実際問題として、両方の解決策は不適切であることが証明された。
上記プラスチック部分および金属部分がエポキシ接着剤により結合されるときにプラスチック部分は金属部分上に確実に保持されるが、上記プラスチック部分が一定量の摩滅を受けた後における保持リングの再調整には問題がある。現在の様式は、保持リングを製造業者に対して送付し、其処でプラスチック部分が機械的に取り外されてから金属部分は約200℃まで加熱されて該部分上の接着剤残渣が分解される。引き続き、金属部分は接着剤の最終残渣を除去すべくサンドブラストされねばならず、その後においてのみ、それに対して新たなプラスチック・リングが接着剤により取付けられ得る。
この時間のかかる不経済な処理手順の故に、上記保持リングは非常に高価となる。これに加え、生成する上でプラスチック部分よりも更に費用がかかる金属部分が耐えるのは、特に接着剤の熱分解に対する温度処理と引き続き必要とされるサンドブラスト処理との故に、少ない回数のサイクルに対してのみである。
金属部分およびプラスチック部分が圧力嵌めにより接合されるときに使用済みプラスチック・リングを交換することは更に容易であるが、プラスチック部分と金属部分とを接合するための圧力嵌めは、研磨プロセスの間において生ずる力に対して高い信頼性で耐える上では不適切なことが分かった。
本発明の目的は、更にコスト効率的に製造され得ると共に、特に新たなプラスチック部分が更にコスト効率的に嵌装され得る保持リングを提案するに在る。
この目的は本発明に依れば、第1材料から成る支持リングであって研磨装置に対して当該支持リングを装着するための装着要素を有する支持リングと、プラスチック材料から成ると共に上記支持リング上に同心的に配置される担持リングであって、第1の前側を以て研磨装置の研磨表面上に着座し、且つ、軸心方向において上記第1の前側の反対となる側にては離脱自在に、回転不能に、確定的および/または摩擦的接続を以て且つ接着剤なしで上記支持リング上に保持されるという担持リングとを備え、上記第1材料は上記担持リングの上記プラスチック材料よりも大きな剛性を有するという保持リングにより達成される。
本発明に係る上記保持リングにおける担持リングと支持リングの前記離脱自在で回転不能な確定的および/または摩擦的接続は好適には、上記担持リングの外周面の領域にて行われる。これによれば、化学機械研磨プロセスの間において上記支持リングに作用する力を吸収する最適条件が許容される。
上記担持リングが、上記支持リングに向かう側にて、上記円周部に追随する段差部であって上記支持リングを受容する段差部を有する場合、該担持リングは上記支持リング上に特に確実に着座される。その場合に上記確定的および/または摩擦的接続を確立する上記円周面は、上記段差部の円周面である。上記段差部は、まさに上記円周部の回りに延在するか、または、上記円周部の全体に亙り配設されたリング・セグメント状段差領域から成り得る。
上記支持リングは好適にはその外周面を以て、上記担持リングの上記外周面と実質的に整列される。これにより上記支持リングは、汚れから、特に、引き続く腐食の問題から相当程度まで保護される、と言うのも、上記研磨表面に向かう上記支持リングの側面は上記担持リングにより覆われるからである。
本発明に係る上記保持リングの変形例において、上記担持リングは、上記円周部の回りに延在するフランジであって、外径方向に突出し、該リングの上記前側の担持表面を拡大するフランジを有するという措置が為され得る。上記担持リングのこの外方突出フランジは上記支持リングに対し、化学機械研磨プロセスの間において汚れに対する付加的な保護を提供する。特に、製造のために更に費用がかかるという上記支持リングを、可及的に長持ちし且つ再使用可能な部材として設計し、且つ、上記担持リングが摩耗した状態により必要とされたときに定期的に該担持リングのみを交換すべく設計するという着想が、経済的な形態で実現される。
本発明に係る保持リングのこの変形例においては、上記担持リングの材料の剛性に依存して、上記支持リングもまた上記担持リングの上記フランジをその幾何学的形状に安定化させる外方突出フランジを備えるという措置が為され得る。上記担持リングの上記材料が如何なる剛性を呈するかに依存し、上記支持リングの上記フランジは上記担持リングの上記フランジを、部分的に、または、その表面全体に亙り同様に支持し得る。
本発明に係る更なる好適実施例においては、接合された状態において上記担持リングおよび上記支持リングは所定表面部分において相互に表面同士を接触して位置し、且つ、上記担持リングおよび上記支持リングは、該担持リングおよび該支持リングを中心合わせするための相補的な突出部および凹所を有するという措置が為され得る。これによれば、特に上記担持リングを上記支持リング上に装着するときに、厳密な同心的配置の達成が助力されることで、摩耗した担持リングの交換も促進される。
上記担持リングおよび支持リングが相互に表面同士を接触して位置する上記表面部分は好適には径方向配向を有すると共に平坦基部を形成することから、上記担持リングは上記支持リング上に支持される。
代替的に、それほどの不都合なしで、これらの表面部分の僅かに円錐状の構成が想起可能である。
