JPWO2008123429A1 - 再帰反射物品 - Google Patents

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Abstract

内部全反射型キューブコーナー再帰反射性素子が多数配置されてなる再帰反射性素子層を有する再帰反射物品において、該再帰反射性素子層の裏面に光学特性調整層を部分的に設け、該光学特性調整層の裏面に空気層を設置する。本発明によれば、既存品等の再帰反射性素子層の裏面に、色相や占有面積率を調整した光学特性調整層を、簡単で調整が容易な方法にて設けることにより、安価に生産性を高めて再帰反射物品を生産することが可能となり、交通標識、規制標識、案内標識、工事標識などの交通標識類や商業標識、可視光、レーザー光あるいは赤外光反射型センサー類の反射板などとして適した再帰反射物品を、既存製品を流用して効率よく生産できる。

Description

本発明は、新規な構成の再帰反射物品に関する。
より詳しくは、本発明は、内部全反射型キューブコーナー再帰反射性素子が多数配置されてなる再帰反射性素子層を有する再帰反射物品において、該再帰反射性素子層の裏面に光学特性調整層が部分的に設けられた構成を有する再帰反射物品に関する。
さらに詳しくは、本発明は、三角錐型キューブコーナー素子、フルキューブ型キューブコーナー素子、セミフルキューブ型キューブコーナー素子、テント型キューブコーナー素子およびクロスプリズム素子の群より選ばれた少なくとも1種類の再帰反射性素子が多数配置されてなる再帰反射性素子層を有する再帰反射物品において、該再帰反射性素子層の裏面に、光学特性調整層が必要に応じて着色され、一定範囲の占有面積率で外観を損なわずに設けられている構成を有する、色相や透明性、再帰反射特性が調整された再帰反射物品に関する。
従来より、入射した光を光源に向かって反射する再帰反射物品はよく知られており、交通標識、規制標識、案内標識、工事標識などの交通標識類や商業標識、可視光、レーザー光あるいは赤外光反射型センサー類の反射板として広く利用されている。
中でも内部全反射型キューブコーナー再帰反射性素子が多数配置されてなる再帰反射性素子層を有する再帰反射物品は、従来のマイクロガラス球を用いた再帰反射物品と比較して再帰反射効率が高いこと、色彩が鮮やかで視認性が優れていること、背面に光源を設けてその光を透過させることが可能であることから、近年、用途が増大している。
そしてこれらの内部全反射型キューブコーナー再帰反射性素子を用いた再帰反射物品の構成に関しては、複数の技術が公開されているが、例えば特公昭46−25177号公報(特許文献1)においては、「平滑な前面と各々が相互に垂直な3個の小平面を有する複数個の光源向け反射ユニットを具えた後面とを有する光線に対して透明な材料で形成された光源向け反射性単一製品にして、前記後面が透明な介在隔壁を具え、該隔壁が前記後面を各々が少なくとも3個の前記光源向け反射ユニットを含みかつ約6平方センチメートルよりも大きくない面積を有する複数個の多角形状小室に分割するように交差し、さらに前記隔壁は後方に少なくとも前記光源向け反射ユニットまで延在する自由端縁を有して該端縁に裏当て板が封着され得るとともに前記光源向け反射ユニットの面積よりも大きくない面積を占める光源向け反射製品」が開示されている。
また、特開2001−33609号公報(特許文献2)においては、「光線透過性のプリズム層が、光入射側の表面が実質的に平滑で光線透過性の保持体層、該保持体層の裏面にキューブコーナー型再帰反射素子が最密充填状に配置されたプリズム集合面と、該再帰反射素子の頂部を超えて突出して該プリズム集合面を囲周する該再帰反射素子と共に形成された周壁とからなり、該プリズム層から空気層を隔てて配置された結合剤層からなり、該プリズム層の周壁の頂部と該結合剤層とが連結され、その結果、周壁、プリズム集合面および結合剤層によって囲まれる空気層を包含する密封封入単位の集合体からなるキューブコーナー型再帰反射シートであって、少なくとも2種類以上の相異なる密封封入単位が組み合わされているキューブコーナー型再帰反射シートにおいて、上記キューブコーナー型再帰反射シートは、該反射素子の光学軸が該光入射側の表面の垂線に対して傾斜している再帰反射素子からなるプリズム層、および/または、該再帰反射素子を構成する3面のうちの2面がなすそれぞれの交差角(プリズム頂角)の少なくとも1つが90度から僅かな偏差を有する再帰反射素子からなるプリズム層を含むことを特徴とするキューブコーナー型再帰反射シート」が開示されている。
