JP2006508094A - Hm1.24を応用した癌ワクチン - Google Patents

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Abstract

【課題】 HM1.24によるT細胞の刺激を含む免疫系に基づく新規な癌ワクチンの提供。
【解決手段】 HM1.24によりパルスされた、あるいはHM1.24をコードする遺伝子が導入された、抗原特異的樹状細胞、HM1.24蛋白質、HM1.24ペプチド、又はHM1.24蛋白質をコードするDNA又はRNAを有効成分とする癌ワクチン。

Description

本発明は、癌抗原HM1.24を応用した癌ワクチンに関し、特にHM1.24がパルスされた、あるいはHM1.24をコードする遺伝子が導入された樹状細胞を利用する癌ワクチンに関する。
HM1.24は、骨髄腫特異的抗原として同定されたタイプII膜貫通糖蛋白質であり、多発性骨髄腫の免疫療法における標的分子として期待されているほか、細胞性免疫を利用した癌免疫療法における抗原としても期待される。保護的な抗腫瘍応答の発生のためには、適切な癌抗原の効果的な提示が必要である。樹状細胞は、最も効果的な抗原提示細胞の一種であり、生来のT細胞をプライムする事が出来、そしてCD4 T−ヘルパー細胞応答及びCD8 細胞傷害性T細胞応答を誘導する。このため、樹状細胞は癌免疫療法における抗原提示細胞としての利用が注目されている。しかしながら、樹状細胞をHM1.24抗原のための抗原提示細胞として使用し、T細胞を刺激して細胞傷害性T細胞を生成せしめ、癌細胞を障害するには至っていない。
従って、本発明はHM1.24抗原の抗原提示細胞として樹状細胞を利用して細胞傷害性T細胞を生成せしめることによる新規なタイプの癌ワクチンを提供しようとするものである。本発明はまた、HM1.24蛋白質又はペプチド自体を有効成分とする癌ワクチンを提供する。本発明は更に、HM1.24蛋白質又はペプチドをコードするDNA又はRNAを有効成分とする癌ワクチンを提供する。
従って本発明は、HM1.24によりパルスされた、あるいはHM1.24をコードする遺伝子が導入された、抗原特異的樹状細胞を有効成分とする癌ワクチンを提供する。このHM1.24はHM1.24蛋白質又はHM1.24ペプチドであり、好ましくは可溶性HM1.24ペプチドである。
本発明はまた、HM1.24蛋白質又はHM1.24ペプチドを有効成分とする癌ワクチンを提供する。このHM1.24ペプチドは、好ましくは可溶性HM1.24ペプチドである。
本発明はまた、HM1.24をコードするDNA又はRNAを有効成分とする癌ワクチンを提供する。このDNAは好ましくはcDNAである。
本発明は、HM1.24によりパルスされた、あるいはHM1.24をコードする遺伝子が導入された、抗原特異的樹状細胞を有効成分とする癌ワクチンに関する。
実験動物では、ペプチドの直接投与よりも、抗原ペプチドや遺伝子を導入した樹状細胞を投与する方が免疫効果が高い。樹状細胞に癌抗原を多量に発現させる方法として、ペプチドや蛋白質によるin vitro感作や抗原DNAやRNAの導入が行なわれる。抗原プロセスを必要とする蛋白質やRNAを取り込ませるためには、未熟樹状細胞が使用され、そしてペプチド感作には成熟樹状細胞や、CD40Lなどにより活性化した樹状細胞が使用される。
RNA又はDNAは低率で樹状細胞に導入できるが、十分に導入するためにはウイルスベクターを使用する必要がある。CD34+細胞にウイルスベクターを用いて癌抗原を導入し、GM-SF又はTNF-αと共に培養することにより、癌抗原発現樹状細胞に分化させる方法も使用可能である。
樹状細胞は、一般に、免疫応答の開始時に補助細胞として働く樹状突起を持った細胞群であり、骨髄由来でマクロファージと近縁の細胞であるが貪食能はなく、多くの臓器の間質に広く分布しており、特にリンパ節や脾臓のT細胞領域に広く分布しており、ヘルパーT細胞への抗原提示細胞として働く。樹状細胞は、本発明においては、HM1.24蛋白質又はペプチドによりパルスされた場合、T細胞から細胞傷害性T細胞への分化に関与すると考えられる。また、HM1.24をコードする遺伝子を樹状細胞に導入した場合にも同様の効果が得られる。
本発明の癌ワクチンの製造に使用する樹状細胞は末梢血から比重遠心法により直接分離し、あるいは前駆細胞からサイトカインなどで誘導する。比重遠心法による直接分離においては、末梢血をアフェレーシスし、それから樹状細胞を比重遠心法により分離、調製する。この方法においては、サイトカインを必要とせず、時間も短い。この場合、成熟樹状細胞が得られ、成熟度の調整は出来ない。サイトカインで誘導する場合、前駆細胞としては、末梢血単核球付着細胞分画、末梢血単球であるCD14+細胞、骨髄又は末梢血中の造血前駆細胞であるCD34+細胞が用いられる。
本発明において、HM1.24を樹状細胞に「パルスする」とは、HM1.24蛋白質又はペプチドを単独で、又はリポゾ-ムなどの医薬として許容されるキャリヤーと共に、樹状細胞と所定の時間に亘って所定の条件下で接触せしめる事を意味し、例えば、接触時間は数分間〜数日間であり、接触条件及び接触方法は、例えば、Chiriva-Internati, M. et.al. Blood (2002) 100, p.961-965(蛋白質)、Thuner, B. et.al., J. Exp. Med. (1999) 190, p.1669-1678(ペプチド)に記載の方法の通りに行なうことが出来る。
本発明において、HM1.24をコードする遺伝子を樹状細胞に導入する方法は、DNA(好ましくはcDNA)又はRNAを直接又は適当なべクター、好ましくは哺乳類、特にヒトにおいて機能する発現ベクターに挿入することにより導入することができる。例えば、Chiriva-Internati, M.et.al., Blood(2002), 100, p.961-965に記載の方法により行うことが出来る。
HM1.24によりパルスされた、あるいはHM1.24をコードする遺伝子を導入した、抗原特異的樹状細胞を有効成分とする癌ワクチンは、例えば、患者から樹状細胞を集め、この樹状細胞をHM1.24蛋白質またはペプチドにより上記のようにしてパルスし、あるいはHM1.24をコードする遺伝子を上記のようにして導入し、この細胞を前記患者に、又は異なる患者に導入することにより投与することが出来る。
本発明は更に、HM1.24蛋白質又はペプチドを有効成分とする癌ワクチンに関する。HM1.24蛋白質又はHM1.24ペプチドを免疫原として使用する場合には、CD8+T細胞抗原の他にCD4+T細胞認識抗原の使用が好ましく、このような抗原(ヘルパーエピト-プ)として、KLHやテタヌストキソイドの如き免疫原性が強い外来抗原が使用され、あるいは癌抗原自体のヘルパーエピトープが使用される。
抗原蛋白質(HM1.24蛋白質)をコレステロール・多糖複合体やビーズなどの顆粒状にして投与することにより、樹状細胞などに取り込まれ、MHCクラスI抗原提示経路に効率よくペプチドを乗せてCD8+T細胞を誘導することが出来る。強いアジュバント作用をもつ細菌由来の熱ショック蛋白質との融合蛋白質として用いることにより、CD8+T細胞を強く誘導することができよう。
このワクチンは、有効成分としてのHM1.24蛋白質又はペプチドの外に、医薬として許容されるキャリヤー、例えばアジュバント、例えば水酸化アルミニウムの如き鉱物ゲル;リソレシチン、プルロニックポリオールの如き界面活性剤;ポリアニオン;ペプチド;又は油乳濁液を含むことが出来る。あるいは、リポゾ−ム中へ混入し、又は多糖、及び/又はワクチン中に配合される他の集合体を含むことが出来る。
本発明は更に、HM1.24蛋白質又はペプチドをコードする遺伝子を有効成分とする、癌ワクチンに関する。癌抗原遺伝子を含む組換えウイルスは、抗原の細胞内多量発現により、マウスでは強い抗腫瘍免疫を誘導できる。多数のCTL及びヘルパーエピトープを同時発現させることも出来、HLAタイプに拘わらず多くの患者に使用可能である。しかし、強い抗ウイルス免疫応答のため、反復投与が出来ないので、癌のように頻回の免疫が必要な場合、多数の異なるウイルスベクターを準備するのが好ましい。脂肪内寄生性細菌はMHCクラスIとクラスIIの両方に抗原を乗せることが出来、ワクチン用ベクターとして有用である。
DNAの直接投与は、DNA免疫法として、動物では予防接腫の一方法として効果が認められている。プラスミドのような細菌由来DNAの非メチル化CpG配列には、IL-12産生などを介して腫瘍拒絶に重要なTh1活性化を行なうアジュバント作用がある。抗原遺伝子を含むプラスミドを筋注や遺伝子銃(gene gun)を用いて免疫する方法は、1回の免疫効果は弱いが反復投与が可能であり、他の免疫法との併用が考えられる。免疫効率を上げるには、エピトープにリーダー配列を結合させたり、エピトープをHLA分子に直接結合させた融合遺伝子を用いることが出来る。