上記支持リングに関して上記担持リングを中心合わせする上記担持リングおよび支持リングの上記相補的な突出部および凹所は好適には、上記支持リングおよび担持リングが相互に表面同士を接触して位置する上記表面部分の領域内に配置される。
更なる好適実施例において上記担持リングおよび支持リングの上記相補的な突出部および凹所は、圧力嵌めによる接続を行うために使用され得る。
更に別の好適実施例において、上記担持リングはその外周部上に、軸心方向において上記第1の前側から離間する方に向けられた円周カラーであって、上記支持リングの上記外周面に接触して位置すると共に該支持リングの表面の実質的に全体に亙り該支持リングを覆う円周カラーを有するという措置が為される。
この実施例は、上記支持リングの上記材料が化学機械研磨プロセスの影響から更に良好に遮断され、上記支持リングを製造する材料の更に広範囲な選択が許容されるという利点を有する。
同時に、上記担持リングの上記円周カラーによれば、厳密な中心合わせが確実とされ得る。上記カラーを上記支持リングに対して圧力嵌め接続すべく設計することも想起可能である。
本発明の代替実施例において、上記支持リングは、上記担持リングに接触する該支持リングの表面部分上に、リング軸心に対して実質的に平行に配向された壁部と螺条付き区画とを有し、且つ、上記担持リングは、上記第1の前側に関して軸心方向で逆側となる該担持リングの側部上に、上記リング溝と相補的に設計された一個もしくは数個の突出部であって上記溝の上記軸心方向に平行な壁部の上記螺条付き区画に対して相補的設計態様とされた螺条付き区画を有する一個もしくは数個の突出部を有するという措置が為される。
これによれば上記支持リングは上記担持リングに対して螺着され得ると共に、ひとつの変形例において上記担持リングは、螺条付き区画を備えた突出部として上記円周部の回りに延在するカラーを有する。
代替的に上記リング・カラーは、相互から離間された数個のリング・セグメントへと分割され得る。
更なる好適実施例において上記リング溝は、該リング溝の幅を規定すべく径方向に離間され、軸心方向に平行で各々が螺条付き区画を備えた2個の壁部を有する。これに対応して、上記担持リングの上記突出部またはリング・カラーは、内方を向く相補的螺条付き区画と、外方を向く相補的螺条付き区画とを有する。この実施例によれば、上記支持リング上における上記担持リングの更に大きな安定性が達成される。
上記リング溝の上記各螺条付き区画の螺条の方向は平行であり、すなわち、径方向に整列された同一の螺条開始部およびピッチ角を以て径方向に整列される。同様のことが、上記担持リングの上記突出部もしくはリング・カラー上の上記相補的螺条付き区画に対しても当てはまる。
担持リングおよび支持リングを接合する更なる代替策は、これらのリングの装着状態において戻り止め接続を形成する協働的戻り止め手段であって上記装着状態において軸心方向に作用する力に対して上記各リングを固定するとう協働的戻り止め手段をこれらのリングに対して配備するに在る。
上記戻り止め接続は好適には、回転に対する固定手段として同時に作用すべく設計される。この目的の為に、上記リングの上記円周部の全体に亙りたとえば数個の弾性係止接続が配設可能であり、戻り止め突出部は個々の凹所に係合することで、弾性係止状態において上記支持リングに対する上記担持リングの回転を防止する。
本発明の更なる代替実施例において、上記支持リングおよび上記担持リングは、夫々、上記装着状態においてこれらのリングが相互に接触して位置する如き相補的設計態様の表面部分を有し、且つ、上記表面部分は、収縮嵌入もしくは収縮嵌装プロセスにより上記各リングを接合すべき相補的設計態様の突出部および凹所を有するという措置が為される。
此処でもまた、上記担持リングおよび支持リングの間の接続は同時に、上記突出部および凹所の対応設計態様により、回転に対して固定され得る。
本発明の更に別の代替実施例によれば、上記担持リングは、その円周面上に、外径方向に開口するリング溝を有し、且つ、上記支持リングは、上記リング溝に対して本質的に相補的設計態様のフランジ部分と、上記担持リングの担持表面から離間した方を向く側部から軸心方向において研磨装置に対して該支持リングを装着するために配備された一個もしくは数個の装着区画と、を含む数個のリング・セグメントから作成されるという措置が為される。
最も単純な場合に上記支持リングは、径方向において上記担持リング上に圧入される2個のリング・セグメント、すなわち、言わば2個のリング半体から成る。此処で、上記各フランジ部分は同時に上記担持リングの補強部材としても作用することで、それがその形状を保持することを確実とする。同時に、上記フランジ部分は数個の装着区画を担持し、これによれば上記担持リングおよび支持リングの全体が研磨装置に取付けられ得る。これらの装着区画は、たとえば、内部螺条を備えた単純なブッシュから成り得る。
代替的に上記フランジ部分はまた、装着用ボルトが直接的に螺着可能な内部螺条を備えたボアを有し得る。