これらの技術における内部全反射型キューブコーナー再帰反射性素子は、空気層と接する構成とすることで再帰反射性能を発揮するものであり、該素子が多数配置されてなる再帰反射性素子層を有する再帰反射物品において、再帰反射性素子層の裏面に、結合剤層以外の層を設けることは、これまでの技術には開示されていなかった。
さらに米国特許出願公開第2005/0221042号明細書(特許文献3)においては、「可視表面側に第1cap−Y値をもつ再帰反射性素子層、該再帰反射性素子層の可視表面側に配置された複数の不連続の色素性表示(pigmented indicia) からなり、該色素性表示はシートの可視表面の第2cap−Y値を定め、該第2cap−Y値は第1cap−Y値より小さいことを特徴とする可視表面をもつ再帰反射性ラミネートシート」が開示されている。
この技術は、再帰反射性素子層の表面に色素性表示(pigmented indicia) を設け、Y値を調整するというもので、再帰反射性素子層の裏面に新たな層を設けるという技術は示唆されていなかった。
特公昭46−25177号公報 特開2001−33609号公報 米国特許出願公開第2005/0221042号明細書
本発明が解決しようとしている課題は、再帰反射物品において、外観を損ねずに光学特性を調整した再帰反射物品の提供にある。
具体的な用途としては、交通標識、規制標識、案内標識、工事標識などの交通標識類や商業標識、可視光、レーザー光あるいは赤外光反射型センサー類の反射板を例示することができ、これらに適した光学特性を具備した再帰反射物品を、既存製品を流用して効率よく生産できる再帰反射物品の提供が、本発明の課題である。
本発明は、内部全反射型キューブコーナー再帰反射性素子が多数配置されてなる再帰反射性素子層を有する再帰反射物品において、該再帰反射性素子層の裏面に光学特性調整層が部分的に設けられており、該光学特性調整層の裏面に空気層を有していることを特徴とする再帰反射物品を提供することにより、前記課題を解決したものである。
本発明の効果は、交通標識、規制標識、案内標識、工事標識などの交通標識類や商業標識、可視光、レーザー光あるいは赤外光反射型センサー類の反射板として適した光学特性を具備した再帰反射物品を、既存品の再帰反射性素子層の裏面に、色相や占有面積率を調整した光学特性調整層を簡単で調整が容易な方法にて設けることにより、安価に生産性を高めて生産できることにある。
本発明の再帰反射物品に用いることのできる内部全反射型キューブコーナー再帰反射性素子の1つの態様である、三角錐型キューブコーナー素子の平面図(図1(A) )と断面線X−X’で切断した断面図(図1(B) )および断面線Y−Y’で切断した断面図(図1(C) )である。 本発明の再帰反射物品に用いることのできる内部全反射型キューブコーナー再帰反射性素子の1つの態様である、フルキューブ型キューブコーナー素子の平面図(図2(A) )と断面線X−X’で切断した断面図(図2(B) )および断面線Y−Y’で切断した断面図(図2(C) )である。 本発明の再帰反射物品に用いることのできる内部全反射型キューブコーナー再帰反射性素子の1つの態様である、セミフルキューブ型キューブコーナー素子の平面図(図3(A) )と断面線X−X’で切断した断面図(図3(B) )および断面線Y−Y’で切断した断面図(図3(C) )である。 本発明に用いられる光学特性調整層として、再帰反射性素子層の裏面に、非連続の独立した領域に設けた一例を示す平面図である。 本発明に用いられる光学特性調整層として、再帰反射性素子層の裏面に、連続屈曲線状に設けた一例を示す平面図である。
以下に、本発明の課題を解決するための具体的な手段に関して詳細に説明を行なう。
本発明は、内部全反射型キューブコーナー再帰反射性素子が多数配置されてなる再帰反射性素子層を有する再帰反射物品において、該再帰反射性素子層の裏面に、光学特性調整層が部分的に設けられた構成を有する、色相や透明性、再帰反射特性が調整された再帰反射物品に関する。
本発明の再帰反射物品に用いることのできる内部全反射型キューブコーナー再帰反射性素子としては、具体的には三角錐型キューブコーナー素子、フルキューブ型キューブコーナー素子、セミフルキューブ型キューブコーナー素子、テント型キューブコーナー素子およびクロスプリズム素子の群より選ばれた少なくとも1種類のプリズム型再帰反射性素子を用いることができる。
