JP2006512351A - 治療薬としての4−(1−(スルホニル)−1h−インドール−2−イル)−4−(ヒドロキシ)−シクロヘキサ−2,5−ジエノン化合物およびその類似体 - Google Patents

治療薬としての4−(1−(スルホニル)−1h−インドール−2−イル)−4−(ヒドロキシ)−シクロヘキサ−2,5−ジエノン化合物およびその類似体 Download PDF

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Abstract

本発明は、とりわけ抗増殖薬、抗癌薬および/またはチオレドキシン/チオレドキシンレダクターゼ阻害剤である下式[式中、Aは1-(スルホニル)-1H-インドール-2-イル基であり;αで示される結合は独立に、(a)単結合;または(b)二重結合であり;βで示される結合は独立に、(a)単結合;または(b)二重結合であり;基-OROは独立に、(a)-OH;(b)エーテル基(例えば、-OMe);または(c)アシルオキシ(すなわちリバースエステル)基(例えば、-OC(=O)Me)であり;R2、R3、R5、およびR6は各々独立に環置換基および(a)H;(b)一価モノデンテート置換基;または(c)隣接する環置換基と一緒になって、さらにこれらの環置換基が結合している環原子と一緒になって縮合環を形成している環置換基である]の化合物をはじめとする、ある種の4-(1-(スルホニル)-1H-インドール-2-イル)-4-(ヒドロキシ)-シクロヘキサ-2,5-ジエノン化合物およびそれらの類似体、ならびにその医薬上許容される塩、エステル、アミド、溶媒和物、水和物、および保護された形態に関する。本発明はまた、上記化合物を含んでなる医薬組成物、ならびに例えば増殖性疾患(例えば、癌)、および/またはチオレドキシン/チオレドキシンレダクターゼにより媒介される症状の処置におけるin vitroおよびin vivo双方での上記化合物および組成物の使用に関する。

Description

本発明は、一般に治療薬の分野に関し、より詳しくは、とりわけ抗増殖性薬、抗癌薬および/またはチオレドキシン/チオレドキシンレダクターゼ阻害剤である、ある種の4-(1-(スルホニル)-1H-インドール-2-イル)-4-(ヒドロキシ)-シクロヘキサ-2,5-ジエノン化合物およびその類似体に関する。本発明はまた、このような化合物を含んでなる組成物、および例えば増殖性症状、癌、および/またはチオレドキシン/チオレドキシンレダクターゼにより媒介される症状の処置における、in vitroおよびin vivo両面での使用に関する。
特許請求の範囲を含め本明細書を通じ、特に断りのない限り、「含んでなる(comprise)ならびに「comprises」および「comprising」などの変形は、示されている整数もしくは工程、または整数もしくは工程群を含むことを示すが、他の整数もしくは工程、または整数もしくは工程群を排除するものではないことを意味すると理解される。
本明細書および添付の特許請求の範囲で用いられている単数形「a」、「an」および「the」は、特にそうではないことが明示されていない限り、複数形も含むことに注意すべきである。よって、例えば、「医薬担体」は、このような担体2種以上の混合物などを含む。
本明細書において範囲は「約」ある特定の値および/または〜「約」別の特定の値で表される場合が多い。このような範囲を表す場合、別の実施形態では、ある特定の値および/または別の特定の値を含む。同様に、前に「約」を付けて値を近似値として表す場合、その特定の値が別の実施形態をなすと理解される。
フェノール性生体異物は、例えば酸化、グルクロン酸抱合、硫化、メチル化、アセチル化などのいくつかの方法で細胞系により修飾され得るものであり、ある種のフェノール性タンパク質チロシンキナーゼ(PTK)阻害剤の不安定性が報告されている。例えば、以下に示される抗腫瘍PTK阻害剤エルブスタチンはウシ胎児血清中で半減期が短い(<30分)ことが知られており(例えば、Umezawaら,1991参照)、以下に示されている、単離酵素に対するチルホスチンの活性とそれらのin vitroおよびin vivoにおける作用との間の関連の欠如は注目に値する(例えば、Rambasら,1994参照)。ジ-およびトリ-フェノール性チルホスチンは溶液中でより活性なPTK阻害剤へと分解するが(例えば、Faalandら,1991参照)、ヒドロキシ基を欠くチロホスチンは細胞活性を迅速に生じさせ(例えば、Reddyら,1992参照)、このことは可能性のある生物活性化工程としてキノン(またはその他)部分への代謝的酸化に影響を与える。
Figure 2006512351
Wellsら,2000は以下に示す数種のベンゾチアゾール置換キノール誘導体(式中、R1は-Ac、-Me、-Et、-nPr、または-CH2C≡CHであり、かつ、R2は-Meまたは-Etである)を記載している。これらの化合物はin vitroにおいて結腸癌細胞系統(HCT-116およびHT29)および乳癌細胞系統(MCF-7およびMDA468)に対して活性を有することが報告されている。チオレドキシン/チオレドキシンレダクターゼ阻害剤としての可能性のある適用に関する記載はないことに着目してほしい。
Figure 2006512351
Stevensら,2003は、4-(1H-インドール-2-イル)キノール(その20頁を参照)をはじめとする種々の4-アリールキノールおよびその類似体を記載しており、ここでは、1H-インドール-2-イル基は、RNで示される任意のN-置換基(すなわち1-置換基)を有し、これは-H、C1-7アルキル、C3-20ヘテロシクリル、またはC5-20アリールである(その22頁を参照)。この書面には1H-インドール-2-イル基上の1-スルホニル置換基(例えば、RNとして)の教示も示唆もない。
Figure 2006512351
ヒドロキシシクロヘキサジエノン構造を含み、明らかに抗腫瘍活性を有する2つの化合物:ヒドロキシル化フラボノ置換キノール(すなわち、クロモン置換キノール)(例えば、Wadaら,1987)および酸化エストロン(例えば、Milicら,1999参照)が報告されている。
Figure 2006512351
マヌマイシンA(例えば、Alcarazら,1998参照)およびLL-C 10037α(例えば、Wipfら,1994参照)など、数種の関連の抗腫瘍エポキシキノールが知られている。
Figure 2006512351
発明の概要
本発明の1つの態様は、本明細書に記載されているような新規な有効化合物に関する。
本発明のもう1つの態様は、本明細書に記載されているような有効化合物と医薬上許容される担体または希釈剤とを含んでなる組成物に関する。
本発明のもう1つの態様は、ヒトまたは動物身体の処置方法に用いるための、本明細書に記載されているような有効化合物に関する。
本発明のもう1つの態様は、例えば、増殖性症状(例えば癌)、チオレドキシン/チオレドキシンレダクターゼにより媒介される症状などの処置に用いるための薬剤の製造のための、本明細書に記載されているような有効化合物に関する。
本発明のもう1つの態様は、in vitroまたはin vivoにおいてチオレドキシン/チオレドキシンレダクターゼを阻害する方法であって、細胞を有効量の、本明細書に記載されているような有効化合物と接触させることを含む方法に関する。
本発明のもう1つの態様は、in vitroまたはin vivoにおいて細胞増殖を調節する方法であって、細胞を有効量の、本明細書に記載されているような有効化合物と接触させることを含む方法に関する。
本発明のもう1つの態様は、in vitroまたはin vivoにおいて(a)細胞増殖を阻害する方法;(b)細胞周期の進行を阻害する方法;(c)アポトーシスを促進する方法;または(d)これらの1以上の組合せであって、細胞を有効量の、本明細書に記載されているような有効化合物と接触させることを含む方法に関する。
本発明のもう1つの態様は、例えば、増殖性症状(例えば癌)、チオレドキシン/チオレドキシンレダクターゼにより媒介される症状などの処置のための方法であって、該症状を患う被験体に治療上有効量の、本明細書に記載されているような有効化合物を投与することを含む。
本発明のもう1つの態様は、(a)好適な容器中、および/または好適なパッケージングで、好ましくは、医薬組成物として提供されている有効化合物と、(b)使用説明書、例えばその活性化化合物の投与方法を記した例えば書面による使用説明書を含んでなるキットに関する。
本発明のもう1つの態様は、本明細書に記載されているような合成方法、本明細書に記載されているような合成方法を含む方法によって得ることのできる化合物に関する。
本発明のもう1つの態様は、本明細書に記載されているような合成方法、本明細書に記載されているような合成方法を含む方法によって得られた化合物に関する。
本発明のもう1つの態様は、本明細書に記載の合成方法で用いるのに好適な、本明細書に記載されているような新規な中間体に関する。
本発明のもう1つの態様は、本明細書に記載の合成方法において、本明細書に記載されているような、このような新規な中間体の使用に関する。
当業者ならば、本発明の一態様の特徴および好ましい実施形態はまた本発明の他の態様にも当てはまることが分かるであろう。
詳細な説明
化合物
本発明のある態様は下式:
Figure 2006512351
[式中、
Arは1-(スルホニル)-1H-インドール-2-イル基であり;
αで示される結合が独立に
(a)単結合;または
(b)二重結合であり;
βで示される結合は独立に
(a)単結合;または
(b)二重結合であり;
基-OROは独立に
(a)-OH;
(b)エーテル基(例えば-OMe);または
(c)アシルオキシ基(すなわち、リバースエステル)基(例えば、-OC(=O)Me)であり;
R2、R3、R5およびR6の各々は独立に環置換基であり、かつ、
(a)H;
(b)一価モノデンテート(monovalent monodentate)置換基;または
(c)隣接する環置換基と一緒になって、さらにこれらの環置換基が結合している環原子と一緒になって縮合環を形成している環置換基
である]
を有する化合物、ならびにその医薬上許容される塩、エステル、アミド、溶媒和物、水和物および保護された形態に関する。
光学異性体
これらの化合物において、1つ、2つ、または3つの環原子(下式においてアスタリスク(*)で示す)はキラルであってもよく(例えば、結合αおよびβ、ならびに置換基R2、R3、R5およびR6に依存する)、そうであれば、R配置であってもS配置であってもよいことに注目してほしい。特に断りのない限り、生じる光学異性体(以下に考察)はこの対応する構造に包含され、これは配置を問わない。
Figure 2006512351
結合αおよびβ
αで示される結合は独立に単結合または二重結合である。
βで示される結合は独立に単結合または二重結合である。
一実施形態では、
(a)αは独立に二重結合であり、かつ、βは独立に二重結合であるか;または
(b)αは独立に単結合であり、かつ、βは独立に単結合である。
一実施形態では、αは独立に二重結合であり、かつ、βは独立に二重結合である(化合物は置換シクロヘキサ-2,5-ジエノンである)。
Figure 2006512351
一実施形態では、αは独立に単結合であり、かつ、βは独立に単結合である(化合物は置換シクロヘキサン-2-オンである)。
Figure 2006512351
一実施形態では、αは独立に単結合であり、かつ、βは独立に二重結合である(化合物は置換シクロヘキサ-2-エノンである)。
Figure 2006512351
αおよびβに関して「二重」結合は、シクロヘキセンの二重結合のような単純二重結合と、例えばベンゼンの炭素-炭素結合などの芳香族「二重」結合の双方を含むことに注目してほしい。
キノール環置換基、R 2 、R 3 、R 5 、およびR 6
環置換基R2、R3、R5、およびR6は、例えば水溶解度および/またはバイオアベイラビリティを改善するための化合物の物理的または生物的特性を改善するよう選択することができる。
一実施形態では、R2、R3、R5、およびR6は各々独立に環置換基であり、
(a)H;または
(b)一価モノデンテート置換基(例えば、以下の標題「キノール環置換基:一価モノデンテート置換基」に記載の通り)または
(c)隣接する環置換基と一緒になって、さらにこれらの環置換基が結合している環原子と一緒になって縮合環を形成している環置換基(例えば、以下の標題「キノール環置換基:縮合環」に記載の通り)
である。
キノール環置換基:一価モノデンテート置換基
一実施形態では、前記一価モノデンテート置換基(例えばR2、R3、R5、およびR6に関して上述されたもの)は独立に、以下のRP、またはチオールもしくはチオエーテル基(例えば、標題「以下のキノール環置換基:チオールおよびチオエーテル」に記載の通り)に関して定義された通りである。
一実施形態では、前記一価モノデンテート置換基は独立に
ヒドロキシ(-OH);
ハロ;
アジド;
C1-7アルキル(例えば、
ハロ-C1-7アルキル;
アミノ-C1-7アルキル(例えば、-(CH2)w-アミノ);
カルボキシ-C1-7アルキル(例えば、-(CH2)w-COOH);
ヒドロキシ-C1-7アルキル(例えば、-(CH2)w-OH);
C5-20アリール-C1-7アルキルを含む);
エーテル(例えば、
C1-7アルコキシ;
ハロ-C1-7アルコキシ;
アミノ-C1-7アルコキシ(例えば、-O(CH2)w-アミノ);
カルボキシ-C1-7アルコキシ(例えば、-O(CH2)w-COOH);
ヒドロキシ-C1-7アルコキシ(例えば、-O(CH2)w-OH);
C5-20アリール-C1-7アルコキシを含む);
アシル(例えば、
C1-7アルキル-アシル;
ハロ-C1-7アルキル-アシル;
アミノ-C1-7アルキル-アシル(例えば、-C(=O)(CH2)w-アミノ);
カルボキシ-C1-7アルキル-アシル(例えば、-C(=O)(CH2)w-COOH);
ヒドロキシ-C1-7アルキル-アシル(例えば、-C(=O)(CH2)w-OH);
C5-20アリール-C1-7アルキル-アシル;
C5-20アリール-アシルを含む);および
チオール(-SH);
チオエーテル
から選択され;
wは1〜7、好ましくは1〜4、好ましくは1、2、または3の整数である。
一実施形態では、前記一価モノデンテート置換基は独立に
-OH;
-F、-Cl、-Br、-I;
-N3
-Me、-Et、-nPr、-iPr、-tBu;
-OMe、-OEt、-O-nPr、-O-iPr、-O-tBu;
-C(=O)Me、-C(=O)Et、-C(=O)nPr、-C(=O)iPr、-C(=O)tBu、-C(=O)Ph、-C(=O)Bn;
-SH;
-SMe、-SEt、-SnPr、-S-iPr、-S-nBu、-S-iBu、-S-sBu、-S-tBu、-S-CH2-Ph、-S-Ph;
システイン、ホモシステイン、グルタチオン、または-Cys-(X)y-Cys-型(ここで、Xはアミノ酸であり、yは1〜6の整数である)のペプチドに由来するチオエーテル基
から選択される。
一実施形態では、前記一価モノデンテート置換基は独立にヒドロキシ、ハロ、C1-7アルコキシ、チオール、およびチオエーテルから選択される。
一実施形態では、前記一価モノデンテート置換基は独立に
-OH;
-F、-Cl、-Br、-I;
-OMe、-OEt、-O-nPr、-O-iPr、-O-tBu;
-SH;
-SMe、-SEt、-SnPr、-S-iPr、-S-nBu、-S-iBu、-S-sBu、-S-tBu、-S-CH2-Ph、-S-Ph;
システイン、ホモシステイン、グルタチオン、または-Cys-(X)y-Cys-型(ここで、Xはアミノ酸であり、yは1〜6の整数である)のペプチドに由来するチオエーテル基
から選択される。
一実施形態では、前記一価モノデンテート置換基は独立にハロ、チオール、およびチオエーテルから選択される。
一実施形態では、前記一価モノデンテート置換基は独立に
-F、-Cl、-Br、-I;
-SH;
-SMe、-SEt、-SnPr、-S-iPr、-S-nBu、-S-iBu、-S-sBu、-S-tBu、-S-CH2-Ph、-S-Ph;
システイン、ホモシステイン、グルタチオン、または-Cys-(X)y-Cys-型(ここで、Xはアミノ酸であり、yは1〜6の整数である)のペプチドに由来するチオエーテル基
から選択される。
キノール環置換基:チオールおよびチオエーテル
一実施形態では、前記一価モノデンテート置換基、R2、R3、R5、およびR6の1以上はチオール(-SH)またはチオエーテル基である。
一実施形態では、αが二重結合であり、βが二重結合であれば、チオールおよびチオエーテルは前記一価モノデンテート置換基、R2、R3、R5、およびR6の選択肢からは排除される。
一実施形態では、R3およびR5の一方または双方がチオールまたはチオエーテル基である。
一実施形態では、R3およびR5の必ず一方がチオールまたはチオエーテル基である。
一実施形態では、R3およびR5の各々がチオールまたはチオエーテル基である。
一実施形態では、R3およびR5の一方または双方がチオールまたはチオエーテル基であれば、αは単結合であり、かつ、βも単結合である。
一実施形態では、R3がチオールまたはチオエーテル基であれば、βは単結合である。
一実施形態では、R5がチオールまたはチオエーテル基であれば、αは単結合である。
一実施形態では、R3およびR5の各々がチオールまたはチオエーテル基であれば、αは単結合であり、かつ、βも単結合である。
一実施形態では、αが単結合であり、βが単結合であり、かつ、前記一価モノデンテート置換基、R2、R3、R5、およびR6の1以上がチオールまたはチオエーテル基である。
一実施形態では、αが単結合であり、βが単結合であり、かつ、R3およびR5の一方または双方がチオールまたはチオエーテル基である。
一実施形態では、αが単結合であり、βが単結合であり、かつ、R3およびR5の必ず一方がチオールまたはチオエーテル基である。
一実施形態では、αが単結合であり、βが単結合であり、かつ、R3およびR5の各々がチオールまたはチオエーテル基である。
一実施形態では、αが単結合であり、βが単結合であり、かつ、R3およびR5の各々がチオエーテル基であり、かつ、R3およびR5は連結されている。例えば、R3およびR5は一緒になって、配列-Cys-(X)y-Cys-(式中、Xはアミノ酸(例えば、α-アミノ酸)であり、yは1〜6の整数(例えば、1、2、3、4、5、または6)であり、かつ、2つのシステイン残基の-SH基はシクロヘキサ-2,5-ジエノン環と結合している)を含むペプチドの一部を形成していてもよい。
このような化合物は対応するシクロヘキサ-2,5-ジエノンのモノ-およびジ-チオール付加物であると考えられる(下記を参照)。
このような場合、これらのチオールおよびチオエーテル基はひとまとめに-SRSで表される。
一実施形態では、RSは-H、または有機基(一般に、水素以外の原子1〜30個)であり、場合によりヒドロキシ、カルボキシ、カルボキシレート、アシルオキシ、アミノ、アミド、およびアシルアミド基などの1以上の置換基を有していてもよい。
一実施形態では、
(a)RSは-H、C1-7アルキル(例えば、C5-20アリール-C1-7アルキルを含む)、C3-20ヘテロシクリル、またはC5-20アリールであり、場合により置換されていてもよいか;または
(b)-SRSはチオール含有アミノ酸またはペプチド由来のチオエーテル基である。
一実施形態では、
(a)RSは-H、C1-7アルキル(例えば、C5-20アリール-C1-7アルキル)またはC5-20アリールであり、場合により置換されていてもよいか;または
(b)-SRSはチオール含有アミノ酸またはペプチド由来のチオエーテル基である。
一実施形態では、
(a)RSは-H、C1-7アルキル(例えば、C5-20アリール-C1-7アルキル)またはC5-20アリールであり、場合により置換されていてもよい。
一実施形態では、
(b)-SRSはチオール含有アミノ酸またはペプチド由来のチオエーテル基である。
一実施形態では、-SRSはチオール含有化合物、例えば、チオール含有アミノ酸、例えばシステイン、ホモシステインなど、またはチオール含有ペプチド、例えば、チオール含有アミノ酸、例えばグルタチオン、および配列-Cys-(X)y-Cys-[式中、Xはアミノ酸(例えば、α-アミノ酸)であり、yは1〜6の整数(例えば、1、2、3、4、5、または6)である]を含むペプチド(例えば、4〜100、好ましくは4〜20、より好ましくは4〜10のアミノ酸を含むもの);ならびにエステル(例えば、メチルエステル)およびアミド(例えば、酢酸アミド)に由来するチオエーテル基である。
このような基のいくつかの例が以下に示されている(nは例えば、1、2、または3である)。
Figure 2006512351
一実施形態では、
(a)RSは-H、-Me、-Et、-nPr、-iPr、-nBu、-iBu、-sBu、-tBu、-CH2-Ph、-Phから選択されるか;または
(b)-SRSはシステイン、ホモシステイン、グルタチオン、または配列-Cys-(X)y-Cys-(式中、Xはアミノ酸であり、yは1〜6の整数である)を含むペプチドに由来するチオエーテル基である。
本明細書に記載のシクロヘキサ-2,5-ジエノン化合物はチオール付加反応を受けてチオール一および/または二付加物となる(以下の「合成」を参照)。特定の理論に縛られるつもりはないが、付加反応は可逆的であり、このような付加物は例えばin vivoで脱離反応を受けると元のシクロヘキサ-2,5-ジエノン化合物に戻り得ると考えられている。このように、チオール一および/または二付加物は、対応するシクロヘキサ-2,5-ジエノン化合物のプロドラッグとして働く可能性があり、このチオール一および/または二付加物はまた、対応するシクロヘキサ-2,5-ジエノン化合物に比べて水に対する溶解度など、向上した特性を持つ可能性がある。
Figure 2006512351
キノール環置換基:非縮合環
一実施形態では、R2、R3、R5、およびR6の各々は独立に環置換基であり、
(a)H;または
(b)一価モノデンテート置換基(例えば、以下の標題「キノール環置換基:一価モノデンテート置換基」に記載されている通り)
である。
一実施形態では、R5およびR6は-Hであり、かつ、α、β、R2、R3、Ar、およびROは本明細書で定義した通りであるが、R2およびR3は縮合環を形成していない。
Figure 2006512351
一実施形態では、R2およびR3は-Hであり、かつ、α、β、R5、R6、Ar、およびROは本明細書で定義した通りであるが、R5およびR6は縮合環を形成していない。
Figure 2006512351
一実施形態では、R2およびR6は-Hであり、かつ、α、β、R3、R5、Ar、およびROは本明細書で定義した通りである。
Figure 2006512351
一実施形態では、R3およびR5は-Hであり、かつ、α、β、R2、R6、Ar、およびROは本明細書で定義した通りである。
Figure 2006512351
一実施形態では、R2、R3、R5およびR6は-Hであり、かつ、α、β、Ar、およびROは本明細書で定義した通りである。
Figure 2006512351
一実施形態では、R2、R3、R5およびR6は-Hであり、αは二重結合であり、βは二重結合であり、かつ、ArおよびROは本明細書で定義した通りである。
Figure 2006512351
一実施形態では、R2、R3、R5およびR6は-Hであり、αは単結合であり、βは単結合であり、かつ、ArおよびROは本明細書で定義した通りである。
Figure 2006512351
一実施形態では、R2、R3、R5およびR6は-Hであり、αは単結合であり、βは二重結合であり、かつ、ArおよびROは本明細書で定義した通りである。
Figure 2006512351
環置換基:縮合環
一実施形態では、1以上の環置換基(例えば、R3、R4、R5、またはR6)は、隣接する環置換基(すなわち、残りのR3、R4、R5、およびR6から選択される)と一緒になって、さらにこれらの環置換基が結合している環原子と一緒になって縮合環(主環との縮合)を形成している。
一実施形態では、
(a)R2およびR3が、それらが結合している環原子と一緒になって縮合環を形成しているか;
(b)R5およびR6が、それらが結合している環原子と一緒になって縮合環を形成しているか;または
(c)(a)および(b)の双方
である。
一実施形態では、この縮合環(あるいは縮合環が2つであれば、それらのうちの1つ、またはそれらの各々)は縮合芳香環である。
一実施形態では、この縮合環(あるいは縮合環が2つであれば、それらのうちの1つ、またはそれらの各々)は5また6個の環癌子を有する縮合芳香環である。
一実施形態では、この縮合環(あるいは縮合環が2つであれば、それらのうちの1つ、またはそれらの各々)は6個の環原子を有する縮合芳香環である。
一実施形態では、この縮合環(あるいは縮合環が2つであれば、それらのうちの1つ、またはそれらの各々)は6個の環炭素原子を有する縮合芳香環である。
環置換基が、それらが結合している環原子と一緒になって芳香環(主環と縮合)を形成している場合、環はそれ自体、例えばRPに関して定義したような1以上のアリール置換基で置換されていてもよい。
一実施形態では、R2およびR3は、上記のように、それらが結合している環原子と一緒になって縮合環(例えば、縮合芳香環;5または6個の環原子を有する縮合芳香環;6個の環原子を有する縮合芳香環;6個の環炭素を有する縮合芳香環)を形成している。
一実施形態では、R2およびR3は縮合ベンゼン環を形成し;βは二重結合であり;かつ、α、Ar、RO、R5、およびR6は本明細書で定義した通りである。
Figure 2006512351
さらなる実施形態では、R5およびR6は縮合環を形成していない。
一実施形態では、R2およびR3は縮合ベンゼン環を形成し;βは二重結合であり;R5は-Hであり;かつ、α、R6、Ar、およびROは本明細書で定義した通りである。
Figure 2006512351
一実施形態では、R2およびR3は縮合ベンゼン環を形成し;βは二重結合であり;R6は-Hであり;かつ、α、R5、Ar、およびROは本明細書で定義した通りである。
Figure 2006512351
一実施形態では、R2およびR3は縮合ベンゼン環を形成し;βは二重結合であり;R5およびR6は-Hであり;かつ、α、Ar、およびROは本明細書で定義した通りである。
Figure 2006512351
一実施形態では、R2およびR3は縮合ベンゼン環を形成し;βは二重結合であり;R5およびR6は-Hであり;αは二重結合であり;かつ、ArおよびROは本明細書で定義した通りである。
Figure 2006512351
一実施形態では、R5およびR6は、上記のように、それらが結合している環原子と一緒になって縮合環(例えば、縮合芳香環;5または6個の環原子を有する縮合芳香環;6個の環原子を有する縮合芳香環;6個の環炭素原子を有する縮合芳香環)を形成している。
一実施形態では、R5およびR6は縮合ベンゼン環を形成し;αは二重結合であり;かつ、β、R2、R3、Ar、およびROは本明細書で定義した通りである。
Figure 2006512351
さらなる実施形態では、R2およびR3は縮合環を形成していない。
一実施形態では、R5およびR6は縮合ベンゼン環を形成し;αは二重結合であり;R3は-Hであり;かつ、β、R2、Ar、およびROは本明細書で定義した通りである。
Figure 2006512351
一実施形態では、R5およびR6は縮合ベンゼン環を形成し;αは二重結合であり;R2は-Hであり;かつ、β、R3、Ar、およびROは本明細書で定義した通りである。
Figure 2006512351
オキシ置換基R O
オキシ置換基、ROは独立に、(a)-H;または(b)-H以外である。
一実施形態では、基-OROは独立に
(a)-OH;
(b)エーテル基(例えば、-OMe);または
(c)アシルオキシ(すなわち、リバースエステル)基(例えば、-OC(=O)Me)
である。
一実施形態では、ROは独立に
(a)-H;
(b)C1-7アルキル、C3-20ヘテロシクリル、またはC5-20アリール(場合により、置換されていてもよい);または
(c)C1-7アルキル-アシル、C3-20ヘテロシクリル-アシル、またはC5-20アリール-アシル(場合により、置換されていてもよい)
である。
一実施形態では、ROは非置換型である。
一実施形態では、ROは置換されている。
オキシ置換基R O は-Hである
一実施形態では、ROは独立に-Hである。
一実施形態では、ROは-Hであり;かつ、R2、R3、R5、R6、α、β、およびArは本明細書で定義した通りである。
Figure 2006512351
一実施形態では、ROは-Hであり;αは二重結合であり;βは二重結合であり;かつ、R2、R3、R5、R6、およびArは本明細書で定義した通りである。
Figure 2006512351
一実施形態では、ROは-Hであり;αは単結合であり;βは単結合であり;かつ、R2、R3、R5、R6、およびArは本明細書で定義した通りである。
Figure 2006512351
一実施形態では、ROは-Hであり;αは単結合であり;βは二重結合であり;かつ、R2、R3、R5、R6、およびArは本明細書で定義した通りである。
Figure 2006512351
一実施形態では、ROは-Hであり;R2、R3、R5およびR6は-Hであり;αは二重結合であり;βは二重結合であり;かつ、Arは本明細書で定義した通りである。
Figure 2006512351
一実施形態では、ROは-Hであり;R2、R3、R5およびR6は-Hであり;αは単結合であり;βは単結合であり;かつ、Arは本明細書で定義した通りである。
Figure 2006512351
一実施形態では、ROは-Hであり;R2、R3、R5およびR6は-Hであり;αは単結合であり;βは二重結合であり;かつ、Arは本明細書で定義した通りである。
Figure 2006512351
一実施形態では、ROは-Hであり;R2およびR3は縮合ベンゼン環を形成し;R5およびR6は-Hであり;αは二重結合であり;βは二重結合であり;かつ、Arは本明細書で定義した通りである。
Figure 2006512351
オキシ置換基R O は-H以外である
一実施形態では、ROは独立に-H以外である。
特定の理論に拘束されるつもりはないが、基-OROはin vivoで変換(例えば、加水分解、代謝など)されて基-OHとなると考えられている。したがって、一実施形態では、基-OROはin vivoで容易に加水分解されるように選択される。
一実施形態では、基-OROは独立に
(b)エーテル基;または
(c)アシルオキシ(すなわち、リバースエステル)基
である。
一実施形態では、基-OROは独立に(b)である。
一実施形態では、基-OROは独立に(c)である。
一実施形態では、ROは独立に
(b)C1-7アルキル、C3-20ヘテロシクリル、またはC5-20アリール(場合により、置換されていてもよい);
(c)C1-7アルキル-アシル、C3-20ヘテロシクリル-アシル、またはC5-20アリール-アシル(場合により、置換されていてもよい)
である。
一実施形態では、基-OROは独立に(b)である。
一実施形態では、基-OROは独立に(c)である。
一実施形態では、ROは非置換型である。
一実施形態では、ROは置換されている。
一実施形態では、ROは以下の群:
ヒドロキシ(-OH);
ハロ;
カルボキシ(-COOH);
アミノ;および
C5-20アリール
の1以上で場合により置換されていてもよい。
一実施形態では、ROは式-C(=O)-J-K(式中、JはC1-7アルキレン基であり、かつ、Kはアミノ基である)のアミノ-C1-7アルキル-アシル基である。一実施形態では、ROは-C(=O)(CH2)n-K(式中、nは1〜7の整数、好ましくは1〜3であり、かつ、Kはアミノ基である)である。例えば、一実施形態では、ROは-C(=O)CH2CH2CH2NH2である。
アリール基Ar
アリール基Arは1-(スルホニル)-1H-インドール-2-イル基である。
一実施形態では、Arは下式:
Figure 2006512351
[式中、
RSOは独立にスルホニル置換基でありかつ、
R3N、R4N、R5N、R6N、およびR7Nの各々は独立にインドリル置換基である]
の基である。
スルホニル置換基R SO
一実施形態では、スルホニル置換基RSOはC1-7アルキル、C3-20ヘテロシクリル、またはC5-20アリールであり、場合により置換されていてもよい。
一実施形態では、RSOはC1-7アルキルまたはC5-20アリールであり、場合により置換されていてもよい。
一実施形態では、RSOはC1-7アルキルであり、場合により置換されていてもよい。
一実施形態では、RSOはC3-20ヘテロシクリルであり、場合により置換されていてもよい。
一実施形態では、RSOはC5-20アリールであり、場合により置換されていてもよい。
一実施形態では、RSOは非置換型である。
一実施形態では、RSOは置換されている。
置換基の例は、例えばRPに関して定義するように以下に記載されている。
スルホニル置換基R SO :アルキルスルホニル
一実施形態では、RSOはC1-7アルキルであり、場合により置換されていてもよい。
一実施形態では、RSOはC1-6アルキルであり、場合により置換されていてもよい。
一実施形態では、RSOはC1-5アルキルであり、場合により置換されていてもよい。
一実施形態では、RSOはC1-4アルキルであり、場合により置換されていてもよい。
一実施形態では、RSOはC1-3アルキルであり、場合により置換されていてもよい。
一実施形態では、RSOはメチルまたはエチルであり、場合により置換されていてもよい。
一実施形態では、RSOはメチルであり、場合により置換されていてもよい。
一実施形態では、RSOは置換されている。
一実施形態では、RSOは非置換型である。
置換基の例は、例えばRPに関して定義するように以下に記載されている。
RSOが-Meであるとき、スルホニル基-SO2RSOは「メシル」である。
RSOが-CF3であるとき、スルホニル基-SO2RSOは「トリフリル」である。
RSOが-Etであるとき、スルホニル基-SO2RSOは「エシル」である。
RSOが-C4F9であるとき、スルホニル基-SO2RSOは「ノナフリル」である。
RSOが-CH2CF3であるとき、スルホニル基-SO2RSOは「トレシル」である。
スルホニル置換基R SO ;アルキルスルホニル:置換基
一実施形態では、RSOはC1-7アルキル(または上記で定義した通り)であり、場合により、RPに関して定義したようなもう1つの置換基で置換されていてもよい。
一実施形態では、RSOはC1-7アルキル(または上記で定義した通り)であり、場合により、以下の群:
ヒドロキシ(-OH);
ハロ;
カルボキシ(-COOH);
アミノ;および
C5-20アリール
のもう1つのもので置換されていてもよい。
一実施形態では、RSO
ヒドロキシ-C1-7アルキル(例えば、-(CH2)w-OH);
ハロ-C1-7アルキル;
カルボキシ-C1-7アルキル(例えば、-(CH2)w-COOH);
アミノ-C1-7アルキル(例えば、-(CH2)w-アミノ);および
C5-20アリール-C1-7アルキル
から選択され、wは1〜7、好ましくは1〜4、好ましくは1、2または3から選択される整数である。
スルホニル置換基R SO :ヘテロシクリルスルホニル
一実施形態では、RSOはC3-20ヘテロシクリルであり、場合により置換されていてもよい。
一実施形態では、RSOはC5-20ヘテロシクリルであり、場合により置換されていてもよい。
一実施形態では、RSOはC5-15ヘテロシクリルであり、場合により置換されていてもよい。
一実施形態では、RSOはC5-12ヘテロシクリルであり、場合により置換されていてもよい。
一実施形態では、RSOはC5-10ヘテロシクリルであり、場合により置換されていてもよい。
一実施形態では、RSOはC5-9ヘテロシクリルであり、場合により置換されていてもよい。
一実施形態では、RSOはC5-7ヘテロシクリルであり、場合により置換されていてもよい。
一実施形態では、RSOはC5-6ヘテロシクリルであり、場合により置換されていてもよい。
一実施形態では、RSOは置換されている。
一実施形態では、RSOは非置換型である。
置換基の例は、例えばRPに関して定義するように以下に記載されている。
スルホニル置換基R SO :アリールスルホニル
一実施形態では、RSOはC5-20アリールであり、場合により置換されていてもよい。
一実施形態では、RSOはC5-20カルボアリールであり、場合により置換されていてもよい。
一実施形態では、RSOはC5-10アリールであり、場合により置換されていてもよい。
一実施形態では、RSOはC5-10カルボリルであり、場合により置換されていてもよい。
一実施形態では、RSOはナフチルまたはフェニルであり、場合により置換されていてもよい。
一実施形態では、RSOはナフチルであり、場合により置換されていてもよい。
一実施形態では、RSOはC5-6アリールであり、場合により置換されていてもよい。
一実施形態では、RSOはC5-6カルボアリールであり、場合により置換されていてもよい。
一実施形態では、RSOはフェニルであり、場合により置換されていてもよい。
一実施形態では、RSOは非置換型である。
一実施形態では、RSOは置換されている。
置換基の例は、例えばRPに関して定義するように以下に記載されている。
スルホニル置換基R SO :フェニル スルホニル
一実施形態では、RSOは場合により置換されていてもよいフェニル基:
Figure 2006512351
[式中、pは0〜5の整数であり、RPは各々フェニル置換基である]
である。
一実施形態では、RSOは非置換フェニル基である。
一実施形態では、RSOは置換フェニル基である。
一実施形態では、pは0、1、2、3、4または5である。
一実施形態では、pは0、1、2、3、または4である。
一実施形態では、pは0、1、2または3である。
一実施形態では、pは0、1または2である。
一実施形態では、pは0または1である。
一実施形態では、pは1、2、3、4または5である。
一実施形態では、pは1、2、3、または4である。
一実施形態では、pは1、2または3である。
一実施形態では、pは1または2である。
一実施形態では、pは0である。
一実施形態では、pは1である。
一実施形態では、pは2である。
一実施形態では、pは3である。
一実施形態では、pは4である。
一実施形態では、pは5である。
このフェニル基が置換基の全補集合よりも少なければ、それらはどんな組合せで配置されてもよい。例えば、フェニル基は水素以外の置換基1個を有する場合には、それは2位、3位、または4位にあってよい。同様に、フェニル基が水素以外の2個の置換基を有する場合には、それらは2,3位、2,4位、2,5位、2,6位、3,4位または3,5位にあってよい。フェニル基が水素以外の3個の置換基を有する場合、それらは例えば2,3,4位、2,3,5位、2,3,6位、2,4,5位、2,5,6位または3,4,5位にあってよい。フェニル基が水素以外の置換基4個を有する場合には、それらは例えば3,4,5,6位、2,4,5,6位、2,3,5,6位、2,3,4,6位または2,3,4,5位にあってよい。
一実施形態では、pは3であり、RP基は2位、4位および6位にある。
一実施形態では、pは3であり、RP基は3位、4位、および5位にある。
一実施形態では、pは2であり、RP基は2位および4位にある。
一実施形態では、pは2であり、RP基は2位および5位にある。
一実施形態では、pは2であり、RP基は2位および6位にある。
一実施形態では、pは2であり、RP基は3位および4位にある。
一実施形態では、pは2であり、RP基は3位および5位にある。
一実施形態では、pは1であり、RPは2位、3位または4位にある。
一実施形態では、pは1であり、RPは2位または4位にある。
一実施形態では、pは1であり、RPは2位である。
一実施形態では、pは1であり、RPは3位である。
一実施形態では、pは1であり、RPは4位である。
置換基の例を以下に記載する。
RSOが-Phであるとき、スルホニル基-SO2RSOは「ベシル」である。
RSOが4-Meであるとき、スルホニル基-SO2RSOは「トシル」である。
RSOが4-Clであるとき、スルホニル基-SO2RSOは「クロシル」である。
RSOが4-Brであるとき、スルホニル基-SO2RSOは「ブロシル」である。
RSOが4-NO2であるとき、スルホニル基-SO2RSOは「ノシル」である。
スルホニル置換基R SO :ナフチルスルホニル
一実施形態では、RSOは場合により置換されていてもよいナフト-1-イル基またはナフト-2-イル基である:
Figure 2006512351
[式中、qは0〜3の整数であり;rは0〜4の整数であり;かつ、RPは各々ナフチル置換基である。
一実施形態では、RSOは非置換ナフト-1-イル基またはナフト-2-イル基である。
一実施形態では、RSOは置換ナフト-1-イル基またはナフト-2-イル基である。
一実施形態では、RSOは場合により置換されていてもよいナフト-1-イル基である。
一実施形態では、RSOは非置換ナフト-1-イル基である。
一実施形態では、RSOは置換ナフト-1-イル基である。
一実施形態では、RSOは場合により置換されていてもよいナフト-2-イル基である。
一実施形態では、RSOは非置換ナフト-2-イル基である。
一実施形態では、RSOは置換ナフト-2-イル基である。
一実施形態では、qは0、1、2または3である。
一実施形態では、qは0、1または2である。
一実施形態では、qは0または1である。
一実施形態では、qは1、2または3である。
一実施形態では、qは1または2である。
一実施形態では、qは0である。
一実施形態では、qは1である。
一実施形態では、qは2である。
一実施形態では、qは3である。
一実施形態では、Rは0、1、2、3、または4である。
一実施形態では、Rは0、1、2または3である。
一実施形態では、Rは0、1または2である。
一実施形態では、Rは0または1である。
一実施形態では、Rは1、2、3、または4である。
一実施形態では、Rは1、2または3である。
一実施形態では、Rは1または2である。
一実施形態では、Rは0である。
一実施形態では、Rは1である。
一実施形態では、Rは2である。
一実施形態では、Rは3である。
一実施形態では、Rは4である。
置換基の例を以下に記載する。
RSOが5-ジメチルアミノナフト-1-イルであるとき、スルホニル基-SO2RSOは「ダンシル」である。
スルホニル置換基R SO :フェニルおよびナフチルスルホニル:置換基R P
一実施形態では、RPは各々独立に
ハロ;ヒドロキシ;エーテル(例えば、C1-7アルコキシ);ホルミル;アシル(例えば、C1-7アルキルアシル、C5-20アリールアシル);カルボキシ;エステル;アシルオキシ;アミド;アシルアミド;チオアミド;テトラゾリル;アミノ;ニトロ;アジド;シアノ;シアナト;チオシアノ;イソチオシアノ;スルフヒドリル;チオエーテル(例えば、C1-7アルキルチオ);スルホン酸;スルホネート;スルホニル;スルホニルオキシ;スルフィニルオキシ;スルフアミノ;スルホンアミノ;スルフィンアミノ;スルファミル;スルホンアミド;C1-7アルキル(例えば非置換C1-7アルキル、C1-7ハロアルキル、C1-7ヒドロキシアルキル、C1-7カルボキシアルキル、C1-7アミノアルキル、C5-20アリール-C1-7アルキルを含む);C3-20ヘテロシクリル;およびC5-20アリール(例えばC5-20カルボアリール、C5-20ヘテロアリール、C1-7アルキル-C5-20アリールおよびC5-20ハロアリールを含む)。
一実施形態では、RPは各々独立に
ヒドロキシ(-OH);
ハロ;
シアノ(-CN);
カルボキシ(-COOH);
アジド;
エステル;
アミノ(例えば、
C1-7アルキル-アミノ;
アミノ-C1-7アルキル-アミノ(例えば、-NH(CH2)w-アミノ)を含む);
C1-7アルキル(例えば、
ハロ-C1-7アルキル;
アミノ-C1-7アルキル(例えば、-(CH2)w-アミノ);
カルボキシ-C1-7アルキル(例えば、-(CH2)w-COOH);
ヒドロキシ-C1-7アルキル(例えば、-(CH2)w-OH);
C5-20アリール-C1-7アルキルを含む);
エーテル(例えば、
C1-7アルコキシ;
ハロ-C1-7アルコキシ;
アミノ-C1-7アルコキシ(例えば、-O(CH2)w-アミノ);
カルボキシ-C1-7アルコキシ(例えば、-O(CH2)w-COOH);
ヒドロキシ-C1-7アルコキシ(例えば、-O(CH2)w-OH);
C5-20アリール-C1-7アルコキシを含む);
アシル(例えば、
C1-7アルキル-アシル;
ハロ-C1-7アルキル-アシル;
アミノ-C1-7アルキル-アシル(例えば、-C(=O)(CH2)w-アミノ);
カルボキシ-C1-7アルキル-アシル(例えば、-C(=O)(CH2)w-COOH);
ヒドロキシ-C1-7アルキル-アシル(例えば、-C(=O)(CH2)w-OH);
C5-20アリール-C1-7アルキル-アシル;
C5-20アリール-アシルを含む);
C5-20アリール
から選択され;wは1〜7、好ましくは1〜4、好ましくは1、2、または3の整数である。
一実施形態では、RPは各々独立に
-OH;
-F、-Cl、-Br、-I;
-CN;
-COOH;
-N3
-COOMe、-COOEt、-COOtBu、-COOPh、-COOCH2Ph;

