JP2006512484A - 硫化物系材料からの金属の回収 - Google Patents

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Abstract

硫化物系材料から貴金属を回収するためのプロセスは、硫化物系材料を酸化し、貴金属をその溶液に可溶性にするために充分な酸化電位を有する酸性ハロゲン化物水溶液を調製する工程;前記材料を前記酸性ハロゲン化物水溶液に添加して、その硫化物系材料を酸化し、貴金属を可溶化する工程;および酸化された硫化物系材料から貴金属を分離する工程を含む。加えて、汚染されている硫化物系材料から汚染物質を除去するためのプロセスは、水溶液中で前記材料を混合する工程(ここで、比較的高い酸化状態の多価化学種は、汚染物質を酸化してそれをその溶液に可溶性にし、汚染物質精製材料を生じ、比較的低い酸化状態に還元される);および前記溶液から汚染物質を除去する一方で、多価化学種をその比較的高い酸化状態に再生する工程を含む。

Description

発明の詳細な説明
発明の技術分野
本発明は、金属、特に金などの貴金属を硫化物系材料から回収するためのプロセスに関する。本プロセスは、比較的高い炭素含有率を有するもの(いわゆる「二重難溶性(double refractory)材料」)または炭素含有率が無いもしくは低い(いわゆる「単純難溶性(single refractory)材料」)を含む、汚染されていない硫化物系材料と汚染されている硫化物系材料の両方に適用することができる。用語「比較的高い炭素含有率」が、本明細書中で用いられているとき、それは、典型的には約2重量%より高い、硫化物系材料中の炭素含有率を指す。
発明の背景
回収することが経済的に望ましい金属、特に金および銀などの貴金属を含む硫化物系材料の有意な埋蔵物および量が、世界中に存在する。例えば、金および/または銀ならびに白金および白金族金属などの他の貴金属を含む硫化鉄鉱の有意な埋蔵物および備蓄がある。
これらの埋蔵物の一部は、汚染されており、砒素、アンチモン、ビスマスまたは他の重金属などの汚染物質の処理が難しい。炭素は、金などの貴金属と会合し、またそれらに対して高い親和性を有するので、高レベルの炭素が存在する場合の鉱石の処理も複雑である。
硫化物系材料の酸化のために現在工業的に利用可能な選択肢には、ばい焼、加圧酸化(POx)およびバイオ酸化(Biox)が挙げられる。POxおよびBioxプロセスでは、典型的には硫酸塩媒質が利用される。
硫化物系鉱石のばい焼は、環境毒性の硫黄系ガス(いわゆるSOxガス)の放出のため、有意な問題をもたらす。鉱石中に砒素が存在する場合、三酸化砒素などの有毒物質が生産される。これらの理由のため、硫化物鉱石のばい焼を敬遠する国際的な傾向がある。
硫化物系材料の加圧酸化は、ばい焼の問題を回避するために利用されているが、高圧(典型的には30barより高い圧力)および比較的高い温度(200℃より高い温度)を要する。典型的には、加圧酸化も硫酸塩をベースにした溶液中で行われる。
米国特許第6461577号は、硫化物系材料を二段Bioxプロセスに付して砒素を可溶化する、砒素含有硫化物系材料を処理するためのバイオ酸化プロセスを開示している。バイオ浸出用細菌使用であるので、この浸出プロセスの配置は複雑である。また、バイオ酸化は周知のごとく遅い。
米国特許第4053305号は、塩化第一鉄溶液と加圧酸素を併用して硫化物鉱石から銅および銀を回収するための浸出プロセスを開示している。銅は、浸出液に溶解し、一方、銀は、故意に浸出させず、その浸出液からの固体残留物とともに通過させる。その後、銀は、環境に有害な浸出剤であるシアン化ナトリウムを使用して、その残留物から抽出しなければならない。
米国特許第4410496号は、塩化カルシウムまたは塩化バリウム溶液と加圧酸素を併用して硫化物鉱石から銅、鉛および亜鉛を回収するための浸出プロセスを開示している。これもまた、その鉱石中の貴金属が未浸出で残り、浸出液からの固体残留物とともに通過し、別途抽出しなければならない。
米国特許第4655829号は、砒素およびアンチモンを含む硫化物鉱石から金属を回収するための浸出プロセスを開示している。このプロセスでは、大量の硫化物精鉱を硫化砒素鉱石から製造する。その精鉱を過剰な塩化カルシウム溶液でスラリー化する。精鉱を製造したら、その精鉱の全金属含有率および組成を決定する必要がある。このプロセスでは可溶性砒素化合物および毒性砒素蒸気の発生を防止するために、その精鉱を、所定濃度の銅、鉛、亜鉛またはそれらの混合物をそれら金属の硫化物の形態で含有する溶液調整スラリーと配合する。これに関しては、その精鉱と溶液調整スラリーを併せて、その混合物中の砒素およびアンチモンのモル濃度が銅、鉛および亜鉛のモル濃度とほぼ等しくなるような、約60−40または40−60の範囲の所定の金属含有率を有する反応スラリーを形成する。一度だけその混合物を適正に調整したら、それを加圧下で加熱し、曝気して、金属を可溶性成分に酸化する。言い換えると、この調整は、可溶性砒素化合物または毒性砒素蒸気を発生させないために必須である。
貴金属、特に金を硫化物系材料から回収するための簡単な湿式精錬プロセスを提供することができたら、有利であろう。
発明の概要
本発明の第一の態様は、
・ 硫化物系材料を酸化し、貴金属をその溶液に可溶性にするために充分な酸化電位を有する酸性ハロゲン化物水溶液を調製する工程;
・ 前記材料を前記酸性ハロゲン化物水溶液に添加して、その硫化物系材料を酸化し、貴金属を可溶化する工程;および
・ 酸化された硫化物系材料から貴金属を分離する工程
を含む、硫化物系材料から貴金属を回収するためのプロセスを提供することである。
本発明者らは、驚くべきことに、充分な酸化電位を酸性ハロゲン化物溶液において維持すると、貴金属の可溶化と同時に一段階で硫化物系材料を酸化することができることを発見した。
さらに、本発明者らは、驚くべきことに、硫化物系材料が砒素、アンチモンなどで汚染されている場合、貴金属を可溶化することができる一方で、砒素などを、事前のまたは最初の溶液調整工程を必要とせず、一段階で同時に浸出させ、沈殿させることできることを発見した。
これに関連して、第二の態様において、本発明は、
・ 硫化物系材料を酸化し、貴金属をその溶液に可溶性にするために充分な酸化電位を有し、且つ、砒素を沈殿させるpHを有する酸性ハロゲン化物水溶液を調製する工程;
・ 前記材料を前記酸性ハロゲン化物水溶液に添加して、その硫化物系材料を酸化し、貴金属を可溶化し、砒素を沈殿させる工程;および
・ 酸化された硫化物系材料および沈殿した砒素から貴金属を分離する工程
を含む、汚染されている硫化物系材料から貴金属を回収するためのプロセスを提供する。
前記第一および第二の態様のプロセスは、硫酸塩ではなくハロゲン化物をベースにした浸出溶液を利用するという点でも、POxおよびBioxプロセスと異なる。
本発明者らは、ハロゲン化物が(シアン化物のように)、金などの貴金属と強力な錯体を形成し、その結果、貴金属の溶解およびその後の例えば炭素吸着による貴金属の回収を促進できることに注目した。しかし、ハロゲン化物は、シアン化物より弱い配位子であるため、本発明者らは、(好ましくはpH<3の)酸性環境における充分高い酸化電位(Eh)により、シアン化物と同様の貴金属の溶解能力を達成するプロセス学を開発した。
有利なことに、本プロセスは、経済的な利益(例えば、簡素化、低エネルギー消費、物質収支の保持など)を随伴するクローズドループまたは再循環モードで運転することができる。本発明者らは、本プロセスを適用して、比較的高い炭素含有率を有する二重難溶性材料(例えば、炭素含有硫砒鉄鉱)などの鉱石および精鉱を処理することが、別な方法では困難なものを含むあらゆる硫化物系材料から貴金属を回収できることも確認した。
好ましくは、貴金属を含有する溶液は、酸化された硫化物系材料および(存在する場合には)沈殿した砒素から固体−液体分離段階において分離し、その後、金属回収段階において、活性炭、典型的には1つ以上の炭素収容カラム内の活性炭に、好ましくは吸着させることにより、貴金属をその溶液から回収する。好ましくは、活性炭に貴金属を吸着させた後、その炭素を除去し、燃焼して貴金属を回収するか、その炭素をシアン化物溶液で溶離し、その溶離液を電解段階に送って電解採取により貴金属を回収する。これに関して言えば、有利なことに、本プロセスは、別の専用浸出用回路を必要とする酸化残留物のシアン化が貴金属(金)抽出に必要とされる現行の工業プロセスとは異なる。本発明では、貴金属がすでに浸出液に可溶化されており、そのためシアン化物浸出の必要がない。加えて、現在、多数の環境問題の専門家が、特に環境問題に対する意識が高い場所において残留シアン化物の分解を求めており、これには別途費用が掛かる。
汚染されていない硫化物材料(例えば、砒素などにより汚染されていない単純難溶性硫化鉄鉱鉱石)の場合、その硫化物系材料の酸化は、典型的に、一段階で行われる。汚染されている硫化物系材料(例えば、砒素および/または炭素などにより汚染されている単純または二重難溶性硫化鉄鉱鉱石)の場合、その硫化物系材料の酸化は、典型的に、二段階で行われるが、貴金属の可溶化は、これらの段階のうちの第一の段階において達成される。
典型的に、その溶液は、金属回収段階を通過した後、硫化物系材料酸化段階に再循環させる。好ましくは、金属回収段階は、固体−液体分離段階の後、硫化物系材料酸化段階への溶液再循環の前に、インラインで設ける。用語「インライン」の使用は、溶液回路(すなわち、硫化物系材料酸化段階への溶液再循環に起因する「回路」)の一部として設けられる段階を指す。加えて、イオン交換、溶媒抽出などを含む炭素吸着以外の金属回収プロセスを利用することができる。
炭素を含む二重難溶性鉱石の場合、硫化物系材料酸化段階からの材料固体とともに通過するあらゆる貴金属を回収するために、追加の別金属回収段階を設ける(すなわち、溶液再循環回路に分かれる)必要がある。一部の貴金属(例えば、金)は、炭素とともに酸化プロセスを通過し、可溶化されないため、この別段階が必要となりうる。その別金属回収段階には、従来型のばい焼または溶融プロセスを利用することができ、また場合によっては、ばい焼してそのばい焼された固体材料(例えば金)中の一切の残留貴金属を回収した後、(例えば、硫化物系材料酸化段階からの溶液を使用する)浸出を利用することができる。
典型的には回収される貴金属は金であるが、銀、白金または他の白金族金属である場合もあり、それら金属の回収は、典型的にはそのプロセスの経済的側面によって是認される。
最も好ましくは、前記ハロゲン化物水溶液は、1リットルあたり約8モルのハロゲン化物濃度を典型的に有する可溶性金属ハロゲン化物溶液(soluble metal halide solution)である。好ましくは、前記ハロゲン化物は、塩化物であるが、臭化物、または塩化物と臭化物などのハロゲン化物の混合物であってもよい。
本プロセスは、好ましくは、金属ハロゲン化物溶解溶液(dissolved metal halide solution)中の金属が多価化学種として機能するように、運転される。これに関して言えば、硫化物系材料酸化の際に沈殿するように比較的高い酸化状態と、酸化中に還元される比較的低い酸化状態の両方を有する多価化学種が、典型的には選択される。有利には、その後、その多価化学種をその比較的高い酸化状態に再生し、その後、その再生された多価化学種を硫化物系材料酸化段階に再循環させて、さらなる酸化に関与させる。有利には、その多価化学種の再生は、経済的な利益(例えば、物質収支の保持、簡素化、低エネルギー消費など)を随伴する本プロセスの好ましいクローズドループまたは再循環モードの一部として、浸出段階(複数を含む)の間に行って、再生された化学種を硫化物系材料酸化段階に再循環させることができる。
典型的には金属ハロゲン化物溶液中の金属は銅であるが、鉄などであってもよい。これらの多価化学種のいずれもが、電子伝達物質としての機能を有効に果たす。例えば、硫化物系材料酸化工程に再循環される溶液中の金属は、その比較的高い酸化状態(例えば、Cu(II)またはFe(III))にあり、酸化後は比較的低い酸化状態(例えば、Cu(I)またはFe(II))になる。浸出段階において、多価化学種は、典型的には一対で存在する(すなわち、その高い酸化状態と低い酸化状態で存在する)。しかし、コバルト、マンガンおよびバナジウムを含む、他の多価化学種を用いることもある。
硫化物系材料が硫砒鉄鉱である場合、酸化電位を制御することにより、第一浸出段階において砒素を溶液に浸出させることができる。しかし、好ましくは溶液pHは、浸出すると砒素が砒酸第二鉄(スコロダイト)として沈殿するように制御する。重ねて、硫化物系材料が、硫砒鉄鉱である場合、好ましくはその硫化鉄鉱成分は、第二浸出段階で浸出させ、この段階では、砒素を砒酸第二鉄沈殿として維持するように溶液pHも制御する。従って、砒素は、固体−液体分離段階で固体残留物とともに本プロセスから外れ、貴金属の回収を妨げない。