再帰反射性素子層の裏面に設ける光学特性調整層は、再帰反射物品の外観や輝度、色相、隠蔽性等の光学特性を改質するために用いる。
該光学特性調整層の占有面積率(対再帰反射性素子層の裏面の面積)は、前面からの光に対する再帰反射性と、外観に与える影響を考慮し、1%以上で80%以下が好ましく、1%以上で60%以下がより好ましい。
該占有面積率が60%超、特に80%より大きいと、再帰反射性が低下し、さらに外観も損なわれるおそれがある。
該占有面積率が1%未満では、光学特性に与える効果が小さい。
光学特性調整層を設ける方法は、限定されるものではなく、連続的にも非連続的にも設けることができる。
光学特性調整層を非連続的に設ける時には、独立した領域を形成し、該独立した領域の面積は0.01〜150mm2 が好ましく、より好ましくは0.01〜100mm2 であり、さらに好ましくは0.05〜50mm2 であり、最も好ましくは0.1〜25mm2 である。
該独立した領域の面積が0.01mm2 以上であれば、光学特性調整層を容易に設けることが可能であり、該独立した領域の面積が150mm2 以下、特に100mm2 以下であれば、再帰反射物品の前面からの外観に斑を生じないため好ましい。
光学特性調整層を連続的に設ける時には、直線状、屈曲線状、曲線状あるいはそれらの組み合わせにより連続に形成され、その線幅は0.1〜8mmが好ましく、より好ましくは0.1〜5mmであり、さらに好ましくは0.2〜2mm、最も好ましくは0.3〜0.8mmである。
該線幅が0.1mm以上であれば、光学特性調整層を容易に設けることが可能であり、該線幅が8mm以下、特に5mm以下であれば、再帰反射物品の前面からの外観を損ねることがないため好ましい。
この光学特性調整層および再帰反射性素子層を構成する材料としては、ABS樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、スチレン樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、ポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂などのオレフィン樹脂、セルロース系樹脂及びウレタン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂等を例示できるが、これらに限定されるものではない。
光学特性調整層は着色されても良く、着色剤としては各種の有機もしくは無機の顔料類、染料類を用いることができる。
また、光学特性調整層の耐候性を向上する目的で、紫外線吸収剤、光安定剤および酸化防止剤などをそれぞれ単独あるいは組み合わせて用いることができる。
光学特性調整層の厚みは特に限定されることはないが、再帰反射性素子層の大きさにより調整することが望ましい。
光学特性調整層の厚みは、再帰反射性素子層の高さをhとすると、h×0.1以上、h×0.7以下が望ましい。光学特性調整層の厚みがこの範囲内であれば、光学特性調整層の設置が容易で、且つ、光学特性の調整が容易であるので好ましい。
この光学特性調整層を設ける方法は、特に限定するものではないが、再帰反射性素子層の裏面に、上記樹脂の配合液を、凸版印刷やグラビア印刷、スクリーン印刷等によって塗工することや、インクジェットプリンタによる印刷が例示できる。
その際に用いることのできる内部全反射型キューブコーナー再帰反射性素子が多数配置されてなる再帰反射素子層の種類は、全く制限されることはない。
また、例示した凸版印刷やグラビア印刷、スクリーン印刷の版やロールを変更することで、光学特性調整層の分布を容易に調整することが可能である。
なお、再帰反射性素子層が、光学特性調整層以外の結合剤層との結合により、密封封入構造を形成しているか否かは問わない。
本発明において光学特性調整層の裏面に空気層を有するとは、再帰反射性素子層が光学特性調整層以外の層と結合せず、再帰反射性素子層および/または光学特性調整層が外空気と接触する構造であっても良く、再帰反射性素子層および/または光学特性調整層が結合剤層との結合により密封封入構造を形成し、密封封入された空気と再帰反射性素子層および/または光学特性調整層が接触する構造であっても良い。
再帰反射性素子層は内部全反射条件を満足する臨界角度を大きくする目的で、再帰反射性素子層の裏面(光学特性調整層の裏面側)に空気層を設置する。再帰反射性素子層は、使用条件下において水分の浸入による臨界角の低下などの不具合を防止するために、結合剤層によって密封封入されるのが好ましい。
