JP2006506382A - アラビアガム含有カプセルおよびフィルム形成組成物 - Google Patents

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Abstract

アラビアガムが60-95重量%、および残りが水溶性ポリマー、親水コロイドおよび可塑剤を含む組成である経口輸送カプセル。アラビアガムの比率は、好ましくは、すべてのフィルム形成成分の乾燥重量で70-90%である。水溶性ポリマーは、好ましくは、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースまたはアルギン酸エステルである。親水コロイドは、好ましくは、カラギーナン、寒天ガム、ガラクトマンナンまたはこれらの混合物である。該カプセルは充填物として薬物または調合剤を含んでもよく、また十分な機械的強度を有し脆弱性は低い。溶液中にアラビアガムが存在することで他のフィルム形成高分子の溶解度が上昇する。

Description

本発明は医学的、薬学的その他の充填剤を含む経口輸送のためのカプセルに関する。同時に、本発明はそのようなカプセル製造に用いられる組成物に関する。
ソフトカプセルは、乳化物または油状溶液の形態で食品および医薬品産業においてビタミン類、薬物、化粧品、塗料、顔料その他の物質のカプセル化のために広く使用されている。便利なカプセル化形態におけるソフトカプセルの適用は製品の消費増大によってさらに増大した。
ハードカプセルは一般に医薬領域で薬物の容器として使用され、消化器系へ投与しても有効な輸送を可能とする。殻の形成は典型的には成型ピンを必要な成分を含有するゼラチン水溶液中に沈め、該溶液を加温して行われる。薬物の経口輸送に用いられるハードカプセルは水系の溶媒中で溶解する必要がある。また、必要な時間の後、腸管液のもとで崩壊することも求められる。
一般にゼラチンはソフトカプセルおよびハードカプセルのいずれを調製する場合にも用いられる。ゼラチンは、ブタやウシの副産物である、骨、皮、白色結合組織等から得られ、好ましい力学的性質および加工的性質を有している。医薬の領域でゼラチンカプセルが幅広く用いられているにもかかわらず、民族的または宗教上の理由からこれを摂取できない人々が多くいる。加えて、最近見出された狂牛病(BSE)のウシからヒトへの異種間感染はゼラチンカプセルの使用に負の衝撃を与えた。
ゼラチン系カプセルの代替品として、種々の水溶性合成ポリマーからなり強度の高い柔軟なフィルムを形成する医薬用のカプセルが製造された。例えば、国際公開公報WO97/3553には軟殻カプセルの製造におけるポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、およびポリカプロラクトンの使用を開示する。これは、二つのフィルムを弾性的に所望の形状に変形し、続いてこれを充填して、充填物周辺にフィルムをシールすることにより達成される。しかしながら、この方法はカプセル化の前に適切な溶媒でフィルムを溶媒和させ、該表面がフィルム物質に接着して密閉するように物質表面に部分的な溶媒和を引き起こす必要がある。
国際公開WO 00/27367Alは、ソフトカプセル殻を調製するためのフィルム形成剤としての水溶性セルロース誘導体の使用を開示する。そのような物質のひとつにヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)がある。この場合、カプセルは一般に幅が18-200μmであって、一方の側面をカラギーナン、アラビアガム、またはソイビーンタンパク質のような天然ガムで積層形成される。二つの層の中間に粘着層が形成される。しかしながら、これらカプセルは脆弱でフィルムは元の透明性を失う。これは低分子量HPMCを使用したためである。
国際公開WO 98/27151A1は、親水コロイドと架橋剤を組み合わせた水溶性セルロースエーテルを用いて製造されるソフトカプセルを記載する。メチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、およびヒドロキシエチルメチルセルロースのようなアルキルまたはヒドロキシアルキルペンダントを有するセルロースエーテルが使用できる。好ましいセルロースエーテルはHPMCであり、ソフトカプセル用の組成物基剤(最大95%)として推薦され、2%溶液として使用される。その他の成分としては親水コロイド、可塑剤、金属イオン捕捉剤が含まれる。しかしながら、HPMCのフィルム形成物質としての使用は、その水溶性の低さにより制限を受ける;フィルム製造工程において大量の水が必要となるのである。
