JP2006500345A - ポリエーテルをベースにする調製物およびその使用 - Google Patents
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Abstract
本発明は、アジリジノポリマーをベースにし、一官能性アジリジンを含む調製物、および、該調製物を歯科材料、とりわけ印象材の製造に使用することに関する。
Description
本発明は、アジリジノポリマーをベースにし、一官能性アジリジンを含む調製物、および、該調製物を歯科材料、とりわけ印象材の製造に使用することに関する。
好適な印象材を使用して患者の口内の明確な特徴を有する印象を作製することが、正確にフィットする義歯、歯冠、およびブリッジ、インレーおよびアンレーを製造する前提条件である。既知の印象材の中で、アジリジノポリエーテルをベースにする材料が、その固有の親水性の性質および硬化状態における流動特性によって傑出しており、そのため高精度の印象が得られる。
しかし、好適な印象材を使用して患者の口内の具体的な特徴を有する印象を作製するとき、印象採得の手順が患者にとって不快であるということが問題となることが多い。そのため、好適な印象材が患者の口内に留まる時間は短くなければならない。しかし、印象材がまだ十分に硬化していない場合、印象材を尚早に撤去すると口内の特徴の再現性に関する精度と模型製作の鮮明さが失われる可能性がある。
そのため、例えば、より多量の触媒又は異なるポリマーバインダーを使用することにより、使用される印象材の硬化時間を加速させる試みが度々なされてきた。しかし、一般に、それらの結果、硬化した印象材のエラストマー特性は低下した。
更に、従来技術の既知の印象材の場合、多量の可塑剤を使用しなければならないことが多い。しかし、可塑剤は、硬化した印象材のポリマーネットワークに化学的に結合しないため、印象を保存すると、可塑剤が印象材の表面に移動がする場合があり、その結果、後で印象から鋳造物を作製する際に悪影響を及ぼすことが多い。
従って、印象材が硬化する前に、歯科医が十分な作業時間を取ることができるが、少なくとも、患者の口内にある時間を必要最小限に短縮することができ、従って、患者にとって治療がより快適になり得る程度まで、患者の口内でできるだけ早く硬化する印象材が必要とされている。更に、可塑剤の必要性が低いにも関わらず、優れた機械的特性と良好な長期安定性を有する印象材が必要とされている。
アジリジノ基を有するポリマーの調製、およびそれを歯科材料に使用することは長い間知られている。例えば、DE174 58 10C号明細書には、アジリジノポリエーテルをベースにする成型物品の製造が記載されている。その中に、一官能性アジリジンを含有する印象材を使用する可能性も記載されているが、しかし、これは、機械的特性に関して不利であると記載されている。歯科材料の硬化に関する加速効果は、前述の刊行物には記載されていない。
DE100 26 852A1号明細書は、ポリシロキサン骨格を有するN−アルキル−アジリジノブロックコポリマーに関する。一官能性アジリジンを添加することによって硬化時間の加速を達成する可能性は、該刊行物には開示されていない。
従って、本発明の課題は、硬化が加速されるが依然として十分な操作時間(オープンタイム)を有することを特徴とする、アジリジノポリマーをベースにする歯科材料を使用できるようにすることであった。本発明の別の課題は、とりわけ、従来技術の既知の歯科材料と比較して、より迅速に高いショアA硬度の値を達成するが、完全に硬化した材料が、所望の範囲内にあって、且つ従来技術の既知の歯科材料の場合と実質的に同じショアA硬度を有するアジリジノポリマーをベースにする歯科材料を使用できるようにすることであった。
この課題は、本明細書において後述されるような調製物およびそれから製造される歯科材料によって解決される。
従って、本発明は、少なくとも2つの成分Z1およびZ2を含む組成物に関し、該組成物は、
a)成分Z1として、平均2個以上のアジリジノ基を有し、分子量が少なくとも1000である、少なくとも1種類の重付加生成物又は少なくとも1種類の重縮合生成物、および、
b)成分Z2として、1個のアジリジノ基を有する少なくとも1種類の化合物、
を含み、成分Z2の少なくとも1種類の化合物は、その化学的構成が、アジリジノ基の数以外に少なくとも1つの他の特徴で、成分Z1の少なくとも1種類の化合物とは異なる。
a)成分Z1として、平均2個以上のアジリジノ基を有し、分子量が少なくとも1000である、少なくとも1種類の重付加生成物又は少なくとも1種類の重縮合生成物、および、
b)成分Z2として、1個のアジリジノ基を有する少なくとも1種類の化合物、
を含み、成分Z2の少なくとも1種類の化合物は、その化学的構成が、アジリジノ基の数以外に少なくとも1つの他の特徴で、成分Z1の少なくとも1種類の化合物とは異なる。
本明細書においては、「組成物」は、本明細書において説明されるように、2種類以上の化合物の混合物であると理解される。
本発明の組成物は、少なくとも2種類の成分Z1およびZ2を含み、成分Z1は、平均2個以上のアジリジノ基を有し、分子量が好ましくは少なくとも1000である重付加生成物又は重縮合生成物を表す。
「分子量」の用語は、本明細書では、決定された分子量を有する標準試料に対して、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で個々の部類のポリマーに関して慣用的に決定されるような、数平均分子量のことを言う。好適な測定方法は、当業者に既知である。
更に、ポリオールポリマーの分子量および分子量分布の決定は、例えば、末端基の決定により(例えば、核磁気共鳴(NMR)法により)実施することができる。例えば、フーベン−ヴェイル(Houben−Weyl)「有機化学の方法(Methoden der organischen Chemie)」、14/2、17頁、ゲオルグ・チーメ出版Georg Thieme Verlag)、シュトゥットガルト(Stuttgart)、1963年(Stuttgart)に記載されるような、ヒドロキシル値の決定もポリオールポリマーの分子量および分子量分布の決定に好適である。また、ASTM D−2849−方法Cに記載の手順も好適である。
有機ジオールの分子量(MwおよびMn)および分子量分布を決定するとりわけ好適な方法は、例えば、カラム寸法8×300mmおよび粒度5μmのPSS SDV 10,000Å+PSS SDV 500Å+PSS SDV 100Åのカラムの組合せを使用するGPCにより実施することができる。プレカラムとして、カラム寸法8×50mmおよび粒度10μmのPSS SDV 100Åが使用される。イオノール200ppmで安定化されたTHF(流速1.0ml/分)が、移動相としてとりわけ好適である。検出器として、屈折率(RI)検出器が使用され、サンプルの注入体積(1%w/wに計量して移動相に入れられる)は100μlである。標準溶液として、ポリスチレン標準シリーズ(0.1%w/wに計量して移動相に入れられる)が使用される。評価は、自動評価モジュール(ターボSECソフトウェア(TurboSEC Software))を使用し、溶出したサンプルの体積と溶出したポリスチレン標準シリーズの体積との比較による、相対GPCの原理に従って実施される。Mn、Mwおよび多分散性が評価される。
