JP2006508667A - 磁性ベースの核酸増幅 - Google Patents

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Abstract

本発明は、一般的に核酸増幅の分野に関する。特に、本発明は、とりわけ、標的細胞、標的細胞小器官もしくは標的ウイルスの磁性マイクロビーズとの結合を用いて、標的細胞または標的ウイルスの核酸を増幅するためのプロセスおよびキットを提供する。一つの局面において、本発明は、標的細胞またはウイルスの核酸を増幅するためのプロセスに関し、別の局面では、本発明は、標的の細胞またはウイルスの核酸を増幅するためのキットに関する。

Description

(技術分野)
本発明は一般に、核酸増幅の分野に関する。特に、本発明は、とりわけ、標的細胞、細胞小器官またはウイルスと磁性マイクロビーズとの間の結合を使用する、標的細胞またはウイルスの核酸を増幅するためのプロセスおよびキットを提供する。
(背景技術)
診断分析および分子生物学研究のための基本技術として、種々の核酸増幅手順の発明(例えば、PCR)は、生命科学の発展を促す。しかし、複雑で時間のかかるPCRテンプレートの調製はしばしば、律速段階である。どのように迅速かつ単純なPCRテンプレートの調製を実現させるのか?それは自動的なミニバイオ−チップを作製することは、テンプレート調製のための有望な方法である。上記PCRチップの構築は、徐々に発展している。テンプレート調製とPCRプロセスとを統合することは、分析プロセスの自動化に適している。従って、ラボオンチップ(lab−on−a−chip)系が、生化学分析のために構築され得る。
この目的のために、本発明は、分離細胞および核酸の吸着のためのキャリアとして電磁性チップ上で容易に操作され得る磁性マイクロビーズを採用する。吸着した細胞および吸着した核酸は、種々の核酸増幅(例えば、PCR)において、溶出することなく、テンプレートとして使用され得る。上記磁性マイクロビーズは、核酸増幅の特異性および効率に対してわずかな影響しか有さない。本発明は、上記磁性マイクロビーズ上で細胞分離、核酸調製および核酸増幅を統合し、バイオチップおよびマイクロ流体系の構築に有用である。
(発明の開示)
一つの局面において、本発明は、標的細胞またはウイルスの核酸を増幅するためのプロセスに関し、このプロセスは以下を包含する:a)標的細胞もしくは標的ウイルスを含むか、または含むと疑われるサンプルを、磁性マイクロビーズに接触させる工程;b)上記サンプル中に存在する場合、上記標的細胞、または上記標的ウイルスを、上記磁性マイクロビーズに結合させて、上記標的細胞、または上記標的ウイルスと上記磁性マイクロビーズとの間で結合体を形成させる工程;ならびに、c)上記結合体を、磁力を介して他の望ましくない構成成分から分離して、上記サンプルから、上記標的細胞、上記標的細胞小器官または上記標的ウイルスを単離する工程;ならびにd)上記分離した結合体を、上記標的細胞または上記標的ウイルスに由来する核酸を増幅するために核酸増幅系に適用する工程。
別の局面では、本発明は、標的の細胞またはウイルスの核酸を増幅するためのキットに関し、このキットは、同じもしくは異なる容器内に、以下を含む:a)標的細胞もしくは標的ウイルスを含むか、または含むと疑われるサンプルと接触するための磁性マイクロビーズ;b)上記サンプル中に存在する場合、上記標的細胞または上記標的ウイルスを、この磁性マイクロビーズに結合させて、上記標的細胞または上記標的ウイルスとこの磁性マイクロビーズとの間で結合体を形成させるための、手段;c)上記結合体を、磁力を介して他の望ましくない構成成分から分離して、上記サンプルから、上記標的細胞またはこの標的ウイルスを分離するための手段;ならびにd)上記標的細胞または上記標的ウイルスに由来する核酸を増幅するための核酸増幅系。
さらに別の局面では、本発明は、標的の細胞またはウイルスの核酸を増幅するためのプロセスに関し、このプロセスは、以下の工程を包含する:a)標的細胞もしくは標的ウイルスを含むか、または含むと疑われるサンプルと磁性マイクロビーズとを接触させる工程;b)上記サンプル中に存在する場合、上記標的細胞または上記標的ウイルスを、この磁性マイクロビーズに結合させて、上記標的細胞または上記標的ウイルスとこの磁性マイクロビーズとの間で結合体を形成させる工程;ならびにc)上記結合体を、磁力を介して他の望ましくない構成成分から分離する工程;d)核酸−マイクロビーズ結合体を形成させるために、細胞−マイクロビーズまたはウイルス−マイクロビーズから、核酸を放出する工程;ならびにd)上記標的細胞または上記標的ウイルスに由来する核酸を増幅するために、核酸−マイクロビーズ結合体を核酸増幅系に適用する工程。
なお別の局面では、本発明は、標的の細胞またはウイルスの核酸を増幅するためのキットに関し、このキットは、同じもしくは異なる容器内に、以下を含む:a)標的細胞もしくは標的ウイルスを含むか、または含むと疑われるサンプルと接触するための磁性マイクロビーズ;b)上記サンプル中に存在する場合、上記標的細胞または上記標的ウイルスを、上記磁性マイクロビーズに結合させて、上記標的細胞または上記標的ウイルスと上記磁性マイクロビーズとの間で結合体を形成させるための、手段;c)上記結合体を、磁力を介して他の望ましくない構成成分から分離して、上記サンプルから、上記標的細胞または上記標的ウイルスを分離するための手段;d)核酸−マイクロビーズ結合体を形成させるために、細胞−マイクロビーズまたはウイルス−マイクロビーズから、核酸を放出するための手段;ならびにe)上記標的細胞または上記標的ウイルスに由来する核酸を増幅するための核酸増幅系。
(本発明を実施する方法)
開示を明確にするため本発明の詳細な説明を以下の小節に分けるが、これは限定のためではない。
(A.定義)
他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての科学・技術用語は、本発明が属する分野の当業者によって一般に理解されている意味と同じ意味を持つ。本明細書で引用されている全ての特許、特許出願、公開された出願、および他の刊行物は、その全体が、参考として援用される。この節で示されている定義が、本明細書中に参考のため援用される特許、特許出願、公開された出願、および他の刊行物に示される定義に反するかまたは矛盾する場合、この節で示されている定義は、本明細書中に参考のため援用される定義より優先する。
本明細書で使用される場合、「一つ(a)」または「一つ(an)」は、「少なくとも一つ」または「一つ以上」を意味する。
本明細書で使用される場合、「特異的結合」とは、特定の分子構造の存在に依存する様式で、一つの物質が別の物質に結合することを指す。例えば、レセプターは、リガンド結合部位と相補的な化学構造を含むリガンドと、選択的に結合する。