この密封封入の方法としては、米国特許第3190178号、米国特許第4025159号および実開昭50−28669号の各公報などに開示されている方法を採用することができる。
結合剤層の形成に用いる樹脂としては、(メタ)アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂などをあげることができ、接合方法としては、公知の熱融着性樹脂接合法、熱硬化性樹脂接合法、紫外線硬化性樹脂接合法、電子線硬化性樹脂接合法などが適宜採用可能である。
本発明に用いる結合剤層は、再帰反射性素子層および/または光学特性調整層と部分的に結合させて密封封入構造を形成することができる。
本発明においては、結合剤層の下部に支持体層を設けることもできる。
該支持体層を構成する材料の例としては、再帰反射性素子層を構成する樹脂や一般のフィルム成形可能な樹脂などを単独または複合して用いることができる。
支持体層を設ける時には、結合剤層は支持体層の全面にわたって設置してもよく、再帰反射性素子層との接合部分に印刷法などにより選択的に設置することも可能である。
上述した本発明の具体的な手段を用いれば、従来品を用いて容易に加工することができ、複雑でない設備で生産性も良く、安価に生産性を高めて光学特性を最適化した再帰反射物品を製造できるメリットがある。
次に図によって本発明をより詳しく説明する。
図1は、本発明の再帰反射物品に用いることのできる内部全反射型キューブコーナー再帰反射性素子の1つの態様である、三角錐型キューブコーナー素子の平面図(図1(A) )と断面線X−X’で切断した断面図(図1(B) )および断面線Y−Y’で切断した断面図(図1(C) )を示した模式図である。
三角錐型キューブコーナー素子は、通常左右対称の一対の素子として構成され、入射角特性を考慮して、光学軸を傾斜させたものが好ましい。
また、素子を構成する3つの面(a, b, cおよびa', b', c') は互いに実質的に垂直であるが、観測角特性を改善するために、僅かに偏差を与えることができる。
図2は、本発明の再帰反射物品に用いることのできる内部全反射型キューブコーナー再帰反射性素子の1つの態様である、フルキューブ型キューブコーナー素子の平面図(図2(A) )と断面線X−X’で切断した断面図(図2(B) )および断面線Y−Y’で切断した断面図(図2(C) )を示した模式図である。
フルキューブ型キューブコーナー素子については、高入射角における反射効率を高めるために、光学軸を傾斜させたものが好ましい。
素子を構成する3つの面(a, b, c面) は、互いに実質的に垂直であるが、観測角特性を改善するために、僅かに偏差を与えることができる。
図3は、本発明の再帰反射物品に用いることのできる内部全反射型キューブコーナー再帰反射性素子の1つの態様である、セミフルキューブ型キューブコーナー素子の平面図(図3(A) )と断面線X−X’で切断した断面図(図3(B) )および断面線Y−Y’で切断した断面図(図3(C) )を示した模式図である。
セミフルキューブ型キューブコーナー素子は、通常左右対称の一対の素子として構成され、高入射角における反射効率を高めるために、光学軸を傾斜させたものが好ましい。
素子を構成する3つの面(a, b, cおよびa', b', c') は、互いに実質的に垂直であるが、観測角特性を改善するために、僅かに偏差を与えることができる。
図4および図5はそれぞれ、本発明に用いられる、光学特性調整層(1) を設けた再帰反射性素子層(2) の一例を示した模式図である。
光学特性調整層の分布形態は、特に限定されるものではないが、図4に示すようなドット状、あるいは図5に示すような屈曲線状であってもよい。光学特性調整層を構成する非連続の独立した領域または直線状、屈曲線状、曲線状もしくはそれらの組み合わせからなる線は、等間隔で均一に形成されていることが好ましい。
以下、実施例により、本発明の詳細を更に具体的に説明するが、本発明は実施例にのみに限定されるものではないことはいうまでもない。
実施例および比較例に記載の数値および評価は、以下に示す方法で測定されたものである。
(1)再帰反射性能
再帰反射性能測定器としてGAMMA SCIENTIFIC社製Model 920 を用い、再帰反射物品の再帰反射性能を、JIS Z-9117に準じて観測角0.2゜および0.5゜、入射角5゜および30゜の4点について測定した。