原則的に、重縮合方法で調製できるポリマーは全て本発明における重縮合生成物として好適であるが、但し、それらが、歯科材料として使用するのに好ましい組成物の要件を満たすことを条件とする。好適な重縮合生成物には、例えば、ポリエステル、ポリアセタール、又はポリシロキサンがある。
既知の、様々な構成を有するポリエステルの中で、ジカルボン酸とジオールとの重縮合により、又はオキシカルボン酸の重縮合により得ることができ、実質的に直鎖構造を有するものが、出発材料の調製にとりわけ好適である。重縮合中に少量の三官能性または四官能性アルコール又はカルボン酸を共に使用することが可能であり、多くの場合、ポリエステルから得ることができる組成物の機械的特性のため、歯科材料として使用するのに有利でさえある。
前述のポリエステルを調製するためのポリオールとして、多くの種類のポリオールが使用できる。それらには、例えば、1分子当り2〜4のOH基を有する脂肪族アルコールがある。OH基は、第一級又は第二級のいずれかであってもよい。好適な脂肪族アルコールには、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、および、CH2基1個ずつの炭化水素鎖の段階的な伸長により、又は炭素鎖に分枝を導入することによって当業者が得るような、更に高級の類似体又はこれらの異性体が挙げられる。また、例えば、グリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトールなどの更に高官能性のアルコール、および前述の物質の単独のエーテルオリゴマー、又は前述のエーテルのうち2種類以上の混合物も好適である。
また、低分子量多官能性アルコールとアルキレンオサイドとの反応生成物、いわゆるポリエーテルもポリオールとして使用してよい。アルキレンオキサイドは、好ましくは炭素数が2〜4である。例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール異性体、ブタンジオール異性体、又はヘキサンジオール異性体と、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、又はブチレンオキサイド、又はこれらの2つ以上の混合物との反応生成物が好適である。更に、グリセロール、トリメチロールエタン、又はトリメチロールプロパン、ペンタエリトリトール、又は糖アルコール又はこれらの2種類以上の混合物などの多官能性アルコールと、前述のアルキレンオキサイドとの反応性生物(ポリエーテルポリオールを生成)も好適である。
適切なポリエーテルは、反応性水素原子を有する出発化合物とアルキレンオキサイド(例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、テトラヒドロフラン、又はエピクロロヒドリン、又はこれらの2つ以上の混合物)との反応により、当業者に既知の方式で生成される。
好適な出発化合物には、例えば、水、エチレングリコール、1,2−又は1,3−プロピレングリコール、1,4−又は1,3−ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ヒドロキシメチルシクロヘキサン、2−メチル−1,3−プロパンジオール、グリセロール、トリメチロールプロパン、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、ペンタエリトリトール、マンニトール、ソルビトール、又はこれらの2つ以上の組合せがある。
適切なポリエステルの調製には、例えば、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリト酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラクロロ無水フタル酸、エンドメチレン−テトラヒドロ無水フタル酸、無水グルタル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、脂肪酸二量体、又は脂肪酸三量体、又はこれらの2種類以上の混合物が好適である。適切な場合、少量の一官能性脂肪酸が反応混合物中に存在してもよい。同様に、不飽和ジカルボン酸(マレイン酸又はフマル酸など)、および芳香族ジカルボン酸(例えば、フタル酸、イソフタル酸、又はテレフタル酸などのフタル酸異性体)が好適である。トリカルボン酸として、例えば、クエン酸、又はトリメリト酸が好適である。前述の酸は、単独で使用されても、又はそれらの2種類以上の混合物形態で使用されてもよい。
ポリエステルは、適切な場合、カルボキシル末端基を低い割合で有してもよい。また、ラクトン(例えば、ε−カプロラクトン)、又はヒドロキシカルボン酸(例えば、ω−ヒドロキシカプロン酸)から得ることができるポリエステルを使用してもよい。
ポリアセタールもポリオール縮合生成物として好適である。ポリアセタールは、グリコール(例えば、ジエチレングリコール)又はヘキサンジオール又はこれらの混合物とホルムアルデヒドから得ることができるような化合物であると理解される。本発明において使用できるポリアセタールは、環式アセタールの重合によって得られてもよい。
ポリシロキサンとしては、歯科材料として好ましく使用される材料特性の要件を満たす全てのポリシロキサンが、原則的に好適である。しかし、本発明においては、例えば、DE100 26 852 A1号明細書、2頁55行目〜8頁20行目に記載される、アジリジノ基を有するポリシロキサンのポリシロキサン基本構造が特に好ましい。前述の刊行物の開示内容は、本明細書の開示内容の一部と見なされる。
重付加生成物としては、重付加法によって調製できる全てのポリマーが原則的に本発明において好適であるが、但し、それらが歯科材料として使用するのに好ましい組成物の要件を満たすことを条件とする。好適な重付加生成物には、例えば、ポリウレタン又はポリエーテルがある。
ポリウレタンとしては、ポリオール又はポリカルボン酸とイソシアナートとの反応によって調製できる全てのポリマーが原則的に好適である。適切な調製方法は当業者に既知であり、好適なポリオールは、前述のポリエステルを調製するための出発材料として本明細書に既に記載されている。
本発明の好ましい実施形態では、本発明の組成物の構成要素として重付加生成物が使用され、これらは、好ましくはポリエーテルである。
ポリエーテルとしては、歯科材料として好ましく使用される材料特性の要件を満たす全てのポリエーテル化合物が原則的に好適である。好適なポリエーテルおよびその調製方法は、例えば、本明細書において前述されている。好適な出発化合物および好適な触媒の補助で、エチレンオキサイド、1,2−プロピレンオキサイド、1,2−ブチレンオキサイド、又はテトラヒドロフランの、又は前述の化合物の2種類以上の混合物の重付加によって得ることができるポリエーテル化合物がとりわけ好適である。