汚染されていない単純難溶性硫化鉄鉱材料については、典型的に、硫化物系材料酸化工程が、硫化鉄鉱材料を酸化し、同時に貴金属を可溶化する単一の浸出段階を含む。
各浸出段階は、併流型または向流型で運転することができ、これに関連して、各段階は、1つ以上の容器を含むことができる。
好ましくは、第一浸出段階からの全溶液が、第二浸出段階に供給される。
硫化物系材料が、例えば砒素で汚染されているとき、前記材料を溶液と、典型的には第一浸出段階において、その汚染物質を浸出させ、貴金属(例えば金)を充分に可溶化するEh、好ましくは約0.7〜0.8ボルト(標準水素電極(SHE)参照)のEhで接触させる。この溶液Ehでは、前記材料の硫化鉄鉱成分は、実質的に浸出されない。好ましくは、第一浸出段階における溶液pHは、汚染物質を浸出直後に沈殿させるように、1未満であるが約0.5より大きい。好ましくは、第一浸出段階における溶液温度は、約80〜105℃、さらに典型的には80〜95℃である。
汚染されていない硫化物系材料について(単一の浸出段階を利用する場合)、または汚染されている硫化物系材料の硫化鉄鉱成分を浸出させるために利用される第二浸出段階については、典型的に、その材料は、硫化鉄鉱を浸出するために充分なEh、好ましくは約0.8〜0.9ボルトのEhを有する溶液と接触させる。重ねて、典型的に、溶液pHは、汚染物質を浸出直後に沈殿させるように、1未満であるが約0.2より大きい。また、硫化鉄鉱の浸出については、典型的に、溶液温度は、硫砒鉄鉱浸出の溶液温度以上、典型的には約90℃から105℃である。
より高い溶液Ehを単一のまたは第二の浸出段階において達成するために、酸素、空気、塩素ガス、過酸化水素などの追加の酸化剤の添加が必要となることもある。汚染物質をその沈殿形態で維持し、第二銅イオンを再生するために最適な溶液pHを達成するために、単一のまたは第二の浸出段階に硫酸などの酸および/または炭酸カルシウムなどの塩基を添加してpHを上げることが必要となることもあり、そうしなければ砒素および鉄は、沈殿せず、むしろ可溶化することになる。これに関しては、単一のまたは第二の浸出段階いずれにおいても、その材料の硫化鉄鉱成分の酸化により、充分なまたは過剰な硫酸が生産されることがある。あるいは、塩酸、またはそのプロセス化学に干渉しない他のあらゆる酸を利用することができる。
浸出後、分離された溶液は、貴金属の回収に送られるのに対し、分離された残留固体は、典型的には廃棄処分に送られる。
好ましくは、貴金属の回収後、溶液調整段階を用いて硫酸第二鉄を除去する(沈殿させる)ので、プロセス内のこの化学種のレベルを制御する。典型的に、この段階において石灰石および炭酸カルシウムを溶液に添加して、赤鉄鉱/石膏沈殿を形成し、その後、それを濾過し、浸出工程(複数を含む)からの固体残留物とともに廃棄する。しかし、好ましくは、第二鉄の除去は、石灰石の添加を調整することにより溶液中に多少の鉄を保持するように制御し、その結果として第二銅の沈殿を防止する(すなわち、鉄は、銅より低いpHで沈殿し、沈殿している間にpHを緩衝し、その結果、銅の沈殿に対する防衛手段としての機能を果たすため)。
好ましくは、固体−液体分離段階においてその溶液から固体残留物を濾過するが、固体/液体沈降分離、溶液蒸発、遠心分離などの他の分離方法論を利用してもよい。
高レベルの炭素(例えば、2〜20重量%の炭素)が硫化物系材料中に存在するとき、有利なことに、ブラインディング剤(blinding agent)などの界面活性剤を硫化物系材料の酸化中にその溶液に添加して、その材料中の炭素への貴金属(金など)の吸着を防止することができる。典型的に、ブラインディング剤は、灯油、フェノールエーテルなどを含む1つ以上の有機溶媒である。あるいは、活性炭をその溶液に添加して、優先的に金を吸着させることができる。ブラインディング剤または活性炭の使用により、別の方法では固体残留物中の炭素とともに通過しうるあらゆる貴金属を分離するための別金属回収段階の必要性を未然に回避することができる。
本プロセスの最も有利な適用は、硫化鉄鉱鉱石および精鉱からの貴金属の回収に関連するものであり、この場合の汚染物質は、典型的には砒素、アンチモン、ビスマス、水銀、カドミウムなどであり、またはそれらは、多くの採掘したままの硫化鉄鉱材料中に天然に存在するものである。
その上、本プロセスでは、銅、ニッケル、亜鉛、鉛などを含む他の経済的に有意な材料を回収することができる。加えて、一定の適用では、汚染物質それ自体、回収が望ましいまたは必要でありうる。例えば、汚染物質が、経済的に価値がある場合もあり、または環境に有害であり、その結果、汚染物質沈殿からのその回収が促される場合(例えば、これは、アンチモン、ビスマス、カドミウムなどの汚染物質についての場合でありうる)もある。
第二の態様のプロセスは、硫化物系材料が、砒素、アンチモンなどで汚染されている場合に利用される。このプロセスでは、貴金属は可溶化し、その一方で汚染物質は、事前のまたは最初の溶液調整段階の必要なく、一段階で同時に浸出させ、沈殿させる。一部の適用、例えば、汚染物質を(例えば、それが何らかの経済的価値を有するため)別途回収される場合の適用、または単に第二の態様のプロセスの代替としての適用では、汚染物質の沈殿を汚染物質の浸出と分けることが望ましい場合もある。
従って、第三の態様において、本発明は、汚染されている硫化物系材料から汚染物質を除去するためのプロセスであって、
・ 比較的高い酸化状態の多価化学種が汚染物質を酸化してそれをその溶液に可溶性にし、汚染物質精製材料を生じ、比較的低い酸化状態に還元する、水溶液中で前記材料を混合する工程;および
・ その溶液から汚染物質を除去する一方で、多価化学種をその比較的高い酸化状態に再生する工程
を含むプロセスを提供する。
このプロセスもまた有利なことに、汚染されている硫化物系材料に随伴する金属、特に金などの貴金属を回収することができる。加えて、多価化学種を再生しながら汚染物質を除去することにより、有利にも、このプロセスは、簡素化、低エネルギー消費、物質収支の保持などの経済的利益を随伴するクローズドループまたは再循環モードで運転することができる。
他の一部の適用、例えば、硫化物鉱石の従来的なばい焼または溶融前に汚染物質を除去する必要がある適用または、単に第二の態様のプロセスのもう1つの代替としての適用では、汚染物質沈殿を汚染物質浸出と分けることも望ましいことがある。
従って、第四の態様において、本発明は、汚染されている硫化物系材料から汚染物質を除去するためのプロセスであって、
・ 実質的に汚染物質のみを酸化してそれをその溶液に可溶性にし、それによって汚染物質精製材料を生じるように制御された酸化電位を有する水溶液中で、前記材料を混合する工程;および
・ 前記溶液を汚染物質精製材料から分離する工程
を含むプロセスを提供する。
酸化電位を制御することにより、この第四の態様のプロセスは、有利にも、汚染物質を可溶性形態で維持することができ、従って、その後のその除去(例えば、別沈殿工程での除去)を助長することができる。
例えば、その材料が、硫砒鉄鉱であり、汚染物質が、砒素である場合、例えば第一浸出段階において、砒素を酸化および可溶化し、硫化鉄鉱を酸化しないように酸化電位を制御することができる。加えて、第三および第四の態様のプロセスでは、砒素を可溶化し、分離したら、その後の(例えば第二の)浸出段階で、残りの硫化鉄鉱成分をより激しく酸化することができる。
用語「汚染物質精製材料」は、汚染物質が完全には除去されていないが、(例えば、ばい焼炉および溶鉱炉において)受け入れ可能にさらに処理することができるような、または廃棄などについての許容環境基準に見合うような、充分に低い汚染物質レベルの材料を包含する。第三および第四の態様のプロセスは、典型的には硫化鉄鉱鉱石または精鉱を処理するために用いられ、この場合の汚染物質は、典型的に、砒素、アンチモン、ビスマス、水銀およびカドミウムを含む。これらの汚染物質は、多くの採掘されたままの硫化鉄鉱材料中に天然に存在するものである。第三および第四の態様のプロセスは、硫砒鉄鉱、特に、高い炭素含有率を有する二重難溶性鉱石などの処理が難しい鉱石および精鉱にも適用することができる。
第三および第四の態様のプロセスにおいて、汚染物質は、典型的には、酸化剤をその溶液に導入することによる別沈殿段階における沈殿によってその溶液から除去する。有利なことに、酸化剤は、同時に、多価化学種をその比較的高い酸化状態に酸化することができる。そして、汚染物質を沈殿させて除去し、多価化学種をそのより高い酸化状態に再生した後、その溶液は、浸出段階に再循環させることができる。
沈殿段階において、溶液pHは、典型的に、約pH1.5〜3で維持する。溶液pHは、典型的に、その溶液への酸化剤および/またはアルカリ剤の供給を調節することによって維持する。アルカリ剤の添加が必要な場合、典型的には炭酸カルシウム、酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウムなどのアルカリ塩を添加する。
沈殿段階において、典型的に、酸化剤は、汚染物質を、その比較的低い可溶性形態に酸化し(例えば、砒素をその+3の酸化状態から+5の酸化状態に酸化し)、同時に多価化学種を酸化することによって、沈殿させる。酸化剤は、空気、酸素、塩素ガス、過酸化水素などでありうる。硫化鉄鉱鉱石において、汚染物質は、典型的には鉄/汚染物質の酸化生成物形態(例えば、汚染物質が砒素の場合には砒酸第二鉄)として沈殿する。
汚染物質沈殿後、典型的には、溶液EhおよびpHを汚染物質の浸出に必要なレベルに戻して、溶液を浸出段階に再循環させることができる。これは、例えば、汚染物質沈殿後、酸化剤の添加を調節することにより、達成することができる。
第三および第四の態様のプロセスでは、一段または多段浸出プロセスで汚染物質を酸化して、溶液に浸出させることができる。典型的に、その浸出プロセスは、実質的に汚染物質のみを酸化して、それを溶液に可溶性にするように酸化電位を制御する第一浸出段階と、酸化電子を上昇させて、汚染物質精製材料中の硫化物を酸化する第二浸出段階を含む。これに関しては、好ましくは、汚染物質の大部分を第一浸出段階において酸化および可溶化し、残留汚染物質は、第二浸出段階において酸化することができる。
重ねて、各浸出段階は、併流型または向流型で運転することができ、これに関連して、各段階は、1つ以上の容器を含むことができる。
汚染物質精製材料は、典型的に、第一浸出段階後に溶液から分離し、第二浸出段階に供給する。加えて、典型的に、その溶液は、各浸出段階後、汚染物質を除去するために、典型的には沈殿段階での沈殿により、汚染物質精製材料から分離する。
第三および第四の態様のプロセスにおいて、硫化物系材料が硫化鉄鉱材料(例えば、硫砒鉄鉱または他の汚染されている硫化鉄鉱)である場合、典型的に、第一浸出段階では、汚染物質を充分に酸化して溶液にするが、実質的には硫化鉄鉱を浸出しない溶液Eh、典型的には約0.7〜0.8ボルトのEh(SHE参照)で、典型的には約105℃以下の温度で、典型的にはpH1未満の酸性水溶液中で、汚染物質を酸化する。第二浸出段階では、典型的にはpH1未満の酸性水溶液中、しかし硫化鉄鉱を充分に浸出するより高い溶液Eh、典型的には約0.8〜0.9ボルトのEhで、温度約105℃以下で、硫化鉄鉱材料も酸化する。第二浸出段階においてそのより高い溶液Ehを達成するために、酸素、空気、塩素ガス、過酸化水素などの酸化剤を溶液に添加することができる。重ねて、必要な場合には、硫酸などの酸を添加してもよい。
第二浸出段階において、硫化鉄鉱の酸化のための低い溶液pHを維持するため、および典型的にはその+5の酸化状態で存在するあらゆる残留砒素を可溶化するために、酸、例えば、硫酸、塩酸またはこのプロセス化学に干渉しないあらゆる他の酸の添加が必要となることもある。しかし、酸の添加が、必要でないこともある(例えば、その鉱石または精鉱中に存在する硫黄を酸化し、その結果、その溶液中で充分な硫酸を生じる場合)。
第一および第二の態様のプロセスでの場合、浸出段階および沈殿段階を通して再循環される溶液は、典型的に、1リットルあたり約8モルの塩化物濃度を有する金属塩化物溶解溶液であり、その金属塩化物溶解溶液中の金属が、(第一および第二の態様のプロセスにおいて定義したように)多価化学種として機能する。
第一および第二の態様のプロセスでの場合、硫化物系材料中に高レベルの炭素(例えば、2〜20重量%の炭素)が存在するとき、有利には、ブラインディング剤などの界面活性剤を汚染物質酸化(浸出)段階中にその溶液に添加して、溶解したあらゆる金属(特に、金などの貴金属)がその材料中の炭素に吸着することを防止することができる。ブラインディング剤の使用により、貴金属と炭素を分離するためのばい焼の必要性をうまく回避することができる。
従って、第五の態様において、本発明は、比較的高い炭素含有率を有する、汚染されている硫化物系材料を処理して、前記材料中の貴金属の回収を可能にするためのプロセスを提供し、このプロセスは、
− 水溶液に前記材料を浸出させる工程(ここで、前記金属は、その溶液に浸出させ、その一方で前記材料中の炭素はマスクして、それへの貴金属の吸着を防止する);および