本発明に最も近い米国特許6,214,376Blは、経口輸送のためのソフトおよびハードカプセルをそのカプセル自体の組成物とともに開示する。その米国特許6,214,376Blに従い、可塑剤、κ-カラギーナン、および少なくとも一つの熱非可逆性ガムを含む組成物の水溶液は、加水分解デンプン、デキストリン、タンパク質、ポリビニルピロリドンおよびアラビアガムよりなる群から選択される。この追加的物質は組成物中0%から25%またはそれより多く存在してもよい。
同時に、カラギーナンは上記組成物中のすべてのフィルム形成物質の少なくとも50重量%を含む。従って、カラギーナンは組成物中のすべてのガムの75重量%または50重量%存在し得る。しかしながら、カラギーナンは、他の親水コロイドと同様、高濃度溶液を形成することができず、この技術もあまり使用されない。
ゼラチンを含まないハードカプセルを調製するため、化学修飾した天然物質が使用できる。水溶性セルロースエーテルまたは酢酸ポリビニルを含むセルロースエーテルが提案されている。適切なサイズのピンを水溶液中に沈め、続いてこれを乾燥させて、成型が完成される。しかしながら、これら物質の使用はカプセルのピンからのスリッピングを引き起こし、表面に皺を生じる。セルロースエーテルから製造されるカプセルの別の欠点は、ピンからの取り出しの際ひび割れを生じる傾向があることである。加工のためにはさらにピンを加熱する必要があり標準的な装置の利用は不可である。
ゼラチンを含まない上記の種々の慣用的カプセルはまた、有害な化学試薬で汚染されているかも知れない。医薬や食品産業上で使用される場合は特に好ましくない。
アラビアガムは天然アカシアの木(Acacia Senegal)より分泌される。脆弱で固い固体状の物質で、琥珀色で一部透明な種々のサイズおよび形状の小片の混合物である。アラビアガムは、分子量が最大で9,0x105g/molであり、カルボキシ基13%、窒素0.3%、および無機塩4%を含む多糖化学構造である。
多糖分画の化学構造は複雑でガラクトース、アラビノース、ラムノースおよびグルクロン酸をそれぞれ45-46%、23-24%、13-14%および14-16%、その比は3/2/1/1である。他の天然ガムに比してこの物質は比較的安価であり、タンニンを含まない。研究によれば、水溶液からアラビアガムを成型すると機械的強度が低く、極度に脆弱なフィルムしか得られないので、この物質はカプセル製造の主たる成分としては使用されなかった。
発明の要約
本発明は、溶液中にアラビアガムを存在させると他のフィルム形成ポリマーの溶解度が増大するという驚くべき発見に基づく。こうして、アラビアガムとその他のフィルム形成ポリマーの溶液が、機械的強度が強く柔軟性が改善されたソフトおよびハードカプセルの製造に使用できることが発見された。
本発明の主たる観点によれば、カプセルは60−95重量%のアラビアガムを含み、その他残りの部分は水溶性ポリマー、親水コロイド、および可塑剤を含む。アラビアガムの比率は70-90重量%が好ましい。これらカプセルは薬剤または調合剤をその充填物として含むことができる。
水溶性ポリマーとしては、アルギン酸エステル、セルロースエーテル(例えば、アルキル-および/またはヒドロキシアルキル-置換セルロース)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、またはカルボキシメチルセルロースが好ましい。親水コロイドはカラギーナン(κ-カラギーナン)、寒天ガム、ガラクトマンナン、またはこれらの混合物が好ましい。
可塑剤としては、1,2-プロピレングリコール、グリセロール、グリセロールトリアセテート、グルコース、ソルビトール、スクロース、フルクトース、マルトース、セロビオース、ラクトース、CaCl2・7H2O、クエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、ナトリウムスルホコハク酸ジオクチル、ポリエチレングリコール、カルバミド、またはこれらの混合物が好ましい。
本発明の別の主たる観点によれば、水溶液中において60−95%(すべてのフィルム形成成分の重量で)のアラビアガムを含み、その他残りは水溶性ポリマー、親水コロイドおよび可塑剤を含む経口輸送カプセルのためのフィルム形成組成物である。