しかし、本発明においては、ポリエーテル鎖中に1,2−プロピレングリコールから誘導される少なくとも1つの繰返し単位の構成要素を有するポリエーテル化合物がとりわけ好適である。従って、本発明の組成物中に含有される、アジリジノ基を有するポリマーの基本的なポリエーテル骨格として、例えば、ポリプロピレングリコール、又はエチレングリコール/プロピレングリコールコポリマー、又はテトラヒドロフラン/プロピレングリコールコポリマー、又はテトラヒドロフラン/エチレングリコールコポリマー、又はこれらの2種類以上の混合物、とりわけポリプロピレングリコール、又はエチレングリコール/プロピレングリコールコポリマー、又はテトラヒドロフラン/エチレングリコールコポリマーが好適である。
例えば、強酸(例えば、フッ化ホウ素エーテル錯体)の存在下で、テトラヒドロフランとエチレンオキサイドを10:1〜1:1、好ましくは3:1までのモル比で共重合することにより調製されるポリエーテルポリオールが好適である。
成分Z1の調製に使用できるポリエーテルポリオールは、平均少なくとも2個のヒドロキシル基を有するが、1分子当り20個までのヒドロキシル基(例えば、平均約3、4、5、8、10又は15個までのヒドロキシル基)を有してもよい。
ポリエーテルポリオールの分子量(Mn)は、通常、600〜20,000g/molの範囲であり、好ましくは約1,000〜10,000g/molの範囲である。
異なるモノマーをベースにするポリマー中の構造単位の分布は、ランダムに又はブロック状に構成され得る。
更に、好適なポリエーテルはDE PS 1 745 810に記載されており、この点に関するその開示内容は、本明細書の開示内容の一部と見なされる。
本発明において、本発明の組成物中に成分Z1として含有されるポリマーは、平均少なくとも2個のアジリジノ基を有する。
「平均」の用語は、本明細書において、成分Z1の多くの種類の化合物の混合物が、2個未満のアジリジノ基を有する化合物と、2個より多くのアジリジノ基を有する化合物の両方を含んでもよいが、成分Z1の化合物全体を見た場合、全分子の平均官能価がアジリジノ基に関して2個以上であると解釈されるものとする。
当業者に既知のいずれかの望ましい後の反応により、前述の全ての種類の重付加生成物又は重縮合生成物にアジリジノ基を付与することができる。例えば、まず、好適なアジリジン誘導体と反応できる置換基を適切なポリマーに導入することが可能である。末端にアジリジンと反応できる置換基を含有する生成物が得られるように、環式エーテル(好ましくは、エポキシド)を鎖上に重合させることが可能なことが多い。例えば、ハロゲン置換されたエポキシド(例えば、エピブロモヒドリン)が重合されるポリエーテルも考慮される。エピブロモヒドリンを使用するとき、これらの物質は、ハロゲン置換された短鎖の末端基(例えば、CH2Br基)を含有する。
また、ポリエーテルの場合、そのOH末端基をハロゲン原子で置換することもでき、その後、ハロゲン原子を、例えば過剰量のフタルイミドアンモニア又はフタルイミドカリウムを用いてアミノ基に転換し、次いで、これをエチレンイミノカルボン酸エステルと反応させる。ハロゲン化ポリエーテルは、アルキル化剤として作用し、そのため、意図されない架橋反応を引き起こす可能性があるため、ハロゲン原子が、例えばアミノ基で、できるだけ完全に置換されること、又は例えばアルカリアルコラートを用いた処理により残留ハロゲンが除去されることを確実にしなければならない。
アジリジノ基を有するポリマーを調製する別の方法は、ハロカルボン酸を使用した、OH基を有する重付加生成物又は重縮合生成物のアシル化、および、その後の適切なアジリジノ誘導体との反応である。その場合、α−ハロカルボン酸(例えば、クロロ酢酸、またはブロモ酪酸)がとりわけ好適である。前述の2つの方法におけるアシル化は、勿論、様々な方法で(例えば、酸触媒を用いたエステル化により、又は酸無水物又は酸塩化物を使用することにより)実施できる。
本発明に使用できる化合物を得る別の方法は、OH基含有ポリマーと、少なくとも二官能性のイソシアナート、好ましくはジイソシアナート(例えば、2,4−トリレンジイソシアナート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナート、又はナフタレン1,5−ジイソシアナート)との反応である。その反応の場合、副反応を回避するため、比較的低温で行うことが有利であることが多く、これは、第三級アミン又は金属化合物(亜鉛アセチルアセトナート又は有機スズ化合物など)などの高活性触媒で達成できる。これらの触媒は、一般に、物質の更なる後処理を妨げない。また、鎖中にウレタン基が存在する、いわゆるイソシアナートで伸長されたポリステルも使用することができる。
後の反応では、イソシアナート末端基が付与されたポリエステルを好適なアルキレンイミン誘導体と反応させる。その目的のため、例えば、OH基又は第一級若しくは第二級アミノ基を有するエチレンイミン誘導体が考慮される。エチレンイミノアミン(例えば、γ−エチレンイミノプロピルアミン、およびβ−エチレンイミノエチルアミン)、および、またエチレンイミノアルコール(例えば、3−エチレンイミノプロパン−1−オール)、および、また、少なくとも2価のアミンのエチレンイミノアシル誘導体が記載されてもよい。中でも、最後に記載された部類の物質は、前駆体およびそれから製造される最終生成物が、比較的弱い塩基性のアミノ基を有するという特有の特徴を有する。
ポリマーにアジリジノ基を付与する好適で可能な方法が、例えば、DE PS 1 745 810号明細書又はDE100 26 852 A1号明細書に記載されており、記載される刊行物を特に参照し、アジリジノ基を有する官能化ポリマーに関するその開示内容は、本明細書の開示内容の一部であると理解される。
成分Z1として好適なポリマーは、末端に若しくは側鎖に、又は、末端および側鎖に、しかし好ましくは末端に、アジリジノ基を有することができる。
成分Z1として使用できるアジリジノポリマーは、好ましくは動的粘度ηが10〜約500Pa*s、特に好ましくは約15〜約300Pa*s(23℃、プフォルツハイムのボーリン・インスツルメンツ社(Bohlin Instruments GmbH Pforzheim)製のCVO120HR型の回転粘度計で、23℃、プレート−プレートジオメトリー、プレート直径20mm、又はプレート−コーンジオメトリー、剪断速度20s−1で測定)である。
好ましい粘度範囲は、23℃で約20〜約180Pa*sである。
本発明において成分Z1として使用される化合物のアジリジノ当量は、約250〜約25,000g/当量、とりわけ約400〜約10,000g/当量である。
本発明に使用できる成分Z1は、本発明においては、アジリジノポリマーを1種類しか含まなくてもよい。しかし、同様に、本発明に使用できる成分Z1が2種類以上(例えば、異なる3、4又は5種類)のアジリジノポリマーを含むことも可能である。