遺伝子は好ましくはDNA又はRNAであり、DNAは好ましくはcDNAであり、適当なベクター、好ましくは、哺乳類、特にヒトにおいて機能する発現ベクターに挿入した後動物に投与することにより、癌免疫を生じさせることが出来る。
本発明の癌ワクチンは、HM1.24を発現する器官や組織の癌に対して特に有効であり、造血器腫瘍または固形癌に有効である。造血器腫瘍としては、例えば白血病、リンパ腫、骨髄腫などに有効であり、前記白血病としては、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、慢性リンパ性白血病などが挙げられ、前記リンパ腫としては、ホジキン病、T細胞性非ホジキンリンパ腫、B細胞性非ホジキンリンパ腫などが挙げられ、そして前記骨髄腫としては多発性骨髄腫が挙げられる。
固形癌としては、具体的には、頭頸部癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、食道癌、乳癌、胃癌、結腸癌、直腸癌、肺臓癌、胆道癌、膵臓癌、卵巣癌、子宮頸癌、子宮体癌、前立腺癌、腎臓癌、膀胱癌、皮膚癌、脳腫瘍、小児固形癌、悪性骨腫瘍などが挙げられる。また、これら固形癌の転移ならびに転移巣、固形癌に伴うがん性胸膜炎、がん性腹膜炎、がん性髄膜炎なども挙げられる。
本発明で使用するHM1.24はHM1.24蛋白質または好ましくは可溶性のHM1.24蛋白質又はペプチドである。本発明の可溶性HM1.24抗原蛋白質としては、配列番号:5示すアミノ酸配列においてアミノ酸位置1 位のAsn からアミノ酸位置132 位のGln からなるアミノ酸配列を有し、且つ可溶性HM1.24抗原蛋白質の生物学的活性を有するタンパク質であれば、いかなるものであってよい。可溶性HM1.24抗原蛋白質の生物学的活性とは、抗HM1.24抗体に特異的に結合され、細胞膜には結合しておらず細胞膜から遊離して可溶性であり、且つ二量体である。
また、本発明の可溶性HM1.24抗原蛋白質は、可溶性HM1.24抗原蛋白質の生物学的活性を有し、且つ配列番号:5に示すアミノ酸配列に対する1又は複数個のアミノ酸残基の置換、欠失及び/又は付加により修飾されたアミノ酸配列を有する可溶性HM1.24抗原蛋白質であってよい。本発明の可溶性HM1.24抗原蛋白質は、より具体的には可溶性HM1.24抗原蛋白質の生物学的活性を有する限り、配列番号:5に示すアミノ酸配列において、1又は2個以上、好ましくは1又は24個以下、より好ましくは1又は12個以下のアミノ酸残基が置換したアミノ酸を有していてよい。
又は、配列番号:5に示すアミノ酸配列において、1又は2個以上、好ましくは1又は42個以下、より好ましくは1又は17個以下のアミノ酸残基が欠失したアミノ酸を有していてよい。又は、配列番号:5に示すアミノ酸配列において、1又は2個以上、好ましくは1又は50個以下、より好ましくは1又は14個以下のアミノ酸残基が付加したアミノ酸を有していてよい。本発明に使用される可溶性HM1.24抗原タンパク質はまた、上記アミノ酸の置換、欠失及び/ 又は付加による修飾が同時になされていてもよい。
可溶性HM1.24抗原蛋白質は、配列番号:5において1 位のアミノ酸Asn から90位のアミノ酸Arg までのアミノ酸配列を有していればその生物学的活性を示すことが明らかになっている。したがって、本発明の可溶性HM1.24抗原蛋白質は、配列番号:5において1 位のアミノ酸Asn から90位のアミノ酸Arg までのアミノ酸配列を有するか、あるいは1 位のアミノ酸Asn から90位のアミノ酸Arg までのアミノ酸配列に対する1又は複数個のアミノ酸残基の置換、欠失及び/又は付加により修飾されたアミノ酸配列を有する可溶性HM1.24抗原蛋白質であってよい。
可溶性HM1.24抗原蛋白質は、その生物学的活性を有する限り、配列番号:5において90位のアミノ酸Arg から132 位のアミノ酸Gln までのアミノ酸配列を有するか、あるいはこのアミノ酸配列に対して1又は複数個のアミノ酸残基の置換、欠失及び/又は付加により修飾されたアミノ酸配列を有する可溶性HM1.24抗原蛋白質であってよい。
配列番号:5に示すアミノ酸配列に対する1又は複数個のアミノ酸残基の置換、欠失及び/又は付加により修飾されたアミノ酸配列を有する可溶性HM1.24抗原蛋白質として、配列番号:7又は17、10又は18、あるいは11又は19に示されるアミノ酸配列を有する可溶性HM1.24抗原蛋白質が挙げられる。
あるアミノ酸配列に対する1又は複数個のアミノ酸残基の置換、欠失及び/又は付加により修飾されたアミノ酸配列を有する蛋白質がその生物学的活性を維持することはすでに知られている(Mark, D. F. et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA (1984) 81, 5662-5666 、Zoller, M. J. & Smith, M. Nucleic Acids Research (1982) 10, 6487-6500 、Wang, A. et al., Science 224, 1431-1433 、 Dalbadie-McFarland, G. et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA (1982) 79, 6409-6413 )。
本発明の可溶性HM1.24抗原蛋白質は、由来する種、それらを産生する宿主及び/又は精製方法により、アミノ酸配列、分子量、等電点、糖鎖付加の有無や糖鎖付加の位置、糖鎖の構造、リン酸化状態及び/又はジスルフィド結合の有無が異なる。しかしながら、本発明に好適に使用し得る限り、いかなる構造を有する蛋白質であってよい。タンパク質が由来する種としてはヒトが好ましい。
本発明の可溶性HM1.24抗原蛋白質をコードするDNA としては、配列番号:5に示す塩基配列の塩基位置1 位の塩基アデニンから396 位の塩基グアニンからなる塩基配列が挙げられる。また、本発明の可溶性HM1.24抗原蛋白質をコードするDNA としては配列番号:5に示す塩基配列を有するDNA であれば、いかなる由来のDNA であってよい。このようなDNA として、例えばジェノミックDNA 、cDNA、合成DNA が挙げられる。これらは、種々の細胞、組織又は臓器あるいはヒト以外の種から得られたcDNAライブラリー、ジェノミックライブラリーから得られたDNA であってよいし、それらは市販のDNA ライブラリーであってもよい。これらライブラリーに用いられるベクターとしては、プラスミド、バクテリオファージ、YAC ベクター等いかなるものであってよい。
本発明の可溶性HM1.24抗原蛋白質をコードするDNA としてはまた、配列番号:5に示す塩基配列に対しハイブリダイズし、且つ可溶性HM1.24抗原蛋白質の生物学的活性を有するポリペプチドをコードするDNA であってもよい。可溶性HM1.24抗原蛋白質をコードするDNA がハイブリダイズする条件としては、適度なストリンジェンシー条件下においてハイブリダイズするDNA が挙げられる。
このようなハイブリダイズ条件としては、例えば低ストリンジェンシーな条件が挙げられる。低ストリンジェンシーな条件としては、例えば42℃、5×SSC 、0.1%ドデシル硫酸ナトリウム、50% ホルムアミドにより与えられる洗浄条件である。より好ましくは、高ストリンジェンシーな条件が挙げられる。高ストリンジェンシーな条件としては、例えば60℃、0.1 ×SSC 、0.1%ドデシル硫酸ナトリウムにより与えられる洗浄条件である。ある蛋白質をコードする塩基配列に対し、適度な条件でハイブリダイズするDNA がコードする蛋白質がその蛋白質と同じ生物学的活性を有することはすでに知られている。
従って、本発明の可溶性HM1.24抗原蛋白質は、上記の「ハイブリダイズするDNA 」によりコードされており、可溶性HM1.24抗原蛋白質の生物活性を有する蛋白質も包含する。
なお、細胞膜上に発現するヒトHM1.24抗原蛋白質のアミノ酸配列を配列番号:15又は23に示す。配列番号:15又は23のアミノ酸配列を有するヒト蛋白質をコードするDNA をpUC ベクターのXbaI切断部位間に保持するプラスミドpRS38-pUC19 を含有する大腸菌はEscherichia coli DH5α(pRS38-pUC19 )と命名され、平成5(1993) 年10月5日付けで独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター(茨城県つくば市東1 丁目1 番1 中央第6)に寄託番号FERM BP-4434として、ブダペスト条約に基づき国際寄託されている。