− その溶液から貴金属を回収する工程
を含む。
用語「比較的高い炭素含有率」は、典型的には約2〜20重量%の、硫化物系材料中に存在する炭素のレベルを指す。
炭素は、上で定義したようなブラインディング剤でマスクすることができる。第五の態様のプロセスは、他の点では、第一から第四の態様において定義したとおりでありうる。
汚染物質を沈殿させて除去し、多価化学種をその比較的高い酸化状態に再生した後、典型的にはその溶液を浸出段階に再循環させる。多価化学種は、その元々の(浸出前の)酸化状態に再生されているため、後続の酸化および浸出での沈殿は容易である。
第三および第四の態様のプロセスにおいて、金属回収段階を設けて、汚染物質とともに溶液に浸出した金属を回収する、および/または残留汚染物質精製材料中に存在する金属をそこから回収することができる。
例えば、炭素を含む二重難溶性鉱石の場合、例えば炭素に吸着された残留汚染物質精製材料中に存在する金属(例えば、金などの貴金属)を回収するために、最終浸出段階の後に金属回収段階が必要となることもある。また、二重難溶性鉱石の場合、汚染物質は浸出中に硫化物系材料から実質的に除去されているため、金属回収段階は、従来的なばい焼または溶融プロセスを含むことができる。場合によっては、ばい焼後、ばい焼された固体材料中の一切の残留金属を回収するために塩素またはシアン化物の浸出を利用することができる(例えば、その金属が、金などの貴金属である場合)。
あるいは、または加えて、浸出段階において溶液に浸出させた一切の金属を除去するために、汚染物質の沈殿の前(すなわち、汚染物質の酸化と沈殿の中間)または後(すなわち、汚染物質の沈殿と酸化段階への再循環の中間)に、インライン金属回収段階が必要となることがある。用語「インライン」は、溶液再循環回路上に位置する段階を指す。インライン金属回収は、典型的に、炭素カラム内の炭素、典型的には活性炭への溶液中の金属の吸着を含む。あるいは、イオン交換、溶媒抽出などの他の金属回収プロセスを利用してもよい。
第三および第四の態様のプロセスにおいて回収される典型的な金属には、金、銀、白金または他の白金族金属などの貴金属が挙げられ、それらの金属の回収は、典型的にはそのプロセスの経済的態様によって是認される。しかし、銅、ニッケル、亜鉛、鉛などを含む他の経済的に有意な金属を、代わりになるものとして、または追加して回収することもできる。加えて、第三および第四の態様のプロセスの一定の適用では、汚染物質それ自体、回収が望ましいまたは必要である場合がある。例えば、汚染物質が、経済的に価値がある場合もあり、または環境に有害であり、その結果、汚染物質沈殿からのその回収が促される場合もある(例えば、これは、アンチモン、ビスマス、カドミウムなどの汚染物質についての場合でありうる)。汚染物質が、回収すべき「金属」を構成する場合、汚染物質回収段階は、汚染物質の沈殿の後に追加して、またはその代わりになるものとして設けることができる。
第三および第四の態様のプロセスでは、金属回収前に、典型的には多数の金属分離段階を設けて、溶液から汚染物質精製材料を分離する。これに関しては、典型的には第一浸出段階の後、溶液を濃縮段階に付して濃縮し、溶液から汚染物質精製材料を分離する。典型的には第二浸出段階の後、汚染物質精製材料を溶液から濾過するが、固体/液体沈降分離、溶液蒸発、遠心分離などの他の分離方法論を利用してもよい。
従って、典型的には、第一および第二浸出段階各々の後、分離された溶液は、汚染物質の回収に送り、これに対して分離された精製材料は、金属の回収に送る必要がある場合(例えば、二重難溶性硫化鉄鉱の場合)もあり、または廃棄が必要な場合もある。
加えて、第三および第四の態様のプロセスにおいて、汚染物質沈殿段階の後、典型的に、浸出段階に溶液を再循環させる前(またはインライン金属回収段階の前)に汚染物質分離段階を設けて、溶液から汚染物質を除去する。これに関しては、固体/液体分離段階を典型的には汚染物質沈殿後に用い、それは、濾過または別の分離方法論によって助長することができる。
本発明の範囲に入りうる他のあらゆる形態にもかかわらず、本発明の好ましい形態を単に例として、添付の図面を参照しながらここで説明することにする。
発明を実施するための形態
詳細および実施例を通して本発明の好ましいプロセスを説明する前に、本発明の好ましいプロセスを全体像で、および図1を参照して先行技術POxおよびBioxプロセスとの関連で、先ず、説明することにする。
この詳細な説明において、本発明の好ましいプロセスは、インテック・リフラクトリー・ゴールド・プロセス(the Intec Refractory Gold Process(IRGP))と呼ぶ。これらのプロセスは、難溶性硫化物鉱床からの金の回収についてのハロゲン化物をベースにした代替法として開発された。そうした鉱床からの公知の処理は、一般に、粉砕鉱石を浮遊選鉱して精鉱を生じ、その後、それを処理して、硫化鉱物を主として硫酸塩に酸化することによるものであり、シアン化物を使用してその酸化残留物から金を抽出することで完結する。
硫化鉱物を酸化するために現在工業的に利用可能な選択肢には、ばい焼、加圧酸化(POx)およびバイオ酸化(Biox)が挙げられる。現行の湿式精錬法(POxおよびBiox)との比較によりIRGPの背景を図1に図示する。有利なことに、IRGPは、硫酸塩媒質ではなくハロゲン化物を利用する点で、湿式精錬POxおよびBiox選択肢と異なる。金は、硫酸塩に不溶性であり、これに対してハロゲン化物は、シアン化物同様、金と強力な錯体を形成して、その溶解およびその後の活性炭への吸着による回収を助長する。ハロゲン化物はシアン化物より弱い配位子であるので、同じ金抽出効率を達成するには、酸性環境(pH<2)、ならびにより高い溶液温度および電位(Eh)を用いる。
難溶性硫化物の処理については、制御された溶液酸化電位のハロゲン化媒質が、砒素および硫化物の酸化ならびに金の溶解を可能にする。金含有溶液を酸化された硫化鉱物スラリーから分離した後、溶解した金は、活性炭に吸着させ、その後、それを燃焼することによって回収することができ、または電解採取による金金属の最終的な回収のためにシアン化物で溶離することができる。現行の工業法とは異なり、IRGPは、別の専用浸出回路を必要とする、およびことによると残留シアン化物を分解するための費用が嵩む要求条件も必要とする金抽出のための酸化残留物のシアン化を、必要としなかった。
次の表に示すような金含有鉱石を難溶性にする多数の因子がある:
Figure 2006512484
IRGPは、特に、後半の2つのカテゴリー「置換」および「吸着」に入る難溶鉱物から生産される精鉱を処理するために開発された。世界の金の割合の大半が、これら2つのカテゴリーに入り、別々にまたはより一般的には組み合わせで産出する硫砒鉄鉱と硫化鉄鉱などの硫化鉄が、これらの優位を占めている。IRGPは、「活性」炭もその鉱石中に存在する場合にも適用することができる。
IRGPプロセスおよび化学を、次の鉱物タイプ:
1.硫砒鉄鉱
2.硫砒鉄鉱+硫化鉄鉱
3.硫砒鉄鉱+硫化鉄鉱+炭素
を含有する難溶性金精鉱の処理について、これから説明する。
硫砒鉄鉱酸化化学
難溶性金精鉱中の砒素の存在は、主として、硫砒鉄鉱(FeAsS)の形態でである。典型的に、金は、天然の金としてではなく、主に、格子に結合した化学種(多くの場合、固溶体と呼ばれる)としてこの硫砒鉄鉱の中に「閉じ込められて」いる。その結果、金の単体分離には、その硫砒鉄鉱格子の完全な分解が必要であった。
IRGPにおける硫砒鉄鉱格子の分解は、次の総合反応:
FeAsS+2O→FeAsO+S (1)
による化学的酸化によって達成された。この酸素は、硫砒鉄鉱を(このプロセス液へのその溶解度が極めて低かったので)直接は酸化しなかったが、幾つかの中間工程を通して作用した。
酸素は、大気圧で浸出液にスパージされる(sparged)空気から直接供給され、最初は、次の反応:
2Cu+1/2O+2H→2Cu2++HO (2)
に従って第二銅イオイン(Cu2+)の形態での可溶性酸化剤を発生させるために用いられた。
この反応は、気泡とプロセス液の間の界面で発生した。その後、次の反応:
FeAsS+7Cu2++4HO→HAsO+Fe2++S+5H+7Cu(3)
に従って、その第二銅イオンが硫砒鉄鉱を酸化した。
その後、その第一鉄反応生成物および第一銅反応生成物を、反応(2)および次の反応:
Cu2++Fe2+→Cu+Fe3+ (4)
に従ってさらなる空気スパージにより酸化した。
第二鉄イオンの存在下では、次の反応:
AsO+Fe3+→FeAsO+3H (5)
に従って砒酸が容易に可溶性砒酸第二鉄を形成した。
砒酸第二鉄は、高塩化物電解質中で形成されうり、IRGPにおいて用いられる運転条件下では典型的には結晶質であり、その環境で安定であり、それらのことが、その容易な分離を可能にした。
鉄の低いバックグラウンド濃度がそのプロセス液中に常に存在したので、Cu2+/Cu対の作用は、Fe3+/Fe2+対によって補足された。Cu2+およびFe3+の影響下で達成可能な電位は、酸素の存在下で850mV(対SHE)の領域内であった。この電位は、次の反応:
3Cu2++Au+4Cl→AuCl +3Cu (6)
に従って塩化物錯体が形成されることにより金が安定化するため、金の溶解には充分であった。
臭化物がプロセス液中に存在したとき(例えば、故意に添加した場合)、次の反応:
3Cu2++Au+4Br→AuBr +3Cu
に従って、金−臭化物錯体も形成された。
酸化は、20〜40g/LのCu2+イオンと2〜5g/LのFe3+イオンを含有する8Mの塩化物電解質中、90〜95℃の温度で行った。
硫化鉄鉱酸化化学
IRGPにおける硫化鉄鉱(FeS)の酸化は、次の総合反応:
4FeS+l5O+2HO→8SO 2−+4Fe3++4H (7)
に従って、硫砒鉄鉱の酸化に利用したものと同じ系列の中間反応経由で達成された。
元素状態にのみ酸化される硫砒鉄鉱の硫黄とは対照的に、硫化鉄鉱の硫黄は、全面的に硫酸塩に酸化されることに注目した。
硫化鉄鉱は、硫砒鉄鉱より難溶性であり、それ故、下で説明するように、許容可能な反応速度を達成するために、より微細な粉砕サイズを用いた。しかし、個々の硫化鉄鉱サンプルは、様々な反応性を示し、それは結晶格子内の硫黄の部分を砒素が置換することによる影響を受けると考えられた。そうした硫化鉄鉱は、多くの場合、含砒硫化鉄鉱と呼ばれ、As/S比で砒素汚染が大きいほど、その硫化鉄鉱の反応性は大きく、真の硫砒鉄鉱に近づいた。
反応は、次の反応:
FeS+7Cu2++4HO→SO 2−+Fe2++8H+7Cu (8)
に従って、硫砒鉄鉱の酸化に使用したものと同じ液中、90〜95℃の温度で、硫砒鉄鉱についてのようにCu2+/Cu対により進行した。
反応(2)および(4)に従って、さらなる酸素スパージにより、CuおよびFe2+を酸化した。形成された硫酸第二鉄は、次の反応:
4SO 2−+2Fe3++2H+4CaCO→Fe+4CaSO+4CO+HO (9)
に従って、約1〜1.5のpHで石灰石を添加することにより、赤鉄鉱および石膏として沈殿させた。
石灰石の添加は、可溶性の鉄を2〜5g/Lの範囲で維持するように制御し、それによって沈殿および第二銅の浸出残留物への損失を防止した。
精鉱の粉砕サイズ
IRGPにおいて使用した精鉱は、典型的に、80%、70〜100マイクロメートル未満のサイズ範囲で受け入れた。試験は、精鉱を(個々の濃度各々の特性に依存して)より微細なサイズに再粉砕したとき、および典型的には第一プロセスモード(下記)で再粉砕を利用したとき、反応速度が有意に強化されることを示した。硫砒鉄鉱が、唯一の金含有鉱物である場合、80%、30〜40マイクロメートル未満のサイズが、良好な金の抽出および許容可能な浸出所要時間を達成するために妥当であると判明した。
金が硫化鉄鉱の中に閉じ込められている場合、粉砕サイズは、前に説明したように大いに変化するその硫化鉄鉱の反応性に主として依存した。高活性硫化鉄鉱については、硫砒鉄鉱について用いた粉砕を利用したが、より難溶性の硫化鉄鉱の例には、より微細な粉砕を要した。これは、さらに極端な難溶性の事例では、80%が6〜10マイクロメートル未満である超微粉砕にまで拡大する場合もあった。本発明者らは、超微粉砕技術が、この10年にわたって、多数の超微粉砕機が世界中の鉱山で首尾よく運転される所まで開発されたことにも注目した。
金の回収
金含有浸出溶液を、金を吸着する活性炭を収容しているカラムに通した。金吸着の所要時間は、10〜15分であり、これは、シアン化物系についての従来的な実施と同様であった。その炭素への金の負荷は、その精鉱の金の品位が典型的に高い結果としてその溶液中の金濃度が比較的高い(典型的には10〜100mg/L)ため、典型的には2〜5% w/wであった。そうした負荷での金の回収は、焼成がまでの燃焼による炭素の分解によるものだった。より低い負荷で、シアン化物で溶離し、その後、炭素を再活性化すると、より経済的であった。
不純物の管理
