JP2006351431A - ラミネート型電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】 発電要素がフィルム状部材で密封封止されたラミネート型電池の内圧が上昇した場合に優先剥離部を確実に剥離させることができるラミネート型電池を提供する。
【解決手段】 発電要素30を収容する密封部13の周囲でラミネートフィルム12と14は封止されている。接着部20の一部には優先剥離部22が設けてある。接着部20の周方向で優先剥離部22の近傍には張力緩衝部24が設けてある。張力緩衝部24には夫々切り欠き26が設けてある。切り欠き26によって周方向の張力に対する張力緩衝部24の伸び率を接着部の他の部分の伸び率より大きくできる。密封部13の内圧が上昇した場合に優先剥離部22の周方向両側に張力が発生する。この張力は優先剥離部22を接着面に垂直な方向に開放することを妨げる。張力緩衝部24によって優先剥離部22の両側に作用する張力を低減できる。優先剥離部22を確実に剥離させることができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ラミネート型電池に関する。特に、フィルム状部材を周に沿って接着することによって発電要素を収容している密封空間を形成するとともに、密封空間の圧力(以下では内圧という)が所定値に達すると優先剥離部が確実に優先的に剥離するラミネート型電池に関する。
電極構造体と電解液等からなる発電要素をフィルム状部材で密封したラミネート型電池が知られている。そのフィルム状部材は、周に沿って接着されることによって、発電要素を収容する密封空間を形成する。フィルム状部材を用いることによって、電池の製造コストを低減することができる。
本明細書でいう発電要素は、充電状態で回路が閉じれば発電(放電)し、放電後に充電すれば次の発電に備えて充電できる部材をいい、正確には発電かつ充電要素のことをいう。
発電要素を密封空間に封止した電池の場合、例えば過充電時や急速放電時等に、発電要素の一部が気化し、内圧が高まることがある。内圧が過度に上昇すると、発電要素を密封しているフィルム状部材のいずれかの部分が破れ、破れた箇所から電解液や気化したガスが漏れる可能性がある。
そこで、フィルム状部材の周方向に伸びる接着部の一部に、内圧が所定値に達すると優先的に剥離する優先剥離部を設ける技術が提案されている。フィルム状部材のいずれかの部分が破れるのに先立って優先剥離部からガスが噴出するように構成しておけば、噴出ガスを安全に外部へ放出する通路を予め確保しておくことができる。
特許文献1には、外装フィルム(フィルム状部材)同士を接着して発電要素を密封する薄型電池(ラミネート型電池)において、周方向に伸びている外装フィルムの密封部(接着部)の一部に、剥離強度の小さい箇所を設ける技術が開示されている。この技術によると、内圧が上昇した場合に、剥離強度の小さい箇所が最初に剥離すると報告されている。
特許文献2には、外装部材の一部にフィルム状部材を接着した封止部(接着部)を設けるとともに、封止部の一部に他の封止部よりも耐圧性能が低い封止手段を設ける技術が開示されている。この技術によると、内圧が上昇した場合に、耐圧性能の低い封止部が優先的に開放されると報告されている。
特許文献3には、複数枚の外装フィルム(フィルム状部材)を周に沿って熱融着することによって発電要素を封止する技術が開示されており、帯状封止部(接着部)の少なくとも一箇所では幅方向の一部に未融着部分を設ける技術が提案されている。幅方向の一部に未融着部分を設けると、その部分の耐圧性能が低くなる。この技術によると、内圧が上昇した場合に、未融着部分を設けた部分で封止部が優先的に剥離すると報告されている。
特開平10−55792号公報(請求項1) 特開平11−86823号公報(請求項1) 特開2002−132868号公報(請求項1)
特許文献1から特許文献3の技術は、接着部の一部に耐圧性能の低い部分を設け、耐圧性能の低い部分を優先剥離部に利用する技術を提案している。
本願の発明者も接着部の一部の耐圧性能を低くしたラミネート型電池を試作し、多くの実験をした。その結果、内圧を上昇させていくと、耐圧性能を低くした接着部(即ち、設計上の優先剥離部)以外の箇所で、フィルム状部材が破れる事象が頻発することが判明した。即ち、接着部の一部に耐圧性能を低くした箇所を設けるだけでは、優先剥離部が優先剥離部として機能しない場合があることが判明した。ラミネート型電池では、内圧が上昇した場合に優先剥離部が確実に優先剥離部として機能することを保証する技術が必要とされている。
