JP2006512086A - スタチンおよびスタチン中間体の合成のための酵素化学的方法 - Google Patents

スタチンおよびスタチン中間体の合成のための酵素化学的方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、新規なアルドラーゼ、前記をコードする核酸、並びに前記の製造および使用方法(β,δ-ジヒドロキシヘプタン酸側鎖を製造する酵素化学的プロセスを含む)、並びにこれら側鎖、例えば[R-(R*,R*)]-2-(4-フルオロフェニル)-b,d-ジヒドロキシ-5-(1-メチルエチル)-3-フェニル-4-(フェニルアミノ)-カルボニル]-1H-ピロール-1-ヘプタン酸(アトルバスタチン、LIPITOR(登録商標))、ロスバスタチン(CRESTOR(登録商標))、フルバスタチン(fluvastatin)(LESCOL(登録商標))、関連化合物および前記の中間体を含む組成物を提供する。

Description

本発明は合成有機医化学および薬学の分野に関する。特に本発明は、新規なアルドラーゼ、それをコードする核酸、その製造および使用方法(β,δ-ジヒドロキシヘプタン酸側鎖の酵素化学的製造方法を含む)、並びに前記側鎖を含む組成物、例えば(R)-エチル-4-シアノ-3-ヒドロキシブチレート(アトルバスタチン、LIPITOR(登録商標))、レスバスタチン(CRESTOR(登録商標))、フルバスタチン(LESCOL(登録商標))、関連化合物、例えばスタチンおよび前記の中間体を提供する。
製薬市場におけるキラル薬剤の重要性は年々増している。市場の単一立体異性体はより安全であることが証明された。前記は副作用が少なく、非キラル薬剤がこれまでにもたらすことができたものよりも強力である。今や製薬会社はキラル薬剤の市場取引の実現性を考えることが可能であるという事実は、部分的には合成化学の技術者の能力が不整結合の構築で高度な鏡像体過剰を得ることができるようになったことによる。
[R-(R*,R*)]-2-(4-フルオロフェニル)-b,d-ジヒドロキシ-5-(1-メチルエチル)-3-フェニル-4-(フェニルアミノ)-カルボニル]-1H-ピロール-1-ヘプタン酸(アトルバスタチン(atorvastatin)、LIPITOR(登録商標)))(この構造は図5に示されている)は、スタチンと称される薬剤クラスに属する。スタチンは、HMG-CoAレダクターゼ(HMG-CoAのメバロネートへの変換を触媒する酵素)を阻害することによって総コレステロールおよびLDLレベルを低下させる。アトルバスタチンはスタチンの中でもっとも強力である。アトルバスタチンは、大量生産には多大な労力を必要とするキラルβ,δ-ジヒドロキシヘプタン酸側鎖を含む。フルバスタチン(fluvastatin)(LESCOL(登録商標))は水溶性であり、3-ヒドロキシ-3-メチルグルタリル-コエンザイムA(HMG-CoA)レダクターゼの阻害を介して機能する。
アルドール付加反応(またはアルドール縮合)は、炭素-炭素結合を生成および分解させる基礎的な有機化学的方法である。アルドール縮合は2つの連続した立体中心を創出し、結果として4つの立体異性体を作出することができる。立体選択性に対するある程度の制御は、金属を用いて予め生成したエノラートを使用することによって達成することができる。しかしながら、これらの試薬は化学量論的であり、過剰な保護基が要求される。例えば以下を参照されたい:C.H. Heathcock, Adrichim. Acta 23:99 (1990); C.H. Heathcock, Science 214:395 (1981); D.A. Evans, Science 240:420 (1988); S. Masamune et al., Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 24:1 (1985); D.A. Evans et al., Top. Stereochem. 13:1 (1982); C.H. Heathcock et al., in Comprehensive Organic Synthesis, B.M. Trost, Ed. (Pregamon, Oxford, 1991) vol 2, pp.133-319 (1991); I. Paterson, Pure & Appl. Chem. 64:1821 (1992)。
エナンチオ選択性はキラルエノール誘導体、キラルアルデヒドもしくはケトンまたはその両者を用いることによって得ることができる。しかしながら、触媒抗体の最近の研究によって、分割により鏡像体として純粋なアルドールを得る道が開かれた。したがって、いくつかの反応の場合、複雑な中間体の問題は、より一般的な不活性な抗原ではなく比較的反応性が高い化合物を用いて動物を免疫するか、または抗体誘発プロセスが結合部位での実際的な化学反応を含むように抗体をライブラリーから選択することによって解決することができる。例えば以下を参照されたい:C.F. Barbas III, et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 88:7978 (1991); K.D. Janda et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 191:2532 (1994)。続いてこの同じ反応は、前記抗体が基質(前記抗体の誘発に用いた抗原と化学反応性を共有する)と反応するとき触媒メカニズムの一部分となる。
アルドラーゼによるアルドール縮合のメカニズムの特徴はよく調べられている(C.Y. Lai et al., Science 183:1204 (1974); A.J. Morris et al., Biochemistry 33:12291 (1994))。酵素、2-デオキシリボース-5-ホスフェートアルドラーゼ(DERA)は、in vivoでアセトアルデヒドおよびD-グリセルアルデヒド3-ホスフェートの可逆的アルドール反応を触媒してD-2-デオキシリボース-5-ホスフェート(DNAの糖部分)を生成する。結果として、このタイプIアルドラーゼは自然界に広く分布している。2つのアルデヒドを基質として許容するのはこのアルドラーゼだけである。最近の研究によって、ある種のDERA-触媒反応では、第一のアルドール縮合生成物は、DERAまたは別のアルドラーゼによって触媒される第二のアルドール縮合のための受容基質となることができることが示された。したがって、DERAおよび他のアルドラーゼは、単純な非キラル基質から出発して多数のキラル中心をもつ生成物を生じる連続的アルドール縮合のために組み合わせて用いることができる(H. Gijsen, C.-H. Wong, JACS 117:7585-7591)。この酵素は、広範囲の生物学的に潜在的活性を有する化合物を得る経路、例えばデオキシ糖(例えばデオキシリボース、2-デオキシフコース類似体および13C置換D-2-デオキシリボース-5-ホスフェートの合成)を提供することができる。例えば米国特許5,795,749号を参照されたい。これはまた、図6に示すように種々のキラルアルデヒドを得るための経路を提供する。
発明の要旨
本発明は、β,δ-ジヒドロキシヘプタン酸側鎖を製造する酵素化学的方法および前記側鎖を含む組成物、例えばスタチンを提供する。本発明は、キラルβ,δ-ジヒドロキシヘプタン酸側鎖(β,δ-ジヒドロキシヘプタン酸側鎖コアを含む組成物を含む)のエナンチオマー選択的アッセンブリングのための方法を提供する。前記組成物は、例えばスタチン、例えば [R-(R*,R*)]-2-(4-フルオロフェニル)-b,d-ジヒドロキシ-5-(1-メチルエチル)-3-フェニル-4-(フェニルアミノ)-カルボニル]-1H-ピロール-1-ヘプタン酸(アトルバスタチン(atorvastatin)、LIPITOR(登録商標))、ロスバスタチン(CRESTOR(登録商標))、フルバスタチン(fluvastatin)(LESCOL(登録商標))、関連化合物および前記の誘導体である。ある特徴では、前記方法は、低コスト原料からただ1回の変換によりアトルバスタチンおよび/またはロスバスタチン、およびβ,δ-ジヒドロキシヘプタン酸側鎖含有中間体の両方の立体性中心のエナンチオ選択的合成を提供する。
本発明は、図7に中間体(II)として示される式を有する化合物の製造方法を提供する。前記方法は以下の工程を含む:(a)アルドール供与基質を提供する工程;(b)アルドール受容基質を提供する工程;(c)アルドラーゼを提供する工程;(d)工程(a)のアルドール供与基質、工程(b)のアルドール受容基質および工程(c)のアルドラーゼを、前記アルドラーゼが工程(a)および(b)の基質間のアルドール縮合を触媒する条件下で混合する工程。それによって図7に中間体(II)として示される構造を含む化合物を生成することができる。ある特徴では、前記アルドール受容基質はアルデヒドを含む。ある特徴では、前記アルデヒドアルドール受容基質は図7にアルデヒド(III)として示される構造を含む。ある特徴では、図7のアルデヒド(III)のRは、水素基、C1−C4アルコキシ基、ハロゲン、シアン基およびアジド基から成る群から選択される。ある特徴では、図7のアルデヒド(III)のRはコリンであり、アルデヒド(III)はクロロアセトアルデヒドである。
ある特徴では、本方法はさらに、図7の中間体(II)をβ,δ-ジヒドロキシヘプタン酸側鎖を含む化合物に変換することを含む。ある特徴では、β,δ-ジヒドロキシヘプタン酸側鎖を含む化合物は図7の式(I)で示される構造を含む。ある特徴では、前記アルドラーゼは2-デオキシリボース-5-ホスフェートアルドラーゼ(DERA)、例えば組換え2-デオキシリボース-5-ホスフェートアルドラーゼ(DERA)である。ある特徴では、前記アルドラーゼは、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号30で示されるポリペプチドを含む。ある特徴では、前記アルドラーゼは、本発明のポリペプチドまたは本発明の核酸によってコードされるポリペプチドを含む。
ある特徴では、アルドール供与基質はアセトアルデヒドを含む。ある特徴では、アルドール供与基質はアセトアルデヒドを含み、アルドール受容基質はアルデヒドを含む。ある特徴では、アセトアルデヒドはアルデヒドに対して化学量論的に過剰に存在する。ある特徴では、工程(d)の反応は光の非存在下で実施される。ある特徴では、工程(d)の反応は約5℃から約45℃の範囲を含む温度および約6.5から8.5のpH値で実施される。
ある特徴では、本方法はさらに図7の中間体(II)をラクトン化合物に変換することを含む。ある特徴では、ラクトンはクロロ-ラクトン、例えば6-クロロ-2,4,6-トリデオキシエリスロ-ヘキソノラクトンである。ある特徴では、前記ラクトンは結晶質である。ある特徴では、前記結晶質ラクトンは再結晶化によって精製される。
ある特徴では、6-クロロ-2,4,6-トリデオキシエリスロ-ヘキソノラクトン(図9のクロロ-ラクトン(VI))の生成は、例えば図9に示されているように臭素(Br2)、BrCO3および水を含む酸化条件下(臭素/炭酸バリウム酸化)で実施される。ある特徴では、本方法は、酢酸(HOAc)中の次亜塩素酸ナトリウム(NaOCl)および水を含む臭素/炭酸バリウム酸化を含む。
ある特徴では、本方法はさらにラクトン化合物を図10に中間体(VIII)として示される化合物へ変換することを含む。ある特徴では、前記方法はさらにクロロ-ラクトンを図10にラクトン(IX)として示される化合物へ変換することを含む。ある特徴では、前記クロロ-ラクトンは、ラクトンのクロロ基がシアン基CNで置き換えられる条件下で前記クロロ-ラクトンをシアン置換に付すことによって、図10にラクトン(IX)として示される化合物に変換される。
ある特徴では、前記方法はさらにラクトン(IX)を図10の中間体(VII)へ変換することを含む。ある特徴では、前記ラクトン(IX)は、メタノールおよびダウエックスまたはメタノールおよびK2CO3による処理を含む条件下で図10の中間体(VII)に変換される(前記条件下ではラクトン環が開環されて中間体(VII)が生成される)。ある特徴では、前記方法はさらに、中間体(VII)を図10の中間体(VIII)に変換することを含む。ある特徴では、前記方法はさらにラクトンを図7の式(I)を含む化合物にプロセッシングするすることを含む。
ある特徴では、全ての反応は単一反応容器中で実施される。ある特徴では、図7の中間体(II)は、図8の経路Iに中間体(II)として示される構造を有するクロロ-置換中間体である。ある特徴では、図8の経路Iの中間体(II)は、CN-置換、ラクタール酸化およびニトリル還元を含むプロセスによってラクトンに変換される。
ある特徴では、図8の経路Iの中間体(II)は、臭素/炭酸バリウム酸化によるクロロラクトンへの変換を含む工程によってラクトンに変換される。前記臭素/炭酸バリウム酸化を用いる方法は、図9に示されるように酢酸(HOAc)中の次亜塩素酸ナトリウム(NaOCl)と水による酸化を含むことができる。
ある特徴では、図7の中間体(II)は、図8の経路IIに中間体(II)として示される構造を有するシアン置換中間体である。ある特徴では、図8の経路IIの中間体(II)は、ラクタール酸化およびニトリル還元を含む工程によってラクトンに変換される。ある特徴では、中間体(II)は、図8の経路IIIに中間体(II)として示される構造を有するN3-置換中間体である。ある特徴では、図8の経路IIIの中間体(II)は、ラクタール酸化およびアジド還元を含む工程によってラクトンに変換される。
ある特徴では、本方法はさらに、図7の中間体(II)を含む化合物(式中Rはハロゲンである)を酸化して、3R,5S-6-クロロ-2,4,6-トリデオキシ-エリスロ-ヘキソノラクトン(図14の式(I))を含む化合物を生成することを含む。ある特徴では、前記酸化条件は、CN置換、ラクタール酸化およびニトリル酸化を含む。ある特徴ではRは塩素である。
ある特徴では、本方法はさらに、3R,5S-6-クロロ-2,4,6-トリデオキシ-エリスロ-ヘキソノラクトンを処理して(3R,5R)-6-シアノ-3,5-ジヒドロキシヘキサン酸(図14の化合物(I))を生成することを含む。ある特徴では、前記工程は開環を含む。ある特徴では、前記工程はシアン化物による開環を含む。ある特徴では、本方法はさらに、(3R,5R)-6-シアノ-3,5-ジヒドロキシヘキサン酸(図14の化合物(I))をプロセッシングして、[R-(R*,R*)]-2-(4-フルオロフェニル)-b,d-ジヒドロキシ-5-(1-メチルエチル)-3-フェニル-4-(フェニルアミノ)-カルボニル]-1H-ピロール-1-ヘプタン酸(アトルバスタチン、LIPITOR(登録商標))を生成することを含む。ある特徴では、前記方法はさらに、3R,5S-6-クロロ-2,4,6-トリデオキシ-エリスロ-ヘキソノラクトンをプロセッシングして、(3R,5S)- 3,5,6-トリドロキシヘキサン酸(図14の化合物(II))を生成することを含む。ある特徴では、この工程は求核性置換を含む。ある特徴では、求核性置換工程は水酸化物、例えば水酸化ナトリウムの使用を含む。ある特徴では、前記方法はさらに、 (3R,5S)- 3,5,6-トリドロキシヘキサン酸(図14の化合物(II))をプロセッシングしてロスバスタチン(CRESTOR(登録商標))を生成することを含む。ある特徴では、前記方法はさらに、 (3R,5S)- 3,5,6-トリドロキシヘキサン酸(図14の化合物(II))をプロセッシングしてフルバスタチン(LESCOL(登録商標))を生成することを含む。
本発明は、[R-(R*,R*)]-2-(4-フルオロフェニル)-b,d-ジヒドロキシ-5-(1-メチルエチル)-3-フェニル-4-(フェニルアミノ)-カルボニル]-1H-ピロール-1-ヘプタン酸(アトルバスタチン、LIPITOR(登録商標))を製造する方法を提供する。前記方法は図14、図17および図18に示されるプロセスを含む。図18は、アトルバスタチン(LIPITOR(登録商標))中間体を製造する酵素化学的経路を含む本発明の方法を示す。本発明は、DERAを用いて(例えば本発明のDERAを用いて)図18に示される方法により図18の化合物(I)を製造する方法を提供する。本発明は、DERAを用いて(例えば本発明のDERAを用いて)図18に示される方法により図18の化合物(II)を製造する方法を提供する。本発明は、DERAを用いて(例えば本発明のDERAを用いて)図18に示される工程により図18の化合物(III)を製造する方法を提供する。本発明は、図18に示されるように、ジメチルオキシプロパン、MeOHおよびH2SO4を用いて図18の化合物(I)から図18の化合物(II)を製造する方法を提供する。本発明は、図18に示されるように、H2、ラニーニッケル、7NのNH3を46℃で用いて図18の化合物(II)から図18の化合物(III)を製造する方法を提供する。これらは安価な材料を用いる簡潔で単純な合成である。
本発明は、図14および図17に示される工程を含むロスバスタチン(CRESTOR(登録商標))を製造する方法を提供する。本発明は、図17に示される工程を含むロスバスタチン(CRESTOR(登録商標))およびフルバスタチン(LESCOL(登録商標))を製造する方法を提供する。
本発明は、流加バッチプロセスを用いる、図7に中間体(II)として示される式を有する化合物の製造方法を提供する。前記方法は以下の工程を含む:(a)アルドール供与基質を提供する工程;(b)アルドール受容基質を提供する工程;(c)アルドラーゼを提供する工程;(d)前記アルドラーゼが工程(a)の基質および工程(b)の基質間でアルドール縮合反応を触媒することができる条件下で、工程(a)のアルドール供与基質、工程(b)のアルドール受容基質および工程(c)のアルドラーゼを混合する工程であって、前記基質は、それらが添加されるのと同じ速さでそれらが消費されるような速度で少なくとも約30分から約12、15、18、21、24またはそれ以上の時間にわたって前記反応に供給される。ある特徴では、基質の1つはクロロアセトアルデヒドであり、それらの基質はそれらが添加されるのと同じ速さでそれらが消費されるような速度で前記反応に供給され、クロロアセトアルデヒドは阻害濃度に達しない。ある特徴では、それらの基質は、約1から10時間、または約2から8時間、または約2から4時間、または約2から3時間の範囲の時間にわたって前記反応に供給される。ある特徴では、前記方法はさらに、図7のように中間体(II)をプロセッシングしてアトルバスタチン(LIPITOR(登録商標))を製造することを含む。ある特徴では、前記方法はさらに、図7のように中間体(II)をプロセッシングしてロスバスタチン(CRESTOR(登録商標))および/またはフルバスタチン(LESCOL(登録商標))を製造することを含む。ある特徴では、前記アルドラーゼは2-デオキシリボース-5-ホスフェートアルドラーゼ(DERA)、例えば組換え2-デオキシリボース-5-ホスフェートアルドラーゼ(DERA)である。ある特徴では、前記アルドラーゼは配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号30で示されるポリペプチドを含む。ある特徴では、前記アルドラーゼは、本発明のポリペプチドまたは本発明の核酸によってコードされるポリペプチドを含む。
本発明は、次亜塩素酸ナトリウムを用いクロロラクトールを酸化してクロロラクトンを得ることを含む、3R,5S-6-クロロ-2,4,6-トリデオキシ-エリスロ-ヘキソノラクトン(図14の化合物(I))の製造方法を提供する。ある特徴では、前記クロロラクトールは粗クロロラクトールを含む。ある特徴では、前記クロロラクトールは氷酢酸に溶解され、さらに約1当量の次亜塩素酸ナトリウム水溶液が前記溶液に供給される。ある特徴では、約1当量の次亜塩素酸ナトリウム水溶液が前記溶液に約3時間にわたって供給される。
本発明は、図14および/または図15に示されるプロセスを含む3R,5S-6-クロロ-2,4,6-トリデオキシ-エリスロ-ヘキソノラクトン(図14の化合物(I))の製造方法を提供する。
本発明は、図16に示されるプロセスを用いてエポキシド(-(3R,5S)-3-ヒドロキシ-4-オキシラニル酪酸)(図16の構造(2))を製造する方法を提供する。ある特徴では、前記方法は、NaCN(例えば3当量のNaCN)、ジメチルホルムアミド(DMF)および水(例えば5%のH2O、5容積%の水を含むDMF)の使用を含む。別の特徴では、前記方法は、2.2当量のNaCN、水(例えば5%のH2O)を約20時間約40℃で使用することを含む。これらの方法は、中間体(3R,5R)-6-シアノ-3,5-ジヒドロキシヘキサン酸(保護側鎖中間体)を生成できる。ある特徴では、前記は一段階プロセスである。図16および図18の反応のある特徴では、ラクトン環は開環され、クロリドはヒドロキシドで置き換えられ再びエポキシド中間体を介してトリヒドロキシ酸にアクセスする。前記反応条件は2当量の水酸化ナトリウム水溶液を含むことができる。
本発明は、例えばエポキシド中間体-(3R,5S)-3-ヒドロキシ-4-オキシラニル酪酸を介する、図16および図18に示される工程を含む(3R,5S)-3,5,6-トリヒドロキシヘキサン酸の製造方法を提供する。ある特徴では、前記プロセスは水およびNaOHの使用を含む。ある特徴では、前記は一段階プロセスである。
ある特徴では、本発明はスタチン中間体を製造する一段階プロセスを提供し、前記プロセスは、図16および図18に示されるようにエポキシド中間体(例えば-(3R,5S)-3-ヒドロキシ-4-オキシラニル酪酸、図16の構造(2))を介しラクトン開環およびシアン置換を含む。ある特徴では、本発明は、図16および図18に示される工程を含む、(3R,5S)-3,5,6-トリヒドロキシヘキサン酸を製造する一段階プロセスを提供する。前記方法はさらに、アトルバスタチン(LIPITOR(登録商標))、ロスバスタチン(CRESTOR(登録商標))、フルバスタチン(LESCOL(登録商標))および関連化合物の合成を含むことができる。スタチン中間体の合成のための(例えばアトルバスタチン(LIPITOR(登録商標))、ロスバスタチン(CRESTOR(登録商標))、フルバスタチン(LESCOL(登録商標))および関連化合物の合成のための)例示的で完全な工程は図21に示されている。また別の特徴では、前記プロセスの種々の工程または工程全体が一段階プロセスである。
本発明は、配列番号5と少なくとも約10、15、20、25、30、35、40、45、50、75、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700またはそれ以上の残基にわたって少なくとも約50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上のまたは完全な(100%)配列同一性を有する核酸配列を含み、アルドラーゼ活性を有する少なくとも1つのポリペプチドをコードする単離または組換え核酸を提供し、さらに前記配列同一性は配列比較アルゴリズムを用いる分析によって、または目視精査によって決定される。
本発明は、配列番号7と少なくとも約10、15、20、25、30、35、40、45、50、75、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700またはそれ以上の残基にわたって少なくとも約50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上のまたは完全な(100%)配列同一性を有する核酸配列を含み、アルドラーゼ活性を有する少なくとも1つのポリペプチドをコードする単離または組換え核酸を提供し、さらに前記配列同一性は配列比較アルゴリズムを用いる分析によって、または目視精査によって決定される。
本発明は、配列番号9と少なくとも約10、15、20、25、30、35、40、45、50、75、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700またはそれ以上の残基にわたって少なくとも約63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上のまたは完全な(100%)配列同一性を有する核酸配列を含み、アルドラーゼ活性を有する少なくとも1つのポリペプチドをコードする単離または組換え核酸を提供し、さらに前記配列同一性は配列比較アルゴリズムを用いる分析によって、または目視精査によって決定される。
本発明は、配列番号11と少なくとも約10、15、20、25、30、35、40、45、50、75、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700またはそれ以上の残基にわたって少なくとも約91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上のまたは完全な(100%)配列同一性を有する核酸配列を含み、アルドラーゼ活性を有する少なくとも1つのポリペプチドをコードする単離または組換え核酸を提供し、さらに前記配列同一性は配列比較アルゴリズムを用いる分析によって、または目視精査によって決定される。
本発明は、配列番号13と少なくとも約10、15、20、25、30、35、40、45、50、75、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700またはそれ以上の残基にわたって少なくとも約74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上のまたは完全な(100%)配列同一性を有する核酸配列を含み、アルドラーゼ活性を有する少なくとも1つのポリペプチドをコードする単離または組換え核酸を提供し、さらに前記配列同一性は配列比較アルゴリズムを用いる分析によって、または目視精査によって決定される。
本発明は、配列番号15と少なくとも約10、15、20、25、30、35、40、45、50、75、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700またはそれ以上の残基にわたって少なくとも約83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上のまたは完全な(100%)配列同一性を有する核酸配列を含み、アルドラーゼ活性を有する少なくとも1つのポリペプチドをコードする単離または組換え核酸を提供し、さらに前記配列同一性は配列比較アルゴリズムを用いる分析によって、または目視精査によって決定される。
本発明は、配列番号17と少なくとも約10、15、20、25、30、35、40、45、50、75、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700またはそれ以上の残基にわたって少なくとも約58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上のまたは完全な(100%)配列同一性を有する核酸配列を含み、アルドラーゼ活性を有する少なくとも1つのポリペプチドをコードする単離または組換え核酸を提供し、さらに前記配列同一性は配列比較アルゴリズムを用いる分析によって、または目視精査によって決定される。
本発明は、配列番号19と少なくとも約10、15、20、25、30、35、40、45、50、75、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700またはそれ以上の残基にわたって少なくとも約54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上のまたは完全な(100%)配列同一性を有する核酸配列を含み、アルドラーゼ活性を有する少なくとも1つのポリペプチドをコードする単離または組換え核酸を提供し、さらに前記配列同一性は配列比較アルゴリズムを用いる分析によって、または目視精査によって決定される。
本発明は、配列番号21と少なくとも約10、15、20、25、30、35、40、45、50、75、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700またはそれ以上の残基にわたって少なくとも約99%、99.5%、99.8%またはそれ以上のまたは完全な(100%)配列同一性を有する核酸配列を含み、アルドラーゼ活性を有する少なくとも1つのポリペプチドをコードする単離または組換え核酸を提供し、さらに前記配列同一性は配列比較アルゴリズムを用いる分析によって、または目視精査によって決定される。
また別の特徴では、前記単離または組換え核酸は、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20または配列番号22に示される配列を含むポリペプチドをコードする。ある特徴では、これらポリペプチドはアルドラーゼ活性を有する。
ある特徴では、前記配列比較アルゴリズムはBLASTアルゴリズム、例えばBLASTバージョン2.2.2アルゴリズムである。ある特徴では、前記フィルタリング設定はblastall-p blastp d”nr pataa” F Fに設定され、他の全てのオプションは初期設定に設定される。
ある特徴では、アルドラーゼ活性は炭素-炭素結合形成の触媒作用を含む。ある特徴では、アルドラーゼ活性はアルドール縮合活性を含む。前記アルドール縮合は、アセトアルデヒドを含むアルドール供与基質およびアルデヒドを含むアルドール受容基質を有することができる。前記アルドール縮合はただ1つのキラリティをもつ生成物を生じることができる。ある特徴では、このアルドラーゼ活性はエナンチオ選択性である。アルドラーゼ活性は2-デオキシリボース-5-ホスフェートアルドラーゼ(DERA)活性を含むことができる。アルドラーゼ活性は、供与体としてのアセトアルデヒドおよび2(R)-ヒドロキシ-3-(ヒドロキシまたはメルカプト)-プロピオンアルデヒド誘導体の縮合の触媒作用を含み、2-デオキシ糖を生成することができる。アルドラーゼ活性は、供与体としてのアセトアルデヒドおよび2-置換アセトアルデヒド受容体の縮合の触媒作用を含み、4-置換-3-ヒドロキシブタン中間体を介して2,4,6-トリヘキソースを生成することができる。このアルドラーゼ活性は、基質として2つのアセトアルデヒドを用いてキラルアルデヒドの生成の触媒を含むことができる。アルドラーゼ活性は、キラルβ,δ-ジヒドロキシヘプタン酸側鎖のエナンチオ選択的構築活性を含むことができる。アルドラーゼ活性は、[R-(R*,R*)]-2-(4-フルオロフェニル)-b,d-ジヒドロキシ-5-(1-メチルエチル)-3-フェニル-4-(フェニルアミノ)-カルボニル]-1H-ピロール-1-ヘプタン酸(アトルバスタチンまたはLIPITOR(登録商標))、ロスバスタチン(CRESTOR(登録商標))および/またはフルバスタチン(LESCOL(登録商標))のコアのエナンチオ選択的構築活性を含むことができる。アルドラーゼ活性は、酸化工程により3R,5S-6-クロロ-2,4,6-トリデオキシ-エリスロ-ヘキサノラクトンの合成を含むことができる。
ある特徴では、本単離または組換え核酸は、熱安定性のアルドラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする。前記ポリペプチドは、約1℃から約5℃、約5℃から約15℃、約15℃から約25℃、約25℃から約37℃、約37℃から約95℃、約55℃から約85℃、約70℃から約95℃、または約90℃から約95℃、96℃、97℃またはそれ以上の範囲のいずれかの温度を含む条件下でアルドラーゼ活性を保持することができる。別の特徴では、前記単離または組換え核酸は、耐熱性のアルドラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする。前記ポリペプチドは、約1℃から約5℃、約5℃から約15℃、約15℃から約25℃、約25℃から約37℃、約37℃から約95℃、約55℃から約85℃、約70℃から約95℃、または約90℃から約95℃、96℃、97℃またはそれ以上の範囲のいずれかの温度に暴露した後アルドラーゼ活性を保持することができる。
ある特徴では、本ポリペプチドは、約pH6.5、pH6、pH5.5、pH5、pH4.5またはpH4を含む条件下でアルドラーゼ活性を保持することができる。別の特徴では、前記ポリペプチドは、約pH7、pH7.5、pH8.0、pH8.5、pH9、pH9.5、pH10、pH10.5またはpH11を含む条件下でアルドラーゼ活性を保持することができる。ある特徴では、前記ポリペプチドは、約pH6.5、pH6、pH5.5、pH5、pH4.5またはpH4を含む条件下に暴露した後アルドラーゼ活性を保持することができる。別の特徴では、前記ポリペプチドは、約pH7、pH7.5、pH8.0、pH8.5、pH9、pH9.5、pH10、pH10.5またはpH11を含む条件下に暴露した後アルドラーゼ活性を保持することができる。
ある特徴では、本単離または組換え核酸は、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19または配列番号21に示される配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする配列を含み、前記核酸はアルドラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする。前記核酸は、長さが、少なくとも約10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850残基または遺伝子若しくは転写物の完全長で、本明細書に記載するようにシグナル配列を含むものまたは含まないものもあり得る。ストリンジェントな条件は、本明細書に記載されるように、高度にストリンジェント、中程度にストリンジェント、また低度にストリンジェントであり得る。ストリンジェントな条件には、例えば0.2xSSC中で約65℃で約15分間洗浄することを含む洗浄工程を含むことができる。
本発明は、アルドラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸を特定する核酸プローブを提供する。前記プローブは、本発明の配列(例えば例示的な配列として配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19または配列番号21の配列)の少なくとも約10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850またはそれ以上の連続塩基を含み、前記プローブは結合またはハイブリダイゼーションによって前記核酸を特定する。前記プローブは、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19または配列番号21に示される配列の少なくとも約10から50、約20から60、約30から70、約40から80、約60から100の連続塩基を含むオリゴヌクレオチドを含む。
本発明は、アルドラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸を特定するための核酸プローブを提供する。前記プローブは、本発明の核酸、例えば配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19および/または配列番号21またはその部分配列と少なくとも約10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850またはそれ以上の連続残基の領域にわたって少なくとも約50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上のまたは完全な(100%)配列同一性を有する核酸を含む。前記配列同一性は配列比較アルゴリズムによる分析または目視精査によって決定される。
本発明は、アルドラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸を増幅するための増幅プライマー配列対を提供する。前記プライマー対は、本発明の配列またはそのフラグメントまたはは部分配列を含む核酸を増幅させることができる。ある特徴では、前記増幅プライマー配列対の一方またはその各々は、前記配列の少なくとも約10から50の連続する塩基、または前記配列の約12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24または25の連続する塩基を含むオリゴヌクレオチドを含む。
本発明は、第一のメンバーおよび第二のメンバーを含む増幅プライマー配列対を提供する。前記第一のメンバーは、本発明の核酸の最初(5'側)の約12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30またはそれ以上の残基によって示される配列を有し、さらに第二のメンバーは、前記第一のメンバーの相補鎖の最初(5'側)の約12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30またはそれ以上の残基によって示される配列を有する。
本発明は、本発明の増幅プライマー対を用いる増幅、例えばポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって生成されるアルドラーゼを提供する。本発明は、本発明の増幅プライマー対を用いる増幅、例えばポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によるアルドラーゼを製造する方法を提供する。ある特徴では、前記増幅プライマー対は、ライブラリー(例えば遺伝子ライブラリー、例えば環境ライブラリー)の核酸を増幅させる。
本発明は、アルドラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸を増幅する方法を提供する。前記方法は、本発明の核酸配列またはそのフラグメントまたは部分配列を増幅させることができる増幅プライマー対による鋳型核酸の増幅を含む。前記増幅プライマー対は本発明の増幅プライマー対であろう。
本発明は、本発明の核酸配列またはそのフラグメントまたは部分配列を含む発現カセットを提供する。ある特徴では、前記発現カセットは、プロモーターに機能的に連結された前記核酸を含むことができる。前記プロモーターはウイルスプロモーター、細菌プロモーター、哺乳動物プロモーターまたは植物プロモーターであり得る。ある特徴では、前記植物プロモーターは、ジャガイモ、イネ、トウモロコシ、コムギ、タバコまたはオオムギのプロモーターであろう。前記プロモーターは構成的プロモーターであってよい。構成的プロモーターはCaMV35Sを含むことができる。別の特徴では、プロモーターは誘導性プロモーターであろう。ある特徴では、プロモーターは組織特異的プロモーターまたは環境によって調節されるプロモーターまたは発生に応じて調節されるプロモーターであろう。したがって、前記プロモーターは例えば種子特異的、葉特異的、根特異的、茎特異的または離脱-誘導性プロモーターであり得る。ある特徴では、発現カセットはさらに植物または植物ウイルス発現ベクターを含むことができる。
本発明は、本発明の発現カセット(例えばベクター)または本発明の核酸を含むクローニングビヒクルを提供する。前記クローニングビヒクルはウイルスベクター、プラスミド、ファージ、ファージミド、コスミド、フォスミド、バクテリオファージまたは人工染色体であり得る。ウイルスベクターはアデノウイルスベクター、レトロウイルスベクター、アデノ付随ウイルスベクターを含むことができる。クローニングビヒクルは細菌の人工染色体(BAC)、プラスミド、バクテリオファージP1-由来ベクター(PAC)、酵母人工染色体(YAC)または哺乳動物人工染色体(MAC)を含むことができる。
本発明は、本発明の核酸または本発明の発現カセット(例えばベクター)または本発明のクローニングビヒクルを含む形質転換細胞を提供する。ある特徴では、前記形質転換細胞は、細菌細胞、哺乳動物細胞、真菌細胞、酵母細胞、昆虫細胞または植物細胞であり得る。ある特徴では、前記植物細胞はジャガイモ、コムギ、イネ、トウモロコシ、タバコまたはオオムギ細胞であり得る。
本発明は、本発明の核酸または本発明の発現カセット(例えばベクター)を含む非ヒト遺伝子導入(transgenic)動物を提供する。
本発明は、本発明の核酸または本発明の発現カセット(例えばベクター)を含むトランスジェニック植物を提供する。前記トランスジェニック植物はトウモロコシ、ジャガイモ、トマト、コムギ、ナタネ、アブラナ、ダイズ、イネ、オオムギまたはタバコの植物であろう。本発明は、本発明の核酸または本発明の発現カセット(例えばベクター)を含む遺伝子導入種子を提供する。前記遺伝子導入種子はトウモロコシ、コムギ、ナタネ、アブラナ(キャノーラ)、ダイズ、ヤシ、ヒマワリ、ゴマ、落花生またはタバコの種子であろう。
本発明は、本発明の核酸に相補的な核酸配列、または本発明の核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができる核酸配列を含むアンチセンスオリゴヌクレオチドを提供する。本発明は、細胞内のアルドラーゼメッセージの翻訳を阻害する方法を提供する。前記方法は、本発明の核酸に相補的な核酸配列または本発明の核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができる核酸配列を含むアンチセンスオリゴヌクレオチドを前記細胞に投与するか、または前記細胞で発現させることを含む。前記アンチセンスオリゴヌクレオチドは、長さが約10から50、約20から60、約30から70、約40から80、約60から100、約70から110、または約80から120塩基であり得る。
本発明はアルドラーゼの翻訳、例えば細胞内のアルドラーゼメッセージの翻訳を阻害する方法を提供する。前記方法は、本発明の核酸に相補的な核酸配列または本発明の核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができる核酸配列を含むアンチセンスオリゴヌクレオチドを前記細胞に投与するか、または前記細胞で発現させることを含む。本発明は、本発明の配列の部分配列を含む二本鎖の阻害性RNA(RNAi)分子を提供する。ある特徴では、前記RNAiは長さが約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25またはそれ以上のデュープレックスヌクレオチドである。本発明は、アルドラーゼ(例えば細胞内のアルドラーゼ)の発現を阻害する方法を提供する。前記方法は、二本鎖の阻害性RNA(RNAi)を前記細胞に投与するか、または前記細胞で発現させることを含み、前記RNAは本発明の配列の部分配列を含む。
本発明は、配列番号6と少なくとも約10、15、20、25、30、35、40、45、50、75、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700またはそれ以上の残基にわたって少なくとも約50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上のまたは完全な(100%)配列同一性を有する核酸配列を含む単離または組換えポリペプチドを提供し、前記配列同一性は配列比較アルゴリズムを用いる分析によって、または目視精査によって決定される。
本発明は、配列番号8と少なくとも約10、15、20、25、30、35、40、45、50、75、100、150、200、250、300またはそれ以上の残基にわたって少なくとも約50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上のまたは完全な(100%)配列同一性を有する核酸配列を含む単離または組換えポリペプチドを提供し、前記配列同一性は配列比較アルゴリズムを用いる分析によって、または目視精査によって決定される。
本発明は、配列番号10と少なくとも約10、15、20、25、30、35、40、45、50、75、100、150、200、250、300またはそれ以上の残基にわたって少なくとも約63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上のまたは完全な(100%)配列同一性を有する核酸配列を含む単離または組換えポリペプチドを提供し、前記配列同一性は配列比較アルゴリズムを用いる分析によって、または目視精査によって決定される。
本発明は、配列番号12と少なくとも約10、15、20、25、30、35、40、45、50、75、100、150、200、250、300またはそれ以上の残基にわたって少なくとも約91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上のまたは完全な(100%)配列同一性を有する核酸配列を含む単離または組換えポリペプチドを提供し、前記配列同一性は配列比較アルゴリズムを用いる分析によって、または目視精査によって決定される。
本発明は、配列番号14と少なくとも約10、15、20、25、30、35、40、45、50、75、100、150、200、250、300またはそれ以上の残基にわたって少なくとも約74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上のまたは完全な(100%)配列同一性を有する核酸配列を含む単離または組換えポリペプチドを提供し、前記配列同一性は配列比較アルゴリズムを用いる分析によって、または目視精査によって決定される。
本発明は、配列番号16と少なくとも約10、15、20、25、30、35、40、45、50、75、100、150、200、250、300またはそれ以上の残基にわたって少なくとも約83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上のまたは完全な(100%)配列同一性を有する核酸配列を含む単離または組換えポリペプチドを提供し、前記配列同一性は配列比較アルゴリズムを用いる分析によって、または目視精査によって決定される。
本発明は、配列番号18と少なくとも約10、15、20、25、30、35、40、45、50、75、100、150、200、250、300またはそれ以上の残基にわたって少なくとも約58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上のまたは完全な(100%)配列同一性を有し、アルドラーゼ活性を有する少なくとも1つのポリペプチドをコードする核酸配列を含む単離または組換えポリペプチドを提供し、さらに、前記配列同一性は配列比較アルゴリズムを用いる分析によって、または目視精査によって決定される。
本発明は、配列番号20と少なくとも約10、15、20、25、30、35、40、45、50、75、100、150、200、250、300またはそれ以上の残基にわたって少なくとも約54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上のまたは完全な(100%)配列同一性を有する核酸配列を含む単離または組換えポリペプチドを提供し、前記配列同一性は配列比較アルゴリズムを用いる分析によって、または目視精査によって決定される。
本発明は、配列番号22と少なくとも約10、15、20、25、30、35、40、45、50、75、100、150、200、250、300またはそれ以上の残基にわたって少なくとも約99%、99.5%、99.8%またはそれ以上のまたは完全な(100%)配列同一性を有する核酸配列を含む単離または組換えポリペプチドを提供し、前記配列同一性は配列比較アルゴリズムを用いる分析によって、または目視精査によって決定される。
本発明は、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19または配列番号21に示される配列を含む核酸によってコードされる単離または組換えポリペプチドを提供する。また別の特徴では、前記単離または組換えポリペプチドは、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20または配列番号22に示される配列を含む。ある特徴ではこれらのポリペプチドはアルドラーゼ活性を有する。
本発明の別の特徴は、本発明のポリペプチドまたはペプチド配列(例えば配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20または配列番号22)、前記と実質的に同一の配列、および前記と相補的な配列の少なくとも約10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95または100またはそれ以上の連続する塩基を含む単離または組換えポリペプチドまたはペプチドを提供する。前記ペプチドは例えば免疫原性フラグメント、モチーフ(例えば結合部位)、シグナル配列、プレプロ配列または活性部位であり得る。
ある特徴では、本発明の単離または組換えポリペプチドは(シグナル配列を含むものも含まないものも)、アルドラーゼ活性を有する。ある特徴では、前記アルドラーゼ活性は炭素-炭素結合形成の触媒を含む。ある特徴では、前記アルドラーゼ活性はアルドール縮合を含む。前記アルドール縮合は、アセトアルデヒドを含むアルドール供与基質およびアルデヒドを含むアルドール受容基質を有することができる。前記アルドール縮合は、ただ1つのキラルティをもつ生成物を生成することができる。ある特徴では、前記アルドラーゼ活性はエナンチオ選択性である。前記アルドラーゼ活性は2-デオキシリボース-5-ホスフェートアルドラーゼ(DERA)活性を含むことができる。前記アルドラーゼ活性は、供与体としてのアセトアルデヒドおよび2(R)-ヒドロキシ-3-(ヒドロキシまたはメルカプト)-プロピオンアルデヒド誘導体の縮合を触媒し、2-デオキシ糖を生成することを含むことができる。前記アルドラーゼ活性は、供与体としてのアセトアルデヒドおよび2-置換アセトアルデヒド受容体の縮合を触媒し、4-置換-3-ヒドロキシブタン中間体を介して2,4,6-トリヘキソースを生成することを含むことができる。前記アルドラーゼ活性は、基質として2つのアセトアルデヒドを用いてキラルアルデヒドの生成を触媒することを含むことができる。前記アルドラーゼ活性は、キラルβ,δ-ジヒドロキシヘプタン酸側鎖のエナンチオ選択的構築活性を含むことができる。前記アルドラーゼ活性は、[R-(R*,R*)]-2-(4-フルオロフェニル)-b,d-ジヒドロキシ-5-(1-メチルエチル)-3-フェニル-4-(フェニルアミノ)-カルボニル]-1H-ピロール-1-ヘプタン酸(アトルバスタチンまたはLIPITOR(登録商標))、ロスバスタチン(CRESTOR(登録商標))および/またはフルバスタチン(LESCOL(登録商標))のコアのエナンチオ選択的構築活性を含むことができる。前記アルドラーゼ活性は、酸化工程により3R,5S-6-クロロ-2,4,6-トリデオキシ-エリスロ-ヘキサノラクトンの合成を含むことができる。
ある特徴では、前記アルドラーゼ活性は熱安定性である。本発明のポリペプチドは、約1℃から約5℃、約5℃から約15℃、約15℃から約25℃、約25℃から約37℃、約37℃から約95℃の間、約55℃から約85℃の間、約70℃から約95℃の間、または約90℃から約95℃、96℃、97℃またはそれ以上の間の範囲にあるいずれかの温度を含む条件下でアルドラーゼ活性を保持することができる。別の特徴では、前記アルドラーゼ活性は耐熱性である。本発明のポリペプチドは、約1℃から約5℃、約5℃から約15℃、約15℃から約25℃、約25℃から約37℃、約37℃から約95℃の間、約55℃から約85℃の間、約70℃から約95℃の間、または約90℃から約95℃、96℃、97℃またはそれ以上の間の範囲にあるいずれかの温度に暴露した後アルドラーゼ活性を保持することができる。
ある特徴では、前記ポリペプチドは、約pH6.5、pH6、pH5.5、pH5、pH4.5またはpH4を含む条件下でアルドラーゼ活性を保持することができる。別の特徴では、前記ポリペプチドは、約pH7、pH7.5、pH8.0、pH8.5、pH9、pH9.5、pH10、pH10.5またはpH11を含む条件下でアルドラーゼ活性を保持することができる。ある特徴では、前記ポリペプチドは、約pH6.5、pH6、pH5.5、pH5、pH4.5またはpH4を含む条件下に暴露した後アルドラーゼ活性を保持することができる。別の特徴では、前記ポリペプチドは、約pH7、pH7.5、pH8.0、pH8.5、pH9、pH9.5、pH10、pH10.5またはpH11を含む条件下に暴露した後アルドラーゼ活性を保持することができる。
ある特徴では、前記単離または組換えポリペプチドは、シグナル配列および/またはプレプロドメインを欠く本発明のポリペプチドを含むことができる。ある特徴では、前記単離または組換えポリペプチドは、異種シグナル配列および/またはプレプロドメイン、例えば異種アルドラーゼまたは非アルドラーゼシグナル配列を含む本発明のポリペプチドを含むことができる。
ある特徴では、本発明は、本発明のポリペプチド(例えば例示的な配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22)の残基1から15、1から16、1から17、1から18、1から19、1から20、1から21、1から22、1から23、1から24、1から25、1から26、1から27、1から28、1から29、1から30、1から31、1から32、1から33、1から34、1から35、1から36、1から37、1から38、1から39、1から40、1から41、1から42、1から43、1から44に示される配列を含む/配列から成るペプチドを含むシグナル配列を提供する。
本発明は、配列番号18の残基1から22と少なくとも95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上のまたは完全な配列同一性を有するアミノ酸配列を含む単離または組換えペプチドを提供し、前記配列同一性は、配列比較アルゴリズムによる分析または目視精査によって決定される。これらのペプチドは、内因性アルドラーゼに対し、別のアルドラーゼに対し、または異種のタンパク質(非アルドラーゼ酵素または他のタンパク質)に対しシグナル配列として機能することができる。ある特徴では、本発明は、本発明のシグナル配列を含む第一のドメインおよび少なくとも第二のドメインを含むキメラタンパク質を提供する。前記タンパク質は融合タンパク質であり得る。前記第二のドメインは酵素を含むことができる。前記酵素はアルドラーゼであってよい。
本発明はキメラポリペプチドを提供する。このキメラポリペプチドは、シグナルペプチド(SP)、プレプロドメイン、触媒ドメイン(CD)または本発明のアルドラーゼの活性部位を含む少なくとも第一のドメイン、および異種ポリペプチドまたはペプチドを含む少なくとも第二のドメインを含み、前記異種ポリペプチドまたはペプチドは、天然の状態では前記シグナルペプチド(SP)、プレプロドメインまたは触媒ドメイン(CD)と結合していない。ある特徴では、異種ポリペプチドまたはペプチドはアルドラーゼではない。前記異種ポリペプチドまたはペプチドは、シグナルペプチド(SP)、プレプロドメインまたは触媒ドメイン(CD)のアミノ末端、カルボキシ末端またはその両端に存在し得る。