あらゆる主要な汚染物質(砒素、アンチモンなど)に加えて、供給精鉱中の不純物(Cd、Mn、Mgなど)の存在は、浸出操作に対しても、沈殿操作に対しても有害な影響を及ぼさなかった。それにもかかわらず、不純物を管理するための方法を用いて、時間の経過とともにプロセス溶液中にそれらが堆積するのを防止した。これは、プロセスに戻される精製ブラインでの再生第二銅溶液のブリードからの沈殿により、達成した。重要なこととして、IRGPは、廃液を一切生じず、すべての不純物が固体副産物として除去された。
石灰石をブリードに添加して、pHを3.5にし、それによって残留鉄および銅を沈殿させ、それらを濾過によって除去し、浸出液に再循環させた。その後、Cd、MnおよびMgなどの不純物は、pH9で消石灰を添加して不溶性酸化物を形成し、それらを廃棄のために濾過により回収することによって、除去した。
プロセス設備関係では、IRGPは、大気圧を使用する点ではBioxプロセスと同様であるが、有利なことに所要時間が短く、典型的には6〜20時間の範囲内であった。硫化鉄鉱の酸化では、プロセスに供給される精鉱を例えば10μm未満の超微細レベルに微粉砕した場合、Bioxより高い浸出温度を用いたが、(Poxに用いられるような)酸素プラントの回避は達成された。プロセス装置の構造材料は、繊維強化プラスチック、ゴム張りのスチールおよびチタンであった。
硫砒鉄鉱+硫化鉄鉱+炭素(二重難溶性)
金精鉱の処理における炭素の影響は、主としてその品位および活性の関数であった。より低い炭素含有率範囲では、有機添加剤(ブラインディング剤)を使用して、金の吸着を抑制するか、活性炭を浸出液に添加して、金を優先的に吸着させた(CIL−浸出液中の炭素)。従って、これらの場合、硫砒鉄鉱の酸化は、前に記載したとおりであった。
しかし、炭素含有率が3%から5%過剰で出発したとき、抑制またはCILの有効度は、金のいわゆる「プレグ・ロビング(preg−robbing)」の増加につれて大きく低下された。この場合、ばい焼による炭素の分解は、当該技術分野において実施されている主要な処理オプションとなっている。これは、得られたカルシンからの金の抽出が、ばい焼条件による影響を受けるので、比較的複雑なプロセスである。さらに、硫化鉄鉱の最適ばい焼条件は、硫砒鉄鉱のものとは異なり、二段ばい焼プロセスを必要とする。
ばい焼前にIRGPを使用することにより、砒素および硫黄を選択的に浸出させて、その後のばい焼を簡素化した(この場合は、より簡単な一段プロセスになった)。さらに、砒素および硫黄の除去は、AsおよびSOを大きく減少させるため、ばい焼炉の運転からの排ガスの洗浄の義務を減じた。従って、その影響は、ばい焼工程における資本および運転費用を有意に減少させるものであった。
第一および第二プロセスモード
本発明の第一プロセスモードで難溶性硫化物を処理するとき、一定の溶液酸化電位でのハロゲン化物媒質の使用により、硫化物の酸化を金の溶解と同時に行うことが可能となった(いわゆる「オール・イン・ワン」プロセス)。本発明の第二プロセスモードでは、溶液パラメータが異なるハロゲン化物媒質の使用により、多少の金の溶解を典型的には伴う硫化物の酸化前に、汚染物質(例えば、砒素など)の酸化を行い、別途およびその後、汚染物質の分離およびさらに金の回収を行うことが可能となった。さて、本発明の第一プロセスモードを詳細に説明し、その後、本発明の第二プロセスモードを詳細に説明することにする。
第一プロセスモード
第一プロセスモードの説明では、図2から4および実施例1から3を参照することになる。
さて、図2を参照すると、単純難溶性硫化鉄鉱の金回収プロセス10が、図示されている。プロセスに供給するための貴金属精鉱12は、硫化物系鉱石の採鉱、微粉砕、およびその後の浮上選鉱によって用意する。この精鉱は、典型的には金含有硫砒鉄鉱(この場合、二重難溶性であるため、高い炭素含有率を有する)である。その精鉱を、特別なボールミルで、典型的には10μm未満の超微細レベルに粉砕する。その後、その粉砕した精鉱を、硫砒鉄鉱浸出段階14の形態の第一浸出段階に供給する。
硫砒鉄鉱浸出プロセス14では、酸性環境(硫砒鉄鉱の浸出は低い溶液pHで強化されるので、好ましくはpH1未満)を維持する。その酸性環境は、溶液の再循環だけで達成することができ、または非汚染性の酸(硫酸または塩酸など)を添加してもよい。浸出溶液のEhは、その材料の硫砒鉄鉱成分の酸化および金の可溶化を促進するために、典型的には0.4ボルトより大きく維持する。浸出温度は、約80〜95℃で維持する。
その後、その浸出された材料を第二の硫化鉄鉱浸出段階16に供給し、そこに酸化剤(酸素、空気、塩素、過酸化水素など)を添加して、溶液の酸化電位を上昇させ、それによって硫化鉄鉱を酸化する。第二浸出段階において砒素を沈殿形態で維持するため、約0.2よりも高い溶液pHを維持するように酸(硫酸など)または塩基(炭酸カルシウムなど)の添加が必要な場合もある。
プロセス溶液は、典型的に、8モル/リットルの塩化物濃度を有する塩化第二銅水溶液である。砒素浸出段階と硫化鉄鉱浸出段階の両方において、第二銅イオンは、硫化物系材料を酸化し、第一銅イオンに還元される(化学反応式(2)および(8))。第二銅イオンは、酸性酸化環境において再生もされる(化学反応式(3)および(9))。従って、このプロセスでは、銅は、Cu2+/Cu対として存在し、電子伝達物質としての機能を果たす。鉄、コバルト、マンガン、バナジウムなどの他の物質が、この機能を果たしてもよい。
硫化物系材料が、高い炭素含有率(例えば、3〜5重量%以下)を有する場合、マスキング用界面活性剤を段階14および16で溶液に添加して、溶液に浸出された一切の金(または他の貴金属)の炭素への吸着を防止することができる。界面活性剤は、典型的に、灯油、フェノールエーテルなどの有機ブラインディング剤である。あるいは、活性炭を添加して、その後の除去のために金を優先的に吸着させることができる。
第一モードの硫砒鉄鉱浸出段階14において、本発明者は、1未満であるが、砒素が可溶化するpHより高い制御されたpHで、約0.7〜0.8ボルト(対SHE)の制御された比較的控えめなEhで、および比較的低い温度(80〜95℃)で、硫化鉄鉱の硫化物を硫酸塩に酸化せずに、その材料を浸出し、金を可溶化することができることを見い出した。
硫化鉄鉱浸出段階16において利用する酸化条件は、砒素浸出段階14より過酷である。これに関しては、酸化剤を溶液にスパージして、その酸化電位Ehを約0.85ボルトに上昇させる。加えて、第二浸出段階における溶液温度を約90〜105℃に上昇させることが必要な場合もある。重ねて、第一モードにおいて、第二浸出段階の溶液pHは、pH1未満であるが、砒素が可溶化するpHより高いpHに再制御する。
第二段階浸出プロセスにおいて(すなわち、Cu(II)が再生されるとき)酸は消費されるため、浸出段階16において、硫酸、塩酸またはプロセス化学に干渉しない別の酸などの酸を定期的に、または継続的に溶液に添加することが必要な場合もある。しかし、酸の補給は、硫化鉄鉱の浸出により充分な硫酸が生産されるか否かに依存する。加えて、浸出段階16において、そのpHを炭酸カルシウムの添加により制御して、砒素の可溶化を防止する。
浸出段階16において、硫化物を硫酸塩まで酸化し、鉄をFe(III)として溶液に浸出させ(化学反応式(1))、および典型的には硫化鉄鉱中の一切の残留金(または他の貴金属)を可溶化する。驚くべきことに、本発明者らは、酸化電位が、Cu2+およびFe3+の影響下、酸素の存在下、ハロゲン化物溶液中では、850mV(対SHE)の領域で達成可能なことを確認した。この電位は、金−塩化物錯体の形成のため、使用される8MのCl媒質中での金の解離には充分であった。
硫化鉄鉱浸出段階16から得られた固体スラリーは、固体分離段階18に送り、典型的にはそこで公知の濾過装置を使用して溶液から固体を濾過する。得られた濾液20は、インライン貴金属回収段階22に送り、これに対して濾過された固体24は、尾鉱として廃棄する。段階18で補給水を添加して、尾鉱とともに失われる分を補う。
金属回収段階22は、溶液が流動床装置などの中を上に向かって通過する1つ以上の活性炭充填カラムを含む。その溶液中の可溶化された金(または他の貴金属)はその炭素に吸着し、一方、オーバーフロー液流26は、そのカラムから出て、浸出段階14に再循環される。その後、金を担持している活性炭を定期的に除去または処理し、金製品流28として金回収プロセスに送る(例えば、炭素産物を燃焼するか、シアン化物溶液で炭素カラムを溶離することによる)。
オーバーフロー液流26は、溶液調整段階30の形態での鉄沈殿段階を経由して浸出段階14に再循環させる。段階30において、硫化鉄鉱酸化段階16からの可溶性硫酸第二鉄は、石灰石および炭酸カルシウムを添加して、赤鉄鉱および石膏を形成する(化学反応式(6))ことにより、沈殿させて、硫黄および鉄をプロセスから除去する。溶液中、約2g/Lの鉄イオンを維持するように石灰石の添加を制御して、第二銅の沈殿を防止する。赤鉄鉱/石膏スラリーを濾過し、残留物を除去した後、尾鉱へと廃棄する。その後、溶液を段階14に再循環させる。
全プロセスにおいて汚染物質の堆積を防止するために、流れ26の一部32をブリード回路34として再循環させて、(例えば、ブリード溶液のpHを上昇させることによる制御沈殿により)Mn、Cd、Ni、Coなどの汚染物質を分離除去する。
第一プロセスモードの例
最適なプロセス流路を記載したので、本発明の第一プロセスモードを説明する好ましい例を記載することにする。
実施例1
予備評価として、第一精鉱からの金の抽出を3つの異なる工程(硫砒鉄鉱浸出、硫化鉄鉱浸出1および硫化鉄鉱浸出2)で行った。次の実験室試験の報告は、これら3つの工程の手順および結果を説明するものである。CON1 01は、硫砒鉄鉱浸出および硫化鉄鉱酸化1を指し、CON1 02は、硫化鉄鉱酸化2を指す。第一精鉱をP80=30μに微粉砕し、As浸出に付し、その後、硫化鉄鉱酸化に付した。
目的
目的は、IRGPを単純難溶性Au精鉱に適用することであった。鉱石サンプルは、微粉砕および濃縮のために治金研究所に提供した。
手順
この実験は、二部で行い、7.5Lチタン製絶縁タンク内で行った。第一部、As浸出は、従来型のミキサーを使用した。第二部、硫化鉄鉱の酸化は、フラットブレードタービンおよびスパージャーを使用した。
パート1:As浸出
「プロペラ」攪拌機を取り付けた7.5Lチタン製反応器の中で、3.5Lの中性ブラインを、200g/LのNaCl、50g/LのCaClを用い、pH<0.5で調製した。5Lの「ブースト(boost)」溶液も、200g/LのNaCl、50g/LのCaClおよび75g/LのCu(CuClからのもの)を用い、pH<0.5で調製した。必要な場合には、数グラムの銅樹枝状結晶を添加してEhを580mVと600mVの間に調整した。ブースト溶液は、80℃で維持した。
浸出反応器を105℃に加熱した後、300g当量の乾燥精鉱を前記ブラインに添加した。15分後、必要な場合には、濃HClをその懸濁液に添加して、pH<0.5に調整し、t=0のサンプルを採取した。酸のすべての添加を書き留めた(時間、添加容積、浸出タンク内での容積)。
EhおよびpHを測定し、ブースト溶液を、530mVを超えないようにEhをモニターしながら、2.5L/時の速度でゆっくり添加した。As、Fe、Cu分析のために、溶液のサンプルを30分ごとに採取した。EhおよびpHは、30分ごとにモニターした。
530mVのEhが達成され、安定したとき、As浸出は、完了とみなした。スラリーを濾過した。そのケークを熱ブライン(50g/LのNaClおよびpH<1.0)で2回洗浄し、その後、濾液が透明になるまで熱水で洗浄した。ケークを一晩、オーブンの中で乾燥させた。そのケークをS(T)、S(E)、As、Fe、AuおよびCについて分析した。
パート2:硫化鉄鉱の酸化
7.5L反応器にフラットブレードタービン攪拌機およびチタン製スパージャーチューブを装着した。浸出タンクの中で、200g/LのNaCl、50g/LのCaClおよび75g/LのCu(CuClからのもの)を用い、ならびに8.8モル濃度の濃HClを添加してpH<0.5で、10リットルのブライン溶液を調製した。その溶液を105℃に加熱し、t=0のサンプルを採取し、乾燥ケークはパート1で作った。Asの浸出をそのタンクに導入した。15分後、EhおよびpH測定のために溶液のサンプルを採取した。必要な場合には、工業用HClを添加して、pH<0.5にした。
酸素を2L/分の速度で導入し、EhおよびpHを30分ごとにモニターし、Fe、As、Cu分析のために1時間ごとにサンプルを採取した。Ehが3時間、600mVより上で安定し、溶液中のFeが変化しなかったら、その浸出は、完了とみなした。スラリーを濾過した。そのケークを熱ブライン(50g/LのNaClおよびpH<1.0)で2回洗浄し、その後、濾液が透明になるまで熱水で洗浄した。ケークを一晩、オーブンの中で乾燥させた。そのケークをS(T)、S(E)、As、Fe、AuおよびCについて分析した。
実施例2