本願の発明者は、優先剥離部以外の箇所でフィルム状部材が破れる事象を詳細に検討した。その結果、優先剥離部が正常に機能しない原因が以下に挙げる理由による可能性が高いことを突き止めた。
なお以下では、接着面に直交する方向を厚み方向という。
(1)内圧が上昇すると密封空間が厚み方向に膨張する。
(2)密封空間が厚み方向に膨張すると、フィルム状部材同士の接着面を剥がす力が作用する。しかしながらそれと同時に、フィルム状部材の周方向に伸びる接着部に、接着部を周方向に引き伸ばそうとする張力が生じる。
(4)接着部の周方向に働く張力は、フィルム状部材同士が優先剥離部で剥がれるのを抑制する力となる。
(5)結局、優先剥離部の周方向に作用する張力が、優先剥離部が優先的に剥離することを妨げるように作用する。
上記検討から、優先剥離部に生じる周方向の張力を低減すれば、優先剥離部が優先剥離部として機能することを保証できるようになるという発想を得た。本発明では、周方向に伸びている接着部の一部に伸び率が大きい張力緩衝部を設ける。張力緩衝部を設けることによって、優先剥離部に生じる周方向の張力を低減することができ、優先剥離部が優先剥離部として機能することを保証できるようになった。
本発明はラミネート型電池に具現化できる。本発明を具現化したラミネート型電池は、発電要素と、周に沿って接着されていることによって発電要素を収容している密封空間を形成しているフィルム状部材と、周方向に伸びている接着部の一部に設けられており、接着部の残部よりも優先的に剥離する優先剥離部と、優先剥離部の周方向に隣接する位置の接着部に設けられており、接着部の周方向に作用する張力に対する伸び率が接着部の残部の伸び率より大きい張力緩衝部を備えている。
ここで「接着部」とは密封空間を形成するために、フィルム部材同士を接着した部分をいう。また「周に沿って接着されている」とは密封空間を形成するフィルム状部材の全周囲に限られない。例えば1枚のフィルム状部材を2つ折りにして3辺を接着すれば密封空間を形成できる。このように3辺が接着される場合も「周に沿って接着されている」と定義する。
なお本明細書でいう「接着」は接着剤による接着に限定されず、溶着、熱圧着その他の方法でフィルム部材同士を貼り合わせることを含む広義の概念である。
上記構成によると、密封部の内圧が上昇した場合に、張力緩衝部が大きく伸び、優先剥離部に生じる周方向の張力を低減することができる。即ち、優先剥離部が剥離することを妨げる力を低減できる。よって密封部の内圧が上昇した場合に、優先剥離部が優先剥離部として機能することを保証できるようになる。
なお、接着部の周方向に作用する張力に対する伸び率を接着部の残部の伸び率よりも大きくするには、張力緩衝部に用いる接着剤を接着部の残部に用いる接着剤と異なるものとすることが考えられる。このとき、接着剤が固着したときの張力に対する伸び率が大きい接着剤を張力緩衝部に用い、伸び率が小さい接着剤を残部に用いる。あるいは、張力緩衝部における接着部の厚さを残部の接着部の厚さより薄くすることによっても、張力緩衝部の伸び率を残部よりも大きくすることができる。
接着部の張力緩衝部での幅を、接着部の残部の幅より実質的に狭く形成することが好ましい。これによっても、周方向の張力に対する張力緩衝部の伸び率を接着部の残部の伸び率より大きくすることができる。なお「接着部の幅」とは、接着面内で周方向と直交する方向の接着部の長さをいう。
張力緩衝部では、接着部を厚さ方向に貫通する貫通孔を設けてもよい。接着部を厚さ方向に貫通する貫通孔を設けることによっても、接着部の張力緩衝部での幅を残部の幅よりも実質的に狭くすることができる。
張力緩衝部では、接着部の幅方向に切り欠きを設けてもよい。切り欠きを設けることによっても、接着部の張力緩衝部での幅を残部の幅よりも実質的に狭くすることができる。
なお、張力緩衝部に貫通孔又は切り欠きを設けることは製造時にパンチング等により容易に形成することできるという長所をも有する。
