の液体または気体を用いて実施することができる。水性ホルムアルデヒド溶液の蒸発は、蒸発器に一度だけ通過させることによってか、あるいは、循環中で実施することができる。完全な蒸発が望ましい場合には、ホルムアルデヒド溶液を一度だけ、一般的な蒸発器に通過させることでは不十分である。
ホルムアルデヒド溶液は、好ましくは、固体物質が沈殿しない温度で蒸発させる。特に好ましくは、蒸発器中のそれぞれの箇所で、固体物質が沈殿しない温度に維持する。たとえば、これらの温度は、蒸発器自体のみならず、蒸発器の運転が循環の形でおこなわれる場合には、循環を通して維持され、かつ水性ホルムアルデヒド溶液が搬出される場合には、蒸発器の下流においても維持される。
さらに、水性溶液中の温度は、蒸発器中のそれぞれの箇所で、以下に示す温度で維持された。
Figure 2006515325
その際、cは、蒸発中の水性ホルムアルデヒド溶液の実際のCHO−含量を質量%で示すものであって、かつ20〜99質量%である。
蒸発温度は、一般には前記Tmaxの温度上限を上廻ることがないようにすべきであり、それというのも、COおよび水素中への気体ホルムアルデヒドの分解は、温度が高すぎる場合に生じうるためである。これらの温度の上限は一般には300℃、好ましくは200℃である。
高濃縮された気体ホルムアルデヒドの製造は、さらにフィルム蒸発器または薄層蒸発器中で実施することができる。製造はさらに、DE−A2719967のようにコイル管型蒸発器中で実施することができる。適したフィルム蒸発器は図1に示す。これは薄層蒸発器である。粗溶液(出発混合物)および場合により還流から成る供給流1を、最初に分液装置2に導入する。これは、蒸発表面3で粗溶液を分離するものである。蒸発表面3(熱交換表面)は、通常は円筒状であってもよいが、しかしながら、部分的には円錐状であってもよい。これは加熱ジャケット4内部で熱と接触し、蒸発表面3を加熱する。分液装置2は、供給溶液を、蒸発表面3の周囲に亘って均一に分布させる。
回転式ワイパブレード5は、その後に溶液を蒸発表面3上に分布させ、蒸発表面3上の液体フィルムの維持および運搬を完全なものとし、かつ液体中の熱および物質運搬を増強させる。この回転式ワイパブレード5は駆動装置6により運転される。回転式ワイパブレード5の形状および配置によって、液体フィルムで薄いままでよいか、あるいは、積層することができる。このように、フィルム蒸発器中の溶液の滞留時間ならびに滞留時間の分散の変更が可能である。フィルム蒸発器中の溶液の典型的な蒸発時間は、1秒〜10分、好ましくは2秒〜2分である。
熱媒体、たとえば蒸気を、熱媒体入口7を介して加熱ジャケット中に導く。これの熱媒体は、蒸発表面を加熱するものである。冷却された熱媒体、たとえば、熱媒体が水蒸気である場合には凝縮水は、熱媒体出口8を介して除去される。
蒸発表面3に熱を供給することによって、フィルム蒸発器に供給された溶液の一部分が蒸発する。
形成された蒸気(たとえば気化された液体またはガス)は、相分離帯域9中に導かれ、ここから、液滴回収器10中に運搬される。ここで、蒸気中に含まれる液滴は、気相から除去され、かつ液体(溶液)に返送される。凝縮物13は適した方法で、相分離帯域9から搬出され、その一方で蒸気12は液滴回収器10から取り除かれる。
前記フィルム蒸発器中に、水性ホルムアルデヒド溶液を導入する場合には、T<T’minの温度で蒸発させ、ポリオキシメチレングリコールが液体13中に多く存在するようになり、その一方で、蒸気12からの凝縮物は、ポリオキシメチレンよりも、ホルムアルデヒド、メチレングリコールおよび水を多く含んでいる。しかしながら、温度が、前記式に定義された値T’minの限界値を上廻る場合には、気相は、液相のホルムアルデヒド含量と極めて近い値を有することとなる。
好ましい実施態様において、縮合器は、蒸発装置本体に組み込まれ、これによって、気化された成分の気相での短い滞留時間ならびによりコンパクトな構造が達成される。