-NH2、-NHMe、-NHEt、-NMe2、-NEt2
ピペリジノ、モルホリノ、ピペラジノ、N-メチル-ピペラジノ;
-NH(CH2)w-NH2、-NH(CH2)w-NHMe、-NH(CH2)w-NMe2、-NH(CH2)w-NEt2

-Me、-Et、-nPr、-iPr、-nBu、-iBu、-sBu、-tBu;
-CH2F、-CH2Cl、-CF3、-CCl3、-CF2CF3、-CH2CF3、-C(CF3)3
-(CH2)w-NH2、-(CH2)w-NHMe、-(CH2)w-NMe2、-(CH2)w-NEt2
-(CH2)w-COOH;
-(CH2)w-OH;
-CH2Ph;

-OMe、-OEt、-OnPr、-OiPr、-OnBu、-OiBu、-OsBu、-OtBu;
-OCH2F、-OCH2Cl、-OCF3、-OCCl3、-OCF2CF3、-OCH2CF3、-OC(CF3)3
-O(CH2)w-NH2、-O(CH2)w-NHMe、-O(CH2)w-NMe2、-O(CH2)w-NEt2
-O(CH2)w-COOH;
-O(CH2)w-OH;
-OCH2Ph;

-C(=O)Me、-C(=O)Et、-C(=O)-nPr、-C(=O)-iPr、-C(=O)-nBu、-C(=O)-iBu、-C(=O)-sBu、-C(=O)-tBu;
-C(=O)CH2F、-C(=O)CH2Cl、-C(=O)CF3、-C(=O)CCl3、-C(=O)CF2CF3、-C(=O)CH2CF3、-C(=O)C(CF3)3
-C(=O)(CH2)w-NH2、-C(=O)(CH2)w-NHMe、-C(=O)(CH2)w-NMe2、-C(=O)(CH2)w-NEt2
-C(=O)(CH2)w-COOH;
-C(=O)(CH2)w-OH;
-C(=O)CH2Ph;