本明細書で使用される場合、「特異的結合対」とは、リガンドに対して特異的な結合親和性を有し、他の物質とは結合しないあらゆる物質または物質群を指す。一実施形態において、特異的結合対としては、免疫化学的な様式で、サンプルリガンドもしくはサンプルが免疫化学的にリガンドと結合する能力と相互作用する特異的結合アッセイ試薬が挙げられる。例えば、試薬間および/または試薬とサンプルリガンドもしくはサンプルのリガンドに対する結合能との間の抗原−抗体関係またはハプテン−抗体関係が存在する。さらに、リガンドと結合パートナーとの間の他の結合性相互作用が特異的結合アッセイの基礎として役立つことは当分野でよく理解されており、このようなものとしては、ホルモン、ビタミン、代謝産物、および薬理学的薬剤、ならびに各々のレセプターおよび結合物体質との間の結合性相互作用が挙げられる(例えば、Langanら(編),Ligand Assay,pp.211以下、Masson Publishing U.S.A.Inc.,New York,1981を参照のこと)。
本明細書中で用いられる場合、「サンプル中に存在する場合、標的細胞または標的ウイルスを、磁性マイクロビーズに非特異的に、または低い特異性で結合させて、結合体を形成させる」とは、標的細胞または標的ウイルスと磁性マイクロビーズとの間には特異的な結合がないことを意味する。例えば、磁性マイクロビーズと標的の細胞、細胞小器官またはウイルスとの間の結合は、リガンドとレセプターとの間、抗原と抗体との間、基質と酵素との間、炭水化物とレクチンとの間、および相補的核酸の間などでの相互作用のような、相補的な生体分子間の特異的相互作用に媒介されない。これはまた、その磁性マイクロビーズが、標的の細胞、またはウイルスと特異的結合対を形成し得る部分を含まないことを意味する。例えば、磁性マイクロビーズに含まれない部分とは、アミノ酸、ペプチド、タンパク質、ヌクレオシド、ヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、核酸、ビタミン、単糖類、オリゴ糖、炭水化物、脂質、およびそれらの複合体のような生体分子である。好ましくは、磁性マイクロビーズに含まれない部分は、標的の細胞、またはウイルスと特異的に結合する抗体である。
本明細書中で用いられる場合、「磁性マイクロビーズは、標的細胞または標的ウイルスに対して特異的に結合する部分を含むように改変される」とは、磁性マイクロビーズが、標的細胞または標的ウイルスと特異的結合対を形成する部分を含むように改変されることを意味する。
本明細書中で用いられる場合、「サンプル中に存在する場合、標的細胞またはこの標的ウイルスを、高特異性で磁性マイクロビーズに結合させる」とは、磁性マイクロビーズが、標的細胞または標的ウイルスと特異的に結合することを意味する。
本明細書で使用される場合、「抗体」は、特定の型の免疫グロブリン(すなわち、IgA、IgD、IgE、IgG(例えば、IgG、IgG、IgG、およびIgG)、ならびにIgM)を指す。抗体は、任意の適当な形態で存在し得、そしてまた、任意の適当なフラグメントまたは誘導体をも含む。例示的な抗体としては、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、Fabフラグメント、Fab’フラグメント、F(ab’)フラグメント、Fvフラグメント、ダイアボディ(diabody)、単鎖抗体、および抗体フラグメントから形成された多重特異性抗体が含まれる。
本明細書で使用される場合、「植物」とは、植物界の、種々の、光合成を行う真核多細胞生物のあらゆるものであって、特徴として、胚子を作り、および葉緑体を含み、セルロースの細胞壁を有し、そして移動能力を欠くものを指す。
本明細書で使用される場合、「動物」とは、動物界の多細胞生物を指し、移動能力、非光合成代謝、明白な刺激応答、成長の制限、および一定の体構造によって特徴づけられる。動物の非限定的な例としては、ニワトリのような鳥類、魚類ならびに哺乳類(例えば、マウス、ラット、ウサギ、ネコ、イヌ、ブタ、雌ウシ、雄ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、サル、および他の非ヒト霊長類)のような脊椎動物が挙げられる。
本明細書で使用される場合、「細菌」とは、区画で仕切られていない環状DNAと約70Sのリボソームを有する小型原核生物(長さ寸法約1ミクロン)を指す。細菌のタンパク質合成は真核生物とは異なる。多くの抗細菌抗生物質は、細菌のタンパク質合成を干渉するがその細菌が感染した宿主には影響しない。
本明細書で使用される場合、「真正細菌」は、古細菌を除いた、細菌の主要な亜門を指す。大半のグラム陽性菌、シアノバクテリア、マイコプラズマ、腸内細菌、シュードモナス、および葉緑体は真正細菌である。真正細菌の細胞質膜には、エステル結合脂質が含まれており、細胞壁(存在する場合には)にはペプチドグリカンがある。そして真正細菌ではイントロンが発見されていない。
本明細書で使用される場合、「古細菌」とは、真正細菌を除いた、細菌の主要な亜門を指す。高度好塩菌、メタン細菌、および硫黄依存性高度好熱菌という、古細菌の三つの主な目がある。古細菌は、リボゾーム構造、イントロンの存在(いくつかの場合)ならびに膜組成を含む他の特徴において、真正細菌とは異なる。
本明細書で使用される場合、「真菌」とは、根、幹、または葉を持たずに不定形の塊に成長し、そして光合成能を持つ葉緑素または他の色素を欠く、真核生物の一つの門を指す。各生物体(葉状体)は、単細胞から繊維状のものまであり、グルカンもしくはキチンまたはその両方を含む細胞壁に囲まれた分枝状菌体構造(菌糸)を有し、そして真核を含む。
本明細書で使用される場合、「ウイルス」は、生物の偏性細胞内寄生体あるが、非細胞的性質で、DNAまたはRNAおよびコートタンパク質を有するものを指す。ウイルスの径は約20から約300nmの範囲にある。クラスIウイルス(ボルチモア分類)は、ゲノムとして二本鎖DNAを有する;クラスIIウイルスは、ゲノムとして一本鎖DNAを有する;クラスIIIウイルスは、ゲノムとして二本鎖RNAを有する;クラスIVウイルスは、ゲノムとしてプラス鎖一本鎖RNAを有し、このゲノム自体がmRNAとして働く;クラスVウイルスは、ゲノムとしてマイナス鎖一本鎖RNAを有し、これはmRNA合成のテンプレートとして使用される;そして、クラスVIウイルスは、プラス鎖一本鎖RNAゲノムを持つが、複製だけでなくmRNA合成においてもDNA中間体を伴う。ウイルスの大多数は、植物、動物、および原核生物においてそれらが引き起こす疾患によって、その存在が認められる。原核生物のウイルスは、バクテリオファージとして知られている。
本明細書で使用される場合、「組織」とは、類似した細胞とそれらを取り囲む細胞間物質との集合物を指す。身体には四つの基本的な組織が存在する:1)上皮組織、2)血液、骨、軟骨を含む結合組織、3)筋組織、および4)神経組織。
本明細書で使用される場合、「器官」とは、呼吸、分泌、または消化のような特定の機能を果たす、身体の任意の部分を指す。