本発明においては、1「種類のポリマー」は、選択された反応条件下で、選択されたモノマーの重付加又は重縮合から生じるようなポリマーと理解される。従って、1種類のポリマーは、選択される反応条件に応じて、異なる化学的構成や異なる分子量を有するポリマー分子を含み得る。しかし、同一の反応条件下で同一のモノマー組成物を使用して実施される2つの反応は、本発明では、常に同一の種類のポリマーを生じる。同一のモノマーを使用するが異なる反応条件下で実施される2つの反応は、同一の種類のポリマーを生じる場合があるが、必ずしもそうなる必要はない。その重要な要因は、材料特性に直接的な関連性がある、化学的構成、分子量、および決定され得る他のパラメータに関する識別可能な差があるかどうかである。異なるモノマー組成物を使用して実施される2つの反応は、本発明では、常に異なる種類のポリマーを生じる。
好ましい実施形態においては、本発明に使用できる成分Z1は、1種類又は2種類の異なるアジリジノポリマー、とりわけ1種類だけを含む。
前述のアジリジノポリマーは、通常、調製の過程で得られる形態で使用できるが、とりわけ着色が薄い高品質の生成物が得られるように精製してもよい。その目的のため、慣用的な方法、例えば、(任意に溶液にして、珪藻土、酸化アルミニウムで)ろ過すること、イオン交換樹脂を用いて処理すること、有機溶媒に溶かした溶液を水、水性アルコール、および塩溶液などを使用して洗浄すること、およびまた任意に、(例えば、芳香族溶媒又はアルコールから)繰返し再沈殿することが考慮される。更に、精製効果は、通常の方式の分留によって得ることができる。更に、その結果、より均一な分子量を有する生成物を得ることができる。
本発明の成分Z1は、調製方式に関わらず、好ましくは、基本骨格としてポリエーテル、好ましくはポリテトラヒドロフラン(ポリ−THF)、又はプロピレングリコール/エチレングリコールコポリマー、又はエチレングリコール/テトラヒドロフランコポリマーをベースにするポリエーテルを有する、少なくとも1種類のアジリジノポリマーを含む。
成分Z1に使用するのに好適な他のポリアジリジノ化合物は、例えば、特許公開DE15 44 837号明細書、3頁〜14頁に記載されている。
本発明の組成物は、成分Z2として、その化学的構成が、アジリジノ基の数以外の少なくとも1つの他の特徴で、成分Z1の少なくとも1種類の化合物とは異なる少なくとも1種類の一官能性アジリジノ化合物を含む。
異にする特徴としては、アジリジノ基の数の他に、成分Z1の少なくとも1種類の化合物と成分Z2の少なくとも1種類の化合物との明瞭な区別を可能にする全ての特徴が好適である。異なる特徴として好適なのは、例えば、分子量又は化学的構成である。
従って、例えば、平均分子量が成分Z1中に存在するポリマーの平均分子量より小さい又は大きい化合物を、一官能性アジリジノ化合物として使用してもよい。同様に、例えば、化学的構成が成分Z1に使用される少なくとも1種類の多官能性化合物とは異なる化合物を、一官能性アジリジノ化合物として使用してもよい。
ポリマーを一官能性アジリジノ化合物として使用するとき、これらのポリマーは、好ましくは、成分Z1に使用される少なくとも1種類のポリマー以外の、別の種類のポリマーでなければならない。
例えば、一官能性アジリジノ化合物は、平均分子量が約300未満の比較的低分子量のアジリジノ化合物、又は平均分子量が約300以上の比較的高分子量のアジリジノ化合物として提供される。
例えば、ポリマーの官能化の説明において既に前述した少なくとも1種類のアジリジノ誘導体と反応できる官能基を有する比較的低分子量の化合物の反応によって得ることができるような化合物が、一官能性アジリジノ化合物として好適である。例えば、比較的低分子量の直鎖又は分枝鎖、飽和又は不飽和又は環式又は芳香族のアルコール、エポキシド、又はカルボン酸と、アジリジノ誘導体(例えば、γ−エチレンイミノプロピルアミン又は3−エチレンイミノプロパン−1−オール)との反応により得ることができるようなアジリジノ誘導体が好適である。同様に、DE 100 26 852 A1号明細書、4頁20行目〜7頁42行目に記載されるような、適切な官能基を付与されているがアジリジノ基に関して一官能性の化合物も好適である。
好適な比較的低分子量のアルコールには、例えば、メタノール、エタノール、プロパノールの異性体、ブタノールの異性体、ペンタノールの異性体、ヘキサノールの異性体、ヘプタノールの異性体、又はオクタノールの異性体、炭素数6〜約44のシクロアルカノール、又は炭素数6〜約22の芳香族アルコールがある。ブタノールのアジリジノ誘導体がとりわけ好適である。
本発明の成分Z2の構成要素として使用できるような分子量が約300より大きい一官能性アジリジノ誘導体の調製に好適な化合物には、例えば、既に前述したような一官能性ポリマーがある。その場合、例えば、成分Z1に既に存在するのと同じ種類のポリマーを使用することが可能である。しかし、同様に、成分Z1に存在する1種類以上のポリマーの種類とは異なる、1種類のポリマーを使用することも可能である。
本発明の好ましい実施形態においては、成分Z2の構成要素として使用されるアジリジノ化合物は、OH、SH、NH又はNR基(式中、Rは炭素数1〜約44の直鎖又は分枝鎖、飽和又は不飽和のアルキル基を表す)を含有しない。
分子量が約300より大きい一官能性アジリジノ化合物としてとりわけ好適な化合物は、1個のアジリジノ基を有する重付加生成物又は重縮合生成物、例えば、ポリエステルアジリジン、又はポリエーテルアジリジンを挙げることができ、好ましくはポリエーテルアジリジンである。
好ましいポリエーテルアジリジンは、例えば、ホモポリエーテルであってもよいが、またコポリエーテルを使用してもよい。本発明においては、アジリジノ基に関して一官能性であるポリプロピレングリコールを使用することが特に好ましい。鎖の末端が末端基としてOH、SH、NH、又はNR基を有していないポリエーテルを使用することが特に好ましい。例えば、各末端に、1個のアジリジノ基および1個のアルキル基、エステル基、アミド基などを有するポリエーテルが好適である。1つの末端が、炭素数1〜8、とりわけ炭素数2〜6の直鎖又は分枝鎖の飽和アルキル基を有するエーテル基で終端を成すポリエーテル化合物がとりわけ好適である。
本発明の組成物中の成分Z2の量は、成分Z1の量に対して、成分Z1中のアジリジノ基と成分Z2中のアジリジノ基との比が、約20:1〜約1:1、例えば、約10:1〜約1.2:1、又は約5:1〜約1.5:1となるように選択されなければならない。
好ましくは、本発明の組成物中の成分Z2の量は、成分Z1とZ2の重量を基準にして、少なくとも約0.1重量%、且つ多くとも約40重量%、例えば、約0.2重量%〜約35重量%、又は約0.3重量%〜約30重量%、又は約0.4重量%〜約25重量%、又は約0.5重量%〜約20重量%である。前述の値は、通常、使用される成分Z2の分子量に応じて変わる。