-Ph
から選択され;wは1〜7、好ましくは1〜4、好ましくは1、2,または3の整数である。
一実施形態では、RPは各々独立に
ヒドロキシ(-OH);
ハロ;
C1-7アルキル;
ハロ-C1-7アルキル;
C1-7アルコキシ;
ハロ-C1-7アルキル
から選択される。
一実施形態では、RPは独立に
-OH;
-F、-Cl、-Br、-I;
-Me、-Et;
-CF3、-CH2CF3、-C4F9
-OMe、-OEt;
-OCF3、-OCH2CF3、-OC4F9
から選択される。
一実施形態では、RPは各々独立に
ハロ;
C1-7アルキル;
C1-7アルコキシ
から選択される。
一実施形態では、RPは各々独立に
-F、-Cl、-Br、-I、-Me、-Et、-OMe、-OEt
から選択される。
一実施形態では、RPは各々独立に
-F、-Me、-OMe
から選択される。
インドール-2-イル環置換基:R 3N 、R 4N 、R 5N 、R 6N 、およびR 7N
一実施形態では、R3N、R4N、R5N、R6N、およびR7Nは各々独立に-Hであるか、または上記でRPに関して定義した通りである。
一実施形態では、R3N、R4N、R5N、R6N、およびR7Nは各々独立に-Hであるか、または
ヒドロキシ(-OH);
ハロ;
C1-7アルキル;
C1-7アルコキシ
から選択される。
一実施形態では、R3N、R4N、R5N、R6N、およびR7Nは各々独立に
-H、-OH、-F、-Cl、-Br、-I、-Me、-Et、-OMe、-OEt
から選択される。
一実施形態では、R3N、R4N、R5N、R6N、およびR7Nは各々独立に-Hであるか、または
ハロ;
C1-7アルキル;
C1-7アルコキシ
から選択される。
一実施形態では、R3N、R4N、R5N、R6N、およびR7Nは各々独立に
-H、-F、-Cl、-Br、-I、-Me、-Et、-OMe、-OEt
から選択される。
一実施形態では、R3N、R4N、R5N、R6N、およびR7Nは各々独立に
-H、-F、-OMe
から選択される。
一実施形態では、R3Nは-Hである。
一実施形態では、R4NおよびR7Nは各々-Hである。
一実施形態では、R3N、R4NおよびR7Nは各々-Hである。
一実施形態では、R4N、R6N、およびR7Nは各々-Hである。
一実施形態では、R3N、R4N、R6N、およびR7Nは各々-Hである。
一実施形態では、R4N、R5N、およびR7Nは各々-Hである。
一実施形態では、R3N、R4N、R5N、およびR7Nは各々-Hである。
一実施形態では、R5N、R6N、およびR7Nは各々-Hである。
一実施形態では、R3N、R5N、R6N、およびR7Nは各々-Hである。
一実施形態では、R4N、R5N、およびR6Nは各々-Hである。
一実施形態では、R3N、R4N、R5N、およびR6Nは各々-Hである。
一実施形態では、R3N、R4N、R5N、R6N、およびR7Nは各々-Hである。
特定の実施形態例
本発明のいくつかの個々の実施形態としては以下の化合物が挙げられる。
Figure 2006512351
Figure 2006512351
Figure 2006512351
Figure 2006512351
本発明のさらなる個々の実施形態例としては以下の化合物が挙げられる。
Figure 2006512351
Figure 2006512351
化学用語
本明細書において「カルボ」「カルビル」「ヒドロカルボ」および「ヒドロカルビル」とは、炭素原子と水素原子だけを有する化合物および/または基をさす(なお、下記の「炭素環式」も参照)。
本明細書において「ヘテロ」とは、少なくとも1つのヘテロ原子、例えば、ホウ素、ケイ素、窒素、リン、酸素、硫黄およびセレン(より一般には窒素、酸素、および硫黄)などの多価ヘテロ原子(これはまた、ヘテロ環原子としても好適である)、ならびにフッ素、塩素、臭素およびヨウ素などの一価ヘテロ原子を有する化合物および/または基をさす。
本明細書において「飽和」とは、炭素-炭素二重結合または炭素-炭素三重結合を含まない化合物および/または基をさす。
本明細書において「不飽和」とは、少なくとも1つ炭素-炭素二重結合または炭素-炭素三重結合を有する化合物および/または基をさす。化合物および/または基は部分的に不飽和であっても完全に不飽和であってもよい。
本明細書において「脂肪族」とは、直鎖または分枝状であるが、環状ではない(「非環式」または「開環」基としても知られる)化合物および/または基をさす。
本明細書において「環」とは、3〜10個の共有結合原子、より好ましくは3〜8個の共有結合原子、さらにより好ましくは5〜6個の共有結合原子の閉環をさす。環は脂環式環であっても芳香環であってもよい。「本明細書において「脂環式環」とは、芳香環ではない環をさす。
本明細書において「炭素環式環」とは、環原子が全て炭素原子である環をさす。
本明細書において「カルボ芳香環」とは、環原子が全て炭素原子である芳香環をさす。
本明細書において「複素環式環」とは、少なくとも1つ環原子が多価ヘテロ環原子、例えば、窒素、リン、ケイ素、酸素または硫黄であり、より一般的には窒素、酸素または硫黄である環をさす。好ましくは、複素環式環は1〜4個のヘテロ原子を有する。
本明細書において「環式化合物」とは、少なくとも1つの環を有する化合物をさす。本明細書において「シクリル」とは、環式化合物の環原子から水素原子を除去することにより得られる一価部分をさす。
環式化合物が2以上の環を有する場合、それらは縮合していてもよいし(例えば、ナフタレン、デカリンなどの場合)、架橋していてもよいし(例えば、ノルボルナン、アダマンタンなどの場合)、スピロであってもよいし(例えば、スピロ[3.3]ヘプタンの場合)、またはその組合せであってもよい。1環を有する環式化合物は「単環式」または「単核」と呼ばれることがあり、2以上の環を有する環式化合物は「多環」または「多核」と呼ばれることがある。
本明細書において「炭素環式化合物」とは、炭素環式環のみを有する環式化合物をさす。
本明細書において「複素環式化合物」とは、少なくとも1つの複素環式環を有する環式化合物をさす。
本明細書において「芳香族化合物」とは、少なくとも1つの芳香環を有する環式化合物をさす。
本明細書において「カルボ芳香族化合物」とは、カルボ芳香環のみを有する環式化合物をさす。
本明細書において「複素芳香族化合物」とは、少なくとも1つの複素芳香環を有する環式化合物をさす。
本明細書において「モノデンテート置換基」とは、共有結合点を1つ有する置換基をさす。
本明細書において「一価モノデンテート置換基」とは、単結合を介して共有結合点を1つ有する置換基をさす。このような置換基の例としてはハロ、ヒドロキシ、およびアルキルが挙げられる。
本明細書において「多価モノデンテート置換基」とは、共有結合点1つを有するが、二重結合または三重結合を介する置換基をさす。このような置換基の例としては、オキソ、イミノ、アルキリデンおよびアルキリジンが挙げられる。
本明細書において「バイデンテート置換基」とは、2つの共有結合点を有し、かつ、他の2つの部分の間の架橋基として働く置換基をさす。このような置換基の例としては、アルキレンおよびアリーレンが挙げられる。
置換基
本明細書において「場合により置換されている」とは、親基が非置換型であっても置換されていてもよいことをさす。
特に断りのない限り、本明細書において「置換されている」とは、親基が1以上の置換基を有することをさす。本明細書において「置換基」とは通常の意味で用いられ、親基と共有結合しているか、または適当であれば親基と縮合している化学部分をさす。多様な置換基が周知であり、それらの形成および種々の親基への導入の方法もまた周知である。
以下に、置換基の例をさらに詳細に記載する。
アルキル:本明細書において「アルキル」とは、(特に断りのない限り)1〜20個の炭素原子を有する炭化水素化合物の炭素原子から水素原子を除去することにより得られる一価部分をさし、脂肪族であっても脂環式であってもよく、飽和型であっても不飽和型(例えば、部分不飽和、完全不飽和)であってもよい。従って、「アルキル」とは、以下に考察されるアルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキエニル、シクロアルキニルなどのサブクラスが挙げられる。
アルキル基に関して、接頭語(例えば、C1-4、C1-7、C1-20、C2-7、C3-7など)は炭素原子の数、または炭素原子の数の範囲を示す。例えば、本明細書において「C1-4アルキル」とは、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基をさす。アルキル基の例としては、C1-4アルキル(「低級アルキル」)、C1-7アルキル、およびC1-20アルキルが挙げられる。最初の接頭語は、例えば、不飽和アルキル基ならば最初の接頭語は少なくとも2でなければならない、また、環式アルキル基ならば最小の接頭語は少なくとも3でなければならないといった、他の制約によって異なる。
(非置換)飽和アルキル基の例としては、限定されるものではないが、メチル(C1)、エチル(C2)、プロピル(C3)、ブチル(C4)、ペンチル(C5)、ヘキシル(C6)、ヘプチル(C7)、オクチル(C8)、ノニル(C9)、デシル(C10)、ウンデシル(C11)、ドデシル(C12)、トリデシル(C13)、テトラデシル(C14)、ペンタデシル(C15)、およびエイコデシル(C20)が挙げられる。
(非置換)飽和直鎖アルキル基の例としては、限定されるものではないが、メチル(C1)、エチル(C2)、n-プロピル(C3)、n-ブチル(C4)、n-ペンチル(アミル)(C5)、n-ヘキシル(C6)、およびn-ヘプチル(C7)が挙げられる。
(非置換)飽和分枝アルキル基の例としては、イソ-プロピル(C3)、イソ-ブチル(C4)、sec-ブチル(C4)、tert-ブチル(C4)、イソ-ペンチル(C5)、およびネオ-ペンチル(C5)が挙げられる。
アルケニル:本明細書において「アルケニル」とは、1以上の炭素-炭素二重結合を有するアルキル基をさす。アルケニル基の例としては、C2-4アルケニル、C2-7アルケニル、C2-20アルケニルが挙げられる。
(非置換)不飽和アルケニル基の例としては、限定されるものではないが、エテニル(ビニル、-CH=CH2)、1-プロペニル(-CH=CH-CH3)、2-プロペニル(アリル、-CH-CH=CH2)、イソプロペニル(1-メチルビニル、-C(CH3)=CH2)、ブテニル(C4)、ペンテニル(C5)、およびヘキセニル(C6)が挙げられる。
アルキニル:本明細書において「アルキニル」とは、1以上の炭素-炭素三重結合を有するアルキル基をさす。アルキニル基の例としては、C2-4アルキニル、C2-7アルキニル、C2-20アルキニルが挙げられる。
(非置換)不飽和アルキニル基の例としては、限定されるものではないが、エチニル(エチニル、-C≡CH)および2-プロピニル(プロパルギル、-CH2-C≡CH)が挙げられる。
シクロアルキル:本明細書において「シクロアルキル」とは、シクリル基でもあるアルキル基、すなわち、炭素環式化合物の炭素環式環[この炭素環式環は飽和であっても不飽和であってもよい(例えば、部分不飽和、完全不飽和)]の脂環式環原子から水素原子を除去することにより得られる一価部分であり、この部分は(特に断りのない限り)3〜20個の炭素原子、例えば3〜20個の環原子を有する。従って、「シクロアルキル」としては、シクロアルケニルおよびシクロアルキニルのサブクラスが挙げられる。好ましくは、各環は3〜7個の環原子を有する。シクロアルキル基の例としては、C3-20シクロアルキル、C3-15シクロアルキル、C3-10シクロアルキル、C3-7シクロアルキルが挙げられる。
シクロアルキル基の例としては、限定されるものではないが、
飽和単環式炭化水素化合物:シクロプロパン(C3)、シクロブタン(C4)、シクロペンタン(C5)、シクロヘキサン(C6)、シクロヘプタン(C7)、メチルシクロプロパン(C4)、ジメチルシクロプロパン(C5)、メチルシクロブタン(C5)、ジメチルシクロブタン(C6)、メチルシクロペンタン(C6)、ジメチルシクロペンタン(C7)、メチルシクロヘキサン(C7)、ジメチルシクロヘキサン(C8)、メタン(C10);
不飽和単環式炭化水素化合物:シクロプロペン(C3)、シクロブテン(C4)、シクロペンテン(C5)、シクロヘキセン(C6)、メチルシクロプロペン(C4)、ジメチルシクロプロペン(C5)、メチルシクロブテン(C5)、ジメチルシクロブテン(C6)、メチルシクロペンテン(C6)、ジメチルシクロペンテン(C7)、メチルシクロヘキセン(C7)、ジメチルシクロヘキセン(C8);
飽和多環式炭化水素化合物:ツジャン(C10)、カラン(C10)、ピナン(C10)、ボルナン(C10)、ノルカラン(C7)、ノルピナン(C7)、ノルボルナン(C7)、アダマンタン(C10)、デカリン(デカヒドロナフタレン)(C10);
不飽和多環式炭化水素化合物:カンフェン(C10)、リモネン(C10)、ピネン(C10);
芳香環を有する多環式炭化水素化合物:インデン(C9)、インダン(例えば、2,3-ジヒドロ-1H-インデン)(C9)、テトラリン(1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン)(C10)、アセナフテン(C12)、フルオレン(C13)、フェナレン(C13)、アセフェナントレン(C15)、アセアントレン(C16)、コラントレン(C20)
に由来するものが挙げられる。
アルキリデン:本明細書において「アルキリデン」とは、(特に断りのない限り)1〜20個の炭素原子を有する炭化水素化合物の脂肪族または脂環式炭素原子から2個の水素原子を除去することにより得られる2価モノデンテート部分をさす。アルキリデン基の例としては、C1-20アルキリデン、C1-7アルキリデン、C1-4アルキリデンが挙げられる。
アルキリデン基の例としては、限定されるものではないが、メチリデン(=CH2)、エチリデン(=CH-CH3)、ビニリデン(=C=CH2)、イソプロピリデン(=C(CH3)2)、シクロペンチリデンが挙げられる。置換アルキリデン基の例としてはベンジリデン(=CH-Ph)がある。
アルキリジン:本明細書において「アルキリジン」とは、1〜20個の炭素原子(特に断りのない限り)を有する炭化水素化合物の脂肪族または脂環式炭素原子から3個の水素原子を除去することにより得られる三価モノデンテート部分をさす。アルキリジン基の例としては、C1-20アルキリジン、C1-7アルキリジン、C1-4アルキリジンが挙げられる。
アルキリジン基の例としては、限定されるものではないが、メチリジン(≡CH)およびエチリジン(≡C-CH3)が挙げられる。置換アルキリデン基の例としてはベンジリジン(≡C-Ph)がある。
カルボシクリル:本明細書において「カルボシクリル」とは、炭素環式化合物の環原子から水素原子を除去することにより得られる一価部分をさし、この部分は(特に断りのない限り)3〜20個の環原子を有する。好ましくは、各環は3〜7個の環原子を有する。
これに関し、接頭語(例えば、C3-20、C3-7、C5-6など)は、環原子数または環原子数の範囲を示す。例えば、本明細書において「C5-6カルボシクリル」とは、5または6個の環原子を有するカルボシクリル基をさす。カルボシクリル基の例としては、C3-20カルボシクリル、C3-10カルボシクリル、C5-10カルボシクリル、C3-7カルボシクリル、およびC5-7カルボシクリルが挙げられる。
炭素環式基の例としては、限定されるものではないが、シクロアルキル基として上記したもの、およびカルボアリール基として下記に示されるものが挙げられる。
ヘテロシクリル:本明細書において「ヘテロシクリル」とは、複素環式化合物の環原子から水素原子を除去することにより得られる一価部分をさし、この部分は(特に断りのない限り)3〜20個の環原子を有し、そのうち1〜10個は環ヘテロ原子である。好ましくは、各環は3〜7個の環原子を有し、そのうち1〜4個がヘテロ環原子である。
これに関して、接頭語(例えば、C3-20、C3-7、C5-6など)は、炭素原子であれヘテロ原子であれ、環原子数または環原子数の範囲を示す。例えば、本明細書において「C5-6ヘテロシクリル」とは、5または6個の環原子を有するヘテロシクリル基をさす。ヘテロシクリル基の例としては、C3-20ヘテロシクリル、C5-20ヘテロシクリル、C3-15ヘテロシクリル、C5-15ヘテロシクリル、C3-12ヘテロシクリル、C5-12ヘテロシクリル、C3-10ヘテロシクリル、C5-10ヘテロシクリル、C3-7ヘテロシクリル、C5-7ヘテロシクリル、およびC5-6ヘテロシクリルが挙げられる。
(非芳香族)単環式ヘテロシクリル基の例としては、限定されるものではないが、
N1:アジリジン(C3)、アゼチジン(C4)、ピロリジン(テトラヒドロピロール)(C5)、ピロリン(例えば、3-ピロリン、2,5-ジヒドロピロール)(C5)、2H-ピロールまたは3H-ピロール(イソピロール、イソアゾール)(C5)、ピペリジン(C6)、ジヒドロピリジン(C6)、テトラヒドロピリジン(C6)、アゼピン(C7);
O1:オキシラン(C3)、オキセタン(C4)、オキソラン(テトラヒドロフラン)(C5)、オキソール(ジヒドロフラン)(C5)、オキサン(テトラヒドロピラン)(C6)、ジヒドロピラン(C6)、ピラン(C6)、オキセピン(C7);
S1:チイラン(C3)、チエタン(C4)、チエパン(テトラヒドロチオフェン)(C5)、チアン(テトラヒドロチオピラン)(C6)、チエパン(C7);
O2:ジオキソラン(C5)、ジオキサン(C6)、およびジオキセパン(C7);
O3:トリオキサン(C6);
N2:イミダゾリジン(C5)、ピラゾリジン(ジアゾリジン)(C5)、イミダゾリンC5)、ピラゾリン(ジヒドロピラゾール)(C5)、ピペラジン(C6);
N1O1:テトラヒドロオキサゾール(C5)、ジヒドロオキサゾール(C5)、テトラヒドロイソキサゾール(C5)、ジヒドロイソキサゾール(C5)、モルホリン(C6)、テトラヒドロオキサジン(C6)、ジヒドロオキサジン(C6)、オキサジン(C6);
N1S1:チアゾリン(C5),チアゾリジン(C5),チオモルホリン(C6);
N2O1:オキサジアジン(C6);
O1S1:オキサチオール(C5)およびオキサチアン(チオキサン)(C6);および
N1O1S1:オキサチアジン(C6)
に由来するものが挙げられる。
置換(非芳香族)単環式ヘテロシクリル基の例としては、環式の糖類、例えば、フラノース(C5)(アラビノフラノース、リクソフラノース、リボフラノース、およびキシロフラノースなど)、ならびにピラノース(C6)(アロピラノース、アルトロピラノース、グルコピラノース、マンノピラノース、グロピラノース、イドピラノース、ガラクトピラノース、およびタロピラノースなど)に由来するものが挙げられる。
ヘテロアリール基でもあるヘテロシクリル基の例としては、アリール基とともに記載したものがある。
アリール:本明細書において「アリール」とは、芳香族化合物の芳香環原子から水素原子を除去することにより得られる一価部分をさし、この部分は(特に断りのない限り)3〜20個の環原子を有する。好ましくは、各環は5〜7個の環原子を有する。
これに関して、接頭語(例えば、C3-20、C5-7、C5-6など)は、炭素原子であれヘテロ原子であれ、環原子数または環原子数の範囲を示す。例えば、本明細書において「C5-6アリール」とは、5または6個の環原子を有するアリール基をさす。アリール基の例としては、C3-20アリール、C5-20アリール、C5-15アリール、C5-12アリール、C5-10アリール、C5-7アリール、C5-6アリール、C5アリール、およびC6アリールが挙げられる。
環原子は「カルボアリール基」の場合のように全て炭素原子であってもよい。カルボアリール基の例としては、C3-20カルボアリール、C5-20カルボアリール、C5-15カルボアリール、C5-12カルボアリール、C5-10カルボアリール、C5-7カルボアリール、C5-6カルボアリール、C5カルボアリール、およびC6カルボアリールが挙げられる。
カルボアリール基の例としては、限定されるものではないが、ベンゼン(すなわちフェニル)(C6)、ナフタレン(C10)、アズレン(C10)、アントラセン(C14)、フェナントレン(C14)、ナフタセン(C18)、およびピレン(C16)に由来するものが挙げられる。
縮合環を含み、そのうちの少なくとも1つが芳香環であるアリール基の例としては、限定されるものではないが、インダン(例えば、2,3-ジヒドロ-1H-インデン)(C9)、インデン(C9)、イソインデン(C9)、テトラリン(1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン(C10)、アセナフテン(C12)、フルオレン(C13)、フェナレン(C13)、アセフェナントレン(C15)、およびアセアントレン(C16)に由来する基が挙げられる。
あるいは、この環原子は、「ヘテロアリール基」の場合のように、1以上のヘテロ原子を含んでもよい。ヘテロアリール基の例としては、C3-20ヘテロアリール、C5-20ヘテロアリール、C5-15ヘテロアリール、C5-12ヘテロアリール、C5-10ヘテロアリール、C5-7ヘテロアリール、C5-6ヘテロアリール、C5ヘテロアリール、およびC6ヘテロアリールが挙げられる。
単環式ヘテロアリール基の例としては、限定されるものではないが、
N1:ピロール(アゾール)(C5)、ピリジン(アジン)(C6);
O1:フラン(オキソール)(C5);
S1:チオフェン(チオール)(C5);
N1O1:オキサゾール(C5)、イソキサゾール(C5)、イソキサジン(C6);
N2O1:オキサジアゾール(フラザン)(C5);
N3O1:オキサトリアゾール(C5);
N1S1:チアゾール(C5)、イソチアゾール(C5);
N2:イミダゾール(1,3-ジアゾール)(C5)、ピラゾール(1,2-ジアゾール)(C5)、ピリダジン(1,2-ジサジン)(C6)、ピリミジン(1,3-ジアジン)(C6)(例えば、シトシン、チミン、ウラシル)、ピラジン(1,4-ジアジン)(C6);
N3:トリアゾール(C5)、トリアジン(C6);および
N4:テトラゾール(C5)
に由来するものが挙げられる。
縮合環を含む(そのいくつかはヘテロアリール基でもある)複素環式基の例としては、限定されるものではないが、
ベンゾフラン(O1)、イソベンゾフラン(O1)、インドール(N1)、イソインドール(N1)、インドリジン(N1)、インドリン(N1)、イソインドリン(N1)、プリン(N4)(例えば、アデニン、グアニン)、ベンズイミダゾール(N2)、インダゾール(N2)、ベンズオキサゾール(N1O1)、ベンズイソキサゾール(N1O1)、ベンゾジオキソール(O2)、ベンゾフラザン(N2O1)、ベンゾトリアゾール(N3)、ベンゾチオフラン(S1)、ベンゾチアゾール(N1S1)、ベンゾチアジアゾール(N2S)に由来するC9複素環式基(2つの縮合環を含む);
クロメン(O1)、イソクロメン(O1)、クロマン(O1)、イソクロマン(O1)、ベンゾジオキサン(O2)、キノリン(N1)、イソキノリン(N1)、キノリジン(N1)、ベンゾキサジン(N1O1)、ベンゾジアジン(N2)、ピリドピリジン(N2)、キノキサリン(N2)、キナゾリン(N2)、シンノリン(N2)、フタラジン(N2)、ナフチリジン(N2)、プテリジン(N4)に由来するC10複素環式基(2つの縮合環を含む);
ベンゾジアゼピン(N2)に由来するC11複素環式(2つの縮合環を含む);
カルバゾール(N1)、ジベンゾフラン(O1)、ジベンゾチオフェン(S1)、カルボリン(N2)、ペリミジン(N2)、ピリドインドール(N2)に由来するC13複素環式基(3つの縮合環を含む);および
アクリジン(N1)、キサンテン(O1)、チオキサンテン(S1)、オキシアントレン(O2)、フェノキサチイン(O1S1)、フェナジン(N2)、フェノキサジン(N1O1)、フェノチアジン(N1S1)、チアントレン(S2)、フェナントリジン(N1)、フェナントロリン(N2)、フェナジン(N2)に由来するC14複素環式基(3つの縮合環を含む)
が挙げられる。
窒素環原子を-NH-基の形で有する複素環式基(ヘテロアリール基を含む)はN置換されていてもよく、すなわち、-NR-などである。例えば、ピロールはN-メチル置換されてN-メチルピロールとなってもよい。N置換基の例としては、限定されるものではないが、C1-7アルキル、C3-20ヘテロシクリル、C5-20アリール、およびアシル基が挙げられる。
窒素環原子を-N=基の形で有する複素環式基(ヘテロアリール基を含む)はN-オキシドの形で置換されていてもよく、すなわち、-N(→O)=(-N+(→O-)=とも表される)などである。例えば、キノリンは置換されてキノリンN-オキシドとなってもよく、ピリジンはピリジンN-オキシド、ベンゾフラザンはベンゾフラザンN-オキシド(ベンゾフロキサンとしても知られる)となってもよい。
環式基は環炭素上にさらに1以上のオキソ(=O)基を持っていてもよい。
このような基の単環式の例としては、限定されるものではないが、
C5:シクロペンタノン、シクロペンテノン、シクロペンタジエノン;
C6:シクロヘキサノン、シクロヘキセノン、シクロヘキサジエノン;
O1:フラノン(C5)、ピロン(C6);
N1:ピロリドン(ピロリジノン)(C5)、ピペリジノン(ピペリドン)(C6)、ピペリジンジオン(C6);
N2:イミダゾリドン(イミダゾリジノン)(C5)、ピラゾロン(ピラゾリノン)(C5)、ピペラジノン(C6)、ピペラジンジオン(C6)、ピリダジノン(C6)、ピリミジノン(C6)(例えば、シトシン)、ピリミジンジオン(C6)(例えば、チミン、ウラシル)、バルビツール酸(C6);
N1S1:チアゾロン(C5)、イソチアゾロン(C5);
N1O1:オキサゾリノン(C5)
に由来するものが挙げられる。
このような基の多環式の例としては、限定されるものではないが、
C9:インデンジオン;
C10:テトラロン、デカロン;
C14:アントロン、フェナントロン;
N1:オキシインドール(C9);
O1:ベンゾピロン(例えば、クマリン、イソクマリン、クロモン)(C10);
N1O1:ベンゾキサゾリノン(C9)、ベンゾキサゾリノン(C10);
N2:キナゾリンジオン(C10);ベンゾジアゼピノン(C11);ベンゾジアゼピンジオン(C11);
N4:プリノン(C9)(例えば、グアニン)
に由来するものが挙げられる。
環炭素上に1以上のオキソ(=O)基を有する環式基のさらなる例としては、限定されるものではないが、
限定されるものではないが、無水マレイン酸(C5)、無水コハク酸(C5)、および無水グルタル酸(C6)をはじめとする環式無水物(環状の-C(=O)-O-C(=O)-);
炭酸エチレン(C5)および炭酸1,2-プロピレン(C5)などの環式カーボネート(環状の-O-C(=O)-O-);
限定されるものではないが、スクシンイミド(C5)、マレイミド(C5)、フタリミド、およびグルタリミド(C6)をはじめとするイミド(環状の-C(=O)-NR-C(=O)-);
限定されるものではないが、β-プロピオラクトン、γ-ブチロラクトン、δ-バレロラクトン(2-ピペリドン)、およびε-カプロラクトンをはじめとするラクトン(環式エステル、環状の-O-C(=O)-);
限定されるものではないが、β-プロピオラクタム(C4)、γ-ブチロラクタム(2-ピロリドン)(C5)、δ-バレロラクタム(C6)、およびε-カプロラクタム(C7)をはじめとするラクタム(環式アミド、環状の-NR-C(=O)-);
2-オキサゾリドン(C5)などの環式カルバメート(環状の-O-C(=O)-NR-);
2-イミダゾリドン(C5)およびピリミジン-2,4-ジオン(例えば、チミン、ウラシル)(C6)などの環式尿素(環状の-NR-C(=O)-NR-)
に由来するものが挙げられる。
上記のアルキル、アルキリデン、アルキリジン、ヘテロシクリル、およびアリール基は、単独であれ別の置換基の一部であれ、それら自体所望により、それら自体および以下に挙げられているさらなる置換基から選択される1以上の基で置換されていてもよい。
水素:-H。特定の位置の置換基が水素であれば、それはその化合物がその位置で置換されていないとするのが便宜であることに注目してほしい。
ハロ:-F、-Cl、-Br、および-I。
ヒドロキシ:-OH。
エーテル:-OR、ここでRはエーテル置換基、例えば、C1-7アルキル基(C1-7アルコキシ基とも呼ばれる、以下に考察)、C3-20ヘテロシクリル基(C3-20ヘテロシクリルオキシ基とも呼ばれる)、またはC5-20アリール基(C5-20アリールオキシ基とも呼ばれる)であり、好ましくはC1-7アルキル基である。
C1-7アルコキシ:-OR、ここでRはC1-7アルキル基である。C1-7アルコキシ基の例としては、限定されるものではないが、-OMe(メトキシ)、-OEt(エトキシ)、-O(nPr)(n-プロポキシ)、-O(iPr)(イソプロポキシ)、-O(nBu)(n-ブトキシ)、-O(sBu)(sec-ブトキシ)、-O(iBu)(イソブトキシ)、および-O(tBu)(tert-ブトキシ)が挙げられる。
アセタール:-CH(OR1)(OR2)、ここでR1およびR2は独立にアセタール置換基、例えば、C1-7アルキル基、C3-20ヘテロシクリル基、またはC5-20アリール基、好ましくはC1-7アルキル基であるか、または「環式」アセタール基の場合には、R1およびR2は、それらが結合している2個の酸素原子と一緒になって、さらにそれらが結合している炭素原子と一緒になって、4〜8個の環原子を有する複素環式環を形成している。アセタール基の例としては、限定されるものではないが、-CH(OMe)2、-CH(OEt)2、および-CH(OMe)(OEt)が挙げられる。
ヘミアセタール:-CH(OH)(OR1)、ここでR1はヘミアセタール置換基、例えば、C1-7アルキル基、C3-20ヘテロシクリル基、またはC5-20アリール基、好ましくはC1-7アルキル基である。ヘミアセタール基の例としては、限定されるものではないが、-CH(OH)(OMe)および-CH(OH)(OEt)が挙げられる。
ケタール:-CR(OR1)(OR2)、ここでR1およびR2はアセタールに関して定義した通りであり、Rは水素以外のケタール置換基、例えば、C1-7アルキル基、C3-20ヘテロシクリル基、またはC5-20アリール基、好ましくはC1-7アルキル基である。ケタール基の例としては、限定されるものではないが、-C(Me)(OMe)2、-C(Me)(OEt)2、-C(Me)(OMe)(OEt)、-C(Et)(OMe)2、-C(Et)(OEt)2、および-C(Et)(OMe)(OEt)が挙げられる。
ヘミケタール:-CR(OH)(OR1)、ここでR1はヘミアセタールに関して定義した通りであり、Rは水素以外のヘミケタール置換基、例えば、C1-7アルキル基、C3-20ヘテロシクリル基、またはC5-20アリール基、好ましくはC1-7アルキル基である。ヘミアセタール基の例としては、限定されるものではないが、-C(Me)(OH)(OMe)、-C(Et)(OH)(OMe)、-C(Me)(OH)(OEt)、および-C(Et)(OH)(OEt)が挙げられる。
オキソ(ケト、-オン):=O。
チオン(チオケトン):=S。
イミノ(イミン):=NR、ここでRはイミノ置換基、例えば、水素、C1-7アルキル基、C3-20ヘテロシクリル基、またはC5-20アリール基、好ましくは水素またはC1-7アルキル基である。エステル基の例としては、限定されるものではないが、=NH、=NMe、=NEt、および=NPhが挙げられる。
ホルミル(カルバルデヒド、カルボキシアルデヒド):-C(=O)H。
アシル(ケト):-C(=O)R、ここでRはアシル置換基、例えば、C1-7アルキル基(C1-7アルキルアシルまたはC1-7アルカノイルとも呼ばれる)、C3-20ヘテロシクリル基(C3-20ヘテロシクリルアシルとも呼ばれる)、またはC5-20アリール基(C5-20アリールアシルとも呼ばれる)、好ましくはC1-7アルキル基である。アシル基の例としては、限定されるものではないが、-C(=O)CH3(アセチル)、-C(=O)CH2CH3(プロピオニル)、-C(=O)C(CH3)3(t-ブチリル)、および-C(=O)Ph(ベンゾイル、フェノン)が挙げられる。
カルボキシ(カルボン酸):-C(=O)OH。
チオカルボキシ(チオカルボン酸):-C(=S)SH。
チオールカルボキシ(チオールカルボン酸):-C(=O)SH。
チオノカルボキシ(チオノカルボン酸):-C(=S)OH。
イミド酸:-C(=NH)OH。
ヒドロキサム酸:-C(=NOH)OH。
エステル(カルボキシレート、カルボン酸エステル、オキシカルボニル):-C(=O)OR、ここでRはエステル置換基、例えば、C1-7アルキル基、C3-20ヘテロシクリル基、またはC5-20アリール基、好ましくはC1-7アルキル基である。エステル基の例としては、限定されるものではないが、-C(=O)OCH3、-C(=O)OCH2CH3、-C(=O)OC(CH3)3、および-C(=O)Ophが挙げられる。
アシルオキシ(リバースエステル):-OC(=O)R、ここでRはアシルオキシ置換基、例えば、C1-7アルキル基、C3-20ヘテロシクリル基、またはC5-20アリール基、好ましくはC1-7アルキル基である。アシルオキシ基の例としては、限定されるものではないが、-OC(=O)CH3(アセトキシ)、-OC(=O)CH2CH3、-OC(=O)C(CH3)3、-OC(=O)Ph、および-OC(=O)CH2Phが挙げられる。
アミド(カルバモイル、カルバミル、アミノカルボニル、カルボキシアミド):-C(=O)NR1R2、ここでR1およびR2は独立に、アミノ基に関して定義したようなアミノ置換基である。アミド基の例としては、限定されるものではないが、-C(=O)NH2、-C(=O)NHCH3、-C(=O)N(CH3)2、-C(=O)NHCH2CH3、および-C(=O)N(CH2CH3)2、ならびに例えば、ピペリジノカルボニル、モルホリノカルボニル、チオモルホリノカルボニル、およびピペラジノカルボニルの場合にように、アミド基R1およびR2が、それらが結合している窒素原子と一緒になって複素環式構造を形成しているアミド基が挙げられる。
アシルアミド(アシルアミノ):-NR1C(=O)R2、ここでR1はアミド置換基、例えば、水素、C1-7アルキル基、C3-20ヘテロシクリル基、またはC5-20アリール基、好ましくは水素またはC1-7アルキル基であり、R2はアシル置換基、例えば、C1-7アルキル基、C3-20ヘテロシクリル基、またはC5-20アリール基、好ましくは水素またはC1-7アルキル基である。アシルアミド基の例としては、限定されるものではないが、-NHC(=O)CH3、-NHC(=O)CH2CH3、および-NHC(=O)Phが挙げられる。例えば、スクシンイミジル、マレイミジルおよびフタリミジルの場合のように、R1およびR2は一緒になって環式構造を形成している。
Figure 2006512351
チオアミド(チオカルバミル):-C(=S)NR1R2、ここでR1およびR2は独立に、アミノ基に関して定義したようなアミノ置換基である。アミド基の例としては、限定されるものではないが、-C(=S)NH2、-C(=S)NHCH3、-C(=S)N(CH3)2、および-C(=S)NHCH2CH3が挙げられる。
ウレイド:-N(R1)CONR2R3、ここでR2およびR3は独立に、アミノ基に関して定義したようなアミノ置換基であり、R1はウレイド置換基、例えば、水素、C1-7アルキル基、C3-20ヘテロシクリル基、またはC5-20アリール基、好ましくは水素またはC1-7アルキル基である。ウレイド基の例としては、限定されるものではないが、-NHCONH2、-NHCONHMe、-NHCONHEt、-NHCONMe2、-NHCONEt2、-NMeCONH2、-NMeCONHMe、-NMeCONHEt、-NMeCONMe2、および-NMeCONEt2が挙げられる。
グアニジノ:-NH-C(=NH)NH2
テトラゾリル:4個の窒素原子と1個の炭素原子を有する5員芳香環。
Figure 2006512351
アミノ:-NR1R2、ここでR1およびR2は独立にアミノ置換基、例えば、水素、C1-7アルキル基(C1-7アルキルアミノまたはジ-C1-7アルキルアミノとも呼ばれる)、C3-20ヘテロシクリル基、またはC5-20アリール基、好ましくはHまたはC1-7アルキル基であるか、または、「環式」アミノ基の場合には、R1およびR2は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、4〜8個の環原子を有する複素環式環を形成している。アミノ基は第一級(-NH2)、第二級(-NHR1)、または第三級(-NHR1R2)であってもよく、また、陽イオン形態では第四級(-+NR1R2R3)であってもよい。アミノ基の例としては、限定されるものではないが、-NH2、-NHCH3、-NHC(CH3)2、-N(CH3)2、-N(CH2CH3)2、および-NHPhが挙げられる。環式アミノ基の例としては、限定されるものではないが、アジリジノ、アゼチジノ、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、モルホリノ、およびチオモルホリノが挙げられる。
