JP2006349842A - 再帰反射シート - Google Patents

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Abstract

【課題】鏡面反射層を有する再帰反射シートにおいて、再帰反射シートを基材から剥離しようとした時に、剥離しようとしたことが視認できる偽造防止に役立つ再帰反射シートを提供する。
【解決手段】鏡面反射層を有する再帰反射シートにおいて、再帰反射素子と該鏡面反射層の間に、少なくとも樹枝成分と金属とからなる破壊性反射層を部分的に設けたことを特徴とする再帰反射シート。
【選択図】図4

Description

本発明は、道路標識、工事標識等の標識類、自動車やオートバイ等の車両のナンバープレート類、衣料、救命具等の安全資材類、看板等のマーキング、各種の認証ステッカー類、可視光、レーザー光あるいは赤外光反射型センサー類の反射板等において有用な、新規な構造をもつ再帰反射シートに関し、詳しくは、鏡面反射層を有する再帰反射シートにおいて、再帰反射素子と該鏡面反射層の間に、少なくとも樹脂成分と金属とからなる破壊性反射層を部分的に設けたことを特徴とする再帰反射シートに関する。
従来から、入射した光を光源に向かって反射する再帰反射シートはよく知られており、その再帰反射性を利用した該シートは上記のごとき利用分野で広く利用されている。
このような再帰反射シートとしては、微小ガラス球に金属、ほとんどの場合アルミニウムを真空蒸着して鏡面反射層をもうけたものを再帰反射素子として用いた、封入レンズ型再帰反射シート及びカプセルレンズ型再帰反射シートがよく知られている。
封入レンズ型再帰反射シートの例としては、特許文献1に詳しく開示されており、またカプセルレンズ型再帰反射シートの例としては、特許文献2〜4に詳しく開示されており、ここでは、これらの文献の引用をもって、これら再帰反射シートの具体的記述に代えるものとする。
また、このような金属真空蒸着微小ガラス球を再帰反射素子とする代わりに、微小プリズムを再帰反射素子として利用したプリズム型再帰反射シート、中でも三角錐キューブコーナー型再帰反射シートも知られており、その反射性能が金属真空蒸着微小ガラス球を用いたものより優れていることから、近年その需要が伸びている。さらに、このような三角錐キューブコーナー型再帰反射シートの反射性能をさらに向上させるため、三角錐キューブコーナー型再帰反射素子のプリズム表面に金属真空蒸着層を設けた、真空蒸着型の三角錐キューブコーナー型再帰反射シートも知られており、例えば、特許文献5及び特許文献6に詳しく記載されている。従って、ここでの真空蒸着型三角錐キューブコーナー型再帰反射シートに関する具体的記述は、これらの文献の引用をもって代えるものとする。
しかしながら、これらの文献には、樹脂成分と金属とからなる破壊性反射層を設けることに関することは記載も示唆もされていない。
一方、樹脂成分と金属とからなる反射層用組成物及びそれを用いた印刷物に関しても知られており、例えば特許文献7及び特許文献8に記載されている。しかしながらこれらの特許文献には、この組成物を、高度の再帰反射特性が要求される再帰反射シートの反射層として使用しうることについてなど何らの記載も示唆も存在しないし、この組成物が破壊性であることに関する記載も示唆もされていない。
特開昭59−71848号公報(全文) 特公昭40−7870号公報(全文) 特開昭52−110592号公報(全文) 特開昭62−121043号公報(全文) 特開昭49−106839号公報(全文) 特開2001−264525号公報(全文) 特開平9−268269号公報(全文) 特開平10−158561号公報(全文)
従来の反射シートは、蒸着等により形成される鏡面反射層は再帰反射シートの輝度に関する重要なものであり破壊することなどは考えられていなかった。
本発明の目的は、鏡面反射層を有する再帰反射シートにおいて、再帰反射素子と該鏡面反射層の間に、少なくとも樹脂成分と金属とからなる破壊性反射層を部分的に設けることで、再帰反射シートを基材から剥離しようとした時に、その破壊の跡を視認できるようにし、偽造の防止に役立てるものである。
本発明に従えば、鏡面反射層を有する再帰反射シートにおいて、再帰反射素子と該鏡面反射層の間に、少なくとも樹脂成分と金属とからなる破壊性反射層を部分的に設けることを特徴とする再帰反射シートが提供でき、再帰反射シートを基材から剥離しようとした時に、その破壊の跡を視認できるようにし、偽造の防止に役立つ再帰反射シートを提供できるのである。
以下、本発明を詳細に説明するが、先ず従来の鏡面反射層を有する再帰反射シートについて、図面を参照しながら説明する。
図1は、鏡面反射層を有する三角錐キューブコーナー型再帰反射シートの模式断面図である。