上記2個のリング半体に対する代替策として、上記支持リングを形成すべく上記円周部の全体に亙り数個のリング・セグメントが配設され得る。これらのリング・セグメントは必ずしも相互に対して直接的に隣接する必要は無く、相互から離間され得る。円周方向における個々のリング・セグメントもしくはそれらのフランジ部分間の間隔の大きさは、上記担持リングの上記材料の剛性に依存する。
好適実施例において上記溝は、軸心方向において上記担持リングの担持表面から離間する方を向く該溝の溝壁内に凹所を有すべく設計される。その場合に上記装着区画の要素は、研磨装置の方向を向くこれらの凹所内へと外側から径方向に挿入可能である。これらはたとえば、上記フランジ部分上に載置されるブッシュとされ得る。但し上記凹所はまた、上記フランジ自体に形成されて内部螺条を備えるボアをアクセス可能ともし得る。
先に記述された各実施例と相当に異なる本発明の実施例にて、上記担持リングおよび上記支持リングは、装着状態において相互に整列する相補的表面であって当該相補的表面間においてリング形状シール要素により周囲環境からシールされるリング・チャネルを形成するという相補的表面を有し、且つ、上記支持リングは、外側からアクセス可能な閉成可能開口であって上記リング・チャネルの減圧排気のために該リング・チャネル内に通ずるという閉成可能開口を有する。
代替的に、上記リング・チャネルに通ずる上記閉成可能開口は上記担持リング上にも配置され得る。但し、コスト的理由から、これを上記支持リング上に配備することが好適である。
その場合に担持リングと支持リングとの間の摩擦的接続は、上記リング・チャネルの減圧排気により行われ得る。上記担持リングは、上記リング・チャネルの単純な通気により、取り外されて交換され得る。
本明細書中において上記に記述された夫々の形式の実施例において、回転に対する固定は好適には、上記担持リングおよび上記支持リングに対し、これらのリングが相互に接触して位置する少なくともひとつの表面部分上にて、該担持リングの表面および該支持リングの表面の両方における凹所により形成されたキャビティを配備することで達成される。その場合にこのキャビティは、硬化可能材料により充填され得る。上記硬化可能材料が硬化したなら、担持リングと支持リングとの間の回転移動が防止される。軸心方向における上記担持リング上での支持リングの固定およびその逆もまた、キャビティなどの対応設計態様および配置により提供され得る。
これに対する代替策として、上記担持リングおよび上記支持リングは、該担持リングおよび支持リングの両者上の凹所に係合するボルトにより相互に対して回転的に固定されて接続され得る。
此処では、その場合に同時に上記凹所内に締め付けることで固定され得る螺条付きボルトを使用することが好適である。
斯かるボルトは、軸心方向および径方向の両方において対応凹所内に挿入され得ると共に、いずれの場合においても同様に回転を防止する役割を果たし得る。
好適実施例において上記プラスチック材料は、熱可塑性材料、熱硬化プラスチック材料、エラストマおよび/またはプラスチック組成物などである。
上記プラスチック材料は、強化された、特に繊維強化されたプラスチック材料であれば好適である。
摩擦学的特性を改善するためには上記プラスチック材料に対し、たとえばPTFE、ポリイミド、二硫化モリブデン、グラファイト、窒化ホウ素、ナノ粒子などの摩滅低減および/または摩耗低減添加剤の添加が適切であることが判明した。
上記担持リングは、サンドウィッチの様に少なくとも2つの層もしくは構成要素から成ることが特に好適である。
本発明のこれらのおよび更なる利点は、以下において図面を参照して更に詳細に説明される。
図1Aは、半導体ウェハ用の化学機械研磨装置上に組付けられる本発明に係る保持リング(retaining ring)10を、該研磨装置に臨む側からの平面図にて示している。
保持リング10は、第1材料、特に、金属材料、および/または、金属材料と同様の安定性を備える特に繊維強化プラスチックから作成された支持リング(carrier ring)12を備える。
支持リング12上には、プラスチック材料から成る担持リング(bearing ring)14が同心的に配置される。上記第1材料は、このプラスチック材料よりも大きな剛性を有する。
支持リング12は、研磨装置に向けて位置された側にて規則的な角度間隔で、上記保持リングを化学機械研磨装置に対して取付けるための螺条付きボア16を有する。
上記研磨装置に向かう支持リング12の側にて該支持リングは開口18も有し、上記保持リングが上記研磨装置上に装着されたときに該開口内には上記研磨装置上の(不図示の)突出部が延在することから、上記研磨装置における上記保持リングの確定的な組付け位置に対する準備が常に行われる。これは特に、螺条付きボア16を研磨装置上の対応貫通孔と整列させ、それらを貫通して螺条付きボルトが螺条付きボア16内に螺着挿入されて上記保持リングが研磨装置に取付けられることで、促進される。