イミノ:=NR、ここでRはイミノ置換基、例えば、水素、C1-7アルキル基、C3-20ヘテロシクリル基、またはC5-20アリール基、好ましくはHまたはC1-7アルキル基である。イミノ基の例としては、限定されるものではないが、=NH、=NMe、および=NEtが挙げられる。
アミジン(アミジノ):-C(=NR)NR2、ここでRは各々アミジン置換基、例えば、水素、C1-7アルキル基、C3-20ヘテロシクリル基、またはC5-20アリール基、好ましくはHまたはC1-7アルキル基である。アミジン基の例としては、限定されるものではないが、-C(=NH)NH2、-C(=NH)NMe2、および-C(=NMe)NMe2が挙げられる。
ニトロ:-NO2
アジド:-N3
シアノ(ニトリル、カルボニトリル):-CN。
シアナト:-OCN。
チオシアノ(チオシアナト):-SCN。
イソチオシアノ(イソチオシアナト):-NCS。
スルフヒドリル(チオール、メルカプト):-SH。
チオエーテル(スルフィド):-SR、ここでRはチオエーテル置換基、例えば、C1-7アルキル基(C1-7アルキルチオ基とも呼ばれる)、C3-20ヘテロシクリル基、またはC5-20アリール基、好ましくはC1-7アルキル基である。C1-7アルキルチオ基の例としては、限定されるものではないが、-SCH3および-SCH2CH3が挙げられる。
ジスルフィド:-SS-R、ここでRはジスルフィド置換基、例えば、C1-7アルキル基、C3-20ヘテロシクリル基、またはC5-20アリール基、好ましくはC1-7アルキル基(C1-7アルキルジスルフィドとも呼ばれる)である。C1-7アルキルジスルフィドの例としては、限定されるものではないが、-SSCH3および-SSCH2CH3が挙げられる。
スルホン酸(スルホ):-S(=O)2OH、-SO3H。
スルホネート(スルホン酸エステル):-S(=O)2OR、ここでRはスルホネート置換基、例えば、C1-7アルキル基、C3-20ヘテロシクリル基、またはC5-20アリール基、好ましくはC1-7アルキル基である。スルホネート基の例としては、限定されるものではないが、-S(=O)2OCH3および-S(=O)2OCH2CH3が挙げられる。
スルフィン酸:-S(=O)OH、-SO2H。
スルフィネート(スルフィン酸エステル):-S(=O)OR;ここでRはスルフィネート置換基、例えば、C1-7アルキル基、C3-20ヘテロシクリル基、またはC5-20アリール基、好ましくはC1-7アルキル基である。スルフィネート基の例としては、限定されるものではないが、-S(=O)OCH3および-S(=O)OCH2CH3が挙げられる。
スルフェート:-OS(=O)2OR;ここでRはスルフェート置換基、例えば、C1-7アルキル基、C3-20ヘテロシクリル基、またはC5-20アリール基、好ましくはC1-7アルキル基である。スルフェート基の例としては、限定されるものではないが、-OS(=O)2OCH3および-SO(=O)2OCH2CH3が挙げられる。
スルホン(スルホニル):-S(=O)2R、ここでRはスルホン置換基、例えば、C1-7アルキル基、C3-20ヘテロシクリル基、またはC5-20アリール基、好ましくはC1-7アルキル基、例えば、フッ素化または過フッ素化C1-7アルキル基である。スルホン基の例としては、限定されるものではないが、-S(=O)2CH3(メタンスルホニル、メシル)、-S(=O)2CF3(トリフリル)、-S(=O)2CH2CH3(エシル)、-S(=O)2C4F9(ノナフリル)、-S(=O)2CH2CF3(トレシル)、-S(=O)2Ph(フェニルスルホニル、ベシル)、4-メチルフェニルスルホニル(トシル)、4-クロロフェニルスルホニル(クロシル)、4-ブロモフェニルスルホニル(ブロシル)、4-ニトロフェニル(ノシル、2-ナフタレンスルホネート(ナプシル)、および5-ジメチルアミノ-ナフタレン-1-イルスルホネート(ダンシル)が挙げられる。
スルフィン(スルフィニル、スルホキシド):-S(=O)R、ここでRはスルフィン置換基、例えば、C1-7アルキル基、C3-20ヘテロシクリル基、またはC5-20アリール基、好ましくはC1-7アルキル基である。スルフィン基の例としては、限定されるものではないが、-S(=O)CH3および-S(=O)CH2CH3が挙げられる。
スルホニルオキシ:-OS(=O)2R、ここでRはスルホニルオキシ置換基、例えば、C1-7アルキル基、C3-20ヘテロシクリル基、またはC5-20アリール基、好ましくはC1-7アルキル基である。スルホニルオキシ基の例としては、限定されるものではないが、-OS(=O)2CH3(メシレート)および-OS(=O)2CH2CH3(エシレート)が挙げられる。
スルフィニルオキシ:-OS(=O)R、ここでRはスルフィニルオキシ置換基、例えば、C1-7アルキル基、C3-20ヘテロシクリル基、またはC5-20アリール基、好ましくはC1-7アルキル基である。スルフィニルオキシ基の例としては、限定されるものではないが、-OS(=O)CH3および-OS(=O)CH2CH3が挙げられる。
スルファミノ:-NR1S(=O)2OH、ここでR1はアミノ基に関して定義したようなアミノ置換基である。スルファミノ基としては、限定されるものではないが、-NHS(=O)2OHおよび-N(CH3)S(=O)2OHが挙げられる。
スルホンアミノ:-NR1S(=O)2R、ここでR1はアミノ基に関して定義したようなアミノ置換基であり、Rはスルホンアミノ置換基、例えば、C1-7アルキル基、C3-20ヘテロシクリル基、またはC5-20アリール基、好ましくはC1-7アルキル基である。スルホンアミノ基の例としては、限定されるものではないが、-NHS(=O)2CH3および-N(CH3)S(=O)2C6H5が挙げられる。
スルフィンアミノ:-NR1S(=O)R、ここでR1はアミノ基に関して定義したようなアミノ置換基であり、Rはスルフィンアミノ置換基、例えば、C1-7アルキル基、C3-20ヘテロシクリル基、またはC5-20アリール基、好ましくはC1-7アルキル基である。スルフィンアミノ基の例としては、限定されるものではないが、-NHS(=O)CH3および-N(CH3)S(=O)C6H5が挙げられる。
スルファミル:-S(=O)NR1R2、ここでR1およびR2は独立に、アミノ基に関して定義したようなアミノ置換基である。スルファミル基の例としては、限定されるものではないが、-S(=O)NH2、-S(=O)NH(CH3)、-S(=O)N(CH3)2、-S(=O)NH(CH2CH3)、-S(=O)N(CH2CH3)2、および-S(=O)NHPhが挙げられる。
スルホンアミド:-S(=O)2NR1R2、ここでR1およびR2は独立に、アミノ基に関して定義したようなアミノ置換基である。スルホンアミド基の例としては、限定されるものではないが、-S(=O)2NH2、-S(=O)2NH(CH3)、-S(=O)2N(CH3)2、-S(=O)2NH(CH2CH3)、-S(=O)2N(CH2CH3)2、および-S(=O)2NHPhが挙げられる。
多くの場合、置換基はそれ自体置換される。
例えば、C1-7アルキル基は例えば
ヒドロキシ(ヒドロキシ-C1-7アルキル基とも呼ばれる);
ハロ(ハロ-C1-7アルキル基とも呼ばれる);
アミノ(アミノ-C1-7アルキル基とも呼ばれる);
カルボキシ(カルボキシ-C1-7アルキル基とも呼ばれる);
C1-7アルコキシ(C1-7アルコキシ-C1-7アルキル基とも呼ばれる);
C5-20アリール(C5-20アリール-C1-7アルキル基とも呼ばれる)
で置換されていていてもよい。
同様に、C5-20アリール基は例えば
ヒドロキシ(ヒドロキシ-C5-20アリール基とも呼ばれる);
ハロ(ハロ-C5-20アリール基とも呼ばれる);
アミノ(アミノ-C5-20アリール基とも呼ばれる、例えばアニリンの場合);
カルボキシ(カルボキシ-C5-20アリール基とも呼ばれる、例えば安息香酸の場合);
C1-7アルキル(C1-7アルキル-C5-20アリール基とも呼ばれる、例えばトルエンの場合);
C1-7アルコキシ(C1-7アルコキシ-C5-20アリール基とも呼ばれる、例えばアニソールの場合);
C5-20アリール(C5-20アリール-C5-20アリールとも呼ばれる、例えばビフェニルの場合)
で置換されていていてもよい。
このよな置換-置換基のこれら、また、その他の具体例を以下に示す。
ヒドロキシ-C1-7アルキル:本明細書において「ヒドロキシ-C1-7アルキル」とは、少なくとも1つの水素原子(例えば、1、2、3個)がヒドロキシ基で置換されたC1-7アルキル基をさす。このような基の例としては、限定されるものではないが、-CH2OH、-CH2CH2OH,および-CH(OH)CH2OHが挙げられる。
ハロ-C1-7アルキル基:本明細書において「ハロ-C1-7アルキル」とは、少なくとも1つの水素原子(例えば、1、2、3個)がハロゲン原子(例えば、F、Cl、Br、I)で置換されたC1-7アルキル基をさす。1を超える水素原子がハロゲン原子で置換されている場合、ハロゲン原子はそれぞれ同じであっても異なっていてもよい。すべての水素原子がハロゲン原子で置換されてもよく、その場合、その基は便宜にC1-7ペルハロアルキル基と呼べる。このような基の例としては、限定されるものではないが、-CF3、-CHF2、-CH2F、-CCl3、-CBr3、-CH2CH2F、-CH2CHF2、および-CH2CF3が挙げられる。
アミノ-C1-7アルキル:本明細書において「アミノ-C1-7アルキル」とは、少なくとも1つの水素原子(例えば、1、2、3個)がアミノ基で置換されたC1-7アルキル基をさす。このような基の例としては、限定されるものではないが、-CH2NH2、-CH2CH2NH2、および-CH2CH2N(CH3)2が挙げられる。
カルボキシ-C1-7アルキル:本明細書において「カルボキシ-C1-7アルキル」とは、少なくとも1つの水素原子(例えば、1、2、3個)がカルボキシ基で置換されたC1-7アルキル基をさす。このような基の例としては、限定されるものではないが、-CH2COOHおよび-CH2CH2COOHが挙げられる。
C1-7アルコキシ-C1-7アルキル:本明細書において「C1-7アルコキシ-C1-7アルキル」とは、少なくとも1つの水素原子(例えば、1、2、3個)がC1-7アルコキシ基で置換されたC1-7アルキル基をさす。このような基の例としては、限定されるものではないが、-CH2OCH3、-CH2CH2OCH3、および-CH2CH2OCH2CH3が挙げられる。
C5-20アリール-C1-7アルキル:本明細書において「C5-20アリール-C1-7アルキル」とは、少なくとも1つの水素原子(例えば、1、2、3個)がC5-20アリール基で置換されたC1-7アルキル基をさす。このような基の例としては、限定されるものではないが、ベンジル(フェニルメチル、PhCH2-)、ベンズヒドリル(Ph2CH-)、トリチル(トリフェニルメチル、Ph3C-)、フェネチル(フェニルエチル、Ph-CH2CH2-)、スチリル(Ph-CH=CH-)、シンナミル(Ph-CH=CH-CH2-)が挙げられる。
ヒドロキシ-C5-20アリール:本明細書において「ヒドロキシ-C5-20アリール」とは、少なくとも1つの水素原子(例えば、1、2、3個)がヒドロキシ基で置換されているC5-20アリール基をさす。このような基の例としては、限定されるものではないが、フェノール、ナフトール、ピロカテコール、レソルシノール、ヒドロキノン、ピロガロール、フロログルシノールに由来するものが挙げられる。
ハロ-C5-20アリール:本明細書において「ハロ-C5-20アリール」とは、少なくとも1つの水素原子(例えば、1、2、3個)がハロ(例えば、F、Cl、Br、I)基で置換されたC5-20アリール基をさす。このような基の例としては、限定されるものではないが、ハロフェニル(例えば、オルト置換であれ、メタ置換であれ、パラ置換であれ、フルオロフェニル、クロロフェニル、ブロモフェニル、またはヨードフェニル)、ジハロフェニル、トリハロフェニル、テトラハロフェニル、およびペンタハロフェニルが挙げられる。
C1-7アルキル-C5-20アリール:本明細書において「C1-7アルキル-C5-20アリール」とは、少なくとも1つの水素原子(例えば、1、2、3個)がC1-7アルキル基で置換されたC5-20アリール基をさす。このような基の例としては、限定されるものではないが、トリル(トルエン由来)、キシリル(キシレン由来)、メシチル(メシチレン由来)、およびクメニル(またはクミル、クメン由来)、およびデュリル(デュレン由来)が挙げられる。
ヒドロキシ-C1-7アルコキシ:-OR、ここでRはヒドロキシ-C1-7アルキル基である。ヒドロキシ-C1-7アルコキシ基の例としては、限定されるものではないが、-OCH2OH、-OCH2CH2OH、および-OCH2CH2CH2OHが挙げられる。
ハロ-C1-7アルコキシ:-OR、ここでRはハロ-C1-7アルキル基である。ハロ-C1-7アルコキシ基の例としては、限定されるものではないが、-OCF3、-OCHF2、-OCH2F、-OCCl3、-OCBr3、-OCH2CH2F、-OCH2CHF2、および-OCH2CF3が挙げられる。
カルボキシ-C1-7アルコキシ:-OR、ここでRはカルボキシ-C1-7アルキル基である。カルボキシ-C1-7アルコキシ基の例としては、限定されるものではないが、-OCH2COOH、-OCH2CH2COOH、および-OCH2CH2CH2COOHが挙げられる。
C1-7アルコキシ-C1-7アルコキシ:-OR、ここでRはC1-7アルコキシ-C1-7アルキル基である。C1-7アルコキシ-C1-7アルコキシ基の例としては、限定されるものではないが、-OCH2OCH3、-OCH2CH2OCH3、および-OCH2CH2OCH2CH3が挙げられる。
C5-20アリール-C1-7アルコキシ:-OR、ここでRはC5-20アリール-C1-7アルキル基である。このような基の例としては、限定されるものではないが、ベンジルオキシ、ベンズヒドリルオキシ、トリチルオキシ、フェネトキシ、スチリルオキシ、およびシンナミルオキシが挙げられる。
C1-7アルキル-C5-20アリールオキシ:-OR、ここでRはC1-7アルキル-C5-20アリール基である。このような基の例としては、限定されるものではないが、トリルオキシ、キシリルオキシ、メシチルオキシ、クメニルオキシ、およびデュリルオキシが挙げられる。
アミノ-C1-7アルキル-アミノ:本明細書において「アミノ-C1-7アルキル-アミノ」とは、置換基R1またはR2の1つがそれ自体アミノ-C1-7アルキル基(-C1-7アルキル-NR3R4)であるアミノ基-NR1R2をさす。アミノ-C1-7アルキルアミノ基は例えば式-NR1-C1-7アルキル-NR3R4で表すこともできる。このような基の例としては、限定されるものではないが、式-NR1(CH2)nNR1R2(式中、nは1〜6)の基(例えば、-NHCH2NH2、-NH(CH2)2NH2、-NH(CH2)3NH2、-NH(CH2)4NH2、-NH(CH2)5NH2、-NH(CH2)6NH2)、-NHCH2NH(Me)、-NH(CH2)2NH(Me)、-NH(CH2)3NH(Me)、-NH(CH2)4NH(Me)、-NH(CH2)5NH(Me)、-NH(CH2)6NH(Me)、-NHCH2NH(Et)、-NH(CH2)2NH(Et)、-NH(CH2)3NH(Et)、-NH(CH2)4NH(Et)、-NH(CH2)5NH(Et)、および-NH(CH2)6NH(Et))が挙げられる。
他の形態も含む
特に断りのない限り、これらの置換基の公知のイオン、塩、溶媒和物、および保護された形態も上記に含まれる。例えば、カルボン酸(-COOH)の場合には、その陰イオン(カルボキシレート)型(-COO-)、塩または溶媒和物、ならびに通常の保護された形態も含む。同様に、アミノ基の場合、そのアミノ基のプロトン化型(-N+HR1R2)、塩または溶媒和物、例えば、塩酸塩、ならびに通常の保護された形態も含む。また同様に、ヒドロキシル基の場合、その陰イオン型(-O-)、塩または溶媒和物、ならびにヒドロキシル基の通常の保護された形態も含む。
異性体、塩、溶媒和物、保護された形態およびプロドラッグ
ある化合物は1以上の特定の幾何異性体、光学異性体、鏡像異性体、ジアステレオマー、エピマー、立体異性体、互変異性体、コンホメーション型、またはアノマー型で存在する場合があり、限定されるものではないが、シス型およびトランス型;E型およびZ型;c型、t型、およびR型;エンド型およびエキソ型;R型、S型、およびメソ型;D型およびL型;d型およびl型;(+)型および(-)型;ケト型、エノール型、およびエノレート型;シン型およびアンチ型;シンクリナル型およびアンチクリナル型;α型およびβ型;軸型および赤道型;ボート型、チェア型、ツイスト型、エンベロープ型、およびハーフチェア型;およびそれらの組合せが挙げられ、以下、まとめて「異性体」(または「異性体型」)と呼ぶ。
互変異性体に関して後述するものを除き、本明細書における「異性体」からは特に構造(または構成)異性体(すなわち、単に空間内の原子の位置によるものではなく、原子間の連結が異なる異性体)が除かれることに注目してほしい。例えば、メトキシ基-OCH3という場合、その構造異性体であるヒドロキシメチル基-CH2OHは入らないものとする。同様に、オルト-クロロフェニルという場合、その構造異性体であるメタ-クロロフェニルは入らないものとする。しかし、ある種の構造に関しては、そのクラスに入る構造異性体型を含む場合もある(例えば、C1-7アルキルは、n-プロピルおよびイソ-プロピルを含む;ブチルは、n-、イソ-、sec-、およびtert-ブチルを含み;メトキシフェニルはオルト-、メタ-、およびパラ-メトキシフェニルを含む)。
上記の例外は互変異性体型、例えば、以下の互変異性型対:ケト/エノール(以下に例示)、イミン/エナミン、アミド/イミノアルコール、アミジン/アミジン、ニトロソ/オキシム、チオケトン/エネチオール、N-ニトロソ/ヒドロキシアゾおよびニトロ/アシ-ニトロの場合のように、例えば、ケト型、エノール型-およびエノレート型をささない。
Figure 2006512351
「異性体」には、特に1以上の同位置換を有する化合物が含まれることに注目してほしい。例えば、Hは1H、2H(D)、および3H(T)をはじめとするいずれの同位体型であってもよく;Cは12C、13C、および14Cをはじめとするいずれの同位体型であってもよく;Oは16Oおよび18Oをはじめとするいずれの同位体型であってもよく;Fは18Fおよび19Fをはじめとするいずれの同位体型であってもよいなどである。
特に断りのない限り、特定の化合物をいう場合には、その(完全または部分的)ラセミおよびその他の混合物をはじめとする、このような全ての異性体型を含む。このような異性体型の製造(例えば、不斉合成)および分離(例えば、分別結晶およびクロマトグラフィー手段)は当技術分野で公知であるか、または本明細書に教示される方法、または既知の方法、既知の様式を採用することによって容易に得られる。
特に断りのない限り、特定の化合物をいう場合には、例えば後述するような、そのイオン、塩、溶媒和物、および保護された形態も含む。
有効化合物の対応する塩、例えば、医薬上許容される塩を製造、精製および/または取り扱うのが便宜または望ましい場合がある。医薬許容される塩の例はBergeら、1977、"Pharmaceutically Acceptable Salts," J. Pharm. Sci.、Vol. 66、pp. 1-19に記載されている。
例えば、化合物が陰イオン性であるか、または陰イオンとなり得る官能基(例えば、-COOH、おそらく-COO-)を有する場合には、好適な陽イオンを伴って塩が形成され得る。好適な無機陽イオンの例としては、限定されるものではないが、Na+およびK+などのアルカリ金属イオン、Ca2+およびMg2+などのアルカリ土類陽イオン、Al+3などのその他の陽イオンが挙げられる。好適な有機陽イオンとしては、限定されるものではないが、アンモニウムイオン(すなわち、NH4 +)および置換アンモニウムイオン(例えば、NH3R+、NH2R2 +、NHR3 +、NR4 +)が挙げられる。いくつかの好適な置換アンモニウムイオンとして、エチルアミン、ジエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、トリエチルアミン、ブチルアミン、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペラジン、ベンジルアミン、フェニルベンジルアミン、コリン、メグルミン、およびトロメタミン、ならびにリシンおよびアルギニンなどのアミノ酸に由来するものが挙げられる。一般的な第四級アンモニウムイオンの例としてN(CH3)4 +がある。
化合物が陽イオンであるか、または陽イオンとなり得る官能基(例えば、-NH2おそらく-NH3 +)を有する場合には、好適な陰イオンを伴って塩が形成され得る。好適な無機陰イオンの例としては、限定されるものではないが、以下の無機酸:塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、亜硫酸、硝酸、亜硝酸、リン酸、およリンに由来するものが挙げられる。
好適な有機陰イオンの例としては、限定されるものではないが、以下の有機酸:2-アセチオキシ安息香酸、酢酸、アスコルビン酸、アスパラギン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、桂皮酸、クエン酸、エデト酸、エタンジスルホン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルチェプトン酸、グルコン酸、グルタミン酸、グリコール酸(gycolic)、ヒドロキシマレイン酸、ヒドロキシナフタレンカルボン酸、イセチオン酸、乳酸、ラクトビオン酸、ラウリン酸、マレイン酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、粘液酸、オレイン酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモ酸、パントテン酸、フェニル酢酸、フェニルスルホン酸、プロピオン酸、ピルビン酸、サリチル酸、ステアリン酸、コハク酸、スルファニル酸、酒石酸、トルエンスルホン酸、および吉草酸に由来するものが挙げられる。好適な高分子有機陰イオンの例としては、限定されるものではないが、以下の高分子酸:タンニン酸、カルボキシメチルセルロースに由来するものが挙げられる。
有効化合物の対応する溶媒和物を製造、精製、および/または取り扱うのが便宜または望ましい場合がある。本明細書では「溶媒和物」とは、溶質(例えば、有効化合物、有効化合物の塩)と溶媒の複合体をさす通常の意味で用いられる。溶媒が水である場合、溶媒和物は便宜上、水和物、例えば、一水和物、二水和物、三水和物などと呼ぶことができる。
有効化合物は化学的に保護された形態で製造、精製、および/または取り扱うのが便宜または望ましい場合がある。本明細書で「化学的に保護された形態」とは通常の化学的意味で用い、1以上の反応性官能基が特定の条件下(例えば、pH、温度、放射線、溶媒和物など)で望ましくなく化学反応を受けないように保護されている化合物をさす。実施上、そうでなければ特定の条件下で反応性のある官能基を可逆的に非反応性とするのに周知の化学的方法が用いられる。化学的に保護された形態では、1以上の反応性官能基は保護された、または保護する基(マスクされた、もしくはマスクする基、またはブロックされた、もしくはブロックする基としても知られる)の形態にある。反応性官能基を保護することで、他の保護されてない反応性官能基が関与する反応が、保護基に影響を及ぼすことなく遂行でき、この保護基は、通常、その後の工程で分子の残りの部分に実質的に影響を及ぼすことなく除去することができる。例えば、Protective Groups in Organic Synthesis (T. GreenおよびP. Wuts; 第3版; John WileyおよびSons, 1999)参照。
このような多様な「保護」、「ブロック」、または「マスク」法は有機合成では用いられ、周知のものである。例えば、どちらも特定の条件下で反応性のある、2つの異なる反応性官能基を有する化合物は官能基の1つが「保護される」、従ってその特定の条件下で非反応性となるように誘導体化することができる、このように保護されれば、化合物は効果的に1つの反応性官能基だけを有する反応物として用いることができる。(他の官能基が関与する)所望の反応が完了した後、保護基は「脱保護」して元の官能価に戻すことができる。
例えば、ヒドロキシ基はエーテル(-OR)またはエステル(-OC(=O)R)として、例えば、t-ブチルエーテル;ベンジル、ベンズヒドリル(ジフェニルメチル)、もしくはトリチル(トリフェニルメチル)エーテル;トリメチルシリルもしくはt-ブチルジメチルシリルエーテル;またはアセチルエステル(-OC(=O)CH3,-OAc)として保護することができる。
例えば、アルデヒドまたはケトン基は、それぞれアセタール(R-CH(OR)2)またはケタール(R2C(OR)2)として保護することができ、ここでは、例えば第一級アルコールとの反応により、カルボニル基(>C=O)がジエーテル(>C(OR)2)に変換される。このアルデヒドまたはケトン基は、酸の存在下、大過剰の水を用いた加水分解により容易に再生される。
例えば、アミン基は、例えば、アミド(-NRCO-R)またはウレタン(-NRCO-OR)として、例えば、メチルアミド(-NHCO-CH3);ベンジルオキシアミド(-NHCO-OCH2C6H5,-NH-Cbz)として;t-ブトキシアミド(-NHCO-OC(CH3)3,-NH-Boc);2-ビフェニル-2-プロポキシアミド(-NHCO-OC(CH3)2C6H4C6H5,-NH-Bpoc)として、9-フルオレニルメトキシアミド(-NH-Fmoc)として、6-ニトロベラトリルオキシアミド(-NH-Nvoc)として、2-トリメチルシリルエチルオキシアミド(-NH-Teoc)として、2,2,2-トリクロロエチルオキシアミド(-NH-Troc)として、アリルオキシアミド(-NH-Alloc)として、2-(フェニルスルホニル)エチルオキシアミド(-NH-Psec)として;または好適な場合(例えば、環式アミン)では、ニトロキシドラジカル(>N-O・)として保護することができる。
例えば、カルボン酸基は、エステルとして、例えば、C1-7アルキルエステル(例えば、メチルエステル;t-ブチルエステル);C1-7ハロアルキルエステル(例えば、C1-7トリハロアルキルエステル);トリC1-7アルキルシリル-C1-7アルキルエステル;またはC5-20アリール-C1-7アルキルエステル(例えば、ベンジルエステル;ニトロベンジルエステル)として;またはアミド、例えば、メチルアミドとして保護することができる。
例えば、チオール基はチオエーテル(-SR)として、例えば、ベンジルチオエーテル;アセトアミドメチルエーテル(-S-CH2NHC(=O)CH3)として保護することができる。
有効化合物はプロドラッグの形態で製造、精製、および/または取り扱うのが便宜または望ましい場合がある。本明細書において「プロドラッグ」とは、代謝された場合に(例えば、in vivoにて)所望の有効化合物となる化合物をさす。一般にプロドラッグは不活性であるか、または有効化合物よりも活性が低いが、取り扱い、投与または代謝特性が有利である。
例えば、プロドラッグとしては、有効化合物のエステル(例えば、生理学的に許容され、代謝的に変化しやすいエステル)がある。代謝されると、エステル基(-C(=O)OR)は切断されて有効薬物となる。このようなエステルは、例えば親化合物のカルボン酸基(-C(=O)OHをエステル化することにより形成することができ、この際、適当であれば親化合物に存在する他の反応性基を予め保護し、必要であればその後脱保護する。
このような代謝的に変化しやすいエステルの例としては、式-C(=O)OR[式中、Rは
C1-7アルキル
(例えば、-Me、-Et、-nPr、-iPr、-nBu、-sBu、-iBu、-tBu);
C1-7アミノアルキル
(例えば、アミノエチル;2-(N,N-ジエチルアミノ)エチル;2-(4-モルホリノ)エチル);および
アシルオキシ-C1-7アルキル
(例えば、アシルオキシメチル;
アシルオキシエチル;
ピバロイルオキシメチル;
アセトキシメチル;
1-アセトキシエチル;
1-(1-メトキシ-1-メチル)エチル-カルボニルオキシエチル;
1-(ベンゾイルオキシ)エチル;イソプロポキシ-カルボニルオキシメチル;
1-イソプロポキシ-カルボニルオキシエチル;シクロヘキシル-カルボニルオキシメチル;
1-シクロヘキシル-カルボニルオキシエチル;
シクロヘキシルオキシ-カルボニルオキシメチル;
1-シクロヘキシルオキシ-カルボニルオキシエチル;
(4-テトラヒドロピラニルオキシ)カルボニルオキシメチル;
1-(4-テトラヒドロピラニルオキシ)カルボニルオキシエチル;
(4-テトラヒドロピラニル)カルボニルオキシメチル;および
1-(4-テトラヒドロピラニル)カルボニルオキシエチル)である]
のものが挙げられる。
また、酵素的に活性化されて有効化合物となるプロドラッグ、またはさらなる化学反応の際に有効化合物となる化合物もある。例えば、プロドラッグは糖誘導体またはその他のグリコシド複合体であってもよいし、あるいはアミノ酸エステル誘導体であってもよい。
頭字語
便宜上、多くの化学部分は周知の略号を用いて表し、限定されるものではないが、メチル(Me)、エチル(Et)、n-プロピル(nPr)、イソ-プロピル(iPr)、n-ブチル(nBu)、sec-ブチル(sBu)、イソ-ブチル(iBu)、tert-ブチル(tBu)、n-ヘキシル(nHex)、シクロヘキシル(cHex)、フェニル(Ph)、ビフェニル(biPh)、ベンジル(Bn)、ナフチル(naph)、メトキシ(MeO)、エトキシ(EtO)、ベンゾイル(Bz)、およびアセチル(Ac)などである。
便宜上、多くの化学化合物は周知の略号を用いて表し、限定されるものではないが、メタノール(MeOH)、エタノール(EtOH)、イソ-プロパノール(i-PrOH)、メチルエチルケトン(MEK)、エーテルまたはジエチルエーテル(Et2O)、酢酸(AcOH)、ジクロロメタン(塩化メチレン、DCM)、アセトニトリル(ACN)、トリフルオロ酢酸(TFA)、ジメチルホルムアミド(DMF)、テトラヒドロフラン(THF)、およびジメチルスルホキシド(DMSO)などである。
合成
本明細書では、本発明の化合物の化学合成のための方法をいくつか記載する。これらの方法は本発明の範囲内でさらなる化合物の合成を助けるために既知の方法で改変および/または適合させることができる。
方法A
1-スルホニル-1H-インドールの合成の一般法
例えば、トルエンおよび水酸化ナトリウム水溶液中、硫酸水素テトラブチルアンモニウム(TBAHS)の存在下で、適当な1-非置換-1H-インドールを適当な塩化スルホニル化合物(R-SO2Cl)で処理すると、対応する1-置換1H-インドールが得られる。このような方法の一例を以下に記載する。
例えば、0℃のトルエン(25mL)中、1-非置換-1H-インドール(8.5 mmol)および硫酸水素テトラブチルアンモニウム(TBAHS)(1.28mmol)の激しく攪拌した溶液に、50%水酸化ナトリウム水溶液(25mL)および塩化スルホニル化合物(12.8mmol)を加える。得られた溶液を室温で16時間攪拌する。その後、有機層を分離し、1N HCl(2x 25mL)、飽和NaHCO3水溶液(2 x 25mL)、水(25mL)およびブライン(25mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、蒸発乾固すると、目的の1-スルホニル-1H-インドールが得られる。
スキーム1
Figure 2006512351
方法B
4,4-ジメトキシ-シクロヘキサ-2,5-ジエノンの合成の一般法
例えば窒素雰囲気下、メタノール中で適当な4-メトキシフェノールを二酢酸ヨードベンゼンで処理すると、対応する4,4-ジメトキシ-シクロヘキサ-2,5-ジエノンが得られる。このような方法の一例を以下に示す。
例えば、メタノール(150mL)中、4-メトキシフェノール(40mmol)および二酢酸ヨードベンゼン(14.3g、44mmol)の溶液を窒素雰囲気下、0℃で15分間攪拌する。この溶液を室温まで温め、30分間攪拌を続ける。真空下で溶媒を除去すると、目的生成物が得られる。
スキーム2
Figure 2006512351
方法C
4-(1-スルホニル-1H-インドール-2-イル)-4-(ヒドロキシ)-シクロヘキサ-2,5-ジエネオンの合成の一般法
適当な1-スルホニル-1H-インドールをn-ブチルリチウムで処理した後、適当な4,4-ジメトキシ-シクロヘキサ-2,5-ジエノンを加えると、対応する4-(1-スルホニル-1H-インドール-2-イル)-4-(ヒドロキシ)-シクロヘキサ-2,5-ジエネオンが得られる。このような方法の一例を以下に示す。
例えば、-78℃のテトラヒドロフラン(THF)(7mL)中、n-ブチルリチウム(3.3mL、ヘキサン中1.6M、5.2mmol)の攪拌溶液に、窒素雰囲気下、THF(7mL)中、1-スルホニル-1H-インドール(3.5mmol) の溶液を滴下する。添加後、この溶液を-78℃で1.5時間攪拌する。その後、得られた溶液をカニューレを通じて、-78℃のTHF(14mL)中、新しく調製した4,4-ジメトキシ-シクロヘキサ-2,5-ジエノン(0.54g、3.5mmol)の攪拌溶液に加える。添加後、この溶液を-78℃で2時間攪拌する。その後、得られた溶液をブライン(25mL)に注ぎ、CH2Cl2(3 x 25mL)で抽出する。合わせた有機層を水(3x20mL)、ブライン(2 x 20mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濾過し、蒸発乾固する。この暗色の油状物をアセトン(20mL)および10%酢酸水溶液(20mL)に再溶解し、1時間還流下で加熱する。その後、この溶液を室温まで冷却し、CH2Cl2(3x25mL)で抽出する。合わせた有機層を水(3 x 20mL)、ブライン(2 x 20mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濾過し、蒸発乾固する。生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(4:1ヘキサン:EtOAc)により精製すると、目的生成物が得られる。
スキーム3
Figure 2006512351
方法D
4,4-ジメトキシ-4H-ナフタレン-1-オンの合成の一般法
例えば、窒素雰囲気下、メタノール中、適当な4-メトキシナフトールを二酢酸ヨードベンゼンで処理すると、対応する4,4-ジメトキシ-4H-ナフタレン-1-オンが得られる。このような方法の一例を以下に示す。
例えば、メタノール(75mL)中、4-メトキシナフトール(16mmol)および二酢酸ヨードベンゼン(6.1g、19mmol)の溶液を窒素雰囲気下、室温で1時間攪拌する。得られた暗青色の溶液を飽和NaHCO3溶液(75mL)に注いだ後、蒸発させて量を減らす。この青色の油状物をCH2Cl2(3 x 75mL)で抽出し、有機層を水(3 x 75mL)、ブライン(2 x 75mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濾過し、蒸発乾固(浴温<40℃)すると、生成物が暗青色の半固体として得られる。
スキーム4
Figure 2006512351
方法E
4-(1-スルホニル-1H-インドール-2-イル)-4-(ヒドロキシ)-シクロヘキサ-2,5-ジエネオンの合成の一般法
適当な1-スルホニル-1H-インドールをn-ブチルリチウムで処理した後、適当な4,4-ジメトキシ-4H-ナフタレン-1-オンを加えると、対応する4-(1-スルホニル-1H-インドール-2-イル)-4-(ヒドロキシ)-4H-ナフタレン-1-オンが得られる。このような方法の一例を以下に示す。