本明細書で使用される場合、「サンプル」とは、本発明の方法および/またはキットを用いて増幅されるべき標的核酸を含む標的細胞、または標的ウイルスを含有する可能性がある、あらゆるものを指す。サンプルは、生物サンプル(例えば、生体液または生物組織)であり得る。生体液の例としては、尿、血液、血漿、血清、唾液、精液、便、痰、脳脊髄液、涙液、粘液、羊水などが挙げられる。生物組織は細胞の集合体である。通常は、それらの細胞間物質と一緒になった特定の種類の細胞の集合体であり、ヒト、動物、植物、細菌、真菌、もしくはウイルス構造の構造物質の一つを形成する。これには、結合組織、上皮組織、筋組織、および神経組織が挙げられる。生物組織の例としてはまた、器官、腫瘍、リンパ節、動脈、および個々の細胞が挙げられる。生物組織を処理して細胞懸濁液サンプルを得ることができる。サンプルは、インビトロで調製した細胞の混合物でもあり得る。サンプルはまた、培養細胞懸濁液でもあり得る。生物サンプルの場合、サンプルは、粗製サンプル、または素サンプルに種々の処理もしくは調製を施した後に得られる加工サンプルもあり得る。例えば、種々の細胞分離方法(例えば、磁気活性化細胞選別)を適用して、血液等の体液サンプルから標的の細胞を単離または濃縮することができる。本発明のために使用されるサンプルとしては、このような標的細胞を濃縮した細胞調製物が挙げられる。
本明細書で使用される場合、「液体(流体)サンプル」とは、天然で液体または流体として存在するサンプル(例えば、生体液)を指す。「液体サンプル」とはまた、天然の状態で非液体状態(例えば固体または気体)として存在するが、その固体または気体サンプル物質を含有する液体、流体、溶液、もしくは懸濁液として調製されるサンプルを指す。例えば、液体サンプルとしては、生体組織を含む液体、流体、溶液、または懸濁液を含み得る。
本明細書で使用される場合、「磁性物質」とは、磁石の性質を有するあらゆる物質で、磁石または磁性に関係するか、または磁性を発生するか、磁性によって生じるか、もしくは磁性によって作用するものを指す。
本明細書で使用される場合、「磁化可能な物質」とは、磁石の場と相互作用し、したがって磁場内に自由に吊るすかまたは置いた場合、磁化を誘導されて、磁気モーメントを発生する性質を有するあらゆる物質を指す。磁化可能な物質の例としては、常磁性物質、強磁性物質、およびフェリ磁性物質が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される場合、「常磁性物質」とは、個々の原子、イオン、または分子が永続する磁気双極子モーメントを持つ物質を指す。外部磁場のない状態では、原子双極子は無秩序な方向を向き、結果として、全体としてどの方向においても磁化されない。この無秩序な方向性は物質内の熱振動の結果である。外部から磁場を加えると、平衡状態の方が非平衡位置よりもエネルギーが低い状態であるため、原子双極子は磁場に平行に向く傾向がある。これによって磁場に平行な正味の磁化が与えられ、磁化率に正に貢献する。「常磁性物質」または「常磁性」についての詳細は様々な文献で見ることができる(例えば1975年の、B.I BleaneyおよびB.Bleaney,Oxfordによる「Electricity and Magnetism」の第6章、169頁〜171頁)。
本明細書で使用される場合、「強磁性物質」とは、非常に大きな値(正の)の磁化率によって区別される物質を指し、これらは加える磁場の強さに依存する。さらに、強磁性物質は、加える磁場のない状態でも磁気モーメントを持つことができ、磁場ゼロにおける磁化の保持は「残留磁気」として知られる。「強磁性物質」または「強磁性」についての詳細は様々な文献で見ることができる(例えば1975年B.I BleaneyおよびB.Bleaney,Oxfordによる「Electricity and Magnetism」の第6章、171頁〜174頁)。
本明細書で使用される場合、「フェリ磁性物質」とは、自発磁化、残留磁気、および通常の強磁性物質と類似する他の性質を示すが、その自発モーメントが、物質内の(磁気)双極子が完全平行配置ある場合に期待される値とは一致しない物質を指す。「フェリ磁性物質」または「フェリ磁性」の詳細は様々な文献で見ることができ(例えば1975年B.I BleaneyおよびB.Bleaney,Oxfordによる「Electricity and Magnetism」の第6章、519頁〜524頁)。
本明細書で使用される場合、「金属酸化物粒子」とは、あらゆる粒子形態の金属酸化物を指す。特定の金属酸化物粒子は、常磁性もしくは超常磁性を有する。「常磁性粒子」は、外部磁場を与えられると磁化されるが永続的な磁性部位を維持することができない粒子として定義される。言い換えると、「常磁性粒子」は、「常磁性物質」から作られるかまたは「常磁性体」から成る粒子として定義することができる。常磁性粒子の非限定的な例としては、Fe粒子等の特定の金属酸化物粒子ならびに、CoTaZr粒子等の金属合金粒子が挙げられる。
本明細書で使用される場合、「有毒な薬剤」とは、例えばクロロホルムまたはフェノール等のヒトの健康に有害なあらゆる物質を指す。
(B.標的細胞または標的ウイルスの核酸を増幅するためのプロセスおよびキット)
一局面において、本発明は、標的細胞または標的ウイルスの核酸を増幅するためのプロセスに関し、この方法は、以下を包含する:a)標的細胞または標的ウイルスを含むか、または含むと疑われるサンプルを、磁性マイクロビーズと接触させる工程;b)この標的細胞またはこの標的ウイルスを、このサンプル中に存在する場合、この磁性マイクロビーズに結合させて、この標的細胞、またはこの標的ウイルスとこの磁性マイクロビーズとの間で結合体を形成させる工程;ならびに、c)この結合体を、磁力を介して他の望ましくない構成成分から分離して、このサンプルから、この標的細胞、またはこの標的ウイルスを単離する工程;ならびに、d)この分離した結合体を、核酸増幅系に適用し、この標的細胞またはこの標的ウイルスから核酸を増幅する工程。
別の局面では、本発明は、標的細胞またはウイルスの核酸を増幅するためのキットに関し、このキットは、同じかもしくは異なる容器内に、以下を含む:a)標的細胞または標的ウイルスを含むか、または含むと疑われるサンプルと接触するための磁性マイクロビーズ;b)この標的細胞、またはこの標的ウイルスを、このサンプル中に存在する場合、この磁性マイクロビーズに結合させて、この標的細胞またはこの標的ウイルスとこの磁性マイクロビーズとの間で結合体を形成させるための、手段;c)この結合体を、磁力を介して他の望ましくない構成成分から分離するための手段;ならびに、d)この標的細胞またはこの標的ウイルスから核酸を増幅させるための核酸増幅系。このキットは、サンプルから標的細胞または標的ウイルスの核酸を増幅するためにこのキットを使用するための、使用説明書をさらに含み得る。