本発明の可溶性HM1.24抗原蛋白質はまた、可溶性HM1.24抗原蛋白質の生物学的活性を有する限り他のペプチド又はポリペプチドと融合した上記蛋白質であってよい。これら融合蛋白質を作製する方法は、すでに公知の手法を用いることができる。蛋白質との融合に付される他のペプチド又はポリペプチドとしては、本発明に有効に使用される限りいかなるペプチド又はポリペプチドであってよい。
例えば、ペプチドとしては、FLAG(Hopp, T. P. et al., BioTechnology (1988) 6, 1204-1210 )、6 個のHis (ヒスチジン)残基からなる6 ×His 、10×His 、インフルエンザ凝集素(HA)、ヒトc-myc の断片、VSV-GPの断片、p18HIVの断片、T7-tag、HSV-tag 、E-tag 、SV40T 抗原の断片、lck tag 、a-tubulin の断片、B-tag 、Protein C の断片等、すでに公知であるペプチドが使用される。
また例えば、ポリペプチドとしては、GST (グルタチオン・S ・トランスフェラーゼ)、HA、イムノグロブリン定常領域、b-ガラクトシダーゼ、MBP (マルトース結合蛋白質)等が挙げられる。これらは市販されているものを用いることができる。
本発明の蛋白タンパク質をコードするDNA は、以上に述べたDNA を市販のキットや公知の方法によって構築することができる。例えば、制限酵素による消化、リンカーの付加、開始コドン(ATG )及び/又は終始コドン(ATT 、TGA 又はTAG )の挿入等により構築することができる。
本発明の蛋白質の発現ベクターは、本発明に好適に使用される発現ベクターであればいかなる発現ベクターであってよい。発現ベクターとしては、哺乳動物由来の発現ベクター、例えばpEF 、pCDM8 、昆虫細胞由来の発現ベクター、例えばpBacPAK8、植物由来の発現ベクター、例えばpMH1、pMH2、動物ウィルス由来の発現ベクター、例えばpHSV、pMV 、酵母由来の発現ベクター、例えばpNV11 、枯草菌由来の発現ベクター、例えばpPL608、pKTH50、大腸菌由来の発現ベクター、例えばpGEX、pGEMEX、pMALp2が挙げられる。
本発明の蛋白質の発現ベクターには、例えば可溶性HM1.24抗原蛋白質をコードするDNA をプロモーターの下流に連結し、これを発現ベクターに導入することにより製造することができる。プロモーター/エンハンサーとしては、哺乳動物由来のプロモーター/エンハンサー、例えばEF1-αプロモーター/エンハンサー、γ−アクチンプロモーター/エンハンサー、昆虫ウィルス由来のプロモーター/エンハンサー、例えば多核体(ポリヘドリン)ウィルスプロモーター/エンハンサー、植物由来のプロモーター/エンハンサー、例えばタバコモザイクウィルスプロモーター/エンハンサー、動物ウィルス由来のプロモーター/エンハンサー、例えばSV40プロモーター/エンハンサー、ヒトCMV プロモーター/エンハンサー、酵母由来のプロモーター/エンハンサー、例えばアルコール脱水素酵素プロモーター/エンハンサー、大腸菌由来のプロモーター/エンハンサー、例えばLac プロモーター/エンハンサー、Trp プロモーター/エンハンサー、Tac プロモーター/エンハンサーが挙げられる。
本発明蛋白質の発現には、発現に用いられる宿主に適したシグナル配列を付加して使用してもよい。シグナル配列としては、例えば分泌蛋白質のシグナル配列が挙げられる。分泌蛋白質のシグナル配列としては、例えば哺乳動物由来分泌蛋白質のシグナル配列、例えばイムノグロブリンのシグナル配列が挙げられる。また分泌蛋白質のシグナル配列としては、大腸菌由来分泌蛋白質のシグナル配列、例えばOmpA等のペリプラズム分泌シグナル配列が挙げられる。
このように作製した発現ベクターは、公知の方法により宿主に導入することができる。宿主への導入の方法としては、例えばエレクトロポレーション、リン酸カルシウム法、リポソーム法が挙げられる。
本発明に使用される蛋白質は、上述のように遺伝子組換え技術を用いて産生させた組換え蛋白質として得ることができる。例えば、組換え蛋白質は、本明細書に記載された遺伝子の塩基配列をそれらを発現する細胞、組織、又は臓器からクローニングし、適当なベクターに組み込んで、これを宿主に導入し産生させる。本発明には、この組換え蛋白質を用いることができる。
具体的には、本発明に使用される蛋白質を発現する細胞、組織、又は臓器から、その遺伝子をコードするmRNAを単離する。mRNAの単離は、公知の方法、例えば、グアニジン超遠心法(Chirgwin, J. M. et al., Biochemistry (1979) 18, 5294-5299) 、AGPC法 (Chomczynski, P. and Sacchi, N., Anal. Biochem. (1987) 162, 156-159) 等により全RNA を調製し、mRNA Purification Kit (Pharmacia) 等を使用して全RNA からmRNAを精製する。また、QuickPrep mRNA Purification Kit (Pharmacia) を用いることによりmRNAを直接調製することもできる。
得られたmRNAから逆転写酵素を用いて遺伝子のcDNAを合成する。cDNAの合成は、 AMV Reverse Transcriptase First-strand cDNA Synthesis Kit (生化学工業)等を用いて行うこともできる。また、cDNAの合成及び増幅を行うにはMarathon cDNA Amplification kit(CLONTECH製) 及びポリメラーゼ連鎖反応 (polymerase chain reaction ; PCR )を用いた 5′-RACE 法(Frohman, M. A. et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. (1988) 85, 8998-9002 ; Belyavsky, A. et al., Nucleic Acids Res. (1989) 17, 2919-2932) を使用することができる。
得られたPCR 産物から目的とするDNA 断片を調製し、ベクターDNA と連結する。さらに、これより組換えベクターを作製し、大腸菌等に導入してコロニーを選択して所望の組換えベクターを調製する。目的とするDNA の塩基配列を公知の方法、例えば、ジデオキシヌクレオチドチェインターミネーション法により確認する。目的とするDNA が得られれば、これを発現ベクターへ組み込む。 より具体的には、前記のように構築したDNA は、下記のように発現させ、タンパク質を取得することができる。
哺乳類細胞を使用する場合、常用される有用なプロモーター/エンハンサー、発現される遺伝子、その3'側下流にポリA シグナルを機能的に結合させたDNA あるいはそれを含むベクターにより発現させることができる。例えばプロモーター/エンハンサーとしては、ヒトサイトメガロウィルス前期プロモーター/エンハンサー(human cytomegalovirus immediate early promoter/enhancer )を挙げることができる。
また、その他に蛋白質発現に使用できるプロモーター/エンハンサーとして、レトロウィルス、ポリオーマウィルス、アデノウィルス、シミアンウィルス40(SV 40 )等のウィルスプロモーター/エンハンサーやヒトエロンゲーションファクター1 α(HEF1α)の哺乳類細胞由来のプロモーター/エンハンサーを用いればよい。
例えば、SV 40 プロモーター/エンハンサーを使用する場合、Mulliganらの方法(Nature (1979) 277, 108)、また、HEF1αプロモーター/エンハンサーを使用する場合、Mizushima らの方法(Nucleic Acids Res. (1990) 18, 5322)に従えば容易に実施することができる。
大腸菌の場合、常用される有用なプロモーター、蛋白質分泌のためのシグナル配列、発現させる遺伝子を機能的に結合させて発現させることができる。例えばプロモーターとしては、lacZプロモーター、araBプロモーターを挙げることができる。lacZプロモーターを使用する場合、Wardらの方法(Nature (1098) 341, 544-546;FASEB J. (1992) 6, 2422-2427)、araBプロモーターを使用する場合、Betterらの方法(Science (1988) 240, 1041-1043 )に従えばよい。