図1において、(4)は三角錐キューブコーナー型再帰反射素子が最密充填状に配置された再帰反射素子層であり、その反射素子表面(凹凸が設けられている側の表面)には鏡面反射層(11b)が形成されている。再帰反射素子層(4)は、通常、この層を保持する保持体層(3)と一体になっている。またこの再帰反射素子層(4)には、再帰反射シートの使用目的や、使用環境などに応じて、保持体層(3)の光入射(12)側の表面を摩耗や損傷から守るための表面保護層(1)、観測者に情報を伝達したりシートを着色したりするための印刷層(2)、該再帰反射シートを他の構造体に貼付するための接着剤層(9)及び剥離基材層又は接着剤保護層(10)などを設けることができる。
再帰反射素子層(4)は、通常、熱軟化性を有する樹脂のシート状材料を、加熱下に三角錐型キューブコーナーが刻設された金属ロール面に押し当て熱エンボス加工するなどの方法により形成することができる。
観測者の使用目的、使用環境などに応じて、情報を伝達したりシートを着色したりするための印刷層(2)は、通常、表面保護層(1)と保持体層(3)の間、あるいは、表面保護層(1)の上や再帰反射素子層(4)の反射素子表面に設けることができ、通常、グラビア印刷、スクリーン印刷、インクジェット印刷などの手段により設置可能である。これらの印刷層に紫外線吸収剤を単独あるいは複数組み合わせ、さらに光安定剤を単独あるいは組み合わせることにより、褪色をおさえることも可能である。
三角錐キューブコーナー型再帰反射素子層(4)を構成する材料としては、再帰反射シートとして柔軟性を満足するものであれば特に限定されるものではないが、一般に、光学的透明性、均一性のあるものが好ましい。本発明において再帰反射素子(4)を構成するために使用し得る材料の例としては、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル樹脂、(メタ)アクリル樹脂、エポキシ樹脂、スチレン樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、ポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂などのオレフィン樹脂、セルロース系樹脂、ウレタン樹脂などが挙げられ、中でも、ポリカーボネート樹脂、(メタ)アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂及びウレタン樹脂が好適である。この再帰反射素子層には、耐候性を向上する目的で、紫外線吸収剤、光安定剤及び酸化防止剤などの添加剤をそれぞれ単独あるいは組み合わせて配合することができる。さらに、着色剤として、各種の有機顔料、無機顔料、蛍光顔料、蛍光染料、非蛍光染料、などを含有させることができる。
表面保護層(1)には、再帰反射素子層(4)に用いたのと同じ樹脂又はこれより表面硬度の高い樹脂を用いることができ、また、耐候性を向上する目的で、紫外線吸収剤、光安定剤及び酸化防止剤などの添加剤をそれぞれ単独あるいは組み合わせて配合することができる。さらに、着色剤として各種の有機顔料、無機顔料、蛍光顔料、蛍光染料、非蛍光染料などを含有させることができる。また、表面保護層(1)は2層以上の層に分割されていてもよく、各層にそれぞれ単独であるいは組み合わせた形で上記の各種添加剤、着色剤を含有させることができる。
表面保護層(1)、印刷層(2)、再帰反射素子層(4)及び保持体層(3)のうちの少なくとも1つの層、好ましくは再帰反射素子層(4)及び/又は保持体層(3)に、紫外線吸収剤及び/又は光安定剤を配合することによって、耐候性に優れたキューブコーナー型再帰反射シートを得ることができる。
紫外線吸収剤及び/又は光安定剤のこれらの層への導入は、例えば、これらの層を構成する樹脂に混練・溶融する方法、樹脂配合液に分散させる方法、溶剤で溶解してから樹脂配合液に混ぜる方法等により行うことができる。
鏡面反射層(11b)は、従来は、アルミニウム、銅、銀、ニッケルなどの金属を、真空蒸着、化学メッキ、スパッタリングなどの手段により形成されていたが、多くの場合、得られる鏡面反射層の色調も最も明るくなり、かつ、比較的蒸着温度の低い理由から、アルミニウムの真空蒸着法が好ましいとされていた。鏡面反射層(11b)の厚さは、通常、800〜1500オングストローム程度の範囲である。このような鏡面反射層(11b)を設けることにより、反射する臨界角が改善され、特に入射角が30°以上、さらには40°以上の角度において再帰反射性能が向上する。
鏡面反射層形成のためのアルミニウム連続真空蒸着処理装置は、真空度が7×10−4〜9×10−4mmHg程度に維持できる真空容器、その中に設置された、再帰反射素子層(4)と保持体層(3)が一体となったシート及びその光入射側表面上に積層された表面保護層(1)からなるプリズム原反シートを繰り出す巻出装置、真空蒸着処理されたプリズム原反シートを巻き取る巻取装置、並びに、それらの間にあって、黒鉛坩堝中でアルミニウムを溶融させることが可能な加熱装置よりなっている。例えば、黒鉛坩堝中に、純度が99.99重量%以上の純アルミニウムペレットと粒状の金属チタンを重量比100:1の割合になるように投入し、交流電圧350〜360V、電流115〜120A、処理速度30〜70m/分の条件で、再帰反射シートに、溶融され蒸気化されたアルミニウム原子が薄膜を形成することで反射面上に鏡面反射層として形成される