本発明のプロセスおよびキットは、任意の適切な標的細胞、任意の適切なサンプル由来の細胞小器官またはウイルスの、任意の適切な標的核酸を増幅するために使用され得る。例示的なサンプルとしては、臨床サンプル、血清、血漿、全血、痰、脳脊髄液、羊水、尿、胃腸内容物、毛髪、唾液、汗、歯肉擦過標本、骨髄、組織培養物および細胞培養物が挙げられる。例示的な標的細胞としては、動物細胞、植物細胞、真菌細胞、細菌細胞、組換え細胞および培養細胞が挙げられる。例示的な標的ウイルスとしては、真核細胞ウイルスおよびバクテリオファージが挙げられる。標的核酸は、DNA、RNAまたはこれらの組合せの混合物であり得る。
磁性マイクロビーズはあらゆる適切な方法で調製することができる。例えば、CN 01/109870.8またはWO 02/075309で開示されている方法を用いることができる。任意の適切な磁化可能な物質を用いて、本発明のプロセスおよびキットに有用な磁性マイクロビーズを調製することができる。磁化可能な物質の非限定的な例としては、フェリ磁性物質または強磁性物質、常磁性物質、超常磁性物質が挙げられる。一つの特定の実施形態において、磁性マイクロビーズは、常磁性金属酸化物組成物等、常磁性物質を含む。望ましくは、常磁性金属酸化物組成物は遷移金属酸化物またはその合金である。鉄、ニッケル、銅、コバルト、マンガン、タンタル(Ta)、亜鉛、およびジルコニウム(Zr)等、あらゆる適切な遷移金属を用いることができる。好ましい実施形態において、金属酸化物組成物は、FeまたはFeである。別の例では、磁性マイクロビーズに使用する磁化可能な物質は、金属組成物を含む。望ましくは、その金属組成物は、例えば鉄、ニッケル、銅、コバルト、マンガン、タンタル、ジルコニウム、コバルト−タンタル−ジルコニウム(CoTaZr)合金等の、遷移金属組成物またはその合金である。
磁性マイクロビーズは、利用可能な一次(primary)ビーズから、原材料から、もしくは米国特許第5,834,121号に開示されているような、架橋される場合に硬いポリマーコーティングを形成するモノマーによって覆われた金属酸化物から、作製することができる。本明細書で使用される場合、「硬い」とは、ポリマーコーティング内に粒子が取り込まれた状態が続くように、ポリマーコーティングが、このコーティング内部の金属酸化物粒子を安定化させる程度に架橋されたポリマーコーティングを指す(すなわち、コーティングは本質的に膨張または溶解しない)。本明細書で使用される場合、「微細孔」とは、極性有機溶媒中で膨張または拡張する樹脂重合体基質を指す。本明細書で使用される場合、「負荷」は、機能化または誘導体化のために有用な接着部位に関するビーズの能力を意味するために使用されている。
磁化可能な物質として取り入れることのできる適切な物質としては、例えば磁鉄鉱等の鉄酸化物、マンガンならびにコバルト、ニッケルのフェライト、赤鉄鉱、ならびに様々な合金が挙げられる。磁鉄鉱は望ましい金属酸化物である。金属塩を金属酸化物に転換して、次にポリマーでコーティングするか、または還元基を有する熱可塑性ポリマー樹脂を含むビーズ内に吸収すると教示されることが多い。金属酸化物粒子から出発し、疎水性一次ビーズを得る場合、ビニルモノマー(好ましくは、微細孔基質と結合し得るかまたは結合され得る架橋ポリスチレン)から誘導された熱可塑性ポリマーの硬いコーティングを提供することが必要である。磁性粒子は、当該分野で公知の方法(例えば、Vandenberge ら,J.of Magnetism and Magnetic Materials, 15−18:1117−18(1980);Matijevic,Acc.Chem.Res.,14:22−29(1981)、ならびに 米国特許第5,091,206号;同第4,774,265号;同第4,554,088号;および同第4,421,660号にて示される手順)によって形成することができる。本発明で使用することができる一次ビーズの例は、米国特許第5,395,688号;同第5,318,797号;同第5,283,079号;同第5,232,7892号;同第5,091,206号;同第4,965,007号;同第4,774,265号;同第4,654,267号;同第4,490,436号;同第4,336,173号;および同第4,421,660号に示されている。もしくは、一次ビーズは、大きさ、ポリマーコーティングが溶媒中で膨張して常磁性粒子を保持するのに十分な安定性、網目状の基質ネットワークを形成するために使用されるビニルモノマーを吸収または吸収する能力についての出発時の要求を満たす、市販の疎水性もしくは親水性ビーズから得ることができる。望ましくは、一次ビーズは、疎水性の、ポリスチレンカプセルで覆われた、常磁性ビーズである。このようなポリスチレン常磁性ビーズはDynal,Inc.(Lake Success,N.Y.)、Rhone Poulonc(France)、およびSINTEF(Trondheim,Norway)、から入手できる。トナー粒子、またはカプセルでさらに覆われた不安定なポリマーの第一コーティングを有する磁性粒子を使用して、外側に硬いポリマーコーティングを作製することも、また検討される。
本発明のプロセスならびにキットで使用される磁性マイクロビーズは、任意の適切な大きさでありうる。例えば、約5ナノメーターから約50,000ナノメーターの範囲におよぶ。
本発明のプロセスならびにキットで使用される磁性マイクロビーズは、未処理であり得るか、または改変され得る(例えば有機分子で改変され得る)。特定の一実施形態において、磁性マイクロビーズは改変されて、ヒドロキシル基、カルボキシル基、またはエポキシ基を含有する。別の特定の実施形態において、磁性マイクロビーズは、標的細胞または標的ウイルスに特異的に結合する部分(例えば、抗体または抗体の機能性フラグメント)を含むように改変される。あるいは、標的細胞または標的ウイルスは、サンプル中に存在する場合、結合体の形成に高い特異性を有する磁性マイクロビーズに結合することが可能となり得る。あるいは、また、標的細胞またはウイルスが、サンプル中に存在する場合、結合体の形成に、非特異的であるかまたは低い特異性を有する磁性マイクロビーズに結合することが可能となり得る。
標的細胞またはウイルスと磁性マイクロビーズとの間に形成された分離した結合体は、そこに含まれる標的核酸を直接増幅するのに使用され得る。あるいは、そのプロセスは、分離された結合物を核酸増幅系に適用する前に、望ましくない成分を取り除くために、分離された結合物を洗浄する工程をさらに包含し得る。
本発明のプロセスは、手作業で行うことができる。望ましくは、本発明のプロセスは、自動化される。本発明のプロセスの、任意のいくつかまたは全部の工程は、自動化することができる。例えば、サンプルの接触、結合、分離、ならびに任意の他の付加的な工程(例えば、洗浄、標的の細胞またはウイルスの放出、および生体物質を回収または増幅する工程)は、自動化することができる。
本発明のプロセスは、任意の適切な時間内で実施され得る。例えば、本発明のプロセスは、約0.5分から約30分の範囲の時間内で実施され得る。