蛋白質分泌のためのシグナル配列としては、大腸菌のペリプラズムに産生させる場合、pelBシグナル配列(Lei, S. P. et al J. Bacteriol. (1987) 169, 4379 )を使用すればよい。
複製起源としては、SV 40 、ポリオーマウィルス、アデノウィルス、ウシパピローマウィルス(BPV )等の由来のものを用いることができる。さらに、宿主細胞系で遺伝子コピー数増幅のため、発現ベクターは選択マーカーとして、アミノグリコシドホスホトランスフェラーゼ(APH )遺伝子、チミジンキナーゼ(TK)遺伝子、大腸菌キサンチングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(Ecogpt)遺伝子、ジヒドロ葉酸還元酵素(dhfr)遺伝子等を含むことができる。
本発明において、蛋白質の製造のために、任意の産生系を使用することができる。蛋白質製造のための産生系は、in vitro及びin vivo の産生系がある。in vitroの産生系としては、真核細胞を使用する産生系や原核細胞を使用する産生系が挙げられる。
真核細胞を使用する場合、動物細胞、植物細胞、真菌細胞を用いる産生系がある。動物細胞としては、(1) 哺乳類細胞、例えばCHO (J. Exp. Med. (1995) 108, 945)、COS 、ミエローマ、BHK (baby hamster kidney )、HeLa、Vero、(2) 両生類細胞、例えばアフリカツメガエル卵母細胞(Valle, et al., Nature (1981) 291, 358-340 )、あるいは(3) 昆虫細胞、例えばsf9 、sf21、Tn5 が知られている。CHO 細胞としては、特にDHFR遺伝子を欠損したCHO 細胞であるdhfr-CHO(Proc. Natl. Acad. Sci. USA (1980) 77, 4216-4220 )やCHO K-1 (Proc. Natl. Acad. Sci. USA (1968) 60, 1275)を好適に使用することができる。
植物細胞としては、ニコチアナ・タバクム(Nicotiana tabacum )由来の細胞が知られており、これをカルス培養すればよい。真菌細胞としては、酵母、例えばサッカロミセス(Saccharomyces )属、例えばサッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、糸状菌、例えばアスペルギウス属(Aspergillus )属、例えばアスペルギウス・ニガー(Aspergillus niger )が知られている。
原核細胞を使用する場合、細菌細胞を用いる産生系がある。細菌細胞としては、大腸菌(E. coli )、枯草菌が知られている。
これらの細胞を目的とするDNAにより形質転換し、形質転換された細胞をin vitroで培養することにより蛋白質が得られる。培養は、公知の方法に従い行う。例えば、培養液として、DMEM、MEM 、RPMI1640、IMDMを使用することができる。その際、牛胎児血清(FCS )等の血清補液を併用することもできるし、無血清培養してもよい。培養時のpHは約6〜8であるのが好ましい。培養は通常約30〜40℃で約15〜200時間行い、必要に応じて培地の交換、通気、撹拌を加える。
一方、in vivo の産生系としては、動物を使用する産生系や植物を使用する産生系が挙げられる。これらの動物又は植物に目的とするDNAを導入し、動物又は植物の体内で蛋白質を産生させ、回収する。
動物を使用する場合、哺乳類動物、昆虫を用いる産生系がある。
哺乳類動物としては、ヤギ、ブタ、ヒツジ、マウス、ウシを用いることができる(Vicki Glaser, SPECTRUM Biotechnology Applications, 1993 )。また、哺乳類動物を用いる場合、トランスジェニック動物を用いることができる。
例えば、目的とするDNA をヤギβカゼインのような乳汁中に固有に産生される蛋白質をコードする遺伝子の途中に挿入して融合遺伝子として調製する。このDNA が挿入された融合遺伝子を含むDNA 断片をヤギの胚へ注入し、この胚を雌のヤギへ導入する。胚を受容したヤギから生まれるトランスジェニックヤギ又はその子孫が産生する乳汁から蛋白質を得る。トランスジェニックヤギから産生される蛋白質を含む乳汁量を増加させるために、適宜ホルモンをトランスジェニックヤギに使用してもよい。(Ebert, K.M. et al., Bio/Technology (1994) 12, 699-702 )。
また、昆虫としては、例えばカイコを用いることができる。カイコを用いる場合、目的とするDNA を挿入したバキュロウィルスをカイコに感染させ、このカイコの体液より所望の蛋白質を得る(Susumu, M. et al., Nature (1985) 315, 592-594 )。
さらに植物を使用する場合、例えばタバコを用いることができる。タバコを用いる場合、目的とするDNA を植物発現用ベクター、例えばpMON 530に挿入し、このベクターをアグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens )のようなバクテリアに導入する。このバクテリアをタバコ、例えばニコチアナ・タバクム(Nicotiana tabacum )に感染させ、本タバコの葉より所望のタンパク質を得る(Julian, K.-C. Ma et al., Eur. J. Immunol. (1994) 24, 131-138)。
なお、宿主への発現ベクターの導入方法としては、公知の方法、例えばリン酸カルシウム法(Virology (1973) 52, 456-467 )やエレクトロポレーション法(EMBO J. (1982) 1, 841-845 )等が用いられる。また、発現に使用する宿主のコドン使用頻度を考慮して、より発現効率の高い配列を設計することができる(Grantham, R. et al., Nucleic Acids Research (1981) 9, r43-r74 )。
これらの動物又は植物に上記のように遺伝子を導入し、動物又は植物の体内で蛋白質を産生させ、回収する。前記のように発現、産生された蛋白質は、細胞内外、宿主から分離し均一にまで精製することができる。本発明で使用される蛋白質の分離、精製は通常のタンパク質で使用されている分離、精製方法を使用すればよく、何ら限定されるものではない。
例えば、アフィニティークロマトグラフィー等のクロマトグラフィーカラム、フィルター、限外濾過、塩析、透析、SDS ポリアクリルアミドゲル電気泳動、等電点電気泳動等を適宜選択、組み合わせれば、蛋白質を分離、精製することができる(新生化学実験講座1 (1990)東京化学同人)。
クロマトグラフィーとしては、例えばアフィニティークロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、疎水性クロマトグラフィー、ゲル濾過、逆相クロマトグラフィー、吸着クロマトグラフィー等が挙げられる(Strategies for Protein Purification and Characterization : A Laboratory Course Manual. Ed Daniel R. Marshak et al., Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1996) 。これらのクロマトグラフィーはHPLC、FPLC等の液相クロマトグラフィーを用いて行うことができる。
次に、実施例により本発明を具体的に説明する。
実施例1. HM1.24をパルスした樹状細胞によるT細胞の刺激の有効性
末梢血単球3×108個を含むロイコアフェレシス(Leucoapheresis)画分を10%FCSを含有するRPMI培地中で2時間培養して付着せしめ、非付着細胞を除去し、10%自己血清、GM-CSF及びIL-4を含むX-vivo20培地により培地交換し、これにより樹状細胞を生成せしめ、その一部をT細胞の調製のために凍結した。こうして調製した樹状細胞にHM1.24ペプチドを加えてパルスし、次に成熟剤であるCD40−リガンド300ng/mLと共にインキュベートして成熟させた。次に、樹状細胞を採取し、HBSS中で洗浄し、そして、5%自己血清を含有するX-vivo培地中に3×106/mLの濃度で再懸濁した。これを、25Gyで照射した。