ある特徴では、アルドラーゼ活性は、37℃でタンパク質1ミリグラムにつき約1から約1200単位(U/mgタンパク質)、または約100から約1000U/mgタンパク質、または約200から約800U/mgタンパク質の範囲の比活性を含む。別の特徴では、前記アルドラーゼ活性は、約100から約1000U/mgタンパク質、または約500から約750U/mgタンパク質の範囲の比活性を含む。また別には、前記アルドラーゼ活性は、37℃で約1から約750 U/mgタンパク質、または約500から約1200U/mgタンパク質の範囲の比活性を含む。ある特徴では、前記アルドラーゼ活性は、37℃で約1から約500 U/mgタンパク質、または約750から約1000U/mgタンパク質の範囲の比活性を含む。別の特徴では、前記アルドラーゼ活性は、37℃で約1から約250 U/mgタンパク質の範囲の比活性を含む。あるいは、前記アルドラーゼ活性は、37℃で約1から約100 U/mgタンパク質の範囲の比活性を含む。
また別の特徴では、耐熱性は、高温に加熱した後37℃でアルドラーゼ比活性の少なくとも半分が保持されることを含む。また別には、耐熱性は、高温に加熱した後37℃で約1から約1200 U/mgタンパク質、または約500から約1000U/mgタンパク質の範囲の比活性が保持されることを含む。また別の特徴では、耐熱性は、高温に加熱した後37℃で約1から約500 U/mgタンパク質の範囲の比活性が保持されることを含む。
本発明は、少なくとも1つのグリコシル化部位を含む本発明の単離または組換えポリペプチドを提供する。ある特徴では、グリコシル化はN-結合グリコシル化であってよい。ある特徴では、前記ポリペプチドは、P. パストリス(pastoris)またはS. ポンベ(pombe)で発現した後でグリコシル化され得る。
本発明は、本発明のポリペプチドを含むタンパク質調製物を提供し、前記調製物は液体、固体またはゲルを構成する。
本発明は、本発明のポリペプチドおよび第二のタンパク質またはドメインを含むヘテロダイマーを提供する。前記へテロダイマーの第二のメンバーは別のアルドラーゼ、別の酵素または別のタンパク質であり得る。ある特徴では、前記第二のドメインはエピトープまたはタグであり得る。ある特徴では、本発明は、本発明のポリペプチドを含むホモダイマーを提供する。
本発明はアルドラーゼ活性を有する固定化されたポリペプチドを提供する。前記ポリペプチドは、本発明のポリペプチド、本発明の核酸によってコードされたポリペプチド、または本発明のポリペプチドと第二のドメインを含むポリペプチドを含む。ある特徴では、前記ポリペプチドは細胞、金属、樹脂、ポリマー、セラミック、ガラス、微小電極、石墨粒子、ビーズ、ゲル、プレート、アレイまたはキャピラリーに固定化することができる。
本発明は固定化ポリペプチドを含むアレイを提供する。前記ポリペプチドは本発明のアルドラーゼであるか、または本発明の核酸によってコードされるポリペプチドを含む。本発明は固定された本発明の核酸を含むアレイを提供する。本発明は固定された本発明の抗体を含むアレイを提供する。
本発明は、本発明のポリペプチドまたは本発明の核酸によってコードされたポリペプチドと特異的に結合する単離または組換え抗体を提供する。前記抗体はモノクローナル抗体またはポリクローナル抗体であり得る。本発明は、本発明の抗体を含むハイブリドーマを提供する。
本発明は、以下の工程を含むアルドラーゼ活性を有するポリペプチドを単離または特定する方法を提供する:(a)本発明の抗体を提供する工程;(b)ポリペプチドを含むサンプルを提供する工程;(c)前記抗体が前記ポリペプチドと特異的に結合し、それによってアルドラーゼを単離または特定できる条件下で工程(a)の抗体と工程(b)のサンプルを接触させる工程。本発明は、以下の工程を含む抗アルドラーゼ抗体を製造する方法を提供する:非ヒト動物に液性免疫反応を生じさせるために十分な量で本発明の核酸または本発明のポリペプチドを投与する工程であって、それによって抗アルドラーゼ抗体を製造する工程。
本発明は以下の工程を含む組換えポリペプチドを製造する方法を提供する:(a)プロモーターに機能的に連結された本発明の核酸を提供する工程;(b)前記ポリペプチドの発現を可能にする条件下で工程(a)の核酸を発現させ、それによって組換えポリペプチドを製造する工程。前記方法はさらに、宿主細胞を工程(a)の核酸で形質転換し、続いて工程(a)の核酸を発現させ、それによって形質転換細胞で組換えポリペプチドを製造することを含むことができる。前記方法はさらに、非ヒト宿主動物に工程(a)の核酸を挿入し、続いて工程(a)の核酸を発現させ、それによって前記非ヒト動物で組換えポリペプチドを製造することを含むことができる。
本発明は、以下の工程を含むアルドラーゼ活性を有するポリペプチドを同定定する方法を提供する:(a)本発明のポリペプチドまたは本発明の核酸によってコードされるポリペプチドまたはそのフラグメントもしくは変種を提供する工程;(b)アルドラーゼ基質を提供する工程;さらに(c)工程(a)のポリペプチドまたはそのフラグメントもしくは変種を工程(b)の基質と接触させ、基質の量の減少または反応生成物の量の増加を検出し、基質量の減少または反応生成物量の増加によってアルドラーゼ活性を有するポリペプチドを同定する工程。
本発明は、以下の工程を含むアルドラーゼ基質を特定する方法を提供する:(a)本発明のポリペプチドまたは本発明の核酸によってコードされるポリペプチドを提供する工程;(b)試験基質を提供する工程;さらに(c)工程(a)のポリペプチドを工程(b)の試験基質と接触させ、基質の量の減少または反応生成物の量の増加を検出し、基質量が減少または反応生成物量が増加すれば前記試験基質をアルドラーゼ基質と同定する工程。
本発明は、ある化合物がアルドラーゼと特異的に結合するか否かを決定する方法を提供する。前記方法は以下の工程を含む:(a)核酸または核酸を含むベクターを前記核酸のポリペプチドへの翻訳を許容する条件下で発現させるか(前記核酸または核酸を含むベクターは本発明の核酸または本発明のベクターを含む)、または本発明のポリペプチドを提供する工程;(b)試験化合物と前記ポリペプチドを接触させる工程;さらに(c)前記試験化合物が特異的に前記ポリペプチドと結合するか否かを決定し、それによって前記化合物がアルドラーゼと特異的に結合することを決定する。
本発明は、以下の工程を含むアルドラーゼ活性の調節物質を特定する方法を提供する:(a)本発明のポリペプチドまたは本発明の核酸によってコードされるポリペプチドを提供する工程;(b)試験化合物を提供する工程;(c)工程(a)のポリペプチドを工程(b)の試験化合物と接触させてアルドラーゼ活性を測定し、試験化合物の非存在下で測定されたアルドラーゼ活性と比較して試験化合物の存在下で測定されたアルドラーゼ活性の変化によって、前記試験化合物がアルドラーゼ活性を調節すると決定する工程。
ある特徴では、前記アルドラーゼ活性は、アルドラーゼ基質を提供すること、および、基質量の減少または反応生成物量の増加を検出することによって測定される。試験化合物非存在下での基質量または反応生成物量と比較したときの試験化合物存在下での基質量の減少または反応生成物量の増加により試験化合物をアルドラーゼの活性化因子と特定する。試験化合物非存在下での基質または反応生成物量と比較したときの試験化合物存在下での基質量の増加または反応生成物量の減少により試験化合物をアルドラーゼの阻害因子と特定する。
本発明は、プロセッサおよびデータ保存装置を含むコンピュータシステムを提供し、前記データ保存装置には本発明のポリペプチド配列または本発明の核酸配列が保存されている。
ある特徴では、前記コンピュータシステムはさらに配列比較アルゴリズムおよび保存された少なくとも1つのリファレンス配列を含むことができる。前記配列比較アルゴリズムは、多型性を表示するコンピュータプログラムを含むことができる。前記コンピュータシステムはさらに、配列における1つまたは2つ以上の特徴を特定するアイデンティファイアーを含むことができる。
本発明はコンピュータ読み取り可能媒体を提供し、前記媒体には、本発明のポリペプチド配列または本発明の核酸配列を含む配列が保存されている。
本発明は、以下の工程を含む配列の特徴を特定する方法を提供する:(a)配列内の1つまたは2つ以上の特徴を特定するコンピュータプログラムを用いて配列を読み取る工程(前記配列は本発明のポリペプチドまたは本発明の核酸配列を含む);および、(b)前記コンピュータプログラムにより前記配列の1つまたは2つ以上の特徴を同定する工程。
本発明は、以下の工程を含む第一の配列と第二の配列を比較する方法を提供する:(a)配列を比較するコンピュータプログラムを用いて第一の配列および第二の配列を読み取る工程(前記第一の配列は本発明のポリペプチド配列または本発明の核酸配列を含む);および、(b)第一の配列と第二の配列間の相違を前記コンピュータプログラムにより決定する工程。ある特徴では、第一の配列と第二の配列間の相違を決定する工程はさらに多型性を特定する工程を含むことができる。ある特徴では、前記方法はさらに、配列の1つまたは2つ以上の特徴を特定するアイデンティファイアー(identifier)(および前記アイデンティファイアーの使用)を含む。ある特徴では、前記方法は、コンピュータプログラムを用いて第一の配列の読み取ること、および前記配列の1つまたは2つ以上の特徴を同定することを含む。
本発明は、以下の工程を含む、環境サンプルからアルドラーゼ活性をもつポリペプチドをコードする核酸を単離または回収する方法を提供する:(a)アルドラーゼ活性をもつポリペプチドをコードする核酸の増幅のために増幅プライマー配列を提供する工程(前記プライマー対は本発明の核酸を増幅する能力を有する);(b)前記環境サンプルから核酸を単離するか、または前記サンプル内の核酸がハイブリダイゼーションのために前記増幅プライマー対に接近できるように前記環境サンプルを処理する工程;および、(c)工程(b)の核酸を工程(a)の増幅プライマー対と一緒にして前記環境サンプルの核酸を増幅し、それによって環境サンプルからアルドラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸を単離または回収する工程。ある特徴では、前記増幅プライマー配列対の各々は、本発明の核酸配列の少なくとも約10から50の連続する塩基を含むオリゴヌクレオチドを含む。ある特徴では、前記増幅プライマー配列対は本発明の増幅対である。
本発明は、以下の工程を含む環境サンプルからアルドラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸を単離または回収する方法を提供する:(a)本発明の核酸配列またはその部分配列を含むポリヌクレオチドプローブを提供する工程;(b)前記環境サンプルから核酸を単離するか、または前記サンプル内の核酸がハイブリダイゼーションのために工程(a)のポリヌクレオチドに接近できるように前記環境サンプルを処理する工程;(c)工程(b)の単離された核酸または処理された環境サンプルを工程(a)のポリヌクレオチドプローブと一緒にする工程;および、(d)工程(a)のポリヌクレオチドプローブと特異的にハイブリダイズする核酸を単離し、それによって前記環境サンプルからアルドラーゼ活性をもつポリペプチドをコードする核酸を単離または回収する工程。また別の特徴では、前記環境サンプルは水サンプル、液体サンプル、土壌サンプル、空気サンプルまたは生物学的サンプルを含む。また別の特徴では、前記生物学的サンプルは、細菌細胞、原虫細胞、昆虫細胞、酵母細胞、植物細胞、真菌細胞または哺乳動物細胞に由来する。
本発明は、以下の工程を含むアルドラーゼをコードする核酸の変種を作製する方法を提供する:(a)本発明の核酸を含む鋳型核酸を提供する工程;(b)前記鋳型核酸内の1つまたは2つ以上のヌクレオチドの改変、欠失または付加または前記の組合せを実施して前記鋳型核酸の変種を作製する工程。
ある特徴では、前記方法はさらに、変種核酸を発現させて変種アルドラーゼポリペプチドを生成することを含む。また別の特徴では、前記改変、付加または欠失は変異性PCR(error-prone PCR)、シャッフリング、オリゴヌクレオチド特異的変異導入、アッセンブリPCR、セクシュアルPCR変異導入、in vivo変異導入、カセット変異導入、再帰的アンサンブル変異導入、エクスポネンシャルアンサンブル変異導入、位置特異的変異導入、遺伝子再アッセンブリ、遺伝子部位飽和変異導入(GSSM)、合成連結再アッセンブリ(SLR)および/またはその組合せによって導入される。また別の特徴では、前記改変、付加または欠失は、組換え、再帰的配列組換え、ホスホチオエート修飾DNA変異導入、ウラシル含有鋳型による変異導入、ギャップ付加二重鎖変異導入、点ミスマッチ修復変異導入、修復欠損宿主株変異導入、化学変異導入、放射性変異導入、欠失変異導入、制限-選択変異導入、制限-精製変異導入、人工遺伝子合成、アンサンブル変異導入、キメラ核酸マルチマー生成および/またはその組合せによって導入される。
ある特徴では、前記方法は、鋳型核酸によってコードされるアルドラーゼの活性または安定性とは別のもしくは改変された活性または別のもしくは改変された安定性をもつアルドラーゼが得られるまで何度も繰り返される。ある特徴では、前記改変または別の活性は酸性条件下のアルドラーゼ活性であり、鋳型核酸によってコードされるアルドラーゼは酸性条件下では活性をもたない。ある特徴では、前記改変または別の活性は高温下でのアルドラーゼ活性であり、鋳型核酸によってコードされるアルドラーゼは高温下では活性をもたない。ある特徴では、前記方法は、鋳型核酸のコドン使用頻度とは異なるコドン使用頻度を示すアルドラーゼコード配列が得られるまで何度も繰り返される。前記方法は、鋳型核酸のメッセージ発現レベルまたは安定性レベルより高いまたは低いレベルを有するアルドラーゼ遺伝子が得られるまで何度も繰り返すことができる。
本発明は、アルドラーゼをコードする核酸内のコドンを改変して宿主細胞での前記の発現を高める方法を提供する。前記方法は以下の工程を含む:(a)アルドラーゼをコードする本発明の核酸を提供する工程;および、(b)工程(a)の核酸における非優先コドンまたは低優先コドンを同定し、前記コドンを優先コドンまたは置き換えられるコドンと同じアミノ酸のコードに中性的に用いられるコドンに置き換え(優先コドンは宿主細胞の遺伝子のコード配列において高頻度に表われるコドンであり、非優先または低優先コドンは宿主細胞の遺伝子のコード配列において低頻度表われるコドンである)、それによって前記核酸を改変して宿主細胞における前記の発現を増加させる工程。
本発明は、以下の工程を含む、アルドラーゼをコードする核酸内のコドンを改変する方法を提供する:(a)アルドラーゼをコードする本発明の核酸を提供する工程;および、(b)工程(a)の核酸のコドンを特定し、前記コドンを置き換えられるコドンと同じアミノ酸をコードする異なるコドンで置き換え、それによってアルドラーゼをコードする核酸内のコドンを改変する工程。
本発明は、以下の工程を含む、アルドラーゼをコードする核酸内のコドンを改変して宿主で前記核酸の発現を増加させる方法を提供する:(a)アルドラーゼをコードする本発明の核酸を提供する工程;および、(b)工程(a)の核酸内の非優先コドンまたは低優先コドンを同定し、前記コドンを置き換えられるコドンと同じアミノ酸をコードする優先コドンまたは中性的に使用されるコドンで置き換え(優先コドンは宿主細胞の遺伝子のコード配列において高頻度に表われるコドンであり、非優先または低優先は宿主細胞の遺伝子のコード配列において低頻度に表われるコドンである)、それによって前記核酸を改変して宿主細胞での前記核酸の発現を増加させる工程。
本発明は、以下の工程を含む、アルドラーゼをコードする核酸内のコドンを改変して宿主で前記核酸の発現を低下させる方法を提供する:(a)アルドラーゼをコードする本発明の核酸を提供する工程;さらに(b)工程(a)の核酸内の少なくとも1つの優先コドンを同定し、前記コドンを置き換えられるコドンと同じアミノ酸をコードする非優先コドンまたは低優先コドンで置き換え(優先コドンは宿主細胞の遺伝子のコード配列において高頻度にコドンであり、非優先または低優先は宿主細胞の遺伝子のコード配列において低頻度に表われるコドンである)、それによって前記核酸を改変して宿主細胞での前記核酸の発現を低下させる工程。また別の特徴では、前記宿主細胞は細菌細胞、心筋細胞、昆虫細胞、酵母細胞、植物細胞または哺乳動物細胞である。
本発明は、複数の改変アルドラーゼ活性部位または基質結合部位をコードする核酸のライブラリーを作製する方法を提供する(前記改変活性部位または基質結合部位は、第一の活性部位または第一の基質結合部位をコードする配列を含む第一の核酸に由来する)。前記方法は以下の工程を含む:(a)第一の活性部位または第一の基質結合部位をコードする核酸を提供する工程(前記第一の核酸配列は本発明の核酸を含む);(b)第一の核酸内の複数の標的コドンで天然に存在するアミノ酸変種をコードする一組の変異導入オリゴヌクレオチドを提供する工程;(c)前記一組の変異導入オリゴヌクレオチドを用いて、各アミノ酸コドンにおいて変異を導入された一連のアミノ酸変種をコードする、一組の活性部位または基質結合部位をコードする変種核酸を生成し、それによって複数の改変アルドラーゼ活性部位または基質結合部位をコードする核酸のライブラリーを作製する工程。また別の特徴では、前記方法は、最適化定方向進化システム、遺伝子部位飽和変異導入(GSSM)および合成連結再アッセンブリ(SLR)を含む方法によって工程(a)の第一の核酸を突然変異させることを含む。前記方法はさらに、変異性PCR、シャッフリング、オリゴヌクレオチド特異的変異導入、アッセンブリPCR、セクシュアルPCR変異導入、in vivo変異導入、カセット変異導入、再帰的アンサンブル変異導入、エクスポネンシャルアンサンブル変異導入、位置特異的変異導入、遺伝子再アッセンブリ、遺伝子部位飽和変異導入(GSSM)、合成連結再アッセンブリ(SLR)および/またはその組合せを含む方法によって、工程(a)の第一の核酸または変種を突然変異させることを含むことができる。前記方法はさらに、組換え、再帰的配列組換え、ホスホチオエート修飾DNA変異導入、ウラシル含有鋳型による変異導入、ギャップ付加二重鎖変異導入、点ミスマッチ修復変異導入、修復欠損宿主株変異導入、化学的変異導入、放射性変異導入、欠失変異導入、制限-選択変異導入、制限-精製変異導入、人工遺伝子合成、アンサンブル変異導入、キメラ核酸マルチマーの生成およびその組合せを含む方法によって、工程(a)の第一の核酸または変種を突然変異させることを含むことができる。
本発明は、以下の工程を含む小分子の製造方法を提供する:(a)小分子を合成または改変することができる複数の生合成酵素を提供する工程(前記酵素の1つは本発明の核酸によってコードされるアルドラーゼを含む);(b)工程(a)の酵素の少なくとも1つに対する基質を提供する工程;および、(c)複数の生物触媒反応を促進する条件下で工程(b)の基質を前記酵素と反応させて一連の生物触媒反応により小分子を生成する工程。
本発明は、以下の工程を含む小分子の改変方法を提供する:(a)本発明の核酸によってコードされるアルドラーゼ酵素を提供する工程;(b)小分子を提供する工程;および、(c)前記アルドラーゼ酵素によって触媒される酵素反応が促進される条件下で工程(a)の酵素を工程(b)の小分子と反応させ、それによってアルドラーゼ酵素反応により小分子を改変する工程。ある特徴では、前記方法は、工程(a)の酵素のための複数の小分子基質を提供し、それによってアルドラーゼ酵素により触媒される少なくとも1つの酵素反応によって生成される改変小分子のライブラリーを作製することを含む。ある特徴では、前記方法はさらに、前記酵素による複数の生物触媒反応を促進する条件下で複数の酵素を追加して、複数の酵素反応によって生成される改変小分子ライブラリーを作製することを含む。ある特徴では、前記方法はさらに、所望の活性を示す特定の小分子がライブラリー内に存在するか否かを決定するために前記ライブラリーをテストする工程を含む。前記ライブラリーのテスト工程はさらに、ライブラリー内の複数の改変小分子の一部分を生成するために用いられた生物触媒反応の1つ以外の全てを、所望の活性をもつ特定の改変小分子の有無について改変小分子の前記一部分をテストすることによって系統的に排除し、所望の活性をもつ特定の改変小分子を生成する少なくとも1つの特異的な生物触媒反応を特定する工程を含む。
本発明は、以下の工程を含むアルドラーゼ酵素の機能的フラグメントを決定する方法を提供する:(a)本発明のアミノ酸配列を含むアルドラーゼ酵素を提供する工程;および、(b)工程(a)の配列から複数のアミノ酸残基を欠失させ、アルドラーゼ活性について残余の配列をテストし、それによってアルドラーゼ酵素の機能的フラグメントを決定する工程。ある特徴では、前記アルドラーゼ活性は、アルドラーゼ基質を提供すること、および、基質量の減少または反応生成物量の増加を決定することによって測定される。ある特徴では、試験化合物の非存在下での基質量または反応生成物の量と比較して試験化合物の存在下での酵素基質量の減少または反応生成物量の増加によって、試験化合物がアルドラーゼ活性の活性化物質であると特定される。
本発明は、リアルタイム代謝フラックス分析によって新規なまたは改変された表現型の完全細胞操作のための方法を提供する。前記方法は以下の工程を含む:(a)細胞の遺伝的構成を改変することによって改変細胞を作製する工程(前記遺伝的構成は本発明の核酸を細胞に添加することによって改変される);(b)前記改変細胞を培養して複数の改変細胞を生成する工程;(c)工程(b)の細胞培養をリアルタイムでモニターすることによって前記細胞の少なくとも1つの代謝パラメーターを測定する工程;および、(d)工程(c)のデータを分析して、前記測定パラメーターが類似の条件下で未改変細胞での対応する測定値と異なるか否かを決定し、それによって細胞の操作によって作出された表現型をリアルタイム代謝フラックス分析で特定する工程。ある特徴では、前記細胞の遺伝的構成は、細胞内の配列の欠失もしくは改変または遺伝子発現のノックアウトを含む方法によって改変することができる。ある特徴では、前記方法はさらに、操作することによって新規に作出された表現型を含む細胞の選別を含むことができる。別の特徴では、前記方法は、前記選別細胞を培養し、それによって操作によって新規に作出された表現型を含む新規な細胞株を創出することを含むことができる。
本発明は、アルドラーゼポリペプチドの耐熱性または熱安定性を高める方法を提供する。前記方法は、アルドラーゼポリペプチドをグリコシル化し(前記ポリペプチドは本発明のポリペプチドの少なくとも30の連続するアミノ酸または本発明の核酸配列によってコードされるポリペプチドを含む)、それによって前記アルドラーゼポリペプチドの耐熱性または熱安定性を高める。ある特徴では、前記アルドラーゼ比活性は約37℃を超えて約95℃の範囲の温度で熱安定性または耐熱性であろう。
本発明は、細胞で組換えアルドラーゼポリペプチドを過剰発現させる方法を提供する。前記方法は、本発明の核酸または本発明の核酸配列(前記配列の同一性は配列比較アルゴリズムによる分析または目視精査によって決定される)を含むベクターを発現させることを含み、前記過剰発現は、高活性プロモーターの使用、二シストロン性ベクターの使用によって、または前記ベクターの遺伝子増幅によって達成される。
本発明は、以下の工程を含むトランスジェニック植物の作製方法を提供する:(a)異種核酸配列を前記細胞に導入し(前記異種核酸配列は本発明の核酸配列を含む)、それによって形質転換植物細胞を作製する工程;および、(b)前記形質転換細胞からトランスジェニック植物を作出する工程。ある特徴では、工程(a)はさらに、植物細胞のプロトプラストのエレクトロポレーションまたはマイクロインジェクションにより異種核酸配列を導入することを含むことができる。別の特徴では、工程(a)はさらに、DNA粒子ボンバーによって植物組織に直接異種核酸配列を導入することを含むことができる。また別には、工程(a)はさらに、アグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)宿主を用いて植物細胞DNAに異種核酸配列を導入することを含むことができる。ある特徴では、植物細胞はジャガイモ、トウモロコシ、イネ、コムギ、タバコまたはオオムギ細胞であり得る。
本発明は、以下の工程を含む植物細胞で異種核酸配列を発現させる方法を提供する:(a)プロモーターに機能的に連結された異種核酸配列で前記植物細胞を形質転換する工程(前記異種核酸配列は本発明の核酸を含む);(b)前記異種核酸配列が前記植物細胞で発現する条件下で植物を生成させる工程。本発明は、以下の工程を含む植物細胞で異種核酸配列を発現させる方法を提供する:(a)プロモーターに機能的に連結された異種核酸配列で前記植物細胞を形質転換する工程(前記異種核酸配列は本発明の核酸を含む);(b)前記異種核酸配列が前記植物細胞で発現する条件下で前記植物を生成させる工程。
本発明の1つまたは2つ以上の実施態様の詳細は添付の図面および下記の説明で示される。本発明のその他の特徴、目的および利点はこれらの記載および図面から、さらに特許請求の範囲から明らかになろう。
本明細書に引用した全ての刊行物、特許、特許出願、GenBank配列およびATCC寄託は引用により本明細書に含まれる。
発明の詳細な説明
本発明は、キラルβ,δ-ジヒドロキシヘプタン酸側鎖、[R-(R*,R*)]-2-(4-フルオロフェニル)-b,d-ジヒドロキシ-5-(1-メチルエチル)-3-フェニル-4-(フェニルアミノ)-カルボニル]-1H-ピロール-1-ヘプタン酸(アトルバスタチン、LIPITOR(登録商標))(図5)、ロスバスタチン(CRESTOR(登録商標))(図19)、フルバスタチン(LESCOL(登録商標))(図20)、関連化合物および前記の中間体の合成のための酵素化学的方法を提供する。本発明はまた、アトルバスタチン、ロスバスタチンおよびキラルβ,δ-ジヒドロキシヘプタン酸側鎖を有する関連化合物の中間体、ならびに前記を製造する方法を提供する。
本発明の酵素化学的方法は、アルドラーゼ活性を有する任意のポリペプチド(例えば酵素、触媒性抗体)、例えば配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号30(アルドラーゼ活性を有する本発明のポリペプチド、例えば例示的な配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22を含む)、または配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19および/または配列番号21に示される核酸によってコードされるポリペプチドを用いることができる。
本発明は、酵素によるアルドール縮合でアルドールを用いることによって多様な化合物のエナンチオ選択的合成を提供する。前記アルドラーゼは任意のアルドラーゼまたは本発明のアルドラーゼ(例えば典型的な配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22)であり得る。
本発明のポリペプチドは任意のアルドラーゼまたはリアーゼ活性を有し得る。本発明の酵素は任意のアルドラーゼの活性を有し得る。アルドラーゼはリアーゼと称される大きなグループの酵素の一部であり、全ての生物に存在する。in vivoでのアルドラーゼの機能は代謝物の分解性切断としばしば関係がある。例えば、本発明のアルドラーゼは炭素-炭素結合の形成を触媒し、ある特徴では高度に鏡像選択的な態様で前記形成を触媒することができる。また別の例として、本発明のポリペプチドは2-デオキシリボース-5-ホスフェートアルドラーゼ(DERA)活性を有し、前記はアセトアルデヒドとD-グリセルアルデヒド-3-ホスフェートとの間の可逆的アルドール反応を触媒して、D-2-デオキシリボース-5-ホスフェートを生成する。本発明のDERAアルドラーゼ活性は、2つのアルデヒドの可逆的不整アルドール付加反応を触媒することができる。本発明のポリペプチドのさらに別の例示的な活性は以下で述べる。
本発明の1つの特徴は、キラルβ,δ-ジヒドロキシヘプタン酸側鎖を製造する方法で2-デオキシリボース-5-ホスフェートアルドラーゼ(DERA)を用いる。本発明のDERAは、スタチン側鎖、例えばアトルバスタチン(LIPITOR(登録商標))および/またはロスバスタチン(CRESTOR(登録商標))側鎖および/またはフルバスタチン(LESCOL(登録商標))側鎖をアッセンブリングすることができる(前記は一方または両方の立体性中心の設定を含む)。前記アッセンブリングはある特徴では単一変換で達成される。低コスト出発物質を用いることが可能である。上記に記したように、アルドラーゼ活性を有する任意のポリペプチド(例えば酵素、触媒性抗体、例えば米国特許6,368,839号に記載されたようなもの)、例えば配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号30(本発明の例示的なアルドラーゼ、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22)を用いることができる。
本発明のある特徴では、図7に示されるように、アセトアルデヒドおよび式(III)のアルデヒドから式(II)の中間体のDERA-触媒合成が提供される。中間体(II)およびアルデヒド(III)では、R基は水素、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン(例えば塩素)またはアジド基であり得る。
本明細書で単独または別の基の部分として用いられる“アルコキシ”という用語は、酸素結合(-O-)を介して結合したアルキル基を指す。本明細書で単独または別の基の部分として用いられる“アルキル”という用語は、場合によって置換された直鎖および分枝鎖飽和炭化水素基を指し、ある特徴ではノルマル鎖に1から12の炭素を有する。前記の例示的な非置換基にはメチル、エチル、プロピル、iso-プロピル、n-ブチル、iso-ブチル、ヘキシル、iso-ヘキシル、ヘプチル、4,4-ジメチルペンチル、オクチルなどが含まれる。例示的な置換基には以下の基が含まれる:ハロ、アルコキシ、アルキルチオ、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヒドロキシもしくは保護ヒドロキシ、カルボキシル、アルキルオキシカルボニル、アミノ、モノもしくはジアルキルアミノ、またはチオール。本明細書で単独または別の基の部分として用いられる“ハロゲン”または“ハロ”という用語は、塩素、臭素、ヨウ素およびフッ素を指す。本明細書で単独または別の基の部分として用いられる“アジド”という用語はN3基を指す。本明細書で単独または別の基の部分として用いられる“シアノ”という用語は-C≡N基を指す。
ある特徴では、図7に示されるように、式(III)のアルデヒドがアセトアルデヒドおよびDERAと水性媒体中で混合され、反応混合物が形成される。ある特徴では、前記反応混合物は、特定のpH値および温度で、中間体(II)の生成および回収に十分な時間維持される。この反応では、アセトアルデヒドは供与体基質であり、アルデヒド(III)は受容体基質である。ある特徴では、前記アセトアルデヒドは前記受容体に対して化学量論的に過剰で存在する。ある特徴では、供与体対受容体の比は、モル濃度基準で約1.5:1から約5:1であろう。別の特徴では、供与体対受容体の比は約2.5:1から約4:1であろう。ある特徴では、前記反応混合物のpH値は約pH6.5から約pH8.5の間であろう。ある特徴では、最初に形成された前記反応混合物は反応の過程を通して同じに維持される。
ある特徴では、これらの反応は光の非存在下で実施される。これらの成分は光の中で混合することができ、形成された反応混合物を遮光することができる。これらの工程は酸素の非存在下で実施することができる。ある特徴では、前記反応は窒素、アルゴンまたは同様な気体雰囲気下で実施することができる。例えば米国特許5,795,749号を参照されたい。
また別の例示的なプロセスは図8に示されている。式(II)の中間体はいくつかの化学的変換を経てラクトン(IV)に変換することができる。これは続いてアトルバスタチン(図11の式(XI)および図1を参照されたい)の製造のための中間体として機能する。また別には、式(V)の開環エステル中間体(図8)を製造することができる。
経路Iは本発明の1つの特徴の具体化であり、この場合、アルドラーゼ酵素反応でアルデヒドは供与体として用いられ、式(III)のアルデヒド(図7または8;式中Rはハロゲンであり、例えばRは塩素である(図7の式(III)のアルデヒドを参照されたい)はアルデヒド受容体として用いられる。ある特徴では、式(III)のアルデヒドはクロロアセトアルデヒドであろう。この例示的アプローチの利点は、出発アルデヒド原料が両方とも低コストであり容易に入手できることであろう。ある特徴では、本発明は高効率でこの反応を触媒するDERA酵素を提供する。
また別の特徴では、この経路の第二の変換工程は、式(II)の中間体のラクトン(IV)への酸化を含むことができる(図8)。図8の経路I、IIおよびIIIを参照されたい。ある特徴では、この変換は、DERA触媒反応から得られる未精製の粗生成物(式IIの中間体)で実施することができる。
図8に示されるように、例示的な経路Iでは、ハロゲン化中間体(II)からクロロラクトン(IV)の合成はCN-置換、ラクタール酸化およびニトリル還元を含むことができる。別の特徴では、例示的な経路IIでは、シアノ中間体(II)からシアノラクトン(IV)の合成はラクタール酸化およびニトリル還元を含むことができる。別の特徴では、例示的な経路IIIでは、ニトリル中間体(II)からニトリルラクトン(IV)の合成はラクタール酸化およびアジド還元を含むことができる。
ある特徴では、図9に示されるように、生成物6-クロロ-2,4,6-トリデオキシエリスロ-ヘキソノラクトン(クロロ-ラクトン(VI))は結晶であり、粗混合物から再結晶化によって精製することができる。ある特徴では、この変換は、臭素(Br2)、BrCO3および水を含む酸化条件下で実施することができる。ある特徴では、前記酸化条件は、酢酸(HOAc)中の次亜塩素酸ナトリウム(NaOCl)および水を含む。
6-クロロ-2,4,6-トリデオキシエリスロ-ヘキソノラクトン(クロロ-ラクトン(VI))は、図10の経路A,BおよびCに示されるように多様な方法で最終的な保護側鎖中間体に変換することができる。
ある例示的な経路は塩素化ラクトン(VI)(図10、経路A)の塩素のシアニド置換を必要とする。ある特徴ではNaCNがシアニド置換に用いられる。続いて開環を実施するか、または前記ハロゲン化ラクトン(IV)を合成終了まで維持することができる。ラクトン(IV)を無傷で維持することの利点は、保護工程および脱保護工程が不要になることであろう。開環は、シアノラクトン(IX)をMeOH/ダウエックスまたはMeOH/K2CO3で処理してシアノ中間体(VII)を合成することによって達成することができる。また別には、シアノラクトン(IX)(図10、経路A)はアミノ化(H2N-)ラクトン(IV)に変換することができる。
また別には図10の経路Bに示されるように、シアニド置換は開放鎖中間体で実施できる。開環は、ラクトン(IX)をMeOH/ダウエックスまたはMeOH/K2CO3で処理し、塩素化中間体(VII)を生成することによって達成することができる。NaCNをシアニド置換に用いることができる。前記生成物はシアノ中間体(VII)である(これをプロセッシングして中間体(VIII)を得ることができる)。
別の特徴では、開環は、ハロゲン化ラクトン(VI)をMeOH/NaCNで処理してシアノエステル中間体(VII)を得ることによって達成できる(経路C、図10)。経路Cは、ラクトン開環およびシアニド置換の一段階実施を可能にすることによってプロセスから一工程を省略することができる。シアノエステル中間体(VII)をプロセッシングして中間体(VIII)を得ることができる。ある特徴では、この工程でメチルエステルではなくtert-ブチルエステルを利用することができる。必要な場合は、トランスエステル化を実施してメチルエステルをtert-ブチルエステルに変換することができる。
図11に示されるように、本発明は、無傷のクロロラクトン中間体(IV)から出発するまた別の合成経路を提供する。前記経路では中間体(IV)は中間体(X)に変換され、これは続いて(R)-エチル-4-シアノ-3-ヒドロキシブチレートまたはアトルバスタチン(LIPITOR(登録商標))(XI)に変換される。
図8では、例示的な経路IIは、ポスト酵素処理の後のシアニド置換工程を省略することによって一段階で実施される(図12もまた参照されたい)。式(III)のアルデヒド(Rはシアノ基)は市販されていない。同じシアノラクトン(ラクトン(IV))または上記図10のシアノ開放鎖中間体(エステル中間体(V))は図12のシアノラクトン中間体(II)からアクセスできる。
図8では、例示的な経路IIIもまたポスト酵素処理の後のシアニド置換工程を省略することによって一段階で実施される(図13もまた参照されたい)。しかしながら、出発物質のアジドアルデヒド(式中RがN3である式(III)のアルデヒド)は合成する必要がある)。前記アジドラクト生成物(中間体(II))から、上記で述べたように同じ代替経路にアクセスできる。この場合ラクトン(IV)および開放鎖エステル中間体(V)の両方を得ることができる。
本発明はまた、デオキシリボース-5-ホスフェートアルドラーゼ(DERA)を用いるスタチン中間体の新規な合成方法を提供する。前記DERAは本発明の酵素であろう。ある特徴では、本発明は、スタチン中間体(アトルバスタチン(LIPITOR(登録商標))およびロスバスタチン(CRESTOR(登録商標))を含む)を合成するために、それぞれシアン化物または水酸化物による開環および求核性置換による図14の化合物(I)の中間体への転換を提供する。本発明は図14に示されるプロセスを提供する。ある特徴では、前記方法はNaCN(例えば3当量)、DMFおよび水(例えば5%のH2O)の使用を含む。ある特徴では、この反応は約40℃および/または約20時間を含む条件下で実施される。ある特徴では、本発明は、3R,5S-6-クロロ-2,4,6-トリデオキシ-エリスロ-ヘキソノラクトン(図14の化合物(I))を製造するプロセスを提供する。前記は、デオキシリボース-5-ホスフェートアルドラーゼ(DERA)(例えば本発明のアルドラーゼ)を用いる生物触媒工程を化学的酸化工程と統合した2段階プロセスによって実施される。ラクトン3R,5S-6-クロロ-2,4,6-トリデオキシ-エリスロ-ヘキソノラクトン(図14の化合物(I))は、多様なスタチン型HMG-CoAレダクターゼ阻害剤(アトルバスタチン(LIPITOR(登録商標))ロスバスタチン(CRESTOR(登録商標))およびフルバスタチン(LESCOL(登録商標))を含む)の合成のための側鎖中間体に容易に転換することができる(図14、図17および図18を参照されたい)。
ある特徴では、本発明の方法は、基質のアセトアルデヒドおよびクロロアセトアルデヒドを徐々に酵素に添加する流加バッチ反応を実施することによってDERAの酵素負荷および収量において顕著な改善を提供する。
文献に最初に記載されたDERAプロセスの重大な限界は高いパーセンテージの触媒が必要であること(酵素装荷)であった。例えば、10gの3R,5S-6-クロロ-2,4,6-トリデオキシ-エリスロ-ヘキソースの生成に約2gのDERAが必要であった(20%の酵素負荷)。前記の高い酵素要求の原因は、基質のクロロアセトアルデヒドによる阻害であると特定された。本発明は流加バッチプロセスを用いることによってこの要件を克服するプロセスを提供する。ある特徴では、基質は、数時間、例えば2から3時間(例えば室温で)にわたって基質が添加されるのと同じような速さでそれらが消費され、さらにクロロアセトアルデヒドが阻害濃度に達しないような速度で前記反応に補給される。これらの条件下では、大腸菌のDERAの酵素負荷は20%から約5%に減少した。この改善はまた任意のDERA、例えば配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号30(本発明のポリペプチド、例えば配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22を含む)に適用することができる。ある特徴では、前記プロセスは2から4%の範囲の酵素負荷で実施される。基質は、クロロアセトアルデヒド約600から800mMおよびアセトアルデヒド約1.2から1.6Mの最終濃度で補給される。前記反応は大規模、例えば1リットル(またはそれ以上の)スケールで実施され、75グラムの粗生成物が単離される。
ラクトールからラクトン、例えばラクトン3R,5S-6-クロロ-2,4,6-トリデオキシ-エリスロ-ヘキソノラクトン(図14の化合物(I))に酸化するために刊行物に記載された方法は炭酸バリウムおよび水の存在下で酸化剤として臭素を使用する。前記方法は有効であるが、臭素のコストおよび毒性が反応スケールでの課題である。本発明は、前記の酸化が図15に示されるように酢酸中の安価な次亜塩素酸ナトリウム(漂白剤)を用いて同じ収量で実施できる新規なプロセスを提供する。ある特徴では、基質は750mMの濃度で氷酢酸に溶解され、1当量の次亜塩素酸ナトリウム水溶液が室温で3時間にわたって前記溶液に供給される。本プロセスによって、75グラムの粗ラクトールが40グラムの純粋な3R,5S-6-クロロ-2,4,6-トリデオキシ-エリスロ-ヘキソノラクトン(図14の化合物(I))に変換された。図15は、次亜塩素酸ナトリウムによる粗クロロラクトールの結晶性クロロラクトンへの酸化を示している。
ある特徴では、3R,5S-6-クロロ-2,4,6-トリデオキシ-エリスロ-ヘキソノラクトン(図14の化合物(I)、図17、図18もまた参照されたい)は、 (3R,5S)-3,5,6-トリデオキシヘキサン酸または(3R,5R)-6-シアノ-3,5-ジヒドロキシヘキサン酸のどちらかに一段階工程で変換される(図14)。前者の化合物はロスバスタチン(CRESTOR(登録商標))、フルバスタチン(LESCOL(登録商標))および他のスタチンに変換され、一方、シアノ化合物はアトルバスタチン(LIPITOR(登録商標))に変換することができる。両方法は共通の中間体、図16のカッコ内に示されるエポキシド(-(3R,5S-3-ヒドロキシ-4-オキシラニル酪酸ナトリウム塩)を経る。下記実施例2を参照されたい。
一般的方法
本発明は、β,δ-ジヒドロキシヘプタン酸側鎖(スタチンを含む)を製造する酵素化学的方法および前記側鎖を含む組成物、例えば [R-(R*,R*)]-2-(4-フルオロフェニル)-b,d-ジヒドロキシ-5-(1-メチルエチル)-3-フェニル-4-(フェニルアミノ)-カルボニル]-1H-ピロール-1-ヘプタン酸(アトルバスタチン、LIPITOR(登録商標))、ロスバスタチン(CRESTOR(登録商標))、フルバスタチン(fluvastatin)(LESCOL(登録商標))、関連化合物および種々の中間体を提供する。本発明はまた新規なアルドラーゼを提供し、前記はある特徴では本発明の方法の実施に用いることができる。本発明の方法で用いられる出発化合物および中間体は多様な手順および方法を用いて合成できることは当業者には理解されるところであり、前記は学術文献および特許文献に詳しく記載されている(例えば、Organic Syntheses Collective Volumes, Gilman et al. (Eds) John Wiley & Sons, Inc., NY; Venuti (1989) Pharm. Res. 6:867-873)。本発明は、当業界で既知の任意の方法またはプロトコル(前記は学術文献および特許文献に詳しく記載されている)と併用して実施することができる。本発明の酵素および本発明の方法で使用される酵素は任意の合成方法または遺伝子組み換え方法によって合成することができる。それらはまた天然の供給源から単離するか、または前記の合成と組み合わせることもできる。
本発明の核酸およびタンパク質は、当技術分野で既知の多数の手段のいずれかによって検出、確認および定量することができる。核酸および対応するタンパク質の両者を検出する一般的な方法には、生化学的方法(例えば分光光度法、ラジオグラフィー、電気泳動、キャピラリー電気泳動、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、薄層クロマトグラフィー(TLC)、超拡散クロマトグラフィーなど)および種々の免疫学的方法(例えば液体またはゲル沈殿反応(単一沈殿または二重沈殿反応)、免疫拡散法、免疫電気泳動、放射性イムノアッセイ(RIA)、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、免疫蛍光アッセイなど)が含まれる。核酸の検出は、周知の方法、例えばサザン分析、ノザン分析、ゲル電気泳動、PCR、放射能標識、シンチレーション計測およびアフィニティークロマトグラフィーによって実施できる。本明細書に提供される一般的な方法の記載は単に例示を目的とし、他の方法および具体例も本明細書から明らかとなろう。
核酸の作製および操作
本発明は、単離または組換え核酸(例えば典型的な配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19または配列番号21;または本発明のポリペプチド、例えば配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20または配列番号22をコードする核酸)を提供する。ある特徴では、前記核酸はアルドラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする。
本発明のアルドラーゼおよび本発明の方法を実施するために用いられる酵素をコードする核酸は、RNA、cDNA、ゲノムDNA、ベクター、ウイルスまたはそのハイブリッドのいずれであれ、多様な供給源からの単離、遺伝子操作、増幅および/または遺伝子組み換えによって発現/作出することが可能である。前記の核酸から作出された組換えポリペプチドはそれぞれ個々に単離またはクローニングし、さらに所望の活性についてテストすることができる。細菌、哺乳動物、酵母、昆虫または植物細胞発現系を含むいずれの組換え発現系も用いることができる。本発明の方法の実施および本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドの製造に用いられる核酸は、当業界で周知でもある増幅方法を用いて作製することができる。前記方法には例えば以下が含まれる:ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)(例えば以下を参照されたい:PCR Protocols, A Guide to Methods and Applications, ed. Innis, Academic Press, NY (1990); PCR Strategies (1995) ed. Innis, Academic Press, Inc., NY)、リガーゼ連鎖反応(LCR)(例えば以下を参照されたい:Wu (1989) Genomics 4:560; Landegren (1988) Science 241:1077; Barringer (1990) Gene 89:117)、転写増幅(例えば以下を参照されたい:Kwoh (1989) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86:1173)、およびセルフサステイン配列複製(例えば以下を参照されたい:Guatelli (1990) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87:1874)、Qベータレプリカーゼ増幅アッセイ(例えば以下を参照されたい:Burg (1996) Mol. Cell. Probes 10:257-271)および他のRNAポリメラーゼ仲介技術(例えば以下を参照されたい:NASBA, Cangene, Mississauga, Ontario)。
また別には、前記の核酸は、例えば以下の文献に記載されているような周知の化学的合成方法によってin vitroで合成することができる:Adams (1983) J. Am. Chem. Soc. 105:661; Belousov (1997) Nucleic Acids Res. 25:3440-3444; Frenkel (1995) Free Radic. Biol. Med. 19:373-380; Blommers (1994) Biochemistry 33:7886-7896; Narang (1979) Meth. Enzymol. 68:90; Brown (1979) Meth. Enzymol. 68:109; Beaucage (1981) Tetra. Lett. 22:1859; US Patent No.4,458,066。
核酸のマニピュレーション技術、例えばサブクローニング、プローブ標識(例えばクレノーポリメラーゼによるランダムプライマー標識、ニックトランスレーション、増幅)、配列決定、ハイブリダイゼーションなどは学術文献および特許文献に詳しく記載されている。例えば以下を参照されたい:Sambrook, ed., Molecular Cloning: A Laboratory Manial (2nd ed.), Vol. 1-3, Cold Spring Harbor Laboratory, (1989); Current Protocols in Molecular Biology, Ausubel, ed. John Wiley & Sons, Inc., New York (1997); Laboratory Techniques in Biochemistry and Molecular Biology: Hybridization with Nucleic Acid Probes, Part I. Theory and Nucleic Acid Preparation, Tijssen, ed. Elsevier, N.Y. (1993)。本発明の方法の実施に用いられる核酸の入手およびマニピュレーションのためのまた別の有用な手段は、ゲノムサンプルからクローニングし、さらに所望の場合は、ゲノムクローンまたはcDNAクローンから単離または増幅された挿入物をスクリーニングし再クローニングすることである。本発明の方法で用いられる核酸の供給源には、ゲノムライブラリーまたはcDNAライブラリーが含まれる。前記ライブラリーは、例えば哺乳動物人工染色体(MAC)(例えば以下を参照されたい:US Patent 5,721,118および6,025,155)、ヒト人口染色体(例えば以下を参照されたい:Rosenfeld (1997) Nat. Genet. 15:333-335)、酵母人工染色体(YAC)、細菌人工染色体(BAC)、P1人工染色体(例えば以下を参照されたい:Woon (1998) Genomics 50:306-316)、P1由来ベクター(PAC)(例えば以下を参照されたい:Kern (1997) Biotechniques 23:120-124)、コスミド、組換えウイルス、ファージまたはプラスミドを含む。
本発明の核酸または本発明の方法の実施に用いられる核酸の入手およびマニピュレーションのためのまた別の有用な手段は、ゲノムサンプルからクローニングし、さらに所望の場合は、例えばゲノムクローンまたはcDNAクローンから単離または増幅された挿入物をスクリーニングし再クローニングすることである。本発明の方法で用いられる核酸の供給源には、ゲノムライブラリーまたはcDNAライブラリーが含まれる。前記ライブラリーは、例えば哺乳動物人工染色体(MAC)(例えば以下を参照されたい:US Patent 5,721,118および6,025,155)、ヒト人口染色体(例えば以下を参照されたい:Rosenfeld (1997) Nat. Genet. 15:333-335)、酵母人工染色体(YAC)、細菌人工染色体(BAC)、P1人工染色体(例えば以下を参照されたい:Woon (1998) Genomics 50:306-316)、P1由来ベクター(PAC)(例えば以下を参照されたい:Kern (1997) Biotechniques 23:120-124)、コスミド、組換えウイルス、ファージまたはプラスミドを含む。
転写および翻訳制御配列:本発明は、RNA合成/発現を誘導するために発現(例えば転写または翻訳)制御配列(例えばプロモーターまたはエンハンサー)に機能的に連結された本発明の核酸(例えばDNA)配列を提供する。前記発現制御配列は適切なベクター内に存在するであろう。典型的な細菌プロモーターにはlacZ、T3、T7、gpt、ラムダPR、PLおよびtrpが含まれる。典型的な真核細胞プロモーターには、CMV前初期プロモーター、HSVチミジンキナーゼ、初期および後期SV40、レトロウイルスのLTRおよびマウスメタロチオネインIが含まれる。
細菌でポリペプチドを発現させるために適切なプロモーターには大腸菌lacまたはtrpプロモータ、lacIプロモーター、lacZプロモーター、T3プロモーター、T7プロモーター、gptプロモーター、ラムダPRプロモータ、糖分解酵素(例えば3-ホスホグリセレートキナーゼ(PGK))をコードするオペロン由来のプロモーター、および酸性ホスファターゼプロモーターが含まれる。真核細胞プロモーターには、CMV前初期プロモーター、HSVチミジンキナーゼプロモーター、熱ショックプロモーター、初期および後期SV40プロモーター、レトロウイルスのLTRおよびマウスメタロチオネインIプロモーターが含まれる。原核細胞または真核細胞またはそれらのウイルスにおいて遺伝子の発現を制御することが知られている他のプロモーターもまた用いることができる。
発現ベクターおよびクローニングビヒクル:本発明は、本発明の核酸、例えば本発明のアルドラーゼをコードする配列を含む発現ベクターおよびクローニングビヒクルを提供する。本発明の発現ベクターおよびクローニングビヒクルは、ウイルス粒子、バキュロウイルス、ファージ、プラスミド、ファージミド、コスミド、フォスミド、細菌人工染色体、ウイルスDNA(ワクシニア、アデノウイルス、鶏痘ウイルス、仮性狂犬病ウイルスおよびSV40の誘導体)、P1系人工染色体、酵母プラスミド、酵母人工染色体、および問題の特定宿主(例えばバチルス、アスペルギルスおよび酵母)に特異的な他の任意のベクターが含まれる。本発明のベクターには染色体配列、非染色体配列および合成DNA配列が含まれる。多くの適切なベクターが当業者に知られており、市場で入手できる。典型的なベクターには以下が含まれる:細菌系:pQEベクター(Qiagen)、pBluescriptプラスミド、pNHベクター、ラムダ-ZAPベクター(Stratagene)、ptrc99a、pKK223-3、pDR540、pRIT2T(Pharmacia);真核細胞系:pXT1、pSG5(Stratagene)、pSVK3、pBPV、pMSG、pSVLSV40(Pharmacia)。しかしながら、他の任意のプラスミドまたは他のベクターもまた、それらが宿主内で複製可能でさらに生存可能である限り用いることができる。低コピー数または高コピー数ベクターを本発明で用いることができる。