本発明のプロセスは、任意の適切な温度で実施され得る。例えば、本発明のプロセスは、温度コントロールなしに、約0℃から約35℃の範囲の周囲温度で実施され得る。
本発明のプロセスは、任意の適切な体積で実施され得る。例えば、本発明のプロセスは、約5μl〜約50μlの範囲の体積で実施され得る。
本発明のプロセスは、エッペンドルフチューブ内で実施され得る。本発明のプロセスは、沈殿手順または遠心分離手順なしに実施され得る。本発明のプロセスは、有毒な薬剤なしに実施され得る。
特定の一実施形態において、標的細胞は、全血、骨髄またはリンパ(例えば、新鮮であるかまたは低温で保存された全血、骨髄またはリンパ)から単離された白血球である。別の特定の実施形態において、標的細胞は、上皮性脱落細胞または、唾液、尿、および中国特許出願番号第02153992.8.号に述べられる組織培養物から単離した細菌細胞である。
任意の適切な核酸増幅系が、本発明のプロセスおよびキットに使用され得る。例示的な核酸増幅系としては、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)(米国特許第4,683,195号および米国特許第4,683,202号ならびにAusubel(編)Current Protocols in Molecular Biology、15.The Polymerase Chain Reaction、John Wiley & Sons,Inc.(2000))、リガーゼ連鎖反応(LCR)、核酸配列ベース増幅(nucleic acid sequence−based amplification)(NASBA)系(米国特許第5,409,818号および米国特許第5,554,517号)、鎖置換増幅(strand displacement amplification)(SDA)系および転写媒介性増幅(transcription−medicated amplification)(TMA)系が挙げられる。
このプロセスは、さらに、サンプルを磁気ビーズと接触させる前に、標的ウイルスまたは標的バクテリオファージを含むか、または含むことが疑われる散布津から細胞を取り除く工程を包含する。
なお別の局面において、本発明は、標的細胞または標的ウイルスの核酸を増幅させるためのプロセスに関し、このプロセスは、a)標的細胞または標的ウイルスを含むか、または含むと疑われるサンプルを、磁性マイクロビーズと接触させる工程;b)この標的細胞またはこの標的ウイルスを、このサンプル中に存在する場合、この磁性マイクロビーズに結合させて、この標的細胞、またはこの標的ウイルスとこの磁性マイクロビーズとの間で結合体を形成させる工程;ならびに、c)この結合体を、磁力を介して他の望ましくない構成成分から分離して、このサンプルから、この標的細胞、またはこの標的ウイルスを単離する工程;d)この細胞−マイクロビーズ結合体またはウイルス−マイクロビーズ結合体から核酸を遊離し、核酸−マイクロビーズ結合体を形成する工程;d)この核酸−マイクロビーズ結合体を核酸増幅系に適用して、この標的細胞または標的ウイルスからこの核酸を増幅する工程、を包含する。
このプロセスはさらに、核酸−マイクロビーズ結合体を核酸増幅系に適用する前に、核酸−マイクロビーズ結合体を洗浄して、望ましくない構成成分を取り除く工程を包含する。このプロセスはさらに、核酸−マイクロビーズ結合体を核酸増幅系に適用する前に、磁力を介して、他の望ましくない構成成分から核酸−マイクロビーズ結合体を分離する工程を包含する。
なお別の局面において、本発明は、標的細胞または標的ウイルスの核酸を増幅するためのキットに関し、このキットは、同じかもしくは異なる容器内に、以下を含む:a)標的細胞または標的ウイルスを含むか、または含むと疑われるサンプルと接触するための磁性マイクロビーズ;b)この標的細胞、またはこの標的ウイルスを、このサンプル中に存在する場合、この磁性マイクロビーズに結合させて、この標的細胞またはこの標的ウイルスとこの磁性マイクロビーズとの間で結合体を形成させるための、手段;c)この結合体を、このサンプルからの磁力を介して他の望ましくない構成成分から分離するための手段;d)この細胞−マイクロビーズ結合体またはウイルス−マイクロビーズ結合体から核酸を遊離し、核酸−マイクロビーズ結合体を形成する手段;およびe)この標的細胞またはこの標的ウイルスから核酸を増幅させるための核酸増幅系。
このキットは、サンプルから標的細胞または標的ウイルスの核酸を増幅するためにこのキットを使用するための、使用説明書をさらに含み得る。
(C.例示的実施形態)
本明細書中に記載される実施形態は、一般に、PCRテンプレートの調製および磁性マイクロビーズを用いる核酸(例えば、遺伝子)増幅のためのプロセスに関する。細胞および核酸への非特異的吸着または低特異性吸着を介して、標的生物学的分子(例えば、核酸およびタンパク質)を含む細胞および生物学的物質(例えば、白血球、ウイルス、上皮細胞および培養細胞)は、全血、血漿、血清、骨髄、唾液、尿ならびに細胞および組織の培養溶液から分離され得、これらは、磁性マイクロビーズと一緒になって、マイクロビーズ−細胞結合体を形成する。溶出細胞の溶解後、放出された核酸は、磁性マイクロビーズによって吸着され、マイクロビーズ−核酸結合体を形成する。マイクロビーズ−細胞結合体およびマイクロビーズ−核酸結合体を、PCR反応のテンプレートとしてPCR系に添加する。不純物およびPCRインヒビターの除去、ならびに磁性マイクロビーズの重要な影響がないことに起因して、遺伝子増幅の感度および安定性は、影響を受けない。
この実施形態の重要な局面は、標的細胞を、磁性マイクロビーズを用いて分離し得、得られた細胞が標的遺伝子のPCRテンプレートとして使用されることである。阻害因子の殆どは、除去され得る。磁性マイクロビーズは、細胞またはウイルスおよび核酸を吸着し得る。この単純かつ迅速なプロセスは、診断分析および研究において使用され得、そして自動化および微量化デバイスを構築することは容易である。
この実施形態は、以下の主な利点を有する:
(1)このプロセスのサンプルおよび試薬の容量は、少ない。このプロセスは、5μlの全血または唾液を処理し得、そして使用される試薬の容量は、50μl未満である。
(2)沈殿プロセスは、室温で、遠心分離および温度制御なしで実施され得る。
(3)操作は、単純、迅速かつ簡便である。プロセス全体は、約0.5〜15分間しか要さない。
(4)プロセスにおける移動操作、およびサンプルへの夾雑の可能性は、除外され得るか、または減少され得る。
(5)分離方法は、普遍的であり、多くの種類のサンプルに対して好適である。
(6)プロセスの間の、作業者および環境に対する害はない。
(7)同時のテンプレート調製および増幅プロセスを有するために、このプロセスを自動化および小型化することは、容易である。
(1.細胞の非特異的吸着および分離、ならびにPCRテンプレートの調製)