他方、前記の凍結した細胞を解凍し、洗浄し、細胞をカウントし、そしてIL-7(10ng/mL)及びIL-12(10pg/mL)を含有する培地中に、3×106/mLの濃度で再懸濁し、ウエルあたり1mLをいれた。更に、培地の半分を交換することによりIL-7を再供給した。T細胞を採取し、カウントし、新たな培地に3×106/mLの濃度に再懸濁し、新たなサイトカインを含む新たな24ウエルプレートに入れた。
次に、このT細胞懸濁液に、前に調製した樹状細胞(HM1.24でパルスし、照射したもの)を加え、1週間の間隔で2回、T細胞を刺激した。この培養の最後の5日間にインターロイキン−2(IL-2)及びインターロイキン−15(IL-15)を添加した。
培養の最後にT細胞を採取し、そしてHM1.24を発現する刺激細胞(stimulator cells)(HM1.24が負荷され、そして照射された末梢血単核球(PBMC)、及び自己の腫瘍細胞又は形質細胞(PC))に応答するT細胞の能力について、ELISpotアッセイにより試験した。このELISpotアッセイにおいては、サイトカイン(IFN-γ)を分泌するT細胞(抗原特異的T細胞)の数を、ELISA法により測定した。T細胞はまた、負対照の刺激細胞として非負荷自己末梢血単核細胞に対する応答について試験された。サイトメガロウイルス(CMV)抗原pp65に対して生じた対照T細胞を負対照の応答細胞(Responder Cells)として用いた。
結果を、次の表1に示す。
Figure 2006508094
上の表から明らかな通り、HM1.24が負荷された標的によりチャレンジされた場合、前記のT細胞は高レベルのサイトカイン(IFN-γ)を産生し、このレベルは陰性対照に対するサイトカイン産生応答に比べて有意に高かった。対照抗原CMVの存在下でのサイトカインの産生は非常に低く、上記のT細胞はHM1.24に対して特異的であることが示された。重要なことには、上記のT細胞は、HM1.24を発現する自己の腫瘍細胞に強い反応を示した。表1に示した結果を、新鮮に単離された(生来の)T細胞(実施例1の第一パラグラフに記載した処理が施されていないT細胞)を用いて上記と同様な処理により得た結果と比較して図1に示す。
5人のMM患者においてELISpotアッセイにより試験される場合、HM1.24−特異的T細胞は、HM1.24負荷されたPBMC及び、自己由来の形質細胞に対して応答するが、しかし対照PBMCに対して応答せず、そして同種異系腫瘍細胞に対しては、単に最小に応答した。結果は図2に示される。
実施例2
本発明者は次に、それらのHM1.24特異的T細胞の細胞溶解能力を試験した。形質細胞標的物を、PKH26によりラベルし、エフェクターT細胞と共に37℃で3時間インキュベートし、そしてTOPRO−3−ヨウ化物を添加し、死亡細胞を染色した。次に生存/死亡標的%を、フローサイトメトリー法により定量化した。
ベースライン標的細胞死亡率は、4〜24%の範囲であり、そして中央値は9.8%であった。HM1.24に対して生じたT細胞は、自己由来の形質細胞に対する有力な細胞毒性活性を示したが(20:1のE:Tの比率、中央値63%の特異的殺細胞率、33〜79%の範囲、10:1のE:Tの比率、中央値55%、21〜75%の範囲、n=4)、しかし同種異系形質細胞に対しては示さなかった(中央値4%の殺細胞率、0〜9.7%の範囲)。
非タンパク質パルスされたDCとの共培養から生成された対照T細胞は、自己由来の形質細胞(中央値、13.7%の殺細胞率、11〜20%の範囲、n=3)又は同種異系の形質細胞(5.0%、11.1%の殺細胞率)のいずれかに対して最小の細胞毒性を示した。自己由来の形質細胞に対するCTL活性は、抗−クラスI mAbにより阻害されたが(中央値94%の阻害率、82〜100%の範囲)、しかし抗−クラスII mAbによっては阻害されなかった(0%の阻害率)。自己由来の形質細胞のCTL殺細胞はまた、コンカナマイシンAとT細胞との事前のインキュベーションによっても阻止されたが(87%、91%の阻害率)、しかしブレフェルジン(Brefeldin)とのプレ−インキュベーションによっては阻止されなかった(0%の阻害率)。
クラスI及びIIのブロッキングmAbは、100μg/mlで使用された。
抗−クラスI mAb:W6/32クローン、Serotec, Uk.
抗−クラスII mAb: B1.12クローン、Immunotech, France.
コンカナマイシンA(100nMで使用される):Sigma Aldrich, UK.
ブレフェルジンA(10μMで使用される):Sigma Aldrich, UK.
結果は、図3〜11に示される。図3は、フローサイトメトリー法に基づく細胞毒性アッセイを実施するための方法を示す。
図4及び5は、HM1.24に対して生成されたCTLの細胞毒性活性を示す。図4は、自己由来のPC及び同種異系PCに関するバックグラウンドの細胞死を示す。図5は、自己由来のPC及び同種異系PCに関して、HM1.24に対して生成される細胞障害性Tリンパ球(CTL)による特異的殺細胞を示す。
図6及び7は、対照CTLの細胞毒性活性を示す。図6は、自己由来のPC及び同種異系PCに関するバックグラウンドの細胞死を示す。図7は、自己由来のPC及び同種異系PCに関する対照CTLによる殺細胞を示す。
図8は、自己由来の形質細胞に対するCTLの細胞毒性活性が抗−クラスI抗体により阻止されることを示す。HM1.24CTLによる自己由来の形質細胞の殺細胞(10:1のE:Tの比率)は、抗−クラスI抗体との標的細胞のプレ−インキュベーションにより阻止されたが、しかしクラスIIに対する抗体によっては影響されなかった。抗−クラスI抗体の存在下でのバックグラウンド細胞死の率は13%であり、そして抗−クラスII抗体の存在下でのその細胞死の率は20%であった。
図9は、HM1.24負荷されたDCとの共培養及びそれによる再刺激により生成されたCTLの細胞毒性を示す。データは、二重測定の平均である。特異的殺細胞は、ベースライン細胞死の差し引きの後、計算される。MHC検討に関しては、抗−クラスI又はII mAbを、標的物と共に30分間プレ−インキュベートした。細胞毒性の形式を試験するための実験に関しては、CTLを、ブレフェルジンA又はコンカナマイシンAと共に2時間、プレ−インキュベートした。患者(段階IIのIgG骨髄腫)を、VAD化学療法後のPRにおけるPBPC収穫の時点で試験した。
図10は、HM1.24負荷されたDCとの共培養及びそれによる再刺激により生成されるT細胞に対するCTLアッセイを示す。データ及び方法は、図9について記載されるのと同じである。患者(段階III のL鎖骨髄腫)を、診断の時点で試験し、そしてDCを生成するために使用されるMNCは、化学療法の間に採取された。
図11は、標的特異性、エフェクター特異性、クラスI依存性、及びコンカナマイシンAによる遮断を示す患者03に対するCTLアッセイを示す。使用される方法は、図9について記載されるのと同じである。対照T細胞は、非タンパク質負荷されたDCとの同時培養から収穫されたT細胞であり、そして負の対照CTLとしての機能を果たす。示されるすべての他の結果は、HM1.24特異的T細胞の細胞毒性を意味する。データは、図9及び10についての通りである。患者は、化学療法耐性の段階III のIgG骨髄腫を有する。細胞は、高用量メルファランの前に得られた。
実施例3
最終的に、HM1.24特異的CTLによる自己由来の形質細胞の溶解は、拮抗“コールド(cold)”標的物の存在下で阻止され、この標的物は、HM1.24をコードするcDNAによりトランスフェクトされた自己由来のDCであった(“コールド”標的物が3:1の比で存在する場合、43.8%の阻害率であり、10:1の比での場合、93.4%の阻害率であった)。操作されていないDCが細胞毒性アッセイに存在する場合、形質細胞の溶解の阻止は観察されなかった。HM1.24感作されたT細胞は、66±8%のCD3+CD8+T細胞を含み、そして残りはCD3+CD4+細胞であった。
HM1.24を含むプラスミドDNAによるDCのトランスフェクション
プラスミドDNAを、Megaprepを用いて単離し、そして分光光度法により定量した。トランスフェクション混合物を、FuGENE6トランスフェクション試薬(Roche Diagnostics Corporation, USA)及びプラスミドDNAと共に無血清培地(X−vivo 10, Life Technologies, OK)を用いて調製した。FuGENE試薬は、100μlの合計体積で2μgのDNAに対して6μlで使用され、そして混合物は、無血清培地におけるDCへの添加の前、室温で2時間まで、静置された。6時間のインキュベーションの後、血清及び新鮮なサイトカインをDC培養物に添加した。DCを、トランスフェクションの48時間後、HM1.24の発現について分析した。