実施例1からの精鉱残留物のさらなる硫化鉄鉱酸化を行った。
目的
実施例1からのデータおよび残留物の分析は、硫化鉄鉱の酸化が、実験終了時に完了しなかったことを示した。改善したブライン配合でのこの手順は、硫化鉄鉱を酸化するために酸素を使用してAu抽出を増加させることを試みるものだった。
結果
次の表(独自の分析に基づく)に示すように、第二の硫化鉄鉱酸化により金属の抽出が改善された:
Figure 2006512484
手順
7.5Lの反応器にフラットブレードタービン攪拌機およびチタン製スパージャーチューブを装着した。浸出タンクの中で、100g/LのNaCl、250g/LのCaClおよび100g/LのCu(CuClからのもの)を用い、ならびに濃HClを添加してpH<0.5で、5リットルのブライン溶液を調製した。その溶液を105℃に加熱し、t=0のサンプルを採取し、乾燥ケークは、実施例1で作った。As浸出/硫化鉄鉱酸化をそのタンクに導入した。15分後、EhおよびpH測定のために溶液のサンプルを採取した。必要な場合には、濃HClを添加して、pH<0.5にした。
酸素を2L/分の速度で導入し、EhおよびpHを30分ごとにモニターし、Fe、As、Cu分析のために1時間ごとにサンプルを採取した。Ehが3時間、600mVより上で安定し、溶液中のFeが変化しなかったら、酸素流を中断し、Ehをモニターした。Ehが600mVより上のままになっていた場合、硫化鉄鉱の酸化は、完了したものとみなした。
スラリーを濾過した。そのケークを熱ブライン(50g/LのNaClおよびpH<1.0)で2回洗浄し、その後、濾液が透明になるまで熱水で洗浄した。ケークを一晩、オーブンの中で乾燥させた。そのケークをS(T)、S(E)、As、Fe、AuおよびCについて分析した。
結果
実施例1および2の実験から、次の結果を得た。
Figure 2006512484





Figure 2006512484
金抽出の結果を図3に示す。
実施例3
この実験では、第二精鉱からの金の抽出を3つの連続した工程(工程1:硫砒鉄鉱および硫化鉄鉱の浸出、工程2:酸素での硫化鉄鉱の浸出、ならびに工程3:塩素での硫化鉄鉱の浸出)で達成した。
目的
As浸出での偵察実験に続き、この手順は、「オールインワン」プロセスにおいて第二精鉱をCaCl(250g/L)とCu(100g/L)のブラインで処理することを目的とするものだった。固体の充填は、200g/Lに設定した。
結果
次の表(外部の分析に基づく)に示すとおり、塩素での酸化によりAuの抽出が改善された:
Figure 2006512484
手順
この手順は、タービン攪拌機を装着した7.5L反応器の中で行った。5Lのブラインを、次の配合:NaCl 100g/L、CaCl 250g/LおよびCu 100g/Lで調製し、濃HClの添加でpHを<0.5に調整した。
パート1:硫砒鉄鉱の浸出
90%での攪拌機毎分回転数で、そのブラインを90℃に加熱した。さらなる参照のために溶液のサンプルを採取した。1,000g当量の「受け入れたままの」乾燥精鉱(P80 約37μ)をそのブラインに添加した。t=0のサンプルを採取し、15分後にEhおよびpHを記録した。
空気を2L/分の速度でその反応器に導入した。As、Fe分析のために溶液サンプルを採取しつつ、Eh、pHを30分ごとにモニターした。Ehおよび溶液中のFeが安定したら、空気流を中断した。Ehが20mVより大きく降下した場合、空気の導入を再び2時間続けた。Ehが20mVより大きく降下しなかった場合、約100gの固体サンプルを採取し、空気から酸素に切り替えた。
パート2:硫化鉄鉱の酸化
温度を105℃に上昇させた。サンプル採取および測定の頻度を1時間間隔に変えた。酸素を2L/分の速度でタービン攪拌機の下に導入した。Ehおよび溶液中のFeが安定したら、酸素を中断した。Ehが20mVより大きく降下した場合、酸素の導入を再び2時間続けた。Ehが20mVより大きく降下しなかった場合、その手順を完了とみなした。
その懸濁液を濾過し、そのケークを酸性ブラインで2回洗浄し、その後、透明な濾液が得られるまで熱水で洗浄した。洗浄したケークを乾燥させ、計量した。残留物をAs、Fe、Cu、元素S、全SおよびAuについて分析した。最終溶液サンプルもAuについて分析した。
パート3:硫化鉄鉱の塩素化
Auの抽出を改善するために、実験を拡大し、塩素源として次亜塩素酸塩を使用して硫化鉄鉱を塩素化した。酸素での硫化鉄鉱の酸化からの残留物を、上と同じ組成のブライン4L中に導入した。温度は100℃を超えて上昇させ、50gの次亜塩素酸塩を30分ごとに添加した。Fe濃度をモニターした。次亜塩素酸塩の添加後にFe濃度が上昇せず、Ehが安定したとき、その実験が完了したとみなした。
その懸濁液を濾過し、そのケークを酸性ブラインで2回洗浄し、その後、透明な濾液が得られるまで熱水で洗浄した。洗浄したケークを乾燥させ、計量した。残留物をAs、Fe、Cu、元素S、全SおよびAuについて分析した。最終溶液サンプルもAuについて分析した。
結果
Figure 2006512484
金抽出の結果を図4に示す。
第二プロセスモード
詳細および実施例を通して第二プロセスモードを説明する前に、図5を参照しながら第二プロセスモードを全体像で説明することにする。
図5において、プロセスに供給するための貴金属精鉱10は、硫化物系鉱石の採鉱、微粉砕、およびその後の浮上選鉱によって用意する。第二プロセスモードでは、精鉱は、高い炭素含有率(例えば、炭素2〜20重量%)の金含有硫砒鉄鉱であってもよいし、炭素含有率が低いまたは無くてもよい(例えば、2重量%未満)。その精鉱を、ボールミル12で粉砕し、その後、砒素浸出プロセス14の形態の汚染物質酸化段階に供給する。
図6および7ならびに実施例11および12を参照しながら、好ましい砒素浸出プロセスをより詳細に下で説明する。浸出は、一段階(例えば、1つ以上の処理装置、容器またはタンクを有するもの)で行うことができるが、典型的には多(二)段プロセスで行う。各段階は、併流型または向流型浸出配置で運転される、ならびに(公知の)オーバーフローおよびアンダーフローを利用する1つ以上の処理装置、容器またはタンクを有することができる。
いずれの場合も、浸出プロセス14では、高酸性環境(硫砒鉄鉱からの砒素の浸出には低い溶液pHが有利であるので、好ましくはpH1未満)を維持する。この酸性環境は、硫化物系材料の酸化だけで達成することができ(例えば、その材料中の硫黄が、溶液中で硫酸塩に酸化される場合。)、および/または非汚染性の酸(硫酸または塩酸など)を添加してもよい。
また、第二プロセスモードでは、浸出溶液Ehを典型的には0.4ボルトより上で維持して(図8参照)、汚染物質(例えば、砒素)を可溶化する。図6および7ならびに実施例を参照しながら下で説明するように、浸出プロセスは2つの段階を有する。その第一浸出段階において、溶液Ehは、砒素の酸化および比較的可溶性が低い+5の酸化状態ではなく+3の酸化状態での砒素の可溶化を促進するが、その硫砒鉄鉱材料中の硫化鉄鉱は実質的に酸化しないように、注意深く制御する。第二浸出段階において、酸化剤(酸素、空気、塩素、過酸化水素など)を添加して、溶液の酸化電位を上昇させ、それによって硫化鉄鉱を酸化する(それと同時に、一切の残留砒素を、その+5の酸化状態に酸化する)。第二プロセスモードでの第二浸出段階において、As(V)は、砒素を充分に可溶化するpHに溶液pHを低下させるよう制御することにより溶液状態で維持してもよいし、または沈殿状態で維持して硫化鉄鉱残留物とともにプロセスから出してもよい。
重ねて、典型的に、プロセス溶液は、7〜8モル/リットルの塩化物濃度を好ましくは有する塩化第二銅水溶液である。重ねて、銅は、浸出剤および電子伝達物質としての機能を果たす。
重ねて、硫化物系材料が、高い(例えば、2重量%より高い)炭素含有率を有する場合、マスキング用界面活性剤を段階14で溶液に添加して、溶液に浸出した一切の貴金属の炭素への吸着を防止することができる。
1未満の酸性pHで、および0.4〜1.25ボルトの範囲、最適には約0.5ボルトの制御されたEhで、砒素、好ましくはその比較的可溶性の+3の酸化状態の砒素を、溶液特性に干渉しうる硫酸塩への硫化鉄鉱の硫化物の酸化を伴わずに酸化し、溶液に浸出させることができる。
第一浸出段階において、硫砒鉄鉱精鉱は、所定の期間(下の実施例に記載するとおり)、所定の量の砒素がその硫砒鉄鉱材料から浸出されるまで浸出させる(典型的には総量の約85%を第一浸出段階において、総量の追加の10%を第二浸出段階において浸出させる)。いずれの場合も、浸出量は、分離し、その後、従来的な溶融またはばい焼法によって処理される、または(下で説明するように)廃棄されることになることを想定して、浸出された硫砒鉄鉱材料中の許容残留物レベルによって典型的には決まる。従って、用語「精製硫砒鉄鉱」または「精製硫化物系材料」は、これに関連して解釈しなければならない。
従って、第二プロセスモードでの第一浸出段階において、砒素および(砒素を酸化し、砒素をその材料から浸出させる)多価化学種Cu(II)が溶液中に残存し、そこから沈殿しないように、溶液pHおよびEhを調節する。
加えて、プロセス運転条件は、(精製硫砒鉄鉱の固体を溶液から分離する)固体/液体分離中、その溶液が砒素沈殿段階に供給されるまで砒素が溶液状態で維持されるように制御する。図5に、これを濃縮段階16として図示する。図6および7のプロセスでは、この濃縮段階を、第一浸出段階の後で用いる。濃縮段階16において、精製硫砒鉄鉱固体を凝集させ(すなわち、それに凝集剤を添加することにより凝集させ)、固体は、アンダーフロー流18として下に抜け、砒素および貴金属を含む上清溶液は、オーバーフロー流20としてその濃縮段階から出て行く。図5では、その後、そのアンダーフロー、すなわちスラリー18を、固体−液体分離段階22に送り、典型的にはそこで公知濾過装置を使用して固体を溶液から濾過する。
得られた濾液24は、オーバーフロー流20に戻し、これに対して濾過された固体(すなわち精製硫砒鉄鉱)26は、従来型ばい焼段階28および従来型シアン化物浸出段階30に送って、残存する貴金属を金製品32として回収する。
砒素浸出段階14における貴金属の浸出度に依存して、金(および他のあらゆる貴金属)は、混成液流34(流れ20および24の混成)とともに進み、それをインライン貴金属回収段階36で回収することができる。この回収段階は、溶液が流動床装置の中を上に向かって通過する1つ以上の活性炭充填カラムを含む。溶液に溶解した金(または他の貴金属)は、その炭素に吸着し、その一方で溶液に溶解した砒素は、オーバーフロー液流38としてカラムを通過する。その後、金を担持している活性炭を定期的に除去し、(金製品流32とともに)金製品流40として、(例えば、その炭素産物を燃焼または溶離することによる)金回収プロセスに送る。
金属回収段階36から、(溶解した砒素を含む)溶液38を砒素沈殿段階42の形態の汚染物質沈殿段階に送る。段階42は、典型的にはpH1.5〜3で運転する。段階42において、酸化剤(例えば、空気、酸素、塩素など)を溶液に導入(例えば、スパージ)して、溶液酸化電位(Eh)を上昇させて、その溶解した砒素に沈殿、典型的には不溶性砒酸第二鉄沈殿(すなわち、FeAsOまたはスコロダイト)を形成させる。汚染物質が、例えばアンチモンを含む場合、その汚染物質は、不溶性形態のアンチモン酸第二鉄と想定できる。汚染物質の沈殿が形成されるにつれて、典型的に、酸が生成され、それ故、最適な溶液pHおよびEhを維持するために、アルカリを添加して酸を消費することもある。典型的に、そのアルカリは、炭酸カルシウム、酸化カルシウムなどのアルカリ塩であり、これは、プロセス液中の一切の硫酸塩を沈殿させるさらなる利点を有する。
第二プロセスモードにおける汚染物質沈殿段階42では、すべての汚染物質を沈殿させるまで最適なpHおよびEhを維持するように、酸化剤およびアルカリの添加を調節する。その後、必要な場合には、溶液pHおよびEhレベルを浸出段階14のレベルに戻して、汚染物質沈殿後、その溶液を浸出段階に再循環させることができる。
また、第二プロセスモードの沈殿段階では、酸化剤により第一銅を第二銅に酸化し、そのようにしてこの化学種を再生し、その再循環および再利用を可能にする。従って、溶液EhおよびpHの調節は、有利なことに、多価化学種の再酸化を促進し、同時にそれを常に溶液状態で維持し、その結果、全プロセスにおいて、銅は、その+1の酸化状態と+2の酸化状態の間で交替し、電子伝達物質として機能し、浸出中に沈殿する。多価化学種の再生は、プロセスの経済的態様を強化し、プロセスを簡素化し、プロセスの物質収支を満たすことができる。