発現ベクターは、プロモーター、翻訳開始のためにリボソーム結合部位および転写ターミネーターを含むことができる。発現を増幅させるために、前記ベクターはまた適切な配列を含むことができる。哺乳動物発現ベクターは、複製起点、必要な任意のリボソーム結合部位、ポリアデニル化部位、スプライスドナーおよびアクセプター部位、転写終了配列および5'フランキング非翻訳配列を含むことができる。いくつかの特徴では、SV40スプライシングおよびポリアデニル化部位に由来するDNA配列を用いて、必要な非転写遺伝子エレメントを提供することができる。
ある特徴では、発現ベクターは1つまたは2つ以上の選抜可能なマーカー遺伝子を含み、前記ベクターを保持する宿主細胞の選抜を可能にする。そのような選抜可能マーカーには、真核細胞培養に対してはジヒドロホレートレダクターゼをコードする遺伝子またはネオマイシン耐性を付与する遺伝子、大腸菌ではテトラサイクリンまたはアンピシリン耐性を付与する遺伝子、およびビール酵母菌(S. cerevisiae)TRP1遺伝子が含まれる。プロモーター領域は、クロラムフェニコールトランスフェラーゼ(CAT)ベクターまたは選抜可能なマーカーを有する他のベクターを用いて、所望される任意の遺伝子から選択できる。
真核細胞で前記ポリペプチドまたはそのフラグメントを発現させるためのベクターはまた発現レベルを高めるためにエンハンサーを含むことができる。エンハンサーはDNAのcis-作用性エレメントであり、通常は長さが約10から約300bpであってプロモーターで作用してその転写を高める。例には、複製起点の後期側100bpから270bpにあるSV40エンハンサー、サイトメガロウイルスの初期プロモーターエンハンサー、複製起点の後期側にあるポリオーマエンハンサーおよびアデノウイルスエンハンサーが含まれる。
DNA配列は多様な方法によってベクターに挿入することができる。一般的には、前記DNA配列は、適切な制限エンドヌクレアーゼによる挿入物の消化に続いてベクター内の所望の位置に連結される。また別には、挿入物とベクターの両方の平滑端を連結することもできる。多様なクローニング技術が当業界で公知であり、例えば上掲書(AusubelおよびSambrook)に記載されている。そのような技術および他の技術は当業者の技術範囲内であろう。
前記ベクターはプラスミド、ウイルス粒子またはファージの形態を有していてよい。他のベクターには染色体配列、非染色体配列および合成DNA配列、SV40の誘導体、細菌プラスミド、ファージDNA、バキュロウイルス、酵母プラスミド、プラスミドおよびファージDNAの組合せに由来するベクター、ウイルスDNA、例えばワクシニア、アデノウイルス、鶏痘ウイルス、および仮性狂犬病ウイルスが含まれる。原核細胞および真核細胞宿主で使用できる多様なクローニングベクターおよび発現ベクターは例えばSambrookによって記載されている。
使用できる具体的な細菌ベクターには、以下の周知のクローニングベクターの遺伝子エレメントを含む市販のプラスミドが含まれる:pBR322(ATCC37017)、pKK223-3(Pharmacia Fine Chemicals, Uppsala, Sweden)、GEM1(Promega Biotec, Madison, WI, USA)、pQE70、pQE60、pQE-9(Qiagen)、pD10、psiX174Bluescript IIKS、pNH8A、pNH16a、pNH18A、pNH46A(Stratagene)、ptrc99a、pKK223-3、pKK233-3、pDR540、pRIT5(Pharmacia)、pKK232-8およびpCM7。具体的な真核細胞ベクターには、pSV2CAT、pOG44、pXT1、pSG(Stratagene)、pSVK3、pBPV、pMSGおよびpSVL(Pharmacia)が含まれる。しかしながら他のベクターのいずれも前記が宿主細胞内で複製可能で生存可能である限り使用することができる。
宿主細胞および形質転換細胞:本発明はまた、本発明の核酸配列、例えば本発明のアルドラーゼをコードする配列、本発明のベクターを含む形質転換細胞を提供する。前記宿主細胞は、当業者に周知の任意の宿主細胞であって、原核細胞、真核細胞、例えば細菌細胞、真菌細胞、酵母細胞、哺乳動物細胞、昆虫細胞または植物細胞が含まれるであろう。典型的な細菌細胞には、大腸菌、ストレプトミセス、枯草菌(Bacillus subtilis)、ネズミチフス菌(Salmonella typhimurium)並びにシュードモナス、ストレプトミセスおよびスタフィロコッカス属の種々の種が含まれる。典型的な昆虫細胞には、ドロソフィラS2およびスポドプテラSf9が含まれる。典型的な動物細胞にはCHO、COSまたはボウズ=メラノーマまたは任意のマウスおよびヒト細胞株が含まれる。適切な宿主を選択することは当業者の技術範囲内である。
ベクターは、多様な任意の技術を用いて前記宿主細胞に導入することができる。前記技術には、トランスフォーメーション、トランスフェクション、トランスダクション、ウイルス感染、遺伝子銃またはTi仲介遺伝子導入が含まれる。具体的な方法には、リン酸カルシウムトランスフェクション、DEAEデキストラン仲介トランスフェクション、リポフェクション、またはエレクトロポレーションが含まれる(例えば以下を参照されたい:L. Davis, M. Dibner, I. Battey, Basic Methods in Molecular Biology, (1986))。
適切な場合には、エンジニアリングによって作出した宿主細胞は、プロモーターの活性化に適切なように改変した通常の栄養培地で培養し、形質転換細胞を選別するか、または本発明の遺伝子を増幅することができる。適切な宿主株を形質転換し、さらに適切な細胞密度に前記宿主株を増殖させた後、選択したプロモーターを適切な手段(例えば温度シフトまたは化学的誘発)によって誘発し、さらに追加の期間培養して所望のポリペプチドまたはそのフラグメントを産生させることができる。
細胞を遠心分離によって採集し、物理的または化学的手段により破壊し、得られた粗抽出物を更なる精製のために維持することができる。タンパク質の発現に用いた微生物細胞は任意の一般的な方法によって破壊することができる。前記方法には、凍結融解サイクル、超音波処理、機械的破壊、または細胞溶解剤の使用が含まれる。前記のような方法は当業者には周知である。発現ポリペプチドまたはそのフラグメントは、組換え細胞培養から以下を含む方法によって回収および精製することができる:硫安またはエタノール沈殿、酸抽出、陰イオンまたは陽イオン交換クロマトグラフィー、ホスホセルロースクロマトグラフィー、疎水性反応によるクロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーおよびレクチンクロマトグラフィー。タンパク質の再折りたたみ工程は、前記ポリペプチドの構造の完成に必要に応じて用いることができる。所望の場合には、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を最終精製工程で用いることができる。
種々の哺乳動物細胞培養系もまた組換えタンパク質の発現に用いることができる。哺乳動物発現系の例には、サル腎線維芽細胞のCOS-7株およびコンパチブルなベクターからタンパク質を発現させることができる他の細胞株、例えばC127、3T3、CHO、HeLaおよびBHK細胞株が含まれる。
宿主細胞内の構築物を通常の態様で用い、前記組換え配列によってコードされる遺伝子生成物を産生させることができる。組換え生成方法で用いた宿主細胞に応じて、前記ベクターを含む宿主細胞により産生されるポリペプチドをグリコシル化されることもグリコシル化されないこともある。本発明のポリペプチドはまた最初のメチオニン残基を含んでいることも含まないこともある。
無細胞翻訳系もまた本発明のポリペプチドの製造のために利用することができる。無細胞翻訳系は、本発明のポリペプチドまたはそのフラグメントをコードする核酸に機能的に連結されたプロモーターを含むDNA構築物から転写されたmRNAを用いることができる。いくつかの特徴では、前記DNA構築物は、in vivo転写反応実施前に直鎖化することができる。続いて細胞を含まない適切な翻訳抽出物(例えばウサギ網状赤血球抽出物)とともに前記転写mRNAをインキュベートし、所望のポリペプチドまたはそのフラグメントを生成する。
発現ベクターは1つまたは2つ以上の選別可能な遺伝子を含み、形質転換細胞の選別用表現型特質を提供することができる。前記表現型特質には、真核細胞の場合にはジヒドロホレートレダクターゼまたはネオマイシン耐性、大腸菌ではテトラサイクリン耐性またはアンピシリン耐性が含まれる。
核酸の増幅
本発明の実施では、本発明のポリペプチドをコードする核酸または改変核酸を例えば増幅によって再生産することができる。本発明は、アルドラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸を増幅するための増幅プライマー配列対を提供する。ある特徴では、前記プライマー対は本発明の核酸配列を増幅させることができる。前記配列には、例示的な配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19または配列番号21、その部分配列、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20または配列番号22をコードする核酸、またはその部分配列などが含まれる。当業者は、これら配列の任意の部分またはその完全長のための増幅プライマー配列対をデザインすることができる。
本発明は、アルドラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸を増幅するための増幅プライマー配列対を提供する。前記プライマー対は、本発明の配列またはそのフラグメントまたは部分配列を含む核酸を増幅させることができる。また別の特徴では、前記増幅プライマー配列対の一方またはその各々は、本発明の配列の少なくとも約10から50の連続する塩基、または本発明の配列の約12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24または25、26、27、28、29、30またはそれ以上の連続する塩基を含むオリゴヌクレオチドを含む。本発明は、第一のメンバーおよび第二のメンバーを含む増幅プライマー配列対を提供する。前記第一のメンバーは、本発明の核酸の最初(5'側)の約12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30またはそれ以上の残基によって示される配列を有し、さらに第二のメンバーは、前記第一のメンバーの相補鎖の最初(5'側)の約12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30またはそれ以上の残基によって示される配列を有する。本発明は、本発明の増幅プライマー対を用いる増幅、例えばポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって生成されるアルドラーゼを提供する。本発明は、本発明の増幅プライマー対を用いる増幅、例えばポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によってアルドラーゼを製造する方法を提供する。ある特徴では、前記増幅プライマー対は、ライブラリー(例えば遺伝子ライブラリー、例えば環境ライブラリー)の核酸を増幅させる。
増幅反応はまたサンプル中の核酸量(例えば細胞サンプル中のメッセージの量)の定量、核酸の標識(例えば前記核酸をアレイまたはブロットに適用する)、前記核酸の検出、またはサンプル中の特定の核酸量の定量に用いることができる。本発明のある特徴では、細胞またはcDNAライブラリーから単離したメッセージが増幅される。当業者は適切なオリゴヌクレオチド増幅プライマーを選択およびデザインすることができる。増幅方法はまた当業界で周知であり、例えば以下が含まれる:ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)(例えば以下を参照されたい:PCR Protocols, A Guide to Methods and Applications, ed. Innis, Academic Press, NY (1990); PCR Strategies (1995) ed. Innis, Academic Press, Inc., NY)、リガーゼ連鎖反応(LCR)(例えば以下を参照されたい:Wu (1989) Genomics 4:560; Landegren (1988) Science 241:1077; Barringer (1990) Gene 89:117)、転写増幅(例えば以下を参照されたい:Kwoh (1989) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86:1173)、およびセルフサステイン配列複製(例えば以下を参照されたい:Guatelli (1990) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87:1874)、Qベータレプリカーゼ増幅アッセイ(例えば以下を参照されたい:Burg (1996) Mol. Cell. Probes 10:257-271)、自動Q-ベータレプリカーゼ増幅アッセイ(例えば以下を参照されたい:Burg (1996) Mol. Cell. Probes 10:257-271)および他のRNAポリメラーゼ仲介技術(例えば以下を参照されたい:NASBA, Cangene, Mississauga, Ontario)。さらにまた以下を参照されたい:Berger (1987) Methods Enzymol. 152:307-316; Sambrook; Ausubel; US Patent Nos. 4,683,195および4,683,202; Sooknanan (1995) Biotechnology 13:563-564。
配列同一性の程度の決定
本発明は、本発明の例示的な核酸(例えば配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19および/または配列番号21、および配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22をコードする核酸)と少なくとも約50、75、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1050、1100、1150、1200、1250、1300、1350、1400、1450、1500、1550またはそれ以上の残基領域にわたって少なくとも約50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上のまたは完全な(100%)配列同一性を有する配列を含む核酸を提供する。本発明は、本発明の例示的なポリペプチドと少なくとも約50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上のまたは完全な(100%)配列同一性を有する配列を含むポリペプチドを提供する。配列同一性(相同性)の程度は、任意のコンピュータプログラムおよび付属のパラメーター(本明細書に記載されたもの、例えばBLAST2.2.2またはFASTA バージョン3.0t78を含む)を初期設定パラメーターとともに用いて決定することができる。
また別の実施態様では、前記配列同一性は、前記核酸またはポリペプチドの5、10、20、30、40、50、100、150、200、250、300、350、400の連続する残基領域またはその完全長に及ぶことができる。配列同一性(相同性)の程度は、任意のコンピュータプログラムおよび付属のパラメーター(本明細書に記載されたもの、例えばBLAST2.2.2またはFASTA バージョン3.0t78を含む)を初期設定パラメーターとともに用いて決定することができる。
相同な配列にはまたRNA配列が含まれる(前記RNA配列では前記核酸配列のチミンがウリジンに置き換えられている)。相同な配列は本明細書に記載されている方法のいずれかを用いて入手できるが、またシークェンシングエラーの修正から生成されることがある。本明細書に示される核酸配列は、伝統的な一文字様式(例えば以下を参照されたい:Lubert Stryer, Biochemistry, 3rd Ed., W.H. Freeman & Co., New York)または配列内のヌクレオチドを表示する他の任意の様式で表わすことができることは理解されよう。
本明細書で特定した種々の配列比較アルゴリズムが本発明のこの特徴では用いられる。タンパク質および/または核酸配列の同一性(相同性)は、当業界で既知の多様な配列比較アルゴリズムおよびプログラムのいずれかを用いて評価することができる。そのようなアルゴリズムおよびプログラムには、TBLASTN、BLASTP、FASTA、TFASTAおよびCLUSTALWが含まれるが、ただしこれらに限定されない(Pearson and Lipman, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85(8):2444-2448, 1988; Altschul et al., J. Mol. Biol. 215(3):403-410, 1990; Thompson et al., Nucleic Acids Res. 22(2):4673-4680, 1994; Higgins et al., Methods Enzymol. 266:383-402, 1996; Altschul et al., J. Mol. Biol. 215(3):403-410, 1990; Altschul et al., Nature Genetics 3:266-272, 1993)。
相同性または同一性は配列分析ソフト(例えばジネティクスコンピュータグループ(Universty of Wisconsin Bitechnology Center, 1710 University Avenue, Madison, WI 53705)の配列分析ソフトウェアパッケージ)を用いて測定できる。そのようなソフトは、種々の欠失、置換および他の改変に対して相同性の程度を決めることによって類似の配列を見つける。2つまたは3つ以上の核酸またはポリペプチド配列に関して“相同性”および“同一性”という用語は、比較ウィンドウまたは指定の領域上で任意の数の配列比較アルゴリズムを使用してまたは手動アラインメントおよび目視精査によって測定した場合に、最大一致を求めて比較およびアラインメントを実施したとき、同じであるかまたは固有のパーセンテージのアミノ酸残基またはヌクレオチドが同じである2つまたは3つ以上の配列を指す。配列比較の場合、一方の配列はリファレンス配列(見本配列、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19配列番号21など)として機能し、前記に対してテスト配列が比較される。配列比較アルゴリズムを用いるとき、テスト配列およびリファレンス配列はコンピュータに入力され、部分配列同等物が必要な場合に指定され、さらに配列アルゴリズムプログラムパラメーターが指定される。初期設定プログラムパラメーターを用いることができるが、また別のパラメーターを指定することもできる。続いて配列比較アルゴリズムは、前記プログラムパラメーターを基にリファレンス配列に対するテスト配列のパーセント配列同一性を計算する。
本明細書で用いられる“比較ウィンドウ”は、任意数の連続残基セグメントに対する参照を含む。例えば本発明の別の特徴では、本発明の例示的な配列の20から完全長の間のいずれかの範囲の連続残基が、同じ数の連続部分をもつリファレンス配列と、前記2つの配列を最適にアラインメントした後で比較される。リファレンス配列が本発明の例示的な配列と必要な配列同一性を有するならば、例えば50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上の配列同一性を本発明の配列に対して有するならば、前記(リファレンス)配列は本発明の範囲に含まれる。また別の実施態様では、約200から600、約50から200、および約100から150の範囲の部分配列が、同じ数の連続部分をもつリファレンス配列と前記2つの配列を最適にアラインメントした後で比較される。配列比較のアラインメントを実施する方法は当業界では周知である。配列比較の最適アラインメントは、例えばSmith & Watermanの局所相同性アルゴリズム(Adv. Appl. Math. 2:482 (1981))によって、Needleman & Wunschの相同性アラインメントアルゴリズム(J. Mol. Biol. 48:443 (1970))によって、Pearson & Lipmanの類似性検索方法(Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85:2444 (1988))によって、前記アルゴリズムのコンピュータによる実施によって(GAP、BESTFIT、FASTAおよびTFASTA(Wisconsin Genetics Software Package, Genetics Computer Group, 575 Science Dr., Madison, WI)、または手動アラインメントと目視精査によって実施できる。相同性または同一性決定のための他のアルゴリズムには、BLASTプログラム(Basic Local Alignment Search Tool at the National Center for Biological Information)の他に、ALIGN、AMAS(Analysis of Multiply Aligned Sequences)、AMPS(Protein Multiple Sequence Alignment)、ASSET(Aligned Segment Statistical Evaluation Tool)、BANDS、BESTSCOR、BIOSCAN(Biological Sequence Comparative Analysis Node)、BLIMPS(BLocks IMProved Searcher)、FASTA、Intervals & Points、BMB、CLUSTALV、CLUSTALW、CONSENSUS、LCONSENSUS、WCONSENSUS、Smith-Watermanアルゴリズム、DARWIN、ラスベガスアルゴリズム、FNAT(Forced Nucleotide Alignment Tool)、フレームアライン、フレームサーチ、DYNAMIC、FILTER、FSAP(Fristensky Sequence Analysis Package)、GAP(Global Alignment Program)、GENAL、GIBBS、GenQuest、ISSC(Sensitive Sequence Comparison)、LALIGN(Local Sequence Alignment)、LCP(Local Content Program)、MACAW(Multiple Alignment Construction & Analysis Workbench)、MAP(Multiple Alignment Program)、MBLKP、MBLKN、PIMA(Pattern-Induced Multi-Sequence Alignment)、SAGA(Sequence Alignment by Genetic Algorithm)およびWHAT-IFが含まれる。前記のようなアラインメントプログラムはまたゲノムデータベースのスクリーニングに用いられ、実質的に同一の配列をもつポリヌクレオチド配列を特定することができる。多数のゲノムデータベースが利用可能である。例えばヒトゲノムの実質的部分がヒトゲノム配列決定プロジェクト(Gibbs, 1995)の一部分として利用可能である。いくつかのゲノムの配列、例えばM. ジェニタリウム(genitalium)(Fleischmann et al. 1995)、大腸菌(Blattner et al. 1997)、酵母(S. cerevisiae)(Mewes et al. 1997)およびD.メラノガスター(melanogaster)(Adams et al., 2000)の配列が決定された。重大な進展がモデル生物(例えばマウス、C. エレガンスおよびシロイヌナズナ(Arabidopsis sp))のゲノム配列決定でもたらされた。いくつかの機能的情報の注釈をもつゲノム情報を含むデータベースが種々の機関で維持されており、インターネットでアクセスすることができる。
BLAST、BLAST2.0およびBLAST2.2.2アルゴリズムもまた本発明の実施に用いることができる。前記アルゴリズムは例えば以下に記載されている:Altschul (1977) Nuc. Acids Res. 25:3389-3402; Altschul (1990) J. Mol. Biol. 215:403-410。BLAST分析を実施するソフトは、National Center for Biotechnology Informationから公開されている。このアルゴリズムは、問い合わせ配列内の長さがWの短いワードを特定することによって高スコアをもつ配列対(HSP)をまず初めに特定することを必要とする。前記は、データベース配列中の同じ長さを持つワードとアラインメントを実施したとき、一致するかまたはいくらかの正の値をもつ閾値スコアTの条件を満たす。Tは近傍ワードスコア閾値と称される(Altschul (1990)上掲書)。これらの最初の近傍ワードヒットはそれらを含むより長いHSPを見つけるための検索開始のシードとして機能する。前記ワードヒットは、累積アラインメントスコアが増加する限り各配列の両方向に沿って伸長される。累積スコアは、ヌクレオチド配列についてはパラメーターM(一致残基対のための褒賞スコア、常に>0)を用いて計算される。アミノ酸配列の場合、スコアリングマトリックスを用いて累積スコアが計算される。各方向のワードヒットの伸長は以下の場合に停止する:累積アラインメントスコアがその最大達成値から量Xだけ下降したとき;累積スコアが、1つまたは2つ以上の負のスコアを与える残基アラインメントの累積のために0またはそれ以下になったとき;またはどちらかの配列の末端に達したとき。BLASTアルゴリズムパラメーターW、TおよびXは前記アラインメントの感度および速度を決定する。BLASTNプログラム(ヌクレオチド配列用)は、初期設定として11のワード長、10の期待値(E)、M=5、N=-4および両鎖の比較を用いる。アミノ酸配列の場合、BLASTPプログラムは、3のワード長および10の期待値(E)、およびBLOSUM62スコアリングマトリックス(Henikoff & Henikoff (1989) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89:10915)アラインメント(B)50、期待値(E)10、M=5、N=-4および両鎖の比較を用いる。BLASTアルゴリズムはまた2つの配列間の類似性の統計的分析を実施する(例えば以下を参照されたい:Karlin & Altschul (1993) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:5873)。BLASTアルゴリズムによって提供される類似性測定の1つは最小合計確率(P(N))であり、前記は2つのヌクレオチドまたはアミノ酸配列間の一致が偶然によって生じる確率を示す。例えば、テスト核酸とリファレンス核酸の比較で最小合計確率が約0.2未満、好ましくは約0.01未満、もっとも好ましくは約0.001未満であるならば、前記核酸はリファレンス配列と類似であると考えられる。ある特徴では、タンパク質および核酸配列相同性はベーシック=ローカル=アラインメント=サーチ=ツール(Basic Local Alignment Search Tool, “BLAST”)を用いて評価される。例えば、5つの特別なBLASTプログラムを用いて以下のタスクを実施することができる:(1)BLASTPおよびBLAST3はアミノ酸の問い合わせ配列をタンパク質配列データベースと比較する;(2)BLASTNはヌクレオチドの問い合わせ配列をヌクレオチド配列データベースと比較する;(3)BLASTXは問い合わせヌクレオチド配列(その両方の鎖)の仮想的な6つのフレーム翻訳生成物をタンパク質配列データベースと比較する;(4)TBLASTNは問い合わせタンパク質配列(両方の鎖)を全ての6つの読み枠で翻訳されるヌクレオチド配列データベースと比較する;さらに(5)TBLASTXはヌクレオチド問い合わせ配列の6枠翻訳をヌクレオチド配列データベースの6枠翻訳と比較する。BLASTプログラムは類似のセグメントを特定することによって相同な配列を特定する。前記セグメントは本明細書では問い合わせアミノ酸または核酸配列とテスト配列間の“高スコアセグメントペア”と称され、好ましくはタンパク質または核酸配列データベースから得られる。高スコアセグメントペアは好ましくは、スコアリングマトリックス(その多くは当業界で公知である)によって特定される(すなわちアラインメントが実施される)。好ましくは、使用されるスコアリングマトリックスはBLOSUM62マトリックスである(Gonnet et al., Science 256:1443-1445 (1992); Henikoff and Henikoff, Proteins 17:49-61 (1993))。好ましさは劣るが、PAMまたはPAM250もまた用いることができる(例えば以下を参照されたい:Schwartz and Dayhoff, eds., 1978, Matrices for Detecting Distance Relationships: Atlas of Protein Sequence and Structure, Washington: National Biomedical Research Foundation)。
本発明のある特徴では、核酸が本発明の範囲内のものであるために必要な配列同一性を有するか否かを決定するためにNCBI BLAST 2.2.2プログラムが用いられる。初期設定オプションはblastpである。BLAST 2.2.2プログラムには約38の設定オプションがある。本発明のこの典型的な特徴では、全ての初期設定値が初期設定フィルタリング設定を除いて用いられる(すなわち全てのパラメーターはフィルタリング(前記はOFFに設定される)を除いて初期設定に設定される)。フィルタリングは初期設定の代わりに“-FF”設定が用いられ、前記はフィルタリングを無効にする。初期設定のフィルタリングはしばしば、配列の長さが短いためにKarlin-Altschulバイオレーションを生じる。
本発明のこの例示的な特徴で用いられる初期設定値には以下が含まれる:
“低コンプレキシティー用フィルター:ON
>ワードサイズ:3
>マトリックス:Blosum62
>ギャップコスト:存在する場合:11
>ギャップが伸長する場合:1”
他の初期設定は以下のとおりである:低コンプレキシティー用フィルターはOFF、タンパク質のためのワードサイズは3、BLOSUM62マトリックス、ギャップ存在のペナルティーは-11、およびギャップ伸長のペナルティーは-1。
典型的なNCBI BLAST2.2.2プログラム設定は下記の実施例1に示されている。“-W”オプションの初期設定は0であることに留意されたい。これは、設定されなければワードサイズの初期設定はタンパク質で3、ヌクレオチドで11であることを意味する。
コンピュータシステムおよびコンピュータプログラム製品
配列同一性、構造的相同性およびモチーフなどをコンピュータシステムで決定および特定するために、コンピュータによって読み取りさらにアクセスすることができる任意の媒体上に本発明の配列を保存、記録し、さらに操作することができる。したがって、本発明は、本発明の核酸およびポリペプチド配列(例えば本発明の典型的な配列、例えば配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21など)を記録または保存させたコンピュータ、コンピュータシステム、コンピュータ読み取り可能媒体、コンピュータプログラム製品などを提供する。本明細書で用いられる“記録”および“保存”という用語はコンピュータ媒体に情報を保存するプロセスを指す。当業者は、コンピュータ読み取り可能媒体に情報を記録するための任意の既知の方法を容易に利用して、本発明の1つまたは2つ以上の核酸および/またはポリペプチド配列を含む製品を製造することができる。
本発明のまた別の特徴は、本発明の少なくとも1つの核酸および/またはポリペプチド配列が記録されているコンピュータ読み取り可能媒体である。コンピュータ読み取り可能媒体には、磁気により読み出し可能な媒体、光学的に読み出し可能な媒体、電子的に読み出し可能な媒体および磁気/光学媒体が含まれる。例えば前記コンピュータ読み取り可能媒体はハードディスク、フレキシブルディスク、磁気テープ、CD-ROM、多用途デジタルディスク(DVD)、ランダムアクセスメモリー(RAM)、または読み出し専用メモリー(ROM)の他、当業者に既知の他のタイプの媒体であろう。
本発明の特徴には、システム(例えばインターネット使用システム)、特にコンピュータシステムが含まれる。前記は本明細書に記載されている配列および配列情報を保存し、これをマニピュレートする。コンピュータシステム(100)の一例が図1の組み立て分解図に示されている。本明細書で用いられる“コンピュータシステム”は、本発明のヌクレオチドまたはポリペプチド配列の分析に用いられるハードウェア構成要素、ソフトウェア構成要素およびデータ保存構成要素を指す。コンピュータシステム(100)は、配列データを処理し、これにアクセスし、さらに前記をマニピュレートするプロセッサーを含むことができる。プロセッサ(105)は周知のタイプの中央演算ユニットのいずれか、例えばインテル社(Intel Corporation)のペンチアムIIIまたはサン(Sun)、モトローラ(Motorola)、コンパック(Compaq)、AMDまたはインターナショナル=ビジネス=マシーン(IBM)の類似のプロセッサーであり得る。コンピュータシステム(100)は汎用システムであり、前記はプロセッサー(105)および1つまたは2つ以上のデータ保存のための内部データ保存部(110)、および前記データ保存部に保存されたデータを検索するための1つまたは2つ以上のデータ検索装置を含む。従来の利用可能なコンピュータシステムのいずれも適切であることは当業者には理解されよう。
ある特徴では、コンピュータシステム(100)は、バス(メインメモリー(115)(好ましくはRAMとして提供されている)に連結されている)に連結されたプロセッサー(105)、および1つまたは2つ以上の内部データ保存装置(110)(例えばハードドライブおよび/またはそれにデータが記録される他のコンピュータ読み取り可能媒体)を含む。コンピュータシステム(100)はさらに、内部データ保存装置(110)のデータを読み取るための1つまたは2つ以上のデータ検索装置(118)を含む。
データ検索装置(118)は、例えばフレキシブルディスクドライブ、コンパクトディスクドライブ、磁気テープドライブ、または遠隔データ保存システムに連結することができる(例えばインターネットを介して)モデムであろう。いくつかの実施態様では、内部データ保存装置(110)は取り外し可能なコンピュータ読み取り可能媒体、例えばフレキシブルディスク、コンパクトディスク、磁気テープなどで、制御ロジックおよび/またはそれに記録されたデータを含んでいる。コンピュータシステム(100)は便利には、データ検索装置にいったん挿入されたデータ保存部から前記制御ロジックおよび/またはデータを読み出すための適切なソフトを含むか、または前記ソフトによってプログラムされる。
コンピュータシステム(100)は、コンピュータのユーザーに出力結果を表示するために用いられるディスプレー(120)を含む。コンピュータシステム(100)は他のコンピュータシステム(125a−c)とネットワークまたは広域ネットワークで連結され、コンピュータシステム(100)への中央アクセスを提供することができることは留意されるべきであろう。本発明のヌクレオチドまたはアミノ酸配列にアクセスし前記を処理するためのソフトは実行時にはメーンメモリー(115)に存在するであろう。
いくつかの特徴では、コンピュータシステム(100)はさらに本発明の核酸配列を比較するための配列比較アルゴリズムを含むことができる。前記アルゴリズムおよび配列はコンピュータ読み取り可能媒体に保存することができる。“配列比較アルゴリズム”は、データ保存手段内に保存されている他のヌクレオチド配列および/または化合物とヌクレオチド配列を比較するためにコンピュータシステム(100)に(端末としてまたは遠隔的に)提供される1つまたは2つ以上のプログラムを指す。例えば、配列比較アルゴリズムは、コンピュータ読み取り可能媒体に保存されている見本配列のヌクレオチド配列をコンピュータ読み取り可能媒体に保存されているリファレンス配列と比較し、相同性または構造モチーフを決定することができる。
上記のアルゴリズムとともに用いられるパラメーターは、配列の長さおよび調べられる相同性の程度に応じて適用することができる。いくつかの特徴では、パラメーターは、ユーザーの指示がない場合に前記アルゴリズムによって用いられる初期設定パラメーターであろう。図2は、新規なヌクレオチドまたはタンパク質配列を配列データベースと比較して、新規な配列とデータベースの配列との間の相同性レベルを決定するためのプロセス(200)の1つの特徴を示すフローチャートである。前記データベースの配列は、コンピュータシステム(100)内に保存された個人的データベースでも、公的データベース(例えばインターネットを介して利用可能なGENBANK)でもよい。プロセス(200)は開始状態(201)で始まり、続いて、比較されるべき新規な配列がコンピュータシステム(100)内のメモリーに保存される状態(202)に移行する。上記で考察したように、前記メモリーは任意のタイプのメモリー(RAMまたは内部保存装置)であり得る。
続いてプロセス(200)は状態(204)に移動し、ここで配列データベースが分析および比較のために開かれる。続いてプロセス(200)は、データベースに保存されている第一の配列がコンピュータのメモリーに読み出される状態(206)に移行する。続いて比較が状態(210)で実施され、第一の配列が第二の配列と同じであるか否かが決定される。この工程は、新規な配列とデータベースの第一の配列との間の正確な比較の実施に限定されないことに留意することが重要である。2つのヌクレオチド配列またはタンパク質配列を(たとえそれらが同一ではなくても)比較する周知の方法を当業者は心得ている。例えばギャップを1つの配列に導入してこれら2つのテスト配列間の相同性レベルを高めることができる。比較中にギャップまたは他の特徴を配列に導入するか否かを制御するパラメーターは通常はコンピュータシステムのユーザーによって入力される。
いったん2つの配列の比較が状態(210)で実施されたら、決定の状態(210)で前記2つの配列が同じか否かの決定が下される。もちろんのこと、“同じ”という用語は完全に同一である配列に限定されない。ユーザーによって入力された相同性パラメーター内にある配列は、プロセス(200)で“同じ”と示され、プロセス(200)は状態(214)に移動する(この状態でデータベース由来の配列の名称がユーザーに表示される)。この状態はディスプレーされた名称の配列が入力した相同性の特徴を満たすことをユーザーに知らせる。保存配列の名称がいったんユーザーに表示されたら、プロセス(200)は、それ以上の配列がデータベースに存在するか否かの決定が下される決定状態(218)に移行する。それ以上データベースに配列が存在しない場合には、プロセス(200)は終了状態(220)で終了する。しかしながらデータベースにさらに配列が存在する場合は、プロセス(200)は状態(224)に移行し、前記状態でポインターは、データベースの次の配列に移動し新たな配列と比較することができる。このようにして、新たな配列はアラインメントを実施されデータベースの各配列と比較される。
配列が相同でないという決定が決定状態(212)で下された場合、プロセス(200)は直ちに決定状態(218)に移行し、データベース内に比較されるべき他の配列が存在するか否かが決定されることは留意されよう。したがって、本発明のある特徴は、プロセッサ、本発明の核酸配列および比較を実施するための配列コンペアラーが保存されているデータ保存装置を含むコンピュータシステムである。配列コンペアラーは、比較される配列間の相同性レベルを示すかまたは構造モチーフを特定することができる。これはまたこれらの核酸コードまたはポリペプチドコードと比較される配列内の構造モチーフを特定することができる。
図3は、2つの配列が相同であるか否かを決定するコンピュータシステムのプロセス(250)のある実施態様を示すフローチャートである。プロセス(250)は開始状態(252)で開始し、続いて比較されるべき第一の配列がメモリーに保存される状態(254)に移行する。続いて比較されるべき第二の配列が状態(256)でメモリーに保存される。続いてプロセス(250)は状態(260)に移行し、前記状態(260)で第一の配列中の第一の記号が読み取られ、続いて状態(262)に移行し、状態(262)で第二の配列の第一の記号が読み取られる。配列がヌクレオチド配列の場合、この記号は通常はA、T、C、GまたはUのいずれかであることは理解されよう。配列がタンパク質配列の場合は、この記号は一文字のアミノ酸コードであり、それによって第一および第二の配列は容易に比較することができる、続いて2つの記号が同じものであるか否かの決定が決定状態(264)で下される。それらが同じものである場合、プロセス(250)は状態(268)に移行し、状態(268)で第一および第二の配列の次の記号が読み取られる。続いて、次の記号が同じものであるか否かの決定が下される。それらが同じものである場合には、プロセス(250)は2つの記号が同じでなくなるまでこのループを繰り返す。次の2つの記号が同じでないという決定が下された場合、プロセス(250)は決定状態(274)に移行して、いずれかの配列に読み取られるべき記号がそれ以上存在するか否かが決定される。読み取られるべき記号がそれ以上存在しない場合は、プロセス(250)は状態(276)に移行し、第一および第二の配列間の相同性レベルがユーザーに表示される。相同性レベルは、第一の配列内の記号の総数のうち同じであった配列間の記号の割合を計算することによって決定される。したがって、第二の配列の各記号と最初の100ヌクレオチド配列内の各記号のアラインメントが達成された場合、前記相同性レベルは100%であろう。
また別には、コンピュータプログラムは本発明の配列とリファレンス配列とを比較して、配列が1つまたは2つ以上のポジションで異なるか否かを決定することができる。前記プログラムは、リファレンス配列または本発明の配列にいずれかの配列に対して、挿入、欠失または置換されたヌクレオチドまたはアミノ酸残基の長さまたはそれらが何であるかを記録することができる。このコンピュータプログラムは、本発明の配列に対してリファレンス配列が単一ヌクレオチド多型(SNP)を含むか否か、または本発明の配列が既知の配列のSNPを含むか否かを決定するプログラムであり得る。したがって、いくつかの特徴では、前記コンピュータプログラムはSNPを特定するプログラムである。本方法は上記に述べたコンピュータシステムによって実施することができ、図3に示されている。本方法は、コンピュータプログラムを使用することにより本発明の配列およびリファレンス配列を読み取り、コンピュータプログラムにより相違を特定することによって実施することができる。
他の特徴では、コンピュータ使用システムは、本発明の核酸またはポリペプチド内の特徴を特定するアイデンティファイアーを含む。“アイデンティファイアー”は、核酸配列内のある種の特徴を特定する1つまたは2つ以上のプログラムを指す。例えば、アイデンティファイアーは核酸配列内のオープンリーディングフレーム(ORF)を特定するプログラムを含むことができる。図4は、配列内の1つの特徴の存在を検出するためのアイデンティファイアープロセス(300)のある特徴を示す流れ作業図である。プロセス(300)は開始状態(302)で開始し、続いて状態(304)に移行し、状態(304)で特徴についてチェックされるべき第一の配列がコンピュータシステム(100)のメモリー(115)に保存される。プロセス(300)は続いて状態(306)に移行し、状態(306)で配列の特徴のデータベースが開かれる。そのようなデータベースは各特徴の属性リストを前記特徴の名称とともに含むであろう。例えば、特徴の名称は“開始コドン”であってよく、その属性は“ATG”であろう。別の例では、特徴の名称は“TAATAAボックス”であってよく、特徴の属性は“TAATAA”であろう。そのようなデータベースの例は、ウィスコンシン大学のGenetics Computer Groupによって作製されている。また別には、特徴は構造的なポリペプチドモチーフ例えばアルファへリックス、ベータシートまたは機能的ポリペプチドモチーフ、例えば酵素活性部位、ヘリックス-ターン-ヘリックスモチーフまたは当業者に既知の他のモチーフであり得る。特徴のデータベースが状態(306)で開かれると直ちにプロセス(300)は状態(308)に移行し、前記状態(308)で第一の特徴がデータベースから読み取られる。続いて第一の特徴の属性と第一の配列との比較が状態(310)で実施される。続いて、特徴の属性が第一の配列内で見出されるか否かの決定が決定状態(316)で下される。属性が見出された場合、プロセス(300)は状態(318)に移行し、前記状態(318)で見出された特徴の名称がユーザーに表示される。続いてプロセス(300)は決定状態(320)に移動し、前記状態(320)でそれ以上の特徴がデータベースに存在するか否かの決定が下される。特徴がそれ以上存在しない場合は、プロセス(300)は終了状態(324)で終了する。しかしながら、それ以上の特徴がデータベースに存在する場合、プロセス(300)は状態(326)で次の配列特徴を読み取り、状態(310)に戻り、前記状態で次の特徴の属性が第一の配列に対して比較される。第一の配列で特徴の属性が決定状態(316)で見出されない場合、プロセス(300)は直接決定状態(320)に移行し、特徴がそれ以上データベースに存在するか否かを決定する。したがって、ある特徴では、本発明は開放読み枠(ORF)を特定するコンピュータプログラムを提供する。
本発明のポリペプチドまたは核酸配列を、種々のデータプロセッサプログラムで多様な様式で保存し、さらにマニピュレートすることができる。例えば配列は、当業者に周知の多様なデータベースプログラム(例えばDB2、SYBASEまたはORACLE)でワードプロセッシングファイル(例えばマイクロソフトワードまたはワードパーフェクト)のテキストとしてまたはアスキーファイルとして保存することができる。さらに、多くのコンピュータプログラムおよびデータベースを配列比較アルゴリズム、アイデンティファイアー、または本発明の核酸配列と比較するべきリファレンスヌクレオチド配列またはポリペプチド配列の供給源として用いることができる。本発明の実施に用いられるプログラムおよびデータベースには以下が含まれる(ただしこれらに限定されない):MacPattern(EMBL)、DiscoveryBase(Molecular Applications Group)、GeneMine (Molecular Applications Group)、Look(Molecular Applications Group)、MacLook(Molecular Applications Group)、BLASTおよびBLAST2(NCBI)、BLASTNおよびBLASTX(Alyschul et al. J. Mol. Biol. 215:403, 1990)、FASTA(Pearson and Lipman, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 85:2444,1988)、FASTDB (Brutlag et al. Comp. App. Biosci. 6:237-245, 1990)、Catalyst(Molecular Simulations Inc.)、Catalyst/SHAPE(Molecular Simulations Inc.)、Cerius2.DBAccess(Molecular Simulations Inc.)、HypoGen(Molecular Simulations Inc.)、Insight II(Molecular Simulations Inc.)、Discover(Molecular Simulations Inc.)、CHARMm(Molecular Simulations Inc.)、Felix(Molecular Simulations Inc.)、DelPhi(Molecular Simulations Inc.)、QuanteMN(Molecular Simulations Inc.)、Homology(Molecular Simulations Inc.)、Modeler(Molecular Simulations Inc.)、ISIS(Molecular Simulations Inc.)、Quanta/Protein Design(Molecular Simulations Inc.)、WebLab(Molecular Simulations Inc.)、WebLab Diversity Explorer(Molecular Simulations Inc.)、Gene Explorer(Molecular Simulations Inc.)、SeqFold(Molecular Simulations Inc.)、MDL Available Chemicals Directoryデータベース、MDL Drug Data Reportデータベース、Comprehensive Medical Chemistryデータベース、Derwent's World Drug Indexデータベース、BioByteMasterFileデータベース、Genbankデータベース。本発明の開示により他の多くのプログラムおよびデータベースも当業者には明白であろう。
上記のプログラムを用いて検出することができるモチーフには、ロイシンジッパーコード配列、ヘリックス-ターン-ヘリックスモチーフ、グリコシル化部位、ユビキチン化部位、アルファヘリックス、ベータシート、コードされたタンパク質の分泌を誘導するシグナルペプチドをコードするシグナル配列、転写調節に関与する配列(例えばホメオボックス)、酸性ストレッチ、酵素活性部位、基質結合部位および酵素切断部位が含まれる。
核酸のハイブリダイゼーション
本発明は、本発明の例示的な配列、例えば配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19および/または配列番号21に示される配列、または配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22に示される配列を含むポリペプチドをコードする核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする単離または組換え核酸を提供する。前記ストリンジェントな条件は、高度にストリンジェントな条件、中程度にストリンジェントな条件、低度にストリンジェントな条件であってよく、本明細書に記載されている高ストリンジェンシー条件および低ストリンジェンシー条件を含む。また別の実施態様では、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができるその能力によって定義される本発明の核酸は、前記分子、例えば本発明の例示的な核酸の約5残基から完全長の間であろう。例えばそれらは少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、50、55、60、65、70、75、80、90、100、150、200、250、300、350、400残基の長さであろう。完全長より短い核酸もまた含まれる。これらの核酸は、例えばハイブリダイゼーションプローブ、標識プローブ、PCRオリゴヌクレオチドプローブ、iRNA、(一本鎖または二本鎖)、抗体結合ペプチド(エピトープ)をコードするアンチセンス配列、モチーフ、活性部位などとして有用である。
ある特徴では、本発明の核酸は、約37℃から42℃で約50%のホルムアミドの条件を含む高ストリンジェンシー条件下でハイブリダイズすることができるその能力によって定義される。ある特徴では、本発明の核酸は、約30℃から35℃で約35%から25%のホルムアミドの条件を含む低ストリンジェンシー条件下でハイブリダイズすることができるその能力によって定義される。また別には、本発明の核酸は、42℃の約50%ホルムアミド、5XのSSPE、0.3%SDSおよび反復配列封鎖核酸(例えばcot-1またはサケ精子DNA(例えば200n/mLのせん断変性サケ精子DNA))の条件を含む高ストリンジェンシー条件下でハイブリダイズすることができるその能力によって定義される。ある特徴では、本発明の核酸は、35℃の低温で約35%のホルムアミドを含む低ストリンジェンシー条件下でハイブリダイズすることができるその能力によって定義される。
ハイブリダイゼーションの後、フィルターは6XのSSC、0.5%SDSにより50℃で洗浄することができる。前記の条件は、25%を超えるホルムアミドで“中程度”の条件、25%より低いホルムアミドで“低度”の条件と考えられる。“中程度にストリンジェントな”ハイブリダイゼーション条件の具体的な条件は、上記のハイブリダイゼーションが30%のホルムアミドで実施されるときである。“低ストリンジェンシー”ハイブリダイゼーション条件の具体的な条件は、上記のハイブリダイゼーションが10%のホルムアミドで実施されるときである。
ストリンジェンシーの個々のレベルに対応する温度範囲は問題の核酸のプリン対ピリミジンの比を計算し、したがって温度を調節することによってさらに狭めることができる。本発明の核酸はまた文献(AusubelおよびSambrook)に示される高度、中程度および低度のストリンジェンシー条件下でハイブリダイズするその能力によっても定義される。上記の範囲および条件の変動は当業界で周知である。ハイブリダイゼーション条件は下記でさらに考察される。
オリゴヌクレオチドプローブおよびその使用方法