Ohtomo T. Biochem Biophys Res Commun. 1999 May 19; 258 (3) : 383-91。複数の骨髄腫細胞上に選択的に過剰発現される表面抗原の分子クローニング及び特徴づけ。
結果は、図12〜14に示される。図12は、HM1.24プラスミドによりトランスフェクトされた自己由来DCが高レベルのHM1.24抗原を発現することを示す。無血清の条件下でFugeneにより4日目にトランスフェクトされた自己由来DCを、自己由来の形質細胞と共に10:1の比でCTLアッセイにおいて6日目で使用した。
図13は、エフェクター特異性、標的特異性及びHM1.24特異性を示す患者04に対するCTLアッセイを示す。方法は、図9〜12についての通りである。最後の3種のバーは、HM1.24をコードするcDNAによりトランスフェクトされた自己由来DC(HM1.24-DC)が“コールド”競争体細胞としてCTLアッセイにおいてインキュベートされる実験を意味する。標的PCに対する“コールド”拮抗体の比が示されている。対照DCは、操作されていない自己由来DCである。患者は、IgG及びIgA分泌性骨髄腫及びアミロイドーシスを有し;患者は化学療法耐性であり、AVD化学療法に失敗した後に試験された。
図14は、MHCクラスI依存性及びHM1.24特異性を示す患者05に対するCTLアッセイを示す。方法は、図9〜13についての通りである。“コールド”拮抗細胞は、自己由来のPCに関して10:1の比で存在した。患者(段階III IgG骨髄腫)は、診断で試験された。T細胞は処理の前に得られ、再刺激についてDCは、メルファラン治療コースの間に得られた。
参考例1可溶性ヒトHM1.24抗原用発現プラスミドの構築
EcoRI (宝酒造社製)およびNotI(宝酒造社製)で消化することにより調製したEF1 αプロモーターを含むHEF 発現ベクター(国際特許出願公開番号WO92-19759)と、Igリーダー配列とHAタグをコードする遺伝子ペア(Amersham Pharmacia社製) を、50 mmol/L Tris-HCl、pH7.6 、10 mM MgCl2 、10 mmol/L ジチオスレイトール、1 mmol/L ATP、50 mg/mLのポリエチレングリコールおよび10ユニットT4 DNAリガーゼ(TOYOBO社製) を含有する反応混合物中で、16℃にて3時間反応させ連結した。
挿入したIgリーダー配列とHAタグをコードする遺伝子として、EcoRI 、KpnI(宝酒造社製)およびNotI制限酵素認識部位をリンカーとして接続した配列番号1及び2に示す合成遺伝子ペアを用いた。次に連結反応混合物を大腸菌 DH5αのコンピテント細胞(GIBCO-BRL 社製)に加え、これを氷上で30分間、42℃にて1分間、そして再び氷上で1分間静置した。
次いで、400 μL のSOC 培地(Molecular Cloning : A Laboratory Manual, Sambrook ら、Cold Spring Harbor Laboratory Press,(1989))を加え、37℃にて1時間インキュベーションした後、 50 μg/mLのアンピシリンを含有するLB寒天培地(Molecular Cloning : A Laboratory Manual, Sambrook ら、Cold Spring Harbor Laboratory Press,(1989))上にこの大腸菌を播き、37℃にて一夜インキュベートして大腸菌形質転換体を得た。
この大腸菌形質転換体を 50 μg/mLのアンピシリンを含有するLB培地中で37℃にて一夜培養し、この培養物から、アルカリ法(Molecular Cloning : A Laboratory Manual, Sambrook ら、Cold Spring Harbor Laboratory Press,(1989))に従ってプラスミドDNA を調製した。
一方、HM1.24抗原の細胞外領域の遺伝子はThermal Cycler(Perkin Elmer Cetus社製)を用いたPCR 法により増幅した。HM1.24抗原のcDNA (配列番号15)を鋳型として、100 pmolの配列番号3及び4に示したプライマー、10 mmol/L Tris-HCl、pH8.3 、50 mmol/L KCl 、0.1 mmol/L dNTPs (dATP, dGTP, dCTP, dTTP)、1.5 mmol/L MgCl2および5ユニットのDNA ポリメラーゼAmpli Taq (Perkin Elmer Cetus社製)を含有する混合物を最初に94℃にて最初の変性の後、94℃にて1分間、55℃にて1分間、72℃にて1分間のサイクルを30回行い、最後に72℃にて10分間インキュベーションした。
このPCR 産物をHM1.24抗原の細胞外領域(配列番号5)の遺伝子として、KpnIおよびBamHI 消化した上記プラスミドDNA と50 mmol/L Tris-HCl、pH7.6 、10 mmol/L MgCl2 、10 mM ジチオスレイトールおよび1ユニットT4 DNAリガーゼ(TOYOBO社製) を含有する反応混合物中で、16℃にて3時間反応させ連結した。上記同様に、連結反応混合物を大腸菌 DH5αのコンピテント細胞に加え、大腸菌形質転換体を得、これよりプラスミドDNA を調製した。このプラスミドDNA をHAタグ付加可溶性抗原発現プラスミド、psHMとした。
また、配列番号3及び6に示したプライマーを用い、同様にしてC端も削除したHM1.24抗原の細胞外領域(配列番号7)を発現するプラスミド、psHM164 を作製した。
塩基配列決定
psHM及びpsHM164 の塩基配列決定は自動DNA シークエンサー(Applied Biosystem Inc.社製)およびTaq Dye terminator Cycle Sequencing kit (Applied Biosystem Inc.社製)を用いて、メーカー指定のプロトコールに従って行った。配列番号8及び9に示したプライマー(サワディーテクノロジー社製)を用いた。その結果、可溶性抗原にHAタグペプチドをつないだ融合タンパク(配列番号10及び11)が発現する構造になっていることを確認した。
参考例2. 可溶性ヒトHM1.24抗原高発現細胞の樹立
(1)CHO 細胞へのトランスフェクション
HAタグ付加可溶性HM1.24抗原安定産生系を樹立するために、PvuI (GIBCO-BRL 社製) で消化して得た直鎖状にした前記発現ベクター (psHM及びpsHM164)をエレクトロポレーション法によりCHO 細胞DXB11 株 (Medical Research Council collaboration Center より供与) に遺伝子導入した。ベクター1μg をPBS (-) 中 1.1×107 細胞/mL の 0.8 mL アリコートに加え、Gene Pulser 装置 (Bio-Rad 社製) を用いて1.5 kV、 25 μF の容量にてパルスを与えた。
室温にて10分間の回復期間の後、エレクトロポレーションされた細胞を、100 mLの10% FCS (GIBCO-BRL社製) 、1% ペニシリン−ストレプトマイシン(GIBCO-BRL 社製) 含有α-MEM (ヌクレオシド不含有) 選択培地 (GIBCO-BRL 社製) に懸濁し、100 μL/ウェル (1×104 細胞/ ウェル)で平底96穴プレート (FALCON社製) に播種した。37℃、5% CO2 インキュベーターにて一晩培養した後、選択培地を更に100 μL/ウェル加え、セレクションを行った。14日目にサンドイッチELISA (細胞株の選択の項参照)によるアッセイを行い、HA-sHM又はHA-sHM164 を高発現する24クローンを選択し、24ウェルプレートにて拡大培養 (1mL/ ウェル)した。これら核酸不含培地で選択したクローンは安定増殖を確認した後、更にアッセイを行い、それぞれ10クローンずつに絞った。
(2)細胞株の選択
後記の可溶性ヒトHM1.24のELISA は次のようにして行った。高産生の株を選択するために可溶性抗原の産生量を抗HA抗体 (Boehringer Mannheim 社製) とヒト型化抗HM1.24抗体 (小野浩一郎ら 第20回日本分子生物学会年会 一般演題 3-501-P-478) によるサンドイッチELISA で比較し、細胞株の選択を行った。精製抗原を得ていないため抗原濃度は分からないので、濃度の比較はELISA を行った際の細胞数を考慮した。