本発明の組成物の粘稠度は、EN ISO4823:2000に従って測定される場合、好ましくは、ディスク直径約20mm〜ディスク直径約50mm、とりわけディスク直径約25mm〜ディスク直径約45mmの範囲内である。
本発明の別の実施形態においては、本発明の組成物の成分Z2は、以下の、他の特徴の1つ又は2つ以上が成分Z1とは異なる。
i)数平均分子量、
ii)重量平均分子量、
iii)多分散性、
iv)ポリマー主鎖の組成、
v)末端基。
i)数平均分子量、
ii)重量平均分子量、
iii)多分散性、
iv)ポリマー主鎖の組成、
v)末端基。
成分Z1およびZ2の他に、本発明の組成物は、1種類の添加剤、又は2種類以上の添加剤の混合物も含むことができる。
好適な添加剤は、例えば、硬化した歯科材料組成物の可塑化をもたらす化合物である。このような化合物は、他のポリマー系にも付与されるような典型的な可塑剤と、ポリカルボン酸のエステル、芳香族ポリマー化合物、およびスルホン酸エステル、又は可塑化の他に他の効果(界面活性作用、構造的強度の増大、および流動挙動の改善など)ももたらす化合物の両方とすることができる。
典型的な可塑剤には、例えば、エステルの種類の化合物(C12〜C15乳酸アルキル、クエン酸又はアセチルクエン酸のエチル又はブチルエステル、比較的長鎖の分枝鎖アルコールのフタル酸エステル(フタル酸ビス−(2−エチルヘキシル)、又はフタル酸ポリエステルなど)、C2〜C6ジカルボン酸のC2〜C22ジアルキルエステル(アジピン酸ビス−(2−エチルヘキシル)、マレイン酸ジオクチル、アジピン酸ジイソプロピルなど)、芳香族および脂肪族のスルホン酸エステル(フェノール又はC1〜C22アルカノールのC2〜C20アルキルスルホン酸エステルなど)、又は、典型的な芳香族可塑剤(広い粘度範囲のポリフェニル(例えば、モンサント社(Monsanto company)から入手可能なものなどのワックス様ポリフェニルを含む))、ジベンジルトルエン、C20〜C40芳香族化合物の異性体混合物など)があり、エステルの種類と芳香族の種類の可塑剤の混合物を使用することが好ましい。
好ましい可塑剤混合物の一例には、クエン酸アセチルトリブチルとジベンジルトルエンとの混合物がある。
同様に、非動物起源のグルセロールのトリアシルエステルも添加剤として好適である。好適な添加剤は、例えば、植物起源の変性脂肪(硬化パーム油、又は硬化大豆油、又は硬化合成脂肪など)からなり得る。
好適な脂肪は、DE 197 11 514 A1(例えば、2頁65行目〜3頁22行目)に記載されており、本明細書でその内容全体を参照する。アボカド油、綿実油、落花生油、ココアバター、パンプキンシード油、亜麻仁油、トウモロコシ胚芽油、オリーブ油、パーム油、コメ油、菜種油、ベニバナ油、ゴマ油、大豆油、ヒマワリ油、グレープシード油、小麦胚芽油、ボルネオ牛脂、フルワバター(fulwa butter)、麻油、イリッペ脂、ルピナス油、ククイノキ油、カポック油、カチアウ脂肪(katiau fat)、ケナフ種油、ケクナ油(kekuna oil)、ケシ油、モーラーバター、オクラ油、エノ油、サルバター(sal butter)、シアバター、桐油がとりわけ好適であるが、但し、当該脂肪は使用前に硬化されていることを条件とする。好適な硬化脂肪は、ヨウ素価が20未満(DGF[ドイツ脂肪科学学会(German Society for Fat Science)]規格C−V11 Z2に従って測定した場合)のものであると考えられる。脂肪硬化手順は、例えば、「ウルマン工業化学百科事典(Ullmanns Enzyklopaedie der industriellen Chemie)」、第四版、11巻、469頁に記載されている。
これらの天然起源の脂肪の混合物、および合成で調製された脂肪(ゾフチザン(Softisan)154又はディナザン(Dynasan)118(ヒュルス(Huels)製))も同様に使用できる。このような合成トリアシルグリセリドの調製は、当業者にとって比較的簡単であり、グリセロールと適切な脂肪酸メチルエステルから出発することによって実施できる。このようなエステル化反応は、とりわけ、「フーベン−ヴェイル、有機化学の方法(Houben−Weyl,Methoden der Organischen Chemie)」、E5巻/1部、659頁以下に記載されている。
好ましいトリアシルグリセリドは、次式、
R2−O−CH2−CH(OR1)−CH2−O−R3
(式中、R1、R2、およびR3は、それぞれ互いに独立に、C11H23CO、C13H27CO、C15H31CO、又はC17H35COを表す)に対応する。このようなトリアシルグリセリドの混合物も考慮される。
R2−O−CH2−CH(OR1)−CH2−O−R3
(式中、R1、R2、およびR3は、それぞれ互いに独立に、C11H23CO、C13H27CO、C15H31CO、又はC17H35COを表す)に対応する。このようなトリアシルグリセリドの混合物も考慮される。
同様に、分子量が約2000g/molより大きい液体ポリマー化合物(例えば、ポリエーテル、ポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、又はポリオレフィンなどの種類の化合物)も添加剤として好適であり、ヒドロキシル、エーテル、アルキル、およびアシル基が末端基として好適である。
特別な部類の液体ポリマー化合物は、ポリエーテルの種類のものに代表される。
その場合、成分Z1に使用されるアジリジノポリエーテルと同じ又は類似の分子量を有するポリエーテルがとりわけ傑出している。
例えば、オキシテトラメチレンおよびオキシジメチレン単位を4:1〜3:1の割合で含み、分子量が3000〜8000g/molの範囲であるジヒドロキシ又はジアセチルポリエーテルが添加剤として好適である。
また、ポリプロピレンオキシドポリオール、および/又は、ヒドロキシル又はアセチル末端基を有する、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとの共重合生成物、および/又はブロック共重合生成物も前述のポリエーテルとの混和物中に、又は添加剤として単独で使用することができる。
分子量が2000g/molより大きいブロック共重合生成物の場合、更に、それらの界面活性剤様化合物の溶解度−促進作用を利用できる。
更に、前述のポリエーテル誘導体を選択し、混合する結果、混合された調製物の流動挙動、および必要な親水性と疎水性の調節に決定的な影響を与えることができる。
また、本発明の組成物は、補強作用を有するフィラーを添加剤として10〜15重量%含んでもよい。
その目的のため、本発明の組成物中で、貯蔵中に望ましくない反応を生じさせず、別々に貯蔵された成分を混合した後、硬化の過程に悪影響を及ぼさない有機固体および無機固体が、使用される。例えば、ケイ酸、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、石英粉末、重晶石、蛍石、リン酸カルシウム、又はカオリンがその目的に好適である。