再帰反射シートを金属板、木板、ガラス板、プラスチック板などに貼付するために用いる、前記の接着剤層(9)及び、該接着剤層(9)を保護被覆するための剥離基材層又は接着剤保護層(10)としては、それ自体公知のものを適宜選択使用することができる。接着剤層(8)のための接着剤としては、感圧接着剤、感熱型接着剤、架橋型接着剤などから適宜選択することができる。感圧接着剤としては、例えば、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、イソオクチルアクリレート、ノニルアクリレートなどのアクリル酸エステルをアクリル酸、酢酸ビニルなどと共重合して得られるポリアクリル酸エステル感圧接着剤、シリコン樹脂系感圧接着剤、ゴム系感圧接着剤などを用いることができ、また、感熱型接着剤としては、例えば、アクリル系、ポリエステル系、エポキシ系樹脂などからなるものを用いることができる。
本発明では、再帰反射素子に、少なくとも樹脂成分と金属とからなる破壊性反射層(11a)を印刷等の手段により部分的に設けた後、上述のようにして得られるアルミニウム等の金属を真空蒸着して鏡面反射層(11b)を形成して再帰反射シーとを得るものである。
本発明の、少なくとも樹脂成分と金属とからなる破壊性反射層用の組成物は、PETフィルムに塗布した時の反射率が10〜90%であるものを使用すると、反射シートの輝度を高くすることが出来るので好ましい。
本発明の、少なくとも樹脂成分と金属とからなる破壊性反射層用の組成物は、少なくとも鱗片状のアルミニウム箔、結合剤及び有機溶剤を含み、アルミニウム箔の厚さが0.5μm以下で、且つその箔の面積が20〜2,000μmの範囲にあるアルミニウム箔の積算面積が全体の箔面積の75%以上を占めるものであり、該結合剤の量がアルミニウム箔100重量部に対して15〜200重量部であるものを使用すると、得られる破壊性反射層が鏡面のものが得られるので、反射シートの輝度を高くすることが出来るので好ましい。
少なくとも樹脂成分と金属とからなる破壊性反射層用の組成物については後で説明する。
図1に示される鏡面反射層を有する三角錐キューブコーナー型再帰反射シートのうち、従来技術により製造されたもの、すなわち真空蒸着により鏡面反射層が形成されたもの及びその製造方法については、前記特許文献5に詳細に記載されており、ここではこれらの文献の引用をもってその具体的記述に代えるものとする。
次に、従来の鏡面反射層を有する封入レンズ型再帰反射シートについて、その断面図である図2を参照しながら説明する。
図2に示される様に、透明マイクロ硝子球などの高屈折率透明微小球(7)を多数埋設するようにして支持する透明樹脂からなる保持層(6)、該保持層(6)に直径のほぼ1/2を埋設する様にして設置された該透明微小球の層、保持層(6)より突出した該透明微小球(7)の層の曲面に沿って形成され、その表面に形成される鏡面反射層(11b)が該透明微小球(7)のほぼ光学的焦点位置に来るように一定厚さで形成された焦点形成層(8)よりなる。高屈折率透明微小球(7)と焦点形成層(8)と鏡面反射層(11b)は、光学的に光の再帰反射条件をほぼ満たすような位置関係に配置されており、多数が集合して封入レンズ型の再帰反射素子層(7)を形成している。なお表面保護層(1)は2層構造とすることもできる。
観測者の使用目的、使用環境などに応じて、情報を伝達したりシートを着色したりするための印刷層(2)は、通常、表面保護層(1)と保持層(6)の間、又は表面保護層(1)の上などに設けることができ、通常、グラビア印刷、スクリーン印刷、インクジェット印刷などの手段により設置可能である。これらの印刷層に紫外線吸収剤を単独あるいは複数組み合わせ、さらに光安定剤を単独あるいは組み合わせることにより、褪色をおさえることも可能である。表面保護層を2層とする場合には印刷層を表面保護層間に設けることもできる。
この封入レンズ型再帰反射シートの各層を構成する材料としては、キューブコーナー型再帰反射シートの対応する各層について前述したと同様のものを使用することができる。
また、上記構成からなる封入レンズ型再帰反射シートにおいて、表面層、反射層に、キューブコーナー型再帰反射シートの場合と同様にして、紫外線吸収剤及び/又は光安定剤と共に配合され、それによって、耐候性に優れた封入型再帰反射シートを得ることができる。
本発明では、焦点形成層(8)に、少なくとも樹脂成分と金属とからなる破壊性反射層(11a)を印刷等の手段により部分的に設けた後、上述のようにして得られるアルミニウム等の金属を真空蒸着して鏡面反射層(11b)を形成して再帰反射シーとを得るものである。