切り欠きは、接着部の幅方向の外側に設けられていることが好ましい。密封部の内圧が上昇すると接着部の周方向に作用する張力は接着部の幅方向の外側の方が大きくなる。接着部の幅方向の外側に切り欠きを設けることによって、張力緩衝部に生じる張力をより効果的に低減することができる。密封部の内圧が上昇したときに、優先剥離部が優先剥離部として機能することを確実に保証できるようになる。
張力緩衝部は、優先剥離部の周方向の両側に設けられていることが好ましい。張力緩衝部を周方向で優先剥離部の両側に設けることで、張力緩衝部に生じる張力をより効果的に低減することができる。
本願発明によれば、発電要素がフィルム状部材で密封されたラミネート型電池の密封空間の内圧が上昇した場合に、優先剥離部が優先剥離部として機能することを保証できるようになる。フィルム状部材のいずれかの部分が破れるのに先立って優先剥離部からガスが噴出するので、噴出ガスを安全に外部へ放出することが可能となる。
実施例の主要な特徴を列記する。
(第1形態) 張力緩衝部に設ける切り欠きは円弧状に形成されていることが好ましい。切り欠きを円弧状とすることで切り欠きの一部に応力が集中することを防止することができる。切り欠き部への応力集中による張力緩衝部の耐圧性能の低下を防止できる。
(第2形態) 発電要素の接着面内の外形形状は略矩形であることが好ましい。発電要素の接着面内の外形形状が略矩形であると、張力緩衝部によって優先剥離部に生じる張力を低減する作用が顕著に得られる。
以下、図面を参照して実施例を詳細に説明する。
<実施例1>
図1に実施例1のラミネート型電池10の模式的斜視図を示す。図2(a)に実施例1のラミネート型電池10の正面図を示す。図2(b)に実施例1のラミネート型電池10の平面図を示す。このラミネート型電池は扁平の発電要素30(図2を参照)を2枚のラミネートフィルム(フィルム部材)12、14で密閉封止している。2枚のラミネートフィルムは発電要素30(電極構造体と電解液)の周囲で接着されている。接着された部分を接着部20と称す。接着部20はラミネートフィルム12、14の周方向に長く伸び、一巡している。接着部20からは密封された発電要素30を外部と接続するための端子32、34が伸びている。なお、図2(a)と(b)には端子32、34は図示を省略してある。
また発電要素30を密封するために2枚のラミネートフィルムで形成された空間を密封部13と称す。密封部13には発電要素30が収容されている。ラミネートフィルムには、例えば樹脂とアルミシートを積層したフィルムなどを利用することができる。
ラミネート型電池10の接着部20の一部に優先剥離部22が設けてある。優先剥離部22の周方向に隣接する両側に張力緩衝部24aと24bが設けてある。
優先剥離部22は密封部13内の圧力が上昇した場合に残部に優先して剥離されるように形成されている。例えば優先剥離部22では接着部20の残部よりも接着性能の低い接着剤で接着されている。これにより密封部13内の圧力が上昇した場合に優先剥離部22が接着部20の残部よりも剥離しやすくされている。
優先剥離部22の他の例としては、柔軟性の高い中空状のチューブを挟んで2枚のラミネートフィルム12と14を接着してもよい。このときチューブはその一方の端部を密封部13内に位置するように配置する。またチューブの他方の端部をラミネート型電池10の外部に位置するように配置する。また2枚のラミネートフィルム12と14に挟まれたチューブは通常の状態ではその中空部が押しつぶされて密封部13の内部と外部とを隔離している。この構成において密封部13の内圧が上昇するとチューブを押し広げる力が強まる。押しつぶされていたチューブの中空部が開く。これにより密封部13に発生したガス等をチューブの中空部を通して外部に放出することができる。
張力緩衝部24aには切り欠き26aが設けてられている。切り欠き26aを設けることによって周方向の張力に対する張力緩衝部24aの伸び率は接着部20の残部よりも大きくなる。張力緩衝部24bにも切り欠き26bが設けられている。張力緩衝部24aと同様に、周方向の張力に対する張力緩衝部24bの伸び率は接着部20の残部よりも大きくなる。
張力緩衝部24aと24bと優先剥離部22の動作について説明する前に、張力緩衝部がない従来の場合の優先剥離部の動作について図6と図7を用いて説明する。