図1Bは、A−A線に沿う図1Aの保持リング10の断面図であり、プラスチック材料から成る上記担持リングが上記支持リング上に、接着剤なしで、離脱自在に、回転不能に、確定的接続(positive connection)および/または摩擦的接続(frictional connection)を以て保持される原理を明示している。この目的のために担持リング14は、図1Cに拡大されて更に詳細に示される如く、支持リング12に臨む側にて、外周部20から後退された段差部22を有する。上記支持リングおよび担持リングを相互に対して摩擦的接続を以て離脱自在に且つ回転不能に接合するために、所定例においては鋼鉄から成る上記支持リングは、プラスチックから成る上記担持リング上に収縮される。上記担持リングのプラスチック材料は好適には、純粋なもしくは改変された形態における硫化ポリフェニレン材料(PPS)、PEEK、PAI、PI、PA、POM、PETまたはPBTである。摩擦学的特性を改善すべく、たとえばPTFE、ポリイミド、二硫化モリブデン、グラファイト、窒化ホウ素、ナノ粒子などの摩滅低減および/または摩耗低減添加剤が添加され得る。
研磨プロセスの間において、支持リング12の鋼鉄材料の大きな剛性によれば保持リング10に対しては優れた全体的安定性が与えられる一方、担持リング14のプラスチック材料は化学機械研磨装置の研磨表面上に摺動的に位置し、且つ、半導体ウェハは上記担持リングにより画成されるリング空間24内に保持される。この実施例の利点は特に、上記鋼鉄リングはプラスチック製の担持リング14上に収縮され、摩擦的で離脱自在であるが回転不能な接続が得られることに在る。担持リング14が摩耗したとき、それは支持リング12から非常に容易に取り外され、新たな担持リング14と交換され得る。交換手順は先行技術による場合よりも相当に容易であり、何らの接着剤残渣などを除去する必要はない。また、新たな担持リング14を備える前に支持リング12が特に準備される必要もないことから、それ自体が蒙る摩耗は相当に少ない。
保持リング10の円周面20は実質的に段差部が無く、すなわち、担持リング14の外周部は支持リング12の外周部と整列される。担持リング14は支持リング12よりも径方向において更に内方に延在することに加えて、外周部20から後退された段差部22(図1C)において支持リング12を受容することから、リング空間24は本質的に担持リング14により排他的に境界決定される。故に、化学機械研磨装置において研磨されるべき半導体ウェハは担持リング14の比較的に柔軟なプラスチック材料に対してのみ接触し、半導体ウェハのエッジに対して生ずる損傷のリスクが最小限とされる。
図1Dは再び保持リング10の斜視図を示しており、特に、保持リング10の内側空間が主として担持リング14により境界決定されることを示している。
図2A乃至図2Dは本発明に係る保持リングの更なる変形例30を示しており、該保持リングは図1A乃至図1Dの保持リング10と同様に、鋼鉄から成る支持リング32とプラスチック材料から成る担持リング34とを備える。支持リング32は規則的な角度間隔にて、保持リング30を化学機械研磨装置に対して取付ける役割を果たす螺条付きボア36を有する。開口38によれば、装着状態において該開口38に係合する化学機械研磨装置の突出部により、該装置における上記保持リングの確定的組付け位置が確実とされる。故に螺条付きボア36は上記研磨装置上の対応取付要素と整列され、その場合に装着はボルトにより単純な様式で実施され得る。保持リング30の外周部は、支持リング32および担持リング34の夫々の外周面が相互に整列される如く設計される。担持リング34は径方向において、支持リング32の場合よりも更に中央まで延在する。支持リング32を受容すべく、担持リング34上には外周部40から後退された段差部42が配備される。故に此処でも、保持リング30により形成される内側空間44は本質的に、担持リング34により、すなわちその比較的に柔軟なプラスチック材料により排他的に境界決定される。図2Bに示された如く、これは図2AのA−A線に沿う断面図から明らかである。このことはまた、特に図2Dにおいても示される。段差部42の領域において担持リング34は、支持リング32に接触する該担持リングの径方向表面上に、支持リング32の下側面上の相補的リング溝45に係合するリング形状リブ43を有する。
本発明に係る保持リングのこの実施例において担持リング34と支持リング32との間の接続は、リング溝45内に押圧されるリング形状リブ43により圧力嵌めを以て行われ得る。
これにより上記支持リングおよび上記担持リングは確定的な摩擦的接続により接合され、接着剤なしで回転不能接続に帰着する。この接続は担持リング34が摩滅的に摩耗した場合に離脱自在であり、支持リング32が新たな担持リング34の挿入に対してそれほど準備される必要なしで、該支持リング32に対しては圧力嵌めにより新たな担持リング34が装着され得る。特に、先行技術において必要とされて支持リング自体の摩耗にも帰着するという接着剤残渣の面倒な除去が省略される。
保持リング30の進歩的な設計態様によれば基本的に、単一の支持リング32により任意の個数の担持リング34が使用され得る。故に、特に摩耗を蒙る担持リング34が、比較的に高い製造コストを伴う支持リング32よりも相当にコスト効率的に製造され得ることからも、半導体ウェハの化学機械研磨のコストは大幅に低減され得る。
この保持リングによってもまた、支持リング32は再び上記リングを機械的に安定化させる役割を果たすことから、その固定的な形状寸法が確実とされる。担持リング34はその比較的に柔軟な材料により、支持リング32に対する半導体ウェハの接触を防止することで、半導体ウェハのエッジに対する損傷を回避する。