尚、本実施例では、再構成ヒト抗HM1.24抗体(ヒト型化抗HM1.24抗体)としてWO98/14580に記載の軽鎖バージョンaと重鎖バージョンsを用いた。軽鎖バージョンaを含むプラスミドを有する大腸菌は、Escherichia coli DH5 α(pUC19-RVLa-AHM-gK)として、工業技術院生命工学工業技術研究所に、平成8年(1997年)8月29日に、FERM BP-5645としてブダペスト条約に基づき国際寄託されている。また、ヒト型化抗HM1.24抗体の重鎖バージョンsを含むプラスミドを有する大腸菌は、Escherichia coli DH5 α(pUC19-RVHs-AHM-gγ1)として、工業技術院生命工学工業技術研究所に、平成9年(1997年)9月29日に、FERM BP-6127としてブダペスト条約に基づき国際寄託されている。
抗HA抗体 (Boehringer Mannheim 社製) をCoating Buffer (C.B.: 0.1 mol/L 重炭酸ナトリウム緩衝液、pH 9.6、0.02% ナトリウムアジド) にて1μg/mLに調製したものを、100 μL/wellで平底96穴プレート (Nunc社製) に添加し、4℃で一晩コーティングした。
プレート洗浄器を用いて、300 μL/ウェルの0.05% Tween 20を含むPBS (-) にて3回洗浄した抗HA抗体コーティングプレートに200 μL/ウェルで希釈緩衝液 (50 mmol/L Tris-HCl、pH 8.1、1mmol/L MgCl2、0.15 mol/L NaCl 、0.05% Tween 20、0.02% ナトリウムアジド、1% BSA) を加え、室温で2時間ブロッキングを行った。希釈緩衝液を捨てた後、CHO 細胞による培養上清をそのまま又は適宜希釈緩衝液で希釈したものを100 μL/ウェル加え、室温で2時間反応させた。
陽性対照としてCGM/sHM (尾嵜恭子ら 60回日本血液学会 一般演題 690) を用いた。次に、同様に洗浄したプレートにヒト型化抗HM1.24抗体 (小野浩一郎ら 第20回日本分子生物学会年会 一般演題 3-501-P-478) を1μg/mLに希釈緩衝液で調製したものを100 μL/ウェル加えて室温で1時間反応させた。同様に洗浄後、アルカリフォスファターゼ標識ヒツジ抗ヒトIgG 抗体 (BIOSOURCE 社製) を希釈緩衝液で5000倍希釈したものを100 μL/ウェルずつ加え、室温で1時間反応させた。
最後に、5回洗浄し、SIGMA104 (p-ニトロフェニルホスフェート二ナトリウム塩六水和物:SIGMA 社製) を基質緩衝液 (S.B.: 0.05 mol/L重炭酸ナトリウム緩衝液、pH 9.8、10 mmol/L MgCl2)で1mg/mL にしたものを100 μL/ウェルずつ加えて発色させ、MICROPLATE READER (BIO-RAD社製) で405 nm-655 nm の吸光度を測定した。
A.10nmol/L MTXによる遺伝子増幅
それぞれHAタグを付加した、HM1.24抗原の膜貫通領域を欠損した可溶性HM1.24抗原 (sHM)及びsHM のC末端を欠損したsHM164の発現ベクターを導入したDXB11 細胞で、各10株ずつ (sHM 産生株:1-1, 8-2, 9-3, 11-4, 14-5, -16, -17, -22, -23, -24, sHM164産生株:164-1, -2, -3, -5, -6, -7, -8, -10, -13, -16) について、25 cm2フラスコにて10 nmol/L メトトレキセート (Methotrexate) (MTX) 含有培地 (α-MEM (GIBCO-BRL 社製) 、10% FCS (GIBCO-BRL社製、1% ペニシリン−ストレプトマイシン(GIBCO-BRL 社製) 、100 nmol/L MTX (SIGMA 社製) )で培養した。
8日後、培養上清(3日培養)中の抗原産生量をELISA で測定した。発現量が高く、かつ細胞が十分に増えていたsHM 産生株である11-4並びにsHM164産生株である164-2 及び164-13について100 nmol/L MTXによる遺伝子増幅を行った (後基B.項参照)。残りの株は十分に10 nmol/L MTX に適応していなかったため、さらに10 nmol/L MTX 培地で培養を続けた。
11日後、培養上清 (3日培養) 中の抗原産生量をELISA で測定し、発現量の高かったsHM 産生株8-2, 9-3, 14-16 及び14-24 並びにsHM164産生株164-1, 164-5及び164-8 についても100 nmol/L MTXによる遺伝子増幅を行った (後基B.項参照)。この時点で最も産生量の高かった164-13はCGM/sHM (尾嵜恭子ら 第60回日本血液学会 一般演題 690) の約10倍の抗原産生量を示した。
B.100 nmol/L MTXによる遺伝子増幅
sHM 産生株及びsHM164産生株について、10 nmol/L MTX 培地で抗原産生量の高かった各5株ずつ(sHM 産生株8-2, 9-3, 11-4, 14-16 及び14-24 並びにsHM164産生株164-1, 164-2, 164-5, 164-8及び164-13) について、100 nmol/L MTXによる遺伝子増幅を行った。
10 nmol/L MTX 培地に適応したものから順に細胞数に応じて1/15, 1/10又は1/5量を25 cm2フラスコに継代した。10 nmol/L MTX 培地で1日培養後、100 nmol/L MTX培地 (α-MEM (GIBCO-BRL 社製) 、10% FCS (GIBCO-BRL社製) 、1% ペニシリン−ストレプトマイシン(GIBCO-BRL 社製) 、100 nmol/L MTX (SIGMA 社製) ) に交換し、以降100 nmol/L MTX培地で培養を行った。sHM 産生株11-4、並びにsHM164産生株164-2 及び164-13は19日後、sHM 産生株8-2, 9-3, 14-16 及び14-24 並びにsHM164産生株164-1, 164-5及び164-8 は8日後、培養上清(2日培養)中の抗原産生量をELISA で測定した。
さらに産生量の高い、あるいは高くなる可能性のあるsHM 産生株8-2 、並びにsHM164産生株164-2 及び164-13について100 nmol/L MTX培地で培養を続け、15日後、培養上清 (3日培養)中の抗原産生量を再度ELISA で測定した。当初、最も産生量の高かった164-2 株はCGM/sHM (尾嵜恭子ら 第60回日本血液学会 一般演題 690) の5倍以上の抗原産生量を示した。しかし、継代を重ねると最も産生量の高かった164-2 株はCGM/sHM より若干劣る抗原産生量を示し、産生量が下がる傾向が見られた。これより、限界希釈法によりシングルクローン化を行うこととした。
C.限界希釈法によるシングルクローン化
sHM 産生株8-2 並びにsHM164産生株164-2 及び164-13について、限界希釈法によるシングルクローン化を行った。
8-2, 164-2及び164-13をそれぞれ100 nmol/L MTX培地で1.7 細胞/mL に調製し、96ウェルプレート各3枚に150 μL/ウェル (0.25細胞/ ウェル)分注した。13日培養後、コロニーの形成が見られたウェル (8-2 : 13ウェル、164-2 : 36ウェル、164-13 : 23 ウェル) の培養上清 (4日培養)中の抗原産生量をELISA で測定した。
産生量の高かったウェル (8-2 : 6ウェル、164-2 : 15ウェル、164-13 :9ウェル)から細胞を24ウェルプレートへ継代した。継代用と測定用の2枚のプレートを用意し、測定用のプレートはコンフルエントになった時点で培地交換し、3日培養し、培養上清中の抗原産生量をELISA で測定した。
96ウェル由来164-2 から、最終的にCGM/sHM (尾嵜恭子ら 第60回日本血液学会 一般演題 690) で作製したものの約100 倍程度の産生量を示す4株(164-2-1, 164-2-13, 164-2-17 及び164-2-31) が得られた。
D.ウエスタンブロット
164-2-1, 164-2-13, 164-2-17 及び164-2-31の細胞株を25 cm2フラスコ/ 5mL培地で1日、3日、及び5日培養した培養上清についてウエスタンブロットを行った。