本発明はまたアルドラーゼ活性をもつポリペプチドをコードする核酸を特定する核酸プローブを提供する。ある特徴では、前記プローブは、本発明の配列、例えば配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19および/または配列番号21、または配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22をコードする核酸の少なくとも10の連続する塩基を含む。また別には、本発明のプローブは、本発明の配列に示される配列の少なくとも約5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30、35、40、50、55、60、65、70、75、80、90、100、150、約10から50、約20から60、約30から70の連続する塩基であろう。前記プローブは、結合またはハイブリダイゼーションによって核酸を特定する。前記プローブは、キャピラリーアレイを含む本発明のアレイ(下記の考察を参照されたい)で用いることができる。本発明のプローブはまた他の核酸またはポリペプチドの単離に用いることができる。
本発明のプローブを用いて、生物学的サンプル(例えば環境サンプル(例えば土壌サンプル))が、本発明の核酸を有する生物または前記核酸が得られた生物を含むか否かを決定することができる。そのような方法では、前記核酸が単離された生物を潜在的に保有する生物学的サンプルを入手し、前記サンプルから核酸を入手する。前記プローブがサンプル中に存在する相補的配列のいずれかと特異的にハイブリダイズすることができる条件下で、前記核酸を前記プローブと接触させる。必要な場合には、相補性配列を含まないコントロール配列とともに相補性配列を含むことがわかっているサンプルの相補性配列と前記プローブを接触させることによって、前記プローブが特異的にハイブリダイズすることができる条件を決定することができる。ハイブリダイゼーション条件(例えばハイブリダイゼーション緩衝液の塩濃度、ハイブリダイゼーション緩衝液のホルムアミド濃度またはハイブリダイゼーションの温度)を変化させて、前記プローブが相補性核酸と特異的にハイブリダイズすることができる条件を特定することができる(個々のハイブリダイゼーション条件に関しては考察を参照されたい)。
前記核酸が単離された生物をサンプルが含む場合、プローブの特異的なハイブリダイゼーションが検出される。ハイブリダイゼーションは、プローブを検出可能な薬剤(例えば放射性同位元素、蛍光染料、または検出可能な生成物の形成を触媒することができる酵素)で標識することによって検出できる。標識プローブを用いてサンプル中の相補性核酸の存在を検出する多くの方法が当業者にはよく知られている。前記方法にはサザンブロット、ノザンブロット、コロニーハイブリダイゼーション法およびドットブロットが含まれる。前記方法の各々のプロトコルは文献(AusubelおよびSambrook)に提供されている。
また別には、2つ以上のプローブ(そのうちの少なくとも1つは核酸サンプルに存在する任意の相補性配列と特異的にハイブリダイズすることができる)を増幅反応で用いて、サンプルが本発明の核酸配列を含む生物(例えば前記核酸が単離された生物)を含むか否かを決定することができる。ある特徴では、前記プローブはオリゴヌクレオチドを含む。ある特徴では、前記増幅反応はPCR反応を含むことができる。PCRプロトコルは文献(AusubelおよびSambrook)に記載されている(増幅反応に関しては考察を参照されたい)。そのような方法では、サンプル中の核酸をプローブと接触させ、増幅反応を実施し、さらに生成された増幅生成物のいずれかを検出する。増幅生成物は、反応生成物のゲル電気泳動を実施し、前記ゲルをインターカレーション試薬(例えば臭化エチジウム)で染色することによって検出することができる。また別には1つまたは2つ以上のプローブを放射性同位元素で標識し、ゲル電気泳動の後で放射性増幅生成物の存在を検出してもよい。
本発明の核酸配列の3'または5'末端近くの配列に由来するプローブを染色体ウォーキング法で用いて、さらに別の、例えばゲノム配列を含むクローンを特定することもできる。そのような方法は、問題のさらに別のタンパク質をコードする遺伝子の宿主生物からの単離を可能にする。
ある特徴では、本発明の核酸配列をプローブとして用いて関連核酸が特定および単離される。いくつかの特徴では、そのようにして特定された関連核酸は、本発明の核酸が最初に単離された生物以外の生物に由来するcDNAまたはゲノムDNAであろう。そのような方法では、核酸サンプルを、プローブが特異的に関連配列とハイブリダイズすることができる条件下で前記プローブと接触させる。続いて、関連生物に由来する核酸とプローブのハイブリダイゼーションが上記に記載した方法のいずれかを用いて検出される。
核酸ハイブリダイゼーション反応では、具体的なストリンジェンシーレベルを達成するために用いられる条件は、ハイブリダイズされる核酸の性質にしたがって変動するであろう。例えば、核酸のハイブリダイズ領域の長さ、相補性の程度、ヌクレオチド配列の組成(例えばGC対AT含有量)および核酸タイプ(例えばRNA対DNA)は、ハイブリダイゼーション条件の選択に考慮することができる。さらに考慮されることは、核酸の1つが例えばフィルターに固定されているか否かである。ハイブリダイゼーションは、低ストリンジェンシー、中程度ストリンジェンシーまたは高ストリンジェンシーの条件下で実施することができる。核酸のハイブリダイゼーションの例として、固定変性核酸を含むポリマーメンブレンを最初に45℃で30分、以下から成る溶液(0.9MのNaCl、50mMのNaH2PO4(pH7.0)、5.0mMのNa2EDTA、0.5%SDS、10Xのデンハルト溶液および0.5mg/mLのポリリボアデニル酸)中でプレハイブリダイズさせる。約2x107cpm(比活性4〜9x108cpm/μg)の32P末端標識オリゴヌクレオチドプローブを続いて溶液に添加する。12〜16時間インキュベーションした後で、前記メンブレンを0.5%のSDSを含む1XのSET(150mMのNaCl、20mMトリス塩酸塩(pH7.8)、1mMのNa2EDTA)中で30分室温(RT)で洗浄し、続いて新しい1XのSET中で30分、オリゴヌクレオチドプローブのためのTm-10℃で洗浄する。続いて、ハイブリダイゼーションシグナルを検出するためにメンブレンをオートラジオグラフフィルムに曝露する。
核酸、例えばcDNAまたはゲノムDNA(前記は検出プローブとハイブリダイズする)の特定に用いられるハイブリダイゼーション条件のストリンジェンシーを変動させることによって、プローブと相同性レベルが異なる核酸を特定し、これを単離することができる。ストリンジェンシーは、プローブの融解温度より低い種々の温度でハイブリダイゼーションを実施することによって変動させることができる。融解温度(Tm)は、(所定のイオン強度およびpHの下で)標的配列の50%が完全に相補性のプローブとハイブリダイズする温度である。非常にストリンジェントな条件は、個々のプローブのTmに等しいかまたはそれより約5℃低くなるように選択される。プローブの融解温度は以下の等式を用いて計算できる。長さが14から70ヌクレオチドのプローブの場合、融解温度(Tm)は下記式を用いて計算される:Tm=81.5+16.6(log[Na+])+0.41(G+Cの割合)−(600/N)、式中Nはプローブの長さである。ハイブリダイゼーションがホルムアミド含有溶液中で実施される場合、融解温度は以下の等式を用いて計算できる:Tm=81.5+16.6(log[Na+])+0.41(G+Cの割合)−(0.63%ホルムアミド)−(600/N)、式中Nはプローブの長さである。プレハイブリダイゼーションは、6XのSSC、5Xのデンハルト試薬、0.5%SDS、100μgの変性フラグメント化サケ精子DNA、または6XのSSC、5Xのデンハルト試薬、0.5%SDS、100μgの変性フラグメント化サケ精子DNA、50%ホルムアミド中で実施することができる。SSCおよびデンハルト試薬ならびに他の溶液のための組成は例えば上掲書(Sambrook)に挙げられている。
ハイブリダイゼーションは、検出プローブを上記に挙げたプレハイブリダイゼーション溶液に添加することによって実施される。プローブが二本鎖DNAを含む場合、ハイブリダイゼーション溶液に添加する前に前記を変性させる。前記プローブが、それと相補的または相同な配列を含むcDNAまたはゲノムDNAとハイブリダイズできるように十分な時間前記ハイブリダイゼーション溶液とフィルターを接触させる。長さが200ヌクレオチドを超えるプローブの場合、ハイブリダイゼーションはTmより15〜25℃下で実施できる。より短いプローブの場合(例えばオリゴヌクレオチドプローブ)、ハイブリダイゼーションはTmより5〜10℃下で実施できる。ある特徴では、6XのSSC中でのハイブリダイゼーションが約68℃で実施される。ある特徴では、50%ホルムアミド含有溶液中でハイブリダイゼーションが約42℃で実施される。前述のハイブリダイゼーションの全ては高ストリンジェンシー条件下であると考えられよう。
ハイブリダイゼーションの後で、フィルターを洗浄して非特異的に結合した一切の検出プローブを除去する。フィルターの洗浄に用いられるストリンジェンシーは、ハイブリダイズされる核酸の性質、ハイブリダイズされる核酸の長さ、相補性の程度、ヌクレオチド配列の組成(例えばGC対AT含量)および核酸のタイプ(例えばRNAであるかDNAであるか)にしたがって変動するであろう。だんだんと高くなるストリンジェンシー洗浄条件の例は以下のとおりである:2XのSSC、0.1%SDS、室温で15分(低ストリンジェンシー);0.1XのSSC、0.5%SDS、室温で30分(中程度ストリンジェンシー);0.1XのSSC、0.5%SDS、ハイブリダイゼーションの温度から68℃の間で15から30分(高ストリンジェンシー);0.15MのNaCl、72℃で15分(非常に高いストリンジェンシー)。最後の低ストリンジェンシー洗浄は、0.1XのSSCで室温にて実施することができる。上記の例は、フィルター洗浄に用いることができる条件セットの単なる例示である。当業者には種々のストリンジェンシーのために多くの洗浄レシピーが存在することは理解されよう。
プローブにハイブリダイズした核酸はオートラジオグラフィーまたは他の一般的な技術によって特定できる。上記の方法は、プローブ配列と相同性レベルが低い核酸を特定するために改変することができる。例えば、検出プローブと相同性が低い核酸を得るためには、より低いストリンジェンシー条件を用いることができる。例えばハイブリダイゼーション温度は、Na+濃度が約1Mのハイブリダイゼーション緩衝液で68℃から42℃まで5℃ずつ下げることができる。ハイブリダイゼーションの後で、フィルターはハイブリダイゼーション温度で2XのSSC、0.5%SDSで洗浄することができる。これらの条件は、50℃より上で“中程度”の条件、50℃より下で“低ストリンジェンシー”条件と考えられる。“中程度”ハイブリダイゼーション条件の例は、上記ハイブリダイゼーションが55℃で実施されるときである。“低ストリンジェンシー”ハイブリダイゼーション条件の例は、上記のハイブリダイゼーションが45℃で実施されるときである。
また別には、ハイブリダイゼーションは、緩衝液(例えばホルムアミド含有6XのSSC)中で42℃の温度で実施できる。この事例では、ハイブリダイゼーション緩衝液中のホルムアミドの濃度は、プローブと相同性レベルの低いクローンを特定するために50%から0%まで5%ずつ減少させることができる。ハイブリダイゼーションの後で、フィルターを6XのSSC、0.5%のSDSで50℃で洗浄することができる。これらの条件は、25%より高いホルムアミドで“中程度”の条件、25%より低いホルムアミドホルムアミドで“低”ストリンジェンシー条件と考えられる。“中程度”ハイブリダイゼーション条件の具体的な例は、上記ハイブリダイゼーションが30%のホルムアミドで実施されるときである。“低ストリンジェンシー”ハイブリダイゼーション条件の具体的な例は、上記ハイブリダイゼーションが10%のホルムアミドで実施されるときである。
本発明のこれらプローブおよび方法を用いて、本発明の核酸の少なくとも約10、15、20、25、30、35、40、50、75、100、150、200、250、300、350、400または500の連続する塩基を含む前記核酸配列と少なくとも約99%、98%、97%、少なくとも95%、少なくとも90%、少なくとも85%、少なくとも80%、少なくとも75%、少なくとも70%、少なくとも65%、少なくとも60%、少なくとも55%または少なくとも50%の相同性を有する配列をもつ核酸を単離することができる。相同性は、本明細書で考察したようなアラインメントアルゴリズムを用いて測定できる。例えば、相同なポリヌクレオチドは、本明細書に記載されたコード配列の1つの天然に存在する対立遺伝子座変種のコード配列を有するであろう。そのような対立遺伝子座変種は、本発明の核酸と比較したとき1つまたは2つ以上のヌクレオチドの置換、欠失または付加を有するであろう。
さらにまた、本発明のプローブおよび方法を用いて、本発明のポリペプチドの少なくとも約5、10、15、20、25、30、35、40、50、75、100または150の連続するアミノ酸を含む前記ポリペプチドと、(例えばFASTAバージョン3.0t78アルゴリズム(初期設定を用いる)またはBLAST2.2.2プログラム(本明細書に示される典型的な設定を用いる)のような)配列アラインメントアルゴリズムを用いて決定したとき少なくとも約99%、少なくとも95%、少なくとも90%、少なくとも85%、少なくとも80%、少なくとも75%、少なくとも70%、少なくとも65%、少なくとも60%、少なくとも55%または少なくとも50%の配列同一性(相同性)を有するポリペプチドペプチドをコードする核酸を単離することができる。
アルドラーゼおよびリアーゼの発現阻害
本発明は、本発明の核酸、例えばアルドラーゼ活性を有する本発明のタンパク質をコードするポリヌクレオチドに相補的な核酸(例えばアルドラーゼ酵素コード核酸)を提供する。本発明はさらにアルドラーゼおよびリアーゼと相補的な核酸(例えばアンチセンス配列)を提供する。
アンチセンス配列はアルドラーゼコード遺伝子の輸送、スプライシングまたは転写を阻害することができる。阻害はゲノムDNAまたはメッセンジャーRNAのターゲッティングにより達成することができる。標的核酸の転写または機能は、例えばハイブリダイゼーションおよび/または切断によって阻害することができる。本発明によって提供される特に有用な阻害物質セットは、アルドラーゼ遺伝子またはメッセージと結合することができるオリゴヌクレオチドを含む(いずれの場合にもアルドラーゼ酵素の生成または機能が防止または阻害される)。結合は配列特異的なハイブリダイゼーションにより達成される。また別の有用な種類の阻害剤は、アルドラーゼメッセージの不活化または切断を引き起こすオリゴヌクレオチドを含む。オリゴヌクレオチドは、そのような切断を引き起こす酵素活性を有することができる(例えばリボザイム)。オリゴヌクレオチドは化学的に改変するか、または相補性核酸を切断することができる酵素または組成物と結合させることができる。このような種々の多くのオリゴヌクレオチドのプールを所望の活性についてスクリーニングすることができる。
アルドラーゼの発現を阻害する本発明の組成物(例えばアンチセンス、iRNA、リボザイム、抗体)を医薬組成物として用いることができる。
アンチセンスオリゴヌクレオチド:本発明は、アルドラーゼメッセージと結合することができる(mRNAを標的とすることによってアルドラーゼ活性を阻害することができる)アンチセンスオリゴヌクレオチドを提供する。アンチセンスオリゴヌクレオチドを設計する戦術は学術文献および特許文献に詳しく記載されており、当業者は本発明の新規な試薬を用いてそのようなアルドラーゼオリゴヌクレオチドをデザインすることができる。例えば、効果的なアンチセンスオリゴヌクレオチドをスクリーニングするためのジーンウォーキング/RNAマッピングプロトコルは当業界で周知である。例えば以下を参照されたい:Ho (2000) Methods Enzymol. 314:168-183。前記はRNAマッピングアッセイを記載し、前記アッセイは標準的な分子技術を基にし、強力なアンチセンス配列選別のための容易で信頼できる方法を提供する。さらにまた以下を参照されたい:Smith (2000) Eur. J. Phar. Sci. 11:191-198。
天然に存在する核酸がアンチセンスオリゴヌクレオチドとして用いられる。アンチセンスオリゴヌクレオチドは任意の長さでよい。また別の特徴では、アンチセンスオリゴヌクレオチドは約5から100、約10から80、約15から60、約18から40である。最適な長さは日常的なスクリーニングによって決定できる。アンチセンスオリゴヌクレオチドは任意の濃度で提供できる。最適濃度は日常的なスクリーニングによって決定できる。この潜在的課題に用いることができる広範囲の合成された天然に存在しないヌクレオチドおよび核酸類似体が知られている。例えば、非イオン性骨格(例えばN-(2-アミノエチル)グリシンユニット)を含むペプチド核酸(PNA)を用いることができる。ホスホロチオエート結合を有するアンチセンスオリゴヌクレオチドもまた用いることができる(前記は以下に記載されている:WO97/03211; WO96/39154; Mata (1997) Toxicol. App. Pharmacol. 144:189-197; Antisense Therapeutics, ed. Agrawal (Humana Press, Totowa, N.J., 1996))。本発明によって提供される合成DNA骨格類似体をもつアンチセンスオリゴヌクレオチドにはまた、上記で述べたようにホスホロ-ジチオエート、メチルホスホネート、ホスホロアミデート、アルキルホスホトリエステル、スルファメート、3'-N-カルバメートおよびモルホリノカルバメート核酸が含まれる。
組合せ理論による化学的方法を用いて膨大な数のオリゴヌクレオチドを作出することができる。前記オリゴヌクレオチドは、任意の標的(例えば本発明のセンスおよびアンチセンスアルドラーゼ配列)に対し適切な結合親和性および特異性を有する特定のオリゴヌクレオチドについて迅速にスクリーニングすることができる(例えば以下を参照されたい:Gold (1995) J. Biol. Chem. 270:13581-13584)。
阻害性リボザイム:本発明は、アルドラーゼと結合することができるリボザイムを提供する。これはmRNAを標的にすることによりアルドラーゼ酵素活性を阻害することができる。リボザイムをデザインし、ターゲッティングのためのアルドラーゼ特異的アンチセンス配列を選別する戦術は学術文献および特許文献に詳しく記載されており、当業者は本発明の新規な試薬を用いてそのようなリボザイムをデザインすることができる。リボザイムは、標的RNAを切断するRNAの酵素部分に接近して保持されているリボザイムの標的RNA結合部分を介して標的RNAと結合することによって機能する。したがって、リボザイムは、相補性塩基対形成により標的RNAを認識し、これと結合する。リボザイムは正確な部位にいったん結合したら、酵素として機能し標的RNAを切断し、これを不活化する。切断がコード配列内で発生すれば、そのような態様での標的RNAの切断は、コードされるタンパク質の合成を指令するその能力を破壊するであろう。リボザイムがそのRNA標的と結合し、これを切断した後、リボザイムは典型的にはRNAから遊離し、したがって繰り返し新たな標的と結合しこれを切断することができる。
いくつかの環境下では、リボザイムの酵素的性質は他の技術、例えばアンチセンス技術(アンチセンス技術では、核酸分子は核酸標的に単に結合してその転写、翻訳または別の分子との結合を妨げるだけである)に比べて有利であろう。なぜならば、治療達成に必要なリボザイムの有効濃度はアンチセンスオリゴヌクレオチドのそれよりも低いからである。この潜在的な利点はリボザイムの酵素として機能する能力の結果である。したがって、ただ1つのリボザイム分子が多くの標的RNA分子を切断することができる。さらにまた、リボザイムは典型的には特異性が高い阻害剤であり、阻害の特異性は塩基対形成による結合メカニズムだけでなく、リボザイムが結合するRNAの発現を前記リボザイム分子が阻害するメカニズムにも依存している。すなわち、阻害はRNA標的の切断によって生じ、したがって特異性は非標的RNAの切断速度に対する標的RNAの切断速度の比と定義される。この切断メカニズムは塩基対形成に必要とされる要因にさらに付け加えられる要因に依存する。したがって、リボザイム作用の特異性は、同じRNA部位に結合するアンチセンスオリゴヌクレオチド結合の特異性よりも高いであろう。
酵素リボザイムRNA分子はハンマーヘッドモチーフとして形成できるが、ヘアピンモチーフ、肝炎デルタウイルスモチーフ、グループIイントロンモチーフまたはRNaseP様RNAモチーフ(RNAガイド配列と結合している)としてもまた形成できる。そのようなハンマーヘッドモチーフはRossi(Aids Research and Human Retroviruses 8:183 (1992))が、ヘアピンモチーフはHampel(Biochmistry 28:4929 (1989)およびNuc. Acids Res. 18:299 (1992))が、肝炎デルタウイルスモチーフはPerrotta(Biochemistry 31:16 (1992))が、RNasePモチーフはGuerrier-Takada(Cell 35:849 (1983))が、さらにグループIイントロンはCech(US Pat. No. 4,987,071)が記載している。これらの特定のモチーフを引用したのは、これらに限定しようとする意図ではなく、当業者は、本発明の酵素RNA分子は標的遺伝子のRNA領域の1つまたは2つ以上と相補的な固有の基質結合部位を有し、さらに基質結合部位内または前記周辺に前記リボザイム分子にRNA切断活性を付与するヌクレオチド配列を有することは理解していよう。
RNA干渉(RNAi):ある特徴では本発明は、本発明のアルドラーゼ配列を含むRNA阻害分子、いわゆる“RNAi”分子を提供する。RNAi分子は二本鎖RNA(dsRNA)分子を含む。RNAiはアルドラーゼ遺伝子の発現を阻害することができる。ある特徴では、RNAiは、長さが約15、16、17、18、19、20、21、2、23、24、25またはそれ以上のデュープレックスヌクレオチドを含む。本発明はいずれの特定の作用メカニズムにも限定されないが、RNAiは細胞内に入り、類似または同一の配列の一本鎖RNA(ssRNA)(内因性mRNAを含む)の分解を引き起こす。細胞が二本鎖RNA(dsRNA)に暴露されるとき、相同な遺伝子に由来するmRNAは、RNA干渉(RNAi)と称されるプロセスによって選択的に分解される。RNAiの背後にある可能な基本的メカニズムは、特定の遺伝子配列と一致する二本鎖RNA(dsRNA)の短い破片(短小干渉性RNAと称される)への分解である。短小干渉性RNAは、その配列と一致するmRNAの分解の引き金となる。ある特徴では、本発明の前記RNAiは遺伝子サイレンシング療法で用いられる(例えば以下を参照されたい:Shuey (2002) Drug Discov. Today 7:1040-1046)。ある特徴では、本発明は、本発明のRNAiを用いて選択的にRNAを分解する方法を提供する。前記方法はin vitro、ex vivoまたはin vivoで実施することができる。ある特徴では、本発明のRNAi分子を用いて細胞、器官または動物の機能欠損変異を作出することができる。選択的にRNAを分解するためにRNAi分子を製造および使用する方法は当業界では周知である。例えば以下を参照されたい:米国特許第6,506,559号、第6,511,824号、第6,515,109号および第6,489,127号。
核酸の改変
本発明は、本発明の核酸(例えばアルドラーゼ酵素をコードする核酸)の変種を作出する方法を提供する。この方法は多様な組合せで繰り返しまたは使用して、鋳型核酸によってコードされたアルドラーゼのものとは改変されもしくは別個の活性または改変されもしくは別個の安定性をもつアルドラーゼ酵素を作出することができる。本方法はまた多様な組合せで用いて、例えば遺伝子/メッセージ発現、メッセージ翻訳またはメッセージ安定性における変種を作出することができる。別の特徴では、細胞の遺伝的構成は、例えば相同遺伝子のex vivo改変とそれに続く前記遺伝子の細胞への再挿入により改変される。
本発明の核酸は任意の手段、例えばランダムもしくは確率的な方法、または非確率的方法、または“定方向進化”的方法によって改変できる。
遺伝子のランダム変異導入の方法は当業界で周知である(例えば以下を参照されたい:US Pat. No. 5,830,696)。例えば変異原を用いて遺伝子をランダムに変異させることができる。変異原には、例えば紫外線またはガンマ線照射、または化学的変異原、例えばマイトマイシン、亜硝酸、光活性化ソラレンが含まれ、単独または併用して組換えによって修復されやすいDNA破壊を誘発する。他の化学的変異原には、例えば、重亜硫酸ナトリウム、亜硝酸、ヒドロキシルアミン、ヒドラジンまたはギ酸が含まれる。その他の変異原は、ヌクレオチド前駆体の類似物質、例えばニトロソグアニジン、5-ブロモウラシル、2-アミノプリンまたはアクリジンである。これらの薬剤はPCR反応にヌクレオチド前駆体の代わりに添加され、それによって配列を変異させることができる。インターカレーション薬剤(例えばプロフラビン、アクリフラビン、キナクリンなど)もまた用いることができる。
分子生物学の任意の技術、例えばランダムPCR変異導入(例えば以下を参照されたい:Rice (1992) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89:5467-5471)または総当り組合せマルチカセット変異導入(combinatorial multiple cassette mutagenesis)(例えば以下を参照されたい:Crameri (1995) Biotechniques 18:194-196)を用いることができる。また別には、核酸(例えば遺伝子)をランダムにまたは“確率的に”フラグメント化した後で再アッセンブリングすることもできる(例えば以下を参照されたい:US Pat. No. 6,291,242; 6,287,862; 6,287,861; 5,955,358; 5,830,721; 5,824,514; 5,811,238; 5,605,793)。また別の特徴では、改変、付加または欠失が、変異性PCR、シャッフリング、オリゴヌクレオチド特異的変異導入、アッセンブリPCR、セクシュアルPCR変異導入、in vivo変異導入、カセット変異導入、再帰的アンサンブル変異導入、エクスポネンシャルアンサンブル変異導入、位置特異的変異導入、遺伝子再アッセンブリ、遺伝子部位飽和変異導入(GSSM)、合成連結再アッセンブリ(SLR)、組換え、再帰的配列組換え、ホスホチオエート修飾DNA変異導入、ウラシル含有鋳型による変異導入、ギャップ付加二重鎖変異導入、点ミスマッチ修復変異導入、修復欠損宿主株変異導入、化学的変異導入、放射性変異導入、欠失変異導入、制限-選択変異導入、制限-精製変異導入、人工遺伝子合成、アンサンブル変異導入、キメラ核酸マルチマーの生成および/またはその組合せならびに他の方法によって導入される。
以下の文献は、本発明の方法に取り入れることができる多様な再帰的組換え手順および/または方法を記載している:Stemmer (1999) "Molecular breeding of viruses for targeting and other clinical properties", Tiumor Tageting 4:1-4; Ness (1999) NatureBiotechnology 17:893-896; Chang (1999) "Evolution of a cytokine using DNA family shuffling", Nature Biotechnology 17:793-797; Minshull (1999) "Protein evolution by molecular breeding", Current Opinion in Chemical Biology 3:284-290; Christians (1999) "Directed evolution of thymidine kinase for AZT phosphorylation using DNA family shuffling", Nature Biotechnology 17:259-264; Crameri (1998) "DNA shuffling of a family of genes from diverse species accelerates directed evolution", Nature 391:288-291; Crameri (1997) "Molecular evolution of an arsenate dtoxification pathway by DNA shuffling", Nature Biotechnology 15:436-438; Zhang (1997) "Directed evolution of an effective fucosidase from a galactosidase by DNA shuffling and screenig", Proc. Natl. Acad. Sci. USA 94:4504-4509; Patten et al. (1997) "Applications of DNA Shuffling to Pharmaceuticals and Vaccines”, Current Opinion in Biotechnology 8:724-733; Crameri et al. (1996) "Construction and evolution of antibody-phage libraries by DNA shuffling", Nature Medicine 2:100-103; Crameri et al. (1996) "Improved green fluorescent protein by molecular evolution using DNA shuffling”, Nature Biotechnology 14:315-319; Gates et al. (1996) "Affinity selective isolation of ligands from peptide libraries through display on a lac repressor `headpiece dimer`" Journal of Molecular Biology 255:373-386; Stemmer (1996) "Sexual PCR and Assembly PCR" In: The Encyclopedia of Molecular Biology. VCH Publishers, New York. pp.447-457; Crameri and Stemmer (1995) "Combinatorial multiple cassette mutagenesis creates all the permutations of mutant and wildtype cassettes" BioTechniques 18:194-195; Stemmer et al. (1995) "Single-step assembly of a gene and entire plasmid form large numbers of oligodeoxyribonucleotides" Gene, 164:49-53; Stemmer (1995) "The Evolution of Molecular Computation" Science 270: 1510; Stemmer (1995) "Searching Sequence Space" Bio/Technology 13:549-553; Stemmer (1994) "Rapid evolution of a protein in vitro by DNA shuffling" Nature 370:389-391; およびStemmer (1994) "DNA shuffling by random fragmentation and reassembly: In vitro recombination for molecular evolution." Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91:10747-10751。
多様性を作出する変異導入方法には例えば以下が含まれる:位置特異的変異導入(Ling et al. (1997) "Approaches to DNA mutagenesis: an overview" Anal Biochem. 254(2): 157-178; Dale et al. (1996) "Oligonucleotide-directed random mutagenesis using the phosphorothioate method" Methods Mol. Biol. 57:369-374; Smith (1985) "In vitro mutagenesis" Ann. Rev. Genet. 19:423-462; Botstein & Shortle (1985) "Strategies and applications of in vitro mutagenesis" Science 229:1193-1201; Carter (1986) "Site-directed mutagenesis" Biochem. J. 237:1-7; および Kunkel (1987) "The efficiency of oligonucleotide directed mutagenesis" in Nucleic Acids & Molecular Biology (Eckstein, F. and Lilley, D. M. J. eds., Springer Verlag, Berlin));ウラシル含有鋳型を用いる変異導入 (Kunkel (1985) "Rapid and efficient site-specific mutagenesis without phenotypic selection" Proc. Natl. Acad. Sci. USA 82:488-492; Kunkel et al. (1987) "Rapid and efficient site-specific mutagenesis without phenotypic selection" Methods in Enzymol. 154, 367-382;およびBass et al. (1988) "Mutant Trp repressors with new DNA-binding specificities" Science 242:240-245);オリゴヌクレオチド誘導変異導入(Methods in Enzymol. 100: 468-500 (1983); Methods in Enzymol. 154: 329-350 (1987); Zoller & Smith (1982) "Oligonucleotide-directed mutagenesis using M13-derived vectors: an efficient and general procedure for the production of point mutations in any DNA fragment" Nucleic Acids Res. 10:6487-6500; Zoller & Smith (1983) "Oligonucleotide-directed mutagenesis of DNA fragments cloned into M13 vectors" Methods in Enzymol. 100:468-500; および Zoller & Smith (1987) "Oligonucleotide-directed mutagenesis: a simple method using two oligonucleotide primers and a single-stranded DNA template" Methods in Enzymol. 154:329-350);ホスホロチオエート改変DNA変異導入(Taylor et al. (1985) "The use of phosphorothioate-modified DNA in restriction enzyme reactions to prepare nicked DNA" Nucl. Acids Res. 13: 8749-8764; Taylor et al. (1985) "The rapid generation of oligonucleotide-directed mutations at high frequency using phosphorothioate-modified DNA" Nucl. Acids Res. 13: 8765-8787 (1985); Nakamaye (1986) "Inhibition of restriction endonuclease Nci I cleavage by phosphorothioate groups and its application to oligonucleotide-directed mutagenesis" Nucl. Acids Res. 14: 9679-9698; Sayers et al. (1988) "Y-T Exonucleases in phosphorothioate-based oligonucleotide-directed mutagenesis" Nucl. Acids Res. 16:791-802;およびSayers et al. (1988) "Strand specific cleavage of phosphorothioate-containing DNA by reaction with restriction endonucleases in the presence of ethidium bromide" Nucl. Acids Res. 16: 803-814);ギャップをもつデュープレックスDNAを用いる変異導入(Kramer et al. (1984) "The gapped duplex DNA approach to oligonucleotide-directed mutation construction" Nucl. Acids Res. 12: 9441-9456; Kramer & Fritz (1987) Methods in Enzymol. "Oligonucleotide-directed construction of mutations via gapped duplex DNA" 154:350-367; Kramer et al. (1988) "Improved enzymatic in vitro reactions in the gapped duplex DNA approach to oligonucleotide-directed construction of mutations" Nucl. Acids Res. 16: 7207; およびFritz et al. (1988) "Oligonucleotide-directed construction of mutations: a gapped duplex DNA procedure without enzymatic reactions in vitro" Nucl. Acids Res. 16: 6987-6999)。
本発明の方法で用いられるさらに別のプロトコルには以下が含まれる:点変異修復(Kramer (1984) "Point Mismatch Repair" Cell 38:879-887)、修復欠損宿主株を用いる変異導入(Carter et al. (1985) "Improved oligonucleotide site-directed mutagenesis using M13 vectors" Nucl. Acids Res. 13: 4431-4443; and Carter (1987) "Improved oligonucleotide-directed mutagenesis using M13 vectors" Methods in Enzymol. 154: 382-403)、欠失変異導入(Eghtedarzadeh (1986) "Use of oligonucleotides to generate large deletions" Nucl. Acids Res. 14: 5115), restriction-selection and restriction-selection and restriction-purification (Wells et al. (1986) "Importance of hydrogen-bond formation in stabilizing the transition state of subtilisin" Phil. Trans. R. Soc. Lond. A 317: 415-423)、全遺伝子合成による変異導入(Nambiar et al. (1984) "Total synthesis and cloning of a gene coding for the ribonuclease S protein" Science 223: 1299-1301; Sakamar and Khorana (1988) "Total synthesis and expression of a gene for the a-subunit of bovine rod outer segment guanine nucleotide-binding protein (transducin)" Nucl. Acids Res. 14: 6361-6372; Wells et al. (1985) "Cassette mutagenesis: an efficient method for generation of multiple mutations at defined sites" Gene 34:315-323;およびGrundstrom et al. (1985) "Oligonucleotide-directed mutagenesis by microscale `shot-gun` gene synthesis" Nucl. Acids Res. 13: 3305-3316)、二本鎖開裂修復(Mandecki (1986); Arnold (1993) "Protein engineering for unusual environments" Current Opinion in Biotechnology 4:450-455. "Oligonucleotide-directed double-strand break repair in plasmids of Escherichia coli: a method for site-specific mutagenesis" Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 83:7177-7181)。上記の方法の更なる詳細は” Enzymology”(Volume 154)で見出すことができる。前記はまた種々の変異導入方法に関する問題解決のための有用な管理について記載されている。
さらにまた以下を参照されたい:U.S. Pat. No. 5,605,793(Stemmer, Feb. 25, 1997, "Methods for In Vitro Recombination);U.S. Pat. No. 5,811,238 (Stemmer et al.,Sep. 22, 1998, "Methods for Generating Polynucleotides having Desired Characteristics by Iterative Selection and Recombination");U.S. Pat. No. 5,830,721(Stemmer et al., Nov. 3, 1998, "DNA Mutagenesis by Random Fragmentation and Reassembly");U.S. Pat. No. 5,834,252(Stemmer, et al., Nov. 10, 1998, "End-Complementary Polymerase Reaction");U.S. Pat. No. 5,837,458(Minshull, et al., Nov. 17, 1998, "Methods and Compositions for Cellular and Metabolic Engineering");WO 95/22625(Stemmer and Crameri, "Mutagenesis by Random Fragmentation and Reassembly");WO 96/33207(Stemmer and Lipschutz, "End Complementary Polymerase Chain Reaction");WO 97/20078(Stemmer and Crameri, "Methods for Generating Polynucleotides having Desired Characteristics by Iterative Selection and Recombination");WO 97/35966(Minshull and Stemmer, "Methods and Compositions for Cellular and Metabolic Engineering");WO 99/41402(Punnonen et al. "Targeting of Genetic Vaccine Vectors");WO 99/41383(Punnonen et al. "Antigen Library Immunization");WO 99/41369(Punnonen et al. "Genetic Vaccine Vector Engineering"); WO 99/41368(Punnonen et al. "Optimization of Immunomodulatory Properties of Genetic Vaccines");EP 752008(Stemmer and Crameri, "DNA Mutagenesis by Random Fragmentation and Reassembly");EP 0932670(Stemmer "Evolving Cellular DNA Uptake by Recursive Sequence Recombination");WO 99/23107(Stemmer et al., "Modification of Virus Tropism and Host Range by Viral Genome Shuffling");WO 99/21979(Apt et al., "Human Papillomavirus Vectors");WO 98/31837(del Cardayre et al. "Evolution of Whole Cells and Organisms by Recursive Sequence Recombination");WO 98/27230(Patten and Stemmer, "Methods and Compositions for Polypeptide Engineering");WO 98/27230(Stemmer et al., "Methods for Optimization of Gene Therapy by Recursive Sequence Shuffling and Selection");WO 00/00632, "Methods for Generating Highly Diverse Libraries";WO 00/09679, "Methods for Obtaining in Vitro Recombined Polynucleotide Sequence Banks and Resulting Sequences";WO 98/42832(Arnold et al., "Recombination of Polynucleotide Sequences Using Random or Defined Primers");WO 99/29902(Arnold et al., "Method for Creating Polynucleotide and Polypeptide Sequences");WO 98/41653(Vind, "An in Vitro Method for Construction of a DNA Library");WO 98/41622(Borchert et al., "Method for Constructing a Library Using DNA Shuffling");およびWO 98/42727(Pati and Zarling, "Sequence Alterations using Homologous Recombination")
いくつかの米国特許出願は種々の多様性の作製方法に関してさらに別の詳細な記載を提供している。前記には以下が含まれる:"SHUFFLING OF CODON ALTERED GENES"(Patten et al.,1999年9月28日出願、U.S. Ser. No. 09/407,800); "EVOLUTION OF WHOLE CELLS AND ORGANISMS BY RECURSIVE SEQUENCE RECOMBINATION"(del Cardayre et al., 1998年7月15日出願、U.S. Ser. No. 09/166,188)および(1999年7月15日出願、U.S. Ser. No. 09/354,922); "OLIGONUCLEOTIDE MEDIATED NUCLEIC ACID RECOMBINATION"(Crameri et al., 1999年9月28日出願、U.S. Ser. No. 09/408,392)および "OLIGONUCLEOTIDE MEDIATED NUCLEIC ACID RECOMBINATION"(Crameri et al., 2000年1月18日出願、PCT/US00/01203);"USE OF CODON-VARIED OLIGONUCLEOTIDE SYNTHESIS FOR SYNTHETIC SHUFFLING"(Welch et al., 1999年9月28日出願、U.S. Ser. No. 09/408,393); "METHODS FOR MAKING CHARACTER STRINGS, POLYNUCLEOTIDES & POLYPEPTIDES HAVING DESIRED CHARACTERISTICS"(Selifonov et al., 2000年1月18日出願、PCT/US00/01202) および、例えば "METHODS FOR MAKING CHARACTER STRINGS, POLYNUCLEOTIDES & POLYPEPTIDES HAVING DESIRED CHARACTERISTICS"(Selifonov et al., 2000年7月18日出願、U.S. Ser. No. 09/618,579);"METHODS OF POPULATING DATA STRUCTURES FOR USE IN EVOLUTIONARY SIMULATIONS"(Selifonov and Stemmer, 2000年1月18日出願PCT/US00/01138);および "SINGLE-STRANDED NUCLEIC ACID TEMPLATE-MEDIATED RECOMBINATION AND NUCLEIC ACID FRAGMENT ISOLATION"(Affholter, 2000年9月6日出願、U.S. Ser. No. 09/656,549)。
非確率的、あるいは「低方向進化」法には、例えば、飽和変異導入(GSSM)、合成連結再アッセンブリ(SLR)、またはそれらの組合せが含まれ、新規な又は改変された特性(例えば、高度に酸性又はアルカリ性条件下における活性、高温における活性その他)を有するアルドラーゼを生成するために本発明の核酸を改変するために使用される。改変された核酸によってコードされるポリペプチドはアルドラーゼまたは他の活性についてテストする前に活性に関してスクリーニングすることが出来る。どのようなテスト様式やプロトコルを使用することもでき、例えば、キャピラリーアレイプラットフォームを使用することが出来る。例えば、米国特許第6,280,926号、5,939,250号を参照されたし。
飽和変異導入(またはGSSM):本発明のある特徴では、非確率的遺伝子改変、“定方向進化プロセス”を用いて新規なまたは改変された特性を有するアルドラーゼが作出される。前記方法のバリエーションは、“遺伝子部位飽和変異導入”、“位置飽和変異導入”、“飽和変異導入”または単に“GSSM”と称されてきた。前記方法は他の変異導入プロセスと組み合わせて用いることができる(例えば以下を参照されたい:米国特許第6,171,820号、第6,238,884号)。ある特徴ではGSSMは以下を含む:鋳型ポリヌクレオチドおよび複数のオリゴヌクレオチドを提供し(各オリゴヌクレオチドは鋳型ポリヌクレオチドと相同な配列を含み、それによって鋳型ヌクレオチドの特定の配列を標的とし、さらに
相同な遺伝子の変種である配列を含む)、前記オリゴヌクレオチドとともに鋳型ポリヌクレオチドを複製することによって非確率的な配列変種を含む子孫ポリヌクレオチドを生成し、それによって相同な遺伝子配列変種を含むポリヌクレオチドを作出する。
ある特徴では、縮退N,N,G/T配列を含むコドンプライマーを用いてポリヌクレオチドに点変異が導入され、子孫ポリペプチドセットが作出される。前記子孫ポリペプチドセットでは、例えば改変の標的となる酵素活性部位またはリガンド結合部位の各アミノ酸の位置で単一のアミノ酸置換の全てが出現する。これらのオリゴヌクレオチドは、連続する第一の相同配列、縮退N,N,G/T配列および場合によって第二の相同な配列を含むことができる。そのようなオリゴヌクレオチドを使用することによって得られるそれ以降の子孫翻訳生成物には、N,N,G/T配列の縮退は20の全てのアミノ酸のためのコドンを含むのでポリペプチドに沿って各アミノ酸の位置で可能な全てのアミノ酸変化が含まれる。ある特徴では、1つのそのような縮退オリゴヌクレオチド(例えば1つに縮退N,N,G/Tカセットを含む)が、親のポリヌクレオチド鋳型中の本来のコドンの各々を全範囲のコドン置換に付すために用いられる。また別の特徴では、親のポリヌクレオチド鋳型中の少なくとも2つの本来のコドンを全範囲のコドン置換に付すために少なくとも2つの縮退カセットが(同じヌクレオチドまたは別個のヌクレオチドで)用いられる。例えば2つ以上のN,N,G/T配列を1つのオリゴヌクレオチド内に含ませ、2つ以上の部位でアミノ酸置換を導入することができる。この複数のN,N,G/T配列は連続していてもよいし、または1つもしくは2つ以上のさらに別のヌクレオチド配列によって分離されてあってもよい。別の特徴では、付加および欠失の導入に役立つオリゴヌクレオチドは単独またはN,N,G/T配列を含むコドンとともに用いて、アミノ酸付加、欠失および/または置換の任意の組合せまたは並べ換えが導入される。