図3A乃至図3Dには、本発明に係る保持リングの更なる変形例50が示される。此処でもまた支持リング52は、保持リング50を機械的に安定化させてその厳密な形状寸法を保証する役割を果たす。それは好適には鋼鉄から成る。
支持リング52は、化学機械研磨装置の担持表面に向かう側にて、此処でもプラスチック材料から成る担持リング54を担持する。
支持リング52は、研磨装置に向けて位置する側にて規則的な角度間隔で螺条付きボア56を有し、保持リング50は該ボアを介して螺条付きボルトにより研磨装置に接合され得る。
支持リング52はまた研磨装置に臨む側にて、該化学機械研磨装置に対して保持リング50を確定的に挿入するための開口58も有することから、螺条付きボア56は研磨装置の対応貫通孔と整列して其処にボルトが容易に挿入かつ螺着され得る。
図3Bは、図3AのA−A線に沿う本発明に係る保持リング50の断面図を示している。此処で、保持リング50の外周部60は担持リング54により担持されるカラー66であって軸心方向に延在して本質的に支持リング52の外周面を完全に覆うカラー66により形成されることが明らかである。故に支持リング52は、担持リング54のリング・チャネル62内に配置され、軸心方向に延在する該支持リングの表面上にて、上記担持リングのプラスチック材料により実質的に覆われる。
これは設計者に対し、先に言及された鋼鉄材料と同一の機械的特性を有する更に好適な金属材料であって特に支持リング52の製造プロセスに対して更にコスト効率的である更に好適な金属材料を使用する可能性を与えるものである。担持リング54のプラスチック材料は、化学機械研磨プロセスに対して使用される化学物質に対して支持リング52の表面が接触し得る領域において該表面を保護する。故に、更にコスト効率的な材料が使用されたときでさえ、上記支持リングの表面にて腐食は生じない。
図3に示された保持リングの実施例50において支持リング52は圧力嵌めにより担持リング54に接合されることから、此処でも再び接着剤の無い接続が在る。支持リング52と担持リング54との間における上記摩擦的接続は通常は、此処で回転的に固定された接続を確実とするためにも十分である。
但し、図3Dにおいて一例として示された如く、回転を防止する手段が配備され得る。この目的のために保持リング50の円周部の全体に亙り所定間隔にて支持リング52および担持リング54上の一箇所もしくは数箇所にて凹所が配備され、これらの凹所は協働することで、硬化可能な有機もしくは無機材料により充填され得るキャビティを形成する。担持リング54上に支持リング52を装着するときに上記材料は依然として柔軟であり且つ成形可能であることから、担持リング54および支持リング52上の上記凹所により形成された上記キャビティを実質的に充填する。上記凹所内における上記材料はその後に硬化されることから、回転に抗する固定手段が形成される。同時に、担持リング54が支持リング52から容易に取り外され得ることを防止する一種の固定手段が生成される。
キャビティ68を充填する充填剤69としての硬化可能材料の選択肢は非常に広範である、と言うのも、これらの材料は周囲環境から完全に遮断されると共に、単に、研磨プロセスの間における機械的応力により特定される機械的要件を満足すべきからである。熱的に硬化可能な材料が使用されることが好適である。
この変形例においても担持リング54は、該リングにより形成される内側空間64が該担持リング54の比較的に柔軟な材料により実質的に境界決定され且つ化学機械研磨プロセスの間において半導体ウェハのエッジが損傷され得ない様に、保持リング50の径方向の内方まで延在する。
図3Bに関して上記に記述された本発明に係る上記保持リングの回転を防止する手段は、既に前述された保持リング10および30の実施例に対し、且つ、この点に関する詳細な言及は為されないが以下で論じられる保持リングの多くのものに対し、同様に適用され得る。
図4A乃至図4Dは、本質的に2つの部材すなわち支持リング72および担持リング74から成る本発明に係る保持リングの更なる変形例70を示している。支持リング72は此処でも、規則的な角度間隔における螺条付きボア76と、開口78とを有するが、それらの機能は前述された各保持リングの螺条付きボアおよび開口に対応する。此処でもまた担持リング74は径方向において支持リング72よりも更に内方に延在することで内側空間84を提供するが、該内側空間は、上記担持リング74のプラスチック材料により実質的に境界決定されるが故に自身内に収容される半導体ウェハに対して柔軟である。此処でも再び、保持リング70の外周部80は担持リング74およびそのカラー86のプラスチック材料により形成されることから、支持リング72の材料は、それが化学機械研磨プロセスで用いられる化学物質に対して十分に非反応的であるか否かに関わりなく、要求される安定性の観点のみから選択され得る。カラー86は、これらの物質による一切の可能的な攻撃から支持リング72の外側面を保護する。これに加えて支持リング72は、図4AのA−A線に沿う断面図を示す図4Bおよび同様に図4Cにおける詳細図示内容に最適に示される如く、リング・チャネル82内に圧入される。