(2)外観
再帰反射物品の外観の判定は、D65標準光源下での目視観察による方法(A法)および5mの距離からスポットライトを照射して目視観察による方法(B法)で実施し、良好なものを○、斑が識別できる程度のものを△、斑が目立つものを×とした。
(3)光透過性
再帰反射物品の裏面より光を照射し、透過光をデジタルカメラによりシャッタースピード、絞りを固定して撮影して明るさを比較し、順位付けした。
成型用金型の作製
表面を平坦に研磨した150mm角の銅板の上に、先端角度が90゜のダイヤモンドツールを用いてフライカット法にて横方向に160μmのピッチで、80μmの深さの多数の平行なV字型溝群Vx を切削し、次にVx に対して54.7356゜および−54.7356゜の交差角度にて、先端角度が60゜のダイヤモンドツールを用いて同様に184.752μmピッチで、80μmの深さの多数の平行なV字型溝群Vy とVz を切削し、凸型の多数の三角錐型キューブコーナー素子群が形成された母型を製作した。
この母型の三角錐型キューブコーナー素子を構成する3つの側面は、それぞれほぼ90゜にて交差しており、光学軸は約9.74゜傾斜していた。
この母型を、スルファミン酸ニッケル浴を用いた電鋳法により、材質がニッケルで母型形状が反転して形成された凹形三角錐型キューブコーナー素子成形用金型を製作した。
比較例1
ビスフェノール型ポリカーボネート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製商品名ユーピロンH3000 )100重量部に紫外線吸収剤(日本チバガイギー株式会社製商品名チヌビン1577)を0.2重量部加え、三井鉱山株式会社製の高速回転型混合器、ヘンシェルミキサーを用いて回転数100rpmの条件で15分間混合した。この混合樹脂をスクリュー長さと口径との比が30:1で圧縮比が3.0のスクリューを設置した短軸押出し機を用いて押出し温度240℃、回転数35rpmの条件で口径4mmのノズルから押出した後水冷、切断をしてペレットを得た。
このペレットを80℃、12時間の条件で乾燥した後、スクリュー長さと口径との比が30:1で圧縮比が3.0のスクリューを設置した短軸押出し機を用いて押出し温度240℃、回転数50rpmの条件で押出しして厚さ180μmのポリカーボネート樹脂フィルムを得た。
このポリカーボネート樹脂フィルムの表層に、紫外線吸収剤(日本チバガイギー株式会社製商品名チヌビン1577)を1.8重量部含有されている厚さ75μmのアクリル樹脂フィルム(三菱レイヨン株式会社製アクリプレンHBL360)を200℃の1対の熱ロールを用いて熱接着法で貼り合わせ後、前記成型用金型を用い、ポリカーボネート樹脂フィルムを金型面に接する様に供給して、成形温度190℃、成形圧力50kg/cm2 の条件で加熱圧縮成形し、加圧下で30℃まで冷却してから樹脂シートを取り出し、多数の三角錐型キューブコーナー素子が最密充填状に配置された再帰反射物品中間体を得た。
実施例1
比較例1で得られた再帰反射物品中間体の再帰反射性素子層の裏面に、アクリル樹脂(ニッカポリマ株式会社製商品名 RS-5000)100重量部に、硬化剤(株式会社三和ケミカル製商品名ニッカラックMS-11 )5.5重量部、溶剤(MIBK)27.7重量部を撹拌混合した配合液を光学特性調整層としてスクリーン印刷法にて1mm2 のドット状で占有面積率が20%となるように均一に塗工し、加熱乾燥して再帰反射物品を得た。
実施例2
実施例1において、光学特性調整層を、スクリーン印刷法にて1mm2 のドット状で占有面積率が50%となるように均一に塗工して形成した以外は、実施例1と同様にして再帰反射物品を得た。
実施例3
実施例1において、光学特性調整層を、スクリーン印刷法にて1mm2 のドット状で占有面積率が80%となるように均一に塗工して形成した以外は、実施例1と同様にして再帰反射物品を得た。
実施例4
実施例1において、光学特性調整層を、スクリーン印刷法にて150mm2 のドット状で占有面積率が20%となるように均一に塗工して形成した以外は、実施例1と同様にして再帰反射物品を得た。
実施例5
実施例1において、光学特性調整層を、スクリーン印刷法にて1mm幅の直線状で占有面積率が50%となるように均一に塗工して形成した以外は、実施例1と同様にして再帰反射物品を得た。
実施例6