ある特徴では、2つまたは3つ以上の連続するアミノ酸位置の同時変異は、連続するN,N,G/Tトリプレット(すなわち縮退(N,N,G/T)n配列)を含むオリゴヌクレオチドを用いて実施される。別の特徴では、N,N,G/T配列よりも縮退性の小さい縮退カセットが用いられる。例えば、いくつかの事例では、ただ1つのN(Nは前記トリプレットの第一、第二または第三番目の位置に存在できる)を含む縮退トリプレット配列を(オリゴヌクレオチドで)用いることができる。任意の組合せおよび並べ換えを含む他のいずれの塩基もトリプレットの残りの2つの位置で用いることができる。また別にはいくつかの事例で縮退N,N,N,トリプレット配列を(例えばオリゴヌクレオチドで)用いることができる。
ある特徴では、縮退トリプレット(例えばN,N,G/Tトリプレット)の使用によって、ポリペプチドのそれぞれ全てのアミノ酸の位置について天然アミノ酸の全範囲の(合計20アミノ酸)系統的で容易な作出が可能になる(別の特徴では、前記方法はまた、各アミノ酸残基、コドン、位置あたりの可能な全ての置換よりも少ない置換の作出も含む)。例えば、100アミノ酸のポリペプチドの場合、2000個の別個の種(すなわち各位置につき20個の可能なアミノ酸X100個のアミノ酸位置)が作出される。縮退N,N,G/Tトリプレットを含むオリゴヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドセットを使用することによって、32個の個々の配列が20個の可能な天然のアミノ酸を全てコードすることができる。したがって、親のポリヌクレオチド配列が少なくとも1つの前記のようなオリゴヌクレオチドを用いて飽和変異導入に付される反応容器では、20個の別個のポリペプチドをコードする32個のそれぞれ別個の子孫ポリヌクレオチドが生成される。対照的に、位置特異的変異導入では非縮退オリゴヌクレオチドを使用したとき、各反応容器につきただ1つの子孫ポリペプチド生成物が生じるだけである。非縮退オリゴヌクレオチドは場合によって開示の縮退プライマーとともに用いることができる。例えば、非縮退オリゴヌクレオチドを用いて対象のポリヌクレオチドで特定の点変異を作出することができる。これは、特定のサイレント点変異、対応するアミノ酸変化をもたらす点変異、並びに終止コドンおよびポリペプチドフラグメントの対応する発現を生じさせる点変異を作出する1つの手段を提供する。
ある特徴では、各飽和変異導入反応容器は、親のポリヌクレオチドで変異を誘発されたコドンの位置に対応する個々のアミノ酸位置において20個全ての天然アミノ酸が出現することができるように、少なくとも20の子孫ポリペプチド(例えばアルドラーゼ)分子をコードするポリヌクレオチドを含む(他の特徴では20個未満の天然の組合せが用いられる)。各飽和変異導入反応容器から作出される32倍の縮退子孫ポリペプチドをクローン増幅に付し(例えば適切な宿主(例えば大腸菌宿主)に例えば発現ベクターを用いてクローニングする)、さらに発現スクリーニングに付すことができる。スクリーニングにより好ましい特性の変化を表示させることによって個々の子孫ポリペプチドが特定されたならば(例えば親のポリペプチドと比較したときアルカリ性または酸性条件下でアルドラーゼ活性が増加する)、その子孫ポリペプチドを配列決定し、その中に含まれる対応する好ましいアミノ酸置換を特定することができる。
ある特徴では、本明細書に開示したように、親のポリペプチドのそれぞれ且つ全てのアミノ酸位置に飽和変異導入を用いて変異を導入すると、好ましいアミノ酸変化が2つ以上のアミノ酸位置で特定できることがある。これら好ましいアミノ酸置換の全てまたは一部分の組合せを含む1つまたは2つ以上の新規な子孫分子を作出することができる。例えば、2つの具体的な好ましいアミノ酸変化が、ポリペプチドの3つのアミノ酸ポジションの各々で特定されるならば、前記の変更は各ポジションおよび3つのポジションで3つの可能性を含む(最初のアミノ酸から変化のないものおよび2つの好ましい変化をもつそれぞれのもの)。したがって、3x3x3、または合計27の可能性が存在し、前記は以前に調べられた7つ−6つの単一点変異(すなわち3つのポジションの各々で2つ)およびいずれのポジションにおいても変化のないものを含む。
別の特徴では、位置飽和変異導入をまた別の確率的または非確率的手段と一緒に用いて配列を変化させることができる。前記別の手段は、例えば合成連結再アッセンブリ(下記参照)、シャッフリング、キメラ化、組換えおよび他の変異導入プロセスおよび変異導入剤である。本発明は任意の変異導入プロセスの使用を提供する。これには反復態様で用いられる飽和変異導入が含まれる。
合成連結再アッセンブリ(SLR):本発明は、“合成連結再アッセンブリ”、または簡潔に“SLR”、“定方向進化プロセス”と称され、新規なまたは変化した特性を有するアルドラーゼを作出する非確率的遺伝子改変系を提供する。SLRは、オリゴヌクレオチドフラグメントを非確率的に一緒に連結する方法である。この方法は、核酸構築ブロックがランダムにシャッフルされることなく、連結されることなく、またはキメラ化されることなく、むしろ非確率的にアッセンブリングされるという点で確率的オリゴヌクレオチドシャッフリングとは異なる。例えば以下を参照されたい:米国特許出願(USSN)09/332,835(”Synthetic Ligation Reassembly in Directed Evolution”)(1999年6月14日出願)。ある特徴では、SLRは以下の工程を含む:(a)鋳型ポリヌクレオチドを提供する工程(前記鋳型ポリヌクレオチドは相同な遺伝子をコードする配列を含む);(b)複数の構築ブロックポリヌクレオチドを提供する工程(前記構築ブロックポリヌクレオチドは鋳型ポリヌクレオチドとあらかじめ定められた配列で交差再アッセンブリングを生じるように設計され、構築ブロックポリヌクレオチドは前記相同な遺伝子の変種である配列および前記変種配列にフランキングする前記鋳型ポリヌクレオチドと相同な配列を含む);(c)前記構築ブロックポリヌクレオチドが前記鋳型ポリヌクレオチドと交差再アッセンブリングして相同な遺伝子配列変種を含むポリヌクレオチドを作出できるように、構築ブロックポリヌクレオチドを鋳型ポリヌクレオチドと一緒にする工程。
SLRは、再アレンジメントを実施されるポリヌクレオチド間に高レベルの相同性が存在することを必要としない。したがって、本方法は、10100を超える種々のキメラを含む子孫分子のライブラリー(またはセット)を非確率的に作製するために用いることができる。SLRを用いて101000を超える種々の子孫キメラを含むライブラリーの作製に用いることができる。したがって、本発明の特徴は、設計により選択された全体的なアッセンブリの順番にしたがって完成されたキメラ核酸分子セットを製造する非確率的方法を提供する。この方法は以下の工程を含む:互いに適合する連結可能な有用な末端を有する複数の特別な核酸構築ブロックを設計して作製し、設計した全体的なアッセンブリの順番が達成されるように前記核酸構築ブロックをアッセンブリングする。
アッセンブリングされる互いに適合する核酸構築ブロックの末端は、これらが構築ブロックをあらかじめ定めた順序で結合させることができる場合に、このタイプの指定されたアッセンブリに対して“有用”であると考えられる。したがって、核酸構築ブロックが結合される全体的なアッセンブリの順番は、連結させることができる末端のデザインによって特定される。2つ以上のアッセンブリ工程が用いられる場合、核酸構築ブロックが結合される全体的アッセンブリの順番は、アッセンブリ工程の一連の順番によって特定される。ある特徴では、アニールされた構築片が酵素(例えばリガーゼ(例えばT4DNAリガーゼ))で処理され、構築片の共有結合が達成される。
ある特徴では、オリゴヌクレオチド構築ブロックの設計は、完成したキメラポリヌクレオチドの子孫セットを製造する基礎として機能する祖先の核酸配列鋳型セットを分析することによって得られる。したがって、これら親のオリゴヌクレオチド鋳型は、変異(例えばシャッフリングまたはキメラ化)を導入しようとする核酸構築ブロックのデザインに役立つ配列情報源として機能する。
本発明のある特徴では、複数の親核酸鋳型の配列でアラインメントを実施して1つまたは2つ以上の境界点が選択される。前記境界点は相同領域に位置し、1つまたは2つ以上のヌクレオチドを含むことができる。これらの境界点は好ましくは少なくとも2つの祖先鋳型によって共有される。それによって境界点は、親ポリヌクレオチドの再編成のために作製されるオリゴヌクレオチド構築ブロックの境界線を引くために用いることができる。祖先分子で特定され選別される境界点は、完成キメラ子孫分子のアッセンブリにおける潜在的キメラ形成点として機能する。境界点は、少なくとも2つの親ポリヌクレオチド配列によって共有される相同領域(少なくとも1つの相同なヌクレオチド塩基を含む)であり得る。また別には、境界点は、親ポリヌクレオチド配列の少なくとも半分によって共有される相同領域であるか、または親ポリヌクレオチド配列の少なくとも2/3によって共有される相同領域であり得る。さらに好ましくは、有用な境界点は、親ポリヌクレオチド配列の少なくとも3/4によって共有される相同領域であるか、または前記は親ポリヌクレオチド配列のほぼ全てによって共有されるであり得る。ある特徴では、境界点は、親ポリヌクレオチド配列の全部によって共有される相同領域である。
ある特徴では、連結再アッセンブリプロセスは、子孫キメラポリヌクレオチドの網羅的ライブラリーを作製するために網羅的に実施される。換言すれば、全ての可能な順番で組み合わされた核酸構築ブロックが、完成キメラ核酸分子セットに提示される。同時に、別の実施態様では、各組合せにおけるアッセンブリの順番(すなわち完成したキメラ核酸の各々の配列の5'から3'方向における各構築ブロックのアッセンブリの順番)は上記に記載したように意図的(または非確率的)である。本発明の非確率的な性質のために、望ましくない副生成物の可能性は極めて少ない。
別の特徴では、前記連結再アッセンブリ方法は系統的に実施される。例えば、前記方法は、系統的に区画化された子孫分子のライブラリーを作製するために実施され、前記区画化ライブラリーは、系統的に(例えば1つずつ)スクリーニングすることができる区画を有する。換言すれば、本発明は、連続工程によるアッセンブリング反応の選択的および慎重な使用と併せて特定の核酸構築ブロックを選択的および慎重に使用することによって、特定の子孫生成物セットがいくつかの反応容器の各々で生成される仕組みの達成を提供する。これによって系統的な調査およびスクリーニング方法の実施が可能になる。したがって、これらの方法は、潜在的に膨大な数の子孫分子をより小さなグループで系統的に調査することを可能にする。特に祖先分子間で低レベルの相同性しか存在しないときに、高度に柔軟性を有し、しかも包括的で系統的な態様でのキメラ化の実施を可能にするその能力のために、これらの方法は膨大な数の子孫分子を含むライブラリー(またはセット)の作出を提供する。本発明の連結再アッセンブリの非確率的性質のために、作出される子孫分子は好ましくは、設計により選択された全体的なアッセンブリの順番を有する完成されたキメラ核酸分子のライブラリーを含む。飽和変異導入および最適化された定方向進化方法もまた種々の子孫分子種の作出に用いることができる。本発明は、境界点、核酸構築ブロックのサイズおよび数並びに結合のデザインの選択に関して選択と制御の自由を提供することは理解されよう。さらにまた、分子間相同性の要求は、本発明を実施し易くするために大きく緩和されることもまた理解されよう。実際、境界点はほとんどまたはまったく分子間相同性がない領域でも選択できる。例えば、コドンの揺らぎのために(すなわちコドンの縮退性のために)、ヌクレオチド置換は、対応する祖先鋳型でコードされる元のアミノ酸を変更することなく核酸中に導入することができる。また別には、コドンを変更して元のアミノ酸のコードを変更してもよい。本発明は、分子間相同性を有する境界点の出現傾向を高めるために、したがって構築ブロック間で達成される結合数を高めるために(前記はそれぞれ生成される子孫キメラ分子数の増加を可能にする)、前述のような置換の核酸構築ブロックへの導入を提供する。
また別の特徴では、構築ブロックが作製される工程の合成的な性質によって、in vitro操作(例えば変異導入により)またはin vivo操作(例えば宿主生物の遺伝子スプライシング能を利用することにより)で場合によって後で除去することが可能なヌクレオチド(例えばコドンまたはイントロンまたは調節配列でありえる1つまたは2つ以上のヌクレオチド)を設計および導入することが可能になる。多くの事例で、有用な境界点を創出できるという潜在的な利点の他に多くの他の理由からこれらヌクレオチドの導入はまた所望されるであろうということは理解されよう。
ある特徴では、核酸構築ブロックを用いてイントロンを導入することができる。したがって、機能的なイントロンが本明細書に記載された方法にしたがって製造された人工遺伝子に導入される。前記人工的に導入されたイントロンは、天然に存在するイントロンが遺伝子スプライシングで機能を発揮する態様とほぼ同じように遺伝子スプライシングのために宿主細胞で機能することができる。
最適化定方向進化システム:本発明は、新規なまたは改変された特性をもつアルドラーゼを作出するために、“最適化定方向進化システム”と称される非確率的遺伝子改変系を提供する。最適化定方向進化は、組換えによる核酸の定方向分子進化を可能にする、還元的再組合わせ(reductive reassotment)、組換えおよび選別の反復サイクルを用いることを意図する。最適化定方向進化は進化したキメラ配列の大集団の作出を可能にし、前記作出集団には予め定められた数の交差事象を含む配列がきわめて豊富に存在する。
交差事象は、一方の親の変種から別の親の変種へ配列のシフトが生じるキメラ配列内の点である。そのような点は通常は2つの親に由来するオリゴヌクレオチドが一緒に連結され、単一の配列を形成する結合部に存在する。本方法は、最終的なキメラ配列集団が選択した数の交差事象を豊富に含むことができるようにオリゴヌクレオチド配列の正確な濃度の計算を可能にする。これによって、予め定められた数の交差事象を含むキメラ変種の選択に対してより大きな制御が提供される。
さらにまた、本方法は、他の系と比較して膨大な量の可能なタンパク質変種空間の探索のための簡便な手段を提供する。以前には、反応中に例えば1013個のキメラ分子が作出された場合、そのような膨大な数の変種の特定の活性についてテストすることは極めて困難であろう。さらにまた、子孫集団の顕著な部分が、特定の活性のレベルが増加している可能性が少ないタンパク質を生じる非常に大きな数の交差事象を含むであろう。前記の方法を用いることによって、キメラ分子集団は特定の数の交差事象を含む変種を豊富に含むことができる。したがって、反応中になお1013個のキメラ分子しか作出できなくても、更なる分析のために選別される分子の各々は、例えば3つの交差事象だけを含む可能性が高くなる。生成された子孫集団が予め定めた数の交差事象を持つように偏らせることができるので、キメラ分子間の機能的変種に対する境界点が減少する。これによって、元の親のポリヌクレオチドに由来するどのオリゴヌクレオチドが特定の属性に影響を及ぼすために必要かを計算するときにより操作しやすい数の変数が提供される。
キメラ子孫ポリヌクレオチドを作製する1つの方法は、それぞれの親の配列のフラグメントまたは部分に対応するオリゴヌクレオチドを作製することである。各オリゴヌクレオチドは好ましくは固有のオーバーラップ領域を含み、その結果、前記オリゴヌクレオチドを一緒に混合することによって、各オリゴヌクレオチドフラグメントが正しい順番でアッセンブリングされた新規な変種が生成される。更なる情報はUSSN09/332,835で見出すことができよう。各親変種ために作出されるオリゴヌクレオチドの数は、最終的に作製されるキメラ分子で生じる交差の総数と関係がある。例えば、3つの親のヌクレオチド配列変種が提供され、連結反応を経て高温でより高い活性をもつキメラ変種を見つけることができるであろう。1つの例として、50個のオリゴヌクレオチド配列を含むセットを各親変種のそれぞれの部分に対応して作製することができる。したがって、連結アッセンブリ工程の間に、キメラ配列の各々の中に50個までの交差事象が存在することができよう。作出されたキメラポリヌクレオチドの各々が交互に各親変種由来のオリゴヌクレオチドを含む確率は非常に低い。各オリゴヌクレオチドフラグメントが連結反応で同じモル濃度で存在するならば、いくつかの位置で同じ親に由来するオリゴヌクレオチドが互いに並んで連結され、したがって交差事象を生じない可能性がある。各親に由来する各オリゴヌクレオチドの濃度がこの例のいずれの連結工程でも一定に保たれるならば、同じ親変種に由来するオリゴヌクレオチドがキメラ配列内で連結され、交差を生じないチャンスは1/3(3つの親と仮定した)である。
したがって、親変種セットの数、各変種に対応するオリゴヌクレオチドの数、および連結反応の各工程における各変種の濃度が与えられたならば、確率密度関数(probability density function (PDF))を決定して連結反応の各工程で生じる可能性がある交差事象をもつ集団を予測することができる。PDFの決定の根拠となる統計学および数学は以下に記載される。これらの方法を用いることによって、前記の確率密度関数を決定することができ、したがって個々の連結反応から生じる予め定めた数の交差事象のためにキメラ子孫集団の濃度を高めることができる。さらにまた、交差事象の標的数は予め定めることができ、続いて、予め定めた交差事象数に集中する確率密度関数をもたらす連結反応の各工程における各親オリゴヌクレオチドの出発量を算出するために前記系をプログラミングすることができる。これらの方法は、組換えによりポリペプチドをコードする核酸の誘導分子進化を可能にする還元的再組合わせ、組換えおよび選別の反復サイクルを用いることを意図する。前記の系は進化したキメラ配列の大集団の作製を可能にし、作製された集団は、予め定めた数の交差事象を含む配列が顕著に濃縮されている。交差事象は、一方の親変種からもう一方の親変種へ配列のシフトが生じるキメラ配列中の点である。そのような点は通常は2つの親に由来するオリゴヌクレオチドが一緒に連結され、単一の配列を形成する結合部に存在する。前記方法は、最終的なキメラ配列集団が選択した数の交差事象に富むことができるようにオリゴヌクレオチド配列の正確な濃度の計算を可能にする。これによって、予め定めた数の交差事象を含むキメラ変種の選択に対してより大きな制御が提供される。
さらにまた、これらの方法は、他の系と比較して膨大な量の可能なタンパク質変種スペースの探索のための簡便な手段を提供する。本明細書に記載した方法を用いることによって、特定の数の交差事象を含む変種についてキメラ分子集団を濃縮することができる。したがって、反応中になお1013個のキメラ分子しか作出できなくても、更なる分析のために選別される分子の各々は、例えば3つの交差事象だけを含む可能性が高くなる。生成された子孫集団が予め定めた数の交差事象を持つように偏らせることができるので、キメラ分子間の機能的変種に対する境界点が減少する。これによって、最初の親のポリヌクレオチドに由来するどのオリゴヌクレオチドが特定の属性に影響を及ぼすために必要かを計算するときにより操作しやすい数の変数が提供される。
ある特徴では、前記方法は、それぞれの親の配列のフラグメントまたは部分に対応するオリゴヌクレオチドを作製することによってキメラ子孫ポリヌクレオチド配列を作出する。各オリゴヌクレオチドを一緒に混合することによって各オリゴヌクレオチドフラグメントが正しい順番でアッセンブリングされた新規な変種が生じるように、各オリゴヌクレオチドは好ましくは固有のオーバーラップ領域を含む。例えばUSSN09/332,835を参照されたい。
各親変種のために作出されるオリゴヌクレオチドの数は、最終的に作製されるキメラ分子で生じる交差の総数と関係がある。例えば、3つの親のヌクレオチド配列変種が提供され、連結反応を経て例えば高温でより高い活性をもつキメラ変種を見つけることができるであろう。1つの例として、50個のオリゴヌクレオチド配列を含むセットを各親変種のそれぞれの部分に対応して作製することができる。したがって、連結集合工程の間に、キメラ配列の各々の中に50個までの交差事象が存在することができよう。作出されたキメラポリヌクレオチドの各々が交互に各親変種由来のオリゴヌクレオチドを含む確率は非常に低い。各オリゴヌクレオチドフラグメントが連結反応で同じモル濃度で存在するならば、いくつかの位置で同じ親に由来するオリゴヌクレオチドが互いに並んで連結され、したがって交差事象を生じない可能性がある。各親に由来する各オリゴヌクレオチドの濃度がこの例のいずれの連結工程でも一定に保たれるならば、同じ親変種に由来するオリゴヌクレオチドがキメラ配列内で連結され、交差を生じないチャンスは1/3(3つの親と仮定した)である。
したがって、親変種セットの数、各変種に対応するオリゴヌクレオチドの数、および連結反応の各工程における各変種の濃度が与えられたならば、確率密度関数(PDF)を決定して連結反応の各工程で生じる可能性がある交差事象をもつ集団を予測することができる。PDFの決定の根拠となる統計学および数学は以下に記載される。前記の確率密度関数を決定することができ、したがって個々の連結反応から生じる予め定めた数の交差事象についてキメラ子孫集団の濃度を高めることができる。さらにまた、交差事象の標的数は予め定めることができ、続いて、予め定めた交差事象数に集中する確率密度関数を生じる連結反応の各工程における各親オリゴヌクレオチドの出発量を算出するようにシステムをプログラミングすることができる。
交差事象の決定:本発明の実施態様は、所望の交差事象の確立濃度関数(PDF)、再アッセンブリングされる親遺伝子の数および再アッセンブリでのフラグメント数を入力として受け取るシステムおよびソフトを含む。このプログラムの出力は、再アッセンブリングされた遺伝子を製造するためのレシピを決定するために用いることができる“フラグメントPDF”およびこれら遺伝子の概算交差PDFである。本明細書に記載されるプロセッシングは好ましくは、MATLAB(登録商標)(The Mathworks, Natick, Massachusetts)、プログラミング言語およびテクニカルコンピューティングのための開発環境で実施される。
反復手順:本発明の実施に際して、これらの手順は何度も繰り返すことができる。例えば、改変されたアルドラーゼ表現型をもたらすある核酸(またはすでに知られている核酸)は同定、再単離、再改変され、さらに活性について再テストされる。この工程は、所望の表現型が作出されるまで何度も繰り返すことができる。例えば、生化学的同化作用または異化作用経路(アルドラーゼ活性を含む)全体を細胞内に操作によって作出することができる。
同様に、特定のオリゴヌクレオチドが所望の属性(例えば新規なアルドラーゼ表現型)について全く影響を与えないと決定されたならば、前記オリゴヌクレオチドは変数として除去することができ、それは除去される配列を含むより大きな親オリゴヌクレオチドを合成することによって達成される。配列をより大きな配列内に取り込むことによって一切の交差事象が防止されるので、子孫ポリヌクレオチド中にはこの配列の変型はもはや全く存在しないであろう。どのオリゴヌクレオチドが所望の属性と最も関係があり、どのオリゴヌクレオチドが無関係であるかを決定するこの反復実施は、特定の属性または活性を提供する可能性があるタンパク質の全てについてより効率的な探索を可能にする。
in vivoシャッフリング:分子のin vivoシャッフリングは、本発明のポリペプチド(例えば抗体、アルドラーゼ酵素など)の変種を提供する本発明の方法で使用される。in vivoシャッフリングは、マルチマーを再結合させる細胞の天然の特性を利用して実施することができる。in vivo組換えは分子の多様性をもたらす主要な天然の経路を提供してきたが、一方遺伝子組み換えは以下を含む比較的複雑な過程のままである:1)相同性の認識;2)鎖の切断、鎖の侵襲、および組換え交差の生成をもたらす代謝工程;および最後に3)別個の再結合分子へのキアズマの分離。キアズマの形成は相同配列の認識を必要とする。
ある特徴では、本発明は、少なくとも第一のポリヌクレオチドおよび第二のポリヌクレオチドからハイブリッドポリヌクレオチドを製造する方法を提供する。本発明を用いてハイブリッドポリヌクレオチドを製造することができる。これは、部分的な配列相同性を少なくとも1つの領域で共有する少なくとも第一のポリヌクレオチドおよび第二のポリヌクレオチドを適切な宿主細胞に導入することによって達成される。部分的な配列相同性領域は、ハイブリッドポリヌクレオチドを生成する配列認識を生じるプロセスを促進する。本明細書で用いられる“ハイブリッドポリヌクレオチド”という用語は、本発明の方法によりもたらされ、少なくとも2つの原型ポリヌクレオチド配列由来の配列を含む任意のヌクレオチド配列である。そのようなハイブリッドポリヌクレオチドは、DNA分子間の配列統合を促進する分子間組換え事象により生じる。さらにまた、そのようなハイブリッドポリヌクレオチドは、連続工程の繰り返しによりDNA分子内のヌクレオチド配列を改変させる分子内還元的再組合わせプロセスにより生成することができる。
配列変種の作製:本発明はまた、本発明の核酸およびポリペプチド(例えばアルドラーゼ)配列の変種を作製する方法、または本発明の核酸およびポリペプチドを用いてアルドラーゼ配列変種を単離する方法を提供する。ある特徴では、本発明は本発明のアルドラーゼ遺伝子の変種を提供する。この変種は、任意の手段(例えばランダムもしくは確率的方法、または非確率的もしくは上記に記載した“定方向進化”方法を含む)によって改変することができる。
単離変種は天然に存在するものでもよい。変種はまたin vitroで作出することもできる。変種は遺伝子工学技術、例えば位置特異的変異導入、化学的ランダム変異導入、エキソヌクレアーゼIII欠失方法および標準的クローニング技術を用いて作出することができる。また別には、そのような変種、フラグメント類似体または誘導体は化学的合成または改変方法を用いて作出することができる。変種を作製する他の方法もまた当業者にはよく知られていよう。前記には、天然の単離体から得られた核酸配列を改変して、それらの工業的価値または実験室利用を高める特性をもつポリペプチドをコードする核酸を生成する方法が含まれる。そのような方法では、天然の単離体から得られた配列に対して1つまたは2つ以上のヌクレオチドの相違を有する多数の変種配列が作出され、特性が決定される。これらのヌクレオチド相違は、天然の単離体の核酸によってコードされるポリペプチドに対してアミノ酸変化をもたらすことができる。
例えば、変種は変異性PCRを用いて作製することができる。変異性PCRでは、PCRは、DNAポリメラーゼの複写信頼性が低く、高率の点変異がPCR全長にわたって得られるような条件下で実施される。変異性PCRは例えば以下に記載されている:D.W. Leung et al., Technique, 1:11-15 (1989); R.C. Caldwell & G.F. Joyce, PCR Methods Applic. 2:28-33 (1992)。簡単に記せば、前記の方法では、変異を導入される核酸は、PCRプライマー、反応緩衝液、MgCl2、MnCl2、Taqポリメラーゼおよび適切な濃度のdNTPと混合され、PCR生成物の全長にわたって高率の点変異が達成される。例えば、前記反応は、20fmoleの変異を導入されるべき核酸、30pmoleの各PCRプライマー、反応緩衝液(50mMのKCL、10mMのトリス(pH8.3)および0.01%のゼラチンを含む)、7mMのMgCl2、0.5mMのMnCl2、5単位のTaqポリメラーゼ、0.2mMのdGTP、0.2mMのdATP、1mMのdCTPおよび1mMのdTTPを用いて実施される。PCRでは、94℃1分、45℃1分および72℃1分の30サイクルが実施される。しかしながら、これらのパラメーターは適宜変動させることができることは理解されよう。変異核酸は適切なベクターでクローニングされ、前記変異核酸によってコードされたポリペプチドの活性が評価される。
変種はまた、任意のクローニングされた問題のDNAで位置特異的変異を生じるオリゴヌクレオチド特異的変異導入を用いて作出することができる。オリゴヌクレオチド変異導入は例えば以下に記載されている:Reidhaar-Olson (1988) Science 241:53-57。簡単に記せば、前記の方法では、クローン化DNAに導入されるべき1つまたは2つ以上の変異をもつ複数の二本鎖オリゴヌクレオチドが合成され、変異を導入される前記クローン化DNAに挿入される。変異を導入されたDNAを含むクローンを回収し、それらがコードするポリペプチドの活性を評価する。
変種を作出するまた別の方法はアッセンブリPCRである。アッセンブリPCRでは、小さなDNAフラグメント混合物からPCR生成物をアッセンブリングすることが必要である。多数の様々なPCR反応が同じバイアル中で生じ、1つの反応の生成物が別の反応の生成物をプライミングする。アッセンブリPCRは例えば米国特許第5,965,408号に記載されている。
変種を作出するまた別の方法はセクシュアルPCR変異導入である。セクシュアルPCR変異導入では、配列相同性によるDNA分子のランダムなフラグメント化とそれに続くPCR反応におけるプライマーの伸長による交差の固定の結果として、強制された相同組換えが、別個であるが相関性を有するDNA配列をもつDNA分子間でin vitroで生じる。セクシュアルPCR変異導入は例えば以下に記載されている:Stemmer (1994) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91:10747-10751。簡単に記せば、前記の方法では、組換えられるべき複数の核酸をDNaseで消化して平均サイズが50〜200ヌクレオチドのフラグメントを生成する。所望の平均サイズをもつフラグメントを精製し、PCR混合物に再懸濁する。PCRは、核酸フラグメント間の組換えが促進される条件下で実施される。PCRは、例えば以下によって実施できる:前記精製フラグメントを10〜30ng/μLの濃度で溶液(0.2Mの各dNTP、2.2mMのMgCl2、50mMのKCl、10mMのトリス塩酸(pH9.0)および0.1%トリトンX-100)に再懸濁する。100μLの反応混合物につき2.5単位のTaqポリメラーゼを添加し、PCRを以下の方式を用いて実施する:94℃60秒、94℃30秒、50〜55℃30秒、72℃30秒(30〜45回)および72℃で5分。しかしながら前記パラメーターは適宜変動させることができることは理解されよう。いくつかの特徴では、オリゴヌクレオチドをPCR反応に含ませることができる。他の特徴では、DNAポリメラーゼIのクレノーフラグメントをPCR反応の最初のセットで用い、Taqポリメラーゼをその後のPCR反応セットで用いることができる。組換え配列を単離し、それらがコードするポリペプチドの活性を評価する。
変種はまたin vivo変異導入によって作出することができる。いくつかの実施態様では、細菌株(例えば大腸菌株)で問題の配列を増殖させることによって、問題の配列のランダム変異が作出される。前記大腸菌株はDNA修復経路の1つまたは2つ以上に変異を含む。そのような“ミューテーター”株は野生型の親よりも高いランダム変異率を有する。これらの株の1つでDNAを増殖させることによって、最終的にはDNA内部にランダム変異が作出されるであろう。in vivo変異導入に使用するために適したミューテーター株は例えばPCT公開広報WO91/16427に記載されている。
変種はまたカセット変異導入を用いて作出される。カセット変異導入では、二本鎖DNA分子の小さな領域が、天然の配列とは異なる合成オリゴヌクレオチド“カセット”で置き換えられる。前記オリゴヌクレオチドはしばしば完全におよび/または部分的に任意抽出された天然の配列を含む。
再帰的アンサンブル変異導入もまた変種の作出に用いることができる。再帰的アンサンブル変異導入は、表現型が関連性をもつ変異体の多様化集団(そのメンバーはアミノ酸配列が異なる)を作出するために開発されたタンパク質工学(タンパク質変異導入)のためのアルゴリズムである。前記方法はフィードバックメカニズムを用いて、総当り組合せカセット変異導入(combinatorial cassette mutagenesis)の連続一巡工程を制御する。再帰的アンサンブル変異導入は例えば以下に記載されている:Arkin (1992) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89:7811-7815。
いくつかの実施態様では、変種はエクスポネンシャルアンサンブル変異導入を用いて作出される。エクスポネンシャルアンサンブル変異導入は、高い割合の固有で機能的な変異体を含む総当り組合せライブラリーを作出するプロセスである。前記変異導入では、残基の小グループが並行して任意抽出され、機能的タンパク質を生じるアミノ酸がそれぞれ変更されたポジションで特定される。エクスポネンシャルアンサンブル変異導入は例えば以下に記載されている:Delagrave (1993) Biotechnology Res. 11:1548-1552。ランダムな変異導入および位置特異的変異導入は例えば以下に記載されている:Arnold (1993) Current Opinion in Biotechnology 4:450-455。
いくつかの実施態様では変種はシャッフリング方法によって作出される。そこでは、別個のポリペプチドをコードする複数の核酸の部分が融合され、例えば米国特許第5,965,408号、同第5,939,250号に記載されたようなキメラポリペプチドをコードするキメラ核酸配列が作出される。
本発明はまた本発明のポリペプチドの変種を提供する。この変種は、(例えば本発明の例示的リペプチドの)1つまたは2つ以上のアミノ酸残基が保存的または非保存的アミノ酸残基(例えば保存アミノ酸残基)で置換されている配列を含み、さらにそのような置換アミノ酸残基は遺伝暗号によってコードされることができるが、そうでなくてもよい。保存的換は、ポリペプチド内のあるアミノ酸が同様な特徴を持つ別のアミノ酸によって置換されるものである。したがって、本発明のポリペプチドは本発明の配列の保存的置換を持つポリペプチドを含む。前記置換は以下の置換を含む(ただしこれらに限定されない):脂肪族アミノ酸(例えばアラニン、バリン、ロイシンおよびイソロイシン)の別の脂肪族アミノ酸による置換;セリンのスレオニンによる置換またはその逆;酸性残基(例えばアスパラギン酸およびグルタミン酸)の別の酸性残基による置換;アミド基をもつ残基(例えばアスパラギンおよびグルタミン)の別のアミド基をもつ残基による置換;塩基性残基(例えばリジンおよびアルギニン)の別の塩基性残基による交換;および芳香族残基(例えばフェニルアラニン、チロシン)の別の芳香族残基による置換。他の変種は、本発明のポリペプチドの1つまたは2つ以上のアミノ酸残基が置換基を含む変種である。
本発明に包含される他の変種は、ポリペプチドが別の化合物、例えば前記ポリペプチドの半減期を増加させる化合物(例えばポリエチレングリコール)と結合しているものである。
本発明に包含されるさらに別の変種は、さらに別のアミノ酸がポリペプチドに融合されているものである。別のアミノ酸は例えばリーダー配列、分泌配列、プロプロテイン配列または前記ポリペプチドの精製、濃縮または安定化を促進する配列である。
いくつかの特徴では、本発明のポリペプチドの変種、フラグメント、誘導体および類似体は、典型的なポリペプチドと同じ生物学的機能または活性、例えば本明細書に記載されたようなアルドラーゼ活性を保持している。他の特徴では、変種、フラグメント、誘導体または類似体は、そのプロプロテイン部分の切断によって前記変種、フラグメント、誘導体または類似体が活性化されて活性なポリペプチド生成することができるようにプロプロテインを含む。
宿主細胞での高レベルのタンパク質発現を達成するためのコドンの最適化
本発明は、コドン使用を改変するためにアルドラーゼコード核酸を改変する方法を提供する。ある特徴では、本発明は、アルドラーゼをコードする核酸のコドンを改変して宿主でのその発現を増加または減少させる方法を提供する。本発明はまた、宿主細胞でのその発現を高めるために改変されたアルドラーゼをコードする核酸、そのように改変されたアルドラーゼおよび前記改変アルドラーゼ酵素を製造する方法を提供する。前記方法は、“非優先”(non-preferrd)または“低優先”(less preferred)コドンをアルドラーゼコード核酸中で同定し、さらにこれら非優先もしくは低優先コドンの1つまたは2つ以上を、前記コドンと同じアミノ酸をコードする“優先コドン”(preferred codon)で置き換え、核酸内の少なくとも1つの非優先または低優先が同じアミノ酸をコードする優先コドンによって置き換えることを含む。優先コドンは宿主細胞の遺伝子のコード配列において高頻度に提示されるコドンであり、非優先または低優先は宿主細胞の遺伝子のコード配列において低頻度に提示されるコドンである。
本発明の核酸、発現カセットおよびベクターの発現のための宿主細胞には細菌、酵母、真菌、植物細胞および哺乳動物細胞が含まれる。したがって、本発明はこれら全ての細胞でコドン使用を最適化する方法、コドン改変核酸およびコドン改変核酸によって生成されるポリペプチドを提供する。例示的な宿主細胞には、グラム陰性細菌(例えば大腸菌、シュードモナス=フルオレセンス(Pseudomonas flluorescens));グラム陽性細菌(例えばストレプトミセス・ディベルサ(Streptomyces diversa)、ラクトバチルス・ガッセリ(Lactobacillus gasseri)、ラクトコッカス・ラクチス(Lactococcus lactis),ラクトコッカス・クレモリス(Lactococcus cremoris)、枯草菌)が含まれる。例示的な宿主細胞はまた真核生物、例えば種々の酵母、例えばサッカロミセス種(ビール酵母菌、シゾサッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)、ピキア・パストリス(Pichia pastoris)およびクルイベロミセス・ラクチス(Kluyveromyces lactis)、ハンセヌラ・ポリモルファ(Hansenula polymorpha)、アスペルギルス・ニゲルを含む)並びに哺乳動物細胞および細胞株、並びに昆虫細胞および細胞株を含む。したがって、本発明はまた前記生物および種での発現のために最適化された核酸およびポリペプチドを含む。
例えば、細菌細胞から単離されたアルドラーゼをコードする核酸のコドンは、前記アルドラーゼが由来した細菌とは異なる細菌細胞、酵母、真菌、植物細胞、昆虫細胞または哺乳動物細胞で前記核酸が最適に発現できるように改変される。コドンを最適化する方法は当業界において周知で、例えば以下を参照されたい:US Pat. No. 5,795,737; Baca (2000) Int. J. Parasitol. 30:113-118; Hale (1998) Protein Expr. Purif. 12:185-188; Narum (2001) Infect. Immun. 69:7250-7253。さらにまた以下を参照されたい:Narum (2001) Infect. Immun. 69:7250-7253(マウス系でのコドンの最適化を記載);Outchkourov (2002) Protein Expr. Purif. 24:18-24(酵母でのコドンの最適化を記載);Feng (2000) Biochemistry 39:15339-15409(大腸菌でのコドンの最適化を記載);Humphreys (2000) Protein Expr. Purif. 20:252-264(大腸菌での分泌に影響するコドン使用の最適化を記載)。
非ヒトトランスジェニック動物
本発明は、本発明の核酸、ポリペプチド、発現カセットもしくはベクター、またはトランスフェクトされたもしくは形質転換された細胞を含む非ヒトトランスジェニック動物を提供する。前記非ヒトトランスジェニック動物は、例えばヤギ、ウサギ、ヒツジ、ブタ、乳牛、ラットおよびマウスで、本発明の核酸を含む。前記の動物は、例えばアルドラーゼ活性を調べるin vivoモデルとして、またはin vivoでのアルドラーゼ活性の調節物質をスクリーニングするモデルとして用いることができる。非ヒトトランスジェニック動物で発現されるべきポリペプチドのコード配列は、構成的に、または組織特異的、発育特異的もしくは誘発性調節因子の制御下にあるように設計することができる。非ヒトトランスジェニック動物は当業界で既知の任意の方法を用いて設計および作出することができる。例えば以下を参照されたい:US Patent No. 6,211,428; 6,187,992; 6,156,952; 6,118,044; 6,111,166; 6,107,541; 5,959,171; 5,922,854; 5,892,070; 5,880,327; 5,891,698; 5,639,940; 5,573,933; 5,387,742; 5,087,571(前記は形質転換細胞および卵並びに遺伝子導入マウス、ラット、ウサギ、ヒツジ、ブタおよびウシの製造および使用について記載されている)。さらにまた例えば以下を参照されたい:Pollock (1999) J. Immunol. Methods 231:147-157(遺伝子導入乳牛のミルク中の組換えタンパク質の製造について記載);Baguisi (1999) Nat. Biotechnol. 17:456-461(遺伝子導入ヤギの作製を示す)。米国特許第6,211,428号は、DNA配列を含む核酸構築物をその脳で発現する非ヒト遺伝子導入哺乳動物の製造および使用について記載している。米国特許第5,387,742号は、クローン化組換えまたは合成DNA配列の受精マウス卵への注入、注入卵の偽妊娠雌への移植および、アルツハイマー病関連タンパク質をその細胞が発現する遺伝子導入マウスの妊娠期間満了までの発育について記載している。米国特許第6,187,992号は、そのゲノムがアミロイド前駆体(APP)をコードする遺伝子の破壊を含む遺伝子導入マウスの製造および使用を記載している。
“ノックアウト動物”もまた本発明の方法の実施に用いることができる。例えば、ある特徴では、本発明のトランスジェニック動物または改変動物は“ノックアウト動物”、例えばアルドラーゼを発現しないようにまたはアルドラーゼが発現できないように操作された“ノックアウトマウス”を含む。
トランスジェニック植物および種子
本発明は、本発明の核酸、ポリペプチド(たとえばアルドラーゼ)、発現カセットもしくはベクター、またはトランスフェクトもしくは形質転換された細胞を含むトランスジェニック植物および種子を提供する。本発明はまた、本発明の核酸および/またはポリペプチド(例えばアルドラーゼ)を含む植物生成物、例えば種子、葉、抽出物などを提供する。前記トランスジェニック植物は双子葉植物または単子葉植物であり得る。本発明はまた前記トランスジェニック植物および種子の製造方法および使用方法を提供する。本発明のポリペプチドを発現するトランスジェニック植物または植物細胞は当業界で既知の任意の方法にしたがって構築できる。例えば米国特許第6,309,872号を参照されたい。
本発明の核酸および発現構築物は任意の手段によって植物細胞に導入できる。例えば、核酸または発現構築物は所望の植物宿主のゲノムに導入することができるが、また前記核酸または発現構築物はエピソームであってもよい。所望の植物のゲノム中への導入は、宿主のアルドラーゼの産生が内因性の転写または翻訳制御エレメントによって調節できるようなものであろう。本発明はまた、相同組換えによる遺伝子配列の挿入によって内因性遺伝子の発現が破壊された“ノックアウト植物”を提供する。“ノックアウト”植物を作製する手段は当業界で周知であり、例えば以下を参照されたい:Strepp (1998) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 95:4368-4373; Miao (1995) Plant J. 7:359-365。下記のトランスジェニック植物についての考察を参照されたい。
本発明の核酸を用いて、所望の属性を本質的に全ての植物(例えば種子油含有植物、例えばダイズ、ナタネ、ヒマワリ、ゴマおよびピーナツ)に付与することができる。本発明の核酸を用いて植物の代謝経路を操作し、宿主のアルドラーゼ発現を最適化または改変することができる。本発明の核酸は植物のアルドラーゼ活性を変化させることができる。また別に、本発明のアルドラーゼをトランスジェニック植物の製造に用いて、天然には産生されない化合物を前記植物によって製造することができる。これによって製造コストを下げるか、または新規な生成物を作出することができる。
ある特徴では、トランスジェニック植物製造の第一の工程は、植物細胞での発現のための発現構築物を作製することを含む。前記の技術は当業界では公知である。前記にはプロモーターの選別およびクローニング、リボソームのmRNAへの効率的な結合を促進するためのコード配列および適切な遺伝子ターミネーター配列の選別が含まれる。典型的な構成的プロモーターの1つはカリフラワーモザイクウイルスに由来するCaMV35Sであり、これは一般的な植物で高度な発現をもたらす。他のプロモーターはより特異的であり、植物の内部環境または外部環境の合図に反応する。典型的な光誘導プロモーターは、主要な葉緑素a/b結合タンパク質をコードするcab遺伝子に由来するプロモーターである。
ある特徴では、植物細胞でのより強い発現を達成するために核酸が改変される。例えば、本発明の配列は植物で認められるA-Tヌクレオチド対の割合と比較して高いA-Tヌクレオチド対をもつ可能性が高い(植物のいくつかはG-Cヌクレオチド対を好む)。コード配列内のA-Tヌクレオチドは、アミノ酸配列を顕著に変化させることなくG-Cヌクレオチドに置換して、植物細胞での遺伝子生成物の産生を高めることができる。
選別可能なマーカー遺伝子を遺伝子構築物に付加し、導入遺伝子を組み込むことに成功した植物細胞または組織を特定することができる。これは、植物細胞での遺伝子の取り込みおよび発現の達成が稀な事象であり、標的組織または細胞のわずかな割合で生じるだけであるので必要であろう。選別可能なマーカー遺伝子は、通常は植物にとって有毒である物質(例えば抗生物質または除草剤)に対して耐性を提供するタンパク質をコードする。前記適切な抗生物質または除草剤を含む培地で増殖させたとき、選別可能なマーカー遺伝子を組み込んだ植物細胞だけが生存するであろう。他の挿入遺伝子の場合のように、マーカー遺伝子もまた適切な機能のためにプロモーターおよびターミネーター配列を要求する。
ある特徴では、トランスジェニック植物または種子の作製は、本発明の配列および場合によってマーカー遺伝子の標的発現構築物(例えばプラスミド)への取り込みをプロモーターおよびターミネーター配列の適切な配置とともに含む。これは、適切な方法により改変遺伝子を植物に移すことを必要とするであろう。例えば、構築物は植物細胞のゲノムDNAに、例えば植物細胞のプロトプラストのエレクトロポレーションおよびマイクロインジェクションのような技術を用いて直接導入することができる。または、構築物は弾道的方法(例えばDNA粒子ボンバー)を用いて植物組織に直接導入することもできる。例えば以下を参照されたい:Christou (1997) Plant Mol. Biol. 35:197-203; Pawlowski (1996) Mol. Biotechnol. 6:17-30; Klein (1987) Nature 327:70-73; Takumi (1997) Genes Genet. Syst. 72:63-69(前記は導入遺伝子のコムギへの導入のための粒子ボンバーの使用を考察する);およびAdam (1997)上掲書(YACの植物細胞への導入のための粒子ボンバーの使用について記載)。例えばRinehart (1997)(上掲書)は粒子ボンバーを用いて遺伝子導入綿の木を作出した。粒子を加速する装置は米国特許第5,015,580号に記載されており、さらにBioRad(Biolistics)PDS-2000粒子加速装置が市販されている。さらに以下もまた参照されたい:米国特許第5,608,148号(John);および米国特許第5,681,730号(Ellis)(前記は裸子植物の粒子仲介形質転換を記載している)。
ある特徴では、プロトプラストを固定し、核酸(例えば発現構築物)を注入することができる。プロトプラストから植物を再生させることは穀類では容易ではないが、マメ類では体細胞の胚形成を用いてプロトプラスト由来カルスから植物の再生が可能である。器官を形成した組織を遺伝子銃技術を用いて裸出DNAで形質転換することができる。この場合はDNAはタングステンの微小発射体上に被覆され、細胞のサイズの1/100に発射される。前記発射体はDNAを細胞および細胞内小器官の奥深くに運ぶ。続いて形質転換組織を再生のために誘発する(通常は体細胞胚形成による)。前記技術はいくつかの穀類種(トウモロコシおよびイネを含む)で成功した。
核酸、例えば発現構築物もまた組換えウイルスを用いて植物細胞に導入することができる。植物細胞はウイルスベクター、例えばタバコモザイクウイルス由来ベクターを用いて形質転換することができる(Rouwendal (1997) Plant Mol. Biol. 33:989-999)。以下を参照されたい:”Use of viral replicons for the expression of genes in plants”, Mol. Biotechnol. 5:209-221。
また別には、核酸(例えば発現構築物)を適切なT-DNAフランキング領域と結合させて、一般的なアグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)宿主ベクターに導入することができる。アグロバクテリウム・ツメファシエンスのビルレンス機能は、細胞が前記細菌に感染したとき植物細胞DNAに前記構築物および隣接するマーカーの挿入を誘導するであろう。アグロバクテリウム・ツメファシエンス仲介形質転換技術(バイナリーベクターの毒性解除および使用を含む)は学術文献に詳しく記載されている。例えば以下を参照されたい:Horsch (1984) Science 233:496-498; Fraley (1983) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 80:4803;Gene Transfer to Plants, Potrykus, ed. (Springer-Verlag, Berlin 1995)。アグロバクテリウム・ツメファシエンス細胞中のDNAは細菌の染色体に、Ti(腫瘍誘発;tumor-inducing)プラスミドとして知られている別の構造物と同様に収納される。Tiプラスミドは、T-DNA(約20kbの長さ)と称される一続きのDNA(前記は感染プロセスで植物細胞に移される)および一連のvir(virulence、ビルレンス)遺伝子(関連プロセスを誘導する)を含む。アグロバクテリウム・ツメファシエンスは創傷からのみ植物に感染する。植物の根または茎が傷を受けたとき、植物はある種の化学的シグナルを発し、それに対してアグロバクテリウム・ツメファシエンスのvir遺伝子は活性化され、TiプラスミドのT-DNAの植物染色体への移転に必要な一連の事象を誘導する。続いてT-DNAは創傷から植物細胞に進入する。1つの推測は、T-DNAは、植物DNAが複製または転写されるまで待機し、続いて自身を裸出した植物DNAに挿入するということである。アグロバクテリウム・ツメファシエンスを遺伝子導入ベクターとして使用するために、T-DNAの腫瘍誘発部分を除去し、一方T-DNAボーダー領域およびvir遺伝子は維持する必要がある。続いて導入遺伝子をT-DNAボーダー領域間に挿入する(導入遺伝子は植物細胞に移り、植物染色体に組み込まれる)。
本発明は、本発明の核酸を用いて単子葉植物(重要な穀類を含む)の形質転換を提供する(Hiei (1997) Plant Mol. Biol. 35:205-218)。さらにまた、例えば以下を参照されたい:Horsch (1984) Science 233:496; Fraley (1983) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 80:4803; Thykjaer (1997) 上掲書; Park (1996) Plant Mol. Biol. 32:1135-1148(ゲノムDNAへのT-DNAの組み込みについて考察する)。さらにまた以下を参照されたい:米国特許第5,712,135号(D'Halluin)(穀類または他の単子葉植物の細胞内で機能を有する遺伝子を含むDNAの安定な組み込みのためのプロセスを開示する)。
ある特徴では、第三の工程は、取り込まれた標的遺伝子を次の世代に伝達することができる完全な植物の選別および再生を含むことができる。そのような再生技術は、組織培養増殖培地でのある種の植物ホルモンの操作に依存し、また、典型的には所望のヌクレオチド配列と一緒に導入された有毒物質および/または除草剤マーカーに依存する。培養プロトプラストから植物を再生することについては以下に記載されている:Evans et al., Protoplast Isolation and Culture, Handbook of Plant Cell Culture, pp.124-176, MacMillilan Publishing Company, New York, 1983; Binding, Regenration of Plants, Plant Protoplasts, pp. 21-73, CRC Press, Boca Raton, 1985。再生はまた植物カルス、外植片、器官またはその部分からも得ることができる。そのような再生技術は一般的には以下に記載されている:Klee (1987) Ann. Rev. of Phys. 38:467-486。遺伝子導入組織(例えば未熟胚)から完全な植物を得るために、前記胚を栄養およびホルモンを含む一連の培養液中で環境制御条件下(組織培養として既知のプロセス)で増殖させることができる。いったん植物体全体が生成され種子が生じたら、子孫の評価が開始される。