なお図2に示される封入レンズ型再帰反射シートのうち、従来技術により製造されたもの、すなわち蒸着により鏡面反射層が形成されたもの及びその製造方法については、前記特許文献1に詳細に記載されており、ここではこの文献の引用をもってその具体的記述に代えるものとする。
次に、本発明において、再帰反射シートの破壊性反射層を形成するために用いられる組成物について説明する。
本発明の破壊性反射層は、メタリック調の反射層であっても、ミラー調の反射層であっても良いが、ミラー調である方が、反射シートの外観及び反射性能が良くなるので好ましい。
再帰反射シートの破壊性反射層用の組成物は、その反射層が高い反射率を有していることが必要であり、PETフィルムに塗布したときの反射率が10〜90%、より好ましくは25%以上、さらに好ましくは50%以上であることが好ましい。従って、本発明に使用される組成物は、該組成物に由来する平面、すなわち該組成物を塗布・乾燥するなどして形成される所定の厚さ、例えば約5μm厚さの平滑な皮膜の反射率が10%以上、さらには25〜90%の範囲であることが好ましい。
鏡面反射性樹脂層の反射率が10%以下の場合は、再帰反射性能が低く十分な性能が得られない。また、90%以上の反射率を有する鏡面反射層を光学的に透明なフィルムに設置する方法については、広く知られていない。
本発明に用いられる該組成物は、上記の反射率が得られるものなら特に限定されるものではないが、ミラー調の反射層を得るためには、少なくとも鱗片状の微小金属箔、結合剤及び有機溶媒を含んでなるものである。微小金属箔としてはアルミニウム箔が好ましい。
なお本発明に好適に用いられる該組成物は、少なくとも鱗片状のアルミニウム箔、結合剤及び有機溶剤を含み、アルミニウム箔の厚さが0.5μm以下で、且つその箔の面積が20〜2,000μmの範囲にあるアルミニウム箔の積算面積が全体の箔面積の75%以上を占めるものであり、該結合剤の量がアルミニウム箔100重量部に対して15〜200重量部であることを特徴とするものである。
本発明における破壊性鏡面層(11a)とプリズム型再帰反射素子層(4)および/又は破壊性鏡面層(11a)と焦点形成層(8)および/又は破壊性鏡面層(11a)と鏡面反射層(11b)の層間剥離強度または破壊性鏡面層(11a)の破壊による剥離強度は0.1〜15N/25mmであることが好ましい。
剥離強度が0.1N/25mmを下回るような場合には、基材への接着前に破壊性鏡面層で破壊が発生したり、輸送や保管中に破壊性鏡面層の変形が発生しがちになり好ましくない。
剥離強度が15N/25mmを上回るような場合には、破壊性鏡面層の剥離が生じにくく、接着剤層と基材との剥離が生じるので改竄防止の効果が現れない。
また、剥離強度が上記範囲内であっても、該剥離強度が再帰反射シートを構成する他の層間の剥離強度および接着剤層と基材との剥離強度および他の層それぞれの凝集破壊による剥離強度より僅かに小さいだけでは剥離が困難である
所望の剥離を容易にするためには、該剥離強度を再帰反射シートを構成する他の層間の剥離強度および接着剤層と基材との剥離強度および他の層それぞれの凝集破壊による剥離強度より2N/25mm以上小さいことが好ましい。
本発明の破壊性反射層(11a)に用いることの出来る樹脂としては、脂環式ポリオレフィン樹脂または脂環式アクリル樹脂、セルロース誘導体、シリコン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、アルキッド樹脂、ブチラール樹脂、ポリエステル樹脂またはそれらの混合物が好ましく、破壊形態に応じて適宜選択する。
本発明の好ましい脂環式ポリオレフィン樹脂は主鎖に脂環式構造を持つものであり、シクロペンタン系樹脂としては、シクロペンタン系樹脂(化学式1a)、ビシクロペンタン系樹脂(化学式1b)、シクロペンタノルボルネン系樹脂(化学式1c)であり、また、ビニルシクロペンタン系樹脂としては、ビニルシクロペンタン系樹脂(化学式2a)、ビニルシクロペンタノルボルネン系樹脂(化学式2b)であり、またはシクロヘキサジエン系樹脂(化学式3a)、シクロヘキサン系樹脂(化学式3b)であり、
(R、R、R、R、及びRはそれぞれ水素原子、アルキル基、シアノ基、シクロヘキシル基、またはアルキルカルボキシレート基であり、nは数平均重合度を示す)
通常、シクロペンタン系樹脂(化学式1a)はノルボルネン、ジシクロペンタジエンおよびテトラシクロドデセンなどのシクロオレフイン類を、タングステン、モリブデンなどの遷移金属化合物とアルキルアルミニウムからなるメタセシス触媒を用いて開環重合することによって得られる中間重合物を水素添加によって二重結合を飽和して得られる。市販の製品としては日本ゼオン株式会社製のゼオネックスを用いる事ができる。