例えば、-78℃のTHF(7mL)中、n-ブチルリチウム(3.3mL、ヘキサン中1.6M、5.2mmol)の攪拌溶液に、窒素雰囲気下、THF(7mL) 中、1-スルホニル-1H-インドール(3.5mmol) の溶液を滴下する。添加後、溶液を-78℃で1.5時間攪拌する。その後、得られた溶液をカニューレを通じて、-78℃のTHF(14mL)中、新しく調製した4,4-ジメトキシ-4H-ナフタレン-1-オン(3.5mmol)の攪拌溶液に加える。添加後、 溶液を-78℃で2時間攪拌する。その後、得られた溶液をブライン(25mL)に注ぎ、CH2Cl2(3x25mL)で抽出する。合わせた有機層を水(3 x 20mL)、ブライン(2 x 20mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濾過し、蒸発乾固する。暗色の油状物をアセトン(20mL)および10%酢酸水溶液(20mL)に再溶解し、1時間還流下で加熱する。その後、溶液を室温まで冷却し、CH2Cl2(3 x 25mL)で抽出する。合わせた有機層を水(3 x 20mL)、ブライン(2 x 20mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濾過し、蒸発乾固する。生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(4:1ヘキサン:EtOAc)により精製すると、目的生成物が得られる。
スキーム5
Figure 2006512351
方法F
置換アリールスルホニルクロリドの製造の一般法
上記の方法で用いるのに好適な適当な置換アリールスルホニルクロリドは、例えば適当な置換芳香族化合物とクロロスルホン酸を反応させることで製造することができる。このような方法の一例を以下に示す。
スキーム6
Figure 2006512351
方法G
オキシ置換化合物の製造の一般法
オキシ置換スルホニル化合物は、対応するメトキシ化合物から製造することができる。例えば、メトキシ化合物を、例えば塩化メチレン中の三臭化ホウ素で脱メチル化し、得られたヒドロキシ化合物を、ヨード酢酸などの置換アルキルハリドをはじめとする好適なアルキルハリド化合物と反応させると、対応するオキシ置換スルホニル化合物を得ることができる。このような方法の一例を以下に示す。
スキーム7
Figure 2006512351
方法H
アミノ置換化合物の製造の一般法
アミノ置換スルホニル化合物は、それ自体市販のアセチルアミノベンゼンスルホニルクロリドから製造できる対応するアセチルアミノ化合物から、上記の方法を用いて製造することができる。例えば、アセチルアミノ化合物は、例えば熱した希塩酸で加水分解することにより遊離のアミノとし、得られたヒドロキシ化合物を、ヨウ化アミノアルキルなどの置換アルキルハリドをはじめとする好適なアルキルハリド化合物と反応させて、対応するアミノ置換スルホニル化合物を得ることができる。このような方法の一例を以下に示す。
スキーム8
Figure 2006512351
方法I
ビス-チオール付加物の合成の一般法
例えばトリエチルアミンの存在下、エタノール中で、適当な1-スルホニル-1H-インドール-2-イル-キノールを適当なチオール(RSH)で処理すると、対応するジ-チオール付加物が得られる。このような方法の一例を以下に示す。
エタノール(5mL)中、キノール(0.1g)の溶液に、チオール(2.0当量)、次いでトリエチルアミン(0.1当量)を加える。2時間後、溶媒を真空下で除去し、残渣をジエチルエーテル:ヘキサン(1:1、5mL)とともに攪拌する。沈殿を濾紙上に回収し、真空下で乾燥させる。
スキーム9
Figure 2006512351
方法J
モノ-チオール付加物の合成一般法
例えばエタノール中で適当な1-スルホニル-1H-インドール-2-イル-キノールを適当なチオール(RSH)で処理すると、対応するモノ-チオール付加物が得られる。このような方法の一例を以下に示す。
エタノール(5mL)中、キノール(0.1g)の溶液に、チオール(2.0当量)を加える。2時間後、真空下で溶媒を除去し、残渣をジエチルエーテル(1mL)に溶解し、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc:ヘキサン2:8)により精製する。
スキーム10
Figure 2006512351
使用
本発明は、有効化合物、特に、有効な抗増殖薬、抗癌薬および/またはチオレドキシン/チオレドキシンレダクターゼ阻害剤を提供する。
本明細書において「有効」とは、例えば細胞増殖の阻害、癌の処置、チオレドキシン/チオレドキシンレダクターゼの阻害が可能な化合物に関していい、特に固有の活性を有する化合物(薬物)ならびにこのような化合物のプロドラッグを含み、プロドラッグはそれ自体は固有の活性をほとんど、または全く示さない。
当業者ならば、候補化合物が有効かどうかを容易に判定することができる。例えば、特定の化合物によって与えられる活性を評価するために便宜に用い得るアッセイを以下の例で記載する。
抗増殖適用
本発明はまた、(a)細胞増殖を調節(例えば、阻害)する;(b)細胞周期の進行を阻害する;(c)アポトーシスを促進する;または(d)これらの1以上の組合せの有効化合物も提供する。
よって、本発明はまた、in vitroまたはin vivoにおいて(a)細胞増殖を調節(例えば、阻害)する方法;(b)細胞周期の進行を阻害する方法;(c)アポトーシスを促進する方法;または(d)これらの1以上の組合せであって、細胞を有効量の、本明細書に記載の有効化合物と接触させる(または曝す)ことを含む方法も提供する。
当業者ならば、候補化合物が細胞増殖を調節(例えば、阻害する)かどうかなどを容易に判定することができる。例えば、特定の化合物によって与えられる活性を評価するために便宜に用い得るアッセイを以下の例で記載する。
例えば、細胞サンプル(例えば、腫瘍由来)をin vitroで増殖させ、該細胞と有効化合物を接触させ、それらの細胞に対する化合物の作用を観測すればよい。「作用」の一例としては、細胞の形態学的状態を(例えば、生死など)を判定すればよい。有効化合物が細胞に影響を及ぼすことが分かった場合、これは同じ細胞種の細胞を有する患者の処置法における化合物の効力の予後または診断マーカーとして用いることができる。
本発明はさらに、抗増殖薬も提供する。本明細書において「抗増殖薬」とは、増殖性症状を治療する化合物(すなわち、増殖性症状の処置に有用な化合物)をさす。
当業者ならば、候補化合物が任意の特定細胞種の増殖性症状を治療するかどうかを容易に判定することができる。例えば、特定の化合物によって与えられる活性を評価するために便宜に用い得るアッセイを以下の例で記載する。
「細胞増殖」、「増殖性症状」、「増殖性疾患」および「増殖性疾病」とは、本明細書で互換的に用い、in vitroであれin vivoであれ、新生物的増殖また肥厚的増殖などの望ましくない過剰な、または異常な細胞の望ましくない、または制御されない細胞増殖をさす。
増殖性症状の例としては、限定されるものではないが、良性、前悪性および悪性細胞増殖が含まれ、限定されるものではないが、新生物および腫瘍(例えば、組織球腫、神経膠腫、星状細胞腫、骨腫)、癌(例えば、肺癌、小細胞肺癌、胃腸癌、腸癌、結腸癌(colon cancer)、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、精巣癌、肝臓癌、腎臓癌、膀胱癌、膵臓癌、脳癌、肉腫、骨肉腫、カポジ肉腫、黒色腫)、白血病、乾癬、骨疾患、繊維増殖性疾患(例えば、結合組織のもの)、およびアテローム性動脈硬化症が挙げられる。
一実施形態では、増殖性症状は結腸癌または腎臓癌である。
一実施形態では、増殖性症状は結腸癌である。
一実施形態では、増殖性症状は腎臓癌である。
一実施形態では、増殖性症状は黒色腫である。
あらゆる種類の細胞、限定されるものではないが、肺、胃腸(例えば、腸、結腸(colon))、胸部(乳房)、卵巣、前立腺、肝臓(肝)、腎臓(腎)、膀胱、膵臓、脳および皮膚などを処置できる。
一実施形態では、細胞は結腸細胞(colon cell)(例えば、結腸腫瘍細胞(colon tumor cell)、結腸癌細胞(colon cancer cell))または腎細胞(例えば、腎腫瘍細胞、腎臓癌細胞)である。
一実施形態では、細胞は結腸細胞(例えば、結腸腫瘍細胞、結腸癌細胞)である。
一実施形態では、細胞は腎細胞(例えば、腎腫瘍細胞、腎臓癌細胞)である。
一実施形態では、細胞は黒色腫細胞である。
抗癌適用
本発明の抗増殖性化合物は癌の処置に適用を有し、従って、本発明はさらに抗癌薬を提供する。
本明細書において「抗癌薬」とは、癌を治療する化合物(すなわち、癌の処置に有用な化合物)をさす。
当業者ならば、候補化合物が特定の細胞種の癌症状を治療するかどうかを容易に判定することができる。例えば、特定の化合物によって与えられる活性を評価するために便宜に用い得るアッセイを以下の例で記載する。
抗癌作用は、限定されるものではないが、細胞増殖の調節、細胞周期の進行の阻害、脈管形成(新血管の形成)の阻害、転移(腫瘍の、その起源からの拡散)の阻害、浸潤(腫瘍細胞の、隣接する正常な構造への拡散)の阻害、またはアポトーシス(プログラムされた細胞死)の促進をはじめとする1以上のメカニズムによって生じ得る。
チオレドキシン/チオレドキシンレダクターゼの適用
本発明はまた、チオレドキシン/チオレドキシンレダクターゼ活性を阻害する有効化合物も提供する。
本明細書において「チオレドキシン/チオレドキシンレダクターゼを阻害する」とは、チオレドキシン/チオレドキシンレダクターゼ活性を阻害すること;チオレドキシン/チオレドキシンレダクターゼ複合体の形成を阻害すること;およびチオレドキシン/チオレドキシンレダクターゼ複合体の活性を阻害することを含む。
当業者ならば、候補化合物がチオレドキシン/チオレドキシンレダクターゼ活性を阻害するかどうかを容易に判定することができる。例えば、特定の化合物によって与えられるチオレドキシン/チオレドキシンレダクターゼ阻害を評価するために便宜に用い得るアッセイを以下の例で記載する。
よって、本発明はまた、細胞においてチオレドキシン/チオレドキシンレダクターゼを阻害する方法であって、前記細胞を有効量の有効化合物と接触させる(例えば、前記細胞をそれに曝す)ことを含む方法も提供する。このような方法はin vitroまたはin vivoで行える。一実施形態では、この方法はin vitroで行う。 一実施形態では、この方法はin vivoで行う。好ましくは、有効化合物は医薬上許容される組成物の形態で提供される。
本発明はまた、抗チオレドキシン/チオレドキシンレダクターゼ薬であり、チオレドキシン/チオレドキシンレダクターゼにより媒介される症状を治療する有効化合物も提供する。
本明細書において「チオレドキシン/チオレドキシンレダクターゼにより媒介される症状」とは、チオレドキシン/チオレドキシンレダクターゼおよび/またはチオレドキシン/チオレドキシンレダクターゼの作用が、例えばその症状の発症、進行、発現に重要または必要である症状、あるいはチオレドキシン/チオレドキシンレダクターゼ阻害剤によって治療されることが知られている症状をさす。
チオレドキシンは保存された-Trp-Cys-Gly-Pro-Cys-Lys-酸化還元触媒部位を含む偏在タンパク質である。哺乳類のチオレドキシンファミリーメンバーとしては、チオレドキシン-1(Trx1)、ミトコンドリアチオレドキシン-2(Trx2)、およびラージチオレドキシン様タンパク質p32TrxLが挙げられる。チオレドキシンはNADPHとチオレドキシンレダクターゼにより還元され、次に、タンパク質上の酸化されているシステイン基を還元する。チオレドキシンレベルが上昇すると、細胞増殖が高まり、プログラムされた細胞死の正常なメカニズムに耐性が高まる。正常組織に比べて多くのヒト原発性癌で見られるチオレドキシンレベルの上昇は癌細胞の増殖および化学療法に対する耐性の上昇に寄与するものと思われる。チオレドキシンが細胞増殖を高めるメカニズムには、DNA合成の還元当量の供給の増加、細胞増殖を調節する転写因子の活性化、および他のサイトカインおよび増殖因子に対する細胞の感受性の増強が含まれる。チオレドキシンによるアポトーシスの阻害に関するメカニズムは、まさに今、解明されているところである。癌細胞の増殖を刺激する上での、また、アポトーシス阻害剤としてのその役割のため、チオレドキシンは癌を治療および予防するための薬物の開発の標的となる。例えば、 Powisら, 2000による総説、およびそこに引用されている参照文献を参照。
チオレドキシンは、最初、1964年に大腸菌(Escherichia coli)由来の酸化還元小タンパク質であると記載されている。1967年には、哺乳類チオレドキシンはラットNovikoff肝細胞腫細胞に存在する酸化還元タンパク質であると報告されている。その後、チオレドキシンは、(i)1型ヒトTリンパ球向性ウイルス(HTLV1)感染T細胞により産生されるインターロイキン-2(IL-2)受容体誘導因子である成人T細胞白血病由来因子(ADF)、および(ii)不均質な血液細胞に対するリンパ球の結合の補体依存性阻害を高める妊娠動物の血清における複合体の一部としての初期妊娠因子をはじめ、別の名称で再発見されている。これらのタンパク質はチオレドキシンの正確な推定アミノ酸配列が公開された際に同一であることが示されており、それらは現在全てチオレドキシン(Trx)と呼ばれている。チオレドキシンの末端切断型である好酸球細胞傷害性増強因子も記載されている。
チオレドキシンタンパク質ファミリーのメンバーは、保存されている触媒部位として、ジスルフィド基質(X-S2)の還元当量の転移によってシステイン-ジスルフィド(Trx-S2)型へと可逆的酸化を受ける-Trp-Cys-Gly-Pro-Cys-Lys-を有する。この酸化型チオレドキシンは、NADPH依存性フラボタンパク質チオレドキシンレダクターゼ(TR)により、システイン-チオール型[Trx-(SH)2]へと再び還元される。
Figure 2006512351
哺乳類チオレドキシンレダクターゼは、C末端から2番目にセレノシステイン(SeCys)残基を有するホモ二量体、フラビンアデニンジヌクレオチドを含有するタンパク質である。チオレドキシンレダクターゼの保存されている酸化還元触媒部位-Cys-Val-Asn-Val-Gly-Cys-は、チオレドキシンと多くの点で同様に可逆的酸化還元を受ける。哺乳類のチオレドキシンレダクターゼの完全な活性にはセレノシステインが不可欠であるが、ヒトチオレドキシンは非セレノシステイン含有細菌チオレドキシンレダクターゼによって比較的に効率的に還元することができる。これまでに、主としてサイトゾルに見られるTR1と、推定ミトコンドリア移入配列を有するTR2の、2つのヒトチオレドキシンレダクターゼがクローニングされている。
チオレドキシンは、チオレドキシン-1(Trx-1)とチオレドキシン2(Trx-2)の2つの形態がクローニングされている。ヒトTrx-1は、全てのチオレドキシンタンパク質に見られる2つの触媒部位Cys残基-Trp-Cys32-Gly-Pro-Cys35-Lys-、ならびに細菌のチオレドキシンには見られない2つのさらなるCys残基、Cys62、Cys69およびCys73を含む分子量12kDaの、アミノ酸104個のタンパク質である。ニワトリ、ラット、マウス、およびウシをはじめ、他のいくつかの哺乳類種に由来するTrx-1もクローニングされている。
チオレドキシンは、増殖因子、抗酸化剤、補因子、転写因子レギュレーター、およびアポトーシス阻害剤として様々な働きをする。
種々のヒト原発腫瘍を用いた研究で、チオレドキシンは対応する正常組織でのレベルに比べて腫瘍で過剰発現することが示されている。最近の、パラフィン包埋組織切片を用いた免疫組織化学的研究では、チオレドキシンの発現はヒト原発胃癌の半数以上で増加することが示されている。チオレドキシンレベルは核増殖抗原によって測定される細胞増殖との高い正の相関(p<0.001)、そして、ターミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼアッセイによって測定されるアポトーシスとの高い負の相関(p<0.001)が示されている。ヒト正常結腸上皮と結腸直腸癌における49,000のヒト遺伝子転写物を連続的遺伝子発現解析法(SAGE)により比較したところ、示差的に発現する548の転写物が明らかになった。チオレドキシンmRNAは、結腸癌細胞系統では2倍、結腸腫瘍では4倍に増加していた。
チオレドキシンの血漿および血清レベルは正常個体では10〜80ng/ml(0.86.6nM)の間であるが、肝細胞癌患者ではほぼ2倍に上昇し、腫瘍の外科的摘出後は低下することが報告されている。血清チオレドキシンは、慢性肝炎または肝硬変などの他の形態の肝臓疾患を有する患者では上昇していなかった。
このチオレドキシンの増殖刺激作用およびトランスフォーミング作用は、いくつかのヒト原発腫瘍によって過剰発現されるという発見とあいまって、チオレドキシンが急速な腫瘍増殖と患者の思わしくない予後につながる因子である可能性を導いた。また、チオレドキシンはいくつかの抗癌薬によって引き起こされるアポトーシスを阻害すること、および数種の抗癌薬の細胞傷害作用に対する耐性の一因であることが示されていることから、チオレドキシンの増加は化学療法耐性の一因となり得る可能性がある。これらの知見から、チオレドキシンは癌細胞の増殖を阻害するための薬剤開発にとっての魅力的な標的となる。このような化合物がいくつか同定されている。これらにはPX-12(1-メチルヒドロキシプロピル2-イミダゾロイルジスルフィド)が含まれ、これはCys73残基に対するチオレドキシンの結合の阻害剤であることが確認されている。PX-12による種々の細胞系統の増殖阻害の中間値IC50は8.1μMである。PX-12は、in vivoにおいて、scidマウスではヒト腫瘍異種移殖片に対する抗腫瘍活性を有し、また、家族性腫様ポリープ症で見られる生殖系のAPC遺伝子突然変異を有するmin(多発性腸新生物)マウスでは化学予防活性を有することが示されている。NCI60ヒト腫瘍細胞系統パネルにおける化合物PX-12による増殖阻害はチオレドキシンmRNAの発現と有意に相関していた。COMPAREプログラムにより、国際癌研究所が試験した50,000を超える化合物から他の数種のチオレドキシン阻害剤が、PX-12と同様に60のヒト腫瘍細胞系統パネルで細胞死滅活性のパターンを有することが確認されている。これらの化合物のうちの1つであるNSC-131233(2,5-ビス[(ジメチルアミノ)メチル]シクロペンタノン)はチオレドキシンの不可逆的阻害剤であり、Ki値は1.0μMである。
チオレドキシンは酸化還元小タンパク質のファミリーであり、その作用としては細胞増殖の調節、プログラムされた細胞死および生物の発達が挙げられる。細胞においてチオレドキシンレベルが上昇すると、細胞増殖とプログラムされた細胞死の正常なメカニズムに対する耐性が高まる。正常組織に比べて多くのヒト原発性癌で見られるチオレドキシンレベルの上昇は、癌細胞の増殖と化学治療薬に対する耐性の上昇をもたらす寄与因子である可能性がある。癌細胞におけるチオレドキシンの増加のメカニズムは現時点ではまだ分かっていない。細胞増殖の刺激剤およびアポトーシスの阻害剤としてのその役割のため、チオレドキシンは癌を治療およびおそらくは予防する薬物の開発の標的となる。
処置法など
本発明はさらに、例えば、増殖性症状、癌、チオレドキシン/チオレドキシンレダクターゼにより媒介される症状、チオレドキシン/チオレドキシンレダクターゼ阻害剤によって治療されることが知られている症状、または本明細書に記載するようなその他の症状の処置方法であって、処置を必要とする被験体に治療上有効な量の有効化合物を、好ましくは医薬組成物の形で投与することを含む方法を提供する。
本発明はさらに、例えば、増殖性症状、癌、チオレドキシン/チオレドキシンレダクターゼにより媒介される症状、チオレドキシン/チオレドキシンレダクターゼ阻害剤によって治療されることが知られている症状、または本明細書に記載するようなその他の症状の処置において、ヒトまたは動物身体の処置方法で用いるための有効化合物を提供する。
本発明はさらに、例えば、増殖性症状、癌、チオレドキシン/チオレドキシンレダクターゼにより媒介される症状、チオレドキシン/チオレドキシンレダクターゼ阻害剤によって治療されることが知られている症状、または本明細書に記載するようなその他の症状の処置のための薬剤の製造のための有効化合物の使用を提供する。
処置
本明細書において症状の処置という場合の「処置」とは、一般にヒトであれ動物であれ(例えば、獣医学的適用)、処置および治療法をさし、ここでは、例えば症状の進行の抑制といった何らかの望ましい治療作用が達成され、進行速度の軽減、進行速度の停止、症状の改善、および症状の治癒が含まれる。予防手段としての処置(予防法)も含む。
本明細書において「治療上有効な量」とは、合理的な利益/リスク比に見合った何らかの望ましい治療作用をもたらすのに有効な有効化合物、または有効化合物を含む材料、組成物もしくは投与形の量をさす。
「処置」とは、2以上の処置または治療法を例えば順次もしくは同時に組み合わせた組合せ処置および治療法を含む。処置および治療法の例としては、限定されるものではないが、化学療法(例えば薬物、抗体(例えば、免疫療法の場合)、プロドラッグ(例えば、光線力学療法、GDEPT、ADEPTなどの場合)を含む有効薬剤の投与);手術;放射線療法;および遺伝子療法が挙げられる。
例えば、一実施形態では、処置は本明細書に記載の化合物にシスプラチンを併用する組合せ処置である。
上記のように、有効化合物は組合せ療法、すなわち、その他の薬剤、例えば細胞傷害薬と併用できる。
その他の使用
また、有効化合物は、例えばin vitroで細胞増殖を調節すべく、チオレドキシン/チオレドキシンレダクターゼを阻害するために細胞培養物添加剤として用いてもよい。
また、有効化合物は、例えば候補宿主が対象とする化合物による処置から利益を受けられる可能性があるかどうかを判定するために、in vitroアッセイの一部として用いることもできる。
また、有効化合物は、例えば他の有効化合物、他の抗増殖薬、抗癌薬、チオレドキシン/チオレドキシンレダクターゼ阻害剤などを同定するためにアッセイで標品として用いることもできる。
キット
本発明の一態様は、(a)好ましくは好適な容器で、かつ/または好適なパッケージングで提供される有効成分;および(b)使用説明書、例えばその有効化合物をどのようにして投与するかについて書かれた説明書を含んでなるキットである。
また、説明書にはその有効成分が好適な処置となる適応例のリストを含んでいてもよい。
投与経路
有効化合物または有効化合物を含んでなる医薬組成物は、全身であれ/末梢または局所(目的作用の部位)であれ、従来のいずれの投与経路によって被験体に投与してもよい。
投与経路としては、限定されるものではないが、経口(例えば、経口摂取);口内;舌下;経皮(例えば、パッチ剤、硬膏などによるものを含む);経粘膜(例えば、パッチ剤、硬膏などによるものを含む);鼻腔(例えば、鼻腔用スプレーによるもの);眼内(例えば、点眼薬によるもの);肺(例えばエアゾールにより、例えば口腔または鼻腔を経る吸入または吹送療法によるもの);直腸(例えば、坐薬または浣腸によるもの);膣(例えば、ペッサリーによるもの);非経口、例えば皮下、皮内、筋肉内、静脈内、動脈内、心臓内、髄腔内、脊髄内、嚢内、被膜下、眼内、腹腔内、気管内、関節内、および胸骨内をはじめとする注射によるもの;デポーまたはリザーバーの、例えば皮下または筋肉内埋植によるものが挙げられる。
被験体
被験体は原核生物(例えば、細菌)であっても真核生物(例えば、原生生物、真菌、植物、動物)であってもよい。
被験体は動物、哺乳類、胎盤哺乳類、有袋類(例えば、カンガルー、ウォンバット)、単孔類(例えば、カモノハシ)、齧歯類(例えば、モルモット、ハムスター、ラット、マウス)、ネズミ類(例えば、マウス)、ウサギ目(例えば、ウサギ)、鳥類(例えば、トリ)、イヌ科(例えば、イヌ)、ネコ科(例えば、ネコ)、ウマ科(例えば、ウマ)、ブタ科(例えば、ブタ)、ヒツジ科(例えば、ヒツジ)、ウシ科(例えば、ウシ)、霊長類、サル科(例えば、サルまたは類人猿)、サル(例えば、マーモセット、ヒヒ)、類人猿(例えば、ゴリラ、チンパンジー、オランウータン、テナガザル)、またはヒトであり得る。
さらに、被験体はその発達形態のいずれのものであってもよく、例えば胞子、種子、卵、幼虫、さなぎまたは胎児であり得る。
製剤
有効化合物は単独で投与することもできるが、上記で定義したような少なくとも1種の有効化合物を、限定されるものではないが、医薬上許容される担体、希釈剤、賦形剤、アジュバント、増量剤、緩衝剤、保存剤、抗酸化剤、滑沢剤、安定剤、可溶化剤、界面活性剤(例えば、湿潤剤)、マスキング剤、着色剤、香味剤、および甘味剤をはじめ、当業者に周知の他の1以上の医薬上許容される成分とともに含んでなる医薬製剤(例えば、組成物、調製物、薬剤)として提供するのが好ましい。
よって、本発明はさらに上記で定義したような医薬組成物、および上記で定義したような少なくとも1種の有効化合物を、当業者に周知の他の1以上の医薬上許容される成分、例えば担体、希釈剤、賦形剤などともに混合することを含む、医薬組成物の製造方法も提供する。個単位(例えば、錠剤など)として調剤する場合は、各単位は所定量の有効化合物(用量)の有効化合物を含む。
本明細書において「医薬上許容される」とは、過度の毒性、刺激、アレルギー応答、またはその他の問題もしくは合併症なく、合理的な利益/リスク比に見合って、対象とする被験体(例えばヒト)の組織との接触に用いるのに好適な信頼できる医学的判断の範囲内にある化合物、成分、材料、組成物、投与形などについていう。担体、希釈剤、賦形剤なども各々、その製剤の他の成分と適合するという点で「許容される」ものでなければならない。
好適な担体、希釈剤、賦形剤などは標準的な薬学テキスト、例えば、 Remington's Pharmaceutical Sciences, 第18版, Mack Publishing Company, Easton, Pa., 1990;およびHandbook of Pharmaceutical Excipients, 第2版, 1994に見出せる。
これらの製剤は薬学分野で周知のいずれの方法によって製造してもよい。このような方法としては、有効化合物と、1以上の補助成分からなる担体と会合させる工程を含む。一般に、これらの製剤は、有効化合物と担体(例えば、液体担体、微粉固体担体など)とを一様かつ緊密に会合させ、その後、必要であれば生成物を成形することにより製造される。
製剤は急速放出もしくは緩慢放出;即放出、遅延放出もしくは徐放性;またはその組合せを提供するように製造することもできる。
製剤は適宜、液体、溶液(例えば、水性、非水性)、懸濁液(例えば、水性、非水性)、エマルション(例えば、水中油型、油中水型)、エリキシル剤、シロップ剤、舐剤、うがい薬、滴剤、錠剤(例えば被覆錠剤を含む)、顆粒剤、散剤、トローチ剤、香錠、カプセル剤(例えば、硬カプセル軟カプセルを含む)、カシェ剤、丸剤、アンプル剤、ボーラス剤、坐剤、ペッサリー、チンキ剤、ゲル剤、ペースト剤、軟膏、クリーム剤、ローション剤、オイル、フォーム、スプレー、ミスト、またはエアゾールの形をとってもよい。
製剤は、1以上の有効化合物および所望により1以上の他の医薬上許容される成分、例えば、浸透、透過および吸収促進剤などを含浸させたパッチ剤、絆創膏、包帯(bandage, dressing)などとして適宜提供してもよい。また、製剤は、デポーまたはリザーバーの形で適宜提供してもよい。
有効化合物は1以上の他の医薬上許容される成分に溶解させてもよいし、懸濁させてもよいし、あるいは混合してもよい。有効化合物は、例えば血液成分または1以上の器官に有効成分をターゲッティングするようにデザインされたリポソームまたはその他の微粒子中に提供してもよい。
経口投与(例えば、経口摂取による)に好適な製剤としては、液体、溶液(例えば、水性、非水性)、懸濁液(例えば、水性、非水性)、エマルション(例えば、水中油型、油中水型)、エリキシル剤剤、シロップ剤、舐剤、錠剤、顆粒、散剤、カプセル剤、カシェ剤、丸剤、アンプル剤、ボーラス剤が挙げられる。
口内投与に好適な製剤としては、うがい薬、トローチ剤、香錠剤、ならびにパッチ剤、絆創膏、デポー、およびリザーバーが挙げられる。トローチ剤は一般に、香味ベース、通常はスクロースおよびアラビアガムまたはトラガカントガム中に有効化合物を含む。香錠は一般に、ゼラチンおよびグリセリン、またはスクロースおよびアラビアガムなどの不活性基剤中に有効化合物を含む。うがい薬は一般に、好適な液体担体中に有効化合物を含む。
舌下投与に好適な製剤としては、錠剤、トローチ剤、香錠、カプセル剤、および丸剤が挙げられる。
経口経粘膜投与に好適な製剤としては、液体、溶液(例えば、水性、非水性)、懸濁液(例えば、水性、非水性)、エマルション(例えば、水中油型、油中水型)、うがい薬、トローチ剤、香錠、ならびにパッチ剤、絆創膏、デポー、およびリザーバーが挙げられる。
非経口経粘膜投与に好適な製剤としては、液体、溶液(例えば、水性、非水性)、懸濁液(例えば、水性、非水性)、エマルション(例えば、水中油型、油中水型)、坐剤、ペッサリー、ゲル剤、ペースト剤、軟膏、クリーム、ローション、オイル、ならびにパッチ剤、絆創膏、デポー、およびリザーバーが挙げられる。
経皮投与に好適な製剤としては、ゲル剤、ペースト剤、軟膏、クリーム、ローション、およびオイル、ならびにパッチ剤、絆創膏、包帯(bandages, dressings)、デポー、およびリザーバーが挙げられる。
錠剤は通常の手段、所望により1以上の補助成分とともに、例えば打錠または注形することにより製造することができる。打錠錠剤は、粉末または顆粒などの流動形態にある有効化合物を、所望により1以上の結合剤(例えば、ポビドン、ゼラチン、アラビアガム、ソルビトール、トラガカントガム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース);増量剤または希釈剤(例えば、ラクトース、微晶質セルロース、リン酸水素ナトリウム);滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルク、シリカ);崩壊剤(例えば、グリコール酸ナトリウムデンプン、架橋ポビドン、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム);界面活性剤または分散剤または湿潤剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム);保存剤(例えば、p-ヒドロキシ安息香酸メチル、p-ヒドロキシ安息香酸プロピル、ソルビン酸);香味剤、香味増強剤、および甘味剤と混合し、好適な機械で打錠することにより製造することができる。注形錠剤は、不活性な液体希釈剤で湿らせた粉末状の化合物の混合物を、好適な機械で注形することにより製造することができる。錠剤は所望により被覆したり刻み目を付けてもよく、また、ば計画的な放出特性を得るために種々の割合でヒドロキシプロピルメチルセルロースを用い、その中の有効成分の緩慢放出または徐放性が得られるように調剤することもできる。錠剤は例えば放出に影響を与えるような被覆を施してもよく、例えば胃以外の腸の部分で放出が得るための腸溶被覆などがある。
軟膏は一般に、有効化合物とパラフィン系または水混和性軟膏基材から製造することができる。
クリームは一般に、有効化合物と水中油型クリーム基材から製造することができる。所望により、クリーム基材の水相には、例えば少なくとも30%w/wの多価アルコール、すなわち、プロピレングリコール、ブタン-1,3-ジオール、マンニトール、ソルビトール、グリセロールおよびポリエチレングリコールおよびそれらの混合物など、2以上のヒドロキシル基を有するアルコールを含めばよい。局所製剤としては、望ましくは、皮膚またはその他の罹患部位からの有効化合物の吸収または浸透を促進する化合物を含めばよい。このような皮膚浸透促進剤の例としては、ジメチルスルホキシドおよび関連の類似体が挙げられる。
エマルションは一般に、有効化合物と、所望により単に乳化剤(それ以外にエマルゲント(emulgent)としても知られる)からなってもよい、あるいは少なくとも1種の乳化剤と脂肪もしくはオイル、または脂肪とオイルの双方との混合物からなってもよい油性相から製造することができる。好ましくは、親水性乳化剤を、安定剤として働く親油性乳化剤ともに含める。合わせて、乳化剤は安定剤を伴って、または伴わずにいわゆる乳化ワックスを形成し、このワックスはオイルおよび/または脂肪を伴っていわゆる乳化軟膏基剤を形成し、これがクリーム製剤の油性分散相となる。
好適なエマルゲントおよびエマルション安定剤としては、Tween 60、Span 80、セトステアリルアルコール、ミリスチルアルコール、モノステアリン酸グリセリル、およびラウリル硫酸ナトリウムが挙げられる。医薬エマルション製剤で用いられる可能性のある大部分のオイル中での有効化合物の溶解度は極めて低いことから、所望の化粧特性を達成できるかどうかは、その製剤に好適なオイルまたは脂肪の選択にかかっている。例えば、クリームは好ましくは、べとつかず、染みが付かず、洗い流せて、チューブまたは他の容器から漏れ出さないように適切なコンシステンシーを有する製品でなければならない。ジ-イソアジペート、ステアリン酸イソセチル、ココナッツ脂肪酸のプロピレングリコールジエステル、ミリスチン酸イソプロピル、オレイン酸デシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、パルミチン酸2-エチルヘキシルまたはCrodamol CAPとして知られている分枝鎖エステルの混合物などの、直鎖または分枝鎖、一塩基性または二塩基性アルキルエステルが使用でき、最後の3つが好ましいエステルである。これらは必要な特性に応じて単独で用いても組み合わせて用いてもよい。あるいは、白色軟パラフィンおよび/または液体パラフィンまたはその他の鉱油などの高融点脂質を用いてもよい。
担体が液体である、鼻腔内投与に好適な製剤としては、例えば、鼻腔スプレー、点鼻剤、またはネブライザーによるエアゾール投与が挙げられ、有効化合物の水性または油性溶液を含む。
担体が固体である、鼻腔内投与に好適な製剤としては、例えば、鼻から吸い込む様式で、すなわち、鼻の近くに保持した粉末容器から鼻道を通じて迅速吸入することにより投与される、一定粒径、例えば約20〜500ミクロンの範囲の粗粉末として提供されるものが挙げられる。
肺投与(例えば、吸入または吹送療法による)に好適な製剤としては、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素、またはその他の好適なガスなどの好適な噴射剤を使用して、加圧パックからエアゾールスプレーとして提供されるものが挙げられる。
眼への投与に好適な製剤としては、有効化合物を好適な担体、特にその有効化合物の水性溶媒に溶解または懸濁させた点眼剤が挙げられる。
直腸投与に好適な製剤としては、例えば天然または硬化油、ワックス、脂肪、半液体または液体ポリオール、例えばカカオバターまたはサリチル酸塩を含んでなる好適な基剤を伴う坐剤として、あるいは浣腸処置のための溶液または懸濁液として提供すればよい。
膣投与に好適な製剤としては、有効化合物の他に、当技術分野で適当であることが知られている担体を含有するペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、フォームまたはスプレー製剤として提供すればよい。
非経口投与(例えば、注射による)に好適な製剤としては、有効化合物を溶解、懸濁させた、またはそうでなければ有効化合物が提供されている(例えば、リポソームまたはその他の微粒子中)、水性または非水性、等張性、パイロジェンフリーの無菌液(例えば、溶液、懸濁液)が挙げられる。このような液体はさらに、抗酸化剤、緩衝剤 、保存剤、安定剤、制菌剤、沈殿防止剤、増粘剤、およびその製剤を、意図するレシピエントの血液(または他の関連の体液)と等張にする溶質などの他の医薬上許容される成分を含んでもよい。賦形剤の例としては、例えば、水、アルコール、ポリオール、グリセロール、植物油などが挙げられる。このような製剤における使用に好適な等張性担体の例としては、塩化ナトリウム注射液、リンゲル液、または乳酸リンゲル注射液が挙げられる。一般に、液体中の有効化合物の濃度約1ng/ml〜約10μg/ml、例えば約10ng/ml〜約1μg/mlである。これらの製剤は単位用量または複数用量の密閉容器、例えばアンプルおよびバイアルで提供してもよいし、また、使用直前に例えば注射用水などの無菌液体担体を添加するだけの凍結乾燥状態で保存することもできる。即時調合注射溶液および懸濁液は無菌の粉末、顆粒および錠剤から作製してもよい。
用量
当業者ならば、有効化合物、および有効化合物を含んでなる組成物の適当量が患者によって異なることがあることが分かるであろう。最適用量の決定は、通常、リスクまたは有害な副作用に対して治療上の利益のレベルが見合ったものとすることを含む。選択される用量レベルは、限定されるものではないが、特定の化合物の活性、投与経路、投与時間、化合物の排泄速度、処置期間、併用する他の薬物、化合物および/または材料、症状の重篤度、ならびに患者の種、性、齢、体重、状態、健康状態、および過去の病歴をはじめとする種々の因子によって異なる。化合物量および投与経路は最終的には医師、獣医、または臨床家の判断によるが、一般には、実質的に有害な副作用を生じずに目的の作用を達成する、作用部位における局所濃度を達成するように選択する。