発現カセットがトランスジェニック植物に安定的に取り込まれた後、前記カセットは有性交配によって他の植物に導入することができる。交配される種に応じて、多くの標準的育種技術のいずれも用いることができる。本発明の核酸の導入遺伝子発現は表現型の変化を生じるので、本発明の組換え核酸を含む植物を第二の植物と有性交配して最終生成物を得ることができる。したがって、本発明の種子は、本発明の2つのトランスジェニック植物間の交配、または本発明の植物と他の植物間の交配から誘導することができる。所望の効果(例えば開花の態様が変化した植物を作製するために本発明のポリペプチドを発現させる)は、両方の親植物が本発明のポリペプチド(例えばアルドラーゼ)を発現するときに強化される。所望の効果は将来の植物世代に標準的な繁殖手段によって伝えることができる。
本発明の核酸およびポリペプチドは任意の植物または種子で発現されまたは挿入される。本発明のトランスジェニック植物は双子葉植物でも単子葉植物でもよい。本発明の遺伝子導入単子葉植物の例は、牧草、例えばメドーグラス(meadow grass(ブルーグラス、Poa))、飼い葉用草類、例えばフェスチュカ(festuca)、ロリウム(lolium)、テンペレートグラス、例えばアグロスチス(Agrostis)および穀類、例えばコムギ、エンバク、ライムギ、オオムギ、コメ、モロコシおよびトウモロコシ(コーン)である。本発明の遺伝子導入双子葉植物の例は、タバコ、豆類(例えばルピン)、ジャガイモ、サトウダイコン、エンドウマメ、インゲンマメおよびダイズ、並びに十字架植物(Brassicaceae科)、例えばカリフラワー、ナタネ、および近縁のモデル植物のシロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)である。したがって、本発明のトランスジェニック植物および種子には以下を含む広範囲の植物が含まれる(ただしこれらに限定されない):アナカルジウム(Anacardium)、アラキス(Arachis)、アスパラガス、アトロパ(Atropa)、アベナ(Avena)、ブラシッカ(Brassica)、シトラス、シトラルス(Citrullus)、カプシクム(Capsicum)、カルサムス(Carthamus)、ココス(Cocos)、コフェア(Coffea)、ククミス(Cucumis)、ククルビタ(Cuurbita)、ダウクス(Daucus)、エレイス(Elaris)、フラガリア(Fragaria)、グリシン(Glycine)、ゴッシピウム(Gossypium)、ヘリアンサス(Helianthus)、ヘテロカリス(Heterocallis)、ホルデウム(Hordeum)、ヒオシアムス(Hyoscyamus)、ラクツカ(Lactuca)、リヌム(Linum)、ロリウム(Lolium)、ルピナス、リポペルシコン(Lycopersicon)、マルス(Malus)、マニホット(Manihot)、マジョラナ(Majorana)、メディカゴ(Medicago)、ニコチアナ、オレア(Olea)、オリザ(Oryza)、パニエウム(Panieum)、パニセツム(Panisetum)、ペルシア(Persea)、ファセオルス(Phaseolus)、ピスタキア(Pistachia)、ピスム(Pisum)、ピルス(Pyrus)、プルヌス(Prunus)、ラファヌス(Raphanus)、リシヌス(Ricinus)、セカレ(Secale)、セネシオ(Senecio)、シナピス(Sinapis)、ソラナム(Solanum)、ソルガム(Sorghum)、テオブロムス(Theobromus)、トリゴネラ(Trigonella)、トリチクム(Trigonella)、ビシア(Vicia)、ビチス(Vitis)、ビグナ(Vigna)、およびゼア(Zea)。
また別の実施態様では、本発明の核酸は植物(例えばトランスジェニック植物)、例えば種子油含有植物、例えばダイズ、ナタネ、ヒマワリの種子、ゴマおよびピーナツで発現される。本発明の核酸は、繊維細胞を含む植物(綿、シルクコットンツリー(Kapok、Ceiba pentandra)、ヤナギ(desert willow)、クレオソートブッシュ、ウィンターファット、バルサ、カラムシ、ケナフ、アサ、ロゼレ(roselle)、ジュート、サイザル(sisal abaca)およびアマを含む)で発現させることができる。また別の実施態様では、本発明のトランスジェニック植物はゴシピウム(Gossypium)属のメンバー(一切のワタの種のメンバー、例えばG. arboreum; G. herbaceum; G. barbadense; G. hirsutumを含む)であろう。
本発明はまた、本発明のポリペプチド(例えばアルドラーゼ)を大量に製造するために用いることができるトランスジェニック植物を提供する。例えば以下を参照されたい:Palmgren (1997) Trends Genet. 13:348; Chong (1997) Transgenic Res. 6:289-296(オーキシン誘導性二方向性マンノピンシンターゼ(mas1',2')プロモーターを用い、アグロバクテリウム・ツメファシエンス仲介リーフディスク形質転換法によりヒト乳タンパク質のベータカゼインの遺伝子導入ジャガイモによる生産を記載)。
既知の方法を用いて、当業者は、形質導入植物で導入遺伝子のmRNAまたはタンパク質の増減を検出することによって本発明の植物をスクリーニングすることができる。mRNAの検出および定量手段は当業界で周知である。
ポリペプチドおよびペプチド
本発明は、本発明の例示的な配列(例えば配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22)と配列同一性(例えば少なくとも50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上のまたは完全な(100%)配列同一性)を有する単離または組換えポリペプチドを提供する。上記で考察したように、前記同一性はポリペプチドの完全長に及んでもよい。また前記同一性はその部分配列、例えば少なくとも約50、60、70、80、90、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、またはそれ以上の残基領域におよぶことができる。本発明のポリペプチドはまた例示的なポリペプチド(例えば配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22など)の完全長よりも短くてもよい。また別の実施態様では、本発明は、ポリペプチド(例えばアルドラーゼ活性を有する本発明のポリペプチド、例えばアルドラーゼ酵素)の約5残基から完全長の範囲のポリペプチド(ペプチド、フラグメント)を提供するであろう。典型的なサイズは約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、100、125、150、250、300、350、400またはそれ以上の残基で、例えば、本発明の例示的なアルドラーゼ(例えば配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22など)の連続する残基であろう。本発明のペプチドは、例えば標識用プローブ、抗原、トレラゲン、モチーフ、アルドラーゼ活性部位として有用であろう。
ある特徴では、前記ポリペプチドはアルドラーゼ活性を有する。本明細書で用いられるアルドラーゼ活性には任意のアルドラーゼおよびリアーゼ活性が含まれる。本発明の酵素は任意のアルドラーゼまたはリアーゼの活性を有する。例えば、本発明のアルドラーゼはC-C結合生成を、ある特徴では高度に立体選択的態様で触媒することができる。また別の例として、本発明のポリペプチドは2-デオキシリボース-5-ホスフェートアルドラーゼ(DERA)活性を有することができる。前記はある特徴ではアセトアルデヒドとD-グリセルアルデヒド-3-ホスフェート間で可逆性のアルドール反応を触媒して、D-2-デオキシリボース-5-ホスフェートを生成することを含む。本発明のDERAアルドラーゼ活性は、2つのアルデヒドの可逆的不整アルドール付加反応を触媒することができる。ある特徴では、本発明のアルドラーゼは連続的な不整アルドール反応で基質として3-アジドプロピンアルデヒドを受容し、デオキシ-アジドエチルピラノースを生成することができる。これは対応するラクトンおよびアトルバスタチン(LIPITOR(登録商標))の前駆体である。別の特徴では、2-メチル置換アルデヒドは本発明のアルドラーゼのための基質として機能する(例えば以下を参照されたい:DeSantis (2003) Bioorg. Mrd. Chem. 11:43-52)。ある特徴では、本発明のアルドラーゼはD-2-ケト-3-デオキシ-6-ホスホグルコネート(KDPG)アルドラーゼ活性を有し、例えば可逆的アルドール反応を基質としてD-構造KDPGを用いて触媒することができる。また別の特徴では、本発明のアルドラーゼは、非リン酸化型のD-およびL-グリセルアルデヒドの両方を可逆的アルドール反応のための基質として受容することができる(例えば以下を参照されたい:Fong (2000) Chem. Biol. 7:873-83)。ある特徴では、本発明のアルドラーゼは、鏡像体基質(例えばN-アセチル-L-マンノサミンおよびL-アラビノース)に対し触媒活性を有し、例えばL-シアリン酸またはL-KDO(天然に存在するD-糖の対応する鏡像糖)を生成することができる(例えば以下を参照されたい:Wada (2003) Bioorg. Med. Chem. 11:2091-2098)。ある特徴では、本発明のアルドラーゼは4-ヒドロキシ-2-オキソグルタレートアルドラーゼ活性、フラクトース1,6-ビスホスフェートアルドラーゼ(FBP)活性、タガトース-1,6-ビスホスフェート(TBP)アルドラーゼ活性または1-ラムロース-1-ホスフェートアルドラーゼ活性を有することができる(例えば以下を参照されたい:Schoevaar (2000) Biotechnol. Bioeng. 70:349-352)。ある特徴では、本発明のFBPアルドラーゼ活性は、ジヒドロキシアセトンホスフェート(DHAP)およびグリセルアルデヒドホスフェート(G3P)の可逆的縮合を触媒してフラクトースビスホスフェート(FBP)を生成する。ある特徴では、本発明のアルドラーゼ活性は、その逆反応(例えばピルベートによるアルドースの縮合)に関して広い基質特異性を有し、広範囲の2-ケト-3-デオキシ-オン酸(2-ケト-3-デオキシ-ノンウロソン酸、2-ケト-3-デオキシ-オクトウロソン酸、2-ケト-3-デオキシ-ヘプトウロソン酸および/または2-ケト-3-デオキシ-ヘキソウロソン酸を含む)を生成することができる。ある特徴では、本発明のアルドラーゼは2-ケト-3-デオキシ-オン酸を処理して高炭素2-デオキシアルドースを生じることができる。ある特徴では、本発明のアルドラーゼは、糖および、例えばアラビノヘキスロース、キシロヘプツロース、スレオヘキスロースおよびキシロヘキスロースを含む組成物の立体選択的合成を触媒することができる。本発明の方法およびポリペプチドを用いて、ラセミ基質から実質的に光学的に純粋な糖を製造することができる。C-アルキルおよびN-含有糖もまた本発明の方法およびポリペプチドを用いて製造することができる。本発明の方法およびポリペプチドを用いて、二置換ジヒドロキシピロリジンまたは二置換アザフラノース(ピロリジン由来アザ糖)、例えば2-メチル-5-ヒドロキシメチル-および2,5-ジメチル-3,4-ジヒドロキシピロリジン、並びに5-アザ-5-デオキシヘキスロース-1-ホスフェートを、例えば本発明のアルドラーゼの触媒量の存在下で2-アジド-置換プロピオンアルデヒドおよびジヒドロキシアセトンホスフェートを混合することを含むプロトコルにしたがって製造することができる。本発明のある特徴では、D,L-スレオ2-アミノ-3-ヒドロキシ-3-フェニルプロピオン酸エナンチオマーの混合物は、D-スレオニンアルドラーゼ活性を有する本発明のポリペプチドと前記混合物を接触させることによって立体異性体を濃縮することができる。ある特徴では、D-およびL-スレオ2-アミノ-3-ヒドロキシ-3-(4-メチルスルホニルフェニル)プロピオン酸を本発明のD-スレオニンアルドラーゼで処理して、L-スレオ2-アミノ-3-(4-メチルスルホニルフェニル)プロピオン酸が高いeeで生成される。
本発明の方法は、比較的穏やかな反応条件、高い立体選択性および/または保護基反応の最小限の使用を含む。これらの反応は可逆的であり、いくつかの特徴では本発明のアルドラーゼ活性は可逆的である。また別の特徴では、本発明のプロセスは、順方向または逆方向反応が促進されるような条件(例えば合成が促進される条件)を含む。
アルドラーゼ活性をスクリーニングするプロトコル(例えばポリペプチドがアルドラーゼ活性(例えば2-デオキシリボース-5-ホスフェートアルドラーゼ(DERA)活性)を有するか否か、および本発明の範囲内に包含されるか否かを決定する)は当業界で周知である(例えば以下を参照されたい:米国特許第6,441,277号、第6,423,834号、第6,368,839号、第5,795,749号、第5,585,261号、第5,576,426号、第5,358,859号、第5,352,591号、第5,346,828号、第5,346,828号)。
本発明のポリペプチドおよびペプチドは、天然の供給源から単離したものでも、合成または組換えによって生成されるポリペプチドでもあり得る。ペプチドおよびタンパク質は組換えによってin vivoまたはin vitroで発現させることができる。本発明のペプチドおよびポリペプチドは、当業界で既知の任意の方法を用いて製造および単離できる。本発明のポリペプチドおよびペプチドはまた、当業界で周知の化学的方法を用いてその全体または部分を合成してもよい。例えば以下を参照されたい:Caruthers (1980) Nucleic Acids Res. Symp. Ser. 215-223; Horn (1980) Nucleic Acids Res. Symp. Ser. 225-232; A.K. Banga, Therapeutic Peptides and Proteins, Formulation, Processing and Delivery Systems (1995) Technomic Publishing Co., Lancaster, PA。例えば、ペプチド合成は、種々の固相技術を用いて実施してもよい(例えば以下を参照されたい:Roberge (1995) Science 269:202; Merrifield (1997) Methods Enzymol. 289:3_13)。さらに前記は、例えばABI431Aペプチド合成装置(Perkin Elmer)を用い製造元の提供する指示にしたがって自動合成することもできる。
本発明のペプチドおよびポリペプチドはまたグリコシル化することもできる。グリコシル化は翻訳後に化学的にまたは細胞の生合成メカニズムによって実施できる。後者の場合、既知のグリコシル化モチーフの使用が含まれる(前記モチーフは配列にとって天然のものでもよく、またペプチドとして付加するか配列をコードする核酸に付加することもできる)。グリコシル化はO-結合でもN-結合でもよい。
本発明のペプチドおよびポリペプチドは(上記で定義されたように)、全ての“模倣体”および“ペプチド模倣体”形を含む。“模倣体”および“ペプチド模倣体”という用語は、実質的に本発明のポリペプチドと同じ構造および/または機能的特徴を有する合成化学物質を指す。模倣体は完全に合成された非天然アミノ酸類似体で構成されているか、または部分的に天然のペプチドアミノ酸および部分的に非天然のアミノ酸類似体のキメラ分子であり得る。模倣体はまた任意の量の天然アミノ酸保存置換を含むことができる(ただしそのような置換が模倣体の構造および/または活性を実質的に変化させない限り)。保存的変種である本発明のポリペプチドに関しては、日常的な実験によって模倣体が本発明の範囲内に包含されるものであるか否か、すなわちその構造および/または機能が実質的に改変されていないかどうかが決定されるであろう。したがって、ある特徴では、模造組成物がアルドラーゼ活性をもつならば前記は本発明の範囲内に包含される。
本発明のポリペプチド模倣体組成物は任意の組合せの非天然成分を含むことができる。また別の特徴では、本発明の模倣体組成物は以下の3つの構造基の1つまたは全てを含む:a)天然のアミド結合(“ペプチド結合”)以外の残基結合基;b)天然に存在するアミノ酸残基の代わりに非天然残基;c)二次構造模倣を誘発する(すなわち二次構造、例えばベータターン、ガンマターン、ベータシート、アルファヘリックス構造を誘発または安定化させる)残基。例えば本発明のポリペプチドは、その残基の全てまたはいくつかが天然のペプチド結合以外の化学的手段によって結合されるとき模倣体と特徴付けることができる。個々のペプチド模倣体残基は、ペプチド結合、他の化学的結合、またはカップリング手段、例えばグルタールアルデヒド、N-ヒドロキシスクシンイミドエステル、二官能基性マレイミド、N,N'-ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)またはN,N'-ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)によって結合される。通常のアミド結合(“ペプチド結合”)の代用となることができる結合基には例えば以下が含まれる:ケトメチレン(例えば-C(=O)-NH-の代わりに-C(O=)-CH2-)、アミノメチレン(CH2-NH)、エチレン、オレフィン(CH=CH)、エーテル(CH2-O)、チオエーテル(CH2-S)、テトラゾール(CN4)、チアゾール、レトロアミド、チオアミドまたはエステル(例えば以下を参照されたい:Spatola (1983) Chemistry and Biochemistry of Amino Acids, Peptides and Proteins, Vol.7, pp267-357, "Peptide Backbone Modifications”, Marcell Dekker, NY)。
本発明のポリペプチドはまた、天然に存在するアミノ酸残基の代わりに全てまたはいくつかの非天然の残基が含まれることによって模倣体と特徴付けられる。非天然残基は学術文献および特許文献に詳しく記載されている。天然のアミノ酸残基の模倣体として有用な典型的な非天然組成物のいくつかおよび基準は以下で述べる。芳香族アミノ酸の模倣体は、例えば以下によって置き換えることによって生成することができる:D-またはL-ナフチルアラニン;D-またはL-フェニルグリシン;D-またはL-2チエネイルアラニン;D-またはL-1、-2,3-、または4-ピレネイルアラニン;D-またはL-3チエネイルアラニン;D-またはL-(2-ピリジニル)-アラニン;D-またはL-(3-ピリジニル)-アラニン;D-またはL-(2-ピラジニル)-アラニン;D-またはL-(4-イソプロピル)-フェニルグリシン;D-(リフルオロメチル)-フェニルグリシン;D-(トリフルオロメチル)-フェニルアラニン;D-p-フルオロ-フェニルアラニン;D-またはL-p-ビフェニルフェニルアラニン;K-またはL-p-メトキシ-ビフェニルフェニルアラニン;D-またはL-2-インドール(アルキル)アラニン;およびD-またはL-アルキルアラニン(前記アルキルはメチル、エチル、プロピル、ヘキシル、ブチル、ペンチル、イソプロピル、iso-ブチル、sec-イソチル、iso-ペンチルまたは非酸性アミノ酸で置換できるがまた置換されてなくてもよい)。非天然アミノ酸の芳香環には、例えばチアゾリル、チオフェニル、ピラゾリル、ベンゾイミダゾリル、ナフチル、フラニル、ピロリルおよびピリジル芳香環が含まれる。
酸性アミノ酸の模倣体は、例えば陰性荷電を維持している非カルボキシレートアミノ酸、(ホスホノ)アラニン、硫酸スレオニンによって置換することにより生成できる。カルボキシル側鎖基(例えばスパルチルまたはグルタミル)はまた、カルボジイミド(R'-N-C-N-R')、例えば1-シクロヘキシル-3(2-モルホリニル-(4-エチル)カルボジイミドまたは1-エチル-3(4-アゾニア-4,4-ジメソールペンチル)カルボジイミドとの反応によって選択的に改変することができる。アスパルチルまたはグルタミルもまた、アンモニウムイオンとの反応によってアスパラギニルおよびグルタミニル残基に変換することができる。塩基性アミノ酸の模倣体は、(リジンおよびアルギニンの他に)アミノ酸オルニチン、シトルリンまたは(グアニジノ)-酢酸または(グアニジノ)アルキル-酢酸(アルキルは上記で定義されたとおり)による置換によって生成することができる。ニトリル誘導体(例えばCOOHの代わりにCN-部分を含む)でアスパラギンまたはグルタミンを置換することができる。アスパラギニルおよびグルタミニル残基は、対応するアスパルチルまたはグルタミル残基に脱アミノ化することができる。アルギニン残基模倣体は、アルギニルを例えば1つまたは2つ以上の通常の試薬(例えばフェニルグリオキサール、2,3-ブタンジオン、1,2-シクロ-ヘキサンジオンまたはニンヒドリンを含む)と、好ましくはアルカリ性条件下で反応させることによって生成することができる。チロシン残基模倣体はチロシルを例えば芳香族ジアゾニウム化合物またはテトラニトロメタンと反応させることによって生成することができる。N-アセチルイミダゾールおよびテトラニトロメタンを用いてO-アセチルチロシル種および3-ニトロ誘導体をそれぞれ形成することができる。システイン残基模倣体は、システイニル残基を例えばアルファ-ハロアセテート(例えば2-クロロ酢酸またはクロロアセトアミド)および対応するアミンと反応させてカルボキシメチルまたはカルボキシアミドメチル誘導体を生成することによって達成できる。システイン残基模倣体はまた、システイン残基を例えばブロモ-トリフルオロアセトン、アルファ-ブロモ-ベータ-(5-イミドゾイル)プロピオン酸;クロロアセチルホスフェート、N-アルキルマレイミド、3-ニトロ-2-ピリジルジスルフィド;メチル2-ピリジルジスルフィド;p-クロロ水銀ベンゾエート;2-クロロ水銀-4-ニトロフェノール;またはクロロ-7-ニトロベンゾ-オキサ-1,3-ジアゾールと反応させることによって生成することができる。リジン模倣体は、リジニルをコハク酸または他のカルボン酸無水物と反応させることによって(さらにアミノ末端残基を変化させることによって)生成することができる。リジンおよび他のアルファ-アミノ含有残基模倣体はまた、イミドエステル、例えばメチルピコリンイミデート、ピリドキサールホスフェート、ピリドキサール、クロロボロハイドライド、トリニトロ-ベンゼンスルホン酸、O-メチルイソウレア、2,4-ペンタンジオンとの反応、およびグキオキシレートとのトランスアミダーゼ触媒反応によって生成することができる。メチオニンの模倣体は、例えばメチオニンスルホキシドとの反応によって生成することができる。プロリンの模倣体には、例えばピペコリン酸、チアゾリジンカルボン酸、3-または4-ヒドロキシプロリン、デヒドロプロリン、3-または4-メチルプロリンまたは3,3-ジメチルプロリンが含まれる。ヒスチジン残基模倣体はヒスチジルを例えばジエチルプロカルボネートまたはパラ-ブロモフェナシルブロミドと反応させることによって生成することができる。他の模倣体には、例えばプロリンおよびリジンのヒドロキシル化;セリルまたはスレオニル残基のヒドロキシル基のリン酸化;リジン、アルギニンおよびヒスチジンのアルファ-アミノ基のメチル化;N-末端アミンのアセチル化;主鎖アミド残基のメチル化またはN-メチルアミノ酸による置換;またはC-末端カルボキシル基のアミド化によって生成することができるものが含まれる。
本発明のポリペプチドの残基、例えばアミノ酸はまた反対のキラリティーをもつアミノ酸(またはペプチド模倣体残基)によって置換することができる。したがって、L型構造で天然に存在するいずれのアミノ酸(化学的な実体の構造に応じてRまたはSとも呼ぶことができる)も、同じ化学構造型であるが反対のキラリティーのアミノ酸またはペプチド模倣体(D-アミノ酸と称されるが、またR-またはS-型とも称される)で置換することができる。
本発明はまた本発明のポリペプチドを、天然のプロセス(例えば翻訳後プロセッシング、例えばリン酸化、アセチル化など)または化学的改変技術のどちらかによって改変する方法、および生成された改変ポリペプチドを提供する。改変は、ペプチド骨格、アミノ酸側鎖およびアミノまたはカルボキシル末端を含むポリペプチド内のいずれの場所でも生じることができる。あるポリペプチドで同じタイプの改変が同じ程度または種々の程度でいくつかの部位で存在することができることは理解されよう。さらにまた与えられたポリペプチドはが多くのタイプの改変を含むこともできる。改変には以下が含まれる:アセチル化、アシル化、ADP-リボシル化、アミド化、フラビンの共有結合による付加、ヘム成分の共有結合による付加、ヌクレオチドまたはヌクレオチド誘導体の共有結合による付加、脂質または脂質誘導体の共有結合による付加、ホスファチジルイノシトールの共有結合による付加、架橋環形成、ジスルフィド結合形成、脱メチル化、共有結合架橋の形成、システインの形成、ピログルタメートの形成、ホルミル化、ガンマ-カルボキシル化、グリコシル化、GPIアンカー形成、ヒドロキシル化、ヨード化、メチル化、ミリストリエーション、酸化、PEG化、タンパク分解プロセッシング、リン酸化、プレニレーション、ラセミ化、セレノイレーション、硫酸化、およびタンパク質へのトランスファーRNA仲介アミノ酸付加、例えばアルギニル化。例えば以下を参照されたい:T.E. Creighton, Proteins-Structure and Molecular Properties 2nd Ed., W.H. Freeman and Company, New York (1993); Posttranslational Covalent Modification of Proteins, B.C. Johnson, Ed., Academic Press, New York, pp. 1-12 (1983)。
固相ペプチド化学合成法もまた本発明のポリペプチドまたはフラグメントの合成に用いることができる。その方法は1960年代初頭より当業界で公知であり(R.B. Merrifield, J. Am. Chem. Soc. 85:2149-2154, 1963;さらにまた以下を参照されたい:J.M. Stewart and J.D. Young, Solid Phase Peptide Snthesis, 2nd Ed., Pierce Chemical Co., Rockford, Ill., pp.11-12)、さらに最近は市販の実験室ペプチドデザインおよび合成キット(Canbridge Research Biochemicals)として用いられている。そのような市販の実験室キットは一般的にはH.M. Geysenら(Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 81:3998 (1984))の教示を利用し、多数の“ロッド”または“ピン”(前記は全て一枚のプレートにつながっている)の先端でペプチドを合成させる。そのような系を利用するときは、ロッドまたはピンを含むプレートはさかさまにされ、対応するウェルまたはレザバーの第二のプレートに挿入される。前記ウェルまたはレザバーは適切なアミノ酸をピンまたはロッドの先端に結合または固着させるために溶液を含んでいる。そのような工程(すなわちロッドまたはピンの先端をさかさまにして適切な溶液に挿入する工程)を繰り返すことによって、アミノ酸は所望のペプチドに構築される。さらにまた、多数のFMOCペプチド合成系が利用可能である。例えば、ポリペプチドまたはフラグメントのアッセンブリはアプライドバイオシステムズ社のモデル431A(登録商標)自動ペプチド合成装置を用いて固相上で実施できる。前記のような装置は、直接合成または一連のフラグメント(フラグメントは他の既知の技術を用いて結合させることができる)の合成によって本発明のペプチドへの容易なアクセスを提供する。
アルドラーゼ酵素
本発明は、新規なアルドラーゼ、それをコードする核酸、新規なアルドラーゼと結合する抗体、この新規なアルドラーゼ酵素の抗原性部位(エピトープ)および活性部位を表すペプチド、並びにそれらの製造および使用方法を提供する。ある特徴では、本発明のポリペプチドは上記で述べたようにアルドラーゼ活性を有する(例えば炭素-炭素結合の形成を触媒する)。また別の特徴では、本発明のアルドラーゼは、本明細書に記載した典型的なアルドラーゼの活性から改変された活性を有する。本発明は、シグナル配列を含むまたは含まないアルドラーゼ、およびシグナル自体を含む。本発明は固定されたアルドラーゼ、抗アルドラーゼ抗体およびそのフラグメントを含む。本発明は、本発明のアルドラーゼを含むヘテロ複合体、例えば融合タンパク質、へテロダイマーなどを含む。
酵素の抗原部位(エピトープ)、活性部位、結合部位、シグナル配列などを表すペプチドの決定は日常的なスクリーニングプロトコルによって実施できる。
本発明の酵素は高度に選択性をもつ触媒である。他の酵素と比較して、本酵素は、通常の合成反応には類を見ない顕著な立体選択性、部位選択性および化学選択性をもつ反応を触媒する。さらにまた、本発明の酵素は顕著な融通性を有する。前記酵素は、有機溶媒で機能させ、極端なpH(例えば高pHおよび低pH)、極端な温度(例えば高温および低音)、極端な塩レベル(例えば高塩濃度および低塩濃度)で稼動させ、さらに酵素の天然の生理学的基質とは構造的に無関係の化合物との反応を触媒させるために仕立て直すことができる。本発明の酵素は、広範囲の天然および非天然基質と反応し、したがって実質的に任意の有機リード化合物の改変を可能にするように設計することができる。本発明の酵素はまた高度にエナンチオ選択性および部位選択性をもつように設計することができる。これら酵素によって示される高度な官能基特異性は、新規な活性化合物を生じる合成連鎖反応の各反応の追跡の維持を可能にする。本発明の酵素はまた、自然界でのそれらの本来の生理学的機能とは無関係の多様な多くの反応を触媒するように設計することができる。
本発明は酵素の固有の触媒特性を探索する。一方、化学的変換における生物触媒の使用(すなわち精製または不純酵素、死細胞または生細胞)は、通常は特異的な出発化合物と反応する個々の生物触媒の特定を必要とする。本発明は選択された生物触媒(すなわち本発明の酵素)および多くの出発化合物に存在する官能基に特異的な反応条件を使用する。各生物触媒は1つの官能基またはいくつかの関連する官能基に特異的で、前記官能基を含む多くの出発化合物と反応することができる。生物触媒反応は、ただ1つの出発化合物から誘導体集団を生成する。この誘導体を別の生物触媒反応過程に付し、第二の誘導化合物集団を生成することができる。生物触媒による誘導化の繰り返しの度に、最初の化合物の数千の変種を生成することができる。
酵素は、分子の残りの部分に影響を及ぼすことなく出発化合物の特異的部位で反応するが、この反応は従来の化学的方法を用いて達成することが非常に困難なプロセスである。生物触媒のこの高度な特異性はライブラリー中のただ1つの活性酵素を特定する手段を提供する。ライブラリーは、それを作製するために用いられた生物触媒反応シリーズ(いわゆる“生合成歴”)によって特徴付けられる。生物学的活性についてライブラリーをスクリーニングしさらに生合成歴を追跡することによって、活性化合物を生じる一連の特異的な反応が特定される。前記一連の反応を繰り返し、合成された化合物の構造が決定される。この特定態様は、他の合成およびスクリーニングアプローチとは異なり、固定技術を必要とせず、化合物を合成し、さらに実質的に任意のタイプのスクリーニングアッセイを用いて溶液中で遊離状態でテストすることができる。官能基に対する酵素の高度な特異性は、生物触媒によって作製されるライブラリーを構成する特異的酵素反応の“トラッキング”を可能にすることを特記することは重要である。
本発明はまた、本発明の核酸、ポリペプチドおよび抗体を用いて新規なアルドラーゼを発見する方法を提供する。ある特徴では、発現を基準にしてアルドラーゼ検出についてラムダファージライブラリーをスクリーニングする。スクリーニングでラムダファージライブラリーを使用することによって、有毒クローンの検出;基質へのアクセスの改善;宿主のエンジニアリングの必要性の減少(ライブラリーの粗大除去に起因する一切の偏りの可能性の回避);低いクローン密度でのより迅速な増殖が可能になる。ラムダファージライブラリーのスクリーニングは液相または固相で実施することができる。液相でのスクリーニングは、固相スクリーニングよりもアッセイ条件におけるより大きな融通性;更なる基質融通性;弱いクローンに対するより高い感度;および自動化の容易さを提供する。
工程の多くはロボットによる自動化を用いて実施され、前記自動化により1日あたり何千もの生物触媒反応およびスクリーニングアッセイの実施が可能になるだけでなく、高レベルの正確さおよび再現性が担保される(下記のアレイの考察を参照されたい)。結果として、誘導化合物ライブラリーが数週間の問題として作製できる。小分子を含む分子改変の更なる教示についてはPCT/US94/09174を参照されたい。
アルドラーゼシグナル配列、プレプロ配列および触媒ドメイン
本発明は、アルドラーゼシグナル配列(例えばシグナルペプチド(SP))、プレプロ配列および触媒ドメイン(CD)を提供する。本発明は、これら触媒ドメイン(CD)、プレプロ配列およびシグナル配列(SP、例えば本発明のポリペプチドのアミノ末端残基を含む/から成る配列を有するペプチド)をコードする核酸を提供する。ある特徴では、本発明は、本発明のポリペプチド、例えば配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22の残基1から15、1から16、1から17、1から18、1から19、1から20、1から21、1から22、1から23、1から24、1から25、1から26、1から27、1から28、1から29、1から30、1から31、1から32、1から33、1から34、1から35、1から36、1から37、1から38、1から39、1から40、1から41、1から42、1から43、またはそれ以上に示される配列を含む/配列から成るシグナル配列を提供する。本発明の例示的なアルドラーゼシグナル配列は配列番号18の残基1から22である。
本発明のアルドラーゼシグナル配列は単離ペプチドでも、または別のアルドラーゼもしくは非アルドラーゼポリペプチドと結合した配列(例えば融合タンパク質)でもあり得る。ある特徴では、本発明は、本発明のアルドラーゼシグナル配列を含むポリペプチドを提供する。ある特徴では、本発明のアルドラーゼシグナル配列を含むポリペプチドは、本発明のアルドラーゼにとって異種の配列を含む(例えば本発明のアルドラーゼシグナル配列および別のアルドラーゼまたは非アルドラーゼタンパク質に由来する配列を含む融合タンパク質)。ある特徴では、本発明は、異種シグナル配列を有する本発明のアルドラーゼを提供する(例えば酵母のシグナル配列を有する配列)。本発明のアルドラーゼは、異種シグナル配列を例えばベクター(例えばpPICベクター(Invitrogen, Carlsbad, CA))中に含むことができる。
ある特徴では、本発明のシグナル配列は新規なアルドラーゼポリペプチドの特定に続いて同定される。タンパク質が区分され、それらの適切な細胞内の分布場所に輸送される経路はしばしばタンパク質ターゲティング経路と称される。これら全てのターゲティング系のもっとも重要な成分の1つは、新規に合成されたポリペプチドのアミノ末端の短いアミノ酸配列(シグナル配列と称される)である。このシグナル配列はタンパク質をその適切な細胞内の分布場所に誘導し、輸送中またはタンパク質がその最終的な目的地に到達したときに除去される。ほとんどのリソゾームタンパク質、膜タンパク質または分泌タンパク質は、小胞体の管腔内に前記タンパク質を移動させるアミノ末端シグナル配列を有する。このグループのタンパク質の100を超えるシグナル配列が決定されている。シグナル配列の長さは13から36アミノ酸残基と変動し得る。シグナル配列を認識する種々の方法が当業者には知られている。例えば、ある特徴では、新規なアルドラーゼシグナルペプチドはSignalPと称される方法によって特定される。SignalPは神経結合ネットワークを使用する。前記はシグナルペプチドおよびそれらの切断部位の両方を認識する(Nielsen et al., "Identification of prokaryotic and eukaryotic signal peptides and prediction of their cleavage sites”. Protein Engineering, 10(1):1-6 (1997))。
いくつかの特徴では、本発明のアルドラーゼはシグナル配列を持たなくてもよいことは理解されよう。ある特徴では、本発明は、シグナル配列の全てまたは一部分を欠く本発明のアルドラーゼを提供する。ある特徴では、本発明は、1つのアルドラーゼに由来するシグナル配列をコードする核酸が別のアルドラーゼの核酸配列に機能的に連結されたものを提供し、また場合によって非アルドラーゼタンパク質のシグナル配列が望まれることもある。
本発明はまた、本発明のシグナル配列(SP)、プレプロ配列(PPS)および/または触媒ドメインおよび異種の配列を含む単離または組換えポリペプチドを提供する。前記異種配列は、SP、PPSおよび/またはCDとは天然には(例えばアルドラーゼと)結合していない配列である。SP、PPSおよび/またはCDが天然には結合していない配列は、SP、PPSおよび/またはCDのアミノ末端、カルボキシ末端および/またはそれらの両末端に存在するであろう。ある特徴では、本発明は、本発明のSP、PPSおよび/またはCDを含むポリペプチドを含む(またはSP、PPSおよび/またはCDから成る)単離または組換えポリペプチドを提供するが、ただし前記ポリペプチドはそれが天然に結合しているいずれの配列(例えばアルドラーゼ配列)とも結合していないことを条件とする。同様にある特徴では、本発明は、これらのポリペプチドをコードする核酸を提供する。したがって、ある特徴では、本発明の単離または組換え核酸は、本発明のSP、PPSおよび/またはCDおよび異種配列(すなわち本発明のSP、PPSおよび/またはCDと天然には結合していない配列)のコード配列を含む。前記異種配列は、SP、PPSおよび/またはCDコード配列の3'末端、5'末端および/またはその両末端に存在する。
ハイブリッド(キメラ)アルドラーゼおよびペプチドライブラリー
ある特徴では、本発明は、本発明の配列を含むハイブリッドアルドラーゼおよび融合タンパク質(ペプチドライブラリーを含む)を提供する。本発明のペプチドライブラリーを用いて、標的(例えばアルドラーゼ基質、レセプター、酵素)のペプチド調節物質(例えば活性化因子または阻害因子)を単離することができる。本発明のペプチドライブラリーを用いて、標的に正式な結合パートナー、例えばリガンド、例えばサイトカイン、ホルモンなどを特定することができる。ある特徴では、本発明は、本発明のシグナル配列(SP)、プレプロ配列(PPS)および/または触媒ドメインおよび異種の配列(上記を参照されたい)を含むキメラタンパク質を提供する。
本発明は融合タンパク質および前記をコードする核酸を提供する。本発明のポリペプチドは、異種ペプチドまたはポリペプチド、例えば所望の特徴(例えば安定性の増加または精製の簡便化)を付与するN-末端特定ペプチドと融合させることができる。本発明のペプチドおよびポリペプチドはまた、例えばより強い免疫原性ペプチドの製造のため、組換えにより合成されたペプチドのより容易な単離のため、抗体および抗体発現B細胞の特定および単離などのために前記に結合させた1つまたは2つ以上の付加ドメインを含む融合タンパク質として合成および発現させることができる。検出および精製を促進するドメインには、例えば金属キレートペプチド(例えば固定金属による精製を可能にするポリヒスチジントラクト、ヒスチジン-トリプトファンモジュール)、固定免疫グロブリンによる精製を可能にするプロテインAドメイン、およびFLAGS伸長/アフィニティー精製系(Immunex Corp, Seattle WA)で用いられるドメインが含まれる。精製ドメインとモチーフ含有ペプチドまたはポリペプチドとの間に切断可能なリンカー、例えばXa因子またはエンテロキナーゼ(Invitrogen, San Diego CA)を挿入することは精製を促進する。例えば、発現ベクターは、6ヒスチジン残基に連結したエピトープコード核酸配列とそれに続くチオレドキシンおよびエンテロキナーゼ切断部位を含むことができる(例えば以下を参照されたい:Williams (1995) Biochemistry 34:1787-1797; Dobeli (1998) Protein Expr. Purif. 12:404-414)。ヒスチジン残基は検出および精製を促進し、エンテロキナーゼ切断部位は融合タンパク質の残り部分からエピトープを精製する手段を提供する。融合タンパク質をコードするベクターおよび融合タンパク質の適用に関する技術は学術文献および特許文献に詳しく記載されている(例えば以下を参照されたい:Kroll (1993) DNA Cell. Biol. 12:441-53)。
本発明は、本発明の核酸およびポリペプチドを用いて“改善され”た、ハイブリッドアルドラーゼを作出する方法を提供する。例えば、本発明は、極端なアルカリ性pHおよび/または酸性pH、高温および低温、浸透圧条件などで活性(例えばアルドラーゼ活性)(例えば炭素-炭素結合の形成を触媒する、2-デオキシリボース-5-ホスフェートアルドラーゼ(DERA)活性)を有する酵素を作出する方法を提供する。本発明はハイブリッド酵素(例えばハイブリッドアルドラーゼ)を作出する方法を提供する。
ある特徴では、本発明の方法は、得られたハイブリッドポリヌクレオチドが第一の生物学的に活性なポリペプチドに由来する活性を示すポリペプチドをコードすることができるように、第一のポリヌクレオチドの配列を組み込む細胞プロセスを利用することによって新規なハイブリッドポリペプチドを製造する。例えば、第一のポリヌクレオチドは、本発明の典型的なアルドラーゼ(例えば配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22など)をコードする典型的な核酸配列(例えば配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21など)であろう。前記第一の核酸は、特定の環境条件(例えば高塩濃度)下で効率的に機能する1つの生物由来の酵素をコードすることができる。前記は、異なる環境条件(例えば極端な高温)下で効率的に機能する別個の生物由来の第二のポリヌクレオチドによってコードされる酵素と一緒に“組み込まれる”ことができる。例えば、2つの核酸が、例えば組換えおよび/または還元的再組合わせによってハイブリッド分子を生成することができるとき、第一および第二の最初のポリヌクレオチドを含むハイブリッドポリヌクレオチドは、最初のポリヌクレオチドによってコードされる両方の酵素の特徴を示す酵素をコードすることができる。したがって、ハイブリッドポリヌクレオチドによってコードされる酵素は、第一および第二のポリヌクレオチドによってコードされる酵素の各々によって共有される環境条件(例えば高塩濃度および極端な温度)下で効率的に機能することができる。
また別には、本発明の方法から生成されるハイブリッドポリペプチドは、本来の酵素では示されなかった特殊化された酵素活性を示すことができる。例えば、アルドラーゼ活性をコードするポリヌクレオチドの組換えおよび/または還元的再組合わせに続いて生成されたハイブリッドポリヌクレオチドによってコードされたハイブリッドポリペプチドを、最初の酵素の各々から得られた特殊化された活性についてスクリーニングすることができる。したがって、例えば前記アルドラーゼをスクリーニングしてその化学的機能性を確認することができる(前記化学的機能性(例えば前記ハイブリッドポリペプチドが機能する温度、pHまたは塩濃度)は最初のアルドラーゼとハイブリッドアルドラーゼを区別する)。
本発明の核酸に“組み込まれる”べきポリヌクレオチド源は、個々の生物(“単離株”)、限定培地で増殖させた生物集合物(“濃縮培養”)、または未培養生物(“環境サンプル”)から単離することができる。環境サンプルから新規な生物活性をコードするポリヌクレオチドを誘導するために培養利用アプローチを用いるのがもっとも好ましい。なぜならば前記使用によって手付かずの生物多様性資源にアクセスすることが可能になるからである。“環境ライブラリー”は環境サンプルから作製され、適切な原核細胞宿主で増殖させることができるクローニングベクター中に保管された天然に存在する生物の集合ゲノムに相当する。前記クローン化DNAは環境サンプルからまず初めに直接抽出されるので、前記ライブラリーは、純粋培養として増殖させることができる原核細胞のわずかな部分に限定されない。さらにまた、これらサンプルに存在する環境DNAの標準化によって、最初のサンプルに存在する種の全てに由来するDNAのより均等な提示が可能になる。このことは、支配的な種と比較して数桁の規模で過少に表される、サンプル中の希少メンバー由来の重要な遺伝子の発見効率を劇的に増加させる。
例えば、1つまたは2つ以上の未培養微生物から作製された遺伝子ライブラリーは問題の活性(例えば2-デオキシリボース-5-ホスフェートアルドラーゼ(DERA)活性)についてスクリーニングすることができる。問題の生物活性を有する分子をコードする潜在的経路は、遺伝子発現ライブラリーの形で原核細胞でまず初めに捕捉される。問題の活性をコードするポリヌクレオチドは前記のようなライブラリーから単離され、宿主細胞に導入される。新規なまたは強化された活性を有する潜在的に活性な生物分子を作出する組換えおよび/または還元的再組合わせを促進させる条件下で前記宿主細胞を増殖させる。
ハイブリッドポリヌクレオチドを調製することができる微生物には、原核微生物(例えば真正細菌および古細菌)および下等真核微生物(例えば真菌、いくつかの藍藻および原虫)が含まれる。ポリヌクレオチドは環境サンプルから単離することができる。核酸は生物を培養しないで回収してもよいし、また1つまたは2つ以上の培養生物から回収してもよい。ある特徴では、そのような微生物は、好極限細菌(extremophile)、例えば高温菌、低温菌、低栄養細菌、好塩細菌、高圧性細菌および好酸性細菌であろう。ある特徴では、好極限微生物から単離されたアルドラーゼをコードするポリヌクレオチドを用いてハイブリッド酵素が生成される。そのような酵素は、例えば地上の温泉および深海の熱水噴出孔の100℃を超える温度で、例えば北極海の0℃以下の温度で、例えば死海の飽和塩の環境で、例えば石炭埋蔵地および硫黄に富む地熱温泉の0付近のpH値で、または例えば下水の11を超えるpH値で機能することができる。例えば、好極限生物からクローニングし発現させたアルドラーゼは広域温度およびpHで高い活性を示す。
本明細書に記載したように選別し単離したポリヌクレオチド(本発明の少なくとも1つの核酸を含む)を適切な宿主細胞に導入する。適切な宿主細胞は、組換えおよび/または還元的再組合わせを促進することができる任意の細胞である。前記選別したポリヌクレオチドは、適切なコントロール配列を含むベクターに挿入できる。前記宿主細胞は高等真核細胞(例えば哺乳動物細胞)または下等真核細胞(例えば酵母細胞)であり得る。好ましくは、前記宿主細胞は原核細胞(例えば細菌細胞)であろう。前記構築物の宿主細胞への導入は、リン酸カルシウムトランスフェクション、DEAEデキストラン仲介トランスフェクションまたはエレクトロポレーションによって実施できる。
例示的な宿主には、例えば細菌細胞(例えば大腸菌、ストレプトミセス、ネズミチフス菌(Salmonella typhimurium));真菌細胞(例えば酵母菌);昆虫細胞(例えばドロソフィラS2およびスポドプテラSf9);動物細胞(例えばCHO、COSまたはボウズメラノーマ);アデノウイルス;および植物細胞が含まれる。組換えおよび/または還元的再組合わせのため、または単に組換えタンパク質の発現のために適切な宿主の選択は、本明細書の教示から当業界の技術範囲内と考えられる。組換えおよび/または還元的再組合わせのため、または単に組換えタンパク質の発現のために用いることができる哺乳動物細胞培養系には、例えばサル腎線維芽細胞のCOS-7株(”SV40-transformed simian cells support the replication of early SV40 mutants”に記載されている)、C127、3T3、CHO、HeLaおよびBHK細胞株が含まれる。哺乳動物発現ベクターは、複製起点、適切なプロモーターおよびエンハンサー、並びに必要なリボソーム結合部位、ポリアデニル化部位、スプライスドナーおよびアクセプター部位、転写終了配列および5'フランキング非転写配列を含むことができる。SV40スプライスおよびポリアデニル化部位に由来するDNA配列を用いて必要な非転写遺伝子エレメントを提供することができる。
(組換えおよび/または還元的再組合わせのため、または単に組換えタンパク質の発現のために)問題のポリヌクレオチドを含む宿主細胞を、プロモーターの活性化および形質転換体の選別または遺伝子の増幅のために適するように改変した通常の栄養培地で培養することができる。培養条件(例えば温度、pHなど)は発現のために選択した宿主細胞について以前に用いられた条件であり、当業者には明白であろう。特殊化された酵素活性を有すると特定されたクローンの配列を続いて決定し、強化された活性を有する酵素をコードするポリヌクレオチドを特定する。
別の特徴では、本発明の核酸および方法を用いて、生化学的経路(例えば1つまたは2つ以上のオペロンまたは遺伝子クラスターまたはその部分に由来する経路)のために新規なポリヌクレオチドを作出することができる。例えば、細菌および多くの真核細胞は、遺伝子(その生成物が関連するプロセスで必要とされる)の調節のための協調的メカニズムを有する。前記遺伝子は、“遺伝子クラスター”と称される構造のクラスターを単一染色体上に形成し、ただ1つの調節配列(クラスター全体の転写を開始するただ1つのプロモーターを含む)の制御下で一緒に転写される。したがって、遺伝子クラスターは一群の隣接する遺伝子であり、通常はそれらの機能に関して同一であるかまたは関連を有する。
遺伝子クラスターDNAは種々の生物から単離されベクターに連結することができる。特に前記ベクターは発現調節配列を含む(前記調節配列は、連結された遺伝子クラスターからの検出可能タンパク質の生成またはタンパク質関連アレイ活性の生成を制御および調節することができる)。外因性DNAの導入に対して極端に大きな能力を有するベクターを使用することが、そのような遺伝子クラスターと一緒に使用するために特に適切であり、本明細書には例示として大腸菌のf因子(または稔性因子)の使用を述べる。大腸菌のこのf因子は、接合時のそれ自体の高頻度の移転に影響を及ぼすプラスミドであり、大型のDNAフラグメント(例えば混合微生物サンプルに由来する遺伝子クラスター)の安定的な増殖を達成するために理想的である。“フォスミド”、コスミドまたは細菌人工染色体(BAC)ベクターをクローニングベクターとして用いてもよい。これらは、ゲノムDNAの大型セグメントを安定的に組み込むことができる大腸菌のf因子に由来する。混合未培養環境サンプル由来のDNAとともに組み込まれるとき、前記は大型のゲノムフラグメントを安定な“環境DNAライブラリー”の形態にすることができる。コスミドベクターは、本来ゲノムDNAの大型セグメントをクローニングし増殖させるために設計された。コスミドベクターへのクローニングは文献に詳細に記載されている(Sambrook et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 2nd Ed., Cold Spring Harbr Laboratory Press (1989))。いったん適切なベクターに連結したら、異なるポリケチドシンターゼ遺伝子クラスターを含む2つまたは3つ以上のベクターを適切な宿主細胞に導入することができる。遺伝子クラスターによって共有される部分的配列相同性を有する領域は、ハイブリッド遺伝子クラスターを生じる配列の再編成をもたらすプロセスを促進するであろう。続いて新規なハイブリッド遺伝子クラスターを本来の遺伝子クラスターでは見いだされない強化活性についてスクリーニングすることができる。
したがってある特徴では、本発明は、以下を含む、本発明の核酸を用いた生物学的に活性なハイブリッドポリペプチドの製造方法および活性(例えば強化活性)についてスクリーニングする方法に関する:
(1)機能的連結状態にある少なくとも第一のポリヌクレオチド(例えば本発明の核酸)および機能的連結状態にある第二のポリヌクレオチドを適切な宿主細胞に導入し、前記少なくとも第一のポリヌクレオチドと第二のポリヌクレオチドは少なくとも1つの部分的配列相同性を有する領域を共有し;
(2)機能的連結状態にあるハイブリッドポリヌクレオチドを生じる配列再編成を促進する条件下で前記宿主細胞を増殖させ;
(3)前記ハイブリッドポリヌクレオチドによってコードされるハイブリッドポリペプチドを発現させ;
(4)所望の生物学的活性(例えば強化アルドラーゼ活性)の特定を促進する条件下でハイブリッドポリペプチドをスクリーニングし;さらに
(5)前記ハイブリッドポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを単離する。
種々の酵素活性についてスクリーニングする方法は当業者には公知であり、本明細書中で考察されている。そのような方法は、本発明のポリペプチドおよびポリヌクレオチドを単離するときに用いることができる。
in vivo再組合せは、“組換え”と総称される“分子間”プロセスに焦点を合わせることができる。細菌では、前記は一般的に“RecA-依存”現象とみなされる。本発明は宿主細胞の組換えプロセスに依存して配列を組換えおよび再組合せするか、または還元的(減数的)プロセスを仲介する細胞の能力に依存して欠失により細胞内の擬似反復配列の複合度を減少させることができる。“還元的再組合わせ”のこのプロセスは、“分子内”Rec-A非依存プロセスによって生じる。したがって、本発明のある特徴では、本発明の核酸を用いて新規なポリヌクレオチドが還元的再組合わせのプロセスによって作出される。前記方法は、連続配列(最初のコード配列)を含む構築物の作製、適切なベクターへのそれらの挿入、および適切な宿主細胞へのそれら配列の導入を必要とする。個々の分子的存在の再組合せは、相同性領域を有する構築物中の連続配列間または擬似反復ユニット間の総当り組合せプロセスによって生じる。前記再組合せプロセスは組換えを生じ、および/または複合度および反復配列の程度を減少させ、新規な分子種の生成をもたらす。
種々の処理を適用して再組合せ率を高めることができる。この処理には、紫外線、DNA損傷化学物質による処理および/または高レベルの“遺伝的不安定性”を示す宿主細胞株の使用が含まれるであろう。したがって、再組合せプロセスは、相同組換えまたは擬似反復配列のそれら自身の進化を誘導する天然の特性を含むことができる。