図6(a)は従来のラミネート型電池100の正面図である。図6(b)は従来のラミネート型電池100の平面図である。従来のラミネート型電池100では、発電要素30が2枚のラミネートフィルム12bと14bによって形成された密封部13b内に密封されている。2枚のラミネートフィルム12bと14bは密封部13bの周囲で接着されている。接着された部分が接着部20bである。接着部20bの一部に優先剥離部22bが設けられている。優先剥離部の構造は図1で説明したものと同様である。なお図6(a)と(b)には発電要素30を外部と接続するための端子は図示を省略してある。
密封部13bの内圧が上昇すると接着面と垂直な方向に2枚のラミネートフィルムを引き離す向きの力が作用する。従来はこの力によって接着力の弱い優先剥離部で優先的に2枚のラミネートフィルムが剥離することが期待されていた。
図7に従来のラミネート型電池100の密封部13bの内圧が上昇したときの状態を示す。図7(a)は内圧が上昇したときの従来のラミネート型電池100の正面図である。図7(b)は内圧が上昇したときの従来のラミネート型電池100の平面図である。なお図7(a)に示した破線21bは密封部13bの内圧が上昇する前のラミネート型電池100の外周形状を示す。
ラミネートフィルム12bと14bは柔軟性に富む。従って密封部13bの内圧が上昇すると図7(b)に示すように密封部13bは接着面と垂直な方向に膨張する。ここで「接着面」とは前述したように2枚のラミネートフィルムが接着された面をいう。
密封部13bが接着面と垂直な方向に膨張すると図7(b)に矢印42aと矢印42bで示すように優先剥離部22における2枚のラミネートフィルム12bと14bを互いに引き離すように力が作用する。従来は2枚のラミネートフィルム12bと14bを互いに引き離すように作用する力42aと42bにより優先剥離部が他の接着部に先立って優先的に接着面と垂直な方向に剥離されると期待されていた。
しかし密封部13bが接着面と垂直な方向に膨張することによって、密封部13bの周囲は接着面内で中心方向に引き寄せられる。その結果、図7(a)に示すように接着部20bの各辺の中央部はラミネート型電池100の中心に向かって引っ張られる。接着部20bの各辺は接着面内でラミネート型電池100の中心に向かって撓む。接着部20bの各辺の撓みにより接着部20bには周方向に張力が発生する。優先剥離部22bの周方向の両側に作用する張力を矢印40aと矢印40bで示す。この張力40aと40bが優先剥離部22bを接着面の垂直方向に剥離することを妨げる。
その結果、接着部20bに作用する張力が比較的小さく、また応力の集中しやすい接着部20bの4隅(101、102、103、104)の近傍が優先剥離部22bより先に破れてしまうという事象が発生する。
なお図6と図7は説明しやすいように密封部13bと接着部20bの変形量を誇張して描いてある。以後の図面でも同様である。
次に図2と図3を用いて実施例1のラミネート型電池10における張力緩衝部24aと24bおよび優先剥離部22の作用について説明する。図2(a)は本実施例のラミネート型電池10の正面図である。図2(b)は本実施例のラミネート型電池10の平面図である。ラミネート型電池10は発電要素30を密封する密封部13の周囲に接着部20を備える。接着部20では発電要素30をその両面から覆うラミネートフィルム12と14が接着されている。接着部20の一部に優先剥離部22が設けられている。接着部20の周方向で優先剥離部22の両側に張力緩衝部24aと24bが設けられている。張力緩衝部24aには切り欠き26aが設けられている。張力緩衝部24bには切り欠き26bが設けられている。なお図2と図3には発電要素30を外部と接続するための端子は図示を省略してある。
このラミネート型電池10において密封部13の内圧が上昇したときの状態を図3に示す。図3(a)は内圧が上昇したときのラミネート型電池10の正面図である。図3(b)は内圧が上昇したときのラミネート型電池10の平面図である。なお符号21で示す矩形は密封部13の内圧が上昇する前のラミネート型電池10の外周形状を示す。
図6と図7の説明と同様に密封部13の内圧が上昇すると優先剥離部22の接着面と垂直な方向に力42aと42bが作用する。同時に優先剥離部22の周方向に張力が発生する。しかしこのとき張力緩衝部24aと24bの張力に対する伸び率は接着部20の他の部分の伸び率より大きい。張力緩衝部24aと24bは周方向の張力によって接着部20の他の部分よりも周方向により長く変形する。このため優先剥離部22における中心方向への撓み量28は、張力緩衝部のない優先剥離部22とは反対側の接着部20の撓み量29より小さくなる。