図4Cにおける詳細図示内容はまた、その他の点では図3A乃至図3Dの保持リング50の設計態様に類似する保持リングの該変形例70の特別な特徴も示している。
リング・チャネル82の全周における少なくとも一箇所、更に良好には規則的な角度間隔にて該リング・チャネル82の内側円周壁上には、担持リング74上に弾性的に保持された突出部87と、支持リング72の内側円周壁に配置された該突出部のための凹所とから成る戻り止め接続85が配備される。
担持リング74のリング・チャネル82内へと支持リング72を押圧すると、戻り止め接続85はその終端位置へと係合し、すなわち突出部87は支持リング72上の上記相補的凹所内に弾性係止することから、一方では分離に対する安全装置が提供され、他方では支持リング72と担持リング74との間における回転不能接続が確立される。
通常、支持リング72を担持リング74内へと圧入すると適切な回転不能固定が既に達成されることから、戻り止め接続85は回転に対して単に付加的な固定手段を構成する。
此処でもまた、過剰な摩耗の場合には支持リング72から担持リング74を容易に取り外してそれを新たな担持リング74と交換し得る。この場合においても、新たな担持リング74が装着され得る前に支持リング72を特に清浄化または準備する必要はない。
図5A乃至図5Dは、本発明に係る保持リングの更なる変形例90を示している。保持リング90は支持リング92および担持リング94から成り、支持リング92は此処でも好適には鋼鉄から成り、且つ、担持リング94はプラスチック材料から成り、特に、純粋なもしくは改変された形態における硫化ポリフェニレン、PEEK、PAI、PI、PA、POM、PETまたはPBTから成る。此処でも、摩擦学的特性を改善すべく、たとえばPTFE、ポリイミド、二硫化モリブデン、グラファイト、窒化ホウ素、ナノ粒子などの摩滅低減および/または摩耗低減添加剤が添加され得る。
此処で保持リング90の外周部100は、相互に整列された支持リング92および担持リング94の夫々の外側面により形成される。
先に示された変形例と異なり担持リング94には凹状の段差部は何ら配備されないが、代わりに、支持リング92と対向する径方向表面102が配備される。この径方向表面102は、該径方向表面102から軸心方向に突出する1個または数個、この場合には5個の同心的リング形状リブ103を含む。径方向表面102に対して相補的である支持リング92の表面は、リブ103を受容すべく対応する同心的逃げ溝104を有する。
リブ103は好適には、収縮嵌入(shrinking−in)または収縮嵌装(shrinking−on)プロセスにより逃げ溝104内に取入れられる。すなわち支持リング92の金属材料が最初に加熱されることから逃げ溝104が膨張され、次にリブ103を備える担持リング94が支持リング92上に載置されて該リブが上記逃げ溝内に挿入され、且つ、支持リング92が冷めるにつれて上記逃げ溝は収縮することで確定的な摩擦的接続によりリブ103が保持される。あるいは、上記プラスチック材料が冷却されてリブ103が逃げ溝104内に挿入され得る。
この様にして、この変形例においては支持リング92と担持リング94との間に確定的な摩擦的接続が為され得る。
此処でもまた上記確定的な摩擦的接続によれば回転に対する安全装置が提供されるが、該安全装置は、たとえば回転に対する更なる固定手段の配備などにより先の変形例に示された如く更に改善され得る。
保持リング90の設計態様は特に、図5AのA−A線に沿う断面図を示す図5B、および、図5Cの詳細図示内容から明らかである。
図6A乃至図6Dは、支持リング112および担持リング114を備える本発明に係る保持リングの更なる変形例110を示している。
この実施例の特別な特徴は支持リング112がセグメント化されることであり、すなわち、先に論じられた如き保持リング10、30、50、70および90の場合の如き一体的設計態様ではない。
担持リング114はその外周部上に、径方向に凹状とされた段差部116を有し、該段差部は、その外径周壁部上に、内径方向に延在するリング溝118を有する。支持リング112は担持リング114に臨む端部にて内径方向突出フランジ120を有し、該フランジは、保持リング110を組立てるときに担持リング114のリング溝118内に圧入される。図6Bはこれを、図6AのA−A線に沿う断面図にて詳細に示している。このことは、図6Cの拡大された詳細図示内容からも明らかである。
最後に図6Dは、協働して支持リング112を形成する2個の半円セグメント122へと該支持リング112をセグメント化することを示している。
此処でも再び、支持リング・セグメント122には螺条付きボア124が配備され、該ボアを介して支持リング112は研磨装置に対して螺着され得る。此処でも、支持リング112の上側における開口126は、研磨装置上における上記保持リングに対する正しい組付け位置を確実とする。
この変形例において担持リング114からの支持リング112の分離は特に単純であり、此処でも、支持リング112に対して新たな担持リング114を接続する以前に更なる準備は必要とされない。