砒素沈殿後、その砒素の沈殿を固体/液体分離段階においてプロセス液から分離する。図5では、これを、固体(砒素沈殿)アンダーフロー46をもたらすさらなる濃縮段階44として描き、その後、それをさらなる固体−液体分離段階48に進める。上清液のオーバーフロー流50は、その濃縮段階44の上から出て行く。固体液体分離段階48において、典型的には濾過装置を使用して砒素沈殿を濾過し、それによって廃棄物砒素産物52を生じる。その濾液は、液流54としてオーバーフロー流50に戻す。その後、その混成液流56をさらなる貴金属回収段階58、例えば活性炭カラムなどに進めて、段階36で回収されなかった一切の金属を回収する。あるいは、段階58を段階36の代わりに使用することができる。得られた貴金属および活性炭流60は、他の貴金属回収流40および32と併せ、その一方で溶液オーバーフロー62は、砒素浸出段階14に再循環させて、このプロセス回収ループを終える。
プロセス全体に蓄積された一切の汚染物質を処理するために、再循環流62の一部をブリード回路64に再循環させて、砒素沈殿段階において回収されなかった一切の汚染物質および場合によってはMn、Cd、Ni、Coなどの他のあらゆる汚染物質を分離することができる。
第二プロセスモードを全体像で説明したので、図6および7を参照して好ましい第二プロセスモード流路を説明することにする。
図6は、単純難溶性硫化物系材料の処理についてのプロセスの作業工程図を示すものである。図6では、図5のものと同様の参照数字を使用し、類似した、または同様のプロセス段階を示している。図5のプロセスに類似したやり方で、炭素含有率が低いまたは無い(すなわち、単純難溶性)金含有硫砒鉄鉱精鉱を用意し、粉砕する10、12。その後、その粉砕精鉱を好ましい浸出プロセスに供給する。その好ましい浸出プロセスは、2つの段階、すなわち、第一硫砒鉄鉱(FeAsS)浸出段階70および第二硫化鉄鉱(FeS)浸出段階72を有する。
その硫砒鉄鉱精鉱は、実質的にその精鉱中の砒素だけを酸化し、溶液に浸出させ、その精鉱の硫化鉄鉱成分は浸出させないように浸出条件を制御した第一浸出段階70に供給する。これに関して、第一浸出段階70の浸出条件は、酸化電位Ehが約0.5ボルトであり、溶液pHが1未満であり、溶液温度が約105℃で維持される(しかし、80℃と105℃の間の範囲で運転することができる)ように制御する。本発明者らは、これらの条件が溶液への砒素の浸出に最適であることを確認した。下の実施例11で論じるように、浸出の約6時間後、硫砒鉄鉱精鉱中の全砒素の約85%が、溶液に浸出された。
所定量の砒素が溶液に浸出されたら、その溶液および砒素精製硫砒鉄鉱は、図5に記載したプロセスに類似したやり方で、濃縮段階16に送る。精製硫砒鉄鉱固体は、凝集させ、アンダーフロー流18として下に抜け、これに対して砒素を含む上清溶液は、オーバーフロー流20としてその濃縮装置から出て砒素沈殿段階42に行く。
第二プロセスモードでは、次に精製硫砒鉄鉱固体流18を硫化鉄鉱の浸出のための第二浸出段階72に送る。第二浸出段階における酸化条件は、第一浸出段階より過酷である。これに関しては、酸素などの酸化剤をその溶液にスパージして、その酸化電位Ehを少なくとも0.6ボルトに、典型的には0.8ボルトより上に上昇させる。加えて、第二浸出段階における溶液の温度は、約105℃で維持する。第二浸出段階における溶液のpHは、なおpH1未満で維持する。
酸は、第二段階の浸出プロセスにおいて(すなわち、Cu(II)およびFe(III)が、それぞれCu(I)およびFe(II)に還元されるときに)消費されるため、酸、例えば、硫酸、塩酸またはそのプロセス化学に干渉しない別の酸をその溶液に定期的にまたは継続的に供給する必要がある場合もある。しかし、補給用の酸の必要は、充分な硫酸が硫化鉄鉱の浸出により生成されるか否かによる。必要な場合には、第二浸出段階において低pHを維持することも、As(V)の可溶化を助ける。
第二浸出段階において、硫化物系材料は、硫酸塩まで酸化され、鉄は、Fe(III)として溶液に浸出させ、その硫砒鉄鉱鉱石中の一切の残存砒素のうちの一部も溶液に浸出させる。本発明者らは、浸出プロセスからの最終残留砒素が精鉱供給物中の総量の5%以下であるように、砒素の総量のさらに10%を溶液に浸出させることができることを確認した。これは、このプロセスからの残留物を安全に廃棄するために充分な低さの砒素レベルに匹敵する。
第二浸出段階72からの浸出液は、流れ74として、図5に類似した固体−液体分離段階22に送り、そこで残留固体を溶液からろ過し、濾液流24をオーバーフロー20に戻し、オーバーフロー20と併せて砒素沈殿段階42に送る。段階22において濾過した固体残留物は、その後、濾過された固体またはスラリーのいずれかとしての流れ76として、尾鉱に送る。あるいは、残留金属を回収するために、それらの固体をさらに処理してもよい。段階22で水を添加して、プロセス内の水のレベルを維持することができ、および/またはプロセス残留物とともに失われる水を補給することができる。
単純難溶性硫砒鉄鉱材料および硫化鉄鉱材料において、金または他の貴金属は、炭素と有意な程度には一切会合せず、それ故、典型的には第一浸出段階と第二浸出段階の両方において溶液に浸出され、従って、このプロセス回路内で回収することができる。
図6のプロセスでは、砒素沈殿段階42において、溶液のpHを(例えば、炭酸カルシウムの添加により)約2〜3に調整し、また空気または酸素などの酸化剤を溶液に添加して、砒素を可溶性の+3状態から不溶性の+5状態に酸化する。有利なことに、第二浸出段階における硫化鉄鉱の酸化からのFe(III)が、溶液中に存在するため、砒素は、スコロダイト(FeAsO)として沈殿する。さらなる利点として、硫化物は、第二浸出段階において硫酸塩に酸化されたため、炭酸カルシウムの添加を利用して、砒素沈殿段階において溶液pHを上昇させることも、その硫酸塩を硫酸カルシウムとして沈殿させることもできる。
その後、プロセス溶液とともに砒素/固体沈殿物を流れ78として固体−液体分離段階48に送り、そこで固体を溶液から濾過する。典型的には、固体残留物流80は、廃棄に適する形態で(例えば、埋め立てられるごみとして)FeAsO、FeおよびCaSOを含む。それらの固体は、スラリーとして除去されることもあり、それ故、補給用の水を段階48においてプロセスに添加することもある。このように、有利なことに、砒素、鉄および硫黄は、元の硫砒鉄鉱精鉱から、容易に廃棄できる形態で回収することができる。
砒素沈殿段階における条件は、浸出段階において溶液に浸出された貴金属に影響を及ぼさず、故に、分離された溶液56は、次に、図5のプロセスに類似したやり方で、貴金属回収段階58に送ることができる。段階58は、貴金属、典型的には金を吸着する活性炭を収容している1つ以上のカラムを含み、金回収のための段階58から金製品流60を(吸着した金とともに炭素を燃焼し、溶離することにより)定期的に取り出す。
図5のプロセスの場合のように、段階58からの溶液オーバーフロー62を浸出プロセスに再循環させ、その再循環流の一部をブリード回路64に抜き出して、そのプロセスにおいて蓄積しうる汚染物質を分離し、その結果、汚染物質副産物流82を生じる。
第二プロセスモードでは、溶液再循環62を分割して、第一浸出段階再循環成分84と第二浸出段階再循環成分86を生じる。塩化銅プロセス液については、+2の酸化状態の銅を各浸出段階に再循環させて、第一浸出段階では硫砒鉄鉱浸出の際、第二浸出段階では硫化鉄鉱浸出の際に沈殿させる。
次に図7を参照して、二重難溶性硫化物系材料の処理のための第二プロセスモード作業工程図を示す。図7では、図5および図6のものと同様の参照数字を使用して、類似した、または同様のプロセス段階を示している。加えて、図7のプロセス作業工程図の上半分(すなわち、破線より上)は、図6のものと本質的に同じであり、従って、これらのプロセス段階は、重ねて説明しないことにする。
二重難溶性硫砒鉄鉱において、貴金属(例えば金)は、典型的には炭素と会合しており、それ故、会合した金は、第一または第二浸出段階において容易には溶液に浸出されない。従って、固体流76は、固体残留物とともに炭素/金会合成分を含む。しかし、浸出プロセスにより砒素、鉄、硫黄および他の汚染物質は許容可能な低レベルまで実質的に除去されているため、その時、浸出プロセスからの固体残留物は、ばい焼段階28でのばい焼または溶融に非常に適する。
ばい焼段階28において、空気および燃料とともに固体材料76を従来どおりのやり方でばい焼し、それによって生成物流90を生じ、その後それを公知のやり方で金浸出段階30に供給する。典型的に、金の浸出は、ばい焼した固体を塩素ガスまたはシアン化物(しかし、塩素ガスのほうが、シアン化物より毒性が低いため、好ましい。)で酸化することによって行う。第二プロセスモードでは、砒素沈殿段階42からの溶液再循環の一部92を金浸出段階30に供給して、総合的なプロセスの経済的側面を支援する。
ばい焼段階28からの排気ガス流94(典型的に、二酸化炭素、二酸化硫黄および他のSOガスを含む。)は、第一ガス洗浄段階96に供給する。第一ガス洗浄段階は、典型的には1つ以上の洗浄器を含み、その中で水および場合によっては再循環洗浄水をガス流94と接触させる。有利なことに、ガス流94中の一切のダストを濾過することができる。そうしたダストには、塩化金(AuCl)および三酸化砒素(As)が挙げられる。このダストとともに他の微粒子を、固体としてまたは溶液状態で、流れ98として供給し、砒素沈殿段階42に戻して砒素および金をさらに回収することができる。
第一ガス洗浄段階96からの残留ガスは、流れ100として、第二ガス洗浄段階102に送る。この第二ガス洗浄段階102は、典型的にはガス洗浄器を含み、その中で、溶液中の炭酸カルシウムを、SO含有ガスと接触させる。従って、第二ガス洗浄段階102からの生産物流104は、典型的には硫酸カルシウムおよび亜硫酸カルシウムを含む。
金浸出段階30からの溶解した金を含有する浸出液流106を、次に、固体−液体分離段階108に送って、金含有溶液を固体残留物から分離する。固体残留物流110は、廃棄用の尾鉱に送り、これに対して金含有溶液は、活性炭収容カラムを典型的に含む金回収段階114に送る。炭素よび吸着された金は、流れ116として定期的に除去して金を回収し、これに対して金を減損した溶液118は、浸出/砒素除去回路に再循環させて、流れ34と併せる。
第二プロセスモードの例
第二プロセスモードについての最適な流路を説明したので、次に、第二プロセスモードの好ましい実施例を説明することにする。以下の実施例では、カザフスタンのBakyrchikからの高難溶性硫砒鉄鉱精鉱を処理した。その目的は、Bakyrchik鉱山からもたらされる硫砒鉄鉱鉱石の全サンプルの処理を可能ならしめるプロセスの開発であった。
実施例4
精鉱の特性付け
方法:
6kgの精鉱を超微細再粉砕により処理した。その精鉱は、P100 20マイクロメートルの粒径を有した。
Figure 2006512484
100 20マイクロメートルの精鉱を3つのケークで受け取り、各ケークの水分率を判定し、その平均をその精鉱についての水分率として用いた。
ケーク1
湿潤サンプル+紙:113.84g
乾燥サンプル+紙:85.68g
紙:4.83g
乾燥サンプル:80.85g
水分%:25.8%
ケーク2
湿潤サンプル+紙:88.35g
乾燥サンプル+紙:66.65g
紙:4.83g
乾燥サンプル:62.02g
水分%:25.9%
ケーク3
湿潤サンプル+紙:86.41g
乾燥サンプル+紙:68.79g
紙:4.85g
乾燥サンプル:63.94g
水分%:21.6%
判定された平均水分率は、24.4%であった。このことから、100gの乾燥精鉱は、132.3gのその湿潤精鉱サンプルになると計算した。
実施例5
酸化浸出
その後、酸化のプロセスによる砒素浸出の最初の証拠を提供するために、P100=20マイクロメートルの再粉砕サンプルを使用して試験を行った。Bakyrchik鉱石の精鉱は、硫砒鉄鉱として砒素を含有することに注目した。反応は、酸化剤として第二銅を使用してこの砒素を可溶性にする(従って、選択的に除去する)ことができるかどうか判定するために設計した。
方法:
80g/LのCu2+(CuClとして205.13g)、100g/LのCaCl、200g/LのNaClおよび30g/LのNaBrの溶液1Lを調製した。140gの湿潤精鉱(〜24%の水分、従って、105.8gの乾燥精鉱)をこの溶液に添加し、得られたスラリーを105℃で攪拌した。そのpH、EhならびにFeおよびCu含有率を4時間にわたって測定した。
その後、バックナー(Buckner)装置を使用して固体を濾過し、濾液は、さらなる分析のために保存した。固体ケークを低pHのブライン(〜0.5L、280g/L、pH0.3)で洗浄し、得られた湿ったケークを計量し、オーブンの中で乾燥させ、再び計量した。それらの乾燥固体は、さらなる分析のために保存した。
結果および考察:
経時的に記録したpH、EhならびにFeおよびCuの傾向を下の表に則ってまとめた。
Figure 2006512484
残留物の分析評価は、0.66%のAs濃度を示す。6.5%の計算質量損失を考慮すると、Asは、82.3%の効率で浸出された。
反応は、急速に進行するように見えた。EhおよびpHの有意な降下が、反応の進行の最初の1時間以内に観察された。この時間の後、反応は、安定し、さらに進行するようには見えなかった。
実施例6