培養上清5μL をPBS (-) で総量 10 μL に調製し、それぞれにSDS-サンプル緩衝液 (還元TEFCO 社製) ) を等量加えた。これらを100 ℃で5分加熱した後、SDS-PAGE (18 mA 、1.5 時間) を行った。但し、ゲルは分離ゲル12.5% とスタックゲル4.5%のミニスラブをLaemi の方法 (Current Protocols in Molecular Biology 10.2.6-10.2.6) に従って作製した。泳動後、ゲルをPVDFメンブレン (ミリポア社製) ) にトランスブロット (10 V、30分) した。そのメンブレンを5% FBS を含むTris緩衝液 (TBS (宝酒造社製) ) 中で25℃にて1時間振とうして、ブロッキングを行った。
0.05% Tween 20を含むTBS (TBS-T) でゆすいだ後、 50 μg/mLマウス抗HM1.24抗体 (Blood (1994) 84, 1922-1930) を加え、25℃で振とうしながら1時間反応させた。TBS-T を加えて室温で振とうしながら10分間隔で6回緩衝液を交換して、メンブレンを洗浄した。続いて、アルカリフォスファターゼ標識ヤギ抗マウスIgG 抗体 (Zymed 社製) ) をTBS-T にて2000倍希釈したものを二次抗体として同様に25℃で振とうしながら30分間反応させた。
反応後、TBS-T を加えて25℃で10分間の振とうを6回繰り返してメンブレンを洗浄した。このメンブレンをBCIP/NBT発色基質 (Promega 社製) ) を用いて 33 μL のニトロブルーテトラゾリウム (NBT)と 16.5 μL の5-ブロモ-4- クロロ-3- インドリル- ホスフェート (BCIP) を含むウエスタン検出緩衝液 (0.1 mol/L NaCl、5mmol/L MgCl2を含む0.1 mol/L Tris-HCl緩衝液、pH 9.5) に膜を浸して発色させた。
バックグラウンドが上がらない程度にdevelop させた後、蒸留水で洗浄しHM1.24抗原を検出した。得られた4クローン(164-2-1, 164-2-13, 164-2-17 及び164-2-31) とも還元状態で、糖鎖修飾によるヘテロジェネティーと考えられる23-28 kDa のブロードなバンドとして可溶性抗原が検出された。但し、18 kDa、14 kDa付近にHM抗原タンパク質由来のヘテロバンドを認めたため、クロマトを行って、これを除いたものを可溶性抗原とすることとした。
参考例3可溶性ヒトHM1.24抗原の精製
可溶性ヒトHM1.24抗原発現CHO 細胞培養上清より、可溶性ヒトHM1.24抗原を精製した。可溶性ヒトHM1.24抗原発現CHO 細胞を培養液 [10% FBS (MOREGATE 社製) 、1% ペニシリン−ストレプトマイシン(GIBCO-BRL 社製) 、500 nmol/L MTX (Sigma 社製) を含むαMEM 培地 (GIBCO-BRL 社製) ] 中で、37℃、5% CO2 存在下で培養した。培養上清約2 Lを遠心により、回収した。
ヒト型化抗HM1.24抗体コンジュゲートアフィニティーカラム (約300 mgのヒト型化抗HM1.24抗体をコンジュゲートしたCNBr- 活性化セファロース 4FF) に、培養上清をアプライし、PBS (10XPBSを10倍希釈したもの:ナカライ)で洗った後、0.2 mol/L Glycine バッファー (pH 2.48)で溶出した。この画分を、VyDAC C4カラムを用いた逆相クロマトグラフィーにて、アセトニトリルの濃度勾配で溶出し、祖精製品を得た。
さらに、祖精製品を、同様の逆相クロマトグラフィーで、2回のリクロマトグラフィーを行うことによって精製した。この精製品を、PBS で5倍希釈し、Fast Desalting HR10/10カラムを用いて、PBS にバッファー置換を行った。280 nmの吸収から、得られた可溶性ヒトHM1.24抗原の濃度は約0.382 mg/mL と試算され、合計42 mL の精製品が得られた。精製度は、逆相クロマトグラフィーのピーク面積比から、95% 以上の純度であった。
発明の効果
上記のデータが示すところによれば、多発性骨髄腫患者からのT細胞は、HM1.24を発現する樹状細胞と共に同時インキュベートされた場合、HM1.24を発現する標的細胞に対して抗原特異的態様で応答し、サイトカイン産生及び細胞傷害性応答を惹起する。従って、HM1.24蛋白質又はペプチドは、樹状細胞を基礎とする系において免疫原性であり、そしてT細胞介在応答を誘導することが出来、この応答は抗原特異的であり、そして腫瘍細胞に対して向けられる。
従って、HM1.24蛋白質又はペプチドをパルスした、あるいはHM1.24をコードする遺伝子を導入した樹状細胞、HM1.24蛋白質又はペプチド自体、更にはHM1.24蛋白質又はペプチドをコードするDNA又はRNAは、癌ワクチンとして有用であると期待される。
図1は、HM1.24が負荷された(loaded)末梢血単核細胞(標的細胞)、自己の腫瘍細胞又はその他の対照細胞の存在下で、HM1.24をパルスした樹状細胞により刺激されたT細胞又は未刺激のナイーブなT細胞がインキュベートされた場合に、それらのT細胞により産生されるインターフェロン−γの量を示すグラフである。 図2は、ELISpotアッセイにおける5人の患者からのT細胞によるインターフェロン−γ生成の累積結果を示すグラフである。それらのT細胞は、HM1.24タンパク質によりパルスされた樹状細胞により刺激された。 図3は、フローサイトメトリーに基づく細胞毒性アッセイを実施するための方法を示す。 図4は、HM1.24に対して生成されたCTLの細胞毒性活性を示す。それは、自己由来の腫瘍細胞、又は形質細胞(PC)及び同種異系PCのバックグラウンドの細胞死を示す。 図5は、HM1.24に対して生成されたCTLの細胞毒性活性を示す。それは、自己由来PCに関する、HM1.24に対して生成された細胞障害性Tリンパ球(CTL)による特異的殺細胞性を同種異系PCに比較して示す。 図6は、対照CTLの細胞毒性活性を示す。それは、自己由来PC及び同種異系PCのバックグラウンドの細胞死を示す。 図7は、対照CTLの細胞毒性活性を示す。それは、自己由来PC及び同種異系PCの対照CTLによる殺細胞を示す。 図8は、HM1.24に対して生成されたCTLの自己由来の形質細胞に対する細胞毒性活性が抗−クラスI抗体により阻止されることを示す。 図9は、HM1.24負荷されたDCと共に共培養及び再刺激により生成されたCTLの細胞毒性を示す。 図10は、HM1.24負荷されたDCと共に共培養及び再刺激により生成されたT細胞に対するCTLアッセイを示す。 図11は、標的特性、エフェクター特異性、クラスI依存性、及びコンカナマイシンAによる遮断を示す患者03に対してのCTLアッセイを示す。 図12は、FACSアッセイにより検出されるように、HM1.24プラスミドによりトランスフェクトされた自己由来DCが、HM1.24タンパク質を発現することを示す。 図13は、エフェクター特異性、標的特異性を示す患者04に対してのCTLアッセイを示し、そして自己由来PCの殺細胞が、“コールド”拮抗体として作用するHM1.24−発現性自己由来DCの存在により阻止されることを示す。 図14は、MHCクラスI依存性、標的特異性及びHM1.24特性を示す患者05に対するCTLアッセイを示す。

Claims (12)

  1. HM1.24によりパルスされた抗原特異的樹状細胞を有効成分とする癌ワクチン。
  2. 前記HM1.24がHM1.24蛋白質又はHM1.24ペプチドである、請求項1に記載の癌ワクチン。
  3. 前記HM1.24ペプチドが可溶性HM1.24ペプチドである、請求項2に記載の癌ワクチン。
  4. HM1.24をコードする遺伝子が導入された抗原特異的樹状細胞を有効成分とする癌ワクチン。
  5. 前記遺伝子がDNA又はRNAである、請求項4に記載の癌ワクチン。
  6. 前記DNAがcDNAである、請求項5に記載の癌ワクチン。
  7. HM1.24蛋白質又はHM1.24ペプチドを有効成分とする癌ワクチン。
  8. 前記HM1.24ペプチドが可溶性HM1.24ペプチドである、請求項7に記載の癌ワクチン。
  9. HM1.24をコードする遺伝子を有効成分とする癌ワクチン。
  10. 前記遺伝子がDNA又はRNAである、請求項9に記載の癌ワクチン。
  11. 前記DNAがcDNAである、請求項10に記載の癌ワクチン。
  12. 前記癌がHM1.24を発現する器官や組織の癌である、請求項1〜11のいずれか1項に記載の癌ワクチン。
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