ここでは、約50重量%より多くの、例えば少なくとも約90重量%のSiO2含有量を有するフィラー(合成又は天然起源の石英粉末およびケイ酸微粒子)がとりわけ有利であることが分かった。
例えば、表面改質された形態で通常使用される熱分解法ケイ酸および沈降法ケイ酸、およびまた様々な供給源からの珪藻土も好適である。
5%水性懸濁液中でpH8〜10の加工された珪藻土と、BET表面積100〜600m2/gの表面改質された熱分解法ケイ酸との混合物がとりわけ好適である。
また、本発明の調製物は、他の添加剤(染料および有色顔料、殺菌剤、芳香剤又は香味料など)も含んでよい。
出発材料中に存在する酸、酸基、又は酸分解(acid−cleaving)物質を完全に中和する酸捕捉剤を添加剤として使用してもよい。例えば、アミン、とりわけ第三級アミンがその目的に好適である。
また、添加剤として、DE 32 45 052号明細書(4頁〜6頁)に記載されるような改質剤を使用してもよく、その中に記載される改質剤が特に参照され、これらは本明細書の開示内容の一部と理解される。
前述の添加剤は、本発明の組成物中に通常0〜約60重量%、例えば約10〜約40重量%の量で含有される。
本発明の組成物は、原則的に、当業者に既知のいずれかの方式で得ることができる。例えば、組成物の個々の構成要素は、好適な混合装置を使用して1つ以上の連続的な段階で一緒に混合される。従って、本発明は、また、本発明の組成物を調製する方法にも関し、本方法では2種類の成分Z1とZ2が一緒に混合され、ここで、
a)成分Z1として、平均2個以上のアジリジノ基を有し、分子量が少なくとも1000である、少なくとも1種類の重付加生成物又は少なくとも1種類の重縮合生成物、および、
b)成分Z2として、1個のアジリジノ基を有する少なくとも1種類の化合物、
が使用され、成分Z2の少なくとも1種類の化合物は、その化学的構成が、アジリジノ基の数以外の少なくとも1つの他の特徴で、成分Z1の少なくとも1種類の化合物とは異なる。
a)成分Z1として、平均2個以上のアジリジノ基を有し、分子量が少なくとも1000である、少なくとも1種類の重付加生成物又は少なくとも1種類の重縮合生成物、および、
b)成分Z2として、1個のアジリジノ基を有する少なくとも1種類の化合物、
が使用され、成分Z2の少なくとも1種類の化合物は、その化学的構成が、アジリジノ基の数以外の少なくとも1つの他の特徴で、成分Z1の少なくとも1種類の化合物とは異なる。
本発明の組成物は、歯科材料を製造するのに好適である。
従って、本発明は、少なくとも1種類の基本成分Bと、少なくとも1種類の触媒成分Kとを含む歯科材料にも関し、成分Bは、本発明の少なくとも1種類の組成物を含み、成分Kは成分Bの少なくとも一部を架橋するための少なくとも1種類の触媒を含む。
本発明の歯科材料の製造に、本発明の組成物が基本成分Bとして触媒成分Kと一緒に混合される。
触媒成分Kは、成分Bのアジリジノ基を有する構成要素の重合、および、その結果、全体として歯科材料の硬化を引き起こす少なくとも1種類の開始剤物質を含む。
開始剤物質として、原則的に、アジリジンの重合を引き起こす全ての化合物が考慮されるが、但し、それらが好適な硬化速度、および硬化した歯科材料に好適なエラストマー特性を達成することを条件とする。
従って、前述のポリエーテル誘導体をベースにする2成分の印象材に使用するのに、混合された調製物が室温で1〜20分の時間で硬化し、弾性のある固体になることを可能にする開始剤物質が好適であり、その固体は、DIN/EN 2482による弾性印象材の要件を満たし、24時間後にショアA硬度(DIN53 505)が少なくとも20である。
本発明の好ましい実施形態においては、本発明の歯科材料は、基本成分Bと触媒成分Kを室温で混合した後、20分以下の時間内に、24時間後に達成されるショアA硬度の値の少なくとも80%のショアA硬度を有するように、成分BおよびKに関して調節される。
本発明に好適な触媒成分K中の開始剤物質として、原則的に、既知の全ての開始剤が使用されてもよい。硬化の過程を簡単に調節することができ、副反応を起こさず、必要なレベルの機械的特性を再現可能に達成し得る開始剤又は開始剤系が有利に使用される。
N−アルキルアジリジノ化合物の硬化に使用される開始剤物質について要約する説明が、例えば、O.C.ダーマー(DERMAER)、G.E.ハム(HAM)、「エチレンイミンおよび他のアジリジン(Ethylenimine and other Aziridines)」、アカデミック・プレス(Academic Press)(1969年)に記載されている。
例えば、米国特許第4,167,618号明細書(例えば、2欄36行目〜4欄32行目、および実施例)に記載されるようなトリアルキルスルホニウム塩は、開始剤物質としてとりわけ好適である。前述のトリアルキルスルホニウム塩は、本明細書の開示内容の一部と理解される。
特許明細書DE914 325号明細書では、開始剤物質としてオキソニウム塩、アンモニウム塩、およびスルホニウム塩を使用することが提案されており(例えば、2頁77行目〜3頁100行目、および実施例)、その中に記載される開始剤物質も同様に本明細書の開示内容の一部と考えられる。
特許出願DE100 18 918 A1号明細書では、触媒成分に低い酸性度を付与し、基本成分と触媒成分の混合が実施された後、容易に調節され、比較的長い処理時間を可能にする開始剤が記載されている。また、その中に記載される化合物も特に参照され、その中に記載される開始剤物質も同様に本明細書の開示内容の一部と考えられる。
米国特許第4,176,618号明細書に記載の開始剤化合物がとりわけ好適である。開始剤物質に関する該刊行物の開示内容は、本明細書の開示内容の一部と考えられる。
その種類の開始剤系は、本発明の基本成分を必要な速度で硬化するのに好適である。それらの使用により、弾性固体の所望の特性を達成することができる。
特許出願DE−199 42 459号明細書には、改善された触媒成分を有するエラストマー材料が記載されており、それらは伸び率がより大きいことを特徴とする。本発明では、ホウ酸錯体が開始剤として使用される。これらの開始剤も同様に、本発明のN−アルキルアジリジノポリマーの硬化に好適であることが分かり、本発明に使用できる。
本発明においては、次の開始剤化合物の使用が好ましい。p−トルエンスルホン酸の亜鉛塩、β−(S−ラウリル−S−エチルスルホニウム)−ブチロニトリルテトラフルオロボレート、ドデシルベンゼンスルホン酸亜鉛塩、β−(S−ラウリル−S−エチルスルホニウム)−β−フェニルアクリル酸ブチルエステルテトラフルオロボレート。
本発明では使用される触媒成分Kは、前述の開始剤化合物の1つ又はそれらの2つ以上の混合物の他に、1種類以上の添加剤を含んでもよい。本明細書に既に前述されている添加剤は、添加剤として好適である。
成分Kの開始剤化合物は、例えば、多少粘性のある成分Bの塊中に均一に組込むことが困難な場合がある低粘度の液体又は固体の形態であってもよい。その欠点を回避するため、開始剤化合物は、例えば、表面積の大きいフィラー(コロイドシリカなど)を組込むことによって、意図される特定の塗布領域に対応する粘性のある形態にされてもよい。