酸化浸出
この実施例の目的は、新たな液が、前に浸出させた材料からの鉄/砒素のさらなる浸出を促進するか否かを調査することであった。前の浸出から得られた固体を処理することによって、より多くの硫砒鉄鉱が除去されるだろうと推測した。第一液の新たな溶液を調製し、前の浸出の繰り返しを、固体供給物としてその浸出材料を使用して行った。
方法
80g/LのCu2+(CuClとして102.55g)、100g/LのCaCl、200g/LのNaClおよび30g/LのNaBrの溶液500mLを調製した。前の酸化から得られた30gの浸出精鉱をこの溶液に添加し、得られたスラリーを105℃で攪拌した。そのpHおよびEhを4時間にわたって測定した。その後、バックナー装置を使用して固体を濾過し、濾液は、さらなる分析のために保存した。固体ケークを低pHのブライン(〜0.5L、280g/L、pH0.3)で洗浄し、得られた湿ったケークを計量し、オーブンの中で乾燥させ、再び計量した。それらの乾燥固体は、さらなる分析のために保存した。
この反応および前の反応から得られた固体から採取したサンプルおよび元の精鉱を、王水/過塩素酸を使用して温浸した。その後、誘導結合プラズマ(ICP)を使用して、これらの溶液を砒素について分析した。
結果および考察:
経時的に記録したpH、Ehを下の表に則ってまとめた。
Figure 2006512484
湿潤ケーク+紙+濾紙:72.5g
乾燥ケーク+紙+濾紙:40.24g
紙+濾紙:11.5g
得られた乾燥ケーク:28.74g
回収された固体中の砒素についてのICP分析を下の表に則ってまとめた。
Figure 2006512484
前の浸出で観察されたように、反応は急速に進行し、1時間にわたって安定しているように見えた。溶液に供給された固体の質量と比較したときの回収された固体の質量の減少に加えて、EhおよびpHに有意な降下が再び観察された。これは、第一浸出からの残留物中に、まだ抽出可能な材料が残っていることを示唆していた。供給物と両方の浸出からの固体残留物の両方の砒素含有率の分析が、回収された固体の砒素含有率の漸減を示した。これらの結果は、この方法を洗練して、Bakyrchik精鉱の中に含有されている砒素を選択的に浸出させることができることを示唆していた。
実施例7
酸化浸出
この実施例の目的は、Bakyrchik鉱石から砒素を浸出させる際に使用する条件を洗練することであった。Bakyrchik鉱石中に含有されている砒素の〜65%の浸出は成功していたので、その方法を洗練して、より高い浸出性能を達成した。この方法は、第一に、浸出液を単純にする、第二に、様々な温度および出発pHで反応を行って、これらの変化が浸出効率の改善に及ぼす影響を判定するという、2つの領域に焦点を合わせた。
方法:
80g/LのCu2+(CuClとして1025.64g)、150g/LのCaCl(750g)および150g/LのNaCl(750g)の溶液5Lを調製した。その後、この溶液を1.5L溶液3つに分け、各溶液について、142.86g当量の湿潤精鉱(〜24%の水分、従って、108gの乾燥精鉱)を用いて異なる条件下で酸化浸出を行った。
酸化浸出溶液1:80℃で浸出を行った。
酸化浸出溶液2:100℃で浸出を行った。
酸化浸出溶液3:80℃で浸出を行った。出発pH<0.4、Eh>550mV。
これらの溶液のpHおよびEhを2時間半にわたって測定した。各々からサンプルを時々採取し、それらの鉄および銅含有率について分析した。
その後、バックナー装置を使用して固体を濾過し、濾液は、さらなる分析のために保存した。固体ケークを低pHのブライン(〜1L、280g/L、pH0.3)で洗浄し、得られた湿ったケークを計量し、オーブンの中で乾燥させ、再び計量した。それらの乾燥固体は、さらなる分析のために保存した。
各反応から得られた固体から採取したサンプルならびに元の精鉱を温浸し、ICPを使用して砒素、銅および鉄について分析した。
結果および考察:
酸化浸出1(80℃)溶液分析
Figure 2006512484
湿潤ケーク+紙+濾紙:173.24g
乾燥ケーク+紙+濾紙:105.48g
紙+濾紙:11.5g
得られた乾燥ケーク:93.98g
酸化浸出2(100℃)溶液分析
Figure 2006512484
湿潤ケーク+紙+濾紙:170.3g
乾燥ケーク+紙+濾紙:113.32g
紙+濾紙:11.5g
得られた乾燥ケーク:101.82g
酸化浸出3(80℃、低pH)溶液分析
Figure 2006512484
湿潤ケーク+紙+濾紙:172.4g
乾燥ケーク+紙+濾紙:108.46g
紙+濾紙:11.5g
得られた乾燥ケーク:96.96g
回収された固体中の砒素、銅および鉄についてのICP分析を下の表に則ってまとめる。
Figure 2006512484
これらの結果は、反応速度が、80℃でより100℃でのほうが有意に高いことを明確に示している。
実施例8
鉄/砒素排除プロセス
方法:
前の酸化反応から得られた液(10L)をバットに戻し、低速で攪拌しながら80℃に加熱した。この温度に到達したら、その液のpHおよびEhを測定し、サンプルを採取した。その後、攪拌しながらその液を曝気(100L/時)し、その液のpHおよびEhを測定し、その後30分ごとにサンプルを採取した。4時間後、この排除プロセスは、完了したとみなし、ビュッヘル(Bucher)装置を使用してその液を濾過し、排除された沈殿をフィルターケークとして除去した。その湿潤ケークを計量し、その後、24時間にわたってオーブンの中で乾燥させた。その後、その乾燥ケークを計量し、分析のためにサンプルを温浸した。
結果および考察:
経時的なその液のpHおよびEhならびに傾向を下の表に則ってまとめた。
Figure 2006512484
湿潤ケーク+紙+濾紙:257.2g
乾燥ケーク+紙+濾紙:128.94g
紙+濾紙:11.5g
得られた乾燥ケーク:117.44g
沈殿の分析は、以下の結果を示す:
Figure 2006512484
4時間の実験時間にわたって、鉄と砒素、両方の本質的に100%が沈殿し、それと同時に、酸化電位(Eh)が、さらなる浸出に使用するために充分な、より高いレベルに回復した。Fe/Asの分子比は2.4であるので、FeAsSは、他のFe系化合物とともに沈殿したと予想される。
実施例9
鉄/砒素排除プロセス
方法:
酸化反応から得られた液(10L)をバットに戻し、低速で攪拌しながら80℃に加熱した。この温度に到達したら、その液のpHおよびEhを測定し、サンプルを採取した。その後、攪拌しながらその液を曝気(100L/時間)し、その液のpHおよびEhを測定し、その後30分おきにサンプルを採取した。4時間後、この排除プロセスは、完了したとみなし、ビュッヘル装置を使用してその液を濾過し、排除された鉄沈殿をフィルターケークとして除去した。その湿潤ケークを計量し、その後、24時間にわたってオーブンの中で乾燥させた。その後、その乾燥ケークを計量し、分析のためにサンプルを温浸した。
結果および考察:
経時的なその液のpHおよびEhならびに傾向を下の表に則ってまとめた。
Figure 2006512484
湿潤ケーク+紙+濾紙:257.2g
乾燥ケーク+紙+濾紙:128.94g
紙+濾紙:11.5g
得られた乾燥ケーク:117.44g
水分:128.26g(47.8%)
実施例10
再生液、より低いスラリー密度での浸出
方法:
90gの湿潤精鉱サンプル(〜24%の水分、従って、68gの乾燥精鉱)を、酸化反応から得られた液(1.5L)に添加し、得られたスラリーを100〜105℃で攪拌した。その液のpHおよびEhをモニターし、4時間にわたって30分ごとにサンプルを採取した。この時間の後、ビュッヘル装置を使用してその液を濾過し、フィルターケークを除去して、その湿潤ケークを計量し、その後、24時間にわたってオーブンの中で乾燥させた。その後、その乾燥ケークを計量し、サンプルを分析のために温浸した。
結果および考察:
経時的なその液のpHおよびEhならびに傾向を下の表にまとめる。
Figure 2006512484
得られた乾燥ケーク:58g
第一および第二浸出段階の例
実施例11
第一段階の浸出
この実施例における目的は、バッチ試験に用いた運転条件が工業運転に適用されることを、連続プロセスのシミュレーションによって確認することであった。この実験は、大気圧での硫化鉄鉱の酸化に使用することができる材料を提供するものでもあった。
図8に示すように、実施例5から7のバッチプロセスに類似した条件下での連続運転は、85%のAs抽出を一貫して提供した。
手順
7.5リットルのチタン製反応器(複数)を利用し、その第一反応器からのオーバーフローは、その第二反応器に接続し、その後、それが貯蔵タンクにオーバーフローした。連続運転中、蠕動ポンプを使用して、2リットル/時の溶液を供給タンクから第一反応器に供給した。固体添加速度は144g/hであり、10分ごとに1回分24g(乾燥ベース)の精鉱を第一反応器に添加することにより達成した。
最初に、80g/LのCu2+、200g/LのNaCl、100g/LのCaClを含有するpH<1の原液30リットルを調製した。各反応器に、7.5Lの原液を添加して、100℃で維持し、360gの乾燥当量のP80=30マイクロメートル低品位の金(30g/トン)の精鉱を添加して、得られたスラリーを攪拌し、Eh、pH、As、FeおよびCuについて30分ごとにモニターした。3時間後、100mLのスラリーサンプルを採取し、ブフナー漏斗で濾過して、酸性ブライン溶液で洗浄した。その後、それらの固体を乾燥させ、ICPにより銅、砒素および鉄について評価分析した。
3時間後、連続運転をさらに10時間(説明したとおりに)行い、200mLのスラリーサンプルを2時間ごとに採取して、上で説明したとおり濾過した。その後、それらの固体を乾燥させ、ICPにより銅、砒素および鉄について評価分析した。
結果を以下の表にまとめる:
タンク1
Figure 2006512484

タンク2
Figure 2006512484

固体分析 供給物およびタンク2オーバーフロー
Figure 2006512484
実施例12
第二段階の浸出
この実験の目的は、大気圧下、純粋な酸素で、As浸出からの残留物の硫化鉄鉱成分を酸化する可能性を評価することであった。実施例11の連続浸出試験中に得られた500gの残留物をこの実験で使用した。
硫化鉄鉱は、大気圧下、105℃で、酸素で首尾よく酸化された。最終AsおよびFe抽出は、両方とも95%より上だった。酸化残留物中のS(e)(元素S)は、精鉱中の硫砒鉄鉱に随伴する硫黄と等量であった。結果は、図9にグラフで提示する。
手順
ガス分散用のタービン攪拌機と、大きな黄色ホットプレートを用いる適切なチタン製ガス噴射器とを具備する7.5Lチタン製反応器を用意した。7.5Lチタン製反応器の中で、次の組成:250g/LのNaCl、50g/LのCaCl、20g/LのCu(塩化第二銅からのもの)、およびpH<1.0に調整した5Lのブライン溶液を調製した。
実施例11からの乾燥As浸出残留物の代表サンプルを外部の研究所に送って、元素S、全S、Au、FeおよびAsについて分析した。
攪拌器駆動機構を変速駆動(VSD)で80Hzに設定して、その溶液の温度を105℃に上昇させ、t=0のサンプルを採取し、EhおよびpHをモニターして、実施例11からの500gの乾燥砒素浸出残留物をその溶液に導入した。30分後、Fe、AsおよびCu分析のために溶液のサンプルを採取し、EhおよびpHをモニターした。
酸素を1L/分の速度で導入した。Eh、pH、Fe、CuおよびAsを最初の3時間は30分ごとに、その後は1時間ごとにモニターした。可溶性Fe分析物の増加が停止したとき、その実験は、完了とみなした。
最後のサンプルを採取し、その懸濁液を濾過して、そのケークを酸性ブラインで洗浄し、その後、濾液が透明になるまで熱水で洗浄した。洗浄したケークを乾燥させて、計量し、As、Fe、Cu,C、元素Sおよび全Sについて分析した。
実験結果
以下の実験結果が観察された:
最終浸出固体の重量
ケーク:
湿潤ケーク+紙+濾紙:744.27
乾燥ケーク+紙+濾紙:490.96
紙+濾紙:66.09
得られた乾燥ケーク:424.87
質量減少:15%
固体分析 酸素での硫化鉄鉱酸化への供給物
示されているとおりの乾燥重量%またはppmでの情報
Figure 2006512484

固体分析 酸素での硫化鉄鉱酸化からの残留物
示されているとおりの乾燥重量%またはppmでの情報
Figure 2006512484
精鉱から硫化鉄鉱酸化残留物へのFeおよびAsの抽出
以下の表において実証されるように、AsおよびFeの抽出は、両方とも95%を超えた:
硫化鉄鉱酸化、供給物対残留物:
Figure 2006512484
等量の精鉱
Figure 2006512484
精鉱から硫化鉄鉱酸化残留物へのFeおよびAsの抽出:
Figure 2006512484
硫化鉄鉱酸化残留物からの元素硫黄の抽出により、S(e)が、AsFeSに随伴するSと等量、すなわちその精鉱中1.4%であることが実証された。
Figure 2006512484