図7A乃至図7Dは、支持リング132および担持リング134を備えた本発明に係る保持リングの更なる変形例130を示している。
この変形例においては、図6A乃至図6Dの実施例において既に実現された支持リング132のセグメント化の概念が更に発展され、此処では合計で12個のセグメント133が配備される(特に支持リング132と共に図7Dにおける空間的図示内容を参照されたい)。
担持リング134は一体的設計態様であると共に、その外周部136上には、該円周部の回りに延在するスロット137を有し(図7Bに示された図7AのA−A線に沿う断面図を参照)、且つ、研磨装置に向かう側にては規則的な角度間隔にて、上記外周部から軸心方向において研磨装置に向けて延在する開放スロット状凹所138を有する。
支持リング・セグメント133は、たとえば平坦材料からから成り得るフランジ部分139を備える。研磨装置に向かう表面上にてフランジ部分139は螺条付きブッシュ140を担持し、該ブッシュは、リング・スロット137内にフランジ部分139を挿入するときにスロット状凹所138と係合することから、保持リング130のネジ接続のために研磨装置側からアクセス可能である(図7C)。
担持リング134の外周部136上のリング・スロット137内にフランジ部分139を挿入する際、該フランジ部分139は押圧挿入されることから、これらのフランジ部分は担持リング134内に圧力嵌めにより保持される。
スロット状凹所138内への螺条付きブッシュ140の係合により、回転に対する固定が自動的に達成されることから、此処では回転を防止する更なる措置は必要でない。
この場合、研磨装置における保持リング130の特定の位置決めを確実とするために担持リング134は開口142を有し、該開口に対しては(不図示の)研磨装置上の突出部が係合することで、研磨装置における保持リング130の確定的位置決めが行われる。
図8A乃至図8Dには、セグメント化支持リング152を備えた本発明に係る保持リングの更なる変形例150が示される。
此処でも担持リング154は段差部156の領域において外径方向に開口するリング溝158を有する一方、複数個のリング・セグメント153から成る支持リング152は担持表面に向かう端部にて、内径方向に向かうセグメント・フランジを担持する。装着状態においてこのリング・セグメント・フランジ160は、リング溝158に係合して該溝内に圧入される。
図7A乃至図7Dに示された上記変形例とは異なり、リング・セグメント153には螺条付きボア162が取入れられ、該リング・セグメント153により対応開口164が同様に形成される。
図9A乃至図9Dは、一体的支持リング172および一体的担持リング174を備えた本発明に係る保持リングの更なる変形例170を示している。この変形例において支持リング172は実質的に軸心方向に平行な壁部178を有する同心的リング溝176を備えるが、これは、図9Bの断面図(図9AのA−A線に沿う断面図示内容)および図9Cの詳細図示内容から最も明確に明らかである。
軸心方向に平行な壁部178には、螺条付き区画179が作成される。
担持リング174は、支持リング側に向かう側にて、これもまた複数のリング・セグメントから成り得るリング形状リブ180を有する。これが意味する処は、各リブ180は360°の全範囲に亙り配備される必要はなく、各区画においてのみ形成され得るということである。
リブ180は、軸心方向に平行な内側壁部上にて内側螺条付き区画を有し、該区画により担持リング174は支持リング172に対して螺着され得る。
この様にしても、支持リング172および担持リング174は確定的な摩擦的接続により接合可能でり、通例は、最後に螺着接続が締め付けられる力もしくはトルクを適切に選択することで、回転的に固定された接続も達成され得る。支持リング172と担持リング174との間における回転的に固定された接続はまた、図3Dに関して記述された如き固定手段によっても付加的に確実とされ得る。
此処でも、支持リング172上には規則的な角度間隔にて螺条付きボア182が配置されることから、保持リング170は全体として研磨装置に装着され得る。此処でも、研磨装置上の対応突出部に係合する開口184によれば、研磨装置に装着されたときに上記保持リングの正しい配向が確実とされる。
図9Eは、図9A乃至図9Dの実施例の更なる発展例の断面図示内容を示している。
この保持リング170’において支持リング172’および担持リング174’は、図9A乃至図9Dの保持リング170の場合と同様に、相互に対して螺着される。但し保持リング170とは異なり図9Eの保持リング170’において支持リング172’はリング溝176’を有し、該リング溝は、上記リングの回転軸心に平行に整列されて径方向に離間された両側壁において同一方向に延在するネジ用螺条を有する。これが意味する処は、上記各螺条は、径方向整列にて延在し、径方向における共通の螺条開始部181’、182’と同一の螺条ピッチとを備えるということである。これに対応して担持リング174’はリング・カラー180’を有し、該カラーは、リング溝176’に対して相補的設計態様であり、且つ、その外側および内側の側壁上で同一方向に延在するネジ用螺条175’、177’を有する。図9Fはこれを、図9EのA−A線に沿う断面図で示している。