好適な可塑剤中に成分Kとして開始剤化合物の溶液を使用することが有利であることが多く、このようにして、極端な混合比を回避できるだけでなく、室温で固体の架橋剤(例えば、クエン酸アセチルトリブチル)を好都合に成分Kに組込むことができる。
例えば、本発明に好適な成分Kは、硬化した歯科材料の可塑化をもたらす次の部類の化合物、即ち、
A 分子量が500g/mol未満の典型的な可塑剤、
B 分子量が500〜2000g/molの範囲であり、室温で固体のトリアシルグリセリド、又は
C 分子量が2000g/molより大きく、室温で液体のポリマー、
の少なくとも1種類、又はこれらの2種類以上の混合物を含む。
A 分子量が500g/mol未満の典型的な可塑剤、
B 分子量が500〜2000g/molの範囲であり、室温で固体のトリアシルグリセリド、又は
C 分子量が2000g/molより大きく、室温で液体のポリマー、
の少なくとも1種類、又はこれらの2種類以上の混合物を含む。
開始剤化合物は、一般に、0.5重量%〜90重量%、例えば2重量%〜80重量%、又は約5〜約50重量%の量で成分K中に含有される。
本発明の歯科材料を製造するため、成分Bと成分Kは、好適な量比で一緒に混合される。
混合は、実際には、通常、成分BおよびKを収容する貯蔵容器と静止又は動的混合要素からなる連続ミキサーで実施されることが有利である。
このような装置を使用すると、十分な品質の混合を達成することができ、これは均一な着色によって容易に確認できる。
通常、ポリエーテルをベースにする歯科材料の場合、触媒成分Kと基本成分Bとの体積混合比又は重量混合比は、約3:1〜約1:10の値に調節され、約1:2〜約1:5、とりわけ約1:2または約1:5の調節が特に好ましい。
アジリジノ基と開始剤化合物のアニオンとのモル比は、本発明の歯科材料においては、約3:1〜約0.9:1、例えば約2:1〜約1:1、とりわけ約1.8:1〜約1.2:1である。
従って、前述の値から、成分KとBの組成は、反応性アジリジノ基と、開始剤化合物又は2種類以上の開始剤化合物の混合物のアニオンとの所望のモル比に応じて、広範囲内で変わり得ることが分かる。
ポリエーテルをベースにする本発明の歯科材料は、改善された離型特性と改善された流入特性を有し、合計で、例えば、
アジリジノ基を有する化合物を30重量%〜80重量%、好ましくは45重量%〜71重量%、
硬化した歯科材料の可塑化をもたらす化合物を8重量%〜40重量%、好ましくは10重量%〜25重量%、
フィラーを4重量%〜25重量%、好ましくは9重量%〜16重量%、
その他の活性成分(着色剤、芳香剤、開始剤、遅延剤、促進剤、流動学的添加剤、粘稠剤、および界面活性剤など)を4重量%〜20重量%、好ましくは4重量%〜16重量%、
含有する調製物から得られる。
アジリジノ基を有する化合物を30重量%〜80重量%、好ましくは45重量%〜71重量%、
硬化した歯科材料の可塑化をもたらす化合物を8重量%〜40重量%、好ましくは10重量%〜25重量%、
フィラーを4重量%〜25重量%、好ましくは9重量%〜16重量%、
その他の活性成分(着色剤、芳香剤、開始剤、遅延剤、促進剤、流動学的添加剤、粘稠剤、および界面活性剤など)を4重量%〜20重量%、好ましくは4重量%〜16重量%、
含有する調製物から得られる。
とりわけ好適な成分および配合物は、例えば、以下の特許および特許出願に記載されている。DE 1745810号明細書、米国特許第3453242号明細書、米国特許第1544837号明細書、米国特許第4167618号明細書、DE 3245052号明細書、DE 3728216号明細書、EP 0421371号明細書、DE 4306997号明細書、DE 4321257号明細書、DE 19753461号明細書、DE 19740234号明細書、DE 10001747号明細書、DE 10018918号明細書。
本発明の調製物を、歯科治療又は歯科技工で採用される非常に様々な歯科材料に使用することができる。このような歯科材料の好ましい使用分野は、歯科治療における単一相および2相の印象採得、および咬合記録(bite registration)である。
本発明は、また、例えば、カートリッジ、小袋、印象トレー、スタティックミキサーおよびダイナミックミキサー、並びに混合デバイスなど、本発明の調製物から製造される材料(とりわけ歯科材料)を収容する容器および混合デバイスに関する。
本発明は、また、成分Z1として本発明の少なくとも1種類の組成物と、成分Bの少なくとも一部を架橋させるための触媒を含む少なくとも1種類の成分Kとを含む歯科材料を製造するためのキットにも関し、ここで、成分Bと成分Kは互いに分離されて存在する。
更に、本発明は、コーティング、印象材、シール材又は義歯成型材のための基本成分Bとして本発明の組成物を使用することに関する。
更に、本発明は、また、本発明の歯科材料の硬化速度の加速に1個のアジリジノ基を有する化合物を使用することにも関する。
本発明を実施例で以下に更に詳細に説明する。
測定
ショアA硬度の測定は、硬化の程度を測定するための当業者に既知の方法である。DIN53505に従って時間依存の測定を行った。
ショアA硬度の測定は、硬化の程度を測定するための当業者に既知の方法である。DIN53505に従って時間依存の測定を行った。
プフォルツハイムのボーリン・インスツルメンツ社(Bohlin Instruments GmbH Pforzheim)製のCVO120HR型の回転粘度計を使用して、流動学的試験を行った。測定は23℃で行った。プレート−プレートジオメトリーを使用した。プレート直径は20mmであった。動的粘度ηは、剪断速度γの関数として決定された。
DIN50125、B形式に準拠して、下記の引裂強度および伸びの値を決定した。試験装置として、ウルムのツヴィック社(Zwick GmbH&Co Ulm)製のツヴィック1435ユニバーサル試験機(Zwick 1435 universal testing machine)を使用した。試験試料を製造する試験用金型は、DIN50125、B形式に従う真鍮製の金型の半分2つからなり、直径は6.0±0.1mm、測定される長さは50.0±0.1mm(引張試験B6×50DIN50125)である。
サンプルを調製するため、基本成分と触媒成分を所定の体積比、5:1±1mlで均一になるまで混合し、金型の半分に導入する。金型の半分を一緒に合わせ、試験試料を10分後に23℃で取り出す。次いで、試験試料を更に23℃、および相対湿度50%で24±4時間貯蔵した後、測定する。記載される値は、5つの平行測定で決定した。
配合
以下の実施例において使用される基本成分は以下の組成を有し、可塑剤の含有量は以下の表の各場合に記載される一官能性モノマーの量で代用される。
−二官能性モノマー(エチレンオキサイドとTHFとのコポリマー、分子量6000)55.5%
−脂肪(非動物起源のグリセロールのトリアシルエステル)14.2%