従って優先剥離部22の周方向の両側に作用する張力44aと44bは、図7(b)に示した従来のラミネート型電池100の優先剥離部22bの周方向に作用する力40aと40bより小さくなる。優先剥離部22を接着面と垂直な方向に剥離することを妨げる力44aと44bを小さくできる。これにより優先剥離部22を他の接着部に先立って優先的に剥離させることができる。
実施例1では接着部20の張力緩衝部24aと24bにおいて外側(ラミネート電池10の外側)に切り欠き26aと26bを設けた。接着部20の外周側の方が内周側より張力が大きいからである。切り欠き26aと26bは接着部20の内側(密封部13側)に設けてもよい。
また実施例1では図2(a)に示したように切り欠き26aと26bの形状は楔型である。切り欠きの形状は楔形に限定されない。いかなる形状の切り欠きであっても同様の効果を奏することができる。切り欠きを設けることによって接着部20の他の部分の幅より張力緩衝部24aと24bの幅を実質的に狭くすることができる。張力緩衝部24aと24bの幅を実質的に狭くすることによって、周方向の張力に対する張力緩衝部24aと24bの伸び率を接着部20の他の部分の伸び率より大きくすることができる。
切り欠きはいかなる形状でもよいが円弧状に形成することが好ましい。切り欠きを円弧状に形成することで切り欠き部のいずれかの部分に応力が集中することを防止できる。密封部13の内圧が上昇した場合に切り欠きを有する張力緩衝部24a又は24bが優先剥離部22より先に破れる可能性を低減することができる。
<実施例2>
次に図4を用いて実施例2を説明する。図4は実施例2のラミネート型電池10bの正面図である。実施例1と同様の部分には同じ符号を付してある。実施例1と同様の部分については説明を省略する。
このラミネート型電池10bの張力緩衝部24aには接着部20をその厚さ方向に貫通する貫通孔50aが設けられている。同様に張力緩衝部24bには接着部20をその厚さ方向に貫通する貫通孔50bが設けられている。この貫通孔50aと50bにより張力緩衝部24aと24bの実質的な幅を接着部20の他の部分より狭くすることができる。張力緩衝部24aと24bの実質的な幅を接着部20の他の部分より狭くすることによって、張力緩衝部24aと24bの周方向の張力に対する伸び率を接着部20の他の部分の伸び率より大きくすることができる。これにより実施例1と同様に優先剥離部22を接着面に垂直な方向に剥離することを妨げる周方向の張力を低減することができる。密封部13の内圧が上昇した場合に、優先剥離部22が優先剥離部として機能することを保証できるようになった
<実施例3>
次に図5を用いて実施例3を説明する。図5は実施例3のラミネート型電池10cの正面図である。実施例1と同様の部分には同じ符号を付してある。実施例1と同様の部分については説明を省略する。
このラミネート型電池10cの張力緩衝部24aと24bの幅は接着部20のその他の部分の幅より狭く形成されている。張力緩衝部24aと24bの幅を接着部20の他の部分より狭くすることにより張力緩衝部24aと24bの周方向の張力に対する伸び率を接着部20の他の部分の伸び率より大きくすることができる。これにより実施例1と同様に優先剥離部22を接着面に垂直な方向に優先的に剥離することを妨げる周方向の張力を低減することができる。密封部13の内圧が上昇した場合に優先剥離部22を他の接着部に先立って剥離することを保証できる。
なお、実施例1の切り欠き26aと26bはパンチング等の工法により簡単に形成が可能である。同様に実施例2の貫通孔50aと50bもパンチング等の工法により簡単に形成が可能である。実施例1と実施例2の張力緩衝部の形状は加工しやすいという効果をも有する。
また実施例1から3では張力緩衝部を優先剥離部の両側に設けた。張力緩衝部を優先剥離部の方側のみに設けてもよい。張力緩衝部を方側のみに設ける構成であっても優先剥離部に対して周方向に作用する張力を低減することができる。優先剥離部を接着面に垂直な方向に剥離することを抑制するように作用する力を低減することができる。優先剥離部が優先剥離部として機能することを保証できる。