図1に示した薄層蒸発器の態様とは異なって、蒸発表面上で存在する液体フィルム上への任意の機械的影響ない装置を使用することが可能である。このような流下薄膜型蒸発器または流下液型蒸発器(falling stream evaporator)の熱交換表面は、管または板状で構成されてもよい。
本発明による方法は、好ましくは、適度または高度に濃縮された、CHO含量50〜99質量%を有するホルムアルデヒド溶液から出発し、この場合、これらは、製造後に、以下に記載するように固体の沈殿に対して安定化させる。
たとえば、>70質量%のCHOを含有する高濃縮ホルムアルデヒド溶液は、約20〜50℃の低い範囲の温度で製造され、最初に単相で得られる。しかしながら、一定の時間の後に固体の沈殿が生じる。ホルムアルデヒド溶液中でのポリオキシメチレングリコール鎖の増加が、溶解限界を超過するためである。これらの溶液は、少なくとも80℃からせいぜい200℃の温度で、少なくとも5℃/分の加熱速度で、製造後にすぐに加熱し、かつこれらの範囲で温度を維持することによって、固体の沈殿に対して安定化される。「製造後すぐに」とは、たとえば20〜60℃で得られた高濃縮ホルムアルデヒド溶液を、遅くとも60分後、好ましくは5分後に、前記加熱速度で加熱することを意味する。
好ましくは、加熱速度は、少なくとも10℃/分である。少なくとも10℃/分の加熱速度は、溶液のpH値が<3または>6である場合には特に好ましい。好ましくは、特定の加熱速度で、少なくとも100℃に加熱し、その後にこれらの温度を下廻ることはない。高濃縮ホルムアルデヒド溶液のpH値は、通常は1〜10、好ましくは2〜9、特に好ましくは6〜8の範囲である。pH値は緩衝物質、たとえばギ酸塩緩衝液の添加によって、好ましい範囲に調節することができる。
好ましくは、一つの装置中で、超大気圧で、高濃縮された水性ホルムアルデヒド溶液の安定化および蒸発を実施することができる。
得られた高濃縮ホルムアルデヒド溶液は、多くの化学反応に使用することができる。たとえばこのような反応は、
−レッペ反応中における、アセチレンとホルムアルデヒド溶液との反応であり、この場合、これによりブチンジオールが形成され、これはさらに水素化することによりブタンジオールにすることができる;
−ホルムアルデヒドとそれ自体または高級アルデヒドとのアルドール反応、これにより多価アルコールおよび糖、ペンタエリトリット、トリメチロールプロパンおよびネオペンチルグリコールが形成される;
−ホルムアルデヒドとCOとの反応、これによりグリコール酸が形成される;
−ホルムアルデヒド溶液からの、キレート物質、たとえばグリコニトリルの製造;
−プリンス反応(Prins reaction)中のホルムアルデヒドとオレフィンとの反応、これによりα−ヒドロキシメチル化合物が形成される;
−ホルムアルデヒドとアミン、たとえばアニリンまたはトルイジンとの縮合反応、これによりシッフ塩基が形成され、これはさらに、ジフェニルメタン誘導体、たとえばメタンジフェニルジアミンと反応させてもよい;
−ヒドロキシアミンとホルムアルデヒドとを反応させることによってオキシムにする反応;
−ホルムアルデヒドとジオールとの反応、これにより環状エーテルが得られ、たとえばジオキソランを生じるグリコールとホルムアルデヒドとの反応である。
特に好ましい使用において、気体ホルムアルデヒド/水混合物は、トリオキサンまたはテトラオキサン合成に通過させる。ここで、気体混合物は、当業者に公知の方法を用いて脱水する。トリオキサンの合成は、たとえばAT252913に記載されている。
上記列挙は完全なものではない。有機化学および工業化学の教科書は、他の反応例を包含する。しかしながら、これらの列挙は例証にすぎず、有機化学のすべての分野においてホルムアルデヒドが合成材料として重要であることを明らかにするものである。得られる生成物は、製薬分野または農薬分野における少量の副生成物、たとえばオキシムのみならず、さらに多量の生成物、たとえばジフェニルメタン誘導体を含む。