本発明のカプセルは、十分な機械強度を有して脆弱性は低く、薬物輸送に使用することができる。同時に本発明のカプセルは、廉価な主要成分からなり大量生産することもできる。
本発明のカプセルは少なくとも60重量%のアラビアガムを含有する。本発明で使用されるアラビアガムの高比率は、本発明における他の成分の値と比較すると、高い周辺湿度下において水分吸収速度が減少することによるかもしれないと思われる。こうして、24℃におけるアラビアガム(Figure 1の曲線1)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(曲線2)、アルギン酸ナトリウム(曲線3)、およびκ−カラギーナン(曲線4)の水分吸収速度をFigure 1に示す。
経口輸送カプセルのためのフィルム形成組成物は水溶液中で60-95%(すべてのフィルム形成成分の乾燥重量で)のアラビアガムを含み、残りは水溶性ポリマー、親水コロイドおよび可塑剤を含む。アラビアガムの比率は好ましくは水溶液中で70-90%(すべてのフィルム形成成分の乾燥重量で)である。
水溶性ポリマーはセルロースエーテル、例えば、アルキル-および/またはヒドロキシアルキル-置換セルロースエーテル、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、またはアルギン酸エステルである。親水コロイドはカラギーナン(κ-カラギーナン)、寒天ガム、ガラクトマンナン、またはこれらの混合物を含む。
可塑剤としては、1,2-プロピレングリコール、グリセロール、グリセロールトリアセテート、グルコース、ソルビトール、スクロース、フルクトース、マルトース、セロビオース、ラクトース、CaCl2・7H2O、クエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、ナトリウムスルホコハク酸ジオクチル、ポリエチレングリコール、カルバミド、またはこれらの混合物が好ましい。
HPMC、CMC、およびκ-カラギーナンの20℃、水における溶解度は、それぞれ、2、0.5、および0.5g/100mlである。実施例11および16から、アラビアガムが存在することにより溶解度が高くなる(それぞれ、HPMC 5.8%、CMC 6.5%、CMC 15%、HPMC 8%、CMC 13.2%、およびκ-カラギーナン 9.2%)ことが明らかであろう。
本発明のカプセルは、アラビアガムを、好ましくは脱イオン水に溶解して1-40重量%のアラビアガム溶液を得、これに種々の高分子成分(例えば、デンプン、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カラギーナン、アルギン酸エステル、キトサン、等)を所望の濃度で溶解させ、さらに任意の所望の量の可塑剤、金属イオン捕捉剤、および/または一価若しくは二価の金属塩を溶解させて調製される。溶液中のポリマー成分の最終濃度は1-40重量%である。
当該溶液を平滑な表面上に流して調製されるフィルムは引っ張り強度が50-70kg/cm2であり、伸張限界が120-280%である。これらの結果はこれら物質がソフトカプセルの調製に適していることを示す。
ハードカプセル殻は慣用法で調製される。例えば、成型ピンを水溶液中に沈め、ピンの周辺に殻を形成させる。アラビアガムを主成分として製造したこれら物質の機械的試験によれば引っ張り強度が300kg/cm2を超えて十分な剛性を有し、ハードカプセル殻として利用できることが示された。適切な水溶性セルロースエーテルとしては、アルキル-および/またはヒドロキシアルキル-置換セルロースエーテルが含まれ、そのアルキル鎖の炭素数1から4のものが好ましい。好ましい化合物としては、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、およびヒドロキシエチルエチルメチルセルロースが含まれる。ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)が特に好ましい。セルロースエーテルまたはその混合物の量は1-35重量%であり、好ましくは5-25重量%である。