上記のシクロペンタン系樹脂(化学式1a)の置換基Rは水素原子、シクロヘキシル基であることが特に好ましい。置換基Rが水素原子、シクロヘキシル基の場合には非晶性ポリマーとなり上記のような破壊性が得られるために、本発明の破壊性反射層(11a)に用いるには特に好ましい。
本発明の破壊性反射層(11a)に用いられる樹脂としては、通常、ビニルシクロペンタン系樹脂(化学式2a)およびビニルシクロペンタノルボルネン系樹脂(化学式2b)は、ノルボルネンとメチルメタクリレートによって得られるメタクリル基を側鎖に持つノルボルネン誘導体をタングステン−アルミニウム化合物を組み合わせた触媒を用いて開環重合させて得られる中間化合物を水素添加によってビニル基を飽和することにより得られる。この様な化合物は、エステル基構造を持つので再帰反射シートを構成する他の樹脂層や鏡面反射層との密着性が比較的高い傾向がある。市販の製品としては、JSR株式会社製のARTONをあげる事ができる。
このビニルシクロペンタン系樹脂(化学式2a)およびビニルシクロペンタノルボルネン系樹脂(化学式2b)の置換基R及びRは水素原子(−H)、メチル基(−CH)、シアノ基(−CN)、メチルカルボキシレート基(−COOCH)、エチルカルボキシレート基(−COOC)、シクロヘキシルカルボキシレート基(−COO(c−C))、n−ブチルカルボキシレート基(−COO(n−C))を用いる事が耐熱性の点および隣接する層との密着性を調整するうえで特に好ましい。
さらに、シクロヘキサジエン系樹脂(化学式3a、3b)は1,3−シクロヘキサジエン樹脂、シクロヘキサン樹脂であることが特に好ましい。これらのシクロヘキサジエン系ポリマーはアルキルリチウムとアミン化合物からなる触媒を用いて1,3−シクロヘキサジエンをリビングアニオン重合することによって得られる。特に、1,3−シクロヘキサジエン樹脂は耐熱性の面から特に好ましい。
本発明の破壊性反射層(11a)に用いられる脂環式アクリル樹脂としては、アクリルのエステル部分に脂環構造をもつものであり、焦点形成層(4)を構成する脂環式アクリル樹脂は化学式(4)で示される脂環式アクリル樹脂
(Rは水素原子、メチル基、Rはシクロヘキシル基、下記化学式(4−1)、又は化学式(4−2)で示される基を示す)
が好ましい。
脂環式アクリル樹脂はメタクリル酸エステル系ポリマー(化学式4)特にトリシクロデシルメタクリレートとメチルメタクリレートの共重合体が好ましく、市販の製品としては日立化成株式会社製のオプトレットを用いる事ができる。さらに、耐熱性の高いベンジルメタクリレート、トリシクロデカニエルメタクリレートとメチルメタクリレートの共重合体も用いる事ができる。
本発明における破壊性反射層に用いられる樹脂としてセルロース誘導は、セルロースアセテート(以下CAともいう)、セルロースアセテートプロピオネート(以下、CAPともいう)またはセルロースアセテートブチレート(以下、CABともいう)のいずれかまたはそれらの混合物であることが好ましい。これらのセルロース誘導体は、樹脂や鏡面反射層との密着性も弱く、基材から剥離しようとしたときには、剥離による破壊が生じる。市販の製品としてはイーストマンケミカル社製のCABを用いる事ができる。
また、本発明において破壊性反射層(11a)に用いられる樹脂として、シリコン系樹脂は、フェニルメチル系シリコーンレジンやメチル系シリコーンレジンなどのシリコーン系樹脂、あるいは変性もしくは非変性のシリコーンワニスのいずれかまたはそれらの混合物であることが好ましい。これらのシリコーン樹脂は樹脂や鏡面反射層との密着性が適度であり、基材から剥離しようとしたときには剥離による破壊が生じる。市販の製品としては、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製のシリコーンコーティング剤を用いることができる。
破壊性反射層(11a)に用いられるフッ素系樹脂は、長鎖のフッ化アルキル基と反応基を有する反応性有機フッ素化合物が好ましい。これらのフッ素化合物は塗工することでフッ素の薄膜を形成し、基材から剥離しようとしたときには剥離による破壊が生じる。市販の製品としては、旭硝子株式会社製のルミフロンを用いることができる。
ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ブチラール樹脂およびポリエステル樹脂は、分子量を小さくすることで、凝集破壊しやすくすることができ、破壊性反射層を破壊層として用いることができる。
これらの該破壊性反射層(11a)に用いることのできる樹脂は、剥離又は破壊が生じやすいように、適宜、分子量や架橋密度などを調節することが好ましい。
適切な分子量の範囲としてはスチレン換算重量分子量で1,000〜100,000、好ましくは、5,000〜50,000である。該焦点形成層(4)と該ガラス球(3)および/または該保持層(2)との間の層間剥離が生じるような焦点形成層(4)の分子量は10,000〜100,000、好ましくは50,000〜100,000であり、該焦点形成層(4)の破壊によって剥離するが生じるような焦点形成層(4)の分子量は1,000〜5,000好ましくは1,000〜3,000であるが分子構造や重合方法によって適宜調整されなければならない。