−可塑剤(ジベンジルトルエン)18.1%
−フィラー(珪藻土)12.2%
以下の実施例において使用される基本成分は以下の組成を有し、可塑剤の含有量は以下の表の各場合に記載される一官能性モノマーの量で代用される。
−二官能性モノマー(エチレンオキサイドとTHFとのコポリマー、分子量6000)55.5%
−脂肪(非動物起源のグリセロールのトリアシルエステル)14.2%
−可塑剤(ジベンジルトルエン)18.1%
−フィラー(珪藻土)12.2%
1.様々な割合の一官能性モノマーを用いた試験
触媒成分:p−トルエンスルホン酸の亜鉛塩
基本成分B:可塑剤の一官能性モノマーによる代用
使用される一官能性モノマー:エチレンイミンで官能化されたt−ブタノール
触媒成分:p−トルエンスルホン酸の亜鉛塩
基本成分B:可塑剤の一官能性モノマーによる代用
使用される一官能性モノマー:エチレンイミンで官能化されたt−ブタノール
使用される一官能性モノマー:エチレンイミンで官能化されたポリプロピレングリコールモノブチルエーテル、M=1000(官能化前)
2.様々な割合の一官能性モノマーを用い、且つ、重合開始剤の含有量を調節した試験(エチレンイミン:重合開始剤のアニオンのモル比=1.4:1.0)
a)触媒成分:p−トルエンスルホン酸の亜鉛塩
基本成分:可塑剤の一官能性モノマーによる代用
使用される一官能性モノマー:エチレンイミンで官能化されたポリプロピレングリコールモノブチルエーテル、M=1000(官能化前)
a)触媒成分:p−トルエンスルホン酸の亜鉛塩
基本成分:可塑剤の一官能性モノマーによる代用
使用される一官能性モノマー:エチレンイミンで官能化されたポリプロピレングリコールモノブチルエーテル、M=1000(官能化前)
b)触媒成分:ドデシルベンゼンスルホン酸塩
基本成分:可塑剤の一官能性モノマーによる代用
使用される一官能性モノマー:エチレンイミンで官能化されたポリプロピレングリコールモノブチルエーテル、M=1000(官能化前)
基本成分:可塑剤の一官能性モノマーによる代用
使用される一官能性モノマー:エチレンイミンで官能化されたポリプロピレングリコールモノブチルエーテル、M=1000(官能化前)
c)触媒成分:p−トルエンスルホン酸
基本成分:可塑剤の一官能性モノマーによる代用
使用される一官能性モノマー:エチレンイミンで官能化されたポリプロピレングリコールモノブチルエーテル、M=1000(官能化前)
基本成分:可塑剤の一官能性モノマーによる代用
使用される一官能性モノマー:エチレンイミンで官能化されたポリプロピレングリコールモノブチルエーテル、M=1000(官能化前)
d)触媒成分:テトラフルオロホウ酸スルホニウム塩
基本成分:可塑剤の一官能性モノマーによる代用
使用される一官能性モノマー:エチレンイミンで官能化されたポリプロピレングリコールモノブチルエーテル、M=1000(官能化前)
基本成分:可塑剤の一官能性モノマーによる代用
使用される一官能性モノマー:エチレンイミンで官能化されたポリプロピレングリコールモノブチルエーテル、M=1000(官能化前)
Claims (14)
- 少なくとも2種類の成分Z1およびZ2を含む組成物であって、
c)成分Z1として、平均2個以上のアジリジノ基を有し、分子量が少なくとも1000である、少なくとも1種類の重付加生成物又は少なくとも1種類の重縮合生成物、および、
b)成分Z2として、1個のアジリジノ基を有する少なくとも1種類の化合物、
を含み、成分Z2の少なくとも1種類の化合物は、その化学的構成が、アジリジノ基の数以外に少なくとも1つの他の特徴で、成分Z1の少なくとも1種類の化合物とは異なる組成物。 - 成分Z1として、ポリエーテル、ポリエステル、ポリウレタン、およびポリジメチルシロキサンからなる群から選択される少なくとも1種類のポリマーを含むことを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
- 成分Z1として、少なくともある割合のテトラヒドロフラン単位を有するポリエーテルを含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の組成物。
- 成分Z2として、ポリエーテル、ポリエステル、ポリウレタン、およびポリジメチルシロキサンからなる群から選択される化合物を含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
- 成分Z2は、他の以下の特徴、即ち、
i)数平均分子量、
ii)重量平均分子量、
iii)多分散性、
iv)ポリマー主鎖の組成、
v)末端基、
の1つ又は2つ以上が、成分Z1とは異なる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物。 - 成分Z2として、分子量が300以上の化合物を含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物。
- 1種類の添加剤、又は2種類以上の添加剤の混合物を含むことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物。
- 2種類の成分Z1とZ2が一緒に混合される、請求項1〜7のいずれか1項に記載の組成物を調製する方法であって、
a)成分Z1として、平均2個以上のアジリジノ基を有し、分子量が少なくとも1000である、少なくとも1種類の重付加生成物又は少なくとも1種類の重縮合生成物、および、
b)成分Z2として、1個のアジリジノ基を有する少なくとも1種類の化合物、
が使用され、成分Z2の少なくとも1種類の化合物は、その化学的構成が、アジリジノ基の数以外の少なくとも1つの他の特徴で、成分Z1の少なくとも1種類の化合物とは異なる、方法。 - 少なくとも1種類の基本成分Bと、少なくとも1種類の触媒成分Kとを含む歯科材料であって、基本成分Bは、請求項1〜7のいずれか1項に記載の少なくとも1種類の組成物を含み、触媒成分Kは基本成分Bの少なくとも一部を架橋させるための少なくとも1種類の触媒を含む、歯科材料。
- 基本成分Bと触媒成分Kを室温で混合した後、20分以下の時間内に、24時間後に達成されるショアA硬度の値の少なくとも80%のショアA硬度を有することを特徴とする、請求項9に記載の歯科材料。
- コーティング、印象材、シール材又は義歯成型材のための、基本成分Bとしての請求項1〜7のいずれか1項に記載の組成物の使用。
- 請求項9又は10のいずれか1項に記載の歯科材料の硬化速度を加速するための、1個のアジリジノ基を有する化合物の使用。
- 基本成分Bとして請求項1〜7のいずれか1項に記載の少なくとも1種類の組成物、および、基本成分Bの少なくとも一部を架橋させるための触媒を含む少なくとも1種類の触媒成分Kを含み、成分Bと成分Kが互いに分離された状態にある、歯科材料を製造するキット。
- 請求項9又は10に記載の歯科材料を収容する容器および混合デバイス。
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