水溶性ポリマーは、これに代えてカルボキシル基を含む多糖類であってもよい。そのような適切なポリマーとしては、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルデンプン、アルギン酸アルカリ塩、例えば、Li、Na、K(海藻由来)等が含まれる。これらは胃液抵抗性のカプセル製造に用いることができる。カルボキシル化多糖誘導体またはその混合物の量は5-25重量%である。
適切な水溶性合成ポリマーとしては、ポリビニルアルコール、部分的に加水分解されたポリ酢酸ビニル、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリアクリル酸およびポリメタクリル酸、ポリアクリルアミド、四級化ポリビニルピリジンのハロゲン塩、ポリハロゲン化N,N-ジアルキルジアリルアンモニウム、および類似の親水性ポリマーが包含される。好ましいポリマーとしてはポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシドおよびポリアクリルアミドが含まれる。このポリマー成分の量は好ましくは1-30重量%である。
適切な水溶性多糖類としては、デンプン、デキストリン、ペクチン、キトサンが含まれる。好ましい多糖類としては、スクロース、デンプン、アルギン酸エステルおよびキトサンが含まれる。この成分の好ましい量は0.5-30重量%である。適切な親水コロイドとしては、ゲランガム、カラギーナン、寒天ガム(海藻由来)、グアーガム、キサンタン、ガラクトマンナン、フノラン、アセタンおよびウェランが含まれる。これらのガムは混合すると相乗効果を発揮することがある。この目的のために好ましいガムは、カラギーナン(ガラクトースおよび3,6-無水ガラクトースエステルのアンモニウム、マグネシウムおよびナトリウム塩混合物)、ゲランガム、マンナンガム(ガラクトマンナンガム/グルコマンナンガム)および寒天である。好ましい量は0.1-10重量%である。
この新規な組成物はまた1,2-プロピレングリコール、グリセロール、グリセロールのモノ-、ジ-若しくはトリアセテート、ソルビトール、スクロース、フルクトース、マルトース、セロビオース、ラクトース、クエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、ナトリウムスルホコハク酸ジオクチル、ポリエチレングリコール等およびこれらの混合物を包含する。その量は好ましくは2-40重量%である。
適切な金属イオン捕捉剤は、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ホウ酸、クエン酸、グルコン酸、乳酸、酒石酸、リン酸、またはそれらの塩、レシチン、ジヒドロキシエチルグリシン、およびこれらの組み合わせである。その好ましい量は0.01-3重量%、より好ましくは0.1-2重量%である。
一価または二価のカチオン、例えば、Li、Na、K、NH 、Ca2+またはMg2+等は金属イオンの捕捉程度を調節するために使用できる。これらカチオンは通常は塩の形態で供給される。
本発明のカプセルは、例えばカーボンブラック、酸化チタンまたは石膏のような不活性物質を含んでいてもよい。求めている機械的性質その他の性質を賦与するために、香味料、芳香剤および/または抗酸化剤を必要により、または希望によって添加することもできる。本発明のカプセルはまた、薬学的に若しくは食品的に許容される着色剤を含むことが可能であり、適切な着色剤の例としては、リボフラビン、カロチン、クロロフィリン、インジゴカルミン、アントシアニン、キャラメル、およびベタニンがある。
続く実施例により本発明を説明する。各実施例において、成分の量は重量パーセントで表す。
実施例1から10はソフトカプセルの調製を説明する。その方法は、通常は室温で、アラビアガムを脱イオン水に溶解して1-40重量%のアラビアガム溶液(溶液1)を得た。他のポリマー成分、例えば、デンプン、ポリビニルアルコール、HPMC、CMC、カラギーナン、アルギン酸エステル、キトサン等は、通常は室温で、溶液1に溶解し、種々の成分が必要な濃度で含まれる溶液(溶液2)を調製した。可塑剤、金属イオン捕捉剤、および一価若しくは二価の金属塩は、通常は室温で、溶液2に溶解した。該溶液中のポリマー成分最終濃度は1-40重量%の範囲である。
実施例11から17はハードカプセルの調製を説明する。これらは、成型ピンを水溶液中に沈めそのピン周辺に殻を形成させる工程を含む、慣用的な方法で調製した。