該組成物による破壊性反射層の形成方法としては、該組成物を適宜な手段により適用して乾燥する方法を挙げることができる。該組成物の適用方法は、必ずしも限定されるものではなく、例えばロールコート、スプレーコート、ドクターコート、フレキソ印刷、スクリーン印刷、グラビア印刷などの方法を挙げることができる。
破壊性反射層は、それを形成すべき箇所、例えば三角錐キューブコーナー型再帰反射シートにおける再帰反射素子層(3)の反射素子表面や、封入レンズ型再帰反射シートにおける焦点形成層(8)に部分的に塗布・形成することができる。
破壊性反射層用組成物は、再帰反射シートとして高い輝度と共に、色相が暗くなることを防ぐため、均一な反射層が得られるように粘度を調整することが好ましい。
破壊性反射層の厚さは、必ずしも限定されるものではないが、反射性能、破壊性、耐侯性等の観点から、0.5〜30μm、さらには1〜15μmの範囲であることが好ましい。また、外観の面からは薄く形成する方が好ましい。
該組成物に紫外線吸収剤を単独あるいは複数組み合わせ、さらに光安定剤を単独あるいは組み合わせることにより、反射性能の低下をおさえることが可能である。
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明する。
製造例1
〔金型の製造〕
表面を平坦に切削した100mm角の真鍮板の上に、先端角度が71.52°のダイヤモンドバイトを用いて、交差する二方法(y方向及びz方向とする)についてV字状の溝を切削した。各方向のV字状の溝の繰り返しピッチは210.88μm、溝の深さは100μm、溝の断面形状が対称で、二方向のV字状の溝の交差角度は58.76°となるように、多数の平行溝群を繰り返しのパターンでフライカッティング法によって切削した。
しかる後に、y、z二方向の交点を結ぶ直線と並行で、該直線からのオフセット量が11μmとなるように、もう一方向(x方向とする)の断面形状が対称なV字状の溝を、先端角度が68.53°のダイヤモンドバイトを用いて、繰り返しピッチ214.92μm、溝の深さ115μmとなるように、多数の平行溝群を繰り返しのパターンでフライカッティング法によって切削し、真鍮板上に凸形状の多数の三角錐キューブコーナー型再帰反射素子群が最密充填状に配置された母型を形成した。
このようにして形成した三角錐型再帰反射素子対の、頂点(H)から底面(Sx−Sx’)までの高さ(hx)は115μmで、頂点(H)から底面(Sx−Sx’)までの高さ(hx)は100μmであり、また、頂点(H)から底面(S−S’)までの高さ(hyz)は100μmで、頂点(H)から底面(S−S’)までの高さ(hyz)は85μmであった。また、この三角錐型再帰反射素子の光学軸傾斜角(θ)は+1°であり、反射素子を構成する側面の頂角はいずれも90°であった。
この真鍮製母型を用いて、濃度が55%のスルファミン酸ニッケル液を用いて電鋳法により、材質がニッケルであって、形状が反転された凹型状のキューブコーナー成形用金型を作成した。
(この金型については特許文献6参照)
実施例1
ビスフェノール型ポリカーボネート樹脂〔三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製 商品名「ユーピロンE2000」〕100重量部に、紫外線吸収剤〔チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製 商品名「チヌビン1577」〕を0.2重量部加え、三井鉱山(株)製の高速回転型混合器、ヘンシェルミキサーを用いて回転数100rpmの条件で15分間混合した。この混合樹脂を、スクリュー長さ:口径比が30:1で圧縮比が3.0のスクリューを設置した短軸押出機を用いて、押出温度240℃、回転数35rpmの条件で口径4mmのノズルから押出した後、水冷し、切断してペレットを得た。
このペレットを80℃、12時間の条件で乾燥した後、スクリュー長さ:口径比が30:1で圧縮比が3.0のスクリューを設置した短軸押出機を用いて、押出温度240℃、回転数50rpmの条件で押出して、厚さ200μmのポリカーボネート樹脂フィルムを得た。
このポリカーボネート樹脂フィルムの表層に、厚さ50μmのアクリル樹脂フィルム〔鐘淵化学工業(株)製;商品名「サンデュレン014NST」〕を、200℃の一対の熱ロールを用いて熱接着法で積層した後、前記製造例1で作製した金型を用い、ポリカーボネート樹脂フィルムをこの金型表面に接する様に供給して、成形温度200℃、成形圧力50kg/cmの条件で圧縮成形し、加圧下で30℃まで冷却してから樹脂シートを取り出し、多数の三角錐キューブコーナー型再帰反射素子が最密充填状に配置された再帰反射シートの中間体を得た。