生物科学のサンプルから細胞を分離する工程は、中心的かつ基礎的な工程である。密度勾配遠心分離は、しばしば、細胞の大きさおよび密度の差異に基づいて使用される。しかし、遠心分離の必要性は、小型デバイスを構築することを困難にする。障壁デバイスは、細胞の大きさの差異に基づき、標的細胞を濾過するチップ上に構築される。このデバイスは、その困難な機械加工ゆえに、普遍的ではない。原則として、磁性マイクロビーズを使用して細胞を分離する2種類の方法が存在する。1つは、特異的抗体を用いて得られる磁性マイクロビーズを利用する、細胞の特異的分離である。もう1つは、選択的遠心分離または細胞の磁性マイクロビーズへの吸着の相違を利用して、細胞を分離することである。第1の方法は、多くの種類の細胞について好適であり、分離した細胞は、非常に特異的である。しかし、この磁性マイクロビーズは、高価であるだけでなく、厳密な輸送条件および保存条件を要し、かつその生物学的活性を失いやすい。第2の方法は、低い普遍性を有する。しかし、この磁性マイクロビーズは、安価であるだけでなく、厳密な輸送条件および保存条件を必要としない。この実験条件は、分離性能にほとんど影響を有さず、そしてその方法は、単純である。
この実施形態において、有機物質で被膜された磁性マイクロビーズまたは有機物質で被膜されていない磁性マイクロビーズは、標的細胞を効率的に富化し得、適切な化学的および物理的状況下で核酸を吸着し得る。得られたマイクロビーズ−細胞結合体およびマイクロビーズ−核酸結合体は、遺伝子増幅のためのPCRテンプレートとして使用され得る。従って、テンプレート調製および遺伝子増幅は、PCRデバイスの構築に組み込まれ、かつこれに対して好適である。このプロセスは、単純かつ迅速である。これは、全血、血漿、血清、骨髄、唾液、尿ならびに細胞および組織の培養溶液からのテンプレートの調製に、1分間しかかからない。
(1.1 固体癌の調製)
被膜磁性マイクロビーズの調製は、CN 01/109870.8またはWO02/075309において見出され得る。
(1.2 操作プログラム)
(1)小磁性マイクロビーズ(Tris−EDTA緩衝液(pH.6.0)中に懸濁される)を、液体生物学的サンプル中に添加する。混合物を、ボルテックスすることによって穏やかに撹拌し、室温で3分間インキュベートして、マイクロビーズ−細胞結合体を形成する。
(2)磁性マイクロビーズ−細胞結合体を、磁場によって分離し、そして上清を捨てる。磁性マイクロビーズ−細胞結合体を、70%エタノール溶液で1回洗浄する。洗浄したマイクロビーズ−細胞結合体を、遺伝子増幅のために、PCR系に直接添加し得る。
(3)少量の細胞溶解溶液を、混合物内に添加し、ボルテックスすることにより、懸濁液を均一に混合し、室温で1分間インキュベートして、細胞を溶解させる。混合物中にイソプロピルアルコールを添加し、そしてこの懸濁液を、ボルテックスすることにより均一に混合し、次いで、5分間放置して、結合体を形成させる。
(4)磁性マイクロビーズ−核酸結合体を、磁場によって分離し、上清を捨てる。磁性マイクロビーズ−核酸結合体を、70%エタノールで2回洗浄し、塩を溶出する。洗浄したマイクロビーズ−核酸結合体を、遺伝子増幅のために、PCR系に直接添加し得る。
(1.3 化学薬剤含量)
(1)TE緩衝液(pH6.0):10mM EDTA/25mM Tris−HCl。Tris−EDTA(pH6.0):10mM EDTA/25mM Tris−HCl。
(2)溶解溶液:NaI 11.25g;尿素 12.0g;TritonX−100 0.65ml;TE(pH8.0)30ml:10mM EDTA/25mM Tris−HCl。
(1.4 主な利点)
本方法は、以下の主な利点を有する:(1)単純かつ迅速な操作、1〜10分間しかかからない;(2)eppendorfチューブしか必要とせず、沈殿は必要としない;(3)得られた産物は、その後の生物学的操作に好適である;(4)自動化操作の実現が容易である;(5)有毒な薬剤を使用することなく、安全な操作;(6)室温での操作;(7)磁性マイクロビーズの容易な保存(分離効果に重要な影響を有さない)。
(2.細胞の特異的吸着および分離技術ならびにPCRテンプレート沈殿)
(2.1 操作プログラム)
(1)特定の細胞の表面上の抗原と反応する抗体で得られる少量の磁性マイクロビーズを、液体生物学的サンプル中に添加する。混合物を、ボルテックスすることによって穏やかに撹拌し、室温で3分間インキュベートして、マイクロビーズ−細胞結合体を形成する。
(2)磁性マイクロビーズ−細胞結合体を、磁場によって分離し、そして上清を捨てる。磁性マイクロビーズ−細胞結合体を、70%エタノール溶液で1回洗浄する。洗浄したマイクロビーズ−細胞結合体を、遺伝子増幅のために、PCR系に直接添加し得る。
(3)少量の細胞溶解溶液を、混合物内に添加し、ボルテックスすることにより、懸濁液を均一に混合し、室温で1分間インキュベートして、細胞を溶解させる。混合物中にイソプロピルアルコールを添加し、そしてこの懸濁液を、ボルテックスすることにより均一に混合し、次いで、5分間放置して、結合体を形成させる。
(4)磁性マイクロビーズ−核酸結合体を、磁場によって分離し、上清を捨てる。磁性マイクロビーズ−核酸結合体を、70%エタノールで1回洗浄し、塩を溶出する。洗浄したマイクロビーズ−核酸結合体を、遺伝子増幅のために、PCR系に直接添加し得る。
(2.2 化学薬剤含量)
(1)TE緩衝液(pH6.0):10mM EDTA/25mM Tris−HCl;Tris−EDTA(pH6.0):10mM EDTA/25mM Tris−HCl。
(2)溶解溶液:NaI 11.25g;尿素 12.0g;TritonX−100 0.65ml;TE(pH8.0)30ml:10mM EDTA/25mM Tris−HCl。
(2.3 主な利点)
本方法は、以下の主な利点を有する:(1)単純かつ迅速な操作、20〜30分間しかかからない;(2)エッペンドルフチューブしか必要とせず、沈殿は必要としない;(3)得られた産物は、その後の生物学的操作に好適である;(4)自動化操作の実現が容易である;(5)有毒な薬剤を使用することなく、安全な操作;(6)PCRインヒビターの容易な除去。
(D.実施例)
(実施例1.ヒト全血からのHLA−A遺伝子のテンプレート調製および増幅)
健康なドナー由来のヒト全血を、血液の1/6容量のACDで抗凝集した。白血球の単離の手順は、以下のようである。Tris−EDTA緩衝液(pH6.0)に懸濁した10μLの15μg/μL磁性マイクロビーズを含む1.5mLのEppendorfTMチューブに、50μL抗凝集血に加えた。混合物を、ボルテックスすることによって15秒間穏やかに懸濁し、室温で3分間インキュベートした。次いで、マイクロビーズ−白血球結合体を、磁気スタンド上で不動化し、上清を捨てた。磁性マイクロビーズ−白血球結合体を、100μLの70%エタノール溶液で2回洗浄した。上記の洗浄したマイクロビーズ−白血球結合体を、HLA−A遺伝子増幅のために、PCR系に直接添加した。産物を、アガロースゲル電気泳動により分析した。