実施例1において、光学特性調整層を、スクリーン印刷法にて8mm幅の直線状で占有面積率が50%となるように均一に塗工して形成した以外は、実施例1と同様にして再帰反射物品を得た。
実施例7
実施例1において、光学特性調整層を、武藤工業株式会社製のインク(商品名:PJG-SOINK クリアコート)および武藤工業株式会社製のオンデマンドピエゾ駆動方式インクジェットプリンタ(商品名:PJ-1304NX )を用い解像度384dpiにて、1mm2 のドット状で占有面積率が20%となるように均一に塗工して形成した以外は、実施例1と同様にして再帰反射物品を得た。
実施例8
支持体層とする厚さ38μmのポリエステルフィルム(東洋紡績株式会社製 商品名
コスモシャイン A4300)上に、結合剤層とするポリエステル系ホットメルト(東亞合成株式会社製 商品名 アロンメルト PES-310SA40)を厚さ20μmで塗工し、加熱乾燥したものを、実施例1で得られた再帰反射物品に金型を用い加熱しながら加圧エンボスすることで、結合剤層と再帰反射性素子層および光学特性調整層とが部分的に結合した密封封入構造を形成する再帰反射物品を得た。この際、結合剤層と再帰反射性素子層および光学特性調整層との結合部は、再帰反射物品の約22%の面積を専有していた。
実施例9
実施例8において、実施例1で得られた再帰反射物品の代わりに実施例7で得られた再帰反射物品を用いた以外は、実施例8と同様にして結合剤層と再帰反射性素子層および光学特性調整層とが部分的に結合した密封封入構造を形成する再帰反射物品を得た。この際、結合剤層と再帰反射性素子層および光学特性調整層との結合部は、再帰反射物品の約25%の面積を専有していた。
表1に、実施例1〜9で得られた再帰反射物品および比較例1で得られた再帰反射物品中間体についての再帰反射性能、外観および光透過性の評価結果をまとめた。
Figure 2008123429
本発明の再帰反射物品の具体的な用途としては、交通標識、規制標識、案内標識、工事標識などの交通標識類や商業標識、可視光、レーザー光あるいは赤外光反射型センサー類の反射板等が例示でき、それぞれの用途に適した光学特性を具備させることが可能である。

Claims (9)

  1. 1.内部全反射型キューブコーナー再帰反射性素子が多数配置されてなる再帰反射性素子層を有する再帰反射物品において、該再帰反射性素子層の裏面に光学特性調整層が部分的に設けられており、該光学特性調整層の裏面に空気層を有していることを特徴とする再帰反射物品。
  2. 2.前記再帰反射性素子層が、結合剤層との結合により、密封封入構造を形成していることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の再帰反射物品。
  3. 3.前記再帰反射性素子層および/または前記光学特性調整層が、部分的に前記結合剤層と結合していることを特徴とする請求の範囲第2項に記載の再帰反射物品。
  4. 4.前記光学特性調整層の占有面積率が、1〜60%であることを特徴とする請求の範囲第1〜3項のいずれかに記載の再帰反射物品。
  5. 5.前記光学特性調整層が、非連続の独立した領域を形成し、該独立した領域の面積が0.01〜100mm2 であることを特徴とする請求の範囲第1〜4項のいずれかに記載の再帰反射物品。
  6. 6.前記光学特性調整層が、直線状、屈曲線状、曲線状あるいはそれらの組み合わせにより連続に形成され、該線幅が0.1〜5mmであることを特徴とする請求の範囲第1〜4項のいずれかに記載の再帰反射物品。
  7. 7.前記光学特性調整層が、有機もしくは無機の顔料類、染料類により着色されたことを特徴とする請求の範囲第1〜6項のいずれかに記載の再帰反射物品。
  8. 8.前記光学特性調整層に、紫外線吸収剤、光安定剤および酸化防止剤を、単独あるいは組み合わせて添加したことを特徴とする請求の範囲第1〜7項のいずれかに記載の再帰反射物品。
  9. 9.前記内部全反射型キューブコーナー再帰反射性素子が、三角錐型キューブコーナー素子、フルキューブ型キューブコーナー素子、セミフルキューブ型キューブコーナー素子、テント型キューブコーナー素子およびクロスプリズム素子の群より選ばれた少なくとも1種類の再帰反射性素子を含む再帰反射性素子層からなる請求の範囲第1〜8項のいずれかに記載の再帰反射物品。
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