また実施例1から3では発電要素を2枚のラミネートフィルムで包む構造とした。その他にも1枚のラミネートフィルムを2つ折にして内部に発電要素を配置する。そしてラミネートフィルムの折り目以外の3辺を接着して接着部を形成することも好適である。この場合でも接着部の一部に優先剥離部を設けその周方向近傍に張力緩衝部を設ける。これにより優先剥離部を他の接着部に先立って優先的に剥離させることが可能となる。
また実施例1から4では発電要素30の外形状を矩形とした。発電要素の外形状は矩形に限定されるものではない。しかし発電要素の接着面内の外形状が略矩形であると、前述した優先剥離部以外の箇所で外装が破れる事象の検討結果において「接着部が接着面内で電池の中央方向へ撓む」ことが特に顕著となる。即ち発電要素の外形状が略矩形であると、その周囲の接着部も密封部を囲む略矩形となる。接着部が略矩形となるとその4辺の各辺の中央部で特に電池の中心方向への撓みが大きくなる。接着部で周方向に作用する張力がより大きくなる。張力が大きくなると張力緩衝部による張力の緩和の効果が顕著に有効となる。
本願発明のラミネート型電池は、接着部の周方向で優先剥離部の近傍の接着部に張力緩衝部を設ける。張力緩衝部により接着部の周方向に作用する張力を緩和する。接着部の周方向で優先剥離部の両側に作用する張力を緩和することによって優先剥離部が接着面に垂直な方向に開口しやすくする。従って内圧の上昇に対する張力緩衝部の耐圧性能は接着部の他の部分と略同等に設定される。内圧の過度の上昇によって張力緩衝部が先に破断しないように設定される。よって本願発明のラミネート型電池は、内圧が過度に上昇した場合に予め定められた優先剥離部を他の接着部に先立って剥離させることができるという効果を奏する。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
実施例1のラミネート型電池の模式的な斜視図である。 (a)は実施例1のラミネート型電池の正面図である。(b)は実施例1のラミネート型電池の平面図である。 (a)は密封部の内圧が上昇した場合の実施例1のラミネート型電池の正面図である。(b)は密封部の内圧が上昇した場合の実施例1のラミネート型電池の平面図である。 実施例2のラミネート型電池の正面図である。 実施例3のラミネート型電池の正面図である。 (a)は従来のラミネート型電池の正面図である。(b)は従来のラミネート型電池の平面図である。 (a)は密封部の内圧が上昇した場合の従来のラミネート型電池の正面図である。(b)は密封部の内圧が上昇した場合の従来のラミネート型電池の平面図である。
符号の説明
10、10b、10c:実施例のラミネート型電池
12、14:ラミネートフィルム(フィルム部材)
13:密封部
20:接着部
22:優先剥離部
24a、24b:張力緩衝部
26a、26b:切り欠き
30:発電要素
32、34:電極
100:従来のラミネート型電池

Claims (6)

  1. ラミネート型電池であり、
    発電要素と、
    周に沿って接着されていることによって、発電要素を収容している密封空間を形成しているフィルム状部材と、
    周方向に伸びている接着部の一部に設けられており、接着部の残部よりも優先的に剥離する優先剥離部と、
    優先剥離部の周方向に隣接する位置の接着部に設けられており、接着部の周方向に作用する張力に対する伸び率が接着部の残部の伸び率より大きい張力緩衝部と、
    を備えているラミネート型電池。
  2. 前記張力緩衝部では、その幅が接着部の残部の幅より実質的に狭く形成されていることを特徴とする請求項1に記載のラミネート型電池。
  3. 前記張力緩衝部では、接着部を厚さ方向に貫通する貫通孔が設けられていることを特徴とする請求項2に記載のラミネート型電池。
  4. 前記張力緩衝部では、接着部の幅方向に切り欠きが設けられていることを特徴とする請求項2に記載のラミネート型電池。
  5. 前記切り欠きは、接着部の幅方向の外側に設けられていることを特徴とする請求項4に記載のラミネート型電池。
  6. 前記張力緩衝部が、優先剥離部の周方向の両側に設けられていることを特徴とする請求項1から5のいずれかのラミネート型電池。
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