上記のマイクロビーズ−白血球結合体を、核酸を抽出するために使用し得る。50μLの細胞溶解溶液(NaI 11.25g;尿素 12.0g;TritonX−100 0.65ml;TE(pH8.0)30ml:10mM EDTA/25mM Tris−HCL)を、混合物中に添加し、そして懸濁液を、ボルテックスすることによって均一に混合し、室温で1分間インキュベートして、白血球を溶解させた。300μLのイソプロピルアルコールを混合物中に添加し、懸濁液をボルテックスすることによって均一に混合し、次いで、さらに5分間放置した。磁性マイクロビーズ−核酸結合体を、磁気スタンド上で不動化し、上清を捨てた。磁性マイクロビーズ−核酸結合体を、100μLの70%エタノール溶液で2回洗浄した。室温下で完全にエタノール溶液を蒸発させた後、50μLのTris−EDTA(pH6.0)を結合体に添加し、これを室温で10分間インキュベートして、DNAを溶出した。磁性マイクロビーズ−核酸結合体を、PCR系に添加し、HLA−A遺伝子を増幅した。溶出したDNAを、遺伝子増幅のためのテンプレートとして使用し得る。
上記3つのテンプレートは、遺伝子増幅の効率および感度にわずかな違いしか有さなかった。これを図1に示す。
(実施例2.唾液からのHLA−A遺伝子のテンプレート調製および増幅)
使用した唾液は、健康なドナーから得られた。白血球の単離の手順は、以下のようである。Tris−EDTA緩衝液(pH6.0)中に懸濁した10μLの15μg/1μL磁性マイクロビーズを含む1.5mL EppendorfTMチューブに、50μLの唾液を加えた。混合物を、15秒間ボルテックスすることによって穏やかに撹拌し、室温で3分間インキュベートした。磁性マイクロビーズ−上皮細胞結合体を、磁気スタンド上で不動化し、上清を捨てた。磁性マイクロビーズ−上皮細胞結合体を、100μLの70%エタノール溶液で2回洗浄した。上記の洗浄した磁性マイクロビーズ−上皮細胞結合体を、HLA−A遺伝子増幅のためにPCR系に直接添加した。産物を、アガロースゲル電気泳動によって分析した。磁性マイクロビーズによって調製したテンプレートを使用した増幅産物の収率および純度を、溶出したDNAによって調製したテンプレートを使用した増幅産物の収率および純度と比較した。
(実施例3.ヒト全血からのHLA−A遺伝子のテンプレート調製および増幅)
健康なドナー由来のヒト全血を、血液の1/6容量のACDで抗凝集した。白血球の単離の手順は、以下のようである。Tris−EDTA緩衝液(pH6.0)に懸濁した10μLの15μg/μL磁性マイクロビーズを含む1.5mLのEppendorfTMチューブに、100μL細胞溶解溶液(0.5% NaEDTA、0.1M Tris、0.1M NaCl、1% NP−40、30μlプロテイナーゼK(20mg/mL、pH7.8))と混合した50μL抗凝集血に加えた。懸濁液を、ボルテックスすることによって穏やかに懸濁し、室温で15分間インキュベートした。磁性マイクロビーズ−DNA−抗DNA結合体を、磁気スタンド上で不動化し、上清を捨てた。50μLのTris−EDTA(pH6.0)の溶液を結合体に加え、室温で10分間インキュベートして、DNAを溶出した。溶出したDNAを、PCR系に加え、HLA−A遺伝子を増幅した。産物を、アガロースゲル電気泳動およびUV分光法によって直接分析した。毒性の薬剤を使用しないこの方法は、すばらしい特異性および高い分離効率を有する。
(実施例4.ヒト全血からのHBV遺伝子のテンプレート調製および増幅)
HBVウイルスを保有するドナー由来のヒト全血を、血液の1/6容量のACDで抗凝集した。ウイルスの単離の手順は、以下のようである。200μLの血清を、500μLの全血から分離した。これを、抗HBVウイルス抗体を有する50μLの15μg/μL磁性マイクロビーズを含むTris−EDTA緩衝液(pH6.0)に添加した。懸濁液を、ボルテックスすることによって穏やかに懸濁し、室温で15分間インキュベートした。磁性マイクロビーズ−ウイルス−抗体結合体を、磁気スタンド上で不動化し、上清を捨てた。結合体を、PCR系に加え、HBA遺伝子を増幅した。産物を、アガロースゲル電気泳動およびUV分光法によって直接分析した。毒性の薬剤を使用しないこの方法は、すばらしい特異性および高い分離効率を有する。
上記の実施例は、例示的目的のみで含まれるのであり、本発明の範囲を限定することを意図しない。上述に対し、多くの変更が可能である。上述の実施例に対する改変および変更は、当業者に明らかであり、本発明は添付の特許請求の範囲によってのみ限定されることが意図される。
図1は、HLA−A対立遺伝子(1,100 bp)のPCR産物を例示する。このポジティブコントロールは、従来の方法を用いて単離されたDNAに由来するPCR産物である。3μlのサンプルを、ゲルにアプライした。レーンは、(M):DNA質量ラダー(DL−2000,TaKaRa,Japan);(1):ネガティブコントロール; (2):ポジティブコントロール;(3,4):発明者らのプロトコールによって全血サンプルより調製したテンプレートを用いた「マイクロビーズ−PCR」産物;(5,6):発明者らのプロトコールによって唾液サンプルより調製したテンプレートを用いた「マイクロビーズ−PCR」産物;(7,8):テンプレートとして添加した2μlの全血;ならびに(9,10):テンプレートとして添加した2μlの唾液。

Claims (36)

  1. 標的細胞または標的ウイルスの核酸を増幅するためのプロセスであって、該プロセスは、以下:
    a)標的細胞もしくは標的ウイルスを含むか、または含むと疑われるサンプルを、磁性マイクロビーズに接触させる工程;
    b)該サンプル中に存在する場合、該標的細胞または該標的ウイルスを、該磁性マイクロビーズに結合させて、該標的細胞または該標的ウイルスと該磁性マイクロビーズとの間で結合体を形成させる工程;ならびに
    c)該結合体を、磁力を介して他の望ましくない構成成分から分離して、該サンプルから、該標的細胞または該標的ウイルスを単離する工程;ならびに
    d)該分離した結合体を、核酸増幅系に適用し、該標的細胞または該標的ウイルス由来の核酸を増幅する工程、
    を包含する、プロセス。
  2. 前記サンプルが、臨床サンプルである、請求項1に記載のプロセス。
  3. 前記サンプルが、血清、血漿、全血、痰、脳脊髄液、羊水、尿、胃腸管内容物、毛髪、唾液、汗、歯肉擦過標本、骨髄、組織、および細胞培養物からなる群より選択される、請求項1に記載のプロセス。
  4. 前記標的細胞が、動物細胞、植物細胞、真菌細胞、細菌細胞、組み換え細胞、および培養細胞からなる群より選択される、請求項1に記載のプロセス。
  5. 前記標的ウイルスが、真核生物細胞ウイルスまたはバクテリオファージである、請求項1に記載のプロセス。
  6. 前記磁性マイクロビーズが、常磁性物質、強磁性物質、およびフェリ磁性物質からなる群より選択される磁化可能な物質を含む、請求項1に記載のプロセス。