投与は1回量で、または治療過程中連続的または間欠的に(例えば、適当な間隔で分割量で)行うことができる。最も効果的な投与の手段および用量を決定する方法は当業者に周知のものであり、治療に用いる製剤、治療目的、治療する標的細胞、および治療する被験体によって異なる。治療する医師、獣医または臨床家により選択された用量レベルおよびパターンで単回または複数回投与を行うことができる。
一般に、有効化合物の好適な用量は約100μg〜約100mg/被験体体重kg/日の範囲である。有効化合物が塩、エステル、アミド、プロドラッグなどである場合には、投与量は親化合物に基づいて算出されることから、実際の使用重量は相応して多くなる。
以下の実施例は本発明を単に例示するために示すものであり、本明細書に記載のような本発明の範囲を限定するものではない。
化合物は全て、元素微量分析(C、H、およびN値の閾値は0.4%以内)により同定した。融点はGallenkamp融点装置を用いて決定し、補正を行わずに示している。1Hおよび13C NMRスペクトルはBruker ARX250分光計を用いて記録した。IRスペクトル(KBrディスクとして)はMattson 2020 GalaxyシリーズFT-IR分光光度計を用いて測定した。質量スペクトルはAEI MS-902またはVG Micromass 7070E分光計で記録した。反応混合物の通常のモニタリングのため、また、分析サンプルの均一性の確認のためのTLC系には、Kieselgel 60F254(0.25mm)シリカゲルTLCアルミニウムシートを用いた。フラッシュクロマトグラフィー分離には、SorbsilシリカゲルC 60-H(40〜60μm)を用いた。反応は全て、無水の試薬および溶媒を用いて不活性雰囲気下で行った。テトラヒドロフラン(THF)は乾燥させ、使用前にナトリウム-ベンゾフェノンから蒸留することにより精製した。他の市販の材料は全て標準的な用い方をした。
実施例1
1-ベンゼンスルホニル-5-メトキシ-1H-インドール
Figure 2006512351
標題化合物は塩化ベンゼンスルホニルおよび5-メトキシ-1H-インドールから、上記の方法Aに従って製造した。収率67%;mp73〜75℃; 1H NMR(CDCl3) δ 7.55-7.82(m, 3H), 7.41-7.48(m, 2H), 7.31-7.37(m, 2H), 6.83-6.90(m, 2H), 6.51-6.52(dd, J = 4 Hz, 1H); 13C NMR(CDCl3) δ 156.9, 138.6, 134.2, 132.2, 129.9, 129.6, 127.5, 127.1, 114.8, 114.2, 109.8, 104.1, 56.0; MS(ES+) m/z 287.99(M+ + 1)。
実施例2
1-ベンゼンスルホニル-5-フルオロ-1H-インドール
Figure 2006512351
標題化合物は塩化ベンゼンスルホニルおよび5-フルオロ-1H-インドールから、上記の方法Aに従って製造した。収率73%; 1H NMR(CDCl3) δ 7.77-7.82(dd, J = 9 Hz, 1H), 7.71-7.74(m, 2H), 7.47(d, J = 4 Hz, 1H), 7.30-7.45(m, 3H), 7.03-7.07(dd, J = 9 Hz, 1H), 6.87-6.95(dt, J = 9 Hz, 1H), 6.51(d, J = 4 Hz, 1H); MS(AP+) m/z 276.0(M+ + 1), 214。
実施例3
1-(トルエン-4-スルホニル)-1H-インドール
Figure 2006512351
標題化合物は塩化トルエン-4-スルホニルおよび1H-インドールから、上記の方法Aに従って製造した。収率91%;mp60〜62℃; 1H NMR(CDCl3) δ 8.0-8.03(dd, J = 8 Hz, 1H), 7.78(d, J = 7 Hz, 2H), 7.57(d, J = 4 Hz, 1H), 7.52-7.56(m, 1H), 7.26-7.36(m, 2H), 7.20-7.23(d, J = 8 Hz, 2H), 6.66-6.68(dd, J = 4 Hz, 1H), 2.30(s, 3H); 13C NMR(CDCl3) δ 145.4, 135.7, 135.3, 131.2, 130.3, 127.2, 126.8, 124.9, 123.7, 121.8, 113.9, 109.5, 21.9; MS(ES+) m/z 271.93(M+)。
実施例4
1-(4-メトキシ-ベンゼンスルホニル)-1H-インドール
Figure 2006512351
標題化合物は塩化4-メトキシ-ベンゼンスルホニルおよび1H-インドールから、上記の方法Aに従って製造した。収率95%;mp124〜126℃; 1H NMR(CDCl3) δ 7.90-7.93(dd, J = 8 Hz, 1H), 7.74(d, J = 9 Hz, 2H), 7.43-7.49(m, 2H), 7.14-7.27(m, 2H), 6.79(d, J = 9 Hz, 2H), 6.56-6.58(dd, J = 4 Hz, 1H), 3.41(s, 3H); 13C NMR(CDCl3) δ 164.1, 135.2, 131.2, 130.1, 129.5, 126.7, 124.9, 123.6, 121.8, 114.8, 113.9, 109.3, 56.0; MS(AP+) m/z 288.05(M+ + 1)。
実施例5
1-(4-フルオロ-ベンゼンスルホニル)-1H-インドール
Figure 2006512351
標題化合物は塩化4-フルオロ-ベンゼンスルホニルおよび1H-インドールから、上記の方法Aに従って製造した。収率81%;mp135〜137℃; 1H NMR(CDCl3) δ 7.86-7.99(m, 3H), 7.51-7.54(m, 2H), 7.19-7.35(m, 2H), 7.05-7.12(m, 2H), 6.66-6.68(dd, J = 4 Hz, 1H); 13C NMR(CDCl3) δ 168.1, 164.0, 135.2, 134.7, 134.6, 131.2, 130.1, 129.9, 126.6, 125.2, 123.9, 121.9, 117.2, 116.9, 113.9, 110.0; MS(ES+) m/z 275.99(M+ + 1)。
実施例6
1-(ナフタレン-2-スルホニル)-1H-インドール
Figure 2006512351
標題化合物は塩化ナフタレン-2-スルホニルおよび1H-インドールから、上記の方法Aに従って製造した。収率92%;mp103〜105℃; 1H NMR(CDCl3) δ 8.33-8.34(m, 1H), 7.85-7.89(dd, J = 8 Hz, 1H), 7.69-7.76(m, 1H), 7.52-7.64(m, 3H), 7.29-7.46(m, 4H), 6.97-7.24(m, 2H), 6.46-6.48(dd, J = 4 Hz, 1H); 13C NMR(CDCl3) δ 135.6, 135.5, 135.3, 132.3, 131.2, 130.1, 129.8, 128.9, 128.3, 128.2, 126.8, 125.1, 123.8, 121.9, 121.8, 113.9, 109.7; MS(AP+) m/z 308.04(M+ + 1)。
実施例7
5-フルオロ-1-(トルエン-4-スルホニル)-1H-インドール
Figure 2006512351
標題化合物は塩化トルエン-4-スルホニルおよび5-フルオロ-1H-インドールから、上記の方法Aに従って製造した。収率100%;mp106〜108℃; 1H NMR(CDCl3) δ 8.13-8.19(dd, J = 4, 8 Hz, 1H), 7.96(d, J = 8 Hz, 2H), 7.82(d, J = 4 Hz, 1H), 7.40-7.48(m, 3H), 7.25-77.38(m, 1H), 6.83(d, J = 4 Hz, 1H), 2.55(s, 3H); 13C NMR(CDCl3) δ 161.9, 158.1, 145.6, 135.4, 132.2, 132.1, 131.6, 130.3, 128.5, 127.2, 115.0, 114.9, 113.2, 112.8, 109.4, 109.3, 107.5, 107.1, 21.9。
実施例8
1-(2,4,6-トリイソプロピル-ベンゼンスルホニル)-1H-インドール
Figure 2006512351
標題化合物は塩化2,4,6-トリイソプロピル-ベンゼンスルホニルおよび1H-インドールから、上記の方法Aに従って製造した。収率88%;mp131〜133℃; 1H NMR(CDCl3) δ 7.41-7.65(m, 3H), 7.18-7.28(m, 4H), 6.65-6.68(dd, J = 8 Hz, 1H), 4.15-4.31(m, 2H), 2.81-2.97(m, 1H), 1.28および1.29(2s, 6H), 0.98-1.12(m, 12H)。
実施例9
4,4-ジメトキシ-シクロヘキサ-2,5-ジエノン
Figure 2006512351
標題化合物を4-メトキシフェノールから上記の方法Bに従って製造したところ淡橙色の油状物が得られ、これは0℃で固化した。収率94%; 1H NMR(CDCl3) δ 6.8(d, J = 12 Hz, 2H), 6.3(d, J = 12 Hz, 2H), 3.33(s, 6H)。
実施例10
4-(1-ベンゼンスルホニル-1H-インドール-2-イル)-4-ヒドロキシ-シクロヘキサ-2,5-ジエノン
Figure 2006512351
標題化合物は4,4-ジメトキシ-シクロヘキサ-2,5-ジエノンおよび1-ベンゼンスルホニル-1H-インドール(市販)から、上記の方法Cに従って製造した。収率18%;mp170〜172℃; 1H NMR(CDCl3) δ 8.0(d, J = 8 Hz, 1H), 7.87(d, J = 8 Hz, 2H), 7.51-7.60(m, 3H), 7.30-7.46(m, 3H), 7.18-7.27(m, 2H), 6.80(s, 1H), 6.32(d, J = 10 Hz, 2H), 5.50(s, 1H); 13C NMR(CDCl3) δ 185.3, 147.9, 141.2, 138.6, 137.8, 134.7, 129.7, 128.7, 128.1, 127.0, 126.6, 125.0, 122.1, 115.6, 114.1, 67.9。
実施例11
4-(1-ベンゼンスルホニル-5-メトキシ-1H-インドール-2-イル)-4-ヒドロキシ-シクロヘキサ-2,5-ジエノン
Figure 2006512351
標題化合物は4,4-ジメトキシ-シクロヘキサ-2,5-ジエノンおよび1-ベンゼンスルホニル-5-メトキシ-1H-インドールから、上記の方法Cに従って製造した。収率32%;mp126〜128℃; 1H NMR(CDCl3) δ 7.73-7.83(m, 3H), 7.40-7.49(m, 2H), 7.33-7.40(m, 2H), 6.76-6.84(m, 3H), 6.64(s, 1H), 6.20(d, J = 10 Hz, 2H), 5.40(s, 1H), 3.67(s, 3H); 13C NMR(CDCl3) δ 196.6, 185.3, 157.3, 147.9, 141.8, 137.7, 134.3, 133.2, 129.8, 129.7, 129.3, 127.9, 126.9, 116.8, 115.4, 114.4, 104.2, 81.2, 67.9, 55.9; MS(AP+) m/z 396.09(M+ + 1), 378.08。
実施例12
4-(1-ベンゼンスルホニル-5-フルオロ-1H-インドール-2-イル)-4-ヒドロキシ-シクロヘキサ-2,5-ジエノン
Figure 2006512351
標題化合物は4,4-ジメトキシ-シクロヘキサ-2,5-ジエノンおよび1-ベンゼンスルホニル-5-フルオロ-1H-インドールから、上記の方法Cに従って製造した。収率21%;mp166〜167℃; 1H NMR(CDCl3) δ 8.03-8.09(m, 1H), 7.94(d, J = 8 Hz, 2H), 7.51-7.70(m, 5H), 7.12-7.20(m, 2H), 6.86(s, 1H), 6.42(d, J = 10 Hz, 2H), 5.49(s, 1H); 13C NMR(CDCl3) δ 185.1, 162.4, 158.5, 147.6, 143.0, 137.7, 134.8, 129.9, 129.8, 129.7, 128.2, 126.9, 116.9, 116.8, 114.8, 114.4, 113.6, 107.8, 107.4, 67.9; MS(AP+) m/z 384.04(M+ + 1)。
実施例13
4-(ヒドロキシ-4-[1-(トルエン-4-スルホニル)-1H-インドール-2-イル]-シクロヘキサ-2,5-ジエノン
Figure 2006512351
標題化合物は4,4-ジメトキシ-シクロヘキサ-2,5-ジエノンおよび1-(トルエン-4-スルホニル)-1H-インドールから、上記の方法Cに従って製造した。収率12%;mp159〜161℃; 1H NMR(CDCl3) δ 7.90(d, J = 8 Hz, 1H), 7.65(d, J = 8 Hz, 2H), 7.48(d, J = 10 Hz, 2H), 7.33(d, J = 7 Hz, 1H), 6.70-7.25(m, 4H), 6.70(s, 1H), 6.23(d, J = Hz, 2H), 5.55(s, 1H), 2.25(s, 3H); 13C NMR(CDCl3) δ 185.3, 148.0, 145.9, 141.2, 138.6, 134.9, 130.3, 128.7, 127.9, 127.0, 126.5, 124.9, 122.0, 116.6, 115.6, 113.9, 67.9, 21.9; MS(AP+) m/z 380.04(M+ + 1)。
実施例14
4-(ヒドロキシ-4-[1-(4-メトキシ-ベンゼンスルホニル)-1H-インドール-2-イル]-シクロヘキサ-2,5-ジエノン
Figure 2006512351
標題化合物は4,4-ジメトキシ-シクロヘキサ-2,5-ジエノンおよび1-(4-メトキシ-ベンゼンスルホニル)-1H-インドールから、上記の方法Cに従って製造した。
収率14%;mp69〜71℃; 1H NMR(CDCl3) δ 7.84-7.94(m, 1H), 7.73(d, J = 9 Hz, 2H), 7.49(d, J = 10 Hz, 2H), 7.13-7.40(m, 3H), 6.73-6.86(m, 2H), 6.69(s, 1H), 6.23(d, J = 10 Hz, 2H), 5.51(s, 1H), 3.70(s, 3H); 13C NMR(CDCl3) δ 185.3, 164.4, 149.2, 148.0, 141.1, 140.3, 138.6, 129.6, 129.2, 128.8, 126.3, 124.6, 121.9, 115.8, 114.7, 81.9, 72.5, 67.9, 58.1, 56.0, 38.8; MS(AP+) m/z 396.03(M+ + 1)。
実施例15
4-[1-(4-フルオロ-ベンゼンスルホニル)-1H-インドール-2-イル]- 4-ヒドロキシ-シクロヘキサ-2,5-ジエノン
Figure 2006512351
標題化合物は4,4-ジメトキシ-シクロヘキサ-2,5-ジエノンおよび1-(4-フルオロ-ベンゼンスルホニル)-1H-インドールから、上記の方法Cに従って製造した。収率14%;mp165〜166℃; 1H NMR(CDCl3) δ 7.82-7.93(m, 3H), 7.49(d, J = 10 Hz, 2H), 7.35(d, J = 8 Hz, 1H), 7.12-7.28(m, 2H), 6.99-7.05(m, 2H), 6.73(s, 1H), 6.25(d, J = 10 Hz, 2H), 5.31(s, 1H); 13C NMR(CDCl3) δ 185.2, 170.9, 170.5, 147.7, 141.0, 138.6, 133.6, 130.1, 129.9, 128.8, 128.1, 126.8, 125.2, 122.2, 117.3, 116.9, 115.6, 114.5, 69.5, 67.9; MS(AP+) m/z 384.04(M+ + 1)。
実施例16
4-(ヒドロキシ-4-[1-(ナフタレン-2-スルホニル)-1H-インドール-2-イル]-シクロヘキサ-2,5-ジエノン
Figure 2006512351
標題化合物は4,4-ジメトキシ-シクロヘキサ-2,5-ジエノンおよび1-(ナフタレン-2-スルホニル)-1H-インドールから、上記の方法Cに従って製造した。収率14%;mp66〜69℃; 1H NMR(CDCl3) δ 8.42(s, 1H),7.96(d, J = 8 Hz, 1H), 7.84(d, J = 7 Hz, 1H), 7.64-7.74(m, 3H), 7.49-7.54(m, 4H), 7.07-7.32(m, 3H), 6.71(s, 1H), 6.24(d, J = 10 Hz, 2H), 5.50(s, 1H); 13C NMR(CDCl3) δ 185.4, 150.0, 148.1, 141.3, 138.6, 135.7, 134.7, 132.0, 130.3, 130.1, 129.9, 129.3, 128.7, 128.4, 128.3, 128.0, 126.6, 124.9, 122.1, 121.3, 116.6, 115.6, 113.9, 68.0; MS(AP+) m/z 416.07(M+ + 1)。
実施例17
4-[5-フルオロ-1-(トルエン-4-スルホニル)-1H-インドール-2-イル]-4-ヒドロキシ-シクロヘキサ-2,5-ジエノン
Figure 2006512351
標題化合物は4,4-ジメトキシ-シクロヘキサ-2,5-ジエノンおよび1-ベンゼンスルホニル-5-フルオロ-1H-インドールから、上記の方法Cに従って製造した。収率58%; 1H NMR(CDCl3) δ 7.85-7.90(dd, J = 4, 9 Hz, 1H), 7.65(d, J = 8 Hz, 2H), 7.47(d, J = 10 Hz, 2H), 7.15(d, J = 8 Hz, 2H), 6.91-7.02(m, 2H), 6.66(s, 1H), 6.25(d, J = 10 Hz, 2H), 5.42(s, 1H), 2.28(s, 3H); 13C NMR(CDCl3) δ 185.2, 162.3, 158.4, 149.4, 147.8, 146.2, 142.9, 134.9, 134.6, 130.4, 129.9, 129.7, 128.6, 128.1, 127.0, 116.9, 116.8, 114.7, 114.3, 113.6, 113.5, 107.7, 107.4, 67.9, 22.0。
実施例18
4-[1-(2,4,6-トリイソプロピル-ベンゼン-4-スルホニル)-1H-インドール-2-イル]-4-ヒドロキシ-シクロヘキサ-2,5-ジエノン
Figure 2006512351
標題化合物は4,4-ジメトキシ-シクロヘキサ-2,5-ジエノンおよび1-(2,4,6-トリイソプロピル-ベンゼン-スルホニル-1H-インドールから、上記の方法Cに従って製造した。収率12%;mp55〜57℃; 1H NMR(CDCl3) δ 7.37-7.47(m, 3H), 6.92-7.09(m, 5H), 6.70(s, 2H), 6.25(d, J = 10 Hz, 2H), 5.41(s, 1H), 3.73-3.78(m, 2H), 2.70-2.91(m, 1H), 1.15および1.18(2s, 6H), 0.99-1.01(m, 12H); 13C NMR(CDCl3) δ 185.5, 155.4, 151.3, 148.4, 141.1, 137.8, 132.7, 127.8, 125.6, 124.8, 123.9, 121.9, 113.3, 111.1, 68.2, 34.6, 29.7, 24.7, 23.8; MS(AP+) m/z 492.21(M+ + 1)。
実施例19
4,4-ジメトキシ-4H-ナフタレン-1-オン
Figure 2006512351
標題化合物は4-メトキシナフトールから上記の方法Dに従って製造した。収率98%; 1H NMR(CDCl3) δ 8.15(d, J = 8 Hz, 1H), 7.4-7.85(m, 3H), 6.9(d, J = 12 Hz, 1H), 6.55(d, J = 12 Hz, 1H), 3.15(s, 6H)。
実施例20
4-(1-ベンゼンスルホニル-1H-インドール-2-イル)-4-ヒドロキシ-4H-ナフタレン-1-オン
Figure 2006512351
標題化合物は4,4-ジメトキシ-4H-ナフタレン-1-オンおよび1-ベンゼンスルホニル-1H-インドールから、上記の方法Eに従って製造した。収率20%;mp175〜177℃; 1H NMR(CDCl3) δ 8.19-8.23(dd, J = 7 Hz, 1H), 8.02-8.05(dd, J = 9 Hz, 1H), 7.80-7.92(m, 4H), 7.68-7.73(t, J = 7 Hz, 1H), 7.55-7.64(m, 2H), 7.42-7.48(t, J = 7 Hz, 2H), 7.25-7.32(m, 3H), 7.14-7.20(m, 1H), 6.37(d, J = 11 Hz, 1H); 13C NMR(CDCl3) δ 189.7, 153.9, 149.7, 148.9, 143.7, 143.2, 139.0, 137.9, 135.7, 134.2, 133.7, 133.6, 132.4, 131.6, 131.3, 130.8, 129.4, 126.7, 120.5, 74.9; MS(AP+) m/z 416.07(M+ + 1), 398.06。
実施例21
4-ヒドロキシ 4-[1-(トルエン-4-スルホニル)-1H-インドール-2-イル]-4H-ナフタレン-1-オン
Figure 2006512351
標題化合物は4,4-ジメトキシ-4H-ナフタレン-1-オンおよび1-(トルエン-4-スルホニル)-1H-インドールから、上記の方法Eに従って製造した。収率23%;mp110〜112℃; 1H NMR(CDCl3) δ 8.35-8.39(dd, J = 8 Hz, 1H), 8.04(d, J = 8 Hz, 1H), 7.74-7.97(m, 6H), 7.32-7.48(m, 6H), 6.53(d, J = 10 Hz, 1H), 2.52(s, 3H); 13C NMR(CDCl3) δ 189.7, 154.0, 150.2, 149.8, 148.8, 143.6, 140.1, 137.9, 135.7, 134.8, 133.6, 132.3, 131.7, 131.3, 130.7, 129.3, 126.6, 120.4, 120.3, 74.8, 26.6; MS(AP+) m/z 430.09(M+ + 1), 412.14。
生物学的データ
化合物は下記の種々のin vitroおよびin vivoアッセイを用いてそれらの活性に関して評価した。
NCIスクリーニング
化合物は、国立癌研究所(NCI)Developmental Therapies Screening Program(Boydら, 1995)からの60種のヒト癌細胞系統でin vitro活性(48時間薬物暴露)に関して試験した。平均増殖阻害(GI50)および細胞傷害性致死濃度(LC50)値を表1にまとめている。驚くこと、また、予期されないことに、これらの化合物のうち多くのものが結腸癌および腎臓癌細胞系統において特定の活性を有していた。
Figure 2006512351
a平均GI50および平均LC50の定義に関してはBoydら, 1995、およびWeinsteinら, 1997を参照。
ND=行わず
結腸:HCT-116
腎臓:CAKI-1, ACHN、RXF 393, UO-31
黒色腫:LOX IMVI
CNS癌:U251。
増殖阻害アッセイ
化合物はDMSOに溶解させて上清原液として作製し、遮光して最大4週間4℃で保存した。ヒト由来細胞系統(HCT 116, HT29結腸癌腫)は、常法に従い、37℃、5%CO2雰囲気下、2mM L-グルタミンおよび10%ウシ胎児血清を添加したRPMI 1640培地で培養し、連続的な対数増殖を維持するために1週間に2回継代培養した。細胞を96ウェルマイクロタイタープレートにて5 x 103/ウェルの密度で播種し、24時間放置して接着させた後、薬物を導入した(終濃度0.1nM〜100μM、n=8)。各アッセイの直前に培地で連続薬物希釈液を作製した。薬物添加時と72時間暴露後に各ウェルにMTTを加えた(終濃度400g/mL)。37℃で4時間インキュベートして、ミトコンドリアデヒドロゲナーゼによりMTTを還元させて不溶性をホルマザン生成物とした。ウェルの内容物を吸引し、DMSO:グリシンバッファー(pH10.5)(4:1)を加えてホルマザンを可溶化した。Anthos Labtecシステムプレートリーダーを用いて550nmで吸光度を測定し、細胞の生存能の指標として用い、このようにして細胞増殖と薬物毒性を測定した。結果は表2にまとめている。
Figure 2006512351
チオレドキシン活性
Kirkpatrickら, 1999およびKunkelら, 1997に記載されているものと類似の方法を用いてアッセイを行った。
チオレドキシン(TR)(比活性43.6μmol NADPH還元/分/mgタンパク質、21℃)を従前に記載されているように(Oblongら, 1993)、ヒト胎盤から精製した。組換えhTrxを大腸菌(Escherichia coli)で発現させ、従前に記載されているように(Gasdaskaら, 1994)精製した。TrxおよびTRは-20℃で5mMジチオトレイトール(DTT)とともに保存し、これは使用前に脱塩カラム(PDIO, Pharmacla, Uppsala, Sweden)で除去した。
ジチオニトロ安息香酸(DTNB)が酵素により媒介されるNADPH由来の還元当量の転移により還元されるにつれて生じる405nmでの吸光度における上昇に基づくマイクロタイタープレート比色アッセイを用いて、TR/Trx依存性のインスリン還元とTR活性を測定した(例えば、Kunkelら, 1997参照)。
96ウェル平底マイクロタイタープレートにて、100mM HEPESバッファーpH7.2、5mM EDTA(HEバッファー)、1mM NADPH、1.0μMチオレドキシンレダクターゼ、0.8μMチオレドキシン、および2.5mg/mlウシインスリンを含有する最終量60μLとともにインキュベートし、チオレドキシンレダクターゼ/チオレドックス依存性インスリン還元活性を測定した。化合物をHEバッファーで希釈し、ウェルに20μLアリコートとして加えた。インキュベーションは37℃で30分行った。6MグアニジンHCl、50mM Tris, pH8.0、および10mM DTNBからなる100μlを添加することで反応を停止させ、405nmで吸光度を測定した。
TR活性のアッセイは、96ウェル平底マイクロタイタープレートにて、HEバッファー、10mM DTNB、1.0μMチオレドキシンレダクター、および1mM NADPHを含有する最終インキュベーション量60μLで行った。化合物をHEバッファーで希釈し、ウェルにアリコートとして加えた。ウェルの底が均一に覆われたことを確認するため、プレートを3000gで軽く回転させた。反応を開始させるため、NADPHおよびDTNBをHEバッファー中の20μLアリコートとして加え、このプレートを、37℃に予熱したプレートリーダーに移した。405nmでの光学濃度を10秒ごとに測定し、初期直線反応速度を求めた。データは表3にまとめている。
Figure 2006512351
in vivo研究
SIQ-01のin vivo活性を調べた。マウスにおけるSIQ-01の最大許容量は1日の計画(x5)では30mg/kgである。SIQ-01とシスプラチンの併用処置は腫瘍担持マウスに投与した場合(1〜5日目および8〜10日目に腹腔内注射により15mgのSIC-01/kgを投与、1〜8日目に4mgのシスプラチン/kgを皮下投与)、HCT116結腸癌腫に対して有効であり、最大T/C(試験/対照)は49%となった。シスプラチン単独処置(同じ投与計画)では、T/C(試験/対照)は56%となった。
特定の理論に縛られるつもりはないが、チオレドキシンはシスプラチン療法に対する耐性と関連しており、シスプラチン単独での治療に比べ、チオレドキシン阻害剤(本明細書に記載の化合物など)とシスプラチンの併用療法により治療が向上すると考えられている。これらのin vivo研究はこの立場に立って述べられている。
以上、本発明の原理、好ましい実施形態および実施様式を記載してきたが、本発明は記載の特定の実施形態に限定されるものではない。上記の実施形態は限定ではなく例示とみなすべきであり、当然のことながら、当業者ならばこれらの実施形態において、本発明の範囲から外れることなく変更が行えるものと考えるべきである。
参照文献
本発明および本発明の属する技術の状況を十分に記載および開示するために上記では多くの特許および刊行物が引用されている。これらの参照文献の完全な出典を以下に示す。これらの参照文献は各々、個々の参照文献が各々具体的かつ参照により本明細書に組み入れられることが個々に示されている場合と同じく、参照によりその全開示内容が本開示に組み入れられる。
Alcaraz, L., et al., 1998, "Manumycin A: synthesis of the (+)-enantiomer and revision of stereochemical assignment," J. Org. Chem., Vol. 63, pp. 3526-3527.
Boyd, M.R., Paull, K.D., 1995, "Some practical considerations and applications of the National Cancer Institute in vitro anticancer drug discovery system," Drug Dev. Res., Vol. 34, pp. 91-104.
Faaland et al., 1991, "Rapid uptake of tyrphostin into A431 human epidermoid cells is followed by delayed inhibition of epidermal growth factor (EGF) stimulated EFG receptor tyrosine kinase activity," Mol. Cell Biol., Vol. 11, pp. 2697-2703.
Gasdaska et al., 1994, "The predicted amino acid sequence of human thioredoxin is identical to that of the autocrine growth factor human adult T-cell derived cofactor (ADF): thioredoxin mRNA is elevated in some human tumors," Biochimica et Biophysica Acta, Vol. 1218, p. 292.
Kirkpatrick et al., 1999, "Parallel synthesis of disulfide inhibitors of the thioredoxin redox system as potential antitumor agents," Anti-Cancer Drug Design, Vol. 14, pp. 421-432.
Kunkel et al., 1997, "Cell line-directed screening assay for inhibitors of thioredoxin reductase signaling as potential anti-cancer drugs," Anti-Cancer Drug Design, Vol. 12, pp. 659-670.
Milic, D. R., et al., "X-Ray crystal structure of 10β-hydroxy-4β,5β-epoxyestr-1-en-3,17-dione and antitumor activity of its congeners," Molecules, Vol. 4, pp. 338-352.
Oblong et al., 1993, "Purification of human thioreductase; properties and characterization by absorption and circular dichroism spectroscopy," Biochemistry, Vol. 32, p. 7271.
Powis, G., Mustacich, D, Coon, A., 2000, "The role of the redox protein thioredoxin in cell growth and cancer," Free Radical Biology & Medicine, Vol. 29, Nos. 3/4, pp. 312-322.
Rambas et al., 1994, "The degree of inhibition of protein tyrosine kinase activity by Tyrphostin 23 and 25 is related to their instability," Cancer Research, Vol 54, pp. 867-869.
Reddy et al., 1992, "Inhibition of breast cancer cell growth in vitro by a tyrosine kinase inhibitor," Cancer Research, Vol. 52, pp. 3631-3641.
Stevens, M.F.G., et al., 2003, "4-Aryl Quinols and Analogs Thereof as Therapeutic Agents," International (PCT) Patent Application number PCT/GB02/03097, publication number WO 03/ , published January 2003.
Umezawa et al., 1991, "Use of erbstatin as protein tyrosine kinase inhibitor," Methods Enzymol., Vol. 201, pp. 379-385.
Wada, H., et al., 1987, "Chemical and chemotaxonomical studies of ferns. LXXIII. New flavonoids with modified B-ring from the genus Pseudophegopteris (Thelypteridacae)," Chem. Pharm. Bull., Vol. 35, pp. 4757-4762.
Weinstein, J. N., et al., 1997, "An information-intensive approach to the molecular pharmacology of cancer," Science, Vol. 275, pp. 343-349.
Wells et al., 06 March 2000, "Antitumour benzothiazoles. Part 10: The synthesis and antitumour activity of benzothiazole substituted quinol derivatives," Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters, Vol. 10, No. 5, pp. 513-515.
Wipf, P., et al., "Synthesis of the antitumor antibiotic LL-C10037α," J. Org. Chem., Vol. 59, pp. 3518-3519.