好ましいプロセスを例示したが、本発明が以下の利点を提供することは当業者に理解されることだろう:
・ 本プロセスは、溶融およびばい焼などの利用可能な従来どおりのプロセスおよび技法を使用して処理することが別の方法では困難または不可能である硫化物系鉱石および精鉱から、貴金属を回収するために利用することができる。
・ 本プロセスは、溶液状態で行われ、それ故、ブラインディング剤を使用して、そうしなければ貴金属の回収に干渉しうる炭素への貴金属の吸着を防止することができるため、そうした鉱石における高い炭素含有率に対応することができる。
・ 本プロセスは、多種多様な鉱石および精鉱原料から汚染物質を除去するために利用することができ、それらは、一旦、除去したら、従来どおりの溶融/ばい焼法を使用して処理することができる。
・ 本プロセスは、元の硫砒鉄鉱精鉱から容易に廃棄できる形態で砒素、鉄および硫黄を除去して、容易に処理できる精鉱を残すことが可能である。
・ 本プロセスは、活性炭吸着を含む、単純な非シアン化物ベースの浸出および分離プロセスを使用して、経済的価値がある多種多様な金属、特に貴金属を回収する能力を有する。
・ 本プロセスを使用して汚染残留物を処理することにより、環境への影響が低減されたその後のそれらの廃棄を可能にすることができる。
多数の好ましい実施形態を参照しながら本発明を説明したが、本発明は、他の多数の形態で具体化できることは、ご理解いただけよう。
硫化物系材料から貴金属を回収するための本発明の好ましいプロセス(IRGP)との比較で図示する、先行技術POxおよびBioxプロセスの一般化プロセス図である。 汚染されている硫化物系材料(硫砒鉄鉱 − FeAsS)からの貴金属(金)の回収に関する第一モードを図示する、一般化プロセスの作業工程図である。 IRGPの様々な段階についての、時間に対する金および鉄の抽出ならびに溶液Ehのプロットである。 IRGPの様々な段階についての、時間に対する金および鉄の抽出ならびに溶液Ehのプロットである。 硫化物系材料からの貴金属の回収に関連した、硫化物系材料からの汚染物質の除去を図解する第二モードを図示する、一般化プロセスの作業工程図である。 単純難溶性硫化物系材料からの汚染物質の除去およびその硫化物系材料からの貴金属の回収に関する好ましいプロセスを図示する、プロセスの作業工程図である。 二重難溶性硫化物系材料からの汚染物質の除去およびその硫化物系材料からの貴金属の回収に関する好ましいプロセスを図示する、プロセスの作業工程図である。 図6および7のプロセスについて、様々な第一段階(砒素)浸出溶液パラメータを時間(反応時間)に対してプロットしているグラフである。 図6および7のプロセスについて、様々な第二段階(硫化鉄鉱)浸出溶液パラメータを時間(反応時間)に対してプロットしているグラフである。

Claims (39)

  1. ・ 硫化物系材料を酸化し、貴金属をその溶液に可溶性にするために充分な酸化電位を有する酸性ハロゲン化物水溶液を調製する工程;
    ・ 前記材料を前記酸性ハロゲン化物水溶液に添加して、その硫化物系材料を酸化し、貴金属を可溶化する工程;および
    ・ 酸化された硫化物系材料から貴金属を分離する工程
    を含む、硫化物系材料から貴金属を回収するためのプロセス。
  2. ・ 硫化物系材料を酸化し、貴金属をその溶液に可溶性にするために充分な酸化電位を有し、且つ、砒素を沈殿させるpHを有する酸性ハロゲン化物水溶液を調製する工程;
    ・ 前記材料を前記酸性ハロゲン化物水溶液に添加して、その硫化物系材料を酸化し、貴金属を可溶化し、砒素を沈殿させる工程;および
    ・ 酸化された硫化物系材料および沈殿した砒素から貴金属を分離する工程
    を含む、砒素で汚染されている硫化物系材料から貴金属を回収するためのプロセス。
  3. 貴金属を含有する溶液が、酸化された硫化物系材料および(存在する場合には)沈殿した砒素から固体−液体分離段階において分離され、その後、貴金属が、金属回収段階においてその溶液から回収される、請求項1または2に記載のプロセス。
  4. 前記金属回収段階において、貴金属が、一つ以上の炭素収容カラム内の活性炭に吸着される、請求項3に記載のプロセス。
  5. 前記活性炭への貴金属吸着の後、その炭が、シアン化物溶液で溶離され、その溶離液が、貴金属回収のために電解段階に送られる、請求項4に記載のプロセス。
  6. 前記金属回収段階が、固体−液体分離段階の後、硫化物系材料酸化への溶液再循環の前に、インラインで設けられる、請求項3から5のいずれか一項に記載のプロセス。
  7. 回収される貴金属が、金、銀、白金または別の白金族金属である、前記請求項のいずれか一項に記載のプロセス。
  8. 前記ハロゲン化物水溶液が、1リットルあたり約8モルのハロゲン化物濃度を有する可溶性金属ハロゲン化物溶液である、前記請求項のいずれか一項に記載のプロセス。
  9. 前記ハロゲン化物が、塩化物であるか、塩化物および臭化物を含むハロゲン化物の混合物である、請求項8に記載のプロセス。
  10. 金属ハロゲン化物溶解溶液中の金属が、銅および/または鉄であり、多価化学種として機能する、請求項8または9に記載のプロセス。
  11. 硫化物系材料酸化工程が、一つ以上の浸出段階を含む、例えば、
    (i)汚染されていない単純難溶性硫化鉄鉱材料のための硫化物系材料酸化工程は、硫化鉄鉱材料を酸化し、同時に貴金属を可溶化する単一の浸出段階を含む;または
    (ii)汚染されている単純または二重難溶性硫化鉄鉱材料のための硫化物系材料酸化工程は、第一浸出段階からの溶液が第二浸出段階に供給される二段浸出プロセスを含む、
    前記請求項のいずれか一項に記載のプロセス。
  12. (ii)に関して、硫化鉄鉱材料が、硫砒鉄鉱であり、第一の浸出段階において、酸化電位が、溶液に砒素を浸出させるように制御され、溶液pHが、浸出されるやいなや砒素が砒酸第二鉄として沈殿するように制御され、第二の浸出段階において、硫化鉄鉱成分が、浸出され、溶液pHが、砒素を砒酸第二鉄沈殿として維持して、砒素が酸化された硫化物系材料とともにプロセスから外れるように制御される、請求項11に記載のプロセス。
  13. 第一浸出段階において、前記材料を溶液と、汚染物質を浸出させ、貴金属を可溶化するために充分な約0.7〜0.8ボルトのEh、砒素を浸出後直ちに沈殿させるように1未満であるが約0.5より大きい溶液pH、約80〜105℃の溶液温度で接触させる、請求項12に記載のプロセス。
  14. 第二浸出段階において、前記材料を、溶液pHが砒素を浸出後直ちに沈殿させるように1未満であるが約0.2より大きく、溶液温度約90℃から105℃で、硫化鉄鉱を浸出させるために充分な約0.8〜0.9ボルトのEhを有する溶液と接触させる、請求項12または13に記載のプロセス。
  15. 貴金属回収後、溶液調整段階を利用して硫酸第二鉄を沈殿させ、そのようにしてプロセス内のこの化学種のレベルを制御する、前記請求項のいずれか一項に記載のプロセス。
  16. 前記溶液調整段階において、石灰石および炭酸カルシウムを溶液に添加して、赤鉄鉱/石膏沈殿を形成し、その後、それを濾過し、浸出段階(複数を含む)からの固体残留物とともに廃棄する、請求項15に記載のプロセス。
  17. 高レベルの炭素が硫化物系材料中に存在するとき、硫化物系材料酸化工程中に界面活性剤をその溶液に添加して、その材料中の炭素への貴金属の吸着を防止するか、硫化物系材料酸化工程中に活性炭をその溶液に添加して、その活性炭に貴金属を優先的に吸着させる、前記請求項のいずれか一項に記載のプロセス。
  18. 前記界面活性剤が、灯油またはフェノールエーテルを含む1つ以上の有機溶媒である、請求項17に記載のプロセス。
  19. 汚染されている硫化物系材料から汚染物質を除去するためのプロセスであって、
    ・ 比較的高い酸化状態の多価化学種が汚染物質を酸化してそれをその溶液に可溶性にし、汚染物質精製材料を生じ、比較的低い酸化状態に還元する、水溶液中で前記材料を混合する工程;および
    ・ その溶液から汚染物質を除去する一方で、多価化学種をその比較的高い酸化状態に再生する工程
    を含むプロセス。
  20. 汚染されている硫化物系材料から汚染物質を除去するためのプロセスであって、
    ・ 実質的に汚染物質のみを酸化してそれをその溶液に可溶性にし、それによって汚染物質精製材料を生じるように制御された酸化電位を有する水溶液中で、前記材料を混合する工程;および
    ・ 前記溶液を汚染物質精製材料から分離する工程
    含むプロセス。
  21. 前記汚染物質が、酸化剤を溶液に導入することによる別の沈殿段階における沈殿により、前記溶液から除去される、請求項19または20に記載のプロセス。
  22. 前記沈殿段階において、溶液pHが、典型的には約pH1.5〜3で維持される、請求項21に記載のプロセス。
  23. 第一浸出段階において、酸化電位が、実質的に汚染物質のみを酸化してそれを溶液に可溶性にするように制御され、第二浸出段階において、酸化電位を上昇させてその汚染物質精製材料中の硫化物を酸化する、二段浸出プロセスで、汚染物質が酸化され、溶液に浸出される、請求項19から22のいずれか一項に記載のプロセス。
  24. 前記汚染物質精製材料が、第一浸出段階後に溶液から分離され、第二浸出段階に供給される、および汚染物質を沈殿によってそこから除去するために、各浸出段階の後に溶液が汚染物質精製材料から分離される、請求項23に記載のプロセス。
  25. 前記硫化物系材料が、硫化鉄鉱であり、第一浸出段階において、汚染物質が、pHが1未満の酸性水溶液中、汚染物質を充分酸化して溶液にするが実質的に硫化鉄鉱を浸出しない溶液Ehで、温度約105℃以下で酸化され、第二浸出段階において、pH1未満の酸性水溶液中であるが硫化鉄鉱を充分浸出するより高い溶液Ehで、温度約105℃以下で、硫化鉄鉱材料も酸化される、請求項23または24に記載のプロセス。
  26. 前記第二浸出段階において、酸素、空気、塩素ガス、過酸化水素などの酸化剤が、前記溶液に添加される、請求項25に記載のプロセス。
  27. 前記溶液が、プロセス全体を通して再循環され、1リットルあたり約8モルの塩化物濃度を有する金属塩化物溶解溶液であり、その金属塩化物溶解溶液中の金属が、多価化学種として機能する、請求項19から26のいずれか一項に記載のプロセス。
  28. 前記硫化物系材料中に高レベルの炭素が存在し、前記材料中の炭素への貴金属の吸着を防止するために、汚染物質酸化中に界面活性剤がその溶液に添加される、請求項19から27のいずれか一項に記載のプロセス。
  29. 汚染物質とともに溶液に浸出した金属および/または残留汚染物質精製材料中に存在する金属を回収するために1つ以上の金属回収段階をさらに含む、請求項19から28のいずれか一項に記載のプロセス。
  30. 前記硫化物系材料が、炭素を含む二重難溶性鉱石であり、金属回収段階を最終浸出段階の後に設けて、炭素に吸着された残留汚染物質精製材料中に存在する金属を回収する、請求項29に記載のプロセス。
  31. 前記金属回収段階が、従来型のばい焼または溶融プロセスを含み、場合によっては、ばい焼または溶融プロセスの後、ばい焼された固体材料中の一切の残留金属を回収するために塩素またはシアン化物の浸出を含む、請求項30に記載のプロセス。
  32. インライン金属回収段階を汚染物質沈殿の前および/または後に設けて、浸出段階において溶液に浸出される一切の金属を除去する、請求項29から31のいずれか一項に記載のプロセス。
  33. 金属回収の前に多数の材料分離段階を設けて、汚染物質精製材料を溶液から分離する、請求項29から32のいずれか一項に記載プロセス。
  34. 前記浸出段階または各浸出段階の後、分離された溶液が、汚染物質回収に送られ、これに対して分離された精製材料が、金属回収または廃棄に送られる、請求項33に記載のプロセス。
  35. 汚染物質沈殿後、汚染物質分離段階を設けて、その溶液を浸出段階に再循環させる前に溶液から汚染物質を除去する、請求項23から34のいずれか一項に記載のプロセス。
  36. 比較的高い炭素含有率を有する、汚染されている硫化物系材料を処理して、前記材料中の貴金属の回収を可能にするためのプロセスであって、
    − 前記金属は、溶液に浸出させ、その一方で前記材料中の炭素はマスクして、それへの貴金属の吸着を防止する、前記材料を水溶液に浸出させる工程;および
    − その溶液から貴金属を回収する工程
    を含むプロセス。
  37. 前記炭素が、請求項18に記載の界面活性剤でマスクされる、請求項36に記載のプロセス。
  38. 他の点では請求項1から35のいずれか一項に記載のプロセスであって、請求項36または37に記載のプロセス。
  39. 前記請求項のいずれか一項に記載のプロセスによって製造されるあらゆる金属。
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