反復配列または“擬似反復(quasi-repeated)”配列は遺伝的不安定性で役割を果たす。“擬似反復物(quasi-repeat)”は、それらの本来のユニット構造に限定されない反復物である。擬似反復単位は、構築物中の配列アレイとして、類似の配列の連続単位として提示され得る。いったん連結されたら、前記連続配列間の結合部は本質的には区別できなくなり、生成された構築物の擬似反復的性質は分子レベルではもはや連続的である。生成構築物の複雑度を減少させるために細胞が実施する欠失プロセスは擬似反復配列間で機能する。擬似反復単位は、滑り事象が発生する鋳型について実際的には無制限のレパートリーを提供する。擬似反復を含む構築物はしたがって、本質的に十分な分子融通性を効果的に提供し、欠失事象(および潜在的には挿入事象)は前記擬似反復ユニットの実質的に全ての場所で生じ得る。擬似反復配列が全て同じ方向(例えばヘッドトゥテールまたはその逆)で連結されると、細胞は個々の単位を識別できない。結果として、還元的(減数的)プロセスが配列全体にわたって生じ得る。対照的に、前記ユニットがヘッドトゥテールではなく例えばヘッドトゥヘッドで連結されて提示されると、逆位によって隣接ユニットの終点の輪郭が示され、その結果欠失の形成は別個の単位の消失を促進するであろう。したがって、本発明のある特徴では、再組合せされるべき配列は同じ向きで存在する。擬似反復配列の向きがランダムであることによって再組合せ効率が低下するが、配列が一定の向きをもつことによって最高の効率が提供されるであろう。しかしながら、同じ向きの連続配列の数が少ないことによって効率は低下するものの、新規な分子の効果的な回収のための十分な融通性はなお提供されるであろう。構築物は同じ向きの擬似反復配列で作製され、より高い効率を可能にすることができる。
配列は以下を含む種々の方法を用いてヘッドトゥテールの向きでアッセンブリングすることができる:a)ポリ-Aヘッドおよびポリ-Tテール(一本鎖を形成するとき向きを提供するであろう)を含むプライマーを利用することができる。これは、プライマーの最初の数塩基をRNAで作製することによって(したがってRNAaseHで容易に除去できる)達成できる;b)固有の制限切断部位を含むプライマーを利用することができる。マルチ部位固有配列セットおよび合成と連結の反復工程が要求されるであろう;(c)プライマーの内部数塩基をチオール化し、さらにエキソヌクレアーゼを用いて適切なテールを持つ分子を生成することができるであろう。
再組合せされた配列の回収は反復インデックス(RI)が低下したクローニングベクターの特定に依存する。再組合せされたコード配列は続いて増幅によって回収することができる。生成物を再クローニングし発現させる。低いRIをもつクローニングベクターの回収は以下によって影響を受けるであろう:1)構築物の複合度が減少したとき安定的に維持されるベクターのみの使用。2)物理的方法による短縮されたベクターの物理的回収。この事例では、クローニングベクターは、標準的なプラスミドの単離方法を用いて回収され、アガロースゲルまたはカラム(標準的方法を用いて低分子量がカットオフされる)でサイズ分画されるであろう。3)挿入物サイズが減少したとき選別することができる分断遺伝子を含むベクターの回収。4)発現ベクターおよび適切な選別による直接選別技術の使用。
関連生物由来のコード配列(例えば遺伝子)は高度の相同性を示し、極めて多様なタンパク質生成物をコードすることができる。これらのタイプの配列は擬似反復物として本発明では特に有用である。しかしながら、この方法はそのようなほとんど同一の反復物に限定されない。
以下は本発明の例示的な方法である。コード核酸配列(擬似反復物)は3つの種(本発明の核酸を含む)に由来する。各配列は別個の特性セットを有するタンパク質(本発明の酵素を含む)をコードする。これらの配列の各々は、配列内の固有の位置でただ1つまたはいくつかの塩基対が異なっている。擬似反復配列は別個にまたは集合的に増幅され、さらに全ての可能な入れ替えおよび組合せが連結分子集団で入手可能なようにランダムアッセンブリが得られるように連結される。擬似反復ユニットの数はアッセンブリ条件によって制御できる。構築物中の擬似反復ユニットの平均数は反復インデックス(RI)と定義される。いったん形成されたら、構築物を刊行物に記載されたプロトコルにしたがってアガロースゲルでサイズ分画してもよいし、またしなくてもよく、さらにクローニングベクターに挿入し、適切な宿主細胞にトランスフェクトする。続いて細胞を増殖させ、“還元的再組合わせを”実施する。所望する場合には、還元的再組合わせの速度をDNA損傷の導入によって促進することができる。RIの減少が、“分子内”メカニズムによる反復配列間の欠失形成によって仲介されているか、または“分子間”メカニズムを介する組換え様事象によって仲介されているかは重要ではない。最終結果は、全ての可能な組合せまで分子の再組合せが行われることである。ある特徴では、本方法は、シャッフルされたプールのライブラリーメンバーをスクリーニングして、予め定めた巨大分子(例えばタンパク質性レセプター、オリゴ糖、ビリオン、または他の予め定めた化合物または構造)と結合するか、さもなければ前記と相互作用するか、または前記との特定の反応を触媒する(例えば酵素の触媒ドメイン)能力を有する、前記シャッフルされたライブラリーの個々のメンバーを特定するさらに追加の工程を含む。そのようなライブラリーから特定されるポリペプチド(例えばアルドラーゼ)は、種々の目的、例えば本明細書に記載したように工業的プロセスのために用いるか、および/または1つまたは2つ以上の追加のシャッフリングおよび/または選別のサイクルに付すことができる。
別の特徴では、組換えまたは再組合せの前またはその間に、本発明の方法によって生成されたポリヌクレオチドを最初のポリヌクレオチドへの変異の導入を促進する薬剤またはプロセスに付すことができる。そのような変異の導入は生成されるハイブリッドポリヌクレオチドおよびそれにコードされるポリペプチドの多様性を増加させるであろう。変異を促進する薬剤または方法には以下が含まれる(ただしこれらに限定されない):(+)-CC-1065または合成類似体、例えば(+)-CC-1065-(N3-アデニン)(Sun & Hurly,(1992));DNA合成を阻害することができる、N-アセチル化または脱アセチル化4'-フルオロ-4-アミノビフェニルアダクツ(例えば以下を参照されたい:van de Poll et al. (1992));またはDNA合成を阻害することができる、N-アセチル化または脱アセチル化4-アミノビフェニルアダクツ(さらにまた以下を参照されたい:van de Poll et al. (1992), pp. 751-758);三価クロミウム、三価クロミウム塩、DNA複製を阻害することができる多環式芳香族炭化水素(PAH)DNAアダクツ、例えば7-ブロモメチル-ベンゾ[a]アントラセン(“BMA”)、トリス(2,3-ジブロモプロピル)ホスフェート(“トリス-BP”)、1,2-ジブロモ-3-クロロプロラン(“DBCP”)、2-ブロモアクロレイン(2BA)、ベンゾ[a]ピレン-7,8-ジヒドロジオール-9-10-エポキシド(“BPDE”)、白金(II)ハロゲン塩、N-ヒドロキシ-2-アミノ-3-メチルイミダゾ[4,5-f]-キノリン(“N-ヒドロキシ-IQ”)、およびN-ヒドロキシ-2-アミノ-1-メチル-6-フェニルイミダゾ[4,5-f]-ピリジン(“N-ヒドロキシ-PhIP”)。PCR増幅を遅くするか、または中止させる特に好ましい手段は、UV光(+)-CC-1065および(+)-CC-1065-(N3-アデニン)から成る。特に包含される手段は、ポリヌクレオチド若しくはポリヌクレオチドプールに由来するDNA付加物を含む、DNA付加物またはポリヌクレオチドであり、これらは更なる処理の前に前記ポリヌクレオチドを含む溶液を加熱することを含む処理によって遊離させるかまたは除去することができる。
スクリーニングのための方法論および“オンライン”モニター装置
本発明の方法の実施および本発明のポリペプチドのアルドラーゼ活性のスクリーニングに際して、多様な装置および方法論を用いることができる。例えば、多様な装置および方法論は、アルドラーゼ活性についてポリペプチドをスクリーニングするために、活性の潜在的調節物質として(例えばアルドラーゼ活性の強化または抑制)化合物をスクリーニングするために、または本発明のアルドラーゼと結合するかもしくはアルドラーゼ活性をもつ抗体について、本発明の核酸とハイブリダイズする核酸についてスクリーニングするためなどに用いることができる。高処理スクリーニング装置を利用し本発明の方法の実施に用いてもよい。例えば米国特許出願第20020001809号を参照されたい。
固相固定化酵素:本発明のポリペプチド、例えば抗体およびアルドラーゼ酵素、そのフラグメント並びに本発明のポリペプチド(例えばアルドラーゼ)をコードする核酸およびフラグメントは固相に固定することができる。前記は、工業プロセスでのアルドラーゼの使用においてしばしば経済的であり効率的である。例えば、アルドラーゼ酵素(またはその活性フラグメント)の混合物またはカクテル(前記は特定の化学反応で用いられる)を固相に結合させ、反応タンクに浸すことができる。酵素反応を惹起し、続いて、反復使用のために前記固相をそれに結合した酵素と一緒にタンクから取り出すことができる。本発明のある実施態様では、本発明の単離核酸が固相に固定される。本発明の別の実施態様では、固相は、ゲル、樹脂、ポリマー、セラミック、ガラス、微小電極およびそれらの任意の組合せの群から選択される。
例えば本発明で有用な固相にはゲルが含まれる。ゲルのいくつかの例にはセファロース、ゼラチン、グルタルアルデヒド、キトサン処理グルタールアルデヒド、アルブミン-グルタールアルデヒド、キトサン-キサンタン、トーヨーパールゲル(ポリマーゲル)、アルギネート、アルギネート-ポリリジン、カラジーナン、アガロース、グリオキシルアガロース、磁性アガロース、デキストラン-アガロース、ポリ(カルバモイルスルホネート)ヒドロゲル、BSA-PEGヒドロゲル、リン酸化ポリビニルアルコール(PVA)、モノアミノエチル-N-アミノエチル(MANA)、アミノまたはそれらの任意の組合せが含まれる。
本発明で有用なまた別の固相は樹脂またはポリマーである。樹脂またはポリマーのいくつかの例には、セルロース、アクリルアミド、ナイロン、レーヨン、ポリエステル、陰イオン交換樹脂、AMBERLITE(登録商標)XAD-7、AMBERLITE(登録商標)XAD-8、AMBERITE(登録商標)IRA-94、AMBERLITE(登録商標)IRC-50、ポリビニル、ポリアクリリック、ポリメタクリレートまたはそれらの任意の組合せが含まれる。
本発明で有用なまた別のタイプの固相はセラミックである。そのいくつかの例には無孔性セラミック、多孔性セラミック、SiO2、Al2O3が含まれる。本発明で有用なまた別のタイプの固相はガラスである。そのいくつかの例には無孔性ガラス、多孔性ガラス、アミノプロピルガラスまたはそれらの任意の組合せが含まれる。使用できるまた別のタイプの固相は微小電極である。それらの例はポリエチレンイミン被覆マグネタイトである。グラファイト粒子を固相として用いてもよい。固相のまた別の例は細胞、例えば赤血球である。
固定化方法:抗体、酵素もしくはそのフラグメント、または核酸を固相上に固定する当業者に既知の多くの方法が存在する。そのような方法のいくつかの例には、例えば静電液滴生成(electrostatic droplet generation)、電気化学的手段、吸着、共有結合、架橋、化学反応またはプロセス、被包化、捕捉、アルギン酸カルシウムまたはポリ(2-ヒドロキシエチルメタクリレート)によるものが含まれる。同様な方法が文献に記載されている:Methods in Enzymology, Immobilized Enzymes and Cells, Part C. 1987. Academic Press, Edited by S.P. Colowick and N.O. Kaplan, Vol 136;およびImmobilization of Enzymes and Cells 1997 Humana Press. Ed. G.F. Bickerstaff. Series: Methods in Biotechnology, Ed. J.M. Walker。
キャピラリーアレイ:本発明の核酸およびポリペプチドはアレイに固定または適用することができる。アレイを用いて、(例えば小分子、抗体、核酸の)組成物ライブラリーを、本発明の核酸またはポリペプチドに結合するその能力または前記の活性を調節するその能力についてスクリーニングまたはモニターすることができる。キャピラリーアレイ、例えばGIGAMATRIX(登録商標)(Diversa Corporation, San Diego, CA)および例えば米国特許出願20020080350A1、WO0231203A、WO0244336Aに記載されたアレイはサンプル保持およびスクリーニングのための代替装置を提供する。ある特徴では、キャピラリーアレイは、複数のキャピラリーが隣接キャピラリーのアレイを形成するものを含み、各キャピラリーはサンプル保持のために管腔を仕切る少なくとも1つの壁を含む。前記管腔は円筒形、四角形、六角形または、前記壁が液体またはサンプルの保持用管腔を形成する限り他の任意の幾何学形であってもよい。前記キャピラリーアレイのキャピラリーは接近して一緒に保持され平面構造を形成することができる。キャピラリーは、溶融によって(その場合キャピラリーは例えばガラスで製造される)一緒に束ねるか、接着剤で接着するか、縛るかまたは隣同士を留め金で固定することができる。さらにまた、キャピラリーアレイは、アレイ中の隣接キャピラリーの間に設置された間隙物質を含み、それによって複数の貫通孔を含む固形平面装置を形成することができる。
キャピラリーアレイは任意の数の個々のキャピラリー、例えば100から4,000,000本の範囲のキャピラリーで形成できる。さらにまた、標準的な実験室装置に適合させるために、約100,000本またはそれ以上の個々のキャピラリーを有するキャピラリーアレイをマイクロタイター(登録商標)プレートの標準サイズおよび形状に成形してもよい。管腔は、毛細管作用または細い注射針を用いて手動または自動的に満たされる。対象のサンプルは更なる分析または性状決定のためにその後個々の管腔から取り出すことができる。例えば、管腔に物質を添加または管腔から物質を引き出すために、細い注射針様プローブが選択されたキャピラリーとの液路に配置される。
単一ポットスクリーニングアッセイでは、キャピラリーアレイへの注入前にアッセイ成分は混合されて対象の溶液が生成される。アレイの少なくとも一部分が対象の溶液に浸漬されるとき管腔は毛細管作用で満たされる。各キャピラリーの化学的または生物学的反応および/または活性は検出可能な事象についてモニターされる。検出可能な事象はしばしば“ヒット”と称され、通常は光学的検出によって“ノンヒット”を示すキャピラリーと区別することができる。したがって、キャピラリーアレイは“ヒット”の大量並行検出を可能にする。
多ポットスクリーニングアッセイでは、ポリペプチドまたは核酸(例えばリガンド)は第一の成分に導入され、前記はキャピラリーアレイのキャピラリーの少なくとも一部に導入される。続いて気泡を第一の成分の後ろのキャピラリーに導入することができる。第二の成分が続いてキャピラリーに導入され、そこで第二の成分は前記気泡によって第一の成分と分離される。続いて前記第一および第二の成分は、キャピラリーアレイの両側への流体静力学的圧力を適用して気泡を破壊することによって混合することができる。続いてキャピラリーアレイを、前記2つの成分の反応また無反応から生じる検出可能な事象についてモニターする。
結合スクリーニングアッセイでは、対象のサンプルは、検出可能粒子で標識された第一の液体としてキャピラリーアレイのキャピラリーに導入される。キャピラリーの管腔は、結合可能粒子を管腔と結合させるために結合物質で被覆される。続いて第一の液体はキャピラリーから取り出され、管腔に結合した検出可能粒子はキャピラリー内に残留し、さらに第二の液体がキャピラリーに導入されれる。続いて粒子と第二の液体との反応または無反応から生じる検出可能事象についてキャピラリーをモニターする。
アレイまたは“バイオチップ”:本発明の核酸またはポリペプチドはアレイに固定化、または塗布することができる。アレイを用いて、(例えば小分子、抗体、核酸などの)組成物ライブラリーを、本発明の核酸またはポリペプチドに結合する能力またはその活性を調節する能力についてスクリーニングまたはモニターすることができる。例えば本発明のある特徴では、モニターされるパラメーターはアルドラーゼ遺伝子転写物の発現である。細胞の1つもしくは2つ以上または全てを細胞の転写物を含むサンプルのハイブリダイゼーションによって測定することができ、また細胞の核酸相当物もしくは細胞の転写物と相補的な核酸をアレイもしくは“バイオチップ”上に固定された核酸とのハイブリダイゼーションによって測定することができる。マイクロチップ上の核酸の“アレイ”を用いることによって、細胞の転写物のいくつかまたは全てを同時に定量することができる。また別には、ゲノム核酸を含むアレイはまた、本発明の方法によって新規に作出された株の遺伝子型の決定に用いることができる。“ポリペプチドアレイ”はまた、複数のタンパク質の同時定量に用いることができる。
本発明は既知の任意の“アレイ”(“マイクロアレイ”または“核酸アレイ”または“ポリペプチドアレイ”または“抗体アレイ”または“バイオチップ”またはその変型とも称される)を用いて実施することができる。アレイは一般的には複数の“スポット”または“標的エレメント”である。各標的エレメントは一定量の1つまたは2つ以上の生物学的分子、例えばオリゴヌクレオチドを含み、それらはサンプル分子(例えばmRNA)と特異的に結合する基質表面の一定領域に固定されている。
本発明の方法の実施に際して、任意の既知のアレイおよび/またはアレイの製造および使用方法の全体もしくは部分またはその変型を取り入れることができる。それらは例えば以下に記載されているようなものである:米国特許第6,277,628号;第6,277,489号;第6,261,776号;第6,258,606号;第6,054,270号;第6.048,695号;第6,045,996号;第6,022,963号;第6,013,440号;第5,965,452号;第5,959,098号;第5,856,174号;第5,830,645号;第5,770,456号;第5,632,957号;第5,556,752号;第5,143,854号;第5,807,522号;第5,800,992号;第5,744,305号;第5,700,637号;第5,556,752号;第5,434,049号。さらにまた例えば以下を参照されたい:WO99/5173;WO99/09217;WO97/46313;WO96/17958。さらにまた例えば以下を参照されたい:Johnston (1998) Curr. Biol. 8:R171-R174;Schummer (1997) Biotechniques 23:1087-1092;Kern (1997) Biotechniques 23:120-124;Solinas-Toldo (1997) Genes, Chromosomes& Cancer 20:399-407;Bowtell (1999) Nature Genetis Supp. 21:25-32。さらにまた以下を参照されたい:米国特許出願公開広報第20010018642号;同第20010019827号;同第20010016322号;同第20010014449号;同第20010014448号;同第20010012537号;同第20010008765号。
抗体および抗体使用スクリーニング方法
本発明は、本発明のポリペプチド(例えば本発明のアルドラーゼ)と特異的に結合する単離または組換え抗体または本発明の他の抗体(例えば抗イディオタイプ抗体)を提供する。これらの抗体を用いて、本発明のアルドラーゼまたは関連するポリペプチドを単離、特定または定量することができる。それらの抗体を用いて、本発明の酵素の活性を阻害することができる。それらの抗体を用いて本発明の酵素と関連するポリペプチド(例えば関連するアルドラーゼ酵素)を単離することができる。
前記抗体は、免疫沈澱、染色(例えばFACS)、イムノアフィニティーカラムなどで用いることができる。所望の場合は、特異的な抗体をコードする核酸配列を、免疫とそれに続くポリペプチドまたは核酸の単離、増幅またはクローニングおよびポリペプチドの本発明のアレイ上への固定によって作製することができる。
また別には、本発明の方法を用いて、改変されるべき細胞により産生される抗体の構造を改変することができる。例えば抗体の親和性を強化または低下させることができる。さらにまた、抗体を製造または改変する能力は本発明の方法により細胞に付与された表現型であり得る。
本発明の抗体を用いて、サンプル中のアルドラーゼ(例えば血清アルドラーゼ)の量を検出または測定することができる。正常血清アルドラーゼレベルは<6U/Lである。高レベルのアルドラーゼは進行性デュシェンヌ型筋ジストロフィー(MD)、MDのキャリアー、肢帯筋ジストロフィーおよび他のジストロフィー、皮膚筋炎、多発性筋炎、および旋毛虫症で見出される。進行性ジストロフィーでは、アルドラーゼレベルは、疾患の初期段階のように筋肉全体が比較的無傷であるときは正常の10から15倍であろう。進行した筋肉の消耗が存在する場合は数値は低下する。したがって、本発明の抗体は症状または疾患の治療、診断または予後判定で用いることができる。
免疫、抗体(ポリクローナルおよびモノクローナル)の製造および単離の方法は当業者には公知で、さらに学術文献および特許文献に記載されている。例えば以下を参照されたい:Coligan, Current Protocols in Immunology, Wiley/Greene, NY (1991); Stites (eds.) Basic and Clinical Immunology (7th ed.) Lang Medical Publications, Los Altos, CA ("Stites"); Goding, Monoclonal Antibodies: Priciples and Practice (2nd ed.) Academic Press, New York, NY (1986); Kohler (1975) Nature 256:495; Harlow (1988) Antibodies, A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Publications, New York。抗体はまた、動物を用いる従来のin vivo方法以外でも、in vitroで例えば組換え抗体結合部位発現ファージディスプレーライブラリーを用いて作製することができる。例えば以下を参照されたい:Hoogenboom (1997) Trends Biotechnol. 15:62-70; Katz (1997) Annu. Rev. Biophys. Biomol. Struct. 26:27-45。
前記ポリペプチドを用いて、本発明のポリペプチドと特異的に結合する抗体を作製することができる。生成された抗体は免疫親和性クロマトグラフィー方法で用いて、前記ポリペプチドを単離または精製するか、または前記ポリペプチドが生物学的サンプルに存在するか否かを決定することができる。そのような方法では、タンパク質調製物(例えば抽出物)または生物学的サンプルを本発明のポリペプチドの1つと特異的に結合することができる抗体と接触させる。
イムノアフィニティー方法では、前記抗体を固相(例えばビーズまたは他のカラムマトリックス)に付着させる。抗体が本発明のポリペプチドの1つと特異的に結合する条件下で、前記タンパク質調製物を前記抗体と接触させる。洗浄して非特異的に結合したタンパク質を除去した後、特異的に結合したポリペプチドを溶出させる。
抗体と結合する生物学的サンプル中のタンパク質の能力は、当業者に周知の多様な方法を用いて決定できる。例えば、結合は抗体を検出可能な標識(例えば蛍光物質、酵素標識または放射性同位元素)で標識することによって決定できる。また別には、抗体とサンプルとの結合は、検出可能な標識をその上に保持する二次抗体を用いて検出することができる。具体的なアッセイにはELISAアッセイ、サンドイッチアッセイ、放射能免疫アッセイおよびウェスタンブロットが含まれる。
本発明のポリペプチドに対して作製されるポリクローナル抗体は、動物に前記ポリペプチドを直接注射することによって、または動物(例えば非ヒト動物)に前記ポリペプチドを投与することによって得ることができる。そのようにして得られた抗体は前記ポリペプチド自体と結合するであろう。このようにして、ポリペプチドのフラグメントのみをコードする配列でさえも完全な天然のポリペプチドと結合することができる抗体の作製に用いることができる。続いてそのような抗体を用いて、ポリペプチドを発現している細胞から前記ポリペプチドを単離することができる。
モノクローナル抗体の調製の場合、持続的細胞株の培養によって生成される抗体を提供するいずれの技術も用いることができる。その例にはハイブリドーマ技術、トリオーマ技術、ヒトB細胞ハイブリドーマ技術およびEBV-ハイブリドーマ技術が含まれる(例えば以下を参照されたい:Cole (1985) Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy, Alan R. Liss, Inc., pp.77-96)。
単鎖抗体の生成のために記載された技術(例えば米国特許第4,946,778号を参照されたい)を利用して、本発明のポリペプチドに対する単鎖抗体を生成することができる。また別には、遺伝子導入マウスを用いて、これらポリペプチドまたはそのフラグメントに対するヒト化抗体を発現させることができる。
本発明のポリペプチドに対して作製された抗体を他の生物およびサンプル由来の類似のポリペプチドのスクリーニングに用いることができる。そのような技術では、前記生物由来のポリペプチドを抗体と接触させ、さらに前記抗体と特異的に結合するポリペプチドが検出される。上記に記載したいずれの方法も抗体結合の検出に用いることができる。
キット
本発明は、組成物(例えば本発明の核酸、発現カセット、ベクター、細胞、ポリペプチド(例えばアルドラーゼ)および/または抗体)を含むキットを提供する。前記キットはまた、本明細書に記載されたような本発明の方法論および工業的使用を教示する支持物質を含むことができる。
β,δ-ジヒドロキシヘプタン酸側鎖の調製
本発明は、キラルβ,δ-ジヒドロキシヘプタン酸側鎖を製造する工程において2-デオキシリボース-5-ホスフェートアルドラーゼ(DERA)を使用するための組成物および方法を提供する。任意のDERAまたは同等なアルドラーゼ、または類似の活性を有する天然または合成酵素または他のポリペプチド(本発明の酵素を含む)(例えば触媒抗体、例えば米国特許第6,368,839号;第5,733,757号を参照されたい)を用いることができる。本発明の酵素化学的方法ではアルドラーゼ活性を有する任意のポリペプチド(例えば酵素、触媒抗体)、例えば配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号30(アルドラーゼ活性を有する本発明のポリペプチド、例えば典型的な配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22を含む)を用いることができる。例えばまた米国特許第5,795,749号(前記にはDERA活性の製造、単離およびテストを如何に実施するかが記載されている)、米国特許第6,423,834号、同6,441,277号を参照されたい。
例えば、DERA活性は共役酵素系を用いてアッセイすることができる。その系では、0.5mMの2-デオキシリボース-5-ホスフェート、0.12mMのNADH並びにグリセロホスフェートデヒドロゲナーゼおよびトリオースホスフェートイソメラーゼの混合物がトリエタノールアミン緩衝液(50mM、pH7.5)中で25℃でインキュベートされる。アッセイはDERAの添加により開始され、340nmでの吸収の減少をモニターすることができる。NADHの吸光係数は6.22X103M-1cm-1とされる。タンパク質濃度はブラッドフォードアッセイによって測定することができる(例えばクーマシープラスキット試薬(Pierce Co.))。
本発明は、キラルβ,δ-ジヒドロキシヘプタン酸側鎖((R)-エチル-4-シアノ-3-ヒドロキシブチレート、ロスバスタチン(CRESTOR(登録商標))、アトルバスタチン(LIPITOR(登録商標))、フルバスタチン(LESCOL(登録商標))およびそれらの中間体を含む)の酵素化学的製造のための新規な経路を提供する。種々の出発物質を選択することができるがコストは1つの要件であろう。前記方法は、全細胞プロセスまたは生物触媒プロセスまたはその組合せであろう。この典型的な方法では少なくとも1つの工程が酵素の使用を必要とする。また別の特徴では、1工程、数工程または全工程が酵素を使用する。
本発明の酵素反応はin vitroまたはin vivo(例えば完全細胞による方法)で実施できる。酵素反応はin vitro(例えばキャピラリーアレイ(下記で考察される)を含む)または全細胞系(また下記でさらに考察される)で実施することができる。ある特徴では、酵素反応は1つまたは2つ以上の反応容器で実施できる。本発明の酵素または試薬は固体表面、例えばアレイまたはキャピラリーの表面に固定される。
全細胞(whole cell)操作および代謝パラメーターの測定
本発明の方法は全細胞環境下でその全体または一部分で実施できる。本発明はまた、全細胞の進化または全細胞の操作を提供し、本発明の方法で使用される新規な表現型を持つ新規な細胞株、例えば本発明の酵素の1つ、いくつかまたは全てを含む新規な細胞株または本発明の方法で用いられる酵素を含む新規な細胞株を作出する。これは細胞の遺伝的構成を改変することによって実施することができる。遺伝的構成は、核酸、例えば本発明の方法で用いられる酵素のコード配列を細胞に添加することによって改変される。例えばWO0220032、WO0196551を参照されたい。
“全細胞法”のための宿主細胞は当業者に既知の任意の細胞でよく、原核細胞、真核細胞、例えば細菌細胞、真菌細胞、酵母細胞、哺乳動物細胞、昆虫細胞または植物細胞が含まれる。
本発明の方法の中間体または生成物(例えばキラルβ,δ-ジヒドロキシヘプタン酸側鎖および(R)-エチル-4-シアノ-3-ヒドロキシブチレート)、または新規な表現型の生成を検出するため、細胞(または遺伝的に改変された細胞)の少なくとも1つの代謝パラメーターが、代謝フラックス分析(Metabolic Flux Analysis, MFA)によって細胞で“リアルタイム”または“オンライン”タイムフレームでモニターすることができる。ある特徴では、複数の細胞(例えば細胞培養)が“リアルタイム”または“オンライン”タイムフレームでモニターされる。ある特徴では、複数の代謝パラメーターが“リアルタイム”または“オンライン”タイムフレームでモニターされる。
代謝フラックス分析(MFA)は既知の生化学的フレームワークを基にしている。線形独立の代謝行列を、細胞内代謝物に対する質量保存の法則および擬似定常状態仮説(pseudo-steady state hypothesis, PSSH)に基づいて構築する。本発明の方法の実施に際して、以下を含む代謝ネットワークが確立される:
−全ての経路の基質、生成物および中間代謝物の実体;
−前記経路の代謝物を変換する全ての化学反応の実体、前記経路の反応の化学量論;
−前記反応を触媒する全ての酵素の実体、前記酵素反応のカイネティクス;
−経路の成分間の調節的相互反応、例えばアロステリック相互反応、酵素-酵素相互反応など;
−酵素の細胞内区画局在性(compartmentalization)または他の任意の酵素の超分子的構成;および
−代謝物、酵素またはエフェクター分子の濃度勾配またはそれらの移動に対する拡散障壁。
ある株について代謝ネットワークがいったん確立されたら、行列記法による数学的表現を導入し、オンライン代謝物データが利用可能ならば細胞内代謝フラックスを概算することができる。代謝表現型は細胞内の完全な代謝ネットワークの変化に依存する。代謝表現型は、環境条件、遺伝的調節、発育状態および遺伝子型などに対応する経路の利用変化に左右される。本発明の方法のある特徴では、オンラインMFA計算の後で、細胞の動的態様、細胞の表現型および他の特性が経路の利用を精査することによって分析される。
細胞培養の生理的状態の制御は前記経路分析の後で可能になるであろう。本発明の方法は、基質供給、温度、誘発物質などをどのように変化させるか、細胞の生理的条件を制御して所望の方向にどのように誘導するかを決定することによって発酵の操作方法の決定に役立つことができる。本発明の方法の実施に際して、MFAの結果はまた、代謝エンジニアリングまたは遺伝子シャッフリングなどのための実験およびプロトコルデザインのためにトランスクリプトームデータおよびプロテオームデータと比較することができる。代謝のいかなる特徴または増殖もモニターすることができる。
mRNA転写物発現のモニタリング:本発明のある特徴では、操作により作出される表現型は、mRNA転写物の発現の増減または新規転写物の細胞内生成を含む。この発現増加または低下は、蛍光ペプチド(例えば本発明の方法で用いられる酵素を含むキメラタンパク質)を使用することによって追跡することができる。mRNA転写物(またはメッセージ)はまた、当業界で既知の任意の方法(ノザンブロット、定量的増幅反応、ハイブリダイゼーションまたはアレイなどを含む)によって検出および定量することができる。定量的増幅反応は、例えば定量的PCR(例えば定量的逆転者ポリメラーゼ連鎖反応(またはRT-PCR)を含む);定量的リアルタイムRT-PCR(または“リアルタイムカイネティックRT-PCR”)を含む(例えば以下を参照されたい:Kreuzer (2000) Br. J. Haematol. 114:313-318; Xia (2001) Transplantation 72:907-914)。
本発明のある特徴では、操作によって作出される表現型は相同遺伝子の発現のノックアウトによって作出される。遺伝子のコード配列または1つもしくは2つ以上の転写制御エレメント(例えばプロモーターまたはエンハンサー)をノックアウトすることができる。したがって転写物の発現は完全に除去されるか、または単に減少させることができる。
本発明のある特徴では、操作によって作出される表現型は相同遺伝子の発現の増加を含む。前記は、負の制御エレメント(cis-またはtrans-で作用する転写調節エレメントを含む)のノックアウト、または正の制御エレメントの変異導入によって実施できる。細胞の1つもしくは2つ以上または全てを、細胞の転写物を含むサンプルのハイブリダイゼーションによって測定することができ、また細胞の核酸相当物もしくは細胞の転写物と相補的な核酸をアレイ上に固定された核酸とのハイブリダイゼーションによって測定することができる。
ポリペプチド、ペプチドおよびアミノ酸の発現のモニタリング:本発明のある特徴では、操作によって作出される表現型は、ポリペプチドの発現の増加または低下、または細胞内での新規なポリペプチド、例えば本発明の酵素(例えばDERA酵素)または本発明の方法で使用される他の酵素の作出を含む。酵素の発現増加または低下は、蛍光ポリペプチド(例えば本発明の方法で用いられる酵素を含むキメラタンパク質)を使用することによって追跡することができる。ポリペプチド、試薬および最終生成物(例えばβ,δ-ジヒドロキシヘプタン酸側鎖または(R)-エチル-4-シアノ-3-ヒドロキシブチレート)はまた、当業界で既知の任意の方法、例えば核磁気共鳴(NMR)、分光光度法、ラジオグラフィー(タンパク質放射能標識)、電気泳動、キャピラリー電気泳動、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、薄層クロマトグラフィー(TLC)、高拡散クロマトグラフィー、多様な免疫学的方法、例えば免疫沈澱、免疫拡散、免疫電気泳動、ラジオイムノアッセイ(RIA)、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、免疫蛍光アッセイ、ゲル電気泳動(例えばSDS-PAGE)、抗体による染色、蛍光活性化細胞分類装置(FACS)、熱分解質量分析法、フーリエ変換赤外線分光分析、ラマン分光分析、並びにLC-エレクトロスプレーおよびcap-LC-タンデム-エレクトロスプレーなどによって検出および定量することができる。新規な生物活性はまた、米国特許第6,057,103号に記載された方法またはその変法を用いてスクリーニングできる。細胞のポリペプチドはタンパク質アレイを用いて測定することができる。
実施例1
アルドラーゼ活性の測定
ある特徴では、本発明のアルドラーゼはフラクトース-1,6-ジホスフェートをジヒドロキシアセトンホスフェートおよびグリセルアルデヒド-3-ホスフェートに変換することができる。
血清アルドラーゼ活性の測定は臨床的に重要であり得る。血清アルドラーゼの上昇は、ある種の癌、筋ジストロフィー、肝炎および心筋梗塞で認められている。本発明のアルドラーゼは、例えば共役酵素反応で代謝物の測定に用いることができる。
単位活性の定義:pH7.6および25℃で毎分1マイクロモルのフラクトース-1,6-ジホスフェートをジヒドロキシアセトンホスフェートおよびグリセルアルデヒド-3-ホスフェートに変換する酵素の量。
アッセイ試薬:
−0.1MのトリエタノールアミンHCl緩衝液、pH7.6;
−0.008MのNADH、(5mg/mL)、緩衝液にNADH二ナトリウム塩;
−0.033Mフラクトース-1,6-ジホスフェート、緩衝液中で11.22mg/mL;
−グリセロール-3-ホスフェートデヒドロゲナーゼ(G3PDH)、緩衝液中で76U/mL、新し調製;
−トリオースホスフェートイソメラーゼ(TPI)、緩衝液中で480U/mL、新しく調製;
−アルドラーゼ溶液−緩衝液に最終濃度0.1U/mLに溶解、アッセイの直前に新しく調製。
手順:
分光光度計(ストリップチャート記録装置および温度制御を搭載)を340nmおよび25℃に設定する。
キュベットに以下をピペットで注入する:
−トリエタノールアミン緩衝液 2.7mL
−NADH溶液 0.1mL
−フラクトース-1,6-ジホスフェート(基質) 0.1mL
混合し分光光度計中で25℃で5分間インキュベートして温度を平衡化する。もしあれば340nmでのブランクを記録する。
以下のように酵素溶液をキュベットに添加する:
−グリセロール-3-ホスフェートデヒドロゲナーゼ 0.01mL
−トリオースホスフェートイソメラーゼ 0.01mL
−アルドラーゼ 0.1mL
340nmでの吸収の変化を5−10分記録する。
304nm/分を計算する。
カイネティクスの測定:0.5mLの溶液中に種々の濃度のピルベート(2.0、3.33、5および10mM);種々の濃度のD-アラビノース(0.5mLの0.2、0.25、0.33および0.50)を含む0.1Mのリン酸緩衝液中で反応を実施した。各溶液を37℃でインキュベートした。アルドラーゼ触媒反応の速度は、文献(Kim (1988) J. Am. Chem. Soc. 110:6481)の方法にしたがって残留するピルベートの量を測定することによって得た。周期的に少量の部分標本(25−100μL)を取り出し、アッセイ溶液(1.4mL)(0.1Mリン酸緩衝液(pH7.5)、0.3mMのNADHおよび20−30UのL-ラクテートデヒドロゲナーゼを含む)と混合した。340nmでの吸収の低下を測定し、NADHの分子吸収に6220M-1cm-1を用いて未反応ピルベート量に変換した。カイネティックパラメーターはラインウェーバ=バークプロットから得た。相対速度の測定のためには、乳酸(フルオロピルベート)および糖の濃度はそれぞれ10mMおよび0.5Mに固定した。他の条件は上記と同じであった。
実施例2
3R,5S-6-クロロ-2,4,6-トリデオキシ-エリスロ-ヘキソノラクトンの(3R,5R)-6-シアノ-3,5-ジヒドロキシヘキサン酸への変換
本発明は、ラクトン3R,5S-6-クロロ-2,4,6-トリデオキシ-エリスロ-ヘキソノラクトン(図14の化合物、さらに図17および図18も参照されたい)を単一工程で(3R,5S)-3,5,6-トリヒドロキシヘキサン酸または(3R,5R)-6-シアノ-3,5-ジヒドロキシヘキサン酸(図16)のどちらかに変換するプロセスを提供する。前者の化合物はロスバスタチン(CRESTOR(登録商標))、フルバスタチン(LESCOL(登録商標))および他のスタチンに変換され、一方、シアノ化合物はアトルバスタチン(LIPITOR(登録商標))に変換することができる。両方法は、図16のカッコ内に示されている共通の中間体、エポキシド(-(3R,5S-3-ヒドロキシ-4-オキシラニル酪酸ナトリウム塩)を経ることができる。
ある特徴では、3R,5S-6-クロロ-2,4,6-トリデオキシ-エリスロ-ヘキソノラクトンを(3R,5R)-6-シアノ-3,5-ジヒドロキシヘキサン酸に変換する典型的な方法は以下のとおりである:シアン化ナトリウム(8.93g)を12mLの水に溶解した。前記水溶液を230mLのDMFに加え、さらに(10g)を添加した。濃度はが250mM、NaCNが750mM、水が5%(容積)であった。混合物を40℃で16時間攪拌し、減圧下で濃縮し、続いて硫酸でpH4に酸性化した。NMR分光計(タイムポイント6時間)によって35%の(3R,5R)-6-シアノ-3,5-ジヒドロキシヘキサン酸生成物、45%の前駆体(3R,5S)-6-クロロ-3,5-ジヒドロキシヘキサン酸、および20%の3R,5S-3-ヒドロキシ-4-オキシラニル酪酸の存在が示された。16時間後、(3R,5R)-6-シアノ-3,5-ジヒドロキシヘキサン酸だけが観察された生成物であった。
ある特徴では、を(3R,5S)-3,5,6-トリヒドロキシヘキサン酸に変換する典型的な方法は以下のとおりである:NaOH(176mg、2.2当量)を5mLの水に溶解した。を添加した(330mg、400mMの濃度)。混合物を40℃で16時間攪拌し、続いて減圧下で濃縮した。NMRによって(3R,5S)-3,5,6-トリヒドロキシヘキサン酸への完全な変換が示された。
実施例3
スタチン中間体合成のための典型的な方法
スタチン中間体(例えばアトルバスタチン(LIPITOR(登録商標))、ロスバスタチン(CRESTOR(登録商標))、フルバスタチン(LESCOL(登録商標))および関連化合物)の合成のための一つの例示的な方法は図21に示されている。前記は図14に示した工程の例示的なものである。第一の工程は、例えば本発明のアルドールを用いたDERA触媒アルドール縮合を含む。6-クロロ-2,4,6-トリデオキシ-エリスロ-ヘキソノラクトンは、NaOCl水溶液およびHOAcを含む条件下で生成される。ある特徴では、収量は99.9%eeより高く、2工程で45%であった。前記方法はさらに3R,5S-6-クロロ-2,4,6-トリデオキシ-エリスロ-ヘキソノラクトンを処理して(3R,5R)-6-シアノ-3,5-ジヒドロキシヘキサン酸(図14の化合物もまた参照されたい)を製造することを含む。この方法の最後の工程はジメトキシプロパン、H2SO4、DMFおよびTMSジアゾメタンを含む。収量は3工程で48%であり得る。
本発明の多数の実施態様をこれまで述べてきた。にもかかわらず多様な改変が本発明の範疇を外れることなく為しえることは理解されよう。したがって、他の実施態様も請求の範囲に包含される。なお、種々の図面中の同じ照会記号は同じ要素を示している。
コンピュータシステムのブロックダイアグラムである。 新規なヌクレオチドまたはタンパク質を配列データベースと比較して新規な配列とデータベース中の配列との間の相同性レベルを決定するプロセスの一特徴を示す流れ図である。 2つの配列が相同であるか否かを決定するコンピュータプロセスの一特徴を示す流れ図である。 配列中の特徴の存在を検出するアイデンティファイアープロセス(300)の1つの特徴を示す流れ図である。 本明細書に詳細に示されている[R-(R*,R*)]-2-(4-フルオロフェニル)-b,d-ジヒドロキシ-5-(1-メチルエチル)-3-フェニル-4-(フェニルアミノ)-カルボニル]-1H-ピロール-1-ヘプタン酸、またはアトルバスタチン(LIPITOR(登録商標))の化学式を示す。 本明細書に詳細に示されているアルドラーゼにより触媒されるアルドール反応の模式図である。 本明細書に詳細に示されている、例えば[R-(R*,R*)]-2-(4-フルオロフェニル)-b,d-ジヒドロキシ-5-(1-メチルエチル)-3-フェニル-4-(フェニルアミノ)-カルボニル]-1H-ピロール-1-ヘプタン酸(アトルバスタチンまたはLIPITOR(登録商標))またはロスバスタチン(CRESTOR(登録商標))の製造で用いられる側鎖中間体のDERA触媒アルドール合成の模式図である。 本明細書に詳細に示されている、アトルバスタチン(LIPITOR(登録商標))またはロスバスタチン(CRESTOR(登録商標))側鎖のDERA触媒による製造の典型的なスキームを示す。 本明細書に詳細に示されている、DERA触媒中間体の典型的酸化(臭素/炭酸バリウム酸化)によるクロロラクトンの生成を示す模式図である。 本明細書に詳細に示されている、ラクトン(VI)から出発してアトルバスタチン(LIPITOR(登録商標))またはロスバスタチン(CRESTOR(登録商標))側鎖を生成する典型的な合成オプションを示す。 本明細書に詳細に示されている、無傷のラクトン中間体による、本発明の典型的で完全な[R-(R*,R*)]-2-(4-フルオロフェニル)-b,d-ジヒドロキシ-5-(1-メチルエチル)-3-フェニル-4-(フェニルアミノ)-カルボニル]-1H-ピロール-1-ヘプタン酸(アトルバスタチン、LIPITOR(登録商標))またはロスバスタチン(CRESTOR(登録商標))合成の模式図である。 本明細書に詳細に示されている、本発明の例示的な経路IIのDERA触媒反応を示す。 本明細書に詳細に示されている、本発明の例示的な経路IIIのDERA触媒反応の模式図である。 本明細書に詳細に示されている、例えばアトルバスタチン(LIPITOR(登録商標))またはロスバスタチン(CRESTOR(登録商標))の合成で用いることができるスタチン中間体のDERA触媒合成を含む、アルドラーゼを用いる典型的な合成を示す。 本明細書に詳細に示されている、次亜塩素酸ナトリウムで粗クロロラクトールを酸化して結晶質クロロラクトールを生成することを含む本発明の例示的な方法を示す。 本明細書に詳細に示されている、ラクトン3R,5S-6-クロロ-2,4,6-トリデオキシ-エリスロ-ヘキソノラクトンを (3R,5S)-3,5,6-トリヒドロキシヘキサン酸または(3R,5R)-6-シアノ-3,5-ジヒドロキシヘキサン酸のどちらかに変換する例示的な単一工程プロセスを示す。 DERAを用いる、6-クロロ-2,4,6-トリデオキシ-エリスロ-ヘキソノラクトン、並びにロスバスタチン(CRESTOR(登録商標))、フルバスタチン(LESCOL(登録商標))およびそれらの多様な中間体を製造する例示的な工程を示す。 6-クロロ-2,4,6-トリデオキシ-エリスロ-ヘキソノラクトン、 [R-(R*,R*)]-2-(4-フルオロフェニル)-b,d-ジヒドロキシ-5-(1-メチルエチル)-3-フェニル-4-(フェニルアミノ)-カルボニル]-1H-ピロール-1-ヘプタン酸(アトルバスタチン、LIPITOR(登録商標))、およびそれらの多様な中間体をDERAを用いて製造する例示的な工程を示す。 ロスバスタチン(CRESTOR(登録商標))の構造を示す。 フルバスタチン(LESCOL(登録商標))の構造を示す。 スタチン中間体、並びにアトルバスタチン(LIPITOR(登録商標))、ロスバスタチン(CRESTOR(登録商標))、フルバスタチン(LESCOL(登録商標))および関連化合物の合成のための例示的な工程を示す。

Claims (246)

  1. 配列番号5,配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21と、少なくとも約100残基にわたって少なくとも50%配列同一性を有する核酸配列を含む単離または組換え核酸であって、アルドラーゼ活性を有する少なくとも一つのポリペプチドをコードしており、前記配列同一性が配列比較アルゴリズムまたは目視精査によって決定される、前記核酸。
  2. 配列同一性が少なくとも約51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%または64%である、請求項1記載の単離または組換え核酸。
  3. 配列同一性が、配列番号5,配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21に対する、少なくとも約65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%若しくはそれ以上、または100%の配列同一性である、請求項1記載の単離または組換え核酸。
  4. 配列同一性が、少なくとも約50、75、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1050、1100、1150残基若しくはそれより多い残基、または遺伝子若しくは転写物の全長にわたる配列同一性である、請求項1記載の単離または組換え核酸。
  5. 請求項1記載の単離または組換え核酸であって、前記核酸の配列が配列番号5,配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21に記載の配列を含む、前記単離または組換え核酸。
  6. 配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22に記載の配列を有するポリペプチドをコードする、請求項1記載の単離または組換え核酸。
  7. 配列比較アルゴリズムがBLAST Ver.2.2.2アルゴリズムであって、フィルタリングがblastall -p blastp -d “nr pataa” -F Fに設定され、他のオプションが規定値に設定されている前記アルゴリズムである、請求項1記載の単離または組換え核酸。
  8. アルドラーゼ活性が炭素-炭素結合形成の触媒作用を含む、請求項1記載の単離または組換え核酸。
  9. アルドラーゼ活性がアルドール縮合を含む、請求項8記載の単離または組換え核酸。
  10. アルドール縮合がアセトアルデヒドを含むアルドール供与基質とアルデヒドを含むアルドール受容基質を含む、請求項9記載の単離または組換え核酸。
  11. アルドール縮合が単一キラリティーの生成物を生じさせる、請求項9記載の単離または組換え核酸。
  12. アルドラーゼ活性がエナンチオ選択性である、請求項1記載の単離または組換え核酸。
  13. アルドラーゼ活性が2-デオキシリボース-5-リン酸アルドラーゼ(DERA)活性を含む、請求項1記載の単離または組換え核酸。
  14. アルドラーゼ活性が、供与体としてのアセトアルデヒドと2(R)-ヒドロキシ-3-(ヒドロキシまたはメルカプト)-プロピオンアルデヒド誘導体との縮合により2-デオキシ糖を生成する触媒作用を含む、請求項13記載の単離または組換え核酸。
  15. アルドラーゼ活性が、供与体としてのアセトアルデヒドと2-置換アセトアルデヒド受容体との縮合により4-置換-3-ヒドロキシブタナール中間体を経て2,4,6-トリデオキシヘキソースを生じさせる触媒作用を含む、請求項1記載の単離または組換え核酸。
  16. アルドラーゼ活性が、基質として2つのアセトアルデヒドを用いてキラルアルデヒドを生じさせる触媒作用を含む、請求項1記載の単離または組換え核酸。
  17. アルドラーゼ活性がキラルβ,δ-ジヒドロキシヘプタン酸側鎖のエナンチオ選択的構築活性を含む、請求項1記載の単離または組換え核酸。
  18. アルドラーゼ活性が[R-(R*,R*)]-2-(4-フルオロフェニル)-b,d-ジヒドロキシ-5-(1-メチルエチル)-3-フェニル-4-(フェニルアミノ)-カルボニル]-1H-ピロール-1-ヘプタン酸(アトロバスタチン、あるいはLIPITORTM)、ロスバスタチン(CRESTORTM)またはフルバスタチン(LESCOLTM)の核のエナンチオ選択的構築活性を含む、請求項1記載の単離または組換え核酸。
  19. アルドラーゼ活性が、酸化段階と共に3R,5S-6-クロロ-2,4,6-トリデオキシ-エリスロ-ヘキソノラクトンの合成活性を含む、請求項1記載の単離または組換え核酸。
  20. アルドラーゼ活性が熱安定性である、請求項1記載の単離または組換え核酸。
  21. ポリペプチドが約37℃〜約95℃、約55℃〜約85℃、約70℃〜約75℃、約70℃〜約95℃または約90℃〜約95℃の温度範囲を含む条件下でアルドラーゼ活性を維持する、請求項20記載の単離または組換え核酸。
  22. アルドラーゼ活性が熱耐性である、請求項1記載の単離または組換え核酸。
  23. ポリペプチドが、約37℃〜約95℃より高い温度、約55℃〜約85℃より高い温度、または約70℃〜75℃の温度、または約90℃〜約95℃よりも高い温度への曝露後にアルドラーゼ活性を維持する、請求項22記載の単離または組換え核酸。
  24. 配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29、配列番号31、配列番号33、配列番号35、配列番号37、配列番号39、配列番号41、配列番号43、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、配列番号55、配列番号57、配列番号59、配列番号61、配列番号63、配列番号65、配列番号67、配列番号69、配列番号71、配列番号73、配列番号75、配列番号77、配列番号79、配列番号81、配列番号83、配列番号85、配列番号87、配列番号89、配列番号91、配列番号93、配列番号95、配列番号97、配列番号99、配列番号101、配列番号103、配列番号105を含む核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする配列を含み、アルドラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする単離または組換え核酸。
  25. 核酸が少なくとも長さ約50、75、100、150、200、300、400、500、600、700、800、900、1000残基若しくはそれより多い、または遺伝子若しくは転写物の完全長である、請求項24記載の単離または組換え核酸。
  26. ストリンジェントな条件が、0.2 x SSC中で約65℃にて約15分間の洗浄を含む洗浄工程を含む、請求項24記載の単離または組換え核酸。