Claims (90)

  1. 下式:
    Figure 2006512351
    [式中、
    Arは1-(スルホニル)-1H-インドール-2-イル基であり;
    基-OROは独立に
    (a)-OH;
    (b)エーテル基;または
    (c)アシルオキシ基であり;
    αで示される結合は独立に
    (a)単結合;または
    (b)二重結合であり;
    βで示される結合は独立に
    (a)単結合;または
    (b)二重結合であり;
    R2、R3、R5およびR6の各々は独立に環置換基であり、かつ、
    (a)H;
    (b)一価モノデンテート置換基;または
    (c)隣接する環置換基と一緒になって、さらにこれらの環置換基が結合している環原子と一緒になって、縮合環を形成している環置換基
    である]
    を有する化合物、ならびにその医薬上許容される塩、エステル、アミド、溶媒和物、水和物および保護された形態。
  2. αが独立に二重結合であり、βが独立に二重結合であり、かつ、下式:
    Figure 2006512351
    を有する、請求項1に記載の化合物。
  3. αが独立に単結合であり、βが独立に単結合であり、かつ、下式:
    Figure 2006512351
    を有する、請求項1に記載の化合物。
  4. αが独立に単結合であり、βが独立に二重結合であり、かつ、下式:
    Figure 2006512351
    を有する、請求項1に記載の化合物。
  5. 前記一価モノデンテート置換基が
    ヒドロキシ(-OH);
    ハロ;
    シアノ(-CN);
    カルボキシ(-COOH);
    アジド;
    エステル;
    アミノ
    (C1-7アルキル-アミノ;
    アミノ-C1-7アルキル-アミノを含む)
    C1-7アルキル
    (ハロ-C1-7アルキル;
    アミノ-C1-7アルキル;
    カルボキシ-C1-7アルキル;
    ヒドロキシ-C1-7アルキルを含む)
    C5-20アリール-C1-7アルキル;
    エーテル
    (C1-7アルコキシ;
    ハロ-C1-7アルコキシ;
    アミノ-C1-7アルコキシ;
    カルボキシ-C1-7アルコキシ;
    ヒドロキシ-C1-7アルコキシ;
    C5-20アリール-C1-7アルコキシを含む)
    アシル
    (C1-7アルキル-アシル;
    ハロ-C1-7アルキル-アシル;
    アミノ-C1-7アルキル-アシル;
    カルボキシ-C1-7アルキル-アシル;
    ヒドロキシ-C1-7アルキル-アシルを含む)
    C5-20アリール-C1-7アルキル-アシル;
    C5-20アリール-アシル;
    C5-20アリール;
    チオール(-SH);および
    チオエーテル.
    から選択される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物。
  6. 前記一価モノデンテート置換基が
    -OH;
    -F、-Cl、-Br、-I;
    -CN;
    -COOH;
    -N3
    -COOMe、-COOEt、-COOtBu、-COOPh、-COOCH2Ph;
    -NH2、-NHMe、-NHEt、-NMe2、-NEt2
    ピペリジノ、モルホリノ、ピペラジノ、N-メチル-ピペラジノ;
    -NH(CH2)w-NH2、-NH(CH2)w-NHMe、-NH(CH2)w-NMe2、-NH(CH2)w-NEt2