厚みが0.25μmで箔面積が20〜2000μmであるアルミニウム箔片を85%含有するアルミニウム箔100重量部、JSR株式会社製ノルボルネン樹脂(商品名 ARTON D4532)の樹脂分が40重量部、トルエンを加え、15重量%のトルエン溶液を作成(破壊性鏡面反射層用組成物1という)し、スクリーン印刷で平均厚みが5μmで破壊性鏡面反射層を設置割合が30%になるよう部分的に設置した。
次いで、真空度が9×10−4mmHg程度に維持できる真空容器中に設置された黒鉛坩堝中で、電熱ヒーターでアルミニウムを溶融させることが可能な加熱装置よりなる真空蒸着装置に設置し、黒鉛坩堝中に純度が99.99%以上の純アルミニウムペレットと粒状の金属チタンを、その重量比が100:1の割合になるようにして投入し、交流電圧350V、電流が115〜120A、処理時間5分の条件で真空蒸着処理を行って、鏡面反射層を形成し、三角錐型キューブコーナー再帰反射シートの中間製品を得た。
一方、剥離紙〔リンテック(株)製;商品名「E2P−L−PE(P)」〕(E2P)上に、固形分約40重量%のアクリル系感圧接着剤溶液(KP−1818)100重量部及びキレート系架橋剤〔日本カーバイド工業(株)製;商品名「CK−401」〕(CK401)0.76重量部を攪拌混合したものを塗布・乾燥し、厚さ約40μmの感圧接着剤層を設置したシートを作製し、この感圧接着剤層を有するシートと上記中間製品の鏡面反射層とを貼り合わせ、三角錐型キューブコーナー再帰反射シートを作製した。
実施例2
実施例1において、破壊性鏡面反射層用組成物1の代わりに、平均粒子径5μのアルミニウム粉末100重量部、JSR株式会社製ノルボルネン樹脂(商品名 ARTON D4532)の樹脂分が40重量部、トルエンを加え、15重量%のトルエン溶液を作成(破壊性鏡面反射層用組成物2という)し、破壊性鏡面反射層用組成物2を用いた以外は、実施例1と同様にして、三角錐型キューブコーナー再帰反射シートを作製した。
実施例3
厚み38μmの透明なPETフィルム〔帝人デュポンフィルム(株)製;商品名「SEW−38」〕を表面保護層として用い、その一方の表面に、固形分約43重量%のアクリル系樹脂溶液〔日本カーバイド工業(株)製;商品名「RS−3100」〕100重量部とイソシアネート架橋剤(N75)12重量部を攪拌混合したものを塗布・乾燥させ、厚さ18μmの透明微小球保持層を設置した。この保持層に、屈折率2.20、平均粒子径約35μmのガラス微小球〔(株)ユニオン製;商品名「U−052FX」〕を、このガラス微小球の直径の半分が埋まるように設置した。
次いでガラス微小球が設置された面に、固形分約30重量%のアクリル樹脂溶液〔日本カーバイド工業(株)製;商品名「RS−5000」〕100重量部及びメラミン系架橋剤〔三和ケミカル(株)製;商品名「MS−11」〕5.5重量部を攪拌混合した樹脂溶液を塗布・乾燥し、平均厚さが14μmの焦点形成層を設置した。
この焦点形成層の表面に、破壊性鏡面反射層用組成物1を用いて、スクリーン印刷で平均厚みが5μmで破壊性鏡面反射層を設置割合が30%になるよう部分的に設置した。
次いで、実施例1と同様にして真空蒸着により鏡面反射層を得て、封入レンズ型再帰反射シートの中間製品を作成した。
一方、剥離紙(E2P)に、アクリル系感圧接着剤(KP1818)80重量部、アクリル系感圧接着剤〔日本カーバイド工業(株)製;商品名「KP−1656」〕20重量部及びキレート系架橋剤(CK401)0.76重量部を攪拌混合したものを塗布・乾燥して、厚さ40μmの感圧接着剤層を有する接着シートを作製し、この接着シートを、上記封入レンズ型再帰反射シートの中間製品の鏡面反射性樹脂層上に貼り合わせて、封入レンズ型再帰反射シートを作製した。
実施例4
実施例3において、破壊性鏡面反射層用組成物1の代わりに、破壊性鏡面反射層用組成物2を用いる以外は、実施例3と同様にして、封入レンズ型再帰反射シートを得た。
実施例5
破壊性鏡面反射層用組成物1にトルエンを追加して、3重量%のトルエン溶液(破壊性鏡面反射層用組成物3という)を作成し、破壊性鏡面反射層用組成物3を用いて、グラビア印刷で厚み1μmで破壊性鏡面反射層を設置割合が30%になるよう部分的に設置した以外は、実施例3と同様にして封入レンズ型再帰反射シートを得た。
実施例6
設置割合を10cm角内に、直径1cmで線幅1mmの円1個とした以外は実施例5と同様にして、封入レンズ型再帰反射シートを得た。
比較例1
実施例1において、破壊性鏡面反射層用組成物1の代わりに、帝国インキ製造株式会社製のミラー調インク組成物(商品名MIR−9100ミラーシルバー)を用いた以外は、実施例1と同様にして三角錐キューブコーナー型再帰反射シートを得た。
比較例2
実施例3において、破壊性鏡面反射層用組成物1の代わりに、帝国インキ製造株式会社製のミラー調インク組成物(商品名MIR−9100ミラーシルバー)を用いた以外は、実施例3と同様にして封入レンズ型再帰反射シートを得た。