  27. 配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29、配列番号31、配列番号33、配列番号35、配列番号37、配列番号39、配列番号41、配列番号43、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、配列番号55、配列番号57、配列番号59、配列番号61、配列番号63、配列番号65、配列番号67、配列番号69、配列番号71、配列番号73、配列番号75、配列番号77、配列番号79、配列番号81、配列番号83、配列番号85、配列番号87、配列番号89、配列番号91、配列番号93、配列番号95、配列番号97、配列番号99、配列番号101、配列番号103、配列番号105を含む配列の少なくとも10の連続する塩基を含み、結合またはハイブリダイゼーションによってアルドラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸核酸を特定する、アルドラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸を同定するための核酸プローブ。
  28. 少なくとも約10〜50、約20〜60、約30〜70、約40〜80、約60〜100または約50〜150の連続する塩基を含むオリゴヌクレオチドを含む、請求項27記載の核酸プローブ。
  29. アルドラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸を特定するための核酸プローブであって、前記プローブが、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29、配列番号31、配列番号33、配列番号35、配列番号37、配列番号39、配列番号41、配列番号43、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、配列番号55、配列番号57、配列番号59、配列番号61、配列番号63、配列番号65、配列番号67、配列番号69、配列番号71、配列番号73、配列番号75、配列番号77、配列番号79、配列番号81、配列番号83、配列番号85、配列番号87、配列番号89、配列番号91、配列番号93、配列番号95、配列番号97、配列番号99、配列番号101、配列番号103、配列番号105の少なくとも約10の連続する塩基を含む核酸を含み、前記配列同一性が配列比較アルゴリズムによる分析または目視精査によって決定される前記核酸プローブ。
  30. 少なくとも約10〜50、約20〜60、約30〜70、約40〜80、約60〜100または約50〜150の連続する塩基を含むオリゴヌクレオチドを含む、請求項29記載の核酸プローブ。
  31. 請求項1または24記載の配列を含む核酸またはその部分配列を増幅するこのとできる、アルドラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸を増幅するための増幅プライマー配列対。
  32. 増幅プライマー配列対の構成プライマーが約10〜50の連続する塩基、または、約12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24若しくは25の連続する塩基、を含むオリゴヌクレオチドを含む、請求項29記載の増幅プライマー対。
  33. 増幅プライマー対であって、前記プライマー対が、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29、配列番号31、配列番号33、配列番号35、配列番号37、配列番号39、配列番号41、配列番号43、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、配列番号55、配列番号57、配列番号59、配列番号61、配列番号63、配列番号65、配列番号67、配列番号69、配列番号71、配列番号73、配列番号75、配列番号77、配列番号79、配列番号81、配列番号83、配列番号85、配列番号87、配列番号89、配列番号91、配列番号93、配列番号95、配列番号97、配列番号99、配列番号101、配列番号103、配列番号105の最初(5'側)の約12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30またはそれより多い残基によって示される配列を有する第一のメンバー、および前記第一のメンバーの相補鎖の最初(5'側)の約12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30またはそれより多い残基によって示される配列を有する第二のメンバーを含む前記増幅プライマー対。
  34. 請求項33記載の増幅プライマー対を用いたポリヌクレオチドの増幅によって生成される、アルドラーゼをコードする核酸。
  35. 増幅がポリメラーゼ連鎖反応(PCR)による、請求項34記載のアルドラーゼをコードする核酸。
  36. 核酸が遺伝子ライブラリーの増幅によって生成される、請求項34記載のアルドラーゼをコードする核酸。
  37. 遺伝子ライブラリーが環境ライブラリーである、請求項34記載のアルドラーゼをコードする核酸。
  38. 請求項34記載のアルドラーゼをコードする核酸によってコードされる、単離または組換えアルドラーゼ。
  39. 鋳型核酸を請求項1若しくは請求項24記載の核酸配列またはその部分配列を増幅することのできる増幅配列対で増幅することを含む、アルドラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸を増幅する方法。
  40. 請求項33記載の増幅プライマー対で核酸を増幅すること、および、前記増幅された核酸を発現させることを含む、アルドラーゼの製造方法。
  41. 請求項1または請求項24記載の配列を含む核酸を含む発現カセット。
  42. 請求項1または請求項24記載の配列を含む核酸を含むベクター。
  43. ウイルスベクター、プラスミド、ファージ、ファージミド、コスミド、フォスミド、バクテリオファージまたは人工染色体を含む、請求項1または請求項24記載の配列を含む核酸を含むクローニングビヒクル。
  44. ウイルスベクターがアデノウイルスベクター、レトロウイルスベクターまたはアデノ随伴ウイルスベクターを含む、請求項43記載のクローニングビヒクル。
  45. 細菌人工染色体(BAC)、プラスミド、バクテリオファージP1-誘導体ベクター(PAC)、酵母人工染色体(YAC)、哺乳動物人工染色体(MAC)を含む、請求項43記載のクローニングビヒクル。
  46. 請求項1または請求項24記載の配列を含む核酸を含む形質転換細胞。
  47. 請求項41記載の発現カセットを含む形質転換細胞。
  48. バクテリア細胞、哺乳動物細胞、真菌細胞、酵母細胞、昆虫細胞、または植物細胞である、請求項47記載の形質転換細胞。
  49. 請求項1または請求項24記載の配列を含む非ヒトトランスジェニック哺乳動物。
  50. マウスである、請求項49記載の非ヒトトランスジェニック哺乳動物。
  51. 請求項1または請求項24記載の配列を含むトランスジェニック植物。
  52. トウモロコシ、ソルガム、ポテト、トマト、小麦、脂肪種子植物、ナタネ、ダイズ、コメ、オオムギ、草本、ワタ、ヤシ、ゴマ、ラッカセイ、ヒマワリまたはタバコである、請求項51記載のトランスジェニック植物。
  53. 請求項1または請求項24記載の配列を含むトランスジェニック種子。
  54. 種子が、トウモロコシ種子、小麦核、脂肪種子、ナタネ種子、ヤシ核、ヒマワリ種子、ゴマ種子、コメ、オオムギ、ラッカセイ、ワタ種子、タバコ種子である、請求項53記載のトランスジェニック種子。
  55. 請求項1若しくは請求項24記載の配列またはその部分配列に相補的またはストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることのできる核酸配列を含む、アンチセンスオリゴヌクレオチド。
  56. 約10〜50、約20〜60、約30〜70、約40〜80または約60〜100塩基長である、請求項55記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド。
  57. 請求項1若しくは請求項24記載の配列またはその部分配列に相補的またはストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることのできる核酸配列を含むアンチセンスオリゴヌクレオチドを細胞に導入するまたは細胞中で発現させることを含む、細胞中のアルドラーゼメッセンジャーの翻訳を阻害する方法。
  58. 請求項1または請求項24記載の配列の部分配列を含む二本鎖阻害性RNA(RNAi)分子。
  59. 約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25ヌクレオチド長またはそれより長い、請求項58記載の二本鎖阻害性RNA(RNAi)分子。
  60. 請求項1または請求項24記載の配列の部分配列を含む二本鎖阻害性RNA(RNAi)分子を細胞に投与するまたは細胞内で発現させることを含む、細胞におけるアルドラーゼの発現を阻害する方法。
  61. (i)配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20または配列番号22に示される配列と少なくとも約100残基の領域にわたって少なくとも50%の配列同一性を有するか単離または組換えポリペプチド(前記配列同一性は配列比較アルゴリズムを用いる分析によって、または目視精査によって決定される);または、
    (ii)配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19または配列番号21に示される配列と少なくとも約100残基の領域にわたって少なくとも50%の配列同一性を有する核酸によってコードされるか(前記配列同一性が配列比較アルゴリズムを用いる分析によって、または目視精査によって決定される)、または配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19または配列番号21に示される配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができる核酸によってコードされる、単離または組換えポリペプチド。
  62. 配列同一性が、少なくとも約51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれより高い、または100%の配列同一性である請求項61に記載の単離または組換えポリペプチド。
  63. 配列同一性が、少なくとも酵素の約10、15、20、25、30、35、40、45、50、75、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1050またはそれより長い残基領域、または酵素の全長にわたる、請求項61記載の単離または組換えポリペプチド。
  64. 配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22記載の配列を有する、請求項61記載の単離または組換えポリペプチド。
  65. アルドラーゼ活性を有する、請求項61記載の単離または組換えポリペプチド。
  66. アルドラーゼ活性が炭素-炭素結合形成の触媒作用を含む、請求項65記載の単離または組換えポリペプチド。
  67. アルドラーゼ活性がアルドール縮合活性を含む、請求項65記載の単離または組換えポリペプチド。
  68. アルドール縮合がアセトアルデヒドを含むアルドール供与基質とアルデヒドを含むアルドール受容基質を含む、請求項67記載の単離または組換えポリペプチド。
  69. アルドール縮合が単一キラリティーの生成物を生じさせる、請求項67記載の単離または組換えポリペプチド。
  70. アルドラーゼ活性がエナンチオ選択性である、請求項65記載の単離または組換えポリペプチド。
  71. アルドラーゼ活性が2-デオキシリボース-5-リン酸アルドラーゼ(DERA)活性を含む、請求項65記載の、単離または組換えポリペプチド。
  72. 2-デオキシリボース-5-リン酸アルドラーゼ(DERA)活性が、アセトアルデヒドとD-グリセルアルデヒド-3-リン酸との可逆的アルドール反応を触媒してD-2-デオキシリボース-5-リン酸を生成させる活性を含む、請求項71記載の単離または組換えポリペプチド。
  73. ルドラーゼ活性が、供与体としてのアセトアルデヒドと2(R)-ヒドロキシ-3-(ヒドロキシまたはメルカプト)-プロピオンアルデヒド誘導体との縮合により2-デオキシ糖を生成する触媒作用を含む、請求項65記載の単離または組換えポリペプチド。
  74. アルドラーゼ活性が、供与体としてのアセトアルデヒドと2-置換アセトアルデヒド受容体との縮合により4-置換-3-ヒドロキシブタナール中間体を経て2,4,6-トリデオキシヘキソースを生じさせる触媒作用を含む、請求項65記載の単離または組換えポリペプチド。
  75. アルドラーゼ活性が、基質として2つのアセトアルデヒドを用いてキラルアルデヒドを生じさせる触媒作用を含む、請求項65記載の単離または組換えポリペプチド。
  76. アルドラーゼ活性がキラルβ,δ-ジヒドロキシヘプタン酸側鎖のエナンチオ選択的構築活性を含む、請求項65記載の単離または組換えポリペプチド。
  77. アルドラーゼ活性が[R-(R*,R*)]-2-(4-フルオロフェニル)-b,d-ジヒドロキシ-5-(1-メチルエチル)-3-フェニル-4-(フェニルアミノ)-カルボニル]-1H-ピロール-1-ヘプタン酸(アトロバスタチン、あるいはLIPITORTM)、ロスバスタチン(CRESTORTM)またはフルバスタチン(LESCOLTM)の核のエナンチオ選択的構築活性を含む、請求項65記載の単離または組換えポリペプチド。
  78. アルドラーゼ活性が、酸化段階と共に3R,5S-6-クロロ-2,4,6-トリデオキシ-エリスロ-ヘキソノラクトンの合成活性を含む、請求項65記載の単離または組換えポリペプチド。
  79. アルドラーゼ活性が熱安定性である、請求項65記載の単離または組換えポリペプチド。
  80. ポリペプチドが約37℃〜約95℃、約55℃〜約85℃、約70℃〜約75℃、約70℃〜約95℃または約90℃〜約95℃の温度範囲を含む条件下でアルドラーゼ活性を維持する、請求項79記載の単離または組換えポリペプチド。
  81. アルドラーゼ活性が熱耐性である、請求項65記載の単離または組換えポリペプチド。
  82. ポリペプチドが、約37℃〜約95℃より高い温度、約55℃〜約85℃より高い温度、約70℃〜75℃の温度、または約90℃〜約95℃よりも高い温度への曝露後にアルドラーゼ活性を維持する、請求項81記載の単離または組換えポリペプチド。
  83. 請求項61記載のポリペプチドを含みシグナル配列を欠く単離または組換えポリペプチド。
  84. 請求項61記載のポリペプチドを含み異種シグナル配列を含む単離または組換えポリペプチド。
  85. アルドラーゼ活性が約37℃にて、タンパク質1mgあたり約100〜約1000ユニット、タンパク質1mgあたり約500〜約750ユニット、タンパク質1mgあたり約500〜約1200ユニット、またはタンパク質1mgあたり約750〜約1000ユニットの比活性を含む請求項65記載の単離または組換えポリペプチド。
  86. 耐熱性が、上昇した温度まで加熱後に37℃におけるアルドラーゼの比活性の少なくとも半分の活性を維持することを含む、請求項81記載の単離または組換えポリペプチド。
  87. 耐熱性が、上昇した温度まで加熱後に37℃においてタンパク質1mgあたり約500〜約1200ユニットの比活性を維持することを含む、請求項81記載の単離または組換えポリペプチド。
  88. 少なくとも一つのグリコシル化部位を含む、請求項61記載の単離または組換えポリペプチド。
  89. グリコシル化がN-結合グリコシル化である、請求項88記載の単離または組換えポリペプチド。
  90. P.パストリスまたはS.ポンベで発現させるとグリコシル化される、請求項89記載の単離または組換えポリペプチド。
  91. 約pH6.5、pH6.0、pH5.5、pH5.0、pH4.5またはpH4.0を含む条件下でアルドラーゼ活性を維持する、請求項65記載の単離または組換えポリペプチド。
  92. 約pH7.5、pH8.0、pH8.5、pH9、pH9.5、pH10またはpH10.5を含む条件下でアルドラーゼ活性を維持する、請求項65記載の単離または組換えポリペプチド。
  93. 液体、固体、またはゲルを含む、請求項61記載のポリペプチドを含むタンパク質調製物。
  94. 請求項61記載のポリペプチドおよび第2のドメインを含むヘテロ二量体。
  95. 第2のドメインがポリペプチドであり、ヘテロ二量体が融合タンパク質である、請求項94記載のヘテロ二量体。
  96. 第2のドメインがエピトープまたはタグである、請求項94記載のヘテロ二量体。
  97. 請求項61記載のポリペプチドを含むホモ二量体。
  98. 請求項61記載のポリペプチドまたはその部分配列を含む、固定化ポリペプチド。
  99. ポリペプチドが細胞上、金属上、樹脂上、ポリマー上、セラミック上、ガラス上、微小電極上、グラファイト粒子上、ビーズ上、ゲル上、プレート上、アレイ上、またはキャピラリー管上に固定化されている、請求項98記載の固定化ポリペプチド。
  100. 固定化された請求項61記載のポリペプチドを含むアレイ。
  101. 固定化された請求項1または請求項24記載の核酸を含むアレイ。
  102. 請求項61記載のポリペプチドに特異的に結合する単離または組換え抗体。
  103. モノクローナル抗体またはポリクローナル抗体である、請求項102記載の単離または組換え抗体。
  104. 請求項61記載のポリペプチドに特異的に結合する抗体を含むハイブリドーマ。
  105. 以下の工程を含む、アルドラーゼ活性を有するポリペプチドを単離または同定する方法:
    (a)請求項102記載の抗体を提供する工程;
    (b)ポリペプチドを含むサンプルを提供する工程;
    (c)工程(b)のサンプルを工程(a)の抗体と、前記抗体が前記ポリペプチドへ特異的に結合することのできる条件下で接触させ、それによりアルドラーゼ活性を有するポリペプチドを単離または同定する工程。
  106. 請求項1または請求項24記載の核酸またはその部分配列を液性免疫応答を生じさせるに充分な量で非ヒト動物に投与し、それによって抗アルドラーゼ抗体を生じさせることを含む、抗アルドラーゼ抗体の作製方法。
  107. 請求項61記載のポリペプチドまたはその部分配列を液性免疫応答を生じさせるに充分な量で非ヒト動物に投与し、それによって抗アルドラーゼ抗体を生じさせることを含む、抗アルドラーゼ抗体の作製方法。
  108. 以下の工程を含む、組換えポリペプチドを製造する方法:
    (a)プロモーターに機能可能に連結した核酸を提供する工程であって、前記核酸が請求項1または24記載の配列を含む核酸である、前記工程;および、
    (b)工程(a)の核酸を、ポリペプチドの発現が可能な条件下で発現させ、組換えポリペプチドを生成させる工程。
  109. 更に、工程(a)の核酸で宿主細胞を形質転換し、続いて工程(a)の核酸を発現させ、それにより形質転換細胞において組換えポリペプチドを生成させることを含む、請求項108記載の方法。
  110. (a)請求項65記載のポリペプチドを提供する工程;
    (b)アルドラーゼ基質を提供する工程;および
    (c)前記ポリペプチドを工程(b)の基質と接触させ、前記基質の量の減少または反応生成物の量の増加を検出する工程、
    を含み、基質の量の減少または反応生成物の増加によりアルドラーゼ活性を有するポリペプチドを検出することを含む、アルドラーゼ活性を有するポリペプチドを同定する方法。
  111. (a)請求項65記載のポリペプチドを提供する工程;
    (b)試験基質を提供する工程;および
    (c)工程(a)のポリペプチドを工程(b)の試験基質と接触させ、前記基質の量の減少または反応生成物の量の増加を検出する工程、
    を含み、前記基質の量が減少または前記反応生成物が増加すれば前記試験基質をアルドラーゼ基質として同定することを含む、アルドラーゼ基質を同定する方法。
  112. (a)請求項1または請求項24記載の配列を有する核酸または前記核酸を含むベクターを、前記核酸がポリペプチドに翻訳され得る条件下で発現させる工程;
    (b)試験化合物を提供する工程;
    (c)前記ポリペプチドを前記試験化合物と接触させる工程;および、
    (d)工程(b)の試験化合物が前記ポリペプチドに特異的に結合するかどうかを測定する工程、
    を含む、試験化合物がポリペプチドに特異的に結合するかどうかを決定する方法。
  113. (a)請求項61記載のポリペプチドを提供する工程;
    (b)試験化合物を提供する工程;
    (c)前記ポリペプチドを前記試験化合物と接触させる工程;および、
    (d)工程(b)の試験化合物が前記ポリペプチドに特異的に結合するかどうかを測定する工程、
    を含む、試験化合物がポリペプチドに特異的に結合するかどうかを決定する方法。
  114. (a)請求項65記載のポリペプチドを提供する工程;
    (b)試験化合物を提供する工程;
    (c)工程(a)のポリペプチドを工程(b)の試験化合物に接触させ、アルドラーゼ活性を測定する工程、
    を含み、前記試験化合物の非存在下で測定されるアルドラーゼ活性に比較した前記試験化合物の存在下で測定されるアルドラーゼ活性が変化すれば、前記試験化合物がアルドラーゼ活性を調節すると決定する、アルドラーゼ活性の調節因子を同定する方法。
  115. アルドラーゼ活性が、アルドラーゼ基質を提供すること、および基質の量の減少若しくは反応生成物の量の増加を検出する、または、基質の量の増加若しくは反応生成物の量の減少を検出すること、によって測定される、請求項114記載の方法。
  116. 試験化合物非存在下における基質の量若しくは反応生成物の量に比較して、前記試験化合物存在下における基質の量が減少若しくは反応生成物の量が増加すれば、前記試験化合物をアルドラーゼ活性の活性化因子であると同定する、請求項115記載の方法。
  117. 試験化合物非存在下における基質の量若しくは反応生成物の量に比較して、前記試験化合物存在下における基質の量が増加若しくは反応生成物の量が減少すれば、前記試験化合物をアルドラーゼ活性の阻害因子であると同定する、請求項115記載の方法。
  118. プロセッサおよびデータ保存装置を含むコンピュータシステムであって、前記データ保存装置にはポリペプチド配列または核酸配列が保存され、前記ポリペプチド配列は請求項61記載の配列または請求項1若しくは請求項24記載の核酸配列によってコードされるポリペプチドを含む、前記コンピューターシステム。
  119. 更に、配列比較アルゴリズムおよび少なくとも一つの参照配列が保存されたデータ保存装置を含む、請求項118記載のコンピュータシステム。
  120. 配列比較アルゴリズムが多型性を表示するコンピュータプログラムを含む、請求項119記載のコンピュータシステム。
  121. 配列の1以上の特徴を特定するアイデンティファイアーを更に含む請求項119記載のコンピュータシステム。
  122. ポリペプチド配列または核酸配列が保存されたコンピュータ読取り可能媒体であって、前記ポリペプチド配列が請求項61記載のポリペプチドまたは請求項1若しくは請求項24記載の核酸によってコードされるポリペプチドを含む、前記コンピュータ読取り可能媒体。
  123. 以下の工程を含む、配列中の特徴を同定する方法:
    (a)配列中の1以上の特徴を同定するコンピュータプログラムを用いて配列を読む工程であって、前記配列はポリペプチド配列または核酸配列を含み、前記ポリペプチド配列は請求項61記載のポリペプチドまたは請求項1若しくは請求項24記載の核酸によってコードされるポリペプチドを含む、前記工程;および、
    (b)前記コンピュータプログラムにより前記配列中の1以上の特徴を同定する工程。
  124. 以下の工程を含む、第1の配列と第2の配列とを比較する方法;
    (a)配列を比較するコンピュータプログラムを用いて第1の配列及び第2の配列を読む工程であって、前記第1の配列はポリペプチド配列または核酸配列を含み、前記ポリペプチド配列は請求項61記載のポリペプチドまたは請求項1若しくは請求項24記載の核酸によってコードされるポリペプチドを含む、前記工程;および、
    (b)前記第1の配列と前記第2の配列間の相違を前記コンピュータプログラムにより決定する工程。
  125. 第1の配列と第2の配列間の相違を決定する工程が、更に多型性を同定する工程を含む、請求項124記載の方法。
  126. 配列中の1以上の特徴を特定するアイデンティファイアーを更に含む、請求項124記載の方法。
  127. コンピュータプログラムを用いて第1の配列を読み、前記配列中の1以上の特徴を同定することを含む、請求項126記載の方法。
  128. 以下の工程を含む、環境サンプルからアルドラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸を単離または回収する方法:
    (a)請求項33記載の増幅プライマー配列対を提供する工程;
    (b)環境サンプルから核酸を単離する、または環境サンプルを前記サンプル中の核酸が前記増幅プライマー対へハイブリダーゼションのために接近可能となるように処理する工程;および、
    (c)工程(b)の核酸を工程(a)の増幅プライマー対と一緒にし、前記環境サンプルからの核酸を増幅し、それによって前記環境サンプルからアルドラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸を単離または回収する工程。
  129. 増幅プライマー配列対の各構成プライマーが、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、またはその部分配列の少なくとも約10〜50の連続する塩基を含むオリゴヌクレオチドを含む、請求項128記載の方法。
  130. 以下の工程を含む、環境サンプルからアルドラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸を単離または回収する方法:
    (a)請求項1または請求項24、またはその部分配列を含むポリヌクレオチドプローブを提供する工程;
    (b)環境サンプルから核酸を単離する、または、環境サンプルを前記サンプル中の核酸が工程(a)のポリヌクレオチドプローブにハイブリダイゼーションのために接近可能であるように処理する工程;および、
    (c)工程(b)の単離された核酸または処理された環境サンプルを工程(a)のポリヌクレオチドプローブと一緒にする工程;
    (d)工程(a)のポリヌクレオチドプローブと特異的にハイブリダイズする核酸を単離し、それによって、環境サンプルからアルドラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸を単離または回収する工程。
  131. 環境サンプルが水サンプル、液体サンプル、土壌サンプル、空気サンプルまたは生物学的サンプルを含む、請求項128または130記載の方法。
  132. 生物学的サンプルが細菌細胞、原生動物細胞、昆虫細胞、酵母細胞、植物細胞、真菌細胞、または哺乳動物細胞に由来する請求項131記載の方法。
  133. 以下の工程を含む、アルドラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸の変種を作製する方法:
    (a)請求項1または請求項24記載の配列を含む鋳型核酸を提供する工程;および、
    (b)前記鋳型配列における1以上のヌクレオチドを改変、欠失または付加、またはそれらの組合せにより、前記鋳型核酸の変種を作製する工程。
  134. 変種核酸を発現させて変種アルドラーゼポリペプチドを生成させることを更に含む、請求項133記載の方法。
  135. 改変、付加または欠失が、変異性PCR、シャッフリング、オリゴヌクレオチド特異的変異導入、アッセンブリPCR、セクシュアルPCR変異導入、in vivo変異導入、カセット変異導入、再帰的アンサンブル変異導入、エクスポネンシャル変異導入、部位特異的変異導入、遺伝子再アッセンブリ、遺伝子部位飽和変異導入(GSSM)、合成連結アッセンブリ(SLR)またはそれらの組合せを含む方法により導入される、請求項133記載の方法。
  136. 改変、付加、欠失が、組換え、再帰的配列組換え、ホスホチオエート-修飾DNA変異導入、ウラシル含有鋳型変異導入、ギャップ付加二重鎖変異導入、点ミスマッチ修復変異導入、修復欠損宿主株変異導入、化学変異導入、放射性変異導入、欠失変異導入、制限-選択変異導入、制限-精製変異導入、人工遺伝子合成、アンサンブル変異導入、キメラ核酸マルチマー生成、またはそれらの組合せによって導入される、請求項133記載の方法。
  137. 鋳型核酸によってコードされるポリペプチドの活性または安定性に対して変異した若しくは異なる活性を有する、または、変異した若しくは異なる安定性を有するアルドラーゼが生成されるまで反復される、請求項133記載の方法。
  138. 変種アルドラーゼポリペプチドが熱耐性であって、上昇した温度に曝露した後にある程度の活性を維持する、請求項137記載の方法。
  139. 変種アルドラーゼポリペプチドが鋳型核酸によってコードされるポリペプチドに比較してグリコシル化が増加する、請求項137記載の方法。
  140. 変種アルドラーゼポリペプチドが高温下でアルドラーゼ活性を有し、鋳型核酸によってコードされるアルドラーゼが高温下で活性を有しない、請求項137記載の方法。
  141. 鋳型核酸のコドン使用頻度から変化したコドン使用頻度を有するアルドラーゼコード配列が生成されるまで反復される、請求項133記載の方法。
  142. 鋳型核酸よりも高いまたは低いメッセンジャー発現レベルまたは安定性を有するアルドラーゼ遺伝子が生成されるまで反復される、請求項133記載の方法。
  143. 以下の工程を含む、アルドラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸のコドンを改変して宿主における前記核酸の発現を増加させる方法:
    (a)請求項1または請求項24記載の配列を含む、アルドラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸を提供する工程;および、
    (b)工程(a)の核酸中の非優先コドンまたは低優先コドンを同定し、前記コドンを置換されるコドンと同じアミノ酸をコードする優先コドンまたは中性的に使用されるコドンに置換し、それによって核酸を改変して発現を増加させる工程であって、前記優先コドンとは宿主中の遺伝子内のコード配列において高頻度に提示されるコドンであり、非優先コドンまたは低優先コドンとは前記宿主中の遺伝子内のコード配列において低頻度に提示されるコドンである、前記工程。
  144. 以下の工程を含む、アルドラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸のコドンを改変する方法:
    (a)請求項1または請求項24記載の配列を含む、アルドラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸を提供する工程;および、
    (b)工程(a)の核酸中のコドンを同定し、前記コドンを置換されるコドンと同一のアミノ酸をコードする異なるコドンに置換する工程。
  145. 以下の工程を含む、アルドラーゼポリペプチドをコードする核酸のコドンを改変して宿主における前記核酸の発現を増加させる方法:
    (a)請求項1または請求項24記載の配列を含む、アルドラーゼポリペプチドをコードする核酸を提供する工程;および、
    (b)工程(a)の核酸中の非優先コドンまたは低優先コドンを同定し、前記コドンを置換されるコドンと同じアミノ酸をコードする優先コドンまたは中性的に使用されるコドンに置換し、それによって核酸を改変して発現を増加させる工程であって、前記優先コドンとは宿主中の遺伝子内のコード配列において高頻度に提示されるコドンであり、非優先コドンまたは低優先コドンとは前記宿主中の遺伝子内のコード配列において低頻度に提示されるコドンである、前記工程。
  146. 以下の工程を含む、アルドラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸のコドンを改変して宿主における前記核酸の発現を減少させる方法:
    (a)請求項1または請求項24記載の配列を含む、アルドラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸を提供する工程;および、
    (b)工程(a)の核酸中の少なくとも一つの優先コドンを同定し、前記コドンを置換されるコドンと同じアミノ酸をコードする非優先コドンまたは低優先コドンに置換し、それによって核酸を改変して発現を減少させる工程であって、前記優先コドンとは宿主中の遺伝子内のコード配列において高頻度に提示されるコドンであり、非優先コドンまたは低優先コドンとは前記宿主中の遺伝子内のコード配列において低頻度に提示されるコドンである、前記工程。
  147. 宿主細胞が細菌細胞、真菌細胞、昆虫細胞、酵母細胞、植物細胞または哺乳動物細胞である、請求項146記載の方法。
  148. 以下の工程を含む、複数の改変アルドラーゼ活性部位または基質結合部位をコードする核酸のライブラリーを作製する方法であって、前記改変アルドラーゼ活性部位または基質結合部位が第1の活性部位または第1の基質結合部位をコードする配列を含む第1の核酸に由来する前記方法:
    (a)第1の活性部位または第1の基質結合部位をコードする第1の核酸を提供する工程であって、前記第1の核酸の配列が配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、またはその部分配列にストリンジェントな条件下でハイブリダイズする配列を含み、前記核酸がアルドラーゼ活性部位またはアルドラーゼ基質結合部位をコードする核酸である、前記工程;
    (b)前記第1の核酸中の複数の標的コドンにおいて天然のアミノ酸変種をコードする、変異性オリゴヌクレオチドの組を提供する工程;および、
    (c)前記変異性オリゴヌクレオチドの組を用いて、変異させる各アミノ酸コドンにおいて一群のアミノ酸変種をコードする、一組の活性部位コード変種核酸または結合部位コード変種核酸を生成する工程。
  149. 工程(a)の第1の核酸を、最適化定方向進化システム、遺伝子部位飽和変異導入(GSSM)、または合成連結再アッセンブリ(SLR)を含む方法によって変異させることを含む、請求項148記載の方法。
  150. 変異性PCR、シャッフリング、オリゴヌクレオチド指向変異導入、アッセンブリPCR、セクシュアルPCR変異導入、in vivo変異導入、カセット変異導入、再帰的アンサンブル変異導入、エクスポネンシャルアンサンブル変異導入、部位特異的変異導入、遺伝子再アッセンブリ、遺伝子部位飽和変異導入(GSSM)、合成連結再アッセンブリ(SLR)またはそれらの組合せを含む方法によって、工程(a)の第1の核酸に変異導入することを含む請求項148記載の方法。
  151. 組換え、再帰的配列組換え、ホスホチオエート-修飾DNA変異導入、ウラシル含有鋳型変異導入、ギャップ付加二重鎖変異導入、点ミスマッチ修復変異導入、修復欠損宿主株変異導入、化学変異導入、放射性変異導入、欠失変異導入、制限-選択変異導入、制限-精製変異導入、人工遺伝子合成、アンサンブル変異導入、キメラ核酸マルチマー生成、またはそれらの組合せを含む方法によって工程(a)の第1の核酸に変異導入することを含む請求項148記載の方法。
  152. 以下の工程を含む、小分子を作製する方法:
    (a)小分子を合成または改変できる複数の生合成酵素を提供する工程であって、前記酵素の一つが請求項1または請求項24記載の配列を含む核酸によってコードされるアルドラーゼ酵素を含む、前記工程;
    (b)工程(a)の酵素の少なくとも一つに対する基質を提供する工程;および
    (c)複数の生体触媒反応を容易にする条件下で工程(b)の基質を前記酵素と反応させ、一連の生体触媒反応によって小分子を生成させる工程。
  153. 以下の工程を含む小分子を改変する方法:
    (a)アルドラーゼ酵素を提供する工程であって、前記酵素は請求項65記載のポリペプチドまたは請求項1若しくは請求項24記載の核酸配列を含む核酸によってコードされるポリペプチドを含む酵素である、前記工程;
    (b)小分子を提供する工程;
    (c)工程(a)の酵素を、前記アルドラーゼ酵素によって触媒される酵素反応を容易にする条件下で、工程(b)の小分子と反応させる工程。
  154. 工程(a)の酵素に対する複数の小分子基質を含み、それによって前記アルドラーゼ酵素によって触媒される少なくとも一つの酵素反応によって生成される改変小分子のライブラリーを生成することを含む、請求項153記載の方法。
  155. 酵素による複数の生体触媒反応を容易にして前記複数の酵素反応によって生成される改変小分子のライブラリーを生成させる条件下で複数の追加の酵素を含む、請求項153記載の方法。
  156. ライブラリーを試験して、前記ライブラリー中に所望の活性を示す特定の改変小分子が存在するかどうかを決定する工程をさらに含む、請求項155記載の方法。
  157. ライブラリーを試験する工程が、更に、改変小分子の一部を所望の活性を有する特定の改変小分子の存在または非存在について試験し、前記所望の活性を有する特定の改変小分子を生成する少なくとも一つの特異的な生体触媒反応を同定することによって、ライブラリー中の複数の改変小分子の一部を生成するために使用された生体触媒反応の一つを除く全てを系統的に除去する工程を含む、請求項156記載の方法。
  158. 以下の工程を含む、アルドラーゼ酵素の機能的断片を決定する方法:
    (a)アルドラーゼ酵素を提供する工程であって、前記酵素は請求項65記載のポリペプチドまたは請求項1若しくは請求項24記載の核酸配列を含む核酸によってコードされるポリペプチドを含む酵素である、前記工程;
    (b)工程(a)の配列から複数のアミノ酸残基を欠失させ、残存する部分配列についてアルドラーゼ活性を試験し、それによってアルドラーゼ酵素の機能的断片を決定する工程。
  159. アルドラーゼ活性が、アルドラーゼ基質を提供すること、および、基質の量の減少または反応生成物の量の増加を検出すること、によって測定される、請求項158記載の方法。
  160. 以下の工程を含む、リアルタイム代謝フラックス分析を用いた、新規な、または、改変された表現型について細胞を操作する方法:
    (a)細胞の遺伝的構成を改変することによって改変細胞を作製する工程であって、前記遺伝的構成が細胞に請求項1若しくは請求項24記載の配列を含む核酸を導入することによって改変される、前記工程;
    (b)前記改変細胞を培養して複数の改変細胞を生成させる工程;
    (c)リアルタイムで工程(b)の細胞培養物を監視することにより、前記細胞の少なくとも一つの代謝パラメーターを測定する工程;および、
    (d)工程(c)のデータを解析して、測定されたパラメーターが同様な条件下における未改変細胞の対応する測定値と異なるかどうかを決定し、それによってリアルタイム代謝フラックスを用いて細胞の操作された表現型を同定する工程。
  161. 細胞の遺伝的構成が細胞中の配列の欠失または配列の改変、もしくは遺伝子の発現をノックアウトすることによって改変される、請求項160記載の方法。
  162. 新規に操作された表現型を含む細胞を選抜することを更に含む、請求項160記載の方法。
  163. さらに、選抜した細胞を培養し、新規に操作された表現型を含む新規な細胞株を生成させることを含む、請求項162記載の方法。
  164. 配列番号6,配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22の残基番号1〜16、1〜17、1〜18、1〜19、1〜20、1〜21、1〜22、1〜23、1〜24、1〜25、1〜26、1〜27、1〜28、1〜29、1〜30、1〜31、1〜32、または1〜33、または、配列番号18の残基番号1〜22からなる単離または組換えシグナル配列。
  165. 請求項164記載の配列を有するシグナルペプチド(SP)を含む少なくとも第1のドメイン、および、異種ポリペプチドまたはペプチドを含む少なくとも第2のドメインを含み、前記異種ポリペプチドまたはペプチドが前記シグナルペプチド(SP)と天然では連結していない、キメラポリペプチド。
  166. 異種ポリペプチドまたはペプチドがアルドラーゼではない、請求項165記載のキメラポリペプチド。
  167. 異種ポリペプチドまたはペプチドがシグナルペプチド(SP)または触媒ドメイン(CD)のアミノ末端、カルボキシル末端、または両方の末端である、請求項165記載のキメラポリペプチド。
  168. キメラポリペプチドをコードする単離または組換え核酸であって、前記キメラポリペプチドは請求項164記載の配列を有するシグナルペプチド(SP)を含む少なくとも第1のドメイン、および、異種ポリペプチドまたはペプチドを含む少なくとも第2のドメインを含み、前記異種ポリペプチドまたはペプチドが前記シグナルペプチド(SP)と天然では連結していない、前記単離または組換え核酸。
  169. アルドラーゼのグリコシル化を含む、アルドラーゼポリペプチドの熱耐性または熱安定性を増大させる方法であって、前記ポリペプチドが請求項61記載のポリペプチドまたは請求項1若しくは請求項24記載の核酸によってコードされるポリペプチドの少なくとも30個の連続するアミノ酸を含むポリペプチドである、前記方法。
  170. 請求項1または請求項24記載の核酸を含むベクターを発現させることを含む、細胞で組換えアルドラーゼを過剰発現させる方法であって、過剰発現が高活性プロモーター、二シストロン性ベクター、またはベクターの遺伝子増幅によって行われる、前記方法。
  171. 以下の工程を含むトランスジェニック植物の作製方法:
    (a)請求項1または請求項24記載の配列を含む異種核酸配列を細胞に導入し、それにより形質転換植物細胞を生成する工程;
    (b)前記形質転換細胞からトランスジェニック植物を生成する工程。
  172. 工程(a)が更に、植物細胞プロトプラストのエレクトロポレーションまたはマイクロインジェクションによって異種核酸を導入することを含む、請求項171記載の方法。
  173. 工程(a)が更に、DNA粒子ボンバードメントまたはアグロバクテリウム・ツメファシエンス宿主によって異種核酸を植物組織に直接導入することを含む、請求項171記載の方法。
  174. 以下の工程を含む、植物細胞中で異種核酸配列を発現させる方法:
    (a)プロモーターに機能可能に結合した異種核酸配列で植物細胞を形質転換する工程であって、前記異種核酸配列が請求項1または請求項24記載記載の配列を含む、前記工程;
    (b)前記植物細胞中で前記異種核酸配列が発現する条件下で植物を生育させる工程。
  175. 以下の工程を含む、図7中で中間体IIとして記載された式を有する化合物を調製する方法:
    (a)アルドール供与基質を提供する工程;
    (b)アルドール受容基質を提供する工程;
    (c)アルドラーゼを提供する工程;
    (d)工程(a)のアルドール供与基質、工程(b)のアルドール受容基質、工程(c)のアルドラーゼを、前記アルドラーゼが工程(a)および(b)の基質間の縮合を触媒し得る条件下で混合する工程。
  176. アルドール受容基質がアルデヒドを含む、請求項175記載の方法。
  177. アルデヒドアルドール受容基質が図7中のアルデヒドIIIとして記載された構造を含む、請求項176記載の方法。
  178. 図7のアルデヒドIIIにおけるRが水素、アルキル基、C1-C4アルコキシ基、ハロゲン、シアンおよびアジド基からなる群より選ばれる請求項177記載の方法。
  179. 図7のアルデヒドIIIにおけるRが塩素であり、アルデヒドIIIがクロロアセトアルデヒドである、請求項177記載の方法。
  180. さらに、図7中の中間体IIをβ,δ-ジヒドロキシヘプタン酸側鎖を含む化合物に変換することを含む、請求項175記載の方法。
  181. β,δ-ジヒドロキシヘプタン酸側鎖を含む化合物が図7の式Iとして記載された構造を含む、請求項180記載の方法。
  182. アルドラーゼが2-デオキシリボース-5-リン酸アルドラーゼ(DERA)である、請求項175記載の方法。
  183. 2-デオキシリボース-5-リン酸アルドラーゼ(DERA)が組換え2-デオキシリボース-5-リン酸アルドラーゼ(DERA)である、請求項182記載の方法。
  184. アルドラーゼが配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号26、配列番号28、または配列番号30に記載のポリペプチドを含む、請求項175記載の方法。
  185. アルドラーゼが請求項65記載のポリペプチドまたは請求項1若しくは請求項24記載の核酸によってコードされるポリペプチド、を含む、請求項175記載の方法。
  186. アルドール供与基質がアセトアルデヒドを含む、請求項175記載の方法。
  187. アルドール供与基質がアセトアルデヒドを含み、アルドール受容基質がアルデヒドを含む、請求項186記載の方法。
  188. アセトアルデヒドがアルデヒドに対して化学量論的に過剰に存在する、請求項187記載の方法。
  189. 工程(d)の反応が光の非存在下で行われる、請求項175記載の方法。
  190. 工程(d)の反応が約5℃〜約45℃の温度範囲およびpH6.5〜8.5の範囲を含む条件下で行われる、請求項175記載の方法。
  191. 更に図7中の中間体IIをラクトン化合物に変換することを含む、請求項175記載の方法。
  192. ラクトンがクロロラクトンである、請求項191記載の方法。
  193. クロロラクトンが6-クロロ-2,4,6-トリデオキシエリスロ-ヘキソノラクトンである、請求項192記載の方法。
  194. ラクトンが結晶体である請求項191記載の方法。
  195. 結晶ラクトンが再結晶化によって精製される、請求項194記載の方法。
  196. 6-クロロ-2,4,6-トリデオキシエリスロ-ヘキソノラクトンの形成が酸化的条件下で行われる、請求項193記載の方法。
  197. 酸化的条件が臭素(Br2)、炭酸バリウム(BrCO3)および水を含む、請求項196記載の方法。
  198. 酸化的条件が酢酸及び水中における次亜塩素酸ナトリウムによる酸化を含む、請求項197記載の方法。
  199. ラクトン化合物を図10中の中間体VIIIとして記載した化合物へ変換することを更に含む、請求項191記載の方法。
  200. クロロラクトンを図10中のラクトンIXとして記載した化合物へ変換することを更に含む、請求項192記載の方法。
  201. クロロラクトンのクロロ基がシアノ基CNによって置換される条件下でクロロラクトンをシアニド置換に供することにより、クロロラクトンが図10中のラクトンIXとして記載した化合物へ変換される請求項200記載の方法。
  202. 更に、ラクトンIXを図10の中間体VIIに変換することを含む、請求項200記載の方法。
  203. MeOHとDowex、またはMeOHとK2CO3による処理を含み、ラクトン環が開裂して中間体VIIが形成される条件下でラクトンIXが図10の中間体VIIへ変換される、請求項202記載の方法。
  204. 図10の中間体VIIを中間体VIIIへ変換することを更に含む、請求項202記載の方法。
  205. ラクトンを図7の式Iを含む化合物へ加工することを更に含む、請求項191記載の方法。
  206. 全ての反応が単一の反応容器中で行われる、請求項175記載の方法。
  207. 図7中の中間体IIが図8中の経路Iにおける中間体IIとして記載した構造を有するクロロ-置換中間体である、請求項175記載の方法。
  208. 図8中の経路Iの中間体IIが、CN-置換、ラクタール酸化、ニトリル還元を含む処理によってラクトンに変換される、請求項207記載の方法。
  209. 図7中の中間体IIが図8中の経路IIにおける中間体IIとして記載した構造を有するシアン-置換中間体である、請求項175記載の方法。
  210. 図8中の経路IIにおける中間体IIがラクタール酸化およびニトリル還元を含む処理によってラクトンに変換される、請求項209記載の方法。
  211. 中間体IIが図8中の経路IIIにおける中間体IIとして記載した構造を有するN3-置換中間体である、請求項175記載の方法。
  212. 図8中の経路IIIにおける中間体IIがラクタール酸化およびアジド還元を含む処理によってラクトンに変換される、請求項211記載の方法。
  213. 更に、Rがハロゲンである図7中の中間体IIを含む化合物を酸化して3R,5S-6-クロロ-2,4,6-トリデオキシ-エリスロ-ヘキソノラクトン(図14の式1)を含む化合物を製造することを含む、請求項175記載の方法。
  214. 酸化的条件がCN-置換、ラクタール酸化およびニトリル酸化を含む、請求項213記載の方法。
  215. Rが塩素である、請求項213記載の方法。
  216. 3R,5S-6-クロロ-2,4,6-トリデオキシ-エリスロ-ヘキソノラクトンを処理して(3R,5R)-6-シアノ-3,5-ジヒドロキシヘキサン酸(図14中の化合物I)を製造することを更に含む、請求項213記載の方法。
  217. 処理が開環を含む、請求項216記載の方法。
  218. 処理がシアニドによる開環を含む、請求項217記載の方法。
  219. (3R,5R)-6-シアノ-3,5-ジヒドロキシヘキサン酸(図14の化合物I)を処理してアトルバスタチン(LIPITORTM)を製造することを更に含む、請求項216記載の方法。
  220. 3R,5S-6-クロロ-2,4,6-トリデオキシ-エリスロ-ヘキソノラクトンを処理して(3R,5S)-3,5,6-トリヒドロキシヘキサン酸(図14の化合物II)を製造することをさらに含む、請求項213記載の方法。
  221. 処理が親核性置換を含む、請求項220記載の方法。
  222. 親核性置換処理が水酸化物の使用を含む、請求項221記載の方法。
  223. 水酸化物が水酸化ナトリウムを含む、請求項222記載の方法。
  224. (3R,5S)-3,5,6-トリヒドロキシヘキサン酸(図14の化合物II)を処理してロスバスタチン(CRESTORTM)またはフルバスタチン(LESCOLTM)を製造することを更に含む、請求項220記載の方法。
  225. 図14に記載の方法を含む、アトルバスタチン(LIPITORTM)を製造する方法。
  226. 図14または図17に記載の方法を含む、ロスバスタチン(CRESTORTM)またはフルバスタチン(LESCOLTM)を製造する方法。
  227. 以下の工程を含む、図7中で中間体IIとして記載した式を有する化合物を流加法を用いて調製する方法:
    (a)アルドール供与基質を提供する工程;
    (b)アルドール受容基質を提供する工程;
    (c)アルドラーゼを提供する工程;
    (d)工程(a)のアルドール供与基質、工程(b)のアルドール受容基質、および工程(c)のアルドラーゼを、前記アルドラーゼが前記工程(a)および(b)の基質間の縮合反応を触媒し得る条件下で混合する工程であって、少なくとも約30分間〜12時間にわたって、前記基質が添加されると速やかに消費されるような速度で前記基質が反応混合物へ供給される、前記工程。
  228. 基質の一つがクロロアセトアルデヒドであり、基質が添加されると速やかに消費されるような速度で前記基質が反応混合物へ供給され、クロロアセトアルデヒドは阻害的濃度に達しない、請求項227記載の方法。
  229. 基質が少なくとも約1時間〜10時間にわたって反応混合物へ供給される、請求項227記載の方法。
  230. 基質が少なくとも約2時間〜8時間にわたって反応混合物へ供給される、請求項229記載の方法。
  231. 基質が少なくとも約2時間〜4時間にわたって反応混合物へ供給される、請求項230記載の方法。
  232. 図7記載の中間体IIを処理してアトロバスタチン(LIPITORTM)を製造することをさらに含む、請求項227記載の方法。
  233. 図7記載の中間体IIを処理してロスバスタチン(CRESTORTM)またはフルバスタチン(LESCOLTM)を製造することをさらに含む、請求項227記載の方法。
  234. アルドラーゼが2-デオキシリボース-5-リン酸アルドラーゼ(DERA)である、請求項227記載の方法。
  235. 2-デオキシリボース-5-リン酸アルドラーゼ(DERA)が組換え2-デオキシリボース-5-リン酸アルドラーゼ(DERA)である、請求項234記載の方法。
  236. アルドラーゼが、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号26、配列番号28または配列番号30に記載のポリペプチドを含む、請求項227記載の方法。
  237. アルドラーゼが請求項65記載のポリペプチドまたは請求項1若しくは請求項24記載の核酸によってコードされるポリペプチドを含む、請求項227記載の方法。
  238. クロロラクトールを次亜塩素酸ナトリウムでクロロラクトンに酸化することを含む、3R,5S-6-クロロ-2,4,6-トリデオキシ-エリスロ-ヘキソノラクロン(図14の化合物1)を製造する方法。
  239. クロロラクトンが結晶クロロラクトンを含む、請求項238記載の方法。
  240. クロロラクトールが粗精製クロロラクトールを含む、請求項238記載の方法。
  241. クロロラクトールが氷酢酸に溶解されており、約1当量の次亜塩素酸ナトリウム水溶液が前記溶液に供給される、請求項238記載の方法。
  242. 約1当量の次亜塩素酸ナトリウム水溶液が約3時間にわたって溶液に供給される、請求項241記載の方法。
  243. 図15に記載された方法を含む、3R,5S-6-クロロ-2,4,6-トリデオキシ-エリスロ-ヘキソノラクトン(図14の化合物1)を製造する方法。
  244. NaCN、DMFおよび5%H2Oを使用することを含む、エポキシド(-(3R,5S-3-ヒドロキシ-4-オキシラニル酪酸)(図16の構造体2)の製造方法。
  245. 図16に記載の方法を含む、(3R,5S)-3,5,6-トリヒドロキシヘキサン酸の製造方法。
  246. 図16に記載の方法を含む、(3R,5S)-3,5,6-トリヒドロキシヘキサン酸の製造方法。
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