アラビアガム77%、グリセロール15.3%、CaCl2・7H20 3.85%、およびカルバミド3.85%の組成物を、アラビアガム40%を含む水溶液として型に流し込み、引っ張り強度61 kg/cm2、伸張限界が150%の伸縮性フィルムを得た。
アラビアガム70%、グリセロール20%、デキストリン7%、およびデンプン3%の組成物をアラビアガム30%を含む水溶液として型に流し込み、引っ張り強度51 kg/cm2、伸張限界が180%の伸縮性フィルムを得た。
アラビアガム68%、グリセロール15.8%、NaCl 10%、グルコース5%、およびポリビニルアルコール1.2%の組成物をアラビアガム30%を含む水溶液として型に流し込み、引っ張り強度65 kg/cm2、伸張限界が160%の伸縮性フィルムを得た。
アラビアガム75%、グリセロールジアセテート19.3%、CaCl2・7H20 4.1%、およびκ-カラギーナン1.6%の組成物をアラビアガム40%を含む水溶液として型に流し込み、引っ張り強度72 kg/cm2、伸張限界が120%の伸縮性フィルムを得た。
アラビアガム70%、グリセロールモノアセテート17%、ソルビトール8%、およびHPMC 5%の組成物をアラビアガム35%を含む水溶液として型に流し込み、引っ張り強度68 kg/cm2、伸張限界が170%の伸縮性フィルムを得た。
アラビアガム75%、1,2-プロピレングリコール15%、カルボキシメチルセルロース5%、およびCaCl2・7H20 5%の組成物をアラビアガム36%を含む水溶液として型に流し込み、引っ張り強度55 kg/cm2、伸張限界が200%の伸縮性フィルムを得た。
アラビアガム71%、グリセロール18%、ソルビトール5%、アルギン酸ナトリウム5%、およびκ-カラギーナン1%の組成物をアラビアガム32%を含む水溶液として型に流し込み、引っ張り強度70 kg/cm2、伸張限界が120%の伸縮性フィルムを得た。
アラビアガム68.5%、グリセロール20%、キトサン5%、カルバミド5%、κ-カラギーナン0.5%、およびNaCl 1%の組成物をアラビアガム40%を含む水溶液として型に流し込み、引っ張り強度60 kg/cm2、伸張限界が130%の伸縮性フィルムを得た。
アラビアガム80%、グリセロールジアセテート14%、およびκ-カラギーナン0.5%、HPMC 5%、CaCl2・7H20 0.5%の組成物をアラビアガム40%を含む水溶液として型に流し込み、引っ張り強度61 kg/cm2、伸張限界が155%の伸縮性フィルムを得た。
アラビアガム73%、ナトリウムスルホコハク酸ジオクチル20%、ソルビトール5%、κ-カラギーナン1%、およびEDTA 1%の組成物をアラビアガム40%を含む水溶液として型に流し込み、引っ張り強度70 kg/cm2、伸張限界が255%の伸縮性フィルムを得た。
アラビアガム70%、グリセロール12%、スクロース3%、HPMC 13.5%、およびκ-カラギーナン1.5%の組成物をアラビアガム30%を含む水溶液中に流し込み、引っ張り強度280 kg/cm2、伸張限界が12%の伸縮性フィルムを得た。
アラビアガム70%、グリセロールモノアセテート10%、スクロース4%、CMC 13%、κ-カラギーナン2.5%、およびCaCl2・7H20 0.5%の組成物をアラビアガム35%を含む水溶液として型に流し込み、引っ張り強度300 kg/cm2、伸張限界が8%の伸縮性フィルムを得た。
アラビアガム61%、グリセロールジアセテート6.5%、CMC 30%、κ-カラギーナン2%、およびCaCl2・7H20 0.5%の組成物をアラビアガム30%を含む水溶液として型に流し込み、引っ張り強度400 kg/cm2、伸張限界が3%の伸縮性フィルムを得た。
アラビアガム63%、グリセロールモノアセテート10%、ソルビトール5%、HPMC 20%、κ-カラギーナン1%、およびEDTA 1%の組成物をアラビアガム25%を含む水溶液として型に流し込み、引っ張り強度510 kg/cm2、伸張限界が4%の伸縮性フィルムを得た。
アラビアガム65%、カルボキシメチルセルロース(CMC)24.5%、グリセロール10%、およびソルビトール0.5%の組成物をアラビアガム35%を含む水溶液として型に流し込み、引っ張り強度310 kg/cm2、伸張限界が5%の伸縮性フィルムを得た。
アラビアガム65%、κ-カラギーナン20%、グリセロールモノアセテート10%、クエン酸1.5%、KCl 0.1%、およびソルビトール3.4%の組成物をアラビアガム30%を含む水溶液として型に流し込み、引っ張り強度410 kg/cm2、伸張限界が4%の伸縮性フィルムを得た。