この実施例によれば支持リング172’と担持リング174’との間には、保持リング170の場合よりも更に良好な安定化接続が提供される。
特に担持リング174’は、傾斜モーメントに対して特に良好に固定される様式で支持リング172’上に保持される。
担持リング174’から離間した方を向く支持リング172’の側から該リングの回転軸心に平行に螺着された固定ネジ183’により担持リング174’を支持リング172’に螺着して、保持リング170’は回転に対して固定される。固定ネジ183’は担持リング174’における開口185’内に延在することで、上記支持リングと担持リングとの間におけるネジ接続の偶発的な解除を防止する。斯かる固定手段は、たとえば図9A乃至図9Dの実施例においても使用され得る。
図10A乃至図10Fは本発明に係る保持リングの更なる変形例190を示しており、この場合に支持リング192と担持リング194との間の確定的な摩擦的接続はネジ接続によっても行われる。支持リング192は、外周部196から後退された段差部198であって螺条付き区画200が一体化されて軸心方向に平行な壁部199を有する段差部198内に収容される。支持リング192もまた軸心方向に平行な内側面上に螺条付き区画を有し、この区画により該リングは担持リング194に螺着され得る。此処でも再び、支持リング192と担持リング194との間の確定的な摩擦的接続は上記ネジ接続により確立可能であり、通例は、この接続は回転に対して適切に固定される。
回転に対する付加的な固定を達成するために、図3Dに示された如く各凹所内に硬化可能な材料が導入され得ると共に組付けが完了した後で硬化されるか、または、図10Dおよび図10Eの変形例に示される如く、支持リング192に関する担持リング194の回転は固定ピンもしくは固定ボルトにより防止され得る。図10Dに示された如く、支持リング192を貫通して径方向に延在し且つ担持リング194に係合するために、径方向に挿入されるボルト202が配備される。
この種の固定に対する代替的変形例は図10Eに示されており、この場合に、支持リング192上の凹所および担持リング194上の凹所により協働して形成されるボア内には、軸心方向に平行な配置にて固定ボルト204が挿入される。此処でも支持リング192上には螺条付きボア206が配置されることから、研磨装置に対して保持リング190は取付けられ得る。
研磨装置に対する保持リング190の正しい組付けは、開口208により確実とされる。
最後に図11A乃至図11Dは、支持リング212および担持リング214により形成される本発明に係る保持リングの更なる変形例210を示している。此処でも上記支持リングは、研磨装置に向かう表面上に規則的な角度間隔にて配置された螺条付きボア216と、研磨装置上における保持リング210の正しい位置決めを確実とする開口218とを有する。此処で支持リング212および担持リング214は相互に対向する実質的に平行な2つの表面を以て位置し、且つ、支持リング212の上記表面には1個もしくは数個、この場合には3個の同心的リング・チャネル221、222、223が作成される(図11Cにおいて拡大された詳細図示内容を参照)。支持リング212の外径方向領域の近傍には、リング形状で且つ同心的に、シール要素226、227を受容する溝224、225が配置される。リング・チャネル221、222、223は、相互に対して流体接続される(詳細は示されない)。
少なくとも一箇所にて支持リング212は径方向ボア228を有し、該ボアは、担持リング214から離間された支持リング212の表面から、リング・チャネル221、222または223の内の少なくともひとつのチャネル内へと通ずる軸心ボア230と連結される。
軸心ボア230内にはプラグ232が螺着されると共に、最初はボア230内に僅かだけ螺着挿入された状態で保持され得る。担持リング214が支持リング212に接合されたなら、径方向ボア228を介して真空が付与されることで、リング・チャネル221、222、223の体積が減圧排気され得る。上記各リング・チャネル内に生成された真空の故に、担持リング214はそのときに支持リング212上に容易に保持され得る。その後にプラグ232はボア230内へと更に螺着され得ることから、径方向ボア228は閉成される。故に上記真空は、径方向ボア228を介した更なる減圧排気を何ら必要とせずに、リング・チャネル221、222、223内に維持される。
これにより支持リング212と担持リング214との間には非常に簡素で離脱自在な接続が提供されるが、これは摩擦的接続により、保持リング210のこれらの2つの部材間の回転的に固定された接続を確実とする。
摩耗した担持リング214を交換するときには、径方向ボア228を介してリング・チャネル221、222、223の通気が可能とされるまでプラグ232のみが回転取り外しされねばならない。その後に担持リング214は力を付与せずに支持リング212から取り外され得ると共に、先に記述された様式にて新たな担持リング214が支持リング212に装着され得る。