    -Me、-Et、-nPr、-iPr、-nBu、-iBu、-sBu、-tBu;
    -CH2F、-CH2Cl、-CF3、-CCl3、-CF2CF3、-CH2CF3、-C(CF3)3
    -(CH2)w-NH2、-(CH2)w-NHMe、-(CH2)w-NMe2、-(CH2)w-NEt2
    -(CH2)w-COOH;
    -(CH2)w-OH;
    -CH2Ph;

    -OMe、-OEt、-OnPr、-OiPr、-OnBu、-OiBu、-OsBu、-OtBu;
    -OCH2F、-OCH2Cl、-OCF3、-OCCl3、-OCF2CF3、-OCH2CF3、-OC(CF3)3
    -O(CH2)w-NH2、-O(CH2)w-NHMe、-O(CH2)w-NMe2、-O(CH2)w-NEt2
    -O(CH2)w-COOH;
    -O(CH2)w-OH;
    -OCH2Ph;

    -C(=O)Me、-C(=O)Et、-C(=O)-nPr、-C(=O)-iPr、-C(=O)-nBu、-C(=O)-iBu、-C(=O)-sBu、-C(=O)-tBu;
    -C(=O)CH2F、-C(=O)CH2Cl、-C(=O)CF3、-C(=O)CCl3、-C(=O)CF2CF3、-C(=O)CH2CF3、-C(=O)C(CF3)3
    -C(=O)(CH2)w-NH2、-C(=O)(CH2)w-NHMe、-C(=O)(CH2)w-NMe2、-C(=O)(CH2)w-NEt2
    -C(=O)(CH2)w-COOH;
    -C(=O)(CH2)w-OH;
    -C(=O)CH2Ph;

    -Ph;

    -SH;
    -SMe、-SEt、-SnPr、-S-iPr、-S-nBu、-S-iBu、-S-sBu、-S-tBu、-S-CH2-Ph、-S-Ph;
    システイン、ホモシステイン、グルタチオン、または配列-Cys-(X)y-Cys-(ここで、Xはアミノ酸であり、yは1〜6の整数である)を含むペプチドに由来するチオエーテル基
    から選択され、wが1〜7の整数である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物。
  7. R2、R3、R5およびR6が各々独立に環置換基であり、
    (a)H;または
    (b)一価モノデンテート置換基
    である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物。
  8. R5およびR6は-Hであるが;R2およびR3が縮合環を形成していない、下式:
    Figure 2006512351
    で示される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物。
  9. R2およびR3は-Hであるが;R5およびR6が縮合環を形成していない、下式:
    Figure 2006512351
    で示される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物。
  10. R2およびR6が-Hである、下式:
    Figure 2006512351
    である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物。
  11. R3およびR5が-Hである、下式:
    Figure 2006512351
    で示される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物。
  12. R2、R3、R5およびR6が-Hである、下式:
    Figure 2006512351
    で示される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物。
  13. R2、R3、R5およびR6が-Hであり;αが二重結合であり;かつ、βが二重結合である、下式:
    Figure 2006512351
    で示される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物。
  14. R2、R3、R5およびR6が-Hであり;αが単結合であり;かつ、βが単結合である、下式:
    Figure 2006512351
    で示される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物。
  15. R2、R3、R5およびR6が-Hであり;αが単結合であり;かつ、βが二重結合である、下式:
    Figure 2006512351
    で示される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物。
  16. (a)R2およびR3がそれらが結合している環原子と一緒になって縮合環を形成しているか;
    (b)R5およびR6がそれらが結合している環原子と一緒になって縮合環を形成しているか;または
    (c)(a)と(b)の双方である、
    請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物。
  17. 前記縮合環、あるいは縮合環が2つであれば、それらのうちの1つ、またはそれらの各々が縮合芳香環である、請求項16に記載の化合物。
  18. 前記縮合環、あるいは縮合環が2つであれば、それらのうちの1つ、またはそれらの各々が5または6個の環原子を有する縮合芳香環である、請求項16に記載の化合物。
  19. R2およびR3が縮合ベンゼン環を形成し;かつ、βが二重結合である、下式:
    Figure 2006512351
    で示される、請求項16に記載の化合物。
  20. R5およびR6が縮合環を形成していない、請求項19に記載の化合物。
  21. R2およびR3が縮合ベンゼン環を形成し;βが二重結合であり;かつ、R5が-Hである、下式:
    Figure 2006512351
    で示される、請求項16に記載の化合物。
  22. R2およびR3が縮合ベンゼン環を形成し;βが二重結合であり;かつ、R6が-Hである、下式:
    Figure 2006512351
    で示される、請求項16に記載の化合物。
  23. R2およびR3が縮合ベンゼン環を形成し;βが二重結合であり;かつ、R5およびR6が-Hである、下式:
    Figure 2006512351
    で示される、請求項16に記載の化合物。
  24. R2およびR3が縮合ベンゼン環を形成し;βが二重結合であり;R5およびR6が-Hであり;かつ、αが二重結合である、下式:
    Figure 2006512351
    で示される、請求項16に記載の化合物。
  25. R5およびR6が縮合ベンゼン環を形成し;かつ、αが二重結合である、下式:
    Figure 2006512351
    で示される、請求項16に記載の化合物。
  26. R2およびR3が縮合環を形成していない、請求項25に記載の化合物。
  27. R5およびR6が縮合ベンゼン環を形成し;αが二重結合であり;かつ、R3が-Hである、下式:
    Figure 2006512351
    で示される、請求項16に記載の化合物。
  28. R5およびR6が縮合ベンゼン環を形成し;αが二重結合であり;かつ、R2が-Hである、下式:
    Figure 2006512351
    で示される、請求項16に記載の化合物。
  29. ROが独立に
    (a)-H;
    (b)場合により置換されていてもよいC1-7アルキル、C3-20ヘテロシクリル、またはC5-20アリール;または
    (c)場合により置換されていてもよいC1-7アルキル-アシル、C3-20ヘテロシクリル-アシル、またはC5-20アリール-アシル
    である、請求項1〜28のいずれか一項に記載の化合物。
  30. ROが独立に
    (b)場合により置換されていてもよいC1-7アルキル、C3-20ヘテロシクリル、またはC5-20アリール;または
    (c)場合により置換されていてもよいC1-7アルキル-アシル、C3-20ヘテロシクリル-アシル、またはC5-20アリール-アシル
    である、請求項1〜28のいずれか一項に記載の化合物。
  31. ROが場合により、以下の基:
    ヒドロキシ(-OH);
    ハロ;
    カルボキシ(-COOH);
    アミノ;および
    C5-20アリール
    の1以上で置換されていてもよい、請求項29または30に記載の化合物。
  32. ROが非置換型である、請求項29または30に記載の化合物。
  33. ROが-Hである、請求項1〜28のいずれか一項に記載の化合物。
  34. Arが下式:
    Figure 2006512351
    [式中、
    RSOは独立にスルホニル置換基であり;かつ、
    R3N、R4N、R5N、R6NおよびR7Nは各々独立にインドリル置換基である]
    の基である、請求項1〜33のいずれか一項に記載の化合物。
  35. RSOがC1-7アルキル、C3-20ヘテロシクリル、またはC5-20アリールであり、場合により置換されていてもよい、請求項34に記載の化合物。
  36. RSOがC5-20アリールであり、場合により置換されていてもよい、請求項34に記載の化合物。
  37. RSOがC5-10アリールであり、場合により置換されていてもよい、請求項34に記載の化合物。
  38. RSOがC5-10カルボアリールであり、場合により置換されていてもよい、請求項34に記載の化合物。
  39. RSOがフェニルまたはナフチルであり、場合により置換されていてもよい、請求項34に記載の化合物。
  40. RSOがナフチルであり、場合により置換されていてもよい、請求項34に記載の化合物。
  41. RSOがC5-6カルボアリールであり、場合により置換されていてもよい、請求項34に記載の化合物。
  42. RSOがC5-6アリールであり、場合により置換されていてもよい、請求項34に記載の化合物。
  43. RSOがフェニルであり、場合により置換されていてもよい、請求項34に記載の化合物。
  44. RSO
    Figure 2006512351
    [式中、pは0〜5の整数であり、かつ、RPは各々フェニル置換基である、請求項34に記載の化合物。
  45. RSO
    Figure 2006512351
    [式中、qは0〜3の整数であり;rは0〜4の整数であり;かつ、RPは各々ナフチル置換基である]
    から選択される、請求項34に記載の化合物。
  46. RPが各々独立に
    ヒドロキシ(-OH);
    ハロ;
    シアノ(-CN);
    カルボキシ(-COOH);
    アジド;
    エステル;
    アミノ
    (アミノ-C1-7アルキル-アミノを含む);
    C1-7アルキル
    (ハロ-C1-7アルキル;
    アミノ-C1-7アルキル;
    カルボキシ-C1-7アルキル;
    ヒドロキシ-C1-7アルキル;
    C5-20アリール-C1-7アルキルを含む);
    エーテル
    (C1-7アルコキシ;
    ハロ-C1-7アルコキシ;
    アミノ-C1-7アルコキシ;
    カルボキシ-C1-7アルコキシ;
    ヒドロキシ-C1-7アルコキシ;
    C5-20アリール-C1-7アルコキシを含む);
    アシル
    (C1-7アルキル-アシル;
    ハロ-C1-7アルキル-アシル;
    アミノ-C1-7アルキル-アシル;
    カルボキシ-C1-7アルキル-アシル;
    ヒドロキシ-C1-7アルキル-アシルを含む);
    C5-20アリール-C1-7アルキル-アシル;
    C5-20アリール-アシル;
    C5-20アリール
    から選択される、請求項44または45に記載の化合物。
  47. RPが各々独立に
    -OH;
    -F、-Cl、-Br、-I;
    -CN;
    -COOH;
    -N3
    -COOMe、-COOEt、-COOtBu、-COOPh、-COOCH2Ph;

    -NH2、-NHMe、-NHEt、-NMe2、-NEt2
    ピペリジノ、モルホリノ、ピペラジノ、N-メチル-ピペラジノ;
    -NH(CH2)w-NH2、-NH(CH2)w-NHMe、-NH(CH2)w-NMe2、-NH(CH2)w-NEt2

    -Me、-Et、-nPr、-iPr、-nBu、-iBu、-sBu、-tBu;
    -CH2F、-CH2Cl、-CF3、-CCl3、-CF2CF3、-CH2CF3、-C(CF3)3
    -(CH2)w-NH2、-(CH2)w-NHMe、-(CH2)w-NMe2、-(CH2)w-NEt2
    -(CH2)w-COOH;
    -(CH2)w-OH;
    -CH2Ph;

    -OMe、-OEt、-OnPr、-OiPr、-OnBu、-OiBu、-OsBu、-OtBu;
    -OCH2F、-OCH2Cl、-OCF3、-OCCl3、-OCF2CF3、-OCH2CF3、-OC(CF3)3
    -O(CH2)w-NH2、-O(CH2)w-NHMe、-O(CH2)w-NMe2、-O(CH2)w-NEt2
    -O(CH2)w-COOH;
    -O(CH2)w-OH;
    -OCH2Ph;

    -C(=O)Me、-C(=O)Et、-C(=O)-nPr、-C(=O)-iPr、-C(=O)-nBu、-C(=O)-iBu、-C(=O)-sBu、-C(=O)-tBu;
    -C(=O)CH2F、-C(=O)CH2Cl、-C(=O)CF3、-C(=O)CCl3、-C(=O)CF2CF3、-C(=O)CH2CF3、-C(=O)C(CF3)3
    -C(=O)(CH2)w-NH2、-C(=O)(CH2)w-NHMe、-C(=O)(CH2)w-NMe2、-C(=O)(CH2)w-NEt2
    -C(=O)(CH2)w-COOH;
    -C(=O)(CH2)w-OH;
    -C(=O)CH2Ph;

    -Ph;
    から選択され、wが1〜7の整数である、請求項44または45に記載の化合物。
  48. RPが各々独立に-F、-Cl、-Br、-I、-Me、-Et、-OMe、-OEtから選択される、請求項44または45に記載の化合物。
  49. RPが各々独立に-F、-Me、-OMeから選択される、請求項44または45に記載の化合物。
  50. R3N、R4N、R5N、R6NおよびR7Nが各々独立に-Hであるか、またはRPに関して定義した通りである、請求項34〜49のいずれか一項に記載の化合物。
  51. R3N、R4N、R5N、R6NおよびR7Nが各々独立に-H、-F、-Cl、-Br、-I、-Me、-Et、-OMe、-OEtから選択される、請求項34〜49のいずれか一項に記載の化合物。
  52. R3N、R4N、R5N、R6NおよびR7Nが各々独立に-H、-F、-OMeから選択される、請求項34〜49のいずれか一項に記載の化合物。
  53. R3Nが-Hである、請求項34〜52のいずれか一項に記載の化合物。
  54. R4NおよびR7Nが各々-Hである、請求項34〜52のいずれか一項に記載の化合物。
  55. R3N、R4NおよびR7Nが各々-Hである、請求項34〜52のいずれか一項に記載の化合物。
  56. R4N、R6NおよびR7Nが各々-Hである、請求項34〜52のいずれか一項に記載の化合物。
  57. R3N、R4N、R6NおよびR7Nが各々-Hである、請求項34〜52のいずれか一項に記載の化合物。
  58. R4N、R5NおよびR7Nが各々-Hである、請求項34〜52のいずれか一項に記載の化合物。
  59. R3N、R4N、R5NおよびR7Nが各々-Hである、請求項34〜52のいずれか一項に記載の化合物。
  60. R5N、R6NおよびR7Nが各々-Hである、請求項34〜52のいずれか一項に記載の化合物。
  61. R3N、R5N、R6NおよびR7Nが各々-Hである、請求項34〜52のいずれか一項に記載の化合物。
  62. R4N、R5NおよびR6Nが各々-Hである、請求項34〜52のいずれか一項に記載の化合物。
  63. R3N、R4N、R5NおよびR6Nが各々-Hである、請求項34〜52のいずれか一項に記載の化合物。
  64. R3N、R4N、R5N、R6NおよびR7Nが各々-Hである、請求項34〜52のいずれか一項に記載の化合物。
  65. 化合物SIQ-001、ならびにその医薬上許容される塩、エステル、アミド、溶媒和物、水和物、および保護された形態。
  66. 化合物SIQ-002、ならびにその医薬上許容される塩、エステル、アミド、溶媒和物、水和物、および保護された形態。
  67. 化合物SIQ-003、ならびにその医薬上許容される塩、エステル、アミド、溶媒和物、水和物、および保護された形態。
  68. 化合物SIQ-004、ならびにその医薬上許容される塩、エステル、アミド、溶媒和物、水和物、および保護された形態。
  69. 化合物SIQ-005、ならびにその医薬上許容される塩、エステル、アミド、溶媒和物、水和物、および保護された形態。
  70. 化合物SIQ-006、ならびにその医薬上許容される塩、エステル、アミド、溶媒和物、水和物、および保護された形態。
  71. 化合物SIQ-007、ならびにその医薬上許容される塩、エステル、アミド、溶媒和物、水和物、および保護された形態。
  72. 化合物SIQ-008、ならびにその医薬上許容される塩、エステル、アミド、溶媒和物、水和物、および保護された形態。
  73. 化合物SIQ-009、ならびにその医薬上許容される塩、エステル、アミド、溶媒和物、水和物、および保護された形態。
  74. 化合物SIQ-010、ならびにその医薬上許容される塩、エステル、アミド、溶媒和物、水和物、および保護された形態。
  75. 化合物SIQ-011、ならびにその医薬上許容される塩、エステル、アミド、溶媒和物、水和物、および保護された形態。
  76. 化合物SIQ-012、ならびにその医薬上許容される塩、エステル、アミド、溶媒和物、水和物、および保護された形態。
  77. 化合物SIQ-013、ならびにその医薬上許容される塩、エステル、アミド、溶媒和物、水和物、および保護された形態。
  78. 請求項1〜77のいずれか一項に記載の化合物と医薬上許容される担体または希釈剤とを含んでなる、組成物。
  79. ヒトまたは動物身体の処置方法に用いるための、請求項1〜77のいずれか一項に記載の化合物。
  80. 増殖性症状の処置に用いるための薬剤の製造のための、請求項1〜77のいずれか一項に記載の化合物の使用。
  81. 癌の処置に用いるための薬剤の製造のための、請求項1〜77のいずれか一項に記載の化合物の使用。
  82. 結腸癌または腎臓癌の処置に用いるための薬剤の製造のための、請求項1〜77のいずれか一項に記載の化合物の使用。
  83. チオレドキシン/チオレドキシンレダクターゼにより媒介される症状の処置に用いるための薬剤の製造のための、請求項1〜77のいずれか一項に記載の化合物の使用。
  84. 増殖性症状の処置方法であって、該症状を患う被験体に治療上有効な量の、請求項1〜77のいずれか一項に記載の化合物を投与することを含む、方法。
  85. 癌の処置方法であって、該癌を患う被験体に治療上有効な量の、請求項1〜77のいずれか一項に記載の化合物を投与することを含む、方法。
  86. 結腸癌または腎臓癌の処置方法であって、該癌を患う被験体に治療上有効な量の、請求項1〜77のいずれか一項に記載の化合物を投与することを含む、方法。
  87. チオレドキシン/チオレドキシンレダクターゼにより媒介される症状の処置方法であって、治療上有効な量の、請求項1〜77のいずれか一項に記載の化合物を投与することを含む、方法。
  88. in vitroまたはin vivoにおいて細胞内でチオレドキシン/チオレドキシンレダクターゼを阻害する方法であって、該細胞を有効量の、請求項1〜77のいずれか一項に記載の化合物と接触させることを含む、方法。
  89. in vitroまたはin vivoにおいて細胞増殖を調節する方法であって、細胞を有効量の、請求項1〜77のいずれか一項に記載の化合物と接触させることを含む、方法。
  90. in vitroまたはin vivoにおいて(a)細胞増殖を阻害する方法;(b)細胞周期の進行を阻害する方法;(c)アポトーシスを促進する方法;または(d)これらの1以上の組合せであって、細胞を有効量の、請求項1〜77のいずれか一項に記載の化合物と接触させることを含む、方法。
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