アラビアガム70%、アルギン酸ナトリウム20%、ナトリウムスルホコハク酸ジオクチル5%、κ-カラギーナン0.5%、ソルビトール4%、およびEDTA 0.5%の組成物をアラビアガム35%を含む水溶液として型に流し込み、引っ張り強度390 kg/cm2、伸張限界が6%の伸縮性フィルムを得た。
本発明のカプセルは薬物輸送に使用される。十分な機械的強度を有するが脆弱性は低く、また主成分が廉価であって大量生産ができる。本発明のカプセルは食品産業、薬品産業、および応用医薬の分野で幅広く応用することが可能である。
本発明を好ましい態様の記載によりさらに説明する。Figure 1は24℃において、種々のフィルム形成物質による飽和蒸気相からの水分吸収速度を表す。
符号の説明
曲線1:アラビアガム
曲線2:ヒドロキシプロピルメチルセルロース
曲線3:アルギン酸ナトリウム
曲線4:κ−カラギーナン

Claims (17)

  1. アラビアガムが60-95重量%、および残りが水溶性ポリマー、親水コロイドおよび可塑剤を含む組成である経口輸送カプセル。
  2. アラビアガムが70-90重量%である、請求項1のカプセル。
  3. 水溶性ポリマーがセルロースエーテルである、請求項1または2のカプセル。
  4. 水溶性ポリマーがアルキル-および/またはヒドロキシアルキル-置換セルロースエーテルである、請求項1または2のカプセル。
  5. 水溶性ポリマーがヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースまたはアルギン酸エステルである、請求項1または2のカプセル。
  6. 親水コロイドが、カラギーナン、寒天ガム、ガラクトマンナンまたはその混合物である、請求項1または2のカプセル。
  7. 親水コロイドが、κ-カラギーナンである、請求項1または2のカプセル。
  8. 可塑剤が、1,2-プロピレングリコール、グリセロール、グリセロールトリアセテート、グルコース、ソルビトール、スクロース、フルクトース、マルトース、セロビオース、ラクトース、CaCl2・7H2O、クエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、ナトリウムスルホコハク酸ジオクチル、ポリエチレングリコール、カルバミド、またはこれらの混合物である、請求項1または2のカプセル。
  9. 薬剤または調合剤を充填物として含む、請求項1−8のいずれかのカプセル。
  10. 水溶液中において、すべてのフィルム形成成分の乾燥重量で60−95%のアラビアガムを含み、その他残りは水溶性ポリマー、親水コロイドおよび可塑剤を含む、経口輸送カプセルのためのフィルム形成組成物。
  11. すべてのフィルム形成成分の乾燥重量で70-90%のアラビアガムを含む、請求項10の組成物。
  12. 水溶性ポリマーがセルロースエーテルである、請求項10または11の組成物。
  13. 水溶性ポリマーがアルキル-および/またはヒドロキシアルキル-置換セルロースエーテルである、請求項10または11の組成物。
  14. 水溶性ポリマーがヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースまたはアルギン酸エステルである、請求項10または11の組成物。
  15. 親水コロイドがカラギーナン、寒天ガム、ガラクトマンナンまたはその混合物である、請求項10または11の組成物。
  16. 親水コロイドがκ-カラギーナンである、請求項10または11の組成物。
  17. 可塑剤が、1,2-プロピレングリコール、グリセロール、グリセロールトリアセテート、グルコース、ソルビトール、スクロース、フルクトース、マルトース、セロビオース、ラクトース、CaCl2・7H2O、クエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、ナトリウムスルホコハク酸ジオクチル、ポリエチレングリコール、カルバミド、またはこれらの混合物である、請求項10または11の組成物。
JP2004546575A 2002-10-22 2002-10-22 アラビアガム含有カプセルおよびフィルム形成組成物 Pending JP2006506382A (ja)

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