本発明は、以下の実施例によってさらに説明される。
実施例
実験室における試験のために、図1に示すように薄層蒸発器中で、シングルパスで、高濃縮ホルムアルデヒド溶液を製造した。蒸発器は、0.092mの蒸発表面および1.1mの長さを有する。塔頂に48質量%の水性ホルマリン溶液を導入した。流量は615g/hであった。壁温度は90℃に達し、かつ圧力は80mバールであった。塔底で298g/hの84質量%高濃縮ホルムアルデヒド溶液が搬出された。塔頂では321g/hの蒸気が搬出された。
塔底からの溶液を、実験室用ポンプを用いて、1l容量の加熱した標準的な実験室用管型反応器中に運搬した。反応器は内部温度を155〜160℃に維持し、その際、圧力を約8バールに調整した。反応器から、液体流を27g/hで搬出した。反応器の気相から、ガス流を268g/hで搬出した。分析によれば、液体流は、CHOとして算定された82〜85質量%のホルムアルデヒドを含有していた。
本発明による方法において使用される薄膜蒸発器を示す図
符号の説明
1 供給流、 2 分液装置、 3 蒸発表面、 4 加熱ジャケット、 5 回転式ワイパブレード、 6 駆動装置、 7 熱媒体入口、 8 熱媒体出口、 9 相分離帯域、 10 液滴回収器、 12 蒸気、 13 凝縮物

Claims (9)

  1. 水性ホルムアルデヒド溶液の一部を蒸発することによって、これらの溶液から、CHO:HOのモル比≧0.6を有する、高濃縮された気体ホルムアルデヒドを製造するための方法において、水性ホルムアルデヒド溶液を蒸発温度Tで加熱し、かつ形成された気相を除去し、その際、蒸発温度Tは、
    Figure 2006515325
    その際、cは、蒸発中の水性ホルムアルデヒド溶液の実際のCHO含量の質量%であり、かつ20〜99質量%である]であることを特徴とする、高濃縮された気体ホルムアルデヒドを製造するための方法。
  2. 50〜99質量%のCHO含量を示す水性ホルムアルデヒド溶液を出発材料として使用する、請求項1に記載の方法。
  3. 70〜90質量%のCHO含量を示す水性ホルムアルデヒド溶液を出発材料として使用する、請求項2に記載の方法。
  4. 蒸発中の圧力が0.1〜50バールである、請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
  5. CHO:HOのモル比が≧1.4である、請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法。
  6. 蒸発器中の任意の箇所で、水性ホルムアルデヒド中の温度を
    Figure 2006515325
    その際、cは、蒸発中の水性ホルムアルデヒド溶液の実際のCHO含量の質量%であり、かつ20〜99質量%である]に維持する、請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法。
  7. 蒸発を、攪拌容器、コイル管、フィルム蒸発器または熱交換特性を備えた他の装置中で実施する、請求項1から6までのいずれか1項に記載の方法。
  8. メタノールの酸化脱水素により製造される水性ホルムアルデヒド溶液を出発材料として使用する、請求項1から7までのいずれか1項に記載の方法。
  9. トリオキサン、テトラオキサン、ブチンジオール、メタンジフェニルジアミンおよびジオキソランを製造するための、請求項1から8までのいずれか1項に記載の方法によって得られた、高濃縮された気体ホルムアルデヒドの使用。
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