  7. 前記磁化可能な物質が、金属組成物を含む、請求項6に記載のプロセス。
  8. 前記金属組成物が、遷移金属組成物またはそれらの合金である、請求項7に記載のプロセス。
  9. 前記遷移金属が、鉄、ニッケル、銅、コバルト、マンガン、タンタル、ジルコニウム、およびコバルト−タンタル−ジルコニウム(CoTaZr)合金からなる群より選択される、請求項8に記載のプロセス。
  10. 前記金属組成物が、Feである、請求項7に記載のプロセス。
  11. 前記磁性マイクロビーズが、約5ナノメートル〜約50,000ナノメートルの範囲の直径を有する、請求項1に記載のプロセス。
  12. 前記磁性マイクロビーズが、未処理であるか、または有機分子で改変されている、請求項1に記載のプロセス。
  13. 前記磁性マイクロビーズが、改変されて、ヒドロキシル基、カルボキシル基またはエポキシ基を含む、請求項1に記載のプロセス。
  14. 前記磁性マイクロビーズが、改変されて、前記標的細胞または前記標的ウイルスに特異的に結合する部分を含む、請求項1に記載のプロセス。
  15. 前記部分が、抗体またはその機能的フラグメントである、請求項14に記載のプロセス。
  16. 前記サンプル中に存在する場合、前記標的細胞または前記標的ウイルスが、前記磁性マイクロビーズに非特異的に、または低い特異性で結合されて、前記結合体を形成する、請求項1に記載のプロセス。
  17. 前記サンプル中に存在する場合、前記標的細胞または前記標的ウイルスが、前記磁性マイクロビーズに高い特異性で結合されて、前記結合体を形成する、請求項1に記載のプロセス。
  18. 前記分離した結合体を核酸増幅系に適用する前に、該分離した結合体を洗浄して、前記望ましくない構成成分を除去する工程をさらに包含する、請求項1に記載のプロセス。
  19. 自動化されている、請求項1に記載のプロセス。
  20. 約0.5分〜約30分の範囲の時間内に完了する、請求項1に記載のプロセス。
  21. エッペンドルフチューブ内で行われる、請求項1に記載のプロセス。
  22. 沈殿手順も遠心分離手順もなしで行われる、請求項1に記載のプロセス。
  23. 有毒な薬剤なしで行われる、請求項1に記載のプロセス。
  24. 温度制御なしに、約0℃〜約35℃の範囲の周囲温度で行われる、請求項1に記載のプロセス。
  25. 前記サンプルの体積が、約5μl〜約50μlの範囲に及ぶ、請求項1に記載のプロセス。
  26. 前記標的細胞が、全血、骨髄またはリンパから単離された白血球である、請求項1に記載のプロセス。
  27. 前記標的細胞が、唾液、尿および組織培養物から単離された上皮の脱落細胞または細菌細胞である、請求項1に記載のプロセス。
  28. 前記核酸増幅系が、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、リガーゼ連鎖反応(LCR)、核酸配列ベース増幅(NASBA)、鎖置換増幅(SDA)、および転写媒介性増幅(TMA)からなる群より選択される、請求項1に記載のプロセス。
  29. 標的ウイルスまたは標的バクテリオファージを含むか、または含むと疑われるサンプルを磁性マイクロビーズに接触させる工程の前に、該サンプルから細胞を除去する工程をさらに包含する、請求項1に記載のプロセス。
  30. 標的細胞または標的ウイルスの核酸を増幅するためのキットであって、該キットは、同じもしくは異なる容器内に、以下:
    a)標的細胞もしくは標的ウイルスを含むか、または含むと疑われるサンプルと接触するための磁性マイクロビーズ;
    b)該サンプル中に存在する場合、該標的細胞または該標的ウイルスを、該磁性マイクロビーズに結合させて、該標的細胞または該標的ウイルスと該磁性マイクロビーズとの間で結合体を形成させるための手段;
    c)該結合体を、該サンプルからの磁力を介して、他の望ましくない構成成分から分離するための手段;ならびに
    d)該標的細胞または該標的ウイルス由来の核酸を増幅するための核酸増幅系、
    を含む、キット。
  31. サンプル由来の標的細胞または標的ウイルスの核酸を増幅するために前記キットを使用するための使用説明書をさらに含む、請求項30に記載のキット。
  32. 標的細胞または標的ウイルスの核酸を増幅するためのプロセスであって、該プロセスは、以下:
    a)標的細胞もしくは標的ウイルスを含むか、または含むと疑われるサンプルを、磁性マイクロビーズに接触させる工程;
    b)該サンプル中に存在する場合、該標的細胞または該標的ウイルスを、該磁性マイクロビーズに結合させて、該標的細胞または該標的ウイルスと該磁性マイクロビーズとの間で結合体を形成させる工程;ならびに
    c)該結合体を、磁力を介して他の望ましくない構成成分から分離して、該サンプルから、該標的細胞または該標的ウイルスを単離する工程;
    d)該細胞−マイクロビーズ結合体または該ウイルス−マイクロビーズ結合体から核酸を放出させて、核酸−マイクロビーズ結合体を形成する工程、ならびに
    e)該核酸−マイクロビーズ結合体を、核酸増幅系に適用し、該標的細胞または該標的ウイルス由来の核酸を増幅する工程、
    を包含する、プロセス。
  33. 前記核酸−マイクロビーズ結合体を核酸増幅系に適用する前に、該核酸−マイクロビーズ結合体を洗浄して、前記望ましくない構成成分を除去する工程をさらに包含する、請求項32に記載のプロセス。
  34. 前記核酸−マイクロビーズ結合体を核酸増幅系に適用する前に、磁力を介して、他の望ましくない構成成分から該核酸−マイクロビーズ結合体を分離する工程をさらに包含する、請求項32に記載のプロセス。
  35. 標的細胞または標的ウイルスの核酸を増幅するためのキットであって、該キットは、同じもしくは異なる容器内に、以下:
    a)標的細胞もしくは標的ウイルスを含むか、または含むと疑われるサンプルと接触するための磁性マイクロビーズ;
    b)該サンプル中に存在する場合、該標的細胞または該標的ウイルスを、該磁性マイクロビーズに結合させて、該標的細胞または該標的ウイルスと該磁性マイクロビーズとの間で結合体を形成させるための手段;
    c)該結合体を、該サンプルからの磁力を介して、他の望ましくない構成成分から分離するための手段;
    d)該細胞−マイクロビーズ結合体または該ウイルス−マイクロビーズ結合体から核酸を放出させて、核酸−マイクロビーズ結合体を形成するための手段;ならびに
    e)該標的細胞または該標的ウイルス由来の核酸を増幅するための核酸増幅系、
    を含む、キット。
  36. サンプル由来の標的細胞または標的ウイルスの核酸を増幅するためにキットを使用するための使用説明書をさらに含む、請求項35に記載のキット。
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