比較例3
実施例3において、破壊性鏡面反射層用組成物1の代わりに、平均粒子径5μのアルミニウム粉末100重量部、日本カーバイド工業製のアクリル樹脂(商品名 RS−5000 )の樹脂分が40重量部、トルエンを加え、15重量%のトルエン溶液を作成(破壊性鏡面反射層用組成物3という)し、破壊性鏡面反射層用組成物3を用いた以外は、実施例3と同様にして、封入レンズ型再帰反射シートを作製した。
比較例4
実施例1において、破壊性鏡面反射層を設けず、全面鏡面反射層とした以外は、実施例1と同様にして、三角錐型キューブコーナー再帰反射シートを得た。
比較例5
実施例3において、破壊性鏡面反射層を設けず、全面鏡面反射層とした以外は、実施例3と同様にして、封入レンズ型再帰反射シートを得た。
再帰反射シートの評価
以上の実施例及び比較例で得られた再帰反射シートについて、次の測定・評価法に従ってその性能を評価した。結果は表1に示す。
(1)再帰反射性能
再帰反射性能測定器としてアドバンスト・レトロ・テクノロジー社製「モデル940」を用い、100mm角の再帰反射シートの再帰反射性能を、JIS Z−9117に準じて、観測角0.2゜で入射角5゜により適宜の5点について測定し、その平均値をもって再帰反射シートの再帰反射性能とした。
(2)剥離強度
試験に用いる再帰反射シートの剥離紙を剥がし、JIS Z0237に準じて2Kgのローラーを用いて厚さ2mmのアルミ板に貼り合わせた後に、温度23℃相対湿度60%の条件下で3日間保管後、同一条件で、貼り合わせた試験片をJIS Z0237に記載の剥離強度測定法により剥離強度を測定した。
(3)剥離状態
剥離強度試験後の試験片の剥離箇所および剥離状態を目視で観察して、以下の基準で外観を評価した。
水準 剥離状態
A 破壊性鏡面反射層で剥離が起きた。
B 破壊性鏡面反射層で剥離が起きず、または反射シートが破断した。
反射率の測定方法
また、鏡面反射層の反射率について、次の測定・評価法に従ってその性能を評価した。
JIS D5705 10.2反射率試験に記載の反射率の直接測定法に準じて測定を行った。
表面が平滑な厚み75μmのPETフィルムに、アルミ蒸着、破壊性鏡面反射層用組成物およびシルバーインク組成物のスクリーン印刷を施し、鏡面反射層をもつPETフィルムを作製した。鏡面処理がされている側を表面とした場合、鏡面処理がされていない裏面から光を25度の角度で入射し、25度で反射された光の強度を、受光器(International Light製 Radiometer/Photometer IL1400A)にて測定した。光源から直接光を入射した際の光の強度を100とし、各反射層における光の強度とした。
従来の鏡面反射層が形成された三角錐キューブコーナー型再帰反射シートの模式断面図である。 従来の鏡面反射層が形成された封入レンズ型再帰反射シートの模式断面図である。 本発明の破壊性反射層と鏡面反射層が形成された三角錐型再帰反射シートの模式断面図である。 本発明の破壊性反射層と鏡面反射層が形成された封入レンズ型再帰反射シートの模式断面図である。
符号の説明
1 表面保護層
2 印刷層
3 保持体層
4 プリズム型再帰反射素子層
5 一体
6 保持層
7 微小球型再帰反射素子層
8 焦点形成層
9 接着剤層
10 剥離基材
11a 破壊性反射層
11b 鏡面反射層
12 光の入射方向

Claims (6)

  1. 鏡面反射層を有する再帰反射シートにおいて、再帰反射素子と該鏡面反射層の間に、少なくとも樹脂成分と金属とからなる破壊性反射層を部分的に設けたことを特徴とする再帰反射シート。
  2. 該鏡面反射層を形成する金属がアルミニウム、銀、ニッケルのいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の再帰反射シート。
  3. 該破壊性反射層が破壊性鏡面反射層であることを特徴とする請求項1記載の再帰反射シート。
  4. 該破壊性鏡面反射層を形成する樹脂成分と金属を含む組成物を、PETフィルムに塗布した時の反射率が10〜90%であることを特徴とする請求項3記載の再帰反射シート。
  5. 該組成物が少なくとも鱗片状のアルミニウム箔、結合剤及び有機溶剤を含み、アルミニウム箔の厚さが0.5μm以下で、且つその箔の面積が20〜2,000μmの範囲にあるアルミニウム箔の積算面積が全体の箔面積の75%以上を占めるものであり、該結合剤の量がアルミニウム箔100重量部に対して15〜200重量部であることを特徴とする請求項4記載の再帰反射シート。
  6. 該再帰反射シートが三角錐キューブコーナー型再帰反射素子、又は封入レンズ型再帰反射素子により構成される再帰反射シートである請求項1に記載の再帰反射シート。
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